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告白 Gimme tha daylight Just try to live Yeah Just make you alright So I ll be with you tonight C mon... (1-2-3-4) 俺はお前を知らない お前は俺を知らない 未来都市 夜の光に抱かれ やがて街を灰とし As time goes by ...待ってますもう少し 限界を超えた天使達は愛に気づかない 揺らいだ煙の青が更に濃い青に溶けてゆくのに 何も感じない 誰も分からない 夢を見てるみたい やわらかいものに包まれて闇を誤摩化す なんて空虚で空虚と感じないムード そんなムード漂う ただ酔う 辿るいつものルート 走り出すhighway 二人の色は透明 だいたいそんなような愛想ない運命 たいがい始まりには終局の予感 モダン 古いシネマ 擦り切れたフィルム あとはfade away 闇を溶かしてくdaylight ぬくもり求めて Just make love くりかえすtonight tonight 心はこんなにも痛い 分かってはいるのに Just make love くりかえすtonight tonight Wake up Ah 孤独に生きる花弁達の白い苦悩 この腕に残る香りはまるで燃え尽きる愛の炎 忘る事ないこの感情 甘い感傷を常にまとう 導く様なお前の唇に接触 I want it 飽きる事ないこの欲望に軽く微笑するお前の魅力 巡る記憶を想い馳せ何思う? まるでtrip 深い海底 暗い空洞の奥で愛交わし 途切れる呼吸 夜に浮遊 一輪の花くれた生きた証 (Dark some neon sign) 悲しい末路 虚無のまやかし 真実を探し求めてほどいたパズルは氷山を溶かし 無惨にほつれ砕けた欠片 犯した罪をあがなう 逆巻き荒れる波を蹴り 叶う事ない流れは何処に... 甘美な時は苦痛に変わり しめつける言葉 燃え盛り 失う逃げ道 求む気持 交わした愛に歪む視界 ちぎった胸は心さらけだし 我が身朽ち果たす空虚な営み 部屋を刺す青いlight Ah... それは蛍雪 闇を溶かしてくdaylight ぬくもり求めて Just make love くりかえすtonight tonight 心はこんなにも痛い 分かってはいるのに Just make love くりかえすtonight tonight 同じ瞳の色をしたお前に なぜか俺は語ることを望まない 愛の仕草が刹那的に身を傷つける Nothin to tell 夜が色を保つ間だけそこに溶ける 何もかも朽ち果ててしまえばいい このまま... どうせ道化なんて演じ切れやしない 全ては俺の中に... お前もその中にいるのか... 迷宮の中の三つのペルソナ 互いに重ね合う 感じる痛み せめぎ合う体 カラミ合う最中 色褪せるキャンバス 振り返る刻は遠い彼方 解り合う言葉 不能となって 吐息を塞いだあの背中 凍りついたカーテン... Shit... まるで罠だ 夜が何を引き裂いたんだ? E-yo tell me... 消えてしまった果てない旅に 終わらない 変わらない 戻らない Right now 落ちゆく存在 まるで渇いた固い肉塊 永久の孤独 愛に破れた獣達 塩辛い涙の後に喉が詰まる Sometimes "Why?"だった そしてもうそれも思わない 心のぬるま湯にうずくまるオブジェ 留まることを許さない時の行方 他愛ない会話 真実に蓋をして 小節の後に俺を殺して Woo Yeah Yeah Yeah... 闇を溶かしてくdaylight ぬくもり求めて Just make love くりかえすtonight tonight 心はこんなにも痛い 分かってはいるのに Just make love くりかえすtonight tonight 闇を溶かしてくdaylight ぬくもり求めて Just make love くりかえすtonight tonight 心はこんなにも痛い 分かってはいるのに Just make love くりかえすtonight tonight
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■告白(2009年10月04日) 01 11 (SUTONA) べつに橘さんが嫌いなわけじゃ・・・・・ ツンデレ頂きました。
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小泉の人◆FLUci82hb氏の作品です。 さて、僕は手紙というものを初めて書くようなきがします。 確か時候の挨拶を最初に書かなければならないような決まりがあったように思いますが、なにせ初心者なので大目に見てください。 まず、お詫びを言うべきなのかもしれません。 しかしそれと共に僕は言い訳も言いたい気持ちが多分にあるのです。 なので、直接話す事を避けてこんな手紙という形であなたに話す事になったことをまず謝らせてください。 ごめんなさい。 どこから話せばいいのか僕自身にもわかりません。 もしかするとあの夢のような高校生活を最初から語るべきかもしれませんが、そんな長く文章を書くことに慣れていません。 なので僕の思い出したことや書くべきことをつらつらと書かせてもらいます。 高校以前の生活については僕よりも、僕の主観を取り除いた極めて客観的な資料がおそらく存在するので書く必要も無いでしょう。 今のうちに書きますが、僕はいわゆる学校生活というものにあこがれていました。 そして出会った彼は、僕にとってかけがえのない友人でした。 無論のことながら彼以外にも友人といえる人もいるにはいましたが、それは僕の上辺だけでしか付き合えない友人ばかりでした。 僕の、超能力者であることを打ち明けても変な顔をせずに、そのまま付き合ってくれた友人は生涯彼ひとりでした。 しかし、あなた方の事を軽視してるわけでもありません。 あの生活から引き上げてくれたのはあなた方で、感謝してもしきれませんし同じ境遇の仲間もいました。 しかしあくまで対等な友人は彼ひとりでした。 僕は彼に惹かれていたのかもしれません。 上辺の仮面をなかなか外そうとしなかったのは、彼に嫌われることを極端に恐れていたのだろうと今では思います。 友人というものがこんなにも愛おしく、大切な存在だと初めて知った僕でしたから。 それからの三年はとても大切なもので、なににも変えることのできない僕の輝かしい宝石のような日々でした。 友人というものを知っていた彼からすればおそらくなんでもなかった日常も僕には忘れられない楽しい日々でした。 こんな世界を守るためならいくらでも僕はこの力を奮うだろうと思えるような心地でした。 実際そうだったのですが、今はそんなことを言える立場でもないのかもしれませんね。 僕は日記をつけるという習慣がないので正確な日付を覚えてはいませんが、確か三年次の春のことでしたでしょう。 凉宮さんは彼に告白しました。 おそらく貴方はこの部分は蛇足にしか見えないでしょう。 しかし、手紙の内にこの部分が蛇足ではないことだけは書き記そうと決めています。 なのでもう少しこの手紙を破り捨てる前にその部分まで読んで欲しいのです。 ただの馬鹿としか認識されないより、どんな馬鹿であったかを知られる方がまだ気が楽なのですから。 この手紙は懺悔であり、そして言い訳を綴っただけの紙屑以下の価値しかないのでそのあとは破り 捨ててほしいと思うのは傲慢ですが。 そして結果といえば貴方のご存じのように成功しました。 僕たちは諸手を挙げて喜びました。 すべてはハッピーエンドに向かっているのだとあの頃は恥ずかしげもなく思っていました。 おそらく彼に知られれば唾を吐きかけられるような、彼の周囲の女子たちへの工作も、このときばかりはようやく実を結んだのだと満足さえしてました。 彼は女子の間での噂というものに無頓着でしたが、彼のそばの谷口さんは恐らく僕を見下していたのでしょう。 僕は女の子をとっかえひっかえしている……しかも自分の友人の友達に狙いを絞って。 そういう噂を耳にしていた筈ですから。 もちろん貴方がたはそれが事実だと知っていたでしょう。 世界と僕の醜聞とではどちらが重いかなどとは考える必要もありません。 しかし僕は彼女らに申し訳ないと思う気持ちはひとときも忘れたことはありませんでした。 特に、彼を慕っていた筈の女性を口説き落としてそのくせ僕が振ったのは今さらながらもうすこしマシな方法は無かったのかと後悔することもあります。 泉さんやかがみさん、そして高良さん等々。 おそらく死ねば地獄以外には行けないような外道としか彼女らには映らなかったでしょう。 しかし、例外が一人いたのです。 柊つかさ。 彼女は僕のずっと好きだという言葉を信じたのです。 おそらくそれは、他人や冷徹な社会というものから見れば愚鈍ともつかない、決して美徳とはいえない彼女の特性でしょう。 それでも僕はそんな彼女を言葉という刃で再び彼女を傷つけることをためらってしまったのです。 この繊細な彼女は再び倒れたらもう起き上がれない。 そんなことを思わせたのです。 僕は彼氏として彼女を傷つけるか、他人として彼女を傷つけるかの二択しかありませんでした。 やるべきことのある僕は、他人として彼女を突き放したほうが傷は浅いと知っていた筈なのです。 それなのに、彼女に彼とはまた違った人としての魅力を見つけ出してしまった僕は彼女を迎え入れてしまったのです。 おそらく何度となく彼女は泣いたはずです。 それでも僕は世界のために。凉宮さんのためにという大義名分をむりやり自分にいいきかせてずっと仕事をこなしていました。 そして彼と凉宮さんは無事、うまく付き合いながら卒業しました。 これでようやく肩の荷がひと段落したのだと思っていました。 隣の、僕の彼女ももう泣かせる必要はなくなったのだと。 SOS団もほぼ解散状態になり、風の噂で彼と凉宮さん達の付き合いもうまくいってるのだと聞きました。 僕の初めての、唯一の友人である彼との疎遠は悲しいものでしたが、隣の彼女との生活がそれを補ってあまりある恵みをくれたのです。 麻薬におぼれるように、僕はその生活におぼれて彼女から離れることはできなくなっていました。 