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膵臓外分泌実験に関するデータ 1班 スタンダード 濃度 吸光度1 吸光度2 0 0 0.011 0.25 0.346 0.343 0.5 0.622 0.596 0.75 0.855 0.807 1 0.976 1.004 サンプル 時間(分) 吸光度1 吸光度2 10 0.111 0.124 20 0.101 0.097 (HCl) 30 0.226 0.237 40 0.133 0.125 50 0.128 0.122 60 0.219 0.202 70 0.208 0.203 (セクレチン) 80 1.014 1.022 (カニューレが外れて10分間隔) 90 0.051 0.023 100 0.087 0.122 110 0.07 0.083 カニューレの容積不明 膵液で満たされたカニューレの長さ不明 2班 HClを加えたのは20分計測の直後 セオスニンを加えたのは60分計測の直後 時間(分) 吸光度1 吸光度2 10 0.048 0.042 20 0.135 0.135 30 0.310 0.300 40 0.185 0.196 50 0.114 0.112 60 0.125 0.111 70 1.085 1.183 80 0.707 0.705 90 0.400 0.388 100 0.116 0.103 スタンダード系列 濃度(mg/ml) 吸光度1 吸光度2 0 0 0 0.25 0.473 0.476 0.5 0.794 0.842 0.75 0.976 1.005 1 1.387 1.406 採取された膵液全量 時間(分) 膵液で満たされたカニューレの長さ(cm) 10 2.4 2.4 20 3.4 3.4 30 8.2 8.2 40 6.2 6.2 50 5.3 5.3 60 3.4 3.4 70 13.7 13.7 80 6.3 6.3 90 4.5 4.5 100 2 2 カニューレ容積1μl/cmとしても良いという未確認情報アリ (自信ないけど0.901μl/cmくらい?) (結局正確な値は不明だったので、このデータを使うなら1μl/cmでいった方がいいかも) 3班 濃度 1回目 2回目 0 0 0.091 0.25 0.269 0.279 0.5 0.625 0.641 0.75 0.82 0.852 1 1.027 0.932 サンプル 時間(分) 1回目 2回目 10 0.115 0.108 20 0.076 0.064 HCl投与 30 0.381 0.385 40 0.232 0.231 50 0.023 0.026 (↑チューブが詰まる) 60 0.296 0.292 セオスニン投与 70 -0.014 -0.007 80 0.1 0.092 90 0.181 0.186 100 0.072 0.055 (再度)セオスニン 110 0.161 0.148 120 0.08 0.081 130 0.002 0.022 以下、カニューレの長さと膵液量です (3.9cm/5μl で計算) 時間(分) 膵液で満たされた長さ 平均(cm) 分泌 膵液量(μl) 10 3.1 3.974 20 1.85 2.372 30 10.32 13.231 40 14.7 18.846 50 0.71 0.910 60 8.05 10.321 70 0.3 0.385 80 1.85 2.372 90 6.45 8.269 100 1.73 2.218 110 5.25 6.731 120 3.5 4.487 130 0.43 0.551 4班 4班 *アミノ酸を2回添加(20と100分終了後) *セオスニン60分終了後に添加 *カニューレ内膵液 1cmあたり1μlで計算してます サンプルNo.(時間) 10 20 30 40 50 60 吸光度① 0.07 0.067 0.126 0.127 0.186 0.062 吸光度② 0.05 0.05 0.124 0.104 0.176 0.081 吸光度平均 0.060 0.059 0.125 0.116 0.181 0.072 サンプル蛋白濃度(mg/ml) 0.0165 0.0149 0.0865 0.0763 0.1468 0.0289 膵液量cm(=μl) 1.52 2.20 2.91 2.09 3.32 1.35 サンプル中蛋白量(mg) 0.017 0.015 0.087 0.076 0.147 0.029 膵液中の蛋白濃度(mg/ml) 10.855 6.773 29.725 36.507 44.217 21.407 蛋白分泌速度(mg/分) 0.002 0.001 0.009 0.008 0.015 0.003 サンプルNo. 70 80 90 100 110 120 130 吸光度① 1.039 0.976 0.439 0.303 0.401 0.467 0.12 吸光度② 1.016 1.017 0.408 0.329 0.393 0.411 0.121 吸光度平均 1.028 0.997 0.424 0.316 0.397 0.439 0.121 サンプル蛋白濃度(mg/ml) 1.0586 1.0252 0.4080 0.2922 0.3795 0.4247 0.0816 膵液量cm(=μl) 12.09 15.58 5.20 5.20 9.50 5.50 2.40 サンプル中蛋白量(mg) 1.059 1.025 0.408 0.292 0.380 0.425 0.082 膵液中の蛋白濃度(mg/ml) 87.560 65.802 78.462 56.192 39.947 77.218 34.000 蛋白分泌速度(mg/分) 0.106 0.103 0.041 0.029 0.038 0.042 0.008 5班 スタンダード 0 0 -0.014 0.25 0.364 0.403 0.5 0.633 0.602 0.75 0.826 0.821 1 0.999 0.933 経過時間 膵液の量(mm) 膵液の量(μl) 膵液の濃度 光度計測定結果 膵液中の蛋白質濃度 蛋白質の分泌速度 0 10 33 3.8808 0.003865798 0.133 0.096 ここまでに20分おいた 20 4 0.4704 0.000470179 0.001 0.028 30 34 3.9984 0.003982476 0.05 0.092 40 34 3.9984 0.003982476 0.098 0.121 50 39.5 4.6452 0.004623722 0.131 0.124 60 39.5 4.6452 0.004623722 0.131 0.124 70 51 5.9976 0.005961843 0.21 0.16 80 35 4.116 0.004099128 0.11 0.079 90 119 13.9944 0.01380126 0.385 0.399 100 57 6.7032 0.006658566 0.64 0.118 110 94.2 11.07792 0.010956544 0.687 0.701 120 85 9.996 0.009897069 0.432 0.405 130 150 17.64 0.017334224 なし なし 生理食塩水入れ忘れにより蒸発 140 34 3.9984 0.003982476 0.201 0.217 150 29 3.4104 0.003398809 なし なし 生理食塩水入れ忘れにより蒸発 6班 スタンダード 濃度 吸光度1 吸光度2 0 0.028 0.018 0.25 0.396 0.381 0.5 0.696 0.682 0.75 0.924 1.041 1 1.141 1.291 蛋白濃度(吸光度) 時間(分) 吸光度1 吸光度2 10 0.243 0.235 20 0.073 0.041 30 0.007 0.01 40 0.094 0.063 50 0.12 0.088 60 0.124 0.107 70 1.19 1.194 80 0.527 0.546 90 0.061 0.077 時間(分) カニューレの長さ(cm) 膵液量(μl) 0 10 4.95 8.25 20 1.38 2.3 30 25.40 42.33 40 9.45 15.75 50 2,42 4.033 60 3.19 5.317 70 28.39 47.316 80 9.28 15.467 90 1.2 2 カニューレの容積 1.67μl / cm
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ads ABSTRACT 可視光と近赤外で最も強力なモニタリング観測がセイファート1型銀河NGC5548/NGC4051/NGC3227/NGC7469に対してMAGNUM望遠鏡を用いて行われた。 そして、すべての銀河に対して、Vバンドフラックスの変化に対するKバンドフラックスのはっきりした遅延が見つかった。 これらの銀河のH-K色温度は、観測されたフラックス変化の勾配から見積もられたが、1500-1800Kであり、このことは、Kバンドフラックスの全体が中心エンジンを囲む熱いダストからの熱放射であり、ラグタイムはそのあいだの光路に対応するという見方を支持している。 相関関数解析は、タイムラグを、NGC5548で47-53days、NGC4051で11-18days、NGC3227で20days、NGC7469で65-87daysと測った。 ラグタイムは、ダストreverberationから予測されるように、可視光光度に強く相関している。 中心のビリアル質量には弱く相関しており、このことは、ダストトーラスの最内縁半径は中心光度と1対1の対応をもつことを提案している。 ラグタイム対中心光度の図では、Kバンドのラグタイムは、広輝線のラグタイムと同様な上の境界にある。 このことは、AGNの統一モデルを支持するだけでなく、BLRからダストトーラスまでの物理的な遷移を意味している。 関連した短いVバンドとX線のフラックスのNGC5548での変化は、また1または2日の遅延を見つけた。 このことは、中心の降着によってX線放射の熱的再放射を示している。 1.INTRODUCTION AGNと電波のないクエーサーの統一モデルは、BLRを持つセイファート1型核は広輝線を放射する高速のクラウドがダストトーラスに隠されている場合にはセイファート2型に分類される。 Antonucci 1993 ダストトーラスの外側では、NLRがあり、kpc以上まで広がっており、解像されたイメージとしてよく観測される。 しかし、AGNに最も近い内縁のダストトーラスでさえ角度スケールはとても小さく、可視光と近赤外のイメージング観測では、どんな技術でも空間的に解像できない。 一般的に、セイファート銀河とクエーサーからの近赤外放射は中心エンジンからのUV放射によって加熱された熱いダストによって熱的に生成されていることが受け入れられている。 Barvainis 1987 Barvainis 1992 は、AGNの1300K-2000Kの昇華温度のグレインからの熱放射による近赤外連続光のバンプもしくは超過を自然に説明するダスト放射モデルを開発した。 AGNの多様性は、1500Kのほぼ一様な温度の黒体成分を持つ Kobayashi et al. 1993 という事実を支持しているこのモデルは、中心BHにダスト分布を要求している。 セイファート銀河の典型的なUV光はであるが、このことから、熱いダストが昇華するのは、0.01-0.1pcまたは10-100光日である。 結果的に、我々が、UV/可視光と近赤外で連続光をモニターしたら、ラグタイムは中心エンジンと近赤外放射の全体を放射する熱いダスト領域のあいだの光路距離に対応すると期待される。 Claval et al. 1989 Nelson 1996 Glass 2004 最も成功した同様な技術は、多くのセイファート1型銀河とクエーサーに対して行われたBLRのreverberation mappingである。 Peterson 1993 Wandel et al. 1999 Kaspi et al. 2000 もし、我々が赤外のラグが低いイオン化エネルギーの広輝線のラグより長いことを確認できれば、ダストトーラスの内縁半径は、BLRの外側より大きくなければならない。 このことは、AGNの統一モデルの強い支持を与える。 しかし、BLRとダストトーラスの両方のラグタイムが同じAGNに対して測られていることは少ししかない。 Clavel et al. 1989 Minezaki et al. 2004 Suganuma et al. 2004 なぜなら、UV/可視光と近赤外の長期間の同時モニター観測は滅多に行われていないからである。 MAGNUM(Multicolor Active Galactic Nuclei Monitoring)プロジェクトは、多くのAGNに対してそのようなモニタリング観測を行うために、提案された。 Kobayashi et al. 1998b Yoshii 2002 このプロジェクトは、ハワイ大学のマウイ島のHaleakala観測所に2m可視光近赤外望遠鏡を建設し、最初の観測を2001年初頭に行った。 高精度で高いサンプリングで光度曲線データをそれから蓄積してきた。 この論文は、MAGNUMプログラムに含まれた4つの近傍のセイファート1型銀河、NGC5548/NGC4051/NGC3227/NGC7469に対する最初の結果を報告する。 これらの4つは、BLRのreverberation mappingからBLRの広がりと中心のビリアル質量が求められている。 MAGNUM望遠鏡を使った精力的なモニタリング観測は、相関関数の改善された技術とともに、VバンドとKバンドのフラックスの変化のラグタイムの正確な測定とBLRのラグタイムの比較を可能にした。 §2では、ターゲットのAGN、観測条件、イメージreduction、測光手順について述べる。 §3では、ターゲットAGNのマルチカラーの光度曲線の性質と可視光から近赤外の色について議論する。 §4では、VバンドとKバンドのフラックス変化のラグタイムの求めるために、相関関数解析を実行する。 ここでは、我々のデータに最適化した2つの方法に基づき、相関関数をどのように計算するかを求める。 §5では、NGC4151の結果 Minezaki et al. 2004 と他のAGNのラグタイム測定を組み合わせてターゲットAGNの測定されたラグタイムが可視光の光度と中心質量にどれだけ関連しているかを議論する。 我々は、これらのラグタイムをBLRのラグタイム測定と比較し、BLRとダストトーラスの内縁がどのように関係しているかを確かめる。 2.OBSERVATIO AND DATA REDUCTION 2.1. Observation ターゲットのAGNの性質は、Table1にリストしてある。 