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『とある大学生の卒業論文』 17KB 考証 独自設定 セリフほとんどナシ 以下:余白 『とある大学生の卒業論文』 ある街の小さな大学。その大学に勤務している教授は溜め息をついていた。五十名ほどもいるゼミ研究生の卒業論文を読み終 える目途が立たないのだ。 教授が部屋の中を見渡す。その部屋には何もない。自分が座っている白い机を含めて、応接用のこれまた白い机と白い椅子が 置いてあるだけ。この部屋に本棚やロッカー、予定表のホワイトボード、給湯器などは一切置いていない。それどころか、この 部屋に入るためのドアもなければ、窓もなかった。 「コーヒーをブラックで」 教授が自分の机の一部分に手をかざして呟いた。それからすぐに机から電子音が鳴る。 「許可する」 また独り言を呟く教授。すると教授が手をかざしていた位置の少し奥に設置されていた円形のマウスパッドのようなものに、 青い光の粒子が現れ始める。やがて、そこにはまるで最初からその場所にあったようにコーヒーカップが現れた。教授がそのカ ップを手にし、コーヒーをすすりながら心の中で声を漏らす。 (……物質転送を実用化させた研究者の、なんと偉大なことか……) 今度は教授が座る机の反対側の部屋の壁あたりから電子音。そこにはまるで円筒形の電話ボックスのような形をした機械が設 置されている。しばらしくして、部屋の中に声が聞こえてきた。 「教授。 私です。 A107341、です」 「……A107341、入室を許可する」 先ほどから教授が手をかざしているのは、指紋を用いた認証装置である。この部屋の全システムは指紋登録されている教授を 大学のマザーコンピューターが認識しない限り作動しない。一呼吸置いて、円筒形の転送装置に先ほどのコーヒーカップと同様 に青い光の粒子が現れ、今度は人間の姿を形成していった。 「遅くなりましたが、後期のレポートを提出しに来ました」 「ああ、構わんよ。 だが、来年からは期限を守るようにしなさい。 これが企業だったら期限を過ぎれば、マザーコンピュ ーターにブロックされて成果物を提出することさえもできなくなってしまうのだから。 すぐにクビになってしまうぞ」 「すみません……」 「いや、いい。 こうやって分かっていけば問題はないんだ。 早く行きたまえ。 時間は有効に使いなさい」 「ありがとうございます。 ……失礼いたします」 その学生はまた、先ほどのアルファベットと数字を転送装置に告げると、光の粒子に姿を変えて霧のように消えてしまった。 A107341は学生のコード番号である。大学側は学生の名前を一切把握していない。住所や電話番号は大学全体のマザーコ ンピューターが全て管理している。大学内の人間はお互いのことをコード番号でしか知らない。それは個人情報保護法が更に厳 しくなった結果である。 人類は、ある一人の天才科学者によって一世紀前とは比較にならないほど、高度な文明を築き上げた。世界共通の電子マネー。 物質転送。言語の自動翻訳。この三つを軸に、“世界中の誰もがどこへでも移動でき、また働くことができる”という概念を作 り出した。結果、もはや国境は意味をなさず、世界は“地球”という一つの国に生まれ変わったのである。 教授が飲み終わったカップを机の小型転送装置の上に置いて、命令を下すとカップは先ほどの学生と同じように消えてしまっ た。そして、次の論文を開くようコンピューターに命じる。瞬間、教授の目の前にホログラフが現れ、そこにレポートの内容が 映し出された。教授は今日一日これを繰り返していたのである。その論文に目を通す教授。次第に目の色が変わっていく。 「これは……。 また、ぶっ飛んだ発想をする学生がいたものだな……」 教授は改めて、その論文を一から見直すことにした。 【文明の進歩に見るゆっくり誕生論について(予察)】 Y006489 一、はじめに 生物として絶望的なフォルムを呈し、自然界で生きていくことは限りなく不可能に近いとされながら、今日まで絶滅せずに生 き残っているのは奇跡としか言い様がないゆっくり。ゆっくりはどういうわけか人間を恐れながらも人間と関わろうとする傾向 が見てとれる。その手段は様々ではあるが、友好的に挨拶をしてくるゆっくり。出会うや否や、「あまあまもってこい」と主張 するゆっくり。また、頼んでもいないのに「かわいいちびちゃん、みせてあげるね」と言い出すゆっくり。 