彼女もまた、僕と居ることを幸福と受け取っていてくれてまさしく僕らは最も幸せな付き合いをしていたと宣言できます。 始まりは歪であったとはいえ、川底を転がる石が角を取るように僕らの付き合いは円熟になっていきました。 幸せの絶頂に常にいたといっても過言ではありませんでした。 そんなときに彼が僕のもとに訪れました。 それは普通に友人を尋ねにきた態度であり、なにも問題はなかったように思えました。 成人していた僕たちでしたから、思い返せば初めて彼と二人でお酒を酌み交わしました。 二人とも長く付き合っている彼女がいれば当然、そのことにも話が及びました。 彼の口から語られる凉宮さんは一層、あのころよりも魅力にあふれて彼を包んでるように思いました。 僕が彼女の事をどう話したかはあまりにも恥知らずな行為だったのでここで書くのはためらいました。 なので割愛させてもらいます。 日付が変わって終電も無くなったころです。 彼は酔いが回りきったその顔で真剣に僕に聞くのです。 もしも僕が凉宮さんに惚れていたら俺はどうするべきだ? と。 もちろんそんな事はありませんが、僕は少し考える仕草をしてから最初から考え付いていた答えを口にしました。 僕を殴り飛ばし、お前の彼女を泣かせて何が楽しいんだ? そうするべきだと答えました。 僕は過去の自分の行為を棚に上げてそう答えたのです。 そのときは僕はそうやって、心から思っていたのは嘘偽りないことです。 彼はその答えを聞くと満足したようにうなずき 「俺は馬鹿だな」 と言いました。 その馬鹿という言葉がそぐわないようには聞こえていたのに僕は心地よい酔いに身を任せてそうですね、と答えてしまったのです。 もう一度彼は言いました。 「本当に俺は馬鹿だな」 かみしめるように言ったその言葉はなぜか僕の耳を素通りしていて、何も答えずに僕はグラスの中身を飲み干していました。 そのまま何時間が経過していたのでしょうか。 酔いつぶれた僕たちはタクシーで帰ることにしたのですが彼は雑司ヶ谷に行かないといけないと言って聞き入れないのです。 僕の部屋に泊まればいいじゃないですかと言っても聞き入れませんでした。 そこに何があるのかと聞けばただ行かなければならない、と言うなかりです。 仕方なく僕は彼をそこに降ろし、僕は彼女の居る部屋へともどったのです。 それが一昨日のことでした。 おそらく貴方はもう気づいてるでしょう。 あの問いは僕の事を聞いたのではなく、自分のことを鏡に映して聞いたということを。 最初に書いたとおり、これは言い訳と謝罪の手紙です。 凉宮さんが心の平穏を手に入れたあの日から、数年も機関の仕事を離れていたとはいえこれは僕が招いたミスです。 凉宮さんは今、取り乱して彼の行方を捜していることでしょう。 僕が付き合った彼女はどうしているのでしょうか。 もしも、あの告白があと一か月遅ければ、などといまさら考えましたが僕はそれを改定する手段はありません。 そしてそれを改定するということは、残された僕の幸せを完膚なきまでに破壊することと同義なのです。 彼があの物語の友人であるならば、僕は何に殉じて死ねばいいのか考えました。 そしてこれを丁度書き上げている最中にあの懐かしい感覚が甦ってきました。 世界を救うためにやってきたことが、世界を滅ぼすためのきっかけになるんだとあの頃の僕に聞かせたらどういう顔をするのでしょうね。 成程、先生はこんな心持ちだったのでしょうか? それにしても彼は雑司ヶ谷、などとよく覚えていたものですね。 丁度おあつらえむきに彼はKですし。 あの神人に立ち向かうのは僕の世界を救うことで贖罪しようとする気持ちからでた行動です。 もう時間がありませんね。 どうしましょうか。 あの頃から数えて何年のブランクでしょうか。 おそらく僕は死ぬでしょうね。 でもそれがあの物語に沿った結末でしょう。 なにがいいたいのかももうわかりませんし、手の震えも止まらないのです。 遺書を書いている最中に死んだような気持ちになる、と聞いたことはありますが嘘ですね。 僕は怖くてたまりません。 彼女を残して死ぬことが、彼女を不幸にするのだと思うと死にたくない気持ちがあるのです。 しかし彼を、自分で友人を死に至らしめたこともまた大きく僕を責めるのです。 死ぬ事でこの苦しみから楽になろうとする僕をどうか、地獄に落ちるように祈っていてください。 僕はただ馬鹿でした。作品の感想はこちらにどうぞ
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友達モードで好感度を上げていくと、告白イベントが発生する。 3人同時に攻略する事も可能だが、全てのステータスが95程度必要となる。 ※同時攻略やった人イベントの発生の詳細お願いします。 1人に絞って順調にいけば大体50~100日程度で告白イベントが発生するはず。 告白イベントが発生すればエンディング(スタッフロール)、恋人モードへ以降する。
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告白 タイトル:告白 作者:なす 掲載号:2013年文化祭特別誌「色硝子」 ボクは自覚していた。だからこそ、相談所に行ってみようと心構え、一週間前にアポを取り、鉄パイプのいすに座っているのだった。 部屋は特別飾られているというわけでもなく、片隅に観葉植物があり、床はカーペットで、壁は白く、蛍光灯が部屋の白さを際立たせていた。真ん中には白いテーブルが置かれていた。ボクの座る向こうには、少し髪を伸ばした青年が座っていた。 「ようこそ」 青年は心からの笑みを顔に浮かべていた。ボクは視線を右にずらした。 「ここに来ることはとても勇気の要ることだ。自信を持ちなよ」 わずかに頷く。 「それで、言うまでもないけれど、君は自分の根幹に関わる部分に不安を持っている」 「……はい」 ボクは同性愛者だった。つまり、男子でありながら、男子を好きになるのだ。だから、相談所に来ていたのだ。 人見知りのボクがあまり口を割らないと見た青年は、ああ、僕もこんな感じだったっけ、と笑って言う。青年はなんだか、ガラス玉のような、透き通っている人だった。 「今、僕にできることが二つあるんだ。ひとつは、君の話を聞くこと。もうひとつできることは、君に、僕の話をすること。どちらがいいかな?」 ボクは、お先にどうぞ、と言う。 「了解。じゃあ、思い出話でもするかな。つまらないかもしれないけど、参考になることがあるかもしれないから、飽きずに聞いてください」 青年は前で手を組み、ボクと視線を合わせて、語り始めた。 「僕の読んだことのある本では、こう書いてあったんだ。30人に1人は同性愛者だって。だから、君の高校に通っている人が900人だとすれば、30人は同性愛者がいるんだ。 僕は今、こうして同性愛者を支援する法人で、相談も受け持っている。でも、君と同じ高校生だった頃の僕には、絶対に考えられないことだと思う。 高校生の時、僕ははじめて意識したよ。僕は男子が好きになるんだな、って。でも、それは受け入れられなかった。だって、男子は女子を、女子は男子を好きになるのが「フツー」だと思ってたから。ただただこれは一過性のもので、いつかは僕も女子が好きになれるだろう、そう思っていた。実際、保健の教科書にもそう書いてあったしね。今では誤りだとして削除されているけど。 高校生の君もきっと、男が好きになってしまうのはおかしい、これは一晩の悪夢のようなものだ、そんなふうに思ってるんじゃないかな。 でも、僕の高校生活が不幸まみれだったかといえば、そうじゃない。だって、好きな人はいたから。きっとストレートの人もこういう思いで、女子を好きなるんだろうな、と想像したものだよ。それで、ここでは頭文字だけとってAと呼ぶけど、Aは僕のクラスメイトだった。そして、僕の初恋だった」 * * この市には、同性婚はあってはなりません! 家族制度の崩壊を伴ってしまいます……。同性愛者は悪い人たちではありません。しかし、同性婚というのは……。 今回の市長選挙では、今までにない事柄が争点になっていた。すなわち、同性愛者の結婚についてだった。ほとんどの候補は同性婚について反対をしていた。当然だろう。私も反対だ。 「ねえねえ、どこの党に投票するのー?」 ハナは繋いだ手をぶらぶらと揺らしながら聞いた。きっと小学5年生のハナには、選挙制度の意味などわかっていないだろうに。 「ハナはどこに投票すると思う?」 「うーん……。じゃあ、あの人は?」 指をさす。そこには、白いワゴンカーの上でマイクを持ち、右手で力いっぱいのジェスチャーをする女性がいた。 ワゴンカーに記されている名前は、「マナミ」だった。 このマナミという候補は、ひとつ問題点があった。 「こんにちは皆さん、○党候補のマナミと申します! 私はこの度、同性婚について、賛成の立場をとっています。ここで誤解をしていただきたくないのが、私自身は同性愛者ではないということです」 マナミの問題点、それは、同性婚の賛成派であることだった。 * * 「僕はおそらく、高校生になるまで恋愛感情というものを理解したことがなかったと思う。そして、ほんとうはみんなもそうなんだと思う。小学生の宿泊旅行のときの話。夜中、みんなでワイワイと話さなかったかい? やいどの女子が好きだ、やいあいつは某が好きらしい、両想いかもしれない、告白してこい、だの。でも、はっきり言って小学生だった頃の我々には愛について一体全体、何をわかっていたと思う? 中学生もわかっていなかったさ。9割9分、思い込みのようなものから来た架空の愛の模造品だ。男は女を好く、っていう思い込みが作ったね。 高校生くらいにならないと、愛はわからないさ。そこでやっと、自分は男が好きだ、女が好きだ、両方好きだ、って確信していくんだ。しかも、大体の場合、これは先天的に近い要素だ。 なんでこういうことを言うかといえば、さっきも言ったように、高校生のときにAという同級生に恋をしたからさ。 新制服を装う36人の生徒は、みんな前の黒板を見ていたさ。視線がまるではりつけにでもされたように。いや、でも、厳密に言えば、35人の生徒が黒板の方、先生の方を見ていた。そして、独り、つまり僕だけ、視線は違う方面に向かっていた。 気持ち悪いと思うかもしれないけど、僕はAに一目惚れしたと言っていいと思う。