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【元ネタ】日本民話 【CLASS】アサシン 【真名】悉平太郎 【性別】犬 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力:B+ 耐久:C++ 敏捷:A+ 魔力:B 幸運:A 宝具:C 【クラス別スキル】 気配遮断:A サーヴァントとしての気配を絶つ。 完全に気配を絶てば、探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【保有スキル】 勇猛:A+ 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。 戦闘続行:A 往生際が悪い。 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 獣殺し:A++ 魔獣や野生動物に対する特攻。 怪神を殺した悉平太郎はあらゆる魔獣・神獣・聖獣に特攻を持つ。 【宝具】 『人身御供の棺(イン・ザ・シッペイ)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1 ヒヒに送り届けられた悉平太郎の潜んだ棺。 サーヴァントを1人収納可能で、完全に存在の隠蔽が出来る。 当然ながら棺から出るまで戦いは出来ない。 【Weapon】 『絶・ヘヴンズウルフバッドファング』 噛み付く。引き裂く。食らいつく。奴を殺して、俺が生きる。 獣の爪と牙は、人の武器にも劣らぬ凶器である。 【解説】 静岡磐田市に伝わる昔話、悉平太郎。 見付の天神様として知られる矢奈比賣神社。 ここではかつて人身御供の祭りが行われており、若い娘を棺に入れ、神にお供えする習慣があった。 1308年、立ち寄った修行僧がこの祭りを哀れに思い、どうにか出来ぬものかと思案する。 彼は修法で神の正体が化物であること、化物たちは信濃の国の悉平太郎を恐れていることを突き止めた。 信濃に悉平太郎という男はいなかったが、代わりに一匹の悉平太郎という犬がいた。 『この子が役に立つならば連れて行っても良い』と快諾してらい、修行僧は悉平太郎を伴って矢奈比賣神社に帰った。 そして来年の祭り。悉平太郎は棺に入れられ、神社の社前に置かれた。 やがて、天地を鳴動させながら妖怪が現れた。妖怪が棺を開けるやいなや、妖怪に襲いかかる悉平太郎。 獣同士の咆哮は朝まで続いた。 翌日、村人が確認すると、そこには年老いたヒヒの死骸と勇敢に戦った悉平太郎の傷ついた姿があった。 村人はたいそう喜び、丁寧にお礼をして悉平太郎を返した。 その後の悉平太郎はのんびりと普通の飼い犬らしく暮らしたと言われる。 【犬物】 甲斐犬の様にも見える犬。人懐こく、マスターに散歩を要求する。 家では日の当たる場所でぐっすり眠り、起きればかまってと尻尾を振る。 この時代のご飯はとても美味しく、食事にも大満足の聖杯エンジョイ勢。 ワン! ワン!(ごす! さんぽのじかんだ!) グルル…ウー、ワン! ワンワンワン!(ごす! あれはくまだぞ! まかせろ! ごすはぜったいまもってやる!!!!)
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缶 太郎
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2011年(平成23年)4月9日、自身のTwitter上にて「黙ってテロ国家日本の片棒担げぬ」と発言し、翌日の4月10日には福島第一原子力発電所事故(東日本大震災)に関連した原子力撤廃デモへ参加した[7]。同5月25日、Twitter上で「原発関連の発言が原因で同7、8月に予定されていたドラマの仕事を降板することになった」と、発言した[8]。ただし所属事務所はドラマの仕事があったことを否定している[9]。同年5月27日、所属事務所のシス・カンパニーを退社。会社から慰留されたが、最終的には「事務所に迷惑をかけるわけにはいかない」という自身の意思による。「オペレーション・コドモタチ」公式サイト上で「東北で生活するのはあり得ない。がんになるのを待っているだけ」「このまま放射能汚染が続くなら、俳優業引退・疎開も考えている」と述べている[10]。 この動画の真偽は、どうなのでしょうか? 山本太郎 安室奈美恵 強姦事件 ヤクザを使って事件を揉み消した。 山本太郎の本性‼️ https //t.co/uLQuvrK7Y9 @YouTubeより — 沢村直樹「民主主義を取り戻す会」(仮) (@iminnhantai) December 26, 2021 山本太郎の正体は金日成の血筋 JAL123便を墜落させた群馬人脈・池田大作とも血縁 | RAPT理論のさらなる進化形 遂にめくれたw https //t.co/YMyGUN7Je3 — 世界銀行300人委員会(コロナ詐欺をぶっ潰せ👊) (@someone5963) May 25, 2021 ■ 山本太郎は何を考えているのか - れいわ新選組プロス・アンド・コンス 「世に倦む日日(2019-12-25 23 30)」より / 山本太郎の戦略は何なのか。参院選が終わった後、8月上旬、私は山本太郎に二つのことを提起した。一つは、幹事長を選んで党の組織体制を構築せよということであり、もう一つは、政策構想を纏めた本を出してベストセラーにせよということである。秋までにれいわを支持率5%の政党に育てるよう要望し、提案を出した。そこから4か月以上経ったが、残念ながらこの声は山本太郎の耳に届かなかったようだ。政党としてのれいわは夏のままであり、山本太郎の小さな個人商店が開業したままの状態にある。全国の党組織の建設はおろか、幹事長も執行部も立ち上がっていない。政党としての活動方針が未だ示されていない。HPの中に綱領と規約が書かれているが、中身を見ると、およそ政党の綱領と規約の体を成していないことが分かる。まるで幼稚園児のお砂場遊びだ。綱領は、巷で流行の言葉を用いればポエムである。 (※mono....中略) / この綱領と規約を見て、そして4か月間の行動を見て、何が言えるかというと、山本太郎の本心において本格的な政党を作ろうとする意思がないということだ。全国に支部と党員を持ち、地域に根を張って支持を集め、野党第一党となり、政権与党になるような、そうした政党を作り上げるという構想や計画を持っていない。れいわ新選組はテンポラリーな政党であり、自分の意向で適宜方向性を決め、改廃ができる身軽な暫定政党であり、その性格のままで運営を貫く思惑だろう。小沢一郎の政党論や政党運営が下敷きになっているのではないか。類似性を看て取ることができる。が、だからと言って、山本太郎が遊び半分や冗談で政治をやっているのかというと、そうではなく、本人には首相になるという野望がある。その野心と目的は本物だ。つまり、山本太郎は、れいわを国会の過半数の与党にして首相になるのではなく、別の形で首班指名される図を思案している。 (※mono....中略) / 山本太郎の参謀とは誰なのか。私の観察と推測では二人いて、小沢一郎と斉藤まさしである。この二人の策士が山本太郎に知恵を授けていて、山本太郎は信頼する二人からの助言と指導を受けて党運営と政治活動を切り回している。斎藤まさしはニューズウィークの誌上(10月29日)の中で、選挙活動への直接の関与は否定しているが、「僕が今まで一緒に選挙をやってきた人たちが(れいわの選挙の)軸になっている」と内情を語っている。この証言で十分だ。山本太郎の選挙運動にどれほど斎藤まさしの影響が色濃いかは、政治の素人でも簡単に分かることだろう。小沢一郎と斉藤まさしが何を考えているかを分析すると、山本太郎とれいわ新選組が次にどう動くかが透視できそうな気がする。本格的な政党は立ち上がらない。立憲民主をリプレイスする野党はできない。山本太郎の役目は、小選挙区の選挙で野党の候補を勝たせることである。野党共闘のシンボルになり、風を起こすことだ。 (※mono....以下略) 【反原発】 ★■ 姉大麻逮捕に山本太郎「何やってんだ!」 「日刊スポーツ(2012年6月30日9時16分)」より / 大麻を自宅に隠し持っていたとして、近畿厚生局麻薬取締部神戸分室が、俳優山本太郎(37)の実姉で兵庫県西宮市のヨガ講師・山本利華容疑者(48)を、大麻取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕していたことが29日、分かった。捜査関係者が明らかにした。利華容疑者は福島第1原発事故以来、弟の山本と同じく原発反対の活動を続けており「脱原発運動などに疲れ、気分を和らげるために使った」と容疑を認めているという。 利華容疑者が逮捕されたのは今月の19日。西宮市苦楽園にある自宅の食卓やソファに、乾燥大麻約1・5グラム(末端価格9000円相当)、大麻樹脂約1・7グラム(同1万4000円相当)を隠し持っていた疑いがある。 捜査関係者によると、同容疑者は家宅捜索の際、素直に事実関係を認めた上で「吸うために持っていた。脱原発運動や更年期障害で疲れ、気分を和らげるために使った」と供述したという。 神戸分室では、利華容疑者が大麻を持っているとの情報を受け、内偵を進めていた。部屋からは大麻の他にパイプなどの吸引器具約20点も見つかっていることから、同分室では常習的に使用もしていたとみて入手経路や吸引歴などを調べている。神戸地検は29日、利華容疑者を同罪で起訴した。 利華容疑者は近所の住民らにヨガを教えるかたわら、同県尼崎市でライブハウスも経営しており、原発事故後は脱原発をテーマにしたライブを開いたり、関西電力大飯原発の再稼働に反対するデモなどにも参加。山本と姉弟そろって原発反対を訴え続けていた。 一方、山本はこの日、首相官邸前で行われた大飯原発再稼働反対の大規模デモを、ヘリに乗り込み動画サイトで空撮中継。「すごい人です」とリポートするなど相変わらずの精力的な活動ぶりだった。姉の逮捕については、自身のツイッターで「えーっ! マジか? 何やってんだ、いい大人が」「脱原発と彼女がやったことは、何の関係もない。全ては自己責任。法の裁きを受け、1日も早く社会復帰してくれ、姉よ」と怒りのコメントを書き込んでいた。 ■ 【2017総選挙】日本のリベラルを代表する国会議員山本太郎「小池百合子全裸コラージュ」を無邪気に拡散 「Birth of Blues(2017.10.5)」より / 自称リベラルの女性議員が競うように強制猥褻騒動鳥越俊太郎を褒め称え被害女性を誹謗中傷した「女性によし」問題と同じ。 【2016都知事選】鳥越から毎日「好きだ」……被害女性「二度と思い出したくない」 強制わいせつ疑惑で万策尽きた鳥越俊太郎候補 「女性によし」自虐キャンペーン開始 やっぱ天才だ、この人。 https //t.co/lVrJS4JHvD — 山本太郎 反緊縮・金持ちから取れ (@yamamototaro0) 2017年10月1日 小池百合子を年齢や容姿や「女性だから」という理由でクサすヤツ本当に最悪。いい加減にしなさいよ。小池百合子が極右で差別主義者で市井の人々の生活を守る気なんてさらさらないって事をきちんと批判しなさいよ。ババアが政治家なっちゃいけねえのかよ。ジジイならいいのかよ。ふざけんな□□□ — 青野忠彦 (@miyateki_bonz) 2017年10月3日 山本さん、誠実な山本さんを応援してます。だからこそ、これはだめだと言いたいです。女性であることでこんなものを作られて晒されなければならないのは、おかしいです。批判でも何でもない、ただの嫌がらせ、セクシャルハラスメントです。セクシズムです。 — 紙魚エビ (@bookfishswim) 2017年10月5日 (※mono....以下略、詳細はブログ記事で) ■ テロ非難決議を小学生レベルの論理で拒否した山本太郎 「私的憂国の書(2015.2.7)」より (※mono.--前後略、詳細はブログ記事で) / 山本は自身のブログで「山本太郎はテロリスト?!」で、採決反対の理由として三つを挙げている。 ①今回の事件の検証。イラク戦争の総括を含む。 ②特定の国名の明記を避けた関係各国への謝辞。 ③英訳文を同時に用意する事 面倒くさいが、ひとつひとつ反論しよう。まず①は、検証を経なければテロリストを非難できないということである。これは非常に単純な思考で、ISの日本人2人の惨殺には理由があり、それが総理の中東訪問、カイロ演説等々に起因するというロジックに基いたものだ。つまり、IS側にも惨殺の理由があり、その責は総理にあるという論理だ。ISILのようなテロリストが生まれた背景にイラク戦争があると山本は主張するが、そんな平面的な解釈で、中東のあの複雑な宗教、民族、独裁、貧困などが説明し得ると思っているのなら、山本は小学生レベルから勉強し直すべきだ。 次に②だが、山本は特定の国名を挙げての謝辞は避けるべきだと主張する。特定の国とはヨルダンのことだが、彼はヨルダンが有志連合の一角として、ISILに対する空爆に参加していることも問題視しており、そういう国に謝辞を述べれば、日本がテロの標的になると言っている。彼は、ヨルダン国王およびその国民が、後藤氏と自国のパイロットの生命を天秤にかけられ、どれだけ苦悩したか分かっているのか。救出に惜しみない協力をしてくれたヨルダンのような国に、謝辞を述べることもできない軽薄な国家に成り下がれというなら、日本国民として御免こうむる。 最後に③であるが、反論する気すら起らないので割愛する。 ■ 抗う「太郎」をあえて支持する 体制翼賛の「空気」に逆らえ 「世相を斬る あいば達也(2015.2.7)」より / 山本太郎が、参議院での全会一致を望んでいた与党政権に対し、棄権一票を投じた。そのことで、やいのやいのと騒いでいるが、唯々諾々と賛成に回った連中の、一番痛いところをつかれ、一人目立ったことへの嫉妬が渦巻いている。「空気」に支配、乃至は迎合している連中と、空気以外の行動原理で生きている人間との違いが、よく現れた事件だろう。彼が、全会一致から「イチ抜けた」の抜け駆けをしたわけだが、彼の多くの疑問点は、“そもそも論”から、理解可能だ。取りあえず、テロは悪いまでなら、彼も賛成だったわけで、政治家の一人として、自分の意思表示を明確にした点は、何ら文句を言われる筋合いはない。 ざっくり読んでみると、山本の主張は、多くの識者も、おそらく議員の半分近くが「本当はそうだけど…」という立場である可能性の方が高いのである。山本が提案している、以下の3項目は、有効な「テロ非難決議」に影響させようと思えば当然のことで、何の不都合もないはずだが、実は①に重大な問題点が含まれており、最終的にアメリカの不用意なイラク軍事介入が、元凶だという帰結を迎えるので、臭いものに蓋をしたうえで、国家が行動すると云う欠陥を露呈するのだから飲めない。ゆえに、山本は、そこを提案していると云うことだ。 ①今回の事件の検証。イラク戦争の総括を含む。 ②特定の国名の明記を避けた関係各国への謝辞。 ③英訳文を同時に用意する事 (※mono.--以下山本太郎氏のHPからの引用がある) ■ 山本太郎はテロリスト?! 「山本太郎のオフィシャルブログ(2015.2.6)」より / 「テロ非難決議を、途中退席した山本太郎はテロリストだ。」 そう思われた方。 採決に、賛成・反対ではなく、退席を選んだ理由、 説明します。 その内容を理解した上でのテロリスト認定をお願いいたします。 まず、非難決議の本文を皆さんはご覧になったでしょうか? 特に問題なかった、そう思われた方もいらっしゃるかも知れません。 確かに、6行目までは、山本太郎も賛同です。 誘拐、殺害が許されることでないのは当然ですから。 (※mono.--国会決議文の略) / ただ、後段部分に文言の追加と修正、一つの提案を 山本太郎から、議院運営委員会に投げかけいたしました。 今回の決議に対する修正は、基本的には議院運営委員会の理事会派に認められると言うルールで、1議員がモノ申せる立場にないそうですが、 「屈さない」「許さない」など場当たり的な、形だけの決議ではなく、国内でのテロを抑止し、 国外に生きる邦人の安全確保の為にも、信託を受けた議員たちによる覚悟を感じる決議でなければならない、と考え、 最低限の提案を以下の通りいたしました。 ①今回の事件の検証。イラク戦争の総括を含む。 ②特定の国名の明記を避けた関係各国への謝辞。 ③英訳文を同時に用意する事 (※mono.--以下略、詳細はブログ記事で) / 山本の説明が、説得力があるかないか、それも重要だが、一部異論があっても、「空気」に従う慣行が、日本議会における不文律ならいざ知らず、全会一致である事が、それこそ、真の国際社会に誤ったメッセージを発信するわけで、国会決議にヨルダンなんて、愚にもつかぬ特定国名を入れることは、断じてあってはならない。それだけでも、山本太郎の行動は意味がある。おそらく、彼の横紙破りのお陰で、真の国際社会へのメッセージは幾分是正されただろう。親アメリカ国家を掻き集めて、国際社会と平気で口にする連中は、ただのバカか、黒を白と主張する恐怖政治という「空気」に抗えない人間と云うことだ。 このような日本人の悪癖に断固波紋を投げかけた山本太郎の行動は、注目に値する。便宜上、小沢一郎とタッグを組んだが、あくまでも一便法に過ぎないだろう。彼が、これからの日本の政治シーンで、どれほどの活躍をするか、未定だが、彼のように、空気に絶対に逆らわない議員ではない存在は、これからの政治家に求められる資質の一つになるだろう。マスメディアが信用ゼロになった日本では、政治家が自らの行動で、ニュースを発信せざるを得ない閉塞国家になりつつあると云うことだ。これが恐怖政治型の重大な欠点であり、イスラム文化圏や中東の反アメリカ系国家に対しては、テロ国家と名指しされる憂慮から逃れる方法だ。以下は、日本のメディアが触れない部分を、ガーディアン紙が代弁してくれている。 (※mono.--以下「内田樹」氏のブログ記事の引用略、詳細はブログ記事で) / 筆者の感覚的な、現在のわが国の政治家、官僚、マスメディア、識者連中は、「安倍はヤバイ。居なくなるまで、口を閉ざしておこう。何をされるか判ったもんじゃない」と云う空気に満たされている指摘しておくのが妥当だろう。誰も、凋落中の覇権国家の「副保安官補」みたいな立場になりたいなどと思ってはいない。しかし、あまりにも危険な狂気を抱えているので、立ち竦んでいるのが、今の日本だ。 ーーーーーーーーーー ■ 人質殺害後、岐路に立つ日本 「内田樹の研究室(2015.2.5)」より / (※mono.--前半大幅に略、詳細はブログ記事で) 「斬首のニュースを受け止めて、恐怖感を覚えた後に、世論がどういうふうに振れるかは予測できない」とJeff Kingstonテンプル大学教授(アジア研究)は述べる。 「安倍支持の旗の下に結集するという動きがあるだろう。彼がこの危機を無駄にするはずがない。今期の国会審議を利用して、日本の自衛隊の活動強化とアメリカとの安全保障上の協力の必要性を言い立てることだろう。しかし、大衆は安倍の安全保障政策と、反ISIS勢力に同調することの明らかなリスクに対して、深い懸念を抱いている。」 ★ 山本太郎氏のテロ非難決議棄権 民主・榛葉氏「決議の意味、分かっているのか?」 連携見直しも… 「msnニュース[産経新聞](2015.2.6)」より / 「生活の党と山本太郎となかまたち」代表の山本太郎参院議員が参院本会議でのテロ非難決議を棄権したことについて、民主党の榛葉賀津也参院国対委員長は6日の記者会見で「大変残念だ。決議の意味が分かっているのか」と激しく批判した。 榛葉氏は本会議後に生活から決議案の発議者の一人に名を連ねた主濱了参院議員と面会。会見では「これからは生活と連携が取りづらくなる」と述べた。 榛葉氏は「わが国が結束してテロを許さないという意思を示し、テロに強く抗議するのが趣旨だ」と決議の意義を強調。その上で、山本氏が採決直前に退席したことについて「わざわざ目立つ形で退席した。理解できない。間違ったメッセージが送られなければいいなと懸念している」と述べた。 決議は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が日本人2人を殺害したとみられる事件への抗議と、中東諸国への人道支援拡充やテロ対策の強化などを政府に求める内容。全会一致で採択されたが、参院に3議員が所属する生活は、代表の山本氏が棄権し、主濱氏と谷亮子参院議員は賛成した。 @FIFI_Egypt @sat0uma 【山本太郎】 もともと、政治家としての資質も知見もないタレント議員。芝居じみたアクションで大勢の日本人が騙され当選。 まともな政治判断を求める事に無理がある。 — のり (@tkazu2716) 2015, 2月 6 【日本】 / 【天皇】 ■ MISHIMA 「 独りファシズム(2013.11.9)」より / ミック・ジャガーは‘全ての警官は犯罪者であり、全ての罪人は聖人である’と歴史のパラドックスを洞察し、「悪魔を憐れむ歌(Sympathy for the Devil)」に思惟を託したのだけれど、我々が存する社会もまた理解不能な逆説に満ち溢れている。 山本太郎が天皇に文書を手渡したとかで辞職を迫られたのだが、それを不敬行為とするのであれば、原発事故によって皇土の大部分を永劫の汚染地帯とさせた電力企業幹部、および原発事業を推進した歴代の閣僚、監督省庁の要職者や経済団体の首謀者らは全員が断罪されるべきだろう。はっきり言うが、このような逆賊は死刑が相当である。 国家崩壊が現実視されながら、右翼も左翼も沈黙を貫く中、彼だけが行動したのだから、勇気は賞賛されるべきであり、正統な日本語はそのような実践者を国士と定義するのだ。 そもそも核ガレキを拡散する皇土剽窃者と、被曝する皇民を慮る山本太郎と、どちらが陛下の御心にかなっているのかは議論するまでもなく、この前提において山本バッシングに狂奔するメディアおよび政界関係者は例外なく朝敵である。 さっそく国粋団体が彼を糾弾したのだが、この馬鹿どもは間違えて民主党に乗り込んだというオチなのであり、国士を自称しながら歴代天皇の御名すら諳んじることすらできない者達だ。 そのうえ憂国を掲げながら、TPPによる侵略意志剥き出しの白人種に対しては媚びるという矛盾であり、最低限の知性を持たないばかりか売国者の尖峰として行為するのであり、実際に皆様方も連中がCSIS(対日戦略機関)の出城である経団連会館や日経新聞社などへ街宣車で乗りつけたなどという話など、聞いたこともないだろう。 三島由紀夫の自決をもってこの国の右翼は絶滅したのであり、以降は在日者がビジネスとしてそれを騙っているか、福田和也のようにナルシズムのエクリチュール(表現方法)としてそれを採択しているか、どちらか程度のものであり、そのような輩はこれまでどおり週刊誌でカレーやトンカツの評論でもしていればいいのだ。 象徴化された天皇に陳情など無為だとの意見もあるのだけれど、原発作業員の方々や未成年者の被曝問題を広く可視化し、テーゼ(国家命題)に記したというだけで、すなわち物議を醸し出したというだけで十分に価値があったのではないだろうか。 政治利用などと馬鹿なことを言っている連中も多いのだが、繰り返すとおり国政議員が起草する議員立法(衆法・参法)は法案全体の10数%程度であり、それすらも議員法制局の官吏によって検閲されるのであり、つまり本質として700余名の国政議員はお飾りであり、もともと政治的効力など有しないのだから、彼らの存在意義とは国家問題の提起とその周知の他にないのだ。 換言するならば、まともに仕事をやっている国政議員は山本太郎ただ一人という惨状であり、そのような有為の青年がエキストリーミスト(過激主義者)として排斥されようとしているのである。 山本太郎は間違いなく潰されるだろう。彼に許された一連の自由言論は言わば有権者のガス抜きであり、来たる禁圧期までの調整猶予であり、反逆者の粛清というスペクタル(見せしめ)に向けた序章なのだと自分は捉えている。 今後もし彼が変節するのだとすれば、それはおそらく彼自身もしくは親族への脅迫によるのであり、すなわちレオ・パニッチの言う「帝国による社会秩序の取締り」によるのであり、我々はその背景を察知し斟酌すべきなのだと思う。 彼が対峙しているものは議会や与党という矮小な概念物ではなく、おおよそ18世紀の産業革命時代より世界支配の頂点に君臨する者達なのであり、国境を超越し定点も座標も持たない資本の武装勢力なのであり、ソ連や中国など共産体制すらも市場国家に改変する欲動であり、各国の政治機能および軍隊機能を従えるグループなのであり、トンキン湾やツイン・タワーの自作自演テロをやってのけ、フセインやカダフィなどの猛者を楽々と排除するパラノイアックな殺戮マシーンであるわけだ。 NAFTA加盟したメキシコから大量の失業農民が押し寄せ、500万相当の米国人の職が奪われたことから、バラク・オバマは反自由貿易を掲げていたのだが、その後は一転してTPP強行論者と化したとおり、それを教唆するNFTC(全米貿易協議会=多国籍企業連合)にとっては大統領ですらパシリに過ぎないのであり、山本太郎もまた壮絶な暴力構造に塵芥(ちりあくた)のごとく飲み込まれるだろう。 だからこそ彼は尊いのだと思う。我々がこうして言論を発信し、風前の灯ではあるが人権を享受できるのも、彼のような多くの英雄達が人類史で連綿と反抗を企ててくれたおかげなのであり、つまりそれは「一粒の麦」なのであり、抹消されたかに見えた生命群は人間精神に広範な地下茎を張り巡らし、世紀を超えて豊穣の実りをもたらしているのである ■ そうだ”元気な右翼団体”のみなさん。 「二階堂ドットコム(2013.11.5)」より / 山本太郎を殺ろうと思っている政治団体、いわゆる右翼団体があったら、恐縮ですが事前に教えてくださると助かります(^^;)。 いえ、止めたりしません別に。止めるなんておこがましい!ですが逆に、煽ることも致しません。法に触れるので。違法はいけませんね。交通のスピード違反とかとはワケが違います。 (※ 以下略、詳細はブログ本文で) ■ 日本国憲法16条(請願権)を知らなかった日本政府の無残 「逝きし世の面影(2013.11.5)」より / 『市民の「請願」を基本権として保障している日本憲法の精神』 『何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、 何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない』 (日本国憲法第16条) 日本国憲法では、条文で誰でも持っている基本的権利としての『請願権』を明確に認めているのである。 卑しくも近代国家を名乗るなら、そもそも『請願権』などの基本的な人権は何処の国でも必ず例外なく認めている。 市民の『直訴が悪い』などの恐るべき超アナクロな発想は、近代民主主義とは無縁である。 日本国民の基本的人権が大きく制限されていた『大日本帝国憲法』でも、 第三十條で『日本臣民ハ相當ノ敬禮ヲ守リ別ニ定ムル所ノ規程ニ從ヒ請願ヲ爲スコトヲ得』と請願権の存在を認めていたのである。 今、山本太郎をバッシングする日本政府や産経、読売新聞などは『直訴』を禁じていた150年前の江戸幕府の封建制度の道徳を21世紀の現代に甦らす心算なのだろうか。 『日本を取り戻す』なるスローガンを掲げ憲法改正や靖国神社公式参拝を目指す安倍晋三首相であるが、取り戻す『日本』とは大日本帝国だと勘違いしていたが、実は封建制の江戸幕府だったとは反動右翼にしても酷すぎる。 呆れ果てて口があんぐり。最早絶句するしかない。 (※ 以下略、詳細はブログ記事で) ■ 【朗報】参議院委員会、山本太郎議員の処分について結論出ず!