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ピクロスシリーズ 任天堂発売 機種 タイトル 概要 判定 マリオのピクロス GB マリオのピクロス ジュピター開発による、任天堂ピクロスシリーズ第1弾。マリオシリーズのパズルのひとつとして初登場。 良 SFC マリオのスーパーピクロス 後続のピクロスシリーズの基盤となった作品。新モードとして現在の「フリールール」に相当する「ワリオのスーパーピクロス」が登場。 良 GB ピクロス2 『スーパー』をも凌駕する大ボリュームの、上級者向けのピクロス。ほとんどの問題で現在の「ミクロス」に通ずる特殊なルールを採用。 良 サテラビュー配信 SFC タモリのピクロス 実質的に『マリオのスーパーピクロス』のプロトタイプ。ラジオ音声と連動するいわゆるサウンドリンクゲームではない。 なし サテラdeピクロス マンスリーイベントの12月作品。今回はタモリもマリオもいない。 ピクロスNP SFC ピクロスNP Vol.1 / Vol.2 / Vol.3 / Vol.4 / Vol.5 / Vol.6 / Vol.7 / Vol.8 ニンテンドウパワー書き換え専用の隔月刊ピクロス。キャラクターモードには毎回異なる任天堂キャラクターが登場する。 なし 景品ソフト 3DS クラブニンテンドーピクロス クラブニンテンドーの景品ソフト。任天堂キャラなどのピクロスが登場。現在は配信終了。 なし クラブニンテンドーピクロス+ クラブニンテンドーの2014年度のプラチナ特典の景品ソフト。前作に引き続き、任天堂キャラなどのピクロスが登場する。現在は配信終了。 マイニンテンドーピクロス ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス マイニンテンドーの景品ソフト。『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』をモチーフとしたピクロス。 なし 立体ピクロス DS 立体ピクロス ハル研によって立体化した新生ピクロス。マンネリ感はあるものの、シリーズ譲りの面白さ。 なし 3DS カタチ新発見! 立体ピクロス2 上記『立体ピクロス』の続編。ブロックの塗りが2色になり複雑化したが、難易度を3段階から選択可能に。 その他の作品 DS ピクロスDS 『Touch! Generationsシリーズ』。マリオ不在の素朴なピクロス。ピクロスとは無関係のミニゲームが鬼畜。 なし 3DS ポケモンピクロス DL専売。『ポケットモンスターシリーズ』をモチーフとした、基本無料の課金式ピクロス。「タッチしてください」を始めとするUIや、心象の悪い課金要素で評価を落とした。 なし ジュピター発売 機種 タイトル 概要 判定 ピクロスe 3DS ピクロスe DL専売。『DS』の延長線上作品。面白さはいつも通りだがボリュームは控えめ。本作以降ジュピターからの発売となり、任天堂に関連する問題が登場しない。 なし ピクロスe2 DL専売。繊細な絵が楽しめる「ミクロス」が初登場。 ピクロスe3 DL専売。ヒントマスの一部が2列一体化した「メガピクロス」が初登場。その弊害で通常の「ピクロス」の問題数は減り、「ミクロス」も登場しない。 ピクロスe4 DL専売。通常の「ピクロス」のみだが「20×15」の問題が実装。「ミクロス」も復活。本作から『e』『e2』『e3』をダウンロードしていると特典が追加されるようになった。 ピクロスe5 DL専売。問題数は「ピクロス」「ミクロス」が増え、「メガピクロス」が減少。 ピクロスe6 DL専売。「ピクロス」と「メガピクロス」の双方が同じ問題でプレイ可能に。水増しではあるものの、問題数は一気に(特典を含め)300問を突破。 ピクロスe7 DL専売。「20×15」の問題が「メガピクロス」でもプレイ可能になり、試し塗り機能が復活。問題数は特典を抜きにしても300問以上に。 ピクロスe8 DL専売。 ピクロスe9 DL専売。 ピクロスS Switch ピクロスS DL専売。Nintendo Switch初のピクロス。制限時間が撤廃され、フリールールが基本設定に。「ミクロス」は無いが、「ピクロス」「メガピクロス」合わせて300問と問題数はそれなり。 なし ピクロスS2 DL専売。「ミクロス」以上の画質を誇るイラストが楽しめる「クリップピクロス」が初登場。 ピクロスS3 DL専売。3~4色のカラーイラスト問題「カラーピクロス」が初登場。 ピクロスS4 DL専売。従来のシリーズの枠を超えたサイズの問題が登場(一部は過去作プレー特典)。 ピクロスS5 DL専売。(今までありそうでなかった)トータルクリアタイム集計が追加。 ピクロスS6 DL専売。マスをカウントするグリッドを10マス単位で色を変え強調表示する機能を追加。 ピクロスS7 DL専売。タッチスクリーンに対応。 ピクロスS8 DL専売。最大4人までの同時プレイに対応。 ピクロスS9 DL専売。盤面をさかのぼる機能が追加。 ピクロスS+ DL専売。2024年5月29日以降記事作成可能。 その他の作品 Switch ピクロスX ピクビッツVSウツボロス DL専売。5x5問題を次々と早解きする。 Picross -LogiartGrimoire- DL専売。 2024年7月18日以降記事作成可能。 コラボ作品 3DS サンリオキャラクターズピクロス DL専売。サンリオキャラクターをモチーフとしたピクロス。 なし Switch けものフレンズピクロス DL専売。『けものフレンズ』とのコラボ作品。 なし PICROSS LORD OF THE NAZARICK DL専売。『オーバーロード』とのコラボ作品。 なし ピクロスS MEGA DRIVE MARKIII edition DL専売。メガドライブ&セガ・マークIII時代のセガタイトルから出題。 なし 関連作品 同様のルールを採用したタイトル。 「ピクロス」は任天堂、「お絵かきロジック」は世界文化社、「イラストロジック」は日本文芸社(雑誌区分)/コナミデジタルエンタテインメント(コンピューターゲームその他多数の商品・サービスの区分)の商標登録であるため、クレジットの無い類似作品は独自のタイトルを起用している。 機種 タイトル 概要 判定 株式会社ジュピター開発作品 3DS ピクトロジカ ファイナルファンタジー≒ DL専売。『ファイナルファンタジーシリーズ』をモチーフとした作品。スマホアプリ『ピクトロジカ ファイナルファンタジー』のアレンジ移植。移植元からジュピター開発で中身もほぼピクロスだが、シリーズに含まれない。 良 Win Logiart Grimoire DL専売。『Picross -LogiartGrimoire-』のSteam版。 2024年6月15日以降記事作成可能。 お絵かきロジック PS おーちゃんのお絵かきロジック (PS) 世界文化社監修の本家お絵かきロジックゲームソフト化第1弾。ピクロスブームに便乗して発売された。『へべれけ』のキャラクターを使用。 SS おーちゃんのお絵かきロジック (SS) SFC おーちゃんのお絵かきロジック (SFC) 本家お絵かきロジックのゲームソフト化3作目。問題のサイズはピクロスを超えたが画面からはみ出して評価を落とした。 シリ不 WS おーちゃんのお絵かきロジック (WS) モノクロにはなったものの過去作までの不評点をほぼ全て解消。しかし、申し訳程度のチュートリアルだけではとても完全クリア不可。あまりにも厳しすぎる高難易度ロジックパズルとなってしまった。 不安定 PS おーちゃんのお絵かきロジック2 カラーもありますわ SFC お絵かきロジック ニンテンドウパワー書き換え専用。ピクロスNPとほぼ同時期に配信された。 お絵かきロジック2 Wii お絵かきロジック DL専売。 DS DSパズラー ナンプレファン お絵かきロジック DSパズラー ナンプレファン お絵かきロジック Wi-Fi対応 類似作品 PS/SS ロジックパズル レインボータウン 700問以上の圧倒的問題数を誇るフルカラーお絵かきロジック。 PS NuPa ~ぬうぱ~ Numeric Paint puzzle ほぼマリオのピクロスと同様だが何故かストーリーが存在する。 ぱずるまにあ2 モードの1つとしてロジックパズルが追加。 PS SuperLite1500シリーズ おえかきパズル SuperLite1500シリーズ おえかきパズル2 SuperLite1500シリーズ おえかきパズル3 SuperLite1500シリーズ おえかきパズル4 SuperLite1500シリーズ おえかきパズル5 SuperLite 3in1シリーズ おえかきパズル集 PS2 SuperLite2000シリーズ おえかきパズル PS カラフルロジック カラフルロジック2 カラフルロジック3~不思議な変形ロジック~ SIMPLE1500シリーズ Vol.37 THE イラストパズル スライドパズル SIMPLE1500シリーズ ハローキティVol.02 ハローキティ イラストパズル PS2 SIMPLE2000シリーズ Vol.23 THE パズルコレクション2,000問 SIMPLE2000シリーズ 2in1 Vol.3 THE パズルコレクション2,000問 THE 東洋三大占術~風水・姓名判断・昜占~ 上記タイトルと『Vol.40 THE 東洋三大占術』のカップリング再販。