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作者:ひよこ 【名前】兵太郎(へいたろう) 【性別】おとこ 【年】16~18 【性格】穏やか。しかしやる気ない。基本的に自分に利益のあることしかしない。 【飛ばされる前の生活状況】12歳くらいまでずっと山奥の田舎で暮らしていたが、能力があることが組織に知られ勧誘、都市に暮らす。だが本人にやる気が全くないことから『役立たず』と呼ばれている。 【能力】水に触れている相手に干渉できる。説明すると長くなるので略 【その他】飴がすき。自然がすき。
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俺はこの世界の人間じゃない!!でもここにいるのは大切な仲間だ!!! 健太郎 普通の高校生 攻撃 守備 命中 回避 魔攻 魔防 速度 中 中 中 中 中 中 中 本作の主人公。 ステータスはどれも平均的で使ってて面白くない。 本作の話の中心となるキャラだが影が薄い。 なお、低レベルで技を覚えるので意外と序盤はアタッカーとして出番が多い。 初期装備 武器 竹刀 技表 LV5 面(剣道の面。敵単体に激低ダメージ) LV9 胴(剣道の胴。敵単体に低ダメージ) 技はもう作る気がなかったが無理矢理作った。 でもやっぱり弱い。 感想コーナー
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朝- 京太郎「よし、俺も今日から高校生だ!」 京太郎「俺が通うのは確か……」 京太郎「俺も龍門渕の生徒か! ていうかなんであんな学校の生徒になれたのか、今でも不思議でしょうがないな……」 須賀母「京太郎! 早く行かなくて良いの!?」 京太郎「うるさい母親だな、さて……行くかな!」 ガチャッ 京太郎「あれ、家の前に誰か……」 京太郎「あれ……ハギヨシさん!」パァ ハギヨシ「お迎えに上がりましたよ、京太郎君」 京太郎「それはありがとうございます!」ペコッ ハギヨシ「では車にお乗りください、向かいましょうか」ガチャッ 京太郎「どうも!」 車に乗り込む。 ハギヨシ「透華お嬢様がお待ちです」ガチャッ 京太郎「いやぁ、車で通学なんて初日からとんでもないことを……」 ハギヨシ「どちらにしろ透華お嬢様と一緒に居れば京太郎君はとんでもなくお目立ちになります」ニコッ 京太郎「いやぁ~ハギヨシさんに言われると照れますよ~」テレッ ※ホモじゃないよ 龍門渕高校・校門前- 京太郎「ハギヨシさん、ありがとうございました!」ガチャッ ハギヨシ「京太郎君のためですからね、個人的にも私は京太郎君のことを気に入っています」ニコッ 京太郎「ハギヨシさん……いや、師匠……」 ?「……」 純「おい京太郎じゃねぇか!」 京太郎「おっ、純!」 純「ハギヨシと二人でなにヤバい空間作ってんだよ」カタヲガシッ ハギヨシ「井上さん、京太郎君に乱暴なことをするのは良くありませんよ」サトシ 一「京太郎と純くんとハギヨシさんのホモ、バミューダトライアングルが……」 智紀(一、残念な頭に……) 透華「なっ、せっかく校門前から派手に登場しようと思いましたのにっ!!?」 透華「なぜ三人で目立ってますのぉっ!」クワッ 京太郎「うわっ、透華!」ゲッ ハギヨシ「申し訳ありません、透華お嬢様」 一「ボク的にはまだ続けてくれても良かったんだけど」 純「いや、あれは不味いだろ」 智紀「品格的に、確かに不味い」 透華「京太郎、三日前に会った時言いましたわよね! 私より目立つな、と!」 ワッ サッソク リュウモンザキサン ニ カラマレテル アノイチネンセイ ケッコウ イケメーン ナンカ ヤンキーッポイケド 京太郎(わ、悪目立ちしている!?) ?「京太郎!」 京太郎「うわ、衣まで!」 ハギヨシ(これから、頑張ってくださいね須賀君……んっふ) 始業式終わり- 京太郎「そう言えば今日はこれで終わりか……」 ワイワイ ガヤガヤ 京太郎(……俺の同級生、龍門渕に誰も来てないんだよなぁ) ワイワイ ガヤガヤ 京太郎「この後はどうするか……」 京太郎「いや、今日は帰るかな!」 京太郎「ん~でも真っ直ぐ帰るか?」 京太郎「そうだな、透華たちのところに顔出さないのに遊び歩いてるのは、バレたら面倒だし真っ直ぐ帰るか!」 タッタッタッ ~~~~~ 自宅- 京太郎「ただいまー」ガチャッ 須賀母「おかえり、透華ちゃんたちと遊んでこなかったの?」 京太郎(透華たちと麻雀、まだ打ったことないんだよな。のらりくらりとかわしてたし……でも部室に行ったらたぶん回避できないよなぁ) 京太郎「まぁな、とりあえず晩飯できたら呼んでくれよ」 自室- 京太郎「さて、ネトマでもするかな!」 京太郎「よし、今日こそランカー入りするぜ!」ニッ カタカタカタッ 京太郎「おっ、このルームで良いか! なんて名前だ?」 一人目 とよねー 二人目 アロー 三人目 リックドム 京太郎「なるほど、初めてやる人たちばっかだけど負けないぜ!」ゴッ 京太郎「なんたって俺には麻雀を教えてくれた師匠が!」 京太郎「俺には負けられない理由がある!」デェェェンッ とよねー:よろしくねー アロー:よろしく頼む リックドム:よろしくお願いします♪ 京太郎(力を貸してください!) 京太郎(俺に力を貸してください、咏さん!) 咏(知らねーけど) 京太郎(こいつ直接脳内に……!) 京太郎「さぁ、やるぞぉ!」ゴッ キョータロ:よろしく! 京太郎「さて、振り切るぜ!」ゴッ トップ キョータロ 二着 とよねー 三着 アロー ラス リックドム 京太郎「よっし……っていうかとよねーとは接戦だったな」アセ 京太郎「あれ、誰かからウィスが飛んできてる?」 とよねー:強かったけど、お互い今回は良くなかったねー 京太郎「おぉ、とよねー……女の子っぽいけれど騙されるな俺」ウム キョータロ:はい、お互い全力を出し切れなかったのは痛かったです。今度またやりましょう! とよねー:うん、またねー! 京太郎「……フッ、勝ったな」 ?「なんの話だい?」 京太郎「そりゃもちろん、ネトマって! うわっ、咏さん!?」ビックリ 咏「おもしろい反応するね京ちゃん、ノックはしたよ? 京ちゃんが聞いてたかしらねーけど」 京太郎「ノックから返事までが一連の流れでしょう」ハァ 咏「でも、返事が無くて蹴破ることだってあるじゃん? わかんねーけど」 京太郎「それはドラマだけです、やったら裁判ものですよ」ハハッ 咏「まぁ、あんまり長いできないんだけどねぇ、しらねーけど」 京太郎「それは、わざわざどうも」ペコッ 咏「入学おめでとうってことで、なんかやろうかと思ってね」 京太郎「へぇ~それじゃあ」 京太郎「じゃあ今度デートしてくださいよ」 咏「……は、はぁ?」 京太郎「デートする権利が欲しいです」ニッ 咏「わ、わかんねー、すべてがわかんねー」カァァッ 京太郎「えぇ~良いじゃないですか!」 咏「ま、まぁ別に構わないけど、いつでも連絡してくれば良いじゃん……都合が会うかは知らねーけど」プイッ 居間- 須賀母「どうぞ召し上がれ」 咏「いただきます」 京太郎「いただきます」 京太郎(そう言えば咏さんとウチってどういう関係なんだろ、小さい頃から一緒だけど……) 咏「そう言えばあの嶺上ちゃんはどうした?」 京太郎「咲ですか、咲は別の高校行ったんですよ」 咏(あんな京ちゃんにべったりだったのに、意外だわ。しらねーけど) 京太郎「咏さんのおかげで咲もまた麻雀楽しめるようになったんですし、良かったですよ」ハハッ 咏「京ちゃんのおかげでもあるとは思うけどね」 京太郎「俺ですか? まさかー」ハハッ 京太郎(最初の頃は良い勝負もしてたんだけどな、咏さんに色々教えてもらってから咲のボロ勝ちだもんなー) 咏「ふぅ~ごちそうさん」プハァ 京太郎「ごちそうさま」 須賀母「はい、お粗末様」カタヅケ 咏「それじゃ、帰るとするかね」スクッ 京太郎「はい、また麻雀教えてくださいね!」スクッ 咏「いつになるかわかんねーけど」クスッ 京太郎「はい!」 咏「それじゃあなぁ~」 タクシーで咏は帰って行った。 京太郎「あれ、誰かからメールが来てる」 自室- 京太郎「一と透華と咏さんからか……まず一からだな」 差出人:一 本文『今何してる?』 京太郎「おぉ、一がこうしてメール送ってくるなんて珍しいな……俺たちの中じゃ一番新しい仲間だもんなぁ、すぐ打ち解けたけど」 本文『スマブラでレベル1NPCいじめてる』ソウシン 京太郎「……いやいや、俺やってないよな。でも送っちまったし」 京太郎「とりあえず次は咏さんのメールだよな」 差出人:咏 本文『デート、いつでも呼べ。付き合うから』 京太郎「返信どうするかな……」 本文『それでは来週の日曜はどうですか?』 京太郎「よし、さっそく取り付けたぜ!」 ブブブ 京太郎「さっそく返信か!」 差出人:咏 本文『その日は空いてるからまた長野に戻る、楽しませてくれなかったら酷いからな!』 京太郎「おぉ、成功! 次は透華だな」 差出人:透華 本文『どうして今日来ませんでしたの!?』 京太郎「う~、どう言い訳するか……」 京太郎「やっぱりこれに敵うものは無いぜ」フッ 本文『体調崩した』ソウシン 京太郎「一から返信来ないな」 プルルル 京太郎「うぉっ! 電話!?」タッチ 透華『もしもし?』 京太郎「おう、どうした」 透華『大丈夫ですの?』シンパイ 京太郎「……ゴホッ、少し顔熱いかも」ケビョウ 透華『そ、その今からお見舞いにでも……』ボソボソ 京太郎「気持ちだけもらっとくよ」アセ 京太郎(仮病ってバレるし……) 透華『そ、そうですの……わかりましたわ。明日は来れそうですの?』 京太郎「あぁ、お前の声聞いてれば調子も良くなってきたしな」 透華『なっ……そ、そうでしょう! おほほほっ、ではおやすみなさい! 明日こそ来るのですわよ!』 京太郎「おう」プツン 龍門渕家・透華部屋- 透華「まったく、馬鹿なことをっ」カァッ 龍門渕家・一部屋- 一「……京太郎、ストレスでもたまってるのかな?」ボクノセイジャナイヨネ タクシー内- 咏「ふふん、日曜日が楽しみだねぇ」フフッ 自宅・自室- 京太郎「さて、今日は寝るかー!」 カピー「カピカピ」 京太郎「うぉっ! カピーか、まぁ良い寝るから」パチッ 京太郎「おやすみ~」 一日目終了 二日目・朝- 京太郎「ねみ~、さすがにハギヨシさんは今日も居ないみたいだな」 テクテクテク 京太郎「お、あれって……」 京太郎「おぉい透華!」タッタッタッ 透華「あら京太郎!」パァッ 京太郎「一たちが一緒じゃないっていうのも珍しいな」キョトン 透華「たまには良いですわ……貴方と二人というのも珍しいですし」フッ 京太郎「確かにな、あまり無いよな~」 透華「貴方と二人というのも、好きですわ」 京太郎「俺も好きだぞ」ニッ 透華「ふふっ……」 透華(今、凄い恥ずかしいこと言いませんでした?) 京太郎「どうした?」 透華「―――ッ!?」カァァッ 京太郎「変な透華だな」 授業- 京太郎「なぁ歩、次の授業ってなんだっけか?」 歩「え!?ととと、突然私に話振らないでくださいよ! これですよ」ジカンワリ 京太郎「えぇ、なになに?」 京太郎「国語かぁ、あまり得意じゃないんだよなぁ」 歩「そんな容姿してますよね」 京太郎「うるせぇよ、とりあえず教科書出しとかないとな」 昼- 京太郎「さて、昼はどうするかなぁ」 京太郎「屋上って……おぉ、綺麗だなぁ」 ワイワイ ガヤガヤ 京太郎「人が一杯だな、透華たちは……居ないか」 ?「ん、京太郎じゃないか」ヨッ 京太郎「あれ、純と智紀は透華たちと一緒じゃないのか?」 智紀「純と私は、友達に誘われた……」 京太郎「へぇ、みんなが一緒じゃないとか、あるんだな……」ハハッ 純「ちょっとさみしくなったか?」 智紀「知らないことあっても、しかたないから……」 京太郎「べ、別になんにも思ってないさ」 京太郎(ちょっとだけ思ったとは言えない) 純「まぁ、その友達も一緒で良ければ一緒に食べるか?」 智紀「私たちは良いよ?」 京太郎「え、でも……」 純「でも敬語は使えよ?」ボソッ 京太郎「おう、じゃなくて、はい」 オレノコウハイダゼ! カッコイイジャン! ヘヘッソレホドデモ…… 放課後- 京太郎「今日はさすがに行かなきゃ不味いよな……」コワイ 透華「逃がしませんわよ京太郎!」ババァンッ リュウモンブチイサンヨ! スガクンナニモノ!? 透華「行きますわよ!」グイグイグイ 京太郎「待て待てやめろバカ!」ズルズルズル 部室- 透華「オーホホホッ、京太郎をつれてきましたわよ!」バァンッ! 京太郎「離せバカ!」バッ 透華「バカとはなんですのこのウドの大木!」クワッ 衣「キョータロー!」ガバッ 京太郎「おっと」ダキッ 衣「えへへ、一緒にやろう!」 京太郎「さ、さっそく衣と、か?」ニガワライ 純「いや」 智紀「今回は……」 一「ボクたちの出番だよ!」 京太郎(去年のインターハイ、県大会代表の実力……今の俺になんとかできるのか?) 京太郎「中学生時代だって散々やってたんだ、一矢報いる!」 智紀「中学時代か……」 純「へっ、毎日遊ぶなんてのも無理だったからな、その内にどんな特訓してたのか……」 一「その実力を見せてもらうよ!」 京太郎(咲や咏さんほど強いとも思えない、だったら一矢報いることは、可能なはずだ!) 京太郎「ネトマじゃ発揮できない俺の真骨頂だ!」ゴッ 清澄高校麻雀部- 咲「三槓子、嶺上、ドラ8、三倍満です!」ゴッ ?「うはぁ~強すぎっ!」 ?「いつも嶺上だなんて、そんなオカルトありえません!」 ?「でもほんと誰なんじゃ、咲にここまでの麻雀を教えた言うんは……」 咲「いえ、教えてくれたのとは違うんですけど、もう一度麻雀の楽しさを私に与えてくれた人は……師匠に連れて行ってもらった雀荘ではこう呼ばれてました」 京太郎「行きますよ」ゴッ ガシャッ 純「あ、おう、やるぜ!」 一「うん」 智紀「……?」 透華(一瞬だけ、体が熱く……) 衣(なっ! なんで今のはっ……こ、衣が鳥肌をっ?) 京太郎「さて、親は俺か……」ズゾゾゾッ 衣(なんだこの感じ……っ、有象無象とまったく違うっ) 透華(体がわずかに熱い、どういうことですの?) 京太郎(この流れ、良くないなぁ)チッ 純(なんか京太郎に流れが行きそうだったし、正解だよな)ニヤッ 一(これはボクがもらいじゃないかな?)クスッ 智紀(普通って感じだ……) ともきーェ…… 一「ツモ! 3300、6300!」ダンッ 京太郎(チッ、やられた!) 純(京太郎の相手してたらこれかよ!) 智紀(ひ、ひどい手牌……) 京太郎(な、なんじゃこりゃぁっ!?)ガァン 純(これ、流れはオレにある!)ヨシッ! 一(さっきみたいにはならないかぁ) 智紀(うん、普通……) 京太郎(俺と智紀、ヤバいな……特に智紀は飛び寸前じゃねぇか)タンッ 智紀(今回、ヤバい……)タンッ 純「ロン! タンピン三色ドラ1、8000だ!」 智紀「えっ……」 トップ 一 二着 純 三着 京太郎 ラス 智紀 智紀「……」 京太郎「……」 一「京太郎ダサすぎ」 京太郎「う、うるせー! いつもの調子が出なかっただけだ!」 京太郎(咲とか咏さん相手ならもっとやれるんだけどなぁ) 純「まぁなにはともあれ京太郎、負けは負けだ」 衣(あの感覚は、衣の気のせいか?) 透華「京太郎、頑張りましたわね」ナグサメ 京太郎「や、やっぱみんな強いなぁ!」アセダラダラ 智紀「」シロメ 純「おーい、智紀?」ペチペチ 京太郎「べ、別に落ち込んでなんていないし! 京ちゃんマジ元気だし!」アセダラダラ 一「片腹大激痛」ププッ 衣「あっ! 衣の台詞!」 京太郎「」 京太郎(俺は、今すぐ勝ちたい!)ゴッ 純「ッ」ビクッ 透華(なんですの!?)ゾクッ 衣(この感覚!?)ゾクゾクッ 一「どうしたの?」キョトン 智紀「……?」ハテ? 透華「なら私は智紀の代わりに打ちますわ!」バーン 智紀「あ、うん、頑張って」サッ 一「ははん、結局ボクの一人勝ちだよ、透華にも悪いけど!」フッ 透華「私が負けるわけないでしょう! 純も、覚悟なさい!」ゴッ 純「ハッ、今キテるんだし、負けるわけないだろ!」グォッ 京太郎「おいおい、俺のこと……忘れるんじゃねぇよ」ニヤッ ズゾゾゾゾッ 透華(また、この感じっ!?)ゾクッ 純(こ、今回は間違いなく感じるっ)ゾクッ 衣(や、やはり京太郎……お前なのか!?) 京太郎(よし、良い調子だ!)タンッ 純(これはベタ下りだな、それでもツモられたら元も子もないけど)タンッ 一(調子悪っ)クッ タンッ 透華(オーホッホッホッ! これはいただきですわ!) 透華(今のところ私がトップ、良い調子ですわ!) 京太郎「ツモ!リーヅモ七対ドラドラ……3000・6000」ダンッ 透華(なっ! ななな、なんですってぇっ!?) 純(京太郎のやつ、さっきと全く違う!運がいいだけって信じたいぜッ) 一(さ、さすがにこれ以上は厳しい)アセッ 透華(き、京太郎ごときにぃぃぃ~!)キッ 衣(普通に打っている、皆となんら変わりない……) 京太郎(さて、一の話に聞いた冷やしとーかってのも見てみたいんだよな……点差ギリギリだけど、見てみたい) 京太郎(いや、わざわざそんなことをする必要はないか……後半戦もこのまま勝ち逃げる!)ゴッ 透華(きぃぃぃっ! 京太郎なんかにぃ!)ナミダメ 純(京太郎に負けてるのがそんなに悔しいか、いやそりゃそうだろうな)フッ 一(これは、相当運が良くない限り勝てないでしょ……)ハハッ 京太郎「情けないな、透華は……あれだけ大見得きってこれか、目立ちたがりすぎでデジタル打ちがぶれるんだよお前は」 透華「……な、なんですって?」ゴゴゴ 純(マジか京太郎のやつ!?)ビクッ 一(うわぁ、やっぱストレスたまってたのかな?)ゴメンネ 透華「……」 衣(わざわざ冷やしとーかを発動させた?) 京太郎(冷たくなってきた、これが、そうか透華、やっぱりお前も魔物の類か!)ズゾゾゾゾッ 衣「ひッ!?」ゾクッ 純「ぐッ!?」ゾクッ 一(え、なに?なんなの?) 京太郎「後半戦、始めようぜ……」ズゾゾゾゾッ 透華「」タンッ 京太郎「」タンッ 純(な、なんだこの静けさはっ……)タンッ 一(こ、こわい……)タンッ 透華「」タンッ 能力『冷やしとーか』発動:自分以外の麻雀力を20下げ、自分は10上がる。(イベントにより強制発動・強制成功) 京太郎「」ニヤッ 能力『?????』発動:能力を発動した相手の次コンマ下二桁を01にする。(イベントにより強制発動・強制成功) 能力『?????』発動:強制的に上位になり次コンマを99にする。(イベントにより強制発動・強制成功) 京太郎「……ハハッ」タンッ 透華「―――ッ!! ハッ!?」ビクッ 一(突然戻った? あの状態から?)タンッ 純(おいおい、どうなってんだよ……)タンッ 透華「……はぁ、はぁっ……ッ」フルフル……タンッ 透華(何かに……大事な何かが、食べられたような感覚……京太郎ですの?) 京太郎「」ニヤッ 透華「ヒッ!?」ビクッ 透華(き、京太郎の……あ、赤い目が一瞬、前髪の間からっ……) 京太郎「……」スッ 衣(―――ッ)ガクガク 京太郎「……カン」 バチンッ スッ 衣(私や透華のように、力が強ければ強いほど……それは奴の力になるっ)ブルブル 京太郎「……もいっこカン」 バチィッ スッ 透華(も、もうやめ、き、京太郎……お、大きな何かが、わ、私をっ……)ガクガクッ 京太郎「……もいっこカン」 バチィッ スッ 透華(なにかが私をッ、食らうッ……た、助けてっ、衣、は無理っ! 純も、もう動けないっ……智紀と一、見えませんのッ……わ、私を食らおうとする、巨大な―――ナニカガ……) 京太郎「ツモ、清一…対々、三暗刻、三槓子、赤1、嶺上開花32000……」 透華(食われるッ!?) ブチリッ トップ 京太郎 二着 透華 三着 一 ラス 純 京太郎「……」ニッ 透華「あっ、あぁ……」ガクッ 京太郎「……ッ!?」バッ 衣「―――ッ」フルフル 京太郎(やりすぎたっ! 発動すると、制御が効かないのにも関わらずッ!) 純「お、お前……」 一「な、なんなの!?」 智紀「理解の範疇を、超えてる」 京太郎「やらかしたな……その、透華」スッ 透華「ヒッ!」バチンッ 一(透華がっ、京太郎の手を弾いた!?) 透華「い、いやっ!」バッ ダダダダッ ガチャンッ 一「と、透華! 京太郎、お前なにしたか教えてもらうからな!」ダダダッ 純「き、今日がオレたちだけでほんと良かった……」ガクッ 智紀「純!?」タタタッ 純「こ、腰が抜けちまったぜ……」ハァハァッ 衣(純も、力を持つものではあるからな……同じ卓にいたのだから当然かっ……くっ、膝が笑うッ!)ガクガクッ 衣「ともかくだ、京太郎……今日は帰れ、衣も落ち着いてから帰る」 京太郎「……っ」コクッ 下校中- 京太郎「クソッ、前に咏さんと咲にやった時に、もうやらないって思ったつもりだったんだけどな。なんであんなことしちまったよ……」 京太郎(だけど、それにしても透華の奴、あんな風になるなんてな……咲と咏さんもあんな風にはならなかった) 京太郎「あぁ、やらかしたなぁ、でも」 京太郎「悪いことをした……」クッ 京太郎(俺はまったくあの日から成長しちゃいない。魔物を食らう、それだけを考えるようになっちまう) ガチャッ 須賀母「おかえりー!」 京太郎「ただいま母さん」 カピー「カピ」 京太郎「あぁ、ただいま」ナデナデ 須賀母「晩御飯できてるわよ」 京太郎「おう」 京太郎「ふぅ~、今日は食ったなぁ……いろんな意味で」 京太郎「あれ、メール来てるな」 京太郎「二人からか……」 京太郎「とりあえず智紀のを見よう」 差出人:智紀 本文『今日、なにがあったの? 透華、晩御飯も食べてない』 京太郎「なんとか誤魔化さないとな……」 本文『新しい世界に目覚めました』ソウシン 京太郎「適当に誤魔化せた……よな」 ブブブッ 京太郎「うぉっ! 早いな!」 差出人:智紀 本文『なに、ハギ京? 京ハギ? どっち? もしかして別の人? 誰? 理由は? 三行』 京太郎「……怖いから放っておこう」ウンッ 京太郎「それで、咏さんだよな……」 差出人:咏 本文『明後日だからな、忘れるなよ!』 京太郎「咲はともかく、咏さんには言った方が良いよなぁ……」タッチ 本文『俺の能力のことでお話があります』 京太郎「はぁ、咏さん怒ったりしないかな」ソワソワ ブブブッ 京太郎「うぉう!」 差出人:咏 本文『明後日、話を聞かせてもらうから良い』 京太郎「怒ってないよな……?」 龍門渕家・廊下- 智紀「萩原さん」ダダダダッ ハギヨシ「沢村さん、お走りになっているのは珍しいですね」フム 智紀「そんなことより……どっちが攻めなの?」 ハギヨシ「……?」 智紀「……まぁ京太郎に聞くから良いわ」スタスタスタ ハギヨシ「どういうことでしょうか?」 東京・街中- 咏「さて、食っちまったもんはしょうがないね、わかんねーけど」 ??「例の能力を食べちゃうって言う弟子のこと?」 咏「うん、まぁあんたぐらいだとあの悪食も、牙を全部抜かれるだろうけどね」フッ ??「へぇ、それは一度お相手願いたいなぁ」フフッ 龍門渕家・透華部屋- ベッドの上の布団が震えている。 透華(そ、そんなこと、あんなことっ! こ、こわいっ、私が京太郎をっ! お、恐れてる!?)ブルブル 透華「あ、ありえませんわっ……そんなことっ」ウルッ 自宅・自室- 京太郎「さて、明日は休日だけど、今日は寝るかなぁ」 カピー「カピー」 京太郎「明日は良い日になるよな、カピ太郎?」 カピー「カピ!」ヘケ! 京太郎「おやすみ」パチンッ 二日目終了 三日目・朝- 京太郎「昨日早くに寝たせいか、体調がすこぶる良いぞ!」グッ 京太郎(はぁ、久しぶりに咲と遊ぶのも良いけど、透華のことも心配なんだよなぁ……)シュン 京太郎「まぁ動くにしても早すぎるか!」 京太郎「うん、なんだか麻雀の新しい打ち方とかを覚えたしこれで麻雀も強くなるだろ!」グッ 須賀母「京太郎、御飯置いておくわね」 京太郎「あ、もう10時過ぎてる……」 昼- 京太郎「昼御飯、どこかに食べに行くのもありだよな……今さっき朝御飯食べたばっかだけど」 カピー「カピ!」 京太郎「……一日中カピーの相手か、ありだな」 京太郎「龍門渕だよな、やっぱり……透華に会わないと話になんねぇし」スッ 京太郎「行ってくる!」 ダッダッダッ 京太郎「チャリもあるし、行くか!」 チリンチリン 龍門渕家- 京太郎「思ったより、すぐについてしまった」 ハギヨシ「京太郎君……お帰りの場合はあちらですよ」スッ 京太郎「あはは、少し怒ってます?」 ハギヨシ「ええ、いくら大事な友人とは言え……透華お嬢様を、ああもおびえさせたのは許容しかねます」 京太郎「オレは……」 京太郎「透華に会いたい」 拳を、握りしめる。 ハギヨシ「……原因は貴方と聞きましたが?」 京太郎「……」コクッ ハギヨシ「なぜ会いたいと?」 京太郎「俺は、透華と会いたいんだ!」ダッ ダッダッダッ ハギヨシ「……フッ、京太郎君、お願いします」 龍門渕家・透華部屋- 京太郎(透華の部屋の前まで来たけど……) 京太郎「いや、ここまで来てヘタレてどうする!」 ガチャッ 京太郎「透華!」 ベッドの上のフトン「」ビクッ 京太郎「透華、昨日は怖い思いをさせた……悪い」ペコリ ベッドの上のフトン「」シーン 京太郎「俺が、怖いか?」 ベッドの上のフトン「……怖い、ですわ……衣相手でも感じたことの無いような感覚……」 京太郎「俺もあんなことになるなんて思わなかったんだ……許してくれとは言わない、けど……もしできるなら……」 京太郎「俺はお前と一緒にいたい!」 バッ 透華「私だって、私だって一緒に居たい。それに、麻雀をもっと打ちたい……でも、体が覚えていますの、完全に支配され、喰べられた感覚を……」 京太郎(挑発して冷やしとーかを呼び出して喰った、俺が悪い) 京太郎「悪い、全部俺のわがままなのかもしれないけどさ……お前とこれからもずっと一緒に居たいんだよ……」グッ 透華「―――ッ!?」 京太郎「だ、ダメか……?」 透華「わ、私も……」 透華「わ、私も……って!」 京太郎「ん?」 透華「なにを言ってますの!?」カァァァッ 京太郎(やっぱ、透華と一緒にいる資格なんて俺にはないか……) 京太郎「すまん、(俺のことなんて)忘れてくれ」クルッ 透華「ま、待ちなさい!」 京太郎「ん?」クルッ ファサッ 透華(なっ、ななななっ!? な、なんで京太郎がこんなにカッコよく見えますの!?) 京太郎「……どうした?」 透華「べ、別に、もう貴方なんて全然怖くありませんわ!」マッカ バッ ビシィッ! 京太郎「え、ほんとか……?」 透華「当然でしょう、私を誰だと思っていますの!? 龍門渕透華ですのよ!」 京太郎「……透華、ありがとう」ニコッ 透華「―――ッ」カァッ 透華「べべべ、別に私は、お礼を言われるようなことっ……」マッカッカ 廊下- ハギヨシ(京太郎君、さすがですね)ニコッ 夕方- 京太郎(あれ、透華とひたすら雑談してて結局、誰とも会わずに出てしまった) 京太郎「まぁ、良いか……透華も元気になったしな、原因俺だけど……」チャリンチャリン 京太郎「どっか行くか?」 京太郎「どうするか、どこ行くか……」チャリンチャリン 京太郎「ん、誰かが絡まれてる!」 京太郎(な、なんというオモチの持ち主!?) ヤンキーA「こいつ確か中学の個人戦優勝者の原村和だよな!」 ヤンキーB「ていうか、すげぇ!」 京太郎「おい、やめておくんだな」キリッ 京太郎(き、決まったぁッ!) ヤンキーA「お前、なに?」 