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勇者王ガオガイガー 424 名前:水先案名無い人 :04/12/20 22 56 57 ID OaONC1UD 全隊員出動!! 勇者は生きていた!! 更なる改修を積みスーパーメカノイドが甦った!!! 勇者王!! ガオガイガーだァ――――!!! シンメトリカルドッキングはすでに我々が完成している!! 超重量級ロボ超竜神だァ――――!!! 組み付きしだい曲げまくってやる!! 量産型勇者代表 プライヤーズだァッ!!! 着地の下手さなら僕のAIがものを言う!! 着地のド素人 スリッパー 炎竜!!! 真の救護を知らしめたい!! クレーン車ビーグル 氷竜だァ!!! 敵の撃破は機動部隊だが修復なら全てオレたちのものだ!! 空前絶後のミラクルツール カーペンターズだ!!! ハッキング対策は完璧だ!! GGGオペレーターチーフ 猿頭寺耕助!!!! 守隊員の安全は私の中にある!! 情報収集の神様が来たッ ボルフォッグ!!! タイマンなら絶対に敗けん!! 単細胞のケンカ見せたる 特攻隊長 ゴルディマーグだ!!! トランシーバー(GGG備品)ならこいつが破壊!! GGGの作戦参謀総長 火麻激だ!!! 中国科学院航空星際部から雷の龍が上陸だ!! ボックスコードGBR7 雷龍!!! 皆のことが守りたいからサイボーグ(改造人間)になったのだ!! 勇者の力を見せてやる!!獅子王凱!!! 究極の力に諸刃の剣とはよく言ったもの!! 驚愕の破壊力が今 実戦でバクハツする!! Gツール ゴルディオンハンマーだ―――!!! ソルダート師団こそが宇宙最強の代名詞だ!! まさかこの男がきてくれるとはッッ ソルダートJ!!! Zマスターを破壊したいからここまできたッ キャリア一切不明!!!! 赤の星の生態(バイオ)兵器 戒道幾巳だ!!! オレたちは一個体で最強ではない三身一体で最強なのだ!! 御存知ボルフォッグ強化版 ビッグボルフォッグ!!! 戦闘領域の形成は今や空間湾曲にある!! オレを無効化する奴はいないのか!! ディバイディングドライバーだ!!! デカカァァァァァいッ説明不要!! 101m!!! 33700t!!! キングジェイダーだ!!! ツールは実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦ツール!! ハイテクツールからガトリングドライバーの登場だ!!! ゴールドキーは私のもの ゾンダーは思いきりリリーブし思いきり光にしてもらうだけ!! GGG機動部隊主任オペレーター 卯都木命 家族から逃げに日本へきたッ!! GGGスーパーバイザー 獅子王雷牙!!! シンパレートに更なる磨きをかけ ”奇跡”強龍神が帰ってきたァ!!! 今の自分はみさえではないッッ!! GGGオペレーター スワン・ホワイト!!! 中華人民共和国の技術が今ベールを脱ぐ!! 中国から 風龍だ!!! ファンの前でならオレはいつでもノリノリだ!! 歌う闘魂 マイクサウンダース・13世 システムチェンジで登場だ!!! 公団の仕事はどーしたッ 闘士の炎 未だ消えずッ!! 承認も射出も思いのまま!! 大河幸太郎だ!!! 特に理由はないッ 合体ロボが強いのは当たりまえ!! ザ・パワーはおかげだ!!! シンパレート200%! 幻竜神がきてくれた―――!!! メンテナンスで磨いたメカ知識!! GGGのメカニック・マニア 牛山一男だ!!! サポートだったらこの人を外せない!! 超天才科学者 獅子王麗雄だ!!! 超一流AIの超一流の演奏だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ ヒューストンの鋼鉄人!! マイク・サウンダース部隊!!! マイクサウンダースはこの男が完成させた!! アメリカGGGの切り札!! スタリオン・ホワイトだ!!! 若き勇者が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ カインの造りし破壊マシンッッ 俺達は君を待っていたッッッ天海守の登場だ――――――――ッ 関連レス コメント 名前