パズルに加え、風水・姓名判断・易占といった東洋の3つの占いを楽しめる。 AC ロジック プロ 韓国のデニアムが開発したAC専用タイトル。アイテムなどの要素も盛り込まれているが、時間制限が厳しい。 不安定 ロジック プロ2 前作からアイテムのバリエーションが増えている。また、フィールド上を敵が徘徊して邪魔をするなど順当な追加要素のある続編。 AC/PS ロジックプロ・アドベンチャー NGP おえかきパズル GBC Loppiパズルマガジン かんがえるパズル創刊号 / 第2号 / 第3号 ニンテンドウパワー書き換え専用。モードの1つとして収録。 GBA ハテナサテナ DS おえかきパズルバトル!勇者王ガオガイガー編 SIMPLE DSシリーズ Vol.7 THE イラストパズル 数字パズル SIMPLE DSシリーズ Vol.28 THE イラストパズル 数字パズル2 パズルシリーズ Vol.6 イラストロジック ハドソン開発。パズル雑誌大手のニコリが監修。 なし なぞっておぼえる 大人の漢字練習 モードの1つとして漢字ロジックを収録。 なぞっておぼえる 大人の漢字練習 完全版 イラロジVOW イラストロジックDS+からふるロジック パズルメイトDS お絵かきメイト ハローキティのパクパク ロジック 『ハッピーアクセサリー』の収録内容を変更した移植作。 なし DSi イラストロジック DL専売。 パズルいろいろ 月刊クロスワードハウスVol.1 / Vol.2 / Vol.3 / Vol.4 / Vol.5 / Vol.6 DL専売。 イラストロジック+日本の昔話 DL専売。 3DS @SIMPLE DLシリーズ Vol.27 THE イラストパズル DL専売。 お絵かきパズル Pic-a-Pix DL専売。 Switch/PS4/PSV ピースお絵かきパズル Pic-a-Pix DL専売。 Switch お絵かきパズル1000! DL専売。 ピクセル クロス アドベンチャー DL専売。従来作よりストーリー重視に。 なし G-MODEアーカイブス08 プッチンパズル DL専売。 ピクセル パズル ウォッチ コレクション DL専売。 架空の電子(LSI)ゲーム機風の演出が特徴。 なし PSP ナンプレ お絵かきパズル ハローキティのハッピーアクセサリー キティちゃんが題材のイラストロジックの他にジグソーパズルや落ちものパズルを収録。 なし Android/iOS Two Eyes - Nonogram(ノノグラム) DL専売。ストーリーと共に1000問以上の問題を楽しめる。 なし Switch ロジック・ピック DL専売。 Android/iOS 初音ミク ロジックペイント -ミクロジ- DL専売。イラストロジックを解いてボカロキャラ達のイラストを観賞しよう。 Switch/One/Win 初音ミク ロジックペイントS DL専売。上記の後継作。書き下ろしのボカロ楽曲を36曲収録。 良* Switch/Win PictoQuest DL専売。 なし Voxelgram DL専売。『立体ピクロス』をオマージュした作品。 ピクセルクロス 牧場物語エディション DL専売。牧場物語シリーズを題材にした作品。2024年5月27日以降記事作成可能。 シリーズ概要 縦と横の数字をヒントに塗り潰すマス目を割り出し、その通りに塗り潰していくと、最終的に絵や文字が浮かび上がるタイプのペンシルパズルをコンピュータゲームに落とし込んだもの。 名称に版権が絡むため、各社により「ピクロス」「お絵かきロジック」「イラストロジック」「ノノグラム」「ロジックペイント」等と様々な名称で呼ばれている。 任天堂の『ピクロス』シリーズは第1作『マリオのピクロス』が手軽に遊べる点や筆記用具の大量消耗が無い事などからゲーム機との相性が良く大ヒットとなり、90年代後半はメーカーハード問わずに大量の類似作品がリリースされた。 クロスワードや数独等の他のパズルゲームと合わせて収録される事も多い。 00年付近からは低価格帯での販売が中心となり、ダウンロード専売の形へと徐々に移行して行った。
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トリステイン魔法学院 タバサの部屋 虚無の曜日といわれる休日のその日、サイトと共に休暇を貰う事になったシンはタバサに部屋に呼び出されていた。 ちなみにシンの衣服は仕事中以外はパイロットスーツのままだったりする、その理由はそれ以外の着替えが存在していないからである。 「で、渡したいものって何なんだ?」 その呼び出された理由をシルフィードから聞いていたシンは回りくどいことはせず直球でタバサにたずねる。 タバサはそんなシンの態度に気分を害する様子も無く、タバサは一本の鞘に納まっているナイフをシンへと差し出す。 そんなタバサの態度にシンは「之が渡したいものなのか」と言う判断をするとそのナイフを受け取り、鞘から抜き出す。 そうするとどうした事だろうか、急にシンの体は金縛りにあったかのように動かなくなってしまったのだ。 「な……!? な、なんなんだ…よ、これ……は…!!」 シンはその『金縛り』を必死に解こうと体を動かそうとするも、体は言う事を聞いてくれない、声を出すのだけでも精一杯だ。 そんなシンの様子を見てタバサは杖をその手に持つと呪文の詠唱を開始し始めると、その体から稲妻が迸り始める。 タバサのその行動にシンは『殺される』覚悟を決めたかのように目を瞑り、その稲妻が自分の肉体を焼き尽くす瞬間を待った。 「ウギャァアアアアアアアア!!!!」 稲妻が襲い掛かり、凄まじい悲鳴がシンの口…からではなく、その手に持っていたナイフから飛び出る。 其れと同時に無傷のシンの手からナイフが転げ落ち、まるで糸が切れたかのようにシンもその場に座り込む。 そしてタバサは杖をもう一度確りと構えると呪文を詠唱し始め、再び稲妻がその転げ落ちているナイフへと襲い掛かる。 「ち、ちょっ!?ま、まってくれ、ライトニングクラウドは…わぎゃぁああああああああ!!」 其れと同時にナイフから再び激しい絶叫が飛び出し、シンはそんな光景を呆然と見ながらも、命が助かった事に安堵を覚えていた。 「で、一体何なんだ?その変なナイフは…」 さらにその後二回ライトニングクラウドを喰らい、まるで打ち揚げられた魚のようにピクピク震えているナイフを見ながらシンはそう問いかける。 「意思を持った魔剣、インテリジェンスナイフの地下水」 シンの問いに簡潔に答えるタバサ、そしてその答えから導き出された一つの仮定を、シンは再びタバサに尋ねる。 「…つまり、俺の体がさっき動かなくなったのはこのナイフのせいなんだな?」 その問いに頷いて答えるタバサ、そして其れを見たシンはおもむろに腰に備えていたナイフを抜刀すると地下水の刀身にカツカツとぶつける。 「なぁ、俺は一応元軍人で、流石にナイフに対するやり方なんか知らないけど、多少の拷問の仕方位は知ってるんだぜ?」 「ち、ちょっと待った!! 少し、少し刺さってる刺さってる!! わ、わかった、キチンと丁寧に答えるからもうやめてくれよ旦那!!」 流石に自分の体を勝手に束縛された事に腹立っているのだろう、シンは無表情のままのその言葉に地下水はおびえながらそう答える。 そしてタバサはそんな光景を軽く一瞥すると近くにあった本を手に取り読書に没頭していくのであった。 「じゃあ、何で俺の体を操ったりしたんだ?」 「旦那を試す為だよ、そこのお穣ちゃんに頼まれた事とはいえ、俺も裏ではちょっとは名の知れた傭兵メイジだったんだ。 スクウェアクラスのメイジだって操ってた事もあるこの俺がメイジでもない奴に使われるってのはちょっと癪だったんでね」 その地下水の言葉を聞きながら、シンはナイフを収め、地下水をその手に持ちながら近くの椅子に腰をかける。 「で、その試した結果っていうのはどうなんだ?」 「ギリギリ及第点かね、旦那の潜在魔力は平民の平均よりちょっと上程度、それだけなら失格もいい所だがちょっと気に入った点があったんでね。」 「気に入ったところ?」 「まずは俺の操作魔法を喰らって抵抗してた旦那の精神力の高さだ、初見であんだけ抵抗できる人間はかなり少ないからな。 後もう一つは旦那筋肉のつき方さ、そこらの馬鹿な傭兵みたいに無駄な筋肉はほとんどついてない、まるで野生の獣みたいな筋肉だったからな。 