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今となっては昔のこと。 荒地の真ん中、涙で顔をぐしゃぐしゃにした一人の巫女が、一心不乱に祈りを捧げていた。 「天におわします神々よ、どうか、どうか──」 返事はない。 「偉大なる神々よ、我の嘆きを聞き届けたまえ──」 返事はない。 「お願いします、お願いします──」 返事は、ない。 白い翼を背中に宿した無数の白龍。手には剣を、槍を、弓を番え、攻撃の合図を待ち続けている。 燃え盛る翼を広げる4体の龍。無数の瞳をその身に宿し、その全てが巫女を見据えている。 そしてそれらの背後には、穢れを知らぬ輝く翼に眩き光を背負った、「光そのもの」とも呼べる龍。事情を知らなければ、この龍こそが「神」ではないかと錯覚してしまいそうなほどの神々しさを湛えている。 だがしかし、その足元には、ズタズタに引き裂かれた、「この土地にいた、かつて神だったもの」たちが転がっていた。 この土地に宿った信仰、神威、恵み、希望。 それら全てが「光の龍」によって踏み躙られた。 神々は果敢に光の龍に戦いを挑み、そして散っていった。 力の差が大きすぎた。 一柱、また一柱と神が斃れていくに従って、神々は光の龍に恐れ慄くようになっていった。一方で斃れた神の死骸は光の龍に喰われてゆき、光の龍は力をつけていった。 神々が使役する眷属たちも、白い翼の龍たちに蹂躙され、遂には死骸の山と成り果てた。 巫女たちも殺され、害獣の死骸のように灼かれ爛れ、名もなき塵へと返っていった。 そして全ての神は斃され、民草も亡び、残すところ年若い巫女が一人だけ。 それももう、終わろうとしていた。 《終いか》 光の龍はさいごの巫女に尋ねる。 「どうか、どうか、どうか──」 巫女は恐怖からか、絶望からか、或いはその両方からか、龍の言葉はもはや聞こえていないようだった。 龍は嗤い、満足そうに鼻を鳴らすと、配下の龍たちに告げる。 《光あれ》 この言葉を合図に、四匹の熾天の龍が咆哮を上げる。 荒地は焼けつく灼熱、凍てつく氷河、吹き荒ぶ颶風、揺れ震える地鳴に崩壊し、そして轟音、爆鳴、渦を巻く光の奔流が、全てを無へと帰していく。 すべてがなくなったその跡に、光の龍はただ佇んでいた。 そして暫し考え込んだのちに、配下の一匹の龍にこう告げた。 《新たなる預言者を探せ》 《我等の光を人の世に紡ぐ、『讃えられるべきもの』を探せ》 《我等の千年王国成就のための、最後の預言者を、探せ》 配下の龍は命を受け、東へと飛び去っていった。 光の龍はもう少し佇んでいたが、やがて日の出とともに光に融けていき、姿を消した。
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闇の巫女系 基本性能 Lv クラス名 種族 雇用費 移動型 HP MP 攻撃 防御 魔力 魔抵抗 素早さ 技術 HP回復 MP回復 移動力 召喚数 備考 1 闇の巫女 魔神 - 浮遊 2600 500(+160) 70 50 130 90 200 60 80 20(+36) 120 1(+3) 一般ユニットは存在しない 属性耐性 Lv クラス名 斬撃 突撃 打撃 弓矢 火 水 風 地 天 暗黒 精神 解呪 神聖 1 闇の巫女 -2 -2 0 -2 0 0 0 0 0 +5 0 +5 -3 バステ耐性 Lv クラス名 毒 麻痺 幻覚 沈黙 混乱 石化 恐慌 即死 吸血 魔吸 ドレイン 1 闇の巫女 +2 +2 0 +1 0 0 +3 +3 +3 +2 +2 使用可能スキル スキル名 使用可能LV 攻撃力 発動距離 射程 消費MP 属性 備考 シャドウ LV1~ magic×80 600 600 42 暗黒 2×3連射 範囲 減速50% フィアー LV1~ magic×25 350 350 49 暗黒 恐慌付与100% 味方遮蔽 範囲 貫通 減速50% カース LV1~ magic×10 450 650 100 暗黒 ヒット後(magic+dext)×10のステ低下攻撃(攻撃、防御、素早さ、技術、移動)が発動 味方遮蔽 範囲 貫通 減速50% キュアオール LV1~ magic×400 500 500 46 治癒 すべての状態異常を治癒 マジック LV1~ magic×25 400 400 32 強化 魔力を強化 使用可能魔法 LV1~ 暗黒魔法A(基本系) 精神魔法A(基本系) 成長 ※HPは20、MPは2、レベルアップごとに固定値で成長。 Lv クラス名 攻撃 防御 魔力 魔抵抗 技術 exp_mul 1- 闇の巫女 8 8 12 12 8 126 雇用可能な勢力 無し 所属する人材 ミルゼ(闇), キャル(闇), エリア(闇), アイーダ(闇), リア(闇) 雇用可能な人材 無し 探索で入手可能な地域 コモン:(なし) アンコモン:(なし) レア:(なし) 考察 オススメ指揮官 コメント欄 名前 コメント
