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昼1 強制イベント 女子抽選会(京太郎は試合の為に居ません) 抽選会場 塞「ふぅ…ぱっと見ただけでAブロックが地獄だね」 白望「決勝で宮永照ならまだまし…」 胡桃「そうだね。Bブロックは永水と千里山の園城寺怜…新道寺は塞が白水哩を塞げば大将戦でリザレクションは発動しないし」 豊音「今回も出番は決勝しかないのかな?」 エイスリン「私とシロ、胡桃でどうにかなるから…ごめんね、豊音」 塞「永水は副将から火力が凄いからね…できれば中堅で終わらして欲しいかな」 豊音「うぅ…勝つ為なら仕方ないか」 白望(二回戦で永水と当たる……はぁ、だるい) その頃の京太郎 京太郎「よろしくお願いします」 モブ(岩手の大魔神か…どうせ岩手の男どもが弱かっただけだろ) コトン 京太郎「ロン」 モブ(はっ?まだ二巡目だぞ?) バタバタ…京太郎が牌を倒していくと七対子だとわかり モブ(安手ならまだましか…) 京太郎「字一色。48000です」 モブ「えっ?」 アナウンサー「決まったー!岩手の大魔王は実在していた!東京一位に二巡目にして役満をあてて、飛ばす!こんなプレイングみたことありません!」 大沼「相手が悪かったとしか言いようがない。若い奴らに解るように例えるならレベル1のスライムが魔王に挑んでいるのと同じだからな」 アナウンサー「厳しいですね、大沼プロ。貴方が須賀選手に挑むならどうしますか?」 大沼「全身全霊を持って対局する。対局の後にはチリすら残さない」ゴゴゴゴ アナウンサー「そ、そうですか」 昼食時 京太郎「まさか二巡目で終わるとは思わなかった…ツモって打点を稼ぎたかったんだがな。女子は抽選会の最長だからどうしようかな」 京太郎「ぶらついとくか」 京太郎「抽選会が館内でも放送されてるのか…」 ダッダ…走ってくる音 衣「義兄様!」 ダッ…ギュ…とびついてきて 京太郎「こ、衣か…あれ、抽選会にいかなくていいのか?」 衣「衣は有象無象の多い所を好まない」 京太郎「そう言うことか」 衣「うむ。それよりも先程の試合みたぞ!流石義兄様、二巡目で役満などかっこよかった!」 京太郎「…みてたのか。偶々だ、たまたま。それに飛ばしたくなかったからな」 衣「得点を稼ぐ為か?」 京太郎「ああ。あれをツモってさらに流れを得るつもりだったんだけどな」 衣「欲張りすぎだ」 京太郎「そうかな…まあ、午後からも頑張るから応援してくれると嬉しいな」 衣「当たり前だ!衣は義兄様の義妹だからな!」 京太郎「ありがとうな」 昼2. 強制イベント 修羅場前哨戦ver嫁達の仁義無き戦い 塞「なんかこんでない?」一番前の席に座っていて 豊音「抽選会が終わった時点で一部の人が走ってここにきてたから…」 胡桃「ちらほら見覚えのある顔もいるね」 白望「記憶よりも多い…臨海の四人や有珠山の獅子原さんとかも居なかった」 エイスリン「浮気?」 塞「どうだろう…ただ、京太郎がタラしって事は確かかな」 豊音「永水の皆さんにサインお願いしたいけど…席を移動したら駄目な気もするし…」 胡桃「他校の監督がみにきてるのも今回が初めてだね…やっぱり京太郎に転校してきて欲しいのかな?」 エイスリン「たぶん…学年トップの学力、身体能力、日本最強の麻雀の資質…欲しいと思う所は多いかな」 塞「他校に行くにしても京太郎の決断だから仕方ない。私達は京太郎をおいていくんだから」 白望「卒業したら京太郎の家に行かないの?」 一同「えっ?」 白望「…?」 塞「…それもありね」 胡桃「塞も何を言ってるの!そんな事したら京太郎が…」 エイスリン「胡桃は嫌なの?」 胡桃「そ、それは…居たいけど…」 豊音「あれ、誰かがこっちに来るよ?」 塞「えっ?」 ??「……」 霞「隣に座ってもいいかしら?」 塞「かまいませんよ…永水の皆さんとはみなくていいんですか?」 霞「ええ。好きな人を見るなら一番前の方がいいでしょう?」 宮守勢「…!」 豊音(ま、まさかの一人で来るとは思わなかったよ!)目で会話 塞(落ち着いて!こんな事、記憶の中で幾らでも体験したでしょ!)目で会話 エイスリン「京太郎が好きなんですか?」 豊音(エイスリンさんが言ったーー!) 霞「ええ好きよ。貴方達もそうじゃないの?」 エイスリン「好きですよ」 白望「好き」 胡桃「好きだよ」 塞「好きです」 豊音「好き」 霞「モテモテね、京君は……でも譲るつもりは無いわ」 塞「私達もありません」 霞「そう。なら聞いておこうかしら…貴方達も別世界の記憶があるのかしら?」 白望「なにそれ?」 霞「……わからないのなら良いわ。今回は。試合が楽しみになりそう」 豊音「わ、私達が勝つよ」 霞「あら、京君の試合の事を言ってるのよ?」 豊音「あぅ…」 霞「それよりそろそろみたいだからこの話はやめておきましょうか」 宮守勢「……」頷く 霞「聞き分けのいい人達で良かったわ」ニコニコ 爽(あれ、1番良い席に人が座ってる) 慧宇(まだかな…)シードなのを良い事に誰よりも早く来ていた 爽「あ、あの」話しかけめ 慧宇「はい?…っ!」爽のチョーカーを見てかたまり 爽「そのチョーカー…まさか…」 慧宇「同志?」 爽「仲間ですか?」 慧宇「…ご主人様が居るんですね?」 爽「はい…貴方もですか?」 慧宇「ええ…フルネームでその人をいいませんか?」 爽「かまわない…せーの」 慧宇、爽「須賀京太郎」 慧宇.爽「……」見つめ合い ガシ…握手をする 慧宇「私はご主人様とデートした事があります」 爽「わ、私だって昨日デートした!」 慧宇「ご主人様の性癖は知ってますか?」 爽「そ、それは…」 慧宇「好きな食べ物や苦手な物とかは?」 爽「あ、う、これから…」 慧宇「私はご主人様と(記憶の中で)寝た事があります」 爽「えっ…羨ましい…ど、どうやったんですか!」 慧宇「教えて欲しいですか?」 爽「うん!」 慧宇「なら私と手を組みませんか?そうしたらお互いにご主人様に愛してもらえますよ?」 爽「そ、それは…」 慧宇「…ご主人様に抱かれたくないんですか?」 爽「抱かれたいです…」 慧宇「なら…」 爽「す、少しだけ考えさしてください…私はご主人様に使われたいだけで誰かと何かをしたいとかないんです」 慧宇「そうですか…貴方の意見も正しい。機会があったら相談してください。それくらいならかまわないでしょ」 爽「はい…よろしくお願いします」 慧宇「全てはご主人様の為ですから」 爽「……それでその席を譲ってくれませんか?」 慧宇「それはできません」 爽「それならじゃんけんで…」 慧宇「早い者勝ちですから…と言いたいですが、今回だけですよ?」 爽「ありがとうございます!」 爽、慧宇「じゃんけん、ぽん!」 爽、パー 慧宇、チョキ 爽「ま、負けた…」 慧宇「まだまだですね」 その頃の京太郎 京太郎(そろそろ弓を使っていくか) 梓弓発動 モブ「立直」 京太郎「ロン、8000です」 モブ「くっ…」 京太郎(絞りとって健夜義姉さんの記録を塗り替える) ーーーーーーー 咏「あちゃあ…あれは相手がかわいそうだねー」 アナウンサー「理由を聞かしてもらっていいですか?」 咏「須賀選手は点数を絞りとってから勝つつもりだ」 アナウンサー「点数を絞りとる?今回のルールでは確かに得点は多いほうがいいですが、あまり意味がないのでは?」 咏「考えが違う。須賀選手は記録を塗り替えるつもりだ。小鍛冶健夜がたたき出したあの化け物みたいな記録をね」 アナウンサー「まさか…あり得ないでしょ」 咏「どうだろうね…まあ、私が言えるのは今の須賀選手に勝てる選手は男子にはいない」 夕方 京太郎「……携帯をみたら凄いメールの数でほとんどが誰とどう言う関係なのかとかだった。一体どうなってるんだ?」 京太郎「…少しぶらつくか」 京太郎「それにしてもさすが東京…暑い」 竜華「あれ、京太郎?」 京太郎「えっ?あっ、竜華さん。お久しぶりです」 竜華「ほんまに久しぶりやな!連絡先を教えたのに全く連絡してけぇへんし…」 京太郎「す、すいません…」しょんぼりとして 竜華「じ、上段やからそんなあに落ち込まんでええよ。それより今日の試合みたで」 京太郎「そうなんですか、ありがとうございます」 竜華「圧倒的やったな…なぁ、三尋木プロがいってたみたいにほんとうに小鍛冶プロの記録を塗り替えるつもりなん?」 京太郎「…どっちだと思います?」. 竜華「本気やと思ってる」まっすぐに見つめられて 京太郎「ああ、もう…竜華さんみたいな美人にそんな真っ直ぐに見られたら言うしかないじゃないですか…塗り替えるつもりです。俺は小鍛冶プロの記録を塗り替えて、あの人の隣に立つつもりです」 竜華「…それって好きって事?」 京太郎「わかりません。家族としてなら間違いなく好きと言えるんですが…」 竜華「ち、ちょっと待って!京太郎と小鍛冶プロって家族なん?」 京太郎「ええまあ、義理ですけど姉と弟です」 竜華「…そうやったんや。だから京太郎はそんなに強いねんな」 京太郎「健夜義姉さんに比べたらまだまだですけどね」 竜華「うんうん、ウチからしたら京太郎のほうが凄い。役満三連続とか初めてみたもん」 京太郎「…そう言ってくれると嬉しいです。それより竜華さんは何をしてたんですか?」 竜華「何って怜の薬を…ああ!忘れてた…ごめん京太郎、急いでたからもう行く!」 京太郎「わかりました。皆さんによろしくと言っといてください」 竜華「わかったで。怜やセーラが京太郎に会いたいって言ってたから覚えといてや!」 ダッダッダ…走り去り 夜1. 京太郎「末原さんと麻雀だな…楽しみだな」 カピー「パカパカ(気をつけてな」 京太郎「おう。全力で挑んでくる」 カピー「パカパカ(馬鹿者。麻雀の話ではない。きちんと帰ってくるんだぞ」 京太郎「…?まあ、帰ってくるさ」 カピー「パカパカ(そうだといいんだがな」 ーーーーーーーー 恭子「ほんまにきたんやな…」 京太郎「ええまあ…楽しみでしたし」 恭子「言っとくけど私はあんたより弱い」 京太郎「……」 恭子「それでも本当にやるんか?」 京太郎「はい。俺は貴女だから打ちたいんです」 恭子「私やから?」 京太郎「負ける可能性を考えてる人間は勝てると思ってません。ただ貴女は負ける可能性を考えた振りをして麻雀にしがみついてる気がします…」 恭子「な、なにを言ってるんや?」 京太郎「貴女は多分、俺が知る中で1番勝利に固執してる人間です。数々の言葉で逃げてますが俺はそう思ってます」 恭子「だから何を…」 京太郎「だから俺は貴女をめちゃくちゃにしたいんだ」 恭子「えっ?」 京太郎「全力で貴女に挑む。チャチなプライドで傷付かずに逃げる事なんて許さない。勝つか負けるかの純粋な勝負をしましょう」 恭子「……」 ホテルCの一室 郁乃「ほんまにきたんや」 漫「お久しぶりです」 京太郎「お久しぶりです、上重さん。時計をしてくれてるみたいで嬉しいです」 漫「えっ、あっ…買ってもらったやつやし…そのお気に入りやから」ニコ 郁乃「漫ちゃんの彼氏やったん?」 京太郎「違いますよ。大阪旅行の時にお世話になったお礼です」 恭子「だから主将達も急に腕時計をしはじめたんか」 京太郎「たぶん」 郁乃「ところで須賀君、あの話は考えてくれてる?」 京太郎「…まだ考えてる途中です」 郁乃「そうか…急いでないしいいかな」 漫「なんの話ですか?」 郁乃「須賀君が姫松に転向してくるかどうかの話やで」 恭子「そんな話聞いてませんけど」 郁乃「話してないもん」 京太郎「まだ受けてませんから」 郁乃「遅くなったらあかんから打つんやったら打つで」 京太郎「そうですね」 恭子(……固執してるか) 漫「よろしくお願いします」 恭子「私の親番…」 京太郎「…勝つぞ」 マホ「京お兄ちゃんに力を貸します!」 複製者と添い遂げた者発動! 京太郎「ハオの力?」 郁乃(ああ…これは危ないかも) 玉藻前発動! 傾向の魔性発動! 京太郎(ダブルは無しだったよな…) 悪石と添い遂げた者発動! 孤独と添い遂げた者発動! 玉藻前発動! 虎将の咆哮発動! 恭子(一体なんやねん…有効牌が全くひかれへん) 慢(須賀君の能力じゃない…これは臨海の選手の能力に似てる) 郁乃(あれから成長してる…どんな化け物になるんやろ?) 京太郎「ツモ!四暗刻、四喜和、字一色…まあ、重ねは無しなんで16000.8000です」 恭子「ば、化け物…や」 京太郎 役満ツモ? 京太郎(梓弓か。あれ…矢が三本あるけど…気にしなくていいか。全力で打てばどうにかなる) 郁乃(……どうみても神器にみえるんやけど。須賀君って何者なんや?) 慢(爆発できそうやのにできひん…) 恭子(…諦めたらただの凡人や…) 京太郎「…ツモ!国士無双。16000オールです」 グサ、グサ、グシュ… 恭子(えっ?) 京太郎「俺の勝ちです」 恭子(め、めげるわ…) 京太郎 108000 恭子 -7000 慢 1000 郁乃 1000 郁乃「…やっぱり須賀君は強いな」 漫「つ、次は負けへん!」 郁乃「勝てるん?」 漫「た、たぶん…」 郁乃「ほんまに?」 漫「…も、もう部屋に帰ります!」 ダッ… 郁乃「いってもうた…私もそろそろ帰ろかな。明日頑張ってや須賀君。応援してるで」ニコニコ スタスタ 恭子「……」レイプ目 京太郎(………やり過ぎたかもしれない) 京太郎(どうしよう…) 京太郎「末原!」 恭子「ヒッ!」 京太郎(ヒッて言われた…めげそう) 京太郎「ヒッ!では無い!さっきの試合はなんだ!」 恭子「あ、あれは…」 京太郎「口答えするな!口で◯◯を垂らすなら必ず最初にサー!をつけろ」 恭子「えっ、は…」 京太郎「サー!だ!」 恭子「サー…」 京太郎「声が小さい!」 恭子「サー!」 京太郎「それでいい…さっきの試合はなんだ!振り込むのを恐れて有効牌をなぜ切った!」 恭子「それはだから…」 京太郎「言葉の最初に必ずサーをつけろと言っているだろ!わからないのか、この雌豚が!」 恭子「雌豚……」 京太郎「そうだ貴様麻雀に負けた雌豚だ!」 恭子「……」 京太郎「返事はどうした雌豚!」 恭子「……サー!し、質問いいですか!」 京太郎(乗ってきた?」 京太郎「許可する!」 恭子「私が雌豚ならす…上官はなんなのでしょうか!」 京太郎「そんなものは決まっている!雌豚を一人前に調教するのはご主人様だ!」 恭子(ご主人様……私は雌豚で……須賀君はご主人様で…) 京太郎(あれ、突っ込みがとんでこない) 恭子「サー!ご主人様と言う事は私は強くしてくれるんですか?」 京太郎「当たり前だ。お前がどれだけ弱かろうが屑だろうが、ゴミだろうがどうしようもない雌豚でも私をご主人様と呼ぶ限り強くしてやろう」 京太郎(なぜだ…なぜツッコミがこない) 恭子「……ぐす…」泣き始めて 京太郎(えっ?) 恭子「サー…強くしてください…ご主人様…この雌豚に…勝たせてください」 ギュ…抱きしめて 京太郎「…任せろ。俺だけはお前の味方でいてやる」 バリン… 京太郎(こ、これでいいのか?) 夜2. 京太郎「泣きつかれた末原さんを寝かしてもどってきたが疲れたな」 カピー「パカパカ(天然ジゴロタラしの主か…どうかしたんだ?」 京太郎「怒ってるのか?」 カピー「パカパカ(ふん…別に」 京太郎(怒ってるな) カピー「パカパカ(…………」 京太郎「…怒らないでくれよ」 ナデナデ カピー「パカパカ(強化した神託を破られたら次から最上位がデフォになる」 京太郎「それって問題なのか?」 カピー「パカパカ(いや、ただきにいらないだけだ」 京太郎「…?」 カピー「パカパカ(主の事を何も知らない人間が主の事をご主人様と呼ぶ事が気に入らない」 京太郎「それって嫉妬…」 カピー「パカパカ(そ、そんな事はないぞ!」 京太郎「ああ、もうかわいいなカピーは!」なでなで カピー「パカパカ(なでるなー!」 ーーーーーーーーーー カピー「パカパカ(それで私に何を願いたいんだ?」 