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小太郎 こたろう 種別 狐 別名 住所 兵庫県 特徴 在田肥前の家人・遠井兵満は好色で、身重の妻がありながら妾と通じていた。妻はこのことに憤り、老臣辻大蔵に妾の殺害を依頼した。亭主の留守中、昼寝をしている妾のもとに忍び寄った大蔵は、刀でその胸を貫いた。すると妾はたちまち狐となって大蔵を食い殺し、続いて妻を食い殺した。更に帰宅した亭主をも食い殺し、本物の妾ただ一人無事に生き残り、親元へと帰って子孫を残した。この妾の父親は日ごろから磯部の社を信仰しており、娘に化けた小太郎という狐を社の前に祀った。嘉吉元年2月のことだという。 資料 『播州府中記』
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製作者:リドリー SRCS_YamadaTarou1U.PNG 山田太郎 人間 男 17歳 5月5日生、牡牛座、A型、身長230cm 体重185㎏ B152/W100/H115 一人称:俺 二人称:男子には「貴様」。女子には「君」。先生や目上に対しては基本的に礼儀正しい。 クルセイド学園高等部2-2 所属:MSガンボイ・レッドクロス(人手が足りないときの助っ人) 好きなもの:可愛いもの。聖書の詩篇。祈り。 嫌いなもの:足の多い虫。傲慢なドライバー。 家族構成 祖父:権兵衛(82歳) 父:厳(51歳) 母:烈(48歳) 長女:花子(24歳) 次女:茎子(22歳) 三女:葉子(20歳) 代々神父の家系。父が神父を引き継いだものの、 日曜日の礼拝のときは未だに祖父が説教をしている。 待望の男子だったこともあってか、その祖父に可愛がられて育っており、 将来を嘱望されている。 R女学園の尾賀葛ノ介をその篤い信仰心ゆえに尊敬し、 御師匠様と呼んでいる。女系家族で兄が欲しかった山田は、 彼を実の兄のように慕っている。 姉が三人もいるせいで、年上の女性には絶対服従の精神を植えつけられている。 性格は頑固。生真面目で勤勉。カトリックの教えが叩き込まれているため、 困っている人を助けることには躊躇が無い。電車で席を譲るのは日常茶飯事、 足の悪いお婆さんを背負って駅まで案内したこともある。 さらに、子犬を助けるために、10tトラックに体当たりしたことも。 校則に厳格な彼が一時間目遅刻してくるときは、 何か厄介ごとに巻き込まれているときである。 結果、友人たちの厄介ごとに巻き込まれるのもしばしば。 能力は『マッスルエフェクト』。身体能力の向上、ただそれのみ。 硬く、強くなるが、速くはならない。 フェイティアはやけにマッチョなイエス様が彫刻された、 十字架『ヒッティングクルス』。この十字架に祈ることで、 神の奇跡としか思えない癒しの術などが仕えるようになった。 山田太郎 山田太郎, 男性, 人間, AAAA, 160 特殊能力 魔力所有, 1 術Lv0=非表示, 1 不屈, 1 S防御Lv2, 1, Lv3, 18, Lv4, 27, Lv5, 42 161, 105, 144, 120, 162, 155, 強気 SP, 50, ド根性, 1, 鉄壁, 3, 気合, 10, 熱血, 17, 必中, 18, みがわり, 33 ori_kanenomori_028_a.bmp, -.mid # パイロットアイコンはSRC公式HPのオリジナルグラフィックセンター内の、 # 金ノ森銭太郎さんが描かれた028_aのアイコンを指定させて頂きます。 山田太郎 山田太郎, (人間(山田太郎専用)), 1, 2 陸, 3, L, 3800, 140 特殊能力 性別=男性 攻撃属性=夢 シールド=肉のカーテン 5600, 140, 1300, 50 CACB, SRCS_YamadaTarou(1)U.bmp マッスルフラッシュ,1000, 1, 3, -10, -, 10, -, AAAA, +10, B浄恐複術 パワータックル,1200, 1, 1, +0, -, -, -, AAAA, +0, 突KL0 ジャイアントスイング,1400, 1, 1, -10, -, 10, -, AAAA, -10, 突KL1 キャッチアズキャッチキャン,1600, 1, 1, +10, -, 15, -, AAAA, +10, 突S スティール・ナパーム,1900, 1, 3, -20, -, 40, 110, AAAA, +20, 封光浄術 === 治癒術,回復Lv2, 1, -, 15, -, 魔術援 解毒,治癒=毒, 1, -, 10, -, 魔術援 山田太郎 回避 山田太郎, 正直に言おう。俺は鈍いぞ! 回避 山田太郎(叫び), どうした、遠慮は無用だぞ! 回避 山田太郎(叫び), 打ち込んでこい、貴様の拳が俺より速ければ当たる。簡単な道理だ! ダメージ小 山田太郎, そんなものか、貴様の力は! ダメージ小 山田太郎, わかっただろう? 山田太郎(叫び), 俺と貴様の間には越えることの出来ない壁があるのだ!! ダメージ小 山田太郎, 効かん、効かんぞ! 山田太郎(叫び), その程度の拳では、俺を殺すことはできない!! ダメージ中 山田太郎(口切), 大したものだが、負けるわけにはいかん! ダメージ中 山田太郎(口切), ……やるな 山田太郎(叫び), だが、俺にも退けぬ理由がある!! ダメージ大 山田太郎(血煙), グハッ!! 山田太郎(口切), ……や、やるじゃないか…… ダメージ大 山田太郎(吐血), グホァッ!!! 破壊 山田太郎(血煙), 俺も…ここまでか…… 脱出 山田太郎, すまん、先に行かせてもらう!! 射程外 山田太郎, 遠いか…距離を稼がれると弱いな… 射程外 山田太郎, やられたか…だが、居場所が分かれば方策は幾らでもある!! 射程外 山田太郎, 待ってろ、すぐに殴りに行ってやるぞ! 格闘 山田太郎, 撃って効かせる拳の極意、しかと見よ! 格闘 山田太郎, 手加減はできんぞ、覚悟しろよ! 格闘 山田太郎(叫び), 我が関節技をくらえ!! 格闘 山田太郎(叫び), 我が関節技に砕けぬものなし!! 格闘 山田太郎(叫び), くらえっ!!! 格闘 山田太郎(叫び), 行くぞ、死にたくなければよけろ!! 格闘(反撃) 山田太郎(叫び), どうした、俺はまだ生きているぞ! 格闘(反撃) 山田太郎(叫び), 甘いな、俺はまだ動けるぞ! 格闘(反撃) 山田太郎(叫び), 頑丈なのが取り柄でな、今度はこちらから行くぞ! 射撃 山田太郎(叫び), 主よこの者の罪を許したまえっ! 射撃 山田太郎(叫び), 我らの神、主が我らを黙らせ、毒の水を飲ませられる! 射撃 山田太郎(叫び), 罪は永遠に.されど、死者のために我は祈らん…… 射撃 山田太郎(叫び), 我の我たるは主の御恵みによるもの。もし主導かば、何者も害するなし…… 射撃 山田太郎(叫び), 咎人地より消え、悪しき者絶滅されるよう、我が魂よ、主を頌えよ──ハレルヤ! 治癒術 山田太郎, 主よこの者の傷を癒したまえ… 治癒術 山田太郎(叫び),あなたの慈しみの豊かなるにより、私にお答えください… 治癒術(対相場耕大) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対相場耕大) 山田太郎, 珍しいな、いつもは応急処置をしてまわる側だろうに 治癒術(対阿尾圭輔) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対阿尾圭輔) 山田太郎, 自分の身体状況の計算ぐらいはしてもいいんじゃないか? 治癒術(対朝霧春奈) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対朝霧春奈) 山田太郎, 君は女性なのだから、あまり暴れるのは感心しないな 治癒術(対神凪優子) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対神凪優子) 山田太郎, いつもの占いで事前にこうなるとわからなかったのか? 治癒術(対神通力) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対神通力) 山田太郎, いつもの鷹はフォローしてくれなかったのか? 治癒術(対筋金涼) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対筋金涼) 山田太郎(叫び), 顔が怖い? 悪いが生まれつきだ 治癒術(対閤田権之助) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対閤田権之助) 山田太郎(叫び), 貴様、生傷が絶えないようだな 治癒術(対椎夜レン) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対椎夜レン) 山田太郎, 昼の放送があるんだ、あまり無茶はするなよ 治癒術(対シフォン=リズヴェルト) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対シフォン=リズヴェルト) 山田太郎, ハッタリアンのチョコの処理は任せてくれ。安心しろ、シールはお前にやるから 治癒術(対玉置志狼) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対玉置志狼) 山田太郎, 今度は何をやらかしたんだ、貴様? 治癒術(対蜻蛉羽音夜) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対蜻蛉羽音夜) 山田太郎, 神に仕える俺の術を施してもかまわんか? まあ、聞く前に治しているが 治癒術(対蜻蛉羽真夜) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対蜻蛉羽真夜) 山田太郎, 君は姉さんと違ってはっきりしてるんだな 治癒術(対榎本俊也) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対榎本俊也) 山田太郎, 近くで見るとお…いや、なんでもない 治癒術(対大霧楽護) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対大霧楽護) 山田太郎, 貴様には不要だったかもしれんな 治癒術(対木村屋小麦) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対木村屋小麦) 山田太郎, 君のパンの方が効くかもしれんが、無駄にはならんだろう 治癒術(対霧雨美稲) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対霧雨美稲) 山田太郎, 珍しいな、君が怪我をするなんて。相手はどんなやつだ? 治癒術(対波多野真) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対波多野真) 山田太郎, お節介? 無論だ、それが俺の信条だからな 治癒術(対九里霧丈) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対九里霧丈) 山田太郎, 乱暴者め。だがな、神は貴様のような者も等しく愛してくださる。それをよく覚えておくんだな? 治癒術(対黒諌藤一) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対黒諌藤一) 山田太郎, 俺より頑丈な男がどうしたというんだ? まあ、あまり過信はするなという事だな 治癒術(対小玉香苗) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対小玉香苗) 山田太郎, 気をつけろ。特にラバーメンが来たら君は逃げたほうがいい 治癒術(対青龍崎時雨) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対青龍崎時雨) 山田太郎, 貴様の趣味にとやかく言うつもりは無い。今の貴様は一介の怪我人にすぎんからな 治癒術(対塚本宝) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対塚本宝) 山田太郎, 君はどうも男性的な雰囲気をまとっているな 治癒術(対ティアリス=ティアスター) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対ティアリス=ティアスター) 山田太郎, これを機に少し口を慎むこ…… 山田太郎(叫び), なぜ、それを知っている!? 治癒術(対遠月されな) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対遠月されな) 山田太郎, 遠月姉、少しはこれで落ち着くだろう 治癒術(対遠月凛々) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対遠月凛々) 山田太郎, 遠月妹、あまり人をからかうのは関心せんぞ 治癒術(対朱鷺静夏) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対朱鷺静夏) 山田太郎, バイトも結構だが、あまり危険なことは避けたほうがいいだろう 治癒術(対トーリス=ガリデス) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対トーリス=ガリデス) 山田太郎, 探索もいいが、ほどほどにな 治癒術(対永岡忠司) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対永岡忠司) 山田太郎, 人に向ける小銭があるなら、俺にジュースでも奢れ。無論、2リットルのボトルでな 治癒術(対流捨虎) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対流捨虎) 山田太郎, プロレスに付き合う気はないが、怪我をしたら俺のところへ来い 治癒術(対薙原慧宗) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対薙原慧宗) 山田太郎, 剣道部の鍛錬はなかなかだな。この程度で済んでよかった 治癒術(対鳴神奈留) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対鳴神奈留) 山田太郎, 運動神経抜群な君が珍しいな。まあ、あまり過信は禁物という事か 治癒術(対成沢智紀) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対成沢智紀) 山田太郎, またドラグン関係のいざこざか? 手伝えることがあればいえ。俺でも力になれるかもしれからな 治癒術(対光谷望) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対光谷望) 山田太郎, レッドクロスの君を傷つけた奴がいるのか…… 山田太郎(叫び), どいつだ。俺が説教してやる! 治癒術(対氷堂暦) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対氷堂暦) 山田太郎, 騎士団は大変だな。まぁ、あまり無理はするな 治癒術(対古原隼人) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対古原隼人) 山田太郎, バイク好きも構わんが、無茶はいかんな 治癒術(対御剣悠) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対御剣悠) 山田太郎, 君のヒーリングの方が効きそうだが、まぁ俺の術も無いよりはましだろう 治癒術(対三島遥) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対三島遥) 山田太郎, なに、礼はいらん。