京太郎「貴様に名乗る名は無いッ! そこのお嬢さん、逃げよう!」キラキラー 和「え……」 ヤンキーA「邪魔すんな!」ドンッ 京太郎(チャリに乗ってるからバランスがッ!?)コケッ ヤンキーB「なんだこいつ?」 スッ 京太郎「ふっ……フハハハハハッ!」バッ! ヤンキーA「と、突然笑い出しやがった……」 京太郎「我はダークフレイムマスター! 貴様たちを滅ぼす者の名だッ!」シュババッ ヤンキーB「こいつ、やばいとこぶつけたんじゃね?」 ヤンキーA「チッ、行こうぜ」 去っていくヤンキーたち。 京太郎「……ふぅ、なんとか乗り切ったな」 和「あの……」タユンッ 京太郎「ん、ああ無事みたいで何よりだ」フッ 和(変な人……) 京太郎「俺は通りすがりの龍門渕生徒だ、君は……清澄か?」 和「はい、良くお分かりになりましたね」 京太郎「知り合いがいるんでな……まぁ良いさ、とりあえず俺はこれで」 和「あ、あの……これ、貰い物ですがお礼できるのはこれぐらいしか無くて」スッ 京太郎「いやそんな……ん、雀荘『Roof-top』のドリンク一杯無料券?」 和「すみません、私急いでいるのでこれで!」ペコッ タッタッタッタッ 京太郎「……そのおもちを見せてもらっただけで十分さ」フッ 夜- 自宅・自室- 京太郎「今日は麻雀やってないしな……ネトマでもするか」 一人目 きょーこ 二人目 かじゅ 三人目 ピーチ姫 京太郎「また、全員はじめてか?」 きょーこ:よろしく頼むわ かじゅ:また会ったね、故あって名前を変えたがアローだよ ピーチ姫:よろしくっす キョータロ:よろしくお願いします! 京太郎「よし、やるぞッ!」ゴッ トップ かじゅ 二着 ピーチ姫 三着 キョータロ ラス きょーこ キョータロ:接戦でしたねピーチ姫さん ピーチ姫:良い勝負だったっす かじゅ:キョータロやきょーこは実力を出せなかったようだな きょーこ:メゲるわ…… 京太郎「三着とか……」ガクッ 京太郎「あれ、誰かからウィスが飛んできてる?」 ピーチ姫:手牌確認しましたが、あれからあそこまで立ちなおすなんて、楽しい麻雀だったっす! 京太郎「……プロフィールを見れば、長野か……少しカマかけてみるか」 キョータロ:自分も楽しかったです。良い経験させてもらいましたよ。同じ長野ですしリアルでも楽しめたらいいですね。 ピーチ姫:貴方が私を見つけられたら、良いっすよ 京太郎「は? あっ、ログアウトした。どういう……ことだ……」 京太郎「まぁ良いか……」 京太郎「さて、明日は咏さんとデートだし早く寝るか……ってメール?」 京太郎「三人からか……」 京太郎「とりあえず一のを見よう」タッチ 差出人:一 本文『京太郎、透華が元気になったのは良いんだけどあんたの名前たまにつぶやいたりしてる。なにした?』 京太郎「め、メールなのに怒気が伝わる……」アセッ 本文『謝っただけだよ』ソウシン 京太郎「よし……」ブブブッ 差出人:一 本文『そっか、でも、仲直りできたみたいで良かったよ。ボクだって二人が仲良くないのは嫌だからね』 京太郎「い、良い奴だ……」ホロリ 京太郎「次は透華だな」 差出人:透華 本文『今日は楽しかったですわ。今度はお部屋だけじゃなくて二人で遊びに行きましょう』 京太郎「おぉ、仲直りできて本当に良かった」 本文『俺も楽しかったぜ 遊びに行くのはいつでも誘ってくれ』ソウシン ブブブッ 京太郎「うぉっ、早い……」 差出人:透華 本文『気が向いた時に誘ってあげますわ おやすみなさい、良い夢を』 京太郎「なんだ透華の奴……」 京太郎(そして、久しぶりにメールなんてしてきたな、咲の奴) 差出人:咲 本文『咏さんから聞いたよ 食べたんだって?』 京太郎「……」 本文『ああ、でももう問題も解決したよ 心配してくれてありがとうな!』ソウシン ブブブッ 京太郎「恐ろしく早いな!」 差出人:咲 本文『うん、問題が解決した奈良いいんだ 麻雀、まだやってるんだね またやろうね、おやすみ!』 京太郎「……誤字だらけじゃねぇかよ、おやすみっと」タッチ 龍門渕家・一部屋- 一「……ほんと、京太郎と透華が仲良くしてるのは気に入らないんだけど……二人が仲悪くしてるのも気に入らないんだよね」クスッ 一「ボクってバカだなぁ~」 龍門渕家・透華部屋- 透華「フフッ……思ったよりも良い物ですわね、人を好きになるというのは……」 透華「……って何言ってますの私!?」カァァッ 透華「あぁぁっ、私が京太郎にぃっ……くっ、悔しいですわ!」カッ 宮永家・咲部屋- 咲「フフッ、京ちゃん……私以外を食べたんだ、咏さんは仕方ないって思えたけど……京ちゃんの初めては私なんだからね?」 机の上の京太郎の写真を撫でる。 咲「……龍門渕……誰かわからないけど、全員倒せば良いよね?」ニコッ 自宅・自室- 京太郎「さて、明日はデートだ!」 カピー「カピー」 京太郎「明日は良い日になるぞぉ!な!カピ太郎!!」 カピー「カピ……」ウルセッ 京太郎「おやすみ!!!」パチンッ 三日目終了 四日目・朝- 京太郎「より、今日はデートだな!」グッ 京太郎(咏さんには色々お世話になってるからな、恩返しぐらいしたいし) 京太郎「まぁ動くにしても早すぎるな、昨日もだけど」 京太郎「よし、良い感じだな!」ウムッ 京太郎「ん、11時になる前に、そろそろ待ち合わせ場所に行こう」 昼前- 繁華街・本屋前- 京太郎「お、あそこにいるのは咏さん……先に来てたのか、10分前なのに」タッ 咏「おー京ちゃん! いや、京ちゃんか? わかんねー」 京太郎(手振ってた……可愛いな) 咏「おぉ、京ちゃんだった」 京太郎「イエス、お待たせしました」 咏「早かったな、もうちょっと待つかと思ったよ、別に良いけど」ケラケラ 京太郎「お待たせしました、とりあえずどっか行きますか……」 咏「そうだね、どこでも良いよ」 京太郎(弁当作って来たし、動物園とかか?) 動物園- ガヤガヤ 京太郎(さすが日曜日、結構混んでるな) 咏「京ちゃん、悪いねおごりなんて」 京太郎「いや、俺が誘ったんですから当然でしょう、それよりどれ見たいです?」パンフ 咏「え~っと、どれにするかなぁ」 京太郎「まぁ、端から見て行けば良いでしょ……知らんけど」ニッ 咏「京ちゃん、それは私の十八番だぞ~」コラッ 昼- 咏「おぉ~、京ちゃん!キリンだぞキリン!大きいな、暴れると手をつけられなさそうだ、知らんけど!」キャッキャッ 京太郎「可愛いなぁ」 咏「―――ッ!?」カァッ 京太郎(うわっ、口に出してた) 京太郎「そ、そう言えばキリンって暴れると結構大変らしいですよ! わ、ワハハ!」 京太郎(このままじゃ、いかん!) 咏「そ、そろそろお腹減ってこない? わかねーけどさぁ」マッカ 京太郎「そ、そうですね、向こうに食べれる場所ありますよ!」 京太郎(まぁベンチなんだけど……少しは落ち着いたな) 京太郎「実はお弁当持ってきてたんですよ」 カバンから『やや良い弁当』を出す。 咏「え、京ちゃん作ってきたんだ」 咏、カバンから弁当を出す。 京太郎(おぉう、かぶった……)ゲッソリ 咏「……二つは食べれないっつうか」 京太郎「まぁ、食べれるだけ食べてください! 俺が後は食べますから!」グッ 咏「じゃあ、京ちゃんの食べさせてもらおっかな」クスッ 京太郎「はい! じゃあ、いただきます!」パカッ 咏「いただきます!」 京太郎「おぉ、咏さん料理できたんですね」イガイ 咏「そりゃ、一人暮らしが長いから……な、長い……か、ら……」シロメ 京太郎(やば、地雷踏んだ) 対応力が足りない、またはフラグが立っていないのでフォローはできません。 京太郎(さて、食べきるぞ!) 京太郎「もう少し見たら買い物とか行きましょうか」 咏「えー、動物とかもっと見たいかも」 京太郎「また来ましょうよ、せっかくのデートなんですから一緒に買い物とかしたいじゃないですか」 咏「まぁ、そう言われれば確かに良いかも……知らんけど」 京太郎「そうと決まれば、ぱぁーっと見てまわりましょうか!」ニッ 咏「うん!」ニコッ 夕方- 京太郎(動物園を離れて繁華街に来たけど、どこに行くべきだ?) 服屋- 京太郎「さてと、似合う服あれば良いんですけど」 咏「京ちゃんに似合う良いの選べるかわっかんねーよ?」 京太郎「いや、今日買うのは咏さんの服ですから」 咏「……は?」 京太郎「咏さんの和服を脱がします!」 咏「わ、わけわかんねー言いまわしすんな!」カァッ 京太郎「へ……あっ、そんなつもり無かったんですよ!?」アセッ 咏「も、もういいよ、とりあえず、和服以外はわかんねー」 京太郎「あ、じゃ、じゃあ……」 京太郎「うぅ~ん、やっぱそのままが一番かもしれませんね」 咏「えっ、ここまで来て?」 京太郎「やっぱり咏さんは和服が一番っていうか……そのままの咏さんが一番ですよ」マガオ 咏「えっ、えぇっ!?」カァァッ 京太郎「洋服も似合うとは思いますけど、和服の方が……俺が好きな咏さんって感じなんです」ポリポリ 咏「ふぇっ!?」マッカァ 京太郎「そうと決まれば、なにか髪飾りとか買いましょうか!」ギュッ 咏(わわっ、て、手をっ!?) 夕方2- 駅前- 咏「京ちゃん、今日はありがと……その、また……さ、誘ってくんねー?」マッカ 京太郎「咏さんとだったらこっちからお願いしたいぐらいですよ!」ニカッ 咏「お、おう……じゃあ、また」 咏(京ちゃんからもらった、髪飾り……大事にしよ、知らね……くはねーけど)ギュッ 京太郎「それじゃ、気をつけて!」フリフリ 咏「……」フリフリ ガタンガタン 京太郎「電車、行っちまったなぁ……よし、この後はどうするかな」 京太郎「この余韻を抱えたまま帰ったら咏さんのこと想像してしまいそうだ、いかん……どこか行くか」 ポケットに手を入れると、何かに触る。 京太郎(ん、これは昨日のおもちの子からもらった雀荘のドリンク無料券……) 京太郎「どうするか……」 京太郎「せっかくもらった券だしな、行ってみるか!」 京太郎(うまく行けば、あのおもちともう一度会えるかも!)キリッ 雀荘『Roof-top』- 京太郎「おぉ、中はお洒落だ……」 ??「それはどうもありがとうございます、いらっしゃいませ……御一人ですか?」 京太郎「あぁ、はい」 ??「ウチのお店は雀荘なんですが、一応喫茶店みたいな休憩所みたいにもしてるんですが、どちらにします?」 京太郎「せっかくなんで……」 京太郎「休んで帰ります」 ??「はい、こちらにどうぞ」スッ 京太郎「あ、あとこれでアイスティー」ケン ??「はい、かしこまりました」 おっさん「まこちゃん、打とうやー!」 ??「ちょっと待っててくんなさい!」クワッ 京太郎(うぉ、なかなかな迫力!)ビクッ ??「少々お待ちください」ペコ 京太郎「まぁ、とりあえず休んでる間になにか考えとくか」 京太郎「……zzz」 京太郎「ふぁっ!?ね、寝てた?」バッ 京太郎「十分か、あぶなかった……あっちじゃ麻雀中か」 ??「3000・6000じゃ!」 京太郎「……これは」 京太郎(オカルトの匂いか……腹の虫が鳴ってるな) おっさん「まこちゃんは強いなぁ!」 ??「まぁ、これでも昔から麻雀やってきとるんでの」 京太郎(だけど、純と同じような匂い。力がもっと大きくなけりゃ、喰いにくいだろうな) 夜- 自宅・自室- 京太郎「今日も麻雀やってないしな……ネトマするか!」 一人目 グラマス 二人目 まこりん 三人目 キャップ 京太郎「おお、はじめてだ」 グラマス:久しぶりのログインだから、お手柔らかにね まこりん:手加減はしませんよ お願いします キャップ:よろしくお願いします 良い麻雀にしましょう キョータロ:グラマスさん久しぶりですか、自分は毎日やってるんで自信ありますよ! 京太郎「よし、今日こそ一位だッ!」ゴッ トップ グラマス 二着 キョータロ 三着 まこりん ラス キャップ キョータロ:グラマスさん、本当に久しぶりですか? グラマス:うん、やっぱりネットでやるのは難しいね まこりん:なんやこれ、わけわからん キャップ:ネトマだからキャップ負けただけだし! 京太郎「いや、化物だろあのグラマスとかいうの……ていうかキャップは性格違くね?」 京太郎「あれ、誰かからウィスが飛んできてる?」 グラマス:結構な腕してたけど、現実の方が強いタイプ? 京太郎「……この人、ほんとになにもんだよ」 キョータロ:まぁ、ネトマより現実の方が上手く打てます グラマス:高校生かな? 京太郎「ん、個人情報聞きだされるのは怖いけど、まぁそれだけなら……」 キョータロ:そうですよ グラマス:その腕なら全国行けそうだね、楽しみにしてるよ キョータロ:はい 京太郎「……ログアウトした、なんだったんだ今の人」ゾクッ 京太郎「ん、腹の虫が鳴った。近くで誰かが麻雀してるわけでもないのに……」 京太郎「さて、明日……メールか」 京太郎「一人からか」 京太郎「お、昨日に続いて今日も咲からメールだ」 差出人:咲 本文『京ちゃん、今日咏さんと一緒にいたでしょ?』 京太郎「どっかで見かけたのか?」 本文『なんでも知ってる?』ソウシン 京太郎「いや、ほんとにな……この前から」 差出人:宮永咲 本文『京ちゃんのことなら大体わかるよ』 京太郎「中学時代は透華たちよりも一緒にいたし当然か」ハハッ 京太郎「おやすみ、っと!」 京太郎「さて、寝るか」ブブブッ 京太郎「咏さんからメールか……」 差出人:咏 本文『今日は例の食った話を忘れたけど、また行くから』 京太郎「あ、忘れてた。解決してるからな」 本文『もう色々と解決してるんで大丈夫ですよ』 差出人:咏 『そういうことは先に言えっつうの!』 京太郎「怒らせちゃったか?」 本文『すいません、おやすみなさい』 宮永家・咲部屋- 咲「びっくりしたよ、街を歩いてたら京ちゃんと咏さんが手繋いで歩いてるの見た時……」 目に炎が灯る(気がした) 咲「咏さんも、敵なんだ……」 電車内- 咏「……京ちゃんにやられて、完全に能力のこと飛んでた。わかんねーなー」 咏「フフッ、京ちゃんカッコよくなったな」フフッ 自宅・自室- 京太郎「さて、明日は学校だな」 カピー「カピー」 京太郎「おやすみ~」パチンッ カピー「ピカ」カマエヤ 四日目終了
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原作に行った京太郎5 京太郎「また会ったらか…出会った時と真逆だな」 京太郎「ああ…戻りてぇ」 ーーーーーー 夜 京太郎「ネトマの相手もスカイにも連絡先がないか……当たり前だよな」 【メッセージが届きました】 京太郎「えっ?」 From ?K この世界でない京太郎へ。 望むのなら全国に出ろ。 この世界に主に勝てる敵はいない。全てを薙ぎ払い、上を目指せ。 辛い事の何もない世界か辛い事があった世界か選ぶがいい。 そこにお前の望む答えがある。 京太郎「Kって誰だ?まさか小鍛冶義姉さん…いや、そんな事は無いはずだ。なら誰なんだ…」
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361874491/ ――控え室―― 京太郎「ここに来るのも1週間ぶりかー。やっぱ移動も疲れますね」 佳織「私たちの住んでるところからだと遠いよね」 京太郎「ほんとですよね。明日も来るんだから泊まらせてくれればいいのに」 桃子「こんな狭い部屋で女子5人とお泊りなんて何するつもりっすか!」 京太郎「何もしねえよ!! というかなんでここで泊まるんだよ!」 智美「ウチの部じゃホテルとかは難しいなー」ワハハ 睦月「風越はホテルで泊まってるみたいですね。羨ましい……」 京太郎「やりくりすればなんとかなったりしませんかね。その……ゆみ先輩」カアァァ ゆみ「あ、ああ。で、出来なくはないだろうが……」カアァァ 京太郎「?」 ゆみ「その、全国へ行く……んだろう? ただでさえ部費が足りていないのに、ここで使ってしまってはな」 京太郎「っ! そ、そうですね。ちゃんと考えてませんでした……」 智美「まだそれやってるのかー?」 桃子「まあ最初に比べたら良くなったじゃないっすか」 佳織「目を合わせる度顔真っ赤にしてたね」 睦月「その割にお互いがお互いを見ようとするんだよね」 智美「さすがの私もどうしてやろうかと思ったなー」 ゆみ「うぅ……」カアァァ 京太郎「あなたたちがからかうからでしょ!? っていうかなんでみんな知ってたんですか!」 桃子「そんなのあんなところで大声で告白すれば当然じゃないっすか」 京太郎「あんなふうに送り出しといてついてくるか普通!?」 智美「ゆみちんと京太郎を2人きりで遊びに行かせたとき、私たちが何をしたか忘れたようだなー」ワハハ 京太郎「開き直らないでください!!」 睦月「まあでも、ついていかなくてもその内知ることにはなってたと思うよ?」 ゆみ・京太郎「……え?」 桃子「いや当たり前じゃないっすか。あんな人の多い所であんな告白したら噂になるに決まってるっす」 佳織「あなたが欲しいって告白は中々ないよね。聞いてて恥ずかしくなったよ」アハハ 京太郎「……で、でももうみんな忘れてますよね!?」 ゆみ「そ、そうだな。一週間も経っているのだし……」 智美「それは難しいかもなー。鶴賀の大将が金髪に告白されてたってちょっとインターネットで話題になってるぞ」 桃子「さすがに一時期程じゃないっすけど、グラマスって人がまだまだ飽きそうになくて目立ってるっすね」 佳織「私も見たけど執念みたいなのを感じたよ……」 睦月「ちょっと怖かったね。文字だけなのに……」 京太郎「お、俺そんなの知らなかったんですけど!?」 ゆみ「私もだ。なんで教えてくれなかったんだ」 智美「いやー大会前に見せるにはちょっと怖くてなー」 京太郎「じゃあ終わってからにしてくださいよ!?」 桃子「今からなら見ないだろうからいいかなーと思ったっす」テヘペロ 京太郎「見なくても気になるんだよ!」 智美「まあ別にテレビで映ったとかじゃないし、知らない人は知らないから大丈夫だろー」ワハハ 桃子「ちょっとからかっただけっすよ。気にするほどじゃないっす」 ゆみ「それならいいんだが……」 京太郎「そうですね……」 京太郎「初めての公式試合……というか部員以外の人と戦うの初めてだ。緊張するなあ」 桃子「ネトマでいくらでもやってるじゃないっすか」 京太郎「そりゃそうだけど、現実にやるとやっぱり緊張するよ」 桃子「ネトマでやってるんだから大丈夫と思えってことっすよ。緊張してもいいことないんだから、解消しようと思わないとダメっす」 京太郎「あ、なるほど。発想の転換だな」 睦月「個人戦じゃ仲間がフォローしてくれないからね。私も個人戦が先だったらと思うと……うぅ、気分が」ヨロッ ゆみ「想像でダメージを受けるな」 智美「来年までには直すんだぞー」ワハハ 佳織「でもそっか。他の人たちはほとんど団体戦で慣れてるけど、京太郎くんは個人戦が初めてなんだね」 桃子「そう考えると少し不利かもしれないっすねー。まあ普通1試合くらいで緊張も解けるとは思うっすけど」 智美「逆に調子崩して引きずることもあるかもなー」 京太郎「縁起悪いこと言わないでくださいよ……」 智美「そこで私から提案だ」 京太郎「はい?」 智美「ゆみちん、京太郎の緊張をほぐす一言をどうぞ!」 ゆみ「なっ!?」 京太郎「えっ!?」 睦月「」ドキドキ 佳織「」ドキドキ 桃子「ドキドキ」 京太郎「声に出すのやめい!」 ゆみ「そ、その。京太郎くん」 京太郎「は、はい!」ビクッ ゆみ「団体戦の後に君が言ってくれたこと、凄く嬉しかった」 ゆみ「団体戦で感じた他校の高い壁。それを私なら乗り越えられると言ってくれて、たとえお世辞でも勇気づけられた」 京太郎「それはお世辞なんかじゃ――」 ゆみ「自分の実力ならよくわかっているよ。私は個人戦で1位にはなれない」 ゆみ「だから京太郎くんが本気で言っていても、それはお世辞だ」 京太郎「……」 ゆみ「……私が一番嬉しかったのは君が全国を目指すといってくれたことだよ」 京太郎「え?」 ゆみ「私は長野で1番強いなんて思っていない。けれど、それでも京太郎くんに比べれば、全国に出られる可能性は遥かに高いだろう」 京太郎「あ、あはは……」 ゆみ「……き、君は私に、その、こ、告白、をしただろう?」カアァァ 京太郎「は、はい」カアァァ ゆみ「そ、それがどれほど決意が必要か私も分かるつもりだし、きっと返事もすぐ聞きたいと思う」 ゆみ「そんな大事なことを全国に出ることを条件にした」 ゆみ「……君が部で過ごす時間をそんなに大切に思っていてくれたことが、本当に、本当に嬉しい」 ゆみ「私も君も、けして長野で1番強い雀士ではない。だけど、麻雀は強い者が必ず勝つものじゃない」 ゆみ「君ともっと長い時間を過ごしたいのは私も同じだ。一緒に全国へ行こう。私と、君で」 京太郎「ゆ、ゆみ先輩……」プルプル ゆみ「……」 京太郎「……」プルプル ゆみ「……? どうかしたか?」 京太郎「い、いえ、その。必死で耐えてます」 ゆみ「何をだ?」 京太郎「その、えーと……やっぱりやめときます」 ゆみ「気になるじゃないか」 智美「察してやるんだ。多分ゆみちんを抱き締めたいんだと思うぞ?」 ゆみ「えっ!?」 京太郎「ちょ、ちょっと部長!!」 桃子「気持ちはわかるっす! 私は今みたいなこと言われたら迷わず抱きつくっすよー!」 ゆみ「そ、そういうものなのか?」 睦月「そういうものというか、さっきのはそうしたくなる台詞だったかなと……」 佳織「私は嬉しくて逆に動けなくなっちゃいそうです」アハハ 智美「全然一言じゃなかったしなー」ワハハ ゆみ「……」 京太郎「お、俺は嬉しかったですよ! やる気もめちゃくちゃ出ましたし! 緊張してる場合じゃないなって感じで……」 ゆみ「……いいぞ?」 京太郎「……え?」 ゆみ「そ、それが君のためになるのなら、私のことを、だ、抱き締めてもいい」カアァァ 京太郎「」 ゆみ「た、ただ! あ、あんまり強くはしないでくれ。痛いのは……いや、君ならいいか」 ゆみ「……私のことを好きにしてくれ、京太郎くん」ウワメヅカイ 京太郎「……う」プルプル ゆみ「うん?」 京太郎「うおおおおおぉぉぉぉ!!」ダダダダッ ゆみ「あっ、おい! ……行ってしまったか」 桃子「行ってしまったかじゃないっすよ!! いきなり何してるんすか!?」 ゆみ「いや、見ての通りだが」 佳織「そういうことじゃないと思います……」 睦月「なんであんなことを?」 智美「さすがにちょっと京太郎がかわいそうだぞー」 桃子「そうっすよ! 確かにヘタレとか思ったっすけど!」 睦月「そこは真面目って言ってあげようよ」 ゆみ「……もちろんわかっているよ。だからこそだ」 佳織「どういう意味ですか?」 ゆみ「京太郎くんが全国へ行けなかったら返事をしない。私はあれを厳密に守る」 桃子「いやもうほとんどしてるようなもんだと思うっすけど……」 ゆみ「……付き合うかどうかはまた別だ」プイッ ゆみ「ともかく、だから私は京太郎くんに抱き締めてもいいと言ったんだ」 ゆみ「……私自身も出来ないと思うと寂しいしな」ボソッ 智美「そ、そこまで本気だったのか?」 睦月「正直なんだかんだで負けても付き合うんだと思っていたんですけど……」 ゆみ「それは京太郎くんにも失礼だろう」 桃子「それはそうかもしれないっすけど、全国っすよ? しかもあの怪物がいる長野男子個人戦っすよ?」 ゆみ「だからこそ可能性も出てくるだろう? 普通なら可能性はないと言っていいくらいだ」 桃子「それはそうっすけど、モノは言いようって感じで……」 佳織「でも信頼してるってカッコいいですね! 憧れます!」 ゆみ「ああ……だ、大丈夫かな?」ウルウル 桃子「そこでヘタレるんすか!?」 ゆみ「い、いや。心配される分にはいいんだが期待されると急に不安に……」 智美「そういえば前に考えがあるって言ってたなー。それはなんなんだ?」 ゆみ「うん? それは……まあ追々な」 桃子「むぅ、気になるっすね」 ゆみ「大したことじゃないから気にするな」 --------------------------------------- 京太郎「ああもう、ゆみ先輩何考えてんだ! 試合前だってのに心臓が!」ドクドクドクドク 京太郎「……まあ緊張は吹っ飛んだな。さすがに戻れないしこのまま別館の試合会場に行くか」 京太郎「でも惜しいことしたかなあ。ゆみ先輩があんなこというなんて夢みたいなこと、もうねーだろ絶対……」 京太郎「はぁ……あれ、おーい咲ー!」ブンブン 咲「」ビクッ 京太郎「また迷ったのかー!? まだ時間あるし控え室に連れてってやるぞー!」 咲「……っ!」タッタッタッ 京太郎「あ、おーい! ……聞こえなかった……にしちゃ不自然だよな」 京太郎「まさかまだ気にしてんのかな。先週からメールも全然してこねえし……いい加減普通に話して欲しいんだけどなあ」 ピンポンパンポーン 「男子個人戦、予選が始まります。出場選手の方は対局室へ集合してください」 京太郎「ついにか……」ブルッ 京太郎「うわ、震えてきた。……ゆみ先輩にあんなこと言って予選落ちなんてシャレにならないしな。やってやる!」 京太郎「おお、男子ばっかりだ。鶴賀は女子が多いからこの感じ久々だなー」 京太郎「……しかしなんか視線を感じるな。噂されてるような……」 「おい、あいつだろ? 先週ロビーで告ったってやつ」 「あんな話題にされてるのに普通に出てくるなんてすげえな。俺はとても来れないわ……」 「あなたが欲しいってそもそも告白なのか?」 「その告白でも許される顔だな……クソッ、許せねえ!」 京太郎「な、なんかここにいるとマズイ気がする」ブルッ 京太郎「さっさと対局室に行くか……」 京太郎「ふう、対局室の辺りはさすがに静かだな……そういえば対戦相手見てなかったっけ。誰だろ?」テクテク モブA「」ガタガタガタガタ 京太郎「あれ、すげえ震えてる。緊張してるの……」 アカギ「ククク……」 傀「どうも」 京太郎「」 アカギ「どうした? 席はそこだ」 京太郎(神様。いくらなんでも、初戦からこれはあんまりではないでしょうか……) ………… ……… …… … 京太郎「戻りましたー!!」 ゆみ「……お、お疲れ様。京太郎くん」カアァァ 京太郎「え、あ、ありがとうございます」カアァァ ゆみ「……見ていたよ。予選突破は出来ると思っていたが、それでもよくやった。おめでとう」 京太郎「は、はい!」 睦月「……もういいと思いますか?」ヒソヒソ 智美「もうちょっと待ったほうがいいと思うぞー」ヒソヒソ 京太郎「聞こえてます! いつでもいいですから!!」 睦月「うむ、お疲れ様。予選突破おめでとう」 佳織「凄いよ京太郎くん!」 桃子「最初の組み合わせ見たときはもうダメかと思ったっすよ。2人で牽制しあってくれてよかったっすね」 京太郎「みんな何事もなかったかのように……! まあそうだなー。最初見たときは生きた心地がしなかったぜ」 ゆみ「あの2人が揃った卓は散々に削られるか、牽制しあって膠着状態になるかどちらかだからな。日頃の行いがよかったんだよ」 京太郎「ほんと最初は生きて帰れるかどうかの心配してましたからね……」 睦月「さっきからそんな大袈裟だよ」アハハ ゆみ「いや、天江衣かそれ以上が2人と考えるとあながち大袈裟では……」 京太郎「ほんとですよ。なんなんですかあのプレッシャー!? 物理的な圧力を感じましたよ!!」 ゆみ「それが魔物と呼ばれる雀士なんだろうな。私も天江や宮永からそれを感じたよ」 京太郎「咲もそうなんですか……」 ゆみ「天江に勝ったのは伊達ではないさ」 智美「初めての試合の感想はどうだー?」 