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果てしなき紋章への道 (ティノ作) 数多くの苦難を乗り越え セキヤマスターに率いられたメンバー達は 満身創痍となりながらも、魔王ランランルーを倒し ようやくダンジョンの深淵へとたどりついた。 そこには、アトランティカに存在するすべての者が追い求める 「封印されしおむすび」が はたして封印されているのは紅鮭なのか? はたまた梅干しなのか? 皆の顔に緊張が宿る中 おもむろにマスターが封印されしおむすびを手に取った こころなしか手が震えている メンバーに緊張が走る・・・ 「待て」 そのとき、倒したはずの魔王ランランルーの声がダンジョンのなかに響きわたる。 魔王ランランルーの姿が溶け落ち緑の霧を身にまとったあらたな姿となってメンバーに襲いかかってきた (ドクゴーストSS撮ってませんでした) 「おまえは炉鬼か~」 もういやだ~と絶望の声が上がる中 霧がはれ魔王の姿が明らかになる 「カタツムリ~^^?」 最後尾に位置していたティソが空気も読まず斬りかかるが レベルが低いためか堅い殻にはじかれ攻撃があたらない 「任せろ!!」 とウサギ服を着た3人娘が一斉に攻撃を加える。 それを合図にメンバー達が一斉に攻撃の火蓋を切り最後の戦いが始まった 「ヒョウ柄~」 「もす!!!!!!!」 「大阪のおばちゃん~」 「ヒョウ柄~2回来たのに~」 「ちよさんがマスターに「太った怒鳴奴」のモンスター情報を伝授してあげました」 「ちよさんありー」 「はい^^」 「大阪のおねえちゃん~」 「釣り放置します~^^」 「いてら~^^」 怨念のこもった言葉や、意味不明な言葉が飛び交うなか 魔王カタツムリのはく毒霧をウサギ3人娘の一人ケケさんが浴びてしまう 「おらヒョウじゃなくてネコになっちまった~」 尊い犠牲を出しながらも皆の攻撃は続き さしものラスボスも崩れ落ちる 「おつかれさまー」 「おつーー」 「ルーレット行ってきます~」 「消えた~」 「ブw」 混乱の中セキヤマスターの冷静な声が 「もういちどやりなおしますね」 セキヤマスターの声に皆が一斉に振り返る マスターの手が「封印されしおむすび」を二つに割ったそのとき コロンとおむすびから何かが転げ落ちた 「痛いニャ!」 こ、これは・・・ <続く> 次回 国家チャット「4十0さんが好きなので」 「も、萌え?」 ちがう無実だ~俺はロリコンじゃない をお楽しみに~しないでくださいね^^ なおこの物語はすべてフィクションです。実在の人物とは全く関係がないわけではないかもしれませんがご想像にお任せします。もし不愉快に思われた方がおられましたら即削除しますので (_ _) あんまり面白い紋章祭りだったので、その思い出にインパクトの強い紋章を題材に書いてみました。稚拙な文章ですみません。ティノ 訪問者数 - 名様 今日の訪問者数 - 名様 ワロタwwww -- kiki (2009-03-18 18 20 58) 名前 コメント
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 神無月の巫女 第5.7話 「狙われた歌姫」   (なんて無様なカッコで走っているんだろう!この自称一流アイドルのコロナ様が!) 今日は、ほんとはアタシの華麗なステージになるはずだった。 やっぱ、しけたド田舎のガッコの学園祭なんて舞台に選ぶんじゃなかった。 力の限りアタシは迫り来る、ソイツから逃げた。 ソイツは余裕綽々の笑みで、息一つ乱さずに猛然と追いかけてくる。 喉も鍛えて肺活量もあるアタシが、こんなぜーぜー、いってんのに。 ココ最近はライブもなく体力も衰えていたし、それに元から基礎的な運動能力の差 ってヤツなのか? (ちくしょー、七の首とのバトルで体力消耗したのが、まずかった) 絶体絶命の大ピンチ。 愛機ファイナルステージさえあれば、追っ手は簡単に捻り潰せる。 けれど、ここは狭い学園でロボバトルには地理的に不利。ターゲット一人のために 無駄な破壊工作は行わないってのが、悪の組織のお約束。それに今日はもともと肉 弾戦という条件付で出撃許可が下りたんだから、勝手に予定変更したら二の首ミヤ コの大目玉くらっちゃう。そんなこんなで尻尾巻いて逃げまくってりゃ、そのうち 諦めるだろうってタカを括っていた。 かなり学内の外れまで駆けて来ると、舗装された通路からうっそうと雑草の茂る 一本の脇道が見えた。振り返ると、敵の姿はもう消えていた。どうやら、やっと 引き離したらしい。アタシは少し歩を緩め、肩で呼吸を整えながら、蛇のように うねったその道を辿る。視界に飛び込んできた古寂びた教会へ、誘われるように 逃げ込んだ。 ここは確かシスターの管轄領域。扉に鍵が掛かっていなかったのなら、シスター がいるはず。もう安全だと胸を撫で下ろす。 不気味にステンドグラスから洩れる光を頼りに、薄闇の中をそろそろと歩む。こ んなとき、あのバカ猫ナースみたいな眼がありゃ便利なのに、なんて考えるほど 心に余裕もできた。 壁伝いに進んでゆくうちに暗がりに目が慣れてきたのか、この空間の一角に壮麗 なつくりのパイプオルガンが見えた。 そして、それに腰掛けている長髪の女の後姿も。 アタシはもはや安心しきって、ゆっくりとその人影に近づく。 「二の首いたの?巫女抹殺の任務はさ、あと一歩のとこで果たせなかったけど… 次にこの落とし前きっちりつけるつもり。派手にロボで暴れてないから、アンタ のこの教会も巻き添え食らってないし……」 正面切って弁解すんの恐かったから、アタシは二の首が振り向く前に、オーバーな 身振りで悔しがってみせ、ごたくを並べはじめた。 無言のまま二の首は、おもむろにパイプオルガンを奏ではじめた。空気を震わすよう に重厚な楽の音が闇へ広がってゆく。畳み掛けるようなパイプの音色に口を閉ざされ、 耳を傾けていると、どんどん不安が渦巻いてきた。 「…ねえ、ちょっと怒ってんの?