福島の方は「代弁をしてくれた」と山本氏を支持! 「真実を探すブログ(2013.11.5)」より / 山本太郎議員が天皇に手紙を渡した件について、参議院委員会が「結論を出さない」と発表しました。協議は11月5日に行われ、与野党を問わず、「皇室の政治利用に抵触する可能性がある」との批判が相次いだが、前例のない事例のため、今回は岩城光英委員長が山本太郎議員に進退を確認する程度とのことです。 やはり、私が何度も書いていたように、山本太郎氏のした事は非常識ですが、別に違法ではないため、批判の声が強くても罰則などを与えるのは無理みたいですね。何度も「直訴」とか言っている連中を見ていると、「本当に日本人か?」と思ってしまいますが、これで改めて、このような連中が嘘つきばかりだった事が証明されたと言えるでしょう。 また、福島の方からは「私達の代弁をしてくれた」とか、「ここまで頑張っている議員は居ない」と言うような声も上がっており、逆に山本太郎を叩いている連中に対しては、強い不信感や疑念を持ち始めている方が増えています。もしかすると、今回の件は色々な意味で、最終的には大きなプラスになるかもしれません。 私は山本太郎氏の全てが正しいとは思っていません。手紙の件は「非常識だ」と言われて責められても仕方ないと思いますが、 「違法だ」とか「政治利用」というのはただの暴論です。 ■ 園遊会お邪魔虫 山本太郎 国政初陣から公選法違反 「二階堂ドットコム(2013.11.4)」より / <神奈川県選管・捜査二課さんより>園遊会は読んで字のごとくのお遊びの場。そこに政治を持込んでしまった、国会一人芝居の大根野郎。国政初陣から「自分の命が大事」という信念を体現しているというのは、ある意味において立派かもしれませんね。自分の命が大事だという野郎が、他人の心配をして時代錯誤の天皇直訴とは、政治利用以外の何物でもないということですけど。 命を大事にする候補の選挙運動では、1人1食につき税込み1000円以内と決められている選挙運動での食事提供(弁当)に4,000円を越す弁当なんか出しています。 芸人であれば許されることでも、社会人として自分で判断しなけりゃいけないことが分かっていないということです ■ 山本太郎議員が天皇陛下へ手紙を渡した件 「東京kittyアンテナ(2013.11.1)」より / + 記事 山本太郎議員が園遊会で天皇陛下に手紙を渡した件が 問題となっている様である(@w荒 先ずヲレは山本太郎議員とは異なり、 原発は稼動させるべきだとをもっている。 何時戦争となるかも知れない 不安定な中東情勢がある以上、 石油備蓄が140日分しか無い現段階では 安全基準を満たした上で 一定程度の原発を稼動させるのは 国策上資源安全保障の観点から 当然の選択肢だとをもっている(@w荒 また山本太郎議員の思想立場に関しても ここでは敢えて詳述はしないが容れるものでもない。 その上で考察すべき問題は 山本太郎議員が天皇陛下に手紙を手渡したこと、 そしてその内容である(@w荒 まず園遊会に呼ばれた以上、 山本太郎議員には天皇陛下と話すことに何ら障害は無い。 招待された者たちは天皇陛下からお言葉を賜り、 少々会話をするのが慣例である。 だが、その場で全て話せない長い話があるならば、 手紙に書いて手渡すしかない。 それを禁じる法律はどこにもない。 請願法3条1項は天皇に対する請願は 内閣に提出することと定めているが、 万が一天皇陛下に 直接請願を出すことを禁じてはいない。 単に天皇陛下から内閣に請願が回るだけである。 だから手紙を手渡すことに関しては 特に問題とはをもわない。 園遊会に呼ばれている以上、 天皇陛下と山本太郎議員が接触することに関しても それは呼んだ宮内庁延いては(ひいては) 内閣の問題である(@w荒 さて次に問題となるのは 山本太郎議員が手渡した手紙の内容である。 福島原発で処理作業に当たっている 作業員の劣悪な環境に就いてのことだということだが、 それならば特に問題にすることでも 政治利用だと騒ぐことでもないとをもっている(@w荒 これが原発を廃止しろとか 原発政策の根本を 変えるべきというものならば、 皇室の政治利用を企図したと 言えるかもしれない。 だが身体障害者を含めて 弱者や苦しむ者に寄り添うのが 皇室の佇い(たたずまい)である。 確かに現行憲法下では 天皇陛下の全ての公的行為は 内閣の助言と承認を必要とする。 だが、 それは如何なる政党が 政権を取ったとしても 上記の皇室の佇まいは変わることは無い。 山本太郎議員の手紙の内容が、 まだ日の当たらない この様な者たちがいると 天皇陛下に知らせるならば、 問題は無い(@w荒 国家や社会は弱い者を守るために存在する。 弱い者を守れないならば 国家や社会等というものは存在する必要がない。 皇室が常に弱者に寄り添い佇まうのは そのためである(@w荒 上述した様に 山本太郎議員の思想的立場や原発政策に関しては 必ずしもそれを容れることは出来ないが、 それを理由として彼が弱者の存在を皇室に知らせることが 問題だとは微塵もをもわない。 これが政治利用だというのは 見識に欠けている。 恥を知るべきだとをもう(@w荒 ■ 政治家にあるまじき稚拙な山本太郎議員の暴挙 「木走日記(2013.11.1)」より / ■[政治]政治家にあるまじき稚拙な山本太郎議員の暴挙~もはや急進"反原発派"政治家の常軌を逸した行動についていけない穏健"脱原発派" まったくもって常軌を逸しています。 山本太郎議員の行動は明らかな政治利用であり、天皇陛下の政治的中立ということをまったく理解していません。 国会議員としての資質が問われるのは当然でしょう。 彼の行動は、一部急進的かつ感情的な反原発派など彼の熱烈な支持者を除けば大多数の国民にとって、反発と嘲笑を買うだけであり、このような政治家にあるまじき稚拙な暴挙は、なんら反原発活動にとり政治的成果をあげることはないでしょう。 それどころか、私を含めたサイレントマジョリティであろう国民の半数近くの穏健な「将来原発のない日本を実現したい」との心情を持っている"脱原発派"にとって、とても心情的についていけるものではありません。 当ブログは、このような行動を正当化するいかなる論説も断固反対するものであります。 このような行動は、将来この国の原発をどうするのか、建設的な議論にはまったくつながらないからです。 原発を即刻全停止するのか、必要最小限な稼働を認めつつ全停止にフェードアウトしていくのか、それともエネルギー安全保障の観点からある程度の割合を原子力発電で維持し続けるために原発稼働を促進していくのか、科学的かつ経済的な観点から冷静な議論が求められているのです。 (※ 以下略、詳細はブログ本文で) ■ 参議院議員の山本太郎氏が10円ハゲになった原因は・・女性問題なのか?それとも他にあるのか? 「わらし仙人の読書三昧日記(2013.8.11)」より (※ 前略) / 多分、原発反対のグループが中心になって選挙を応援したと思います。その仲間も・・離婚したことは告げられませんでした。残念です。それよりも・・・結婚する前に世界的スーパーモデルの冨永愛さんと付き合っていたのに・・・なぜ、結婚しなかったんですかね?(謎です!) 離婚した奥さんが父親から虐待されていたとか・・・それを、結婚式の日にマスコミに話したのが離婚の原因だといわれておりますが・・・どうして、奥さんが一番知られたくない秘密を、結婚式の時にバラしてしまっのかが謎ですよね。もう一つは・・お姉さんが・・麻薬で逮捕されたそうです。 2012年7月に姉の山本利華容疑者(48)が、 乾燥大麻と大麻樹脂を所持し、 大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕されたようです。 「更年期障害や脱原発運動の疲れを和らげるため」と 容疑を認め、神戸地検は山本容疑者を起訴しました。 常習的に大麻を使用していたようです。 「まさか、山本太郎さんの離婚の原因が・・麻薬を吸うために月に1ー2回しか家に帰れなかっただなんて・・言わないでくださいネ。原発反対で忙しかったんですよネ。(この記事は全部妄想ですから!)」 ーーーーーーーーーー ■ 山本太郎の元妻・割鞘朱璃がホステスに!離婚後義母に60万円の支払いを迫られていた… 「スクープ!エンタメ 芸能 のツボ(2013.8.7)」より / 昨年5月に結婚した妻の割鞘朱璃さん(20)と、実はそのわずか3か月後に離婚していたことを明かした山本太郎議員(38)。 その後、朱璃さんはホステスに転身していたことが分かりました。 山本さんの話では、朱璃さんは学校へ行きたいという希望があり、慰謝料として200万円を渡したということでしたが、離婚後の朱璃さんはお金に困っていたそうで…。 その理由が、実は義母に50万~60万円の支払いを迫られていたからだというのです。 義母、というのはつまり山本さんの実母。なんだか話が噛み合っていない気がするのですが…。 【菅直人】 ■ 菅元首相(民主党)は・・参議院選挙の東京選挙区で・・山本太郎氏を応援していた可能性が出てきた? 「わらし仙人の読書三昧日記(2013.7.24)」より / 山本太郎氏の選挙参謀と菅直人元首相の“深い仲” http //shukan.bunshun.jp/articles/-/2948 参院選に東京選挙区から無所属で立候補し、4位当選を果たした山本太郎氏(38)の選挙を取り仕切っていた人物が、市民の党の斎藤まさし(本名・酒井剛)代表だったことがわかった。 斎藤氏は「市民派選挙の神様」とも呼ばれる選挙プロ。斎藤氏は菅直人元首相と以前から親交があり、1980年の衆院選では菅氏を斎藤氏が応援している。この時、菅氏は4度目の国政挑戦で初当選を果たした。 斎藤氏が代表を務める市民の党は、よど号ハイジャック犯の息子と関係が深く、その派生団体は2年前に菅元首相の資金管理団体から2009年までの3年間で合計6250万円の献金を受け取っていたことが、国会で問題となったことがある。 今回の参院選では、斎藤氏は山本陣営のボランティアを統括し、裏選対の最高責任者として選挙を取り仕切ったという。(「週刊文春」編集部) ■ 力を貸してくれた人を裏切ってその人たちに命を狙われるのが怖い 「qazx(2013.7.22)」より / 【芸能/参院選】俳優・山本太郎さんに援軍!中核派が支持表明「日帝・安倍への怒りを込めて、山本太郎さんの必勝へ総力決起しよう」 http //awabi.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1373381879/ ーーー 26 :名無しさん@恐縮です:2013/07/22(月) 07 39 08.44 ID ykkAjutzO 命を狙いそうな奴らに支持されてるわけね。指示じゃないことだけは祈っておくよ 34 :名無しさん@恐縮です:2013/07/22(月) 07 42 10.10 ID KHYm6gno0 ブサヨ恒例の内ゲバを垣間見れるんですね。胸熱ですわ 39 :名無しさん@恐縮です:2013/07/22(月) 07 43 02.62 ID FbweaNN3O 中核派は仲間をも平気で殺す外道だからな 60 :名無しさん@恐縮です:2013/07/22(月) 07 49 05.04 ID HX4PhyB8O まさか中核派が支持をしてくるとは思わなかったんだろうな、しかもその状態での当選 66 :名無しさん@恐縮です:2013/07/22(月) 07 51 09.34 ID fq9TUaHK0 せっかく全国各地で売国奴が続々落選したかと思ったら今度はテロリストを当選させるとか・・・東京都民にはがっかりだ 73 :名無しさん@恐縮です:2013/07/22(月) 07 52 53.99 ID F71b0rdl0 協力してもらってる途中で激ヤバ組織の怖さ知ったんだろうな。まあ政治家はどんな思想であれ主義思想であれ命張るもんだ、せいぜい頑張れ 121 :名無しさん@恐縮です:2013/07/22(月) 08 11 45.62 ID T7Wj7PVW0 内ゲバははんぱないぞ。鉄パイプで死ぬまで殴られるんだから。 ■ 山本太郎を当選させてしまう程度?:前田正晶 「杜父魚文庫ブログ(2013.7.22)」より (※ 前後略) / 今回の参議院選挙でもタレントだか俳優だかで、原発反対を執拗に唱えて「命の問題ですから」と訴えてきた山本太郎が出ると聞いてお、いくら何でも泡沫候補の一人かと思っていた。 ところが、エネルギーコスト高騰や、円安傾向が厳しいこの時期に輸入される石化燃料に依存した発電を続けた場合に如何なる事態を招来するかなどを全く考慮しなければ、菅直人最悪の置き土産「脱原発」ないしは「30年までにゼロ」というようなスローガンは、一般受けする危険性が高いのである。 しかも、マスコミも徐々にリベラル派の味方的正体を現してきたので、山本を見えないところで支援した格好になっていたのだった。 果たせるかな灘高・東大でありながら何で東京から出るのだと私が訝った民主党公認の鈴木寛も、菅直人が党の方針に逆らって応援した大河原雅子までも駆逐してしまった。 ■ 【参議院選挙】山本太郎氏、東京選挙区3位で当選!参議院選挙情報まとめ 「真実を探すブログ(2013.7.21)」より / この記事では参議院選挙の結果に関する情報を書いていきます。新しい情報が入り次第、ドンドン更新していくので、このページを定期的に更新をしてみてください。新しい情報には時刻が記載され、上から順に新規情報を並べてあります。 情報は出来る限りリアルタイムで更新したいと思います。 ーーーーーーーーーー ■ 私が自民党を支持できない理由!TPP推進、原発推進、基本的人権軽視、外国人受け入れなど! 「真実を探すブログ(2013.7.21)」より / いずれにせよ、ネット上では自民党に過度な期待をしている方々がチラホラと見えますが、このように数々の問題点があるので、あまり期待をするのは良くありません。 あなたの投票先は本当にそれで良いのでしょうか? 投票先は最終的には自分で決めるべきですが、投票する前に今一度、各党の今までの情報などを整理して振り返っておきましょう。 あと、棄権はあまりオススメできません。1票の価値は数百万円相当とも言われていますので、日本国民であるならば、この機会を無駄にするべきではない思います。 中核派について山本太郎に突撃インタビュー 【週刊新潮の誹謗中傷記事】 「Youtube」より .
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京太郎(高三の秋の頃…俺は宮永 咲に告白をした……) 京太郎(最初は…いや、告白する直前までは…ただの女友達だと思っていた) 京太郎(そして卒業後にプロ入りが決まったと聞いた瞬間、彼女が手の届かない遠くに往ってしまうと思った瞬間――――) 京太郎(俺は彼女の事が好きなんだ……と、初めて自覚した――――) 京太郎(インターハイ個人戦優勝。そして東京のプロチームに既に入団が決まっていると言う、華やかなプロフィール) 京太郎(そんな彼女が本当は物静かで読書好きの、優しく大人しい文学少女である事を俺は知っていた) 京太郎(そしてそんな彼女を俺は、何時からだろう…好きになっていた――――) 京太郎(告白した時、彼女は少し照れ臭そうに、そして少し寂しそうな顔をして―――) 京太郎(『今はそう言う事は考えられないから、もう少し待ってほしい』と返事をした) 京太郎(完全…ではないが、俺は振られたと思った) 京太郎(そりゃそうだプロ入りが決まっての大事な時期に、俺になんて構ってなんかいられない事なんて、考えなくても分かる事だ) 京太郎(それからの俺と咲は高校卒業まで普段通りに過ごした) 京太郎(そして卒業後。咲は予定通り東京のプロチームに入団) 京太郎(そして俺も彼女を追う様にいや…彼女を追って東京の大学に進学した) 京太郎(それから直接逢う事は無かったけど、それでも電話で話したり、メールのやり取りも結構交わしていた) 京太郎(だが、梅雨に入った頃の雨降りの日…に届いたメール) ――――今のままじゃ何もかも中途半端になっちゃう だから来年の四月に答えを出すから それまで考えさせて下さい だからそれまでの間、お互いに連絡しないで 見詰め直したいと思うんだ ゴメンね京ちゃん、本当にごめんなさい だからもしその間に京ちゃんに彼女さんが出来たとしても 私はそれでも構わないから ―――― 京太郎(今度こそ完全に振られたと思った。登り掛けた崖から、突き落とされる様な絶望感にも打ちのめされた) 京太郎(でも、その時の俺にはそれでも四月まで待つという選択肢しか考えられなかった) ――――それでも…それでも俺は彼女の事が……咲の事が好きだったから……。 九月。 大学の休憩広場。 京太郎(今日のマスコミ論の課題は真面目にやらんとな――――) ?「あのー済みません。もしかして清澄高校麻雀部だった須賀さんじゃないですか?原村和と同じチームだった?」 京太郎「え!?」びくっ ?「ああ済みません。驚かせちゃいました?」 京太郎「ん?いや…大丈夫だけど…確かに俺は須賀だけど、君は――――」 ?「やっぱり!私、和の友達で阿知賀女子の麻雀部だった新子 憧です。流石に覚えてないですよね……?」 京太郎「いや…覚えてると言うか、新子さんウチの麻雀部だろ?俺も一応そうなんだけど」 憧「えっ!?そうなんですか?全然気付かなかった……」 京太郎「まぁそうだろうな……俺は新聞部も掛け持ちしてて、そっちがメインだから麻雀部は殆んど幽霊だし……」 京太郎「それに…新子さんの事を知ったのも、俺は編集しただけの新聞部の女子麻雀部特集からだったし……」 憧「そうだったんですか……」 京太郎「でもよく俺だって分かったな…というか俺の事覚えてたな……清澄じゃモブみたいな感じだったんだけど」はは… 憧「そっ…そんなことないですよ!?それに女子の麻雀部で男の子って珍しかったですし……」 憧(それに…ちょっとカッコいいと思って…和にそれとなく聞いてたし……/////) 京太郎「それで俺に何か用なの?」 憧「え…!?////いや…あの…その……あっそうだ!ちょっと待ってて下さいね」たた… 京太郎「え?ああ…」 三分後。 憧「はいこれコーヒー。久し振りの再会ですし…私の奢りです」すっ… 京太郎「ああ…いいの?ありがとう……」すっ 憧「そうだっ…須賀さん。これから講義とかあります?」 京太郎「ああ…今日はもうないけど……」 憧「良かった。じゃあちょっと話しませんか?」にこ ―――――。 憧「――――こんな事があったんです」 京太郎「へぇそうなんだ。そんな事が有ったんだ……はは。新子さんの話してると時間忘れちゃうな」 憧「…………えへへ…そうですか?あっ!そうだ須賀さん。あの…それでちょっと、お願いがあるんですけど?」 京太郎「お願い?」ずず… 憧「あの須賀さん。いきなりなんですけど…今度の土・日どっちか空いてますか?」 京太郎「えっ?ああ…日曜の午後なら何とか……」 京太郎(あっ反射的に答えちまった……)はっ 憧「それでしたら…再会の記念に二人でちょっと出掛けちゃいませんか?」 京太郎「えっ!?いや……」 憧「ダメですか?」じ… 京太郎(うっ!?上目使いに見上げる仕草がかわいい……) 京太郎「ああ……いいよ」にこ 憧「ホントですか!?よかったぁ。じゃあ13時に新宿駅の西口で良いですか?」 京太郎「ああ。わかった」 憧「決まりですね。じゃあ私これから講義がありますからこれで……」すくっ すたすた…くる。 憧「あっそうだ!くれぐれもドタキャンはダメですからねー!!」たたっ…ふりふり 京太郎「はは…」ふりふり 京太郎(何か勢いに押された感じだけど。久し振りに女の子と話せて楽しかったな……) 京太郎(咲…言っとくけど、これは決して浮気なんかじゃないからな……って…別に彼女でも何でも無いか……)はぁ… 日曜日。 新宿駅西口。 京太郎(待たすのも何だから、15分前に来たけれど……ってもういる!?) 京太郎「あれ?もう来てたんだ…悪いちょっと待たせちゃったか?」 憧「今日は須賀君とデートだと思ったら…妙にそわそわしちゃって、30分も前に来ちゃった////」てへ 京太郎「えっ!?デ…デートって……」 憧「もう!」ぎゅう 京太郎(俺の腕に絡める様に抱きついて来た!?///////) 憧「男の子と女の子が、二人っきりでお出掛けするのをデートと言わずして、何をデートって言うの?/////」 京太郎「それは…確かに……」 憧「それに女の子同士でだって、デートって言うんだからね!!」 京太郎「そ…そうなのか……?」うーむ 憧「そうだよ。宥姉…って分かるよね?同じ大学の先輩だし…その宥姉も今頃は弘世さんとデートしてるんだから」 京太郎「松実先輩の事だろ?あのおもち姉妹のお姉さんの……」 京太郎「あの世代から、急に女子は強くなったからな。そりゃ知ってるよ」 憧「そうだよ。私も入ったし…これからウチの女子は黄金期に突入するからね!」 京太郎「そうだな……ま、男子は相変わらず弱いけどな……へーでもそうなのか…あの人が弘世さんとねぇ……」ふむ 憧「あっ。だからって記事にしちゃ駄目だかんね?」 京太郎「いやいや…プロって訳じゃないだろうし、流石に記事にする様な事でもないだろ」 憧「それもそうね…って、こんな事でダラダラ話しててもしょうがないから、早く行こっ!時間が勿体無いよっ!!」ぐいっ 京太郎「わわっ。分かったからそんなに引っ張んなって――――」 京太郎(案外マイペースな子だな……って、そういや咲もマイペースちゃあマイペースかな?ベクトルは違うけど……) ―――。 京太郎「で…取り敢えずどこに行くんだ?」 憧「えっ!?もしかして、女の子とデートだって言うのにノープランなの?」 京太郎「いや…だって……」 憧「そんなだから、京太郎君…そこそこイケメンなのに、女の子にモテないんだよ?」はぁ 京太郎「うるへい。じゃあ新子はもう決めてあるのかよ?」 憧「もっ勿論よっ!この新子の憧さんにおまかせあれ!!」ふんす 映画館前。 憧「初デートって言ったらやっぱり映画館だよねっ!ねっ!」 京太郎「……あれだけ大見栄切って、結局…映画って……流石にベタ過ぎないか?」 憧「そ…その辺はお互い様でしょっ!!」 京太郎「お互い様って……」 憧「しょ…しょうがないじゃない……私だって男の子とデートなんて…その…初めてなんだから……」ごにょごにょ 京太郎「ん?何か言ったか?」ふりふり 憧「何でもなーい。何でもなーい////////」 京太郎「?」 憧「とっ…取り敢えず何か観ようよ!!」 京太郎「ん…この『遠くの恋人(ヒト)より、近くの彼女(コ)!』って恋愛ものか?」 憧「ま…取り敢えず、これで良いんじゃない?そうと決まったら早く観るわよ!!」 京太郎「あ…ああ……分かった……」 ―――――。 再び映画館前。 京太郎(うーん…思ったより面白かったけど、何かもやもやするな……) 憧「その場で決めたのにしては、面白かったね」にこ 京太郎「う…ん。まーな……」 憧「ん?あんまり面白くなかった?」 京太郎「いや…そんな事は無いけど……何か引っかかるんだよ。よく分からんけど……」 憧「ふーん。私は特にそんな事は無かったけど……」 憧「遠距離恋愛に限界を感じた主人公が、近くに居る自分を慕ってくれる女の子の良さに気付くとことか……」 憧「その子の色んな処を知っていく内に、段々その子に惹かれていく過程が、特にリアルな感じで良かったと思う……」 京太郎「…………」 憧「最後に、主人公がその女の子と結ばれるシーンで、ちょっとうるってきちゃったし……」 京太郎「そうか…まぁとにかく新子が喜んでくれたのなら、俺も嬉しいよ」にこ 憧「――――!?//////」かぁぁ 京太郎「ん?どうしたんだ?顔が真っ赤だぞ。急な熱でも出たか?」 憧「なっ///何でもないわよっ!/////」あせあせ 京太郎「あっそれに。俺としては、ちょっとエッチな所があったのもよかったよな」 憧「――――//////!!」かぁぁ 京太郎「?」きょとん 憧「な…何よ?/////」どきどき 京太郎「もしかして新子って案外と純情可憐な乙女って感じなのか?」 憧「!?――――そ――――そんな事!!な――――/////」かぁ 京太郎「はは…意外だな…寧ろ何か援交とかでもしてそうなイメージ――――」はっ! 憧「!!?……………」ぷるぷる 京太郎「……あっ…い…今のは冗談だから!その…言葉のあやっていうか……」あせっ 憧「……ふーん。そーんなんだ…私って京太郎君に、そー思われてたんだ……」じとー 京太郎「あーごめん!つい冗談で適当な事を口走っただけだから!」 憧「……………知らないっ」ぷいっ 京太郎「うー……分かった。何でも言う事聞くから赦してくれ!」ぱんっ 憧「…………今…何でも言う事聞くって言ったよね?」ニヤリ 京太郎「うっ……い…言ったよ。俺に出来る事なら何だってしてやるよ!」 憧「ホントに?」 京太郎「おっ男に二言は無い!!」 京太郎(とは言ったものの…頼むから無茶な事は言わんでくれよ……)どきどき 憧「そっかぁ…どーしようっかなぁ……」 京太郎「い…今じゃなくてもいいからな、いつか思い付いたらd―――――」 憧「うんっ決めた」こく 京太郎「えっ?」 憧「まず…今から私の事を名前で呼ぶ事」 京太郎「名前ってあたらs――――」 憧「あ・こ」じっ… 京太郎「あこ……で良いのか?」 憧「うん」にこ 憧「後…もう一つ――――」 京太郎「一つじゃないのかよ!」 憧「とーぜんでしょ?あんな…デリカシーの欠片もない事を言ったんだから?」きっ 京太郎「……分かったよ…で、憧。あと一つって何だよ?」 憧「うん…じゃあ言うね」にこ 京太郎「…………」ごくり 憧「これから…私を飲みに連れてって――――――」にこ とある居酒屋。 憧「では。二人の再会を祝しまして」 憧・京太郎「「かんぱーい」」カチャン 京太郎「まぁインターハイの時にお互い見知った程度だし、再会って言う程、会ってはいない気もするけどな」はは… 憧「そうだね。でも私は一目見た時から、京太郎君の事が気になっていたんだけどな……」 京太郎「そうなのか?」 憧「うん////」にこ 京太郎「そっか…そう言われると悪い感じはしないな」へへ… 憧「ふふ…」 京太郎「まぁそれはいいとして、さっきはどんな無茶を言われるかと思ったけど、こんなんで本当に良かったのか?」 憧「もうっ。京太郎君は、私をどんな女の子だと思ってるのよ?」むぅ 憧「まぁ一度、男の子と…ううん…京太郎君とお酒を飲んでみたいって思っただけ」 憧「……『何でも』…てのは、ホントはただの理由付けでしかないよ」 京太郎「…………」ふむ… 憧「ん?どうしたの?」 京太郎「いや…何でもない!」どきっ 憧「あーその顔…またヘンな事考えてたんでしょ?もうっ私は君が思っている程、遊んでる訳じゃないんだからね?」ぷぅ 京太郎「いや…そんなんじゃないって。ただ…憧って俺の知ってる奴に、どことなく似てる様な気がしただけだよ」 憧「知り合いに、私に似てる人がいるの?」 京太郎「いや…何となくだけどな。でもソイツは、お前と違って結構…俺に無茶を言うような奴だったよ」はは… 憧「ふーん。そうなの……その子ってもしかして彼女とか?」じー 京太郎「えっ!?いやいや違うって。それはありえねーから」きっぱり 憧「ほんとーに?」 京太郎「ああ。胸張って言えるぜ……って…胸張る様な事でもないけどな……」はぁ 憧「そう……」ほっ 京太郎「でもソイツと比べてって訳じゃないけど、憧って俺が思ってたよりも、ずっと可愛い処があるんだな」にこ 憧「――――!!////私がその…か――カワイイって……な、ナニ当たり前の事を改めて言ってんのよっ!!//////」かぁぁ 京太郎「おいおい。当たり前って…やっぱちょっと似てんな」くい 憧「しょうがないでしょ?ホントの事なんだから」 京太郎「はいはい。