約 148,262 件
https://w.atwiki.jp/ts39settei765/pages/49.html
〇 登場している。または、存在が語られている。横の数字は複数いる場合のみその人数 △ 現在の生死が不明。または、過去の話にのみ存在が語られている - いないことが語られている 父 母 兄 姉 弟 妹 祖父 祖母 伊吹翼 〇 〇 〇 〇 - - 〇 エミリー スチュアート 〇 〇 - - - - 大神環 〇 〇 〇 春日未来 〇 〇 - △ △ 北上麗花 〇 〇 - - - - △ △ 北沢志保 △ 〇 - - 〇 木下ひなた 〇 〇 〇 〇 〇 高坂海美 〇 〇 〇 桜守歌織 〇 〇 - - - - 佐竹美奈子 〇 〇 〇 篠宮可憐 〇 〇 - - - - 島原エレナ 〇 〇 〇 〇 ジュリア 白石紬 〇 〇 周防桃子 〇 〇 〇 高山紗代子 〇 〇 〇 田中琴葉 〇 〇 - - 天空橋朋花 〇 〇 〇 徳川まつり 〇 所恵美 〇 〇 豊川風花 〇 〇 〇 中谷育 〇 〇 永吉昴 〇 〇 〇4 - - 七尾百合子 〇 〇 二階堂千鶴 〇 〇 〇 野々原茜 箱崎星梨花 〇 〇 - - - - 馬場このみ 〇 〇 福田のり子 〇 舞浜歩 〇 〇 真壁瑞希 〇 〇 松田亜利沙 〇 〇 宮尾美也 - - - - 〇 最上静香 〇 〇 望月杏奈 〇 〇 百瀬莉緒 〇 〇 矢吹可奈 〇 〇 - - - - 横山奈緒 〇 〇 〇 ロコ 〇 〇 父 母 兄 姉 弟 妹 祖父 祖母
https://w.atwiki.jp/sunnyjourney/pages/130.html
★2023年09月10日公開動画 今まで話せなかった本音を話します【妻が膵臓がんステージ4】 https //youtu.be/zRlmuC1x2y8?si=zGoFZyF3AwgsmuUG (22 34~)がん患者の家族というのは第二の患者と言われることがある。孤独感に苛まれたりとか誰にも話せない思いを抱えていたりとか。こうへい「僕もその当事者なわけでがん、がん患者の家族という当事者なんですね、なのでやっぱりそういう辛さっていうのはすごく自分自身わかるなと思って」 (23 15~)自分たちは今こうした発信力がある。みずきが闘病しているということを発信していて、多くのがん患者の家族の方に見てもらっている状況なので自分に何かできることはないかと。 (23 31~)先日、こうへいの友人から連絡があり、その友人の家族もステージの高いがんになってしまっていたという話を聞いた。やはり誰にも話せなくて大変だったと。友人の話を聞いていたら、ちょっと話せて楽になったと言っていたので、自分にできることはこれなのかもしれないと思った。 (24 08~)がん患者への支援は結構あるが、がん患者の家族への支援は現実的に自分には届いていない。友人にも届いていなかったので、自分にもしできることがあるとしたら、当事者であるがん患者の家族としてのそういう辛さへの何かをできないかと考えている。 (24 47~)話を聞いてみることから始めたいなと思って、がん患者の家族の会を小規模に開催してみようかと思っている。ただその目的としては情報交換ではない。 (25 01~)「みずきさんどうやって治療されたんですか」みたいなことを聞かれても、YouTubeで出してる以上のことは答えられない。こうへい「医療関係者でもないしただ話を聞く、話を聞き合うですかね、その場で参加してくださった方が自分がこういう辛さを抱えてるとかこういう状況だってことを話すことで少し気持ちが、ほんの少しでも楽になればいいなと思ってそういう会を開催しようかなと思っています」 (25 28~)こうへい「一応、参加費をいただくことにしました。参加費は500円です、で何で参加費を取るかなんですけど別に僕としてはこれで収益を上げるつもりはなくて、(テロップ「家族会の収益はすべてスマイルハート(※)さんへ寄付します」)参加費としていただいたお金はスマイルハートさんという団体さんに寄付、参加人数を絞るにあたってより困ってる人というかより必要な方に参加していただきたいなと思って、そのクレジットカードを切るという作業を相手に挟んでもらおうと思って、あと正直へんな人が入ってこないためっていうのもあります」 (26 48~)こうへい「一応4名にしたんですけど、普通のイベント的に考えれば20万人の規模で4名ってあまりに枠が少ないんですね(中略)もしその参加できなかったっていう人がたくさんいるようだったら、また第2回も第3回も開催して本当に僕にできることってのは何なのかっていうのをちょっと一緒に考えていければいいのかなと思っていますはい」 ※「社会とがん患者さん達の橋渡しになりたい」をテーマに活動するNPO団体である。 参考 https //smile-heart.xyz/
https://w.atwiki.jp/uratetsu/pages/14.html
第01巻 1~16発目 第02巻 17~31発目 第03巻 32~46発目 第04巻 47~60発目 第05巻 61~74発目 第06巻 75~89発目 第07巻 90~103発目 第08巻 104~118発目 第09巻 119~133発目 第10巻 134~148発目 第11巻 149~162発目 第12巻 163~177発目 第13巻 178~192発目 第14巻 193~207発目 第15巻 208~222発目 第16巻 223~237発目 第17巻 238~252発目 第18巻 253~267発目 第19巻 268~282発目 第20巻 283~297発目 第21巻 298~312発目 第22巻 313~327発目 第23巻 328~342発目 第24巻 343~357発目 第25巻 358~372発目 第26巻 373~387発目 第27巻 388~402発目 第28巻 403~417発目 第29巻 418~433発目 第30巻 434~448発目 第31巻 449~463発目
https://w.atwiki.jp/wiki5_aru/pages/36.html
父 人物像 嘘をついたらコンクリートだがな (父親談) 父親 年齢不詳, 職業不詳 最近は順調に老いてきてるので人ではあるらしい 身長180cmくらいの体重80kgくらい リーゼント舘ひろしに少し似たオールバック, 白髪で真っ白 髭はない タレ目, 眉も細い ベンチプレスは80ぐらい かつて政治の道を志すものの挫折 昔は(主人公「」に似て)可愛いかった? 元々はひ弱ッ子 なんでもできるパーフェクトマン ユーモアのセンスは皆無 黙ってどっかいっちゃうひと 真面目な表情は年に数回するかしないか 授業参観には出席 兄が学生のころは PTA 役員をやっていた ライディーンの変形とガンダムと大和。これだけ見て置けば問題ない(父談) オタではない, ただオタ知識を持っているだけスポーツ選手は出身校まで言える 等 強いて言うなら全部のジャンルオタ マジでなんでも知っている腕相撲を確実に引き分ける方法 等 反対を押し切って結婚したのか、祖父母と仲が悪い 職業について 大事な書類には自営業とか会社員等と記載 職業を聞かれた際のはぐらかし例自由人 世捨て人 軍師 大魔法使い 仙人 主人公「」の子供の頃は、周囲に殺し屋 ではないかと思われていた ヤクザではないとは断言 年賀状の枚数がかなり多く、強面の人が正月の挨拶に来たりする ヤクザさん, 警察/公安関係にも顔が広い? 口癖 「18で自律せよ」 おめーみてぇな20ねん程度しか生きてねぇやつが限界だなんだっていうんじゃねぇ!! 女ッ気の欠片も感じられない息子(主人公「」)を心配して、友人の娘を許嫁という名の刺客を送り込む優しさ (=許嫁システム) 主なイベント 父の過去 父と子の会話『犬』 『次兄の評価』 『いい嫁になれるぞ』 『一騎当千万夫不当』 『母のドコが好き?』 母 人物像 母親 お嬢様でお姫さまな性格, ド天然冷蔵庫に靴を間違って入れてしまった事がある キムチを汚れてると勘違いして洗ってしまう 何もないところで転べる人 ボケボケマイペース ぽわーん ぽわわーん おっぱい星人を夢中にさせるほどの巨乳? 切れると恐い, 家族最強 善の塊 なぞなぞを解くのが得意 「このまま父を放っておくと社会になじめない人になってしまう!!」という経緯により父と結婚 (主人公「」の知る限り)一度も祖父母とあってはいない おもなイベント 結婚してくれない? 母と子の会話『兎』 『花』 『信号』 歩きながら縄跳びって!? 母親からの電話 鍵を締めて出かけたはずが帰ってきたら開いている、そして部屋には母 [S07] 漫画全然読まない人なのに「馬の名前って可愛いわねーっ」発言 [S07] 「主人公「」が枕元でお別れを告げた」という夢を見たといって、主人公「」宅にお泊り [S16] 兄弟 二人, どちらも妻帯者(ただし次兄はもうすぐ結婚) 二人ともホラーに凄まじく弱い 主人公「」に上目使いで「お兄ちゃん」をやられると弱い 弟が苛められていると 一族配下引き連れて校長室まで行く! という家族会議の発議をもするほど弟思い 長兄 一番上の兄(血縁関係なし?) 喧嘩も強く頭も良い, むしろ要領が良い 35前後で千住で兄の名を知らない人はいない イチバンマスクみたいなメガネ 戦えるスペックは持ち合わせているがビビリな性格 絶世の美女的性格 戦いに関する頭がいい 文部曰く「モラウに似てる」 二次で例えるとネプチューンマン(キン肉マン) 新興宗教の教祖になりたかった(らしい) 360度全周囲で相手にできる 主なイベント 次兄の嫁 長兄伝説その一 [M22] 族 こら、逃げんなよ長兄ぃ? 長 兄 誰が逃げるかコラ。雁首そろえて待ってろ ひぃー、10人以上来られたらヤバイなぁ。 でも舎弟も沢山見てるし、引くわけにはいかないもんなぁ……orz 当日、現場まで行くと 舎 弟 1 コラ、この程度で長兄さんに刃向かうと思ってたんか 舎 弟 2 身の程知らずにもほどがあるぞ?コラ 舎 弟 1 あ!長兄さん!!長兄さんの手を出すまでも無いですよ!俺たち二人で余裕でした!! 長 兄 ……コラ、今後二度と舐めたマネすんじゃねぇぞ 族 達 はいすいませんでした…… ひぃー俺、こんな奴ら舎弟にしてたのか……助かったぁorz 長兄伝説そのニ [M22] 長兄がある日同年代の明らかに自分より強そうなのに絡まれたときの事 長 兄 あ”?てめぇ、なにもんだよ! あぁ、ぜってぇケンカじゃ負けるよ……口でどうにかしよう……orz ヤンキー てめぇこそなにもんだよ!? 長 兄 俺は○○の長兄だよ、てめぇは!? これで、引け!!引けぇぇぇぇ!!! ヤンキー 誰よ?それ? 終わった……orz ヤンキー 俺は △△ さんトコのモンで▼▼ってんだよ!! 長 兄 △△ ?▲中の△△か?アイツ、俺の舎弟だぜ? よっしゃーーーーきたーーー!! ヤンキー は? 