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小澤毅(続唱ジャンド)vs 工藤拓也(キブラーバント) 小澤は、先週のGP仙台で見事TOP8に進出した強豪。今日も、Magic Onlineで地道に調整を重ねてきた続唱ジャンドでの参加。対する工藤は、精力的に週末のイベントに参加しているプレイヤーだが、明日には県外に転勤とのことで、これが最後の五城楼杯参加になる。有終の美を飾れるか。 Game 1 先攻は工藤。ファーストアクションは《極楽鳥/Birds of Paradise》。対する小澤は《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》。 工藤の次のアクションは《海門の神官/Sea Gate Oracle》。すぐにヒルへのチャンプブロックに回る。小澤は《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を追加。 何とかして《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を食い止めたい工藤は《前兆の壁/Wall of Omens》を2枚召喚。ライブラリを掘り進める。 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》でクロックを刻みたい小澤。手札には《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》《稲妻/Lightning Bolt》《狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad》《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》。4枚目の土地を引きたいところだが、生憎と次のドローは《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》。ここで《前兆の壁/Wall of Omens》に《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》を打ち込んで攻撃することも選べたが、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を召喚してクロックを追加する。 この間に工藤は《海門の神官/Sea Gate Oracle》を続けて2枚召喚。そろそろ攻勢に出たいところ。返しの小澤の攻撃をやりすごして《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》。《復讐蔦/Vengevine》を捨て、続けて《極楽鳥/Birds of Paradise》を召喚すると、墓地から《復讐蔦/Vengevine》が場に戻る。しかしここには《稲妻/Lightning Bolt》。 ようやく4枚目の土地を手に入れた小澤は《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》。《荒廃稲妻/Blightning》がめくれ、工藤の手札から《忘却の輪/Oblivion Ring》《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が落ちる。小澤はクリーチャーをまとめてレッドゾーンに送り込む。《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》は《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》に討ち取られるが、工藤のライフは12に落ちる。 工藤は《海門の神官/Sea Gate Oracle》で手札を補充しつつ《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》と《海門の神官/Sea Gate Oracle》で攻撃開始。小澤のライフは7に。 5枚目の土地を引けない小澤は総攻撃。工藤のライフも7に落ちる。 工藤は再度《海門の神官/Sea Gate Oracle》と《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》で攻撃。小澤は《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》に《終止/Terminate》を打ち込んでダメージを減速させる。工藤は《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をキャストして《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を破壊。 小澤は《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を破壊するため《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》2体で攻撃。1体は《流刑への道/Path to Exile》されてしまう。仕方なく《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を破壊。その隙に工藤は《天界の列柱/Celestial Colonnade》と《海門の神官/Sea Gate Oracle》で攻撃。小澤のライフは1に。 小澤はここで《狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad》を叩きつけ、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》をドラゴン・トークンに変身させる。しかし、工藤は《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をキャスト。ドラゴン・トークンををバウンスし、チェックメイト寸前。 万事休すかと思われた小澤は《荒廃稲妻/Blightning》をトップデッキ。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を破壊、工藤の手札は0に。さらに2枚目の《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》をドラゴン・トークンに変身させる。 苗木・トークンの上から《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を追加すると、工藤はダメージを抑えられなくなり、投了。 小澤 1-0 工藤 Game 2 巻き返したい工藤だが、マリガン。《復讐蔦/Vengevine》《流刑への道/Path to Exile》《未達への旅/Journey to Nowhere》と土地3枚の手札をキープ。 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を引いたところで小澤が《強迫/Duress》。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が落ちる。 小澤は《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》。工藤はこれに《流刑への道/Path to Exile》を当て、《復讐蔦/Vengevine》を走らせる。 小澤は《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》。稲妻で《復讐蔦/Vengevine》を殺しながらお返しのアタック。 攻め手が途切れた工藤だが、2枚目の《復讐蔦/Vengevine》トップデッキ。しかし2枚目の《稲妻/Lightning Bolt》がこれを許さない。 小澤は返しで《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》。これは工藤が引いていた《流刑への道/Path to Exile》で処理される。工藤は続けて《未達への旅/Journey to Nowhere》で《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を処理するが、小澤にはまだ《溶岩爪の辺境/Lavaclaw Reaches》とトークンがいる。《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を追加され、工藤はダメージを抑えきれない。 小澤 2-0 工藤
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この前まで黄金先生と仲良く雑談していたとおもったら、暇人スレ内で黄金先生を崇拝し始めた途端黄金先生をバカにし始めたという酷い寝返りっぷりを見せてくれた太太郎先生。 低俗な下ネタを好むようで、黄金先生でマスター◯◯◯◯◯しちゃった・・・・()ことをやたらと強調する。 Re 【夏休みは】(休)雑談パーク【PCばかりw】 ( No.572 ) 日時: 2010/07/25 13 45 名前: おおたろう 師匠でなにおーしました すみませんでした Re 【夏休みは】(休)雑談パーク【PCばかりw】 ( No.575 ) 日時: 2010/07/25 13 49 名前: おおたろう いやいや黄金さんで抜いたから輝いているんです。 どうやらwikiに色々やるようですな ふふふ/// はっきり言ってすごく気持ちが悪い。太太郎先生気持ち悪りーっす 太太郎先生の頑張りが評価されてコメント欄ができました! -- 名無しさん (2010-07-25 14 03 18) ゆっくりしていってね! -- 名無しさん (2010-07-25 14 03 25) (笑) -- おおたろう (2010-07-25 14 07 04) お前・・・女子見てるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ -- ななし (2010-07-25 14 11 23) 自分の白い駅を舐めた人 -- 通行人 (2010-07-25 14 23 38) 頑張ったな^^ -- 7up (2010-08-31 17 48 53) 煽る -- おおたろう (2010-09-02 19 42 30) 名前 コメント
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【咲 -Saki-】 須賀京太郎カプ統合スレ 10 h10-1 京・咲 h10-2 京・咲 h10-3 京・咲・和 h10-4 京・淡 h10-5 京・咲 h10-6 京・咲 h10-7 京・咲 h10-8 京・咲 h10-9 京・咲 h10-10 男京太郎 おもち巡りの旅~第一部その7~ h10-11 京・咲 h10-12 京・清澄 h10-13 京・咲 h10-14 京・未春 h10-15 京太郎熟睡・清澄ver h10-16 京・淡 h10-17 京太郎熟睡・白糸台ver h10-18 京太郎熟睡・阿知賀ver h10-19 京・灼 h10-20 京太郎熟睡・新道寺ver h10-21 京・咲 h10-22 京太郎熟睡・永水ver h10-23 京太郎熟睡・千里山ver h10-24 京太郎熟睡・姫松ver h10-25 京・巴 h10-26 京太郎熟睡・宮守ver h10-27 京・穏乃
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玄とおもちトーク クロといちゃいちゃ グラウンドで待ち続ける純ニキ 夏休みに宮守のメンバーとニュージーランドに旅行に行くエイスリン 大学へ行かずにプロになった咲のマネージャーになった京太郎 浪人中の哩 大学へ行かずにプロになった咲のマネージャーになった京太郎~prelude~ 宥姉とのイチャイチャ シロとイチャイチャ 咲ちゃんと新婚ごっこ ゆみと哩で軽い修羅場 かじゅ視点で京哩のデート・69(体制)を見かけた場面 哩の里帰りに京太郎が付いて行く モモとのデートを尾行するかじゅと哩 京太郎に麻雀教わるかじゅ 姫子にリザベの習得方法聞いてるところを見られて教えるから止めてくれと口を滑らせる哩 末原さんのカタカタするサークル生活 恭子かじゅ咲 こむら返り 日焼け止め 活発なシロ(1日限定) 足りないところ
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恭子(うちには悩みがある…) 恭子(それは流れでサークルに入ってもうたこと) 恭子(基本的にはそら楽しいんやで?) 恭子(せやけど――) 咲「末原さん、一緒に打ちませんか?」 恭子「は、はい…」カタカタ 恭子(このサークルには魔物ばっかおることや) 咲「カン、もいっこカン、もいっこカン、ツモ」 咲「清一、三槓子、嶺上開花」 恭子(言うに及ばず、このリンシャン…) 恭子(ホンマおかしいでこれ) 憩「はーすごいなー」 憩「せやけど次はうちの番やでーぇ」ニコ 憩「ツモ、小三元、混一ですーぅ」 恭子(4年前、当時高校1年生にしてあの宮永照に次いでの全国No2) 恭子(結局天才には及ばんのやろなぁとつくづく思うわ) 恭子(そして極めつけは…) 京太郎「あ、それロンです」 京太郎「トイトイ、三暗刻、タンヤオです」 恭子「」 恭子(半年前は確かのザコやった…) 恭子(ある意味うち以上の凡人やったはずや) 恭子(せやけど、この数か月でメキメキ腕を伸ばして、今では全国でも指折りの奴と渡り合えとる…) 恭子(なんやねん、ホンマ) 恭子(凡人やったらもうちょい凡人らしくしといてぇな) 恭子(ホンマ)トン 咲・憩・京太郎「ロン」 恭子(メゲるわ)カタカタ カン!
