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メニュー トップページ 文系学問 文系学問グループ分け 明治時代の人物を所属していた団体ごとに 硯友社{徳田秋声、泉鏡花、尾崎紅葉}、明六社{福澤諭吉} 江戸時代の学者をその総称ごとに 寛政の三博士{尾藤二洲 、柴野栗山、古賀精里}、寛政の三奇人{林子平、蒲生君平、高山彦九郎} シェイクスピアの戯曲を、悲劇と喜劇に 悲劇{リア王}、喜劇{じゃじゃ馬ならし、ヴェニスの商人} 人物を、活躍した江戸時代の文化ごとに 元禄文化{竹田出雲、尾形光琳}、化政文化{平賀源内} ギリシャ神話の神を性別で 男{アレス}、女{デメテル、ペルセポネ} 哲学書を著者ごとに ジョン・ロック{人間悟性論、市民政府二論}、F・ベーコン{学問の進歩}、トマス・ホッブズ{リバイアサン、哲学原論} 漢字を成り立ちごとに 象形文字{犬、虫、鳥}、指事文字{三、下}、会意文字{休}、形声文字{晴} 古代ローマの政治家を行った政治体制ごとに 第1回三頭政治{カエサル、ポンペイウス、クラッスス}、第2回三頭政治{アントニウス、レピドゥス、オクタビアヌス} 名所をそれがあるお城ごとに 江戸城{桜田門、二重橋}、安土城{信長廟}、大阪城{蛸石}、熊本城{宇土櫓、清正流石垣} ギリシア神話の登場人物を姉妹ごとに ゴーゴン三姉妹{メドゥーサ、ステノ、エウリュアレ}、モイライ三姉妹{クロートー、ラケシス、アトロポス} 平安時代の書道に優れた人物をその総称ごとに 三筆{空海、橘逸勢、嵯峨天皇}、三蹟{小野道風、藤原佐理、藤原行成} 哲学者を著者ごとに ジョン・ロック{人間悟性論}、F・ベーコン{ノヴム・オルガヌム}、トマス・ホッブズ{哲学原論} 城を居城とした人物ごとに 織田信長{安土城、岐阜城}、北条氏政{小田原城}、豊臣秀吉{大阪城、長浜城、伏見城、姫路城、山崎城}、徳川家康{浜松城、駿府城、岡崎城}、伊達政宗{仙台城、米沢城} お城をそれがあった都道府県ごとに 青森県{三戸城、七戸城}、岩手県{盛岡城、九戸城}、宮城県{白石城}、山形県{米沢城}、静岡県{山中城、韮山城}、愛知県{長篠城、岡崎城}、岐阜県{郡上八幡城、岩村城} お城を築かれた地域ごとに 東北地方{二本松城、多賀城}、関東地方{箕輪城、佐倉城}、甲信越地方{新発田城}、東海地方{駿府城}、近畿地方{多聞山城、佐和山城、二条城}、四国地方{湯築城、高松城}、中国地方{鬼ノ城、津山城、備中松山城}、九州地方{大野城} 船を、船を率いた公開者ごとに コロンブス{ピンタ号}、マゼラン{サン・アントニオ号、ビクトリア号} 1980年代に脚光を浴びたニュー・アカデミズムの著作を作者ごとに 蓮實重彦{表層批評宣言}、中沢新一{雪片曲線論}、浅田彰{逃走論} 移籍をそれがある国ごとに タイ{ワット・ポー}、イラク{バビロンの遺跡}、レバノン{ビブロス遺跡} 遺跡を都道府県ごとに 北海道{常呂遺跡}、青森県{三内丸山遺跡}、岩手県{御所野遺跡} 遺跡をそれがある国ごとに エジプト{ヌビア遺跡群}、エチオピア{アクスム}、アルジェリア{ジェミラ遺跡}、レバノン{ビブロス遺跡}、パキスタン{モヘンジョダロ}、タイ{アユタヤ遺跡}、イラク{バビロンの遺跡}、ウズベキスタン{サマルカンド}、イラン{ベヒストゥン碑文、ペルセポリス遺跡}、インド{アジャンター石窟群、エローラ石窟群}、インドネシア{ボロブドゥール寺院} 事柄をその説明に合うソ連の政治家ごとに スターリン{トロツキーを国外追放、大粛清を敢行、五ヶ年計画を実施}、フルシチョフ{スターリン批判、ハンガリー動乱に軍事介入}、ゴルバチョフ{ペレストロイカを実施、マルタ会談で冷戦を終結} 人物を流された島ごとに 八丈島{宇喜多秀家}、蛭ヶ小島{源頼朝}、鬼界ヶ島{藤原成経、俊寛}、佐渡島{日野資朝、順徳上皇}、伊豆大島{ジュリアおたあ} 熟語を意味ごとに 明け方{払暁、黎明}、夕暮れ{入相、薄暮、昏黄} フランス大統領を政治体制ごとに 第三共和政{ティエール}、第四共和政{オリオール}、第五共和政{シラク} 幕末の人物を剣の流派ごとに 天然理心流{近藤勇、沖田総司、土方歳三}、直心影流{勝海舟}、北辰一刀流{坂本龍馬、千葉周作} 講和条約をその原因となった出来事ごとに フランク王国分割{メルセン条約、ヴェルダン条約}、七年戦争{パリ条約}、第一次世界大戦{ヌイイ条約、ヴェルサイユ条約、トリアノン条約} 条約をそれが締結された時代ごとに 明治時代{日朝修好条規、千島樺太交換条約}、大正時代{日ソ基本条約、日英米仏四ヶ国条約}、昭和時代{日中平和友好条約、日ソ中立条約} 戦いを含まれる世界大戦ごとに 第一次世界大戦{ソンムの戦い、ヴェルダンの戦い}、第二次世界大戦{レニングラード包囲戦、バルジの戦い、ノルマンディー上陸作戦、エル・アラメインの戦い} ドイツ文学の主人公をその作品の作者ごとに リルケ{マルテ}、トマス・マン{アシェンバッハ、ハンス・カストルプ}、ゲーテ{ウェルテル、ファウスト}、ギュンター・グラス{オスカル・マツェラート} ドイツ文学を作者ごとに トマス・マン{魔の山、ブッデンブローク家の人々、ベニスに死す}、ノヴァーリス{青い花}、リルケ{マルテの手記}、ゲーテ{ファウスト、若きウェルテルの悩み}、ヘルマン・ヘッセ{デミアン、春の嵐、車輪の下}、レマルク{凱旋門、西部戦線異状なし}、ブレヒト{三文オペラ}、ギュンター・グラス{ブリキの太鼓}、ハウプトマン{日の出前}、シュトルム{みずうみ}、ケストナー{エーミールと探偵たち} 言葉をそれが表現する感情ごとに 笑い{抱腹、莞爾、婉然}、怒り{激高、立腹、瞋恚} 浮世絵を作者ごとに 安藤広重{東海道五十三次、木曽街道六十九次}、葛飾北斎{富嶽三十六景、富嶽百景}、菱川師宣{見返り美人図} 都市を関連する帝国主義の政策ごとに ドイツの3B政策{バグダッド、ビザンティウム、ベルリン}、イギリスの3C政策{カルカッタ、カイロ、ケープタウン} プロレタリア文学を作者ごとに 中野重治{甲乙丙丁}、佐多稲子{キャラメル工場から、時に佇つ}、葉山嘉樹{セメント樽の中の手紙、海に生くる人々}、小林多喜二{党生活者、蟹工船}、徳永直{太陽のない街} 大航海時代に活躍した人物を出身国ごとに イタリア{コロンブス、アメリゴ・ヴェスプッチ、ジョン・カボット}、フランス{ブーゲンビル}、イギリス{フランシス・ドレーク}、ポルトガル{マゼラン、B・ディアス} 詩集を作者ごとに 萩原朔太郎{月に吠える、青猫}、中原中也{山羊の歌、在りし日の歌}、高村光太郎{智恵子抄、道程}、堀口大学{月下の一群、月光とピエロ}、北原白秋{思ひ出}、上田敏{海潮音}、三好達治{測量船}、宮沢賢治{春と修羅}、谷川俊太郎{六十二のソネット、二十億光年の孤独}、島崎藤村{若菜集} 歌集を作者ごとに 斎藤茂吉{赤光、あらたま}、北原白秋{桐の花}、折口信夫{春のことぶれ、海やまのあひだ}、会津八一{鹿鳴集}、与謝野晶子{恋衣、みだれ髪}、石川啄木{悲しき玩具、一握の砂} 言葉をそれにかかる枕詞ごとに くさまくら{旅、露}、ひさかたの{雲、光、空}、たらちねの{母}、ちはやふる{神}、ぬばたまの{夜}、うつせみの{命、世}、しろたへの{雪、衣} 歴代の征夷大将軍の名前を幕府ごとに 室町幕府{尊氏、義満}、江戸幕府{家康、秀忠、吉宗}、鎌倉幕府{頼朝、実朝} 文明をそれが起こった国ごとに メキシコ{マヤ文明、アステカ文明、オルメカ文明、サポテカ文明、テオティワカン文明}、イラク{メソポタミア文明}、パキスタン{インダス文明}、ギリシャ{クレタ文明、ミケーネ文明、キクラデス文明、トロイア文明}、ペルー{インカ文明、アンデス文明} かつての日本の都をそれがあった都道府県ごとに 滋賀県{保良宮、大津宮、紫香楽宮}、奈良県{平城京、藤原京}、京都府{恭仁京、長岡京} 仏教宗派の開祖を活躍した時代ごとに 平安時代{最澄、空海}、鎌倉時代{日蓮、一遍、道元、親鸞} 英単語を文中における役割ごとに 疑問副詞{where、why、when、how}、疑問代名詞{what、who、which} 数を表す英単語をその桁数ごとに 1桁{two、three}、2桁{ten、thirty、twelve、twenty、thirteen} 形容詞をその読みごとに だるい{懈い、怠い}、かたじけない{辱い}、くらい{冥い、昏い} ことばを品詞ごとに 名詞{ぞうり、きっぷ、すし、すきやき、すもうとり、すいか、せっけん、ざぶとん}、副詞{こっそり、あらかじめ、いよいよ、しあげる、よそおう、すぐに、ずっと}、形容詞{偉い、狭い、まばゆい、細かい、おもしろい、うるわしい、かわいい、悪い、危ない、明るい}、動詞{乗る、転ぶ、歩く、ためらう、とまどう、暮らす、借りる、よそおう、食べる}、形容動詞{すなおだ、きれいだ} 言葉を、品詞ごとに 動詞{走る、考える、ひざまずく、失う、逃げる、眠る}、形容詞{深い、おかしい、うらめしい、明るい、うれしい、悲しい}、接続詞{しかし、ところで}、副詞{時々、しばらく} 中国の政治家をその人物がついた役職ごとに 国家主席{胡錦濤、江沢民、毛沢東}、国務院総理(首相){朱鎔基、周恩来、温家宝、李鵬} 熟語の組み合わせをその関係ごとに 類義語{「不安」と「心配」、「突然」と「不意」、「容易」と「簡単」、「長所」と「美点」}、対義語{「延長」と「短縮」、「複雑」と「単純」、「加盟」と「脱退」、「垂直」と「水平」} 第二次世界大戦末期の1945年に行われたポツダム会談に出席した人物を、その国籍ごとに アメリカ{トルーマン}、ソ連{スターリン}、イギリス{チャーチル} 事柄をその説明に合うアメリカ大統領ごとに フォード{第1回サミットに出席}、ジョンソン{ベトナムに北爆を開始}、ケネディ{ニューフロンティア政策}、ニクソン{ベトナム戦争を終結させる}、リンカーン{フォード劇場で暗殺、ホームステッド法を発効、奴隷解放宣言}、F・ルーズベルト{史上唯一の4選、ヤルタ会談に参加、ニューディール政策を実施}、T・ルーズベルト{日露戦争の停戦を仲介、史上最年少で大統領就任、ノーベル賞平和賞を受賞}、トルーマン{ポツダム会談に参加、日本への原爆投下を決断、フェアディール政策を実施}、アイゼンハワー{ノルマンディー作戦を指揮、ドミノ理論を主張}、カーター{2002年ノーベル平和賞受賞、キャンプ・デービッド合意、中国との国交正常化}、クリントン{モニカ・ルインスキー事件、北米自由貿易協定に調印}、レーガン{イラン・コントラ事件、ロン・ヤス外交} 人物を当てはまるものごとに アメリカ大統領{レーガン、ケネディ、リンカーン、トルーマン、ワシントン、ユリシーズ・グラント、ウッドロウ・ウィルソン、セオドア・ルーズベルト、ジェームズ・モンロー}、イギリス首相{チャーチル、サッチャー、ネヴィル・チェンバレン、アーサー・バルフォア、ロイド・ジョージ} 幕末・明治期の人物を学んだ施設ごとに 適塾{武田斐三郎}、松下村塾{高杉晋作、久坂玄瑞} 幕末・明治期の人物を出身藩ごとに 会津藩{松平容保、西郷頼母}、水戸藩{藤田小四郎、武田耕雲斎、会沢正志斎}、長岡藩{河井継之助}、松代藩{佐久間象山}、福井藩{橋本左内}、彦根藩{井伊直弼、長野主膳}、長州藩{遠藤謹助、大村益次郎、伊藤博文、木戸孝允、神代直人、前原一誠、高杉晋作、来島又兵衛、久坂玄瑞、広沢真臣}、土佐藩{谷干城、岡田以蔵、坂本龍馬、武市瑞山、岩崎弥太郎、中岡慎太郎、池内蔵太、板垣退助、ジョン万次郎、望月亀弥太}、福岡藩{平野国臣}、佐賀藩{大木喬任、大隈重信、島義勇}、中津藩{福澤諭吉}、熊本藩{河上彦斎、横井小楠、井上毅}、薩摩藩{有村次左衛門、伊牟田尚平、田中新兵衛、寺島宗則、村田新八、西郷隆盛、大久保利通、黒田清隆、西郷従道、別府晋介、桐野利秋、小松帯刀、有馬新七} 人物を、参加した中世の十字軍ごとに 第7回十字軍{ルイ9世}、第9回十字軍{シャルル・ダンジュー、エドワード1世} 画家を属していた絵画の一派ごとに ポスト印象派{ゴッホ、セザンヌ}、ポップ・アート{アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン}、印象派{モネ}、ネオダダ{ジャスパー・ジョーンズ}、キュビスム{ロベール・ドローネー、ピカソ、ジョルジュ・ブラック}、ラファエル前派{ダンテ・ロセッティ}、フォービズム{アンドレ・ドラン}、ナビ派{ポール・セリュジェ} 明治・大正期に活躍した画家をその作風ごとに 日本画家{下村観山、上村松園}、洋画家{佐伯祐三、青木繁} 画家を性別ごとに 男性{上村松篁}、女性{小倉遊亀、片岡球子} 画家を活躍した時代ごとに 江戸時代{葛飾北斎、東洲斎写楽、安藤広重、菱川師宣、喜多川歌麿}、昭和時代{梅原龍三郎、平山郁夫、東山魁夷} 江戸時代の藩をそれがあった地域ごとに 北海道{松前藩}、東北{米沢藩、会津藩、亀田藩、盛岡藩、弘前藩、仙台藩、鶴岡藩、八戸藩、本荘藩、白河藩、天童藩、黒石藩}、関東{古河藩、佐倉藩、伊勢崎藩、水戸藩、高崎藩、前橋藩}、中部{尾張藩、相良藩、田中藩、沼津藩、田原藩、浜松藩、郡上藩}、北陸{小浜藩、丸岡藩、加賀藩、福井藩、長岡藩}、近畿{津藩、紀州藩、柳生藩、彦根藩、桑名藩、赤穂藩}、中国{岡山藩、松江藩、津山藩、長府藩、鳥取藩、津和野藩、岩国藩、備中松山藩、長府藩}、四国{今治藩、宇和島藩、高松藩、丸亀藩、伊予松山藩、土佐藩}、九州{熊本藩、福岡藩、秋月藩、中津藩、薩摩藩、高鍋藩、小倉藩、島原藩、平戸藩、久留米藩、唐津藩、柳河藩、大村藩} 説明を幕末に結ばれた条約ごとに 日米和親条約{下田、函館の開港、漂流民の引き渡し}、日米修好通商条約{自由貿易、下田の閉港、アメリカの領事裁判権許可} 説明を当てはまる歴史上の人物ごとに 竹中半兵衛{斎藤龍興に仕える、播磨三木城の包囲中に死去}、黒田官兵衛{密かに天下取りを狙う} 言葉を一般に出典とされる書物や作品ごとに ドン・ジュアン{事実は小説よりも奇なり}、新約聖書{豚に真珠、目からうろこが落ちる}、リシュリュー{ペンは剣よりも強し}、ラ・フォンテーヌ寓話{すべての道はローマに通ず、火中の栗を拾う} 言葉を出典となった書物ごとに 孟子{浩然の気、木に縁りて魚を求む}、史記{一敗地に塗る、先んずれば人を制す、四面楚歌、切歯扼腕、鶏口牛後、酒池肉林}、孫子{巧遅は拙速に如かず}、春秋左氏伝{唇歯輔車}、荀子{出藍の誉れ}、老子{大器晩成}、淮南子{一葉落ちて天下の秋を知る}、後漢書{烏合の衆、五里霧中、糟糠の妻}、塩鉄論{窮鼠猫を噛む}、戦国策{漁夫の利} 熟語を出典となった書物ごとに 孟子{助長}、韓非子{矛盾}、史記{左袒} 神様を登場する神話ごとに ローマ神話{ネプチューン、ジュピター、プルート、マルス、ミネルバ、ダイアナ、バッカス}、ギリシャ神話{ゼウス、ポセイドン、アルテミス、プロメテウス、ヘルメス、デメテル、ハデス}、日本神話{ツクヨミノミコト、スサノオノミコト、アマテラスオオミカミ}、インド神話{ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ} 言葉を、アルファベットで表記した時の頭文字ごとに B{ビジネス、ボクシング、ビューティフル、ベーシック}、V{バリュー、ベジタブル、ビクトリー、バレーボール}、Q{クイズ、カルテット、クォーター}、K{ナイフ、キーワード、キッチン}、C{チルドレン、キャンドル} 言葉を漢字による表記ごとに 茄子{なす}、芥子{からし、けし}、黒子{くろこ、ほくろ}、杏子{あんず}、束子{たわし} 表記を漢字が正しく使われているかいないかで 正しい{浮動票、有頂天、西暦、禁制品、聴聞会、交歓試合、群集心理、悲壮感、相棒}、正しくない{不可決、相言葉、完壁、驚威、親不幸、百科辞典、未到峰、異和感、賛非両論、犠性、朴念人} 美術作品を絵画と彫刻かで 絵画{夜警、落穂拾い、ゲルニカ、モナリザ}、彫刻{考える人、ミロのビーナス} 美術作品を作者ごとに エゴン・シーレ{死と乙女}、セザンヌ{サントヴィクトワール山}、クリムト{ユディト}、ピカソ{泣く女、アヴィニョンの娘たち、ゲルニカ}、マグリット{白紙委任状、光の帝国、ピレネーの城}、ムンク{マドンナ、思春期、叫び}、ルソー{蛇使いの女、眠れるジプシー女}、マネ{草上の昼食、笛を吹く少年、オランピア}、ベラスケス{ブレダの開城、ラス・メニーナス}、モネ{睡蓮}、レンブラント{夜警}、ミケランジェロ{最後の審判}、ボッティチェリ{春、ビーナスの誕生}、L・ダ・ビンチ{モナリザ、最後の晩餐}、ドラクロワ{ダンテの小舟、キオス島の虐殺、民衆を導く自由の女神}、ミレー{種まく人、落穂拾い、晩鐘}、ダリ{記憶の固執、内乱の予感}、アングル{泉}、ゴッホ{アルルの跳ね橋、ひまわり、星月夜、タンギー爺さん、医師ガシェの肖像、オーヴェルの教会}、エル・グレコ{オルガス伯の埋葬}、ヴェロネーゼ{カナの婚礼}、デューラー{四人の使徒、1500年の自画像}、ゴヤ{裸のマハ} 美術館をそれがある都道府県ごとに 福島県{諸橋近代美術館}、千葉県{川村記念美術館}、東京都{国立西洋美術館、国立新美術館、根津美術館}、神奈川県{箱根 彫刻の森美術館}、静岡県{池田20世紀美術館、富士美術館}、愛知県{徳川美術館、メナード美術館}、長野県(北澤美術館) 美術館・博物館をそれがある国ごとに フランス{マルモッタン美術館、ポンピドゥー・センター、オルセー美術館、ルーブル美術館、オランジュリー美術館}、スペイン{プラド美術館、ソフィア王妃芸術センター}、イギリス{大英博物館、テート・ギャラリー}、オランダ{ゴッホ美術館、アムステルダム国立美術館}、アメリカ{ボストン美術館、シカゴ美術館、メトロポリタン美術館、ゲティ・センター}、ロシア{エルミタージュ美術館、プーシキン美術館}、イタリア{ブレラ美術館} 彫像を所蔵している美術館ごとに ルーブル美術館{サモトラケのニケ、ミロのヴィーナス}、オルセー美術館{弓を射るヘラクレス、地中海}、バチカン美術館{ラオコーン像} 絵画を所蔵している美術館ごとに マウリッツハイス{青いターバンの少女}、メトロポリタン美術館{トレド風景、二人のタヒチの女}、オルセー美術館{笛を吹く少年、落穂拾い、晩鐘、オーヴェルの教会}、MoMA{記憶の固執、星月夜、眠れるジプシー女}、マルモッタン美術館{印象、日の出}、ルーブル美術館{真珠の女、シテ島への巡礼、民衆を率いる自由の女神、レースを編む女}、プラド美術館{裸のマハ、ブレダの開城}、エルミタージュ美術館{鞭を持つ子供、赤の食卓} オルセー美術館所蔵の絵画をその作者ごとに ゴーギャン{白い馬、タヒチの女}、ルソー{戦争}、ゴッホ{オーヴェールの教会}、マネ{草上の昼食}、ミレー{晩鐘}、ドガ{バレエ}、ドーミエ{洗濯女}、クールベ{画家のアトリエ、世界の起源}、セザンヌ{カード遊びをする人々} 中国の反乱をそれが起こった時の国ごとに 後漢{黄巾の乱、涼州の乱}、西晋{永嘉の乱}、唐{安史の乱、黄巣の乱}、元{紅巾の乱}、明{土木の変}、清{白蓮教徒の乱} 小説を舞台となっている都道府県ごとに 北海道{塩狩峠、リラ冷えの街、網走まで、生れ出づる悩み、カインの末裔}、埼玉県{キューポラのある街}、京都府{古都、金閣寺}、大阪府{夫婦善哉、道頓堀川}、兵庫県{細雪}、大分県{恩讐の彼方に}、長崎県{沈黙} 法律をそれが制定された時代ごとに 明治時代{大日本帝国憲法}、大正時代{普通選挙法、治安維持法}、昭和時代{独占禁止法、国家総動員法、公職追放令} 法律・法令をそれが作られた時代ごとに 古墳時代{薄葬令}、奈良時代{三世一身の法、墾田永年私財法、養老律令}、飛鳥時代{十七条憲法、大宝律令}、平安時代{長保元年令、荘園整理令}、鎌倉時代{御成敗式目、永仁の徳政令}、室町時代{建武の徳政令、嘉吉の徳政令、徳政禁制、建武式目}、安土桃山時代{身分統制令、バテレン追放令}、江戸時代{薪水給与令、大船建造の禁、自分仕置令、真言宗法度、武家諸法度、御触書集成、異国船打払令、生類憐れみの令} 言葉を、言語ごとに ポルトガル語{合羽、ビードロ}、イタリア語{モットー、トトカルチョ、テンポ}、フランス語{コンソメ、グランプリ、エチケット、クーデター、グラタン、アラカルト、ブーケ、アバンギャルド、アップリケ}、オランダ語{ガラス、インキ、ポンプ、どんたく、ランドセル、ゴム}、スペイン語{カスタネット、カルデラ}、ロシア語{イクラ、コンビナート} 国を第一次世界大戦の勢力ごとに 連合国{フランス、イギリス、日本、アメリカ}、同盟国{オーストリア=ハンガリー、ドイツ、オスマン帝国、ブルガリア} 国を第二次世界大戦の勢力ごとに 連合国{アメリカ、ソビエト連邦、イギリス、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド}、枢軸国{日本、ドイツ、イタリア、ルーマニア、ブルガリア、フィンランド、ハンガリー} 聖書に収められている正典を旧約聖書か新約聖書かで 旧約聖書{創世記、レビ記、エゼキエル書、出エジプト記}、新約聖書{ルカ福音書、マルコ福音書、ヨハネの黙示録、マタイ福音書} 書物を儒教の四書と五経に 四書{論語、中庸、孟子、大学}、五経{礼記、書経、詩経、春秋、易経} 地域を太平洋戦争開戦以前に日本の領土だったか否かで 日本の領土だった{樺太、台湾、朝鮮、千島列島}、日本の領土でなかった{ソロモン諸島、フィリピン、グアム島、香港} アメリカ文学を作者ごとに O・ヘンリー{最後の一葉、賢者の贈り物}、E・アラン・ポー{黒猫、アッシャー家の崩壊}、ヘミングウェイ{老人と海、武器よさらば、誰がために鐘は鳴る、日はまた昇る}、スタインベック{二十日鼠と人間、エデンの東、怒りの葡萄}、バーネット{小公子、秘密の花園}、ハーマン・メルヴィル{タイピー、白鯨}、ウィリアム・バロウズ{裸のランチ}、セオドア・ドライサー{シスター・キャリー}、T・ウィリアムズ{欲望という名の電車}、ユージン・オニール{楡の木陰の欲望}、フォークナー{八月の光}、フィッツジェラルド{ラスト・タイクーン} アメリカ文学の主人公をその作品の作者ごとに バーネット{メアリー・レノックス、セーラ・クルー、セドリック・エロル}、マーク・トウェイン{ハックルベリー・フィン、トム・ソーヤー}、ミッチェル{スカーレット・オハラ}、T・カポーティ{ホリー・ゴライトリー}、スタインベック{キャル・トラスク}、ヘミングウェイ{ジェイク・バーンズ、ロバート・ジョーダン、フレデリック・ヘンリー}、T・ウィリアムズ{ブランチ} 字を、糸へんをつけると「広辞苑」に記載がある別の漢字になるか否かで 糸へんで別の字になる{宿、各、従、善、屯}、別の字は成立しない{付、公} 文学賞を対象とするジャンルごとに 純文学{三島由紀夫賞}、大衆文学{直木三十五賞、山本周五郎賞} 動詞を、読み方ごとに あきれる{呆れる、惘れる}、おそれる{畏れる、懼れる}、こなれる{熟れる}、なだれる{傾れる}、まみれる{塗れる}、もつれる{縺れる}、あこがれる{憧れる、憬れる}、おくれる{後れる}、かすれる{擦れる、掠れる}、かれる{嗄れる}、じゃれる{戯れる}、まくれる{捲れる}、えぐれる{刳れる}、くずおれる{頽れる}、こぼれる{零れる、翻れる}、みだれる{紊れる} 文語文法における変格活用動詞を、活用ごとに カ行変格活用{く}、サ行変格活用{おはす、す}、ナ行変格活用{しぬ、いぬ}、ラ行変格活用{あり、をり、はべり、いまそかり} 芸術家を出身国ごとに ロシア{カンディンスキー、オシップ・ザッキン}、メキシコ{フリーダ・カーロ、ディエゴ・リベラ}、イギリス{オーブリー・ビアズリー、ジョン・コンスタブル、ウィリアム・ターナー}、フランス{ドラクロワ、ラウル・デュフィ、ミレー、セザンヌ、フラゴナール、アンリ・ルソー、ポール・ゴーギャン、エドゥアール・マネ、カミーユ・ピサロ、フェルナン・レジェ、ユトリロ、クロード・モネ、アンリ・マティス、ルノワール、ジョルジュ・ルオー、マリー・ローランサン、ジョルジュ・スーラ}、イタリア{ミケランジェロ、ギルランダイオ、ボッティチェリ、ラファエロ、デ・キリコ、レオナルド・ダ・ビンチ、ヴェロネーゼ、セガンティーニ}、スペイン{ピカソ、ジョアン・ミロ、ムリリョ、ベラスケス、ゴヤ、サルバドール・ダリ、エル・グレコ、オスカー・ドミンゲス}、ドイツ{キルヒナー、デューラー}、ノルウェー{ムンク}、オランダ{レンブラント、ゴッホ、モンドリアン、フェルメール}、オーストリア{クリムト、ココシュカ、エゴン・シーレ}、アメリカ{キース・ヘリング、アンディ・ウォーホル、ノーマン・ロックウェル、ジョージア・オキーフ、ジャクソン・ポロック、マーク・ロスコ、マン・レイ、リキテンスタイン} 室町時代の武家をまとめて呼ばれた家格ごとに 三管領{斯波、細川、畠山}、四職{赤松、一色、京極、山名} 役職をそれが設置された幕府ごとに 鎌倉幕府{連署、奥州総奉行、鎮西探題、六波羅探題、政所、侍所、問注所、執権}、江戸幕府{側用人、京都所司代、老中、大目付、大坂城代、大老、寺社奉行、若年寄} 日本史の出来事を起こった世紀ごとに 7世紀{冠位十二階を制定、壬申の乱、大化の改新}、8世紀{「日本書紀」完成、東大寺大仏の建立、平城京へ遷都、平安京へ遷都} 出来事を時代ごとに 明治{大津事件}、大正{虎ノ門事件}、昭和{二・二六事件} 出来事をそれが起こった時代ごとに 飛鳥時代{白村江の戦い、壬申の乱}、奈良時代{藤原仲麻呂の乱}、平安時代{前九年の役、壇ノ浦の戦い、平治の乱、後三年の役、倶利伽羅峠の戦い、屋島の戦い、保元の乱}、鎌倉時代{宝治合戦、霜月騒動、文永・弘安の役、承久の乱}、南北朝時代{観応の擾乱、四條畷の戦い}、室町時代{嘉吉の乱、コシャマインの戦い、応仁の乱}、明治時代{版籍奉還、大逆事件、大津事件、日露戦争、太陽暦を採用、西南戦争、日清戦争、佐賀の乱、神風連の乱、ノルマントン号事件、日本が台湾出兵、大審院を設置、第一回総選挙を実施、廃藩置県}、大正時代{米騒動、関東大震災、シーメンス事件、対華二十一箇条の要求、第一次世界大戦勃発、甘粕事件、日本でラジオ放送が開始、原敬首相が暗殺される、白虹事件、コロッケの唄がヒット、日本が国際連盟に加盟}、昭和時代{ゾルゲ事件、昭和電工事件、日本初の普通選挙実施、大政翼賛会の結成、二・二六事件、下山事件、相沢事件、ノモンハン事件、満州事変、第二次世界大戦、帝人事件、二・一ゼネストが中止に、日本が国際連盟を脱退、浜口雄幸首相が暗殺} 出来事をそれが起きた時代ごとに 明治時代{ポーツマス条約、廃藩置県、日清戦争、日英同盟、日露戦争}、大正時代{石井・ランシング協定、原敬首相が暗殺される、第一次世界大戦勃発、対華二十一箇条の要求}、昭和時代{日独伊三国同盟協定、満州事変、日本初の普通選挙実施、第二次世界大戦、盧溝橋事件、日本が国際連盟を脱退、ポツダム宣言を受諾} 日本の出来事を起きた年代ごとに 1990年代{バブル経済が崩壊、消費税が5%に増税、非自民の細川連立内閣成立}、2000年代{裁判員制度がスタート、愛・地球博が開催、郵政民営化関連法案が成立} 出来事を起きた年代ごとに 1990年代{湾岸戦争が勃発、アジア通貨危機、ソビエト連邦が崩壊}、2000年代{北朝鮮が初の核実験、オバマが米大統領に就任、911同時多発テロ} 英語の代名詞を単数か複数かで 単数{I、it、she、he}、複数{they、we} 英語の代名詞を人称ごとに 一人称{I、we}、二人称{you}、三人称{it、she、he、they} 慣用句を○に入る体の一部ごとに 眉{○に唾を付ける、○をひそめる}、脛{○に傷を持つ}、腕{○に覚えがある、○によりをかける}、指{後ろ○を指される}、顔{○に泥を塗る、○から火が出る}、爪{○に火を点す}、目{○から鼻へ抜ける、○に物見せる}、肝{○に銘ずる}、肘{○鉄砲を食わせる}、髪{後ろ○を引かれる} ことわざ・慣用句を○に入る海の生物ごとに 鯛{○も一人はうまからず、○なくば狗母魚、海老で○を釣る}、蟹{○は甲羅に似せて穴を掘る、○は食ってもがに食うな}、鮑{磯の○の片思い} ことわざ・慣用句を○に入る生き物ごとに 虫{獅子身中の○、一寸の○にも五分の魂、蓼食う○も好き好き、○の居所が悪い}、鳥{足下から○が立つ、○無き里の蝙蝠、飛ぶ○の献立、立つ○跡を濁さず} ことわざ・慣用句を○に入る生物ごとに 鰯{○で精進落ち、○の頭も信心から、鯛の尾より○の頭}、鯖{○の生き腐れ}、蛤{その手は桑名の焼き○}、鯉{○の滝登り、麦飯で○を釣る} ことわざ・慣用句を○に入る動物ごとに 猿{○も木から落ちる、○の尻笑い、○の水練魚の木登り}、猫{○に九生あり、○の手も借りたい}、狸{捕らぬ○の皮算用、狐と○の化かし合い}、犬{○も歩けば棒にあたる、○が西向きゃ尾は東、飼い○に手をかまれる}、馬{○の耳に念仏、牛を○に乗り換える}、鹿{○の角を蜂が刺す、秋の○は笛に寄る}、狼{前門の虎後門の○}、猪{○も七代目には豕になる}、兎{株を守りて○を待つ}、虎{○の威を借る狐} 成句を○に入る動物ごとに 鳩{○車竹馬の友}、馬{○子にも衣装}、鼠{窮○猫を噛む}、鶏{○鳴の助、○群の一鶴}、犬{○猿の仲、○馬の労} 言葉を由来となった動物の種類ごとに 魚{いなせ、さめはだ}、鳥{うのみ、おうむがえし、わしづかみ、めじろおし} 言葉を、言葉の中に含んでいる動物の種類ごとに 魚{いなせ、とどのつまり、さめはだ}、鳥{さんばがらす、わしづかみ、めじろおし、おうむがえし、うのみ} ことわざ・慣用句を○に入る鳥ごとに 雀{○百まで踊り忘れず、○の巣も構うに溜まる、勧学院の○は蒙求を囀る}、烏{鵜の真似をする○、誰か○の雌雄を知らんや}、鷹{鵜の目○の目、能ある○は爪を隠す}、鶴{○は千年、亀は万年、焼け野の雉子夜の○、○の粟を拾う如し、掃き溜めに○}、鳩{○を憎み豆を作らぬ、○に三枝の礼あり}、鴨{○が葱を背負って来る、○を打って鴛鴦を驚かす} ことわざ・慣用句を○に入る言葉ごとに 鬼{○も十八番茶も出花、○が出るか蛇が出るか、渡る世間に○はない、来年のことを言うと○が笑う}、竜{虎口を逃れて○穴に入る、○虎相搏つ、○を画いて睛を点ず} ことわざを出典ごとに 論語{和して同ぜず、巧言令色すくなし仁、温故知新}、史記{傍若無人、春秋に富む、四面楚歌、鳴かず飛ばず} ことわざを「魚」の部分の漢字の一般的な読みごとに ぎょ{大魚は小池に棲まず、池魚の殃}、うお{釜中魚を生ず、木に縁りて魚を求む、呑舟の魚}、とと{目高も魚のうち、ごまめの魚交じり} ことわざを収められているかるたごとに 上方いろはがるた{なす時の閻魔顔、笑う門には福来る、鰯の頭も信心から、論語読みの論語知らず、仏の顔も三度、豆腐にかすがい、猫に小判、一寸先は闇、餅は餅屋、足元から鳥が立つ、まかぬ種は生えぬ}、尾張いろはがるた{習わぬ経は読めぬ、炒り豆に花が咲く、寝耳に水、惚れたが因果、遠くの一家より近くの隣、桃栗三年柿八年、一を聞いて十を知る、待てば甘露の日和あり}、江戸いろはがるた{泣きっ面に蜂、論より証拠、破れ鍋に綴じ蓋、年寄りの冷や水、芋の煮えたもご存じない、犬も歩けば棒に当たる、負けるが勝ち、門前の小僧習わぬ経を読む、念には念を入れよ、頭隠して尻隠さず、骨折り損のくたびれもうけ} 古代ギリシャの文学作品を作者ごとに アイスキュロス{ペルシア人}、アリストファネス{女の平和}、エウリピデス{メディア} 作家を活躍した時代ごとに 古代ローマ{ユウェナリス、ホラティウス、タキトゥス、ウェルギリウス}、古代ギリシャ{トゥキディデス、ヘロドトス、ホメロス、ヘシオドス} 作家を性別ごとに 男性{吉田兼好、井原西鶴、鴨長明、紀貫之}、女性{清少納言、赤染衛門、和泉式部、紫式部} 作家を出身国ごとに ナイジェリア{ウォレ・ショインカ}、エジプト{ナギブ・マフフーズ}、南アフリカ共和国{ナディン・ゴーディマ、J・M・クッツェー}、アイルランド{ロード・ダンセイニ、ジョナサン・スウィフト、ロレンス・スターン、ブラム・ストーカー、バーナード・ショー、オスカー・ワイルド、ジェイムズ・ジョイス}、ポルトガル{ジョゼ・サラマーゴ、フェルナンド・ペソア}、イタリア{プリモ・レーヴィ、グラツィア・デレッダ、チェーザレ・パヴェーゼ、ジョヴァンニ・ヴェルガ、アントニオ・タブッキ、カルロ・コッローディ、デ・アミーチス}、ハンガリー{アーサー・ケストラー}、スペイン{セルバンテス、ガルシア・ロルカ}、アルゼンチン{マヌエル・プイグ}、メキシコ{アルフォンソ・レイエス}、チリ{ガブリエラ・ミストラル} 作家を国籍ごとに イギリス{バージニア・ウルフ、ウォルター・スコット、バーナード・ショー、ジョージ・オーウェル、オスカー・ワイルド、サマセット・モーム、ディケンズ、エミリー・ブロンテ、シェークスピア、ロバート・スチーブンソン、ウィリアム・サッカレー、ジェフリー・チョーサー、ジョン・ミルトン、トマス・ハーディー、バニヤン、アラン・シリトー}、スウェーデン{ラーゲルレーヴ、リンドグレーン}、フランス{マルセル・プルースト、フローベール、アンドレ・ジイド、シャトーブリアン、レイモン・ラディゲ、エミール・ゾラ、モリエール、モーパッサン、スタンダール、バルザック、カミュ、ロマン・ロラン、アンドレ・マルロー、サン=テグジュペリ、アレクサンドル・デュマ、エクトル・マロ、マルタン・デュ・ガール、ジュール・ヴェルヌ、ユーゴー、ラブレー、アンリ・バルビュス}、ドイツ{ベルトルト・ブレヒト、ゲーテ、シラー、ヘルマン・ヘッセ、トマス・マン、レマルク、ゲアハルト・ハウプトマン}、アメリカ{パール・バック、フォークナー、ヘミングウェイ、サリンジャー、ハーマン・メルビル、セオドア・ドライサー、O・ヘンリー、ユージン・オニール、スタインベック、ノーマン・メイラー、カート・ヴォネガット、マーク・トウェイン、ドス・パソス}、イタリア{ボッカチオ、ウンベルト・エーコ、ルイジ・ピランデロ、ダンテ、ダヌンツィオ、マンゾーニ}、ロシア{プーシキン、ゴーリキー、ゴーゴリ、ツルゲーネフ、ショーロホフ、トルストイ、ドストエフスキー、レールモントフ、エレンブルグ、ソルジェニーツィン、チェーホフ} イギリス文学を作者ごとに チョーサー{カンタベリー物語}、サマセット・モーム{人間の絆、月と六ペンス}、オスカー・ワイルド{ドリアン・グレイの肖像、幸福な王子}、シェークスピア{ベニスの商人、リア王、マクベス、ロミオとジュリエット、オセロ}、エミリー・ブロンテ{嵐が丘}、スチーブンソン{宝島、ジキル博士とハイド氏}、ディケンズ{クリスマス・キャロル、二都物語、大いなる遺産}、スコット{アイヴァンホー、湖上の美人}、ジョージ・オーウェル{動物農場}、オースティン{高慢と偏見}、フィールディング{トム・ジョーンズ}、ジョージ・エリオット{サイラス・マーナー}、バーナード・ショー{人と超人、ピグマリオン}、サッカレー{虚栄の市、バリー・リンドン}、トマス・ハーディー{日陰者ジュード}、アラン・シリトー{長距離走者の孤独、土曜の夜と日曜の朝}、デフォー{ロビンソン・クルーソー}、スウィフト{ガリバー旅行記}、ミルトン{失楽園}、バージニア・ウルフ{ダロウェイ夫人、灯台へ}、バニヤン{天路歴程} イギリス文学の主人公をその作品の作者ごとに サマセット・モーム{ストリックランド、フィリップ・ケアリ}、エミリー・ブロンテ{ヒースクリフ}、ディケンズ{スクルージ、シドニー・カートン}、オスカー・ワイルド{ドリアン・グレイ}、スチーブンソン{ジキル博士、ジム・ホーキンス} 作家を文学の一派ごとに 新感覚派{横光利一、川端康成、今東光}、新思潮派{芥川龍之介、菊池寛}、内向の世代{富岡多恵子}、第三の新人{吉行淳之介、遠藤周作、庄野潤三、安岡章太郎} 小説を作者ごとに 吉行淳之介{夕暮まで}、横光利一{紋章}、安岡章太郎{悪い仲間}、城山三郎{官僚たちの夏、価格破壊}、開高健{日本三文オペラ}、大江健三郎{万延元年のフットボール} 小説の主人公をその小説の作者ごとに 夏目漱石{長井代助}、三島由紀夫{川崎誠、武山信二}、有島武郎{早月葉子}、二葉亭四迷{内海文三}、芥川龍之介{良秀、カンダタ、禅智内供}、島崎藤村{瀬川丑松、青山半蔵}、太宰治{大庭葉蔵、メロス}、志賀直哉{時任謙作}、尾崎紅葉{間貫一}、田山花袋{竹中時雄}、森鴎外{太田豊太郎}、谷崎潤一郎{河合譲治} 夏目漱石の小説の登場人物を作品ごとに 坊っちゃん{山嵐、うらなり、赤シャツ}、門{野中宗助}、吾輩は猫である{水島寒月、珍野苦沙弥}、三四郎{小川三四郎、里見美禰子} 幕末の人物を所属していた組織ごとに 海援隊{陸奥宗光、近藤長次郎、坂本龍馬、沢村惣之丞}、奇兵隊{三浦梧楼、白石正一郎、吉田稔麿、高杉晋作}、新撰組{沖田総司、斎藤一、土方歳三} 歴史上の人物を所属した組織ごとに 海援隊{近藤長次郎、坂本龍馬、陸奥宗光、沢村惣之丞}、新撰組{土方歳三、沖田総司、斎藤一、近藤勇} 歴史上の人物を参加した使節団ごとに 天正遣欧少年使節{伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルチノ}、慶長遣欧使節{支倉常長、ルイス・ソテロ} 歴史上の人物を関連する革命ごとに キューバ革命{カストロ、チェ・ゲバラ}、ロシア革命{レーニン、トロツキー}、フランス革命{ナポレオン、ロベスピエール} 歴史上の人物を活躍した時代ごとに 飛鳥時代{藤原鎌足、天武天皇、聖徳太子}、奈良時代{聖武天皇、大伴家持}、平安時代{平将門、藤原道長、紫式部}、鎌倉時代{日蓮、源頼朝}、室町時代{足利義満、一休宗純}、江戸時代{松平定信、徳川吉宗、坂本龍馬} 歴史上の人物を国ごとに フランス{マリー・アントワネット、モンテスキュー、ジャンヌ・ダルク、ナポレオン・ボナパルト}、イギリス{ウィンストン・チャーチル、シェークスピア、キャプテン・クック、アイザック・ニュートン}、イタリア{ムッソリーニ、マルコ・ポーロ、コロンブス、レオナルド・ダ・ヴィンチ}、ドイツ{カール・マルクス、ベートーべン、アドルフ・ヒトラー}、アメリカ{ロナルド・レーガン、ジミー・カーター、リチャード・ニクソン、ジョン・F・ケネディ}、ソ連{ユーリ・アンドロポフ、ミハイル・ゴルバチョフ、レオニード・ブレジネフ、ニキータ・フルシチョフ}、日本{神功皇后、穴穂部間人皇女}、中国{則天武后、西太后} 人物をそれが登場するシェークスピアの戯曲ごとに テンペスト{プロスペロー}、ロミオとジュリエット{ロレンス神父}、ハムレット{クローディアス}、ベニスの商人{ポーシャ、シャイロック、バッサニオ}、リア王{ゴネリル、コーデリア、リーガン}、真夏の夜の夢{パック、オベロン、ティタニア}、マクベス{マクダフ、ダンカン}、オセロ{キャシオ} 事柄をそれが起きた時の江戸幕府将軍ごとに 徳川吉宗{享保の改革、足高の制を制定、公事方御定書を制定、側用人・新井白石を罷免}、徳川秀忠{武家諸法度の制定、禁中並公家諸法度の制定}、徳川家光{鎖国体制が完成、参勤交代を制度化、島原の乱}、徳川慶喜{大政奉還、江戸城を無血開城}、徳川家斉{寛政の改革}、徳川綱吉{生類憐れみの令、天和の治、側用人・柳沢吉保を重用}、徳川家定{日米和親条約を締結}、徳川家慶{ペリーが初来航、天保の改革}、徳川家茂{公武合体策で和宮と結婚}、徳川家綱{保科正之が将軍補佐役に}、徳川家宣{荻原重秀による財政改革} 戦国時代の戦いをその舞台になった県ごとに 長野県{川中島の戦い}、滋賀県{姉川の戦い}、京都府{本能寺の変} 戦国時代の人物をそれが仕えた武将ごとに 豊臣秀吉{石田三成、竹中半兵衛、蜂須賀小六、大村純忠、小西行長}、徳川家康{榊原康政、酒井忠次、井伊直政、柳生宗矩、本多忠勝、板倉勝重}、石田三成{渡辺勘兵衛}、武田信玄{小山田信茂、甘利虎泰、山本勘助、真田幸隆、板垣信方}、織田信長{荒木村重、羽柴秀吉、森蘭丸、明智光秀}、今川義元{岡部元信、庵原将監}、上杉謙信{直江実綱} 事柄を当てはまる戦国武将ごとに 織田信長{桶狭間の戦いで勝利、将軍・足利義昭を追放、安土城を築く、本能寺の変で死去、延暦寺を焼き打ち、楽市・楽座を制定}、豊臣秀吉{大坂城を築城、聚楽第を設営、太閤検地を実施、朝鮮へ出兵、バテレン追放令、北条氏を滅ぼして天下統一、山崎の戦いで勝利、刀狩令制定、北野大茶会を主催}、徳川家康{関ヶ原の戦いで勝利、1603年征夷大将軍に、死後は東照大権現に、幼少時は今川氏の人質に、江戸幕府を創設、大御所政治を行う、大坂の陣で勝利} 戦国武将を秀吉政権での総称ごとに 五大老{前田利家、宇喜多秀家、上杉景勝、毛利輝元、小早川隆景}、五奉行{浅野長政、石田三成、増田長盛、長束正家、前田玄以} 歴史上の人物を当てはまるものごとに 戦国武将{北条早雲、直江兼続、今川義元、前田慶次、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、織田信長、毛利元就、武田信玄、上杉謙信、真田幸村}、幕末の志士{後藤象二郎、武市瑞山、伊藤博文、小松帯刀、大村益次郎、木戸孝允、西郷隆盛、坂本龍馬、高杉晋作、大久保利通、中岡慎太郎、吉田松陰} 戦国武将を関ヶ原の戦いでの勢力ごとに 東軍{池田輝政、福島正則、山内一豊、井伊直政、本多正純、加藤清正、伊達政宗、前田利長、徳川家康、結城秀康、藤堂高虎、細川忠興}、西軍{上杉景勝、長束正家、小西行長、増田長盛、九鬼嘉隆、宇喜多秀家、石田三成、毛利輝元、真田昌幸、長宗我部盛親、大谷吉継、織田信包} 戦国武将を妻とした女性ごとに お市の方{浅井長政、柴田勝家}、江{佐治一成、豊臣秀勝、徳川秀忠}、千姫{本多忠刻、豊臣秀頼} 武将・大名を本拠地とした地域ごとに 東北地方{相馬誠胤、上杉鷹山、伊達政宗、最上義守、相馬義胤、最上義光}、関東地方{上杉憲政、上杉憲実、北条氏康、北条氏政}、北陸地方{朝倉義景、上杉謙信}、中部地方{武田勝頼、真田昌幸、今川義元、土岐頼遠、真田幸村、斎藤道三、武田信玄、諏訪勝頼、今川氏真、小笠原長時}、近畿地方{豊臣秀吉}、中国地方{尼子経久、毛利輝元、毛利敬親、毛利元就、尼子晴久、尼子義久、小早川隆景、陶晴賢、三村元親、吉見頼興、南条宗勝}、四国地方{長宗我部盛親、長宗我部元親、宇都宮豊綱、山内豊信}、九州地方{小西行長、龍造寺隆信、大村純忠、島津義久、大友宗麟、松浦静山、有馬晴信、立花道雪} 武将を参加した戦いごとに 大坂夏の陣{真田幸村、豊臣秀頼}、本能寺の変{明智光秀、織田信長、織田信忠}、桶狭間の戦い{今川義元、織田信長}、川中島の戦い{武田信玄、上杉謙信}、三方ヶ原の戦い{武田信玄、徳川家康}、賤ヶ岳の戦い{羽柴秀吉、柴田勝家}、耳川の戦い{島津義久、田原親賢}、長篠の戦い{武田勝頼、織田信長}、小田原城の戦い{上杉謙信、北条氏康}、山崎の戦い{明智光秀、羽柴秀吉} 歴史上の人物を性別ごとに 男性{高浜虚子、チェ・ゲバラ、潘基文、孔子、サラディン、コシューシコ、鄭成功、小野妹子、李舜臣、ヴラド・ツェペシュ、マルコ・ポーロ、コナン・ドイル、泉鏡花、ツタンカーメン、チンギス・ハン、サン・テグジュペリ、ル・コルビュジエ、セシル・ローズ、スターリン、リンドバーグ}、女性{トーベ・ヤンソン、清少納言、額田王、アガサ・クリスティー、ジョルジュ・サンド、桂昌院、巴御前、ナイチンゲール、江青、ハトシェプスト、リリウオカラニ、ネリー・ブライ、エカチェリーナ2世、ジャンヌ・ダルク、サッチャー、アウン・サン・スー・チー、クレオパトラ、ワンガリ・マータイ、ムムターズ・マハル、ネフェルティティ} 元号をそれが使われた時代ごとに 飛鳥時代{大化}、奈良時代{神護景雲、天平、養老、天平神護、宝亀、天平感宝}、平安時代{平治、寿永、保元、承平、承和、貞観、天暦、治承、延喜、天慶}、室町時代{享徳、嘉吉、永享、宝徳、応永}、鎌倉時代{文永、弘安、宝治、正中、承久、貞永、元亨、乾元}、安土桃山時代{天正、慶長}、江戸時代{享保、文化、慶応、天明、明暦、文久、文政、寛永、天保、嘉永、寛文、安永、宝暦、元和、寛政、元治、万延、明和、正徳、慶安} 江戸時代の政策を三大改革ごとに 享保の改革{目安箱を設置、小石川養生所を設置、御庭番を創設、足高の制}、寛政の改革{人足寄場を設置、囲米、朱子学以外の講義を禁止、専売制を廃止}、天保の改革{株仲間を解散、歌舞伎を弾圧、寄席を閉鎖} 古代遺跡を国ごとに アステカ帝国{ソカロ、テンプロマヨール}、インカ帝国{サクサイワマン} 教皇と神聖ローマ帝国を当事者となった出来事ごとに アナーニ事件{フィリップ4世}、カノッサの屈辱{グレゴリウス7世}、ウォルムス条約{ハインリヒ5世} 皇帝を国ごとに ローマ帝国{ネルヴァ、アントニウス・ピウス、ネロ、カラカラ、ティベリウス、ユリアヌス、ウェスパシアヌス、トラヤヌス、ハドリアヌス、マルクス・アウレリウス、ヘリオガバルス、ディオクレティアヌス、ティトゥス、アウグストゥス、カリギュラ、ヴァレリアヌス}、アステカ帝国{アカマピチトリ、クアウテモック}、ロシア{アレクサンドル3世、アレクサンドル2世、エカチェリーナ2世、ピョートル1世、ピョートル2世、イヴァン6世、ニコライ2世、ニコライ1世}、神聖ローマ帝国{ジギスムント、カール4世、コンラート3世、ルドルフ1世、フリードリヒ1世、レオポルト1世、ハインリヒ5世、マクシミリアン1世、フランツ2世、アルブレヒト2世、オットー1世、アルフォンソ10世、ヨーゼフ2世}、インカ帝国{ワイナ・カパック、アタワルパ、ワスカル、パチャクテク}、ムガル帝国{アウラングゼーブ、バーブル、アクバル、フマーユーン、ムハンマド・シャー、アフマド・シャー、バハードゥル・シャー、シャー・ジャハーン}、オスマン帝国{アブテュルメジト1世、マフムト1世、ムラト1世、スレイマン1世、アブデュルハミト2世、メフメト2世、セリム1世}、ササン朝ペルシア{ヤズデギルド1世、ホルミズド1世、バハラーム1世、ホスロー1世、シャープール1世、カワード1世、ナルセ1世、アルデシール1世}、アケメネス朝ペルシア{クセルクセス1世、キュロス2世} イギリス国王を王朝ごとに テューダー朝{エドワード6世、ヘンリー7世、エリザベス1世、メアリー1世}、プランタジネット朝{エドワード1世、リチャード1世}、ウィンザー朝{ジョージ6世、エリザベス2世}、ステュアート朝{ウィリアム3世、アン女王}、ノルマン朝{ウィリアム1世} フランス国王を王朝ごとに カペー朝{フィリップ4世、ルイ9世、シャルル4世、フィリップ2世}、ヴァロワ朝{シャルル9世、アンリ2世、シャルル7世、フランソワ1世}、ブルボン朝{ルイ14世、ルイ18世、シャルル10世、アンリ4世}、カロリング朝{ピピン} 名言を、それを言った人物の国籍ごとに イギリス{神の見えざる手、鉄のカーテン、人は人に対して狼である}、フランス{我思う、故に我あり}、ドイツ{宗教はアヘンである、神はサイコロを振らない、君主は国家第一の下僕}、スペイン{ローマは一日にしてならず}、アメリカ{代表なくして課税なし} 国を栄えた地域ごとに ヨーロッパ{ブルグント王国}、東南アジア{マラッカ王国}、アフリカ{アクスム王国} 王朝をその王朝が栄えた国ごとに イギリス{ウィンザー朝、ノルマン朝、ヨーク朝、プランタジネット朝、ランカスター朝、ハノーヴァー朝、テューダー朝}、ロシア{ロマノフ朝、リューリク朝}、フランス{ブルボン朝、ヴァロワ朝、カロリング朝、カペー朝、メロヴィング朝}、ポーランド{ピャスト朝}、タイ{アユタヤ王朝、チャクリ王朝、スコタイ王朝}、イラン{サーマーン朝、アケメネス朝、パフレヴィー朝、イルハン朝、サファヴィー朝、アフシャール朝、ターヒル朝、カージャール朝}、スペイン{後ウマイヤ朝}、モロッコ{ムラービト朝、ムワッヒド朝、ワッタース朝、マリーン朝}、インド{サータバーハナ朝、デリー・スルタン朝、ゴール朝、グプタ朝、クシャーナ朝、マウリヤ朝}、ベトナム{グエン朝} 「小倉百人一首」に収められている和歌を詠み人の性別ごとに 男性{これやこの行くも帰るも、わが庵は都のたつみ、このたびは幣も取りあへず、白露に風の吹きしく、朝ぼらけ有明の月と、田子の浦にうち出てみれば、こぬ人をまつほの浦の、心あてに折らばや折らむ、みかの原わきて流るる、わたのはら八十島かけて、かくとだにえやは伊吹の、立ちわかれいなばの山の、あしびきの山鳥の尾の、ちはやぶる神代もきかず、契りきなかたみに袖を、天の原ふりさけ見れば}、女性{玉の緒よ絶なば絶ね、有馬山猪名の篠原、恨みわび干さぬ袖だに、大江山いくのの道の、音に聞く高師の浜の、花の色はうつりにけりな、嘆きつつひとりぬる夜の、めぐりあひて見しや、忘らるる身をば思はず、夜をこめて鳥の空音は、春の夜の夢ばかりなる、忘れじの行末までは、やすらはで寝なましものを、いにしへの奈良の都の} 人物を「小倉百人一首」に和歌が収められている人物と収められてない人物に 収められている{阿部仲麻呂、在原業平、紀貫之、持統天皇、在原行平、天智天皇、柿本人麻呂、清少納言、小野小町、喜撰法師、山部赤人、文屋康秀、西行法師、和泉式部、式子内親王、猿丸大夫、藤原定家、蝉丸、大江千里、僧正遍昭}、収められてない{蘇我入鹿、平清盛、聖徳太子、織田信長、足利尊氏、源頼朝、稗田阿礼、大津皇子、日野富子、道鏡、豊臣秀吉、鑑真、北条政子、卑弥呼、日蓮、千姫、神武天皇、長屋王、推古天皇、藤原道長} 天皇を性別ごとに 男性{嵯峨天皇、孝明天皇、天智天皇、桓武天皇、聖武天皇、後鳥羽天皇、後醍醐天皇、白河天皇}、女性{孝謙天皇、後桜町天皇、推古天皇、持統天皇、皇極天皇、元正天皇、明正天皇} 天皇を在位した時代ごとに 平安時代{後白河天皇、後一条天皇、後伏見天皇、後三条天皇}、鎌倉時代{後嵯峨天皇、後醍醐天皇、後宇多天皇、後二条天皇、後堀河天皇}、室町時代{後土御門天皇、後柏原天皇、後奈良天皇}、江戸時代{後水尾天皇、後光明天皇、後桜町天皇、後桃園天皇} 三字熟語を由来ごとに 仏教用語{有頂天、無尽蔵、醍醐味、長広舌、金輪際}、故事成語{破天荒、太公望、登龍門} 言葉を、由来ごとに 仏教用語{縁起、会釈、臆病、出世、玄関、愚痴、億劫、律儀、妄想}、故事成語{推敲、逆鱗、蛇足、矛盾、杞憂、杜撰、折檻、助長} 難読漢字を漢字を正しく使っているか一文字誤りがあるかで 正しい{危機一髪、諸行無常、意味深長、快刀乱麻、意気衝天}、誤りがある{一穫千金、直情経行、天衣無法、無知蒙味、虚心担懐} 四字熟語を由来ごとに 仏教用語{四苦八苦、一念発起、他力本願、言語道断}、故事成語{夜郎自大、傍若無人、臥薪嘗胆、捲土重来} 四字熟語を○に入る漢数字ごとに 一{○騎当千、○網打尽、首尾○貫、○陽来復、○心不乱、○言居士、○衣帯水、○獲千金、乾坤○擲、○蓮托生}、二{一石○鳥、唯一無○}、三{○拝九拝、二束○文、孟母○遷、朝○暮四、韋編○絶、○寒四温}、四{朝三暮○、○苦八苦、○面楚歌}、五{○風十雨、○里霧中、○臓六腑}、六{八面○臂、○根清浄}、八{○方美人、七転○倒}、九{○牛一毛、三拝○拝}、百{一罰○戒、○家争鳴、○花斉放、○戦錬磨、○鬼夜行、○花繚乱}、千{一騎当○、一日○秋、○載一遇、一獲○金、悪事○里}、万{○物流転、森羅○象、七珍○宝、○死一生、波瀾○丈} 四字熟語を○に入る漢字ごとに 天{○網恢恢、意気衝○、則○去私}、地{咽喉之○、○水火風、活溌溌○}、中{○途半端}、小{○人閑居、○心翼翼}、大{○義名分、○器晩成、○山鳴動、○願成就}、車{唇歯輔○、安歩当○}、船{硯池法○、南○北馬}、飛{○竜乗雲、烏○兎走} 四字熟語を○に入る動物の漢字ごとに 竜{画○点睛、○頭蛇尾}、虎{暴○馮河、○視眈眈}、鳥{池魚籠○、花○風月}、魚{沈○落雁、池○籠鳥}、羊{多岐亡○、○頭狗肉}、狼{周章○狽}、兎{金烏玉○、鳶目○耳}、雀{欣喜○躍}、鶏{○鳴狗盗、陶犬瓦○}、牛{一○鳴地、汗○充棟}、象{森羅万○}、馬{○耳東風、千軍万○、南船北○、意○心猿、寸○豆人}、蛙{○鳴蝉噪} 熟語を読みの最初の一文字ごとに あ{天晴、嘲笑う、灰汁、周章てる、飛鳥}、い{悪戯、田舎}、う{雲丹、泡沫、狼狽える、団扇}、さ{私語く、彷徨える}、は{含羞む、同胞}、な{就中、等閑}、つ{旋毛、氷柱} 熟語を読み方ごとに みぞおち{鳩尾}、こめかみ{蟀谷}、しらふ{白面、素面}、ふけ{頭垢、雲脂}、あま{海女}、おかみ{女将、内儀}、おやま{女形}、がらす{硝子}、ねじ{捻子、螺子、捩子}、なめこ{滑子}、はしご{階子、梯子}、めおと{妻夫、夫婦、女夫}、にきび{面皰}、かや{蚊帳}、あずまや{四阿、阿舎、東屋}、あぐら{胡坐}、おもや{母屋、主屋} 二字熟語を読み方ごとに うんき{温気}、えんき{厭忌}、あんき{晏起、安危}、せんき{疝気}、りんき{悋気}、けいじょう{敬譲、警杖、契情}、けいてい{兄弟}、けいせん{軽賎}、けいけい{炯炯}、けいせい{契情、傾城、警醒}、てんぼう{展望}、せんとう{銭湯、尖塔、戦闘}、てんきゅう{天穹、天泣}、てんちゅう{天誅、天柱}、てんちょう{天聴、天寵}、てんじょう{天壌}、てんとう{店頭、点灯、転倒}、てんこう{天候}、けいり{経理、警吏}、さいり{犀利}、かいり{懐裡、乖離}、へいり{瓶裏、弊履}、だいり{内裏}、こうさん{降参、恒産、公算}、こうさい{虹彩、交際}、そうさい{喪祭、総裁}、ようさん{洋傘、葉酸、養蚕}、ようさい{洋裁、要塞}、ようきん{溶菌、洋琴} 言葉を、読みごとに こうとう{叩頭、喉頭、浩蕩、寇盗、洪濤、功稲、高騰、高踏、勾当}、こうそう{倥偬、降霜}、こうこう{杲杲、膏肓、耿耿、鴻溝、口腔}、こうくう{口腔}、こうさい{交際、虹彩}、こうさん{公算、降参、恒産}、こうろう{高楼}、そうさい{喪祭、総裁} 漢字をかな3文字の読みごとに はずみ{機}、よすが{縁}、くだり{条、件}、きずな{絆、紲}、いとま{遑、暇}、かがみ{鑑}、かたき{讐}、あらわ{露、顕}、ほとり{畔、辺}、なかま{党}、あかし{灯、証}、ほうき{箒、彗}、あした{朝}、いわや{窟}、うてな{台}、てすり{欄}、よしみ{好、誼}、うつつ{現}、しるし{標、証}、はかり{衡}、とりで{塞}、いくさ{軍、戦}、おどし{縅}、つかさ{官}、いさお{勲}、やから{族、輩}、ためし{様、例}、めもり{度}、しぶき{沫} 漢字を部首ごとに ひとやね{傘、今、舎}、いりがしら{全、兪} 漢字を、部首ごとに くち{嗽}、くるま{軟}、あくび{次、欲、歌}、ひ{炊}、かくしがまえ{匿、医、匹}、はこがまえ{匪、匠、匡、匣}、つち{坐、塁}、いと{累}、と{戻、房、所}、ふるとり{隼、集、雇}、ちから{加、劣、勝、勇}、じゅう{卑、協}、にく{肯、肩、育、脅}、た{界、留、甲、男、町}、き{未、末}、こころ{忌、恩、思}、ならびひ{毘}、かぜがまえ{凪、凩、凰}、きにょう{凡、処、凭} 漢字を、画数ごとに 3画{及、弓}、4画{氏、比、支}、5画{巨、込、永、号、出、凸}、6画{瓜、考、卍、缶、衣}、7画{忌、匣、串、臣、卵}、8画{画、亞} 漢字を、「学年別漢字配当表」に基づき習うとされる小学校の学年ごとに 一年生{千、森、金、草}、二年生{馬、古、兄、聞}、三年生{持、医、板、波}、四年生{得、兵、種、未、芸、無、法、完、借}、五年生{在}、六年生{私、砂、存、呼} 大日本帝国の軍人を所属した軍隊ごとに 海軍{加藤友三郎、東郷平八郎、広瀬武夫}、陸軍{児玉源太郎、大山巌} 戦いを紀元前・紀元後で 紀元前{ファルサロスの戦い、プラタイアイの戦い、ピュドナの戦い}、紀元後{カーディシーヤの戦い、ハンダクの戦い、カシリナムの戦い} 戦いをそれが起こった世紀ごとに 紀元前{マラトンの戦い、サラミスの海戦、アクティウムの海戦}、13世紀{文永の役、弘安の役}、14世紀{ニコポリスの戦い}、15世紀{オルレアンの戦い}、16世紀{パヴィアの戦い、慶長の役、文禄の役}、17世紀{ネイズビーの戦い}、18世紀{ヴァルミーの戦い、プラッシーの戦い}、19世紀{ソルフェリーノの戦い、アウステルリッツの戦い}、20世紀{ミッドウェー海戦、ノルマンディー上陸作戦、真珠湾攻撃、ディエンビエンフーの戦い、レニングラードの戦い、ダンケルクの戦い} 国を、その国が直接関与した戦争ごとに アルジェリア戦争{フランス}、フォークランド紛争{アルゼンチン、イギリス}、ベトナム戦争{アメリカ、オーストラリア、韓国} 戦争を始まった世紀ごとに 紀元前{ペルシア戦争、ポエニ戦争、ペロポネソス戦争}、14世紀{百年戦争}、15世紀{ばら戦争}、17世紀{ロシア・ポーランド戦争、三十年戦争、北方戦争}、18世紀{七年戦争、フランス革命戦争}、19世紀{イタリア統一戦争、クリミア戦争、普仏戦争、アメリカ南北戦争、アヘン戦争、スペイン独立戦争、露土戦争、メキシコ独立戦争、普墺戦争、アロー戦争}、20世紀{インドネシア独立戦争、印パ戦争、日露戦争、第一次世界大戦、ベトナム戦争、朝鮮戦争、第二次世界大戦、湾岸戦争、イラン・イラク戦争、ビアフラ戦争、日中戦争、伊土戦争、コンゴ動乱、スペイン内乱} 歴史上の人物を関連した戦争ごとに クリミア戦争{レフ・トルストイ、ナイチンゲール、アルフレッド・ノーベル}、アメリカ独立戦争{ラファイエット、タデウシュ・コシューシコ}、ギリシャ独立戦争{ジョージ・バイロン} 戦いを含まれる戦争ごとに 日清戦争{威海衛の戦い、豊島沖海戦}、日露戦争{日本海海戦、樺太の戦い、蔚山沖海戦、遼陽会戦} キリスト教の宣教師をその出身国ごとに ドイツ{アダム・シャール}、スペイン{フランシスコ・ザビエル}、ポルトガル{ガスパル・コエリョ、ガスパル・ヴィレラ、ルイス・デ・アルメイダ、ルイス・フロイス}、イタリア{ヴァリニャーノ、マテオ・リッチ、カスティリオーネ、オルガンティノ}、フランス{ジャン・レジス、ジョアシャン・ブーヴェ} 人物を登場する小説ごとに 舞姫{エリス、太田豊太郎}、金色夜叉{鴫沢宮、間貫一}、野菊の墓{戸村民子、斉藤政夫} 文学の登場人物を登場する作品ごとに 海底二万里{ネッド・ランド、ネモ船長、アロナックス教授}、武器よさらば{キャサリン・バークレイ}、誰がために鐘は鳴る{ロバート・ジョーダン}、二十日鼠と人間{ジョージ・ミルトン、レニー・スモール}、風と共に去りぬ{レット・バトラー、スカーレット・オハラ}、復活{ネフリュードフ、カチューシャ}、赤と黒{ジュリアン・ソレル}、レ・ミゼラブル{マリウス・ポンメルシー、ジャン・バルジャン}、カルメン{ドン・ホセ}、ドン・キホーテ{ドゥルシネーア}、パルムの僧院{ファブリス}、変身{グレゴール・ザムザ} フランス文学の主人公をその作品の作者ごとに モリエール{アルパゴン、アルセスト}、ユーゴー{ジャン・バルジャン}、スタンダール{ジュリアン・ソレル、ファブリス}、カミュ{ムルソー}、アンドレ・ジイド{ジェルトリュード、ジェローム}、デュマ{ダルタニャン、エドモン・ダンテス}、ヴェルヌ{ネモ船長、フィリアス・フォッグ}、エクトル・マロ{レミ}、モーパッサン{ジョルジュ・デュロア} フランス文学を作者ごとに モーパッサン{女の一生、脂肪の塊、ベラミ}、スタンダール{赤と黒、パルムの僧院}、デュマ{三銃士、モンテ・クリスト伯}、ユーゴー{レ・ミゼラブル}、ロマン・ロラン{ジャン・クリストフ、見せられたる魂}、サガン{悲しみよこんにちは、ブラームスはお好き}、バルザック{ゴリオ爺さん、谷間の百合、従妹ベット}、ゾラ{ナナ、居酒屋}、ヴェルヌ{八十日間世界一周、海底二万里、十五少年漂流記}、カミュ{異邦人}、サン=テグジュペリ{星の王子さま、夜間飛行}、ラブレー{ガルガンチュワ物語、パンタグリュエル物語}、ラディゲ{肉体の悪魔}、アンドレ・ジイド{贋金つくり}、シャトーブリアン{ルネ}、フローベール{サランボー} ロシア文学を作者ごとに ツルゲーネフ{猟人日記、父と子、初恋}、ショーロホフ{静かなるドン、開かれた処女地}、ドストエフスキー{カラマーゾフの兄弟、罪と罰}、ナボコフ{ロリータ}、ゴーゴリ{鼻、死せる魂、狂人日記}、チェーホフ{桜の園、三人姉妹、かもめ、ワーニャ伯父さん}、マルシャーク{森は生きている}、ロープシン{蒼ざめた馬}、エレンブルグ{雪どけ}、ソルジェニーツィン{ガン病棟}、プーシキン{大尉の娘}、トルストイ{復活、アンナ・カレーニナ} ロシア文学の主人公をその作品の作者ごとに トルストイ{カチューシャ、ナターシャ、アンナ・カレーニナ}、ドストエフスキー{スタヴローギン、ラスコリニコフ、ムイシュキン公爵}、ツルゲーネフ{バザーロフ} 小説の書き出しを小説の作者ごとに 宮沢賢治{うとうととして、ではみなさんは、そういう、二人の若い紳士が、どっどどどどうど}、夏目漱石{山路を登りながら、誰か慌ただしく門前を、吾輩は猫である、宗助は先刻から縁側へ、私はその人を常に先生と、親譲りの無鉄砲で、医者は探りを入れた後で、誰か慌ただしく門前を}、太宰治{メロスは激怒した、富士の頂角、広重の富士は、朝、食堂でスウプを一さじ}、小林多喜二{おい地獄さ行ぐんだで!}、梶井基次郎{えたいの知れない不吉の塊}、川端康成{道がつづら折りになって、国境の長いトンネルを}、伊藤左千夫{後の月という時分が来ると}、島崎藤村{蓮華寺では下宿を兼ねた} 書き出しで始める文学作品を書かれた時代ごとに 奈良時代{天地初めて発けし時、古に天地未だ剖れず}、平安時代{いづれのおほん時にか、春はあけぼの、夢よりもはかなき世の中を、あづまぢの道のはてよりも、かくありし時過ぎて、男もすなる日記といふもの、秋のけはひ入り立つままに、昔、男初冠して、平城の京}、鎌倉時代{祇園精舎の鐘の声、つれづれなるままに、行く河の流れは絶えずして}、江戸時代{月日は百代の過客にして、桜もちるに歎き}、明治時代{親譲りの無鉄砲で、廻れば大門の見返り、千早振る神無月も、山路を登りながら}、昭和時代{木曽路は常に山の中である、おい地獄さ行ぐんだで!、国境の長いトンネルを} 文学作品をその背景となっている出来事ごとに 日露戦争{不如帰、坂の上の雲、君死にたまふことなかれ}、第一次世界大戦{武器よさらば、西部戦線異状なし}、第二次世界大戦{ブリキの太鼓、凱旋門、灰とダイヤモンド}、スペイン内乱{カタロニア讃歌、誰がために鐘は鳴る}、太平洋戦争{火垂るの墓、レイテ戦記、黒い雨、俘虜記} 文学作品を作者ごとに 太宰治{走れメロス、二十世紀旗手、桜桃、富嶽百景、津軽、人間失格、斜陽、ヴィヨンの妻}、三島由紀夫{仮面の告白、潮騒、英霊の声、美徳のよろめき、豊饒の海、金閣寺、憂国、永すぎた春、宴のあと}、川端康成{伊豆の踊子、眠れる美女、雪国}、樋口一葉{にごりえ、たけくらべ、大つごもり、十三夜}、夏目漱石{三四郎、門、坊っちゃん、それから、吾輩は猫である、こころ、草枕、彼岸過迄、行人}、尾崎紅葉{金色夜叉}、志賀直哉{暗夜行路、小僧の神様}、宮沢賢治{注文の多い料理店、風の又三郎、セロ弾きのゴーシュ、グスコーブドリの伝記、オツベルと象、銀河鉄道の夜}、芥川龍之介{邪宗門、戯作三昧、杜子春、蜘蛛の糸、地獄変、鼻、羅生門}、坪内逍遥{当世書生気質、小説神髄}、田山花袋{田舎教師、蒲団}、幸田露伴{五重塔、風流仏}、永井荷風{ふらんす物語、腕くらべ、断腸亭日乗}、堀辰雄{風立ちぬ}、島崎藤村{破戒、夜明け前}、有島武郎{或る女、カインの末裔}、森鴎外{阿部一族、高瀬舟、うたかたの記、文づかひ、舞姫、雁}、泉鏡花{義血侠血、高野聖、婦系図}、谷崎潤一郎{ヴィヨンの妻、細雪、痴人の愛、卍}、坂口安吾{白痴、桜の森の満開の下}、佐藤春夫{田園の憂鬱}、井伏鱒二{山椒魚、黒い雨}、菊池寛{父帰る、恩讐の彼方に}、山本有三{路傍の石、真実一路}、山本周五郎{青べか物語、樅ノ木は残った、赤ひげ診療譚}、井上靖{天平の甍、おろしや国酔夢譚、敦煌、しろばんば}、火野葦平{麦と兵隊}、壺井栄{二十四の瞳}、水上勉{五番町夕霧楼}、遠藤周作{海と毒薬、沈黙}、五木寛之{青春の門、さらばモスクワ愚連隊}、井上ひさし{吉里吉里人}、深沢七郎{楢山節考}、セルバンテス{ドン・キホーテ}、ジェイムズ・ジョイス{ダブリン市民}、ストリンドベリ{令嬢ジュリー}、ボッカチオ{デカメロン} 文学作品を書かれた時代ごとに 奈良時代{万葉集、古事記、日本書紀、懐風藻}、平安時代{今昔物語集、大鏡、更級日記、枕草子、土佐日記、源氏物語、宇津保物語、栄華物語、とりかへばや物語、浜松中納言物語、伊勢物語、和泉式部日記、蜻蛉日記、紫式部日記、大和物語、古今和歌集、和漢朗詠集}、鎌倉時代{徒然草、方丈記、十六夜日記、愚管抄、宇治拾遺物語、金槐和歌集、新古今和歌集、平家物語、無名草子}、室町時代{曽我物語、申楽談儀、太平記、難太平記、増鏡}、江戸時代{世間胸算用、南総里見八犬伝、偐紫田舎源氏、春色梅児誉美、好色一代男、東海道中膝栗毛、浮世風呂、奥の細道、古事記伝、野ざらし紀行、椿説弓張月、おらが春、日本永代蔵、浮世床、雨月物語}、明治時代{それから、破戒、三四郎、一握の砂、当世書生気質、高野聖、草枕、海潮音、みだれ髪、吾輩は猫である、たけくらべ、坊っちゃん、舞姫、金色夜叉、田舎教師}、昭和時代{人間失格、路傍の石、智恵子抄、破戒、山羊の歌、蟹工船、走れメロス、黒い雨、斜陽、夜明け前、潮騒、雪国、細雪、氷点、金閣寺} 文学作品を書かれた時代ごとに 紀元前{ガリア戦記、女の平和、イソップ寓話、ラーマーヤナ、ソクラテスの弁明、イリアス、オデュッセイア}、13世紀{東方見聞録、神学大全}、14世紀{カンタベリー物語}、16世紀{ガルガンチュワ物語、愚神礼賛、ユートピア、君主論}、17世紀{マクベス、リヴァイアサン、ハムレット、ドン・キホーテ、タルチュフ}、18世紀{マノン・レスコー、若きウェルテルの悩み、ロビンソン・クルーソー}、19世紀{カラマーゾフの兄弟、アンクル・トムの小屋、カルメン、虚栄の市、戦争と平和、赤と黒、谷間の百合、アンナ・カレーニナ}、20世紀{風と共に去りぬ、ライ麦畑でつかまえて、欲望という名の電車、月と六ペンス、裸のランチ、悲しみよこんにちは、偉大なるギャツビー、日はまた昇る、夜間飛行、エデンの東、西部戦線異状なし} 江戸時代の文学作品を作者ごとに 松尾芭蕉{奥の細道、野ざらし紀行、更科紀行}、小林一茶{おらが春}、井原西鶴{世間胸算用、日本永代蔵、好色一代男}、十返舎一九{東海道中膝栗毛}、式亭三馬{浮世風呂、浮世床}、近松門左衛門{曽根崎心中、冥途の飛脚、女殺油地獄、心中天網島}、上田秋成{雨月物語}、本居宣長{玉勝間、古事記伝}、滝沢馬琴{南総里見八犬伝、椿説弓張月} 文学作品を作者の性別ごとに 男性{老人と海、レ・ミゼラブル、細雪、カラマーゾフの兄弟、赤と黒、金閣寺、月と六ペンス、ジキル博士とハイド氏、ティファニーで朝食を、武器よさらば、若きウェルテルの悩み、徒然草、方丈記、路傍の石、土佐日記、夜明け前、罪と罰、エデンの東、羅生門、坊っちゃん、走れメロス、青春の門、幸福な王子、ベニスに死す、西部戦線異状なし、二都物語}、女性{嵐が丘、風と共に去りぬ、放浪記、悲しみよこんにちは、アンクル・トムの小屋、ダロウェイ夫人、小公女、十六夜日記、更級日記、華岡青洲の妻、大地の子、枕草子、蜻蛉日記、源氏物語、二十四の瞳、氷点、ニルスのふしぎな旅、恍惚の人、若草物語、ジェイン・エア、大地、高慢と偏見、たけくらべ、クレーヴの奥方、あしながおじさん、青い麦、サイラス・マーナー、みだれ髪、フランダースの犬} 文学作品を作者の国籍ごとに 中国{西遊記、三国志演義、阿Q正伝、水滸伝}、日本{枕草子、源氏物語、徒然草、方丈記} 中国の小説の登場人物を作品ごとに 三国志演義{諸葛亮、呂布、関羽、劉備}、西遊記{三蔵法師、沙悟浄、孫悟空、猪八戒} 「三国志演義」の登場人物を主に仕えた君主ごとに 曹操{荀彧、典韋、郭嘉、張遼、司馬懿、夏侯惇}、孫権{周瑜、陸遜}、劉備{関羽、諸葛亮、趙雲、黄忠、馬超} 言葉を由来となった古代中国の人物ごとに 諸葛孔明{七縦七擒}、西施{顰みに倣う}、孟嘗君{狡兎三窟} 人物を活躍した中国三国志時代の王朝ごとに 魏{夏侯尚、曹丕}、呉{諸葛瑾、孫権}、蜀{趙雲、劉備、諸葛亮} 人物をその人物が支配した中国の王朝ごとに 随{楊堅、煬帝}、明{洪武帝、永楽帝}、金{完顔阿骨打}、清{ホンタイジ} 猫に関する言葉を俳句で季語となっている季節ごとに 春{浮かれ猫、子猫、猫の恋}、冬{炬燵猫、かじけ猫、灰猫} 言葉を俳句で季語となっている季節ごとに 春{青嵐、余寒、八十八夜}、夏{入梅、土用波、朝凪、薫風}、秋{野分、虫時雨、天高し、菊日和、鰯雲}、冬{年の瀬、雁渡、酉の市、小春日和、節分} 俳句の季語を季節ごとに 新年{元日、小正月、初日、正月、三が日、松の内、今年}、春{春惜しむ、花冷え、啓蟄、如月、早春、八十八夜、行く春、余寒、旧正月、寒明、彼岸、立春、夏近し、暖か、弥生、灼く}、夏{半夏生、初夏、炎昼、卯月、夏至、大暑、短夜、薄暮、入梅、水無月、梅雨明、土用、秋近し、立夏、梅雨寒、皐月、灼く、薫風、万緑}、秋{やや寒、秋彼岸、晩秋、長月、新涼、肌寒、十月、冬近し、秋深し、文月、葉月、二百十日、立秋、夜長、残暑}、冬{年越、師走、凍る、行く年、寒の入、年の内、年惜しむ、霜月、立冬、厳寒、大晦日、霜夜、春待つ、除夜、年の暮、春近し、短日、冬至、節分} 俳句を作者ごとに 小林一茶{我と来て遊べや親のない雀、蝉なくやつくづく赤い風車、秋風に歩行て逃げる蛍かな}、尾崎放哉{足のうら洗へば白くなる、咳をしても一人}、松尾芭蕉{五月雨を集めて早し最上川、秋深き隣は何をする人ぞ、古池や蛙飛びこむ水の音、閑さや岩にしみ入蝉の声、荒海や佐渡によこたふ天河、花の雲鐘は上野か浅草か}、与謝蕪村{凧きのふの空のありどころ、五月雨や大河を前に家二軒、菜の花や月は東に日は西に、朝顔や一輪深き淵の色}、種田山頭火{まつすぐな道でさみしい}、河東碧梧桐{赤い椿白い椿と落ちにけり} 俳人を活躍した時代ごとに 江戸時代{松尾芭蕉、小林一茶、与謝蕪村}、明治時代{高浜虚子、正岡子規} ここを編集