二の首。返事くらいしたらどうよ」 アタシは無視されるのが大嫌い。おまけに宗教音楽なんてアタシの耳にそぐわない モン聴かされて、少し苛立っていた。 一楽章ほど演奏を終えて、再び堂内にしばし静寂が戻る。ほどなくして凛とした女 の声がその小休止を破った。 「このパイプオルガンは調律が全くなってないわね。鍵盤が重くて弾きにくい…」 「アンタ、一体、誰よッ?!」 予期しない回答、そして余りにも低い声に、背筋が凍りつきこめかみに汗が流れた。 「ごきげんよう。お待ちしていたわ、売れない歌姫さん」 暗闇から浮き上がるように現われた人影は、アタシのよく知っている褐色の肌の修道 女じゃなかった。その正体は、雪女みたいにぞっとするほど白い肌で、ミヤコよりも はるかに潤いのある豊かな漆黒の髪をもつ少女。誰もが認める学園のアイドル、姫宮 千歌音――ソイツはアタシが今、一番会いたくない人物だった。アタシよりいい意味 で目立つこの女、最初に見かけたときから気にくわず、アタシは密かに闘争心を掻き 立てていた。 「主題や旋律が次々と各声部に現われ、追いかけるように進行するバッハの小フーガ (遁走曲)、私たちの逃走劇に幕を下ろすにはぴったりの名曲ね…お気に召したかしら?」 月の巫女は学園服のスカートの襞を乱さないように、お上品ぶって椅子から立ち上がった。 「――なッ?!月の巫女!どうして、ここに…?!」 「今日は学園祭でたいていの建物は開放されている。貴女の逃げた方向で普段から 人気がなく、何もイベントが催されていないのはこの教会しかない。だから、裏手 の出口から侵入して先回りしていたのよ。オロチの不穏な気配も残っていたし、巫 女としての直感がここへ導いたのかもね」 取り澄ました微笑みが浮かべ、月の巫女は澱みなく言葉を連ねた。 見事な推理力と嗅覚だわって、感心してる場合じゃない。ハードな追いかけっこで 身も心もクタクタだったのに、またここでガチンコするわけ?もしかしたらケリを 着けるため、わざとここへ追い込んだのか。だったらヤツの手出しできない人ごみ に紛れ込んで学外に逃げた方が良かった。 アタシは舌打ちした。 「アンタ、相当しつっこいわね。アタシ、アンタに用なんてないわよ?」 「オロチ四の首、貴女は私の一番大事なものに傷をつけた…許さない!」 月の巫女は穏やかな口調から一転、ふつふつと怒りを露わにした。 鋭く射抜くような眼差しは、アタシに焦点を合わせている。 突然のことでアタシは身が竦んで、足が石になったように動かない。 月の巫女の深海の底に眠る黒真珠みたいな瞳から、白銀の光が放たれた。その煌き に一瞬目が眩んで瞼を閉じてしまう。 ヒュン!と空を切る音がして、アタシの頬を何かが掠めた。 月の巫女の目線と平行にして飛んできた矢は、闇の中へすぐさま吸い込まれていった。 数秒遅れてはるか背後の壁に、物が深く突き刺さる音がした。恐ろしい飛距離と風圧 だけで肌を切る威力に、アタシは直立不動のまま戦慄していた。 やっとのことで一筋の赤い線が走った頬に手を当て、痛みの元を指先のぬめりで再確 認して顔をしかめる。 (くそ―ッ、アイドルは顔が命なのに、アタシの珠のお肌に瑕をいれやがって!) 一本目は脅し。二本目から確実に命を狙われる。 アタシはごくりと唾を飲み込んだ。 弦をかき鳴らすような鮮やかな手つきで、次々に矢を番えては打ってくる月の巫女。 アタシは反撃の隙も与えられず、狩りの獲物にされた野兎みたいに逃げ回るしかない。 反対側の壁際まで追い詰めた月の巫女は、悠然と弓を構えアタシの喉元に矢尻を突き つけた。万事休す。 床にへたり込んだアタシは、右掌を軽く振って矢尻を制して降参の素振り。 「ちょ、ちょーっと、タンマ。今日はアンタと七の首の主演する芝居だったんでしょ? せっかくの晴れ舞台、ぶち壊しちゃって悪かったと思ってるわ。でも、言い出しっぺ はアタシじゃなくて三の首なのよ」 バカ筋肉のヤツは図体でかい癖して、やたら逃げ足だけは感心するほど速い。まあ、 あのこわーいシスターのお仕置きに小さい頃から逃げ回ってたら、当然なんだけど。 最初に学内荒らし回ってたのはアイツなのに、結局最後まで孤軍奮闘したの、アタシ じゃないの。ま、独壇場だったから嬉しいんだけど、調子こいてたらアタシひとり逃 げ遅れた。 「そりゃ、おふざけが過ぎたと思うけど…アンタの王子様役をたらし込んだりしたし。 でもアレ、本気じゃないのよ?坊やだから、ちょっとからかってみただけなんだから。 それもアタシ乗り気じゃないのに、二の首に無理矢理指図されて…」 両掌を頭上で合わせてひたすらペコペコ。ついでに瞳うるうるの演出もサービス。 悲しいかな、「長い物に巻かれろ」な芸能界の処世術がしっかり身についてる。 我ながら名演技だと内心自分を誉めてやりたい、そんなアタシの必死の哀願に、 さすがの月の巫女も心打たれたのか、弓を取り下げた。不敵な笑みは浮かべたまま、 でも心なしか表情が少しだけ緩んでいる。 泣き落とし作戦成功。嘘の泣きべそかきながら、アタシは心の中で舌を出した。 「油断したな!」 アタシは脚を振り上げて、月の巫女の腕から弓を蹴飛ばした。月の巫女が手首を押さ えて怯んだ隙に、落下した弓へ跳びついて思いっきり踏んづける。弓はあっけなく二 つに折れた。 「ざまぁみろ、飛び道具さえ封じりゃ、こっちのもの……」 勝利の笑顔で振り向こうとしたアタシは再び凍りつく。首筋に当たる刃物の冷たくて 鋭利な感触。