できれば、すぐに怪我をしないようにな 治癒術(対ミーティア=フィーニクス) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対ミーティア=フィーニクス) 山田太郎, タフな君が珍しいな… 治癒術(対ミハイル=エプシュテイン) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対ミハイル=エプシュテイン) 山田太郎, まあ、落ち着け。怪我を治すのが先決だ 治癒術(対六藤守矢) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対六藤守矢) 山田太郎, あまり突っ走るな。仲間をもっと頼ってもいいんだぞ 治癒術(対瞳空涙) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対瞳空涙) 山田太郎, …大変だな、お前の方向音痴も 治癒術(対闇坂誠二) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対闇坂誠二) 山田太郎, 光谷が心配する、あまり無理はするな。なに、男を発揮する場は、必ず回ってくるさ 治癒術(対夜楓桜) 山田太郎, 気休めのようなものだが、無いよりはましだろう 治癒術(対夜楓桜) 山田太郎, まったく……口が悪い割には人の為に無理をするんだな、君は 治癒術(対劉生ジョニー) 山田太郎, 俺の術はあまり効かんぞ、すまんな 治癒術(対劉生ジョニー) 山田太郎, 貴様の豆腐の方が効きそうだが、ここは俺の術を黙って受けていろ 治癒術(対尾賀葛ノ介) 山田太郎, 御師匠様の身は信仰の為の尊いお体。傷などあってはなりません! 治癒術(対尾賀葛ノ介) 山田太郎, いつも受けているご恩に比べれば、大したことではありませんよ、御師匠様! 解毒 山田太郎(叫び), 神は我が祈りをしりぞけず、その慈しみを私から取り去られなかった… 解毒 山田太郎, ……もろもろの谷は穀物を以って覆われ… 山田太郎(叫び) 太郎, ori_kanenomori_028_b.bmp 山田太郎(口切) 太郎, ori_kanenomori_028_c.bmp 山田太郎(血煙) 太郎, ori_kanenomori_028_e.bmp 山田太郎 マッスルフラッシュ, 大ビーム オレンジ パワータックル, タックル ジャイアントスイング, ジャイアントスイング キャッチアズキャッチキャン, 立ち固め キャッチアズキャッチキャン, 足固め キャッチアズキャッチキャン, 背負い固め キャッチアズキャッチキャン, 立ち足固め キャッチアズキャッチキャン, フォール スティール・ナパーム, 髑髏弾 ピンク 治癒術, 回復魔法泡 解毒, 回復魔法泡 自由記入欄 ここから先は、何かを追加したいときに追記する欄です。 何か追加したい設定がありましたら、作者以外の方もご自由にお書きください。 ■参戦シナリオ: 『Psychic Lover』 製作者:キバルトさん
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『きっと、きっと、すぐに来ます!! ――氏直様を、一人にしない誰かが、必ず来ます!』 【所属】 印度諸国連合 【名前】 小太郎 【読み方】 こたろう 【種族】 走狗 【元ネタ】 五代目風魔小太郎 【字名】 不明 【登場巻】 3巻上 【詳細】 北条家の当主である北条・氏直に仕える走狗。 襲名元は代々北条家に使える忍者集団の長である。 氏直に拾われている。真面目ではあるがよく氏直にからかわれたりもしている。 小田原征伐に北条家代表として参戦。 小田原城城門を無数の自動人形と遠隔操作型武神を率いて守っていたが、 それらに対してもっとも戦闘能力を発揮する毛利家代表世鬼・政定に殲滅され敗北した。
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1/9 1000 京太郎たちが3年の卒業式 宮永咲ちゃんです。 時の流れは早いもので、気づけば私たちも三年生になりました。 「きょ、京ちゃん待ってよぉ……」 「いや、もう待ってるから……。ゆっくり来なよ」 「うう、ごめんね? 一緒に遅くなっちゃって」 「いつものことだし、気にしてねーよ」 うん、やっていることは中学生の頃と全く変わらないんだけどね! 違う場所は、私たちの距離。 「その、手、組んでいいぞ」 「それは恥ずかしいからダメ! 手をつなぐくらいなら……」 宮永咲と須賀京太郎は、高校生で恋人になりました! それが、この高校生活を彩りのあるものに変えた関係です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2/9 「咲は昔っから、何にも変わらないよなァ」 「ム。そんなことないもん」 「だって、麻雀だってあんまり気合い入れてなかったろ?」 「京ちゃんと遊ぶからいいんですー」 「そんなこと言ってさ。また俺と優希と和以外、友達できなかったじゃん」 「うう……」 「後輩だって、ムロマホが苦手って……あんなにいい後輩はいないぞ?」 「だってぇ……」 「ホント、咲は俺がいないとダメなんだから、俺から離れるなよ」 「はーい」 ふふふ。顔を真っ赤にして言ってる京ちゃんかわいい! 全く、京ちゃんも私がいないとダメなんだから! 今日は私たちの卒業式。 面倒臭い式辞は置いておいて、私はとっても必要なものがあるの。 「京ちゃん。第二ボタンちょーだい!」 「お、おう」 ムフフー。彼女なんだからもちろん優先権があるもんねー! 寝取ろうとしていた人たちは残念でしたー! これで京ちゃんの第二ボタン、心臓は私のものです! 「ってなんで前閉めないの?」 「そのボタンが最後」 「え?」 「ボタン全部取られちゃったよ……」 ……えっ? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 3/9 「第二ボタンだけは勘弁してもらったんだけどさ。 なんか他のでいいから欲しいって」 「な、な、な、なんでそこでOK出しちゃうの!?」 「えっ。でも咲がいるって話したし」 「むー! 彼女がいるのに第二ボタン渡す人がいる!?」 そしてもらう方ももらう方だよ! 「って言っても、あげたのは和とかマホ相手にだぞ? 恋愛感情とか抜きで、思い出にって」 「余計ダメな人だよ!」 和ちゃんはこじらせてるからともかく、マホちゃんはいけない匂いがするよ! あの子は私とかお姉ちゃんと同じ匂いがする! 京ちゃんと相性が良すぎるよ! 優希ちゃんですら自重してるのに、あの子は妹分の立場を生かしてやりたい放題すぎるんだから! 「まぁ、でも俺には咲がいるし、関係ないだろ」 「ぅひ。 そういう急なデレは反則!」 「?」 「他には来なかったの?」 「あー、ちょっと話す程度の後輩とかよく来たよ。 でも顔を覚えてる程度だしなぁ」 「京ちゃんにとっての顔を覚えている程度って」 それは人によっては惚れちゃうよ! 喪女相手にでも普通に話す京ちゃんは、いろんな子に人気です。 コミュ力が高いので誰相手にでも仲良くなれるんだけど、特に人気がある相手がコミュ障と後輩相手なんだよね。 面倒見の良さに惚れちゃうよ! ソースは私! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 4/9 「咲さん。ついに卒業ですね」 「思えばいろいろあったじょ」 「そうですね。 私と咲さんで『俺とお前でスーパーのどっち』した日も懐かしいです」 「何その単語!? 覚えがないよ!?」 和ちゃんがおかしくなったのはいつだろう……。 京ちゃんと私がくっついてからおかしくなった気がするんだけど……。 「須賀君とも気づけば3年間の付き合いですね」 「和みたいな美少女とお近づきになれるなんて、いい三年間だったぜ!」 「ム」 「ほら、お嫁さんが拗ねてますよ」 「まだ嫁さん違います!」 「咲とは大学も同じだし、3年の付き合いじゃないすまないし」 「咲ちゃん咲ちゃん。遠回しにお墓に入るまで一緒って言ってるじょ」 「いぃ!?」 あ、京ちゃんが顔を赤くしてる! もー、大きい図体してそんな顔するのは卑怯だよ! 可愛い! どーせ私を嫉妬させたくて和ちゃんにデレデレしてるんでしょ、知ってる! というか、そうじゃなかったら頬を抓っちゃうもん! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 5/9 「のどちゃんも祝福できるようになったみたいで本当に安心したじょ。 いやマジで」 「いいえ、優希。 私はデジタル的に行動しているだけですよ? まだ勝負はついていません」 「勝負?」 「のどちゃん……。 そんなことを言ってると行き遅れちゃうじょ」 「私が行き遅れるなんて、そんなオカルトありえません!」 「そうだよねー。和ちゃんは美人さんだし、相手だって選り取りみどりでしょ」 「だよなー! くー、和の恋人になれるやつが羨ましいぜ!」 もー、京ちゃんったらまたそんなこと言って。 でも、和ちゃんはこの三年間もモテモテだったし、大学もレベルの高い女子大に行くし、行き遅れとは縁がないんだろうなぁ。 うん。和ちゃんが結婚できないんだんてありえないよね! きっと大学に行ってもモテモテで、彼氏に困らないんだろうなぁ。 優希ちゃんも男友達との付き合いが得意そうで、本当に羨ましい。 私に京ちゃんがいなかったら……、うぅ、想像するのも怖いよ。 「京ちゃん先輩!」 「おっ、マホか」 「えへへ! 卒業おめでとうございます!」 「なんか照れるな」 (無)邪気が来たか! マホちゃんは私の天敵です……。和ちゃんや優希ちゃんはマホちゃんの側面を知らないんだもん! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 6/9 『宮永先輩は須賀先輩の恋人なんですよね?』 『う、うん。そうだよ』 『京ちゃんって呼び方も宮永先輩しかしてないですよね!?』 『私とお姉ちゃんだけかな?』 『わかりました! 私も京ちゃん先輩って呼びます!』 『なんで!?』 『? 宮永先輩をコピーすれば私も京ちゃん先輩の恋人になれるってことですよね? マホはコピーが得意です!』 『どういう理屈なの!? 私が彼女なんだから諦めてよ!?』 『なんで諦める必要があるんですか? マホは京ちゃん先輩が好きだから努力するんです! えへへ』 『え、いや、えぇー!?』 『だから安心して別れていいですよ! マホにおまかせあれ! です!』 あ、あれは別次元の生物だよ。日本語が通じなかったよ! それでも、京ちゃんたちの前では普通のマホちゃんなのが怖いよ……。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 7/9 「これであの時の清澄麻雀部もみんな卒業ねぇ」 「竹井先輩!」 「ふふっ、久しぶり、須賀君、咲、優希」 わ、わ、わ。ぶちょ、じゃない、竹井さんまで来てくれたんだ! 「みんな、元気かの」 「染谷先輩!」 「後輩の晴れ姿はいいのう。 ……ところで、優希。久しぶりにタコスを食べに行かんかの?」 「……。 京太郎! 咲ちゃん! ちょっと最後にタコスを買いに行くじょ!」 「え、どうしたんだよ」 「いいから早く!」 優希ちゃん、強引だなぁ。 でも、これでタコスも食べ納めだし、優希ちゃんと染谷先輩と一緒にタコスを食べに行きます。 「竹井先輩、悪待ち()の成果はどうですか?」 「あら、和。いたの? そっちこそ、自慢のデジタルは3年間じゃ機能しなかったみたいね」 「デジタルは統計的に見るものですから。 短く見積もっても80年近く連れ添うとして、3年は大した時間じゃありません」 「悪待ちだって、最終的に私のものにするための作戦よ?」 「マホは若さをアピールできない人は見苦しいと思います! 宮永先輩を一番コピーできるのはマホです!」 「「あ”!?」」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 8/9 急に優希ちゃんに連れ出されたりもしましたが、本当に解散の時間です。 高校3年間、本当に色々とあったなぁ。 最初は何もないと思っていたけれど、麻雀部に入ってから激動の毎日。 友達ができて、お姉ちゃんと和解して、京ちゃんと恋人になった。 うん、本当に楽しい3年間だったよ! 「では、これでお別れですね」 「咲ちゃんまたなー! 大学生になっても、みんなで女子会しようじぇ!」 「おい、女子会じゃ俺が混じれないだろ」 「それでは、『京太郎君』はまた別の時にお誘いしますね」 「!? うおおおおーーーッ!? 和が俺のことを名前で呼んでくれたぞー!」 「ふふっ」 あ! 和ちゃんあざといよ! まぁ、優希ちゃんも呼んでるし、名前で呼ぶくらいならいいけどさ。 ちゃんと私を見ててよね、って手をつないでアピールしてみます。 み、みんなの前だと恥ずかしい! 優希ちゃんと染谷先輩がニヤニヤしてて直視できない! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 9/9 …… これから大学に行って、就職して、ずっと京ちゃんと一緒にいるのかな。 高校からの帰り道、この道を通るのもきっと最後。 京ちゃんと手をつないでこの道を通るのも、もしかしたら最後。 自然と、ぎゅっと強く握ってしまう。 「大丈夫だって」 「?」 「みんなまた会えるよ。 女子会誘ってくれるって、言ってたろ?」 ……そっちじゃないんだけどなぁ。 まぁ、京ちゃんに女の子の気持ちを悟れって言っても、仕方ないかな! 「ありがと、京ちゃん」 「それに、さ」 「?」 「お、俺はずっと一緒だから」 …… もー、すぐにそういうこと言う! そういうこと言えば満足すると思ってるんでしょ! 「手、離したら迷子になっちゃうんだからね」 「その時は探すよ」 「そこは、手を離さないって言うところでしょ!」 「咲は手を繋いでてもすぐに迷子になるからなァ」 全く、本当に女心がわかってないんだから! そんな京ちゃんの手は、咲ちゃんが離してあげません! カン!
