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スペル Focalor Deep space base of U.S.W. 公用語 レイリル語 国歌 「自由の地」 国花 向日葵 通貨 ウィルバー・ドル/WD 国家元首 大統領 政治体制 大統領制・共和政 概要 ウィルバー系の開拓可能性調査施設かつ深宇宙探査基地(建設中)。 エステルプラッテにはその遠さと規模の小ささのため捨て置かれ、エステル=ウィルバー戦争後も存続している。 政治 政治体制としてはウィルバー合衆国の法的な継承者を自称しており、その国制をほとんどそのまま残している。 経済 国民 入植時期によって傾向があり、おおむね以下のように区分される。 第一次(プライマリー) 初期の、ほとんどウィルバー合衆国軍人あるいは軍とつながりのある高度専門的技術者のみに入植者が限定されていた時期の入植者。 過酷な環境に適応するため、改変種になっている場合が多い。政治的には保守的傾向があり、ウィルバー合衆国の伝統を重視する。 第二次(セカンダリー) 基地の大規模有人基地化が決定され、民間の人間でも志願すればこの基地への入植者になる道が開かれて以降の入植者。 ただし全面的な開放には至らず、基地整備に貢献できるような財産も学識もある人間に限られるため、おおむね上位中産階級か資本家である。 この基地が外宇宙への基地であるということに思い入れの強い層であるため、星系脱出を主張する者が非常に多い。 政治的にはリベラルで、政治参加に積極的であることから政治指導層はほとんどがこの層で占められる。 数の上では一応最も多数派であるのだが、この層の受け入れが始まってからしばらく後に本国が滅亡してしまったため、圧倒的多数派といえるほどではない。 第三次 エステル=ウィルバー戦争後実施されたウィルバー国籍保持者受け入れ計画に基づく入植者。 戦争中に第三国に滞在していたが本国滅亡で行き場を失ったケースが多く、難民的な存在。 一般的にこの国では他の惑星に対する関心は弱いが、この層は他の惑星の情勢について強く関心を持ち、またパトリオスティックである。 ほとんどが下位中産階級であり、純粋な人類種である。 第四次 国家として安定したことから、諸外国からの移民を募るようになってやってきた入植者。 まだこの層の成長は始まったばかりであり、現時点ではほとんどいない。 機械種 粗放的な探査のため高い自律性を与えられた人工知能が自我に目覚めるケースが散見されている。 現時点では自我の確認された人工知能にも基本的な人権が適用されると法制化されているが、参政権は持たない。 しかし実務上大きな役割を果たしているので、実際のところ無視できない政治的要素であるのは間違いない。
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Maje箱 やど箱 再生インフェルナ 大惨事箱 無名箱 無名箱/エラキス干渉戦争の悲劇 無名箱/エラキス干渉戦争の悲劇/Un teatro olvidado 無名箱/紅茶探訪八十日間世界一周 無名箱3.5 無名箱3.5/ケンプフェルト剛力危機異伝 ↓下書き
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レークニー議会領 [#ua85d33d] 500 150 350 目次 説明 内容 #contents 英語名 Council s territory of Leykney 略称 議会領 国旗 国章 国の標語 (国の標語) 国歌 レークニー、我らは汝と共に 国花 公用語 レイリル語 首都 リョフスウォール 国家元首 アンドルー・シェフィールド議長 通貨 レークニー・ポンド 概要 [#l713041c] 国名:レークニー議会領~ 英名:Council s territory of Leykney~ 地域:セイルナシア~ 国歌:レークニー、我らは汝と共に~ 国花:~ 通貨:レークニー・ポンド~ 公用語:レイリル語~ 首都:リョフスウォール~ 政体:議会統治制~ 元首:立法評議会~ 宗教:玲国国教会(サウスウェル派パロンシュレイヒ教)~ 気候:西岸海洋性気候で冷涼湿潤。年中安定して降水がある。~ 民族:ヴィントランド系先住民の存在やドクトル・ノルトの征服もあったが、現在はレイリル系がほとんど。~ 経済:伝統的には農業国。近代に大玲帝国の結節点の一つとして商工業も発展。~ 農業:牧羊が中心。漁業も行われるが周辺海域は漁場としては豊かではない。~ 工業:レイリル王立海軍の基地がおかれていたため、造船業が発達、その関連産業が存在する。~ 鉱業:近年の調査で周辺海域における天然ガスの賦存が確認され、海上ガス田の開発が始まっている。~ サービス業:~ 軍事:陸軍は古来小規模だが独自のものを持つ。王立海軍の残した海軍を一部引き継ぎ海軍も創設された。~ 文化:独自の文化を持つが、合同王国本国内の地域差を超えるほどの独自性ではない。~ 国名 [#k128574d] レークニー議会領。レイリル王の勅許によりレイリル王の下にある限り内政に関する自治権を与えられて以来の呼称。 歴史 [#j7cedd23] セイルナシアに浮かび、比較的古くからレイリル王の下に属してきたレークニー本島とその周辺の広大な海域における小島嶼群。~ 本島にかつてヴィントランド系が一部逃げ延び、それを追ったレイリル人が小規模な入植地を形成したことからレイリル領としての歴史が始まる。~ その後ドクトル・ノルトが一時的に征服、支配者となるが、レイリル人農民の反抗からレイリル領に戻った。~ その際、レイリル王の勅許の下で独自の議会とその護衛として小規模ながら独自の陸軍連隊が成立し、以後特権的な自由と自治を謳歌。~ そのためにレイリル王に忠実でありつつも合同王国本国そのものへの統合は拒絶し、牧歌的な生活をしつつ長く平穏な歴史を歩む。~ 近代において大玲帝国が興隆すると王立海軍の要港、そして本国と大洋植民地の中継点として繁栄した。~ ロスト・セレナの衝撃の中で合同王国軍が引き上げると、残ったレーカディアン部隊は忠誠の対象として当然のように議会を選び、なし崩し的に軍事権を掌握することになった議会は周辺海域の玲領小島嶼に統合を呼びかけ、結局独立国として成立してしまった。~ しかし、自立したとしてもこの島が担うべき役割は現在でも変わることはあるまい。~ 大洋におけるレイリル流自由主義を守護せずしてこの島の安寧の保障はありえないのである。 政治 [#je3de428] 議会に権限が集中し、内閣が議会を解散する権限を持たないという、区分上は議会統治制の体制を持つ。~ この議会は近代以前に成立した身分制議会的な議会を源流として持つが、今日においては二院制に再編されている。~ なお、上院の立法評議会が「元首」扱いである(個人としての元首の役割を担う人間が必要な場合、現議長であるアンドルー・シェフィールドが務める)。 外交 [#tbd5ffaa] 国名 地域 関係 特記事項 グレートレイリル及びヴィントランド合同王国 Faildirasia 敬意 元宗主国 レコンスガーリャ共和国 Khyber 友好 相互独立保障、交換留学制度 ファン・タンペスティア・カラッサンドル連合王国 Nervil 平常 アオリィカ王国 Khyber 平常 ベロヤード王国 Diltania 平常 ルージェ王国 Saylunasia 平常 ヴューリッツァ共和国 Faildirasia 平常 コルヴナ専制公国 Saylunasia 平常 ヤード・ヴァストールヂア連邦 Diltania 平常 蓬莱人民政府 Nervil 平常 神州大陸の一部とはみていない ピシュアネーゼ王国 Saylunasia 平常 チェメニア共和国 Diltania 平常 九香共和国 Nervil 平常 ランゴ首長国 Nervil 平常 ヴォルージア・ソヴィルナ社会主義共和国 Diltania 平常 ブロンダン共和国 Diltania 平常 カリスト王国 Faildirasia 平常 ネールズハーテ独立国 Khyber 平常 地理 [#t140c528] レークニー(本島) [#sbb59f97] セイルナシアの大陸断片(断片であって大陸そのものではなく、あくまでも島である)。北島と南島の二つに分かれているが、地塊としては一体であり、隔てる海峡部も最狭部は3kmしかない。 北部群島 Northern Isles [#pa94b6a2] 北島の北側に散在する島々。伝統的なレークニー本来の牧羊地域の景観を色濃く残している。 グウィリス Gwylis ~ 北部群島のうち北島に最も近い島。干潮時には北島とつながる。 かつてヴィントランド系が逃げ延びて来た時にレークニーに到達し上陸した場所はここであったらしい。 北島 North Island [#t78acaf2] レークニー植民地の発祥地。 アレスシャー Alethshire ~ 北島の中心都市。 南島 South Island [#r237416b] 首都リョフスウォールが存在する議会領の中核地域。 リョフスウォール Lofzwall ~ ドクトル・ノルトの征服時に彼らが建てた港。 近世までは農業国であったレークニーにおいて特別抜きんでた都市というわけではなかったが、地形に恵まれた良港であったため近代に王立海軍が拠点に選んだことで商工業が発達、最大都市となってレークニーの経済の中心地となり、議会も移転して首都となった。 周辺小島嶼(離島) [#u944bacb] 本島とは別に近世以降にレイリルが入植したセイルナシアの諸島嶼植民地のうち、LSの後にレークニー議会の下に統合されたもの。 エルセリス島 Elselis [#k0347d7d] 良質な白金鉱山で知られ、古くよりプラチナラッシュに沸く中で発展してきた島。 ロスト・セレナで海外との連絡が途絶すると、鉱物資源の加工と輸出への依存、弱体な農業基盤に対する過度の人口集中の中にあったこの島は直ちに飢餓の危機に突入した。 議会領の食糧援助の中で危機は回避されたが、その過程で議会領の構成体として再編されていき、結局現在でもこの構造的問題は解決されないままである。 タレイマス Talaymouth ~ 島の主都。プラチナ・ラッシュ以後急激に発展し、白金族をはじめとする鉱物の加工と取引を中核産業とする。 住民 [#cf61f8f1] ほぼ完全にレイリル人。合同王国のオルタルスとの文化的相違はもちろん存在するものの、合同王国国内に存在する地域差を超えるものではない。~ 特にこの領域の住民をレーカディアン(レークニー人)と呼ぶこともある。 宗教 [#k273fb8c] 信仰の自由は認められているが、大多数はサウスウェル派パロンシュレイヒ教(いわゆる玲国国教会)。若干サルバトーレ教徒も存在する。~ しかしそれが敬虔なものかというとそういうことはなく、宗教行事への出席率は長らく低下の一途をたどっている。
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エラキス干渉戦争の悲劇 外伝 「Un teatro olvidado(A forgotten theatre)」 エラキス干渉戦争とは何だろうか。 その始まりはエラキスの市民革命へのセラフィナイトとクラルヴェルンの干渉だと書かれている。そして、その結末はエラキスの没落による国際秩序の再編、いわゆる「東フォルストレアの安寧」の起点とされるクラルヴェルン・セラフィナイトの協調体制の成立、その分析に使われた「産業革命」という術語の普及と工業化の広まり。そういった説明が教科書にも解説書にも書かれている。 一方で、その経過についてみれば、エラキス王党派騎兵隊を圧倒するセラフィナイト軍に始まり、東部戦線における長い塹壕戦でのクラルヴェルン兵とセラフィナイト兵の消耗について記されているだろう。毒ガスについても大抵は書かれているだろうし、物好きの本では坑道戦について書かれていることもある。 さて、何か忘れていないだろうか? これではクラルヴェルンとセラフィナイトがエラキスを舞台に戦争をしているように見えるし、大抵そのように論じられる。しかしクラルヴェルンとセラフィナイトの両国は一度も法的な交戦状態に入ったことはなかった。最終局面においてクラルヴェルンがセラフィナイトに最後通牒を出しているが、これはむしろ両国間で講和条約を結んで一まとめに外交問題を解決しようとしたと考えるのが妥当というのが通説である(ただし近年研究ではクラルヴェルン参謀部にはそのまま対セラフィナイト戦になだれ込む意思もあった可能性も指摘されている)。 しかし戦争の終結について正しく記すならば、あくまでもこの戦争はエラキス王党派の瓦解によって終わったのだ。エラキス王のフェルキスを介してのクラルヴェルン亡命と、それによるエラキス王党派の自然消滅、そしてエラキス共和派の勝利宣言。それによって戦争は終了したのである。 この結末が正しく理解されないのは、西部戦域―通例、これには東部との対比から来る「戦線」という用語が充当されるが、その性質上不適切であるため、私はあえて戦域と記す―が全く論じられないからだ。 西部戦域が全く論じられないことには理由がある。この時代の歴史を論じる上で最も重要となるのは産業革命であって、産業革命について論じる際にエラキス干渉戦争を用いるとすれば、西部戦域は全く価値を持たないからである。 しかし、エラキスの内戦というこの戦争本来の性質について理解しようとするならば、西部戦域こそがこの戦争における最も重要な局面であるはずである。 この戦争について、セラフィナイト側の軍人の自伝に有名なものが三つある。一つは北部戦線における将軍コールドロン中将のもの。二つ目は南部戦線における将軍エーレンバーグ少将のもの。三つ目は情報局のフラウンホーファー大佐(いずれも階級は当時)のものだ。 コールドロン中将のものはその苦悩に関して切々とつづられている。しかしその端々にクラルヴェルン側の資料を参照できる我々の立場から眺めても実に適切といえる戦況理解が読み取れ、これをどう評価するかによって彼の評価が左右されるところである。 エーレンバーグ少将のものでは戦争に関する記述は基本的に航空機の役割の評価に徹しており、その戦果と将来性について記している。やや過大評価しすぎるきらいはあるが、後の各国空軍に影響を与えた。 フラウンホーファー中佐のものは指揮系統の問題を記している。頑迷なコールドロンと奇抜な着想を好むエーレンバーグの間で統制に苦慮する、という話である。これは巷に広がるコールドロン無能論の原点といえる。 ここで、これから話を進める西部戦域における最も重要な将軍、アレッサンドロ・アンテノーゼ中将は自伝を記していない。それどころか彼は一冊の書籍も記したことはない。無論、軍人であればそういうタイプの人間はよくいる。しかし、教本の類も彼の名によるものはほとんど残されていない。彼はゲリラ作戦に対する掃討戦の戦術の先駆者といえる者の一人として、当時からセラフィナイト参謀本部ではよく知られていたにもかかわらず、である。これは後述するが彼自身が何も書き残してはならないと理解していたからであろうが、研究の上でこれほど困ることはない。 セラフィナイト。星に最も近い、自由なる我が祖国。 そんな我らの国は、いま戦時下にある。 エラキス革命戦争。エラキス人どもは我々とクラルヴェルンの脅威を強調して、エラキス干渉戦争と呼んでいるらしい。 …我らが、脅威か。実に結構なこと。そのとおりだ。少なくとも、私はエラキスへの脅威だ。 この戦争をどう呼ぶにせよ、我らセラフィナイトはエラキス王党派、そしてクラルヴェルン帝国と交戦状態にある。 さて、クラルヴェルンにもエラキスにも、その歴史の中で輝かしい功績を挙げた騎士たちがいる。 しかし、セラフィナイトにそんなものはない。 農民と中産市民の軽歩兵と、富裕市民の重歩兵。 それらが必死に周辺国の圧迫を押しとどめてきたのが、このセラフィナイトの千年の歴史だ。 この百年ほどのエラキス主導の「天秤政策」は、次第にセラフィナイトがクラルヴェルンやエラキスと肩を並べる大国としての地位を確立する上で好ましいことだった。 しかし、それはそこから上に出ようとする者を残りの二者が抑え込む体制。 セラフィナイトが最も弱体な、あくまでも間に合わせの駒の扱いであり続けた限りはこれはセラフィナイトにとって有利であった。 しかし我々が工業化に成功し、実際上の国力も対等となり、一方でエラキスが内乱のうちに入った現在ではそうではない。 そろそろ机をひっくり返すときだ。 騎士の時代に終止符を打とう。 セラフィナイトには長い歴史のある国民軍がいる。 クラルヴェルンにおいても国民軍の形成は順調に進みつつある。 だがエラキスにおける国民軍建設の試みは植民地の統治という困難の中で遅々として進まぬ。 長い歴史を持つエラキス植民地帝国を、過去のものとして永久に葬り去る。それができるのは今をおいてほかにない。 …クラルヴェルンか? 長い歴史の中で、クラルヴェルンとの摩擦は必ず穏やかに解決されてきた。 そのいずれにおいても歴史上一貫した親クラルヴェルン派として隠然と力を振るったのはアンゼロット記念大学の学閥。 …通時代的―つまり死ぬことなく、国家に影響力を及ぼす存在。 つまり、アンゼロット記念大学の中核にいる存在とは、恐らく…いや、それはいい。 そういうことは、SSVDに任せておけばそれでいい。自分自身がSSVDに入ることもできたが、自分はそれをしなかった。 いずれ、手を打たなければならないのだろう。だがそれは今ではない。クラルヴェルンの打倒など考えてはならない。 それを始めるべき時は、天秤が崩れ、もう一度天秤を立て直す機会を与えられた時だ。今はまだ、そのときではない。 今重要なことはたった一つ。 エラキス。五たび我らと剣を交えた、そう、われらの独立への脅威の一つ! …もしもその脅威を永久に排除でき、そしてその役割を自分が担えるのだとすれば…。 たとえわが身が永久に不名誉のうちに沈もうと、忘却のうちに消え去ろうと結構。 西部戦域。そう、戦域だ。ここは現実主義者を僭称するコールドロンや星術マニアのエーレンバーグに任せてはおけない。 こここそが、私のなすべきことをなす舞台なのだ。 「いずれあなたはこの国に害をなすでしょう」 「ほう。抗命事件かな?」 冗談めかして腰の拳銃に手をやる中将。しかしそれを無視して参謀は答える。 「…ですが、いまのこの国にはあなたが必要なのです」 「そうか」 「なんとも……思わないのですか?」 「私の心は最初から決まっている。もしも私がこの国にとって害になるなら、私は喜んでこの首を差し出そう。もしも私の国が私に死を命じるならば、私は喜んで心臓を捧げよう。もしもそれが誤解によるものであれば、私は力の限り誤解を解こうとするだろうが、それでも最期の瞬間にはいかなるときも祖国の命に従ったものとして命を捧げよう。それだけ記憶に留めてくれれば、それでよい」 「お久しぶりです。お元気そうですね、アンテノーゼ中将」 「…久しいな。君は、まだ現役で?」 「私もそろそろ身を引くことを考える歳になってしまいましたね。時に、約束どおり答え合わせを聞きに来ましたよ」 「ああ、答え合わせか…そうだな、引いておいた導火線は大体不発か。あまり、示せなかったな」 「あなたが弱音を吐くとは思いませんでした。結局、はぐらかすのかと」 「これでは弱音だって吐きたくもなるさ。いや、だが一つだけうまくいったものがある」 「何です?」 「エラキスだよ。この国の悪魔も、クラルヴェルンの悪魔も、きれいごとを言いつつ、相手と自分しか見えていないのだねえ。思ったより重いな、これは」 「は…?」 「気づかなかったことにしておいたほうがいいこともたくさんある。この世の中にはね。そして私には理解できなかったものがあるらしい」 「あなたが、理解できないもの……?」 「…愛だよ」 「あの……私は、あなたほど一途に何かを愛した者を他に知らないのですが」 「ほう?」 「この国です」 「そうか。……そうだな。定命の人間の愛のほうが、あれらの愛よりもずっと短く、故に深くなれるのかもしれないな」
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サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん 2021年10月~21年12月 共通事項 放送時間…土曜18 56~20 00 固定スポンサー SUZUKI カーコンビニ倶楽部 ORIHIRO FUJIOH 小野薬品 Rinnai Yellow Hat 2021年10月30日 A枠 0’30”…SUZUKI、JP 郵便局、カーコンビニ倶楽部、SUNTORY B枠 0’30”…ORIHIRO、FUJIOH、小野薬品、Rinnai、Yellow Hat、KIRIN(キリンビール・PT) 2021年11月6日 A枠 0’30”…小野薬品、FUJIOH、Rinnai、DAIHATSU(PT) B枠 0’30”…Yellow Hat、SUNTORY、ORIHIRO、SUZUKI、カーコンビニ倶楽部、JP 郵便局 2021年11月13日 A枠 0’30”…FUJIOH、JP 郵便局、Rinnai、Yellow Hat B枠 0’30”…SUZUKI、小野薬品、2nd STREET Reuse Shop、カーコンビニ倶楽部、ORIHIRO、DAIHATSU(PT) 2021年12月4日 A枠 0’30”…ORIHIRO、カーコンビニ倶楽部、小野薬品、DAIHATSU(PT) B枠 0’30”…Yellow Hat、Rinnai、MAZDA、SUNTORY、FUJIOH、SUZUKI