京太郎「……」 カピー「パカパカ(また乳か…」 京太郎「えっ、いや、そんなことはないぞ」 カピー「パカパカ(思いついている2人がどうみても乳がでかいだろ」 京太郎「……胸には夢が詰まってるんだ」 カピー「パカパカ(それは戦争が起きる言葉だな」 京太郎「…夢の為の戦争か」 カピー「パカパカ(願い五つ分で姉妹とイチャイチャしたいか…因果をゆがめれる事を忘れてるな主。しかも片方はもうできあがってるしまつか…まあ少し頑張ってみようか」 バチん…バリン、バリン… 京太郎「…なにしたんだ?」 カピー「パカパカ(さあ…因果律が書き換えられて刷り込んで…まあ、色々とあったんだ」 就寝前 京太郎「ハオからもメールがくるようになったな…」 From 獅子原爽 試合お疲れさまでした!試合の中継を見てましたがとてもかっこよかったです! 京太郎「…ありがとうございます。明日もよかったら応援してくださいと…」 From 獅子原爽 絶対にします!明日こそ一番良い席で応援しますから! もう夜も遅いのでこれで最後にしときます。おやすみなさい。 メール、一番下 愛してます、京太郎君。 京太郎「…かわいいよな」 ーーーーーーー 爽「早く寝て席をとらないと…でもご主人様は優しいな」じたばた 早朝 京太郎「…よし、今日勝ったら決勝だ」 京太郎「…ぶらついてみるか」 ホテルC 付近 京太郎「……なんか寒い」 宥「……」歩いていて 京太郎「あれは…松実さん?」 宥「……あっ」京太郎を見つけて 京太郎「おはようございます」 宥「……」無言で近づいてくる ぎゅううう…京太郎を抱きしめて 京太郎「冷た…なんでそんなに冷たいんですか!」厚着をしているのに冷たくて 宥「あったかくないの……温かい筈なのに…何も暖かくないの…」 京太郎「話を聞きます。俺の部屋か松実さんの部屋…喫茶店でもいいですけど」 宥「須賀君の部屋がいいです」抱きついたまま 京太郎「わかりました…ついてきてください」 京太郎(これは異常だ…最悪カピーに相談する必要があるかもしれない) 宥「温かい…須賀君…とっても暖かいよ…」腕にしがみついている 部屋 京太郎「話を聞かせてもらえますか?」 宥「うん…最近になってからあったかくなくなってきて…くろちゃんにも相談したのにどうにもならなくて……」普通ぐらいの体温になっていて 京太郎「…でも今は常温ぐらいですよね?」 宥「それは多分、須賀君があったかいから…」 京太郎「俺が温かい?」 宥「うん…こうやって須賀君と入れるだけでお腹の下の辺りからあったかい…」うでを抱きしめていて 京太郎(どう言う事だ?)考えて 宥「ごめんね、須賀君…よく知らないのに抱きついて…でもこうしていたいの…」 京太郎(似てる…あの人に凄く似てる) 宥「一目惚れだったかもしれない…ねぇ…須賀君……」 京太郎(爽さんとそっくりなんだ) 宥「私を抱いてくれますか?」 ーーーーーーー ED二つ省略 ーーーーーーー 京太郎「すいません、松実さん…」 宥「えっ…」 トン…当て身で気絶させる 京太郎「…カピー」 カピー「パカパカ(なんだ?」 京太郎「これは昨日俺が願ったからこうなったのか?」 カピー「パカパカ(予想通りだと言っといてやろう」 京太郎「元に戻す事は?」 カピー「パカパカ(できない」 京太郎「…俺のせいでこうなった人間は何人いる?」 カピー「パカパカ(……知らん」 京太郎「ウソだな。答えてくれ」 カピー「パカパカ(その女を含めて三人だ」 京太郎「爽さん、ハオと松実さんか…」 カピー「パカパカ(そうだ」 京太郎「どうすれば…」 カピー「パカパカ(甘えるなよ、主」 京太郎「っ…」 カピー「パカパカ(欲望のままに願い、アイテムを使って縛った…それを怖いから逃げるなどわたしは認めない」 京太郎「……背負う覚悟がまだできない」 カピー「パカパカ(背負うつもりではいるのか?」 京太郎「……ああ。ケジメをつけて、あの人達にきちんと報告をいれてから全員に告白するつもりだ」 カピー「パカパカ(…ふん、とりあえずいまはその女の問題だな」 京太郎「ああ」 カピー「パカパカ(…はっきり言うと抱くのが一番はやいが、それはできないだろ」 京太郎「…」頷く カピー「パカパカ(なら口付けをしてやれ」 京太郎「そ、それもどうにか…」 カピー「パカパカ(無理だな」 京太郎「いや、そこをどうにか」 カピー「パカパカ(ならない」 京太郎「……寝てるからそれはないだろ」 カピー「パカパカ(起きてるぞ」 京太郎「えっ?」 カピー「パカパカ(だからさっきから起きていたぞ」 京太郎「…松実さん?」 宥「……寝てます」 京太郎「……起きてますよね」 宥「…は、恥ずかしくて…動きたくない」 京太郎「な、なんで?」 宥「告白してくれるって言ったから…」ベッドでうつ伏せになっているが耳が真っ赤で 京太郎「えっ、あっ…はい…」 宥「待ってる…これだけでとてもあったかいよ」 京太郎「…すいません」 宥「うんうん…でもキスはして欲しいかな」顔を真っ赤にしたままで体を反転させて、目を閉じている 京太郎「えっ…でも」 カピー「パカパカ(覚悟を決めろ」 宥「……」目をつぶったまま 京太郎「ああ…もう…俺からするのは初めてなんです。下手くそだったらすいません」 チュ… 宥「ありがとう…京太郎君」ニコ 朝 京太郎「……覚悟を決めないとな」 京太郎「会場にぶらつきながら行くか」 京太郎「はぁ…どう考えてもゴミだもんな」歩いており 智葉「…ひつこい」走っていて 京太郎「智葉さん?」 黒服達「……」智葉を追いかけていて 智葉「京太郎?っ!逃げろ京太郎!」 京太郎「よくわかりませんけど…とりあえず倒しますね」智葉のすこし前にでて 智葉「えっ?」 京太郎「…八つ当たりにちょうどいいかな?」 黒服A「邪魔じゃ、くそがき!」京太郎をつき飛ばそうとして 京太郎「……せや!」 ドン…腕を掴み一本投げ 黒服A「なっ……」痛みで動けず 智葉「なっ…」唖然として 京太郎「さてあと二人か」 黒服V「お前、自分が何をしてるのかわかってんのか?」 京太郎「いや、全く。ただ智葉さんを追いかけてた悪漢を撃退してるだけです」 黒服V「智葉さんだと…俺は関東の…」 京太郎「すいません、代紋を聞いてしまうとそこに喧嘩を売った事になるんで…気絶してください」一瞬で距離をつめて、鳩尾に叩き込む 黒服V「くっ…はぁ…」気絶 京太郎「さて最後は貴方だ」 黒服S「…お嬢、この方は誰ですか?」 京太郎「お嬢?」 智葉「…こいつは私の思い人だ。手を出す事は許さん」 黒服S「つまりこの方がいるからお見合いはできないと」 智葉「そうだ」 京太郎(話しがみえない…ドラマとかの展開だとこの場合俺は…) 黒服S「そこの貴方…少しお時間をとらしてもらっいいですか?」 京太郎(やっぱりこうなるのか…智葉さんは…顔が真っ赤だ!!…あれ、これってまじのやつじゃ) 京太郎「わかりました」 京太郎(今回は流石に死ぬかもしれない) 辻垣内本邸 黒服S「ここでお待ちください」 京太郎「はい」 京太郎(智葉さんは試合だから俺一人…とりあえず上座に座るのはないな。最悪脱出する事も考えないといけない…はぁ、まだ死にたくないんだがな) ガラ…引き戸が開き 老人「……」 京太郎「…」立ち上がりお辞儀をして 京太郎(…誰なんだろう) 老人「…名前は?」 京太郎「須賀京太郎といいます」 老人「…智葉との関係は?」 京太郎「友人です」 老人「恋人ではないのか?」 京太郎「…ええ」 老人「なら簡単だ。智葉から手をひけ」 京太郎「理由はなんですか?」 老人「お前には関係無い」 京太郎「ならお断りします」 老人「何を言ってるかわかっているのか?」 京太郎「…名前も聞いていない御老人からの忠告を断っただけです」 老人「あまり調子になるなよ若造」ゴゴゴ… 老人「あの子はお前みたいなどこの馬の骨には釣り合わん」 京太郎「だから手をひけと?」 老人「そうだ」 京太郎「……先に失言を詫びておきます」 老人「なに?」 京太郎「すぅ……俺は貴方みたいな耄碌な老人が大っ嫌いだ」 老人「貴様何を…」 京太郎「自分が正しいと思い、それを押し付ける。気に入らない、何もかもが気に入らない」 老人「言わせておけば…覚悟はできているんだろうな?」 京太郎「やってみろ。隣に三人、廊下に二人、屋根裏にも二人…拳銃をぶっぱなせばあんた達は終わりだ。それにさっき車内で匿名のメールで警察に連絡もしてある。嘘のメールでも駐在ぐらいなら派遣されるだろ」 老人「……最初からこうなると思っていたのか?」 京太郎「さあ。智葉さんがお見合いをしない理由が俺にあって、黒服が俺をここに連れてきた時点で死ぬ事までは考えています」 老人「…死ぬのが怖くないのか?」 京太郎「死ぬつもりはありませんから」 老人「…ふはは!これは愉快だ。お前みたいな男がまだ日本にいたのか。あの子が色気付くはずだ」 」 京太郎「……」 老人「あの子と結婚するつもりか?」 京太郎「……はい」 老人「重婚だな?」 京太郎「はい」 老人「だがそれをしていいのかまよっている」 京太郎「…はい」 老人「あの子を幸せにする自信はあるのか?」 京太郎「…あります」 老人「口で言うのはタダだ…覚悟を示してもらおう。男子麻雀で魔王と呼ばれているそうだな」 京太郎「そ、そうですが…」 老人「なら魔王らしく全国優勝をしてもらおうか。全試合トビでだ。最低二人は飛ばせ。それが無理ならあの子を諦めろ」 京太郎「…それでいいんですか?」 老人「無理なのか?」 京太郎「やります。全員薙ぎ払って俺が勝ちます」 老人「…ふん、楽しみにしておくぞ」 会場 智葉「京太郎!」 京太郎「あっ、智葉さん」 智葉「大丈夫だったのか?なにもされなかったか?」 京太郎「大丈夫ですよ。ほら、こんなにピンピンしてますし」 智葉「本当か?」涙目 京太郎「…本当ですよ。泣かないでください」ハンカチで涙を拭いて 智葉「……本当に本当に心配したんだぞ」 ギュ…しがみついて 京太郎「すいません」 智葉「本当だ…馬鹿者」 ーーーーー ED3つ省略 ーーーーー 智葉「……信じてるからな」 京太郎「…まかせてください。俺は勝ちますから」 スタスタ…歩いて行き 智葉「京太郎!」 京太郎「はい?」振り返り スッ…顔を両手に添えられて 智葉「先払いだ…待っているからな」 チュ… 昼2 男子観戦席修羅場会場 豊音「なんかやる気に満ちてるね」 塞「うん…なんかこう背負った時の顔をしてる」 エイスリン「…今、わざと役満をはずした」 白望「……」胡桃を見て 胡桃「…」黙って頷き 智葉「隣に座っていけるか?」 白望「…どうぞ」 智葉「たすかる」 胡桃「…京太郎と約束したの?」 智葉「いや、まだ何もしていない。先払いしただけだ」 白望「……後で話がある」 智葉「…明日の決勝が終わってからでいいだろ」 白望「わかった」 胡桃「京太郎は覚悟を決めるって?」 智葉「ああ。全員囲むそうだ」 白望「……戦争」 胡桃「うん」 智葉「私が勝つ」 豊音「な、何を話してるの?」 塞「たぶん結婚届の話だと思う」 エイスリン(…何かがおかしい) 魔王咲の劔谷高校狩り アナウンサー「龍門渕高校が圧倒的なリードをしています。二位の劔谷高校はほぼ無傷の状態、三位の清澄高校は四万点以上の差が開いてしまっています」 良子「かわいそうですね」 アナウンサー「どう言う事でしょうか?」 良子「清澄の大将が本気が見れますよ」 アナウンサー「えっ?」 咲「カン!」 莉子「は、はい…」 良子「スタートしましたよ」 咲「カン!」 莉子(あれじゃあまだ…跳満だよね?) 咲「…もう一個カン!」 莉子「えっ?」 咲「ツモ、清一対々三暗刻三槓子嶺上開花赤1。数え役満です」 莉子「……嘘…」 アナウンサー「き、決まったーーー!」 良子(心根が折れましたね) 咲「麻雀って楽しいよね」ニコ 莉子「……」レイプ目 夕方 京太郎「…疲れたから早くホテルに帰ろう」 莉子「……」亡霊のように歩いていて 莉子「…ふぇ…グス」泣き始めて 京太郎「えっ?」 莉子「うわぁぁぁあん」ボロ泣き 京太郎「ちょっ、俺の前で泣かないでくれ!」 通行人「おい、男が女泣かせてるぞ」 通行人「イケメンのくせに泣かせるとか屑だな」 京太郎「ああ、もう俺が何したっていうんだよ!」 ギュ…莉子の手を握って 莉子「ふぇ?」 京太郎「こっちにきてください!」 ーーーーーーー 公園 京太郎「…それでなんで泣いてたんですか?」 莉子「……」 京太郎「連れてきた事は謝ります。ただ…ああするしかなかったんです」土下座 莉子「ふふ…」 京太郎「えっ?」 莉子「怒ってないから大丈夫だよ」 京太郎「そ、それならよかった」 莉子「私の方こそ迷惑をかけてごめんなさい」 京太郎「えっあっ、いや俺は美人と手を繋げたからいいかなって」 莉子「…優しいね」 京太郎「よく言われます」正座 莉子「……話だけ聞いてもらっていいかな?」 京太郎「こんな俺でよければ」 少女説明中 莉子「それで…私のチームは負けたの」 京太郎(さ、咲ーー!お前が犯人か!) 莉子「チームの皆は仕方ないって言ってくれるけど…その優しさが辛い」 京太郎「……」 莉子「怒って欲しい。罵って欲しい。私のせいで負けたんだって言って欲しい…じゃないとどうすればいいか解らない」 京太郎「……苦しいんですか?」 莉子「えっ?」 京太郎「自分のせいで負けて、良心の呵責から涙がながれる。それは苦しいからですか」 莉子「何を言ってるの?」 京太郎「俺は許されたいから泣くんだと思います」 莉子「許されたい?」 京太郎「ええ。怒られたいとかじゃなくて…本当の意味で許されたいんですよ」 莉子「ど、どう意味かな?」 京太郎「…貴方も言ってたじゃないですか。優しい言葉が聞きたいんじゃないんです。本音で話し合って、批判されて和解したいんです」 莉子「そ、そんな事は…」 京太郎「ありますよ。だって今まで頑張ってきた仲間ですもん。俺ならそう思います」 莉子「っ……」涙目 京太郎「ここで泣いたらだめですよ。その涙をみていいのは貴女の仲間と仲間だけです」 莉子「うっ、うん…」堪えて 京太郎「送って行きますよ。目が曇って歩きづらいと思いますから」 ギュ…手を引いてやり 莉子「ありがどう…」 京太郎「困ったらお互い様です」 京太郎(近畿は確かCホテルに固まってるんだよな?) 夜1. 強制イベント ナース襲来と阿知賀のイベント ホテルC付近 京太郎「き、今日は本当に疲れた」ふらふら バン…ぶつかり 京太郎「す、すいません!」 憩「だ、大丈夫やで…あっ、須賀京太郎」 京太郎「はい?あの知り合いでしたっけ?」 憩「いや全く。ただこっちが一方的に知ってるだけ」 京太郎「は、はぁ…」 憩「そうや!いまから暇かな?」 京太郎「どう事でしょうか?」 憩「良かったら魔王の実力を見せて欲しいんやけど」 京太郎(煽られてる気がする) 京太郎「……」 京太郎「別にいいですけど…」 憩「良かった…魔王がお願い断るような肝っ玉の小さい人じゃなくて」ニコニコ 京太郎(………この人の泣き顔が見たくなった。猛烈に今すぐに) 憩「こっちやで」 スタスタ 京太郎「わかりました」 ーーーーーーーーーーーー 憩「みんなー、特別ゲストを連れてきたで!」 宥「あっ…京太郎君だ」 スタスタ…ギュ… 宥「あったかいよ…」ニコニコ 京太郎「えっ、あっ宥さん、恥ずかしいからやめてくれませんか?」 宥「駄目かな?」涙目 京太郎「問題ないです」 憧「ちょっ、玄!あれどう言う事?」小声 玄「わ、私にもわからないのです。お姉ちゃん羨ましいよ」 憧「えっ?」 灼「不謹慎」 隠乃「なかいいんですね!」 京太郎「ええまあ」 宥「あったかーい…」 憩「はいはい、そこイチャイチャしない。とりあえず一局うとか。魔王はうちと…あと誰と打つ?」 京太郎「なら宥さんの妹さんとそこのボーリンググローブを嵌めた人がいいです」 憩「なんでその二人なん?」 京太郎「前者は少し縁があって、後者はなんとなくです」 憩「そうなんや…まあ、とりあえずやろか」 京太郎(俺、結局この人の名前を聞いてないんだけどな…魔王って呼ばれたくないから全力で黙らせよう) 京太郎「親決めからですね」 京太郎(マホ、力を貸してくれ…) マホ(任せてください!