そーですか」くい 憧「もうって……ん?京太郎君…日本酒なんて飲んでるの?」 京太郎「ん?ああ…それ程でもないんだけd――――」 店員「お待たせしましたー」コト 京太郎「おっきたきた」 憧「えっ?これって、もしかしていなり寿司?」 京太郎「そうだよ」 憧「へーこんなの居酒屋にあるんだ」 京太郎「まーはっきり言ってそんなには無いんだけどな。だからここにしたんだよ」 憧「そんなに好きなんだ?」 京太郎「まーそうだな……こうお猪口でくいってやって、一緒にいなり寿司を食べるのが好きなんだよ」 憧「へーそうなんだ。じゃあ――――」すっ 京太郎「あっ!?それ俺のお猪口……」 憧「…………/////」くい 憧「ふむ…あと――――」すっ 京太郎「あっ!?それは俺のおいなりさんだぞ!」 憧(こ…これが…京太郎君のおいなりさん……/////)ゴクリ… 憧「…………//////」ちゅっ…ぱく 憧「…………//////」はむはむころころ 京太郎(…………なんか…喰い方がいやらしーなオイっ///////)かぁ 憧「…………」ごっくん 憧「ン…オイシ……////」ニコ… 京太郎「――――――――///////」どきっ 憧「ん?どうしたの京太郎君?」 京太郎「なっなんでもねーよ!!」かぁ 京太郎(やべー…一瞬コイツのコトがちょっとエロ可愛く見えちまった……)どきどき 憧「ん?どうしたの?私の顔に何か付いてる?」 京太郎「いや…別に……そんな事より、憧はあんまり飲んだりはしないのか?」 憧「そんな事無いよ。大学の麻雀部の子とか、あと…しずとかかな?」 京太郎「しず?」 憧「高鴨 穏乃。私の同じ阿知賀出身の。覚えてるでしょ?和の友達だし」 京太郎「ああ。あのジャージの子だろ?」 憧「うん。あの子…私達と学校は違うけど、東京(こっち)に来てるから、よく女子会とかしてるよ」 憧「で、そう言う京太郎君はどうなの?」 京太郎「俺か?俺は専ら新聞部の奴等と男子会だよ。麻雀部じゃないのは申し訳ないけどな」 憧「ホントだよね」じとー 京太郎「はは……」あせっ ♪ピロピロリ―――― 憧「ん?電話?しずからだ…ってごめんね。マナーモードにし忘れてた」 京太郎「いいってそんな事。俺は気にしないから早く出てやれよ」 憧「ありがと」ピッ 憧「もしもし……しず?どうしたの?」 憧「…………えっ!?今、優希と家飲みしてるから来ないかって?」 京太郎(優希!?)びくっ 憧「ゴメンねしず。私…今デート中なんだ」どやっ 憧「えっ!?どの娘って…女の子とじゃないよ、男の子とデートしてるの///////」てれてれっ 京太郎「……………」くいっ 憧「誰とって?ふふん。和の清澄高校の麻雀部の部員だった、須賀 京太郎君だよ」 憧「しずも覚えてるでしょ?あの学ランの。そうその…今、その彼と居酒屋デート中なんだ」ふふん ?『なにー!!京太郎だと!?ちょっとしずちゃん電話を替わってくれだじぇ』がぁ! 憧(電話越しからでも声が聞こえる……) ?『憧ちゃん、久し振りだじぇ』 憧「優希?お久だね。えっ何言って……?わ、判ったわよ。兎に角、替わればいいんでしょ?」 憧(……そう言えば、優希は元清澄で、今はしずと同じ大学だったかな……) 憧「はいはい。今替わるから……はい、京太郎君。あなたの飼い主さんとやらが電話替わってくれって……」 京太郎「はぁ…やっぱりそうなるのか……はい。もしもs――――」 優希『こらー犬!お前、咲ちゃんというものがありながら、憧ちゃんとデートたぁどういうこった!!』がぁ!! 京太郎「声がでかい!もっと小さい声で喋れよ。あとデートって…あk…新子さんとは、たまたま同じ大学だったんだ」 京太郎「それで、再会した記念って事で、飲んでるだけだよ。それ以上の事は断じてない」きっぱり 憧(えっ……!?)ズキッ 京太郎「……はぁ?どういう事だって?だからそー言う事だよ」 京太郎「咲?……残念ながらアイツとは付き合えてはないよ」はぁ 京太郎「告白したけど保留っつーか…殆んど振られた状態だから……」がっくり 京太郎「―――ってンな事なんか聞くなよ!言ってるこっちが哀しくなるだろうが?」はぁ 優希『…………私は…京太郎の気持ちも、咲ちゃんの気持ちも知ってたから……身を引いたのに……』ぼそ… 京太郎「ん?何か言ったか?」 優希「――――!!/////なっなんでもないじぇ!/////もういいじょ。シズちゃんと替わるじぇ!」 穏乃『もしもし須賀さん。お久し振り…って言うか、二人でこうやってお話するのって、もしかして初めてかな?』 京太郎「ああ…そう言えばそうかな?」 優希『――――…・・――――…・・…――』ぎゃーぎゃー 京太郎「ん?今、そっちのタコス娘が、後ろで何か言ってないか?」 穏乃『……その…全く躾のなってない犬だじぇ…って喚きボヤいてる……』はは… 京太郎「まぁそんなこったろうと思った。まったく自称飼い主さんが、そう言ってりゃ世話ないぜ……」はぁ 穏乃『あはは…そうだね』 京太郎「それじゃ。新子さんと替わるから」 穏乃『うん――――あっ…あのっちょっと待って!』 京太郎「えっ!?何?」 穏乃『あの…須賀さん……憧の事、宜しくお願いします。あぁ見えてとっても優しくて、純粋な子ですから』ぺこり 京太郎「……………………あ、ああ……じゃあ替わるから……」すっ 憧「………………もしもし、しず。今日はゴメンね、今度必ず埋め合わせするから』 穏乃『うん。その時は玄さんも宥さんも呼んで、久し振りに皆で集まろうよ』 憧「うん。いいねそれ。あと灼も呼んじゃおうか?」 穏乃『はは…灼さんは吉野(じもと)だから、流石に無理だよ』 憧「まー確かにね……」 穏乃『じゃあ…お邪魔になっちゃうから、そろそろ切るね』 憧「うん」 穏乃『じゃあ…あっ!あと一つ』 憧「ん?何よ?」 穏乃『憧…これから大変だと思うけど…私はどんな事になっても憧の事、応援してるからね』 憧「…………うん。しず…ありがと……」 穏乃『うん…じゃあまたね。憧』 憧「またね。しず」ピッ 憧(………………………そうだよね…よしっ!!)ぐっ 憧「京太郎君!!」 京太郎「はい!!」びくっ 憧「今日は、めいっぱい飲むわよっ!!」 憧「うふふ…おしゃけオイシーね……////」くいっ 京太郎「はは…憧さんは御機嫌だな……」 憧「えへへ…憧ちゃんはごきげんだよー。ねえ…きょーろーは、わたひと飲んでて楽しい?」じ… 京太郎「お…おう……」 憧「あーその顔!そっか…京太郎は私と飲んでても、楽しくないのか……」しゅん 京太郎「そっそんなことねーから。楽しいから。俺もゴキゲンだぜっ!!」 憧「えへへ…ありがと……わたひもたのひーよ」にこ 京太郎(うーん。でも…こりゃ正直言って、かなり飲み過ぎてるな……) 京太郎(って…いつの間にか、カクテルから日本酒にシフトチェンジしてるし……)ぐび… 憧「だっ…だったりゃ、きょーたろーも…もっと飲みなひゃい!」ずいっ 京太郎「飲んでるよ。それより、お前は飲み過ぎなんj――――!!」 京太郎(……って…いつの間にか、呼び捨てにされてるし……) 憧「もーきょーたろー飲まないんなら!!」ばっ 京太郎「あっ!?俺のジョッキ!!」 憧「えへへ…いただきまーす/////」ごくごくごく 憧「えへへ…きょーたろーのナマすっごくオイシー//////」ぷはー 京太郎(うっ……!まずいな…こりゃ何とかしないと……取り敢えず店を出るか……) ――――――。 近くの公園。 京太郎「ほい。これお茶」すっ 憧「ありがとー」こくこく 京太郎「少しは落ち着いたか?」 憧「うんっ京太郎く―…きょーたろーは優ひーね/////」にこっ 京太郎「そっそんな事はねーよ」 京太郎(しかっし、まいったな…まだかなり酔ってるみたいだし……) 京太郎(送ってくっていっても、コイツの家、知らないしな…当たり前だけど……) 京太郎(俺の家って訳にはいかないし…最悪…優希の所……ってのは避けたいな。何言われるか判らんし……) 京太郎(さて…どうしたものか……)うーん 憧「ねぇ…きょうたろ…京太郎君……」 京太郎「ん?何?」 憧「京太郎君と宮永さんって…どんな関係なの?」 京太郎「えっ!?」どきっ 憧「さっきの電話…優希と話している時に聞こえた『咲』って…宮永さんの事なんでしょ?」 京太郎「それは……咲は俺と同じ清澄高校の時の同級生だったやつで…同じ麻雀部で―――――」 憧「そんな事聞いてるんじゃないの!!ねぇ宮永さんはアナタにとってどんな女性(ひと)なの?」じ… 京太郎(うっ……なんて思い詰めた目で俺を見るんだ……)たじ… 京太郎(――――って急に酔いが醒めたのか?いや…もしかして最初からそんなに酔って無かったのか?) 京太郎(いや…そんな事より……流石にこの場面で、ヘンにはぐらかす訳にはいかんわな……)すぅ… 京太郎「そうだな……俺と咲は―――――――」 憧「ふーん。そーなんだ……」 京太郎「ああ…そう言う事だ。だかr――――」 憧「京太郎君が苦労してウチの大学に入ったのも、新聞部に所属しているのも、全て宮永さんの所為なんだ」 京太郎「所為って…俺が勝手に決めた事だよ」 京太郎其れなりの大学に入って、新聞部で取材や編集の勉強をしているのも、いつか麻雀関係の記者になれば」 京太郎「プロで活躍してるアイツに形はどうあれ、少しでも近くに居られるかも知れないって思っただけだ」 憧「でも…その彼女は京太郎君を振る訳でも、付き合うでもなく放置して、自分はやりたい事をやっていると」ふん 京太郎「そんな言い方すんなよ。プロの世界ってやっぱ厳しいだろうし、中途半端な覚悟じゃと務まらないんだろ」 憧「だから努力すれば、頑張ればそんな彼女に近づいた気分になれるって思ったんだ?」 京太郎「―――――そんな言い方はないだろ」カチン 憧「ねぇ京太郎君。どうしてあの時、私が君に声をかけ、デートに誘ったか分かる?」 京太郎「…………」 憧「初めて…三年前のインハイで君を見た時から、ずっと気になってた」 憧「インハイが終わってからも…密かに和から君の事を、それとなしに聞いてもしてた……」 憧「……でも冷静に考えて、住んでる所も離れてるし、逢える機会も殆んど無いからって諦めてた……」 憧「でも…和から京太郎が同じ大学だって聞いた時に、これは運命だって本気で思ったんだ」 憧「だから、男子麻雀部を覗いたりして探してたけど…何時もいなくて、ずっと見付けられなかった」 京太郎「そこに関しては申し訳無いとは思ってる」 憧「だから初めて見つけた時は、本当に嬉しかった。でも、どきどきしてなかなか声を掛けられなかったけど……」 憧「でもあの時…それでも緊張を抑えて、意を決して…やっと話し掛ける事が出来た時は嬉しかったな……/////」にこ 京太郎「憧……」 京太郎(正直…ナニを言ったらいいのか分からない…それにこの流れ…ヤバい――――) 憧「……ねぇ京太郎君。私あなたの事がその…好きみたいなの……だから……私とつきあっt―――――」 京太郎「あっ憧っ!ちょっとまて!!」 京太郎(あ…あぶねぇ……今の憧…すっげえ可愛いし、このまま告白されたら受けちまいそうだった……)どきどき 憧「……やっぱりダメか……なら友達だったらいいよね?今は…それで良いから……」 京太郎「…………ああ…それなら……」 京太郎(……流石に断れんって言うか…憧、やっぱ凄く可愛いよな。普段も酔ってる時も、そして今も……) 京太郎(でも俺は…咲の事が好きなんだ……) 京太郎(たとえ今…逢えなくても、殆んど振られた状態でも…それでも、あいつの事を忘れるなんてこと出来ない……) 憧「でもね…京太郎君……」もごもご 京太郎「何だよ?言いたい事があるなら言ってくれよ」 憧「分かった。言うね……京太郎君は…本当にそれでいいの?」 京太郎「えっ!?」どきっ 憧「告白しても…まともな返事も貰えなくて……」 憧「その上、仕事に集中する為に他の事を考えたくないから、一年の間、返事を待っててくれなんて、どれだけ身勝手な子なの」 京太郎「憧!」 憧「ねえ…京太郎君…………もう…いいんじゃないかな……」 京太郎「!?」 憧「京太郎君は充分に待ったし、たくさん努力もしてる。でも、そこまで想われてる宮永さんは、自分の事ばっかり……」 憧「挙句の果てには、その女に振られるのかもしれない。だったら…もういいんじゃないかな?」 京太郎「いいって…何がだよ……」 京太郎(くっ…何だ…?俺の心が、だんだん不穏になっていく様な感じがする……) 憧「はっきり言うよ。もう…宮永さんの事は諦めた方がいいと思う」 京太郎「!!?」 憧「宮永さんと京太郎君がどんな関係を築いて来たのかは分からない。私とは一緒に居る時間が違い過ぎるから……」 憧「でも…その彼女はもう君と同じ場所に居ないんだよ。ううん。もう同じ場所に立つ事なんて出来ない」 京太郎「そっそんな事は――――」 憧「ううん。京太郎君は…宮永 咲という人に……心を縛り付けられている」 京太郎「…………」 憧「ごめんね…凄く意地悪な事を言っているのは…自分でも判ってる」 憧「でも、京太郎君がいくら望んでも、手を伸ばしても、今の彼女には届かない伝わらない」 憧「……でも」すっ ぎゅっ 京太郎「!?/////」 京太郎(俺の右掌を憧の両掌がぎゅっと包んで……) 憧「でも私なら…触れられる所に居る。温もりを感じられる……私は京太郎君のすぐ傍に居る……」 京太郎「憧……」 憧「今はまだ無理かもしれない。でもいつか…君を縛り付ける物を、私が取り払ってあげるからね」にこ 京太郎(あったかい…憧から伝わってくる温もりが心地いい……) 京太郎(本当に何かを解きほぐされていく様な…心地よく溶かされていく様な…そんな感じがする……) 京太郎「あ…憧……」どきどき 憧「京太郎君……」どきどき 京太郎「………………きょ……今日はもう遅いし、そろそろ帰ろう……」 憧「…………うん…そうだね」にこ 地下鉄駅前。 憧「うん。ここまでで良いよ。今日は付き合ってくれて本当にありがと。すっごく楽しかったよ」にこ 憧「また付きあってね。京太郎くn――――ううん。京太郎。じゃあまたね―――――」ふりふり たたっ 京太郎「…………言いたい事言って、行っちまったな……」はぁ 京太郎(でも……助かった…………)ほっ 京太郎(あのまま押し切られていたら、本当に危なかった。それ位に可愛いくて、そして…真摯だった……) 京太郎(何より…俺が今一番欲しいものをくれた気がした……) 京太郎(くっそ…また逢いたくなっちまったじゃねーか) 京太郎「遠くのヒトより近くのカノジョ」 京太郎「……………か……」 その頃。 とあるホテル。 先輩プロ「宮永。今日の対局は中々よかったぞ」 咲「ありがとうございます。先輩」ぺこり 先輩プロ「春頃まではどこか中途半端な感じだったが、最近は集中して打てているみたいだし、この調子で明日も頼むぞ」 咲「はい。これも先輩のアドバイスのおかげです」 先輩プロ「そうか。じゃあ今夜はゆっくり休めよ。おやすみ」 咲「お休みなさい」ぺこり ガチャ ばふっ 咲「疲れた……」ふー 咲(デビュー当時…私はプラマイゼロどころか、勝つ事すら全くできなかった……) 咲(勿論。プロの人達のレベルが高いのは判っていたし、プロになった気負いもあったと思う) 咲(でも…一番はやっぱり……) 咲(京ちゃんの事―――――) 咲(あの時…京ちゃんに告白された時……嬉しかった…私も京ちゃんの事が好きだったから……) 咲(でも……それ以上に戸惑いがあった。京ちゃんがまさか私に告白してくれるなんて、思いも寄らなかった……) 咲(でも私は……その時既にプロ入りが決まっていたから) 咲(もし…先に京ちゃんが告白してくれていたら、私はプロにはならなかったのかもしれない) 咲(でも…プロになるって決めて、チームと契約した以上、今更辞めるわけにはいかなかった……) 咲(それに。この時の私自身、プロの世界で自分の力を試したい。と言う想いも芽生え始めていたから――――) 咲(だから…素直に告白を受け入れる事は、あの時の私には…どうしても出来なかった……) 咲(でも…プロ入りして京ちゃんと離れ離れになって、気持ちがぐらぐらして…どうしていいか分からなくなって……) 咲(そこを先輩に見透かされて、先輩にこう言われて、私はそれを受け入れた) ――――中途半端な気持ちじゃプロは務まらない。少なくても一年は麻雀だけに集中した方が良いって……。 咲(本当に…本当に勝手だと思う…でも私は一方的に京ちゃんと、距離を置く事を選択した……) 咲(それから私は麻雀だけに集中する事になって、少しずつだけど勝てる様になった……) 咲(チームの一員としてとしてチームに必要とされるようになった。でもやっぱり――――) 咲「…………寂しいよ…京ちゃん……」じわ… 咲(……いくら勝っても活躍しても…忘れた頃にこみ上げて来る…寂しさと恋しさ……) 咲(私はやっぱり……京ちゃんの事が好きなんだ……) 咲「早く逢いたいよ…京ちゃん……」ぐすぐす… 咲(京ちゃん…もう彼女さんとか出来ちゃてるのかな……もう私の事なんて忘れちゃっているのかな……) 咲(…………だとしても…私に文句を言う資格は無い……) 咲(ホントは今すぐにでも、京ちゃんの元へ飛んで行きたい……) 咲(でも私が決意し、其れを勝手に京ちゃんに押し付けたんだから、それを自分から破る事なんて絶対に出来ない) 咲(プロの雀士として…一人の女としてそれだけは絶対に許されない。それに京ちゃんにだって当然…選ぶ権利はある) 咲(いくら優しい京ちゃんだって…こんな自分勝手な子の事なんて、とっくに愛想尽かしているに決まってるよね……) ――――でもそれでも私は……一縷の望みを信じて………… その時が来たら…きっと―――――。 京太郎(あれから俺は…憧と二人で遊びに行ったりする事が多くなった) 京太郎(どこに行くかとかは専ら憧が決めていたのだが、彼女はああ見えて、凄く気使いの出来る子なんだと思う) 京太郎(何だかんだで、どこに行くにも俺が愉しめて、尚且つ自分も愉しめる処を上手に選んでいた様に思うしな……) 京太郎(しっかりというか、ちゃっかりしているとでも言うのだろうか……?) 京太郎(でも。そんな所も可愛くて、健気で…そして俺の事を引っ張り上げてくれる様な感じで……) 京太郎(俺自身、そんな彼女に次第に惹かれて行くのを、否定する事が出来なくなっていた) 京太郎(そして…彼女によって俺の心の中の何かが、次第に解きほぐされていく心地よさと……) 京太郎(それと同時に何かを…少しづつ、忘れてしまっていく様な気持ちも感じていた……) 京太郎(そして。そんな日々を過ごしながら、桜の花咲く頃……俺は次第に現実問題になって突き詰められる事があった) 京太郎(言わずもがな…咲の事だ―――――) 京太郎(もうすぐ四月…咲との約束の月……) 京太郎(俺は……どうすりゃいいんだろうな……) 京太郎(憧は俺にちょっと不器用だけど…はっきりと分かる好意を俺に寄せてくれる……) 京太郎(容姿も言っては何だが、咲よりも良いと思うし、オシャレにも気を使っている) 京太郎(何よりも勝気なんだけど、時折見せる純情で照れ屋な処が堪らなく可愛い) 京太郎(頭も良くて、さり気なく俺に話も、行動も合わせてくれる……そんな女の子……) 京太郎(でも俺は……それでも…………) 京太郎(俺は悩みに悩んだ…こんなに悩み、二人を天秤に掛けている自分にこんなにも自己嫌悪もしたのも初めてだった) 京太郎(咲の返事が来るまでに、それまでに絶対に決めなければならない) 京太郎(返事待って決めるなんてのは、男として格好悪いし、何より二人に対して失礼極まりない話だろう) ――――そして俺は…考え悩み抜いた末。結論に達し覚悟を決める。 もう迷わない。どうなったとしても後悔しない。俺は――――――。 四月の初め頃。 学内のとある喫茶店。 京太郎「雨…か……」 京太郎(そう言えば咲からあのメールが送られてきたのも、こんな雨の日だったな……) 京太郎(しっかし…もう四月で桜も咲いてるってのに、未だ全然肌寒いな……)ぶる 京太郎「コーヒーを買ってと……ええっと…どこに……あそこか」たたっ 京太郎「お待たせ。自分から呼び出しておいて、俺の方が遅くなってしまってゴメンな」 憧「ううん…いいよそんな事」にこ 京太郎「はい。コーヒー…ってもう注文してたのか……しかも全然飲んでないみたいだし、要らなかったかな?」 憧「ううん。ありがとう。せっかく京太郎が、私の為に持って来てくれたんだもん。有り難く頂きます」こくこく… 京太郎「そんな大層なモノじゃないんだけどな」 憧「京太郎のくれたコーヒー……おいしい」にこ 京太郎「そっか…それならいいんだけどさ……」 憧「えへへ…でも京太郎から誘ってくれるなんて…珍しいね。でも…嬉しい」にこ… 京太郎(…………心なしか憧の表情が、何処か曇っている様な感じがする……) 京太郎「憧…いきなり呼び出して悪かったな。でも…どうしても今日言わなければならない事があるんだ……」 京太郎(そう…今日じゃないとダメなんだ『結果』が出てからじゃ遅いんだ)ぐっ 憧「……大事な…話なの?」 京太郎「ああ」こく 憧「…………そう。それだったら外に出ない?そこで話して……」 京太郎「外って…まだ雨が降ってるぞ。それにまだ肌寒いし……」 憧「どうしても…外で話したい気分なんだ。だめ…かな……?」 京太郎「……わかった…外に出よう」 憧「うん…ありがと」 京太郎「あっカップは俺が持ってくから……ん?」 ――――片付ける為に手に持った三つのカップ。その中で一つのカップだけが空になっていた……。 学内の広場。 京太郎(雨が降ってるのと講義棟から離れている所為か、殆んど人が居ないな……) 憧「…………」ふるふる 京太郎(……俺はここで今から目の前の、微かに震えながら傘を差している女の子に言わないといけないのか……)すぅ…はー 憧「それで……話って何なの……?」 京太郎(……くっ…やっぱりいざとなると言い辛いな…駄目だ!逃げるな!男ならはっきり言え!!)ぐぐっ 京太郎「…………憧……ゴメン。俺はやっぱり咲からの返事を待つ事にする。だからお前とは付き合えない」 憧「………………」 京太郎「お前が俺なんかに好意を寄せてくれるのは、ホントに嬉しいし、振るなんて罰当たりな事だって百も承知してる……」 京太郎「でも俺は…やっぱり咲の事が好きなんだ。例え振られる事になったとしても、それでも俺は―――――」 憧「…………わかってた……京太郎が宮永さんを択ぶ事くらい……わかってたんだ……」 憧「ほんのたまにだけど…宮永さんの事を話す時の京太郎の顔……とってもいい顔をしていたから……」 憧「…………私に向けては…一度も見せてくれなかった顔……」 京太郎「……憧…俺は――――」 憧「でも――――私は……それでも私は…京太郎の事が好きなの……」ぐっ 憧「初めて京太郎を見た時…カッコよくて…優しいそうな人だって思った。一目見た瞬間から、ずっと気になってた」 憧「初めてデートした時に…私はやっぱりこの人の事が好きなんだって、はっきりと分かった」 憧「それからデートする度にどんどん好きになっていくのも……抑え切れない位に実感していた」 憧「だけど…もしかしたら私は…宮永さんの代わりでしか無いのかもしれない。そう思う事もあった……」 憧「でも!そうだったとしても、京太郎は私を大事に思ってくれているって事は判っていたから……」 京太郎「憧……」 憧「ねえ…京太郎……どうしても私じゃ駄目なの?宮永さんじゃないとダメなの?」 京太郎「…………」 憧「……こんな事言っても、困らせるだけだってのは分かってる……」 憧「……でもお願い!お願いだから宮永さんなんかじゃなくて私を選んでよ!!!お願い…だから……」ふるふる 京太郎「憧…俺は憧みたいな可愛くて素敵な子に好きって言われて、本当に嬉しい」 京太郎(声に出しては言えないけど…もし咲が居なかったら。俺は手放しで喜んで憧と付き合っていたと思う) 憧「それなら!――――――」 京太郎「でも俺は…俺には咲しかいないって決めたんだ……」 京太郎「たとえ俺が咲に振られる事になったとしても…それでも今の俺には、咲以外考えられないんだ」 京太郎(俺は馬鹿だ…大馬鹿だ……憧の優しさと好意に甘えて、ずるずるとしてしまった結果がこれだ) 京太郎(そうだ。俺は結局…憧の想いに応えられずに、傷付ける事しか出来なかった……) 憧「でも!!宮永さんはここにはいないんだよ…彼女がいるのは私達と違う世界……」 憧「でも私はここにいる!二人で一緒に触れ合える。寄り添えられる。感じ合える……」 憧「私は…何時も京太郎の見える処にいるから!!だから―――――」 憧「見えない人の事なんて見ようとしないで、もっともっと目の前で見える私の事を見てよっ!!」 京太郎「憧……」 憧「だから……お願い…………」ふりふり… 京太郎(憧が…あの勝気な女の子が……外聞も無くいやいやして……) 京太郎(まるで…玩具を欲しがってせがむ子どもの様に……それも俺が…この子をそうさせちまったんだな……)くっ… 京太郎「ごめんな憧……もう俺は中途半端にしたくは無いんだ。だから―――――」 憧「どうしても…駄目なの…………?」 京太郎「ああ……」こく… 憧「分かった!!いい…もういいよ……ごめんね京太郎…我儘言ってホントにゴメンね……」ぽろ… 憧「分かっていたのに……本当に…分かっていたのに……」ぽろぽろ ばっ… 京太郎「!?」 京太郎(えっ!?傘を投げて…空を見上げてる……?) 京太郎「って!おいっそんな事してたら濡れちまうぞ!!」だっ 憧「来ないでっ!!いいから来ないでよ!!」 京太郎「憧…何を言っt―――――」 憧「…………う…うう…ああ…わぁぁん……うわぁぁぁぁぁ――――ん!」 京太郎「憧!!」 憧「泣いてなんてない!これは雨だから…泣いてなんてないんだからね!!」 憧「大丈夫だから。ただちょっと大声出したくなっただけだから!」 憧「だから…お願い…早く行って…早くどっか行ってよ!!」 京太郎(……憧…………そうか………) 憧(泪なんて見せたくない…心配なんかさせたくない。して貰いたくもない。コレは私のできる精一杯の矜持――――) 京太郎(……そうだな…情けないけど…俺がコイツにしてやれる事なんて、もう何一つも無いんだ)ふりふり 憧「うぁぁぁぁん……うわぁああああああ―――――ん!!」 京太郎「……分かったもう行くよ」ぺこり 京太郎(くそっ!俺に出来るのは……彼女の意を汲んで、とっとと立ち去る事しかねーのかよ!!)たたっ 京太郎(ごめんな…憧……) 憧「うわぁぁぁぁ―――――――あぁ…・・ぁ…・・……――――」 ――――俺は…走りながら彼女から離れる程に、彼女の嗚咽が雨音で掻き消されていくのを感じていた……。 憧「……ひっく…ひっく……」ぐすぐす 憧(……雨にぬれて寒い…でも…こんなびしょびしょじゃウチに帰れないよ……)ぶるぶる 憧(……振られちゃった……そうなる事は分かってたのに…それでもこんなに胸が苦しいなんて……)ぐすぐす 憧(初恋は実らないってよく聞くけど…ホントだったんだ……)ぐす… 憧(このタイミングで振ったって事は…もし宮永さんに振られても、私とは付き合ってはくれないんだろうな……) 憧(そんな事したら私に失礼なんて…いらない気遣いなんてして……) 憧(京太郎のバカ!京太郎なんて役満直撃されて跳んじまえっ!!) 憧(でも…それでもやっぱり……大好きだよぉ…胸が切ないよぉ苦しいよぉ…………)ひっくひっく ♪ヴヴヴ…ヴヴヴヴヴ…… 憧(でんわ?……しずからだ……) 憧(こんな時に電話なんて…………でも…しずの声が聞きたい……) ―――――こんな状態で話したくない…でもそんなプライド以上に、今の私は温もりが…より掛かれるものを欲しかった……。 ピッ 憧(………………もし…もし―――――) その日の夜。 京太郎「ただいまーって誰に言ってんだか……」 ぼふっ ごろん 京太郎「もういつ着てもおかしくは無いよな……」どきどき 京太郎(俺に出来る事は全てやった……と思う) 京太郎(……とは言っても、咲の返事とは何の関係も無い自己満足だけど……) 京太郎(それでも頑張った分だけ、アイツに少しでも近づける気がしたんだ……) 京太郎(何より…憧には悪い事したな……俺がこんなブレてなかったら、あんな思いはさせなかったのに……) 京太郎(もう…ああしてしまった以上、もし咲に振られたとしても、もう憧付き合うなんて事は出来ねーよな……)はぁ 京太郎(って…何女々し過ぎる事を考えてんだ!!