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惑星ホープでの大星団ゴズマ率いるGショッカーとの戦闘の後、 スピルバンの家族を乗せてムーンベースを飛び去ったサイバトロンの 星間輸送兵スカイリンクス、同行した地球連邦軍の軍人ギリアム・イエーガー、 エクスカイザー率いるカイザーズは無事バード星へと辿り着き、ベン博士達は 銀河連邦警察の保護下となった。 通常運行によりバード星に辿り着いたが、その間宇宙警察総裁がザンギャック帝国の スパイだったり、コム長官退任後に就任したゴードン長官による事件隠蔽があったものの、 新たに銀河連邦警察長官に就任したソフィ長官による新体制の下、ベン博士達は平和に過ごしていた。 ベン博士「彼らがブレイバーズか...壮観だな」 ギリアム「はい、宇宙各地でGショッカーと戦っているフラッシュマンを はじめとするレジスタンスがブレイバーズの一員となって戦ってくれる 事になりました」 ベン博士「そうか・・・ん?噂をすればあそこにいるのはジン君達だな」 バード星の銀河連邦警察本部には星間評議会と地球連邦政府主導で結成された ブレイバーズに参加しようとする宇宙刑事に、宇宙各地のレジスタンスやサイバトロン軍が 集まっていた。その中にはエルシャンクと共に来たシーマ王女やフラッシュマン達も来ており、 その様子を見に来ていたベン博士とギリアムは、エルシャンクのいる所へとやってくる。 ジン「お久しぶりです。ギリアム少佐、ベン博士」 ギリアム「君達も、変わりがないようで何よりだ」 エルシャンクの所へとギリアム達はジン達と再会の挨拶を交わす。 ベン博士「しかし宇宙各地からこれだけの戦力が集まるとは・・・・。」 ロム「ですが、まだ宇宙にはGショッカーをはじめとして多くの勢力が蔓延り、 宇宙に生きる者達が虐げられています」 ジョウ「ああ、フリーザって野郎が率いる軍隊も、色んな星をぶっ壊し まくってるって話だ」 シーマ「最近では宇宙連合内部でも、地球人を良しとしないタカ派の 勢力が不穏な動きをしているという情報もあります」 ギリアム「...話を聞くに宇宙連合でクーデターが起きるかもしれないな」 ロミナ姫「彼らの為にも私達は今以上に力を合わせなければいけません」 ギリアムやベン博士、エクスカイザー達を交えて現在の宇宙があらゆる勢力 で入り乱れている事をエルシャンクの面々は話し、今まで以上に戦っていく事を 決意した。 ロッド・ドリル「そういえば、ギャバンが見当たらないけど、来ていないのか?」 トリプル・ジム「確か、十文字撃という方がギャバンのコードネームを受け継いだと お聞きしましたが?」 ルー「ええ。宇宙中のヒーローを率いるスペース・スクワッドの隊長ね」 サラ「私たちも、スペース・スクワッドにスカウトされたわ」 惑星ホープで共に戦った宇宙刑事ギャバンこと一乗寺烈がいない事を疑問に思った ロッドドリルは尋ねる。既に宇宙刑事は世代交代が行われ、新たに十文字撃という 地球人の青年がギャバンのコードネームを受け継いでいた。 撃はスペース・スクワッドの隊長でもあり、サラとルーもスペース・スクワッドに スカウトされた事がある。 ???「残念だが、撃は今ある任務に就いていて、この場にはいない」 ???「初代ギャバンでもある一乗寺烈さんも特命刑事の任務でいないわ」 レイナ「あなた達は...?」 舟「俺は烏丸舟。二代目宇宙刑事シャイダーとは俺のことさ!」 タミー「私は舟のパートナーの、タミーよ。よろしく!」 ギャバンについて話をしていると、2人の男女が話しかけてくる。男性の名は 烏丸舟。沢村大からコードネームとコンバットスーツを受け継いだ二代目宇宙刑事シャイダーで、 女性の名は、舟のパートナーである女宇宙刑事のタミーだった。 現れた2人は自己紹介をする。 舟「いやー、君みたいな可愛い子と知り合えて嬉しいなあ♪どう?よかったら連絡先交換しない?」 レイナ「えっえ!?」 タミー「舟ぅうう...」ゴゴゴゴッ ブルー・ジェット「おっと、レイナに手を出すのなら...」 ロッド・ドリル「俺達が黙っちゃいないぜ」 トリプル・ジム「お嬢様には指一本触れさせませんよ!」 ロム「...」(無言の圧力) 舟「冗談、冗談!ちょっと仲良くコミュニケーションを取ろうとしただけだから」 会って早々、舟に口説かれてレイナは困惑する。ナンパをする舟にタミーは嫉妬し、 ブルー・ジェット、ロッド・ドリル、トリプル・ジムの三体のマシンロボもレイナを 守ろうと前に出た。レイナの兄であるロムも無言のまま、舟を睨んでプレッシャーを かける。それらに耐えきれなくなった舟は「冗談だ」と周囲を宥めた。 そんな雰囲気の中、突如としてバード星が攻撃を受ける。 ブン「今の攻撃は!?」 エクスカイザー「あれは!」 突然の攻撃にブンは驚き、エクスカイザーは上空に指をさす。 G1メガトロン「ふはははは、バード星の者達よ!余の名は破壊大帝 メガトロンである!!この星にあるシステムXNを余に献上せよ。 さもなくばこの星を制圧する!!」 攻撃してきたのは、惑星ジャールからギリアムのXNガイストに搭載されている システムXNを狙ってやってきたG1メガトロン率いるデストロン軍団だった。 ベン博士達がムーンベースを発進してから、自分達も出撃したが、ここに 来るまでに他の勢力と偶然にも交戦していた為、大幅に遅れてしまったのだった。 ギリアム「狙いはシステムXNか!」 舟「どこでそんな情報を手に入れたかは知らないが、バード星を攻撃させたり するものか!――焼結!!」 G1メガトロン「余に立ち向かってくるか。ならばデストロン軍団アタァーック!」 ギリアム「我々もすぐに出撃だ!」 ブレイバーズ「応!」 舟はシャイダーに変身し、ブルホークに乗ってデストロン軍団へと向かう。 シャイダーが立ち向かってくる姿を見て、G1メガトロンはデストロン軍団に 攻撃の命令を下し、一方、ブレイバーズの面々もギリアムの号令で各々出撃した。 サウンドブラスター「ユケ、コンドル、ジャガー!」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「...あれが噂に聞くカセットロンか。 私を狙っているようだが、私もシステムXNもお前たちの手には落ちないぞ!」 情報参謀サウンドブラスターは部下のカセットロンを繰り出し、ゲシュペンストMKⅡで 出撃したギリアムを狙って攻撃する。ギリアムも自分とシステムXNを狙っている事を 察して、渡すまいと戦う。 サイクロナス「スウィープス、アタック!」 ブルー・ジェット「デストロンの航空兵士か。ジェット族の戦士として不足なし。 相手をしてやる!」 スカイリンクス「サイバトロン戦士として、我輩もいる事も忘れるな!」 サイクロナス率いる親衛隊「スウィープス」を相手に、ブルー・ジェットは 天空心剣により斬撃を繰り出して応戦し、スカイリンクスも援護に回った。 デバスター「ウォォォ!」 ロッド・ドリル「何てパワーだ!だけど、パワーなら負けないぞ!」 ビルドロン師団の6体が合体した巨人兵デバスターのパワーに、ロッド・ドリルは 負けそうになるが、力を振り絞りぶつかる。 ブリッツウィング「貴様も、3つの姿に変形できるみたいだが、俺の敵じゃないぜ!」 トリプル・ジム「確かに戦車や戦闘機に変形できるあなたの方がお強いでしょうが、 お嬢様を守る為、こちらも負けません!」 スポーツカーとヘリコプターに変形できるトリプルジムはデストロンの トリプルチェンジャーであるブリッツウィングと戦った。 ブレイバーズとデストロン軍団の戦いが激しくなる中、別にバード星を攻撃する者が現れた。 ダイノガイスト率いる宇宙海賊ガイスターである。 ダイノガイスト「久しぶりだな、エクスカイザー!」 エクスカイザー「ダイノガイスト!?黄泉がえっていたのか!」 自ら太陽に飛び込んだダイノガイストが目の前に現れた事にエクスカイザーは驚愕する。 ダイノガイスト「エクスカイザー、俺にシステムXNというお宝を渡してもらおう!」 ウルトラレイカー「ダイノガイストも狙っているのか!?」 エクスカイザー「あのシステムを渡す訳にはいかない。行くぞ、ダイノガイスト!!」 ダイノガイスト「ふふ、そうこなくては面白くもない。ここで決着を着けるぞ。エクスカイザー!」 システムXNを守る為、エクスカイザー達カイザーズはガイスターズと戦い始める。 バード星を舞台にブレイバーズ、デストロン軍団、ガイスターズの三つ巴の 戦いの火蓋が切って落とされた。 エクスカイザーはダイノガイストと戦う為、異次元からトレーラー型支援メカである キングローダーを呼び出す。 エクスカイザー「巨大合体!キングエクスカイザー」 キングローダーを呼び出したエクスカイザーはキングエクスカイザーへと巨大合体する。 キングエクスカイザーとなり、カイザーソードを取り出して、ダイノガイストのダイノブレードと ぶつかる。 ダイノガイスト「...グレートエクスカイザーにはならないのか?」 キングエクスカイザー「...生憎だが、ドラゴンジェットは整備中だ!」 キングエクスカイザーがグレートエクスカイザーになるには、キングローダーと同じ 支援メカであるドラゴンジェットが必要だが、現在整備中であり、呼び出す事が出来ない事を ダイノガイストに教える。 ダイノガイスト「そうか。だが、その姿でこの俺を倒せるとは思っている訳ではあるまい」 キングエクスカイザー「例えそうでも、私は宇宙警察の名において今度こそお前を逮捕する!」 ダイノガイスト「大した自信だ。俺がいない間に、どれほど強くなったのか見せてもらおう!」 キングエクスカイザーはグレートエクスカイザーになれなくても、宇宙警察として目の前の ダイノガイストに立ち向かい、ダイノガイストも、そんなエクスカイザーに本気で相手をする。 キングエクスカイザーとダイノガイストが激突する中、ダイノガイストの部下である ガイスター四将とカイザーズでも戦いが始まった。 ホーン「地球での借りを返してやるぜ!行くぞ、アーマーガイスト」 アーマー「応!」 プテラ「俺達も行くぞ、サンダーガイスト!」 サンダー「オレ、あいつらやっつける!」 ガイスター四将はエネルギーボックスを体に取り付かせると、アーマーガイストと ホーンガイストは「ホーマー」に、プテラガイストとサンダーガイストは「プテダー」へ それぞれ二体合体した。 ウルトラレイカー「もう一度、貴様達を刑務所に送ってやるぜ!」 ゴッドマックス「覚悟しろ、ガイスター!」 既に合体を済ませているウルトラレイカーとゴッドマックスは、ウルトラブレストレーザーや ゴッドスラッガー等を繰り出していく。 サイクロナス「メガトロン様、突然現れたアイツ等をどうしますか?」 G1メガトロン「捨てておけ。今は目の前の連中が先だ」 二代目シャイダー「何処を見ている!ビデオビームガン!」 G1メガトロン「フンッ!小賢しい」 ケンリュウ「ならば、天空真剣・真空竜巻」 この戦いに介入してきたガイスターに対し、サイクロナスはG1メガトロンに指示を 仰ぐと、G1メガトロンは一先ず、ガイスターは放っておいて、ブレイバーズと戦う事を 優先した。シャイダーがビデオビームガンをブルホークから撃つが、G1メガトロンは ビームを回避する。そこへケンリュウとなったロムが頭上から愛刀・剣狼を振り回して 竜巻を発生させて、G1メガトロンを巻き込んだ。 G1メガトロン「ムッ!なかなか面白い攻撃をするではないか」 ケンリュウ「流石はデストロンの破壊大帝...一筋縄ではいかないか」 だが竜巻に巻き込まれても、ビクともしないG1メガトロンに、ケンリュウは 破壊大帝の恐ろしさを感じるのであった。 アストロトレイン「XNガイストは何処だ!メガトロン様に送り届ける!」 レイナ@パワーライザー「私が相手よ!ミサイルを喰らいなさい!」 地上ではレイナとタミーがアストロトレインと、フラッシュマンの5人はスタントロン部隊と 戦っていた。XNガイストを探すアストロトレインに、レイナはパワーライザーを操縦し、 肩部に内蔵されているミサイルを放った。 アストロトレイン「むぅぅ...ミサイルぐらいで俺は止まらんぞ!」 タミー「...だったら、これはどうかしら?」 ミサイルを受けたが、それではビクともしないアストロトレインに、タミーは アストロトレインの眼を狙ってブラスターを撃った。ビームは目に命中する。 アストロトレイン「ぐぅぅ、眼が...!」 タミー「今よッ!」 レイナ@パワーライザー「天空宙心拳・蟷螂拳!」 アストロトレイン「ぐわぁ!」 眼の部分を撃たれて、アストロトレインが怯んだ隙にレイナは拳を連続で叩きつける技 「天空宙心拳・蟷螂拳」を繰り出し、アストロトレインはダウンするのであった。 タミー「やったわね!」 レイナ@パワーライザー「でも、戦いはまだ終わっていないわ。気を引き締めなくっちゃ!」 アストロトレインが倒れたので、タミーはガッツポーズを取るが、レイナは戦いがまだ終わっていないので 気を引き締めるのであった。 レッドフラッシュ「プリズムシューター!」 グリーンフラッシュ「グリーンバル!」 イエローフラッシュ「イエローバル!」 ブルーフラッシュ「プリズムボールッ!ハリケーン・ボルトッッ!!」 ピンクフラッシュ「プリズムブーツッ!ジェットキックッ!」 一方、スタントロン部隊と戦うフラッシュマンの5人は、それぞれ武器や技を 繰り出して攻撃する。 モーターマスター「ええい、ちょこまかと煩わしい!スタントロン部隊、合体だ!」 フラッシュマン5人の攻撃に怯んだ、スタントロン部隊のリーダーである参謀モーターマスターは スタントロン部隊に号令を掛けて、合体兵士メナゾールとなる。 合体したメナゾールはサイクロンガンを撃ち、アイオナイザーソードを振り上げた。 グリーンフラッシュ「合体しやがった!」 レッドフラッシュ「だが、相手をしやすくなった。皆、ローリングバルカンだ!」 フラッシュマンの4人「「「「応ッ!」」」」 合体したメナゾールに対し、フラッシュマンの5人はそれぞれのバルを合体させて、 必殺のローリングバルカンを完成させる。 フラッシュマン一同「ローリングバルカン!」 レッドフラッシュ「イエローフラッシュ!サーチ!!」 イエローフラッシュ「OK!」 レッドフラッシュ「ローリングバルカン!!」 イエローフラッシュがメナゾールをサーチした後、ローリングバルカンから5色の プリズムエネルギーを放ち、メナゾールを吹き飛ばした。 メナゾール「な...何て威力だ...」 ローリングバルカンの威力にメナゾールは倒れるのであった。ブレイバーズ、デストロン軍団、 ガイスターによる3つの陣営が混沌と争う中、ひっそりとその場から離れた者がいる事を 誰も気づかないのであった。 ホーマー、プテダーと戦っていたウルトラレイカー、ゴッドマックスの戦闘は いよいよ終盤となった。 ゴッドマックス「ゴッドソニックバスター!」 ゴッドマックスは胸の鳥の口からリング状の光波を吐き出すと、リングを投げつけて ホーマーとプテダーを拘束する。 ホーマー「う、動けねえ!」 プテダー「ちくしょう!外れねえぞ!」 ウルトラレイカー「今だッ!こいつを喰らえ!」 拘束されて身動きが取れないホーマーとプテダーにウルトラレイカーは胸部から 多数のミサイルを撃ちだす。ミサイルはホーマーとプテダーに命中し、そのダメージで 合体は解除され、元のガイスター四将に戻った。 ホーン「や...野郎!」 アーマー「合体が解けちまった!」 プテラ「くそっ!まずいぞ」 サンダー「うぅぅ...」 ウルトラレイカー「さぁ、お前達、観念しろ!」 ゴッドマックス「大人しく、罪を償え!」 ガイスター4将を捕まえようと、ウルトラレイカーとゴッドマックスは迫る。 だがそこへ、何処からかビームが放たれ、ウルトラレイカーとゴッドマックスは攻撃を受けた。 ウルトラレイカー「うわぁ!」 ゴッドマックス「今の攻撃は誰が...?」 ???「俺達さ!」 ウルトラレイカーとゴッドマックスに攻撃したのは、ファイバードの宿敵である 宇宙皇帝ドライアスの部下、シュラとゾルだった。2人はギアナ高地での最終決戦の時に 乗り込んだメカ獣、ソドムとゴモラに乗って、多数のメカ獣を引き連れて現れた。 プテラ「何で、テメエら此処にいる!」 ゾル@ゴモラ「助けてやったのに、その言い草は何だよ」 シュラ@ソドム「俺達はドライアス様からの命令で来た。もしもガイスターがXNガイストを 奪えないようであれば、手を貸してやれってな」 ホーン「余計なお世話だ!」 シュラとゾルはプテラガイストにバード星に来た理由を聞くと、主であるドライアスの 命令で来た事を話す。ホーンガイストは助けられた事にプライドが傷つけられ、憤慨する。 ダイノガイスト「フン...ドライアスめ、余計な事を」 キングエクスカイザー「暗黒皇帝ドライアス...ファイバード達、宇宙警備隊の宿敵か。 もしやXNガイストの事を教えたのは彼らなのか!」 ダイノガイスト「貴様には関係のない事だ!」 キングエクスカイザーはドライアスの部下が来た事について、XNガイストの情報を ガイスターに教えたのは彼らではないかと、ダイノガイストに問い質すが、 ダイノガイストはドライアスに助けられた事に思う所はあるものの、キングエクスカイザーとの 戦闘を続けた。 ゴッドマックス「...確かに敵は増えたが、まとめてお前達を逮捕する!」 シュラ@ソドム「此処に来たのは俺達だけだと思ったか?」 ウルトラレイカー「何?」 現れたシュラとゾラも逮捕しようと意気込むゴッドマックスに、シュラは意味深な 発言をする。 カイザーズとガイスターの戦闘に、シュラとゾルが介入してきた一方、デストロン軍団と ブレイバーズの戦闘に介入してくる者達が現れた。 ???「久しぶりだねぇ。ロム・ストールのその仲間達!」 ???「ちょっかい掛けに来たでえ!」 ケンリュウ「お前達はディオンドラにデビルサターン6!」 レイナ@パワーダイザー「それにギャンドラーの妖兵コマンダー!あなた達までバード星に来るなんて」 ロッド・ドリル「一体、どういう事だ!?」 デビルサターン6「決まっとるやろ?ワイら、ギャンドラーはドライアスはんと手を組んだんや!」 現れたのは、かつてロム達が戦った宇宙犯罪組織ギャンドラーの女幹部ディオンドラと その手下デビルサターン6、そして配下である妖兵コマンダーのキャスモドンとザリオス、 ファルゴスの軍団を引き連れていた。ギャンドラーはロム達の活躍で壊滅したが、 黄泉還り現象によってギャンドラーは復活。そしてドライアスと同盟を結んだのである。 二代目シャイダー「宇宙犯罪組織ギャンドラー...確かマクーと並ぶ宇宙犯罪組織だったか。 だったら、この宇宙刑事シャイダーが相手をしてやるぜ!」 レッドフラッシュ「貴様達に、XNガイストは渡さないぞ!」 ディオンドラ「それは、どうかしら」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「その口ぶり...まさか!?」 現れたギャンドラーの軍団に二代目シャイダーやレッドフラッシュらフラッシュマンも 身構えるが、ディオンドラの口ぶりに、ギリアムはある事態が頭に浮かんだ。 バード星・銀河連邦警察内部*** 外でドライアスの軍団やギャンドラーの介入が行われていた頃、銀河連邦警察内部にある ギャバンの電子星獣ドルやシャイダーの次元戦闘母艦バビロスの様な巨大マシンを格納している 施設にギャンドラーの妖兵コマンダー、アシュラが潜入していた。 アシュラ「ふふふ...見つけたぞ。これがXNガイストという奴だな?」 アシュラの目的は外でドライアス軍団やギャンドラーがブレイバーズを引き付けている内に 施設に格納されているXNガイストを奪取する事だった。 アシュラ「次元転移装置を積んだ、このロボットを奪取したとなれば俺はコマンダーランキング1位だ!」 ???「ほう...貴様もナンバー1を目指しているのか」 アシュラ「ああ...って誰だ!」 この作戦が成功すれば、ギャンドラーの内部で行われるコマンダーランキングで1位になれると 確信しているアシュラは1位になった自分を想像していると、背後から声を掛けられて振り返ってみると、 そこにいたのは外で戦っている筈のデストロン軍団の親衛隊「スウィープス」の1人、スカージだった。 スカージ?「ナンバー1になりたいという気持ちはよく分かる。だが、ナンバー1になるのは俺様だ!」 アシュラ「うわぁぁぁ!」 スカージから攻撃を受けてアシュラは倒れるのであった。そしてスカージはXNガイストを奪い、 外へと飛び出した。 飛び出したスカージ?は戦闘しているブレイバーズやG1メガトロン達の前に現れる。 スカージ?「手に入れたぞ!XNガイストを」 サイクロナス「スカージ!?いつの間にかいなくなったと思ったら、XNガイストを手に入れるとは よくやった!さぁ、メガトロン様に献上するのだ!」 スカージ?「献上?嫌だね。これこそ俺様の新たなボディに相応しい」 サイクロナス「何を言っているスカージ?メガトロン様に逆らうのか!」 G1メガトロン「待て、サイクロナス。貴様、スカージではないな?何者だ」 XNガイストを手に入れたスカージにサイクロナスはG1メガトロンに差し出す様に命令するが、 スカージは拒絶。スカージの様子がおかしい事に気が付いたG1メガトロンは正体を問い質す。 スカージ?「俺を忘れるとはヒドイなあ、メガトロン様...いや、メガトロン!」 その瞬間、スカージの背後に1体のトランスフォーマーの影が浮かび上がる。 その影こそ、サイクロナスの前任の航空参謀で、破壊大帝の地位を欲してG1メガトロンに 反逆したトランスフォーマー、初代スタースクリームの亡霊だった。 G1メガトロン「やはり、貴様だったか。スタースクリーム」 サイクロナス「スタースクリーム!?まさかスカージに憑りついていたのか」 スタースクリーム「その通り。俺様はそこにいるメガトロンが新破壊大帝ガルバトロンだった時、 殺された。その後、亡霊となり宇宙を彷徨っていた時、このスカージに憑りついて デストロンN0.1の座を得る機会を伺っていた。そこへXNガイストという存在を知り、 俺様の新たなボディにするべく、隙を見て手に入れたという訳だ!」 スタースクリームはスカージに憑りついていて、破壊大帝の地位を虎視眈々と狙っており、 XNガイストを自分のボディにしようとしていた事を話す。 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「待て。システムXNは今、出力がとても不安定なのだ。 ましてや私というコアを欠いた状態でシステムを起動させれば、どんな結果を巻き起こすか 分からないぞ!」 スタースクリーム「上等だ。システムを制御し、俺様はデストロンのニューリーダーに、 いや...全宇宙の支配者になってみせる!」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「イカン!奴を止めろ!」 スタースクリーム「もう遅い!」 スタースクリームはギリアムの警告を無視すると、スカージのスパークから スタースクリームの霊体が飛び出し、XNガイストのボディと一体化した。 XN・スタースクリームの誕生である。なおスカージは気絶したまま、その場で倒れた。 XN・スタースクリーム「ふはははッ!やったぞ!ついに新しいボディだ! さて...早速肩慣らしと行こうか」 XN・スタースクリームは新たなボディを得た事で高笑いし、肩慣らしをしようと システムXNを起動。瞬間的に転移を繰り返し、バード星に来ていたサイバトロンや ブレイバーズ、デストロン軍団やシュラとゾルが連れてきたメカ獣、ギャンドラーの 妖兵コマンダーを無差別に攻撃した。 スカイリンクス「仲間達が...!?」 グリーンフラッシュ「トランスフォーマー達がやられた!」 ブルーフラッシュ「あんな瞬間移動で攻撃されたら、一たまりもないぞ!」 XN・スタースクリームによってサイバトロンの仲間が倒れていく様にスカイリンクスや ショックを受け、グリーンフラッシュやブルーフラッシュも、システムXNの恐ろしさを 目の当たりにして戦慄する。 ゾル@ゴモラ「お、おい。連れてきたメカ獣がやられたぞ!」 シュラ@ソドム「こいつは予想外だ。これ以上巻き込まれない内に撤退だ!」 XN・スタースクリームにメカ獣を全滅させられたゾルとシュラを撤退して、 バード星から去った。 デビルサターン6「こんなの、聞いてまへんで!」 ディオンドラ「ちっ!私らもずらかるよ!」 シュラとゾルも撤退し、これ以上その場に留まる事は分が悪いと感じたディオンドラは 舌打ちしつつデビルサターン6に撤退の命令を下し、ギャンドラーもバード星から去るのであった。 