全てセイファート1型銀河である。 2000年におけるright ascensionとdeclinationが(2),(3)に与えられている。 平均核フラックスの見かけの等級が(4)に与えられている。 後退速度と銀河のVバンド減光が(5),(6)に与えられている(NEDデータベースから) ハッブル定数をと仮定して、Vバンドでの絶対等級が(7)である。 光度曲線のデータは、MAGNUM望遠鏡が2001年初頭に稼働し始めてから、数年間蓄積されてきている。 初期の結果の一部は既にパブリッシュされている。 Minezaki et al. 2004 Suganuma et al. 2004 モニタリング観測は、MAGNUM望遠鏡に搭載されたMulticolor Imaging Photometerを使って行われた Kobayashi et al. 1998a Kobayashi et al. 1998b MIPの視野は1.′5×1.′5で、やってくるビームをSITe CCDとSBRC InSbアレイの2つの検出器にスプリットすることで可視光と近赤外で同時にイメージを取得することができる。 VバンドとKバンドのモニタリング観測は2001年に始まった。 NGC4051は1月、NGC5548は3月、NGC7469は6月、NGC3227は11月である。 UBJH観測は後に始まった。 VフィルターとKフィルターの核のフラックスは最優先として観測された。 それぞれのターゲットAGNのサンプリング間隔はVバンドとKバンドのフラックス変化の間の期待されるラグタイムの1/10にせっていした。 BフィルターとHフィルターは第二優先、UとJは第三優先とした。 望遠鏡は、だいたいそれぞれのターゲットAGNと2つのレファレンス星AとBに6回合わせた。 合わせるのは、最初A→AGN→Bの順に繰り返し、それから数arcsecの小さなシフトで逆にの順で合わせた。 そして、AGNと星のフィールドイメージを得ることができた。 それぞれ合わせた時に、CCD検出器は1度露出した。 そのあいだ、InSbアレイは、saturationを防ぐために、数回以上読み込まれた。 高いS/N比がそれぞれの天体に対して、数分の積分時間で達成された。 4つのターゲットフィールドのDigitized Sky SurveyイメージがFigure1-4に示されている。 観測の間のPSFのFWHMはだいたい可視光で1.″0-1.″5、近赤外で0.″8-1.″0であった。 ひとつの標準星がリファレンス星のフラックスをキャリブレートするために、各夜に観測された。 Uバンドに対しては、各夕方に、twilight flatがとられ、他のバンドについては、観測後の夜明けにdome flatが取られた。 我々のモニタリング観測は、開発した自動観測システムによって行われた。 Kobayashi et al. 2003 2.2. Reduction and Photometry (ここは観測の話なので余裕があるときに) 3.FEATURES OF OPTICAL AND NEAR-INFRARED VARIATIONS 3.1 Data VとKの光度曲線データのサンプリングの性質をTable6に挙げた。 それぞれの銀河の全モニタリング期間と隣のサンプリング期間の最大間隔が(2),(3)に与えられている。 Vバンドのデータ点の数と、間隔の平均の中央値が(4),(5),(6)に与えられている。 Kバンドについて、同様なデータが(7),(8),(9)に与えられている。 solar conjunctionによるサンプリングのギャップが最大間隔に対応する。 平均間隔は、中央値よりも長い。 なぜなら、サンプリングのギャップはsolar conjunctionと悪天候や施設メンテナンスなどによる数週間のブランクにより、3ヶ月であるからである。 2-3年にわたり、中央値の間隔が3-5日というのは、近赤外では他のモニタリング観測より短い。 天候条件の変化や機器の突然の問題のために、観測がVバンドでは成功したが、Kバンドでは成功しなかった、あるいは逆のことがある。 よって、Vバンドのデータ点は必ずしもKバンドのデータ点と一致しない。 VバンドとKバンドの観測された変光の性質の統計がTable7に与えられている。 このTableの値は、口径の母銀河のオフセットフラックスを引いてから計算されている。 それぞれのAGNにたいして、平均フラックス、最大フラックス対最小フラックスの比、規格化された変光振幅が与えられている。 ここで、は、フラックスを測定不定性で補正して定義される。 ここで、 このテーブルのの値から4つのAGNはモニタリング観測の期間の間にVとKでかなり変光していることが明らかだ。 3.2. Optical Variation それぞれのAGNのBとVバンドの間のフラックスの変化を比較すると、長期的な変化は、短期的なゆらぎと同様にほぼ同期している(Fig7-10)。 この傾向は、NGC7469に対するUバンドについても正しい。 Figure11は、それぞれのAGNについてBバンドのフラックスに対してVバンドのフラックスをプロットしたものである。 それぞれの点は、ある夜の母銀河のフラックスを引いた核のフラックスのペアを示しており、エラーバーは、測光エラーを表している。 BバンドとVバンドのフラックスの変化にはタイトな線形関係がある。 Winkler et al. 1992 Winkler 1997 は、南半球の多くのセイファート銀河に対する可視光のフラックスの変化についてこの関係を報告している。 彼らは、この図の線形関係のスロープを、”flux variation gradient”と呼び、変光成分の実際の色を示していると信じている。 変更成分はそれぞれのAGNで一定であるように見える。 もしこれが正しければ、原点からの線形進化のオフセットは、銀河フラックスを引く時のエラーと解像されていない狭軌線のフラックスによるものだろう。 Figure11のタイトな線形関係と重大な非線形性の兆候がないことは、上の見方を支持しており、FVGから得られる中心エンジンの色は、変化しない成分に影響を受けないが、Figure6のSEDから推測されるものより確かだろう。 FVGから我々が評価したB-Vの色は、0.04±0.01(NGC5548)、0.13±0.05(NGC4051)、0.00±0.04(NGC3227)、-0.04±0.03(NGC7469)である。 これらの値は、Winkler et al.(1992)で報告されているセイファート1型銀河に典型的な値と同様である。 そして、パワーロー核フラックスでα=+0.36±0.03(NGC5548)、-0.04±0.22(NGC4051)、+0.53±0.17(NGC3227)、+0.70±0.11(NGC7469)である。 ただし、Hβなどの輝線の影響を考えない場合である。 3.3. Near-Infrared Variation 短期のゆらぎのある可視光の光度曲線に対して、近赤外のJHKバンドの光度曲線はなめらかである(Fig7-10)。 これは、近赤外の全体が熱再放射領域から来るという見方とconsistentである。 その領域は可視光での短期のゆらぎのタイムスケールで光が進む距離を超えるサイズである。 Figure12は、それぞれのAGNについて、Hバンドのフラックスに対するKバンドのフラックスをプロットしたものである。 我々のFVGからのH-Kの色は、0.92±0.07(NGC5548)、1.17±0.04(NGC4051)、1.00±0.06(NGC3227)、1.02±0.07(NGC7469)であり、 Glass 2004 で測られたセイファート銀河のFVGの色とconsistentである。 これらの色は、1500-1800Kの温度の黒体に対応し、これはグラファイトグレインの昇華温度と一致しており、近赤外特にKバンドの熱的起源を支持している。 Figure12のFVGには散らばりがあり、HとKのフラックスの変化の関係はBとVのフラックスの関係ほどタイトではない。 これは、Hフラックスを放射する熱的にリプロセスする領域がKフラックスの領域と完全には一致してないか、中心の光源がHとKのフラックスで異なる汚染を示しているからかもしれない。 3.4. Correlation and Lag Time between Oprtical and Near-Infrared Variations 近赤外の変化の最も重要なフィーチャーは、なめらかさに加えて、可視光の変化に対するラグタイムである。 Figure7-10は、近赤外の光度曲線をNGC4051とNGC3227で約10日、NGC5548とNGC7469で数十日シフトすれば、可視光の光度曲線と似ていることを示している。 Figure13は、それぞれのAGNについてVバンドのフラックスに対して、Kバンドのフラックスをプロットしたものを示している。 Vバンドだけに存在する短期のゆらぎとVバンドとKバンドの間の遅延により、かなりのばらつきがある。 ラグタイムは、VバンドまたはKバンドの光度曲線を水平にシフトして概算している。 Figure14-17は、それぞれのAGNの観測されたVバンドとKバンドの光度曲線である。 点線は、Kバンドの光度曲線を見た目で決めたラグタイムだけ後ろにシフトしたものである。 ラグタイムのより信頼できる評価は次のセクションで与えられる。 4. CROSS-CORRELATION ANALYSIS 可視光と近赤外の定量的なラグタイムの評価は、複数の時間系列で使う相関解析に基づいて得られる。 例えば、このタイプの解析の広輝線の分光モニタリング観測への応用は、10年以上前に遡る。 Peterson 2001 とをVバンドとKバンドの時間tの光度曲線だとする。 すると、 で関連している。は、ラグタイムに対するトランスファーファンクションである。 この方程式は、トランスファーファンクションが、Vバンドのデルタ関数的なバーストに対する応答であることを示している。 ラグタイムの関数として、CrossCorrelation FunctionとAutoCorrelation Functionを定義する。 よって、ACFはVバンドの光度曲線のそれ自身との相関である。 式(5)を式(6)のI(t)に置き換えると、 となる。 CCFは、ACFでトランスファーファンクションを畳み込んだものである。 相関は必ずしも明確なの測定を必要としないが、簡単に2つの光度曲線の間の時間遅延を定量化できる。 その時間遅延は、のピークと重心の位置を表している。 CCFの直感的な解釈は、式(6)を以下のように書き換える。 第一項と第二項は時間積分の間隔がより充分大きければほぼ定数である。 よって、第三項がCCF(τ)の形を決める。 我々は、第三項が最小となるときにCCFが最大となることを確認した。 式(9)は、時間についてVバンドまたはKバンドの光度曲線をシフトして得られたラグタイムの見た目の評価を支持している(Fig14-17)。 もし、2つの曲線がそれぞれ線形的に関連していればであるが。 CCDは時間系列のペアの相関係数と等価である。 よって、実際の計算は、以下で与えられる。 ここで、Nはペアの数、はの平均値である。 また、は、それぞれの標準偏差である。 この方程式は、が時間について重なっている期間についてのみ正しい。 4.1. Interpolation Scheme 式(10)のデータ点は、時間的に規則的に並んでいるべきである。 なぜなら、ひとつの光度曲線でそれぞれの点はもう一方の対応する点とペアでなくてはならないからである。 ペアあるいは等価的にを生成するために、VバンドとKバンドの光度曲線のどちらかの線形内挿が必要であれば小さな変形で使われる。 Gaskell Peterson 1987 White Peterson 1994 この内挿のメソッドは、時々計算に十分な数のペアを与えないので、CCFの形はノイズが混じっており、そのピークは検出するのが難しい。 さらに、このメソッドは、データのサンプリングが時間に対して非常に偏った重みの場合には、ラグタイム0についてACFの対称性を保証しない。 ここでは、異なる内挿のメソッド”bidirectionally interpolated”(BI) CCFsと”equally sampled”(ES) CCFsに基づいてCCFを計算する。 を2つの観測された光度曲線の時間に不規則にサンプリングされたフラックスとする。 そうすると、ラグタイムτに対する標準的な線形の相関係数を計算するデータペアに対して、BI CCFsは、2つのタイプのペアを組み合わせる。 それは、では線形的に内挿されたフラックスである。 ES CCFsは、を集める。 ここで、tは、サンプルの時間に無関係な等しい間隔によってサンプルされたものである。 これらの2つのメソッドは、ラグタイム0について対称的なACFを与える。 BI CCFsは、観測された観測の偏ったサンプリングに影響されたデータに重みをおく。 ES CCFsは、逆の特徴を持つ。 内挿の問題はBIでもESでも起こるが、以下で述べるように、フラックス変化のシミュレーションによって克服できる。 Figure18-21は、2つのメソッドで計算されたターゲットのAGNのCCFsとACFsを示している。 Table8は、相関の結果を示している。 それぞれのサブセットのモニタリング期間が(3)に与えられている。 BIメソッドによる、CCFピーク位置とピーク値が(5),(6)に与えられている。 ESメソッドによる、CCFピーク位置とピーク値が(7),(8)に与えられている。 4.2. Uncertainty of Lag Time ラグタイムの定量的な評価には、モンテカルロシミュレーションが信頼できる。 Maoz Netzer 1989 は、このタイプのシミュレーションに基本的なスキームを導入した。 人工的なたくさんの光度曲線が放射源とリプロセス源に対して生成され、かれらのCCFsは、それぞれの光度曲線のペアのピーク位置を決めるために計算された。 ピーク位置の経験的な分布を"Cross-Correlation Peak Distribution"と呼んだ。 ラグタイムの不確定性は、CCPDから決められる。 この技術では、光度曲線を不定性の原因がラグタイムの不確定性に正しく反映されるべきだとするのが重要だ。 ラグタイム測定には2つの主な不確定性の原因がある。 一つは、個々の点のフラックスエラーであり、もう一つは、実際の変化をかなり低く評価するサンプリングギャップである。 我々の測光モニタリングデータでは、前者は高いS/N比で得られているので効果的ではない。 一方で、後者は、避けがたいギャップがあるために、深刻に影響する。 人工的な光度曲線は、観測された光度曲線に基づいたモデル依存していない方法でシミュレーションされた。 なぜなら、VバンドとVバンドからKバンドへのトランスファーファンクションの変化の機構の限られた知識しかないからである。 