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343732741/ 京太郎「よし、まずは三尋木プロのところだ!」 京太郎「よろしくお願いします!」 咏「修行とか、何したらいいかわかんねーけど、まずは瞑想しようか」 京太郎「瞑想ですか、これに一体何の意味が?」 咏「ここぞって時に集中できるようになるんじゃねーの、知らんけど」 京太郎「そんな他人事のように」 咏「いいからいいから、とりあえずやってみなって」 京太郎「分かりました」スー 咏「そうそう、いいねー」 京太郎「(いつまでやればいいんだろう?)」 咏「(この間に次の修行でも考えるか…)」 咏「もういいよ」 京太郎「えっ、もういいんですか」 咏「私じゃ、指導力不足みたいだからもっといいひと教えてあげる」 京太郎「ありがとうございます。いきなり来たのにこんなに親切にしていただいて」 咏「いいっていいって、それじゃあ、場所はここだから」 京太郎「本当にありがとうございます」 京太郎「ここか」 大沼「あー…君か修行に来たのは」 京太郎「はい。よろしくお願いします」 大沼「あー…まずは君の鬼門を見せてくれるか?」 京太郎「鬼門ってなんですか?」 大沼「まずは、ズボンを脱いでくれ」 京太郎「えっ、ちょっ、待って」アッーーーーー 一週間後 京太郎「ひどい目にあった…次は気を取り直して咲のところに行こう」 京太郎「咲、頼む。オレに修行をつけてくれ」 咲「修行って言っても……私何したらいいか分からないよ」 京太郎「そこを頼む」ドゲザ 咲「分かった。まずは京ちゃんの弱点を直そう」 京太郎「弱点?」 咲「そう、京ちゃんの弱点はエッチした経験がないことだよ」 京太郎「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!」 咲「その反応が童貞の証だよ」 京太郎「うるせー。おまえだってどうせ処女なんだろ。だがなオレの処女は大沼プロに捧げたんだ」 咲「えっ?」 京太郎「おまえはどうなんだ咲?処女の癖に偉そうな口利くんじゃねえ!」 咲「私は京ちゃんにあげれば非処女だもん」 京太郎「おまえ、なに言ってるか分かってるのか?」 咲「分かってるよ!京ちゃんに私の処女をあげて、京ちゃんの童貞をもらえばいいの」 咲「京ちゃんは弱点を克服できるし、非処女同士になれるんだよ」 京太郎「咲、本当にいいのか?」 咲「もちろん、私、京ちゃんのことが好きだから。京ちゃんは私のこと好き?」 京太郎「オレもおまえのことが好きだ。だからおまえの気持ちはうれしい」 咲「京ちゃん……私、うれしい」 京太郎「それじゃあ、いくぞ?」 咲「待って」 京太郎「なんだ」 咲「まずはキスから……」 京太郎「そうだな、それじゃあ改めて」ガシッ 咲「う、うん」ビク 京太郎「咲」 咲「京ちゃん」スー 京太郎 咲『…………』バッ 京太郎「咲」 咲「ありがとう、京ちゃん」 京太郎「ああ、こちらこそ」 咲「ふふ、変な京ちゃん」 京太郎「茶化すなよ」 咲「ごめんごめん。茶化すつもりはなかったんだけど……」 京太郎「それじゃあ、続きいいか?」 咲「うん。でもここじゃなくてあそこがいいな」 京太郎「あそこって部長が良く寝てるベッドか?」 咲「そう。でも、こういうとき他の女の人の名前を出すのはやめて。私だけを見て」ムー 京太郎「たしかにデリカシーがなかったな。ごめん(やベー、膨れてる咲、超可愛い。このまま押し倒したいくらいだ)」 咲「分かればよろしい」 ベッドの上 京太郎「咲、ぬ、脱がすぞ」 咲「う、うん。私も脱がしてあげるね」 下着の二人 咲「すごいね、それ。いつもそうなの?」 京太郎「いつもはもっと小さいんだ。だけど、咲の下着姿を見たらこうなったんだ」 咲「私でそうなったの?」 京太郎「ああ」 咲「でも、私なんて全然、スタイルとか良くないし……」アセアセ 京太郎「そんなに謙遜するな」 咲「ありがと。それで、もっと、見てもいい?」 京太郎「ああ、オレもおまえのことをもっと見たい」 咲「うん」 裸の二人 京太郎「咲、綺麗だ」 咲「ありがとう。ねぇ、それ、さっきより大きくなってない?」 京太郎「ああ、正直もう、ヤバイ。はちきれそうになってる」 咲「それ、大丈夫なの?」 京太郎「あ、ああ、大丈夫だ。まだ何とかなる」 咲「本当に?無理はだめだよ」スッ 京太郎「だ、大丈夫だから、触るな」 咲「えっ?」ピトッ 京太郎「うっ!出る!」ドピュッ 咲「きゃっ!」 京太郎「咲、大丈夫か?」 咲「うん、びっくりしたけど。京ちゃんは?」 京太郎「オレは……咲に手伝ってもらえばまだいける」 咲「手伝うって、どうすればいいの?」 京太郎「ああ、まずは手でなでてくれ」 咲「なでるってこう?」オソルオソル 京太郎「いいぞ、咲」 咲「次はどうすればいいの?」 京太郎「その次はさおの部分を握ってくれ」 咲「その部分ってここ?」ギュー 京太郎「ひっ!もう少し優しくだ」 咲「ごめん。このくらいなら大丈夫?」 京太郎「大丈夫だ。それじゃあ次は上下に動かしてくれ」 咲「分かった。こ、こう?」ソロソロ 京太郎「もう少し速くても大丈夫だ」 咲「これくらい?」 京太郎「ああ」 咲「だんだん大きくなってきてる……」シコシコ 京太郎「咲、離してくれまた出ちまう」 咲「あっ。ごめん」 京太郎「大丈夫だ。それじゃあ、咲、続きいいか?」 咲「うん、大丈夫だよ。来て、京ちゃん」パタン 京太郎「あ、ああ(童貞の俺はどうすればいい?) 京太郎「とりあえずインサートしとくか」 スブズブ 京太郎「うっ!(き、きつい)」 咲「きょ、京ちゃん、そこ違う」 京太郎「えっ?す、すまん。今抜くから」 咲「だ、大丈夫だから。このまま、続けて」 京太郎「で、でも……」 咲「これで京ちゃんとおそろいだから……ね?」 京太郎「咲……」 京太郎「だから、咲が傷つく理由がないじゃないか!」 咲「それは、京ちゃんのすべてが知りたいじゃだめかな?好きな人のことを知りたいって思うことはいけないことなの?」 咲「京ちゃんの痛みを知るためなら、私どんなに傷つこうとかまわない」 京太郎「」 咲「じゃあ、京ちゃんこうしよう?」 京太郎「なんだ?」 咲「京ちゃんが私に傷をつける間、ぎゅって抱きしめさせて」 京太郎「そんなことでいいのか?」 咲「うん。でも、私、いま爪が伸びてるから京ちゃんのこと傷つけるかもしれない。でも、私はそのことに罪悪感を持たない」 咲「だから、京ちゃんも私を傷つけることに罪悪感を持つ必要はないの。だからいっぱい傷つけて。私もいっぱい傷つけるから」 京太郎「それでいいのか?」 咲「そして、傷つき合ったら、もう傷つくことがないように、新しく始めよう!」 京太郎「分かった。辛い日々から新しい一歩を踏み出して幸いの日々を進もう!」 咲「うん!」 事後ベッドの上 咲「傷つけ合うとはいったけど、すごいねこれ」 京太郎「まさか、こんなことになるなんてな」 咲「ごめんね。背中、大丈夫?」 京太郎「あんなに力があるなんて思ってもみなかった」 咲「ごめん」 京太郎「いいって、それよりおまえのほうこそ大丈夫か?」 咲「まだ、痛むけど大丈夫。むしろうれしいし」 京太郎「咲ってマゾだったのか」 咲「違うよ。京ちゃんがつけてくれたからだよ」 京太郎「やっぱりマゾだ」 咲「もうこの話は終わり。それよりこの血塗れのシーツをどうするか考えよう?」 京太郎「そうだな。とりあえずシーツを交換するか」 咲「そうだね。でもどこにあるんだろう?」 京太郎「どこかにあるだろ」 咲「ほんとに?」 京太郎「だから行こうぜ、お姫様?」 咲「エスコートよろしく、王子様!」 おしまい
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【咲 -Saki-】 須賀京太郎カプ統合スレ 10 h10-1 京・咲 h10-2 京・咲 h10-3 京・咲・和 h10-4 京・淡 h10-5 京・咲 h10-6 京・咲 h10-7 京・咲 h10-8 京・咲 h10-9 京・咲 h10-10 男京太郎 おもち巡りの旅~第一部その7~ h10-11 京・咲 h10-12 京・清澄 h10-13 京・咲 h10-14 京・未春 h10-15 京太郎熟睡・清澄ver h10-16 京・淡 h10-17 京太郎熟睡・白糸台ver h10-18 京太郎熟睡・阿知賀ver h10-19 京・灼 h10-20 京太郎熟睡・新道寺ver h10-21 京・咲 h10-22 京太郎熟睡・永水ver h10-23 京太郎熟睡・千里山ver h10-24 京太郎熟睡・姫松ver h10-25 京・巴 h10-26 京太郎熟睡・宮守ver h10-27 京・穏乃
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h39-01 京睦 プロ雀カード h39-02 京蒔 h39-03 京やえ h39-04 京・清澄 助っ人京ちゃん h39-05 京哩 h39-06 京玄咲照 タブー h39-07 京まこ和久 名探偵染谷先輩 h39-08 京衣照淡蒔 h39-09 京・宮守 3年生京太郎 h39-10 京・阿知賀 シノハユ要素あり h39-11 京やえ 3年生京太郎 h39-12 京灼 h39-13 京泉 h39-14 京初瀬 h39-15 京玄 失ってから気づく大事なもの h39-16 京玄 h39-17 熱血雀士京太郎小ネタ h39-18 京灼 3年生京太郎 h39-19 京姫 3年生京太郎 h39-20 京蒔豊 h39-21 京漫 デコにデコ h39-22 京初瀬 h39-23 京咲 h39-24 粉雪小ネタ h39-25 京哩 3年生京太郎 h39-26 京宥 3月の雪 h39-27 京まこ咲 名探偵染谷先輩 h39-28 京白 粉雪小ネタ h39-29 京煌 h39-30 京初瀬 依存小ネタ h39-31 京照 おやつ禁止 h39-32 京エイ 姉弟 h39-33 京照菫 3年生京太郎 h39-34 京エイ h39-35 京淡泉憧優咲穏春和 1年生集合 h39-36 京照菫 h39-37 京霞初 3年生京太郎 h39-38 京咲和 妻に「愛してる」と言ってみた h39-39 京エイ 日本語講座 h39-40 京ネリ h39-41 京ネリ h39-42 京恭洋 3年生京太郎 h39-43 京泉 h39-44 京玄 h39-45 京智葉 義姉 h39-46 京久 3年生京太郎 h39-47 京哩 h39-48 京初 虫さされ h39-49 京漫 h39-50 京怜竜 3年生京太郎 h39-51 京白 下着着せ替え小ネタ h39-52 京洋絹 h39-53 京智葉 即落ち h39-54 京憧綾 h39-55 京咲 宮永咲の喜怒哀楽小ネタ h39-56 京咲 ガチホモ&ガチレズ注意 h39-57 京・清澄春白美穂淡玄佳織 京カプの頂点を目指すかおりん h39-58 京→照 菫 h39-59 京泉 h39-60 京玄 アホの子 h39-61 京初 h39-62 京巴 h39-63 京咲 宮永咲の春夏秋冬小ネタ h39-64 京理 h39-65 京・清澄はやり 脳内お花畑少女 h39-66 京哩姫 3年生京太郎 h39-67 京姫 h39-68 京優 片岡優希の喜怒哀楽 h39-69 京和 原村和の「後の祭り」 h39-70 京・龍門渕 純君大勝利 h39-71 京・永水ハギ咲池恭 ことわざ用例 h39-72 京桃 以心伝心 h39-73 京・清澄綾池 h39-74 京哩 h39-75 京蒔 姫様は横文字が苦手 h39-76 京照 3年生京太郎 h39-77 京照 ひぐらしパロ h39-78 京咲 教訓 h39-79 京純 小ネタ h39-80 京玄照 阿知賀共学設定 h39-81 京・千里山 本音京ちゃん h39-82 京・宮守 3年生京太郎 h39-83 京淡 スパッツだから恥ずかしくないもん! h39-84 京豊 願掛け h39-85 京恭 スパッツ履き忘れ h39-86 京エイ h39-87 京玄 h39-88 京・龍門渕 京ちゃんの良い所 h39-89 京春 h39-90 京塞 3年生京太郎
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ジョジョ史上最高傑作の 3部の主人公であり 荒木が認めた全ジョジョ最強のやつ EXEXEX 空条 承太郎(くうじょう じょうたろう((星の白銀・世界・天国(スタープラチナ・オーバーヘブン(ザ・ワールド)))) 天国に到達したDIO(世界・天国(ザ・ワールド・オーバーヘブン) EXEX 空条 承太郎(くうじょう じょうたろう(星の白銀・世界(スタープラチナ・ザ・ワールド))) DIO(世界(ザ・ワールド)) EX 空条 承太郎(*1) DIO(ザ・ワールド(素手、時止めなし)) SSS DIO(隠者の紫(ハーミットパープル)) SS 空条 承太郎(くうじょう じょうたろう(素手)) ヴァニラ・アイス(クリーム) 再起不能となったジャン=ピエール・ポルナレフ(銀の戦車・鎮魂歌(チャリオッツ・レイクイエム)) S モハメド・アヴドゥル(魔術師の赤(マジシャンズレッド)) 花京院 典明(かきょういん のりあき(法王の緑(ハイエロファントグリーン) ジャン=ピエール・ポルナレフ(銀の戦車(シルバーチャリオッツ)) ペット・ショップ(ホルス神) ダニエル・J・ダービー(ダービー兄(オシリス神)) アヌビス神(ジャン=ピエールポルナレフ) AAA 空条 承太郎(*2) ジョセフ(波紋・隠者の紫(ハーミットパープル)) イギー(愚者(ザ・フール)) ラバーソウル(黄の節制(イエローテンパランス)) エンヤ婆(エンヤ・ガイル(正義(ジャスティス))) J・ガイル(吊られた男(ハングドマン)) ミドラー(女教皇(ハイプリエステス)) ンドゥール(ゲブ神) アヌビス神(カーン) ケニーG(ティナー・サックス) AA 呪いのデーボ(悪魔(エボニーデビル) グレーフライ(灰の塔(タワーオブグレー)) 偽キャプテン・テニール(暗黒の月(ダークブルームーン))フォーエバー(力(ストレングス)) ホル・ホース(皇帝(エンペラー)) ネーナ(女帝(エンプレス)) ズィー・ズィー(運命の車輪(ホウィール・オブ・フォーチュン)) 鋼入りのダン(スティーリー・ダン(恋人(ラバーズ))) アラビア・ファッツ(太陽(サン)) マニッシュ・ボーイ(死神13(デス・サーティーン(悪夢世界(ナイトメア・ワールド))) カメオ(審判(ジャッジメント)) オインゴ(クヌム神) ボインゴ(トト神) アヌビス神(チャカ) マライア(バテスト神) アレッシー(セト神) テレンス・T・ダービー(アトゥム神) A ヌケサク 大統領(ラブトレイン) プッチ(MIH) ジョナサン ジョルノ(GER) 究極カーズ BBB 空条 ホリィ(くうじょう ほりぃ(茨(癒しの能力))) ディアボロ ディエゴ・ブランドー(THE WORLD(ザ・ワールド(オレだけの時間だぜ))) ジョニィ(Act4) ジャイロ(BB) 吉良 大統領 BB ウィルソン・フィリップス上院議員(車)ウェザー ディエゴ・ブランドー(恐竜(スケアリー・モンスターズ)) B 空条 貞夫(くうじょう さだお) 仗助 カルネ 露伴 重ちー CCC ワムウ 音石 ローゼス ウィルソン・フィリップス上院議員(素手) カーズ 猫草 CC チョコラータ イルーゾォ アン(家出少女)シェリー・ポルナレフ ソフィー マレーナ エシディシ C リゾット サーレー セッコ スージーQ・ジョースター DDD ブチャラティ ギアッチョ ポルポ 定助 DD 定助 サンタナ ホルマジオ アナスイ D ウンガロ ズッケェロ EEE ミスタ トリッシュ 形兆 EE オエコモバ ホルマジオ ドナテロ 噴上 E ラングラー F・F サウンドマン 吉廣 ジャンケン小僧 FFF リキエル ジョンガリ・A ヴィヴァーノ ドナテロ 康一 FF フーゴ エルメェス マックイイーン ケンゾー グッチョ 億泰 F ヴェルサス GGG マイクO GG ナランチャ G ブンブーン HHH 虹村さん(京) HH リキエル ラングラー H メローネ アンジェロ III 11人の男 ホットパンツ II シュトロハイム ウェカピポ I アクセルRO マジェント JJJ ジョセフ JJ スポーツマックス J ジャイロ KKK プロシュート アバッキオ リンゴォ KK DアンG ペッシ K ミューミュー LLL マライア LL ミラション L スクアーロ MMM 未起隆 MM プッチ M エニグマの少年 NNN グェス 定助 ディスコ NN マウンテンティム N フェルディナンド博士 OOO ブラックモア OO ジョニィ O ポークパイハット小僧 由花子 PPP プッチ PP ジャイロ P ルーシー 間田 QQQ ティッツァーノ 玉美 QQ トニオ ネズミ RRR カーズ RR ジョルノ