その場に残されたのはブレイバーズとデストロン軍団、ガイスターだけとなった。 XN・スタースクリーム「すばらしい!この力されあれば、俺様は無敵だ!」 G1メガトロン「スタースクリーム...この愚か者めが!デストロン軍団、 目標をスタースクリームに変更。奴を倒せ!」 XN・スタースクリームの所業に業を煮やしたG1メガトロンはデストロン軍団に スタースクリームを攻撃するよう、命令を下す。 ダイノガイスト「エクスカイザー...今回は貴様との勝負は預ける。このダイノガイストを 虚仮にした奴に罰を与えねばならん」 キングエクスカイザー「ならば、ダイノガイスト。ここは協力して...」 ダイノガイスト「貴様と手を取り合うつもりはない。戦うのなら、勝手にしろ。 俺も勝手にやらせてもらう」 ダイノガイストもXN・スタースクリームに腹を立て、キングエクスカイザーとの 決着を諦めてXN・スタースクリームと戦う事を決めた。キングエクスカイザーは 共闘を求めるが、ダイノガイストは共闘する気は無く、単身XN・スタースクリームへ 立ち向かった。 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「...こうなっては仕方がない。これ以上悪用されない内に システムXNは、破壊する!」 ギリアムはシステムXNの悪用を防ぐべく、破壊する事を決め、ブレイバーズも XN・スタースクリームに立ち向かうのであった。 最初にXN・スタースクリームに仕掛けたのはG1メガトロン率いるデストロン軍団だった。 XN・スタースクリーム「メガトロン...ようやく貴様を破壊大帝の地位から引きずり落とす事が出来る」 G1メガトロン「スタースクリーム...本当に貴様は愚かな奴だ。死んでもなお、己の所業が無駄な事である事を 学ばんとはな」 XN・スタースクリーム「減らず口を!デストロン軍団よ!俺に従うのであれば相応しい地位を用意してやるぞ!」 サウンドブラスター「ダマレ。ワレワレガシタガウノハ、メガトロンサマ、オヒトリノミダ!」 サイクロナス「誰が貴様に従うものか!」 XN・スタースクリーム「チッ!ならば、メガトロン共、あの世へ行け!」 XN・スタースクリームはシステムXNを起動させて、近くの小惑星を転移させて、隕石の雨を 降らせて攻撃した。その攻撃はブレイバーズやガイスターにも及ぼした。 ピンクフラッシュ「隕石が降ってきた!」 レッドフラッシュ「これが、システムXNの力か...」 二代目シャイダー「こんなんじゃ、バード星がもたねえぜ!」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「早く奴を止めねば...」 ケンリュウ「ならば、行くぞ。パイル・フォーメイション!」 隕石の雨に皆が怯む中、ケンリュウはバイカンフーを呼び出して合身した。 バイカンフーはすかさず、パンチやキックを繰り出して、落ちてくる隕石を破壊していく。 レイナ@パワーダイザー「流石、兄さん!」 ロッド・ドリル「助かったぜ、ロム!」 ブルー・ジェット「今の内に攻撃だ。ロム」 バイカンフー「ああ、合わせてくれ。ジェット!」 隕石を蹴散らした後、バイカンフーとブルー・ジェットはXN・スタースクリームの前後に回ると 2人は天空真剣の抜刀術である鎌鼬を仕掛ける。 バイカンフー「天空真剣奥義・重ね鎌鼬!」 ブルー・ジェット「斬り捨て御免!」 XN・スタースクリーム「ぐぅぅぅ...なかなかやるじゃないか。だが、まだまだ負けんぞ!」 2つの鎌鼬を前後から斬りつけられ、XN・スタースクリームはダメージを負うが、 致命傷にはならず、反撃してバイカンフーとブルー・ジェットを殴りつける。 レッドフラッシュ「ロム達を援護だ!」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「グラビトン・ランチャー、シュート!」 XN・スタースクリーム「チッ!鬱陶しい奴らだ」 反撃したXN・スタースクリームに、フラッシュマンやギリアムはプリズムシューターや グラビトン・ランチャーで応戦した。 ホーン「あいつ等に獲物を横取りされてたまるか。ショルダーブレイカー!」 アーマー「ヒートスパイク!」 プテラ「プテラウィング!」 サンダー「サンダーホーン!」 XN・スタースクリーム「...小癪な!」 ブレイバーズから攻撃を受けるXN・スタースクリームにガイスター4将もそれぞれの 必殺技を畳み掛けてきた。衝撃波や高熱、強風に電撃と受け続けて、XN・スタースクリームの ダメージは蓄積されていく。 ウルトラレイカー「ガイスターに負けてなるものか!」 ゴッドマックス「ゴッドバードアタック!」 ガイスター4将に負けじとウルトラレイカー、ゴッドマックスも攻撃。ゴッドマックスは 必殺技の「ゴッドバードアタック」で突撃した。 XN・スタースクリーム「うぅ...」 キングエクスカイザー「攻撃はまだ終わりではないぞ。サンダーフラッシュ!」 ダイノガイスト「終わりだ。ダークサンダーストーム!」 XN・スタースクリーム「うわぁぁぁぁあぁ!」 これまでの攻撃で瀕死の状態となったXN・スタースクリームにトドメの一撃として、 キングエクスカイザーは必殺の「サンダーフラッシュ」で背後を斬りつけ、 ダイノガイストは正面から「ダークサンダーストーム」で黒い雷を放つ。 強力な2つの必殺技を受けて、ついにXN・スタースクリームは地に伏せた。 トリプル・ジム「やりました!スタースクリームを倒しました」 XN・スタースクリーム「お...俺は...無敵のボディを手に入れたんだ! な、なのに、何で俺が負けるんだ!?」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「それは、貴様がシステムXNを使いこなせていないからだ」 XN・スタースクリーム「...せ、せっかく黄泉還ったんだ。こんな所で終わってたまるか!」 倒れたXN・スタースクリームだが、それでも立ち上がり、最後の悪あがきと云わんばかりに システムXNの力を最大限の発揮させると、バード星に先程の隕石の雨とは比べものにならない程の 巨大な隕石を出現させた。このままでは確実にバード星は大ダメージを受ける事になる。 ゲーター「あ、あんな隕石、どないしたらええんや...(汗」 XN・スタースクリーム「ハハハハッ!全員、この星と共に滅びろ!」 隕石の出現にスターコンドルのブリッジにいるゲーターは大いに慌てる。XN・スタースクリームは 隕石を出現させた後、ボロボロのボディとなっていたが、巻き込まれないように上空へと逃げ出した。 レッドフラッシュ「ギリアム少佐。ここは我々に任せて、スタースクリームを追ってくれ」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「しかし...」 キングエクスカイザー「システムXNの事は君が決着を着けるんだ」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「分かった。後は頼む」 シーマ王女「スターコンドルで追跡します。少佐は乗って下さい!」 ゲーター「全速力で追いかけまっせ!」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「了解した。これより、スターコンドルに乗艦する」 レッドフラッシュやキングエクスカイザーから逃亡したXN・スタースクリームの追跡を 任されたギリアムは、最初は戸惑うものの、システムXNと決着を着ける為にも追跡をする事を決め、 追いかけるべくスターコンドルに乗艦。ギリアムの乗ったゲシュペンストMKⅡが乗った事を 確認すると、スターコンドルはすぐさま飛び去った。 レッドフラッシュ「俺達は一人でも多くの人々を避難させるんだ」 フラッシュマン4人「「「「応!」」」」 タミー「私たちも避難活動を手伝うわ!」 レイナ@パワーダイザー「任せて。行くわよ、ジム」 トリプル・ジム「はい。お嬢様」 スターコンドルが飛び去り、フラッシュマンやタミー、レイナ、トリプル・ジムは 隕石の脅威からバード星に住む人々を救おうと避難活動を始める。 サウンドブラスター「イカガサレマスカ?メガトロンサマ」 G1メガトロン「この星がどうなろうと余の知った事ではないが、このまま奴の 思い通りになるのは癪だ。これよりデストロン軍団は隕石の破壊を行うのだ!」 サイクロナス「ハイル・メガトロン!」 G1メガトロンはバード星がどうなろうと関係なかったが、XN・スタースクリームの 思い通りになるのが気に食わなかったので隕石の破壊を優先する事に決めた。 ダイノガイスト「...」 キングエクスカイザー「ダイノガイスト、今は一人でも多くの協力が必要なんだ。 手を貸してくれ」 ホーン「何だとッ!?」 プテラ「ダイノガイスト様、エクスカイザーの言う事なんざ無視して早くこの場を逃げましょう!」 アーマー「このままじゃ、隕石に潰されちゃいますよ!」 隕石を破壊する為に、エクスカイザーはダイノガイストに協力を要請した。ガイスター4将は この場から撤退する事をダイノガイストに提案する。 ダイノガイスト「...確かにこのままでは、この星と運命を共にする。逃げ出すのが良いのだろうな。 だが、そこにいるデストロンの破壊大帝同様、あのトランスフォーマーの思い通りにいくのは 我慢ならん。それに貴様との勝負を預けたままだしな」 キングエクスカイザー「ならば...」 ダイノガイスト「お前達、あの隕石を破壊するぞ!」 ガイスター4将「「「「えぇ~~!?」」」」 ダイノガイスト「俺に文句があるのか?」 プテラ「い、いえ。文句なんかありません!」 ホーン「おいお前ら、死ぬ気で破壊するぞ!」 アーマー「応!」 サンダー「オ、オレぶっ壊す!」 ダイノガイストは少し思案した後、エクスカイザーの協力要請を受け入れ、ガイスター4将に 隕石の破壊を命じる。ダイノガイストからの命令に、ガイスター4将は驚くが、ダイノガイストから 睨まれると、すぐに命令を実行しようと迫る隕石に向かった。 キングエクスカイザー「各々、強力な攻撃で隕石を砕く。そして砕けた破片は可能な限り破壊し、 少しでも地上への被害を食い止めるんだ」 二代目シャイダー「了解、それじゃバビロス!」 キングエクスカイザーから作戦の内容を伝えられ、シャイダーは隕石を破壊するべく、 次元戦闘母艦バビロスを呼び出す。呼び出されたバビロスは必殺ガン形態のシューティング フォーメーションとなった。 G1メガトロン「あの艦は銃に変形するのか。ならばサイクロナス、余の引き金を引くことを許す!」 サイクロナス「ハッ!」 バビロスがシューティングフォーメーションとなったのを見て、G1メガトロンもワルサーP38に変形し、 サイクロナスは、その持ち手を命じられた。 キングエクスカイザー「では、行くぞ。ギャザウェイビーム!」 ダイノガイスト「ダイノホーンブレイカー!」 二代目シャイダー「ビッグ・マグナム!」 G1メガトロン「引けぇい!」 ズギューン!バギューン!ダダダダダッ! キングエクスカイザーの号令で各機は一斉に攻撃を開始。隕石は見事砕けると、 砕けた破片は、バイカンフー達マシンロボやデストロン軍団、ガイスター4将が破壊していった。 その結果、どうにかバード星が壊滅されるのは阻止されるのであった。 バード星・上空*** ブレイバーズ、デストロン軍団、ガイスターによって隕石の衝突を防いだその頃。 遥か上空へとXN・スタースクリームは満身創痍の状態ながら逃げ延びた。 XN・スタースクリーム「くぅ...早くこの星を脱出してボディを修復しなければ...」 ???「そこまでだッ!」 XN・スタースクリーム「―!」 しかし、XN・スタースクリームの前にスターコンドルが現れ、ギリアムの乗ったゲシュペンストMKⅡが出撃する。 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「観念しろ。システムXNを引き渡すのであれば、命までは取らない」 XN・スタースクリーム「チィッ!追いついてきやがったか。せっかく手に入れた力を手放せるものか!」 G1メガトロン「何処へ行く!スタースクリーム」 ギリアムから逃れようとXN・スタースクリームは反対方向へ逃げ出そうとするが、 G1メガトロン率いるデストロン軍団が追いつき、進路を防いだ。 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「システムXNを破壊する」 G1メガトロン「貴様はここで終わりだ。喰らえッ!」 XN・スタースクリーム「メガトロォォォン!」 追い詰められたXN・スタースクリームはG1メガトロンに向けてミサイルランチャーを 撃とうとするが、それよりも速くゲシュペンストMKⅡはグラビトン・ランチャーを、 G1メガトロンは右腕の融合カノン砲を同時に放った。ボディとなったXNガイストには 自己修復機能が備わっているが、先程の戦闘でのダメージにより修復は追いつかず、 さらに2つの強力な攻撃により、ついにダメージが限界となり爆発した。 だが、突然謎の戦闘機が出現し、ロボットの姿に変わると爆発で崩れ落ちる XN・スタースクリームの上半身であり、システムXNのコア部分を回収した。 シーマ王女「なんだあのロボットは!?」 ゲーター「レーダーに引っかからず、突然現れたで!?」 スターコンドルのブリッジにいるシーマ王女もゲーターも謎のロボットの登場に 困惑する。 G1メガトロン「貴様、トランスフォーマーか?スタースクリームをどうするつもりだ」 ???「答えるつもりはない。だが、こいつは回収させてもらう」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「その上半身はシステムXNのコア部分だ。奪わせはしない!」 ???「そうはいかない。フォースチップ・イグニッション!」 G1メガトロンやギリアムは謎のトランスフォーマーが何者なのか問い質すが、謎のトランスフォーマーは 質問に答える気は無く、トランスフォーマーの力を引き出すフォースチップを左腕の盾に挿入すると、 「ブラインドアロー」という弓へと展開させ、周囲を攻撃する。 その隙を突いて、謎のトランスフォーマーは何処かへとワープして、その場から消えていた。 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「ワープして逃げたか。奴は何処に...?」 G1メガトロン「ムゥ...スタースクリームも消え、目的のシステムXNが手に入る事が 出来なくなった今、この星に用は無い。デストロン軍団、撤退だ!」 謎のトランスフォーマーとXN・スタースクリームがいなくなり、これ以上バード星にいる 理由が無くなったG1メガトロンはデストロン軍団に命令を下し、バード星から撤退した。 ゲーター「デストロンが皆、逃げはったけどよろしかったんでっか?」 シーマ「仕方がありません。戦闘の続きで、こちらにも損害が出ています。 他のブレイバーズの皆さんと合流しましょう」 ギリアム@ゲシュペンストMKⅡ「システムXNが奪われてしまった...取り戻さなければ」 デストロン軍団が撤退するが、現状追うのを断念し、シーマ王女達は他のブレイバーズと 合流する事を決める。ギリアムはシステムXNを奪われ、早く取り戻さなければと心に誓うのであった。 銀河連邦警察本部・長官室*** 合流したギリアム達はソフィ長官らに事の顛末を報告した。長官室にはベン博士、舟、 シーマ王女など主だったメンバー、長官室には入れないのでモニター越しでエクスカイザーが 参加している。なお隕石の衝突を防いだ後、ガイスター達もいつの間にか消えていた。 ベン博士「システムXNが奪われてしまうとは...。奪ったというトランスフォーマーは デストロンではないのか?」 ギリアム「いえ。どうやらデストロンとも敵対しているようでした」 ソフィ長官「ギリアム少佐の報告を聞いて、サイバトロン軍に問い合わせた所、該当する トランスフォーマーがいたわ」 ギリアムから報告を受けたソフィ長官はモニターを操作して、1体のトランスフォーマーの 画像をギリアム達に見せた。 ソフィ長官「このトランスフォーマーの名はノイズメイズ。セイバートロン星がグランドブラックホールに 飲み込まれようとした事件の時に、暗躍していた別次元にある惑星プラネットXのトランスフォーマーよ」 ソフィ長官はモニターに映っていたトランスフォーマー・ノイズメイズの説明をする。 シーマ「確かに、このトランスフォーマーだったわ」 ソフィ長官「そして恐らく、ノイズメイズにスタースクリームを回収する様命じたのは こいつよ」 ソフィ長官は更にモニターを操作すると、画面に現れたのはスタースクリームそっくりの トランスフォーマーだった。 舟「こいつはスタースクリームじゃないか。最初からノイズメイズに回収する様に指示を出していたのか?」 ソフィ長官「いえ。システムXNと一体化していたスタースクリームとは別の...グランドブラックホールの 事件で、デストロンのマスターガルバトロンに反旗を翻したスーパースタースクリームよ」 ジン「どういう事ですか?」 ソフィ長官の説明に、ジンは疑問を挟む。ノイズメイズにシステムXNの回収を指示したのは グランドブラックホールの事件の時にデストロンの真破壊大帝マスターガルバトロンを裏切った スーパースタースクリームというXN・スタースクリームとは別のトランスフォーマーである事を説明する。 舟「トランスフォーマーっていうのは、同じ名前の奴が多すぎてややこしいな」 スタースクリームの様に同じ名前のトランスフォーマーが数多くいる事に、舟は 頭を痛めるようなポーズをする。 ベン博士「とにかく、システムXNの行方は掴めているのかね?」 ソフィ長官「現在、2名のサイバトロン軍がスーパースタースクリームを追っている任務を 遂行中よ。彼らに詳細を伝えて任せるしかないわね」 ギリアム「そうですか...」 ベン博士がシステムXNの行方についてソフィ長官を訪ねると、現在スーパースタースクリームは サイバトロンの2名の兵士が行方を追っている事を話す。話を聞いて、ギリアムは少しばかり 気を落とす。 ジン「気を落とさないで下さい。ギリアム少佐」 舟「見つけて、今度こそ決着をつければいいだけですよ」 ギリアム「...そうだな。すまない、おかげで元気づけられたよ」 気を落としたギリアムにジンや舟が励まし、ギリアムは元気づけられた。 シーマ「そしてメガトロン率いるデストロンやガイスターもバード星から撤退しましたが、 その後の彼らの行方は?」 ソフィ長官「デストロンに関してはサイバトロンが行方を追っています。ガイスターに ついてはエクスカイザーから話があります」 撤退したデストロンやガイスターについてシーマ王女が質問すると、デストロンは サイバトロンが追っている事を話、ガイスターについてはエクスカイザーに話を振った。 エクスカイザー「ダイノガイスト達、ガイスターは地球へ向かっています」 ギリアム「地球へ...!」 通信越しでエクスカイザーはギリアム達にガイスターが地球へ向かっている事を話す。 何故、地球へ向かっているのかが分かったかというと、話は隕石を止めた直後に遡る。 回想*** 隕石の衝突を止め、ブレイバーズ達は束の間に喜びを感じる中、メガトロン達デストロン軍団は すぐさまXN・スタースクリームを追って空へと飛んだ。そしてダイノガイスト達ガイスターも バード星から撤退しようとしていた。 キングエクスカイザー「ダイノガイスト...!」 ダイノガイスト「エクスカイザー...俺達は地球へ向かう」 キングエクスカイザー「何だとッ!?」 ダイノガイスト「この星に来るまでに耳にしたが、地球には時空クレバスを制御する装置が 開発しているそうだな」 キングエクスカイザー「―!」 ダイノガイストはキングエクスカイザーに地球へ向かう事を宣言する。バード星に来るまでの間、 ダイノガイストは地球で時空クレバス制御装置ディオドスシステムの開発が行われている事を噂で耳にし、 システムXNが現状、手に入らないと分かった今、ディオドスシステムを狙いに定めたのであった。 ダイノガイスト「あの星こそ、俺たちの決着に相応しい場所だ。今度は万全の状態で 俺に掛かってくるが良い。さらばだ!」 キングエクスカイザー「待て、ダイノガイスト!う...」 空へ飛び立つダイノガイストとガイスター4将を追おうとするが、やはりダイノガイストとの 戦闘は、キングエクスカイザーには負担が大きく、あちこちから火花が発生し、膝をついて 倒れてしまう。そしてガイスターは空へと消えていった。 回想終了*** エクスカイザー「...詳細は以上です」 ギリアム「地球のディオドスシステムが知られてしまうとは...」 ソフィ長官「ギリアム少佐はそろそろ地球へ帰還するので、その際、エクスカイザー達 カイザーズはガイスターを追って地球へと向かって欲しいのです」 エクスカイザーからの報告を聞き終えると、ソフィ長官はギリアムの地球への帰還に同行する形で カイザーズに地球へ向かう任務を与える。 ギリアム「了解しました。地球へ帰還した際にはガイスターについてもブレイバーズに報告します」 エクスカイザー「ギリアム少佐。よろしくお願いします」 舟「俺も任務で地球へ行く事になるかもしれないが、その時はよろしく頼むぜ」 ジン「地球の事はよろしくお願いします。出来れば俺達フラッシュマンも地球へ行きたいのですが、 この広い宇宙、GショッカーやETFによって支配されている星は、まだまだ数多くあるので これからも彼らの為に戦います」 ベン博士「地球にはスピルバン達が今も戦っている。こちらは元気でやっていると伝えてくれ」 ギリアム「了解した。君たちも宇宙の方を頼む」 舟やジンから地球の事を託され、ベン博士からスピルバン達へのメッセージを頼まれた ギリアムはエクスカイザーらカイザーズと共に地球へ向かうのであった。 外宇宙・とある惑星*** ギリアムとカイザーズが地球へ向かった頃。とある無人の惑星にバード星からワープしてきた ノイズメイズと上半身だけとなったXN・スタースクリームが現れた。 XN・スタースクリーム「...こ、ここは?」 ノイズメイズ「我々のアジトだ。ここにあんたを連れてこいと言った御方が待っている」 XN・スタースクリーム「だ、誰だ?」 ???「私だ」 ノイズメイズとXN・スタースクリームの前に現れたのは、とても巨大なトランスフォーマーだった。 スーパースタースクリームである。その傍らにはノイズメイズと同じプラネットXのトランスフォーマーである情報参謀サウンドウェーブが控えていた。 スーパースタースクリーム「私の名はスーパースタースクリーム。初代メガトロンの片腕だった 初代スタースクリームのあなたに会えて光栄だ」 XN・スタースクリーム「俺と同じスタースクリームか...。助けてもらったのは ありがたいが、何が目的だ」 スーパースタースクリーム「同じスタースクリームの名を冠する者なら分かるだろう? 全宇宙を支配下に置いて君臨する事。