アタシの頚動脈へぴたりと懐刀を突きつけながら月の巫女は、相変わらず 余所行きなスマイルを絶やさない。 「貴女、大根役者ね。声だけで演技してるわ、少しも心が篭もっていない…」 「な、なぁんですってぇ~ッ!!アンタこそ、トーシローでしょ?たかが高校の演劇 程度でちやほやされて、思い上がってんじゃないわよ!」 猿芝居が見抜かれて悔しかったので、吠え面かいてみせる。 「別に私は今回のお芝居に入れ込んでいたわけではないのよ。不本意な出演だったの だし、むしろ貴女たちが邪魔してくれたことに、せいせいしている…。本番よりも台本 の読み合わせの方が大切だったのだから」 「な?どういうことよ、ソレ?」 だったらアタシやられ損じゃない。それに、多くの照明と注目浴びるヒロイン役なんて 誰でもできるわけじゃないのに。こぎれいな顔立ちしてんのに練習程度で満足だなんて、 おかしなヤツ。 「四の首。貴女の本当の罪を教えてあげましょうか?」 口の端を吊り上げて悪魔のような笑顔を零した月の巫女は、アタシの口元を片手で 掴む。顎を上向きにさせられ、言葉が言いづらい。骨が砕けそうなくらいの余りの 力強さに唇の形が歪んだ。 アタシはとっさにショートパンツの後ろポケットを探った。 あった、口紅ミサイルの最後の一本。それを掌で覆い隠すように取り出し、この女 の背中から狙い撃ちしようとした――が、それも手刀であっけなく落とされる。 ついでに数回頬を平手打ち。天井が高く、広い物静かな聖堂内の空気を震わすほどに、 アタシの肌を打つ音は冷たく響いた。 月の巫女は床に転がった口紅を拾い上げ、疎ましそうに眺める。 「こんな品の悪い色の口紅では、キスの味なんて分からないでしょう?それに騙され る男は愚かだわ」 「ふん、七の首は失敗したけど、アタシの色仕掛けで落ちないオトコはいないわ。 アタシの熱いキスでもっと迫れば……」 「本当に愛しい人との口づけは、甘い蜜の味がするの」 月の巫女は頬をいくばくか紅潮させ、何かを思い出すように目を伏せた。 こんな時に自分の言葉に酔いしれて、センチメンタルに浸らないでよ。 アタシは口で言い負かす戦術に出てみた。 「アタシが恋も知らないお子ちゃまだって、馬鹿にしてんの?もう立派に大人の オンナ。何人ものオトコと寝たことあんだから…」 見得を切るためとはいえ、自分で古傷に塩を塗ってしまう発言をしてしまい、胸が えぐられたように痛む。舌戦ってのも案外難しい。言葉はカミソリで、一歩間違う と自傷になる。 「身をひさいで…生活しているなんて……」 「アンタみたいなお嬢様に、アタシの苦労の何万分の一でも分かるかっつーの!売 れる為にはどんな手段も選ばないのがプロってものよ。夢が果たせるなら、悪魔に 魂売り渡したって構わない!」 「その根性と覚悟だけは認めるわ。……それで、オロチの手先となった貴女は、果 たして成功を手に入れたのかしらね?こんなところで油売っている場合?」 「ぐっ!」 憐憫と軽蔑とをないまぜにした面持ちで、アタシを見つめてくる月の巫女。 これだから、口の達者なヤツは嫌だ。口喧嘩では一生勝てっこない二の首も苦手だけ ど、コイツは汚れていない分もっと嫌。 仕返ししてやりたいけど、何をしても相手が一枚上。 圧倒的に形勢不利な状況に、アタシは睨み返すぐらいしかできない。 月の巫女は同じ目線に屈みこんで、アタシの敵意の視線を真正面から受け止めた。 「そんなに膨れっ面をしていては、アイドルとして形無しではなくて?」 いきなり月の巫女がアタシの口へ唇を寄せようとしたので、慌てて顔を背ける。 「やだぁ!女同士でなんて……助けて、レーコ…」 なぜかこんな時に、いつも憎まれ口の漫画家先生の顔が思い浮かぶ。 アタシの声を耳にして、月の巫女は驚いたように目を見開き、ふふっ、と小気味 よく笑う。からかわれたのだと気づいて、アタシは頭に血が上り、頬は赤く染まる。 「…欲しいものは未だ手にしていない。貴女も私も似た者同士だったということね。 安心して。命までは奪わないわ……」 アタシを突き飛ばして月の巫女は、懐剣を振りかざした。 一閃のもとに、これまでの格闘でボロボロに擦り切れていたアタシの衣装は、細かい 布切れとなって紙吹雪のように散る。 「いっそのこと、大神ソウマを誘惑してくれれば良かったのに…オロチはオロチ同士 仲良く手を携えていればいいのに…」 さも口惜しそうな顔で、恨めしげな声でアタシを見下ろして呟く。 アタシは慌てて裸になった胸を両腕で隠した。いつも露出度高いけど、アタシだって 人並みに羞恥心は持ち合わせている。恥ずかしさで気は動転し、相手の真意が測りか ねて混乱した。 「な、なに言ってんの?!アイツはアンタと陽の巫女を救っている恩人でしょ?なん で七の首のこと嫌ってんのよ?恨みでもあんの?」 「オロチの貴女にその理由を教える必要はない……ただ、私の大事な姫子を苦しめた こと、泣かせたことの償いはして貰うわ」 (そうか、コイツの弱点、陽の巫女なんだ。だったらドールでもう一度陽の巫女の 分身作って油断させれば、こっちのもの…―。) アタシは片腕で胸を覆ったまま後ろに飛び退いて、月の巫女との間に十分な距離を つくった。 アタシの策を先回りして読んだ月の巫女は、鼻であしらう様に笑って釘を刺した。 「貴女の手は全てお見通しなのよ?さっき、無数のあの子の贋物を見破ったのは誰か 忘れたのかしら?お芝居の下手な人は、人真似も下手なのね」 「な、ナニよ。あんな犬っころみたいな平凡な小娘、アタシのお得意分野じゃないん だから、出来が悪いの当たり前……ぎゃっ!」 