俺は『地下水』って名前が示すように静かに潜入してから相手を屠る方が得意なんだ、そういう場合旦那みたいな筋肉と精神的にタフな人間が一番向いている」 自分が『暗殺家業』に向いているといわれて少し眉をしかめたシンだったが、地下水はそのまま言葉をつむぎ続ける。 「ま、条件付でなら旦那の相棒になってもいいぜ、自分で言うのもなんだが、持ってりゃ魔法だって使える超お買い得物件だと思うぜ?この地下水様はな」 「…条件って何だ?」 『魔法を使える』という、確かに魅力的な誘いを目の前にしながらも、シンは慎重に条件を尋ねる。 そんなシンの態度に逆に好感を覚えながらも、あくまで其れを気取られないように押し隠しながら地下水は条件を語り始める。 「な~に、簡単な事さ、旦那の体を徹底的に『暗殺』用に鍛え上げて貰うだけさ、一日二時間位の訓練を毎日続けることでな。 魔力が少ない分は肉体を鍛え上げてカバーして貰わないと俺も困るんでね、どうだい、この条件を飲むかい?」 「………体を鍛え上げるだけだな?」 「そうさ、別に旦那に暗殺家業をやれって言う訳じゃない、鍛え方はこの地下水様が指南してやる、悪い条件じゃないだろ?」 普通の平民ならば戸惑う事無く食いつくほどの好条件を出されながらも、それでも確実に『譲れない一線』を確かめていくシン。 そしてそんなシンの態度を見てさらに好感を深めながらも、それ以上の譲歩をしようとはしない地下水。 しばらく睨むように地下水のその刀身を見つめていたシンだったが、やがて決心がついたのか口を開く。 「わかった、その条件を飲む、これからよろしく頼むな、地下水」 「あいよ、旦那が良く判んないだろうメイジとの戦い方も確り指南してやるさ、この取引を損したなんて思わせないほどに有能なところを見せてやるよ」 地下水のその言葉に苦笑したシンだったが、地下水を鞘に収めると自分のナイフの真上辺りに備えて、礼を言おうとタバサに近づこうとしたその時。 「タバサ!!今から出かけるわよ、急いで支度をして………あら、お邪魔だったかしら?」 この部屋の主であるタバサの無二の親友、キュルケがタバサの部屋に突然入り込んできたかと思ったら、シンとタバサの姿を見てそう呟いた。 「…は? って、あんたは何を誤解しているんだ~~~!!」 一瞬何を言っているんだ? と混乱しかけたシンだったが、『男と女が二人部屋の中』だったと言う認識にいたると顔を真っ赤にしながら否定をし始めた。 「って、そんなこと言っている場合じゃなかったわ!! お願いタバサ、力を貸して、貴方の使い魔じゃなきゃ追いつけないのよ!!」 そんなシンの否定をあっさりとスルーしながらキュルケはタバサに抱きつくとまるで泣きつくかのように懇願し始める。 そしてタバサはほんの少しだけ溜息をつくと本を閉じ、キュルケにその「理由」を尋ねるのであった。 キュルケの理由は一言で言えば簡単、「最近気になっているサイトをつれてルイズが街に行った、追いかけたいから力を貸して!!」と言うものだった。 何でもキュルケ曰く「あのどこか抜けて居るところがまた良いのよね~」という事らしいが、とりあえずシンにもタバサにもそんなことは関係ない。 しかし『親友』の頼みは断れないのかタバサはシルフィードを呼び出すと、シンを残して街へと向かおうとしたのだが。 「きゅいきゅい~(お兄様だけ一人ぼっちなのは可愛そうなのね)」 という、タバサを「御姉さま」と慕い、最近シンを「お兄様」として慕いだしたシルフィードがシンの上半身をパクっと甘噛み。 そんな光景にパニックを起こしかけているキュルケをスルーしているタバサの指示に従い其のまま街へと飛んでいったのであった。 トリステイン王都 なんとか無事―甘噛みされっぱなしのシン以外は―王都にたどり着いたタバサ御一行だったのだが、肝心のルイズとサイトは見失ってしまっていた。 その理由は一つ、長い間シルフィードの口内に入っていたシンが見事に気絶してしまっていたからだった。 その事からタバサはシルフィードに軽いオシオキを、そしてキュルケはパニックになりながらもシンの手当てをする事になった。 幸いシンは早期に気絶から復帰したが、キュルケがパニックから復活したときには完全に見失っていたのだ。 その事からどうした物かと頭を悩ませたキュルケだったが、シンが「武器屋ってあるのか?」と言う質問をしたことから。 とりあえず武器屋から順番に店を回って探していこうと言う結論になり、早速武器屋に向かったのだが、そこで偶然が重なる。 そう、ちょうど『サイト』が持つ武器を購入しに来たルイズ御一行と出会うことになったのだ。 「で、急にどういう風の吹き回しなのルイズ?」 「ギーシュに勝ったそこの使い魔程は求めないけど、多少は戦ってもらわなきゃ困るから武器を買いに来た、それだけよ」 サイトに思いっきり抱きついた後、キュルケは「何故武器屋に?」と尋ね、ルイズも其れに簡潔に答える。 そのルイズの答えに、『シン』よりも『サイト』が劣ると言う意見にサイトが一瞬反応したが、其れに気づいた人間は居なかった。 ルイズとキュルケは其のまま雑談―というよりもキュルケがからかいルイズが食いかかっている―しているし、タバサは本を読み始めている。 そしてシンはシンで武器を、特に銃器を集中してみて回っていたので気づけなかったのだ。 「……何か欲しい?」 武器を手にとっては戻しているシンにタバサは本を読んだままそう問いかける。 「いや… こいつの予備弾薬が手に入るかなと思ったんだけど… 無理そうだし、こっちの銃は整備の仕方も知らないしな…」 そう呟きながらシンは自分の腰のガンホルダーに備えているハンドガンに手を触れると、タバサは少し考えるそぶりを取り… 「……ナイフ、投擲用を10本位なら買っていい、これで足りるはず」 そうシンに声をかけると、エキュー金貨を20枚ほど手渡すと、再び本に没頭し始める。 弾薬の補充が難しいなら、比較的補充が容易なナイフを投擲武器にすることである程度カバーすればいい、ということである。 特にメイジは『杖』を用いての魔法攻撃がメインである為、詠唱妨害の意味合いで『刃物』が飛んでくるナイフ投げは地味に効果があるのだ。 本来そういう攻撃は盾として召還された筈の使い魔が防御するものだが、案外メイジ達は戦闘に使い魔を連れてこない時のほうが多かったりもする。 流石にシンはそこまではしらないのだが、タバサに「サンキュー」とだけ声をかけると即座に武器屋の親父にこの金額でナイフを購入したいと声をかける。 「投擲用ですか?そうですねぇ… 名工が鍛えた品なんで少々根を張るんで、一本でエキュー金貨一枚って所になりますが…」 「…これが、名工の鍛えた武器?」 「そうですぜ、一見普通のナイフですが固定化の魔法もかかってますんで生半可なナイフよりは頑丈ですよ」 明らかにゴマすりをしながらシンにナイフを売ってこようとするその態度に何か嫌な予感がしたシンは地下水を抜き出す。 「なぁ地下水、このナイフって本当にそれだけ価値があるのか?」 「は~はっはっは!! 旦那、馬鹿言っちゃいけねぇよ、こんな二束三文使ったら犬っころを殺す前にポキッと折れちまう」 ナイフから発せられた声とその内容に店主は顔面を蒼白にしていき、まったく違う方向から物音がして、そちらにサイトが向かっていく。 「…投擲用としても価値は無いって事か?」 「そうだね、旦那の腕力なら刺さるかもしれないけど、まともに芯もなさそうだし一回投げればそれでぽっきりだと思うぜ」 「なるほど、ね」 そういうとシンは笑顔で、しかし目が笑っていない威圧を与える笑顔で店主の方へと向きなおす。 「あのさ、俺は確かに投擲用っていったけど、流石に実戦に使えないようなナイフはいらないんだけど?」 「へ、へへへい!! い、今別のナイフを持ってきますんで少しお待ちください!!」 流石に修羅場を幾度も潜り抜けているシンの威圧は辛いのか、店主は脂汗をかきながら店の奥に向かい、新しいナイフを15本ほど持ってくる。 「こ、これは質はいいんですが平民の鍛冶師が作ったんでまともな買い手が出てない品でして、これなら15本でエキュー金貨三枚で十分です!!」 「…地下水?」 「ん~… 今度のは上等だね、投擲用どころか普通に使えるぜ、この鍛冶師の武器なら贔屓にしてもいいくらいだ」 新しく持ってきたナイフを見て、シンは念のためにと相談役の地下水に訊ね、地下水も太鼓判を押したことで店主の顔色が戻る。 そしてシンはナイフと其れを保持する為のホルダーを購入すると残ったお金をタバサに返し、早速ナイフホルダーを装着していく。 そんなシンを横目に、サイトは発見したインテリジェンスソード―デルフリンガーと名乗った―を買いたいとルイズに要求していた。 ルイズは見た目が錆びているその剣を購入することに難色を示したが、サイトに耳打ちされると納得した様子でその剣を購入した。 店主はその口が悪く、何かと客に喧嘩を売っていたデルフリンガーに手を焼いていたのかエキュー金貨50枚で其れを販売した。 その剣をサイトに売っている間、店主はシンの方をちらちら見ていたのでまだ怯えていたから安くしたと言う部分もあった。 ちなみにサイトがルイズに耳打ちした言葉とは… 「シンが喋るナイフを持っているなら、こっちは其れより上の喋る剣を持った方がいい」と言う言葉だった。 