筆者は、このゆっくりの行動に関して常々疑問に思っていた。飼いゆっくりや野良ゆっくりはともかく、野生ゆっくりさえ人 間の危険性を知っていると同時に話しかけてくることがあるのだ。ゆっくりとはいったい何なのか。なぜ、ゆっくりという生き 物が我々の前に現れたのか。 本稿では、これまで過去に蓄積された膨大なゆっくり研究のデータを改めて見直し、筆者なりの考察を含めてゆっくりの正体 について考えていきたい。 二、研究史 ゆっくりは21世紀初頭に突如として人類の前に姿を現した。初めはれいむ種とまりさ種の二種類しかいなかったが、その種 類は時間経過と共に増えていった。生物学者はこのゆっくりという生き物の正体を探るべく日夜研究に明け暮れ、多くのゆっく りが実験の犠牲になった。そうした研究の積み重ねの上で、ゆっくりの生態や中身について一定の研究成果が上がっているが、 現在に至るまで不明な点があまりにも多すぎてゆっくり研究に関する論議は尽きるところを知らない。ゆっくりの正体について 研究者に尋ねてみても、答に窮するのは間違いないだろう。ゆっくりが生き物であるとするならば、なぜ中身が餡子やカスター ドしか入っていないのに生きることができるのかと問われるはずだ。ゆっくりが饅頭であるとするならば、なぜ他の生物と同じ ように社会を築き上げることができるのか。そもそも、なぜ動けるのか、人語を解し喋ることができるのか。どちらの説を取っ ても矛盾するのである。ゆっくりについての論議は今なお交わされるものの、決定打に至るような説は出てこない。 また、ゆっくりには胴なしゆっくりと、胴付きゆっくりがいる。胴つきゆっくりは一見すれば少女のような姿をしているが、 中身は胴なしゆっくりと同じく餡子やカスタードである。しかし、手足を有するため胴なしゆっくりと比べて行動の幅が広く、 これまで様々なことに利用されてきた。その中でもPSD(プレミアムすっきりドール)の確立は胴付きゆっくり研究の集大成 とも言えるようなものであった。胴付きゆっくりは胴なしゆっくりよりは賢いとは言え、自己主張の強さなどは胴なしゆっくり と大差ない。しかし、PSD開発者はそんな基本的にはゆっくりであることに変わりない胴つきゆっくりを、完全に従順な性的 隷属者として作り上げたのである。これは、ゆっくりでも人間が“然るべき教育”を施せば、人類と同様の人格形成が可能であ ることを証明している。 そんな胴付きゆっくりが如何にして生まれたのかは明らかにされていない。胴付きゆっくり同士を交配させれば胴付きゆっく りの子供を宿すが、自然界ではなかなかそれが見られない。胴なしゆっくりから胴体が生えるという説もあるが、実際にそれを 立証した研究者も今のところはいない。 これが現在に至るまでのゆっくり研究の現状である。 三、ゆっくりの生態について ゆっくりは基本的に家族単位、もしくは群れ単位で活動することが明らかにされている。仲間意識が強く、裏切者に関しては 制裁という名目で処刑することも辞さない。ゆっくりは主に木の根や岩陰などを利用して、いわゆる「おうち」と呼ばれる巣穴 の中で暮らしている。活動時間は概ね朝の七時から夕方六時くらいまでの間。「おうち」で家族の面倒を見るゆっくりと、外に 出て「狩り」と言う食糧調達をするゆっくりとに役割を分けて活動を行う。それ以外の時間は巣穴に籠もり、ゆっくりしている。 しかし、野生、飼い、野良問わずゆっくりという生き物には常に死の危険が伴う。強大な敵を前にした場合、親ゆっくりは子 ゆっくりを守るために頬に空気をためて威嚇しながら立ちふさがる。しかし、攻撃手段も防御手段ももたないゆっくりは、威嚇 以上の行動を取ることができずに、大抵何もできないまま殺されてしまう。守られていた子ゆっくりも親ゆっくりの死を前に硬 直してしまい、そのまま一緒に殺されることが殆どだ。ゆっくりは、家族愛だけは異常なほどに強いと言える。 ゆっくりは様々な言葉を用いる。「ゆっくりしていってね!!!」の挨拶を筆頭に食事の際には「むーしゃ、むーしゃ、しあ わせー」と叫ぶし、眠りにつく時には「すーやすーやするよ」と宣言する。人間を基準にすれば語彙は恐ろしく少ないのだが、 それでもゆっくり同士ではコミュニケーションが取れている。つまり、ゆっくりはコミュニケーションに関して最低限の語彙は 備えているのだ。 ゆっくり親子の日常を観察していると、実に多様な方法で一日の暇を潰していることが伺える。