マホがんばりますから!) 複製者と添い遂げた者発動! 京太郎「ちょいたんま」 玄「えっ?」 最善を引き当てる者発動! 憩(あかん…何があかんかわからんけど間違いなく碌でもない事が起こってる…) 京太郎(弓は梓弓で……初美さんの能力だな) 初美(出番ですよー…ちょっと本気を出すからみててね) 悪石招来発動! 裏鬼門発動! 悪石と添い遂げた者発動! 京太郎(ダメ出しにハオ頼む) 慧宇(任せてください!) 虎将と添い遂げた者verRe発動 京太郎(できた…T役満) ギュイーーン…弓矢が光り輝き、色々と不味い事になっていて 憩(これで聴牌…) コトん…ドスン… 憩「えっ?」 京太郎「ロン。大四喜、四暗刻単騎、字一色…96000です」 京太郎 121000 憩 -71000 玄 25000 灼 25000 憩「魔王や…本当に魔王みたいやな須賀君」 京太郎「あの、できれば魔王ってやめてくれませんか?」 憩「だって事実やし…ならあと一回やって勝ったらやめる」 京太郎「…本当ですか?」 憩「うん」 京太郎「しかたないですね。二人もあと一局だけお願いしましす」 玄「わかったよ!」 灼「なにもしてないから構わない」 京太郎(…槍もなんか久しぶりに使うな。てかこう…またヤバイ槍だな) 玄(な、なにあれ…) 灼(さすが小鍛冶プロの弟さんだ) 憩(さっきは予断したけど…これで大丈夫なはず) コトン…ドス… 憩(次は槍!?) 京太郎「ロン、国士無双13面待ちです」 京太郎89000 憩-39000 玄25000 灼25000 京太郎「これで魔王はなしです」 憩「う、うん」ポォ… 玄「また何もできなかったよ…」 灼「置物だったね…」 宥(…荒川さんが堕ちたかな?) もこ「……」 憧(なにあれ、東一局で役満二連続とかありえないでしょ!) 穏乃「こ、怖い…」 京太郎「それじゃあ俺はそろそろいい時間なので帰ります」 玄「えっ、でも時間はまだあると思うけど…」 京太郎「一応、男子個人が明日決勝なので。すいませんお邪魔して。また何かあったら呼んでください」 宥「め、メールするね!」 京太郎「はい、楽しみにしてます」 スタスタ 憩(あんなん卑怯やわ…また欲しいなってしまうやん) 夜2. 京太郎「外に出たくないな」 カピー「パカパカ(主に質問がある」 京太郎「なんだ珍しい?」 カピー「パカパカ(ゲーム等で最後にとれる神器と呼ばれる武器があるとしよう。それを最初のBOSS程度に二度撃ち込むとどうなる?」 京太郎「…一撃目で即死じゃないのか?」 カピー「パカパカ(まあそう考えるわな。気がつかなかったとしたら?」 京太郎「死んだ事にか?案外、神器のパワーを得て強くなったりするんじゃないかな。俺の知る限りそんなオーバーキルは聞いた事ないけど」 カピー「パカパカ(…ふん、知っていたのか。つまらん」 京太郎「カピー…イチャイチャしよう。てか今日は疲れた」 カピー「パカパカ(久しぶりに私とゲームでもするか?」 京太郎「勝てないだろ」 カピー「パカパカ(ふん、今の主ならどうにかなると思んだがな」 京太郎「それよりも風呂でもはいるか。洗ってやるぞ」 カピー「パカパカ(それもありだな」 京太郎「広島以来だからな。さあ風呂だ風呂」カピーを抱きかかえて カピー「パカパカ(湯の温度は私に任せろ!」 京太郎「決勝前だから大量にメールがくる」 From 松実宥 今日はありがとうございました。皆もやる気が出たみたいで良かったです。 明日の決勝は試合で観にいけませんが応援しています。 京太郎「ありがとうございます。精一杯やらしてもらいます。宥さんも頑張ってください…と」 From 松実宥 京太郎君なら大丈夫だよ。 私も頑張ります。勝ったらまた抱きしめてくれると嬉しいです。 もう遅いのでこれで最後にします。おやすみなさい。 Ps 私は京太郎君を愛してます。 京太郎「……心が痛い。嬉しいのに」 早朝 京太郎「決勝だ」 京太郎「カピーは暖かいな」クーラーガンガン カピー「パカパカ(当たり前だ」ゴロゴロ カピー「パカパカ(考えるだけ無駄だな」 京太郎「いやだってな…」 カピー「パカパカ(知らなくていい。誰も幸せでない結末に興味を示すな」 京太郎「…なんかすまん」 カピー「パカパカ(ふん…向こうもここも根本は変わらないな」 ーーーーーーー 朝 京太郎「万全だな」 京太郎「義姉さん達に連絡しておくか」 ♪ー 京太郎「電話?もしもし?」 健夜「もしもし、京君?」 京太郎「あれ、健夜義姉さんどうしたの?」 健夜「決勝だからね…今日くらいは電話していいかなって」 京太郎「いつでも電話していいのに。ありがとう」 健夜「うんうん…今日は頑張ってね。応援してるから」 京太郎「ああ。勝つよ。勝ったら俺は義姉さん達に言う事があるから聞いてくれるかな?」 健夜「…わかったよ。良子ちゃんにもそう言っておくね」 京太郎「ありがとう」 健夜「それじゃあそろそろ切るね」 京太郎「……」 健夜「また後でね」 京太郎「……す」小声で何かを呟く 健夜「えっ?」 ブツん… 京太郎「……聞こえたかな?」 カピー「パカパカ(今頃、部屋で悶えているだろうな」 ーーーーーー 健夜「……」固まっていた 昼1. 男子決勝 アナウンサー「さあついに今年もやってきました。高校生男子最強が決定します。今年は誰が優勝するのでしょうか!」 はやり「岩手の須賀選手かな☆」 アナウンサー「あ、あの瑞原プロ。解説の立場からそう言われるのはどうかと思うんですが…」 はやり「そうだね☆真実でも話したら駄目だった☆私個人から言うと今の須賀選手と戦いたくないかな」 アナウンサー「それは何故ですか?」 はやり「勝ちに貪欲だけど全てを薙ぎ払うつもりでいるから小鍛冶プロ以上にトラウマを産むからかな☆」 アナウンサー「小鍛冶プロ以上…」 はやり「うん☆今の須賀選手は正真正銘の大魔王だよ☆」 男子個人決勝 会場 京太郎(やっとここまできた…ここで勝てば男子最強になれる。やっと一つ義姉さんに追いつく) 京太郎(思えば高校に入って四ヶ月…たくさんの事があった。転向したり合宿したり…色んな人に大切な事を教えてもらった。俺はそれを糧に今ここにいる). 決勝イベブースト判定 好感度恋心以上の人数×2 判定大成功確定 オーバーキル。 モブ「お前が親だぞ、須賀」 京太郎「……東二局はこない」 モブ達「はっ?」 京太郎「チリ一つ残さない…立っているのは俺だけだ」 ーーーー ? 京太郎「ツモ.16010オール」 モブB「な、なんなんだよお前は!」 モブA「二連続役満…ありえない…」 モブC「い、イカサマだ!」 京太郎「……ならもう一局やりますか?」 モブB「そ、それはいい…」 モブC「あ、ああ…」 モブA「ありえない…」 京太郎「なら勝者は俺です。俺が高校生最強です」 ーーーーーーー インタビュー アナウンサー「優勝おめでとうございます。この喜びを誰に伝えたいですか?」 京太郎「……」 京太郎「宮守の皆とも分かち合いたいですが…それよりも義姉に伝えたいです」 アナウンサー「お姉さんにですか…何と伝えるんですか?」 京太郎「やっと義姉さん達の弟だといっても恥ない事ができた。時間がかかったけど…いつも感謝してます。ありがとうと」 アナウンサー「えっ?それはどう言う事でしょうか?」 京太郎「……秘密です。ただ言葉の通りですよ」 アナウンサー「そうですか…なら質問にいきますね」 京太郎「はい」 ーーーーーーーー はやり「泣きすぎだよ良子ちゃん…」背中をさすってやり 良子「ソーリー…ですが…涙が…涙が止まらないんです」 はやり「記憶の中で成長した京太郎を知ってるのに…やっぱり直でみると違うのかな?」 良子「は、はい…もう京太郎は立派な漢です」ポロポロ はやり「そうだね…あんなに小さかった男の子が何時の間にかあんなに大きくなった。私も嬉しいよ」 良子「はい…」 ーーーーーーーー 恒子「すこやん?」 健夜「どうしたの恒子ちゃん?」ゴゴゴ 恒子「な、なんで嬉しそうなの?」 健夜「私、嬉しそう?」 恒子「うん。なんか怖いけど嬉しそうだよ。そんなに弟君がああ言った事が嬉しいの?」 健夜「…うん。京君が約束を守ってくれそうだから」 恒子「約束?」 健夜「秘密だよ」 恒子「お、教えてよ、それくらい!」 健夜「だーめ…でもヒントだけ。私ね、公式戦でまだ誰にも負けた事がないんだ」 恒子「それくらい知ってるよ!」 健夜「ならそれが答えだよ」 恒子「…わ、わからない」 健夜「待ってかるからね…京君」
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透華「まぁ、お店に彼が?」 ハギヨシ「ええ。大変喜んでいましたよ」 透華「当然ですわね。なにせ、この私がプロデュースしたお店ですもの!」ドヤッ ハギヨシ「連れの方ともいい空気で……」 透華「は?」ピクッ ハギヨシ「あっ」 透華「今……なんて言いましたの?」ニコニコ ハギヨシ「い、いえ。お戯れを」スッ 透華「ハギヨシ」ギロリ ハギヨシ「(私としたことが……すみません、須賀君)」グッ / / ./ ヘ Y. \ | j / / / ヤ | -―‐t ` |. / / .//\ /,ヘ .| イ 7 | ヽ レ ’/.. /,イ /へ レ / ハ / / \ /./ /′  ̄`ー‐-≦7. ハ ’ / / /ヽ/ /' . / .ヘ } / / 不、 lハ {| . / } // / { ;;;≧x、V | / /. / ’ // ./. 弋__ツヘ | ー=--――十 ./ / / // ,イ """ ノ て≧芯x_ノ ./ / /. / ./ // | 弋;;;__ ツクイ / / / ./ // |. ハ r """/介 ヤ / / /' / i |. ヽ ト、 /"/ | マ / /{ { . | ||./{ 、 ヽ ` ァ ー‐' /__ ヤ |. ヽ _廴_込 ヽ、 | |´ ヘ \ __ _チ'´ _. ヽマ ヽ { ヽ ` .ト.! ヘ / ∨「〈.', マ¨ . マ ハ ト、 λ マ } .ハ ヽ ヽ /_ .| | マ、 ー-、 ヽ / .l ! ._ / ハ. /ヤ /ハ| ) /ミ≧≦チ_,マ ヽ` く ̄¨¨¨. \,.へj ̄`ヽ. / / ヤ / У′ リ / ィチ 二 < マ フ`ーへ ヽ `ソ `ヽ ヘ / / ヤ / / / レ// / 厂|、ヾ、\、/ /> _`ー / `マヘ / マ .i / / / / / / | ヽヘヽ \ ,イ / // ̄`ヽ{ マ ヽ ヽ 八 .{ | .| ./ /| | iマヘ. / | λ. |.{三三/ .〉` 透華「須賀京太郎――貴方が誰のモノなのか、分からせて差し上げますわ」ニヤリ 第八章 ラブイズマネー! 恋するお嬢様 数ヶ月前 京太郎「よう、和」 和「す、須賀君!」テレテレ コソッ 透華「……あれがのどっちの彼氏ですの?」ヒョコッ ハギヨシ「いえ、正確には付き合っていないようです」コソッ 透華「あんな冴えない男の……どこが」ウーン ハギヨシ「彼は優しい少年ですよ」フフ 透華「それくらいで、あののどっちが?」 和「(はわぁ、ゼロぉ……)」ポワーン 透華「ハギヨシ。彼の素性を調べなさい」 ハギヨシ「え?」 透華「あの男がのどっちにふさわしい男かどうか、見極めてやりますわ」フフン ハギヨシ「……はっ」シュタッ 透華「……」チラッ 優希「京太郎ー!」 京太郎「よう、優希」 久「須賀君!」 咲「京ちゃん!」 京太郎「咲、それに部長も!」 透華「(なぜ、あんな男が……)」ウーン 数週間後 ハギヨシ「調べて参りました」 透華「ご苦労ですわね」 ハギヨシ「映像形式にしてありますので、どうぞご覧ください」スッ 透華「このDVDの中に、須賀京太郎の秘密が……」 ハギヨシ「……あの、透華お嬢様」 透華「? なんですの?」 ハギヨシ「ご覧にならない方がよろしいかと」 透華「え?」 ハギヨシ「……」トオイメ 透華「解せませんわね(あのハギヨシがここまで動揺するなんて)」ウーン ハギヨシ「とにかく、私はこの映像をオススメしません」 透華「そう言われるとますます気になりますわ! さぁ、早く流しなさい!」 ハギヨシ「……はい」 ガチャッ 透華「……」 ハギヨシ「流します」 透華「(さぁ、せいぜい無様な痴態を晒すがいいですわ! 須賀京太郎!!)」ニヤリ l´ ,' \ヽ∨//_ ヘ l . ', l !| ̄  ̄/' ´ ',ト ',. ,' Ⅵ /' l!∨ ', / ,'_!|__.{( _≦千‐<へヽ. //レ//「 ',l -- ´ \ ‐‐ / ',iヽヘ`ト、 //ノヘ // -ヽ_‐ | , ====ミ !| `\ // i! ! '´ ̄ ̄` / ` jレi . ', \. /// |ヘ.', ' /!´ ! ∧ `', // { | ト ー-....‐ 丶l ,' } ノ i!. l ! ヽ \.ヘ ', ,' -'/ /ヘ. j! ヾ / \ ヽ人 ヽ ; -'-‐っ /「/ ∧. ∨ \ ∨!> . /, ィ≦ イ / ∧ ヘ / / ヽ ∨ _レ ´ ヽ _.,ィl }┤ | / ∨ \. / / !_ |/ \ ヽ'‐ヘ」つ、 ! { \ \ / --‐‐ フ ヽ /´__ l ├──-ヽ _ \. / / \ イ ト r‐‐ {/ / ヽ \ | `.i \ ト、. / ! イ⌒ヽ ∧ヽ __ 、イト 、 / \ ヽ l \ \ / /` 彡' ∨ ∧ク ̄ // .!', `ヾ /、 Y i ! |、 \ \. / /イ ∨ イ. /イ | ヘ `i } ノj/ i ,' ,┐、 ヽ ___./_/´ ∨ / ヾ//i !. !|ヽ\ /,' / i / ' | \ ∧ 、ヽ テレビ「」ザザッ 咲「あ~ん! このケータイ本当にマジでチョームカつくんですけどぉぉお~!」ジタバタ 咲「はぁぁぁぁ!? マジありえないんですけどぉぉぉぉお!! このケータイぃぃぃぃ!!」ガンガンッ 咲「使いにくいんですぅ~! ぷんぷくり~ん(怒)」 咲「私かわいそーなコ★」 咲「キュンキュンキュン! キュンキュンキュン!」グルグル 咲「赤ちゃんかわいそうですぅ! まだ生まれてないのにぃぃ~(悲)」 透華「は?」 照「乾燥肌で困っているんですよ~><」 照「(一気に脱がすっ!!)」ギュルギュルギュルギュル! 照「かーっぺっ!」ペチャッ 照「京ちゃんの手あったかぁ~い」ニギニギ 照「え、えっと。まずは……指を、コーラに突っ込むッッッ!!」ボシャッ 照「んぅっ……じゅるっ、んずぅぅっ……れろぉ、んちゅっ、ちゅるるっ」ジュボジュボ 照「しゃぶってみ♪」スッ 照「(無理やりねじ込む!!!!!)」ズボォォォッ 照「うんっ♪ なぁにぃ? 京ちゃんっ★」キャルゥン 照「容疑者予備軍マジウケルんですけどぉ~(笑)」 照「彼氏の家に泊まったら彼氏のトランクスはいてお弁当作るの♪」 照「分かんなぁい、あぁ、漏れちゃうかもぉ!」ジタバタ 照「アファーッ!!!!」ピタッ 照「アッファ~~ン! やあよ……やあよゆうたのに」ダババババッ 照「やあよぉ……止まらんよぉ」ビジョバババババッ 透華「は?」 ハギヨシ「……」 透華「これはなんの冗談ですの?」 ハギヨシ「これは比較的新しい映像です」 透華「え」 ハギヨシ「過去には、このような映像も……」 優希「京太郎が使った……んちゅ、ぺろぺろ……ちゅるるるっ」 優希「私を誰だと思っているんだ。新世界の聖雀士(H・T)だじぇ!」 優希「冤罪が露見するのが怖けりゃ私を見逃すんだな」ドヤッ 和「たくっ、いい子ぶるのも疲れるわぁー」コキッコキッ 和「こちらカレン。ゼロに異常はありません」 和「す、スガァァァァァァァァァァクゥゥゥゥゥ!!!?!!」ガッタァーン! 