Peterson et al. 1998 は、モデルに依存しないモンテカルロメソッド、"Flux Randomization/Random Subset Selection"を導入した。 そこでは、シミュレートされた光度曲線は観測された光度曲線に基づいていた。 FRメソッドは、それぞれの観測された点のエラーに基づいてランダムなガウシアンなズレによってシミュレーションで観測されたフラックスを変更し、フラックス測定の不確定性の効果を説明した。 RSSメソッドは、ランダムに観測された光度曲線から同じ数のデータ点を取り出し、重複を許して、人工的な光度曲線を作った。 このメソッドは、異なる時間サンプリングのデータ点によって不確定性を評価することができる。 しかし、重複した抜き出しのせいで、それぞれのシミュレーションである時間の観測データ点の削除が行われ、実際の光度曲線の変化を過小評価した。 ここでは、光度曲線を認識する新しい技術を導入する。 それは、観測された光度曲線からStructure Functionによって特徴づけられる確率的なプロセスを使って観測されたデータ点の間のフラックス変化をシミュレートしている。 SFは、単一の時間系列の解析でよく用いられる。 Simonetti et al. 1985 それは、変化が相関するタイムスケールにわたってパワーの分布を測る。 に対する一次のSFは、以下で定義される。 ここで、合計はすべてのペアについて行われ、は、ペアの数である。 ほとんどのAGNのSFは以下で与えられる。 それは、いくつかの特徴的なラグタイムが数ヶ月か数年まで増加する。 まず、間隔dtについて分散が観測された光度曲線のSFにもとづいて決められる。 それぞれの光度曲線のシミュレーションでは、サンプリングギャップのあいだの期間が決定され、フラックスがランダムなガウシアンのズレによって生成される。 それは、観測されたデータ点から線形的に内挿されたフラックスからの変動パラメータを使うこと以外はFRメソッドと等価である。 一度点が達せられると、光度曲線の観測されたデータ点だとみなされ、認識されたデータは、観測された光度曲線に見られる自己相関を持つようにされる。 同様な努力がアップデートされた光度曲線の平均サンプリング間隔が1日まで減少するまで繰り返される。 このようにして生成された光度曲線は、内挿されたフラックスを用いる代わりに、それぞれのCCFメソッドで使われている。 4.3. Calculation and Simulation Table9は、それぞれのターゲットのAGNに対して、VバンドとKバンドの観測された全てのデータを使って、式(12)によってフィットされたSFを示している。 分散は、観測されたSFから直接決められる。 しかし、、NGC5548のKバンドのある場合には、シミュレートされたSFが観測されたSFに一致するまで繰り返すことで、と決めた。 この方法で、人工的なVバンドとKバンドの光度曲線の1000個のペアを生成し、そのうちのいくつかは、観測データとともにFigure22-25に示されている。 ラグタイムは、モニタリング期間のそれぞれのサブセットについて計算している。 なぜなら、ラグタイムのフェーズからフェーズへの変化があるかどうかに興味があり、Kバンドの変化は、常に線形的にVバンドに応答していないことを知っているからである。 全モニタリング期間のラグタイムも計算されているが、あくまで参考までにである。 原則的に、ラグタイムは2つのとなりあったsolar conjunctionの間の期間に取られたデータから計算されている。 NGC5548だけは、2002年の第2シーズンと2003年の第3シーズンを組み合わせている。 そして、ラグタイムは、最小光度の状態を含んで全期間について計算されている。 モンテカルロシミュレーションのCCPDsはFigure26-29に示されている。 シミュレーションを実行したときのピーク位置の分布がヒストグラムにプロットされている。 ここでは、95%以下の信頼レベルをもつ低いCCFピークの実行は除外されている。 信頼レベルは、CCFのピーク値と2つの時間系列の重なった期間の観測されたデータ点の数から導いている。 Table10は、シミュレートされた光度曲線の相関の結果を示している。 ラグタイムは、ピーク位置の中央値か累積されたCCPDの50%として決めている。 不確定性は、中央値から±34.1%で測定されている。 なので、標準的な統計分布では、1σにあたる。 NGC4051のラグタイムは、注意深い解釈が必要である。 CCFには2つの同様なピークが、10-20日と50-100日にある。 後者の場合、Kバンドの光度曲線の上昇部分と下降部分はVバンドの光度曲線の空白の期間にシフトされるからで、高い相関は現実的でない。 1ヶ月までの短いタイムスケールの早いVバンドの変化は50-100日シフトするとKバンドの光度曲線に全く相関しない。 式(9)によると、重なった期間の大きな振幅と長いタイムスケールのVバンドとKバンドの変化は、CCFsをより効率的に最大化する。 たとえ、短いタイムスケールのCCFが実際には高く相関していてもである。 NGC4051の全体的なフラックス変化は光路効果に加えて他の時間シフトの情報が含まれている。 以上を考えると、Tableに示されたラグタイムは、ピーク位置が42日の溝以下のヒストグラムから計算されている。 我々は、NGC3227のラグタイムを初めて検出した。 不確定性はあまり小さくはないが。 FIgure16に見られるように、NGC3227の可視光の変化はNGC4051のようにとても早い。 光度曲線のデータは、特に2003年の不運なギャップにより低サンプル化している。 光度が低く早い可視光の変化をするAGNに対するラグタイムを正確に測定するためには、もっと観測が必要である。 ラグタイムが過小評価されており、中心エンジンから熱いダストの領域までの光路時間を示していない可能性がある。 中心エンジンからのKバンドのフラックスへの寄与は、近赤外のフェーズを、可視光の対応するフェーズに近くするだろう。 この場合、ラグタイムは、光路時間よりも系統的に小さくなるべきだ。 もし、中心エンジンからのパワーローの可視光成分が近赤外まで広がっていれば、Kバンドのフラックスでの最大寄与は10%である。 この成分を同じ夜に観測されたKバンドのフラックスから引くと、ラグタイムは10-20%増加する。 5.DISCUSSION ほとんどの場合で、CCPDsはなめらかで、はっきりしたピークを持ち、VバンドとKバンドの変化のラグを検出した(Fig.26-29)。 一般的に、BI CCFsは、鋭い飛びをもつ傾向にある一方、ペアが密に一定にサンプルされるES CCFsとは異なる。 そのような飛びはピーク近くに現れ、ピークタイムの値に影響する。 我々は、以下の議論で、ラグタイムの代表として、Table 10のES CCFの結果を使う。 全てのデータに対するラグタイムは参考でしかなく、プロットには示されていない。 5.1. Relation between Infrared Lag and Central Luminosity 以前のAGNの観測に応用されたdust reverberation modelがダストトーラスの最内縁での温度を見積もったが、 Clavel et al. 1989 Nelson 1996 それらは、1300-2000Kの昇華温度に熱せられた熱いダストからの近赤外熱放射とconsistentであった。 Barvainis 1992 結果として、最内縁半径が光度の1/2乗に比例するダストトーラスの最内縁の穴があるだろう。 UV/可視光連続光の変化と、近赤外(2micron)の連続光の変化のあいだのラグタイムは、中心からダスト領域までの光路時間であるべきである。 我々の4つのAGN(NGC5548、NGC4051、NGC3227、NGC7469)のラグはTable10に与えられており、Figure30にVバンドの絶対等級に対してプロットされている。 この図から、の関係は明らかで、 Minezaki et al. 2004 よりも暗い方まで拡張されている。 最も暗いNGC4051でも、ダストトーラスがあるかもしれないということが示唆されている。 AGNの距離指標として、が使えることが示唆されている。 Kobayashi et al. 1998a Yoshii 2002 5.2. Relation between Infrared Lag and Central Mass 中心BH質量について。 X線変光の周波数とBHバイナリーを比較して、X線放射領域は、重力半径と重力質量と線形関係にあるので、X線変光はBH質量の測定法とされている。 Hayashida et al. 1998 Uttley et al. 2002 標準円盤では、半径方向の温度分布は、降着率と中心質量によっている。 Frank et al. 1992 なので、最内縁半径が中心質量と関係しているかを検証することは価値がある。 NGC5548のBLRの速度分散と遅延時間から、BLRがケプラー運動していることがわかっている。 Peterson Wandel 1999 BLRの観測にビリアル定理を適用すると、2-3のファクターの不確定性で、と見積もられている。 Figure31は、中心質量と遅延時間の関係。 UV光度に比べると弱い相関で、線形関係にはなさそうだ。 よって、最内縁半径は力学によって決まっているのではなく、中心エンジンからの放射によって決まっているといえる。 Figure31のばらつきは、降着率と放射効率の違いによる質量-光度関係の違いと解釈できる。 5.3. Relation of Dust Torus to Broad-Line Region Clavel et al. 1989 は、Fairall9で、ダストトーラスがBLRより外側にあることを確認した。 これを検証する。 Figure32は、赤外線遅延と、これまでのBLRのラグを示している。 BLRのラグに対応する可視光光度はそれぞれのモニター期間で平均している。 一般に高いイオン化のものが低いイオン化のものより大きな遅延時間を持っている。 BLRは、半径方向に構造化されたイオン化をしていることを示している。 BLRは光行路時間まで広がっている。 Hβ輝線に対しては、が成り立っていることを断っておく。 Figure32は、BLRは境界の下にある。 いくつかは、境界の上にあるが、これはBLRのラグが明るい状態で測定されたのに対し、ダストのラグが暗い状態で測定されたからである。 それを補正すると、BLRのラグは、境界よりも小さくなる。 そうすると、BLRの外側の半径は、ダストトーラスの内縁半径と対応している。 Netzer Laor 1993 は、狭輝線を放射するガスのダストが、ダスト領域の輝線を抑えることで、BLRをNLRからわけているかもしれない。 また、このことは、広輝線と狭輝線のライン幅やカバリングファクターのような違いを説明するかもしれない。 Figure32の結果は、BLRのサイズがダストの昇華半径によって決められることを支持している。 5.4. Optical Delay behind X-Ray Variation in NGC5548 UV/可視光の変動はディスクの外側のX線の熱的なリプロセスが原因で、全体はディスクそのものの粘性プロセスと考えられている。 この機構では、円盤の内側の厚いコロナからのX線の変動からUV/可視光は数日遅れるべきだ。 NGC5548に対しては、 Clavel et al. 1992 は、X線(2-10keV)からUV(1350A)がのラグを報告した。 ただ、UV/可視光の短いタイムスケールの変動は振幅が小さく観測しづらい。 Uttley et al. 2003 は、NGC5548の6年間の光度曲線の可視光とX線フラックスの観測から、長期変動に強い相関があると報告した。 可視光の振幅はX線の振幅よりも大きいので、リプロセスがメインの動力ではないと議論した。 短いスケールでの相関が問題となる。 以下に示すように、Vバンドの光度曲線のデータの頻繁なサンプリングと正確な測光により、初めて可視光変動が小さい振幅を持ち、X線変動に対して明らかなラグがあることを検出した。 Figure33の上の図は、NGC5548のVバンドの光度曲線(Fig7)と、RXTEから同じ期間にえられたX線の光度曲線である。 可視光の振幅は、X線の振幅よりも小さい。 下の図は、MJD~52085-52130を拡大したものである。 可視光が1-2日ほどX線から遅れているのがはっきり見えている。 相関解析によって、ラグタイムはである。 初期の結果は、 Suganuma et al. 2004 で報告されている。 X線放射領域は数光時程度と考えられているが、これはこのタイムスケールでX線が変動するからである。 観測された相関は、可視光の放射領域を1-2光日の範囲で、熱的なリプロセスによるものだと思われる。 非熱的なプロセスでは、可視光とX線が同じ領域から出てくるからである。 一方で長期的なスケールの変動は降着円盤の不安定性などの他の理由から起こっていると思われる。 我々の結果は、降着円盤とBLRの幾何学的な関係も示している。 Figure32に見られるように、高イオンの広輝線は数日の最も短いラグを示している。 Korista et al. 1995 Peterson Wandel 1999 検出された1-2日のラグは、UV/可視光放射領域はBLRの最内縁に位置していることを示している。 6. SUMMARY モニタリング観測を行った。 KバンドのVバンドに対する遅延を検出した。 相関解析を変形して、ラグが10-80日であることを見つけた。 まとめると以下のようになる。 が成り立っている ラグと中心のビリアル質量のあいだには散らばりがあり、最内縁半径は力学と直接関係していない 赤外のラグは、BLRのラグに上限を与えており、統一モデルを支持している。 NGC5548のVバンドの光度曲線はX線から1-2日のラグを持っており、短いタイムスケールのX線の熱的なリプロセスによるものであることを示唆している。 続いているモニタリング観測は、ダストトーラスのサイズと構造を理解できるように、統計的からだけでなく、時間進化からも可能にした。 近赤外の連続光と広輝線の同時reverberation研究により、ダストトーラスとBLRが明らかになるだろう。
https://w.atwiki.jp/mina2000gt/pages/26.html