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「ホカァもんがデー暴れてよードキゃなー! どきゃーモンシャンガかーけーれんクルルァ!」 名前 梯梧 一太郎(でいご いちたろう) 年齢 16 性別 男性 PL meganeman 使用成長点 209/210 キャラクターのプロフィール 身長 155cm 体重 53kg 髪型 オールバック 髪の色 明るめのオレンジ 瞳の色 茶色 肌の色 健康的にやや日焼けした肌色 服装 学ラン 誕生日 6/18 血液型 B型 性格 熱血漢、思慮が浅い 特技 喧嘩 趣味 ゲーセン 二つ名 ブレーキのイカれた機関車 設定 不良高校生。現在は一年生。友人に絡んできた他の不良を撃退し、そのお礼参りに来た不良を撃退し、さらに腕の立つ不良も撃退し、何時の間にか地域でも大きなグループのトップになっていた。頭は良くないが、実直で思いやりのある面もある。万引きのような姑息な犯罪は好まない。 ワークス 不良少年 カヴァー 不良少年 ブリード クロスブリード シンドローム ハヌマーン/サラマンダー ライフパス 出自 親の理解 経験 闘いの日々 邂逅 覚醒 憤怒(17) 衝動 闘争(16) 基本侵食値 33% HP 34 行動値 4 戦闘移動 9 全力移動 18 常在化P 8 財産P 0 ロイス 関係 名前 感情(P) 感情(N) 備考 Dロイス 亜純血 制限 PBのエフェクトを取得する 制約有り 父親 梯梧 獅子貞 ☆尊敬 厭気 アブナイ自由業の人。オーヴァードの関連する事案にも関わった事があり、能力を持つ息子の事をいつも気にかけている。 ライバル 佐古 祐樹 同情 ☆憐憫 一太郎とは別の不良グループのトップ。能力者では無く、いつも一太郎にボコされているため、一方的に一太郎をライバル視している。 友人 ダリル ☆純愛 不安 なんだか気になるあの子 ※セッション開始時には、太字のNPCのロイスを所持します 能力値 肉体 6 白兵Lv2 回避Lv2 運転 二輪Lv2 感覚 1 知覚Lv1 精神 2 意思Lv2 知識 裏社会Lv1 社会 2 調達Lv2 情報 裏社会Lv1 エフェクト No スキル Lv タイミング 技能 難易度 対象 射程 侵食値 制限 効果 参照 00 リザレクト 1/1 オート 自身 至近 効果 LvD点HP回復と侵蝕値上昇 R1-169 00 ワーディング 1/1 オート 自動 シーン 視界 非オーヴァードをエキストラ化 R1-169 01 コンセントレイト 3/3 メジャー SR 2 クリティカル値-Lv サラマンダー R1-169 02 リフレックス 3/3 リアクション SR 自身 至近 2 クリティカル値-Lv サラマンダー R1-171 03 炎神の怒り 3/3 メジャー/リアクション 肉体 3 判定に+[Lv+1]D メインプロセス終了時に3HPを失う R1-158 04 獅子奮迅 3/3 メジャー 白兵 対決 範囲(選択) 武器 4 白兵攻撃の対象を範囲(選択)に シナリオLv回 R1-135 05 一閃 1/1 メジャー 白兵 対決 武器 2 全力移動を行った後に白兵攻撃 離脱不可 R1-134 06 白熱 1/10 マイナー 自動 自身 至近 3 シーン中素手の能力値変更 R2-160 07 リミテッドイモータル 4/5 マイナー 自動 自身 至近 2 HPを[Lv×2]回復 R2-177 08 リミットリリース 1/1 オート 自動 自身 至近 6 100% 判定のクリティカル-1(下限5) シナリオ1回 R1-137 09 スピードフォース 1/1(3) イニチアシブ 自動 自身 至近 4 Dロイス 未行動時メインプロセスを行う シナリオLv回 R1-137 E 軽功 1 常時 自動 自身 至近 どこでも走れる R2-132 武器 名称 種別 技能 命中 攻撃力 ガード値 射程 常備化 解説 参照 素手 白兵 白兵 0 -5 至近 0 素手(白熱) 白兵 白兵 0 6 4 至近 0 攻撃力は[Lv+5] 防具 名称 種別 ドッジ 行動 装甲値 常備化 解説 参照 普通の服 防具 0 0 一般アイテム 名称 種別 技能 常備化 解説 参照 携帯電話 その他 ガラケーである 思い出の一品 その他 2 愛用のネックレス R1-180 応急手当キット 使い捨て 3 メジャー(非戦闘)に使用 HPを2D10回復 R1-180 情報屋 コネ 1 情報 裏社会の判定+2D R1-179 情報収集チーム コネ 2 情報の判定+2 シナリオ3回 R2-192 コンボデータ 名称 演出 ▼煉打(れんだ) ボクサーはパンチを一発打つたびに、シュッと短く息を吐くが、一太郎はその一呼吸で五発も六発も全力の拳を叩き込む。 条件 組み合わせ タイミング 技能 難易度 対象 射程 侵食値 100%未満 06→01+03 メジャー 白兵 対決 単体 至近 5 判定 クリティカル 攻撃力 解説 (10+侵食)D+2 7 6 メインプロセス終了時HP3を失う 条件 組み合わせ タイミング 技能 難易度 対象 射程 侵食値 100%以上 06→01+03 メジャー 白兵 対決 単体 至近 5 判定 クリティカル 攻撃力 解説 (11+侵食)D+2 7 6 メインプロセス終了時HP3を失う
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765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/09/30(日) 04 59 55.60 ID 3XVD5SURo 【塞ちゃんが京太郎を一日監禁】 塞「あっ、京太郎君、起きてたんだ」 塞「側にいられなくてごめんね。朝ごはん作ってたから……」 塞「おはよう。よく眠れた?」 京太郎「……おかげさまで」 京太郎「手錠がなければもうちょっと安眠出来たと思うんですけど」 塞先輩の手作り弁当を食べたら、強烈な睡魔に襲われて。 目が覚めたら拘束されてました。 塞「あー……、ごめんね、痛かった?」 塞「手錠の内側にクッションとか入れたらちょっとはマシになるかなぁ……」 塞「後で買い出しに行くから、その時に探してみるよ」 塞先輩の、あまりにもいつも通りな様子が、逆に空恐ろしい。 塞「他に何か欲しい物はある?」 京太郎「……自由」 塞「ふふっ、哲学的だね、京太郎君」 京太郎「いやいやいやいや、欲しいのは肉体的自由ですから」 塞「んー、とりあえずご飯にしよっか」 京太郎「聞いちゃいねぇ!」 774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/09/30(日) 19 37 37.72 ID 3XVD5SURo 塞「多めに作ったから、たくさん食べてー」 京太郎「どうやって食べれば……」 塞「心配しなくても、ちゃんと食べさせてあげるよ」 塞「あっ、口移しの方が良い?」 テレ 京太郎「……ノーマルコースでお願いします」 塞「そ、そうだよね。まだそういうのは早いよね」 京太郎(まだ……?) 塞「美味しい?」 京太郎「あ、はい」 京太郎「やっぱ先輩って料理上手いですよね」 塞「あはは……、ありがと」 京太郎「ごちそうさまでした」 塞「はい、お粗末様」 京太郎「で、そろそろ手錠外してくださいよ」 塞「あっ、うん、そろそろ行かないと部活遅れちゃうもんね」 ガチャガチャ 塞「はい、外れたよ」 京太郎「ありがとうございます……って」 京太郎「そこは外しちゃ駄目でしょ!?」 塞「えっ」 778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/09/30(日) 20 21 49.68 ID 3XVD5SURo 塞「そっちが外してって言ったんじゃない」 京太郎「もっと自分を強く持ちましょうよ」 塞「だって、京太郎君に嫌われたくないし……」 京太郎「じゃあ最初から手錠もやめてください!」 塞「……あ、もしかして手錠嫌いだった?」 京太郎「好きなヤツなんているんですか」 塞「……」 ポッ 京太郎「あ、いるんだー……」 塞「でも困ったな、手錠が駄目となると……縄とか……?」 京太郎「どうしてまた拘束するつもりなんですか」