透華「……」 その後、透華が見た映像は凄惨なものだった ストーカー行為を繰り返され、涙し、苦しむ京太郎の姿 なぜ、この大人しい少年がこれほどの苦しみを背負っているのか どうしてこの少年がこんなにも業を背負うことになったのか 透華には分からない ,r'´ ̄ ̄ ヽ /丶 _//∧ l'⌒ヽ-、_ / .|ヽヾ、7/ i| ヘ_/^ヽヘヘ / |,⊥ミ∨/l| ト、 └ユ ! .i ト、 ヘ ヌ二¨ ヽ ! l |L_ ゝヽ_/ ャ=ヽャ‐ \-、 i '7_,.≧=- }} ′ ` ヘ. \ヽ j ff'"⌒ヽ ノ 、_,.ィi レ、 l ヘ!. ノ 7弋 , , 爪从 . i l. イ ハ tt彳′ l j ∧ // ! ト、 _ ‐ュ /7 ∧ヘ. /,ハ ヽヽヘ f二´-‐'' " / / / ヘ ヘ { { ヘ 丶 ゝ _ /∨ / ヘ ヘ ヘ! ゝ \ ` ┬-‐' /! ィ′ ヘ ヘ 丶、_ \ 广弌irく l l 〉────'┼‐-、 !| \ Y/ /V ≦ヽl ∨ l ト !| ハ l| ィイ' 7ソトミ、 ヽヽ ヽ. l l 厶イ j ∧/ //ハヽ\∨lルl l f´ i ノ/ ∧∨// ヾ 、 ゝ'.ノ l 透華「……は、ハギヨシ」ガタガタガタ ハギヨシ「……はい」 透華「こ、これは合成ですの? それとも私が夢を見ていますの?」 ハギヨシ「全て現実です。なお、彼が受けたストーカー行為で、映像に起こせなかったものがこちらです」 透華「……家の周りに小便マーキング……変態メール、変態ラブレター……」 ハギヨシ「……文面はこちらです」 透華「うわぁ……あの掲示板の紙は、清澄の部長の仕業でしたのね」ドンビキ 透華「犯罪ですわ!!」 ハギヨシ「犯罪ですね」 透華「な、なら! どうして彼は!?」 ハギヨシ「……それは」 透華「いてもたってもいられませんわ! ハギヨシ! 車を!」 ハギヨシ「お嬢様!?」 透華「直接、私が話しますのよ!」 ハギヨシ「……はっ」 透華「(このようなこと、許すわけにはいきませんもの!)」ダダッ 一「なんか透華燃えてるね」 純「部屋に篭ってDVD見てたようだけど」 衣「……邪悪な気配を感じる」ムムム 清澄 京太郎「ふぅ。今日も疲れたぁ」テクテク ブロロロロロロロロ 京太郎「?」 キキキキキィィィィィッ 京太郎「な、なんだぁっ!?」 バタンッ 透華「おーっほっほっほっ!! 私ですわ!」 京太郎「龍門渕さん!?」 透華「ようやく見つけましたわよ! 須賀京太郎!!」ビシッ 京太郎「あ、どうも」ペコリ ハギヨシ「私もいます」 透華「挨拶はいいですわ! それより、アナタに聞きたいことがありますのよ!」 京太郎「俺に聞きたいこと?」 透華「……」ジッ 京太郎「?」 透華「なぜ、なぜアナタは……」ワナワナ 京太郎「龍門渕、さん……?」 透華「……」 三十分後 京太郎「そう、ですか」 透華「……」 京太郎「全部、知られちゃったようですね」 ハギヨシ「申し訳ありません。暴くつもりはなかったのですが」 京太郎「いえ、別にそれは責めませんよ」 透華「お詫びといってはなんですが、私が力になりますわよ」 京太郎「力に?」 透華「警察沙汰になっても、清澄の名が汚れないようマスコミに圧力を……」 京太郎「あの」 透華「安心なさい。仮に彼女達が貴方に危害を加えようとしても、私が責任を持って……」 京太郎「いえ、それはいいです」 透華「えっ」キョトン 京太郎「それよりも、お願いしたいことがあります」 透華「お願い……?」 京太郎「ええ」 透華「(あのストーカー達から、守ること以外に何を望みますの?)」 京太郎「このことを、誰にも話さないで……胸の中にしまっておいて欲しいんです」 / \_/\-―‐-y'´ \ /-‐y'" ,ヘ ヽ / ∧ \ / ! \ヽ/ //i ヽ , !. |'"´`゙ y''"´ ´| i | | i | /′ | i .|. i | ハ| 〈.! | | | !/ / |! ヾ、 |ハ | / 廾ー-_、__, )!、_,._-‐┤ .゙、 / /./ fr、)) /′ fr、i) ゙、 `、 /.イ ∧| ゛'" `゙'" ト、 丶. /// ハ._ヾ⊂⊃ ⊂⊃ !人 ヾ、、 i/ i ,i 〈 `,! / .リ ) i、 ヽ!. /リ 、ソ Y´;/i\. ∠ニゝ ,..イ / |ノ ノ / 、 ヽ! `ー---イ´| . . `ヽ/ / \/ / Y´ . . \ \ / | . . . / イ、 \ 透華「え!?」 透華「(な、何を言ってますの?)」 京太郎「俺は大丈夫です。だから、ことを荒立てないでください」 透華「ちょ、ちょっと待ちなさい! なぜ、彼女達を庇いますの!?」 京太郎「庇う? そんなつもりは無いですよ」 透華「アナタは彼女達にストーカーされていますのよ! いつ、大変なことになるか!」 京太郎「なりませんよ」 透華「ど、どうして!?」 京太郎「俺にとって、大変なことっていうのは……」 ___/ ̄ ̄\_ , ´ <⌒ , ' `ヽ、 , \_ \ } ̄´ ' , \ / , |/} ∧ }`ー` {∧ 「ノ|/}/イ ' 、 | /`/ } ' } ∧ /イ / |' ,} \__/イ__ / //////////∧ _,.{///////////| -=≦//////|////////≧=-- 、_ r≦//////////////////////////////ヽ |//l///////////|///////////////////∧ |/∧//////////l|///////////////|/////} |//∧/////////l|///////////////|/////| |///∧////////l|///////////////|/////| |//// }////////l!///////////////}/////} 京太郎「俺自身がどうにかなることじゃなくて、みんなが傷つくことですから」 透華「っ!」ドキッ | ト、ヽV'// | | ヽ | |`゛゛/'""´| i ゙、. | |.| i |.,ィ ゙、 | / . ‐∧ー-ャ ー/‐i'´ ゙、 |. / __,/テ 〒、\ ケテ〒ミァ ヾ、 / λ2 } ) } \ ヾ、 どう、して……? /,ィ ,.イ `´ ;/ `´ |゙、 ヽヽ // i 人| レ| | ソ レ' ! /| .∧ r‐‐'つ ,ノ ノ| ノ ゙、 ゙、゙、. 、 ` ̄ ,.イ 、 / / \ _,..- ´\ ゙、 /〕` ー ' ト、/ / \ \____ / 、 i ,ノ `ー、 , -┘| / \ ヾ´ ̄/へ /| _/--) /i´ ^ ヽ ト-------、 \| / |/ i´ ./ / | / 天 ヽ ゙、 ゙、 i ゙、 、ヽ. | | i / / ゙、/ / | |゙、 ゙、 ,ヘ i /. | i .|ヽ| | ..| i | | 〈 /| 〉 ゙、/ | `| / | | | リ 透華「格好つけるのも大概に――!」 京太郎「龍門渕さん」 透華「っ!?」ゾクッ 京太郎「心配してくださって、ありがとうございます」スタスタ 透華「あ、えっ」 京太郎「でも」 ズイッ 透華「っ!」ドンッ 壁 ド ン 京太郎「俺から、大切な人達を――奪わないでください」 透華「……」ゾクッ 京太郎「すみません。それじゃあ、失礼します」 透華「……」ヘナヘナ ガクッ ハギヨシ「お嬢様」 透華「な、なんですの……!! こ、こっちが善意を言っているのに!」 ハギヨシ「……」 透華「ふ、ふんっ! どうせ虚勢ですわ!! 後で泣きついてきても知りませんわよ!!!」 京太郎「……」 透華「……ふーん、だ」ギュッ 龍門渕邸 透華「……」ボフボフ 純「なぁなぁ、さっきから透華は何をやってんだ?」 一「さぁ? クッションを叩いてるね」 智紀「何か悩みでもあるのかも」 衣「……ふむ」 透華「(くだらない。あんな戯言、頭がおかしいとしか思えませんわ)」ボフボフ ハギヨシ「……透華お嬢様」 透華「……自室に戻りますわ」 ハギヨシ「はい」 透華の自室 透華「……」ピッ 京太郎「……皆さん、もうやめませんか? 話を大きくした、俺が悪いんです」 京太郎「俺が、責任を持って優希を元に戻します。だから、だからっ!」バッ 京太郎「久しぶりに顔が見れて安心した。学校でお前を待つ」バッ 京太郎「須賀君へ。麻雀弱すぎ! もっと頑張りなさい!!」 京太郎「これからも、精進してください。竹井久より……ありがとうございます! 部長!」ニッ 京太郎「俺、ダメな奴だったよ。だけど、これからは頑張るから」 京太郎「い、一緒に……ヒグッ、戦っていこうな……グスッ」 京太郎「お願いします……ヒグッ、じゃないとぉ……俺、おかしく、グスッ」プルプル 京太郎「……ぅぅっ、わ、わかっ、ヒック、分かりましたぁ……うぁぁっ」グスッ 京太郎「照さん、俺……絶対に、見捨てたりしませんから」ギュッ 透華「……」 翌日 京太郎「(今日も遅くなっちゃったな)」スタスタ 透華「……」 京太郎「あっ……龍門渕さん」 透華「あっ」ビクッ 京太郎「どうしたんですか、こんな場所で」 透華「……」ソワソワ 京太郎「?」 透華「あの、えっと」 京太郎「……!」 透華「私は……」 京太郎「龍門渕さんが気にすることはありませんよ」 透華「え?」 京太郎「俺の方こそ、昨日は生意気言ってすみませんでした」 透華「そ、そんなことは!」 京太郎「心配してくれたのに、あんな態度で……」グッ 透華「いえ。私が余計なことを言ったからいけませんのよ」 京太郎「でも、それは!」 透華「……私は、アナタが嫌いですわ」 京太郎「うぇっ!?」 透華「顔もイマイチですし、麻雀は弱い。お人好しで、スケベで、まるでいいところがありませんわ」 京太郎「うぐっ!?」グサッ 透華「そのくせ、複数人に好意を持たれて……その全てを本気で大切に思ってる」 京太郎「……」 透華「……気に入らないですわ。一人を見ることも叶わずに、全てを見ようとして……自分さえも押し殺して」 京太郎「龍門渕、さん」 透華「だから。私はアナタが嫌いですわ」 京太郎「……すみません」 透華「でも」 京太郎「……え?」 透華「個人的には嫌いでも、世間の目から見ると……アナタは応援すべき人間なのでしょうね」 京太郎「俺が……?」 透華「だから、私もアナタを……応援することにしますわ」 京太郎「俺を、応援?」 透華「……彼女達の暴走も、私なら抑えることが可能ですもの」 京太郎「じゃあ」 透華「か、勘違いしないで欲しいですわね!!」 京太郎「へ?」 透華「わ、私はアナタが嫌いですのよ! し、仕方なく手伝ってあげるだけですわ!」 京太郎「でも、それってつまり」 透華「違いますわっ!!」 京太郎「……そうですか」 透華「ええ、そうですのよ」プイーッ 京太郎「……」ジィー 透華「……」ジィー 京太郎「?」 透華「~~~っ//」ダダダッ 京太郎「うぇっ!? なんで逃げるんですか?!」 透華「(あぁぁもぅぅぅ! なんなんですのぉぉお!)」ダッ 京太郎「……あ、あははっ(何がなんだかよくわからないけど)」ポリポリ 透華「(あの男は一体何者……!?)」 京太郎「なんだか、胸がスッと楽になったな」クスッ 龍門渕邸 透華「……ぁぁぁぁぁっ!」モフモフモフ 一「なにあれ」 純「ぬいぐるみに抱きついて奇声を上げてるな」 智紀「……不気味」 衣「邪悪な気配を感じる」 ハギヨシ「透華お嬢様にも、思春期が訪れたのでしょう」 一「好きな人でも出来たのかな?」 純「あの透華が? 無いだろそりゃー」 智紀「でもあの顔を見ると」 透華「ぁぁぁぁぁあっ!!」ゴロゴロゴロゴロゴロ 純「そんだけすごかったのかね、須賀って奴」 一「はぁ。しょうがないなぁ」 純「あれをどうにかする策があるのか?」 一「まっかしといてー!」 ハギヨシ「何をなさるつもりですか?」 一「こういうまどろっこいの嫌いなんだよね」ピピッ プルルル 一「あ、須賀? 久しぶり」 透華「!?」 一「うん。そうそう、透華がね」 透華「!?!?!?」 一「デートしてあげてよ。うん、次の日曜日」 透華「!?!?!?!??!!?」 一「ありがとう。それじゃ、よろしくー」ピッ 透華「は、はじ、はじじじはじめ!?」 純「うわー、やっちまったなぁ」 一「須賀とのデートを約束しといたよ」 透華「な、なななななんっ!?」カァァ 純「知り合いだったのか?」 一「まぁね」 透華「だだ、だからといってデデデ! デートォ!?」 純「落ち着けよ透華」 透華「私は落ち着いていますわ!!!」ダンッ 智紀「どう見ても慌ててる」 透華「うぅぐっ!?」 衣「……子供だな」ドヤッ 透華「衣に言われたくありませんわ!」 一「そんなに嫌なの?」 透華「い、嫌じゃありませんけど……急過ぎるといいますか、その」ドキドキ 一「じゃあ、ボクが代わりに行こうか?」 透華「……えっ」 純「お、いいな。じゃあオレが行こうかな」 透華「!?」 智紀「なんなら、私が……」 透華「だ、ダメですわ!!」 一・純・智紀「「「へー?」」」ニヤニヤ 透華「あぅっ」 / ∧| /| \ \// i´ ト、i| //| ヽ | i.トヾ|///| | ゙、 ! |.|| /"´´|.i ! | !. __|.!|_,/ 、__| ! ゙、. |. / W | !ハ`ー- ゙、. | ノ `メ==ミ゙、 /;===、_ 丶| / . /`廴!` \ 廴_) ヘ´ ヾ. /,ィ' ∧! " ; ) "i 、 ゙、 |.ハ /. ! ノ ノィ i、.ト、 |!. ゙、 | / \ ー- -=彡 ノ. || .) ヽ ! // / i.ー -‐ ´ / / リ / __/ Y/ / /´\ __i ,イ 丶 ヽ、__,ノ.r'´ r/ ノ--イ 冫イ \ ゙、`ー--、 `ー-、'´. i |/ /./ | /.フK゙、 \ . i. \ `ー、 | ゙、 .N ゙、 / /,ハ i゙、 / i ノ' / ヽ ゙、 透華「ま、参りましたわ」ガクッ 一「じゃあ、オッケーってことだね」 透華「はぁ……」 ハギヨシ「本当に須賀君の番号を?」 一「ううん。演技ですよ」クスクス 純「やっぱな」 智紀「騙されるのは透華ぐらいだと思う」 一「後は萩原さん、お願いします」 ハギヨシ「ええ。須賀君には伝えておきます」クスッ 透華「(デート……私が? あの須賀京太郎と?)」パタパタ 一「しっかし、透華がデートだなんて」 純「どうなることやら」 智紀「不安」 透華「しょうがありませんわ。なら、デートの前に……」 透華「まずは街を買い占めますわ。土地一つ残らず、買いますのよ」 ハギヨシ「!?」 透華「ハギヨシ、エキストラを雇いなさい。街一つ分の」スタスタ 一「ちょ、え? えええっ!?」 透華「それと、この前直木賞を取った作家に脚本を書かせますわ。それと、新たな服を作らないと」ブツブツ 純「」 透華「エステにも行きたいですわね。そうだ、まずはサロンに」ブツブツ 智紀「と、透華?」 純「お、落ち着け透華! いいか、それはもはやデートの規模を超越してるぞ!」 透華「ふふ、乗り気ではありませんけど……」ソワソワ { ` /,ヽヽ \ _, -‐ ´ ∟_ \ ヽ / \ /λ ヾ 、 \ へ / |iミ V.彡} l } ヽ 、 ー 、 j |l ノ j| | ゝ 〉 >、 ` ヽィュ_ |i ハ ゝ, {| ヘ \i / \ \``ゝ, }. / ヾ、ヽ ヽゝ `, ヽ / | , -‐ ` ヽ \ ノ. ∠`へ, ' ノ x弋 ヾミ 、 \ 〈 ',. | } } \ }´`ゝ~ ュ _ . 〃 i'〈弋 リ` ´{テ } 〉ヽハ , ヽ }. | ´ / ,,_ ゝ,,._ \ゝ 从 ,, , ` ,,, / 从 / ′. ヽ ヘ.__, -‐ ト _ >、  ̄ ` ヽ .