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国系箱管理人が守るべき10の訓戒。 ノックスの十戒のパクリであり、元ネタ同様にあくまでネタとして取り扱うべきである。 というか、全部遵守している国系箱などそもそも存在しえるのか…? 1.類似する要素の存在を禁ず。 2.送り主が読めない機密文書の存在を禁ず。 3.告知なき仕様・ローカルルール変更を禁ず。 4.世界観に矛盾する要素の存在を禁ず。 5.管理人が隠れてプレイヤーとなることを禁ず。(欠番) 6.冗長なコマンド・施設名の設定を禁ず。 7.管理人のゲームへの直接的介入を禁ず。 8.安価すぎる破壊手段の存在を禁ず。 9.プレイヤーは第三者に知られずに機密文書を送ることが許される。 10.管理人に理解できない仕様を禁ず。 1.類似する要素の存在を禁ず。 資源・施設名などで意味もなく似たような要素があることがあるが、冗長であるので控えるべきである。 2.送り主が読めない機密文書の存在を禁ず。 プライベートメッセージなどは送ったプレイヤーが後で確認できるべきである。 3.告知なき仕様・ローカルルール変更を禁ず。 仕様やローカルルール変更は全てのプレイヤーに確実に通達されるべきである。 プレイヤーに理解されない仕様ほど管理人とプレイヤーを共に不幸にするものはない。 4.世界観に矛盾する要素の存在を禁ず。 国系箱であるからにはゲームに世界観にそぐわない要素があるべきでない。 5.管理人が隠れてプレイヤーとなることを禁ず。(欠番) 管理人が隠れてプレイヤーとなるのは著しく公平性を欠く。管理人がプレイヤーであるならば公表されるべきである。 …のだが、そもそも管理人がプレイヤーになること自体に不公平性があるし議論になるので欠番で上書きしておく。 6.冗長なコマンド・施設名の設定を禁ず。 シンプルなコマンド名・施設名であれば逆に設定の自由度が増す。シンプルイズベスト。 7.管理人のゲームへの直接的介入を禁ず。 管理人は神のような存在であり、各国の資源量などを直接的に変更すべきではない。 手動イベントなどでは仕方ないかもしれないが、できる限りプログラム上に実装するべきである。 8.安価すぎる破壊手段の存在を禁ず。 軍備には相応のコストが必要である。僅かなコストで大軍を保有できるのはよろしくない。 9.プレイヤーは第三者に知られずに機密文書を送ることが許される。 知的なゲームに隠れてやりとりする手段は必要である。例え裏外交の温床になるにしても。 10.管理人に理解できない仕様を禁ず。 管理人自身がシステムを把握しきれていない場合があるが、バグの温床となるのであってはならない。 上の全てよりも最優先すべき条項であると同時に、実は誰も達成したことのない条項かもしれない。
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(書きかけ) 凍てつく北国の12月の寒空の下、ミュリエル・ロレーヌ・フォン・クラウローテ・フォールンドリームは一つの問題と、それについての今後の身の振り方について考えていた。 玲連邦の共同鎖国に伴う、クレイオ連邦の外交活動停止。 上の空でエイル市街を歩いていると、アッシュブロンドの少女に話しかけられてくる。 「失礼」 一瞬、ミュリエルの耳はそれを自分に対する呼びかけだとは認識しなかった。それどころか、それが自分の母語である古アストラル語であるとすら思えなかったのだ。 …訛りの一切感じられない、純粋なフィンブル人の話すのに等しい流暢な古アストラル語。 フィエルラント大学外国語学部の古アストラル語講座で手伝いをしている時に聞くたどたどしい古アストラル語とは次元の違う、一寸の曇りもない完璧な発音。 「…誰?」 「ミリティア・ロートと申します。ミュリエル・フォールンドリーム殿下」 「ミリティアさん…ね。確かに私はミュリエル・ロレーヌ・フォン・クラウローテ・フォールンドリームですが。何の用ですか?」 「用があるのは私達ではなくあなたですよ。ミュリエル殿下」 「…それはどういうこと?」 それに対し返してきたのは、アッシュブロンドの少女ではなく、その後ろにいた白金の髪の少女だった。 「夢魔と学問と星月の門に祝福された、ですか…。本当にそういうのってあるんですね。ま、ここで話すことではありません。場所を移しましょう」 こちらの少女の古アストラル語は若干リルタニア訛りの入っているが、まあ大学の古アストラル語の授業では十二分に及第点の評価を受けることができるだろう。 「さて」 「…リルタニア語でいいわ。そっちのほうが話しやすいでしょう」 「うーん、一朝一夕で会話を習っても使い物にならないでしょうかね、やはり…」 少女のリルタニア語はヌーベルタレーオナ語やフラティーク・リルタニアン(フラトに入植して数代目の話すようなリルタニア語)ではなかった。典型的なリルタニア本国のアッパーミドル層の発音だ。 服装はシンプルなドレス。今のリルタニア人少女の装いとしてはかなり古風だろう。リルタニアの女子校の女子学生に聞けば、多分「時代遅れとかいうレベルではない」と言われるだろう。 「一朝一夕でそのレベルならかなりのものだと思いますけどね。出身はどちら?」 「家はフラトの中央高原にありますよ」 「…それで、その」 「ああ、ミュリエル殿下は言語とか文化が専門でしたっけね。ええ、察しの通り、リルタニア諸島本土の出身ですよ」 フラト中央高原に住む、リルタニア本土のアッパーミドル出身の銀髪の少女。ミュリエルはカイバーの地理には明るくなかったが、その通りの人物を一人だけ知っている。ただ…その人は半世紀以上昔にあの核大戦の中心人物として死に、仮に生きていてもとうに八十近くになるはずだ。
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聖暦1039年2月・ヴェルレニース自由港同盟首都ネイフフォード新市街の閑静な一角に建つ、ヴェルレニース国立図書館の本館。 「ちょっといいかね、カレンくん」 「あっ、はい」 司書の一人、カレン・ステイプルトンは館長の呼び出しを受けていた。 「ひとつ、問題が生じた」 「問題…ですか」 深刻そうな面持ちで語る初老の館長。 「ああ。君にはそのために少し古巣で仕事をしてもらう」 「古巣…統一外交委員会の事務局ですか?それともヴェルレニース大学言語学部に? 「外交のほうだ。本来なら入れてもらえるはずはなかったのだが、君であることを条件にどうにか出向を認めてもらった」 「…どういう問題が起きたのですか?」 「ケンプフェルトの著書の購入予定は覚えているね?君も確か蔵書に賛成を入れたはず」 「はい、イヴァインベルクにおける社会的な反響を見るに、イヴァインベルクに関する政治学の上で蔵書にする価値があるだろうと」 「読んだことは?」 「…いえ」 「恥じずともよい、ヴェルレニース人であれを読んだ者はいない。蔵書に入れることが提案されたのも君がこの書評を素早くキャッチしてくれたからだ」 「はい。それで、あの本が…?」 「成立して間もない領邦体制への非難ととられ、禁書になった。我々が注文していた一冊はリエナ港で差し押さえ、だ」 「差し押さえ?」 「ヴェルレニース船籍の船に積み込む直前だったそうだ。輸送業者が在イヴァイン法人だったために取り上げが通ってしまった」 「それで、私の役割とは」 「我々はあの本を蔵書する。君は翻訳官の身分を与えられた。ヴェルレニース使節団に参加、これに協力し、あの本を取り戻せ」 「謹んで拝命しました」 しかしかくしてブレメルリッツの自由港同盟大使館に到着し、まず交渉の状況を聞きに行ったカレンを迎えたのは同盟外交官の冷ややかな対応であった。 この対応は確かに自分が統一外交委員会の事務局にいたときには自身が体現していたのものではあった。 