ただ、その一目惚れは僕に苦しみも与えたよ。 君には親友と呼べる存在はいるかな? わからない? そんなものだよね。僕はもう、今ならいるけど……。そりゃいいや。 僕は電車通いだったんだけれど、友達と会うことは嬉しくもあり苦痛でもあった。電車から降り、階段を昇り、改札を通って会う友達の顔を見るとほっとしたよ。でも、この友達は僕が同性愛者だなんて、全然わからないんだろうな、と思ってた。結局理解されないんだろうな、と。それに、僕には親友と呼べる人はいなかった。訂正。ある『きっかけ』でできたけど、その前の話ね。 親友は、家族を除いた人の中で最も近しい関係にあると思う。 だけど、そうすると僕には新しい悩みができるんだ。その親友が好きなってしまったらどうしよう、とね。 だから、みんなとは薄く、広い関係になっていこうと思った。個人的には社交性がある程度あったつもりだったから、それでなんとかしていたんだ。表面(おもてめん)では、きっとたくさんの顔見知りがいる人、という印象だったんだろうね。それでも、僕は心の中では独りだった。太平洋の真ん中の、対外貿易だけはさかんな孤島のようなものだね」 * * そもそも、同性愛は不自然だ。異性愛を通じて人間は繁殖し、種の存続を保っている。にも関わらず、それに逆行する同性愛は倒錯であり不自然であり受け入れがたいものだ。まして、同性婚を許すだなんて……。 「あー、パパあ、みんなあっち行っちゃったよー」 ハナは不服そうに違う候補者の取り巻きを見ていた。 「そうだな、じゃあパパ達もあっち行こっか?」 「ううん、ハナはここにいたい!」と頑なだ。 「同性愛や同性婚について、否定的な気持ちを持っている人もぜひ聞いてください! お願いします。完全に私事ですが、少し昔の話をさせてください!」 快活に説くマナミの声は、懇願よりも熱望というものだった。私はその「昔の話」を聞くことで一体どのような動機が同性愛を認めるに至ったのかを知りたいという感情が知らぬ間に生まれたようだった。 「そっか、じゃあ聞いていようか」「やったー!」 そうして私はマナミの述懐を聞くことになった。 「私が高校生だった頃の話です。もう何年前のことでしょう。高校生にもなるとやっぱり彼氏が欲しくなるものですよね。ですから、私も青春を満喫しようと心に決めて高校に入りました。 高校最初のクラス。みんな緊張した表情をしていたことをよく覚えています。新しい制服、新しい机、新しい先生に、新しい同級生。何もかもが新鮮の香りでした。そして、恥ずかしながら、私には恋愛の香りもしていました。 入った部活は写真部でした。カメラをもって学校中を撮影して回ったものです。 文化祭の時期になると、もうクラスは打ち解けた雰囲気の楽しい場所でした。最初の頃のクラスにあったカチコチな感じとは大違いです。そして文化祭では、――いまだによく覚えています――劇、演劇を行うことになりました。もうこの頃から私には気になる人がいました。 彼は、――もう一度言いますが、私は男性が好きです――とらえどころのない感じの人でした。外向的なのですが、どこか隠された部分がある印象の人でした。誰しも秘密はありますでしょう。しかし、私には、彼の秘密が彼の存在の大きな部分を占めているとわかりました。女の直感、とでも申しましょうか。 元から好奇心が旺盛だった私には、彼の秘密が興味の対象になって、徐々に彼自身が恋愛の対象になっていました。 私が意を決したのは宿泊旅行のときでした。四泊五日の旅行で、四日目の夜はクラスで花火大会をすることになっていました。 クラスで固まってホテルから海の方へ繰り出しました。サンダルの地面を踏む感触が固いアスファルトから柔らかな砂になるまで、私の心臓の鼓動は私の耳の中を叩いていました。この鼓動が私以外の人にも聞こえているんじゃないか、私の隣を歩いている友達にも聞こえているんじゃないか、と思うほどでしたね。あとは、私の視線も気づかれていたかもしれません。私の視線は彼を探していて、彼に向くことが多かったです。まるで磁石のプラスマイナスのように。 花火大会は何事もなく始まりました。緑や赤や金色の光が黒のキャンパス上に現れては消えました。爆発音を予感させる甲高い花火の発射の鳴き声が初めて聞き心地のよいものに感じられました。 そうして、途中からは手持ち花火の時間になりました。私は彼が少し端の方で星空を見ているのをめざとく発見しました。これは寄っていかなければ一生の後悔だ、やらない後悔よりやった後悔、そう自分に言い聞かせました。 『星を見ているの?』 私の声が震えていないことに驚きました。 『あ、うん。花火もいいんだけど、打ち上げ花火を見ていたら星も綺麗だなって』 彼は特に何も察していないようでした。確かに彼は細かな洞察はしない、鷹揚な人格の持ち主でした。私は大きく深呼吸をして、まだ発火していない花火を一本渡しました。彼の手にある花火は一種の勲章のようでした。 私は自分の花火にライターで火を点けました。そして、激しく火花を散らす花火から、彼は火を受け取りました。 『あのね、私言いたいことがあるんだけど』 私は花火から視線を上げて、彼の顔をみました。私と彼は花火を挟む形でしゃがんでいました。花火で灯された彼の顔をいつまでも見ていたかったです。 『何?』 『私、あなたのことが好きです。付き合ってください』 ついに言えた。ついに私の口から言えた。そう思いました。動くもの聞こえるものは彼と私の花火、それだけでした」 * * 「僕は驚いてしまったよ。女子から告白されるだなんて、考えたことのないシチュエーションだったから。実際は数十秒くらいだったんだろうけれど、頭の中では数分くらい考え込んでいた感覚だったよ。僕の無反応が彼女にも時間の延長した感覚を促したと思う。 そのとき、僕は承諾しようかと思った。 僕はその承諾が中身のないものになると疑った。そもそも疑っている時点で、もう中身がないはずなのに。打算の思考も同時にはたらいた。ここで彼女と付き合えば、誰も僕が同性愛者だと思いもしないだろう、と。僕は僕の中で反駁した。誰も僕が同性愛者だとは思わない。それはとてもよいことさ。実によいことさ。でも、だからといって彼女を利用する必要はあるのか? 彼女は僕を好いているらしい。その気持ちを返す能力と権利があればきっと承諾していたと思う。けれど、僕は能力も権利も有していない。だから、僕は返事をした。 『ごめん』 何も大げさなことは言わなかった。一瞬間だけ彼女と目を合わせたけれど、本能的に目線をずらした。海は暗かった。花火の光でわずかに見えた波の白い泡になりたいと思ったよ。砂をなでる波の音はおだやかだった。 ただ、新たな打算の考えが浮かんだ。打算? いや、違うかもしれない。ひらめきのようなもの。――彼女になら、打ち明けてもいいかもしれない。そういうひらめき。 僕は波の方を見ながら言った。 『あのさ、僕、多分、――』 語尾に近づくと僕の目線は正面に戻っていた。ただ、もう前には誰もいなかった。彼女は波音に紛れてしまうくらい静かな足取りでクラスの方に戻っていったらしかった。 神様がいるなら彼は残酷だな、なんて思ったよ。 僕はぼんやりとみんなが集まっている方を見た。やっぱり、僕はAを見てしまう癖がついていたみたい」 * * はっきり言って、意味がわからなかった。ただの恋愛話ではないか。しかもそれが同性婚賛成と全く関係していないではないか。しかしマナミを囲む群衆はそう思わないようであった。先ほど他の候補者の選挙カーの周りにあれほどいた人たちは、マナミの方に移ってきていた。 私は視点を自分の右手あたりに向けた。ハナの熱心に聞く様子を、私はなぜか見習おうと思った。 「彼はあまり気まずいというふうに思っていないようでした。宿泊旅行の帰りのバスで、通路をはさんで隣になってしまいました。先生が勝手に決めてしまったのでした。できれば窓側に行きたいなと思っていたのですが、もう片方の隣に座った友達は寝ていて、話しかけるにも気が引けてしまいました。 私は気を紛らわせるために読書でもしようと文庫本を出していました。彼は彼で隣の席の男子とおしゃべりをしている様子でした。バスは順調に帰路を行っていましたが、途中でサービスエリアに入りました。そのときに速度制限のための段差の衝撃で、私の手から文庫本が落ちてしまったのです。そうしたら、その落ちた文庫本に気づいた彼は拾ってくれました。しかもいつもの接し方です。 なんだかとても不思議に感じられました。 宿泊旅行も終わって、いつもの学校生活に戻ることになりました。そうすると、私は今まで以上に彼を観察している私を見つけました。どう考えてもストーカーみたいですね。私は純粋に、彼は誰が好きなのかしらと気になりだしたわけです。未練よりも好奇心になっていたと思います。彼は口が堅いのか、誰が好きとは聞いたことがありませんでした。噂では学年で一番モテるという女子のMだったのですが、ただの噂でした。 彼は誰とでも変わりなく振る舞い、接していました。はっきり言って、彼は誰も気になっていないのかな、と思っていました。 結局観察にも飽き始めてきた頃のことでした。 写真部の関係で、放課後の下校最終時刻まで学校にいることが多かったのですが、その結果私はあることを知ることができました。 私の高校の校舎は4階建てだったのですが、高校1年生の教室は4階にありました。荷物を教室に置き校庭で写真部の活動をしていた私は、一度4階に上がらなければなりませんでした。 3階と4階の踊り場に着いたとき、窓から沈む夕日と紅葉をつけた木々が並ぶのが見えました。思わずカメラを手にとって撮ろうとしました。すると、私は上の方から彼ともう一人男子の声が聞こえてきました。声のトーンからして、何か真剣に話し合っている様子でした。悪気はありませんでしたが、私は彼らのペースに合わせて階段を下りました。彼らの話している内容がどうしても気になるのでした」 * * 「僕はむしろどう振舞えばいいのかわかってなかったんだ。彼女の付き合いの申し込みを却下したあと、どのような関係になるのかが見えていなかった。だから、今まで通りに振舞ってた。不思議なものさ。 宿泊旅行が終わったあとしばらくして、僕には親友のできる『きっかけ』が訪れた。顔見知りが多いとはいえ、僕にはすごく仲がいい人はいなかった。