全く恥ずかしくて申し訳なさ過ぎて、ンな事出来ねーに決まってるだろうが!!) 京太郎(…………くそっ!後は野となれ山となれってんだ。俺に出来る事なんてもうねーんだから!!) ♪ヴィヴィヴィヴィ…… 京太郎「メール!!」がばっ 京太郎「さ…咲からだ……」ゴクリ… ――――――――。 京太郎「………………もう見るのが怖くて一時間も見れてない……」どきどき 京太郎「これじゃただのヘタレだよ!!ええい見るぞ!!見てやるぞ!!!もうどうにでもなりやがれ!!!」 ドキドキドキドキドキドキ――――― ピッ… 京太郎「………………」じ……… 京太郎「………………うお――――」 京太郎「――――――――――――うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ―――――」ばばっ!! ――――――――メールを見た瞬間。俺は無意識に高々と両手を突き上げていた。 おしまい。 おまけ。 四月中頃。 大学のキャンパス内。 咲「へぇ。コレが京ちゃんの通ってる学校のキャンパスなんだぁ」 京太郎「結構広いだろ?もう少し早かったら、桜もまだ咲いてたんだけどな」 京太郎「前の雨で殆んど散っちゃったんだけど。ここの桜、満開の時は結構キレイなんだぜ」 咲「そうなんだ。じゃあ来年はお花見デートしようね////」にこ 京太郎「ああ。そうだな」にこ 京太郎「でも…正直…OKしてくれるとは思わなかったよ、ずっと待たされっぱなしだったしな」はは 咲「ごめんね…京ちゃん。私が勝手ばっかり言ってた所為で…私…ずっと京ちゃんの優しさに甘えてた……」しゅん 京太郎「確かに随分待たされたけど…まぁプロの世界は厳しいって事位は判るし、お前も色々考えての事だろうしな」 咲「京ちゃんは…ホント優しいね……」 京太郎「んなことねーよ」へへ… 咲(……ううんそんな事ない。京ちゃんはホントに優しいよ…こんな私をずっと待っててくれたんだもん……)じ… 京太郎「ん?どうしたじっと人の顔見て。何か付いてるか?」 咲「ううん。何でも無い。何でも無いよ」にこ 京太郎「そうか……」 咲「ねえ京ちゃん……私…今まで京ちゃんに何にもして上げられなかった分、これからは出来る限り一緒に居るからね」 京太郎「ソレは嬉しいんだけど…いいのか?試合とかで大変なんじゃ?」 咲「……私…この一年で分かった事があるんだ……」 咲「確かに京ちゃんと離れてた一年の間。麻雀だけに打ち込んで、ある程度の結果を出す事を出来た」 咲「でも…それだけじゃ駄目。ずっとずっと寂しかった…胸に穴がぽっかり空いた様な喪失感があった」 咲「だからこれからの私は、欲しい物は我慢しないで手に入れるって決めたの。勿論…全力でね」にこ 京太郎「うおっここに来ての欲張り屋さん発言。お前…この一年で随分変わったな……」 咲「うん。これが一年…プロの雀士としてやってきて、辿り着いた結論」 咲「麻雀も恋愛も手を抜かず、全力で頑張るって決めたんだ。だから覚悟してね京ちゃん」にこ 京太郎「…………草食系文学少女とは思えない発言だな……」 咲「ううん。私は根っこの部分は何にも変わってないよ……」 咲「ただ…京ちゃんも麻雀も大好きだって事を我慢しなくなっただけ」にこ 京太郎「そうか…じゃあこれからお付き合いよろしくお願いします。お手柔らかにお願いします。咲さん」ぺこり 咲「こちらこそよろしくお願いします。京太郎君」ぺこり 京太郎「あはは」 咲「えへへ…」 京太郎・咲「「あははははは」」 咲「でも…ホントに良かった……京ちゃんもう他の女の子とくっ付いちゃってるって思ってたから……」 京太郎「そんな事ねーよ。俺はこんなチャラチャラした見た目だけど、中身は一途な純情ボーイ何だからな?」 咲「ふふ…そうだね」にこにこ 京太郎「だから安心s――――」 京太郎「――――――!!!」ドキィッ!!! 咲「……ん?どうしたの?京ちゃn――――」 京太郎「……い…いや何でも……そっそうだ咲。あっちのキャンパスに行こうぜ!!」どきどき 咲「う…うん」 京太郎(こっここはすぐにでも離れt――――――) 憧「――――――あれ須賀君?偶然だね……それに宮永さん?」 京太郎「!!!?」びくぅ!! 穏乃「お久し振り須賀さん。それに宮永さんも」ぺこり 咲「…………京ちゃんこの人達、阿知賀女子だった人達だよね?和ちゃんの友達の」 京太郎「ああ。あk…新子はここの学生なんだ。だけど…新子はいいとして、どうして高鴨もいるんだ?」 穏乃「はは…それはね。実は…憧とはたまに、お互いの学校を案内し合ったりしてるんだ」 憧「それより…宮永さん…ううん宮永プロはどうして学校に?」 咲「私も…京ちゃんに学校を案内して貰ってたの。私…この人とお付き合いしてるんだ」じっ 憧「!?」 憧(今…こっちを見て……流石インハイチャンプのプロ雀士…鋭いわね……でもそれなら――――) 穏乃「へーそんなんですか……これはお邪魔でしたね。じゃあ憧…行k――――」 憧「そうだったんですか。でも私も須賀…ううん京太郎君とは随分仲良くさせて貰ってるんですよ」にこっ 咲・京太郎・穏乃「「「!?」」」 憧(言ってやった!言ってやった!!でもこれだけじゃ―――――) 憧「……でも宮永さん…いいえ宮永プロ」 咲「何ですか?」 憧「いえ…プロリーグで新人賞を獲った有名人が、こんな処で堂々と彼氏とデートなんてしていて大丈夫なんですか?」 京太郎「いや…それは……」 咲「私は仮に有名人だとしても、それは麻雀のプロであって、アイドルとかじゃないから、全然問題ないよ」 京太郎(いや…そんな事は……もし当事者が俺じゃなかったら、新聞部としては、とんでもなく美味しいネタなんだけどな) 京太郎(……って、もしかしてもうアイツらに撮られてんじゃねーだろうな……)きょろきょろ 咲「それに…撮られたとしても、別に私は困りませんから」ぎゅっ 憧「!!」ムッ 京太郎「おっおい咲!…そんなくっ付くと……」 憧「それは大層な事で…でも将来を嘱望されているプロとただの大学生では、住んでる世界が随分違うと思いますけど?」 咲「どういう事?」 憧「お互いの目線が違い過ぎると、釣り合いが取れてくなって、ずっとすれ違って―――――」 憧「いつか破綻するんじゃないか……って事ですよ?」ニヤリ 穏乃「あっ憧!?」おろおろ 京太郎「おっおい憧!何言って―――――」 咲「大丈夫だよ。新子さんが望む(おもう)様な事には、決してならないですから」きっぱり 憧「そう…だといいですね?じゃあ。行こっか?しず」ファサ……… 穏乃「う…うん!それじゃあまた。大変失礼しました!!」ぺこり 憧「あっそうだ―――――」ずいっ 京太郎(!?おっおい!顔が近い!!///////)どきっ 憧「またね。京太郎君……ううん京太郎――――」すっ… ちゅっ 京太郎「!!!??」 咲・穏乃「「!!?」」 憧「えへへ…今まで色々シテくれたお礼に、私のファーストキスあげる!!じゃあまたねー!!////////」たたっ 穏乃「ちょっ憧!!すっ済みませんでしたー!!」ふかぶかとおじぎ たたたっ―――― 咲「…………京ちゃん…唇にチュウ(これ)って、一体どういう事なのカナ?カナ?」ゴゴゴゴゴゴ―――― 京太郎「いっ…いや……これはその―――――///////」あたふた 咲「…………いいよ…今の私がとやかく言う資格なんて無いのは判ってるから……」ギリィ… 京太郎(言っている事と…お貌の表情(ようす)が全く違うのですけど……)おどおど 京太郎(いや…ここは男として、寧ろおどおどするんじゃなくて、こいつを安心させてやらないとな!!)ぐっ 京太郎「…………確かに、あれから色々あったけど。咲…これだけは、はっきりと言える」キリッ 京太郎「これまでも、これからも……たとえ、どんな事があったとしても、俺はお前だけだから」だきっ… 咲「……!!うん…私も京ちゃんだけだからね……」ぎゅっ… 咲「……でも。もしあの子…ううん…誰であろうと、私と京ちゃんの仲を邪魔する様な子がいたら…その時は―――――」 咲「全部纏めて私が――――――」 咲「ゴッ倒す!!!!」ゴッ!! 京太郎(…………誰もゴッ倒されない様に…誠心誠意、気を付けさせて頂きます……) 穏乃「もうっ憧ってば、彼女さんの前であんな事して、私、知らないよ?」 憧「こっ…これ位の事はさせて貰わないと。わ…私の気が済まないんだもん!!//////」まっかっか 穏乃「まったく…そんな真っ赤になってる癖に…良く言うよ」はぁ 憧「そっそんなことないわよっ//////!!それに…その内に、ホントに私が言ったみたいになるかもしれないじゃない?」 穏乃「まったく…立ち直りが早いと言うか…懲りないね、憧は……」はぁ 憧「あのねぇ…そうさせたのは、しず…アンタの所為なんだからね」 穏乃「私の所為?」きょとん 憧「そうだよ…あの時…私が京太郎に振られた時…あの時…直ぐに駆け付けてくれたじゃない」 穏乃「うん。あの時…何か胸騒ぎがして、憧に電話したら…あんな聞いた事もない声で出るんだもん。吃驚したよ」 憧「そしてら…ホントにすぐ来てくれて…それに着替えと、あったかい飲み物まで持って来てくれて……」 穏乃「いや…雨音はするのに、傘を差してる感じじゃなかったし……」 穏乃「それに…声も寒さに震えてる感じだったから、もしかしたら、ずぶ濡れ何じゃないかなって思って」 憧「あの時は本当に凄く嬉しかった。しずが…私の親友で居てくれて本当に良かったと思った」 穏乃「はは…そう面と向かって言われると照れちゃうな/////」てれっ 憧「それにあの時…私の話を聞いて、しずも一緒に泣いてくれて……」 穏乃「そっ…そうだったかな…はは……//////」 憧「あの時のしず…私にこう言ってくれたじゃない―――――」 憧「『悪い事があったとしても、その内いい事もあるから大丈夫』って……」 穏乃「確かに言ったけど……さっきみたいな事を言った訳じゃ―――――」 憧「ううんっ!京太郎の事だって、まだまだ勝負は下駄を履くまで分からないんだから!!」 穏乃「いや…もう履いてる様な……」 憧「前に京太郎と観た『遠くの恋人(ヒト)より、近くの彼女(コ)!』って映画みたいな結末にしてやるんだからね!!」 穏乃「人の話聞いてないし……」はぁ 憧「見ててよ…しず。いつか必ず捲土重来してやるんだから――――――」 憧「…………そう…まだまだ――――――」 憧「私の戦いは始まったばかり――――――」 憧「―――――なんだからね!!」にこっ 穏乃「…………うーん…正直に言って、憧にとっては不毛な戦いになると思うんだけどなー」はは… 穏乃(まっ…それでも私はいつでも憧の味方なんだけどね……) おまけのおしまい。
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289 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/10(日) 13 12 09.59 ID 1pgCD7RWo [15/38] [オープニング] アカン、死んでまいそう。 ふらり、ふらり。 足元が覚束ない。 まるで熱に犯されたように体が重い。 微熱があったのは知ってた。 だけど、そんなにひどくない。 そう思う自分がいたもの事実で。 でも、実際は今倒れそうになっている自分がいるのも事実なのだ。 こんなに自分は貧弱だったかな、と問いかけてみる。 怜「あ、せやった……ウチ、病弱やった……」 ふふふ、と。 一人でツッコミを入れて薄く笑う。 本来ならここで竜華やセーラがツッコミの一つや二つ、入れてくれるもんやのに。 なんでいないんだろう。 そこまで考えて、自分が今向かおうとしている場所にいるからだ。 そう理解する。 新学期。 3年生になった、春。 千里山高校には新入生が入ってくる日。 入学式の前に部の方で勧誘の準備をする。 そう、妙に張り切ってた監督が言ってたっけ。 でも、それには間に合いそうにない。 なんだか、体がふわふわ。 ふわふわと、してきたからだ。 ぐらりと、揺れる。 倒れるくらいなら、家で休んでればよかった。 硬いアスファルトに身を叩きつける直前。 ふと、そんなことを思った。 その時だ。 手を握られ、倒れるのを遅らせられる。 その一瞬。 その一瞬に手を肩に添えて、ひょいっと。 軽々と、私を支える男の子が見えた。 京太郎「大丈夫ですか!?」 それが、ウチと京太郎との出会い。 296 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/10(日) 13 28 43.39 ID 1pgCD7RWo [16/38] 京太郎「千里山……俺と同じ高校の制服……大丈夫ですか、名前言えますか?」 怜「あ、うん……ウチは園城寺怜や」 京太郎「園城寺さんですね、俺は須賀京太郎って言います……意識はハッキリしてる、呼吸も異常なし、負傷も無し……救急車は必要ですか?」 怜「そ、そこまでせぇへんでええよ!ウチ、病弱なだけやから休んでれば……」 京太郎「そうですか……じゃあ、学校の保健室に行きましょう。立てます?」 近くのバス停のベンチ。 そこにウチを支えていった後、色々と尋ねてくる。 手馴れてるな、と思う。 さっき倒れそうになったとき、体を支えるのと一緒に頭と首をカバー。 そして今は意識の確認と体の診断をしている。 まるでお医者さんみたいやな。 緊急事態に対応するために勉強していたみたいだ。 そこまで考えて、男の子。 須賀京太郎君。 千里山が共学になったのは知っていたけど、こうしてその一人と会うことになるとは思わなかった。 彼の言葉、学校の保健室に行こうというもの。 それに思った以上に素直に「うん」と。 そんな言葉が出る。 四肢に力を込めて、立ち上がろう。 ぐっと。 ……ぐっと。 怜「…………」 京太郎「……園城寺さん?」 怜「……あ、足…」 京太郎「足?」 怜「……足に力、入らへん……」プルプル 京太郎「」 アカン、須賀君絶句しとる。 がんばれ怜ちゃんフッド、命を燃やすんや。 やれば出来るって炎の妖精さんも言っとるやんか。 怜「ふっ……く……」 京太郎「………失礼しますね」 その時、須賀君が動く。 学ランの上を私に被せ、布団のようにする。 そのまま、横抱きに。 ………横抱き? 300 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/10(日) 13 48 28.97 ID 1pgCD7RWo [17/38] 怜「ちょ、ちょ、何しとん自分!?」ペチッ 京太郎「あいた」 怜「こ、ここここれってお姫ひめひめ……!」 京太郎「いや、握力無いからおんぶは無理っぽいなと思ったので」 怜「いや、せやけど」 京太郎「不快かもしれませんけど、まぁ保健室に行くまで我慢してくださいなお姫様」 さっくりと、そう言って歩き出す。 ……手馴れてるなぁ、やっぱり。 なんともいえない、初めて感じる感覚。 男の人に抱っこされるのは、覚えてる限りではお父さん以外ない。 新品の学ランの匂い。 ちょっと前まで、中学生だった男の子。 そんな妙な感覚を誤魔化すように、ウチは問いかける。 怜「……須賀君、“たらし”なん?」 京太郎「これ以上なく激しい中傷を浴びた気分なんですけど」 怜「普通の子は初対面でお姫様抱っこなんかせえへんよ」 あと、お姫様発言もせんな。 そう言うと頭を抱える……は出来へんな。 非常にバツが悪い。 そんな顔を須賀君はする。 それにくすりと。 小さく笑う。 一個お返しや。 そう思って、「あっ」と呟く。 そうだ、竜華たちに連絡入れとかな。 『今、保健室におる』。 目の前に見えた校舎を見ながら、ウチはそんなメールを送る。 保健室は開いていたけど、先生がいない。 何か用事かな、と思いつつ。 ウチは椅子に座り、肩に学ランをポンチョみたいにかけて。 ごそごそと、体温計を取り出す須賀君を見ていた。 京太郎「じゃ、俺は職員室にでも行って保健室の先生探してきますから、ここで体温でも測って大人しくしててくださいね」 怜「すまんなぁ京太郎や、ウチの体が弱いばかりに……こほっ、こほっ…」 京太郎「おかあ、そりゃあ言わねぇ約束だろ……って何でやねん」 怜「おお、ノリツッコミやな」 京太郎「はっはっは……いや、大事なさそうで何よりですよ」 306 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/10(日) 14 05 07.03 ID 1pgCD7RWo [18/38] 怜「………」 京太郎「………」 怜「……あはは」 京太郎「ははは」 二人揃って、笑う。 なんか、笑ってしまうのだ。 怜「おもろいなぁ、須賀君」 京太郎「関西で暮らすことになりますからね、褒め言葉として受けときます」 ィ... 怜「そっかー」 ...キィ 京太郎「じゃ、俺はちょっと行って……何か聞こえません?」 トキィィ 怜「へ?」 トキィィィィ! 竜華「怜ぃ!!」 セーラ「トキ!!」 京太郎・怜「!?」ビクリッ 怜「……って、りゅーかとセーラ?」 その瞬間、バンッと。 ドアが叩きつけられるように開く。 反射的に、ウチと須賀君が手を握ってしまう。 それくらいのびっくり具合。 息荒い竜華と目を丸くしているセーラ。 竜華が息を整え、周りを見回す。 ウチと須賀君を見て、そして状況を確認。 すぅっと。 竜華が息を吸った。 竜華「怜が保健室に男連れ込んどるー!?」 京太郎・怜「「なんでやねん」」 アカンわ、もう疲れたで……。 [プロローグ:終了] 313 名前: ◆VB1fdkUTPA[!red_res] 投稿日:2013/02/10(日) 14 17 12.38 ID 1pgCD7RWo [19/38] 夢を見た。 ニュースを見る夢。 環状線で人身事故があった。 それだけの話。 ベッドで身を起こし、ニュースを見る照さん。 俺もぱちりと。 目を開く。 照さんが、俺が目覚めたのを見て笑う。 ゆっくりと。 ゆっくりと近づき、手の平に手を重ねて、キスをしてくる。 薄いシーツ越しに触れ合う素肌と素肌。 俺と照さんの唇と唇。 その間に伝う銀糸。 愛おしそうに。 俺の頬を撫でる照さん。 蛇が獲物を飲み込むように。 俺が埋れていく。 その感覚が、俺にはあった。 拒絶できない。 拒絶は許されない。 そう、言うように。 照さんの寵愛を、俺は受ける。 一方通行の愛を。 愛でられる人形の愛を。 縛られた心で、俺は受ける。 照さんが、笑った。 小さく。 大きく。 唇に弧を描いて。 笑う。 ニュースキャスター『……被害者は学生、遺留品から長野県在住の宮永―――』 笑う。 330 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/10(日) 14 28 35.45 ID 1pgCD7RWo [20/38] 【8月14日:朝】 目が覚めた瞬間、トイレへと駆け込む。 胃液を吐き出す。 それだけの行為。 喉をひりひりと。 焼く感覚に涙が零れる。 なんだよ、あの夢。 なんなんだよ、これ!! ふざけんな、あんな夢ふざけるんじゃねぇ。 俺はあんなの望んでない。 望みたくもない。 俺は何も。 小さい、普通の幸せさえあればそれでいいのに。 何で。 何であんな夢ばかり……。 しかも、何で体験した事実みたいに。 なんで、感じるんだ……。 朝 京太郎「……」 浩子「なんや須賀、えろう顔色悪いやないか」 京太郎「船久保先輩、おはようございます……」 浩子「おはよーさん……って、ホンマに大丈夫か?」 よほど顔色が悪いのだろうか。 朝食の席に向かった俺は、先に食事をしていた船久保先輩に声をかけられる。 まぁ座れ、と席を空けられて俺は座る。 何処までも冷酷に見えて、でも何かと世話焼きの苦労性。 船久保先輩はそんな人だ。 浩子「何か食べれるか?」 京太郎「はい、なんとか……」 浩子「よっしゃ、ちょお待っとき」 そう言って、席を立つ船久保先輩。 朝のバイキング。 そこをぐるりと巡り、戻ってくる。 浩子「ほら、白かゆや。熱いからゆっくり食べ」 京太郎「ありがとうございます……」 レンゲを渡される。 白粥に、4種類くらいの漬物、それとキンピラ。 我の強い、油っけの無いメニューは無い。 それに感謝しつつ、俺は息を吹きかけ、一口。 京太郎「熱っ……」 浩子「そういうもんや、ええからゆっくり食べ」 京太郎「はい……なんか、船久保先輩妙に優しくないですか?」 浩子「おう、喧嘩売っとるんか」 京太郎「すいません!すいません!!」 浩子「はぁ……病人くらいには優しくするで」 京太郎「すいません……」 浩子「ええよ、こんくらい……ほら、ちゃっちゃと食べる。お仕事お仕事」 京太郎「了解っす」 359 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/10(日) 14 49 59.83 ID 1pgCD7RWo [23/38] 【8月14日:昼】 船久保先輩に気遣われて朝を過ごした。 そんな今、俺は園城寺先輩と並んでソファーに座っている。 小さき咳の声。 あの春の出会いから四ヶ月が過ぎた。 この人が先輩だったということも、麻雀部の新エースだということも。 色々と知ってきた毎日だ。 細い背中。 その背中に皆の期待を背負っている。 その重圧は、どんなものなんだろうか。 この人の弱い体で。 どれだけの重荷を担ぐつもりなんだろうか。 ふと、そう思うことがある。 ただ、言えること。 一つだけ、言えること。 園城寺先輩は一人じゃない。 その事実だ。 清水谷部長も、セーラさんも、船久保先輩も、泉も、愛宕監督も。 そして他の部員に、俺も。 皆の思いを園城寺先輩は抱え、そして皆がその重みを支えている。 だから、この人は強いんだろう。 強くなれるんだろう。 竜華「怜、おるかー?」 怜「ここにおるでー」 竜華「お、ここに居ったかー病人コンビ」 京太郎「俺も病人扱いですか部長……」 竜華「当然や、船Qがウチに声かけてくるくらいなんやで?」 そう思っていると、部長がドアを開けてくる。 そうか、そろそろ開会式か。 俺は時計を見て、そう思う。 ゆっくりと立ち上がる園城寺先輩。 部長が片目を閉じ、「こっちは任せて」と合図する。 それに俺は頷いて、見送る。 レギュラーの。 思いを背負った、背中を。 今、全国大会が、幕を開く。 393 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/10(日) 15 12 19.86 ID 1pgCD7RWo [28/38] 【8月14日:夜】 竜華「須賀君、こういう場合はどないするんやろ?」 京太郎「園城寺先輩の場合だと、基礎体力の時点で問題ありますからね……」 夜、俺は清水谷先輩と向かいあってノートを手に、話し合い。 書かれた内容。 それは合宿での園城寺先輩の身の回りに関することが記入されている。 栄養面、肉体面、精神面。 そういった情報がある、ある意味では女の子のプライベートなんて無いと言わんばかりの本。 たまに園城寺先輩が半目で見ていたのが気になるけど、まぁいいだろう。 いや、よくないんだけどね。 竜華「んー……怜の体力を考えると一荘が限界やね、やっぱり」 京太郎「セーブして戦える相手じゃありませんしね、全国区は」 大阪府大会。 そこではある程度セーブしての試合だった。 倒れるほどじゃないにせよ、それでも消耗は激しい。 ちらりと。 俺は視線を向ける。 ノートを見て真剣に考える清水谷部長。 そこでふと、俺は気づく。 部長の後ろ。 つまりは俺の真正面から。 ゆっくりこっそりと、園城寺先輩が近づいているのを。 怜「………」シッー 京太郎「リョウカイッス」 竜華「ん?須賀君なにか言うた?」 京太郎「イエナニモ」 竜華「そか?」 怜「……」(氷を取り出す) 竜華「んー……船Q呼んだ方がええかなー?」 怜「とりゃ」 竜華「ひっ……冷たぁぁぁ―――んぁ!?」 びくりと、部長が立ち上がる。 振り向けば、悪戯成功という顔をした園城寺先輩の姿。 部長が、ぽろりと出てきた氷を掴んだ。 「怜ぃぃい!」 「え、ちょ、ウチお医者さんに冷物はアカンって…」 「お返しや!」 怜「ひゃああああ!?って、冷たいわ!!」 436 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/10(日) 16 25 18.89 ID 1pgCD7RWo [33/38] 【8月15日:朝】 雅枝「須藤ー、須藤おるかー?」 京太郎「監督、須賀です」 雅枝「おお、おるやん須藤!ちょ、こっち来い」 京太郎「須賀ですってば」 愛宕監督に呼び出される。 それはレギュラーじゃない俺を呼ぶ、という物珍しいことだと思う。 ぶっちゃけると、名前を本当なのかワザとなのか分からないくらいに間違えるからだ。 つか、須藤って誰だよ須藤って。 俺の苗字より一文字多いじゃねーか。 そんなことは、まぁおいて置いて。 監督が「入るでー」と軽く声をかけて部屋に入る。 あれ、ここって園城寺先輩と部長の部屋じゃ? そんな記憶の掘り返し。 それが完了する前に、ドアが開く。 中には、膝枕をする部長とされる園城寺先輩の姿。 ……うん、なんか白い花が咲いてそうだ、背景に。 雅枝「ほんなら須藤、二人は任せたで」 京太郎「はい?」 雅枝「ほな、よろしゅう」 京太郎「いや説明くらいしてください監督ぅぅぅぅ!?」 ツカツカと、足早に去っていく監督。 いやいやいや、待ってくれ。 何で女の子の部屋に置いてけぼりにされなきゃいけないんだ。 そう思っていると、ぱちり、と。 園城寺先輩が目を開く。 もぞりと、身を震わせて。 俺を見た。 怜「………なんで須賀君おるん?」 京太郎「分かりません」 まぁ、その後で今日の試合を撮りにいくから部長に細かい指示を受けることになったんだけどね。 そういうのって船久保先輩か監督の仕事なんじゃ…。 499 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/10(日) 22 42 03.04 ID rJ3/o4NGo [2/9] 【8月15日:昼】 浩子「よっしゃ、準備ええな?」 京太郎「うっす!」 全国大会一回戦。 その試合を撮影するために俺は船久保先輩と会場へと向かう。 今日撮影するチーム。 そこには、以前PAで昼休憩の時に出会った阿知賀の皆さんも居る。 一回戦。 勝ち上がるのは一位通過のみ。 千里山は共学だからその心配は2回戦からになる。 となると、何所が勝つのだろうか。 俺としては、やっぱり阿知賀に買ってほしい。 そんな気持ちがあった。 そうこうしている内に会場につく。 席を探して、一角を確保。 カメラを準備する俺は準備を最低限終えると、ちらりと時計を見る。 あと20分で試合開始、というとこだろう。 俺は財布を掴み、先輩に顔を向けた。 京太郎「先輩、何か欲しいものありますか?」 浩子「買いにいくん?ほな、適当に飲み物と軽食頼むわ」 長丁場になりそうやし。 そう言って目線をタブレットに戻す先輩。 俺はオーダー通り、適当に飲み物とパンを買う。 うん、これだけあればいいだろう。 意外とこの人、食べるしなぁ。 セーラさん>船久保先輩=泉>清水谷部長>園城寺先輩。 食事量はこんなものだろう。 俺は早速パンを一つ齧る。 量は、ちょっと足りないかもしれない。 京太郎「先輩、試合終わったら情報整理と小腹満たしでお茶でもどうです?」 浩子「ええなそれ、そうしよか。店んことは任せるわ」 うーん、店か。 コーヒーお代わりできるし、ドーナッツとかいいかも知れないな。 会場近くにも店があるの知ってるし。 ……あれ、何で俺知ってるんだ?そんなこと。 