軍事、通商、宗教などの様々な価値が複雑に折衷された自由港同盟体制においては、分かりやすい「国益」の算定法は存在しない。 ゆえに、統一外交委員会はそれら利益集団から独立して、同盟全体の存立と安定を見通して、他国との首尾一貫した外交を行わねばならず、そうであれば、決して特定の国内勢力に偏ってはならない。 これは統一外交委員会が設立された趣旨であり、内政各部署とも隔絶した統一外交委員会の高い地位を齎しているものでもある。 …それはそうなのだが、その相手をする側に回ってみれば、やはりこれは面倒なものだ。外部からの介入者を入れたがらない性質というものは。NIH症候群もこれでは可愛いものだ。 自分が元事務局員というのも、身内に甘い顔をしたりしてはならないという原則からして対応を冷淡にするよう意識させているのだろう。 「イヴァインベルク側によりますと本そのものは返せませんし禁書指定も外せませんが本の代金は賠償してくれるそうですね。そちらの仕事はこれで終わりなのでは?」 「それは良いのですが…統一外交委員会の意図は?」 「これは自由の理念に関わる重大な問題です。引き下がることは決してできません」 少し顔を上げた外交官の銀縁の眼鏡がうっすらと光る。かなり本気なのだろう。私が今事務局にいたとしたら多分私もこうするであろう。 「心中お察しします。しかし本の内容が分からないのでは交渉もできないでしょう」 「ほう…何か策がおありで?」 乗ってきた。冷淡な対応のうちにもこの外交官の脳内にあるのは行きづまりの解決策の模索。そう、行き詰まっているのだ。 「まだ本の回収が始まって一週間と経っていません。イヴァインベルクの市井から未回収の本を入手することは充分に可能でしょう」 「ほう…その“市井”がどこかにあると?」 「そのあたりは私に心当たりがあります。問題ないでしょう」 「彼らにペルソナ・ノン・グラータを食らわされたいのですか?」 「ですから内密に行う必要があります。そして万が一があった時には、これは私の独断専行であり今回の使節団の総意ではない、と」 「…ふむ。しかしそうであれば外交委の援護はあまり期待できないとご理解ください」 期待していないはずはあるまい。しかしなぜそうまでするのかと不審は抱いているだろう。彼らは自分たち以外に“ヴェルレニース人”がいくらでもいることを解したがらない。 …けれど、私はヴェルレニース人なのだ。 「はい、それはよく知っています」 東の空を照らす太陽。そよ風に揺れる木の葉。そして陽光を受けて輝く朝露。そんなすがすがしい朝。 ここはイヴァインベルクのとあるユンカーの所領。留学時代に親友だった貴族の娘の実家である。 (…本当はできれば本当に市井から入手したかったのですが。とはいえどのみち向こうに入手ルートは教えることはありませんし、早く入手できるに越したことはないでしょう) そんなことを考えていると、使用人が呼びにくる。朝食の準備ができたらしい。 「昨日は満足に応対してやれずすまなかったね。ちょうど別の客人も来ていたもので、そっちにかかりきりだった」 いかめしい顔つきの主人がすまなさそうにしている。会った当初はそのギャップに驚かされたものだ。 「そうとは知らずすみません。忙しいところにお邪魔して」 「いや、かまわないよ。君の働き次第で書庫にある一冊が禁書指定を解除され、堂々と持ち歩けるようになるというわけだ。まあ、ここだけの話書庫にある禁書など一冊や二冊ではないがね、ははは」 相変わらずだ。娘の話ではずっと昔ある商人との出会いの中で感化され、開明的になったと聞いたとか。最近では領内に線路を引いてみたりしているらしい。 「…それで、あの本については」 「ああ、さすがに原本はこのままおいておきたい。コピーは持っていってくれてかまわん」 「写本か。君たちにとってはこれで充分ではないかね?後は我々の仕事であろう」 …相変わらず外交官は冷淡だ。だが、引き下がるわけにはいかない。 「そういうわけにもいきません。私が与えられた役割は『あの』本を取り返せ、ですから、没収された本そのものを取り返さなければなりません」 「…そうか。まあ、翻訳官としての任務はまだ終わっていない、か。そうだな」 「写しです。ヴェルレニース語の対訳は私が付けました。本国にも送付済みです」 「…原本は、どうやって?」 「さて…『最初からそこらじゅうにあった』のでは?図書の流通の規制というのがうまくいく時代ではもはやありませんからねえ、いっそおやめになっては」 そんなことはできない。認められない。 それは…それは百家争鳴と同義だ。 「我々としては…えー、図書の流通にあたっては健全な―」 「少し言い方を変えましょう。最初からそこらじゅうにあったことに『しましょう』か」 見えないネットワークから情報を拾えるなら、見えないネットワークを介して情報を拡散させることもできる…言外のそういう脅しだ。それは…そのようなことは、決して………。 再び親友の父であるとあるユンカーの邸宅。成功報告に来たのだ。 彼もいたく喜んでいたのだが、印象的だったのはもう一人の客人の話だ。こんなだった気がする。 「やはり、上から変える必要があるのでしょうな」 三十代くらいの紳士だ。同じヴェルレニース国民。鉄道関係の実業家なのだそうだ。 「彼らが恐れているのは下からの変革でしょうけども。しかしかのようなところに手早い変革をもたらすには―彼ら自身は過程のうちにおいてそれは漸進的なものと思いなすでしょうが―上からの変革こそ有益。そしてここからが重要なのですが、一度上を抱き込んでしまえば、次のステップとしての下からの流れの形成から目を逸らさせ、あるいは恐れさせなくすることができる。そういうことでしょうな」 恐ろしい人だ。どうも命知らずなのかもしれない。少なくとも相当な野心家だ。 「いずれにせよ、今回はまだ妥協せざるを得なかったのでしょう。まだまだこれからというわけです」 それは間違いなくそうだ。しかし、そんなことより、この人物が何となくヴェルレニースの行く先に波乱を齎す人物である、そんな予感がどうにもぬぐえなかった。
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熱帯 熱帯多雨気候Af ☆ 開発について 伐採にターン消費がある密林が行く手を阻みます。しかも密林はだんだん増殖していきます。 農業について 土があまり良くないので生産性は低めですが多毛作で供給は安定します。プランテーションもあります。 産業について 鉱業はともかく、工業はあんまり発展してくれません。 経済について 開発してしまえたなら、一応商業もできます。インフラ整備が大変かもしれませんが。 イメージ:インドネシア・シンガポール 熱帯サバナ気候Aw ☆☆ 開発について AfとCfaの中間的な感じです。一応密林が立ちはだかってきますが、こっちは切り倒すのは容易です。 農業について 米は莫大な人口を支えてくれます。プランテーションしてもいいでしょう。 産業について 莫大な人口で労働集約型産業を興すこともできます。別にしなくてもいいです。 経済について 問題なくできますが、Cfa,Cfbと比べれば確かにやややりづらいかもしれません。 イメージ:タイ 乾燥帯 砂漠気候BW(非推奨) ☆ 開発について 水の確保が全てを左右します。逆に言うと水問題さえなんとかすればまったく問題ないのですが…。 農業について 意外かもしれませんが生産性は高いです。ただし水の消費が驚異的に激しいので輸入したほうが手っ取り早いでしょう。 産業について 燃料資源が優遇されます。化学工業を興すのも悪くないでしょう。 経済について 砂漠のど真ん中に摩天楼を建てますか?ちょっと前途多難ですができないことはないです。 イメージ:アラビア・サハラ ステップ気候BS ☆☆ 開発について 水を輸入して農業を興すと意外にうまくいくかもしれません。