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前回 熊倉トシが京太郎を見て回る。 なにか確認したと思ったら、考え得る中で最も聞きたくない言葉を吐き出した。 トシ「ふむ、やはりというかなんというか……」 照「何かわかったんですか!?」 トシ「端的に言うと、このままだと京太郎は全員死ぬ。」 全員「!?」 トシ「今倒れている京太郎について、簡単に言うと……」 トシ「京太郎は普通の人間が生きられる寿命が4分の1程度しかないのさ。」 咲「そんな!?京ちゃんはまだ15歳なのに寿命だなんて!」 トシ「肉体に寿命があるように魂にも寿命がある。」 トシ「魂が寿命を迎えると、肉体も寿命を迎え、生命活動を停止する。」 トシ「それを割いたんだ、肉体にも魂にも負担は掛かる。」 トシ「ドッペルゲンガーって言うのはそういうことさ。」 トシ「このままじゃいずれ京太郎は……だからその前に京太郎達を元の形に戻すしかないねぇ。」 トシ「つまり――」 「つまり俺ら四人の内、三人は消えるってことですね。」 トシ「おや、起きたのかい。」 京太郎(宮守)「大分、体の調子が良くなったんで。」 豊音「京太郎君無理しちゃダメだよー。」 京太郎(宮守)「もう大丈夫です、豊音さん、心配おかけしました。」 京太郎(宮守)「それとそろそろ他の俺も起きると思います。」 京太郎(白糸台)「う、う~ん……」 照「あ、京ちゃん!」 京太郎(白糸台)「照さん……」 京太郎(白糸台)「話って寝てても結構わかるもんなんですね。」 京太郎(宮守)「便利だな。」 京太郎(小鍛治)「……よっと、俺も話は聞いてた。」 健夜「やっぱり今朝からの不調って……」 京太郎(小鍛治)「そうみたいですね……」 京太郎(清澄)「うう、気持ちわりー……」 咲「京ちゃん、大丈夫?」 京太郎(清澄)「なんとかな……」 トシ「どうやら全員起きたようだね。」 京太郎(小鍛治)「それで元に戻す方法っていうのはどんなのですか?」 トシ「お互いが納得できる方法で勝負を付ければいい、ただそれだけさ。」 京太郎(宮守)「んじゃ、俺はあれかな、奇しくも俺達は同じ部に入っているわけだしな。」 京太郎(白糸台)「俺もそれでいいぜ。」 京太郎(小鍛治)「ああ、俺もだ。」 京太郎(清澄)「マジかよ……」 京太郎(清澄以外)「「「勝負方法は麻雀で。」」」 京太郎(清澄)「…………」 トシ「どうやら決まったようだね、予想通りと言えば予想通りだけども。」 トシ「小鍛治プロ、場所って何とかなるかねぇ?」 健夜「多分……会場が一つ空いてるので、そこを借りられると思います。」 健夜「ただ、公式戦じゃありませんから中継は出来ませんし、実況席も広くないので観戦できる人は限られます。」 トシ「そうかい、なら各京太郎に一人ずつってところかねぇ。」 トシ「京太郎達を見守る者は各々の高校で決めておくれ。」 トシ「一応、各校の関係者には話を通しておくからさ。」 健夜「……卓が使えるようになるのは、今からおよそ一時間後みたいです。」 トシ「わかった、それまでお前さん達は自由に話しておきな……」 トシ「これが京太郎との最後の会話になるんだからさ……」 熊倉トシはそういうと医務室から出て行った。 その場を酷く痛い静寂が支配していた。 そして各々が控え室に向かう。 菫が部員たちに説明する為、そして私たちを二人きりにするため、控え室を空けてくれた。 菫「照、須賀にはお前が付いててやれ。」 照「……うん。」 菫「私は部員たちに説明しておく。」 そういって菫はその場を立ち去っていった。 自分だって京ちゃんを見守りたいはずなのに…… だが今は菫の言葉に甘えて、京ちゃんと話をしよう。 下手をすればもう会えなくなるのだから。 照「京ちゃん……」 京太郎「照ちゃん、膝を借りていいかな?」 照「……うん。」 京ちゃんは椅子に腰掛けた私の膝を枕にして話し出した。 京太郎「照ちゃんにこうやってもらうの、いつ振りかな……」 照「小学生以来かな……」 京太郎「こうして膝枕してもらえるのもこれで最後になるかもな。」 照「またしてあげるよ。」 京太郎「その時はお願いします、照ちゃん。」 わかっている、最後になるかもしれない事を。 それでも、今は彼と一緒に居る未来を信じていたい。 信じたい、信じたいのに。 どうしてか不安が私の心を侵していく。 私の顔にでていたのだろう、そんな私を見て、京ちゃんは口を開いた。 京太郎「雨が……降っているな……」 彼が変な事を言い出した、ここは室内で窓も近くにないのに。 照「……京ちゃん、雨が降ってるってわかるの?」 京太郎「ああ、雨が降っている……照ちゃんの心に。」 こんな状況で、こんなにクサい台詞を吐くとは思わなかった。 京太郎「照ちゃんはさ、俺にとって太陽なんだ。」 京太郎「だから俺が居る所を、居るべき所を明るく照らしてくれないと、俺は凍えてしまう。」 京太郎「そんな照ちゃんには笑顔でいてほしい。」 違うよ、京ちゃん……私は『太陽』なんかじゃない…… むしろ私にとっては、京ちゃんが私の『太陽』なんだよ…… いつも温かい笑顔で迎えてくれる京ちゃん…… そんな京ちゃんだから……京ちゃんにも笑っていてほしい…… ―――――― ―――― ―― 京太郎「それじゃあ行ってくるよ、照ちゃん、応援よろしくな。」 照「うん、京ちゃんの笑顔の為に笑顔で応援するからね!」 私の顔をみた彼は、明るい顔をして対局室に向かっていった。 【心の雲を晴らす太陽】 ――宮守視点―― 京太郎「すごい緊張するんですけど……大丈夫ですかね、俺?」 トシ「宮守の信頼を一手に背負っているんだ、男らしくドーンと構えてなさい。」 京太郎「でも、俺はみんなを背負えるぐらいに強くないですよ。」 トシ「いいや、ここにいる連中はみんな京太郎が背負ってきたものだ。」 トシ「だから誇っていい、ここにある絆は京太郎が作った力なんだ。」 京太郎「そう、ですか。」 胡桃「須賀君、戻ったら充電してあげるね。」 京太郎「え?俺がするんじゃなくて?」 胡桃「そう、私の膝の上に――」 京太郎「サイズ的に無理でしょう。」 胡桃「ひ、膝枕なら出来るもん!」 京太郎「ああ、それは楽しみだな。」 豊音「私ね、ずっとずっと一人だったんだよ……」 豊音「誰も来ないあの場所で、誰もいないあの部屋で……」 豊音「でもね、京太郎君と会って一人ぼっちじゃなくなったんだよー。」 豊音「京太郎君、京太郎君は私の初めての友達なんだよ……」 豊音「だから、だから絶対いなくなったらいやなんだよー!」 豊音「京太郎君がいなくなったら……ちょーかなしいよー……」 京太郎「あはは、万が一俺が消えたら友引で戻してくださいね?」 塞(友引じゃあそんな事出来ないってわかってて京太郎君は言ってるんだ……) エイスリン「キョータロー。」カキカキ バッ 京太郎「みんなと一緒に手を繋いで、道を歩いてる絵……?」 エイスリン「キョータロー、オワッタラ、ミンナ、イッショニカエル。」 京太郎「……そうですね。」 シロ「京太郎、迷ったら、思いっきり迷ってしまえばいい。」 シロ「迷いきって出した答えなら、きっと、後悔しなくていい……」 京太郎「シロさん……肝に銘じておきます。」 塞「京太郎君はもう、決めたんだね……」 京太郎「はい。」 塞(そうか、もう、君を苦しめる物はないんだね……) 塞(もう、君の事を守る為に塞がなくてもいいんだよね……) 塞(そして、もう、君を止める事は出来ないんだね……) 塞「京太郎君、私の塞ぐ力の源って知ってる?」 京太郎「……いえ。」 塞「私の力のルーツは『塞の神』。」 塞「これは悪い物が『道』から入って来るのを塞ぐからそう言われてるの。」 塞「そして塞の神の別の名は『道祖神』……」 塞「道祖神は男女一対の神様で、『道』の安全を祈る神様。」 塞「だから私は京太郎君の行く道の安全を祈ってるよ。」 京太郎「塞さん……」 塞「京太郎君の行く手を塞ぐものはないんだよ、自分の信じた道を、まっすぐ行ってらっしゃいね。」 京太郎「はい!それでは行って来ます!」 塞「豊音もちゃんと京太郎君のことを見ていてあげてね……」 豊音「うん……みんなの分も応援するよー……」 大好きな彼の為に、二人は身を引いたんだと、私は気付いていた。 だからこそみんなの分も見ておかないといけないんだ。 彼が行く『道』を、その先にある結末を…… 【遠野から続いた道】 ――実況席控え室―― 一旦控え室に戻ったが、ここまで会話は一つもなかった。 沈黙が辛かったのか京太郎君が口を開いた。 京太郎「ははは、まさか自分の命運を麻雀に託すとは思いもよらなかったですよ。」 運命は残酷だ。 京太郎「でも、ある意味よかったです、麻雀でなら誰にも負ける気しませんし。」 虚勢を張ってるのがわかる。 京太郎「麻雀なら怖いものなしですよ!」 なら、ならどうして君はそんなに怯えているの…… どう見たって無理してるのが私には見て取れる。 だから切り出さなくちゃ……最後になるかもしれないんだから。 健夜「……嘘。」 京太郎「へ?嘘なんかじゃ――」 健夜「だって、京太郎君、震えてるもの……」 京太郎「……健夜さん相手じゃ隠し事も出来ないか。」 健夜「……うん、一年や二年の付き合いじゃないもんね。」 彼は怯えていた、そして私も恐れた。 彼がいなくなる事、彼がいなくなった後のこと…… でも、私だけでも、いや、私だからこそ、彼の心の拠り所にならないと。 彼の不安を拭ってあげないと、彼は恐怖に負けてしまう。 健夜「だからさ、今は思いっきり甘えていいんだよ。」 健夜さんが両手を広げて俺を抱きしめてくれてる。 今まで俺が張っていた、虚勢の衣を優しく脱がせるような抱擁は、俺の本音まで晒してしまう。 京太郎「健夜さん、俺、俺、怖いよ……」 京太郎「もし、もし負けたら、今までの健夜さんと一緒に過ごしてきた時間や思い出が、全部無かったことになりそうで……」 健夜「大丈夫、大丈夫だよ、京太郎君……」 抱きしめてくれている力が強くなり、暖かいこの人の温もりがより強く感じられる。 ああ、なんて心地良い温もりなんだろう…… この人の温もりが、不安や恐怖に凝り固まった心を解してくれる。 ―――――――― ―――――― ―――― ―― 京太郎「健夜さん、もう俺、大丈夫です。」 健夜「……うん。」 京太郎「そろそろ時間なので、俺、行って来ますね。」 健夜「うん、頑張ってね。」 健夜「あ、そうだ、これが終わったら家で祝勝会にやろうよ。」 健夜「地区優勝と全国優勝のお祝いも兼ねてさ。」 京太郎「そうですね、その方がより勝たなきゃって思えますし。」 健夜「でしょ?」 京太郎「それじゃ、"小鍛治京太郎"、行って来ます!」 健夜「はい、いってらっしゃい。」 健夜「ちゃんと……ちゃんと『ただいま』って言いに帰って来るんだよ……」 【姉弟の絆】 ――清澄控え室―― 久「というわけよ。」 まこ「……久、それは本当のことなんか?」 久「ええ、残念な事にね。」 和「そんなオカルト、ありえません……」 和「そんなオカルトが、あっていい訳がありません……」 優希「…………」 久「それで、付き添いなんだけど……」 優希「…………」 優希「咲ちゃんがいいと思うじぇ……」 和「!……優希……」 久「咲も……それでいい?」 