その為にはそのシステムXNが必要だ」 スーパースタースクリームは傷ついたXN・スタースクリームに近づくと、 敬意を払うかのように話し、助けた目的を告げる。 スーパースタースクリーム「そのボロボロのボディでは、何も出来はしない。あなたには 俺が必要な筈だ」 XN・スタースクリーム「...そうだな。まずはボディを修復しなけらばならない。 その為、貴様の厄介になろう。」 スーパースタースクリーム「ああ。そしてボディが完全に修復された時には、共に栄光を掴もう」 XN・スタースクリーム「応。(待っていろ、メガトロン。必ず貴様を破壊大帝から引きずり落としてやる)」 スーパースタースクリーム「(システムXN...私の野望の為に役だってもらうぞ)」 ここに2人のスタースクリームの間に同盟が結ばれた。システムXNが彼らの手に落ちた中、 果たして、この先の戦いはどうなるのか。まだ誰も知らない...。 ○ギリアム→ゲシュペンストMk-2に乗って、デストロンやガイスターと戦う。戦闘後、地球へ帰還する。 ○ベン博士→バード星に集まったブレイバーズを出迎える。 ○二代目シャイダー→G1メガトロンと戦闘する。バビロスで隕石を破壊する。 ○タミー→アストロトレインと戦闘する。 ○ソフィ長官→カイザーズに地球へ行く任務を命じる。 ○レッドフラッシュ→スタントロン部隊と戦闘し、合体したメナゾールをローリングバルカンで倒す。 ○グリーンフラッシュ→スタントロン部隊と戦闘し、合体したメナゾールをローリングバルカンで倒す。 ○ブルーフラッシュ→スタントロン部隊と戦闘し、合体したメナゾールをローリングバルカンで倒す。 ○イエローフラッシュ→スタントロン部隊と戦闘し、合体したメナゾールをローリングバルカンで倒す。 ○ピンクフラッシュ→スタントロン部隊と戦闘し、合体したメナゾールをローリングバルカンで倒す。 ○シーマ王女→スターコンドルでXN・スタースクリームを追跡する。 ○ゲーター→スターコンドルでXN・スタースクリームを追跡する。 ○ロム→G1メガトロンと戦闘する。 ○レイナ→アストロトレインと戦闘する。 ○ブルー・ジェット→サイクロナス率いるスウィープスやXN・スタースクリームと戦闘する。 ○ロッド・ドリル→デバスターと戦闘する。 ○トリプル・ジム→ブリッツウィングと戦闘する。 ○スカイリンクス→サイクロナス率いるスウィープスと戦闘する。 ○エクスカイザー→キングエクスカイザーとなり、ダイノガイストと戦闘する。戦闘後、地球へ向かう。 ○レイカーブラザーズ→ウルトラレイカーに合体し、ガイスターと戦闘する。戦闘後、地球へ向かう。 ○マックスチーム→ゴッドマックスに合体し、ガイスターと戦闘する。戦闘後、地球へ向かう。 ○ロミナ姫→ブレイバーズとしてバード星に訪れる。 ○ジョウ→ブレイバーズとしてバード星に訪れる。 ●G1メガトロン→二代目シャイダーやロムと戦闘する。隕石を破壊した他、XN・スタースクリームを攻撃する。 ●サウンドブラスター→部下のカセットロンに命令を下して、ゲシュペンストMKⅡと戦闘する。 ●コンドル、ジャガー→ゲシュペンストMKⅡと戦闘する。 ●サイクロナス→ブルー・ジェットと戦争する。 ●スカージ→スタースクリームの亡霊に憑りつかれていた。スタースクリームが離れた後、気を失う。 ●スタントロン軍団→メナゾールに合体し、フラッシュマンと戦闘するが敗北する。 ●ビルドロン師団→デバスターに合体し、ロッド・ドリルと戦闘する。 ●アストロトレイン→レイナやタミーと戦闘する。 ●ブリッツウィング→トリプル・ジムと戦闘する。 ●初代スタースクリーム→スカージに憑りついていたが、XNガイストをボディにして XN・スタースクリームとなる。ブレイバーズとの戦闘で満身創痍の状態となるが、 ノイズメイズに助けられ、スーパースタースクリームと手を結ぶ。 ●スーパースタースクリーム→ノイズメイズに命じてXN・スタースクリームを助け、手を結ぶ。 ●ノイズメイズ→XN・スタースクリームを助ける。 ●サウンドウェーブ→スーパースタースクリームの傍に控える。 ●ダイノガイスト→キングエクスカイザーと戦闘する。XN・スタースクリームと戦闘したり 隕石を破壊する。戦闘後、地球へ逃亡する。 ●ガイスター4将→ウルトラレイカーやゴッドマックスと戦闘する。ダイノガイストに命じられ隕石を破壊し、地球へ逃亡する。 ●シュラ→ドライアスの命でガイスターを助けるが、メカ獣が全滅したので撤退する。 ●ゾル→ドライアスの命でガイスターを助けるが、メカ獣が全滅したので撤退する。 ●ディオンドラ→妖兵コマンダーを引き連れ、システムXNを狙うが撤退する。 ●デビルサターン6→妖兵コマンダーを引き連れ、システムXNを狙うが撤退する。 ●アシュラ→XNガイストを狙って、銀河連邦警察本部に潜入するが、初代スタースクリームの攻撃を受ける。 ●キャスモドン→軍団で現れるが、XNスタースクリームに倒される。 ●ザリオス→軍団で現れるが、XNスタースクリームに倒される。 ●ファルゴス→軍団で現れるが、XN・スタースクリームに倒される。 【今回の新規登場】 ○ギリアム・イェーガー少佐/アポロン/ヘリオス(バンプレストオリジナル) 地球連邦軍情報部所属の軍人。冷静沈着で義理堅い性格だが、感情的に熱くなり易く意外にノリが良い。 実はライダー大陸・ウルトラ大陸・ガンダム大陸が存在する惑星エルピスの住人で、予知能力があるため暗雲に包まれた世界の未来を憂いテロリスト組織を一つにまとめあげ、『アポロン総統』を名乗って ヒーロー達と戦った。その性急過ぎるやり方が間違っていることを自覚しながらも他の手段を探れず苦しんでいた。 最後の戦いで禁断の機動兵器XNガイストは大破し、ヘリオス要塞と運命を共にしたがコアである次元転移装置システムXNで平行世界に飛ばされてしまう。元いた世界で犯した罪を償うべく、様々な世界を彷徨う運命を背負った男。 帰るためにテスラ・ライヒ研究所でシステムXNを修復したが、シャドウミラーに目を付けられ隊長ヴィンデル・マウザーの乗機ツヴァイザーゲインに組み込まれてしまい、悪用を防ぐため、二度と帰れないことを覚悟して自らの手でシステムXNを破壊したが………。 愛機はゲシュペンストとその後継機など。等身大の敵と戦う場合はパーソナル転送システムでパワードスーツとして呼び出し搭乗している。 ○ベン博士/ドクターバイオ(時空戦士スピルバン) クリン星の天才科学者でスピルバンとヘレンの父親。生命工学の宇宙的権威だったゆえにワーラー帝国に連行され、バイオ軍団を率いる帝国の幹部、『ドクターバイオ』に洗脳・改造されてしまう。改造直前に娘ヘレンの姿を見ていたためか、姿は変わってもヘレンにだけは父親としての優しさを保ち続けていた。 反面息子スピルバンへの愛情は切捨てられ、崇拝するワーラーに盾突く不届き者として幾度も命を狙う。遂には自らバイオロイド・バイオに変身して出撃、死闘の末爆炎に消える。 後にとあるアクシデントにより元の姿に戻り、記憶を取り戻した。スピルバン達を助けようとパンドラ生命機械人に決死の覚悟でウィルス菌を注入し、活路を開いて殺された。 スピルバンがパンドラを倒したと同時に彼らは別の次元へ飛ばされ、そこの平和なクリン星に妻アンナ達と無事に生きていた。 ○烏丸舟/二代目シャイダー(宇宙刑事NEXT GENERATION) 銀河連邦警察に所属する宇宙刑事で、沢村大からシャイダーのコードネームを受け継いだ。 新世代の宇宙刑事の中では一番の年長者。捜査中にも関わらずナンパするなど軽い性格だが、 刑事としての能力は実に優秀で、公私ともにパートナーであるタミーと共に数々の事件を解決してきた。 ○タミー(宇宙刑事NEXT GENERATION) 舟の相棒である女宇宙刑事。かなり思い込みが激しい性格で、舟とコンビを組むだけでなく、プライベートでも付き合う仲。 かつて星間戦争で滅びた好戦的な種族ウトゥルッサ星人の生き残り。産まれた時に付けられる 「平和の誓いのブレスレット」をいつも腕に着けている。非常に高い戦闘能力を持っている。 ○ソフィ長官(宇宙刑事NEXT GENERATION) 新任の銀河連邦警察長官。若手時代はギャバンに師事していた。厳格な性格だが、時折茶目っ気に溢れた言動も見せる。密かにスペース・スクワッド結成を計画しており、バンの推薦で撃が単独でデカレンジャー達と接触して協力するよう仕向けて、キャプテンに相応しいかの試験をし、撃をスペース・スクワッドのキャプテンに任命した。 ○ジン/レッドフラッシュ(超新星フラッシュマン) 強い使命感を持つフラッシュマンのリーダー。3歳の時にサー・カウラーらに誘拐されたため少しだけ当時の記憶が残っている。 フラッシュ星系の母星・フラッシュ星に遭難したエイリアンハンター船が不時着したため、フラッシュ星人に育てられ彼らの科学と厳しい修行によって一人前の戦士に成長した。剣術に特に優れており、フラッシュ聖剣で戦う。 ○ダイ/グリーンフラッシュ(超新星フラッシュマン) 乳児の頃エイリアンハンターに誘拐され、フラッシュ星の衛星グリーンスターで育つ。筋力・特に腕力に優れ、拳闘技で戦い、変身前もナックルガードをはめている。プリズムカイザーから繰り出すパンチ系の技で戦う。ぶっきらぼうに思われがちだが、自然を愛し、非常に仲間思いな性格の青年である。 ○ブン/ブルーフラッシュ(超新星フラッシュマン) 乳児の頃エイリアンハンターに誘拐され、フラッシュ星の衛星ブルースターで育つ。過酷な環境で育ったためサバイバリティ能力に優れ、身軽で垂直の壁もスイスイ登ることができる。手裏剣スターダーツと全身を包み込むプリズムボールが武器。 五人の中で一番お子様な性格をしており、また女性にはめっぽう弱い。 ○サラ/イエローフラッシュ(超新星フラッシュマン) 乳児の頃エイリアンハンターに誘拐され、フラッシュ星の衛星イエロースターで育つ。 極寒世界で育ったため寒さに強く、プリズムバトンで吹雪を発生させて戦う。 五人中唯一人、実の両親を見つけることができ、母星に帰れば恋人ミランがいるという、結構幸せ者だったりする。洞察力・分析力に優れた参謀役。 ○ルー/ピンクフラッシュ(超新星フラッシュマン) 乳児の頃エイリアンハンターに誘拐され、フラッシュ星の衛星ピンクスターで育つ。 超重力世界で育ったため地球の重力程度なら何のその、空中散歩も自在である。 それを活かしたプリズムブーツで空中を浮遊するトリッキーな動きで戦う。かなりの食いしん坊だが料理を作るのは苦手である。 ○王女(副官)シーマ(電撃戦隊チェンジマン) 星王バズーに滅ぼされたアマンガ星の王女。大星団ゴズマの戦闘員に組み込まれ、ギルーク司令官の片腕として働いていた。修羅と化した間に声色も男のような声で喋っていたが、 捨て駒にされそうになりゴズマを裏切る決心をする。彼女を思いやるブーバの命を賭した行動により仮死状態とされてから本来の心と姿を取り戻した。以後はチェンジマンたちと 一緒に行動し、最後までゴズマと戦った。宇宙獣士ウーバの母乳で育った過去があるため、人間の女性と変わらない今の姿が本来のものかは不明である。 ○航海士ゲーター(電撃戦隊チェンジマン) ナビ星出身のひょうきんな宇宙人。大星団ゴズマの戦艦ゴズマードで航海士として働いていたが、母星から来た妻や息子の説得で心を痛め、二人目の子供をこの手に抱きたいという父親の一念で奮起、 ゴズマを裏切ってチェンジマンたちと一緒に戦った。何故か関西弁を喋る。 ○ロム・ストール(マシンロボ クロノスの大逆襲) クロノス星のヒューマノイドであるクロノス族族長キライ・ストールの息子にして天空宙心拳継承者。狼の紋章を持つ剣「剣狼」に選ばれた者であり、 宇宙犯罪組織ギャンドラーに謀殺された父の意志を継ぎ、ケンリュウ、バイカンフーとなってギャンドラーと戦った。兄ガルディから託された剣狼の 兄弟剣「流星」との二刀一刃で首領ガデスを倒し、レイナらと共に暗黒に支配された世界を救うべく旅立つ。 ○レイナ・ストール(マシンロボ クロノスの大逆襲) ロムの妹で同じく天空宙心拳の使い手であり、お転婆で気が強い。兄のロムに多大な信頼を寄せているためかやや甘えが抜けていない。 彼女もまた剣狼に選ばれし者であり、力を使いこなすことができる。 ○ブルー・ジェット(マシンロボ クロノスの大逆襲) クロノス星のロボット生命体・ジェット族出身で剣術の達人。天空宙心拳の派生と思われる天空真剣の使い手。性格はニヒルで渋く、 サングラスをかけているような顔をしている。「ジェーット!」の口癖でジェット戦闘機に変形する。 ○ロッド・ドリル(マシンロボ クロノスの大逆襲) クロノス星のロボット生命体・バトル族出身で天空宙心拳の使い手。ドリル戦車に変形する。 力自慢で格闘能力に優れ言動はやや幼く、ひょうきんかつ明るい性格。レイナにほのかな好意を寄せている。 ○トリプル・ジム(マシンロボ クロノスの大逆襲) クロノス星のロボット生命体・ジェット族出身でレイナの従者。ロボットからスーパーカー、ヘリコプターへと多段変形できる。 性格は真面目でやや気が弱いため、活発で活動的なレイナに振り回されがち。彼女を「レイナお嬢様」と呼ぶ。 ○星間輸送兵スカイリンクス(トランスフォーマーザ・ムービー/トランスフォーマー2010) 自称・空飛ぶ山猫。自信家であり、一人称は「我輩」。スペースシャトルからドラゴンのような形態に変形、さらに上下に分かれて始祖鳥型と山猫型に分離でき、 戦闘能力・ 知能ともにかなり高い。コンボイの遺体を復活させるため、クインテッサ星人の一人を乗せて宇宙ペスト事件解決に大活躍したことも。 ○エクスカイザー(勇者エクスカイザー) 善なるエネルギー生命体・宇宙警察カイザーズのリーダー。地球へ逃げ込んだガイスターを追って来訪、星川家の自動車に融合した。恐竜博覧会の事件で星川コウタ少年に正体を話し、 彼に通信機となるカイザーブレスを贈ってかけがえのない友人となる。異次元空間から呼び出すキングローダーと合体して「キングエクスカイザー」に、ドラゴンジェットと合体して 「ドラゴンカイザー」になれる。さらに彼らの祖先がナスカの地上絵に遺した力を得て新しいカイザーソードを手に入れ、「超巨大合体グレートエクスカイザー」に多重合体できるようになる。 ダイノガイストとの死闘及びガイスター逮捕により地球での任務を終え、コウタに別れを告げて宇宙へ帰って行った。現在はサイバトロンが用意した星川家の車と同タイプの車に融合している。 ○ブルーレイカー/ウルトラレイカー(勇者エクスカイザー) 宇宙警察カイザーズに所属する、善なるエネルギー生命体の双子の兄。地球で東海道新幹線に融合したが、そのせいで乗客を運ぶのに大忙し。お盆や正月など乗客が増える時期は何と出動できない時もあった…。 足の裏にあるローラーダッシュを駆使して身軽に素早く行動できる。弟のグリーンレイカーと息の合ったコンビネーション技を得意とし、合体して「左右合体ウルトラレイカー」になれる。地球の新幹線という乗り物を気に入り、現在はサイバトロン・トレインボットたちが用意してくれた同型ボディに融合している。 ○グリーンレイカー/ウルトラレイカー(勇者エクスカイザー) 宇宙警察カイザーズに所属する、善なるエネルギー生命体の双子の弟。地球で東北新幹線に融合したが、そのせいで乗客を運ぶのに大忙し。お盆や正月など乗客が増える時期は何と出動できない時もあった…。 足の裏にあるローラーダッシュを駆使して身軽に素早く行動できる。兄のブルーレイカーと息の合ったコンビネーション技を得意とし、合体して「左右合体ウルトラレイカー」になれる。地球の新幹線という乗り物を気に入り、現在はサイバトロン・トレインボットたちが用意してくれた同型ボディに融合している。 ○スカイマックス/ゴッドマックス(勇者エクスカイザー) 善なるエネルギー生命体・宇宙警察カイザーズに所属する、マックスチームのリーダー。地球でジェット戦闘機(所属国籍不明)に融合して空から世界中をパトロールする。飛行速度はマッハ4。 真面目で地味な性格だが、決める時は決める渋い漢。ダッシュマックス、ドリルマックスと団結して「三体合体ゴッドマックス」になれる。合体時の意志は彼のものをベースに統合される。 現在はサイバトロン・エアーボットが用意した同タイプの戦闘機に融合している。 ○ダッシュマックス/ゴッドマックス(勇者エクスカイザー) 善なるエネルギー生命体・宇宙警察カイザーズに所属する、マックスチームの一員。地球でレースカーに融合して普段はサーキットを走りレースに出場している。 とにかく走ることが大好きな飛ばし屋であり、ガイスターが事件を起すとレーサーを放り出しカッ飛んで現場に駆けつける。ゴッドマックス合体時は胴体と両腿部に変形。 現在はサイバトロンが用意した同タイプの黄色いレースカーに融合している。 ○ドリルマックス/ゴッドマックス(勇者エクスカイザー) 善なるエネルギー生命体・宇宙警察カイザーズに所属する、マックスチームの一員。 地球で戦車に融合して地中からガイスターに関する調査を行っている。ドリルが付いているが、 これは任務に合わせて彼自身がカスタマイズしたと思われる。カイザーズで一番の力持ちであり堂々たる体躯を誇っているが、同時に一番気が優しく本星には弟や妹がおり、 コウタとの別れ際一度会わせたかったと告げた。ゴッドマックスに合体する時は二つに割れて両足部分に変形する。現在はサイバトロンが用意した同タイプのドリル戦車に融合している。 ○ロミナ・ラドリオ(忍者戦士飛影) シューマ星系ラドリオ星の王女。アネックスの野望を阻むべく、伝説の忍者を探しに地球圏を訪れる。おっとりとした、淑やかな性格だが、天然ともいえる素直さで行動に躊躇いがなく、 また敵に屈しない気丈さを持ち合わせている。エルシャンクの指導者として家臣からの信頼も厚い。ジョウに好意を抱いている。 ○ジョウ・マヤ(忍者戦士飛影) 火星開拓民の少年で、幼少の頃に父と共に日本から火星に移住した。典型的な熱血タイプで口が悪く短気だが、本質的に義侠心と友情に厚い。 火星に現れたエルシャンクに首を突っ込み、黒獅子のパイロットとして選ばれ、中盤から飛影に乗り込みザブーム軍と戦った。 ●破壊大帝G1メガトロン/G1ガルバトロン/スーパーメガトロン(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/トランスフォーマーザ・ムービー/トランスフォーマー2010/ザ☆ヘッドマスターズ/リターン・オブ・コンボイ) ワルサーP38に変形するデストロンの初代破壊大帝。G1コンボイこと初代サイバトロン総司令官の永遠にして宿命のライバル。知力・体力・カリスマ性そして狡猾さにおいては右に出る者はいない。ユニクロン戦争時にコンボイとの 一騎打ちで瀕死の状態となるが、ユニクロンにより新破壊大帝ガルバトロンとして生まれ変わった。その後紆余曲折を経て行方不明となるも、帝王ダークノヴァによりスーパーメガトロン、さらにウルトラメガトロンとして復活し スターコンボイと激闘を繰り広げた。現在はダークノヴァの支配から解かれ、元の姿に忠実なボディを再構築したらしい。ここでは同名を名乗るデストロンリーダーたちと区別するためG1メガトロンと表記する。 ●情報参謀サウンドブラスター(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/トランスフォーマーザ・ムービー/トランスフォーマー2010/ザ☆ヘッドマスターズ) デストロン情報参謀サウンドウェーブが、ブロードキャストとの一騎打ちで戦死したのち、生まれ変わった姿。G1メガトロンへの忠誠心は昔から変わらず厚い右腕である。 ダブルラジカセに変形。部下のカセットロン達を使い、偵察や奇襲を行う。部下のカセットロンたちからも非常に慕われている。 ●航空参謀サイクロナス(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/トランスフォーマーザ・ムービー/トランスフォーマー2010/ザ☆ヘッドマスターズ) 反逆者スタースクリームに代わるデストロン軍団の新航空参謀。G1メガトロンがガルバトロンに再生された時、同時にユニクロンによって再生されたデストロン兵士の一人。 「我がまま意のままガルバトロン」に忠実に従い、苦労の絶えない中間管理職的立場である。 ●スウィープス参謀スカージ(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/トランスフォーマーザ・ムービー/トランスフォーマー2010/ザ☆ヘッドマスターズ) サイクロナスの率いる親衛隊「スウィープス」のリーダー。G1メガトロンがガルバトロンに再生された時、同時にユニクロンによって再生されたデストロン兵士の一人。 卑怯な性格だが、臆病でゴマすり屋である。ホバークラフト型の宇宙船に変形。 ●空中攻撃兵コンドル(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/トランスフォーマーザ・ムービー/トランスフォーマー2010/ザ☆ヘッドマスターズ) サウンドブラスターが指揮する デストロン軍団カセットロン部隊のメンバー。小型で小回りが利き、諜報・隠密・偵察活動には欠かせない万能兵士。 カセットテープからコンドル型へ変形する。 ●諜報破壊兵ジャガー(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/トランスフォーマーザ・ムービー/トランスフォーマー2010/ザ☆ヘッドマスターズ/ビーストウォーズメタルス) サウンドブラスターが指揮する デストロン軍団カセット部隊のメンバー。動物のジャガーの様な俊敏な動きと隠密性を生かした密偵活動を得意としており、同じカセットロンである コンドルと共に諜報活動で活躍する。数百年後の未来ではビースト戦士にリフォーマットされ、デストロンの秘密警察に籍を置いていたが、初代デストロン軍団への忠誠心は健在。 デストロン最高権力「トリプティコン評議会」から密命を受けて地球へ飛来。当初はサイバトロンと連携してビーストメガトロンを追い詰めたものの、ゴールドディスクに込められた 初代メガトロンのメッセージを知ると、デストロンへと寝返る。ラットルの機転により宇宙船ごと爆破されて戦死した。 ●参謀モーターマスター/メナゾール(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー2010) スタントロン軍団のリーダー。ケンワース・K100エアロダインキャブオーバーに変形する。同じくトレーラーに変形するコンボイを一方的に ライバル視し、そのコンボイに突進合戦を挑むがあっさりと負けてしまった事がある。 武器はサイクロンガンとアイオナイザーソード。「合体兵士メナゾール」となる際、胴体に変形する。 ●斥候ブレークダウン/メナゾール(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー2010) スタントロン軍団の一員。ランボルギーニ・カウンタックLP500Sに変形。