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――実況席控え室―― 京太郎「んじゃ、ちょっと個人行って来ます。」 健夜「行ってらっしゃい、頑張ってきてね。」 京太郎「健夜さんもお仕事頑張ってくださいね。」 恒子「京太郎君、健闘を祈る!」 京太郎「いってきます。」 恒子「ねぇ、すこやん?」 健夜「ん、なにこーこちゃん?」 恒子「京太郎君って実際どのくらい強いの?」 健夜「んー、地力だけなら間違いなく男子ではトップクラスだと思うよ?」 恒子「へーそんなになんだ。」 健夜「ただ、勝負は時の運だからね、運が左右する麻雀なら尚更どうなるかわからないよ。」 健夜「それに今回京太郎君にとっては初めてのIHだから、例え優勝出来なかったとしても得られるものがあると思うんだ。」 恒子「ほうほう、すこやんの今の口ぶりだと京太郎君なら優勝出来るって思ってるね?」 健夜「まぁ、自慢の弟だから、ね。」 恒子「それって単なる親の欲目ってやつじゃないよね……」 健夜「ちゃんと先生としての評価だよー」 ――白糸台控え室―― 京太郎「おっと今日は男子の個人もやるんだっけか……」 京太郎「小鍛治の俺も出るみたいだからチェックしとくか。」 京太郎「今は男子個人を見てても大丈夫だよな。」 ―――――― ―――― ―― 菫「ん?もしかして男子の個人か?」 京太郎「あーはい、俺は出れなかったけどちょっと気になりまして。」 誠子「男子の方は日程が先行してるからなー。」 菫「…………」 菫「君ももしかしたら本戦に出れたのかもしれないのにな……」 尭深「地区予選決勝前にあんな事が起きなかったら……」 自由安価 京太郎(白糸台)が決勝に個人的な理由で出られなかった原因 ↓5 281 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 18 40 04.91 ID QdXDxNHSo 誘拐された菫さんを助けに行ってた 安価:誘拐された菫さんを助けに行ってた ――西東京・男子個人地区予選決勝前―― 照「ついに決勝まで来たね、京ちゃん!」 菫「これで次を勝ち抜けば全国出場だな。」 京太郎「あ、あんまりプレッシャーかけないで下さいよ……」 菫「白糸台で男子全国はまだ出てないからな、いやでも期待してしまうよ。」 俺を応援しにきた二人だが、決勝前の緊張を解しにきたのかよくわからない部長はからかい気味に笑っていた。 菫「どれ、全国がかかってる後輩を労う為にもジュースを奢ってやろう。」 照「9本でいい。」 菫「9本もいらんだろ!そもそもお前には奢らん!」 照「えー」 京太郎「ははは、やっぱり二人は仲いいですね。」 京太郎「じゃあちょっと飲み物買ってきますね。」 照「あ、私も行く!」 菫「行ってしまった、あ、私が奢るはずだったのに!?」 菫「まったく、あいつらに付き合うと調子が狂わされるな……」 ――その数分後―― 男A「あの娘だな。」 男B「ああ、くれぐれも傷付けるなと旦那様からのお達しだ。」 男A「あなたが弘世菫さんですね?」 菫「?はい、そうですが?」 男A「失礼します。」バッ 菫「?むぐ……!」 男B「おい早くしろ!」 菫「んー!んー!」ジタバタ 男A「車に乗せてくれ!」 菫「んー!」ジタバタ 京太郎「部長ー?」 照「菫の奴、私たちに飲み物買いに行かせて自分は迷子か!」 京太郎「なぁ照ちゃんあれって?」ユビサシ 照「あれ菫じゃない?何遊んでるんだろ?」 京太郎「……?」 菫「!……んー!!んー!!」ジタバタジタバタ 京太郎「!」ダッ 照「あ、京ちゃん!?」 男A「乗せたぞ!車を出せ!」 男B「あいよ!」 京太郎「待て!」 ブオン、ブウウウン…… 京太郎「!……逃がすかよ!」バッ 気付いたら車に手を伸ばしていた、だが車に掴ったも虚しく、引き摺られ車が発進した2、3m先で落とされてゴロゴロと転がってしまった。 京太郎「ぐ、いってー!」 照「京ちゃん大丈夫!?」 京太郎「!……そうだ!照さん携帯電話ある!?」 照「あるけど……」 京太郎「以前照さんの迷子対策に買った携帯のGPSを使えば!」 照「無茶だよ!京ちゃん傷だらけだよ!?」 京太郎「無茶かどうかはやってみなきゃわからないだろ!」 京太郎「……」 京太郎「よし!繋がった!」 京太郎「今から部長を追ってくる!」 照「ちょ、ちょっと!?京ちゃん!?」 京太郎「すいません!自転車借ります!」 おじさん「え?え?あ、どうぞ……」 京太郎「ありがとうございます!」 男A「しかしいいんだろうか……こんな荒っぽい方法で……」 男B「仕方ないだろ、命令なんだから……」 菫「んー!んー!」 男A「出来れば大人しくしてて下さい……」 男B「……!あいつ追って来てるぞ!」 男A「なんだと!?振り切れ!」 男B「分かってるって!」 京太郎「くそ!スピードを上げやがった!」 京太郎「唸れ!俺の健脚!ここで魅せなきゃどこで魅せるって言うんだ!」 京太郎「うおおおおぉぉぉ」 男A「げぇ!?あのガキ追いついてきやがった!?」 男B「なんなんだよあいつ!?」 男A「振り切ってどっかに逃げ込め!」 男B「わ、わかった!」 京太郎「今度は曲がりやがった!」 京太郎「だがこっちも伊達に十年ここに住んでたわけじゃないんだよ!」 ――廃工場―― 男A「おい、追ってきたやつはいなくなったぞ!」 男B「振り切ったか……」 菫「んー!」 京太郎「GPSからみて、ここか、真正面からは得策じゃないな。」 京太郎「奇襲をかけて一人ずつ確実に倒していこう……」 奇襲コンマ安価 ↓3 00~20 失敗 21~99 成功 297 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 21 03 59.32 ID BI7duYdbo とう カラン 男A「おい、今の音……」 男B「ま、まさか……」 男A「ちょっと見てくる……」 男B「お、おう、気をつけろよ。」 タッタッタ…… …… ウワー! 男B「お、おい!?大丈夫か!?」 京太郎「大丈夫だぜ?たんこぶは出来てるかもしれないが。」 男B「な、なんでお前が!?」 ヒーロー 京太郎「女の子を救いにくるのは英雄の役目だからな。」 京太郎「さぁ返してもらうぜ、"うちの部長”を。」 男B「くそ!やられてたまるか!」 戦闘コンマ ↓3 00~29 成功 30~99 失敗 304 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(西日本)[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 21 14 20.67 ID 2tsuRqI1o こうか? 残念!失敗だ! すまん、別に一回でどうこうなるわけじゃないんだ…… ただ京太郎の怪我の具合が変わるだけで…… 男B「おら!」 京太郎「ぐ!?」 男B「さっきまでの威勢はどうした!?」 菫「んー!んー!(やめてくれ!やめてくれ!)」 京太郎「はぁはぁ……」ユラリ 男B「まだ立ち上がるかこいつ……」 京太郎(くそ、一気に倒せたらいいんだが……) 菫「んー!(もうやめてくれ!須賀!これ以上怪我したら……)」 京太郎「どうした?俺はまだやれるぜ?」 男B「さっさと倒れろこのガキ!」 戦闘コンマ 00~49 失敗 50~99 成功 ↓3 315 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 21 28 12.39 ID TAaXrvVlo とう 男B「さっさと!倒れろよ!この!」ガッガッガッ 京太郎「う!?がは!ぐわ!?」 菫「ウッ……ヒッグ……(もう立たないでくれ……須賀……私なんかのために傷つかないでくれ……) 男B「はぁはぁ……これで……どうだ……」 京太郎「まだだ、まだ俺は立てるぜ……」 男B「なんだよこいつ……なんなんだよこいつー!」 戦闘コンマ 00~49 失敗 50~99 成功 ↓3 323 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 21 39 07.53 ID TAaXrvVlo ほい 京太郎(これ以上貰ったら体が持ちそうに無い……) 京太郎「一気に決めさせてもらうぞ!」 男B「てめえを潰して、俺は勝つ!」 京太郎・B「うおおおおぉぉぉ!」 男B「うらぁ!」ブンッ 京太郎「ぐっ!」 京太郎「まだだ!」 男B「こいつ受けるのを覚悟の上で……!」 京太郎「せい!はっ!」 男B「がっ!ぐは!」 京太郎「これを食らえ!!」 京太郎「一子相伝の技を見よ!」ゴッ 京太郎「斬!」ガッ 男B「あぐ!?」 京太郎「空!!」ダンッ 男B「がは!?」 天翔剣!! 男B「こんな、こんなガキに……」バッターン ヒーロー 京太郎「俺は、俺は誰かの笑顔を守れる英雄になりたいんだ……」 京太郎「大丈夫ですか、部長?」 菫「……君はばかか?大丈夫じゃないのは君の方だろう!」 菫「こんなに傷だらけになって!こんなに殴られて!」 菫「その上決勝まで放り投げて……」ポロポロ 京太郎「いいじゃないですか……」 京太郎「部長が無事だったんです、俺にはこれ以上望むなんて贅沢は出来ません。」 菫「君は、本当に、ばかだな……」ポロポロ 菫「最高の大馬鹿者だ……」 京太郎「その大馬鹿者は人の笑顔が大好きなんです。」 京太郎「だから、笑ってください、部長。」 菫「うん、ただし、戻ったら説教してやるからな?」 そういって部長は涙を零しながら笑顔を見せてくれた。 ――現在・白糸台控え室―― 照「結局あのあと京ちゃんが入院したし……」 照「心臓が止まるかと思ったよ……」 京太郎「あ、あはは……」 菫「君には本当に悪い事をしたな……」 京太郎「気にしないで下さい。」 京太郎「俺は決勝より大事なものを選んだだけです。」 京太郎「その選択自体に後悔はありませんよ。」 京太郎「まぁその後入院中の特典でお返ししてもらいましたし?」 淡「え、なになに?何があったの?」ワクワク 照「あ、そうそう菫がねーナース服を着て――」 菫「照!それ以上お前は喋るな!」 照「えー、菫あの姿にあってたのにー」ブー 菫「…………」プルプル 尭深「それは詳しく、聞きたいですね……」 誠子「たしかに……」 菫「お前らー!いい加減にしろー!」 淡「きゃースミレが怒ったー!」 ――宮守控え室―― 塞「それじゃ行って来ますね。」 シロ「ダル……いけど、がんばる……」 豊音「緊張するよー……」 胡桃「大会でマナー悪い人とかいないよね?」 エイスリン「キョータロー、オウエンシテネ?」 京太郎「頑張ってきてください!」 トシ「無茶しないようにね。」 みんなを見送ったあと、俺は残ったとトシさんに振り向く。 トシ「で、京太郎、話はなんだい?」 京太郎「よく分かりましたね。」 トシ「そろそろ付き合いも長いからねぇ。」 京太郎「お見通しってことですか……」 京太郎「……今日飲み物を買いに行った時に……自分と会いました。」 トシ「……そうかい。」 京太郎「……あまり驚かないんですね。」 トシ「この年にもなると多少の事では驚かなくなるんだよ。」 京太郎「生まれは同じでしたが、途中で選んだものが違うようでした。」 トシ「ほう。」 トシ「でもそうか……そういうことだったんだね。」 京太郎「?」 トシさんは少し考えたあと何か合点がいったように言葉を漏らした。 トシ「いや、なに、あんたと初めて会ったときのことを思い出してね。」 トシ「まさか文字通り『割けている』とはね。」 『割けている』とはどういうことだろう…… 疑問が浮かぶが恐らく"俺たち"に関連することなのは想像に難くない。 トシさんがモニターを指して聞いてきた。 ちょうど男子個人が始まったようだ。 トシ「この小鍛治京太郎ってのがそうなのかい?」 京太郎「ええ、会った中での一人ですが……」 トシ「……会ったのは一人じゃないのかい?」 少しトシさんの目つきがきつくなった気がした。 そんな微かな変化に戸惑いながら答える。 京太郎「あー、はい、3人の俺と会いました。」 トシ「他には誰かいなかったかい?」 京太郎「えーと、シロさんぐらいですかね。」 トシ「そうかい……」 トシさんは何か思い悩んだ表情を浮かべながら溜め息を吐いていた。 京太郎「あの、トシさん?」 トシ「ああ、ちょっと考え事をしてたんだよ。」 トシ「この話を知ってるのは宮守の中ではシロだけなんだね?」 京太郎「はい、そうです。」 トシ「シロは先鋒だから他の子より早く戻ってくるだろう、その時また話を聞かせてもらおうかねぇ。」 京太郎「シロさんが何か関係してるんですか?」 トシ「いや、ただ単に他の京太郎達を直に会ったシロの感想を聞きたくてね。」 京太郎「はぁ……?」 トシ「それより、京太郎、あんたやっぱり男子個人に出たかったかい?」 京太郎「そりゃ出たかったですけど、あれは仕方ないですよ。」 トシ「まさか地区予選当日、雪で家から出られなくなるとはねぇ。」 京太郎「そうそう、みんなが来てくれて雪かきしてくれたんですよね。」 京太郎「女子の方は元々別の日でよかったですよ、まったく。」 ―――――― ―――― ―― シロ「ただいま……」 京太郎「お疲れ様です、シロさん。」 トシ「ご苦労様、シロ。」 シロ「先鋒ってダルいな……」 トシ「戻ってきて早々悪いけど、他の京太郎について聞かせてもらいたいの。」 トシ「出来ればエイスリンが戻ってくる前に、ね。」 シロ「……わかりました。」 シロ「それで、何について?」 トシ「他の京太郎達にあった時の印象を聞きたいねぇ。」 シロ「うーん……」 トシ「あんたの直感でいいよ。」 シロ「……迷ってる?」 京太郎「?」 シロ「というより、迷った末に選んだ結果の京太郎……かな。」 トシ「そうかい……」 トシ「ありがとうね、シロ。」 京太郎「今ので何かわかったんですか?」 トシ「ああ、ちょっと確認を取りたかっただけだよ。」 トシ(深刻な事態にならなければいいんだけどねぇ……) ――清澄控え室―― 和「ほら行きますよ、優希。」 優希「犬!私がいないからって寂しがるんじゃないんだじぇ!」 京太郎「ないから、さっさと行って来いタコス。」 咲「じゃあ行ってくるね、京ちゃん。」 京太郎「おう、頑張って来いよ、咲。」 京太郎「さて、俺に出来る事をやりますか。」 ――選手控え室―― 咲「まさかこうして全国まで来ちゃうなんてね。」 和「でも咲さんがこうして再び麻雀をするようになったのって須賀君のおかげなんですよね。」 咲「そうそう、京ちゃんが私を無理やり麻雀部に引っ張ってこなかったら今頃……」 咲「……あれ?」 和「?」 ――自分で言っていて一つの疑念が〔生まれてしまった〕 あのとき京ちゃんが私を麻雀部に誘ったから今私はここにいる。 でもそれは食堂で京ちゃんがたまたま麻雀のゲームをやってたのが発端だ。 そう、京ちゃんが食堂で、 "たまたま"私の隣で麻雀ゲームをやりだし、 "たまたま"私に麻雀の事を聞き、 "たまたま"私の反応に見て、 "たまたま"私を半ば強制的に麻雀部に誘った。 こんな偶然があるんだろうか…… 勘繰りたく無いのに、勘繰ってしまいたくないのに、一度走り出した思考が止まらない。 そんな思考の迷路に迷いそうな時、私に掛けられた声で現実に引き戻された。 和「…き…さん、咲さん?咲さん!」 咲「ふぇ?」 和「もう、どうしたんですか?いきなりぼーっとしちゃって……」 咲「あ、ごめんね……」 和「これから試合が始まるんですからしっかりしてくださいね?」 咲「あはは、そうだね。」 咲(そうだ、今は目の前の事に集中しないと……) 咲「……」 和「私達まで出番が回ってきませんでしたね……」 咲「うん、ちょっと残念かな?」 和「戻りましょうか?咲さん。」 咲(後で京ちゃんに聞くべき……なのかな……) ――清澄控え室―― 優希「戻ったじぇ~寂しくて泣いてなかったか、犬~?」 京太郎「寂しくねっつーの。」 まこ「戻って来て早々騒がしい連中じゃのう……」 久「須賀君お使い頼めるかしら?」 京太郎「分かりました。」 優希「ついでにタコスも頼むじぇ~」 京太郎「あいよ~」 久「私たちは先にホテルに戻ってるわね。」 咲「あ、京ちゃん!」 咲(どうしよう……ちゃんと京ちゃんに聞いてみるべきかな……) 京太郎「お、咲、ついでに何か買ってくるか?」 咲「え、えーと特には無いかな?」 京太郎「そうか、なら買出しに行ってくるわ。」 咲「あ、うん、いってらっしゃい。」 咲「……あ。」 咲(結局聞きそびれちゃったな……) ―――――― ―――― ―― 京太郎(清澄)「お?」 京太郎(白糸台)「ん?」 京太郎(清澄)「白糸台の俺か。」 京太郎(白糸台)「やっぱり何か妙な気分だな、自分と話すなんて。」 京太郎(清澄)「確かに、でもちょうど良かった、お前に話しがあったんだよ。」 京太郎(白糸台)「そいつは奇遇だな、俺もだよ。」 京太郎(清澄)「ここじゃ何だし、別のとこで話そうぜ?」 ―― 京太郎(清澄)「で、だ、話っていうのは「宮永咲」」 京太郎(白糸台)「の、ことだろ?」 京太郎(白糸台)「俺も宮永照に関して話しておきたくてな。」 京太郎(白糸台)「お前も知っての通り、今宮永姉妹は絶縁状態だ。」 京太郎(清澄)「で、二人の間を取り持ちたいと。」 京太郎(白糸台)「話が早くて助かる。」 京太郎(清澄)「でも、うちの咲は普通に姉と仲直りしたがってたぜ?」 京太郎(清澄)「そりゃ簡単に取り戻せる月日ではないけど、仲直りなら出来るんじゃないか?」 京太郎(白糸台)「照ちゃんも仲直りしたいとは思っているだろうけど、素直じゃないところとかあるからな……」 京太郎(白糸台)「実際に妹と会ったとしても上手く行かないかも知れないな。」 京太郎(清澄)「はぁ、何で俺らの姫様達はこうも手が掛かるんでしょう……」 京太郎(白糸台)「まったくだ。」 京太郎(白糸台)「……なぁ、清澄の俺。」 京太郎(清澄)「ん?なんだ?」 京太郎(白糸台)「お前はお姫様達の為に道化を演じる覚悟はあるか?」 京太郎(清澄)「……もう既になってるし、そしてこれからもなってやるよ。」 