咲「…………」コクン 久「それじゃ、私は席を外すわ。」 まこ「……そうじゃのう。」 優希「……咲ちゃん、犬……京太郎の事頼んだじぇ。」 咲「……うん。」 和「……よかったんですか、優希?」 優希「……うん、私じゃダメだから……咲ちゃんじゃないと……ダメなんだじぇ。」 まこ「のう、久。」 久「なに。」 まこ「お前、後悔してるじゃろ……京太郎に碌に麻雀させんかったこと。」 久「…………」 まこ「いいんじゃ、別に責める気はないしのう。」 久「……今は須賀君を信じて待ちましょう。」 二人きりになったあと、先ほどから咲は俯いたままだ。 沈黙が辛い、今まで二人きりで沈黙が続いても、辛くなかったのに…… 重い口を無理やり開いて、なるべく軽い口調で話そうと思った。 声が震えないように我慢して。 京太郎「参ったな。」 咲「…………」 京太郎「よりにもよって麻雀で勝負とは……」 咲「…………」 京太郎「しかも相手は大会優勝者やオカルト持ちだ……」 京太郎「それに引き換え、俺は役を覚えた程度初心者だ。」 咲「…………」 京太郎「こりゃ、どうやっても無理だろ……」 咲「…………」グスッ 京太郎「咲、俺は居なくなるだろうけど頑張れよ。」 京太郎「中学の時と違って、俺が居なくても和や優希が助けてくれるだろうから、心配ないかも知れないけどさ。」 咲「……なんで」 京太郎「…………」 咲「なんで、京ちゃんは負けること前提で考えてるの……」 咲「なんで、京ちゃんは勝とうと思わないの!?」 京太郎「だって勝てるわけないだろ……」 バシンッ 俺の頬がはられていた、はった本人をみると大粒の涙をぽろぽろと零しながらこっちを見ている。 咲「京ちゃんのバカ!」 咲「諦めないでよ!諦めないでよっ!!」 咲「最後まで足掻こうよ!」 咲「諦めて消えちゃう最後なんて……いやだよ……」 京太郎「…………」 咲「ウッ……ヒッグ……」 なに泣いてんだよ、咲…… なに目の前の女の子泣かしてんだよ……! 女の子泣かすとか、俺、最低じゃねぇか! もう時間だ、そろそろ行かないと。 京太郎「咲、俺、行ってくるよ、どんなに無様でも、どんなに格好悪くても、最後まで足掻いてみる。」 咲「……ヒッグ……」 京太郎「だから咲、見ていてくれ、俺のことを。」 咲「…………うん。」 そして俺は対局室に足を進めた。 【絶望の先に咲く花】 ―実況・解説席― 健夜「これで京太郎君と見る人全員かな……?」 トシ「清澄・白糸台・宮守・小鍛治……全員だねぇ。」 トシ「それじゃ役者も揃った事だし、始めるとしようか。」 豊音「緊張するよー……」 照「…………」 咲「京ちゃん……」 恒子「それじゃ中に居る人たちにアナウンスしますね。」 マイクのスイッチを入れて内部に居る京太郎君たちにアナウンスを流す。 今回ばかりはいつもと違う空気に緊張した。 『持ち点50000点オカ・ウマなし、大会と同様のルールの東南戦です、それでは場決めをしてください。』 たったそれだけのアナウンスをしたあと、マイクのスイッチを切った。 これから文字通り自分の存在を懸けた京太郎君たちの戦いが始まる。 東:清澄 南:白糸台 西:宮守 北:小鍛治 「「「「よろしくおねがいします」」」」 東一局0本場 京太郎(清澄)(悪くはない配牌だと思うけど……こっからどう進めればいいのかがわからない……)タンッ 京太郎(白糸台)(とりあえず様子見かな、地力じゃ小鍛治が一番強そうだな。)タンッ 京太郎(宮守)(オカルトや能力も警戒しないとな……)タンッ 京太郎(小鍛治)(多分、地力でいうなら俺に次いで、白糸台、宮守、清澄の順だな……)タンッ 京太郎(小鍛治)(ただ、白糸台と宮守は何か隠し持ってそうだ。) 京太郎(小鍛治)(うだうだ考えるのは良くないな、速攻で行く!) 10順目 京太郎(小鍛治)「リーチ」タンッ 京太郎(清澄)(安牌とかわかんないぞ……一体どれを切れば……) 京太郎(清澄)(わっかんねー!ええいこれだ!)タンッ 京太郎(小鍛治)「ロン、裏は……無しで12000。」 京太郎(清澄)(親が流れて12000……やっべー……) 清澄:38000(-12000) 白糸台:50000 宮守:50000 小鍛治:62000(+13000(供託棒込み)) ―――――― ―――― ―― 南一局0本場 京太郎(清澄)(これで二回目の親……なんとか取り返さないと……) 京太郎(宮守)(このまま引き離されるのはまずい……) 京太郎(宮守)(それにそろそろ他の俺が能力使い始めてくるころか……) 京太郎(宮守)(牽制をかけさせてもらうぜ。) 京太郎(小鍛治)「リーチ」タンッ 京太郎(清澄)(やばいやばいやばい!ここでふったらどうしようもないぞ!?) 京太郎(清澄)(と、とりあえず、現物を……)タンッ 京太郎(宮守)「追っかけリーチだ。」タンッ 京太郎(小鍛治)(来ない……もしかして俺のリーチを待っていたのか?)タンッ 京太郎(清澄)(こっちもリーチかよ!?とりあえず安牌を……)タンッ 京太郎(宮守)「ツモ、1300・2600。」 京太郎(白糸台)(やっぱり能力を使ってきたか……) 清澄:32400(-2600) 白糸台:59900(-1300) 宮守:46300(+7200) 小鍛治:61400(-1300) 南二局0本場 京太郎(白糸台)(俺の親……能力使うならここしかないな……) 京太郎(白糸台)(俺も負けるわけに行かないから、遠慮無しに使わせてもらう。) 10順目 ヒーロー 京太郎(白糸台)「俺さ……正義の味方に憧れてたんだ……」タンッ 京太郎(白糸台)「みんなを守れる存在に憧れてたんだ……」 京太郎(白糸台)「でも、最近気付いた、俺が本当に守りたいもの。」 京太郎(白糸台)「それは、たった一人の女の子の笑顔なんだよ……」 京太郎(白糸台)「だから、俺はあの人の笑顔を曇らせたくねぇ……」 京太郎(白糸台)「俺は俺の『太陽』に笑っててほしいからだ!!」 京太郎(白糸台)「ツモ!500オール!」 照「京ちゃん……京ちゃんも私にとって『太陽』だよ……だから京ちゃんも笑っていて……」 清澄:31900(-500) 白糸台:61400(+1500) 宮守:45800(-500) 小鍛治:60900(-500) 南二局1本場 8順目 京太郎(白糸台)(俺はずっと照ちゃんと打ってきたんだ……) 京太郎(白糸台)(照ちゃんの打ち方を思い出せば……) 京太郎(白糸台)(よし!張った!) 京太郎(白糸台)「リーチ!」タンッ 京太郎(宮守)(さっきより早い!) 京太郎(白糸台)「まだだ、もっと晴らしてやる!」 京太郎(白糸台)「ツモ!1000オールは1100オール!」 照「大丈夫、京ちゃんならもっと輝ける、周りを照らせる。」 清澄:30800(-1100) 白糸台:64700(+4300) 宮守:44700(-1100) 小鍛治:59800(-1100) 南二局2本場 7順目 京太郎(白糸台)「リーチ!」タンッ 京太郎(白糸台)「ツモ!2000オールは2200オール!」 京太郎(宮守)(これはまるで宮永照の……) 京太郎(小鍛治)(ここいらで止めないとまずいな……) 照「ここからが正念場……」 清澄:28600(-2200) 白糸台:71300(+7600) 宮守:42500(-2200) 小鍛治:57600(-2200) 南二局3本場 6順目 照(お願い、このまま突っ切って……) 京太郎(白糸台)「リーチ!」タンッ 京太郎(宮守)(やばい、止まらない!)タンッ 京太郎(小鍛治)「ポン!」カッ 京太郎(小鍛治)「俺にはオカルトも、麻雀における非凡な才能なんかもない……」タンッ 京太郎(小鍛治)「ただ、ひたすら、34種136枚で作られる役のパターンを、対局者のタイプを見極めて打ってるだけだ。」 京太郎(小鍛治)「それを十年間繰り返して、覚え続けて来たんだよ……」 京太郎(小鍛治)「それも最高の"先生"の元で……だから!」 京太郎(白糸台)(ツモ順が……!)タンッ 京太郎(小鍛治)「だから修羅場をくぐった数だけは誰にも負けねぇぇッ!!」 京太郎(小鍛治)「そいつだ!8000は8900!」 京太郎(白糸台)「ぐっ!?掴まされたッ!」 京太郎(小鍛治)「俺は絶対に負けられねぇ……」 京太郎(小鍛治)「なにせ、俺の『ただいま』を待ってくれてる人がいるから……」 健夜「私も……『おかえり』って言えるよう、応援してるからね。」 清澄:28600 白糸台:61400(-8900) 宮守:42500 小鍛治:67500(+9900) 南三局0本場 京太郎(清澄)(上がれねぇ……このまま行ったら焼き鳥だ。) 京太郎(清澄)(これは覚悟した方が良いかな……) 京太郎(清澄)(俺、消えるのかな……) 京太郎(宮守)「…………」 京太郎(宮守)(なんて面してんだ……あいつ……) 京太郎(宮守)(まるで世界が終わっちまったみたいな顔しやがって。) 京太郎(宮守)(…………) 京太郎(宮守)(何、敵に塩を送ろうとしてるんだ……) 京太郎(宮守)(今は自分の身すら危ないってのに……) 京太郎(宮守)(…………) 京太郎(宮守)(迷った結果なら仕方ないよな?) 京太郎(宮守)(思いっきり迷った結果なら……) 京太郎(宮守)(行くぜ……ちゃんと見てろよ、清澄の俺。) 京太郎(宮守)「チー」カッ 京太郎(宮守)「ポン」カッ 京太郎(宮守)「ポン」カッ 京太郎(宮守)「チー」カッ 京太郎(白糸台)(あっという間に4副露……) 京太郎(宮守)「俺はずっと一人ぼっちだと思っていた。」 京太郎(小鍛治)(…………?)タンッ 京太郎(宮守)「ずっと一人で生きていくもんだと思っていた……」 京太郎(白糸台)(いきなりなんだ……?)タンッ 京太郎(宮守)「でもな、そう思っていた俺でも……」 京太郎(宮守)「拾われて、迷って、色々あって大切な絆が出来た。」 