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登録日:2020/12/25 Fri 22 00 00 更新日:2023/07/23 Sun 18 39 04NEW! 所要時間:格納状態では約 30 分、展開状態では約 50 分で読めます ▽タグ一覧 タオ 中国史 中華帝国 中華思想 作家 台湾 合わない人はとことん合わない 太上老君 始皇帝 安能イズム 安能務 故人 歴史小説家 濃すぎる思想 申公豹 老子 道教 一般に、正史を含めた中国の史書は、歴史と物語が綯交(ないま)ぜにされてきた。いや、正史すら実は一種の「歴史物語」である。 安能(あのう) 務(つとむ)とは、中国史を題材にした日本の小説家。 代表作は「封神演義」「始皇帝 中華帝国の開祖」など。 【来歴】 【主観で書くしかない】 【中国は儒教国家ではない】 【中国の民衆は鬼より賢い】 【中国は道教の世界である】 【各作品】◇封神演義 ◇春秋戦国志 ◇中華帝国志 ◇八股と馬虎 中華思想の精髄 ◇隋唐演義 ◇三国演義 ◇始皇帝 中華帝国の開祖 ◇韓非子 ◇権力とは何か 中国七大兵書を読む ◇映画「始皇帝暗殺」パンフレットへの寄稿文 【安能イズム名言集】 【来歴】 安能氏の人生については、ほとんどわかっていない。 通常、表紙の折り返しなどに著者紹介があるものだが、安能氏の著作では個人的な紹介がほとんど為されていない。 さらに安能氏は「あとがき」を書かないことを信条としていた。 そのため、明確に著者紹介があり、個人的な伝記が記されるのは「権力とはなにか」の裏表紙と、「始皇帝」「韓非子」の折り返し。 あとがきがあるのは、「八股と馬虎」「三国演義」、および文庫版に追加された「韓非子」「始皇帝」しかない。 著作群においては、玉音放送を感慨深く聞いていたこと、戦後は渡航規制が掛けられなかなか外国に行けなかったこと、台湾や中国の知己が多かったこと、「八股と馬虎」執筆時点が一九九四年ということ、などが記述されている。 しかも、もとより伝記資料が少ないうえに、本によって生年が異なっている。 つまり、 始皇帝:1932(昭和7)年、台湾生まれ。 韓非子:1925(大正14)年、台湾生まれ。 権力とは何か:一九二二年、台湾生まれ。 の三パターンの記述があり、生年だけでも前後十年の幅があるのだ。 もっとも、いずれの記述でも「台湾生まれ、香港大学卒」は一致している。また、安能氏は台湾情勢に注意を払っておられたので、日本統治時代の台湾出身であることは間違いないだろう。 没年のみははっきりしており、西暦2000年の四月に逝去。 それ以外の個人情報についてはまったく分からない。墓所も分からないので墓参りもできない。 「安能務」自体もペンネームかもしれない。 「権力とは何か」にて「漢詩をバラバラにして漢字を組み直し、逆の趣旨の漢詩にしてみる遊び」をしているらしい。 この流儀で「安能務」をバラして見ると「安い能力で務める」=この私は才能・能力(能)はたいしたこともない(安い)ができる限り頑張って(務)みる、とも読めるからだ。 もちろん単純に本名かもしれないが(*1)、そこのところも分からない。 結局、わからないことが多いということだ。 しかし、幸いにも安能氏の著作は、文庫本にして二十三冊と映画パンフレットの寄稿文が一つある。 そして安能氏は、著書を「中立な立場」から書くことを良しとせず、「主観的な立場」から書くしかないと開き直って、露骨なまでに自分の意識を押し出して執筆された。 そのため、安能氏の著書を読むことは、安能氏の人間性にも間接的に触れることにつながる。 「韓非子」にて、「想像」という話が乗せられている。 「想像」という言葉は現在では単にイメージすることを指すが、本来は「想象」、動物の象を思い浮かべることであった。 中国にはむかし象がいたが、韓非子のころには絶滅して骨しか残っていない。しかし生きた象を見ることはできなくとも、死んだ象の骨を並べて、生きていたころの姿を「想像」することはできるはずだ、というわけだ。 いま、我々は安能務師に直接お会いすることは叶わないが、その著作を読み、間接的に「教え」を受けることで、なにかしら触れることは可能である。 そうして触れた安能務師の人間性、あるいは著作傾向だが、 激しい憤激を宿しながらも、老練なユーモアで包み隠した人物 といえる。 一連の著作群を貫くのは、司馬史観ならぬ「安能史観」「安能イズム」とでも言うべき独特の思想哲学である。 【主観で書くしかない】 安能イズムの第一は、「客観的・科学的に分析した、実証主義的な歴史研究」の手法に対する、激しい憤慨と批判の意である。 「客観的・科学的・実証主義的な歴史研究」に対しては、それでは人間の世界を理解することは絶対にできない、と燃え上がるような意志で否定する。 もともと人間の意識自体が、そんな「客観的」「科学的」なものではない。「いっさい主観を廃した、客観的で科学的で中立な見解」などと言うものは、人間には存在しない。 歴史文献ひとつとっても、そこに「文章」として記された時点で、書き手の主観が入る。まして中国史において、主観に基づいて文章を書くことは当然のことであった。孔子にしてからが、歴史書「春秋」にて主観に基づいて事実を歪めて書き、司馬遷の「史記」にそれを否定される、といった始末である。 そして、人間はどれほど進化したところで、主観でしか物事を見れないし語れない。どれほど「正しい」と認識したところで、結局は「仮説」でしかない。「真実」を「ありのまま」に受け入れて表現することは、人間には絶対にできないのだ。 歴史資料は平然と嘘や主観がまかり通り、読み手と書き手も主観を超克できないと言うのであれば、「科学的」で「客観的」とは、なんなのか? 仰々しく引用した資料を明記して「註」を付けても、それをもって「客観的」だ、ということにはなるまい。そして「あるいは、これこれしかじかではなかろうか、と思われる」といった類の表現をすれば、それで独断を避けた謙虚な美徳を発揮したことになるのか? 「八股と馬虎」のあとがきにおける、安能老師の本気の憤慨であり、天を衝く気迫である。 こうした激しい問題意識、燃え上がるような意志や気迫が、安能作品の根底にある。 そういった激しい意志、突きつけるような激情に対して、文体は非常にユーモラスで、諧謔に満ちているのも特徴。炎のような意志をユーモアのオブラートに包んでいると言うべきか。 全体的にからっとしており、ドライでありながらも楽しいところがある。 例えば「春秋戦国志」上巻、鄭の荘公と軍師の祭足が、宋国討伐の相談をする話。 主題は宋国討伐なのに「じゃあ周の王都に行きましょう」と言い出した祭足に、荘公は 「また悪いクセを出しおる。まっすぐ言ってくれないか」 と、安能氏の回りくどい説明を自虐するような言葉を発する。 祭足の意図は「周王を刺激して、宋国討伐の許可を出させ(出さなければ偽造して『出してもらった』ことにして)、大義名分を得る」ことにあり、納得した荘公は祭足にも一緒に来てもらうよう言い出すのだが、 「どうも、あの儀礼ずくめの洛陽は、嫌ですなあ。それに洛陽城下で“稲刈り”をした前科(*2)もあるし」 とすでに役職勤めをしている人間とは思えない発言をし、 「頼む!」 と荘公は誰も見てないのを良いことに、荘公は頭を下げる。 「はい、はい。殿下に頭を下げられれば、まさか、いやとも言えますまい」 ということで、周朝への参勤が決まった。 と「君主が頭を下げて頼み、臣下が苦笑しながら請ける」という、本人たちの親しさを明るく表現している。 上記の祭足もそうだが、しばしば登場人物たちの口を借りて、安能イズムを語らせるのも特徴。 全体的に「権力の構造」「中国人の発想」などを説明している場面が多く、それを会話形式でトントンと進めていく。 そしてそういう場面では普通に横文字や日本の諺を使ったりしており(下山したばかりの姜子牙が「おれは浦島太郎のようなもんだ」と愚痴ったり、サボタージュという言葉が飛び出したり)、慣れるとテンポよく進む。 もっとも、そうした諧謔で彩られた文章の、すぐ裏には、例によって燃え上がる激情が確かに赤々と燃えている。 そして時には激情の安能イズムが表に噴き出すことがあり、そこには安能老師の重要な思想が発露されている。 【中国は儒教国家ではない】 「主観で書くしかない」に次ぐ安能イズムの第二点は、「中国は儒教国家ではない」ということ。 一般に中国は「儒教国家」といわれている。しかし現実に、儒教の教義を反映させた国家はかつてなく、儒教が民間を支配したことは絶無であった。 確かに中国の国家は、表向き儒教が幅を利かせている。しかしそれはあくまで「表向き」「建て前」であった。 実際に政治を回すときは、皇帝や側近たちは法治体制による官僚システムに立ち返り、実益に添って動く。 孔子以来、儒徒が目の敵にする異民族にさえ、実務派の皇帝・官僚はこだわらない。異民族勢力が強いとなればあっさり兜を脱ぎ、自ら弟や甥と称したり、臣下と名乗ってへりくだりもする。儒教に照らせばありえない光景でも、必要となれば簡単にそうする。 別に、異民族を尊重しているわけでもない。こちらが強くなり相手が弱くなれば、条約を破棄してふたたび対抗する。 南宋の初代皇帝・高宗は、北方から攻め込んだ金国に国土の半分を奪われ、父と兄を捕えられ、自らは南京へと走っていたとき、追跡をかける金国の将軍に、 「金国が我ら宋国を討とうと言うのは、巨人が小人を打つようなもので、まして我ら宋は中原をも失い、困窮の極みにあります。わざわざ滅ぼさなければならないような、大きな存在ではありません。どうか我らを哀れと思し召して、お助けください。お見逃しいただけましたら、我らは天命の帰するところのままに、帝号を削り、財産を金朝の国府に納め、臣下ともども金国に従うことを誓いましょう」 と、実に卑屈な「命乞い」をした。 当時宋国は軍事力が非常に弱く、さらに金国は高宗の父兄、徽宗と欽宗を捕えていた。 虜囚になる直前に退位していた徽宗はともかく、皇帝のまま捕えられた欽宗はやっかいである。もし金国が欽宗を擁して攻め込むとか、あるいは単に欽宗を送り返すだけでも、勝手に「即位」した高宗にとっては致命傷になりかねない。少なくとも臣下にクーデターの口実を与えることになる(*3)。 ゆえに、高宗は命乞いに徹し、目の前の平和に固執した。あえて不平等条約を結び、「夷狄」を相手に属国と名乗り、徹底抗戦を主張する岳飛を処刑した(*4)。 ひとえに自分の王朝を存続させるためである。儒教の大義名分、偉大な中華のプライド、夷狄への蔑視など、このときの高宗は論外と断じていた。 もちろん、高宗はお人好しなわけでも、腰抜けなわけでも、ましてや平和・平等主義者でもない。貴重な時間を稼ぎ、国内が鎮まり、軍事力が発展し、徽宗と欽宗が死に、金国の内政が乱れたのを感じると、今度はこちらから攻勢を掛けて金軍を打ち破り、不平等条約をある程度改正した。 しかもしぶといことに決定打はかけず、ほどほどで引き上げ、金との貿易関係を続けた。金との貿易が思わぬ収益を上げていた(*5)。なまじ戦争を続けて軍権を握る将軍たちに戦功を上げさせると、彼らが軍閥となり、高宗に取って代わりかねないという問題もある。 大事なのは王朝を存続させることだけだ。カネを遣って平和と王朝が買えるなら安いものである。しかも支出は貿易であるていど取り返せる。 そう考えて高宗は、あえて「南宋」のまま王朝を存続させた。おかげで南宋は――後代の目にどう映ろうとも――150年もの長寿と繁栄を遂げた。 こうした「したたかな」発想はひとり高宗に限らない。 漢代には高祖劉邦が匈奴に敗北してから「弟」を名乗り、属国的に振る舞った。しかし文帝は匈奴の進撃を阻み、武帝は猛攻を掛けて勝利を収めた。 唐朝は国内の内紛(安史の乱)を平定するのに、平気で夷狄の力を借りた(*6)。いやそもそも、隋唐や宋は夷狄の建てた王朝である。それが問題視されたこともない(*7)。 後代の王朝が「正史」のお墨付きを与えた史書には、夷狄の王朝である遼史・金史・元史が平気でラインナップされた。後世の王朝は、彼ら「夷狄の建てた王朝」を「天意を備えた中華の正統王朝」と見做してきたのだ。 いや現実に生きる中国人には、華夷の別すらなかった。 おしなべて、中国における皇帝や政治家は、実力者であればあるほど「奸雄」であり、「しぶとい権謀家」であり、細かいところにこだわらなかった。 しかも彼らは平気で「仁義の看板」を掛け「泣きの演技」をし「儒教の徳目」で自分の行ないを飾り立てる。 曹操は「乱世の奸雄」といわれたが、彼は自らの悪事を偽善で粉飾できず、「悪事をするさ、それが悪いか!」と開き直るしかできなかった、ある意味で正直者なのだ。 中国人は面子を気にする。そして面子を傷つけられると、確かに怒る。しかし、実際に面子のために命や立場を賭けたりはしない。 もちろん、面子を潰されることで立場や関係が揺らぐ・問題が起こる際には躊躇なく攻撃するし(*8)、自分が絶対的に優位になった後なら当たり前のように仕返しをすることもある(*9)。 しかしそれは「実益を守るために面子を守る」のであり、面子そのものを尊んでいるのではない。面子がもたらす利益を尊んでいるのだ。 国家も同じで、建て前上は儒学の教義を頑迷なまでに主張し、まるで固陋なように見える。しかし実際の行動は驚くほど柔軟で、実益主義的で、なによりしたたかだ。儲けるチャンスがあればすぐに動く。 逆に、国家に対する忠誠は、実はほとんど持っていない。 常日頃から汚職や荒稼ぎの機会を狙っている。というより、中国の官僚(士大夫含む)にとって、官場(政界)とは、錬金術の舞台であった。 いかにカネを稼いで己が裕福になるか、そのための場所が政治の世界だったのである。儒教の理想を追求する場ではなかった。 【中国の民衆は鬼より賢い】 第三点は「中国の民衆はしたたかで、学はなくとも知恵がある」ということ。 もともと中国において、国家と民衆は大きく乖離している。国家がなにをしようと、民衆・人民はまったく気にもせずその日を暮らしている。 いや上記の通り、中国の国家における官僚とは、宰相から下っ端役人にいたるまで、「いかに荒稼ぎするか」を考える連中である。 やることといえば税を奪い、賄賂をむさぼるだけだ。どうせインフラ整備も、汚職の予防も、なにもしない。 国家に期待するところは最初からなにもない。むしろ本質的に脅威であった。 だからこそ、治安維持など必要なことは民衆が独自にやらなければならなかった。だから山賊(自警団)や幇会(民間互助組織)が必要になる。 それに、官僚のあの手この手の汚職に揉まれた民衆は、同様に賢く、タフになった。 いかに自分の身を守るかで知略を尽くす。中国の民衆はほとんど文盲で、学はない。しかしそれだけに、生きる知恵をひたすらに磨いた。その「知恵」は、時に「学問」の先を行く。 まして戦国乱世ともなれば、官僚システムが崩壊し、効果的な収奪ができなくなるからこっちのものだ。 自警団を強化して豪族化し、取り立てに来た役人を駆逐するほどに強くなることもある。 事実三国時代には、三つの王朝の徴税能力は、後漢時代の15%にまで落ちていた。85%の人間は、税も払わず労役も課されず、悠々自適に暮らしていたのだ。知識人のなかでさえ、そうした情勢に感化されて、政界を離れて隠棲するものが増えたのである。 さらに官と民がそれぞれに悪知恵を巡らすこともあった。もとより悪知恵も「生きる知恵」だ。 中華民国が台湾に逃げたとき、大陸で戦っていた兵士も一緒に逃げ込んだ。ところで民国は兵士に「受田票」というものを発行していた。挙げた戦功に応じて発行され、戦争に勝利した暁には土地と引き換えにする券である。 しかし民国の大陸反抗が不可能となり、受田票は哀れ不渡り手形になった。それで政府は金銭で買うことになったが、値切ろうとしたため多いに揉めた。 値切ろうとする政府もしぶといが、元兵士もしたたかだ。 というのも、その受田票があまりに多いのである。もし兵たちの持つ受田票がすべて本物なら、共産党軍は壊滅していたはずなのだ。 兵とはほとんどが臨時徴募の民衆である。彼らは巧みに戦果を偽り、手柄を水増ししていたのだ。 中国人は常にしぶとく、したたかで、一筋縄では行かない。庶民には学はないが、生きる知恵が非常に豊かで、磨かれている。 【中国は道教の世界である】 実は中国史は、古代の四大文明から一度も断絶することなく続いているという特徴がある。 メソポタミア文明とエジプト文明はイスラムに併合され、古代インダス文明も滅んだが、中国文明だけは異民族に支配されながらも、ちゃっかり生き残り、むしろ異民族を中国化させた。 清朝にいたっては辮髪や満州系の服などを強制し、確かに中国人の風習を一部は変えさせることができたが、結局中国人の思想そのものはあまり変わらず、中期には当の満州人すらが「漢族に感化されてきた」と嘆いている。 そうした中国人の底知れぬ同化力と持続力の根源を、安能務師は、国家と民衆の乖離、民衆のしぶとさ、そして「タオ」の哲学を根源に起き、かつ「なんでもあり」ですべてを飲み込む道教に帰している。 「なんでもあり」でありながら「中国人らしさ」だけは失わない、辟易するような頑迷さと底知れない柔軟さを同時に秘めた、 「道教の世界」こそが「中国」であると、安能務は規定するのである。 そうした安能氏の発想、「安能イズム」は、現在入手できるすべての書物に随所に見られる。 そうした安能イズムを拾っていくと、また新しい視点で、中国の歴史物語を読んでいけるだろう。 【各作品】 ◇封神演義 代表作としてあげられるが、実はこれは安能イズムの入門編に過ぎない。 後年、安能氏は本作を「中華思想シリーズの布石」と説明している。「序論」でさえなく布石である。 「理不尽」な現実世界で、それでもしぶとく生きる中国人の姿に着目しよう。 刊行されたなかでは最初の作品のため、描写はグロテスクで陰惨、のちの作品よりもすっきりしないところがある。 + 各巻紹介 上巻:殷朝末期 しかし楊任は大人であった。どうせこの世のことで究極的に良い加減でないものは少ない――と諦める。 「理不尽」をテーマにするかのごとく、陰惨で理不尽で卑劣な謀略が展開される巻。 妲己によってもたらされる陰惨な宮廷描写、己が組織のエゴによって謀略を巡らす仙界・天界・仏教界、そして気づかないがゆえにひそかに追いつめられていく殷王朝と金鰲島の截教…… 神も仏もありはしない、いかなる立場の人間であろうと、上に立つものは常に強欲で理不尽なものだ、という安能イズムの一丁一番地。 他方で、姫昌や伯邑孝のエピソードを通じて、世間知らずの王侯と、権力から落ちた王侯を鼻にも引っかけない庶民の姿もわずかに挟まれる。 中巻:聞仲の戦い 「易姓革命とは文字通りに皇帝の姓が易わるだけで、世の中が変わるわけではないのです。誰が皇帝になろうと、どうだっていいじゃありませんか。やれ武王だ、それ紂王だと言って殺しあうのは、太師、もうやめましょうよ。そして黄花山で楽しく暮らそうではありませんか」 殷の太師・聞仲が主役となる中巻。 殷に長年仕え、その前は金鰲島で修業した彼は、この国難にあたって能力や人脈の限りを尽くして戦うが、長年「勝つため」の陰謀を積み重ねてきた闡教の実力と悪辣さは彼の想像をはるか超えていた。 「天命」を口実として悪逆の限りを尽くす闡教に対し、仙界で巡らされる陰謀に気づくのが遅れすぎた殷朝・聞仲・截教・通天教主は、泥沼の敗戦にもつれ込む。 他方、聞仲は旅路で味方にした「山賊」たちに、本当の「仁」を持つ民衆の輝きを垣間見ることになる…… 下巻:殷周革命の終結 「幼馴染みの誼みで教えよう。新しい天下を作った、とキミは有頂天になっているが、その得意然とした顔は滑稽千万だぞ。新しい天下はたしかに出来たが、それは姫氏一族のもので、我らのものではない」 「武王には百人からの弟がいるんだ。いずれわれらは大諸侯から、地図の上では探すことも出来ない微少な諸侯に格下げされる。そのときにイヤな顔でもしてみろ、間違いなくこの世から消される」 闡教と截教、周と殷の戦いも大詰めを迎える。 周到に策略を重ね、実行する上で一切のためらいを見せず、あの手この手の限りを尽くした闡教は、所定の目標のすべてを果たしてすっきりした顔で凱旋した。 姫一族も、天下を取った喜びに浸っている。その裏で、もはや用済みとなった「元帥」姜子牙や「北伯侯」崇応鸞は、今後の身の振りについて思いを巡らす。 一方、敗北を実感した紂王は、巡る走馬灯のなかで際限なく思いを巡らせた…… すべてに納得し、死を決意した紂王に対して、「女媧の刺客」であった妲己は、駒として以上の愛情と、駒ゆえの女媧への憎しみを募らせる。 白眉なのは終盤の、紂王を通しての「君主の立場」と、姜子牙・崇応鸞を通しての「臣下の立場」の相克である。 帝王は絶対な存在であるから帝王である。しかし君主よりも優秀な軍師は、時に君主の判断を頭から否定し、自分が君主であるかのように振る舞う。 君主が暗愚で、軍師に位負けを感じるならそれも良かった。しかし紂王は元来聡明であり、それでいて子供のころから躾られていたため、聞仲には頭が上がらなかった。 「頭が高い」聞仲に対して、「頭が高い」と言えなかっただけ、紂王は憎しみを抱き、その忠誠心は認めつつも、訃報を聞いても涙さえ落とさなかった。 「元帥」姜子牙もまた、自分が「頭が高い」存在であったとわかっている。ゆえに彼は、武王がその「息苦しさ」に気づく前に、走狗としての立場に立ち返り、東方へと去った。自ら道化であることを肯定したのである。 そして「北伯侯」崇応鸞は、聞仲のように粛清対象となることも、姜子牙のように道化となることも拒絶し、ひとり浩然の気を吐いて政界から立ち去る。 そうした政界の流れ、紂王の哀れみや姜子牙の諦観や崇応鸞の怒りに気付かなかった「東伯侯」姜文煥は、もはや語るまでもない末路を迎える。 ◇春秋戦国志 ここからは実際の歴史を、安能イズムによって分析していく。 春秋戦国時代と言えば諸子百家だが、安能氏は「諸子」はともかく「百家」の分類はまったく的外れと喝破する。実際、諸子を百家で分類すると、実情にあわないのだ。 そこで安能氏は、法治思想の発展、すなわち権力に対する理解度の発展にのみ着目し、一連の思想発展の系譜を中心に、春秋戦国時代の「権力模様」を描いていく。 なお、その系譜とは、太公望-祭足-管仲-晏嬰-子産-李悝-趙鞅-呉起-商鞅-申不害-慎到-荀況-韓非子-始皇帝である。 また、本作からは「封神演義」のような陰惨な描写はやや少なくなり、持ち前の乾いたユーモアと、激しい熱意がより顕著になっていく。 + 各巻紹介 上巻:鄭の荘公~斉の桓公の覇権 「天下の諸侯たちは一方で、殿下(*10)が責任を果たすことを望みながら、他方では、それに伴う権力を振りまわされることを望んではおりません」 「そうか、虫のいいことを、考えているものじゃのう」 周朝が突如滅び、明るく楽しい春秋戦国時代にはいった。 真っ先に飛び出したのは鄭の荘公の軍師、祭足である。 周王をけちょんけちょんに伸した彼は、それまでの封建制を完膚なきまでに叩きつぶし、自由で活力に満ちた「新しい時代」の初っぱなを突っ走った。 次の時代に現れた管仲は、一介の軍師が力量ひとつで国家を主導する体勢と、一国が周王に変わって、諸侯を束ねて主導する「覇者」の体勢を作り上げる。 戦国乱世に適応した、新しい体勢であった。 他方で、晋国と魯国では、内部で公族の殺し合いと、有力貴族への権力移譲が起きる。 それで魯国は弱体化したが、晋国はかえって強大化した。 世界情勢と同じく国内体勢も変わっていくのである。 中巻:覇者の変質 「麒麟は日に千里を馳せるも、なお背に鞭を免れず――という譬えもあります。なまじ覇王になったばかりに、得るところなくして尻を叩かれたのでは間尺にあいません」 管仲死後、覇者・桓公は無惨な末路を遂げ、次いで覇者となった晋の文公は長年の放浪で寿命を使いきり、君主の座について短期間で世を去る。 文公の次代に晋国の執政となったのは趙盾であったが、彼は管仲や文公が「覇者」としての責務を果たして天下の主導権を握ったのとは対極的に、 天下の秩序も覇王の責務もただの浪費と見なし、言わば天下の責務から解放されて、賄賂の収奪など「好きなこと」をして過ごす路線を取った。 それでも晋国は中原で斉国と並ぶ大国であり、異を唱える国もなく、長期の繁栄を可能とした。 「天下のための覇王」は、桓公と文公の二代で実質終わったのだ。代わって、春秋戦国時代は主導する国家のいない「安定期」を迎える。 それに対して、国内の情勢はますます流動化する。 晋国や斉国では実力を備えた臣下が君主を凌駕し、やがて晋は「韓」「魏」「趙」の三国に分裂し、斉は外様の豪族に乗っ取られる。 しかしそれは単なる「下剋上」ではない。君主という「身分」が権力を保障してくれる時代はとうに過ぎ、権力を握った人物が君主になる時代が訪れたのである。 他方、中原の「外地」とされていた、西の秦国と南の楚国でも変動が起きる。 かつては西戎・南蛮と言われて異界扱いされてきた彼らも、秦の穆公・楚の荘王らが国力を大きく広げて文化圏を発展させ、権力を掌握・編成して中原諸侯と張り合ったことで、いつしか彼らも「中華の一部」に仲間入りする。 国際情勢の安定と国内情勢の変動、中華文化圏の拡大にともなって、いよいよ「諸子百家」が増大する。 下巻:法治主義の発展 「新しい秩序を築くことは、過去に立ち返らず、振り返えることすらせずに、現在にも執着せず、いや進んで現状を打開することから始まる。つまり、いま目の前に割拠する諸国を、先ずは統一しなければならない――」 各国が賢人を求めて政治の発展を求めたことと、孔子が儒家という「学閥」「情報ネットワーク」を形成したこと、「稷下の学士」や「食客三千」といった人材を抱え込む風潮が現れたことで、「諸子百家」と総称される思想家たちが踵を接して現れる。 国家も積極的に彼らの思想を実践したため、中国思想史上の全盛期、中華思想の黄金時代が訪れた。 そんななか、西の秦国にて大きな変動が起きる。 賢人のひとり商鞅が秦国にて、法治主義・官僚システム・軍制改革・重刑罰・重農政策といった、国政の一大改革を徹底して行なったことで、秦はとてつもない強大化を遂げる。ついには秦一国で、ほかの六大国が束になっても叶わないほどの超大国へと成長した。 他方、諸子百家を母体とする「遊説の士」や、大臣を送りあうという「置相」の風習は、国家・国籍・国境の形骸化と、「中国は一つの天下である」という意識を芽生えさせることになった。「各国」の枠組みを超えて、「中国全体」の意識が芽生え始めたのである。 法治主義・官僚システムの進展、中華は一つの中華であるという意識の芽生え、そして秦国が一強化したことを、ことごとく意識した二人の英雄が現れた。 秦の若き王・嬴政と、韓の公子・韓非である。歴史にいう始皇帝と韓非子であった。 韓非の親友・尉繚子を介して出会った師弟は、至高の時を過ごすが、かつての紂王・聞仲と同じく傑出しすぎた両雄は決して共存できず、韓非子が死ぬ。 始皇帝は、韓非子が「師」であり続け「臣」になってくれなかったことにショックを受けつつも、彼の遺志を継いで見事に天下を統一。 郡県制による中央集権と、万里の長城による国境制定で「中国」を完成させ、韓非子が完成させた法治思想、ひいては韓非子が集約させた「春秋戦国の思想の稔り」をも見事に刈り上げて、周代までとはまったく違う「中華帝国の時代」を創始した。 ◇中華帝国志 春秋戦国志の続編。秦漢代から清代までを駆け足で巡り、皇帝を擁する「中華帝国」の治乱興亡のパターンを見渡し、「中華思想」をたどる。 上中下の三巻しかないため、都合上、隋唐と清はさらっと流されるだけになった(隋唐はのちに隋唐演義で掘り下げる)。 代わりに、漢・三国・宋・元・明については深く取り上げており、とくに宋代に関しては安能イズムの面目躍如である。 また安能氏はあとがきを書かない反面、まえがきにて自分の思想を表現するが、本作は総決算予定であったため、まえがきが全部で三章もある。 + 各巻紹介 上巻:秦末~漢代 艱難を共にすることで相互の理解を深め、信頼関係を築くのは、俗世間でのことだ。権力は間違いなく「魔物」である。 春秋戦国志下巻の直接の続編は、始皇帝統治時代の張良から始まる。 すでに滅んだ韓の出身であり、しかも少年時代に韓非子に教えを受けていた張良にとって、始皇帝は師父と母国、二重の仇であった。 しかし始皇帝暗殺に失敗した張良は、「黄石公」ととぼける尉繚子――前作で韓非子を始皇帝に紹介し、韓非子の死後に逃げた、あの尉繚子――と再会。 彼から「始皇帝は韓非子の遺志を継いで、天下国家のために働いているのだ。そなたは始皇帝の業績を継がねばならん。秦や韓のためではなく、天下のために、そして韓非子がまとめた、春秋戦国時代の思想を後世に引き継ぐために、そなたは始皇帝の業績を継がねばならん」と諭される。 感銘を受けた張良は、天下国家のため、中国のために奮闘を決意。 楚漢戦争を通して、蕭何とともに秦国の資料、始皇帝の遺産を守り抜き、漢帝国を通じて法治政策を軌道に乗せることに成功する。 以後の中華帝国は、始皇帝の完成させた法治主義国家を「基本」「原型」としつつ、衰退と回帰、そしていかにマイナーチェンジをしたかにかかる。 確かに政治情勢はその都度大きく変化していくが、官僚システムの維持と効率化、および権力のコントロールが国家の盛衰を決める構造は変わらない。 前漢で言えば、前半期(こと文帝・景帝期)はまさに法治の黄金期、官僚システムが理想的に機能し、皇帝さえ法に服した時代である。 しかし後半期は、武帝が制度改革を乱発したことで、かえって職制の混乱・似たような職名の乱立を招き、法治システムがゆらぎ出した時代。 武帝と続く皇帝たちが「制度さえ変えれば問題が解決する」と安直に考え、権力の掌握と管理、官僚システムの効率的な整備と運用、といった地道な作業を後回しにしたことで、前漢は混乱と衰退を開始、じきに王莽に乗っ取られる。 その王莽を倒した光武帝、そして続く後漢の皇帝たちも「制度いじり」を繰り返し、後漢は外戚と宦官、それに名声を獲得した「名士」の時代に移り、三国志へと推移する。 中巻:三国時代~五胡十六国時代~隋唐 なぜか、三国時代は絵に描いたような乱世でありながら、しかも、中国史の「乱世」に特有な「熱気」に欠けていた。 中巻はほぼ三国演義、末尾に南北朝時代と、隋唐をまとめて記述する。 しかし隋唐はともかく、三国、いや「魏晋南北朝時代」は、いわゆる「三国演義」が連想する英雄譚ではなく、国家と君主の権力が際限なく無力化し、時代を担うはずの英雄たちが途方に暮れた、黄昏の時代であったと喝破する。 まず安能氏は、魏・呉・蜀「三国」の戸籍に登録された人口の総数が、前漢全盛期のたった一割程度だったことに着目する。 つまり、仰々しく「三国」といってみたところで、実は大陸の一割二割も支配できていなかった「砂上の楼閣」、いや人民から乖離した「空中楼閣」だったのだ。 さらに、各地の中小豪族がとんでもない強さを発揮している。豪族は、流出した民衆を抱え込み、納税や賦役を課そうとする国家に対して激しく反発し、なにがしかの見返りを求めた。というか、地方豪族とは民衆のなかから自然発生したものだ。民衆が強くなったのである。 さらに異民族も大量に流入し、地方行政システムはますます崩壊する。 それで、君主たちはなんとか豪族たちの支持を取り付けようと四苦八苦する。 諸葛亮や姜維の「無謀な」北伐も、「いまに勝って、利権を広げてみせる、だから支持せよ」と豪族を引きつけるための苦肉の策であった。 しかし結局、三国~五胡十六国~南北朝時代のどの国も「空中楼閣」からは脱しえず、皇帝陛下ともあろうものが「生まれ変わりがあるなら、二度と皇帝には生まれたくない!」と絶叫する事態になった。 そんな情勢を打破したのが、隋の文帝と唐の太宗である。 まず文帝が「科挙」を定めて、豪族から人事権を取り返し、官僚システムを再整備。 太宗李世民は唐朝の権力を強化した上で、豪族の出生を調査して等級付けすることで、彼らの社会的権威を削いだ。 かくて唐朝は軌道に乗るが、末期には「牛李の争い」という過剰な党派争いでふたたび政治の統制を失い、皇帝は宦官の傀儡となって、唐朝は没落の一途をたどる。 そして五胡十六国時代の焼き直しに近い五代十国時代を経て、宋代に移る。 下巻:宋~清 政治制度の効能は、とりわけ中国の場合、その運用の妙にあって、制度そのものに存在するわけではない。 宋代は、皇帝と側近がとにかく聡明だった時代である。 政界を割り軍事力を弱めてでも権臣の出現を予防し、カネと外交で平和を買い、恥も外聞も投げ捨て、抗戦派の元帥も虜囚になった皇帝も切り捨てる。 すべては「帝位と国家の安定」のためである。 必要ならばどんな手も採りながら、それでいて無用な殺戮は手控え、柔軟な策略を巡らせた宋代は、実にしたたかで理性的な時代であった。 続く元はモンゴル人の王朝であり、士大夫こそ失職の危機に直面したが、意外にも庶民は影響を受けず、中華文明も豊かになった時代である。 もともと民衆にとって、国家とは税をむさぼる略奪者に過ぎない。皇帝が漢族かどうかは問題ではなく、そもそも隋唐も宋も異民族王朝である。 むしろ大モンゴル帝国の出現は、商人たちに新しい交易ルートの開拓をもたらした。失職した士大夫も、民間でその素質を発揮し、小説・楽曲・絵画に新たな進展を加えた。 明代は、宋代とは逆な意味で「濃い」皇帝が多かった。 前半の洪武帝と永楽帝はやたら殺戮を行ない、派手な戦争を繰り返す。後半の武宗以降の皇帝は快楽の限りを尽くし、カネを湯水のように遣った。結果、明は果てる。 しかしそうした殺伐な皇帝、もしくは無頼な皇帝に揉まれてか、朝臣・儒者と宦官には気骨ある猛者が増えた。 殺戮されてでも永楽帝の簒奪を不当と断じた士大夫、命に代えても皇太子を守った宦官など、中国人も「近世」らしく、洗練されてきたのである。 代わって中国を支配したのは清である。 康熙帝・雍正帝・乾隆帝の三代は、清代のみならず中国史における黄金期であった。 勤勉で柔軟でなにより開明的な康熙帝、厳格に法治を施行して統治に全身全霊を尽くした雍正帝、そして最大版図を形成して大皇帝として振る舞う一方、出費しながら減税をし、イギリスの使者には柔軟に対応した乾隆帝――と、まさに黄金時代の皇帝たちが、中華帝国華やかなりし時代の最後を飾ったのを、安能氏は運命的にも感じている。 しかし、乾隆帝がイギリスの使者をうまくあしらってから半世紀後、アヘン戦争でついに本格的な「西洋人ショック」を受けて、中華帝国の歴史は大きく動揺する。 それは契丹(隋唐)や突厥(宋)やモンゴル(元)や女真(清)とは、根本的に異質なショックであった。 そのぶんのエピソードを通じて「中華思想」をまとめようと思ったが、残念ながら紙幅の限界に達し、その試みは次巻に続くことになる。 ◇八股と馬虎 中華思想の精髄 「中華思想」は単に、不滅の中国史を築いた中国人の知恵の結晶であるに止まらず、人類の「知恵の宝璧」でもある。科学技術を進歩させた西欧の合理思想や、それに基づく生存の流儀だけが人類の知恵であるわけではない。 混沌の中に自ら然る秩序を見付け出して、支配権力を単なる「標識」と観じ、不滅を信じて個々の器量で生き抜こうとした中国流の生存流儀と、それを支えた「中華思想」もまた、いずれ劣らぬ「人類の知恵」である。 青幇の大物・杜月笙と、中国民衆の互助組織=幇会をメインに、袁世凱・孫文・蒋介石・毛沢東を代表とする、「近現代でも相変わらずしぶとい中国人」を描く。 ちなみに、八股(パクー)とは「八股文(はっこぶん)」のことで、科挙における形式張った文章のこと。要は建て前。 馬虎(マフー)とは「馬(騎兵)だろうが虎だろうが、危害をなすなら同じこと」といい、その性質に着目すれば馬と虎の区別すら放棄するという、中国人らしい大ざっぱな本音のこと。 中国人が掲げるガチガチのイデオロギーと、行動面における柔軟さを暗示している。 そして副題にも用いられている「中華思想」とは、単に異民族を見下す「華夷思想」のことではない。中華という文化圏に住んだ人々が数千年にわたって磨き続けてきた、独特の思想のことである。華夷思想は中華における思想のほんの一部に過ぎない。 本作は一巻完結だが、封神演義、春秋戦国志、中華帝国志、と続く「中華思想シリーズ」の一つの大まとめであり、十巻そろって一つの作品ともいえる。 初めてあとがきを記した作品でもあり、中華帝国志の序文と、本作のあとがきを読めば、安能氏の思想により深く迫れるだろう。 ◇隋唐演義 八股と馬虎でひと区切りついた安能氏が、中華帝国志ではわずかしか描けなかった隋唐時代をどっぷり描く。 メインは、義侠組織であり互助組織の「二賢荘」。そこに属する任侠界の英雄たちの活躍を通して、隋唐の政治情勢を、隋の文帝から唐の玄宗の時代まで描く。 なお本作は、全シリーズでも特に道教の描写が生き生きと描かれている。美女や悪女、英雄豪傑たちも特にユニークなのが揃う。 + 各巻紹介 上巻 ――一日三餮、夜眠七尺、足矣。問君何事、苦苦竟繁(栄)華乎? とは昔から言い古された言葉だ。日に三度の食事をすることが出来て、夜眠るのに七尺の床があれば、それでよいではないか。諸君はなぜに苦苦として栄華を竟(きわ)めようとするのだ――という意味である。それが道教思想の強い伝統社会の一般的な生活信条であった。 だから伝統的に人々は――皇帝陛下に飯を食わせてもらっていた士大夫たちのようには、皇帝を尊敬せず、むしろ権を揮(ふる)って贅を尽す皇帝を、それゆえに身体的にも政治的にも「死に至る道」を歩むバカな男だと思っている。 「隋唐演義」前半の主役は、単雄信と秦叔宝である。単雄信は「幇会」の守護神であり、秦叔宝は尉遅恭とならんで「門神」として祀られる。 いずれも道教分野での民間人気が熱い男たちである。 従って、とくに上巻では、「二賢荘」を経営して民間の英雄たちの「兄貴」として慕われる単雄信と、英雄豪傑の素質をもちつつもいまだ純朴で天然気味な秦叔宝を中心とした、民間の英雄たちの闊達なエピソードがきらびやかに描かれる。 一方、政界では隋の煬帝が、贅の限りを尽くして王朝の運命を縮めていく。 しかしこちらは「封神演義」における妲己のエピソードとは異なり、陰惨さがない。 むしろ、煬帝のハーレム「十六院」に属する美女たちや、煬帝に私淑する王義の、心からの忠誠と歓待は、本来陰険な地獄であるはずの後宮を「楽園」に彩った。 だが、その希代の「楽園」に浸ったことで、煬帝は現実という「苦界」を避け、楽園で人生を全うすることを決意した。それは死に至る道であるが、さりとて、現実に立ち返らせて政務に骨身を削らせ苦しんで死なせるよりは、幸せではないだろうかと、楽園を裏から支える皇后・蕭后は考えるのだった…… 中巻 「将来、そなたを愛した女は、決してほかの男を愛することができず、見向きもしなくなるほどの、そなたの父上のような、立派な男になりなさい!」 やがて隋朝は誰もが予測した通りに崩壊し、煬帝も群臣たちに殺される。 隋朝崩壊に乗じて各地の群雄も決起し、李密、王世充、竇建徳、そして李淵といった面々が、帝や王を名乗って割拠。 秦叔宝を初めとする豪傑たちもそれぞれに縁故のある群雄に仕えた。 やがて李淵の唐が勢力を増していき、李密らを滅ぼし、ついには天下を取る。 しかしその過程で、かつて単雄信を中心として「二賢荘」の仲間だった豪傑たちは、敵味方に分かれて争うことになった。 政治では敵味方でも、個人では仲間だ、危機となれば助け合う、と誓っていても、うまく行かないこともある。権力に取り付かれて裏切りを起こすものもいれば、権力にうんざりして在野に戻るものもいた。 そして、二賢荘の親分で、皆から敬愛されていた単雄信も、李世民に捕殺される。 秦叔宝ら豪傑たちは懸命に助命を求めたが、単雄信の仲間たちに対する「統率力」を恐れた李世民はその決定を覆すことはなかった。 一方、隋朝を脱出した、亡き煬帝の婦人たちのドラマも同時平行で描かれる。 あるいは煬帝の遺児・趙王を守って異民族のもとまで行き、あるいは良縁を見つけて再嫁し、あるいは貧乏暮らしになって、それぞれの旅路で悲喜交々の人生を送っていく。 本段の台詞は、煬帝の皇后であった蕭后が、煬帝の仇に抱かれて生き残ったという噂を信じた息子を、母として女として妻として叱ったものである。 下巻 ――官情を称して「宦海」と言う。仕官の浮沈は、猶、海潮の起伏の如し―― 天下は唐朝の下に帰し、いちおうの安定期に入る。 しかし、権力は常に魔性があり、政治の世界は常に荒波だ。 以後の時代は、李世民こと太宗、武媚娘こと則天武后、李隆基こと玄宗が中心となる。彼らはいずれも名君の素質があったが、いずれ一癖も二癖もある面々で、華々しい文化隆盛と権力闘争を引き起こした。 その権力の荒波に揉まれながら、群臣たちも生き残りを掛けてしぶとく戦う。 玄宗の腹心で実務処理に長ける姚崇は、同じく玄宗の腹心で文筆家の張説と対立していた。しかし実は、我ら二人が結託すれば周囲から恐れられ、罠に掛けられるのは間違いない、だから周囲の警戒を解くため、個人面では喧嘩を吹っかけ、政策面でのみ協力するにとどめていたのだ。 そうした、名君と賢臣の奮闘の傍らで、則天武后や楊貴妃や梅妃と言った毛色の違うヒロイン、酒と詩をこよなく愛する奇人・李白、羅公遠や張果や葉法善と言った道士たちが物語に彩りを添える。 しかし隋の煬帝の夢が破れたように、唐朝の夢もいずれ破れる。 長い平和に飽かせて軍隊が空洞化し、その折に中央の政変を巻き込んで安禄山が反乱を起こしたとき、玄宗は窮地に追いつめられ、脱出のさなかに粛宗に譲位することとなる。 実際には安禄山の乱は、唐の致命傷ではない。玄宗ら首脳部は脱出に成功したし、政変を起こした楊国忠らを粛清する余力もあった。そして名将・郭子儀を中心とした唐軍は反撃に転じ、対する安禄山には皇帝の力量がなかったため、安史の乱はやがて鎮圧される。 ただ、一度退位した玄宗には、皇帝の権力が戻ることは二度となかった。 隋唐演義の物語は、玄宗の死をもって終わりとなる。 ◇三国演義 八股と馬虎でひと区切りついた安能氏が、中華帝国志・中巻をベースに膨らませた、三国演義の解説本。六巻。 漢室復興などと心にもない大義名分を掲げ、その実自分の権力欲にだけ忠実な、しぶとい権謀家である劉備を中心に、 君主権力・国家権力の無力化を背景として、どこか虚無的な曹操、成功しない北伐をあえて敢行する諸葛亮など、「英雄豪傑が覇道を競う」話ではなく、退廃的でビターな三国志。 一方、山賊が民衆の守護者であるなど、中国人の本質に迫る安能イズムは健在。 + 各巻紹介 一巻 「こんな時に、大哥がまじめな顔をして、宴席で皆さんとつきあってくれるのはありがたいことだ。そうでもしてくれなければ、おれたち兄弟が、この世界に身を置くところはない」 虎牢関の戦いで、張飛は呂布を単独で倒せる腕があった。しかし張飛は、討てるはずの呂布をあえて殺さず見逃した。 先立って関羽は華雄を討ったが、倒したあとは連合の諸侯から無視された。それは、華雄が死んでしまえば関羽は無用になったからだ。 呂布という強敵が生きている限り、張飛や関羽の価値はあり、劉備が群雄のなかで泳げる余地も生じる。 しかしそれは、どうにも「小さい」あり方である。しかもそれは張飛や劉備たちだけの話ではない。曹操が献帝を擁立したのも、大義名分の確保と言えば聞こえはいいが、開き直って自分の権威で王朝を建てる、本格的な覇業が出来ないことの裏返しでもあった。 二巻 「たとえ期待外れだとしても、文王が車を曳いたようなことをすれば、やがて本物の太公望が名乗り出るチャンスを作ったことになる」 曹操は袁紹を倒して一強となり、劉備は劉表のもとで諸葛亮と出会う。 劉備が「三顧の礼」で諸葛亮を迎えたのは、もとより諸葛亮が「天下を取れる」ほどの天才と思ったからではない。「我輩は英雄豪傑を求めること、三顧の礼を尽くすがごとくである。天下の異才よ、我が元に集結せよ」と喧伝するためのハッタリ、いや広報であった。 だから、劉備の狙いは「三顧の礼」そのものにあり、「諸葛亮」ではない。実際、彼はほどなく諸葛亮の「中身」に失望する。諸葛亮は、劉表の死で混乱する荊州を奪え、と進言した。しかし現実に、荊州の支配者は劉表ではなく豪族たちだ。彼らの支持もないまま奪い取っても、曹軍の迎撃はおろか荊州兵の制御すら出来ず、それどころか、これまで培ってきた「仁義」の金看板、劉備唯一の資産すら破棄しかねない。 それでも、三顧の礼は所定の目標を果たす。しかしそれはもう少し先のことだ。 三巻 「のう、亮よ! 大きくなって偉くなったが、性格はちっとも変わっていないようだ。世の中には、知っていても口に出してはいけないことがある。そなたは子供の頃から、勘繰りと詮索が好きで、しかもそれを探り当てては、憚りなく口に出して相手を驚かし自分で得意になる悪い癖があった。子供の頃にそれをやれば、相手はそれを聡明な証しだと褒めてくれるが、同じことを大人になってもやれば、相手は口に出さないまでも、肚の中で怒る。お止めなさい。それで失敗(しくじ)るのではないかと、この兄は心配したから、あえて注意を与えたのだ」 「赤壁の戦い」は実際には曹操と周瑜の戦いである。諸葛亮はいかにも「天才軍師」とでかい顔でやってきたが、要はハッタリを振りまき虚名を掲げただけで、諸葛瑾からは叱責され、魯粛からは内心で「口舌の輩」と見定められる。 しかしハッタリや名声も、それはそれで立派な政治手腕の一つである。それに諸葛亮の弁舌は、軍師としてはともかく、それなりに有効であった。 そんな、魯粛いわく「似合いの君臣」劉備と諸葛亮は、赤壁のどさくさに紛れて荊州を制圧し、さらに培った名声で馬良・黄忠・魏延などを迎え、勢力を確立。やがて益州にまで食指を伸ばす。 四巻 楊修自身が、死に至る道を歩んでいたのである。権力者の心の奥をやたらに覗いてはいけない。楊修はその禁を犯してしまったのだ。 権力は権威の支えなくしては成り立たない。権威の本質はカリスマ(神秘性)である。カリスマの一つの側面は、権力者が何をするか、何ができるかの見定めがつかないことだ。心を読まれたら、カリスマは消えないまでも、威力を殺がれる。だから伝統社会の権力者たちは、曹操ならずとも病的なまでに心を隠した。 劉備は蜀を取り、漢中で曹操を撃退して、いよいよ絶頂期に入る。 逆に曹操は、どうにも漢中では調子が狂った。戦場に赴くのにわざわざ遠回りをして詩人の遺族と面会したり、漢中に到着しても采配がうまく行かなかったり、後方にいたはずの許褚が流れ矢で負傷したり、と苦戦。 果ては楊修に心を読まれ、権威を立て直すために出兵したところを、顔面に矢を受けて倒れた。 しかし悶絶しながらも曹操は、考えを整理する。思えば漢中攻略の戦略意義は、漢中から益州までを制圧して天下統一のきっかけとするところにある。しかし天下統一をあきらめるのなら、漢中は劉備に渡して、緩衝地帯にしたほうがいい。 そういえば曹操はもとから漢中や益州に欲がなかった。かつて張魯を下した際に、司馬懿は蜀攻めを進言したが、曹操は乗らなかった。そして今回「あの趙雲と交換するなら、漢中を渡してもよい」とこぼした。曹操は無意識のうちに、天下統一はやる気がなく、漢中もいらない、と考えていたのだ――と思い至る。 それは、「三国」が実際には人民の一割しか支配下に組み込めず、「鼎立」することでやっと国の体を保てるという、国家権力がひたすら弱くなる「三国時代」の先覚でもあった。有り体にいうと、曹操も魏国も、天下を治めるだけの実力がなかったのである。 五巻 劉備は、敵対する人々からは「大耳子」すなわち顔だけ福々しげな「間抜け者」と蔑まれた。だがその実は、なかなか、どうしてどうして、劉備こそは間違いなく福気(幸運の星)に恵まれた果報な男で、一種独特な権謀に長けた、しぶとくて芝居上手な、三国時代の傑出した立て役者である。 絶頂期に至った劉備だったが、孫権の裏切りで関羽・張飛を殺され、報復のため出兵するも陸遜に敗れ、死期を悟る。そこで劉備は、諸葛亮に「託孤」――孤児となる劉禅を託すことにした。 しかし劉備は、諸葛亮は信用はできても、関羽と張飛ほどには信頼はできなかった。幸い、諸葛亮に拮抗する権力者は蜀にはいない。だからわざわざ託さなくても、諸葛亮が次代の指導者となることは明らかだった。 だから劉備が為すべきは、諸葛亮にいろいろと「枷」をはめて、劉禅への謀反を起こせない状況を作ることにあった。 そのために劉備は磨き抜いた知恵を発露する。 まず、託孤の場に、当の劉禅を呼ばなかった。後事を託すのならば劉禅を諸葛亮に平伏させ「師父の礼」を取らせるべきだ。しかしそうすると、才能で諸葛亮に劣る劉禅が、最初から「負け犬根性」を抱くかも知れない。君主として「威厳の無い」存在になるかも知れなかった。だから、劉禅を「わざと」呼ばなかった。 しかも諸葛亮の増長を防ぐため、群臣が見ている前で「太子禅が不肖ならば、汝が取って代わるべし」と言い渡した。もちろん、衆人監視の場で諸葛亮が言えるのは「滅相もございません、新帝陛下に命の限り忠節を尽くします」だけしかない。ほかにありえない。 それでいて、諸葛亮の忠誠を買うため、劉禅の代わりに呼び寄せた劉永・劉理には古典的な師父の礼を諸葛亮に捧げさせる。 「劉禅と諸葛亮の君臣関係」を築くため、徹頭徹尾計算され尽くした「託孤」である。そのぶん諸葛亮は「道化」になることを強いられた。公衆の面前でけなされたに等しい諸葛亮が、不満を抱くのは当然である。しかしそれはそれで、諸葛亮は偉大な「先輩」が自分を鮮やかに手玉にとったのを、感心する思いで眺めていたかも知れない。 六巻 五巻から引き続き、諸葛亮・姜維の北伐が中心となる。 彼らの北伐はさして成果があがることもなく、しかも連年起こしたため、国力の浪費という批難もあがった。李厳に至っては公然と妨害している。しかもその妨害は、劉禅も黙認していた。 しかし諸葛亮と姜維の「北伐」は、本気で魏国を打倒するものではなかった。そんなことは最初から不可能であり、漢室復興と天下統一は、もう諦めていたのだ。 だから「北伐」の戦略目標は、蜀漢内部に「戦時体勢」を敷くことで、文武諸官や地方豪族の引き締めを図り、自壊しかねない蜀漢を束ねることにあった。そうでもしなければ、兵士や金穀の徴収もままならなかったからである。いやそれどころか、敵国が攻め込んだり反乱が起きた際に、弛緩しきった地方豪族が敵に内通し、劉禅が叩き出される危険性もあった。 しかし軍師の心君臣知らずで、劉禅も群臣も、一朝有事があればすぐに崩れる「三国鼎立」が永遠に続くものと考えて、無気力な現状維持を続けていた。 そうした認識を、敵の司馬懿も持っていた。いや司馬懿の場合、「戦時体勢」が続けばそれだけ、軍人である司馬懿の権威が高まる。逆に、諸葛亮と本気で決戦して倒した場合、司馬懿は権威ががた落ちする。 四十年前の関羽と張飛は、討ち取れるはずの呂布を殺さずに生かし、それゆえに「呂布に対抗できるのは関張だけ」という状況を作った。司馬懿も同様に「諸葛亮に対抗できるのは司馬懿だけ」という状況を作って、権力を固めていた。 しかしその一方で、彼ら一族は魏国内部で権力闘争を繰り広げ、ついに帝位を簒奪する。そして蜀と呉に攻め込んだ。やはり、文武諸官や地方豪族は次々寝返り、両国は滅ぶ。 しかし「三国時代」は終わったが、「魏晋南北朝時代」はさらに続く。それは「異民族の流入」と言う側面が加わっただけで、三国時代と本質は変わらなかった。 つまり、君主と国家の権力が際限なく弱体化し、文武諸官と地方豪族は自己の利権だけを追求し、民衆は国家権力の束縛から開放されて自由を謳歌したのである。 だから、司馬懿を始祖とする晋国は、かつての蜀や呉と同じく「一朝の有事」であっけなく崩壊する。捕えられた懐帝と愍帝は狩りの勢子をやらされ、しかも恥じる色もなかった。君権や皇帝とやらは、魏晋南北朝時代を通じて、「その程度のもの」になっていた。 さらに、懐帝と同じく捕えられた宰相王衍は「わたしは政務を執ったことなどありません。宰相の仕事とは、誰を皇帝にするかを決めて、玉璽を授けることです」と言い切った。皇帝や君権と同じく、宰相も国権も、無力化の極みに至っていたのである。 そういうわけで、魏晋南北朝時代――「三国時代」「五胡十六国時代」「南北朝時代」――は多くの国が現れたが、すべて実際の権力のない非力な空中楼閣ばかりであり、短命であった。 状況が改善されるのは隋唐の時代、強力な意志と聡明な知識を持った隋文帝や唐太宗の出現を待たなければならなかった。それは「隋唐演義」で描かれる。 他方で、この時代は人民にとっては悪い時期ではなかった。竹林の七賢のような隠者、陶潜のような詩人が、それぞれ太平楽を謳歌した時期である。 そして彼らが抱いた老荘思想が、民衆の民間信仰と融合し、さらに仏教の伝来とも作用して、道教の盛期を生み出すに至る。 そしてその道教の組織化と隆盛に伴って、三国志の英雄たちも神として祀られるようになった。わけても関羽と諸葛亮、いや関公と孔明は、その筆頭であった。今に残る三国演義にも、関公と孔明は別格の神秘的な存在して、描かれている。 封神演義以来の講談社文庫は、三国演義を以って終わりとなる。 ◇始皇帝 中華帝国の開祖 「要するに立派な大人が、いまだに、すべてのことを一身に引き受ける覚悟もしていなければ、その決意すらしていないのじゃ」 「そういう覚悟と決意さえあれば、最後に頼るのは自分自身で、責任を取るのも自分であるから、誰にも甘えてはいけないことに気付く。やたらに本心をさらけだすべきではないと悟る」 タイトル通り始皇帝の一代記。春秋戦国志と中華帝国志の中間に位置するストーリー。 春秋戦国志では天下統一まででストップし、中華帝国志では張良がメインだったために間接的にしか描かれなかった、始皇帝の実際の天下統治が丹念に描かれた傑作。 厳格でありながらも清廉で、人情を持ちながらも皇帝として感情をコントロールし、そのうえで全身全霊を帝国の理想のために燃やし尽くした、中国史上最大の大皇帝の姿を、熱意も新たに荒々しく描き切る。 なお、本作は2019年に新装版で発行されたため、新品で入手が出来る。 ◇韓非子 韓非子の「支配体制論」とは、要するに法令を整備して、統治組織や政治機構を築き、権力者は存在するが、人々は殊更にそれを意識せず、究極的には、無為にして政治を成り立たせる「仕組み」のことだ。 なんのことはない。老子の教えた「無為にして化す」ことや「為す無くして為さざる無し」を地で行くことである。そして「最高の治世は支配者の存在を知らず、その名をすら知らない」という老子の理想を、そのまま追求することであった。 始皇帝の師、韓非子の著書「韓非子」を解説した書物。 上下二巻ではとうてい納まらない上、安能氏の独特の解説を織り込む都合上、一部は泣く泣く削除してまとめている。 それでも読み応えは十分。中国で一般に「美談」とされがちなエピソードをことごとく撫で斬りにし、いかによく政治を導くか、だけでなく、いかによく生きるか、ということまで踏み込む。 老子の哲学をも深く踏み込んでいるため、真に読みこなせれば人生の指針にもなる珠玉の上下巻である。 ただし、安能務シリーズ全作品を通じてももっとも難解な作品であることは間違いない。少なくとも春秋戦国志は頭にたたき込み、その上で予備知識も必要となる。 ◇権力とは何か 中国七大兵書を読む 汚職で摘発されるのは、戦場で流れ矢を受けたようなもので、まったくの不運である。そして、路を歩いて雷にうたれることがあっても、それゆえに人々が路を歩くのをやめないように、汚職官吏は投獄される「災難」の危険はあっても、決して不正蓄財をやめることはなかった。 いや、開き直れば、金持ちになるのは誰にとっても、人生の崇高な努力目標である。 兵法書の一部を解説しつつ、中国の思想を読み解く試み。唯一の新書。 「韓非子」を読む前にこっちから入ると少しはマシかも知れない。春秋戦国志→権力とは何か→韓非子、という順序がベターか。 ◇映画「始皇帝暗殺」パンフレットへの寄稿文 自慢にならず恥とも思わないから告白するが、それがしは映画について、まったくと言ってよいほど、なにも知らない。だからトンチンカンに笑ったり、チンプンカンプンに溜息を吐く。優れた脚本構成や演出よりも、その破綻を見つけては悦び、主演俳優の格好よい姿や演技よりも、脇役のちょっとした素晴らしい仕草に感動する。 「暗殺には興味ない」「映画に詳しくない」と映画パンフレットに寄稿する安能氏が、いったいなぜに映画パンフレットに寄稿する羽目になったのかさっぱりわからないが、とにかく記載がある。 ストーリーにはやはり難儀を感じたようで、メインヒロインについて「見るんじゃなかった……」といわんばかりの寂しさがある。 一方、荊軻役の俳優の「殺」という発音が特定個人に向ける時と抽象的な一般対象に向ける時とで発生の調子を変えているところや、呂不韋役を自ら演じた監督については高く評価している。 【安能イズム名言集】 「お父上が亡くなられて、お気の毒だった」「いえ、武王の運が強かったのです」「武成王と飛鳳山の三将が亡くなられたのも惜しい」「元帥、ご存じだったのですか?」「いや、なにも知らない」「残念です」<封神演義・下巻> 「封神演義」末尾における、太公望姜子牙と北伯侯崇応鸞の会話。これだけなら「?」だが、実は重要な会話である。 崇応鸞の父・崇黒虎は以前から、武王は戦争が終われば、功臣や同盟者を「用済み」として処分するだろうと見越していた。しかし、君主に立場があることは認めるが、臣下にも立場がある。 だからこそ、北伯侯・崇黒虎は武成王・黄飛虎と飛鳳山の三将で「徒党」を組み、いずれ粛清を狙ってくる武王一族と対抗しようと考えていた。 しかし殷の張奎との戦いで彼らは全滅する。 崇応鸞は父・黒虎の教えをしっかり学んでおり、可能ならば姜子牙や東伯侯・姜文煥と組み、父の計画を継げればと考えていた。 しかし姜文煥は、一介の戦士としてはともかく、権力者の素質に欠けている。 そして姜子牙も、この会話で応鸞の祈りを婉曲に断った。 姜子牙は、崇黒虎と武成王、飛鳳山の三将の名前を脈絡もなく挙げる。これはつまり「崇黒虎が武成王や飛鳳山三将と党を組み、武王に対抗しようとした計画」を、子牙が知っていたことを示す。 だから応鸞は、亡父の計画を継いでくれるのかという願いを込めて「ご存じだったのですか?」と問う。 しかし姜子牙は「なにも知らない」と返す。つまり、知ってはいるが公言するつもりはなく、協力もしないぞ、と腹芸で答えたのだ。だから応鸞は万感を込めて「残念です」と返す。 そして、計画への未練を残す応鸞に、姜子牙は一言「未練を捨てよ」と教え、ついに応鸞は馬賊となることで政界への「未練を捨て」る生き方を選択する。 応鸞が去ったあと、ひとり自室で嘆息する姜子牙は、訳もわからず道化として始末されるだろう姜文煥たち天下の諸侯、すべてわかった上であえて道化たらんとする自分自身に感慨を抱きつつ、聡明でありかつ道化の道を歩めなかった崇応鸞の「若さ」に、万感のこもった苦笑を浮かべている。 「要するに立派な大人が、いまだに、すべてのことを一身に引き受ける覚悟もしていなければ、その決意すらしていないのじゃ」「そういう覚悟と決心さえあれば、最後に頼るのは自分自身で、責任をとるのも自分であるから、誰にも甘えてはならないことに気付く。やたらに本心をさらけだすべきではないと悟る」<始皇帝・中華帝国の開祖> 始皇帝が、腹心の蒙毅と二人きりで談笑していたところ、蒙毅は第一皇子・扶蘇から「自分は父上に嫌われているのではないか」と相談を受けたことを話す。 蒙毅は単に、父子のわだかまりを解こうと思っての話題だったが、始皇帝は本心からショックを受け、そして怒った。蒙毅にではなく、扶蘇の不甲斐なさにである。 そこからの始皇帝のセリフは、「君主としての心構え」以上に「大人としての心構え」である。 皇帝は、いや人間というものは、最後は自分自身だけで生きていかなければならない。目の前の選択肢を用意するのは周囲だが、選択肢を最後に決定するのは自分であり、責任を負うのも自分であり、選択肢を誤り困難に直面したときに挑むのも自分である。 決して、誰かが肩代わりしてくれるのではない。自分の人生は自分が背負っているのだ。 これは、他人の力を借りる、部下を使うということではない。 誰の力を借りるか、どの部下に任せるか、それを決めるのも自分だ。部下が失敗し、責任を執らせて処断するにしても、その処断を決めるのも自分である。 人は自分の力だけで生きていくことはできない。しかし、自分の人生を誰かに背負ってもらうこともできない。他人の力で生きていながらも、最後は自分自身で決めて生きているのだ。人間は、人生の責任を、常に、自らが負わねばならない。 なのに扶蘇は、父が愛してくれているかということを蒙毅に訪ねた。 まず、いくら蒙毅でも、軽々しく訊いていいことではない。 それに、父が愛してくれないことが、どうだというのだ。そもそも扶蘇は第一皇子であり、いずれは天下に君臨しなければならない。そして扶蘇が皇帝になるときは、父・始皇帝はこの世にいないのである。 始皇帝がいなくなり、自分だけで帝国(皇帝としての人生)に直面したとき、扶蘇は始皇帝にすがるつもりなのか? もうこの世にいない父に! 子供のうちは、周囲に依存してもいいだろう。しかし大人であるなら、依存してはならない。自分の意志で、周囲の力を使い、生きていかなければならない。最初から周囲の助けを当てにするのは、それは大人ではない。一人前の人間ですらない。 「嫌っているわけではない。いや、心から愛している。だが、それを悟らせては彼のためによくないのだ。そうだろ、毅」 この始皇帝のセリフは、安能老師の人間に対する誇りと意志と意地が凝縮された発言である。同時に、人生の責任を自ら負うことを忘れて、物事から目を逸らす人間への悲憤慷慨でもある。 まことに「大なる哉、道」である。その至らざるところなし。<韓非子下巻>にて、タオの解説。 世界に存在する、物質や現象・事象には「理」が存在する。線香が燃えて煙が上がり灰が落ちるとき、線香と灰と煙を区別するのは、それぞれの「理」である。線香には線香の「理」、灰には灰の「理」、煙には煙の「理」がある。それぞれの「理」があるから、線香、灰、煙、といった物質や現象は区別されて存在する。 しかしそうした「理」は、「道」があるから生じうる。線香が灰や煙に変化する瞬間のはたらきを「道(タオ)」というのだ。 つまり「理」を備えた万物は、「道」によって生まれるのである。 「道」は、「理」を定めて、万物を生み出すのである。 ゆえにいわく、「道理者也」道は理するものなり、と。 だから、天はタオによって高く、地はタオによって豊かであり、北斗や星々はタオによって夜空を巡り、日月はタオによって輝き、五行や四季はタオによって移り変わる。 タオは尭舜とともに賢く、接輿(奇人)とともに狂い、桀紂とともに滅び、湯武とともに栄える。 近くにもあれば宇宙の果てにもあり、遠くにもあればすぐ側にもある。暗いところにもあれば光芒を発し、明るいと思えば暗黒にもある。 天地はもとより、宇宙のあらゆるものもすべてタオによって生まれている。 あらゆる物質・現象・概念、みなことごとく「発生する原因」がある。その「発生原因」をして「タオ」と呼ぶのだ。 中国史にはウソがまかり通っている 安能老師は一筋縄では行かないお方である。 まず安能氏は、中国史における既存の解釈、偏見に対して、激しい憤りを抱きつつ執筆していた。 始皇帝や韓非子に対する、暴君・冷血・無情といったいわれなき「先入観」。史記・秦始皇本紀の本文すら反映しない「始皇帝研究」。「法家」の韓非子が「道家」の老子の教えを理解しているわけがなく、韓非子の老子理解は一篇に過ぎないとする「風潮」。それらへの猛烈な悲憤慷慨が、文章には満ちている。 しかし安能老師は、自分の見解が常に正しくないとも理解していた。 そもそも人間において「正しい理解」などありはしない。「間違いなく絶対に正しい見解」、「科学的で客観的で中立な見解」などというものは、人間界には絶対にないのだ。資料の引用を明記して脚注をつけ、「~~ではなかろうか」などと断定を避けたところで、それは単に責任逃れの言い訳に過ぎないのである。 だから、安能老師はあえて断定的な表現を駆使し、「絶対にこうである」とか「間違いなくこうであった」と記しているが、それは読者の側も「なるほど、おまえはそう思ったのだな」と、一歩引いて理解しなければならないからだ。 どんな文章でも、書き手と読み手は別人である。書き手には取るべき態度があり、読み手にも取るべき態度がある。「安能務の書くことは嘘だ」というのも「安能老師の書くことは絶対に正しい」というのも、均しく間違いで、結局は「自分はこう考える」しかないのである。 だから、「自分はこう考えている」というのを忘れて、ただ安能氏の書くことだけを読むことも、実は間違っているし危険だ。 安能氏自身、著作のなかでいかにも引用文のような形で、私見を挟んでくるからである。いやそれは、安能氏の私見であるとともに、安能氏から我々への試験でもある。 その一つは「一要七術」である。七術とは「七通りの汚職の手口」であり、一要とは「七術の要となる、汚職する者の心得」だ。 その七術とは―― 徒党を組んで情報操作やかばいあいや追い落としを狙う「朋党(ほうとう)比周(ひしゅう)」 公費をばらまいて私的な恩義を売り込む「以公(いこう)済私(せいし)」 外部の勢力を引き込んで国内情勢を制圧する「倚外(きがい)制内(せいない)」 法律を曖昧に解釈して囚人から賄賂を取る「疑法(ぎほう)賕納(きゅうのう)」 法を曲げたり盲点を突いたりして予算を抜き取る「貪贓(たんぞう)枉法(おうほう)」 問題の処理を引き伸ばして責任を押しつける「拖溜(たりゅう)推諉(すいい)」 言を左右にしたり当たり外れのない原則論を述べたりしてどっちに転んでも責任を逃れる「矰繳(そうしゃく)徼倖(ぎょうこう)」 の七つ。 そうした「七術」は言わば技術であるが、そうした技を使いこなすのに必要な奥義、「一要」が「揣摩(しま)渲染(せんせん)」である。 揣摩臆測というと当て推量ということになるが、ここでいう「揣摩」とは「相手の内心を正確に読み取ること」。対する「渲染」とはぼかし絵のことで、「自分の内心を包み隠すこと」。 つまり揣摩渲染とは「自分は相手の内心を正確に把握し、しかも相手には自分の心を悟らせず、自分だけが相手を誘導すること」にある。汚職をするには基本技術で、しかも奥義である。いや、ただ生きる上でも大事なことだ。 安能氏はこの「一要七術」を、韓非子が研究してまとめたものとし、「韓非子」「権力とは何か」に記述している。揣摩渲染は蘇秦が開発したとある。 しかしこの「一要七術」、古典「韓非子」には存在しない。 少なくとも岩波文庫の「韓非子」全四巻を冒頭から末尾まで探したが、一要七術・揣摩渲染を見いだせなかった。 「朋党比周」はあったが独立して扱われており、また「権力とは何か」で挙げられた七術の具体例は確かに古典「韓非子」からの引用だが、古典「韓非子」では「七術」というまとめ方はされていない。 安能老師が、勘違いしたのではあるまい。 よく読めば、「韓非子」において一要七術を記した場面では、そこだけ漢文の引用がない。注意すれば「古典にはない」とわかる構造になっていたのだ。つまり意図的である。 その「意図」は自ずと知れる。つまり「わしが書いたことを、そなたはちゃんと確かめたのか? 世間に『正しい文献』などなく、人間に『正しい意見』などないと教えただろう。わしが『正しいこと』を書いているわけではないぞ。確かめたのか?」という、安能老師のイジワルな試練が、気付けば気付くレベルで仕込まれていたのだ。 しかし、出典を探すのはこれは言わば「応用問題」であり、単に安能イズムを知り、「韓非子」における大量の「具体例」を読み解く上で、便利な解釈であることは間違いない。 また、教えは実践してこそ意味があるという禅宗の教えを鑑みるなら、安能老師の試練はむしろ受けて立つべきものだろう。 願わくば追記・修正をお願いします。 ならびに、現在は絶版・入手困難なものが多数を占めてはおりますが、現在はKindleにて入手可能なものも多く、出来れば手に取っていただきたく、お願い申し上げます。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 軽い気持ちで記事読んだらものすごい熱量で驚いた。作成乙です -- 名無しさん (2020-12-26 06 49 35) フジリュー版封神演義も一応この人のが原作ではある…そっから更に独自の要素入れまくったからぐっちゃぐちゃだけどな!!一応哪吒(なたく)とか一部人物の読み方には影響は読み取れるかも -- 名無しさん (2020-12-26 07 02 21) 自分も学生時代めっちゃ好きな作家さんでした。こういう強烈に自分の世界を持ってる人ってかっこいい。 -- 名無しさん (2020-12-26 11 43 30) なるほど。柔軟でしたたかだったから、今あんなに暴れまわれていたのか。と言っても、今の中国に国益のためにへりくだれと言っても無理ゲーだろうけど。え、中国公安がやってきたって?; -- 名無しさん (2020-12-26 12 54 38) 物凄くクセが強い作家だからハマる人はトコトンハマるが合わない人はトコトン合わない -- 名無しさん (2020-12-26 13 24 35) 実は項目作成をためらったのです。直接の面識はないのですが、我が人生の師匠として心から尊敬しているので、項目作成なんかしたら間違いなく熱意で暴走すると確信していました。実際に文章量がかつてないほどになり、慌てて折り畳みを仕込む始末……正直「もう主観項目だこんちきしょう」と開き直ってます。次はとりあえず通天教主の予定…… -- 作成者 (2020-12-26 23 44 40) これ…金とか学位とか取れる文章じゃないか…?作成者すごすぎない? -- 名無しさん (2020-12-27 00 13 35) ↑2主観だよ!みたいな開き直りに見える最後の文章は直したほうがいいかも -- 名無しさん (2020-12-27 01 16 48) うん……確かに凄い記事だし熱意も判るんだがちょっと思い入れの強さのせいか主観推しがね……まあそれも含めてそういう人の記事と意図なんだよと言うのはわかるんだけれども、主観を強調するあまり言い訳みたいに聞こえる。まあそれも勝手な主観か。 -- 名無しさん (2020-12-27 08 01 16) 「主観で書くしかない」の段や最後の引用文からして、そもそも安能さん自体がwikiとは相性悪いね。少なくとも本家Wikipediaの流儀からは真逆だ。 -- 名無しさん (2020-12-27 10 48 15) まあ、アニオタのよさってこういうのがあることだしなんか変なことを書いてるわけではないのでいいのでは? -- 名無しさん (2020-12-27 12 36 14) ということは、中国政府のフィリピンや日本への境界争いや、イカの不漁の原因である、中国領民の違法操業も、全ては中国国民のしたたかさを表すものだったわけか。なるほどなぁ…… -- 名無しさん (2020-12-27 15 16 25) 個人的にはすごく興味深い記事なんだが、事後承諾でも掲示板に出しといたほうが良いのでは -- 名無しさん (2020-12-28 10 15 33) ↑4 本家Wikipediaだって記述、修正者の主観が入っていないとは言い切れないんだよ。 人が記入する以上「主観」が入るのは避けられない。 -- 名無しさん (2020-12-28 17 33 26) 同時に、主観はアニヲタWiki(仮)でも推奨はされていない。項目作成時のルールにおいても「主観項目」は注意する物として取り扱われている。主観が混ざってしまうこと自体は否定しようもなく、また小説のような個人の創作なら推奨もわかるが、Wiki系だと主観は「控え目にしてね?」というモノなのでその場で主観を強調されると……ちょっと困る部分も…… -- 名無しさん (2020-12-29 05 10 20) ↑「その場で主観を強調されると……ちょっと困る部分も……」それも主観なのですが… -- 名無しさん (2020-12-29 08 08 50) まぁまぁ揚げ足取りになってしまっているし一旦ストップ、歴史物の作家のスタンスってことで頭に入れとく程度でいいのでは -- 名無しさん (2020-12-29 08 14 47) そりゃ記事その物の是非ならともかく記事への印象や感想としての主観までは誰も否定してないからね。それこそWiki系の記事作成の注意点でも。でも、確かにあくまで歴史と作家の話か記事も主題は。 -- 名無しさん (2020-12-29 08 23 55) それにしても、どうして本ごとに生年が変わってるんだろうなぁ。本人も忘れてしまってたり、覚え違いをしてしまったりとかかなぁ。 -- 名無しさん (2020-12-29 09 04 29) 言われてみれば……香港大学なのはどれも同じだから香港大学の記録とかには残ってるのかな? -- 名無しさん (2020-12-29 09 07 10) ↑中国当局からの追及を逃れるため……ってのはないよな。それでも生年をごまかす理由がないし(生年ごまかしたって、当局の追及を逃れられるとは思えないし、そもそも当局ににらまれる理由もない。さらにもしやらかして逃れるためだったら、他にもっといい方法があるだろう)。やっぱりど忘れが有力だろうか。 -- 名無しさん (2020-12-29 12 25 24) 経歴が不明なのは実は戦前は日本か中国のスパイだったからとかだったら面白いんだが -- 名無しさん (2020-12-29 14 58 49) しかし、『一要七術』を探すために、韓非子を読破する項目主もすごい。さすがです。 -- 名無しさん (2021-01-26 11 47 45) まあ実際に氏の考えが実際の中国史で正しいかって言えばそうでもないところが多々あるんで注意してほしい -- 名無しさん (2021-01-26 14 16 51) スタンダードな中国史の知識を持った上で一般論へのカウンターとして安能氏を読むと歴史の捉え方に幅が出てくると感じたな -- 名無しさん (2021-02-27 05 42 16) 扶蘇はそんな、一人前の覚悟も決意もできないようだったから、結局馬鹿にいいようにされて、結果項羽とかの反乱を招いたのかな。少なくとも安能氏の考えまたは彼の世界では -- 名無しさん (2021-03-19 12 41 01) ↑ 違う違う、趙高にいいようにされて馬鹿騒ぎしたのは弟の胡亥。扶蘇は趙高が偽造した「勅命」によって自殺している。もっとも扶蘇が蒙恬の反対まで押し切って自殺した理由について、安能師は本当には謎としながらも「始皇帝の業績を継いで天下の法治体制を継続することは、父にはともかく自分には重すぎる」という発言(ただそれは蒙恬がフォローできるはず)と、「二十年ほど前の少年期に、潔く自殺した韓非の姿に『死の美学』を見たのではないか」という分析を記している。 -- 名無しさん (2021-03-19 13 09 27) ↑なるほど、そうだったのか。教えてくれてありがとう。 -- 名無しさん (2021-03-19 13 11 31) ↑2 法家思想を尊重した始皇帝の長男が、儒教的な発想に従って殉死したのは、なかなか皮肉なことではあるな -- 名無しさん (2021-03-19 13 25 30) 【各作品】の処、若干読み難いし文字数減らす意味でも封神演義(安能版)、春秋戦国志(安能版)という感じで個別項目化した方が良いと思うんですが反対の人いますか? -- 名無しさん (2021-03-19 14 14 42) ↑ もしそういう意見が大勢なら、わたくしのほうから各作品を個別独立化しようとは思います。ただし現段階では独立には文章量が足りないため、一から作ることになりますので、一月ぐらいは待ってください。 -- 作成者 (2021-03-19 21 55 50) ということは、台湾を独立させても、北京にそれを補って余りある利が入ってくるよう交渉するようにすれば、台湾問題の解決ワンチャン……? 仮定の話だけれども。 -- 名無しさん (2021-11-25 15 44 08) 『封神演義』を中学時代か高校時代に読んだが不思議感がすごかった(打神鞭が何ゆえに打神鞭なのか)、中国正史をちゃんと理解できたら『韓非子』あたりに手を出したい -- 名無しさん (2022-01-15 22 07 08) そういうと『封神演義』(not安能版)で完訳版が出たらしいが、単行本で一冊が3500円越えといういい値段設定だった -- 名無しさん (2022-01-15 22 09 42) 名前 コメント
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特212 333銀昭和十四年六月增補改訂第十四版一業務改善隻語瀨粂吉著 第十四版に就て吾等の先輩元小山頭取の遺訓を追ひ夙夜念頭より銀行を離れず、公平無私の立場より見たる所感を率直に摘錄せしもの、敢て自らを揣らず、昭和二年編成本書を發行し、以來同六年まで版を重ぬること十三回、刊行十數萬册に及ぶ。然るに上海に於ても漢文に飜譯せられ八版を重ねたりと聞く。其後本書絕版となり今日に及びたるが、其の間尙需要の絕えざるものありて、之が重版を慫慂せられたるも、著者は旣に營業の第一線を退きたると、其の後國情の推移により經濟體制も自ら變化を來し隨つて金融界の事情も大に異り、聊か六菖十菊の嫌を感じ爲に逡巡したりしなり。然るに此度更に改版を勸められて曰く、方今一部に異常的好景氣の生ずるものあり、此の際理論に捉はれず、實際に墮せず、堅固なる國策に呼應し天地の大道に基きて東亞建設に邁進し以て聖業を達成するに努むると共に、一面飽く迄普通銀行としての使命を誤らず、能く大小緩急を調和せざるべからず。而も之れ今日何人も言ふべくして克く實行するは容易の業に非ず、前車の覆るは後者の戒なり、世上の情勢變遷ありと雖も根本の原義原則に至つては不變不動なり何すれぞ敢て躊躇するの要あらん哉と。茲に於て著者は固より今日駸々乎たる時勢に應じ達觀し且つ活動するの明を有せざるも、暫く說者の言を容れ、敢て復た世に見ゆることゝせり。今や國防を初めとし產業、貿易に渉り着々之が擴充を實行せむとするの秋、之が資源たる人 的要素の充實こそ最も喫緊事たり、此點に就き現下金融界に於て樞軸を握らるゝ名士各位に依り、或は船長となり或は揖取となりて統一和合し至誠を以て牢固たる信念の下に大經濟界を無事航行せられん事を望むや切なり。本書刊行後著者は昨年「誠」と題する書、〓びに最近「銀行經營の視線」と題する小冊子を刊行せり。孰れも感ずる所ありて、識者の批判を仰がむとするもの、蓋し本書と姉妹篇を爲すものなり。願くは之を合せ一讀の榮を得て示〓是正を賜はらんことを。昭和十四年薫風之節瀨粂吉第十二版に就て從來、淡々居士編として出版せし本書は、其の都度各方面より明かに本名を表示すべし、斯る眞面目なるものに雅號を用ゆるは當を得ずとの勸告あり。抑々編者の雅號を用ひしは、敢て二名稱を用ひしにあらず、又責任回避の卑怯に出でたるものにもあらず、實は拙者を主とし、之に加ふるに二三子の助力を得て編纂したるを以て、之に對し一人の名を縱まゝにするを屑しとせざりしなり。然れども各方面の勸告あり、又誤解あるを恐れ、茲に第十二版より拙者の名を署することゝせり。讀者乞ふ、諒とせられんことを。此の書、最初は主として銀行改善に直面したる要項のみを記載せしも、其の後版を重ぬるに隨ひ、種々雜感を交へ、稍々錯綜し來れるを覺ゆ、依つて第十二版より分類することゝせり。只之が爲に、精神的脈絡の意勢を削ぐの憾あるも亦、已むを得ざる所なり。昭和五年二月一瀨粂吉 改善隻語を讀みて其道の誠をこゝに時鳥靑々一首あり阿蘇山麓より來たる春光春水滿晴空淡々月〓興不窮丁卯恐慌君記否隻語縱橫問天公第十一版に就て最初部內にのみ配付せし本書が、一度び世に出づるや、銀行業者は勿論、其の他諸會社、商工業者、取引先、株主、學校及び圖書館等より陸續、所望せられ、今や册數五萬を摩せり。加ふるに本書が一たび新聞紙上に紹介せらるゝや、申込み一時に殺到し遺憾ながら其の需めに應ずる能はず、更に急遽、第十一版を剛刻に付するに至れり。是れ獨り編者の光榮とする所なるのみならず、また以て時世の要求のいかに切なるかを窺ふに足る。回顧二年、雲翳未だ霽れず、筆端、迸つて時弊を痛嘆せること少からざりしも、其の反響の多大なるを見て、大いに意を强うすると同時に、祿を同業に食む編者が、奉仕の企の空しからざりしを思ひ、轉た欣快に堪へざるものあり。古語に曰く「人に財を贈るは一日の喜びを申ぶるに過ぎず、言を贈るは永久不滅の福音なり」と。編者の所信はこの語に盡く。昭和四年四月念一日再び思ひ出の日編者識す 回顧一年顧みれば、去年の今月今日は、吾人の忘れんと欲して忘るゝ能はざる金融界大動亂の厄日なりき。思へば實に我國未曾有の出來事にして、全國的取付騒ぎの爲に、休業するもの三十七行此の預金、約六億圓に及び、日本銀行貸出高、二十億九千萬圓、兌換劵發行高、二十六億六千萬圓と云へる空前の巨額に達し、其の間、一夜的紙幣の急造せらるゝあり、遂に全國の銀行は一齊に休業し、ついで「モラトリアム」の非常手段を斷行するのやむなきに至り、爲に臨時議會の開催となり、七億圓の補償及び融資法を決議したる等、官民の一致協力を以て、漸く鎭靜するに至りたりと雖、靜かに之が近因を探究すれば、要するに銀行經營の放漫不謹愼に歸因し、更に其の遠因に遡れば、歐洲戰後の大反動による事業界蹉跌の整理不徹底にして、創痍なほ癒えず、加ふるに關東の大震災あり、これがため彌縫に彌縫を重ね來りたる咎に胚胎せずんばあらず。是れ畢竟、世人が眞面目をはなれ、正道を踐まず、滔々として常軌を逸し、眞理に背反せるよりして招徠したる罪に外ならず。眞理はたとへ叢雲の翳すことありとするも、儼乎としてその存在を犯すべからず。之を犯せば其の祟り立所に到る。敢て天を怨み、人を咎むべきにあらず。寔に自ら恐れて懼れざるべからざるなり。淡々居士、編する所の本册子は小なりと雖、簡にして明、能く經營の精神を示し、言々實感に發し、眞理を說いて餘蘊なく、斯業の金科玉條たりとの好評を得、今や上梓八回に及び洽く世に紹介せるの無意義ならざりしを喜ぶ。又以てこの種の書が如何に時世に迎へらるゝかを窺ふに足る。庶幾くば茲に回顧一年を記念として、斯業改善の一助たらんことを。聊か所感を述べて序に代ふ。昭和三年四月二十一日思ひ出深き日春水一瀨粂吉 〓言一、全編の要旨は、銀行は如何にして堅實なる經營を實行すべきやに在り。一、本書は今次の恐慌によつて得たる體驗により、腦裡に浮ぶ感想と、並に平素いさゝか考究せる居士一己の卑見を、極めて率直に述べたり。而も勿々の際、筆を遣りたるが故に例へば經營方針、當事者の心得、〓究事項、改善方法等の如きを、只雜然と排列したるに過ぎず。從つて奇想新說あるにあらず、當然のことを當然に述べたるまでにして、强ひて其の特異の點を求むれば、言々悉く實感より生れ來りたりと云はんのみ。一、現時の如く、不當然のことが寧ろ當然とせられつゝある世の中に於ては、縱令、其の言は舊套に屬するも、尙且つ最も新らしきを覺えん。況んや病體となるに及んでは一層痛感する所あるべし。一、凡そ筆に口に、巧辭を呈することは最も賢明なる遣方なり。然れども、すでに斯業の通弊に慊焉たるものあり、之が眞相を指摘し、以て其の根蔕を改善せんとせば、忌諱に觸るゝを恐るべきにあらず。蓋し現下の狀態は、一切の遠慮を捨て、進んで直言せざれば何等の意義なしと信ず。願はくば編者の直言に寛恕を賜へ。此の書、文字の修補に暇あらざるのみならず、行文簡に過ぎ、往々意義の徹底せざるものあるべきを遺憾とす。若し夫れ趣旨に於て、一節たりとも採擇すべきものありとせば望外の幸なり。本書は銘々の立場より見て、或は適合せざる點多かるべしと雖、之を大處高處よりみれば公平無私と首肯せらるゝを疑はず。萬一、其の當を得ざるものあらんか、是れ子々たる居士が淺見の然らしむる處として、偏に讀者の寬容を乞ひ、併せて示〓を賜はらんことを望むや切なり。銀行は預金を歡迎すると同時に、貸金に就ても大いに力を盡すべきは勿論なるも、本編は貸金の利を說かず、其の裏面に伴ふ弊害をのみ指摘して、戒愼に資するを主眼とせり。讀者乞ふ、其の心して閱讀せられんことを。一、居士淺學菲才を顧みず、耿々たる一片の赤心に促され、敢て鄙文を草し、時代の參考に供す。然れども拙速に偏し、纔かに骨を說いて肉に及ばず。且つ頗る粗笨杜撰にして素と是れ荒墟の瓦礫たり。若し讀者諸君に於て、懷抱せらるゝ意見を隨處に加筆せられんか、必ずや瓦は變じて玉と成るべし。又文中會心の箇所あれば、自ら圈點を附して强調せられんことを望む。一、本書の記載事項中、今や着々改善せられたるため、贅文廢句に歸すべきもの多々あるべし。是れ編者の最も本懷とする所なり。今後幸に版を重ぬるの機會あらば、其の都度つとめて增補訂正せんことを期す。隨つて事實の前後あるは已むを得ざる所なり。一、標題に就ては之を內容の斷片的なる各項に照らし、必ずしも銀行改善の記事とのみ認め難きものあらん。或は一種の人世我觀、若しくは改善より見たる雜感とも云ふべき點尠なからざるべきも、今日我國の通弊は精神の缺如にあるを以て、茲に編者に精神的改善を圖る 第十二章第第十一章第第第第第第第第第にし、此の册子は最初、威に堪へず。よりの慫慂に會ひ、十九八七六五四三二一昭和二年五月金融界大動亂の直後るゝ精神を酌まれんことを。を以て第一要義と信じ、章章章章章章章章章章倶に斯業講究の誠意により、商願くば大方の諸賢、手形、貸預銀不銀行員の待遇及び心得銀行家の生活と處世重銀目1出 と金及び利行行役〓究資料として好意を以て單に部內にのみ配付せし處、廣く之を頒つことゝせり。品當行ル小切手、ととのの妄りに擔取貸社競顧責經爲替次保引越息會爭客任營『改善』攝陽遠慮なく批判叱正あらんことを乞ふ。單に個人の餘業とみなさず、淡六甲山麓に於てなる文字を使用せり。々固より〓鑚盡さゞるもの多く、居讀者乞ふ、士又坊間の賣らん哉の類と異識一〇八一〇六九七充盍查兵四九〓三÷-す誠に望洋の測らずも各方面全編を通じて流 第十三章調査三第十四章銀行の檢査一一七第十五章公債及び日銀一二〇第十六章銀行の合併ニ第十七章雜感一束一二九第十八章昭和二年の恐慌一五〇第十九章結論一五三銀行業務改善隻語一瀨粂吉著第一章銀行の經營一、銀行の要素は人に在り、人の本領は意志の鞏固に在り、意志の鞏固は不拔の信念に在り。健全なる經營、磐石の基礎は是より生る。ニ銀行の經營は、先づ銀行の本義を會得し、勇氣あり力ある誠を以て、之を實地に施すに在り。所謂良心を手腕に活かせ。ニ、銀行は信用を基礎として立つ、信用は生命にして萬事の本たり、「信を失へば則ち立たず」四、銀行家は、人格識見の高きは勿論、常識に富み、能く中道を謬らざるを要す。中庸に曰く「中は天下の大本なり和は天下の達道なり中和を致して天地位し萬物育す」と。五、銀行は根本の備へとしては他力を賴まず、飽くまで自立自存の精神を以て、本然の主義方針を嚴守し、平素にして能く不時に備ふる經營あるを要す。六、隨つて之が經營の任に當る重役及び幹部は一意專心、銀行と終始を一にする覺悟を以て自信と眞面目とを持し、常住不斷の努力と忍耐とを忘れず、其の精神が經營の上に實現し、おのづから内外の絕對信賴を受くるに至らんことを要す。 二七、元來銀行は地味なる商賣なるを以て、努めて虛飾を避け、體裁に囚はれず、主として內容の充實と基礎の鞏固とを圖り、一步一步を撓まず急がず進むを要す。決して己れを削りて虛飾を爲すの愚に陷る勿れ。砂上の樓閣は風雨に堪ふる筈なし。徒らにメートルを上ぐる競爭は、禍根たり。ハ、故に資本金、預金高、配當率等、必ずしも數字の多きを以て尊しとせず。又建物の如きは堅牢を主とするも、競うて輪奐の美を裝ふに及ばず。一に銀行內容の充實、信用の增進、資金の活用如何を考慮しその間毫も不純無理あるべからず。た、銀行の權威、信用を傷つけ、危殆を招くに至るは、裏面に不純の潜めると、無理を敢てするより始まる。一〇、其の內容を調査せず、只外觀に現れたる各行の預金額、又は收益額の數字を比較して、直ちに銀行の盛衰又は信用の厚薄を品〓するが如きは、其の實甚だ輕率なる判斷にして人の通有性弱點を驅り、却つて無理を餘儀なくせしむる一因となる。二、資本金、預金、貸出若くは擔保の何れを問はず、其の實質に至りては活きたるものあり、死せるものあり、數字の比較のみを以て速了し能はざるは、實例に照らして洵に瞭かなり一二、數字は總ての構成基礎として大切なるものなり、同時に數字ほど人を明かに欺くものはなし、心して視ざるべからず。ニー、故に貸借對照表を檢討するありとも、寧ろ經營者の心を檢討するの優れるに如かず。一四、何事も不合理、不自然に始むるものは、其の終に於て必ず不結果を見ざることなし。是れ當然の歸結にして、時に遲速こそあれ、結局、物は落つる處に落つ。所謂因果應報の理なり。一三、銀行も、顧客も、共に實力相應を守るべし。破滅の根源は結局、分相應を超ゆるに在り。是れ古今一貫の鐵則なり。一六、外國にては、何事も分相應を超ゆるを以て、大なる禁物とし、例へば衣服、飮食、娛樂、交際等に至るまで、敢て其の分を踰えず。又借金を爲すにも、返濟に充つべき能力を辨ヘ、決して其の實力を踰えてなさず。即ち社會の慣習的組織が、自然に鞏固確實を保持せらるゝ所以なり。一七、古來泰平の世を歌うて曰く「一味の水も草木叢林、皆各々分に應じて其の潤ひを受く」と、分に隨へば則ち天下洽く泰し。一、、信用の濫用、手形の濫用は獨り自身の分相應を超ゆるのみならず、延いて社會に害毒を及ぼすこと大なり。便利と危險との岐るゝ處は、唯夫れ始を愼むに在り。一九、他行を凌駕せんとし、若くは之と竝行せんが爲めに、急激なる擴張を爲すときは其の間、所謂無理を生じ、之が禍源となりて遂に困厄に陷ることあり、實例尠しとせず。故に急がず、焦らず、休まず、進むを以て、最後の勝利者となす。二〇、凡そ、銀行を危地に陷るゝものは重役及び幹部の平素の方針、態度並に內部の和衷協同の實如何に基因するもの多く、全責任は實に經營者其の人に存す。偶々一行員の不正、三 四若くは過失に依る出來事の如きは、恐らく銀行の基礎を覆へす程の大事に至らざるべし。上に立つものは即ち然らず、須らく銀行の正位に坐して渾身の努力を傾注し、拮据經營、誠心誠意の一貫するを要す。