京太郎(白糸台)「そうか、分かりきってた事だったな。」 京太郎(清澄)「ああ、お姫様達の為なら幾らでも踊ってやるよ、それが例え、運命の悪戯という名の掌の上だとしてもな。」 京太郎(白糸台)「……成るほど、それなら――」 京太郎(白糸台)「俺も踊るか、その掌の上とやらを。」 ――ホテル―― 京太郎(確か部屋はここだったな。) コンコン ガチャ 菫「ん?何だ須賀か、どうしたんだ?」 京太郎「ちょっと個人的にお話がある人がいまして。」 照「あ、京ちゃん!」 菫「今ミーティング中なんだが……」 京太郎「照ちゃんを借りていいですか?」 照「……!」 菫「まぁ、構わんが手短にしてくれよ?」 照「……行くよ。」 ――数分後―― 京太郎(白糸台)「今ここに俺が来なかったか!?」 淡「え、あんた、テルと一緒に出て行ったじゃん。」 京太郎(白糸台)「バカ野郎!そいつがルパンだ、俺に化けて潜り込んだんだ!」 菫「何を言ってるんだ君は……」 京太郎(白糸台)「いやちょっとノリで。」 京太郎(白糸台)「まぁ、機会があればその内わかるでしょうし。」 菫「どういうことだ……?」 京太郎「……ここならいいか。」 照「…………」 京太郎「で、照ちゃん――」 照「やめて。」 京太郎「……どうしたんだ?」 照「京ちゃんと同じ顔した奴が、私の名前を気安く呼ばないで。」 京太郎(?)「よくわかりましたね。」 照「京ちゃんは皆の前では私を"ちゃん"付けで呼ばない。」 照「だから不審に思い、照魔鏡であなたを見て"偽者"だと気付いた。」 京太郎(?)「成るほど。」 照「それで、偽者が何の用事?」 京太郎(?)「一応俺も本物なんだけど……まぁいいや。」 京太郎(?)「単刀直入に言います。」 京太郎(?)「咲と仲直りしてください。」 照「…………そうか、あなたは咲の……」 照「だが、すまない……今は……まだ、出来ない……」 京太郎(清澄)「そんな!あんたら姉妹なんだろう!?だったら――」 照「ただ!……ただ一言、あなたが咲に言伝を頼まれてくれるとしたら……」 照「『――――――――――』とだけ咲に伝えて……」 照「それじゃあ、私はこれで……」 京太郎(清澄)「…………」 京太郎(白糸台)「あ、お~い、照さーん。」 照「本物の京ちゃんだ!」 京太郎(白糸台)「まるで偽者が現れたみたいな口ぶりですなー。」 照「もしかして京ちゃんは知ってたの?」ジトー 京太郎(白糸台)「さー?何の事でしょうか?」ニヤニヤ 京太郎(白糸台)「……それで、妹さんと仲直り出来そう?」 照「うぅ……」 京太郎(白糸台)「照さんは素直じゃないからなー。」 照「ふーんだ!」ツーン 京太郎(白糸台)「そんな顔しなさんな。」ナデナデ 照「ひゅうん!?」ボンッ 京太郎(白糸台)「あはは、やっぱ照さんはからかい甲斐があるなー。」ニヤニヤ 照「もー!」プンスカ ―――――― ―――― ―― 俺は宮永照と別れた後、自分のホテルの部屋までの道をトボトボと歩いていた。 なんとか咲の姉に接触出来たものの、すんなり仲直りとは行かなかった。 そして、今、新たな問題に直面している。 咲の姉の伝言についてだが、伝言を伝えるという事は『咲に内緒で宮永照と会っていた』ということを説明しないといけない。 なので、咲にどう伝えるか悩んでいた。 そうこう考えているうちに、俺の目に見慣れた横顔が写った。 京太郎「咲……?」 咲「あ、京ちゃん。」 京太郎「どうしたんだ、咲?」 咲(やっぱり、あのこと聞いた方がいいよね……) 咲「ねぇ京ちゃん……聞きたい事があるんだけど……」 京太郎「何だよ咲、急に改まって?」 咲「京ちゃんが私を麻雀部に誘った理由って何?」 京太郎「!」 ついに、気付かれてしまった、避けては通れない問題にぶつかってしまった。 それは俺の入部した起因にもなること。 最早逃げられない詰問、ましてや本人を前にして誤魔化してはいけない問題。 年貢の納め時というのだろうか、そういうときは必ず来るものだとわかっていたのに。 俺は観念して、口を開いた。 京太郎「なぁ、咲……俺が麻雀部に入った理由を知ってるか?」 咲「……さっき、部長にちょっとだけ聞いた、私に麻雀をもう一度やらせようと思ったんだよね?」 京太郎「そうか……なら、そうしようと思った理由の話をするか。」 京太郎「中学の時、お前が麻雀の中継を見て苦い顔してたのを俺は見たんだ。」 京太郎「お前は直ぐに違うチャンネルに変えて誤魔化していたけどさ。」 京太郎「それで、姉と喧嘩して離れ離れになったって話を思い出したから、何か関係があるんだと思ってな。」 京太郎「勿論それだけじゃ確信は持てなかったから、咲の親父さんにそれとなく聞いてみたんだ。」 京太郎「そうしたら咲の親父さん、話してくれたんだ……咲のお姉さんのこと、麻雀の事。」 京太郎「そして、咲の親父さんが最後に申し訳なさそうな顔して『娘の事をよろしく頼む』って言ってきたんだ……」 京太郎「その時から、高校に入ったら麻雀部に入り、咲を誘ってもう一度打ってもらおうって……」 咲「そう……だったんだ。」 京太郎「それでな、咲……」 京太郎「そしてさっき、お前のお姉さんに会ってきたよ。」 咲「!……それで?」 京太郎「今はまだ会っても話せないみたいだったよ……」 咲「…………」 京太郎「ただ、お姉さんから咲宛に伝言を頼まれた。」 京太郎「『必ず決勝まで上がって来い。』だってさ。」 咲「……うん、わかった。」 咲「ありがとうね、京ちゃん。」 京太郎「気にすんな、咲がお姉さんと仲直りできるかどうかはお前にかかってるんだぜー?」 咲「もープレッシャーかけないでよ、京ちゃん。」 咲「それに感謝してるのは確かなんだから。」 咲「あ、でも……」 京太郎「ん?」 咲「もしかして、私のお父さんや部長はこうなる事がわかってて京ちゃんを促がしたんじゃないかなーと思って……」 京太郎「かぁ~、もしかして俺って掌の上で踊らされてたのかよー!?」 京太郎「まぁいいか、最後まで咲の為に踊ってやるよ。」 咲「うふふ、ねぇ京ちゃん、どうせ踊るなら"一人"より"二人"の方が楽しくない?」 京太郎「ふんふむ……」 少し考えてから俺は片膝をつき、御辞儀をしながらレディをダンスに誘う。 京太郎「それでは私と一曲踊って頂けませんか?」 咲「喜んでお引き受け致します。」 スカートをつまんで御辞儀してきた相手に、俺はスッと手を差し伸べた。 京太郎「さぁ、お手をどうぞお姫様。」 咲「うふふ、ダンスのエスコートはお任せしますね?王子様。」 京太郎「ははは、王子様って柄じゃないけどな。」 ――IH・二日目―― ――清澄控え室―― 咲「じゃあ京ちゃん、行ってくるね。」 京太郎「おう、負けんなよ?」 咲「負けないよ……勝って、お姉ちゃんに会うんだもん。」 優希「なんか咲ちゃんと京太郎の雰囲気が違うんだじぇ……」 和「ほら、行きますよ、優希。」 ――白糸台控え室―― 京太郎「頑張ってきてください、先輩方。」 照「京ちゃんにいいとこ見せるために私がんばるよ!」フンス 菫「……暴走しないようなるべく照の手綱を握るよう努力する……」 京太郎「心中お察しします……」 菫「……うむ……では、行くか。」 ――宮守控え室―― 塞「次の相手は、永水女子、清澄、姫松ですか……」 シロ「ダルい、けど行って来る……」 豊音「みんなで頑張るよー」 京太郎「皆さん、いってらっしゃい、頑張って来て下さいねー。」 京太郎(清澄……別の俺がいる高校か……) 京太郎(あ、そういえば小鍛治の俺は男子個人でるんだっけか。) ――男子個人・準決勝―― 京太郎(小鍛治)「さて、これに勝ったら次は決勝か。」 モブA「気が早いですね、まだ勝てると決まってないのに……」 モブB「余裕でいられるのも今のうちだぜ。」 モブC「ぼっこぼこにしてやるぜ~。」 京太郎(小鍛治)(ダメだ、こいつら……覇気がまるで感じられない……) ――宮守控え室―― モニター越しに先輩たちの闘牌を見ていた、あの人たちの最後のインターハイ、結果は4位…… あの人たちをどう慰めればいいか考えていたが、上手く言葉が見つからない。 掛ける言葉を探していたら、扉が開き、一際目立つ大きな体を有する彼女が、悔し涙を流しながら俺を目掛けて飛び込んできた。 豊音「うわーん!京太郎君、負けちゃったよー、ちょー悔しいよー!」エグエグ トシ「おやおや、まるで大きな子供だねぇ……」 胡桃「あー、須賀君取られちゃったねー、シロ。」 シロ「なんで私に振るんだ……」 エイスリン「シカタナイ、シロト、イッショニナク。」 胡桃「そうだね、シロの胸を借りようか。」 シロ「なぜ、私のを借りるんだ……」 京太郎「えーっと……」 トシ「いいからそのまま貸しててあげなさい、男の胸の使い道なんてこんな時くらいしかないんだから。」 塞「…………」 塞(本当は私も京太郎君の胸で泣きたいんだけどな……) トシ「塞、京太郎の代わりにはならないけど私の懐なら空いてるよ?」 塞「熊倉先生……」 シロ(流石の私だって泣きたいんだが……) シロ(私は誰から借りればいいんだ……) シロ(……誰かさんから、あとで背中でも借りるかな。) 京太郎(?) 何故かシロさんがこっちを見てた気がした。 ―――――― ―――― ―― トシ「少しは落ち着いたかい?」 豊音「……はい。」 京太郎(豊音さんの涙で俺の制服べっちょべちょですがね……) トシ「ならこの後しばらくは東京観光にしようかねぇ。」 宮守s「「「「「?」」」」」 トシ「あんたたち3年生は今年が高校生活最後だし、ここで出合った他校の生徒とも関わりを持ってたいだろう?」 トシ「だからせめて、大会が終わるまではこっちを楽しもうじゃないか。」 胡桃「よーし、そうと決まれば東京観光ですね!」 豊音「色んなところを廻りたいよー」 シロ「動き回るのダルい……」 エイスリン「サイゴ、ミンナトイッパイオモイデツクル!」 シロ「京太郎、おんぶ……」 京太郎「はいはい……よいしょっと。」 シロ「あと喉が渇いた……」 京太郎「ちょっと自販機によりますか。」 トシ「ふふふ……あんたたちはしばらく寄り道してていいよ。」 シロ「!…………」 京太郎「?」 シロ「行こう……」 部屋を出て、少し歩いたらシロさんが俺の背中に顔をこすり付けて来た。 ちょっぴりシロさんの顔が赤らんでいた気がする。 シロ「ゴメン、ちょっとだけこのままでいさせて……」 京太郎「俺の背中で良ければいくらでも貸しますよ。」 シロ「ん、ありがと……」 シロさんはそれだけ言って、俺の体をぎゅっと掴み、こっそり俺の背中を涙で濡らしていた。 シロ「ん、もう大丈夫。」 京太郎「そうですか、どうでしたか俺の背中は?」 シロ「結構よかった。」 そう言ったシロさんは、恥ずかしかったのか、顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。 シロ「……ねぇ京太郎、辛くなったらまた背中、貸して……」 京太郎「泣きたい時はいつでもどうぞ。」 インターハイ二回戦が終わった後、気になる殿方を見つけた。 それはどこか懐かしい感じがして、でもその人と会った記憶はない。 それでも気になってしまうもので、つい声を掛けてしまう。 小蒔「あの、どこかでお会いしたことはありませんでしたか?」 京太郎「え?……いや、俺"は"貴女と会った事ないと思いますよ?」 小蒔「いえ、すみません、何故か知っている方の様な気がして……」 京太郎「……世の中、似たような顔は3人はいるって言いますからね。」 小蒔「貴方を見かけた時にどこか懐かしい気がして……」 小蒔「気が付いたらお声を掛けてしまいました。」 京太郎「あはは、あなたのような綺麗な方に声を掛けられた俺はとても果報者ですね。」 小蒔「うふふ、お世辞がお上手ですね。」 京太郎「いえいえ本心から言ったまでですよ。」 どこか懐かしい彼と話していると、何故か切なくなる。 もう会えない人と会ってるみたいで…… 感傷に浸っていながら彼と話をしていると声をかけられる。 「姫様、何所に行ってらしたんですか?」 「あ、霞ちゃん。」 霞「それと、こちらの殿方は……?」 小蒔「あ、えっと……」 京太郎「あ、まだ自己紹介してなかったですね。」 京太郎「俺の名前は須賀京太郎です。」 小蒔「あ、私も自己紹介してませんでしたね。」 京太郎「確か神代小蒔さん、ですよね?」 京太郎「で、そちらのすばらしいものをおもちの方は石戸霞さん、で合ってましたか?」 小蒔「あ、はい、でもどうしてそれを……」 京太郎「女子団体の中継見てましたから。」 小蒔「成るほど……そうでしたか。」 霞「それで、姫様はどうしてこの殿方と話していらっしゃたんですか?」 小蒔「その、それは……」 なんとも説明し難い話だ。 彼を見かけて、懐かしい感じがしたから声を掛けたと正直に言ったら、ただナンパ目的に声でも掛けたように思われてしまうのも癪なのだ。 しかも霞ちゃんはこういう話に耳聡いので、ことあるごとにこの事を言ってくるだろう。 どうしたものかと返答に困っていた私に助け舟を出そうとしたのか彼が口を開く。 京太郎「あはは、素敵な女性がいたので俺がつい声を掛けてしまったんです。」 霞「ふんふむ……つまりナンパというやつですね!」 京太郎「あれ?何でこんなに食い付くんですか!?」 小蒔「あの、お恥ずかしい話、私たちは外には滅多に出れませんので、こういう話はめずらしいのです。」 京太郎「そうなんですか。」 京太郎「……そうだ、折角なのでどこかに行きませんか?」 小蒔「え?」 京太郎「いや、滅多に外へは出れないって言ってたので、もしよかったら俺とどこかを回らないかなと。」 霞「…………」ジー 京太郎「永水のみなさんも良かったらご一緒にいかがですか?……勿論、俺でよければですが。」 小蒔「みんなに聞きに行って来ます!」ダッ 霞「あらあら、姫様ったら……」 京太郎「あんなに急いでこけないですかね……」 霞「……大丈夫だと思うわ、多分。」 京太郎「随分、あやふやですね。」 霞「あら、あなたに言われるとは思いませんでした。」 京太郎「……どういう意味ですか?」 霞「いえ、深い意味はありませんよ。」 みんなの了解を取り、再び彼の元に足を運び、みんなで遊びに行く。 彼もここが地元と言う訳でもないらしく、近場のゲームセンターとやらお土産屋等を回ったが中々に楽しかった。 彼と行動を共にしている中で気付いたことがある。 やはり彼とはどこかで出会っている、それも私の実家ないしは本殿で。 何か思い出しそうになっていた私に霞ちゃんが声を掛けてきた。 霞「姫様?」 小蒔「あ、霞ちゃん、どうしたの?」 霞「いえ、どうも姫様の様子がおかしかったので。」 小蒔「大したことではないんですけど……」 小蒔「彼とはやはり以前会った気がするんです。」 霞「…………気のせいではないですか?」 小蒔「そうなのかも、須賀君も私とは初対面だって言ってたし。」 私はそう言ってみたものの気になる物だ、まるで胸に何か痞えてるような、そんなすっきりしない引っ掛かりがある。 それに、他のみんなはどうか分からないが、彼と遊んでる途中、少なくても霞ちゃんは何かに気付いていたようだった。 きっと彼には何かあるのだと思いながらも、誰かに聞くことも出来ず、ただただ溜飲が下がらぬ思いを続ける。 ―霞視点― 最初、彼を見たとき姫様にナンパ男程度に思っていた。 だがなにか既視感があった、そしてそれは彼と二人で話しているときに彼の状態をみて、不審に思い彼を間近に見てみた。 印象としては『実体がある亡霊』といったところか…… そんなおかしな彼と我々が共に行動し始めてから、それは徐々に確信に向かっていった。 姫様が以前に会った事がある言っていたが、それは合っているが外れでもあるのだろう。 昔、まだ姫様が神を降ろす前、本家に拾われ子の男児がいたのだが、とある時期を境にいなくなった。 男児は七歳くらい、姫様は九歳になる前くらいだったか…… ともかくそのくらいの時期に男児はいなくなり、姫様は九面を降ろすことに成功したと聞いた。 いなくなった男児の事を親に聞いたことがあったが親はただ、「少年は病弱で亡くなった」と言っていた。 そして姫様が小さい頃、神を降ろす時に彼に似たものを私は見た気がする。 男児に似たものを見た後、それを訊ねたら「あの子が神を降ろすのを手伝っている」と言っていた。 姫様はきっと気付かないだろう、なにせ、神を降ろす時は姫様は寝ているのだ。 男児が亡くなった理由が分かった気がした、あの子は『神様に気に入られてしまったのだ』と。 