京太郎(清澄)(…………)タンッ 京太郎(宮守)「だから……もう――」スッ 京太郎(宮守)「俺も!」 京太郎(宮守)「お前も!」 京太郎(宮守)「もう一人ぼっちじゃねぇ!!」ダンッ! 京太郎(宮守)「ツモ!2000オール!」 豊音「京太郎君……君のおかげで、もう私、ぼっちじゃないよー……」 京太郎(白糸台)「裸単騎から一巡で……!」 京太郎(宮守)「その塞がった目を開いて、もっと周りを見てみろよ……」 京太郎(宮守)「そしたら見えてくるはずだぜ、大事なものが。」 京太郎(清澄)「……!」 実況席に目をやると今にも泣きそうな『あいつ』が居た。 いつも隣にいると思っていた『あいつ』は今は遠くにいるけど…… それでも俺はいつだって『あいつ』の笑顔を守りたいと思っている。 京太郎(清澄)(やっぱり女の子を泣かすなんて最高にかっこ悪いよな……) 京太郎(清澄)(足掻いてやる!どんなに絶望的な状態だって!!) 清澄:26600(-2000) 白糸台:59400(-2000) 宮守:48500(+6000) 小鍛治:65500(-2000) 南三局1本場 京太郎(清澄)(たった少しでもいい……少しでも点数を稼ぐんだ……) 京太郎(宮守)(これは……酷い配牌だな……) 京太郎(宮守)(他の奴らにこれ以上差をつけられるのはまずいな……) 京太郎(白糸台)(小鍛治だけは上がらせないようにしないと……) 京太郎(小鍛治)(多分流局かな……このまま逃げ切ってやる。) 18順目 流局 京太郎(清澄)「聴牌」 京太郎(白糸台)「ノーテン」 京太郎(宮守)「ノーテン」 京太郎(小鍛治)「聴牌」 京太郎(宮守)(ここに来て親流れ……痛いな……) 京太郎(小鍛治)(まだ油断は出来ないが次でオーラス、多分逃げ切れるな……) 京太郎(小鍛治)(だが、なにか嵐の前の静けさみたいな感じがするのも確かだ……) 京太郎(清澄)(これで圏内……) 清澄:28100(+1500) 白糸台:57900(-1500) 宮守:47000(-1500) 小鍛治:67000(+1500) オーラス 京太郎(白糸台)(泣いても笑ってもこれが最後だ……) 京太郎(清澄)(この配牌……發三枚、中二枚、そして白一枚……) 京太郎(清澄)(無理やり鳴いてでも掴んでみせる……) 京太郎(宮守)(さっきは清澄以外ノーテンだったが、今度はいい配牌みたいだな……だが俺らは誰一人引く気はないみたいだぜ?) 京太郎(白糸台)(俺は俺自身のために……俺の『太陽』のために生きる。) 京太郎(小鍛治)(…………) 7順目 京太郎(白糸台)(勝つには親に5200直撃か6400のツモ……チートイにドラ二つ乗せるだけなら簡単に行けそうだな。) 京太郎(小鍛治)(点数的に白糸台、宮守の順で警戒しないといけないんだが……) 京太郎(小鍛治)(宮守・白糸台のパターンは見切っている……) 京太郎(小鍛治)(後は清澄の打ち方のパターンだが、この点数差だ、狙う手は限られてくる。) 京太郎(小鍛治)(恐らく清澄の俺は役満を狙ってくるはずだ……) 京太郎(小鍛治)(そして多分、この浮いた生牌がそのはず。) 京太郎(小鍛治)(今の内に潰しておけば何とでもなる。) 京太郎(小鍛治)(鳴け……こいつを鳴け!清澄の俺!)タンッ 中 京太郎(清澄)「ポン!」カッ 中中中 京太郎(小鍛治)(よし、食いついた、やつの役満手は封じた!) 10順目 京太郎(宮守)(俺も倍満をツモるか跳満をトップに直撃させないといけない。) 京太郎(宮守)(これでダマでも跳ね満聴牌……)タンッ 白 京太郎(小鍛治)「ポン!」カッ 白白白 咲「そんな!?」 京太郎(白糸台)(さっきの中は潰しに行きやがったのか……) 京太郎(小鍛治)(これで役満にはできねぇだろ!) 京太郎(小鍛治)(あとは宮守と白糸台に注意して逃げきるだけだ!) 京太郎(清澄)(くそっ!大三元が潰されちまった!) 京太郎(清澄)(中を鳴いちまってるから『国士無双』『四暗刻』『緑一色』『清老頭』『九蓮宝燈』は無理だ。 ) 京太郎(清澄)(風牌は場に出ちまってて『小四喜』も無理。) 京太郎(清澄)(今から手を変えて『字一色』なんてとてもじゃないけど間にあわねぇ……) 京太郎(清澄)(もう残ってる役満なんて……) 京太郎(清澄)(……!!) 京太郎(清澄)(あったじゃねえか!一つだけ!) 17順目 咲(あの手……京ちゃん、もしかして!?) 京太郎(小鍛治)(潰したはずの清澄の俺が一向に諦める気配がない……) 京太郎(小鍛治)(むしろ……いや、そんなことはありえない……) 京太郎(清澄)(手は揃った……あとはあいつからあの牌を出させるだけ!) 京太郎(清澄)(来い……来い…来い!来いッ!!) 咲(お願い!来て!) 京太郎(小鍛治)(何だ?清澄の俺は一体何を企んで……) 京太郎(小鍛治)(いや、どっちにしろ奴には手がもう無ぇんだ……ッ!) タン 九 咲「……!!」 京太郎(清澄)(ありがとう、咲……) 咲「来た!」 京太郎(清澄)「ははは……」 京太郎(宮守・白糸台)「「?」」 京太郎(小鍛治)「何だ?今になって勝利の女神でも微笑んだのか?」 京太郎(清澄)「微笑む……?それは違うぜ……ッ!」 京太郎(清澄)「生憎なぁ……」 京太郎(清澄)・咲「「カン!」」カッ 九九九九 京太郎(宮守)「ここで大明槓!?」 京太郎(清澄)「俺の女神はなぁぁッ!」ガシッ 京太郎(清澄)・咲「「もういっこカン!」」カッ 發發發發 京太郎(白糸台)「立て続けに……!!」 京太郎(清澄)「微笑むんじゃねぇぇッ!!」ガシッ 京太郎(清澄)・咲「「もういっこ!!カン!!」」カッ ④④④④ 京太郎(小鍛治)「!!まさか!?」 京太郎(清澄)「横っ面をひっぱたくんだよおッ!!」ガシッ 京太郎(清澄)・咲「「最後のいっこ!!カン!!」」カッ 中中中中 スゥ 京太郎(小鍛治)「引くなああぁぁッ!」 ダンッ! ⅡⅡ 京太郎(清澄)「リンシャンツモ!責任払いで32000!!」 京太郎(小鍛治)「この土壇場で捲くられた……ッ!」 京太郎(小鍛治)「それも……最も難しいと言われる役満を……ッ」 京太郎(清澄)「……俺一人じゃ、とてもここまで来れなかったよ。」 京太郎(小鍛治)「……そうか。」 京太郎(白糸台)「そろそろお姫様たちが来る頃だと思うし、とりあえずちゃんと終わっておこうぜ。」 京太郎(小鍛治)「そうだな。」 京太郎(宮守)「んじゃ、せーの――」 京太郎s「「「「ありがとうございました!」」」」 清澄:60100(+32000) 白糸台:57900 宮守:47000 小鍛治:35000(-32000) 【たった一人の対局者・たった一人の勝者】 対局室の扉が開き、ぞろぞろと人が入ってくる。 各俺の関係者達だ。 照「京ちゃん!」 京太郎(白糸台)「照さん……」 照「京ちゃん消えちゃうの……?」 京太郎(白糸台)「そういうことになるかな……」 京太郎(白糸台)「ごめんな……照さん。」 照「謝らないで……」 京太郎(白糸台)「折角、応援して貰ったけど勝てなかったよ。」 京太郎(白糸台)「ヒーローにはなれなかったな……」 照「…………」 京太郎(白糸台)「照さん、あんまりみんなに迷惑掛けちゃダメだよ?」 照「うん……」 京太郎(白糸台)「でも無理はしないように。」 照「うん……」 京太郎(白糸台)「困った時は菫さんを頼ってもいいと思うし。」 照「うん……」 京太郎(白糸台)「あまり仏頂面にならないようにね、他の人に誤解されやすいんだから。」 照「うん……」 京太郎(白糸台)「友達は大切にな。」 照「うん……」 京太郎(白糸台)「それから……」 京太郎(白糸台)「最後に、俺が居なくても妹さんとちゃんと仲直りしてくれよな……」 照「…………うん。」 京太郎(白糸台)「そろそろかな……」 照「!……」 行っちゃ、やだ。 行かないで、京ちゃん。 私まだ、あなたに伝えてない事があるんだよ…… 今まで思っていたあなたへの気持ち…… だから、もうちょっとだけ待って。 今、勇気を出すから。 あとちょっとだけまってよ……京ちゃん…… 照「京ちゃん……」 京太郎(白糸台)「照さん……」 照「京ちゃん、大好き……」 京太郎(白糸台)「ああ、俺もだよ、『照ちゃん』。」 照「!……行か……ないで……」 私は京ちゃんに抱きつこうとしたが…… 少し遅かった。 抱きつく瞬間、京ちゃんは煙のように霧散してしまった。 消えていった京ちゃんを見て、自分でもわからないくらい涙が流れる。 頑張って我慢しても嗚咽は出てしまう。 照「……ウッ……ウッ……」 さよなら愛しい人、さよなら初恋の人。 両思いだとしても実らない恋もあるんだ…… 初恋は実らないって聞くけど、こんなに辛い物だとはしらなかった…… 後で咲と仲直りしよう、そして仲直りしたら、思いっきり泣こう。 だからあとちょっとだけこのまま泣いててもいいよね? 健夜「京太郎君……」 京太郎(小鍛治)「すみません、負けちゃいました。」 健夜「京太郎君は良く頑張ったよ……」 京太郎(小鍛治)「これから俺はいなくなっちゃいますけど……」 京太郎(小鍛治)「早くいい結婚相手を見つけておじさん達を安心させてくださいよ?」 京太郎(小鍛治)「あと、あんまりお酒とか飲みすぎて、体を壊したりしないでくださいね。」 京太郎(小鍛治)「それと恒子さん、こんなダメな人ですが、よろしくお願いします。」 恒子「任せなさい、京太郎君!」 健夜「京太郎君、これからいなくなっちゃうっていうのに、私の事の方が心配なんだ……」 ダメだ、せめて笑って送り出そうと思ったのに声が震えてしまう…… 我慢しているのに、涙が零れてしまいそうになる…… 京太郎(小鍛治)「健夜さんは意外とそそっかしいところとかあるんで放っておけないんですよ……」 京太郎(小鍛治)「まあ、おじさん達がいるから大丈夫だとは思いますけど。」 