機転は利くが自意識過剰な性格をしている。 ビークルモードでは自身のエンジンから振動を発生させて機械を故障させる能力があり、ロボットモードで使用する振動ライフルにも 同様の機能が備わっている。「合体兵士メナゾール」となる際、右脚に変形。 ●兵士ドラッグストライプ/メナゾール(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー2010) スタントロン軍団の一員。六輪型のレーシングカー・ディレルP34に変形。メンバーの中では自己顕示欲が強く、 勝負ごとに勝つことにこだわりを持っている。武器は重力を強めるグラビトガン「合体兵士メナゾール」になる際、右腕に変形する。 ●テロリスト ワイルドライダー/メナゾール(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー2010) スタントロン軍団の一員。フェラーリ・308に変形。メンバーの中でも特に乱暴な走りを好み、他のメンバーは彼の近くで走るのを嫌がる。 武器はブラスター。「合体兵士メナゾール」となる際、左脚に変形する。 ●兵士デッドエンド/メナゾール(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー2010) スタントロン軍団の一員。ポルシェ・928に変形。他のデストロン兵士同様空を飛べるが、そのことを卑怯と思っている。 武器はエア・コンプレッサーガン。「合体兵士メナゾール」になる際、左腕に変形する。 ●建築兵スクラッパー/デバスター(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー・ザ・ムービー/他) ビルドロン師団の一員で一応、リーダー格。ホイールローダーに変形。設計に秀でているが謙虚な性格で頭脳労働に携わっている。 ビークル後部にデバスターの胸部ウィングを取り付ける事で「ジェットウィングドーザー」となる。デバスターに合体する際、右脚に変形する。 ●輸送兵ロングハウル/デバスター(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー・ザ・ムービー/他) ビルドロン師団の一員。ダンプカーに変形。運搬担当で、建設作業などでは荷物の運搬を担うが、自分のポジションが気に入らないらしく、ダンプカーに 生まれた事を嘆いていたり、不満を口にしている。カーゴ部分にデバスターの腰アーマーを取り付ける事で「バトルミサイルダンプ」になる。 デバスターに合体する際、胴体に変形する。 ●衛生兵グレン/デバスター(超ロボット生命体トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー・ザ・ムービー/他) ビルドロン師団の一員。クレーン車に変形。精密作業が得意で、その腕前はホイルジャックからも感心されている。トランスフォーマーに使われる回路だけでなく、 それの千分の一のサイズの品も修理できる。メガトロンからも信頼があり、報告も彼が行う場合が多い。車体にデバスターの頭部ユニットを装着する事で 「ダブルキャノンクレーン」になる。デバスターに合体する際、頭部から胸部にかけての部分に変形。 ●偽装兵ミックマスター/デバスター(戦え!超ロボット生命トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー・ザ・ムービー/他) ビルドロン師団の一員。ミキサー車に変形。特殊作業担当で、車を溶かして鉄を精製する事や酸の調合が可能。 デバスターのライフルを車体に付ける事で「ビッグバズーカミキサー車」になる。デバスターに合体する際、左脚に変形。 ●採掘兵スカベンジャー/デバスター(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー・ザ・ムービー/他) ビルドロン師団の一員。装機式ショベルカーに変形。ボーンクラッシャーと同じく採掘を担当。不運の持ち主で災難に遇う事が多い。 デバスターの右腕部をドリルに換装し、ビークル形態に装着する事で「ドリルミサイルショベル」となる。 ショベルモードでのバケット部にはセンサーが内蔵されている。デバスターに合体する際、右腕に変形する。 ●破壊兵ボーンクラッシャー/デバスター(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/スクランブルシティ発動編/トランスフォーマー・ザ・ムービー/他) ビルドロン師団の一員。ブルドーザーに変形。スカベンジャーと同じく採掘を担当。メンバーの中では好戦的な性格だが、泣き言を言うスカベンジャーを叱る等、 他のメンバー同様仲間意識は強い。デバスターの左腕部をドリルに換装し、ビークル形態に装着する事で「ドリルミサイルドーザー」となる。 デバスターに合体する際、左腕に変形する。 ●輸送参謀アストロトレイン(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/トランスフォーマー・ザ・ムービー/トランスフォーマー2010/ザ☆ヘッドマスターズ) D51風の蒸気機関車とスペースシャトルの2種類のビークル変形するトリプルチェンジャーの1人。 通常はメガトロンと同じくらいの大きさだが、シャトルモードに変形すると、仲間数十人を楽に搭載できるほど巨大化する。 ただし、輸送や物資運搬の便利屋的にこき使われる不憫な場面が多く、そのせいでエネルギー不足で補給しつつ輸送、 尽きたら補給を繰り返したことを愚痴ることもあった。同じトリプルチェンジャーであるブリッツウィングと反乱を起こした事がある。 ●空陸参謀ブリッツウィング(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/トランスフォーマー・ザ・ムービー/トランスフォーマー2010/ザ☆ヘッドマスターズ) 74式戦車とMIG―25フォックスバットの2種類のビークルの形態に変形できるトリプルチェンジャーの1人。 物事を戦いに結び付けようとする癖があり、自身の戦闘での活躍を過大評価する傾向がある為、スタースクリームからは 「大ボラ吹き」と揶揄されている。同じトリプルチェンジャーであるアストロトレインと共に反乱を起こした事がある。 ●航空参謀スタースクリーム(戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー/トランスフォーマー・ザ・ムービー/トランスフォーマー2010/他) デストロンの航空参謀にして航空部隊ジェットロンの指揮官。F-15に変形し、両肩に装備されたナルビームや、ミサイル攻撃などを武器に戦う。 メガトロンに成り代わり、デストロンのニューリーダーになろうと裏切りを繰り返し続けた後、復活したガルバトロンによって処刑されてしまう。 その後、スパークは消滅せず幽体となって再登場。ガルバトロンに復讐しようとして復活するが、ガルバトロンに見つかり、宇宙の彼方まで吹き飛ばされ、以後消息は不明となる。 ●スーパースタースクリーム(トランスフォーマー ギャラクシーフォース) マスターメガトロンの右腕あるスタースクリームがチップスクエアから放出されたプライマスのスパークを吸収し、転生した姿。 他のトランスフォーマーの数倍以上の巨大なボディと、大陸一つを破壊できるほどのパワーを手に入れており、頭部には王冠をかぶっている。 フォースチップをイグニッションする事で「バーテックスキャノン」を発現した他、強固なバリアと超能力を手に入れた。 惑星ギガロニアにてマスターガルバトロンと直接対決し、互いに全力を込めた一撃のぶつかり合いの末、敗北。死んだかに見えたが、 実は生存していた事が明かされる。 ●スパイ ノイズメイズ(トランスフォーマー ギャラクシーフォース) プラネットXのトランスフォーマー。スペースファイターに変形。当初、両軍に味方する謎のトランスフォーマーとして登場。 一時期スタースクリームに協力していたが、真の目的は惑星ギガロニアへの復讐を行おうとしていた。 フォースチップを盾にイグニッションする事で「ブラインドアロー」が展開。またエンブレムがサイバトロンからデストロンに変化し、 性格は凶暴になる。自らを特命刑事と名乗ったり、メカに弱かったり、コビー達の仕掛けた罠に引っかかるなど間抜けな所がある。 ●情報参謀サウンドウェーブ(トランスフォーマー ギャラクシーフォース) プラネットXのトランスフォーマー。ステルス機に変形する。ノイズメイズの親友で当初からデストロンに加わっていた。 胸部にヘキサゴンと呼ばれる六角形の物体を収納しており、それは様々な武器となる。ヘキサゴンのキラーコンドルを使って 情報収集を行う。サウンドに関して少しうるさく、マイクを持つ時、小指を立てる癖がある。 ●ダイノガイスト(勇者エクスカイザー) 全宇宙の宝を奪うことを目論む宇宙海賊ガイスターの「御頭」。 正体はエクスカイザー達と同じく、赤い光の玉のような悪のエネルギー生命体。 カイザーズの追跡を逃れ侵入した地球にて、恐竜博覧会に展示されていた ティラノサウルス模型に融合してメカ恐竜・巨大戦闘機・ロボットという三段変形 をこなすボディを手に入れた。「宇宙一の強者」と謳われるその実力は本物であり、 エクスカイザーも超巨大合体グレートエクスカイザーになるまで全く歯が立たなかった。 部下の失敗に怒ることはあっても、過度に非道な仕打ちを行うことはなく、 他の悪の組織のように「世界征服」「全宇宙支配」といった思想は基本的にない。 月面でグレートエクスカイザーと一騎打ちを演じ、敗北後も捕縛されることを良しとせず、 自ら太陽に突入して誇り高く悪道を貫き通して散って行った。 ●プテラガイスト(勇者エクスカイザー) 三百年に渡り宇宙中を荒し回ったガイスター四将の一人、空将。 地球で恐竜博覧会に展示されていたプテラノドン模型と融合、空中戦を 得意とする。四人の中で最も頭が切れるため、ダイノガイストの作戦参謀的 存在だが、他の三人を見下し仲が悪い。どんなものでも命令通りに動く ガイスターロボに変えるエネルギーボックスを開発して戦わせる。 後にサンダーガイストと合体して『二体合体プテダー』形態で戦うようになるが、 エネルギー生命体捕獲装置で捕らえられ宇宙刑務所へ送られた。 ●ホーンガイスト(勇者エクスカイザー) 三百年に渡り宇宙中を荒し回ったガイスター四将の一人、陸将。 地球で恐竜博覧会に展示されていたトリケラトプス模型と融合、陸戦を 得意とする。粗暴で口が悪い性格のためか、プテラガイストとはとことん 馬が合わず言い争いが絶えない。地球で一番最初にエクスカイザーと戦った。 後にアーマーガイストと合体して『二体合体ホーマー』形態で戦うようになるが、 エネルギー生命体捕獲装置で捕らえられ宇宙刑務所へ送られた。 ●アーマーガイスト(勇者エクスカイザー) 三百年に渡り宇宙中を荒し回ったガイスター四将の一人、地将。 地球で恐竜博覧会に展示されていたステゴザウルス模型と融合、地中戦を 得意とする。優柔不断で日和見主義な性格で、プテラとホーンの争いを よく観察しては都合の良いほうにつく癖がある。地中を高速で堀り進める。 エネルギー生命体捕獲装置で捕らえられ宇宙刑務所へ送られた。 ●サンダーガイスト(勇者エクスカイザー) 三百年に渡り宇宙中を荒し回ったガイスター四将の一人、海将。 地球で恐竜博覧会に展示されていたブロントサウルス模型と融合、水中戦を 得意とする。四人の中で体力・パワー共に最も優れているが思考能力が 極端に鈍いため全員にバカにされている。しかし彼に対して「このボケ!」 は禁句であり、一旦暴れだすと誰にも止められない。 エネルギー生命体捕獲装置で捕らえられ宇宙刑務所へ送られた。 ●シュラ(太陽の勇者ファイバード) 宇宙皇帝ドライアスの部下。ガイスターと同様の悪のエネルギー生命体で、 地球でDr.ジャンゴが造った細身の男風のアンドロイドに融合した。 クールな狡賢い性格で作戦をそつなくこなす破壊工作のエキスパートである。 後に『ソドム』という名のロボットに搭乗してファイバード達と戦う。 ●ゾル(太陽の勇者ファイバード) 宇宙皇帝ドライアスの部下。ガイスターと同様の悪のエネルギー生命体で、 地球でDr.ジャンゴが造った大男風のアンドロイドに融合した。 見た目通りの単細胞で乱暴な性格。物事を何でも力と破壊で解決しようと するタイプのため、相棒のシュラにもバカにされている。子供が苦手。 後に『ゴモラ』という名の四足を持つロボットに搭乗してファイバード達と戦う。 ●ディオンドラ(マシンロボ クロノスの大逆襲) 犯罪組織ギャンドラーの女幹部。電磁ムチとメデューサの妖剣を武器にしている。電磁ムチ妖兵にも恐れられ、 任務に失敗した部下を打ったり、捕らえたレイナを痛めつけるのにふるった。ギルヘッドらデビルサターン6からは 「姉御」と呼ばれ、慕われている。最終決戦でロムとガルディが兄弟である事実を洩らしてしまい、ガルディの記憶を呼び覚ましてしまった事から、ガデスに見捨てられて絶望。精神崩壊を起こしてしまい、溶解液で満たされた部屋に1人取り残され、以降消息は不明となる。 ●デビルサターン6(マシンロボ クロノスの大逆襲) 「ギルヘッド」「バラバット」「デスクロウ」「グロギロン」「アイゴス」「ブルゴーダ」の6体の妖兵コマンダーが「六鬼合体」して誕生した姿。バイカンフーと互角のパワーを持つが、天空宙心拳には歯が立たない。 合体時の思考パターンは頭部を司るギルヘッドが主導権を握る為、関西弁で言葉を交わす。 ディオンドラを「姉御」と呼んで慕っている。 ●アシュラ(マシンロボ クロノスの大逆襲) ギャンドラーの妖兵コマンダー。デビルサターン6に代わり、コマンダーランキング1位の座についた事がある実力者。 相手の体の自由を奪うナットール弾を腹部から発射し、動きの取れなくなった相手を残忍な方法で破壊するのを得意とする。 性格は残忍かつ狡猾で、ロム達の奇襲作戦を逆手にとって罠を仕掛けたりした。 ●キャスモドン(マシンロボ クロノスの大逆襲) ギャンドラーの妖兵コマンダー。ダコタの町に住むクロノス族とバトル族の間に抗争を起こし、共倒れした後に鉱物資源ロムトロンをギャンドラーが独占する作戦を展開していたが、最期はバイカンフーによって倒される。後に大量生産された。 ●ザリオス(マシンロボ クロノスの大逆襲) ギャンドラー配下の妖兵コマンダー。サソリの様な外見をしており、腕の2本のハサミと足のキャタピラが特徴的。 本物のサソリの様な形態に変形も可能。 ●ファルゴス(マシンロボ クロノスの大逆襲) ギャンドラー配下の妖兵コマンダー。青紫のボディの背に羽を生やしており、 肩から発射するビームと手の爪を武器とする。
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エレオノーラの罠について、オライリーさん的私見メモ (コメントアウト参照) 例のやつ ギョーム・オライリー 愛称 特になし(オライリーさん?) 性別 男性 容姿 謹厳実直な軍人 職業 空軍軍人 Air force commander 目的 帝国への貢献 特技 根:社交、機関、商事、航空 枝:教養、作法、心理、整備、改造、取引、法律、操舵、航法、艦砲、哨戒、通信 背景 帝国空軍士官。階級は二等大佐。家系はクレイオ系だが、母語は帝国語である。 妻のカタリナとは乗っていた飛空艇が空賊との戦いの中で撃沈されたことによって死別している。再婚するという考えはないらしく、死ぬまで一人のつもりでいる模様。 なお、既にその空賊団は彼の属する艦隊によって殲滅されており、その際の活躍によって復讐は終えたと感じている。同時に帝国は妻のための復讐の機会を与えてくれたと考えており、帝国に対して強く忠誠を誓っている。 本来は次にグレートユーク副長になる予定だったのだが、グレートユークが撃沈されてしまったため現在は一時的に飛空艇運送業者組合に人材交流と称して派遣されてきた。 年齢を重ね、次第に体力は衰えてきつつあるが、一方で仕事も出世と共に事務的なものになり、策謀なども以てして帝国への脅威を排除する道を進んでいる模様。 基本設定 名前:ギョーム・オライリー Guillaume O Reilly 種族:人類 職業:帝国空軍二等大佐 Colonel en second 性別:男性 年齢:39歳 台詞 「なるほど魔法は一見便利そうに見える。だが実のところそうでもない。あれはかゆいところには手が届かん」 「私の半分は妻のためにあり、もう半分は帝国のためにあった。…今の私はその片方だけでしかないことになるがな」 「全ての帝国臣民には無能であろうと怠惰であろうと生きる権利がある。しかし帝国の為に働こうというのであれば、有能で勤勉でなくてはならない」 設定文 帝国空軍士官の機関技師。階級は二等大佐。家系はクレイオ系だが、母語は帝国語である。 妻とは彼女の乗っていた飛空艇が空賊との戦いの中で撃沈されたことによって死別している。再婚するという考えはないらしく、死ぬまで一人のつもりでいる模様。 なお、既にその空賊団は彼の属する艦隊によって殲滅されており、その際の活躍によって復讐は終えたと感じている。同時に帝国は妻のための復讐の機会を与えてくれたと考えており、帝国に対して強く忠誠を誓っている。 本来は次にグレートユーク副長になる予定だったのだが、グレートユークが撃沈されてしまったため現在は一時的に飛空艇運送業者組合に人材交流と称して派遣されてきている。 スキル 探検家:警戒、飛空石 貴族:礼儀作法、教養、歴史、人脈 機関技師:操縦士、機関士、通信士、艦砲、効率性、予備の部品、改造 領域魔術:離れた知人に言葉を伝える (経験点4点、1枠消費、残1点) (セッション4まで) 道 機関技師の道◎ 至誠者の道(対応:帝国)● 自立者の道(初回)→策謀者の道 スキル 探検家:警戒、トラップ、飛空石 貴族:礼儀作法、教養、歴史、人脈 機関技師:操縦士、機関士、通信士、艦砲、蒸気機関、効率性、予備の部品、改造 メカ:新式無線装置、機銃、大砲 (経験点6点、残0点) (経験点3点消費、機関士取得) (経験点3点消費、蒸気機関取得)
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ウィザーズ・ブレイン巻頭四行詩 フレデリカ・ベルンカステルの詩 特異領域の特異点
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石油資源のために、石油やそれから精製される燃料を浪費して行われ、結果として石油危機を悪化させる戦争が行われているとは実に理解しがたい。 更に、バナッハ帝国の報道では核攻撃の実施が決定されたとされているが、石油の代替資源たるウランを大量に消費することになる核攻撃(厳密には、消費されるのは製造時点ではあるが)を行うことになれば、アムトウルクがその損害を復興する過程で、更なる資源が必要となることは明らかである。 付け加えて言うならば、核攻撃によりフェイルディラシア大陸を汚染する行為、そしてそれを誘発する行為は連邦に対する重大な脅威でもある。 以上のことより、連邦は両国に対し戦争の拡大の阻止と資源の浪費の抑止のため、バナッハ帝国には核攻撃の決定が行われた事実があればその中止を、アムトウルク王国には即刻の停戦を求める。 アムトウルク政府は停戦条件を既に提示しているが、停戦する前に講和の内容を決定しなければならないという必然性はなく、即時停戦を行ってから講和条件を議論してもよいのではないか? むしろ、戦争が遅れれば遅れるほど、無益な戦争のために資源を浪費したという事実をもって両国は他国との資源調達において不利な立場におかれるであろう。 なお、連邦の資源取引担当者は確かに少額ビッドを行っている。しかし、連邦の少額ビッドは、それによる落札までの時間の延長が行われない状況下で行うという指針があり、この指針のもとでは円滑な取引を阻害するという性質は著しく軽減されている。 さらに、今までに行われた連邦の少額ビッドはバナッハ帝国が少額ビッドを行った際に、実験的にその戦略を確認する目的で行われたのみである。 よって、連邦の行った少額ビッドはいたずらに落札までの時間を延長するバナッハ帝国の少額ビッドとは違ったものであると付言しておく。