523 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/10(日) 23 13 19.81 ID rJ3/o4NGo [5/9] 【8月15日:夜】 セーラ「おーおかえりー」 京太郎「セーラさん、今戻りました」 セーラ「あれ、船Qは?」 京太郎「先輩は疲れたから部屋で少し寝るみたいです」アトコレオミヤゲデス セーラ「お、ドーナツやん!おおきに!」 ホテルに戻る。 俺は小分けにされた箱の一つをセーラさんに渡し、肩を並べて歩く。 江口セーラ。 昨年の千里山のエースで、今大会でも中堅エースとして園城寺先輩との2段階での火力運用としている。 その性格は、一言で言えば豪快。 3900三回より12000一回、そういう火力ある打ち筋を好んでいる。 それでいて、性格も非常にサバサバとしている。 話している間に誰かの気分を軽くする。 そんな人だ。 そんな先輩の格好。 半ズボンに半そでTシャツ、上に学ランという姿。 格好のせいか可愛らしい男の子にも見えなくもない、そんな姿だ。 この人の欠点?と言えばいいんだろうか。 あまりに豪快すぎて、女の子らしくない、ということだ。 船久保先輩もそれでたまに雷飛ばしてるしな。 セーラ「ん?どないしたん?」 京太郎「いえ…セーラさんは元気だなぁ、と思いまして」 セーラ「そか?せやけど、暗い気分にワザワザなる必要もあらへんやろ?」 さっぱり。 そう言われると何も言えない。 そんなこの人だからこそ、こうして俺の顔に笑みは浮かぶんだろうけれど。 セーラ「なんや京太郎、なしてそない景気悪そうな顔してん?」 京太郎「あはは……いえ、セーラさんはそんままで居てください」 セーラ「ん?」 京太郎「何でもありません、お茶飲みます?」 セーラ「オレは紅茶な!」 京太郎「うっす、了解っす」 552 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 00 01 14.52 ID SjuryLolo [1/14] 【8月16日:朝】 世話係。 そう銘打たれた俺の肩書きはなんてことはない。 体の弱い園城寺先輩をサポートする皆のサポート役、ということだ。 その係を指名したのは監督だが、推薦したのはレギュラーの皆だ。 曰く、力があり、細かに気が利いて、信頼できる。 他にも女子部員が多くいる中、そうまで推薦してくれた。 その事実に何とも言えない恥ずかしさを感じつつも、俺は今日の仕事を準備する。 今日は何をしようか。 昨日の一回戦の試合のデータ処理をするために船久保先輩の所に行こうか。 ああ、そういやセーラさんの学ランのボタンが取れたって言ってたし後で直しにいかなきゃいけない。 泉は何も無い日は試合の映像を見てるし、後で昨日の分を渡しておくのもいいかも知れないな。 思えば、仕事ってのは結構あるもんだ。 そんなことを思いつつ、俺はレクリエーションルームに入る。 雀卓が一台、大型のモニターが一つと、試合映像や練習を行える他、お茶なんかも飲める場所。 俺が主に常駐するこの部屋に入って見れば、そこにはソファーに横になる園城寺先輩の姿と、先輩を膝枕する清水谷部長の姿があった。 京太郎「おはようございます、部長、先輩」 竜華「おはよう須賀君」 怜「おー、おはようさん京太郎ー」 片手をひょいっと。 上げて挨拶する園城寺先輩。 この人、早速膝枕してるよ…。 京太郎「今日は早速ですか、先輩……」 怜「ふふふ、怜ちゃんパワーを竜華に充填中やで」 京太郎「意味分かりませんから」 怜ちゃんパワーってなんだ、怜ちゃんパワーって。 しかも部長は部長で満更でもなさそうだし…。 竜華「もう、怜ったら……」 怜「ええやん、もうちょいだけ……」 京太郎「もしもーし、まだ朝ですよー?」 怜「せや、京太郎もどや?ええで、竜華の太腿は病み付きになるで…!(ゲス顔)」 アンタおっさんかなんかか。 670 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 20 09 08.75 ID JVGYGWJ7o [3/44] 【8月16日:昼】 接触対象指定↓3 気配が薄い。 元々の呼吸も浅く、体温も低く、線も細い。 生きている人間が出す気配。 それが薄い園城寺先輩の接近には気づかないことが多い。 俺は誰もいないはずのレクリエーションルームで一人、ソファーに寝転がっていた。 このソファー、元々はベッドになるようなもので、非常に大きい。 また、ふっくらとしていて体を包む柔らかさがある。 きっちりと座るにはきついが、だらけるのには向いている。 そんなソファだ。 俺は午前中の仕事、主に船久保さんやセーラさんの一件を終え、昼食を済ませる。 そうして出来た休憩時間に、まどろんでいる。 テーブルの上には新聞。 さっきまで時間つぶしに読んでたのだが、文字を読むとどうにも眠気が来る。 気づけば、寝ていた。 それが今だ。 左手に着けられた腕時計を見よう。 そう思って、腕に力を込めると感じる重み。 なんだ?と、視線を腕に向ける。 見えたのは、俺の腕を枕に眠る園城寺先輩の姿。 フリーズ。 ………え?どういうことなの? 怜「ん……」ゴソリ 京太郎「ちょ!?」 寝返りを打ち、すっぽりと。 俺の懐に丸まる先輩。 ウチのカピバラが俺の布団に潜り込むような感じだな。 思わずそうのほほんとしたが、直ぐに再起動する。 いや待て、待ってほしい。 何で園城寺先輩が俺の腕枕で寝てるんだ!? 教えてくれ怜ちゃん、俺は今どうすればいい。 俺は何故か、SD化してふよふよと浮いている怜ちゃんを幻視して問いかける。 怜ちゃんが、にっこりと笑う。 俺もにこりと、引きつって笑う。 答えは一つらしい。 怜ちゃん『これは責任やね』ニッコリ 京太郎「言われなき罪をつけないでください!!」 【8月16日:夜】 一年生。 千里山という名門高でレギュラーを掴む。 それは並大抵のことじゃあない。 それを一年生で成し遂げた数少ない人物。 それが泉という女の子だった。 性格は一言で言えば、不敵。 誰にも負けない、劣っていない。 それを自負して、糧にする。 対抗心と向上心の塊みたいな奴が、二条泉という女の子だ。 ただ、あまりに上手く行き過ぎると舐めてかかり、手痛い反撃を受けてリズムを崩される。 そんな面があるんだけれども。 まぁ、言うならば小生意気。 真面目だけど、小生意気が正しい評価かも知れない。 泉「あーうー……」 京太郎「その…あれだ……お疲れ?」 泉「そないな慰めせんといてぇ……」 俺は雀卓に撃沈する泉にどう声をかけるか考える。 14時くらいから始まった部内での練習試合。 それは泉が大きくマイナスをつけられた結果になった。 まぁ、セーラさんに妙に調子よかった園城寺先輩、そして部長。 我が部のトップ3と真正面からやりあえば読めた結果な気もするけど。 さめざめと、涙を流す泉。 俺はそれに苦笑しつつ、茶を淹れる。 こういう時はあれだ、気分を落ち着かせるのも一番なんじゃないか。 置かれたカップに気づいた泉が顔を上げて、俺を見る。 その顔は……複雑? うん、そんな色がある。 泉「そない優しくせんとってぇ……」 京太郎(駄目だこら) 優しくしないでいいんだったらデコピンしてやろうか。 思わず、そんなことを考えた俺は悪くないだろう。 だってめんどくさいんだもん。 733 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 21 03 41.31 ID JVGYGWJ7o [12/44] 【8月17日:朝】 泉「はぁー……なんやごっつい人おんなぁ……」 京太郎「まぁ、白糸台高校の初試合だからなぁ」 2回戦初日。 俺は泉と共に大会会場へと来ていた。 目的はただ一つ。 白糸台高校の試合を見る。 それに尽きる。 準決勝。 そこで千里山は白糸台とぶち当たることになる。 少なくとも、千里山も白糸台もそこまで勝ち残る前提だ。 負けることを考えて試合に出る選手はいない、ということだ。 見回せば、やはり人は多い。 誰もが白糸台の力を見に来ている、そういう顔だ。 まぁ、俺たちもそうなのだけれど。 しかし、だ。 取材陣は妙に騒がしい気がする。 耳を澄ませば、「宮永照選手がいないぞ」やら「何所に行ったんだ…?」やら。 そんな声が聞こえる。 泉「チャンピオンおらんって、言うてる?」 京太郎「何かあったんか?」 うーむ。 俺と泉は顔を見合わせ、首を捻る。 その時だ。 声がかかる。 何所か鋭い、そんな声が俺に。 菫「すまない、ちょっと聞きたいんだが……」 京太郎「え、へ?俺ですか?」 菫「他に誰がいるんだ?」 泉(あれ、ウチもおるよね?) 菫「聞きたいことがある、宮永照を見なかったか?」 京太郎「いえ、知りませんけど……」 照さんって、あの照さんだよな? 俺は首を捻る。 ふと泉にも聞こうと顔を向ければ、そこにあるのは少し気圧された。 そんな表情の泉がいる。 ……ああ、この人は何所かで見たと思えば、白糸台の次峰の弘世さんか。 772 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 21 33 25.93 ID JVGYGWJ7o [16/44] 菫「チッ、アイツめ……いや済まない、ありがとう」 小さく舌打ち。 苛立ちというよりは焦りに対してのものだろうか。 こうして知らず知らずの人である俺に聞く。 それくらい焦ってるんだろうか。 京太郎「照さんは、甘い物好きですから近くのそういう店を探せばいるかも知れませんよ」 菫「何?おい君、今何を―――」 京太郎「それじゃ、ほれ泉いくぞー」 泉「えちょ、ま、待ってぇな!」 俺は泉の手を引いて、そそくさと離れる。 試合まであと20分。 ……不戦勝だけは、やめてほしいなぁなんか。 菫「あの男……ん?淡から電話か……もしもし?」 淡『あ、すみれー?テルー見つけたよー!』 菫「何、何所にだ?あと変わってくれるか」 淡『ドーナツ屋さんー。テルー、電話だよー』 照『あと一個だk』 菫「よし待ってろ、今そっちに行って引きずってきてやる」 774 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 21 36 50.36 ID JVGYGWJ7o [17/44] 【8月17日:昼】 試合が終わる。 いや、正確には強制的に終わった、だ。 先鋒宮永照。 その大立ち回りによって削られ、弘世選手によって集中的に抉られ。 そうして中堅では役満が炸裂。 何をどうすればここまで火力を運用できるのか。 そう思ってしまうほどに凄まじい、白糸台における蹂躙だった。 最後の大将戦なんか、悲惨だ。 配牌に嫌われたように他高校は攻撃の基点を失い、その中でも相応に動いた新道寺を除いた2校は敗退した。 あれがチャンピオン。 あれが白糸台。 まさにそれを証明する。 そんな結果だ。 泉は船久保先輩と合流してトンボ返り。 きっと、今日は明日に備えて特訓だろう。 そう思いつつ、俺は一番遅くに会場を出る。 日差しはまだ強い。 園城寺先輩なら倒れてしまいそうだな。 そう思いつつ、俺は横目を引かれる。 そこには、うなされるように倒れてる園城寺先輩の―――。 怜「今、いくで…」 京太郎「いっちゃ駄目ー!?」 アカン。 この人、毎回こういう登場の仕方してないか!? 俺が駆け寄る。 脈拍とか、その他もろもろの確認。 ………あれ? 京太郎「……先輩?」 怜「んー?」 京太郎「貴女、普通に平気ですよね?」 怜「そんなことあらへんよ、眩暈が止まらんねん」 京太郎「目線逸らさないでください」 怜「~♪」 京太郎「吹けない口笛もいいですから」 この人はまったく。 808 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 22 02 04.91 ID JVGYGWJ7o [21/44] 怜「……いや、あんな?」 京太郎「どうせ、俺の姿が見えたからどっきりでも仕掛けよう、ですか?」 怜「よう知っとるやん」 京太郎「はぁ……」 くすくす。 そう笑う先輩に俺はため息をつく。 なんか、気を抜かれる。 そんな気分だ。 怜「よっと……」 小さく掛け声をかけ、体を起こす先輩。 その足取りはしっかりしている。 健康状態に異常はない。 その見解は正しいようだ。 ふふん、と。 妙に澄まし顔をする先輩を見下ろす。 ……はぁ。 怜「ほな帰ろか、京太郎」 京太郎「はいはい、了解しましたよお姫様……はぁ……」 怜「―――――お姫様、な……」 812 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 22 04 43.77 ID JVGYGWJ7o [22/44] 【8月17日:夜】 泉「大丈夫…大丈夫や……」 京太郎「………」 泉「ウチは高校一年最強のつもりや……いける…いけるんや……!」 京太郎「………泉?」 泉「千里山優勝待ったなし!……せや、いけるやん―――」 京太郎「………泉ぃ!!」 泉「ひぃ!?」 びくり、と声をかけても反応しなかった泉が反応。 それに少し声を大きく、監督みたいな感じで声をかけるとびくりと震えていた。 あ、なんか涙目になってる。 そんな泉は俺を視界に納めると、ゆっくりと引いた構えを解く。 そこに出てきたのは、笑顔。 なんというか、何時もどおりの不敵な顔だ。 泉「な、なんや京太郎か……え、用事あるん?」 京太郎「そろそろ飯だから呼びに来たんだよ…」 ほれ、いくぞー。あ、ちょお待ってー。 そんな軽いやり取りをして、俺と泉は並んで歩く。 レストランはホテルの地下。 エレベーターに乗り込み、俺は地下行きのボタンを押す。 妙な空白がある。 無言の空間というか、何か話そうにも話せない……そんな空気だろう。 俺はちらりと、泉を見る。 さっきの姿は無い。 あの姿……自己暗示するような光景。 泉は明日が、最初の公式戦になる。 当然、緊張するだろうし、俺には分からないプレッシャーを感じているのかも知れない。 気づけば、ポンッ、と……俺は泉の頭に手を置いていた。 泉「え、ちょ、何!?」 京太郎「いやさ、泉……今はとりあえず、飯食って寝るのがいいと思うぜ?」 悩まなくてもいいじゃねーか。 高1最強、だろ? そんな軽い言葉に泉が小さく、俺を見上げる。 京太郎「ま、頑張れよ、泉」 俺にはこれくらいしか、できねーけどな。 844 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 22 29 12.51 ID JVGYGWJ7o [27/44] 【8月18日:朝】2回戦当日 セーラ「よっしゃー!今日勝って準決勝や!」 浩子「そないなこと言って制服忘れんでくださいよ」 セーラ「……アカン?」 泉「アカンです」 京太郎「船久保先輩、ベッドの下に隠してあったの確保しました」 浩子「ほぉーう?」 セーラ「ひ、ひぃ……」 朝。 出陣前の準備中。 そんな中で俺は悲鳴をあげるセーラさんを泉と一緒い生暖かい目で見ていた。 2回戦。 シード故にここからが試合となることもあり、気合の入れようも一層違う。 俺は涙目になって船久保先輩の魔の手(間違ってない雰囲気ではある)から逃げるセーラさんを見る。 公式戦。 そこではセーラさんも、普段の男装から制服へと着替える。 本人はあのセーラー服がどうにも恥ずかしいのか、顔を赤くしているのが愉しいのか。 通称・乙女モードなるそれは船久保先輩のタブレットPC内に多く画像が納められている。 つまり、いじられるのだ。 セーラさんは船久保先輩にしょっちゅう。 それがこの乙女モードへの苦手意識を生み出しているのかも知れない……多分。 セーラ「きょ、京太郎!た、助けて……」 京太郎「え、ちょ、ちょちょちょ!?」 セーラ先輩が俺の背中に隠れる。 いや、何かすごい違和感を感じる。 普段のセーラさんは、言うなら兄貴肌。 そういった雰囲気を持つ人だ。 それが今はあれだ、こうして縮こまって俺の背中に隠れている。 しかもちょっと涙目で、だ。 背中に感覚を感じる。 きっと、背中のシャツを掴んでいるんだろうか。 あのセーラさんが。 涙目で。 ………。 京太郎「どうぞ、船久保先輩(ゲス顔)」 浩子「おおきに、須賀(ゲス顔)」 セーラ「んなぁぁぁ!?」 915 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 22 58 49.32 ID JVGYGWJ7o [36/44] 俺はセーラさんを確保する。 そして、船久保先輩の前へ。 きっと、良い笑顔が浮かんでるだろう。 多分、船久保先輩が今浮かべたような笑顔が。 セーラさんは目を見開いて俺を見ている。 捨てられた子犬みたいな目だな、と漠然と感じる。 きっと俺は売られていく子牛を見送る目をしているだろう。 どなどなどーなー、である。 泉「……」 京太郎「……ん?泉、どうした?」 そこでふと、俺は視線を泉に。 なんというか、判断に困る。 そんな顔をしている。 あれか? セーラさん弄りに参加したかったんだろうか? 俺は目の前に手をやって、振ってみる。 反応が無い。 ……うーむ? 京太郎「……てぃ」ペシッ 泉「あんっ…!」 ぺしりと。 軽く俺はツッコミを入れる。 これくらいは普段もやってるから問題ない。 それでやっと気づいたのか、頭を抑えてキョロキョロと周りを見回す泉。 それに俺は声をかけて、ゆっくりと部屋を出ていった。 京太郎「……にしても、泉変な声出してたな……」 920 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 23 01 13.68 ID JVGYGWJ7o [37/44] 【8月18日:昼】2回戦当日 試合自体は、そう語ることは無い。 阿知賀。 PAで出会ったその高校との対戦があった。 それくらいだ。 園城寺先輩も、泉も、セーラさんも、船久保先輩も、清水谷部長も。 それぞれの仕事を全うした。 その結果が、1位通過だ。 俺は帰宅の準備を始める皆と共に準備する。 視線をチラリと。 園城寺先輩へ。 体力はだいぶ、回復したとは思うんだけど。 京太郎「園城寺先輩、大丈夫そうですか?」 怜「うん……なんとかな」 竜華「怜、頑張ったからなぁ」 怜「せやね……ちょお疲れたわ」 ぐでん、と。 部長の膝枕に体を崩す園城寺先輩。 いや、それはいい。 それはいいんだが、今は撤収の時間だ。 俺がそう言うと、不満顔の両者。 ……俺が何をしたっていうんだ。 怜「知らんよ、そんなん」 竜華「せやなー」 京太郎「理不尽ですよね!?」 ぷくーっ。 そう頬を膨らませる園城寺先輩に部長。 ああもう、この人たちはどうしてこう…。 俺が小さく頭を抱える。 そして見れば、くすくすと。 顔を見合わせて笑う二人。 ……セーラさんに続いて、俺も弄られ枠なんだな。 それを妙に実感する、瞬間だった。 953 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 23 18 56.73 ID JVGYGWJ7o [41/44] 【8月18日:夜】2回戦当日 セーラ「う、うぅ……」 ―――例え話をしよう。 もし、男まさりな女の子が居たとして。 その子が普段しないような女の子らしい格好で顔を真っ赤にして隅っこに隠れるように座っている。 そんな光景がある。 それは実にありえない光景だろう。 かくいう俺も、直面していると硬直して動けなかったくらいだ。 いや、誰だってそうだろう。 俺は悪くないぞ、これは。 ………おほん。 そして、だ。 セーラ「きょ、きょう、たろぅ……?」 俺が居ることに気づいたんだろう。 蹲った状態から顔を上げ、俺を見上げる。 そして、妙に舌足らずな声で。 俺の名前を呼ぶ。 ……うむ。 なんだろうか、こう、笑顔になるな! 妙な心の爽快感すらある気がするぞ! 悪くない、悪くないぞ。 こういうのもいいじゃないか。 普段頼りがいがある子が妙に弱々しい姿とか。 実に庇護欲を刺激する状態じゃないか? セーラさんを見る。 所謂、ふわふわ、という感じの服だろうか。 ワンピースが妙に映える気がする。 元々可愛らしい顔をしているセーラさんに良く合う格好だろう。 そして、これを仕組んだ人物は一人しかいない。 俺はこちらに近づいてくる足音に首を向ける。 現れたのは、カメラを持つ船久保先輩。 そして泉だ。 ………セーラさん、俺の後ろに隠れないでください。 24 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 23 46 41.32 ID JVGYGWJ7o [3/9] 京太郎「船久保先輩はまだしも、泉……お前もか……」 泉「ち、違っ!これは船久保先輩の命令で……!」 浩子「泉もノリ気やったやん」 泉「先輩命令やったやないですかー!?」 悲鳴を上げる泉。 まぁ、後でしっかりと泉にはお話してやろう。 俺はそう思いつつ、船久保先輩を見る。 うーん。 この人、本気で嫌がってるとそこまでしないんだけどなぁ。 そう思いつつ、俺は腕を組む。 ここから先へは通しません。 そんな意思の表れだ。 それが通じたのか、船久保先輩は妙に面白そうに部屋から出ていった。 泉「ほ、ほなウチも……」 京太郎「おっと、泉は別だ」 泉「な、何でぇ!?」 京太郎「俺が先輩を説教できないが、同学年は出来るんだよ!」 泉「ひぃ!?」 逃げようとする泉の襟首を掴む。 そこに正座し、俺は泉の前に立つ。 さぁて、とりあえずは足が痺れるまでしっかりと反省して貰おうではないか。 35 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/11(月) 23 53 54.22 ID JVGYGWJ7o [5/9] 【8月19日:朝】 なんてことは無い。 園城寺先輩が散歩に出たい。 そう言ったから、お供しますと告げただけ。 ふらふら。 そんな足取りで前を行く園城寺先輩を俺は追う。 なんというか、気づいたら倒れてそうで妙に気が気でない。 そんな気分だ。 俺は目を細め、空を見上げる。 天気はいい。 それに今日は風もある。 夏とはいえ、日陰はかなり涼しい日だ。 そうそう、本なんかを読むには一番良い日かも知れない。 そう、俺は木影の下に座って本を読む女性を片目に写して思う。 その時だ。 俺に、戸惑いが混じった声が聞こえた。 照「もしかして……京ちゃん?」 京太郎「え?」 声。 懐かしい声だ。 思わず立ち止まって、視線を向ける。 影の下。 そこに小説片手に座り込んだ人。 小さく。 本当に小さく。 照さんが笑っていた。 照「久しぶりだね、京ちゃん」 京太郎「お久しぶりです、照さん」 怜「……チャンピオンと知り合いなん、京太郎?」 京太郎「どわあああ!?何時の間にそこに!?」 怜「二人して見つめあっとる時やで」 見れば、園城寺先輩はジト目で俺を見ている。 ぱちりと。 照さんが、園城寺先輩を見た。 照「千里山の……園城寺さん?」 怜「どうもー、宮永さん。ウチの京太郎がお世話になっとるみたいやな」 134 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 00 34 03.99 ID cIlx3zjQo [5/28] キョトンと。 そんな顔をする照さん。 ああ、そういや俺が千里山高校に入学してるの知らなかったっけ。 それを今伝えると、「驚いた」と一言。 やっぱりこの人はサバサバしている。 そう思っていると、怜さんが俺の手を引く。 行こう、ということだろうか。 京太郎「じゃ、じゃあまた、照さん!」 照「うん、またね」 怜「京太郎、時間は有限やからはよ行こか」 京太郎「ちょ、ちょちょ!引っ張らないでください園城寺先輩!!」 つかつかと。 普段からは考えれない力で俺の手を引く園城寺先輩。 暫くそれが続いて、急に。 急に、先輩が止まった。 京太郎「お、園城寺先輩……?」 怜「……怜」 京太郎「へ?」 怜「怜って、呼んで」 え、いや、あの。 俺は思わず困惑する。 いきなりだな、とか。 嫌じゃないんですけど、とか。 口を開けば言葉は出る。 ただ。 園城寺先輩の顔を見ると。 それを口にすることが出来なくなっていた。 思いつめた顔。 それを、されたから。 怜「お願いや、京太郎……怜って、呼んで欲しいねん」 怜「お願いや……」 怜「お願い……」 怜「―――ウチを一人にせんとって……」 148 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 00 42 11.02 ID cIlx3zjQo [6/28] フルフルと。 寒さに身を抱くように、園城寺先輩が……怜さんが言う。 それに答える術が、俺には無い。 いや、答えれない。 そう言うべきだろうか。 ただ言えること。 それは、何所までも。 ……怜さんの体が何所までも。 弱々しく、小さく。 儚いものに見えた。 それが、俺が見た怜さんの姿だった。 京太郎「あの……怜、さん」 怜「うん」 京太郎「……なんか妙に恥ずかしいっす」 怜「そか……」 ふらり。 怜さんが体をふらつかせる。 疲れてるみたいだ。 俺は慌てて支えて、怜さんを見る。 怜さんは。 何所までも弱々しく笑う怜さんは。 今も、同じように小さく、笑っていた。 怜ちゃんレベル4だし! 157 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 00 46 49.47 ID cIlx3zjQo [7/28] 【8月19日:昼】 ……怜さんとの衝撃的な散歩から少し時間が過ぎた。 今、ベッドで眠る怜さんを見送り、俺は部屋を後にする。 疲れたらしく、帰ると怜さんは寝てしまったのだ。 それを報告するために俺は清水谷部長を探す。 多分、レクレーションルームだろうか。 探せばいるだろうと俺は脚を向け、入る。 中にはセーラさんも居るのが見えた。 セーラ「お、京太郎やん。怜は?」 京太郎「そのことで部長に報告です」 竜華「うん、どないしたん?」 京太郎「怜さん、疲れたから部屋で寝るそうです」 そう告げる。 ほー、とセーラさん。 仕方ないなぁ、と部長。 一様に違った反応を見せて、ぴしり、と。 お互いが固まった。 ぎしり、と。 俺に視線が向く。 セーラ・竜華「「怜……さん……?」」 京太郎「あ」 俺がそう呼んだ。 その事実に二人が反応する。 あ、良い顔してるよセーラさん。 昨日のあれ、まだ恨んでるんですか? それに部長。 世界が終わったみたいな顔しないでください。 何もありませんから。 セーラ「よっしゃ京太郎、ちょう座り!」 竜華「尋問やな、これは」 京太郎「勘弁してくださいよ……」 189 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 01 06 37.46 ID cIlx3zjQo [10/28] 【8月19日:夜】 セーラ「ツモ!2000・ザンキュー!」 京太郎「と、飛んだ……」 泉「京太郎……駄目駄目やないか」 竜華「せやなー。もうちょい頑張らなきゃアカンなー」 夜。 部長とセーラさんによる尋問は泉が来訪したことで終わりを告げた。 そうして今は数合わせを含めての麻雀に参加した俺はその圧倒的戦力差になす術なく殲滅されたところである。 おかしい。 そんなに悪い打ち筋じゃないと思うんだけど勝てる気がしない。 これがレギュラーの実力、という奴だろうか。 当ててもダマの安手が限界だったのも虚しい。 くそう、悔しいぞ。 なんか知らんけどすげぇ悔しいぞこれ。 泉「まー京太郎はまだ駄目駄目ですからねー」 京太郎「宣戦布告と受け取るぞ、泉」 泉「げっ!?」 ははははは!何処に行こうというのかね? 泉を捕獲し、俺はその頬を抓りながら笑う。 セーラさんも部長も笑う。 半泣きで悲痛な声を漏らす泉の声。 それがここに響いていた。 セーラ「あっはっはっはっは!あー、笑ったわ!……京太郎、そろそろやめてやり」 竜華「せやせや、泉も反省しとるやろうし」 京太郎「二人がそういうんでしたら……」 ぽいん、と。 引っ張っていた頬を勢いよく離す。 うむ、良い弾力であった。 