"EVOLUTION OF THE SIZES OF GALAXIES OVER 7 z 12 REVEALED BY THE 2012 HUBBLE ULTRA DEEP FIELD CAMPAIGN" YOSUHIAKI ONO, MASAMI OUCHI, … (arXiv 1212.3869v1) ABSTRACT 2012 Hubble Ultra Deep Field(UDF12)のz~7-12のドロップアウト銀河候補のサイズのレッドシフトおよび光度に対する依存について解析した。このUDF12というデータは、2つの点で既出の仕事とは違う利点を持っている。一つ目は、HUDFのz~6,5-8の銀河のサイズ測定を改善するのに、高いSN比を用いた。特に、z~7のドロップアウトであるz バンドの半光度半径を改善するために、F125Wのデータに加えて、F140Wデータを追加した。同様にz~8においては、Yバンドのサンプルを改善するために、UDF12 F160Wのイメージにも追加した。二つ目は、UDF12データによって、HUDFのz 8においての最初の強力なサンプルを構築できたので、より高いレッドシフトまでサイズ測定が可能になった。 15σで検出される銀河に対するサイズ測定に対して制限をすることで、z~7-12の銀河の半光度半径が極端に小さく0.3-0.4kpcという、ローカルな星生成銀河の中の巨大分子団のサイズと同じくらいになるという示唆を確認した。また、レッドシフトが増加すると半光度半径は減少するという傾向があることを確かめ、これがz~8を超えても成り立つという証拠を確認した。平均半光度半径の進化をパワー則でモデリングすると、定質量(s=-1)と定速度(s=-1.5)のダークハローにあるバリオンの進化の中間にある、s=1.28±0.13がベストフィットとして得られた。サイズ-光度関係も低レッドシフトのようにzおよびYドロップアウトサンプルでも成り立った。この関係は、光度がの範囲では星生成の表面密度が一定であると解釈できる。結果は、ドロップアウト銀河の星生成表面密度がz~4からz~8までで一定で広く変化しないと強調している。この値は、極スターバースト銀河のものより、2,3桁小さいが、今日、通常の円盤銀河で見られる値と一致している。このことは、さらに若い宇宙の銀河の星分布の定常的で滑らかなビルドアップに対する支持を与えている。 1.INTRODUCTION 地上観測やWide Field Camera 3のIRチャネルのイメージによって、z~7-10の銀河のアバンダンスの地図作りはかなり進んだ。サンプル選択には、ドロップアウト技術を使った。これらの補足的な研究は、z~7以上の多くのドロップアウト銀河を同定し、7 z 10を超えたら、レッドシフトとともに、明るい銀河の数密度が明らかに減少していることを明らかにした。(Ouchi et al. 2009; McLure et al. 2010; Castellano et al. 2010; Oesch et al. 2010b; Bouwens et al. 2011b) 銀河の形状とサイズの進化を特徴づけることは、銀河の形成史を理解するのに有用で、解析的な研究において、レッドシフトが増加すると与えられた光度の円盤銀河のサイズは小さくなると提案されている。(Mo et al. 1998,1999)ダークマターハローのビリアル半径は、レッドシフトとビリアル速度またはビリアル質量とともに変化する。バリオンのディスクのスケール長さがエクスポーネンシャルでビリアル半径とともに変化すると、ディスクのサイズはレッドシフトとともに変化することが期待され、定質量ではに定速度ではに比例する。ここで、$$H(z)$はハッブルパラメータで高レッドシフトではのように変化する。 これまでの観測でドロップアウト銀河のサイズ(半光度半径)は、z~7までで減少すると報告されており、これは定ハロー質量で期待されていて、低レッドシフトでも見積もり(Bouwens et al. 2004)と一致している。しかし、WFC3/IRの初期のデータを用いているため、特に暗いところで不確定性が大きい。それで、またハローのcircular velocityとともに変化するサイズに期待される(Ferguson et al.2004;Hathi et al.2008)とも一致している。 Oesch et al.(2010a)は、ドロップアウト銀河の星生成率の表面密度はz~7からz~4まで一定であると報告している。可能性のある説明として、これらのすべての銀河はかなり似たような平均星生成効率をもっており、feedback effectが少しだけ星生成のモードを変化させるということを提案している。この可能性のある傾向が高レッドシフトまで続くかを調べることは面白く、銀河生成の初期に銀河の中での星生成の活動を推測することも面白い。 最近、2012年にHUDFをかなり深くするという新たなキャンペーン(UDF12)が実施され、これはこれまでで最も深い近赤外のイメージとなった。このプロジェクトのさらなる科学的結果がDunlop et al.(2012),Schenker et al.(2012),McLure et al.(2012),Robertson et al.(2012)によって示された。この論文では、完全なWFC3/IR UDF12データを用いてz~7-12の形態を研究した。新たなイメージの利点は、(i)新たなF140Wイメージとより深いF160Wデータと(z~7だけでなくz~8-12の銀河の形態を見積もれる)、(ii)深いF105Wイメージ(安全にz~8以上の銀河サンプルの前景光によるコンタミネーションを取り除ける)である。この論文の目的は、z~7を超える銀河サイズとSFR表面密度の進化とUV光度とサイズの関係を調査することである。 Section2 利用されたイメージデータの説明、Section3 ドロップアウト銀河のサンプルのまとめ、Section4 サイズの解析、Section5 サイズ-光度関係とサイズ進化を調査し、含まれていることを議論、Section6 サマリーとなる。論文を通して、AB等級を用い、フラットな宇宙を仮定している。また、UV光度をz~3の銀河の特徴的な光度を用いるが、これは、(Steidel et al.1999)に対応する。フィルターは、F105W=Y105,F125W=J125,F140W=J140,F160W=H160としACSのフィルターをF435W=B435,F606W=V606,F775W=i775,F850LP=z850とする。 2.OBSERVATION 形態の解析に用いた主なデータは、UDF12のWFC3/IRのイメージ+UDF09のイメージである。UDF12は、HUDFのメインフィールドのWFC3/IRの128 orbitsを取得した。いろいろな観測を組み合わせて、全体で253 orbits(F105W 100 orbits, F125W 39 orbits, F140W 30 orbits, F160W 84 orbits)となる。より詳しい情報は、ウェブサイトに乗っている。 形態的なK-correctionの効果を最小化し、UDF12を利用するために、静止系で1600A-1700A日会WFC3/IRバンドのイメージの銀河のサイズを測定した。 3.SAMPLES z~7-8では、Schenker et al.(2012)のサンプル、z 8.5ではMcLure et al.(2012)のサンプルを用いた(Ellis et al.2012も参照)。ここでは、これらの銀河をどのように選択したかをまとめる。 Schenker et al.(2012)は、z~7のz850銀河では、2 color criteriaを使った(z850 - Y105 0.7 Y105 - J125 0.4)。 さらに、以下の条件を使って、47こを選び出した。 (i)B435, V606, i775バンドで2σの有意性をもつ (ii)B435, V606, i775バンドのうち、1つ以上で1.5σ以上の有意性をもたない (iii) z=8のY105銀河では、J125+J140とH160のどちらかで3.5σを要求した。そして、2 color criteria(Y105 - J125 0.5 J125 - H160 0.4)と以下の3つの条件を使って、27こ選び出した。 (i)B435,V606, i775, z850でのうちひとつ以上で2.0σ以下の有意性をもつ (ii)B435, V606, i775, z850のうちひとつ以上が1.5σ以上の優位性をもたない (iii) McLure et al. (2012)は独立にphotometric redshift techniqueでz_{photo}~7-9の銀河を選んだが、よく一致していた。 z 8.5では、Ellis et al.(2012)で報告された7つの星生成銀河の候補を調べた。 UDF12やそれ以前のデータを用いて、J125、J140、H160バンドのイメージとphotometric redshift techniqueを適用した。 銀河の形態測定は、光源の中心だけでなくそれ以外のところでも有意性が必要とされた。Mosleh et al.(2012)は、シミュレーションからインプットサイズを図るためにはS/N比が10必要だとしたが、ここでは、S/N比を15とより厳しくした。z850ドロップアウトとY105ドロップアウトは、それぞれ9こと6ことなった。 暗いところでも解析するために、光度をz850ドロップアウトではJ125+J140を、Y105ドロップアウトではJ140+H160を使って、の3つのbinに分けた。GALFITを用いて、S/N 15の暗い光度を計算するのは大変なので、McLure et al.(2012)に従ってaperture correctionを点源フラックスの100%にしたあと、70%を含むaperture magunitudeに基づいて、さらに光度binに分けた。 フィルター 0.12-0.3 0.048-0.12 z850 8 17 Y105 7 13 8このz850ドロップアウト(7このY105ドロップアウト)では、2番目に明るいbinでは、7こ(3こ)がJ125+J140(J140+H160)で15σ以上で個別に検出された。最も明るいbinでは、数が少ないので、stacked imageは使わなかった。より暗いstacking objectについても行ったが、意味のあるサイズ制限は見られなかった。 z 8.5のサンプルでは、UDF12-3954-6284がphotometric redshift z_photo = 11.9を持っており、その他はz_photo = 8.6-9.5である(Ellis et al.2012; McLure et al.2012)そこで、UDF12-3954-6284とそれ以外にグループ分けしたところ、後者の平均はz=9.0であった。これらの天体のほとんどは暗いので、6つのz~9天体のH160のstackをつくって、S/N~9を達成した。 z~12の性質ははっきりしない。付随した拡散した形態(Section4.2)とその光度のせいで、z~10.5を超えた検出がないためである(Ellis et al.2012) それでも、他の説明がないので、この天体をそれぞれz~12の候補として解析する。 以下の解析では、それぞれ 15σの9このz850ドロップアウトと6このY105ドロップアウトと、z~7-8の4このstacked objectを扱う。加えて、stackedなz~9とz=11.9の天体を解析する。 明るいドロップアウト銀河がTable1、それぞれのphotomtric redshiftがTable2である。 4 SIZES OF GALAXIES AT z~7-12 Sersic power lawが、銀河の形態を調べるプロファイルである。ここでは、2次元表面輝度をGALFIT software version 3(Peng et al. 2002,2010)を使用して、フィットした。出力パラメータは、天体の重心座標、全等級、半光度半径、Sersic index n、軸比、位置角度を含んでいる。プロファイルフィッティングに使われた初期パラメータは、SExtractor(Bertin Arnouts 1996)によって与えられ、Secsic index以外は、イッティングで変化させて良い。Sersic indexは、1.0に固定して、この場合、bn=1.678である。また、SExtractorで生成された分割イメージを使っており、これは興味のある天体以外の天体をマスクするために使用されている。 4.1 Simulations of Systematic Effects GALFITでは、銀河の端の暗い部分が正確に計れない。なので、全等級も暗くなるし、半光度半径も小さくなる。この補正をするために、以下のようなことをしている。 (1)Sersic indexを1.0、半光度半径を0.5-10.5pixelsの範囲でランダムに選択、全等級を26~30でランダムに選択した銀河イメージを作成する。軸比は1に固定しておくが、このことは、軸比が1より小さいと、シミュレーションで得られるより大きなシステム・統計不確定性が生まれる。 (2)HUDFの明るくサチっていない天体の重ねあわせのPSFイメージをたたみこむ。Figure1は、J125+140、J140+H160、H160のPSFイメージである。 Figure2は、シミュレートした銀河のサイズ測定の結果を示している。パネルには、(インプットの半光度半径)と(アウトプットの半光度半径)が示されており、上段が26 m(out) 27、下段が27 m(out) 28の等級範囲を示している。「天体の表面輝度が小さくなるほど、より大きなサイズでプロファイルは前進的に過小評価されるが、すべてのイメージの測定は、~4pixelより小さいサイズの天体に対する低いシステム的オフセットを与える。」このオフセットは暗いほど大きいこともわかる。また、これらのシミュレーションの結果を測定の統計的誤差の見積に使う。 Figure3は、入力等級に対する測定された全等級に対する結果を示している。 パネルには、左からJ125+J140/J140+H160/H160であり、上段が pixelsで、下段がpixelsである。より小さなサイズのbinに対する結果は、全測定等級は~28等級までしっかりしているが、これより暗い天体については、本質的な値よりシステム的に暗く、統計誤差は増加する。傾向は両方のサイズbinで同じだが、大きな天体の結果は大きなシステム的オフセットと統計的不確定性を示す。 まとめると、GALFITによると半光度半径と全等級はシステム的に暗い天体を過小評価することが示された。そこで、Figure2とFigure3のオフセットを使って半光度半径と全等級のシステム的効果を補正する。 4.2 GALFIT Measurements 我々は、表面輝度プロファイルのフィッティングをz~7-12のサンプルについて、GALFITと補正を利用する。~8σで検出されたz=11.9天体と同様に、 15σで検出された9このz850ドロップアウト銀河と6このY105ドロップアウト銀河のそれぞれについて解析した。