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男達が後ろから撃たれるスレ 独身男性板のスレッド。 毒男(通称:爆撃機)が最近体験した恋愛話を他の毒男に報告(爆撃)して鬱になることがこのスレの特徴。 爆撃機候補は基本的なスペックを書き込んで爆撃機認定をされてからトリップをつけることがルールであった。 だが、映画やTVの影響で一般人のアクセスが殺到したことによりモラルが崩壊し、住人が離散する。 以後、旧住人が元の状態まで戻そうと努力するも、大量のアンチ電車にスレが荒され パート50を最後に消滅してしまった。 幸せスレのコテハンの多くはこのスレの出身者が多い 下記はアンチ撃ちスレのリスト 【キチガイ一覧】 (#ノ-_-)ノ ┴┴ ( ´ー`)y-~~ (゜∞゜)y-゜゜ ( ^-^)_旦~~_旦~~_旦~~ (*´∀`*)_\_"_"_"_/~~ マターリカレー
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幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!? 『映画 おもちゃの国は秘密がいっぱい!?』の改変SSです。 翼をもがれた鳥の世界観で描かれた外伝となっているため、 未読の方はそちらから先に読まれることをお奨めします。 レス番号 作品タイトル 作者 備考 第1話 幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(古き友の呼び声)―― 夏希◆JIBDaXNP.g 始まりはパジャマパーティーの夜。ぬいぐるみのウサピョンに導かれ、おもちゃの国に旅立ったせつな達は……。壮大なスケールで描く映画版の改変SS、ここにスタート! 第2話 幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(国王さまとの邂逅)―― 夏希◆JIBDaXNP.g 王様が語る、おもちゃの国の不思議な成り立ち。トイマジンの魔城を目指すおもちゃの兵隊と4人の前に、怨念と哀しみを力に変えたおもちゃ達が立ちはだかる! 第3話 幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(それぞれの戦い~前編)―― 夏希◆JIBDaXNP.g カンフー人形を「壊さずに倒すには」という矛盾した思いに悩むピーチ。四機のUFOに囲まれながら、完璧な結末を思い描くベリー。二人は活路を見出せるのか? 第4話 幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(それぞれの戦い~後編)―― 夏希◆JIBDaXNP.g 目の前の恐竜のおもちゃを救うため、がむしゃらな行動に出るパイン。そして、己の戦闘能力の全てを駆使してなお敵わぬキングに、パッションは……。 第5話 幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(トイマジン急襲)―― 夏希◆JIBDaXNP.g 分断されたプリキュアに襲いかかるトイマジンの分身。ただ一人スゴロクの森へ戻ったピーチは、ウサピョンを救うため、単身魔人城に乗り込む! 第6話 幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(それぞれの想い)―― 夏希◆JIBDaXNP.g ベリー、パイン、パッション。それぞれの環境。それぞれの道筋。そこから生まれる、それぞれの答え。復讐に荒れ狂うトイマジンに、今、渾身の想いが炸裂する! 第7話 幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(決戦! 戦いの果てに)―― 夏希◆JIBDaXNP.g 怨念の権化となったトイマジン。悲壮な覚悟を決めたウサピョン。向けられる銃口。駆けるラブたち……。未曾有の喧騒のさなか、戦場を切り裂く阿修羅の如き叫びが――! 第8話 幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(よみがえる白き翼)―― 夏希◆JIBDaXNP.g “映しの鏡”のナケワメーケが、トイマジンに対峙する。その中におもちゃたちが見たものは……!? イースとピーチ、それぞれの想いは、トイマジンに届くのか。 第9話 幸せの赤い翼――おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(おもちゃから愛を込めて)―― 夏希◆JIBDaXNP.g 柔らかな草原に佇むおもちゃたちに、降り注ぐ奇跡。姿を取り戻したクマちゃんに、待っていた嬉しい出会い。子供たちとの絆を胸に、おもちゃから――愛を込めて。
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KP すぎうらきりと PL&PC しぐれなお:魚谷千春 配信 2021/11/13 20 00- 【クトゥルフ神話TRPG】幸せの在り処/PL:しぐれなお【#しぐれのありか】 ハッシュタグ #しぐれのありか イラスト ツイート 告知 しぐれなお