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「……ガブモン」 ただ、棒と立ち尽くし勇者プチヒーローは握りしめたヒノカグツチを震わせていた。 我が身可愛さにガブモンを行かせたわけではない、最善の行為が何かと問うならばガブモンに託すことがまさしくそれだったのだろう。 「それでも……それでも僕は……追いたかった」 ガブモンの背を追って、自分もまた付いて行きたかった。 ガブモンを死なせたくはなかった、もうどうしようもなかろうとも、それでも何かがしたかった。みすみすと死なせたくはなかった。 それにハムライガーの末を見届けたかった。わからないけれど、本来のハムライガーの笑顔が見たかった。 だが、駄目だった。 託されてしまった、ガブモンの笑顔とともに剣を――願いを、祈りを、託されてしまった。 「ずるいよ……」 もう、それでプチヒーローはガブモンを追いかけることは出来ない。 信じろと、何もかも信じろと言われたも同然だった。 いや、今からでも追いかければ全てに決着がついたハムライガーの姿を見ることが出来るだろう。 それでも、そんな気にもなれなかった。 ガブモンが一人で行った、決着をつけに行った。 ならば、ハムライガーの呪縛は解けているに決まっている。 きっとハムライガーは救われたにきまっている。 ならば、やはり自分の戦うべき場所は別のところにあるように思われた。 だから、自分の戦いもまた始めなければならない。 プチヒーローは、すうと息を吸った。 息とは――呼吸とは命を動かす。 吸うたびに、吐くたびに、己の命が動いている。 「うん……」 皆が皆、そうだ。 ジュペッタも、ギルガメッシュも、ギリメカラも、ゲルキゾクも、皆が皆死んでいった。 何かを願い、何かを祈り、戦い、そして生き切った。 自分はまだ、生きている。 死んでいった者の分まで生きるというのは陳腐な言葉だけれど、 それでも死んでいった者の分まで命を動かす義務があるように思えた。 「決めた」 勇者は駆ける。 魔王も姫もいないけれど、目的【クエスト】がそこにはある。 「ごめんなさい、放っておいて」 F-5――そこは、かつてプチヒーローが逃げ出した場所だった。 恐怖が一度、勇気を殺した場所だった。 ハムライガーのために、それどころではなかったが、もう一度決着を付けなければならない。 「小さいかもしれませんが、お墓を作ります。ハムライガーのことは……後はガブモンがやってくれます……やってくれたと思います。 だから、心配しないで……眠っていて下さい。後のことは、僕がやります」 そう、ギリメカラもの死体に言って、ライディンで地面に穴を開けた。 ギリメカラの死体は重く、プチヒーローの小さい体がふらついて、それでも途中で落とすこともなく、墓穴の中に寝かせた。 穴を開けるのは一瞬だったが、土を被せることだけは時間がかかった。 剣や盾を使うわけにもいくまい、手作業で穴を掘って少しずつ、少しずつ、ギリメカラの死体に土を被せていく。 「…………」 ギリメカラの死体を埋めながら、ゲルキゾクの死体が視界に入って、何となく彼の墓も作ってやろうとプチヒーローは思った。 彼についてわかることなど、あまりにも少ないけれど、騙し打ちをしてでも、それでも生きたかったのだと思う。 だから、罵ることは簡単だけど、受け入れることも出来ないけれど、それでもお墓を作ってやろうと思う。 「……きっと、帰りたかったんですよね」 ゲルキゾクの死に顔を見た、プチヒーローは己の認識を少しだけ改めた。 本当に、本当に悲しそうな顔だった。 きっと、後悔があるのだろう。何かを為そうとして、それでも出来なかった深い深い後悔が。 「僕はアナタを許します」 ならば、それが罰なのだと思う。 だから、もうプチヒーローから何も言ったりはしない。 「言ってくれれば……僕は勇者だから、きっと解決できたと思うんです」 ただ、哀しい。 もしもゲルキゾクが己を信じてくれれば、帰りたい理由を言ってくれれば、そのために戦えたのだと思う。 もう、今となっては何もかも遅いけれど。 だから、もう何も掌から零したくはない。 『ボーイ達……まずは、ご苦労と言っておこう』 突如、空からモリーの声が響いた。 何かが始まるのだろう。 この殺し合いを終わりへと導く何かが。 プチヒーローはヒノカグツチを握りしめて、強く誓った。 【F-5/湖/二日目/深夜】 【プチヒーロー@ドラゴンクエスト】 [状態]:体力消費(小)、魔力消費(中) [装備]:水鏡の盾@ドラゴンクエスト、ヒノカグツチ@真・女神転生Ⅰ [所持]:ふくろ(中身無し) [思考・状況] 基本:勇気を与える者になる 【備考】 オス。泣き虫でこわがり。プチット族に期待されていたプチット族の勇者。一人称は「僕」 死後、心をジュペッタの死体に宿らせることで復活しました。 No.83:先見えぬ王道 時系列順 No.85 レナモンの唄 ~Memories Off~ No.83:先見えぬ王道 投下順 No.85 レナモンの唄 ~Memories Off~ No.80:心重なる距離にある プチヒーロー No.90:剣に勇気を、胸に怒りを