至誠は萬世不朽の人道なり。二一、茲に於て行員も亦、此の重役の精神を基準とし、緊張して職にあたり、規則を守り、能率を增進し、上下を問はず渾然と一體をなし、初めて整然たる營業振を發揮し得べし。重役は經にして、行員は緯なり。共同事業の盛衰は、一に人の和に在り。二二、天の時も、地の利も、人の和に如かず。人の和あり、誠意あらば、其の他は第二、第三のみ、亦何をか語るの要あらん。二三、單に誠意を持するに止らず、理智に富み、打算に長じ、進むあり、守るあり、時運の進展に伴ひ、機敏にして時勢洞察の明をかね、又周到なる思慮と、練達せる手腕に加ふるに、沈毅と果斷とを以てし、奮つて大機小機に當るべきは論を俟たず。二四、重役は部下に對し、投機を戒め、素行をたしなめ、節約を勸め、勤勉力行、時これ金なりと訓誠すると同時に、己れまづ身と心との範を示さゞるべからず。ひとり常勤重役に止まらず、平重役に於ても亦然り。二五、凡そ千言萬語の訓示よりも、重役夫れ自身が言行一致の活ける典型となりてこそ景仰すべき眞價あり。語に曰く「百言は一行に如かず」と。恰も富岳は雄大秀麗の實ありて始めて尊きが如し。今日その職にあるの故を以て、儀禮的に訓示するが如きは、何等の實なく力なく光なし。二六、獨り重役のみならず、行員小使に至るまで、常に自らを責め、自らを重んじ、最良の模範を以て自ら任ずるの信念なかるべからず。宜しく上下を通じて一貫したる此の精神あるを要す。二七、上に立つもの模範として缺くる處あれば、部下の賞罰を明かにし難く、賞罰明かならざれば、威令行はれず、如何なる規則訓令も空文に歸すべし。二八、凡そ何事を爲すにせよ、單に一片の所作に止らず、常に其の趣旨と目的とに對し、眞摯忠實なる精神の發露なかるべからず。二九、行員にても、得意先にても、常に巧辭を呈し、我に從ふものあり注意すべし。或る權力者を取込まんとする奸者もあり。上長の好める道に迎合せんとするものもあり。心すべし。縱令朴々たるも豐かなる交驩と、誠意溢るゝ忠言こそ望ましけれ。三〇、小人は、人の顏色を窺うて陰日向の仕事を爲す、又類を以て集るものなり。深く戒心を要す。三一、銀行の盛衰は人に在り。外國の學校に於て銀行論を講ずるに當り、先づ第一に銀行の經營は人にありと說くもの、眞に所以ありと謂ふべし。三二、隨つて人事行政は銀行の最も大切なる用務にして、之が適否如何は、行運の消長に關するや大なり。三三、英國にては、人事行政の一分課を置き、之に監察官の如きものを配置し、地方的に分掌五 六せり。三四、人事行政は能率本位、適材適所主義たるべきは勿論なるも、しかも人の和を得るやう工夫せざれば能率擧らず。茲に人物吟味の要あり。(十七憲法の第一に曰く、和を以て貴しとす)三五、銀行に能率課を設け、業務の進展改良、人事の整理、經費の節約を圖るも一方法なり。三六、又英米の取締役會、及び營業の衝に當れる取締役、又は頭取、副頭取の組織分掌は、我國と大いに趣を異にせり。三七、銀行業務を知らずして、一家一門、擧つて之が重役となるが如きは、大いに考慮せざるべからず。三八、銀行會社の破綻を見る毎に、經營者その人及び其の周圍を、平素調査する事の必要なるを痛感せざるなし。古語に曰く、「其の人を知らんと欲せば先づ其の友を見よ」と。三九、若し夫れ、休業銀行の內容を發表せんか、其の因つて來れる禍根について、活〓訓となるべき好個の資料、恐らく五六にして止らざらん。四 〇、昭和二年の恐慌に際し、隨處に綱紀肅正を絕叫するもの少からざりき、當時の世相を反映するものにあらずして何ぞ。宜しく猛省すべきなり。四一、銀行經營は難事中の至難事なり、故に架空の議論を許さず、永遠に亙りて誤なき正義の實行を要す。即ち眞の責任を解する人を待たざるべからざるなり。正義は永久不滅にして、縱令形に表はれずとも、芳香馥郁たり。四二、凡そ貸出、或は行員の採用其の他に就き、苟も情實の纏綿せるかぎり未だ曾て其の弊の暴露せずと云ふことなし。宜しく私心私情を去り、〓風颯々、公正廉潔、一に銀行の利害を基點として、考慮決定すべし。行員は有力なる推薦者の手になるもの程、緊張味を缺き、成功の可能性乏しとの說あり、味ふべきことなり。四三、普通選擧に於て、〓き議員は〓き一票を叫べり。吾人は〓き預金と、〓き貸金と、而して〓き經營者とを絕叫して止まず。四四、自行の預り金を、自分の事業に使用するものは、悔悟の日必ず來る。四五、凡そ破綻は流動資金の涸渴に因る、而して銀行は開業せる間、預金なる流動資金が流入し來るを以て、破綻の日遲く、隨つて其の害、擴大せらるゝを常とす。四六、急激なる取付には倒れず、緩漫に永續したる取付は憂となる。四七、個人銀行、若くは個人的銀行にして、其の方針を誤るときは、啻に祖先傳來の資產を失ふに止らず、多數の預金者に迷惑を及ぼせる例甚だ多し、要するに本邦屈指の富豪ならば兎も角、一ト通りの富豪若しくは俄富豪にして、競うて銀行業を經營することは最も考へものなり。四八、殊に自分は銀行業を知らず、又知るといへども熱心に從事せず、私心多き常務重役又は支配人に一任し、積弊の極、倒產せし實例尠しとせず。四九、金融業者は、事業會社との系統及び特殊の機關關係を離れ、且つ相手方と同一事業の競爭關係を有することなく、超然として不偏不黨の地位に卓立し、以て公明嚴正なる態度七 八を持せざるべからず。是れ財界指導の責任ある地位にあればなり。五〇、機關銀行は、營業母體と同一系統の緣故者を以て經營者に充つるが故に、結局母體と同一の運命に陷らざるもの稀なり。五一、超然として獨立し、巨大なる資本と、偉大なる信用とを有するものは、即ち我等の理想とする銀行なり。五二、外國の銀行は、純然たる株式組織にして、何等の背景を恃まず、一に經營者の人格を基とす。我國の銀行は必ずしも然る能はざる事情あり、寧ろ過渡期の道程に在りと云ふべきか。五三、銀行は未だ降らざるに先だつて、豫め雨具の用意なかるべからず。五四、積立金及び手許有金を豐富にするは勿論、準備用の公債社債類は、平素他に使用もしくは貸與すべからず。五五、世には手許有金、預け金、「コール」及び有價證劵を以て支拂準備とし、直ちに各銀行の比較評論をなすものあるも當らず。即ち有價證券中にも、他へ擔保として使用し、又は他へ貸與せるものあり。之に反し、貸付金と雖、立派に準備となるべき一流の擔保品あり、割引手形中にも一流の商業手形のあるあり。畢竟右の比較は皮相の觀察にして、眞相に徹せず。五六、積立金、即ち準備金の全部、及び拂込資本金の全部、又は其の一部は、必ず公債類に換ヘ、完全に準備用として留保するを要す。英國の如きは秘密積立及び內部積立の例あり。五七、手形、證書、委任狀其の他擔保物附屬書類等に於て、權利の保全に欠缺なく、完備整頓せる銀行は、支拂準備に於ても亦相當用意あり、確實なる銀行と見るを得べし。五八、公金預金等に對し、若し擔保品を差入るゝの必要あるときは、準備用以外のものを以てせざるべからず。是等の擔保付預金は、常に借入金を有するに等しければなり。況んや其の他に、擔保付預金ありとせば、尙更不可なり。五九、銀行は種々なる方面に諸準備を要し、又奉仕的犧牲を拂ふ必要も起り、充分なる利益を得るに難きを以て、總て原價は努めて低下せしむるを要す。六〇、常に原價計算を採りて、收支の調節を圖るべし。原價高きに失するは、經營困難に陷るの原因たり。蛸配當も亦之に基因すること多し。六一、低率預金を選ぶと共に一方、人件費、物件費その他諸經費の節約を計らざるべからず。經費の厖大は、經營の粗漫を意味す。六二、凡そ銀行家は、自分は斯かる主義方針を信奉し、今や現に之を實行しつゝあり、之に對する忌憚なき江湖の批判を待つとの、高潔明朗なる態度を示すの慨なかるべからず。六三、外國人はプレー其物よりはフヱヤアを尊ぶ。銀行の取引は外間に對し、秘密を守るべきは勿論なるも、其の相手方及び内部に於ては、正々堂々たる至公至明の取扱たらざるべからず。六四、凡そ貸金を爲すに當り、內部に於て、重役が秘密裡に決定することは、大なる禍根たり。六五、近時動もすれば大勢順應を云ふ。人若し一定の方針なく、紊りに時流に迎合し、風のま九 一〇にまに、或は右し、或は左せんか、是れ附和雷同の甚しきものにして、泛々たる無定見者のみ。六六、人皆東に向ひなば、我は宜しく西を顧みるべし。即ち何事も其の反面を見るの要あり。六七、資金は鑛山、船舶、其の他不動產貸に固定するを避くるは勿論、商業手形の精選、優良擔保品の選擇、擔保付「コールローン」等の短期物にして、直ちに現金化し得る點に注意を要す。從つて金利の低きは、當然忍ばざるべからず。六八、高利を目的とする無理な貸付を避くる爲めに、銀行は可成配當を尠くし、平素隱忍して內部保留即ち積立の增加に努むべきなり。積立は必ずしも支拂準備の爲めのみにあらず一面に營業を堅實ならしむる基たるなり。六九、當然資本金を以てすべき建設費、其の他の事業資金に對し、商業銀行の活動資金を使用することは、會社も銀行も共に謬れるものなり。一朝事あるときは忽ち行詰りとなる。七〇、銀行は銀行以外より借入金を爲し、又は擔保用に有價證劵の借入を爲すべからず。經營上及び體面上、あるべからざることなり。七一、商業銀行としては、直接工業資金を供給し難き場合あるも、社債なる證劵に依りて結局、工業資金を放出援助することゝなる。七二、銀行の積立金及び支拂準備の種類如何、又預金に對する支拂準備の比率、預金と貸金との比率如何、又銀行の資本より見て、一會社及び一人に對する貸出高の割合等、常に〓究し且つ之を嚴守するの要あり。從來預金に對する支拂準備は多くは薄弱なりしが如し。七三、新銀行法には、預金支拂準備のこと、一人に對する貸出率及び積立金を如何なる方途に備へ置くべきやに就て何等規定なきも、追つて相當の方法に依り、制定せらるべきものと信ず。七四、米國に於て、一九二五年二月制定せられたる「マクファデン」法案を見るに、國立銀行の一會社、一個人に對する貸出集中の制限の如き、相當嚴重なるものあり。七五、預金額よりも貸出額の多きものは、支拂準備の缺如せるを示すものなり。七六、又支店にありても、平素支拂準備金等に對し相當の考慮を拂ひ、我若し支店にあらずして、獨立せる一個の銀行ならば、其の首腦者として如何に經營すべきやに想到すれば、妄りに貸出を嵩ましむべきものにあらず。七七、英國の銀行にては、「コール」が支拂準備なり。而かも十分なる「コール」あるに拘らず、英蘭銀行に對し常に十億圓以上の預金を有す。七八、同じく資本と稱するも、現實拂込濟のものは、未拂込資本金なる權利を有するよりも、實質的資本の大なる意味に於て、又確實に資本を有する意味に於て、遙かに優れりとなす。或は銀行は全額拂込濟のものを以て資本額とすべきか、近時未拂込株金は債務の引當保證として信賴し難き事實多し。然らば即ち公稱資本なるものは、畢竟無意義に化するにあらずや。會社に於ても亦然り。外國にては額面金と稱する步なき株券あり。七九、未拂込株金の數字を見て、直ちに債務の保證あるが如く解するは誤なり。宜しく其の株 三主の內容を調査せざれば、斯かる場合には往々假裝の株主ありて殆ど其の實なきことあ3。又拂込に先ち名義を變更して拂込を免れんとするものあり。八〇、英國にては、株主の選擇を爲し、承諾制を採用し居れり。故に未拂込の如きは、確實にして毫も不安なし。八一、又英國にては、取締役は就任後一ケ月內に多數の自行株式を所有するを要し、尙一般多額の株式所有者には、投票權に制限を付し居れり。八二、都會の銀行は、地方の銀行よりも準備率特に高きを要す。是れ親銀行として、各方面の銀行より準備預金を集中委託せらるゝ責任を多く負擔すればなり。八三、米國にては、損失が資本金以上に至れば、直ちに解散を爲す。我國にては、缺損が資本金の半額に達するときは、株主總會に報告し、又債務を辨濟し能はざる時は、自ら破產申請をなすべく、之に反するときは、過料の制裁あるも、實際は有名無實の死法たり。八四、又米國にては、銀行の「バランス」符合せざるに、預金を受入れたるときは罰せらるゝが故に、預金者に迷惑を及ぼさず。我國にても、不都合を發見したるときは、新規取引を停止して整理を命ずることゝせば、その效大なるべし。八五、解散又は休業銀行の整理に對し「レシーバー」又は「レシーバー·エンド·マネージヤー」制を採用せんとするの說あり。是は英國の衡平法上に發達したるものにして、英米に盛んに行はるゝも、我國には未だ此の制度なし。追つて休銀整理法を制定し、整理の促進と、資產散逸防止を講ずること、共に必要の案件なりと信ず。八六、制度の改正もさることながら、當務者が先づ、形式よりも根本精神第一主義たるを要す。肉體ありて精神なきは生きたる屍なり、故に徒らに規則を立派にし、周到なる文字を列べ多數の組合員を一律に網羅し、而も實際は空文となるよりも、寧ろ少數たりとも、自信を有する中堅を作り、奮つて模範を示すの慨あるを要す。所謂紳士協約の類か。八七、預金利子協定の如きも、各階級を一團となさんよりは、數行のみにて堅き結束を爲す方、却つて目的を達成するものにはあらざるか。八八、銀行數に就ては豫ての問題たり、現に支店、出張所を濫設せる弊なきや。又支店の數多きは一朝事ある秋、却つて苦しむことあり、宜しく考慮すべきなり。現在の如く出張所、派出所の多數設置せらるゝよりも、實際上、往時の集金制度の方、大いに經費を節約し且つ顧客の便宜と、事情の疏通とに於て遙かに優れりと說くものあり。何れも過渡期の問題なるべし。八九、預金爭奪の爲めに設くる支店は弊害あるも、時運の進步に伴ひ、銀行業務の機能を全うせしむる爲め、彼我の聯絡上、必要なる支店の設置は拒否すべきにあらずと思考す。但、此の二者、往々混同の憾なきか、要は根本の精神に在り。九〇、英國が盛んに支店、出張所を各所に設くるは、預金爭奪の爲めにあらずして、公衆の便宜を圖る趣旨に出づ。九一、銀行の數、及び支店の數多きは、競爭の種となる。然れども守るべきを守らば、敢て不可なし。故に其の設置が、眞に其の土地に必要なるや否やに依りて判斷すべきなり。合一三 一四併問題は自ら別なり。然れども設立の當初より、既に誤りたる觀念ありて不合理なる競爭をなすものあらば、其の根本精神こそ眞に誤れるものと謂ふべきなり。九二、合併をなしても、其店數を減ぜざれば競爭は依然として減ぜず。九三、又銀行としての支店設置場所に付、〓究の要あり。例へば場末、又は盛り場の如き、財界動搖の際、妄動を見ること多し。將來愼重なる考慮を要す。九四、地方に在りては、土地の名望家が、本店の知れざる銀行の代理店を引受け、爲めに迷惑を蒙れる實例尠からず。九五、常に本支店間の聯絡を密にし、方針の一貫、意志の疏通あるを要す。九六、金融業者は、斷じて政黨政派と關係を有すべからず。重役も政黨者流を避けざるべからず。兎角種々の弊竇に陷り易し。今尙地方に於て多數の實例を見るは、誠に遺憾とする所なり。九七、政黨に關係せるが爲め、反對黨より故意に苦しめらるゝことあり。愼まざるべからず。九 八、實業と政治とは一體なるべきが理想なるも、如何せん我國政黨政治の現狀にては、兩者は全然分離せざるべからず。平素の營業は勿論、銀行の合併整理等にあたり、政黨關係によつて支障を來せる實例尠からずと聞けり。洵に恐るべきの至りなり。九九、英國にては政黨員にして銀行頭取たる例ありと雖、此の間截然たる區別ありて、寸毫の弊害なし。流石は先進國と謂ふべし。一〇〇、常に中央銀行の預金及貸出額を「バロメーター」とし、之に變化を生じたるときは、金融界の陰晴あるものとし、警戒を怠るべからず。一〇一、消極的取締大いに可なり、然れども堅き計りが能にあらざるを以て、他面には積極的に進歩改善を圖り、公共機關及び產業助成機關として公益民福を謀り、精進して新境地を開拓し、大いに金融業者たる本分を盡さゞるべからず。即ち守るべきは守り、進むべきは進む要をす。畢竟、健を積んで雄を爲すの謂なり。一〇二、物みな屈伸あり。屈せざば折れ、伸びざれば廢る。屈伸自在ならざれば妙所に至らず。銀行は積極消極共に必要なるのみならず、その間に屈伸の理を會得せざるべからず。又靜中に動あり、動中に靜ありと云ふことあり。一〇三、萬物は悉く方圓の理に支配せらる。銀行の妙諦もまた然り、一言にしてつくせば、方圓の調節を誤らざるに在り。詳言すれば、社會に處するに當りては、時に或は高く、或は低く、又或は大きく、或は小さく、更に或は强く、或は柔く、機に應じて取捨加減の運用よろしきを忘るべからずと云ふに在り。但し敢て千變萬化を勸むるものにあらず。且又如何なる場合にも誠意の一貫するあるは勿論なり。一〇四、宇宙の森羅萬象は、これ悉く數理を脫却することを得ず。一〇五、實際の商賣は、書物に示されたる如く容易に行はるべきものにあらずとは、我人共に唱ふる所なり。併し銀行に關する事は、歐米先進國が苦き犧牲を拂ひたる結果、斯業永遠の爲め、社會の爲め、斯くあるべしと、經驗の記錄を、書籍上に〓示せり。又、彼の改善實行せることは、共に之に從ふを可なりとす。然らざれば歷史は繰返すと云へる如く、一五 一六彼の覆轍を我も亦踏まざるべからざる順序なり。誠に愚の至りならずや。一〇六、規則は實際と別なりと唱ふる人あるも、眞理は體驗より得る如く、規則は實際經驗の歸結にして正しきものなり、容易に犯すべからず。恰もゴルフ、玉突に於ける方式の如し。只實際の適用は、之を修練に俟たざるべからざるのみ。一〇七、外國に於ては、我國の如く空論に趁らず、實際的精神的よりせる規則協定なるを以て、之を擁護し、法の眞髓を發揮せしむるも、我國にては然らず、裏面より違反に力むる利己的背德行爲あるは〓嘆の至りにして、何事にても協同一致を缺き、進歩改善を阻害する所以、茲に在り。之が根本に遡りて深く猛省せざるべからず。一〇八、或人、銀行の信用條件を左の如く述べたるものあり、特殊の場合を除き、大體首肯して可なり。一、危險性の貸出を爲すが如き不謹愼の行爲なきこと。二、頭取は屢々變更せざること。三、頭取は社會的に眞に有力なること。四、頭取は他に事業を兼管せざること。五、頭取は若年者にあらざること。六、其の銀行の株式は市場賣買價格の大なること。七、其の銀行のバランスシートは確實なること。八、俄成金者の經營銀行にあらざること。九、政黨關係の筋に貸付して回收不能に陷り、更に深入りするが如きなきこと。十、或る富豪の各種事業の機關銀行にあらずして、獨立自存し且つ積立金の豐富なること。一〇九、以上各項に述べたる精神を基礎とし、誠實と努力とを經とし、敏活と果斷とを緯とするものは、我等の理想とする銀行家なり。一一〇、更に平易に云はゞ、銀行家は常識に富み、注意深く、私なきを要す。蓋し常識は經驗より生る。一一一、英米の銀行家は、殆ど異口同音に述べて曰く「銀行の經營は〓ね左の要點を守るにあり。而して一言を以て之を蔽へば、常識の發達如何にあり」と。誠實、公明、深き注意、周到なる調査、先を洞見すること、一致和合、情實擊退、支拂準備の豐富、固定貨の回避、利益を爭はざること、不當競爭を避くること、積立金の增加。一一二、又有名なる銀行家の曰く「銀行の機能は何等面倒なる仕事を包含するにあらず。只愼重、誠實、忍耐を要求するに過ぎずして、其の間敢て秘傳あることなし」と。一一三、本書到る處に「平素」の文字を使用せり。是れ堅實なる地盤を造り、眞の信用を得ん事は一朝一夕の業にあらず、全く平素の用意如何に存し、平素の修練が事に觸れ、時に臨み六威の活動となりて、機宜の處置となり、又機鋒となるものにして、恰も兵法は平素に於てこそ能く鍛鍊修得し置くの必要あるが如し。即ち多年に亙りて不屈の忍耐と、不一七 一八惑の信念と、不斷の努力とを要す。羅馬は一日にして興らず、而も之を亡ばすは一朝にして足る。思はざるべからず。一一四、幾度外國の銀行を視察〓究するも、實際に臨んで守るべきを守らざれば、結局銀行は破綻の外なきなり。故に曰く「一にも人、二にも人、三にも人なり」と一一五、配當率は低減するも、將來の健全に資する實質を保留する場合は、寧ろ歡迎すべし。單に配當率の高低に依りて、目先株價を上下するは世人を誤らしむるものなり。殊に銀行株價の低下は、誤解を生ぜしむる事多し、靜かに資產狀態に照らし、歩調の堅實ならんことを望む。元來銀行の株主は朝夕浮動するものと選を異にすべきものなり。一一六、高率配當は、多くは暫定的株主の希望する所にして、恒久的株主の意に反す。一一七、所謂、蛸配當の自殺行爲は、斷然排除せざるべからず。假りに彌縫と虛榮とにより、之を繼續し得る間は可なりとするも、之を重ぬれば重ぬる程、愈々破滅の日は近づきつゝあるなり。若し數十年も繼續せんか、恐らく資本金、並に積立金の全部は、雲散霧消するに至るべし。眞に恐るべく、眞に侮るべからず。一一八、貸出利子の收入なく、高率預金の利子は現實に支拂ひ、尙且つ一方に蛸配當を爲し、年と共に益々困難を加ふ、豈破綻せざらんと欲するも得べけんや、株主も預金者も能く能く此の理を悟らざるべからざるなり。一一九、無理なる高率配當を裝ひ、一方また無理なる報酬賞與を支出し、兩々相重りて、遂に無理往生を遂ぐるもの尠からず。一二〇、世には重役が自分の借入利息を支拂はんが爲め、若くは借入擔保株の時價を維持せんが爲め、殊更に蛸配當をなすものあり。一二一、銀行の配當減は、各事業會社の減配を誘導し、總ての堅實味を增し、一方金利低下の標準を示し、又よく物價を低下せしめ、購買力の節制を調ふ。隨つて其の銀行の株式も亦、自然に眞價を現はすべき筋合なり。一二二、不景氣の際は減配を爲すと同時に、進んで減資の必要なる場合あるべし。速に整理したるものは、速に恢復す。一二三、銀行會社に限らず、個人にても虛榮虛飾は禁物なり。是れあるが爲めに萬事堅實なる歩みをなす能はず。而して其の根源は我國民が總じて、獨立自信の念に缺くる所あるが爲めなり。一二四、或は高率配當を制限するため、毎期純益に伴ふ一定の配當率を規定するも亦可ならん。之れ社會政策の一面たるべし。一二五、米國の中央銀行たる準備銀行に於ては、配當は僅かに六分に制限せられ、英蘭銀行も亦、六分を出でず。一二六、重役は單に事業を完成して、之を後者に引繼ぐの外、經營の精神を貽すの心掛なかるべからず。此の心ありてこそ、經營も亦完全なるを得べし。一二七、最後に極言す、經營者よ、人は金にあらず、芳しきは人格なり。一九 二〇第二章重役の責任一、銀行は財界の羅針盤たり。東道たり。所謂經濟機關の眞髓にして、又商工業者の心臟を司る重要なる役目を荷ふが故に、之が重役たるものは、つねに崇高なる理想を有し能く正道を固守する者ならざるべからず。旣に公共事業として銀行の看板を揭げたる以上は、銀行の爲めの重役にして、重役の爲めの銀行にあらざるや明明白白たり。隨つて社會に奉仕こそすれ、決して一身のためを謀るべきに非ず。然るに多くの通弊は、自己に對する奉仕をのみ謀る。即ち從來の重役中には自己の地位を利用し、これ位の我儘勝手をなすことは當然なりと心得るもの尠からず、戒めざるべからず。ニ、重役の或る者は、銀行會社を喰物とし、又は初より喰物として出生したるもの絕無にあらず。蓋し其血、其筋、其肉、其骨は、〓ね銀行、會社より搾取したるものなり。ニ、英國にては重役の責任を頗る重大視し、取締役責任法の如き、極めて嚴重なる法律を制定せり。又實際其の衝に當れる責任者は何れも人物確かにして、能く堅實なる傳統的精神を發揮し居れり。四、常務重役の兼任は、新銀行法の原則として禁ずる所なり。こゝに注意すべきは表面、同一人の名を以てせざれども、裏面に同一系統の脈をひくものこれなり。故に其の系統と素質に就て、常に實際的觀察を怠るべからず。五、重役を各地支店へ配置して、直接實務に當らしむるは一利一害なり。其の制度の運用に就いては、愼重なる考慮を要す。重役の過多は一の禍根たり。六、銀行より資金を供給しながら、其の常務重役が一面、取引先の顧問又は相談役となりて報酬を受くるの例尠からず、愼むべきなり。七、以前は銀行業務を知らざる華族を以て、傭頭取に据ゑたることあり。蓋し此の種の遣り方は最早陳腐に屬し、今日は通用せざるべし。世人の銀行を視ること亦昔日の如くならず。ハ、銀行の重役は、物的以上の大責任者たり、然らば一片の辭表提出を以て免責とするは輕きに失せずや。例へば退任後一二ヶ年は、在職と同一の責任を有せしむべきか、相當の〓究を要すべし。れ、自ら種を蒔きながら、自ら刈取らず、善後の策に出でずして身先づ退くは、道義に反す。所謂、道心惟れ微にして、人心惟れ危きものか。一〇、一說には、貯蓄銀行と同樣、無限責任とする說あるも、是は同意し難し。何となれば、普通商業銀行と貯蓄銀行とは、全然性質を異にす。若し普通銀行に於て無限責任とせんか恐らく資產家重役は悉く脫退し、少數持株の無資產重役のみとなり、勤勞重役も亦辭去し、且つ良好なる株主も遂に得難きに至らん。但し就任當時よりして私財供給を覺悟する程の責任感を以て職にあたらば、蓋し過ちなきに通からん。今日の最大時弊は、正しく責任感の缺乏に在り、豈獨り銀行のみと云はんや。ニ、抑々重役の責任を、就職當時に覺悟せず、又推薦者も株主も、之を輕々に取扱ひ、而して休業等の起りたる後に、責任を云爲するは旣に本末を誤れるものなり。すでに此の誤二 あり、事故を生ずるは當然のみ。三、茲に注目すべきは重役問題なり。今や責任威とか、私財提供とか、內外の刺激に依り、資產家重役の觀念に變化を來し、漸次舊習を脫して面目一新、名實漸く一致したる正眞正銘の重役に化せんとする趨向あり。或はこれ一時的の現象に止まるものならんか。ニ、、凡そ經營者が、自身に對する義務の觀念と、社會に對する義務の觀念とを自覺せんか、自然、職務に對して忠實となるものなり。我心に慾ある時は義理を忘る。一、、銀行家たると事業家たるとを問はず、一般に責任觀念の〓育を徹底せしむるは、現時の急務にあらざるか。又其の半面に於て、背信行爲に對する法律的並に社會的制裁を嚴ならしむるの要なきか。第三章銀行家の生活と處世一、銀行家は常に脚下を照顧し、自ら愼み、自ら省みること肝要なり。固より卑屈に流れよといふにあらず。又沈重の裏には躍如たる生氣なかるべからず。古人曰く「心は高く、行は謙遜なれ」と。云健全なる銀行は、健全なる經營者に俟つ。健全なる經營者は之を〓淨潔白なる人に俟たざるべからず。人は常に公明正大にして、俯仰天地に愧ぢず、白晝坦々たる大道を濶步すべし。「ダークサイド」は禁物なり。ニ、凡そ心正しく、行ひ〓く、己れに曇りなければ氣自ら安らかに、頭腦また明晰なり、隨つて判斷を誤ること尠し、深夜人靜まつて萬籟寂たる時、宜しく獨坐して自己の心を觀るべし。又「汝自らを知れ」と云ふことあり。所謂內に省みて疚しからずば、千萬人といへども吾行かんの〓なかるべからず。人は良心に反し、不道理なる行動を爲すときは決して榮達せず、子孫亦繁榮せず、彼の天知ると云へるも、實は己れ先づ知れるなり。天罰と云へるも實は我之を罰するなり。所謂「人の眞心こそ眞の寶なれ」。五、凡そ正しき道を踏まざるものは、未だ天の各めなしと雖、生涯の中には必ず自滅の時期至る、是れ天則なり。明治大帝の御製に「世の中にあやふきことはなかるべし、正しき道を踏みたがへずば」。二三 二四六、自己本位の人は、兎角目前の利慾にはせて、己れ一人の功名を街ひ、自家廣告に努め、排他主義をとり、永遠の謀に出でず、之を第三者より見れば、其の心情の陋劣、唾棄すべく、到底永く人の上に立つ能はず。人を愛する者は、畢竟己れを愛する所以なり。威あつて道なきものは必ず亡ぶ。七、銀行家に限らざる事ながら、一般現代人共通の缺點は、各々責任回避の念に汲々として事勿れ主義により、一身の安全を計らんとするにあり、即ち仕事に對して誠意無く、魂なく、機械的に事務を處理するを以て滿足し、之を以て明哲保身の術となす。最も卑屈なる利己主義時代と云ふべきか。新興國の新人に意氣と氣魄とを喚起する方法なきや。ハ、權威を盛んにする者には助け尠く、己れの心を專らにする者は、美材なりと雖終りを全うせず。宜しく己れを空しうし、其の本分に向つて精進すべきなり。た、人の漸く上に立つに及んでは、己れの力を力とせず、人の力を力とする器局の大なかるべからず。是れ將に將たるの要道なり。10,銀行家は憂色または怒色を帶ぶべからず、さりとて樂天家を以て任ずべきにあらず。常に心を平かに持し、胸中霽月の如く、安心の境涯を保つべし。「むつとして戾れば門の柳かな」。二一銀行家は感情を挾むべからず。冷靜なれ。三、健康は無形の富にして人生第一の資本なり。「エマーソン」も「キリスト」も「カーライル」も皆かく力說し居れり。願くは健康に輝け。ニー、銀行家は常に衞生に注意し、健康を重んじ、體力を旺盛にし、頭腦を明晰ならしむるを要す。健康は身の爲めにして、また銀行の爲めなればなり。故に休日の如きは、努めて氣を轉じ、天地大自然の風光に接し、宇宙の大氣に觸れて心身を養ふべし。流水は腐敗せずと云ふ。土曜日の頭を月曜日に持越すこと勿れ。一四、大氣の力は靈妙不可思議にして萬物を生殺す。人は必ずオープンエヤの惠澤に浴せざるべからず、殊に銀行員に於て其の必要を見る。一度び歩を郊外に移さんか、天下皆春、山色新なる處、氣自ら新なり。一三、人は食物の不足より來る病よりも、過食より來る病多し。過當なる借金亦同じ。一六、文明の進歩に從ひ「ナーヴアス·プレークダウン」と云ふ一種の神經衰弱症を發し、之に罹るものは銀行員の如き精神勞働者に多し、注意すべきことなり。而して之が豫防法は屋外運動を以て第一とす。一、、米國婦人は其の夫を指してGolf Bugと罵ることあるも、郊外運動としては「ゴルフ」最も好適なるべし。其の他、野球、テニス等、種々ありと雖、徒歩の如きは何人も毎日行はれ得るものにして、能く總ての條件に適合せり。紐育には久しき以前よりCitl miles day keep doctor away.と云へる金言あり、紐育市長ハイラン氏、モルガン商會の有力者デビソン氏、ガランチー·トラスト·カンパニーの頭取セービン氏、チエース·ナシヨナルの取締役會長ウイギン氏、米國第一の大銀行たるナショナル·シチー銀行の頭取ミツチエル氏の如きは、毎日二哩乃至三哩の先より徒步通勤の實行者なりと云へり。二五 二六一、獨り紐育のみならず、倫敦、伯林、巴里、羅馬の如き、徒歩により一日の行樂を縱にする者多しと。徒步、山野を尙祥せんか、眞に〓新の空氣を吸ふことを得べし。我國の靑年諸君、今や各種の運動盛んなるも、日常の保健法實行に遺憾なきや、敢て早起と徒步通勤とを勸告する所以なり。一ハ、或る銀行の遠足會の信條に曰く一、剛健質實の氣風を養成し、併せて堅忍不拔の氣力と體力とを練成す。二、皇陵寺社に參拜しては、皇室を尊崇し、祖先を崇拜するの念を强うし、往古の史跡を訪れては、偉人傑士の崇高なる人格を偲び、以て品性の陶冶に努む。三、自然の極みなき恩惠を享受し、浩然の氣を養ふ。四、家族的團結の鞏固を圖り、和親協同の實を擧ぐ。五、空論を排し、主義に基いて、先づ實行を期す。(知行合一)二〇、茲に注意すべきは現代の健康法は、偏頗的にして流行カブレの多きことなり。生命の基調は精神と肉體との二者より成る。心を離れて肉體なく、肉體を離れて心なく、二者全然一如たることを忘るべからず。この二者を共に養ふ、是れ眞の合理的健康法なり。二一、「カーライル」は(一)體カ(二)膽カ(三)判斷カ(四)斷行カ(五)精カ、此の五ヶ條を具備するものを眞の健康なりと高唱せり。二二、血湧き肉躍るは、獨り當世の運動競技に限らず、自己の職務に對しても亦、斯の如き熱心なる氣分の現れなかるべからず。二三、自己の性格及び才能に一致せる職業を選び、之に趣味を有することは、健康法の一なり。人間には絕えず威情の動搖あり、之を訓練自制することは、是亦健康法の一なり。二四、不健康なる支配人は、常に氣分に陰晴ありて、部下も亦其の機嫌を伺うて執務するが故に、成績の良否に影響す。二五、心〓く、思ひ平かに、行ひ正しければ、毎夜よく熟睡し得らるべし、是れ第一の健康法にして、成績の良否、能率の增進に關するや大なり。二六、或人の健康の秘訣に曰く「怒るな、心配するな、威謝せよ、親切にせよ」と何人も服膺するの價値あり。二七、銀行家の家庭は和氣靄々、常に春風堂に滿つるを要す、是れ餘事にして餘事にあらず、執務に影響する所尠からざればなり。「笑ふ門には福來る」と云ふ、笑は愉快なる心的作用の現れにして健康の因なり。人は宜しく笑つて暮せ、笑を高く叫べ、笑聲の起る處、必ず昌平の象あり。(一) (二)氣(三) )二八、或人家庭日常の心得を書して曰く、身輕く輕く今直ぐに(四)愉快に五微笑し(大) (て感謝して。二九、家庭の圓滿は、親に孝なると、夫婦の和合とより成る。三〇、人は常に天に感謝し、己れが事業に感謝し、上長に感謝し、又能く下僚に感謝し、更に自己に感謝すべし。感謝は信仰の第一步にして、即ち此の心ありて始めて人生の平安を得、圓滿和合を保ち得べし。二七 二八三一、或人能率增進法を說ける一節に曰く「能率の增進は家庭の圓滿和合に基く」と。自ら眞理ありと謂ふべし。蓋し家庭の圓滿は先づ主人の修養より始まる。三二、親に孝なるものは、必ず職に忠なること、古今を一貫する事實にして所謂、孝は百行の本なり。古諺に曰く「忠臣は孝子の門より出づ」と。三三、世界の平和、人類の共存共榮は、孝道より生る。三四、親に孝ならざるものは、人類愛を口にする資格なきものと知るべし。歐米にては孝行ものを以て、人格の標準とせり。三五、手近き親に孝ならざるものは、出でて上役に從順に、職に忠なる謂れなし。親に心配をかくる人は、上役に心配をかくる人なり。三六、孝は高なり、孝は天よりも高し。母は十人の子を育つるも、子は一人の母を養はずと云へることあり、心すべきなり。三七、凡て人は能く働くと同時に、如何に一生を樂しく暮すべきやを考へざるべからず、而して享樂主義を以て人生の樂しみとなすは亡國の民なり、興國の民を以て任ぜんとする者は〓き快樂の中に人生の意義を認むべきなり。三八、眞正の快樂を享けんには、先づ代價を其の以前に拂へ。働きは人生の總てにして、又其の總てにあらず、働きの裏に樂みあり。三九、凡そ買掛、又は月賦拂等の習慣は、努めて之を避くるを要す。殊に服裝に對しては全然其の必要を見ず。形は第二にして心は第一なり、ゆゑに心は强く、遠く、且つ大ならざるべからず。底に實ありて光自ら發するにあらずや。「萬化の根元は一心に存す」。四〇、一般男女の服裝は大いに進步せるも、心の裝ひは寧ろ退歩せりと謂ふを憚らず。尊ぶべきは品性の美、靈性の美、眞情の美に在り。四一、靑年は動もすれば時代が違ふと唱へ、又時代錯誤と稱して新に走るものあるも、其は單に形の上の流行のみ。眞理と人情は古今相同じく、又之を外國に見るも、外觀を取り去れば矢張り人情は共通性を有し、東西其の軌を一にす。四二、世は如何に推移するも、知恩報德の大道は之を體得し、之を實行せざるべからず。吾人は道德美の、日々に衰退するを嘆ぜざるを得ず。四三、東洋道德は西洋に比し、優るとも劣ることなし、其他形而上、形而下に於て、我國の優れるもの頗る多し。四、金を使用せしむる遊覽設備は進步せるも、產業を開發せしむる設備は遲れたるものゝ如し。例へば遊覧電車よりも產業道路の開發遲きは、國運の發達、遲々たることを證明するものに非ずして何ぞ。四五、家計に於ては入るを計りて出づるを制し、收入金よりまづ以て一部を貯蓄にさき、然る後生活費に充當するやう、明確なる豫算を家族に明示し、これを實行することは、英國人一般に行はるゝ善良なる慣習にして、洵にサウンド且つヘルシーの方法なりとす。資本經濟組織の世に生存するもの、大いに考へざるべからず、米國の如き金の橫溢せる國に於てすら、尙且つ此の分を守る良風あり。二九 三〇四六、佛國にては、國民性として、勤儉に富むのみならず、由來現金拂を主とし手形を使用せざるの習慣あり。四七、月給の全部を蓄へても、其の額や知るべきなりとて、貯蓄を實行せざる人あり。思はざるの甚しきものなり。人は往々、拜金の意義を誤解することあり。四八、今若し月收百圓のものにして、貯蓄の餘裕なしと云ふものは、恐らく月收貳百圓となりても、同じく貯蓄し得ざる人なるべし。「一錢を惜む人は百錢を積む人なり」。四九、銀行を踏臺として、自己の榮達を謀るものは危險なり。營業振を派手にして、手腕を示さんとするものも亦危險なり。徒らに擴ぐるを知つて纏むるを知らざるものも危險なり。局に當る者は宜しく金融機關の忠僕として、終始渝らず、誠意一貫、以て本來の使命を盡せば足る。端心道を守るものは愚者にして賢者なり。五〇、智慧あれども邪曲なれば害あり。又、策士策に倒ると云ふことあり。尙又小細工を弄するものも禁物なり。銀行家は純眞を尊ぶ。五一、銀行家が自ら甘んじて愚を守ることは、蓋し大賢にあらざるよりは成し能はざるべし。緣の下に隱れたる沈勇者ありて、基礎始めて磐石たり。五二、銀行家は素行を愼むべきこと、恰も〓育家、宗〓家に異ならず。單に手腕のみにて能く信用を維持すべきにあらず、宜しく自己を正視し、行藏を愼み、高雅なる品性を養ひ、崇高なる人格を保つべし。五三、凡そ銀行たると、會社たるとを問はず、人の價値には左の件々を注視すべし。(一)本人の業績(二) (ニ) (四)一般)本人の品性協同精神的常識五特殊の智識技能(大)管理者たる技倆七本人將來の價値。五四、銀行家は交際上、飮酒を必要なりと認むることなし。五五、人に敬意を表し、人に推讓を爲すことは交際上の要義にして、又社會共同生活の秘訣なり銀行員は常に此の心掛なかるべからず。五六、近來の行員は兎角上長に對し日常の禮儀を缺く場合多し、蓋し思へらく禮儀を盡しても上長は己れの何人なるやを知り吳れざるべしと、思はざるの甚しきものなり、禮儀正しければ必ず其內には認識せられ、尋で其人物技倆を試みられ、軈て拔擢の楷梯となるを知らざるか。五七、客を重く見よ、仕事を重く見よ、「敬能く聰明を生ず」と云へることあり。五八、凡そ何事に限らず辣腕を揮ひ、又は野心を逞しうし、若くは陰險陋劣なる手段を弄する等、正道に依らざるものは、縱令一時の勢力を得ることありとするも、所謂、天定つて人に勝つ、結局終りは全からざるなり。而も一度び失脚せんか、蛟龍も遂に再び風雲に會する能はず。五九、銀行家は人を欺くべからざるは勿論、同時に人に欺かるゝことなからんを要す。六〇、假りに人に欺かるゝことありとするも、己れに邪なく、慾なければ、斷じて之に陷れらるゝことなし。語に曰く「君子は坦蕩々たり、小人は長へに戚々たり」と。六一、銀行家は、日常の事務を澁滯なく處理すると同時に、平靜沈著にして深慮遠謀あるを要三 三二す。六二、心に弛緩あれば則ち過ち多し、銀行員は絕えず緊張を保ち、造次〓沛も油斷あるべからず。六三、且つ又驕らず、慢せず、常に戒愼を怠るべからず。職に在るものは終生、修業中と心得べし。六四、靜かに急げとは、銀行家のつねに忘るべからざる金言にして、簡かつ明なり。六五、急ぐは過ちの源にして、勉めて倦まざるを以て尊しとす。所謂人の一生は重き荷を負ふて遠き道を行くが如し。「蝸牛そろ〓〓登れ富士の山」。六六、銀行家は怯懦に陷る勿れ、唯夫れ用意周到なるべしと云ふに在り。昔時の劒士の如く心に一寸の隙なきを要す。六七、凡そ人の混同し易きもの、〓ね左の如し。自由と我儘、自由と放任、活潑と亂暴、謙遜と卑屈、愼重と優柔、果斷と短慮、温厚と因循、勇氣と粗暴、磊落と放縱、銳敏と輕率、機智と狡猾、監督と干渉、調査と繁文、施與と賣名、自信と强情、意見と抗議、求助と强請、運用と濫用、說明と遁辭、希望と不平、自信と自惚。六八、〓廉潔白の人は他を容るゝの量に乏しく、聰明銳敏の人は明を用ひ過ぐるの嫌あり。直情徑行の人は正面衝突の恐あり。寛仁大度の人は決斷の勇を缺き、正直なる人は機微を逸するの憾みあり。固より天禀なりと雖、人は宜しく一方に偏せず、自己の長短を省み、中正を考ふべきなり。バランスの取れざるものは必ず傾轉す。六九、人の己れに對する忠告または噂は、全部を聽くべし、而して其の半を採用すべし、蓋し過ちなきに庶幾からん。七〇、追悔は向上の第一歩にして奮闘の第一階なり。七一、銀行內部のことは、一切家族に語るべからず。害あつて益なし。之と同時に家族より銀行に關する依賴、其の他の容喙には一切、耳を藉すべからず。七二、容儀の如何は、銀行內部を推測せらるゝ材料となる、つとめて端正なれ。七三、言葉は人格の表現なり。注意せざるべからず。三三 三四第四章行員の待遇及び心得一、重役を選定するに方り、多年功勞ある行員を拔擢することは、眞に人を遇するの道にして、本人をして責任を感ぜしむるは勿論、一般行員の奬勵となり、奮發となり、有形無形に能率を增進するや大なり。ニ又、上役より行員の存在を認むることは、本人の奮發心及び向上心を導く效頗る多し。而して誠實にして職務に熱心なる者は、必ずや其の存在を認められざることなし。受持の仕事は試金石なり。ニ、上役が絕えず人材を物色する程度は、寧ろ行員が上達を求むる慾念の以上にあり。行員は先づ上役を信ぜよ。されば軈て自分も信ぜらるゝに至らん。四、人に功名心あるは通有性なりと雖、餘り功を急ぎ、名を賣らんが爲め、甚しきは自家廣告に腐心するものあり。元來廣告の多きは粗製品にして、確實性を缺き、剝げ易きものなり。焦らずとも力あれば、其の名は求めずして至る。語に曰く「大道は無名、上德は無德」と。至言と云ふべし。五、人間の妙致は心を順逆の上に置き、思を榮枯の上に立つと。六、又曰く「道を得たる人は、順逆共に樂む」と。「日々是れ好日」と云ふことあり。七、凡そ仕事を愛せざるものは、仕事より捨てらる。宜しく自己の職務を敬愛し、己れの從事せる仕事は、我ものとして働くべし。他人のことゝして働くときは、勞多くして效尠し。禪家の所謂「隨處に主となる」ものか。「我ものと思へば輕し傘の雪」。ハ、若し損失を生じたる場合には自辨すべし、と豪語する者あり、之れ一見奇特なるが如きも、斯かる人は常に損失事件に係り易き人なり。九、紳士と、紳士ならざるとの差は、他人より秘密即ち德義上の愼みを守るべき依囑を受けて、これを守りたるや、否やに在り、といふ說あり。味ふ可きなり。「語るなと人に語れば亦人が又語るなと語る世の中」。一〇、行員を採用し、又之を登用するに方りては、單に學歷のみに重きをおかず、人物、實力、性行及び其の家庭に注意すること肝要なり。一一、行員は我銀行を愛すること、眞に我身を愛するが如く、全員擧つて相互に戒筋し、正道を踐み、美風良俗を發揚し、著實勤勉にして取引の機密を尊び、規律ある言動を守らざるべからず。銀行の利害得失は、即ち行員の利害得失たり。ニ、德は才の主なり、何業に就ても親切心なきものは成功せず。ニー、銀行の信用は畢竟、其の構成分子たる個人の信用の集積なることを忘るべからず。一四、行員は輕佻浮薄を避け、質實剛健の氣風を尙び、品性の向上涵養に努め、目前の名利に馳せず、永遠の目的に向つて全力を盡し、一路精進すべきなり。畢竟名は實の賓たり。一三、人は日常の執務に就ては、兀々として專念事に當り、所謂「茶裡、飯裡、別處に向はず」の心掛けなかるべからざるは勿論なるも、一面氣宇を大にし、恰も洋上に旭の昇るを見るが如き氣持なかるべからず。願くば富士の頂上より太平洋を望むの心地あれ。明治三五 三六天皇の御製に「あさみどりすみ渡りたる大空の廣きをおのがこゝろともがな」。一六、人心は面の如く、各特異の個性を有す、故に自然に備はる特質を發揮すべし。決して己れの個性に適せざる他人の模倣を爲すに及ばず、毅然として自恃の態度を守るべし。恰も金は金たり、鐵は鐵たり、木は木たり、石は石たるの特質を發揮せるが如くあれ、決して鍍金的迷想を挾むこと勿れ、實に模倣は自殺なり。「明月や烏は烏鷺は鷺」ート、一時の流行は恰も小鳥飼の如く、其の盛衰の速かなること驚くに堪へたり。而して人情世態、皆斯くの如し、宜しく精神を統一し、一定の主義方針を守り、自分の本領を失ふなからんことを要す。靜かに達觀すれば、流るべき流れは、流れつゝあるなり。一、不平不滿は多くは働かざるものゝ世迷言なり。自信を以て仕事に專念すれば、不平の起るべき筈なし。宜しく働かずんば食ふべからずとの覺悟あるを要す。「好きこそ物の上手なれ」と云へる如く、興味を以て働くときは、進步速かにして苦勞なく、且つ働の中に必ず自分の全人格を認むるに至るべし。人格は即ち力なり。一六、堪忍せずして後悔することあるも、堪忍して後悔することなし。二〇、人は働くも働かざるも、畢竟自分の覺悟次第なり。即ち心の置き樣、氣の持ち樣、如何に存す。畢竟立つも、倒るゝも、生くるも、死するも、皆是れ己れ自ら求むるによる。人を殺すものは勤勞にあらずして煩悶なり。奮闘を離れて休養なく、娛樂なし。「うつし見よ向ふ心の水鏡仰ぐも俯すも身よりなす影」二一、事志と違ふと云へることあり。志を抱きてすら猶且つ然り、況して志を抱かず、日々目前の不平に囚はれつゝあるものをや。斯かる自信なき輩は如何なる機會に遭遇するも、好運を捉ふる能はず。到底、本舞臺に雄飛するの器にあらずして、結局落伍者たるの外なき者なり。二二、勇敢にして試練を尊ぶ人は、我に八難苦厄を與へ賜へと、神佛に祈願すと聞けり。「憂きことの尙此上に積れかしまことある身の力ためさん」。二三、不平は、之に依りて發奮すれば進歩の一階梯たるを失はず。然るに多くの不平は、自分を何時までも使用人の境地に置きて考ふるよりして來る。何ぞ志の小なるや、新陳代謝は世の習ひにして、運命の進路は刻々に展開されつゝあり、軈て自分も萬人の上に立ちて一切を主宰し、經營の重任を雙肩に荷ふものとし、宜しく其の抱負を大にし、緣の下の力持は覺悟の前として倦むこと勿れ。一尺勉むれば一尺の報あり、百尺勉むれば百尺の報あり。天は人を遇するに決して不公平なるものにあらず。必ずや未來の光明輝かん。「求めよ、さらば與へられん」。二四、不平は多くは自己否認となり、新天地の拓かるゝことなし。人は宜しく他人の爲めに盡せ、茲に我が活路は開かる。二五、借問す、不平子よ、如何なる目標を立て、如何なる信念と如何なる工夫と、如何なる努力とに基きて、如何なる良果を見んと欲するや、宜しく現在に滿足して、將來に滿足する勿れ。兎角不平と希望とは混同し易し。人は須らく希望に生きよ。斷じて自ら墓穴を掘ること勿れ。三七 三八二六、人若し不平あらば、旣に魔道の岐路に立てるの時なり。深く猛省せざるべからず。二七、茲に不平者に向ひ、先づ簡易なる註文を試みんとす。曰く四六時中日記を附けること是なり、蓋し終生日記を怠らざる人は超凡にして意志强く、忍耐と希望とに富む人なればなり。日常の會計帳を附ける人亦同じ。二八、古語に「人事を盡して天命を待つ」と云ふ。近時、人事を盡さずして天命を待つ棚牡丹黨多し。苟も運命の開拓を望まば、唯夫れ自身の腕を恃みとする外なきを知れ。「天は自ら助くる人を助く」。二九、成功の秘訣は、唯成功せんとする決意如何に在り。自ら求めて信用を失墜し、爲す處と唱ふる處と、相反するものゝ如きは、神人共に與せず。三〇、自らを鞭ちて發奮するの氣力なく、先づ人に求めんとするものは、獨立心なき卑怯者にして、將來發達の見込なき人と知るべし。凡そ成功する人は必ず共通の素質あり。三一、何人も勇氣と、忍耐と、誠意とを以て、要所に力を集注し、必ず成し遂ぐる信念を固むれば、成功は求めずして旣に來る。「冬來りなば春遠からじ」。三二、凡そ人の成功は健康、努力、信仰の三者より成る。三三、信仰あるものは、能く眞理の實行に向ひ、一路驀進し、以て世に勝つ。勝利は即ち我等の信仰なり、信仰は人の天性に適ひ、慰安あり、幸福あり。三四、信仰は萬能に對する不拔の信念にして、信ずる力は成功の力なり。三五、信仰あれば、迷はず、疑はず、恐れず、能く總てに打勝つ。三六、純白〓淨の心は信仰より掘り出さる、是れ即ち天意の閃きなり。三七、信仰は生きんが爲めにして、目的にあらず。故に宗〓に縛らるゝ要なし。三八、米國の宗〓は活力素たり、故に進取的信念となる。三九、輕擧盲動は固より戒むべきも、周密なる調査の上、一度び信念の成るあらば、敢然萬難を排して決行するの勇なかるべからず。東〓元帥の好んで書せられたる句に曰く「熟慮斷行」と。四〇、日月の運行、四季の循環、これほど堅實なる成功のステツプはあらざるべし。堅忍、努力は底力强く、泛々たる運命に優るや大なり。而も其の運命なるもの「運は練つて待て」と云ふ如く、畢竟自らの力に依りて自らの運命を開拓するものにして、故なく來り、故なくも去るものにあらず。四一、世に所謂天才なるものも、畢竟するに〓究努力の結果より生る。エヂソン曰く「天才は九十九%の流汗なり」と。四二、僥倖を思ふ勿れ、奇利を思ふ勿れ。勤勉力行、漸を以て大成を期せよ。四三、茫洋たる大海原を、船が如何にして目的地へ進行するかは不可思議なり。只是れ一に羅針盤を信ずると、機關の正しき努力とに由る。四四、我國今日の靑年は、劃一〓育の通弊によるか、動もすれば意氣銷沈の色あり。潑刺たる勇氣に缺くるを遺憾とす。之を米人に見よ、氣字快活にして覇氣滿々、奮闘力に富み、日々に新なること世界に冠たり、而も秩序あり、正義あり、且つ合理的なり、米國の國三九 四〇運隆々たる洵に所以なきにあらず。人は米人を指して拜金宗と云ふも、寧ろ拜勤宗と謂ふべし。勇氣に富むものは不幸を知らず、生氣の發する處靑山あり。四五、節度を重んじ秩序を守るは當然なるも、一四、恰も無人の境を行くが如き浩々然たる氣慨なかるべからず。又奚んぞ尖端に立つの勇なきの甚しきや。四六、或米國〓師は、曾て我學生を鼓舞して曰くBoys! Be ambitiousと、大いに味ふべきなり。願くば若朽となる勿れ。四七、秩序を破壞して不法を行ふものは勇者にあらず。秩序に忍ぶの勇なき怯惰の徒輩のみ。四八、任地や擔當事務につき、彼是いふ者は、自分の昇進を自ら阻害するものにして、蓋しその父兄と共に覺悟の足らざるものなり。英國にては何係にても、何支店にても、同一事務に勤務年數の永きを以て誇とせり。殊に父も、祖父も、此の銀行に從事せりと云ふことは、一層の名譽とする所なり。四九、茲に於て職務に高下なく、適材を適所に配置し、各其の擔當事務に忠實に、且つ永續的に熟練せるものを以て尊しとし、信用益々厚し。固より待遇も其の人に依りて異なる、蓋し上積も下積も、共に同じく重要なる役目を負ふものにして、其の間輕重なし。五〇、他に依賴する身分にありながら、忍耐を缺くものは結局不成功に終る人なり。精進忍辱は勇の本義にして、忍辱に堪ふるの力は其の人の伸長に比例す。知るべし、忍耐は成功の門なりと。五一、健實なる進步發達は階段的にして、其の間停頓、又は下降せず、常に昇進して止まざるを要す。五二、人は漸を追ひ、春秋を重ぬるに從ひ、益々有望視せられざるべからず。五三、所謂新思想は慶すべきか、弔すべきか。人智の進歩か、退歩か。吾人之を知らず。只彼の擔板漢の一を知つて二を知らざるが如き、皮相に陷ることなく、能く全般を咀嚼して過誤なからんことを望む。マルクスの本場たる獨逸に在りては、殆んどマの字も口にせぬ現狀にあらずや、思はざるべからず。或人曰く「マルクスを唱ふる人は世界の夜の明けたるを知らぬ人なり」と。五四、マルクスは量を說いて質に及ばず、權利を說いて義務に及ばず。是れ彼の成功せざりし所以なり。五五、彼の靈蟲たる蜜蜂を見ずや、何等新學問なきも營々努力してやまず、王を立て、規律あり、秩序あり、賞罰あり、一族の爲めには犠牲を拂ひ、温順にして同情あり、外敵と戰うて勇敢なり、精勵努力して倦まず怠らず、終始一貫、任務を盡す。新人を以て任ずる者、果して如何の感をかなす。五六、靑年諸君、兎角昇給の遲きに不滿を抱くもの多きも、彼のナポレオン大帝と雖、嘗て無昇給の儘七年間、中尉に忍びたるにあらずや。五七、人は常に收入の少きを嘆ずれども、物皆順序あり。且つ今の世は其の少額の收入すら甚だ困難とする所なり。凡そ收入增加に從ひ、不知不識の裡に空費を增すは、何人も省みて否む能はざる所、是れ心の弛緩なり。四 四二五八、聖賢、富貴、皆是れ、勉の一字より出現し來る。「道心に衣食あり、學ぶや祿その中に在り」人過つて衣食の獄に繫がるゝこと勿れ。五九、文明は生活の複雑向上なりと云へることあり。收入の增加するに從ひ、生活の向上することは必ずしも排斥すべきにあらずと雖、生活の向上は奢侈を意味せず、故に其の分に應じ自律自制を忘るべからず。先づ生產若しくは節約に向つて、懸命の勇あるを要す。「大人は志を養ひ小人は肉を養ふ」。六〇、凡そ今時の人は、例へば時間にせよ、食事を爲すにせよ、紙を使用するにせよ、或は電燈又は水を使ふにせよ、何事に限らず、浪費を意に介せざる風あり、心せざるべからず。六一、殊に時間の空費は金錢を失ふよりも、奢侈の大なるものなり、何んとなれば時間は再び得べからざればなり。今日この時は千載の一遇なり。「逆さまに年は流れず年の暮」。六二、更に反面より云はば、仕事の前には時間なし、願くば時間に使はるゝこと勿れ。六三、之を外國に見よ、また就中獨逸に見よ、其の勤勉にして節約なる、一事一物をも無駄にせず、一日一刻をも無駄にせず、即ち一滴の水も一片の麵麭も粗末にせざるを以て唯一の信條とし、徹底的に之を實行せり。而かも老幼男女を問はず、國民みな此の心に歸一す、彼國の强き所以、實に茲に存す。六四、獨逸產業の十戒の第一に曰く「一錢の金を支拂ふにも、必ず獨逸國の爲めになる樣、注意せざるべからず」と、即ち一錢の金も國家社會の金にして、積んでは社債となり、株金となり、產業資金となるを云ふなり。六五、米國大統領フーヴア氏が、千九百十九年頃〓糧大臣たりし時、節約宣傳の演說中に日本語を以て「勿體ない、冥加が盡きる」と云へる言葉を引用して、稱揚したることあり。知らず其の本家本元の現狀如何、猶忠孝の二字を某國に向つて問ふが如し。六六、空費濫費を爲すものは謀密ならず。志亦大ならず、到底大事を托するに足らず。六七、儉は吝にあらず。克く蓄へて克く散ずるの道を知らざるべからず。經濟の要道は、利用厚生に在り。六八、節儉に偏すべからず、擬富に迷ふ勿れ、「人は可有樣に」。六九、人動もすれば能率增進を說くに當り、直ちに人の缺乏を云爲して口實となすことあるも、是れ質の問題にして、必ずしも數の問題にあらず。數多きときは心の弛緩を招き、却つて能率の減退することあり。能率の增進、統制の合理化は、寧ろ窮極に因りて發見せらるゝ場合多し。七〇、米國の繁榮は、何人にても、何時にても、何等の情實に囚はれず、直ちに解雇し得ることに依りて競爭心を鼓舞し、以て能率を增進するにありと云へり。七一、米國は能率の增進を主眼として、最少の時間を以て、最大の效果を擧ぐべしと高唱し居れり。人の能率機能を發揮する處に合理化現はる。七二、合理化とは度合ひを計りて宜しきに處するの謂にして、內的あり、外的あり、立體的あり、平面的あり。七三、尙詳言せば、政治の合理化、消費の合理化、經營の合理化、生產の合理化、分配の合理四三 四四化あるも、今や進んで人間の合理化を要求するに至れり。要するに結局は「人の問題」たり。七四、學校出身者が、一度び學窓を離るゝや、讀書研鑚を疎外するの風あり。眞に實力を養はんとせば、宜しく實地の經驗を得て、更に潜心讀書すべきなり。「街頭より書齋へ」と云へることあり。一室にて世界の情勢、萬物の理を知り得るものは讀書に如くものはなし七五、縱令、學校出身者にあらざるも、廣く智識を求め、常識の發達に力め、實務に加ふるに學修の心掛あるものは、二者併せ得て必ず立身出世すべし。努力は天才を產み、精神の集注は事必ず成就す。七六、外國の學校にては、如何にして實社會に有用なる人物を造るやを主眼とし、實際者に學問を授くるを以て、確實且つ效能多しとし、實際と學問、學問と實際、即ち學びと鍛へとの二者交互の〓養をなし、鬼に金棒式の方針を採れり。故に日本の如く高等〓育を受けたるものが、就職難を叫ぶことなし。七七、我國にては學校と實社會と何等の關係なく、單に學校丈けの形式的系統を作り、而も試驗地獄の謗あり、「本讀みの物知らず」を養成する傾を免れず。讀書の要は自習自得に在り。今後の〓育制度は系統の開放は勿論、宜しく實社會に活動する人物を養成せんことを要す。今は即ち役立つ人物を要求す。獨逸の諺に曰く「先づ活きよ」と。七八、同じく小僧上りと云ふも、外國にては實際者に學問を授け、或は大學を卒へしめ、或は博士となれる等、日本のそれの如く、指先の修養のみにて頭腦の修養なきものとは異なり、銀行の頭取、會社の社長、大學の學長、さては大統領に至るまで小僧上りの例少しとせず。重點は一に人に在り。七九、例を米國大統領過去十人の中に見んか、其の六人までは小僧上りなり。又英國五大銀行頭取の中に、四人まで亦小僧上りなり。世は卒業證書よりも、忍耐克己の人を求む。要は實力如何に在るのみ。八〇、學問と云はず、實際と云はず創意的〓究思想を有せざるものは決して發達せず、日々の事務は事務として、苟も忽諸に附すべからざるは勿論なりと雖、一面には、常に大小の意見を上長に提出するの意氣なかるべからず。八一、行員を陶冶し、常に質實進取の氣風を養成せんことに努むべし。節制ある行員を有するものは、堅實なる銀行たることを證明す。八二、本支店上下を通じ、銀行の目的、責務、過去の歷史、現時の狀態、將來の歸趨、營業方針、事務取扱方、行員の心得、規律、和協、〓究事項等について常に訓育を忽せにすべからず。八三、本店と支店間、支店と支店間によく渾融聯絡を保ち、協調一致して事に當るを要す。念頭に本支店の別を挾むこと勿れ。八四、時々、幹部主任の會合を催し、事務の打合及び〓究をなすこと必要なり。但し集合すればとかく思想の問題に觸れやすし。思想的破產に瀕せる今日、其の危險少からず、大い四五 四六に自重自愛して本領を失ふこと勿れ。「人笛吹けども吾踊らず」。八五、部、課長及び支店長等の支配人は、部下を〓育訓練して、速かに完全なる行員に仕上ぐるの熱心と、親切とを缺くべからず。蓋し上長の負ふ當然の責務たればなり。自己の得たる智識、經驗及び調査を後進者に對して秘密に附するが如き狭量は、敢然として排すべきなり。尙强き指導力を以て、一般的に又は人々を見て、法を說くべし。八六、支配人は旣に並行員と異なり、人を統御し、或る程度のことを裁決する責任の地位にあるものなれば、深く自らの人的要素を練磨し、勇氣ある誠を以て、敢然事に當らざるべからず。約言すれば、支配人學の修養にして、是れ萬事の本なればなり。八七、重役が主義方針を謬らず善處すべきは勿論なるも、之を實際に行ふべく各部署の第一線に立てる支配人の任務は、實に銀行の盛衰に關する其責任や大なり。八八、支配人たるものは公平なるべきは勿論、〓と、押と、其外に聲の明朗なることを必要條件とす。八九、凡そ部下に對しては、其の人を信じて、的確に命ずれば、必ず其の結果を見るものなり。九〇、行員中、少しにても不良の性質を帶ぶる者を發見したるときは、躊躇なく處置すべし。若し之を看過することあらんか。這輩の地位の進むに從ひ、不測の大禍を招くの悔あるべし。「一度盜むものは常に盜む」と云へることあり。九一、外國にては、若し不正行員を發見したる時は、敢て自行の名の世間に現るゝことを憚らず、公なる法の制裁を加ふることゝし、以て根絕に力め居れり。是れ銀行の信用を保持する所以なり。九二、常務重役又は銀行員が、一方に於て自己の事業及び商賣を兼營することは、多くは弊害を伴ふ。殊に行員は須らく我道に專念せよ。九三、銀行員は、他の會社の設立發起人たるべからず。禍根これより生ず。九四、伊國の首相ムッソリーニ氏は、處世哲學として說いて曰く「男子須く危險に生きよ」と、何ぞ其の言の壯なる。但し銀行家には禁物なり。斷じて迷ふべからず。只責任を以て進めよとの精神、及び氏の實行せる二十時間勤勞の勇には、大いに學ぶ所ありて可なり。大なる活躍をなさんとせば、唯それ力强く行くべしと云ふに在り。九五、慾望には限なきも、樹は遂に天まで伸びず。良心に背かざる言動を以て、日常を滿足すべし。「常に足るを知れば足らざることなし」「笠着て暮らせ己が心に」。九六、人生は朝露の如しとて、無爲逸樂に其の日を送るものあり。甚しき心得違なり。己れの精神と其の事業とは、永へにして不老不死なり。苟も生をこの世に享くる以上、國家永遠の事業に對し、大いに働き、大いに貢獻すべきは當然の責務たり。九七、父兄が偉人傑物たりしとて、子弟必ずしも之に肖るものにあらず。世の荒浪を知らざるものに、直ちに要職を與へ、之に經營を委ぬるは危險なり。世路崎嶇として慘風悲雨多し、須く父兄の尊き經歷に鑑み、困厄に投じて實力を磨かしめ、自ら修練を積ましむべし。諺に「獅子は我兒を千似の谷に落す」と云ふにあらずや。九八、昔より「可愛い子には旅をさせよ」「愛ある者に鞭打てよ」と云へる諺あり。由來溫室四七 四八育ちの坊ちやんは、到底大役に適せず、百練千磨、辛苦艱難を甞めて初めて千金の値あう九九、父兄の支給を受けてのみ學問したる者には、人生の基礎工事として、自給自足、獨立生活の精神的實際學を授けざるべからず。人の眞の愉快は困難に打勝つことに由りて生まる。一〇〇、金の傀儡となり、周圍の巧言令色、阿附追從に曳かさるゝ薄志の輩をして、要局に當らしむるは危險なり。銀行業者は頭腦最も冷靜に、意志最も鞏固にして、克己心あるものたるを要す。「信言美ならず、美言信ならず」とは銀行業者に取りて殊に服膺すべき金言たり。第五章銀行と顧客一、顧客を重んじ、親切を盡すは、銀行繁昌の本なり、顧客をして銀行に行くこと、恰も倶樂部に行くが如き心持たらしむべし。ニ嘗ての銀行家は財界のリーダーとして自他共に許したり。現代の銀行員にも財界人をリードせんとするの意氣込ありや。追隨外交のみが取引先擴張方法の凡てなりや。取引先に對する眞の親切は財界の本質、前途等に就き良き顧問たるにあり。ニ、親切と危險の引受とは、勿論混同すべからず。四、貸出先を精選するは勿論、預金者も亦同樣に選擇するの必要あるを感ず。即ち平素に於て、相互の理解と、信賴あることを要す。諺に「量よりも質」と云へることあり。五、取引を開始するに當り、當座契約を爲すには愼重なる選擇を要す。是れ總ての取引の關門にして、其の良否の影響する所、廣く且つ大なればなり。六、總て取引の初めに當り人格、經歷、系統、因緣、仕振、手腕、取引先、資產、信用等を調査し、幾分にても疑惑を挾むものに對しては、取引を開始すべからず。後日必ず整理の時來る。七、當座取引を開始するに當り、相當信用ある人の紹介又は保證ある場合と雖、直接申込を受けたる場合と同じく、充分の調査を爲すべし。又取引開始を急ぐ者には注意すべし。八、銀行より希望して取引を開始したるものと、先方より店頭に來りて取引を求めたるもの四九 五〇とは、信用上逕庭あるを免れず。生命保險にありても亦然りと。れ、外國にては、當座取引は容易に開始せず。又開始したる後は、常に其の取引先の內容狀態を調査するが故に危險少し。隨つて小切手は一般に、安心して流通せらるゝなり。現に他行の小切手用紙を使用するも、何等懸念なく通用せらる。-0,公的又は內的に不渡の實あるものは、如何なる名義名稱を變用するに拘らず、取引を開始すべからず。是れ銀行の權威を尊重するものにして、併せて自他の安全を保つ所以なり二、或ものに對し、早晩危險の來るべきことを感知したるときは、未だ〓〓と云はず、現に其の危險が目前に橫たはるものと見做し、早く回避するに如かず、所謂、安全第一とはこれなり。三、銀行經營の目標を、一言にして盡せばSafety I st, Service 2 nd, Profit 3rd. (安全第一、奉仕第二、收益第三)なり。ニー、顧客の便利を圖り、その取扱に親切叮嚀なるべきは勿論なるも、その度を過ぐれば知らず、識らず、軌道を外るゝことあり。算盤の基礎を外れて勉强を爲すは、車の心棒の磨滅し行くが如く、己れを知らざるものなり。平素能く常道を守り、漫りに不當の競爭に馳するなからんことを要す。一四、銀行は日常の爲めには御上手をなすも可なり、然れども永遠の爲めには、斷じて御上手をすべからずと。洵に意味ある言と云ふべし。一三、銀行家は交渉に懸引を用ふべからず。懸引は時を費し、疑を挾み、結局、自ら損を招くものなり。況んや場當りの間に合せをや。人を信ぜしめんとせば、先づ以て自己を信ずるに如かず。所謂信以て之を貫くとはこの謂なり。一六、今や各國の外交に於て、權謀術數を弄するは舊式に屬し、正義正道に基かざれば必ず失敗すと云へり。一や、顧客の要求を拒絕するは可なり、併し其の拒絕には意義なかるべからず。場合に依りては充分の說明を爲すべし、顧客も亦、單に自分の要求が容れられざりしとて、徒らに不滿を抱かず、靜かに其の理の存する處を考へ、自他將來の爲め、宜しく反省するの大度なかるべからず。此理解なきものは、顧客も亦、何時かは失敗すべき素質を有するものなりと知るべし。一、銀行の第一線に立つものは、力めて優秀者を選ぶこと必要なり。即ち機敏にして慇懃、且つ愛嬌あり、事務に習熟したる者を以て之に充つべし。凡そ事の成敗はかゝつて第一線者にあり。是れ顧客の眼に第一著に映ずる銀行の寫眞なればなり、此の意味に於て電話を掛くる行員も亦、第一線に立つものと心得べし。一人の客は百人の客の代表者なり、心せざるべからず。一九、正當に爲すべき事を盡して、相手方に快感と滿足とを與ふる者は、自己の任務を重んずるものにして、併せて自己に忠なるものなり。二〇、外國にては、客が氣に入りたる品物なきときは、見さがしたる後に於て、縱令一品をも五一 五二買取らざる場合と雖、店員は更に厭やなる顏を見せず。是れ客本位なればなり。二一、米國にては「素見客を大切にせよ」と云へる標語あり。斯の如くして始めて店は繁昌す。二二、得意先の或者は視點を高きに置かず、自己に對する便不便のみを以て、直ちに善惡の批判を下すものあるも、銀行必ずしも不當ならず。即ち銀行は永遠に對する方針を以て進まざるべからざる大責任あり。是れ往々、得意先の意見と軒軽を生ずる所以なり。此の邊充分の理解あらんことを望む。二三、預金者と借主とは全く其の意志を異にす。銀行は奉仕の前に先づ安全を第一とするが故に、悉く借主の滿足を買ふ能はず。人は之を自己擁護と云ふも、實は預金者擁護なり。二四、凡そ賣手と買手とは、其の立場を異にするはやむを得ざるも、銀行が無理を云ふか、得意先が無理を云ふか、嘆聲を發せしむる場合一再にして止まらず。願くは、人を利し、而して己れを利するを忘るゝなかれ。米國の商賣が、大きく永く繁昌する所以は實に此の主義に原因すと云ふべし。二五、銀行と顧客とは互扶互助の間柄に在り、更に反面より云へば、銀行に鞭を加ふるものは顧客なり、顧客に鞭を加ふる者は銀行なり。二六、從來兎角不滿の鞭あれども、眞の鞭を加ふるものなし、若し眞の鞭にして理解あり、威謝の念生ぜば、則ち共に萬代安し。二七、若し顧客が欲する儘に金を貸さんか、猶子供の望むが儘に菓子を與ふるが如し、是れ果して親切なるや、慈愛なるや。金を多く借ることは、必ずしも他日の幸福たらず。二八、銀行は、一方に損するも、他の一方にて儲かれば可なりと云ふが如きものにあらず。-度び損すれば、容易に取返しの付かざる手數料商賣なり。故に一口にても其の取扱は忽諸に附すべからず。二九、朝に千金を獲るものは、夕に千金を失ふ。是等は全く銀行業と其の性質を異にす。三〇、世には銀行に對し、貸出を寬大にすべしと强ひ、又貸倒れを生じたるときは、銀行の放漫を云々するを例とす。而かも自分自身は其の營業の根本に向つて、獨自の改善を圖り、若しくは自發的努力の道を講ずるもの少し。金融の便否は勿論、營業の消長に關する所大なりと雖、自分の本體を養はずして專ら人にのみ求めんとするものは、吾人之に與する能はず。「君子は諸を己に求め、小人は諸を人に求む」。三一、自力本位を捨てゝ、專ら他力に倚らんとするものは、緊縮時代に際會し、第一に大なる打擊を受くるものなり。三二、凡そ金を借らんとするものは、同時に返濟の方法を講じ置かざるべからず。只單に銀行より金を引摺り出さんことにのみ腐心し、銀行を非難攻擊するものは、偶々自己の不信を廣告するものなり。三三、銀行は貸金を業とするも、活きたる資金をこそ供給すれ、人の失敗の尻拭をなすの義務なし。銀行は融資よりも預金の安全を第一とす。三四、分不相應の融資を受けながら、行詰りの結果、更に救濟資金を受けんとするものあり、思はざるの甚しきものにあらずや。五三 五四三五、銀行の資金は救濟用にあらず、活動資金ならざるべからず。三六、銀行の金は預金者の金にして、只善良なる注意の下に之を運轉するものなれば、顧客も常に其心して大切に使用すべきは論を俟たず。三七、若し預金者に迷惑を被らしむることあらんか、同時に財界に波瀾を及ばすものなり。三八、世の批評家は常に曰く、銀行家は一種の高利貸にして、金融業者として產業の發展に資する者に非ずと。是れ得手勝手の攻擊に過ぎず。かゝる非難者が何處に確實なる放資物の忘れられたるかを、具體的に明示したること、未だ曾てあらざるを遺憾とす。銀行家は故なく石橋を叩く者にあらざるも、現に英米の貸付は、季節に由る小口貸付の外は、大體擔保付を原則とす。社債に於ても亦然り。三九、又世人は、銀行が損害に引掛りたるを咎むるに嚴なるも、銀行に損害を與へたる者を責むるに寛なるは、冠履〓倒の嫌あり。是亦社會制裁の弛緩せる證左にして、社會制裁の弛緩は、一國の進運を阻害するものなり。今や我國ほど背信背任行爲の制裁の寬なるところはあらざるべし。故に今日の狀態は、嘘に始まり嘘に倒る。四〇、借りたる金は必ず返濟すれば文句なし。今日の狀態は過當なる借入の行詰りにして融資の硬塞にあらず。貸したる銀行が監督を怠りたる罪もあれば、亦銀行を誘ふて借り過ぎ、而も之を不當に使用したる事業家も罪更に大なり。四一、無謀なる經營者に對しては、數年間の計畫を以て救濟せんよりは、寧ろ數年間の計畫を以て徐ろに、處分するに如かずと說くものあり。四二、成程破綻するものは破綻し、縮少するものは縮少せざれば、財界の刷新立ち直りは行はれず。若し彌縫を以て生命を延長せば不健全の持越となる。併し是れは程度の問題なるべし。四三、或る債務者は平然として放言すらく、借金しても心配の要なし、心配するものは唯夫れ債權ある者のみと。又曰く、金の無きものに向つて返金の催促をなすは、催促するものの誤なりと。かゝる一般精神にして改善せられざる限り、銀行家の改善も多きを望み得ず、洵に浩歎の至りならずや。況んや財產を隱匿して銀行に損失を蒙らしめ、以て平然たるものをや。道義觀念の衰退せる、今日より甚しきはなし。如何にして國富の增進を謀るべきや。四四、イタリーにては科學的管理法を實施せざる事業には銀行は資金の融通を爲すべからずと經濟省より指示されありと。我國の銀行にて貸金を爲す場合には擔保物の評價にのみ重きを置き事業經營に献策するの親切にまで及ばざるの憾なきか。四五、銀行は其の資金貸出先に對してお目付役を派遣するのみにては不充分なり。管理經營の指導者を派遣して被貸付事業の隆昌を助け、一面得意先の好意を增すと同時に他面貸付元利金の安定を期すべきならずや。四六、一人一行主義は理想とする所なり。併し今日の狀態は人と經營と、そこまで進歩發達し居れりや。理想の到達には尙〓究の餘地尠からざるべし。四七、平素商賣及び事業の狀況、計畫等の總てを銀行に打明け、其の諒解を求め置き、且つ自五五 五六己の分度を守りてこそ、一行主義も行はるゝものなり、單に取引が一行なるの故を以て、行詰りの場合に、救濟をその一行が脊負はざるべからずと云ふが如きは、勝手極まる一行主義にして旣に其の根本觀念に於て、大いなる謬ありと謂ふべし。四八、一行主義は自分の總てを銀行に打明くることに依りて、分不相應を縱まゝにせしめざることに效あり。四九、一行主義は銀行をして預金の出入と、手形取引の狀況を知り得て、之に依りて其の人の一進一退の眞價を知悉せしむ。五〇、然れども大會社に在りては、其の貸出は到底一行の負擔し難き事情あり、其の大小に依り數行分布も亦一方法なるべし。此の場合には必ず數行の聯絡協調あるを要す。五一、米國は多行取引主義なるも、信用調査交換の制度あり、以て間隙に乘ぜらるゝの危險を防ぎ居れり。五二、商工業者が行詰りを來したるときは、決して糊塗せず、有の儘の事情を銀行に具陳し、救濟を求めしむる樣、注意するを要す。然らば再興の日必ず來る。五三、實業家が彌縫に彌縫を重ね、虛僞に虛僞を重ね、行詰りの極、銀行に大なる損害を被らしめたるは、我國の一大通弊なり。獨り銀行の罪のみならんや。五四、銀行會社と云はず、商人と云はず、彌縫は大禁物なり。總て物は倒るゝ日に倒るゝにあらず、旣に遠因あり、近因起れば則ち倒る。五五、凡そ何人も平素の用意が大切なり。今百貫の重さに耐へざる橋あり、九十九貫の荷物には異常なきも、之に一貫を加へたるときメリ〓〓と落ちたりとせよ、人は一貫の爲めに橋が落ちたりとは云はんも、事實は然らず、旣に九十九貫の重荷を支へたるが故に、僅か一貫の爲めにも落ちたるなり。猶平素身體の不養生を重ねたる者が、些細の事にて發病するが如し。醫家の所謂、蓄積作用是なり。休業銀行も亦夫れ蓄積作用の類か。五七 五八第六章不當競爭一、競爭は即ち奮勉にして、進步發達を促進するも、不當不正の競爭は資本及び勞力の浪費多く、社會に害毒を流し、且つ結局自分の失敗に終るものなり。是れ啻に銀行のみにあらず。方今の實業界みな然らざるはなし。人は須らく中道を歩むべし。ニ多くの場合に於ける勉强なる言葉は不當競爭を意味す、愼むべきなり。ニ、銀行が正當なることを云へば、寧ろ得意先の機嫌を損ふこと多し。故に不正當と知りつつも枉げて相手に從ふを常習とす。固より自信の薄きに因るとは云へ、是れ亦不當競爭より來れる一弊害なり。如何なる場合と雖、守るべきは守り、決して安全點を踰ゆべからず。四、銀行は弱きものなりと銀行自らも許し、周圍のものも自然に斯く信ずるに至れり。誠に謂れなきことにして、是亦不當競爭の弊なりと謂ふべし。敢て威張るの意にあらず、只當然のことは自他の爲め、決して枉ぐるの要なし。銀行業者よ、須らく共に信念の强からんことを期すべし。五、銀行破綻の原因を大別すれば、不當競爭に依る高率預金と、情實因緣による不純貸出と、幹部の不正行爲とに歸著す。六、勉强にも二樣あり。商工業者と相提携し、資金供給の利便を圖るは、銀行當然の職務上、大いに努むべきも、顧客より我儘勝手なる無理を强ひられ、之に追從することは不可なり、如何に人氣商賣とは云へ、守るべきは守り、決して惡罵冷評を恐るべからず。不合理なる貸出强要の如きは云ふに及ばず。例へば茲に貸借の約束をなし、互に準備を爲したる曉に於て、若し銀行より破約したりとせんか、恐らく大問題たるべきも、相手方よりの破約は、平然たる慣習なるが如き、甚だ不道理にあらずや。商品賣買の契約を取消すには相當の賠償あるも、銀行關係には未だ賠償あるを聞かず。又貸出金に對し、相手方は取組後市場利率の低下したる場合、若くは手許金の都合に依り、契約期日內と雖、何時にても返金するは自由なりと心得るもの尠からず。得意先は義務を守らざるも可なり、銀行は絕對に義務を守らざるべからずとは、片務的にして不思議なる現狀なり。斯の如き損失の埋合せが自然、廻り〓〓て第二流物に對する高利貸金となり、不知不識の間に不良化することゝなる。其の他、預金及び貸出の利率は云ふに及ばず、手形入金、手形取立に對する利息起算日、交換後手形の利用(寧ろ惡用)若くは振込日及び付替日の如きに於ても、種々不合理の要求を受くる場合多し。銀行業者は勉强の眞意を履き違ふべからず。七、受入起算日の如きは、事小なるが如く、又遊金ある場合には、いづれになるとも損得なきに似て決して然らず。不合理の取扱は紊亂の因となり、自然一般の不取締となるものなり。八、或る人は曰く、某銀行は勉强して種々の便利を圖るが故に、取引銀行に指定すべしと、蓋し其の勉强とは、變則的便利を與ふるの謂にして、畢竟自他の信用を毀損するに至ら五九 六〇ざるもの稀なり。これ勉强の意義を履き違へたるによる。れ、自己を愛するが如く、自己の金融機關を愛するものは銀行に無理を强ひず、合理的に利益を得せしむる樣、取引銀行をも保護すべきものなり。「所謂己れの欲せざる所は人に施すこと勿れ」。一〇、一流銀行は一流を、二流銀行は二流を守らば、不當競爭、混戰狀態の弊を減ずべきか。例へば中小取引先に對する奪合を避け、又一流の大銀行が遊資に苦しむ反面には、二、三流銀行は資金流出となるべし。此の場合には一流銀行は進んで自ら預金の利下を爲し以て自衞策を講ずると同時に、併せて是等二、三流との調和を圖るべきなり。ニ、一方に遊資に苦しむと稱しながら、其の反面に於て預金の奪合ひに努むるは、未だ以て大銀行たる態度に缺くるを免れず。一二、大銀行に資金偏傾せる爲め、金利を低下せしめ、之が爲め二流銀行を二重に壓迫し、困憊に陷れたる例は數十年前、英國の金融史の示す所にして、自然の趨勢に因るものなり。只强者の態度は大いに愼むべきものあらん、即ち其の態度如何に依りては、或は壓迫攪亂となり、或は之に反して進歩發展の助長となる。恰も自國に優秀なる軍艦を有するの故を以て、國際的に橫暴を逞しうせんか、世界は常に修羅の巷となる。然るに之を善用すれば、能く世界の平和を保持するが如し。驕るもの久しからず、天は盈つるに禍す。ニー、遊資は、中小銀行を通じて中小商工業者を援助するに至らば、景氣恢復し、之が因果は循環して、商工業の繁榮を招き、遊資も隨つて憂ふるに及ばざるべし。一四、大銀行に預金の偏在することは、世界の大勢にして、必ずしも變態的にあらず。併し其の運用にして、若し細民の資金、即ち貸方には還元せられず、强く大なる或債務者のみに利用さるゝことゝなれば、大いなる考へものにして、金融に普遍を缺き、中小商工業の存立を脅威することゝなる。尤も此の資金を以て、眞に國家的に助くべき企業者に供するは妨なきのみならず、寧ろ進んで爲すべきなり。一三、兎に角、偏在せる資金の運用に就ては、大いに愼み、大いに考へざるべからず。然らざれば時に不景氣の助長となり、又變則に中間景氣を招くことゝもなる。一ち、急激に預金の偏在するときは、資金の運轉上自然濫用を免れ難く、結局煩累の因となるもの多し。心せざるべからず。一、預金爭奪及び不當競爭防止の爲め、預金勸誘員を廢止又は制限すること、及び贈物、其の他の誘導方法の、廢止又は制限をなすことを要す。宴會政策も亦然り。一八、貸出勸誘の目的を以て、行員を外部に派遣することも亦之を避くるの要あり。貸出競爭の弊も決して尠少なりとせず。協調を破るもの、獨り預金の競爭者のみにあらず。總て德義上の泥棒は互に戒むべきなり。一九、折角預金協定に依りて、或る器に容れられたる水を、貸出競爭に依りてドシ〓〓漏らすの愚に陷ること勿れ。二〇、敵國外患なければ則ち亡ぶと云ふ、然れども協調の精神を破り、內輪同志の紛爭を釀すは內國內患のみ、亡びざらば不思議なり。六一 六二二一、例を商品賣買に見んか、買入の競爭もさることながら、寧ろ賣出競爭の弊害多きに居らざるか。二二、我國割引市場の發達せざるは、若し割引手形を市場に出さんか、之を端〓として得意先を奪取せらるゝの恐れあるが爲めなりと。是れ亦貸出競爭の一弊害なり。二三、抑々銀行は、公共的金融機關たるに拘らず、互に不當競爭をなし、公共の利害を顧みざることあり、是等は到底天職を全うする能はざるなり。二四、口に一行主義を唱へながら、他行の取引先を奪取せんとする現狀に於て、我國の銀行と得意先との關係の不規律なるは、根本的病患なり。二五、下級行員の流言にても、內輪のみに止らず、對銀行の問題となる故、注意を要す。二六、今や世界の大勢は、競爭時代より聯合提携の時代に移りつゝあり、國際聯盟、不戰條約、歐洲經濟聯合、國際決濟銀行等皆是れ思潮の表現なり。經濟界の先驅者たるべき銀行家の一考に値せずや。二七、富の偏在、金の偏在、銀の過產、關稅の障壁、世界商賣の不況を招來する所以にして、總てものゝ終局は普遍的に疏通せざれば止まざるものなり。第七章銀行と社會一、銀行の改善は、獨り銀行のみにて達成し得らるべきものにあらず。必ずや一般世間の援助なかるべからず。然るに今日、破綻銀行の多くを見るに、獨り銀行の罪のみにあらずして、周圍の事情が餘儀なくせしめたるもの多きを認む。相共に猛省すべきなり。ニ、融界の一角崩るゝとき、世人は平素よく銀行を理解し、一波は萬波を生ずるものなり。徒らに風聲鶴唳に驚くこと勿れ、銀行が預金者に負ふ所大なると狼狽は自他を害ふ。金共に、預金者も亦、銀行に負ふ所大なりと謂ふべし。愼まざるべからず。ニ、き間柄なり。元來、銀行は顧客に對して、故に相倚り相援くる本旨に基き、親切なる相談所とも云ふべく、相互に表裏なく、互に杖となり、營業の實況を諒解せし柱となるべむるを要す。四、銀行は營利會社たると同時に、一面公共機關なり。故に收益にのみ沒頭する能はず。茲てか平素口にする間も皮相の觀察に走らず、に於て顧客もまた我利主義をすて、「健全」を如實ならしむべし。銀行をして安んじて進むべき道を踐ましむべきなり。壓倒的に銀行に臨まず、株主も高配當を强ひず、茲に於世五、銀行は質屋と異なり、商工業者の產業資金を供する使命を有するも、他人の金を運轉するが故に、安全を第一とするは當然なり六、對銀行の相手方は一寸の範圍を見て論ずるも銀行は一尺の間を見て判斷す、是れ其立場を異にする所以にして相當の距離ある所なり。