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器用8 7 5 4 3 2 1 0 -1 -2 器用 8 マッドサイエンティスト 7 隠居したメード、治癒師 5 ゲーマー、世界侍 4 ゲリラ、賢者、護民官、整備の神様、僧侶、チューニングマスター、追跡者、やわらか舞踏子 3 風の中心を探すもの、ギーク、強化新型ホープ、参謀、シオネ・アラダの守り手、侍女、精霊使い、特殊工作員、特殊部隊員、ハッカー、船乗り、砲兵、魔術的舞踏子、名医、妖精に愛されしもの 2 暗殺者、医師、宇宙艦長、幻影使い、高位東国人、高位南国人、工兵長、戦車兵、大魔法使い、テストパイロット、猫先生、名整備士、優しい死神、弓兵 1 ウォードレスダンサー、風を追う者、元気な舞踏子、西国人、式神使い、整備士、超薬戦獣、強い舞踏子、東国人、ドラッカー、ドラッグマジシャン、入院患者、忍者、猫の決戦存在、はぐれメード、法官、補給士官、星見司、魔法使い、名パイロット、吏族、竜士隊、理力建築士、理力使い 0 宇宙軍、学生、学兵、北国人、軌道降下兵、黒騎士、高位北国人、高位西国人、高位森国人、工兵、神官、聖騎士、生徒会役員、世界貴族、戦争の天才、大神官、偵察兵、南国人、猫神、猫柔術家、パイロット、秘書官、風紀委員会、舞踏子、ホープ、ぽちの騎士、魔術師に仕える者、森国人、龍の使い -1 犬、犬の神様、犬の決戦存在、犬妖精、王、ガンスリンガーメード、騎士、剣、剣士、拳法家、高位はてない国人、サイボーグ、銃士隊、世界忍者、大剣士、ドラゴンスレイヤー、泥棒猫、猫、猫の神様、猫妖精、ハイパーメードお局さん、はてない国人、バトルメード、歩兵、鞭の達人、略奪系考古学者 -2 竪穴に封印されし化け物
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外見6 5 4 3 2 1 0 -1 -2 外見 6 世界貴族 5 僧侶 4 王、大神官 3 シオネ・アラダの守り手、神官、猫神、秘書官、法官、やわらか舞踏子 2 犬、高位北国人、高位森国人、式神使い、侍女、泥棒猫、猫、はぐれメード、船乗り、魔術的舞踏子、弓兵、龍の使い 1 暗殺者、犬の決戦存在、犬妖精、宇宙艦長、学生、学兵、ガンスリンガーメード、北国人、剣、元気な舞踏子、拳法家、高位西国人、生徒会役員、世界忍者、戦争の天才、大剣士、強い舞踏子、特殊工作員、ドラゴンスレイヤー、猫先生、猫の決戦存在、猫妖精、バトルメード、風紀委員会、舞踏子、マッドサイエンティスト、名パイロット、森国人、竜士隊 0 医師、宇宙軍、風の中心を探すもの、風を追う者、軌道降下兵、強化新型ホープ、黒騎士、ゲーマー、ゲリラ、幻影使い、賢者、高位東国人、高位南国人、高位はてない国人、工兵、工兵長、護民官、西国人、参謀、銃士隊、聖騎士、整備士、整備の神様、精霊使い、世界侍、戦車兵、大魔法使い、チューニングマスター、治癒師、追跡者、偵察兵、テストパイロット、東国人、ドラッグマジシャン、南国人、入院患者、パイロット、はてない国人、ホープ、星見司、ぽちの騎士、歩兵、魔法使い、名医、名整備士、優しい死神、妖精に愛されしもの、吏族、理力建築士、理力使い -1 隠居したメード、ウォードレスダンサー、ギーク、騎士、剣士、サイボーグ、特殊部隊員、ドラッカー、忍者、猫柔術家、ハイパーメードお局さん、ハッカー、砲兵、補給士官、魔術師に仕える者、鞭の達人、略奪系考古学者 -2 犬の神様、竪穴に封印されし化け物、超薬戦獣、猫の神様
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幸運7 6 4 3 2 1 0 -1 -2 幸運 7 僧侶 6 賢者、猫神 4 宇宙艦長、ゲリラ、大神官、ぽちの騎士 3 軌道降下兵、黒騎士、高位はてない国人、シオネ・アラダの守り手、神官、聖騎士、秘書官、妖精に愛されしもの 2 式神使い、戦争の天才、星見司、魔術的舞踏子 1 犬の神様、犬の決戦存在、犬妖精、隠居したメード、ガンスリンガーメード、高位南国人、侍女、追跡者、特殊工作員、入院患者、猫の神様、猫の決戦存在、ハイパーメードお局さん、バトルメード、砲兵、補給士官 0 暗殺者、犬、王、学生、学兵、風の中心を探すもの、風を追う者、騎士、北国人、強化新型ホープ、ゲーマー、剣、幻影使い、元気な舞踏子、剣士、拳法家、高位北国人、高位西国人、高位東国人、高位森国人、護民官、西国人、参謀、銃士隊、生徒会役員、精霊使い、世界貴族、世界侍、世界忍者、大剣士、大魔法使い、強い舞踏子、東国人、ドラゴンスレイヤー、泥棒猫、南国人、猫、猫柔術家、猫先生、猫妖精、はてない国人、風紀委員会、舞踏子、船乗り、法官、ホープ、魔術師に仕える者、魔法使い、鞭の達人、森国人、優しい死神、やわらか舞踏子、吏族、略奪系考古学者、竜士隊、龍の使い、理力建築士、理力使い -1 医師、ウォードレスダンサー、宇宙軍、ギーク、工兵、工兵長、サイボーグ、整備士、整備の神様、戦車兵、チューニングマスター、治癒師、超薬戦獣、偵察兵、テストパイロット、特殊部隊員、ドラッカー、ドラッグマジシャン、忍者、パイロット、はぐれメード、ハッカー、歩兵、マッドサイエンティスト、名医、名整備士、名パイロット -2 竪穴に封印されし化け物、弓兵
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軌道降下兵 アイドレスWiKiの該当ページ 名称:・軌道降下兵(職業) 要点:・パワードスーツ・逆噴射の光・武装コンテナ 周辺環境:・地球上空 評価:・体格(評価3)・筋力(評価3)・耐久力(評価1)・外見(評価0)・敏捷(評価-1)・器用(評価0)・感覚(評価1)・知識(評価0)・幸運(評価3) 特殊: *軌道降下兵の職業カテゴリは派生職業アイドレスとして扱う。 *軌道降下兵はどんな高いところから落下しても判定に成功する。 *軌道降下兵は宇宙戦行為が出来、宇宙戦時に使用する判定で評価+2補正する選択が出来る。 *軌道降下兵は筋力、耐久力両方を同時補正する特殊に対して燃料消費を50%に出来る。 *軌道降下兵は近距離戦、中距離戦、遠距離戦行為をすることが出来、この時評価+1される。 →次のアイドレス:ジョニー=サザーランド(Hi-ACE)、宇宙の戦士(職業)、ルブランの設計(イベント)、宇宙機・バケツの開発(イベント) 派生元リスト 宇宙軍→サイボーグ 奥羽恭兵2→奥羽恭兵(プロモ前) 若宮泰光 白篭号(航空機・ステルス輸送機の開発で開発) ハイガード→希望号4号機(プロモ前)→国歌→その前南国人または北国人または東国人または西国人または森国人 コメント 所得タイミングが降下戦闘に間に合って良かったよなアイドレス。宇宙派生はかなり重要でありながら派生先が取れる国が少ないのでビシバシ取ってくれているのは感謝なものである。(旧コメント) 落ちても大丈夫。丈夫で長持ちザ……もとい降下兵。そういえば評価を比べた時に体格、筋力、幸運が高いって意味では落ちるのが成功するのには運も必要ってことなんだろうかね? ちなみに要点を見る限りは猫先生とは違い、それなりの装備で降下してるみたいだけど……ACEのみなし職業である場合……あまり深く考えない方がいいのかも?(というか、特殊使うような状況ならそれなりの装備してると考えれるけど)
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名前 ポルメリア級強襲航宙母艦(きゅうきょうしゅうこうちゅうぼかん) 別名 高速十字空母(オリジナルでの通称) 登場作品 宇宙戦艦ヤマトシリーズ(宇宙戦艦ヤマト2199) 所属 大ガミラス帝国宇宙軍 外部リンク 目次 基本情報概要 性能諸元(オリジナル版) 魅力ポイント! 基本情報 概要 TVアニメ『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場するメカ。 作中に登場する敵対勢力である『ガミラス』に属する『宇宙空母』である。 オリジナル版における「高速十字空母」のリメイク版であり、発進前のヤマトへの威力偵察や、親衛隊所属艦の惑星オルタリアへの攻撃で登場。 性能諸元(オリジナル版) 全長: 全幅: 兵装: その他: 引用元サイトより 魅力ポイント! オリジナルの"高速十字空母"のリメイク艦。外見的相違はほぼなく、ガミラス軍が保有する艦艇の中でもひときわ発想が飛んだ戦闘艦艇である。何処が特徴的かと言えば、何と言ってもその外見。円盤に四本の突起を取り付けた様な、いわゆるイトマキヒトデを模したような外見にあろう。 推進力らしきものは見えず、ひたすらクルクル回りながら航行するという見た目にして滑稽な艦艇だ。回転させる必要性がある理由は一切不明で、しかも艦載機を発艦させるときには、一端回転を止めてから四本の突起部下面から発艦させる必要性がある。何故わざわざ回転させるのか・・・・・・。 加えて艦載機の発艦方法も独特すぎており、ブーメラン型の艦載機であるが故に発艦させるときには縦長の発艦口に対して横向きに発艦させるのである。 開発者は何をとち狂ってこんな斬新なデザインにしたのだろうか...? しかも見る限り、ガイペロン級と比べると、こっちの方が新型っぽい。 ちなみに、「ポルメリア」という名前は、ガミラスの「ポルメリア高原」という地名に由来するらしい。なお、ガミラス語には『ポルメリア高原語族』なる方言があるらしい。