そして、解析をstacked観測を用いて暗い等級まで拡張した。暗いz850ドロップアウト銀河とY150ドロップアウト銀河をスタッキングの前に2つの光度bin(と)に分割した。 Figure4は、9この明るいz850ドロップアウトのSersicプロファイルフィッティングの結果である。左から、(i)3×3の元の画像、(ii)GALFITによるベストフィットモデル、(i)-(ii)、マスキングに用いられたセグメンテーションである。Figure5は、6この明るいY105ドロップアウトについて同様に行ったものである。Figure4のUDF12-4258-6567とUDF12-3746-6327とFigure5のUDF12-3952-7173は、近くの天体と混合している。加えて、Figure5のUDF12-44706442は、二つのコアを示している。これらの天体の導かれたプロファイルパラメータの不確定性は、孤立した天体よりも大きいだろう。 Figure6は、z~12のUDF12-3954-6284について同じことをしたものである。z~12の天体をH160で、0.50半径の口径で測ったのは29.2magでS/N~8にたいおうするが、この天体に対するプロファイルフィッティングはかなり挑戦的だ。実際、ベストフィットは、元の画像よりも伸びていて、全等級の過大評価をしている。少なくとも、残りイメージは、中心点付近にはっきりした残り部分を持っていない、フィッティングパラメータのう確定性は、中間的なS/N比から推測されるように比較的大きい。もし、この天体の成長曲線を、進化的に大きな円形の口径を用いて測ったとしたら、等級は口径の半径0.45以内で28.8等にサチるだろう。また、これによって、光源の半光度は0.35 半径の口径によってカバーされ、PSF broadening effectを考慮すると、半光度半径r_hl=0.45 kpcとなり、GALFIT測定と~1σで一致し、Bouwens et al.(2012a)の~0.5 kpcと近いことがわかる。 加えて、この天体は、普通でない形態をもっている。z~12の天体が、有意性は低いが、拡散したフィラメント状の北東から南西に広がった構造が目に見える。これは、すでにBouwens et al.(2012a)によって触れられている。Figure7は、様々なデータセットのH160の切り抜きである。2009と(2009+2012)データには、拡散された構造が見られる。この拡散フィラメントがz~12の天体と関連しているなら、明るいUV連続光 and/or Lyα と対応して、この天体がメジャーマージャーを経験し、高い星生成活動へと導いているかもしれない。この星生成のエンハンスは、そのような高レッドシフトの銀河の可視性を説明するかもしれない。 Figure8とFigure9は、z850ドロップアウトとY105ドロップアウトのスタックしたものである。上段がUV光度がで、下段がである。また、Figure10には、z~9候補のスタックしたものが示されている。また、同様に付近の天体による混入により、よいフィットが得られない。 最も明るい光度のbin、では、スタックした解析は行っていない。なぜならドロップアウト銀河の数が少ないからである(z850が2こ、Y105が3こ)で、スタックしたイメージはかなり近隣の天体によって混入されるからである。かわりに平均的なサイズと等級を計算して、re=0.79±0.29 kpc、M_UV=-20.33±0.20 mag (z~7)とre=0.67±0.28 kpc、M_UV=-20.08±0.10 mag (z~8) ベストフィットパラメータは、z850ドロップアウト銀河がTable3に、Y105ドロップアウト銀河がTable4に、z 8.5の候補がTable5にまとめられている。z850ドロップアウト銀河とY105ドロップアウト銀河のでの半光度半径の加重平均は0.35±0.07 kpcと0.38±0.09 kpcである。次のセクションでは、サイズ-光度関係を示し、これらの結果に基づいて銀河サイズとSFR表面密度のレッドシフト進化を調査する。 5 RESULTS AND DISCUSSION 半光度半径は典型的に 0.5kpcと小さく、1σの不確定性を含み、近傍のgiant molecular associations(GMAs)と同じ大きさである。 それぞれのレッドシフトで、サイズ-光度関係を調査する。Figure11は、z~7-8のz850ドロップアウト銀河とY105ドロップアウト銀河のサイズ-光度関係を表している。z 8.5銀河候補は、示されていない。なぜなら、2つの測定では、関係を制限できないからである。Figure11では、暗い銀河は小さな半光度半径を持っている。この傾向は、Grazian et al.(2012)による少し低いレッドシフト(z~6-7)と同様に、ローカル銀河のもの(de Jong Lacey 2000)と同じである。銀河の光度は2つの物理量(表面輝度、サイズ)によって決まるので、サイズ-光度関係の形で、どちらの量が卓越しているかをはっきりさせる必要がある。ここで、星生成率表面密度、を、半径がの円の中での星生成率の平均として定義する。 ダストによる減光が無視できる場合には、静止系でUV光度密度はだいたい星生成率と関連している(Kennicutt 1998a) 式(2)-(3)から、以下が得られる。 Figure11で、破線の上から順に、星生成表面密度が0.1,0.3,1,3,10の場合を示しているが、明るさに関係なく、1~10のあいだに入っている。つまり、z~7-8の銀河は同じ星生成表面密度を持っており、サイズ‐光度関係は銀河のサイズによって決まるものと考えられる。 そこで、サイズ進化を調べた。半光度半径はサイズ‐光度関係によって示されているように、光度によっているので、固定された等級レンジにある銀河の半光度半径を比較した。Figure12は、z~7-12の銀河のレッドシフトの関数としての半光度半径の平均を、z~4-8の銀河とともに示している。z~7-8では、オーバーラップしているが、ここで平均の半光度半径は一致している。Figure12は、平均半光度半径はz~4-8までレッドシフトと共に減っていくことを示しており、先行研究と一致している。 UDF12は、HUDFの深い近赤外のイメージを提供し、サイズ進化をz~8からz~12まで広げられ、z~12の光源が本物ならば、Figure12に示すようにサイズの減少傾向はz~12まで続くとわかる。統計的な不確定性は大きいが、z~12の半光度半径は、のbinでre=0.32±0.14 kpcであり、z~6と3倍異なる。以下のbinには、z~12の銀河のデータがないのでプロットできていない。しかし、暗いところだとしても、z 7でも減少傾向に一致している。 この減少傾向はhost dark halo radiusの進化によって説明できる。ΛCDMのヒエラルキーな構造形成の解析的なモデル(Mo et al. 1998; Mo White 2002; Ferguson et al. 2004)に従うと、ダークマターハローのビリアル半径は で与えられる。ビリアル半径は、また、ダークハローの角速度の関数として表せる。 平坦な宇宙の高レッドシフトでは、なので、レッドシフトの進化は、一定のハロー質量でで、一定の速度では、となる。 Figure12は、上の2つのケースのダークマターハローの半径‐レッドシフト関係を示している。先行研究では、4 z 8において、2つの異なる結論に達している。 Bouwens et al. (2004, 2006)は、関係は、だいたいであり、ディスクのサイズは一定のハロー質量に従うとしている。 Ferguson et al. (2004)とHathi et al.(2008)は、一定の速度の場合であるがよいとしている。 ここでは、z~12まで拡張してでフィッティングした。より詳細に言うと、フィットは、以下の二つの関数についておこなった。 for for フリーパラメータとして、ベストフィットを求めたら、となった。これらの結果は、Oesch et al.(2010a)がUDF09で求めた傾向、s = -1.12 ± 0.17 for , s = -1.32±0.52 for に一致しており、より正確な値が出せた。 Figure13は、レッドシフトに対する星生成表面密度であるが、z~12については、不確定性が大きいために、z~8までしか記していない。星生成表面密度は、レッドシフトとともに増加しているようだが、これは、ある光度で銀河のサイズが減る傾向(Figure12)から期待される。星生成表面密度は、ダスト減光がない場合、UV光度密度と比例するので、z~7-8の銀河は、z~4-5の銀河の2-3倍である。 Figure13は、ダスト補正したデータである。ダスト減光の補正は、z 6ではほとんどないと思われるが、z~4-5では充分大きいため、Oesch et al.(2010a)は、ダスト補正した星生成表面密度は、z~3-7でほぼ一定であると言っている。この論文では、この一定になる傾向がz~8まで続くと拡張した。Figure13の点線と破線は、に対する星生成表面密度の値である。これをみると、z 10では、かなり大きくなりそうだが、そうはならない。なぜなら、z 10では、典型的な光度が暗く、の明るさの銀河は少ないからである。この意味で、z 10でも、星生成表面密度はさほど大きくなることはない。ローカルな宇宙では、通常の円盤銀河では、0.01で、z~4-8と比べると随分小さいが、中心では、だいたい1であり、z~4-8と同程度である。ローカルなスターバーストでは、星生成表面密度は、100‐1000に達するので、z~4-8ではそれほど速い星生成が行われていない。high-zでは、メタルプアかつダストプアなので、ガス冷却がローカルのスターバーストほど効かないのであろう。 6 SUMMARY UDF12を用いて、z=7-12の候補銀河のサイズを示した。平均半光度半径は、0.3-0.4 kpcと小さく、GMAと同程度であることを示した。 これまでのz~4-7のデータと新しいデータを合わせて、サイズ進化について調べ、サイズがレッドシフトが大きくなるにつれ小さくなることをz~12まで拡張した。 明るい銀河と暗い銀河のサイズをまとめてでフィッティングして、s=-1.28±0.13を得た。 明らかなサイズ-光度関係がz850、Y105ドロップアウト銀河でも明らかであると示した。 星生成表面密度は、z~4からz~8まで広く変化せず、この値は極スターバースト銀河より2-3桁低いが、通常の円盤銀河の中心での値とは同程度であり、このことは、若い宇宙での星の分布が滑らかなビルドアップで行われたと示唆している。
https://w.atwiki.jp/astrophysics/pages/89.html
CF (Conversion Factor) のページ 自分の研究に使えそうな各種CFのメモ。 α_OXについては、Rigby et al. (2009)の Section 3あたりにまとまっているので、いつか読むことにする。 AGN光度 From Marconi et al. (2004), Rigby et al. (2009) X線光度とAGN bolometric光度のうち、だいたい5-40%ほどを占めると言われている (e.g., Ward et al.1987) が、その割合はAGN光度や降着率に依存することが知られている。が、簡単のために、X線光度に定数をかけてbolometric光度とする研究もたくさん存在してしまっているのが現状である。 AGNのバンド間のCFと、intrinsic AGN光度のCF (=いわゆるbolometric correction) f(14-195 keV) / f(2-10 keV) = 2.67 for Swift/BAT f(20-100 keV) / f(2-10 keV) = 1.74 for BeppoSAX/PDS f(17-60 keV) / f(2-10 keV) = 1.34 for INTEGRAL/IBIS また、2-10 keV光度をintrinsic AGN光度に変換する式は log(L / Lsun) = 0.03776 [log(L_2-10 / Lsun)]^2 + 0.5340 log(L_2-10 / Lsun) + 2.276 その他にも、簡単なconversion factorは多数存在するが、Ho (2008) のSection 5.10には、 L(bol) = 220 L(Hα) L(bol) = 83 L(2-10 keV) L(bol) = 28 L(2-10 keV) L(bol) =15.8 L(2-10 keV) という関係式が載っている。Ho et al. (2008)では、bolometric correctionについては、X線の情報が手に入る限り、X線の光度およびフラックスから行うのが良いと主張している。 また、可視光域の連続光も、大半はAGNのdiskからの放射が寄与していると思われており、bolometric correctionについては、 L(bol) = 7 L(5100A) というのがよく使われる(例えば、Schweitzer et al. 2008)。 他にAGN bolometric luminosityとの相関関係としては、[OIV] 25.89umとの関係が知られている。 log L(bol) = log L[OIV] +3.4 +/- 0.4 (Rigby et al. 2009) BLR BLRは定義から考えると1型AGNでのみ観測が可能である。近傍Seyfertの典型的なBLRの輝線としてはHα, Hβが知られているが、これらの平均的なEWは EW_Hα = 400 Å (Smith et al. 2002) EW_Hβ = 80 Å (Young et al. 1997) が知られている。AGNの統一モデルを信じて、1型と2型AGNの中心に違いがないとするのであれば、これらの関係は(隠されて見えないが) 2型AGNでも適用できると仮定してもよい。 Covering factor covering factorとAGN光度は逆相関の関係にあることが、観測的に知られている。 covering factor ~ -0.226 * logLx + 10.342 (Hasinger et al. 2008) covering factor ~ 0.8*exp(-Lx/Lc) + 0.2(1-exp(-Lx/Lc)) (Burlon et al. 2011) covering factor ~ 1/(1+Lopt^0.414) (Maiolino et al. 2007) Covering factorとLxの関係を図示したものは、ここにおいてある。 