六三 六四七、世の文化は進步せりと云ふも、そは物質的文化の謂にして、精神的方面は却つて退歩し、兎角噓の世の中となれることは寔に浩歎すべきなり。信用を基調とせる銀行業者は、此の間に介在して、如何に處すべきや迷はざるを得ず。現に昭和二年の恐慌の如きも、見方に依れば嘘の行詰りなりと云ふものあり。米國に於ては、職業道德に就て、同志が大いに講究し居れり。ハ、外國に於ける物質的文明とは、精神文化の結晶たることを思はざるべからず。然るに我國にては、之を誤り、心と云へる文化の基礎を捨てゝ、眼前の物質にのみ走りたるため、今日の惱みに陷りたるものにあらずや。た、商業道德に就て論ずべき點多々ありと雖、勢ひ政治道德及び國民思想、並びに學校〓育に論及せざるべからざるを以て、姑く之を他日に讓る。但し商業道德は、日一日と其の緊要なるを高唱せざるを得ず。外國の學校は必ず宗〓〓育の伴ふあり、依つて道德觀念を養ふも、我國の學校〓育は公然、宗〓と沒交涉なり。一〇、一說に、學校に宗〓を交へざるが日本の特色なりといふ。然らば社會に於て、成人に對する德育の機關ありやと云ふに、遺憾ながら無しと答ふるの外なきなり。寧ろ滔々として道德を破壞する實物〓訓の多きを悲しむ。二、今や世を擧げて一種の運動に依らざれば何事も成らず、茲に於て白晝公然收賄の行はるるに至る、正義正道も全く地に墜ちたりと謂ふべし。外國に比し我國の劣れる點は眞摯を缺けるに在り。根源の廓〓は實に今日の急務なりとす。第八章預金及び利息一、一人または一口よりなる巨額の預金は、一時に資金の增加を見ることあるも、引出又は利率の點に於て、脅威を受くる場合少からず、大いに考慮を要す。ニ、英米にては、小額の當座預金に對して、預金者より手數料を徵收せる銀行あり。ニ、英國にては、當座預金を無利子として、其の內、一定の据置き通知預金的のものに對してのみ利子を付し、若し其の定額を下るときは、反對に手數料を徵收す。要するに彼國の銀行預金は、支拂資金の預託なるも、我國にては然らず、全く其の觀念を異にす。蓋し時勢と共に改まらんか。四、先づ以て普通商業銀行、貯蓄銀行、勸業及び農工銀行、不動產銀行、信託會社は各其の名の如く、其の實を具備せざるべからず。五、我國は獨逸及び佛國と異なり、英國式の預金銀行にして、預金を資金となすを以て、預金に就ては常に〓究を怠るべからず。六、預金銀行たることは英國に傚ふも、如何せん、國富及び商業經濟の進歩はるかに及ばず、殊に貸出方に就ては、四圍の情況、全く彼と相反し、恰も木に竹を接ぎたる觀あり。且つ又我國の法律制度は其の範を、或は英國に、或は米國に、或は獨逸に採りたるものにして、其の間互に聯絡を缺き、相牴觸する場合尠しとせず。七、預金の增加を圖るが爲め、無理をなすべからざるは勿論なるも、預金銀行たる以上、預六五 六六金は總ての構成基礎となるものなり。八、所謂金持と唱ふる人は、當然自分の負擔すべきものを無理に免れんとし、而かも己れの得んとするものは普通人の倍額を强要する癖あり。た、銀行の良否は、徒らに數字の多寡のみにて判斷すべからず。實質、經營振及び支拂準備の實力如何を正視せざるべからず。-0、新銀行法の細則に依れば、從來とは數字の現はし方に相違ありて大いに進步せり。今後は其の內容の考査に利便を得ることゝなるべし。ニ、預金者のみならず、借手も亦貸手の優良なるものを選擇するの必要あるを忘るべからず。然らざれば非常時に際し、不測の迷惑をうくることあるべし。實例乏しからず。一二、同業者よりの預金は、無制限に預らざる樣、注意を怠るべからず。且つ利息は低率なるを要す。然らざれば資金需給の時期、彼我同時となりて、不慮の犠牲を拂ふこと多し。從來恐慌ある每に、極めて深甚の影響あることを如實にせり。即ち同業者に就ては、預金貸金共大いに〓究し、格段に注意を拂ふ必要あり。其の他の金融業者に就ても亦同じ。ニー、「コール」の取手すら殆ど杜絕せる際に、都會の銀行は地方銀行よりして「コール」の利率以上なる通知預金を預け入れられ、月末に至つて引出さるゝ等、寧ろ滑稽的に利用せらるゝ實例を見ることあり、思はざるべからず。是れ同業者の預金は考へものなりと云ふ所以の一なり。一四、普通銀行に於て、零細なる預金を主として取扱ふことは、一朝事あるとき、預金者の理解少く、その點、考へものにあらざるか。乍併、小口預金は平素に於て、良き預金なりと云ひ得べき一面あり。一三、英米の大銀行にても、貯金函を得意先へ配り置くものあり、時間外預金の受入袋を備付くるものもあり。然れども、我國の如く、主として預金取込みの趣旨より發するものにあらず。一は公衆に便利を供すると、一は子供の時より貯蓄心を養成せしむるに在り。一六、預金主義は結局、資本金主義に變化すべしと唱ふるもの、近時漸く多きを加ふ。是れ主として、銀行が預金に伴ふ種々の脅威を威ずる點より、來りたる議論なるべし。一七、別項に述べたる如く、同業者の預金利率は特に低からしむるの要ありとする理由は、都會銀行には前數項に述べたる如く、支拂準備上又は資金運用上、斯かる不利不便あるが爲めなればなり。預くる地方銀行も、宜しく之を諒とせざるべからず。一八、地方の金が都會に集中することは、相當考慮を要すべきも、如何せん放資の適當なる對象物件乏しければ、都會へ流出するは已むなし。猶有爲の人材が都會に集中するが如く、自然の勢にして、その間、國境なし。若し廣き意義に解すれば、地方と都會と有無相通ずるものにして、何等非難の要なしと云ふを得べし。一九、尤も是れまた程度の問題にして、地方の產業資金涸渴し、而かも一面都會に於て不健全なる資金に濫用せらるゝことありとせば、大いに考慮せざるべからず。但し產業盛んなる地方には、必ず資金流入し來るは原理にして、亦事實なり。敢て憂ふるに足らず。二〇、遠隔の地方銀行が、都會に於ける眞摯なる相談相手を有せずして、自ら都會に融通する六七 六八ことは、手形に於て將た擔保品に於て、二流三流以下のもの、若くは不正品を摑まさるる等危險多く、失敗の實例乏しからず。而も一口の金額は大抵多額なり。二一、故に地方銀行は、米國の如く、都會銀行と親密なる聯絡を結ぶを以て安全なりとす。二二、預金切捨は萬已むを得ずとするも、一般の義務觀念に及ばす惡影響は寒心に堪へざるものあり。殊に目下世上に用ふる切捨なる言葉は、穩當ならず。漫〓子曰く「切捨御免」と。二三、預金切捨の不當を堂々と攻擊する一方、銀行よりの借入金は利子免除、元金何割減、これ當然の權利なるかの言動をなすものあり。矛盾の極なり。二四、小銀行の分立は、支拂準備の重複に依り、勢ひ金利高の一因となる。二五、金利高きが爲めに、事業興らずと云ふはあたらず。事業興らざる時は金利低く、事業興るときは、金利從つて高きを事實なりとす。即ち資本の働きは金利問題以上なり。第九章貸出と貸越一、銀行は一方に預金者を華客とすると同時に、又一方に借入主をも大切なる顧客とし、之を歡迎することは論なき處なり。勿論借主あるが爲めに營業となる、然れども貸借には弊害伴ひ、之が爲めに銀行の破綻となるが故に、刻下の急務として、本書は主として其の害を戒め、其の利を說かざること、旣に〓言に述べたるが如し。決して貸出の拒絕を說くものにあらず、讀者宜しく眞意の存する處を諒とせられんことを望む。ニ、大銀行と雖、遊金の消化に急なるあまり、自制心を逸し、常規を逸して低利の貸出を爲し、却つて自行の一般貸出利率の低下を誘ひ、加之更に他行全體の貸出にも影響を及ぼすことあり、故に遊資を日本銀行に棚上げするも亦一策なりと說くものあり。三、米國に於ては、不良貸付を生じたるとき、必ず當該期中に銷却を强要せらる。我國の不用意、不謹愼なる銀行は、往々之を順次に繰越し、啻にこれを隱蔽するのみならず、加ふるに未收利子を元金に繰込み、旣收利子として貸出を增大し、或は出納係手許の假勘定と爲すことに依つて、利益計算と爲し、却つて益々不良貸を增大するの弊あり。況んや一難去つて一難來り、次ぎ〓〓に此の種の不良貸付を生ずるに於てをや、元來、一度び不良貸付を生ずるや、到底短日月に整理し得べきものにあらず。四、不良貸金及び固定貨金を生じたる時は、成るべく早く積極的整理を斷行せば、縱令一時の不評と苦痛はありとするも、將來の基礎を固むるは勿論、一朝恐慌來の日よく之に對六九 七〇抗し得べし。五貸出の初には純を尊び、回收の境は須く斷なれ、曰く、純なれ、斷なれ。六、顧客より銀行員への贈物は其の大小の程度に正比例して、其の包藏したる危險を後に必ず出現す。七、苟も眞に改良をなさんとせば、他の振合等に頓著せず、人は人たり、我は我たりの堅き自信を以て、邁進せざるべからず。八、何事にも自信强く、獨往獨歩は獨逸の國民性にして、同國の强き所以もまた茲に胚胎す。彼の全世界を敵として戰ひ得たるは、偶然にあらざるなり。れ、某將校の實戰談に曰く「彈丸雨飛の間に馳驅するも、彈丸の中らざる信念を持するときは、彈丸は決して中るものにあらず。其の理由は今猶判明せざるも、此の自信に對する事實は間違なし」と。蓋し眞の自信なるものは、萬事皆斯の如きものなるべし。一〇、取引の當初に於て、迎合又は結合等不純の存在する場合は、其の結果必ず面倒を生ず。ニ、借入者が來りて說明することは用心深く聞くも、部下の主任者が有利に說明することは安心して聞き、遂に之に釣込まるゝ失敗あるは事實なり。ニ、貸出は、何人の紹介よりも、先づ以て、平素の取引帳簿を唯一の紹介者とせざるべからず。ニー、如何なる場合と雖、貸出に際しては其の都度、當座取引原簿の參照を怠るべからず。取引狀態を通覽せば、必ず首肯する處あるべし。彼の貸出に急ぐため、單に名目上の當座取引を爲すが如きは、假裝にして眞意に背反す。故に此の類に屬するものは、其の結果、多くは回收不能に陷る。一四、相當の紹介人ある場合と雖、從來取引なき先には貸金を爲すべからず。此の種の多くは規定に適合せざる貸金にして、かつ回收に面倒を來すぺし。一三、規定に適合せざる貨金の紹介人は、全く無責任なる人か、然らざれば大いに信用ある人なるも、自ら保證の責任を負ひ、又は自分で貸付くるの勇なく、寧ろ回避の趣旨よりして銀行に轉嫁せんとする場合多し。殊に行詰りの際に於ける紹介人は有害無益たり。一六、經營は勿論縱令一口の貸出たりとも當初純眞の判斷によらずして、苟も一點の自己を挾むときは後日必ず面倒を生ず、正義正道に遵ふものは結局最後の勝利者たり。「正しきものは强し」。一、、貸金の回收に大勇ならんよりは、寧ろ貸出の初めに當りて、拒絕の沈勇あるに如かず。一八、賢者は先づ考へて行ひ、愚者は行ふて後考ふ。銀行は宜しく一步先んじて考へ、一步退いて斷ずべし。一九、不當貸出に依る禍源は、最初の取引開始の際に發生すること少からず、當初應接の際、相手方の信ずるに足るべきや否やの機微を察せざるべからず。二〇、現在を見て判斷又は立案したる時は將來は如何にと、更に一段高所に立ちて思を廻らすべし。二一、只茲に注意すべきは、銀行內部の取扱を知悉せるものは、故ら當座預金の殘高を多く置七一 七二き、破綻の間際に至り、急に之を引出すが如き、或は數行と取引を爲して、巧みに繰り廻しを爲し、手形の支拂をして毫も澁滯せしめず、以て銀行に安心と油斷とを與ふる等欺くに其の道を以てするものあり。某事件の如きは、其の最も顯著なる實例たり。二二、是等の手段は、數行と取引することに依りて、瞞過手段を遂げらる。二三、凡そ人は、常識を以て可なりと信ずれば宜しく行ふべし。苟くも不可なりと思はゞ、斷じて行ふべからず、須らく意志の鞏固なるを要す。最初一步を誤らば常識も影を沒す。二四、銀行は機敏を尊ぶも、餘り目前の機敏にのみ走るときは、百年の大計を忘るゝに陷るの例少からず、須く戒愼を要す、是れ普通の商業と異なる所以なり。二五、小貸出と雖、必ず大貸出と同一の注意を以て取扱ひ、決して油斷あるべからず。凡そ銀行の事務は用意周到にして、一事一物も苟もすべからざるを要とす。急ぐべからず、走るべからず、脚下の一步に注意せよ。「山に躓くなくして垤に躓く」と云へることあり。二六、貸出の要求ありたるときは、其の說明以外に、其の事項の反對の場合あるべきことを豫想する要あり。即ち表面、側面、半面、裏面の觀察を爲すの謂なり。二七、總て投資は、擔保と云はんよりも、寧ろ使途を明かにし、かつ彈力あるものに向つて爲すことを必要條件とす。隨つて返濟の財源及び其の方法の明確ならざるものには貸金を爲すべからず。二八、對人信用と對物保用とは、互に兩々相待つて效用をなすものなれば、決して一方のみに重きを置くべからず。二九、遮莫あれ、信用の根柢を爲すものは矢張り人なり。故に苟も人物に疑あらば、縱令擔保あるも、絕對的の信用を與ふべからず。殊に現今の如く道義觀念の衰退せる世の中に於て、信用金融の發展を望むは、木に綠りて魚を求むるが如し。三〇、銀行貸出の要諦は、危險分布に在り。故に對物たりとも、同一商品、同一株劵を多量に取得すべからず。三一、流行株又は新會社の株を擔保とすることは愼むべし。他日必ず反落の時期來るべし。多年基礎ある事業にして、配當の確實性あり、且つ市場に於て、權威と流通性とを有する株式を選擇すべし。三二、人は株式の〓算相場を見ずして、空名若くは現時の配當率を以て株價を定めんとす、是れ世人を誤らしむる最大原因なり。三三、未拂込株式を取得したるときは、拂込の義務あり。又增資前の株式を取得したるときは、新株落ちの關係あることを、思ひ置かざるべからず。三四、擔保品の交換に當りては、最も注意を要す。最初の貸金取組には、擔保品を精選吟味するも、漸次交換するに從ひ、知らず識らず、不良品と入替はることあればなり。三五、擔保に對する平素の貸出率は、常態を基礎とするが故に、若し市價に變調を來す虞あるときは、其の取扱に就き大いに注意すべきなり。又商品の暴騰暴落の際は、取引先に對し深く注意する要あり。三六、一朝事あるときは擔保主義なればこそ、人も我も安心するにあらずや。七三 七四三七、縱令擔保物ある場合と雖、其の人の性格及び力量に適應するや否やを、考察すること、肝要なり、長期に亙る場合殊に然りとす。三八、人格は最良の擔保なりと云へることあり。三九、外國にては信用ある人程、進んで良擔保を提供す、我國は全く反對なり。即ち彼は物あるが故に信用厚く、我は物なきを以て信用と心得るなり。四〇、粒々辛苦の結果になる資產と、濡手で粟式の富力とは、其の信用價値に運庭なかるべからず。四一、銀行は、一時的流行式の派手なる商賣とは異なると同時に、所謂、成金者流との取引は、常に戒愼の要あり。四二、所謂、遺手と稱せらるゝ人は、一度は必ず成功するも、之を恒久に持續する確實性あるやは、蓋し疑問なり。由來財界には、大膽とか、悧巧とかは成功の要素たらざるのみならず、却つて害ある場合多し。四三、銀行は表面派手なる仕振を爲すを要せず、又裏面を辿るの策動は無論禁物なり。去迚、因循姑息を勸むるものにあらず、只遠く外に觀、近く內に省み、苟も常識を以て可なりと信ずるものは、昭々に之を行はゞ則ち可なり。四、凡そ貸出を爲すに當り、厘毫も魂膽的智識を挾むべからず。若し之を用ゆるときは、智者にして智者にあらざるの結果を生ず。四五、好景氣時代に急設し、又は破格の擴張を爲したる事業に對しては、放資を愼むべし。度は必ず整理の時期來る。四六、貸出其の他の取引に就き、顧客の性行に注意するは勿論、特に投機の常習あるもの、及び素行の修らざるものには、深き信用を與ふるに躊躇せざるべからず。四七、貸出先の營業現況を知悉すべきは勿論なるも、其の人の性行、特に其の經歷及び其の取引先との因緣系統に遡りて調査することは、極めて緊切にして、必ずや得る處あるを疑はず。四八、貸出を最後に決定する責任者は、專斷即決をなすべからず。宜しく掛員の調査に付し、然る後、冷靜に判斷するを以て、愼重且つ公明なる方法なりとす。決して自分の勢力を示さんとする私心を挾むべからず。小我は害ありて益なし。四九、自己の責任を以て、行金を大切に取扱ふべきは勿論なるも、時には其の愼みを踰え、自分の取扱ひたる貸出にして萬一故障を生ぜんか、直ちに自分も責任を負へば足ると、無雜作に考ふる人あり。一見殊勝なるが如しと雖、屢次之を慣用することは、知らず識らず、自分の力に適はぬ無理を生ず、自己の責任を自覺し、これを重んずるものは、輕々に自分を擔ぎ出すものにあらず。即ち自分と銀行とは同一體にして、自重すべきこと同一なればなり。五〇、銀行業者の心底は、常に絕對的「イエス」「ノー」ならざるべからず。五一、借入を申込まれ斷るのを耻の如く思ふ支店長は落第なり。五二、定期預金を常時に貸付、又は貸越の擔保と爲すことは寧ろ變則なり。一見して便利の方七五 七六法なるが如きも、銀行に取りては有利なるものにあらず。殊に貸越の如きは、恰も當座預金に定期の利率を附すると等しく、又期限內拂戾にも相當すべし。隨つて資金の準備上にも不利なり。況して同業者間の多額なる取引に於て、殊にその然るを見る。蓋し此の種の取引は、不利を忍びつゝ兩建てに依りて、其の數字の大を示さんとの虛飾より發する場合多きにあらざるか。五三、已むを得ず、定期預金を擔保として貸出したるときは、其の利鞘は貸金の多寡及び方法等、狀況の如何に依り、階段的に之を擴大すべきものなるべし。五四、兎角、貸出は小に嚴にして、大に寬なるを免れざるが如し、固より多くの遊金を有する場合は、一方に配當をなすべき經管者として、相當の苦痛あるは勿論なるも、焦るは損の基なり、愼まざるべからず。五五、又當事者に於て、小貸出の取扱ひに正直にして、大中貸出の取扱に却つて正直ならざるものあり。此の場合は、必ず情實の伏在するものとして、看過すべからざるなり。五六、貸出は其の取組の時毎に、全く新取引と同樣の注意を怠るべからず。平生よりして警戒せる先にても、まさか間違ひなかるべしと油斷せる間に、取返しの付かぬ狀態に陷れることあり。愼むべきなり。五七、貸出其の他の取扱に對し、常に前例を追ふて注意を新たにせざりし爲め、不測の失敗を招くことあり。時々刻々、變轉するものに對し、前例の踏襲は何等免責の理由とならず。寧ろ〓究及注意の怠慢を示すものと謂ふべし。五八、銀行が取引先の惡評を聞き込み、又は不審に感じたるときは、既に害毒は取引先の全身に瀰漫せるものと知るべし。行員の惡事に就ても亦然り。五九、不良貸付は、金融緩漫の時か、又は好景氣襲來の際に胚胎すること多きを慮らざるべからず。これ自然に放漫に流るゝが故なり。彼の單名手形の如きも、口に之を排斥しなが5、金融緩漫の際には、却つて歡迎せらるゝ奇現象あり、軈て周章狼狽の時來るべし。無擔保「コール」、無擔保社債濫發の類、皆然り。故に曰く「治に居て亂を忘れず」と。六〇、英國が佛國に八十億圓の貸あるに拘らず、反對に二十億圓の取付の爲拜み上げたるは、固定貸とコール的との差に依る。六一、地元銀行と雖、銀行本位の範圍の取扱をなせば、矢張資金は公債類に又は都會の銀行に預入るゝの外なく、決して預金全部を地元に運轉し得べきものにあらず。況んや固定貸となるに於てをや。六二、銀行用務に關し、面談するときは、私宅または銀行以外の場所に於てなすべからざるは勿論なり。若し此の禁を犯したるときは、必ず相當の惡果を見るべし。公明正大は銀行家の守るべき第一の要義なり。六三、暮夜窃かに私邸を訪ひ、贈るに苞苴を以てし、或は置酒狎褻、欺くに道を以てするものあり。是等は正に自分の首に白刄を擬せらるゝにひとし、敢然として排すべし。迷ふべからず。六四、得意先が銀行員に對し、一晩の饗應はなすことありとも、よもや一生涯の饗應はなさゞ七七 七八るべし。六五、頻繁に銀行を訪ふて貸出を强要するもの、又は私宅をたづねて借入を依賴するものは、必ずや後患を殘す。六六、其の店を主とせず、人を追ふて轉輾、貸付取引の隨伴するものは、必ず情實の纏綿するものなり。六七、多年恩誼を受けたる銀行に損害を釀し、尙又自分の生涯を犠牲に供してまで、何が故に一商人、或は一友人を庇護するの要ありや、と問はざるを得ざる場合あるべし。即ち一步の過ち、一時の迷ひは、實に恐るべき結果を生ず。宜しく自分の精神を不動の主座に安置すべし。六八、四十歲、五十歲の行員にして、一日も缺勤せずと云ふ謂れなし、是等の皆勤者には寧ろ注意すべしと云ふ說あり。六九、自分の責任を回避せんが爲め、得意先に合法的犯則智識を與ふるが如きは、其の罪や大なり。是れ己れを欺き、人を欺くものにして、必ず暴露せずと云ふことなし。七〇、支店の缺損は、本店に對し、匿し事をなしたるより大なるはなし。是れ軈て恐るべき大惡生まる。七一、匿す人は、日々に自分の銀行より遠ざかりて他人となる。七二、某得意先は曰く「銀行の當事者が匿しごとを爲すの弱點を生ずるに至らば、誘惑は手の中のものなり」と。恐るべし、恐るべし。七三、人は何等かの弱點を持つときは、禍必ず是れより生ず、殊に貸金營業たる銀行業者に於て、その點最も戒愼を要す。七四、眞に自身を愛する者は、皎々たる明月の天空に懸るが如く、玲瓏透徹の所業を爲すことを要す。我が心に私あるときは、他人を疑ふ。大信大行の眞實よりして花は咲く。七五、凡そ貸出の損失は、擔保の有無を問はず、調査の疎漏に依ること少からずと雖、更に大なる原因は、情實に覊束せらるゝこと、及び眼前の利慾に眩惑せらるゝこと是なり。實に恐れて懼れざるべからず。七六、融資に一點の情實なく、明鏡に照らして一點曇りなしとせば、恐らく損失を招かざるべく假令回收困難なることありとするも、亦自ら解決の方法あるべし、斷じて之が爲めに銀行の基礎を侵すことなし。故に愼むべきは情實、誘惑、因緣の三者是れなり。七七、若し義理合の爲め、岐路に迷ふときあらば、飜然、己れを空しうして冷靜に判斷せよ。七八、更に大難に遭遇しては、斷乎として職を賭さば、其の身は旣に高處に在り。茲に黎明あり勇氣百倍し、始めて正道に善處するを得べし。七九、銀行が擔保九掛乃至九掛半となり增擔保出來ざる場合、之を處分すれば本人も銀行も助かること請合なり、而かも之を處分する能はざれば、遂に一割切込み二割切込みても處分し難きは、寧ろ常態なりと云ふべし。八〇、貸出の回收困難に陷りたるときは、徒らに周章狼狽せず、心を平かにして、靜に之が對策を講ずべし。苦心慘憺は可なり、徒らに自失すること勿れ。七九 八〇八一、世には己れ目前の地位を維持せんが爲めに、枉げて壓迫的魔手に罹ることあり。危險と云ふべし。八二、茲に於て學識手腕は第二となり、法律規則も亦末となる。只根本問題は精神の純眞に在り、意志の鞏固に在り。要するに誠實にして常識の判斷を過つなからんことを以て、第一要義となす。八三、殊に社會の組織信用確實ならず、却つて譎詐誘惑多き今日の實狀に於ては、縱令自分に不純の意志なしとするも、一層牢固不拔の精神を以て事に當らざるべからず。八四、旣に世に定評ある札附人物、又は一種の醜團的系統あるもの、或は常に暗黑の裏面に策動するものには、斷然遠ざかるを以て安全なりとす。固より彼等の誹謗迫害は、之を大處より觀れば何等意とするに足らず。八五、眞實に外部を警戒し、眞實に調査せるものには過少く、之に反し內外相通ずる貸金は頗る危險なり。故に餘り外交の巧なる、氣の利き過ぎたる係員には注意すべし、是れ獨り銀行のみの實驗にあらざるなり。八六、或る不正對策十則を見るに左の如し。一、關係する人多數なる事務は、不正成り難し。二、一事務を管掌すること永きに渉るときは、惡事成り易し。三、現金の不正は保管の不備に始まり、嚴密なる檢査に終る。帳簿上の不正は、レビユーの懈怠に始まり、精確なる決算に終る。四、一事務を自己のみにて完了し得る場合には、往々惡事を誘ふ。五、信賴するも監督を怠るべからず。六、不正の豫防は、家庭の調査を第一とし、不正の發見は、素行の調査を近路とす。七、犯人の數は、犯人の學問の程度に逆比例す。八、橫の檢査、縱の檢査。九、重役及び支配人の人格が、總ての根源。+、上役に秘したる行爲は、事の大小を問はず、嚴重に處罰すべし。八七、總て貸出金は、必ず當座勘定に振替ふべく、決して現金にて直拂をなすべからず。是れ實驗の〓ふる所なり。八八、貸金も預金と同じく、勘定臺の窓口に於て取扱ひたるものは、公明にして故障なし。八九、或る時は特殊の目的の爲めに、不相應なる貸出を慫通しながら、或る時は急遽之が回收を迫る。かくの如きは取引先をして、銀行の政策上の犠牲たらしむるものなり。九〇、銀行家は輕擧、又は俠氣を揮ふべからず。蠻勇も不可なれば遲疑も亦不可なり。宜しく重厚の實あるべし。九一、從來の債權が可愛さに追貸を爲し、知らず識らず深淵に陷る場合少しとせず。局に當るもの深く考慮を盡し、禍根深からざるに當り、英斷を要す。內部關係の貸出の如き殊に然り。九二、何人も初より無謀なる貸出を爲すものにあらず、一歩の誤りが千里の差を生ずるなり。八一 八二借主も亦初より惡人にあらず、只小人窮すれば亂するの例に陷るのみ。故に曰く「借る時の心で返せ時雨傘」、「終を愼むこと始の如し」と、又曰く「始あり終あり」と九三、凡そ貸金を爲すは易く、之を回收するは難し。更に中途絕緣を決行すること、若くは損失に執著なく、思ひ切つて之を棄つることは、正に生死浮沈の岐るゝ處にして、其の判斷は一層難しとする所なり。茲に初めて老練なる銀行家の手腕を必要とす。九四、貸出に關し何等かの不安を感ぜし時と雖、債務者並に擔保に對し尙進むで之を生かすべき乎將又退いて之を回收す可き乎は其の場合と人とに見て活殺自ら道あり、最も愼重に然も何れか果斷なる決心を要す。九五、個人としての銀行家は謙讓溫順なれ、職務に對しては須らく勇敢にして、事を斷ずるに躊躇すること勿れ。九六、不謹愼なる經營、又は手形の濫發、或は自己振出の小切手を、絕えず甲乙銀行へ交互に入金し、又は他人との書合手形を以てする等の遣り繰りをなし、其の他誠意を缺き、自己を愛せず、却つて自己を破る者に對しては、銀行の自衞と眞面目なる取引先の擁護上、之を處理するに斟酌するの要なし。但彼等の多くは、己れを咎めず、人を怨むの癖あるものと知るべし。九七、取引の判斷は內的精査と、高處よりの大觀とに依れ。此の二方法を併用せば、恐らく中庸を得て大過なかるべし。猶物體が求心力と遠心力とに依りて中心を保つが如し。須らく楯の兩面を見るべし。九八、係員は、成るべく詳細なる數字等の基礎調査を提供し、而して上役は之を參考となすも、決して之に囚はるゝことなく、更に大處よりして、觀察し且つ之を主義方針に照らし、兩々相待つて、公正なる最後の判斷を下すを要す。九九、他人に對する世評は、たとへ商賣敵の言葉なりとて、一蹴に附せず、さらに深く細審せよ、得る處あるを常とす。「火の無き所に烟起らず」。一〇〇、多年に亙り兎角の風評ある人には、豫め遠ざかるを安全なりとす。この種の人には必ず何等かの事情が潜伏し、何時かは暴露する運命にあるものなり。人を使ふ場合亦同じ。一〇一、世に暗示なるものあり、靈威と云ひ、豫感とも云ふ。銀行家は平常之に注意し、其の活用を忽せにすべからず、必ずや得る處多し。一〇二、凡そ判斷は第一閃の直感を正しとす。再三の懇請に依りて、第一印象を變更することは、多くは失敗の結果を招く。一〇三、直覺は修練の賜にして、平素に〓究の準備あればこそ、猶名醫が患者を一見して、其の病根を知るが如し。一〇四、第六感を機敏に活動せしめよ、而して勇敢に活用せよ。一〇五、貸出拒絕等、最初の喧嘩は小事にして足る。若し直感に反し、或は情誼に絆されんか、他日の喧嘩は大にして、恨を受くること重く、紛爭は長日月に亙り、尙且つ損失する處少からず。心配と時間の空費とは、想像の上に出でん。一〇六、商人の財政上行詰るや、多くは百方遣り繰算段は勿論、更に僞造、詐欺、瞞著等至らざ八三 八四るなく、其の極、出奔して姿を晦ますものあり。故に、今日の破產財產を、數年前までのものに比すれば、寔に僅少にして其の配當は殆んど云ふに足らず、是れ義務觀念の頽廢せるを雄辯に物語るものにして、年を逐ふて益々其の甚だしきを見る。之を外國の實情に見るに、破產の場合と雖、大抵八割配當を爲すを以て通例とせりと。其の眞摯振の如何に差異あるかを知るに足る。一〇七、自行の重役及び行員、若くは其の代理者と認むる者には、貸金を爲すべからず。同時に他の銀行會社員にも、貸金を爲さゞるを原則とすべし。既に經驗上、相當の困難を感じたる實例、多々あるべし。一〇八、他會社の重役に、其の重役の經營せる會社株劵を、餘り多く擔保として、貸金を爲すべからず。即ち重役と會社とは同一體にして、榮枯盛衰を共にするが故に、萬一擔保の實價を失ひ、之が處分を爲さんとするにあたり、重役個人の資產も亦その損害を償ひ得ざる場合多し。又往々にして株價維持の買占買煽あり、注意すべし。近時各事業會社の傍系として、證劵會社の設置せらるゝ傾向あり。是れ亦大いに考査せざるべからず。一〇九、小商工業者に對し、信用融資の便を與ふるには、利息の外に調査費の名目によりて手數料を徴し、よつて此の種の貸倒れを償ふ調節の料、換言すれば相互保險料に充つる貸出方法もありと云へり。なほ〓究の餘地あるべし。一一〇、中小商工業者なりとて、必ずしも其の手形は不良なりと云ふを得ず。手形金額の大小と手形の良不良とは同意味にあらず。一一一、米國にては、千圓以下を專門とする貸出銀行あり。又シチー銀行は五千圓以下の貸出部を開始せり。一一二、外國にては、金融上に即して、保險事業の活動せるもの多し。我國にても信用調査の責任と、保證責任とを兼ねたるもの、例へば興信保險會社の如きもの、其の他金融界に活動する各種の保險會社を設立するの必要あるべし。一一三、小商工業者に對する貸出は、割合に危險少しと云ふ說あり、恐らく損害小なりとの意なるべし。但是等は組合を設け、連帶責任に依り、金融の途を講ずるを以て、適當の方法なりとす。此の趣旨より云はゞ、先づ以て其の同業者の有力者若くは先輩者が、進んで是等小商工業者を援助する精神を實にすること先決問題なり。既に同業者間に於て相信ぜざる者を、强ひて銀行に信ぜよと云ふは矛盾の極なり。一一四、今や中小商工業者の資金難を訴ふる聲漸く喧し。併し從來、分不相應なる融通を受け來りたるに馴れたる觀なきか、此の點も充分考慮して聞かざるべからず。故に單に救ひを金融にのみ依賴せず、宜しく其の本體自身に向つて〓究するの要あり。更に人口過剩問題にも觸るゝの要あるべし。一一五、小口貸付は、一名人格貸付とも云へるが、果して各自ら人格を尊重し居れるや。又金融業者は果して安心の程度まで、是等の人格を認め得るや否や。一一六、獨り中小商工業者に限らず、借りたる金は必ず返濟する道德觀念は、總てを解決するの前提たり。若し此の前提を忘れんか、最早萬事休するの外なく、如何なる名論卓說も何八五 八六等實際に即する作用を爲すに足らざるなり。一一七、我國には、中小商人、特に小賣業者に對し、賣掛金の換金を迅速ならしむる特殊機關なきを遺憾とす。一一八、銀行に整理課を設けるか、或は別途の會社を作り、回收困難と認めたる債權は悉く之に移し、以て本業活動部をして足手纏ひなからしむるも一方法なりとす。一一九、統計を明かにし、又貸出報告及び爲替勘定等を迅速且つ明確に爲すものは、內部の秩序整然たることを示すものなり。一二〇、今や銀行に限らず、一般諸會社もまた營利主義を一變して、經營主義を高唱するに至れ50是れ目前の利益と、永遠の利益とに關し目覺めたる證左なり。一二一、我が商人が、夜店商人にひとしく、其の場限りの商ひを爲し、永遠の繁盛策に出でざるものあるは遺憾なり。是れ外國商人と全く觀念を異にする所なり。一二二、我が商品には基礎なしとの非難あるは、蓋し根幹に意を注がず、萬事淺薄なる觀念より發する禍なるべし。一二三、銀行との取引振に於ても、此の觀念よりして銀行に迷惑を及ぼすこと少しとせず。是れ獨り個人のためのみと云はず、國家の將來の爲め、一致して大いに戒め、大いに改善せざるべからず。一二四、外國にては、一度び信を銀行に失はんか、其の人は再び世に浮ぶ瀨なし。我國にてもまた注意人物と認むべきものは、同業者間にて脈絡を通じ、之を遠ざくること必要なり。一二五、無配當の會社、甚しきは半成狀態の會社にして、尙且つ借入金を强請するあり、又長期にして且つ多額なる無擔保社債を濫發するあり、銀行業者たるもの宜しく善導すべきな50償還の資源確立せずして、社債を不相應に發行することは、將來の禍根にして、自他共に注意するを要す。一二六、外國にては社債は悉く擔保付にして、且つ必ず減債基金積立の伴ふあり。一二七、社債發行額に對しては法定の制限あるも、其他の借入金に對しては制限なく、恰も頭隱して尻隱さずの觀あり、危險是より生ず。一二八、會社にても個人にても、今日の弊は、自分の力以上の借入金あること是なり。固より一定の標準なきも、社債、借入金を通じて、資產の半額以內とせば蓋し過ちなからんか。一二九、借金の少なきものは、縱令不景氣時代に遭遇するも、自ら速かに立直ることを得べし。一三〇、我國の現狀は、己れの身長以上の借金を有し、獨り步きの出來ざるもの比々皆然り。一三一、從來の多くは借入金を成る可く多くなすを以て、腕利きの人とせり。英國にては資產の半額を以て營業資金に充つるが故に、基礎極めて堅實なり。一三二、外國にては、先方より「バランスシート」を提出せざれば、貸出を爲さゞるを普通とせり一三三、曾て大正十年、東西組合銀行の決議したる左の二項は、今猶實行し居れるや、又其の成績如何。一、取引先より、貸借對照表其の他、必要なる書類を徵求するの件。八七 八八二、約束手形及び爲替手形の支拂場所に、銀行を指定したる場合、通知を求むるの件。一三四、貸借對照表提出の實行せられざる所以は、蓋し信賴するに足る報〓書は之を求めて得べからざること其の一因たるべし。若し新銀行法に依る銀行報〓書の如きものを得んか、其の實益多大なるものあらん。先づ諸會社に對しても同樣、嚴重なる取締をなすを要す。敢て主務省の考慮を望む。一三五、世に事業の合理化を唱ふるものあるも、先づ以て決算の合理化を望んで止まず。一三六、米國にては虛僞の營業報告を爲さんか、刑事以上に社會の嚴しき制裁を受く。一三七、外國にては、報告書の正確なるは勿論、且つ會計士の調査あり、其の會計士は會社自ら傭ふもの、大株主團にて傭ふもの、株式取引所にて傭ふもの、債權者にて傭ふもの等あり而して會計士其の人は絕對信賴を措くに足る人物なること、論ずるの要なし。一三八、會計士は、英國及び我國に於ては、計數の正否及び實體の眞僞は調査するも、其の內容に立入りて適否を證明するの責任を有せず。是等に對しては、別に權威ある機關を設くる必要あるべし。一三九、多數銀行聯合して、貸出を爲すことは一利一害あり。又多數保證人の下に貸出を爲すときは、自然責任の讓合となるが故に不可なり。或は曰く、保證人を要する程の先へは、最初より貸出さゞるの安全、且つ無故障なるに如かずと。是にも實際上の眞理ありと謂ふべし。一四〇、近頃の銀行は、餘りに勉强に過ぎ、貸出方の簡易輕便、其の度を過ぐる弊なきか。辛苦の結晶たる他人の金錢を預託せられ、重大なる責任を負ふに拘らず、放資の取扱振り餘りに輕々しからずや。銀行たるもの、須らく愼重に調査を盡し、又申込者も豫め計畫準備するの要あるべし、貸出の易きに失するは畢竟、危險に導くものたり。英米に於ては借入の申込を爲すには、多くは三日前を以てするを通例とすと。一四一、或者は平素、銀行が原則に外るゝ營業振をなすを歡迎しながら、一朝事あれば其の放漫を責むるのみならず、却つて自己もそのため破滅せるが如く訴ふる者あり。矛盾勝手も亦甚しと云ふべし。銀行業者は自信に遵ひ、儼乎として世の毀譽褒貶に迷ふべからず。軌道を外るゝものは必ず〓覆す。一四二、銀行從業員は、顧客より寧ろ融通利かずとて、非難せらるゝ位にて可なり。若し之に反し、好評讃辭を受くるに於ては、其の蔭に回收不能の分子を釀成しつゝある實例乏しからず。又曰く、支店長にても、他より褒めらるゝに至らば、其の時は宜しく更迭せしむべき時期なりと。蓋し悉く然らざるも、亦以て箴言と爲すに足る。一四三、或人曰く、得意先に對し、便宜を供し能く勉强せりとの評ある銀行は、多くは休業するに至れりと。聊か皮肉の觀なきにあらざるも穿ち得て妙なり。是れ勉强の履き違ひなる證左なり、銀行も顧客も共に味ふべき言と云ふべし。一四四、銀行は貸出の求めに應ずれば謳歌せられ、若し之を拒否せば忽ち惡聲に包まるゝを常例とす。銀行は是等に頓著せず、宜しく預金者より稱讃を受くるに至らんことを要す。一四五、西哲曰く「銀行は產業の援助を圖るよりも、社會民衆の預金保護を以て第一任務とす」八九 九〇と。是は極端なる例なるも、曾て我國名譽職の或者は曰く「己れに融通を與へざる銀行は宜しく排斥すべし」と。以て彼我觀念の相違せるを見るべし。一四六、銀行の資金を貸出すと否とは、固より銀行の方針に據るべきも、假に融通を拒絕したる場合と雖、出來得る丈け之に助言して、同情と好意とを寄するの雅量あるを要す。一四七、或る一方に偏重の貸出は愼むべし。一家にも盛衰あるが如く、事業にも盛衰あるを免れず。何事も穩健中庸を忘るべからず。一四八、大銀行の地方支店進出が地方の金融を涸渇せしむるが如く說くは皮相の空論のみ。具體的に如何なる事業、如何なる者に金融せざるかを指摘して然る後に非難すべき處ありや否やを示せ。一四九、世は若竹のひとさかり、有爲轉變は世の習ひにして、古往今來の差別なきも、今時の變遷は急にして三代目の書く唐樣を待たず、早くも一代目又は二代目が成金の標本として沒落するもの少からず、實は世は超高速度の進展を爲し、今や飛行機、ラヂオ、テレビジヨンの時代と化せり。努々油斷あるべからず。一五〇、初代の堅氣なるに反し、二代目にして家を守るに忠實ならざる「ハイカラ」者あり、注意すべし。一五一、顧客に對しては充分、懇切と便利とを供し、好感を失はざるを要すと雖も、同時に又、顧客の言ふが儘に屈從すべからず。一五二、貸金を圓滿に、怒らさずに拒絕し得るに至らば、一人前の銀行家なりと云へり。一五三、貸出は資金運轉の意味の外に、一面預金の擔保たるが故に、貸出の申込來らば、精細に吟味するを以て、預金保護の良策なりとす。一五四、借金は不愉快のものなり、絕えず氣に懸り、頭を押へらるゝ心地をなす、斷じて借金すべからずと說くものあり。又借金は排すべきものに非ず、之あるが爲めに、之を濟し崩す目的を以て、發奮努力し、人一倍の勤勞となり、義務を果し、光明ある生活に入るを得べしといふものあり。一五五、獨り銀行と云はず、會社も個人も、單なる借金政策は固より禁物なり、借入は意義あり、計畫あるものたらざるべからず。而して借金を隱すは借金を增すものなり。小善を笑ふものは小惡を積む人なり。一五六、此處彼處、多方面に涉り、多額の借入を爲す先は、往々にして義務の觀念なく、時に自暴自棄に陷る節多し、戒むべきなり。一五七、監督官廳が銀行を檢査すると同じく、會社をも檢査することにせざれば、其の害銀行に及ぶと。蓋し假裝資產を以て、銀行を欺瞞するもの多きを云ふなり。一五八、不動產に放資の止むなき場合と雖、定期貸にて、其の期限に一時に返金することは殆ど實行されず。即ち膠著して動かざるなり。借手も之を賣却せざる限り、容易に金の廻るものに非ず。隨つて勸業銀行、農工銀行の如き、六ケ月毎に元利崩濟の方法の如きが最も適當なりと思はる。尤も崩濟を實行せざるときは、次ぎに〓〓時效到來の煩あり。一五九、不動產抵當を登記せずして、見返とすることあり、其の不可なるは勿論、登記すると否九一 九二とに拘らず、銀行が一度び不動產に關係せんか、結局は流込みとなることを覺悟せざるべからず。一六〇、不動產抵當に對しては、有價證劵に對すると同じく、時々評價を試むること必要なり。兎角不動產に對しては、價格据置きの習慣的觀念あるを免れず。一六一、工場を抵當として貸出すことは、勞働者騒ぎ頻出する際、大いに考へものなり。一六二、抑々勞資協調の必要ある時代に、却つて相反目し、且つ其の爭議の埓を越えて暴動するに於ては、債權者たるもの晏如たる能はず。一六三、多額の當座貸越を爲すは不可なり。又多額の當座貸越契約を爲し置くは片務的となり、取引者に便利なる反面、銀行側に於ては金融緊縮するか、或は恐慌に際會する每に、大いに苦難の場合を生ずべし。資金の準備及び運轉上、極めて不利不安なり。殊に同業者に對しては、成るべく之を避くるの要あり。又不動產を以て契約するが如きは論外なり。更に常時若くは突然、過振を爲すものには警戒すべし。一六四、凡そ破綻に際しては、一時過振と書合手形とは其の前驅たり、暴風の將に襲はんとするや、必ず不當過振なる警戒の信號、頻々として現はる。一六五、當座過振の債權は、訴訟上先づ以て之が確認を要する等、事頗る面倒に渉るを以て、貸越は成るべく之を避け、手形貸付に依るを可とす。一六六、契約極度外、又は無契約の當座貸越取組、一時過振に就ては、直接の當事者が、意志堅固に且つ愼重に取扱はざるべからず。支店の如き、貸出は一定額まで支店長に權限を與ヘ、其れ以上は本店に申請せしめ、本店に於ては愼重審議するにも拘らず、一時過振に就ては支店長のみの裁量に依り、多額の便宜を供せること往々あり。監督も規程も、全く沒意義となる。勿論かゝる過振は一時的にして終らざるものなり。金額及び期限に無制限となりやすく、自然返濟の觀念薄らぎ、恐るべき結果をまねく。一六七、平素良好なる取引先にして、時に過振を爲すは已むを得ずとするも、過振の常習あるもの、又は過振の日を逐ふて嵩むものにして、容易に入金の見込なきものあり、而して遂には不動產の書入となり、更に流込みとなる。愼むべく、恐るべきは實に最初の過振に在り。一六八、過振にも二種あり。一は入金の目的あるも、期日其の他の都合ありて、一時繰替拂を爲すの要あるものと、一は支拂の行詰りに因る過振とあり。局に當るもの其の甄別を忽にすべからず。一六九、過振には兎もすれば取扱者が、自分の社長、主人に對し內密に附し何等かの遺繰の用に供する場合ありて、社長、主人よりして逆に、銀行に不都合を談ぜらるゝことあり。一七〇、從來の貸越を生かさんが爲め、次ぎ〓〓に、廻り來る貸越を引受け益々損失を增大せしむるは、全く素人の遣り方にして、斷じて不可なり。手形の返付は左程遠慮すべきものにあらず、寧ろ先方を覺醒せしむる上に、大なる效力あるものなり。當事者たるもの實戰に臨んでは、平素の完成せる修養の力に依り、乾坤一擲唯「斷」あるのみ。一七一、當座貸越には、往々自己振出小切手、又は書合小切手を以て一時入金し、形式的に其の九三 九四帳尻の跋を合すものあり、宜しく精神的に眞の取扱を爲さゞるべからず。一七二、手形交換持出後に、他店手形を入金し、當日交換より廻り來りたる自己手形の決濟資金に充てんとする所謂、他店劵立替拂を爲さしめんとする取引先には、深く警戒を要すべく殊に況んや自己振出の他店宛小切手を以て、入金を爲すものは、須らく取引を拒絕すべし。是等の取引者は危險こそあれ、將來何等の利益なし。一七三、特に經驗の信念を以て重ねて云ふ、約定極度外押付的の貸越は、銀行の禍根にして又支配人の禍根たり。「斷」の一字を以て速に絕緣するにあらざれば禍必ず身に及ぶ。恐れざるべからず。一七四、出納係には、故意に作成せる手形、或は類似の證憑等を以て現金と見做し、或は故意に手許に保留する等、往々隱蔽的行爲の潜むことあり。宜しく檢査監督を怠るべからず。一七五、又支店に於て、往々本店の目を掠めんが爲め、種々なる糊塗小刀細工を弄し、遂には共に不測の大禍に陷ることあり。愼まざるべからず。一七六、或は同一人の取引を、異名を以て別口座を設くることあり。嚴に監視するの要あり。一七七、縱令、得意先の爲めにして、己れに惡意なしとするも、最初の一事の匿し事は、遂には增大して深みに陷り、拔差ならざることあり。故に意志の弱き者は銀行に取りて危險なり一七八、元來失敗は制度の不備、監督の不行屆と云はんよりも、當事者の性癖の缺點に原因すること多きを以て、上長に於て深く此の點を監察せざるべからず。又本人に於ても、常に自己の缺點を反省し、自愛自重せんことを望む。一七九、我銀行は取引先を選擇しあるが故に、過振をなすものなく、隨つて小切手の不渡となるもの皆無なりとの確信なかるべからず。是れ我銀行の信用を保つ所以にして、又一般取引の安全を期するものと云ふべし。一八〇、佛國には手形交換所なし、蓋し佛國の法律は不渡手形を出したる者を刑罰に處するが故に、從つて手形が專ら現金取引主義に移りたるなり。一八一、先日付小切手を發行することは、取引者の最も自覺反省せざるべからざる問題たり。一八二、多額の貸越には、眞實に利息を收入せざる場合多し、即ち振替勘定なるが故に、利息收入の爲め貸增のことゝなる。是亦蛸配の因を爲すものなり。一八三、當座貸越の、常に使用勝にして預け越に變化せざるものは特に注意の要あり。蓋し是等の多くは金融上は勿論、其の營業自體に於ても、亦睡眠的又は固著的狀態にあるものと知るべし。一八四、借越を先に爲し、然る後に割引を依賴して、之を補塡せんとする常習者は危險なり。特に注意を拂ふの要あり。一八五、定期預金を爲さば、倍額の貸越を爲すべしとて勸誘を爲すものあり。謬れるも甚しと云ふべし。一八六、取引を勸誘するに方り、先づ信用貸越、又は融通手形の取組の要求を受くることあり、是等の多くは將來、良好なる取引者とならざるものなりと知るべし。九五 九六一八七、預金を四とし、貸出を求め來るものあり。是等に對しては、大いに注意を拂ふの要あり。一八八、貸出と對等の預金を爲す者を紹介するを條件として、自分の貸出を求め來るものあるも、輕々に此の手に乘るべからず。終りは不良貸出のみ殘存することゝなる。一八九、一方に相當の割引手形、又は信用貸付あるに拘らず、他方に多額の當座預金を存するものあり。是れ一の曲者にして、此の手に罹りて禍害を受けたる類例少しとせず。一九〇、初より不純矛盾の潜在せるものは、何時かは必ず災厄を招くものなり。總ての事業に於ても亦然り。一九一、元來地方には金を預くる人と借る人とは全く別人なり。而して融通を歡迎し又は强要する人は他日返濟の義務を盡さゞる人多し。況んや此の間政黨の關係を生ぜば蓋し其の弊一層大なるものあらん、宜しく本然に立返りて戒愼すべきことなり。第十章手形、小切手、爲替一、單名手形は成るべく制限すべし。少くとも他より單名手形を買ふべからず。「ビルブローカー」等をして、漫りに單名手形を持ち廻らしむるは弊害伴ふ。ニ同じ單名手形にしても、取引先より直接融通を求むるものと、「ブローカー」を經るものとは、大いに其の取扱及び觀念を異にす。故に後者の如きは、危險に遭遇する場合多きは事實なり。ニ、「プローカー」の持ち廻る融通手形と、「コール」とは、觀念を混同すべからず。四、單名手形、及び「コール」の融通の得易きに馴れて、是等の資金を事業の經營、または擴張に充つるものは、一朝事あるの日、必ず大なる苦痛に當面せん。五、「ブローカー」の旣往は、金融を謀る效、多大なりしと同時に、埓外に馳せたる弊、亦多きを遺憾とす。追て斯業に對する特別法令の制定あるべきを期す。六、「ブローカー」は銀行と異り、大體に一時的責任に過ぎざるが爲め、取扱分量の多からんことに趁り、愼重を缺く弊に陷り易し。敢て自我の信用を維持する爲め、切に自重を望む所なり。七、或は有力なる銀行共同の下に「プローカー」を營むときは、堅實にして金融に效果大なるべしと說くものあり。往時は銀行が、毎日會合して利率を定め、互に取引を行ひたる例ありたり。九七 九八ハ「プローカー」は決して自己取引をなす勿れ、所謂文字通り必ず正直の途に出づべし。九、單名手形と雖、商品仕入季節の一時的都合に依るもの、又は使途及び返濟方法の明確なるものに就ては、相當の便宜を圖るを妨げず。尤も相手方が、最初の言明通り、實行するや否やは、爾後の信用の岐るゝ所なり。-0,商賣には季節によつて、資金需要の繁閑あるべき道理なり、然るに不斷の融通を迫るあらば、その人には、既に何等かの事故の伏在するものと推定して誤なし。二、單名手形の將來は、外國に於ける如く、手形引受會社に於て引受を爲し、之を銀行にて割引することゝせば、流通と調査とに新生面を開くを得べし。然るときは、是等の手形も當然、日本銀行に於て、再割引の途を開かるゝに至るべし。三、相互に宛てたる交換的手形は、假令商取引に出でたるものとしても、絕對に取組まざること極めて肝要なり。又是等の書合手形、或は盥廻し手形を使用する先には、斷然取引を拒絕すべし。ニ、、手形及び小切手の入金、又は支拂の徑路に就きては、常に仔細に注意すべし。必ずや其の遺り繰りを看破するを得べし。是には出納掛、手形掛、預金掛、貸付掛の聯絡を必要なりとす。一四、同一商品を、仲間內に授受轉輾して、手形を濫發し、之を商業手形なりとして、融通の具に供するものあり。又再三繼續したるものを、依然活きたる商業手形扱となすものあ50最も判斷に苦しむものは、品物引渡前の手形前渡し是なり。故に能く〓〓實況を調査し、嚴に甄別せざるべからず。一三、商業手形とは、云ふまでもなく、現實商品の賣買に基く信用手形にして、手形の裏面には必ず商品の存在なかるべからず。即ち商品と手形、手形と商品との動きなり。故に手形の支拂期日は、其の商品の賣買轉輾、又は資金化すべき相當の期間を見込みたるものにして、其の決濟は眞正にして且つ有力確實なるべきものなり。英米にては、此の種類を指してSelf-liquidating Powerを有する手形と云へり。一六、原料に加工を受負はす場合はその工賃のみを支拂へばよきに、先方より一旦原料生地代の手形を受取り、代りに原料生地代に加工賃を加へたる手形を交付するものあり注意を要す。一、、縱令商業手形と雖、本家分家と同性質なる特別因緣の間柄に生じたるものは、必ずしも歡迎し難し、會社に就ても同一系統間のもの亦然り。一、商業手形に潜む融通手形、及び不良手形、若くは同一系統の變裝分割手形は、斷じて排除すべし。手形の嚴選は、獨り銀行の自衞に止らず、結局、取引先を堅實に導く所以たり。一九、平素商業手形を取扱ふ內に、靜かに其の動きを注視し、且つ同時に當座勘定の出入の內容を併せ考察するときは、必ず茲に一種の不審を感ずることあるべし。若し此の不審を生じなば、猶豫なく之が回避の對策を講ずべし。二〇、適確なる診察に依らざるも、大抵は此の傍診に依りて、其の病人たるや否やを知り得べし。是れ興信所の調査に現れざる反射鏡なり。九九 一〇〇二一、今日世に流通する商業手形なりと稱するものゝ內、果して眞正なるもの幾何あるやに想到せば、寧ろ慄然たるべし。二二、所謂、一般に唱ふる商業手形なるものが、難なく割引せられ、又期日に難なく支拂はるるものならば、勿論議論なかるべきも、元來手形の便利なるものを、却つて惡用するものあるが故に、危險を孕み、破滅の基となる。二三、故に自然の進運に伴はず、目立ちて手形の割引を擴大し、以て商業を膨脹せしむるの策に出づるものと感じたるときは、決して之に接近せず、宜しく警戒を加ふべし。二四、斯かる商人は、人一倍の敏腕家には相違なきも、無謀の性質を帶ぶるものにして、到底健全なる發達を爲し、其の終りを全うするものにあらず。他日噬臍の悔あるや必せり。二五、手形の振出及び割引の盛んなるもの、必ずしも外觀に映ずるが如き商賣の盛んなるものにあらず。其の內面に必ず遣り繰りの潜在せることは、實驗上爭ふの餘地なしと謂ふべし。二六、自己營業の手形を振り廻しの爲め、專屬「ブローカー」を使用するものは注意すべし。二七、又遣り繰り方法として、自家系統の諸會社を假設し、巧みに彼是手形の振出、及び裏書の惡用を爲したる實例乏しからず。而して是等の手段は、多數の銀行と取引することに依りて行はる。二八、割引手形中、略同一金額の手形を、事實繼續的に持參するもの、支拂期日に於て手形交換所を經由せしめず、直拂に來るもの、又は他所拂のものにして、依賴地に於て支拂を爲し、若くは依賴人より他所支拂人に資金を送付する場合は、何等か裏面に潜在せる事情あるものにして、總て融通手形と見て可なり。二九、今此の割引を爲さゞれば、今日廻り來るべき支拂に支障ありとて、毛拔合せの際どき遺り繰りに强要せらるゝの痛目に遭遇することあり。斯かる取引は須らく速に遠ざかるべし。三〇、商賣人の手形が、高利貸の手に渡りたるとき、又は高利貸の小切手を入金に來りたるときは、銀行は直ちに警戒すべし。三一、金貸業者の依賴する手形は、無論商業手形と認むべからざるのみならず、其の手形の署名者中、相當の資產家の名あるときは安心すべからず。寧ろ疑を以て視るべきものなり。三二、從來の書合手形は、多くは双方同一地に於て行はれたるも、近時は遠隔の地に在るものとの間にも行はるゝに至り、而も其の金額少額なるものあり。注意すべきことなり。三三、商人が破綻するに際し、今日まで商業手形として取組みたるものは、悉く融通手形なることを發見し、または眞の商業手形にしても、繼續的の支拂不能性手形たることを發見し、呆然たることあるべし。銀行もまた自己の調査及び注意の足らざりしことを省み、忸怩たる場合多からん。三四、空手形を發見したるときは、殆んど藷蔓的に各所に關聯して、影響する實例多し。三五、怪しと思へば手形の各振出人を一々往訪し裏書人との商關係を親しく聞くべし、思ひ半ばに過ぎる事あるべし。三六、相當名ある人の手形、資產家及び名望家の子息の振出したる手形、又は相當信用ある會一〇一 一〇一社の株劵及び社債を以て、金策を求むるも、風來的の臭みあるものには、斷然觸るゝなかれ。是れ怪しむべきものゝ伏在することあればなり。三七、手形の署名者中に、妙なる名前の人ありと氣付きたるときは、其の手形は回避すべし。亦證明付手形の轉輾せらるゝ場合も同じ。三八、支拂人の資產狀態を取調ぶるの外、先づ第一に取組依賴人、即ち取引先の恒產あり、恒心ある安全のものを擇むこと、極めて緊要なりとす。三九、常に支拂人の印鑑を徵し置くは勿論、支拂人を訪問することは、融通手形と商業手形との區別を知るに便なることあり、其の他信用取調上得る處多し。四〇、手形割引依賴人にせよ、又支拂人にせよ、本人は銀行に來らず、銀行も亦本人に面會したることなきことあり。不思議と云ふべし。四一、而も或る場合には、主人が不知と稱し責任回避を爲すことあり。又或る時は銀行が念を押したる爲め、却つて主人の逆鱗に觸るゝことあり。銀行も夫れ難いかな。四二、現今銀行の行詰りは、不動產貸と融通手形の過多とに依るもの多し、殊に是等は情實に依るもの少しとせず。既に一度び情實に依らんか、最早何等の調査も要せず、日々深みに進む外なきなり。四三、商業手形の割引に際しては、支拂人及依賴人の環境、人物、信用、資產を併觀するは勿論なるも、資產の點に於て、餘りに正味身代の數字を重要視する嫌なきにあらず、固より正味身代は輕視するを許さゞるも、一面には其の人の金繰狀態如何を察すること必要なり。四四、如何なる大商店と雖、物品の良否に依りて其の價を異にす。されば如何に立派なる取引先たりとも、手形の良否に依りて取捨を爲し、又利率を異にするは當然なるべし。四五、商業手形の取組を容易ならしめんが爲め、豫め不動產を見返りとして取得し置くことあり、是等も一の便法なるべし。四六、然れども、其の見返りあるが爲めに、却つて放漫に馴れ、不良手形を取組み、其の結果不動產を銀行に引受けざるを得ざる羽目に陷り易し。此の邊の注意を怠るべからず。四七、往年も其の例のありしが、今次聞く處に依れば、擔保付手形を、擔保品と、手形と、別別に流用したる破綻銀行ありしとか。併し商人に於ても、商品と手形との二重使ひを常套とせるものあり、有名なる某商會の如きは、其の顯著なる一例なり。即ち無より有を生ずる一種の手品にして、最後に行詰ることゝなる。或は曰く、手形に「擔保付」なる文字を挿入するは、是等防禦の一方法なりと。四八、自己商業と同一の商業會社の重役として、同一商品の取引を自ら爲す場合は、假令監査役の承認ありとしても、是等の手形には特に注意する要あり。四や、取引なき先にして、手形の支拂場所に、銀行名を勝手に記入するものは、詐欺の性質を帶ぶ。最も嚴重に制裁を加ふべきものなり。五〇、我國には、輸出手形に對し、スタンプ附手形なるものありたるも、大正九年の反動に伴ひ、爾來殆ど其の跡を沒したり。然れども當時は主として輸入手形引受の失敗にして、一〇三 一〇四スタンプ附手形の失敗にはあらざりしなり。今後之が利用に就て、更に〓究の要あるべし。五一、米國は多くは對內手形なるも、英國は對外手形なり。五二、フオード氏は「腕の利く人とは、手形の手品師を云ふことなり」と喝破せり。五三、爲替取引は、遠隔の地にありて互に事情に通じ難し。殊に主として、取立手形の預け金及び當座振込金、並に其の回收方法に就て注意〓究を要す。又大都市と地方との間に、對等取扱の契約を爲すは、大都市銀行の爲め不利にして、權衡を得ざるべし。五四、當座振込は最近、多くは當方口扱となりたるも、只幾分改善せられたるに止まり、資金返濟には却つて苦痛を增したるのみならず、危險負擔問題は、依然として解決せらるゝに至らず、而もこは根本的改善を要する重要案件なりとす。五五、取立手形は、常に他人の依託物として、幾分、輕く取扱ふ傾あるも、自分のものとして大切に取扱はざれば、重大なる責任を生ずることあり。五六、地方銀行に動搖ある際は、取立手形の取扱に就き苦心少からず。常に問題とする所なり。更に〓究の要あるべし。五七、爲替尻の操縱は、頗る重要なるを以て、取引の實情に通曉したる練達者に擔當せしむるを要す。五八、爲替貸越の危險よりも、代金取立手形を仕向ける方、遙かに不安の場合多し。殊に支店に於ては兎角、本店を賴りとするの傾あり。又變調を察するに敏ならざる不馴れの取扱者ありて、先方の信用を顧慮するの念、往々にして乏しきを免れず。又他店より付替せらるゝ爲め、預け金を增すの危險あり。此の場合は變調の時に多く、爲めに他行の避難場となるの愚に陷る。回收を講ずると共に、答報の發送に對し注意を怠るべからず。五九、外國爲替に在りては、信用狀發行、貨物の期日前引渡、輸出手形の買入、輸出勘定、擔保品の受拂等あるも、要するに與信行爲にして、貸出と同一の注意を要す。一〇五 一〇六第十一章コール取引一、「コールローン」及び同業者間の取引は、總て擔保付を以て原則とすべし。且つ短期を條件とす。然らざれば、一朝事あるに當り、準備たる效用をなすに足らざればなり。ニ各地主要都市に於て、改善の申合を爲し「コール」は擔保付を原則とせるに拘らず、早くも無擔保の例外を濫用すとの噂あり。若し眞なりとせば。「石が流れて木の葉が沈む」ものと云ふべく「パニツク」の苦を忘るゝ甚しきものなり。千丈の堤も蟻の穴より潰ゆ。戒めざるべけんや。ニ、外國にては「コールマネー」は、銀行外の一種の金融團體が、公債賣買、或は商業手形、賣買資金として、極めて短期に使用し、且つ是等を擔保となすが故に、必要に際し、直ちに現金となり、能く支拂準備たるの用を缺くことなし。我國にては「コール」は殆ど銀行間のみの取引にして、且つ無擔保又は長期の場合少からず、追つて「コール」市場の展開を見るに至るべし。四、「コールマネー」を常套とする勿れ。隨つて之を常套事とせる先は、所謂其の日泳ぎの類にして、注意の要あり。五、一銀行として「コールローン」の放出額多きと、取手の一銀行に集中することは、注意すべし。六、「コールマネー」の容易に取組まれ得ることは、或る意味に於ては、營業の變態を奬勵するものと謂ふべきか。又「コール」が再三繼續せらるゝことは、自然營業の堅實を缺くの結果とならずや。英國にては、手許現金の有高如何に拘らず、出し手は一應定日を以て、之を回收するの例なり。七、從來、我國「コール」の弊は、斯かる一時的資金を以て、固定資金若くは投機資金に使用したること是なり。ハ、「コール」は双方確實にさへ善用せば、第二支拂準備資金として、極めて便利かつ有利なるは論を俟たず。た、昭和二年の恐慌に鑑み「コールローン」は活動の範圍を縮少せられたるに依り、今後は眞正なる商業手形を歡迎し、以て資金運轉の圓滑を圖るを要す。一〇七 一〇八第十二章商品擔保一、我國には、少からざる商品あり、又現金拂必ずしも多からず、然るに手形の確實圓滑なる疏通を缺くは、商界の爲め洵に遺憾とする所なり。ニ、商業銀行としては、商品に對する資金供給を主たるものとせざるべからず。隨つて倉庫證券に對する貸付は、最も歡迎すべき筈なり。然るに實際に於て、左の不安と困難あるを遺憾とす。之に對しては道德の進步、及び取扱の改善に俟たざるべからず。(,)貸付の當初に於て、包裝及び箱入のものに對し、調査困難にして、隨つて價格も亦正確ならざること。(ロ)商品に對し、時價の六七掛を貸付くるものとしても、之を處分する場合に當りては、其の賣却高は、殆ど債權額を充たしたることなしと云ふも可なり。(ハ)商品處分の際は、既に多額の倉敷料嵩み居れること、且つ保險料まで立替へざるを得ざるに至ること。(ニ)商品に不正品あること、或は殘品又は端物等の混ずること。(ホ)同じ銘柄にても、其の內容は似ても似付かざる著しき劣等品あること。(ミ)虫喰、品質の惡化、數量の減少、氣候の變化、季節の需給關係、流行遲れ、値下り、品物の不揃、其の他何々等の不利あること。(一)取引範圍の狭き特別品、即ちマーケツタブルにあらざる商品あること。(さ)處分の際は、其の筋の人の自由に任すの外なきこと。(그)有價證劵の如く、一時處分を見合せ置き、時期到來を待つに適せざること。三、倉庫證劵面に、品傷み、不揃の旨、或は火災保險金額は寄託主の申出に依る旨を特記したるものあり。又品名の記載方に就ても、往々荷主の注文により、不親切且つ免責的の漠としたる名稱を附することあり、之等は格別に注意を要す。又保稅倉庫に入庫しあるものは、其の火災保險金額には、未拂の關稅を含み居れるものなる事を、注意するを要す。四、隨つて倉庫會社に於て、商品の內容に就て、又更に進んでは價格に就て證明をなし、其の責任を負ふに至らば、商品擔保金融には一生面を開くことを得べし。若し現在の倉庫會社として協定上取扱困難なりとせば、別に專門の倉庫會社を設立するも可ならん。尤も其の新會社は、一般的保管と、內容證明保管とを併營することゝすべし。五、倉庫會社と銀行とは、極めて聯絡の密なるを要す。是れ相互の利益にして、隨つて商人も亦利便を受くること多し。六、商品に對する貸付を、再三繼續することは、深き注意を要す。必ず何等かの缺陷に觸るることあるべし。又特に物的以外、借手の人物、營業振及び資力如何に深く注意すべし。七、擔保商品の評價は、時價に依るべきは論なし。然るに世間往々、保險金額を基礎とずるの傾あるが爲めに、其の保險金額を故意に、實價以上に付せしむるの奸商あり。之が爲めに損失を招きたる實例少からず。ハ、商品の處分は商人の破綻の直後に行ふを有利なりとす。日を經るに從ひ、面倒と、値下一〇九 一一〇りと、倉敷料、金利等の不利に導くものなり。た、世に金融商品と云へるものありて、劣等品を以て銀行を欺き、融通に供するものあり。故に銀行は必ず商品の實査を忽せにすべからず。一〇、元來、銀行員は商品の集散狀態、又は商品の銘柄、品質、斤量の取扱等に就き、〓究を疎かにするの風あり。ニ、荷爲替に於ても、商品に對しては、商品の不正又は運送屋の空劵あり。或は指定に依らざる荷物先渡し等の實例少からず、之が爲め紛擾問題を惹起すること、屢々見る所なり。且つ薄資又は不良の運送屋ありて、金融業者をして全然安心して利便を供せしめ難き事情あり。寧ろ倉庫證券に對する貸出よりも、一層の危險多し。故に取組依賴人の元來の信用如何は、常に心頭より離るべからず。三、荷爲替手形は、本來より云はば、商業手形と同一性質のものなり。然れども實際の取扱觀念よりせば、寧ろ荷物に重きを置くを慣例とするが故に、全額取組を爲さゞるを可とす。若し先方に對する取立上、已むを得ざるときは、頭金は宜しく留保し置くべし。尤も商品の性質、取引の原因、依賴人及び引受人の信用如何に依り、自ら其の取扱を異にするは勿論なり。ニー、外國爲替に於ては、信用狀に基きて荷爲替を取組むを本則とするが故に、殆んど丸爲替となすを常とす、尤もDA若くはDP取扱と爲す等、種々の場合あり。一四、他所賣り商品、即ち荷爲替の場合に於て、注文品と注文以外の品を送る場合との別あり。を要す。是れ即ち取引の原因を異にし、隨つて其の結果に於て差異を生ずる所なり。大いに注意一六、荷爲替のBL到著前の貨物前渡に就ては、從來、船會社と保證銀行との間に於て、種々面倒を生じたる例あり。特に周到なる注意を要す。一六、荷爲替手形の期日長きものは、注意を拂ふの要あり。一、荷受人と荷出人と、共謀にて惡事を爲すものあり。DA又は「ハウスビル」の場合特に注意を要す。一、、新規取引先が、荷受人の信用明確ならざる先へ荷爲替を取組むとき、又は繼續的に絕えず同一人に向ひて、荷爲替取組を求め來る先には、注意の要あり。故に疑ある依賴人には、荷物付と云ふことに釣込まれず、平素より豫め取引を回避するに如かず。一九、荷爲替を以て一の融通機關とし、如何よりも、要は依賴人の信用、及び其の時の商況如何を注視すること肝要なりとす。各地聯絡を取りて轉輾往還する場合あり。故に荷付の二 一一二第十三章調査一、近來、征利に汲々たるの餘り、眞摯ならざる畫策を爲すもの漸く多し。銀行は渦中に投ぜざる樣注意すべし。彼の政商の如き、又職業的名譽職とも云ふべき人々に對しては、最も油斷すべからざるなり。ニ、英國人は、總てを堅實性に發し、例へば百萬圓の資產あらば、五十萬圓の商業を爲す。我國人は全く之に反す。ニ、關東震災後は、臥薪甞膽の意氣を以て、堅忍不拔の勇を養ふべきに拘らず、却つて自暴自棄に陷り、義務を重んぜざるの風あるは、慨嘆すべきことならずや。四、將來を考へず、義務を重んぜず、其の日/〓の危き橋渡りをなして暮すもの、比々然り。是れ虛僞の多く行はるゝ所以なり。五、外國にては、取引先は銀行に對し、眞實を述べざれば、金融を得る能はず、我國の現狀は之に反し、力めて嘘を列べざれば金融を得る能はず。是れ多くの眞相なり。·六、商店の支配人等中樞人物に異動ありたる時は注意すべし。合資、合名の會社組織に變更したる時亦同じ。七、個人的株式會社に貸金をなすときは、必ず其の主たるものゝ個人保證を徵し置くべし。八、銀行は兎角自分の正直なる心を以て人を信じ過ぐるの癖あり。れ、吾人は銀行なるものは、預け人と借手との差別なく、何れも顧客に對し一視同仁、終始誠意を以て、懇切叮嚀に接せんことを希望して止まざると同時に、顧客も亦誠意を以て、銀行をして安んじて取引せしめられんことを望む。一〇、盛んに各種の商賣を爲し、或は先物、或は投機的取引に亙り、手廣く營業を爲せる半面には、空手形の潜めるあり、甚しきは、關係會社の帳簿は記載せられざることすらあり。正直は商賣の最良策なりとの格言の行はるゝ反面に、斯かる徒輩が跋扈し、百方銀行を欺瞞、籠絡することに腐心す。恰も百鬼橫行の感あり、銀行商賣も夫れ危い哉。而かも銀行が少しく眞面目の取扱に出でんか、質屋營業とか、國家的營業に反するとか、或は無能なりとか、將又、分らず屋なりとか、忽ち攻擊を受くるを常とす、恐らく攻擊する資格なき人の常套語なるべし。銀行家たるもの、毅然として心中深く期する處なかるべからず。二、銀行家は此の强敵に對し、善戰するの勇氣あるを要す。然らざれば、首腦者たるの資格なし。三、嘘上手は、假りに俗人は欺き得んも、識者は唾棄せんのみ。ニ、、銀行より强て借入をなさんとするに當り、銀行は國家的事業なりとて攻擊する人あるも、是等は寧ろ國家的機關に迷惑を及ぼす人なりと知るべし。一、、銀行家は、智の人、情の人たると同時に、意の人たらざるべからず。一三、玉石混淆を戒め、まづ相手方の人物技倆、及び其の經營振如何を査覈し、眞に信用を置くべきものに對しては、力を盡すに吝ならざるを要す。但し此のあたりの要領は、千差二三 一一四萬別にして、一に當事者の練達なる手腕に俟つの外なく、一々具體的に述べ難きを遺憾とす。一六、之が活用には、先づ其の眞相を得るを必要とし、眞相を得ることは、調査部の完全なる發達に俟たざるべからず。而して部員は學校出身のものに止めず、更に充分なる經驗者と、充分なる活眼達識者を配置するにあらざれば、結局死物たるに終るべし。一、、興信所の調査に、重きを置くは勿論、尙興信所が正確敏速に調査し得らるゝ樣、銀行側より協力するを要す。又興信所も調査を誤りたる時は、相當の責任を負ふべきなり。一、興信所に、他人の調査を依賴すと云はんよりも、各自進んで興信所、若くは計理士に對し、自分の說明を爲すに至らんことを望む。一ハ、興信所に保險會社の如きものを併置すべしと說くものあり。二〇、正味身代何萬圓、若くは何十萬圓と稱するものも、明日忽ち破綻を暴露する實例乏しからざるは、抑も何に基因するか。二一、取引先を實地調査することは必ず最初に爲すべし。往々危險に瀕し、初めて其の家を視察するの迂を演ずることあり。二二、信用を多く與ふるは危險なり、信用を多く受くるも亦危險なり、戒愼せざるべからず。信用の擴大は破壞の基となる。二三、手形の發行數と生產の數と不均衡なること多し。宜しく實況の調査を忽せにすべからず。二四、或は曰く、手形の裏書又は保證をなすことは、恐るべき暗礁なり、若し是等の保證をなすときは、須らく夫れ丈けの損失を覺悟し、豫め準備し置く心掛けなかるべからずと。洵に然り、銀行及び信託會社が、他に手形又は社債の保證、信用狀發行の保證を爲す等の場合、亦同じ。二五、大官名士を介して、融通を求め來るものは、多くは難物なり。心すべし。二六、學友及び郷友の事業に對し、金融を與ふる場合は、更に一段愼重なる用意を缺くべからず。二七、其の銀行の重役又は、或る有力者に關係あることを笠に著て、金融を求め來るものには、近づくべからず。二八、或る筋にて德義上、責任を負ふべしとて、役目を笠に著て、貸金を幹旋することあるも、當該者の更迭に依りて全然其の效力を失ふこと多し。故に此の場合には必ず後日に渉り效力あり、責任ある的確の書面を徴し置くことを要す。然らざれば應諾するの限りにあらず。二九、素人に工場を一覽せしめて、金融を求め來るものは戒心すべし。工場の良否を鑑識する頭腦を有するものにして、始めて實地調査の資格あり。要は相手方の眞意と、及び其の人の流儀如何に注意すべし。外國にても金融業者は工場を一覽すべし、又一覽すべからずと戒め居れり。三〇、銀行家は、事業家に對し、注意を與ふることあるも、之が事業に干與すべからず。三一、兎角、外觀を飾る癖ある人は、常に無理なる借金の絕えざる人と知るべし。又口先の上一一五 一一六手なる人には、つねに警戒を怠るべからず。三二、常に銀行に來り、儲けたる話のみをなして、損失したることを打明けざる人あり。是れ亦注視を怠るべからず。三三、人に接する間に、其の人の性質の善惡を看破するの眼識なかるべからず。三四、取引先及び支拂人に就いて、營業狀態のみならず、家計狀況の報告を徵することは、英米銀行の夙に實行せる所なり。三五、事業會社は結局經營者其の人と終始す。故に其の人を視ること肝要なり。第十四章銀行の檢査一、銀行檢査最も必要なり、併し元來檢査ありての銀行にあらず、經營其のものが本題なり。故に是等消極的取締に先立ちて、都會銀行の經營、地方銀行の積極的に遵由すべき根本方針の確立を以て最も緊要なりとす。例へば都會に於ては、商業銀行、爲替銀行、不動產銀行の何れに據るべきや、又地方に於ては其の土地の狀況に應じ、商業銀行とするか、農工銀行的にするか、將また貯蓄銀行的にするかの如し。又植民地銀行は果して本來の使命を確守し居れるや、是等の統制如何。充分〓究の價値あるべし。ニ、公的、即ち外部檢査を待たず、自發的檢査の必要なること論なし、又時々行員の入替を行ふことは、完全なる內部檢査の最良方法たり。自發的檢査は更に進んで、各店の自衞檢査を勵行せしむる處に妙味あり。ニ、檢査には、總括的檢査あり、部分的檢査あり、又縱斷的若くは橫斷的檢査あり、更に分ちて定期と臨時とあり、或は形而上と形而下とあり。要するに銳敏にして、且つ合理的頭腦を以て活動せざるべからず。四、檢査を忽せにすべからざるは勿論、多々益々嚴重に施行すべし。然れども檢査あるが爲めに、不正を爲さずと云ふは實は嘘なり。自由なる營業、獨立せる營業、進取的なる管業として、經營者の精神が誠實ならざる以上は、百千の檢査あるも徒勞に歸すること多かるべし。現に英國は、米國の如き檢査なく、何等政府の干涉なく、全く自由自治に任一一七 一一八せり。佛、獨亦然り。五、檢査にも二樣あり、內部的檢査と、外部的檢査是なり。內部的檢査は飽く迄內容の細目に干渉するを必要とするも、外部的檢査は公的監督に基き、銀行の基礎に關すること、及び不正行爲の取締に關する程度に止め、專ら預金主なる公衆に迷惑を及ぼさゞることを監視するを以て主眼とし、一方に密ならんよりは、寧ろ其の取締の全般的に廣く、且つ速かに行渡る方、銀行休業の不祥事を見ること少かるべし。忌憚なく云はば、大門を開きて庭の隅を探る如きなからんことを冀ふの婆心に外ならず。六、率直に云はば、公衆の要望する檢査とは、些細なる事項を指摘するにあらずして、取締の大綱を押へ、全局に注視し、銀行の破綻を豫防するに在り。例へば(一)法規に違反せることなきや否や。(二)經營方針の誤れることなきや否や。(三)當事者は誠意を以て專心從事せるや否や、人格經歷如何。(四川)積立金又は資本金にまで影響する缺損金ありや否や。(五)更に進んで公衆預金にまで迷惑を及ぼすことあらざるや。(六)詐欺不正の行爲あらざるや。(七)自己同系の事業に融通し居ることなきや。(八)以上の事實ありとすれば之を處理すべき最善策如何。等の類なり。是れ吾人の私言にあらず、實は同志の聲なり。七、外的檢査には、監督官廳の外、日本銀行をして調査せしむるが適切なりと唱ふるものあbc八、一般地方廳に於ても、書面の取次及び之が細目の調査に煩を累ぬるに止めず、宜しく眼界を大にし、其の管下に定評ある札付經營者なきやに注意すれば、恐らく銀行の破綻を未然に防止し、以て預金者を救ひ得べし。又看破すべき相當の機關ありと信ず。斯くてこそ地方廳を煩はす意義が一層深きを加ふるものと云ふべし。然らざれば徒らに繁を增すに終らんのみ。九、檢査員は事務に通曉し、秘密を尊び、尙又大勢を洞視する人たるを要す。普通に檢査員と云へば、書類のアラ探しを以て能事終れりとなす。是れ非なり。更に助言し、指導して係員をして向上せしむるを樂しむが如き、大なる理想と、親切心とを有する者たるを要す。-0,監査役の實際的獨立問題は、大いに議論の存する處なり。今日の慣習的觀念の改善は、獨り銀行にのみ迫るべきにあらず。ニ、世は益々煩雜となり、之に伴うて經費亦益々多きを加ふ。故に官廳は可成大綱を握り、小事は之を國民の自制自由に委せざるべからず。專ら消極的取締を主としたる改正銀行法の如きも、此の意味に於て社會的百般の進步と、逆行する觀なきを得ず。只如何せん、旣往の事實に徵し、寔に已むべからざるものありしを悲しむ。一一九 一二〇第十五章公債及び日銀一、公債を所有するは可なるも、金融緩漫の際は其の時價高きを以て、他日低落の時の損失を考慮せざるべからず。尤も短期公債ならば可なるも、政府の發行原則として長期を望み、其の間相容れざる點あり。或は毎年內部に銷却基金を積むべきか。ニ遊資の調節法としては、短期公債、又は大藏省證劵類を發行し、月末には一定の步合を以て、日本銀行之を買上げ、月初に於て更に再び拂下げを爲すべきか、如何。夫れ等の方法に就て、日本銀行と普通銀行との間に〓究の要あるべし。尤も月末に一時的の借入金あるの故を以て、世人之が信用を云爲するはよろしからず。ニ、日本銀行に對する公債賣買の希望は、一見勝手の註文に似たれど、證劵市場發達の充分ならざる我國としては當然とみる。要するに大小銀行の金融圓滑となり、同時に營業の確實を遂行する上に大なる幇助となる。尤も必ずしも日本銀行に限らず、例へば日銀を背景とする有力なる「ジヨツバー」制度を設くるが如きも、亦一策なるべし。我國證劵取引の幼稚なる、「プローカー」と「ジヨツバー」とは混合し居れり。四、銀行が公社債類を所有することは永久的にして、證劵會社が之を所有することゝは、其の目的を異にするが故に、時價變動の際に當り、世人が之を視る點も亦自ら異ならざるべからず。五、更に國債の評價に就ては、一々市場の變動に脅威を感ずることなく、泰然たらしむる方法を講ずるの必要あるべし。六、決算期に於て、公債價格の釣上をなさんよりは、國債に限り、買入價格を以て計算し得ることになしては如何。事實大差なかるべし。七、所有證券類の、價格騰貴する時は、遊金を生ずるも寧ろ一應賣却するを可なりとす。ハ、日本銀行の貸出額制限、及び利率の適用方並に割引形式等に就き、相當改定の要あるべし。れ、中央銀行は、普通銀行を株主とする聯合組織に爲すべしと說くものあり。一〇、英米とも、中央銀行は率先して、市場引受手形の發達を助け居れり。ニ、英國五大銀行は、英蘭銀行に借入、又は再割引を求むること絕對に無し。ニ、地方金融逼迫の聲、喧しきに至れば、或る筋より貸出方の緩和、及び擔保價格の寬大を訓諭せらるゝことあり。然らば先づ、日銀に於て國債の擔保價格を、時價に依らずして、額面を以て取扱はれては如何と唱ふるものあり。一應尤もなるが如し。ニー、中央銀行と市中銀行との間に、金融調節上、實際的機能の發達と聯絡を要するは勿論、平素談笑の間に意見の交換、意志の疏通、又は取扱方法等に就き、互に〓究するの要あるべし。外國にては中央銀行內に之が一室を常設しありと聞く。蓋し兌換劵發行銀行たる日本銀行は、大いに市中銀行を統制指導するの責務あると同時に、市中銀行も共に、大いに自覺する所なかるべからず。一、、米國は、戰時大金滿家となり、又その大膨脹を整理し、現時の金融の緩漫を見るや、準一二一 一二二備銀行は所有する有價證劵を賣り放ち、又「コール」の低下と、投機の兆候を見れば、金利の引上をなす等、能く內外經濟の實相を看取し、巧に政策を運用すること、眞に稱讃すべきなり。之を中央銀行にのみ依賴して、固定的の不動產借をも持ち込み、金融統制を鈍からしむるものに比すれば、固より同日の談にあらず。一三、今や歐米に於ては、中央銀行は銀行の銀行にあらずして、金融市場の調節を圖るを唯一の任務とし、金融市場に直面するの傾向を來せり。我國にても大いに考究せざるべからず。一、、大藏省證劵は、之を善用せば財政運用上の調節と同時に、民間金融の調節に便なるは論を俟たず。現に英國の市場にては、割引手形中に大藏省證券を多額に包含せり。併し我國今日の如く、國庫剰餘高の過多にして、日本銀行に常に多額の政府預金ある場合に於ては、到底發行の機會なきが如し。尤も此の剩餘金問題は、旣に議論の存する所にして、全部之を國債の償還に充當すべしとの論あり。現に英國の如きは、國民の負擔還元の意味に於て、剩餘さへあらば、之を以て毎月國債の償還に充てつゝあり。而して我國にては、會計法の決算方法、又は一年一回の議會の開會は、是等の整理に不便を與ふること尠からず。一、剩餘金を以て、責任支出に充當することは、豫算を蹂躙し、又公債整理の趣旨に背反すと論ずるものあり。一、又一方に於て、今後國債市場、證劵市場、割引市場、「コール」市場を如何に開發すべきや。必然起るべき〓究問題なり。尤も割引市場は、手形の信用を今日以上、大いに高むることを以て前提とせざるべからず。一九、殊に商業銀行及び手形引受會社に於ける手形引受業務は、今後大いに講究すべき實際問題たり。一二三 一二四第十六章銀行の合併一、銀行の合併は、時勢の必要なる問題にして、今や絕好の機會たるべく、多々益々歡迎すべきなり。然れども以下數項に就て考慮を要す。(〓)合併は數の整理よりも、質の改良を以て目的とすべきものにして、合併は形にあらず、之に依りて堅實鞏固となる精神を忘るべからず。似たもの夫婦の合併、其の他無理なる合併は、却つて從前よりも不良貸の增加することゝなり、他日再び整理の時期來る。(ロ)都鄙銀行の縱なる合併の得失如何、寧ろ地方同士が橫なる合同こそ、實際に適するものにはあらざるか。尤も資金移動關係より見れば、之にも相當の議論あるべし。而して地方合同銀行と、大都市銀行と互助同盟關係を結ぶを可とせずや。其の優劣及び方法如何。(、)合併の方法は、存續銀行側より云はば、買收合併を可とす。何となれば普通合併に依り、資本金の增加を迎へんよりは、不良貸出を〓算人に引渡して、之を引継がざるに如かず。尤も徹底的に整理して合併する場合は、此の限にあらざるも、從來の例に依れば、合併する程の場合には、整理完全ならざるを常とすればなり。故に整理未了の休業銀行その儘の合併は、尙更困難なりと云ふべし。(ニ)有體に云はば、合併よりも自ら資本を增加し、切實樞要なる場所に支店を設置し、自行の主義方針を以て、徐々に開拓する方、經濟上の本位より見て、眞に鞏固なる金融機關を設くる所以たり。英國にては頻りに多數の合併をなせるに反し、米國「ナショナル·シチー·バンク」の如きは、僅かに二行を合併したる外、自行の擴張增資に依りて、今の大を爲せりと。大いに味ふべきなり。(ホ)無理なる合併を遂げんよりは、寧ろ徐ろに處分〓算する方、世上全般より見て將來の爲めなりと唱ふる人あり。()合併には種々の不便を伴ふ。例へば(1)新舊經營方針の異れること。(2)都鄙經濟、金融狀態の異れること。(3)交通通信の不便なること。(4)總ての慣習、行風、氣分の異れること。