草の上をころころと転がって 遊んだり、どちらがより高くのーびのーびできるか競い合ったり、どちらのあんよが速いかかけっこをしてみたりと、生きてい くこと自体が困難な割には驚くほど暇つぶしの方法を知っているのだ。数匹で寄り添って日向ぼっこをしている姿もよく見かけ る。基本的には綺麗好きなのか、小川で自分の体を洗ったりしているゆっくりも中にはいる。しかし、水に入ると皮がふやけて 死んでしまうのを本能で知っているのか、「おみずさんはゆっくりできない」とか「おぼれちゃうよ」などと水を怖がる個体も いるようだ。器用なまりさ種は帽子のツバに赤ゆっくりを乗せてトランポリンの要領で“高い高い”をしてあげたりする。その 時も赤ゆっくりは嬉しそうに笑いながら「おそらをとんでるみたい!」と叫ぶのだ。 ゆっくりは他の生物に比べて感情の起伏が激しい。また、感情表現の方法だけに関して言えば人間と大差ないレベルで豊富で ある。喜び、悲しみ、怒り、妬み、優越感、劣等感、正義感と思った以上に感情の引き出しが多いことに気付く。特に恋愛観に ついては他の動物が決して持ち合わせないような感情を有している。好きな相手に対して素直になれないゆっくりはありす種に 多い。それ故にありす種はゆっくりの中でも晩婚が多いと言われている。れいむ種やぱちゅりー種は、自分から告白する勇気が ない個体が多い。告白するのは大抵まりさ種だ。まりさ種は恋愛に対して積極的であると言える。ゆっくりたちの恋愛の基本的 な流れは、「ゆっくりしていってね!!!」という挨拶から始まり、次はすーりすーり、そして、ちゅっちゅ。間にらぶらぶち ゅっちゅを挟むかはカップルで分かれるが、それから「ずっといっしょにゆっくりしようね」というプロポーズを経て、性行為 であるすっきりー!に至る。ゆっくりは野生動物であるにも関わらず羞恥心を持ち合わせている。野生動物には必要のない感情 であるはずなのだが、極端なゆっくりともなると、「初めてのすっきりー!の相手は自分の好きな相手じゃないと嫌だ」という 考えを持つ者も少なくない。そんなすっきりー!未経験のゆっくりを無理矢理すっきりー!させると、「ばーじんさんがぁぁぁ」 と悲観に暮れる。 そんなゆっくりたちの基本的な移動手段はあんよを使って這うか、跳ねるかの二種類である。一部のゆっくりは、羽根を使っ て空を飛んだり、水中に潜れる個体もいるが決して多くはない。ゆっくりの構造上、皮が破れて中身が漏れてしまうことは命の 危険に繋がるので、実は移動するという行為自体が自殺行為に等しいレベルであるのだが、なぜ、ゆっくりはそれでも移動をし ようとするのだろうか。もちろん、そうしなければ生きていけないからである。それなのにあんよを含めたゆっくりの皮は決し て丈夫であるとは言えない。ゆっくりにとって、この世界は決して優しいとは言えな“かった”。 そこで筆者はこんな事を考えてみたのである。「ゆっくりの生態レベルでまともに暮らすことのできる世界とはどんな世界で あろうか」と。 四肢を持たないゆっくりが日々に脅かされることなく生活できる世界。そんなものがあれば、それは間違いなくゆっくりたち が求める理想のゆっくりプレイスであると言えるだろう。すなわち、外敵が存在せず、一日中ゆっくりすることができる世界。 それは求めるかどうかは別の話として、人間にとっても理想ので世界であると言えるのではないだろうか。 あんよで十分に移動することができ、手を使わずに道具を操り、少ない語彙でコミュニケーションを図り、可能な限りゆっく りすることができる。 筆者は、ゆっくりの求める完全な“ゆっくりプレイス”とは、そう遠くないこの世界の未来の姿ではないかと考える。 四、考察 現在、街や建物の至るところに転送装置が設置されている。転送装置は一家に一台あるので、現代の我々が移動を行うために 外に出ることは滅多にない。出たとしても、エスカレーター式の道路で埋め尽くされており、足を使って“歩く”という行為は 最低限に抑えられている。当然、かつて車と呼ばれていたものも走ってはおらず、交通事故などは既に過去の出来事である。過 去のゆっくり研究を遡ると、車に轢かれて死んでしまうゆっくりの数は相当なものだったらしい。移動することはできても、あ んよを使った這う、跳ねるの行為は危険に気付いてから回避するには余りにも愚鈍な代物であり、一歩一歩の距離が極端に短い 子ゆっくりや赤ゆっくりは逃げ遅れて交通事故に巻き込まれていたのだ。