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168 :ひゅうが:2014/12/19(金) 23 24 05 惑星日本ネタ―――「水星(火星)年代記のようなもの」 その7【前夜】 ――西暦1866年、大日本帝国は国家元首の交代を宇宙庁の管制室から発表した。 健康上の都合から退位を表明し、先帝、のちに孝明天皇と諡号されることになる「吹上院」は、皇室の伝統にのっとり学問好きの人物であった。 月(イザナミ)の「大和雪海(月の銀色が雪のように見えたから命名された)」へと降り立った4名の飛行士の中には帝国学士院に所属する地質学者と天文学者が含まれており、それが彼の好奇心を刺激したのである。 このとき、月への人類到達を第一目標としていた「月天計画」は完全な国策としての承認を得たといってもいい。 当時、政権外部からは巨額の費用をかけて行われる宇宙計画の予算を重福祉政策へと転用すべきという意見も根強く存在していた。 (ただしそれだけですべてが賄えるわけではなく、軍事力全廃も同時に主張されていたあたりが夢想的であった。) だが、そんな人々も消極的に沈黙させる力を院の熱のこもった質問は持っていた。 往復2.5秒ほどの時間差を経て月と地上でかわされる熱いやりとりは、予定を上回る十数分にも及んだからである。 さらには、皇太子であった睦仁親王が目を輝かせてこれにかわったとき、政府上層部とその諮問機関の人々は自らの勝利を確信した。 少なくとも半世紀は、日本政府は宇宙空間の開発に努力する必要が生じたのである。 そして、その間に宇宙計画の必要性は切実なものになるはずだった。 月天13号が月の表面において「沼鉾の岩」と呼ばれる水星誕生の頃の岩石を手にして地球へ帰還したとき、地球上では「応用月天計画」と呼ばれる発展プランが進行中であり、ノズルクラスタリングがなされた新型ロケットエンジンと将来的な惑星間航行用の反応動力ロケットエンジンがテストを終えていた。 計画では、10年(地球年で15年)以内に宇宙庁は恒久月面基地の構築を開始し、蒼星や木星への無人探査を実施。 25年(同37.5年)以内に惑星間有人往還飛行を実施することとされていた。 そしてその切り札と目されていたのが、月天計画で使用された「月天Ⅲ」型ロケットの増強型となる「月天Ⅴ」型ロケットと、地球軌道打ち上げ能力500トンに達する超大型打ち上げ機「八咫烏」だった。 エンジン開発に多大の困難を伴い、一時は開発凍結すらささやかれたこのロケットは、4つのノズルを1つの大型ターボポンプで束ねることでノズル1基あたりの負荷を軽減し大推力と安定性を両立した新型エンジンを採用していた。 計画段階で本格的な再利用型宇宙往還機の開発を断念し、その予算も注ぎ込むことでようやく完成の時を迎えたロケットエンジンはさっそく月天計画に応用され、トラブルや小事故を繰り返しつつ5年がかりで洗練されていく。 以後数十年を帝国宇宙庁はこのロケット二本立てで推進していくことになるのである。 一方世間が華々しい宇宙開発の成功に沸いている頃、国防総省の中にこの年新たな部局が成立する。 統合軍令本部直轄の独立組織として「宇宙軍」が成立したのである。 陸軍航空隊と海軍基地航空隊の一部が発展解消し空軍が成立する際にとられたのと同じ手続きでありこれは将来的な独立宇宙軍を設立することが内示されていたともいえる。 だが、基本的に日本帝国政府の中では最も仕事をしないといわれ、またそれを誇りとしていた国防総省の中ではそれは小さな動きにすぎなかった。 とりあえず行われたのは、軌道上をまわる観測衛星の管轄移動と宇宙空間観測態勢の強化だった。 それさえも宇宙庁の中で進行中だった水星外知的生命体探査計画の一つの口実であったとさえ当時は言われていたのである。 さしあたっては、電波望遠鏡による全天観測態勢の整備が開始され、少なからぬ人員が宇宙庁と宇宙軍の間で行き来する。 のちに、彼らは大きな歴史的転換点に立ち会うことになる。 169 :ひゅうが:2014/12/19(金) 23 24 37 この時代、大日本帝国の交通網は全球を覆いつつあった。 また、人工衛星を通じた衛星中継の進展もあり、通信や放送のデジタル化も進行。 携帯電話の本格的な普及が開始されたのもこの時代である。 当初は大陸間横断鉄道や高速鉄道用の移動体通信として開始された携帯電話の開発は、1870年代中盤に至ると半導体集積回路の小型化とあわせて小型化が進行。 当初はショルダー型だった機械も、1878年の厚さ4センチ機の実用化をブレイクスルーとして1880年には折り畳み式のものが、そして1890年にはタッチパネル式のものが実用化。 同時期に全世界を覆った光ファイバー通信網や、環球通信網(インターネット)の普及とあわせて情報化社会の構築が電子政府化の推進とともに国策となっていった。 人口が10億人に近づきつつある中にあって、効率化の推進は政府運営コスト低減のために必須と考えられていたのである。 のちに開示された政府諮問機関「総研」の提言によれば、この時期に異常なまでに通信網の整備や宇宙開発に予算が注ぎ込まれたのは、 「蒼星(地球)側の技術開発進展前に通信の単位(デジタル)信号化により暗号化を推進するため」 「宇宙空間での機動戦闘能力の獲得により国防態勢の整備を先行して完成させるため」 であったという。 取り越し苦労と思われていたこの計画も、結果からすれば奏効したことは後世の我々からみればよくわかることだろう。 のちの地球側が水星へ抱いたそれと同様に、水星側もまた蒼星(地球)へ同じくらいに危機感を抱いていたという好対照であるともいえる。 同時代、地球では列強による世界分割が最終段階に入ろうとしていた。 最初の恒久月面基地「桂花」が稼働を開始し、月面での資源調査が開始されたのと同じ西暦1880年、南アフリカでは第一次ボーア戦争が開戦。 その隙をみてロシア帝国は中央アジアと極東における南下政策を本格化させ、極東の高麗半島ではフランスと米国が武力を行使して強引に李氏朝鮮を開国させることに成功していた。 東アジアの地域覇権国家だった清朝は改革の端緒についたばかりだったが、その間にベトナムや朝鮮王朝などの外郭を列強に奪われつつあり、いずれはアヘン戦争のような本格的な激突が起こることは容易に予想されていた。 俗に「世紀末」と呼ばれるこの時代、欧州では植民地から吸い上げられた富と国内の中産資本家階級の勃興に伴い文化的な爛熟期を迎え、過剰なまでの装飾が施されたネオ・シノワズリ(新清国風)建築が新古典様式建築とならびたっていた。 オーストリアのヨハン・シュトラウス2世の手による「美しき青きドナウ」が一世を風靡したのもこの時代である。 列強諸国の船舶はほぼ機械化が完了し、スエズ運河に続きパナマにも運河の建築が開始され世界は狭くなっていく。 はるか1億キロ近く離れた水星で同時期に大洋間超音速航空路が敷設され、建築もガラス張りの無機質一辺倒からジャパニーズ・ゴシックと呼ばれる尖塔形式の超高層と復古欧州式と呼ばれる赤レンガ装飾建築の二本立てへと移行しつつあったのは文化的にも興味深い。 20世紀を前にして、二つの星の人々はまだ互いの存在を知らない。 だが、西暦1887年、そんな時代の終わりを告げることになるひとつの発明がニュージャージー州ミドルセックス郡の片田舎メンロパークにおいて産声を上げる。 発明者の名前は、トーマス・アルバ・エジソン。 翌年、それをさらに発展させた技術がハインリヒ・ヘルツの手により実用化された。 蒼星の人類は、空間を伝播する電波を自ら発生させることに成功したのである。 同じ年、5年後に予定された有人往還飛行のための地ならしとして、水星から3機の探査機が内惑星系へと旅立った。 機体には着陸機が搭載されており、母機である巨大なアンテナを背負った軌道探査機は蒼星の上空200キロへと投入されて精密観測を実施する予定であった。 同時期に、資源量のわりには軌道脱出速度が蒼星ほどシビアではない木星の衛星系へと送られた探査機群とは違って、この探査機はロマンや生物学的知見以外を期待されていなかった。 ――衝撃は、すぐそばまで迫っていた。
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(器用+知識)÷2+詠唱補正 詠唱 7 治癒師 6 大魔法使い、マッドサイエンティスト 5 賢者、チューニングマスター 4.5 ゲーマー、世界侍 4 整備の神様、精霊使い、僧侶、砲兵、魔術的舞踏子 3.5 ギーク、幻影使い、魔法使い、妖精に愛されしもの、理力建築士 3 隠居したメード、宇宙艦長、風の中心を探すもの、参謀、シオネ・アラダの守り手、特殊工作員、ハッカー、理力使い 2.5 ゲリラ、護民官、追跡者、星見司 2 風を追う者、強化新型ホープ、工兵長、侍女、世界貴族、大神官、秘書官、船乗り、法官、補給士官、名医、名整備士 1.5 暗殺者、医師、戦争の天才、テストパイロット、特殊部隊員、優しい死神、やわらか舞踏子 1 ガンスリンガーメード、高位西国人、高位東国人、高位南国人、高位森国人、式神使い、整備士、戦車兵、猫の決戦存在、はぐれメード、名パイロット、吏族 0.5 ウォードレスダンサー、北国人、高位北国人、工兵、西国人、神官、超薬戦獣、偵察兵、東国人、ドラッカー、ドラッグマジシャン、入院患者、忍者、猫神、猫先生、パイロット、ホープ、鞭の達人、森国人、弓兵、略奪系考古学者 0 宇宙軍、学兵、軌道降下兵、黒騎士、元気な舞踏子、聖騎士、強い舞踏子、南国人、ぽちの騎士、歩兵、竜士隊、龍の使い -0.5 学生、高位はてない国人、サイボーグ、生徒会役員、猫柔術家、はてない国人、風紀委員会、舞踏子、魔術師に仕える者 -1 犬、犬の神様、犬の決戦存在、犬妖精、王、騎士、剣、剣士、拳法家、銃士隊、世界忍者、大剣士、ドラゴンスレイヤー、泥棒猫、猫、猫の神様、猫妖精、ハイパーメードお局さん、バトルメード -2 竪穴に封印されし化け物