僕はテストが近かったから独り教室で勉強していた。もうそろそろ帰らないといけない時間になったときに、Aが教室に入ってきた。そう、僕が一目惚れしてしまったあのAが。もう2学期に入っていたのに、僕が意識しすぎていて、2回しか話したことがなかったんだ。 1回目は、1学期に席が隣になったときかな。機械的なよろしくのあいさつだよ。彼と席が隣り合わせだったときはいつも脇目でAのことを見ていたと思う。彼は爽やかで、要領もいいし、性格もよかった。彼は彼に確信を持っていて、まるで僕とは大違いの存在として意識していたよ。ああ、彼も同性愛者だったらいいのにな、と何度思って席に着いていただろうな。 Aと2回目に話したのは文化祭でだった。それはとても恥ずかしかったよ。文化祭は劇をやったのだけれど、僕は裏方でAは活発に役者をやっていた。 休憩のときだった。役者も裏方もほとんど他のクラスの企画を見に行っていた。僕も見に行こうよと誘われたんだけれど、マイペースに昼ごはんを食べているよと言って舞台裏で弁当を食べようと思っていた。かばんの中から弁当を取り出そうとかばんの中をがさごそして、やっと釣り上げたときに、弁当と一緒に性的少数者向けの本が出てきちゃったんだ。別にヘンな雑誌じゃなくて僕のように自分の性的指向で悩む人に向けられた指南本みたいなものだよ。タイトルは『ゲイとレズビアンはどうしたらいいか』みたいな感じで見られると結構まずかった。 ただ、見られちゃったんだよね。僕はみんな教室からすっかりいなくなったのかと思っていたのだけれど、もう一人、僕以外にいたんだ。もちろん、それがAだったんだ。 『おーい、一人で弁当食べてんのかよ』とAは上手の出入り口から裏に入ってきた。僕の本は、見えない手がAの前の地面に置きに行ったように滑っていってしまった。 『ん? 何かかばんから出てきたぞ』 そう言ってAは右手で本を拾い上げたところを僕はすばやくひったくった。ものすごく必死な表情をしていたと思う。本をカバンの中に急いで入れて、『い、今のはなんでもないよ』と明らかになんでもないわけがない声色で言って僕は出て行った。 今思えば、わりとカミングアウトするタイミングとしては適切だったんじゃないかなと思うんだよね。まあ後の祭りなんだけど。 とりあえず、1、2回目のAとの接触は決してまともなものではなかった。で、3回目の会話はわりとスムーズに行ったよ。勉強してたんだ、って始まって、帰る方向って同じだっけ、と会話は進んで、意外と話が合うことに気がついた。 僕はあまり最近の流行を追いかけなくて、昔のものを好む傾向が少しあるのだけれど、Aもそれに似たところがあった。クイーンとかビリージョエルなんかで話が通じて面白かったよ。それに反して、文化祭のときの本は全然話題に上がらなかった。僕は安心と不安の両面があった。忘れてくれたのかなという希望的観測とともに、このままAと親しくなってしまうと、Aに対する想いはどこに向かえばいいのだろうという不安だ。 でもとりあえずAとはよい仲になった。そのテスト前の教室での遭遇がよい『きっかけ』になったんだ。 しかし、やっぱりあのことの話題は避けられるわけがなかった。帰宅の道すがらいつものように他愛ない話をしていたんだ。 秋に入るくらいの時期だったかな。木は赤や黄色や橙をたくわえていた。地面には銀杏の葉の絨毯ができていたところもあったね。それでAと二人で歩いていたんだけれど、途中で仲の良さそうなカップルとすれ違ったんだ。僕の目線が男の人に向かっていることに罪悪を感じながら、僕はしばらくしてから『ああいうカップルっていいよなあ』とつぶやいたんだ。本心から思ってなくて、ただこういうときにフツーの人は考えるんだろうな、というふうな無機質なつぶやきだったんだけれど。 そのつぶやきのあとの二人の間には、沈黙が横たわった。なんだか沈黙は僕を挑発していた気がしたよ。『ほう、本当に? それで? 目をつけている女子はいるのかい?』とシニカルに聞いてくる気がした。 気がつけば駅の改札口を入ったところにいた。僕とAは電車の方面が違っていた。だからいつもはAとの別れを密かに悲しむ場所だったんだけれど、その日だけは安寧の場所になった。沈黙よ、ざまあみろ、って思った。互いにバイバイと言ってそれぞれの家に帰っていったよ。 その次の日の放課後のこと。 その日、僕はAとはちょっと目を合わせるとすぐにそらしてしまう気まずさがあった――好きだったからなおさらなんだけれど。でもAは特に気にしていないようで、一緒に帰ろうと言ってきた。僕はもちろん断るわけがなかった。 そして、僕は心に決めていた。もう、今日言わなければ一生後悔することになると。今日こそ、自分のこの想い、とまでは言わないまでも、カミングアウトまではしよう、と。 でもカミングアウトは一つの自分を殺すのと同じようなものだと思うんだ。一つの、『女性が好きである僕』という自分によって、僕の日常的な、社会的な、外向的な存在が支えられているんだ。でも、カミングアウトはそれを殺す。切り崩す。すごく大変なことの割には、実際にはものすごく大きいようで小さなことを言わんとしているんだよね。僕が『男性が好きである』ということをさ。 僕の中で、僕がもう一人の僕の頭に拳銃を当てて引き金を引き、殺してしまうという感じだ。できればその事実に誰も気がつかないフリをしてしまって欲しい。日常が進んで欲しい。でも、そういうわけにも行かない。僕は僕による、僕に対する殺人容疑で裁かれるんだ。そう思っていた。でも、そんな法廷を意識するよりも前に、僕の頭の中は真っ白になっていた。真っ白にさせたのは、Aの言葉さ。 『お前ってさ、男が好きなんでしょ?』 Aの言葉には、イヤミも、ふざけも、面白おかしさも宿っていなかった。使ったティッシュを丸めてゴミ箱に投げ入れたときのような気軽さがあった。 階段を下りながら、僕は小さく頷いた。とてもとても小さく頷いた。でも、頷くだけでは逃げている気がしたんだ。だから、僕はきっぱりと言った。 『そう、僕は男が好き。ホモだよ』僕にはそのとき、ホモが差別用語であるとか、同性愛者やゲイっていう大それた言葉は浮かばなかった。 『ふうん』 Aは僕の言葉の重さを慎重に秤で計るように相槌を打った。 『それで、今好きな人はいる?』 『うん』と消えそううな声で。 『ふうん』 僕はAの薄い反応に驚いたよ。逆に彼が驚くはずじゃなかったのか、と。実はAも、まさか、いや、それは絶対にありえない――」 * * 「私は足音も呼吸の音も殺しながら聞いていました。しかし、思わず大きな声で『え?』とでも言いそうな勢いでした。 今、とんでもない情報が私の耳の中に滑り込んできている。そう思いました。なんだか、推理小説を途中まで読んでいたところを、既に読んだ人が伏線から結末まで洗いざらい報告してきたときのような置いてきぼりの感情になりました。 まさか、彼がホモ――失礼しました、ダメですね――ゲイの人だったなんて、思いもしませんでした。そもそも私は最初から恋愛対象などではなかったんだな、と思うと今までの自分がおかしくてたまりませんでした。拍子抜けとはこういうことか、と。しかし、彼がゲイである事実と同じくらい、いや、それ以上に驚いてしまったのは、彼のことではありませんでした」 * * 「Aははっきり言ったよ。ひと呼吸置いてから、僕の目を見て言った。 『俺も、男が好きだよ』 僕は最初、Aは何を言っているんだ、と思った。Aが同性愛者じゃないのかと希望的に思っていて、それがいざ事実となると、とんでもなく嬉しいとともに、本当なのか、嘘じゃないのか、と疑ってしまう部分もあった。でも、やっぱり嬉しかった。ああ、やっぱりか、と頭の中で勝手に辻褄合わせをしていたよ。 『僕は、Aが、大好きなんだ』 僕の口は僕のものではないようだった。 『ふうん……』 階段を下り続けた。階段の一段一段を踏みしめた。 『お前はもう誰かに言った?』『まだ』 『カミングアウトしたいと思わない?』『まだ』『そっか』 そうしてまた沈黙の悪魔が舞い降りた。2階の踊り場が目に入ったときには、ぼんやりと時間が長くなったと感じた。 『俺はお前と付き合ってもいいと思ってる』 Aがそう言ったとき、階段から滑りそうになった。 『ただ、ひとつだけ条件がある』 『……何?』 『一緒に、親にカミングアウトすること』 特赦を得た囚人に死刑宣告をしたら、このときの僕の表情と同じようなものだっただろうな。 『わかった』 『ありがとう』 その日、僕たちは静かに二人で帰った。 結局、僕は親にカミングアウトを成し遂げたのか。いや、言い方がおかしいね。カミングアウトは別にしなければならないことではないのだから。しかし、僕にとってはカミングアウトを『成し遂げた』と言う方がしっくりくる。 でも、カミングアウトは友達にするのと家族にするのでは、全くわけが違う。わかると思うけど。だって、友達はあくまで他人だけれど、家族は一生を共にしなければならない存在だ。そして、『僕』という存在を定めてくれる大きな役割を果たしているし、現実的な僕の命も支えてくれている。 もし、家族にカミングアウトをして、拒絶されたら? 不安で不安で仕方がなかった。Aと付き合う条件がカミングアウトだなんて、いっそ諦めようかと思った。もしカミングアウトを受け入れてもらえなければ、僕は否定されるんだ。家族でひとりぼっちなんだ。もう家族ですらなくなってしまうかもしれない。ぞっとした。 僕は母親にカミングアウトした。 2学期が終わる終業式の日だった。その日、Aも親にカミングアウトすると約束してくれた。 家に帰ることがものすごく億劫で仕方がなかった。いっそ、僕が横断歩道を渡っている間に自動車が来て、僕を轢殺して欲しかった。それとも、頭上から突如鉄塊でも落下してきて僕を圧殺して欲しかった。とりあえず何らかの、僕の意思とは無関係のところで僕を殺してしまう力がはたらいて欲しかった。 しかし、その日は不可抗力の特別休日だったのかもしれない。不可抗力の天使は訪れなかった。いや、でも、訪れていなくてよかった。 父親は出張でいなかった。ちょうどよかった。夕飯が終わって、母親は流しで皿を洗っていた。僕は食卓で読書をしていた。最後まで、カミングアウトはどうやって、どのような風に行えばいいのか書いてある本を読んでいた。