京太郎「そうですね……意外とやれる! ってのとまだまだだ……ってのが半々くらいです」 桃子「半々とは大きく出たっすね!」 京太郎「1ヶ月必死でやったし、ゆみ先輩にも鍛えられたからこれくらいはな」 京太郎「……ただ俺より強い人もいくらでもいるんだってのも実感したよ」 京太郎「わかってはいたけど化物2人ほどじゃなくても俺より強い人たくさんいるんだなあ……」 桃子「当たり前っすよ。上には上がいるっす。まして京太郎は初めて1ヶ月の初心者じゃないっすか」 京太郎「そりゃそうだけど、俺は今ここで勝たないと……!」 桃子「勝つつもりではいるんすね。よかったっす」 智美「うんうん、弱気になってないのはいいと思うぞ。ゆみちんも全国に行かないと返事しないって宣言してたしなー」ワハハ ゆみ「……ああ、それについては考えを変えるつもりはないよ」 京太郎「覚悟はしてます。自分で言ったことですから」 ゆみ「そうか。……それじゃあ次は私たちの応援を頼んだぞ」 京太郎「はい、先輩たちに負けないように5人分応援しますよ!」 智美「素直にゆみちんの応援を一番頑張るって言ってもいいんだぞー」ワハハ 桃子「所詮友情なんてこんなもんっすか」シクシク 京太郎「何も言ってねえよ!」 佳織「まあまあ、私たちのことも加治木先輩の10分の1くらいは応援してね」アハハ 睦月「同じくらいとは言わないからよろしくね」 京太郎「先輩たちまで! ……まあその、8割くらいで何とか」ボソッ ゆみ「バ、バカっ。う、嬉しくないとは言わないがみんな同じように応援を――」カアァァ 桃子「あ、いやそういうのいいっす。ほんとに」 智美「惚気に付き合わせるのはやめて欲しいなー」 ゆみ「ああもうっ! 京太郎くん、君がどうにか……」 ピンポンパンポーン 「女子個人戦、予選が始まります。出場選手の方は対局室へ集合してください」 佳織「じゃ、じゃあ行きましょうか」 睦月「うむ、ここにいるといつまでも巻き込まれそうだしね」 ゆみ「ま、待て。このまま行かせては……!」 桃子「ほらほら、遅れるっすよ」 智美「行くぞー」グイッ ゆみ「こ、こら。引っ張るなー!」ズルズル 京太郎「……」 京太郎「よし、応援頑張るぞ!」 ………… ……… …… … 睦月「うぅ、負けてしまった……」 佳織「私も。……技術も経験も足りてないのはわかっていたからしょうがないけど、でも悔しいなあ」 睦月「実力がまだまだ足りてなかったね……」 京太郎「でも佳織先輩が国士無双和了ったときは盛り上がってましたよ! 睦月先輩も最後まで諦めてなくてカッコ良かったです」 睦月「ありがとう、京太郎くん。でも私たちより先輩たちにおめでとうって言ってあげて」 京太郎「……はい! 部長、モモ決勝進出おめでとうございます!!」 智美「いやーなんとか残れてよかった」ワハハ 桃子「東風戦はつらいっすね。中々点を伸ばせなかったっす」 京太郎「ステルスが長く使える東南戦のほうがやっぱり好きなのか」 桃子「当たり前じゃないっすか! 明日が楽しみっす。言っとくけど私も全国狙ってるっすよ?」 京太郎「知ってるよ。明日も頑張れ」 桃子「もちろんっす!」 京太郎「それで……えっと、ゆみ先輩。決勝進出おめでとうございます。予選4位ですし全国まで後一歩ですね!」 ゆみ「ああ、ありがとう。……しかし試合開始前は凄い視線を浴びせられたよ」ハァ 京太郎「ゆみ先輩もですか。俺も見られましたよ。というか多分睨まれてたに近いですね」 ゆみ「うん、やはり一週間程度では噂は収まらないんだな……」 京太郎「その、俺のせいで、すみませんでした」 ゆみ「……君はしなければよかったと思っているのか?」 京太郎「そんなことないです! 俺はしたことも言ったことも後悔してません!」 京太郎ただ、それでゆみ先輩に迷惑をかけてるならやらなければよかったと……」 ゆみ「私は迷惑だなんて思っていないよ。あんな場所でしたのはまああまりいいことではないだろうが。だから気にするな」 京太郎「ゆみ先輩……はい!」 ゆみ「そんなことより、ちゃんと応援してくれていたか?」コホン 京太郎「もちろんですよ! 熱くなりすぎってくらい応援してました」 京太郎「東風戦なんて短い間にも相手の癖を見抜いて即対応して……」 京太郎「そういうときは見惚れて応援できてなかったですね。カッコ良かったです」 ゆみ「……ありがとう。4位とはいえ全国に行くには届いていない」 ゆみ「少し不安になっていたが、君がそう思ってくれているなら頑張らないとな」フフッ 京太郎「3位の風越のキャプテンは恐ろしく安定してましたね」 京太郎「でも2位の片岡は団体戦見る限り、多分東場で異常に強いタイプですよ」 ゆみ「そうだな。風越の福路を上回るのは難しいと思わされたが」 ゆみ「片岡は東場で恐ろしく強い分、東南戦になれば付け入る隙はありそうだ」 ゆみ「……しかし、その東場で無類の強さを誇る片岡ですら2位とはな」 京太郎「歴代最高得点塗り替えたのに2位ですからね。……咲、そんなに強かったなんて」 ゆみ「私もほとんど何も出来なかったよ。せっかくの親番も嶺上開花の親被りが怖くて他家への差し込みに使ってしまった」 京太郎「あのときの咲は三倍満くらい狙える手牌だったんで正解だったと思います」 ゆみ「そうか……。宮永はあまりにも圧倒的だ。彼女は間違いなく1位になる。全国へは実質2席を奪い合うことになりそうだよ」 京太郎「一緒に頑張りましょう。大丈夫、俺は1席ですからそれに比べれば!」 ゆみ「……フフッ、そうだな。君に比べればチャンスは2倍か」 京太郎「そうですよ! ……俺は明日どう戦えばいいんだろう」ガクッ ゆみ「それについては少し考えが――」 智美「いいところ悪いけど、電車の時間がまずいからそろそろ帰るぞー」 桃子「2人の時間もいいっすけど、電車の時間もちゃんと考えなきゃダメっすよー!」 京太郎「ふ、ふた……! 上手いこと言ったつもりか!?」 睦月「それは置いといて時間がちょっとまずいから」 佳織「次の電車に乗れないと帰るのが2時間くらい遅くなっちゃうよ」アセアセ 京太郎「も、もうそんな時間ですか? ゆみ先輩、すみません話はまた後にしましょう」 ゆみ「……そうだな。私も気づかなかったしまた後で」 智美「それじゃ早く帰るぞー」ワハハ ――帰り道―― 京太郎「今日はお疲れ様でした」 ゆみ「ああ、君もな」 京太郎「電車間に合ってよかったですね。遅くなると明日に疲れが残っちゃいますし」 ゆみ「あんなに走ったのは久しぶりだったよ。……走って疲れるのと遅く帰って疲れるのではどちらのほうがいいんだろうな」 京太郎「どうなんでしょう。俺は精神的に疲れるよりは走ったほうがいいですね」 京太郎「それでその……帰りがけに言いかけたことってなんですか?」 ゆみ「ああ、君の打ち方についての話だよ」 京太郎「俺の打ち方ですか? まさかどこかおかしかったり……」ズーン ゆみ「ああいや、今のところ京太郎くんの打ち方に問題はないよ」 ゆみ「経験や技術はまだ足りていないだろうが、少なくとも私の教えた通りに打っている」 ゆみ「将来的にもそれでは困るが、まあ今の時点では何の問題もないし、よくやっている」 京太郎「それじゃあ一体何についてなんですか?」 ゆみ「……君は全国へ行きたいんだろう?」 京太郎「えっ……はい! もちろんです。ゆみ先輩と約束してますし!」 ゆみ(あの一方的な言い捨てを約束と言うか……) ゆみ(まあ、私も京太郎くんの言ったとおりにするつもりだが、言われた私が一体どう感じたと思って……!)ゴゴゴ 京太郎「え、えっと、ゆみ先輩?」ビクッ ゆみ「あ、ああ。すまない。……君も今日戦ってわかったと思うが、現時点の君では全国へ行くには力不足だ」 ゆみ「たとえあの2人がいなかったとしても、君が全国へ行くのは極めて難しいだろうと私は思う」 京太郎「……はい。俺もそう思ってます」 ゆみ「京太郎くんの今の実力では届かない。それなら実力以外のものを使えばいい」 京太郎「え?」 ゆみ「君が前に言っていただろう? この牌は切れるとかこの牌を切ればマズイとかがなんとなくわかると。今日はどうだった?」 京太郎「確かに今日も感じましたけど……でも部でやっても全然勝てなかったじゃないですか」 ゆみ(ふむ、技術ではなかったか……羨ましいな) 京太郎「ゆみ先輩?」 ゆみ「ああ、すまん。私が言いたいのは感覚に頼れということだよ」 ゆみ「大負けする可能性が高いが、しかし全国へ行ける可能性も間違いなく高くなる」 京太郎「それはそうかも知れませんけど……」 ゆみ「まあ1%が5%になる程度だろうが」 京太郎「そんなもんですか」ガクッ ゆみ「そんなものだよ。……それでも君が全国へ行きたいのなら、これが最良だと思う」 京太郎「上手くいくかどうか博打ですね……」 ゆみ「普通に打っても全国へ行ける可能性は低いのだから、どちらも博打に変わりないさ」 ゆみ「要は君が何を目指すかだよ」 ゆみ「少しでも高い順位を目指すのなら今のやり方を続けるべきだし、全国を目指すのなら感覚を頼りにしたほうがいい」 京太郎「なるほど……。確かに今までのやり方よりよさそうですね」 ゆみ「ああ……私だって君には全国へ行って欲しいんだ」 京太郎「はいっ! 朝も言ってくれましたしね!」 ゆみ「うるさい」プイッ 京太郎「な、なんか地雷踏みました!?」 ゆみ(2人きりで言っているんだから、告白の返事をしたいという意味だと分かれ……というのは私のわがままか)ハァ ゆみ「君が全国へ行けたら教えよう」 京太郎「ハードル高いですね」 ゆみ「わからない君が悪い」 京太郎「えぇー」 ゆみ「……泣いても笑っても明日で全てが決まる。私も、君も」 京太郎「はい」 ゆみ「どうなるかわからないが、悔いのないよう頑張ろう」 京太郎「……なら俺は勝たないとダメですね」 ゆみ「何?」 京太郎「昨日も言ったじゃないですか!」 京太郎「ゆみ先輩といられる時間が短くなるなんて嫌です。そうなったらどれだけ健闘したって悔いは残ります」 ゆみ「……」ポカーン 京太郎「……あれ、またなんか変なこと言いました!?」アセアセ ゆみ「いや、君はそういうやつだったな」フフッ ゆみ「……実はさっき走って少し疲れているんだ。少し腕を貸してくれ」 京太郎「はい? 肩じゃなくてですか?」 ゆみ「んっ」ウデクミ 京太郎「ちょ、ゆ、ゆみ先輩!?」アセアセ ゆみ「疲れているからあまり騒がないでくれると嬉しい」 京太郎「あ、う……」カアァァ ゆみ「嬉しかったよ。京太郎くん」ボソッ 京太郎「うぅ……え? すみません、今ちょっとよく聞ける状態じゃなくて」 ゆみ「何でもない。明日期待しているよ」ギュッ 京太郎「……期待に応えられるよう頑張ります」 京太郎「……決勝リーグか。ここまで来れるなんて思わなかったな」ブルッ 桃子「何緊張してるんすか。昨日勝ち抜いたんだから自信持つっすよ」 京太郎「いや、昨日は初めての試合で緊張したけど、今日は勝たなきゃってプレッシャーが……」 桃子「負けて元々じゃないっすか。当たって砕けろっすよ!」 京太郎「負けたら砕けちゃダメなところもまで砕けるんだよ!」 智美「ハートブレイクだなー」ワハハ 京太郎「多分物理的に砕けますね」 佳織「死んじゃうよ!?」 京太郎「それくらいの勢いで砕けそうです……」 桃子「全然物理的じゃないっすね。……そんな情けない京太郎に代わって、私が負けたときの案を考えてあげたっすよ!」 京太郎「不吉なこというなよ……で、どんな案だ!?」ガタッ 睦月「食いつきすぎじゃない!?」 佳織「そんなに必死に……切実なんだね」 京太郎「今の俺に見た目を気にする余裕なんてないんですよ! モモ、さあ早く!」 桃子「イラッと来るっすねー。まあ教えてあげるっす」 桃子「京太郎は全国へ行ったら返事をくださいと言ったっすけど、いつとは言ってないっす」 桃子「つまり今回負けても次を目指せばいいんすよ!」 京太郎「……」 睦月「さ、さすがにそれは……」 京太郎「……アリだな」 佳織「ありなの!? 次は秋だよ!?」 京太郎「い、いや。だって勝てるかわからないっていうか昨日戦った感じだとむしろ……」 智美「まあアリかナシか以前に、それはゆみちんが待っててくれないとダメなんだけどなー」ワハハ 京太郎「あっ」 智美「さっきから全然喋ってないけど、ゆみちん的にはどうなんだー?」 ゆみ「ん? ああ。そ、そうだな……」 ゆみ「ま、待つ待たない以前に負けることを前提に考えるのは感心しないな。うん」コホン 智美(ていよく逃げたなー)ワハハ 京太郎「ですよねー! いやー俺もそんなのいいって言ったんですけどモモが無理矢理」 桃子「ゆみ先輩がいるところで話したのにそういうこと言えるのは尊敬するっすよ」 智美「ところでゆみちん静かだったのはなんでだー?」 ゆみ「まあ……その、緊張してな」 睦月「団体戦のときも昨日も全然そんな風に見えませんでしたけど、先輩でも今日は緊張するんですね」 佳織「大丈夫ですよ! 加治木先輩なら勝ち抜けます!」 ゆみ「いやそれで緊張しているわけじゃ……」ハッ ゆみ「そ、そうだな。ありがとう、落ち着いてきたよ」 桃子「?」 智美「……? まあいいかー」 ピンポンパンポーン 「男子個人戦、決勝が始まります。出場選手の方は対局室へ集合してください」 京太郎「もう始まるのか……」 桃子「暗いっすねー。もっとやってやる! みたいな意気込みで行くっすよ」 京太郎「や、やるぞー」 桃子「だからテンション低いっすよ」 智美「ゆみちん、出番だぞー」 ゆみ「ま、また私か!?」 桃子「それはまあゆみ先輩しかいないっすよ」 ゆみ「そ、そうなのか……それじゃあ京太郎くん」 京太郎「は、はい」 ゆみ「言うべきことは昨日言ったから、今日は一言だけ。……勝ってこい」 京太郎「……はい!!」 ………… ……… …… … アカギ「ロン、12000だ。トビだな」 モブ「は、はい……」 京太郎(……よし! 最終戦前の山場を何とかしのいだ!!)グッ 京太郎(俺より順位が上だった人が飛んだから、今大体6,7位くらいか……最後1位になればまだ可能性も!) 京太郎(しかし信じられないくらい絶好調だな。部活じゃあんな酷かったのに……) 京太郎(ゆみ先輩の返事聞きたいから、実力以上の力が出てるのかな)ハハ アカギ「……おい、そこの金髪」 京太郎「は、はい!?」ビクッ アカギ「昨日と打ち方が違うな……今は上手くいっているようだが、どんな武器を持ってようが何も考えずに打ってると怪我するぜ」 京太郎「な、なんでそんなこと……!?」 アカギ「まるで別人だ。誰だって分かる」 京太郎「……俺は今勝たないとダメなんです。だから、変えるつもりはありません」 アカギ「ククク……人の話を聞くのは苦手か? ……まあいい。残り1局、頑張りな」 京太郎「は、はい……あの、なんでいきなり俺に声かけたんですか?」 アカギ「飛ばそうと目を付けた相手が、昨日と全く違う打ち方をしていたから興味が湧いた。それだけだ」 京太郎(俺飛ばされるところだったのか……)ブルブル アカギ「せいぜい楽しませてくれよ」スタスタ 京太郎「……あー緊張したぁっ!」 京太郎「やっぱ今の打ち方危ねえのかな……まあ、変えてなかったら飛ばされてたみたいだけど」 京太郎(どっちにしろ俺に出来るのは全力で打つだけだ。次で決まるんだ。やってやる!) --------------------------------------- ゆみ「」ジッ 智美「いくら見てても最終戦はまだ始まらないぞー」ワハハ 桃子「京太郎めちゃくちゃ調子いいっすねー」 睦月「うむ、非効率な打牌もあるけど、それがことごとくいい結果になっている」 佳織「相手の当たり牌を抑えててカッコいいね」 ゆみ「……とはいえあまりにも上手く行きすぎだ。最後までこの調子で行ってくれればいいが……」 桃子「いや、最後までこの調子じゃダメっすよ!」 智美「そうだなー。最後はもっと調子を上げないと全国へは行けないなー」 睦月「今が6位ですか……」 佳織「初めて1ヶ月の初心者で6位なんて凄いなあ」 桃子「確かに凄いっすけど、全国へは届いてないっすから……」 ゆみ「……運良くというべきか、決勝の同卓に3位の選手がいる。そして例年通りトップの2人が図抜けていてその下は接戦だ」 智美「ここで1位が取れれば3位になれる可能性はあるなー」 睦月「まさに天王山ですね」 桃子「京太郎は乗り越えられるっすかね?」 佳織「きっと大丈夫だよ。応援しよう」 アナ『全国高校生麻雀大会長野県予選、男子個人戦決勝最終局。いよいよ始まります!』 ゆみ「ついに始まるか……」 桃子「京太郎は……お、映ったっすね」 アナ『男子個人戦、全国への切符は3枚。そのうち2枚はほぼ決まっているので、残り1枚を争う形になっています』 靖子『現在3位がいるのがこの卓か』 アナ『はい。それに同じ卓には現在6位の須賀選手もいますね』 靖子『須賀は……鶴賀の選手か』 智美「おお、京太郎の名前が出たぞ」 睦月「注目されてるんですね」 智美「全国3位ってのはどの相手だー?」 睦月「京太郎くんの下家です。上家と対面は両方共10位中盤くらいみたいです」 佳織「3位って強いんですか?」 桃子「少なくとも京太郎よりはずっと強いっすね」 ゆみ「だが最低でも下家に勝たないと全国へは行けない……厳しいな」 アナ『女子の決勝に残った高校で、男子でも決勝に残っているのは須賀選手だけのようです』 靖子『彼を褒めるべきなのか他の高校の男子が情けないと思うべきなのか……』 アナ『ちなみに風越は女子校ですし、龍門渕と清澄は共学ですがそもそも男子麻雀部がありません』 アナ『鶴賀も男子は彼1人のようですね』 靖子『……凄いことは凄いんだが、何かこう……』 アナ『男子と女子の強豪はあまり被っていないようですね』 靖子『身も蓋もないことをいうな。というかなぜそんな話を振った』 アナ『ダークホースと騒がれた鶴賀ですが、今後男女共に長野の強豪となることは出来るでしょうか?』 靖子『完全に無視か……まあ数人が強いくらいでは継続して強くなるというのは難しい。実績を残さなければ厳しいだろうな』 アナ『なるほど。6位とはいえ3位までは接戦です。全国まで行けば十分な実績と言えますね』 靖子『そうだな。厳しいことに変わりはないが、可能性はある』 アナ『そういった意味でもこの試合は注目ですね。では次の卓を見て行きましょう』 ゆみ「何だったんだこの解説……いや解説というか……なんだ?」 桃子「まあ注目されてるってことっすよ」 智美「ウチが強豪って呼ばれるなんて全然考えてなかったなー」ワハハ 佳織「全国行けたらかあ。厳しいね」 睦月「まあ強豪って言うならそのくらいは必要だよね……」 桃子「女子は私たちが行ってやるっすよ! 問題は京太郎っすね。根性見せるっすよー!」 ゆみ「……頑張れ、京太郎くん」ギュッ --------------------------------------- 京太郎(ここで稼げないと全部終わりか……やべ、緊張してきた) 京太郎(二向聴で三色も狙えるな。配牌は悪くない。まずは最初に上がって流れに乗って――) 下家「ツモ。1000・2000」 京太郎「うっ……」 京太郎(くそ、好配牌だったのに! ……落ち着け。こんなの事故みたいなもんだ。次だ次!) ………… 京太郎「ロン、3900」 京太郎(よし、この調子で……) 下家「ロン、12000」 下家「ツモ、2000・4000」 京太郎「……っ!」 --------------------------------------- 桃子「……京太郎も決して悪くない、というかむしろ絶好調なのに……!」 ゆみ「ああ、上家も対面も全く寄せ付けていない。……だが下家がそれ以上だな。打点、速さともに凄まじい」 睦月「点は稼いでるけど、3位の下家に勝てなきゃ全国へは行けない……」 智美「京太郎ももどかしいだろうなー。自分が今までにないくらい絶好調なのに、それでも上回れないなんて」 佳織「京太郎くん、勝てますか?」 ゆみ「……点差をひっくり返すためには、満貫の直撃以上で和了らなければならない」 ゆみ「今日の京太郎くんの調子は最高だ。だからきっと諦めなければ逆転手も入ってくるはずだ……!」グッ 智美「ゆみちん……」 桃子(自分に言い聞かせてるんすね……) 智美「京太郎が諦めるわけないさ。私たちは京太郎が勝つことを祈ってよう」ワハハ ゆみ「ああ、そうだな……」ギュッ --------------------------------------- 京太郎(くそっ、結局差を縮められないままオーラス……) 京太郎(頼む、逆転手が入ってくれ……っ!!) 手牌 一四四七七七⑥⑧888西西 ドラ九 京太郎(刻子が2つ、対子が2つ! 四暗刻二向聴!! これなら逆転できる!) 二巡目 一四四七七七⑥⑧888西西 ツモ西 打⑧ 京太郎(よし来た!) 下家「……」タン 対面「っ……」タン 上家「ちっ……」タン 七巡目 一四四七七七⑥888西西西 ツモ⑥ 打一 京太郎(聴牌だ! ツモれば最高、直撃でも逆転!! 4位の人がよっぽど稼いでなければ全国に行ける!) 京太郎(後は他家だけど……)チラッ 京太郎(……捨て牌を見る限り上家と対面は今のとこ大丈夫そうだ) 京太郎(下家は微妙か……まあだからって変わらない。後は早く和了るだけだ!) --------------------------------------- アナ『須賀選手、四暗刻聴牌しました! 1位へのロン和了りで逆転です!!』 藤田『まくるための最低条件は諦めないこと。和了っても和了っても追いつけない中よく耐えたよ』 アナ『このまま須賀選手は逆転できるでしょうか』 藤田『聴牌とはいえ待ちは4枚。1つは溢れそうにないから実質3枚だ』 藤田『1位の選手も好形の聴牌になりそうな形だ。このまま終わるとは思えないな』 アナ『なるほど。長い試合も最終盤。最後まで白熱した戦いが続きそうです』 ゆみ「よしっ!」グッ 桃子「きたきた、来たっすよー!!」 智美「ここであんな手が入るなんて持ってるなー」ワハハ 佳織「六筒は下家が1つ持ってますけど、四萬は生牌です!」 睦月「京太郎くん早く和了って……!」 ゆみ「くっ……なかなか引けないな」 桃子「京太郎か1位が引かないと意味ないっすからね。なかなか……あ!」 下家『……』ピクッ 手牌 455678⑥⑦⑧東東東白 ツモ5 打白 智美「下家が聴牌しちゃったかー……」 ゆみ「しかも四門張……厳しいな」 アナ『須賀選手に少し遅れましたが聴牌しましたね』 藤田『ああ。だが待ちの広さが段違いだ。先に聴牌したとはいえ須賀は苦しくなったな』 アナ『須賀選手は直撃かツモらなければならないですが、どんな形でも和了ればいいとなるとその差は大きいですね』 藤田『ここからはどちらの運が上回るかという戦いになるだろうな。もちろん追う須賀のほうが厳しいが』 アナ『果たして須賀選手は逆転全国行きを決めることが出来るのか。注目です』 佳織「だ、大丈夫ですよね?」 睦月「うむ……そう信じたいな」 智美「後は京太郎の運を信じるだけだ……って、え?」 桃子「待ちを変えた……っすか?」 下家『……』タン 手牌 4555678⑥⑦⑧東東東 ツモ五 打4 ゆみ「この待ちは……!」 アナ『四門張を捨てて五萬単騎待ち!! 藤田プロ、これはどう考えますか?』 藤田『普通に考えればありえないな。メリットはほとんどない』 アナ『ほとんどと言いますとゼロというわけではないんですね?』 藤田『ああ、捨て牌を見てみろ』 アナ『捨て牌……ですか?』 藤田『二萬と八萬が捨ててあるから五萬は両筋になる』 藤田『さらに自風の東も切っているし、どの役牌も最低1つは見えているから目眩ましになっている』 アナ『誰かが振り込むのを狙っているということですか?』 アナ『それにしても待ちが狭くなるデメリットのほうが大きいように思いますが……』 藤田『ああ、それは間違いない』 藤田『こればかりはその場にいなければわからんが、あの待ちでは和了れない、もしくは須賀に負けると思ったんだろう』 アナ『雀士の勘というやつですね。これが吉と出るか、それとも凶と出るのか!』 藤田『そういえば、この待ち方は女子団体戦で加治木が天江から直撃を取ったものとよく似ているな――』 ゆみ「……私の場合は和了るために手を進めていたら、たまたまああいう形になっただけだ。意味がまったく違う」 桃子「そうっすよね。京太郎がここからオリるなんてそもそもありえないっす」 睦月「それでもやったってことは勝算があるってことですよね?」 ゆみ「……そうだな。私にはわからないが、何らかの確信があるんだろう」 佳織「天江さんみたいな人なんですね」 智美「さすがにあそこまでじゃないと思うけどなー」 睦月「それでも自分のことを信じきるのは凄いです。私だったらあそこで四門張は捨てられない」 ゆみ「それが津山の麻雀なんだろう? 自分を貫くという意味では同じ……っ!」 桃子「……掴まされたっすね」 --------------------------------------- 十二巡目 手牌 四四七七七⑥⑥888西西西 ツモ五 京太郎(くそっ、まだ揃わないか。もう十二巡目なのにっ!) 京太郎(次だつ――)ピタッ 京太郎(……下家の捨て牌。そして今俺がツモった牌。ゆみ先輩が決勝で天江から直撃取ったときと似てるな……) 京太郎(って、待て。何考えてんだ俺。別に俺の感覚が危ないって言ってるわけでもないのに) 京太郎(そもそも、デジタルで考えてもここで引くなんてありえない) 京太郎(もう十二巡目だぞ!? ここから手を崩してまたテンパッて和了るなんて……!) 京太郎(……くそっ! 頭じゃ分かってるのにどうしても切れない!) 京太郎(……そういえばさっき考えないと怪我するとか言われたな……少し落ち着いて考えるか) 京太郎(レベルは全然違うけど、天江が咲に振り込んだときもこんな感じだったのかな。あれは間違いなく迷ってたと思う) 京太郎(そして天江は咲に負けた……あれはきっと感覚に頼ったからだ) 京太郎(俺は何をしてんだ? 感覚は大丈夫と言ってるし、デジタル的にもここで引くのはありえない) 京太郎(……なのに、ゆみ先輩の打ち筋が頭から離れない) 京太郎(天江から直撃を取った、あの打ち筋。ゆみ先輩の集大成のような綺麗な麻雀) 京太郎(この場面で突っ張るのはゆみ先輩を信じてないみたいな、そんなことになる気がする) 京太郎(……どう考えても言うこと聞かないほうがそうなのに、バカみたいなこと言ってんな)ハハッ 京太郎(それでも、俺の感覚はあくまで俺のもので、ゆみ先輩の打ち筋はゆみ先輩のものだ) 京太郎(どっちを信頼するかなんて言うまでもない) 京太郎(……俺がここまで来れたのはゆみ先輩のおかげだ。なら、最後までそれを貫こう) 京太郎(自分の感覚を捨てるより、効率を無視するより、俺はゆみ先輩の麻雀を裏切るほうがずっと嫌だ!) 京太郎(ゆみ先輩、言うこと聞かずに、これで負けたらすみません。全部俺の責任です。それでも俺は、これを切ります!)タンッ 打⑥ --------------------------------------- ゆみ「えっ……」 アナ『須賀選手、なんと四暗刻聴牌を崩して六筒切り! 絶体絶命の危機を回避したーー!!』 藤田『……驚いたな。あの状況から止めるとは』 アナ『須賀選手はなぜ止めることできたのだと思われますか?』 藤田『感覚的に当たり牌を察知したとしか思えないな』 藤田『これ以外にも効率的には間違っているが上手く回避しているという場面がいくつかあるようだし』 アナ『なるほど。