ときたま今でも見かけるあの子はやはり彼に似ている気がする。 でも姫様は気付かないままなのだろう、今も、そしてこれからも…… シロ「……ねぇ京太郎、辛くなったらまた背中、貸して……」 京太郎「泣きたい時はいつでもどうぞ。」 「あれ、京太郎君?」 シロさんを背負ったまま歩いていると不意に声を掛けられた。 俺には面識のない声の主は、俺を怪訝な表情で見ている。 声を掛けられたが、掛けた張本人は何故か狼狽しており。 俺は俺で知らない人に名前を呼ばれ、事態を飲み込めずにいた。 「あの、京太郎君だよね……?」 シロ「多分、あなたの知っている京太郎では無いですよ。」 「え?あ、え?」 ああ、この人は間違いなく別の俺の知り合いだ。 同じ体格、同じ声、同じ顔、ほぼ同じなのだから、初見で人違いならぬ、京太郎違いをするのは仕方ない事だ。 この状況を説明するのも面倒くさいのでこの人の知り合いで事情を知る誰かを寄こして欲しい。 まぁ、それに該当する者なんて一人しか知らないのだが…… 京太郎「本人が来れば手っ取り早く説明できると思うんですけどねぇ。」 目の前の女性はやたらとオロオロとしている。 多分今の雰囲気は「知り合いだと思って声を掛けたら別人でしたー」という何とも言えないあの空気。 誰かこの状況を何とかしてくれと願っていたところ、俺たちの後ろの方から助っ人が現れた。 「健夜さん落ち着いてください。」 健夜「え?あ、え?え!?」 京太郎(宮守)「よお小鍛治、いいタイミングだな。」 京太郎(小鍛治)「こんにちは宮守のとシロさん。」 シロ「昨日ぶり?」 京太郎(小鍛治)「さっき試合終わらせてきたんだよ。」 健夜「!!???」 京太郎(宮守)「とりあえずこの人に説明した方が良いじゃないか?」 シロ「私は小瀬川です……」 健夜「あ、ご丁寧にどうも。」 京太郎(小鍛治)「この人は前に話した俺の先生でもあり、義姉さん。」 健夜「小鍛治健夜です。」 健夜「って、そうじゃなくてどういうこと!?」 京太郎(小鍛治)「分かれちゃった俺みたいな物ですかね?」 京太郎(宮守)「大体そんな感じだけどわからんだろ、それじゃ。」 京太郎(小鍛治)「健夜さん落ち着いて聞いて下さい、実は俺、分身の術が使えるんです!」 健夜「えー!?」 京太郎(宮守)「そんな説明でいいのか……」 京太郎(小鍛治)「少しは納得できましたか?」 健夜「え?あ、うん?」 シロ「あれは解ってない顔……」 京太郎(宮守)「仕方ないですよ、シロさん。」 京太郎(宮守)「同じ顔が二つあるんです、いきなり『落ちつけ』『(状況を)飲み込め』って方が無理だと思います。」 シロ「それもそうか……」 京太郎(小鍛治)「あ、そうそう健夜さん。」 京太郎(小鍛治)「決勝で勝ってきて、今のところ総合得点数も暫定トップです。」 健夜「え!そうなんだ、良かった~。」 若干無理やり話を持っていった感があるけど、その内ちゃんと説明をするのだろうと思った。 小鍛治姉弟に軽く挨拶をすませて、戻ろうとしたら、その場にいたもう一人の俺が意地悪そうな顔で小声で言った。 京太郎(小鍛治)「あンた、背中が濡れてるぜ。」 京太郎(宮守)「ん?ああ。」 京太郎(小鍛治)「あんまり女の子泣かせるなよ~?」 京太郎(宮守)「ほら、俺って罪な男だろ?」 京太郎(小鍛治)「うわぁ、俺はお前みたくなりたくないな……」 シロ「京太郎、早く行こう……」 京太郎(小鍛治)「じゃあな。」 京太郎(宮守)「おう。」 間接的に俺に茶化されたせいか、シロさんは顔を赤らめて、俺を急かしてその場を後にした。 健夜さんと共にしゃべりながら控え室まで向かう。 さっきのやりとりを聞いていたらしく「あまり女の子に恥じかかせちゃダメだよ?」とお叱りを受けてしまった。 だが、この方"女の子"と碌に話した事もないので、扱い方なんて解る筈もなく、 「そういう時はどうすればいいのか」と健夜さんに聞いてみたところ、 「そのくらいは自分で考えてみなさい。」と言われてしまった。 恋愛などはしたことないし、この人に浮いた話云々を聞こうとするのは酷だとわかっているので敢えてしない。 なので、男女の心の機微など必然的にわかりようもないから、さっきのやりとりは多少くらいは大目に見てくれても、と俺は思う。 健夜「最初小瀬川さんをおんぶしてる京太郎君を見たときびっくりしたよ……」 京太郎「あはは、俺たちも初めて見たときびっくりしましたよ。」 健夜「あ、そうだ。」 健夜さんは何か思いついたような表情をしたあと、体を傾け俺を覗き込むように見ると質問と提案をしてきた。 健夜「ねぇこの後の予定は?」 京太郎「えーと、特にないですかね。」 健夜「じゃあこの後どこかご飯食べに行こうか?」 京太郎「健夜さんのオススメのお店を教えてくださいね。」 健夜「うふふ、お姉さんにまかせなさい。」 健夜「あと『俺たちもびっくりしました』の詳しい話もよろしくね?」 京太郎「あらら……こりゃ長くなりそうだなー……」 とりあえず試合が終わって空きっ腹になった俺の胃袋を慰める為に、これから健夜さんと食事をしに行くのだ。 ――白糸台・控え室―― 菫「須賀、次に当たる高校の――」 京太郎「牌譜ならこれです。」 菫「そうか、いつもすまないな。」 淡「あ、お菓子切れた……」 京太郎「新しいのならそこにあるぞ。」 淡「さっすが京太郎。」 尭深「あ、お茶が……」 京太郎「今淹れますね。」 尭深「ありがとう……」 照「京ちゃ~ん。」 京太郎「は~い、照さん今行きますからちょっと待ってください。」 誠子「…………」 菫「どうした?」 誠子「いえ、今更ですが何で須賀を付れて来たんだろうと思いまして。」 菫「男手が欲しかったからな、おかげで試合に集中できる。」 尭深・淡「「え?」」 菫「なんだ?」 淡「てっきりテルの保護者かと思ってた。」 尭深「私も……」 菫「いくら照でも高校3年にもなって保護者同伴なんて――」 照「京ちゃ~ん!早くトイレについてきて!」 京太郎「それくらい一人で行ってください。」 照「道に迷ってもいいなら。」 京太郎「……わかりました。」 菫「無いと思ったんだがなぁ……」 誠子「須賀も大変ですね。」 菫「頭痛止めまだあったかな……」 ――清澄Side―― 京太郎「それじゃ買出し行って来ます。」 久「私も付き合うわ。」 京太郎「あー……はい。」 ――廊下―― 久「ねえ、須賀君ちょっといい?」 京太郎「なんでしょう?」 久「あなた、咲に何か言ったでしょう?」 京太郎「何かありましたか?」 久「彼女の意気込みが違ったのよ。」 京太郎「多少ははっぱ掛けました。」 久「ふーん、そうなの。」 久「そういえば、須賀君が彼女の事を入部させたいって言い出した理由ってやっぱりチャンピオンの事に関してかしら?」 久「須賀君自身が麻雀部に入った理由も咲のことなのよね?」 京太郎「……あまり人の家庭の事を話したくは無いんですが。」 久「……それもそうね。」 久「人に立ちいれられたくない複雑な家庭環境だってあるものね……」 久「私だってそういうことはあるもの。」 京太郎「?」 京太郎「そんな話をする為に付いてきたんですか?」 久「いえ、須賀君を労おうと思ってね。」 京太郎「別にいいっすよ。」 久「まあきいて。」 久「これでも日々の雑用に文句も言わずに頑張ってくれている須賀君には感謝しているのよ?」 京太郎「咲を麻雀部に入れてもらったお礼みたいなものですから。」 久「……それでもよ。」 久「私、今年が高校最後だからどうしても優勝したいの。」 久「その上で普通は部員全員がやるような雑用とかを全部須賀君に押し付けちゃって悪いとは思っているの。」 京太郎「それだけ部長が真剣だってことはわかってます。」 京太郎「だから俺はみんなが試合に集中しやすいように動いてるんです。」 久「ありがとう、でも……」 久「……須賀君はそれでいいの?」 京太郎「……なにがですか?」 久「私が言うのも何だけど、碌に練習も出来ず、やるのは雑用ばっか。」 久「そもそも麻雀部に入った理由も咲の為。」 久「じゃあ、須賀君が須賀君自身の為にやっていることってなに?」 京太郎「…………」 京太郎「ダメですかね?誰かの為に動くことが。」 久「確かに素晴らしい事だとは思うけど、あなたがあなたの為にやれることだってあるはずなのに、私にはそれを放棄しているように見えたの。」 久「私からしたら願っても無いことだけれど、須賀君は自分の事に関して何か希薄な感じがするの。」 京太郎「…………」 久「よく言えば仏のよう、悪く言えば死人のよう……」 久「だから聞きたかったのよ『本当にそれでいいの』か。」 京太郎「俺は……」 久「……まぁ直ぐに答えろなんて言う気はないわ。」 久「そのほかにも聞きたいことはあるから。」 京太郎「……答えられる範囲なら。」 久「今年男子個人の優勝者、と言ってもまだ暫定だけど、その人の名前が小鍛治京太郎って名前なんだけど……」 京太郎「……それがどうしましたか。」 久「苗字は違うけど須賀君と同じ名前ね。」 京太郎「凄い偶然ですね。」 久「中継も見たんだけど、顔も似ていたわ。」 京太郎「世の中には自分と似た顔が3人はいるって言いますからね。」 久「ねえ須賀君、あなた、わかりやすいわね。」 京太郎「何がですか?」 久「喋りたくないことがあると、いつもみたいな明るい雰囲気とはうって変わって、結構冷たい顔をするもの。」 京太郎「それは単に疲れているだけですよ。」 久「そう、別にいいわ、そこまで人の事情に深く入るわけにはいかないし。」 京太郎「部長も人が悪いな、表情が『ここで引く気はない』って言ってますよ?」 久「あら、そうかしら。」 京太郎「白々しいですね。」 久「なんか腹の探り合いみたいでいい気はしないわね。」 京太郎「よくいいますよ……」 照「京ちゃん、おまたせ!」 京太郎(白糸台)「照さん流石に高校生にもなって一人でトイレに行けないってまずくないですか……」 照「学校では一人で行けるもん……」 京太郎(白糸台)「出先では?」 照「迷います……」 京太郎(白糸台)「俺は照さんの将来が心配で仕方ないよ……」 照「大丈夫!将来の設計はちゃんと出来てるよ!」フンス 京太郎(白糸台)「……もしかして俺込みで?」 照「当然。」ムフー 京太郎(白糸台)「まぁ、いいか。」 京太郎(白糸台)「お?」 照「?」 久「あら?」 京太郎(清澄)「……部長、まさかここまで計算してたりしてたんですか?」 久「この状況、意味が解らないわ……」 京太郎(白糸台)「そっちは上手く行ってるか?」 京太郎(清澄)「ああ、おかげさまでなんとか、そっちも頑張ってくれよ。」 京太郎(白糸台)「お姫さま次第かな?」 照「?」 京太郎(白糸台)「ところでそっちのお美しい方は?」 照「む……」 久「あら、お上手ね。」 京太郎(清澄)「うちの部長です。」 京太郎(白糸台)「ああ、悪女の。」 京太郎(清澄)「ちょ、おま!」 久「須賀君?後でじっくり詳しく聞かせてもらうからね?」 京太郎(白糸台)「ははは、わりーわりー。」 京太郎(清澄)「あとで覚えとけよ!」 久「須賀君もよ?それではこれで失礼するわ。」 京太郎(白糸台)「それでは……」 京太郎(白糸台)「清澄の部長さん綺麗な人でしたね。」 照「…………」ゲシッ 京太郎(白糸台)「あいだ!?なにするの照さん!?」 照「ふーんだ」プイッ 京太郎(白糸台)「えーとなんで怒ってんの?」 照「京ちゃんのバカ……」ボソッ 京太郎(白糸台)「……清澄といえば照さんの妹がいる高校……」 照「…………」 京太郎(白糸台)「上手く行けば決勝であたるとこですね。」 照「来るよ……」 照「咲なら決勝まで上ってくる。」 京太郎(白糸台)「そうですね。」 ――夜・居酒屋―― 今とても面倒くさい事になっている。 健夜さんと恒子さんが酔っ払い俺に管を巻いているからだ。 まず大人二人がビールを頼んだあと、ジョッキが空になったと思ったら日本酒を頼みだした。 今は日本酒5合瓶が空になって二人は焼酎のお湯割を飲んでる。 健夜「うひひひ、京太郎く~ん飲んでる~?」 恒子「若者よ~どんどん食べて飲みたまえ~!」 京太郎「はいはい、飲んでますし食べてますよー。」 二人はこのざまである。 俺はと言うと、米物をさっさと頼んで適当に摘みながらウーロン茶を飲んでは注文を取ったり、酔っ払いを適当にあしらったり。 あしらい方がつまらなかったのか、酔っ払いの一人が健夜さんに矛を向けだした。 恒子「すこや~ん、京太郎君が冷たいよ~!」 健夜「え~?京太郎君ひど~い。」 恒子「レディの扱い方がなってな~い!」 京太郎「女性の扱い方なんて学べませんでしたから。」 恒子「すこやんに教わればいいじゃ~ん……」 恒子「あ、ゴメン!あらふぉーはレディに入らないね!」 健夜「アラフォーじゃないよ!アラサーだよ!」 健夜「って何言わせるの!?」 健夜・恒子「「…………」」 健夜・恒子「「あはははは!」」ケラケラ さっきからこんな調子で酒が減っていく…… このあと苦労するのは俺だというのは火を見るより明らかなのに止めない自分が恨めしい。 恒子「ところで京太郎君?」 京太郎「なんですか。」 恒子「すこやんに浮いた話が無いんですが、そこんところどうなんでしょ~か?」 恒子さんが手に持ったおしぼりをマイク代わりに聞いてくる。 正直そんなもんしらんし、こっちだって浮いた話聞いたこと無いよ。 京太郎「一切聞かないですねー。」 恒子「え、もしかしてすこやん恋人いない歴=年齢だったりする!?」 健夜「恋人くらい……」 恒子「いるの?」 京太郎「いないでしょう。」 健夜「……麻雀が恋人です。」フイッ 恒子「うっひゃひゃひゃ!」ケラケラ 恒子「恋に生きない女なんて枯れてるじゃん!干物女だよ、干物女!」 健夜「仕方ないよ!仕方ないんだよ!こーこちゃん!」 健夜「高校のときは田舎でいい男の子が居なかったから、麻雀漬けになってたんだもん!」 恒子「高校卒業後は?」 健夜「みんな私の対局を見て引いてて……」 恒子「プロになってからは……」 健夜「私より弱いプロなんて恋人にしたくなかったし……」 健夜「実力あるようなプロは既に結婚してたり、おじいちゃんだったり……」 恒子「そして気付いたらあらふぉー……」 健夜「本当にこのままアラフォーになるかもしれない……」 恒子「ま、そのときは京太郎君に面倒見てもらえばいいじゃない!」 京太郎「え~?俺の意見はどうなるんですか?」 恒子「京太郎君に恋人っているの?」 健夜「聞かないな~?」 正直俺に浮いた話なんてない。 悲しい事に彼女なんて出来もしないしフラグなんて立った事すらない…… なので苦し紛れだがこう答える事にしよう。 京太郎「俺も麻雀が恋人ですから……」フイッ 恒子「姉弟揃ってこれだよ~。」 恒子「……で、話戻すけど、明日は表彰台に立つくらい麻雀が上手いこの男の子は……」 恒子「イケメンで、面倒見がよく、気が効き、休みの日はお姉さんの為に料理まで作っちゃう良い子な訳ですよ。」 健夜「いつもおいしいご飯ありがと~。」 京太郎「はぁ……」 恒子「で、そんな優良物件な彼に恋人が出来ないのは、きっとこわ~い小姑がいるからですよ。」 健夜「え、私!?」 恒子「そう、国内最強のプロが姉とか大抵の女なんて尻込みするよ。」 京太郎「俺がモテないのにはそんな理由が!?」 健夜「京太郎君、真に受けないで!?」 恒子「で、そんな彼がプロ入りしたとしましょう。」 京太郎「まだ人生設計決めてないですよ。」 恒子「まあまあ、ここは仮定の話だよ。」 恒子「で、プロ入りしたら鳴り物入りで入ってきたってことで大体目立つよね?」 健夜「うん、まぁ。」 恒子「そしたら、婚期の危なくなった女子プロとかがアタックしてくるわけじゃない?」 京太郎「そうですかね?」 恒子「正直な話こんな優良物件をみすみす見逃す手はないもの!」 健夜「うん、姉から見ても良い物件だよ。」 恒子「あわよくば結婚を、と近寄ってきた女が「小鍛治く~ん今度ご家族にあってみたいんだけど~?」とか言って来た女に対してすこやんが……」 恒子「すこやん『あら?京太郎君の"お友達"?貴方プロよね?ちょっと打っていかないかしら?』とか言い出してトラウマを植えつけて引退させる気だよね。」 京太郎「うわ~こえ~健夜さんちょーこえー。」 健夜「それこーこちゃんの勝手な想像だよね!?」 恒子「でもすこやん、京太郎君にそんな女が集ってたらどうするよ?」 健夜「……いや、まぁ多少は篩いに掛けるよね。」 