難易度は普通です。 農業について ちょっと水消費が多めですが、一年で枯れる草原が堆積してできた土は実は最高の生産性を誇ります。 産業について 特に何も問題はないですが、お勧めする要素も特にないです。 経済について マイナスにもプラスにも働きません。普通です。 イメージ:中央アジア 温帯 温暖湿潤気候Ca(推奨) ☆☆☆ 開発について Cbと並び開発の容易な気候のひとつ。Cfbより農業重視ですが、工業国・商業国になっても問題ありません。 農業について 米の高い土地生産性は高い人口密度を可能にします。農業国として君臨するのが最も容易です。 産業について 生産力は平均的です。米がもたらす人口で殖産興業を目指すのも良いでしょう。 経済について Cfbより若干弱いですが、決して悪くありません。 イメージ:中国南部・日本 西岸海洋性気候Cb(推奨) ☆☆☆ 開発について Cfaと並び開発の容易な気候のひとつ。Cfaより工業・商業重視ですが、農業国になっても問題ありません。 農業について 小麦の生産性はCaには劣ります。工業力を用いて肥料を放り込んで生産性を上げましょう。 産業について 労働集約型産業はCaやAwに負けるかもしれませんが、それ以外ならなにをしてもよしです。 経済について 年中快適なため、経済活動はもっとも活発です。商業国を目指すならこの気候でしょう。最初から市場があります。 イメージ:イギリス・ドイツ・フランス 西岸海洋性気候Cc ☆☆ 開発について 農業生産性の下がったCfbです。かなりマイナーな気候帯ですがなぜかあります。 農業について 自由農業(酪農)はできますが、生産性は低めです。林業ならできます。 産業について Cfbとそれほど変わりありません。 経済について 農業ができない分、ほんの少しCfbより上になっていたりします。 イメージ:アイスランド、アレキサンダー諸島(アラスカ南東部) 地中海性気候Cs ☆☆ 開発について 観光業主体の経済を望むなら最適です。夏が待ち遠しくなること請け合い。 農業について 自由農業(地中海式農業)で楽しく果実栽培。 産業について あんまり産業は盛んではないのですが、できないというわけではありません。 経済について Cfbとほとんど変わりません。リゾートがとてもおいしいです。 典型的なイメージ:イタリア・スペイン 冷帯 大陸性混合林気候Da ☆☆ 開発について 夏が暑い割に冬が寒いというなんか損してる気がする気候です。難易度自体は普通です。 農業について 夏の間はCfa同様の暑さなのでCfaとほぼ同等の生産性を持ちますが、ただし厳しい冬に耐えなければなりません。 産業について これといってマイナスに働く要素は存在しません。 経済について Cfa,Cfbに比べれば若干見劣りしますが、特に問題はないでしょう。 イメージ:中国北部・北海道 大陸性混合林気候Db ☆☆ 開発について 冬は寒いのが難点ですが、普通にプレイはできます。 農業について 夏の間はCfb同様の暖かさなのでCfbとほぼ同等の生産性を持ちますが、やっぱり厳しい冬に耐えなければなりません。 産業について Daと同様。 経済について Ca,Cbに比べれば若干見劣りしますが、特に問題はないでしょう。 イメージ:東欧・北欧・カナダ南部 針葉樹林気候Dc,Dd(非推奨) ☆ 開発について 農業とか商業とかそんなものは忘れてください。ソビエトロシアでは、国家が林業と鉱工業を支える! 農業について 建てられないことはないですが、生産性はひどいものです。林業なら普通にできます。 産業について 農業が弱い分、鉱工業中心になるでしょう。鉱物資源にボーナスがついていたりします。 経済について 寒いのでやや厳しめで、世界の取引所を目指すとかそれはちょっと無理があるかもしれません。 イメージ:シベリア・アラスカ 寒帯 寒帯気候E(隠し) 開発について 工業国以外の一切の選択肢が用意されていません。そして工業国の道を選んでも前途は多難です。 農業について できません。林業もほとんど育ちません。農業が国の礎とかいってる連中はあなたの敵です。 産業について 暖房のためかエネルギー消費が膨大ですが、鉱工業は可能です。鉱物と燃料資源にボーナスありますが、雀の涙に過ぎないでしょう。 経済について 寒すぎて経済活動は低調です。商業国を目指すのは困難でしょう。 イメージ:寒帯だけの国は存在しません
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国名 レイズフィリーク同盟 君主 (形式上帝国皇帝) 言語 ファーレ語族リグレント語(仮) 主都 レイズフィリーク 宗教 聖教 紋章 開かれた本の上にコインとガラス器が載る形のエスカッシャンに、一対の天使がサポーター、船がコンパートメント 概要 [#fa852968] 黒曜海沿岸の自治権を持つ複数の帝国都市がレイズフィリークにおいて相互の自治と独立、平等を認め合う形で発足した都市同盟。 本来は単なる経済的連合であったが、時が下るにつれ政治性・軍事性も持つようになるに至った。 ガーランドの天使降臨 黒曜海沿岸が帝国と等質な封建的文化にあった時期に同盟の文化的下地を形成する契機となったとされる天使降臨の伝承。 雪の降る1月のある日、レイズフィリークに住むガラス職人の息子である少年ガーランドの下に二人の天使が現れ啓示を下したという。 その後も毎年同じ日に彼の下には天使が啓示を下し、それにより彼は大成していった。 啓示の内容は当初勉学を奨励するものであったが、彼の成長につれ次第に知識の普及活動の推奨へと変遷した。 彼はこの啓示に従い学校を設立、彼の晩年にこの学校はレイズフィリーク大学となる。 これが黒曜海沿岸部の帝国本国からの文化的独立の始まりとなり、商人階級の勃興と自治都市の出現に繋がったといわれている。 都市同盟においては成立のための最初のターニングポイントとされ、その日は多くの都市市民にとって祝日となる。 また、このため同盟では降雪は天使の翼のひとひらといわれ、吉兆とされている。なお、多くの同盟都市では降雪は穏やかなことがほとんどである。 政治 [#vb1b38cb] 帝国皇帝に直属する自由都市が構成員であるが、同盟としての商館が各地におかれ根拠地として機能している。 各都市の有力者などが構成員となる参事会において同盟の意思が決定されるが、都市同盟であるため分権的で中央権力は弱い。 各都市においては商工業者のギルド・大学などの団体がそれぞれ影響力を有している。 地理 [#icc72ed8] レイズフィリーク 黒曜海に存在する帝国自由都市のひとつ。同盟の中で最も規模が大きく、同盟の結成を主導した。 レイズフィリーク大学は黒曜海における学問の中心地のひとつ。 軍事 [#r3c0522f] いくつかの主要な都市に存在する大学が魔法使いを輩出しており、同盟の力の一つとなっている。 が、基本的にはその商業力を基盤とした傭兵が同盟の軍事力の大多数を担っており、彼らの士気不足に悩まされている。 人物 [#o3e31923] 名前 性別 種族 年齢 役職 備考 アルフレート・ウィッテン 男性 人間 68 参事会議長 イントヴァルドとの貿易で財を成した大商人 エルミーネ・フレンス 女性 盟約者 27 レイズフィリーク大学学長 擬天使マリー・テレーズの盟約者 アンゼロット 女性 擬天使 14(5105) プレイヤー級グレーターデーモン ゲームプレイヤー・擬天使の創造者 ミリティー 女性 夢魔 19(5153) クイーン級レッサーデーモン アンゼロットに仕える夢魔 マリー・テレーズ 女性 擬天使 (10XX) レッサーデーモン エルミーネの盟約悪魔 フィリオリ 女性 擬天使 (10XX) レッサーデーモン アーナルダ 女性 擬天使 (10XX) レッサーデーモン ユーシス 男性 擬天使 24(10XX) レッサーデーモン アドリアン・モーリス 男性 擬天使 51(10XX) レッサーデーモン レイズフィリーク食品市の主宰者 国名 レイズフィリーク同盟 君主 (形式上帝国皇帝) 主都 レイズフィリーク 宗教 聖教 紋章 開かれた本の上にコインとガラス器が載る形のエスカッシャンに、一対の天使がサポーター、船がコンパートメント 概要 [#fa852968] 黒曜海沿岸の自治権を持つ複数の帝国都市がレイズフィリークにおいて相互の自治と独立、平等を認め合う形で発足した都市同盟。 