健夜「うん、京太郎君……はい。」 私は堪える涙を見られぬように手を広げて、彼を抱きしめた。 京太郎(小鍛治)「……健夜さん、いや――」 京太郎(小鍛治)「いままで……ありがとうございました、『姉さん』。」 彼は、私の腕の中で煙のように消えていった。 健夜「京太郎君、私こそありがとうね……自慢の『弟』だったよ……」 恒子「すこやん……今夜は一緒に飲みに行かない?」 健夜「うん、ありがとうね……こーこちゃん……」 今夜は、今夜くらいはヤケ酒を呑んで愚痴を溢してもいいよね? ちょっと思い出話と『弟』の自慢も入るけど。 祝勝会が出来なかったのは残念だったよ…… 大丈夫、いつかは立ち直るから……だから、今夜だけは飲もう、飲んで泣いちゃおう。 京太郎(清澄)「なあ、なんであの時俺にはっぱかけたんだ?」 京太郎(宮守)「俺はお前でもあるからな……」 京太郎(宮守)「お前が湿気た顔してたから昔の自分を思い出したのかもな……」 京太郎(宮守)「ま、それで負けてるんだから世話無いな。」 豊音「京太郎君……」 京太郎(宮守)「豊音さん、友達、大事にしてくださいね。」 京太郎(宮守)「それと、シロさんにはちゃんと自分で動くように言って置いてください。」 京太郎(宮守)「あとみんなには『今まで迷惑かけてごめん』と伝えておいてください。」 豊音「……うん、わかったよー……でも。」 豊音「誰も迷惑かけられたなんて思ってないよー。」 京太郎(宮守)「そうですか、それはよかったかな……」 京太郎(宮守)「トシさん他の二人が消えていったのは……」 トシ「多分、"納得"したからだろうね……」 京太郎(宮守)「やっぱりそうでしたか……」 京太郎(宮守)「みんなのことをよろしくお願いします。」 トシ「言われるまでもないさ……」 京太郎(宮守)「そうでしたね。」 京太郎(宮守)「それじゃあ、みなさんお元気で、また会った時はよろしく。」 豊音「……!」 そう言い残した彼は消えていった…… 私が望んで引いた友の手は、今度は運命が友を引いてしまって行った。 言い知れぬ感情が私の心を支配する…… 豊音「京太郎君……ちょー……さみしいよー……」 ぽろぽろと私の頬を伝うもの理由は、かけがえのない友との別れの為か、それとも…… ただ、今となっては確かめるべき相手はいない。 例えこの感情がなんなのかとわかっても、帰ってこない相手には伝えられない。 彼は帰ってこないのだ…… トシ「豊音……今は思いっきり泣いておきなさい。」 豊音「……熊倉先生は、泣かないんですか?」 トシ「……みんなに伝えた後、私は外で泣くよ。」 トシ「しかし、あの子も随分あっさりいったねぇ……」 トシ「『また会った』時か……年功序列で私が最初に会うんだろうか……」 そう言って熊倉先生は対局室から出て行った。 涙で霞む視界ではあったが熊倉先生の目には薄っすらと涙がたまっていた気がした。 咲「京ちゃん。」 京太郎(清澄)「咲、勝ったぞ。」 咲「うん……おめでとう……」 京太郎(清澄)「ありがとう、と言っても、この場じゃ素直に喜べないけどな……」 咲「……みんな、泣いてるもんね……」 京太郎(清澄)「しかし、勝ったと思ったら急に疲れが出てきたよ。」 咲「大丈夫、京ちゃん?」 京太郎(清澄)「ああ、問題な――」 おかしい、俺の足に力が入らない…… 気が抜けたからか、それとも他の俺が消えたからか。 体が傾く刹那、咲の瞳が見えた。 なにそんなにびっくりした顔してるんだ? 徐々に地面が迫ってくる。 地面と衝突する瞬間、地面が水面へと変わった。 海のような広大な水の中に俺一人沈んでいく。 中から見る水面はきらきらと輝いていた。 ああ、なんて気持ちが良いのだろう。 このまま水の中に沈んでいたい。 そんな感情に浸っていると、俺の顔をした何かがやってくる。 一つが俺に重なって入ったと思ったら、頭の中に映像が浮かんできた。 ここは東京だろうか俺の家がある。 あ、照ちゃんがいる。 小学生の時の記憶だな。 今度は中学生の時の記憶か。 照ちゃんと麻雀やってる……ははは、この頃の俺って麻雀下手だな。 次は高校生になってからだ。 先輩と話している。 淡もぶー垂れながら俺に絡んできた。 菫さんとはなんか同じ苦労話をしてたな。 でも、何でこんなこと知っているんだろう…… また俺が入ってきた。 頭の中に映像が浮かんでくる。 茨城の家だ。 おじさんとおばさんがにっこりと笑っている。 健夜姉さんが俺の後ろから麻雀を教えてくれてる。 夜には姉さんと一緒に寝てる。 次は俺が中学生の時の記憶…… インターミドルに出て初めて勝ったときのだ。 姉さんはうれしそうな顔をしている。 同時にちょっと困った顔をしていた。 今度は高校に入った時の記憶…… 地区予選突破したから姉さんに報告した。 姉さんもおじさんもおばさんもうれしそうだった。 でもやっぱり姉さんはちょっと困った顔をしていた。 今度のは恒子さんに出会ったときの記憶…… 姉さんがいじられてる。 なにか新鮮な気がした。 滅多に見られない姉さんだった。 なんでそんな事がわかるのだろう…… 映像をみると言うよりは、思い出すと言う感覚に近い。 三つ目の俺が入ってきた。 何かの施設だろうか。 あまり記憶に残ってない。 トシさんと出会った。 トシさんの家に引き取られた。 トシさんに連れられて暗い洞窟に入った。 暗くて何も見えない。 誰も居ない怖さをここで知った。 その内声が聞こえた。 女の人の声だ。 女の人と洞窟を抜けて顔をみる。 シロさんと俺の顔は泥で汚れていた。 思わず笑ってしまった。 次の記憶。 塞さんと出会った。 塞さんは俺の傷を塞ぐと言ってくれた。 何故か心が温かかった。 今度は豊音さんと会った時の記憶。 何も無い村にひっそりと建っていた家屋。 中に入ると何も無いような部屋に豊音さんがぽつんと座っていた。 何か驚いていたようだ。 友達がいないと言っていたので、俺が友達になると言った。 豊音さんはうれしそうな顔をしていた。 高校に入ってからの記憶。 麻雀部に入ってみた。 そこには見知った顔が二人居た。 塞さんとシロさんだ。 ちょくちょく会っていたので感動の再会とは行かなかった。 胡桃先輩もいる。 マナーにうるさく、小さい事を気にしていた。 それから部室にトシさんが入ってくる。 どうやら顧問だったようだ。 ちょっとだけ時間が飛んで部室に入ると豊音さんがいた。 制服姿を見るのは新鮮だったかも。 エイスリン先輩もやってきた。 初めは言葉が通じなくて苦労したけどジェスチャーで意思疎通した。 その内に小さいボードをプレゼントしてみた。 これでみんなと話せると思って喜んでいたようだ。 結局、絵だけでは要領を得ないのでシロさんと俺が翻訳するはめになっていたのだが…… どうしてこの出来事を知っているのだろう…… いや元々知っているんだ、思い出しているんだ…… ああ、そうかどれもこれも全部含めて"俺"なんだ。 全部ひっくるめて俺だったんだ。 全てを思い出した俺のところに何かがやってきた。 そのなにかは誰かは見覚えのある顔をしていたがはっきりとはわからない。 そのなにかは俺の手を掴み、水面まで引っ張り上げていく。 水面近くまで来ると、何かが聞こえてきた。 ……ちゃ……う……ちゃん……きょ…ちゃ… 聞き覚えがある声だ。 「……咲?」 「京ちゃん!」 咲「もう京ちゃん、いつまで寝てるの?」 京太郎「わりー、……昨日から徹夜でゲームやっててさ。」 咲「何のゲームやってたの?」 京太郎「……麻雀。」 咲「京ちゃん、少しは上手くなったの?」 京太郎「まぁ、少しはな。」 ああ、そうだ思い出した。 これから俺はやり直すんだ。 咲にもう一度麻雀をやらせる為に。 咲と照ちゃんを仲直りさせる為に。 今まで力になれなかったみんなの為に。 そしてみんなの力になれなかった無力な俺の為に。 俺は何回もやり直したんだ。 白糸台の俺が育んできた十年。 小鍛治の俺が打ってきた十年。 宮守の俺が迷い続けて、救われた数年。 全部ひっくるめた俺の人生。 そして俺を引っ張り上げたあいつ。 ここから始まる、これから始まる。 本当の俺が打つ麻雀が…… 優希「おい!犬!咲ちゃん!早く打とうじぇ!」 京太郎「おう、今から鍛えてやるぜ。」 優希「犬の分際で私を鍛えるとか何事だじぇ!?」 咲「……自信あるんだね。」 京太郎「死ぬ思いをしてまで頑張ったんだ、そのくらいはあるさ。」 京太郎「俺の集大成が通用しなかったら姉さんやトシさんに笑われちまう。」 咲「???」 咲「誰?トシさんって?それに京ちゃん一人っ子じゃなかったっけ?」 和「それより早く打ちましょう。」 京太郎「んじゃ、まずは咲に六曜対策を、タコスには九面対策を、和には塞さんの……いや、普通(小鍛治)に打つかな。」 和「何のお話ですか?」 京太郎(真)「気にすんな、それより始めようぜ。」ゴッ 優希「私の親だじぇ!」 京太郎(真)「まずは照魔鏡かな、ついでに照ちゃん対策も仕込むか。」 咲「え?」 京太郎(真)「どうした、咲?」 優希「とりあえず先制リーチ!」 和「3順目でリーチ……」 優希「ツモ!6000オールだじぇ!」 和「一発ですか……」 咲「流石優希ちゃん……」 優希「どうした犬!さっきの威勢は何所に行ったんだじぇ!?」 京太郎(真)「安心しろ、まだ始まったばかりだ。」 京太郎(真)「それに大体わかったし。」 優希「ふふん、またリーチだじぇ!」 京太郎(真)「そうか俺も追っかけリーチだ。」 和・優希・咲「!?」 優希「犬が追っかけリーチとかまぐれに決まってるじぇ!」 優希「それにこれを引けば……!?」 京太郎(真)「わりぃが少しだけ『塞』がせてもらった。」 京太郎(真)「咲、これからやるのが先負だ。」 優希「まさか……」タンッ 京太郎(真)「ツモ、……裏無し、2000・4000。」 