須賀選手、素晴らしい打ち筋を見せました』 藤田『もっとも、厳しいようだが終わりが遠のいただけともいえる』 藤田『須賀には狙った牌をツモる才能はない。ここからまた聴牌をして直撃かツモを狙うにはのは厳しいな』 アナ『ファインプレイではありましたが結果的には聴牌から一歩引いた須賀選手。果たして全国へ行くことは出来るのか!?』 桃子「おおっ! よく避けたっす京太郎!」 智美「切っちゃダメだっていう感覚があったんだなー」ワハハ ゆみ「……違うと思う。きっとあれは京太郎くんの感覚では大丈夫な牌で、それを自分の意思で止めたんだ」 桃子「え? なんでそう思うんすか?」 ゆみ「今日の京太郎くんが明らかにおかしい打牌をするときはほぼノータイムで切っていたが、さっきのはだいぶ迷っていたからな」 智美「聴牌崩したらほとんど和了れないんだぞ? 迷わないほうがおかしいと思うけどなー」ワハハ ゆみ「……凄く、辛そうな顔をしていたからな」 ゆみ「当たり牌だという感覚があるのならあんなに辛そうな顔はしないさ。感覚に頼れといったのは私だ」 ゆみ「自分で言うのもなんだが、私は京太郎くんにそれなりに信頼されていると思う」 ゆみ「私の言ったことを守るだけならあんなに迷うことはない」 桃子「……け、結構すごいこと言ってるっすね」 智美「自分の言うことなら役満聴牌だって迷わず諦めるって言うとはなー」ワハハ ゆみ「そ、そういうつもりで言ったんじゃ……」アセアセ 睦月「言ってますよ」クスッ 佳織「でも合ってると思いますよ。きっと京太郎くんならそのくらいには加治木先輩のこと思ってます」 ゆみ「うぅ……」カアァァ 桃子「……さて、じゃあ後は京太郎がここから和了れるかどうかっすね」 智美「こればっかりはなー。京太郎にその運があるかどうかだ」 睦月「下家のほうを止めたとはいえ、自分が和了れなければどうにもならないですしね……」 佳織「そうだね……あ、下家の人が待ちを変えた!?」 桃子「むぅ、もう出ないと思ったんすね。凄まじい勘の良さっす」 ゆみ「しかも引いたのが9索か……フリテンとはいえ両面待ちだ」 桃子「厳しいっすね……」 ゆみ「……」ギュッ ………… ……… …… … 対面「聴牌」 上家「ノーテン」 京太郎「……聴牌、です」 下家「聴牌。和了り止めします」 京太郎(ああ、クソ。俺は間違ってなかった。間違ってなかったけど、それでも勝てなかった……!) 下家「……なあ、なんであそこで止められたんだ?」 京太郎「え?」 下家「俺が五萬の単騎待ちに切り替えたところだよ」 下家「なんとなくこっちのほうが和了れそうな気がしたんだけど、まさか引いたのに止められるとは思わなかった」 京太郎「……先輩がおんなじような打ち筋で天江から直撃取ってましたから。どうしても踏み込めませんでした」 下家「……それだけで役満聴牌を崩したのか?」 京太郎「あそこでそれ以上に信頼出来るものなんてありませんでしたから」 下家「ハハハッ! あーすげえなお前。勝たせてもらったけど勘弁しろよ!」 京太郎「え? ……ああ、告白のことですか」ハァ 京太郎「まぁ、自分で言ったことですからしょうがないです。悔いは山ほどありますけど」ハァァァァ 下家「え? あれ本気だったのか……気を落とすなっても無理だろうけど、秋に会えるのを楽しみにしてる」 京太郎「はい、今度は負けません!」 下家「ああ、またな」スタスタ 京太郎「はい……はぁ」 --------------------------------------- 智美「お互いに和了れなかったなー」 桃子「後一歩だったっすね……」 ゆみ「そう、だな。聴牌までは行けたのに……」ギュッ 智美「ゆみちん……」 睦月「で、でも京太郎くん凄いじゃないですか! 初めて一ヶ月で6位ですよ!」 佳織「そ、そうですよ! 入賞するなんて凄いです! だから……」 ゆみ「……京太郎くんが言ったことだからな。私から曲げさせるわけにはいかないさ」 佳織「でも!」 ゆみ「……少し早いが決勝の会場へ行ってくる」 智美「京太郎が来るの待ってからでも遅くないぞー?」 ゆみ「きっと今会いたくはないだろう」 桃子「そんなこと……」 ゆみ「……私だって今会いたくはない。だから京太郎くんもそうだよ」 一同「……」 ゆみ「私と京太郎くんの話だ。みんなはあまり気にするな……巻き込んでいるほうが言う台詞じゃないか」 ゆみ「京太郎くんに、よくやった。入賞おめでとうと伝えておいてくれ」 智美「それはゆみちんが言わないとダメだと思うなー」 ゆみ「……それもそうだな。わかった。直接言うよ」 ゆみ「それでは、先に行っている」スタスタスタ …… … 京太郎「はぁ……」バタン 桃子「ドアを開くなりため息ってどういう了見っすか」 京太郎「しょうがねえだろ……あれ、ゆみ先輩は?」 桃子「先に行ったっす。京太郎は今会いたくないだろうし、私もそうだからって」 京太郎「まあそうだよなあ」ハァ 智美「やっぱり会いたかったか?」 京太郎「ホッとしたのが半分、残念なのが半分です」 京太郎「あんなこと言って負けたのは気まずいですけど、声かけて貰いたかったなってのも少し」 佳織「全国惜しかったね……でも、入賞したのは凄いと思うよ!」 京太郎「ありがとうございます……ああ、後一歩だったのにな」ハァ 睦月「四暗刻聴牌を諦めてまで振り込まなかったのはカッコよかったよ。もう少しだったね」 睦月「……そういえばあそこで五萬を止めたのは……」 京太郎「ゆみ先輩が天江から直撃取ってたじゃないですか。あれと似てたんでどうしても切れませんでした」 一同「……」 京太郎「ど、どうかしましたか? いや自分でも滅茶苦茶なこと言ってるなとは思いますけど」 智美「いや、よくお互いのことわかってると思ってなー」 京太郎「えっ」 桃子「京太郎、ゆみ先輩のこと諦めるんじゃないっすよ」 京太郎「いや、そりゃまあ諦めるつもりはないけど、なんだいきなり」 桃子「惚気に巻き込まれそうで説明するのは嫌っすから、後でゆみ先輩と話すといいっす」 智美「それじゃ私たちも行くかー」スタスタ 桃子「はいっす!」スタスタ 京太郎「ちょっと、気になるんだけど! 睦月先輩と佳織先輩は知ってます?」 睦月「うむ、ただまあ……」 佳織「後で加治木先輩と2人で話すといいと思うよ?」 京太郎「先輩たちまで!」 佳織「もうすぐ決勝始まるね。加治木先輩たち映るかなあ」 京太郎「ん、そうですね……」 睦月「……妹尾さん、ちょっと飲み物買いに行かない?」 佳織「え?」 京太郎「あ、俺が買いに行きますよ」 睦月「ううん。京太郎くんは疲れてると思うから、京太郎くんの分も私たちが買ってくるよ。ね、妹尾さん」 佳織「……あ、そうだね。一緒に行こう」 京太郎「いやそんな……」 睦月「頑張った後輩をねぎらうのも先輩の仕事だから。京太郎くんはここで待ってて」ギィ 佳織「それじゃあ行ってくるね」バタン 京太郎「……1人にしてくれたんだよな」ハァ 京太郎「ああ、くそっ。ほんと後もう少し。少しだけ俺に運があれば……!」ドンッ アナ『いよいよ女子個人麻雀決勝が始まります!』 藤田『男子に負けず熱い戦いを期待したいな』 京太郎「始まったか……あ、ゆみ先輩」 京太郎「……勝ちたかったなあ」 睦月「京太郎くん、お待たせ。飲み物買ってきたよ」 京太郎「ありがとうございます」 佳織「みんなはどんな感じ?」 京太郎「モモとゆみ先輩は調子いいですね。モモはステルスが長く使えるのが単純に強いですし」 京太郎「ゆみ先輩は……鬼気迫るというか、凄い気迫が」 睦月「京太郎くんが後一歩届かなかったから、きっと思うところがあるんだよ」 京太郎「そう、なんですかね。俺のことなんかあんまり気にしないでやって欲しいんですけど」ハハ 佳織「京太郎くんが全力を尽くしてたの伝わったから、頑張らないわけにはいかないんだと思うよ」 京太郎「な、なんか照れくさいです」 佳織「ふふ……ところで智美ちゃんはどう?」 京太郎「……厳しそうです。なかなか上手く和了れてないですね」 佳織「そっか……やっぱり決勝はみんな強いんだね」 京太郎「そうですね。団体に出ていなかった人にも強い人がいますし」 睦月「平滝高校の南浦さんだね。お爺さんは元プロなんだよ」 京太郎「へー、英才教育とか受けてそうですね」 睦月「実際受けてるみたいだよ。スタイルも似てるみたいだし」 京太郎「そうなんですか。詳しいですね。一体どこでそんな……」 睦月「プロ麻雀カードには往年のプロシリーズもあるんだ! 今ちょうど持ってるから見せて……」 京太郎「い、いえ。大丈夫です」 睦月「そう? 若いころの大沼プロとかもあるんだけど」 佳織「あ、加治木先輩と桃子さんが同じ卓みたい」 睦月「ほんと? それは見ないと」クルッ 京太郎(佳織先輩! さすがです!!) 京太郎「……ってモモとゆみ先輩が同卓ですか!?」 佳織「うん。今始まったところみたいだよ」 アナ『ここは鶴賀の加治木選手と東横選手が同卓になりましたね』 藤田『ああ。鶴賀以外の生徒はこの卓をよく参考にしたほうがいいだろうな』 アナ『といいますと?』 藤田『東横はどうも対戦相手に自分の捨て牌を隠すことが出来るようだ』 アナ『捨て牌を隠す……ですか? 物理的にということではないですよね』 藤田『それは反則だろう……。要するに東横の対戦相手は東横の捨て牌を認識することができなくなるということだ』 アナ『そんなことが出来るんですか。対処が難しそうですね』 藤田『ああ。だからこそ普段から対局をしているだろう加治木の打ち方をよく見たほうがいい』 アナ『なるほど。東横選手への対抗策を学ぶということですね』 藤田『そういうことだ』 アナ『ちなみに藤田プロならどのような対策をされますか?』 藤田『ふむ。まあいくつか考えてはいるが、ここで喋ってしまっては不公平だからな。やめておこう』 京太郎「モモのステルスも有名になってきたのか……にしても見逃すところだった。危ない」 佳織「普段から部活で戦ってるけど、やっぱり見逃せないよね」 睦月「そうだね。いつも以上に真剣勝負って感じだし。……今のところどっちの順位が上なんだろう」 京太郎「ええと、モモのが少し上みたいですね」 佳織「ほんとだ。2人とも一桁かあ。凄いなあ」 睦月「……私も来年はこの2人みたいになれるかなあ」 京太郎「一緒に頑張りましょう。今日の俺は運が良すぎましたし」 睦月「うん。それじゃあまずはこの試合をしっかり見てようか」 京太郎「はい!」 ………… ……… …… … 京太郎「東場はゆみ先輩がリードしてましたけど、南場はやっぱりモモが強いですね」 佳織「絶対に振り込まないのはやっぱり強いんだね」 睦月「うむ。……わあ、加治木先輩あれ鳴くのかあ」 京太郎「まだ点数で勝ってるうえ三向聴で……」 京太郎「急所が残っちゃいますけど、やっぱりモモ相手だと少しでもスピードを上げるんですね」 佳織「桃子さんは普段戦ってるからっていうのもあるけど、それでも加治木先輩は対応が早くて凄いなあ」 京太郎「そうですね。あんなふうな麻雀やってみたいです」 睦月「私も。後一年であれって考えると少し大変だけど」ハァ 佳織「私は早く麻雀のルールちゃんと覚えないと……」 京太郎・睦月(ちゃんと覚えたら凄いことになりそうだなあ……) 佳織「ど、どうかした?」 京太郎「いえ。なんでもないです」フイッ 睦月「もう対局が終わりそう。これは加治木先輩の早仕掛けが成功するかな?」 佳織「反応してくれないんだ……ええと、風越の人が切りそうかな?」 京太郎「そうですね――あ、ゆみ先輩が和了りました!」 睦月「さすが加治木先輩。モモは悔しそうだね」 京太郎「部活じゃ東南戦だとゆみ先輩とモモは大体互角か」 京太郎「モモが少し成績よかったですけど、ここ一番で勝ち切るのは最上級生の意地ですかね」 佳織「そうだね。実力以上ってわけじゃないけど、いつもより負けそうにない感じがする」 京太郎「これでゆみ先輩は……今5位ですね! モモもまだ9位です!」 睦月「1位はちょっと厳しいけど、まだ接戦だし加治木先輩もモモも3位以内目指せそうだね」 佳織「2人とも頑張れー!」 ………… ……… …… … アナ『長かった全国高校生麻雀大会長野県予選もいよいよ終わりが近づいております。女子個人戦決勝最終戦、まもなく開始です!』 藤田『女子もなかなかレベルが高いな』 藤田『風越の主将の福路、インターミドルチャンプの原村は注目していたが、それに勝るとも劣らない選手も多い』 アナ『はい。福路選手はやや余裕を持って2位ですが、現在3位の原村選手は7位まで接戦。まだまだ安心は出来ません』 藤田『最終戦次第では一気にひっくり返ることもあるだろうな。……しかし1位の宮永は凄まじいな』 アナ『昨日歴代最高得点を大きく塗り替えた宮永選手ですが、決勝でもその実力を遺憾なく発揮していますね』 藤田『決勝でも記録を更新するのは確実だろうな。ただ、少し気になるところもある』 アナ『盤石に見えますが何が気になるのでしょうか』 藤田『団体戦のときと比べて和了る速度が少し遅くなっている』 藤田『それでも大抵の場合対戦相手よりは速いが、何度か速度で負けている局があるようだ』 アナ『そう言われますと確かにそうなっていますね。何が原因なんでしょう?』 藤田『カンの回数が増えていることだろうな』 アナ『カンが増えているからですか? しかし宮永選手はカンをして有効牌を持ってくることが多いように思いますが……』 藤田『それはその通りだが、カンをしようとすると最低刻子を手牌に入れなければならない』 藤田『宮永でも最初から刻子をいくつも抱えているわけではないからな。必然的に手は重くなる』 アナ『なるほど。つまり早和了りに勝機があるというわけですね』 藤田『気になるところではあるが、一概には言えないな』 藤田『速度が落ちた分、打点が大幅に上がっているから少々のリードではすぐ逆転されてしまう』 藤田『早和了りを続けられればいいが難しいだろう。何も考えないよりはマシという程度かもしれないな』 アナ『それだけでは足りないということですね。他にはどのような戦い方が考えられますか?』 藤田『カンをするということはこちらの打点も高くなりやすい。それを狙うのも一つの手だろう』 アナ『しかし宮永選手は嶺上開花で和了ってしまうのではないでしょうか』 藤田『まあ主導権を奪われるということだからな。リスクはあるが、そもそも不利な状況でどう戦うかという話だから仕方ない』 アナ『藤田プロでも宮永選手相手では不利なんですか?』 藤田『……うるさい』 京太郎「いよいよ最後ですね。ゆみ先輩は今6位か……」 睦月「でも3位との差はあんまりないね。ちょうどさっきの京太郎くんと似たような感じかな。ただ、最後の相手が……」 佳織「宮永さんが相手だね……。プロの人も不利って言う相手なんて」 京太郎「ま、まあ咲に勝たなくても点数稼げれば3位にはなれますよ! どのくらい稼げれば行けます?」 睦月「元々点数で負けてるからどのくらいっていうと難しいけど……」 睦月「原村さんはこういう状況で負ける人じゃないから、きっと1位になると思う」 睦月「そうするとオカが入っちゃうから、加治木先輩も1位にならないと厳しい……と思う」 京太郎「そうですか……」ガクッ 佳織「で、でも宮永さんも振り込まないってわけじゃないし、きっと勝てるよ!」 京太郎「けど昨日の予選では……」 睦月「……京太郎くん、これから宮永さんと戦うのは誰?」 京太郎「……? ゆみ先輩ですよね?」 睦月「そう。私たちの頼れる先輩で、麻雀始めてたったの2年であんなに強くなった人」 睦月「そんな加治木先輩が、戦うのが3度目になる相手に何も出来ないなんて思う?」 京太郎「それは……思いませんけど」 睦月「相手は宮永さんだから、私も絶対勝てるなんて言わないよ。でも京太郎くんが弱気になっちゃダメ」 睦月「加治木先輩は最後まで諦めずに京太郎くんのこと見てた。だから京太郎くんも諦めずに応援しよう?」グッ 京太郎「……ありがとうございます。そうですよね。応援してるほうが先に諦めるなんて絶対ダメですね」 京太郎「目が覚めました! ゆみ先輩が勝つって信じます!」 睦月「うん。私たちの分も頑張ってもらおう!」 --------------------------------------- ゆみ(最終戦、そして相手は宮永か。……団体戦を思い出すな。まあ再現になってしまっては困るが) ゆみ(予選ではどうにも出来なかった。今回はどうにかしないとな……あ) 咲「……」 ゆみ(私もそこそこ早かったと思うが、さすがに私より速いか) 咲「……あ」 ゆみ「よろしく。こうして君と戦うのは3度目だな」 咲「はい……」ウツムキ ゆみ(緊張しているのか? そういうところは1年生らし……私も大会は初めてだったな。大差はないか)フッ 咲「……いつから……」ボソッ ゆみ「? いつから? 麻雀のことか?」 咲「ふぇ、聞こえ……! な、なんでもないです!」 ゆみ(麻雀ではないのか。なら一体……)ハッ ゆみ(バカか私は。彼女と私の共通点なんて、麻雀を除けば1つしかないだろう) ゆみ「……もしかして京太郎くんのことだろうか?」 咲「っ! ……はい」 ゆみ「……私が京太郎くんと初めて会ったのは大体ひと月前だ。それからは部活で大体毎日会っていたが」 咲「そう、ですか。たったのひと月前……」 ゆみ(……やはり、彼女も京太郎くんを) 咲「……私、京ちゃんに昔からよく助けられてたんです」 咲「高校生になって離れてからも、麻雀をまた始めるきっかけをくれたり、相談に乗ってくれたりして」 咲「ずっとこんな関係でいるのかなって思ってました」 咲「……ううん、今でも私が今まで通りに接したら、きっと関係は変わらないんだろうなって思います」 ゆみ「……」 咲「一緒にいるときは気づかなくて、離れてもそれがなんだかわからなくて。……失くして初めて知りました」 咲「だから悪いのは私です。恨んでるとかじゃないです。だけど、これで麻雀まで負けたらあんまりだから……」 咲「……試合前に関係ない話してごめんなさい。でも、私は負けられません。原村さんと一緒に全国に行くって約束したんです」ゴッ ゆみ「……そうか」 ゆみ「だが、私も負けないよ。全国へ行けなければ引退だ。ようやく5人揃って大会に出られんだ」 ゆみ「たとえ団体で行けなくなっても、まだ夏を終わらせたくはない」 咲「……お互い、負けられないですね」 ゆみ「ああ。団体決勝と個人予選のリベンジ、果たさせてもらうぞ」 咲「絶対負けません!」 --------------------------------------- 京太郎「ゆみ先輩のところが映りました!」 睦月「うん、点数は……ちょっと差が開いてるね」 佳織「宮永さん以外の対戦相手は天竜の人と裾花の人なんだ」 京太郎「加治木先輩もちょっと削られてますけど、他の2人のほうがだいぶ点数低いですね……」 睦月「宮永さんは断トツだ。さすが……」 佳織「あ、ダイジェストが始まるみたいだよ」 アナ『宮永選手のいるこの卓。先制したのは意外にも加治木選手でした』 藤田『強引な仕掛けをしていたがそれが上手く嵌っていたな』 アナ『藤田プロのおっしゃっていた宮永選手の隙を上手く突いた形でした』 アナ『しかしその後試合をリードしたのはやはり宮永選手。嶺上開花での和了りは実に4回!』 藤田『その間に加治木も何度か和了っているが、やはり打点の差はいかんともしがたいな』 アナ『はい。宮永選手と2位加治木選手との差は約5万5千点。厳しい点差となっています』 藤田『宮永以外に和了っているのは加治木だけだったと思うが、それでもこの差か』 アナ『そうですね。天竜女学院、裾花は両者とも1万点を割っています』 藤田『どちらもけして実力がない選手ではないんだが……相手が悪かったな』 京太郎「こう改めて見ると咲凄まじいですね……」 睦月「手がつけられないってこういうことを言うのかな」アハハ… 佳織「あ、加治木先輩この局は和了れそうだよ!」 京太郎「ほんとですか! ……あ、でもこれだと」 佳織「え、どうかしたの?」 睦月「ちょっと点数が低くなりそうだね。仕方ないんだけど……」 アナ『現在は南3局。加治木選手にとってはここで点差を縮めたいところでしょうか』 藤田『宮永も加治木も南4局では子で、役満でもツモ和了りでは逆転が出来ないからな。せめて4万8千点以内にはしたいところだろう』 アナ『おっと、言っている間に加治木選手が和了りましたが……これは5200ですね』 アナ『宮永選手からではないので、依然として三倍満が直撃してもでも逆転は出来ません。勝利には役満の直撃が必須です』 藤田『少しでも稼ごうと思ったか、それとも宮永に和了られると思ったか。おそらく後者だろうな』 アナ『宮永選手がポンをしているのを見て、直撃を待つ時間はないと判断したわけですね』 藤田『ああ、宮永の場合はそこから加槓で有効牌を1つ引いてくるからな』 アナ『なるほど。加治木選手の判断が光ります。……しかし点差は依然として大きい。いよいよ南4局。決着はもうすぐです!』 --------------------------------------- ゆみ(まったく、予選のように逃げられないのがつらいな) ゆみ(さて、最後の配牌は……!!)ピクッ 手牌 14一九九①⑨東東南西白發 ツモ7 ドラ七 ゆみ(国士無双二向聴……宮永と打つときはよくよく国士に縁があるようだな) ゆみ(……さてどうするか。この状況、普通に考えれば、というより正気なら続けないという選択肢はありえないが) ゆみ(特に宮永に対して、国士無双は暗槓でも直撃を取れる。おそらくこれ以上ない配牌だろう) ゆみ(しかし……)チラッ ゆみ(宮永はカンによる有効牌の引きや嶺上開花が目立っているが、おそらくそれだけじゃない) ゆみ(池田への差し込み、最終局近くでの細かい和了り、天江に掴ませた当たり牌) ゆみ(天江と同じく配牌やツモにも影響を与えていると考えるのが妥当だろう) ゆみ(ならばこの配牌も……) ゆみ(……天江に対して普通に和了ろうとしても無駄だった。宮永に対してもそれは同じではないだろうか) ゆみ(団体戦の決勝では実際に止められている。まあ、あれは捨て牌が露骨だったが) ゆみ(なまじ天江に比べて和了れるから勘違いするが、それは宮永に届かない範囲でしかないのでは……?) 天竜「あの、すみません。そろそろ……」 ゆみ「ああ、すまない。もう少しだけ待ってくれ」 ゆみ(……いずれにせよ普通に和了りを目指しては敵わないだろう) ゆみ(京太郎くんもこんな気分だったのかな。確かにこれは辛い表情にもなる)フッ ゆみ(彼は自分を盲信するでもなく、効率を追求するでもなく、自分の打ち方を見出して貫いた) ゆみ(ならば私がすべきことも1つだ。これでは勝てない。そう考えよう) ゆみ(最善手ではないかもしれない。馬鹿げた選択かもしれない) ゆみ(けれどそれが如何に無謀に見えても、自棄になったように思えても、私は私の感じるベストを尽くす) ゆみ(それが後輩に、京太郎くんに示せる私の麻雀だ!) ゆみ「九種九牌。……流局にしてくれ」パタン 天竜「……はあ!?」 裾花「えっ、それで……?」 咲「!?」 --------------------------------------- 睦月「え!? なんで九種九牌なんて!」 佳織「1つずつ……あれってもう少しで役満だよね?」 京太郎「そうですね……国士無双です」 佳織「なんで加治木先輩は国士無双目指さなかったんだろう?」 睦月「うーん……あ、解説やるみたいだよ」 アナ『まさかの九種九牌。驚きましたがこれはどのような理由で流局にしたのでしょうか』 藤田『普通に考えればありえないな。何ひとつメリットがない』 アナ『先ほどの男子個人戦決勝で、同じ鶴賀の須賀選手も気になる打牌をしていましたが……』 藤田『それはメリットが薄いというだけでなくはないからな。これはそもそもメリットがないと言っていい』 藤田『ただ加治木は大胆なところはあっても基本的に手堅い選手だ』 藤田『博打ですらない判断だが、その場にいなければ感じられない何かがあったのかもしれないな』 アナ『須賀選手のように危険を感じた結果ということでしょうか』 藤田『そうではないだろうな。加治木のこれまでの牌譜は理に適ったものだ』 藤田『これも感覚ではなく、団体決勝でやった宮永への槍槓のように加治木なりの筋を通した結果が九種九牌なんだろう』 藤田『私には理解できないがな』 アナ『なるほど。ありがとうございました。仕切り直しの南4局。勝利の女神は誰に微笑むのか!』 睦月「話題に出てたけど京太郎くんは加治木先輩の判断はどう思う?」 京太郎「そうですね……ゆみ先輩が考えないであんなことやるわけありませんから、正しいって信じてます」 睦月「そっか……私はやっぱりあのまま続けてたほうがいいと思う。間違ってるとまで言わないけど……」 京太郎「それも正しいと思います。変える必要なんてない場面ですし」 睦月「うむ……ただ団体戦の決勝で2回もあんな形のを和了れなかったから、続けたくなかったんだろうなとは思うよ」 京太郎「そうですよね。あそこまで揃うのもめったにないのに、そこから和了れないなんて……」 佳織「え? そんなに珍しい?」 京太郎・睦月「……」 佳織「えっ、え?」 京太郎「さあ応援しましょう!」 睦月「頑張れ加治木先輩!」 佳織「うぅ。前もこんなことあったような……」 --------------------------------------- ゆみ(さて、あんなことをしてケチがついていなければいいが……)カチャッ 手牌 279一四七①⑧⑨南西北中 ドラ北 ゆみ(……自分でやったこととはいえ気が滅入るな)ハァ ゆみ(本当に団体戦の再現になってしまいそうだが、まあ弱音を吐いてはいられないか) ゆみ(その前に、天竜と裾花の2人は……) 天竜「……」ギラギラ 裾花「……」フゥ ゆみ(2人とも絶望的な点差だが諦めてはいないようだ。団体戦終盤の池田と同じような目をしている……ありがたい) ゆみ(最初のツモは……む、上手く自風の南が重なったか)タン 打2 天竜「……」タン 裾花「……っ」タン 咲「ポン!」 ポン九 ゆみ(随分仕掛けが早いな。ポンは九萬か。こんなに早いうちに仕掛けたということは……!) ゆみ(最終形は決まった。後は私にそれを和了りきる力があるかどうかだ!)タンッ 打西 咲(加治木さん、なんで九種九牌なんてしたんだろう。確かに北と九索は嶺上牌にあったけど……) 咲(ううん。もう流局したんだから、さっきのは関係ない。私は今ここで勝たなきゃ) 咲(和ちゃんのために。……それと、自分のために) 咲(京ちゃんのおかげでまた始められた麻雀だもん。京ちゃんが好きに……)ズキッ 咲(……好きになった人には負けられない!) …… … 十一巡目 咲手牌 三三三五六六七發發發 ポン九 咲(うん、揃った。嶺上牌に發と九と六があるから、後は三萬が出れば和了れる) 咲(天竜と裾花の2人は和了らないよね。後は加治木さんだけど、加治木さんも役満の直撃じゃないと和了れない) 咲(捨て牌を見る限り国士無双ではなさそう。大三元とか發が必要なのは出来ないし清老頭も多分違うよね) 咲(やっぱり四暗刻かな。単騎待ちのはずだから気をつけるのは難しいけど……) 咲(……どっちにしろカンしちゃえば問題ない! それで勝てるんだ!)タン 天竜「……」タン ゆみ「っ! 立直!」タンッ 咲(え、立直? 立直すれば届くってことかな。