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永い後日談のネクロニカ 『幸せな結婚式を』 静かな丘にたたずむホテルにたどり着いたあなたたちは、 ホールで腐乱する死体を抱きしめる少女にであう。 その少女の頭とお尻にはネコミミと猫尻尾が生えていた… 「フフフ、ようこそ私たちの結婚式へ。フランス料理はお嫌いかしら? もしよろしければあなた方も参加していって?」 永久に続く結婚式 久遠に続く狂気の宴 「さぁ、メインディッシュはあなたちよ?安心して、おいしく食べてあげるから」
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【したいこと】 生きる人すべてを幸せに。 もう少し具体的に言うと、「生きる人すべてを、死ぬときに「自分の人生は幸せだったなあ」と感じられるように」という感じです。実はもっと発展系の「生きる人すべてを、生命活動をしているすべての瞬間で幸せに」というのもありますが、後者へいたる道筋はまだうまく描けていないので考え中です(笑) 【そのためにしていきたいこと】 1.人間の価値観をデザインするテクノロジー(要するに教育段階から原体験などを意図的に設計させてもらい、何を楽しいと感じるかなどをデザインする試み)を確立し、基本的に全員に対して「何かしら価値を生み出す仕事を楽しみ、また必要に応じて他人と徹底的に協力して新しい価値を生み出していく姿勢や、お金を手に入れたら貧しい人のためにそれを使っていき、貧しい側の人もこちらにこられるように助けたいという感情」を全人類に与えられるように教育などをデザインしていく。この価値観の要件はまだ明確に定義しきれていないのでこれから定義していく予定。どんな世界(例えば隕石が衝突したりして壊滅的打撃を惑星が受けたときとか)であっても価値があると感じられるような、極めて普遍的で絶対的だと思われる価値観を定義する必要がある。 2.世界中の企業間の壁をすべて取り払い、すべてのリソースが自由に行き来できるようにする。1.を達成すれば自動的に成し遂げられるが、こちらに関してはとても高い興味がある上、最近のシェアリングエコノミーでものをシェアしようという姿勢や、ブロックチェーンという極めて透明性の高い技術の台頭などを見ていると、流れはこちらに向かっていると感じているため、ぜひ取り組んでいきたい。 【ストーリー】(なぜ上のようなことを考えるにいたったのか? みたいな個々人のストーリーを書いてみると、マジで面白いと思うので(というか僕が知りたいので(笑))ぜひ多くの人にかいてほしいですね!) そもそも、自分自身の課題意識の芽生えは中学生ぐらいの頃? でしょうか、母親が心の病を抱えていて時折「自殺したい」と言ったりするような家庭で育ってきました。もちろん母親は普段は心の病の症状は見えず普通に生活できています。 ただ、時々垣間見える病の症状はひどくリアルで痛々しかった。それに何より本当につらそうだった。 そういうのを見て育ったせいか、自分自身にとっては「自殺」ってそんなに駄目なことなのか? 今の日本では自殺はだめみたいな風潮があるけど、それって本当に正しいのか? このつらさを抱えたままこの世界に生きろって、どんな生き地獄だよって。 社会は必ずしも正しいことは言わない。理想的でありそうなことを言ったりはするが、その理想にそぐわない価値観を排除する。日本や、恐らく自殺に関して権利が進んでいないすべての国でそういう嫌いがあるんだろうなと感じた。 それが自分自身の問題意識の萌芽だったんだと思います。 ただ、だからといって社会の正しくなさを認識しても何か行動を起こせたかと言われるとそうでもなく。結局高校も大学ものらりくらりと過ごしてきてしまっていて、そしてその自分に何の問題意識も感じずに生きていました。 社会への問題意識は色々な経験を積むにつれて溜まってはいましたが。例えば、自分自身はテレビなどで見る社会人のキラキラしていなさに危機感を感じていました。仕事するのってつまらないんだなあ、となんとなくテレビを見て飛び込んでくる目の腐ってしまった社会人から感じていました。それ以外にも、政治という世界の不合理さとかも問題に感じていました。いまどき全員スマホで国民投票も夢ではない世界なのに未だに間接民主制とかどうなんだろう、不合理じゃなかろうか、みたいな。 さて、そんな生き方をしていた訳ですが、転機が訪れました。 大学四年生の春、自分は研究室に所属しました。名前は特に述べる必要もないので伏せておきますが。 その研究室に入って感じた衝撃、それは今でも忘れません。 地球上にこんな楽しそうに人々が生きている空間ってあるん? 地上の楽園かよ、と。 そこでのコミュニケーションは常に笑いに満ち、誰もが相手を喜ばせ、そして自分自身も楽しもうと全力を尽くしていた。 この人たちすげえなと。シンプルにそう感じました。 ですが、この笑顔を見ていてふと感じたのは、上の話。この人たちも社会人になってしまったら、腐ってしまうんだろうか、と自分の頭をよぎりました。 