しかし、今の道路は当時とは違う。そもそも車が走っ ていないし、エスカレーター式の道路はゆっくりのあんよを傷つけず安全に、しかもゆっくり親子の歩幅の差に関係なく目的地 まで運んでくれる。転送装置も利用すればそれこそ、どこへだって行くことができるだろう。 人間が街の中という完全に完結した世界の中で暮らしていれば新たに自然に手を出す必要もない。事実、市街地から一歩外に 出ればそこには広大な森が広がっている。ゆっくりは市街地の端まで転送装置で移動し、食糧が豊富に蓄えられた森で狩りを行 えばいいのだ。 人類の進化を示す事象として、「縮小・簡略化の歴史」という事実が挙げられる。例えば、縄文時代に作られた縄文土器は、 独創性に富み、現代の立場から言わせてもらえば不必要なほどに装飾が施されている。ところが、時代が流れ弥生時代に入ると そういった装飾性は薄れていき、シンプルな弥生土器へとその姿を変えていく。これは、稲作が始まり水の管理やクニの防衛な どの時間に手間を割かれ、土器に装飾を施す余裕がなくなったからであると言う説がある。つまり、人類は“手間のかかる事” を徐々に削っていくのだ。連絡を取る為に移動する時間を削るために、電話が生まれた。より多くの情報をより多くの人々に伝 えるためにテレビやラジオが生まれた。歩く距離を少なくし、移動時間を短縮するために様々な交通機関が生まれた。それらは、 全て“簡略化の歴史”の範疇にある。日常において便利なことは簡略化の延長上にあるのだ。更に、最初期の携帯電話を思い出 してもらえればわかるが、現代の人間にあれを携帯して歩こうとするものはいないだろう。あの“大きな携帯電話”は技術の進 歩に合わせてどんどん小さくなっていき、最終的にはポケットに入るサイズにまで縮小された。記録媒体に関しても同じである。 CDがMDに。それからメモリースティック、SDカード……とどんどん小型化していくのである。ある人物は、「物の小型化 の果てに物は全て消えてなくなるのではないか」という言葉を残した。そして、今の時代を思えばそれは正解に近かったと言わ ざるを得ない。携帯電話という媒体がなくても、街のマザーコンピューターを介せば連絡が取れるため必要がなくなった。記録 媒体に関してもマザーコンピューターが厳重なセキュリティシステムの元、一括管理を行っている。テレビもラジオも車も、何 もかも消えていったのだ。 つまり、ゆっくりは「縮小・簡略化の歴史」の果てに誕生した存在であるとは考えられないだろうか。今の自分たちでさえ及 ばないような高度な文明社会の中で生きてきたゆっくりであれば、言うなれば「発展途上の世界」で生きていくことは困難を極 めるだろう。仮にゆっくりがそういう世界の中で生きていた存在であると仮定しても、解けない謎がある。舞台装置は人類の文 明レベルの果てに構築されるとして、それではゆっくりという生き物はどこにその初源を求めるのか。筆者はここでも「縮小・ 簡略化の歴史」を元にゆっくりの正体を推察してみたのである。 エスカレーター式の道路。転送装置。やがてこれ以上の移動手段が開発されると仮定して、“人間に足は必要となるだろうか”。 いつか声紋のみで認証可能なコンピューターシステムが生み出されたとき、あらゆる作業をコンピューターに任せることができ るようになった世界で、“人間に手は必要となるだろうか”。筆者は、ゆっくりこそが“縮小・簡略化の果てに進化した人間の 姿”なのではないかと考える。「何を馬鹿なことを」と笑われることは百も承知であるが、それだといくつか説明がつく部分も あるのだ。前述の“ゆっくりの生態”と照らし合わせながら考えていきたい。 人間は、基本的に群れ社会である。犯罪者は逮捕され、場合によっては死刑判決を受けるだろう。人間は「お家」の中で暮ら し、概ね朝七時から夕方六時くらいまでの間、職場で仕事をしているはずだ。 もし、家族が危険に晒されたとき、親は自分の命を賭して子を守ろうとするだろう。野生動物を前に丸腰の人間ができること など、家族の前に立ちはだかることぐらいでそこに勝利の可能性は一片たりとも、無い。 人間は大なり小なり、コミュニケーションを取って生きている。挨拶を交わすことを基本とし、多くの感情を交えながらも他 者と関わりながら生きている。 人間は地に足をつけて生きる生き物である。そして、それは多くのゆっくりにも同じことが言えるだろう。