咲「これが先負?」 京太郎(真)「そういうこと。」 和「すごい偶然ですね。」 京太郎(真)「……和には対策いるのか?不安になってきたぞ……」ショボン 優希「次だじぇ!次!」 和「はいはい、優希は落ち着いてくださいね。」 京太郎(真)「チー」カッ 京太郎(真)「ポン」カッ 京太郎(真)「ポン」カッ 京太郎(真)「チー」カッ 優希「鳴いてばっかでどうするんだじぇ、手がバレバレだじょ。」 京太郎(真)「俺も、お前も、ぼっちじゃねえよ……」ボソッ 京太郎(真)「ツモ、1300・2600」 京太郎(真)「これが友引だ。」 和・咲「!」 咲「裸単騎からの一巡目で和了……これが友引……」 和「須賀君!点数計算が出来るようになったんですね!」 京太郎「あれ!?そこ!?」 和「だって4飜30符・3飜60符以下の計算出来てなかったじゃないですか!」 京太郎「実は満貫すらも怪しかったんだけどなー」 優希「!!そういえばそうだじぇ!」 咲「きっと隠れて特訓したんだよ。」 優希「誰に教えてもらった!」 京太郎「ふふん、某国内無敗のプロと某今年のインターハイ王者と言っておこうか!」 優希「おう……犬の妄想が迸ってるじぇ……」 和「で、本当のところはどうなんですか?」 京太郎「姉さんと幼馴染。」 優希「咲ちゃんか!」 咲「え?私教えてないよ!?」 京太郎「咲とは中学からだもんな。」 京太郎「さっきの二人は小学の頃からの付き合いだ。」 和「お姉さんなのに小学生からなんですか?」 京太郎「……複雑な家庭環境でして。」 咲「京ちゃん、ちゃんと目を見て話そうよ……」 優希「京太郎……モテないからってそういうゲームに手を出して妄想するのはよくないじぇ……」 和「そういうゲーム?」 優希「18禁のエッチなゲームだじぇ」 和「須賀君……」ジトー 京太郎「違うって!誤解だって!」 優希「大丈夫だじぇ!エッチなゲームをしてるからといって見捨てないじぇ!ダーリン!」 京太郎(真)「もう怒った!てめぇにはもう親番回さねぇ!」 久「元気ねぇ、部室の外まで聞こえてきたわよ?」 まこ「高校生はそんぐらいでちょうど良いんじゃ。」 優希「ひどいじぇ……」 優希「特に連荘中に『ちょいタンマ』をしたときは……」 咲「京ちゃんの下家だったから私にも回ってこなかった……」 咲「ダブロンしても京ちゃんの方が優先されちゃうし……」 京太郎(真)「頭ハネって便利だよな……」 咲「そもそもなんで私が鳴いたら3回もカンするの!?」 京太郎(真)「照魔鏡って便利だよな……」 和「SOA、SOA、SOA……」 京太郎「……なんかごめんなさい。」 和「ハッ!?今小さい須賀君と遊んでました!」 京太郎「和……ついにネット麻雀のやりすぎで頭が……」 和「そんなオカルトありえません。」 久「一体ここ数日でなにがあったのかしら?」 まこ「きっと血の滲む様な努力をしたんじゃろう。」 京太郎「ええ、そりゃもう数十年分の努力ですよ。」 久「まだ15歳なのに数十年とはおかしな話ね?」 京太郎「……それだけ密度の濃い特訓だったんですよ。」 『俺たち』が、自分の存在を懸けたあの対局は…… 『俺たち』にはスタートだったんだ、みんなにとってはゴールでも。 多分、照ちゃんも、健夜姉さんも、トシさんや豊音さんと会っても『俺たち』の事は分からないかもしれない。 それでも確かに会ったし、在ったんだ。 『俺たち』の出会いも、『俺たち』の人生も、確かに在ったんだ。 今度どこかに遊びに行こう。 ありったけの小遣いを使ってみんなの所に行ってみよう。 例えみんなが、『俺たち』のことを思い出さなくてもいい。 ただ、みんなに会いたいんだ。 この世界でも。 いや、どの世界でも…… みんなに会いに行きたい。 【重なった世界・やり直した世界】 京太郎(清澄)・咲「「カン!」」
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388925097/ 京太郎『……つうわけだから』 京太郎『和は恩返しとか考えなくてよかったんだよ』 京太郎『ずっと俺が恩返しする側なんだ』 和『納得できません』 和『私が忘れてしまったことの恩返しなんて要りません』 和『私が恩返しをするべきなんです』 和『京太郎くんがいたから、私は今こうしてここにいるんですよ』 京太郎『そんなの俺だってそうだ、和がいなかったら今の俺は無いんだよ』 京太郎『和が答えてくれたから、俺はまた和に会えたんだ』 京太郎『和がいてくれたから、俺は和を救えた』 京太郎『俺は、何もやってないんだよ』 和『……納得できません』 京太郎『それにさ、恩返しするっつっても俺は和には十分恩返ししてもらってるよ』 京太郎『俺のこと応援してくれて、麻雀も勉強も教えてくれただろ』 和『そんなことは京太郎くんも同じですよ』 和『京太郎くんも私を応援して、放課後は家まで送ってくれて』 和『休日でも、今日みたいに遊びに誘ってくれるじゃないですか』 京太郎『いや、それは、俺が……』 和『俺が?』 京太郎『俺、が……』 京太郎『…………』 京太郎『今は……言えない』 和『そう……ですか』 京太郎『……あ、もう着いちまったな』 和『……もう、ですか』 和『今日はありがとうございました』 京太郎『おう、また明日、学校でな』 和『……京太郎くんといる時間は、楽しくて、好きです』 和『京太郎くんが楽しい時間をくれるので、しっかり恩返しはされてますよ』 和『私にまだ恩返しがしたいと言うのでしたら、また今度、楽しませてください』 和『納得は、していませんけれど』 京太郎『……なら、また誘うわ』 和『楽しみにしてます』 インターハイが終わり、俺が和を誘ってプールへ遊びに行った日の帰り道で、俺は和に昔のことを打ち明けた 高校生の俺の最後の夏が終わって一区切りがついたから、和に話す決心がついたんだ やはり和は俺との出会いを憶えていなかったようで、故に俺はこんな感じで和と揉めてしまった ……遊びへ誘うのが恩返しなんて思ってはなかった ――――今は……言えない いつかは言ってやる、そう決めた そう決めてから、もう半年が経った ダメじゃん 長野の雪の脅威はようやく撤退を始めたようだ 高校生活最後の日に相応しく空は蒼い顔をのぞかせている 春とはとても言えないような寒さが道を行く高校生たちの背中を丸めさせる 茶色やら紺色やらのコートとひらめく青いスカートの下には黒に包まれた脚が目立つ 黒ストに締められた脚って至高だよね まあ、去年のプールに和が着けて来たビキニと溢れんばかりのおっぱいの方が究極だったけど ……なんで二人だけで行ったのに何も言えてないんだよ、俺 竹井部長がいなくなってから、染谷先輩がいなくなるまでの時間は早く経った 和が部長になってから、今までの時間はもっと早く経った ちなみに俺は元副部長、この三年間で男子部員の入部は0 笑えてくる、実績無いから仕方ないけど0って言う数字は笑えてくる 女子はあれから六人入ったって言うのにさ……はぁ 俺の大会の戦績はあまりぱっとしない、精々去年のインターハイで4位だったことぐらいしか目立ったことが無い 4位なので決勝卓で目立った1位、2位の人とは違って俺にはインタビューとか全然来なくて俺は空気同然だった、泣いた だけどおかげで和のおっぱいで疑似ぱふぱふができたから結果オーライだった ありがとう、なんか顎の尖った人 二年弱をかけて、俺と和の関係は名字呼びから名前呼び 前はごくまれに部活の帰りに家まで送ってたけど今は勉強のためにお互いの家を訪れるように…… そんな感じの進展を果たした……だけ お、これいけるんじゃね?と思うような雰囲気になったことは結構あったけど怖気づいて何もできないばかりだった 咲にヘタレヘタレ言われるようになったのが癪に障る今日この頃である 俺だって何もしなかったわけじゃないんだけどなぁ ……こぼれるあくびを塞いだ拍子に細めた目がなじみのピンク色を捉えた 和「ほろほろははひへふへはへんは?」 京太郎「和のほっぺが柔らかかったから仕方ない」 和「変な責任転嫁しないでください」 京太郎「ホント柔らかいんだよ和のほっぺ、魔性のほっぺだなこりゃ」 和「何ですかそれ」 京太郎「吸い付いたら離れられない、もっちもちのほっぺ」 和「そこまでですか?」 京太郎「なんなら俺と比べてみろよ」 和「……はぁ」フニッ 京太郎「……和の指もやわらかいな」プニッ 和「勝手に感じないでください」フニーッ 和「こんなとこ、知り合いに見られたらどうするんですか」 京太郎「ダイジョーブダイジョーブ、先っちょだけだから」 裕子「ちょっ、二人とも!邪魔するなって!」 京太郎「ん?」プニッ 和「今の声は……」フニッ マホ「おはよーございます!」 裕子「すいません、こいつら黙らせます」 ミカ「柔らかい……吸い付く……感じる……勝手に……先っちょ……」カァァ 京太郎「何か発想がおかしい子がいる!?」 裕子「私たちは先に講堂行くので、さよなら」 マホ「また放課後に会いましょー!」 ミカ「失礼します」 京太郎「……仲良いな、あいつら」 和「私たちの学年も似たようなものですよ」 京太郎「あー、そうかもな」 優希「よっ、京太郎!」バシィッ 京太郎「なんで鞄の角で叩きやがったこんにゃろー!」クワァッ 咲「優希ちゃん!京ちゃんも……」 和「まあ放っておきましょう」 和「あの二人は本当に変わらないですよね」 咲「あはは――だね」 咲「――和ちゃんは、変わりたいと思う?」 和「どういう意味ですか?」 咲「そのまんまかな」 和「変わる……ですか」 京太郎「ぎゃーっ!モモカン入ったぁーっ!」ゴロゴロ 優希「ざまあみろだじぇ!」 