環境も人の振る舞いを決定付ける大きな要因の一つです。この研究室という環境だからこの人たちはこんなに輝けているが、他の、輝き方を知らない人たちが集まる場所に行ってしまったら、研究室であんなにも輝いていた人が輝きを失ってしまうんじゃないか、と。 その時、自分はまず「この笑顔を守りたい」という発想に至り、行動を開始します。ついに始動しました(笑) そしてまず取った行動、それは……サークルに入ってみることでした(笑) 自分は恥ずかしながら、なんというか、普通の人と趣味とか嗜好が違うせいで、なんか「普通」な会話力が全然なかったんですよね(笑) 恋バナとか聞くのは全然好きだけど、好きな女性のタイプとか聞かれても何も答えれないし(笑) そもそも付き合うなら結婚前提というか、結婚という形でなくてもいいけど、心が添い遂げて人生を歩めるような人と付き合いたいし(笑) テーマパークとか行く価値を全然見出せていないし(笑) 機転の利いた会話で笑いを取るとか全然できないし(笑) むしろ喋るなら「この社会がこれからどうなっていくか?」とか「本当の幸せは何で、それを実現するためにはどうすればいいのか?」とか「仕事を楽しいものにするためにはどうすればいいのか?」とか、まあさらに言ってしまえば、そもそも喋る行為はもっと議論じみた、お互いのエッジの利いた思想をぶつけ合い、より自分の思想を磨いていくための行為であるべきではないのか? と思ってみたりと。もちろん心の障壁を取り除くために上記のようなうち解けた会話は必須だという意見はあるでしょうし、めちゃくちゃそれはよく分かります。一方で、社会は何でもっと常日ごろの会話から「思想を磨くことを楽しむ」事に重点を置いて人々のコミュニケーションをデザインしてこなかったんだ? と。もちろん上の会話は楽しいでしょうが、下のようなエッジの利いた会話でも楽しめるし、そういうのを楽しめる方が生産性の高い人になるのではないか? とか。マジいかんせんクソ野郎だったんですよね、コミュニケーションに対して(笑) だからコミュニケーションに致命的に自信がなかったんですよね(笑) だから大学の最初からサークルに入ることはできなかった。まあ今思うと、早い段階から入っておいて、そもそもコミュニケーションを磨こうと頑張るべきだったなあと切実に思いますけど(笑) ともかく、サークルにここで入りました。普通のコミュ力を身に着けようと努力するしょぼい一歩です(笑) あの笑顔を守るためにはまず、人を巻き込めるだけの力やコミュ力を身につけないとだめだったので(笑) ですが、この小さな一歩が徐々に自分自身の目指す世界観の構築に役に立ち始めます。 ここで出会った方にKさんという方がいまして。この方がまた優秀でアグレッシブ。 なんかいつの間にかパトロゴ名古屋という、意識の高い勉強会みたいなやつを名古屋で開催し始めたんですよね。 自分自身もその勉強会が面白そうだったので参加し始めました。 その勉強会の最後のテーマが「次の勉強会のテーマを設定せよ」ということでした。 自分はその勉強会でベーシックインカムについてのディスカッションがあったこともあり(ひょっとしたら他の要因もあったかも)、当時政治について考えていて、結局のところどういう政治制度がいいんだろうかな、みたいな疑問がありました。だからこそ、次の勉強会のテーマについて「政治制度」とかについていいのではないか? と思っていました。ですが、それを考える上では絶対に叩き台が欠かせないと自分は感じていました。まったく新しい政治制度とか。 でも、いくら考えても結局答えは出ませんでした。 そしてあるときふと感じました。 「自分が今あるテクノロジーを用いてこの世界をもう一度ゼロから作り直すとしたらどうする?」 すべては一瞬、世界が変わる。 まったくのゼロベースで、ただ理想のみを追求し世界のシステムの構想を脳内で練っていき、結局ひねり出されたのが上の内容でした。自分自身が元から色んな人の価値観や、自分自身の価値観を掘り下げて考えていくのが好きだったのが幸いして、「価値観をデザインできればいいんじゃないか?」という発想に至りました。 人間の価値観をデザインする、それができれば恐らく世界のすべての課題の解決に一歩前進できると感じます。 「日々の食卓で食べるご飯で幸せを感じる」のを多くの人の一般的な価値観にできれば高級な料理が生まれる必要はなくなり、そこに回っていたお金はより社会の負の部分の解決に当てることができる。 「企業の壁をすべて取り払うべきだ」というのを多くの人の一般的な価値観にできれば、企業間の壁は消失し、誰もが何歳からでも多くの企業の開かれた仕事内容に対して自分自身が合っているかどうかを判断でき、入社後のミスマッチを革新的に減らすことができるでしょうし、地球上のすべての人がこの世界の知識をすべて活用できるので革新的なアイディアは爆発的な勢いで生まれてくるでしょう。 「誰かのために、この世界の負を取り除くために働くのが当然」というのを多くの人の一般的な価値観にできれば、この世の中に存在する負はより急速なスピードで発見され、是正されていくでしょう。 このテクノロジーには無限の可能性がある。 