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旅程表 序幕(第零話):ジャスリーさまの旅支度(べいろす) ↓(ジャスリーさま、単身鉄道でせらふぃーへ) 第一話:せらふぃーで集合、アイスクリームでも食べて出発(すたーげいざー) ↓(マーテル河下り) 第二話:くらるべるんで昼食にパスタでも(べいろす) ↓(鉄道、たぶんクロノクリア急行) 第三話:ぐりゅっくで夕食は高級レストラン、旧アレスレーヴァを見に行くもよし(すたーげいざー) ↓(地中海を船で東へ) 第四話:ロスマリン(フォールン領)でお茶(べいろす) ↓(地中海東岸を飛行船で南下) 第五話:合衆国上空で飛行船と東方入り、二人の旅はこれからだ!(すたーげいざー) ↓(大陸横断鉄道で東へ) 第六話:スターテンでお買い物(べいろす) ↓(ヨーグ海南下) 第七話前編:塔王国、ガトーに到着。ケトルポリット塔でアンゼの本さがし(すたーげいざー) 第七話中編:茶塔を訪れ茶畑見学、百茶で紅茶ついでに緑茶とかも楽しむ(べいろす) 第七話後編:ツトラウスト塔でお茶片手に天体観測(すたーげいざー) ↓(ヨーグ海を東へ) 第八話:ロフィルナでたまにはSushiもいいよね!…食あたりすると悪いからNG?(べいろす) ↓(ヨーグ海を東へ) 第九話:極東島でプランテーションティー(すたーげいざー) ↓(ナアド海をひたすら東へ) 第十話:イーゼンで結婚を祝う(べいろす) ↓(夢の中へ) 番外編:アン・ディー・フロイデの悲劇(すたーげいざー) ↓(夢から覚めて) 第十一話:リムジアで服をとっかえひっかえ(べいろす) ↓(北極海を東へ) 第十ニ話:エラキスで柑橘類を食す(すたーげいざー) ↓(アンゼの操る飛行艇で大空を翔る) 第十三話:レッチェルドルフで切手購入(べいろす) ↓(飛行) 第十四話:くらるべるんに帰還、実は一日余裕があることに気付く(すたーげいざー) ↓(飛行) 第十五話:せらふぃーで天体観測でもして終了(べいろす) ↓(たぶんクロノクリア急行) 終幕(第十六話):じゃすりーさまの厄災封じ行事(ここから先はべろたんのご随意に) 第零話・プロローグ(ジャスリーさま視点) クラルヴェルン帝国の皇帝ジャスリー・クラルヴェルンは不老にして不死の王であり、夢魔と帝国二億五千万の民を統括する、惑星ルヴァース有数の重要人物である。 しかしながら彼女は全知でも全能でも無かったし、ロボットでも聖人君子でも無かったから、海外旅行に行きたいという欲求は常に持っていた。 彼女のゆるやかな統治の下で、帝国の人間たちは知識と資本を蓄積し、産業革命を引き起こした。それによる蒸気船の出現や鉄道の発達は、世界一周旅行の現実味を徐々に増していった。 ティー・ロード条約の成立後、彼女はひとつのプランを友人に持ちかけた。地中海からティー・ロードを通り、各国のお茶を楽しみながら極東島やクルドンを経由して帰還するという世界一周旅行。 初めは渋っていた友人も、ジャスリーさまの再三の「お願い」により最後には了承した。とはいえ、ジャスリーさまとその友人との関係はいつもそういったもので、半ば様式美となりつつある。 ともかく夢遊宮にて世界旅行の準備が進められた。ジャスリーさまは護衛を引き連れて旅行することを好まなかったし、秘境探検しにいくわけでもなかったから、トランク一杯に着替えを用意して、ティー・ロード共通の小切手帳や、最低限の保存食と医薬品のみを持つだけの軽装となった。 旅券は帝国の一般市民と同じ形式のものをわざわざ用意した。訪れる予定の国々の大使館にはすでに伝えてあるから、予期せぬトラブルの際は助けになるだろう。 「留守をよろしくね。ペトロシアン。それにテリブル」 「お任せ下さい」 「行ってらっしゃいませ。お気を付けて」 セラフィナイト行きの電車のホームにて、列車窓から見送りに手を振りながら声を掛けるジャスリーさま。 宰相ペトロシアンは無表情に、テリブルドリームは心配そうな顔で見送る。テリブルはいつも何かに心配しているような悲観的な子だが、今回ばかりはテリブルを責められまい。仮にジャスリーさまの身に何かあれば帝国の存続にすら関わる。 だが帝国政府の閣僚たちも夢魔たちも、皇帝の旅行を止めることはしなかった。ジャスリーさまが旅行について語るのは数百年も前からのことだったし、嬉しそうに語る皇帝を前にしては誰も何も言えなかった。 産業革命の恩恵。石炭を燃やし湯を沸かし、その蒸気の力で車輪を回す陸蒸気が警笛を鳴らす。独特の駆動音を伴ってセラフィナイトに向かって走り出した。 ジャスリーさまはゆったりとした一等車両の席から窓外の風景を眺める。メッサーナ市街を抜けると田園風景が広がっていく。 これから待ち受ける楽しみと、おそらくは不可避であろう困難を思い浮かべながら、ジャスリーさまは最初の楽しみである友人との再会を思い描き、目を閉じた。 「待っててね、アンゼロット。今捕まえにいくから」 第一話・プロローグ(アンゼロット視点)&セラフィナイト編前編 本気ですか。 ある時、旧友―こう呼べる間柄になるまでにも紆余曲折があったがあまりにも長いのでここでは触れない―が手紙の中で世界一周旅行を提案してきたときの率直な感想だった。 この感想を抱いたアンゼロット記念大学学長の名を、“幻月の学徒”アンゼロット。 そして、初代クラルヴェルン皇帝にしてそんな旧友の名を、“夢魔姫”ジャスリー・エルツ・クラルヴェルンという。 さて、アンゼロットはそんな感想を抱いたので、返事の手紙にはそのままを記して返すことにした。 なにしろ彼女は2億5千万の上に君臨する大皇帝なのだ。その身に万一のことがあってはたまったものではないだろう。 もし旅行するとなれば、帝国の宮廷部も旅先の政府も冗談ではなく胃に穴が空くし、当時はコタン戦役の混乱でそんな場合ではなかったのだ。 しかしながら、彼女は本気だった。 いつの間にか手紙の内容は行くか行かないかからどこに行きたいかに取って代わられ、具体的な旅程の計画に取って代わられた。 そして、不思議な事にアンゼロットの書棚にはそのために必要な地図、時刻表などの資料は全て揃っていた。 …紅茶探訪世界一周。今まで明確に考えたことはなかったが、無意識的な願望にそんなものがあったのかもしれない。 出発日はルヴァ歴31年7月14日。旧友には10月1日、つまり80日後に行事があるので、予定は80日間のうちに詰め込んでいる。 平穏な時の続くことの少ないこの世界が、コタン戦役の終わりのあとの微睡に身を委ねている今のうちに。 さて、そんなアンゼロットは、今、その直前の朝はアルティチュード郊外の山にある大学付属の観測所でお茶を飲んでいる。ちょっとした研究がお茶請けだ。 この場所は風が清々しくて気分がよく、たまに来てはお茶を飲む。旅先でいろんな風を浴びる前に、この国の風を感じるのも悪くない。 ちなみに、旅行に必要な物資などは既に鞄に詰め終えており、着ている白衣は旅先では必要のないもの。 朝食は近くのベーカリーで買ってきたパンで軽めに済ませることにした。腹持ちがよくないが、むしろそのほうが都合がいい。 昼食は彼女の国で彼女の薦める料理店で、の予定となっている。東方にはおかわりは皿に少し残した状態で、が礼儀の国があるらしいが、ここは西方だ。 なにより…彼女の前で彼女の薦める料理を残し次に向かおうということが彼女に何を感じさせるか、と。 そんなことを考えるアンゼロットの傍らのテーブルではストレートで砂糖のないカーニャムのFTGFOPが馥郁たる香りを添えている。 いつもは研究の際には頭に糖分を、というわけで紅茶に砂糖を入れることにしているのだが、今は前述の理由で血糖値は抑え目にしておこう。 さて、紅茶を飲みながらのんびり研究をしていたのだが、突如後ろから声がかかる。 「マスター。お客様です」 アンゼロットはその声に一瞬口にした紅茶を吹き出しかけたが、踏みとどまりこう返す。 「ここは関係者以外立ち入り禁止のはずですけど」 「私はこの記念大学の教授ですよ?問題ありません」 その声に振り返り、声色から想像していた通りの人物と対面する。 「ミリティアは教育学部ですので理学部のここでは部外者です。そんなことより声真似するならもっと似せてくださいよ」 「よその事情はよくわからないわ。声は幻術使っていいならいくらでも似せられるけど」 「幻術と星術で勝負しますか?二度と戦うのはごめんですが。しかし早いというか、早すぎませんか?二時間後にリーゼロッテ港で待ち合わせの予定ですけど」 「何てったって楽しみでね。そんなことよりアンゼの白衣姿って新鮮ね」 「…着替えてきますよ。こんなに早く、まさかこっちまで来るとは思いませんでしたからね」 「さて。まずは世界一周の出発点にして経線の基準点、セラフィナイトです。朝食は…あれ、まだですか?」 「船内で食べてきたけど、朝早かったから間食も悪くないわ」 「間食ですか。何かセラフィナイトといえばアイス、という印象があるんですよねえ。まあとにかく紅茶とアイスの用意があります。ミリティー、用意を」 最後の呼びかけはどう考えてもここにいない人物へのものだったが、後ろからそのミリティアがティーセットを持って現れる。 「なるほど…こういう仕掛けで声真似がばれたわけね」 「あの声だと最初からわかりますよ。さて、今日の間食はアイスです。世間ではフロスティヴンのものが有名ですが、まあこれも味は保障します」 こっそりアンゼロットの皿のアイスが少な目なのは内緒だ。これはミリティアの気配り。 「お茶請けに純連盟産の小麦粉と牛乳と砂糖だけを使っているクッキーが良いって聞きましたけど」 「あれは保存が利くので帰ってきたときにお土産として渡しますよ。あとリーゼロッテの知り合いの職人が天文腕時計作成最短記録に挑むとか言ってましたから戻ってきたときにできていればそれもお土産です」 「さて、今日の旅程はどうなっているの?」 「まずはクラルヴェルンへ参りましょう。昼食はそこでパスタでしょう?あなたがどれほどのものを出してくるか、期待していますよ?」 第二話・クラルヴェルン編前編 旅行者二人を乗せた小型船が、昨年完成したばかりのマーテル運河を下る。この運河は内陸国たるセラフィナイトとの交易の促進と、レッチェルドルフとの接続のために建設されたものだ。 帝国の大地を貫く運河には、平和な田園風景と緑の木々が並ぶ。牛や馬が水を飲み、小鳥が歌い、日陰では釣り人が糸を垂らしている。はるか遠くのアディリクでは鋼鉄の機械が人間を挽きつぶし、人々は狂気と絶望の中を彷徨っているというのに。 「貴方の統治は悪くはありませんよ」 アンゼロットは自分の膝を枕にして微睡むジャスリーの髪を撫でながらそういう。 「そう? ……ウィルバーの時と一緒よ。私はただそこにいて、微笑むだけ」 夢魔姫が幻月の学徒の指を絡める。 「そういえば、アンゼの研究は進んでいるの?」 「ええ、少しずつ。ミュリエルもいますし。そういえば彼女とは面識がありませんでしたね」 「星の天使でしょう? 嫉妬しちゃうわ」 「大丈夫ですよ。貴方が心配することはありません」 「こんな風に膝枕したりしない?」 「しません。そもそもしたいと言うのは貴方くらいのものです」 「そう、安心したわ」 ふふふ。と夢魔姫が笑う。 「何が可笑しいのです?」 「あの千年は幸せだったと思って」 「今は?」 「もっと幸せ」 クラルヴェルン帝国、とりわけ地中海沿岸のボロネーゼ人の気質は、食べて寝て歌って恋すること。 陽気で美味しいものを食べ、長い昼食の後に昼寝をしてほどほどに働き、人生を楽しむこと。 「貴方みたいですね」と苦笑するアンゼロットに、ジャスリーは「ええ」とにこやかに返す。 港湾都市フェーティムのレストラン「アルゾーニ・クラルヴェルン」は、そんなボロネーゼの魂をよく理解していると夢魔姫はいう。 店内は二層になっており、上層ではガラス越しに地中海の風景を見ながら料理を楽しむことができ、下層では専用の竈でピッツァが焼かれるのをみることができる。 上層席に案内された二人が注文したコースは、地中海のパルシェン貝を使ったヴォンゴレスパゲッティと、熱々のコーンポタージュ。そして八分の一に切られ、様々な魚介類の載ったラウンドピッツァ。 アンゼロットの抱いていたささやかな心配は最初の数口で取り除かれた。 「ふむ。悪くないですね。……大変よろしい」 「良かった。心配だったの。厳しいアンゼのお眼鏡に叶うかなって」 「美食評論家ではないのですから、そんなに厳しくありませんよ」 ただこう、貴方のパスタへの偏愛はちょっと理解しかねますけど。とは言わないでおいた。 第三話・ヴォールグリュック編 ヴォールグリュック南部、ナウムヴァルデ侯爵領。そこは、世界有数の食文化地域である。 ある作家に「神に愛された」とまで言わしめたこの地域は、農産物・畜産物・水産物の全てが揃う、東フォルストレアの美食の聖地といっても過言ではない地域だろう。 さて、料理というのは旅の楽しみ中でも最も重要なものの一つ。 世界一周の旅の計画を立てる際、最初の午餐をヴォールグリュックでということは最初から決まっていた。最初のうちからそうそう重いものを食するのもどうかとはいえるが、ヴォールグリュックから次の目的地フォールン・エンパイア領ロスマリンまでは船で二日かかる。その間の食事はそれほど重いものにならないだろうから、問題はないだろう。 【紅茶探訪八十日間世界一周 Third Country ヴォールグリュック編】 そんなわけで、クラルヴェルンからヴォールグリュックまでを列車に揺られてきた二人の少女はハイゼルベッカー湖畔駅に降り立つ。 この駅は暴食王の私城と呼ばれるヴォールグリュック有数のレストランの最寄駅で、検討を重ねた結果ここが初日の午餐とするに相応しいだろうということになった。 「ようこそいらっしゃいました。ご予約のジャスリー・クラルヴェルン様、それにアンゼロット様ですね、お待ちしておりました。お席は最上階の展望席にご用意してございます」 一般客として予約は入れているため、入って名前を告げるとこう迎えられる。 しかしながら、ジャスリーさまは「ジャスリーさまを目にした者は、視界から出てから数時間経つまで、彼女がクラルヴェルン皇帝だと気付けない」という幻術を使っているため、周囲の客がざわついたりすることはない。 ちなみに、この幻術は別に暗殺の危機を回避するためなどといった政治的な理由ではなく、二人水入らずなのを邪魔されたくないという実に私的な理由のためなのだが、アンゼロットは幻術がかかっていることは気付いていてもその本当の理由には気づいていない。 …さらにちなみにを付け加えるならば、実のところ、クラルヴェルン帝国宮廷部は事前に店に「うちの皇帝がばればれな恰好で行くけど、気付かないふりをしておいてください」と連絡しているので、店員はみんな最初から気付いている。まあ、結局宮廷部の取り越し苦労で、必要のないことだったのだが。 そんな裏話はともかく席に着く。 さて、最初の料理はパン。最初の、というのは配膳の順番上の話で、料理と一緒に食するものだが、まずは味見である。 「平凡ですね」 「自信があるか、あるいは食文化の根本はパンにある、という宣言かしら」 「そうかもしれませんね。焼き立て、基本ですが確かにおいしいです」 前菜はマスの燻製。 「マスなら、セラフィナイトでも獲れるんじゃない?」 「確かにリーゼロッテあたりの店では燻製売ってますけど、やっぱり正直に言ってグリュック人のほうが魚の使い方は手馴れてますね」 次にツヴィーベルズッペ。 「オニオンスープ、ですね。セラフィナイトではチーズがかかっていることが多いんですが、私はない方が好きです」 「セラフィナイトではチーズがかかっているの?食べたことないわ」 「あれ、200年ほど前に作りに行きませんでしたっけ?」 「今でもメニューは覚えているけど、なかった気がするわね」 「じゃあ、帰りのセラフィナイトの晩餐にしましょう」 副菜、スズキの香味焼き。 「そもそも香味焼きって何なの?」 「え、…風味際立つように焼いたら香味焼きじゃないんですか?」 ちなみに、香味野菜を使って料理に香りとまろやかさを出すと香味焼きという話もあるが、香味野菜入れても香味焼きとは言わないこともある気がする。何なんだろう。わけがわからないよ。 主菜、ナウムヴァルデ・ツェンデンオクセ(牛ステーキ ナウムヴァルデ風の白いソースを添えて)。 ちなみに、焼き方はアンゼロットはレア、ジャスリーさまはウェルダンを指定した。 「きましたね、看板料理。…アンゼ、断面を見てどうしたんです?」 「いえ。…中央部が生でありながら火は通っている。…結構なことです」 「アンゼは美食評論家じゃないんじゃなかったの?」 「いえ、まあそうなんですけどね」 冷菓、イチゴ・ヨハニスベーレン(季節のシャーベット)。 「季節的には、確かにそろそろ冷たいものが食べたくなってくる時季ですね」 「アンゼが汗をかいている姿なんてみたことないけど」 「冷涼な国出身の人間のほうが、低温でも汗をかくっていいますけどね」 副菜その二、鴨のフォレストル風蒸し焼き。 さらに、貴腐ワイン「暴食王の遺産」も出てくる。相当甘い。 「…かなり甘いですね、このワイン」 「200年前の時にアンゼが持ってきたワインもこれぐらい甘くなかった?」 「ああ、アイスヴァインですね。糖度はともかく、貴腐香はあれにはありませんよ?」 「ところでフォレストル風って何なんでしょう…?」 「でも、東方にはちょっと似合わないわ」 ちなみに、二人ともフォレストルをフォルストレアのことだと思っているらしいが、実のところヴォールグリュック南部諸邦の一地域である。 そんなことより最後に、サラダ、イチゴ・ベリー類の盛り合わせ、そして食後のコーヒー。 「これで締めのようですね。まあ、山海の幸が混ざった…こういうのはヴォールグリュックに特有ですよね。良いものです。今回の旅、コーヒーを飲むのはたぶんこれで最初で最後。少しくらい、いいものです」 「エスレーヴァでももう一杯ぐらいいいんじゃない?ドミニオ・ノーヴァスはコーヒー派って聞いたわ」 「あなたが望むなら、別にいいんですけどね」 第四話・ロスマリン編 ロスマリン。 地中海西部に浮かぶ大小五つの島で構成される島々。 地中海の交易の要所に存在するこの島々は、長い歴史の中で主を転々と変え、サーペイディアの手に渡り、今は魔王国の直轄領として栄えている。 ヴォールグリュックのツァオバーヴート港から、蒸気客船に乗って数日の海路。 入港した蒸気船にタラップがかかり、乗客がぞろぞろと降りてゆく。旅行者二人は他の乗客が降りきったあとに悠々と歩き、今まさにロスマリンの地に足を踏み入れた。 【紅茶探訪八十日間世界一周 4th Country ロスマリン編】 「ここはもうエスレーヴァですよ」 「ええ、そうね……」 ジャスリーさまは感慨深く青い海と青い空、眩しい太陽、そしてロスマリン・ネレイドの建築物を見やる。 「異国に来たのね」 「ええ」 人間に混じって当然のように街を闊歩するオークやオーガーなどの亜人たち、そして海人類たち。 帝国では考えられない光景を前にして、ジャスリーさまは自分自身が夢魔という亜人であることを棚に上げながら、これでよく秩序が保てるわねと関心する。 「彼らにとってはこれが普通なのでしょう。もともと人類が外見で判断しすぎるのかもしれません。ケトルポリットはさらに凄いですよ」 「私ね、サーペイディアには少し責任を感じているの」 「魔王ドロレスですか?」 「ええ、フォールンが彼を目覚めさせなければ、この国は別の歴史を歩んできたと思うの。あの子はちょっと羽目を外しすぎるところがあるし」 「気にすることはありません。サーペイディアは他種族・他国家が乱立する紛争の絶えない地域でした。彼がいなければ統一もされず、豊かな国にもなれなかったでしょう」 「そうね……」 ジャスリーさまは魔王について悪感情を抱いてはおらず、むしろ好感を持っていたし、舞踏会では踊りを楽しんだりもした。 ただ、この国で行われている美女狩りという闇については、同じ女として複雑な気分にならざるを得なかった。 心地よい潮風にあたりながら、二人はガイドブックを片手に海底都市へと向かう。 海底にドーム状の巨大な泡が存在し、その中に地上の生物が生存できる環境と、都市が存在する。泡は水圧に押しつぶされることもなく、海人類の遙か昔よりの技術によって維持されている。 空の変わりに海が、雲の代わりに魚の群れが存在するというその光景にジャスリーさまはしきりに感嘆しながら、目的のホテルを探して都市を散策した。 かつてのロスマリン王侯の宮殿を改装したこのホテルは、美術館も付属しており、それ自体が観光名所を兼ねている。オーナーはペルスネージュ辺境伯。 少女達はホテルに迎えられると、白亜の壁に赤絨毯、クリスタルのシャンデリアの通路を経て、豪奢な客室に案内された。 「いい部屋ね。ありがとう。すこし歩いて疲れたから、ロスマリンのお茶を入れてきてくださらない? お茶請けは適当でいいわ」 「畏まりました。ご主人様」 夢魔姫はスウィートロリータのメイド服に身を包んだエステルメイドにルームサービスを指示する。メイドが小悪魔のように可愛らしく一礼して退出した後、苦笑してこう評した。 「うーん。あれはもう、別物ね」 「確かに。リリスに無理矢理メイド服を着せるとああなりそうです」 本場で飲むロスマリンティーは、帝国で手に入るものよりも透明で、香り高いものだった。 「……ふむ。香りも風味も甘いですね。私は滅多に飲みませんが」 「そうなの? 夢遊宮では 砂糖要らず といってよく飲んでいるけど」 「夢魔は甘党ですからね。まあ糖分の取りすぎは良くないですから、シュガーレスとしては最適かもしれません」 そういいながら、アンゼはお茶請けに出された小さなケーキを、これまた小さなフォークで切って口に運ぶ。 「今日はここで一泊するとして、明日はどうしたのかしら」 「海底の次は空の上です。この季節では南西からの風を利用しての飛行船が、船よりも一日早く合衆国にいけますから」 第五話・ドミニオ・ノーヴァス編 アンゼロット記念大学の附置研究所には、航空科学研究センターというものがある。 そこではまだようやく実用化したばかりの飛行機、飛行船に関する科学技術が研究されている。 さて、その記念大学の長として幻月の学徒アンゼロットは旅路のどこかで飛行船に乗ろうと考えていた。 セラフィナイト、クラルヴェルン、ヴォールグリュック、フォールン・エンパイア。 これら諸国は、どれも列強に名を連ねる工業国で、そしてどれも近接している。そのためにどの国を結ぶルートでも飛行船の利用はできる。 しかし、問題は、どれにしても運賃が高く、その飛行船の給仕の月収の数十倍という、とんでもないことになっているということだ。 故に、卓越風に乗って時間を短縮でき、乗っている時間の分だけ値段も安いフォールン→合衆国便を利用するのが一番手頃というわけだ。 【紅茶探訪八十日間世界一周 Fifth Country ドミニオ・ノーヴァス編】 飛行船での旅というのはあまり揺れることもなく、グランドピアノまである充実した設備と、至れり尽くせりだ。 …まあ、それでも運賃を考えると、これぐらいあっても当然、といえなくもない。 載せられる人数が少ないのと、まだまだ飛行技術が未発達なために超富裕層相手の商売でしか成り立たないのだろう。 そんな状態なので乗客は皆正装で着飾った者ばかりだが、彼女たち旅行者二人はその中でも遜色がない。 まあ、この二人が超大国の皇帝と世界トップクラスの大学の長であると気付けるような、魔法抵抗の高い者はそういないのだが。 果てしない雲海を切り裂いて、飛行船は緩やかに高度を落とす。 雲海を構成する層積雲の隙間からは薄明光線…いわゆる天使の梯子が降り立っている。 そんな幾重の層をなす雲を潜り抜けたその先に、高高度からではわからなかった新天地の景色がはっきりしてくる。 「このあたりの地域は世界有数のフィードロット式の大牧場地帯らしいですね。壮観です」 「ロスマリンとは違ってやっぱり乾燥しているのね」 「連盟の牧畜業は酪農主体ですから、こうはいきませんね。バーベキューでもします?」 「大陸横断鉄道の車内弁当にステーキ弁当があるって聞いたわ」 「ステーキ弁当ですか。まあ、確かにここでの食事は正確な予定を決めていませんでしたから、それも悪くないですね」 地上がさらに近づく。まもなく着陸だ。ここから先は夢魔文化圏の外。 …たぶん、多くの苦労と、それを超えるだけの発見があることだろう。 「ここから先はいわゆる東方。何が待っているのか楽しみですね」 「いろんなものが待っているとは思うけど、その中でどれだけのものがアンゼの表情を変えることになるかも楽しみだわ」 外伝・セラフィナイトの平凡な日常 または私は如何にして夢魔であることをやめてまで彼女の傍らの日々を望むようになったか 主の留守中。夢魔ピースフルドリームとミリティア・アロートのお茶会での会話。 「夢魔の幸せ? どうしたのよ藪から急に」 「うーん。ちょっと。気になりましたので」 「人間の幸せはいろいろ、生きる目的もいろいろ。それは夢魔であろうと天使であろうと変わらないと思うわ」 「それでも、貴方たちを見ているとなんらかの傾向があるとは思えます」 「そうね…。愛することと、愛されることかしら。愛は、絶望の中を彷徨う私達夢魔にとって、その暗闇を照らす唯一の希望の光。それは、ジャスリーさまを見ればわかるでしょう」 「でもマスターはもう千年以上に渡ってそれに答えていません。永遠に片思いのような気がします。それでも夢魔姫は幸せなのですか?」 「ええ、片思いでもいいの。二人分愛するから」 「では私は、夢魔失格でしょうか」 「いいえ。気づいていないの? あなたもアンゼロットを愛しているのよ」 第六話・スターテン・ヘネラール編 「せーんろはつづくよー どーこまーでーもー」 「のーをこえやまこーえー たーにーこえてー」 ジャスリーさまが調子外れに歌を口ずさむ。