清一色とか……?) 咲(まあ私が萬子を揃えてるから、清一色でも萬子じゃないはず。三萬さえ出れば……!) …… … 天竜「うー」タン 咲(来たっ! 三萬!) 咲「カン!」 カン三 嶺上ツモ發 新ドラ3 ゆみ「っ!」 咲「もいっこカン」 カン發 嶺上ツモ九 新ドラ⑤ 咲(これで……!) 咲「もいっこカン!!」 カン九 嶺―― ゆみ「ロン!」 咲「……え?」 ゆみ「ロンだ。……上手くいってよかった」ホッ 咲「そ、そんな! 槍槓じゃ足りるはずが……」 ゆみ「そうだな。このままでは足りないよ」パタッ 手牌 789七八⑦⑧⑨南南南北北 ロン九 ゆみ「立直、槍槓、三色同順、場風、自風、混全帯?九、ドラ2。10翻だ」 咲「じゃあなんで……!」ハッ 咲「まさか裏ドラ狙いで……?」 ゆみ「カンで出てくれると心臓に良かったんだが……まあどちらでも同じか」 咲「そんな無謀なことするより初めから役満狙ったほうが……」 ゆみ「普通の相手ならそうしたが、なにぶん相手は宮永咲だからな」 咲「私は別に――」 ゆみ「……すまない、そろそろめくらせてもらうぞ」 咲「……」 ゆみ(私が乗り越えなければならないハードルは3つあった) ゆみ(1つは九萬を引かないこと。2つ目は宮永が和了るより先に聴牌すること) ゆみ(宮永がカンをするのは分かっていたから、これでほぼ確実に宮永から和了ることが出来る) ゆみ(……そしてこれが3つ目。カンドラ、もしくは裏ドラで3翻を得ること) ゆみ(幸い九萬の加槓は3回目のカンだった。おかげで3枚裏ドラをめくれる)ドキドキ ゆみ(ここまで分の悪い賭けに勝ってきたんだ。最後も頼むぞ……!)ドキドキ ゆみ「……っ」 裏ドラ② ゆみ(次は……!) 裏ドラ中 ゆみ(数牌3つや数牌と北と組み合わせは色々あるが……まさか5つドラがあるのに1つも出ないとは)フゥ ゆみ(後は東をめくるしかない。幸い東はまだ1枚も見えていない。頼む……!)ドキドキドキドキ 咲「……」ギュッ ゆみ「――」スーッ 裏ドラ南 『数え役満ーーーーー! 加治木選手の逆転で決着!!!』 ゆみ「――――よしっ!!」グッ 咲「……あ」 天竜「……はぁ、まったく良い物見せてもらったわ」テクテク 裾花「……信じられない」テクテク ゆみ「……まあ、私も二度とやりたくはないな」 咲「そっか。負けちゃったんだ。……絶対負けたくなかったのに」 ゆみ「まあまだ原村を上回ったわけでは……いや、上回っていなければ困るんだが」 咲「……負けられなかったのは和ちゃんのためでした。でも、負けたくないのは私のためです」 ゆみ「……そうか」 咲「その、加治木さんが全国へ行ったら……あ、えっと、行けなくても、もう一度打ってもらえますか?」 ゆみ「……もちろん。負け越しているのは私の方だからな。まあ、全国で戦えることを望んでいるが」 咲「ありがとうございます! ……それと、1つだけ聞いていいですか?」 ゆみ「答えられることなら」 咲「……先週の京ちゃんの告白。京ちゃんは全国に行けなかったですけど……」 ゆみ「……京太郎くんの言ったとおりだよ。彼は全国へ行けなかった。だから返事はしない」 咲「そう、ですか。……ごめんなさい。もう1つだけ聞かせてください。加治木さんは――」 --------------------------------------- アナ『裏ドラが乗って数え役満! 加治木選手、見事宮永選手から役満を和了りました!!』 アナ『これで加治木選手は逆転。宮永選手を抜きトップとなりました』 アナ『早和了りやドラが増えるところを狙うなど、試合前に藤田プロが言っていた点を突いての勝利でしたね』 藤田『まあ特別な作戦というわけではないからな。誰しも考えるが実践は難しいという類いのものだ』 アナ『そうですか。まくりの女王と呼ばれる藤田プロから見てこの逆転劇はどうでしたか?』 藤田『カンでドラが増えるとはいえ、九萬が最初にカンされるかもしれない。最後のカンでもドラが出るかはわからない』 藤田『しかし実力が上の選手に勝つには無茶も必要だ』 藤田『結局は勝つと信じ切れなければまくることは出来ない。泥臭いがいいまくりだった』 アナ『加治木選手、素晴らしい逆転劇でした。……あ、どうやら全ての卓で試合が終わったようです』 アナ『最終結果が発表されます……1位は宮永選手、2位福路選手。そして3位は……』 アナ『……加治木選手です!加治木選手、僅差で原村選手を逆転!』 アナ『総合順位でもまくりを決め、全国行きの切符を手にしました!!』 藤田『原村も最終局は1位か。2人とも見事だな』 アナ『数々のドラマがあった女子麻雀個人戦決勝、ハイライトで振り返りたいと思います――』 京太郎「すっげえ……」 睦月「あれで逆転するなんて、しかも宮永さんに」 佳織「私もあんなにドラが乗ったことはないなあ。凄いや」 京太郎「シビレました。もう鳥肌が立っちゃいましたよ」 桃子「鳥肌が立つって言葉にいい意味はないんすよ」 京太郎「しょうがねえだろ実際立ったんだから……ってモモ、いつの間に」 桃子「いつの間にって……私の体質だからしょうがないじゃないっすか……」 京太郎「そういう意味じゃねえよ!?」 桃子「冗談っす。ついさっきっすよ。……にしても凄いっすね。考えてもやらないっすよあんなこと。まして和了りきるなんて」 智美「まあウチの部で一番無茶するのはゆみちんだからなー」 智美「たまに冷静さをどこかに置いてっちゃうんだ。そこがいいところなんだけどな」ワハハ 京太郎「そういえば俺たちが入ったのもそれででしたね」 智美「私も今来たところだけど、私には何も言わないんだなー」 桃子「やっぱり私が見えないから……」 京太郎「2度目はもういいでしょ!?」 智美「緊張をほぐすために重ねてみたぞー」ワハハ 京太郎「はい? 今さら何に緊張を……」 智美「ゆみちんのとこ行くんだろー?」 京太郎「えっ……」 桃子「いやまあ、ここで私たちに見られながら振られるのがお好みっていうならそれはそれでいいっすよ」 京太郎「嫌だよ! というか振られるわけじゃねえ! ……でもそうですよね。俺は行かないと」 睦月「うむ、加治木先輩も真っ先に京太郎くんに会いたいと思うよ」 佳織「頑張って!」 京太郎「まあ返事は貰えないんですけどね……」ハハ… 京太郎「それじゃ一足先に全国大会出場を祝ってきます!」タッタッタ 智美「頑張るんだぞー」ワハハ --------------------------------------- ゆみ「……あ、京太郎くん」ドキッ 京太郎「ゆみせんぱーい!」タッタッタ ゆみ「こ、こら。ただでさえ注目されているんだからあまり大声を出すな」 京太郎「す、すみません、早く伝えたくて。全国大会出場、おめでとうございます!」 ゆみ「――! そうか、私は原村に勝てたのか……」 京太郎「はい! 槍槓からの数え役満凄かったです! 俺じゃとても出来ないですよ」 ゆみ「私も2度やろうとは思わないな」フフッ ゆみ「……これで麻雀部のみんなで過ごせる時間が長くなった」 京太郎「そうですね。全国大会が終わるまでは一緒にいられます」 ゆみ「ああ……君と同じ部に、長くいられる」 京太郎「……」 ゆみ「……」 京太郎「……」 ゆみ「……京太郎くん」 京太郎「はい」 ゆみ「よく頑張った。入賞おめでとう」 ゆみ「ずっと見ていたよ。君の先輩として、君に麻雀を教えた1人として、君のことを誇りに思う」 京太郎「ありがとうございます」 ゆみ「こう言っては何だが実力以上の力を出していたと思う。ただ、本番でそういうことが出来るのも才能だと私は思う」 京太郎「いつもこのくらい出さればいいんですけどね」ハハハ ゆみ「まったくだな」フフッ ゆみ「……だが、それでも全国には届かなかった」 京太郎「……はい」 ゆみ「君が言った条件だから、私が勝手に破るのはよくないと私は思う」 京太郎「……俺からもやっぱりなしでとは言いません。一度言ったことですから」 ゆみ「そうか……それなら私も返事はしない」 京太郎「……はい」 ゆみ「だから、ここからは私の話だ」 京太郎「はい?」 ゆみ「」スゥーッ ゆみ「私は君が欲しい!」 京太郎「!?」 --------------------------------------- 咲『加治木さんはこれからどうするんですか?』 ゆみ『どうとは……』ドキッ 咲『えと、京ちゃんに会ったら何をするんですか?』 ゆみ『……やっぱりわかるものなのか』 咲『それはまあ。同じ人を好きになったんですから』 ゆみ『そんなものか……まあ君にならいいか』 ゆみ『告白するよ。返事はしないと言ったが、告白しないとは言っていないからな』 咲『凄い屁理屈』クスクス ゆみ『京太郎くんが勘違いしているのが悪い。返事をしないというのがどういう意味だと思っているんだろうな』 咲『同感です。基本的に気配りしてくれて優しいんですけど、たまに抜けてるんですよね』フフッ ゆみ『まあ彼も私から言ったら意地を張ったりはしないだろう』 咲『そうですね。……すみません。最後にあと1つだけいいですか?』 ゆみ『……意外とグイグイ来るな。まあ構わないが』 咲『ごめんなさい。どうしても聞きたかったんです』 咲『……加治木さんが全国へ行けなかったら、どうしてましたか?』 ゆみ『……変わらないよ。たとえ全国へ行けなくても、私は私から告白していた』 咲『……そうですか。ありがとうございました。おかげで最後勝ってれば、なんて悔いは残らなかったです』 ゆみ『……そうか』 ゆみ『さて、それでは私はそろそろ控室へ戻るよ』 咲『はい。今日はありがとうございました。今度は負けません!』 ゆみ『それは私の台詞でもある。それじゃまた。次やるときもいい試合にしよう』スタスタ 咲『楽しみにしてます! ……』 咲『……』グスッ --------------------------------------- 京太郎「え。え、えっ?」 ゆみ「……思った以上に恥ずかしいなこれは。前と違ってなまじ理性が残っている分つらい」カアァァ 京太郎「い、今なんて……」 ゆみ「君がこの前言ったのと同じだ。もちろん意味も」 京太郎「で、でも俺勝てませんでしたし」 ゆみ「だからこれは返事じゃない。私からの告白だ」 京太郎「けど俺、情けない姿しか見せられなくて……」 ゆみ「もし、それが君の麻雀のことだとしたら、私は本気で怒るぞ」 京太郎「……ゆみ先輩はそう言ってくれても、ゆみ先輩と比べると俺は……」 ゆみ「……」ハァ ゆみ「なあ、京太郎くん」ズイッ 京太郎「は、はい」ドキッ ゆみ「告白の返事をしないでいいというのはどういうつもりで言ったんだ?」 京太郎「どうってあのときは……」 ゆみ「いやまあ焦っていたのはわかるが……きっと一種の罰みたいなものと考えていたんだろう」 京太郎「罰っていうと大げさですけど、まあ勝てないようなら返事貰う資格なんかないっていうハードル的な……」 ゆみ「分かってはいたが、やっぱりそういうつもりか……」ハァ 京太郎「ゆみ先輩?」 ゆみ「あのな、京太郎くん。告白の返事をしなくていいというのは、私と君が付き合えないということだ」 京太郎「そりゃまあ、俺はゆみ先輩と付き合えないという意味で言って――」 ゆみ「君がじゃない。私と、君がだ」 京太郎「……え? い、いやでもそれ」 ゆみ「私の気持ち、知らなかったとは言わせないぞ」ポスッ 京太郎「……」 ゆみ「京太郎くんは1年生だからわからないと思うが、3年生になると残りの高校生活の短さを実感するんだ」 ゆみ「全国へ行けるのは早くても半年近く経ってから」 ゆみ「近くにいるのにそんなに長い間君とこれ以上親しくなれないなんて、私は耐えられない」 京太郎「ゆみ先輩……」ドキッ 京太郎「俺だってそんなの嫌ですよ!」 ゆみ「……そうか。それなら、返事をしてくれ」ドキドキ ゆみ「一応言っておくが、これは私が私のためにした告白だからな」 京太郎「はい。……ゆみ先輩、俺も、あなたのことが大好きです!! こんな俺でよければ、よろしくお願いします!」 ゆみ「京太郎くん……ありがとう。嬉しい」ポロ 京太郎「俺のほうこそですよ……ってゆ、ゆみ先輩? 涙が……」 ゆみ「え?」ポロポロ ゆみ「あ、あれ。気を張っていた反動か……ヒクッ 安心したら止まらないな……エグッ」 京太郎「……ゆみ先輩、落ち着くまでこうしててください」ギュッ ゆみ「わっ……ありがとう、少し……ヒクッ 胸を借りる」ポスッ …… … ゆみ「……今日は、朝から緊張していたんだ」 京太郎「今日で引退かどうか決まっちゃいますから、そりゃしますよ」 ゆみ「いやそうじゃなく。君がもし全国へ行けなかったら告白しようと決めていたんだ」 京太郎「……ああ、そういえば朝、最後なのとは別に緊張してるとか言ってましたね」 ゆみ「ああ。……君に告白することは決めていたが、断られたらどうしようって頭の中をグルグル回っていたんだ」 京太郎「俺だってゆみ先輩に告白したじゃないですか」 ゆみ「告白されたからって断られる可能性は0じゃない。君が俺はまだ勝ててないからなどというかもしれないしな」 京太郎「うっ……」 ゆみ「……まさか本当に言うつもりだったのか」 京太郎「い、いえ。ただその、頭をよぎらなかったといえば嘘になるかなーと……」アハハ ゆみ「笑い事じゃない。まったく……」 ゆみ「まあ、これで緊張するのもわかっただろう。OKされて一気に緊張が解けたんだ」 ゆみ「……本当に嬉しかった。ありがとう、京太郎くん」 京太郎「俺のほうこそ、というかほんとは俺からちゃんと言いたかったんですが」 ゆみ「君がバカな条件なんてつけるからだ」ムゥ 京太郎「あはは……ゆみ先輩。涙、もう大丈夫ですか」 ゆみ「ああ、ようやく収まってきた。これで君の顔を見れるよ……京太郎」 京太郎「っ!」ドキッ 京太郎「ゆみ……さん」 ゆみ「さん?」 京太郎「今すぐはちょっと……」 ゆみ「私は呼び捨てのほうが嬉しいんだがな」 京太郎「すみません、俺の問題です」 ゆみ「そうか……まあ追々直してくれ」 ゆみ「……京太郎。もう一度呼んで貰っていいか?」 京太郎「ゆみさん……」ジッ ゆみ「京太郎……」ジッ 京太郎「……」 ゆみ「……ん」メツブリ 京太郎「! ……」ソーッ ゆみ「……」ドキドキ 京太郎「……」ドキドキ 京太郎「――」スーッ 桃子「はいそこまでっすよー」 京太郎「うおぉっ!!??」バッ ゆみ「も、モモ!?」バッ 桃子「お楽しみのところ悪いっすけど電車の時間が迫ってるから帰るっす」 京太郎「お、お前ステルス悪用するなよ! 全然気づかなかったぞ!」 桃子「今回ばかりはステルス関係ないっすよ」チラッ 京太郎・ゆみ「え?」 智美「ワハハー」 睦月「えっと……」 佳織「あはは……」 京太郎「い、いつの間に……!」ガタタッ 智美「入賞おめでとうの辺りかなー」ワハハ ゆみ「ほぼ初めからじゃないか!!」 桃子「少し離れてただけなのに気づかないのが悪いっす」 睦月「ちなみに他校の人も周りに結構いましたよ。先輩が泣いた辺りから辛くなったのかいなくなりましたけど」 智美「私達も置いて帰ってやろうかと思ったなー」ワハハ ゆみ「うぁ……」バタバタ 京太郎「ぐおぉ……」バタバタ 佳織「でもなんにせよよかったです。おめでとうございます!」 桃子「そうっすね。ゆみ先輩には上手く騙されたっすけど」 ゆみ「……あれだけ答えないと言っていれば、気を使って来ないだろうと思って誤魔化してたんだがな。私が甘かったよ」ハァ 智美「あれだけ人前でイチャついておいて隠そうだなんて甘いぞー」ワハハ 京太郎「イチャついてなんかいませんて!」 桃子「……動画でも録っておけばよかったっすかね」 睦月「それはさすがに……」 佳織「で、でも効果はありそうだよ!」 京太郎「佳織先輩!? モモのフォローのつもりですかそれは!」 佳織「えと、半分はそうかな」 ゆみ「待て、残りの半分はなんなんだ」 智美「そんなのわかりきってるだろー。それよりほら、いい加減時間がないぞ」 京太郎「お願いですからしっかり反論できる時間を……!」 ゆみ「……まあ時間がないのは確かみたいだし、残りは帰りの電車の中ででも話そう」 桃子「私たちを先に帰らせて、2人は残って楽しんできてもいいんすよ?」 京太郎・ゆみ「するか!」 佳織「え? 意が……あ。それじゃあ私たちは玄関で待ってますね」 ゆみ「何か言いかけたのが気になるが……もういいか」ハァ 京太郎「あはは……それじゃ荷物取ってきますね。行きましょうゆみさん」 ゆみ「ああ、京太郎」フフッ 京太郎「……」キョロキョロ ゆみ「どうかしたのか?」 京太郎「いえ、ちょっと周りの確認を……よし」 ゆみ「?」 京太郎「」ギュッ ゆみ「きょ、京太郎!? て、手を……!」アワアワ 京太郎「その、周りに誰もいないみたいなんで……ダメですか?」 ゆみ「ダ、ダメじゃない! た、ただ驚いただけだ!」ワタワタ 京太郎「ありがとうございます!」ギュッ ゆみ「……」テクテク 京太郎「……」テクテク ゆみ「……」テクテク 京太郎「……な、なんか緊張しますね」アハハ ゆみ「あ、ああ。もっと見られて恥ずかしいことはやっているのにな」 京太郎「なんでこんな気分になるんですかね?」 ゆみ「……きっと恋人らしい行為だからだろうな」 京太郎「な、なるほど……」カアァァ ゆみ「……京太郎」 京太郎「はい」 ゆみ「全国大会が終わって私が引退しても、出来るだけ一緒にいような」 京太郎「はい。学校であんまり会えないのが寂しいですけど」 ゆみ「……部室で勉強するのはありだろうか」 京太郎「嬉しいですけど、集中できますか?」 ゆみ「集中力はある方だと思うが……」チラッ 京太郎「?」 ゆみ「……君に見惚れるかもしれないな」ボソッ 京太郎「~~~!!」カアァァ 京太郎(やべえ、抱きしめたい!) ゆみ「コホン……京太郎、大好きだよ。これからもよろしく」ギュッ 京太郎「ゆみさん、俺も大好きです。よろしくお願いします」ギュッ 京太郎「……そういえばなんで俺は先週怒られたんですか?」 ゆみ「先週? ……君が大声で叫んだときか?」 京太郎「せめて告白と言ってもらえると……いやまあそうなんですけど」 京太郎「さっきゆみせんぱ……ゆみさんも同じ告白したじゃないですか!」 ゆみ「なんだそんなことか」 京太郎「そんなことって……」 ゆみ「私が言おうとしていた台詞を京太郎に言われたんだ。あのくらい言わせろ」プイッ 京太郎「……え? ゆみさんも告白しようって思ってたんですか。しかも同じ台詞で……」 ゆみ「……京太郎が私を好きな気持ちと同じかそれ以上に、私は君のことが好きだよ」 ゆみ「それに私が君に告白するならあの台詞しかないと思った。理由は君と同じだ」 京太郎「」ポカーン ゆみ「……どうした?」 京太郎「ああいえ、今めちゃくちゃ嬉しいんです。もうなんか、顔が緩まないようにするのが大変なくらい」ニヤニヤ ゆみ「十分緩んでるぞ」 京太郎「ヤバイ、すっげえ嬉しいです。ゆみさんと同じこと考えてるってだけでこんなに嬉しいんですね……!」ニヤニヤ ゆみ「私も嬉しいが、京太郎は少し緩みすぎだ」ニコニコ 京太郎「ゆみさんも口元ニヤついてますよ」クスッ ゆみ「なっ!」ワタワタ 京太郎「ほら、急ぎましょう。電車遅れちゃいますよ」 ゆみ「お、おい。言いっぱなしにするな!」 ゆみ(……同じことを考えている、か) ゆみ(こんなことでドキドキしてしまうなんて、本当、私もどうしようもないな)ドキドキ ……… …… … ゆみ「京太郎だけか?」ガラッ 京太郎「はい。先輩たちもモモもまだ来てないですよ」 ゆみ「ふむ。まあちょうどいいか」 京太郎「何かあったんですか?」 ゆみ「ああ。推薦が決まったんだ。早く君に伝えたかった」 京太郎「ほんとですか! おめでとうございます!」 ゆみ「ありがとう、京太郎。これで大学も自宅から通えるよ」 京太郎「はい。……卒業してからも一緒にいられますね」 ゆみ「うん、素直に嬉しいよ」フフッ 京太郎「俺も嬉しいです! にしてもやっぱり不安がることなんてなかったじゃないですかー」 ゆみ「君もこの立場になってみればわかる。第一、私の実績なんて大したものではないからな」 京太郎「全国大会で決勝リーグまで行ったじゃないですか。十分凄いですって」 ゆみ「行ったからこそわかる実力の差というのもあったよ。順位もよくなかったしな」 京太郎「でも少なくとも全国で2桁以内の実力じゃないですか」 ゆみ「それはまあ、うん」 京太郎「じゃあ自信持ちましょう! プロ目指すんですから、謙遜しすぎるのもよくないですよ」 ゆみ「……そうだな。私のことを評価してくれたわけだし」 京太郎「そうですよ。それに推薦が出た大学って藤田プロが推薦してくれたとこでしたよね?」 ゆみ「ああ。合宿で少し話したときに、ちゃんとした指導は受けたことがないと言ったら藤田プロの出身校を紹介してくれたんだ」 ゆみ「まあほんとに紹介だけだったんだがな」 京太郎「自分の力で受かれってことですか。藤田プロらしいですね」 ゆみ「そうだな。プロを目指すならこのくらい他人に頼るなということなんだろう」 京太郎「……プロ目指したのって、やっぱり藤田プロに大学紹介されたからなんですか? 聞いたのは全国終わってからでしたけど」 ゆみ「いや、全国大会が終わってからだよ」 京太郎「そうなんですか? 差を感じたって言ってたような……?」 ゆみ「だからこそかな。悔しかったんだ。特に宮永には一度手が届いた分なおさらな」 京太郎「全国大会の咲凄かったですね。特に最後の照さんをまくったところ、長野の決勝のゆみさんみたいでしたよ」 ゆみ「総合順位で上回ったというところが私と違うがな」フフッ 京太郎「仕方ないですよ。逆転できる点差じゃなかったですし」 ゆみ「わかってる……少し話がそれたな。その宮永や宮永照のような圧倒的に格上の相手に負けて悔しいと思ったんだ」 京太郎「? そりゃ悔しいですよ。俺だってアカギさんや隗さんに負けたときも、当然ってわかってても悔しかったです」 ゆみ「それが君のいいところなんだろうな」 ゆみ「私は団体戦で負けたときも、悔しいというよりは寂しいと感じてたよ」 ゆみ「だからこそ、悔しいと感じたことは自分でも意外だった。勝てるなんて思っていなかったはずなんだがな」 京太郎「……麻雀をするとき、心の底から勝てないと思ってする人なんていませんよ」 京太郎「一度勝てたからそれが表に出ただけです。きっと」 ゆみ「……そうだな。まあ、だから全国大会のあとこのままじゃ終われないと思ってプロを目指そうと思ったんだ」 ゆみ「大体だな……そんな大事なこと、決めたらすぐ君に話すに決まっているだろう」 京太郎「」 ゆみ「ど、どうかしたか?」 京太郎「いえ、愛されてるなあと」ジーン ゆみ「あ、愛っ!? へ、変なことを言うな!」カアァァ 京太郎「……俺は愛して貰えてなかったんですね」ガクッ ゆみ「誰もそんなこと言ってないだろう!」 京太郎「冗談ですよ」アハハ ゆみ「まったく。……そんなこと冗談でもあまり言って欲しくはないな」 京太郎「う、反省します」 ゆみ「ああ。ちゃんと反省してくれ」 京太郎「でもゆみさんがプロ目指してくれてよかったです」 ゆみ「うん? 受験するにせよ麻雀をやめるつもりはなかったが」 京太郎「それはそうですけど……」 ゆみ「けど?」 京太郎「俺はゆみさんの、技術と対応力で相手を倒す麻雀が大好きなんです」 京太郎「牌に愛された子みたいな特別な力がなくても、麻雀を愛してれば対抗出来るんだなって思えて……」 京太郎「これからも全力で打ち込んでるところを見ていたかったんです。……まあ、俺の勝手な押し付けですけど」 ゆみ「……君は恥ずかしいことを平気でいうな」カアァァ 京太郎「ゆみさんが言いますかそれ」 ゆみ「まるで私が恥ずかしいことを言っているみたいな言い方じゃないか」 京太郎「言ってないとは言わせませんよ!?」 ゆみ「……まあいい」プイッ 京太郎(自覚ないわけじゃないんだな) ゆみ「京太郎にそこまで言われたら私も頑張らないわけにはいかないな。だからその……」 ゆみ「わ、私をその気にさせたのは京太郎だ。だから、責任をとってちゃんと最後まで一緒にいてくれなきゃ嫌だぞ」カアァァ 京太郎「……当たり前じゃないですか。俺こそ一緒にいさせてください」 ゆみ「京太郎……」 京太郎「……」 ゆみ「……」メツブリ 京太郎「……」ソーッ ゆみ「ん……」ドキドキ 京太郎「――」スーッ ゆみ「……んっ」チュッ 京太郎「……な、なんか恥ずかしいですね」カアァァ ゆみ「そ、そうだな」カアァァ ゆみ「……でも、嬉しい。ようやく君と出来た」 京太郎「モモとかに邪魔されてなかなか出来ませんでしたもんね。……」ジーッ ゆみ「? ……っ! あ、あまり唇を見つめるな。恥ずかしいだろう」バッ 京太郎「す、すみません! つい……」 ゆみ「……実は、さっきは嬉しさでいっぱいでな。あまり感触がわからなかったんだ」 京太郎「! お、俺もです」 ゆみ「だからな、その……」チラッ 京太郎「……目、閉じてください」 ゆみ「……うん」スッ 京太郎「――」ドキドキ ゆみ「――」ドキドキ 睦月「……」ドキドキ 佳織「……」ドキドキ 桃子「……」ニヤニヤ 京太郎「……え?」 ゆみ「どうかし――っ」 桃子「こんにちはっすー!」ニヤニヤ 京太郎「っ!」ガタタッ ゆみ「っ!」ガタタッ 睦月「あ、ご、ごめんなさい。気にしないでください!」 佳織「ど、どうぞ続けてください!」 ゆみ「続けられるか! いつからいたんだ!?」 桃子「最初はドアの窓から隠れて見てたっすから、どこからかはわからないっす。まあキスする前っすね」 京太郎「隠れるなよ! というか見るなよ!」 睦月「うむ。それはもっともだけど、今まで何度も邪魔しちゃったから今回は見守ろうと思って……」 京太郎「見る必要あります!? 気を使って見るのもやめてくださいよ!」 睦月「そこはまあ……好奇心?」 京太郎「素直ですね畜生!」 桃子「でもキス終わってからドア開けて入ったのに、気づかれなかったのは予想外だったっす」 ゆみ「え?」 桃子「だからキスした後冷やかそうと思ってドア開けたのに、気づかなかったじゃないっすか。おかげでいいもの見れたっすけど」 佳織「集中してましたよね。2人だけの世界って感じでした」 ゆみ「……うぅ」ガクッ 京太郎「ゆみさん!? しっかりしてください!」 ゆみ「どこかに消え入りたい気分だ……」 京太郎「俺がついてますから。恥をかくときは2人一緒ですよ!」 ゆみ「京太郎……」ジーッ 京太郎「ゆみさん……」ジーッ 桃子「そこのバカップルはほんと懲りないっすねー」 ゆみ「ひゃっ!」バッ 京太郎「うおっ!?」バッ 睦月「邪魔して悪いけど、そろそろ部活始めよう?」 京太郎「い、いえ。全然悪くないです! むしろ歓迎です!」 佳織「三麻やっててもいいけど……」 京太郎「大丈夫ですから!」 睦月「加治木先輩はどうされます? 久しぶりに打ちますか?」 ゆみ「いや、邪魔になっては悪いから。ここでおとなしくしているよ」 睦月「わかりました……じゃあ皆、始めよう」 一同「はい!」 …… … 智美「遊びに来たぞー」ガラッ 京太郎「あ、ぶちょ……智美先輩」タン 智美「そろそろ慣れようなー。部長はむっきーだぞ」 睦月「ちゃんと私のことも部長って呼んでくれてますよ。智美先輩は1日ぶりですね」タン 智美「昨日は来れなかったからなー。毎日来たいんだけ……」 ゆみ「お前、そんなに来ているのか」 智美「ゆ、ゆみちん!? め、珍しいじゃないか」ワハハ ゆみ「今日は推薦が決まったからその報告にな」 智美「おお、決まったのかー! ゆみちんおめでとう!」 