アタシの文句が終わらないうちに、間合いを詰められ、左頬に張り手が炸裂する。 喉元に両掌を当ててギリギリと締め上げられた。とても普通の少女の、いや人間の力 とは思えない。 鬼気迫る表情で月の巫女は、腹の底から力を込めた声で言い放つ。 「たとえ姿形はそっくりでも、貴女なんかに真似できるわけない…!!…姫子の良さが! 私の好きなところが!あの優しい光が……!」 七の首はアタシの術に戸惑っていたけど、月の巫女にとって陽の巫女のドールは踏み絵に ならないらしい。それに今じゃ本体いないしコピーで騙せるヤツじゃないってとこまで、 考えが及ばなかった。とはいえ、月の巫女が抱く特別な感情についてのアタシのアテは 外れたわけじゃない。お惚気話はたくさん!って言い返してやりたいけど、首が圧迫され て言葉が出ない。呼吸も苦しくなる。 (このまま喉を潰されたら、歌手人生おしまいだ。そうなったら、もう生きている意味 なんてない――) アタシは必死にもがいた。やっとのことで月の巫女が頸を絞める手を外すと、アタシは うずくまって喉を押さえ、ゴホゴホッ、とみっともないカッコでむせた。 週末には新曲のレコーディング予定だったのに、おじゃんだ。 首には赤い痣が浮いていた。 「本気で人を好きになったら判るでしょう?何処が好きなのか?」 アタシの左胸に手を当てて、リンゴを片手で握り潰すみたいに乳房を鷲掴む。 その意外な温かさと鼓動とに、月の巫女はおや?という顔をした。 「オロチはもはや心のない人外の者だと思っていたのに…ちゃんと血は通って いるのね」 「アタシだって元は人間だったんだから。ガラクタ人形じゃないわよっ」 「そう…なら、それなりに痛みも感じるわね。愉しませてくれそうだわ」 冷酷な笑みで口元を結ぶ月の巫女。アタシを床に押し倒して、体重を乗せて動き を封じた。アタシの首筋に舌を這わせて鎖骨まで下ろすと、肩に大きく噛みつく。 万策尽きたアタシは、もはや抵抗を忘れて身を任せるしかなかった。逆らったら 殺しはしないが喉を潰す、という暗黙の脅しがアタシを縛っていて逃げられない。 身体をいたぶられているうちに、アタシのおぞましい記憶が甦る。 こんなふうに、自分の歌手生命を守るために愛もなく男と一夜を過ごした昔。結局、 一時的にはヒットしたけどあれからさっぱり。あのあとプロデュサーにも捨てられて ……アタシの心は荒み、闇に堕ちオロチの一員となって、世界への復讐を誓ったのだ った。 月の巫女の手は下半身へ伸び、アタシを最後に覆っていた一枚の上へ辿り着く。 閉じようとしたアタシの片足を膝で踏みつけて、強引に股を開かせた。布越しに 刳り型へ指を添え、焦らす様に強弱つけてなぞり出す。 アタシは思わず呻き声に近い音を洩らした。 「フフフ…貴女、いい声出すのね…もっと啼いて貰おうかしら」   嗜虐することに快楽を覚えた月の巫女は、アタシを攻撃する手を休めなかった。 絶対にコイツの愛撫で気持ちよくなってやるもんか、歓喜の声なんて叫んでやる もんか!って、必死に歯を食い縛って耐えていたのに。 男の乱暴な手つきとは違って月の巫女のそれは、うっとりするほど優しくて。 アタシの身体は意に反して、腰を弓なりに反らしたり、艶っぽく喘いでみたり、 まんざらでもないという反応を伝えてしまう。甘い疼きが脳を刺激して、アタシ の興奮は高まる。じわりと淫らな液体が窪みから滲み出て、それがさらに相手の 愉悦を引き出している。 月の巫女は例の口紅を再び手にして蓋を開け、アタシの顔に近づけた。 企んだような眼つきで、リップをくるくる回して出し入れしている。 「ねえ、やはり、この色は貴女の唇にはふさわしくないわ……もっと、いい場所 につけてあげる」 月の巫女はアタシのパンティーを剥ぎ取って、あろうことかオンナの部分にリップ を押しつける。もちろん粘液でべとべとになっていて、うまく塗れるわけない。 蝋を引いた紙の上に水彩絵の具の色を置いてるようなもんだ。 外陰部をそうやって何も描かずに動いていたリップは、アタシの奥へと侵入してくる。 月の巫女は襞の抗力をものともせず、一気にそれを中へ突っ込んできた。 「いやぁ!…ああッ!……痛ッ!」 アタシの下腹部に凄まじい痛みが走る。悲鳴に近い叫び声が響く。 もはや我慢する余裕なんかなかった。 大粒の涙が堰を切ったように、瞳から溢れ出る。 月の巫女は容赦しない。口紅を持つ手首をくるくる旋回させたり、あちこち角度を 変えて、刺激を与え続ける。 アタシはさんざん泣き喚いた。 リップは最大限の長さまで伸びて、アタシの一番奥の壁にぶち当たった。執拗に内部 を責め苛んだ末に、口紅の武器を月の巫女は乱暴なやり方で取り出そうとする。 アタシの肉壁はその異物を捕らえて離そうとしなかったので、リップは中で途中から 折れてしまった。 中に残ったリップが意思を持ったように蠢いて、まだアタシを犯し続けている。体内 に埋め込まれた弾丸みたいに、アタシを鋭く貫いて全身を痺れさせる。アタシは身悶 えしながら床の上をのた打ち回る。 月の巫女はルージュの大きく欠けた口紅を満足気に眺めて、放り投げた。 妖しい微笑みは決して崩さない。小意気に折り曲げた指に顎を乗せて、アタシの演じる 痴態を、愉快そうに見下ろしている。 「フフフッ…滑稽な姿ね。いい見せ物だわ」 侮蔑の眼差しと甲高いせせら笑いは剣先となって、アタシの心をズタズタに切り裂いた。   