恒子「基準は多分麻雀だよね。」 京太郎「健夜さんの得意分野はそこですからね。」 健夜「ひどい!?」 恒子「あれ?京太郎君今何歳?」 京太郎「15です。」 恒子「若!?十五!?」 恒子「今のうちに唾を付けておこうかな。」 健夜「あれ?こーこちゃん?」 恒子「よろしくお願いしますね、お義姉さん。」 健夜「こーこちゃん、冗談はほどほどにね?」ゴゴゴゴ 久しぶりに怒った健夜さんを見た気がする。 健夜さんは滅多に怒らないけど怒ったら怖いのだ。 恒子「…………冗談だよー」 恒子「あ、お酒の追加注文お願いね。」 京太郎「はいはい……」 健夜「無理やり話し逸らしたなー」 恒子「すこやん空いてるけど頼まないの?」 健夜「それじゃあ私も。」 京太郎「あんまり呑みすぎ無いでくださいよ?明日も仕事あるんですから。」 恒子「わかってるわかってる~。」 健夜「大人は飲む分量弁えているから。」キリッ 京太郎「ああ、もう……すいませ~ん!」 ここで俺が店員さんを呼んだのが運のつき。 何故ここで止めなかったのか、どう考えたって酔っ払いの戯言を鵜呑みにする方がおかしいのに。 このあと介抱するのは俺なのに…… そろそろ宴も酣なのでホテルに戻る事になった。 べろべろに酔った二人を両脇に抱えて恒子さんを部屋に送った後、健夜さんをおんぶして部屋まで向かう。 気が付いたら彼の背中に居た、情けないな、姉として。 そのほかにも彼に謝らないといけないことがある。 だから申し訳なさから胸に痞えた言葉を吐き出す。 健夜「ごめんね、こんなダメなお姉さんで。」 京太郎「別に気にしてないですよ。」 健夜「ううん、違うの。」 京太郎「何がですか?」 今日見た他の京太郎君のこと、こーこちゃんが来る前に話した他の京太郎君の話…… どうしてもその事を思い出すと、胸が締め付けられる。 だから酔った今、彼に告解をしよう。 聞けなかったことを聞こう。 健夜「…………」 京太郎「健夜さん?」 健夜「……私ね、思うんだ。」 健夜「私のせいで道を狭めてしまったんじゃないかなって……」 健夜「他の京太郎君の話を聞いて、本当はもっと違う生き方もあったんじゃないかなって……」 京太郎「…………」 健夜「だから、麻雀漬けの人生に引き込んで、私と同じ道を、茨の道を歩ませてしまったのが――」 酔って纏まらない思考で話していた私の声が、彼の声で遮られた。 京太郎「健夜さん。」 京太郎「俺は自分の意思で、この道を選びました。」 健夜「京太郎君……」 京太郎「だから、自分が……健夜さんが歩いた道を……」 京太郎「そして、俺が憧れた道を否定しないでください。」 そうか、もう彼は決めていたんだ。 この道を……そして私が歩んだ道を。 なら、もう何も言う事はない、私には彼が自ら進む道を阻む事は出来ないのだから。 健夜「……うん、わかったよ、応援するね。」 京太郎「お願いしますね。」 健夜「んふふ~。」 京太郎「?やけに機嫌いいですね。」 健夜「昔は私がおんぶしてたのに、今は私がおんぶされてるんだなって……」 健夜「京太郎君、おおきくなったんだなーって。」 京太郎「それはそうですよ、もう十年ですからね。」 京太郎「俺だって健夜さんを背負えるくらいに成長します。」 京太郎「そしてこれからは、健夜さんの心を支えられるくらいに成長してみせますよ。」 いつか彼は私の隣まで追いついて来るのだろうか。 それともいつか彼は私を追い越すのだろうか。 どちらにせよ、今はこの時間を、この幸せなひと時を、一秒でも長く感じていたい。 健夜「ふふふ、気長に待ってます。」 もう直ぐ私の部屋だ、私をベッドに寝かしつけたら、彼は自分の部屋に戻るのだろうか…… 京太郎「健夜さん、着きましたよ。」 健夜「ん~……」 もういい年なのに、「人肌が恋しい」と弟にせがんでしまおう。 今夜くらい姉の我が侭を聞いてもらおう。 健夜「ねぇ、京太郎君、今夜は一緒に寝ない?」 京太郎「俺、もうそんな年じゃないですよ……」 健夜「ううん、私が京太郎君と寝たいの。」 健夜「ダメ、かな?」 京太郎「仕方ない、お姉さんの頼みなら聞きますか。」 そして彼は私をベッドに横たわらせると二人で同じベッドに入った。 京太郎「気持ち悪くなったら言ってくださいね。」 健夜「流石に吐かないよー」 健夜「京太郎君、もっとこっちに寄って。」 京太郎「はいはい。」 健夜「一緒に寝るなんて久しぶりだね、なんだか懐かしいよ……」 京太郎「そうですね……」 健夜「前は私の体でもすっぽり覆えるくらい小さかったのにね……」 健夜「今じゃ抱きつくくらいしか出来ないよ。」 京太郎「そうですね、腕枕でもしますか?」 健夜「ぜひお願いします。」 私は少し頭を浮かせて彼の腕を枕にする。 不思議な気分だ、あの小さかった腕が、あの壊れそうだった体が。 今は逞しく成長して私を包んでくれている。 健夜「腕辛くなったら言ってね?なんて言ったって大会選手なんだから、腕を痛めたら大変だからね?」 京太郎「大丈夫ですよ、もう個人戦は全部消化しましたから、あとは表彰式だけです。」 京太郎「それよりもう寝ましょう、健夜さん明日早いんでしょう?」 健夜「うん、それじゃあお休み。」 京太郎「はい、お休みなさい。」 そして重くなった目蓋を閉じて私の意識は夜の帳と共に落ちて、夜の帳と共に明けていった。 朝起きたら頭が痛い……ズキズキと頭に響く……完全に二日酔いだ。 腕枕をしてくれていた彼はすでに起きていて身支度を整えていた。 起きた私に気付いた彼は、私に朝の挨拶をする。 京太郎「おはようございます、健夜さん。」 健夜「おはよう……」 京太郎「あんまり調子よくなさそうですね、仕事大丈夫ですか?」 健夜「私は大丈夫だよ。」 京太郎「そうですか。」 健夜「?」 健夜「京太郎君、体調良くないの?」 京太郎「なんでですか?」 健夜「なんとなく?」 京太郎「多分、大会の緊張から解き放たれたから疲れが出たんだと思います。」 健夜「そうなんだ……」 京太郎「ええ、決して腕が痺れたなんてことはないです。」 健夜「え~?嫌味?」 京太郎「はは、冗談ですよ。」 ――宮守Side―― 京太郎「トシさん、本当に俺たちだけでいいんですか?」 トシ「私は用事があるからねぇ、後は若い者同士で存分に楽しんできなさい。」 トシ「"あんた達は最後"になるんだから目一杯、思い出を作ってきなさい。」 京太郎「わかりました、それじゃあみなさん何所行きますか?」 豊音「みんなで色んなところ回りたいよー」 塞「と言っても私たち地元の人間じゃないから何があるかわからないんだよね。」 胡桃「何所回るか決めてなかったの!?」 シロ「ダルいところじゃなきゃいい……」モソモソ 胡桃「だからなんでシロは須賀君の背中に乗ってるの!?」 シロ「歩くのがダルい……」 胡桃「恥ずかしいから降りて!」 エイスリン「…………」カキカキ バッ 塞「えっと……どこかに行くんだよね。」 胡桃「……翻訳お願い。」 京太郎「買い物と外食だな……」 シロ「あと、カラオケとゲームセンター……」 胡桃「二人はよくわかるね……」 塞「とりあえずゲームセンターに行ってそのあと昼食をとった後、カラオケ、ショッピング?」 豊音「どれも宮守じゃ中々できないことだよー」 京太郎「地元だと街まで行かないと無いですからね。」 シロ「家からだったらそこまでして行きたくない。」 京太郎「街まで遠いからですか?」 シロ「うん」 京太郎「それにダルい?」 シロ「うん」 豊音「シロはもっと積極的に動いた方が良いんだよー」 シロ「……いつかは積極的になる。」 胡桃「それやらない言い訳だよね……」 シロ「そんなことない、少なくともいつもは京太郎の背中に登る時は積極的になってる。」 塞「それ積極的なのかな……」 ――ゲームセンター―― 豊音「わーここがゲーセンかー!」キラキラ 京太郎「あんまり来た事無いけど色々あるんですね。」 胡桃「うるさい、ここ。」 シロ「んー、落ち着かない……」 塞「エイスリン、まずは何するの?」 エイスリン「 +3!」 510 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/09/21(金) 18 53 49.10 ID OjnIG7L0o カップルが遊んでる格ゲーに対戦乱入 安価:カップルが遊んでる格ゲーに対戦乱入 エイスリン「アレ!」 京太郎「いわゆる格ゲーですね……」 豊音「ちょー面白そうなんだよー」 エイスリン「ハヤク!ハヤク!」 京太郎「急かしてますけど誰が行きます?」 塞「私こういうのやったことないから。」 胡桃「須賀君が入ってみたら?」 京太郎「あーわかりました……あまり得意じゃないんだけど……」 豊音「応援するよー!」 シロ「頑張れ……」 京太郎「背中から降りる気はないんですね……」 エイスリン先輩が嬉々として筐体の前に座って待っている。 先輩のあんな笑顔には逆らえない、仕方ないのでさっさと隣に座る。 それぞれ百円玉を入れてスタートする。 ところがエイスリン先輩が何を思ったのか乱入をしてしまった。 女「あ!乱入だよ!?」 男「いっちょやってやりますか!」 エイスリン「マチガエタ……」 どうやら素で間違ったようだ…… 仕方ないので相手のカップルと思しき二人を相手に頑張ることにした。 かくして3対2(内一人は背中にいる)のバトルが始まる事になる…… シロ「あ、そこ次右から来るよ……」 京太郎「え!?まじですか!?」 エイスリン「ンフフ、アハハ!」ガチャガチャ 京太郎「エイスリン先輩楽しそうだなー」 シロ「集中しないと負けるよ……」 京太郎「おおっと、そうだった!」 エイスリン「タノシイ!タノシイ!」ガチャガチャ なんだかんだでシロさんの助言とエイスリン先輩の活躍があり、辛勝であったが勝ちはした。 相手のカップルにはいきなり乱入して申し訳ないな、と思って一瞥をしとこうと顔を覗いてみた。 京太郎「あの、すみません、いきなり乱入とかしちゃっ……て?」 照「なかなか手ごわい相手だった。」 京太郎(白糸台)「きっと相手はカップルですよ、さっき男と女の声がしました。」 照「リア充ってやつかな?」 京太郎(白糸台)「きっと無駄にイケメンないけ好かないカップルですよ。」 京太郎(宮守)「なにやってんの。」 まさかの白糸台の俺参上。 京太郎(白糸台)「やっぱり無駄にイケメンなハーレム男か。」 京太郎(宮守)「遠まわしに顔自慢か、あとハーレムってなんだ。」 京太郎(白糸台)「いや、だってお前両手に花というか背中まで花を背負ってるじゃん。」 京太郎(宮守)「お前も大してかわらないだろ。」 京太郎(白糸台)「いやいや、俺と照さんは恋人じゃないから。」 照「てい!」ペシッ 京太郎(白糸台)「あだ!?なにするの!?」 京太郎(宮守)「……お前はもうちょい女心を学ぶべきだ。」 京太郎(白糸台)「え!?なんで!?」 シロ「京太郎も人の事言えないだろうに。」 京太郎(宮守)「こいつよりはマシでしょう?」 シロ「五十歩百歩。」 照「私の京ちゃんとそこらへんにいる京太郎を一緒にしないで。」ムッ シロ(京太郎ってそこらへんに居る者なのだろうか……) 照「私の京ちゃんは他のよりカッコいい。」ドヤァ シロ「……こっちの京太郎は他のより面倒見がいい。」 照「ぐぬぬ……」 シロ「……やる?」 京太郎(白糸台・宮守)「「落ち着いてください二人とも。」」 京太郎(宮守)「なに無駄な対抗心燃やしてるんですか、シロさん……」 シロ「無駄じゃない……」フイッ 京太郎(白糸台)「高校生三年にもなって大人げないですよ、照さん。」 照「女には譲れない戦いがあるの。」フイッ 「シローキョータロー?」 京太郎(宮守)「あ、エイスリン先輩待たせたままだった、それじゃ俺達はこれで。」 京太郎(白糸台)「それじゃ、またな。」 白糸台の二人に別れを告げて、先輩たちの下へ向かう。 エイスリン「キョータロードコイッテタノ?」 京太郎「ちょっと鏡を見てました。」 シロ「人の振り見て我が振り直せだった。」 エイスリン「?」 豊音「それじゃあ次は何にするー?」 京太郎「えーっとじゃあ――」 シロ「 +3で」 京太郎「台詞取られた!?」 531 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage] 投稿日:2012/09/21(金) 20 27 39.72 ID zsKezoXKo クイズゲーム 安価:クイズゲーム シロ「クイズゲームで……」 京太郎「ふっふっふ……」 胡桃「あれ、須賀君得意なの?」 京太郎「いえ、俺の出る幕でもないなと思いまして。」 胡桃「なにそれ……」 塞「それなら私やってみようかな。」 胡桃「いや、それなら私が。」 豊音「私がやろうかなー?」 京太郎「んじゃ俺が……」 「「「どうぞどうぞどうぞ」」」 京太郎「ちきしょー!わかってたよ!」 京太郎「やりますけどシロさんもですからね?」 シロ「ん、わかった。」 クイズゲームの筐体の席に着く。 ここでひとつ気付いたんだが、シロさんもやるのに背負ったままだとやり難くないだろうか。 京太郎「シロさん、体勢を変えましょう。」 シロ「んー」モゾモゾ 京太郎「わざわざ俺の膝の上ですか……」 胡桃「いいなー……」 シロ「あとで代わってあげる。」 胡桃「いやいいよ。」 京太郎「俺の膝の上とか誰得ですか。」 シロ「意外と需要はある。」 シロさんが膝の上に乗ったと思ったらお金を入れていた。 いつの間に…… ともあれ、クイズゲームなんてやった事無い上に知識なんてさしてないので、全部シロさん頼りだ。 他力本願な俺をよそにクイズが始まる。 ゲーム機「では第一問、アマゾン川で――」 ピコン 京太郎「はや!?」 シロ「ポロロッカ……」 ゲーム機「正解。」 京太郎「うそん!?」 ゲーム機「では第二問、中央アメリカのパナマと陸上で国境を接している南アメリカ――」 ピコン 京太郎「また!?」 シロ「コロンビア」 ゲーム機「正解。」 京太郎「迷いがないってどういうことなの……」 こんな感じ終始圧倒してたシロさんは途中で飽きたのか30問目でギブアップした。 京太郎「なんだろうこの感じ……」 シロ「疲れた……」モゾモゾ 塞「いつものシロとは思えないくらい早かったね……」 豊音「シロすごかったよー!」 京太郎「次は何にしますか?」 胡桃「 3がいいんじゃないかな?」 542 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/09/21(金) 21 07 34.99 ID OiI8zfKQo プリクラ 安価:プリクラ 胡桃「そろそろお昼の時間だし、最後にみんなでプリクラ撮ろうよ。」 豊音「それいいよー!」 エイスリン「プリクラ!」 京太郎「あれに6人も入るかな……」 シロ「頑張れば行ける?」 塞「折角だから全員で撮りたいよね。」 頑張ってプリクラに入ってみる。 やはり狭い、豊音さんが一番後ろで屈んで入ってその前に俺、横にずれてくれたシロさんに抱えられて、その前に胡桃先輩がいる。 塞さん俺の横に付いてそのまえにちょこんとエイスリン先輩がいる。 豊音「ちょー狭いよー……」 塞「もうちょっと詰めてよー」 シロ「これはダルい……」 胡桃「シロ、腕がぷるぷるしてるよ!?」 エイスリン「ハイッテル?ネー、ミンナハイッテル?」 京太郎「これは、魔境だ……」 無理やり入って密着してるものだから色々と当たっている。 なにがとは言わないが。 男として中々にやばい状況である。 せめて先輩方の前では紳士でありたいのだが、この押し合い圧し合いの状況で下手に動いたら大惨事である。 京太郎「ある意味天国、ある意味地獄……」 健全な男子である事に今は辛い。 胡桃「撮るよー」 塞「はい、チーズ!」 パシャッ こうして紳士として頑張った俺にみんなとの思い出が増えた。 ―白糸台(照)視点― 照「…………」ムー 京太郎「照さん、まだ怒ってるの?」 照「怒ってない。」ムス 京太郎「……宮守の人たちも悪気があったわけじゃないし。」 照「……違うもん。」 京太郎「じゃあ、なんでそんなにご機嫌斜めになってるの……」 照「だって京ちゃんが……」 京太郎「俺が?」 照「今二人きりなのに昔のように読んでくれない……」 京太郎「え、そんなことだったの?」 照「そんなことじゃないもん。」ムス 京太郎「あーもう、機嫌直してよ、"照ちゃん"。」 照「……んふふ。」ニコニコ 京太郎「それじゃあ、ご飯食べたら戻りますか。」 照「えー、もうちょっと二人で遊びたい。」 