ゆみ「ありがとう。後は蒲原だな。さあ勉強をするぞ」 智美「ちょ、ちょっとくらい息抜きも」 ゆみ「来たばかりで息抜きも何もないだろう。早くノートを出せ」 智美「ワハハ……」 智美「ゆみちん、ここ教え――」 ゆみ「……」ジーッ 京太郎「……」タン 智美「……ゆみちん?」 ゆみ「はっ! どうした?」ワタワタ 智美「京太郎と何かあったのかー?」 ゆみ「な!? な、なにもないぞ」 智美「ゆみちんはいつも京太郎のこと見てるけど、今日はいつもより見てる時間が長いからなー」ワハハ ゆみ「うっ、無意識にそんな……」 智美「それで何したんだー?」ワハハ ゆみ「……キスした」ボソッ 智美「ワハッ!?」 ゆみ「な、なんだ。悪いか!」 智美「いやーちょっと驚いたぞー。そうかついにかー」ワハハ ゆみ「誰のせいだ誰の」 智美「確かに何度か邪魔したけど悪気はなかったんだぞ?」 ゆみ「信じられるか」 智美「まあまあ。それで1度目は告白のときで、2度目は全国大会だったかー?」 ゆみ「その次は公園。その後は学校でだったな。……4回だぞ!」 智美「不幸な偶然だなー」ワハハ ゆみ「どれだけ気まずくなったことか……」 智美「まあ遅くなったけど出来てよかったじゃないか」 ゆみ「……あ、ああ」カアァァ 智美「ちなみにモモたちは知ってるのかー?」 ゆみ「……まあ、見られたしな」プイッ 智美「そうなのかー」ワハハ 智美(後で様子を聞いておこう)ワハハ 睦月「お疲れさま。今日はこれで終わりにしよう」 京太郎「お疲れさまでした! くそー全然勝てなかった」 桃子「あんなとこ見せられたら麻雀で勝たせるわけには行かないっすよね」 京太郎「ちくしょう、いいとこ見せたかったのになあ」 ゆみ「大丈夫。結果には出ていなかったけどよくなってるよ」 京太郎「ありがとうございます!」 智美「むっきーも部長が板についてきたなー」 睦月「いえ、まだまだ先輩たちのようには」ハァ 智美「まあ私にはゆみちんがいたからなー」ワハハ 智美「そうだ。推薦も決まったんだし、ゆみちんも手伝ってあげたらどうだ? 自分の練習も必要だろー?」 ゆみ「いや、引退した私がいては津山もみんなもやりづらいだろう」 睦月「そんなことないですよ。まだまだ教わりたいこともありますし、加治木先輩の練習の手伝いもさせてください」 ゆみ「しかし……」 佳織「えっと、加治木先輩は今も京太郎くんに教えてるんですよね?」 ゆみ「……それは、うん」チラッ 京太郎「ゆみさんも忙しいからずっとってわけじゃないですけど」 佳織「それなら私たちにも教えてくれると嬉しいです」エヘヘ ゆみ「……わかった。それならもう少しお世話になるよ」 桃子「決まりっすね!」 智美「それじゃあ私もお世話になろうかなー」ワハハ ゆみ「……蒲原の勉強を見ながらになるが、よろしく」 一同「よろしくお願いします!」 蒲原「ワハッ!?」 ………… ……… …… … ゆみ「じゃあまた明日」 京太郎「お疲れさまでしたー」 一同「さよならー」 ゆみ「さて、私たちも帰ろうか」 京太郎「はい」 ゆみ「……今日は家まで送ってもらっていいか?」 京太郎「もちろんです! というか毎日送るって言ってるじゃないですか」 ゆみ「君が大変だろう」 京太郎「そんなことないって言ってるのに……」 ゆみ「私の家がもう少し近ければ別なんだが……京太郎に無理をさせたくないという私の気持ちもわかってくれ」 京太郎「それは嬉しいですけど」 ゆみ「まあいいじゃないか。週に1回くらいは君に送ってもらってるんだから」 京太郎「……そうですね。それじゃたまにしか一緒に帰れない分、頑張って送りますよ!」 ゆみ「ああ……いや、ゆっくりでもいいぞ」 京太郎「……はい、じゃあゆっくりめで」 …… … ゆみ「――それは君らしいじゃないか」フフッ 京太郎「そんなことないですって」ムゥ 京太郎「……そういえば今日はなんで送らせてくれたんですか?」 ゆみ「うん?」 京太郎「今週は一度送ったじゃないですか。だから珍しいなって。いや嬉しいですけど」 ゆみ「ああ、なるほど。それは……その、今日君と、しただろう?」カアァァ 京太郎「? ……っ! は、はい」カアァァ ゆみ「あ、あのときはすぐモモたちが来ただろう? だからその、余韻というか、君と2人の時間が欲しかったというか……」 ゆみ「と、ともかく! だから君に送って貰いたいと思ったんだ」 京太郎「は、はい! その……俺も一緒にいたかったです」 ゆみ「そうか……嬉しい」ギュッ 京太郎「!」ドキッ ゆみ「……久々にこの状態でドキドキさせられたかな」フフッ 京太郎「くっ……今度俺がドキドキさせてリベンジしますからね!」 ゆみ(いつもさせられてるんだけどな)ギュッ 京太郎「ゆみさん?」 ゆみ「いや、楽しみにしてるよ」フッ ――加治木宅前―― 京太郎「ゆみさん、着きましたよ」 ゆみ「ああ、もう着いてしまったか」 京太郎「話してると早いですよね……やっぱり俺が毎日送りますよ!」 ゆみ「それはダメだ」 京太郎「強情ですね」グヌヌ ゆみ「それは君の方だろう」 ゆみ「……まあ、その代わりに」 京太郎「?」 ゆみ「……」コイコイ 京太郎「? はい」テクテク ゆみ「――」グッ 京太郎「えっ――!」 ゆみ「」チュッ 京太郎「」 ゆみ「…………」スッ ゆみ「……お、送ってくれたお礼だ。どう、だったかな」カアァァ 京太郎「えっと……」スッ ゆみ「うん? ――!」 京太郎「」チュッ ゆみ「!?」 京太郎「…………」フゥ 京太郎「こんな感じです」ニコッ ゆみ「ば、馬鹿か君は!?」カアァァ 京太郎「ち、違いますよ! 突然されたからよくわからなかったんでもう一度しようと……」 ゆみ「すぐやり返すやつがあるか!」 京太郎「で、でもちゃんと感触はわかりましたよ。柔らかくて……」 ゆみ「……ふぁ」カアァァ 京太郎「……や、やめましょうか」カアァァ ゆみ「あ、ああ。思った以上に恥ずかしいなこれは……」カアァァ 京太郎「それじゃそろそろ帰ります」 ゆみ「うん……なんだか寂しいな。いつもはこんなことないのに」 京太郎「俺もです」 ゆみ「……寄っていくか?」クイッ 京太郎「……ご両親いらっしゃるんですよね?」 ゆみ「母だけな」 京太郎「ま、まだ勘弁してください。心の準備が……」 ゆみ「まあそういうと思ってたよ」 京太郎「明日からはまた毎日部活で会えますね」 ゆみ「そうだな。……今度こそ全国へ行けるように鍛えるから覚悟するように」 京太郎「うっ。甘い部活生活はないんですかっ」 ゆみ「そういうのは部活の後だ」 京太郎「厳しいですね……まあ、俺も強くならないと」 ゆみ「ああ、私も頑張るから京太郎も一緒に頑張ろう」 京太郎「はい!」 ゆみ「……これからもよろしく。大好きだよ、京太郎」ニコッ カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3427.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1375789615/ 白糸台には王者としての責任と矜持がある。 大会が近づくに連れて練習内容はより濃密に、より加熱していくようになる。 大会出場者ではない京太郎であったが、だからといって練習をしなくていいわけではない。 むしろ周りが加熱していっているのに当てられて、京太郎も自然と練習に熱が入っていく。 気がつけば日も暮れて、菫の合図とともに意識を帰宅に向けると、思った以上の疲労が全身に積もっているのが分かった。 京太郎「あー、今日は疲れたなー」 淡「あーもー、どうしてこの私がここまで練習しなきゃいけないのよー」 京太郎「うるさいぞ一年生。そんなこと言いながら楽しんでいたじゃないか」 淡「100年生ですー。麻雀は好きだけど練習は嫌いなのー」 この場合どう違うんだと京太郎は思ったが、雀卓に突っ伏してぶーたれている淡を見ていると 突っ込むのも無粋だろうと思ってそのままにした。 疲労感で頭が重い。京太郎も淡に倣って机に突っ伏したくなったが みっともないし怒られそうだから我慢して帰宅の準備をする。 菫「おい、大星。グダグダしてないで帰る支度をしろ、遅くなっちゃうぞ」 淡「うにゅー、スミレがこんな時間までするからでしょー」 菫「まぁ、それは仕方ないと思ってくれ」 京太郎「全く、淡は。ほら、鞄持ってきたぞ」 淡「おー、くるしゅーないぞきょーたろ。ついでにお菓子なぁい?」 京太郎「ねぇよ」 菫「疲労時の糖分摂取は確かに悪くない。うん。悪くない。疲れてるし、うん、仕方ないよな……」 京「持ってませんよ?」 菫「そうか……」 淡「テルーから貰ってきてよー」 京太郎「えー、くれるかな? てか淡が行けよ」 菫「いいアイディアだ。大丈夫、須賀ならいける。私達よりも須賀が行けば確実だ」 京太郎「ちょ、照さんそこまでケチじゃないですよ?」 菫「それは分かってる、だが私や大星が行けば少ししかくれない。須賀が行けば袋ごとくれる」 照「多分私は今ひどい侮辱を受けている」 京太郎「あ、照さん」 照「あげるから。言ってくれればちゃんとあげるから」 そう言うと照は鞄からポッキーの箱を取り出し、封を開けると、 二袋入っている片方を菫に渡し、残った方を開けてポリポリと噛りだした。 菫「ありがとう照。照様」 淡「私にもちょーだいよ~」 照「菫に分けてもらって。で、はい、京ちゃん」 京太郎「ありがとうございます……って、え?」 差し出されるポッキーを受け取ろうとしたら照はなぜかそれをさせないように手を引っ込めた。 京太郎が戸惑っていると、中途半端に伸びた京太郎の腕を避けるように、ポッキーが眼前に再び差し出された。 照「ん」 京太郎「て、照さん……」 照「早く。手、疲れる。ん」 京太郎「えっとー。はい、ありがとうございます」 急かされ、仕方なく京太郎は差し出されたポッキーを口にする。 さり気なく淡の方を確認してみると、先程までダラダラしていたのはどうしたのか、 ガタンと音を立てて立ち上がり、照に食って掛かった。 淡「テル! 何してるの!」 照「? お菓子あげただけ」 淡「フツーに手渡せばいいでしょっ。きょーたろは私の彼氏なんだよっ?」 照「知ってる。ごめん、ついやっちゃった」 淡「や、やっちゃったって……」 照「昔の。長野にいた頃の癖で」 ただの癖だから気にすることはない。 そう言われてしまうと淡としても何も言えなくなる。 照と淡では京太郎に対する年季が違う。 そうやって昔の名残まで束縛するのは淡としても本意ではないし、相手を締め付けるような恋愛はしたくない。 だが照はそれを分かっているのかいないのか、時折こうして容赦なくそこを突いてくる。 京太郎には淡という恋人がいるし、私自身気にしていないんだけどーという態度を取りつつ、 京太郎にアプローチという他ない行為をするのだ。 淡の髪がふわりと浮いてきた。何か言い返したいけど何も言い返せず、 鬱屈が溜まっているんだろうな、と京太郎は察した。いつものことだ。 京太郎が照に対してもっと線引をするべきなのだろうが、 困ったことに京太郎もあまり深く考えずに照のことを受け入れているので始末に負えない。 何はともあれ何もしない訳にはいかない。 京太郎「うっし、とりあえず帰ろうぜ淡」 淡「うー。でもぉ」 京太郎「さっさとしないと置いてくぞー」 淡「あ、待ってよきょーたろ~」 京太郎が淡の鞄も持って出てしまったので必然、淡も京太郎についていくしかない。 一瞬照に恨みがましい目を向けたが、京太郎に駆け寄って追いつくと、 その腕に抱きついてぶら下がるように身を寄せて歩いて行った。 菫「……修羅場に置かれる身にもなってくれ」 照「…淡が気にしすぎ」 菫「そうかぁ? 照も遠慮が無さすぎだろう」 照「昔からやってきたことなのに邪推するのはおかしい。淡が京ちゃんが信じきれてない証拠」 照「京ちゃんが淡をフォローしきれてない証拠」 菫「ほぅ、恋愛未経験者だと思っていたが、照からそんな言葉を聞けるとは」 照「経験ならある」 菫「なんだと!?」 照「たくさん読んできたから」 菫「さて、帰るか……」 一方、帰り道を歩いている京太郎と淡。相変わらず淡は京太郎の左腕にぶら下がるように抱きついて離れない。 京太郎は淡に選ばれたと思っている。淡は見た目は可愛いし、不遜な態度も見方によっては愛嬌がある。 基本的に人懐っこいし、そのくせ麻雀の腕は恐ろしく強いのだから、相当モテただろうと思っている。 そんな雲の上の相手が凡夫極まりない自分と恋人なので、京太郎は「選ばれた」と思っている。 対して淡は、京太郎という難攻不落の要塞を陥としたとは全く思っていない。その防壁にようやく指をかけた、 程度にしか思っていない。淡はモテるか? 区分するならモテる方になるが、京太郎が思うほどではない。 それよりも京太郎のほうがよっぽどモテる。高倍率の競争をかいくぐって淡は京太郎の彼女の座を手にしたのだ。 淡の目から見れば京太郎は選り取り見取りの摘み放題なのだ。強く出すぎて機嫌を損ねるようなことは、絶対にしたくない。 京太郎「淡ー、いい加減ちょっと重い」 淡「重いってゆーなー」 そう言いつつ淡は素直に京太郎から身を離す。腕は組む程度にとどまり、二人は並んで歩いている。 淡「ねぇ、きょーたろ。私、重いかなぁ?」 京太郎「え? いや別に重くないんじゃないか。そりゃ片腕で支え続けるには辛いけど、それが出来る時点でむしろ軽いと思う」 淡「いや、そういうわけじゃないんだけど……」 淡と京太郎では重いのニュアンスが違うようだ。 察せなかった京太郎に対して淡はこれ以上話を続けるかどうか悩むのに対し、 言い淀んでいる淡を見て京太郎は何を考えたのか、淡の前に進み出て背を見せてしゃがみこんだ。 淡「へ?」 京太郎「重くねーから。ほら、おぶされ」 淡「え? へ? なんでそうなんの?」 京太郎「いや、淡が気にしてるみたいだし」 淡「だからそういう意味じゃ……ていうか何でおんぶなの? 恥ずかしいよっ」 京太郎「う、そうか。いや、さっきからなんだか疲れてるみたいだしさー」 淡「それはそうだけど、おんぶはないよ」 選択肢を間違ったか。いくら何でも突飛すぎたかなと後悔する京太郎。 しかし体重を気にしてる淡に対して他にフォローが思い浮かばなかったのだった。 京太郎は立ち上がり、バツが悪そうに適当に言い訳をする。 京太郎「そか、悪いな。へへ、慣れないことはするもんじゃないね」 淡「……テルーにも」 京太郎「ん?」 淡「テルーにも、こういうことするの? その、昔みたいに」 京太郎「しないしない。そりゃ怪我とかしたんなら話は別だけど……その……淡だからするんだよ」 思いがけず。 思いがけず、淡が聞きたい言葉をスラっと出す。 淡だから。 トクン、と一つ高鳴りとともに淡は思わず一つ、前に踏み出した。 淡「じゃあ、して」 京太郎「え?」 淡「おんぶ、して?」 京太郎「いいのか?」 淡「うん……してほしい。きょーたろ、だから」 お返しとばかりに淡も言う。 相手の存在そのものを動機とするその言葉、なるほど中々心にクルなと、京太郎は胸の高鳴りを自覚する。 背中に相手の重みを感じ、両手に足が乗ったのを感じて京太郎はスックと立ち上がった。 京太郎「うわ、軽いな淡」 淡「そ、そう?」 京太郎「もっと食べたほうがいいんじゃないか?」 と、おもわず京太郎は淡のほっそりとした太腿を撫で回した。 それは暑さによるものかそれとも緊張によるものなのか、少しだけ湿っているようなそんな摩擦があった。 淡「ふっきゃう! きょ、きょーたろ、なにしてんのよ!」 京太郎「ごめん! つ、つい……」 淡「もう、いいよ……。あの、きょーたろは、もう少し、もちもちしたほうが好き?」 京太郎「え?もちもち?あ、あぁ、その、好きか嫌いか以前に、淡は痩せ過ぎじゃないかなって思っただけだ」 京太郎「太ってるかどうかは関係ない」 淡「そう……。きょーたろは、がっちりしてるね」 京太郎「まぁ、男だしな」 淡「鍛えてるの?」 京「運動が嫌いなわけじゃないけど、特別なことはしてないなぁ」 淡「そっかぁ」 女所帯の麻雀部に居続けたせいか、あまり異性と深く交流のなかった淡にとって、やはり男の体は物珍しい。 軽々と自分を持ち上げられたことも、この思った以上に大きくてたくましい背中も。短いこのお揃いの金髪も、ほのかに香る体臭も。 知らなかった。 京太郎のこの感触も匂いも普段何しているかも好きも嫌いも。 全く恋人らしい会話をしてきていなかった。 淡も京太郎も、互いのパーソナルを把握していなかった。 それがわかると、淡は喉から切ないものが込み上がってくるのを感じた。 淡「きょーたろ~」 京太郎「なんだ~」 淡「好きぃ……」 京太郎「…………」 淡「大好き……」 京太郎「俺も、大好きだよ淡」 淡は京太郎の首に回している腕を少しきゅっと強めに抱きしめた。背中に顔を埋め、声が自然と涙声になる。 こんなに相手のことを知らないのに、どんどん気持ちが溢れてくる。情けないのに愛おしくてしょうがない。 京太郎もまるで哀願するかのような淡の切ない告白を聞いて、自分を殴りたくなっていた。 淡から選ばれた? 雲の上の相手? そう思い続けて煮え切らない態度をして、 挙げ句の果て淡を差し置いて他の女ともなぁなぁの付き合いをして。 淡と付き合ったのはどうしてだ? 告白されたから? 違うだろう、好きだから恋人になったんじゃないのか? 俺は、今まで淡に恋人らしいことをしてきたか? 遠慮ばかりして、淡は今までずっと待っていたんじゃないのか? 京太郎「淡ー」 淡「なによぅ」 踏み出さなければならない。自分の気持を。 きちんと、もっと誠意を込めて応えなければならない。淡の気持ちに。 京太郎「顔、上げろよ」 淡「むー」 心臓がバクバク暴れまわってうるさくて仕方ない。心臓に、ジャマをするなと言いたい、少しは静かにしろと。 淡を支えている手が湿り気を帯びてきているのが分かる。口の中がどんどん乾いてきて、瞬きも急速に増えてきている。 行け、行くんだよ、意気地なし野郎。女を泣かせて恋人気取り、まったくもってふざけるんじゃねェ。 京太郎「キス、してぇ」 淡「ふぇ」 京太郎は立ち止まる。淡に向かって振り返る。今までかけられなかった言葉の何倍の気持ちを込めて、ひたむきに彼女を見つめる。 淡は驚く。ぼうっと京太郎を見つめる。微かに感じる彼の震えやその緊張した面持ちを見て本気なのだと実感する。 淡は肩に乗せている手をぐいっと押し付け、京太郎の手に乗せている足も踏ん張って、身を乗り出して京太郎に顔を近づける。 吸い込まれるように、二人の唇が触れ合う。 京太郎「ん」 淡「ふ。んっ」 数秒。そして離れ合う。至近に迫った互いの瞳がそこにある。 京太郎の目には淡しか映っていないし、淡の目にも京太郎しか映っていない。 歓喜が膨れ上がる。 京太郎「もっと」 淡「きょーたろーーっ」 位置関係の都合上、京太郎から淡に迫れないのがもどかしい。京太郎は淡に催促しか出来ない。 だがその催促こそが淡を堪らなくさせる。今まで閉じきっていた城門が誘うように開かれているのだ。 淡は重心を上の方へずらす。おぶさると言うよりはのしかかるように、 京太郎の腰に重心を置く。すると淡は腰から上の動作範囲が大きく広がる。 肩においていた手を、まるで抱きかかえるかのように京太郎の頭に回す。 もう二度と逃さないとばかりに、強く抱きしめ、それ以上の気持ちを込めて京太郎の口に吸い付く。 京太郎「ん、ぷ、むぅ、ふぅ」 淡「むぅ、うー、あむ、まむ」 甘噛するように何度も互いの唇を啄む。もどかしさばかりが募っていた今までを払拭するが如く。 京太郎「ちゅ、は、むぅ、れろ、ちゅる、あぅる、れう」 淡「ん、む、はぁ、るる、ぅる、くちゅ、りゅる」 高まる気持ちを満足させ続けていれば、互いの口が開き、舌の交換が始まるのは当然の事だった。 唾液の交換は想いの交換であると言わんばかりに、二人の舌は躍動し、口内を蹂躙し合った。 京太郎「んー………むー………」 淡「ちゅ………ん………」 そしていつしか二人は唇を半開きのままピタとくっつけあい、空気すら漏れないその密室の中、静かに互いの舌を舐め合うようなった。 それを、いつまで続けただろうか。時間を忘れた代償は、淡の疲労だった。 乗り出す姿勢に疲れ、淡は「ごめん」と呟いて残念そうに口を離して、京太郎に身体を預けなおした。 興奮冷めやらぬ二人。しばし荒い息のまま立ち尽くすと、京太郎は歩きはじめた。背中に淡の鼓動を感じる。 京太郎「俺さ」 淡「うん」 京太郎「もっと大事にするから」 淡「…うん」 京太郎「ホント……」 淡「……」 京太郎「淡のこと、好きなんだよなぁ」 淡「……私も、だよ?」 まったく。まったくこの男は。 どこまで胸を切なくさせればいいのか。 唇が寂しい。この鬱積した思いを伝えきるのに、あの程度のキスではまだまだ足りない。 淡は、せめてとばかりに京太郎の項に唇を這わした。 淡「きょーたろ~……」 京太郎「くすぐってぇ」 京太郎はそうは言うものの、その声の響きに喜色が滲んでいるのは隠しようがない。 淡はそれに気を良くして唇だけでなく、歯を使って齧ったりしてみる。 淡「あむ、あむ」 京太郎「なんですかー淡さんは甘いさんでしたかー」 淡「かぷかぷ。ふふ、どーだろーね」 京太郎「それともあわニャンですかー。いや、ゴロが悪いな。あわワン。うん、淡って犬っぽいし、あわわんの方がいいかな」 淡「どこが犬っぽいよ」 京太郎「うーん。強いて言うなら……髪?」 淡「髪?」 京太郎「あぁ。さっきから腕に巻きついたりうねうねしたり、動きが激しい。どうなってんのこれ?」 淡「うぇぇ!? ばっ、どこ見てんのよ!」 京太郎「ぃって」 感情がそこに現れてるとは思いもしなかった淡。照れ隠しに強めに噛んでしまった。 とはいえまだ甘噛の範疇だ。ただ不意打ち気味になってしまっただけで、京太郎としては驚いてしまっただけである。 しかし淡はそうは取らなかったようだった。 淡「あ、ごめん! きょーたろ……痛かった? ごめんね……ん」 一転、しおらしく謝って、痛みを紛らわそうとしているのか、噛み付いた部分をペロペロと舌で舐めはじめた。 京太郎「いや、別に大して痛くないんだけど……」 淡「ん。れも、ごへんね」 京太郎「ちょ、ちょっと、淡」 しつこいくらいに肌を舐めていた淡だが、彼女の中で昂ぶるものがあったのか、だんだんその範囲が広がってきていた。 首筋を集中的に舐めていたのが、項、背中と来て、鎖骨まで行き、今では耳を咥えられている。 京太郎の耳に、直接。淡の艶めかしい舌の動きが、その粘ついた音が、伝わる。 京太郎「う、く。淡、やばいって」 淡「んー。はにが?」 京太郎「その……やばいんだって」 この刺激によってもたらされる昂ぶりは、女にとって危険なものだ。 事実、京太郎は腰が熱くて疼いて、段々臨戦態勢を整えつつあるのを自覚している。 先ほど大事にしたいと誓ったのに。 京太郎「このままじゃ……淡を大事にできなくなる」 淡「んー? ほーゆーほとなのかなー?」 京太郎は耐えようとしているが、淡はすでに完全に恍惚として、京太郎を味わうことに余念がない。 気の抜けた淡の言葉に、京太郎の抑圧感も抜けて出て行く。 頭がボゥっとする。少し投げやりな気分だ。 このまま突っ走ってもいいのか? いいだろう、淡はもう突っ走ってる。 弱い思考でそう言い訳し、京太郎は淡の足を支えている手を、その腿の内側内側へと這わせていく。 淡「ん、あ、その、きょーたろ?」 敏感な部分に手を添えられ、流石に淡も口を離して反応せずにはいられなくなる。 淡「きょー、そこは、あ、えっと」 戸惑う淡をよそに、京太郎の手はついに淡のパンツの縁に触れる。 この奥、数センチの先に。淡の、禁断の領域がある。 それを思うと、いよいよ京太郎の頭と腰に、静止の効かない暴熱が宿る。 少し止める。いいのかな? と思う。しかし触れたことに対して淡はリアクションをしたが、 止めたことにリアクションをしないので、このままいいか、と判断する。 淡「あ、んっ……!」 下着の下に指を潜り込ませると、真っ先に感じたのは信じられないくらいの熱さと、ぬめりだった。 ぬめり。ぬめり? 湿り気というべきか。少し指を動かしてみる。 淡「んにゅ、ふっ……」 淡が気の抜けた喘ぎを上げる。動かした指はヌルヌルと抵抗らしい抵抗もなく下着の中を動いた。 汗だったらこういう感触はしないだろう。となると、まさか失禁したということもないだろうし、残りは……。 淡「あ、きょーたろ、そ、そこは、はぁっ」 淡「や、指、爪がひっかかって、あぁ、撫でて……!」 淡「ひ、ぃ、速いよ、もと、もっと、ゆっくり、ひぃぁ」 淡「え……い、入れてる……?」 淡「あ、や、あ、ん、ふ、ふぅ、ふうぅ、は、や、とめ、て、ぇ」 淡「はぁー、はぁー、い、いつまで、指入れて……あ、動かさな、い、で……」 淡「あ、あぁ、あああぁぁぁぁ広げて……いやぁ」 淡「っ!! だ、だめ! きょーたろ、もうぅやめてぇ!!」 夢中になって淡の中心を弄り回していた京太郎は淡の悲痛な叫びを耳にして、ようやく我に返った。 淡は京太郎の肩を強く掴み、小刻みに震えて荒く息を付いている。 淡「もう、やめてきょーたろ……うぅ」 京太郎「あ、う、ごめん、淡……」 淡「あ……」 詫びとともに指を引き抜くと、淡からどこか切なげな声が漏れる。 京太郎の中は今罪悪感の暴風雨だ。やってしまった、一気にやってしまった。 つい先程ファーストキスを済ませたばかりというのに、興奮と情欲のままに淡を汚しかけた。 いや、もう汚したと言ってもいいかもしれない。少なくとも、 掴まられている肩の痛みと背中から伝わる震えは、十分に淡の恐怖を代弁するものだった。 精神的に追い詰めてしまったのは、間違いない。 京太郎は、今すぐ淡を放り出して逃げてしまいたい衝動に駆られた。 それを、唇を血が出るほどに噛み締めて押し殺し、絞りだすような声で、 京太郎「……ごめん、淡。本当に…」 京太郎「ホントに、申し訳ない……もう、しないから……」 淡「そんな……」 先に止まらなくなったのは淡だ。調子に乗って相手を弄んだのは自分が先ではないか。 京太郎は事前に警告した分、非はないはずだ。 それよりも何よりも、自分の制止の声で、京太郎がビクリと身を震わせ、 今にも罪悪感で潰されそうな京太郎の謝罪の声を聞くほうが、淡いには堪えた。 淡「あの、嫌じゃなかったから……」 京太郎「え?」 淡「その、びっくりしただけだから」 淡は再び京太郎の首に手を回し、ぎゅっとしがみついた。 仕切りなおした形になってはいるが、淡いの中に灯った熱が失せたわけではない。 ここから先はもう止められなくなる。否、そもそも自分には止める気がないのだと、淡は自覚している。 京太郎の耳に呟く。 淡「ここじゃ、嫌」 淡「ねぇ、京太郎……たしか、アパートに下宿してるんだよね……」 京太郎「あ、あぁ。そうだけど」 淡「……泊めて、よ」 淡は京太郎が息を呑んだのを感じた。 京太郎も、淡の覚悟を感じた。ならば、それに答えるのが男だ。 京太郎「今度こそ、大事にするからな……」 淡「ううん」 京太郎「少し、乱暴にするかも」 淡「うん。よろしく、おねがいします……」 夜の道を二人は歩いて行く。所々にある街灯が二人を照らすと、互いの金色の髪が混ざり合って一つになるようだ。 京太郎が後ろを見遣る。淡と目があって、彼女は顔を赤くしながらはにかむ。 京太郎は淡を抱え直し、もう絶対に不安にさせるものかと決心した。 淡「あー疲れたー。ふぃ~~お疲れ様ー」 菫「ほら、大星だらけるな。後片付けが残ってるんだから」 淡「あいあいー」 大会は間近だ。今日も今日とて白糸台麻雀部は夜遅くまで練習に励む。 全身が心地よい疲労感に包まれている。一仕事終えたときに感じるあの特有のかったるさだ。 ふと京太郎の方を見ると、機材を片付けながら照にお菓子を餌付けされているのが見えた。 淡(器用だなー) ぽてぽてと京太郎の方へ歩む。腹が減っているのは淡も同じなので、 淡「テルー、私にもひょーらい」 照「ん? ん」 大口開けた淡に、照は淡々とクッキーを入れた。 淡「むふふ、あまーい。もっともっとー」 照「ん。淡を餌付けしてるみたい」 淡「あわわんだよ! にゃー」 京「どっちだよ」 淡「あ、きょーたろ。終わったの?」 京「おー。帰るか」 淡「むふふ。今日はおんぶして欲しい気分かも」 京「……はいよ。俺は、毎日でもおんぶしてやりたいくらいだけどな」 淡「も、もー。そんなんじゃ私の身がもたないよー」 という会話をしながら二人は腕を組み合って部室を出て行った。 照「淡は身体が弱いのかな。最近よくおんぶされて帰ってるよね」 菫「運動不足かもしれないな」 尭「え、いや、あれは多分……」 誠「えー、想像ですが、多分『運動』はしてるんじゃないですかね……」 照「? まぁ、とにかく……仲良くなってよかった」 夜の帰り道、重なりあった二つの金色がある。 長い金色が短い金色の上に乗っかって陶酔している。 「ふふ。ねぇ」 「どうした?」 「おんぶっていいね」 「うん。おんぶっていいよな」 カン