壷口から滲み出る蜜とともに異物は流れ出てきそうで、出てこない。そのもどかしさ がアタシの不快を強くする。 アタシは余りにも気持ち悪くて、自分で指を突っ込んで取り出したい衝動に駆られる。 が、これでは敵前で自慰をお披露目してるようなものだと、思い留める。 それを見咎めた月の巫女は、下腹へ伸ばしかけたアタシの手を導いて、揃えた二本の 指先を捩じ込んだ。飢えた鯉の口みたいに、アタシの下の口は指に吸いついて奥へ飲 み込んでゆく。 「ほら遠慮しなくていいわ。さあ、もっと踊り狂ってごらんなさい」 月の巫女はアタシの掌に膝頭を当てて、時には揉むように、時には蹴り込むように 何度も押した。 一押しごとに中を穿たれ、アタシの身体は激しく狂おしく揺れた。リップの欠片と 自分の指との二重の蹂躙は、苦痛を恍惚へと変えて、アタシを快楽の極みへと押し 上げた。 指の栓が抜かれた時、アタシの中で醗酵したいやらしい液体が床を濡らした。 自分の手を殆ど汚さずにアタシを陵辱し、視姦し尽くした月の巫女は、アタシを お仕置きから解放すると勝ち誇った笑みを浮かべる。 「今日は楽しませて貰ったわ。これに懲りて、陽の巫女に手出しはしないことね」 意識が朦朧とする中で、月の巫女がアタシから遠ざかる靴音が、耳にはしっかり届いた。 アタシは悄然と床に這いつくばって、それでも負け惜しみだけは忘れない。 「……くっ…今度は月の巫女、アンタを泣かしてやる……憶えてろ」 聞こえないように声を潜めたつもりだったが、地獄耳の月の巫女は歩みを止めた。 背を向けたまま顔の4分の1程度分こちらに見せて、涼しげにアタシの毒吐きを受 け流す。 「ぜひ、そうしてちょうだい。それと…名女優は迂闊に涙を流さないものよ。感情 を抑えるのに慣れてしまうと、本当の涙さえ見せ辛くなってしまう、大好きな人の 前ではね」 どこまでも冷静な口調が小憎たらしい。 けれど、この月の巫女の陰りある笑みや冷酷さに、アタシは不思議と親しみを覚えた。 聖壇の前で立ち止まった月の巫女は、制服のスカートのポケットから髪留めを取り出し て掌の上で転がし、思いつめた顔をして握り締めた。 「これは罪の証……私が姫子に初めてついた嘘……姫子、ごめんなさい…」 その拳に空いた方の手を重ねて、許しを請うように両膝を突き、深く頭を垂れた。 ステンドグラスからは月光が降り注ぎ、懺悔する少女を明るく温かく包む。 「私の本当は誰にも教えない。私はあの子の為に笑顔の仮面を被り続ける。この先、 どんなに闇を背負っても……あの子を抱く手を血に染めても……」 月の巫女はキリストの磔刑像を眺めて、真顔で自分に言い聞かせるように独り言を洩 らした。 それから最後にマリア像みたいな優しい顔つきを残して、踵を返す。 仰向けに寝転んだままのアタシは、瞬きひとつせずに、その後ろ姿を見送った。 窓枠が描く十字型の影が貼りついたその背中には、明らかに今宵の満月よりも大 きく欠けた光るものが昇っていた…――。 月の巫女が静かに扉を閉めると、アタシはどんな光も射さない暗黒の淵沼のような 空間に呑み込まれた。 敗北感と極度の疲労とで打ちのめされたアタシは、堂内にじっと横たわっていた。 頭の中にいろんな考えが駆け巡る。 (月の巫女は最初からここに来る予定だった? そういえばアタシ、なんで学内でぐずぐずしてたんだろ。 ロボで学園破壊しなかったのも、アイツがどっかに居たから?別に落ち合う約束 なんてしてなかったけどさ……) こんなカッコじゃうっかり外に出歩けない。何て惨めなアタシ。 わずかでも明るい所を求めて、聖壇の前まで這っていったのに、窓から望む月は すでに黒雲に隠されていた。 一筋の光さえ、アタシを照らさない。闇に堕ちても救いの光は与えられない。 一点の黒点でも宇宙全体の暗黒で被い、開いた傷口には別の血で洗い流す、それが オロチの悲しい性。 寝そべったまま見上げた天井は異様に高く感じられる。 世界はアタシを拒んでいる。 空を掴むように手を差し伸ばしながら、アタシにはいくらあがいても、届かない物が いくつもあるのだと思い知らされた。 不意に悔しさなのか、寂しさなのか分からない感情が湧いてきて。 それは怒涛のように胸をつき上げ、瞳から赤黒く滲んで、零れ落ちた。 涙が床に水溜りつくるほど、アタシは背を丸めてひたすら嗚咽を洩らし続けた。 涙目を覆っていた腕を下ろすと、アタシの上に何かが影を落としていた。 目が乾くにつれて、その輪郭がくっきりしてくる。 「――…随分…こっぴどくやられたのね……」 聞き覚えのある掠れがちな女の声。 丸縁眼鏡で伸びきった流行遅れなセーターを着込んだ少女が、秋物のコートを腕に かけ、物憂げに佇んでいる。レンズが曇っているので、余計に無表情な印象を与える。 「…加勢にくるの遅い……」 アタシは真っ赤になって顔を背けた。泣きっ面とあられもない姿が恥ずかしくって、 まともに目なんて合わせられない。八つ当たりだと分かっていても、嫌味をいう自分が 我ながら情けないったらありゃしない。 「サイン会……思ったほど人がいて……それに編集から電話……」 アタシの恨みがましい小言も軽くかわして、レーコは淡々と単語を並べる。 こーゆう、漫画の吹き出しみたいな短く区切ったような説明不足の喋り方、何とかなら ないかねって、いつも思う。まともに一般人と会話成立しないし、ヲタクが喜びそうな お約束のセリフと妄想でしか、コミュニケーションとれない人種。絶対、アタシはそっ ちの世界には縁遠いって思っていた。 