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【検索用 ゆうしゃ 登録タグ 2022年 VOCALOID だべさ ゆ 初音ミク 曲 曲や 東城愛】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:にしだ 作曲:にしだ 編曲:にしだ 絵:だべさ 映像:だべさ 唄:初音ミク 曲紹介 ドラゴンクエストではⅣが好きです 曲名:『勇者』(ゆうしゃ) 歌詞 (動画説明欄より転載) 世界の神に選ばれて 盾と剣で旅に出る 魔法も道具も無いけど きっと君だけは助けよう そんな僕の手を君は拒んで 悪魔に手を引かれる君は笑顔で 僕は情けない勇者 望まれなければ 目の前のあの子さえ救えないよ 僕は愚かな勇者 誰かに望まれなければ 自分自身の我が儘さえ 押し通せない 世界の王に選ばれて 矢面で盾を構える 仲間も強さも無いけど 折れそうな剣で抗う そんな僕を見て君は憐れむ 冷たい天使の眼で君は矢を射る 僕は孤独な勇者 立ち塞がるなら 誰であれ全霊で戦うだけ 僕は無力な勇者 君に剣を突き立てるしか 僕の事守る術 他にないよ 僕は情けない勇者 誰かに望まれなければ 自分自身の事でさえ 救えないよ だけど逃げられないだろう だって君は勇者 傷付けてでも傷付いてでも 歩いてきたんだろう 僕ら情けない勇者 誰にも望まれなくても 君のため僕のため 戦って行く コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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チームメンバーに向けたクエストです。 まだ考え中!タイトル含めて、
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二つ名:上騰の勇者 名前: 詳細: ある日女神に神託を受け、憧れの勇者になったが、周囲がいままで通りに扱ってくれなくなるのを恐れ正体を隠して活躍している。が、実は知り合いにはバレていることを彼は知らない その他:
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二つ名:戦火の勇者 名前: 詳細: 人間と魔族の争いだろうと人間同士だろうと雇われれば戦地へ赴く流浪の傭兵。自分の手の届く範囲にある銃器を意のままに操る能力がある。最近の悩みはいくら洗っても火薬のにおいが取れないこと その他:
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第十一章-第三幕- メイベルの友達 第十一章-第二幕- 第十二章-第一幕- アイリーン・マフィア本部を包囲した謎の武装勢力は、 キョウカ王妃との交渉を決裂させ、突撃を開始した。 四方から包囲されたこの状況の中、勇者軍の四名は 文字通り四散し、東西南北それぞれの方向へ突撃を開始する。 東へ向かったジルベルトは剣と鋼線で大暴れし、 敵を速やかに無力化し始めていた。だが数が数である。 やはり怪我だけでは済まないような 剣の振り回し方をせざるを得なかった。 「………………」 「こいつ、チビのくせにすかしやがって! 死ねぇ!!」 悪態をつきながら特に乱暴そうな敵兵が 数名ほど突っかかってくる。 そのうち二人に猛烈な足払いをかけて昏倒させ、 剣を一時鞘に収めてから片方の兵士をぶん投げて 残りの敵兵を薙ぎ払った。 更にもう片方の兵士も丁寧にぶん投げて戦場を撹乱する。 これを繰り返して、むしろ剣よりも安全かつ迅速に 敵兵を無力化しつつあるジルベルトだった。 文字通りのちぎっては投げ、ちぎっては投げ、である。 西に向かったソニアは獅子奮迅と言わんばかりの大暴れを開始した。 素早さと技量に定評のある彼女は 常人からは測り知れないほど機敏に動き、 避けては駆けて、駆けては殴り、 殴っては蹴り、蹴ってはまた避ける。 猿や狼でもここまで機敏かつ忙しそうには動かないだろう。 何名か重歩兵も混じっているが一切関係は無い。 敵の初撃をかわしたなら、もう彼女の独壇場だった。 右の拳で敵の鳩尾(みぞおち)部分の装甲にヒビを入れ、 次いで左の拳で鳩尾部分の装甲を叩き割り、 最後にもう一度右の拳で鳩尾に一撃。これで充分だった。 敵がうずくまったなら後は簡単。そのまま蹴り飛ばせば良い。 そんな感じの大暴れを続けるうち、敵兵はみるみる減っていく。 南へ向かったルシアはというと、 矢を束ね撃ちにし、弓を乱射する。 敵が近付けばまたステップを踏んで離れ、次々と弓を射る。 「とにかく奴を捕まえろ! これ以上好き勝手にやらすな!」 ようやく戦術らしき命令を下す敵兵だがもう遅い。 一斉に近寄ってくれば彼女の的だ。 「ウォーターウェイブ!!」 強い水圧を含んだ波が、彼女の周囲一帯の敵をを吹き飛ばす。 「くそ、怯むな、続け!」 敵兵がなおも懲りずに突進するが後はこれを繰り返すだけだ。 正直、場数を踏んだ彼女にはものの数ではなかった。 北へ向かったメイベルは、その自慢のスカーレット・アーマーで、 敵の攻撃をことごとく弾き返していた。 時々思い出したかのように動いては、非常に雑に敵を鎌で殴る。 自分のアーマーに絶対的な自信がある故に為せる所業だ。 「この好戦的でない態度……あの鎧……ひょっとすると、 あの『真紅の雌鹿』ってのはこいつの事か!?」 