また、この関係以外にも、covering factorとAGN光度には逆相関があることを示しているものとして、Hao et al. (2005), Simpson 2005 (両方とも[OIII]光度をAGN光度の指標としている)や、Ichikawa et al. (2012b) (hard X-rayをAGN光度の指標としている。)がある。また、 radio-loud AGNに対しても同様の関係が得られており、詳細はHill et al. (1996), Simpson Rawlings (2000), Grimes et al. (2004)を参照のこと。これらの結果が得られているのが、receding torus model (Lawrence 1991) が現在まで強く指示されている所以である。 最近では、10keV以上の硬X線全天カタログが充実してきており、低光度側 (Lx~1e41erg/s) まで含めたobscuring fractionが求められてきている。 Beckmann et al. (2009) や Burlon et al. (2011) によると、1e42-1e43 erg/s あたりをピークにして、obscuring fractionは高光度側で下がり続ける。これはさきほど述べたreceding torus modelを指示する結果そのものだが、一方で低光度側でも、obscuring fractionは減少を続ける。これらはBallantyne (2014) では、 obscuring fraction = 0.1 (logL - 40)^3 exp(-0.32(logL-41)^2) の関数で表現できると報告されている。 α_OX (可視とX線の光度比) X線と可視光の光度比については様々な議論があるが、可視光線が吸収に弱いこと、X線も強い吸収には弱いことを考えると、なかなかに変換は難しい。 Tananbaum et al. (1979)には、以下の変換係数が載っている。 α_OX = -0.384 log[ L(2 keV) / L(2500A)] だいたい、QSOの場合は、1.2 α_OX 1.8程度になる。また、α_OXに関してよく知られている 相関関係として、 α_OX ∝ L(UV)^{-β} という関係がある。つまり、明るいAGNほど、α_OXが小さい、つまり、相対的にX線光度が小さいことが知られている(Just et al. 2007; Steffen et al. 2006)。 Black Hole Accretion Rate (BHAR) 中心ブラックホールへの質量降着率は観測的には、 dotM=0.15*(ε/0.1)(22.4Lx/1e45ergs^-1) Msun/yr ここで、Lxは2-10 keVにおける光度 (Chen et al. 2013)。 星生成率 Kennicutt (1998) に様々な物理量から星生成率を求める変換式が載っている。以下、論文に出会うたびにまとめた星生成率一覧。 Radio そもそも星生成銀河では、遠赤外線と電波(~GHz)に非常に強い相関があることが知られていた (Condon 1992)。この関係は、当初近傍宇宙においてのみ確認されていたが、現在はz ~ 1.3 の遠方宇宙においても同様の関係があり、宇宙の歴史において普遍的な関係のようである (Garrett 2002)。この2つのバンドにおいて、トレースしているエネルギー源は少し異なり、遠赤外線は、恒星の紫外線によってダストが温められ、その再放射が遠赤外線でピークを迎え、それをトレースしているのに対し、電波は、超新星爆発等により加速された電子由来のシンクロトロン放射をトレースしていると考えられている (Helou 1985)。これら2つのうち、電波により求められる星生成率 (SFR) は、 SFR = L(1.4 GHz) / (4.0 × 1. 0 e28) Msun /yr となる(Kennicutt 1998)。ただし、ここでのL(1.4 GHz)の単位は erg/s/Hz。 IR 赤外線が星生成の何をトレースしているかは上記で説明した通り。星生成率は、 SFR = L(FIR) / (2.2 × 1. 0 e43) Msun /yr となる。また、赤外線には多数のcoronal lineがあり、多くのものが星生成のtracerとして使われている。例えば、[Ne II] 12.81 um輝線はその代表例で、 SFR (Msun / yr) = 8.9e-8 L(NeII) / Lsun (Diamond-Stanic Rieke 2012) の関係が報告されている。それ以外にも、赤外線領域には多数のPAH輝線があり、それぞれ赤外線光度と以下の関係がある。 これらから、赤外線光度と星生成率の関係をはしごして、星生成率が求まる。 X-ray 星生成銀河は、X線をまったく出していないわけではない。High Mass X-ray Binaryや超新星残骸、そして銀河風などからX線を放出している。特に軟X線(0.5-2 keV)領域では、超新星残骸、およびHigh Mass X-ray Binaryからの寄与が大きく(Pereira-Santaella et al. 2011)、硬X線(2-10 keV)領域では、High Mass X-ray Binaryからの寄与が主となる。これらの数はもちろん星生成率に大きく依存するだろうから、星生成銀河のX線光度が、星生成率のtracerになる可能性は十分にある。このような議論はSunyaev et al. (1978)で見られるように、1970年代にはすでに理論的には予言されていた。その後、Einstein衛星が活躍するようになって、赤外線や電波とX線光度に相関があることを示す論文が出始めた(Griffiths Padovani 1990)。現在では2-10 keVという比較的硬X線の領域でも星生成銀河は観測されており、赤外線や電波との相関関係から、星生成率が見積もられている(Ranalli et al. 2003)。 SFR = 2.2×1.0e-40 L(0.5-2 keV) Msun / yr SFR = 2.0×1.0e-40 L(2-10 keV) Msun / yr また、近傍のLIRGサンプルに対してXMM Newtonの観測によって、星生成率を求めた研究もあり、Pereira-Santaella et al. (2011)によると、 SFR_{UV+IR} (Msun/yr) = 3.4e-40 L(0.5-2 keV) (erg/s) SFR_{UV+IR} (Msun/yr) = 3.9e-40 L(2-10 keV) (erg/s) の関係が報告されている。また、この関係を信じると、一般的なAGNに対しては、星生成によるX線のコンタミはほぼ無視できることがわかる。AGNはLx 1.0e42 erg/sであるので、星生成のみでこれを達成しようとすると、だいたい200 Msun / yr もの激しい星生成を起こさないといけない。このようなAGNは近傍では非常にレアである。ただし、遠方ではこのような爆発的な星生成銀河は多数発見されている(Mor et al. 2012)。 また、考えうるX線由来のSFRのコンタミとしては、LMXBが考えられる。HMXB (相方がO, B型星) と異なり、LMXBは相方が普通の星なので、それらの寿命を考えると、recent star formationのindicatorにはなりえない。これらの寄与、つまり、LMXBの数は、銀河のstellar mass, Mstarに寄るとかんがえられる。なので、Mstarが大きいものに対しては、X線を用いた星生成率はあまり有効ではないと言える。これらの議論については、Mineo et al. (2012)を参考にするとよい。 Lines それ以外のものとしては、最近はHerschelの打ち上げによる遠赤外線の観測が活発に行われはじめたことから、[CII] 158 um光度から星生成率への変換も調べられている。 log SFR = log L[CII] - 7..08+/- 0.3 (Sargsyan et al. 2012) その他にも星生成indicatorであるPAH輝線と[NeII] 12.8 umと[NeIII] 15.6 umの相関についてなどを調べたものとしては、LaMassa et al. (2012)がある。 PAHの等価幅と埋もれたAGNのサイン PAHはPDR由来の輝線であり、星生成の有用なtracerといわれている。熱容量が非常に小さいため、少ないエネルギーで効率的に輝線を出し、非常に輝線が強い。それゆえ、観測が容易である。このPAH輝線はAGNがある領域ではそのhardなスペクトル(主にX線) によって破壊が進むため、他の水素輝線のような輝線とは異なりAGNの輝線へのコンタミがない、「純粋な」星生成と言われている。このPAH輝線のEWによって、埋もれたAGNのサインの有無を調べることができる。 EW(PAH 3.3 um) 40 nm for AGN, 40 nm for Starburst galaxies EW(PAH 6.2 um) 100 nm for AGN, 100 nm EW 400 nm for composite, EW 400 nm for Starburst galaxies 赤外線光度と他の波長の光度相関 AGNを持たない銀河のSEDを見た時、3.3-12umあたりに様々な輝線が立っているのを見ることができる。これはpolycyclic aromatic hydrocarbon (PAH) とよばれる輝線群で、ベンゼン環で構成されたシートのようなものが紫外線に励起されることによって観測される。これらは様々な振動モードによって、中間赤外線領域に様々な波長の輝線を残す。そのうちの代表的なものが7.7um輝線で、これらを含む8um帯バンドと赤外線光度にはよい相関があることが示されている。近傍の星生成銀河を対象にした研究(Barvouzet et al. 2008)によると、 L_TIR = 377.9 × (L_8um)^0.83 という関係が報告されている。また、さらに高光度側の赤外線銀河(L_IR 10^10 Lsun)のみに対しては、 L_TIR = 1.91×(L_8um)^1.06 というのがCaputi et al. (2007)によって報告されている。 また、12umと赤外線光度の相関も報告されており、 logL_TIR = log(0.89) + 1.094logL_12um (Pérez-González et al. 2005) logL_TIR = 1.02 + 0.972logL_12um (Takeuchi et al. 2005) などがある。それぞれのエラーはfactor2-3程度。 Supernova (SN) Rate type-II (core-collapse) supernova (SN)は、M 8Msun以上の大型星でのみ起きることを考えると、type-II SN rateは、星生成率となんらかの相関があるかもしれない。 Condon 1992では、type-II SN rate (v_SN)と電波光度に相関があることを報告しており、その関係は L (W/Hz) = 1.3e23 v^{-0.8} (GHz) v_SN (yr^-1) で表現される。ここで、Lはnon-thermalな電波光度で、vは観測周波数である。この関係はgalactic SN remnantsから出されているが、M82, Arp 220のときもその関係はあんまり変わらないことから、一般的なSB銀河でも成り立つと報告されている (Huang et al.1994; Smith et al. 1998)。一般的な星生成銀河の星生成率が10Msun/yrくらいのときに、type-II SN rateはだいたい一桁落ちる。これは、SNを起こす星が8Msun以上であることを考えると、reasonableといえる。 NLR光度とBlack Hole質量 AGNの宇宙論的進化を見る上で、一つの大きな指標となるのが、AGNのBlack Hole質量である。これを各zごとに見てやることで、宇宙のとある時代に、どのようなAGNが活発に成長していたかをtraceすることができる (Netzer et al. 2003)。AGN, および銀河に存在する超巨大Black Hole (Super Massive Black Hole; SMBH) の質量を求める方法は数多く提案されているが、最も正確で信頼されているのは力学的な方法である。SMBH周りの星の運動を見る方法 (Genzel et al. 1997), 電離ガスを見る方法 (Harms et al. 2004), そして水メーザーを見る方法 (Miyoshi et al. 1995) である。これらは銀河やAGNの中心部分を分解して調べる必要があるため、いわゆる近傍の天体に対してのみ適用が可能である。遠方の場合、AGNではreverberation mapping (Peterson et al. ??) や、それを元にしたSingle epoch method (Kaspi et al. 2001, 2004) などが用いられているが、この方法はAGNのBLRからの輝線を捉えるため、いわゆる2型への適用が難しい。現在、力学的方法が適用できないような2型AGNに対しては、X線の変動を利用してBH質量を求める方法 (Hayashida et al. ??)や、近赤外線でバルジの大きさとBH質量の相関を利用して求める方法 (Mushotzky et al. 2008) などがあるが、それ以外の方法として注目されているのが、NLR光度とBH質量の相関関係である (Dasyra et al. 2008, 2011)。NLRはAGNをエネルギー源として明るく輝くほどには小さい領域でありながら、バルジの重力ポテンシャルが充分に効く程度には大きなスケールを持っている。なので、バルジのstellar dispersionなどと相関を持つことが期待される (see Greene Ho for the detail discussion)。実際、Dasyra et al. (2008, 2011)では、NLR由来であるfine-structure lineである[S IV] 10.51 um, [NeIII] 15.56 um, [Ne V] 14.32 umや[O IV] 25.89 umなどとブラックホール質量が、見事に相関をもつ、という報告をしている。 赤外線光度関数 赤外線光度関数は、宇宙の、ダストに埋もれたエネルギー源の光度分布を反映している。これら赤外線光度関数に寄与するエネルギー源は大きく分けて2種類あり、一つは星生成、もう一つはAGNである。これら2つの寄与が赤外線光度によって、あるいはredshiftによってどのように変わるのかという情報を得ることは、宇宙全体の星生成・超巨大ブラックホールの進化を知ることと直結する非常に重要な仕事である。 