正直に言いましょう。 これは人類史上最高のテクノロジーです。 これが自分があの答えにいたるまでの一連のストーリーです。 【具体的な行動】 これまでの人生を振り返って思うこと。 正直に言うと、自分ってマジで社会にとって役にたたねえ人材になってしまったな(笑) というのが自分の感想です(笑) 今の世界では新しい価値を世界に生み出していくために圧倒的なGRIT(Guts Resilience Initiative Tenacity)を持っている必要があります。まあこれは実行者としての視点であり、この世界の向かうべき新しい世界観を描くためには思想家として他にも「(新しい世界を思い描くための)想像力 Imagination, 心と直感を信じる勇気 Courage to follow your heart and intuition」が要求されると思うので、個人的にはGRITICという形容詞を提唱したいものですが(笑) GRITIC=「この世界の向かうべき方向性を導き出し、その方向性が正しいと確信する勇気を持っていて、その世界観の構築のために全力で動き続けることができる」 一方で、自分には上のように多少とがった思想を展開するだけの想像力と心と直感を信じる勇気はありますが、GRITのほうが致命的に足りていないと個人的には感じています。 だからこそ、自分はGRITを鍛えていく必要があると感じました。そのために「自分の目指す世界観を構築するために必要な情報を収集し、思考し、アウトプットする」という行為に全力を注力して取り組んで行こうと思い、『有機的に考える(http //highishiki.blog.fc2.com/)』というブログを運営し始めました。 こんなブログでGRITなんて鍛えられるのか? と思う方もいるかもしれません。ただ、自分自身がGRITを鍛えるために必要な要件を考察した結果、このブログでもいけるんじゃね? という結論に到達したためやろうと思いました。 GRITを鍛えるためにはいったい何が必要なのか? まず一般的に体育会系の人はGRITが高いといわれます。そしてその理由は主に「部活に必死に取り組む」という過程で培われているんだろうと自分は考えました。 ですが、
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まえがき 別にゆっくりたちが皆殺しになるわけではありません。 ゆっくりの群れについて、独自の解釈が含まれております。 前作1332-1333「およめにしなさい」と多少連動するものがあります。一応、読まなくても問題ない。 前作の作風が嫌いな方は今回も楽しめないかもしれません。 春。厳しい冬を生き延びた者のみに許された楽園。子作りの絶好の機会だ。 「あ、ありす・・・」 「ゆゆっ?なあに、まりさ」 ありすに擦り寄るまりさ。 「ふ、ふたりで、ずっと、ふたりでゆっくりするんだぜ。 ずっと、ずっと、ふたりでゆっくりするんだぜ。」 まりさのプロポーズであった。 ありすは群れで一番の美ゆっくり。 まりさは群れで一番の質実剛健。 まさに、お似合いのつがいと言えよう。 実際、ありすはずっとまりさに熱を入れて言い寄っていた。 だが、まりさは幼馴染のれいむばかり見ていた。それも今日までだ。 わかったんだぜ。まりさにふさわしいのはありすだぜ。 これからはありすのおもいにこたえるんだぜ。 あまりにこっぴどくれいむに振られてしまい、まりさはついにありすとつがいになることを決めた。 ずっと言い寄られていたのだから、まりさがうんと言ってしまえば話は済むことだ。まりさはそう思っていた。 「…………………」 「ゆゆ?ありすどうしたんだぜ?」 どうにも、ありすの反応がおかしい。今までのありすの様子からすれば、飛び上がっていきなりちゅっちゅでもされるの かと思った。 「……まりさ、ゆっくり聞いてね。」 「ゆゆ?」 「ありすはまりさとはゆっくりできないわ。」 まりさは呆然としていた。 ありすにはもう心に決めたゆっくりがいるのだという。 ありすがまりさに熱心だったように、そのゆっくりもありすにご執着だったらしい。 先週のある日、怪我をしたありすは看病してもらい、そのゆっくりの良さに気付いたらしい。 まりさは打ちひしがれていた。 振られてしまったれいむのことを忘れ、ありすと一緒に幸せな家庭を築こうと思っていた矢先のことだった。 ほんの少し、ほんの少し早くまりさがありすの愛に素直になっていれば……ゆっくりした結果がこれだよ。 まりさは群れの中では幹部クラスであった。過去形なのは、下半身のスキャンダルで信用が失墜したからだ。 まりさはつがいのゆっくり一匹すらゆっくりさせることの出来ないゆっくりという烙印を押された。 人間が公安に携わる者のスキャンダルゆえに失脚することが珍しくないように、この群れでもまりさは 1ヶ月の任期が過ぎたことによる“配置換え”によって出世コースを外された。 一ヶ月前まで、まりさはれみりぁやほかの外敵との戦闘の際、最強の突撃部隊における司令官であった。 現在のまりさは群れ同士の抗争における公安関係の最高総司令官に任ぜられている。 