妙に戦慄する敵兵。どうやら何故かそれなりに名が売れたらしい。 「嬉しくなんかありません……!」 少々ムッとしたのか、メイベルは多少積極的に動き出した。 「あの鎧に勝てる奴なんかいないぞ、逃げろーッ!」 変なネームバリューのおかげで 敵は恐慌状態になったようではあるが、 メイベルはどこか納得がいっていないようではあった。 ジルベルトの横には大福達、五匹の猫が付いていた。 襲われた事で敵意を剥き出しにし、 こちらも尋常でない暴れぶりを示す。 だが、それに驚き、敵兵達が大きく後ずさった。 「その強さ……速さ……そいつら、普通の猫じゃないな! まさか、遺伝子調整動物か!?」 その態度の変わりようにジルベルトは驚いたが、 その通りなので、軽く頷いた。 『遺伝子調整動物』は遺伝子をいじる事によって生まれた動物達だ。 遺伝子の調整によりアレルギーを受ける事無く飼う事が出来る 愛玩用の調整はもとより、調整の仕方や組み込む細胞によっては 戦闘用の動物として誕生させる事も不可能ではない。 現に大福、きなこ、みたらし、黒ごま、あんみつの五匹は それぞれに長所の違う戦闘能力を持たされた動物であり、 知能も尋常ではないほどのレベルを誇っているのだった。 もちろん先代筆頭エリシャの時代にも遺伝子調整動物はいたし、 それを否定する理由は特に無かった。 敵はそれを警戒したのだと思い、退いてくれればと考えて ジルベルトは遺伝子調整動物である事を否定しなかった。 「おのれ、我等が真なる敵は勇者軍、お前達にあらず! その五匹の畜生共こそ、我等が誅滅すべき怨敵なり!! 死力を尽くせ! 他の部隊も合流させろ! 勇者軍などどうでもいい、あの五匹の猫をすぐに殺せーッ!!」 「えっ……!?」 ジルベルトも思わず声を出すほどに驚いた。 まさか人類史上最強の私設軍である勇者軍を放置した上で、 少々強いとはいえ、猫五匹を本気で付け狙うというのだ。 とても正気の所業とは思えなかった。 だが、敵兵はその動揺を隙と見なして、突撃を敢行した。 「大福、きなこ、みたらし、黒ごま、おいで!!」 思わず全力で叫び、四匹を呼び寄せつつ、自らは あんみつを抱き寄せて速やかに後ろへ退きつつ応戦する。 この仔猫達は生まれたときからジルベルトが守ってきた命だ。 あんみつにしてもメイベルが守ってきた命である。 ならば、勇者軍軍規に則り、 そして私情としても守らねばならない。 だが、ルシア、ソニア、メイベルの方面に 向かっていた兵士達までが ジルベルト及び五匹の猫を狙って殺到してくると、 流石にジルベルト一人では荷が重くなってきた。 事態を察して三人が救援に来るまでは それなりの時間がかかるだろう。 それまでに、猫達のうち、誰かが死んでいない保証は無かった。 (僕だけじゃ守り切れない……) 許容は出来なかった。どちらを守るかと言われれば、 猫の……否、家族の命を守る。それがジルベルトの信条だった。 (ならば、僕はこれより、修羅に入る!) 殺害行為の断行を決意しようと決めて、彼は剣を敵に向けた。 だが、その時だった。 「ダークバスター!」 空中から膨大な数の闇の魔法が飛来し、 敵陣のド真ん中へと叩き込まれた。 「そりゃそりゃそりゃそりゃ!!」 次々と乱射されるダークバスターに、次々と敵兵が倒れたり、 大慌てになったり、混乱を引き起こしたりしている。 (味方!?) ジルベルトは魔法が飛んできた空中の方角を仰ぎ見る。 天馬騎士――ペガサスナイトだ。それもかなり貫禄のある、 高い能力のペガサスに乗っているようであった。 「ベアトリス、降下よ!」 「ひひんばー!」 ベアトリスと呼ばれたペガサスの力で急降下し、一気に地上へ降り、 一通り騎乗している少女の手で槍が暴れ回った頃には、 彼女の槍の届く範囲に敵はいなくなっていた。 「ただ一騎だ、討ち取れ!」 兵士の注意が猫から逸れて、少女とペガサスに向く。 「ベアトリス、行って!」 少女の号令と同時に、敵兵をジャンプ台にして一気に急上昇。 再度魔法の雨を降らせ始める。 「弓兵、構えぃ!」 どうやら味方らしい少女とペガサスだが、 それを狙って弓を引く敵兵達。 弓と銃という、二種類の飛び道具はペガサス…… 否、空中戦を主とする者達の天敵と言っていい武器である。 このままでは明らかに危ない。 だが、危険は思ったほどに迫ってはいない。 むしろ、迫っているのは好機だった。 「フローベール、無茶し過ぎだ、下がれ!」 今度は馬に乗った普通のナイトだ。 武器は棒を持っているようだった。 (あれも味方なの!?) 馬上の棒術としては極めて見事な部類の敵の捌き方だった。 槍と同様に振り回しては突き、 また振り回しては突き、そして突撃。 一直線に敵を蹴散らしては方向転換し、また再度突撃、 空中と地上からのダブルヒット&アウェイを繰り返され、 敵陣はもはや陣としての効果を為さなくなっていた。 せっかくの味方だ。