ゆっくりの言葉に 注目してほしい。「おそらをとんでるみたい」、「おぼれちゃうよ」。この言葉こそ、ゆっくりが人間と何らかの関係性を示唆 するものだとは考えられないだろうか。人間は空を飛べない。人間は水の中で生活できない。それはほとんどのゆっくりにとっ ても同じことだ。一部のゆっくりは空を飛べるし、水中で生活することもできる。だが、空を飛べるゆっくりは「おそらをとん でるみたい」という言葉は言わないだろう。なぜなら、本当に空を飛んでいるのだから。水中で生活できるゆっくりも同様に、 溺れるという概念はないはずだ。それにも関わらず、ゆっくりたちは先の二つの言葉を使う。しかし、その言葉は人間のように 本来、空も飛べず水中で生活することもできない存在だから生まれる言葉ではなかろうか。では、なぜ、その言葉をゆっくりが 同じように使うのだろう。 恋愛観に関しては、もうほとんど人間と言ってしまってもいいくらいに似通った感情を有している。 つまり、ゆっくりが人間のような感情を持っているというわけではなく、人間が長い長い時間をかけて少しずつゆっくりに変 化していったのだとすれば、自然界の中で生きるにあたり不必要なまでの感情を持っていることに説明がつかないだろうか。そ して、人間からゆっくりへと変化していく過程に、“胴付きゆっくり”がいるのではないか。もちろん、筆者の考察は穴だらけ であることは言うまでもないが、一つの可能性として提示することはできるように思う。未来の人間の姿がゆっくりであるとす れば、なぜゆっくりが現代の我々と共に生きているのかの説明ができないが、これについては一つだけ推測できることがある。 知ってのとおり、ゆっくりは21世紀初頭にそれまでの生物の進化論や生態系全てを無視して人間の前に現れた。その原因は、 これから先の未来で起こるかも知れない“大規模な転送装置の事故”によるものではないだろうか。時間軸システムの崩壊によ り、過去に飛ばされてしまったのではないか。推論に推論を重ねる形で判然としない結論となってしまったが、筆者はゆっくり の正体とは未来の人類の姿ではないかと考えている。故に、ゆっくりは人間と関わろうとするのではないだろうか。 五、おわりに ゆっくりには謎が多い。仮にゆっくりが人類の進化した姿だったとして、中身が餡子やカスタードになっているのは何故か。 妊娠して何故頭から茎が生えてくるのか。挙げていけばキリがないように思う。 本稿ではゆっくり誕生論というゆっくり研究者たちにとって、最も分からないことが多い部分にあえて触れることで一石を投 じる形とした。筆者の勉強不足と稚拙な論述のせいで至らない部分は多々あるとは思うが、先達のご指導・ご鞭撻をいただけれ ば幸いと感じる次第である。 教授が思わず溜め息をつく。背もたれに背を預け、苦笑いをしながら真っ白な天井を見上げた。 (私たちが……将来、ゆっくりに変化していく……か) それから教授が声を上げて笑う。椅子から立ち上がった教授が壁の認証装置に手をかざすと壁の一部分が透明になり、そこか ら街を見下ろした。転送装置がメインの移動手段になりつつある昨今。人間はなかなか外に出てこない。だから、代わりにゆっ くりがふらふらと入り込んでくる。教授が街に入り込んできたれいむとまりさを見ながらこめかみの辺りをかいた。ぴょんぴょ ん飛び跳ねていた二匹は、やがて道路が自動的に動いていることに気付いたのか跳ねるのをやめた。 「…………」 教授は、エスカレーター式の道路に乗ったれいむとまりさを見えなくなるまで目で追い続けていた。 La Fin
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戻る 「多孔体における移流分散係数の距離依存性に関する研究」 都市部の工場跡地などでの,重金属イオンや有機化合物による土壌や地下水の汚染がクローズアップされており,これらの浄化に微生物や植物を用いることが検討されています. 数理モデルによる地下水中での化学物質の生物化学的変化を正しく把握するためには,まず物理的な輸送プロセスである移流分散現象が正確に表現されている必要があります. 本研究ではTaylorのLagrange相関から,移流分散現象で重要な分散係数の時空間変化を表しました.そして,従来のEuler的な理論をもとに実験値から推定した分散係数を用いて,Taylorの理論で用いるべき分散係数の挙動を表せることを示しました.