\ ', ヘ ャー― , . /ヘ ゙,ソ /j ゝ ゝ ー,,ュ, -‐ ´ ー´,, ` ー- , } ヘ ` ヾ , ヽ ノ , ´{| ゝ /ノ\ `ゝ、  ̄ ゝー‐< ,, _`` ‐- ´ } ヽ ー < | f メ ⅳ \ \ `\ , -‐ `>ー- ェ 〉 \ /V ,ヘー- ュ ゝ ゝ、 ` ,, / /´´ \ \ .` ひ二つ ∧ `ヽ } ー 、 \ , -‐ ´ / ' / ヘ 〉 \ | 、 ノ ヘ ヽ } / ノ ノ 〉、 / i \ ', { 〉 \ \ 透華「このデート! 完璧にこなしてみせますわ!」バーン 純・一・智紀「「「めっちゃ乗り気だぁぁぁぁぁ!!」」」デーン ハギヨシ「(あぁ、お嬢様……悪い病気が)」ホロリ 衣「トーカェ……」ドンビキ 透華「おーほっほっほっ!! 覚悟しておくことですわね! 須賀京太郎!」 京太郎「っ!」ゾクッ 後日 駅前 京太郎「……(ハギヨシさんからの電話で呼び出されたけど)」 今日は俺に龍門渕さんと出かけて欲しいとのこと なんでもハギヨシさんが用事で、龍門渕さんの同伴が出来ないからだとか 京太郎「(まぁ、息抜きになるかな)」フゥ 最近、色んなことがあり過ぎた 咲や照さん……あの二人を、どうにか以前のように戻す その為なら、俺は例えこの身が朽ちようと 京太郎「……」 デデデーデーン デデデデーデーン 京太郎「ん? なんだこのBGM……ワルキューレの騎行?」 バラバラバラバラバラッ 京太郎「え?」バッ 凄い風だ 一体何が……?! -+ l l l-l--t ____________,,,__ .、 , _______________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙-- ,-≡ l!!≡ 、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ,__.,l_l___,7 --.t-,- ,lr=./_二ヽ=tl l´  ̄ ̄`./ /l----- l、.`l´ ̄ ̄ `l l.l (○)_ .l/ l' 'lヘ.l (○) l ヽ `--' ll l'───‐'l l l `--' 丿 '==========.l .l______'l l ----''=====, rニ_ニニニニニニニニニ.l .._,,..--o--,,.. l lニニニニニニニニニ_ニt l l ! ̄ ̄ l l !ー──ltl (l^ lニニニl =ヾ,ゞー─‐ '' l l! ̄ ̄ l l ! l_l ! l_l ! /ヽ、l__l ,,...「 l- , ,i ̄`l l_l! l_l ! r ェ t r ェ t . l / l,_,,jl__lOl ヽo l r ェ t r ェ t Qll Q Qll Q ヽ'y,-,,___,,、、 ──、 t'´ Q ll Q Q.ll Q Q-Q Q-.Q ,,.. // llヾ ヘ ヘヘ ,,. Q -.Q Q ‐Q l l !/__. lll・l= ) .ヘ.l l!l l l != =l l!i l lj l l!j ~" ~" 京太郎「」 ?「おーっほっほっほっほっほ!!! 久しぶりですわね!!!」 京太郎「あ、あれは!?」 /\. ,. ´ ̄ ̄ 〔` _厶 / ̄` ー ヽ / ∧/彡ヘ i.. / i { Y´ } ハ ヽ i / /≧ζ x≦八 \!. { /{ r抃尓 ィ坊ミx ヽ . { ハ ` _ ー' ヽ 「` } V > ‘ ' _ィ....^ー' } f7ヽ /i / / r' トイ/ `ヽ.....{ / ハ. {/i { / /〈 央~= i .{..../〉....| リ. |/........〉 L∧_ 」ィ i〃 i...i. VV( _ノ { { | /レ' / / ヾハ }/ 〈 / i Y ト- _rァ__ 」 ト-{ ‘, {. r 、j ‘ー!  ̄ r’、j 透華「私ですわ!!!」デーン ざわっ ざわざわっ 女生徒H「見てみて! ヘリですよ! ヘリ!!」 女生徒A「あらあら~? 珍しいわね~」 女生徒R「な、なんでこんな場所にヘリが?!」 女生徒A「軍事ヘリですな→」 女生徒M「軍事ヘリですぞ→」 女生徒T「別に、なんでもいいですけれど」 京太郎「龍門渕さん!」 透華「約束の三十分前に到着とは、中々いい心がけでしてよ!」 京太郎「あのー! このヘリなんなんですかー!?」 透華「細かい説明は後でしますわ! まずはこれに捕まりなさい!」バラッ 縄梯子「」バラバラ 京太郎「え? 俺も乗るんですか!?」 透華「当然ですわ! さぁ!」 京太郎「こ、こぇー……けど、おもしろそうだ」ヨイッショ ガシッ 透華「さぁ、引き上げなさい! 純!」 純「へいへい」グイグイ プラーンプラーン 京太郎「うわぁぁぁ! すげぇぇぇ!! 俺、飛んでるぅ!」ワイワイ 透華「(第一の作戦は成功ですわね)」ニヤリ 【龍門渕透華の華麗なるプラン1 移動はヘリで男心をくすぐる】 ヘリ内 京太郎「おぉ、これが軍事ヘリの中か」 透華「急でいい機体が取り寄せられませんでしたのよ」 操縦者「AHAHA! ソーリーネー」 京太郎「あれ、井上さんもいるんですね」 純「オレのことは黒子だとでも思ってくれ」 京太郎「?」 透華「そ、それよりなんだか狭いですわね」 京太郎「そりゃまぁ、軍事ヘリですし」 透華「あ、あ、アナタも窮屈でしょうから……ほら、もっとこっちへ」 京太郎「すみません。少し体が当たりますけど」フニッ 透華「……//」カァッ 【龍門渕透華の華麗なるプラン2 軍事ヘリは密着の大チャンス!】 操縦者「オット、ミスッタネー」グルン グラグラ 透華「キャー(棒)」フラッ 京太郎「おっと!」ガシッ 透華「!?」 京太郎「大丈夫ですか?」 , -‐ ´Y´ ̄`Y` ー-、_ / ∧、 / | `ヽー-、 i. ト、ヽ // | |ヽヽi | i.|ヽ、.V;-'"i | i リ / |.| / ゙、、 ゙、 | / __|_!_i 、__i人___ ヾ / | .! ! リ \` \ ノ, `=テrミ \ ,;==;ィ=iy- \ / / / ゜ー" ゙、 ゜‐',イ 、 i // i ,イ ' ノ /ノ i リ |.| |\ i. ヽ ,.-、 ,ノ|/ 人' !,! / \ ヽV / ┐._!_,ノ,..ィ'、 !/ /i `ー-‐' !、 /__/_) 〉'´ \ / Y /___ `ヽ ヾ、-‐' / 、 / /| / ^ 、. | / / ヽ ) /´ | / / i / ,艾 ゙、 ! | / |( |! | ( ,.イ V /.| |.| ヽ∧ V/ / 丶、__,ノ 透華「だ、大丈夫でしてよ」ドキドキドキ 【龍門渕透華の華麗なるプラン3 故意のハプニングは恋のオープニング】 純「げっろ」 操縦者「ソレチガウヒトノネタネー」 純「あぁ、ごめん」 京太郎「流石は龍門渕さんですね。こんなヘリを用意できるなんて」ガシッ ※揺れる為に透華の肩を抱いたままの京太郎 透華「そそ、そんなことありませんわ! この程度、朝飯前の猪口才ですもの」モジモジ 京太郎「そういえば、どこに出かけるんですか?」 わざわざヘリを用意するくらいだし、結構な遠出か? いくらなんでも国外は無いと思うが 透華「龍門渕島ですわ」フフン 京太郎「龍門渕島?」 透華「ええ。元は彼岸島だとかいう島を買い取って、私有地にした場所ですのよ」 京太郎「へぇ……って、えええええ!? すげえええええ!?」 透華「きゃっ! 耳元で叫ばないでくださいな」 京太郎「あ、すみません(でもやっぱスケール違うな)」 純「(本当は街を買おうとしたんだけど、必死に説得して島にしたんだよなぁ)」 操縦者「モウソロソロミエテクルネー」 京太郎「おぉ、アレですか!? 意外にデケー! 日本にあんな島あったのか!?」 透華「なんでも地図に乗っていないとか、なんとか。まぁ、買ってしまえば一緒ですわ」フフン 京太郎「俺、こういう島旅行始めてなんですっげー楽しみっす! 長野じゃ海もあまり見れないし!」 透華「喜んで頂けてうれしいですわ」ドヤァ 【龍門渕透華の華麗なるプラン4 島デートで自分の女子力(資金)を見せつけちゃえ!】 京太郎「あ、でも水着とか持ってきてねぇなぁ」ショボン 透華「島の店に用意してありますわ」 京太郎「やっふぅーい!!」キャッキャ 透華「(可愛い)」ホクホク 純「げっろ」 操縦者「ガマンスルネー」 龍門渕島 京太郎「ふぅー、結構揺れたなぁ」 透華「気分は大丈夫?」 京太郎「ええ、問題無いっす!」 透華「今日はこの島の視察も兼ねていますの。まずは、少し見回っても?」ソワソワ 京太郎「はい! 後で一緒に泳ぎましょうね!」ワクワク 透華「も、もう! 気が早すぎでしてよ」ドキドキ 純「あー、疲れた」グター 一「お疲れ様。じゃあ、次はボクがバトンタッチだね」 純「気をつけろ。あいつらマジでヤバイ」 一「それマジ?」 純「マジ」 京太郎「色んなお店があるんですね」 透華「最終的にはレジャーランドのようにする予定ですのよ」 京太郎「そこそこ人もいますね」キョロキョロ 透華「一般客ですわね。既に集客も始めてますの」 一「(まぁ、全員エキストラなんだけどね。ありがとう劇団ひ●わり……etc)」テクテク 【龍門渕透華の華麗なるプラン5 公募の1万人のエキストラは基本】 通行人S「(こちらウルズ7だ。護衛対象に問題は無し)」 通行人K「(ウルズ6りょーかい)」 京太郎「外人さんもいるんだなぁ」 透華「まぁ、多少は」フフフ テクテク 京太郎「少し小腹が空きませんか?」グー 透華「それもそうですわね」クー 京太郎「お、あんなところに串焼きのお店が!」 透華「串焼きが好きですの?」 京太郎「そういうわけじゃないんですけど、こういう場所だと美味そうに見えて」 透華「へぇ。では一つずつ」スッ 京太郎「あ、俺に奢らせてください」 透華「??? どうして? 私はお金に困っていませんわ」 京太郎「ヘリまで出してもらって、何もしないわけにはいきませんよ。それに」 透華「……それに?」 京太郎「やっぱ、可愛い女の子の前じゃ格好付けたいじゃないですか」ニッ 透華「」ドキュゥーン! 一「(あーあ。奢られるとか生まれて始めての経験の上に、あんなこと言われちゃ……)」 タタッ 京太郎「すみませーん、串焼き二つください」 店員「あいよ。一本500万ね」 京太郎「あはは、よくある冗談ですね。はい、合わせて1000円です」 店員「? おい、兄ちゃん。これは……」 一「げふんげふんっ! あー! あー!!」ギロリ 店員「! そ、そうだ。 じゃあ、二本な」スッ 京太郎「ありがとうございます。龍門渕さーん」タタタ 店員「……」 京太郎「うわぁ、これすげぇ美味いですね! こんな美味しい肉、始めて見ました」ガジガジ 透華「そうですわね、お肉自体は安物でしょうけど、アナタといると……//」モジモジ 京太郎「ですよね。一緒に食べると美味しいです!」ニッ 透華「もぅっ!」カプカプ 【龍門渕透華の華麗なるプラン6 露店の商品は最高級のモノ(そのせいで金額が4桁はズレている)】 京太郎「おいしかったですね、ガララワニの串焼き」 透華「ええ、また食べたいですわ」 京太郎「さて、次はどこを回ります?」 透華「そうですわね……お土産の店を」 ワーンワーン 京太郎「ん? この声は」 透華「! あれを!」 幼女「おかぁーさーん!」 京太郎「迷子か。お嬢ちゃん、お母さんとはぐれたのか?」 幼女「ヽ(`Д´)ノウワァァァン」ジタバタ 京太郎「あちゃー、俺じゃダメか」 透華「代わりますわ」スッ 京太郎「龍門渕さん?」 透華「アナタ、迷子ですの? ふふ、大丈夫でしてよ」ナデナデ 幼女「ふぇ? おねーちゃん」 京太郎「おぉ、泣き止んだ! 凄いっすね」 透華「まぁ、当然の実力ですわ」ドヤッ 幼女「おかぁさんさがしてー」グイグイ 透華「勿論でしてよ」ニコッ 京太郎「(優しいんだな、龍門渕さん)」ホクホク 幼女「(よし、この辺りだな) ねーねー」 透華「あら? なんですの?」 幼女「おねーちゃんたちってー? つきあってるのぉー?」 京太郎「えっ」ドキッ 透華「な、ななななっ!?」カァァァ 幼女「おかあさんとおとうさんみたぁーい」ダキッ 京太郎「あはは、照れるなぁ」 透華「~~~っ//」モジモジ 幼女「(これでギャラは跳ね上がるな)」ニヤリ 【龍門渕透華の華麗なるプラン7 島の住民は京透の為にあの手この手を尽くす】 一「(ちなみに透華はこの小芝居の作成に関与してないよ。安心してね)」ボソッ 透華「(全く、エキストラが迷子になるだなんて……問題ですわ!)」プンプン 京太郎「ふぅ、これで安心だ」 透華「……」 京太郎「龍門渕さん?」 透華「あ、いえ。ぼーっとしてごめんなさい」 京太郎「どうしたんですか? あの子に何か?」 透華「……少し、衣とダブってしまって」 京太郎「天江さん、ですか?」 透華「ええ。アナタは知らないかもしれませんが……」 オーケストラ「「「「「……」」」」」ゾロゾロ BGM ~悲しみのメロディ~ 透華「衣には、両親がいませんの……」 京太郎「え?」 指揮者「もっと! もっとだ! 虹だ! 虹を出してくれ!」 透華「それで、衣は――」 京太郎「そんなことが……」 透華「……湿っぽい話でしたわね」 京太郎「いえ。聞けて嬉しいです」 透華「……ありがとう」クスッ 【龍門渕透華の華麗なるプラン8 二人のデートを彩る一流のオーケストラが常駐!】 幼女「ありがとぉぉwwwwおねえちゃんたちwwwww」 母親「どうも、助かりました」ペコリ 京太郎「いえ、見つかってよかったです」 透華「もう迷子になっちゃダメですのよ」 幼女「うぇーいwwwww」 京太郎「ふぅ、これで安心だ」 透華「……」 京太郎「龍門渕さん?」 透華「あ、いえ。ぼーっとしてごめんなさい」 京太郎「どうしたんですか? あの子に何か?」 透華「……少し、衣とダブってしまって」 京太郎「天江さん、ですか?」 透華「ええ。アナタは知らないかもしれませんが……」 オーケストラ「「「「「……」」」」」ゾロゾロ BGM ~悲しみのメロディ~ 透華「衣には、両親がいませんの……」 京太郎「え?」 指揮者「もっと! もっとだ! 虹だ! 虹を出してくれ!」 透華「それで、衣は――」 京太郎「そんなことが……」 透華「……湿っぽい話でしたわね」 京太郎「いえ。聞けて嬉しいです」 透華「……ありがとう」クスッ 【龍門渕透華の華麗なるプラン8 二人のデートを彩る一流のオーケストラが常駐!】 京太郎「一通り見て回りましたね」 透華「ええ。それでは、そろそろビーチに」 京太郎「よし! 泳ぐぞー!」 透華「まずは水着ですわね」 テクテク 一「げっろ」 智紀「バトンタッチ」 一「結構辛いよー」 智紀「ゲームで慣れてる」 一「あ、そう」 ビーチ 京太郎「うわぁ、この海パンの素材凄くいいな。ちょっと高いだけあるなぁ」 ※京太郎の海パン 一流のデザイナーによるオーダーメイドで一品物 価格3980万円 京太郎「四千円の海パンなんて初めてだ。いつも安物だし」 わいわいきゃっきゃ 京太郎「それにしても……うーん。ビーチギャルが眩しい」ホクホク トントン 京太郎「ん?」クルッ 透華「あ、あの……」モジモジ ,.-‐| ト/ ノt//!j _{ゝ / ヘソ } ¨ ニソ `ii‐ / tyイ ノ _∠| ,,, ,,, ,,ii、 / /ifアtュイ≠リf@}.@}@}ヘ| /-‐ ´ fトムリ ゝニノ水 ゝソ ヽ. /´ /∨ 、 〈/三|」 ノ / /\ ハ >―┴≠┴ 、/ i. ゝ-―‐< \ ` ‐V } ', `‐-\ ∧ ハ ', i i .', ', ノ i . i ', ', / j . 〈 ヽ 丶 _rtk ' . . \ \ /{ゝW\ . . _i ヽ ヽ. fニニゝ{@}Z三ミ、_ .ィ彡ヘ _ 丶 Lィfヨ|l~^ヘ ゚゚゚===o。