けれど、今はただレーコの寡黙さがありがたかった。 いつも毒舌家なのに、こんなレーコは珍しい。 ほんのり嬉しいイレギュラーだ。 レーコは屈み込んで、アタシの臍から下にかけて手を当ててさすった。 「ちょっ…と、ナニすんの?!」 アタシはぴくりと震えて、とっさに身構えてしまう。 辱めれた身体はちょっとした刺激にも敏感になっていた。 「……無理に取ろうとすると、傷つけるから……私のマンションのお風呂で…… 湯水の中なら出すの…痛くない……」 一糸纏わぬ姿に近いアタシを安心させるように肩を抱き、背中からコートを掛けて くれた。丁寧にボタンを掛けて、秋の冷気を締め出すように上から抱き締める。 レーコの腕の輪と体の内側から込み上げてくる喜びとで、アタシの胸は締めつけら れる。冷たくてドス黒いものに染まっていたアタシに、温かい血が流れた気がした。 アタシはレーコの胸に顔を埋めて、子供のように泣きじゃくった。 最初は悲しくて、けれどそれを上回るほど嬉しくて。久しぶりに瞼を熱くして心から 流したアタシのきれいな涙だった。 「……今度戦うとき…二人で……原稿依頼断るから……」 目頭を拭いながら、アタシはうんうんと頷くしかない。 はっきりと口にしないけれど、一人で戦わせて悪かった、駆けつけられずにごめん って意味なんだろう。 アタシはこういうレーコの曖昧な言葉を補うのが、実は好きだ。簡潔なセリフの中 に読み込まれた心をいい当てっこするのが、わくわくする。それで、さんざん喧嘩 もしてきたけど。 子供を宥めるように、レーコはアタシの頭を撫でてくれた。 右側のツインテールはゴムが緩んで、解けかかっている。毛先は涙で濡れて 埃を吸っていた。いつもは神経質なくらい鏡の前で結わえ直すのに、今は気 にならない。 レーコは優しくアタシの髪に触れ、重く垂れた右の髪束に指を通し、指で摘ん でテールを作った。後ろで一本に括るしか能がないレーコがやってくれても、 きっと左右アンバランス。でも怒る気になれない。 アタシはコートの襟を立てて首を隠そうとした。レーコはアタシの手を優しく 払って襟元を広げ、赤く腫れた喉を軽く撫でて、子猫の舌みたいに舐めてくれた。 ちらりと覗いた首の付け根の歯型の痕にも優しく口づける。 「ここ、…ホワイトかけて消す…?」 「その冗談、あんまり笑えない」 わざと拗ねてみせたのは、内心照れ臭かったから。 アタシはもう確信している。 今晩はレーコがペンだこだらけの指で、気だるそうだけど熱い吐息で、柔らかい唇 で、アタシの瑕を癒してくれるんだと。 レーコは眼鏡の鼻止め部分を指先で押し上げた。 度数のきつい厚めのレンズに隠されていた大きな瞳が、アタシを捉えていた。 それが分かるほど顔が近づいて、アタシたちは唇を重ねていた。 (口紅ひいてなくて良かった――。) ほろ苦い涙で濡れていた素肌の唇には、レーコの口づけはなおさら甘く蕩ける ように感じられた。 【完】  
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月華の剣士シリーズ 現世と常世の境にあり、生と死を分かつ門。神代の昔から存在し、現世側の四神と常世側の黄龍によって守られてきたが、幕末に到って嘉神慎之介により封印を解かれた。一度開いた地獄門を完全に閉じるには、四神の力と封印の巫女が揃って「封印の儀」を行う必要がある。
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SSまとめ エロ総合投下もののSSまとめです 人物名などがなければ姫千歌か千歌姫ものだと考えてください(たぶん) タイトルがないものは便宜のためこちらで付けさせて頂きました タイトル・改行案、誤字脱字修正などある場合はトップのコメントまでお寄せください 1スレ目 無題(レーコ,コロナ 5氏) 無題(千歌音,姫子 1スレ30氏) 無題(レーコ,コロナ 191氏) 優春 コロナ×ギロチ ◆UAPR67jd7w氏 姫千歌 中学生千歌音 姫子の盗撮日記 ソウマ×千歌音 498氏 ソウマ×ミヤコ 無題(千歌音,姫子) ◆BW7uBN9p1c氏 イズミ×マコ (・ω・)氏 ミヤコ×ソウマ 460氏 Episode 1 Rebirth Kiss Episode 2:Remember Kiss その1 Episode 2:Remember Kiss その2 Episode 2:Remember Kiss その3 Episode 3:Return Kiss その1 Episode 3:Return Kiss その2 Episode 3:Return Kiss その3 Episode 3:Return Kiss その4 Episode 3:Return Kiss その5 Episode 3:Return Kiss その6 Epilogue:Reverse Kiss―嵐の前夜― 2スレ目 磊 前世 出会い編 磊 前世 二人の巫女編 磊 前世 巫女の運命編 再会、その後(マコちゃん編) リレーSS レーコ×コロナ 姫千歌風呂 その1 姫千歌風呂 その2 ~陽と月と影の倒錯~ リレーSS その2 ソウマ♀(とみせかけて姫千歌) カズキ×ソウマ(ネタ) ~ちかねちゃんの「オナニーだ~い好き☆」~ 嫌いにならないで 健全になっちゃった 3スレ目 himechika31 姫子のおしおき 姫千歌 ふたもの 姫千歌 三角木馬 乙千歌 神無月の巫女 第5.7話 「狙われた歌姫」 マコヒメ 