長 兄 電話でもして俺の名前出してみろよ …電話後 ヤンキー すみませんでした……生意気言って…… その後、その舎弟さんが因縁つけた▼▼さんをボコボコにして再度謝りに来たらしい。 ちなみにその舎弟さんは族の時先に来て蹴散らした人でもある。 近況 靭帯断絶, 手術は 12/22 [S13] 無事退院, しばらくは歩けいない [S14] 主人公「」宅にお泊まり [S13] 次兄 上から二番目の兄(血縁関係なし?) 最近髪がぺったり 委員長タイプ 文部曰く「ノウ゛に似てる」 多人数戦には向いていない 主なイベント 次兄伝説 [M22] 電車内で若者を注意した時の事 次 兄 こら、迷惑だろ。やめろ 若 者 は!?なんだよおっさん?ケンカ売ってるの? 次 兄 ケンカを売ってるわけじゃない。ただ、社内のほかの人の迷惑になるといっているんだ 若 者 降りろや、おっさん…… で、駅に降りて次兄大暴れ。警察に連れてかれ 俺悪い事してないのに…… 戦闘能力 一人で暴走族などを壊滅させたことあり 長兄/次兄二人一緒に戦った事もあるが、長兄の方が強い 次兄は多人数戦向きではないが、一対一でも長兄の方が強い 兄達の最大の武器はカリスマ性 祖父 人物像 父方の祖父 元帝國海軍 只者ではない雰囲気 出身地を尋ねると「日本人」との応え 真っ白な白髪, オールバック 何をしても一々大げさ 剣道がかなりの上位段, 多種多様な武術もやっていた 何をしても凄い楽しそう 世界中行ったりきたり, こないだはカナダに行っていた 現在は日本中に桜を植えて回っている 軍務 軍艦でブイブイ言わせてたらしい。 軍では毎日シャンパンを飲んでたらしい - 少なくとも将官クラス? 「何が何でも前線にいかなかったった」と祖母の証言 祖母 人物像 父方の祖母 二次で例えると白衣の人(誰彼)がしわくちゃになった感じ 祖父と共に只者ではない雰囲気 管直人等政治家をはじめ、偉い人がたびたび挨拶に訪れる 家族を xxx に例えると? 義兄たちが北斗に例える 長兄 = ラオウ 次兄 = トキ(たまにフドウ) 主人公「」 = ケンシロウ 父 = 黒王号 義兄たちが三国武将に例える 長兄 = 張飛 次兄 = 孟獲 主人公「」 = シバイ 父 = 赤兎馬 前部が策略度に応じたキャラで当てはめる 前部 = ヤン・ウェンリー 「」 = ユリアン 父 = カク・ブンワ 長兄 = ギレン・ザビ 次兄 = 岳飛 おまけ 鈴木 = 典型的な内務キャラ 主人公「」がモビルスーツに例える 父 GF13-001NH クーロン ガンダム (G) 母 GF13-206ND マーメイド ガンダム (G) 長兄 GF13-001NHII マスター ガンダム (G) 次兄 GF13-021NG ガンダム シュピーゲル (G) 主人公「」 RX-107 ガンタンクR44 (F91)
https://w.atwiki.jp/katudonchannel/pages/17.html
ママドン(浅野 薫) 1955年生まれ おそらく、カツドンを甘やかしてきた張本人。つまりはカツドンが (Eちゃんの件でさえ) 自己愛にまみれた言い訳を生み出す元凶の一つ。なお最大の原因はカツドン自身である。 過去にカツドンとリビングのテーブルで卓球をしていた際にカメラが回っていたたことから、Youtuber活動をしている事を知っていた可能性がある(言わなくても撮れるし、聞かれてもホームビデオだとでも何とでも言えるが) カツドンにとっては不変的な性の対象である。 パパドン(浅野 真也) 1950年または1951年生まれ カツドン曰く、エリートで高収入。 カツドンの部屋に「東北発電工業株式会社」のカレンダーがあったことから、そこが勤務先またはグループ企業ではないかという説がある。 カツドンは新卒入社して3ヶ月で辞めたが、その会社は前述のものと関連する「ユアテック」だと判明した。縁故採用だった可能性がある。 姉ドン カツドンの6つ上(1979年生まれ?) 兄ドン カツドンの3つ上(1982年生まれ?) カツドンにインナーチャイルド理論を伝えた。つまりクズに言い訳を与えたのである。 カツドン (浅野 琢郎) カツドンチャンネルの主人公。 身勝手な被害妄想で家族に迷惑をかけている。 常人には理解できない異常な自己愛を持つ。 カツドンが小学生の頃にパパドンが言った「民放のお笑い番組は低俗」「あー静かでいい」という発言を根に持ち、大人になってから逆襲。 リビングのテレビや食器、写真、パパドン用の肘掛けが付いている椅子などをメチャクチャに壊し、その様子を撮影した動画をYouTubeにアップし自身の醜態を全世界に晒した。
https://w.atwiki.jp/masudafamily/pages/13.html
増田ファミリーと、それに関わる人物について 増田 ファミリーの中心核的存在。 ファミリーからは「増田」と呼ばれており、よく「はいはーい?」とふわふわした返事をして皆を癒している。 中心核でありながら家族構成での立ち位置はペット。従順な犬のようであることからだろうか、それとも単にMだからだろうか。 BLのことになると発狂し、暴走しだす。そうなると誰も奴を止められない為、自然鎮火するまで放置。 ファミリー内での一番の変態は、満場一致で増田ということになった。 口説き文句は「体育館倉庫に行こう!マットもあるよっ!」で、 かわいい女の子やイケメンであれば、話して1分ほどすればこの言葉で口説き始める。 実際にこれで落とせたことがあるのかどうかは不明である。 名前の由来は、最初は皆から「マスター」と呼ばれていたが、 マスタ→ますた→変換ミスで増田 となってしまい、らみりゅーが「もう増田でいいんじゃない?」と言ったことをきっかけにこの名前になった。 絵を描くのが好きで、主にキャラクターなど、かわいい絵を描く。 マジョリズム 皆の天使。 ファミリーの中での立ち位置は次女。 滑舌がとてもよく、長い文章を音読するよう頼むとスラスラと読んでくれた。また歌唱力もあるため、歌い手さん向きである。 キャラクターなど、かっこいい絵を描く。背景まできちんと描くことが多い。 ファミリーからは「マジョたん」と呼ばれ、基本ツンデレのファミリーもマジョたんにだけはデレデレである。増田ファミリーの看板娘。 ファミリーの中で最年少。まるのことをたまに「お兄ちゃん」と呼ぶことがあるが、あれはたまらん。 多趣味なのか、多才なのか、絵を描いたり歌を歌ったり小説を書いたりし、それをサイトに投稿したり、ファミリーに披露したりしている。 いつもは天使のように優しいマジョたんだが、誰かがちょっとした悪戯を思いつくと「待ってました!」とばかりに次々と恐ろしいことを口にする。これを通称:ブラックマジョたんと呼ぶ。 らみりゅー まる イケメン。 ファミリーでの立ち位置は次男。 山田
https://w.atwiki.jp/mentalhealth777/pages/99.html
治療法・心理療法一覧 案内ページ 家族療法(治療法・心理療法) 家族療法(治療法・心理療法) [#r6761741] 家族療法についての感想・口コミコメント [#ba8fa4fe] 家族療法の基礎理論 [#p6758f43] 家族療法の諸学派と代表的人物 [#p844435f] 家族療法の諸技法 [#wee2b185] 家族療法についての感想・口コミコメント 名前 コメント (感想・体験・口コミ情報を書き込んでください) 家族療法(かぞくりょうほう;Family Therapy)とは、家族を対象とした心理療法の総称。家族療法は、様々な治療効果研究の複合体であるが、次第に、一般システム理論の視点が取り入れられるようになり、現在では一般システム理論に基づいた(システムズアプローチという)家族療法が主流となっている。 システムズアプローチによる家族療法では、家族を、個々の成員が互いに影響を与えあうひとつのシステムとして考える。そのため、家族成員に生じた問題は、単一の原因に起因するものではなく、互いに影響を与え合う中で、問題を維持する原因と結果の悪循環を描いていると考えていく。そこで、問題を抱えた家族成員を、従来のクライエントという呼び方ではなく、家族を代表して問題を表現している人という意味で、IP(Identified Patient;患者と見なされた人)と呼ぶ。 家族療法の基礎理論 ダブルバインド(二重拘束仮説) 一般システム理論 サイバネティックス オートポイエーシス 家族療法の諸学派と代表的人物 コミュニケーション派家族療法 / MRI(Mental Health Research)グループ / パロアルトグループ リチャード・フィッシュ(Richard Fisch) ポール・ワツラウィック(Paul Watzlawick) ジョン・ウィークランド(John Weakland) 戦略派家族療法 / 戦略的家族療法 ジェイ・ヘイリー(Jay Haley) クロエ・マダネス(Cloe Madanes) ミラノ派家族療法 / システミック派家族療法 セルヴィニ - パラツォーリ(Mara Selvini-Palazzoli) 精神力動的家族療法 ネーサン・アッカーマン(Nathan Ackerman) 多世代派家族療法 マレー・ボーエン(Murray Bowen) 構造派家族療法 / 構造的家族療法 サルバドール・ミニューチン(Salvador Minuchin) 家族療法の諸技法 リフレーミング技法 パラドックス技法 ジョイニング技法 家族療法(WIKIPEDIA)より 神経症治療法・克服法口コミ・感想(トップページ)に戻る
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2392.html