(5)重役及び其の系統問題。(6)行員及び其の待遇問題。(7)貸出缺損の切捨方法、引繼後の不良貸出の負責及び整理。(8)其の他合併に就ての資本金、即ち株金の算定方、及び法律關係等、種々の煩累あり。(9)證劵及び備品等の動產、竝に不動產の見積價格の相違。(10)不用不動產の脊負込。(11)預金の整理。(12)支店の過多及び其の整理等は主なる點なりとす。(ト)故に合併は大いに可なるも、單に銀行數の整理、又は被合併銀行の整理に止らず、同時に今後の存續銀行自體の、堅實的保護をも顧慮せざるべからず。然らざれば、合併は却つて無意義となり、災害となる場合なきを保せず。合併には他の條件は第二として、資產負債の確實なる査定を、第一條件とせざるべからざるは論なし。一二五 一二六(十)若し合併の成立に急にして、徹底せる整理を爲さず、不純のものを後者に引繼ぐことありとせば、是れ本來の精神に背反するものにして、禍を後日に貽すものな50 (つ)凡そ合併を爲すに當り、貸出を調査すると同時に、預金中には如何なる利率の契約ありや、又振替勘定に屬するものありや否やを、調査するを要す。必ずや預金額の何割かは、引繼ぐこと能はざるものありて、寧ろ預金の整理をも必要とする場合少からざるべし。(三)被合併銀行が案外不良なりし爲め、合併銀行の一大禍根となり、長く整理に苦しみ、其の極、再び蹉跌せる實例あり。宜しく初めに、嚴密なる査察を爲すを要す。(ヘ)合併の際は、一切の情實を去り、斷然不良分子の切捨を決行し、禍根を後日に貽さゞることを以て第一要義となす。(三)小銀行を、大銀行に併合するときは、產業分布狀態との調和を缺き、中小商工業者の金融機關を失ふとの憂を抱くもの少からず。是れ經營方針の異なれるが爲めにして、我が國現時の小組織の產業に在りては、緊切なる問題たるを失はず。(つ)茲に於て銀行も合併し、又中小商工業者も合併を圖るべし。或は聯合も亦可なり。目下頻りに百貨店の擴張せらるゝ際殊に然り。獨逸に於ては、各種企業の聯合、即ち「カルテル」運動盛んに行はれつゝあり。(九)小銀行同士の合併、固より可なり。茲に於て大銀行同士が、更に合併を敢行せば、大いに可ならずや、恐らく其の時代到來すべし。但し不純の合併よりも、一貫の方針に向ひ、一歩々々自力の發展に待つを本義とす。徒らに目前の大を急ぐ勿れ「鹿を逐ふ獵師は山を見ず」。(三)獨逸にては、横綱銀行の合併を敢行し居れり。又米國に於ける大產業の金融には、大銀行の出現を必要なりと云へり。(4)合併は萬難を排して決行せざれば實現し難し、茲に於てか有力なる媒介者を要す。併し其の態度は誤解に陷らざる樣、愼重ならざるべからず。()只茲に注意すべき一點は、從來合併を勸誘するものゝ多くが、合併後の困難なる實情に經驗なき素人の多きことこれなり。故に利害の根本を外れて、合併の速成を强ふるの傾あるを免れず。(,)合併の强要は否なり。或る時は二三日の滯在中に合併の調印をなすべし、然らざれば「サーベル」を拔くべしと脅迫したることもあり。餘りに實情に通ぜざる書生役人たり。(3)故に合併後の成績に於て、合併强要の非難少からざるものあり。(全)然れども是亦外的觀察にして、旣に合併分子自體にして、不良部分の芟除されざるものあるが故なり。(+)要するに合同其のものは、決して不可ならず。只其の合併方法及び合併後の經營如何に在り。故に各自が目前の立場を本位とするなく、本來の大局より、靜かに一二七 一二八正視判斷するを要す。ニ、米國にては、ギヤランチー·トラスト·コンパニーと、ナショナル·バンク·オブ·コンマースと合併して、二十億弗の大資產の世界第一銀行となれる例あり。尙他にもヨリ大なる合併計畫ありと聞けり。ニ、我國にても、近來著しく合併の行はるゝは、甚だ喜ばしき現象なり。更に進んで茲に第二段として大いに胸襟を開き、大銀行の各地支店を相互交換的に整理するを得ば、競爭を避け、尙且つ經費の節約せらるゝもの大ならん。四、曾つて英國の一銀行「バンク·オブ·リヴアプール·エンド·マルテインス·リミテツド」が「ランカシヤー·エンド·ヨークシヤー·バンク」と合併したるとき、銀行の「タイトル」を如何にすべきかを評議したるに、被合併銀行よりして「マルテインス·バンク·リミテツド」と爲さんことを主張せしに、合併銀行は自分の舊名稱を棄つること弊履の如く、直ちに之に同意せりと。以て其の襟度の大なるを味ふべきなり。第十七章雜感一束一、從來、我國銀行の首腦者と云へば、多くは官吏、又は日銀より天降るを以て不文律となせるが如し。茲に說あり、地方に於ても高等學府の出身者を採用し、而して其の人格、技倆、成績の優秀なるものは、反對に之を中央の要路に拔擢するの途を開くべしと。是れ辯護士より裁判官に登庸すると等しく、人物經濟上より見て、洵に幸福の至りなり。敢て實現を至囑して止まず。ニ重役の天降り必ずしも不可ならず、然れども銀行の衰運挽回策としては當らず。即ち其の結果の失敗に終るの實例餘りに多し。ニ、試みに地方銀行重役に對し、銀行設立の目的如何、其の土地の商業機關なるや、將た產業開發の爲めなるや、如何なる經營方針なるや、如何なる準備組織なるやを問へば、明答するを得ざるもの少からず。却つて曰く、只たゞ名譽なりと心得、幾十年を空過し、今日に至つて始めて銀行業の恐るべきを知り、一日も早く脫退せんことを希ふと。是れ眞相の告白にあらずして何ぞや。四、米國に於てすら、地方銀行の倒產頻々たるものありて、是れ皆、銀行なるものゝ本義を理解せざる人の經營なるが爲めなりと云へり。五、特殊銀行にして、本來の任務を守らず、分業と競爭に過ぎ、體系の混同を釀すあり。而して其の損失は結局、國民が負擔せざるべからざるが如き不條理は、速かに改善を爲す一二九 一三〇の要あり。蓋し特殊銀行は我國獨特のものにして、過渡期の產物と云ふべきか。六、昭和十年十二月現在に於て、全國の銀行貸出金百〇六億圓の中、不動產貸は五十七億圓なりと云ふ、假りに之に所有不動產を加ふれば、更に相當多額となるべし。即ち地方の資金逼迫は、不動產の資金化流動の因難なるに大原因をなせり。然らば不動產の資金化の方法如何。大いに勸業及び農工銀行の營業を擴張せしめ、若くは純然たる不動產銀行を設立し、其の機能を發揮せしめ、且つ其の取扱に就ては、或は其の銀行の債券を發行し、或は往昔の地劵の如きもの、例へば登記を爲さば登記所より不動產抵當證劵を發行し、之を融通に便ずるが如く、其の他種々の方法を講究するの要あるべし。七、銀行、又は信託會社に於て、不動產に金融の便を與ふることは、不動產の騰貴を促すものなりと說くものあり。別に講究の要あるべし。ハ、或は擔保增しとして不動產を差入れんか、是れ却つて不動產なる資產ありたる爲め双方の不幸となるべし。即ち債務者は思切らざりし爲め先祖傳來の不動產を失ふことゝなり一方銀行は此の資產家を優遇したる爲め不動產の背負込となり、利益生ぜず、賣却も出來ざる不遇に陷る。九、不動產抵當債權者には、法律上絕對安全なる保護を與ふるを要す。然らざれば充分なる融通を與ふるを得ず。現在にては、不動產貸に對する競賣法其の他、法律上の不便不安の點頗る多し。加ふるに條理を離れたる末節の法律論多く、實際に於て法律は却つて債務者を保護すること少からず。即ち債務者の不注意は利益となり、債權者の不注意は救はるゝことなし。是れ法治國の陷り易き弊なり。斯かる場合にも「グレシヤム」の法則は行はるゝものにや。一〇、債權者の過失怠慢を責むるは不可なきも、債務者の不履行、若くは不當利得をヨリ大に責めざるべからず。辯護に於ても亦然り。前後本末を〓倒し、徒らに穴探りを以て能事とし、妄りに紛糾を釀すが如きは其の罪淺からず、社會を茶毒するものなり。況んや不利、不德、不純の潜在せるものをや。正義正道の立場に於て、權利の擁護に努むべき職掌に在りながら、不義不正に與し、私慾を得んとするものあるに至つては、吾人慨然たらざるを得ず。ニ、一番抵當權を完全に設定せるに拘はらず、滯納稅金、而も抵當物に關係なき他の滯納稅金、若くは、法律上優先權なきものに對しても、之が差押を受くることあり。此の場合債權者は進んで競賣申請をなすを得ず、さりとて稅務署は公賣もなさず、債權者をして立替納稅を爲さしむる手段として、袖手傍觀するの態度に出で、債權者は全く泣く〓〓不利に陷るを免れず。曰く差押は競賣の一著手にして、進行するもせざるも法律上規定なしと。哀れ債權者は到底助かるの途なし。三、凡そ差押なるものは、或る一定期間內に、必ず競賣に附するやう法律の改正を要す。とかく法の不備を利用するもの多し。悲しい哉、官廳既に然りと云ふべきか。ニー、法律は固より權利義務を明確にし、吾人の生命財產を保護するの責務あり。決して條理を離れ、字句に拘泥し、白を黑なりと逆用すべきにあらず、宜しく法の眞精神を活用すべきものと信ず。國の圓滿なる發達上、法律と經濟とは一致せんことを望んで止まず、一三一 一三二即ち借りたるものは返し、約束したるものは履行する、條理に二途を許すべからず、字句の末節に囚はるゝは吾人與せず。法律萬能もかゝつて活用する人の如何に在り。裁斷は〓き水の流るゝ如くなるべし。一四、又常識的に見て、當然判斷し得べき事項にても、證據調其の他、種々の口實の下に延期に延期を重ね、容易に事件の終結を見る能はざるは、我國法の缺點なりとす。新訴訟法は、專ら此の缺點を防止したるを喜ぶ。一六、之を獨逸の直截簡明なる即決裁判に就て見よ、大いに悟る處あらん。一六、米國商業會議所は、實業經營に、法律を不必要ならしめざるべからずと高唱し居れり。一、、紙幣の統一及び紙幣の種類に就ては〓究を要す。兌換劵統一には議論あるべきも、結局、時機の問題たるを以て、寧ろ此の際發行銀行に代償を與へて、整理を速かならしむるを可なりと唱ふるものあり。機會は方に今日にあらんか、如何。一八、英國に於ては、政府紙幣と銀行紙幣を統一するの議案を議會に提出し、旣に通過せりと聞く。一九、米國にては、紙幣發行に依る利益は、全部政府に納付する制度にして、之に依りて銀行に利益を與ふることなし。二〇、預金利率の協定のみならず、取引先の資產、信用調査、貸出方針、貸出高、又は之に處する方法、或は世上の問題に上り、又は上らんとする商工業者に對する對策等、實際問題に就て能く同業者間に聯絡を圖り、隔意なき精神的協調をなすを要す。是れ銀行の安全を期するのみならず、亦商工業者をして大事に至らしめざる所以なり。彼の自家の災禍を他に轉嫁し、得々たるが如きは、寔に罪惡なりと謂ふべし。二一、更に進んで銀行の攻守同盟を說くものあり。是は銀行側の自衞策なるのみならず、預金者側より希望するもの亦少からず。米國の如きは預金保護の爲めに、支拂保證保險の强制若くは任意組合制度あり。又一朝恐慌あらば、手形交換所之が救濟の任に當り、能く自助的精神を發揮す。彼の聯邦準備銀行制度の如き、制度上の力の大なるは、洽く世の知る所なり。二二、米國の聯邦準備銀行制度を採らずとも、精神を之に法り、銀行業者間に聯絡を取り、常に相互扶助をなす要あり。又同制度の如く、能く事前に於て監督を爲すの要あり。二三、之と同時に、銀行より商工業者に向つて攻守同盟、或は合同の注文を發して可なり。其の他商工業者も亦、歐米先進國に倣うて自分自體に改善すべきこと多々あるべし。二四、昭和六年中にアメリカの破產したるもの會社、銀行、商店を合せ二萬六千四百件。此の原因を探るに、凡そ左の如しといふ。(一)經營能力の缺乏に因るもの(二)無經驗に因るもの(三)資本に比し取引の過大なりしに因るもの(四)放漫なる貸付に因るもの(五)負債の累積に因るもの一三三 一三四(+)個人の浪費に因るもの(七)經營法の缺陷に因るもの(八)無理なる競爭に因るもの(七し不可抗力に因るもの(一〇)思惑の失敗に因るもの(二)詐欺的意向に因るもの二五、一にも歐米、二にも泰西と、彼に陶醉せよとの謂にあらで、我國には我國の國情あり、宜しく彼の長を採り、我の短を補ふべしと云ふに外ならず。又形式のみ歐米に模倣し、之に伴ふ思慮の足らざるは、吾人の採らざる所なり。二六、幾度か外國の銀行を視察〓究するも、定石は動かすべからず、踐むべき道を踐み、守るべきを守らざらば、其の視察も徒勞に歸し、結局、銀行は破綻の外なきなり。故に曰く「銀行の經營は人に在り」と。二七、財產目錄も可なるも、人が經營の中心問題たる以上は、行員目錄が必要條件なりとも云ふを得べし。二八、今日我國の弊は、法律、規則、制度、文物等の形をのみ歐米より輸入し、之に伴ふ精神と氣魄を學ばざることなり。此の心は即ち組合の協定に違反多く、毫も實行せられざる所以なりとす。二九、外國人は〓して華を去り實を求め、永遠に亙る計畫をたて、粘り强く、底力を有す。殊に英國に於て然りとす。飜つて我國の現狀を見れば、恰も浮木の上に於て、其の日送りの刹那的仕事を爲す者少からず、轉た痛嘆に堪へざるものあり。三〇、米國の旺盛なるは、獨り天然資源に富めるためのみならず、精神文化の結晶あるが爲めなり。天惠の比較的薄き獨逸に於て、殊に其の然るを見る。三一、若し天惠にのみ倚らんか、支那は果して如何。又阿弗利加は如何。三二、乃ち知る、米國は天然富源に加ふるに、能力と精力とを以てし、今や萬年繁昌を以て世界に雄飛せんとするもの、寔に所以なきにあらざるなり。三三、顧みて我國の如き、原產物に乏しき上に、精神文化も缺點多きに至りては、大いに考へざるべからず。實に國運の岐るゝ大問題なり。三四、英國は、商工業に重きを置き、農業に盡さゞるも、米國は農商工業の三者に等しく力を注ぎ、合理的、科學的產業に意を傾け、更に科學的管理法に成功せり。米國、今日の旺盛は、全く其の賜なりと云ふべし。三五、但し米國の金の偏在多きと、關稅の障壁とは、軈て米國自身の累となるべし。三六、信用組合の現狀は、恰も小銀行濫設と同一結果に陷るの惧れなきか。監督上注意の要あるべし。三七、銀行と、信託會社と、又信託會社相互間に於て、互に協調する要あり。現狀の如く、是等の競爭が止まざるに於ては、信託會社と雖、何年かの後には、恰も今次の災禍を、再び見るやも測り知るべからず。一三五 一三六三八、銀行の預金額を視ると同じく、信託財產の數字を以て、會社の良否を判別する唯一の資料となす風あり。是れ亦、不當競爭の因と爲らざるかを憂ふ。三九、抑々信託會社にして、金錢信託を主たる營業と爲し、放資に就ても銀行と競爭する現狀にては、社會奉仕の高調に反するのみならず、銀行と分立したる趣旨を沒却し、豫て官民共に唱ふるところの堅實方針及び預金協定の精神と、全く矛盾せりと謂はざるべからず。結局は銀行と合同すべきものなるべし。四〇、現に米國に於ては、本來の信託のみにては利益なく、結局銀行を蠶食せるにあらずや。同國にては今や、銀行と信託會社とは、二者全く同一のものと云うて可なり。四一、英國にては、銀行に信託部ありて、遺產の管理、遺言執行等の世話を爲せり、別に設くる信託會社は、主として證券の賣出等を掌り居れり。四二、近時不可解なるもの、並に〓究を要すべきもの、數點を擧ぐれば、(4)法律上義務ある未拂込株金の徵收をなさずして、先づ有限責任の重役に對し、私財提供を强要すること是なり。尤も誠意を示す爲めの自發的提供、又は違法及び非行をなせる場合は全く別なりとす。(一)特殊銀行の重役は、幾億圓の損失を釀しても、私財提供を要せず。國民が之を負擔すること。(、)私財提供に對し、所得稅を賦課するの奇現象なること。(三)今若し學校に於て、有限責任、無限責任の講義を爲さんか、前者は半强制的私財提供にして、後者は强制的私財提供なりと說かざるを得ざるに至らん、豈奇ならずや。(木)一方に合併を奬勵せる反面に於て、合併財產の差額に對し、其の移動に乘じ、更に再び收益稅を課するの矛盾あること。並に合併增資に依る高率登錄稅を徵すること。(ミ)株主が多年蛸配當を受け來りたることは不問に附し、却つて他を責めんとする傾あること。又蛸配當に就ては、平重役に於てすら深く之を究めず、只目前の高率を欲して止まざることありとか。(ヘ)未拂込株金を徴收せずして、休業銀行自ら預金債務を切捨てんとし、株主は又拂込の減免を運動する等のこと。(+)普通銀行に於ては、預金の切捨、又は拂戾に對し、預金の大小を以て、貧富の差別を付する能はず。されば是は單に事務的便法に止まり、理論的には其の當を得ずとの說あり。固より和議法又は破產法より觀れば、問題の價値なかるべし。(つ)預金を保護するは可なるも、休業銀行中には、名は預金にして、其の實質は借入金と同一視すべきもの混じ居らざるや、若し之ありとせば、借入金との保護の差別如何。(ス)又救濟に際し、預金に重きを置く結果、同業者に對しても、預金名義なるときは、之を第一位に置き、而して預金支拂の財源たる「コールマネー」は、同業者預金一三七 一三八と性質を同じうし、若くは其れ以上の重きをなせるに拘らず、之を第二位とすることは財界救濟上、緩急を誤れるものにあらざるか。是れ實際問題なり。(〓)休業銀行が、預金者に重きを置くは可なるも、之に反して他の債權者に對し、何等か盡さゞるものありとの感なきや。(今)一〓に休業銀行と云ふも、實は金錢の出入其の他取立等、一切の休業にあらずして、寧ろ單に支拂を停止し居るものにあらざるか。更に開店休業銀行と云へる新語あり。(,)預金切捨の不當を叫ぶものゝ中には、高率利息に迷ひ、若くは寧ろ之を貪り、自ら其の厄に陷りたるもの少からず。恰かも火蛾の燈に燒かるゝが如し。(カ)利害關係の大なる大株主が、平時の監視狀況如何、又總會なるものゝ側面觀察如何本來よりすれば寧ろ奇異の觀ありと云ふべし。(三)株主總會に於て、蛸配當の決議をなすときは、小株主のみの賛成を以てし、休業などの事件起らば、初めて大株主が騒ぐ幕となること多し。敢て問ふ、一般株主の責任觀如何。又眞實自己を愛する程度如何。又銀行の株主は、社會に對する銀行業の使命に省み、他の會社株主の如く、營利一方にのみ走るべきにあらざるべし(ス)凡そ監督なるものは、兎角區々たる形式、及び理窟に拘泥して大局を逸する嫌なしとせず。若し然らば其の原因、及び其の改善の方法如何。由來、監督と干渉とは、往々履き違ひを生じ易きが如し。(C)特殊銀行に對し、特殊の監督あるに拘らず、却つて蛸配當を爲せる奇觀なかりしか監査役の責任を加重する其の筋の新施策と同時に、特殊銀行の管理官に對する責任加重は、如何と問ふものあり。(,)不良貸金の銷却を爲せし場合、稅務署は所得稅の低減するを悅ばず、殊に擔保品のある場合、苦情を云ふこと多し。併し他日、擔保を處分して利益とならば、其の際必らず課稅は免るべからざるものにして、敢て徴稅を急ぐの要なかるべし。(2)其の他、同じ大藏省所管にても、主稅局と、銀行局と、相背馳するの例少からずとの非難は、往々耳にする所なり。(大)株式の時價は、銀行會社の眞相を物語ると云ふも、然らず。市場の賣買價格と、株其のものゝ眞價とは、一致せざる場合多し。是れ蛸配當にても價格を保ち、又は賣買禁止、若くは讓渡の場合は、取締役會の同意を要すと規定せるもあり、殆ど市場に於ける賣買商品たらざるものあり、又は少許の自己買入にても、能く相場を釣上げ得るものあればなり。茲に於て市價は市場丈けの相場となる。又個人的會社の株劵は配當落にても時價に異動なきもの多し。是れ市場にて事實上賣買なきの證左たり。(+)休業に際し、重役全部が赤誠を盡し、而してなほ足らざる處を、初めて他の援助に求むべきに拘らず、却つて重役は第二順位に立つの觀あり。自分の身體に出來一三九 一四〇たる腫物は、自分で切開する丈けの勇氣なかるべからず。(今)法律上、及び道德上、義務あるものがつとめて犧牲を回避するに汲々たること。(2)債務棒引きの思想、漸時增大の傾向あること。(2)我國民は何事に限らず、社會的制裁の念乏しく、淡泊かつ寬容にして、思切り餘り宜しきに過ぐるの觀なきや。(十)動機を「コール」に發し、微妙なる金融界が危機に瀕したる時、之に關する重要法案を議する人々が、能く「コール」なるものを理解し居たりや、隨つて金融界の現實狀態を透觀する能力ありしやと疑ふものあり。(,經濟上の事は微妙にして且つ廣汎なり。救濟の時機を失すれば、損害は幾層倍となる。當時に於いて、所謂、理窟倒れの觀なかりしや、政府も亦他に良案なかりしか。(オ)何人も云ふは易く、行ふは難し。現に大藏省預金部すら固定貸を生じ、制度の改革を爲したるに非ずや。又政府任命の監督官あり、監事ある特殊銀行に於ても亦然り。況して一般民間銀行の監査役に於てをや。官民共に宜しく行を先にし、言を後にするの心掛け肝要なるべし。四三、由來、預金者は金利に無理を云ひ、借主は無理なる借入を云ひ、無理ならざる借主は利子に無理を云ふ。商業手形は惡用せられ、銀行を詐術の具となす、嘆ずべきなり。況んや銀行を脅迫して、金錢を貪るの徒輩あるに於てをや。又況んや內部に不純分子の潜在するに於てをや。四、凡そ世の中は、正直なる國民、正直なる株主、正直なる預金者、正直なる銀行業者ほど、人の跡始末を引受くるものはなかるべし。併し之を高處より觀んか、矢張り惡者は自業自得の天理に背かず、正直なる者、必ずしも馬鹿を見るものにあらざるなり。四五、空中のバチルスは全滅する能はざる如く、世の中のバチルスも亦撲滅し能はざるも、唯自分が之に打勝つ丈の抵抗力を持すれば足る。四六、資產家に敬意を表すべきは勿論なるも、資產家も亦銀行に對し、不合理なる强要をなすべからず。之を休業銀行員に聞く、眞面目に稼ぎたるものをも不勞の資產家に橫奪せられ、高い處の土持に苦しめられ、蛸配の一因となりたるものも少からずと。蓋し高利の預金及び低利の貸金、竝に片務的貸出方を暗示したるものならんか、果して然らば斯くの如きことが、遂には社會問題の一因となるなきを保せず。愼まざるべからず。四七、或人曰く、利益なる汁は、かくれたる資產家に吸ひ取られ、元金は假裝資產家に奪はると。眞相に觸れたる實驗談と察せらる。而して現れたる無產者は、決して銀行を倒さず、又縱令迷惑を被らしむることありとしても、其の額極めて僅少なり。四八、個人と云はず、會社と云はず、銀行に對し、程度を踰えたる條件を强要するは、結局、自分の取引銀行を窮地に陷れ、衰運に導くものなり。宜しく相互扶助の精神を失はざらんことを望んで止まず。四九、銀行は信用を以て金を預り、之を確實有利なる先へ貸付け、以て商工業者の機關となり、一四、 一四二有無相通の公共的使命を果し、その間に利鞘を得て營業をなすものなり。然るに周圍の事情は前述の如し。銀行家たるもの、絕大無比の自信あるにあらずんば、焉んぞ其の任を全うすることを得んや。五〇、昔は家主の强慾なるもの少からざりき、今は借家人が家賃を拂はざる上に、尙且つ莫大なる立退料を强要するを常とす、而も裁判官並に調停人は、動もすれば借主に同情する傾あり。小作農爭議亦然り。然らば借入金を爲して貸家營業を爲せるものは如何なるべきや。又貸家營業收益稅の返還は如何にするや。是れ豈善良なる社會相ならんや。斯くの如くんば、軈ては汽車電車に乘りて賃錢を支拂はず、却つて乘客よりして降車料を要求せらるゝに至るべし。天下豈斯くの如き理あらんや。然るに世相は斯くの如し。銀行の憂ひ且つ迷ふ所以、實に茲に存す。農村の疲弊は漸次增大を加ふ。其の大原因は〓ね左の如し(二)生活程度の向上せるに反し收入減じたる事(二)肥料の高き事、其他稅金(三)都會失業者の歸農(四)金融の途なき事、資金の都會集中五一、今後「モラトリアム」の如きは斷じて施行すべからず。又天變地異の外は人爲的に、これを必要とする事變及び其の原因を造らしむべからず。惡習慣を助長し、且つ信を中外に失すればなり。五二、天變地異と云へば、昔伊太利のポンペイは、市民遊惰放逸に墮し、驕奢淫蕩を極め居れる際、全市埋沒に逢ひたり。或は恐る、關東地方の地震も亦、何等か天意の存するなきやを。心せざるべからざるなり。五三、對外爲替相場の高低は、種々なる一時的原因の存するは勿論なるも、畢竟、我國財政經濟の實力如何に依る反映たらずんばあらず。固より貿易關係を無視するの意味にあらず。五四、特殊銀行制度に改善を加へ、重役の官選及び保護の過重を避くること。及び兌換劵發行銀行が、普通銀行と同樣の營業を兼ね、同コースの競爭をなすの利害如何。自他の爲め根本的〓究を要すべし。五五、何程の實益あるか、我國には官選重役少からざるも、彼の英蘭銀行の重役は、人の知る如く前途有望の實業家より選任し、其の總裁には重役中の最年長者を以て之に充つ。總裁は即ち一番經驗に富めるものなり。彼我を比較して顧みる處なくして可ならんや。五六、英蘭銀行總裁の如きは、何等政府の干涉を受けず、而も政府と聯絡協調を失はざる所に妙味あり。五七、たとへ全國の銀行が、眞面目に經營するとしても、一特殊銀行の放漫經營あれば、國家と國民に大損害を與へし實蹟にかへりみ、特殊銀行が、自主獨立の精神に背反し、創業時代を去りたる今日、猶且つ過大の保護を繼續する事の不可なるを悟るべきなり。特殊會社に於ても亦然り。五八、識者は曰く、特殊と云へる保護あるが故に、或る向の食指動き、その結果、御利益より一三三 一四四は祟りの方が、遙かに多大となると。或は然らんか。英米人は特殊銀行なるものを解せず。五九、是に由つて之を觀れば、一にも補助、二にも保護と、他力本願の運動を策するものは、其の結果、自他共に害ありて益なし。宜しく國民は不覊獨立、自彊の精神を養ふべし。自ら重んずるものは人之を侮らず。茲に初めて健全なる國家を形成するを得べし。大詔に「國家興隆の本は國民精神の剛健に在り」と。六〇、產業の合理化も、先づ保護の撤廢が手始めなりと云へる說あり。然るに却つて保護救助を叫ぶの聲多きは如何。六一、日本銀行には別に大なる任務あり、銀行救濟の如きは本務にあらず。且つ旣に救濟も頂上に達し、今後行詰りたるべし。故に普通銀行たるもの、今後いよ〓〓自主自存、獨立經營の覺悟なかるべからず。六二、自己を守るは可なり、然れ共單に自己丈け宜しければ、他の迷惑を顧みざるも可なりとありては、共存共榮の精神に反するものと云ふべし。六三、共存共榮とは、直ちに物資の援助を受くるものゝ如く誤解し、または惡用するものあり。要は平素公德を重んじ、平和を保ち、威孚相通じ、互扶互助の共同的、自治的精神の發揮如何にあり。六四、多くは自己の利慾にのみ忠にして、よつて他人は損をするがよしと心得るものあり。洵に不條理にして、是れ我國の健全なる發達を爲さゞる所以なり。六五、自我中心主義を以て、個人的競爭をなすは社會の道義に反す。銀行は社會と相關性を有し、又人間は團體生活を離れて生くるものにあらず。六六、社會は和協議讓に依りて維持す。例へば將棋にて强者が弱者に對して一二枚の駒を落し、對等として相接するが如し。思はざるべからず。六七、我國民に、節制の足らざるが爲め喧爭するの弊あり。即ち皆の者が幾分かづゝの犧牲を拂ひ辛抱すれば、結局、皆の者の利益となる。畢竟、人を利するは己れを利するの根基なり。六八、世の中は巴の如く、各個が活動しながら相倚り相助け、以て圓滿に發達すべきものなり。六九、何事も自己中心に出發し、同性相食むが如き狹量短見が、所謂島國根性にして、我國の大を成すに至らざる所以、實に茲に存す。蓋しその更生は百年河〓を待つの類ならんか、豈嘆ずべきの至りならずや。七〇、情けは人の爲めならず、凡そ人の爲め、社會の爲め、國の爲めに利益を圖るものは、結局、己れの利益となりて酬いらる七一、故に彼の我利々々主義、即ち己れあるを知つて他を顧みざるものゝ如き、若くは人の膏血を絞りて尙慊らざるものゝ如きは、實に自他を傷ふ害物と謂ふべきのみ。七二、銀行集會所に於ては、自由に意見の交換を爲し、表裏なく打合せを爲し、相互協調して改良進歩に資するの風あるを要す。語に曰く「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」と。一四五 一四六七三、銀行集會所に於て、各銀行の實務に鞅掌せる中樞者を以て、〓究調査機關を組織し、以て理事者と聯絡を取ることゝなさば、改良進歩に資する所、尠少ならざるべし。七四、〓究を目的として創設せられたる何々會等の中には、會員の更迭により、何時しか當初の精神沒却せられて遊樂酒宴を目的とする會に變更せるが如きもの無きや。七五、經濟界の推移に注意すれば、無智より受くる損失を免る。七六、銀行集會所には、銀行員養成の爲め、徒弟學校を設け、卒業生には相當の待遇を與ふること一案なるべし。現に實施せる所もあり。英國に於ては、各組合銀行の出資に成れる銀行員養成所ありて、甲種商業學校、又は高等商業學校程度の學習を爲せり。七七、財界動搖の際、流言蜚語を放つは大いに戒むべし。而も同業者よりするに至りては、火事場泥棒と共に、其の罪有すべからず。同時に新聞記事に就ても、また、執筆態度の愼重を望む所大なり。七八、若し同業者間に於て、人に迷惑を與へ、若しくは他を中傷するものあらば、軈て其の報いは自分に落ち來るべし。即ち「汝に出でたるものは汝に還る」。七九、茲に一つの實話あり。昭和二年の取付に際し、甲銀行は預け入れに來れる者に對し、何れの銀行より引出し來りたるやを問ひたる上、自行が保證する故に、其の銀行に預け戾しを爲すべしと勸告し、乙銀行は預金引出者に對し、我は天下の大銀行なり、我を危む前に、先づ隣の銀行を考へよと云へりとか。而して聞くものは、全く之と反對の感想を抱かしめられたりと。二者の美醜、今猶話題となり居れり。八〇、平素に於ても同業者間の批評は愼まざるべからず。不測の影響を及ぼすことあり。八一、己れの銀行に過あらば、即ち他行の非を求めて友とす。自行に過なきものは他行の非を友として語るの要なし。宜しく他人を見るよりも自分を見るべし。「物云へば唇寒し秋の風」。八二、曾て關西銀行大會に於て、銀行の決算期を三月、九月若くは五月、十一月に改正希望を決議せることあり。是非採擇せられんことを望む。今や信託會社其の他の諸會社の多くは五月、十一月の決算なり。殊に政府の會計年度は四月に始り三月に終るにあらずや。必ずしも銀行のみ六月、十二月に限るの要なけん。之が改正は實に多數、實際家の希望する所なり。八三、考課狀の糊塗粉飾、隨つて其の虛僞の不當なるは論をまたず。併し其の責むべきは形の上にあらず、其の粉飾を爲さゞるべからざる根本原因たる不正行爲其の物なり。而して其の由つて來る處は、方針を誤り、遂に餘儀なき破目に陷りたるにあり。八四、本支店間の事務統一、部課組織の適否、爲替取引上の改善、行員訓練方法、書類の整理法等、〓究改善をなすべきこと列擧すれば尙多々あるべしと雖、要するに新銀行法の趣旨に從ひ、形式或は事務的よりも、其の根本精神の革新を以て第一要義となす。八五、單に形のみの改善に勞するは、恰も蠅を追ふが如し。吾人は幾度か繰返して云ふ、主義方針は根本にして、形は末葉なり。日本は形式の國として笑はるゝにあらずや、蓋し精神が伴はざればなり。一四七 一四八八六、之を食物に譬へんか、西洋料理は滋養と經濟とを主とするに反し、日本は專ら體裁を主とするが如し。思はざるべからず。八七、我國の迷へる狀況は恰も文字を橫に書くに當り、或は右よりし、或は左よりするが如し。八八、今日我國の改善の要は、制度樣式にあらずして、之を運用する人の心的改善に在り。八九、抑々我國今日の喫緊事は、日本なる大船に優越なる良船長をのせ、何れの方向に進むべきやを確示し、其の目的方針に向ひて、船員が一致して眞劔に努力するに在り。九〇、彼の金融制度調査會の如き、寧ろ形式手續事項の末節に亙るもの多きを遺憾とす。金融政策の大局よりして、宜しく其の機關組織の整備と、銀行改善の根本政策とを主眼とすべし。九一、世の銀行制度を論ずるもの、銀行論又は外國の制度を知りて、我國金融の實際的運行を知らざるもの少しとせず。況んや商品の移動狀態をや。九二、我國民の經濟思想は不充分なり。外國にては少女すら小切手の話をなすと聞けり。我初等〓育にて、銀行に關する知識は、小學讀本卷十の小記事に過ぎず。更に進んで普及の方法を講ずべきなり。九三、政府の施設は、國民の經濟意見を基調とする樣、其の意見は有力にして强大ならしめざるべからず。九四、社會の進歩は共同的なるも、畢竟、各自の進歩を覺らざるべからず。九五、我國の財力足らずと云ふも、全體の富力は增進せるにあらずやと說くものあり。一理なきにあらざるも、借金政策に依れる國家財政の膨脹は、各般の祟となるものにして、禍根茲に在り、英米に於て、戰後財政の整理縮少に銳意努力したる點、流石に嘆賞に値す。九六、理化學〓究と云はず、社會〓究と云はず、寧ろ實際に即したる、役立つ、權威ある經濟〓究機關の設置こそ、我國現時の緊急事にあらざる乎。彼の徒らに會員の多きもの、若くは名譽的調査會員を作るものゝ如きは、無きには優る程度のものとして、吾人の採らざる所なり。一四九 一五〇第十八章昭和二年の恐慌一、這次の如く、全國の銀行が一齊に取付られ、又全國の銀行が一齊に休業したるが如きは、世界の金融史上、殆んど曾て見ざる所なり。ニ、而して財界混亂が、斯く急激に擴大したるは、我國金融機關の聯絡の不完備なるに因れるも、其の動因は、金融問題を政爭の具に供したるに依る。眞に恐るべきにあらずや。ニ、由來黨人の黨爭は、一國を暗黑ならしむ。統一ある政府は、國の威信に正比例す。政黨の淨化は、眞に我國刻下緊急問題たり。四、今や我國の現狀は、徒らに政黨政派の情實因緣に囚はるゝ狹量を以て、政治を料理すべきの秋にあらず。萬里一碧、國家の爲め、眞に國民の總意に基き、誠意一貫、事に當らざるべからず。是れ實に國家を安泰ならしむる唯一の道なるべし。五朝に明るき政治家あり、野に獨立奮闘の民衆あり、上下擧りて眞摯剛健、一致協力すれば國家は勃興し、生活は安定す。彼の主義者の如きは、自ら跣足して逃れんのみ、何んぞ思想國難を叫ぶの要あらん。又何んぞ經濟國難を憂ふるの要あらんや。六、歐洲大戰に依りて得たる約二十二億圓の正貨は、實に千載の一遇にして、米國が金解禁を斷行し、一方經濟緊縮を强制したる大正八年に於ける、我國在外正貨は實に十三億四千萬圓を超え、對外爲替相場は平均五十一弗なりしことを思ひ、之を近年の數字と比較する時、如何に我國民の深慮の足らざりしかを悔いて止まざるなり。七、獨逸の如き擧國一致、能く精力と努力とを以て、不斷の勤儉力行を勵み、產業の合理化を努め、燃ゆるが如き意氣を以て復興の途上に在り、又能くこれを大成する國民性を有す。ツエツペリン伯號の竣工の如き、其の一例なり。ハ、又彼の大戰終るや、幾萬の兵を秩序整然と引上げ、直ちに之を經濟生活に再編成したるが如き、驚異に値するものあり。れ、世間曰く、昭和二年の恐慌は事業界の恐慌にあらずして、金融界に對する恐怖騒ぎなりと。誠に然り、然れども更に遡りて之を考ふるときは、禍因は遠く戰時好況時代に胚胎し、其の反動期に於ける事業界の蹉跌が根源にして、加ふるに關東地方の大震災あり、是等損失の最後の引受場所たる、銀行の根本的整理が遲れ居り、其の結果が遂に這次の爆發となりたるに過ぎず。故に或る意味よりすれば、新に創痍を增加したるにあらずして、從來の暗黑より光明へ、財界の淨化恢復を促進したるものとも云ふを得べし。一、即ち這次の恐慌は、各方面に於て彌縫に彌縫を重ね來りたる祟にして、縱令某銀行の不始末なかりしとて、早晩免るべからざりしものとの觀察をなすあり。恐らく何人も抗辯するの勇なかるべし。誠に痛心の至りならずや。國家將來の爲め、吾人深く思を茲に致さゞるべからず。一一、隨つて這次の恐慌は、單に之を銀行界に局限せず、全般の一大警鐘として、國民一致相協力し、前代未曾有の不祥事を再び繰返すの愚を爲さず、深く其の原因を究め、容易に得難き活〓訓なりしと心得、感奮興起、以て轉禍爲福を圖らざるべからず。一二、 一五二ニ、米國に於ては、千九百七年の恐慌に鑑み、將來再び斯かる不祥事を惹起せざらんことを誓ひ、根本的大改善を行へることは世人の洽く知れる所、千九百十四年施行のウヰルソン大統領のフエデラル·レザープ·バンクの建設是なり。ニー、紐育準備銀行の會議室には、千九百七年の恐慌の際に、各銀行家委員の凝議せる苦衷の寫眞を揭げ、以て戒愼の一具に供し居れり。一四、宜なり、米國は今や世界金融場裡の主權を掌握せるのみならず、銀行其の他各事業の組織に於て、之が模範たるの榮譽を荷へることや。一三、由來我國民は動もすれば健忘性に陷り易く、彼の震災の戰慄すべき氣分すら漸く忘れられ、人心年を逐うて弛緩せんとす。或は今後の金融狀勢は、表面的に緩和するやも測り難し、其の根柢に至りては、依然として容易に樂觀を許さず、今や臥薪甞膽、根本的對策を講ぜざるべからざるの秋なり。ゆめ〓〓油斷あるべからず、喉元すぎて熱さを忘るる勿れ。一六、或は曰く、悲雨慘風の最も激甚を極めし四月二十一日を以て、毎年の記念日となし、以て財界の鑑となすべしと。大いに可ならん。第十九章結論一、要するに我國の經濟難を救ふには、一時的國民の總動員と云ふが如き、將又法律制度等の形の上にあらずして、根本は人間精神の立て直し、即ち國民性の改善如何にあり。制度必ずしも人を制せず、人能く制度を制す。ニ、今日に在りて、維新改革の意氣、日露戰爭當時、若くは關東震災當時の緊張氣分となり、上下一致して眞劔に勇往邁進せんか。必ずしも日暮れて道遠しとせざるなり。ニ、吾人は終に臨んで絕叫せんとす、日本は國を擧げて眞面目に立ち直れよと。更に再び絕叫せんとす、先づ自らを改善せよと。更に三たび絕叫せんとす、皇國の民として國體に基き魂を磨き眞に人たるの人たれよと。四、以上要するに銀行は勿論、株主、商工業者、預金主、借主等凡そ銀行に利害を有するもの何れも眞の〓究、眞の諒解、眞の履むべき本道に對し、未だ盡さゞるものあり。此の缺點よりして遂に銀行の困厄を招致し、自他共に損害を蒙るに至る。乃ち相共に無理を避け、不純を去り、本領を守り、確立したる營業方針に向ひて奮勵努力し、原理原則に從ひ、崇高なる理想と、最も〓廉に、最も公明に、至誠一貫以て克く其の責に膺り、苟も目前の功利に馳せず、永遠の大局に著眼して、信用の基礎を鞏固にし、以て萬全を期し、小は一人、一銀行、一會社、大は一國の福祉を增進せんことを冀ふに外ならず。重ねて云ふ、是れ畢竟經營者其の人と之が實行如何に存す。又敢て多くを云ふを要せざる一三三 一五四なり。願くは孜々營々、眞に光彩陸離たる理想の銀行を、築き上ぐるを以て念とせられんことを。五、吾人は最後に斷言せんとす。今後若し銀行業に從事せる者にして、失敗することありとせば、夫れは必ず本册子の何れかの項に背反せるものなることを。本書文字簡なりと雖、宜しく其の意の存する處をくみ、熟讀玩味せられんことを、敢て至囑に堪へざるなり。平凡なる道理は何人も之を知る、而も之を實行するものに至りては、眞に非凡の人と謂ふべし。"speak, act and Serve together!" Woodrow Wilson. 昭昭昭昭和十四年六月十五日昭和六年昭昭和二年昭昭和五年昭和四年昭和三年昭和三年昭和三年昭昭和四年二昭和二年無正相ニ片和和和年年年十二十二十二十二十十一月二十日定價六十錢五三四七四二十一月廿五日二月 月 月 月 月月月廿一日月十月月廿一日月十五日五月廿一日十五十五十五一日日日日日一日日日日再發印十二版八七六四十三版十一版十九五十四版三版版版版版版版版版行刷送料六錢(五十錢) (卅八錢)品賣非發行所著印刷所印發行者刷者者大大阪市北區中之島一丁目二十九番地大阪市西區京町堀上通二丁目一五大阪市西區京町堀上通一一丁目一五大阪市天王寺區細工谷町一〇九兵庫縣武庫郡住吉村字花田一四〇三ノ一大大荒一阪銀行集會原原木瀨印庄秀粂刷太所社郞一吉 390 7 002850600 0 0028506-000特212-333銀行業務改善隻語一瀬粂吉·著大阪銀行集会所増補改訂第14版昭和14 ADI特この著作物は、著作権者不明のため,、著作権法第67条の規定に基づき、平成12年3月2日付けで文化庁長官の裁定を受け使用するものです。
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そういうこともあって練習を各々する中、女性陣営の中セレーナは一人隅っこで俯いていた。昨日の恐怖がまだ残留しているようだ。 -- 名無しさん (2013-10-11 08 58 06) ベア「セレーナちゃん!どうかしたんですか?」明るく接してきたベアトリス。 セレーナ「ぁ……ぃぇ、その……」か細く見上げたが、心なしか昨日より声に明るさが陰っていた。 -- 名無しさん (2013-10-11 08 59 20) ベア「そんな暗~い顔してたら、私の上官が『焼き入れるぞ!』って怒鳴っちゃいますよ?だからほら」手を差し伸べ、ベア「一緒に練習しましょ?大丈夫!可愛い妹分であるセレーナちゃんを、私が面倒見てあげましょう!」セレーナ「ぁ……あり、がとう♪」 その様子を見ていたブレンナーにアンナ、そしてザミエル。 -- 名無しさん (2013-10-11 09 00 59) アンナ「怯えてるのってさ、っきのザミエルの暴れっぷりを見たせいじゃない?(笑)」 ザミエル「私のせいだと言うのか貴様」 リザ「まぁまぁ」 結構穏やかに話していた -- 名無しさん (2013-10-11 09 21 19) なんだかんだでベアトリスは面倒見が良い事を、皆は知っていた。 -- 名無しさん (2013-10-11 09 25 03) ベア「さぁパートAから参りますよ~!目指せ優勝!輝け未来の王妃様~!」セレーナ「ぉ、お~」ベア「声が小さいですよ~?はいもう一回~!」 -- 名無しさん (2013-10-11 09 26 02) 螢「流石ベアトリス、慣れてるわね」玲愛「面倒見がいいのは良いけど……要領は良いけど普通ってのがね」螢「ああ、料理ですか」ベア「そこ!無駄話しない!少佐のカスタネットが唸りますよ!」 -- 名無しさん (2013-10-11 09 34 03) ザミエル「安心しろ唸るのは私の拳だ、真面目にやれば見逃そう」 玲愛&螢「「イエス・マム、真面目にやります;;」」 ビシッと敬礼する二人 -- 名無しさん (2013-10-11 10 29 49) ザミエル「ヤヴォールだ」 玲愛&螢「「ヤヴォール!」」 ザミエル「声が小さい!!腹から声を出せ!!!もう一度!!」 玲愛&螢「「ヤヴォール!!!!!!!!!!」」 ザミエル「…やれば出来るではないか」 -- 名無しさん (2013-10-11 10 32 11) リザ「なんの訓練してるのよ?」 -- 名無しさん (2013-10-11 10 54 22) 香純「クシュン!」玲愛「風邪?綾瀬さん」香純「かな?」 -- 名無しさん (2013-10-11 13 02 56) 龍明「忘れがちだがここは水の中だしな。身体が冷えたのかもしれん」 ザミエル「…少し温度上げるか?」 -- 名無しさん (2013-10-11 13 17 49) 香純「Σいえいえ大丈夫です!」 ザミエル「しかし…」 香純「本当に大丈夫ですから、ちょっと鼻がむずむずしただけです」 -- 名無しさん (2013-10-11 13 33 11) 玲愛「……何だろう、あからさまな待遇の差を感じる」 螢「……恐らく人徳の差、によるものでしょう」 -- 名無しさん (2013-10-11 13 35 42) 竜胆「これが『ふるーと』で、こちらが『はーぷ』というのか」紫織「竜胆さんは本当に疎いからね~。琴とか以外知らないんじゃない?」 -- 名無しさん (2013-10-11 15 59 25) 竜胆「おい待て紫織、いくらなんでも私を馬鹿にし過ぎではないのか?」紫織「じゃあ知ってるの?パイプオルガンとか」竜胆「ぱ……『ぱいぷおるがん』であろう?知って――」玲愛「いやどう考えても知らないって書いてあるわよ?あなた」 -- 名無しさん (2013-10-11 16 48 10) 龍水「しょうがないだろう私達は、西洋の楽器は何があるのかなど、向こうで知る機会など無かったのだからな」 龍明「日本で言う鎖国時代だったからな、致し方無い事だ。紫織も…あまり烏帽子殿をイジメてやるな、知らないのならばこれ機に学べば良い」 -- 名無しさん (2013-10-11 16 56 55) やんわりと竜胆を擁護する御門母子 -- 名無しさん (2013-10-11 16 57 47) 紫織「やっさしいね~龍明さんは。まあそれもそうか」アンナ「あんたが逆に詳し過ぎなのよ。どんだけ現代に溶け込んでるのよ?」紫織「いや~下界に興味があったからさ。ほら、夜刀ことあんたら先代の時代がどんなのかな~ってことから興味関心はあったし。色々海外は面白いよね~」リザ「本当に、詳しいわね;」 -- 名無しさん (2013-10-11 17 00 03) ザミエル「西洋楽器に関する知識があるのはいいが、扱えるかどうかは別だぞ?そこの所はどうなんだ」 -- 名無しさん (2013-10-11 17 50 29) 紫織「ん~……ハープは少し程度で、ヴァイオリンとピアノは行けるよ?」 -- 名無しさん (2013-10-11 17 57 30) 龍水「まるでお嬢様だな」螢「なんだろ……違和感がないわね?」紫織「そう?覇吐あたりに言ったら『似合わない』って言われてさ。ちょっと見返そうと思ってたんだよね~。まあ仕返しで竜胆さんの寝込みを襲うようにアドバイスはしたけどね♪」竜胆「あの時差し向けたのは貴様か、紫織!!」分身して逃げる紫織。 -- 名無しさん (2013-10-11 17 58 55) 龍明「紫織はよしとして、烏帽子殿、咲耶、龍水、お前達も自分達が使う…もしくは使ってみたいと思う楽器を選べ。扱い方は現役に聞けばいい」 アンナ「私達に丸投げってどうよ」 リザ「貴女だって一通り扱えるでしょう?」 龍明「流石に300年以上も携わっていなかったからな、腕が錆びているかもしれん」 ベア「………少佐が面倒臭い事を押し付けようとしてる時の顔と同じ顔してますけど?」 龍明「ん?何か言ったか?(超イイ笑顔)」 ベア「イエナニモイッテマセン」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 29 54) 龍明「時間があまり無いんだ、ならスパルタで教えた方が早いだろう?」 ザミエル「……手加減無しでいいんだな?」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 32 22) 皆「(゚Д゚;)!?!?!?」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 33 38) 咲耶「私はでは、フルート?というものを」龍水「私は――」紫織「タンバリンがあるよ?ほい」龍水「ああどうも……って、うおい!なんだこれは!?あからさまに簡単そうなものを渡しおって!」紫織「いや~無難かなと」龍水「おのれ!」竜胆「私は……ヴァイオリンに挑戦してみよう」龍明「私はやはり、いつもの楽器でやるとしよう」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 33 48) ベア「(……第一、少佐がスパルタなんてした日には完全にその人が廃人になっちゃうというのに」アンナ「ヴァルキュリア、声が途中から綺麗に漏れてるわよ?」香純「え?なんで目を隠すんですか?」龍明「御身のためだ」ザミエル「……どうやら燃やし尽くす度合が低かったらしいな。いいだろう馬鹿娘、貴様は以前ハイドリヒ卿が楽器をやらせようとして逃げようとした経歴があったな。罰として私の『指導』を受けるといい」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 35 45) 螢「……ベアトリスって、昔からあんな感じだったんですか?」 リザ「そうねぇ、確かにエレオノーレに対して物怖じしない娘(こ)だったけど…」 アンナ「最近はちょっと酷いわね、ボケかしら」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 42 11) ベア「マレウスにだけは言われたくありませんよ!」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 48 01) ザミエル「貴様もマレウスも今も昔もそう大差などあるまいに、何を傷の舐め合いをしているのだ。この阿呆どもは」 セレーナ「……くすくす」何が面白かったのか、セレーナは目じりに涙を浮かべていた。 -- 名無しさん (2013-10-11 19 49 01) ザミエル「……?」セレーナ「ご……めんなさぃ。笑って……しまって♪」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 54 58) マリィ「うん♪やっぱり笑顔が似合うね♪」香純「そうだね~。笑顔が一番(^_☆)」アンナ「はぁ~……毒気が抜かれるわねぇ」竜胆「だが、こういうのも悪くはない。そうではないか?龍明殿」龍明「まぁ……こういう雰囲気もまた良きものであると思っているよ」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 56 24) ベア「あれ?そういえば、セレーナちゃん」セレーナ「?」ベア「その首飾りは一体なんなんです?」月の形をしたペンダントを首から下げていたが、敢えて触れてみたが、セレーナは身振りで教えようとしていた。 龍水「え~と……誰か、手話ができる者はいるのか?」アンナ「いるわけないでしょうが。ここにいるのは筋肉で脳が侵された女連中よ?」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 58 00) ザミエル「…筋肉で脳が侵されているくせに出来て悪かったな(怒)」 -- 名無しさん (2013-10-11 19 59 48) アンナ「しまった(゚Д゚;)!?できる存在忘れてた(T_T)!?」 -- 名無しさん (2013-10-11 20 03 29) リザ「それと、少々その物言いはあんまりじゃないかしら?(怒)」ベア「そうですね~。一番年長者のマレウスにだけは言われたくありませんよね~(怒)」香純「同感(怒)」螢「私も、マレウスには言われたくない(怒)」 -- 名無しさん (2013-10-11 20 04 39) アンナ「ムキ~!馬鹿ばっかのあんたらと同じ扱いされたくないのは私だっつ~の!」竜胆「ちょっと待ってくれ!?私たちも入っているのか!?」アンナ「この中で賢いのってあたしを置いて他――」バキッ!! 振り返ると――龍明様が般若のス○ンドを具現化させながら微笑んでいた。 -- 名無しさん (2013-10-11 20 06 11) 龍明「……ふ、ふふふ、ふふふふふ」龍水「ピぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ(ノД`)!!!!!!!!!!!!!?????」 -- 名無しさん (2013-10-11 20 08 59) 龍水がチビりそうな勢いで半泣きしていた。尻餅ついた龍水を看病しようと竜胆が近寄ろうとするも、龍明の言い知れない圧迫感に引き下がった。 -- 名無しさん (2013-10-11 20 28 03) 龍明「マレウス……言い残すことはあるか?」アンナ「あ~……その……なんていうのかしら……ドンマイヽ(;▽;)ノ」刹那――ダブルトライアングルによる爆発がマレウスを襲った。しかも――煉獄付きだ。 -- 名無しさん (2013-10-11 21 13 46) W魔王「「…口は災いの元だ…覚えておくがいい」」 魔女は灰に還った -- 名無しさん (2013-10-11 21 19 51) ザミエル「…さて、少々脱線してしまったが…セレーナ姫、話を聞こう。手話でも口パクでも問題ない」 -- 名無しさん (2013-10-11 21 21 23) セレーナはそう言われ頷き、手振りで何かを伝えると、 ザミエル「ふむ……どうやらこの首飾り、生まれた時から所持していたらしい」ベア「そうなんですか?しかし、綺麗ですね~……副首領と同じ彗星も少しあしらったデザインが少々あれですけど;」 -- 名無しさん (2013-10-11 21 23 02) 龍明「師匠は占星の神でもあるからな、星に関わる事には高確率で出てくるだろう」 香純「…メルクリウスって名前調べた事あるけど、商業の神って出てきましたよ?」 -- 名無しさん (2013-10-11 21 30 17) 玲愛「…『悪徳』商業の神、だね」 -- 名無しさん (2013-10-11 21 31 16) ………一方 水銀「Σへっくし!!( ゜д゜)、; .・」 話題に挙げられた水銀がくしゃみしてた -- 名無しさん (2013-10-11 21 42 41) ……… 竜胆「何かの御守りのようなものだろうか」 ペンダントを見て -- 名無しさん (2013-10-11 21 46 02) 龍水「ふむ……なにやら文字が刻まれているようだな」見ると、ペンダントには小さく文字が刻まれているが、如何せん文字の解読ができないでいた。人魚たちが扱う文字であるから人の身ではまず理解はできないだろう。水銀が生み出した、とはいえ今ではもう進化をし続けているということから察するに、水銀も当てにはならない。 -- 名無しさん (2013-10-11 21 59 16) 龍水「んー、母刀治殿、この首飾りの形……神官たちを操っていたまじないに似ていませんか?」 龍明「ふむ、確かに……多少の違いがあるが源流は同じだろうな」 -- 名無しさん (2013-10-11 22 24 07) ベア「……そうですか? 彗星の形だと思うんですけど」 龍水「少し角度をズラしてみるのだ」 -- 名無しさん (2013-10-11 22 26 07) ベア&香純「「?」」同じように首を傾げて角度変えて見てる -- 名無しさん (2013-10-11 22 31 10) マリィ&蓮(女)&螢「「「?」」」 見る -- 名無しさん (2013-10-11 22 35 25) 玲愛「………あざといよ、そこ五人」 -- 名無しさん (2013-10-11 22 37 22) 角度をずらして見ると言われた通りあの呪(まじな)いの形に似ていた -- 名無しさん (2013-10-11 22 39 09) 竜胆「これは……あの王妃が仕組んだ物の可能性がありそうだ」 龍明「確かにそれは考慮すべきだが、即断するのは早計だ」 -- 名無しさん (2013-10-11 22 46 29) 龍明「刻まれている文字の意味も気になる、もしかするとあの呪いに対する護りかもしれん」 ベア「………あ!そういえば、呪いじゃなくて神官を直接使ってきてました」 -- 名無しさん (2013-10-11 22 53 06) あの恐怖がまだ抜けてないセレーナに気を使い、聞こえないように龍明に耳打ちするベアトリス -- 名無しさん (2013-10-11 23 06 18) 龍明「……そうか、その事も一応頭に入れておこう」 話を切り上げたら女性陣も練習を開始する -- 名無しさん (2013-10-11 23 38 53) ……ようやく昼になり、皆が女子の部屋へ集った。黄金「さて、昼食にしようか」水銀「ベルラたちに食事の手配はした」ベイ「おい、毒が盛ったフルコースはゴメンだぜ?見分けるのはたやすいが、億劫だ」 -- 名無しさん (2013-10-12 00 17 45) 龍水「まったく、本当に刑士郎にソックリだな」刑士郎「一緒にすんな、チンチクリン」ベイ「まったくだァ……だったらてめぇが毒見役やるか?お前の大事な大事な『母刀自殿』のためによォ」 -- 名無しさん (2013-10-12 00 27 11) 紫織「ご飯の時くらい険悪なのは抑えなさいよベイ士郎」 ベイ&刑士郎「名前を一纏めにすんな!!!」 -- 名無しさん (2013-10-12 00 42 07) アンナ「似たようなもんでしょうが」ベア「同じシロですし」ベイ&刑士郎「馬鹿女どもは黙ってろ!」二人「超が付くベイ/中尉に言われたくないですよ/ないわよ!!」 -- 名無しさん (2013-10-12 00 43 59) 蓮に司狼は我関せずでお茶を啜っていた。蓮「んで?どうなんだよ、この状況は」セレーナはベイの隣でお行儀よく坐っていた。ベイとは雲泥の差だ。 水銀「仕方あるまい、彼女の持つ首飾りが一つの鍵になっている可能性があるのだ。それに、お前にハイドリヒが見つけた祠……どうも気になるのだよ。パールスが言った言動を疑いたくはないが、な」 -- 名無しさん (2013-10-12 00 45 44) 司狼「歴代のバンドの長達が使ってた楽器を、ウィンディーネって女が守ってるってやつか?」 蓮「あの時の話聞いてたのかよ」 司狼「聞こえてたんだよ。最近いい歌が聴けなくてご機嫌斜めってとこもな」 -- 名無しさん (2013-10-12 00 53 18) 黄金「行ってみるかね?マキナかザミエルはセレーナの警護、もしくは香純並びにテレジアを守護せよ。女神はカールでいいとして……トバルカイン、我が覇道を受け継ぐ久雅竜胆、そして刹那にゲオルギウスにエリーは共に参れ。調査に掛かるぞ」 -- 名無しさん (2013-10-12 00 56 22) 司狼「今からかよ」 エリー「そこまで遠くないし、昼食来る頃には戻って来れるでしょ(笑)」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 00 12) 司狼「しゃ~ねぇな」戒「螢……香純ちゃんたちを頼むよ」螢「うん、兄さん気を付けて」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 02 32) 水銀「藪をつついて蛇を出さんようにな」 蓮「親父以上に厄介な蛇はいねぇだろ」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 04 30) 皆が笑った。 -- 名無しさん (2013-10-12 01 05 07) ……そして、例の祠の近くまで来て異変に気付いた。黄金「……他の者たちはどこに行った?」司狼「……部屋に篭ってるにしちゃ~静かすぎるな」エリー「なんかまるで」戒「墓標……かい?」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 06 30) 静かすぎる。ここに来るときは此処にたくさんの人魚たちがいて、皆が各々の楽器で演奏などもしていたが、今はまだ昼間だというのに人魚が誰も外にいなかったのだ。まるで――この祠を避けるように。 -- 名無しさん (2013-10-12 01 07 21) 竜胆「!……『流転……流水……悲しい……何故』?」水中に眠る祠を見下ろしながら竜胆は呟いた。 -- 名無しさん (2013-10-12 01 10 56) エリー「竜胆さん?」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 13 13) 司狼「おい、どうした姫さん」 戒「……?」 祠を見下ろす -- 名無しさん (2013-10-12 01 14 39) 竜胆「黄金殿……あの祠から何か……悲しい思念が渦巻いているのを感じた」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 15 12) 黄金「…あの時は気付かなかったが、……ふむ」 黄金の魔眼が祠を『視る』 -- 名無しさん (2013-10-12 01 19 33) 黄金「……モーゼの十戒のようにするか」槍を出さず、活動位階で振るっただけで水が裂けた。そこへ人魚の状態から人の状態に戻り降り立った。 -- 名無しさん (2013-10-12 01 22 08) 黄金「!」そこで気付いた――祠の真正面の門には文字が刻まれていた。当然文字は読めない……だが、黄金の魔眼が識別した。特級の禍津による封印がされていると。 -- 名無しさん (2013-10-12 01 23 28) 黄金「…ほぉ……、鬼が出るか蛇が出るか………試してみる価値は有りと見た」 ……上にいる人達 蓮「Σおい!まさか開けるつもりか!?」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 31 00) 黄金「無論だ……此処に居る者、そして此度の騒動……因果関係は収束していると見える」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 34 49) 黄金の神気が高まり、黄金「おお 至福をもたらす奇跡の御業よ 汝の傷を塞いだ槍から 聖なる血が流れ出す」黄金の眼力で目の前の封印を――一瞥した。刹那――莫大な魔力を帯びた水の奔流が黄金を襲った。黄金「ぬううううううううう!!!!!」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 36 36) 蓮「――時よ止まれ、お前は美しい!!」 水の奔流を停滞させる -- 名無しさん (2013-10-12 01 43 44) 黄金「む……すまん」蓮「気にするな」戒「それよりも、今の内に」竜胆「!その祠……一人だけでは……ない!?『何故……裏切る……歌……壊せ……愛してる……音……奏でる……近衛』?」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 45 18) 司狼「……近衛ねぇ」 エリー「どっかで聞いたねその単語」 司狼「頭に『元』がついてたけどな」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 48 38) 戒「どうしますか?ハイドリヒ卿」黄金「まずは祠が最優先だ……皆、参れ」竜胆たちも降り立った。 -- 名無しさん (2013-10-12 01 51 00) 司狼「取り敢えず、あの門をぶっ壊して中に入る方向って事でオーケー?」 エリー「状況的にそうでしょ」 戒「水は蓮君が止めていてくれてるからね、早く済ませよう」 -- 名無しさん (2013-10-12 01 58 51) 司狼「てな訳で行くぜェー!」一気にブッ放った! 竜胆「いきなりか!?」 司狼「突入だぜ~!」司狼が駆け込み、エリーもノリノリで「イエ~イ!」と叫びながら乗り込んでいった。戒「趣旨、忘れていないよね?司狼君たち」 -- 名無しさん (2013-10-12 02 02 27) 蓮「アイツは既知感に悩まされてたからな、単純に未知とかが嬉しいんだと思う」 黄金「一先ず我々も行こうか」 -- 名無しさん (2013-10-12 02 06 25) 祠の中へ入る一同 -- 名無しさん (2013-10-12 02 10 44) 二、三人が通れる程度の道を踏み進んで行く。 -- 名無しさん (2013-10-12 02 35 05) 覇吐「苔とかがそこら中に生えてんな、気を付けろよ竜胆」 護衛として付いてきた覇吐が先行しつつ、後方に気を配る。 -- 名無しさん (2013-10-12 05 05 57) 竜胆「あぁ、」 足元に気を払いついていく -- 名無しさん (2013-10-12 10 25 31) 蓮「…結構奥行きあるな」 司狼「だな」 エリー「崩れでもしたら洒落にならなそうだね(笑)」 中堅はこの三人 -- 名無しさん (2013-10-12 12 03 19) 戒「その心配は無いと思うよ」 黄金「それより、この先にはいったい何が待ち受けているのだろうな」 殿(しんがり)はこの二人 -- 名無しさん (2013-10-12 12 06 58) 覇吐「普通は信仰してる御神体やら昔からのお宝を祀ってるもんだが……この世界の神様ってーと水銀の旦那か?」 蓮「親父が祀られてる姿とか想像したくねえ」 -- 名無しさん (2013-10-12 13 15 54) エリー「それに一票って……あらら」司狼「へぇ~」だいぶ先に方角を見て司狼とエリーが何かに気づき、ほくそ笑んだ。 -- 名無しさん (2013-10-12 13 59 34) 黄金「どうかしたかね?」司狼「おいパシリ、お前ちょいと右の壁を叩いてみな」蓮「?」覇吐「誰がパシリだっての!ったく、先代は口が悪いな、もう」言われて軽くたたくと、目の前の空間が歪み――幻想的な泉と広い空間が出現していた。司狼「ビンゴ!」 -- 名無しさん (2013-10-12 14 07 25) 戒「どういうことだい?」司狼「つまり、あの祠そのものが侵入者用のトラップみたいなもんだよ。入ったら最後、抜け出せなくなるようにってな」竜胆「よく気付けましたな?司狼殿」司狼「俺は蓮(こいつ)の悪童(ダチ)なんだぜ?つまり、俺にはそういったご都合は効かねえんだよ」 -- 名無しさん (2013-10-12 14 08 48) 覇吐「しかし、こりゃ……」竜胆「お前が冷泉殿と戦っている間、私が待っていた空間に似ているな」周りは岩礁で、地面が草木とクリスタルが岩のように飛び出て、天井は水晶とクリスタルが剣山のようになっており、泉のど真ん中には巨大な水晶に体育座りで目を瞑っている裸の少女がいた。 -- 名無しさん (2013-10-12 14 11 49) 竜胆「!……『流転……謀反……隠ぺい……愛してる……悲哀……泣かないで』?」覇吐「あの目の前の嬢ちゃんがそう言ってるのか?竜胆」竜胆「分からん……だが、この感情は何だ?簡単に言葉にできるようなものではない」 -- 名無しさん (2013-10-12 14 19 06) 戒「……確かに、だいたい事情は察しがついたけど。彼女の感情を言葉にするのは少し難しいね」 司狼「感情を色に例えんなら混ぜこぜのぐちゃぐちゃ、ってとこか?」 -- 名無しさん (2013-10-12 15 49 35) エリー「ざっくりし過ぎて余計わかり難くない?それ」 司狼「そうか?無理に言葉にするよかわかり易いだろ」 蓮「とにかく、あそこにいる女の子が『ウィンディーネ』って事でいいんだな」 -- 名無しさん (2013-10-12 15 55 29) 黄金「他に読み取れるかね?」竜胆「少しお待ちを……ん?」覇吐「どうした、竜胆?」竜胆「あの岩場に刺さってる水晶、何か写っていないか?」黄金が跳躍し、指差したやけに遠くに置いてある水晶の前に立った。黄金「……これは」見ると、ウィンディーネの他に三体の人の形をした精霊たちが移っていた。黄金「意味合いがありそうだな……一時戻るとしよう。これは不用心に触れて良いものではない。パールス殿を探すぞ」 -- 名無しさん (2013-10-12 16 34 29) ……その頃、セレーナはベアトリスと共に発声練習をしていた。セレーナ「あ、い、う、え、お」ベア「前より出るようになりましたね~♪良い子良い子♪」頭を撫でられ、セレーナは照れていた。 -- 名無しさん (2013-10-12 16 42 44) ベイ「……マキナ。てめぇ今回の騒動、どう見る?」マキナ「どう、とは?」ベイ「抽象的な言葉は不要だ。端的に言う……単純か?」マキナ「ではないだろう」蓮(女)と音楽の練習をしながらも、マキナはそう答えた。 -- 名無しさん (2013-10-12 16 43 48) ベイ「キナ臭ぇ神官共に王妃はまあいずれ俺らで締めるからそれで終わりだ。けどよ……な~んか引っかかるんだよ」マキナ「……お前もか」ベイ「ってことは、お前も何かしらの違和感を覚えていたってことかァ?」マキナ「どこかに陥穽があるのは分かっている……だが、それが何かは不明のままだ」 -- 名無しさん (2013-10-12 17 28 57) シュピーネ「ほれほれ」シュピーネはセレーナにワイヤーを使ってあやとりを魅せていた。セレーナ「♪」ベア「はい、じゃあ次やりますよ~!」息抜きでシュピーネ、発声練習がベアトリス。この二人、意外に息が合うのであった。 -- 名無しさん (2013-10-12 17 49 56) 水銀「そろそろ帰還する頃だな」黄金「ただいま帰還した」そこに、黄金たちが戻ってきた。刑士郎「戻りやがったか……あん?どうした、んな神妙な顔しやがって」覇吐「あ~いや、その……」竜胆「昼食の後に話そう」 -- 名無しさん (2013-10-12 19 10 08) 黄金達が帰還し昼食を済ませる -- 名無しさん (2013-10-12 19 16 22) 黄金「各々、楽にして聞け。この後の予定もあるが……あの祠を解明する前に、セレーナ姫」セレーナ「?」黄金「御身の飾り……少々調べさせてほしい。あとカールよ」水銀「何かね?」黄金「パールス殿はどこにいるか、知らんかね?」水銀「?何故パールスの名がそこで出てくるのだ?」 -- 名無しさん (2013-10-12 19 28 43) 黄金「祠の奥に彼が言っていたウンディーネらしき少女が居た、結界に守られてな。だが意思疎通ができん、彼には詳細を聞きたい」 -- 名無しさん (2013-10-12 19 53 37) 水銀「あいわかった、だが何処で何をしている等は逐一把握していないんでな。急ぎならば今捜して連れて来よう」 -- 名無しさん (2013-10-12 20 09 53) 黄金「頼む……それとカールよ。祠に特級の禍津が施されていたぞ」水銀「……なに?」刑士郎「禍津、だと?」咲耶「それって、兄様と私と同じ……」そう、元々禍津とは彼らには縁遠くはなく、むしろ縁として無関係とはいえないもの。では何故そんな祠に特級の禍津による封印がされていたのだろうか? 夜行「水銀殿が此度は楽しく待っていた……そのことから察するに、長い年月を経て変容し過ぎたようですな」龍明「厄介ごとには慣れているが……しかし、複雑になってきたな」紫織「ただの犯人捜しがこんなに面倒くさくなるなんてね~。ま、私としては全部が終われば踊れたり食べたりできるんだから、いいけどね~」宗次郎「全てが終わったら、黄金さん……あなたと一手、殺合いをしても構いませんか?」鬼気として笑みを浮かべる宗次郎。 -- 名無しさん (2013-10-12 20 30 45) 黄金「良かろう、一対一でも…我が爪牙全員参加のデスマッチでも構わんぞ?」 水銀「…後者の提案は、城を維持するイザークが哀れに思えてくるな」 -- 名無しさん (2013-10-12 20 38 23) 後者の提案はつまり大混戦の虐殺パーティー -- 名無しさん (2013-10-12 20 39 06) 宗次郎「僕に斬れないものはありませんよ……黄金、いいえハイドリヒ卿。あなたは易々と斬られないで下さいよ?興が削がれますので」笑みを浮かべたまま、宗次郎は黒円卓の面々を見た。 -- 名無しさん (2013-10-12 20 42 05) マキナ「ほう?」ザミエル「面白い」シュライバー「僕らに勝てるつもりなのかい?」三騎士が呼応した。神父「やれやれ……私は静かな生活を送りたいのですが」リザ「諦めなさい、ヴァレリア;」 -- 名無しさん (2013-10-12 20 43 07) アンナ「黒円卓にいる時点で平穏からは程遠いわ」 ベア「………はぁ…」 諦め&溜め息 -- 名無しさん (2013-10-12 20 45 21) 戒「――僕は構わないよ」螢「に、兄さん!?」 -- 名無しさん (2013-10-12 20 46 10) 戒は宗次郎を見た。戒「君とは正真正銘、決着を着けたいと思っていた所だったよ。あれは互いに不完全燃焼だ……もう邪魔はない。ハイドリヒ卿とは別に、個人的に君とは雌雄を決しようじゃないか」宗次郎「――悪路、いいえ櫻井戒さん。あなたを今度こそ超越(こ)えてみせましょう」 -- 名無しさん (2013-10-12 20 47 34) 水銀「何にせよ、お前達のお楽しみは全ての片がついた後だ。私はパールスを捜して来よう」 -- 名無しさん (2013-10-12 20 49 13) 水銀が身を翻して行こうとした時、廊下から話し声が聞こえてきた。兵士A『おい聞いたか?』B『ああ。なんでも俺たちの世界に人間がいるらしいぞ』皆「――――!?」 -- 名無しさん (2013-10-12 20 50 35) A『だが、人間がこの世界に入って来れるものか?我らが神聖な場所に』B『人間に高尚な歌と音を理解できるとは思えんのだがな』C『いずれにしろ、見つけ次第王に引き渡す手はずになっているはずだ。怪しい奴は片っ端から列挙するぞ』兵士たち『おう!』 エリー「……え~と」水銀「……あの王妃め、やってくれる」 -- 名無しさん (2013-10-12 20 52 06) 黄金「…ザミエル、香純とテレジアの護衛を命ずる」 ザミエル「ヤヴォール」 『人間』は香純とテレジア、この二名しかいない -- 名無しさん (2013-10-12 20 55 50) 水銀「……まぁ、そうだな。少々面倒になりはしたが、然程問題でもないか」 -- 名無しさん (2013-10-12 20 58 35) 水銀はパールスを呼びに行った。黄金はセレーナの首飾りを調べる。 -- 名無しさん (2013-10-12 20 59 48) 黄金「……ふむ、」 アンナ「……う~ん…」リザ「どうしたの?マレウス」 アンナ「いやねぇ、その月の形をしたペンダントとセレーナって名前で、『月の女神セレーナ』の話思い出してさ。魔術関係以外で神話とかも調べてた事あるのよ、……まぁ、それは今回関係ないだろうけどね」 -- 名無しさん (2013-10-12 21 52 23) 調べてる間セレーナは引き続きベアトリスの発声練習の指導を受け、曙女性陣は楽器の扱いをザミエルから教わってる(頭ごなしのスパルタ法ではなく本人の実力を短時間で最大限に引き出すような指導だった) -- 名無しさん (2013-10-12 23 31 03) マキナは指揮者として楽譜を見ており、シュライバーはフルートだ。香純は頑張ってヴァイオリンのレッスンを、玲愛とリザはフルートを。神父は多少の心得があるので、その付き添いを。 -- 名無しさん (2013-10-13 00 36 05) 黄金「…………この文字の解読ができれば、あるいは」アンナ「ハイドリヒ卿でも読めないんでしょ?それならやっぱ同じ人魚に読ませるってのはどう?」黄金「パールス殿は現在カールに頼んでいるところであるしな……王にでも頼むとするか」龍明「賢明かと……ん?姫、それは?」マリィ「ん?さっき拾ったの♪」見ると、蠍の型が刻まれたエンブレムのブレスレットだった。手にしているだけで腕に嵌めてはいなかった。玲愛「嵌めようとしてたから、私が止めたの」 -- 名無しさん (2013-10-13 00 41 59) 水銀「すまないね、少々待たせたかな?」 そこに水銀がパールスを連れて戻ってきた -- 名無しさん (2013-10-13 04 17 32) 水銀「ん?…………マルグリット、そのブレスレットはどこで」 マリィ「これ?さっき拾ったの」 水銀「いけないな、矢鱈と物を拾ってはいけない。特に今はね、もしそれが呪具であったらどうなるか…わかるかな?」 マリィ「……ぁ…、…ごめんなさい」 水銀「わかってくれたらいい」 -- 名無しさん (2013-10-13 04 48 12) 玲愛「…それ、やっぱり呪い的なのがかかってる感じのやつ?」 水銀に聞く -- 名無しさん (2013-10-13 06 56 41) 水銀「恐らくは……腕に嵌めたへ呪術的な介入があるはずだ。直接手を出さなくなったのは気になるが……パールスよ、お前の意見を聞きたい」パールス「人が良い曲を奏でてる時に呼び出すなんて、人が悪いぜ?水銀の旦那」 -- 名無しさん (2013-10-13 11 14 21) 水銀「その事については謝ろう。だが、了承してもらいたい。私の友人があの祠について少し調査をしてきてね、詳細を知りたいのと…あの王妃や、セレーナ姫の首飾りについては私より君の方が詳しく知っているだろう?」 -- 名無しさん (2013-10-13 11 40 35) パールス「首飾り?ああ、セレーナ姫の『安寧の楼閣』についてか」セレーナを見て、パールス「元々あれは元王の妻であったお方の者だ。だが、以前旦那が不在の時に内乱が起き、姫を守る際に身を挺し守った。死ぬ間際に娘のセレーナ姫に渡したものでな。確か曰く『守護する秘宝』だったか?そう王妃は言っていたはずだ」 -- 名無しさん (2013-10-13 11 52 00) マキナ「ならば、一つ問おう――お前は以前ここに仕えていた近衛なのだろう?」パールス「……ベルラめ、口を滑らせたな」不機嫌そうに呟いた。 -- 名無しさん (2013-10-13 11 53 15) ザミエル「そこの所はどうなのだ?ご同輩」パールス「……遺憾ながら(・・・・・)、確かに俺も元近衛だ。だが大した漢じゃないさ……俺はなりたくてなったわけでもないんでな。元々音と歌だけに意味を見出していたんだ。水銀の旦那が生み出してくれた最初の存在として、俺はどんなことがあろうとこの『歌と音』の世界を守って見せる……必ずな」 -- 名無しさん (2013-10-13 12 02 15) マキナと同列の静寂さを持つパールスの瞳の奥に宿る堅牢なる意志を見て、マキナは黙した。まるで……己のようである、と。パールス「ま♪あの祠に関しては前にも説明した通りだ♪」一変して、いつもの感じでそう告げたパールス。 -- 名無しさん (2013-10-13 12 12 26) ザミエル「…興味本意でだが、お前は『歌と音』の世界を守りたいと言っていたな。それはただ『秩序(決まり)』を守りたいのか?『歌と音を愛する同胞達』を守りたいのか、どちらだ?」 -- 名無しさん (2013-10-13 12 16 15) ザミエル「『なりたくてなったわけじゃない』自分はなりたくなかったのに押し付けられた、………その考えは、何かから『逃げたい』という自己防衛の持論なのではないか?」 -- 名無しさん (2013-10-13 12 19 20) ザミエル「そこのところを聞いてみたいな…、同輩のよしみで聞かせてくれよ」 -- 名無しさん (2013-10-13 12 23 19) パールス「ん~……少々語弊があったようだな。俺が志願して近衛になったわけじゃないのは確かだ……だが決して『逃避』しているわけでもないさ。そして俺が守るべきは――『秩序』さ」強く断言し、パールス「同胞たちも、それを望んでいたからな」片目を閉じてウインクした。 -- 名無しさん (2013-10-13 12 28 01) ザミエル「……成る程、誤解し少々物言いがキツくなったな。失礼した」 -- 名無しさん (2013-10-13 12 32 44) 一礼した。 パールス「気にしなくてもいいさ……それで?他に質問がなけりゃ俺は音楽の微調整に戻るぜ?」 -- 名無しさん (2013-10-13 12 37 01) 司狼「んじゃ質問」 -- 名無しさん (2013-10-13 12 40 42) パールス「なんだい?」 -- 名無しさん (2013-10-13 12 41 00) 司狼「あの祠の中で見たウィンディーネっていう嬢ちゃんに逢ったんだがよ……なんで『封印』されてたんだ?」パールス「なに?封印……だと?俺は知らないぞ?」 -- 名無しさん (2013-10-13 12 50 56) 司狼&エリー「…………(嘘は言ってないか)」二人は縁が強く、司狼が蓮の自滅因子であるが故に色んな物事を確認する傾向がある。頭がキレる司狼に同類のエリーだったが、パールスの言葉を聞いて嘘ではないと判断した。 -- 名無しさん (2013-10-13 13 11 27) 水銀「よい……ならば、手間を取らせたな」パールス「気にするなよ……水銀の旦那」そう言って手をヒラヒラ振って消えて行った。黄金「……カールよ」水銀「私は疑うことなどしたくはないのだよ」いつもとはかけ離れた、哀愁を帯びた水銀はどこまでも静かに、凪のように静かに言葉を紡いでいた。水銀「パールスはな、ハイドリヒ……この私が生み出した既知世界とは異なる異世界で、お前にマルグリット以外で初めて私を畏怖せず、畏敬せず、同等に私を見てくれた者なのだよ……私は、誇りに思っている」故に手を出したくない……言外にそう言っているのだ。蓮「……親父」初めて見る、あの友故に手を出したくないという、女神以外は塵芥と判断している男から初めて感情めいたものを感じていた。 -- 名無しさん (2013-10-13 13 27 34) シュピーネ「どちらにせよ、やはりあの王妃を捕まえないことには解決はしませんねぇ……綾瀬香純殿。あなたの申し上げた通り、穏便に片づけることは可能ですが……あの王妃がそう簡単に折れる保障がないのですよ。例え優しく接し、心を緩和させようと……ね」 -- 名無しさん (2013-10-13 13 54 05) 香純「う、ん……、…!!」