格付けとしては司令官よりも上であるが、ゆっくり同士のいざこざを収めるよりも、外敵との戦闘のほうが 厳しい戦いになるのは明らかであるから、これは左遷以外の何ものでもなかった。 加えて、れいむとのスキャンダルで、まりさは家も食料も奪われた。 今でも定期的にれいむが来て「よーいくひ」と称して家のものを持っていく。 れいむとの間に生まれた、最愛の娘も「しんけん」を取れずに会わせて貰えず、まりさはれいむ親子と人間が じゃれあって遊ぶのをただ遠くでじっと見ているしかなかった。 まりさは全然ゆっくり出来なかった。 まりさの後任には、別のまりさが充てられた。このまりさは純粋な金髪ではなく、赤みがかった独特の 髪をしている。ここでは便宜上、彼女を「赤毛のまりさ」と呼ぶことにする。 赤毛のまりさはまりさの直属の部下だった。元々、ゆっくり達は外見にうるさい。特に髪は飾りの次に重要なパーツ である。そのパーツが他人と違うゆっくりの末路など言わずもがなのことである。 当たり前のように、両親から厭われ、成体となった後も群れの中で重要なポジションを襲うことなど出来なかった。 ほかに仕事がなかったため、赤毛のまりさは戦闘部隊に志願した。戦闘部隊でも特に厳しい対外敵の部隊に回されたのは 偶然ではあるまい。 そこで、赤毛のまりさはまりさと運命的な出会いをする。 若きカリスマ指導者であるまりさは実力至上主義であった。生まれや外見など気にすることなく、とにかく実績を残した ゆっくりを重点的に登用した。 これに感激した赤毛のまりさはしゃかりきに戦い、武功を上げ、ついには副官に任ぜられた。 まりさなき今、最強の実力部隊を指揮するのはこの赤毛のまりさ以外にはいない。 「まりさ、ゆっくりしていってねっ!!」 「ゆゆ?ゆっくりしていってねっ!!」 赤毛のまりさは周りが何と言おうと、まりさに心服していた。 自身が司令官に任ぜられたときも就任を固辞した。それでも最終的に赤毛のまりさが決意したのは、いつまりさが 戻ってきてもその座を喜んで譲り渡すためであった。否、赤毛のまりさにとっては預かっている位を「返す」のである。 就任が決定してから、赤毛のまりさはまりさに挨拶に来た。 「まりさ、またいつかいっしょにたたかうんだぜっ!」 「ゆ……まりさはもうれみりぁとはたたかわないんだぜ。」 「どぼじでぼんどのごどいぶの~~!!まりさがかえってくるのをずっとずっとまってるんだぜっ!! まりさだけじゃなくて、ぶたいのれいむもありすもみょんもまっているんだぜっ!!」 「ゆ~♪うれしいんだぜ~」 まりさは感激していた。今まで自分の周りにいた者がこぞって手のひらを返すのに比べ、このゆっくりは なんとゆっくりしていることだろう。れいむやありすに振られてしまったまりさにとっては、赤毛のまりさの 心遣いはありがたかった。 赤毛のまりさがまりさの地位を受け継ぐことにはチクっと胸に来る痛みがあるが、まりさは我慢することにした。 「ゆ、まりさにおはなしがあるんだぜ。」もじもじと切り出し辛そうに言う赤毛のまりさ。 「なんだぜ?」何時も明朗快活な赤毛のまりさがこんな言い方をするのは珍しい。 「まりさ、こ、こんどおよめさんをとるんだぜっ!!」顔を真っ赤にしながら、俯いて言う赤毛のまりさ。 喜ばしいことではないか。赤毛のまりさはつがいを見つけることが出来たのだという。 外見で差別されがちなゆっくりが他のゆっくりを娶ることは本当に難しい。 まりさは誇らしい気持ちで一杯だった。 「ゆ、おめでとうなんだぜっ!で、だれなんだぜ?」 「ゆ、ゆ~ん。あのね、ありすなんだぜ。」 ……………なにいっているんだぜ? どうして、まりさがありすとけっこんするんだぜ。 赤毛のまりさのつがいはまりさを振ったあの群れで一番の美ゆっくりであるありすだった。 途端に、まりさの胸に黒い感情が湧き上がる。 だれのおかげでいまのまりさがあるんだぜ。 まりさのちいも、まりさのありすもぜんぶもっていくなんて。 あかげのくせになまいきだぜ。 まりさには許せなかった。赤毛のまりさはまさに昔のまりさだった。 全てが順風満帆だった頃のまりさそのものだった。 可愛がっていた後輩に自分の地位と嫁を奪われたまりさの気持ちは察して余りある。 人間でさえ、こんな状況に陥れば嫉妬だけで相手を殺せてしまうだろう。 だれだってそーする、おれもそーする。 まりさは決めた。“あるべき”姿に戻ろうと……。 赤毛のまりさとありすがつがいになって一週間になる。 すっきりーもすませて、子供も生まれた。 赤毛のまりさはまりさに自慢の子供を見てもらいたくて、まりさを家に呼んだ。 人間的に言えば、名付け親代わりの紹介だろう。 ありすはありすで、群れの長であるぱちゅりーに子供を見てもらいたくて、呼びに行った。 つまり、今家にいるのは赤毛のまりさとその子供達、そしてまりさだ。 まりさが入ってくるのを確認して、赤毛のまりさは木の枝で巣の偽装をする。 「ゆっくりしているこだぜ。きっと、まりさみたいにつよくゆっくりたくまいゆっくりなるんだぜ。」 「ゆ~♪ありがとうだぜ。」 お世辞ではなく、本心からまりさは言う。 「それじゃあ、しゅっさんいわいにこのきのこをあげるんだぜ。」 「ありがとうだぜ。ゆゆっ!すごくゆっくりしてるぜっ!!」 まりさ種は例外なく菌類が好みだ。