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戦争一覧とは、大宇宙連合会議加盟国のいずれかの国が参加した戦争の記事についての一覧である。本稿では大宇宙の歴史上重要視される小規模紛争や武力衝突についても述べる。 目次 ラヴェルト時代ボルガード・ラヴェルト諸国戦争 帝国時代エルミア革命 革命時代ベリオン・リーエス戦争 シ=ギーラム事変 連合会議時代ゲフレイバール事件 ゴルギア戦争 第一次宇宙大戦ジエール・サーヴァリア戦争 第一次グロスクロイツ・ベリオン戦争 通信時代サーヴァリア革命 アクース内戦 リスヒューメ独立戦争 アンドロイド時代マーカス内戦アポラ動乱 サイバー戦争第一次スラーン宙域戦争 天嶺企業クーデター 反動時代第二次宇宙大戦シャグマ=ラゴン戦争 ファルトクノア内戦 狂識時代第二次ジエール・ヴァルエルク戦争第二次ヒェルニエ戦争 天嶺内乱 サッコレ動乱 第一次レーウス戦争 関連項目 ラヴェルト時代 ボルガード・ラヴェルト諸国戦争 時期:1421~1425年 ラヴェルト連合がラヴェルト諸国連合の第一共和政エルミア、スベール国、リーエス共和国に対して行った征服戦争。 1425年にラヴェルト連合内部での革命のためラヴェルト諸国連合の勝利。 この戦争で第一共和政エルミアは発言権を増し、エルミア帝国の建国と周辺諸国の従属化を行った。 帝国時代 エルミア革命 時期:1537年 エルミア帝国に対し様々な民族が蜂起した同時多発的な革命である。現時点では大宇宙の歴史において最も大規模な紛争に位置づけられる。 この革命によってエルミア帝国は滅亡。ドルムント共和国(現在のドルムント最高議会)、第二共和政エルミア、グロスクロイツ社会主義共和国連邦、ヴィッテンクレイル神国、タプナパキ王国、リーエス連邦、ベリオン共和国が成立。大宇宙連合会議設立のきっかけとなる、革命連合による秩序をもたらした。 革命時代 ベリオン・リーエス戦争 時期:1606~1613年 ベリオン共和国がリーエス連邦のエルミア革命後の領土配分を不当なものとしたことがきっかけで勃発した侵略戦争。 ベリオン軍の宇宙戦闘機戦術でリーエス軍が撃破され、降伏。ドルムント共和国(後のドルムント最高議会)、エルミア共和国らの仲介により講和条約が締結された。 これが発端となりリーエス連邦の無期限鎖国政策が行われ、一方で勢力均衡と平和維持のために1623年に大宇宙連合会議がドルムント共和国とジエール帝国連邦の協力の下、設立された。 シ=ギーラム事変 時期:1618年 ジエール帝国連邦がニーネン=シャプチ領シ=ギーラムを領有したことで生じたファーストコンタクト時の武力衝突。 ジエール側はケルスト合意によって和解し、ニーネン=シャプチ側のシ=ギーラム領有を認めた。 連合会議時代 ゲフレイバール事件 時期:1629年 エールミトナ星系第8惑星の軌道上で勃発したニーネン=シャプチがロフィルナ連邦共同体にファーストコンタクトを試みた際の武力衝突である。 武力衝突ではニーネン=シャプチ側がロフィルナ連邦宇宙軍の旗艦の艦内に突入し終了した。 その後の交渉では友好関係を築くための基盤が整備され、結果的には亜人盟約発足のきっかけを作った。 ゴルギア戦争 時期:1641~1660年 1641年のボルガード人政治組織ゴルギアが大宇宙連合会議に対しボルガード人国家の建国を国際的に承認しなかったことへの報復行動として開始された一連のテロ事件の鎮圧作戦。 第一次宇宙大戦 詳細については第一次宇宙大戦を参照 ジエール・サーヴァリア戦争 時期:1683~1694年 ヒューヴルの領有権を主張したサーヴァリア王国連邦がジエール帝国連邦に対して行った戦争。 1679年に発生したダーケフオス危機の食糧危機問題と経済不況の影響を受けてレーウス諸国の関係が悪化したことが戦争のきっかけとなった。 戦争はサーヴァリア・ヴァルエルク連合軍有利であったもののエルナー・ゲリテーンの戦いでのウイルス・パンデミックにより甚大な被害を被ったため、リーファイ休戦協定を締結。後のリーファイ平和友好条約で白紙講和に調印した。 この戦争によってサーヴァリア王国連邦は大きく疲弊し、1710年のサーヴァリア革命の発生によって企業による統治が行われるようになった。また、ウイルス・パンデミックは大量破壊兵器への国際的な関心が高まり、1710年のギゼヴトラ・ZHL条約の締結につながった。 第一次グロスクロイツ・ベリオン戦争 時期:1684-1693年 1683年にベリオン政府はゾラック星政府とグロスクロイツとの結びつきを断つために惑星ゾラックで高級将校による8月クーデターを成功させ、ベリオン寄りの政府を樹立した。このクーデターに危機感を抱いたグロスクロイツは報復としてベリオンに対して14月禁輸を実施。当時食料をグロスクロイツから輸入していたベリオンはこの経済制裁に猛反発するものの最終的に撤回されなかったため、1684年3月19日、ベリオン共和国首相ダムラクはグロスクロイツ社会主義共和国連邦に対して戦線布告。 ベリオン艦隊はグロスクロイツ領ダヴラムイ星系を電撃的に占領するが、グロスクロイツ艦隊の熾烈な抵抗に遭い、戦局は膠着。リーエス連邦がベリオンに対する参戦をチラつかせたため、現状追認による白紙講話としてブラーメル終戦協定を締結する形で終戦を迎えた。 通信時代 サーヴァリア革命 時期:1710年 アクース内戦 時期:1733-1735年 リスヒューメ独立戦争 時期:1738-1740年 アンドロイド時代 マーカス内戦 時期:1740-1747年 アポラ動乱 時期:1743-1747年 サイバー戦争 時期:1759-1779年 第一次スラーン宙域戦争 時期:1768-1771年 天嶺企業クーデター 時期:1775年 反動時代 第二次宇宙大戦 シャグマ=ラゴン戦争 時期:1785-1790年 ファルトクノア内戦 時期:1798-1809年 狂識時代 第二次ジエール・ヴァルエルク戦争 時期:1830-1835年 第二次ヒェルニエ戦争 時期:1849-1850年 天嶺内乱 時期:1850年 サッコレ動乱 時期:1856年? 第一次レーウス戦争 時期:1857-1869年 関連項目 大宇宙の歴史
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星を継ぐもの(1977) 創元社SF文庫 1981年度星雲賞海外長編部門賞受賞作 ジェイムズ・P・ホーガン 05/06/06担当:ちゃあしう 1・作者紹介 ジェイムズ・パトリック・ホーガン 1941年ロンドン生まれ。航空機関連からコンピューターセールスへ転向。いろいろな理系企業を渡り歩き、その後アメリカへ移住。「2001年」に触発された処女長編「星を継ぐもの」でデビュー。 2・代表作 「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」「内なる宇宙」「Mission To Minerva(未訳)」 以上が「巨人たちの星」シリーズ。その他、「終局のエニグマ」「創世記機械」「量子宇宙干渉機」 「未来の二つの顔」「断絶への航海」「時間泥棒」「未来からのホットライン」「プロテウス・オペレーション」 「造物主の掟」「造物主の選択」「マルチプレックス・マン」「インフィニティ・リミテッド」「ミクロ・パーク」 そして(日本における最新作)「揺籃の星」など 3・あらすじ 大型企業複合体IDCCの一科学部門、メタダインに勤めるヴィクター・ハント博士にUNSA・国連宇宙軍からお呼びがかかる。月面基地の建設現場で真紅の宇宙服を着た死体が発見されたのだ。コードネーム「チャーリー」と名づけられた死体とその所持品に対して直ちにあらゆる角度からの調査が開始される。所属:不明。身元:不明。死因:不明。死亡推定時刻:5万年前・・・ 謎が謎を呼ぶ調査。新たな事実はまた新たなる謎を生む。果たしてこの死体の謎はすべて解明されるのか?そして、木星ガリレオ衛星群のひとつ、ガニメデの氷河の奥からも、宇宙船の残骸が発見される。その関連は? 4・登場人物など ヴィクター・ハント 原子物理学者 トライマグニスコープを開発 UNSAに出向 後に転職 クリスチャン・ダンチェッカー 生物学者 絵に描いたような偏屈・意固地な科学者だが、おいしいところは・・ グレッグ・コールドウェル 国連宇宙軍航行通信局ナヴコム(NAVCOM?)本部長 柔軟で臨機応変な上司 リン・ガーランド コールドウェルの秘書 さまざまなグループの連絡役も勤める ドン・マドスン 言語学者 ルナリアン語解読に力となる 通称「風狂専門馬鹿」 ロブ・グレイ メタダイン工学部長 ハントの(いちおう)相方 「チャーリー」 月面で発見された「ルナリアン」第一号 セルター基地整備員として配属される コリエル 「チャーリー」の相棒(こちらは本名) 巨漢で賭け好き。女に目がない 「シリル」 人類と類人猿とのミッシング・リンク(注:失われた輪(リング)ではない 5・テーマ・考察 多くのヒトが「星を継ぐもの」は本格ミステリーである!と評論している(考古学SFと見る人もいる)。最近は小野不由美推薦!なんてオビがついてますな。実際、謎が提示され、その解明だけがメインのSFというのは珍しい。近年の作品群のように謎がぽんぽんと掲示されては、答えを暗示するだけで解明されずに終わるなどということも無く、続編につながる部分以外種明かしが行われる。もちろん謎の解明にはそれなりの理論付けが行われ、読者に対して非常にフェアである。登場する科学技術の背景もトライマグニスコープ・超融合爆弾・反物質大量破壊兵器アニヒレーター・ガニメアンの駆動システムなどを除けばそれほど現在のものと外れていない。少々強引なところ(体の構造から重力場を推測し、太陽までの距離を測る、月と地球の引力に関するいくつかの表現etc)などもあることから、「星雲賞でこれをハードSFとして推薦した人間は(以下検閲により削除)」(石原藤夫・SFマガジン82年6月)などと悪口を言う人間は存在するものの、謎へのアプローチが多面的かつ科学的なところはなかなか。まぁ、別にハードSFとして読まなくてもいいんだと私は思うのですが。 謎解きのメインはルナリアンの起源について。ルナリアンは人間に極めて酷似した外観を持ち、骨格・酵素等もほぼ現在のホモ・サピエンスと同等である。しかし、地球上には「5万年前の超古代文明の遺跡」は存在しない。ハントが地球外起源、ダンチェッカーが地球起源という視点で謎に迫っていく。「進化は結果的に似た究極の理想形を生み出す(例:魚類のサメ・哺乳類のイルカ・爬虫類のイクチオサウルス)」という考え方については現在も議論が尽きないので一概に地球外起源は否定できないとは思うが、教授が缶詰の魚の骨格を、ガニメアン骨格と対比・対応してゆくさまはお見事。(ルナリアンが缶詰にしていたということは、今の地球人もミネルヴァの魚料理が食べられる?) はじめのシーンは、古典的未来アイテム:エアカーにVTOL旅客機が登場し、紛争は減少してその分を宇宙開発につぎ込む国連宇宙軍UNSA(注:谷甲州の航空宇宙軍のような純軍事組織ではない)が誕生している、とあまりに明るい未来を描きすぎな印象があるが、その後のハント・グレイ・スタインフィールドといった「理系人間」の生態をつぶさに描いているところは興味深い。ぜひご自宅のコーヒーにも「酸化第二鉄」のラベルを…という冗談は置いておいて、ハントの進学・就職・移籍などの部分はホーガン自身の人生経験が反映されているそうだ。