和「……はい、今日こそは」 咲「そっか、頑張ってね、応援してるよ」 和「はい……絶対」 高校三年生になって、京太郎くんと私は同じクラスになりました 一度目の席替え以来、私と京太郎くんは隣の席になり続けていました 部活の書類関係などの雑務は部長の私と副部長の京太郎くんとでこなすことが多くなり、 同じクラスなので昼食は大抵一緒に食べていました 誕生日を祝ってもらって、祝ってあげて 遊びに連れて行ってもらって、お宅にお邪魔して勉強を教えてあげて 私と京太郎くんの距離は一年生の時よりもずっと近づいたと思います ―でも、もっと近づきたい いつからか、ゆーきと仲良く騒ぐ京太郎くんを見ていると胸がふつふつとざわついて 京太郎くんに頭を撫でられる咲さんが羨ましくなって クラスのあちこちで会話を繰り広げる京太郎くんを目で追うようになって 京太郎くんに家まで送ってもらった日の夜は胸が押し潰されるような、でもどうすることもできない変な感触を覚えていました これが、京太郎くんへの恋心であることを実感したのは、いつでしたっけ 卒業式はあっという間に終わり、裕子たちが開いてくれた送別会もとても楽しいものでした このあとのことは任せてください!と胸を張る裕子、鼻水を垂らして涙を流すマホと、 マホを慰めているはずがもらい泣きをしてしまったミカ 他の子たちも、私たちのことを惜しんでくれました 「原村部長、御達者で!」 「優希先輩!私、優希先輩みたいに強くなります!」 「宮永先輩はずっと憧れてました!大学リーグでも頑張ってください!」 「……俺は!?」 泣いて、笑って、みんなと別れたときにはもう家屋から漏れる明かりと街灯ばかりが目立っていました 一日経っても、何も変われなかったなぁ…… 大きく白い息を吐いていると、後ろから声がかけられました 聞き慣れた、優しくて、時々格好よさを見せる声 声の主は京太郎くん、私のため息の原因でした ここ暗いから送ってくよ、と手を握った京太郎くんに頷きました まばらな街灯が照らす道 何度も二人で歩き慣れた道 私と京太郎くんとの二人っきり 思い出話に花を咲かせながら、二人で歩く 二人で星空を見上げて、これは何座だとか適当な話をして過ごす帰り道 いつもとあまり変わらない帰り道 気が付くと話は途切れていて、二人して俯いていました いつもありがとうな、と徐に顔を上げた京太郎くんが笑いました こちらこそ、と返して私たちはまた黙りこみました 「和ちゃんは、変わりたいと思う?」 ……そうだ、これは最後の機会 これを逃せば、同じ大学とは言え、京太郎くんが他の子に奪い取られてしまうかもしれない たった一言、しっかりと口に出せばいい 「一回勇気を出すだけ、もう少しだけ精一杯」 頭の中で決心がつきました 京太郎「あー、あのさ、俺、和に言いたいことがあるんだ」 和「え?」 京太郎「言いたい、ってか言わなきゃいけないこと」 和「……奇遇ですね」 和「私も、京太郎くんに言いたいことがあります」 京太郎「……そっか」 京太郎「じゃあ、同時に言ってみるか」 和「……ええ、そうしましょう」 京太郎「おっけ、んじゃ――――せーの!」 言葉が、重なる 二つの音が、重なる 沈黙が、重なる 笑い声が、重なった ,.ー-‐.、 ヽ、 ヽ __ /,..-ニ‐- '"_,..) / ̄\ _,.‐-、 ' ´/ , _ 、´ / ヽ ' 、 .ノ _ _ ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\ / _| r ヽ i'´ ` ! , ',. -一' ./..'/ .} / <_ ,..-、 ! l i ヾ、_ / ,. '′ ,..,. ,/ ./ `ー-イ \ / ヽ ! ! し , iヽ、i / / { \ヽ i' _,/ ,.イ ̄`'´ /! ゙、 l ! / ヾ | ー'´ `´\ ヽヽ ! / ̄ // / / | └! .i! .!┘ ヽ r'´ ,.'⌒ `,. l ! 〈 \| | | | l !l .! ヽ ! ! ゝ-‐'´ /l .! ヽ r/ ヽ/ | l .l ! l i ゙、 \ / } .}ー"ヽ ヽ ヽ__// _ r、__, ,、 __,ノ l .! l .! | ト、゙、 `ヽヽ j ノ`ー-、 } ./ / | | ≧、__|  ̄ ____r' 」 l、゙、_ノ」__ン____________゙、`' /__ ヽ/_/ ./ | |________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ } ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"'´ ̄ ̄ ゙、. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽノ ヽ、ノ . エピローグ 重なる心
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菫「いつも雑用係を押し付けて済まないな須賀」 京太郎「いえ、俺に出来るのはこれくらい何で」 菫「そう自分を卑下するな。私達はとても助かっている」ナデナデ 京太郎「あの……高1にもなって頭を撫でられるのは恥ずかしいんですけど」 菫「嫌だったか、なら止めるが?」ナデナデ 京太郎「…………嫌じゃないっす」 京太郎「というわけで竜華さん、膝枕オナシャス!!」 竜華「拒否。 唐突過ぎるし頼み方腹立つわ」 京太郎「男だって甘えたくなる時があるんです!!! わかるでしょう!?」 竜華「知るか!! ウチの膝は怜専用や! 須賀なんかにゼッタイやらん!!」 京太郎「そこをなんとか!!先っぽ! 先っぽだけでいいですから!!」 竜華「ささ、ささささ、先っぽおお!? な、何言うとんのや!! ……つか、どこのことや!!!」 京太郎「おかーさん!!!!」 竜華「やかましいいい!!!」 京太郎「……とまぁ散々でした」 怜「そりゃあ残念やったねぇ。ウチの膝枕で堪忍なぁ~」ナデナデ 京太郎「それに比べて怜さんときたら、もう女神ですよ女神。 最高ッス」 怜「そうかぁ? 嬉しいこと言うなぁ京太郎はぁ。 もっと撫でたるなぁ~」ナデナデ 京太郎「あぁぁぁぁ……ええわぁ……」 竜華「うぇえええええええええ!? と、怜いいいいいいい!!!??」 京太郎「ということでなでなでしてください!」 智紀「…………」スタスタ 京太郎「無視された!」 衣「どうした、きょうたろー。」 京太郎「今俺はモーレツにお姉さんになでなでしてもらいたいんです!」 衣「何だそんなことか、それなら衣が……」 京太郎「あ、国広さーん! なでなでしてくださーい!」 一「何を言ってるの君は?」 衣「だから衣が……」 京太郎「国広さんみたいなお姉さんになでなでしてもらいたいんですよ。」 一「あぁ……僕忙しいからパス、他の人にしてもらいなよ。」 京太郎「そんなー。」 衣「なんだきょうたろー、だめだったのか。」 京太郎「失敗でしたよ、でもなでなでしてもらうまではメゲない、諦めない!」 衣「あー、なんか衣はなでなでしたくなってきたなー。」チラッ 京太郎「こうなったら透華さんに頼み込んで……」 衣「今なら膝枕もつけちゃいそうな気分だぞー?」チラッチラッ 玄「えへへへ~。京太郎く~ん」ナデナデナデ 京太郎「うおう、玄さん。 今日もご機嫌っすね」 玄「京太郎くんを撫でる今があってこそだよ!う~りうりうりうりうり~」ナデナデナデナデ 京太郎「うおうおうおう」 玄「えへへへぇ~」ナデナデナデナデ 京太郎「玄さんにも参ったもんだなぁ……合う度頭撫でられてたら俺の理性が保たないぜやっほい」 宥「あ……す、須賀くん……」 京太郎「お、宥さん。 こんにちは。 何か用ですか?」 宥「あ……う……そ、そのぉ……」 京太郎「?」 宥「……わ……私も…………あたま……」 宥「なで……………なで…………」 宥「…………~~~~~ッ!」 宥「や、やっぱりなんでもないですぅ~!!」ダッ 京太郎「……?」 京太郎「……」ナデナデ シロ「……」 京太郎「……」ナデナデ シロ「……」 京太郎「あの、シロさん」ナデナデ シロ「?」 京太郎「歳的にシロさんが俺を撫でるのが普通だと思うんスけど」ナデナデ シロ「ん……まぁ……」 シロ「……」 シロ「……京太郎は……嫌?」 京太郎「嫌だったらこんなことしませんよ」ナデナデ シロ「……」 シロ「ん……」スッ ギュッ 京太郎「美穂子さーん」 美穂子「あら京太郎君。どうしたの?」 京太郎「さっきの卓で俺1位とったんですよ1位!」 美穂子「まぁ!やったじゃない京太郎君!日ごろの努力が実を結んだようで私までうれしくなっちゃう」 京太郎「というわけでご褒美がほしいです」 美穂子「もぉ、現金なんだから……いいわ。私にできることなら何でも言ってね?」ニコ 京太郎「なんでも……」ゴクリ 京太郎(それはもしかしてその突き立った双子山を自由にしていいということだろうか……揉みしだいていいということだろうか……) 京太郎(いやいや考え直せ須賀京太郎15歳!ここで美穂子さんの信頼を裏切ってどうする) 京太郎(美穂子さんは俺が決して外道なことを信じたうえでこんな迂闊なことを言ってるんだ) 京太郎(その信頼に報いることができなくて何が雀士だ!) 京太郎(しかし少しでも美穂子さんの母性に甘えたいと思うのは悪いことだろうか……) 京太郎(……いや悪くない) 京太郎(ここは……) 京太郎「頭なでてほしいです!美穂子さん」 美穂子「まぁそんなことでいいの?」 京太郎「はい!お願いします!」 美穂子「ふふふ。京太郎君は無欲ね。分かったわ、心行くまでなでてあげるわね?」 美穂子「なでなで」 京太郎(ふぉおおおおおおおおおおおお) 京太郎(まるで夢見心地。このまま脳髄がとろけて行きそうだ!) 美穂子「京太郎君、気持ちいい?」ナデナデ 京太郎「みほこさ~ん。もっとぉ」ゴロゴロ 美穂子「まったく……甘えん坊さんなんだから」ナデナデ