本来は単なる経済的連合であったが、時が下るにつれ政治性・軍事性も持つようになるに至った。 ガーランドの天使降臨 [#ca5a277c] 黒曜海沿岸が帝国と等質な封建的文化にあった時期に同盟の文化的下地を形成する契機となったとされる天使降臨の伝承。 雪の降る1月のある日、レイズフィリークに住むガラス職人の息子である少年ガーランドの下に二人の天使が現れ啓示を下したという。 その後も毎年同じ日に彼の下には天使が啓示を下し、それにより彼は大成していった。 啓示の内容は当初勉学を奨励するものであったが、彼の成長につれ次第に知識の普及活動の推奨へと変遷した。 彼はこの啓示に従い学校を設立、彼の晩年にこの学校はレイズフィリーク大学となる。 これが黒曜海沿岸部の帝国本国からの文化的独立の始まりとなり、商人階級の勃興と自治都市の出現に繋がったといわれている。 都市同盟においては成立のための最初のターニングポイントとされ、その日は多くの都市市民にとって祝日となる。 また、このため同盟では降雪は天使の翼のひとひらといわれ、吉兆とされている。なお、多くの同盟都市では降雪は穏やかなことがほとんどである。 政治 [#vb1b38cb] 帝国皇帝に直属する自由都市が構成員であるが、同盟としての商館が各地におかれ根拠地として機能している。 各都市の有力者などが構成員となる参事会において同盟の意思が決定されるが、都市同盟であるため分権的で中央権力は弱い。 各都市においては商工業者のギルド・大学などの団体がそれぞれ影響力を有している。 地理 [#icc72ed8] レイズフィリーク 黒曜海に面し、ヴァルダム大陸最西端の岬に存在する港湾都市。同盟都市であるため当然のごとく帝国自由都市である。 地理的な問題から黒曜海とベルセリア・フィルモア方面を結ぶ航路上における要衝であり、同航路のほとんどの船が補給拠点とする。 同盟加盟都市の中で最大の人口と経済規模を誇り、同盟結成を主導し、現在も同盟参事会においてレイズフィリーク代表は最大の発言権を持つ。 レイズフィリーク大学は黒曜海における学問の中心地となっているらしく、魔法使いも多数存在する。 過海洋性の気候であり、年中冷涼湿潤で非常に過ごしやすい。 ベレエイス 黒曜海南西部の岬に存在する港湾都市にして、同盟諸都市では最も聖職者の人数の多いことで知られる混沌とした都市。 帝国の領域としては最南部に位置する経済的には辺境の地だが、過去に何度かアンタンジルへの遠征軍の補給基地ともなり、信仰上重要。 稀に狂人が見果てぬ新天地への到達を夢見てこの都市から旅立つが、この時代の航海技術での遠洋航海は実質不可能であり、多くはよくて海の藻屑、悪ければ幽霊船と化し周辺海域に脅威をもたらす。 また、時折アンタンジル方面の奇妙な雲がこの都市まで広がることがあり、その間は全ての市民が活動を控え神に祈りを捧げる風習がある。 これらの要因から死霊や吸血鬼が多く、聖職者を伴わず城壁の外に出れば略奪者との遭遇とはまた違った一つの重篤な経験を得られるだろう。 そんな環境にもかかわらず(あるいはであるからこそ)、周辺農村でとれる葡萄を原料としたワインは美味とされ高値がつく。 北黒曜海大司教領(仮) 黒曜海沿岸北部の非都市部を統治する大司教の領邦。この大司教は帝国選帝侯としての地位を有する。 本来北黒曜海大司教はレイズフィリークを司教都市とし周辺都市も支配していたが現在ではこの地域の主要都市はほとんどが自治権を獲得したため都市部は統治していない。 かつては大司教と都市市民との対立は激しかったが、近年ではレイズフィリーク大学の出身者がこの職につくようになっており、都市同盟と協力的な領邦となっている。 軍事 [#r3c0522f] いくつかの主要な都市に存在する大学が魔法使いを輩出しており、同盟の力の一つとなっている。 魔砲兵 都市同盟における主要な軍事力を構成する魔導師集団。観測・伝達・射撃などの班からなり、世界でも珍しい魔法使いの連携による戦闘を行う。 間接射撃まで行う実力を持った者は多くはないが、火器のないこの時代に行われるそれは強い印象を与え、後世まで「砲兵」という名を齎した。 平時にあっては気象観測や地形測量、同盟都市並びに商館の警護に従事し、攻城戦においては敵攻城兵器の破壊を主目的とする。 基本的に都市同盟の軍事力として活動するが、多くの魔法的な素材や書物などの報酬を用意された場合には傭兵となることもある。 人物 [#o3e31923] 名前 性別 種族 年齢 役職 備考 アルフレート・ウィッテン 男性 人間 68 参事会議長 イントヴァルドとの貿易で財を成した大商人 エルミーネ・フレンス 女性 盟約者 27 レイズフィリーク大学学長 擬天使マリー・テレーズの盟約者 人ならざる者ども [#z9a1cf2f] 名前 性別 種族 外見年齢 実年齢 位階 備考 アンゼロット 女性 擬天使 14 5105 プレイヤー級グレーターデーモン ゲームプレイヤー・擬天使の創造者 ミリティー 女性 夢魔 19 5153 クイーン級レッサーデーモン アンゼロットに仕える夢魔 マリー・テレーズ 女性 擬天使 10XX レッサーデーモン エルミーネの盟約悪魔 フィリオリ 女性 擬天使 10XX レッサーデーモン アーナルダ 女性 擬天使 10XX レッサーデーモン ユーシス 男性 擬天使 24 10XX レッサーデーモン アドリアン・モーリス 男性 擬天使 51 10XX レッサーデーモン レイズフィリーク食品市の主宰者
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ヴァレフォールからは遠く、遠く離れた世界。 ムルムス。 クロンの首都にある、聖ルーアン大聖堂で、航海者たちが退屈しのぎに談笑していた。 銀髪をたなびかせ、ティーカップに映るミルクの織り成す模様を楽しむアンゼロット。 金髪を風に撫でさせながら、ゆったりと紅茶の香りを楽しむフローラ。 そんな二人の話題はといえば、これだ。 「向こうのリグレットの話…ですか。ミュリエルからは少し聞いていますよ。話しておくのは、そうですね、あなたのためにはなるかもしれませんね」 「ええ。ぜひ聞きたいのよ」 そうしてアンゼロットは語り始めたのは、氷雪にまみれ、静かな眠りについた世界の物語だ。 「…リグレットも、大変だったんですね」 アンゼロットは肩を竦める。大変だったかどうかなどアンゼロットの与り知るところではない。 むしろアンゼロットにとっては、天使たちは本来の仕事をしているだけ、それどころかヒストリーはどうこうと余計な色眼鏡なんかをつけて、全く何をしているのか、というくらいですらある。 とはいえ、そのあたりを深くフローラに対して追求しても無意味なのはアンゼロットにとっても自明だったし、フローラ自身はアンゼロットからの伝聞情報を整理することだけで頭が一杯だった。 …静かな時間が流れる。フローラが口を開くまでの間、アンゼロットは紅茶と茶請けを楽しむことに専念していた。 そしてフローラが口にしたのは、こういうことであった。 「…彼女たちのために、私たちにできることはないかしら」 「何もないでしょう。そもそも、航海者というのは自らの住める場所を探して航海し、たどり着く場所が自らに居心地の悪い場所になればまた別の場所を探して航海するもの。余計なことはしないほうが無難です」 こんなことを言うアンゼロット自身は悪魔諸侯の中でも最も「造園」を楽しむほうであるが、彼女も彼女で与えられた場所で咲くという人間らしい美学は無視している。彼女がしているのは良い土に良い種を植え、そして出来上がった極上の花壇を観賞するだけだ。そして飽きたら次の土地を探しに行くのである。 「土地に深く根差し、縛られ、その土地の人々と生きる運命を背負った彼女たちと、ただ表層を渡り歩くだけの私たち。同じ次元渡りの能力を持っているとしても、恐らく存在のあり方が違うのでしょう。たとえ死すべき運命にあらずしても、本質的に同族ではないのです」 「では、私は彼女を…」 「この世界のリグレットは天使といってもあの天使とは違うでしょう。それに、本来の場所からは切り離されて、今の彼女にはあなたしか居場所がない。役得を楽しむなら咎めたてる人はいないと思いますけれども」 なお、自分は咎め立てないとは言っていない。