ダンチェッカーは往年のチャレンジャー教授(注:コナン・ドイルのSF的作品に登場する万能科学者。専門は何だ?)的な古典SF的科学者そのもので、彼の偏屈さと洞察力が強調されてるだけなのは少々残念。彼の素顔ももうちょっと描いてほしかったところだ。それでもラストの「解決編」で主役を食ってみたり、慣れない冗談を言おうとしてみたりと大活躍。がんばれ主人公!(違) 研究や分析ばかりで無味乾燥な文章になりがちかと思わせて、「チャーリーの日記」という重要アイテムをすえてくるところはうまいと思う。宇宙戦闘描写などは「本家」にはかなわぬものの、種族の生存だけを目的に、最終戦争へと向かっていった自分たちをむなしく思いながら筆を置いた日記のラストはなんともいえない余韻を残す。個人的にはコリエル関連のエピソードがもうちょっと読みたかったがな!とくに通信隊の…(ぉ) そしてラストのダンチェッカー教授による種明かしとエピローグ。ここで初めてタイトルと内容との繋がりがはっきりする――”Inherit The Stars”「星を継ぐ者」。”Star”でも”The Star”ではなく、”The Stars”だ。「継ぐ」のは決してこの小さな水玉ではないのだ! ダンチェッカー教授の言葉を「超人間中心的な利己的発言」ととるか「人間の無限の可能性をあらわした素晴らしい発言」ととるかはヒトによって分かれるかもしれないが、とにかく、これこそが「センス・オブ・ワンダー」なんだっ、文句あるか!と私は言い切ってしまいたい。 これはこれで話として十分なラストを迎えたわけだが、話はまたまたダンチェッカーの独演会のために、もとい、別の謎の解明のために次回作、「ガニメデの優しい巨人」へと続くのである。これは次回のお楽しみ。 6・コレに興味を持ったヒトにすすめる作品 もちろんホーガン作品はぜひ。 エドモンド・ハミルトン「虚空の遺産」 月面で古代の軍事施設が発見された。どうやら人類はかつて太陽系に広がる帝国を築き上げていたらしく、さらに大宇宙に挑もうとしていた矢先に宇宙の敵に先制攻撃を受けて文明を喪失したらしい。大宇宙の謎を求めて、探検隊は残されていた超光速宇宙船で出発するのだが・・・スペースオペラの大家の描く異色作。 グレゴリイ・ベンフォード「夜の大海の中で」 突如軌道を変更し、地球への衝突の危機が迫る特異小惑星・イカルス。ナイジェルは火星探査ミッションへの参加の予定を変更され、爆破のためにイカルスへ赴くが・・・ 一人の科学者の生き様とその人生の節目ごとに太陽系に出現する謎の無機物体の調査を描く。こちらも実は人類の… あと、解説で言及されているアルジス・バドリス「無頼の月」はSFマガジン1961年8月~11月号に連載されているそうだ。物質転送機を使って即死トラップ満載の月の遺跡に挑む話(だが、実際は違う)らしい。でも抄訳。 7・少々ネタ談義 タイトル 傾向と対策 映画:「機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者」 TV:ジーンシャフト第一話「惑星を継ぐ者」 漫画:戸田尚伸「惑星を継ぐ者」 TV:ふしぎの海のナディア最終話「星を継ぐ者」などなど 「Z」で継ぐのは何だ?もしや予告編に出てきた木星? やっぱりあるある翻訳上の注意点 「スカイライン」=「地平線」、タイコ=ティコ(チコ)・クレーター かの石板(*1)発掘地点 「アニヒレーター」(Annihilate 全滅・壊滅させる Annihilation 物質・反物質の対消滅を意味する)(*2) 「原理と機能を一言で表している」といわれても、ちゃんと解説しないと分からんと思うがコレ。第一、英語でそうなっただけのような。 「ファーザー・クリスマス」 サンタクロースの俗称(おもにイギリス) その男、所属不明につき 「それは歴史の中で隠蔽された過去の宇宙飛行士では?」なんて言葉も期待してたんだが。 しかし、真紅の宇宙服って月面での戦闘では目立つ。整備班専用なのか(でもコリエルの戦闘服は青)実は殺る気満々で、戦闘力当社比30%増なのか。「2001年」のボーマン船長を参考にしたというのが一番かも。 ルナリアン SF世界では、月の住人は「ルナリアン」が標準(プラネテスのノノ、ガンダム0083のニナも自らこう名乗っている)。ウエルズの作品での月の住人は「セレナイト」。ムーリアン・ムーシャンは少々語呂が悪いので使用されない…のだろうか。ムーンレイスなんて言い方もあるが。 トライマグニスコープ ニュートリノビームで内部を透視する機械は鈴木光司「リング」シリーズの三巻目「ループ」にも登場する。「ループ」はヒトガンウイルス・人工生命といいネタは持ってきてるんだが、それまでの「リング」「らせん」の世界を「(検閲)」にしてしまうのはいかがなものか。とにかく、現在の技術ではニュートリノを捕らえることそのものがなかなか難しいので実用化は難しいだろう。あらゆるシールドを貫通する通信手段としてなら有望かも ちなみに、私はリング・らせん・ループをSFとして興味深く読みましたが、映画版は見たことがありません(何) プロローグ 折りたたみテントやヘルメットの飲食用チューブ(通例、自殺用の毒薬なんかも入ってたりする)の記述は無いが、チャーリーやコリエルたちはどうやって月面(基地外)で缶詰や食糧コンテナの中身を食ったのだろうか? ちなみにコリエルが「巨人」とされているのは、決して彼がガニメアンだからではない。 ルナリアンの「巨人伝説」 記述を見る限り、ルナリアンは自分たちの進化の途中に去っていった巨人たちを何らかの形で記憶していた? なんとなく「オーバーロード」(幼年期の終わり)とかを思い出させる設定ではある。 エピローグ SF映画なんかでありそうな展開。オーパーツ(その時代にあるはずのない遺留物 Out Of Place ARTifacts)ネタ。 このラストについて、センス・オブ・ワンダーの「駄目押し」とする好意的な意見が巻末に出ている一方、「SF的に大きな落とし穴」と評する動きもある。(「プロテウス・オペレーション」巻末 川又千秋の解説より) 別にそこまで悪いと思わないがなぁ。ちなみに、「2001年」に影響を受けながら、ここは「3001年」を先取りしてるかも。 2018.11.22 Yahoo!ジオシティーズより移行 http //www.geocities.jp/tohoku_sf/dokushokai/inherit_the_stars.html なお、内容は執筆当時を反映し古い情報に基づいていることがあります by ちゃあしう
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546: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 39 06 大陸ガンダムSEED支援ネタSS 「B-Day」 Main Staring: Federation Atlantic Space Corps,Federation Atlantic,O.M.N.I.Enforcer Green・Wyatt (Vice admiral) Christopher・Lennox (Commander) 23th Special Unit,Federation Atlantic Forces,Federation Atlantic,O.M.N.I.Enforcer William・"Old”・Hunter (Captain) Special Squadron“Thunder Bolt”,Pascific Union Space Force,Pacific Union,O.M.N.I.Enforcer Io・Fleming (Ensign) Cornelius・Qaqa (Chief petty officer:maintenance technician) Vincent・Pike (Commander) Edgar・Burroughs (Colonel) Kasumi・Sajou (Major) Karia・Mitchum(Captain:co-medical Staff) Original:Mobile Suit Gundam SEED Arranged by:ナイ神父Mk-2氏 Special Thanks:時風氏 Written by:弥次郎 地上戦線の終結と、宇宙戦線への移行。 それは、ついにザフトが地球連合の攻勢を支えきれなくなり、地上から叩き出された、ということを示す。 これまで何とか支えていたものが、ついに決壊した。あとは、決壊した堤防がそうなるように、一気に崩れゆくのみ。 僅かに生まれたインターバルを利用し、各国は次なる宇宙での決戦に向けて動き出していた。 オーブ攻防戦とボアズ攻防とを結ぶ円環の一部。 宇宙開発の始まりともなったL1宙域をめぐる大規模作戦。 これは、宇宙という戦場を駆け抜けた戦士たちの記録である。 月 大西洋連邦 月面基地 アルザッヘル基地 上空宙域 月の弱い重力が届きにくい、アルザッヘル基地上空の宙域。 ほぼ無重力のこの宙域には、連合の宇宙艦艇が浮かんでいた。 さながら、空間に浮かぶ小さなガラスの器のようなもの。実際のところ、宇宙というあまりにも大きな、そして無慈悲な空間に対して、高々300mにも満たないような艦艇というのは、極めて便りのないものなのだ。また、その器も、うっかりすれば月の重力にとらわれ、墜落し、粉々に砕け散ってしまうことだろう。月の重力は地球に比べて弱いとは言うが、実際にはその重力は地球の潮の満ち引きに影響を与え、宇宙から飛来する隕石を地球ではなく月面へとコースを捻じ曲げるほどの影響力を発揮している。 まあ、地球と違って一歩間違えば燃え尽きてしまう大気圏に突入することもなく、落ち着いて上方へのベクトル変更を行えば、特別な装備はなくともとりあえず着地は出来るのだから、難易度としてはかなり低い部類だ。 そして、浮かんでいる宇宙艦艇は地球連合を構成する大西洋連邦宇宙軍の所属となる艦艇だった。 数は合計で7隻ほど。中には、ザフトの艦艇を鹵獲し、改装し、自軍の艦艇として仕立て上げたイングランド級がおり、それらを取り巻くのは、大西洋連邦系のMSだ。直線を多用した量産性と性能と拡張性を喧嘩させずに落とし込み、史実以上に量産されたまさにマスプロダクトの鑑と言える産物。 