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2022年度卒業論文題目一覧(必修科目) クレジットカードとQRコード決済の利用率と利用態度の比較 クチコミとネットクチコミが購買行動に及ぼす影響 海外オンライン旅行の参加意図を規定する要因 SNS疲れとパーソナリティ特性の関連性 就職活動におけるSNS活用とつながり意識が就職活動の結果に及ぼす影響 ネット投げ銭の利用動機 孤独感、孤独恐怖、対人関係がSNSの利用に及ぼす影響 SVODサービスにおける知覚価値とブランドロイヤルティの関係 社会人の英語の学び直しにおける学習方法の考察 2021年度卒業論文題目一覧(必修科目) 同性愛・両性愛に対する個人的受容感・社会的受容感にメディアが及ぼす影響 コミュニケーションの相手に対する信頼:対面とSNSの比較 SNSの種類による利用目的の違いとSNS依存の関連 コロナ渦における生活の変化と幸福感の関係 スマホゲーム利用時間を規定する要因とその帰結 eスポーツに対するスポーツとしての認識 2020年度卒業論文題目一覧(必修科目) インターネット上の自己―理想自己と現実自己との比較を通した研究― LINE 疲れの原因 ヘイトスピーチの現状と対策法 若者の読書離れ 消費行動において参考にする情報 パラリンピックに対する関心度―新聞の検索件数を指標として― ICT教育の効果と課題 マンガにおけるジェンダーステレオタイプの実態 男性アイドル文化及びアイドルとファンとの心理的距離の変化―情報メディアの進化による影響― スマートフォンゲームにおけるゲーム依存について 男性の育児休業取得に対する賛否とそれを規定する要因 2019年度卒業論文題目一覧(必修科目) SNSの利用が人間関係に与える影響 ゲーム依存の実態、原因、影響、対策 メディアの中の性役割――特撮ヒーロー番組を対象とした研究―― 居場所感と自己肯定感との関連 LINEの利用と家族コミュニケーションの関係 バズるツイートの特徴 災害時のうわさと集合行動 有料ネット動画配信サービスの問題と今後の展開 ラジオ聴取の実態とインターネットラジオ配信の開始による変化 LINEの利用目的がストレスに及ぼす影響 アパレル流通と未来 2018年度卒業論文題目一覧(必修科目) 若者のテレビ離れは本当か―その原因について― 若者の海外離れは起きているのか ビジネスにおけるインスタグラマーの役割 「コミュ障」の起源とその使われ方 小学校におけるICT教育が児童に与える効果 ホームチームとアウェイチームに差があるのか-サッカーの場合- 2017年度卒業論文題目一覧(必修科目) プレミア商品の購入・消費と消費者の満足について スポーツ場面におけるあがりに及ぼす要因:甲子園大会を研究題材として 大学生のまとめサイトの利用状況の比較 大学生のコミュニケーションスキルと友人関係満足度 友人関係を維持する際に困難と感じていること 家庭環境・家庭教育がもたらす伝統的性役割観について サッカーJ1リーグの観客動員数の決定要因 ディズニープリンセス映画に見る男性キャラクターの変容 メディア視聴と旅行の訪問意図の関係について 2016年度卒業論文題目一覧(必修科目) Twitter利用動機と写真投稿について 女子大生の痩身願望に関する調査 日本・海外への意識と日本の慣習の関係 大学生の孤独感とペットに対する態度 非言語コミュニケーションによる印象操作 「ひとりの時間」に対するイメージと友人関係満足度の関連性 社会的スキルと人間関係の構築のスタイルの関係 現代の大学生におけるプロレスの位置づけ 血液型ステレオタイプを信じている人 携帯電話を介した家族間コミュニケーションと家族への信頼度について 大学生におけるBABYMETALの認識 LINE依存と孤独恐怖の関係 2015年度卒業論文題目一覧(必修科目) 異性の対人魅力を規定する対人認知次元 女子大生の理想的自己と被服行動 大学生におけるSNS疲れの原因について 自尊心がセルフハンディキャッピングに及ぼす影響 ディズニープリンセス映画に見るジェンダー・ステレオタイプ 反実思考の検索容易性が司法判断に及ぼす影響 好感のもてる接客とは テレビと口コミの宣伝効果について 血液型ステレオタイプを信じている人の性格 インターネット利用による家族間コミュニケーションの変化 SNSの利用と精神的健康に及ぼす影響 2014年度卒業論文題目一覧(選択科目) 学生弓道団体戦における「流れ」の分析 生活満足度と将来イメージ形成の関係について 2013年度卒業論文題目一覧(選択科目) 服装が相手に与える印象 動画共有サービスにおける利用者の心理について 経験および自己と他者に関する感情が感謝感情に与える影響 テレビドラマの視聴が性役割意識に与える影響 2012年度卒業論文題目一覧(選択科目) ファミリーレストランの顧客満足度について 口コミとマスメディアが美容品の購買意思決定に及ぼす影響 