二人だけの撮影会 キス 練習 月の社にて 転生後 修羅場と嫉妬 千歌乙 はじめての 千歌マコ いただきます 4スレ目 マコヒメ シャナ氏 琥珀inn1泊2日の姫宮邸 宮様は嫉妬魔 ヒメマコ 千歌乙 慰み か弱き令嬢 その1 か弱き令嬢 その2 居候VSメイド クリスマスSS クリームプレイ クリスマスSS プレゼントはわたし バレンタインデー バレンタインデー ソウマ自重 バレンタインデー プレゼントはわたし 乙羽さんはオチとしいたけ担当 あの衝撃な思い出 姫千歌が完全に結ばれても諦めないソウマ君 バレンタインSS 一生の絆で結ばれた2人 千マコ 悪夢の放課後 乙羽さんの敵討ち 乙羽さんのキス指導 乙羽さんの大人の遊び指導 乙羽さんの入浴指導 乙千 黒い乙羽さん 腹黒メイド長 姫千歌の絆 姫千歌 ◆VDZWYc4Mmg氏 ある日の学園生活 黒姫子 黒い宮様 ◆VDZWYc4Mmg氏 イズミ 姫子の魅力 ◆Jm1JXqj74c氏 小悪魔姫子 ◆VDZWYc4Mmg氏 千乙 宮様の願望 ◆VDZWYc4Mmg氏 メイドへの想い ◆VDZWYc4Mmg氏 姫子の完全計画 ◆Jm1JXqj74c氏 千乙 千歌音の欲望 ◆VDZWYc4Mmg氏 ダーク姫子 ◆Jm1JXqj74c氏 黒いマコちゃん ◆Jm1JXqj74c氏 乙×姫 ◆Jm1JXqj74c氏 千歌姫嫉妬 ◆33uUMeu/9c氏 5スレ目 千歌姫嫉妬 続き ◆33uUMeu/9c氏 205-206 229 241からのリレーSS イズミ×姫子 へたれ攻めな宮様 千歌乙 黒姫子2 484-486 鬼畜宮様 天然鬼畜攻め 前世もの 735 739 姫子同士で取り合い 前世姫子×乙羽 千歌音ちゃんを誘惑する現世姫子 熱を出し寝込む千歌音に裸で抱き合い、熱を下げようとする姫子さま 前世姫子ほのぼのもの 転生後 夏のプレゼント ◆M2vRopp80w氏 転生後 真夏のデート ◆M2vRopp80w氏 845 二人の夏旅行 ◆M2vRopp80w氏 マコ姫 幸せ家族計画 ◆M2vRopp80w氏 幸せ家族計画 千羽出産編 ◆M2vRopp80w氏 初夜 新婚旅行 ◆M2vRopp80w氏 女性陣に相談するこんな姫子 ◆M2vRopp80w氏 夏祭り屋外プレイ ◆M2vRopp80w氏 6スレ目 痴漢(姫子)に襲われる千歌音ちゃん 前世姫子×現世千歌音ちゃん 現世姫子×前世千歌音ちゃん ◆M2vRopp80w氏 幸せ家族計画 プロポーズ編 ◆M2vRopp80w氏 幸せ家族計画 結婚式編 ◆M2vRopp80w氏 小ネタ ◆M2vRopp80w氏 前世姫子さまの受け ◆M2vRopp80w氏 幸せ家族計画 新たな命編 ◆M2vRopp80w氏 幸せ家族計画 結婚記念日編 ◆M2vRopp80w氏 暁闇(月のない夜明け)前半 *ミヤコ×千歌音で鬱展開 らぶキッチン 乙羽先輩 酔いとツンとデレ 眠り姫 神無月に結ばれし夜 暁闇 後編 幸せ家族計画 初めてのお留守番 ◆M2vRopp80w氏 逢瀬 町医者の娘 姫子の想い、乙羽の想い 昼寝 前世の銀月 悲壮美 7スレ目 迷い猫 太陽との出会い オロチ、襲来 陽の決意 焚火に包まれて 踏歌 大晦日 正月リレーSS 前世千歌音ちゃん自慰もの シンデレラストーリー 姫宮邸リレーSS 姫子と千歌音と真琴と乙羽 マコちゃん救済 麗しのマリオネット その1 麗しのマリオネット その2 ちび姫子ちゃん ちび千歌音ちゃん(ちび姫子ちゃんの続き) 前世の姫子受け 赤ちゃんネタ ※ふたもの マコちゃんのバレンタイン 姫様の受難 8スレ目 心の鎖 抱擁ちび姫子 初めてのキス 前世のバレンタイン 月の途惑い 筆おじさん 春画ネタ 絵師レーコ 交差点 私は彼女に恋をした ことばのぱずる 私は彼女に恋をした その2 嫉妬ネタ 姫千歌至上主義 姫千歌至上主義 その2 姫千歌至上主義 その3 姫千歌至上主義 その4 姫千歌至上主義 その5 姫千歌至上主義 その6 転生後でソウマを振ったあとの話 姫千歌で手持ち花火 過去の罪 初めてのチョコ 抱擁 ちび姫子
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ふ 封印の巫女 風魔一族 風魔小太郎 風魔十法斎 風摩大太郎 風魔太郎 風魔忍軍 笛(藤丸) ふくろうの甚内 富士教団 藤ノ千麿 藤丸 不死身の陣内 藤村静彦? 藤原千方? 伏姫 扶桑? 復活化身忍者 不動金剛丸 フランケン 不破伴左衛門
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月華の剣士シリーズ 慨世に育てられた異国人の血を引く金髪の美少女。守矢、楓とは兄弟のように育ち、非力さを補う槍術を遣う。密かに守矢を慕っており、彼の後を追って旅に出る。実は地獄門を封印する力を持つ封印の巫女であり、その宿命に殉じて自らを犠牲にして地獄門を封印した。
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作品データ 幕末浪漫 月華の剣士 幕末浪漫第二幕 月華の剣士-月に咲く華、散りゆく花- 暁武蔵 天野漂 一条あか狸 一条あかり 慨世 楓 嘉神慎之介 神崎十三 玄武の翁 黄龍 真田小次郎 真田小次郎(兄) 斬鉄 紫鏡 地獄門 四神 刹那 高嶺響 木偶の示源 直衛虎徹 直衛示源 封印の巫女 御名方守矢 骸 雪 李烈火 鷲塚慶一郎