もちろん、ブックカバーはついていたけれど。 食卓に座っていて、カウンター越しに皿を洗っている母親が見えた。水が流しに落ちる音はかなり大きかった。僕を急かしているように聞こえた。 『お母さん』と僕は一度、小さな声で言った。 母親は皿洗いに集中していて気づかなかった。このまま逃げてしまおうかな、まだ言いどきではないのかもしれない――頭には自分への言い訳、Aへの言い訳がよぎり始めた。 『お母さん』と、今度は少し声を張ってみせた。 『なあに?』いつもと変わらない優しい母親の返事。 『お母さんに言わなきゃいけないことがあるんだ』 『何、何か悪いことでもしたの?』母親が皿をキュッキュッと手でこする音が聞こえた。 『え? いや、まあ、違う……と思う』 『あらー? やっぱり悪いことなんでしょ? 正直に言いなさい?』 当時の僕には、ゲイであることは悪いことであるという認識があった。だけれど、段々カミングアウトをする段階に近づくと僕がゲイであることに何も悪い点なんかないんじゃないか、と感じるようになった。僕の一部であり、取り外し可能なものでも、好きでなったものでもない。僕がゲイであることは、僕が僕であることのひとつの大事な条件なんだ、とある意味で開き直り始めることができていたと思う。 『あのね、お母さん。僕さ』 言葉をどう紡げばいいのか、頭が真っ白になってよくわからなくなっていたよ。 『何よー? そんな顔して』 『驚かないで欲しいんだけど、』 『だから何よー? 気になるでしょう!』 『僕さ、』 『ん? 聞こえない!』 深呼吸で一旦刻む。 『僕さ、男の子が好きなんだ。ゲイなんだ』 水が流しに落ちる音、ドタドタドタ、という音が宙ぶらりんになった。母親の耳にはきちんと僕の言葉は届いていた。おそるおそる母親の顔を見た。僕の頬はなぜか濡れていた。 もし、殺人を犯してしまったと自白されたような表情を母がしていたら、明日の朝にはもう全て忘れて何もなかったように振舞って欲しいと思っていた。 でも母親はそんな表情をしていなかった。ただ、水を止めて、手袋を外して、洗っていた皿を置いて、台所から出てきた。そして、いすに座っている僕を抱きしめてくれた。 『お母さんの息子は、お母さんの息子なのよ。それは絶対に変わらない。自分の息子がゲイだろうがなんだろうが関係ない。お母さんにとってはかけがえのない子供なの。だから泣かないで。お母さんも悲しくなっちゃう』 高校生になって、誰かを抱きしめる、誰かに抱きしめられる、という行為を久しくやってなかった。僕はこのときに、人を抱きしめると、抱きしめられると、こんなにも安心できて、信頼されていて、安定を感じることができるんだな、と感じた。 今だに、あのときはものすごく印象に残ってる。しばらく母親と二人ですすり泣きをしていたよ。高校生にもなって、笑っちゃうよね。ごめん……ちょっと泣きそうになっちゃった、ははは……。 それでなんとか家族への、いや、母親へのカミングアウトはよい結果に終わった。 翌日、学校に着いたときに真っ先にAのところに向かった。Aの表情は今まで見た中で、一番明るくてかっこよかった。僕とAは無言で、目を合わせて頷いた。きっと僕の目から、表情から、迷いや不安の影は消え去っていたと思う。 そうして、Aと付き合うことになった。なんだかとんでもない付き合いの始め方に見えるかな? でも、それは僕とAの付き合いだから。 大学受験の準備が始まる頃、文系理系に分かれなくてはいけなくなった。自然将来の夢の話題になったことがあった。 僕は、自分のように悩む人たちを助けたいと高校生の頃から思い始めて、今に至るよ。Aに関しては――確か、性科学とか、そういう生物学の方に向かったかな。 ま、これで君に何か参考になったことがあれば嬉しいんだけれど……。もうこんな時間になっちゃったね。じゃあ、君の悩みは聞けなかったから、また今度、時間があったら来てよ。いつでも相談に乗るから」 青年にお礼を言って、僕は白い部屋と法人の建物から退出した。夏の昼の暑さは嘘のように、夜の冷気が僕の顔や腕の肌をなでてくれる。 駅に向かう途中、「同性婚賛成!」という言葉が視界のどこかでひっかかった。それはよく住居などに貼られている、議員ポスターだった。希望に満ちあふれた表情で、ポスターの中の女性は左斜め上を見ていた。ロングヘアで若めだ。確か、現役の市議会議員だ。ポスターには、「マナミ」と書かれていた。
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/7481.html
このページはこちらに移転しました 告白歌 作詞/288スレ146 ○○の声を聞くたびに思う 一番好きなのはVIPでも作曲スレでも無い○○だということ 溢れる思い言葉にして○○に向け今日も歌う I ve been so happy loving you. I ve been so happy loving you. ○○を見かけるたびに思う いつも目が行ってしまうのは○○が特別な存在だから 見えぬ決意探す為に○○に向け今日も歌う I ve been so happy loving you. I ve been so happy loving you. I ll love you forever. 編註:「○○には好きな人の名前を入れて下さい」とのこと。
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#ハルヒとキョンの告白というSSです。 #オチがツイストドーナツほどひねれていませんが、ご了承ください。 誰もが寝静まっただろう深夜。 俺はベッドに体を横たえているものの眠れなかった。 はた目には携帯をいじっているだけに見えるだろう。しかし、実はそうではない。 ハルヒへのもやもやした想いが募り過ぎて、心が重くなってきたのだ。 いまの関係はぬるま湯に浸かっているようなもので、それはそれで心地よい。 が、次を求める気持ちが強くなっていく一方で、押さえ切れなくなっている。 さきほどから携帯を着信履歴からハルヒの番号を選んでは戻すことを繰り返している。 こんな深夜に電話するのは迷惑だろうし、メールで伝えていい内容ではない。 このままじゃあ朝になってしまう・・・それは分かっているのだが。 いかん、指がすべって携帯の操作を間違えてハルヒに電話を掛けてしまった。 あわてて切る。この時間ならハルヒは寝ているだろうし、あとで気が付いても寝ぼけて間違えたといえばいい。携帯を机の充電台に戻した。 その瞬間、携帯が着信を知らせる。ハルヒからだった。 こんな時間に起きていたのだろうか? 「なんで、ワン切りすんのよ?」ハルヒのやや眠たげな声が聞こえる。 「いや、スマン、ちょっと操作間違えたんだ」 「何で、間違えてあたしのところに電話掛けてくるわけ?」不機嫌そうな声。 「実は……話したいことがあるんだ」 「なにを?」 「大事なこと」 「ストップ。前にも言ったでしょ、そういう話は電話で聞きたくない。……そうね、朝なら部室だれもいないから、そこでなら聞いてあげる」 「分かった。あした、話すよ」 「でも、もしあたしが考えているような話じゃなかったら」ハルヒは念押しした「ただじゃおかないわよ」 「で、なんなのよ」ハルヒがむすっとした表情のままいう。 朝の部室。二人きりの部屋。 「実は、おまえのことが心の中でどんどん大きくなって・・・」緊張でしどろもどろになってしまう。「おまえのことばかり考えてしまうというか、いや、あの、単純にいうとだな」 ハルヒの表情がやけに明るくなっている。期待するように目が輝き出す。 「単純にいうとだな、おれおまえのことが好き、なんだ」 「いつから?」やけに静かな落ちいた声がするが、恥ずかしくてハルヒがどんな表情をしているか、確かめることができない。 「夏休みにみんなで遊んだだろう? あの辺からだな」 「ふーん」ハルヒの口元が緩んでいる。「そーなんだ」 「だから、なんていうかな、気持ちだけでも知って欲しくて」 「へえ、キョンがあたしをねえ」弾んだような声が聞こえるが、やはり表情はわからない。ハルヒが近寄ってくる気配がして、思わず顔を上げた。 「まあ、あんたにしちゃ頑張ったほうだわ。それは認めてあげる」 ハルヒは胸を大きく張り、腰に手を当てて堂々としたポーズで立ちどまった。 近すぎないか? おまえしか見えないぞ? 「でもね、そんな告白だけであたしがOKすると思ったら大間違いよ、キョン。 いい?あたしがOKというまで何度でも告白なさい。何度でも付合ってあげるから。分かった?」 ……いいのかダメなのか、どっちかにしてくれないものだろうか。と、俺は思った。 生殺しじゃないか。 授業中のハルヒはやたら上機嫌だった。楽しいおもちゃをもらった子供みたいだ。 それは谷口や国木田にも分かったようで、昼食時にさんざんからかわれてしまった。 教室で機嫌のいいハルヒをみるということは滅多にないだろうから、無理もないことか。 放課後。掃除当番だった俺は遅れて部室に到着した。 部室に入ると、メイドドレスとは違う、なにかゴチック調な装いの朝比奈さんが目に涙を浮かべていた。 「あ、キョンも来たのね」ハルヒはなにものも溶かし尽くすプロミネンス級の笑顔を浮かべていた。 「どう、新作のゴスロリドレスよ」 ああ、ふわりと広がったスカートは黒や白のレースで幾重にも覆われていて、ブラウスも以下省略。 そういえば、こんな格好した人をたまに見かけるな。真夏に見かけたときは驚いたもんだ。 部室ではやたらとハルヒが雑用を言い付けたり、SOS団のサイトを直させたりといつもより忙しいぐらいだった。 長門が読んでいた本をパタンと閉じる合図で、集団下校となる。 ハルヒは鼻歌なんぞを歌うはやたらとはしゃぐわと妙にテンションがあがっている。 おまえはいいかもしれんが、こっちは生殺し状態なんだぞ。……ちょっと恨めしく思った。 家に帰り、晩飯と風呂という日常のイベントをこなした後。 現在の最重要課題である、ハルヒへの告白その2を考えなければならない。 そうだ、手紙作戦はどうだろうか。げた箱に手紙、だ。ベタな手ではあるが、逆に効果的かもしれない。 机に向ってレポート用紙に手紙を書く。こんなことは初めてで、どうも勝手がわからないな。 ……どこに誘おうか。あの公園にしよう。時間は……SOS団の活動後でいいか。 