便乗しない手はなかった。 念のため持ってきていた広範囲攻撃用の 魔道書を開いて読み上げる。 残り1回しか使えない状態でもらったため、 リゼルからどうせ役に立つ状況は無いだろうと 言われていた余り物だが、なかなかどうして、 状況によっては助かるではないかと得心しつつも叫ぶ。 「プラズマブラスター!!」 二人の騎士が離れたタイミングで術をぶっ放した。 多くの敵兵が感電し、更に戦局はこちらに有利に傾いた。 「大丈夫!? ジルベルト君!」 「こういう手で敵が来るとはね……!」 「フォローします、兄様!」 ソニア、ルシア、メイベルの順に合流してきた。 これで勇者軍の敗北は無くなった。 先程交渉した指揮官らしき人物は、二百名以上を引き連れて、 たった六名に勝てない事実に愕然とし、そして激昂しかけていた。 「お、おのれええッ!!」 すると、フローベールと呼ばれた少女がジルベルトの元に来て、 先程ジルベルトが使って、術の効力が無くなった プラズマブラスターの書をさっと取り上げた。 「フローベール!」 驚くメイベルだが、彼女は一顧だにしなかった。 「ちょっと借りますね!」 敵の指揮官は激昂したまま剣を構え、 もう一人の騎士に狙いを定めた。 フローベールはペガサスを急上昇させ、次いで急降下。 「ペンは!」 がごッ! 凄まじい勢いで本の角が敵指揮官の脳天に叩き込まれた。 未だ戦闘中の騎士はその異音に振り向いた。 自分が敵指揮官から狙われているのにようやく気付いたようだ。 「剣より!」 フローベールの手から空の魔道書が放り投げられた。 どうやら少年騎士は、フローベールの意図を察したらしい。 馬の腹を蹴り、思わず怯む敵指揮官に向かって疾走する。 「強し!!」 そのまま少年は叫びと共に本の表紙を ダイレクトに敵指揮官の顔面へ叩き込む。 「ナイスなコンビネーションだったわ。即席な割に」 「だから無茶し過ぎだって。俺じゃなきゃ 対応しきれないぞ。あんな無茶振り」 フローベールと少年はそう言いながらもハイタッチをする。 戦闘は終了した。敵兵の大半が撤退し、 残ったり気を失ったりした者達も アイリーン・マフィアの兵達によってあっさりと捕縛された。 「兄様、紹介します。私の友達、情報部所属のフローベールです」 と、メイベルが遅まきながら紹介する。 「フローベール=エルデナント伍長です。今のが初陣ですが、 何とか上手くいったようで何よりです。 で、こちらが愛馬のベアトリス」 「ひひんばー」 「?」 ジルベルトがテレパスで何かを読み取ったようである。 (この子があの総帥エリシャのお子なのね……分かるわ。この感じ。 人を惹き付ける才、戦の才、そして人業さえも呑み込む異才。 いや、あるいは鬼才なのかもしれないわ。どこまでも異質にして、 究極の自然体のまま戦えるという本質なのかもしれないわね) という考えである。その真意は読めなかったが、 総帥であり、母であるエリシャを知っているという事で、 ジルベルトはなんとなく親しみを覚えるのであった。 「で、自分はその双子の弟、バスク=ランドルフ軍曹です。 なんかエリート扱いされて、フローベールより階級高いですけど、 まあ立場は同じようなモンなんで扱いも同じでいいッス。 あと、所属は研究部になりますので、よろしくです」 (うちの子達を守ってくれてありがとうなのー) ジルベルトはニコニコと笑って二人と握手する。 戦闘終了を確認して、キョウカ王妃も中から出てきた。 「無事に二人が加わったようですね……」 「キョウカ王妃、この二人が フローベールとバスクです。双子なんですよ」 メイベルが紹介すると、キョウカは 二人よりむしろベアトリスを見た。 「まあ、ベアトリス……という事はあなた達は ユーフェミアさんとエルウィンさんのお子なのですね」 「あ、はい!」 「そうです!」 ガッチガチに緊張して二人が答える。 (ソニアさん、ソニアさん) 重要だからなのか、いきなりジルベルトが ソニアの腕をくいくいと引っ張る。 「ん? どしたの? 怪我でもした?」 「ううん、そうじゃないの。 けど、敵の様子が途中からおかしかった。 僕達じゃなくて、大福達、猫だけを執拗に狙い始めたの」 「なっ!? なんで!?」 ジルベルトが発言した事もそうだが、内容にも驚いた。 「分からないの。けど僕一人だけじゃ、この子達が危なかったの。 だから、フローベールとバスクが来てくれて本当に助かったの」 「……ふぅ、どうやらまた謎ばっかり増えちゃうみたいね」 と、内容を察してルシアが嘆息。 「敵の本命がクォーターエルフと猫じゃあ接点が無さ過ぎるわ。 もうちょっと接点が無いものかしらね」 ジルベルトは熟考しているが、まだ結論には至らないようだった。 ともあれ、ここでモタモタしているわけにもいかないので、 フローベール、ベアトリス、バスクを加えた勇者軍主力部隊は 更なる戦力増強を考え、勇者軍を支援する重要拠点の一つである、 バイオレット・ヴィレッジへと急行する意見をまとめたのであった。 