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京太郎「恋人の振り、ですか?」 健夜「うん、恥ずかしい話だけどこんな事頼めるの京太郎くんしかいなくて。お願いできる?」 京太郎「俺は全然構わないですけどどうしてまた?」 健夜「こーこちゃんがお母さんに、冗談で私に彼氏がいるって言ったら信じちゃって……」 京太郎「はは、本当に仲いいんですね(棒)」 健夜「棒読みが隠せてないよ京太郎くん……」 健夜「と、とにかく日時は追って連絡するからよろしくね!」 京太郎「は、はい」 ――――当日 京太郎「待たせるわけにも行かないし指定された時間の30分前に来たけど……」 健夜「///」 京太郎「なんであの人もういるんだろう……」 京太郎(とにかく声をかけるか) 京太郎「どうも小鍛治さん、随分と早いご到着ですね。待たせない様に早く来たのに」 健夜「は、はひっ!?い、いや私も今来たところだからっ!」アセアセ 京太郎(アタフタしてる小鍛治さん、可愛いな……) 京太郎「小鍛治さん、今日の服似合ってますね。可愛いですよ」 健夜「か、くぁわっ?あわわわ」 健夜「ーっ!ごほん!京太郎くん、今日は苗字じゃなくて名前のほうでお願い!」 京太郎「へ?わかりました。健夜さん。とりあえず映画でも見に行きましょう」ギュッ 健夜(手、手をぎゅってうわ、わわわわわ)ボンッ 京太郎「?健夜さんどうかしましたか?」 健夜「なんでも、なんでもないよ!さあ、行こうか京太郎くん!」 ――――映画館、映画鑑賞後 京太郎「いい映画でしたね、健夜さん。俺は結構好きでしたよ」 健夜(隣の京太郎くんが気になって頭に入って来なかった……) 京太郎「お腹すきませんか?近くに喫茶店があるみたいなんで行きましょうか」 健夜「うん。あの……」 京太郎「なんです?」 健夜「また手を握って欲しいかなって……///」 京太郎「ええ、お安いご用です」ギュッ 京太郎「じゃあ行きましょうか健夜さん」 健夜「うん、そうだね!」 ――― ―― ― ピッ 恒子「とまーこの前の疑似デートはこんな感じでした!このあとカップルドリンク飲んだりもしてたんだけど不覚にもバッテリーが切れちゃってね!」 咏「こりゃまた初々しいねぇ。見てるこっちが恥ずかしくなってくるよ」ケラケラ 健夜「ちょっとまってこーこちゃん!なんで撮ってあるの!?」 恒子「そりゃーこんな面白そうなことほっとくわけがないでしょ!ちゃんとすこやんのお母さんにも見せたから心配しないで」 健夜「それでか!それで昨日は赤飯なんか炊いてたのかお母さん!」 健夜「こーこちゃーん?」 恒子「すこやんのためを思ってこそだったんだよ……」 健夜「問答無用ー!」 恒子「ぎゃーっ!」 バタバタ 京太郎「これ大丈夫なのかな……色々と」 ――fin
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[#ドラマ主題歌VSAD] 基本情報 ルーム https //www.showroom-live.com/r/VCHETSINC_1003 名前 こは太郎 番号 1003 ニックネーム ファンマーク 🦇💜 ファンネーム けんぞく ルーム挨拶(入室) ルーム挨拶(退出) Twitter https //twitter.com/Vanp_Melty マシュマロ YouTube https //www.youtube.com/@Kohataro エゴサタグ #こは太郎 配信タグ #こはっとライブ ファンアートタグ #こはっとアトリエ グッズお迎え用 #こは太郎といっしょ Twitter以外のSNSなど項目も適宜追加してください 目次 詳細情報自己紹介 配信タイムテーブル 活動の記録予選イベント期間 セミファイナルイベント期間 決勝イベント期間 本選後の消息 用語・名言集 ファンのブログやnote、togetterまとめ 詳細情報 自己紹介 紹介文 #ドラマ主題歌VSAD に挑戦中❗️ 📢夢はアニソン・スマホゲー主題歌を担当すること! そして、有名なボカロPさんにいっぱいオリ曲を作ってもらいたいです♡ はぁい、けんぞくぅ✨ お歌大好き野良吸血鬼こは太郎です❗️ ボカロ・アニソンいっぱい歌います ✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦⏰配信時間⏰✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ 1/20~1/29のイベント期間中 毎日23 00~ 歌枠します❗️ 不定期で他にもゲームとかVRとかできるといいな💭 ✦ ✧✦ ✧✦🌟1/20 SHOWROOM デビュー🌟✧✦ ✧✦ ✧ たくさんある配信の中からこは太郎を見つけてくれてありがとう💜 23時頃から歌枠中心に活動しています。 SHOWROOMはまだまだ不慣れなので色々教えてください! ✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦♡like♡✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ♡好きなボカロPさん DECO*27 蝶々P koyori 柊キライ すりぃ バルーン ナナホシ管弦楽団 n-buna(ヨルシカ)Ayase (YOASOBI)黒うさP kemu ユリイ・カノン ♡好きなアーティスト・アニメ EGOIST Aimer マクロスF 黒執事 などなど ✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦♡Special Thanks♡✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ♡3Dモデル 作者:こまど Twitter :@komado_booth ♡Live2Dイラストレーター 作者:マコミック Twitter :@maccormick_4_4 ♡Live2Dモデラー 作者:お楽しみに♡ Twitter :お楽しみに♡ ✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦♡Link♡✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ✧✦ ♡推マ(fun mark) 🦇💜 ♡ファンネーム(fun name) けんぞく ♡弾幕 🦇💜🦇💜🦇💜🦇💜🦇💜🦇💜 配信タイムテーブル 日付 配信開始 配信終了 星集め 星捨て 備考 活動の記録 予選イベント期間 セミファイナルイベント期間 決勝イベント期間 本選後の消息 用語・名言集 ファンのブログやnote、togetterまとめ Twitter用画像です。本画像はページ最下部に配置してください。
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1386284559/ 京太郎「ので、思わずレイプしてしまった…」 和「あ、…う…」ドロ 京太郎「とりあえず、和の痴態を写真と動画に収めて」 京太郎「最後にパイズリして、帰ろう」 ずりずりっ どびゅ 和「……」 次の日 和「…」ギロ 京太郎(睨んでる睨んでる。というか、よく学校に来れたな) 優希「の、のどちゃん。顔がめっちゃ怖いじぇ…」 咲「あう…」 久「どうかしたの、和? 須賀くん、何か知ってる…?」ヒソヒソ 京太郎「いやー、わかんないっす」 和「はやく部活を始めましょう…。あと須賀くんにはあとで話があるので」 部活後 和「…須賀くん。なんであんなことしたんですかっ」 京太郎「和の乳がおれを誘うから…」 和「意味がわかりません…、もういいです。全国前に騒ぎにしたくありません」 京太郎「ふーん、つまり和になにしても許されるってことか?」 和「どうして、そうなるんですかっ」 京太郎「こうやって、後ろから抱きしめて…。和の乳を味わいながら…」ギュ 和「ちょっ…触らないでくだ…、ひっ!」 むにゅむにゅ…たぷん ずり…ずり… 京太郎「チンコを和のお尻に擦り付けても許されるわけだ…。おふ」ゴシゴシ 和(スカート越しに、硬いのが…) ずりっずりっ むにゅ…もみ… 京太郎「和の乳と布越しのお尻の感触が…っ」 和「…っ、ぁ…ひ、また大きく…」タプ 京太郎「……ーー」ドビュルルドビュビル 和「……」ベチャ どぷっどぷ… ぐちゃあ… 京太郎「あー…、いいのか和?スカートが精子漬けになるまで染み込むぞ?」ギュ 和「……ぁ」ボー 京太郎「夢の世界に逃避しちまってるな。いまの内にもう一発…、今度は前から」ギュ 和(お尻…なんだか、変なのが粘り付いてる…) 京太郎「はやく起きないと、スカートが使い物にならなくなるぞー?」ニヤニヤ どびゅるるるっ… ぐちゃ…どろっ… 和「……ーーえ?」ムク 京太郎「ふー、今日はこれくらいでいいか?」 和「あ、…なにこれ…っ」グチ ネバッ 京太郎「和が起きるの遅いから…、ポケットの中にも射精しちまった。確認してみな」 和「……ああ」スッ グチョグチョ 和「……ーーっ」ポロポロ 京太郎「じゃあ、おれは帰るから。あと明日はそのスカート履いて来いよ?」ニヤ ガチャ バタン 和「さき、さん…。ごめんなさい…。わたし…」ポタポタ 放課後 京太郎「和、ちゃんと昨日のスカート履いてきたか?」 和「…来るわけないでしょう。一晩であんなの乾きません。麻雀も弱ければ、そんなことも分からないんですか?」 京太郎「…なんか、元気になったなー」 和「……」ギロ 京太郎「精液まみれでも履いて来ることくらい出来たろ?これはお仕置きだな」 京太郎「またスカートを精子漬けにするか…」 和「!や、やめてくださいっ。服はもう駄目です!…あのスカートも染みになるくらいなのに…」 京太郎「じゃあ、今度は和の身体で受けるか?」 京太郎「確かにこのペースで制服を汚されたら、学校に何も着てこれないな。そうだ、全裸で登校してみるか?」 和「…わかりましたから、制服はもうやめてください」 京太郎「じゃあ、和…。あーん、してみ?いいもの咥えさせてやるから」ボロン 和「はい……んむっ」 京太郎「おぉう…和の口の中はやっぱり最高だぜ!」 じゅぷじゅっぽちゅぱっ ちゅぱちゅぷ 和「───っ!」 京太郎「もう行きそうだ…顔に出すぞ。和ぁ!」 じゅっぷじゅっぷじゅる ちゅぱじゅぱっ どぴゅっどぴゅぴゅる パシャ!パシャ! 和「!……なにを!」 京太郎「もし俺たちのことを親とか教師にバラしてみろ」 京太郎「これを学校中にバラ撒くからな?」 和「っ……本当にゲスですねあなたは……!」 京太郎「ゲスで結構。ほら尻突き出せよ。こっちはまだ全然満足してないんだ」 和「ひどい……!ひどすぎます……!」グス ……… …… … こうして和は京太郎のいいなりオナペットと化したとさ めでたしめでたし
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人物 / 財務省 / 水道事業 + ニュースサーチ 米国大統領選挙前年は株高のアノマリーは、2023年も当てはまる ... - J-CASTニュース 甲子園で喫煙した県議が辞職するまで - 野球の記録で話したい 日本国民は財務省の「ATM」なのか? 消えた自賠責積立金6000億円 ... - Yahoo!ニュース 【次の総理】総合力トップは菅義偉、麻生太郎の「大宏池会」構想 ... - Yahoo!ニュース 麻生副総裁、甘利前幹事長の名前も 公安部が作成した親カルト ... - Yahoo!ニュース 安定感?物足りない?政権「ナンバー2」かすむ存在感 調整能力に ... - Yahoo!ニュース 岸田首相の一日 1月5日(木):東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞 岸田首相、今年も連合に秋波 くすぶる「国民連立論」(時事通信 ... - Yahoo!ニュース どうする岸田政権 2023年の政治、記者座談会で展望 - 日本経済新聞 「徴用工」「北朝鮮」2023年の日韓関係はどうなる? ソウル ... - rkb.jp #麻生太郎副総裁の名言#どす黒いまでの孤独ではないですが ... - 自社 「復帰はうまくいかねぇだろうな」 次々と側近失い失意の麻生太郎 ... - Yahoo!ニュース 「カンテレ」のドラマは凄い!…『エルピス』での“忖度ナシ”姿勢に ... - Yahoo!ニュース 支持率低迷の岸田内閣 政権浮揚へあの超大物起用か - WEDGE Infinity 「平和国家」はどこへ:台湾有事の日米作戦計画、最終段階に 政府、4年 ... - 毎日新聞 岸田政権には副総理がいない理由とは? 副総理って何者で、どんな ... - Yahoo!ニュース 加速する「岸田離れ」 首相、封じられた内閣改造 つれなかった麻生 ... - Yahoo!ニュース 引く麻生太郎氏、動く武田良太氏…乱れる自民「代理戦争の呼び水 ... - Yahoo!ニュース 実は影響大「薗浦氏辞職」で与党も野党も迷走の訳 - 東洋経済オンライン “腹心”薗浦健太郎代議士の辞職で、「麻生太郎」副総裁の求心力 ... - Yahoo!ニュース 「あなたは有事の宰相」 岸田首相、麻生氏の言葉明かす - 産経ニュース 麻生氏 中央アジア5外相と普遍的価値観の共有確認 - 産経ニュース 仰天! 麻生副総裁が“ポスト岸田”に色気…側近・薗浦氏議員辞職で ... - 日刊ゲンダイDIGITAL 疑惑の行方政権注視 麻生氏側近、首相続く苦悩 政治資金過少記載 ... - 千葉日報オンライン NHK「トップ人事」をめぐる「岸田 vs 菅」壮絶バトルの内幕(現代 ... - Yahoo!ニュース 人員不足で「聖教新聞」配達員に彦摩呂が 自民党に「名簿」「票 ... - Yahoo!ニュース 茂木幹事長を更迭して小渕優子氏を官房長官か政調会長に抜擢する ... - SAMEJIMA TIMES 自民・麻生副総裁が御船町で講演(熊本)|FNNプライムオンライン - FNNプライムオンライン 岸田文雄首相、自民党の麻生副総裁・茂木幹事長と会食 - 日本経済新聞 「財源すべて持っていかれる」 防衛増税、使途に子育て支援求める ... - 朝日新聞デジタル 薗浦議員を任意聴取へ 秘書が過少記載をメールで報告か 東京地検 ... - 朝日新聞デジタル 『エルピス』と現実の震えるような符号 岡部たかし演じる村井の ... - Yahoo!ニュース 変化しつつある権力構図のパワートライアングル - 東洋経済オンライン 萩生田氏訪台、蔡総統と会談 連携強化に意欲:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル 衰え見せぬ82歳 麻生氏が首相再登板に色気?〈政界探見〉|信濃 ... - 信濃毎日新聞デジタル 麻生氏「『マンガ』は仏語にもなった」MANGA議連で支援 - 産経ニュース 麻生氏、かたくなに拒んだ推薦署名 北九州市長選 対抗馬への義理 ... - 西日本新聞 自民の太郎コンビ「旧統一教会」被害者救済法成立へ秘策? 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■ NEXCO東日本、1月下旬に東京湾アクアラインで夜間通行止め 「トラベルwatch(2020年12月14日 17 00)」より (※mono....前後略) / 実施日は1月24日~28日の各日23時~翌5時。荒天の場合に備え、1月31日~2月4日、2月7日~9日が予備日に設定 ■ 言論統制 「我が郷は足日木の垂水のほとり(2019年11月25日)」より / 太郎は、漫画ばかり読んでいる。 安倍晋三君は、ネットも見ている。 やんごとなき、御門に連なる。セレブが、カップ・ラーメンの価格を知らない。 こんなの、当たり前のこと。 でも、お金を 『印刷』 するのが、政府の役目。 この事を、知らないのには、困りものだ。 ユダヤ金融は、カネを独り占め。 そして、庶民の懐には、カネが廻らないように。 これが、支配階級が、人々をこき使う、巧妙な金融施策なのだ。 (※mono....中ほど(当時に一円の価値)略) / もう、わが郷・左近尉の論調に、なれたお方が。読者諸氏に多くなられた。 なので、直裁に書くが。太郎氏は、保守右翼ではなく、特ア・反日サヨクなのだ。 「財政規律」を言いつのること。これって、政府が 「お金を印刷」 する仕事を放棄する。そして、信用創造は、もっぱら。米国というか、米穀金融詐欺師の総本山。FRB に任せきり。つまり、日本国は、米ドルに組み伏せられたまま。対して、安倍晋三氏は、異次元の金融緩和。こうして、日本国内にも、通貨が潤沢に廻るようにした。でも、足らないところは、金融のコントロールとか、徴税政策の見直しだ。でも、自民党議員のほとんどが、くるくるパーなのだもの。あまり、木をたわめて。無理に方向を変えれば、ポキッと。折れてしまって、元も子もなくなる。 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) ■ ゴーマン「麻生太郎」のせいで福岡県知事選は惨敗 財務相も引責辞任したら? 「Yahoo!news[デイリー新潮](2019/4/9(火) 5 56)」より / 保守分裂となった7日投開票の福岡県知事選は、麻生太郎副総理兼財務相がごり押しで自民党推薦の看板を据えた新人の武内和久氏(47)が、3選を期した現職の小川洋氏(69)に惨敗を喫した。最大の敗因は、麻生氏の私情も見え隠れする強引な武内氏擁立に対して、身内の自民党議員や支持団体から大きな反発を招いたことだ。もはや福岡県での「麻生1強」体制の瓦解は避けられそうにない。「おごる麻生は久しからず」である。 選挙中、自民党やマスコミ各社の調査などでは、「トリプルスコアで小川氏リード」とされていた。開票を待たずして勝負あったかの様相だったが、結果はやはり94万票余りの大差で小川氏に凱歌が揚がった。NHKも開票速報で午後8時とともに「当確」を報じた。まさに、麻生氏への「政治的死」を突きつけるような瞬殺だった。 (※mono....中略) / 「私怨」が招いた分裂 まずは2011年4月の知事選。自民党県連は当初、県議団会長擁立を内定したものの、麻生氏が「後出し」で自身の内閣で内閣広報官を務めた小川氏の擁立を主張し、調整は難航を極めた。結局、県連側が身を引き、小川氏が初当選を果たした。 麻生氏の地盤である嘉麻市で行われた昨年3月の県議補選でも横やりが入った。自民党現職県議の死去に伴う補選であり、その事実上の後継者出馬が、規定路線となっていた。しかし、麻生氏の肝いりで元秘書が割って入ったため保守分裂を招き、結局、元秘書は落選の憂き目を見た。 (※mono....中略) / “ダメ押し”の忖度発言 小川氏は昨年12月下旬に3選出馬を正式表明した。別の自民党関係者によると、麻生氏は側近の自民県連幹部を動かして、意中の元厚生労働官僚・武内氏の県連推薦を決める一方、安倍晋三首相はじめ党本部執行部に「推薦が取れないなら副総理を辞める」と凄み、武内氏の党推薦をもぎ取ったという。党独自の事前調査でも「負け戦」同然の選択であり、麻生氏の“暴走”だった。 (※mono....中略) / 麻生氏への“ダメ押し”となったのが、選挙戦終盤の4月1日に行われた武内氏の集会で、麻生氏の元秘書で麻生派所属の塚田一郎前国土交通副大臣が地元の道路建設をめぐり安倍首相と麻生氏に「忖度した」と発言し、同5日に副大臣辞任に追い込まれたのだ。麻生氏も「万事休す」となった。 (※mono....以下略) ■ 生めない現実 「我が郷は足日木の垂水のほとり(2019年02月12日)」より / 麻生太郎 【政治家】 衆愚政治とは、 民主主義のこと。 自民党は保守で、 彼は血統書付の、エリートなのだろう。 ならば、政治通を自認する。 そうした階層の事々の、支持には手堅いものがある。 麻生副総理 「産まなかったほうが問題」 発言に諦めの声も 2/8(金) 11 15配信 元ニュースはこちら 自分等は高みにいて、糞ったれだが、自分にはかからない。 消費税は国際巨大企業の為にある。偏った税政なのは、ネットの戦いが進んで、多くの人々が知ることとなった。 安倍首相は庶民の声も、拾わねばならない。とかの、気配も感じられるが、麻生氏は財務官僚の、林の中にいる。金融が貸し出しに積極的ではなくなり、今は株式博打に熱中している。銀行預金には利子が付かない。でも、株の取り引きをやれば、儲かるかも知れない。でも、多くの個人投資家が、結局は嘆くこととなる。株ナンテェのは、大手金融が仕切っている、イカサマ博打。このように、左近尉は見ている。 (※mono....中ほど数行略) / 自民党副総裁氏は、ごもっともな事も謂ったりなさる。 でも、閣僚としてなさっていることは、消費税を更に増税して、小臭い企業の利益を増やす。 結果、これらの企業の株が、安定する。 この株式至上主義、一部の人たちにとっては、金城湯地の蛙の温泉になっている。 働く現場で、汗水たらした。その結晶の自動車だとか、家電・情報機器。そして最近では、中核の精密部品等。これを米欧や、支那にまで輸出する。その儲けは、外貨を日本国内で、安く円を買う。安倍政権のこうした、悪政を支えているのは、小泉時代からの家の子郎党。所謂、ネトウヨのB層なのだろう。 この者たちは、表面上は韓国だとか、北朝鮮を非難する。 こうして、ウヨク愛国を気取ってはいるが、 「株屋ってのは信用されないんですよ。僕はそうだと思うなぁ。 株をやっていると言ったら、田舎じゃ何となく怪しげよ。 あの人は貯金している。でも、あの人は株をやってんだってさって言ったら、 何となく、今でも眉に唾をつけてみたいなところがあるでしょうが。」 https //blog.goo.ne.jp/wagasato/e/5a24b74921ec1af93f38bee26d8d4050 とかの、株屋だとか、そのお茶くみとかなのだと思う。 わが郷の田舎から診れば、 何となくではなく。 徹底的に、胡乱な連中なのだ。 憲法改正なんぞは、気取りのための、ポーズにすぎぬのだろう。 一般庶民の年収から、壱百万円が、企業利益として、株式市場を支えている。 国際企業の一般社員なんかは、年収が 200万円も減らされたままだ。 こうした、搾り足られたカネが、ざっくり計算して 40兆円となる。 国会で厚労省のデータがどうのと、下らない茶飲みばなしに明け暮れていた。 こうした欺瞞の連鎖に、サヨク野党は、その他大勢のエキストラとして、使い廻されているだけの。 哀れな存在なのだろう。 こうした屑たちの、イデオロギーに染まれば、日産や三菱などのように、壁蝨の餌食となってしまう。 ーーー 【関連記事】 ■ 麻生太郎を罵詈雑言する“日本国殺しマシーン”朝日新聞は、凶悪精神分裂症の一つ“子孫虐待狂” 「中川八洋掲示板(2019.2.8)」より ■ 天皇家一族の重鎮「麻生太郎」という巨悪。 「Rapt(?年1月26日)」より / 「麻生太郎」がどれだけ天皇に近い親戚であるかは、これまで何度も記事にしてきました。例えば、以下の記事などです。 ○天皇家という闇。日本赤十字社という闇。田布施システムという闇。悪魔崇拝者という闇。 ○トヨタと天皇と安倍晋三はとても近い親戚です。現在も日本経済を支配しているのは、大室寅之祐に与した「田布施一族」です。 確かに現首相の「安倍晋三」も「天皇」ととても近い親戚ですが、それ以上に近いのが「麻生太郎」なのです。以下の系図を見れば、それが一目瞭然でしょう。 (※mono....中ほど略、詳細はサイト記事で) / (※mono....中ほど略、詳細はサイト記事で) / 驚くなかれ。「麻生太郎」は、なんと教科書に出てくるあの「藤原鎌足」の末裔なのです!! 「藤原鎌足」というと「大化の改新」を行った人物ですね。学校では「中臣鎌足(なかとみのかまたり)」と習うかも知れません。 ○藤原鎌足 – Wikipedia この「中臣鎌足」は「出雲族」である「蘇我氏」を殺した人物ですから、明らかに「秦氏」側の人間です。 しかも、この「中臣鎌足」のせいで「出雲族」は日本の支配権を奪われ、「大和族(秦氏)」がその支配権を握るようになりました (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) 【水道事業】 / 【売国】 ■ 売国奴は死を持って償え 「二階堂ドットコム(2018/11/27 07 59)」より / フランス不買運動を!日本の水道は、ひょっとこ麻生の利権なんかにさせないぞ! ■ 飲料水と衛生の権利は「人権」 なぜ日本政府は水道事業を民営化したいのか? 「remmikkiのブログ(2018年11月06日)」より / 2013年に麻生太郎当時副総理の米シンクタンクでの講演での発言: 「水道料金の回収率が99.99%というシステムを持っているのは日本以外にありませんが、日本の水道は国営や市営、町営でできていて、こういったものをすべて民営化します」 麻生さん本気か? 麻生太郎副総理「日本の水道をすべて民営化します」(1 01) (※mono....以下略) ■ パターン黒 インチキ麻生太郎 「二階堂ドットコム(2018/04/17 13 13)」より / 2017年7月 - 株式会社プロジェクトスタジオQ取締役 (現任) 麻生健 川上主導の会社の役員 (巌の弟 太郎のおい) ↑この際、安倍政権が倒れてもかまわん。安倍の話は全部くだらないが、麻生はモロ、黒いぞ。朝日新聞も東京新聞も、安倍より、麻生から首を取っていった方が利口だと思うのだが。 この際安倍政権が倒れてもかまわん。 平和が続いてるから儲からん。