家族 「――ったく、やってくれるじゃんプレシアの奴」 薄暗い通路で呟く少年が一人。 ぽつりぽつりと灯る通路の明かりに、真っ赤なジャケットが照らされる。 左手に持った携帯電話をパカパカと開閉しながら、不機嫌そうな表情で歩を進める。 事実少年――キングは今現在、非情に不機嫌であった。 理由は至って簡単だ。 そもそもキングは、自分達“アンデッド”だけの神聖なるゲーム――バトルファイトを人間達に邪魔されただけでも十分にやる気が削げていた。 そこへ来て、今まで記憶喪失の哀れな女だと思っていたプレシアによって、突然こんなゲームに呼び出されたのだ。 結果、キングのやる気はさらに削げ落ちることとなった。 そもそもキングには、人間同士での殺し合いに、アンデッドである自分を収集する意味が解らなかった。 たかが人間如きが、最強のカテゴリーキングと自負する自分に勝てる訳が無いのだから。 自分がキングと名乗るのも、自分が誰にも負けない最強の存在であるという確かな自信があるからだ。 彼――キングの本当の名前は、コーカサスビートルアンデッド。 この世界における全てのコーカサスオオカブトムシと、その種族であるカブトムシ達の始祖たる不死生物。 ……そう。“不死”なのだ。それこそが彼の自信を裏付けする事実。 彼らアンデッドは、いかなる傷を負おうとも、いかに痛め付けられようと、絶対に死ぬ事が無ければ消滅させる事も不可能。 故にアンデッドは、ラウズカードに封印する事でしか対応する術がないのだ。 そして、彼らアンデッドを封印出来るのは、人間達がジョーカーを真似て造った“ライダーシステム”のみ。 もちろんキングは仮面ライダーなんかに負けるつもりは毛頭無いが、それでも仮面ライダーが居なければ自分には傷一つ付ける事は不可能。 そこで何かに気付いたキングは、ふとデイバックを下ろし、中身を確認し始めた。 「このゲーム、仮面ライダーいんのかなぁ」 言いながら取り出したものは、一枚の紙。このゲームの参加者を印した名簿だ。 周囲が薄暗い為に、普通に考えれば文字は見えにくい筈だが、キングにはそんな心配はいらない。 何故ならば、彼は“カブトムシ”だからだ。 今でこそ人間の姿を借りてはいるが、本質はカブトムシ以外の何者でも無い。 夜行性のカブトムシの始祖である為に、暗い場所での視力は常人のそれを遥かに上回っている。 もちろん、甘いジュースなんかもキングの大好物だ。 「――って、おいおいジョーカーもいんの!?」 名簿を読み進めて行くうちに、とある名前を発見。一気にキングの非情が和らいだ。 そう。ざっと目を通し、真っ先に確認した名前は、“相川始”――ジョーカー。 自分と同じアンデッドで有りながら、どの生物の始祖にもあたらない、言わば“ジョーカー”。 ジョーカーが勝ち残る事は、そのまま全ての生命の絶滅を意味する。 今回のゲームでもジョーカーとして収集されたのかな? 等と想像しながら、不敵な笑みを浮かべるキング。 面白い事になりそうだと、少しだけゲームに興味が湧いて来る。 キングの笑顔はまだ終わらない。続けて名簿に知った名前を確認。 「へぇ、ギラファもいるんだ」 ギラファ――またの名を金居。 自分と同じくカテゴリーキングの称号を持つ、不死生物――ギラファアンデッドだ。 一応仲間ではあるが、心配する必要は無いだろうと、キングは名簿をデイバックにしまい込んだ。 「ま、せいぜい頑張りなよ」 ここには居ないギラファ――金居に、一言だけメッセージを零す。 また会えた時は、一緒に何か面白いことをやらかそうねと、心の中で微笑む。 さて、一通り名簿の確認が終わった事で、キングの機嫌はすっかり上機嫌となっていた。 ジョーカーやギラファがこのゲームに参加しているというのならば、仮面ライダーが参加している可能性だって十分にある。 ならば、キングの目的は今までと何ら変わりは無い。 「全部目茶苦茶にブチ壊してやるよ、プレシア」 そう。全て滅茶苦茶にし、何もかも破滅へと導くことこそが、キングの楽しみ。 別に戦いの結末なんかはどうでもいい。自分が勝とうが負けようが、それすら興味が無い。 とにかく面白ければそれでいいので。それ上でゲームを滅茶苦茶に出来れば、最高だ。 クスクスと笑いながら、どこかで聞いているであろうプレシアに対し、キングは言った。 その目に宿るは、無邪気な輝き。 例えるならば、小さな子供が抱くような“純粋な悪意”だ。 別に勝ち残る事には何の興味も無い。だが、負けるつもりも無い。 願わくば、プレシアが仕組んだこのデスゲームを、“目茶苦茶”に引っ掻き回し、全てを破滅に導く。 別にその行動に利益がある訳では無い。 ただ単に、それが“面白い”から。 だが、キングは戦い自体が好きな方では無い。故に自ら手を汚すつもりは無い。 手を汚さずに、全てを壊すのだ。 例えば“人間関係”を。 例えば他人の“精神”を。 例えば他人の“命”を。 そして、プレシアの仕組んだこのゲーム“そのもの”を。 死という概念を持たないが故に、キングは自分の命を何とも思ってはいない。 自分の命を大切に出来ない者に、他人の命の重みなど理解出来る筈も無かった。 行動方針を決めたキングが、再びデイバックを担ぎ、歩を進めようと足を踏み ――――出さなかった。 「ん?」 何か――おそらく人間の女の声――が聞こえる。 アンデッドであるキングは、やはり人間よりも遥かに高い聴力を有しており、その僅かな声を聞き逃しはしなかった。 踏み出そうとした足を止め、耳を済ませる。 「……でも目の…………命より大切な………… 恨んで…………ええ……………恨まれ……… ……………………いかん……………―――」 途切れ途切れにだが、確かに聞こえる。恐らく若い女の声であろう。 言っている事は完全には把握出来なかったが、聞き取った単語から、恐らく“誰かを恨んでいる”のであろう。 「……面白そうじゃん」 一言呟くと、子供のような純粋な微笑みを浮かべ、キングはゆっくりと歩き始めた。 ―――いや、その純粋な微笑みの裏に潜んでいるのは、まさに悪戯っ子の如き、純粋な悪意であった。 ◆ 八神はやての行動は、既に決まっていた。 ゴジラを殺し、大切な家族達を救う。その為に、プレシアの持つ技術を手に入れる。 その為に必要なのは、プレシアに太刀打ちするだけの戦力の確保。 第一に考えるのは、この首に装着された首輪を無効化し、解除する事が可能な人物。もしくは、それを可能にする道具。 第二に、大魔導師プレシアに対抗する為に必要な、デバイス――武器類。 そして、願わくば自分の居た世界で、自分達の意のままに動いてくれた“使い魔”に準ずる存在が欲しい。 だが、先程確認したデイバックの中には彼女が求めた物は何一つ入ってはいない。 入っていたのは、戦闘には役立たなそうな物ばかり。 プレシアにしても、“家族を失った八神はやてがプレシアの技術を狙う” ……という考えに至る事は想像済みだということだろうか? そんなはやての推測が、今の自分は無力なのだとかえって実感させる。 だが、まだ諦めるには早い。自分に戦う力が無いのなら、手に入れれば良いだけの事。 誰かを倒してデイバックを奪うか? ―――否。それを実行に移す為にはある程度の戦力が必要だ。 そもそも戦力が無いから困っているのだ。それが出来れば苦労は無いだろう。 ならばどうする? 暫し思考を巡らし、一つの結論に至った。 「(先ずは誰かと合流するしかない……)」 そうだ。力が無いのならば、何者かに合流しなければ話にならない。 始めに出会った相手が使える人間であればそのまま利用する。 自分の親友達のような“お人よしタイプ”ならば――― 自分は何の戦力を持たないと話せば直ぐに信用して仲間に入れて貰えるだろう。 卑怯と言われても仕方がないが、それしか方法は無いのだ。 そうと決まれば、一分一秒が惜しく感じてくる。妖星ゴラスから、一刻も早くヴォルケンリッターを救いたいのだ。 決意を固め、レジアスの部屋から立ち去ろうと、足を進める。 はやては、気付かなかった。自分がいつのまにか、強く歯軋りをしていた事に。 決意を固めようが、心の奥ではこんなゲームを許せる筈が無かった。 ましてや自分が、人の良いなのはやフェイトと言った人々を利用しようとしていると考えれば、それだけで罪悪感が込み上げて来る。 心の中で深く謝罪を続ける。 そんな事に意味が無いということは、はやて自身がよく分かっている。 だが、それでもはやての歩みは止まらなかった。 彼女には、“絶対に譲れない物”があるのだから。 「(みんな……待っててな……私が、今すぐに……!)」 今この瞬間にも妖星ゴラスによって消耗を続けている家族達に向けたメッセージを、強く念じた。 はやてが、この部屋を出ようとドアの前に立った―――その時だった。 はやてが開けるまでもなく、外側からドアが開かれたのだ。 「……ッ!?」 「……あぁ、やっぱこの部屋からだったんだ。声が聞こえるの」 はやての目の前に現れたのは、片手に持った携帯電話をパカパカと開け閉めして遊ぶ茶髪の男。 いかにも最近の若者といった風貌の男――キングに、はやては咄嗟に身構えた。 こんな境遇で初めて出会った相手を信頼出来る筈が無い。 信頼しなくとも、相手が利用出来る人間かどうかを判断するまで、迂闊に接触するのは避けたい。 故にはやては、警戒心剥き出しに、目の前のキングを睨み付けた。 「あんたは一体、何者や?」 「……ご、ごめんなさい! 打たないで!! 声が聞こえたから、来てみただけなんだ……!」 はやてに問われたキングは、両腕を上げ、頭を隠すようにしゃがみ込んだ。 それを見たはやては、小さく口元を吊り上げる。 確信した。こいつは戦闘能力を持たない、ただの若者だと。 派手な外見で着飾ってはいるが、だからこそ心は臆病なのだろう。 恐らくはやての険しい表情にビックリし、今こうして自分の身を守る為に頭を隠して縮こまっているのだろう。 ならばこの男をどうする? ――決まっている。先程決めた目的の為、男には悪いがデイバックは寄越して貰う。 こんな明らかに年下にしか見えない少年からデイバックを奪うのは流石に気が引けるが、素直に渡せば命だけは助けてやってもいい。 デイバッグさえ奪えば、後は放って置いても、支給品を何一つ持たない少年が出来る事等たかが知れているからだ。 だからはやてはキングの腕を掴み、少し声のトーンを落として言った。 「安心し、打ったりせぇへん。だからそのデイバックを――」 「痛い」 「え……ッ!?」 はやてがその言葉を言い切る事は無かった。 つい先程まで情けない表情で泣いていた少年が、今度は怒気を込めた表情ではやてを睨み、手をかざした。 刹那、はやての体は数メートル後方へと吹っ飛び、レジアスの部屋の床に強く尻餅をついてしまった。 「(な、何や……一体今、何が起こった……!?)」 一先ず自分に怪我が無い事を確認すると、ゆっくり立ち上がって周囲を見渡す。 だが特に変わった物は存在しない。 ―――いや、一つ変わった者が存在する。 はやての視線の先、はやてを見下して笑う茶髪の少年。 先程までの情けない表情は何処へ行ったのかと突っ込みたくなる程の笑顔で、自分を見下しているのだ。 先程まで泣いていた男が、突然ここまで明るくなれるだろうか? ―――否。はやては気付いた。さっきの泣き顔は全て演技だったのだろうと。 はやては、食い入るような瞳でキングを睨み付けた。 ◆ 「(クソッ……時間が無いのに……こんなことしてる場合じゃないのに……ッ!)」 漆黒の闇に包まれた市街地を駆け抜ける、一人の少女がいた。 彼女こそ、八神はやてに仕える、ヴォルケンリッターの一人。 鉄槌の騎士、ヴィータ。 彼女は急いでいた。闇の書によって蝕まれた主、はやてを救う為。 自分達の存在を維持する為、既にいつ死んでも可笑しくは無い状況にまで悪化し てしまったはやてを救う為。 絶対に救う、そう決めたのだ。 ヴィータがはやての為、ここまで必死になれるのにはいくつかの理由があった。 それはもちろん、主を護る守護騎士・ヴォルケンリッターの役目としてもある。 だが、使命や役目等では無い、それよりももっと大きな理由がある。 それは、はやてが大切な大切な“家族”だから。 はやてと過ごすようになってから、ヴィータは夢のような毎日を送っていた。 