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【屋上の話】 放課後。姫代学園校舎の屋上。 校舎の壁を背に、足を投げ出して本を読む少女の姿がみえる。 長く伸ばした三つ編みに、大正時代の女学生のような矢絣柄の着物と海老茶色の女袴は、風変わりで時代遅れな印象さえ見る者に与えるだろう。 周囲には誰もいない。ここは彼女―――皆藤玖珠乃のテリトリーだ。 あまり人が訪れることのないここは、誰にも気兼ねすることなく気軽に本が読めるので、玖珠乃は重宝していた。 といっても最近はその限りでもないのだが。 この日もいつものように玖珠乃が推理小説を読む進めていると、突然屋上の扉が開く音が響いた。 そこから現れたのは一人の少女。制服の上からでも一目でわかる豊満な胸が目立つ。 黄金のように輝く鮮やかな髪は同姓の玖珠乃から見ても魅力的だ。 闖入者はきょろきょろと屋上の前方を見渡した後、玖珠乃の姿に気づくと、笑顔で手を振りながら彼女に声をかけた。 「あっ、いたいた、玖珠乃ちゃん」 「何の用ですか、吉村先輩」 声をかけられた玖珠乃は露骨に嫌な顔をする。 「あはは、冷たいなあ、玖珠乃ちゃん。そんな他人行儀じゃなくて。気軽に親しみを込めてシムノンって呼んでっていつも言ってるじゃない」 吉村と呼ばれた少女は抗議するように言った。 吉村斜音。姫代学園のミステリー研究会のメンバーである。 「……そんなに親しい関係ではないでしょう。シムノン先輩」 玖珠乃の声は先ほどよりもさらに冷たくなっていた。 玖珠乃が周囲の温度に還元することできる魔人であったなら屋上は氷河期の様になっていたことだろう。 「玖珠乃ちゃん、怒ってる?あんまり怒るとよくないのよ。カルシウムちゃんと取ってる?それに、私の用件は決まっているじゃない。玖珠乃ちゃんにミステリー研究会に入部してもらう。それだけ」 「その件でしたら以前にもお断りしましたよね」 「ええ、そうね」 「じゃあ、そういうことなので帰ってください」 玖珠乃の反応はけんもほろろ、取り付く島もないといった感じだ。 それも当然の話で、このやり取りも今回が初めてというわけではない。 もうおなじみになってきているといっていい。 数週間前、今日のようにここで本を読んでいた玖珠乃に斜音がミステリー研究会にはいらないかと声をかけてきた。 その場ですぐに断ったのだが、その後、斜音は事あるごとに玖珠乃のもとにやってくる。 勧誘に成功するまであきらめる気はないらしい。 探偵をやめた玖珠乃には迷惑な話だ。 「それはお断りするわ」 「どうしてですか。もう私は探偵する気はないって言ってるじゃないですか」 今の私はただの趣味として推理小説を読みたいだけの女子中学生。それだけです」 「だったらうちの部に入ってくれてもいいと思うのだけど。ほら、うちはミステリー研究会なんだし、探偵部と違って、そういう読書活動もうちの活動の一つなのよ」 実際、一部の例外を除き、姫代学園で探偵をやりたいと思う者は探偵部の方に行ってしまう。 ミステリー研究会の主な活動といえば、小説を書いてみたり、読んでみたり、学園七不思議を調べたりする方が主流だ。 「一人の方が気楽でいいんですよ。それに、先輩はそれだけでは満足しないですよね」 「そうね。入部すればもう一度探偵を続けることを望むでしょうね」 「あっさり認めるんですね」 嘘をついてでもとりあえず入れてしまおうと思わなかったのだろうか。 「不思議?嘘をついてもしかたないもの。私は玖珠乃ちゃんの助手になりたい。貴女はきっと素晴らしい探偵になれる。私はそう信じているから」 「買い被り過ぎです。私は大した探偵なかったんです。だからあの時も――」 「玖珠乃ちゃんはまだあの事件のことを引きずっているのね。あなたが解決した最後の事件を」 「そうですよ。知っているなら、もう放っておいてください。私はもう探偵なんてやりたくないんです」 もういいのだ。放っておいてほしい。 彼女は―――皆藤玖珠乃はもう探偵などしないと決めたのだから。 「嘘よ」 「何がですか」 「玖珠乃ちゃんはまだ探偵でありたいと思っている。誰かのために事件を解決したいと思っている。だからきっと貴女はいつか私の誘いを受け入れる」 「そんなこと……はないです」 玖珠乃の言葉は弱弱しかった。 「今日は帰るわ。またね。玖珠乃ちゃん。次はいい返事を待っているわ」 「……どれだけ来ても無駄ですよ」 そして斜音は扉を開けると去っていった。 屋上には玖珠乃が一人残されていた。 