「よっし、行くぞー!」 一人猛烈に張り切って走り出すバスクだったが、 慌てすぎたのが災いして、馬のコントロールを失いかけた。 そして落馬しようかとした瞬間、 横からフローベールが首をひっ掴まえてそれを止めた。 「バスク、慌てないの。みんなに合わせなきゃ」 「わ、分かってるよ。フローベールはいちいちうるさいな!」 と、改めて座り直すバスク。 「弟が粗忽者で済みません」 「フローベールこそおせっかいなんだよ」 「はいはい、言い合いはそこまで」 と、言い合う二人にルシアが割って入る。 流石に年長の貫禄であった。 「ゆっくり、けれど確実に進みましょう。 どうやら敵は、私達が思っている以上に巨大で、 しかも老獪な戦術がお好きなようだからね」 「はっ、はい!」 「了解です」 「じゃ、行くわよ。号令を、ジルベルト君?」 と、ルシアはジルベルトに振る。 ジルベルトはただ黙って剣を掲げて、前方へと向ける。 それに従い、前よりはいくらか緊張して、 一行は歩き出したのだった。 目標は――バイオレット・ヴィレッジ。 ジャパニーズ・チルドレンと呼ばれる者達の住処である。 <第十二章へと続く>
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ショボーンの勇者 2青緑 クリーチャー - 猫・傭兵 1/1 X、T:ショボーンの勇者の上に+1/+1カウンターをX個置く。 37版の 199 [部分編集] イラスト / / / / / / / / / / / / / ビュー ,.、 ,.、 / / / / ∠二二、ヽ / / / / / (( ´・ω・`)) ちょっと川と田んぼと裏山の様子見てくる・・・ / ~~ :~~~〈 海の様子も気になるし・・・漁船の様子も見なきゃ・・・ / / ノ : _,,..ゝ なーに、すぐ帰ってくるさ、帰ってきたら結婚するんだ。 / / (,,..,)二i_,∠ / /
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二つ名:激成の勇者 名前: 詳細: 自己を強化する術が得意な勇者。人間相手のときは多少の強化で済んでいたものが魔王相手になってから通用しなくなり過剰な強化を始めた結果黒かった髪は色が落ちはじめ左目は赤く変わってしまった その他:
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第十六章-第三幕- ただあの人の下に(後編) 第十六章-第二幕- 第十七章-第一幕- ソニアを救出し、新たにギースとリュミエルを迎えた 勇者軍主力部隊は、いよいよ近付いてきたアーム城への 移動を試みようとしていたのだった。 「バスク、そろそろ向こうに連絡入れてみたらどうなの? 通信網の再構築がある程度出来てるんじゃないかしら」 と、ドルカスが言うので、バスクは端末をいじってみた。 「通信機能、オン……と」 通信機能をオンにした。まだ設置したての通信網なので、 端末が即座に対応し、最適化作業を始めた。 「……うーん、これはもう少し時間が要るな。 もう少し早く最適化作業を始めておけば良かったかな」 「そう時間も要らないでしょ。端末の電源はオンのままにして、 さっさと進軍した方がいいかもしれないわね」 ドルカスの助言に従い、バスクは電源をオンにしたまま、 愛馬ヴィッセルを歩かせる。 その後を、残りの全軍が続く。 ある程度歩けば到着はするが、更なる襲撃が アーム城に無いとも限らないのであった。 連絡は早ければ早いほどいい。 ……だが、もちろん事はそう穏便にいくはずもなかった。 「ふみゃーっ!!」 「ふーっ!!」 突如として猫達同士の喧嘩が始まったのだ。 今にも飛びかかりそうな剣幕である。 「えっ、ちょっと! 何なの!?」 「押さえて、押さえて!!」 レイリアとエイリアが慌てて喧嘩を始めた 大福ときなこを引き剥がす。双方共、 とんでもない実力があるので喧嘩になるとシャレにならない。 「ちょっと、こっちもよ!」 こちらも慌ててソニアとジルベルトが みたらし、黒ごまを引き剥がす。 割って入ろうとしたあんみつも、メイベルが何とか取り押さえた。 「一体どうしたってのよ!? ジルベルト君、原因分かる!?」 ジルベルトはテレパス能力で、何とか興奮状態の 五匹の猫達の心理状態を読む。 どうやらお互いを敵だと認識している。 当然同じ親から生まれた兄弟姉妹同士 (ただし、あんみつは親戚になる)なので、 普段は仲良くしているのだが、 何故こうなったのかが分からない。 「何者だ、手前ェ!!」 と、いきなりコンラッドがライナスへ弓で攻撃を開始する。 「……何をする……!? 敵か!!?」 あろうことか、ライナスまでコンラッドに攻撃を開始した。 二人だけではない。フローベールとバスクが、 サイモンとヴァジェスが、テディとリュミエルが、 ギースとドルカスが、次々と仲間割れを始めた。 