この言葉の奥に潜んでいる意味―サイトが明らかにシンに対し敵意を持っている―という事にルイズは気付けぬままデルフリンガーを購入した。 貴族とはいえ世間知らずでしかないルイズはサイトの言葉を「主人の立場を気遣って」のものと判断してしまったと言うことだ。 その後、シンはタバサに連れられ衣服屋で着替えを幾つか購入し、ルイズもタバサへの対抗心からかサイトに服を幾つか購入する。 どうやらゼロのルイズと呼ばれていた自分と学年最優秀生徒と謳われているタバサが同じように『平民』を使い魔にしたと言うことでプライドを保っていたのだが。 『ギーシュとの決闘』でシンがギーシュに勝利して見せたことを知り、『格の違い』を見せ付けられたと思い込んだらしく、タバサに対抗心を激しく燃やしていたようだ。 そのおかげでルイズのサイトへの待遇は『タバサのシンへの待遇』に負けてたまるかとどんどん改善されていったことは良かったのだが。 肝心のルイズが何かにつけてサイトに「あの使い魔くらい強かったら」とか「主人の顔に泥を塗るな」と、愚痴をぶつけていたのだ。 そして、それはタバサと張り合うかのように服等を購入している間も収まらず、キュルケがその状況を見て呆れるほどであった。 何かにつけて『シン』と比較されるサイトの瞳には暗い炎が宿り、段々とその勢いは増し続けていた…… そしてその日の晩、ルイズ達の人間関係を大きく揺り動かす原因となる事件がおきた。 メイジ専門の盗賊であり、自身も土のメイジである『土くれのフーケ』が魔法学院の宝物庫を強襲、『破壊の杖』と呼ばれる宝物を盗まれてしまったのだ。 そのフーケに対抗するべく、ちょうど現場へと駆けつけていたルイズ・サイト・キュルケ・タバサの四人とシルフィード・サラマンダーの二匹が奮戦するも。 フーケが操る30メイルにも及ぶゴーレムに打ち勝つことは出来ず、フーケの逃亡を許してしまう結果となったのであった。 ちなみにシンはその時地下水の指導の下鍛錬を行っており、その事件を知ったのは帰ってきたシルフィードの話を聞いた時であった。 強奪された破壊の杖、サイトの心の奥深くで燃え盛る暗い炎、様々な思惑と感情を混ぜ合わせながら物語は次の局面へと進んでいく。 今にもはちきれそうなほどに絞られた弓が射抜くのは光か、闇か…… 双月はただ、静かに彼らを照らし続けていた…… おまけのNGシーン 「で、渡したいものって何なんだ?」 その呼び出された理由をシルフィードから聞いていたシンは回りくどいことはせず直球でタバサにたずねる。 タバサはそんなシンの態度に気分を害する様子も無く、タバサは一本の鞘に納まっているナイフをシンへと差し出す。 そんなタバサの態度にシンは「之が渡したいものなのか」と言う判断をするとそのナイフを受け取り、鞘から抜き出す。 そうするとどうした事だろうか、急にシンの体は金縛りにあったかのように動かなくなってしまったのだ。 「な……!? な、なんなんだ…よ、これ……は…!!」 シンは必死に体を捩ると、僅かに、体がシンの意思に従い動きはじめる、その動きは段々と強いものになっていき… 「クソッ……!! このナイフ、こいつが原因で…!!」 シンは腕を大きく振り上げ、そのナイフを地面に投げつけるようにして手放す。 その事でシンを金縛りにしていた力が無くなったのか、シンは勢いあまってよろけ、何かにぶつかり倒れる。 「いつつ…… あのナイフは……」 シンはそこまで行った時点で現在の状況に気付いた、ぶつかった物とはタバサであり、そして今自分はタバサを押し倒して右手を胸に当てていると言う状況に。 しかもタバサはシンに押したおされているのに顔色一つ変えずシンの顔をじっと見つめている。 そんな不思議な雰囲気に呑まれ動くことを忘れたシンだったが、そんな状況のままずっとして居れば当然… 「タバサ!!いますぐでかけ……… WAWAWA、わっすっれっもの~」 タバサの親友であるキュルケが部屋に入ってきたが、何か忘れ物したらしく全力疾走で去っていった。 「………ハッ!? ご、誤解だ~~~!!」 たっぷり30秒ほどだった後、自分が激しく誤解されたと知ったシンはキュルケを追いかけたが、もはやとめることは出来なかった… そしてそれから二日後、タバサとシンがなぜか学院公式カップルとして完全に認知されてしまい。 ギーシュが「結婚式には呼んでくれよ」と空気を読まずに発言したことで『ブラックシエスタ』が光臨し、学院を混沌の災禍に叩き込んだと言う…… 一覧へ
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【武装名】 クロスメイス 【読み方】 くろすめいす 【搭載MS】 ガンダム・端白星(第2形態) 【詳細】 ガンダム・端白星(第2形態)へと改装が行われた端白星のメイン武装。 端白星の全長を超えるほど巨大な武器で十字架のような形状。 スマートメイスと比べると凄まじく大型化したが、ガンダム・フレームの膂力で扱うことで必殺の武器と化す。 単純な打撃も強力だが、大型ゆえのリーチを活かした突きの破壊力も高い。
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作者:wha ■クロスEXライフ(このクロスギアを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクロスギアまたはこれをクロスしたクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く) Spec:バロディアス(スペック バロディアス) SR 光/闇/火文明 (4) クロスギア:ディスペクター ■クロスEXライフ(このクロスギアを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクロスギアまたはこれをクロスしたクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く) ■これをクロスしたクリーチャーのパワーを+4000し、「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする) ■多色ではない呪文の効果によって、相手がクリーチャーを選ぶ時、これをクロスしたクリーチャーは選ばれない。 ■このクロスギアの「EXライフ」シールドが自分のシールドゾーンを離れた時、相手のクリーチャーを1体破壊する。 「クロスエクストライフ」。 + 関連カード/1 《Spec:バロディアス》 EXライフ クロスエクストラEXライフ 【企画】急募!クロスギア強化案 カードリスト:wha 評価 名前がセンス良すぎ -- 白山羊 (2022-01-08 22 50 14) 名前 コメント
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タマモクロス(オス) 属性 副属性 タイプ 副タイプ レアリティ コスト 地 - スタミナ 芝 L☆6 26 レベル スピード スタミナ 根性 適性(重/芝/ダート) 距離/ベスト 1 304 810 101 普通/得意/苦手 2,000m~3,200m/3,200m 99 1215 4050 304 スキル/強化型 地のエンパイア(全てのブロックを地属性ブロックに変化、1ターンの間、地属性ブロックの出現率小アップ)/- Lスキル/強化型 地を割る稲妻(地属性とスタミナタイプの全能力2.5倍、スタミナ65%以上の時、アタックされても1で耐える)/- 進化素材1段階 タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) 進化素材2段階 タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) タマモクロス(レイ) 入手方法 名馬の蹄跡~タマモクロス編~