パシッと自分で自分の頬を叩いて渇を入れる 香純「なら、これ以上酷い目に遭わされる人がいないように。事件の方は、蓮やお父さん達に任せます。特に蓮、ちゃんとやってよ?アンタ頭使うのとか苦手でしょ」 蓮「…お前に言われたくない」 香純「なにおぅ!?」 -- 名無しさん (2013-10-13 14 04 02) いつものようにじゃれ合う二人。それを微笑んでみる黄金。 -- 名無しさん (2013-10-13 14 07 16) 黄金「よいものであるな……黒円卓に連なる者ども、並びに曙の者ども。聞け」ザミエル「ハイドリヒ卿に総員、傾注!」 -- 名無しさん (2013-10-13 14 08 05) 皆が自然と軍隊のように足を並べて黄金を見た。 -- 名無しさん (2013-10-13 14 11 23) 黄金「今宵の幕は中々に良いものだ……破壊とは異なる絆の舞台。我ら演者が舞う舞踏会と言う名の世界で踊るのならば、無粋な輩には退場を願う必要がある。愛し、焦がれ、歓喜し、尊ぶ。皆一様に至福を求めている。愛でるためにまずは壊そう……反逆する者も、謀反する者も、弑虐するものさえも愛すと誓おう。それを持って我らは舞おうではないか。後顧の憂いを断つ……故に卿ら、此度の騒動を収束させるために尽力を尽くすがいい」 -- 名無しさん (2013-10-13 14 11 29) 黒円卓『ヤヴォール!!』曙勢『当たり前だ!!』 勢いのいい返答が轟く -- 名無しさん (2013-10-13 15 01 14) 水銀「……では、午後へ移行するとしようか」アンナ「私は影でとりあえずあの王妃を捕まえてみるわ」シュピーネ「創造位階とはいえ、仮にもマレウスの影を止めたほどの実力。ですが魔人である我々にどこまで食い下がることができるのやら」 -- 名無しさん (2013-10-13 16 56 28) 咲耶「では、皆さま?そろそろ参りましょう」 ということで、まずは再び練習に入ってから数時間後、王との面会が許された。 水銀「今日の謁見、済まないな」王「構わん……それより、そちらはどうなっておるのだ?こちらは進展がなくてな」黄金「それについては、着々と進んでいるとも」ベルラ「しかし……どこで情報が漏れたのだ?お前たちが人間であることに関しての情報は極秘、というより我らしか知らぬはずだ」 司狼「誰か漏らした野郎がいるんじゃねえのか?」蓮「おい司狼、言い方が悪いぞ?まるで内通者がいるような言い方じゃねえか」司狼「さ~てね?俺は勘で言っただけだっつ~の」 -- 名無しさん (2013-10-13 17 21 35) 龍明「王妃程の術者ならば鏡、もしくは水晶を媒介に千里眼くらいは使えそうに思えるが……。仮に我々が人であるという証拠を掴んだ上で大人しくしているだろうか…?」 -- 名無しさん (2013-10-13 18 39 12) リザ「兵士達も、本当に人間が紛れ込んでるか半信半疑の方が多かったものね」 龍明とリザは練習中の空いた時間を使って、ハープの弾き語り等をして兵士から情報を聞き出したりしていた -- 名無しさん (2013-10-13 18 51 34) 戒「そうなると、やはり何かを媒介にしてでも王妃がしてくると踏むべきだろうけど」ベア「何故『静観を決めたか』ですね」ザミエル「どの道私が姫たちは守護するがね。後は知らんよ」シュライバー「今度僕に尻尾を魅せたらもう逃がす気はないけどね~♪」ベルラ「頼もしい連中だ……しかし、誰が情報を漏らしたのだ?」王「詮索は後だ……それよりも」傍らを見て、王「いつまでそうしているつもりだ?」『俺はあくまで裏方に徹したいんでね……前の近衛の人が止めちまって、仮に俺を入れたまでは嬉しいんスけど、俺は歌を歌えりゃ満足なんすよ、王様』 -- 名無しさん (2013-10-13 19 20 46) ベルラ「カムイ!王に向かって無礼だぞ!」カムイ『いやっスね~俺は最初から近衛に志願する気なんて皆無なんスから、勘弁してくださいよ~』声が飄々としていて、なんというか頼りない感じがした。王「すまん……以前近衛を務めていた者が止めてしまってな。その穴埋めとして入った私の新しい近衛の者だ」ベルラ「臆病者の上にビビリで、呆れるほど胆力も膂力もない……歌のセンスのみで生きているような奴だ」司狼「うわ~……なんつ~か」エリー「絵に描いたようなダメっぷりだね~;」カムイ『ヒデェ!?お客人方~それはねェでしょうに~』 -- 名無しさん (2013-10-13 19 20 53) 王「だが――驚くほどに、情報収集能力が高い」カムイ『お褒め頂き光栄って感じっスね~。あ、あの王妃が近々前夜祭で何かをしでかすみたいっスよ~?』マキナ「どこで仕入れたんだ?」カムイ『あっしは臆病者なんで姿は見せませんが、タコなんでへばり付いて隠れながら手に入れるのが得意なんスよ』 -- 名無しさん (2013-10-13 19 23 03) 神父「シュピーネの無駄に高いプライドを無くして隠密に徹底させたような方ですねぇ」 シュピーネ「…サラッと人を抉るような事は言わないでいただきたいのですが」 神父「あぁ、すみません。つい口が(苦笑)」 -- 名無しさん (2013-10-13 19 34 21) カムイ『んで~どうしますか~?ベルラの旦那方』ベルラ「それはこちらが対処する。お前は引き続き見張れ」カムイ『あっしも命が惜しいんスけどね~……ま、いいっスよ。頼まれたら断るのも面倒ですし』そう言って気配が消えた。 -- 名無しさん (2013-10-13 19 45 55) 蓮「あのカムイって奴も、信用していいんだな?」 -- 名無しさん (2013-10-13 20 08 05) ベルラ「俺の側近でもある……まあ、普段は馬鹿みたいだが、やるときはやる。そういう踏ん切りが付いてる奴だよ」 -- 名無しさん (2013-10-13 20 25 53) 蓮「そっか」 司狼「取り敢えずだ、前夜祭ん時は気ィ付けておこうぜ。俺達以外にも参加者は結構いるみてぇだしな」 -- 名無しさん (2013-10-13 21 10 29) そんな話をしてはや数日が経過していたのであった。 ……前夜祭当日。朝から今まで見たことのないような人魚たちで街が溢れかえり、音楽と歌が所々響き渡っていた。さながら凱旋のようだ。 -- 名無しさん (2013-10-13 23 06 22) 蓮「こりゃまた」司狼「すげ~活気だな、おい」香純「みんな綺麗な恰好してるね~♪」水銀「あれから何も起きなかったのが不気味で仕方がないが……今宵は私が待ちに待った舞踏会だ。マルグリットのために全霊を掛けるとしよう」シュライバー「その努力を別の方向で働かせたらどうなの?クラフト」 -- 名無しさん (2013-10-13 23 07 50) 水銀「マルグリットの為以外に使う労力はない」 ドヤァッ -- 名無しさん (2013-10-13 23 14 06) 黄金「今カールをウザイと思った者は挙手をせよ」 -- 名無しさん (2013-10-13 23 16 10) 全員『…』ノノノノノノノノノノノノノノノノノノ -- 名無しさん (2013-10-13 23 18 07) 黄金「満場一致だ」 水銀「照れるな」 -- 名無しさん (2013-10-13 23 20 10) マキナがシャドーボクシングを始めた。 -- 名無しさん (2013-10-13 23 23 06) 水銀「ははは何をしているのかね我が息子ぶべら( `Д´)>)) д )?!」壁へめり込んだ水銀。 -- 名無しさん (2013-10-13 23 23 40) 蓮「久しぶりに見たな、あの光景」 司狼「だな(笑)」 -- 名無しさん (2013-10-13 23 24 20) 水銀「いや笑うことかね、これ?下手したら死ぬぞ?」 -- 名無しさん (2013-10-13 23 27 56) 蓮&司狼&黄金「「「親父/お前/卿 はずば抜けてしぶといだろ、問題ない」」」 -- 名無しさん (2013-10-13 23 32 33) 水銀「死に難いってだけで死なないわけでも痛みを感じないわけでもないんだがな」 -- 名無しさん (2013-10-13 23 36 23) 黄金「さて、雑談はここ辺にしておこうか」水銀「マッキーパンチ(幕引きの一撃)を食らわされた事も雑談という軽い部類に入るのか」 -- 名無しさん (2013-10-13 23 38 29) 黄金「カール、あまり色々としつこいと私の拳が唸るぞ?」 水銀「最近とみに思うのだが、お前とマキナとザミエルの思考が似てきてないか?主に鉄拳制裁方面で」 マキナ「口で言っても聞かないだろう」 ザミエル「そういう輩は肉体言語(拳)が一番効果的だ」 -- 名無しさん (2013-10-13 23 49 41) 主に水銀とか水銀とか水銀とか -- 名無しさん (2013-10-13 23 52 03) 水銀「私への扱いを変えるべきだ。お前たちの仮にも師なのだぞ?敬え(ドヤッ」 -- 名無しさん (2013-10-13 23 57 57) 龍明「女神が関わると暴走する師を戒めるのも弟子の役目だろう?」 ぽん、と水銀の肩に手を置く 水銀「・・・ちょ、手を置いているだけな筈なのに何故肩がミシミシいうのかな…?;;;」 -- 名無しさん (2013-10-14 00 01 09) 龍明「あぁ、ちょっと砕いてやれば大人しくなるかな~と」 水銀「わざとか」 水銀の肩がミシミシミシミシ鳴ってる -- 名無しさん (2013-10-14 00 02 43) リザ「やれやれ;穏便にね」水銀「私を救おうという救世主(ヒーロー)はいないのかね!?」 -- 名無しさん (2013-10-14 00 03 59) 黄金「………」 チラッと一同見渡す -- 名無しさん (2013-10-14 00 07 01) 黄金「………(この中では)いないな」 救世主になりえそうなマリィや香純ははしゃいでいてそもそも水銀の方を見てない -- 名無しさん (2013-10-14 00 13 36) 水銀「理不尽だ!!!ヽ(`△´)/何故私が毎度毎度ボコられなければいけないのだ!!」 -- 名無しさん (2013-10-14 00 18 59) 全員「え?言っていいの?」 -- 名無しさん (2013-10-14 00 19 50) Wザミエルが骨を鳴らし、マキナはすぐにでも太極を発現できそうだった。ザミエル「粛で殺るか?」龍明「それだと甘いな。もう少しこう……グシャッ、と」かなり不穏な会話をするW魔神。 -- 名無しさん (2013-10-14 00 20 49) 水銀「……泣くぞ、今なら結構ガチで泣けるぞ…(;ω;)」 しゅん、となった -- 名無しさん (2013-10-14 00 25 44) 数日前のトラウマを振り返したようだ -- 名無しさん (2013-10-14 00 26 45) うざうざしい水銀ならばまだしも、萎れてしゅんとなってる水銀にはW魔神も少し躊躇した -- 名無しさん (2013-10-14 00 35 07) ザミエル「…クラフトのくせして存外打たれ弱くなったな」 水銀「私は繊細に出来ているのだよ、超合金のお前達と一緒にしないでもらいたい」 -- 名無しさん (2013-10-14 00 38 46) ザミエル「…グシャッとだったな……ドーラで轢くか?血液沸騰の人間花火か?」 -- 名無しさん (2013-10-14 00 41 02) 龍明「後者はやめておけ、辺りに水銀が飛び散るのは迷惑だろう」 -- 名無しさん (2013-10-14 00 41 51) 水銀「待て待て待て待て、流石に今日ばかりは血生臭いのはやめようではないか」 ザミエル「…………………………………チッ」 -- 名無しさん (2013-10-14 00 42 55) 蓮「じゃあ血なまぐさくない方向で…クソ親父が集めたマリィのコレクション全部ぶっ壊せ!」 -- 名無しさん (2013-10-14 00 49 10) 水銀「(゚Д゚;)(ノД`)Σ(゚◇゚;)!!(゜o゜;)!?!?!?」 -- 名無しさん (2013-10-14 00 50 56) ザミエル「よし来た任せておけ」龍明「ちょっと行ってくる」 W魔王出動 -- 名無しさん (2013-10-14 01 14 38) 水銀「ΣΣΣΣΣΣ私のマルグリットコレクションがァァァァァァァァ!!!」 燃やし尽くされました -- 名無しさん (2013-10-14 01 20 08) 水銀「わたしが……私が一体なにをしたという!?女神のために私がしてきたことへの報いだとでもいうのか!?答えろ我が友よ!?」どこぞの某嘴広鸛(ハシビロコウ)様のように絶叫する水銀。 -- 名無しさん (2013-10-14 09 01 28) 黄金「因果応報、いや自業自得というやつだな」 バッサリ切り捨てる。 -- 名無しさん (2013-10-14 10 37 11) 水銀「泣くぞ?泣いていいのか?」 -- 名無しさん (2013-10-14 11 01 11) 黄金「変態コレクションなど無い方がよかろうよ」水銀「お前のコンセプトは総てを愛するではなかったのか!?」黄金「看過出来ぬ事もある、そも愛故の破壊が私だ。友の人格が真人間になるのならば幾らでも(ストーカーコレクションの)破壊を推奨しよう」水銀「人格真人間の私など最早私ではないだろう!!!」 -- 名無しさん (2013-10-14 12 26 47) 水銀「…私の幾星霜の時が…努力の結晶達が…(涙)」マリィ「……カリオストロ?どうしたの?」そこに異変に気付いた女神が話し掛けた。 マリィ「……具合悪いの?今日は休む?」水銀「否だよマルグリット、今日は君のエスコートをすると決めているのでね」即復活した水銀 -- 名無しさん (2013-10-14 12 37 25) 覇吐「水銀の旦那って、ある意味スゲえ単純だよな」 刑士郎「お前が言うと説得力が有るな」 -- 名無しさん (2013-10-14 13 11 21) 黄金「公序良俗抜きに考えれば実に愉快な男だろう?」ちょっとSな顔して笑ってる -- 名無しさん (2013-10-14 14 55 05) ザミエルが卒倒しそうだった。 玲愛「ハイドリヒ卿のプロマイド(ボソッ」 ガタガタッ どっかの女性たちが立ち上がったような音がしたのは気のせいだ。 -- 名無しさん (2013-10-14 15 18 58) 蓮「…先輩、オークションはやめておきましょう収集つかなくなりますから」 玲愛「…藤井くんがそう言うならやめとくよ、なら護衛報酬に使うね」 -- 名無しさん (2013-10-14 15 29 14) 水銀「まぁ、今日王妃が何か仕掛けてくるという情報は入っている。皆前夜祭を楽しみ浮わつくのは構わんが油断はせんようにな」 -- 名無しさん (2013-10-14 15 33 58) 蓮「一番テンション上がってるのはアンタだろ」水銀「私は問題無かろう。寧ろテンションが上がっている時こそが私の真骨頂だ」 -- 名無しさん (2013-10-14 15 35 23) 水銀「…他人任せに出来れば楽なのだがね、そうもいくまい?」クスと笑うその顔は、獲物が掛かるのを待ちわびる大蛇の笑み -- 名無しさん (2013-10-14 15 38 34) 蓮「―――、」まだ聖遺物を得たばかりの頃のような背筋の冷たさを、久しぶりに感じた -- 名無しさん (2013-10-14 15 40 57) 黄金「久しいな、カールよ……卿のそのような子供のように待ちわびているかのような眼差し」水銀「えぇ、久方ぶりにあの頃のことを想いだしているのだよ」今の水銀はあの当初の、まさに誰もが忌避していた副首領になっているのだと、皆が悟った。 -- 名無しさん (2013-10-14 15 51 28) 覇吐「……今の状態が、夜刀っていうか蓮たちが忌避していたって時の水銀の旦那なのか」刑士郎「だろうな……俺も背筋が凍り付いたぞ」龍明「久しいな……あの師匠の蛇を思わせる感じは」龍水「な、なんでしょうか……まるで蛇にでも睨まれたような感覚がするのですが」 -- 名無しさん (2013-10-14 15 52 44) 水銀「故に、不要な役者には早々に御退場願おう。仕掛けてくるのならばそうしたまえ、だが…どの道身の破滅は免れられぬ事を知るがいい。それが我々に……否、私に歯向かった報いだ」 一同にではなく『王妃という一つの存在にのみ』宇宙を覆う水銀の蛇の言葉(呪詛)が聴こえた -- 名無しさん (2013-10-14 16 00 59) 黒円卓の面々「!!」全員に悪寒と戦慄が走った。まさに蛇。しかも大蛇のそれだ。伊達に長命ではなく、座の神として君臨していたのだ。今までふざけている面しかなかったが、これが本来の彼だ。否――水銀の蛇そのものなのだ。女神以外など塵芥。それが水銀の根本だ。 -- 名無しさん (2013-10-14 16 04 02) 水銀「……ふふ、ふはははははははは」嘯き嗤う蛇の瞳も、影も蛇の型をしていたのを皆が確認していた。蓮「――――」司狼「ようやく『戻った』って感じだな」エリー「マリィちゃん絡みで本気になるのは随分久しいんじゃない?」 -- 名無しさん (2013-10-14 16 05 44) 座(宇宙)を覆う水銀の蛇。それに睨まれた王妃(異分子)の心境は敵を待ちわびていたと昂然と立ち上がるのか、それこそ予想済みとほくそ笑むのか…… -- 名無しさん (2013-10-14 16 13 15) 黄金「どちらにせよ」ベイ「これで」マキナ「よりなったな」ザミエル「我らの絵図がな」シュライバー「クラフト~久方ぶりに暴れてみなよ?見物してるからさ~」 -- 名無しさん (2013-10-14 16 15 15) 夜行「我らが出る幕もなさそうだな、これでは」 -- 名無しさん (2013-10-14 16 19 25) 水銀「異なことを言う。私が出張ってしまえば今宵の歌劇はなんともつまらないものとなろう。三流以下の出来だ、二度観るのは耐え難い。故に前座はお前達に譲ってやる事にしよう」 -- 名無しさん (2013-10-14 16 24 25) 水銀「この筋書きはありきたりだ…結末もどの世界も似通い過ぎている、私は未知が見たい、前にもあった…このタイミングで無理矢理終わらせればいい等というのは認めない」 -- 名無しさん (2013-10-14 16 34 08) あらゆる世界を見て、また己も演者として出たからこそ未知の結末を蛇は望んでいた -- 名無しさん (2013-10-14 16 39 56) 蓮「……つか俺達を『前座』扱いか」水銀「事実だろう、私が出れば全て終わる……あぁ、なんともつまらない結末か、だからこそかつては脚本家として裏にいたというに」場を覆っていた狂気がなりを潜め、ただ静謐な空気を纏っていた -- 名無しさん (2013-10-14 16 47 33) 竜胆「――――……はぁ」詰めていた息を吐き出した 覇吐「大丈夫かよ、竜胆」 竜胆「…あぁ、だがこの数日…黄金殿の覇者としての器やら、水銀殿の…こう荒唐無稽さやら色々見せ付けられて、少々自信を無くしそうだ」 -- 名無しさん (2013-10-14 16 53 01) 龍明「烏帽子殿は烏帽子殿の器がある……どこぞの馬鹿共は比較しているようだが、気にすることはない。御身は御身だ……自信を持て」 -- 名無しさん (2013-10-14 16 56 50) 竜胆「龍明殿……、……そうだな、私は私の王道を行けばいい。弱気になる必要など、どこにも無かったな」益荒男達を信じ信じられているからこそ、この将は決して折れる事はない -- 名無しさん (2013-10-14 17 08 57) 黄金「然り。卿は卿だ……私の覇道を受け継ぎ、益荒男たちを信じているその堅牢なる絆こそが、卿の歩むべき覇の道だ。自信を持て……卿の覇道は、曙なのだろう?」 -- 名無しさん (2013-10-14 17 20 50) 竜胆「――はい」黄金「ならば、それでよい……坂上覇吐」覇吐「おう、なんだよ?」黄金「卿の女ならば、護ってみせるがいい……刹那を超えたというのなら、その矜持を振り翳すがいい」 -- 名無しさん (2013-10-14 18 52 47) 覇吐「お、おうよ。あんたらに負けねえぐらいの道、見せてやるよ」水銀「まあ、楽しみにはしているよ……では諸君、そろそろ参ろうか」 ……皆が正装して前夜祭へ参ると、既に大広間には踊り子たちが舞い、色鮮やかな装飾があちらこちらに散りばめられていた。 -- 名無しさん (2013-10-15 08 16 39) その中に――いた。一際目立つティアラをした、目元が吊り上がり、口元は厚すぎないように化粧をし、数人の女官らしき人魚たちを侍らせた王妃が、堂々と一つのテーブルでワインが入ったグラスで飲みながら他の人魚と談笑していた。 -- 名無しさん (2013-10-15 08 17 56) 蓮「…親父の圧力全然効いてないみたいだな」司狼「鈍いのか、自分が負ける筈ないってゆー自負だろ」 -- 名無しさん (2013-10-15 09 21 48) 黄金「余裕の表れ、とも取れよう。いずれにせよ――ベイ」ベイ「見た感じ、怪しい奴らは数人いますが、どいつも隠形に長けているっていうか……身を隠すのが上手いらしいっすねェ。俺に感知させねェ辺りは褒めても支障はないでしょうよォ」 -- 名無しさん (2013-10-15 09 31 22) 神父「…………、まぁ確かにベイ中尉に感知させない腕前はなかなかですね」穏やかに笑って称賛するが、隠形はこの人の十八番でもある。ザミエル「…………」人数を把握しているが今回は香純達の護衛に徹していた。 -- 名無しさん (2013-10-15 11 48 31) マキナ「どうする?」司狼「今はまだ動くべきじゃね~な」黄金「各々、食事などは円卓、もしくは聖餐杯にやらせよ」 -- 名無しさん (2013-10-15 12 19 12) 神父「……え?」 -- 名無しさん (2013-10-15 12 36 22) 玲愛「了解、最初からそうする(毒味係りにする)予定だったし」香純「…え~と、お願いして大丈夫ですか?」ザミエル「無論、そも毒や呪い程度で死ぬような輩は円卓にいますまい。三代目トバルカインの創造は別として」 -- 名無しさん (2013-10-15 13 19 06) ベイ「俺の鬼門だからな」マキナ「貴様だけでない。全員 -- 名無しさん (2013-10-15 13 30 50) アンナ「そうね、 -- 名無しさん (2013-10-15 13 31 31) 神父「いやですからなんで私なんですか!?」 -- 名無しさん (2013-10-15 13 32 18) ザミエル「グダグダ抜かすな、焼くぞ」 -- 名無しさん (2013-10-15 13 39 35) 神父「…………わかりましたよ…(涙)」 -- 名無しさん (2013-10-15 13 44 25) 全員「泣くな」神父「無茶言わないで下さ…………ほぅ?」言い終わる前に、神父の瞼が開いた。かつて、聖餐杯とよばれていたあの頃と同じ、怪しい眼をしていた。 -- 名無しさん (2013-10-15 14 27 10) 黄金「どうした?」神父「いえいえ、ああ私少々野暮用ができましたので、失礼」そういって立ち去った神父。 -- 名無しさん (2013-10-15 14 36 18) リザ「……あの顔、何か思いついたか。あるいは」マキナ「気付いたか、だな」 -- 名無しさん (2013-10-15 14 52 38) 玲愛「…とうとう本領発揮、って感じだね」ベア「………」 -- 名無しさん (2013-10-15 15 04 54) 玲愛「……、取り敢えずさ皆一塊になってても仕方無いし、数人組で行動する形にしよう?水銀と黄昏さんはもう一緒に行っちゃったよ」と言って蓮の腕に自分の腕を絡ませる -- 名無しさん (2013-10-15 15 16 20) 戒「……ベアトリス。君は螢といるんだ」 -- 名無しさん (2013-10-15 15 41 40) ベア「…えぇ」螢「兄さん、何かするなら気を付けてね」 -- 名無しさん (2013-10-15 15 45 17) 蓮「じゃあ行きますか…だけど俺の刹那を傷つけたら容赦しねえ」蓮から夜刀に匹敵するような圧力でるが同時にそれは仲間を守るような暖かいものだった。司狼「おお、お前も本領発揮か」覇吐「やっぱすげえ」 -- 名無しさん (2013-10-15 16 56 04) 玲愛「ま、適当に楽しめる時は楽しもうよ。藤井くん、リラックスリラックス」蓮「……(苦笑)」 -- 名無しさん (2013-10-15 17 08 05) 覇吐「んじゃ、俺らも行くとしますか」マキナ「行くぞ、兄弟」蓮(女)「え、エスコート……できるのか?」 -- 名無しさん (2013-10-15 17 25 55) マキナ「可能だ」渋い。 刑士郎「なんでお前はそう渋いんだ?」マキナ「メルクリウスに言え」水銀「不満かね?」マキナ「…………別に」 -- 名無しさん (2013-10-15 17 35 04) シュライバー「マッキーみたいなのイブシ銀って言うんだっけ?」アンナ「何処でそういう単語知るんだか;」シュライバー「ん~、殺して食べた魂に日本人がいるからじゃない?(笑)」 -- 名無しさん (2013-10-15 17 46 31) アンナ「止めなさい、この場では不適切よ;」 -- 名無しさん (2013-10-15 17 57 41) 既にエリーと司狼、ベイとセレーナのWペアは同じテーブルで飲んだり食ったりしながら状況を見ていた。 -- 名無しさん (2013-10-15 17 58 22) エリー「んで?どう思うよ、司狼……って、お?このキャビア美味いじゃん♪」司狼「さ~なぁ、シロ助を掻い潜るようじゃ、流石の俺様もお手上げだな……能力関係じゃねえ限りな」 -- 名無しさん (2013-10-15 17 59 20) ベイ「御都合主義の否定がテメェの本分だからな、こっち的にはマジでやり難い野郎だぜ…」司狼「お褒めの言葉どーも」 -- 名無しさん (2013-10-15 19 36 11) 司狼「……ま、一先ずちょっと頭ん中で情報整理するわ。練習やら何やらで、考える暇ってやつが全然無かったしな」 -- 名無しさん (2013-10-15 21 36 25) エリー「まずは現状だね」司狼「奴さんの狙いは推測だが『ふさわしい人魚』って奴で間違いはねえだろ」ベイ「んで、己より才覚があるもしくは次期王妃候補であるライバルが邪魔だから排除しているか、だな」司狼「そのために、セレーナの嬢ちゃんは狙われた、ってのが一番シックリ来るな」 -- 名無しさん (2013-10-15 23 01 29) ベイ「ま、あの野郎も本調子に戻ったんだ……時期に終わるだろうよ」セレーナは寂しそうに見上げていた。裾をギュッ、と掴むセレーナにベイは困惑していた。 ベイ(そうだ……所詮は泡沫の夢。この劇が終われば、セレーナは……)元々は水銀が生み出した存在に過ぎない。ということは、刹那などの特別例でもない限り、彼らは終わればもう二度とは出てこないということになる。このような奇蹟はそう何度も起きないものだ。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 12 43) 司狼「うちの大将曰く『時は戻らない、失った人も戻らない、だからこそ尊く愛しい刹那なんだ』……、泡沫の奇蹟、こんなとこで暗い面してねぇで楽しんで来たらどうよベイ中尉?それとも姫さんのエスコートに自信がないとか?(笑)」 -- 名無しさん (2013-10-16 00 19 17) ベイ「ハッ……抜かせよ小僧がァ」険のある言葉……だが、どこか彼流の礼節があったといえるだろう。ベイ(感謝はしねェぞ?)司狼(いらねェよ)視線だけで会話する二人。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 20 53) それを遠目で見ていた王妃が談笑をしながらも次のテーブルへ移行すると――既に黄金がそのテーブルでワインを飲んでいた。黄金「ほぅ……?この芳醇な香り……中々に美酒ではないか。そうは思わぬかね?」王妃「えぇ、そうですわね……ところであなた、見かけない人魚ね。王に似ているけれど……もしかして、血縁の者なのかしら?」柔和な笑みで質問した。これがどうやら彼女の『貌(ペルソナ)』らしい。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 22 46) 黄金「いいや……私は王とは面識があるだけの、普通の人魚に過ぎんよ」王妃「そう……それは『良かった』わ。それより……私を睨むのがいらっしゃるのですが……あれはあなたの后なのかしら?」香純を護衛しているザミエルが鷹のように睨んでいた。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 26 32) 黄金「可笑しな事を仰る、后という名称は王の妻に送るもの。私は先程『普通の人魚』と答えた筈ですが』優雅に笑う -- 名無しさん (2013-10-16 00 33 33) 王妃「普通の人魚とはいえ、妻帯者がいても可笑しくはありませんわ」こちらも優雅に返す。この笑みの中に、互いの探り合いが水面下で行われていると、誰が知ろうか。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 35 59) 香純「~♪……?エレオノーレさん、どうかしたんですか?」料理に舌鼓みを打ってた香純が声をかける。ザミエル「…いえ、何でもありません」 -- 名無しさん (2013-10-16 00 37 18) 黄金「私にしてみれば、所詮女は駄菓子に過ぎんのですよ」王妃「あら?中々豪語しますのね……では」妖艶な笑みを浮かべ、王妃「私と危険な『火遊び』でもしてみます?うふふ」 ……ザミエル「――――――――」ついでにいうと、赤騎士の周囲の温度が絶対零度になっていたのは言うまでもない。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 37 39) 人魚A「オ~!ナント美しい赤キ人魚――」ザミ「ギロッ!!」 人魚A「ナンデモアリマセ~ン!!」兎のように逃げて行った。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 38 25) 黄金「すみませんが、私もそう『暇』ではないので」王妃「……そう。『暇』ではない、ですか」黄金「ええ……それに、最近は物騒なことも多いですしね」王妃「……物騒な事、ですか?」黄金「毒殺」端的に、抑揚なく、間断なく告げた黄金。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 39 42) 王妃「え?毒殺、ですか?」黄金「噂では最近、宮廷内において次々と王妃候補の方々が『謎の死』を遂げているのですよ。ご存じありませんか?」王妃「それなら存じておりますわ……しかし、毒殺だなんて。ここは歌と音を重んじる国ですわ。そのような無粋な輩がいるとでも仰るのですの?」 -- 名無しさん (2013-10-16 00 41 11) ザミエル(いけしゃあしゃあと、しかも語尾が可笑しいだろう。普通『仰るのですの』ではなく『仰いますの』だ)表情に出さず心中毒づいていた -- 名無しさん (2013-10-16 00 43 57) 香純(な、何かここら辺寒くなってきた;;;) -- 名無しさん (2013-10-16 00 46 30) 王妃「しかし、それなら王が賢明に犯人を追っているはずですわ」黄金「然り……ただ、少々腑に落ちぬ点がいくつかありましてな」王妃「あら?なんですの?興味が――」男A「妃殿下」ナルシスト口調の男がいきなり割って入ってきた。王妃「あら?なんですの?」男A「私と飲みませんか?」いきなり腕を取って王妃を連れて行ってしまった。黄金(シュピーネ、見失うな。今の者、瞳に光がなかった)思念を送った。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 47 16) シュピーネ(ヤヴォール)他の人魚たちに気づかれぬように移動したシュピーネ。ザミエル「!申し訳ありません、香純殿」直ぐに周囲の温度を戻し、傅き香純の手の甲に口づけをした。宝塚に入っても違和感なしだ。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 48 28) 香純「ふぇ!?そ、そんな私は別に」ザミ「いいえ、あなたの心中を察することも出来ずにすぐカッとなってしまいました。どうか非礼の詫びを」香純「いいってそんなの♪それよりもザミエルさんも私と食べましょ?ね♪」ザミエル「ふっ……ヤヴォール・マインヘル」照れくさそうにザミエルが目を閉じながら承諾した。 -- 名無しさん (2013-10-16 00 49 58) 余談だがその光景を見ていた少女の人魚達が『御姉様///』と頬を染めていた -- 名無しさん (2013-10-16 00 54 35) リザ「なんでエレオノーレはああも様になってるのかしら?;」アンナ「謎のモテ度よね;しかも男装しても違和感なさそうだから余計に怖いわ;」ベア「ま~なんというか、少佐は昔からああですしねぇ。あ!このフォアグラ美味~♪」螢「ベアトリス、お願いだから頬に頬張らないで;ハムスターじゃないんだから;」 -- 名無しさん (2013-10-16 00 57 07) ベア「いいじゃないですか、楽しまなきゃ損ですよ螢♪」螢「……もぅ」 -- 名無しさん (2013-10-16 01 02 15) 乙女人魚たち「あ、あの!」ベア「もふ?」頬張っていると、目をキラキラ光らせている幼い人魚たちがいた。ベア「どうふぁひまひて?」螢「お願いベアトリス、せめて食べ終わってから喋って。恥ずかしいから(/////)」 -- 名無しさん (2013-10-16 01 07 24) 乙女A「な、なんでそんなに綺麗な長髪をしているのですか!?」B「何を材料に磨いているのですか!?」C「三人も美しいですわ!王妃の方々とは別格に美しいですわ~♪」リザ「こ、これって……;」アンナ「操られているようじゃないけど……安心なさい。どうやら、純粋な好奇心のようよ。相手をしてあげなさいな、バビロンにヴァルキュリア~」 -- 名無しさん (2013-10-16 01 09 07) ベア「モグモグ……ゴックン。なんで綺麗ですかって?簡単なことですよ……恋せよ乙女!って言いますけど……己の外見だけを磨いてはいけませんよ」傅いて目線を合わせた。ベア「どんなに容姿を磨いても、内面を伴わないと意味がありませんしね。ですけど、そうですね~……私の髪、綺麗ですか?」三人「はい!」 -- 名無しさん (2013-10-16 01 10 55) 乙女は誰であっても髪を誉められると嬉しいものだ -- 名無しさん (2013-10-16 01 16 25) ベア「あなた達も綺麗ですよ」サラッ、と梳いてあげた。ベア「恋は盲目……ですけど、それが悪い事ではありません。ただし、悪いのだけには引っかからないように!」三人「はい♪」ベア「それと、私の名前はベアトリスっていいます。よろしく」三人「ベアトリスお姉様♪(//////)」彼女たちにしてみれば、ベアトリスもまたザミエルには及ばないものの崇高なものに見えているのだろう。 -- 名無しさん (2013-10-16 01 22 24) 戒は宗次郎と紫織の三人でいたが、特にやることもないので壁に背中を預けて食べていたり飲んでいたりしていた。戒「…………」宗次郎「ベアトリスさんたちをずっと見てどうかしましたか?」戒「……いや、別に彼女たちを見ていたわけではないさ」紫織「あ~……さっきの神父さん絡み?」戒「君たちは知らないだろうけど、聖餐杯は黒円卓では参謀としていた男だ。そして、あの男の十八番は――権謀術数による搦め手だ」宗次郎「搦め手……ですか?」 -- 名無しさん (2013-10-16 01 24 45) 戒「元々黒円卓にいる者たちは皆が頑固者の集まりなのさ。それは僕もそうだけど……中でも聖餐杯の頑固さはある意味賞賛に値するほど、堅牢だ」紫織「けど、そういえばあの神父さんって強いの?聞いたけど、序列は関係ないって話じゃん」戒「彼に関してはそうでもないのさ……何故第三位の席に坐しているのか……そこに答えは必然とあるのさ」 -- 名無しさん (2013-10-16 01 26 50) 戒「彼の聖遺物は玉体、つまり魂が抜けた『ハイドリヒ卿の肉体そのもの』怪力も防御もそのままにね、君達も見た事あるだろう?彼がハイドリヒ卿の聖遺物、ロンギヌスの槍を召還して使用していたところを、だからこその第三位クリストフ・ローエングリーン(神を運ぶ者)、聖讃杯なんだ」 -- 名無しさん (2013-10-16 10 57 47) 宗次郎「なるほど……」紫織「あ~……確かに見たことあるわ。けどそういう繋がりがあったんだ」戒「ま、彼のお陰で僕もベアトリスも嵌められたんだけどね」二人(だから二人とも、あの人に容赦がないんだ) -- 名無しさん (2013-10-16 12 07 08) 戒「しかし、あの聖餐杯が動くと言うのならば、動くのは得策ではない。むしろ、動く方がよりこちらにも被害が出かねないかもしれないからね」 紫織「?」 戒「つまり……彼の権謀術数の極意は、味方をも巻き込んだ『誘導』なんだよ」 -- 名無しさん (2013-10-16 12 08 32) 宗次郎「しかし、それでは被害がこちらにも出るのでは……ッ」戒「そう……元々聖餐杯の目的は終始一徹だ。その目的のためならば、例え円卓の者であろうと利用する……今はもう違うだろうけど、彼の計略には必ずこちらをも巻き込む可能性がある。だからこそ、今は動かない方がベストなんだ」 -- 名無しさん (2013-10-16 13 24 33) 戒「ザミエル卿には一度出し抜かれ事があるらしいけどね。…僕達がこういった話をして『動けない』というのも彼の計算の内だろうけど」 -- 名無しさん (2013-10-16 13 26 02) 紫織「…それ聞くと、あの神父さんの腹の中探るってスッゴイ面倒臭そ~」戒「それはやめた方がいい、逆に彼の人心掌握術に捕まるのがオチだ。君達程単純明快…所謂純粋な人程聖讃杯には体のいい駒か玩具だからね」 -- 名無しさん (2013-10-16 13 31 32) 神父(あのですねカイン、あまり私の事を過大評価してペラペラ話さないで下さいな)念話が飛んできた。戒「……僕は事実を話してるだけですよ」ボソッと呟く -- 名無しさん (2013-10-16 13 41 45) 神父(それに既に私の目的は果たされているのですから、そう目くじらを立てないで下さいよ;)戒(君がしたことを許した覚えは毛頭ないけど?)ニッコリと呟いた。 -- 名無しさん (2013-10-16 13 52 04) 戒(そんな事より、そちらの『用事』は済んだのか?) -- 名無しさん (2013-10-16 15 08 17) 神父(まぁぼちぼちと、悪いようにはしませんので安心して下さい。では)念話が切れた -- 名無しさん (2013-10-16 15 11 38) マキナ、蓮(女)ペアはマキナがエスコートをしながら楽しんでいた。マキナはその間にも、不審人物がいないか周りを見ていたが。 -- 名無しさん (2013-10-16 16 13 18) マキナ(聖餐杯が動いたのならば、それは他に誰かの心を読んで不穏な存在を探知したということになる。となれば)蓮(女)「どうひゃしたのひゃ?マキナ」モグモグさせながら蓮(女)が問いかけた。不覚にもマキナ、胸をズキューン!!と撃たれたのは言うまでもない。 -- 名無しさん (2013-10-16 16 38 27) 龍明(やれやれ、若いな(苦笑))一人壁際でワインを飲みながら一同の様子を見ていた -- 名無しさん (2013-10-16 19 25 30) 龍明「(……覇吐と烏帽子殿もなかなか良い雰囲気………、また良からぬ事を考えたな…本当に学習せん男だ)…………♪」口元に笑みを浮かべてゆったりと楽しんでいた -- 名無しさん (2013-10-16 19 35 20) 龍水はどうしたかって?夜行様に弄られ見ているだけという、放置プレイを絶賛楽しんでおられたのでした。 シュライバー「なんだいザミエル、君は独りかい?」そこに、シュライバーが近寄ってきた。 -- 名無しさん (2013-10-16 21 18 55) 龍明「シュライバーか、お前こそ…アンナ(ルサルカ)にフラれたか?」少し茶目っ気を入れて応える -- 名無しさん (2013-10-16 21 23 41) シュライバー「それ、大きなお世話。アンナはヴァルキュリアやバビロン達と一緒に楽しんでるからね、気を利かせたんだよ」龍明「ほぉ、……お前も飲むか?」シュライバー「いらない、一応僕やアンナは未成年って事にしてるし」隣にちょん、といる -- 名無しさん (2013-10-16 23 34 35) 龍明「………退屈そうだな」苦笑を浮かべる。シュライバー「そりゃーね、こういった華やかなのも嫌いじゃないけどさ……ハイドリヒ卿も何でこんなまどろっこしい事をするんだか」むぅ、と暴れる事が出来ない白騎士はむくれていた。龍明「総て滅ぼす(呑み込む)のは簡単だろう、命じれば城の中にこのシナリオを再現させるのも…、だがそれだけだ、そうしては『彼等』の個々の生が無くなる。ただ舞台(城)に舞う演者(傀儡)でしかなくなるだろう。それを双首領は望んでいない」シュライバー「………わかってはいるんだけでさ~」 -- 名無しさん (2013-10-16 23 45 33) シュライバー「つまらないものはつまらないんだもん」龍明「……まったく、困った奴だな」クク、と苦笑する -- 名無しさん (2013-10-16 23 47 15) 龍明「まぁ、暫し待て…だ。そうすればその内『面白い事』が起こるだろうさ」グラスに入ってるワインを飲み干す -- 名無しさん (2013-10-16 23 49 18) シュライバー「面白い事、ねぇ……僕にとって見ればさして大事じゃないだろうけどさ……って、ん?」首を傾げる。 龍明「どうかしたか?」シュライバー「クリストフが戻ってきたねぇ……女の子を一人拘束して、ね」柱の影を見ると、人差し指を唇に当ててシー、とジェスチャーしていた。どうやら他の人魚たちには気づかれておらず、龍明とシュライバーのみが気付いているようだ。 -- 名無しさん (2013-10-17 00 16 07) 神父(ザミエル卿にシュライバー卿ですか……こちらは『獲物』が掛かりましたよ) 龍明(何をした?) 神父(なに、少々遠距離ではありますが、思念をぶつけて誘導させ、その隙に眠らせました) シュライバー(その子は?) 神父(ハイドリヒ卿の席のグラスに毒を仕込もうとしていましたものですよ。それとザミエル卿、二時の方角に赤いネクタイをした御仁にご注意を。無謀な者がいまして、マキナ卿……というより、藤井さんを狙っているものがいますよ。毒を仕込んだナイフを携帯しているはずです) -- 名無しさん (2013-10-17 00 29 13) 龍明(無謀だな。……あと、これからは私の事は『御門龍明』の名で呼べ。それ(魔命)は昔の私のものだ) -- 名無しさん (2013-10-17 00 34 14) そう告げたのは彼女なりのケジメ、彼女の主は『唯一無二の至高の黄金』この機に再び姿を見る事は叶っても、彼女の魂を抱いているのは『今の』黄金の獣ではない -- 名無しさん (2013-10-17 00 37 35) 神父(失礼を……では、龍明殿。娘さんにもご注意を。よく足元を注視なさって下さい) 龍明は言われ、龍水の足元を注視すると、不可視の蛇が徐々に近づいていた。 -- 名無しさん (2013-10-17 00 38 31) 龍明(あれは?) 神父(どうやら、即効性の毒ではないものの、相手の意識を少し散漫にさせるようで。失敗しても、それを邪魔した者やその周囲に散漫する気を散布するようにしている、ある種の呪いのようなものです。滅却なさるほうがよろしいかと。あとシュライバー卿から見て左斜めのご婦人にも。笑みを浮かべていますが、咲耶殿に毒を仕込んだ林檎を渡すつもりのようです) -- 名無しさん (2013-10-17 00 40 42) 龍明(……ハァ、やれやれ…まったく手間のかかる娘達だよ)苦笑し、不可視の蛇を龍水に気付かれないよう焼き尽くした後、間髪入れず刑士郎に念を飛ばす -- 名無しさん (2013-10-17 00 43 41) 龍明(おい刑士郎) 刑士郎(あん?んだよ龍明) -- 名無しさん (2013-10-17 00 44 18) 龍明(お前は馬鹿か、咲耶が毒を仕込まれた林檎を食わされそうになっているというに何をボンヤリしている)刑士郎「―――――な、!」速攻で止めに入り咲耶をその場から連れ出す -- 名無しさん (2013-10-17 00 46 43) その作業はコンマ一秒だった -- 名無しさん (2013-10-17 00 47 42) 咲耶「兄様?どうかなさいましたか」刑士郎「あぁ、いや……。二人でいたかったんだよ、悪いか…」誤魔化した -- 名無しさん (2013-10-17 00 49 05) 貴婦人「チッ!」シュライバー「ねぇ君……ちょっと僕とデートしないかい?」貴婦人「?!」無論、背後にシュライバーがいて捕まえていた。シュライバー「抵抗すると……殺しちゃうよ☆」 -- 名無しさん (2013-10-17 00 51 54) 神父「これで良し」ようやく出てきた神父はうまく擬態していたようだ。 龍明「貴様は何故そうも隠形に長けているのだ?」 -- 名無しさん (2013-10-17 00 55 55) 神父「まぁそれは……語らずとも理解してらっしゃるのでは?」龍明「…そうだな、一先ず報告感謝しよう。酒でも持ってきてやるよ」そう言い自然な動作でナイフを隠し持ってる人魚と、蓮(女)の間に移動する -- 名無しさん (2013-10-17 00 58 17) そして気付いた黒騎士によるボディーブロで沈んだ人魚を静かに外へ連れて行った。 -- 名無しさん (2013-10-17 00 59 28) あまりの自然な動作すぎて常人は気付かなかった――王妃を除いて。王妃は再び戻り黄金と飲んでいたのだが、一気に無口になっていた。 王妃「――――」黄金「どうかなされたのかね?顔色が優れぬが」先ほどは逃れられたが、今度は黄金の魔眼が王妃を逃がすまいと見ていたのだ。 -- 名無しさん (2013-10-17 01 01 03) 王妃「いいえ、別に……それよりも、何が楽しいのですか?随分と微笑ましそうにしていらっしゃるのですが……お酒に酔っているのでは?」 -- 名無しさん (2013-10-17 01 01 56) 黄金「皆が楽しむ華やかな祭りに仏頂面程無礼なものも有りますまい」 -- 名無しさん (2013-10-17 01 06 42) 王妃「そうかしら?楽しみ方は万華鏡……人それぞれですわ」ワインを一口。 -- 名無しさん (2013-10-17 01 08 58) 黄金「それより、どうだろうか?私と一手――踊っては?」そこで曲がダンスの曲へと変わり、何組かのペアが中央に出てきた。王妃「――えぇ、喜んで」ニコッ、と笑って黄金の手を取り中央へ。 -- 名無しさん (2013-10-17 01 10 14) そして、互いに踊りながら黄金が王妃を抱きしめるように腰に手を回り、半回転ずつで踊っていた。ザミエル魔神様のご心境はすこぶる最悪……でもなかった。香純がいるということを忘れていなかったからだ。 -- 名無しさん (2013-10-17 01 11 12) 黄金「――単刀直入に尋ねるが、卿はそれほどまでになりたいのかね?」かなりの小声で王妃にしか聞こえない音量で本音をぶつけた。 王妃「……ええ。わたしがならなくてはなりませんわ」こちらもようやく本音を出したようだ。かなりの小声で黄金の問いかけに応じた。 -- 名無しさん (2013-10-17 01 12 31) 王妃「王は素晴らしいわ……けど、素晴らしいだけではいけませんわ」 -- 名無しさん (2013-10-17 01 21 37) 黄金「己こそが相応しいと?」 -- 名無しさん (2013-10-17 01 58 23) 王妃「そう言い張れなければ、自信などありませんわ」 -- 名無しさん (2013-10-17 02 00 33) その二人の会話を『周囲の自分達に関する認識をずらし』誰にも見えず気付かれず、黄金の側で踊りながら聴いている者がいた。 水銀「……マルグリット、彼女の事をどう思う?」マリィ「どう…って……」水銀「想ったままで構わない、素直に君の感想を聞かせてくれまいか?」マリィ「……うん、………絶対に、自分がやらなきゃならないと想ってるんだろうけど……でもそれを、誰か相談出来る人はいなかったのかな……周りの人達を傷付けてまで叶えたい事………それを叶えて、あの人は幸せになれるのかな」 -- 名無しさん (2013-10-17 13 39 32) 白痴の女神は答える、無垢であり全ての命達を抱き締め癒したいという理が彼女『黄昏の女神』。マリィ「……王妃様は本当にそれで幸せになれるのかな」 -- 名無しさん (2013-10-17 13 50 08) 水銀「なれれば良いがな。だが、彼女の未来には暗雲が立ち込め、己の視界を殺してしまっている」マリィ「じゃあ、駄目なの?」水銀「あの者の、返答次第だな」 -- 名無しさん (2013-10-17 14 03 23) 黄金「卿がなると豪語する……それは良い。ただ己が成さねばならぬというのは脅迫概念に突き動かされてかね?それとも」黄金は魔眼で王妃を見て、黄金「誰かに頼まれでもしたかね?」王妃「あなたにそこまで答えるつもりは毛頭ありませんわ。しかし、見事ですわ。私の策に気づいたのは……まあ、ほんの『少し』だけ気付いていないのもあるようですが」黄金「無駄だ。暗殺ごときで我らを」王妃「いいえ」やんわり言って、王妃「暗い方面ばかりではりませんわ……直に分かりますので」そう告げてから妖艶な笑みを浮かべて離れ、王妃「では、この前夜祭を楽しみになさって下さい……『黄金の獣』さん」優雅に立ち去って行った。見れば、音はちょうど終わったようだった。 -- 名無しさん (2013-10-17 14 34 23) 黄金「………ふむ、では…言葉の通りこの前夜祭、楽しませていただこう王妃殿」笑みを浮かべていた。『自分がまだ気付いていない何かがある』そしてそれを『知りたい』という子供のような探求心から -- 名無しさん (2013-10-17 15 15 21) 黄金「……私にもまだこのような人らしい感情があろうとはな、そうは思わんか?カール」水銀「やはり気付いておられましたか。…その問いに対する返答…人らしい感情はあって当然かと、我々は無機質な機械に非ず、魂のある人でありますれば…と応えましょう」黄金「……そうか」クク、と喉を鳴らして笑う -- 名無しさん (2013-10-17 15 24 22) 黄金「愉快だな、……あぁ、思考を巡らせるより一先ずしなければならない事は…私の后(クイーン)のご機嫌取りかな?」心中愉快ではなかったであろう紅蓮の乙女を思い出す -- 名無しさん (2013-10-17 15 28 14) ザミエル「…………」背後にゴゴゴゴゴゴゴ!と文字が音を立てながら燃え滾っていた。 -- 名無しさん (2013-10-17 17 23 56) 水銀「・・・そうだな、折角ここまで来てこの世界を破壊されてはたまらん」黄金「……やれやれ、」苦笑しながら荒神一歩手前状態の魔王のところへ行った -- 名無しさん (2013-10-17 17 33 40) 黄金「ザミエル」ザミ「!?」 -- 名無しさん (2013-10-17 17 34 23) シュン、と風景が湾曲する程燃え滾っていた炎が消え背筋を正す赤騎士。 -- 名無しさん (2013-10-17 17 41 02) 黄金「卿の愛(ほのお)は理解している……あぁ、故に思うよ。このようなことで卿の純粋なる愛(ほのお)を無駄に使うべきではない。卿の信奉は……その程度のものではないだろう?」 -- 名無しさん (2013-10-17 17 57 23) ザミエル「――!………申し訳…ありません…」内心またやらかしてしまった、と焦っていた。燃やしていたのは無意識だったらしい -- 名無しさん (2013-10-17 18 02 10) 黄金「わかってくれたならば良い、……少し二人で話そう。来たまえ」 -- 名無しさん (2013-10-17 18 08 01) 黄金「カール、暫し香純を頼むぞ」水銀「承った、ごゆっくり語り合うが良かろう」 -- 名無しさん (2013-10-17 18 16 15) 黄金、赤騎士を連れて一度離れる。 -- 名無しさん (2013-10-17 18 17 27) 水銀「ではお嬢さん、暫し私達が話し相手でもよろしいかな?」香純「え、あ、はい」 -- 名無しさん (2013-10-17 19 25 30) ……… 黄金「……さて、」チラッと赤騎士を見る。ザミエル「…………」傍目には判らないが、自責の念に駆られ本気で落ち込んでいる目の色をしていた -- 名無しさん (2013-10-17 21 06 35) 黄金「…そう落ち込んでくれるな、何も叱責する為に連れ出したわけではない(苦笑)」ザミエル「!……しかし、自制する事敵わずハイドリヒ卿の御気を煩わせてしまった。…その事実、私は己に憤りを感じる事を禁じ得ません」黄金「真面目なのは卿の美点でもあるが、少々融通が利かないのは…面倒でもあるな」ザミエル「………申し訳…ございません…」 -- 名無しさん (2013-10-17 21 15 47) 黄金「……だが何故かな、卿の愛(ほのお)を、生き様をまた『愛しい』と想うのは…」ポツリと口の中で呟いた言葉は誰にも聞こえなかった。 -- 名無しさん (2013-10-17 21 21 20) ……… マリィ「…カリオストロ?何笑ってるの?」水銀「両手に麗しき華、私は果報者だな…と喜びを感じていたのだよ」聞こえていたのはこの人くらい -- 名無しさん (2013-10-17 21 28 53) 香純「そんな大袈裟な」水銀「否、これは本心だよ、何時もなら君達に近付き話し掛けた時点でシバかれるのでね」マリィ「…それ、自業自得だと思うよ」 -- 名無しさん (2013-10-18 01 55 26) 水銀「済まないね。私はどうもこの性分を捨てられないようでね」マキナ「貴様の自業自得だろ」蓮(女)を龍明に預けてきたマキナが歩いてきた。水銀「いいのかね?」マキナ「俺よりも心を読めるあいつらの傍に置いたほうがいい……それよりも、貴様の話だったか」水銀「何か文句でもあるかね?」マキナ「まさか、ないとでも?」以前ほどの剣呑さはないが、やはりマキナにしてみれば不倶戴天の存在なのだろう。 -- 名無しさん (2013-10-18 02 35 14) マキナ「メルクリウス……貴様が求める道とはなんだ」水銀「唐突にどうしたね?」マキナ「答えろ」 -- 名無しさん (2013-10-18 10 16 04) 水銀「愚問だな。今更過ぎて笑えるよ……女神の地平を生むことこそが我が道なり」 -- 名無しさん (2013-10-18 12 40 37) 水銀「我が全ては愛しき女神が為に捧げよう、その他の事は事実どうでも良い、彼女が女神となった曉に彼女の腕に抱かれ(殺され)る事…それが私の望む道の果て…これが私だ、この想いは揺らがんよ。…と、答えれば満足かな?」 -- 名無しさん (2013-10-18 13 33 19) マキナ「……それでいい。お前がお前であるのなら、それでいい。まぁ、また兄弟と争うことがあれば――全力で(幕を)下ろすまでのこと」それだけ告げてマキナは戻って行った。 -- 名無しさん (2013-10-18 14 30 17) 水銀「…やれやれ、叱責…いや確認かな?何にせよ、不器用な男だ」クックッと笑う水銀「私が変わる筈なかろうよ、たとえ友という存在が出来ようとも…私の魂の根幹にあるは女神への盲信(愛)唯一つ」 -- 名無しさん (2013-10-18 15 20 06) と、そこで拍手が起こった。見ると、パールスが出てきたところだった。 パールス「皆さま、今夜の前夜祭へようこそ。この歌と音が統べる国へ参られたこと、光栄に思います」仰々しくパールスは挨拶をし、 パールス「さぁ、皆さまと今宵は音を奏で合うとしましょうか!」 -- 名無しさん (2013-10-18 15 27 21) 次々と合唱団が出てきて、音楽を奏で始めた。そしてパールスは一礼してから退場する時、パールスの星のアクセサリーが付いたブレスレットを水銀は見ていた。生まれてこの方、水銀はあのような幾何学模様に色を変えるアクセサリーを見たことがないからだ。 -- 名無しさん (2013-10-18 15 54 39) 水銀「…………」マリィ「どうしたの?カリオストロ、怖い顔してるよ?」水銀「いいや、なんでもないよマルグリット」 -- 名無しさん (2013-10-18 18 51 11) 水銀「……あぁまったく、『面白い』なこの世界は…見た事が無い、知らない、『未知』がこれ程まで心を不安でざわめかせ歓喜に震えさせようとは…、まるで無知蒙昧な…無垢な子供にでもなったかのようだ。知りたいな、是非とも。この歌劇の終焉は何処へ辿り着くのだろうか…」 マリィ(…な、何だか…『スイッチ』入っちゃってる) -- 名無しさん (2013-10-18 19 33 08) その後も前夜祭は続き、酒に酔った香純とかは龍明とかが丁重に部屋へ送り届けていた。黄金閣下と魔神様は未だに帰ってこなかったが。前夜祭が終わり、王が残った数名だけを呼んで残した。メンバーは水銀、マリィ、蓮、司狼、神父、夜行、アンナ、シュピーネ、マキナだ。 王「……またお前たちには手を煩わせることをさせてしまったようだな。こちらでも暗殺を謀った者たちは既に幽閉しているが、皆がまるで赤子のようになっていてな」司狼「時間の逆行による幼児化とは……手の込んだことを;」 -- 名無しさん (2013-10-18 19 43 45) 水銀「幼児化…いつだったか前にもやったな我々も」蓮&マキナ「「今関係ない話は黙っとけ」」 -- 名無しさん (2013-10-18 19 51 06) 夜行「司狼殿の太極で術の無効化は出来ませんかな?」 -- 名無しさん (2013-10-18 20 02 22) 司狼「俺様のはご都合殺しだがなぁ~……ちょいとケースによるぜ?異能とか魔術関係は殺せるが、そうじゃねェ場合は無理だろうな。むしろ、お前さんや宗次郎だっけか?二人が適任だろうぜ?俺の見的なんだがよ」 -- 名無しさん (2013-10-18 20 50 27) 夜行「…成る程、では私が幽閉されている者達の様子を一度見て来ましょう」己がこの場に呼ばれた理由に合点がいったらしい。 -- 名無しさん (2013-10-18 21 23 57) マキナ「あの剣士も呼べ……それと、御門龍水だったな?」夜行「龍水がどうかしましたかな?マキナ殿」マキナ「奴に遁甲をさせろ……あの王妃、動かぬ道理はないだろ」 -- 名無しさん (2013-10-18 23 01 38) 夜行「確かにその懸念はごもっとも、なればその指示に従う事にしよう」龍水、宗次郎に念を飛ばし行動する -- 名無しさん (2013-10-18 23 09 45) マキナ「それとハイドリヒ……いつまで立ち聞きしているつもりだ」 扉を横目で見ると、黄金がザミエルと共に腕を組んで聞いていた。 黄金「なんだ、気付いていたか」 水銀「もう良いのかね?」黄金「ああ、委細問題ない」 -- 名無しさん (2013-10-18 23 19 16) 司狼「いねーなとは思ってたけど(笑)」神父「…あ~成る程(苦笑)」アンナ「ハイドリヒ卿も苦労するわね~(笑)」黄金とあの王妃のダンスは目立ってたから見ていたので、その後の流れも察した -- 名無しさん (2013-10-18 23 43 47) ザミエル「……何だ、そこのにやけ面している三人、言いたい事があるならはっきり言え」バツの悪い表情を浮かべてる -- 名無しさん (2013-10-18 23 45 41) アンナ「あ~ヴァルキュリアがいなくてよかったわね~(棒読み)」 -- 名無しさん (2013-10-18 23 47 33) 二人「ホントホント――」三人は周りの壁に頭を埋めていましたとさ。 ザミエル「さて……話を戻そうか」 三人「ピクッ……ピクピクッ」痙攣していた。 -- 名無しさん (2013-10-18 23 48 33) 水銀「……ヴァルキュリアがいようがいまいが、余計な事を考えれば沈められるのは自明の理と理解していなかったのかな?」1000%のウザさを誇るこの人も無心になっていた -- 名無しさん (2013-10-18 23 51 17) 黄金「いつまで卿は怯えているのだ?仮にも現人神であろうに」 -- 名無しさん (2013-10-18 23 54 17) 水銀「そういうのは一度あの地獄を体験してから言ってもらいたいな(…恐らくはハイドリヒの持つ自滅因子が伝染した可能性もあるが)」 -- 名無しさん (2013-10-18 23 56 53) 蓮「おい、アンタらが会話(雑談)しだすと長いから手短にな」 -- 名無しさん (2013-10-19 00 02 33) 黄金&水銀「「………」」黙った、これ以上話を脱線させるのはやめようかと以心伝心したようだ。 -- 名無しさん (2013-10-19 01 51 35) 神父「……何だか、だんだんボコられ慣れてきてる自分が怖いんですが」蓮「…神父さん、親父並の復活の早さだな」司狼とルサルカは脳震盪起こしてちょっとふらふらしてた。 -- 名無しさん (2013-10-19 14 36 55) 神父「精神(メンタル)の方は副首領閣下程頑丈ではないので、……あの、すみませんが『マジで殺る』方向のは勘弁して下さいね…?」ザミエル「……さてな、今後のお前次第だ。カインの言と被るやもしれんが、貴様が私のかわいい部下にした事……よもやもう赦されていると思ってはいまいな?クリストフ…」 -- 名無しさん (2013-10-19 14 45 09) 神父「…えぇ、その事に関しては彼からも釘を刺されていますから。赦しを乞うような真似はしませんよ」 -- 名無しさん (2013-10-19 14 55 03) 何故なら、それは己が成すと決めてしたこと。今更赦しを乞うなどする気もないし、許されぬと思っているからだ。 神父「私の信じた聖道……例えハイドリヒ卿の思想があったとはいえ、過ちはなかったと思っていますよ」ザミエル「らしくなってきたようだな、クリストフ。やはり貴様は個にして軍勢(レギオン)だな」皮肉と諧謔を織り交ぜて苦笑するザミエル。彼女なりの接し方だ。 -- 名無しさん (2013-10-19 15 39 46) 夜行「宗次郎には通達しました……さて、では司狼殿はどうすべきとお考えですかな?」司狼「奴さんの術は水銀の野郎よりは明らかに弱いが、ロリBBAが言う程だ。香純や先輩にはお姉様を宛がうのが常套だな。あとはそうだな……おい夜行、紫織っていうおっぱい姉ちゃんを今ここに呼んでくれや」 -- 名無しさん (2013-10-19 16 53 29) 夜行「では…、」 ……… 紫織「いきなり夜行から念話で来いって言われたけど、何かあったの?」 数分足らずで来た -- 名無しさん (2013-10-19 18 21 22) 宗次郎「僕らの力が必要みたいだ、と聞きましたが」 -- 名無しさん (2013-10-19 18 24 11) 司狼「俺様が呼んだんだ。今回は俺ら先達から後輩たちにご教授をしてやろうと思ってな……ま、後は適材適所。てめェらの方が今回は都合がいいんだよ。遁甲は済んだのか?あの姐様のチンチクリンはよ」 -- 名無しさん (2013-10-19 18 57 36) 紫織「あぁ、そういう事。龍水はもう行動してるよ」 -- 名無しさん (2013-10-19 19 06 41) ……龍水「む!誰か私のことをチンチクリンと言った気がするぞ!!」龍明「真面目にやれ、龍水……貴様の持ってるあの書物、総て燃やしても構わんのだぞ?」 -- 名無しさん (2013-10-19 19 15 45) 龍水「Σそんな殺生な!!」龍明「嫌ならキリキリ働け、夜行からの頼みだろう」龍水「ぅ、…はい」 -- 名無しさん (2013-10-19 22 31 20) 渋々と遁甲の術を張る龍水。 龍明「しかし……あの王妃は我が君を前にしても余裕の態勢でいるとはな。虚勢や慢心、増上慢から来るものでもあるまい……なにかあるな」一人呟く龍明。 -- 名無しさん (2013-10-19 23 24 18) 龍水「なにか、ですか?」龍明「虚実堂々……偽りと真実を隠すことなくいることだ。あの王妃は裏表で表現するのではなく、その在り方で己を事実という概念で浮彫にさせているのだ。ここは歌と音で形成され、創造されている。だが流れ出ているわけではない。それを王妃はしようとしている……深く読み過ぎかもしれんが、そうだと私は推測している」 -- 名無しさん (2013-10-20 00 54 12) 玲愛「王妃様の目的が座とかだったらとんだムリゲーだね、……って言いたいとこだけど…」自己愛の邪神という前例が頭を過った -- 名無しさん (2013-10-20 02 03 54) 龍明「あれは下種にして最悪の汚物だ……あの王妃はそこまで腐っておらんだろうよ。仮にそうだとしても……その時は私の炎(剣)で焼き殺すだけだ」 -- 名無しさん (2013-10-20 02 08 38) 玲愛「頼もしいね、W魔神のコラボで本当に殺っちゃいそう」 -- 名無しさん (2013-10-20 02 47 21) リザ「それでどうすべきか、よね?」龍明「呪術とは相手を呪い殺すこと……と捉えがちだが、実質それは過ちではない。しかし、呪いというのは殺さないまでも何かしらの『負の因果』を掛けることに相違ない。すなわち」龍水「相手は死ぬことはないが、周りに伝染するか」咲耶「あるいは、己の身体に徐々に蝕みながら影響して行く」龍明「そういうことだ。どこぞの槍兵の魔槍は因果を狂わす……ああいうのは私や龍水ではどうにもできんが、此度の問題は遁甲を張り巡らせ、符界による夜行の結界がある。委細問題はない」 -- 名無しさん (2013-10-20 11 23 03) ベア「槍兵……ですか」走馬灯のように流れたのは、もう後ろ姿しか思い出せない、あの英雄だった。『俺はどうも女運がなくてなぁ……けどま、嬢ちゃんのような女は良い女って相場が決まってんだよ』男気が溢れ、ちょっと抜けている所もあったが、あの英傑は強かった。槍捌きにおいても。 龍明「馬鹿娘」ベア「!」龍明「思い出さぬほうが賢明だ……寂しくはあるがな」 -- 名無しさん (2013-10-20 11 40 15) 龍明とてあの蒼き豹のことは知っている。 龍明「ま、この手の話はこれでいい。それより玲愛殿……クリストフは良き父になってきているかね?」さりげなく聞いた。 -- 名無しさん (2013-10-20 18 34 40) 玲愛「え?それ私に聞いちゃうの?ワロス」 ……… 神父「ΣΣΣゴフゥ!!(吐血&血涙)」蓮「ΣΣいきなりどうした神父さん!!!」 司狼「どうせ先輩が何か言ったんだろ」黄金「大方テレジアが何か言ったな」同時に似たような事を言う司狼と黄金。 -- 名無しさん (2013-10-20 18 41 02) ……… 玲愛「……ま、今回子供助けたりしてたし。ちょっとは見直してるよ、…………ほんのちょっとだけね、本人には絶対言わないけど」 -- 名無しさん (2013-10-20 18 49 10) 龍明「…そうか(笑)確かに、言ったら言ったで鬱陶しい事になりそうだしな」玲愛「………言わなくても鬱陶しいけどね」 -- 名無しさん (2013-10-20 18 53 01) リザ「……;」流石にフォローできなかった。 龍水「母刀自殿、準備は整いました」龍明「よし、龍水。お前はそのまま索敵範囲を徐々に伸ばしながら王妃の居場所を探れ。勘付かれずにだ……できるな?お前も私の娘という自負があるのなら」 -- 名無しさん (2013-10-20 19 23 44) 龍水「委細承知!必ずやお役に立ってみせます」 -- 名無しさん (2013-10-20 19 42 23) すると、龍水の張っていた索敵の内の一つに水の波紋のような微々たる反応があった。それもかなり近い。 -- 名無しさん (2013-10-20 21 48 22) 龍水「!!」目付きが変わり、驚異的な集中力を発揮する -- 名無しさん (2013-10-20 22 17 43) リザ「どうかしたの?」 -- 名無しさん (2013-10-20 23 19 13) 龍水「……近くに何かおる…」悟られないよう精密に探る -- 名無しさん (2013-10-20 23 35 09) 香純「も、もしかしてまたあの神官さん達…とか?」玲愛「流石にそれは無いと思うよ」 -- 名無しさん (2013-10-21 02 12 12) 龍明「これは……人に非らずだ。数は…………っち。本命はこっちか」思わず舌打ちをした龍明。 -- 名無しさん (2013-10-21 09 53 29) 覇吐「つまり、俺達の出番ってやつか?龍明」戒「香純ちゃん、玲愛ちゃん、竜胆さんは下がっててね」 -- 名無しさん (2013-10-21 10 52 08) 刑士郎「咲耶、お前も後ろ行ってろ」ベイ「おい、お前戦えんのかよ?ただの人間がよォ」刑士郎「嘗めんなパチモン、…自分の女くらい意地で守り抜いてやらァ」 -- 名無しさん (2013-10-21 10 55 30) シュライバー「ねぇ、今来るやつは殺っちゃっていいよね?てか殺るよ?僕もう我慢の限界」 -- 名無しさん (2013-10-21 10 59 04) 龍明「構わない。 -- 名無しさん (2013-10-21 13 47 11) だが、彼らは知らない。その異形の中にとある人型がいることを。後にこれが英雄を侮辱したということで王妃の末路は確定したのは言う -- 名無しさん (2013-10-21 13 49 46) ↑ミス までもない。 -- 名無しさん (2013-10-21 13 50 44) 英傑たちが廊下に出ると、ズラズラと人魚の姿をした異形の連中がいた。 -- 名無しさん (2013-10-21 13 52 19) ベイ「ハッ!吸い殺されてえようだな」刑士郎「咲耶に手を出して見ろ……縊り殺して殺るよ」人の状態に戻ったチンピラ二人。その中で、ベイは異形の人魚たちの中に「朱い槍」のようなものを見つけた。赤い、ではない。文字通り「生き血を啜ったかのような」朱い、紅い槍だ。一瞬だけだったが、ベイの目は常人の遥か上にある。見間違えることはない。 -- 名無しさん (2013-10-21 14 48 17) シュライバー「…ねぇベイ、『アレ』ってさぁ僕の見間違いかなぁ」とすれば三騎士の一角たる白騎士にも見えていた。 -- 名無しさん (2013-10-21 15 08 08) ベイ「……セレーナに龍明を張り付かせておけ。ちょいとムカついたぜ」戒「同感だ……王妃は罰を受けるべきだが、これは度が過ぎてる」刑士郎「今のは、なんだ?」覇吐「なんか、朱い槍が視えたような……気のせいか?」 -- 名無しさん (2013-10-21 15 11 39) 龍水「お、お前たち!なにやらその中に変なのが混じっておるぞ!気を付けろ!そやつに最大の禍津を感じる!」龍明「となれば、そいつがセレーナ姫を、ひいては玲愛殿に香純殿を殺すために創り出した切り札、ということか」龍明の眼光の鋭さは今までの倍以上にキツかった。 -- 名無しさん (2013-10-21 15 13 18) ベア「…ベイ中尉、創造を使えば一瞬で移動出来ますよね?すぐにセレーナ姫の護衛に回って下さい。『彼』は私が止めます」閃光の戦乙女が前線に出てきた。 -- 名無しさん (2013-10-21 15 25 51) 戒「!ベアトリス、いや君は彼女達の護衛に」ベア「私は下がりませんよ、戒」 -- 名無しさん (2013-10-21 15 27 48) ベア「というわけです『龍明さん』、香純ちゃん達をお願いします」 -- 名無しさん (2013-10-21 15 28 45) 龍明「……承知した。おい小わっぱ共!!男を魅せろよ、化外の一匹足りとも此方に寄越すな。纏めて燃やされたくなければな!!!」 -- 名無しさん (2013-10-21 15 37 12) 覇吐「ひゃ~、前にいる奴等より後ろにおわす一人の方がおっかねぇってどうよ」刑士郎「知るかよ、マジでしくじるなよ?巻き添えは御免だ」不敵に笑う益荒男達 -- 名無しさん (2013-10-21 15 41 30) ベイ「――私の愛で朽ちるあなたを 私だけが知っているから( Sophie, und weis von nichts als nur dich hab ich lieb) ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ( Sophie, Welken Sie ) 創造 (Briah―) 死森の薔薇騎士( Der Rosenkavalier Schwarzwald )」此方も詠唱を終え自身が創り出した場に溶け一瞬でセレーナの護衛につく。(セレーナがいる場所に着いたら創造は解いた) -- 名無しさん (2013-10-21 15 47 00) シュライバー「イェッツラー…暴嵐纏う破壊獣(リングヴィ・ヴァナルガンド)。君達うっかり轢いちゃうかもしれないけど、僕の邪魔はしないでね?」 -- 名無しさん (2013-10-21 15 52 12) 益荒男たち「言われるまでもない!」覇吐と刑士郎が双方共に人魚の姿をした何かを一瞬にして数体解体した。すると、まるでスライムのようにグネグネして一つになり、また分裂して複数の人魚へとなった。 -- 名無しさん (2013-10-21 16 16 19) 覇吐「キモ(・□・;)!?」刑士郎「んだ?こいつらはァ?」 -- 名無しさん (2013-10-21 16 16 49) 龍水「…この水の波紋…、!母刀自殿こやつらの正体は水に術をかけたものではないでしょうか、斬れば殖えるのがその証拠に思えます」 -- 名無しさん (2013-10-21 16 29 38) 龍明「ほぅ?いい洞察力だ……ならば」目をカッ!と光らせ、 龍明「私の業火で燃やすとするか?ああ小童ども……早々に一か所に敵を集めなければ、貴様らごと焼いてしまうかもしれんぞ?あははははは」戒&覇吐&刑士郎「この人、マジで殺る気だ!?」 -- 名無しさん (2013-10-21 16 45 17) 恐怖に駆られた三人は、有象無象の人魚たちを斃す。そして一か所へジリジリと追い込み、シュライバー「逃がさないよ♪僕の轍になりなよ♪」逃亡しようとする欠片たちはシュライバーのヴァナルガンドで一掃されていた。そして、一か所へついに追い込んだと同時に漢連中は同時に後方へ飛んだ。刹那―― 龍明「我はこの荘厳なるヴァルハラを燃やし尽くす者となる!」 -- 名無しさん (2013-10-21 17 06 22) 文字通り業火滅却、水蒸気になっても復活するのでは?という心配の元(術)ごと大焦熱地獄に呑み込まれていった -- 名無しさん (2013-10-21 17 19 04) しかし覇吐達や廊下の床や壁をまったく焦がしたりしていない辺り、かなり精密なコントロールで力を行使していたようだ -- 名無しさん (2013-10-21 17 33 30) 龍明「ふっ……この程度のこと、造作もない」龍水「流石です、母刀自殿♪」 龍水が賞賛する中、ベアトリスは唯一壁に背中を預け、槍を抱きかかえるようにして目を瞑っている存在へ歩いて行った。ゆっくりと。まるで決闘する者同士がするような動作だ。 -- 名無しさん (2013-10-21 17 35 46) 蒼いスーツを着た男は背中を石柱から外し、槍を片手に構え禍津に汚染された憎悪と怨恨が入り乱れた双眸でベアトリスを見た。内側は激しい動を、外見と闘う様は静を。あの王妃はそれを精密に考えてこの存在を生み出したのだ。恐らく――言語を交わすことは敵わないだろう、とベアトリスは直感していた。 -- 名無しさん (2013-10-21 17 37 34) だが、ベア「私は、ベアトリス・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼン中尉と申します!貴殿の名はなんと言うか、名乗りなさい!」 槍兵「――――――――」 ベア「名乗りなさい」 槍兵「――――――――」 ベア「……名乗って、下さいよ。あの時みたいに」 『か~戒って野郎が羨ましいね~!良い嬢ちゃんだ!幸せになれや!』 蘇るかつての言葉。 ベア「……お願いですから」知らず、ベアトリスは涙を流していた。所詮本人にあらず。だが、それでもベアトリスにはあの“彼”とダブって見えてしまうのだ。 -- 名無しさん (2013-10-21 17 40 02) 槍兵は無言のまま豹のように四肢を付き、槍を構えた。 戒「――ベアトリス。やはり僕がやろう。君には酷すぎる」前に出ようとした。だが―― -- 名無しさん (2013-10-21 17 44 20) 《おい馬鹿娘、『ソレ』は奴ではないだろう。何を躊躇っている》魔砲の声が届いた。ベア「―――!」《…さっさと片付けて来い、奴とソレを混同させるのは。彼の者に対する侮辱だろうが》 -- 名無しさん (2013-10-21 17 53 55) 既に眼前に朱槍が迫っていた。それを俯いたままベアトリスは形成した剣で受け止めていた。 ベア「……はい、少佐。仰る通りです」 -- 名無しさん (2013-10-21 17 56 31) 顔を上げたベアトリスは――戦乙女として、決意したようだ。 ベア「私の犯した罪は 心からの信頼に置いて あなたの命に反したこと 私は愚かであなたのお役に立てなかった だから――あなたの炎で包んでほしい」 -- 名無しさん (2013-10-21 17 57 38) 《――さらば 輝かしき我が子よ ならば如何なる花嫁にも劣らぬよう 最愛の炎を汝に贈ろう》遠く離れた場所にいる筈なのに、炎(ローゲ)は戦乙女(ヴァルキュリア)の側にいた -- 名無しさん (2013-10-21 18 06 06) 二人「《我が槍を恐れるならば この炎を越すこと許さぬ!!》」ベア「創造( Briah― ) 雷速剣舞・戦姫変生 (Donner Totentanz――Walkre)!!!」 -- 名無しさん (2013-10-21 18 09 30) 刹那――ベアトリスは雷速の乙女へと変生していた。 -- 名無しさん (2013-10-21 18 10 19) ベア「あなたが……あなたが彼を愚弄しないで下さい!彼はあなたのような憎悪にも、怨嗟にも満ちてなどいない!彼は正真正銘の英雄です!ええ、確かに同一として視てしまった私もいます。しかし!」切っ先を向け、 ベア「あなたは彼ではない!あなたはただの――紛い物です!騎士を愚弄するなど、言語道断です!」さらに雷が増したのを、背後で見る彼らは確かに確認した。 -- 名無しさん (2013-10-21 18 11 53) それと同時に、ベイ・シュライバー・戒・螢・玲愛・香純たちは確かに見た――幻なのだろうか?半透明で、まるで幽霊のように現れたあの蒼き槍兵が、ベアトリスの背後から現れて肩を叩き『勝てよ、嬢ちゃん』と言ったように聞こえたのは…… -- 名無しさん (2013-10-21 18 13 13) ベア「―――当然です、じゃないとまた少佐に焼き入れられちゃいますからね」笑ってその言葉に応えた -- 名無しさん (2013-10-21 18 16 42) その言葉を聞いて安心したのか、彼は消え去り、ベアトリスは眼前の相手を見て――見ているであろう王妃へ告げた。 