おかしくなっていないのは、事態に動揺しないよう、 意図的に精神状態を沈静化させた ジルベルト、ソニア、ルシア、メイベル、 そしてナノ・マシンを自己防衛に費やしたレイリアと、 絶対耐性の技能を持つエイリア、 元から闘争の術を持たないキョウカ王妃。 以上のメンバーとなっている。 事態を飲み込みかねて、メイベルはただ混乱するばかりだ。 「これは、どういう事なの……?」 ソニアが訝る。 (分からない。一体何が起こっているのか……) その時、フローベールを振り落としてきたベアトリスが近付く。 彼女は魔族だからなのか、影響下にあるわけではないらしい。 「ひひんばー」 そのベアトリスの意図をジルベルトが テレパスで読み、メールで伝える。 『呪術かもしれないって言ってるのー。 幻を見せ、音を歪めて味方を敵の得体の知れない相手に 認識させてる可能性があるらしいのー』 「敵の足止めの作戦…… あわよくば同士討ち作戦ってトコかしら」 「対処法はありませんか?」 極力冷静に、キョウカ王妃が訊いてくるので、 ベアトリスが策を提示する。 「ひひんばー」 『リュミエルだけでも元に戻せれば 対処の仕様があるかもしれないのー』 「リュミエルか……」 エイリアが唸る。スレインメイデンである彼女なら、 呪術に対するカウンター的な技能を 持っているかもしれないからだ。 「人間を敵に見立てる幻術は使えても、 機械まではそうはいくまい。 ルシア、隙を作ってはくれないか? そのわずかな隙でメールを送る」 「分かったわ。テディを牽制すればいいのね」 「メールの文面はキョウカ王妃、頼めるか?」 「今、入力中です。百二十秒下さい」 「分かった!」 エイリアの指示で各員が動き出す。 と言っても大半は猫を押さえる役だ。 勇者軍の仲間割れは実力が拮抗している事が幸いして、 短時間なら放置しても大丈夫だった。 「入力完了です。送信します」 キョウカ王妃の送信と同時に、 ルシアは弓の連射でテディを牽制する。 「何だ!? 奇襲か!?」 同時にリュミエルへメールが届く。その着信を確認すると、 敵(と思っているテディ)が、結果的にとはいえ、 攻撃の手を止めた事もあり、文面を確認する。 『敵の呪術で仲間割れさせられています。 対抗手段をお持ちであれば、 即座に実行に移していただけると、 助かります。 ――キョウカより』 馬鹿丁寧な文面を見て、リュミエルは急いで精神を落ち着けた。 呪術の効果が薄れ、自分が敵だと思って戦っていたテディの姿が うっすらとだが見えるようになったのである。 「そういうわけね。小賢しい手だこと」 鼻で笑うと、リュミエルは御札を大量に取り出し、展開する。 「術式展開! 防御結界!!」 ぱんっ!! 軽い音を立てて、勇者軍の周囲に御札が散っていく。 周囲に結界が張られ、敵の呪術の力場を完全に遮断する。 「……お? リュミエル?」 その中心地であるリュミエルに 一番近かったテディから、正常な視覚と聴覚を取り戻し、 その後近い順から残りのメンバーも、感覚を取り戻していく。 「本当に私も合流しといて正解だったみたいね。 まさかこんな技能が役に立つとも思わなかったけど」 と、自信満々にどや顔をするリュミエルに 助けられたと分かるや、精神を落ち着ける各員であった。 無論猫達もなんとなく事態を察して、 一番落ち着く所……要するに ジルベルトの傍に自ら寄っていくのだった。 「闘争心や警戒心を刺激して幻覚を見せる呪術だったみたいね。 だから、戸惑っていただけのメンツや、 戦えないキョウカ王妃は術にはかからなかった、か」 さもありなん、という感じでエイリアも頷いた。 「でも、呪術なら呪術師がいないと駄目だよ。 一体……どこにいるのかな?」 キョロキョロと辺りを見回すレイリア。 「そう簡単に見える所にはいないだろう。探すぞ」 「駄目! 術式結界自体が動けるわけじゃないのよ! 外に出たら結果は同じなんだから!」 サイモンが外に出て呪術師をさっさと見つけようとしたが、 リュミエルがそれを慌てて止める。 「また仲間割れしたくなかったら動かないまま、 敵を見つけないと……任せるわよ」 「くっ……厄介な」 苦虫を噛み潰したような顔をするサイモン。 「ならば私が行こう。こういう搦め手には私が一番強い」 と、エイリアが前に出る。絶対耐性を当てにしているのだ。 「大丈夫なの?」 「任せろ」 エイリアが外に出るが、呪術にかかったような様子も無く、 平然としたままで周囲を探す。 敵の焦る気配が周囲に滲み、それがより一層発見を容易にする。 「そこだっ!!」 しげみに鞭を叩き込むと、慌てて呪術師が出てきた。 そして素人目にも呪術が途切れたのが分かった。 怪しい気配が一切消え去ったのだ。 呪術師は呪術があっさり破られたのを見ると、 悪態をつきながら逃げ出した。 「くそっ、何なんだ! 我が呪術を意にも介さないだと!? これだから遺伝子調整を受けたバケモノはッ!!」 