赤外線光度関数のz進化 この研究は中間赤外線の情報が必要不可欠となるが、Spitzerの登場により様々なdeep surveyが行われ、遠方の情報が得られるようになったことで飛躍的に研究が進んだ。その中で重要なものを取り上げると、以下のようなものがある。 z 1 (Le Floch et al. 2005) このような近傍のz進化はLe Floc h et al. (2005)がまずは取り上げられる。彼らは、Chandra Deep Field South (CDF-S)において、静止系15um の光度関数を求めている。最も大事な発見は、zが0- 1に向かうに連れて、赤外線光度・密度ともに増大していた点である。つまり、遠方に向かうにつれてU/LIRGの重要性が増していくことを示した。 z 2 SMBHとbulgeのscale relation Local Universe (z 0.1) 近傍の銀河については、力学的な手法(stellar, gas, maser) を用いてBH質量が求められている。最近ではSMBHの質量(M_BH)とbulgeの物理パラメータには様々な相関関係があることがわかってきている。典型的には、 M_BH - σ relation (Ferrarese Merritt 2000; Gebhardt et al. 2000; Gültekin et al. 2009) M_BH - Lbulge (Kormendy Richstone 1995; Marconi Hunt 2003) M_BH - Mbulge (Magorrian et al. 1998; Häring Rix 2004) などがある。M_BHとσ, Lbulge, Mbulgeがなぜ相関をもつのかはきちんとした理解にはまだ至っていないが、σ, Lbulge, Mbulgeそれぞれの相関関係については、定性的には以下のように考えてみるとわかりやすいかもしれない。まず、σとM_bulgeについては、星やガスの速度分散は、それらをトラップしているモノ (=バルジ) の質量と相関、そして、Lbulge-Mbulgeについては、星の光度というのは、そこにある星の数、つまりは星の質量と比例すると思えばよい。 さて、これらのスケール関係をまとめた論文としては、Sani et al. (2011) やGültekin et al. (2009)が有名である。Sani et al. (2011)はLbulge, Mdyn, Mstellarを求めるのにSpitzer/IRAC 3.6umを用いており、過去の研究で使われていたV bandやK bandと比べて、M-LbulgeはK bandと同程度、V bandと比べるとタイトな相関が見られた、と報告している。相関関係はこれらの論文を参照すること。また、最近ではこの関係に載らない天体も報告されてきており、非常に重いSMBHを持つ天体 (M_BH 10^10 Msun; MacConnell et al. 2011; van den Bosch et al. 2012) や、pseudo-bulgeを持つ天体などは、いわゆるclassical bulgeをもつ天体よりも、BH質量が小さめのところにsequenceをつくる、という報告がされている(Greene et al. 2008; Hu 2009; Sani et al. 2011)。 higher redshift (z 0.1) SMBHとbulgeのスケーリング関係がどのようにz進化していくか、については、2000年前後から議論が始まっている。M-sigma relationに関して言えば、例えば、Shields et al. (2003)では、z~2までスケーリング関係はlocal universeと一緒(つまり、進化しない)という報告がされている一方で、Woo et al. (2008)などでは、z~0.6くらいまでのサンプルに対して、local universeと比べ、factor 3ほど進化しているという報告がされている。また、M_BH v.s. Mbulge relationは、high-zではその比は大きくなっていくだろうというのが容易に想像がつく。これは、high-zに行けば行くほど、local universeではあまり見つからないM_BH ~ 10^9-10MsunといったSMBHが多数見つかる一方で、銀河そのものの質量は、せいぜい 1000倍程度のものが見つかる程度なので、high-zに行けば行くほど、相対的にM_BHの値はでかくなっていくだろう、というところから来ている(e.g., Netzer 2003; Fan et al. 2006)。ただ、M_bulge, sigmaともにhigh-zに行けば行くほど高感度・かつ高空間分解能の観測が必要となるため、実質的には大きなscatterを持っているのが現状である。 そんな中、Mstellarだけは、higher-zに行っても、比較的に容易に求めることができる。これは、各天体のSEDを描き、そのfittingから求めることが出来るからだ(正確には、銀河の光度を求め、そこからMstellarへの相関関係を用いて焼きなおす)。この方法を用いることで、Decarli et al. (2010)では、Mstellar/M_BHのz進化を議論しており、 M_stellar / M_BH ∝ z^{-0.28} に従うと報告している。 AGNのX線光度と電波光度の相関関係(radio-quiet/-loudの分類) AGNはすべての波長で明るく輝くことで知られているが、それは電波領域においても例外ではない。電波領域でAGNを観測すると、ほぼすべてのAGNに対して、シンクロトロン放射が由来とおもわれる、coreのようなものが観測される。これはあるときは電波ジェットの根本だったり、何らかのoutflowが原因であったりする (Wilson Ulvestad 1987; Pedlar et al. 1985)。古くから電波の明るさでAGNは2種類(radio-quiet/loud; RQ/RL) に分類されてきたが、これらは可視の光度と電波の光度比を用いたradio-loudness parameter(R_rB= L(6cm) / L_B)というものの値で分けられる。 具体的には R_rB 1ならば、RQ R_rB 1ならば、RL で分類される。これらは経験的に、jetの兆候を持たないAGNをRQAGN, jetが観測されているAGNをRLAGNとしたときに、 0.1 R_rB 1 for RQ 10 R_rB 100 for RL というbimodalな関係が報告されていたこと (Kellerman et al. 1989) から、先に述べた関係が経験的に作られたのである。これはSDSSとFIRST surveyの両天体の計10,000天体を用いたサンプルでも報告されている(Ivezic et al. 2002)。 以上のR_rBの心は、電波光度を、可視光光度がAGN光度だと思って、規格化しているものであるが、実際には様々なコンタミが可視光線には入ってくる。例えば母銀河の星生成成分や、特に2型AGNで顕著であるextinctionによる減光など、実際にintrinsicな可視光の光度を見積もることは簡単ではない。また、観測からもR_rBが本当にbimodalに分布するかどうかは必ずしも真ではないということが報告され始めてきた(Ho Peng 2001)。これを受けて、Terashima et al. (2003)では、新たなradio-loudness parameterとして、以下のようなものを採用している。 R_rX = L(1.4 GHz) / Lx (ここでLxはabsorption corrected 2-10keV光度) これの心は、様々な吸収の影響を受けやすい可視光線のかわりに、吸収が効きづらく、AGN以外の寄与が少ないX線光度を用いることで、よりintrinsicなAGN光度indicatorとなるだろう、というものである。この時のRQ/RLの基準は R_rX 1e-4.5ならば、RQ R_rX 1e-4.5 ならば、RL というものである。また、Panessa et al. (2006, 2007)では、近傍の低光度AGNサンプルを用いて、X線光度と電波光度の相関関係を求めている。いわゆるRLAGNとRQAGNを分類してこの相関図にプロットすると、それぞれのサンプルの傾きは一緒で、切片が異なるのみ、という面白い結果が得られている。 log Lx = (0.97 +/- 0.01) log L_6cm + (5.23 +/- 0.28) for Seyferts log Lx = (0.97 +/- 0.02) log L_6cm + (2.42 +/- 0.92) for RLAGN N_HとA_Vの関係 ガスの吸収量の目安として、水素柱密度(N_Hと書く。単位はcm^-2)というものがあり、X線などではたいていN_Hで吸収量を表す。いっぽう、可視や赤外ではA_V(単位はmag)という表現がある。これらの関係式は、 N_H / A_V = 2.0e22 cm^-2 mag^-1 で与えられる(Maiolino et al. 2001)。 Tauどおしの関係 中間赤外線の観測を行うと、多くの場合、10um周辺に非常に幅広な吸収線や輝線を見ることができる。これはSi-Oのstretching modeによるもので、AGNを観測する場合、トーラスに存在するダストの影響により、face-onでは9.7umの輝線が、そしてedge-onでは吸収線が見られることがSpitzerの観測によってわかってきた(Hao et al. 2007)。また、このような9.7um ケイ素の吸収線のoptical depth tau9.7umと、X線のoptical depth tauXには、 tau9.7 = 0.07tauX の関係がある(Draine Li)。 また、銀河を観測した場合、3.4umにはaliphatic hydrocarbonによる吸収線が見られる (Imanishi et al. 2010等) が、これらはmolecular materialよりかは、diffuse ISMを通ってきた光を観測し場合によく見られる (Chiar et al. 2000)。このtau3.4と、ケイ素由来によるtau9.7の比を調べることで、その天体の炭素とケイ素のざっくりとした比を調べることができる。我々の銀河の場合、この値は tau3.4 / tau9.7 ~0.06 (Chiar et al. 2000) で、系内の場所による依存はほとんどみられない。近傍のAGNに対してこの比率を調べている研究としてはRoche et al. (2007) があるが、彼らの、AGN中心100pcスケールを分光したサンプルからは、この比は0.06-0.17の間でもとまっており、AGN中心も銀河系とそれほどかわらないISMを持っているかもしれない。ただし、3.4umの吸収線を正確に測るのは、3.3, 3.4 um PAH輝線などのコンタミや、S/Nを稼がないといけない等の理由からそれほど簡単ではない場合が多いこと、また、正確に計測された場合でも、tau3.4umの絶対値そのものは銀河系の値よりも小さいものが多い (Imanishi 2000) ため、AGN近傍と銀河系ではダストの種族・比率はそもそも違うかもしれない、という疑問点は残っている。 また、9.7umとVバンドのextinctionの比は、銀河系のextinction curveを仮定すると、 A9.7um / A_V ~ 0.075 (Draine Li 2007) となる。 各バンド間の相関関係 AGNの各赤外線バンド間の相関関係をまとめた(Ichikawa et al. 2012)。 logL(AKARI 9um) = logL(IRAS 12um) - 0.051 logL(AKARI 9um) = logL(WISE 12um) + 0.057 logL(AKARI 18um) = logL(IRAS 25um) - 0.058 logL(AKARI 18um) = logL(WISE 22um) - 0.016 metallicity 太陽のmetallicityは 12+log(O/H) = 8.69 (Allende Prieto et al. 2001) で表される。 free-free放射とHβ輝線光度 HII regionを由来とするfree-free放射は、電波領域、具体的にはmm波領域で見てやると、特定の銀河では顕著に明るい場合がある。ただし、このmm波領域というのは、遠赤外線から延びるダスト放射や、より低周波側から伸びてくるnon-thermal jetの放射などが寄与してくるため、AGNの場合、free-free放射単体の寄与をきれいに見積もることは難しい場合が多い。そこで、free-free放射量を、同じくHII region起源のHβ輝線から見積もる関係式が、いくつかのグループで求められている (Caplan Deharveng 1986; Condon 1992)。 その関係式は、電子温度を10^4 K, N(He+)/N(H+) ~ 0.08程度と仮定すると、free-free放射Svは、 Sv/mJy ~ 3.57e12 × (F(Hβ) / erg・cm^-2・s^-1) × (v/GHz)^-0.1 となる。
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厚さ d 濃度 c の溶液に光が入ってきたとしましょう。この時入射光の強度 I0 と透過光の強度 I との間に、一般にランベルト・ベールの法則* と呼ばれる次の関係が成り立ちます: -log (I/I0) = ε c d ここで -log(I/I0) を吸光度、ε をモル吸光係数と呼びます。ですから光の進む距離 d と吸光係数 ε が分かっておれば、入射光と透過光の強度比を測定することで、溶液の濃度を知ることができることになります。通常の吸光光度法による測定では光路長は 1 cm に設定され、濃度は mol L-1 で表されるので、しばしば吸光係数は mol-1 L cm-1 単位で与えられます。 http //kuchem.kyoto-u.ac.jp/bukka/member/yyosuke/uebung/light_abs03.htm 簡単に言ってしまえばLambert-Beerの法則はそういう法則なんです。 公式はA=εclですよね? A:吸光度 ε:モル吸光係数 c:濃度? l:セル長(通常、ほとんどのセルは1cm) つまり吸光度は濃度とセルに比例していることになります。 まず濃度について…光が吸収されるのは光路に光の吸収体があるからです。濃度が2倍になれば吸収体も2倍、よって光は2倍吸収されるので吸光度は2倍となります。 セル長について…光路が2倍になるのでこれも透過するまでに2倍の吸収体の中を通るので吸光度は2倍になります。 ここで問題なのはモル吸光係数ですよね。モル吸光係数はその物質がどれだけの光を吸収できるかの能力を示しています。例えるなら光を多く食べる(吸収する)物質もいれば、あまり食べられない物質もあるということです。 つまり濃度を変えても、ある物質、1個あたりの光を吸収する能力は変わりません。 しかし、物質ごとに光を吸収できる能力が違うため、モル吸光係数が必要となるわけです。 http //okwave.jp/qa1189083.html?ans_count_asc=0