見つけたらよほどの家族思いでもまず独り占めにする。 「ゆ、じゃあおちびちゃんたちとわけるんだぜ。」 「ゆっくりしていってねっ!!」 まりさは赤毛のまりさの性格を完璧に把握していた。 キノコを見つけても子供達に平等に分け与えること。自分を信頼していること。キノコに関する 知識はあまりないこと。 「ゆ、なんだかねむくなっていきたんだぜ。」 「ゆ~ん?きっとありすとすっきりしまくったからだぜ。」 「ゆゆ~ん、や、やめるんだぜ。」照れる赤毛のまりさ。 「ゆっ!さくばんはなんかいやったんだぜ。」セクハラまがいの発言をするまりさ。 戦闘部隊がこんな猥談をすることは珍しくない。明日をも知らぬ身なので、当然のことだろう。 「まりさがおちびちゃんをみてるから、ゆっくりしていってねっ!!」 「ありがとう、ゆっくりしていくねっ!!」 赤毛のまりさとそのガキどもが寝静まったことを確認したまりさはまず赤毛のまりさが帽子の中に隠している 木の棒を取り出した。 戦闘部隊のまりさたちの武器であり、自身そのものといって良いため、ほかの戦闘用ゆっくり達は誰の 棒であるのかを「絶対に見間違えることはありえない。」 そして、まりさはガキどもに近付き……。 グサッ! 一突きで刺し殺した。悲鳴を上げることすら叶わぬ、一撃でゆっくりを殺す「相当な手練」の業だ。 グサッ!グサッ!グサッ! 一匹を除き、ガキどもを皆殺しにした。 「そろーり、そろーり」 次に、まりさは寝ている赤毛のまりさが起きない様、慎重に近付き、その体に噛み付いた。 その様子は「取っ組み合いでもあったかのようだ。」 これ等の動作を終え、まりさは木の棒を地面に固定し、残った一匹の「子供を口に含んだ。」 そして、あろうことか自分の「体を刺した。」何度も、何度も、何度も執拗に刺した。 ありすはぱちゅりーを連れて家に帰った時のことを一生忘れないだろう。 とてつもない地獄絵図だった。 なにしろ、赤毛のまりさが尊敬して止まないまりさが傷だらけにして倒れていた。 ありすの最愛の子供たちは皆殺しだった。 赤毛のまりさは呑気に寝ていた。 ありすには状況が理解できなかった。巣の偽装は問題なかった。 ゆっくり達の偽装にも癖がある。 あの偽装は間違いなく、赤毛のまりさがやったことだ。 ということは、巣の中は密室だったことになる。 ぱちゅりーは的確に指示を出した。 ゆっくり殺しは大罪だ。その犯ゆっくりは密室であったことを思えば、どちらかのまりさ である可能性が高い。しかも、両者共に群れの中では重要な立場にあるのだ。 ひとまず、ぱちゅりーは群れの屈強な公安ゆっくりを呼び、両者を拘束した。 まりさの傷は深かったものの、致命傷と言うわけではない。 残念ながら、まりさが頬に入れて守ろうとした子供は口の中に長くいすぎて溶けてしまった。 ……背中一帯が特に「舐められた」様な痕があり、そこからふやけて破れたことが直接の原 因のようである。 数日して、まりさが回復した後、ぱちゅりーは尋問した。 「むきゅ、まりさ。なにがあったの?ほんとのことをいってね?」 「なにもなかったんだぜ。」 「むきゅ、それじゃまりさはあのまりさとなにをしていたの?」 「きのこをあげたんだぜ。いっしょにゆっくりしてたんだぜ。」 「むきゅ、ありすのおちびちゃんをゆっくりできなくさせたあのぼうに みおぼえは?」 「しらないんだぜ。みたこともないんだぜ。」 「むきゅ、あのまりさにきずがあったのはなんで?」 「しらないんだぜ。きっと、まりさがかってにこけたんだぜ。」 「むきゅ、…………それじゃまりさはどうしてくちのなかにおちびちゃんをいれて たおれてたの?」 「おぼえてないんだぜ。たぶん、まりさはあそんでてまちがってぼうがささったんだぜ。」 ぱちゅりーは溜息をついた。 連日、まりさに尋問してもいつもこんな調子で答える。 答える際の挙動があからさまに不審であり、答えもおかしい。 隠し事をしていることは誰にも明らかだ。 特に、まりさの怪我は明らかに外部から意図的に加えられたものだった。 よほどゆっくりの体に詳しくない限り、自傷行為をもって公安ゆっくりの目を欺くことはできない。 そんなことができるのは、医療に詳しいゆっくりであるえーりんか、頻繁に生死と向き合う同業の公安ゆっくり だけだ。 ゆっくり達の捜査は人間と比べて特に証拠収集がとてつもなく稚拙である。一番頼りになるのは自白。 だから、ゆっくり同士による拷問が耐えなかった。 しかし、流石にまりさと赤毛のまりさクラスのゆっくり相手に拷問をするわけにもいかない。 頼りになるのは、その2匹の証言だけだ。 赤毛のまりさの供述は全く要領を得ないものであった。保身を図っているとは考えたくないものの、 あのような状況で「ねてたんだぜっ!ぜんぜんきづかなかったんだぜっ!!」と言われてもにわかには 信じられまい。 物証からしても、最も疑わしいゆっくりだった。 ぱちゅりーはまりさの群れへの貢献を知っていた。 まりさが、常に戦場で活躍していたことも知っていた。 まりさが、部下の信頼も厚かったことも知っていた。 まりさが、部下を大切にすることも知っていた。 むきゅ、まりさははんゆっくりをかばってるんだわ。 自分が目をかけていた部下だったゆっくりが凶行に及べば、義理堅いまりさが口を閉ざすのは 当然のことだろう。