イ/ i \ `ー、 (⌒ { || || ヽ 、_ノゝ/ i く (⌒ 、l || ll ヽ_ノ /ゝん、 V ノ んん_l、|l_ハハん-‐ヘz'′ `i´ ヘ 8 8 ヽ | ヘ8 8 ', l 透華(髪型アップサイド)「ど、どう……ですの?」モジモジ 京太郎「(い、意外に大きい)」ゴクリ 【龍門渕透華の華麗なるプラン9 パッドは基本】 京太郎「……」ポー 透華「だ、ダメ……でしたの?」ウルッ 京太郎「あ、いえっ! その! あまりに綺麗なので見蕩れちゃって!!」 透華「えっ」ドキッ 京太郎「水着も可愛いんですけど、それ以上に……龍門渕さんが、綺麗で」ポリポリ 透華「……ふふっ、嬉しいですわ」ギュッ 京太郎「わっ!? 腕を!?」 透華「さぁ、泳ぎますわよ!」グイグイ 京太郎「はいっ!」 智紀「あっ、二人とも――」 京太郎「わっ! 波だ! すげぇ!」ジャブジャブ 透華「きゃっ! 水をかけないでくださいまし」 京太郎「あははっ!」 ザプーン ザプーン 智紀「……」 ,、,、 ,、 ///.〉 ノノ//,',ハ , -=ニ -‐ .,>‐ァ←ーミ、__,...ノ ` フ´ ´ / i. ヾ¨ ' / ,.イ>'"フ´ / / マ,.. ニ._ { ./ .〉 ,.' ,ィf '´ / ..{;;; i .. , '彡-‐'T7、 `'ー、 / / `7´ ,ィf '´ / /乂_ ノ ' /... / i ∨ ./ / 〃 //フ ;/ / / /、 .. ,′ ,ノ ∨ , ' / 〃 // / >''´ ,.イ´./ , ' / .` 、 ._ , イ/ヽ. \ / / {! レ' / / ,.イ ./; ' / `T,才´ ..ヽ \/ / / ,イ レ'´ , < iヽ ` / // / / . i ヽ / // | / i ` 、/ ,..-一'T゙´/ j _,,.. -‐''"V .i .i ソ´ / ,.-‐''" ,! ′ ,! 」 ,-‐7゙ {__/ , ' / i ヾtつフ , ' ,.' ,イ ..i ,.' , ' イ // ノソ ./ , ' イ / ノ . ./ ´ ../ / , < __>'´ フ . / / ./ , <  ̄ <_/ 智紀「結構頑張ったのに」ショボーン 純「あるある」 京太郎「あー、気持ちいいなぁ」プカプカ 透華「そうですわねー」ポヘー 京太郎「っと、結構泳ぎましたし。少し休憩しましょうか」ザブッ 透華「ええ」ザプン 京太郎「じゃあ……どこか売店で飲み物でも」 コソコソ 一「(さて、そろそろかな?)」 京太郎「何飲みます?」 透華「そうですわね」ウーン ザッ ?「ひゅーひゅー、お熱いねぇお二人さん!!」 ??「イチャつくなら、混ぜてくれますか?」 京太郎「え!?」 透華「!?」 一「(キター! こういうのに欠かせないチンピライベント!!)」 智紀「(これの監修は私。だから、クオリティは高い)」ニヤリ 水着ギャルH「自分、完璧な水着ギャルだぞ!!」 水着ギャルT「まこと、よい顔立ちのお方。どうです? 私と一夏のあばんちゅーるを」 京太郎「え? 俺っすか?(うわぁ、めちゃくちゃ美人じゃん!)」 透華「」 一「(ええええええええええええっ!? なんで須賀ぁぁぁあ!?)」 智紀「女の方が絡まれるなんてありきたり過ぎ」 【龍門渕透華の華麗なるプラン10 ヒロインはあくまで京太郎】 水着ギャルH「ねーねー、にぃにって呼んでいいー?」 水着ギャルT「らぁめんを食べに参りましょう」 京太郎「え、ちょっ、えぇ!?」 透華「……」プルプル 18×4「あの二人何をやってるのかしら?」 水着ギャルM「お仕事なの」 京太郎「あー、気持ちいいなぁ」プカプカ 透華「そうですわねー」ポヘー 京太郎「っと、結構泳ぎましたし。少し休憩しましょうか」ザブッ 透華「ええ」ザプン 京太郎「じゃあ……どこか売店で飲み物でも」 コソコソ 一「(さて、そろそろかな?)」 京太郎「何飲みます?」 透華「そうですわね」ウーン ザッ ?「ひゅーひゅー、お熱いねぇお二人さん!!」 ??「イチャつくなら、混ぜてくれますか?」 京太郎「え!?」 透華「!?」 一「(キター! こういうのに欠かせないチンピライベント!!)」 智紀「(これの監修は私。だから、クオリティは高い)」ニヤリ 水着ギャルH「自分、完璧な水着ギャルだぞ!!」 水着ギャルT「まこと、よい顔立ちのお方。どうです? 私と一夏のあばんちゅーるを」 京太郎「え? 俺っすか?(うわぁ、めちゃくちゃ美人じゃん!)」 透華「」 一「(ええええええええええええっ!? なんで須賀ぁぁぁあ!?)」 智紀「女の方が絡まれるなんてありきたり過ぎ」 【龍門渕透華の華麗なるプラン10 ヒロインはあくまで京太郎】 水着ギャルH「ねーねー、にぃにって呼んでいいー?」 水着ギャルT「らぁめんを食べに参りましょう」 京太郎「え、ちょっ、えぇ!?」 透華「……」プルプル 18×4「あの二人72をやってるのかしら?」 水着ギャルM「お仕事なの」 水着ギャルH「そんなパッド女は置いてさー! って、自分はパッドじゃないぞ!」ウガー 水着ギャルT「月に参りましょう! さぁ!」 グイグイ 透華「あ、アナタたち……」ブルブル 京太郎「ま、待ってください!!」 水着ギャルH「ほら、いいじゃん! 行こう!」 京太郎「で、でも」 通りすがりの海賊王「うるせぇ! 行こう!!!」 ド ン ッ 京太郎「あ、行かなきゃ……」フラフラ 一「(ああああ!! 洗脳されちゃったぁぁ!?)」 智紀「ありったけの~♪」 水着ギャルT「なぜ海賊王が……」 水着ギャルH「多分、自分が主題歌をカバーしたからだぞ」 京太郎「俺は海賊に、万能薬に……」 水着ギャルH「未来だけ信じてる~♪」 水着ギャルT「このまま撤退です!」ギュッ 京太郎「あ、柔らかい」 透華「」 プッツン 透華「い、い、いい加減にしなさいっ!!!!!!!」クワッ 水着ギャルs「「!!」」ビクッ 透華「こ、この人は私のモノですのよ!!! 譲りませんわ!」ガシッ 京太郎「と、透華さん……」ドキン 透華「そりゃあ、私はパッドですわよ!! でもパッドの72が悪いんですの!?」スポッ 水着ギャルH「」 透華「好きな男の人の前で、自分をよく見せようとして!! 何がいけないんですの!?」ブンッ 水着ギャルT「」ベチャッ 一「(パッドを抜いて投げつけたァァァ!?)」ガビーン 透華「こ、この人は私が、わたくしが……う、うぅっ……うわぁぁぁんっ!」ビエーン 水着ギャルH「(あ、これやばい)」サァー 透華「と、取らないで……ひっく、だって、私、初めて……」ゴシゴシ 京太郎「……ごめんなさい、透華さん」ポン 透華「うぇっ?」 京太郎「俺が、ハッキリしないばかりに……すみません」 透華「う、うぅ……」ツンツンツン 智紀「(怒るに怒れなくてお腹を突く透華が可愛い)」ホクホク 純「写真に撮ろうぜ」パシャッ 京太郎「悪いけど、俺はこの人と遊ぶよ。大事な人なんだ」キリッ 水着ギャルH「う、うん。ごめんなー」 水着ギャルT「申し訳ありません。水を差したようですね」 ソソクサー 透華「うぅ……」ツンツンツン 京太郎「……透華さん」 透華「あっ、名前で……?」ドキッ 京太郎「嫌、でしたか?」 透華「……もう」ダキッ 京太郎「!」 透華「嫌なわけ――ありませんわ」グッ 京太郎「……はい」 ビーチ脇にありそうな、なんか星を見るのに適してそうなベンチ 京太郎「……」 ジャリッ 京太郎「あ、透華さん。着替えてきたんですね」 透華「ええ。胸のところが、その」モジモジ 京太郎「あはは、スカスカになっちゃいました?」 透華「……」ポカッ 京太郎「す、すみません」 透華「隣、座っても?」 京太郎「はい。どうぞ」 透華「……もうじき、日が沈みますわね」 京太郎「ええ。水平線に夕陽が煌めいて、綺麗ですよ」 透華「綺麗……」 京太郎「……」 潮風に揺れる髪を流しながら、夕陽を見つめる透華さん その顔は、俺なんかじゃ手の届かない程の――美しさを持っていて 俺は身の程知らずにも、その柔らかな芸術品に 京太郎「透華さん」スッ 透華「ひゃっ」 そっと触れた 透華「……んっ、くすぐったいですわ」 京太郎「すみません。つい、手が」 透華「手は離さないでくださいな。そのまま――」 俺の手が透華さんの頬を撫でる 頬から首筋――うなじに伸びた手はやがて肩まで伸び 俺は自然と、透華さんを抱き寄せていた 透華「……陽が、沈みきってしまいましたわ」 京太郎「……真っ暗ですね」 灯りの無い暗闇の世界 互いの吐く吐息と、肩ごしに伝わる心臓の鼓動だけが――俺達を包む 透華「いいえ、真っ暗じゃありませんわ」 京太郎「え?」 透華「ほら、空を見れば星がありますもの」 京太郎「……あぁ、本当ですね」 夜空に輝く無数の星達 俺は星座なんか詳しくないが、この時ばかりは知識の無い自分を呪っちまう 京太郎「カッコイイセリフの一つも言えなくて、すみません」 透華「……いいえ。言葉なんて、必要ありませんわ」ギュッ 透華さんが俺に甘えるように、頬を擦り合わせてくる 猫みたいだと、つい思っちまった 京太郎「透華さんって……すげーいい匂いがします」 透華「あら? アナタだっていい匂いですわ」クスクス 京太郎「匂いのこと言われるのって恥ずかしいんですね」モジモジ 透華「女性の気持ちが分かりまして?」フフフ 京太郎「……あの、透華さん」 透華「はい」 京太郎「今日は……ありがとうございました」 透華「?」 京太郎「俺、これまで色んなことがあって――辛くて、でも、俺が弱音を吐いちゃいけないから」 透華「……」 京太郎「だから、透華さんが俺に怒ってくれたことが凄く嬉しくて。嫌いだって、言ってくれたことも」ギュッ 透華「そう、ですの」 京太郎「俺の、勘違いだったら――すみません。でも、言わないといけない」 透華「いや」 京太郎「もし、透華さんが……奇跡的な低確率なことだけど」 透華「やめて」 京太郎「俺のことを、好きになってくれていたとしても」 透華「聞きたく、ない」 京太郎「俺は――その気持ちには、答えられません」ポロッポロポロッ 透華「いやぁぁぁっ! どうして!? 私は、こんなにも、こんなにもアナタを!」ギュッ 京太郎「俺には、守るモノがあるから」 透華「そんなもの! 私と二人で!」 京太郎「ごめんなさい。これは、俺とあいつらの問題なんです」 透華「っ」ズキッ 京太郎「だから、龍門渕さんの気持ちは嬉しいけど――今の俺は」 透華「……ます、わ」ブルブル 京太郎「え?」 _, -‐ ´ iY´ ̄/i `ー-、____ i´ ∧i //| `i--、ヽ |. ト、 | |//|. iヽ ヽi | ||`ヽY'"´! i i ゙ i . |.| / ゙、、 ゙、 | / ―┼-┤ ー-|A--、 ヾ / __!_ ゙、 _リ__ヽ_ \ / `メ2 iヾ \ "´2 i ー' 丶 / / / ; ) /i ヽ | // i /゙、 /イ !ソ |.|. ト、 i | 、 -―- ,.ィ´!ノ 人 ヾ ノ \ \ /r」ー- イ、,.! / /i `ー-‐'ヾ 、___/ __/_). i-'´ \ / Y /__ `) >--‐ / 、 / ,.イ ,ヘ^ノi | / /ヽ(. ( /i | / / ゙、 / ,艾 ゙、. 、 ( // | 丶、__,ノ ゙、Y i|| ,.ヘ V / | i.|. V \ \ / 、 `ヽ 透華「私は、いつになっても――アナタのことを、ずっと」プルプル 京太郎「……それが、何十年先でも?」 透華「何十年だって、何百年だろうと……待ちます、わ」グスッ 京太郎「それに、仮に俺がみんなを戻せても……透華さんを選ぶとは」 透華「あら? わ、私を誰だと思って、ますの?」スック 京太郎「え?」 透華「泣く子も黙る龍門渕透華! アナタ如き、私に夢中にさせるのは簡単でしてよ!」ニッ 京太郎「……透華さん」 透華「おーっほっほっほ! 覚悟するんですのね! 私のアタックはしつこいですわよ!」 京太郎「……」グスッ 透華「だから、だから――その頑張る為の力を」スッ 京太郎「えっ――」グイッ 透華「私に、ください」 俺の頬に添えられた両手 目の前には涙目の透華さんの顔が迫っていて―― そして、気がついた時には 透華「んっ」 柔らかな感触が……俺の頭の中を駆け巡っていた 京太郎「透華、さん……」 透華「これで百年は余裕ですわ!」クスッ 京太郎「……」 透華「そんな顔はダメでしてよ。これは私が勝手に選んだ道ですもの」 京太郎「すみません」 透華「ほら、いいムードが台無しですわ。もうすぐフィナーレだというのに」 京太郎「フィナーレ?」 透華さんが空を指差す そこには綺麗な星空だけが広がっている と、その時だった 一「行ったれやぁぁ!」 純「ドカンと一発!!」 智紀「やってみよう!」 ヒュゥーン ドンッ * ~ ~ * * ※ ※ ※ * * ※ ☆ ★ ☆ ※ * * ※ ★ ※ ※ ※ ★ ※ * * ※ ☆ ※ ※ ※ ※ ☆ ※ * * ※ ★ ※ ※ ★ ☆ ★ ※ ※ ★ ※ * * ※ ☆ ※ ※☆ ☆※ ※ ☆ ※ * * ※ ★ ※ ※★ ★※ ※ ★ ※ * * ※ ☆ ※ ※☆ ☆※ ※ ☆ ※ * - * - * ※ ★ ※ ※★ ☆ ★※ ※ ★ ※ * - * - * ~ ★☆★ ~ * ※ ☆ ※ ※ ※ ※ ☆ ※ * ~ ★ ☆ ★ ~ * * ☆ ※ ※ ※ ☆ * ※ ★ ※ ※ ※ ★ ※ * ☆ ※ ※ ※ ☆ * * ★ ※ ※★ * ※ ☆ ★ ☆ ※ * ★ ※ ※★ * * ☆ ※ ※ ☆* * ※ ※ ※ * * ☆ ※ ※ ☆ * * ★ ※ ※★ * * ,,,, ,,,, * * ★ ※ ※★ * * ☆ ※ ※ ※ ☆ * * ☆ ※ ※ ※ ☆ * ;;;;;;;;;;;;;* ,,,, ★☆★,,,, *;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;* ,,,, ★☆★,,,, *;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 二二 - * - 二二 二二 - * - 二二 三二二二二二三 三二二二二二三 =二二二= =二二二= =二二 二二= ─≡二 二≡─ ─==─ ─==─ ─===─ 京太郎「花火……」 透華「ふふっ、祝勝の花火にならなかったのは、残念ですわ」 京太郎「透華さん……」 透華「さぁ、主役が沈んだままではダメでしてよ!」グイッ 京太郎「はい!」 純「おーい! こっちこっちー!」 一「アイドル達がライブやってくれるってさー!」 智紀「このために来た」パシャパシャ 京太郎「あははっ!」 京太郎「(俺達は、花火に似ている)」 昇り、輝いて――そして必ず最後には散り散りになって離れてゆく 透華「ステージに上がりますわよ!」 なら、せめて――その時が来ても 一「よっ! 待ってました!」 俺は――ううん、俺達は花火のように消えることなく 透華「今日の主役は!」ニッ 京太郎「俺達だ!!」ニッ 輝いていよう、いつまでも l´ ,' \ヽ∨//_ ヘ l . ', l !| ̄  ̄/' ´ ',ト ',. ,' Ⅵ /' l!∨ ', / ,'_!|__.{( _≦千‐<へヽ. //レ//「 ',l -- ´ \ ‐‐ / ',iヽヘ`ト、 //ノヘ // -ヽ_‐ | , ====ミ !| `\ // i! ! '´ ̄ ̄` / ` jレi . ', \. /// |ヘ.', ' /!´ ! ∧ `', // { | ト ー-....‐ 丶l ,' } ノ i!. l ! ヽ \.ヘ ', ,' -'/ /ヘ. j! ヾ / \ ヽ人 ヽ ; -'-‐っ /「/ ∧. ∨ \ ∨!> . /, ィ≦ イ / ∧ ヘ / / ヽ ∨ _レ ´ ヽ _.,ィl }┤ | / ∨ \. / / !_ |/ \ ヽ'‐ヘ」つ、 ! { \ \ / --‐‐ フ ヽ /´__ l ├──-ヽ _ \. / / \ イ ト r‐‐ {/ / ヽ \ | `.i \ ト、. / ! イ⌒ヽ ∧ヽ __ 、イト 、 / \ ヽ l \ \ / /` 彡' ∨ ∧ク ̄ // .!', `ヾ /、 Y i ! |、 \ \. / /イ ∨ イ. /イ | ヘ `i } ノj/ i ,' ,┐、 ヽ ___./_/´ ∨ / ヾ//i !. !|ヽ\ /,' / i / ' | \ ∧ 、ヽ 京太郎「(ありがとうございます、透華さん――)」 あの眩しい、笑顔を守る為に 【第八章 ラブイズマネー! 恋するお嬢様】 カンッ