アンゼロットや相席した交易商たちは最初苦笑しつつ聞いていたが、曲目が変わると次第に夢魔の心地よい美声に恍惚と酔いしれた。 大陸横断鉄道は広大なエスレーヴァ大陸の大平原と大山脈と、幾多の峡谷を乗り越えて、無人の野に敷かれた鋼鉄のレールの上を走ってゆく。 地平線の彼方まで伸びる線路と、どこまでも続く大自然。 途中、バッファローの大きな群れが運行を阻害し一時ストップしてしまったが、少女達の乗った寝台列車「東方を征服せよ号」は数日の遅れがでたものの、無事にスターテン・ヘラネール領にまで到達した。 【紅茶探訪八十日間世界一周 6th Country スターテン・ヘラネール編】 摩天楼。 少女たちが辿り着いたリッテルダムを一言で表すとすれば、まさにその一語に尽きる。 数十階建てのビルが林立し、ビルの下にはアスファルトで覆われた道路に自動車が往来する。 交差点には赤黄青の電気式の信号機が、自動車の流れる時間と人の流れる時間を管理している。馬車などという前時代の乗り物はどこにもいない。 ラジオで漏れ聞いたコタン会議問題などを話しながら、旅行者二人は近代都市を散策する。 「うーん。やっぱり帝国は、十年くらい遅れているかも」 「メッサーナでは高層建築は制限されていると聞きましたが」 「ええ。私の我が儘だけど、昔からの景観を大切にしたいの。メッサーナには歴史的な建築物が一杯あるし。フェーティムやベリザンドでも同じような制限がかかっているわ」 「蒸気機関の排煙はいいのですか? フェーティムは煙の都などといわれていますが」 「うん。あれはいいの」 わけがわからないよ。 休日の女学生たちに混じってクレープを食べ歩きながら、名物である高級百貨店 ヴァン・サインコルフ に足を運ぶ。 一階。贈答品と東西の菓子のフロア。 「うさぎ饅頭。苺大福。草餅。ミラーミディアでしたっけ」 「住民投票の結果、鎖国したそうだけど、スターテンとは貿易してるのかしらね?」 「この国のことですから、掴んだ利権は絶対離さないでしょうね」 「帝国も見習いたいわ」 「それで、その饅頭買うんですか?」 「ええ。」 二階。高級衣服・ブティックのフロア。 「…どう?」 「似合っていますよ。良いところのお嬢様という感じで。まあ、あなたは何を着ても似合ってしまいますけどね。スターテン・ヘラネールのファッションは機能性重視というイメージがありますね」 「ふりふりは夢魔圏の特権なのかしら?」 「ああいう少女趣味は帝国と魔王国だけという気もしますね」 「そうね、ふりふりは着るのに時間が掛かるし、洗濯も大変だから」 「それで、その服買うんですか? 」 「ええ。」 三階。化粧品のフロア。 「化粧品なんて夢遊宮には一杯あるでしょうに」 「ブランドによって微妙に違うのよ。場や服装によっても変える必要があるの。私は行事とか会議に出席しないといけないし、これは必要なものなの」 「それで、その化粧品セット買うんですか? 」 「ええ。」 四階。ファッション雑貨と宝石装飾品のフロア。 「コタンのハンドバッグも必要なんですか?」 「ええ。」 五階。インテリアと趣味小物のフロア。 「高級羽毛枕の必要性は聞くまでもなさそうですね」 「ええ。」 九階。レストラン街。 「帝国に送る手続きをしておきました」 「有難うアンゼ。あんな分量になるなんて思わなくて」 「私はなんとなくそんな予感がしていましたよ」 そんな会話をしていると、煮込み茹でソーセージ、ブロッコリーやにんじんなどの茹で野菜、そしてチーズグラタンが運ばれてくる。 スターテン料理はバリエーションが少ないことで有名で、ウェイターにもクラルヴェルン料理を勧められたほど。しかし夢魔姫はにこやかに「貴方の国の一番美味しい料理をください」と注文した。 摩天楼の夜景を見ながら、少女達は日程の確認と塔王国への船の選定を話し合う。 二人の旅はつつがなく進む。距離にして三分の一に達しただろうか。 外伝2・43は線路―only our railway. 飛行船を降り大陸横断鉄道、はるかスターテン・ヘネラール行きの列車「東方を征服せよ号」に乗って進んでいたある日のこと。 車内販売のステーキ弁当を食べ終え、飲み物片手に車窓の外を眺める。 珍しく二人が飲んでいるのは缶コーヒーである。 「ここから先は国番号43、合衆国領でもスターテン・ヘネラールでもありませんね」 「実質、スターテンが管轄しているんじゃなかったの?」 「確かにそうですが、スターテンは鉄道の管理はしても領有はしていません。駅を降りれば無政府地帯ですよ」 「治安は悪いの?」 「そういうわけではありません。というより、人口希薄地帯ということなんでしょうね」 【紅茶探訪八十日間世界一周・外伝 Pre-6th Country 「43は線路」】 「…夢魔の幸せ、ねえ」 「ええ。こうやって缶入りの飲料を飲んでいると、いつも給仕をしているミリティアを思い出しましてね。彼女とそんな話をした覚えがあるんですよ」 「うーん…ミリティアはあなたのそばにいるだけで満足しているなら、それでいいんじゃない?」 「そうなんでしょうか?ミリティアは私に今でも仕えてくれていますが、彼女の目的は昇格だったはず。私に仕えてくれてももう応えることはできません」 「面倒を見てあげるといいんじゃない?昔もそういった気がするわ」 「そうでしたね…ですが、もう彼女はれっきとしたビショップです。これ以上上げることは…」 「何なら悪魔化してみる?アンゼも世代的には悪魔化の力があるはずだけど」 「ええ。ですが、それを彼女は望んでいないようですが」 「そうでしょうね。…しっかりと面倒をみてあげるといいわ」 ふと、ジャスリーさまはアンゼロットが黙考に入りかかっていることに気付く。旅先での気分ではない。気分を転換しよう。そう思い、ちょっと調子を外し気味に、列車の中で歌うにふさわしいとある歌を口ずさみはじめる。 第七話前編・ケトルポリット、ガトー・ケトルポリット塔 さて、今回の旅の一番の目的はタイトル通り紅茶探訪である。そのため、この国を外すことはありえないことだ。 ケトルポリット塔王国。なぜか某堕帝にはケトルポッドとか呼ばれているが。だいたいあってる。 さて、そんな塔王国は世界の茶園とでも言うべきお茶の産地であり、生産量でフォールン領極東島に迫られつつあるものの、品質においては他国の追随を許していない。 エスレーヴァ南東端に存在する、ティーロードの始点であり、ティーロード条約の提唱国でもある。 ちなみに、その軍事演習の異常なほどの活発さも国情としては特筆に値するが、それは今回はどうでもいいことだ。 【紅茶探訪八十日間世界一周 7th Country(1st Part) ケトルポリット編前編、ガトー・ケトルポリット塔】 さて、旅行者二人を乗せたスターテン発ケトルポリット行の船はガトーと呼ばれるギガ・フロートにたどり着く。 「前にも一度来たことはありますけど、こんなギガ・フロートはありませんでしたね」 「前に来たときはどんなだったの?」 「前は…確か、あの塔は高さがまだ32mで、あっちの塔はありませんでしたね」 目測なのにごく普通に正確な数字で高さを表現しているが、星術者ではよくあることらしい。まあ異伝の中はファンタジーなので、奇跡も魔法もあるわけだから仕方がない。ついでに言うと魔法の中にも星術とか幻術とか夢術とかの区分があるが、どう違うのかはわけのわからないことだ。 まあそもそも、この国は様々な亜人が多数存在している、というよりむしろ人類“も”いるというべきレベルの種族のサラダボウル(昔はるつぼって表現が多用されていたが)であるため、魔法がなかろうと十分ファンタジーだという気はするが。 「どの塔が今から行く塔なの?」 「さっき高さが32mといったあの塔ですよ。ちょっと探している本がありましてね」 ケトルポリット塔は現在では300m近くある。いったい何年前に訪れたんだろうといいたいところだが、年齢四桁の彼女たちにとってはよくあることなので、ジャスリーさまも気にしている様子はない。 書店に向かい、本を探す。この国には商書法という法律があるため、よその国では持っているだけで捕まるような本も手に入る。別に今日はそんな本に用事はないが。 手に抱える積み重なった本の山の単位からセンチが抜けようかという頃、アンゼロットはこれだけあれば十分でしょうと言い、書霊族らしい店員に読書の邪魔して申し訳ないとか言って勘定を済ませる。 「すごい量ね。どうするの?」 「こっちに来ている星術者たちに任せますよ。一応、塔の出口まで取りに来る予定になっています。まだちょっと早すぎますが…」 「お待たせしてしまったようですね、評議長。この国の職人が作った車で迎えに上がりました」 「…フィリオリならこうなりますよね。ああ、あなたは初めてでしたか。こっちは擬天使の一人のフィリオリです」 「夢魔姫、ジャスリー・クラルヴェルン陛下ですね。初めまして。評議長がいつもお世話になっているそうで」 「初めまして。擬天使を見たのは初めてですね。…研究は進んでいるようですね」 「フィリオリ。私が評議長だったのはもうかれこれ二千年は前のことですが」 「ええ、初めまして。研究は進んでいますが、やはり先は長そうですね。それと、確かに評議長だったのは二千年前のことですが、しかしアンゼと呼ぶのはそっちの彼女だけでいいでしょう。アンゼロットさま、そっちの荷物をお預かりします。本を回収するついでに送っていきますよ。どちらまで?」 「茶塔まで、ですね」 そうして三人を乗せた自動車は走り出す。ケトルポリットの自動車は単品生産で高コストだが、無茶な改装も受け付けてくれるのが魅力だ。乗り心地は上々で、とても乗りやすい。どういう発注をしたのかは知らないが、これならうちにも一台ほしいところだ。まあ、そもそも東フォルストレアでは道路より線路が先に整備されるので、買うことはたぶんないだろうが。 第七話中編・ケトルポリット、茶塔 学長と擬天使と夢魔姫を乗せた自動車が、塔の林立する奇妙な国を行く。 塔といっても、七十メートルを超える超高層建築物であり、中に都市そのものが入っている都市塔だ。その非現実的な光景に最初驚き、次にため息をつき、最後に物思いに耽るジャスリーさまであった。 「どうしたのですか?」 「いえね。こんな高い都市塔をいくつも建てられるなんて、凄い技術だなって思うの」 「嫉妬しているのですか」 「全く感じないといえば嘘になるわ。スターテンを見たとき、もっと頑張らなくちゃとおもったけど、帝国は百年経ってもこんなアーコロジーは作れないなって思うの」 「いいえ、貴方はこの世界で最高の君主です。この国は特殊な環境と経歴からできたもので、帝国が劣っているわけはありません。気にすることはありませんよ」 「そう言って貰えると助かるわ」 【紅茶探訪八十日間世界一周 7th Country(2nd Part)ケトルポリット編中編、茶塔】 茶塔と呼ばれるその塔は、他の塔と比べてもさらに風変わりな外見と機能を有している。 フィリオリに見送られ、ドールワーグの案内人に塔の中に迎えられた二人は、大量の反射鏡と導光線で照らされ、外のように明るい各階層を見学することになった。 塔の中の空中庭園といった風情の茶農園が、視界に広がる。 金属と硝子、光と水、緑と土、風と電気が集約された、ケトルポリットの聖域。 「ここが、ティーロードの終着点なのね……」 「正確には極東島がありますが、終着点と行って差し支えないでしょうね」 「素敵なところだわ」 「ええ」 ドールワーグの案内人が、片言のクラルヴェルン語とともに指し示す。 指の先にはぽつりと置かれた白い丸テーブルと、座り心地の良さそうな緩やかなカーブを描いた二つの椅子。 「どうぞ」 「ありがとう」 アンゼが引いた椅子に、ジャスリーさまはちょこんと腰掛ける。 アンゼはドールワーグが持ってきた茶器と茶筒を受け取ると、陶磁器のポットとカップにお湯を注ぎ、暖め始める。ティーセットは帝国製だった。 「どれから始めましょうか?」 「じゃあ、リーゼ」 「解りました」 リーゼの茶筒の封が切られ、金のティースプーンを使って茶葉が入れられる。ポットにお湯が入れられ、蓋が閉められた。そのまま茶葉が開き、蒸れるのを待つ至福の数分が過ぎる。 やがて茶こしで茶がらを取り除きながら、二人分の紅茶がカップに注がれた。 「どうぞ、お姫様」 「ありがとう」 今日、ここに辿り着くまでの一ヶ月以上の道のり。二人のその労に報い、疲労を癒すように、紅茶は喉に心地よく染み渡っていく。 「うん。美味しい」 「よいことです」 「世界で一番美味しい紅茶って、なんだか知ってる?」 「知っていますよ。好きな人が自分のために入れてくれる紅茶でしょう」 「ええ。だから、次は私が淹れるわ。どれが良いかしら?」 「ルーエンにしましょうか。正統派らしくミルクも入れて」 第七話後編・ケトルポリット、ツトラウスト塔 瞬く星。静かで清冽な空気。静かに闇に染まった遥か眼下の光景。 ケトルポリット塔王国のツトラウストという塔は、ただでさえツトラウスト山の山腹に位置しているにも関わらず塔王国で最も高い400mという高さを誇っている。 その塔の最上部には天文台がある。そこでは現在大型化のための改修が行われているが、その最上部への立ち入りは特に問題がないらしい。 連盟が関与したためか、なぜか屋上にはティーハウスがある。晴れていれば地上の景色も絶景だろうが、夜になっては地上の様子はうかがい知ることはできない。 まあ、それは光害が少ないという、天文台を立てるに相応しい条件ともなるのだが。 【紅茶探訪八十日間世界一周 7th Country(3rd Part) ケトルポリット編後編、ツトラウスト塔】 茶塔では紅茶は浴びるほど、あるいは飽きるほど飲んだが、あれは正統なアフタヌーンティーの作法には沿い、ついでにテイスティングも兼ねたもので、疲れをとるには不十分。夜のこの時間、ゆったりとリラックスしてアフターディナーティーとすることにした。まあ、そういう言い訳でお茶が飲みたいだけなのだが。 このティーハウスの経営者はフィリオリで、大体は適当な者に任せているらしいが、今日のこの時間帯は暇なので参加することにしたらしい。 「すぐ下の山で採れたOPにキャラメルで着香したもののミルクティーです。どうぞ。…でもアンゼロットさまとミリティーにはいつも敵わないんですよね」 「…甘ったるいですね。淹れ方の技術は…まあ、亀の甲より年の功、ですよ。あなたも長生きすれば大丈夫です」 「いまのアンゼロットさまのレベルを越えたころには二人とも年齢が五桁になるんじゃないですか?それにその理屈だとどこまでかかっても越えられません」 「まあ、ミリティーの紅茶淹れるのには私も敵わないですけどね。あれは別格です」 「…亀の甲より年の功、かあ」 「どうしました?ああ、あなたが確かにこの中で一番年長ですね」 「…そうね。でも、その分アンゼに対して優れた何かがあるかなって」 「まだダウナーな気分続けてるんですか?心配しなくてもあなたは世界一の君主だと思いますよ」 「でも昔、アンゼの大学に入ろうかって言った際、アンゼは別にそんなことしなくていいって言ってくれたじゃない。内緒で入試受けてみたら、全然わけがわからないし」 「まあなんの準備もせずに大学受験して受かったら天才ですよ。受かりたいなら…あなたが学校を出てからいつなのか、というかどこの学校を出たのか知りませんが、さすがにブランクありすぎですねえ。それに、そんなのはあなたには似合いません」 「その時もそういわれた気がするわ」 「そうでしたっけ」 「ええ」 そんな風にして、甘い香りを片手にケトルポリットの夜は更けていき、ついでに甘い香りとくつろいだ雰囲気が多少疲れを持って行った気がした。 まあ、まだ折り返し地点にたどり着いてもいないので、ここから先も疲れるようなことがたくさんあるはずだが。 第八話・ロフィルナ王国編 茶王国からロフィルナまでは蒸気船に乗って約十日の旅路。 その間、ジャスリーさまとアンゼロットは船室の中で大人しくしていなければならない。 二人にとっては些細なことだった。茶塔の市場で買い求めた大量の茶葉が、船倉の中でため込まれているのである。一銘柄につき、一缶。百を超える銘柄。百を超える茶葉の缶。 店員に勧められるまま、白茶や緑茶なども購入した。旅行中のお茶の心配は皆無だし、旅行後もしばらくはレパートリー豊富なティータイムが楽しめるだろう。 数日後のことである。 珍しい光景が船室の中で展開されていた。 ベッドの上で、アンゼロットがジャスリーさまの膝を枕にして横になっているのである。 「外洋の天気は崩れやすいとはきくけど。地中海とは大違いね」 「…そうですね」 船が揺れる。船室の調度品も音を立てて。 船室の外からは、豪雨と雷鳴がひっきりなしに聞こえてくる。 蒸気船は季節外れの嵐の中にいた。 ヨーグ海の大海原に浮かぶ小さな蒸気船は、波に翻弄される木の葉のように揺れる。 「まさか船酔いをするなんて思いもしませんでしたよ」 「ふふ。私もアンゼの弱っているところをみるのは久しぶり。可愛いわ」 「あなたの膝枕も久しぶりですね」 「私のお守りをして無理が祟ったのよ。今日は、このままお休みなさい。have a good dream」 【紅茶探訪八十日間世界一周 8th Country ロフィルナ王国編】 ロフィルナ王国は魔王国の保護下に入って随分と経過するが、政情は安定しており、独立闘争の機運も目立つほどではない。理想的な属国統治といえるだろうか。 「これは魔王国だけでなく、ロフィルナ側の政治的手腕に拠るところも大きいでしょうね」 「そうね。結局は信頼だもの。支配するものされるもの、お互いに愛がなくてはいけないわ」 「そういえば、貴方は同盟を結婚に例えていましたね。同盟は箱庭の墓場。言い得て妙ですね」 「ふふ。国家というのはね、判断力の欠如によって同盟し、忍耐力の欠如によって同盟破棄し、記憶力の欠如によって再同盟するの」 そういった政治的批評は置いておいて、旅行者二人はこの鎖国状態にあるロフィルナ王国、港湾都市トルメンタに、魔王国からの特別な計らいで入国を果たした。 事前に取り寄せていたパンフレットを頼りに、名門寿司屋に足を運ぶ。 奥の畳の座敷席に案内され、座布団に座り、名物である寿司を注文した。 彼女たちには注意しなければならないことがあった。ここロフィルナでは食事におけるマナーが大変厳しいのである。 暴食を忌むために発達したものされるが、いずれも上品さが追及され、食器の持ち方にまで作法が存在し、完食することさえもマナー違反である。 クラルヴェルンの皇帝が食事中にマナー違反で逮捕、という事態は考えたくはなかった。 「でも、クラルヴェルンの宮廷料理にもマナーはあるのでしょう」 卵の載った酢飯を、醤油をつけるかつけないか、数秒ほど判断に迷いつつ、結局つけずに食すアンゼロット。 「うーん。あるけれど、凄く寛容なの。ナイフやフォークの使う順番なんて気にしないし、手を使って食べることも許されてるわ」 ジャスリーさまはサーモンの切り身の載った料理を優雅に口に運ぶ。 「貴方に合わせて作法が作られたんじゃないですか」 「否定できないわね。でも宮廷料理なのだから、君主に合わせるのは仕方ないわ」 今度は中トロだ。アンゼロットはマグロ。 「必要があるのなら、完璧にやってみせるけれど」 「そうですね。貴方はそういう人です。フィンガーボウルの水だって飲んでしまう。あの話はAED諸国の道徳の教科書にも載っていますよ」 「覚えてるわ。あのときは、そうしなきゃいけないと思ったの。でも数十年経っても引き合いにだされるとは思わなかったわね」 「マナーはともかく。これは美味しい。ですね」 アンゼロットが美味しいという。それは海苔で巻かれた酢飯の上に、イクラの卵が置かれた料理であった。 ジャスリーさまも興味深げにイクラを食す。ぷちぷちと口の中で弾ける食感。弾けた瞬間にコクと旨み、そしてイクラ独特の甘味が広がる。そして熱い緑茶で喉を潤した後、『イクラこそがロフィルナの至宝である』という名言を残した。 第九話・極東島編 さて、満載の茶葉を消費しつつヨーグ海を東に進む二人は、次なる寄港地に降り立つ。 フォールン・エンパイア領極東島、シャスティナ・トゥール。その名の通り、はるか東にあり、セラフィナイトの裏側に位置する。 ケッペンの気候区分のひとつ(いや無名世界にケッペンはいないだろうけど)、Af…熱帯雨林気候。 これをなんと言い表すのか、私は知らない。Cでa系統なら温暖、CやDのb系統あたりなら冷涼、Dc,DdとかEなら寒冷とか言うのだが。 【紅茶探訪八十日間世界一周 9th Country 極東島編】 さて、旅行者たちは極東島シャスティナ・トゥールにたどり着いた。宿にはクラルヴェルン商館を利用することもできるだが、お忍びなので適当なホテルに泊まることにした。 荷物を部屋において、二人はのんびり散策することにする。 「極東島の名物っていったら何でしょうねえ?」 「チョコレートとかバナナとか、あと砂糖とか?」 「砂糖といえば、スイートドリームもこの島で仕入れしているんですか?」 「ええ。さっきクラルヴェルン商館の前を通り過ぎた際に見かけたけど、気付かなかったことにしたわ」 「え、気付いていたのに挨拶もしないでいいんですか?」 「まあ、忙しそうだったから」 そんなことを言い合いつつ、適当な喫茶店に入る。茶園直営とか書いているが、まあ要するに観光客向けのアピールだろう。 二人はシンシャなる白茶、極東紅種の紅茶と極東産カカオ豆・コーヒー豆のチョコ&コーヒークッキーを頼むと、話を続けた。 「スイートドリームは実業家だから。私には商売はよくわからないし」 「あなたが頼めば、たいていの人はなんでも譲ってくれそうですね。しかし白茶、でしたか?結構おいしいですね」 「二日酔いに効くらしいけど、船酔いには効くのかしら?」 「船上で塔王国産の白茶を飲んだ際には別に軽減されなかったような気がしますけどね」 「そうかもね」 いつのまにかチョコクッキーがなくなる前にコーヒークッキーがなくなっていた。どう考えてもコーヒークッキーのほうがおいしいので仕方がない。 「紅茶についてはやっぱり塔王国産のカーニャムが一番好きですね」 「そう?これも悪くないと思うけど。舌の肥えたセラフィ人は違うのかしら?」 「なあに、大体の人はこれはカーニャムのFTGFOPだっていっておけばごまかせますよ。まあ、そんなことをする人がいればSSVDに捕まるでしょうが」 第十話・イーゼンステイン王国編 世界一周。エスレーヴァからヨーグ海を越え、ナアドを北上して再びフォルストレアに至る。 ジャスリーさまとアンゼロットは長い船旅を星見とお茶と昔話とともに過ごし、フォルストレア大陸の西端、イーゼンステインに到着した。 数日前、蒸気船のラジオから、ブリュンヒルデ女王とジークフリート卿の新婚旅行出発のニュースを知ったため、お忍びということもあり、王宮には寄らない予定だった。 【紅茶探訪八十日間世界一周 10th Country イーゼンステイン王国編】 予定だったという過去形で記述したのは、二人が今王宮にいるからである。 王国海軍立港で戦乙女グリムゲルデは二人を 偶然 見つけ、客人を持て成すのは王家の義務である〜と力説したのだ。招かれては断る理由もなく、二人は王宮に。そして荷物を置くと、二人のお茶と戦乙女のイーゼン菓子でお茶会が始まる。