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【種族名】 擬天使。Assumed Angel(アシュームドエンジェル)。 【ルーツ】 幻月の学徒アンゼロット。アンゼとミリティー以外は天使のシステムを基礎理論として作られた人工生命であり、人間ベースではない。 【属性門】 基本的に学問の門だが、ミリティアだけは例外的に夢魔の門に属する。 同じ門に属する魔本や隣接する夢魔・星月の天使との友好関係にある(らしい)。 【外見】 特別擬天使に共通する外見的特徴はなく、老若男女全て見受けられる。若い女性がやや多いのはアンゼ自身からみて想像しやすいからであろう。 有翼だが基本的に翼は隠して人間同様の姿をとる。エンジェリック・セラフィナイトでは普通に翼を出してセラフィナイト天使として振る舞った。 翼を出した場合、人間の目には天使と見分けがつかない。ただし天使かと問えば基本的に天使ではないと答えるし、地上では有翼で活動することはまれ。 【思想】 学者や学生、大学の守護者として行動する。熟慮を尊いものとみなし、星月の門に隣接するからか慈悲深い行動も好ましいものとする。 しかしよく見れば種族としての擬天使には明確な特徴は見いだせない。しいて言えば「極端に走らず、静かに見守り、落ち着いて考える」といったところか。 【パワーソース】 人間の思考…らしいが詳細はあんまり決まってない。ここが決まらないのが彼らがいい子以上の何者にもならない原因な気がする。 おそらくは「カタストロフィ前夜の文明の持つ、極大値をとった知的生産性」。アンゼロット本人が出張らず五擬天使だけ派遣しているときにこれを回収し、アンゼロット本人が出張って一国を影響下に置き長居しているときはこれを消化している、という流れ。 ヴァルダム箱でマリー・テレーズが盟約者を持ったのもそういうことだろう。もしかしたら無名3.5でもマリー・テレーズの盟約者がいたのかもしれない。 【個体数】 幻月の学徒(アンゼロット)、夢天使(ミリティー)、五擬天使(マリー・テレーズ、アーナルダ、フィリオリ、ユーシス、アドリアン・モーリス)の7名。 【魔法:星術】 擬天使の使用する魔法は星術と総称される。魔法制御系が中心。 なぜか異伝では光学制御を多用しており、若干の幻術も使えると思われる。 【戦闘】 星術は魔法の制御に長けるため、擬天使との魔法戦はほとんどの場合無謀といえる。 一応不条理の盾が使えるうえに飛行能力もあるが、物理戦は本領ではない。 ただ、モーリス老は単騎でドラゴン討伐を果たしていたように、あくまでも相対的な話ではある。 【夢魔との関係】 そもそもアンゼロット自身がジャスリーさまの魔奴隷から悪魔化されたため、関係としては従姉妹の関係と言い表される。 夢魔側には特にアンゼロットに対しいろいろ思うところあるようだが、擬天使の側からすれば愛すべき(?)従姉である。 【リリスとの関係】 アンゼロットとしてはいままでのいきさつ上あまり好意的ではないが、明確に追い払ったこともないような気がする。 リリスからすれば特にわだかまりがないどころか誘惑対象らしい(陛下談)が、アンゼのガードをリリス如きに破れるはずもなかった。 【魔本との関係】 友好関係にある。擬天使は収集よりも熟慮を好むため、対象がかち合うこともそれほどない。 ここのところ魔本の出番がないので詳細は謎。 【天使との関係】 本質的には擬天使は魔界に属していることに他の魔族と変わりはないが、擬天使の霊体は天使を基につくられている。 天使は特に擬天使を危険な存在とは見ていないが、種族として人類を淘汰する存在となり得る可能性は考えているらしい。 【魔蟲との関係】 魔蟲にはその種族成立の過程からかなり憎まれている。これに対するアンゼロット(と擬天使たち)の回答は「撒く」こと。 接触して戦闘となれば破壊が起こり好ましくないため、あらゆる手段を使って遭遇を避けている。 憎まれているのはアンゼロット本人のみであるので、擬天使という形態も彼らへのカモフラージュとしての天使に偽装することを想定しているのかもしれない。 【存在状態:盟約者】 余計な干渉をせず見守ることを好むことからか、擬天使は魔奴隷を作らない。盟約者はヴァルダム箱でのみ登場。 おそらく擬天使にとって最重要存在であろうヘレナ・バークタインにも魔蟲とかちあう可能性を考え魔法の道具を与えるに留めたあたり、盟約者を作ることに関しても消極的である。 おそらく、盟約者を持つことで何らかの形で魔蟲を引き付けることとなるリスクを考慮していると思われる。 【存在状態:漂流者(仮)】 該当するのはヘレナ・バークタインただひとり。大惨事箱でアンゼロットと契約(悪魔的な意味での「盟約」は交わしてはいない)し、魔法の眼鏡と時間巻き戻しを乗り越える力を与えられた。 魔法の眼鏡はアンゼロットの持つ魔法知識にアクセスすることを可能とする。あくまで情報へのアクセス権であって魔力は供給されない。 時間巻き戻しに抗う能力は、本来はフィンスタアニスによる大惨事箱リセットへの対処であったが、大惨事箱が再始動しなかったために存在状態が不安定化、記憶を持ったままさまざまな世界へ転生する身となっている。 無名3.5であったように、魔法知識ゆえ優れた魔術師たりえるが、転生能力との食い合わせが悪く回復魔法との適性は低い模様。 【呪物:真実の鏡】 アンゼロットが持つ霊鏡。不思議の国のアンゼロット第一話で手に入れていたあれである。 本来は夢の中にあって現実を映し、現実の中にあって夢を映す鏡であり、現実と夢を行き来する媒体である。 しかしながらアンゼロットの性質の影響を受け、幻術を打ち消すという機能をも持つようになった。 【拠点:アンゼロット記念大学】 (移動しなければならない事情もあるがそれはとにかく)世界間移動を好む擬天使たちだが、その渡ってきた多数の世界で得られる知識を整理しなければ混乱が生じる。 そのため、全ての世界で同名の大学を設立し狭間の世界に本部としての記念大学を置くことで今まで得た知識に連続性を与えている。 【悪魔:幻月の学徒アンゼロット】 魔族諸侯22の悪魔のひとり。『XVII 星:The Star』の席次を持つ。夜光雲の教え手。星雨の冠。白亜の星見塔。擬天使の創造者。知識と学徒の守護者。アンゼロット記念大学の学長。