初めて人として扱われ、初めてヴォルケンリッターとしての使命以外の楽しみを見付ける事が出来た。 近所のじーさんばーさんとゲートボールで遊び、夕方になったら帰る。 待っているのは、暖かい笑顔と、温かい食事。 確かに管理局や魔導生物達との戦いは楽な物では無かった。 だが、それでもはやてや、他の皆と過ごす毎日は、夢のような毎日であった。 ―――いや、もしかすると本当に夢だったのかも知れない。 はやて達と過ごした毎日が夢で、このデスゲームが現実かも知れない。 だとすれば、いつあの幸せな夢は覚めてしまったのか。 「(そうだ……あたしはまた……管理局の奴らと戦って……)」 ヴィータにとって、最も新しい記憶が蘇る。 それは自分達のベルカ式を真似たデバイス―― レイジングハートエクセリオンを携え、復活した“高町なんとか”との戦い。 一度倒した相手に、敗れる訳がないと。ヴィータもそう思っていた。 結果、負けこそしなかったものの、勝利もしなかった。 思い出すだけでも腹立たしい。 本来ならば、圧倒的に自分の有利だった筈が、あの強化デバイスの砲撃に、食いつかれてしまった。 ただでさえ時間が無いというのに……! それだけでも、ヴィータの精神はかなり不安定になる筈だった。 だが、それに拍車を掛けるような出来事が立て続けて起こったのだ。 自分は確かに戦闘終了後、闇の書が放った砲撃魔法から逃れる為に、ザフィーラ達と共に逃げた筈だ。 それなのに、気付いた時には、訳の解らない場所に拘束され―― その上首輪爆発という、趣味の悪いスプラッタショーを見せ付けられた。 死んだ女は自分の知らない人物であったが、それでも目の前で魔力も持たない一般人が殺されるのは、見て楽しい物では無かった。 さて、その際気になった事が一つ。 あの女の首が爆ぜた際に、声を上げた少女……あれは“高町なんとか”では無かったか? という疑問だ。 人数が多過ぎた事と、室内が薄暗かったという二つの要因により確証は無いが、あの声には確かな聞き覚えがあった。 あの憎たらしい声は、間違いなく“高町なんとか”の声。……のはずだ、多分。 故に、ヴィータは転送された後、直ぐに名簿を確認した。 しかし、名簿を確認した際にヴィータが目撃した名前は、そんな疑問を一気に吹き飛ばすだけの威力があった。 そう。そこに見付けた名前は――― 「(はやて……ッ!)」 今の自分にとって最も大切な、護るべき存在―――八神はやて。 何故か同じ名前が二つ存在したが、この際そんなことは問題では無い。はやてが参加させられたとあっては、ヴィータとしても黙っている訳には行かない。 それから、自分を省いた残りのヴォルケンリッター達の名前も発見。いずれも大切な家族に変わりは無い。 だが、だからこそヴィータは急いでいた。 ヴォルケンリッターの3人ならば、心配せずともそう簡単に負けはしないだろう。 だが、はやてはどうだ? 答えは簡単に想像がつく。そう、生き残れる訳が無いのだ。 足すらまともに動かせないはやてが、こんなデスゲームに参加させられて、助かる訳が無い。 すずかのように優しい人間と、一番最初に出会えたのならば何とか……等と考えもしたが、その考えも直ぐに振り払った。 このデスゲームにおいてそんな都合の良い人間がそう簡単に見付かるとは到底思えなかったからだ。 ましてや管理局員なんかは論外だ。もう少しで闇の書が完成するというのに、そ の前にはやてを拘束されてしまっては話にならない。 結果、ヴォルケンリッター以外の人間など、今のヴィータには信用出来る訳もなく――― 「(はやて……待ってろよ、今すぐ……あたしが……!)」 奇しくもヴィータは、もう一つの時間軸から来た八神はやてと同じ事を、その心に強く念じていた。 支給された道具のうち、武器として使えそうなものは、自分の身長よりも長い槍型のデバイスのみ。 ヴィータは主を護る鉄槌の騎士として、八神はやてを救う為、槍を片手に走り続ける。 ◆ ビルが立ち並ぶ市街地を歩く、赤き龍がいた。 全身の体食は真紅。 筋肉質な手からは鋭い爪が伸びており、ワニのような大きな口にもまた、鋭い牙が生えそろっていた。 この奇妙な生物こそが、デジタルワールドで生まれ育った、デジモンと呼ばれる種族の生物。名前はギルモン。 ヴィヴィオをパートナーとして選んだ、爬虫類型デジモンだ。 ギルモンには、何故自分がこんな訳の解らないコンクリートジャングルに要るのかが、理解出来なかった。 「えーっと……僕は確かぁ……」 自分の記憶を辿る。思い出せるのは、キャロやアグモンと出会い、トータモンに襲撃された事。 その際にヴィヴィオによってデジソウルをチャージされた自分はグラウモンへと進化。 見事にトータモンを倒した―――筈だった。 「それがどうしてこんなことになったんだろう……」 しかし、ギルモンからはそれ以降の記憶が途絶えていた。 気付いた時には、あの広間に拉致られていたのだ。 そして見せ付けられた、一人の少女の死。 もちろん人間が死ぬ瞬間を見るのは始めて。 それに死んだ女の子だってギルモンの知らない人間だった。 それでも、あの黒い髪の女が一方的に命を弄んだ悪い奴だと言うことは、幼いギルモンにも解った。 そしてあの女が自分達に強要したのは、この狭い空間の中で互いに殺し合え、という事。 もちろん、いきなり他人を殺せ等と言う命令に従うギルモンでは無かった。 「あんな奴の言うこと、聞くもんか……! 早くヴィヴィオちゃんを探して、こんなとこから出ていかなきゃ!」 ギルモンは、声高らかにそう宣言した。 まずは一人では戦う力を持たないであろうヴィヴィオと合流し、一緒にこの空間から脱出する。 ヴィヴィオも参加しているかどうかは、今のギルモンには調べようが無いが、ギルモンは勝手にヴィヴィオもいるものと決め付けた。 あながち間違いでは無いが。 ◆ 「なんだ……コレ……」 走りながら、ヴィータは呟いた。 ポケットの中で輝く小さな端末を取り出し、その画面を見詰める。 支給品を漁った際にデイバックから出て来た赤と緑の端末だ。 一応役に立つかも知れないとポケットに入れておいたのだが――― 走れば走る程にその輝きは増して行った。 「何なんだよ、コレは……!」 まるでこの機械に走る方向まで決められたかのように、ヴィータは何かに吸い寄せられるかのように走り続ける。 そして、最後の角を曲がったヴィータが見付けたのは。 「……赤い……恐竜……?」 「……女の、子?」 小さな小さな赤い恐竜。 だがヴィータが今まで見て来たような生物達とは、雰囲気がまるで違っていた。 かわいらしい大きな瞳に、とても強そうには見えない小さな体。 魔導生物の幼態かとも思ったが―――いや、そんなことはもうどうでもいい。 はやてを護る為、この恐竜のリンカーコアも頂く。 現在闇の書は手元に存在しないが、時が来れば自然と現れるだろう。 ヴィータは、赤き騎士甲冑を身に纏い、跳躍した。 とりあえずボコボコにしてリンカーコアを引き出す。弱っちそうだが、少しでもページが増やせるのなら細かい事は気にしない。 ヴィータは直ぐに飛び上がり、支給された槍をギルモンへと振り下ろした。 「でやぁぁああああッ!!!」 「うわわわ……っ!?」 が、回避される。紙一重の所でギルモンが横方向へとずっこけるような形で、ヴィータの攻撃をかわしたのだ。 アイゼンなら外さないのに……と、使い慣れないデバイスに舌打ちするヴィータ。 そんなヴィータに向かって、目の前の恐竜が口を開いた。 「い、いきなり何するんだよぉっ!?」 「……あ?」 その突然の事態に、ヴィータの思考が一瞬停止した。 恐竜が、喋った……? こんな明らかに知性を持たなさそうな恐竜型の生き物が喋るのを見たのは、これが始めてだった。 キョトンとした表情で槍を構えるヴィータ。 慌てた表情でヴィータを睨む恐竜――ギルモン。 ヴィータのポケットの中で、赤と緑の小さな端末―――デジヴァイスicは、輝き続けていた。 ◆ レジアス・ゲイズの部屋で、二人の男女が向かい合っていた。 レジアスのデスクに腰掛け、はやてへと笑いかける男―――キング。 はやてもまた警戒した表情で、終始キングからは目を離さない。 ―――最悪や。いきなりこんな相手と当たるなんて…… はやての表情は自然と曇る。 最初に当たった相手が、変な念力を使う相手。それも、ふざけた演技で自分をからかうような人間だ。 正直言って、相当に質の悪いタイプだと、はやては判断した。 「――へぇ~、じゃあ君は、家族を護る為に戦うんだ?」 「……そうや。だから、私は……こんなとこで死ぬ訳にはいかへん」 キングの質問に簡単に答えながら、ヴォルケンリッターやゴジラの話を聞かせる。 キングも興味津々といった感じに、身を乗り出している。 が、ここで不自然な事が一つ。 ―――この男は、ゴジラを知らん…… そう。キングは、あれだけ猛威を奮った大怪獣・ゴジラを知らないというのだ。 普通に考えればそんな事は有り得ない。ゴジラによって一体何万……いや、何億という数の人間が死んだことか。 それこそ数え切れない程の、膨大な数の人間が死んで行ったのだ。 そのゴジラを知らないという事からも、容易に一つの答えが想像出来る。 そう。“キングは、この世界の人間ではない”という事だ。 どの管理外世界かは知らないが、ゴジラの被害の全く及ばない世界の住人なのだろう。 そう考える事で、さっきの念力にも納得が行く。 「だから……私の邪魔をするつもりなら、あんたから―――」 「ちょ……!? ちょっと待ってよ、僕は君と戦うつもりなんか無いって!!」 「何やて……?」 はやての言葉を遮り、キングが声を張った。 といってもすぐに信頼出来る筈もなく―― はやてははやてで、依然として警戒した表情を崩さないままに、キングを睨み付けていた。 ◆ ―――参ったなぁ……この子、完全に僕のこと警戒しちゃってるよ…… キングは後悔していた。はやてをびっくりさせようと思って、無駄にあんな念力を見せてしまった事を。 あの意味の無い念力によって、自分は想像以上に消耗した上に、はやてには必要以上に警戒されてしまった。 とりあえず念力の使用は控えよう……等と考えながらも、はやてとの話を進める。 ゴジラやヴォルケンリッター等と、色々と興味深い内容の話ではあったが、まずはやてから信用を得なければ話にならない。 「もう……さっきのは謝るからさぁ、そんな怒った顔しないでよ。 僕が悪かったって、ほら、この通り」 「…………」 一応頭を下げるが、はやては依然として警戒の表情を崩さない。 もういっそアンデッドに変身して斬り殺しちゃおうか……なんて考えが浮かぶが、キングは何とかその衝動を抑えた。 殺そうと思えばいつだって殺せるのだ。ならばもっと面白い物を見てからでも遅くは無いだろう。 「……あんたは何が目的なんや……?」 「え……僕?」 「そうや。私にだけ色々喋らせるのは不公平やろ? 相手に信じて貰お思うたら、自分の目的も明かすのが筋ってもんや」 「う、うーん……ま、それもそうだね」 この女、こっちが下手に出てればだんだん調子に乗って来たな…… 等と考えつつも、キングは自分のデイバックを漁り始めた。 