「夢……」 玖珠乃が目を覚ますとミステリー研究会の部室だった。 本を読みながらいつの間にか眠っていたようだ。 「ああ、起きたのね。玖珠乃ちゃん。あっ、これ飲む?」 目覚めた玖珠乃の目の前には両手にコーヒーが注がれたカップを持った斜音が立っていた。 「はい」 玖珠乃は手を伸ばし、斜音からコーヒーカップを受け取る。 「懐かしい夢を見ました」 「どんな夢?」 「先輩と出会ったころの夢です。屋上の」 「ああ、あの時の。あの時の玖珠乃ちゃん全然いい返事をくれなかったな」 「本気でやめる気でしたから」 「でもあの後私を助けてくれたわ」 あのあと、事件に巻き込まれた斜音を玖珠乃は探偵としての力を発揮し解決した。 それが皆藤玖珠乃のここでの最初の事件だった。 「それは困っていた先輩を見過ごせなかったからで」 「でも探偵はやめる気だったんでしょう?」 「それは―――」 「ふふふ、そうね。ありがとう」 斜音が玖珠乃の髪を撫でる。 「これからもよろしくね。玖珠乃ちゃん」 「はい。先輩」
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登録日:2011/12/22 (木) 12 34 52 更新日:2024/04/21 Sun 15 30 29NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 デパート ハッテン場 リクルート 子供の夢 屋上 屋上遊園地 年々減少 昭和浪漫 百貨店 置き去り 遊園地 屋上遊園地とは、デパートなどの屋上スペースを利用した遊戯施設である。 発祥は、当時の日本橋白木屋呉服店(のちの東急百貨店)が、屋上スペースを利用し、木馬やブランコなどの遊具を設置した事に由来。 その後も、三越デパートなどが、屋上に噴水や庭園などを設置したり、ローラースケート場を開いたりするなど発展し、 現在においても、デパートの屋上は子供用の小さな遊園地になっている事が多い。 さて、思いだそう。子供の頃を。 両親や祖父母と共に、デパートに行き、洋服やおもちゃを買ってもらい、お昼にはお子様ランチを食べ、幸せな気分のまま、屋上の遊園地で遊ぶと言う、 ゴールドパターンを楽しんだ方も多いのではなかろうか? デパートは、子供にとって天国であった。 そして、その一部を担っていた存在には、まさしく、この屋上の小さな遊園地もあった筈である。 ■主な遊具、施設 ◆乗り物型遊具 車や電車を模した巨大遊具。100円を入れれば、ゴウンゴウンと揺れる。 ただそれだけだが、楽しくて仕方無かったのではないか? ◆ゲーム類 ゲームセンターのものより子供向けに出来ている。 現在はダイスオーなどコレクション要素があったりして、大人が夢中になっていたり。 ◆ガチャポン、カードダス ここでコレクションを揃えるのが楽しみ。 たくさん買えるかは保護者の財布の緩み具合に左右されるので、好きなだけガチャガチャしたかったら早く大人になろう。 ◆ボールプール プラスチックのボールが大量のプール。 ゴロゴロしたボールに埋もれるのは非日常的。 投げっ子も楽しい。 ポケットに物を入れていると高確率でなくなる。 ◆機関車 正確には機関車型の乗り物。 三越デパートは隅田川上空をグルリと回るものを構想していたが許可が下りず、屋上の端から端に留まった。 ◆動物園 うさぎやモルモットなどふれ合える小さな動物園。 ライオンなどがいる本格的な動物園もある。 ◆ヒーローショー 在るところには在るイベント。追記者は昔、仮面ラ○ダー一号に足を踏まれた記憶があるが、ステージを駆け回るヒーローの姿に憧れたのは良い思い出。 追記・修正は、屋上遊園地で 「もっと乗りたい乗りた~いo( ;)(; )o( *_ω_)バタバタ」 とダダをこねてた方お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 懐かしい! -- 名無しさん (2014-02-06 21 45 26) 「君も後楽園で僕と握手!」が近所のスーパーの屋上=後楽園と誤解することになったな… -- 名無しさん (2014-02-06 21 48 45) 祖父母宅の近くにあるデパートに屋上遊園地あったんだけど、10年ぶりに行ったら無くなってた… -- 名無しさん (2014-02-07 00 48 48) デパート自体、遊園地自体が落ち目だからなぁ・・・悲しいことだ -- 名無しさん (2014-03-30 17 06 10) ところでタグのハッテン場は何故? -- 名無しさん (2014-08-13 12 04 10) ヒーローショーで敵の怪人に捕まり並ばされたとき「番号を言え」と怪人が言ったのに対して「ばんごう」と真剣に言って怪人がこけていたのを見て笑ったのを思い出した。 -- 名無しさん (2014-08-13 12 06 10) だだこねAAが可愛い肉じゃがの項目でも見たな。 -- 名無しさん (2014-08-13 12 07 04) ♪ペーペーポーポー、ペーペププー ペーペペ、プパペペ、パペペペプー -- 名無しさん (2014-08-29 18 17 22) ↑死ね死ね団はお帰りください。 -- 名無しさん (2014-08-29 20 01 58) ここにもだだこねAAが、かわいいなぁ。 -- 名無しさん (2014-08-29 20 03 05) 時代の流れか、近所のデパートはもう何も無いスペースとなっている -- 名無しさん (2017-06-05 06 21 22) 絶滅危惧種 -- 名無しさん (2021-04-01 09 44 13) 名古屋市の松坂屋さんはまだ現存していますがいつまで持つか。名鉄百貨店さんは遊園地の代わりにビアガーデンだから面白みが薄い。懐かしい思い出をありがとう -- 名無しさん (2024-04-21 15 30 29) 名前 コメント
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blue側、トーテム場所 屋上トーテム imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 名前 コメント
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おくじょうてれきゃすと【登録タグ お 初音ミク 曲 藤本薪】 作詞:藤本薪 作曲:藤本薪 編曲:藤本薪 唄:初音ミク 歌詞 心と体の大戦争 十五戦目は 左の手首の荒廃で 幕を下ろした 教室の隅の窓際 国境を引いて 四角い空を眺めては 涙を気化した 年中長袖の訳は 消えずに増え 救いを求めはしないが 苦しいの 屋上の風だけは 背中を押さず向かい風 一歩先には 空が広がっているのにな ☆I forcast it will rain right now. 雨雲は屋上を包んで I telecast SOS please hear. 見えない電波に乗せて放つ I forcast it will rain right now. 予報通りの雨が濡らす I telecast SOS please hear. 気づいてよ ねぇ I forcast it will rain right now. I telecast SOS please hear. ☆繰り返し この傷はいつか 笑える日が来るのかな 涙のシミ アスファルトを濡らす 四階建て 見えない門は 心の選択肢ひとつ 最後のひとつ コメント 歌詞ありがとうございます^^ -- 名無しさん (2011-07-06 16 47 58) 儚げでいい歌だと思います。聞いてて落ち着く -- 名無しさん (2011-07-14 21 28 26) 名前 コメント
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屋上ランチ 読み:おくじょうらんち カテゴリー:Event 作品:ToHeart2 【使用】[自分のデッキの上から5枚まで好きな枚数を控え室に置く] Battle ターン終了時まで、目標のキャラ1体は攻撃力と耐久力が控え室に置いた枚数分上昇する。 illust:AQUAPLUS AP-065 C 自分のデッキをキャラのサイズに変換するイベント。 上昇値は最大で5と強力ではあるが、使用代償の関係でレベルカードが控え室に置かれる可能性がある。 使用する場合はデッキトップを確認、できれば調整してから使用したい。 貫通や反射と合わせると終盤のゲーム加速として使え、2回攻撃にも対応しているので性能自体は悪くはない。 また、音速突破「シャーリー」を最も強化できるカードでもある。