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力が無いのが悔しかった… 守れない自分が許せなかった… だから、力を求めた。そして力を手に入れた。 それでもあいつらには…『自由』と『正義』にはとどかなかった… 俺はまた何もできなかった…自分の言葉を証明することさえ… なのに俺は…まだ、生きている…… 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY-SIN In the Love- PHASE-1「偽りの家族」 「あ~いって。小さいのになんて威力とパワーだよ、あいつは…」 腹をさすりながらシンは階段を下りる。そしてトイレのドアを開ける。 「!?」 「…?」 中にお団子頭の少女が一人。トイレットペーパーに手を伸ばしていた。少女の顔がみるみる赤くなる。 「…兄さん…一秒あげるから弁解をどうぞ」 「すm」 廊下の天井に突き刺さるシン。家を揺らす轟音にプリムラは居間で一言。 「またらき☆すけか…」 「99パーセントは俺が悪いけどさ、鍵を閉めてない由夢にも非はあると思うんだ…」 「私に非があるとしたら兄さんを警察に突き出していないことね」 楓の作った朝食を食べながらの会話。本日の話題は『らき☆すけは犯罪か否か』。 「ちょっ、ひどくね!? 音姉、この子昔の同僚より容赦ないんだけど!?」 「う~ん、でもエッチなのはいけないことだよ」 「メッ」とシンをかわいらしく叱るのは朝倉由夢の姉である朝倉音姫だ。頭に桜色で桜柄のリボンをしている。ちなみにシンより一歳年上なので『音姉』と呼ばれている。 「六対一。では兄さんは犯罪者ということで…」 「まだ二人じゃん!?」 「プリムラはどう思う?」 「どっちでもいい…」 ドカ盛りのご飯を頬張りながら答える。 「じゃ賛成で「ええ!?」 楓さんは…、兄さんには強く出れないから賛成ね「何で!?」 アイシアさんは?」 由夢はアッシュグレーの髪に緑色のリボンをした小柄な少女に聞く。 「シンは犯罪者なんかじゃありません! ただちょっとスケベで変態入ったシスコンなだけです!」 待ってましたとばかりに豪語するアイシア。しかし反対意見にはなっていない。 「アイシアさん、日本ではそういう人を犯罪者(予備軍)と言うんですよ」 「そ、そうなんですか…? じゃあシンは…」 「待ってぇぇぇっ! ()の中が大事! ()の中ををちゃんと発音して!」 由夢は知らんぷい。純情なアイシアはすっかり由夢に騙されて(?)シンを泣きそうな顔で見ている。 「じゃあぼくもシン君は宇宙漂流の刑で」 自分のお皿からシンのお皿にほうれん草をガンガン移しながら金髪のアイシア同様ロリ体型の少女が朗らかに言う。 「もう刑罰の話かよ!? そしてほうれん草を丸ごと俺の皿に移すな!」 「シン君に分けてあげてるんだよ。お姉さんの優しさ☆」 「ハッ、『お姉さん』だと? 冗談は3サイズだけに…裂ける! 柱からぎりぎりの長さの輪ゴムのごとく伸び縮みするバインドに体を真っ二つに両断される!!」 二つの黄色い輪のようなものによって目一杯両腕を引っ張られるシン。しかし柱は軋む音さえ出さない。耐震強度はバッチリだ。 「結局六対一になったわね」 「それよりもタスケテー! このままじゃ家の中が殺人現場にぃ~!」 「それは困るね~」 そう言って金髪の少女は黄色い輪―バインドと呼ばれる魔法―を解除する。 「…朝一でHPが赤表示だ……」 誰にも聞いてもらえない呟きを残し左手で箸を取るシン。ほうれん草も残さず食べる。 「あっ、今日ぼくミッドチルダに用事があるから晩御飯いらないよ、っていうか帰ってこれないかも」 「…今度発表される新型の件か? どうして芳乃が…?」 シンが金髪のさくらに不満気に問う。 「いやぁ~、ぼくって魔法だけじゃなくMS工学にも詳しいから。それといいかげん苗字じゃなくて名前で呼んで欲しいな。ぼくたち家族みたいなもんだし」 「さくらには自分の家が別にあるじゃないですか」 アイシアが言う。そのとおりで、さくらは『芳乃さくら』名義の家を初音島内に持っている。 「え~、だって音夢ちゃんとお兄ちゃんがラブラブすぎていずらいんだもん」 以前は同居していたらしいが、その同居人同士が恋人になり独り身のさくらは芙蓉家にやってきたのだ。 「それに由夢ちゃんと音姫ちゃんの様子も見とかないといけないしね」 「や、わたしたちは平気ですから」 「あんなことの後だし、もしかしたらフラッシュバックに苦しめられるんじゃないかと」 「…」 音姫と由夢はさくらの家の隣に住んでいたのだが、ある日MSの戦闘の流れ弾により住居が木っ端微塵に。すでに芙蓉家に居座っていたさくらを頼ってここに来たのだ。 「あれはすごかったですね。ピンポイントにもほどがありますよ」 「あはは…。私たちの家以外無傷だったもんね…」 アイシアの感心したかのようなセリフに音姫は苦笑い。隣の芳乃家にはキズひとつなかった。 「アイシアこそ魔法の勉強したいならミッドチルダにでも行ったほうがいいんじゃない? うちの学校は魔法の授業なんてないんだし」 「わたしが使いたいのは冥王なバスターでも便乗なザンバーでもありません。みんなを幸せにする魔法です」 「…」 アイシアは魔法を習いにさくらを訪ねて遠路はるばる初音島まできたのだが、肝心のさくらは「魔法少女は弟子をとらない」と言って一蹴。それでもめげずにこうしてさくらの側でチャンス(?)を伺っているのだ。 「でも実際私たちがいつまでもここにいたら、楓さんの迷惑だよね…。食費だってかかるわけだし…」 音姫のセリフにみなやや暗くなる。さくらはこう見えても社会人(年齢不詳)で仕事上稼ぎがいいため家計の助けにもなっているが、残りのシン、アイシア、プリムラ、朝倉姉妹は完全な食客である。 「そ、そんなこと気にしないでください。学園長先生のおかげで前より余裕があるくらいですよ。皆さん色々手伝ってくれますし」 楓が慌てる。実際は余裕があるというほどでもないのだが…。 「そ、それよりあまりゆっくりしていると遅刻しちゃいますよ? 進級早々遅刻なんてしたら先生に笑われてしまいます」 まだ四月も始まったばかり。遅刻すれば春休みボケと言われるだろう。 「そうそう。子供は気にせず学校に行ってきなさい」 さくらがふんぞり返って言う。 (*1)) 今皆の心がひとつに! 「いってらっしゃ~い」「いってらっしゃい…」 さくらとプリムラが全く異なる調子の同じセリフを言う。 「じゃあリムちゃん、戸締りお願いしますね」 「わかった…」 プリムラは学校へ行っていないのでさくらが出かけた後は一人で留守番だ。 「今日もいい天気だね~」 「この間まで戦争やってたなんて信じられません」 「うちはその名残に巻き込まれたけどね…」 上から音姫、アイシア、由夢。由夢も言葉とは裏腹に穏やかな表情だ。 アイシアの言った通り世界は数ヶ月前まで戦争をしていた。人類史上最大の。現在は地球圏統一政府が機能しており、また各国の軍隊も地球圏統一連合軍、通称統合軍のもと、戦後間もないというのに目立った紛争やテロは起きていない。これらはオーブ、特に平和の歌姫ラクス・クライン、闘神にして勇者キラ・ヤマト、二度の英雄アスラン・ザラ、そしてオーブ首長カガリ・ユラ・アスハが中心となっている。今や彼らは『ギルバート・デュランダルから未来を取り戻した救世主』として世界中から信頼と崇拝を集めている。 「…」 「? シン君。さっきから黙ってますけど、どうかしたんですか?」 「…別に」 楓の心配した声に右目に手をやり素っ気無く返すシン。そこには大きな火傷の痕があり、普段その目は閉じられている。 「! もしかしてキズが痛むんですか!?」 「ぁ…、いや、それは大丈夫。全然、まったく」 楓はそれを聞いて一安心。 「それより早く行こう。ここに来てから走るとロクな目に合わない」 「らき☆すけが炸裂しますからね」 「まださっきの根に持ってるのか…」 (前より死ぬ人は減った。争いも無くなった。けど、世界は平和なのか…? 政府は平和を守るために軍備を増強してる。統合軍には対テロリスト用の部隊が編成された。これじゃあアーモリーワンが襲撃される前と同じじゃないのか…) シンは考える。果たして今は本当に平和なのか、もしそうなら平和とはなんなのか。 すると二人の少女が現れ挨拶をされる。 「おはよ~シン君、みんな」「おはようございますシン様、皆様」 「ああ、おはようリシアンサス、ネリネ」 茶髪の元気なのがリシアンサス、通称シアで青紫の髪でおしとやかなのがネリネと言う。二人ともご近所さんでシン、楓、アイシアのクラスメイトである。 「…」 「どうされたのですか、シン様? そんなに見つめられると照れますわ…///」 「に、兄さん…あまり女性をジロジロ見るものじゃありませんよ…」 「コレ(ネリネのある部分)とコレ(アイシアのある部分)は本当に同じモノなのか…」 「「!?」」「///」 「あのさ、コーディネーターって実は不死身じゃないんだ。ターミネーターが最後は壊れるのと同じで」 「シン・アスカとか氏ねばいいのに」 「 」 「あ、シン君がジャスタ○ェイみたいになった」 セクハラ発言により二人がかりで美しくも残酷なコンボを叩き込まれたシン。おまけに由夢に言葉の暴力を受ける。リシアンサスもおかしそうにケラケラ笑っている(自業自得なのでかばってはくれない)。今やシンは底力Lv9が発動するぐらいボロボロだ。さらに、 スパーーーンッ 「おっはよーシンちゃん! 今日もハーレム登校だね」 緑色のショ-トヘアーの娘に背中を思いっきり張り飛ばされる。 「おはようございます麻沙先輩」 名を時雨麻沙といいシンたちの一学年先輩で音夢の同級生である。 「おはようみんな。…あれ、シンちゃんからリアクションが返ってこないんだけど?」 振り返る麻沙。そこには踏みとどまれず電信柱に激突しているシンが。 「弟くん朝から色々大変だったの…」 「そっか…。ハーレムも楽じゃないんだね…」 『弟くん』なる奇抜な呼称は音姫がシンを呼ぶときのものだ。 「もうやめて…。俺の…ライフは……もうゼロ、なの…」 学園までの道のりまだ遠い。 