レポート用紙を5枚無駄にして、ハルヒへの手紙が完成した。 ふう、続きは明日だな。早めに学校に行ったほうがよさそうだ。 翌日。いつもより少し早い時間に登校した。 さりげなくハルヒのげた箱に手紙を投函する。緊張するね、これは。 ハルヒはいつもと同じ時間にやってきた。なにかはにかんでいるように見える。 おもわず目で追いかけてしまうが、ハルヒは意識しているのか視線を合わせようとしない。 「手紙、読んだわよ」席に着いたハルヒは、俺でなく外を見ながらつぶやいた。「なんか照れるわね」 「ま、よろしくな」それしかいうことはない。 心なしかハルヒの顔が赤くなっている。なにかそわそわしているように見える。 まあそれは俺も同じだ。2回目だというのに、なぜかそわそわしている。 ハルヒのそわそわは一日続いた。部室でもそれが続いている。 朝比奈さんが心配そうにハルヒを見て、そして俺にこそりと耳打ちした。 「涼宮さんどうしたのか、知ってます?」鈴のような声が耳元で弾ける。「昨日はすっごく機嫌よかったのに」 「いや」手紙渡しましたとは言えません。「なんか気にしてるみたいですね」 「ふ~ん」朝比奈さんは100人中95人を虜にするという笑みを浮かべた。「てっきりキョン君がなにかしたのかなぁって。例えば、告白したとか?」 「…………」図星をつかれて思わず絶句しちまったぜ、ちくしょう。 「あの~? ひょっとして図星ですか?」あの、朝比奈さんにニヤニヤ笑いは似合いませんよ?「隠し事はダメですよ、キョン君」 そのとき、ハルヒが席を立った。なにもいわずふらりと部室から出て行く姿を見送る。 いや、いま席外されると困ったことになるんだが・・・ああドアが閉まった。 「さあ、キョン君。話してもらえますか?」朝比奈さんが楽しそうにいった。 長門まで本を閉じてこっち見てるし。……こっち見んな、恥ずかしい。 もう観念するしかないようだ。……3人に説明を始める。顔から火が出そうだ。 長門はなにもいわず読書に戻った。観察に支障はないと判断したということだろうか。 古泉は例の微笑みを当社比2倍ぐらいに浮かべているが、腹のうちは読めない。 「で、結局告白をやり直さなければならないということですか」 ずいぶん楽しそうだな、古泉。 「ええ、僕のアルバイトも終わりそうな予感がしますしね」 「ん~と、涼宮さんがキョン君のこと嫌いってことは考えられないから」朝比奈さんが微笑みながらいう。「もしかしたら、こういうことなんじゃないですかぁ?」 朝比奈さんからあるアドバイスを授かることができたのは、不幸中の幸いか。 SOS団の活動が終わると集団下校となる。 ハルヒのそわそわは最高潮に達しているらしく、あまりしゃべらない。 解散ポイントまでくれば、4人はバラバラの方向に去って行く。 朝比奈さんはウィンクして手を振ってくれた。長門は一言「頑張って」 古泉はなぜ朝比奈さんの真似をするのだ?気持ち悪いのだが。 ハルヒは振り返りもしなかった。 家の手前で回れ右をして、あの公園へ歩いて行く。 さて、空いているベンチでハルヒを待つことにしよう。 すべてのものが青く見える時間。 時間より少し遅れてハルヒが現れた。制服ではなく普段着に着替えている。 デニムスカートに、白いパーカーというスタイルだ。 ハルヒはすぐ俺を見つけた。笑顔で近づいてくる。暗がりなのに唇がつややかに見えるのはどうしたことだろうか。 ハルヒはすぐ隣に腰掛けた。しかし、近すぎないか?。足が密着してるぞ。 「話って、なに?」単刀直入にハルヒが尋ねた。おまえ知ってるだろとツッコミそうになるが、さすがにそれは言えない。 「ああ、来てもらって悪いな。……実は俺、おまえのことが好きなんだ」単刀直入な告白。 いろいろセリフは考えたが、結局のところハルヒに伝えたいことはこれだ。 「ふーん」2回目ともなると、感動が薄れるか? ハルヒよ。ふーんに新鮮さがないぞ、ふーんに。 「迷惑だったら、断ってくれ。できれば今後も友達としてやっていきたいし」 告白も2度目となれば上手というか、いいたいことをスムースに言えるな。そもそも同じ相手だし。 「そっか」ハルヒの顔が近づいてきた。「キョンはあたしのこと好きなんだ……」 「ああ」思わず近くにあったハルヒの手に自分の手を重ねてしまう。「できれば恋人として付き合って欲しいんだ」 ハルヒの表情が驚きに変わった。そしてゆっくりうつむいてしまう。 ひょっとしてダメなんだろうか? ……それはないと朝比奈さんは言っていたが。 「ま、そういうことなら」なぜかハルヒの声が堅く平坦だ。「OKするしかないわね」 ハルヒがそっと顔を上げた。「キョン、あたしもあんたのこと……好き」つぶやくようなハルヒの声。 そしてゆっくりとハルヒは目を閉じた。形の整ったつややかな唇に誘われて、口づけを交わす。そっと、やさしいキス。 唇を放すと、ハルヒの目がゆっくり開く。はずかしそうに微笑んだ。 「もうクリアしちゃうとは思わなかったな」 朝比奈さんがくれたアドバイスのお陰だ。 あのとき朝比奈さんは「付合ってくれ」という言葉が欲しいから、ハルヒがOKしないのではないかとアドバイスしてくれた。 朝比奈さんありがとう。この恩は一生忘れない。 ベンチでしばらく過ごしたあと、駅前の喫茶店にハルヒを誘った。 「なに考えてあのときokしなかったんだ?」ま、もう分かってるのだが、答え合わせは 必要だろう。 「ん? あんた告白するとき、あたしの手を握ったり、肩に手をおいたりしなかったでしょ? だからよ。」 「え?」 「いや、もう気が付くとはね」ハルヒはアイスコーヒーを一口飲む。 「あんたも捨てたもんじゃないわね。まああたしが選んだだけのことはあるか」 なぜか顔を赤くしたハルヒを見ながら、アイスカフェオレを啜った。 結局朝比奈さんのアドバイスではダメだったわけだ。感謝するには早かったか。 まあいい。結果オーライだしな。 しかし告白でここまで手間かかるとは、プロポーズなんかしたらどうなることやら。 ま、そのときそのときで頑張るしかない、か。 おしまい
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Reverse Confession 逆转告白【如果现在放弃,比赛就等同于提前结束了】 『GS4』的告白结局之一。 主人公在毕业典礼过后,前往响起钟声的教堂的路上,被另一名男角强行拉走告白的结局。 简介 在和一名以上的振翅学园的男角的相处过程中,有可能会出现某名男角对拱门上恩爱的主人公和另一名男角心生怒火的情况。 这名心生怒火的男角有可能在毕业当天做出最后一搏,把主人公拉走。 触发逆转告白的条件大致如下 有其他的男生在玛丽花园的拱门上; 满足这位想要告白的男角的基本数值条件; 这位男角的亲密度最高:界面左边的亲密值进度条灌满,粉心呈现跳动状态。假如有多名男生亲密度到最大值,则该名男角需要站在拱门最近的位置; 需要保持该男角的冒火状态到毕业不消除。 逆转告白的难点在于容易翻车。最容易出现的翻车点是以下几点: 拱门上的男角被冷落太久,自己走下来了; 计划告白者的亲密度自然掉下来了,自己没注意。 玩家在打该结局时一定要掌握好时机。 逆转告白的地点一定不是教堂,不同人物有不同的地点。 其中风真的逆转告白地点是俩人重逢的斜坡,可以说是从『2』的传说转移到了『3』的传说,致敬味十足。 提醒玩家,『GS4』不存在像前几作那样「先要拒绝某人才能迎来心仪的人的告白」的结局设定。 只要拒绝告白,铁定会迎来孤身一人的结局。 相关页面 系统 传说 告白 真告白 横取
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多分、今までで一番好き放題やってます。ごめんなさい のどっちさんが入室しました のどっち:ようゴミクズ 紫炎姫:使えないピンクノシ ステルスモモ:ようやく来たっすねー のどっち:あれ、南場はまだ来てないのか namber:あ、いえ。いますいます のどっち:んだよ、いるんなら挨拶ぐらいしろ。マナーだろマナー ステルスモモ:南場さんもおっぱいさんにだけは言われたくないと思うっすよ、それ 紫炎姫:・・・・・・南場、何かあったのか? namber:え? 紫炎姫:なーんか、今日は様子がおかしいように思えるんだが namber:・・・・・・ のどっち:ふーん。もしかして、学校でイジメにでもあったか? 紫炎姫:!!! namber:違います違います 紫炎姫:ほ・・・・・・ ステルスモモ:うーん。じゃあ、また英語の小テストで0点とったとか namber:0点なんかとってません!!!(※以前とりました) 紫炎姫:じゃあ何があったんだよ、言ってくれないと分かんないぞ namber:・・・・・・あの、ですね 紫炎姫:おう namber:実は・・・・・・その のどっち:早く言えよ namber:告白 ステルスモモ:え? namber:告白、されました 紫炎姫: のどっち: ステルスモモ: namber:・・・・・・ 紫炎姫: のどっち: ステルスモモ: のどっち:・・・・・・あー、南場。それは所謂、愛の告白か namber:・・・・・・はい ステルスモモ:ちなみに、なんすけど、異性っすか? namber:・・・・・・女性、です 紫炎姫: のどっち:・・・・・・ ステルスモモ:・・・・・・ のどっち:マジで!? ステルスモモ:うそぉ!? namber:・・・・・・どうしましょう のどっち:いやどうしましょうって、おま のどっち:つーか同性かよ!? ステルスモモ:ああもうリアルにお茶吹いたっすよ!!! namber:あの、私、本当にどうしたら 紫炎姫:南場 namber:はい? 紫炎姫:連れてこい namber: 紫炎姫:私のところに連れてこい namber:・・・・・・あ、あの 紫炎姫:その勘違い痴女ビ○チ〇リマ〇クソ野郎を私んとこに連れてこいゆうと るんじゃああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああ のどっち:マズイ、発作だ ステルスモモ:swmrさん落ち着くっす!!! 龍門渕一さんが入室しました 酢だこさんが入室しました 龍門渕一:こんばんは。namberさんはいるかな? 酢だこ:我がライバルはおるかー!! 