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BSの屋上は攻めで取れるとめっちゃ有利。 2にすぐ行けるし穴から1も見れる。 リスから屋上にあがってくる敵はカモ。つまりさいつよ。取りましょう。 屋上での配置で考えられるポジションはだいたいこれ imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 1番:普段は穴から倉庫のカバー。ドアの音聞いてドアみてくるやつ 2番:つよポジでのドアガン置き 3番:普段は外周のケア。ドアの音きいて隙間からドアみてくるやつ。 取り方 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 1番と3番のポジは空爆できるポジ。 1番は倉庫から、3番は冷却前から投げれるので報告と同時にドアを開ける 2番に敵がいる場合は数でひき殺す。
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エクストラコンテンツのステージ「クワッドタワー屋上」のページです。
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屋上に向かえ vs 錦山組構成員 敵を倒しつつ屋上へ昇っていく。 最上階まで昇り、シンジのいるところまで移動するとムービー、荒瀬と戦闘に。 vs 荒瀬和人 荒瀬を倒すとムービーに、そして次の章へ。 第11章に続く
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- 屋上ミサイル 宝島社文庫 山下 貴光 ★×2 よくこれをこのミス対象にしたなと思う本。 このミスを信じてて失望した時期に読みました。 別にね、つまらなくはないんだけどね、大賞あげるような本か?というのが正直なところです。 いきなりだけど、このミス関連本がたまってきたのでまとめてみる。 A.このミス関連で面白かった本と順位 「チーム・バチスタの栄光」>「四日間の奇蹟」>「逃亡作法─TURD ON THE RUN?」 B.駄作とまでは言わないけど…な本と順位 「もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ?」 C.正直時間の無駄だった本 「沈む さかな」>「そのケータイはXXで」 「屋上ミサイル」は上記のBに属す感じです。 オサキとの順位はつけづらいな… どちらにも共通して言えることは激しくパクリ臭がすることかな… XXもそうなんだけど、好きだったら影響受けてしまうのも分かるんだけど、それを昇華させられないなら単なる同人誌でしょ?と思うのです。 言われてみて初めて「ああそういえばこのあたりが似てるかもね」っていうレベルでいてほしい。 伊坂という先人が存在してなかったら、★4くらいの面白さかな。 もちろん、あえてパクることで新境地を開くとかそういうことならアリなんでしょうけど、この本からはそういう気概は感じなかったなあ。 先天的に似ていたならこの作者には不幸なんだろうけど、このタイミングで出したらパクリとしか思われないって気付いた方がいいよ…。 読んでる最中も思ったし、同じ本を読んだ友人も「これは伊坂だ」と断じていたけど、伊坂本人の作を読んでいてもだんだん鼻についてきた「シニカルなキャラクター」や「ちょっとこじゃれたセリフまわし」がパクられてて、ほんともうお腹いっぱいです、すみませんという感じです。 さすがに似すぎているので触れずにはおけないと思ったのか、あとがきにまで「伊坂に似てる」と書かれていてびっくり。 しかも「似てたっていいじゃないか人間だもの」的擁護をしていて更にびっくりした…。 伊坂だって昔はポスト春樹って言われてただろ!やーいやーい!とか 子供の喧嘩ですかっていう論法。ネタとしては面白いですけど。 このミスの最終選考コメントも貼っておきます。 擁護派も反対派も伊坂パクリなことは認めてるのがなんとも… http //konomys.jp/archive/vol_07/review/index.php このミス大賞とってこれだけ叩かれる人は初なんじゃないでしょうか(よく知らないけどね)。amazonのレビューも散々だよ…。 この人が今後化ければいいけど、潰されたらこのミス史上の汚点になりますね。 がんばれこのミス。
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B棟の屋上に放置されている焼死体。 頭部だけを出した状態で死体袋に収められており、広大な屋上に一つだけ転がっている黒と白のコントラストが見る者に前衛芸術のような印象を与える。 当然固定などされていない上に屋根で囲われているわけでもないので雨風の影響をモロに受けるはずだが、何故か発見当時のままの形を留めている。