ある程度漁った所で、一つだけめぼしい物を見付けたキングは、それを取り出し、 それ以外を――自分のデイバックを、丸ごとはやての足元に投げた。 「あげるよ、それ」 「な……!? なんでや? これは生き残る為に必要な――」 「アハハハ、僕それいらないもん。なんてったって、僕が誰よりも“一番”強いんだからね」 不可解な表情でキングを睨むはやてを尻目に、キングは先程取り出した一本のベルトを見せびらかす。 一緒に着いて来た説明書に軽く目を通したキングは、ベルトを手で振り回しながら言った。 「でも僕さ、あのプレシアっておばさんの言いなりに戦うつもりなんて無いんだよね」 「じゃあ……どうするっていうんよ?」 「全部目茶苦茶にするのさ。このプレシアのふざけたバトルファイトも、ここに来た仮面ライダー達も、全部ね」 「仮面……ライダー?」 はやての言葉から、やはりこいつは仮面ライダーを知らないという事が伺える。 仮面ライダーとは、人々の平和を守るために、無償で悪い奴らと戦う仮面の戦士達…… などと、キングはざっと仮面ライダーの説明をすると、振り回していた銀色のベルトをはやてに見せ付け、言った。 「―――で、これがカブトのベルトって訳。僕はカブトの他に参加者達に支給されたライダーシステムを集める。 あいつらが変身出来ない間に守りたい物が傷付けられて、それで悔しがるとこが見たいんだ。」 「……悪趣味な」 「アハハ、だからライダーシステム以外のアイテムは全部君にあげる。それでいいでしょ?」 呆れた表情で自分を見つめるはやてに、けらけらと笑いながら返すキング。 自分の子孫であるカブトムシをモチーフにしたライダーのベルト―― 仮面ライダーカブトのライダーベルトを手にぶら下げながら、キングは考える。 説明書によれば、カブトに変身する為には、カブトゼクターとやらに選ばれねばならないらしい。 ―――どうせ僕にはカブトの資格は無い。なら…… キングが考えることは非情に単純。自分が使えないなら、現在の資格者を殺して、その資格を奪い取るまで。 ……いや、このベルトでそいつを揺すって遊ぶのもいいかも知れない。 そんなことを考えるだけで、キングの表情はほころぶ。 まだ見ぬカブトを蹂躙するのが、楽しみで仕方が無いのだ。 この男、相当に質が悪い。 やがてキングはレジアスのデスクからぴょんと飛び降り、自分のデイバックを漁るはやてに視線を送った。 「……ねぇはやて、君面白そうだからさ、力貸してあげるよ」 「何やて……?」 「プレシアの技術を使って、ゴジラってのに復讐するんでしょ?」 またしても不可解な表情で自分を見つめるはやてに、キングは優しく笑いかける。 と言っても、キングにとってはただ面白そうな展開になるのが楽しみなだけだが。 返事に躊躇っているのか、はやては依然自分を見詰めている――― と、その時であった。 「……ッ!?」 「ん……?」 レジアスの部屋の、ガラス張りの窓から、赤い炎が爆ぜるのが見えた。 光自体は小さなものであったが、時間は深夜。漆黒の闇の中で唯一輝く光を、二人が見逃す訳は無く。 距離はここから歩いて5分程度の場所だろう。 生憎光が納まった為に、正確な場所までは掴めないが、近い事には間違いない。 ―――さぁ、どう出る? 八神はやて 口元で笑みを浮かべるキング。 それを知ってか知らずか、はやては今も光った位置を睨んでいる。 恐らく悩んでいるのだろう。無視するべきか、行くべきか。 だが、はやてにとっては悩み事かも知れないが、キングにとってはそうではない。 ―――面白い事が起こるかもしれない。 あの小さな輝きは、されどキングの興味を引くには十分な輝きであった。 「じゃあさ、君はここで待っててよ。ちょっと僕が見て来てあげる」 「……そうやね。わざわざ私が自分の身を危険に晒すまでも無い。お願いするわ、キング」 キングは思った。 この女も相当に性格が悪いなと。 ……いや、元々はこんな性格では無かったのかも知れないが、キングはそれを知る由も無い。 これがもし“お願い”では無く“命令”であったならば、キングはこの女を軽く 念力で吹っ飛ばしてから行こうと思っていたが、どうやらその必要は無いらしい。 キングは、直ぐにレジアスの部屋から出て行った。 ◆ 「もう、話を聞いてってば……! 僕は戦うつもりは無いんだってばぁ!」 「(チッ……何なんだよこのトカゲ野郎は……!)」 ヴィータが再び槍を振るうが、ギルモンは頭を抱えてしゃがみ込み、それを回避する。 どうやらこの赤い龍、それなりに戦闘経験はあるらしい。 でなければ使い慣れないデバイスとはいえ、ヴィータの攻撃をここまでかわせるとは到底思えない。 だが、それ以前にヴィータには不可解な事が一つあった。 それは、“何故こいつは反撃して来ない?”という疑問。 これではまるで自分が弱い者虐めをしているようだ。 ギルモンの言葉をまるで聞いていないヴィータには、それが不可解で仕方がなかった。 ◆ ギルモンは今、非情に困っていた。戦いたくなんて無いのに、目の前の女の子は無条件に襲い掛かって来る。 それもギルモンにはこの女の子が、何かに強要されて戦っているように見えたのだ。 ―――それはあながち間違いでは無い。 目の前の少女は実際、誰かを守る為、望まない戦いを強いられているのだ。 ―――話を聞いてくれないのなら……! 優しいギルモンにはもう、これ以上苦しそうな女の子の表情を見るのが辛かった。 こうなったら、仕方が無い。 再び槍で突撃してくるヴィータ。 ギルモンはそれを上空に飛び上がって回避し、口を大きく開けた。 同時に、赤き炎がギルモンの体内から湧き起こる。 ギルモンの必殺技、“ファイアボール”だ。 もちろん当てるつもりは無い。話を聞いて貰う為に、ヴィータが簡単に回避出来そうな軌道に向けて、火炎弾を放った。 口から放たれた炎は真っ直ぐにヴィータへと向かって行くが、ヴィータはギルモンの予想通り、簡単にそれを回避。 ギルモンの放った炎――ファイアボールは、ヴィータに回避された事により、アスファルトを爆ぜさせた。 爆音が響き、アスファルトに小さな小さなクレーターが出来る。 「あ……あれ……?」 その時、異変が起こった。 空中でファイアボールを放ったギルモンの体から力が抜け、地面に吸い寄せられる。 ―――なんで……? ギルモンは気付かなかった。 プレシアによって装着されたこの首輪は、技の消費をさらに促進させるという事に。 受け身を取る事に失敗したギルモンは、硬いアスファルトに激突し、声にならない鳴咽を漏らした。 それはヴィータに取っては十分な隙。 飛び上がったヴィータは、直ぐに倒れたギルモンの元へと着地した。 「てこずらせやがって……あたしの勝ちだ……!」 「うぅ……ここまでか……ごめんよ……ヴィヴィオちゃん……」 ヴィータが冷たく輝く槍をギルモンの喉元に突き付ける。 ギルモンは最早これまでかと、ヴィヴィオを守る事も出来ずに逝ってしまう事を、小さく謝罪した。 ―――あれ? だが、ギルモンの喉元に、槍が突き刺さる事は無かった。 ◆ 「―――あたしの勝ちだ……!」 ヴィータは、ギルモンの喉元へと槍を突き付けた。後はこの腕に少しでも力を込 めれば、ギルモンは絶命するであろう。 「うぅ……ごめんよ……ヴィヴィオちゃん……」 「……ッ!?」 何故だ? 手が動かない。あと一息だと言うのに。 ―――あたしの目的は何だ? リンカーコアを奪う事じゃなかったのか……? ヴィータはようやく気付いた。 “どうやって”リンカーコアを奪うんだ? 奪う手段は、今どこにある? その時になれば出てくると思っていた闇の書は、一向に出てくる気配を見せない。 それどころか、一滴の涙を流すギルモンを見ていると、完全に自分が悪者としか思えなかったのだ。 今までとは訳が違う。ろくな知性を持たない魔導生物では無く、この恐竜は自分の意思を見せたのだ。 リンカーコアを奪えないのなら、はやてを優勝させる為にこの恐竜を殺すか? 果たしてはやては、そんな犠牲の上に成り立つ優勝で、喜んでくれるのか? 一度決めた決意が、揺るぎ始める。 その時であった。ヴィータのポケットの中で、赤と緑の―――ヴィヴィオのデジヴァイスが、眩ゆく輝いたのは。 「うわっ……!?」 「この光は……まさか!!」 あまりの眩ゆさに、ヴィータはバランスを崩してしまった。 その隙にギルモンも起き上がり、ヴィータへと接近する。 ヴィータは構わずポケットからデジヴァイスを取り出し、その画面を食い入るように見詰めた。 「な、何だよ……コレ!?」 「やっぱり……! ヴィヴィオちゃんのデジヴァイスだ!!」 ギルモンがヴィータに近づく事で、ゆっくりとデジヴァイスの光は納まってゆく。 何が何だか訳が解らないままに、ヴィータはデジヴァイスを握りしめた。 「ねぇ、このデジヴァイスを何処で手に入れたの……!?」 「んなこと知るかよ……! あたしのデイバックに入ってたんだよ……!」 慌てながらも、デジヴァイスをギルモンに見せる。だが、それ以上は何も起こらない。 光る事も無ければ、何かが現れることも、画面の表示が変わる事も。 しかし、ギルモンにはそれで十分だったのだろう。 嬉々としてヴィータの腕を掴んだギルモンは、嬉しそうに言った。 「決めたっ! 僕、しばらく君と一緒にいるよ!」 「は、はぁ!? 勝手に決めんじゃねぇ! あたしにはやることがあるんだよ!?」 ヴィータは、ギルモンの手を振り払い、デジヴァイスを押し付ける。 はやてを救わねばならないというのに、こんな所で油を売っている暇があるものか。 ――しかし、ギルモンは引き下がらない。ヴィータの腕を引っ張り、無理矢理にでも話を聞かせようとする。 「僕だって、ヴィヴィオちゃんを助けなきゃならないんだ。それまで一緒にいようよ」 「ふざけんな! なんであたしがお前みたいな変な恐竜と一緒に居てやらなきゃなんねーんだ!?」 「変な恐竜なんかじゃないよ! 僕にはギルモンって名前があるんだ!」 「知るかそんなもん! あたしははやてを助けなきゃなんねーんだ、足手まといなんだよ!」 胸を張って名乗るギルモンであったが、ヴィータは聞く耳を持たない。 守るべき物があるとは言え、二人共精神面はまだまだ子供。 先程まで戦っていた事等忘れたかのような漫才を繰り広げる。 ◆ ギルモンとヴィータのやり取りを、静観する男――キング。 物影から、ギルモンがヴィータの腕を引く瞬間を、携帯電話のシャッターに納める。 携帯電話からは“ピロリン”とふざけた音が鳴り、その画面にはギルモンがヴィータの腕を引く画像が写し出された。 それは状況を知らない者が見れば、ヴィータの腕を凶暴な巨大トカゲが引きちぎろうとしているようにも見えた。 小さく笑いながら携帯電話をポケットにしまったキングは、次に冷酷な視線でヴィータ達を見詰めた。 ―――何だよ、もう終わり? どうやら、これ以上は二人の戦いは進展しないらしい。 つまらない。つまらなさすぎる。そんな面白く無い結末は、キングの望む物では無かった。 故にキングは、額から一降りの巨大な剣を抜き取った。 