さらにMSだけでなく、航空機ならぬ航宙戦闘機といえるMAも飛び交っていた。 大西洋連邦の現行の、少なくとも地上での運用や宇宙における研究運用においてはMAとMSはある程度の棲み分けを以て連携し、ザフトのMSに対して対処する、という方針で行動していた。敵機及び敵艦の索敵と発見、MSを凌ぐ速力によるインターセプト、弾幕の形成などなど、あらゆる方面でのMAとMSの連携は研究されていた。 本来ならば、MSによる集団戦と平押しでごり押したことだろう。 実際、それで間違っていない。史実においては、それでヤキン・ドゥーエの決戦まで勝ち進んだのだから。 ジェネシスの存在や三隻同盟などのイレギュラーを除けば、そしてザフトのエースラウ・ル・クルーゼの奮戦が無ければ、それこそプラントなど残骸になり果て、コーディネーターの持ちたる国は消え失せていたことだろう。 されど、この世界では、それ以上にいたろうとしていた。 「んっ…と」 くっと、独特の圧力が体にかかる。 それはひどく懐かしい。MSと違い一方から強く押し寄せるのは直進を基本運動とする航空機特有だ。 ウィリアム・“オールド”・ハンターは久しぶりに航空機の、航宙機の操縦桿を握りしめていた。 非常にシンプルな計器類、HUD、見慣れた配置の操縦桿。違うとすれば視野が広く保てるようにモニターが大きくとられており、機体のコンディションを映す表示が複雑ということか。ただ、複雑ではあるが見やすさが損なわれているということはない。 549: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 45 16 (いい機体だ) ハンターは、乗り込んでいるMA「スクィッド」をそう評価する。 火力、速力は非常に高い。若干機動性というか、格闘戦には不向きなところもあるのだが、そこはそれ、だ。 大気圏内の航空機のようなエアブレーキが出来ない代わりに、逆噴射をする必要があるというのが違う点だが、それでも航空機よりも自由度が高い。上下左右の区別が客観的には存在しないということは、自由な方向転換ができるということである。 また、大気圏内においては高度によって発生する保有する運動エネルギーの差異がないということも厄介だ。 いつもの癖で下方向への退避を選ぶと、先読みされて置き撃ちされるだろうという予感がある。 一方で、とハンターはモニターに表示されているMSを見やる。 そこに表示されているのは大西洋連邦のMSであるストライクダガーだ。 正確に言えば、初期型からのバージョンアップモデルであるA2型である。 乗り込んでいるのは、第23特務隊に配属された地上戦線から先行して宇宙に上がったパイロット達。 ストライクダガーは性能が抑えめであるが、一方、極めて素直で、スタンダートな仕上がりのMSであった。 何しろ宇宙空間でのMS操縦を行うというのは、かなり難易度が高いので、そういった機体の方が訓練には向いている。 一番マシなのは、航空機パイロットだ。少なくとも上下左右に存在する幅広い空間を動く術を身に着けているのだから。 しかし、一番まずいのは陸軍の戦闘車両の兵や歩兵たちだ。彼等は地上でMSを運用する分にはよかった。 ファランクスを構成し、地面を動き、敵を捕捉し、射撃を行う。それだけでザフト相手には十分戦力となれたのだ。 だが、宇宙ではファランクスは立体的に攻められるが故に、懐に飛び込まれやすくなり、地上よりもやや不安が残る。 宇宙軍が嘗て行った通商破壊では、ザフトも対ファランクスの戦闘技術を得ており既に実施されつつあることが確認されており、なおのこと散兵戦術への進歩が急務となっている。勿論パイロットの錬度が足りなければこうした集団戦を選ぶのは間違いではないのだ。 今映っているストライクダガーは、まだまだ動きが拙い。 正直なところ、MAでも撃破出来てしまえるのでは、という感想を抱いてしまう。 ただ、指導役であるアルザッヘルやプトレマイオス基地のパイロット達に言わせれば、自分達はかなりのペースで飲み込んでいるとのこと。 地上での動きをうまく宇宙の動きに適応させ、OSに慣れる。元々の能力が高いパイロットが多かったために、そこをなんとかこなし、OSや機体の設定などで甘いところを次々とあぶりだし、調整を繰り替えす。これが完了すれば、後発のパイロット達も短い期間で宇宙での動きになれることができるのだ。直近に迫る戦いに備え、可能な限りデータをかき集め、洗練させる。 MAの研究も行う、という仕事のある自分もさらに努力せねばなるまい。 『あれは…ユノー少尉か』 カメラが次に捉えたのは、ユノーが操る「23-01-03」のナンバーが肩や胸部にペイントされたストライクダガーA2型。 陸軍出身というハンデもあって当初は苦戦していたのだが、彼女は並々ならぬ努力で徐々に乗りこなせるようになっていた。 彼女がコーディネーターだから、という見方をする人間は、ほとんどいないし、声として上がることもない。 彼女がどれほどの努力を重ねているか、ともに訓練していれば、嫌というほどわかるから。 550: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 46 09 そして、ハンター自身も、MAとMSのパイロットとして訓練しつつ、MS隊指揮官としての研修を重ねている。 三足の草鞋だ。ハンターがこの戦争で分かったことだが、優秀になりたければ、それ相応の対価を支払えばよいのだ。 生まれる前か、それとも生まれて成長してからなのか、順番はいささか違うかもしれない。だが、本質は同じだ。 力を得るために、何かを費やす。費やして必ず報われるわけではないが、費やさねば、投げうたねば何もない。 だが、それをあざ笑うが如く例外というものは存在していた。 (なるほど、いきなり宇宙で動かせたキラ・ヤマト少尉の活躍に異常を感じるわけだ…) ハンターの脳裏に浮かぶのは、シミュレーションや戦闘訓練用のレギュレーションとはいえ、戦闘訓練を願ったコーディネーターの少年パイロットだ。 彼の戦闘能力は、搭乗しているMSがフォビドゥンのことを差し引きしても、高いものだった。 一見、フォビドゥンというのはゲシュマイディッヒ・パンツァーでビームを弾きつつ、自在に曲げられるプラズマ砲で戦うだけの、非常にシンプルで堅実なMSに見える。だが、ゲシュマイディッヒ・パンツァーは案外燃費に注意が必要だ。プラズマ砲にしても、屈曲させても問題なく威力を発揮できるように高出力であるし、単独での飛行さえも実現するバックパックを備える機体を制御するのは楽ではない。 下手に電力が切れればまともに動けなくなるのは他のMSも同じであるが、フォビドゥンは輪にかけて依存している。 腕部に機関砲が設けられ、実体のある鎌が武装として選ばれているのは別に趣味でもなんでもなく、それが適切と判断されたためなのだ。 まして、フォビドゥンというのはビームを弾くが故にヘイトを稼いでしまう。嘗て、敵兵を一方的にたたくことができる弓兵やスナイパーがそうだったように、前線において活躍する盾役というのもヘイトを稼いでしまうのだ。ヘイトが集まれば射撃も集まり、TPS装甲が燃費が良いとはいえバッテリーをさらに消費する。 そんなわけで、適宜ゲシュマイディッヒ・パンツァーとそれ以外の武装を使い分け、尚且つ戦場で立ち回るというのは簡単ではないのだ。 だが、そんなことをほんの数か月前まで学生をやっていた少年にできるというのだろうか? ハンター自身、信じられなかった。操縦自体はよどみがなく、敵を打ち倒すための、教本通りとはいかないが、相手の動きに合わせて食らい付くようにして反応する、闘争心溢れるパイロットという印象だ。 しかし、蓋を、否、コクピットハッチを開けてみれば、そこには大人しい性格の少年パイロットがいる。 今一、彼以外のアークエンジェルクルーの証言する戦場の姿と実際のキラ・ヤマトの姿が一致しないのだ。 万が一に可能性があるとすれば、彼がたまたまGAT-X105のコクピットに潜り込み、成り行きでMSを動かし続け、幸運とその類稀な学習能力でザフトのエース部隊を退け続けたという、どこの創作だという流れしかないだろう。 流石にそれを、ハンターが追及するのはためらわれた。聞きたくはあったが、それはキラ・ヤマトという人間を見て止めるべきと判断したのだ。 少なくとも彼は、戦争に積極的に取り組む人間でもなければ、快楽を見出すような人間ではないのだ。 (つくづく、戦争はろくでもないな…) 正直、あの好青年が戦争に関わっていることが不思議でならない。 ある意味で盾役を彼が担うのは幸運であり、同時に不幸かもしれない。 心優しい彼が戦い続けるには、敵を殺すためではなく味方を守るという方がよりやる気を引き出すだろう。 だが、優しすぎる彼は、その身と引き換えに味方を守るかもしれない。そんな破綻を彼には迎えてほしくはない。 ハンターにできることは、彼と言葉を交わし、ケアの真似事をすることだけだった。 結局のところ、彼がどのように戦っていくのかを決めることができるのは彼自身にしかできないことなのだ。 ハンターが無理に関わらなくとも、ムウ・ラ・フラガ中佐をはじめとした大人たちが周りにおり、ケアを行っていることも彼を通じて知れた。 だとするならば、自分はほんの少し方向を示してやるだけが分相応というものだろう。 自分が注意を払うべきは自分の部下たちだ。第23特務隊は、錬成を進めているが、宇宙での戦闘で何が起こるかは分からない。 連戦と訓練で精神的にも疲弊しているパイロットも見受けられる状況なのだ。L1に向けてやることは多い。 まだまだやることがあるならば、自分はひたすらにそれをこなしていくだけだ。 「行くぞ…!」 ペダルを踏み込んだハンターの指示のままに、スクィッドは加速した。 551: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 47 21 月面 大西洋連邦宇宙軍基地 プトレマイオス基地 グリーン・ワイアット大西洋連邦宇宙中将が属する軍内部の派閥は、艦隊派と呼ばれる派閥である。 元々、大西洋連邦というのはイギリスとアメリカという二か国+αが土台として存在している。 統合された軍が編成され、大西洋連邦となるにあたって、その系譜はいまだに続いている。 そして、宇宙軍内に存在している軍事的な方針をめぐるあれこれの派閥の中で、より軍の規模を拡張していくべき、と嘯くのが艦隊派である。 