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男子がいるってことは連絡済み ―麻雀部部室― 梢「本日は皆さん、全裸お茶会にお集まりいただいてありがとうございます」 部室には人がたくさん。 美幸「うわ~、人がいっぱいだよもー」 劔谷。 洋榎「全裸お茶会て……こらまた、どういう風の吹き回しや?」 姫松。 竜華「でもええやん、楽しそうやし」 千里山。 灼「ハルちゃんも来ればよかったのに、裸見たかったな……」 阿知賀。 やえ「ニワカの裸は相手にならんよ」 晩成。 憩「まさかウチも呼んでもらえるとは思わんかったわぁ」 三箇牧。 京太郎「……」 そして俺。女子22人に対して男子は俺1人。 良く言えばハーレム。悪く言えば1人ぼっち。 絹恵「この人が須賀っちゅ~人でしょうか?」 澄子「ええ、そうですよ」 友香「ウチの唯一の男子部員でー!」 穏乃「へー、そうなんだ」 京太郎「ど、どうも」 一瞬、場を沈黙が包む。 やっぱり、男は要らないんでしょうか。 怜(なんや、ごっつイケメンやないか……) 玄(ふ~む、なるほどなるほど) 由子(可愛い顔してるのよー) やえ(お見せしよう!王者の裸体を!) 憩(う、ウチも負けへんで!) 莉子(わ、私だって……) うわ、みんなジロジロ見てくるなぁ。 京太郎「あの、やっぱり俺出て行った方が……」 やはり男1人は雰囲気を乱すだろう。 恭子「いや、何を言うとんねん」 漫「女ばっかりですけど、気にする必要ないですよ」 憧「そうよ、楽しまなくちゃ!」 宥「仲間外れは……寂しいよ?」 セーラ「俺も男みたいなもんやし、気にすんな!」 泉「あ、一応言っとくと先輩は女やで!」 浩子「まあ男にしか見えませんけどね」 一同「HAHAHA」 ……ありがたい。 俺はここにいてもいいんだ。 梢「さあ、そろそろよろしいでしょうか」 美幸「全裸お茶会の始まりだよ!」 【胸を視る者】 怜「はぁはぁ……玄ちゃん」 玄「ト、トキさん……な、なんですか?」 怜「おっぱい揉ませて~な…お願いやで」 玄「え!?む、胸ですか?」 怜「嫌なんやったら膝枕でもええからさ……」 怜「竜華のには飽きたんや……」 玄「うぅ、椿野さん……助けて」グスッ 美幸「園城寺怜!私のおもちを揉むんだよもー!」 怜「……いや、あんたのはええわ」ゲス 美幸「なんで!?私のおもち、揉みたくないの?」 怜「だってなぁ……将来性を感じへんしな」 美幸「?」 怜「おっぱいを揉んで揉んで揉んで揉んで……大きくさせていくのが楽しいんやんか」 怜「実際、竜華が巨乳なんはウチの毎日の揉みしだきの成果やし」 美幸「??」 怜「要するに、あんたのおもちは将来性ゼロっちゅーことやで」 美幸「え……え!?」 怜「もう大きくなることもないやろな」 怜「萎びていくばっかりやと思うで」 美幸「」 怜「ご愁傷様、ほな……」 怜「ぐへへ……玄ちゃ~ん」 美幸「……」 美幸(豊胸手術の時間だね!) 【看護婦登場】 宥「………ぁ……ぁ……さ、寒い……」ピクピク 京太郎「!?」 京太郎「ちょ、どうしたんですか!」 京太郎「って体冷た!」 憧「宥姉……やっぱりね」 京太郎(やっぱり?) 京太郎「と、とにかく痙攣してるし……大変だ……」オドオド 憧「ああ、放っておいていいよ……いつもの事だし」 京太郎(いつもの事!?とんでもない病気か何か?) 京太郎「だ、誰か医者はいないのか!」 憩「ここにおるで!看護婦が!」 憧「憩さん?」 京太郎「荒川さん、看護婦なんですか!?」 憩「いや、ホンマの看護婦じゃないで?」 憩「ただ看護婦のコスプレが趣味なだけで///」 京太郎(え、何それは) 憩「コホン……とにかくウチが来たからには安心やで!」 憩「ちゃっちゃと、この人助けたるからね~」 憧(憩さんってこんなキャラだったっけ) 憩(わくわくするで……1回やってみたかったんや~、こーゆー事) 憩「じゃあ行くで!」 憩「メス!」 京太郎憧(?) 憧(……アンタでしょ) 京太郎(俺!?) 京太郎「あの……俺に対して言ってるんですか?」 憩「そうやで、君は助手や」 憩「主治医が『メス』言うたらメス出さんと!」 憧(看護婦はオペしないでしょ) 京太郎(そうだよなぁ) 憧(!?……こいつ、直接脳内に) 京太郎「って、メスなんて使って何するんですか!?」 憩「?……切開しよかなーと」 憧「アホかっ!」 【王者の茶道】 梢「どうぞ」 由子「ありがとうなのよー」 ズズズ 由子「……美味しいのよー」 由子「すごく美味しいのよー、このお茶」 梢「ありがとうございます、真瀬さん」 由子「由子でいいのよー、同い年だし」 梢「ふふ、そうですね」 梢「では私の事も梢と呼んでくださいね」 由子「分かったのよー」 穏乃「……」 澄子「高鴨さん、お茶を点てるときはもっと力を抜かないと」 穏乃「す、すいませんっ」 穏乃「茶道って難しいなー」 梢「あっちも何とかやっているようですね」 由子「微笑ましいのよー」 やえ「失礼、私もやっていいだろうか?」 梢「あ、どうぞ」 やえ「では……」 やえ「お見せしよう!王者の茶道を!」 ダッダッダッ 梢由子(!?) 梢「ちょ、小走さん?」 由子「力が入りすぎなのよー」 やえ「もっと、もっとだ!」 由子「熱いお茶が飛び散るのよー」 穏乃「よし、大分コツがわかってきたぞ」 穏乃「依藤さーん……って熱っ!あちー!」 澄子「?、高鴨さん……どうしましたか?」 澄子「何をそんなに悶えて……熱いっ」 由子「みんな全裸だから、ダメージがデカいのよー」 梢「そうですね……ひゃっ、熱い……」 由子「こっちにもお茶が飛んできてるのよー、熱いのよー」 やえ「……」 やえ「はっ……私は何を」 梢(もうやだ……) カン!
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京太郎が恒子さんに呼ばれたという設定 京太郎「あの、恒子さん」 恒子「ん?」 京太郎「どうして俺はここに居るんですか?」in恒子の控え室 健夜「そ、そうだよ恒子ちゃん」 健夜「って誰この子!?」 京太郎「あっ、すいません。自己紹介がまだでしたね」 京太郎「清澄高校1年の須賀京太郎です」 健夜「えっと、私は小鍛冶健夜です」 京太郎「小鍛冶健夜ってプロ雀士の小鍛冶健夜ですか!?」 健夜「えっと、うん」 京太郎「小鍛冶プロに会うなんて、付いて来て良かったー」 健夜「えっと京太郎君は選手じゃないの?」 京太郎「はい、予選落ちしたので女子の付き添いみたいなものですね」 健夜「そ、そうなんだ」 健夜「も、もし良かったら」 健夜「わ、私が教えてあげてもいいかなーなんて」チラッチラッ 京太郎「本当ですか!!」 健夜「う、うん」 健夜「じゃ、じゃあ恒子「はいはい、京太郎君もすこやんもそこまで」でいいかな」 恒子「すこやんもアラフォーだからってがっつかないの」 健夜「アラサーだよ!!」 恒子「それに京太郎君は私のだから」 京太郎健夜「えっ!?」 健夜「何で京太郎君も驚いてるの!?」 京太郎「ちょ、ちょっと恒子さんどういう事ですか!?」 恒子「えー、そのままの意味だよー」 恒子「それにここに来る時も案内されたでしょ?」 恒子「それは全て私が金髪のイケメンが来たら私の所に来るように伝えたからなのさ!!」ドヤッ 恒子「そ れ に」 恒子「あの夜あんなに激しくしたのにもう忘れちゃったの?」 恒子「私初めてだったのに」 恒子「あんな事されたら、責任とって貰わなきゃ」 京太郎「こっちも恒子さんが出したので汚れたんですから、(服を汚した)責任とってくださいよ」 健夜「は、激しく、こ、壊れちゃう、出したの、汚れた」カアアアアア 恒子「アッハハハ、すこやん顔マッカ、アハハハ」 京太郎「誰か俺の話を聞いてくれー」 カンッ!
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出会い 桃子「はぁ・・・・」 東横桃子は子供の頃から影が薄く人の気付かれる事が多くなかった。 勿論、両親もたまに桃子の姿を見失ってしまう事も少なくなく、桃子を完全に認識できる誰もいなかった。 ただ、一人の少年に出会うまでは…。 少年「お~い」 ふと、遠くでこちらに向かって声をかける少年がいた。 桃子は『どうせ私の後ろにいる友達に声をかけてるっす』と自虐的に心の中でそう思ってると 少年「お前に声かけてるんだけど・・・?」 桃子は声のする方を見ると目の前には金髪の少年がすぐ近くにいた。 影が薄く人に気付かれにくい桃子は何度も人とぶつかるような距離になることは多く、その全てにおいてぶつからない様に避けていた彼女にとって『気付かれている相手』と『ぶつかりそうな距離』になるなんて初めての体験だった。 桃子「あ・・・あの・・・私のこと見えるっすか?」 桃子は恐る恐る金髪の少年に聞いてみた。 少年「何を言ってるかわかんないけど・・・・・一人なら一緒に遊ぼうぜ」 少年はそう言いながら桃子に手を伸ばした。 人に無視され続けた少女にはその手は少年の髪の毛と相まってとても眩しく見えた。 少年「俺、須賀京太郎。お前は?」 桃子「・・・わ、私は東横桃子っす!」 それが桃子と彼との出会いであった。 小学生の頃 桃子「京太郎くん。話があるっす」 京太郎「んー?」 桃子「今私たちのクラスでは仲のいい友達とあだ名で呼び合うってのが流行ってるらしいっす」 京太郎「あーそういやそんなこと俺のクラスでもあったようななかったような・・・」 京太郎「でもまぁ気にすることないんじゃねー?」 京太郎「桃子は桃子だろ?」 桃子「そりゃそうっすけど・・・」ウワメヅカイ 桃子「私、もっと京太郎くんと仲良しになりたいっす」 京太郎「よ、呼びたかったら勝手に呼べばいいだろ・・・」マッカ 桃子「やったっす! じゃあじゃあ」ピョンピョン 桃子「京太郎くんのことを今日から京さんって呼ぶっす!」 桃子「これでまた仲良しの階段を上ったっすよ!」 桃子「あ、私ばっか喜んでる場合じゃないっすよね」エヘ 京太郎「あんなにはしゃいでたのにクラスの誰一人も気付かないって・・・」 桃子「昔はこの体質が嫌だったっすけど、今は京さんがいるからへっちゃらっす」ニヤニヤ 京太郎「何度も友達作れって言ったのに今だに俺だけとか・・・」メソラシ 桃子「そんなことどうでもいいことっすよ!」 桃子「今は京さんが私にあだ名をつけることが重要っす!」エッヘン 京太郎「んーそうだなぁ・・桃子だから・・・」 桃子「・・・・・」ワクワク 京太郎「じゃあ今日から桃子のことモモって呼ぶことにする」 桃子「おーなんかあだ名で呼ばれるとムズムズするっすね」 京太郎「モモも俺のこと京さん・・・だっけ? そう呼ぶみたいだしさ」 桃子「これで私たちもあだ名で呼び合う仲っすね!」テヲサシダシ 京太郎「そうだな。これからも仲良くしようぜ」テヲニギリ 桃子「もちろんっす。ずっと仲良しっすよ」ギュウ 桃子(どうか末永くこの時間が続きますように・・・♪) 小学中学年 京太郎「そういや来週から林間学校なんだけどさ」 桃子「勿論、京さんと班が一緒っすよ」 京太郎「先生が気を利かせて一緒の班にしたんだろ」 桃子「えへへーちょっと嬉しい気遣いっすね」テレテレ 京太郎「準備した?」 桃子「もちろんっす」エッヘン 桃子「トランプにUNOにジェンガに花札にオセロに」 京太郎「ちょっと待て」 桃子「え、まだたくさんあるっすよ?」 京太郎「それ全部やるつもり?」 桃子「もちろんっす!」 京太郎「トランプだけにしようぜ」 桃子「えーもっと京さんと色々遊びたいっすよー」 京太郎「いいから」 桃子「京さんが言うなら・・・」シブシブ 当日 バス内 京太郎「すぅ・・・すぅ・・・」 桃子「んぅ・・・きょーさん・・・」 先生「あらあら、移動で疲れて寄り添って寝てるのね」 桃子「・・・えへへ」 小学校中学年 フォークダンス 京太郎「おい」 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「なんで俺がフォークダンス踊れないんだよっ?!」 京太郎「なんでモモと一緒に皆でフォークダンス踊ってるの見てないといけないんだよ?!」 桃子「練習でもそうだったっすけど、フォークダンス踊っても誰も私の手を握れないからっすね」キッパリ ※先生が気を利かせて二人を見学にさせたようです。 京太郎「でもさ、そんなことねーよ」テヲニギリ 京太郎「ほらな」 京太郎「モモの手、握れるじゃん」 桃子「京さん・・・//」ポッ 京太郎「ここで皆のフォークダンスを見てるのなんか悔しいからさ」 桃子「そうっすね・・・。そうっすね!」 京太郎「俺たちも踊ろうぜ」 桃子「私の踊りに付いてこれるっすか?」 京太郎「あったりまえだ。ずっとモモと練習してきたんだからな」 先生「あの二人、なんだか楽しそうでよかったわ」 小学高学年 修学旅行 桃子「今日は待ちに待った修学旅行っすね!」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「まさか同じ班になれるとは思ってなかったっす」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「京さん、私の話聞いてるっすか?」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「同じ班の人が「須賀くんしか東横ちゃんとお似合い人いないと思うから」って言ってくれて」テレテレ 桃子「これで二人きりっすね」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子(むむむー) 桃子「えいっ」ギュ 京太郎「くぁwせdrftgyふじこ」ビクッ 桃子「えへへー今日は思う存分楽しむっすよー」 京太郎「わかったわかったから抱きつくなって///」 桃子「はーい」ニコニコ 京太郎「ったく・・・向こうの水族館にみんな行くみたいだからそっち行くぞ?」 桃子「了解っす」 京太郎「ほれ」テヲダシ 桃子「はいっす」テヲニギリ 京太郎「迷子にならねーよーに離すんじゃねーぞ」 桃子「死んでも離さないっす!」 京太郎「縁起でもないこと言うんじゃねーよ」 桃子(京さんはいつも私の手を引いてくれるっす) 桃子(だから絶対何があってもこの手だけは離さないっすよ) 京太郎「ほら、皆待ってるぞ」スタスタ 桃子「京さん、ちょっと速いっすー」トテトテ 中学1年(春) 京太郎「・・・モモ」 桃子「グスッ・・・なんっすか京さん」 京太郎「そんなに泣くなって」 桃子「だって今日で京さんが・・・遠くに行っちゃうっす」グスグス 桃子「だからもう遊べなくなるって思ったらすっごく悲しくなって」 桃子「それにっそれにっ」 京太郎「携帯番号もメールアドレスも知ってるんだから心配すんなって」 桃子「毎日してくれるっすか?」 京太郎「おう、毎日してやる」 桃子「ん・・・うん・・・それなら我慢するっす」 京太郎「また会えるし長い休みになったら会いにくるから」 桃子「絶対・・・絶対っすよ?」 京太郎「おう! 