スキャンダルゆえに今は左遷されているが、まりさの職務に関する誠実さ を疑うことはできない。 3日3晩、ぱちゅりーが真犯ゆっくりに頭を悩ませていた頃、赤毛のまりさが失踪した。 誇り高き戦闘部隊の幹部として、自身が容疑をかけられる屈辱には耐え切れなかったのだろう。 結局、ぱちゅりーは真相不明のまま、捜査を終わらせた。 だが、ゆっくりの風評はそうは行かない。 不思議な伝播力を持って、赤毛のまりさが犯ゆっくりであるという噂が広まった。 曰く、激務に耐え切れなくて凶行に及んだ。 曰く、尊敬していたまりさを嵌めようとした。 曰く、ほかのゆっくりとすっきりーしてありすが邪魔になった。 あることないことが噂となり、まりさの耳にも届いた。 まりさは、激怒して否定した。 自分が手塩にかけて育てたあのまりさがゆっくり出来ないはずは無いと。 つがいとなったゆっくりがゆっくりできないゆっくりであることが 噂になってからのありすの生活は辛く苦しいものがあった。 群れの皆はあたかもありすがゆっくりできない存在かのように扱った。 両親からは縁を切られた。 友達は皆離れていった。 皆から爪弾きに会うありす。 理不尽な扱いであるが、閉鎖的な群れは異端者には厳しい。 子供を殺されたこと、つがいをなくしたこと、身寄りの全てがなくなったことで ありすはゆっくりできなくなった。 だれともゆっくりできないなら、しゃべるひつようもないわ。 ふふっ、ふふふふ、うふうふうふふふ。 「ありす、ゆっくりしていってね。」 「……………………………………」 「ありす、おいしいごはんだぜ。」 「……………………………………」 「ありす、とかいはなおはなさんだぜ。」 「……………………………………」 「ありす、きれいなこいしだぜ。」 「……………………………………」 ……家に来るのはまりさだけだった。 まりさは激務にもかかわらず、献身的な看護を続けていた。 いつか、ありすが元に戻る事を信じて。 そして、時は巡り、秋に至る。 まりさは、とてもゆっくり出来ていた。今度こそ、夢が実現した。 れいむとのスキャンダルはもう忘れ去られていた。 今では、ゆっくり出来ないゆっくりから群れを守った英雄扱いだ。 翌月の赴任は対外敵の部隊の最高司令官が約束されたようなものだ。 まりさに寄り添う、一匹のゆっくりがいる。 「ねんがんの ありすをてにいれたぜ!」 まりさの人生はばら色だった。 ありすも、とてもゆっくり出来ていた。元々、まりさが好きだったこともあり、 凛々しさを取り戻したまりさに不満などあろうはずもなかった。 まりさの健闘も空しく、全て還らぬゆっくりとなった悲しみはまだ癒えていない。 でも、慌てることはない。時間はまだまだあるのだ。今度こそ、気をつけよう。 次の子供達は姉の分までゆっくりさせてあげよう。 ありすは大きくなった自身の下顎をたぷんたぷんしていた。 幸せはいつだってゼロサムゲームだ。 誰かが幸せになる一方で、誰かが不幸せになる。 幸せを理不尽に奪われたまりさは、幸せを取り戻すことができた。 幸せを理不尽に奪われたありすは、幸せを埋め合わせることができた。 幸せを理不尽に奪われた赤毛のまりさは……どうなったのだろうか。 幸せの椅子取りゲームに勝てたかもしれない、どこかで寂しく朽ち果てたかもしれない。 残念ながら、その物語は分からない。 あとがき 前作、「およめにしなさい」の反響に驚き、「まりさこそ幸せになるべき」と言う意見が多かった のでまりさに幸せになってもらった。 れいむについては好きに妄想して下さい。 かいたもの およめにしなさい 甘い話には裏がある このSSに感想を付ける
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1977年10月1日公開 監督:山田洋次 俳優:高倉健、倍賞千恵子、武田鉄也、桃井かおり あらすじ:失恋して、ヤケになった花田欽也(武田鉄矢)は真っ赤なファミリア(4代目のFRファミリア)を購入、失恋の傷を癒すため、フェリーに乗り、北海道を目指す。釧路から網走にやってきた欽也は駅前で片っ端から女の子に声をかけはじめる。一方、網走刑務所からは、刑期を終えた一人の男、島勇作(高倉健)が出所してくる。郵便局に寄った勇作は葉書きを一枚書いて出していく。欽也はどうにか一人の女の子朱美(桃井かおり)をナンパしてウキウキとドライブを始める。海岸にやってきた2人は勇作に写真を撮ってもらった縁で3人旅を始めることになるのだが・・・ 北海道を背景に、行きずりの若いカップル(武田・桃井)と網走刑務所を出たばかりの中年男(高倉)が、夕張の妻(倍賞)の元へ行きつくまでの、心温まる人間の愛のドラマである。 作品賞 ロマンス(ジャンル別) Top Page
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実際に読む(リンク) 概要 アカデミーのお騒がせ錬金術師、アヒャイエ・ホーエンハイムの卒業試験 レシピ追加 無 登場キャラ 初登場 ガーデニア 本編 177 登場 アヒャイエ ヒロニエ フラメル モナカイ レモネア 元ネタ解説 無