剣の名は“オールオーバー”。全てを斬り裂く、強力にして絶対的な力を誇る破壊剣。 キングの姿は、黄金に近い体色をした、全てのカブトムシの祖たる生物へと変わっていた。 右手に持つは、破壊剣“オールオーバー”。 左手に持つは、どんな攻撃をも無効化する強固な盾、“ソリッドシールド”。 キングは――コーカサスビートルアンデッドは、ゆっくりとヴィータ達の元へと歩を進めた。 ◆ 「……ちょっと待て、ギルモン」 「え……?」 さっきまで大声を張り上げていたヴィータが、突然大人しくなった。 何が起こったのかと、ギルモンも吊られてヴィータの視線の先を見る。 ――そこに居るのは、僅かな光を反射して輝く、黄金の怪人。 「何だろう……? デジモンかなぁ?」 「何だかわかんねぇけど……味方って訳じゃなさそうだな……」 ゆっくりと歩いて来る、黄金の怪人――コーカサスビートルアンデッド。 カブトムシのように立派な角を頭部に生やしたそいつは、透き通るような蒼い瞳で自分達を見詰めていた。 「おい、何なんだテメーは! 」 ヴィータが声を張り上げるが、コーカサスはまるで聞く耳を持たずに、迫り来る。 やがてコーカサスは走り出し、一気にヴィータとの間合いを詰め、その剣――オールオーバーを力強く振るった。 「ぐっ……!?」 「な……っ!?」 ヴィータが咄嗟に槍を構えた事で、オールオーバーは防がれる。 本来ならば、例えどんな物質であろうと一刀の元に両断するオールオーバーであるが、制限下では防ぎ切るのもそう難しくは無い。 吹っ飛んだヴィータに駆け寄ろうと、ギルモンが立ち上がる―――が、名前が解らない。 「え、えーっと……」 「ヴィータだッ! 鉄槌の騎士、ヴィータ!!」 困った顔で狼狽するギルモンに気付いたのか、ヴィータは名前を名乗り、すぐに飛び上がった。 挑発的に構えるコーカサスに一泡吹かせようと、上空から槍を振り下ろす。 「なっ……!?」 だが、槍がコーカサスの頭に届く事は無かった。 コーカサスの腕に装着されたソリッドシールドと同型の盾が、ヴィータの攻撃に対して、自動的に現れたのだ。 それによりヴィータは弾き返され、さらにコーカサスが横一線に振るうオールオーバーの一撃を受けた。 「チッ……!」 オールオーバーが激突する瞬間、直ぐにアイゼンの時と同じ要領で障壁を展開。 横に振り抜かれたオールオーバーの一撃を受け止めるが、衝撃は緩和出来ず、ヴィータ自身の体も吹っ飛ばされる。 破られた障壁は粉々に砕けるが、どうやらヴィータ本人への直撃だけは防げたらしい。 これがもしそのまま振りぬかれていたならば、ヴィータの体は二つに分かれていたことだろう。 「ぐぁっ……!」 「ヴィータちゃん!!」 地面に激突したヴィータに、ギルモンが駆け寄る。 オールオーバーの攻撃を受けた左肩からは血が流れ出し、ギルモンが心配そうに見詰める。 「ヴィータちゃん、早くデジソウルをチャージして!」 「あん? なんだそりゃ!?」 「デジヴァイスだよ、さっきの機械ーっ!」 急かされたヴィータは、慌ててポケットからデジヴァイスを取り出す。 が、先程のような輝きは放たれず、もちろんデジソウルのチャージ等論外。 「何でだよ!」と、ギルモンが苛立ちの表情を浮かべる。 そう。このバトルロワイアルにおいて、ギルモンは……いや、全てのデジモンは、進化を封じられているのだ。 故にギルモンはグラウモンへの進化は不可能。 それに気付かないギルモンは、とにかくヴィータを守ろうと、コーカサスの行く手を阻むように立つ。 ヴィータの視線が、自分の背中へと真っ直ぐに向けられているのが解る。 ―――負けられない! 僕はヴィヴィオちゃんを助けなきゃならないんだ……! ギルモンの口内で、赤い炎が渦巻く。 それに反応し、ヴィータのデジヴァイスが小さく光った。 そして――― 「ファイアボールッ!!」 ギルモンが、灼熱の如き火炎弾を、コーカサスへと放った! だが、やはりギルモンの炎はコーカサスに届く前に現れたソリッドシールドに阻まれる。 しかし、ギルモンはめげない。 すぐにファイアボールの再チャージに入り、コーカサスを食い入るように睨む。 先程、ヴィータに放った時と比べれば、ファイアボールを放つ際の疲労は減少していた。 それはヴィータがデジヴァイスを握りしめていることも、少なからず関係しているのだろう。 「ファイアボールッ!!」 再び放たれた火炎弾。 だが、コーカサスには届かない。ソリッドシールドに防がれてしまうのだ。 ソリッドシールドに阻まれた炎は、その威力を失い、光を失っていく。 それでも、ギルモンは諦めない。何度でも、何度でも、ファイアボールを放ち続ける。 ヴィータを守る為、ヴィヴィオを守る為、ギルモンはその気持ちを火炎弾に乗せ、放ち続ける。 「お、おい……ギルモン!」 「ヴィータちゃん、守りたい人がいるんでしょ!? こんなとこで、終われないんでしょ!? 僕は戦うよ! 例え今は効かなくっても、いつかはあの盾だって……!」 言いながら、ファイアボールを放ち続ける。 対するコーカサスもまた、動かずにただただ攻撃を防ぎ続ける。 本人は挑発……というよりも一種のゲームのつもりなのだろうが。 コーカサスは気付かなかった。 およそ150tまでの攻撃を、完全に無効化するソリッドシールドと言えど、制限下ではその防御力も絶対では無いという事に。 ややあって、いい加減に腹が立って来たのか、コーカサスがギルモンに向かって歩き始めた。 だが、ギルモンは攻撃を止めようとはしない。 何度撃っても防がれるファイアボールを、何発も何発も、自動的に現れるソリッドシールドへとぶつけ続ける! やがて、ギルモンの眼前にまで迫ったコーカサスは、オールオーバーを大きく振りかぶった。 だが、攻撃体制に入ったのは、コーカサスだけでは無い。ギルモンもまた、口内に灼熱の炎を蓄える。 そして――― 「……ファイアボールッ!!」 「な……ッ!?」 コーカサスがオールオーバーを振り下ろす前に、ソリッドシールドに亀裂が入った。 驚愕するコーカサスを尻目に、「今だ!」と、ヴィータが飛び出した。 「でぇやぁぁぁああああああッ!!!」 「チッ……!」 突撃したヴィータが、槍を一気に振り下ろす。 コーカサスがヴィータに反応するよりも早く、ソリッドシールドが自動的に発動し、ヴィータの槍を受け止めた。 槍がシールドにブチ当たり、今回も今までと何ら変わらない虚しい金属音が響く。 ―――いや、その後に、続けてもう一つの音が響いた。 パキィィィンッ! 「な……ッ!? 嘘だろ!?」 「やったぁっ!!」 ヴィータの槍を受け止めた変わりに、コーカサスを守るソリッドシールドが、甲高い音を立てて砕けたのだ。 その一瞬の隙をついて、ギルモンが再びファイアボールを放つ。 しかし、今度はソリッドシールドは発動せず、ギルモンが放った火炎弾は、そのままコーカサスの黄金の装甲を焼いた。 キングはすぐにギルモンを潰そうと、その思い足を動かすが―― 今度は、再び背後から現れたヴィータが、槍を薙ぎ払うように振るった。 「……二度目は無いよッ!」 しかし、再び復活したソリッドシールドが、ヴィータの攻撃を防ぐ。 ヴィータは舌を打ちながら後退し、着地。コーカサスを睨み付ける。 ギルモンとヴィータが視線を合わせ、コーカサスを食い入るように見詰める。 ◆ 「(僕の盾が……破られたッ!?)」 ヴィータの振り下ろす槍の一太刀は、コーカサスを守るソリッドシールドを、粉々に砕いた。 驚愕するキング。 左腕のソリッドシールド本体が砕かれた訳では無い為に、またすぐに生成する事は出来るが、それでも一瞬の隙は生まれる。 ふと横を見れば、さっきの赤い恐竜が、大口を開けて構えていた。口内に輝く赤き光は、まさしく灼熱の炎。 コーカサスが身構えるが、時既に遅く。 ギルモンが放った炎は、コーカサスの脇腹を焼いていた。 ―――チッ……これくらい何ともないけど……! コーカサスが直ぐにギルモンに向き直る。この程度の傷はかすり傷にもならない。 ――が、それでもキングである自分を気付けるコイツは許し難い。 オールオーバーを振り上げて、ギルモンに迫るが――― 「っらぁっ!!!」 「……二度目は無いよッ!」 背後から迫り来るヴィータ。 再び回復させたソリッドシールドで、ヴィータの槍を受け止める。 すぐにヴィータは後方へと跳びはね、着地。ギルモンと二人で自分を睨んでいるのが解る。 ―――何だよ、そんな目で見るなよ……! コーカサスは、二人の視線に苛立ちを感じながら、オールオーバーを構え直した。 だが、それは戦闘の構えでは無い。 それとは真逆の―――戦闘の意思放棄だ。 面白く無くなった。この戦いを続ける気が失せたのだ。 やがてコーカサスは踵を返し、元来た道へと引き返した。 されど、まだ人間の姿には戻らない。 何故なら、一度怪人としての姿を見せた相手には、人間の姿は見せない方が有利に事を運べると思ったから。 無駄に手の内をさらす必要も無い。 だから、もうこいつらはどうでもいい。飽きたから、とっととはやての元へと戻ろう。 そう考えたのだ。 「逃げるのかッ!?」 背後から、ギルモンの怒声が聞こえる。 ―――逃げる? 冗談じゃない。逃がしてあげるんだよ コーカサスはそう思ったが、口には出さなかった。 ギルモンは解っていないようだが、恐らくヴィータはその事に気付いているだろう。 そして何よりも、わざわざ自分が声を発するのが面倒だった。 ◆ ―――遅い。キング、遅すぎる。一体何をやってんねん 八神はやては、キングの帰還が遅い事に苛立ちを感じ、自ら地上本部の外へと歩き出した。 戦いが長引いているのかも知れないと考えるが、それならそれでキングがどのように戦うのかに興味がある。 あそこまで自信満々に“最強”と言い張るからには、よっぽどの自信があるのだろう。 もしこれでキングが弱ければ、はやての“駒”としては必要無い。はやては“強い駒”だけを求めているのだ。 キングからデイバッグを貰ったお陰で、自分の武器も確保出来た。 これ以上戦力の解らない相手の下手に回る必要も無い。 地上本部のエントランスを出たはやては、先程レジアスの部屋から見えた光に向かって真っ直ぐに歩く。 記憶通りならば、もうすぐ先程の光源にたどり着く筈だが――― 「ん?」 ややあって、目の前から、赤いジャケットを羽織った男が歩いて来るのが見えた。 ―――キング……? うっすらとしか見えないが……あんな派手な外見の男はそうは居ない。 はやては、飄々としたキングの表情にため息を付きながらも、キングへと歩み寄った。 「キング、何やったん? さっきの光は」 「あぁ、うん。はい、こんな感じだったよ」 「……?」 キングは、顔色一つ変えずに、開いた携帯電話をはやてへと投げ渡した。 慌ててそれをキャッチしたはやては、画面に標示された画像に視線を移す。 ―――――ッ!? 刹那、絶句した。 そこに写されていた画像は、赤い巨大なトカゲが、最悪の家族の腕をギリギリと引っ張っている様子。 「な……そんな……アホな…… 嘘や……ヴィー……タ?」 「ん? どうしたの?」 