『風見学園第二統合校』 シンたちが通う学校で初音島の中央に位置する。先の大戦により多くの学校の経営が立ちいかなくなったため付近の学校を統合、このような名前になった。それだけでなく… 「いつ見ても違和感がぬぐえませんね」 「前は桜の木がドーンってある以外何も無かったからね」 もともと風見学園に通っていた朝倉姉妹は毎朝同じことを言っている。 「『覇道財閥』だっけ? 世の中には太っ腹な人がいるもんだね~」 「ユニウスセブン落下の衝撃で壊れた校舎を直してくれたんですよね。慈善事業に力をいれてるんでしょうか?」 「これはそんなレベルじゃありませんよ…。豪華になりすぎです」 やはり風見学園に通っていたアイシアが楓に言う。修復されたというよりも跡地を利用して別の学校を建てたと言う方がしっくりくるぐらい風見学園は豪華になっていた。 「『覇道財閥』といえば魔法研究に出資している以外は目立ったことはしていませんよ」 「そうそう。だからお父さんも不思議がってたっす」 お嬢様なネリネと以外にもお嬢様なリシアンサスが上流階級情報を話す。覇道財閥は昔からあるらしいが特に目立った活動はしていないらしい。 「金持ちのすることはいつだってわからないな…」 国家規模の金持ちに嫌な思い出のあるシンはそう言い門をくぐる。と、 「ちょぉーっと待ったーーーっ!」 オレンジの髪にカチューシャをした少女に大声で呼び止められる。 「なんだよ、天枷?」 「なんだとはなんですかアスカ先輩。この風紀委員である天枷美春の前で校則違反とはいい度胸です! ボタンは上まで留めてください!」 美春はシンの学生服を指さして言う。シンは第一ボタンを留めていない。 「はっ、しまった! 朝からゴタゴタしてて注意するの忘れてた」 「ゴタゴタしてるのはいつものことですけどね…」 音姫はシンの素行になにかと口を出す。割と真面目なシンだが生徒会長の音姫から見るとまだまだ至らないのだ。 「これぐらいでそんな大声出すなよ…」 ボタンを留めてさっさと歩きだすシン。音姫が近寄ってきて、 「ちゃんとホックまでとめなきゃ」 「ぅえ、ちょ…///」 学生服の襟元のホックを留める。顔が超近い。 「なっ、お、音姫さん…」 基本呼び捨てなアイシアも音姫は「さん」づけで呼ぶ(麻沙は「先輩」)。アイシアは超近い二人を見て悔しいと羨ましいが半々といったところだ。由夢、リシアンサス、ネリネも同様である。 「お~、朝から大胆。ね、楓?」 「……」ギリッ 「楓?」 「…えっ? な、何ですか、麻沙先輩?」 「う、ううん。なんでもない…」 (なんか今の楓、会長を睨んでたような…。そんなはず…ないよ、ね? 深く考えるのはよそう…) まだまだ青い麻沙だった。 「おっす」 「めっす」 「なに頭の悪い挨拶してるのよ、兄さん、アスカさん…」 下駄箱にて朝倉純一・音夢兄弟と出会う。こんな挨拶が出来るのも平和である証拠かもしれない。ちなみにこの朝倉兄妹は件のさくらの同居人で恋人同士、また音姫・由夢の親戚だったりする。 「なにを言うんだ音夢。男同士の挨拶といったらコレなんだぞ。なぁシン」 「知らん。俺は『おっす』と言っただけだ」 「お前、相変わらず男には冷たいな…」 「女の子にはセクハラばっかりだけどね」 父親のせいかこういうことには厳しいリシアンサス。 「ネリネとアイシアが同い年なんだぞ。なら比べるしかないじゃないか!」 由夢は学年が違うのでここにはいない。アイシア一人なら何とかなるとふんだシンは力説する。 「なっ、ここには音夢がいるんだぞ!?」 「アスカさん…どっちがいいですか?」つ英和&医学 「それでも…語りたい世界があるんだっ!!」 「逃げた!? チィッ!」 走り出すシン。しかし風紀委員の音夢は走るわけにはいかず二冊を投擲。それらはシンに命中、ふらついたシンの前に赤い髪の少女が… 「ぶ、ぶつかっちゃいました!」 「お~い、大丈夫か?」 倒れた二人のもとへ急ぐ。そこではお約束の展開が。 「…ごめん白河。こんなとき、どうすればいいかわからないんだ…」 「覚悟を決めればいいと思うよ?」 押し倒された状態の赤い髪を持つ白河ことり。豊かな胸にはシンの両手がしっかりと。 「「「シン・アスカ! 今日こそ貴様に引導を渡す!」」」 「くぁwせdrftgyふじこlp」 教室に入るなり大勢の男子に囲まれるシン。学校中の男子が集まっているんじゃないかと思うぐらい多い。 「KKKの名の下に!」「シン様に何を…」「ここで魔法使ったら教室がなくなっちゃうよ」 教壇に押しつけられるシン。ネリネをなだめるリシアンサス。 「SSSが真っ赤に燃える!」「お、今日も盛り上がってますな~♪」 無数の伸ばされる手。楽しそうなオッドアイの少女。 「RRRを掴めと轟き叫ぶ!」「ちょっと無理があるんじゃ…」 その手がシンを捉える。ことりのツッコミは誰にも聞こえない。 「「「爆笑! ラフラフフィンガー!!」」」 「や、やめろーーーー!」 超くすぐられるシン。笑い声をあげれないほどくすぐられる。 「お~い、席につけ。HR始めるぞ」 担任の紅花撫子が入ってくる。一瞬で鎮まる教室。シンだけが教壇の横でピクピクしている。 「では今日の予定だが…」 シン・アスカは大体このような毎朝を送っている。 ―おやおや、にぎやかだねぇ。もしかしたらこれがキミの望んだ未来なのかもしれないね。でも、この世界はいつまでも続かない。それはキミも薄々気づいているだろう? この世界がどういう未来を迎えるかはキミにかかっている。そう、これは他の誰でもない、シン・アスカの物語なんだからね―
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1 七色ヶ丘中学校の校舎に、授業の終了と、次の授業が始まるまでの間に設けられた、短い休み時間の始まりを告げるチャイムの音が鳴り渡る。 授業を終了した担任のなみえが教室を後にすると、窮屈な授業から解放された生徒達は、それぞれの思いのまま、短い休息を過ごす。 そんな教室の最後列の窓際の座席、星空みゆきの座席には、二組の女子生徒達が大勢集まっていた。 今朝、みゆきが登校した時と同じ光景だ。 その時と違う点は、みゆきを取り囲む少女の数が増えている事、その中にはあかねとやよいも含まれている事だ。 「さぁ、みゆきぃ? 朝の続きを聞かせてもらうで」 逃げ場を塞ぐ様に、座席を取り囲む少女達の熱気に、みゆきはただ戸惑う。 みゆきと向かい合って座り、集団の中で一番に口を開いたあかねのニヤニヤとした笑みは、そんなみゆきの心情を看破しているからこそ浮かぶ物。 「みゆきちゃんは、シンさんって人と、やっぱり……」 今度は、みゆきの左側から、やよいが問いかける。 キラキラと、輝いている様にも見える彼女の瞳に篭る感情、それは期待である。 期待に瞳を輝かせているのは、やよいだけではない。 みゆきの周りを囲む少女達全員が、同じ様に期待の篭った眼差しを向けている。 この状況に窮するみゆきが取った手段は、この集団に参加していない、なおやれいかに割って入ってもらう事だった。 正義感の強い二人、助けを求めれば、皆を制してくれるだろうと考え、隣り合って座り談笑しながら、この事態を見守っている二人へ救援を求めて視線を送る。 なおとれいかは、みゆきの視線に込められた意図をすぐさま理解する。 理解した上で、非情にも、哀訴の眼差しから逃れる様に二人とも顔を反らした。 ひどい裏切りに、みゆきは何で?! と声を上げそうになる。 いっそ、叫んでしまえば、この事態に一石を投じる事が出来たのかもしれない。 二人が顔を反らしたのは、この事態を収める自信、割って入る勇気がなかったのもあるが、それ以上に、この事態を収める気がなかったからだ。 輪に加わらず、遠巻きに見守っていたが、イコール興味が無いと言う訳ではない。 ただ、はしたないとの思いが邪魔したからであって、二人とも、友人の異性関係に大いに興味があった。 みゆきを不憫に思う気持ちはもちろんあるが、あかね達の追及に期待し、応援する気持ちの方が何倍も大きかった。 二人……いや、今現在教室に残る女生徒達、皆がそうであった。 皆、色恋沙汰の魅惑には勝てない年頃の乙女なのだ。 「みゆきぃ、黙ってたらあかんでぇ」 文字通りの孤立無縁となったみゆきに、前後左右、教室全体から期待と言う名のプレッシャーが容赦なく重く圧し掛かってくる。 みゆきも、他人の色恋沙汰には興味が無いわけではない、むしろ旺盛な部類だ。 例えば、今ノリノリで自分に問いかけてくるあかねが当事者となっていたなら、やよいの様に大はしゃぎし、この輪に真っ先に加わるだろう。 だがそれにしても、この様は大げさ過ぎるのではないか、心の中で涙を浮かべながら考え、実際その通りでもある。 これほどまでに事態が発展したのは、みゆきと言う少女が、恋愛とは無縁の存在だと思われていた反動だが、みゆきがそんな事を知る由もない。 知った所で納得できる訳も、慰めになる訳でもないのだ。 「みゆきちゃん。お友達がね、知らない男の人と二人っきりで、しかもとてもラブラブで歩いてたら……すごく気になるよね?」 