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「少しだけ待ってて下さいね」 彼女、みくるちゃんはそう言って部屋から去って行った。 私のためにお茶を入れるという行動をいつもと同じはずなのに、その行動にわずかな新鮮さ感じる。 それはきっと、いつものメイド服とは違う彼女の私服だからなのだろう。 不思議探索が行われた土曜日の翌日、つまり日曜日。 特に用事もなく出歩いていると、上機嫌で歩いているみくるちゃんに出くわしたのだった。 なんでも珍しい茶葉が手に入ったとか。 きっと天使がいるなら、こんな笑顔するだろうという程の笑顔で「早くみんなに飲んでもらいたいです」 なんていうもんだから、「じゃあ今すぐ飲ませてちょうだい」ってことで家まで押しかけてきたのだった。 一人暮らしなのは知っていたけど、実際に家まで来たことは無かったし、ちょうど良い機会かなとも思った。 私はみくるちゃんが出て行った後の部屋を見渡たす。 女の子ここにあり、といった感じの世界だった。 全体的に白を基調として、ところどころ柔らかいピンク、ベッドの上にはクマのぬいぐるみが鎮座している。 間違えても自分の部屋にしたくないが、みくるちゃんの部屋としてはこれ以上ないほど彼女らしい。 欲求に耐え切れずベッドに顔を埋めてみると、どこかで嗅ぎ慣れた甘い香りがした。 「そうか、みくるちゃんの匂いなんだ」 いつの間にか、彼女の匂いに慣れてしまっている自分がおかしくて、嬉しくて、ほんの少しだけ誇らしかった。 その時だった、視界の端におかしなものが見つけた。 と言っても、この女の子の世界にとっての「おかしなもの」であって、普通に考えると何もおかしくはない。 書道の作品である。 私が最初に座っていた場所から死角となる壁に、あまり上手ではない字で「未来」と書かれた半紙に飾られていた。 その横には小さく、朝比奈みくるの文字が確認できる。 そう言えば彼女はSOS団に入る以前は書道部に所属していたのだった。 おそらくはその頃に書いた作品なのだろう。 「すいませーん、開けてくださーい」 そうしているうちに、みくるちゃんの声が聞こえてきた。 私はベッドのしわを素早く直すと、ドアを開ける。 みくるちゃんは元いた場所に戻ると、私にお茶を注いでくれた。 私はそれを一気に飲み干す。 「美味しいわ! さすがみくるちゃんね」 不安そうに私の感想を待っていた彼女の表情がぱあっと明るくなった。 「よかった。そう言ってもらえて嬉しいです」 本当に嬉しそうにお茶をすする彼女を見て思った。 もしかするとこの子は天使よりも可愛いのかもしれない。 そんなことを考えながら、もう一度飾られた半紙に目をやった。 「あ、それは書道部にいたときに書いたんです。あまり上手ではないので恥ずかしいんですけど」 私の目線に気が付いたのがみくるちゃんが説明してくれた。 そんな彼女を見て、ふと嫌な考えが浮かんだ。 彼女はもしかすると書道部に戻りたいのかもしれない。 普段は彼女もそれなりに楽しそうだったし、私自身が彼女のいないSOS団なんて想像もできなかったから 考えたこともなかったけれど。 私のいるSOS団よりも、私のいない書道部の方が彼女は望んでいるのかもしれない。 嫌な考えだけど、一度頭に浮かんだものは消えはしない。 「書道部は楽しかった?」 「はい、とても」 そう言って彼女は書道部の思い出を楽しげに語ってくれた。 見るだけで幸せになれた彼女の笑顔が、今だけは見るのがつらかった。 彼女が書道部の思い出を語るほどに自分がいらないと言われているようで。 「すごく楽しい時間だったから、やめなきゃいけないときは残念でした」 「ふぅん」 みくるちゃんのテンションとは反比例して私の口から出た言葉はそれだけだった。 これ以上、書道部の楽しい思い出を語るみくるちゃんは見たくない。 帰ろうかな、そう思って腰をあげようとした。 「あ、でもですね。今は涼宮さんにすごく感謝してるんですよ」 「どうしてよ?」 「正直言うと、最初はすごく嫌だったんです。恥ずかしいことばっかりさせられるし。 でも、色々なことするうちにSOS団が好きになってきて、書道部も楽しかったけど」 みくるちゃんはそこまで言うと、話を区切って伺うように私を見た。 「続けて」 私がそれだけ言うと、彼女は本日最高級の笑顔で続きを口にした。 「SOS団はもっと楽しい時間なんです」と。 そんな事を言われては私としても、応えないわけにもいかない。 「それでこそ栄えあるSOS団のメンバーよ! わかってるじゃない!」 照れくさそうに、えへへと笑う彼女を見てきっと天使でもみくるちゃんにも適わないだろうと確信した。 みくるちゃんはSOS団の方が楽しいと言ってくれた。 それが私は彼女の傍にいて良いんだ、と思えて堪らなく嬉しかったのだ。 だから、湯飲みを置いたところを見計らって思い切って抱きしめてあげた。 ありがとうの意味を込めて。 「ふぇ? どうしたんですか?」 案の上、混乱してるみくるちゃんの耳元でそっと囁いてみた。 「私に抱きしめられてるのはどんな時間?」 耳まで真っ赤になるのを確認してから、私は返事をまった。 彼女の首元に顔を埋め、匂い慣れた香りを堪能しながら。