俺は頬を押さえて俺に背中を向ける泉を見る。 ……ちと、やりすぎたか? 妙に息が荒く、頬を摩っているのが見える。 ……痛かったのか? なら、悪いことをしたなぁ……。 241 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 01 36 23.55 ID cIlx3zjQo [14/28] 【8月20日:朝】 はて、俺は何をしてるんだろうか? 今の現状を説明する言葉を捜してみる。 しかし、どれも今の状況を示すにはどうにも足りない気がする。 俺の表現的な問題ならいい。 いいんだけど、これは絶対に違うからそう言えないだろう。 泉「あ、そこ……っ」 京太郎「ここか」 泉「う、うん……ええ感じや」 ぎしり。 ベッドが軋む。 ベッドに寝転んだ泉と、ベッドに膝立ちで体重をかける自分。 その振動と共にスプリングが悲鳴を上げる。 ぎしりと。 その音と共に、泉が声を漏らした。 泉「も、もうちょっと、強…くぅ!?」 京太郎「す、すまん!痛かったか!?」 動きを止めて、俺は泉の顔を見る。 目尻に涙。 拙い。 初めてだから失敗したのかも知れない。 そう思い、これ以上はやめる。 そう口にしようとすると、泉は俺の服を掴む。 無言だ。 無言で、俺を見た。 続けてほしい。 そんな色合いで。 俺を見る。 京太郎「……いいのか?」 泉「うん、大丈夫やから……」 京太郎「ったく、どうなってもしらねーぞ?」 京太郎「マッサージとか初めてなんだからな」ギュッ 泉「ひぃん!?」 あ、すまん。 272 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 01 58 56.66 ID cIlx3zjQo [18/28] 【8月20日:昼】 寝違えて体が痛い。 そう言っていた泉をマッサージして、そのままベッドに放置した俺はレクリエーションルームに居た。 泉は動けない。 その旨を部長に伝えて、俺はお茶を用意する。 今ここにいるのはセーラさんと部長だけ。 となると、お茶はそんなに時間をかけて飲むものじゃない方がいいだろう。 セーラ「今日もええ色やな」 京太郎「まぁ、修行してますから」 俺はセーラさんの言葉にそう答える。 無意識。 無意識に俺はそういうスキルを学んでいることが多い。 お茶入れも、清掃も。 何かと万遍なくだ。 まぁ、それがここで役立っている。 そう思えば、悪いものじゃないだろう。 竜華「せやなー、昔から助かっとるしなぁ」 セーラ「確かに、京太郎の淹れるお茶は美味いからなぁ」 京太郎「褒めても何も出ませんよ」 にやりと笑うセーラさん。 にこりと笑う清水谷部長。 それに俺は小さく息を吐いて苦笑する。 全く、調子がいい人だ。 そう思いつつ、俺は冷蔵庫から紙箱を取り出す。 中身はシュークリーム。 それを皿に載せて、俺はお茶を淹れた。 全く、しょうがないなぁ。 290 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 02 18 04.94 ID cIlx3zjQo [22/28] 【8月20日:夜】 明日が三回戦。 Aブロック準決勝その日。 ふと思えば、まだ試合自体には1回しか出ていないんだよな、と。 俺は少し不思議に思っていた。 この数日。 それはとても長いと俺は感じた。 思い返せば全部が勝負。 勝ち負け、勝者と敗者を生み出し続けた毎日だった。 そう思う。 一回負ければ終わり。 明日、終わるかも知れない。 そのプレッシャーは、どんなものなんだろうか。 先輩たち。 セーラさん、清水谷部長、怜さん。 3年生の皆はこれが最後になるのだ。 怖い。 俺はそう思う。 負ければ、そこで終わってしまう。 そう思うと、怖い。 怖くて怖くて。 俺は、今ここに居るセーラさんと部長に聞いていた。 だけど、帰ってくるのは笑い声。 部長も、セーラさんも。 二人が顔を見合わせ、そして大笑いする。 にやりと、セーラさんが笑った。 不敵な笑みだと、俺は思った。 セーラ「負けたら終わり……なら、勝てばええんやろ?」 竜華「そういうことやで」 気持ちの問題。 最初から負けることを考える必要は無い。 負けてから、負けたことを考えればいい。 これは麻雀。 将棋やチェスのように、手詰まり、ということは無い。 全てが運に、己によって左右される競技だ。 諦める。 その必要は無いのだと、二人は笑っていた。 380 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 19 29 22.22 ID je3npvgDo [8/13] 【8月21日:朝】準決勝当日 ━━━━━ ━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━ 【Aブロック準決勝:先鋒戦】 ――――牌が重い。 意識が薄れていく。 こんなに、辛かったかな。 麻雀って、こんなに苦しかったのかな。 そう自分に聞いてみる。 答えてはくれない。 今は、自分の体力が敵になっているから。 自分の体すら、味方じゃなかった。 せめて足を踏ん張って、腕を張ろう。 そう心では思っても、膝が笑う。 声が聞こえた。 『もう、諦めよう』 『私は頑張った』 『無理して苦しむ必要なんか無い』 『ほら、倒れちゃえば楽になる』 ふらりと。 体が震えた。 その甘美な誘惑に誘われてしまった。 でも。 でも……。 あと、少しだけ。 もうすぐ、試合が終わるから。 照「リーチ」 リーチ、したな……? ウチのお仕事は、これでおしまい、や。 ……。 ……ちょっと。 疲れた、なぁ……。 401 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 19 37 21.69 ID je3npvgDo [12/13] 怜「おつかれ、さん………」 短く挨拶をして、立ち上がろうと力を入れる。 ただ、自分は想像を超えて消耗しているらしい。 ぐらりと。 椅子という支えを失った体が崩れる。 スローになる視界。 驚きに目を小さく見開いた宮永照に、新道寺と松実さんが咄嗟に手を伸ばすのが見えた。 間に合わない。 きっと、会場の床は冷たいやろうなぁ。 そんな考えが浮かぶ。 だけどそれは、叶わない。 手を握られた。 二人にだ。 視線を向けなくても、分かる。 あの手を知っている。 その温もりを知っている。 竜華。 京太郎。 二人が必死に、声をかけているのが見えた。 声が聞こえない。 意識が沈んでいく。 でも。 こうして眠ってしまうのは。 寂しくない。 京太郎が一緒だから。 ちっとも寂しくなんかない。 そう思える、意識の喪失。 ぴとりと。 震えるウチの手が、京太郎の頬を撫でていた。 406 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 19 49 38.94 ID je3npvgDo [13/13] 嫌な予感がした。 消耗するのは理解していた。 だから、俺たちは全員で駆けつけている。 怜さんの居る試合会場に。 中継の映像。 それでも見て取れるほど憔悴したその姿に。 俺は気づけば、部長と一緒に駆け出していた。 係員の制止の声。 それを振り払い、ドアを開く。 歓声が聞こえ、アナウンスは終了を知らせる。 入り口のドアを開いた。 視線は、椅子に座る怜さんに固定される。 だけど、分かる。 椅子に座っているだけで、肩で息をしていた。 立ち上がり、軸がぶれる。 拙いと。 俺はそう考える前に駆け出していた。 倒れる怜さんの背に手を入れ、崩れ落ちるのを防ぐ。 乱入してきたに近い俺に他高校の生徒がざわめき、驚きを露にするが、それでもって今の事態を把握した人間も多かった。 選手が、倒れた。 その事実と同時に、実況席は実況から観客などに対する説明を開始する。 同時に、スタッフも動く。 救急車の手配や、一時試合中断など。 全国大会がこの一瞬で全て、冷たいものへと変化していた。 京太郎「怜さん!返事できますか!怜さん!!」 竜華「怜!いやや、目ぇ開けて怜ぃ!!」 怜「あ、はは……心配しすぎや、二人、とも……」 泉「担架きました!!」 京太郎「分かった!!」 俺は園城寺先輩を抱き上げ、通路へと向かう。 見れば、救急隊がこちらに駆け寄ってくるのが見えた。 担架に乗せ、即座に運搬開始。 そのまま会場裏口へと運ばれる怜さんを俺は最後まで見送っていた。 407 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 20 04 40.14 ID Ca8CHG5So [1/33] 京太郎「監督には連絡しておきました!……部長、怜さんをお願いします」 竜華「う、うん!そっち、任せるわ…!」 救急車に同乗し、去っていく部長。 近くの病院へと入るのだろう。 場に残った俺は船久保先輩と顔を合わせる。 船久保先輩は、いかにも苛立っている。 そういう顔で、舌打ちを一つ鳴らしていた。 浩子「……チャンピオン、あそこまで圧倒的なんは想定外やった」 ドラ集めに怜さんの未来視。 その火力の基点、流れを抑えられてなお圧倒。 それに想定外だと、船久保先輩は言う。 俺も、あそこまでとは思ってもいなかった。 あの人は、あそこまで強かったのか。 あそこまで、高みに居るのか。 恨む理由はない。 誰もが全力で戦った結果だ。 ただ一つ、言えることがあるとすれば。 まだ試合は始まったばかり。 そんなことは、後で考えれば、それでいいのだ。 浩子「……さて、と」 京太郎「戻りますか?」 浩子「誰もおらんのに、ここに居てもしゃあないやろ……せや、お昼の出前表貰ってから帰るわー」 ほなな、と。 手をひらひら振って去っていく船久保先輩。 それに俺は頭を一つ下げると、足を部屋の方角に向ける。 そういえば、泉はどうしたんだろうか。 怜さんに言われた後、セーラ先輩が付き添って先に試合会場の方に向かったはずだ。 そう思っていると、視線の先。 そこにぽつんと。 壁に背を預け、顔に手をやっている泉の姿が見えた。 408 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 20 20 57.70 ID Ca8CHG5So [2/33] 京太郎「泉…?」 泉「あ、京太郎……」 京太郎「……どうしたんだよ、そんな顔して」 軽く挨拶。 それをして相対した泉の目尻には涙があった。 見れば、震えている。 そう分かるくらいに、泉は怯えていた。 俺には分からない、泉の恐怖。 ―――彼女……二条泉にある思いは複雑だった。 己が負けるのは、良い。 いや、良いという訳じゃない。 元より自己の尊重など深く考えていない。 自分の負けで、どれだけさげずまれようと……それは自分だけの責任でいい。 だが、それでも。 この全国、団体、チーム。 それにおいて、そこにあるのは、自分だけの責任じゃない。 自分が負ければ、仲間が苦しむのだ。 その事実、その重圧が、泉を震わせていた――――。 京太郎「泉……?」 俺が声色を変え、泉に問いかける。 びくりと震え、泉がそのまま、笑みを浮かべた。 まるで強がるような、そんな笑み。 泉「きょ、京太郎……ウチ、負けんで」 京太郎「……あぁ」 泉「……せや、勝負するで。ウチは勝つ、勝ったら京太郎に命令させて貰おかな」 京太郎「おう、上等だ。負けたら罰ゲームだぜ」 泉が小さく、笑う。 俺も笑う。 片手を泉が上げ、俺も上げる。 力強い、ハイタッチ。 お互いが、交差した。 京太郎「勝ってこい、泉」 泉「当然や…!」
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知行 村役 菊太郎 能力 レベル 1 推定評価 腕 力 あまりない 耐久力 平凡 器用さ 細かい作業が苦手…… 知 力 標準的 魅 力 目立たない 水田適正 ☆ 畑適正 -- 林地適正 -- 牧場適正 -- 鉱山適正 ☆ 漁場適正 -- 村適正 ☆ 市適正 -- 工房適正 --
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哩さんはどこかへ出かけています 姫子「花田、それロン」 煌「う……すばらくない……」 美子「調子よかね」 姫子「はい。ここんとこずっといいんです」 仁美「そうか……で、須賀はどう?」 京太郎「……そろそろ勘弁してほしいです」姫子の椅子状態 姫子「駄目よ。あん時負けたらなんでも言うこと聞くっちゅう約束やったけんね」 京太郎「それが当面椅子になれって……いい加減疲れたんですけど」 姫子「最初は役得ーって喜んでたやん」 京太郎「そりゃ役得ですけど、ずっと座ってるだけじゃないですか」 姫子「そりゃ椅子やし?座り心地がよくて気にいっとるとよ?」 美子「部長も最初は微妙な顔しよったけど、調子がどんどんよくなっていくから何も言わなくなったし」 京太郎「俺の意思はどこへ……」 煌「まぁまぁ。姫子の調子がよくなっているのはすばらですし」 姫子「そーよ?という訳でもう一局やね」 京太郎「くっ……」 京太郎(おのれ……さすがの俺も黙っていられないぞ) 京太郎(といってもこの状況でできることは限られてるし……ちょっと手の位置変えるか) 姫子「ひゃっ!?」ポロッ 京太郎(え?) 煌「あ、ロン!」 美子「どがんしたと?」 姫子「きょ、京太郎!変なとこ触らんといて!」 京太郎「ち、違いますよ!手の位置変えただけですよ!」 仁美「んー……さすがに京太郎ば椅子にしとるんやけん、仕方なかろ」 美子「そやね。須賀くんがそんなことするわけなかし」 煌「いっそこれを機に椅子をやめては?」 姫子「うー……よか。こんまま続ける」 京太郎(……これはひょっとしてチャンスじゃないか?) 京太郎(今なら触っても姫子さんの勘違いで済ませられるし……) 姫子「っ……」 京太郎(……よし!ばれない範囲でこれまでの分、たっぷりお返しさせてもらおう!) 姫子「っひぅ」ビビクン 姫子「京太郎?なんばしよっと?」小声 京太郎「さて?気のせいでは?」小声 姫子「こ、この…」 仁美「ツモ」 姫子「あっ」 仁美「ふっふっふ。そう簡単には負けんよ?」 姫子「くぅ……」 京太郎「さあ、対局に集中してください?」小声 姫子(この……今までん仕返しか?ここでバシッと言えばよかかもしれんけど、さっきの感じからトボケられる) 姫子(おまけに先輩達と花田も京太郎ば信用しとるし……何されても我慢するしかなかと……!?) 京太郎(くっくっく……胸はばれるけど腹の下の方なら見えない……痩せてるな、それですべすべ) 姫子「んっ」 姫子(ふ、服ん中!?胸は、ばれるから触ってこんけど……お、おなか?くすぐったか……) 京太郎(さて次は……) 姫子(スカートん中に!?ち、痴漢みたいなことを……) 京太郎(細いけど、柔らかくていい太ももだな。あー、これで膝枕とかしてみてー) 姫子(足?いや、太もも!?そ、そんなとこ触ると!?) 京太郎(さて……いくか) 姫子(うん?手が止まって離れて……もしかしてやめてくれた?やったらこんくらい許して、椅子も…) 京太郎(油断させておいて!) 姫子「ひっ!?」ビビクン 煌「ど、どうかしたんですか?」 美子「またいきなり部長が大きい縛りしたと?」 仁美「あー、誘われて打って熱くなった時とかあるしな」 姫子「そ、そうです……部長ったら……」 姫子「な、なんばすっと!?」小声 京太郎「さぁ?それより、あんまり声出すとばれますよ?」小声 姫子「こ、この……」 京太郎(さて……下着、布面積狭くね?) 姫子(うぅ……今日に限って……) 京太郎(うーん……このまま下着の感触を楽しむのもいいけど……やっぱりねぇ?) 姫子「っ」ビクッ 姫子(下着ん中に……) 京太郎(ふむ……見えないからこそいいっていうのが分かる気がするな……) 京太郎(目の前の耳真っ赤にした先輩も可愛いし、二重にいいな) 姫子(こ、こんか形で触られるなんて……) 京太郎(んー、見えないからやりずらいな……しかし柔らかくてあったかい) 京太郎(……ん?) 京太郎「……少し濡れてます?」小声 姫子「っ!?」顔真っ赤 仁美「ん?顔赤くして、須賀になんかセクハラでもされた?」 煌「それはすばらくないですよ」 京太郎「あー、ちょっとギリギリの発言を」 美子「いかんよ?椅子状態とはいえ、そういうことはやめとかんと」 京太郎「だ、大丈夫ですって」 姫子(どの口が…) 京太郎「……で、こんな状況で濡れるっていうのはどういうことですか?」小声 姫子「……知らん」小声 京太郎「ばれたらみんなに知られますよ?麻雀やりながら後輩に触られて感じてるって」小声 姫子「……気のせいよ」小声 京太郎「じゃあ……こんなことされても気にせいですか?」小声 姫子(あっ……駄目!) 京太郎(狭いな……指1本もきつい) 姫子「っ!」ビクッ 姫子(ゆ、指動かして……くぅ……) 京太郎(お?スムーズにいくようになったな……あんま深く入れるのは止めとこう。入口付近だけで) 京太郎(少し震えてる……やべ、なんかいじめたくなってきた) 京太郎(2本、は止めとこう。敏感なのか?隠してるけどよく反応してる) 姫子(うぁ……これ、自分でやるより……) 京太郎(この辺りを……ん?この小さいのは……) 姫子「ひゃっ」ビクッ 京太郎(……なるほど、つまりはここを攻めながら指も動かせば) 姫子(だ、駄目……そこは、それ以上は……) 京太郎(ここを軽くつまみながら……こう動かして……こう!) 姫子(くぅ……あ……あぁ、駄目、駄目……!!) 姫子「……っ!!」ビビクンビビクン 姫子「……はぁ」ぐったり 京太郎(あ……やり過ぎたかも) 美子「……ツモ」 仁美「あー、最後に3位か」 煌「安河内先輩、すばらです!結局私は4位ですけど」 美子「いやいや、うちは2位やし、トップの…どがんしたん?」 姫子「あ……いえ、大丈夫です」 仁美「顔真っ赤。そうとう部長は縛ったな」 煌「大丈夫ですか?なんか辛そうですけど」 京太郎「じゃあ、俺が送っていきますよ」 美子「そうやね。今日は早退した方がよかよ」 仁美「ん、部長には私から言っとくけん」 京太郎「はい。それじゃ、いきましょう」 姫子「ん……」 煌「お大事に」 姫子「……やりすぎ」 京太郎「……ちょっとやりすぎました。すいません」 姫子「あんなことするなんて……おまけに……」 京太郎「感じやすかったんですね」 姫子「……最低。人に触られたん初めてやったとよ」 京太郎「あー……すいません」 姫子「……許さん」 京太郎「え、ちょっ」 姫子「許さんけん……続きして」 京太郎「……はい?」 姫子「……最後までやってくれんと、許さんけんね」 翌日、2人は一緒に遅刻したとか カンッ!!
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全国出場してついでに何故か俺も連れてこられた。 そして今、俺は道に迷ってます。 しかも今、目の前に『校庭に迷って入ってきた犬』を見つけた子供のような表情をしたお姉さんがこっちを見ています。 豊音「子供だよー……」 豊音「カワイイ男の子だよー……」 むちゃくちゃ怖いんですけど、この人…… その人が一歩を出してきたので俺は二歩下がる。 5歳くらいの197の身長差はコンパスの開き具合にも現れる。 じりじりと美人のお姉さんが近づいてきて恐怖心を煽ってくるんですけど!? そして堰を切ったかのようにお姉さん突っ込んできた! 豊音「お姉さんの子供になろうよー!!」 何言ってるんだこの人!? そんな事思いながら逃げようと思ったが足が竦んで動けない。 ああ、終わった、多分俺は連れ去られるんだろうな。 そして次の瞬間推定197cmの巨体が110cm台の俺に飛び込んできた。 京太郎「らめえぇぇ!!そんなに大きいの突っ込んできたら壊れちゃうのぉぉぉ!?」 豊音「ゲットー!」 こうしてこのあと捕まった宇宙人のごとく連れられてった俺を、清澄メンバーが救ってくれるのはまた別の話。 ---- 【咲「京ちゃん、私の子供を産んで!」京太郎「」】 京太郎「あれ、俺の耳がおかしくなったかな……」 京太郎「今、咲が俺に子供を産んでほしいって言われた気がするんだけど。」 咲「うん、そうだよ!」 和「あの、咲さん、子供が欲しいなら私が産んでも……」 咲「ガチな淫乱ピンクレズさんはNGの方向で。」 まこ「大変じゃあ!優希と和が息をしとらん!」 咲「私、実はNL派でお父さんとお母さんみたいに男女で家庭を育みたいの!」 咲「だから京ちゃん、私の子供を産んで!」 京太郎「うん、おかしいよね、色々突っ込みどころがあるよね。」 咲「あ、京ちゃん。」 京太郎「あー、咲もおかしい事に気が付いたか。」 咲「ツッコむのは私の方だよ!主に下半身的な意味で!」 京太郎「女の子がそんな下品な事言っちゃいけません!」 京太郎「そもそもどうやって男の俺が子供産むんだよ!?」 咲「ねぇ京ちゃん、iPS細胞って知ってる?」 京太郎「ああ、確か同姓間とかでも子供が出来るってやつ……まさか!?」 咲「アーノルド・シュワルツェネッガーの「ジュニア」の方法でも良いし。」 咲「男と女が協力して出産に取り組むって良いことだよね。」 京太郎「いいか咲、男女で子供を作るんだったら普通女の方が産むものなんじゃないかな?」 咲「え、だって出産って痛いって聞くし……」 京太郎「それを俺にやらせるつもりだったの!?」 咲「京ちゃんが父親ならいいかなーって。」 京太郎「俺はなんもよくねぇよぉお!?」 久「咲、それはおかしいわ。」 京太郎「部長(元)!何とか言ってやってください!」 久「生物学的には産む方が母親よ、だから須賀君は父親じゃなくて母親よ!」 咲「それは盲点でした!」 京太郎「突っ込むところはそこかい!」 咲「さぁ京ちゃん!私の子供を孕んで!」 京太郎「くそ!こんなところにいられるか!俺は逃げるぞ!」 咲「あ、京ちゃん待って!」 ―龍門渕家― 京太郎「ハギえも~ん!」 ハギヨシ「どうなされましたか、京太郎君。」 京太郎「咲が俺のこと孕まそうとするんですよー!」 ハギヨシ「なるほど、よくわかりました。」 京太郎「今の言葉で理解できるんですか、執事ってすげー。」 ハギヨシ「何を隠そう、私も実は既に透華お嬢様の子供を身篭っておりまして。」 京太郎「」 ハギヨシ「妊夫の先輩としてアドバイスなら出来ますよ。」 京太郎「妊夫なんて言葉初めて聞きましたよ!」 ハギヨシ「大丈夫ですよ、男の出産は意外と楽ですから。」 京太郎「ハギヨシさん出産したの!?」 ハギヨシ「既に衣様の子供も産ませていただきましたので。」 ハギヨシ「育児のアドバイスも出来ますよ。」 京太郎「色々とおかしい!」 ハギヨシ「まぁ、京太郎君、少しお茶でも飲んで落ち着いてください。」 京太郎「あ、はい、これはどうも。」ズズズズ 京太郎「あれ、なんか体が……」 ハギヨシ「申し訳ありません、京太郎君。」 ハギヨシ「宮永様から連絡を頂いておりまして、『京ちゃんが行ったら捕まえておいてください』と……」 京太郎「裏切り者ー……」バタンッ 京太郎「はっ!?」 ハギヨシ「お目覚めになりましたか。」 京太郎「も、も、もしかして……」 ハギヨシ「はい、宮永様のお子様をご懐妊されていますよ。」 京太郎「いやー!?」 ―数ヵ月後― 京太郎「ふぅ、よっこらしょ。」ドサッ まこ「あ、こらこら、椅子に座る時はもっとゆっくり座りんしゃい。」 京太郎「おっとと、染谷先輩、すいません。」 まこ「それにしても思ったより腹が出てこんもんじゃのう。」 京太郎「女の人とは腹筋の出来が違いますから、あんまり目立たないんですよ。」 優希「赤ちゃんが窮屈にならないんだじぇ?」 咲「ちゃんとこの間、腹部エコーで見たら順調に育っていたよ。」 和「気持ち悪いですね、早く須賀君は死んでください。」ペッ 和「咲さんの子供を産むのは私一人で十分ですから。」 咲「NL派の私たちに近づかないで原村さん。」 和「苗字呼びに降格しました……」ズーン 京太郎「NLってなんだっけ……」 優希「男女の恋愛の事だじょ。」 京太郎「おかしい、何かがおかしい。」 ―更に数ヵ月後― 京太郎「こんちはー、あれ、今日は和だけか?」 和「ええ、他の皆は帰りました。」 京太郎「そうか。」 和「須賀君、もう臨月でそろそろ産まれる頃ですね。」 京太郎「ああ、そうだな、最初は抵抗があったけど、もう気にならなくなったよ。」 和「前は産みたくないって言ってましたものね。」 京太郎「慣れって怖いな、今は子供が生まれるのが楽しみなんだ。」 和「そうですか、須賀君、非常に腹立たしいので腹パンします。」 京太郎「話の脈絡がおかしい!?」 和「前々から思っていましたが咲さんに須賀君は相応しくありません。」 和「咲さんも子供が死産だったら悲しむでしょうが諦めも付くでしょう。」 京太郎「させるかよ!」バッ 和「ふん!」ガッ 京太郎「うっ!?」 和「とっさにお腹は守りましたか、気持ち悪い。」 京太郎「流石に子供を狙われる訳には行かないからな。」 和「必死にお腹を守って、もう父親気取りですか!」ガッガッ 京太郎「悪いが、子供を産む方が母親って言うらしいぜ?」 和「……本当に気持ち悪い!」ガッ 京太郎「ぐわ!?」 京太郎「ちょ!マジでやばいから!?」 和「知りませんよそんなこと!」 京太郎「だ、誰か助けて……」 和「助けを呼んでも誰も来ませんよ!」 「CAFF!!(コークスクリューアナルフィストファック)」 和「んほおおぉぉぉぉお!?」ドリュリュリュリュ 「危なかった、間に合ってよかった、大丈夫京ちゃん?」 京太郎「あ、貴女は……照さん!?」 照「そう、私だ。」 京太郎「助けてくれてありがとうございます、でもなんで照さんが?」 照「親として子供を守るのは当然の事だろう?」 京太郎「親って……」 照「京ちゃんは咲の子供を妊娠したと思っているみたいだが、実は私の子供なんだ。」 京太郎「ええ!?」 照「咲も既に知っていて、私の子供が生まれた後に産んでもらうつもりのようだ。」 京太郎「マジですか……」 照「因みに私も咲と同じ考えで、両親のようなNLの家庭を育みたい。」 京太郎「突っ込むの疲れた、もうどうにでもなれ。」 カンッ! ---- 【咲「お姉ちゃんが車の免許取ったんだって。」京太郎「へー」】 咲「それで今日お姉ちゃんが家に帰ってきて私たちをドライブに連れて行ってくれるんだ。」 京太郎「もしかして私"たち"って俺も含まれてるの?」 咲「うん。」 京太郎「なんで俺を入れたんだよ?姉妹二人で行けば良いじゃん?」 咲「お姉ちゃんも友達連れてくるって行ってたし久しぶりに二人きりになったら緊張して上手く話せないかなと思って。」 京太郎「なら、和や優希でもよかったろ?」 咲「都合が合わなかったんだよ。」 京太郎「それなら仕方ないか。」 京太郎「でも、こういうのもなんだが咲のお姉さんだろ?」 京太郎「方向音痴のぽんこつとかじゃないよな……?」 咲「そんなことない……と思うよ?」 京太郎「そこははっきり言えよ……不安になるだろ……」 ピンポーン 咲「あ、お姉ちゃんかも?」 咲「はーい。」 照「ただいま。」 咲「おかえり、お姉ちゃん、こちらの人は?」 菫「照と同じ部活をしている弘世菫です。」 咲「白糸台の部長さんですね。」 菫「もう引退した身だがな。」 照「立ち話もなんだし、中に入ろうか。」 照「お父さんから車借りてくる。」 京太郎「あの、弘世さん?」 菫「ええと君は……」 京太郎「あ、咲の部活仲間の須賀京太郎です。」 菫「弘世菫だよろしく。」 京太郎「それでですね、弘世さん……」 菫「なんだね?」 京太郎「咲のお姉さんの運転の腕前ってどうなんでしょう?」 菫「すまないが、私もまだ知らないんだ。」 京太郎「そうですか。」 照「鍵を持ってきた。」 菫「そうか、じゃあ車に乗るとしようか。」 京太郎「そういえば座る場所はどうします?」 菫「どうする?私は別にどこでもいいが……」 照「どうかした?」 菫「いや、どこに座るかをだな……」 照「そう、なら、私は先にエンジンを掛けておくから。」 