ベア「私はあなたを許しません、王妃!例え一時とはいえ、彼を愚弄したのは事実!これは騎士に対しての、ひいては英雄に対しての冒涜だ!あなたは王に非ず!王妃に非ず!あなたは――羽虫です!!」 -- 名無しさん (2013-10-21 18 19 30) 螢「ベアトリス……」 ベア「私はあなたを一人の人間として……人魚として……生きている者として、断じて許しません!ただの羽虫如きが、騎士の戦いを泥で塗り潰すなど許さない!私は――あなたを存在する者として、断固拒絶します!」初めて、ここまで感情を発露したベアトリスを見た面々。それはリザとて然りだ。 -- 名無しさん (2013-10-21 18 21 13) 『結構――人如きとじゃれ合う気など毛頭ありません。疾く消えるがいいのです……ここは人魚が収める世。疾く消え霧散しなさい』 轟く声は加工されているが、言い様は間違いなくあの王妃だ。 -- 名無しさん (2013-10-21 18 25 29) ベア「消えるのは騎士の誇りを汚した貴様だ!!!!」雷が爆発した。そう感じる程の閃光だった -- 名無しさん (2013-10-21 18 29 58) 槍兵と戦乙女の戦いが始まった。普通に考え武器の相性的には剣を使うベアトリスが劣勢を強いられるだろうが――― リザ「………この戦い、貴女の可愛い部下の勝ちよ。エレオノーレ」 -- 名無しさん (2013-10-21 18 37 19) 決着がつくのは速かった、一瞬の攻防が本人達にとって数十分数時間に感じても、見ている方にはあっという間の勝負だった。 -- 名無しさん (2013-10-21 18 40 29) ベア「アウフ・ヴィーターゼン、…本物の彼はもっと強いですよ、あの初撃で私を討ち取れなかったのが貴方が偽物たる由縁です」 -- 名無しさん (2013-10-21 18 57 17) 龍水「…なんと、あの禍津をあっという間に…」咲耶「…今いるあの方々が、彼等の全盛期…ならば…もし、『そのまま』の力でぶつかられていたら…考えただけで背筋が寒くなります」龍明「咲耶、そのもしもは有り得んさ。(……我々が砕かれて、烏帽子殿達の世界が成り立つのだからな…)」 -- 名無しさん (2013-10-21 19 07 08) ベアトリスは上を見上げ、ベア「また……あなたに逢いたいですね」覇吐「……あんたらにとって、今の偽物じゃねえ本物って何者なんだ?」刑士郎「悪いが俺も知らねえな。お前らが尊敬するほどなのか?」知らない者にしてみれば、ベアトリスたちほどの豪傑が尊敬するなどよっぽどだ。 -- 名無しさん (2013-10-21 19 12 49) 龍明「覚えておけ、覇吐に刑士郎……今のは偽物だが、本物の奴は馬鹿娘たちと互角にやり合うほどの実力の所有者だちだ。英雄、英傑……かれらは間違いなく私も認めて言おう。尊敬に値する者たちだ。お前たち流に言うならば『真の益荒男』とでもいっておこう」 -- 名無しさん (2013-10-21 19 14 39) ベア「それでもって、私達の友人です。一緒に少佐にボコられたりしました」あはは、と笑う -- 名無しさん (2013-10-21 19 18 18) 覇吐「す、すげえ経歴だなおい;」龍明「間違っても覇吐……貴様に刑士郎は戦いを挑むな。瞬殺されるのがオチだ」刑士郎「はぁ?俺らが簡単に負けるとでも?」龍明「思うさ……如何に求道神といえど、貴様が真人間であろうと、あいつらはそんじょそこらの奴らとは違うのだよ」龍水「お、母刀自殿がベタ褒めしている……それほどまでに!?」 -- 名無しさん (2013-10-21 19 26 43) 龍明「褒めているわけではない、歴然とした『事実』だ」 -- 名無しさん (2013-10-21 19 29 16) シュライバー「ま~ねェ。実力は僕もお墨付きで着けちゃうよ。なんてったって、あのハイドリヒ卿が認めちゃうんだもの」 咲耶「お強い殿方なのですね、さぞや」龍明「まあ雑談はここまでだ……ん?」黄金たちが話を終えてこちらに歩いてきていた。黄金「少々手間取った。敵の奇襲を退けたようだな、香純にテレジアに大事はないな?各々」 -- 名無しさん (2013-10-21 19 33 48) 香純「私達は大丈夫です、皆さんが護ってくれましたから」玲愛「うん、因みに今回の大金星は戦乙女さんだよ」ベア「あはは、そう言われると照れますね。私は単に頭きちゃって暴走しただけなんですけど(苦笑)」 -- 名無しさん (2013-10-21 19 40 01) 水銀「しかし私を人扱いとは…あの王妃もなかなか面白いな」蓮「お前はそもそも人類か?」司狼「最強の覇道神がナに言ってやがる」 -- 名無しさん (2013-10-21 19 42 09) ハハハ、と話をする皆。 水銀「まああの王妃に関してはもう顛末は決まったのだ。明日は存分に踊ろうぞ、マルグリット。ああ心配はいらん。君の笑みを曇らせる塵芥は消しておくからね」マリィ「穏便にね?」水銀「任せ給えよ……しかし、ヴァルキュリアよ。誰と交戦していたのだ?人外の気配しかしていなかったが」 -- 名無しさん (2013-10-21 19 44 43) ベア「王妃に造られた、…見た目だけどっかの槍使いさん似の、可哀想な傀儡さんですよ」 -- 名無しさん (2013-10-21 19 51 39) 黄金「――なに?」そして、予想通り黄金が反応していた。当然だ。あの槍兵はベアトリスとも仲は良かったが、結構な回数で黄金とはかなり仲良くしていたからだ。 -- 名無しさん (2013-10-21 19 55 11) 黄金「真(まこと)か?ヴァルキュリアよ」ベア「はい……寸分違わず。しかし実力は遥かに本物よりも劣るものでしたが」悲哀を超越したベアトリスはそう報告した。 黄金「――――そうか。我が朋友たるあの者を愚弄したと、そういうわけか」静かに、ただただ静かに黄金の鬣が覇気を帯びているのを皆が確認していた。黄金は総てを愛している。謀反を起こすものも例外なくだ。ただし、そこに彼の矜持に、美観に反するものがあるとするならば――朋友を貶されることではないだろうか。 -- 名無しさん (2013-10-21 19 57 23) 黄金「よい、分かった。しかしカールよ、ランサーを真似るということは、少なからず知っているということになる」水銀「ここはあなたの城の中に作り上げた異空間。ともなれば、情報は自ずと流れ出でるのは自然の理。だがしかし、確かに気に喰わんな。少なからずあの者と弓兵は長い付き合いだ……特に槍兵は英雄たる資格を有し、気兼ねなくいたからな。無粋な真似をしなければ分解程度に済ます予定だったのに……いやはや」困ったものだ、と告げる水銀の影が蛇のように蠢くと、皆の背筋が蛇がよじ登るかのような悪寒がしていた。 水銀「マルグリット……君は、あの蒼き槍兵を覚えているかね?」柔和に尋ねた。 -- 名無しさん (2013-10-21 20 00 21) マリィ「?覚えてるよ」水銀「感想は?」マリィ「楽しい人だった♪」その笑みを見て、水銀は頷いて身を翻し皆を見た――瞳が、蛇になっていた。水銀「明日は存分に楽しもうぞ……宗次郎に紫織。夜行は呪術に掛かっている連中を見つけ次第、見つからないように片っ端から切り崩せ。お前たちが我らの意思を継いだ者ならば、完遂してみせろ。それとも――他力を当てにするかね?」 -- 名無しさん (2013-10-21 20 18 18) 宗次郎「逆に問いたますが、貴方方の知人を愚弄した輩への報復を僕らに任せて良いのですか?」 -- 名無しさん (2013-10-21 20 52 16) 水銀「私は『呪術に掛かっている連中を斬れ』と言った、『報復を任せる』等と…一言も頼んだ覚えはないんだがな」紫織「…りょーかい、わかったからそんな勝手な真似をすれば『殺す(消す)』と言わんばかりの眼はやめてよ、ゾクゾクするじゃん♪」 -- 名無しさん (2013-10-21 21 16 57) 夜行「無意味に煽るのは止せ、試さんでもそこらはわきまえておる方々だ」 -- 名無しさん (2013-10-21 21 19 46) 宗次郎「…一つ、斬っていいのは術だけですか?」水銀「城に戻ったら存分にハイドリヒ達と殺し合えばよかろう」宗次郎「…………ま、そうですね。ならもう少し我慢する代わりに、メルクリウスさん…貴方も黒円卓の一人なら参加して下さいよ?……斬りたくなりました」 -- 名無しさん (2013-10-21 21 25 45) 水銀「ならば代理の息子を参加させよう、私はお前達が本気で暴れるなら城が崩壊しないか気掛かりでな。イザークのサポートをしなければならん」 -- 名無しさん (2013-10-21 21 27 34) イザーク『水銀の蛇に助力を煽るハメになるとはな、世も末だ』溜息を零す黄金の継嗣。 -- 名無しさん (2013-10-21 21 40 21) 黄金「そう言うな、イザーク。カールも私も、王妃の愚行には少々怒りを覚えていてな。あの英傑を貶したのだ……万死に値するものだ」夜行「ふむ……一度でいいから飲み交わしたいものよ」水銀「あれは気前も良い男だ。マキナ、お前はどうだ?」マキナ「……奴は奴の世界に、と普段の俺ならば言っているところだが」見据え、 マキナ「俺も少々苛立ちを発露する場が欲しくてな……諸共相手をしてやる。それと、奴を呼ぶのならばいい場を設けろ。それが条件だ」 -- 名無しさん (2013-10-21 21 43 06) シュライバー「んじゃ、王妃をシメてこの踊りで歌って踊り終わったら、みんなでバトルロワイヤルだね♪」玲愛「やれやれ、血の気の多いね。藤井君はって」蓮「司狼、これは場のノリ的に」司狼「無論、参加だろ?当たり前なこと聞くなよ。ジャリ餓鬼どもと黄金の大将を久方ぶりにボコれると思うと、ワクワクするぜ♪」玲愛「駄目だ、漢衆はみんな(藤井君除いて)馬鹿ばっかだ」 -- 名無しさん (2013-10-21 21 45 23) アンナ「Σうげ;;;そっか、バトルロワイヤルなら個々の大混戦じゃん;;;」ベア「……つまり少佐、貴女がハイドリヒ卿と戦う可能性ありますけど~…大丈夫ですか?」ザミエル「…ハイドリヒ卿が望むならば、私の魂を懸けて挑ませて頂く所存だ。………いらん気を回すな」 -- 名無しさん (2013-10-21 21 48 51) 黄金「皆、諸共相手をしてやろうぞ。香純にテレジアにはすまないが、男との約束だ。反故にはできんよ」香純「じゃあ約束」黄金に小指を立てて、 香純「指切りしよ♪」黄金「?指切り、とはなんだ?」 -- 名無しさん (2013-10-21 21 51 37) 香純「日本で、約束の厳守を誓うために行う大衆の風習だよ♪」黄金「ふむ……内容は?」香純「血の気が抜けたらみんなで飲もうよ、お父さん♪」水銀「――――――――ハッ!」一瞬意識が飛んだ水銀。 -- 名無しさん (2013-10-21 21 53 17) 水銀「いかん、思わず我を忘れてしまったではないか」マリィ「どうして?」水銀「マルグリット以外で、私が初めて心を奪われた少女だからだよ」 -- 名無しさん (2013-10-21 21 57 45) 黄金「…あぁ、約束しよう。だが卿等は未成年だ、故に酒は飲んではならんぞ?」香純「うん♪」互いに笑顔で指切りを交わす二人 -- 名無しさん (2013-10-21 22 00 09) 蓮「まあ俺は飲んでも酔えないけどな」水銀「息子は飲め、酔えるように特別品を作る…お前が酔ったら未知を体感できる気がするのだよ」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 01 55) 蓮「んなことあるわけないだろ」後のこの発言が事実になるのは、言うまでもない。 -- 名無しさん (2013-10-21 22 03 10) 司狼「ま、シロ助二人は俺様には勝てないのは良いとして、姐さんとガチでやり合ったことはねえわな」ザミエル「ハイドリヒ卿と同じ自滅因子であったな、そういえば」龍明「油断すれば燃やすぞ?」司狼「おいおい、美人な姐さんには悪いけどよ。俺の太極に抗えるとでも?」マキナ「無理なら俺が破るまでのこと」司狼「ムッツリに負ける俺様じゃねえよ」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 04 49) 神父「あの、司狼君が何気に三騎士を一辺に相手をするという地獄絵図が完成してるのですが;」夜行「よいではないか。だが、私も先達を超えてみたくてな。龍水、お前も気張れ。先達たちは戦奴でもある……まあ、逃げ切れたら褒めてやろう」覇吐&刑士郎「いやチンチクリンには無理だろ。絶対詰むぞ;」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 06 25) ザミエル「そういえば、今はもう別人と認識しているが。文字通り『己と戦う』というのは滅多に無い経験だな」龍明「そうだな」ザミエル「………ふ」龍明「………ふふ」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 10 16) 龍水「・・・夜行様、逃げ切る自信がありません」W魔神の狂喜スマイルを見て -- 名無しさん (2013-10-21 22 11 08) 夜行「私は構わんさ。まあ流石にヤバくなれば助けてはやる」流石に慈悲はあったようだ。夜行「まあ、逃げ惑うお前を見るのも一興だがな」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 12 18) 曙「やはり変態か;」竜胆「私は正直――」黄金「卿も卿だ。将であるのなら、卿の実力を測るのも一興というもの」シュピーネ「わたくしがお相手を致しましょうか?野蛮人の集団ですので、加減ができるのは私にカインかヴァルキュリアぐらいですよ?」アンナ「私を忘れてな~い?シュピーネ」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 14 01) シュライバー「そういえばシュピーネ。君……いつぞやでハイドリヒ卿に勝ってたよね?」いらぬ飛び火ならぬ飛び槍が来た。 -- 名無しさん (2013-10-21 22 16 18) ザミエル「彼女の相手は櫻井の小娘にさせればいい、…あと誰が野蛮人だと?」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 20 07) 赤騎士と白騎士が眼を光らせ紅蜘蛛を見る -- 名無しさん (2013-10-21 22 21 37) シュピーネ「ギョッΣ(゚◇゚;)!?い、いえザミエル卿は手加減が苦手だと思いまして;それにシュライバー卿は手加減の『て』の字も知らないでしょ?;ですから――」ベイたちが肩を掴んだ。メシメシと音を立てていた。 -- 名無しさん (2013-10-21 22 24 46) ベイ「まあ言ってることは間違ってねェんだがよ」刑士郎「なんかてめェに言われると無性にイラつくんだよォ」シュライバー「大丈夫だよ、シュピーネ♪なんだっけ?日本の諺で『みんなで渡れば怖くない』だっけ♪」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 25 52) ザミエル「あと私は別に手加減が苦手なわけではない、する必要がないだけだ。我々は修羅、戦場に住まう戦鬼だ…貴様もな、そうだろう?故にだ、今まで見逃していた分鍛え上げてやろう」ニィィ、とサディスティックな笑みを浮かべる。シュピーネ「ΣΣΣΣひぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!;;;;;;;;;」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 31 55) 戒「南無阿弥陀仏「貴様もだ、トバルカイン」……って、え;」見ると、ザミエル様は戒を見ていた。間違いなく、戒を見ていた。ザミエル「貴様とは闘ってみたかったのだ……それと、馬鹿娘に釣り合うかどうか、見極めてやる」螢「それは過保護――」ザミエル「安心しろ。仲良く『三人(・・)』相手をしてやるとも。バトルロワイヤルだろ?なに、加減は抜きだ」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 36 24) 玲愛「あ、この人には最上級の焼き加減でお願いします」神父を前に突き出して宣言した。神父「ちょっ!?」ザミエル&龍明「ご注文は?」玲愛「じゃあ追加で全部のフルコースで。あと、藤井君をあんまりイジメないで?」W魔神「努力はしよう……まあ、無理だろうが」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 38 05) 螢「…え、と。あの、ザミエル卿、先程竜胆さんの相手は私にしろと仰ってましたよね」ザミエル「あぁ、なに宴は長く続くだろうさ、きっちり後で三人共相手してやるよ。仮にも聖遺物の使徒だ、お前に戦場を教えてやる」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 42 15) 螢はそこで、始めてザミエルを己の上官のように感じた。 -- 名無しさん (2013-10-21 22 45 20) 竜胆「い、いやしかしだな;私はそこまで芸達者ではないぞ?覇吐たちには劣るだろうし、何より私は」夜行「烏帽子殿は弓の扱いに長けておりますぞ」竜胆「こ、こら夜行!余計なことを言うな!」螢「安心なさい、私は創造を使わないであげるわ……まあ、ザミエル卿たちの砲弾とかが来れば即座に使うでしょうけど、諦めてね」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 47 00) ザミエル「……至極非常に面倒だが、貴様らの方に流れ弾は行かんようにしてやる。猪突猛進と戦いに不慣れな者ならば、互いに集中出来る環境の方が良いだろうしな」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 50 43) 龍明「……成る程、馬鹿娘達がかつて私の事を素直ではないだのツンデレだの言っていた理由がわかったよ。確かに素直ではないな(笑)」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 53 36) ベア「わんわん!」ザミ「ふん!」ベア「きゃい~ん!?」思いっきりしばかれた。 -- 名無しさん (2013-10-21 22 54 44) マキナ「なんでもかまわん……兄弟は下がっていろ」蓮(女)「男ってのはどうしてこう、血気盛んなんだろうな;」マキナ「これも所謂『性(サガ)』というやつだ」蓮(女)「じゃ、終わったらその……で、デートってのはどうだ?あ、お前が勝ち残ったらだ!(//////)」マキナ「任せろ……俺に勝てる奴など、兄弟ぐらいなものだ」双首領「ほう?」二騎士「言ったな?マッキー/マキナ」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 56 43) 蓮「…じゃあ俺が戦ったらどうなるんだ?」マキナ「…」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 58 28) 蓮(女)「その場合もデートは成立だ」マキナ「ということだ」 -- 名無しさん (2013-10-21 22 59 07) 蓮「まあ俺は戦うつもりないから…とりあえず刹那を楽しむために全力で俺の刹那(仲間)を守るけどな」にこやかな笑顔で言った -- 名無しさん (2013-10-21 23 00 28) 司狼「いやお前も参加だろ」エリー「蓮君もだよ」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 01 03) 蓮「おい馬鹿コンビ。俺は不参加だって」双首領『臆したか/ね?』蓮「よし久しぶりにボコってやるよ」にこやかな笑みにも、実はフルボッコにする予定だった蓮様。 -- 名無しさん (2013-10-21 23 01 55) リザ「マレウス……あなた、逃げるのは得意?」アンナ「私の影にでも逃げる?喰わずして収納は可能よ?絶対にザミエルの砲弾で三桁は確実に超えるから」リザ「よね;」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 03 00) ザミエル「…まぁ貴様(ブレンナー)はトバルカインがいなければロクに戦えんからな、弱者をいたぶる趣味はない。此度はテレジアのところにいればいい、と言ってやりたいが…逃げるのは諦めろ」 前に首領が黒円卓全員参加と言ってたのを思い出す。 -- 名無しさん (2013-10-21 23 08 30) リザ「……そうよね…;;………なら、私も竜胆さんの相手になろうかしら。体術の真似事ならちょっとくらいは出来るわ」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 10 58) ザミエル「……いっそ今回で貴様とシュピーネが創造位段に達すればいいんだがな…」リザ「無茶言わないで頂戴よ(苦笑)」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 14 15) ベア「…何だか、やたら少佐優しくないですか?ΣΣハッ!!もしかして!貴女王妃が差し向けた偽m(バキィィ!!!)」ザミエル「感想は?」ベア「…この…頭を抉るような拳……まさしく……ヴィッテンブルグ少佐デス……ガクッ」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 24 41) ザミエル「ついでだ、もう少し確認しておけ」アイアンクロー発動(炎付き)ベア「ΣΣΣΣΣぎにゃぁぁぁぁ熱い痛い熱い痛い熱い痛い熱い痛いごめんなさい!!!疑ってごめんなさいぃぃぃぃ!!少佐のデレ期が来たかと期待してごめんなさいぃぃぃぃ!!!」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 28 20) ザミ「ははははは初心な心がけは結構だがデレ期などは存在しないのだよ分かったか馬鹿娘がああああああああああああああ!!!!!!!」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 31 37) セレーナはポカーンと見ていた。超展開に追いつけないのもあるが、皆が一喜一憂しながらも楽しそうなのだ。ベア「しょ、少佐はいい加減デレ期が到来しても可笑しくない歳(バキッ!!)ぎゃああああああああ!!!???左腕が!?左腕がああああああああ!!!!!????」ザミ「すぐに完治するから騒ぐな」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 33 19) セレーナは悲鳴に怯えて隠れた。 -- 名無しさん (2013-10-21 23 35 48) ベイ「セレーナがビビッてるだろうが!」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 38 32) ベア「ほら!!セレーナちゃん怯えちゃったじゃないですか!!」バキッと変な方向に曲がった腕を自分で直した -- 名無しさん (2013-10-21 23 39 17) 曙「すげェ;」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 40 16) シュライバー「あ!そういえばさ、バッキー」覇吐「え?俺?」シュライバー「君ってさ、可愛い女の子は好きかい?」覇吐「無論!」シュライバー「胸のサイズ……あ~大きさは?」覇吐「小さいのから大きいのまで俺は須らく愛すぜ?んで?」シュライバー「君が僕ら三騎士に万が一にも勝てたら、現代にご招待してあげよっか?色々あるよ~?メイドとかコスプレ喫茶とか」覇吐「めいど……こすぷれ……何故だろう、こう胸の奥から騒めく感じは?俺のヌキヌキポン(読み:心)が唸って滾る!永遠の紳士が轟き叫ぶ!いいぜやってやってやらァ!」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 40 34) セレーナは変態の雄叫びにさらに怯え、香純と玲愛の背後に隠れてしまった。 -- 名無しさん (2013-10-21 23 41 18) 香純「こらそこ!あんまりセレーナちゃんを脅かさないの!」玲愛「変態撲滅企画大募集中」ベイが真っ先に立ち上がった。 -- 名無しさん (2013-10-21 23 45 03) ベア「……あ~…やっぱり、恐いですか?私達が」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 46 32) セレーナはビクビクしながら少し頷いた。何か伝えようと手話をしようとしたが、手が震えていた。 -- 名無しさん (2013-10-21 23 48 01) ベアトリスは傅いた。ベア「ごめんなさいね。けど怖い少佐も心の中じゃ優しいんですよ?行動がかなりバイオレンスですけど。怖がらないで……なんて言えないけど」優しく微笑み、ベア「私たちを信じて下さい♪」セレーナ「ぁ……ぁの……そのぉ……」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 49 48) セレーナ「…………、…正直…怖かったです……、でも」思い出す、歌いたい自分の願いを叶えてくれて、後押しをしてくれて、尚且つ危険が迫った時は必ず助けてくれた彼女達を -- 名無しさん (2013-10-21 23 55 51) セレーナ「わたし……嫌いにはなれません!」ベア「!」ようやくハッキリと伝えた。セレーナ「わたし、あなた達が好きです!」 -- 名無しさん (2013-10-21 23 56 58) そう言われて照れる者、鼻で不敵に笑う者、頷く者と分かれ、ベアトリスは彼女を抱擁しながら頭を赤子を大人しくさせるように撫でていた。ベア「よく言えました……そして、ありがとう。私も、あなたが好きですよ、セレーナちゃん。必ず、唄わせてあげるからね♪」優しい音色でそう囁いてあげた。 -- 名無しさん (2013-10-21 23 58 29) セレーナ「……うん…、…ありがとう……」ぎゅ、とベアトリスに抱き付く。 -- 名無しさん (2013-10-22 00 01 54) そしてわかる彼女も彼等も自分と変わらない温かな鼓動をしている事を -- 名無しさん (2013-10-22 00 03 50) 玲愛「ま、最初はキツいけどその内ちょっとバイオレンスなどつき漫才や変態の奇声に慣れるよ。大丈夫」香純「先輩、どこにも大丈夫な要素がない気がするんですけど~」 -- 名無しさん (2013-10-22 00 07 04) 玲愛「オタクとヤンキーとチンピラの軍団って言い方、間違いかな?」軍団「間違いだ!」玲愛「え?どこが?少なくともハイドリヒ卿やザミエル卿以外はそうでしょ?まあ三騎士は違うもんね」ベア「待って!?私もカウントされてるんですか!?」戒「ぼ、僕もかい!?」 -- 名無しさん (2013-10-22 00 10 13) 玲愛「ブラコン」螢「ぐっ」玲愛「シスコン」戒「ぐはっ」玲愛「……行き遅れ?」リザ&ベア「ぐはっ」玲愛「え~と……オタクは水銀?」水銀「もうW魔神に焼かれてしまったよ(ノД`)」玲愛「オタクは……あ、いないか。ごめん流石に謝るね」全員『そこだけ!?』 -- 名無しさん (2013-10-22 00 11 58) 玲愛「まあ変人変態の集団だから、その内変な奇声にも慣れるよ」ベイ「慣れさせてどうすんだよォ?」玲愛「耐性を付ければ付いて来れる。ノープロブレム」覇吐「す、すげえ毒舌だなおい;しかも反論を許さないとは;」龍明「各々自覚はあるのだろう。尚更だ」 -- 名無しさん (2013-10-22 00 13 33) ベア「ちょっと待ったーー!!!行き遅れは少佐もそうじゃないですか!!!」ザミエル「・・・・・」ベア「・・・……あれ?」アイアンクローが来ると思って身構えてた -- 名無しさん (2013-10-22 00 15 47) 玲愛「え?だってザミエル卿クイーンだし」 -- 名無しさん (2013-10-22 00 22 52) ザミ「……正直な話、もうそのネタはいいのだよ。行き遅れかどうかなどは、ブレンナーと語らい合っていればいい。私はそれでも構わんのさ」意外や意外。寛大になっているザミエル。黄金と話し合って多少なりとも角は取れたようだ――もっとも、棘は残っているが。 -- 名無しさん (2013-10-22 00 32 42) 黄金「ともかく、シュピーネと聖餐杯は夜通しで見張りをやれ」二人「え;」黄金「バトルコロ――」二人「やらせて頂きます!少しでも軽減させて頂けるのならば!」必死に土下座した。 -- 名無しさん (2013-10-22 01 07 11) そして二人見張り(生け贄(笑))に出し各々休む -- 名無しさん (2013-10-22 02 37 21) 蓮「先輩、そのりくつだと俺も変態なのか…」 -- 名無しさん (2013-10-22 07 00 45) シュライバー「……ん?あれ?何かさっきの会話変じゃない?マッキーが勝ち残ったらマッキーと女ツァラトゥストラがデートでしょ?何でツァラトゥストラが出てくるの?」玲愛「そこ二人、細かい突っ込み入れたら負けだよ」 -- 名無しさん (2013-10-22 09 14 41) 司狼「細けえことはどうでもいいさ。蓮も出るのは確定なんだ。バトロアなら、俺様がお前らを捻ってやるよ」 -- 名無しさん (2013-10-22 09 52 52) 蓮「俺に勝つ気かよ?司狼」司狼「応よ。ま、雌雄は決したが、お前とは純粋な殴り合いがいいな」 -- 名無しさん (2013-10-22 12 29 00) 玲愛「馬鹿ばっか」司狼「いや俺様バカじゃねぇし」 -- 名無しさん (2013-10-22 12 49 06) そうして次の日を迎えた -- 名無しさん (2013-10-22 13 24 45) 舞踏会当日は、皆が見事にドレスコートしており、貴婦人方も男の偉丈夫たちも皆がドレスかタキシードを着ていた。もしくは民族衣装なのか?派手な恰好で外で自由に演奏し、中では舞踏会に相応しい序曲の、落ち着いたメロディーが流れていた。 -- 名無しさん (2013-10-22 14 49 07) 蓮「昨日の前夜祭も凄かったが」司狼「本番もまた違う凄さだな」全員昨日と違う正装で集まる。(女性陣はドレスを選んだり化粧や髪を整えたりで男性陣より時間がかかったが) -- 名無しさん (2013-10-22 15 07 00) シュライバー「ベイ~、君がカッコつけてもダサいよ?」ベイ「うっせェわ!」ワインを飲むベイを揶揄うシュライバー。 -- 名無しさん (2013-10-22 15 12 25) 水銀「マルグリット、スマイルを一つ」マリィ「こう?」優しく微笑んだ所を写真に収める水銀。水銀「いやはや、やはりこういう宴は良いものだ。マルグリット、よく似合っているよ」黄金「綾瀬香純、卿もだ。太陽のように、それでいて添えられる一輪の華のように美しい」 -- 名無しさん (2013-10-22 15 16 51) 香純「へへ…(///)まぁ、うちの幼馴染み共には馬子にも衣装だーって言われちゃいましたけど(笑)」玲愛「素直に褒めれないのが遊佐くんだから仕方無いよ。…改めて見るとここまで美男美女が揃うと壮観だね。ねぇ藤井くん、私はどうかな?ちょっと控え目過ぎる?」香純が太陽なら月のような儚さと美しさを持っている玲愛。(見た目だけなら) -- 名無しさん (2013-10-22 15 27 07) 蓮「ああ、美しいよ。控え目なほうが先輩には似合ってるよ」螢「じゃ、じゃあ……わ、私はどう?」照れながら尋ねた螢は黒のドレスに赤い色が所処入っていて、象徴していた。蓮「櫻井も櫻井で似合ってるな」螢「そ、そう(//////)」ベア「ニヤニヤよかったわね~螢」 -- 名無しさん (2013-10-22 15 39 29) 螢「Σベアトリス!そのニヤニヤした顔やめてよ!(//////)」ベア「だって螢可愛いんですもん、いいですね~乙女ですよね~(笑)」ベアトリスの場合は何時も結ってる髪を下ろしてウェーブをかけてる、ドレスは確実に自分に似合ってるものというか生来の貴族のお嬢様そのものだった -- 名無しさん (2013-10-22 15 47 25) 黄金「卿も似合っているぞ?ザミエル」ザミ「ハッ……しかし、なんですな。私がドレスなど……場違いなのではないでしょうか」珍しい、否滅茶苦茶レアなことに、ザミエルがドレスに身を包んでいた。朱色のドレスに朱雀のような刺繍があり、フリルが少し付いていて、蝶のようなブローチも付けていた。しかも超絶に逢っていた。まあ実際、彼女も生来の貴族のお嬢様なのだが。 -- 名無しさん (2013-10-22 16 01 15) アンナ「ザミエルがドレスって……;」香純「けど、似合ってますよ♪」ザミ「む……そうか。しかしだな香純殿。私は」香純「この面子で、あなたの傷について言う奴がいたらぶん殴ってあげるよ♪」香純は微笑んだ。 -- 名無しさん (2013-10-22 16 04 47) ベア「殴るじゃ生温いですよ香純ちゃん♪」亜音速で聖遺物で素振りをしてる -- 名無しさん (2013-10-22 16 10 49) ベア「というか少佐、私達普通にドレス持ってるんですから城でもたまに着たらどうです?女性全員集まってお茶会とか!」 -- 名無しさん (2013-10-22 16 12 18) ザミ「お茶会……イヤな事を思い出すな」あのアリス世界のことだろう。 -- 名無しさん (2013-10-22 16 13 16) マキナ「心配するな、綾瀬香純。ザミエルはその程度のことは気にせん。むしろザミエルにとってその傷は勲章のようなものだ」ザミエル「然りだ、マキナ。そして綾瀬香純殿……御身の心遣いは深く感謝する」跪いて香純の手の甲にキスをした。 香純「はわわ!?」シュピーネ「まあ、ザミエル卿や女性陣はお茶会程度ならばよろしいのではないでしょうか?姦しいとはよく言いますが、仲が良いのはいいことですよ」シュピーネはなんというか、中世の貴族のような恰好をしていた。 -- 名無しさん (2013-10-22 16 14 19) 何か妙に似合ってるのがちょっとコメントしずらい一同 -- 名無しさん (2013-10-22 16 16 31) 覇吐「っていうか、この『たきしーど』だったか?すっげえ着辛いんだが;」宗次郎「なんというか、首が締まるといいますか……息苦しいですね;」夜行「そうかな?私は普通だが」刑士郎「てめェはなんでそう卒なく着こなしてんだよ;」龍水「あ、歩きにくい…tねって、ひでぶ!?」思いっきり己のドレスを踏んで顔面を床に打ち付けた龍水。龍明は溜息を零していた。 -- 名無しさん (2013-10-22 16 24 25) 龍明「なにをやっているのだ、この馬鹿娘は。公衆の面前で恥を晒すな」龍水「ごめんなひゃい;」竜胆「そう攻めてやるな、龍明殿。私とて、着なれぬ衣装ゆえ歩きづらいのだ」咲耶「同じく」龍明「この程度のドレスなどすぐ慣れる」 -- 名無しさん (2013-10-22 16 26 02) リザ「しかし、あなたも手馴れてるわね」龍明をエスコートしようとくる男人魚たちを軽く遇う龍明を見て呟いた。龍明「処世術だ、この程度は。それに――私は永劫求め続ける炎だ。そんじょそこらの火種如きに靡くことは在り得んよ」 -- 名無しさん (2013-10-22 17 04 05) 蓮「じゃあ、せんぱ…いや、テレジア、行こうか」玲愛「は、はい」 -- 名無しさん (2013-10-22 18 55 49) エリー「さすがだね、蓮君、うちの馬鹿には出来ないことをしてのけるよ」司狼「うるせー、てかしおらしい先輩なんて始めてみたわ」 -- 名無しさん (2013-10-22 18 57 07) 二人はやはりペアで、それぞれが着こなしていた。蓮は玲愛に西洋のダンスと同じように、騎士のように傅いてから手を差出し、玲愛が静かに手を重ねると立ち上がり、蓮は玲愛の腰に腕を回し、玲愛と空いた手同時で合わせて握り、曲に合わせて踊り始めた。 -- 名無しさん (2013-10-22 19 54 29) 竜胆「……常世殿。いいや、氷室殿は随分と安らかな笑みを浮かべているな」神父は無言のまま、メッチャクチャ号泣していた。リザ「何もそこまで泣かなくてもいいじゃない;」神父「泣かずにいられますかヽ(;▽;)ノ」マリィ「カリオストロ、踊ろう♪そのために用意したんでしょ?」水銀「無論だマルグリット。この舞台は私が手掛けた、あなたのための劇場。息子が選ばなかったのは気に喰わんが、代替品の代わりに私がエスコートをしよう」マリィ「レンは代替品なんかじゃないもん!」 -- 名無しさん (2013-10-22 19 56 56) 水銀「いいや、言わせてもらおう。私にしてみれば、君を除けば後はどうでもいいのだよ。君を守護する獣殿はまだしも、所詮息子は代替なのだよ」マリィ「けど、レンを宛がったのは私への求愛でもあったんでしょ?」水銀「――ふふ、さてな」片目を瞑ってはぐらかす水銀。 水銀「では、我らも踊るとしよう。この刹那を、充実しているが故の刹那を満喫しようではないか」 -- 名無しさん (2013-10-22 19 58 41) 司狼「まあ一曲で終わらないんだから次の曲は違う奴と踊らばいいさ、エリー行こうぜ」 -- 名無しさん (2013-10-22 22 20 05) エリー「しゃ~ない。デキの悪い相方と踊りますか」司狼「誰が出来の悪い相方だって?」エリー「あんたしかいないでしょうが」そう言い合いながらも、この悪童二人も踊りに出た。 -- 名無しさん (2013-10-22 22 48 00) シュライバー「アンナ~僕らも踊ろうよ~♪」アンナ「ひぃ!?わ、私はいいわよ!?」シュライバー「遠慮しないの~♪」マレウスにとってトラウマがあるため、思いっきり逃げようとするが捕縛されて回転しながら踊り場に出た。 -- 名無しさん (2013-10-22 23 34 12) 覇吐「んじゃあよ、竜胆。いや、鈴鹿(・・)」竜胆「!?」覇吐「俺と踊ってくれるかい?あんたに相応しいこの益荒男とよ。傾こうじゃねえか」竜胆「まったく……お前は」呆れながらも、どこか照れくさそうに手を取った。 刑士郎「……咲耶」咲耶「言うに及ばずです、兄様。わたくしの益荒男である兄様以上に相応しい殿方はいません。どうか、この咲耶と共に舞って下さいまし」刑士郎「当たり前だ」そう言って手を取り、彼らも出た。 -- 名無しさん (2013-10-22 23 49 40) 夜行「ふむ……龍明殿。御身はどうなさるのです?相方はいないようですが」宗次郎には紫織が、夜行には龍水が。という具合に各々ペアがいるが、龍明はそのペアがいないのだ。 -- 名無しさん (2013-10-23 00 49 49) 龍明「シュピーネで手を打とう」シュピーネ「よろしいので?」龍明「ハイドリヒ卿は香純殿か昔の私と踊るだろう。無粋な真似はせんよ。それとクリストフ、貴様いつまで号泣しているつもりだ。ブレンナーとでも踊っていろ。あとシュライバーは加減をしてやれ。マレウスが流石に気の毒だ」 -- 名無しさん (2013-10-23 01 14 14) そんな中、玲愛は至福に満ちていた。 玲愛「あぁ……わたし、今……誰よりも幸せ」蓮「大げさですね、先輩は」玲愛「うんうん……」首を横に振り、玲愛「私の王子様の胸に抱かれる……好きな人と一緒にいられる。これを至福と言わずに、なんて言うの?」蓮「しおらしいもまた可愛いな。かなりレアだし……それに、そう言って貰えるのなら、光栄ですよ」玲愛「君は謙虚だね。大胆に襲ってもいいんだよ?遊佐君程じゃないだろうけど」蓮「俺をあいつと同一視されるのは流石に勘弁です」キッパリ言った。 -- 名無しさん (2013-10-23 09 13 59) 司狼「こら待て天然ジゴロ野郎」蓮「誰がジゴロだ、お笑い担当」司狼「んだとゴラッ!?」互いに近くで踊りながらメンチ切っていた。 -- 名無しさん (2013-10-23 13 33 45) 司狼「お前だって俺以上に酷いもんだっただろうが」蓮「あれ(平行世界)は『俺』じゃねーし」だがこうして軽口を叩きあうのもこの二人が親友である所以だろう -- 名無しさん (2013-10-23 13 36 39) 黄金「どう思うね?カール」香純と踊る黄金。 水銀「彼らはどの世界においても不変の存在だ。マキナも変わらんが、悪童であるゲオルギウスは唯一無二と表現してもいい息子の裏面だ。私の裏面があなたであるように」マリィと踊りながらも、水銀は微笑した。 -- 名無しさん (2013-10-23 14 05 38) 香純「蓮とバカ司狼はあれだから;」マリィ「けど、仲良いよね♪」黄金「あの二人は相克していながらも、互いを認めているのだ」水銀「故に、互いが互いの矜持を誇りに思っているのだよ」アンナ「そうね~」そこに、マレウスが龍明と踊りながら出てきた。シュピーネからぶんどったっぽい。アンナ「レン君と彼って似合ってないし不釣合いなのに、何故か惹かれ合ってるのよね~」龍明「互いを真の友と信じているからだ」皆が躍る中、蓮と司狼を見ていたのは言うまでもない。 -- 名無しさん (2013-10-23 14 19 43) 玲愛「ホント、問題児はこれだから」エリー「しゃーせん」軽く嗤って済ますエリー。 玲愛「けど……悪くはないよね」エリー「そりゃ~そうっしょ。あたしら、マブダチだし」 そう、彼らは永遠の刹那。時を停止させる神無月の戦友たち。互いを想い、信じ、助け合う。これが彼らの絆(せつな)の証なのだ。 他の人魚たちも、彼ら少年を遠目から見ているのが分かった。 -- 名無しさん (2013-10-23 14 21 41) 蓮「おい、バカのせいで何か目立っちまったじゃねーか」司狼「いいだろ別に、こういう場は目立ったもん勝ちだ」蓮「俺はお前と違って目立ちたがり屋じゃないんだよ」司狼「知るか」相反する二人が笑っていた -- 名無しさん (2013-10-23 15 08 40) 咲耶「お二方は本当に仲がよろしいのですね」刑士郎「咲耶、阿呆が移るぞ」司狼「誰が阿保だ、チンピラモドキ」刑士郎&ベイ「誰がチンピラだ!?」司狼&エリー「いやお前たち以外いないだろ/いないでしょ」 -- 名無しさん (2013-10-23 15 14 44) ザミエル「…この場くらい少しは自重せんのかあやつ等は」螢「…期待するだけ無駄かと…」黄金は香純と戒はベアトリスと踊っている為、自然とペアを組んだ炎(焔)同士 -- 名無しさん (2013-10-23 15 27 19) 螢「…少し関係ありませんがザミエル卿、一つ聞いても?」ザミエル「何故私がこちら側(男パート)を踊れるかか?問うだけ無駄だ、察しろ」螢「…やっぱりベアトリスですか」ザミエル「あぁ、…夜会の前日に『男以上に男らしい上官、練習に付き合って下さい』とほざきおってな」 -- 名無しさん (2013-10-23 15 36 15) ベア「当時本当に少佐以上の男らしさを持っている人なんて周りにいなかったんですから仕方無いじゃないですかー」戒と踊っているベアトリスが会話に入る。ザミエル「……まぁ、否定はせんがな。ハイドリヒ卿と出会う以前は、私以下の軟弱共しかおらんかったのも事実だ」 -- 名無しさん (2013-10-23 15 41 12) 戒「マキナ卿はどうなんだい?」 -- 名無しさん (2013-10-23 15 43 37) 当時いなかった円卓の団員である戒が純粋に尋ねた。戒「確か、ベイとシュライバー卿は軍に所属していなかったのは聞いているけど、マキナ卿は別なんだろ?」ベア「あ~……え~と」 -- 名無しさん (2013-10-23 15 44 34) ザミエル「あれを異性の男として視れ、とでも?あの当時はロートス・ライヒハートしか眼中になかったはずだ」 -- 名無しさん (2013-10-23 15 59 59) 螢「・・・何といいますか」ザミエル「あぁ、勘違いはするなよ。確かに戦時中男同士でどうこうという話は耳にするが、あの二人は『戦友』という間柄だ。邪推をしてやるな」 -- 名無しさん (2013-10-23 16 06 18) ベア「勘違いしちゃっても仕方無いくらい熱々でしたけどね~(笑)」ザミエル「……キルヒアイゼン、後でマキナから幕を引かれても私は助けんからな」 -- 名無しさん (2013-10-23 16 08 41) その背後で、蓮(女)と踊っていたマキナの眼光がベアトリスにのみ怪しく光っていたのを、螢とザミエルは見ていた。 -- 名無しさん (2013-10-23 16 13 15) マキナ「……そういえば、後でソロ演奏があったな。自由参加だそうだ……バイオリンはあるだろうか」蓮(女)「あるんじゃないか?」マキナ「ならば――特別演奏として、一名だけ【招待】してやるか」 ザミエルペアは静かにベアトリスたちから距離を取った。 ベア「え?なんで距離を取るんです?え?え?」 -- 名無しさん (2013-10-23 16 15 07) 螢「……ザミエル卿、先程の私の軽率な発言を途中で止めてくれてありがとうございます」ザミエル「さて、何の事だか」ふん、と軽く笑う -- 名無しさん (2013-10-23 16 20 08) そしてお待ちかね、バイオリンと言えば彼の出番。ベイ「・・・・・・なんだァ?スゲー嫌な予感が…;;;;;;;;;;;;」 -- 名無しさん (2013-10-23 16 22 31) マキナ「ベイ」ガシッ ベイ「あん?なんでいきなり掴んで【弾かせろ】……って、なに?;;」マキナ「一撃だ」ベイ「い、一撃?」マキナ「そうだ――幕引きの【一撃】だ」意味が不明だった。 -- 名無しさん (2013-10-23 16 24 20) 戒はさりげなく踊りながらベアトリスから手を離すと、眼に見えぬ速さで逃げていた。そしてベアトリスはクルクル回りながらある人物の手を取った……黒い手袋をした、黒騎士様に。 マキナ「ようこそ……男の世界へ。歓待するぞ、ヴァルキュリアよ」今までに見たことのない、不敵な笑みを浮かべるマキナに、ベアトリスは戦慄を覚えた。 -- 名無しさん (2013-10-23 16 26 08) ザミエル「…おい貴様、あの馬鹿娘を見捨てるのか?一緒にノされるか助け出すくらいの気概を見せろよ」戒の襟首掴んでいた -- 名無しさん (2013-10-23 16 30 19) 戒「え、いや…ですが、ダンスは二人一組ですし…;;;;;」ザミエル「ほぉ…、では私と踊るか?」螢「藤井さん、少しの間私とペアになってくれる?」蓮(女)「…しゃーないな」 -- 名無しさん (2013-10-23 16 33 05) 戒「け、螢!?」 -- 名無しさん (2013-10-23 16 34 17) 螢「それじゃ兄さん、頑張って未来の義姉さんに認められてきてね?」蓮(女)と行ってしまった。 -- 名無しさん (2013-10-23 16 36 10) ザミエル「…というわけだ、馬鹿娘を見捨てた男のエスコートは癪に障るが。せいぜい手の骨折には気を付けろ」ニヒルに笑う -- 名無しさん (2013-10-23 16 37 38) 戒「ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!???????」 -- 名無しさん (2013-10-23 16 38 18) ベア「駄目です少佐ーーー!!!戒を取らないで下さいーーー!!!戒ーーー!!!少佐に手を出したら後が恐いですからねーーー!!!というか助けて下さいぃぃぃぃ!!!!」半泣きだ。 ザミエル「自業自得だ馬鹿者」 -- 名無しさん (2013-10-23 16 45 11) マキナ「我が救済者に祝福を」ベア「わたし救済者じゃなくむしろ被害者!?れ、蓮君助けてヘルプミ~!」蓮「あ、ミハエル。せめて周りに被害は出すなよ?」マキナ「委細、承知」救う気など、欠片もないようだ。 -- 名無しさん (2013-10-23 16 48 17) リザ「何と言ったらいいのか(笑)」神父「変わりませんねぇ、周りお構い無しですよ(笑)」少し離れた位置でベアトリス達の様子を見ながら踊り、和やかに会話していた -- 名無しさん (2013-10-23 16 50 44) ベア「そこー!!!似非聖職者コンビ!和やかに笑うような光景じゃないですよ!!?か弱い乙女が理不尽なパンチ食らいそうになってるんですよー!?!?!?」 -- 名無しさん (2013-10-23 17 01 18) マキナ「安心しろ――一撃だ」ベア「その一撃が怖いんですよ!?」マキナ「痛みなど、当たる暇すら与えん。総て……空しく消える」ベア「マジで怖いんですけど!?」 -- 名無しさん (2013-10-23 17 03 54) ザミエル「あぁマキナ、粉微塵は止せよ?元から使い物にならん脳のみに幕を引いてやれ」ベア「救いは無いんですかそうですかーーー!!!!(泣)」 -- 名無しさん (2013-10-23 17 10 13) 団員『ないだろ』 -- 名無しさん (2013-10-23 17 11 03) セレーナはあたふたしていた。いきなりベイはマキナに連行されるし、ベアトリスもなにやらヤバイ状況だし。セレーナはどうすればいいか分からないでいた。 -- 名無しさん (2013-10-23 17 11 43) 玲愛「放っておいて大丈夫、ただのじゃれあいだから」 -- 名無しさん (2013-10-23 17 12 50) 水銀「いやはや、本当に目立つのが得意な者達だ。ハイドリヒ、どうする?人魚達も何やら面白がってはいるが、この場で乱痴騒ぎは合わないか」黄金「この曲が終わったら少しマキナとヴァルキュリアを叱って来よう」と言う二人も笑っていた -- 名無しさん (2013-10-23 17 20 31) 曲が終わったら皆休んだりパートナーを変えたり、ちょっと叱られたりした -- 名無しさん (2013-10-23 17 27 07) そこに、今までどこにいたのだろうか?パールスが正装した格好で、ギターを担いできていた。パールス「旦那たち~!そろそろ出番だぞ~!」 -- 名無しさん (2013-10-23 17 32 18) 黄金「では皆の者、参ろうか」水銀「マルグリット、君に私の本気を観ていてもらいたい。それだけで私は限界を越えられる」蓮「…今度は何に脱皮するつもりだよ」 -- 名無しさん (2013-10-23 17 59 40) 水銀「新たな私が生まれるのだよ。さながらクラフト3世とかな」全員『滅尽滅相するぞ。マジで』 -- 名無しさん (2013-10-23 19 22 48) 水銀「冗談だ、単にリミッターが外れるだけだから安心したまえ」 -- 名無しさん (2013-10-23 19 34 19) 黄金「カールよ、それは未成年閲覧禁止指定だ。ゲシュタポの牢でも引き取れんぞ」 -- 名無しさん (2013-10-23 20 34 18) 蓮「そうだな……ここ子供もそこそこいるし」 -- 名無しさん (2013-10-23 20 36 07) 水銀「大丈夫だ。子供とは得てして大人の階段を昇るものだ」黄金「イザーク、ゲシュタポを空けておけ」イザーク『分かりました』念話で会話をした黄金。 -- 名無しさん (2013-10-23 20 46 52) 水銀「…いや、これもちょっとした冗談なんだが。私のリミッターが外れる=変態暴走という方程式も本当にいかなものか…、私が真面目にやる可能性は全排除かね?」 -- 名無しさん (2013-10-23 20 54 58) 黄金&蓮「「真面目な カール/親父 なんて気持ち悪いだろ」」水銀「よしわかった、そこまで言うのならばとことん期待に応えてやろうではないか」 -- 名無しさん (2013-10-23 20 56 44) マキナ「なんだ、お前も俺の劇場に来たいのか?」マキナがベアトリスを始末(?)したのか、終わらせて水銀の背後に来ていた。マジでマキナは怖い。 -- 名無しさん (2013-10-23 21 00 02) 水銀「マルグリットへの愛がある限り私は死なん」そんなマキナに対して平然と言い放つ -- 名無しさん (2013-10-23 21 04 01) 黄金&マキナ「試してみるか?」 -- 名無しさん (2013-10-23 22 21 01) 水銀「お前たち二人は本当に仲が良いな。もしかして、ホ――」マリィ「カリオストロ、煩いよ」水銀「ああ、それは済まないね。では行って参るよ……男共、行くぞ。華々しく奏でようではないか」ベイ「足引っ張るんじゃねえぞ、小僧」司狼「誰に言ってるんだよ、シロ助が」シュライバー「ベイが絶対に足引っ張るに決まってるじゃん」黄金「ヘマした者は、髑髏へ格下げかな」 -- 名無しさん (2013-10-23 23 14 51) 蓮「まあ頑張りますか」戒「だね、まあやれるだけやるさ」 -- 名無しさん (2013-10-23 23 35 09) そして、まず前半は別の人魚たちによる演奏が始まった。実に生き生きしていて、バックで踊る人魚たちは華やかだった。 -- 名無しさん (2013-10-23 23 44 51) 黄金「ほう?」男も女も関係ない。皆が音を奏で、唄いながら自分たちにとっての歌を表現していたのだ。 -- 名無しさん (2013-10-23 23 48 54) それが終わると、次は数名の人魚たちだけ出てきて歌い出した。内容は――怒りの日だった。それに乗せて熱い情熱をぶつけていて、人魚たちは拍手をしていたが蓮たちは微妙な顔をしていた。 パールス「ん?どうかしたのか?いい歌だったぞ?」 -- 名無しさん (2013-10-24 01 08 24) 水銀「至高のものを二流三流に貶められては複雑な心境になるのは当然だろう」 -- 名無しさん (2013-10-24 01 13 57) いつも通りシラッとした表情で言うが、一番腸煮えくり返ってるのはこの人だ -- 名無しさん (2013-10-24 01 14 54) 水銀「獣殿」黄金「無論――本当の怒りの日がどういうものなのか、私が教えてやろうではないか」 -- 名無しさん (2013-10-24 01 19 26) パールスに黄金が頼むと、 パールス「ま、別に構わねえか。いいぜ」あっさり承諾した。ということで、急きょ黄金率いる黒円卓によるオペラ「怒りの日」を謳うことになった。蓮や司狼は客席で見ることにした。 -- 名無しさん (2013-10-24 01 20 36) 黄金「済まないな、者ども。急遽やることにして。どうしてもあれを聞いてはやらずにはいられなかったのだ、許せ」 -- 名無しさん (2013-10-24 01 21 30) ザミエル「ハイドリヒ卿の命に否はありませぬ」マキナ「…流石に、黙ってはいられんしな」シュライバー「僕はハイドリヒ卿の命なら何でもいい、…でもアイツ等に何かムカッときた」 -- 名無しさん (2013-10-24 01 26 38) 神父「ですが藤井さんや遊佐くんを観客にしてよかったので?彼等がいてこそ、我々の怒りの日は完成したものに思えますが」 -- 名無しさん (2013-10-24 01 28 27) 黄金「良い。此度の怒りの日は黒円卓の者どもでしてこそだ。彼らは次の演奏で共演してこそだ」 -- 名無しさん (2013-10-24 01 29 39) 水銀「私も少々あのような腑抜けた演奏は看過できん。私が指揮者としてやる。お前たちは本当に怒りの日がどんなものなのかを、見せつけるがいい」シュライバー「あんなの中途半端で魂が欠片もない怒りの日なんて、ふざけたことをしてくれたお礼はするよ」 -- 名無しさん (2013-10-24 01 30 46) ベイ「…確かになァ、馬鹿にしてやがる」ベア「憤懣やる瀬ないですね」リザ「それじゃ、それをぶつけに行きましょうか」 -- 名無しさん (2013-10-24 01 38 04) シュピーネ「皆さん、殺気立つのも程々に」アンナ「今回は殺し抜きの演奏だもんね」神父「いえマレウス、殺しはありでしょう。我々は今から彼等の自信を殺し(壊し)に行くのですから」 -- 名無しさん (2013-10-24 01 40 30) 黄金「黒円卓第六位太陽の御子、イザーク。我が子よ、卿も来たまえ」イザーク《!…しかし、私がここから離れては》水銀「なに、心臓の代わりになる術を私が施せば済む話」黄金「という事だ、否は認めぬ。黒円卓の者全員参加だ」イザーク《………、わかりました、父様。足は引っ張りません、必ずや貴方に勝利を》 -- 名無しさん (2013-10-24 01 54 45) まだ舞台袖におり、姿を現してはいない。だが場を包む空気が気配が変わった、人魚達の本能が『とてつもない何かが来る』と訴えていた。畏怖か恐怖か崇拝か判別がつかない程の圧倒的な何かが来ると -- 名無しさん (2013-10-24 02 02 17) そして、黄金が最初に出てくると人魚の下半身だが、上半身は黒円卓の大外套を靡かせ、 黄金「来たれ、我が軍団!さぁ者ども、謳え!」 -- 名無しさん (2013-10-24 02 06 18) 集うは黄金の爪牙、総てを破壊する(愛する)王の軍勢(レギオン)。真の『怒りの日』が始まった。 -- 名無しさん (2013-10-24 02 12 35) この時大半の人魚達が感じた、自分達と同じ姿をしていても『コレは別の存在』だと。戦意敵対心を持っても無駄であり敵わない事を。 -- 名無しさん (2013-10-24 02 15 53) 残りの人魚達はまるで魂を抜かれたかのように魅入っていた。人魚の王と王妃を除いた全てが黄金の軍勢が奏でる音、唄に呑み込まれていた -- 名無しさん (2013-10-24 02 18 06) 蓮「相変わらずだな」司狼「ま、迫力と籠める想いが違うわな」 -- 名無しさん (2013-10-24 10 29 53) ……… 王『――――、』笑っていた、彼もまた人魚達を統べる王として、彼等と競ってみたいという念が芽生えていた -- 名無しさん (2013-10-24 11 27 16) 王妃(流石は破壊の王ね。けど、王になるのは私よ)飲まれていない王妃は憮然と見ていた。 -- 名無しさん (2013-10-24 11 50 42) そして黒円卓によるオペラが閉幕すると、暫しの静寂の後、海を割らんばかりの大喝采が起きた -- 名無しさん (2013-10-24 13 23 18) 王「見事だ、天晴れの一言、否言葉は不要なり!」 -- 名無しさん (2013-10-24 13 27 03) 黄金は雄々しく -- 名無しさん (2013-10-24 13 35 52) ↑ミス だが、礼節を弁えながら一礼した。 -- 名無しさん (2013-10-24 13 36 35) そして舞台袖へ下がる一同。パールス「王にあそこまで言わせるなんてな、旦那達本当にスゲーよ」黄金「まだまだ全力には程遠いかな?」水銀「まぁ、お前達は魂のぶつかり合いをしてこそ真の輝きを発する修羅だからな。今の歌劇では少々物足りなく感じるのは致し方ない事」黄金「されど、この歓声に値する歌劇を奏でた卿等に私から一言。―――皆よくやった、流石は私が誇る英雄達だ」 -- 名無しさん (2013-10-24 13 48 28) ザミエル「身に余る光栄です」 -- 名無しさん (2013-10-24 14 10 56) シュライバー「へへ♪」マキナ「……ふん」イザーク「父様のお役に立てたならば、それだけで無上の喜び」 -- 名無しさん (2013-10-24 15 07 10) 神父「頑張った甲斐がありましたねぇ」ルサルカ「誰とは言わないけど、途中ミスしそうなのがいた時はヒヤッとしたけどね(笑)」リザ「そうね、誰とは言わないけど(笑)」シュピーネ「少々ハラハラしましたね」ベア&ベイ「「何でこっち見ながら 言うんですか!/言うんだよ!」」ベア「私はちゃんとやりましたよ!?」ベイ「俺だってミスはしてねぇぞ!!」戒「…二人共、からかわれている事に気付いたらどうだい?(苦笑)」 -- 名無しさん (2013-10-24 15 15 07) ちなみに人魚達の間では密かに個々別のファンクラブが結成されていたりしたが、本筋に関係無いので割愛 -- 名無しさん (2013-10-24 15 29 32) そして、ようやく蓮と司狼が合流した。 蓮「久方ぶりに見たな」司狼「つ~か、お前ら元からそういうキャラだったな。忘れてたわ」円卓『どういう意味だ?』司狼「ムッツリや姐さんはともかく、逆要員化してたからよ。流石にそれはどうよ?って思ってたんだが、杞憂に過ぎたな」水銀「挑発かね?」司狼「事実だろうが。んま、今ので少々俺らも本気を出さなくちゃならなくなったがな」蓮「ああ。後でマリィに歌を歌ってもらうつもりだ」水銀の双眸が一際クワッ!!と見開いた。水銀「なんだと?」蓮「全部が終わった後だよ。それよりも」パールスを見た。 蓮「俺らだろ?」パールス「ああ。ヘマしてくれるなよ?お前らの演奏を聴いて俺も『久方ぶり』に本気を出せそうだ」マキナ「?」その言葉に妙な引っかかりを覚えたが、パールスは既に表に立って手を振っていた。 -- 名無しさん (2013-10-24 15 48 17) パールス「お待たせしました。ではこれより、我らの演奏をお聞きください」人魚たちは拍手を送った。 -- 名無しさん (2013-10-24 19 24 44) 再び黄金たちが現れ、蓮たちも己の楽器を持った。敢えて指揮者に再び回った水銀。人魚たちの中には、やはりいるのだろう。水銀に嫌悪を抱く存在、直視を嫌がる人魚たちが視えた。それに酷く身に覚えがある黒円卓の面々。そう、その姿はかつての己たちであるのだ。夜行はその真実に察しはついていたが、他の曙の面々は疑問符を浮かべていた。 -- 名無しさん (2013-10-24 19 48 05) だが、『だからどうした?』と水銀の蛇は心の中で笑っていた。ただの無感情、無関心による糾ではない、かつて己と対等に接したのは自滅因子たる黄金の獣だけだった、しかし「今」は昔と少し変わりつつある。 -- 名無しさん (2013-10-24 20 08 20) 水銀「(そう、私の全ては愛しのマルグリット(女神)の為にある。彼女の為ならば私はどんな事でもしよう、塵芥等に割く感情等無し。……あぁされど『君達』は別だ、私の歌劇に上がった演者達よ、その意志を継ぐ者達よ。君等は最高の役者だ―――私の指揮で再びその輝きを魅せておくれ)」水銀の眼が妖しい翠に光る -- 名無しさん (2013-10-24 20 20 22) 蓮「んじゃ、行くぜ」 覇吐「おうよ」 -- 名無しさん (2013-10-24 21 07 47) そして始まった演奏。それは先程の怒りの日ではなく、速度を重視しながらも、流れる旋律が各々の感情を込めたものであり、聞く者たちは先ほどとは違う曲調と想いを目を自然と閉じて聞いていた。そして蓮が歌というより、詞ともいえる一節を流れる間に紡いだ。 蓮「海は幅広く 無限に広がって流れ出すもの 水底の輝きこそが永久不変」それは蓮の流出位階へと昇る詠唱であると同時に、彼の想念諸共すべてが込められているものだった。パールスが敢えて蓮を選出し、彼に好きにしていいと言われ、蓮はこの一節を紡いだのだ。 -- 名無しさん (2013-10-24 22 09 23) 蓮「永劫たる星の速さと共に 今こそ疾走して駆け抜けよう」マキナが指揮をやり、シュライバーがフルートを吹く。穏やかに、だが激しく。緩急激しくしながらも、観客たちはその一糸乱れぬ様に見入っているものもいた。 -- 名無しさん (2013-10-24 22 17 32) 水銀がマキナ同様に指揮棒を振るい、曲を司る。 -- 名無しさん (2013-10-24 22 44 04) これぞまさに―― 蓮「永遠の君に願う 俺を高みへと導いてくれ」 超越する新世界へ捧げた物語といえるだろう。 -- 名無しさん (2013-10-25 00 13 46) 曲が進むにつれ、時が止まったように城内に静寂が広がって行く。 -- 名無しさん (2013-10-25 00 31 28) そして、ようやく曲が終わると徐々に、ゆっくりと時が進み始めたかのように動き始め、人魚たちが拍手喝采していた。 -- 名無しさん (2013-10-25 00 41 28) ……香純「お疲れ、蓮♪」玲愛「流石は藤井君。私の魂が震えたわ」螢「同じく」蓮「別に俺は、大したことはしてねェだろ?」司狼「俺の相棒は相変わらずの謙虚っていうか、殊勝な心がけなことで」エリー「謙虚過ぎるんじゃない?まあそれが蓮君の優しいところだけど」刹那の面子が集まっていた。 -- 名無しさん (2013-10-25 01 10 42) 水銀「やれやれ、やはり私は指揮より脚本家の方が向いているかな?緊張したよ」マリィ「…嘘ばっかり、楽しそうだったよ?カリオストロ(クスクス)」水銀「そう、見えたかね?」マリィ「うん♪…皆と一緒にいる、レンと同じ顔してた」水銀「…これはこれは参ったな(苦笑)」 -- 名無しさん (2013-10-25 09 17 05) 水銀は穏やかな笑みを浮かべていた。 -- 名無しさん (2013-10-25 09 53 22) 水銀「私の指揮姿が女神のハートを射止めてしまったらしい。彼女に鬱陶しがられつつストーキングしたいというに、なんとも私は罪作りな男だ」一同『やっぱりウザいのは変わらないか』だが皆気付いていた、これは照れ隠しだと。あの水銀が珍しく照れていると -- 名無しさん (2013-10-25 09 55 37) 黄金「楽しいな、カールよ」水銀「えぇ、そうですな。やはり私の選択に狂いはなかったのだと、深く実感したよ」 -- 名無しさん (2013-10-25 10 12 02) 双首領は微笑み合う。今宵は恐怖劇に非らず。歌劇である。故に王妃よ、邪魔をするな。 -- 名無しさん (2013-10-25 10 32 14) 言外に告げていた。 -- 名無しさん (2013-10-25 11 28 09) 王妃はスッ、と立ち上がり睥睨してから壇上に上がった。彼女の番のようだ。 -- 名無しさん (2013-10-25 12 32 53) 司狼「出てきやがったな」水銀「お手並み拝見と行こうか」 -- 名無しさん (2013-10-25 12 59 52) 王妃「―――、」王に連なる妃として浩然としているが、内心は憤慨していた。このタイミングであの者達が現れなければ滞りなく事が進んだのに、と。表面は静、内情は動を、彼女もまたただ者ではない。 -- 名無しさん (2013-10-25 13 25 05) 観客の人魚達も先程の高揚を鎮め、壇上を見ていた -- 名無しさん (2013-10-25 13 33 18) 王妃は独りのようだ。その時、マリィには彼女の深層心理がかすかに見えていた。それは偏に彼女の渇望と神格が故だ。 マリィ「あの人……好きな人のために」蓮「マリィ?」首を傾げる蓮。 マリィ「うんうん……もっと純粋だったんだね。けど、長年の想いが時と共に変えちゃったんだね」マリィには、あの王妃自身が忘却してしまった『真の想い』を見透かしているのだ。他が為に……それが彼女の、王妃の誇る最大の想いだとするなら、一体誰のため(・・・・・・)にしているというのだ? -- 名無しさん (2013-10-25 14 31 20) そんな中、王妃が目閉じていた双眸を見開いて、ゆっくりコーラスで歌い始めた。それはオペラを主題としていたが、本来オペラを飾るのなら劇や楽器が必須。だが、王妃は単独で、しかも歌うだけでそれをなしていたのだ。加え、流れる音色は悲哀に満ちていると同時に荘厳だった。この歌唱力と猛る想いこそが、恐らくあの王妃を総じて皆が凄いと称賛所以であると、皆が悟った。 -- 名無しさん (2013-10-25 14 33 23) 黄金「……ほぅ」水銀「これはこれは」 ……………… 王「…………」 -- 名無しさん (2013-10-25 15 13 11) 沈黙を貫きながら王は王妃を見ていた。 -- 名無しさん (2013-10-25 15 17 16) 香純「……王妃さん、もしかして王様の為に…?」 -- 名無しさん (2013-10-25 15 23 34) 水銀「然りだ。ただ、マルグリットが言ったように彼女は忘我している。そのため、彼女の歪んでしまったその想いを王は受け止められないのだよ……今までの行いでどれほど苦しんだことかを、推し量ればね」 -- 名無しさん (2013-10-25 15 24 54) 黄金「王も理解しているだろう。だが、カールの言う通りだ。愛があれど歪に歪み、穢れを纏った誇りは狂気へと染まれ、邪魔な輩は滅相してしまっている。王のため……愛した男のため。だがそれは結局破壊『だけ』を生み、怨嗟を生じてしまったのだよ。素晴らしい実力なのだが……惜しいな」 -- 名無しさん (2013-10-25 15 26 52) ルサルカ「……何か、ザミエルが歪んだらあんな感じな気がするわ」ザミエル「……下らん」魔女の呟きを一言で一蹴する。 -- 名無しさん (2013-10-25 15 31 25) ザミエル「我が魂はあのように歪みはしない」それは炎(ローゲ)の誓い、唯一無二の主へ捧げる矜持であり乙女(ブリュンヒルデ)の想い -- 名無しさん (2013-10-25 15 33 18) ザミエル「…そう、幾千幾万の時が経とうと『何があろうと』…な」龍明「…………」 -- 名無しさん (2013-10-25 15 39 16) 夜行「流石は龍明殿の昔……御身も永劫焼かれ続けることを願うのですな」ザミエル「当然だ……私の炎(ローゲ)は、永劫不滅。永久に修羅道(おう)に捧げている。憐れな女と同列に見られるのは至極不愉快極まりない」龍明「それには同感だな」 -- 名無しさん (2013-10-25 15 40 51) W魔神が頷く中、王妃が終わると人魚たちは拍手をしていた。 これで終わりかと思われたら、最後にパールスが出てきた。 ドクンッ!! 双首領『(なんだ、この騒めきは?)』静かに、パールスが出てきた瞬間に違和感を感じていた。パールス自身に変化は見られない……あるとするなら、纏う気が一変していた。それが己そのものであることを主張するかのように。 パールス「では皆さま方、最後にこの私――パールス・カヴァリエが演奏させて頂きます」 -- 名無しさん (2013-10-25 15 43 23) チラッ、とセレーナをコンマ0.1秒だけ睥睨し、続いて王妃に王を見て、最後の最後に水銀を見て――薄く、人から見れば微笑ましい笑み。だが、水銀たちにはその笑みが――別の意味が含まれていることに気づいていた。漠然としていて曖昧だが、それが何か『アブナイ』と感じられた。 -- 名無しさん (2013-10-25 15 44 57) ギターを構えた時、彼のブレスレットが幾何学模様にまた光だし、動き始めた。徐々に、だが確実に周囲を歪ませていた。あまりの熱気に他の人魚たちが催眠にでも掛かったかのように、フラフラし始めていた。かくいう龍水や咲耶などの弱い者たちもクラクラしていた。 黄金「これは……熱気か?」腕で迫ってきた熱気を払い、香純を守った。 -- 名無しさん (2013-10-25 15 50 02) 玲愛「、…ねぇハイドリヒ卿、前祠を見に行った時精霊がどうこう言ってたよね。これってその力じゃないかな?例えば…この熱は火のイフリート、とか」 -- 名無しさん (2013-10-25 15 54 22) 黄金「なに?」黄金の魔眼で解析しようとした時―― パールスは口を三日月に歪めていた。 パールス「――OK!Let s Dance Macable――!!」 -- 名無しさん (2013-10-25 15 58 28) 聞き覚えのあるフレーズと共に、流れるのは怒りの日のアレンジバージョンだった。ただし――今までの比ではない程の音量と歌唱力。そして猛る狂気の念と想念が一気に炸裂した。 -- 名無しさん (2013-10-25 15 59 35) 蓮「こいつは――!?」ベイ「今まで隠してたのはこれか!」ベイはなんとなく勘付いていたのだ。あのパールスが何かをずっと隠していると。ただし、それが漠然としていたがこれは分かる。この内側にずっとずっと……下手をすれば、あの王妃以上を上回る蓄積され続けてきた念を抱いていたのだ。これはながら堰き止めていた土石流が一滴の滴によって崩壊したのと同じだ。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 01 24) あまりの熱気に人魚たちの乙女たちは倒れていくが、ベアトリスが即座に庇いに行き、倒れる寸前で受け止めていた。あのベアトリスを綺麗と言った乙女たちだった。他にも、強靭な肉体を持つであろう人魚たちでさえ立ちくらみをしていた。狂気に堕ちていないのが幸いだ。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 02 51) 龍明「―――龍水!何をへばっている!起きんか!!」龍水「―――は!」立ち上がり二人札を構え術を一定範囲に展開させ、その狂念を『受け流す』。水は流れるもの、その理に則ったものだ。もしもまともに拮抗させようとすればじり貧になるのを一瞬で看破した故の策。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 05 59) 龍明「…流石に命がかかりかねんからな、故に多少は緩和させてもらうぞ」 -- 名無しさん (2013-10-25 16 09 07) パールス「―――――」笑った、『それでこそこちらも本気を出せる』と言わんばかりに -- 名無しさん (2013-10-25 16 10 12) 水銀「お前は……それがお前の想いだとでもいうのか」 パールスはひたすらギターで思いのたけをぶつけているだけだ。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 11 26) 感じるのは怒りや悲しみなどの感情ではない。これはそれらを陳腐を踏み、既に超越した『何か』を持って想念をぶつけているのだ。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 12 12) 咲耶「――――ぁ」刑士郎「咲耶、しっかりしろ!咲耶!!」一番感受しやすい咲耶を刑士郎がフォローするが、元々最大の禍津を内包していただけあって、緩和をさせても感じてしまうのだ。 咲耶「兄、様――わたしを、離さないでくださいまし」病人のように手を振るわせて手を差し出す。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 13 33) 王妃「――――――――ッ」見れば、あの王妃は顔面蒼白にさせながら踏み止まっていたが、あの王妃の堅牢なる想いがまるで紙屑のように吹き飛びそうになっていた。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 15 07) 蓮「時よ止まれ――おまえは美しい」瞬時に時を止め、玲愛たちに向かってきた凶念を切り伏せていた。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 17 29) 司狼「…おいおい、ヤバくねぇ?これ」エリー「同感」……… 龍明「…範囲を拡げる、龍水…根性を見せろよ」龍水「承知!!!」展開させている術の範囲を拡げ、一同や人魚達を護る -- 名無しさん (2013-10-25 16 19 52) だがこれ程の力をぶつけられ、それに抗う力が必要ならばそれなりに『代償』が必要になる。龍明「――――!」ビキリ、と札を挟んでいる指に皹が入る -- 名無しさん (2013-10-25 16 21 42) 龍水「母刀自殿!」龍明「集中しろ、龍水!!貴様は一体誰の娘だ!!言ってみろ!!」 -- 名無しさん (2013-10-25 16 22 53) 龍水「―――私は御門家頭首、御門龍明の娘…」気付いていた、母(龍明)は『己を含めた』皆を護る為に代償を受けている事を、まだ自分は隣に立てないのか…、と。龍水「―――御門龍水です!!!」だが、ならば『自分が母を含めた皆を守ればいい』、そう強く思った -- 名無しさん (2013-10-25 16 28 56) 玲愛「―――……とんだファイター母子だね」呼吸が楽になり、いつもの調子で呟けるくらいにはなった -- 名無しさん (2013-10-25 16 30 29) パールスは止まらない。弾くギターが軋むがお構いなしだ。あれだけギターを大事にしていたのに、俺の想いに答えないギターなど知るか、と言っているかのようだった。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 31 13) そのあまりの変貌に、シュライバーが銃器で撃とうとするが、ベイが止めた。ベイ「止めろ」シュライバー「どうしてだい?うざったいから殺しちゃおうよ?」ベイ「――気づかねえのか?あいつはただ演奏しているだけだ。ここで殺せば、問題が生じるだろうが」 -- 名無しさん (2013-10-25 16 32 24) そう、これはあくまでパールスの演奏だ。しかし、パールスは不変でありながら、その実彼の本性ともいえる内面が浮き彫りになっていたのだ。そこで黄金、戒など祠に探索に行った面々が思い当った。 竜胆「『裏切り……無論……何故?』まさか……」竜胆のみが思い当った。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 33 53) 黄金&水銀「「………」」そして双首領が『解析』を終えた -- 名無しさん (2013-10-25 16 36 59) 水銀「そういうことか」黄金「トバルカイン、ゲオルギウス。卿らは祠へ急行せよ。あのウィンディーネをどうにかして解放して参れ」 -- 名無しさん (2013-10-25 16 43 16) 司狼「力付くでも大丈夫か?」戒「司狼くん、女の子には優しくしないと駄目だよ」司狼「……あ、な~んとなくこの人選理解したわ」祠に急行する二人 -- 名無しさん (2013-10-25 16 46 38) パールスの狂気の覇道だが、黄金の気もまた覇道。なんとか相殺していた。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 49 29) ……祠の前まで辿り着き、司狼と戒が疾走する中、竜胆も付いてきていた。竜胆もまた行かねばならない、という焦燥に駆られたからだ。そして、例の祠の罠を掻い潜って到着すると、あのウィンディーネの周りが――氷結され、別世界へと変じていた。 -- 名無しさん (2013-10-25 16 50 50) 司狼「さながらコキュートスってか?」 -- 名無しさん (2013-10-25 17 10 44) 戒「下手に壊そうとしたらこっちが凍らされるか彼女が傷付きそうだね」司狼「とは言ってもどうするよ」 -- 名無しさん (2013-10-25 17 14 14) 試しに試し打ちで壁を撃った。即座に氷柱が彼らを襲った。 -- 名無しさん (2013-10-25 17 21 04) 司狼「あ~、やっぱこう来るか」戒「事前に言ってくれないかな?」竜胆を大刀で庇った -- 名無しさん (2013-10-25 17 22 29) 司狼「撃ちますよ~、って言わなくてもアンタ大丈夫だろ」戒「僕じゃなくて、彼女に少しは気を配ってくれないかなって事だよ」 -- 名無しさん (2013-10-25 17 24 03) 竜胆「す、済まない戒殿」 -- 名無しさん (2013-10-25 17 28 37) 戒「問題はないよ……それよりも」柔和な笑みから一変。