勿論のこと、これは単に軍艦を配備しろ、ということではない。宇宙開発を推進し、地球という揺り籠への比重を小さくし、更なる宇宙開発を推進すべしという、政治や民生までも絡んだある種の繋がりというかコミュニティーのようなものであった。この艦隊派は世間一般、特に戦争勃発後にはその力関係からブルーコスモスの一派とみなされてはいるのだが、どちらかといえばその艦隊派の伸長がひいてはブルーコスモスのシンパの企業に利益があるためという、割とズブズブな関係にあることに由来している。グリーン・ワイアット中将も、その出自を洗えば宇宙艦艇に関わる企業との伝手があることが分かるだろう。 しかし、かと言って彼は政治とコネだけで成り上がったというわけでもない。 そも、宇宙軍中将というのは生半可なことでは就任できるはずもないのだから、コネも実力も運もなければ無理なのだ。 最近では第八艦隊を開戦から暫くは大佐階級だったハルバードンが艦隊トップを務めていたりしたけれども、あれはまあ特例という奴である。 何しろ、宇宙艦隊の指揮官がザフトが選んでいた「敵主力艦及び敵艦隊旗艦をMSの集中投入で撃破する」という斬首戦術の犠牲になったため、急遽人材を昇進させて凌ぐしかなかったのだ。その中でもハルバードン提督はMSの導入を積極的に行うべしと提言を行っており、隗より始めよということで艦隊を任されていたのだ。まあ、戦力温存を命じられていて、MS運用を行う研究を行っていたのに艦隊全滅は頂けないが。 話を戻す。 ともかくとして、人員の育成とMSの配備が進んだ宇宙軍は、エネルギー不足に悩むことはなく、順調にその牙を磨き上げた。 第八艦隊こそ撃滅され、被害は大きかったのだが、それでもなお止まることはなかった。 プトレマイオス基地やアルザッヘル基地は無事であり、艦隊の再建と戦訓の分析と対策の実施などは行えていた。 何よりも、MSの配備も大きいだろう。MSを搭載できるように改装されたドレイク級やネルソン級、アガメムノン級は続々と就役し、MSも宇宙軍の要求に合ったものが徐々に配備され、さらにMAも対MS戦のノウハウを獲得して配備されている。 その光景は、艦隊指揮官たるワイアットをして、満足に足るものであった。 序盤において戦力温存をあえて選び、地上三軍に大きな貸しを作った宇宙軍がついに主役を務める瞬間が来たのだから。 プトレマイオス基地のオフィスにおいて優雅に紅茶を傾けるワイアット中将は、間もなくに迫る連合理事国宇宙軍同士の会合を前にして、資料のチェックと各国に提案する作戦についての練り直しを行っていた。L1奪還の流れとしては、オーブ戦のように互いのフィールドを区分けし、事前の偵察で確認されているザフト重要拠点を叩く手筈となっている。大洋連合は陽動を務めつつ、敵重要拠点への強襲攻撃を予定している。 一方で、大西洋連邦と東アジア共和国は似たような作戦を展開する予定だ。敵主力を如何に補足し、急行して仕留められるか。 データリンクが乏しい中で視界が劣悪な環境での戦闘だ。フレンドリーファイアや敵を見逃すなどが起こりうる。 ワイアットの視線は、オフィスに持ち込まれたモニターに向けられている。 これまでの偵察の結果からピックアップされたザフトの拠点と要注意戦力だ。 世界樹を構成していたコロニーのデブリの大きな塊がL1宙域には4つほど散らばっており、それらにMSや艦艇と思われる機影が多い。 また、小惑星型のコロニー「ウルド」をそのまま利用したと思われる拠点が3つ。さらに、世界樹崩壊でも無事だったバナール球型が1基。 そのほか、連絡を中継するための基地や監視所のようなものを含めればさらに増えるだろう。 (だが、ことはスマートに終わらせる必要がある) 552: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 48 48 当然の判断として、ワイアットをはじめとした大西洋連邦宇宙軍は、細かな拠点を一つ一つ潰すことを選択肢から外していた。 重要拠点を叩き、決戦で敵主力を叩きつぶす。それだけである。デブリの除去は進めているし、制圧に向けた布石は順調だ。 そうすれば残る拠点の戦力は遊兵あるいは孤立した勢力になってしまい、苦労せずに各個撃破できる。 懸念となるのは、大型の機動兵器、明らかに改装が加わっている大型の宇宙艦艇。さらに、機雷の散布やトラップなどを仕掛け、決戦ありきなザフトが少しばかり手を変えてきていることは明らかであった。明らかな時間稼ぎだ。 それによって被害が積み上がることは、許容は出来ても気分が良いものではない。 コストと時間を鑑みれば、そろそろ攻勢に、それこそ一撃での決着を試みる時期だ。 (……仕掛け時、だろうか?) 何事もタイミングが重要だというのは、少しチェスをたしなめばわかること。 戦力を揃え、場面を俯瞰し、動かす。シンプルだが、それ故に言い訳のきかない。 L1奪還作戦はおおまかな日取りは決まっているが、最終的な開始日程についてはこちらに任されている。 大洋連合からも一定期日以上の準備期間があればいつでもいけるとの了解は得ている。 こうしている間にも着々とMSの開発は進み、人員の訓練は進むし、ザフトは消耗していく。 だが、なんというか、スムーズに行き過ぎていて、妙な感触だ。このまま追い払うことが、プラントとの戦争の勝利につながっているは明らかであるが、どうにもニシンの燻製に思えてくる。 「レノックス中佐。君はザフトの不可解な動きについてどう思う?」 問いかけた先、クリストファー・レノックス中佐は少し迷うそぶりを見せた。 宇宙軍全体でも、このザフトの一見無意味に見える時間稼ぎに困惑があった。 時間を稼いで何をやっているのか。 降伏の準備か、新たなる戦力の配備か、それとも逆転の戦略兵器があるとでもいうのか。 しかし、地球から叩き出され、さらには月周辺の拠点も失えば、プラントから地球に影響力を及ぼすのはかなり難しくなるのが実情だ。 例えば、ザフトがパナマ攻防で用いたグングニグールは降下地点をMSによって強引に確保し、さらには地球の軌道上に艦艇を送れたからこそ大西洋連邦に対して牙をむくことが出来た。逆に言えば、降下地点を確保できなければ迎撃されていたし、制宙権をある程度得なければグングニグールの投下さえできなかった。だから地球や月に対して何らかの兵器を、NJ同様に投下して発動させたければ、最低でもL1は必要になる筈なのだ。例え隕石を地球に落とすような攻撃をするにしても、である。 制宙権は紛れもなく連合のものとなりつつあるのだし、そもそもザフトは既に戦力が枯渇に近い。 そんなことをすれば、本国が落ちて元も子もなくなるのだ。 だからこそ、レノックスの返答はザフトに対する非常に困惑を伴うものだった。 「ザフトが時間を稼いでいる意図が今一釈然としません。 とはいえ、それを推し量っていても問題は解決はしないでしょう。 我々は宇宙での勝利を確定できるかどうかさえ不確定です。まずはそれを始めねば、どうにもなりますまい」 「ふむ、そうだな…」 確かに宇宙での勝利というのは大きなもの。だが、積極的に追いかけても何か意図があるように思える。 時間を稼がれているという自覚はある。だが、何のための時間稼ぎなのかが不明だ。 553: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 49 25 「…しいて言うならば、死なばもろともと攻撃を加えることですが…それを実行するには、ピースが足りません」 「ピース、か」 呟くようにその言葉を転がす。 そう、ピース。決定的な駒といってもよい。 空想する分にはいくらでもできるが、かと言って実行にはきわめて多くの対価がいる。 「例えばですが、地球に核兵器や化学兵器を大量投射するという手もありますが、生産できるかどうかも怪しく、すでに地球にさえ近寄りにくくなる状態でそれは現実的ではありません」 「確かに」 「同じような理由で、NJのような兵器も恐らく投下は不可能でしょう。投じることが出来たとしても、それは月面が精いっぱい。 月面に連合の戦力が集中しているので効果を及ぼせば利は大きいでしょうが、その分迎撃されやすいでしょう」 「そして月面を制圧して維持するだけの戦力は既にない、か」 「先程も申し上げましたが、我々はまず足元を固めるべきです。急いだところで、詰み上がるのは犠牲のみです」 「その通りだ、急いてもしょうがない…ありがとう、レノックス中佐」 もう一度基本に立ち返るべきか。そう思い、お茶のおかわりを頼むことにする。 いずれにせよ、ここを超えられなければそれまでなのだ。部隊の錬成と休養が完了したら、即座に行動に移るのがベターだろう。 レノックスに礼を言いながらも、ワイアットは再度モニターに映るL1宙域をにらむ。 (ともあれ、ここを超えてからだ) 大洋連合への諜報活動の結果からすれば、彼らもザフトの動向を追いかけている最中ということが分かっている。 特に、プラント本国周辺にある宇宙構造物を重点的に探しているらしい。戦略的効果を発揮できる宇宙要塞でもあるのだろうか。 それこそ、この戦力差を覆せる何かを備えた宇宙要塞。ある意味、盲点を突かれている。MS主体のザフトがいきなり要塞を要とする戦略をとれば、 MSをようやくそろえた大西洋連邦は苦戦を免れない。最終的に勝利できても、犠牲が大きすぎることだろう。 (より情報の精査が必要だな) ザフトの『友人』からも、上層部の考えが不明であるということしかわからない。 というより、プラントのマジョリティを占める人間達にとっては、手段の目的化が著しく、そういった方針についてのある種の無関心がある。 だからこそ、上層部が情報封鎖を行うのも容易いのだろうと予測される。純正培養され、外の世界を知らないコーディネーター達は、あまりにも無知で、幼いのだ。だがその純粋さがある種の防壁となっている。情報を知らなくても疑問に思わないし、出されている情報を鵜呑みにしている。諜報や調略活動においてはある種の天敵でさえある。 (……) 深く思索を巡らせる中将を抱いて、プトレマイオス基地の時間は流れていく。 最後の時、揺るがないと思われたザフトの優位がついに崩れ、安泰の時が終わる時を目指し、時計は動いていく。 554: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 50 33 月 月面都市「新因幡」 大洋連合がC.E.