カチ チッチッチッチ……ブオン! ドゥルルルルゥ…… ---- 菫「おい、照どうした?」 照「いや、エンストを起こした。」 菫「…………」 菫「君のお家の車はMT車なのか?」 咲「えっと、家の車はオートマです……」 菫「」 京太郎「あ、いけね、俺ペットのカピバラの世話しなくちゃ行けないんだった!」 菫「まぁちょっと待とうじゃないか、須賀君。」ガシッ 菫「君のペットとやらは別に親御さんに任せても良いんじゃないのか?」 京太郎「いや、でもカピバラが寂しがっちゃうといけないんで!」 菫「世話なら帰ってからでも出来るだろう!?」 京太郎「いやー!お家帰るー!まだ若い身空で死にたくないですもん!」 菫「私だってまだ若い!君は私たちを見捨てる気か!」 咲「京ちゃん!私たちを見捨てないで!」 照「なにをしているの?早く乗って。」 咲「誰がどこに乗りますか……?」 菫「そういえば事故時に一番死亡しやすいのは助手席と聞いた覚えが……」 咲「あ、私後ろがいいかな!」 京太郎「じゃあ俺も後ろがいいな!」 菫「ちょっとまて!私に前に乗れというのか!?」 京太郎「助手席に座るという事は咲のお姉さんと話すことになるじゃないですか。」 菫「……そうだな。」 京太郎「という事はお姉さんと仲が良い人の方がいい。」 菫「そうだな、それなら妹さん、君はどうかな?会話も弾んで死ぬほど楽しいぞ!?」 咲「いえ!助手席って事はナビゲーターもやらないといけないと思うんです!」 咲「お姉ちゃん方向音痴だし、そして私も方向音痴なので弘世さんが適任だと思います!」 照「座る位置は決まった?」 京太郎「俺と咲は後で、弘世さんが助手席でナビゲーターです。」 菫「くそ!卑怯者!卑怯者!」 京太郎「泣かないで下さいよ!」 照「全員乗った?」 菫「……ああ。」 咲「これから始まるんだね、男塾名物が……」 京太郎「両親に挨拶しとけばよかったかな……」 照「シートベルトはきちんと閉めといてね。」 京太郎「シートベルトが命綱ってどこかで聞いたな……」 咲「命綱ってこんなに頼りなかったっけ……」 照「じゃあ出発する。」 ギギギギギギ 菫「何だ、この音……」 京太郎「咲のお姉さん!サイドブレーキ引きっぱなしです!」 照「忘れてた。」 菫「ヒイィ!?大丈夫か!?おい!?」 照「ちょっとミスをしただけなのに菫は大げさだな。」 咲「お母さんに会っておきたかったな……」 照「それじゃあ改めて出発。」 ブオン! グオンッ 菫「ちょっと待て!スピード出しすぎじゃないのか!?」 照「このくらい大丈夫。」 咲「あばばばばばば!」 京太郎「ヒイィ!?咲!?大丈夫か!?」 照「初めてのドライブではしゃいでるね。」 菫「勘弁してくれ!!」 「照!そっちは一方通行だぞ!」 「咲のお姉さん!対向車!対向車が!」 「お姉ちゃんそっち優先標識あるから!?」 ―――――― ―――― ―― 照「よし、少し休もう。」 照「咲?菫?」 咲・菫「」 京太郎「生きてるってだけで素晴らしいな……」 菫「ジェットコースターって安全だから楽しいんだな……」 咲「おばあさんを轢かなくてよかった……」 照「須賀君、ちょっといいかな。」 京太郎「はい、なんでしょう、咲のお姉さん。」 照「私の事は照でいい。」 京太郎「はい、分かりました、照さん。」 照「……咲が再び麻雀するようになったのは、楽しめるようになったのは君のおかげなんだろう?」 照「感謝している。」 京太郎「いや、俺はただのきっかけですよ。」 京太郎「和や竹井先輩がいなかったらわかんなかったですし。」 京太郎「それに楽しんで麻雀をするようになったのは咲自身がやったことです。」 京太郎「俺は照さんにお礼を言われるほどのことはやってませんよ。」 照「そうか、でも言っておきたいんだ、ありがとう。」 京太郎「その言葉は照さんと咲が元に戻ってから受け取りますよ。」 照「そうだな……」 照「じゃあ休憩終わったらそこら回って帰ろうか。」 咲・菫「!?」 京太郎「そうか、帰り道があるんだった……」 カンッ ---- ガチャ 淡「あれ、スミレ、その子どうしたの?」 菫「ああ、この子は迷子らしくてな、私が一時的に見ているんだ。」 京太郎「いや、あの違うんです。」 京太郎「俺迷子なんかじゃないんです。」 菫「いや君は迷子だ、だから私の膝の上に座りなさい。」ポンポン 京太郎「意味がわかりません。」 菫「良いから座るんだ。」 京太郎「まさかこの歳で女の人の膝の上におつくべするとは……」 淡「おつくべ?」 照「方言で座るって意味。」 照「君、どこの出身?」 京太郎「長野です。」 照「やっぱり私と同じか。」 照「私も弟が欲しかったなー。」 淡「というかボク何歳よ?」 京太郎「15です。」 淡「5歳?」 京太郎「 1 5 歳です。」 菫「5歳ならちょっと背伸びしたいお年頃だろうな。」 京太郎「うわ、この人、話聞く気ないぞ!?」 菫「あ、そういえば大きいボストンかキャリーバッグが持ってきてなかったかな……」 京太郎(この人やべぇ!?) 淡「ね、テルー、白糸台から犯罪者が出そうだよ?」 照「私に振らないで。」 どうする俺!?どうなる俺!? ---- ――東京―― 京太郎「うっす」 咲「遅いよ、京ちゃん!」 和「遅刻ですよ。」 京太郎「いやーわりぃ、大学の講義が長引いてさ。」 優希「しかしみんな東京に集まってるとは思ってなかったじょ。」 京太郎「まったくだ。」 京太郎「咲はお姉さんと暮らす為に、和は親の都合で、そして俺と優希は大学のために上京。」 和「すごい偶然ですね。」 京太郎「で、咲は今どうなのよ?」 咲「優希ちゃん、和ちゃんやお姉ちゃんと同じ大学に通いながら打ってるよ。」 優希「と言ってものどちゃんも咲ちゃんも咲ちゃんのお姉さんもプロだからきついじょ。」 咲「あ、そうそう、この間衣ちゃんに打ったよ。」 京太郎「衣さん元気そうだった?」 咲「前よりパワーアップしてプロと暴れていたよ。」 京太郎「そうかー衣さんもプロなんだよなー、今度長野に帰ったときに打つか。」 咲「あ、京ちゃんその時は私も付いていって良い?お父さんや龍門渕さんとも会いたいし。」 京太郎「おお、良いぞー。」 和「咲さんが行くなら私も……」 優希「のどちゃんが行くなら私も行くじぇ!」 京太郎「あいよー、夏休みに迎えに来てもらおうか。」 京太郎「ただいま、母さん。」 透華「おかえりなさい、京太郎君。」 清澄・龍門渕「「「「!?」」」」 透華「ところで京太郎、何故"女の子ばかりと一緒に"帰省したのかしら?」 京太郎「久しぶりに実家や友達に会いたいって言ってたから連れて来たんですよ。」 透華「友達?本当にそうでしょうか?」ジロリ 咲「ヒッ」ビクッ 優希「~♪」ギュ-ッ 和「…………」ニコニコ 透華「……まあいいですわ。」 透華「まだ品定めには早いですもの。」 京太郎「?」 カンッ ---- ~~♪ 京太郎「あ、一さんからメールだ。」 京太郎「ん~?何々?」 ――――――――― 国広一 件名: 本文: 大変だよ京太郎君!透華が男の人といなくなっちゃったよ! 今、必死で捜索してるんだけど透華の居場所とか知らない!? ――――――――― 京太郎「……ああ、ついに来てしまったか、この日が。」 京太郎「とりあえず返信。」 京太郎「こんなもんかな。」 ――――――――― 京太郎 件名:落ち着いてください 本文: 透華さんからは何も聞いてないからどこにいるかはわかりません。 けど透華さんも子供じゃないんだから大丈夫だと思いますよ。 ――――――――― 京太郎「というか、まぁ大丈夫なんですがね。」 ――数ヵ月後―― ~~♪ 京太郎「あ、今日は純さんからのメールだ。」 京太郎「何だろう。」 ――――――――― 井上純 件名:やべぇよ……やべぇよ…… 本文: 今日、透華が帰ってきたんだけど…… 何か透華が妊娠してるみたいだってよ…… しかも相手が居ないんだよ。 相手、消されたとかないよな? 透華は産む気みたいだぜ。 ――――――――― 京太郎「ああ、やっぱりか。」 京太郎「まぁなんとかなるでしょ。」 ――――――――― 京太郎 件名:透華さんの妊娠について 本文: 透華さんが妊娠ですか、本来ならおめでたい事です。 相手はどうなったんでしょうね…… ただ、透華さんが産む気なら、あの人は意地でも産むでしょう。 その時は透華さんの味方でいてください。 元気な子供が生まれるといいですね。 ――――――――― 京太郎「……なんかこの文章白々しいな。」 京太郎「元気な男の子が生まれると良いな~ってか生まれないと困る。」 京太郎「それにしても俺の父親は一体誰なんだ……」 ――数ヵ月後―― ~~♪ 京太郎「今日は智紀さんからのメールか。」 ――――――――― 沢村智紀 件名:緊急事態 本文: 透華が居なくなったと思ったら、ひょっこり帰ってきた。 しかも身重の体だったのに、戻ってきたらお腹がへこんでいた…… もしかして、堕胎じゃないよね? ――――――――― 京太郎「不安になるような事言わないでくれ……」 京太郎「下手したら俺が消えるから……」 ――――――――― 京太郎 件名:大丈夫だと思います。 本文: 多分ですがどこかで産んだんだと思います。 透華さんは子供を堕せる人じゃないし。 それは家族を大事にしてる透華さんを見ればわかりますよね? だからなんか理由があって、今は子供とは離れているんだと思います。 ――――――――― 京太郎「ん?って事はそろそろ透華さんが俺の事を息子だって気付くのか。」 京太郎「これで透華さんを母さんって呼べるな。」 ~~♪ 京太郎「咲からだ……」 ――――――――― 宮永咲 件名:こんばんは 本文: 明日会わない?優希ちゃんと和ちゃんも来るよ。 ――――――――― 京太郎「OKだ、っと……」 京太郎「あいつら皆して東京に居るんだよなー」 カンッ! ---- 「母さん」 透華「へ?」 京太郎「……あ、その、違くて。」 純「プッ……クククク」 透華「流石に子供産むような歳ではありませんわよ……」 一「あれだね、小学校の時、先生を間違えてお母さんと呼んじゃった的な。」 京太郎「は、恥ずかしい!」 衣「気にするなきょうたろー。」 智紀「きっと誰でも通る道。」 透華祖父(母親なのは間違ってはいないんだが、透華はまだ彼を産んでいないからな。) 透華祖父(……微笑ましい限りだな。) ---- どうしてこうなっておりますの…… 「うーあー」 なんでこんなところに赤ちゃんが…… 「あーあー」 衣「これが赤子か、小さくてかわいいぞ。」 一「おーよしよし。」 純「にしても、どこの子供だ?」 透華「気付いたら私の部屋にいましたの。」 智紀「透華に懐いてる。」 京太郎(あーあの赤ちゃんって……) 透華(未来)「…………」ニコニコ 京太郎(やっぱりいたー……) 京太郎(ってことはあの赤ちゃん、俺かー……) 京太郎(赤)「あーまんま、まんま」ペチペチ 透華「え?」 京太郎(赤)「うー」 純「きっと腹が空いたんだろ。」 京太郎(赤)「あー」ペチペチ 透華「ちょ、ちょっと!?そんなとこ触られても母乳はでませんわ!」 京太郎「俺ちょっと粉ミルクとか探してきます。」 透華(未来)「…………」ニコニコ 京太郎「なんでここにいるんですか……」 透華(未来)「過去の私に子供の素晴らしさを伝える為ですわ。」 透華(未来)「あと、これが粉ミルクですわ。」 京太郎「どうも……」 京太郎(赤)「あー」ペチペチ 純「もう透華の胸を吸わせれば良いんじゃねぇか?」 一「透華、このこ諦めそうに無いよ。」 透華「うっ……」 京太郎(赤)「まんま、まんま」ペチペチ 透華「……わかりましたわ。」 プチプチ ファサ 京太郎(赤)「ん……っく……」チュパチュパ 透華「///」 純「おい、大丈夫か?」 一「この子すごい落ち着いてるね。」 透華「でも、なんでしょう……すごく収まりが良い感じがしますわ……」 智紀「透華が母性に目覚めた。」 衣「衣もしてみたい……」 純「……あー、やめとけ。」 一「衣がやると、ね?」 衣「納得いかないぞ!」 京太郎「粉ミルク哺乳瓶に入れて持ってきましたよーって……」 透華「京太郎?前にも言いましたわよね?」ジロリ 京太郎「すみません!?」 透華「飲み終わりましたわね。」 衣「乳飲み子は飲ませた後にげっぷをさせないとダメらしいぞ。」ドヤァ 純「おーコロペディアとか久しぶりだな。」 透華「こうでしょうか……」ポンポン 京太郎(赤)「……ケフッ」 智紀「出た……」 一「……ねぇ透華、ボクも抱っこして良いかな?」 衣「あ、衣も!衣も!」ピョンコピョンコ 透華「はい、どうぞ。」 一「よいしょ……」 衣「一!どんな感じだ!」 一「これはやばいね……」 衣「やばいのか!?」 一「赤ちゃん抱いてるだけで笑顔が止まらない。」ニマニマ 純「一まで母性に目覚めたか……」 京太郎(赤)「…………」ペチペチ 一「まだ飲み足りないのかな?」 京太郎(赤)「……うーん」 一「あ、ぐずりだした。」 衣「衣があやしてやる!」 一「はい。」 衣「おお、ちっちゃいぞ!」 純「当たり前だ。」 京太郎(赤)「…………」ペチペチ 衣「おお、おお。」 京太郎(赤)「…………」プイッ 衣「衣……何か悪い事をしたか……」ズーン 智紀「今度は私が。」 京太郎(赤)「…………」ペチペチ 京太郎(赤)「…………」ペチペチ 京太郎(赤)「…………」ペチペチ 京太郎(赤)「キャッキャッ」ペチペチ 純「智紀はお気に入りなんだな。」 京太郎(あれ?俺この頃からおもち好きなの?) 透華(未来)「…………」ニコニコ ゴゴゴゴ 京太郎(すっげぇ視線感じる!?) 京太郎(てか、こえぇ!) 透華「……」ムスッ 京太郎(あっちもあっちで何かご機嫌斜めだし!) カンッ ---- すがさんち 衣ver 衣「京太郎!」 京太郎「どうしたの姉さん。」 衣「衣と遊ぶぞ!マリオカートとやらで!」 京太郎「なんでマリカー……しかもスーファミの……」 衣「智紀に何か遊べるものが無いかと訊ねたら貸してくれたぞ。」 京太郎「まぁ、いいか。」 セッティング中…… 衣「よし、出来たな!やるぞ京太郎!」 京太郎「はいはい。」 衣「時に京太郎、これはどうやるんだ?」 京太郎「えーと、ここがアクセル、ここがブレーキ、でここがアイテム使うボタン。」 衣「成る程、わかった。」 京太郎「50ccのキノコで良いか。」 衣「衣はこの亀を使ってみる。」 京太郎「ノコノコかぁ、俺はキノピオでいいか。」 衣「おお、なんか始まったぞ。」 京太郎「姉さん、シグナル出るから二つ目辺りでアクセルだ。」 衣「わかったぞ!」 ピッ ピッ ピー キュキュキュキュ シュイーン 衣「!?」 京太郎「姉さん、ボタン押すの早すぎ。」 衣「いや、それより何で京太郎はいきなり飛び出したんだ!?」 京太郎「これはロケットスタートってやつ、タイミングよくボタン押すと最初からトップスピードで走れるんだ。」 衣「そんな隠し技があったのか……」 暫くプレイ中 衣「おー……」グイーッ ←←← 衣「んー……」グイーッ →→→ 京太郎(これ、やるより姉さん見てるほうが面白いなぁ。) 今日も須賀さん家は平和だぞ。 京太郎「カーブを曲がるとき体が傾くのってなんだろうねあれ」 ---- 龍門渕高校での普通の一日 朝 リムジンに乗って皆で登校。 その後普通に授業を受ける、最近ここの教室の空気にも慣れてきた。 昼 皆でお昼を取る、ハギヨシさん特性の昼食で、文句の付け所がないくらい美味い。 放課後 杉乃さんと一緒に部活に行く。 最初に卓に入ったのは俺、衣さん、透華さん、純さん。 衣さんは俺の上家、純さんが下家、対面は透華さん。 純さんが凄い苦い顔をしていた。 それで結果はと言うと…… 純「だから京太郎の下家は嫌だったんだよ……」4位 透華「キー!全然目立てませんでしたわ!」3位 衣「きょうたろーは腕を上げたな、それ以上に打ち方が厭らしくなったが。」2位 京太郎「この面子でなんとか逃げ切ったー!」1位 智紀「完全に京太郎の作戦勝ちだった。」 京太郎「運が良かったのもありますけどね。」 一「衣と透華が本気を出せてないのを差し引いてもすごいよ。」 衣「トーカやジュンに鳴かせた後に場を凍らせるとは考えたな。」 衣「衣が海底牌を取り損ねたのは久しぶりだったぞ。」 純「余りに流れが来ないからと思って鳴いたら……まんまと踊らされてたわけか……」 透華「くー!悔しいですわ!」 一「透華も能力使えばよかったのに。」 透華「地味だから嫌ですわ!」 京太郎「親跳ツモれてなきゃ、逃げ切れて無かったですよ。」 京太郎「後半ジリ貧でしたし。」 純「よし次だ!次!」 京太郎「じゃあ、俺が抜けま――」ガシッ 純「勝ち逃げなんてゆるさねぇよ?」 一「じゃあ次はボクが入るよ。」 智紀「私も入る。」 で今度の結果は…… 純「京太郎の下家じゃなきゃこんなもんよ!」1位 一「能力を上手く使えなかったんだね。」2位 智紀「下家は不利。」3位 京太郎「」4位 衣「不甲斐無いな、きょうたろー。」 京太郎「返す言葉もございません……」 透華「やっぱりさっきのは漁夫の利でしたのね。」 透華「相性も有るのでしょうが、単純に面前派が相手でしたら雀力が物を言いますわね。」 京太郎「もうちょい能力とかの応用が出来る様になりたいですね。」 透華「雀力を特訓ですわ!」 衣「異能の特訓なら衣に任せろ!」 京太郎「お手柔らかにお願いします……」 カンッ ---- 【シロと鬼子】 シロ「ダルいダルいと思ってたら妊娠してた……」 宮守メンバー「!?」 塞「妊娠したってどういうこと!?」 胡桃「相手は誰!?」 豊音「シロの一大事だよー!?」 エイスリン「アワワッワワ……」 トシ「皆は少し落ち着きな、シロの話をまず聞こうじゃないか。」 塞「そ、それもそうですね……」 シロ「ん、じゃあ少し話すよ……」 シロ「最近妙にダルくて体調が悪い時があってさ。」 シロ「風邪かと思って病院に行ってきたら、妊娠3ヶ月と言われた。」 シロ「以上。」 塞「みじかっ!?」 胡桃「それで相手は誰なの?」 シロ「いないよ?」 胡桃「へ?」 シロ「だって彼氏もそれらしき相手もいないし。」 シロ「そもそも花の女子高生だと言うのに彼氏一人出来ない私に相手なんていなかった……」 胡桃「なんだろう、それ凄く私にも刺さる言葉なんだけど……」 塞「あれ、なんでだろう、私も凄く心が痛いんだけど……」 豊音「お父さんがいないのに赤ちゃんって出来るのー?」 胡桃「そうだよ!?どうして相手がいないのに妊娠するの!?」 シロ「う~ん、ダルい謎だ……」 シロ「未だに"おぼこ"だけど妊娠するとかダルすぎる……」 エイスリン「オボコ?」 塞「エイスリンは知らなくて良い言葉だよ。」 トシ「……シロ、もしかしてあんた、森の社に行ったかい?」 シロ「あ、そういえば一ヶ月前に散歩がてら行きました。」 胡桃「なんでまた散歩なんかに……」 シロ「動いてないせいか、お腹周りがちょっと……」 トシ「はぁ……間違いなくそれだねぇ……」 塞「どういうことですか、熊倉先生?」 トシ「あそこの森にある社は随分古くからあるんだけどねぇ。」 トシ「本来あそこは、子供が中々出来ない夫婦や妊娠中の母親が安産祈願で行く所なんだ。」 トシ「多分のそこの御神体にでも触れたんだろう。」 シロ「そういえば社の中に変な形の石があった。」 トシ「一人で行って、しかも御神体に触れたから孕んでしまったんだろうねぇ……」 塞「どうにかならないんですか?」 トシ「まず、無理だろうねぇ、多分あと2~3ヶ月程で産まれると思う。」 胡桃「それって早くないですか!?」 トシ「一ヶ月前に触ったのに今はもう妊娠3ヶ月、ここまで言えばわかるだろう?」 豊音「赤ちゃんだけに三倍の早さなんだよー。」 トシ「しかも確実に鬼子だろうね、堕ろしたら村や周りに災いが降り、産んだら親を不幸にする。」 トシ「多分古い連中は災いを恐れて産ませようとするだろうね、断ったら村八分、産むとなったら支援される、そんなもんさ。」 塞「まさに八方塞がりですね……」 胡桃「そんな……」 シロ「まぁ頑張って産んでみるよ、自分の蒔いた種だし。」 トシ「わかった、村の年寄りどもには私から話をつけとくよ。」 豊音「私はシロの手伝いするよー!」 一ヵ月後 シロ「妙に腹が減る。」 トシ「なんせ二人分食べないと行けないからねぇ。」 トシ「それも通常の三倍の早さで成長するんだ、そりゃ腹も減るさ。」 エイスリン「シロー!ゴハンモッテキタヨー!」 シロ「あー、日に日に増える重みがダルい……」 塞「体重が?それともお腹が?」 シロ「どっちも。」 胡桃「軽く運動もしといた方がいいらしいよ。」 胡桃「動かないと体に悪いって聞くから。」 シロ「体を動かしたくない……」 胡桃「……豚になるよ?」 シロ「そいつは勘弁。」 更に一ヵ月後 シロ「うっ……」 塞「どうしたの?」 シロ「腹がつっかえて向こうの山牌が取れない。」 豊音「大分大きくなったもんねー。」 シロ「誰か代わりにツモって。」 塞「はいはい。」 また更に一ヵ月後 シロ「そろそろ生まれるかな……」 塞「最近シロ、母親の顔になってきたね。」 シロ「この子生まれるのまだかな?」 豊音「赤ちゃん楽しみだよー!」 胡桃「そろそろ生まれると思うけど……何にしろ3ヶ月で臨月とか気持ち悪い……」 シロ「自然分娩は痛いって聞くけど帝王切開の方がいいかな?」 エイスリン「テーオーセッカイ?」 トシ「お腹を切って赤ちゃんを取り出すことさ。」 エイスリン「シッテル!ハラキリノコトダネ!」 シロ「切腹は怖いな……」 豊音「聞くだけでお腹痛いよー……」 胡桃「麻酔とかするでしょ。」 塞「いや、誰かハラキリを否定しなさいよ。」 無理やりカンッ! ---- ――夜・龍門渕邸庭―― 透華「あら?あれは京太郎?一体こんな時間に何を……」 京太郎「今晩は。」 透華(未来)「今晩は。」 京太郎「今夜もお茶会をご一緒していいですか?」 透華(未来)「勿論ですわ。」 透華「?誰ですの、あの方……」 透華「お母様にも似ている気がしますが……」 透華「それにしても何か楽しそうですわね……」 透華「…………」 透華「それにしても何でしょう、京太郎とあの女が話しているのを見ると……」 透華「こう、何か体の一部を持ってかれたような感じが……」 透華「…………」 透華「何か!何か!すっきりしませんわ!」 透華(未来)「……ふふ。」 京太郎「どうかしましたか?」 透華(未来)「ふふふ、何でもありませんわ。」 カン ---- ――出産後―― 京太郎「かーちゃん、かーちゃん。」 シロ「何……?」 京太郎「腹減った。」 シロ「んー……」モソモソ シロ「何もない……」 京太郎「買い物に行くか!?かーちゃん!?」 シロ「……いや、ちょっと待とう。」 ピンポーン 京太郎「かーちゃん客だ!」 シロ「かーちゃんダルい……京太郎が出て。」 京太郎「わかった!」 京太郎「だれだー!?」ガチャッ 塞「こんにちはー京太郎君、お母さんいる?」 京太郎「かーちゃんは今だらけてます!」 京太郎「そして俺はおなか減ってます!」 塞「あー、もー……仕方ない、ちょっと待っててね、今なんか作ってあげるから。」 京太郎「やたっ!」 シロ「京太郎、誰が来たの?」モソモソ 京太郎「塞おばちゃん!」 塞「おば!?」 シロ「いつもダルいね、塞。」 塞「そこは『いつも悪いね、塞。』じゃないの!?」 京太郎「かーちゃんはいつもダルいからな!」 ピンポーン 塞「あ、誰か来たかな。」 シロ「京太郎、ごー。」 京太郎「だれだー!?」ガチャッ 塞「元気だなー京太郎君。」 シロ「すこしは落ち着きが欲しい、付き合うとダルい。」 塞「シロはもう少し動くべきだよ。」 京太郎「かーちゃん!かーちゃん三号が来た!」 豊音「三号だよー!」 塞「え、なにそれ、三号ってなに!?」 シロ「私一号、塞二号、豊音三号。」 塞「私かーちゃん二号なの!?」 京太郎「かーちゃん二号はいつもご飯食べさせてくれるから二号だ!」 塞「ああ、そういうことなの……」 京太郎「かーちゃん三号はいつも遊んでくれるから三号だ!」 豊音「ありがとー!」 塞「エイスリンと胡桃は?」 京太郎「四号とクルミだ!」 塞「なんで胡桃だけ名前……」 京太郎「クルミはかーちゃんって感じじゃないから!」 塞「……熊倉先生はどうなのかな?」 京太郎「あれはばーちゃん!かーちゃんとは別!」 塞「そうかぁ、皆何食べたい?」 豊音「なんでもいいよー。」 シロ「おいしいもの。」 塞「なんか困る返答だなー。」 京太郎「三号かーちゃんのご飯は何でも美味いぞ!」 塞「ありがとう、京太郎君。」 カンッ ---- 透華「…………」 優希「…………」 和「…………」 咲「……あの?」 透華「どうかしましたかしら、宮永さん?」 咲「どうして私たちはここで麻雀を打ってるんですか?」 透華「ええ、まぁ、当然の質問ですわね。」 透華「龍門渕の人間と「お付き合い」する方を良く見ておきたいのですわ。」 和「すg……京太郎君の交友関係の調査……っと言ったところですか……」 透華「大別して言えばその通りですわ。」 透華「京太郎は我が龍門渕家の次期当主ですわ。」 透華「なので、集る女を追い払わないといけませんですもの。」 咲・優希・和「……成る程。」 和「でも、それなら別に私がいなくても……」 透華「ついでですわ。」 和「はぁ……」 透華「それでは京太郎についてお聞きしたいのですが。」 透華「京太郎は普段どんな感じですの?主に女性関係で。」 一「どう思う、純君?」コソコソ 純「明らかに品定めって奴だと思うぜ。」コソコソ 智紀「お嫁さん候補……私も立候補してみようかしら……」コソコソ 純「やめとけやめとけ、あんな相手達に生半可な気持ちで勝てるわけない。」 一「本当にね~。」 純「でも、京太郎が次期当主になるとはな~。」 一「最近、透華が京太郎君を養子に入れ直したって話だからね。」 和「京太郎君はそこそこモテますね。」 優希「顔は中々いいし、麻雀もそこそこ強いしな。」 咲「気遣い出来て、面倒見がいいし……」 和「更に龍門渕家の御曹司ということで結構女の人が寄ってきますね。」 咲「でも京ちゃんはそういうの気にしてない感じだったよね。」 透華「ふんふむ。」 透華「で、貴女達の中で京太郎に想いを寄せているのは誰ですの?」 優希・咲「!?」 和「……誰なんでしょうね。」 和「私としては少し複雑です。」 カンッ ---- 完全IF 透華「ということで私の苦労を知ってもらうべくタイムマシンを用意しましたわ。」 京太郎「え、なにそれ聞いてない。」 透華「つべこべ言わずにゴーですわ!」 京太郎「うわ!?なにすんですかー!?」 京太郎「いてて……一体どこなんだよここ……」 「あのー?だいじょうぶですか?」 京太郎「あ、大丈夫です。」 京太郎「それより、そのここはどこですか?」 「茨城ですよ」 京太郎「茨城!?」 京太郎「てか、貴女小鍛治健夜プロ?」 健夜「え、プロではないですけど。」 京太郎「若い!というか今何歳だ!?」 健夜「え……17です……」 京太郎「十数年前かよー!?」 健夜「えっともしかしてお困りですか?」 京太郎「帰る家がどこにあるかわからない状態です……」 京太郎(透華母さんはどうやってたんだよ……) 健夜「大変ですね……そうだ!家に来ませんか?」 京太郎「流石に悪いですよ……」 健夜「大丈夫です!困っている人を放っては置けませんから!」 こうして俺は半ば強引に健夜さんに連れられて居候になった。 数年後のこととかは敢えて言わない。 色々有ったとしか言わない。 もう直ぐ俺も父親かー…… カンッ ---- 忘れられないと言う事は生き辛い。 記憶が、思い出が沢山あるだけ、その思い出や記憶に引きずり込まれてしまう。 そうとわかっていても、私は割り切れなくて、ついに長野に来てしまった…… 知り合いのプロに頼んで同行させてもらった。 まず彼の家に行った。 そこには人は居なかった…… この世界の彼は、私が知っている彼とは違う道を歩いているのだろうか…… 数少ない手掛かりも心許無い状況になってしまい、途方に暮れそうになる。 そんな時、彼の家に尋ね人がやってきた。 清澄の彼が気にかけていた女の子だ。 彼女に訊ねたら彼は龍門渕という家に行ったらしい。 やはりここの彼は、私の知っている彼とは歩んできた道が違うみたいだ。 