学生にとって子どもとは 出生順位と性格及びイメージについて 就職活動に関するうわさ メディアと購買行動 プロ野球の好意度に対する規定要因 若者が占いを信じるわけ 服装が相手に与える印象 2011年度卒業論文題目一覧(選択科目) 恋愛と好意における性差 限定による購買意欲の変化について 匿名性によるTwitter利用の違い 2010年度卒業論文題目一覧(選択科目) フリーターに対する意識調査 占いを信仰する人の性格的特徴 社会意識と著作に対する意識の関係 同性の友人関係スタイル 母親の職業形態が男女大学生の伝統的性役割観に及ぼす影響について 抑うつ傾向のある人のものの考え方について~抑うつ的帰属スタイルの研究~ 二次元おたくの印象 ギャップが及ぼす対人魅力への影響 2009年度卒業論文題目一覧(選択科目) かわいこぶりっこは得をするのか 女性のメールはハデなのか 出生順位による性格特性の差異-2人きょうだいの場合- 中国人ステレオタイプと日中間諸問題との関連 大学生の性役割意識 先住民族の価値と彼らとの共存について 2008年度卒業論文題目一覧(選択科目) 犯罪に現れる外国人イメージとテレビの影響 ブログの継続意向を規定する要因 男性化粧の受容に及ぼす性役割観の影響 若手スポーツ選手が好意を持たれる要因について 限定商品による説得効果 ストレスとソーシャルサポート・ソーシャルスキルの関係性~ストレス対処の観点から~ パーソナル・スペースが電車の中の座り方に及ぼす影響 あがりとパフォーマンスの関連 チラ魅せ効果と好意の関係 大学生の就職観 ケータイメールと好意の関係 2007年度卒業論文題目一覧(選択科目) フリーターに対する態度を規定する要因 態度変容における自我関与と信憑性の影響 服装が第一印象に及ぼす影響 限定商品がもたらす説得効果 ひとりっ子ステレオタイプ 対人魅力と性格-類似性仮説・相補性仮説・社会的望ましさ仮説- 2007年度・文献レポート題目一覧 対人関係とストレス 化粧がもたらす自己への心理的効果 性格形成 群衆暴動のメカニズム 2006年度卒業研究題目一覧(選択科目) 自己宣伝する女性と自己卑下する女性に対する印象形成-現代の魅力ある女性像- 童顔と美人顔が第一印象に与える影響について 「出会い系サイト」を利用する人と利用しない人の環境や心理に関する研究 タイプAと家庭環境の関係について 家庭環境と愛着のタイプ 情動知能と充実感の関係 2005年度卒業研究題目一覧(必修科目) Championship chokeによるパフォーマンスの悪化に関する研究 ユニークネスが行動や考え方に及ぼす影響 お守りのストレス緩衝効果 送り手の信憑性が受け手の態度変容に及ぼす影響 贈答場面における返報性の効果 自己開示と心理的幸福感の関係の研究 タテマエに対しての印象に関する研究 「ありがとう」と「すみません」の感謝表現の使い分けについて サプリメントブーム 流行の採用動機と流行の発信源となるマスメディア 態度と食い違う行為の実行-強制的承諾が引き起こす態度変化- 効果的な宣伝文-送り手の信憑性、論拠の数が受け手に与える効果- 特性不安が合意性の過大推測に及ぼす影響
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トップページ 懸賞論文 This Page updated 2010-08-27 10 44 37 (Fri) 論文について 4年,3年,2年1月24日(月)17:30は「懸賞論文」のデッドラインです。 1号館1階の教育学習支援センターに以下のものを提出してください。HUE NAVIに掲載してある申込み用紙を印刷し記入したもの(これは不要の可能性あり,現在問合わせ中) 表紙を(4年は卒業論文ではなく)「懸賞論文」にして印刷したもの ファイルを焼いたCD-R,ファイル名は必ず「H22年度学生件懸賞論文 学籍番号 氏名」とすること 詳細はHUENAVIに掲示してあるお知らせを確認のことhttp //www.hue.ac.jp/current/student_life/contest_essay.html 4年卒業論文は26日(火)18:30からのサブゼミ時に久保に提出してください。提出するものは売店で購入した製本キットで製本した印刷物。表紙は必ず「卒業論文」に変更すること またメールでファイルを提出。その際,メールの件名とファイル名は必ず「H22年度卒業論文最終稿 学籍番号 氏名」として下さい。 1914032, 篠崎丈, [[]] 1914033, 川崎智佳史, [[]] 1914057, 古谷竜太, [[]] 1914060, 植田豊, [[]] 1914074, 村上沙織, [[]] 1914078, 川添由理子, [[]] 1914083, 上田聡, [[]] 1914086, 須賀亮治, [[]] 200814029, 薦田祐介, [[]] 200814033, 西田修也, [[]] 200814036, 加里本裕二, [[]] 200814065, 沖野真大, [[]] 200814080, 柏成昭, [[]] 200914026, 亀本啓介, [[]] 200914029, 平中隆義, [[]] 200914056, 平岡輝長, [[]]