紫炎姫:南場に近寄るなっつってんだろうが貴様らあああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああ のどっち:どうどうどうどうどう ステルスモモ:どうどうどうどうどう 龍門渕一: 酢だこ: ~~~ 紫炎姫:・・・・・・ん、少し落ち着いた のどっち:やれやれ ステルスモモ:それで、その告白さんはどんな人なんすか? namber:分かりません・・・・・・話したこともないような人でして のどっち:じゃああれか。一目惚れってやつか 紫炎姫:ああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああ のどっち:どうどうどうどうどう ステルスモモ:どうどうどうどうどう のどっち:で、どうするつもりなんだ? namber:え? ステルスモモ:いやだから、YES or NO っすよ 紫炎姫:ああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああ のどっち:どうどうどうどうどう ステルスモモ:どうどうどうどうどう namber:・・・・・・申し訳ないとは思いますが、そういった感情はありませんし namber:おことわr 紫炎姫:ああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああ のどっち:あーもううるせぇよ!!!!落ち着けっての!!!!!!! ステルスモモ:お断り、すか namber:・・・・・・はい ~~~ namber:こ、こんな経験は私初めてでして namber:どういう言い回しでお断りすればいいのか、分からないんです 紫炎姫:殴ればいいと思うよ のどっち:ひどすぎるだろ!!!!! ステルスモモ:うーん、私もそんな経験はないっすよ 紫炎姫:ネトゲなら「キモい」の一言ですむんだがな namber:・・・・・・のどっちさん、どうしましょう のどっち:え?何で私? namber:のどっちさんなら、きっと経験豊富だと思うので のどっち:そ、そんなことないですよ・・・・・・私だって、困ります namber:そ、そんな!そこを何とか!! 畑石さんが入室しました ~~~ ステルスモモ:と、いうわけなんすよ むっきー:それはそれは かおりん姫:モテモテですね(*^o^*) むっきー:それで、当の本人は今どうしてるの? ステルスモモ:経験豊富そうな人に任せてきたっす むっきー:え? のどっち:ババァだよ、ババァ 紫炎姫:・・・・・・ のどっち:落ち着いたか、gtot 紫炎姫:・・・・・・あいつも、ああやって巣立っていくのかな のどっち:一つ下の女子高生に何言ってんだ、お前 ~~~ 畑石:お断りの言い回しなんて、ググればたくさん出てくるし大丈夫よ namber:畑石さん、真面目に答えて下さい 畑石:まぁ一番大事なことは、こちらも正直に想いを打ち明けるってことね namber:想いを? 畑石:他に好きな人がいるから、とか 酢だこ:私も貴女のことが大好きだじぇ!!!!とか namber:・・・・・・ 畑石:というか同性だしぶっちゃけ無理、とか 酢だこ:iPS細胞があれば子供だって産めるじぇ!!!!とか namber:そこ、うるさいですよ 畑石:大事なのはそれぐらいかな。後は自分で考えてねー 畑石さんが退室しました namber:あ、ちょ namber:・・・・・・ 酢だこ:その場で押し倒すって手もあるじょ? namber:黙ってよもう!!! 酢だこ:ワロチッチwwwwwwwwwwwwwww ~~~ 紫炎姫:ああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああ のどっち:あああああああああああああもおおおおおおおおおおおおおおお ステルスモモ:さて、どうなることやら 大人の階段を昇るなんぽっぽ。涙が枯れるまで泣き明かしちゃう平滝高校のモブ子1 だがこれが最後の告白さんだとは思えない…この世にgtrzがいる限り必ずや第2、第3の告白さんが(ryていうか一度断られたぐらいで諦める告白さんでは(ry -- 名無しさん (2010-07-06 05 37 01) 紫炎姫さんが差出人名書き忘れて出した手紙か何かがオチかと思えばgtかよ 南場さん(お胸が)ボーイッシュでクールでかっこいいからな -- 名無しさん (2010-07-06 08 28 19) ふと思ったんだけど、この話のソースってnamberの話だけだよな。まさか、最近紫炎姫さんがのどっちに傾いているのに対する一発逆転の和了……そんな陰謀家二人も三人も登場したらいやん -- 名無しさん (2010-07-06 08 36 55) 脳内のどっちにツッコミもらいました。 ステルスモモ:理由は想像つかないっすけど ステルスモモ:作り話って可能性もあるんじゃないすか? ステルスモモ:理由は想像つかないっすけどwwww のどっち:何で二回言うんだよgtrz てか、あり得ねえだろww 南場にそんな演技できると思うか? ステルスモモ:それもそうっすね 〜〜〜 ???:打ってたのが南浦ちゃんじゃなかったって見抜かれなかったみたいね -- 名無しさん (2010-07-06 08 54 29) 紫炎姫パパ落ち着いて! -- 名無しさん (2010-07-06 12 35 20) 言えない…今さら、罰ゲームだったなんて… -- 名無しさん (2010-07-06 21 34 57) 名前 コメント
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「ふとしたことで~告白~」 あの後、風邪を拗らせて本格的に熱を出した私は、土日の連休を挟んで、一週間近くも学校を休む事になってしまった。 …でも、私にとってはそっちの方が良かったのかもしれない。 ――あんたとはもう絶交よ――。 こんな事を言われた以上、私はかがみに合わす顔が見つからなかった。 ちゃんと謝れば許してくれるかもしれない…。 そんな考えも、あの時のかがみを見ていれば、あの事を本気で怒っていて、簡単にそれを水に流してくれるとは思えないのは分かっている。 何より、仮にかがみが私の謝罪を受け入れてくれたとして、私達はそれまでのような友情関係に戻れるのだろうか? …ありえない。 どれだけ関係の修復に奔走したとしても、私がかがみのファーストキスを奪ってしまったという事実は一生消えない。 その上、もう私があんな暴走をしないなんて保障はどこにもない。 もしも、また同じような過ちを繰り返してしまえば、今度こそ私達の関係は終わる。完全に断絶してしまうだろう。 いっその事、このまま私のこの想いをかがみに伝えてしまおうかとさえ考える。 …でも、それも出来ない。 彼という存在が居る以上、私の恋が成就する可能性はゼロに違いない。 挙句の果てには、私が同性愛者だという事を知ったかがみや周りの人達が、好奇や侮蔑の視線で私を見るようになるかもしれない…。 …じゃあ、私はどうしたら良いんだよ…。 これじゃあ、何をしたってバッドエンド一直線じゃないか…。 そうなって当然の間違いを犯したのだから、自業自得でしかないのに…。 覆水盆に返らず。 そんなことわざの意味を改めて噛み締めても、私の後悔は消えてくれはしなかった。 § 月曜日。 風邪もすっかり完治してしまった私は、いよいよ学校に行く事になる。 でも、まだ私はかがみに会いたくない。 会ってしまえば、その瞬間に何もかもが終わってしまう気がして仕方が無かったのだ。 だから、いつも通りの時間に家を出たのにも関わらず、私は乗る電車をわざと一本遅らせた。 そして、朝のHRが終わる寸前に教室の中へ駆け込んで、私が遅刻した事に対する黒井先生の軽いお説教に平謝りしながら、無事に自分の席に着いたのだった。 HRが終わると、つかさが私の席に近づいて来た。 自然と自分の表情が強張っていくのが分かる。 「こなちゃん、風邪の方は治ったの?」 「え…。あ、うん。もう完全復活だよ」 「そうなんだ、ちゃんと治って良かったね~。土日にお見舞いに行こうかと思ってたんだけど、お姉ちゃんはデートだったし、私は金曜日に英語の宿題がどっさりと出ちゃって、それをやるだけで連休が終わっちゃって、行く事が出来なかったんだよ~。だから、ごめんね」 「う、うん。ま、まぁ、その頃にはほぼ完治してたから、お見舞いに来て貰う程でも無かったんだけどね…」 このつかさの様子を見ると、どうやらかがみはあの事を誰にも告げていないようだ…。 私はそれに気付いて、少し安堵する。 …って、英語の宿題!? 「つ、つかさ、英語の宿題って何が出たの?」 「えっ? いつも出てくる、次の授業で出てくる英単語の語訳と、その単語をそれぞれ10回ずつ書いて練習するプリントを貰ったんだけど…。机の中に入ってない?」 慌てて机の中を穿り出すと、それらしきプリントが出てきた。 そして、その提出日は今日の二時間目…。 一時間目は先生の目を誤魔化しながら、単語10回ずつを光速の勢いで書けば、ギリギリいけそうだけど、英単語の訳は誰かに見せてもらわないと明らかにマニア移送(←敢えて誤変換)にない。 あの先生、提出物に物凄く煩くて、一枚でも提出が遅れると無茶苦茶評点を下げられるんだよね…。 「うわぁ~、どうしよ~」 思わず、頭を抱え込む私。 「あっ、それならお姉ちゃんのを見せて貰えば良いよ。お姉ちゃんも同じ宿題が出て今日が提出だけど、お姉ちゃんのクラスは英語の授業が午後からだし、今回は事情が事情だし、ちゃんと貸してくれる筈だよ~?」 確かに、風邪で休んでたという大義名分があるから、普段のかがみなら、「もう、仕方ないわね…」と愚痴を言いながらもプリントを貸してくれる事だろう。 ……でも、今は――。 「つかさ…。悪いんだけど、つかさのプリントを見せてくれないかな…?」 「へっ?」 私がそう言うと、つかさはとても驚いた表情を見せた。 「私のは多分間違いが多いと思うから、お姉ちゃんのを借りた方が…」 「い、いや、あの……もう授業も始まっちゃうし、わざわざ隣のクラスに行ってかがみに事情を説明する時間も今は勿体無いというか、なんというか…」 「そっか…。じゃあ、私のプリントを持ってくるね」 「う、うん。ありがとう…」 一旦自分の席に戻っていくつかさの姿を見て、私はホッと胸を撫で下ろした。 …ただ、こうやって、つかさが事情を知らない事に付け込んで、私とかがみの関係に亀裂が入った事を時間稼ぎのように誤魔化そうとしている私自身が、この上なく情けなかった。 ……その後も私は何かと理由を付けて、かがみとの接触を拒み続けた。 朝は遅刻ギリギリの時間に教室に駆け込み、休み時間はかがみがやって来そうな気配がするとトイレに逃げ込んで授業が始まるまで時間を稼ぐ。放課後は用事があるからと告げて急いで帰る。 かがみの方も、きっと私に会いたくないのだろう。 昼休みは自分のクラスで食事をするようになったし、つかさに用事があれば、わざわざメールをして呼び出すようになった。 そんなルーチン・ワークで一日をやり過ごし、学校を出ると、今日も何とか誤魔化し切れた事に安堵する。 …自分でも最低な人間だと思う。 だけど、こうでもしないと、私は一瞬にしてこの大好きだった日常を失ってしまうのだ。 いくら誤魔化しても、もうこの日常にかがみは戻って来ないのに。 そして、その日常も、崩壊は最早時間の問題でしかないのに――。 § その日の放課後も、私はつかさに一緒に帰れないという断りを入れて、急いで学校を離れようとしていた。 「ごめん、つかさ! 私、今日もちょっと急用があって一緒に帰れな――」 「待って、こなちゃん」 その日、私は初めてつかさに呼び止められた。 「…な、なにかな?」 「…話したい事があるんだけど、良いかな?」 「で、でも、私、もう時間が――」 「かがみさんなら、今日はここに来ませんよ」 「っ!?」 私の背後にはみゆきさんの姿があった。 「…ここじゃ話せないから、屋上までついて来てもらって良いかな?」 「……」 これで全てが終わっちゃうんだな……。 観念した私は、静かにそれに頷いた。 § ゲームやアニメでは良く出てくる風景だけれど、このご時世に屋上を自由に出入り出来る学校は、ウチの学校を除いては早々無いと思う。 そんな場所で、私はこれまでに無いほど真剣な面持ちの二人の少女と対峙していた。 「…で、話ってなに?」 「うん。話っていうのはね、こなちゃんとお姉ちゃんの事なんだ」 この瞬間、私の中にあった、もしかしたら予想とは全く違う話題を振ってくるかも…という淡い期待すらも消えてなくなった。 「ここ最近、お姉ちゃんもこなちゃんもお互いの事を避けてるみたいだったから、喧嘩でもしちゃったのかなって思って、お姉ちゃんにこなちゃんと何があったのか聞いたの」 「……」 「…最初は、何も話してくれなかったけど、何度も聞いてる内にやっと昨日になって、お姉ちゃんが事情を全部を話してくれたんだ」 「…そう、だったんだ…」 淡々と話すつかさに、私は掠れた声でそう返答する事しか出来なかった。 「お姉ちゃんね、ファーストキスは好きな人とロマンチックに交わしたいってずっと前から願ってたんだ。…恥ずかしがりやさんだから、ハッキリとその事を口にはしていなかったけど、私には分かるんだよ」 双子の姉妹だからだろうか、つかさの言葉には、その事実に間違いは無いという自信が感じられた。 「お姉ちゃん、キスされた事に凄くショックを受けてた。私にその時の事を話してくれた時も、ずっと悲しそうな表情をして最後まで話してくれたんだ」 「……」 私があの日から知る事の出来なかったかがみの様子をつかさの口から聞かされる。 キスした事に対する罪悪感と、明らかに私が拒絶されている事に対する悲しさとで、胸が張り裂けそうになる。 「……私ね、お姉ちゃんの事が大好きなんだ。双子の妹として生まれてきた事を誇りに思ってる。だから――」 ニュアンスは違うとはいえ、つかさの「好き」という言葉に私の心臓はビクリと跳ね上がった。 「――だから、お姉ちゃんの事を傷つける人は、例え友達でも許す事が出来ないんだよ」 普段は温和な性格のつかさだからこそ、その放たれた言葉がどんな鋭利な刃物よりも私の心に深く突き刺さる。 「…ホントは、こなちゃんとお姉ちゃんの事だから、どんな喧嘩をしても、すぐに仲直りしてくれるって信じてた。でも、一週間以上経ってもこなちゃんはお姉ちゃんに謝りもしない。どうして謝ろうとしないの?」 つかさの表情からは、端から見れば表立った感情は感じ取れない。 だけど、私には――あの時、外国人に道を聞かれ、当惑していたつかさを勘違いで救い出して以降ずっと友達を続けてきた私には、それが手に取るように良く分かる。 私に向けられた感情が、私がかがみを傷つけた事に対する憎しみと、私がつかさの信頼を裏切った事への悲しみだけしかないという事を……。 私の瞳から、抑えきれなくなった感情が流れ出しそうになる。 ここで泣いたら卑怯じゃないか。 悪い事をしたのは私の方なのに……。 「……黙ってても、何も分からないよ」 何も答えられない私に対して、つかさの語気が徐々に強まっていく。 でも、私は自分の意思を伝える事が出来ずに居た。 この抑え切れない感情を、なんとか抑え付けるのに精一杯で――。 皆と一緒に居る事が出来た幸せを失いたくなくて――。 「こなちゃん!」 「好きなんだよっ! かがみの事が!!」 つかさの怒りが臨界点を超えたその瞬間、私はとうとう崩壊のスイッチを押してしまった。 「…へっ?」 「…こなたさん?」 二人とも、私の口からそんな答えが返ってくるとは考えてもいなかったのだろう、心の底から驚いた表情を私に見せている。 …でも、私が今までずっと溜め込んできた想いは、もう止まらなかった。 「…ずっと、ずっと前から好きだった。何度もかがみに告白したいって思って、その度に諦めてた……私達は女同士だから。それに、私がその想いを告げる事で、今の関係――かがみや、つかさやみゆきさんと一緒に過ごす関係が壊れてしまうんじゃないかと思って、そうなるのが怖くて、ずっと気持ちを隠してた。その内に、私は親友としてかがみの傍に居られればそれで良いって思うようになった。…でも、そんな時にあの人が私達の前に現れて、あっという間にかがみを奪っていって、私達と過ごす時間がどんどん減っていって……。それが本当に悔しくて、悔しくて…。それでも必死に耐えようとした。でも、無理だったんだよ! 好きな人が自分の目の前で他の誰かに奪われて行く様子なんて、見たくなんか無かったんだよっ!!」 私の瞳からたくさんの涙が落ちていく。 人前で涙を見せるのは、何年ぶりだろう。 それでも私は溢れ出す感情を、言葉にして紡ぎ続ける。 「今日までずっと後悔してたんだよ。かがみを不幸にしてしまった自分自身に。私がかがみに恋愛感情なんか抱いちゃったから…私がこんなキモイ感情を持っちゃったからっ!! こんな感情、持たなければ良かったのに…。私なんか、存在しなければ良かったのに…!!」 立ってる事も出来なくなって、私はその場に崩れ落ちた。 そこから先は、もう喋る事も出来なくなって、私の嗚咽だけが屋上に響き渡る。 つかさ達の様子を確認する気力すら、最早残っていなかった。 ……でも、もういいや。 何もかもが終わってしまった。 永遠に続くと思っていた関係なのに、ふとしたことで全てが壊れてなくなってしまった。 そして、その原因を作ったのは、全て私のせいだ……。 § どのくらいそうして居ただろうか。 暴走した感情が、再び抑制出来る程に落ち着きを取り戻すと同時に、私は再び立ち上がる。 その間も二人はずっと、私の目の前に佇んでいる。 私は二人の顔が見るのが――拒絶され、軽蔑の目で見られる事が怖くて、顔を灰色のコンクリートに伏せたまま目を瞑った。 過ちを犯した事に対する罰を受けなければならない。 私はその体勢のままで、二人の言葉を待った。 「…こなちゃん、ごめん…」 私の耳に最初に飛び込んできたのは、私に対する罵声でも拒絶の声でもなく、つかさの涙の交じった謝罪の言葉だった。 「えっ?」 驚いた私は、目を開いて視線をつかさに向ける。 つかさは、涙を零しながら、私に謝っていた。 「…私、ずっと勘違いしてた…。お姉ちゃんとけんちゃんが付き合い始める事で、みんなが幸せになれると思ってた…。不幸になる人なんて誰もいないって思ってた……。でも、私は、私の大切な友達を苦しめてた…。ごめん、こなちゃん。本当に…ごめん…なさい……」 そのつかさの様子を見て、今度は私が狼狽する。 「な、なんでつかさが私に謝ってんの? 悪い事をしたのは私なのに。女なのに同じ女の人を好きになっちゃった私が悪いのに…」 「…確かに、こなたさんがかがみさんにキスした事自体は、許される事ではないかもしれません」 泣いたままで、喋れなくなってしまったつかさに代わって、ようやくみゆきさんが口を開き始める。 「…ですが、こなたさんがかがみさんに恋愛感情を抱くという事に関しては、私自身は決して悪いとは思いません。同性愛に偏見を持っている人は確かに少なくはありません。しかし、実際に同性の人を愛してしまう人は存在するのですから、周囲の偏見だけでその人達の権利を蔑ろにするのは私は間違っていると思います。そして、それ以上に――」 そこまで言って、みゆきさんは意図したかのように一度言葉を止める。 「…それ以上に?」 私がみゆきさんの方を向いて、続きを促すと、みゆきさんは穏やかな微笑みを向けて私にこう告げた。 「――友達じゃないですか。私達は。誰かが幸せを感じれば、それを皆で分かち合い、誰かが悩みを抱えれば、それを皆で分かち合い、解決出来るように惜しみのない支援を送る…。それが友達という関係なんだと、私は思っていますよ」 みゆきさんの言葉に続けて、つかさも涙を堪えながら口を開く。 「…私も、こなちゃんの願いを叶える事はもう出来ないかもしれない…。でも、これからもずっとこなちゃん達と一緒に居たいよ……」 「…あ…あ…」 私の瞳からまた涙が溢れ出して来る。 だけど、今度は嬉し泣きだ。 「みんな…ありがとう…ありがとう…」 既に薄暗くなった屋上で、私は泣きじゃくりながらも、精一杯の声でずっと二人にそう伝え続けた。 喪失したものへ コメントフォーム 名前 コメント (/ _ ; )b -- 名無しさん (2023-06-21 16 00 06) 信じられねぇ…優しいな。 いい友達じゃねえか -- 名無しさん (2009-06-01 02 14 03) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)