初頭から開発を続けてきた月面都市「新因幡」。 プトレマイオス基地を凌ぐ巨大な月面都市であり、大洋連合宇宙軍の月面拠点の一つ。 L1世界樹攻防戦後に地球との行き来が寸断状態になった連合の月面都市や基地が、その後も自足出来た原動力の一つだ。 NJの散布後であってもエネルギーの融通があり、何より無事に温存されていた大戦力がザフトの迂闊な行動を抑止していたのだ。 ここほど安全な月面拠点もない。疑いようなく、連合でもトップクラスの戦力が常駐しているのだ。 宇宙での通商破壊を大規模に行っているのは大洋連合であるし、それを行うためのMS戦力もかなり大きい。 アフリカ戦線、そして南米、オーブと戦場こそ違えども発揮された大洋連合のMSの恐ろしさは、連合内部でも有名だ。 ザフトとの戦線を抱えていない、ということを考慮したとしても、宇宙でも活発な活動が出来ているという点において、やはり大洋連合は一線を画す国家と言えるだろう。 そして、その新因幡の一角。軍港として整備されている一角には多くの宇宙艦艇が集っていた。 第二特務艦隊のアーガマ級強襲巡洋艦二番艦「ニカーヤ」、サンダーボルト師団の神風型を改装したMS母艦「ドライドフィッシュ」および大型輸送工作艦「ビーハイブ」を筆頭に、和泉級巡洋艦や高雄型巡洋艦、そして極めつけに長門型戦艦までもがいる。 長門型は全長が400mを超えるナンバーフリート旗艦を務める長門型が顔を出す意味は、推し量るまでもないし、おまけに後方支援を担当する輸送艦に至っては両の手の指を超える数が集っているのだ。 大洋連合が大規模な軍事行動に移ることは明らかであった。 それについてはどの勢力も、新因幡に無形有形の形で諜報の網を巡らせている国ならば察していた。 少々頭が回れば次なる戦場が何処であるかなどわかる。そう、月-地球間のラグランジュポイント1、元々は世界樹と呼ばれるコロニー群の存在していた宙域。現状、最前線どころか、連合の懐の内といってもよい領域である。 その大洋連合は悠然と準備を整えている。焦ることもなければ、急いでいることもない。大洋連合も地上での戦いの小休止が必要であるし、 今からザフトが逆転の手を打てるかと言われれば、それはNoである。そうであるが故に、連合は堅実な積み重ねを行っている。 さて、宇宙艦艇のメンテナンスは、週間単位で行われるのが常である。 長期に作戦行動及び航行を行うのが当たり前の宇宙艦艇ではメンテナンスが必要な箇所を極力減らし、また、メンテナンスをある程度行わなくとも予備のエンジンや機関部を稼働させることで問題なく航行し続ける能力に秀でている。 何しろ動けなくなれば宇宙では死を意味するためで、何が何でも航行できる能力を失ってはならないという意思は設計や建造に出ている。 帰港した艦艇は、その分だけメンテナンスを時間をかけて行う。戦時ということも会って人員がフル動員されて24時間体制での整備だ。 そしてその期間、多くのクルーやMSパイロット達は暇になる。よって、ここぞとばかりに町へ繰り出していた。 新因幡の町の一角はクルーたちのために貸し切り状態になっている店が多い。 戦時ということもあるし、この新因幡が軍の駐留基地となって久しく、よくよく心得ている店が集まっているのだ。 久方ぶりの開けた空間。そして、艦艇にあるPXなどでも得にくい娯楽品が並ぶ店は、連日騒ぎとなるだろう。 殊更に、イオ・フレミング少尉の機嫌は良かった。 長らく愛用してきたFAガンダムも、経験を積み重ねる中で成長する彼にはついに追従が難しくなり、要望していた新型がついに配備されることになったこと。さらに、単純に休みを得られたこと。 加えて、長らく疎遠だった笹原明人と再会できるということも、イオの機嫌をさらに良くしていた。 イオ・フレミングは確かにエースである。だが、逆に言えば彼に追従し得る人間が少ないということであった。 彼の出自も、彼が孤独を深める原因でもあった。上流階級という、ある種の閉鎖環境に彼は生まれた。 別段彼がそれを嫌っていたとか、憎んでいたというわけではない。曲がりなりにも彼は高貴ゆえの義務というものを心得ており、だが、それでも。思うが儘に、自分の考えたことを素直に吐き出せる環境を、仲間を彼は愛していた。 何が悲しくて不自由なところに身を置かなければならないのか。なぜ偽りの笑みを張り付けて振る舞う必要があるのか。 「なあ、コーネリアス。アキトが来るのは何時なんだ?」 「落ち着けよ、イオ。ここ最近そればっかりだぞ?」 「ああ、分かってるさ」 555: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 51 23 駄目だ、分かっていない。 全く落ち着きのない幼馴染の返答に、コーネリアスは苦笑するしかない。 コーネリアスもよくわかっている。イオの言うアキト、笹原明人はイオ・フレミングという人間に追従し得る逸材なのだ。 たまたま任務が一緒になって、知り合い、そして友誼を結んだ。それがイオにとってどれほどありがたいことだったか。 戦場に自由を求めても、その先には結局孤独が付きまとった。だが、それについてきてくれる人間がいる。共に分かち合える人間がいる。 メカニックのコーネリアスでも、艦長を務めるクローディアではできないことをなせた。 そういう意味で、イオは今充実しているのだろう。 笹原を誘って新因幡で騒ぐ計画を楽しそうに語るのは、嘗ての、地上では見られなかった顔だ。 まあ、少しくらいはこの幼馴染に付き合ってやろうか。そう思って、コーネリアスは楽しそうに休みの計画を話すイオに耳を傾けた。 ドライド・フィッシュ ブリッジ どことなく、艦内や宇宙港は明るい空気に満ちていて、にぎやかだ。 戦闘を行う艦艇であり軍港は常に一定の緊張感があるのだが、やっと長期の休みということで、どこか浮かれている。 そんな艦内に、ヴィンセント・パイク中佐は少なからず思うところがあった。 「ったく、少しは緊張感を持ってほしいぜ…休暇が嬉しいってのは分かるが」 「あら、中佐はお休みがいらないのでしたら、16連勤程していただきましょうか?」 「そ、そうはいっていない!休ませろ!」 パイク中佐の愚痴に、壇上で資料の確認を行っていた沙条霞少佐はそうからかった。 軍務である以上、感情を抑え、理性と規律のもとに行動することが求められている。 おまけにサンダーボルト師団は基本的には長期作戦行動、長期作戦を行う為にも物資は多く積まれるが、環境ゆえに消費が速く、補給艦が来なければそれは補充されるかどうかでかなりシビアなところがある。 宇宙艦艇勤務者であり喫煙者でもあるパイクは、まさにそれに苦しめられていたと言えるだろう。 本当ならば彼も思う存分に煙草を吸い、栄養バランスを考慮した食事ではなく分厚いステーキを食べたがっているはずだ。 口ではそういいながらも、結局彼が一番羨ましいのだ。 とはいえ、彼をはじめとしたサンダーボルト師団の上位階級の人間が集められているのは、この休暇の後を見据えてのことなのだ。 来たるB-Day。その日こそ、L1宙域奪還の火ぶたが切って落とされることになっている。 そのB-Dayについてはまだ決定されてはいない。防諜の為と、そして、おおよその日取りはともかくとしても実働を担う大西洋連邦と東アジア共和国の錬成完了を待たなければならないためだ。後詰めとなるのはユーラシア連邦で、当該宙域の掃海と警備を実施し、さらに月面都市「コペルニクス」へのにらみも聞かせる手筈となっている。また、他のラグランジュポイントに対しても各国の宇宙艦隊からの派遣隊が向けられることで、ザフトの締め出しをさらにきつくすることになっている。 これによってザフトは地球からだけでなく、月面周辺からも叩き出されることになる。残るは本国とその前の要塞だけ、というわけだ。 その始まりとなる作戦であるが故に、こうした準備はいくらしてもし足りないのだ。 「中佐、君は少し健康に気を使うべきだぞ?」 「ぐっ」 上官のエドガー・バロウズ大佐にまで言われると、流石に言い返せない。 師団のトップの代理という役目を負うバロウズは、当然だが乗員の健康についても把握している。 長期の宇宙での作戦は心理面だけでなく肉体面でも影響が出るのだ。だからこそ、メディカルスタッフの報告はしっかりと目を通しているのだが、 「カーラ君からのレポートには目を通しているが、少し血圧に不安がある。 それにストレスもかなり溜まっているようだ。だが、それの発散でさらに不健康になるのは看過できんぞ?ん?」 「カ、カーラ先生…」 「艦隊の健康を預かる身としては、中佐にはご自身の健康を顧みてほしいです」 既に、味方無し。 がっくりと肩を落としたパイクの姿に苦笑が漏れる。 556: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 53 16 「まあ、パイク中佐にはちゃんと休みも割り当てるし、多少羽目を外しても構わん。 仕事に影響を及ぼすことだけは避けてくれ」 「良い機会です、中佐も少しは体を絞ってみては?」 「勘弁してくれ…」 健康的な肉体を作るための保養施設のパンフレットを取り出すカーラに、パイクは降参だと両手を上げるしかない。 新因幡の軍の保養施設は、それこそ生活習慣を改善する、あるいは矯正するために用意されている施設だ。 健康体になるしストレスもないのであるが、今の生活から切り離されるというのは中々に辛いものがある。 少なくとも、酒やたばこなどが楽しみの一つであるパイクにとっては辛いだろう。 少し緊張がほぐれたころを見計らい、ちらりとバロウズが壇上の沙条に視線で合図をした。 タイミングとしても時間としても丁度良いころ合い。小さく頷いた沙条は一つ咳払いをすると、一礼をした。 「時間です。では、ミーティングを始めましょう」 沙条の言葉に、ビーハイヴのブリッジに集まった首脳部は襟元を正す。 参謀本部との連絡役も兼ねる沙条は、新因幡を経由して大本営から情報と指令を受け取っており、それを持ってきたのだ。 宇宙での行動はこれまでは通商破壊が中心であり、主力艦隊を動員しての作戦は久方振りとなる。 「先だっての定例会議でもありましたが、まもなく地球連合は地上戦線から宇宙戦線での反抗作戦を開始します」 切り出しは、断言から。 その事実は誰しもが認識していたことであるが、改めて言葉として出されることで、それを強く印象付けた。 