女三人と書いて姦しいというものである。 「女の子らしくなりたい……? うーん。戦乙女らしくもないお話ですね」 「そうでしょうか?」 「そういうのにうつつを抜かすのは夢魔のお仕事ね」 「でもジャスリーさま。私だって戦乙女である前に女なのです」 むくれるグリムゲルデ。微笑むジャスリーさま。それを眺めるアンゼ。 「今の自分に不満があるというなら、イメージチェンジでもするといいかも」 「イメージチェンジ、ですか……」 「そうね、例えば……ちょっと待っていてね」 ジャスリーさまが席を立つと、アンゼロットに耳打ちする。アンゼロットは怪訝な顔をしつつも自らも立ち上がり、悪戯っぽく笑うジャスリーさまに手を引かれて部屋から出て行く。 一人残されたグリムゲルデの前に二人が戻ってきたのは十数分後のこと。 「……。凄い。可愛い」 グリムゲルデはエステルメイドの衣装を着こなしたアンゼロットに息を呑んだ。 「でしょう?」 得意げに語るジャスリーさま。 「お褒め頂き、光栄の限りです。グリムゲルデ様」 目を伏せ、優雅に一礼するアンゼ。ふりふりのエプロンドレスに、ヘッドドレスまで着用している。 少女性、儚さ、清楚さを夢魔によって引き出された、アンゼという名のお人形。 「服装を変えれば印象も変わるものよ。そして内面にすら影響を与えるの」 「はい。ジャスリーさま。とても勉強に……」 グリムゲルデの瞳に狂気が潜んでいることをジャスリーさまは気がついていたが、あえて何も言わなかった。狂っていない愛など面白くないから。 番外・アン・ディー・フロイデ編 視界が少しだけ明るくなる。 目の前には変わらぬ満月の夜空と、変わらぬ荒原。 そして、…先ほどまではいなかった、月を背にして立つ二人の少女。 その片方が何かを呟くが、意識が遠くなっていき、聞き取ることができなかった。 頭の隅にすこし疑問を感じたが、その疑問が頭を占有する前に、再び視界は闇に閉ざされる。 …こうして、またアン・ディー・フロイデの人口が一人減った。 【紅茶探訪八十日間世界一周外伝 An irrational number アン・ディー・フロイデ編】 アン・ディー・フロイデ・クロウズ。 全ての始まりにして終わりの地。ディスコードの原点。超古代文明が現代文明を遥かに凌ぐ繁栄を迎えていた地。 無数の伝承が残り、無数の呼称を有するそこは、豊富な資源の埋蔵の可能性もあるため、古来から争いが絶えなかった。 しかし現在では、体のいい演習場として、名だたる文明諸国が軍事演習を繰り返し、繰り返し、だた繰り返している。 そして、その文明国には、二人の少女の国、クラルヴェルンとセラフィナイトも含まれている。 「…これはひどいことです」 近くで多数のひどい悪夢がある。夢魔姫ジャスリー・エルツ・クラルヴェルンがそう感じたのは、イーゼンステインからリムジアへ向かう列車でのことだった。そこで、二人は今回の旅行では禁じていた、夢を介しての移動を行うことにした。 そうしてやってきたのがここ、アン・ディー・フロイデ・クロウズ。 本来なら湖の周辺ではアドミン族と呼ばれる種族が観察活動をしていて、事前に配置を知らなければ気付かれずに近づくのは簡単ではないのだが、“偶然にも”アドミン族の観察者たちからもっとも離れた湖畔にたどりついたのだ。星は運命を司るのである。 もっとも、アドミン族の感知能力はとても高いのだが、これもまた“偶然”だれも気付かない。夢魔は夢を司ることで、現実の認識も司れるのである。 そうはいっても、あまり長居をするわけにはいかないだろう。別に見つかったから何か困るわけでもないし、そうなれば打つ手はいくらでもあるが、まあ気分的な問題だ。 「弔ってあげたいところだけど、私にはどうすることもできないわ」 「私がやりますよ。月光花、学名:Helichrysum bracteatum…通俗名:麦藁菊」 少女の呟きに、満月から一筋の月光が舞い降り、その照射先、先ほどの人物の胸の上に一輪の、まるでドライフラワーのような花が咲く。 この花の原産地は東方の某国であり、アン・ディー・フロイデに咲くことはありえない。 「花言葉、常に記憶せよ。平安あれ」 月光が強くなり、先ほどの人物の姿がかききえ、一輪の花だけが残される。 彼女は花を摘み、湖の方向に投げ入れる。 「…そろそろ参りましょう。次の国はリムジア…、確か一人当たり所得でセラフィナイトと世界一を争っているんでしたっけ、観光には悪くなさそうです。…ここに寄ったせいで、少々時間に無理が来ています。早いうちに戻りましょう。少々先を急がないとあなたの国の行事が始まってしまいます」 そうして再び二人の姿がかききえる。残されたのは湖底の一輪のドライフラワーのような花だけだった。 第十一話・リムジア編 世界一周の旅もそろそろ佳境を迎える。イーゼンステインとリムジア大公国は強固な同盟関係にあり、またAED諸国の重要な一角でもある。 特に列車網は重要な軍事的連絡手段であるためか、旅の安全と順調さは今までの比ではなかった。 折良くチケットが手に入った特急列車に乗って、一日でも一時間でも遅れを取り戻そうと、暢気にティータイムに興じていた。 「そういえば、北フォルストレア鉄道の構想を聞いたことがあるわ」 「意外ですね。イーゼンステインからクラルヴェルンまで接続ですか? 途中のカラキジルが了承するとは思えませんが」 「エラキスのブルゴス総統からの手紙があったの。彼がカラキジルと折衝するみたい」 「さらに意外ですね。あの二国は水と油のような関係かと思いましたが」 「そうね。でも皇帝の私よりは、まがりなりにも市民代表の彼が交渉役に相応しいかも。イーゼンステインと帝国が列車を利用するだけでお金が落ちるのだもの。彼も必死だわ」 「なるほど…たしかに。今魔王国が建設中の海峡トンネルの開通も見通してるのかもしれませんね」 【紅茶探訪八十日間世界一周 11th Country リムジア大公国編】 リムジア大公国はエスレーヴァやヨーグ海の国々よりも、クラルヴェルンにより近い。 距離的にもだが、文化的にも。親夢魔国、というくくりに入るかは微妙なところだが、重要産業であるファッションブランドの多くが帝国に進出していることからも注目度が伺える。 「リムジアに来たからには、カリオペとアティマを見ていかないといけないわ」 リムジアでの観光目的地は、ジャスリーさまの一言で決まった。 リッテルダムを連想させる近代的な都市の路地に、ガラスのショーウィンドウが並ぶ。 ウィンドウの奥には様々な衣装で着飾ったマネキンと、装身具、小物、インテリア、あらゆる美の結晶が並ぶ。 カリオペの直営店を訪問し、年若いコーディネーターの少女店員の勧めに従って、様々な衣装を試すジャスリーさま。 「ふむ。…やっぱり貴方は永遠の女の子ということですね。服をとっかえひっかえなんて、とても数千歳の皇帝とは思えません」 「楽しく生きるためには感情は重要よ。それに私は人間の心を弄ぶ悪魔ですもの。喜怒哀楽や、母子の愛情や、暗い欲望も解らなければならないの」 「でもそれは少し、奇抜すぎないですか」 「そんな事無いわ。いえ、それが良いのかしら。ね、えーっと、メルエリエラさん」 「はい! 奇抜と言われることはカリオペでは褒め言葉です!」 ジャスリーさまはコーディネーターの少女の手をとってくるくると回る。 普段は古風なドレスなどのゆったりとした服を着ている夢魔姫だが、ここでは身体の線が強調された現代的に過ぎる衣装を基本に、シルクのドレープや繊細な宝石飾りで着飾った『黒の女王』として存在していた。 「アンゼにも服を紹介してあげて」 「かしこまりました」 「いえ、私はこの間のメイド服で十分ですから」 「ではアティマに参りましょう! メイド服も奥が深いのですよ!」 「……貴方、ここの仕事はどうするのですか」 「よくあることよ。気にしてはいけないわ」 第十二話・エラキス編 内戦で壊滅した地、エラキス。 ブルゴス総統の独裁制の下で、観光業はそれほど推奨されているわけではなく、特別な物産もない。 マイティアの大聖堂を訪れた後、二人の旅行者は早々に宿に戻り、これが最後であろう旅の計画確認をすることにした。 【紅茶探訪八十日間世界一周 12th Country エラキス編】 エラキス産のベルガモットによるフレーバーティー…いわゆるアールグレイを片手に最後の計画確認だ。 「…悪いニュースです。私たちは当初の予定通りマーテル河を遡航していくと10月2日にクラルヴェルンにつくことになります」 「災厄封じの儀式に間に合わないわね…鉄道に切り替えればどうなの?」 「エラキスの鉄道はよく乱れますし、工業化の進展の遅さ同様に列車も遅く、本数も少ないです。レッチェルドルフでの観光をあきらめるなら、間に合わないこともないですが…」 「レッチェルドルフの文具がきれいだっていうから、見てみたかったんだけど…」 「覚悟があるなら、一つだけ。レッチェルドルフでの観光をしつつ、災厄封じに間に合わせるための手はあります」 「覚悟?」 「…飛行機ですよ。飛行船よりなお早く目的地にたどり着けます。ただ、墜落のリスクはかなり大きなものです」 「アンゼがいるから、別に怖くないわ」 「…そうですか。では、記念大学の連中から飛行機を呼んでみます」 そういってアンゼロットは電話をかける。 数時間後、エラキスのとある海岸。 「私たちが乗る飛行機ってのはどんなものなの?」 「さあ…客が二人乗れて、なるべく早いもの、と指定しましたが、具体的な機のスペックは聞いていませんねえ」 とその目の前に、複座単葉の飛行艇が着水する。そのパイロットはそこから降りるとこういった。 「どうもお待たせしたようですね、マスター。頼まれていた通りの飛行機です」 「頼まれていた通りって…三座を頼んだような気がするんだけど」 「ちょうどいい機がなかったんですよ。それに、航空科学研究センターの連中が言うにはそれが一番いいのだそうです。何より、三座では私が夢魔姫様を乗せて運ぶことになってしまいますが、それでは適任とはいえません。姫様を乗せる馬車の手綱を握るのは騎士の役割と相場が決まっていますので」 「…まあいいわ。でもミリティーはどうやって帰るつもり?」 「この国の列車は乱れることもしばしばと聞きます。どれほどのものか見ながら、のんびり帰りますよ」 「上空をのんびり飛んでいて空軍が撃墜に来る、なんて可能性については?」 「外務省からエラキス、レッチェルドルフ、クラルヴェルン宛に連絡はしています。同盟国の国旗が横に書かれていれば誰も撃墜になんてこないでしょうがね。まあそもそも擬天使と空中戦をして勝てる人間などそうそういませんよ。こっちは最新鋭の機体、あっちは旧型機ならなおさらです。…ジャスリーさまも、一度マスターの飛行機捌きを見ておくといいですよ」 「ええ、そうするわ。楽しみね」 「大した楽しみはありませんよ。どうせ安全のために低空飛行です。後ろに乗ってください、行きますよ」 主が操る飛空艇が空へ向かうのを見届けたあと、ミリティア・アロートは微笑み、そして市街地へ向かった。 第十三話・レッチェルドルフ編 故郷へ。二人を乗せた飛行機、形式名Tw-II、愛称ソングオブオールは軽快なプロペラ音とともに空を駆ける。 天気は快晴。眼下に広がるのは帝国式の田園風景と、帝国式の街並み。つい二年前までは帝国の一部であったレッチェルドルフ公爵領だ。言語も通貨も同一。帝国と公国の国民は自由な往来が許されているから、帝国に戻ってきたと言ってもあながち間違いではない。 「アリーセ公爵も、帝国で過ごすことが多いと聞きましたけどね」 「独立は彼らの名誉と、帝国の財政面の都合という面が大きいわね。レッチェルドルフ家の引き受けた帝国の国債は、公国の地価総額を遙かに超えていたし」 「財政赤字にも程があるんじゃないですか」 「ちゃんと経済は回っていて、国民は潤っているから良いのよ」 【紅茶探訪八十日間世界一周 13th Country レッチェルドルフ公国編】 「紙は人類最大の発明の一つですよ」 「そうね。紙もそうだけど、文字もそう。郵便なんてシステムも」 ベルゲンシュタインの文房具店に立ち寄った二人。二人ともその仕事柄インクや万年筆には拘りがあったし、その地位に見合うほどの達筆ぶりだ。 「そういえば最近、タイプライターの手紙がきますね。貴方がキーを打つところをちょっと想像できませんが」 タイプライターの展示品を触りながら、アンゼがふと疑問を口にする。 「口述筆記よ。ソファに寝そべりながらテリブルに打たせるの。あの子は打つの速いし、楽で良いわ」 「これももう少し安くなれば普及するでしょうにね」 「事務用品や計算機の普及は大切よね。援助や投資をしたほうがいいのかしら」 「もう既にアリーセ女公が投資してそうですけどね。最近のレッチェルドルフ印紙社は電話やファクシミリだって作っていると聞きましたよ。計算機も手回し式のものであればセラフィナイトにあります。電気式のものは……実用化はまだまだでしょうね」 「視察で見たことあるわ。パンチカードを吐き出すあの大きい箱でしょう。ニックネームに私の名前を付けられてて驚いたわ」 「あのプロジェクトですか。まあ国家事業ですからね。 戦艦プリンセスジャスリー よりは遙かにましでしょう。耳を疑いましたよ」 「兵器に夢魔の名前をつかうのやめてって頼むの、結構大変だったんだから」 「よいことです。貴方の名前の船が、他国の街を砲撃するなんて想像したくありませんからね」 第十四話・クラルヴェルン編後編 レッチェルドルフを発ち、二人の旅行者を乗せたTw-IIはプロペラを回し南下する。 皇帝搭乗機である以上、時代が違えば航空管制をにぎわせたかもしれないものだが、時代が時代。 航空管制の制度自体が未発達である以上、その旅路は静かなものだ。 秋の朝早く、上空は涼しいというより寒い。下界は朝霧に覆われ、今日も変わらぬ一日を迎えようとしている。 そしてその先に霞む、八十日ぶりに見る古都にして音楽の都メッサーナの街並み、そして右手にはマーテル河の静かな流れ。 旅の終着点。本来ならセラフィナイトを起点に出発した以上、終点はセラフィナイトのはずだ。 が、時間的にもう間もなく夢魔姫として臨まねばならない儀式が始まるはず。 その儀式の意味は、アンゼロットにとっても重要なものである以上、終着点はクラルヴェルンにせざるを得なかった。 スロットルレバーを少し引く。このままマーテル運河近くのとある飛行場まで軽く一飛び。 長い旅の終わりは、もうすぐだ。 【紅茶探訪八十日間世界一周 14th(or 2nd) Country クラルヴェルン編―それはただ一つ千年続いた君主国】 「長いようで短い旅だったわね」 「そうですね。また千年ぐらい経ったらもう一度世界一周でもしてみます?」 「千年後には多分八十日どころか一週間とかからずに一周できるようになりそうね」 「百年あれば一週間かからないでしょうが、千年後なら一日で行けるかもしれません。それまでこの文明が崩壊しなければの話ですが」 二人は今回かなり平穏な時間を過ごしてきたが、その間も世界情勢は動き、時に緊張に軋む音を立てている。目下の懸案はやはりレプンコタン会議でのティーロード諸国とルヴィド=エドとの権益争いと、各地に蔓延する無政府主義・社会主義革命政権の誕生の二つだろう。 「しかし結構いろんな国を見てきましたね。政治体制もいろいろです」 「アンゼから見るとどう?いい君主とか見つけた?」 「その調子だともうあなたが最高の君主ですとも言う必要はなさそうですね。まあ私が思うにはあなたが最高の君主ですけど」 「領土の拡大だとフォールン・エンパイアの魔王には敵わないわ」 「二番手探しですか?私はヴォールグリュックのジークリット女王を推しますけどね。産業革命の立役者ですし、後世で教科書に載りそうです。魔王は確かに現状では領土を相当拡大しましたが、先行きが読めませんから。たぶん、ヨーグ海での影響力を今後も拡大し続けるだろうとは思いますが、賭けるには少々ハイリスクだと思いますね」 「リスクっていうならブリュンヒルデ女王とかどう?長く安定した統治をしているようだけど」 「彼女は確かにこれまで安定した統治を続けてきましたが、ニーベルンゲンという保護国を得たのが少々気になるところですね。ロフィルナは近代体制に適応しつつあるようでしたし、調べた限りでは首相が開明的な人物らしいですのでうまくやっていくでしょうが、ニーベルンゲンにそれができるかどうか。あそこには長命の有翼種がいるとか聞きましたが、豊富な経験は時には適応力の喪失に転化することがあります。…豊富な経験はよいことですが、ただの老害にはなりたくないですね。そういう意味では時にあなたが羨ましくなることもありますよ」 「でも北フォルストレアは彼女に任せておいても問題ないんじゃない?あとはレッチェルドルフのアリーセ女公とか」 「メルエリエラ大公を忘れていませんか?リムジアのあの軍事力…運用法次第では後世の評価にはむしろイーゼンステインより可能性があるかもしれません。今の彼女は少々天真爛漫にも程がありますし、現状ではたぶん行政府の官僚が優秀という話なんでしょうけどね。アリーセ女公は確かに金融分野の能力は相当のものですが、全体としての統治能力では少々厳しい評価を付けざるをえないと思いますね。北フォルストレア社会主義共和国というものが誕生した以上、これからのレッチェルドルフには防衛力が必要です。…彼女には、その方面では少々厳しいかもしれません。あとは…ティーロードだとケトルポリットのアーカイブ総塔主とか、スターテンのシフォン総督とかでしょうか?」 「あっちのほうの政治体制はよくわからないわ。ケトルポリットはあのいろいろな亜人たちが、スターテンは商人たちが、それぞれ自主的にまとめているという印象を感じるけど」 「よくわからないというならルヴィド=エドの政治体制のほうがよっぽど謎に包まれていますけどね。あとはコタンも、何があったのか今では検証する手立てはありませんが、あれを後世の歴史家がどう考えるか、どうなんでしょうね」 「じゃあ君主制じゃない国の元首ならだれか有能なのいないかしら?」 「そもそも共和制(注:ここでは君主制ではないという程度の意味)国家で連盟以外にまともなのがあんまりないんですよね。列強以上…いえ、準列強クラスを含めたとしても共和制国家なのはそもそも連盟しかありませんし。クルドンは悪くはないのですが、アディリク合衆国というのは彼らには荷が重すぎるとは思います」 「連盟の元首…えーと、フィールズ議長、だったっけ?確かジークリット女王即位式のときにスピーチしているのを見かけたくらいだけど、優秀なの?」 「んー…まあ選定は私の半分趣味みたいなものですからねえ。悪くはないんですけど、やはりこの世界ではリリスに鍛えられてないからか、今まで出てきた君主たちの中に混じれば霞んでしまいますね。理由についてはあまり認めたくはないですけれども。そうですね、ほかに誰もいないという意味で…いや、クルドンの前大統領あたりも確かに人気はあるのですが、少々先の読めていないあたりを見るとまあ順位付けを入れ替えるには至らないでしょう。そういうわけで、うちの議長が共和制国家最高の元首ですよ。ただほかに誰もいないってだけですけどね」 そんなことを話しているうちに飛行場が近づく。そこに降り立てば、長い旅はようやく終わる。アンゼロットはそう思ったのだが、ジャスリーさまはとんでもないことを言い出した。 「ねえ、アンゼ。このままセラフィナイトまで行って戻ってくることは不可能かしら?」 「むちゃくちゃ言ってくれますね。災厄封じに遅れますよ」 「遅れるのは何時間ほどになりそう?」 「まあ一時間ぐらいですかね。しかし…」 「最初の二時間には結構儀礼的な部分も多いわ。あとに回すことは可能じゃない?」 「…大丈夫なんですか?」 ジャスリーさまはアンゼロットに軽く押されていた操縦桿を引き戻す。それに合わせて機首が上を向き、慌ててアンゼロットは機首を水平に戻す。 「…本当に大丈夫なんでしょうね?」 「ふふ。危ないじゃないですか、とは言わないのね」 どうせ結果は最初から見えていたようなものだ。アンゼロットは何も言わず、操縦桿を回す。その動きにTw-IIが応じ、二人には緩やかに力がかかる。そうして飛行艇Tw-II Song of Allは朝日を背中に浴びながら、西へ、セラフィナイトへと向かっていった。 第十五話・セラフィナイト編後編 紅茶探訪八十日間世界一周。その長い旅の八十日目にして、ついに二人の乗った飛行機は始発点にして終着点の国家である、セラフィナイト星術者連盟に辿り着く。 帝国が千年の帝国というのであれば、セラフィナイトは千年の共和国といえる。統一の時期だけを見れば、むしろセラフィナイトの方が古いだろう。 エタブリッシェの空港管制に連絡を入れ、その誘導のもとでTw-IIは優雅に着陸する。 最初にセラフィナイトの地を踏んだのはジャスリーさま。そして程なくアンゼロットも操縦席からすとんと飛び降り、埃を払う。 【紅茶探訪八十日間世界一周 15th(or 1st) Country セラフィナイト編―それはただ一つ千年続いた共和国】 「お疲れ様」 「お疲れ様でした」 「これで、八十日間世界一周達成ね」 旅券にスタンプされた各国の出入国査証の印をお互いに見せ合い、感慨に耽る二人。 「有り難うアンゼ。この旅券と思い出は、私の宝物」 「お互い様です」 アンゼロットは腕時計を見やる。予想より悪い数字を見て顔をしかめた。 「ですが、もう時間的余裕がありません。今からとんぼ返りして、メッサーナに戻らなければ」 「アンゼ、ぎゅっとさせて?」 「はい?」 がしっ。そんな擬音が聞こえるかのようにアンゼを強く抱きしめる。 「……ここに来たいと言ったのはね、一分でも一秒でもアンゼと一緒にいたかったから」 「……」 「隣の国に居るとわかっても、別れるのは辛いわ」 「……」 「アンゼロット。愛しています。愛しているの」 「それは、知っています」 「貴方を虜にして、私だけのものにしたいの」 「貴方の虜になった私など、嫌いでしょう」 「そうかもしれないわ」 「貴方の虜にはなりません」 「そう」 「でも、私は私なりに受け止めてあげます」 一呼吸置いて、唇を交わす二人。 愛を囁き続ける夢魔姫。囁きを受け止める幻月の学徒。 この天使と悪魔の、危うい愛の均衡はもう数千年続いている。 それは二人にとっては幸福に満ち、もっとも愛しく思える関係だった。 「……もう完全に、間に合いませんね」 「いいのよ。私が存在を賭して、ディスコードの一つや二つ、なんとかしてみせる」 「貴方だけに危険を犯せられません。私も手伝いますよ。サイレスの杖もありますし」 「お帰りなさい。ジャスリーさま。アンゼロット首相」 完全なタイムオーバーに落胆する二人に、意外な声がかかる。 それはスーツを着た少女といった姿の夢魔で、ここにはいないはずの存在だった。 「ピースフル、今日は厄災封じの儀式でしょう。どうしてここにいるの?」 「儀式は明日です。本日は9月30日ですから」 「え…?」 「……忘れていました。東回り航路だから」 「日付変更線越えというオチですか? お約束ですね」 こうして、二人の旅は終着した。 訪問した国と地域は13。 道のりは蒸気船、鉄道、徒歩、飛行船、飛行機などを乗り継ぎ約4万km。 所用日数は八十日だった。