それから彼の身請け先のことを調べつつ数日が経った。 その間は知り合いの家に泊めてもらっていた。 そしてある日、龍門渕家に近い公園を巡っていた時、偶然だがブランコに揺られている彼を見つけた。 「あ……京太郎君……」 思わず声が漏れた。 だが、彼に会うべきか否か、迷っていた。 「小鍛治プロ?もしかして彼がそうなんですかー?」 「……うん。」 「でも、私の事覚えてないかも知れないし、なにより……」 「なにより思い出して彼を苦しめる事になったら……嫌だもの。」 「思ったより小鍛治プロはチキンですねー。」 「う……」 「でも私なら彼とコンタクトを取ってもノープロブレムですよねー?」 「たしかにそうだけど……」 「じゃあ、行って来ますねー。」 そう言って彼女は行ってしまった。 もし彼が他の彼の記憶を持っていたら、私の事を覚えているのだろうか。 家族として居た記憶、思い出、そんな懐かしくも煩わしいものを背負っているのだろうか。 でも彼が覚えて無くても、私は覚えているだろう。 それは私にとって…… 捨て去れない…… 忘れきれない…… あまりにも美しくて大事なものだから…… そんな事を思っていると彼女が戻ってきた。 「若干出会いに怪しまれましたがノープロブレム。」 「会ってトークしてきましたが、多分小鍛治プロの思っているような彼ではないと思いますねー。」 ああ、やっぱりそうか。 あの京太郎君は、私の知っている京太郎君じゃなかったんだね。 この世界に他の京太郎君を知っているのは私だけなのかな…… 「一応私の電話番号渡しましたが彼から連絡来たら伝えますかー?」 「ううん、大丈夫。」 「ありがとね、良子ちゃん。」 「いえいえ、ノープロブレムですよー。」 「ねぇ、良子ちゃん。」 「なんでしょう?」 「あの京太郎君とは別に京太郎君がいるって言ったら信じる……?」 「まぁ、私の体質上否定しきれないですねー。」 「大切な思い出を忘れられないのって辛いね……」 「……大人なら、割り切らなきゃ行けない事もありますよね。」 「……うん、そうだね。」 もう長野には来ない。 来てはいけない。 次にここへ来れば彼と会いたくなるだろう。 会ってしまったら彼に迷惑が掛かる。 だから、もう、ここへは来ない。 でも、もし、彼が偶然私と会うことがあるなら…… その時は、頼れるお姉さんでありたいな…… カンッ ---- 「時にきょうたろー。」 それはオカルトの特訓をしていたときに言われた。 京太郎「はい?どうしたんですか衣さん。」 衣「明日は母の日らしいな。」 京太郎「……そうですね。」 衣「きょうたろーは何か贈らないのか?」 京太郎「衣さんが知っている通り、俺の母親は……」 衣「亡くなった方のではない。」 京太郎「……知っていたんですか。」 衣「時折来る女を見て、何となくだが、な。」 衣「前の赤子の件もあの女の仕業であろう?」 京太郎「まぁ、そうなんですが……」 京太郎「何となく憚られて……」 京太郎「それに、俺には家族がいますし。」 衣「あの女もきょうたろーにとって家族だろう。」 衣「衣たちに気を使う必要はないぞ。」 衣「それに衣たちも母君に会いに行くしな。」 京太郎「そう、ですか。」 京太郎「……俺も何か贈るかな。」 ――翌日―― まだ新しい色を放っている墓石の周りを軽く掃除したあと、花を供えて手を合わせる。 うん、やっぱり仏花よりカーネーションだよな、母の日なんだから。 もうちょっとで一周忌だからそのときまた来るよ。 ――龍門渕邸・夜―― カーネーションの花を持って庭へ向かう。 今はもう来るかどうかわからない人となってしまったが、未来から時々透華さんが来る事がある。 今夜たまたま居れば渡すし、居なければいつものところに花瓶を持ってきて活ければ良い。 見覚えのある金髪が風で靡いていた。 透華さんだ。 俺は手に持った花を想いと共に彼女に渡した。 京太郎「今晩は、これをどうぞ。」 透華「あら今晩は、これは……カーネーションですわね。」 京太郎「ええ、母の日といえばこの花ですから。」 透華「そうですわね、でも何故私に贈るのですの?」 あ、しまった。 この透華さんはこっちの透華さんだったことに今更ながらに気付いた。 京太郎「日頃の透華さんを労うために買って来ちゃいました。」 透華「そうですの、ならこれは有り難く受け取っておきますわ。」 透華さんはクスクスと笑いながら花を眺めていた。 まぁいいか、同じ人だし、何より苦労しているのは間違いではないのだから。 そういえば買うときに見たんだが。 赤いカーネーションの花言葉って「純粋な愛情」とか「母の愛」だって書いてたな。 他の意味も含まれているならまだ透華さんは自分が母親だって気付かないんだろうな…… カンッ ---- 完全IF 雅枝「あんたー!あんたー!」 京太郎「」 何故俺が今絶句しているかというと。 透華「オーホッホッホ、この男は私達が頂きますわー!」 母親が俺をタイムスリップさせたあと雅枝さんと家庭を持ったら。 「帰りますわよ。」 と、言われました。 雅枝「あんたー!カムバーック!」 京太郎「雅枝のりのりやんけ……」 そんなこんなで元の時代に強制送還されたんだが…… 更に今絶句しております。 何故なら今…… / `ヽ , -‐=f- 、!ハ / .`ヾ . , i / /i _」 ,ハ .」_ ハ . .`トi、 // 7´「 ハ | ! }.`メ;. .iミ \ { { .{ i ト,x=テ \i テミ=x! ;} iヾ }、 ジ ゞ= 八 .i .廴ノ .乂,ノ厶イ ノノ . | . ((i | 、、 、、 i. |;イ .}. | ` i ! 、 △ /! ! .| /i i . リ ` ュ--‐t " .リ i / リ / \/ヽ_ // r "´{._人_.} ` イ / i 《从》 i | / .! || l .! 女の子にすっごい見られているから! 京太郎・洋榎(何か見たことある顔だ(や)なー) 絹恵「お姉ちゃんどうしたん?」 洋榎「あんなー絹ー、ちょっと見覚えがある顔やなーと思て。」 絹恵「?」 洋榎「浩子なら知っとるやろか?」 京太郎(浩子?どっかで聞いた覚えがあるな……) 京太郎(ああ、そうだ姪の名前と同じだ。) 洋榎「あ、ついでにおかんもおったら呼んで来るわー。」 絹恵「あ、お姉ちゃん!?」 絹恵「えー……」 京太郎「えっと……」 絹恵「どうしてこんなんなったんやろね。」 京太郎「あはは……」 京太郎「あ、名前を聞いても良いですか?」 絹恵「あ、はい、うち、愛宕絹恵っていいます。」 京太郎(愛宕?すっげー聞き覚えが……) 絹恵「んで、さっきのがうちのお姉ちゃんの愛宕洋榎です。」 京太郎(ひろえ!?俺の子供と同じ名前じゃん!) 京太郎「あの……もしかして、君たちのお母さんの名前って雅枝とかって名前じゃ……」 絹恵「あーうちのお母さんと知り合いですか……やからお姉ちゃん見覚えあるって言うてたんやねー。」 京太郎(あれ?俺拙くね?今更どんな顔して雅枝に会えば良いんだよ!?) 絹恵「あの……汗すごいですよ?」 京太郎「あ、俺、急用があるんで……」 絹恵「あれそうなんですか?家のお姉ちゃんが無理やり引きとめてしもたんですね……」 京太郎「まぁ、その、後で伺いますんで……」 絹恵「なら、またあとでー。」 京太郎(そうか……あの子達が俺の娘か……) 京太郎(絹恵の方はあの時お腹の中に居た方か、てことは今三年か?) 京太郎(で、赤い方は洋榎か……大きくなったな……) 京太郎(実年齢1才差の娘は戸籍上年上の娘になるのか……) 雅枝「ん?」 京太郎「え?」 雅枝「…………」 京太郎「」 雅枝「あんた……今までどこにおったん?」 京太郎「いやその……」 雅枝「…………」 京太郎「拉致られてました……」 雅枝「うん、そんなもん知っとるわ、うちの目の前やったからな。」 京太郎「うん、そうだね……」 京太郎「大変だったよな……」 雅枝「……実はそんなでもないんやで?」 京太郎「……え?」 雅枝「お義母さんが事前に養育費とか色々手ぇ回してくれとったから。」 京太郎「はい!?」 洋榎「あ、おかん!こんなとこにおったんか。」 絹恵「あれ……さっきの人……」 雅枝「ああ、ひろにきぬ。」 雅枝「この人はな……」 京太郎「…………」 雅枝「あんたらのおとんや。」 洋榎・絹恵「…………」 京太郎「…………」 洋榎「おかん、冗談キツイわー……おとんはうちが小さい頃にショッカーに改造された言うてたやん。」 京太郎「それ、信じるのどうよ……」 絹恵「それにどうみたってうちらと同じくらいの年やし……」 絹恵「あ、お母さん、もしかして新しいお父さんとかそういう意味なん?」 雅枝「あんた実の娘たちに言われたい放題やで。」 京太郎「おれはこの瞬間に対する心の準備はしてきたッ!だがやはりドス黒い気分になるぜ!汗がふき出すッ!」 洋榎「え?いきなりなんなん?」 京太郎「ちょっとお父さんブルーになっただけ……」 洋榎「あんた面白い奴やなー!」バッシバッシ 京太郎「あだだ!?」 カンッ ---- 「井上さん。」 突如オレに声が掛けられる。 聞きなれた声だった。 「ん?あ、ヨッシーどうした?」 「んん、ここはどこで、貴女は今何者ですか?」 あ、ついやっちまった…… 仮にもオレは今、龍門渕家の仕事服を着ているんだった。 ---- 純「……失礼しました、萩原さん。」 純「それで、ご用件はなんでしょうか。」 ハギヨシ「大変結構です。」 ハギヨシ「それで今、お客様にお茶と菓子をお運びしようと考えていたのですが。」 純「今清澄の大将が来てるんだっけか。」 ハギヨシ「つまり私が申したい事はですね……」 純「オレが――」 純「私がお客様にお茶を出せば宜しいのですね?」 ハギヨシ「よろしくお願いします。」 純「承知致しました。」 ---- ノックをして衣の部屋に入る。 「失礼致します。」 「お茶とお菓子をお持ちしました。」 なんか京太郎と宮永のやつ驚いてやがった。 ---- 京太郎「どうしたんですか?純さん、熱でもあるんじゃ……」 純「しばくぞコラ。」 純「今のオレはお仕事モードなんだよ。」 京太郎「ああ、それで。」 純「ほれ、お茶と菓子だ。」 咲「あ、ありがとうございます。」 純「じゃ、オレは仕事に戻るから何かあったら言ってくれ。」 衣「純、その前に打っていかないか?」 純「この面子の中に入れって言うのかよ……」 衣「何か問題でもあるのか?」 純「いやさぁ……うちの大将に、清澄の大将、そしてオレの天敵……」 純「どう考えても……」 京太郎「まぁまぁ、とりあえず打ちましょうよ。」 咲「麻雀って楽しいですよ!」 衣「さぁ!衣たちと打つのだ!」 純「……あいよー。」 結果はお察し。 戻る最中、国広君と会った。 一「あれ?純君どうしたの?」 純「衣に捕まって雪月花と打たされてた……」 一「雪月花?なにそれ?」 純「雪は京太郎、月は衣、花は宮永のことだよ。」 一「……ああ、成る程ね、随分風流な言い回しだね。」 純「ロマンチックだろ?」 一「確かに、純君って意外と乙女チックだもんね。」 純「意外は余計だ、意外は。」 一「それでそんな乙女チックな純君に質問です。」 純「なんだよ。」 一「恋とかしてないの?」 純「はぁ!?」 一「いやだって、ボク達花の女子高生なのに浮いた話がないじゃん。」 純「いやだからって何でオレに振るんだよ。」 一「ボクの女の子センサーによると純君が恋してるって反応を捉えたんだよ。」 純「捨てちまえ、そんなもん。」 一「で、実際のところどうなの?」 純「知らねーよ。」 一「好きな人の特徴だけでも!」 純「絶対教えねー。」 一「『教えない』って事は居るんだね!?」 純「!」 一「ねぇねぇ?どんな人?」 純「おら、さっさと仕事にもどれ。」 一「ちぇ~、折角聞けると思ったのにー。」 純「ったく、からかいやがって……」 一「あ、そうそう。」 純「ん~?」 一「ボクは応援してるからね?」 一「だからいつでも相談に乗るよー。」 純「余計なお世話だっての……」 純「物好きな奴もいるもんだな。」 純「にしても国広君の女の勘も馬鹿にできねぇな。」 実際、オレは恋に近い事をしている。 恋と言っていいのかわからない、憧れにも尊敬にも似た感情。 こんなオレにもそんな風に想える相手ができた事自体不思議だ。 多分告白しても相手は大人、オレは子供。 上手い事、諭しながらやんわり断るんだろうな。 あの人はオレの事を見ていないのは知っている。 女としてみていない、それはやっぱり女らしくない体格だからだろうか。 それとも男勝りの性格だからだろうか。 そのほかに何かあるのだろうか……例えば好きな人とか…… あの人を、振り向かせたい。 でも、出来ないだろう。 俺にはそんなの似合わないと思っているからだ。 オレは、素直になれないオレが恨めしい。 例えあの人に告白してもしなくても、あの人を忘れる事はできないだろう。 この体に染み付いた作法は。 この手に染み付いた技能は。 全てあんたがオレに教えてくれたものだから…… カンッ ---- ASSASSIN S CREED -Sideモモ- ~現代最後の女アサシン~ それは突然のできごとだったっす。 怪しげな男たちに囲まれた先輩と私は死を覚悟するまで追い詰められていたっす。 先輩は震える体で怪しげな男たちから私を庇っていたっす。 どうやら見てはいけないものをみてしまったらしいっす…… 私たちは恐くて目を瞑ってたっすけど、男たちが変なうめき声をあげたっす。 恐る恐る目を開けたら、そこには……白いフードから幽かに金髪を覗かせた青年が立っていたっす。 それが師匠とのファーストコンタクトっす。 師匠からの教えられた心構えは3っつっす。 1つ、汝の剣を罪無き者に振るうな。 つまりこれは無関係な人は巻き込むなってことっす。 2つ、我等の力は鞘の中の刃。 不用意に力を振るってはならない、また、私たちの存在は覚られてはならないってことっす。 3つ、兄弟を危険に曝す無かれ。 これは一番重要で、仲間を危険にしたり見捨てたりしたらいけないってことっす。 最後に師匠の口癖っす。 「真実など無く、許されぬことなど無い。」 だそうっす。 ---- ――清澄―― 豊音「たのもーだよー!」バターン! 豊音「京太郎君はいるかなー?」 京太郎「ああ、また来た……」 照「案の定だったね。」 咲「お姉ちゃん……」 健夜「あーあー、家の弟はなんでこんなたらしに育ったのか……」 京太郎「ちょ!?俺はたらしじゃないですよ!?」 咲・照「え」 京太郎「何それ酷い!」 健夜「よし、話なんていい。」 健夜「京太郎君が欲しくば、卓に着きなさい!」 京太郎「え!?なんで!?」 咲「なんでいきなり麻雀なんですか!?」 健夜「ふふん、かわいい弟がどこの馬の骨ともわからない女にはあげられないよ!」 照「そういうことなら話は早い、誰が京ちゃんに相応しいか見せてあげる。」 豊音「京太郎君をおっかけるよー!」 健夜「三食昼寝付けてくれる弟はやらないよ!」 京太郎「姉さん本音が出てる!」 久「なんか大変なことになったわね。」 京太郎「竹井先輩すごい「面白くなってきたー!」って顔してますよ!?」 久「気のせいよ!」ウキウキ 京太郎「もうやだー!?」 ――30分後―― 健夜「ふふふふ、貴女達にそう簡単に弟は渡さないよ!」 照「京ちゃんの心は力づくでも奪ってみせる!」 豊音「引き下がる気はないよー!」 咲「えー……えー……なにこれー……」 健夜「あれ?そういえば京太郎君は?」 久「あー彼ならちょっと前に用事で出ましたよ。」 豊音「あ!?」 咲「どうしたんですか?姉帯さん。」 豊音「シロ途中で置いてきたの忘れてたんだよー!?」 照「…………!?」 照「やられた!とんだ伏兵が残ってた!」 豊音「シロに電話かけるよー!?」 ―――――― ―――― ―― シロ「京太郎の背中は落ち着くな……」 京太郎「シロさん……送り迎えくらいしますから……せめて豊音さんと来たならそのとき呼んでくださいよ……」 シロ「いいじゃないか……ダルかったんだもの。」 京太郎「みつを風に言ってもダメです。」 ブーブー シロ「ん……」 京太郎「電話ですか?」 シロ「……間違い電話。」 京太郎「そうですか。」 シロ「んじゃ次は京太郎オススメのデートスポットに行こうか。」 京太郎「はい?なんでまた……」 シロ「気にしたらダメ。」 ピロリロリーン♪ 京太郎「今度はメールですかー?」 シロ「迷惑メールだった。」 京太郎「そうですか。」 豊音「シロが応答しないんだよー!?」 シロ「だから言ったのに、「今はダルいけど、ヒロインの座をいつか奪うかもよ?」って……」 京太郎「なんか言いました?」 シロ「なんでもない。」 ---- 純「京太郎、よくやったじゃねぇか。」 一「去年なんて県予選突破すら出来なかったのに、今回3位とかすごいよ。」 透華「一位じゃないとか目立っておりませんわ!」 京太郎「厳しいなー……」 衣「きょうたろーの実力からすればここまで来るには厳しい道程だったろう。」 衣「堅実な打ち回しをしながら、策を弄し、相手の力を計り、自身と相手の力をうまく使ったな。」 智紀「流石に一位はとれなかったけど、凄い事。」 京太郎「智紀さんが対策手伝ってくれたおかげでもあるんですよ。」 京太郎「運や巡り合わせがよかったのも大きいですがね。」 透華「京太郎、次は一位を狙うんですわよね?」 京太郎「……もちろんです!」 ---- 洋榎「浩子ー、応援に来たでー。」 浩子「いらんわ、んなもん。」 浩子「てか誰?その男。」 洋榎「うちのおとんやてー」 浩子「はぁ?」 泉「流石に意味不明ですね……」 京太郎「あはは、どうも……」 浩子「というかおばちゃんの旦那っておばちゃんに子供を二人も孕ましておいて別の女と蒸発した最低の屑野郎やん。」 京太郎「畜生……!伝え方に悪意があるけど事実が事実だけに反論出来ねぇ……!」 雅枝「あーあんたら何やってんの。」 京太郎「あ!?助けて雅枝!」 雅枝「う……人前ってか教え子の前で呼び捨てにすんなや!」バシィッ 京太郎「イッタ!?」 泉「監督が顔が真っ赤っかになっとる!?」 洋榎「おかんが真っ赤とか初めてみたわ……」 雅枝「あー浩子、信じられんとは思うけど、これウチの旦那や、ほれ、昔の写真。」 浩子「冗談きついわー……!?」 浩子「え!?まじですか!?てか年とって無いやん!?」 浩子「この男子がウチのおじちゃん!?」 京太郎「あーはい……どうも、最低の屑野郎です……」 浩子「あの、なんか、すんませんでした……」 京太郎「まぁその、事実っちゃ事実ですし……」 浩子・京太郎「あは、あはははは……」 泉「なにこのアウェー感……うちどないすればいいんや……」 カンッ ---- 今から少し咲との話をしようと思う。 何年か前の話だ。 久「そう、お姉さんと一緒に東京に住む事になったのね。」 咲「……はい。」 久「それじゃ今から咲の送別会をやるわよ!」 久「送別会までに良い人呼んであげるから。」 送別会が始まった、和ちゃんは泣きながら優希ちゃんも元気一杯に楽しんでいた そんな時一人が尋ねてくる。 京太郎「こんにちは。」 咲「京ちゃん?龍門渕にいたんじゃ……」 京太郎「お姫様の為に飛んできました。」 咲「え?……うふふ、変な京ちゃん。」 京太郎「とりあえず思いっきり楽しもうぜ?」 咲「うん!」 やがて私の送別会が終わり皆、帰宅の準備し始めた。 帰り道、私を送ってくれた京ちゃんに、思い切って言ってみる。 「京ちゃん、明日……一緒に街を回ってくれないかな?」 「ここでの事を覚えておきたいから……」 「おいおい、俺に学校休めってか?」 「……一生に一度のお願い、京ちゃん。」 「そんな顔すんな、断るわけがないだろ?」 「うん、そうだよね……」 「オシャレして来てね。」 「そっちこそちんちくりんのまま来るなよ?」 「もー!失礼だよ京ちゃん!」 明日は京ちゃんとデート…… いっぱいおめかししないとね…… 美容院に行って髪を整えて来よう。 お気に入りのこのピンクのスカートに、前に京ちゃんがプレゼントしてくれたこの髪飾り。 「咲の得意な嶺上開花だから花なんだ」って…… ちょっと安直過ぎない?でもとても嬉しかったんだよ。 今日は咲とのデートだ。 今日で最後になるかもしれない。 だから咲との思い出を一杯作ろう。 いつもと違う感じの髪型にしてみよう。 服は……ジャケットと、咲から貰ったアクセサリー。 俺の趣味とはちょっと違うけど、凄く大切なものだ。 さぁ、準備は出来た、お姫様より早く待っていないとな。 少し早く着いてしまった俺は髪の毛をいじりながら咲を待つ。 咲は今日どんな格好をしてくるのだろうか。 俺は少し緊張しながら時計を見る。 待ち合わせまでまだ二十分も有った。 「早く来すぎたか」と内心の浮かれ具合に辟易していると咲がやってくるのが見えた。 咲の姿を見て、俺はドキッとした。 かわいいスカートに俺がプレゼントした花の髪飾りを付けていて、前髪も少し変わっていた。 いつもよりかわいい咲に、俺の視線は釘付けになっていた。 京ちゃんとの待ち合わせした場所に向かうと、そこには既に京ちゃんが待っていた。 京ちゃんはグレーのジャケットに私がプレゼントしたアクセサリーをつけて、 いつもとは違う髪型で私を待っていた。 どうしよう、いつもよりカッコ良くて、ドキドキする…… 「待った?」 「おう、待った。」 「もうそういう時は『今来たとこ』って言うところだよ!」 「咲を待つのは苦にならないから良いんだよ。」 「なにそれー?」 (お前を今か今かと待ちわびてたよ、楽しみにしすぎたみたいだな。) 「なぁ咲、前髪弄ったんだな。」 「あ、うん、京ちゃんも髪型変えたんだね。」 「その、なんだ、似合ってるぞ。」 「あ、ありがとう……京ちゃんも、その、かっこいいよ……」 「お、おう、サンキュー……」 「「…………」」 ((やばい、なんか目が合わせらない(よ)……)) 「な、なあ、咲、そろそろ行こうか?」 「う、うん。」 色んなところを回る。 中学のとき、初めて会った場所。 よく行った公園。 今でもお世話になる図書館。 思い出が沢山だ。 途中、突然雨が降ってきた。 天気予報では晴れるって言ってたのに…… 鞄の中には折り畳み傘が入っていた。 でも、それを使えば京ちゃんとの二人だけの雨宿りの時間が終わってしまう…… そう思ったら溜め息が出ていた。 雨が突然降ってきて雨宿りするはめになっちまった。 近くでビニール傘でも買ってくるかと思ったが、咲が鞄を見て溜め息ついていた。 最初は雨が降ったからかと思ったんだが、どうやら違ったようだ。 ちらりと見えた折り畳み傘がやけに使われたがっているように思える。 本当はすげー恥ずかしいけど、思い切って言ってみる。 「しょうがないから咲の傘に入ってやるよ。」 多分今の俺は顔真っ赤になっていると思う。 京ちゃんが溜め息を吐いた私に対して笑いながらこう言った。 「しょうがないから咲の傘に入ってやるよ。」って。 <そのとき確かに音がした。> <そのとき確かに聞こえた。> <私が京ちゃんに。> <俺が咲に。> 《恋に落ちる音が。》 今、京ちゃんと相合傘をしている。 傘を持った右手が震えてる。 息もまともに出来ないくらい心臓がドキドキしてる。 恥ずかしくて京ちゃんの顔がまともに見れない。 でもこの状況が凄く嬉しい。 だから思ってしまう。 今、咲と傘を一緒に持っている。 正直傘を持つ左手の感覚も遠くて、震えている。 咲に聞こえているんじゃないかと思えるくらい心臓がうるさい。 でもこの瞬間が凄く愛しい。 だから願ってしまう。 《ああ、この時間が永遠に続けば良いのに……》 やがて雨が止む。 ああ、もう傘は必要ないのか、と残念な気分になってしまう。 傘を閉じて、しまう。 そのあとお互いに口を開いた。 「なぁ……」 「ねぇ……」 「「手を繋ごうか。」」 ほぼ同時だった。 お互い同じ事を考えていて嬉しくなった。 それから手を繋ぎながら駅まで一緒に歩く。 幸せな時間が続く。 相手の手のぬくもりが伝わってくる。 恥ずかしいけど、離したくなかったこの手が一番の思い出になりそうだ。 そうこうしている内に、駅に着いてしまった。 ねぇ、電車が来ちゃったよ…… これでお別れになっちゃうのかな…… 行くなって言って抱きしめてくれないの? ああ、電車が来ちまった…… これでお別れになるのかな…… 今すぐにでも抱きしめて行くなって言いたい…… (なんてな) (なんてね) 咲にそんな事出来ない、やっとお姉さんと一緒に暮らせるんだ。 俺が邪魔できるわけ無い。 京ちゃんがそんな事しないのわかってる。 きっと私のことを思って言わない。 「咲、俺、迎えに行くよ。」 「私も待ってる、電話もするしメールも一杯送るね?」 「ああ、俺もするよ、だから……」 発車のベルが鳴る。 かき消された声の先は唇の動きでわかった。 彼が何を言おうとしたか。 メールの着信が来た。 『俺以外の男に振り向くなよ。』 「京ちゃん以外の男なんて、見えるわけが無いよ。」 『必ず迎えに行く、そのときは聞かせてくれ。』 「うん、待ってる、答えはまた今度会った時に応えるね……」 カンッ! ---- 奥様、私は奥様の遺言が無くとも龍門渕家に骨を埋める所存でございます。 何故なら……私は…… 私は彼女と神の前で誓ったのだから。 「病めるときも、健やかなるときも、死がふたりを分かつまで……」と。 私はこの身が朽ちるまで透華お嬢様、いえ、透華さんを一生かけて守っていきます。 【とある執事の誓い】 カンッ
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胡桃「充電充電」 京太郎「……先輩」 胡桃「……何?」 京太郎「何してるですか」 胡桃「充電」 京太郎「……なんでKちゃんぬいぐるみを先輩が充電してるんですか?」 胡桃「京太郎くん、分かってない」 京太郎「はい?」 胡桃「充電はね、簡単なものじゃないんだよ」 胡桃「疲れを取ったり、大事なことを伝えたり、たくさんの意味があるんだよ?」 京太郎「そうですか。で、先輩が伝えたいことは何ですか?」 胡桃「……京太郎くんで充電したい」 京太郎「満足ですか?」 胡桃「うん」京太郎の上で充電 京太郎「というかまだぬいぐるみも充電してるんですか?」 胡桃「上下両方に京太郎くんがいるって、いいよね?」 京太郎「本人に聞きますか」 胡桃「うん。いいね」 胡桃(もっと、近くに京太郎くんを感じれるし) 京太郎「そんなにいいですか?」 胡桃「いいよ?これからもずっとお願いしたいくらい」 京太郎「俺としては正面から抱きしめたいんですけど?」 胡桃「……それは恥ずかしい」
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【咲 -Saki-】 須賀京太郎ハーレムスレ 4 h4-1 阿知賀小ネタ 【咲 -Saki-】 須賀京太郎カプ統合スレ 4 h4-2 お姫様 h4-3 照小ネタ h4-4 咲照小蒔衣池田・迷子 h4-5 京・純(魔王姉妹喧嘩有) h4-6 京・和 h4-6a続き 「台風一過」 h4-7 IH準決勝小ネタ h4-8 小蒔ネタ h4-9 ラノベ風(誤認識?)京ちゃんのはーとふるラブコメディ? h4-10 阿知賀ネタ h4-11 照京? 京ちゃんはでてこないけど h4-12 照小ネタ h4-13 宮守小ネタ h4-14 京・照 h4-15 京・透華 h4-16 連作短編的なの → 長そうなの h4-17 にわか先輩 h4-18 姉帯 h4-19 三尋木 h4-19a 続き h4-20 すばら h4-21 穏乃 h4-22 咲 h4-23 怜 h4-24 怜 h4-25 怜外伝 → 長そうなの h4-26 照小ネタ h4-27 愛宕家 h4-28 小蒔 h4-29 桃尻触り隊 h4-30 一 h4-31 美穂子 h4-32 桃 h4-33 竜華 h4-34 京・洋榎 「あまやどり」 h4-35 京×白糸台 h4-36 菫 h4-37 滝見春小ネタ h4-38 永水 h4-39 シロ h4-40 姫松小ネタ h4-41 永水女子×京太郎 憧ちゃん援交ネタin京太郎 → 長そうなの