これまでの通商破壊も攻勢作戦ではあるが制宙権までも左右するような戦略的な影響力はなかった。 その作戦の意義を、沙条は簡潔に述べる。 「L1宙域の奪還が今作戦の目標となります。月と地球間の行き来をスムーズにする以上の価値があります。 奪還によって憂いなくザフトとの戦線を押し上げ、我々が宇宙においてもザフトに後れを取っていないのだという証明に。 本作戦が上手くいくことが、今後の宇宙での攻勢作戦に与える影響は並々ならぬものとなるでしょう」 そうだ、とバロウズが大きく頷いた。 これまでザフトの侵攻を受け止めていた状態からこそ、攻勢のスタートは勝利をとらねばならない。 「今回の作戦に対しては戦力をかなり配分しております。 宇宙軍の肩慣らしという面もありますが、失敗が早々に許される作戦ではないということをよく心得ていただきたいです」 これは大洋連合上層部が懸念していることであり、同時に連合全体でも共通認識となっていることだ。 言外に沙条は告げている。この作戦の価値は、字義以上の、一方面の作戦以上の物だと。 確かにこれまでも重要作戦はあったのだが、それらはすべて地上、連合にとってのホームグラウンドだ。 そこで勝てたからと言って、楽観視は出来ない。相手の領域でも勝てなければ、再びの膠着となる。 改めて、ブリッジに集まる人員の表情が引き締まった。 「では、具体的な…現段階で定まっている基本的な作戦骨子を説明します」 それに満足げに頷き、沙条は手元のコンソールを操作し、モニターにL1宙域の地図を表示する。 「今作戦は、主力艦隊を吸引役としてザフト戦力を迎撃しつつ、事前の偵察情報に基づいて敵拠点を少数戦力で強襲、機能をマヒさせてザフトの作戦行動能力を奪うことが我々の役割となります」 表示されたマップに視線が集まる中、沙条は説明を継続する。 「L1に点在しているザフト拠点の中でも規模の大きなものはデブリ密集地域に4カ所、小惑星型コロニー3カ所、奇跡的に破壊を免れたコロニーに1カ所。その他、雑多な監視所や中継点が見受けられます。我々の目的はこの主要な拠点となります」 マップ上には沙条の言葉を示す通りの拠点が表示されている。 確定で設置されている箇所は少ないが、予測地点を示す光点はその数倍はあるようだ。 それだけL1という宙域が広く、そして遮蔽物や拠点を設置するのにちょうどよいコロニーの残骸などが安定して漂っているということである。 「勿論、これは最新の偵察の結果ではありますが、絶対正しいというわけではありません。 ここ1カ月ほどでザフトのインターセプトの能力は向上が見られており、宙域内での活動の不透明さが増しているためです。 上層部も偵察を進めることにしておりますが、これ以上の情報収集を続けても成果は望めないのではと懸念されています」 「ふむ…やっかいであるな。蛇のいる藪に手を突っ込むような作戦となるとは」 557: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 54 10 「事前の策として我々は偵察用MSと偵察を行う小艦隊を配置し、長門型陸奥を旗艦とする主力艦隊を接近させ、宙域内の動きを探ることとなる予定です。そして、本体がザフト主力を拘束している間に、第二特務艦隊およびサンダーボルト師団及び派遣艦隊からの戦力でこれを強襲します」 画面上に、色分けがなされた矢印が表示され、デブリの密集する宙域を瞬く間に駆け抜け、突き刺さる。 その矢印の先には、ザフトの拠点を示す光点が存在していた。確かに拠点を少数戦力で強襲するのは危険が伴う。 だが、それはあくまでも譜面上の話だ。あくまでも拠点の能力を奪い、離脱するだけならば一撃離脱に徹すれば容易となる。 問題なのは、そこにきちんとザフトの拠点があるかどうか、である。 「偵察の結果の如何によっては、襲撃地点を変更することもあります。 これについては直前までNJで阻害されない赤外線通信などで情報共有を行いつつ、臨機応変に対応していただきます。 可能な限り隠密裏に近づき強襲することになりますが、それでもMSの回収と補給、さらに宙域の移動は時間がかかるでしょう。 MS隊やMA隊については、戦闘で消費する推進剤や武器弾薬について注意を払ってください」 「コイツは厄介だな…ウチのエース殿は確かに強いが、武器弾薬の消費が激しい。 突撃してはずれだった場合、補給を行う間のインターバルが問題になるな」 パイクのつぶやきに、ビーハイヴ艦長のクローディアは頷くしかない。 サンダーボルト師団のエースであるイオのMSであるFAガンダムは強力だが、補給やメンテナンスには時間がかかる。 航続距離・推力・火力・装甲と優れているのだが、補給時間がかかってしまう。どのタイミングで、何処に向けてぶつけるのか。 パイロットの方は心配いらないが、そうであるが故に無駄に動かすことは望ましくはない。 だが、本作戦が政治的なものもあって奇襲と強襲の合わせ技となれば、FAガンダムほど適しているMSは存在しない。 MA戦力もいるので代替が不可能というわけではないが、それでも戦力が動けなくなるというのは厄介なことだ。 広い宙域だからこそ、そこに注意が必要だろう。 「また、サンダーボルト師団の方にも新型がいくらか配備されることになっております。 予備パーツも含めての搬入ですので、艦艇の整備が済み次第、優先して行いたいと」 「ふむ…それは少し大変だな」 バロウズは脳裏にドライド・フィッシュとビーハイヴのメンテナンスや調整のスケジュールを思い浮かべる。 元々予定されていたこととはいえ、手元の端末に表示されたMSやら新型の設備などは予定以上の量だ。 勿論ドライド・フィッシュやビーハイヴに詰め込むことはできるのだが、予定以上の作業でスケジュールがつまらないか不安だ。 パイロット達は事前にシミュレーターを経験しているので完熟訓練は問題は少ないだろうが、それ以上にメカニック班も大変だろう。 これまでの艦隊での長期作戦行動とは状況が違いパーツのやりくりが楽とはいえ、そこは懸念するに越したことはない。 旧式の艦艇を改装したドライド・フィッシュの設備と新型のMSが何処までうまくかみ合うか、運用上の支障がないのか、不確かだ。 「それについては大変申し訳ないです。ですが、貴方方が良いとの判断です。 物資や新型はその期待の表れと思っていただければ。新因幡の人員も融通しますので、何とか対応をお願いします」 「……参ったな。まあ、こちらでも努力はしてみよう」 困った表情の沙条に、バロウズも追及を諦めるしかない。 彼女もまた、上層からの指示を伝えるメッセンジャーとしての役目であり、それをそのまま伝えることこそが仕事なのだ。 例えそれが彼女の目から見て無茶な要求だとしても、だ。それを察せないほど、バロウズは軍人としても人間としても未熟ではない。 558: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 55 02 それに加え、と沙条はもう一つの懸念を述べる。 ここ最近の偵察や強行偵察で確認された、ザフトの対応についてだ。 「また、ラグランジュポイント周辺ではトラップやMSによる奇襲が想定されます。 作戦宙域に近づく前から警戒をお願いします。どうやらザフトも時間稼ぎに手段を選んでおりません」 「それほどに?」 「はい。機雷、長距離砲、ミサイル、デブリをぶつけるミサイルなどなど……固定砲台型のMSも見受けられているので、どこに敵が潜んでいるのかが明確には分からない情勢です」 「となると、対空監視要員を増やすしかないか?」 「直掩のMS隊を展開しておくのも良いと思われます。スナイパーたちならば、遠距離を監視するのも得意でしょうしね」 「なるほど…少し相談してみましょうか」 小声で議論が交わされつつも、沙条の説明は注意事項へと移る。 この作戦宙域の特性上、通常の宇宙空間との戦闘は違うことが多い。 むしろ、同じところがあまり多くないのだ。それを改めて注意するのは宇宙での活動が長い彼らには今更なのだが、確認を怠ればいずれは忘れてしまう。それを避けるためにも、くどい様ではあるが、沙条は繰り返すのだ 「大西洋連邦宇宙軍とザフト戦力の誤認などが起こらぬように、事前のデータチェックとIFF関連の調整を重点的に行ってください。 こちらについてはメカニック班にお任せします。特に大西洋連邦では鹵獲艦艇を投じるとのことで、厳重注意がなされております」 「鹵獲艦艇…まあ、見分けがつくようにはされているだろうが、留意が必要だな」 そのほか、作戦上における注意事項をいくつか確認し、ミーティングは最終段階に移る。 今後の予定だ。実働を担うのはサンダーボルト師団の他、宇宙艦隊からの派遣艦隊も含まれる。 彼等とのミーティングや顔合わせなど、やるべきことは多い。作戦に投じられるMSについても新型の割合が増えるのだし、大人数が動員されるので、おそらく打ち合わせだけでも数日が必要となるだろう。予定調整に苦労しそうだ。 「第二特務艦隊は3日後に新因幡に帰港予定です。また、我々に先行して宇宙艦隊から抽出した派遣隊が新因幡入りしております。 その後、大西洋連邦宇宙艦隊の首脳部との間で再度ミーティングを行い、最終的な作戦が決定となります」 一息入れて、沙条の目は場に集まる大洋連合の軍人たちを見渡し、ファイルを閉じて願うように言う。 「作戦日程についてはもうしばらく調整が必要となります。 ですので、皆さんは休養をとりながらも、動ける状態を維持してください。 皆さんが最善を尽くされることをお祈りします」 そうミーティングを〆た沙条は、一礼をして場をバロウズに譲る。 彼等の仕事はまだ続く。来たるB-Dayのために。 559: 弥次郎 :2018/05/03(木) 22 55 39 以上、wiki転載はご自由に。 漸く書けました… 書きこみに時間がかかってすいません。 どうやら調子に乗って長く書き過ぎたようです。 ザフトサイドのオープニングは時間がかかります。 新キャラを出すのって結構大変ですので、支障がない程度にそれにオーブ同胞団を軽く書きたいのですが、どう考えてもSAN値削れるヤバイモノになりそうで… あとはブリーフィングファイルで情勢の補足が必要ですな。 今回の「B-Day」シリーズでは許可を頂きました時風氏の第二特務艦隊を登場させます。 これまでの通りある程度の範疇ではありますが、何卒よろしくお願いします。 次回をお楽しみに。