社会が波乱してめちゃくちゃな時のほうが面白くて儲かる。 だから政権は倒した方が面白い。 だけど俺は左翼とは組まない。ヒントは出すけどな。 ■ 始まったな 「二階堂ドットコム(2018/04/01 00 05)」より / ニコニコ動画と2ちゃんねる関係企業に麻生・財務大臣の親族が役員就任中 政府からの支援で利潤をあげる見返りに「政治教育」のビジネス像 http //echo-news.net/japan/pm-abe-aso-and-ldp-dominated-niconico-2ch-s......r-internet すなわち麻生将豊氏はドワンゴ社長の川上量生氏がやはり社長をつとめてニコニコ動画の販売部門ビジネス「ニコニコ直販」「ニコニコ市場」部門を下請けするエクストーンという会社の取締役であり、現在も麻生氏の息子が金銭報酬を受け取っている可能性がある。 ■ 爺の七光り。 「我が郷は足日木の垂水のほとり(2018年03月26日)」より / わが郷・左近尉は、 従米・特ア 官僚は、敵だと思っている。 だが、麻生氏は そのようには、感じていないのだろう。 それだけ、今の時代感覚とはズレている。 「軽蔑する」麻生太郎財務相、自民・和田政宗氏の質問に http //www.sankei.com/photo/daily/news/180320/dly1803200026-n1.html 2018.3.20のニュース (※mono....報道引用略、続きの文もいくらか略) / まあ、言ってみれば。ニホンの財務官僚なんぞは、日本のもとからの統治者を殺したり。追放した米穀ゴロツキ組。そのヤカラに雇われた、朝鮮人にすぎない。そして、愛すべき読み間違い。麻生財務相殿は、そのゴロツキ暴力団。米穀組にかわいがられた、吉田首相の孫なのだ。なので、如何に朝鮮人といえども、親愛なる同胞と感じている。そうした関係なのだろう。 人殺しで、ろくでなし。 こうした米穀様に贔屓されて、爺様は大宰相と、キムチ学者だとか歴史家には賞賛される。その孫は、やっぱり爺の七光り。たいしたことはない。まあ、このように最近は、言いたいことを書く。なので、ランキングが落ちてきた。でも、物言わぬは。腹ふくるる ワザ。それで最近は、健康維持のために言いたいことを書いている。 この彼が日本経済を壊した、小泉純一郎政権の要職を経ている。この事を忘れてはならない。彼は日本人の血脈なのだろうが、実際は小泉金融泥棒内閣の、お仲間だったのだ。そして日本経済の縮小を、更に進める消費税増税。その信者なのを思い出すべきではある。 (※mono....中略) / こうした者たちは、その民政上の有能さは褒められない。如何に日本国民を虐(いじ)めて、ゴロツキが甘い汁を吸う。そのストロー役が、この者たちのつとめ。麻生氏だって、その垢にまみれてきた。ならば、自民党・和田政宗氏のまっとうで愉快。それに適切な当てこすり。これに、不快を示すなんて、やっぱり麻生氏は、アッチ側なのだ。 ■ 昔書いたが、麻生フォームクリートと株式会社麻生 「二階堂ドットコム(2018/03/22 01 39)」より / なぜか、お互いの会社名変更して、スイッチしているんだよね。不自然な登記。まぁとってみ。あと、あんな会社なのになぜか外人が一人だけいるのよ。訳が分からない。 麻生は、セレブで金持ちだというイメージですが、総理とかになる前は、兄弟がやっている会社(株式会社麻生、麻生フォームクリートなど)も財務状況が悪く、倒産するかもとの悪評も出ていました。いまは、角川とかと組んでアニメ関係の会社作ってるけど、クールジャパンの補助金が流れてるんじゃないの? 麻生は文科族じゃない。文科省の政務官しか経験がなく、族議員の顔をして、森元総理の虎の威を借りて、文科省利権を漁っていたとの評判。あと虎ノ門の水道屋と北区スポーツセンターの利権ね。利権屋で、悪人(笑) 皆さんは、私が何が何でも安倍政権で、自民党の人はすべて守るとか思っているようですが、違いますよ。オレは俺の好きなようにやるだけ。陳哲郎(福山哲郎)は陳哲郎で面白いからいじめとけばいいと思ってるし。ただ、”依頼”があれば、プロとしてカネで動くだけ。タダではやらん。バカらしいから。利権を貰うか飛ばしていい融資をもらうか、機密費か、なんでもいいけど、役人にも誰もできないことやるんだ、違法も絡むようなのタダでやってられるか。 (※mono....以下略、詳細はサイト記事で) ■ 二重に筋の悪い例を出してた麻生さん 「DEEPLY JAPAN(2017.9.3)」より / たいした話じゃないんだけど、この間書いてアップしそこねたので、記録がてらアップ。 先日のエントリーを書いた後、麻生さんのオリジナルの音声の書き起こしを発見して読んだ。ラジオで放送してもののようだ。 8月29日、自民党・麻生派研修会での麻生氏の発言 https //www.tbsradio.jp/178283 少なくともそりゃ動機は、私は問わない。問題は結果を出してもらわないかん。その結果が大事なんだ。いくら動機が正しくても、何百万人殺しちゃったヒットラーはやっぱりいくら動機が正しくてもだめなんですよ、それじゃ。結果をきちっとした国民に、確たる結果を残して、初めてその人がどんな人であろうとも、あるいは名政治家だったと言われる。人がいいだけでやれるような職業じゃないということぐらい、皆さん方もよーく分かっていると思う。 これ、誤解もくそもなく、普通に、いくら動機が正しくても、とヒトラーの動機が正しい前提でものを言っていると読むのが普通の理解というものではなかろうか。 と、その確認はともかく、しかし、ふと思うに、この発言は、文脈から考えるとへんではなかろうか。 仲間内の総会で、議員になった動機は問わない、オヤジの後釜だのなんだのでなったやつもいるだろう、みたいな(これこそ問題にしたくなるような発言だが)ことを言い、その上で、 「少なくとも動機は問わない、問題は結果なんだ」という主張をしている。であれば、文脈からは、 動機や最初の考えが悪い、軽い、いい加減だった、しかし、結果が良好な例がふさわしいのではあるまいか? 動機OK、結果ダメ ではなく、動機ダメ、しかし結果OK、がふさわしい例ではなかろうか? (※mono....中略、詳細はブログ記事で) / ということで、こんな奴らに係る気はないと早めに宣言しようと思ったのか、ドイツのシュピーゲルが、日本の副首相、ヒトラーの動機を「正しい」と言う、という記事を出してた。 Japans Vizepremier nennt Hitlers Absichten "richtig" http //www.spiegel.de/politik/ausland/japan-vizepremier-taro-aso-nennt-adolf-hitlers-absichten-richtig-a-1165232.html Taro Aso hat aus der Vergangenheit nichts gelernt Der japanische Finanzminister bezeichnete Adolf Hitlers Motive als richtig. Der Politiker war bereits zuvor mit einem ähnlichen Fehltritt aufgefallen. 中味は詳しく読んでない。 英語、フランス語、スペイン語等々各国で報道されているのは当然として、さらに、中国の報道官のあの女性の言も記録しておこう。 丸めて言うと、私たちがいつも言ってる通り、日本には歴史認識のおかしい一群がいるんですよ、ちゃんとしてもらいたいもんです、と言っていた。思わず笑ってしまった。 (※mono....中略、詳細はブログ記事で) / 中国としては、ほーら、いつも言ってる通りでしょ、と言えるまさに重要なエピソードとしてエントリーって感じでしょうね。欧州のみなさんにも、米のみなさんにもわかっていただけるでしょ、おかしい人がいるんですよ、と。殆ど日本のオウンゴールですね、これ。 まぁなんてか、どうするのよ日本のリーダーたちって感じがひとしお。 ★■ 森友学園問題 火だるま安倍首相を蹴落とす麻生副総理の再登板 「niftynews 週刊実話(2017.3.15)」より / + 前半の記事 愛国教育ぶりも物議を醸している学校法人森友学園が、4月に大阪府豊中市で開校を予定していた『瑞穂の國記念小學院』建設用地の国有地払下げ問題。大幅値下げの不自然さに政治家の関与疑惑は深まるばかりだが、そのド真ん中にいるのは、何と言っても夫人が同小学校の名誉校長に就任していた安倍晋三総理だ。 「万が一、森友学園の籠池泰典理事長と昭恵夫人が国会に参考人招致されれば、安倍さんは一気に窮地に立たされる。最悪、総理辞任も現実味を帯びてくる」(自民党関係者) これまでの経緯を振り返ると、発端は2月8日、豊中市議が、森友学園への国有地の払い下げ価格を非公示とした近畿財務局の決定が違法だとして、大阪地裁に提訴したことに始まる。 「しかも、払い下げ価格が相場の10分の1の1億3400万円だったことが発覚。小学校の名誉校長が昭恵夫人ということもあり、“森友学園と政治家の間で不正な取引があったのではないか”との疑惑が急浮上した」(全国紙政治部記者) 自民党の鴻池祥肇元防災担当相側が財務省との交渉に関与したことも判明。鴻池氏は会見で金銭授受を否定したが、森友学園側の陳情があったことを認め、一方の財務省は値下げについて、敷地から発掘された大量のゴミの撤去費用を差し引いたという苦しい答弁。 この状況に、ある野党議員は強気にこう言う。 「いずれにせよ、政治家の直接的な関与が疑われる。そのため、ゆくゆくは昭恵夫人の国会招致も視野に入れ、籠池理事長らの国会招致を要求する。自民党も国民の疑惑が膨らむ中、動かざるを得ないだろう」 その自民党内からも疑念が噴出している。たびたび安倍政権批判を繰り返し、総理の座を狙うとされる石破茂前地方創生担当相などは、「非常に奇怪なお話としか言いようがない」、「政府・与党の責任として、きちんと襟を正して解明すべき」と発言している。 自民党幹部がこう明かす。 「森友学園との関わりについて昭恵夫人が公人か私人かという論議もあるが、世界の常識を見ても公人なのだから総理も逃げ切れない。実際、最終的に財務省などに圧力をかけたのは鴻池氏ではなく、安倍氏に近い人物だったという噂までありますからね。そんなことから、早くも“ポスト安倍”が取り沙汰されている。石破氏は派閥規模を考えても現時点では無理でしょう。その筆頭は、麻生氏ですよ」 この幹部によれば、麻生太郎氏には、先の日米首脳会談においてアメリカ側の要望で随行を求められたことで追い風が吹き始めたのだという。 「日米の具体的な経済政策については、麻生氏とペンス副大統領をトップに自動車、農業、金融各分野で枠組みを作ることが決定した。つまり、麻生氏が各省庁の利害調整の実権を一手に握ったということ。これまで安倍政権のキーマンは、菅義偉官房長官、自民党の二階俊博幹事長とされ、麻生氏は“形だけの副総理”と言われた。しかし、アメリカは菅氏の外交能力には極めて懐疑的で、二階氏も中国の代弁者としか見ていない。そこで麻生氏に白羽の矢が立ったわけです」(同) かくして安倍政権内において、主導権を握った麻生氏。 「自民党総裁任期が3期9年に伸びたことで、安倍政権の長期化が現実路線となり、麻生氏は自身の総裁への道を半ば諦めかけていた。しかし、そこへ来ての森友学園問題。対米関係を考えても総理と副総理双方を変えることは無理があり、安倍氏が動けなくなれば、麻生氏の総理再登板の可能性が一気に高まる。財務相としての麻生氏の責任? 野党の追及の矛先は安倍氏で、それは関係ない」(同) 一方、「麻生氏は自ら運を呼び込んだ」(政界事情通)との見方もある。 「森友学園問題が起きる前から、麻生氏は麻生派の為公会を拡大する動きを活発化させていた。目的は大宏池会構想で、岸田派(宏池会)や、かつて宏池会だった谷垣グループ(有隣会)を再結集させ、議員数で安倍総理出身の細田派(清和政策研究会)を超えることにある。その上で、総裁選出馬がダメなら総裁を決定づけるキングメーカーを狙っているのです」(同) その成果もあり、2月には甘利明前経済再生相ら4人が為公会に入会。麻生派はこれで45人となり、細田派、額賀派(平成研究会)、岸田派に次ぐ自民党第4派閥となった。 加えて、ここへ来て谷垣グループ約20人の半数近い議員と、山東派(番町政策研究会)も麻生派への合流の動きを見せており、第2派閥に躍り出る可能性も高まった。ここに岸田派が合流すれば、細田派97人を圧倒することになる。 「岸田派会長の岸田文雄外相は、麻生氏の下につけば総裁への道が遠のくことから、大宏池会構想を嫌っていた。しかし、急遽の麻生氏登板となれば、'18年9月の総裁任期満了後にチャンスが回ってくる。その際の麻生氏の後押しを条件に、岸田氏は乗り気になっています。一方、森友学園問題で早々に会見をした鴻池氏は麻生派で為公会会長代行。麻生氏のためなら何でもやる。果たして今後、何が飛び出すか」(同) 麻生氏の総理再登板はあるのか。森友学園問題の動きとともに注目だ。 【財務省】 ■ 表に出て来ている動きをどう受け止めるのか 「パチンコ屋の倒産を応援するブログ(2015.5.24)」より / ※mono.--前半の「【移民とテロ、関係ある?=ハンガリーの調査に懸念-国連】」関連記事は略、詳細はブログ記事で。 / いびつな統治機構となっているのがEUです。 例えば金融と財政政策は車の両輪です。 いくら日銀が金融緩和をしてマネタリーベースを増やしたところで、 そのお金が経済を回す消費に結びつかなければ意味がありません。 ところが経済が良くなっては増税ができないという理由で なんとしても景気を回復させたくない財務官僚どもが 議員を片っ端から籠絡するために部隊を作り 四六時中議員やテレビのコメンテーター、新聞記者などに資料を配り、 そして増税でプライマリバランス改善というのをひたすら刷り込み続けています。 増税によって財務官僚の利権を拡大し、 景気を悪化させて収支を悪化させれば永遠に増税の理由として使い続けられる というのが財務官僚の狙いであって、国民が死のうと日本がぶっ壊れようと関係ありません。 消費税増税を強行に進めようとする財務官僚によって ひたすら政界が洗脳され続け、 消費税導入以来、日本の景気は抑制されつづけ、 5%への増税によって長いデフレへと突入しました。 財務官僚は金融緩和と適切な財政政策を行えばプライマリバランスどうこうなんて あっという間に達成してしまうことはわかっています。 ただし、それを実施してしまえば日本の景気が上向きになり、 税収が大きく改善し、 財務官僚お得意のプライマリバランスが云々などという事を理由に 新たな増税に囲い込むことができなくなります。 そして2014年度はGDPマイナス1%です。 消費税増税で再び日本がデフレへとたたき落とされる寸前にされてしまいました。 財務省の息がかかった連中は口をそろえて消費税増税の影響ではないと言い張り続けていますが、 こうして数字にはっきりと出ています。 (※mono.--中略、詳細はブログ記事で) / このあたりはなんとしても景気を回復させたくない財務官僚と、 なんとしても財務省を守りたい吉田茂の間違った教えを墨守したい麻生太郎 という事が非常に大きいと思います。 また、甘利明など安倍首相を囲む大臣達も財務官僚の「レクチャー」に見事に洗脳されています。 ブログ主がここまで麻生を叩くのは何度も過去に書いてきましたが、 街頭演説ではきちんとした事を言っていても いざ首相や財務大臣として仕事をするときは いかにして財務省、財務官僚を守るかが何よりも最優先され、 日本の国益よりも財務省を優先してきたからです。(※mono.--太字はmono.による。) (※mono.--以下略、詳細はブログ記事で) 【日韓通貨スワップ】 ■ 閑話休題 アラカルト④ 「余命3年時事日記(2015.2.20)」より (※mono.--「麻生太郎」関連記事のみ転載) / さてちょっと寄り道。麻生さんと日韓スワップ終了についてです。 さりげなく、当たり前に麻生さんとよんでいますが、前回までは親韓麻生だったんですよ。もちろん理由がありました。ご当人は当然でしょうが余命もつらかったのです。 出自と政治家としての環境に韓国との繋がりの素地がありました。過去ログの「政治家のみなさんに点数をつけてみませんか」の中での採点で、安倍さんと麻生さんは飛び抜けた高得点です。点が高いほど親韓度が高いということだったのですが安倍さん同様、設定上気の毒な点があったのです。 利権がらみの大きなプロジェクトに名があるとレッテルが貼られます。ご当人は政治家として日韓というものを考えていたのは間違いありませんが、政治家として総理大臣という頂点を極めた瞬間に韓国大統領だった李明博に裏切られ煮え湯を飲まされます。それも一度や二度ではありません。育ちがいいとこうなるんですね。 結局、1年もたずに政権を民主党に奪われてしまいました。安倍さんは放り投げでしたが、麻生さんは直接でした。ましてやスワップに関しては韓国のために増額までしているのです。その反動で、麻生さんの臥薪嘗胆は安倍さんよりもはるかに強いものだったと思われます。こういう流れで麻生さんの冠に親韓がついたのですが、この件について、余命は「2月23日のスワップ終了をもって名誉回復となる」旨を記述しています。 「過去において、何度も韓国の要請にこたえてきたが.....」という下りは麻生さんの思いがにじみ出ているようです。まさにスワップ終了は麻生さんのリベンジでした。 安倍さんの後継がいない今、麻生さんの役割は重要です。頑張って欲しいですね。 【日韓関係】 ■ 日韓経済とテロ組織財産凍結法 「余命3年時事日記(2014.11.2)」より / 現在、日韓スワップの残りはチェンマイイニシアチブ分100億ドルです。しかし、これはIMF介入が前提で、その際も日本の自由枠は20億ドルしかありません。延長というのは日韓両国の新規スワップということになりますが、事実上不可能ですね。日本が総嫌韓ムードの中で、少なくとも100億ドル以上のスワップはありえません。政治的には麻生財務相の政治的浮沈が絡んで、何らかの締結は政治生命が終わります。逆に終了は、次の総理の目がまた出てくるという、天国と地獄の分かれ道です。親韓麻生が日本の麻生さんになるのは2月23日です。 これを踏まえてのことでしょうが、日韓スワップなんかどうでもいいというポーズでしょう、韓国が動きました。中韓経済連携です。 (※mono.--後略、テロ組織財産凍結法関連記事はブログで。) 【消費税】 ■ オレタチノアソーサン「俺らの信用の為にお前らは死ねw」 「或る浪人の手記(2014.9.14)」より / 消費税10%「予定通りに」…麻生財務相 【ミラノ=五十棲忠史】麻生副総理・財務相は12日のアジア欧州会議(ASEM)財務相会議後の記者会見で、来年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて、「上げないことによって世界中からの信用が落ち、国債を売り浴びせられると、影響が見えない。そうならないようにする対応が大切」と述べ、先送りせず、予定通り増税すべきだとの考えを示した。 麻生財務相は「景気が確実に上がっていくという流れを作り上げておかなければならない。景気が落ち込んできた時のやり方は、何回も経験があるので、よく分かっている」と語り、補正予算を編成して経済対策を行う可能性を示唆した。 (2014年09月13日 読売新聞)http //www.yomiuri.co.jp/economy/20140913-OYT1T50100.html / 世界じゃあなく、害死ハゲタカ連中だろうが。 何時から、世界=害死ハゲタカになったんだよ。 つか、それを差し引いても、他国からの信用を得る為に国民に塗炭の苦しみを味わわせるとか、気狂いの向う側へトリップしてやがるな。 外面だけは一人前だけれど、家の中では暴力振いまくりのDV野郎のようだ。 さっさと死んだ方が世のため人のためだな。 【第二次安倍政権】 ■ 『民主政治風専制政治』からヒトラー政権を手本にしはじめた理由 「Various Topics(2013.8.15)」より (※ 前後略) / ヒトラー政権は『独裁政治』でした。 日本は形の上では『民主政治』。 しかし、明治以降の日本の政治は『民主政治』の形はとっても、世襲大物政治家が国の実験を握り、彼らは実業界の大物の子どもと婚姻関係を結んだりして癒着。国民は羊のよう。なので、実際は「専制政治」に近いようにも思えました。 ところが、福島原発事故以降、少なくない国民は、『羊』であることをやめました。 こうなると、『民主政治のふりをした専制政治』は成り立たなくなります。 よって、彼らはヒトラーを真似し始めます。 が、独裁政治と専制政治は一夜にしてできあがりません。 1.耳に優しいことを言ったり、『憎悪の対象』を作り出す 2.ストッパーを無くす 3.都合の悪いものは排除 の手順でできあがります。 以下のJBpressの伊藤乾氏の記事を読んで、現在とくらべてみてください。 (JBpressの記事はある期間を過ぎると、会員以外は1ページ目しか読めなくなりますので、早めにリンクから本文を読んでください。) / 終戦の日にナチス・ドイツ誕生の経緯を振り返る【JB Press 2013.8.15】 ■ 麻生太郎のナチス発言を国語の受験問題的に分析してみる 「ナベテル業務日誌(2013.8.2)」より / ツイッターや2ch周辺の議論を観察していると、麻生太郎のナチス発言について、「静かに議論したいと発言しただけだ」「ジョークだ」「前半と後半で首尾一貫していない(だから全体が曖昧で分からない)」といった発言が散見されるが、本当だろうか。 (※ 中略、詳細分析あり) / まとめれば、麻生発言は、彼の中では首尾一貫しているのであり、麻生は自民党の改憲草案が民主的に議論されてボコボコにされることを嫌っており、ナチスの手口を学んで国民が知らない間に憲法を変えてしまうやり方に共感を覚えているのである。 こんな人間が、副総理と財務大臣を務める我が国が、本当に恐ろしいし、本当に恥ずかしく思う。 (※ 後略) ーーーーーーーーーー ■ 麻生発言はナチ肯定なのか? 「紙屋研究所(2013.8.3)」より (※ 前後略、詳細はブログ記事で) / 問題は、「ナチスは悪い中身の政治をしたけども、その方法論は見事だった。180度かわるような大転換をやってのけてしまったのだから」という認識を麻生が持っていることなのだ。中身はダメだが、それと切り離した純粋な手口や方法は学んでもよい、という認識が麻生にはある。 ヒトラー好きの少年だった経歴をもつ紙屋某は、中学時代「ヒトラーのユダヤ人虐殺は許せないが、それとは別にドイツ国民を煽動した彼の統率力は大したものだった」と言っていたことがある。黒歴史だけど。完全にアウトだけど。 それと同程度の認識を麻生はしているのだ。 「ナチズムの中身はダメだが、手口は学ぶところがある」と麻生が思っていると解釈すれば、1から12までの話が一貫性・整合性をもって浮かび上がる。 ーーーーーーーーーー ■ 麻生太郎の「ナチス発言」に見られる「建前」と「本音」 「kojitakenの日記(2013.8.4)」より (※ 前略) / フロイトの業績には賛否両論あるし、少なくともフロイトの理論を「科学」と見なしうるとは私は思わないが、言い間違いに本心が表れるというのは本当だろう。私自身にも心当たりはずいぶんある。麻生太郎が最初はナチスを否定するような口ぶりで始めた話が、いつの間にか「手口を学んだらどうか」と言ってしまったのは、フロイトの仮説がずばり当てはまった例といえるのではないか。よく言われているように「手口」は否定的な意味合い、「学ぶ」は肯定的な意味合いを持ち、「手口を学んだらどうか」という10文字だけでも自己分裂しているが、「手口」という言葉には麻生の「建前」が、「学んだらどうか」という言葉には麻生の「本音」が表れていると解釈すべきだろう。 結論。麻生太郎の「ナチス発言」は絶対に許されないものであり、麻生は安倍内閣の閣僚はもちろん、衆議院議員を辞職すべきである。 ーーーーーーーーーー ■ 国民を舐めきった真の馬鹿者 「属国離脱への道(2013.7.30)」より / まずは下記の記事を読んで見てください。 ..................................... ナチスの手口学んだら…憲法改正で麻生氏講演 http //news.livedoor.com/article/detail/7905609/ 麻生副総理は29日、都内で開かれた講演会で憲法改正について、「狂騒、狂乱の中で決めてほしくない。落ち着いた世論の上に成し遂げるべきものだ」と述べた。 その上で、ドイツでかつて、最も民主的と言われたワイマール憲法下でヒトラー政権が誕生したことを挙げ、「ワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか。(国民が)騒がないで、納得して変わっている。喧騒(けんそう)の中で決めないでほしい」と語った。 .................................... 麻生が馬鹿なのは誰もが知っていることだが、恐ろしいことを空気を吐くように喋っている。自分で「手口」っていうか! 連中が考えている新憲法がいかなる性格を持つものなのか、よく分かるだろう。 ■ ちょび髭のヒットラーそっくりのちゃびん、「ナチスの手口を真似る」麻生副総理 「逝きし世の面影(2013.7.30)」より ■ 麻生副総理「高齢者で死にたい人はさっさと死ねる世の中にしよう」の正論? 「憂国世界(2013.1.22)」より / 麻生副総理「さっさと死ねるように」 高齢者高額医療で発言 http //uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1358742312/-100 ≪麻生太郎副総理兼財務相は21日開かれた政府の社会保障制度改革国民会議で、余命わずかな高齢者など終末期の高額医療費に関連し、「死にたいと思っても 生きられる。政府の金で(高額医療を)やっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろと考えないと解決しない」と持論を 展開した。 また、「月に一千数百万円かかるという現実を厚生労働省は一番よく知っている」とも述べ、財政負担が重い現実を指摘した。≫ (^_^;) 彼が喋るとあらぬ誤解を呼びそうですが、本ブログとしては断固支持します。 頑張れ麻生!日本医師会に負けるなよ。 …というか脅されるなよ。「主治医に一服盛られたらそれまでよ」ですから。 ーーーーーーーーーー ■ 2%成長にこだわるのは 「二階堂ドットコム(2013.1.22)」より / 景気もあるけど、消費税を上げられないから・・・ 昨日の麻生のバカな発言は、アルジェリアに助けられたようだね。砂漠でくたばった奴らに感謝した方がいいね。 .