「そ、それは……ラブラブ?」 「気になるやろぉ? どないな関係か教えてくれへんか?」 ラブラブ、などとやよいは言うが、彼女は現場を目撃してはいない。 実際に目撃した少女も、そこまでは言っていない。 授業中にあれこれと妄想を膨らませた結果、やよいの脳内では、いつの間にかそう言う事になっていた。 これはやよいに限った話ではなく、全員が程度の差異さえあれ、似たような妄想を抱いていた。 「みゆきぃ、全部白状したらすぐに楽になるで?」 「正直が一番だよみゆきちゃん、嘘付くなんていけないことだよ」 「……説得力あらへんで、やよい」 まるで古いドラマに出てくる鬼刑事の様に詰め寄ってくるあかねと、それに追従するやよいの言葉。 教室中から掛かる無言のプレッシャーとの、二重の責め苦に、みゆきはどうする事もできず、ただ怯えるだけ。 みゆきの姿から、口を割るのは近いと見たあかね達は、あと一息と、このまま一気に畳み掛けようとする。 だが、それ遮るように割って入る来る物があった。 『二年二組の星空みゆきさん。至急、職員室までお越しください。繰り返します……』 校内放送の開始を告げる木琴の音と、みゆきに対する職員室への呼び出しであった。 「あ、大変! 呼び出されちゃった! 私、行って来るね!」 放送を聞いたみゆきは、弾かれた様に勢いよく立ち上がると、取り囲む少女達を掻き分け、教室を脱出した。 あっと言う間もない、とはこの事を指すのだろう。 あまりにも速すぎて、声をかける間もなく、みゆきは教室から姿を消した。 「……逃げられた」 座る者の居なくなった空の座席と、みゆきが走り出て行った扉と、少女達は交互に視線を送る。 追うにしても引き止めるにしても、呼び出した相手が教員とあっては、それも叶わない。 みゆきも、恐らく休み時間ギリギリまで戻って来ないであろう。 そうなると、この場に理由も無くなる。 不承不承ではあるが、今回はこれでお開きと、前の座席のあかねと、やよいを残し、集団は自然と解散していった。 「もう、あかねもやよいちゃんも、あんな風に問い詰めたら、みゆきちゃんがかわいそうでしょ」 「気になるのは分かりますが、もう少し冷静になるべきです」 「せやかて、なお達も気になるんは気になるんやろ?」 「……二人とも、こっちの事をちらちら見てたもんねー」 あかねとやよい以外が居なくなった、みゆきの座席へ、れいかとなおがやって来る、 呆れ顔を浮かべながら、あかねとやよいに苦言を呈する二人だが、先述の通り、みゆき達のやり取りを好奇の目で見ていた事を、やよいは見逃してはいなかった。 その事を指摘されてしまうと、バツの悪そうな表情を浮かべるしか出来ない。 「そんな事より……」 こっちこっちと、なおとれいかを手招きするやよい。 「ね、キャンディ」 「クル?」 「シンさんって人の事、知ってる?」 やよいの言葉に応じて、机に掛けられた鞄の中から現れたのは、妖精のキャンディ。 みゆきがダメなら、みゆきと行動を共にする事の多いキャンディに聞こう、そう言う魂胆である。 「いやいや、やよい。さすがにキャンディでも知らんと思うで」 「そうだよ、流石にデ……デートの時に、キャンディは連れて行かないよ」 「それ以前に、こう言う事は本人から直接聞くのが筋です」 さすがにダメ元すぎると呆れるあかね。 自分の発言に顔を赤くするなお。 邪道だと断じるれいか。 だが、今のやよいには何か、勘の様な物があった。 「シンの事なら知ってるクル」 「でかしたでぇ、キャンディ!」 「キャンディ詳しく!」 「……たまには筋から外れる事も道です」 「知ってる限りでいいから、こっそり教えてほしいなぁ」 「……みんな、キャンディが怖がってるよ」 やよいの勘は見事に的中していた。 鞄から飛び出し、机の上に乗ったキャンディの言葉に、三人は驚き、態度を180度翻す。 やよいが言う様に、キャンディは自分を取り囲む三人の様相に若干怯えていた。 気を取り直した三人、気まずそうに咳払いすると、今度は怖がらせない様に、同時にキャンディの姿を周囲から隠すように机を囲む。 「それじゃキャンディ、シンさんってどんな人か教えてくれる?」 「どんなって、どんなクル?」 「そうですね……例えば年齢はおいくつか分かりますか?」 やよいとはれいかの質問に、キャンディは口元に手をあてて、クル~とうなりながら少しばかり悩む。 四人は黙って、キャンディの姿を食い入るように見つめ、答えを待つ。 「クル~みゆきより、少しお兄さんクル」 「ちゅう事は、高校生ぐらいやな」 「年上の男の人と……素敵♪」 「ねぇキャンディ、そのさ、シンさんって……えっと、どんな感じの人?」 頬に両手を当て、その場で身悶えるやよい。 やよいをよそに、今度の質問は、自分の言葉なのに恥ずかしさを感じ、頬を少し赤くしているなおの物。 キャンディは再び口元に手を当てる。 「……怖いクル、笑わないクル」 キャンディの口から出た言葉は、四人に取っては予想外であった。 「笑わへん……か」 「何か、意外だね」 「うん、みゆきちゃんの彼氏だから、明るい人だと思ったのに」 笑顔と元気の塊の様で、全員の幸福を望む性格のみゆき。 彼女がいるだけで、周囲には自然と笑顔が生まれる。 だと言うのに、シンと言う男は笑顔を見せないらしい。 みゆきには悪いのだが、似合わない組み合わせではないかとの感想を四人は抱いた。 「意外と、みゆきさんの前では笑う方なのかもしれませんよ?」 「クル、シンはお家の中でも笑わないクル」 れいかのフォローに、キャンディはすぐさま反論する。 それには、聞き捨てならない単語が含まれていた。 「家って……」 「キャンディ、シンさんのお家に言った事あるの?」 「ま、まさかお泊りっ?!」 「そんな、中学生の身空で……!」 「違うクル、みゆきのお家クル」 「……なんやぁ」 「みゆきちゃんの家か~」 「そうだよ、お泊りは中学生には早いよねっ……あはは」 「私はなんて愚かなのでしょう……みゆきさんを疑うだなんて」 家と聞いて、すぐさまシンの家と想像するのはいかがな物だろうか。 早とちりを誤魔化す様に笑う四人だが、冷静になるにつれ、キャンディの言葉が、やはりのっぴきならない事に気付き、同時に“あれ”っと言う呟きをもらす。 「シンは朝から夜まで、ずっと笑わないクル。シンがお家に来てから、笑う所は見たことないクル」 今度は“えっ”と言う呟きが重なる。 そして一斉に声を上げ、教室中の注目を集めるのであった。 ・ ・ ・ 休み時間が始まって早々、職員室へと呼び出されたみゆきに、なみえから一冊の教科書を手渡された。 それは七色ヶ丘中学校指定の英語の教科書で、みゆきが転入する際に配布された物である。 何故、なみえが自分の教科書を持っているのかをみゆきが尋ねる前に、なみえが事情を説明し始める。 「さっきの授業中に、ご家族が届けにいらっしゃったそうよ」 「え、お母さんが届けに来たんですか?」 「いいえ、お兄さんよ」 「えっ……?」 なみえの口から出た“お兄さん”と言う単語を理解するのに、わずかに時間が掛かってしまった。 「おにい……さん?」 「足を悪くしてるのかしら、杖を付いて大変そうだったらしいわ。ダメよ、家族でも迷惑をかけちゃ」 みゆきの体に、わずかに冷や汗が浮かび上がるの。 鼓動も早まり、目も泳ぎはじめる。 なみえの言葉が耳に入ってこない、入ってきてもすぐに通り抜けてしまう。 実に分かりやすく、みゆきは動揺している。 「……星空さん? どうしたの?」 「だ、大丈夫です! こ、今度からすごく気をつけます!」 「そ、そう? それじゃ今回はこれでいいわ。次の授業に遅れないようにね」 みゆきの様子を不審に思いながらも、次の授業が近い事もあり、みゆきを解放する事にした。 ぺこぺこと、何度も頭を下げると、みゆきは足早に職員室を後にする。 みゆきが職員室から出て行くのを見送り、なみえは次の授業の準備に取り掛かる。 その途中、一つの疑問が浮かび上がる。 「……星空さんにお兄さんなんていたかしら?」 その疑問の声も考えも、自分を呼ぶ他の教員の声にかき消された。 ・ ・ ・ 職員室を後にしたみゆきには、どんよりとした重苦しい雰囲気がまとわり付いていて、それにひっぱらられるかの様に、足取りも重い様に 見える。 なみえの注意が堪えた訳ではない、もっと別の問題が、彼女を大いに悩ませていた。 「何で“お兄さん”なんて言っちゃったの……」 溜息交じりの愚痴。 今は目の前にいない、ある一人の人物に向けられた恨み言。 なみえが疑問に感じた様に、みゆきに兄弟はいない。 その事を知ってる人間に、まかり間違って兄だと名乗れば、怪しまれるのは当然だ。 幸い、今回は気付かれずにすんだが、この以降も“そう”なる保証はない。 まだまだ自由がきかないであろう体で、忘れ物を届けに来てくれた事には感謝している。 その事に感謝しているから、一方的に責めたてる気になれないでいる。 それ以前に、人を責め立てたりする事を、みゆきは好まない。 むしろ、この様な事態への対策を怠った自分に非があるのだと考える。 