携帯を握るはやての手が、わなわなと振るえる。最早、キングの声など、はやてには届いて居なかった。 「ヴィータは今、このすぐ近くにおる! 急がな……ヴィータが危ない!!」…と。 それを見たはやてがこう考えるのは当然の事だろう。何しろ、デバイスはプレシアにより奪われてしまったのだ。 それは先程までの自分も例外ではない。力を持たないヴィータが、こんな怪獣と戦うのは危険過ぎる。 事実、はやての元居た世界には未知の怪獣達がうようよといるのだ。 この赤い怪獣が、凶悪な怪獣でないと誰が断言出来る。 故に、はやては走った。 キングが来た道を、全速力で走った。 ヴィータに会える。ヴィータは生きてた。今、ヴィータを助けられるのは自分だけだ。 その一心で、駆け抜けたはやての目に映ったのは、赤い龍と共に座り込むヴィータの姿。 へなへなと座り込んでいるヴィータに向かい合う形で、ギルモンが立っている。 見るからに凶暴そうな鋭いツメが、はやての家族――ヴィータに近づく度に、はやての心は急かされる。 だがそれよりも、今のはやてには、ようやく再び出会うことの出来たヴィータに対する喜びの方が先走っていた。 「あ……あぁ……夢やない……ヴィータ……ヴィータ……っ!!」 はやての瞳から、大粒の涙が零れる。ヴィータは、確かに目の前にいるのだ。 まだこちらには気付いていないが、ヴィータは確かに生きている。 そして、次にはやての目に入ったのは―――血だ。 ヴィータの腕を流れる血。キングのオールオーバーにより切り裂かれた、大きな傷だ。 「ヴィータ……血が……ッ!?」 「あぁ、あれ君の家族だったんだ? 結構ヤバいよ さっきあの赤い恐竜に、随分と痛め付けられてたみたいだからさ」 口を塞いでヴィータを見詰めるはやての肩を、後ろから現れたキングが叩く。 先程の画像からも、あの赤い怪獣がヴィータの方を斬り付けたのだろうと推測。 この状況から見ても、そう判断するのは当然のことだった。 もちろんキングの言葉に何の疑いも感じないはやては、あの赤い怪獣が全て悪いのだと勝手に判断。 だが、キングの言葉は全くの出任せ。 キングは、自分が与えた傷を“ギルモンにやられた傷”だと思い込ませるつもりなのだ。 実際、疲労により座り込んだヴィータと、その目の前に立つ無傷の赤い恐竜という構図は、どう見てもヴィータが被害者にしか見えはしない。 拳を握り締めるはやて。沸き起こる殺意。 ようやく出会えた大切な大切な家族を、あんな怪獣に殺されてたまるものか。 はやては、キングから受け取ったデイパックの中から、二刀のグリップを取り出した。 ジェイル・スカリエッティが生み出したナンバーズが12番――ディードの愛用武器。 はやてが握りしめたグリップからは、桜色に光輝く刀身が飛び出した。 やがてその光はガラスのように硬質化されてゆき――― はやては、刀――いや、ツインブレイズを構え、走り出した。 そんなはやてを見詰めるキングが浮かべる表情は、これ以上無いという程の笑み。 だが、はやては気付かない。 完全に頭に血が昇ったはやてにとって、最早キングの表情などどうでもいいことだった。 ◆ 「あのさ……ギルモン……」 「何ぃ? ヴィータちゃん」 顔を伏せるヴィータに、ギルモンが笑顔で答える。よく見れば中々に可愛らしい表情だ。 一つの戦いを共に乗り越えたヴィータには、自然とギルモンに対する愛着が湧いていた。 ヴィータ自身はそんなこと認めようとはしないだろうが、先程までのギルモンへの失礼な行動は謝ってやろう……程度には考えていた。 妙な気恥しさから、ヴィータはギルモンの顔を直視出来なかった。 故に俯きながら言葉を紡ぎだす。 「さっきは……あんがとな」 「ぇ……? いきなりどうしたんだよー?」 「誰かを守りたいってお前の気持ち……よく解ったよ……」 誰かを……大切な誰かを守りたいという気持ち。 ギルモンの熱い思いは、ヴィータの中のなにかを揺さぶった。 そうだ。誰かを守るために戦っているのは自分だけじゃない。 もしも、今の自分からはやてを取り上げられたら、自分はどうするだろうか? きっと、凄まじい悲しみと、そして怒りに包まれる筈だ。 それは、ヴィヴィオという少女を守りたいと云った、このギルモンに取っても同じ筈。 はやてを守るのは当然の事だが、その為に誰かの大切な人を殺していいなんて、ヴィータには思えなかった。 だから、闇の書とかは関係無しに、今はまずはやてを探して、ゲームに乗った奴らから守り抜く。 ヴィヴィオって奴がどんな奴かは知らないが、どうせ守るなら、そいつも一緒に守ってやるのも悪くは無い。 そんなことを考えるヴィータは、依然俯いたまま。 「だからさ……しばらくは、一緒に居てやらねーことも無いっ」 少し恥ずかしげに言うヴィータ。 きっとギルモンも喜んでいるのだろうと思うと、顔を上げるのがさらに気恥ずかしかった。 ―――だが、いくら待とうが、ギルモンからの返事は帰って来ない。 こんなことを言うこっちだって、それなりに恥ずかしいのだ。 黙ってるんなら、さっきのも全部撤回してやろうかと、ヴィータは少しばかり苛立ち君に顔をあげた。 「何だよ、なんとか言えよ……ギルモ―――ッ!?」 「ヴィータ……ちゃん……逃げ……て……」 「な……」 ―――おかしい。何だこれは? ヴィータの思考が、完全にストップする。 ―――何で……ギルモンの体から“こんなもん”が生えてんだよ……!? ギルモンの胸を突き破って伸びる、二刀の刀。桜色の刃を濡らす、ギルモンの赤い体液。 刀――ツインブレイズから滴り落ちた血の雫が、ヴィータの足元を黒く染める。 ヴィータには、何が何だか解らない。 このピンクのソードも、ギルモンがその体から生み出した秘密武器なんじゃないか……とも考えた。 「お、おい……ギルモン……?」 「ヴィ……タちゃん……ごめん……ね…… ……ヴィヴィ……ちゃ……を……お願…………―――」 「お、おい……何言ってんだよ……ギルモン?」 依然訳のわからないヴィータは、悪い冗談かと、ギルモンに声をかけ続ける。 だが、いくら待とうが、やはり返事は帰ってこない。それっきりギルモンは喋らなくなったのだ。 目を閉じたギルモンは、まるで糸が切れたようにドッサリと崩れ落ち、赤い体から流れ出る血が、赤黒い血溜まりを作った。 ―――な……んだよ……何なんだよ……これ!? 嘘だろ……!? ヴィータが、震えた手で崩れ落ちたギルモンの顔を撫でる。 だが、ギルモンはぴくりとも動かない。 「なぁ……ギルモン……嘘だろ……? 何とか言えよ……おい、ギルモンッ!!」 目尻に小さな涙を浮かべながら、ヴィータがギルモンを揺さぶる。 だが、いくら揺さぶっても。いくら叫んでも。 ギルモンは動かない。ギルモンは喋らない。 「ヴィータ……会いたかった……ヴィータ……! やっと……やっと私が助けに来れた……!」 赤い液体を滴らせた刀を振るい、茶髪の女が言う。 だが、ヴィータの頭には、最早何も入っては来なかった。 ゆっくりと顔を上げ、涙で霞んだ目に、茶髪の女を捉えた。 込み上げてくるどす黒い感情に、ヴィータの体が震える。 気付けばヴィータの手には、再び起動した槍状のデバイスが握られていた。 「テメェ…………」 「ヴィータ……私や、はやてや! やっと迎え……―――」 「――黙れッ!!!」 周囲の空気を震わすヴィータの怒声に、はやてがびくっと固まる。 ―――こんな奴がはやてだと……? ふざけんじゃねえ…… 涙を拭い、立ち上がるヴィータ。槍を構え、目の前の女を睨み付ける。 ―――はやてはなぁ……どんなことがあっても……誰かを傷つけるような真似はしねぇ……! 目の前の女は、ヴィータの最愛の人物――八神はやての名を語る。 それがヴィータの怒りをさらに燃やした。 そして、目の前の女に槍を突き付ける。 ―――テメェなんかが……テメェなんかがはやての名前を語るんじゃねぇ!! そうだ。確かに声は似ているかもしれないが、目の前の女は、はやてとは似ても似つかない。 まず普通に立っている時点で有り得ないのだ。 ヴィータの知っているはやては、車椅子が無ければ移動も出来ないというのに。 いや、それよりも一番に、こんなに簡単に誰かを殺せる“人間”が、ヴィータの大好きな八神はやて等とは、思いたく無かった。 ――いや、人間などという呼び方は似合わない。こいつは紛れもない、“悪魔”だ! ギルモンがどんな悪いことをした? 出会ってからそう時間はたってないけど、あいつはずっと、誰かを守るために必死だった。 そんなギルモンが、何故殺されなければならない? 「ギルモンを殺して……はやての名を語って…… お前だけは……お前だけは……絶対に許さねぇッ!!!」 「な、何言うてんねん……ヴィータ……?」 この期に及んで、まだはやての振りを続ける女に、ヴィータは堪え切れない怒りを感じた。 手にした槍を、強く握りしめる。こいつだけは、こいつだけは許さない。 ――絶対に、あたしがブッ倒す……! ◆ ―――何や? 何を言うてんねん……ヴィータ? はやてには、訳が解らなかった。 ようやく再会出来たのに……ようやくゴラスに消えた家族と再会できたのに…… 今だってこうして助けたのに、何故そんな酷いことを言われなければならない? ―――まさか……私のこと……忘れたん? そんなこと、信じたくは無かった。 だが、目の前のヴィータは今こうして、自分に槍を突き付けているのだ。 あり得ない。はやての知っているヴィータは、こんなことをする子では無い。 多少我がままではあるが、真っ直ぐな、良い子だった筈だ。 ぐるぐると思考を巡らせる。考えれば考えるほどに訳がわからなくなる。頭が痛くなる。 そんな中、先程まで自分の背後にいた筈のキングが、ひょっこりと顔を出した。 「あ! わかった……!」 「……キング……?」 背後から歩いて来るキングに、はやてが視線を合わせる。 いつになく真剣な表情のキングは、ヴィータへと冷たい視線を下ろしたまま、言った。 「この女の子、もしかして偽物なんじゃない?」 「偽……物?」 「うんうん。だってさ、有り得ないじゃんか? 君の家族達は今もゴラスとやらの中にいるんだろ?」 キングの言葉に、はやては思考を巡らす。 そうだ。翌々考えても見ろ、ゴジラから人々を…… 自分を守るために人柱になったヴィータが、こんなところに居ること自体が不自然ではないか。 ―――偽物? ヴィータが偽物? そっか……だからか…… だが、このヴィータが偽物だとすれば。それならば全てに納得が行く。 ヴィータが自分を忘れてしまった事にも、自分に向かって槍を構えている事にも。 ―――こいつは……偽物……ヴィータの姿を使った、偽物……! ただでさえ錯乱していたはやてに、まともな考えが出来る筈も無く。 はやてはキングの言うままに、ヴィータを偽物だと判断した。 さしずめヴィータの名を語る、プレシアに生み出されたクローンか何かであろう、と。 ならば話は早い。 目の前のヴィータもどきは、はやての心を踏みにじったどころか、 体を張ってゴジラを食い止めてくれている筈のヴィータさえをも侮辱した。 ―――なんや……ヴィータとちゃうんや……敵、なんやね はやては、再びツインブレイズを構え直し、目の前のヴィータの姿をした“敵”を、鋭く睨み付けた。 「あんたは……ヴィータを侮辱したあんたは、私が倒す……」 ◆ ―――やっべー、面白過ぎるだろ、これ! キングは、その冷静な表情の下で、それこそ腹筋が痛くなる程に爆笑していた。 そもそもキングは、この世界のバトルファイトについて、一つの予測を立てていた。 ゴジラとかいう聞き覚えの無い大怪獣や、はやての仮面ライダーを知らないという言葉。 普通に考えればこんなことはまずあり得ない。 故にそれぞれが別の世界から連れて来られたのだろうという事は、簡単に想像が着いていたのだ。 キングの推理が正しければ、恐らく目の前のヴィータは偽物などでは無い。正真正銘の本物なのだろう。 ただ、別の世界から来たが故に、どういう訳か記憶の食い違いが生じているのだろうと判断。 もしかしたら時間軸が違うのかも知れない。 もしかしたら全くのパラレルワールドかも知れない。 それはキングの知るところではないが、それだけ解ればキングにもやりようはあった。 この状況で、精神的に混乱したはやてを焚き付けること等、簡単な事だ。 調度勝手に暴走したはやてがあの赤い龍を刺してくれたし、これで相手にも戦う準備が整う。 ―――家族同士の絆……か。面白い面白い、どうなるか見物だなぁ キングの心からは、笑いが耐えなかった。 こんなに面白い茶番を開始早々見られるなんて、キングにとってはプレシアに感謝したいくらいだった。 もうこれ以上自分が手出しする必要は無いだろう。 邪魔にならないようにはやて達から距離を取ったキングは、携帯電話を取り出し、血溜まりを作るギルモンへとレンズを向けた。 ズーム機能を使い、血を流し倒れたギルモンを、画面一杯に写し出す。 「残念だったね、でも最期の言葉は、ちょっとイカしてたよ♪」 ピロリンと、携帯電話の明るいシャッター音が鳴る。 携帯のメモリーに力尽きたギルモンの画像を保存。 同時に、キングの笑い声が小さく漏れる。 また面白い写真が撮れた。そのうちネットにでも流してやろうかな、などと考える ―――“ついに発見!赤い恐竜!”……なんていいかもね。 そんな考えが、キングをさらに笑顔にする。 こらえ切れずに少し大きな笑い声を漏らしてしまうが、問題はない。 どうせはやて達には聞こえない。 完全に二人の世界に入ったはやて達には、最早外界のどんな言葉も聞こえないだろう。 まるで子供のように純粋な悪意は、決して止まる事は無かった。 【1日目 深夜】 【現在地 E-5 地上本部付近】 【キング@魔法少女リリカルなのはマスカレード】 【状態】健康、非常に上機嫌 【装備】無し 【道具】カブトのライダーベルト@魔法少女リリカルなのはマスカレード キングの携帯電話@魔法少女リリカルなのはマスカレード 【思考】基本 この戦いを全て滅茶苦茶にする 1.面白そうだから、はやてとヴィータの戦いを見物する 2.カブトの資格者を見つけたら、ゲームでも持ちかける。でも、飽きたら殺す 3.面白そうだから、当面ははやてに協力してやる 4.とにかく面白いことを探す 【備考】 ※先ほどの戦いで、何となく自分に制限が掛けられている事に気がつきました ※ゴジラにも少し興味を持っています ※携帯電話は没収漏れです。写メ・ムービー以外の全ての機能は停止しています。 ※携帯には相川始がカリスに変身する瞬間の動画等が保存されています。 ※キングの携帯に外部から連絡出来るのは主催側のみです。 【八神はやて(sts)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】 【状態】健康、怒り 【装備】ツインブレイズ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式×2、ランダム支給品1~3個(武器では無い) ランダム支給品1~2個(キングから貰いました) 【思考】基本 プレシアの持っている技術を手に入れる 1.目の前のヴィータの偽物を倒す 2.キングを一人目の駒として利用する 3.首輪を解除できる人を探す 4.プレシアに対抗する戦力の確保 5.以上の道のりを邪魔する存在の排除 【備考】 ※参戦時期は第一話でなのは、フェイトと口喧嘩した後です ※名簿はまだ確認してません ※このゲームに参加しているヴォルケンリッターは全員、プレシアが用意した偽物だと思っています ※ツインブレイズはキングから受け取ったデイバッグに入っていました ※キングのことは、ただの念力が使えるだけの少年だと思っています 【ヴィータ@魔法少女リリカルなのはA s】 【状態】疲労(小)、左肩に大きな切り傷、激しい怒りと悲しみ 【装備】ゼストの槍@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式、デジヴァイスic@デジモン・ザ・リリカルS&F ランダム支給品0~1(武器では無い) 【思考】 基本 はやてを救って、元の世界に帰る 1.ギルモォォォォォンッ!!! 2.目の前にいる、はやての名を語る女(八神はやてStS)をブチのめす 3.ヴィヴィオって奴を見付けた場合は、ギルモンの代わりに守ってやる 【備考】 ※はやて(StS)を、はやて(A s)の偽物だと思っています ※デジヴァイスには、一時的に仮パートナーとして選ばれたのかも知れません。 ※なのは達のデバイスが強化されたあたりからの参戦です 【共通の備考】 ※E-5 地上本部付近には、ギルモンの死体が放置されています。 ※E-5 地上本部付近にギルモンのデイバックが放置されています。中身は不明。 ◆ 「……モン……! ギルモン……! なぁ……嘘だろ…………何とか言えよ……」 微かに聞こえる声に、ギルモンはゆっくりと、されど他人からは解らない程に薄く、瞼を開いた。 自分を揺さぶって泣いている少女は、さっき出会ったばかりの少女――ヴィータだ。 だが、何故泣いているのだろう? あの強そうなカブトムシの敵を倒せたていうのに。 何か悲しいことでもあったのかな? 泣き顔なんて見たくはなかった。出来る事なら笑顔でいて欲しかった。 故にギルモンは、ヴィータを励ましたい一心で、声を絞り出した。 ―――ヴィータちゃん……? 何で泣いてるの……? ねぇ、そんなに悲しい顔しないでよ 自分を揺さ振るヴィータに、ギルモンはそう返した……気がした。 だが、どういう訳か、自分の声は聞こえない。なんでだろう? 頭上に疑問を浮かべる。 だが、疑問と同時に、睡魔がじわじわと襲いかかってくる。 ギルモンには、もうそんな細かい事はどうでも良く思えてきた。 『ギルちゃん、ギルちゃん!』 ―――んー……誰ぇ? ギルモンは、どこかから聞こえる声に再び、うっすらと目を開けた。 正直言って、まだ眠かった。もっと眠っていたかった。 それでも自分を呼び起こす声に、瞼を擦りながらもなんとか目を開ける。 『あ、ヴィヴィオちゃん、おはよー』 『もう、ギルちゃんったら、もうお昼だよー!』 目の前にいるのは、緑と紅の綺麗な瞳を持った少女。 掛け替えの無い大切な家族―――ヴィヴィオだ。 『うーん……もうお昼なの……?』 『外、もうこんなに明るいんだよー? ギルちゃん寝過ぎだよー』 ―――そんなこと言ったって、疲れてるんだよぉ。 心の中で愚痴を漏らしながら、ギルモンはゆっくりと起き上がる。 そしてヴィヴィオに手を引かれながら、うとうとした両の目を擦る。 ――あれ? 僕、どうしてこんなに疲れてるんだっけ……? 暫しの間、ギルモンは座り込んで考える。 何か、凄い経験をしたような気がするけど……うーん、思い出せないや。 何だか、誰かと一緒に凄く強い奴と戦ったような…… 『ギルちゃん何してるのー? お昼ご飯冷めちゃうよー』 『あー、待ってヴィヴィオちゃーん』 ヴィヴィオに呼ばれた、ギルモンは、ヴィヴィオ達と共に暮らしていた洞窟の奥へと掛けて行く。 温かい食事。家族皆で囲む食卓に、ギルモンは幸せで、幸せで、胸が一杯だった。 願わくば、こんな平和な日常がいつまでも続けばいいな…… そんな事を思いながら、ギルモンは食事を頬張る。 家族で一緒に食べられる食事がこんなにも美味しいだなんて、今始めて気づいた気がした。 ギルモンは、ひしひしと、家族の絆のありがたみを、胸に刻んだ。 ギルモンの目の前にちょこんと座ったヴィヴィオは、可愛らしく小さなスプーンを口へと運んでいる。 『おいしいね、ヴィヴィオちゃん♪』 『うんっ、美味しいね、ギルちゃん♪』 ギルモンの声に、ヴィヴィオが返す。 その声の中には、一切の悲しみが存在しない。こんなに幸せな日々を送れたことに、感謝の気持ちで一杯だった。 そんなギルモンの顔は――いや、ギルモンだけではない。 一緒に食卓を囲むヴィヴィオの顔にも、これ以上無い程に幸せな笑顔が浮かんでいた。 もうこれ以上、ギルモンはこの幸せを、脅かされる必要は無い。 願わくば、いつまでも……いつまでも、こうして居られますように。 ギルモンは屈託の無い笑顔を浮かべながら、ヴィヴィオにほほ笑み掛けた。 その生を全うしたギルモンは、きっと新たなデジタマへと帰り、再びデジタルワールドに生まれるのであろう。 それはギルモンとしてでは無いかも知れない。 次はどんなデジモンになれるのか、それは誰にも解らない。 ギルモンの未来は、無限に広がっているのだ。 だが、ギルモンの想いは――願いは、決して消える事は無い。 ギルモンの心は、きっとこれからもヴィータと……そしてヴィヴィオを守り続けるであろう。 ヴィータのポケットの中に輝くテジヴァイスは、今もギルモンの想いを乗せ、小さな輝きを放ち続けていた。 【ギルモン@デジモン・ザ・リリカルS&F 死亡】 【残り58人】 勇気の選択 本編時間順 ギブアンドテイクの契約勇気の選択 本編投下順 ギブアンドテイクの契約 GAME START! ヴィータ - GAME START! キング - GAME START! ギルモン GAME OVER!狂奔する正義 八神はやて(StS) -
https://w.atwiki.jp/moriaps92/pages/111.html
(かくかぞく) 松尾のこと。 松尾家が核家族なのかは不明。
https://w.atwiki.jp/togazakura/pages/443.html
『神様家族』(かみさまかぞく)は、桑島由一によるライトノベル作品。 メディアファクトリー・MF文庫Jより刊行。 また、同作品を原作にした漫画、アニメーション作品。 イラストはヤスダスズヒト。 あらすじ (この作品のあらすじ アニメニュジュ制作の一言もあり サブタイトル (この作品のサブタイトル アニメニュジュ制作の一言もあり 登場キャラクター・声の出演 (神様家族の声優にも詳しくなれる?アニメニュジュの製作者の言葉? 神様家族の用語集 (神様家族の用語を説明する 神様家族の制作スタッフ (神様家族の制作スタッフの紹介 主題歌 (神様家族の主題歌 アニメニュジュヘ戻る