「逃がすか!」 エイリア、次いで残りの連中が追い始めるが意外に足が速い。 こういう時に限って、頼みのフローベールも、 ベアトリスから降りていた事が災いして、対応が遅れた。 「逃がすかよッ!!」 だが、そこでバスクがそのまま突撃を敢行する。 「ヴィッセル!」 「ぶるひひひぃぃぃん!!」 愛馬ヴィッセルによるキックが呪術師のどてっ腹に叩き込まれる。 「のげっ!?」 ごろごろと転がりつつ吹っ飛び、呪術師は気を失った。 勝利は確定である。 「バスク、初手柄ね!」 「ああ。やったぜ!!」 バスクは馬上でガッツポーズを決めてみせた。 しかしこのネイチャー・ファンダメンタルの呪術師を この後どうするかで若干意見が割れた。 近くの市街地に連行したのだが、まさか市街地で 無抵抗の人間を殺害するなどという 凶行に及ぶわけにもいかず、 かといって警察に引き渡せば 呪術であっさり脱獄してくるだろう。 ならば今効果的な手は勇者軍伝統(?)の方法だろう、 という結論で約一名の反対を除き、サイモンの案で決定となった。 すなわち―― 「これで良しっと」 テディの手によって、呪術師は丁寧に縛られ、 猿轡まで噛まされて見事にダンボールの中に梱包されたのだった。 丁寧にエアキャップまで下に敷かれている始末だ。 「おい、空気穴も忘れるなよ。流石に死ぬから」 と言いつつも、コンラッドがダンボールに 穴を開けて空気穴を大量に作る。 「送り先どうするの? 姉さん」 「そうねぇ……」 ソニアに問われたルシアが、とりあえずお届け先を 遥か遠く、惑星アースの裏側、クルーズ・シティ方面に指定した。 勿論お届け先はネイチャー・ファンダメンタルが不法占拠した 惑星アース国際平和機構様宛てである。 しかも着払いで。あまつさえわざわざ時間がかからないように しっかりと速達便にしてやる有り様である。 「あの……それはちょっと可哀想では……」 流石にキョウカ王妃が難色を示したものの、 それをどうにかこうにか言いくるめるリュミエルとギース。 「いやいや、処刑とかされないだけ ありがたく思ってもらわないと」 「丁寧に送還してやるだけ温情的かと思われます。王妃殿」 「……はあ……」 あまり納得はしていないようであったが、 やむなく了承するしかないキョウカ王妃であった。 そしてその荷物(イン敵)を宅配業者になすりつけた。 「あ、割れ物とかじゃないんで、 衝撃は大丈夫ですけど、 ナマモノなんで生きたままでお願いできますか? 哺乳類ですけど。あと着払いで」 「あ、はい。承りましたー、っと、重いな」 中に何が入っているかも知らず、 業者の人は荷物(イン敵)を受け取った。 「これで良し、っと」 「二度と来るなよー」 何やら暢気に荷物に向かって手を振る二人。 何やらダンボール(の中の敵)が抗議しているようにも見えたが、 それはまあどうでもいい事であった。 「……お?」 気が付くと最適化処理が終了し、 端末は通信機能を取り戻していた。 「こちらバスク=ランドルフ。アーム城、聞こえるか?」 「はい、こちらアーム城のユイナです。 主力部隊は大丈夫ですか?」 と、ユイナ王女の声が聞こえる。映像もすぐに映った。 「……っ!」 その愛嬌ある顔立ちに、一瞬バスクは言葉を失った。 「……もしもし? 聞こえてますか?」 「……あっ、ああ! 全員無事だ。 キョウカ王妃もこっちにいるんだ! 今からそっちに届けに行くから、待っててくれよ!」 「ありがとうございます! わざわざ知らせてくれるなんて…… あなたは優しいのね。よろしくお願いね、バスクさん」 「あっ、うん!」 そこで、イスティーム王がユイナと交代する。 「キョウカ。そこにいるんだね?」 「元帥閣下!」 キョウカ王妃も慌ててバスクの端末を借りる。 「よく頑張ったね。ここに来たらもう安心していいですよ。 無理をしないでゆっくり来て下さいね、キョウカ」 「はい……はい!!」 キョウカ王妃の瞳にみるみる力が宿る。 「必ずあなたの下に……ただひたすらあなたの下に、 キョウカ=カザミネ=ザン=アーム、参りますわ!」 決意の漲る表情でキョウカ王妃はそれだけ告げて通信を切る。 「チトセ、皆さん、行きましょう!」 あれだけ気の弱かったキョウカ王妃が、 今や喜色に満ちた表情でチトセを堂々と乗りこなしている。 ある意味では王者の風格に近いものがあった。 『元気になって良かったのー』 ジルベルトも大喜びだ。ソニアを奪還した喜びも重なり、 今や勇者軍の士気は高まるばかりであった。 階級上の関係から、今この場で事実上最高位の指揮権を持つ キョウカ王妃の号令で、また勇者軍は歩みを進めるのだった。 ただ、あの人の下へ行くために。 ソニアを迎えに行くジルベルトがそうであったように。 ジルベルトのために懸命に脱獄した ソニアがそうであったように。 今、キョウカ王妃は、真に勇者軍の一員に 相応しい心根を抱くのであった。 <第十七章-第一幕-へと続く>