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テレーズとモーリス ●ある料理人とある出版社社長の会話 「…それで?」 ヴェルレニース自由港同盟の首都、ネイフフォードの旧市街。 古くはその由来を宗教改革以前に遡り、宗教改革や二百五十年戦争などの歴史と共にあった自由港同盟最大の印刷業者・出版業者の町。 その一角で創業以来400年間営業してきた出版社がここ、ヴェリテ出版社だ。 「うむ…やはりいけませんな。油は確かにうまく使えばとても価値がある、しかしあれほど酸化の進んだ油はいけない。よく誤解されますがフィッシュ・アンド・チップスがいけないといいたいわけではない。しかしやはり新鮮な油を使うようにすべきなのですな。ああ、いや、ここでのこのスコーンはなかなかいけますし、紅茶はかなりのものといえますな。これならミリティー卿と勝負できそうなところ」 「誰がこっちに来てからのそなたの食事の話を促した!だいたいそなたは毎回メシがどうのと煩いぞ。それと紅茶のことでは私は逆立ちしてもミリティーには敵わない、あなたもそうだろう。いいか、私は今起こっているクロン革命に関する魔法的影響について―」 「いえ、いえ、そもそも私はヴェルレニース人のためのクロン料理入門というタイトルで本を出すために来たのですぞ。ヴェルレニースにクロン文化を広めれば更に革命に対して好意的になってくれる、とはいえ説き伏せるのには苦労しましたな。程々に革命指導者たちにもいろいろ振る舞って満足していただかないと、やはり門下の元宮廷料理人たちを守るのは大変ですからな。まあなんとなればゲートで日帰りでこっちへ来てもよろしいのですが、あれは最後の手段ですからな。いずれにせよクロンを離れてこちらに来るには大義名分が必要なのですぞ、いろいろと。誰にも断らずに食材探しの旅に自由に出られるようになりたいものですな」 「そちらの革命の名の下でイヴァインベルクで行われていることのように、大義名分と実質が一致しない、よくあることだろう。別に私は料理の話のために呼んだのではない。料理本の話は後で原稿を編集者に渡して調整してくれ」 「うむむ…残念ですが致し方ありませんな。ああ、魔法的影響ですが、災厄の塔は現在のところ準安定。ディートリンデや聖遺体のほうはよくわかりませんが、ポテンシャルとしては微弱な不安定要素増大傾向は感じないでもないですが、基本的に安定ですな。まあ革命前まではどれも何もなかったところをみるとディスコードは革命とは関係ないのでしょう。やはり財政不安とか、絶対王政の抑圧とか、そういったものが原因の人為的原因なのですな。ただ不安定のわずかながらの増大をみると革命のディスコードへの影響はそれなりに興味深い論題であろうと思いますぞ。引き続き観察が必要でしょうな」 「財政不安か。まあ、そなたが宮廷料理人として豪勢な宴会に引っ張りだこなのを見ればわからないでもないな」 「飲み食いはよく象徴的にとらえられますが、一番の浪費は戦争、まああとは土木・建築なのですぞ。大事業というやつですな。むしろ費用対効果でいえば威信を上げる方法としては宴会は安上がりで済みますぞ。テレーズ卿も今晩何のために私を料理人として招いて食事会を開くことにしたのかといえばそういうことでありましょうから分かりましょう」 「だからなぜ食事に話をずらすのだ。だいたい食事会も高いではないか、あの値段ではヴェルレニースの大多数の市民にとっては気軽に手が出せるものではない」 「うむ、なるほど…前々から思っていましたが革命の混乱が落ち着いたらリーズナブルな値段で宮廷料理を振る舞う店を開いてみたいものですな。ではまず試みとして、次回の食事会はもっと値段を下げましょうぞ。もちろん私は用意された食材をヴェルレニース人の舌にも合う最高の料理に仕上げて差し上げますぞ」 「食事会の話ならホテルの担当者としてくれ。うちの会社は後援者だが、主催者ではないぞ。そんなことよりリリスのほうは?」 「リリスですか…リリスはやはり寄生者であって別に相手がどうであろうと力があればどうでもよいのでありましょうな。革命指導者を次第に巻き取りつつあるようですぞ」 「リリスが革命を起こしたとかそういうのはない、と?」 「多分ないのでしょうな。ただ、さっきの話に戻れば、いくらかの浪費の原因にはなったとはいえ、やはり一番の財政難の原因は戦争、これでしょうからな」 「ふむ…おっと、そろそろ今日の食事会の準備に入らねばならない頃合いか」 「ふふ、クロン宮廷料理の本懐を見せて差し上げましょうぞ。それにあそこで料理人として話をすればあなたも聞かざるを得ない、そうでしょう」 「遺憾ながらそうなる。まあよろしく頼むぞ、そなたの食事は確かに美味だ」 「しかと承りましたぞ。腕への信頼には応えるのが宮廷料理人の礼儀なのですな」 例の異伝・初版 シリーズ革命戦争初期『Le temps des...』・第二話“鉄道の出始めの頃” ここはとある大商人の館。ヴェルレニースを拠点に世界各地の遠隔地交易事業を手掛け成功、一代にしてすさまじい財を成した成金の豪邸だ。 その主である自由港同盟随一の大商人の男は、今日も儲け話を求めて館に人を招いていたのだが、しかし予定していた人物が来ることができなくなり、代理としてその息子が来ると聞いて、少しばかり不機嫌だった。 本来予定していた男は投資実績としてはそこそこだが、話せば面白い奴。 もっといい案件もいくらでもあるが、彼の話の面白さに免じてどこから持ってきたのかわからないような彼の投資話にはした金を投げるのが老境に至ったこの商人の楽しみの一つだった。 期待していたものが失われると機嫌を損ねるのは誰だって 盲目的な熱情と計算高い冷徹さの同居した目。ヴェルレニース的気質をおよそ狂人と称される濃度まで煮詰めたような目をしたその若者に興味をひかれたからだった。 …いずれにせよ、無難な世間話の一つでも振って反応を試すか。 「はじめまして、君がアンデシュ・フィールズ君だね?お父さんが急に来れなくなったと聞いたけど、どうしたのかい」 「はい。父はなんでも革命戦争がらみで新奇な情報を見つけたとか…。私にも 「なるほど 「ふむ…この革命、どう思うね?」 「それはどのような分析を求めているのでしょうか」 「何でもいい。君のこの革命に関する意見を聞きたい」 「革命とは…。革命とは熱情によるものです。この革命を過小評価する者がこの自由港同盟にも多くおりますが、 わざわざクロンで起こっていることへの精緻な分析を試みずとも、少しヴェルレニースの歴史を紐解くだけですぐわかります。 まるで古代からあったかのように我々が考えているこの自由港同盟は、ほんの三百年ほど前には誰も成立させられると想定していなかったもの。 当時のヴェルレニース諸島は繁栄してはいても全くの相互の反目と大国の間での分裂という状況にありました。 自由港同盟都市は全て自治の程度の差はあれ、どこかの列国の植民都市にすぎないうえ、それぞれの都市は互いに商業上の利益を奪い合おうと争っていました。 そこに持ち込まれたのが新教 西イヴァインベルクで生まれた新教という熱病は瞬く間に印刷術という最新の道具で諸島の全域に広がりました。 私はいかなる理由でヴェルレニースではこの熱病が大流行したのか、いかなる風土がそれをもたらしたのかまで説明はできません。 しかしこの熱病の下でヴェルレニース人は自由港同盟を結成し、列国の植民地軍と戦ってヴェルレニース諸島を統一したのです。これは生半可なことではありません。 不寛容の問題はあります。ヴェルレニース独立戦争においても旧教聖職者の火刑や旧教聖堂にあった聖遺物の破壊のようなものが知られています。 クロン革命を手放しに賞賛する声もありますが、その辺は分かっておく必要があります。革命の進行上不可避のことです。 「なるほど、フィールズ君はその若さでご卓見をお持ちでいらっしゃる。…さて、今日は君はどのような投資話をこの老いぼれに持ち込んでくれるのかな」 「はい。我々ヴェルレニース人には革命への熱情はありませんが、代わりに通商への熱情ならあります。 通商の欠かせないものといえば、そう、鉄道ですな。 例の異伝・第二版 シリーズ革命戦争初期『Le temps des...』