今朝の様に、クラスメイトや友人達に彼――シンの存在が露見するのは免れない事だ。 兄弟と誤解している人間がなみえ一人だけであるなら、この後も誤魔化し続ける事も、フォローする事も可能だろう。 次に問題なのは、こちらは関係を誤解している友人達への対応だ。 家族ぐるみの付き合いがある友人達に、同じ様に“兄”と釈明すれば、その場で嘘がばれてしまう。 かと言って、恋人であるなどと説明するのも上策ではないだろう。 今の所、誰にも知られていないのだが、諸事情あってシンとみゆきは、星空家の同じ屋根の下で暮らしている。 異性、それも恋人と一つ屋根の下で暮らしている等と誤解されてしまえば、クラス中はおろか、学校中に噂が広まりかねない。 今の所、最も避けるべき事態。 「親戚のお兄さん、って説明するのが無難なのかな」 同居の事がばれたとしても、しばらくの間は誤魔化しは十分に効く立場だろう。 しばらくと言う時間がどれほどになるかは分からないが、今のみゆきには必要な時間だ。 この後、諦めずに追求してくる友人達には、この言い訳を通し、家に帰った後はシンとも口裏を合わせ、この後を凌いでいく。 導き出した最善であろう策を頭の中で固め、ちゃんとした足取りに切り替えると、教室へとまっすぐ……向かわずに、少し回り道となるコ ースを歩き出す。 ……自分の知らぬ間に、事態はさらに悪化している事を、露ほども知らずに。
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彼らの日常が交差するとき―― クロスハートが開かれる。 あらすじ 右浪清は今朝も布団に潜り込んできたフランドールの相手をしつつ「バイト」へ向かう。 緑川ユウキは幼なじみにして恋人の霊夢の家に、蔵の整理の手伝いのため向かう。 遙けし彼の地よりいづる者たちの一人である輝夜はとある相手へ挨拶に向かう。 そして、謎の銀髪の青年は目的のためにとりあえず人里へ向かう。 それぞれの朝が始まり、彼らの日常が交差する。 解説 アッシュナインシリーズの第2.68部にあたる短編作品。 登場人物 右浪清編~右から左へF.O.B.P~ 右浪清 + ... フランドール・スカーレット 椎拳崇 レミリア・スカーレット パチュリー・ノーレッジ 手芸部部長 ヨハン・カスパール 風岡暁 リューゲン 伊吹萃香 星熊勇儀 朝倉鉄兵 藤堂香澄 ユウキ編~東方勇輝翔 緑川ユウキの幻想入り~ 緑川ユウキ + ... 幻想郷 博麗霊夢 霧雨魔理沙 八雲紫 東風谷早苗 八坂神奈子 洩矢諏訪子 射命丸文 森近霖之助 チルノ 寅丸星 聖白蓮 星熊勇儀 古明地さとり 霊烏路空 古明地こいし 比那名居天子 永江衣玖 伊吹萃香 上白沢慧音 藤原妹紅 鈴仙・優曇華院・イナバ 八意永琳 蓬莱山輝夜 西行寺幽々子 小野塚小町 魂魄妖夢 「男」 四季映姫・ヤマザナドゥ 風見幽香 紅美鈴 パチュリー・ノーレッジ 十六夜咲夜 フランドール・スカーレット レミリア・スカーレット 一年と少し前の幻想郷 通りすがりの遺伝史ホルダー 世界崩壊の影響 チルノ 御神薙 博麗霊夢 大十字九朔 大十字朱朔 博麗リュウ 博麗ナコルル 翠の焔帝 輝夜編~姫が歩けば紅に当たる~ 輝夜 + ... 藤原妹紅 天野叢雲 双葉ほたる 右浪清 フランドール・スカーレット 八雲紫 ゲイル編~銀影疾風クロスハート~ ゲイル + ... 翠の焔帝 緑川ユウキ 大十字朱朔 ロック・ハワード ゾディアック・ロランジュ ??? + ... 翠の焔帝 ??? 紫苑 関連ストーリー アッシュくんと九朔さんと 小龍白恋歌~ドラゴンブレス~ 火艶連聖アッシュナイン 遺伝史ホルダー イングリッド コメント 異様に鬼にもてまくるナミキヨさんであった -- 名無しさん (2010-08-28 23 14 06) おお、ページ出来てたのか!浪清さんマジ男前。ユウキマジ好青年。 -- 名無しさん (2011-01-13 15 51 37) あいかわらずOPよく変わるのにどれもクオリティの高い方だ -- 名無しさん (2011-01-13 22 48 45) 某アニメとは関係ない。 -- 名無しさん (2011-06-14 19 02 57) 名前 コメント マイリスト
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くろすりーぱー【登録タグ く 初音ミク 曲 緋色】 作詞:緋色 作曲:緋色 編曲:緋色 唄:初音ミク 曲紹介 緋色氏 の24作目。 イラストは みや子氏 が手掛ける。 歌詞 朧気月夜 虚ろな目をして いついつ出会う 三日月の刃 ひたひた迫る 心地よい足音 鬼さんこちら 手の鳴る方へ 歪に曲がりくねる先の 答えを探し彷徨い続けて 押し寄せては返す波の様に 同じ痛みが漂い続ける 刈り取ってよ 早く、早く、此処だよ おしゃまなクロスリーパー いつも通りの他力の本願 振り翳して 今日は何処へやら ほらね、ほらね、何やったって ダメダメな日々で ひっきりなしの疾風怒濤の負の連鎖に 今日も嘆くの 「まだ?」 けたけた笑う絶望の花が みるみるうちに立派な根を張る 歪に歪み歪む世界 抉り取られたのは心の底 1ミリさえも進めないのなら ほら、もういっそこのまま その手で 切り取ってよ 早く、早く、 こっちだよ 小粋なクロスリーパー いつも通りの牽強付会 繰り返して 今日は何処へやら ほらね、ほらね、巡り巡った ツケ払う日々で ひっきりなしの風声鶴唳 耳塞いで 今日も叫ぶの 「やだ!」 突き付けられた 喉元 三日月 月夜に嗤う どこか懐かしい顔 あぁ 今その手で 刈り取ってよ 早く、早く、此処だよ おしゃまなクロスリーパー いつも通りの他力の本願振り翳して 今日は何処へやら ほらね、ほらね、何やったって ダメダメな日々で ひっきりなしの疾風怒濤の負の連鎖に 今日も嘆くの 早く、早く、早く、こっちだよ 小粋なクロスリーパー いつも通りの牽強付会 繰り返して 今日は何処へやら ほら、ほら、ほら、ほら、ほら、 駄目 駄目 駄目 駄目 ひっきりなしの風声鶴唳 耳塞いで 今日も叫ぶの ああああああああ コメント 一目惚れしました。好き -- 菜野花 (2022-06-09 10 45 31) 名前 コメント
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ム l`ヽ、 / ハ | \ / l ∨ \ ./ l ∨ \ / | , - 、 ∨. \/ | , r'" / ∨ ヘ , r" / r' ''ー-- 、 .〉 ヘ ヘ/ / ゝ、 ` ー 、 / /| |` ' 、 | / ヽ、 ` ー 、 | , r" | |/ `" , r"、──- --、, ` 、 ゛ー'´ ,--/ |ー,'´ `', , r"´ / ゙ヽ、, l´" `l | ゝ__ノ<、 r" _ , -‐ ' " ` ー -- , ゝ,_ノヽ、 ノ ノ ノヘ `ー、 - ─' ",r' " /, = ─-, , r " r" ゛l `ヽ ,r‐ 、ヘ (二/´  ̄ ̄  ̄ ` `ー 、/ l / .| l´ムヽ, /. リ ノ 〉-‐" ヽ , -‐ム ` ー- =≡=-‐' " く, ノ ゝ、丿 〉-' //`l ` ー-、 r" r ヾ;ヽ、 _ , r"`マ´ソ|_ ,‐-"|ゝ ヽ' ´`' ノ/ .| ` ー'´ー--'、 ヽー` <,´ ゛/ ノ´ |`` | `ー 、,, -‐'""゛゛`lフ´ ヘ | `ー` , - ゙ / / ∨ ゝ、 | / ハ , r " / / ヘ | ヽ、 |--─'' | l. ´ー─-/_ / | `ノ`゛ー--一ト、 /. l '" `ヽ、 / \ / / ゝ `ヽ-‐/ / | /´| 〉-‐' `ー'ヽ' ヾ、 / / / / /ノ ∨ ∨ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━File.021 【ヘラクロス】 ━[データ] .━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<タイプ>むし・かくとう <分類>1ぽんヅノポケモン<特性> こんじょう━[種族値] . ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<HP> C <こうげき> A <ぼうぎょ> C<とくこう> F <とくぼう> B <すばやさ> C【合計】 B━[わざ] . ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・きしかいせい━[ポケパワー] . ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・不撓不屈 … 一度ひんしになった場合、もう一度行動するまで耐え続ける。━[解説] . ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━