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無機の命名以外の出題範囲です。 ここに載せるつもり無かったんで、あんまり正確に聞いてませんでした。 間違ってたり、あいまいな部分が多々あるかと思うので、誰かフォローしてくれるとうれしいです。 あと、無機の命名の方も。 あっちは完全に聞いてなかったんですよね~。 左上が、第6章化学平衡のプリント 「言葉の定義」:溶解度積、分配係数 左上が、溶液の物理的性質(医薬品の物理的分析法)のプリント 「言葉の定義」:融点・凝固点・沸点・モル沸点上昇・モル凝固点降下・浸透圧(「参考」部分)・等張化(「参考」部分)・旋光度・吸光度・モル吸光係数・比吸光度 例題1、2 左上が、7、無機医薬品のプリント 右の真ん中の問題=ヨウ素のヤツ、(もしくはこのプリント全部or左ページかもしれない) 左上に、アプローチとか(K)とか、水素イオン指数とか書いてあるプリント イ、ロ、ハ、ニの4つの問題 左上に、83-13、酸の共役塩基の強さって書いてあるプリント たぶん、このプリント全部 左上に、84-15、化合物の沸点①って書いてあるプリント イとヘ、(イは違うかも) 左上に、81-31、物質の物性値って書いてあるプリント 4の紫外可視吸光度測定法① 左上に、③pKaって書いてあるプリント ③pKa、もしくは全部。 プリントの左上に◎してあるので、どっちだか分かりませんです。 誰か教えてください。
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SI基本単位 国際単位系は下記7つの基本単位からなる。 時間:秒(s) 長さ:メートル(m) 質量:キログラム(kg) 電流:アンペア(A) 温度:ケルビン(K) 物質量:モル(mol) 光度:カンデラ(cd) 定義 時間:秒(s) セシウム133の基底状態の2つの超微細準位間の遷移に対応する放射の周期を約9.2G倍した継続時間 長さ:メートル(m) 約299.7μ秒に光が真空中を進む距離 質量:キログラム(kg) 国際キログラム原器の質量 電流:アンペア(A) 長さ1mにつき20MNの力を及ぼし合う導体のそれぞれに流れる電流の大きさ 温度:ケルビン(K) 水の三重点の熱力学温度の約1/273 物質量:モル(mol) 炭素12に含まれる原子と等しい構成要素を含む系の物質量 光度: 周波数540THzの単色放射を放出し、所定方向の放射強度が1/683W・sr^-1である光源のその方向における光度 補足 基本量の次元の記号は下記の通り。 時間:T(time) 長さ:L(length) 質量:M(mass) 電流:I(intensity of current) 温度:Θ 物質量:N 光度:J
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変光星名 座星 種類 閃光星 変光周期 不規則 最小実視等級 . 最大実視等級 . 最大光度/最小光度
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第1回知的照明研究ミーティング 第2回知的照明研究ミーティング 第3回知的照明研究ミーティング 第4回知的照明研究ミーティング 西田 研究報告 議論 今後の課題 吉形 研究報告 タッチパネルで光度制御を行い、各地点の照度および全体の照度分布を表示するプログラムを作成した 議論 プログラムの改良が必要 今後の課題 プログラムの改良 木田 研究報告 しぼり値の種類を増やして、撮影してグレースケール値と照度の値との関係を調べて来た。 白で4分の1秒でしぼり値を11か9.5にすると綺麗に出る 議論 しぼると白いフェルトでも使える 幅があり、線形性のあるものが少ない 白・グレー・黒の3種類を使う →1000lx以上はダークグレー、黒。1000lx以下は白。 ワイドレンジのパッシブ照度計の時は3種類のフェルトを使い分ける 今後の課題 背景を変えて、5cm、2cm角の2種類を壁に置き、望遠を使わずにカメラで撮る →画像処理で拡大してグレースケール値を取る →周りの背景は切り取るので、背景の色によって真ん中のグレースケール値が変化するかどうかが重要 芦辺 研究報告 電球色蛍光灯の蛍光灯特性を調査した デモマシンluna1を構築した 2つの照度計を用いたシステムの構築中である 議論 電球色蛍光灯の9、11、13、15が誤動作している 今後の課題 電球色蛍光灯制御機の調査 システムの完成 後藤 研究報告 3台の制御機を使って、ANA/CCを実行すると正常に動作した 単回帰 議論 1台ずつで単回帰を行った 今後の課題 平岩 研究報告 照度制御、光度制御の切り替え用プログラムの作成 →光度制御の際、各insマシンにdb.txtを保存できるようにした 温度湿度センサおよび日照センサを調査した 議論 東電用混合制御のシナリオ、ポリシーは? →照度制御、光度制御どちらから行うのか決める →来週の月曜日か火曜日に先生へ提出する 今後の課題 タッチパネルに切り替えのプログラムを含める 集中制御の環境下での制御をどうするか 日照センサを引き続き調査する
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PAH(Polycyclic Aromatic Hydrocarbon)のメモ PAHに関するメモページ。 PAHメモと関連するページは、EpやCFなど。 PAH観測の歴史 PAH輝線が観測的に初めて確認されたのは、銀河系内のplanetary nebulaのスペクトルだと言われている (Gillett et al. 1973)。この論文内では、どの輝線かを同定できないUnidentified Infrared Bandとして紹介されている。その後、Leger Puget (1984)やAllamandola et al. (1985)等により、芳香族系のPAHが励起され、その再放射が中間赤外線で非常に明るく輝いているのだと提案された。PAHは赤外線領域で非常に明るい輝線として検出され、銀河などでは赤外線光度のうち、最大10%を占めるという研究もある(Helou et al. 2001; Peeters et al. 2002; Smith et al. 2007)。 Tokunaga et al. (1991)は、PAH 3.3 umを観測的に初めて調べ Genzel et al. (1998)は、近傍のstarburst (SB) 銀河, ULIRG, AGNに対してPAH 7.7 umの輝線/ 連続線 比を調べたところ、SB, ULIRG, AGNになるにつれてPAH輝線が抑制されていることを明らかにした。これは 1. AGNや激しいSBでPAHが破壊されることによって輝線が抑制されること、 2. AGN由来の熱いダスト放射による、~10 umでの連続線が卓越することによる比の減少のどちらかor 両方の効果によるものと考えられる。 銀河系内におけるPAH観測 銀河系内における赤外線放射の研究はそれこそ星の数ほどたくさんあるが、DGL (Diffuse Galactic Light) の観測から、PAHの放射が確認されている。また、このPAH輝線の強さは、ダスト放射(100um放射)と分子ガス放射と相関があることが知られており、少なくとも我々の銀河系においては、PAHは、星間ダストおよび星間ガスと空間的に非常によく混ざっていることが確認されている (Tanaka et al. 1996; Tsumura et al. 2013)。 PAHの生成 PAHは様々な過程によって生成されると考えられているが、その一つとしては、原始惑星状星雲(protoplanetary nebula; PPN) から惑星状星雲(planetary nebula; PN) へと変わる段階で生成されると言われている(Kwok et al. 2002)。 もう一つの生成方法としては、VSG (Very Small Grains) と言われる非常に小さいダストが、紫外線などの比較的高エネルギーの放射によって昇華(evaporate) することで、生成される、というものがある(Cesarsky et al. 2000)。この場合、PDRの境界付近でPAHが生成されると観測結果を最も説明しやすい(Rapacioli et al. 2005; Berne et al. 2007)。 PAHのmetallicity依存性 metallicityが大きくなるほどダストの量も増えるので、基本的にはPAH分子は多くなるはず。 Spitzer衛星の打ち上げ以降、中間赤外線分光の観測が劇的に進み、dwarf galaxyの観測などからPAH輝線強度は確かにmetallicityに強く依存する、という結果が報告されている (e.g., Engelbracht et al. 2005; Madden et al. 2006)。また、low metallicity galaxiesなどの観測も進み、Blue compact dwarf galaxies (BCD)などではPAH輝線強度は非常に弱いことがわかってきた (Hunt et al. 2000)。この観測結果からわかることは、BCDでは、PAH分子が 1) 効率的に破壊されている and/or 2) 生来少ない、ということである。実際、low metallicity環境下ではO型星から放射されるUVによって、PAH分子が効率的に破壊されることが報告されている (Plante Sauvage 2002) だけでなく、超新星爆発の際に生まれるshockによる破壊の影響もおおきいだろう (O Halloran et al. 2006)。 PAHの励起 PAHの輝線の起源 各PAH輝線が、どのようなPAH分子のどの部分からの放射に由来するのかというのは、PAH輝線を各tracerとして用いる時に、どのような物理状態のtraceしているかを理解する意味でも非常に大事なことである。実験室による研究結果から、3.3um輝線は、中性/陰イオン PAHからの輝線だと思われており、一方で、6.2, 7.7um輝線は陽イオン(cation) からの輝線だと考えられている(Hudgins Allamandola 1999)。 PAHの輝線の特徴 PAHの輝線は、おおよその理解が進んでいるとはいえ、そんなに単純ではない。そのため、どのようにfittingするかは議論が絶えない。3.3 um PAH輝線に関して、Imanishi et al. (2000, 2004, 2008, 2010, 2011) では、基本的にがgaussian fittingを行なっている。一方で、Li Draine (2001)では、Drude profileでfittingを行なっている。 PAHの破壊 PAHと星生成 PAHの各輝線光度と星生成光度には相関がある、と報告する論文は数多くあり、いくつか例を上げてみる。 L(SF) = 10^3 L(3.3PAH) (Mouri et al. 1990; Imanishi et al. 2002) 11.3um PAH輝線光度を使って、12umにおける星生成光度を見積もる事ができる。関係式は、 F(12um, SF) = 22.73F(PAH11.3um) である(Wu et al. 2009)。 PAHとAGN PAHが星生成のよいtracerであることは数々の研究から示唆されている。その一方で、PAHはAGNなどのhardなスペクトルを持つものが近くにある場合、破壊されてしまうことも知られている。実際、AGNが近くにあることで6.2, 7.7, 8.6 umのPAHの輝線強度が弱まっている報告がある。その一方で、11.2 um はAGNの放射に対しても強く、Spitzerの観測に寄って、AGNの近傍1kpc程度のスケールではdetection rateが高いことが確認されている(Daiamond-Stanic Rieke 2012)。 3.3 um PAH 3.3 um emission featureは、おもに非常に小さいPAH分子由来だと思われており、そのような小さいPAH分子は熱容量が非常に小さい。そのため、UV光子によって容易に励起され、輝線をだす。つまり、3.3 um輝線は長波長側の輝線とくらべて、非常にradiation環境に敏感であると言われている。近傍宇宙では数多くの銀河で観測されており、特にLIRG, ULIRGなどでは埋もれたAGNの診断法にも使われている (e.g., Imanishi et al. 00, 06, 08, 10) ため、地上から、または日本ではAKARI衛星などを用いて精力的に観測が行われた。いっぽう、3.3 umというバンドはSpitzerのcoverageに入っていないため、Spitzerによる観測は少なく、遠方銀河に限られる (z 0.6; Siana et al. 2009)。また、3.3 um 輝線強度と全赤外線 (8-1000 um) 光度には相関関係があることが知られており、だいたい L(3.3um)/L_IR ~ 1e-3 (Mouri+91; Imanishi+01) であることが知られている。この比は、high-z天体 (z~3) でもorderが変わらないことが報告されている (Siana et al. 2009) が、逆に光度依存があることが示唆されており、赤外線光度が上がるにつれて、この比は小さくなっていく (Kim+12; Yamada+13; Ichikawa+13)。これは赤外線光度が上がるにつれて、全赤外線光度にAGN光度の寄与が増える可能性があること、また、赤外線光度が上がるにつれてmerger rateが上がる (Ishida Sanders 2004) ため、mergerによる激しい環境が3.3 um emissionのcarrierとなる小さなPAH分子を壊してしまい、そのような小さなPAH分子がそもそもULIRGなどでは少ない環境の効果もあると思われている。じっさい、ULIRGなどで激しく起きている星生成は主にO-type star由来の寿命が短い (10-100Myrていどの) 星生成であり、PAH分子が回復するのは中型星がダストを吹き出しはじめる100-1000Myr後のことであろう。