・第二話・「もう一つのヴェルレニース」 ここはとある大商人の館。ヴェルレニースを拠点に世界各地の遠隔地交易事業を手掛け成功、一代にしてすさまじい財を成した成金の豪邸だ。 その主である自由港同盟随一の大商人の男は、今日も儲け話を求めて館に人を招いていたのだが、しかし予定していた人物が来ることができなくなり、代理としてその息子が来ると聞いて、少しばかり不機嫌だった。 本来予定していた男は投資実績としてはそこそこだが、話せば面白い奴。 もっといい案件もいくらでもあるが、彼の話の面白さに免じてどこから持ってきたのかわからないような彼の投資話にはした金を投げるのが老境に至ったこの商人の楽しみの一つだった。 期待していたものが失われると機嫌を損ねるのは誰だってよくあることであろう。 しかしこの大商人の不機嫌は、代理としてやってきたその息子を見て霧消した。 盲目的な熱情と計算高い冷徹さの同居した目。 「ヴェルレニース的気質」をおよそ狂人の名で称される濃度まで煮詰めたような目をしたその若者に興味をひかれたからだった。 …いずれにせよ、無難な世間話の一つでも振って反応を試すか。 「はじめまして、君がアンデシュ・フィールズ君だね?お父さんが急に来れなくなったと聞いたけど、どうしたのかい」 「はい。父はなんでも革命戦争がらみで新奇な情報を見つけたとか…。私にも良くわかりませんが、私も以前からこういうのに興味があったので代わりを務めようと」 「なるほど。ふむ…この革命、どう思うね?」 「それはどのような分析を求めているのでしょうか」 「何でもいい。君のこの革命に関する意見を聞きたい」 「革命とは…。革命とは熱情によるものです。 この革命を過小評価する者がこの自由港同盟にも多くおりますが、わざわざクロンで起こっていることへの精緻な分析を試みずとも、その意味はヴェルレニースの歴史を紐解くだけですぐわかります。 まるで古代からあったかのように我々が考えているこの自由港同盟は、ほんの三百年ほど前には誰も成立させられると想定していなかったもの。 当時のヴェルレニース諸島は繁栄してはいても全くの相互の反目と大国の間での分裂という状況にありました。 自由港同盟都市は全て自治の程度の差はあれ、どこかの列国の植民都市にすぎないうえ、それぞれの都市は互いに商業上の利益を奪い合おうと争っていました。 西イヴァインベルクで生まれた新教という熱病は諸島に持ち込まれてすぐ、瞬く間に印刷術という最新の道具によって諸島全域に広がりました。 私はいかなる理由でヴェルレニースではこの熱病が大流行したのか、いかなる風土がそれをもたらしたのかまで説明はできません。 しかしこの熱病の下でヴェルレニース人は自由港同盟を結成し、列国の植民地軍と戦ってヴェルレニース諸島を統一したのです。これは生半可なことではないのです」 「む、君は革命びいきかね?ヴェルレニースとクロンを重ねあわせる、そういう…」 「いえ、問題として不寛容はあります。ヴェルレニース独立戦争においても旧教聖職者の火刑や旧教聖堂にあった聖遺物の破壊のようなものが知られています。 クロン革命を手放しに賞賛する声もありますが、その辺は分かっておく必要があります。革命の進行上不可避のことです。 外部を敵にするプロセスもその一つとして生じる…もしかしたら自由港同盟も彼らの敵に指定されるかもしれません」 「なるほど、フィールズ君はその若さでご卓見をお持ちでいらっしゃる。…さて、今日は君はどのような投資話をこの老いぼれに持ち込んでくれるのかな」 「はい。もはや今の我々には革命への熱情はありませんが、代わりにヴェルレニース商人たちは通商活動に注力しています。 さて、通商の欠かせないものといえば、そう、船でしょうな。霧の海、セシル海を中心に世界の海を行き来するヴェルレニースの船は、自由港同盟の繁栄の担い手。 しかし時代はいずれ変わります。唯一の自由な海の民ヴェルレニースの時代は永遠ではありえません。やがてはすべての人々が航海の自由を享受することになるでしょう」 「…君が言いたいのは、このヴェルレニースの繁栄はいずれ終わる、と?」 「その時代に海上覇権を維持することができるかは難しい予測ですね。しかしヴェルレニースの繁栄が失われることは回避できます。…いえ、回避しなければならないでしょう」 「最も自由なる共和国…この異端者たる新教徒の楽園を守っているのは、クロンのように果てしなく広く豊穣な大地から湧きだす富によってではない。例の『経済表』から容易に読み取れる結論だ。 我々の繁栄を支えているのは個々の船の行き来ではなく、結束し、誰よりも厳律な海軍がもたらす海の支配だ。海上覇権なしに繁栄は維持できない…はずだが」 「…彼らのいうところを踏まえたうえで、海上覇権を維持する方策以外にもう一つ、繁栄を維持するための方策があるのにはお気づきですか」 「まさか。それは…それは不可能だ」 「陸が、ヴェルレニース諸島が富めば、遥か海の向こうまで支配せずともヴェルレニースの安寧を保障できる。海軍はセシル海の北半分だけを掌握できればそれで済みます」 「君はヴェルレニース海軍はもっと弱体でも構わないと、そういっているのかね?」 「まさか。金の卵を産む鶏をわざわざ自分から捨てていく必要はないでしょう。しかし、ヴェルレニースの商人たるもの、不安に覚えたことはあるでしょう?不死の鶏などないと」 「…それで。その陸が富む方策とは?」 「二本のレール、ああ、最初は今ある馬車鉄道の使いまわしでいいでしょう、それの上に、蒸気機関を載せた人工の馬を一つ。そうして馬に貨車を牽かせます。 貨車は馬車のように馬一つに荷車一つなどと貧乏なことはしなくてもいい、たくさん繋いでよいでしょう。とりあえず最初はそれです。 まあ、いずれはこのレールでは持たなくなる、もっと頑丈なレールと整備された路盤が必要になりますがね。 そうして鉄道が広がれば、次は工場です。鉄道を整備するために資材を加工し、機械を用意しましょう。 まあ鉄道整備はそんなに急には進められないでしょうから、余った機械は別の工場に。印刷所にでも、あるいはもっと新しい用途にでも。 こうして進められれば、外の世界は市場ではあっても輸入元以上の役割は必要ありません。工場で働く者たちが豊かであれば、輸出先はもはやヴェルレニース国内のみでもよいのです。 望まない通商戦争を戦う必要はもはやなくなる。このプロセスの第一歩、それが、」 「…蒸気機関鉄道、か。わざわざそれの売り込みのために、ヴェルレニース史の講義と今後の産業予測を展開したと、そういうことか」 「その通りです。お嫌いでしたか?こういうのは」 「いや。君はお父さんより見込みがある。いいだろう…そこの小切手帳を取ってくれ」 「はい」 大商人はサラサラと書きなれた手で小切手に金額を記し、最後にヴェルレニース・フローリンの通貨記号を振る。 そうして若者に手渡された資金は、大商人がこれまでに若者の父に手渡してきた金額の総計よりも三つほど桁が多かったという。