京太郎「あまり遅くなったら部長に怒られます。」 照「……仕方ないな。」 ―小鍛治視点― 京太郎「ふぅ、やっと終わりましたよ、表彰式……」 健夜「お疲れ様、家に帰ったら祝勝会だね。」 京太郎「そうですね、でも健夜さんまだこっちで仕事あるんでしょう?」 健夜「そうだね、女子団体が終わるまではこっちに居ないといけないかな。」 京太郎「それじゃあ、おじさんたちには電話だけして『健夜さんと一緒に帰る』って伝えておきます。」 健夜「ごめんね、付き合わせちゃって。」 京太郎「その間は健夜さんにご飯を奢ってもらいますから大丈夫です。」 健夜「……あんまり高いところはダメだよ?」 京太郎「恒子さんにいい所を教えてもらおう。」 京太郎「アナウンサーだからきっとおいしい物食べてるんだろうなー」 健夜(こーこちゃんが私の財布事情と空気を読んでくれれば……やっぱだめかも。) 京太郎「心配しなくても、流石にそんなに高いところに行きませんよー。」 健夜「お、大人の経済力を甘く見ない方が良い。(震え声)」 京太郎「もう27なのに……健夜さんの人生設計が心配です。」 健夜「……良い人見つけて結婚すればいいんだし(遠い目)」 京太郎「目ぼしい相手でも居るんですか?」 健夜「……いません。」 健夜「大丈夫、いざとなったら京太郎君に面倒見てもらうから。」 京太郎「その発言にびっくりです。」 健夜「そういえば体調は大丈夫?」 京太郎「大丈夫ですよ。」 健夜「……無理してない?」 京太郎「……直ぐに戻りますよ、多分慣れない大会で気疲れを起こしただけですから。」 健夜「……そう、あんまり無理しないでね?」 京太郎「はい。」 ―清澄視点― 咲「京ちゃん、買出し一人で大丈夫?」 京太郎「いつもやってることだろう。」 咲「でも、京ちゃん顔色悪いよ?」 京太郎「心配すんなって、ほら、俺は元気だからさ。」 咲「うん……」 京太郎`s「「「「あ……」」」」 視点が変わる。 視界が揺らぐ。 世界が回る。 回る世界の中、倒れる間際、そこには確かに―― 咲が 照ちゃんが 健夜さんが 宮守のみんなが 俺の目に映った。 色んな記憶を見る。 色んなことを思い出す。 自分のこと。 他人のこと。 今まであった事。 俺の知らない記憶。 ただ、自分のであって自分のではない記憶を垣間見た。 突然、照から電話があった。 照はかなり憔悴していて冷静に状況を聞きだすのに苦労した。 照「菫……どうしよう、京ちゃんが、京ちゃんが……」 菫「落ち着け、照。」 照「だって、だって、京ちゃんが!」 菫「いいから落ち着け、今何所で、須賀がどんな状況なんだ?」 照「今、会場の入り口で……京ちゃんがいきなり、倒れた……」 菫「そうか入り口だな、直ぐに行くから照はそこから動くな。」 私は急いで照の元へ向かった、そこには須賀がいた、居たのだが…… 存在が薄い、と言うべきなのだろうか。 ここまで存在が儚い者を見たことがなかった。 彼はただ潮流に流されまいと木の枝に引っかかってる布切れ…… または風に吹かれれば消えてしまいそうな、そんな印象の儚い存在感だった。 菫「何所だ……!」 おろおろと狼狽している照と、ぐったりと倒れている須賀を見つけた。 菫「照!急いで須賀を医務室に運ぶぞ!」 照は憔悴していたが、私の声を聞いてかすぐさま須賀の体を担ごうとした。 だが男女の体格差が大きいので一人で担ごうとした照は、中々思うように動けない。 なので、私は急いで須賀のもう片方の肩を担ぎ、照と二人で医務室に向かった。 彼は恩人なのだ、私の恩人なのだ。 私が攫われたとき、真っ先に身を呈して救ってくれた。 そんな彼をここで放るわけには行かない。 彼を放って置けない理由を自分にそう言い聞かせて。 漸く医務室のベッドに須賀を横たわらせると、とある先客が居る事に気付く。 解説に入ってる小鍛治プロだ。 私の視線に気付いたのか小鍛治プロがこちらにやってきた。 小鍛治プロがベッドに横たわる須賀を一瞥すると、妙な事を口走った。 健夜「こっちの京太郎君もここに運ばれてきたんだね。」 その言葉に恐らく私は怪訝な顔をしていたのだろう。 小鍛治プロはそんな私を見て、こう言った。 健夜「多分、また、ここに、他の京太郎君が来るよ……」 言葉の意味が解らなかった。 まるで今しがた同じ事があったような口ぶりだ。 そして医務室の奥から一人の女生徒がやってきて、狼狽する照に声を掛けた。 咲「お姉ちゃんもなの?」 照「!……咲」 どうやら彼女は照の妹らしい。 照は記者会見の時、妹の存在を否定していたが、見た目から宮永照の親類だと容易に推測できる。 照「……どういうこと、咲。」 咲「"私の"京ちゃんも倒れたの。」 咲「そして小鍛治プロの所の京ちゃんも……」 健夜「そして貴女のところの京太郎君もだよね?」 照「…………」 照は何か得心がいった様な顔をした。 私には照が何に対して得心がいったのか、事態がどのように向かっているのか、何がなにやらわからなかった。 頭の中が纏まらないそんな私に追い討ちを掛ける様に医務室のドアが開いた。 中に入ってきた風貌に私は驚いた。 身長は2m近くある女が入ってきたのだ。 驚いたのはそこではない。 彼女が担いできた者が須賀に姿、顔が似ていたからだ。 そんな彼女が医務室に入ってきて開口一番に悲痛な声で叫んだ。 豊音「お願い……誰か……」 豊音「誰か京太郎君を助けてよー!」 そんな彼女が涙ながらの懇願に応えるように入ってきた老齢の女性が入ってきた。 トシ「おやおや、やっぱりこういうことになってしまったかい……」 豊音「熊倉先生……」 トシ「今から京太郎に関して話すよ。」 そういって、老齢の女性は照と、照の妹と、小鍛治プロ、そして先ほど入ってきた身長が高い女に話を始めた。 『中編』 了
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388925097/ 京太郎『……つうわけだから』 京太郎『和は恩返しとか考えなくてよかったんだよ』 京太郎『ずっと俺が恩返しする側なんだ』 和『納得できません』 和『私が忘れてしまったことの恩返しなんて要りません』 和『私が恩返しをするべきなんです』 和『京太郎くんがいたから、私は今こうしてここにいるんですよ』 京太郎『そんなの俺だってそうだ、和がいなかったら今の俺は無いんだよ』 京太郎『和が答えてくれたから、俺はまた和に会えたんだ』 京太郎『和がいてくれたから、俺は和を救えた』 京太郎『俺は、何もやってないんだよ』 和『……納得できません』 京太郎『それにさ、恩返しするっつっても俺は和には十分恩返ししてもらってるよ』 京太郎『俺のこと応援してくれて、麻雀も勉強も教えてくれただろ』 和『そんなことは京太郎くんも同じですよ』 和『京太郎くんも私を応援して、放課後は家まで送ってくれて』 和『休日でも、今日みたいに遊びに誘ってくれるじゃないですか』 京太郎『いや、それは、俺が……』 和『俺が?』 京太郎『俺、が……』 京太郎『…………』 京太郎『今は……言えない』 和『そう……ですか』 京太郎『……あ、もう着いちまったな』 和『……もう、ですか』 和『今日はありがとうございました』 京太郎『おう、また明日、学校でな』 和『……京太郎くんといる時間は、楽しくて、好きです』 和『京太郎くんが楽しい時間をくれるので、しっかり恩返しはされてますよ』 和『私にまだ恩返しがしたいと言うのでしたら、また今度、楽しませてください』 和『納得は、していませんけれど』 京太郎『……なら、また誘うわ』 和『楽しみにしてます』 インターハイが終わり、俺が和を誘ってプールへ遊びに行った日の帰り道で、俺は和に昔のことを打ち明けた 高校生の俺の最後の夏が終わって一区切りがついたから、和に話す決心がついたんだ やはり和は俺との出会いを憶えていなかったようで、故に俺はこんな感じで和と揉めてしまった ……遊びへ誘うのが恩返しなんて思ってはなかった ――――今は……言えない いつかは言ってやる、そう決めた そう決めてから、もう半年が経った ダメじゃん 長野の雪の脅威はようやく撤退を始めたようだ 高校生活最後の日に相応しく空は蒼い顔をのぞかせている 春とはとても言えないような寒さが道を行く高校生たちの背中を丸めさせる 茶色やら紺色やらのコートとひらめく青いスカートの下には黒に包まれた脚が目立つ 黒ストに締められた脚って至高だよね まあ、去年のプールに和が着けて来たビキニと溢れんばかりのおっぱいの方が究極だったけど ……なんで二人だけで行ったのに何も言えてないんだよ、俺 竹井部長がいなくなってから、染谷先輩がいなくなるまでの時間は早く経った 和が部長になってから、今までの時間はもっと早く経った ちなみに俺は元副部長、この三年間で男子部員の入部は0 笑えてくる、実績無いから仕方ないけど0って言う数字は笑えてくる 女子はあれから六人入ったって言うのにさ……はぁ 俺の大会の戦績はあまりぱっとしない、精々去年のインターハイで4位だったことぐらいしか目立ったことが無い 4位なので決勝卓で目立った1位、2位の人とは違って俺にはインタビューとか全然来なくて俺は空気同然だった、泣いた だけどおかげで和のおっぱいで疑似ぱふぱふができたから結果オーライだった ありがとう、なんか顎の尖った人 二年弱をかけて、俺と和の関係は名字呼びから名前呼び 前はごくまれに部活の帰りに家まで送ってたけど今は勉強のためにお互いの家を訪れるように…… そんな感じの進展を果たした……だけ お、これいけるんじゃね?と思うような雰囲気になったことは結構あったけど怖気づいて何もできないばかりだった 咲にヘタレヘタレ言われるようになったのが癪に障る今日この頃である 俺だって何もしなかったわけじゃないんだけどなぁ ……こぼれるあくびを塞いだ拍子に細めた目がなじみのピンク色を捉えた 和「ほろほろははひへふへはへんは?」 京太郎「和のほっぺが柔らかかったから仕方ない」 和「変な責任転嫁しないでください」 京太郎「ホント柔らかいんだよ和のほっぺ、魔性のほっぺだなこりゃ」 和「何ですかそれ」 京太郎「吸い付いたら離れられない、もっちもちのほっぺ」 和「そこまでですか?」 京太郎「なんなら俺と比べてみろよ」 和「……はぁ」フニッ 京太郎「……和の指もやわらかいな」プニッ 和「勝手に感じないでください」フニーッ 和「こんなとこ、知り合いに見られたらどうするんですか」 京太郎「ダイジョーブダイジョーブ、先っちょだけだから」 裕子「ちょっ、二人とも!邪魔するなって!」 京太郎「ん?」プニッ 和「今の声は……」フニッ マホ「おはよーございます!」 裕子「すいません、こいつら黙らせます」 ミカ「柔らかい……吸い付く……感じる……勝手に……先っちょ……」カァァ 京太郎「何か発想がおかしい子がいる!?」 裕子「私たちは先に講堂行くので、さよなら」 マホ「また放課後に会いましょー!」 ミカ「失礼します」 京太郎「……仲良いな、あいつら」 和「私たちの学年も似たようなものですよ」 京太郎「あー、そうかもな」 優希「よっ、京太郎!」バシィッ 京太郎「なんで鞄の角で叩きやがったこんにゃろー!」クワァッ 咲「優希ちゃん!京ちゃんも……」 和「まあ放っておきましょう」 和「あの二人は本当に変わらないですよね」 咲「あはは――だね」 咲「――和ちゃんは、変わりたいと思う?」 和「どういう意味ですか?」 咲「そのまんまかな」 和「変わる……ですか」 京太郎「ぎゃーっ!モモカン入ったぁーっ!」ゴロゴロ 優希「ざまあみろだじぇ!」 和「……はい、今日こそは」 咲「そっか、頑張ってね、応援してるよ」 和「はい……絶対」 高校三年生になって、京太郎くんと私は同じクラスになりました 一度目の席替え以来、私と京太郎くんは隣の席になり続けていました 部活の書類関係などの雑務は部長の私と副部長の京太郎くんとでこなすことが多くなり、 同じクラスなので昼食は大抵一緒に食べていました 誕生日を祝ってもらって、祝ってあげて 遊びに連れて行ってもらって、お宅にお邪魔して勉強を教えてあげて 私と京太郎くんの距離は一年生の時よりもずっと近づいたと思います ―でも、もっと近づきたい いつからか、ゆーきと仲良く騒ぐ京太郎くんを見ていると胸がふつふつとざわついて 京太郎くんに頭を撫でられる咲さんが羨ましくなって クラスのあちこちで会話を繰り広げる京太郎くんを目で追うようになって 京太郎くんに家まで送ってもらった日の夜は胸が押し潰されるような、でもどうすることもできない変な感触を覚えていました これが、京太郎くんへの恋心であることを実感したのは、いつでしたっけ 卒業式はあっという間に終わり、裕子たちが開いてくれた送別会もとても楽しいものでした このあとのことは任せてください!と胸を張る裕子、鼻水を垂らして涙を流すマホと、 マホを慰めているはずがもらい泣きをしてしまったミカ 他の子たちも、私たちのことを惜しんでくれました 「原村部長、御達者で!」 「優希先輩!私、優希先輩みたいに強くなります!」 「宮永先輩はずっと憧れてました!大学リーグでも頑張ってください!」 「……俺は!?」 泣いて、笑って、みんなと別れたときにはもう家屋から漏れる明かりと街灯ばかりが目立っていました 一日経っても、何も変われなかったなぁ…… 大きく白い息を吐いていると、後ろから声がかけられました 聞き慣れた、優しくて、時々格好よさを見せる声 声の主は京太郎くん、私のため息の原因でした ここ暗いから送ってくよ、と手を握った京太郎くんに頷きました まばらな街灯が照らす道 何度も二人で歩き慣れた道 私と京太郎くんとの二人っきり 思い出話に花を咲かせながら、二人で歩く 二人で星空を見上げて、これは何座だとか適当な話をして過ごす帰り道 いつもとあまり変わらない帰り道 気が付くと話は途切れていて、二人して俯いていました いつもありがとうな、と徐に顔を上げた京太郎くんが笑いました こちらこそ、と返して私たちはまた黙りこみました 「和ちゃんは、変わりたいと思う?」 ……そうだ、これは最後の機会 これを逃せば、同じ大学とは言え、京太郎くんが他の子に奪い取られてしまうかもしれない たった一言、しっかりと口に出せばいい 「一回勇気を出すだけ、もう少しだけ精一杯」 頭の中で決心がつきました 京太郎「あー、あのさ、俺、和に言いたいことがあるんだ」 和「え?」 京太郎「言いたい、ってか言わなきゃいけないこと」 和「……奇遇ですね」 和「私も、京太郎くんに言いたいことがあります」 京太郎「……そっか」 京太郎「じゃあ、同時に言ってみるか」 和「……ええ、そうしましょう」 京太郎「おっけ、んじゃ――――せーの!」 言葉が、重なる 二つの音が、重なる 沈黙が、重なる 笑い声が、重なった ,.ー-‐.、 ヽ、 ヽ __ /,..-ニ‐- '"_,..) / ̄\ _,.‐-、 ' ´/ , _ 、´ / ヽ ' 、 .ノ _ _ ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\ / _| r ヽ i'´ ` ! , ',. -一' ./..'/ .} / <_ ,..-、 ! l i ヾ、_ / ,. '′ ,..,. ,/ ./ `ー-イ \ / ヽ ! ! し , iヽ、i / / { \ヽ i' _,/ ,.イ ̄`'´ /! ゙、 l ! / ヾ | ー'´ `´\ ヽヽ ! / ̄ // / / | └! .i! .!┘ ヽ r'´ ,.'⌒ `,. l ! 〈 \| | | | l !l .! ヽ ! ! ゝ-‐'´ /l .! ヽ r/ ヽ/ | l .l ! l i ゙、 \ / } .}ー"ヽ ヽ ヽ__// _ r、__, ,、 __,ノ l .! l .! | ト、゙、 `ヽヽ j ノ`ー-、 } ./ / | | ≧、__|  ̄ ____r' 」 l、゙、_ノ」__ン____________゙、`' /__ ヽ/_/ ./ | |________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ } ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"'´ ̄ ̄ ゙、. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽノ ヽ、ノ . エピローグ 重なる心