戒の鋭い眼光がウィンディーネの水晶を穿つ。 戒「この感じは彼から感じたものと同じ……僕の推測が正しければ、この祠そのものがパールスの内側と連動してるんじゃないだろうか?」 -- 名無しさん (2013-10-25 17 29 50) 司狼「だから封印されてるって事に驚いたんかね?」 -- 名無しさん (2013-10-25 17 38 19) 戒「恐らくはね、…だけどこの推測が本当ならどう崩すかが問題だ」 -- 名無しさん (2013-10-25 17 42 50) 司狼「人の内面……渇望から生まれた力なら俺の太極で潰せるだろうが……」 -- 名無しさん (2013-10-25 20 31 08) 戒「これは違うだろうね」竜胆「!まただ……『裏切り……歌……愛してる……近衛』また同じことを言っているのか!?」 -- 名無しさん (2013-10-25 21 14 07) 司狼「…前に姐さんがパールスの野郎に歌と音の世界を守りたいのか云々って聞いてたな、アイツはそれに同胞たちもそれを『望んでいた』って答えた…何で過去形にしたんだろうな」呟く -- 名無しさん (2013-10-25 21 23 28) ウィンディーネは波長を感じているのか、苦しんでいた。同時に鳴動した刹那―― 『裏切り?謀反?結構……俺が信じるに足りん連中に、俺の音など理解されたくもない』 三人「――――」 聞こえたのは、パールスの音声だった。目の前には過去の風景なのか、二本の脚に黒い大外套を靡かせ背中を見せている存在がいた。 竜胆「過去の映像なのか?」司狼「手出しは出来ねえが……価値はありそうだな」 -- 名無しさん (2013-10-25 21 24 09) ウィンディーネらしき少女が問い詰め、他の近衛と思われる兵士たちもいた。 ウィンディーネ『あなたは、一番私たちの歌を愛していると!』 『否――俺が真に愛していたのは、その心だ。だが、お前たちの心がこの世界を本当に望んでいるのではなく、ただ音と歌だけを愛しているときた。白けるな……俺は旦那の意思を汲み、歌を、音を真に心から愛している。だが』 横顔は黒い仮面で覆われており、くぐもった声でこう告げた。 『――お前たちを俺は、真に嫌う』 目の前に映っていた映像がそこで消えた。 -- 名無しさん (2013-10-25 21 27 01) 竜胆「今の映像は……何か、矛盾をしていなかったか?」戒「していたね……けど、これだけはいえる」司狼「ああ……あの野郎は水銀の蛇の『真意』に気づいていたんだろうな。そして最初に産み落とされた者として『黄昏が愛した』歌と音を守護しているんだろうよ」マリィが紡ぐ慈愛にして刹那の歌と音色。水銀はそれにも陶酔していた。ならば一番最初に産み落とされた者が水銀の真意を汲み取れることも可能だろう。 -- 名無しさん (2013-10-25 21 29 34) 司狼「だから、だ。歌と音を愛する無垢な心は気に入っていた、だがそれだけだ、世界を愛してるわけじゃない個々の意志が魂がない。ただその概念にのみ従事する傀儡、…そう見えたんだろ」 -- 名無しさん (2013-10-25 21 35 57) 故にパールスは許せない。水銀の意思を真に理解できない連中を許諾できないのだ。 -- 名無しさん (2013-10-25 21 37 51) 戒「皮肉な話だね」司狼「だが、セレーナの嬢ちゃんを見る目だけは優しかった……となると」竜胆「他の人魚たちをあの歌をぶつけることで相殺し、セレーナ殿だけを残すつもり?」つまりは――旧世界の崩壊を意味している。 戒「なら、尚更彼の暴走を……自壊の衝動を止めないと」 -- 名無しさん (2013-10-25 21 39 34) 司狼「は~、なんっつーか、アイツ(水銀)は嫌われても好かれても…つか好かれてたら確実に厄介事を持って来るよな」戒「どういう星の下に生まれたらあぁなるんだろうね」……… 水銀「Σえっくし!!!( ゜д゜)、; .・」黄金「どうしたカール」水銀「……ふむ、誰か噂したかな…?」 -- 名無しさん (2013-10-25 21 46 21) 夜行「……ふむ、司狼殿達が何やら情報を得たようですぞ」防衛は御門母子と黄金がやっている為、情報の伝播を担当 -- 名無しさん (2013-10-25 21 53 04) パールスは以前と弾くのを止めず、何度も何度もギターで演奏をしていた。王は障壁か何かで守っているようだが、沈痛な表情をしていた。 -- 名無しさん (2013-10-25 22 01 25) マキナ「このまま大人しく待てとでも言うつもりか?ハイドリヒ」 -- 名無しさん (2013-10-25 22 51 37) 黄金「力で抑えるのは無しだ。だが、傍観できる事態ではあるまい」 楽器を手に取る黄金。 -- 名無しさん (2013-10-25 23 49 35) 黄金の響かせる旋律が覇道を帯び、パールスの演奏と混ざり合う。 -- 名無しさん (2013-10-26 00 44 57) そこで皆が驚いた。黄金「ほぅ?」まさかの、パールスの音叉と黄金の音叉が激突し、鬩ぎ合い(・・・)をしていたのだ。本来黄金の覇道は覇者のそれ。パールス如きでどうこうできる道理はない。だがしかし、そこにパールスの末恐ろしいほどの想念が込められ、それによって鬩ぎ合いにまで発展してることに黄金は素直に賞賛した。見事成り、と。 -- 名無しさん (2013-10-26 10 27 29) パールス「――――――――ふふ」狂気に堕ちた?否!パールスは狂気になど落ちず、普段の彼のままこの異常な鬩ぎ合いを果たしていたのだ。彼の目的、彼の願いは水銀に傾倒し、その意志を汲んでいる。僅かなその一心のみでここまで完結できる存在に、マキナは敬意を表した。 マキナ「貴様もまた、求道でありながら覇道を極めたものなのだな」 -- 名無しさん (2013-10-26 12 15 58) ザミエル「しかし、ハイドリヒ卿の覇気を受けてなお無事とはな」 -- 名無しさん (2013-10-26 14 02 29) 龍明「…このままでは延々と続くな、彼方も引き終える気配はなし。……覇道と覇道のぶつかり合い、師の望まん結果にもなり得る可能性も出てきた」水銀は夜行を通して司狼達が得た情報を聞いていた -- 名無しさん (2013-10-26 14 15 46) 水銀「……なるほどな。パールスよ、お前が私の意思を継いでくれるのは有り難い。だが、その凶行を止めてはくれぬかね?」パールス「旦那でも聞けないな……これが俺の総意だ」さらに加速する怒りの日。さらに重圧を増していくのが目に見えていた。パールス「あぁ、私は願う。何故このような終わりを迎えられないのだろう」淡々と述べ始めた独白。 -- 名無しさん (2013-10-26 14 20 12) パールス「歌を愛し、音を愛し、世界を愛でる……それが成し得ない世界になんの価値がある。歌だけを愛する?歌だけを共有する?唯我にでも満ちているのか?歌も音も世界を総て総じて愛せねば意味などはない。己に陶酔してる玩具などに、要はない」 -- 名無しさん (2013-10-26 14 21 52) 水銀「己の認められぬ者は総じて滅べでは何処ぞの下衆と同類だぞ」 ベイ「……お前がいうか?」 水銀「失敬だね。私は女神以外はどうでもいいだけだ。マルグリットに害さぬ限りは関わる気もない」 -- 名無しさん (2013-10-26 14 30 04) パールス「旦那の意思は女神のためだ。俺もその女神と旦那の意思を汲んでこの世界を享受しようとした。だがな……真に理解できていたのがセレーナ姫だけだったとは、吐き気がする」 -- 名無しさん (2013-10-26 14 32 23) 狂気じみた念を発するパールスへ向ける水銀の念はー失望。 -- 名無しさん (2013-10-26 14 43 02) 水銀「――残念だよ」水銀の蛇の影が本当に蛇の型を作り上げていく。 -- 名無しさん (2013-10-26 14 53 41) 水銀「私の意思を汲んだその想い、願い、歌にかける情熱は見事。だが――お前を最初に産み落としたが故に、この落胆はデカイぞ」黄金「…………」腕を組み、黄金は沈黙する。 水銀の周囲の空間から蛇が無数に出現していた。 龍水「ひぃ!?」宗次郎「!なんという、神威なんですか」 水銀の神威が徐々に上がっていく。憤激ともいえず、ただ純粋に落胆したがために此の者を滅する――彼の目がそう断言していた。 -- 名無しさん (2013-10-26 14 55 49) 龍明「……烏帽子殿、御身はあの者をどう想う?」……… 竜胆「あぁ、貴女と同じだ共感は出来るよ。でもな、『同意は出来ない』」パールスの余りにも独善的な思考に否と、悲哀を感じていた。竜胆「…ここでも分かる、それ程の覇を持ちながら何故享受した。何故周りを変えようとは足掻かなかった。……彼は私だ、周りに失望しこの意志を理解し得ぬ輩など消えてしまえばいいと願っていたかつての私だ」 -- 名無しさん (2013-10-26 15 00 55) 竜胆「だからこそ悲しいよパールス殿、周りに失望する前に…まず貴方が変わるべきだった。……まだ戻れる筈だと願うのは私の我が儘か?」 -- 名無しさん (2013-10-26 15 09 55) その念を感じ、パールス「……その道を歩もうとしたさ。何千年も前にな」そう、人魚族というのは皆が長寿。このパールスは特に水銀が一番最初に作り上げた存在。 パールス「変革を求めたさ……来る日も来る日も、己が行動したさ。だが、セレーナ姫が現れるのがもう少し早ければ」そこから先は口を閉ざした。愚問であったな、と。 -- 名無しさん (2013-10-26 15 31 52) ……… 竜胆「…今一度言う、もう後戻りは出来ないのか」 -- 名無しさん (2013-10-26 15 44 24) パールス「私を御身の弓で穿てば、戻れるだろうさ。曙の当主……俺はあんたの輝きは、嫌いではない」最期に、愛おしそうに呟いた。 -- 名無しさん (2013-10-26 15 49 53) ……… 竜胆「ならば――」曙の姫は前を見据える、その手に黄金の弓を携えて。竜胆「――お前の魂は私が抱こう、…いや、たった一人で数千年の時を耐え続けた御身に敬意を表し、その魂…抱かせてくれ」 -- 名無しさん (2013-10-26 15 59 18) その時、祠に異変は生じた。 -- 名無しさん (2013-10-26 15 59 49) 徐々に氷結されていた空間が融解し始め、クリスタルに閉じ込められていたウィンディーネが力なく前のめりに倒れようとしていた。戒が即座に上半身の上着を脱いで、裸のウィンディーネに被せて抱きかかえた。 戒「これは、一体?」 -- 名無しさん (2013-10-26 16 00 54) 竜胆「断崖の果てにも花は咲く、明けない夜などない…私は…『私達』は夜を切り裂く曙だ―――」黄金の太陽のような苛烈な光とは違う、夜明け…命の始まりの煌めきがそこにあった -- 名無しさん (2013-10-26 16 12 11) 司狼「……へっ。なら魅せて視ろや……俺らの意思を受け継ぐ曙ってんならよ。この俺様にてめェらの輝きを魅せてみろやッ!」 その咆哮は、曙全員を震わせるほどのものだった。 竜胆「この一矢――御身を抱く光にならんことを!」 -- 名無しさん (2013-10-26 16 15 20) 祠から放たれる一条の閃光が、黄金たちの間をすり抜け、演奏しているパールスの心臓を撃ち抜いた。 パールス「……ああ(・・)、これでいい(・・・・・)。すでに(・・・)、新しい『芽(いのち)』がそこにいるのだからな」セレーナを見てそう微笑み、消える前に王へ振り返り、 パールス「渋々ではあったが……あんたの近衛としていられた時は、悪くはなかった」王「……そう、か」 -- 名無しさん (2013-10-26 16 17 21) 王への言葉を最後に、パールスの姿は消え去った。 -- 名無しさん (2013-10-26 17 34 18) 黄金「消えた……か」 水銀「彼は想念だけで存在を維持していたのだろう。あの力、最早世界から逸脱していた」 -- 名無しさん (2013-10-26 17 42 24) マリィが浄化をしようとするが、水銀は首を横に振った。水銀「止め給え、マルグリット」マリィ「どうして?」水銀「かの魂はこのままでよいのだよ」 -- 名無しさん (2013-10-26 19 53 36) ………… 竜胆「……司狼殿、戒殿、皆のところに戻ろう」 -- 名無しさん (2013-10-26 21 38 21) 司狼「それはいいがよ、この嬢ちゃんどうすっかね~?」戒がお姫様抱っこで抱える、現在は戒の上着を着ているかなりの爆乳のウィンディーネだ。 司狼「ここに残していくかい?兄さんよ」敢えて笑って問う司狼。 -- 名無しさん (2013-10-26 22 06 38) 戒「司狼君、彼女は女の子だ。一人になんてできないよ」司狼「とはいうが、一応言うぜ?兄さん」戒「なんだい?」司狼「……今の姿、流石にベアトリスの姉ちゃんには見せない方がいいぜ?」戒「……ど、どうしてだい?」 -- 名無しさん (2013-10-26 22 17 48) 司狼「わざわざ言わなきゃいけねえか?」 -- 名無しさん (2013-10-26 22 19 19) あのベアトリスだ。明らかに己よりも胸のデカイ子をお姫様抱っこをしている現場をみれば、あちらは不倫だのなんだのと言うに決まっている。 -- 名無しさん (2013-10-26 22 35 15) 竜胆「・・・龍明殿、という状況だ、すまないが」 龍明『あぁ、わかったよ(笑)暴走を止めておくよう頼んでおく』 -- 名無しさん (2013-10-26 22 38 09) ……そして戻ると、ザミエル様による調教が行われていた。ザミ「キルヒアイゼン……ハイドリヒ卿からのご指名だ。許せよ(ニヤッ)」ベア「ごめんなさい赦して下さいヽ(;▽;)ノ」鞭でしばかれていて、戒は命拾いしたのであった。 -- 名無しさん (2013-10-26 22 44 04) 司狼「…うわぁ、鞭がよく似合いますこと;;;つかなんでそれ?」ザミエル「調教と言えばこれでしょ、とマレウスから渡された」ヒュンと軽く床を叩くとその箇所が陥没&溶解 -- 名無しさん (2013-10-26 22 50 24) ザミエル「使い勝手がいいとは言えんが、まぁ…最近拳ばかりでマンネリ化していたからな、ちょうどいい」ピシッと鞭を張ってニヤリと笑う。ベア「ヒッ!!;;;;わわわわわわ私はそっち(M)の属性はありません!!!すみませんごめんなさい!!!暴走しませんから勘弁して下さい!!!!!」土下座中 -- 名無しさん (2013-10-26 22 57 08) ザミ「駄目だ」龍明「認めん」W魔神「私が法だ、黙して従え」水銀「それは私の代名詞なのだが?」W魔神「お前もご所望かな?」水銀「さぁマルグリット、穢れた行いを見ては穢れるよ?(現実逃避)」 -- 名無しさん (2013-10-26 22 59 11) マリィ「?うん、……カリオストロ、大丈夫?涙出てるよ?」水銀「これはただの冷や汗だよ」手がちょっと震えてた。黄金「……未だにトラウマを引きずっているのか、」水銀「いや、冗談抜きでだな。何でかこう背筋寒くなる…というか脳が危険信号を訴えてくるのだよ」 -- 名無しさん (2013-10-26 23 06 58) 戒&ベイ「気持ちは痛いほど共感できる;」 -- 名無しさん (2013-10-26 23 10 15) マキナ「お前たちの迂闊な発言が主な原因ではないか」蓮(女)「迂闊って奴だな」マキナ「そういうことだ」ベイ「なに達観した物言いしてんだゴラ!?しばくぞ!?」セレーナ「あ、あの……」ベイ「あん?どうかしたのか?」急に態度を変えて優しくなったベイ。 アンナ「うわ~……優しいベイなんてベ」リザが口を手で閉ざした。リザ(この場でそれは不適切よ、マレウス;ハイドリヒ卿も笑ってるけど、眼が怒ってるじゃない)確かに、眼が異様に怒っていた。 -- 名無しさん (2013-10-26 23 12 15) ザミエル「……ハイドリヒ卿、次の獲物はソレですか?」ピシッと鞭を張ってルサルカを見る -- 名無しさん (2013-10-26 23 16 30) 黄金「許す」アンナ「ちょっ(・□・;)!?」 -- 名無しさん (2013-10-26 23 17 19) ザミエル「ヤヴォール」ベアトリスとルサルカを別室へ連行 -- 名無しさん (2013-10-26 23 18 11) 二人「いやあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?????????」彼女たちの断末魔が聞こえたのは、言うまでもない。 -- 名無しさん (2013-10-26 23 20 42) 玲愛「……そっちの扉が開かないように祈っておいてあげるよ、………ぷ(笑)」 -- 名無しさん (2013-10-26 23 22 49) 神父「(蒼白)」リザ「……終始黙ってて良かったわね」神父「………はい」 -- 名無しさん (2013-10-26 23 23 52) ベイ「……あ~、…それで、どうした?セレーナ」 -- 名無しさん (2013-10-26 23 27 12) セレーナ「あの……その……私、まだ歌を」ベイ「おっと……そういえばそうだったな。けどよ、この状況じゃ~なぁ」周りの数名の人魚は起き上がったが、他の人魚が先の熱気で未だに失神している。王と王妃は健在だが、続行という空気じゃない。セレーナ「……………ひっく」ポロッ、と泣き始めた。ベイ「……!?」セレーナ「ひっく……せっかく、みなさんと……ひっく、練習……ひっく……したのに、わたし……情けない、です」 -- 名無しさん (2013-10-27 00 16 43) 蓮「あ~と、その……」黄金「カール」水銀「……仕方ない。マルグリット……君に頼みたい曲がある」マリィ「?なに」水銀「Jubilus、を頼む」 -- 名無しさん (2013-10-27 00 25 55) マリィ「うん♪」テトテト、と歩いて行き檀上に立ったマリィは一度深呼吸をし、 マリィ「――今 此処に目覚めた 深紅の影を称えよう 契約は交わされ 悦び 狂喜 蝕む そう、君の手で……全てよ 還れ」 -- 名無しさん (2013-10-27 00 34 08) 女神が唄い出した刹那――流れ出す、慈愛の渇望とメロディー。 覇吐「うお!?あ、あの声女神さんのか!?」刑士郎「まるで別物じゃねェか……」 -- 名無しさん (2013-10-27 00 36 36) 龍明「……女神の唄か」龍水「これが、そうなのですね」 -- 名無しさん (2013-10-27 01 02 25) 水銀「息子よ」蓮「なんだ?」水銀「お前も歌って来い」蓮「わかったよ」蓮は一瞬で壇上に移動しマリィと手をつなぎ歌をつむぐ -- 名無しさん (2013-10-27 01 22 59) それによりマリィの歌は格段に素晴らしくなる。なぜなら彼女の他者と関わりたいと思った始まりが蓮だからである -- 名無しさん (2013-10-27 01 25 42) 蓮&マリィ「引き裂く元凶 突き刺すこの衝動 真実まで 辿り着ける? 操られた迷宮」 -- 名無しさん (2013-10-27 01 26 57) 香純「わたしも♪」水銀「おや?歌うのかね?……まあ、よかろう。この際だ、お前たちの演奏で眠っている者どもの心と共に起こしてやれ」玲愛「そのつもり」玲愛も壇上に上がっていた。 -- 名無しさん (2013-10-27 01 34 25) 香純「研ぎ澄まされた 歓喜の詩(うた)よ」玲愛「怒りの残像も 深い眠りに」 蓮&マリィ「『主よ乾杯(プロージット)』」 -- 名無しさん (2013-10-27 01 35 04) 四人「今 此処に目覚めた 深紅の影を称えよう 契約は交わされ 悦び 狂喜 蝕む そう、君の手で……全てよ 還れ」その慈愛の音色に、心を打たれる曙たち。ああ、やはり御身たちはそうなのだな、と頷いていた。竜胆「常世殿……いいや、玲愛殿の尊い刹那という表現に偽りなどなかった」覇吐「むしろ、護ろうとした気持ちは痛いほど分かるぜ」咲耶「我々は曙……毛頭譲る気はありませんが」刑士郎「んま、あの女神さんへの想いの丈は汲み取れるってもんだ」紫織「必死に守ろうとしてたんだものねェ……そりゃ分かるよ」宗次郎「だから僕らはアレを斃すと決め、倒したんです」龍水「母刀自殿の想い、夜都賀波岐の……ひいては、あなた方の刹那たる渇望」夜行「無駄にする気などはない。御身たちには困ったがな」マキナを見て呟く。大獄は唯一無二の死を求め、そして最後はその魂を消滅させた。あの一途とも言える想いに、夜行は敬服したのだ。 -- 名無しさん (2013-10-27 13 43 12) マキナ「言葉にはするな……そうだ。俺の聖戦に割って入ることなど許さん。故に、俺の至高の死(おわり)は兄弟に預けた。ならば――兄弟が疾走し続けるのならば、俺の聖戦(終点)はまだ終わらん」夜行「やれやれ……御身には勝てませぬな」苦笑しながらも礼節を弁えている夜行。 -- 名無しさん (2013-10-27 14 28 21) そして、女神たちの歌声が終わると既に人魚たちは全員が復活していた。水銀「玖錠紫織。お前にツボというのを教えてやる。それを瞬時に人魚たちに打ち込め。そうすれば気力も回復するはずだ」 -- 名無しさん (2013-10-27 14 55 07) 紫織「はいはい、んじゃ私もちょっとは人の為にって感じで役に立とうかね(笑)」 -- 名無しさん (2013-10-27 15 16 16) 瞬時に己の可能性たる分身を出して、瞬速でツボを押した。 紫織「ほい、終了♪」龍水「相変わらず、器用だな紫織よ」 -- 名無しさん (2013-10-27 15 23 46) 気絶していた人魚達は何がなんだかわからない、という顔をして辺りを見ていた -- 名無しさん (2013-10-27 15 31 20) 龍明「でかした、紫織……ではセレーナ姫」セレーナ「え?」ベイ「え?じゃねえだろうが……てめェが待ち焦がれたんだろ?締めを括ってやれ」優しく背中を押したベイ。 -- 名無しさん (2013-10-27 15 56 34) ベア「間に合いましたか!?セレーナちゃんの歌まだ始まってませんよね!?」すっ飛んで来た。ザミエル「……キルヒアイゼン、お前の精神の耐久性には正直感服するよ」ガタガタ震えてるアンナを引きずって来た。 ベイ「ほら、お前の歌を待ち望んでる奴もいるんだ。魅せてやれセレーナ」セレーナ「―――はい!」 -- 名無しさん (2013-10-27 16 26 04) セレーナは壇上に上がる。それを王妃が激しく睨むが、黄金、水銀、刹那による眼光が彼女を凍結させた。三人「ここまで来た/のだ。邪魔をするな/でない」 -- 名無しさん (2013-10-27 16 46 55) 覇吐たち曙『怖っ!?』セレーナが檀上に上がり、落ち着いてドレスの両端の裾を持って一礼した。そして目を瞑ってからゆっくり開けた。 人魚A「お、おい……あれって」B「セレーナ姫じゃねえか」C「あのお方、確か喉が我々とは異なり、未成熟のはずでは」D「何を考えておられるのだ?王は」ヒソヒソ話をしていたが、ベイが近くの石柱があったので、拳をメリ込ませた。 ベイ「ゴタゴタ煩せェ……吸い殺すぞ?」 -- 名無しさん (2013-10-27 16 59 25) 黄金「落ち着け、姫の歌を聞けば覆る囀りだ」 黄金の叱責が飛ぶ。 -- 名無しさん (2013-10-27 17 02 55) ベイ「……そうっすねェ」引っ込むと同時に、セレーナは吐息を零し――歌い出した。刹那――その音色は、誰もを癒し抱擁する女神と同じ性質を帯びていた。確かに王妃ほどの実力も経験もない。だがそれがどうした、と言わんばかりの凄さがあった。優しい、ひたすらに優しく、儚い。 -- 名無しさん (2013-10-27 17 06 43) 歌唱力もないし、技能もない。ただそこにあるのは安寧を齎す優しい少女の音色だった。歌とは元来まるでこういうものであるのだ、とでも形容できるほどの感じを齎した。 水銀「これはこれは……言葉に出来ぬな。いやはや、そういうことか」黄金「女神とは似ているが異なる。あれは――希望の音色だ」そう形容する黄金は褒め称えていた。 -- 名無しさん (2013-10-27 17 08 59) 人魚たちはただ驚愕していた。自分たちよりも未成熟な子がこんなにも歌えるとは、誰にも思っていなかったのだろう。王妃は握り拳を作りながら、悔しそうに見ていた。そう、王妃だけがセレーナの潜在的に秘められた力に気づいていたのだ。 -- 名無しさん (2013-10-27 19 30 43) 王妃「……、」そしてこのままセレーナが実力をつけていけば次期王妃は彼女である事にも。王「…………かつて、私に比肩する実力を持ち、歌を愛し、民に愛されていた女性がいた」王妃「―――!」王「…彼女は私を愛していた、私も彼女を認め……愛していた」二人の周囲の意識は全て壇上のセレーナに向けられている、その中で人魚の王は独白する。一人の男として愛している女に向けて -- 名無しさん (2013-10-27 20 43 31) 王妃「…それ……は…」王「……この歌を、彼等を見て思い出した。私もまた…忘れてしまっていたらしい。故に永い間辛い想いをさせてしまった…、許せとは言わん。だが、あの日のお前は…もう居らぬのか?」王妃「!―――、……いいえ……」 -- 名無しさん (2013-10-27 20 52 02) 王妃「…わた…くしは……『私』は……ここにおります……。……貴方様の傍らに…共に…、……私は…貴方に愛してほしかったのです…」心の陰りが晴れ、忘却してしまった眩しい記憶を思い出す。そして、だからこそ『別れ』である事を理解した -- 名無しさん (2013-10-27 20 59 23) 王「…お前があれ程まで歪んでしまった原因が私ならば、その責を私も背負おう」王妃「いいえ、……これは私の弱さが招いたもの。私が背負わなければならない罪……。愛していた、と…その御言葉を聞けただけで、充分に御座います…」もう一度壇上のセレーナを見上げる、悔しいし妬ましいが、その輝きをお前は忘れるな、という眼をしていた -- 名無しさん (2013-10-27 21 07 17) 黄金「であるなら」黄金が静かに聖槍を活動状態で構える。 黄金「卿の魂、私が寿ぎ抱こう。否も応も聞かん。それがそれ相応の罰と噛みしめるがよい」彼なりの、最大の譲歩なのだ。 -- 名無しさん (2013-10-27 21 14 35) 王妃「随意に、……黄金の獣さん、貴方と踊った一時は『楽しかった』ですわ」ふ、と柔らかく笑んだ。毒々しくはない、凪いだ穏やかな青い海。これがきっと昔の王妃であり仮面の下の素顔 -- 名無しさん (2013-10-27 21 23 16) 黄金「――なるほど。卿を我が至高天(ヴァルハラ)へ召し上げよう。ザミエル、その時の指導員は卿に一任する。ただし、ヴァルキュリアのような可哀想な娘にするでないぞ?」柔和な笑みを浮かべて告げた。 -- 名無しさん (2013-10-27 21 24 40) ザミエル「ヤヴォール・マインヘル、ただし手加減は致しませぬ」王妃「まだ根に持ってらっしゃいますの?」ザミエル「ふん、……『二度』同じ事を繰り返させんよ、きっちりその精神を鍛えてやる」王妃「あら、お手柔らかにお願いしますわ」笑みを浮かべ合い、クイーン同士の話を終える -- 名無しさん (2013-10-27 21 31 26) ベア「ちょっ!?可哀想ってどういう意味ですか!?」黄金「そのままだが、可笑しいかね?」ベア「全部が可笑しいです!!」黄金「だが、卿は哀れで可哀想でどうしようもないが年下の面倒『だけ』がよい、とザミエルの報告書から聞いているが?」 -- 名無しさん (2013-10-27 21 32 06) ザミエル「キルヒアイゼン、私がハイドリヒ卿に虚実の報告をすると思うか?事実のみ全て申し上げたのだが、お前はそれに否を唱えるか?唱えないよな?事実を否定する程馬鹿ではあるまい」ベア「うぅぅぅぅ~~~~」 -- 名無しさん (2013-10-27 21 38 06) 王妃「貴女はちゃんと彼女の事を見てらっしゃいますのね」ザミエル「…こやつはそこらに放し飼いにしている犬に過ぎん、故に何か面倒を起こせば私の責任だ。まぁ、躾をしても可哀想な頭ばかりはな……どうしようも出来なかったがな」ベア「嘆かないで下さいよ!!と言いますか誰が犬ですか!!」ザミエル「お前だ」ベア「わんわん!!虐待ばかりじゃなくてたまには優しくして下さいわん!!」 -- 名無しさん (2013-10-27 21 46 50) ザミエル「ハイドリヒ卿、ちょっと犬が騒ぐので私はこれで」ベア「ΣΣきゃい~~~ん!!!すみませんすみません!ごめんなさい!」連れてかれた -- 名無しさん (2013-10-27 21 49 23) 王妃「……なかなか、愉快な方々ですわね」くすくす笑いながら黄金に言う -- 名無しさん (2013-10-27 21 50 32) セレーナが唄い終わると、周りから歓声が、溢れんばかりの歓声が迸ったのだった。 -- 名無しさん (2013-10-27 21 53 38) 王妃「…次代の王妃はもう見つかった、なれば私は去りましょう」 -- 名無しさん (2013-10-27 22 05 17) 王「……ならば私は待とう、二度と間違えはせぬ」 -- 名無しさん (2013-10-27 22 07 34) 黄金「王よ、……いや言うだけ野暮か」王「然りだ…立場と心は別、一人の男として愛した女を傷付けたままには出来ん。故に待とう、何千年何万年…那由多の時が経とうともな」 -- 名無しさん (2013-10-27 22 15 17) ……… セレーナ「!……、」歌い終えたセレーナは物凄い歓声にちょっと物怖じしていた。 -- 名無しさん (2013-10-27 22 18 08) ベイ「キョドるな」ベイが肩を叩き、ベイ「あいつらがお前のことを認めたんだ……胸を張れ」 -- 名無しさん (2013-10-27 23 01 38) セレーナ「……、………はい…♪」肩の力が抜け、安心した笑顔になる -- 名無しさん (2013-10-27 23 16 53) 今宵、全ての演目は終了した。後は審査結果が出るまで、しばしの猶予があった。 -- 名無しさん (2013-10-28 01 00 58) ……水銀「はい、お疲れ様でした。もういいですよ、ご苦労様でした」黄金「ありがとうございます……って、何をやらすのだ?」水銀「いやなに、少し余興だよ。ハハハ!」 -- 名無しさん (2013-10-28 01 35 14) 龍水「い、色々あり過ぎて疲れた;」咲耶「気が休まりませんね;」香純「ね~蓮」蓮「あん?」香純「葉隠れの心、唄ってよ♪」蓮「なんだよ、いきなり?」香純「いや~久方ぶりに蓮に歌って欲しくてさ~」蓮「後にしろ、後で。ヴェヴェルスブルグでラインハルトたちをフルボッコにした後で歌ってやるから」 -- 名無しさん (2013-10-28 01 44 35) 黄金「我が爪牙を舐めていないかね?刹那よ」蓮「悪いが、バトロワでもミハエルがいるんだ。俺とあいつが、司狼が組めば勝てない道理はねえんだよ」司狼「ま、お前ともバトル気はあるが、最終的には俺らの勝ちは揺らがねえがな」マキナ「……ザミエル、シュライバー、ベイ、シュピーネ、マレウス、聖餐杯。貴様らが兄弟に牙を剥けてみろ。その刹那――俺の拳で幕を引いてやる。敢えて言おう――女風情がでしゃばるな、と」ザミエル「ほほぅ?戯言を抜かすか、マキナ。いいだろう、城へ帰還したら即刻貴様を我が炎(ローゲ)で燃やして殺る」 -- 名無しさん (2013-10-28 01 54 30) シュライバー「マキナ、バトルロワイヤルだよ?誰が誰を殺しに行こうか自由じゃない♪」 -- 名無しさん (2013-10-28 08 42 20) ベイ「癪に触るがシュライバーに一理有だ。誰が誰を殺りに行こうが勝手だろうがよ」…… アンナ「…何で私達を名指ししたのかしら」シュピーネ「ちょっかいかけるはずがありませんのに」神父「個人的願望を言えば、私は壬生さんと玖錠さんと戦いたいので藤井さんまで手が回りませんねぇ」 -- 名無しさん (2013-10-28 08 48 51) 紫織「へ?」宗次郎「僕達と、ですか?」神父「えぇまぁ、ちょっとした借りを返したいな~とは思っていたのですよ」紫織「私達何かやったっけ?」神父「……まぁ、『あの時は人の姿すらしていなかった』ので分からなくとも仕方ありませんがね」 -- 名無しさん (2013-10-28 08 51 53) 紫織&宗次郎「「――!」」二人の脳裏に過った、あの淡海で遭遇した『子供達』と子供達を殺され嘆いていた『人に非ざるモノ』を。宗次郎「―――成る程」紫織「確かに、全く無関係とは言えないかな」神父「えぇ、思い出して下さってありがとうございます」にこやかに笑っている -- 名無しさん (2013-10-28 08 56 26) 神父「あ、でもカインとの決着の邪魔はしませんので。その時は逃げますよ(笑)」 -- 名無しさん (2013-10-28 09 14 48) 宗次郎「逃げなくても構いませんよ、纏めて斬って差上げます」紫織「と言うより、逃げられると思ってるんだ?」神父「…まぁ伊達にザミエル卿の砲を食らい慣れてるわけではありませんし、………あの、お二方?何ですかその凄くいい笑顔は、笑顔なんですけど…背筋寒くなってきましたよ?」 -- 名無しさん (2013-10-28 09 22 18) 司狼 -- 名無しさん (2013-10-28 09 49 54) 司狼「まあ?てめらは異能が使えなきゃただの人だしな。例外は黄金と真人間第一号、そして蓮くらいか」 -- 名無しさん (2013-10-28 09 52 45) 覇吐「あの……俺様もいるんですけど?」司狼「んだパシリ?文句あんのか?」 -- 名無しさん (2013-10-28 09 54 17) 蓮「おい、司狼。そいつ異世界の俺を倒してるから俺に負けるお前じゃ負けるぞ」 -- 名無しさん (2013-10-28 14 34 10) 司狼「はっ、悪いな蓮。てめぇの右腕の俺がてめぇ以外に負けることだけは、我慢ができねぇんだよ」 -- 名無しさん (2013-10-28 14 40 20) それは決して譲れない遊佐司狼の矜恃なのだ。 -- 名無しさん (2013-10-28 14 41 36) 水銀「各々闘志を燃やすのは結構だが、後日の結果発表を終えるまで我慢したまえ。それよりもこの最後の一時、束の間の休息に使うなり思い残す事が無いように遊んで来たらどうかね?」 -- 名無しさん (2013-10-28 15 32 14) 蓮「何で後日なんだ?」水銀「王妃交代の儀式、その準備があるようだ」 -- 名無しさん (2013-10-28 15 34 04) 水銀「まぁ結果だけ知って我々はさっさと帰るという事も出来るが、さてどうする?」 -- 名無しさん (2013-10-28 15 35 54) ベイ「なら、この世界での戦闘方法ってのを教えてもらおうじゃねえの。経験は積んで損することはねェ」エリー「ホント、バトルジャンキーだね~」ベア「そうでしょ~」うんうん、と頷くベアトリス。 -- 名無しさん (2013-10-28 16 26 29) セレーナ「ヴィルヘルム様~♪」と、ベイの背中に飛びついたセレーナ。よっぽと嬉しかったのか、超ご機嫌だった。 -- 名無しさん (2013-10-28 17 21 06) ベイ「Σっと!……おいセレーナいきなり飛び付くな、危ねぇだろが」セレーナ「…ぁ、ごめんなさい…」ベイ「…ったく」 -- 名無しさん (2013-10-28 17 43 22) ベア「…非モテ代表のベイ中尉がとうとうリア充に」 -- 名無しさん (2013-10-28 17 44 46) アンナ「バトジャンチンピラヒャッハーの映像でも見せてやれない?」水銀「見せても姫の想いは変わらんだろう、故に無駄な労力は使わん」 -- 名無しさん (2013-10-28 17 47 23) アンナ「orz」 -- 名無しさん (2013-10-28 17 49 37) 蓮(女)「なんでアンナってどこの世界でもこうなんだ?」ベア「仕方ありませんよ、マレウスですもの」アンナ「キ~!ヴァルキュリアに言われるのは釈然としないんだけど!!」 -- 名無しさん (2013-10-28 17 50 31) ベア「私は人の幸福を僻むほど狭い心はしてません~だ」 -- 名無しさん (2013-10-28 17 55 32) 司狼「もう別世界のロートスとやらを蓮の女版連れてきたみたいにしなきゃだめなのかね」アンナ「その手があったか!?」蓮「クソ親父がしなきゃ無理だけどな」水銀「何故そんな無駄なことをしなければならない」アンナ「orz」 -- 名無しさん (2013-10-28 18 25 31) ザミエル「…ツァラトゥストラとライヒハートを分離させるのはどうだ?」水銀「可能だが、それをすれば息子は聖遺物の特性を無くし存在も危うくなる」ザミエル「ふむ、諦めろマレウス」アンナ「援護かと思ったら追い打ち!?」 -- 名無しさん (2013-10-28 18 43 17) 円卓一同『諦めろ』 -- 名無しさん (2013-10-28 18 56 19) 黄金「しかし戦いならばあのライルとやらとも戦いたいな」水銀「そういえば潜水艦で途中から外に出て魚(?)をノウ・クライストとその一行で狩っていたな」 -- 名無しさん (2013-10-28 19 13 34) 蓮「何時の間に…」司狼「まああの騒ぎで気づくほうがすげえよ」 -- 名無しさん (2013-10-28 19 15 33) 水銀「彼等とも戦うのは自由だが、座にまで来たら私働くからな?それを念頭に入れておけ」 -- 名無しさん (2013-10-28 19 30 56) 全員「メルクリウスが働くだと!?」 -- 名無しさん (2013-10-28 20 41 11) 水銀「私(ニート)の本気を魅せてやろう、前フリではないぞ?本当に座には来るなよ?来たら最終奥義(ちゃぶ台返し)だ」 -- 名無しさん (2013-10-28 21 21 58) 現在世界を統治している座は第五天、黄昏の女神。宇宙を越えて皆が一つの世界にいられるのは彼女の理故だ -- 名無しさん (2013-10-28 21 25 22) つまり今の座に手を出せば第四天、永劫回帰の蛇が出張るのは当然 -- 名無しさん (2013-10-28 21 27 04) 蓮「…まぁ気持ちはわかるけどな」司狼「もしもだ、黄金様が行った場合どうするよ?」水銀「ハイドリヒの自滅因子の特性など知るか、私は女神の統治しか認めん。来たら最初からクライマックスだ、城に送り返してやる」 -- 名無しさん (2013-10-28 21 36 00) 黄金「カールよ、私は女神の治世を認めている。気分が高揚しようとそちら(座)に特攻を仕掛ける等という愚は犯さん」水銀「ならいいんだがな」 -- 名無しさん (2013-10-28 21 38 53) 覇吐「…水銀さんが働いたら何が起こるんだ?」ザミエル&龍明「「……一言、面倒臭い」」 -- 名無しさん (2013-10-28 21 43 28) 水銀「観覧は私の趣味の一つであり、私がでしゃばると全てがちゃぶ台返しとなる。永劫回帰……その名の通りだよ。夜行「覇吐、お前はあの神座で見たはずだ。水銀殿の渇望と想いを」 -- 名無しさん (2013-10-28 21 47 58) 覇吐「あぁ……なるほど」『輝く女神よ 宝石よ どうかその慈悲をもって 喜劇に幕を引いておくれ あなたに恋をしたマルグリット! その抱擁に辿り着くまで 那由多の果てまで繰り返してみせん』覇吐と夜行は知る。水銀の真の想いを。 -- 名無しさん (2013-10-28 22 06 45) 水銀「ということだ、諸君。座にまで踏み込んだ時には、我が全霊で城の髑髏へとするので、そのつもりでな」竜胆「ということだ、宗次郎。お前、間違っても女神殿にお前の斬撃を飛ばすんじゃないぞ」宗次郎「女神さんと戦ってもつまらないですしね……構いませんよ。僕も彼女には敬意を持っています、言われずとも……と頷いて置きましょう。代わりに黒円卓の皆さん、僕を退屈させないで下さいね?うっかり、あっさり斬られて終り、なんてのは御免ですよ?」狂気の笑みを浮かべる宗次郎。 -- 名無しさん (2013-10-28 22 09 07) ザミエル「…あまり嘗めた事を抜かすなよ」シュライバー「いいね~、じゃあ望み通り僕の轍にしてあげる♪」 -- 名無しさん (2013-10-28 22 17 11) 狂気の笑みにも挑発にもいつも通りな対応をする。黒円卓の中でも双首領や三騎士は基本的にブレる事はない -- 名無しさん (2013-10-28 22 19 57) マキナ「貴様にも俺の拳をくれてやる」ベイ「ハッ!悪いな……いつだって勝つのはこの俺だ」覇吐「いや~悪いね、ご両人たち。主役はこの俺様なんで、大人しく負けてくれよ」益荒男を名乗る男たちの士気は高揚している。香純「ねェマリィちゃん、水着を買いに行こう♪」ベルラ「なら俺が接待しよう」螢「あなた、どこにいたのよ」ベルラ「戦友には手を出さぬ約束をしていたのでな、こっそり見ていたさ。それより、女物なら俺も場所は知っている。案内しよう」女性陣は既にショッピングする気満々だった。 -- 名無しさん (2013-10-28 22 22 03) 蓮「また水着かよ、こっち来た初日にも買ってなかったか?」香純「いいじゃん、夏はまた来年だってあるんだし♪」司狼「…んでまた来年新しいのを買うんだよな、女って何でこう買い物好きなんかね」 -- 名無しさん (2013-10-28 22 28 59) エリー「いや~分かってない!分かってないね~司狼は」螢「女にとって、水着とは鎧なのよ」ベイ「よ、鎧だァ?」アンナ「そう――女を着飾る、男を魅了する概念武装なのよ」リザ「それを身に纏うことで、女子力……もとい、己を磨き好きな男の子を振り向かせる」香純「そう!女にとって水着とは蔑ろにできない、リーザルウェポンなの!」 -- 名無しさん (2013-10-28 22 31 24) マキナ「それを言うなら『リーサル』だ、綾瀬香純」蓮(女)「マキナ、そこはツッコンじゃ駄目」マキナ「?そうなのか」 -- 名無しさん (2013-10-28 22 32 01) 司狼「…まぁ、バカスミだし、そういうのは流してやれよ」マキナ「………わかった」 -- 名無しさん (2013-10-28 22 34 46) 香純「~~~ちょっと言い間違っただけじゃない!(///)」蓮「どうどう、落ち着け。お前の頭がちょっと弱いのは皆知ってる」香純「なに~~~~~!!」 -- 名無しさん (2013-10-28 22 37 19) 香純は徐に蓮(女)の胸を鷲掴みにした。 香純「なによ蓮(女)!私に楯突く気なの!?」蓮(女)「うひゃん!?ちょっ……香純、やめ……あふっ」 マキナ「(カッ!)」ペ○ソナのように目をカッ!!とするマキナ。 -- 名無しさん (2013-10-28 22 39 17) 司狼「マジで落ち着けバカスミ!;;」蓮「つーかそっちに当たる意味がわからん」 -- 名無しさん (2013-10-28 22 41 54) マキナ「そうだ、止めるんだ」アンナ「ならあんたのその鼻血も止めなさいよ;」リザ「め、免疫がないのね;」 -- 名無しさん (2013-10-28 22 44 26) 咲耶「……兄様。兄様もやはり、胸の大きい女子(おなご)は好きなのですか?」刑士郎「はぁ?まァ、俺も男だ。好きか嫌いかで言えば好きな部類だが、好いた女と比較するのは虚けのすることだ」刑士郎が真摯な眼差しで言った。その間にも、蓮(女)の胸を揉む香純の手は止まらない。仕方ないので、黄金が止めたのだった。 -- 名無しさん (2013-10-28 22 46 07) 玲愛「綾瀬さんの暴走も止まったところで、買い物行こっか」エリー「司狼~♪」司狼「…へいへい、荷物持ちだろ(げんなり)」 -- 名無しさん (2013-10-28 22 51 08) エリー「お~♪学習したね、エリーちゃん嬉しいよ(笑)」司狼「そりゃ何より(苦笑)」 -- 名無しさん (2013-10-28 22 55 55) 水銀「では、一時解散とする」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 01 48) 水銀の号令で全員一時解散、買い物行ったり組手したり -- 名無しさん (2013-10-28 23 04 18) ……ショッピングモールに来た竜胆ら曙は、現在人魚たちの特有な水着に悪戦苦闘していた。 竜胆「ちょっ!?ちょっと待て!?なんだこれは!?もはや紐ではないか!!」紫織「い~じゃん、竜胆さん!このぐらい当たり前だよ♪」竜胆「当たり前なのか!?」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 04 58) 龍明「そう騒ぐな、烏帽子殿」竜胆「無茶を仰るな!?こ、こんな破廉恥な代物を着るなど、正気の沙汰では――」マリィ「これでいいのかな?」試着室から出てきたマリィは巨乳を弾ませながら、その紐を着用していた。竜胆「――――――――」何か、心に罅が入った模様の竜胆さん。 -- 名無しさん (2013-10-28 23 11 43) 玲愛「…わかるよ、うん、痛いくらいわかる」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 18 08) 螢「…女の価値は、胸の大きさじゃありませんよ」竜胆「…わかっている、だが…なんだこの、何かに罅が入ったようなこの感覚は…」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 20 45) ベア「…それは敗北です、胸の格差社会に敗北した者しか持ち得ない痛みというものです」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 21 49) 咲耶「わたくしも、分かります」紫織「ん?」紫織は恥じらいもなく、既に着こなしていた。 -- 名無しさん (2013-10-28 23 22 26) アンナ「大人モードになれば、私関係ないもんね~♪」アンナは数着既に購入していた。リザ「流石に、着る度胸はないわ;」マリィ「?なんで泣いてるの、ベアトリス」時に思う……天然とは罪である、と。 -- 名無しさん (2013-10-28 23 23 35) ベア「…放っておいて下さい、私よりナイと思っていた少佐が実はナイスバディだった事実にちょっと凹んでる所に貴女のソレ(胸)で更に凹んでますから」マリィ「?」ザミエル「…女神、コレは放っておいても問題ありませんよ」香純が引っ張って来たので同行してる -- 名無しさん (2013-10-28 23 28 22) アンナ「けど、確かザミエルの場合は」ザミエル「……なにか言いたいのかな?マレウス」超いい笑顔で尋ねた。言えない、そのほとんどが筋肉である、とは。 -- 名無しさん (2013-10-28 23 30 01) アンナ「……何でもないわそれよりその長袖?というかダイバーみたいなのどっから持って来たのよ」ザミエル「あまり肌を出すのに慣れておらんのでな、なるべく面積が多いものの方が落ち着く」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 32 30) 紫織「え~?こういうのがいいって」持ってきたのは――貝殻だった。 香純ら現代人「!?」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 37 07) エリー「あ、それ入国試験の時に着たやつ?」紫織「そ♪色んな形あったよ(笑)」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 39 28) ホタテ貝からかなり際どいものまで -- 名無しさん (2013-10-28 23 40 08) ザミエル「そういうのは貴様が着けろ、人間捨てても羞恥心とプライドは捨てていない」紫織「え~、堅物だなぁ」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 43 59) 黄金「よいのではないか?ザミエル」ハイドリヒ卿も実は付き人であったのだ。 -- 名無しさん (2013-10-28 23 46 38) ザミエル「ΣΣΣΣΣΣΣ!?!?!?」ベア「わ、ビックリした;いたんですかハイドリヒ卿」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 48 07) 黄金「カールに倣って気配を消していたのだ、許せ」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 49 14) ザミエル「・・・;;;;;;」ちょっと心臓止まりかけたベア「脅かさないで下さいよ;」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 50 44) 竜胆「しかし、あなたほどの者が気配を絶てる技を身に付けたら」アンナ「手に負えんがな;」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 52 57) 玲愛「…まぁ、こんなとこに成人男性一人ってのも違和感だらけだから仕方無かったんじゃない?」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 55 38) 紫織「それでさ黄金さん、ザミ姐さんに着せるなら敢えて言うならどの水着が好み?♪」ザミエル「ちょっとお前黙ろうか」 -- 名無しさん (2013-10-28 23 58 55) 黄金「そうだな……その貝殻もアリといえばありだが」ビキニなどを手にし、 黄金「こういうのはどうかね?私も暇を持て余していてね……『ファッション雑誌』なるものを、ヴァルキュリアから貰って読んでいたのだ」ベアトリス は 逃亡した。 -- 名無しさん (2013-10-29 00 01 30) ザミ「魔王からは逃げられない」口元を三日月にして、瞬歩でベアトリスに追いつきアイアンクローをし、引きずって帰還した。ザミ「お言葉ですが、ハイドリヒ卿。私のような無骨者には勿体です」 -- 名無しさん (2013-10-29 00 02 41) 黄金「卿は少し己の見目に自信を持ちたまえ、その火傷の痕も含め卿は美しい」ザミエル「・・・・・」火傷のある頬を撫でられ思考ストップ -- 名無しさん (2013-10-29 00 06 57) その隙に香純達のとこに逃げたベアトリス -- 名無しさん (2013-10-29 00 09 52) ベア「はぁ……はぁ……し、死ぬかと思った;」 -- 名無しさん (2013-10-29 00 10 48) アンナ「ザミエルちょっとガチで殺りに行ってたものね;;」ベア「本当に、ハイドリヒ卿が関わると加減利かなくなりますからねあの人…」 -- 名無しさん (2013-10-29 00 13 28) 蓮「ん~」司狼「あん?どした?」蓮「いやな、そういえばこれだけ美女がいるんだから、どっかで美女コンテストとからやらねェのかな~って」女性たち『なに?』司狼「いやいや、美女ばっかって言うけどどいつもこいつも――」司狼さまの周囲の空間が謎のプレッシャーで湾曲していた。 司狼「……あん?」なに、これ?;」 -- 名無しさん (2013-10-29 00 15 47) 蓮「司狼、失言」黄金「今回は擁護出来んな」そ…と離れる二人 -- 名無しさん (2013-10-29 00 19 34) 香純「司狼~今の、どういうことかな~?(ビキビキッ」螢「説明をして頂戴、遊佐君(ビキビキッ」玲愛「謝罪は認めないけどね(ビキビキッ」 -- 名無しさん (2013-10-29 00 20 37) アンナ「…どいつもこいつも?」ベア「何だって言うんでしょうか?」リザ「ちょっと、聞かせてもらえるかしら?」優しい笑顔の三人 -- 名無しさん (2013-10-29 00 23 33) W魔神は流したが他の女性達はイラッときたようだ -- 名無しさん (2013-10-29 00 25 17) 司狼「――――敵前逃亡!」司狼はかつてない速度で逃亡した。 -- 名無しさん (2013-10-29 00 28 29) 竜胆は無言で弓を構えた。 竜胆「我が怒りに触れるのなら この炎越すこと許さぬ!」射った!なんと射った! だが、司狼はギリギリでそれを回避して逃走した。 -- 名無しさん (2013-10-29 00 29 33) アンナ「逃がすかァァァァ!!!」かつてない精度で影を操る。ベア「逃がしません!!!」雷速が司狼の前に回り込む -- 名無しさん (2013-10-29 00 30 55) 司狼「Σは!?何だよそのコンビネーション!;;;」 -- 名無しさん (2013-10-29 00 33 51) 司狼は必死に回避した。 -- 名無しさん (2013-10-29 00 34 35) 螢「逃がすかああああああああああああ!!!!!!!」司狼「鬼女かよてめェらは(゚Д゚;)!?ε=┌( ・_・)┘」逃げ続ける。 -- 名無しさん (2013-10-29 00 35 32) 香純&玲愛「「ザミエル さん/卿 アレ殺っちゃって☆♪」」ザミエル「ウェルダンで宜しいですかな?」司狼「ΣΣΣΣΣちょ!!!!!!!?」 -- 名無しさん (2013-10-29 00 37 11) 上手に焼けました~♪ -- 名無しさん (2013-10-29 00 38 51) 蓮&黄金&戒&ベイ「南無……」 -- 名無しさん (2013-10-29 00 39 23) 蓮「…司狼、時々腹が立つ奴だったけど、お前の事は忘れねぇよ」黄金「…ゲオルギウス、冥福を祈ろう」ベイ「…決着つけねぇまま逝っちまいやがって」戒「お墓は帰ったら建てるから、安心して成仏してね」司狼「ΣΣΣΣいやお前等死んでないからな!?俺死んでないからな!?」ザミエル「喧しい、その舌抜くか?」 -- 名無しさん (2013-10-29 00 47 30) 司狼「さーせん!」速攻土下座した司狼。面子もクソも、魔神の前では無力なのだ。 -- 名無しさん (2013-10-29 00 50 26) ザミエル「今後不要な言動は謹むように」司狼「イエッサー!」ザミエル「…因みに『サー』は男の上司相手に使う言葉だ」司狼「………すんません」 -- 名無しさん (2013-10-29 00 54 40) アンナ「…あながち間違っt」ザミエル「……」利き手をゴキッと鳴らす。アンナ「…間違ってるわね、うん間違ってるわ;;;;」 -- 名無しさん (2013-10-29 01 01 49) 紫織「折檻終わった?ならちょっとこっち来てね~」ザミエル「は?…ちょ、待てその手に持ってる物はなんだ」紫織「黄金さんが姐さんのために選んだ、み・ず・ぎだよ~♪」ザミエル「いやいやいや待て待て待て、私の眼は確かだ。明らかにさっきのと違うのが混じっているぞオイ!!」龍明「まぁ、ちょっと過激だろうが気にするな(笑)」ザミエル「気にするわ!!本当に待て!!寄るな触るな離せー!!!!」魔神様一名連行されました -- 名無しさん (2013-10-29 02 47 38) ベア「昔の自分だろうがお構い無しですねぇ」竜胆「…龍明殿は真面目なやつ程からかいたがる傾向があるからな…、……互いに別人と認識しているならばちょうどいい玩具、の気分なのかもしれん」 -- 名無しさん (2013-10-29 02 52 39) ザミ[と言うより何故貴様まで参加する!?]龍明[面白そうだからだ、あと…ちょっとしたやっかみかな?]紫織[はいは~い、それじゃお着替えタ~イム(笑)龍明さんそのまま押さえててね]龍明[あぁ]ザミ[Σあぁ、じゃない!!放せ!!~どこからそんな力がΣ!?!?]龍明[鍛え方が違うのだよ(笑)]紫織[てか結構胸硬!…弾力はあってこっちはすべすべしてるのにね~、んでここはピンクと、自分で触ったりはしないんだ(笑)]ザミ[燃やすぞ貴様等ァァァァァァ!!!!!(怒)]試着室からちょっと過激な会話が聞こえていた -- 名無しさん (2013-10-29 09 20 10) 戒「――――――――」ベイ「――――――――」蓮「――――――――」想像しないように、目と耳を閉じている。まかり間違っても想像してはいけないからだ。 ザミ〔貴様玖錠紫織!!胸を触るな!?〕紫織〔黄金さんなら愛してくれると思うよ~?総てを壊(愛)してくれるから、イッちゃいなよ~♪まだ、処女なんでしょ?〕ザミ〔本格的に貴様を燃やすぞ!!〕龍明〔処女であることに不満があるのなら、あの人に抱かれろ。貴様が永劫追い求めるのは周知の上だが、多少なりとも呪いが緩和されているのなら、良いのではないか?(ニヤニヤッ)〕ザミ〔確信犯か、お前は!?〕 -- 名無しさん (2013-10-29 10 04 21) 紫織〔容姿は綺麗でカッコイイのに、なんでこう堅物なんだろうね~?不思議〕ザミ〔騎士が軟弱者であってどうすうひゃ!?〕紫織〔お?良い声で鳴くね~♪ヒヒヒ、良いではないか良いではないか♪〕龍明〔テンションが上がって来たようだな、紫織〕紫織〔お主も悪よの~♪〕龍明〔いやいや、貴様程でも〕ベア「凄く相性いいですね~あの二人。少佐を苛められるのなんて、そういませんよ?」 -- 名無しさん (2013-10-29 10 12 45) リザ「エレオノーレって実はちょっと苛め易いタイプなんだけど、ほら、彼女強いから(苦笑)」アンナ「あぁ、逆に返り討ちにしちゃうんだ?納得」ザミ[放せ!!本っ当に勘弁しΣッヒ!?]紫織[あれ~?もしかして元から感度イイのかな?(笑)]龍明[ほ~、それは知らなかったな] -- 名無しさん (2013-10-29 11 00 38) 紫織[ソッチの趣味は無いんだけど、何か目覚めそう♪]ザミ[目覚めるな!!永眠しろ!!]紫織[え~、だって可愛いんだもん♪敏感に反応してくれるから弄り甲斐あるし♪] -- 名無しさん (2013-10-29 11 03 32) 龍明[叫ぶ元気があってもコッチは濡]ザミ[黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!っうァ!?]紫織[…あはは~、ヤバい本当に目覚めそう♪] -- 名無しさん (2013-10-29 11 07 06) 龍水「ぶはっ(・□・;)!?」龍水が倒れた。 咲耶「まぁ(//////)これが有名な『百合』なのですね♪」ベア「い、いや~;流石の私もちょっと恥ずかしく思えてきましたね~;」リザ「右に同じく;」アンナ「左に同じく;」 -- 名無しさん (2013-10-29 11 18 57) ザミ〔本っ当に止めろ!?ハイドリヒ卿がお近くにΣッヒ!?〕紫織〔黄金さ~ん!このまま続行してOK?〕黄金「構わん。私が総てを許す」ザミ〔なっ!?は、ハイドリヒ卿!?い、いけませうひゃん!?(///////)〕龍明〔かつての己として振り返ると、こう……純情だったのだな〕紫織〔宗次郎、ゴメンね~♪わたし、こっちに目覚めてみるよ~〕ザミ〔頼む!この際誰でもいいから救ってくれェェェェェェェェェェェェェ(T_T)!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!〕 -- 名無しさん (2013-10-29 11 21 49) ベイ「あ~その、なんつ~んだ?どする?」司狼「お姐様救出作戦を俺らでするってか?間違いなく焼かれるぞ?」ベイ「だよなァ」 -- 名無しさん (2013-10-29 11 41 32) 蓮「…いやおいハイドリヒ、本当にいいのか」黄金「ザミエルのあのような愛い鳴き声を聴く機会など滅多に無いしな、強いて不満を挙げるならばそれを奏でているのが私ではないくらいか…」玲愛「…素直にちょっとムカついてますって言えばいいのに」 -- 名無しさん (2013-10-29 13 11 37) 黄金「……私は苛立っているのか?」玲愛「ちょっと不満なんでしょ?」 -- 名無しさん (2013-10-29 13 13 13) ザミ[(プッツン)]紫織[………あり?]龍明[……不味いな、撤退だ]ザミ[――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!]大紅蓮浄土発生 -- 名無しさん (2013-10-29 13 18 19) 紫織「ΣΣΣアチチチ」龍明「私の封を力尽くで破るとは、ちょっと嘗めてたな」 -- 名無しさん (2013-10-29 13 22 19) ザミ「――――――――!!!!!!!!!!!!!」声を亡くした魔神、ここに顕現した。ただ、問題はザミエルに水着を着用したままの姿で出てきたことに、我を忘れて気付いていない。 -- 名無しさん (2013-10-29 13 28 02) 黄金「ザミエル」正面に出て抱き止める。ザミエル「―――――!!!!!!?」黄金「すまぬな、少々お遊びが過ぎたようだ」己の隊服の上着を被せる -- 名無しさん (2013-10-29 13 30 47) 怒りの炎に焼かれようがものともしてなかった。ザミエル「――――ハイド、リヒ…卿……」 -- 名無しさん (2013-10-29 13 32 19) 黄金「よい……私が総てを愛してやろう。カールの呪いを跳ね除けた暁には、卿を抱いてやろう」ザミ「!?」黄金「なに、恥じることはない。女などは所詮駄菓子に過ぎん。しかし、それを蔑ろにするのは無粋極まる。故に――放逐などはせん。卿を愛してやろう。その炎(怒り)は我が城にて存分に晴らすがよい」 -- 名無しさん (2013-10-29 13 33 33) ザミエル「……ヤヴォール………」眼が奴等を必ず殺すという殺気に満ちていた。我慢強いが故に、キレたら一番恐いのは彼女だ -- 名無しさん (2013-10-29 13 35 37) 紫織「……アハハ、何かヤバいもの起こしちゃった…?;」玲愛「……ドンマイ」 -- 名無しさん (2013-10-29 13 38 44) 殺気等生温い、存在を抹消するという概念が渦巻いていた -- 名無しさん (2013-10-29 13 39 43) 龍明「うむ……焚きつけ過ぎたようだな」龍水は何故か余波を受けて失神していた。 -- 名無しさん (2013-10-29 13 40 36) ザミエル「―――御門龍明、玖錠紫織…後程楽しみにしておけ…否は聞かん…燃やす…貴様等の存在を焼き尽くしてやる…―――」静かに魔王が告げる。言葉の一言一言が質を持ち押し潰すようだった -- 名無しさん (2013-10-29 13 48 42) 黄金「……一先ず、ザミエル、着替えて来たまえ」ザミエル「……は」試着室に戻っていった。紫織「―――…恐;;」龍明「…、少々冷や汗が出たな…やれやれ」ベイ「とうとう覇道神になっちまうのかと思ったぜ…」司狼「いやもう片足…どころか半身ソッチに突っ込んでるだろ」 -- 名無しさん (2013-10-29 15 08 20) ベア「・・・ベイ中尉、今なんと?」ベイ「あ?」アンナ「…覇道神がどうこうって言わなかった?今」ベイ「あぁ、クラフトの野郎曰く、ザミエルのレベルはもう覇道神に達してんだとよ。ハイドリヒ卿がいなけりゃ灼熱焦土だ」 -- 名無しさん (2013-10-29 15 11 16) 竜胆「…なら、龍明殿もか?」龍明「いや、私はそうなる『前』だからな。…今回はちょっとしくじったか…」 -- 名無しさん (2013-10-29 15 14 52) 紫織「や~、でも勿体無いな~。素材はかなり高レベルなのに、あの堅物さと威圧感が全部おじゃんにしちゃってる感じ」戒「…玖錠さん、あまりその事は言わない方が」紫織「どーせ殺り合うんだから言いたい事は言うよん♪男性諸君だって、あの堅物なザミエル姐さんが快楽に乱れたらどうなるかちょっと想像しなかった?(笑)」男性陣(黄金除く)「「「「「………(///)」」」」」 -- 名無しさん (2013-10-29 15 31 04) 蓮「…想像できねえ」司狼「なぜだ!?」蓮「いや、なんか最近ザミエルとハイドリヒのあれを見ててうらやましいなーくらいにしか思えなくなってきた」 -- 名無しさん (2013-10-29 15 36 26) 戒「恋人がほしいならうちの螢がおすすめだよ」神父「いえ、テレジアも」 -- 名無しさん (2013-10-29 15 38 27) 玲愛「W結婚式も有りかな、ハイドリヒ卿の場合…再婚だけど」螢「先輩飛躍し過ぎです、恋人の話ですよ恋人の」玲愛「結婚を前提のお付き合いしか認めないよ、私も一途だから」 -- 名無しさん (2013-10-29 15 43 51) アンナ「ちょっと!私達もいるの忘れてない?」香純「そーだそーだ!」マリィ「レンモテモテだね、これが『はーれむ』?」蓮「…マリィ、あのクソ親父が言ってた言葉は綺麗さっぱり忘れろ」マリィ「カリオストロが言ってたって、よくわかったね♪私達『いしんでんしん』?」蓮「…まぁ、うん、そうだな」 -- 名無しさん (2013-10-29 15 56 04) 正直そういう単語を教えるのは水銀か司狼くらい -- 名無しさん (2013-10-29 15 56 44) 玲愛「…こういう話をすると必ず決まった面子が涌いてくるよね、でも負けないよ」発するプレッシャーが半端無かった -- 名無しさん (2013-10-29 17 36 00) エリー「いや~、モテる男は大変だねぇ蓮くん(笑)」司狼「どこ行ってたんだ?エリー」エリー「美女コンテストがあるのかちょっと店員さんに聞いて来たんよ。何かあったの?」司狼「…ま~、お前いなかったのがせめてもの救いだったんかね…」 -- 名無しさん (2013-10-29 21 17 56) アンナ「美女コンテスト、出るわ」香純「私も」目が光っていた。 -- 名無しさん (2013-10-29 21 37 13) エリー「はいはい、只今絶賛参加者募集中だよ~ん♪」玲愛「勿論出るよ」 -- 名無しさん (2013-10-29 21 45 38) マリィ「皆が出るなら私も出たいな」 エリー「はいはい、そんじゃ参加登録は私が済ましておくから、あっちの会場控室で衣装を選んでおいて。ちなみに審査は会場の客全員による投票だから、男連中も祭りだと思ってきなさいな」 -- 名無しさん (2013-10-29 22 00 10) 司狼「へーい(笑)」蓮「…混沌としそうだな」火花散らしてる女性陣(一部除く)を見て -- 名無しさん (2013-10-30 01 42 33) 黄金「誰が優勝すると思うかね?諸君」戒「僕はそうですねぇ……ベアトリスを押します」ベイ「彼女だからかァ?」戒「それもあるけど……まあ、彼女は実際綺麗だよ、他と引けは取らないと思うよ?」司狼「俺は案外バカスミか、ミステリアスな先輩orエリーだな」蓮「(俺は下手な事言えないなぁ~;)」 -- 名無しさん (2013-10-30 07 26 26) 司狼「…あぁ、お前は黙っとけ。血を見る事になるから」蓮「……だよな」 -- 名無しさん (2013-10-30 09 08 22) ちなみにW魔神は不参加らしい、理由は「若者達に混じってはしゃぐのはちょっとキツい」のと、「流石に疲れたし一言、下らん」だそうです -- 名無しさん (2013-10-30 09 18 01) セレーナはどうしようか、ウロウロしていた。 -- 名無しさん (2013-10-30 09 38 16) ベイ「出たらどうだ?」セレーナ「え?良いのですか?」どうやらあの歌を唄えたことにより、声が出るようになったようだ。 ベイ「俺も見ていてやるよ」セレーナ「けど……皆さんに見落ちしますし……その……迷惑なのでは」 ベイは頭を掻き毟った。 ベイ「だ~……お前はなんでそうマイナス思考なんだよ。いいか?よ~く聞け。お前は容姿もいい、声もいい、性格も善しだ。文句の付ける隙なんかねぇだろうがァ」 -- 名無しさん (2013-10-30 09 44 19) 紫織「ねぇ~宗次郎~これどう~?」宗次郎「おや?紫織さんですか……もう買い物はぶふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ(o゚ェ゚)・; .!?」 -- 名無しさん (2013-10-30 09 50 43) 紫織は下乳オープンの上に谷間全開に加えて強調し、半乳見せ見せ状態のビキニでいきなり現れたのだ。 司狼「おい!?宗次郎のライフはもうゼロよ!?止めてあげて!?」紫織「いや~そろそろ耐性付いたかな~って」ベイ「なんでそいつはそんなに免疫がないんだ?」 -- 名無しさん (2013-10-30 09 52 23) 宗次郎は何やら満足したかのような笑みを浮かべて死んでいた。 黄金「本望だったのだろうな」蓮「そ、そうか?;」 -- 名無しさん (2013-10-30 10 07 16) 紫織「お~い、宗次郎~起きろ~♪」プルン♪と弾ませながら起こす紫織。宗次郎、目を覚ます。眼前の巨砲に鼻血を噴射。気絶。 紫織「駄目だこりゃ♪」 -- 名無しさん (2013-10-30 11 15 58) 戒「彼、その内出血多量で死ぬんじゃないかな」神父「…ギャグパートで死人は出ないと耳にしますが、あの出血量はちょっと心配になりますね(苦笑)」 -- 名無しさん (2013-10-30 11 25 23) 司狼「安心しろ、いつも大量出血してる俺が死んでないんだ。死ぬことはねぇよ」蓮「凄い力説だな、おい;」 -- 名無しさん (2013-10-30 11 31 41) 司狼「第一、シロ助やシュライバーの野郎を除いて、誰が一番出血多量なのか分かってんのか?」事実上、黒円卓の面子を除けば彼が一番出血多量しているのは事実だ。 -- 名無しさん (2013-10-30 12 57 47) 蓮「まあ、お前の馬鹿のお陰で助かったこともあるしな」司狼「だろ?俺が一番の貢献者だっつ~の。敬えてめぇら」戒「その図々しさもどうかと思うけどね;って、ベアトリス!?何を手にしてるんだい!?」見ると、R-18指定の、かなり際どくヤバイ水着を手にしていた。ベア「え~?何って、やっぱり『トドメ』の水着は必要かな~って」戒「『トドメ』!?トドメってなんだい!?」 -- 名無しさん (2013-10-30 13 23 35) ベア「そりゃ勿論、戒の理性という名の堤防を破壊して~あんな事こんな事…も~、何言わせようとしてるんですか戒のエッチ♪(///)」戒「え、僕が悪いの?;;;……ザミエル卿が手を下さないという事は、僕が悪いのか…」ザミエル「…そこの痴女に関してはもう縁切って放逐しようかなと思い始めている今日この頃」スパー、と細葉巻吸ってる。ベア「ΣΣΣΣ!!!!!!!!!!すみませんでしたー!!!見捨てないで下さいぃぃぃ!!!!(。´Д⊂)」 -- 名無しさん (2013-10-30 13 34 05) ザミエルに縋り付くベアトリス。構って貰わないとどうやらダメ症候群へ襲われているらしい。 アンナ「構ってあげなさいな、ザミエル。その子、最悪メルクリウスみたいになるわよ?」リザ「それは」ザミエル「激しく嫌だな」 -- 名無しさん (2013-10-30 13 44 55) 皆が想像した。 ベア『(水銀口調)いや~少佐も相変わらずの脳筋ぶりで何よりですよ~。乙女ですね~さながら恋する盲目の少女。ああ、聖女と言い換えても』刹那――ザミエルがその脳裏に浮かんだ映像を焼き払った。 -- 名無しさん (2013-10-30 13 46 19) ザミ「そうなった不肖な馬鹿娘は、私が粛清してやるから、安心しろ」 -- 名無しさん (2013-10-30 14 38 22) ベア「私だってあんなの(水銀)みたくだけはなりたくありません!!!!!!!!!」 -- 名無しさん (2013-10-30 15 10 52) 全員「それはそうだな」高笑いする水銀を思い浮かべて、皆が頷いた。 -- 名無しさん (2013-10-30 15 14 54) 水銀「呼ばれた気がしたが何事かな?」皆『Σうわ出た!!!!!!』水銀「諸君らの私に対する反応を見るに、時々あの黒い悪魔と同列に見なしている気がするが…まぁいいか」黄金「卿はどちらかと言えばクマムシだろう」 -- 名無しさん (2013-10-30 15 21 48) 司狼「その心は」黄金「一見たら百もいたら精神衛生上宜しくない」 -- 名無しさん (2013-10-30 15 26 24) 水銀「いや私の扱いそこまで落ちているのかね!?」黄金「それ以上に堕ちる要素を卿は持ち合わせているではないか?」水銀「私ほど生真面目な者もおるまい、ハハハハハ!」 -- 名無しさん (2013-10-30 15 30 33) 龍明「焼くか?」ザミエル「轢くか?」背後に炎の魔法陣 -- 名無しさん (2013-10-30 15 34 18) 蓮「処刑(ギロチン)か?」水銀「マルグリットで」 -- 名無しさん (2013-10-30 15 37 09) 全員『成る程滅尽滅相か』水銀「え、ちょ…」 -- 名無しさん (2013-10-30 15 49 10) ――――暫くお待ち下さい―――― -- 名無しさん (2013-10-30 15 49 37) 水銀「…もう慣れたけどな、慣れたけどな。やっぱりボコられるのには納得いかん(。´Д⊂)」龍明「師が師であるが故の宿命だろう、諦めろ」水銀「いや本当にちょっと物申す。お前だって私と似たタイプではないか」龍明「私は他に迷惑をかけたりウザがられて悦ぶような特殊な性癖を持っていない」 -- 名無しさん (2013-10-30 15 59 19) 水銀「永劫焼かれ続けていたいというのもMっぽくないか?」龍明「はっはっは、…あまりふざけた事抜かすとその面剥ぐぞ…?」前世の面影が視えた -- 名無しさん (2013-10-30 16 04 01) 水銀「・・・、一先ずだ、これは何の催しがあるのか聞こう」蓮「美女コン」水銀「マルグリット以外塵芥」端的な会話で通じてる親子 -- 名無しさん (2013-10-30 16 20 07) 蓮「そういやミハエルはどこだ?」水銀「マキナなら我が娘(女蓮)とデートだ」蓮「……お前は何してた?」水銀「王と軽くチェスに興じた後観光だよ。ここ数日まともに出歩けなかったのでな、久しぶりに見て回ると随分変わっていて驚いた」 -- 名無しさん (2013-10-30 16 34 23) 司狼「本当はあのムッツリからかってたんじゃねーの?」水銀「嘘をつく必要を感じんな、そうしていたならそうと言うぞ?自慢ではないが私は生まれてから一度も嘘をついた事などない」 -- 名無しさん (2013-10-30 16 45 38) 全員『――――――――』疑惑の眼差し。 -- 案山子さん (2013-10-30 16 50 12) 水銀「何だね諸君、これは本当だぞ?迂遠な物言いで煙に巻いたり言葉遊びに興じはするが、虚偽の発言をした事は一度もない」黄金「…確かに、卿はこれでも実直な男だったな」 -- 名無しさん (2013-10-30 16 55 55) 水銀「ほら見ろ」蓮「そのドヤ顔がムカツク」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 01 15) マリィ「レ~ン!」ポヨンッ♪ マリィ「ユウショウして、レンのお嫁さんになるからね~♪」 蓮「なんの爆弾発言だそれ!?」手を振るマリィに蓮が愕然とした。 -- 名無しさん (2013-10-30 17 05 58) 司狼「大方お前のハーレム内で優勝したやつが嫁になる権利を得る、みたいな提案が出たんだろ」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 09 34) 蓮「止めろ!?俺の身が持たねえよ!?エ○テル!エ○テルはどこだァ!?」戒「蓮君、落ち着いてくれ!?それ別のアレだから!?」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 12 05) 水銀「これは良い機会だろう、私もいい加減息子の八方美人っぷりにはほとほと呆れていたからな。この機に身を固めたまえ」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 13 08) 蓮「ざけんな!これ以上俺を殺す気か!?」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 17 03) 黄金「しかし刹那よ。綾瀬香純、レオンハルト、マレウス、女神、テレジアのいずれかを選ばねばならぬぞ?卿も男なら……な」蓮「ぐっ……しかしだな」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 18 02) 水銀「まぁ身を固めたところで話に挙がったテレジアやマレウスは寝取り上等だからな、…息子の女難はベイ以上か…」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 20 38) 司狼「うわ~……否な系譜が浮かび上がるな;」ベイ「小僧が女神を選べば万々歳。だがそれ以外で無難なのは……レオンかカスミって所か」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 23 26) 戒「玲愛さんは何というか……本妻じゃなくても愛人として君臨しそうだから怖いな;」ベイ「マレウスも大概だぜ?」竜胆「あなた方も苦労なされていたのですな」二人「まァね/な」溜息を零した。 -- 名無しさん (2013-10-30 17 24 41) 水銀「…致し方無い、息子が唯一という女性と添い遂げる意志があるのなら、その他の女性達に手出しさせんようにしてやろう。寝取り愛人はナシだ」蓮「―――!?」水銀「これ以上グダグダにするわけにもいくまい、それにたまには『父親』らしい事をしてやろうではないか」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 28 16) 香純、螢、アンナ、玲愛、マリィ。 司狼「どうなることやら。んま、俺はお前の悪童だ……万が一は助けてやんよ」ニヒルな笑みで笑った。 -- 名無しさん (2013-10-30 17 30 21) 水銀「……ゲオルギウス、頼むからその時はギャグに走らんでくれよ?引きずられるから」司狼「わぁってるっつーの」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 35 17) ザミエル「……あのクラフトがな、父性にでも目覚めたか?」水銀「いや、この展開に飽きてきた」蓮「だと思ったよコンチクショウ、俺の感動返せ」 -- 名無しさん (2013-10-30 17 37 42) 新しく造りました。こちらに書き込んでください。 -- 名無しさん (2013-10-11 08 57 00) 人魚――執事:ベルラ 人魚姫:セレーナ 人魚ミュージシャン:パールス。 -- 名無しさん (2013-10-11 08 58 21) 投稿早くて全然打てねー -- 名無しさん (2013-10-26 14 57 05) 編集しておきました。 -- 案山子さん (2013-10-30 16 48 45) ↑案山子さん、ありがとうございます -- 名無しさん (2013-10-30 17 16 14) そろそろあれなので、編集します。 -- 名無しさん (2013-10-30 19 03 06)