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我らが主を呼びに (モーリス老あとがきの数時間後) どこであるのかも、いつのことであるのかも分からない場所。 狭間の世界の一つ、アンゼロット記念大学。 その主だった施設は集中して存在しているが、少し離れた高台に離れのようなものが存在する。 「マスター」 その扉を叩く者が一人。 それに答えて、中から人が現れる。 「待たせましたね、ミリティー。…ユーシスは何と?」 「記念碑石の断片の解析結果は、予想通りに。なお、モーリスのいた世界自体はその後、管理者を失い、不安定化したようです」 「そうですか」 アンゼロットはそのままミリティーと共に離れの小屋を後にする。 離れの周りは花の混じった草原が広がる高地特有の高山植物の群生地。 彼女が千年を過ごした世界、プランクの中央高地の写し画の中を二人は歩く。 と、本館のほうから駆けてくる女性にアンゼロットは気づく。 「どうかしましたか、テレーズ?」 「やはりこちらでしたか、アンゼロットさま、ミリティーさま」 「マスターを迎えに離れに行くとフィリオリには伝えておいたはずですが…」 「えっと、モーリスが持ち帰った食材を使って色々試しているんですが、そのフィリオリがいろいろ試食させられすぎてもう限界だと。ただ料理自体は美味しいので、アンゼロットさまとミリティーさまにも手伝っていただければと」 「いいですよ。ね、ミリティー」 「はい、それは構わないのですが…」 「ユーシスも呼んできましょう。そろそろ解析も自動システム任せにできるころでしょう」 そうして三人はまた、本館に向かって歩き出す。 これが擬天使の日常。何もない静かな日々だ。 暇つぶしのお話 アンゼロット記念大学本館。 その一室に食堂がある。 モーリス「…少々作りすぎましたかな」 アンゼロット「構いませんよ、モーリス。余った分は時間凍結しておきますから」 実際、時間の流れを遅くするくらいのことならそれほど難しいことではない。 フィリオリ「それより、ユーシスはまだなんですか?」 アンゼロット「ちょうど行ったときに面白い解析結果が出ましてね。ちょっと追加のシミュレーションを頼んでありまして」 モーリス「わしのデータを使った、アレか」 ミリティー「なかなか興味深いものでしたよ。ヤーディシアという世界の在り様を規定するものがうかがい知れますね」 テレーズ「…とはいえ、そのユーシスが来ないことには晩餐も始められんのだが…」 モーリス「長命種が、細かい時間のことを気にするとはのう?」 アンゼロット「時間に対する正確さは、近代人の特性ですから。テレーズが実業家なのも、そのあたりに成功の鍵があるんでしょう」 フィリオリ「出版業者なんだから、作家を待ってあげることも多いんじゃないですか?」 テレーズ「だからといっていつまでも出版を遅らせることはできん。出版物にも旬があるのだ。…だいたい、モーリスとてレストラン経営者であろう」 モーリス「わしはファストフードを営んでいるつもりなどないのう。少しはお待ちいただいたほうが、味わうときの楽しみもひとしおじゃ」 アンゼロット「…そういいつつも、割と時間に正確で勤勉ですよね、モーリスは」 テレーズ「そもそも、長命種だからと言って時間にルーズであるという相関などあるまい。それこそ、時間に正確な人間というのも、近代人固有のものだというなら、それはステレオタイプだ」 ミリティー「自らの存在のスケールと違いすぎるところを生きるのは難しいでしょう。生まれては死んでいくことは、個々の存在が不適応に晒されるリスクをずっと軽減するシステムでもありますから」 アンゼロット「例えば、天使が大崩壊で黒天使となったように?」 ミリティー「そうですね、あれは一番分かりやすい例です。カタストロフに直面するリスクは、時間に比例します。自らが依存する系の安定性が、どの程度局所的なのか、ですね」 テレーズ「アンゼロットさまの言うことも重要だと思うが、それは、適宜忘却する、ということの必要性、ということでもあるのか?」 ミリティー「そうでもあります」 テレーズ「だが、待ってくれ、我々擬天使は少なくとも意味記憶についてはほとんど忘却しないぞ」 ミリティー「学問の門の使徒ですからね。学問の門は、忘却を許容するものではありません」 アンゼロット「ミリティアは夢魔でもありますから、そのあたりは客観視できるでしょうね」 ミリティー「そうは言っても私も擬天使、どこまでかできているかは分かりませんが…しかし、忘れていたほうが幸せ、というのはあります。正確な認識が幸福をもたらすとは限りません」 アンゼロット「しかし、擬天使を作るにあたってはまずは学問の門のやり方に従いましたから、かならずしも幸福に向かっていく方向にはありませんけどね」 モーリス「確かに我々擬天使は自然的な存在ではないのですから、自然的でない性質を持たせても何も問題はありますまい。しかしアンゼロットさまとミリティーさまはそうではないのですから、そういうわけにはいきますまい」 テレーズ「ん?待て、自然的…とは何だ。自然なものと自然でないものがあるのか?」 アンゼロット「その問題は後にしましょう。問題は、私とミリティーはどうなのか、ということですね」 ユーシス「存在に目的などないさ。目的を持つことができるのは、思考する存在が為した行為についてのみだ」 唐突にユーシスが会話に入ってくる。報告書を手に携えているが、それよりは会話の内容に関心を持っているようだ。 テレーズ「遅かったな、ユーシス。しかし、そうか…」 アンゼロット「ユーシスの言うことにも一理あります。そして、そうなれば人為と自然を分ける方法もありえましょう」 アーナルダ「多くの世界に管理者や保護者がいると知っている我々がそれを言うのも何だがな…」 フィリオリ「ですが、ジャスリー・クラルヴェルンのいた世界に管理者はいなかったのでは?」 アンゼロット「どうなんでしょうね。
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スペル Focalor Deep space base of U.S.W. 公用語 レイリル語 国歌 「自由の地」 国花 向日葵 通貨 ウィルバー・ドル/WD 国家元首 大統領 政治体制 大統領制・共和政 概要 ウィルバー系の開拓可能性調査施設かつ深宇宙探査基地(建設中)。 エステルプラッテにはその遠さと規模の小ささのため捨て置かれ、エステル=ウィルバー戦争後も存続している。 政治 政治体制としてはウィルバー合衆国の法的な継承者を自称しており、その国制をほとんどそのまま残している。 経済 国民 入植時期によって傾向があり、おおむね以下のように区分される。 第一次(プライマリー) 初期の、ほとんどウィルバー合衆国軍人あるいは軍とつながりのある高度専門的技術者のみに入植者が限定されていた時期の入植者。 過酷な環境に適応するため、改変種になっている場合が多い。政治的には保守的傾向があり、ウィルバー合衆国の伝統を重視する。 第二次(セカンダリー) 基地の大規模有人基地化が決定され、民間の人間でも志願すればこの基地への入植者になる道が開かれて以降の入植者。 ただし全面的な開放には至らず、基地整備に貢献できるような財産も学識もある人間に限られるため、おおむね上位中産階級か資本家である。 この基地が外宇宙への基地であるということに思い入れの強い層であるため、星系脱出を主張する者が非常に多い。 政治的にはリベラルで、政治参加に積極的であることから政治指導層はほとんどがこの層で占められる。 数の上では一応最も多数派であるのだが、この層の受け入れが始まってからしばらく後に本国が滅亡してしまったため、圧倒的多数派といえるほどではない。 第三次 エステル=ウィルバー戦争後実施されたウィルバー国籍保持者受け入れ計画に基づく入植者。 戦争中に第三国に滞在していたが本国滅亡で行き場を失ったケースが多く、難民的な存在。 一般的にこの国では他の惑星に対する関心は弱いが、この層は他の惑星の情勢について強く関心を持ち、またパトリオスティックである。 ほとんどが下位中産階級であり、純粋な人類種である。 第四次 国家として安定したことから、諸外国からの移民を募るようになってやってきた入植者。 まだこの層の成長は始まったばかりであり、現時点ではほとんどいない。 機械種 粗放的な探査のため高い自律性を与えられた人工知能が自我に目覚めるケースが散見されている。 現時点では自我の確認された人工知能にも基本的な人権が適用されると法制化されているが、参政権は持たない。 しかし実務上大きな役割を果たしているので、実際のところ無視できない政治的要素であるのは間違いない。