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トップページ 懸賞論文 This Page updated 2012-01-16 15 23 27 (Mon) 懸賞論文について1月26日(木)17:00は「懸賞論文」のデッドラインです。 1号館1階の教育学習支援センターに以下のものを提出してください。 4年は、表紙を「卒業論文」ではなく「懸賞論文」にして印刷したものを提出のこと ファイルを焼いたCD-R,ファイル名は必ず「H23年度学生件懸賞論文 学籍番号 氏名」とすること 詳細はHUENAVIに掲示してあるお知らせを確認のこと。平成23年度学生懸賞論文応募要領 4年卒業論文は1月25日(水)までに久保に提出してください。提出するものは売店で購入した製本キットで製本した印刷物。表紙は必ず「卒業論文」に変更すること またメールでファイルを提出。その際,メールの件名とファイル名は必ず「H22年度卒業論文最終稿 学籍番号 氏名」として下さい。 200814029, 薦田祐介, 『Financial Education』~ファイナンシャル・リテラシーとポートフォリオの相関関係に関する一考察~ 200814033, 西田修也, 『介護の改善、豊かな高齢化社会に』~介護と少子高齢化に関する一考察~ 200814036, 加里本裕二, 優性ネットユーザー生存説~ネットリテラシー欠如者の排除、その手段についての一考察~ 200814065, 沖野真大, 生き残れゲームショップ ~ゲームソフトの販売形態に関する1考察~ 200814080, 柏成昭, 少子化対策~日本の少子化に歯止めをかける一考察~ 3年 200914026, 亀本啓介, 「株をやってみよう」~家計の資産運用に対する一考察~ 200914029, 平中隆義, 震災からの奇跡の復活~震災復興に関する一考察~ 200914056, 平岡輝長, サプライチェーンの課題と問題点‐これからの企業戦略についての一考察‐ 2年 201014031, 冨田裕太, サンフレッチェ広島の赤字回避大作戦~広島のサッカーの確立と集客に関する一考察 201014032, 森山直哉, [[]] 201014035, 後藤純, マクドナルドの経営商法~成功した秘訣~
https://w.atwiki.jp/population/pages/15.html
1 世帯主の所得が低いほど世帯主以外の家計構成員の有業率が高い。 2 世帯主以外の家計構成員の有業率は賃金率が高いほど、高い。 3 男子の世帯主の有業率は賃金の変化に対して悲感応的であること。
https://w.atwiki.jp/population/pages/16.html
シュモラーやブトケが主張した。 人口は増えても、減少しても問題となる。 適切な人口数というものが存在しないということ。
https://w.atwiki.jp/obbligato/pages/103.html
例えば・・・ 東北大学理学部 地圏環境科学科 地理学教室 卒業論文 筑波大学生命環境学群地球学類 地球環境学教室 卒業論文 東京大学教養学部 広域科学科人文地理学教室 卒業論文 首都大学東京都市環境学部 地理環境学教室 卒業論文 お茶の水女子大学文教育学部 地理学教室 卒業論文 金沢大学文学部 地理学教室 卒業論文 名古屋大学文学部 地理学教室 京都大学文学部 地理学教室 卒業論文 岡山大学文学部 地理学教室 卒業論文 広島大学文学部 地理学教室 卒業論文 山口大学教育学部 地理学教室 卒業論文 九州大学文学部 地理学教室 卒業論文 駒澤大学文学部 地理学科 卒業論文 早稲田大学教育学部 地理学専攻 卒業論文 立命館大学文学部 地理学教室 卒業論文 奈良大学文学部 地理学教室 卒業論文 ここでは、分かりやすい事例として、学部生の卒業論文の一部だけを取り上げました。 それぞれの大学が、それぞれの特徴を持っているのが垣間見えるのでは? と思いますが、それらは粗方、そこにいらっしゃる先生方の得意分野が反映している ことが多いと思って頂くのが、一番自然にご理解頂ける理由になると思います。 その他にも、以下の論文検索サイトを合わせてご利用になってみてはいかがでしょう? CiNii(論文情報ナビゲータ)にて検索 ↑検索ワードは「地理学評論」「人文地理」「経済地理学年報」「地理科学」 「季刊地理」「新地理」「活断層研究」「第四紀研究」などが分かり易いかと。
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