男に二言はないぜ」ナデナデ 桃子「あぅ・・・わかったっす」 桃子「京さんに逢えるの楽しみに待ってるっす」 京太郎「いっぱい遊ぼうな」ナデナデ 桃子「はいっ!」 須賀母「ちなみに引っ越し先は県内だからすぐに遊びに来れるわよー」 京・桃「 」 ※ちなみに咲ちゃんに京太郎が出会うまで毎週のごとく二人で遊んでいたようですがまたそれは別のお話です ステルス少女とチョコレート 桃子「京さん。バレンタインチョコあげるっすよ」ワタシ 京太郎「おっマジか。サンキューモモ」ウケトリ 桃子「京さんは今日何個貰ったっすか?」 京太郎「・・・・・・・言わせんな恥ずかしい」 桃子「あははは、京さんカッコいいからもっと貰ってるかと思ったっすよ」 京太郎「幼馴染みのモモくらいだよ・・・・やっぱりこの髪の毛のせいなのかな・・・」 桃子「絶対ダメっすよ! 黒とかに染めたりしたら」ゴッ 京太郎「お、おう・・・モモがそこまで言うなら・・・変えないけどさ」ゾクゾク 桃子(京さんの髪色はいつも眩しくて綺麗っすからね) 京太郎「ん? 俺の髪の毛になんかついてる?」 桃子「なんにもついてないっすよ」 京太郎「そっか。ありがとなチョコ」ナデナデ 桃子「な、何するっすか?!//」マッカ 京太郎「チョコのお礼」ナデリナデリ 桃子「そんなことされたら髪の毛くしゃくしゃになっちゃうっすー///」 桃子(私のほうこそ京さんに沢山のもの貰ってるっすよ♪) 桃子(だからこれからもどんどんお返しするから覚悟するっすよ、京さん♪) スキンシップは突然に 桃子「きょーさん♪」ダキッ 京太郎「うわっ何するんだよ!」 京太郎(モモのおもちが背中にっ!) 桃子「お久しぶりっす」 京太郎「昨日ぶりじゃねーか//」アタフタ 桃子「10時間以上会えなかったっすよ?」 京太郎「分かったからそれより早く離れてくれ///」 京太郎(じゃないと俺の理性が) 桃子「いやっすね」ムギュゥ 京太郎(ふぉぉぉぉぉおもち最高ぅぅぅぅぅ!!!) 桃子(耳まで真っ赤になってるっす・・・あと一押しっす) 京太郎(鎮まれ俺のリー棒、ここでリーチ立てたら変質者扱いされるぅぅぅぅ) 京太郎「うぉぉぉぉぉぉ!!!」ブンブン 桃子「きゃっ」ハンシ 桃子「何するっすか!?」 京太郎「そりゃお前のほうだろうがっ」 桃子「だって寂しかったっすもん」ションボリ 京太郎「あー・・・俺も寂しかった・・・・・ぞ?」 桃子「えへへー」ニカー 桃子「以心伝心っすね!」 京太郎「そりゃ小学校からの付き合いだし」 桃子「これからもずっと一緒にいるっすよ」 京太郎「いやいや高校違うんだからずっとは無理だろ」 桃子「そりゃそうっすけど・・京さんと一秒でも長く傍に居たいっす」 京太郎「仕方ねぇな、モモが一人立ち出来るまで傍にいてやるよ」 桃子「嬉しいっす!」 桃子(私が一人立ち出来るようになったら、その時の隣は京さんだけっすよ♪) ステルス少女はお料理上手? 京太郎「おはようさんっ」 桃子「おはようっす、京さん! 逢いたかったっす」 京太郎「昨日夕飯作りに行ったろうが」 桃子「また作りに来てくれるっすか?」 京太郎「また今度な」 桃子「約束っすよ? 破っちゃイヤっすよ?」ウキウキ 京太郎「ほら早く行くぞ?」スタスタ 桃子「待ってくださいっす~」 京太郎「あー」フリカエリ 桃子「どうかしたっっすか?」コクビカシゲ 京太郎「別にモモが俺の家来て晩飯作ってくれてもいいんだぜ?」 桃子「・・・・・」ポカーン 京太郎「あーモモの料理上手いからたまには・・・な」ポリポリ 桃子「・・・・・・・」ウツムキ 桃子「・・・・・・・・・・」プルプル 京太郎「どうしたんだモモ?」 桃子「いよっしゃああああああああああっす!!!」ガッツポーズ 京太郎「・・・・・・っ」キーン 桃子(母から教えてもらった『男は胃袋から落とせ作戦』が実りつつあるっすね!) 桃子(このまま結婚までステレスモモの独壇場っすよ!) ラブレターとステルス少女 小学校編 京太郎「・・・・ん?」ポカン 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「いや、なんでもないわ」イソイソ 桃子「ならいいっすけど・・・」 桃子(なんだか怪しいっすね) 京太郎(初めてラブレター貰っちまった・・・!)ガッツポーズ 桃子(なんか嫌な予感がするっす) 京太郎「モモ、早く教室行こうぜ」テクテク 桃子「待ってくださいっすー京さんー」コバシリ 桃子(隠し事したって無駄っすよ!) 桃子(京さんの隠し事なんで全て暴いてやるっす) 京太郎「はぁ・・・結局断っちまった」 桃子「えへへ、嬉しいっすね」ニコニコ 京太郎「だって・・・モモ友達いないし」 京太郎「というか、そもそもモモが友達を作らないからでモモに友達の一人や二人がいたら俺だって告白だって受けてたっつーの」 桃子「京さんにこんなに考えてもらえるなんて私は世界一幸せっすね!」ニコニコ 京太郎(俺がラブレター貰ったって知ったら死にそうな顔してたくせによく言うぜ・・・) 京太郎「このことが知れ渡ったら他に告白してくれる子なんていないだろうしなぁ」 桃子「むー私がいるじゃないっすか!」 京太郎「モモは人から認識されないから一人で空気に話しかけてるみたいになるから」トオイメ 桃子「・・・・・・もうバレンタインも誕生日もクリスマスも初詣も一緒に過ごしてあげないっす」プイッ 京太郎「私めが悪うございました」ドゲザ 京太郎「この私と一緒に過ごしていただけないでしょうか?」フカブカ 桃子「もう~京さんは仕方ないっすね~」 桃子「私は優しいのでそんな京さんを見捨てないで一緒に過ごしてあげるっす」ニコニコ 京太郎「ははーありがたき幸せー」 桃子「くるしゅうないくるしゅうないっすよ」 桃子(こんな日が続くならずっと友達はいなくていいっす) 桃子(京さんが一緒にいてくれるならっす♪) ステルス少女と嶺上少女 桃子「むむむ」グルル 咲「ううう」アウアウ 桃子「京さん! これはどういうことっすか!?」 京太郎「えっと・・・これには深い訳があって・・・」ヒヤアセ 桃子「どうせ京さんのことだからこの子が教室で一人ぼっちになってるのを見てついつい話かけて仲良くなっちゃったんっすよね」 咲(この子もあだ名で呼んでる。なんか嫉妬しちゃうなぁ) 京太郎「・・・さすがモモだな、その通りご名答っす」アハハ 京太郎「とりあえずお互いのこと分からないしさ、自己紹介しよう。な?」 咲「えっと・・・あの、私は宮永咲って言います」 桃子「どうもっす。私は東横桃子っす」ジー 咲「京ちゃんとは同じ中学校で同じクラスです」 桃子(京ちゃん? むむーあだ名で呼ぶなんてライバル出現っすね) 咲「えっと、読書が趣味であんまり人と話すのが苦手だったんだけどね」 咲「ある日、そんな私に京ちゃんが話しかけてくれてそれをきっかけに仲良くなって今に至るというわけです」ニッコリ 桃子「私は小学校の時に京さんに一人でいるところを遊びに誘ってもらって以来ずっと仲良しさんっす」ニッコリ 桃子「もちろん何度もお互いの家に行ったり、お泊りもしたっす」 桃子「私と京さんとは幼馴染みだから当然っす」 咲「私は京ちゃんと一緒にお昼食べたり一緒に登下校してるもん」 桃子「・・・・」 咲「・・・・」 京太郎(・・・どうしてこうなった) 桃子「京さん!」ゴッ 咲「京ちゃん!」ゴッ 京太郎「はい! 何でございましょう?!」ガタガタ 桃子「今日は」ギュウ 咲「私と」ギュウ 京太郎「なぜ二人は俺の両手を掴んでるでしょうか・・?」ガタガタ 桃子「遊ぶっす!」 咲「遊ぶんだからね!」 ※この後色んな場所に連れ回されたようですがそれはまた別のお話 てるてるステルス 京太郎「ただいまー」 照「おかえり」 京太郎「・・・誰です?」 照「酷い・・・あんなに愛し合った仲なのに・・・」 京太郎「誰かが聞いたら誤解するようなこと言わないで下さい!」 桃子「・・・京さん?」ニッコリ 京太郎「誤解だあああああああああああ!!!」 桃子「もちろん京さんがそんなことしないって信じてるっす」 桃子(あんなに抱きついたりしても手の一つも出してこないっすもんねぇ) 桃子「で、この女性はどちらさまっすか?」 京太郎「咲のお姉さん。宮永照さんだよ」 桃子「あーなるほど。確かにそっくりな部分があるっすね」 照「なんか貶されてる気がするんだけど」 京太郎「き、気のせいじゃないっすかねぇ?」 照「京太郎、咲が今日休んだと思うんだけど何か持って行く物ある?」 京太郎「相変わらず律儀ですね」ガサゴソ 京太郎「はい、これですね」ワタシ 照「ありがと」ウケトリ 桃子「あ、照さん」 照「?」 桃子「私、東横桃子っす。咲ちゃんとは仲良くさせてもらってるっす」 照「咲から聞いてる。影の薄い女の子と友達になれたって」 照「でも咲は強いよ?」 桃子「もちろん負けないっすよ」 照「ふふ」 桃子「えへへ」 京太郎(俺の家なんだけどなぁ) ステルスと宮永姉妹と麻雀と 京太郎「」 桃子「ごめんなさいっす」 咲「ごめんね京ちゃん」ペコリ 照「今日もお菓子が美味しい」ポリポリ 京太郎「いやうん仕方ない初心者だし」 京太郎「それにしても皆すげー・・・こういう場合は強いでいいのか?」 桃子「そりゃそうっすよ」エッヘン 桃子(京さんと会えないから麻雀ばっかりしてたなんていえないっす///)イヤンイヤン 京太郎(モモがトリップしてる・・・話しかけないでおこう) 京太郎「そういや咲もすげー強いよな」 京太郎「なんつーかそこの違うとこの牌であがったりとか」 京太郎「照さんは南場?になったらずっとあがり続けてたり」 京太郎「咲があがらなかったら点数なくなってたぜ?」ナデナデ 咲「あぅぅ・・・///」プシュー 照「ちなみに私はまだ後三回の変身を残してる」 京太郎「勘弁してくださいマジで洒落にならないっす」ガタガタ 照「冗談」ポリポリ 京太郎「真顔で言われると冗談に聞こえないんですけど」 桃子「そういえば京さん」 京太郎(お、トリップ状態から帰ってきたのか) 京太郎「んー?」 桃子「携帯のアプリで麻雀出来るっすよ?」 京太郎「あるのは分かるけど、そういうのって沢山あってどれがいいかわからないんだよなぁ」ポチポチ 桃子「ちょっと見せるっす」ズイッ 京太郎(うぉぉ・・胸が肩に・・当たってる・・・モモのやつまた大きくなったか?///)マッカ 咲「京ちゃん鼻の下伸びてる」ジトー 照「やっぱり男の子だね」 京太郎(見られてるぅぅぅぅぅ////) 桃子「京さん、ちゃんと聞いてるっすか?」ギュウ 京太郎(さらに押し付けてきた!//) 京太郎「あ、ああ。ありがとなモモ//」 桃子「京さんのためだったら全然大丈夫っす」ハナレ 桃子「あと、麻雀で分からないことがあったら私に聞いて欲しいっす」 京太郎「ああ、頼らせてもらうぜ! 後でメールで送るからアプリで麻雀しようぜ」 桃子「もちろんっす。京さんの頼みであればたとえ火の中水の中っすよ」 京太郎「ありがてぇありがてぇ」ナムナム 咲「お姉ちゃん」 照「なに?」 咲「私も携帯欲しいんだけど」 照「じゃあ今度家族麻雀でお父さんから勝って買ってもらおう」 咲「ふふ、麻雀って楽しいよね」ゴッ 界「」ゾクッ 界「今なんか寒気が」 ※この後家族麻雀でボコボコにされた界さんがいらっしゃいますが本編とは関係ありません 海だ水着だステルスだ!~水着選び編~ 京太郎「夏と言えば海だよな!」 桃子「あー確かにっす」 京太郎「というわけで海に行こうぜ」 桃子「いいっすよ」 桃子「ただし、今から水着買いに行こうと思うんで京さんにも着いて来てもらうっす」ギュ 京太郎「ア、ハイ」 デパート~女性水着売場~ 桃子「京さ~ん」 京太郎「あのさ、ここにいるのすげー気まずいんだけど・・・」 桃子「逃げたら許さないっすからね!」 京太郎「逃げないから安心しろって」 桃子「私的にはこっちの黒のビキニとかもいいと思うっすけど京さんはどれがいいと思うっすか?」 京太郎「そうだなぁ・・・これとか?」 桃子(白のセパレートタイプっす。これを着て欲しいってことっすかね?) 桃子(ちょっと照れるっすね///) 桃子「京さんが着て欲しいなら・・・これにするっす///」 京太郎「おう、似合うと思うぜ///」 桃子「そうっすか///」 京太郎「ああ///」 桃子「じゃ、じゃあお会計に行って来るっす///」 京太郎「ちょっと待て」 桃子「え?」 京太郎「それ買ってやるよ」 桃子「いやそれは悪いっす。自分で払うっす」 京太郎「いいから。俺が海行きたくて俺がモモの水着も選んだんだからそれくらいさせて」 京太郎「たまには男をたたせてくれって」ニコッ 桃子「むぅ・・・じゃあ京さんの水着は私が払うっす!」 京太郎「あープレゼントみたいに?」 桃子「もちろんっす」 桃子「じゃなきゃその水着は私が払うっす」 京太郎「わかったわかった。じゃあそれでいいから」スタスタ 桃子「京さんに似合う水着選んどくっすー」テクテク 京太郎「さてと、お会計するか」 ※海水浴編に続きます お泊り会~小学校編~ 桃子「えへへー京さんと一緒のお布団っす」 京太郎「モモももっと近くにこいよ」 桃子「はいっす」 桃子「なんかこうしてると昔の私が嘘みたいっす」 京太郎「昔のモモのことはわかんねーけど、今のモモはすっげー楽しそうだぜ」 桃子「そりゃそうっすよ! だって最高の友達が出来たっすから!」 京太郎「俺もモモのこと最高の友達だと思ってるぜ」 桃子「仲良しさんっすね私たち」 京太郎「当たり前だろ」ナデナデ 桃子「えへへーっす」スリスリ お泊り会~中学校編~ 桃子「京さーん、なんで別の布団に入るんすかー」 京太郎「そりゃ昔みたいに同じ布団に入るなんて出来ないからな」 桃子「私は気にしないっすよー?」 京太郎「俺が気にするの!」 桃子「もーじゃあ、手だけでもいいんで握ってくださいっす」 京太郎「まぁ、それくらいなら」ギュウ 京太郎(やわらけぇ) 桃子「京さんと手を繋いでるとなんだか安心するっす」ニコニコ 桃子(本当は抱きつきたいっすけどね) 京太郎「モモはやっぱり寂しいか?」 桃子「そうっすね、学校行っても京さんがいないって思うと寂しいっす」 京太郎「いまさらだけどごめんな」 桃子「全然大丈夫っす。こうやって私のワガママでお泊りさせてくれるだけで」 京太郎「・・・・」 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「悪い」モゾモゾ 桃子「こっちのお布団の方がいいっすか?」 京太郎「俺もちょっと寂しかったしな」ナデナデ 桃子「私、京さんの手で頭撫でられるの結構好きっすよ」 京太郎「そっか」ナデナデ 桃子「えへへー」ニコニコ
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361874491/ 京太郎「モモー、いるかー?」ガラッ 桃子「いるっすよー。どうかしたっすか?」 京太郎「やっぱ部室にいたのか。先生が呼んでたぞ」 桃子「あー進路調査っすかねえ」 京太郎「まだ出してなかったのか? まだ1年だし適当に書いてればいいだろ」 桃子「そういう適当なの好きじゃないっす!」 京太郎「そう言って遅れてりゃ世話ないって」 桃子「それはまあそうなんすけどね。とりあえずあと少しだし、これ読み終わったら行くっす」ペラ 京太郎「さっさと行けよ……何読んでんだ?」 桃子「少女漫画っすよー。ゆみ先輩に借りたっす」ペラ 京太郎「ゆみさん少女漫画好きなのか」 桃子「前に少女漫画の2人乗りのやり方を真似たとかあったじゃないっすか」 京太郎「あー……?」 桃子「ああ、そういえばあのとき京太郎は一瞬意識飛んでたっすね」 京太郎「お、俺はそんなことを忘れたのか!? ちくしょう!」 桃子「一緒に帰るとき毎回2人乗りしてるんすから、今更そんなのいいじゃないっすか」ペラ 桃子「まあともかく、ゆみ先輩は少女漫画大好きっすよ。私から貸すこともあるけど、借りるほうがずっと多いっすね」 京太郎「そうなのか」 桃子「そうだ、ゆみ先輩にこの主人公みたいなことやってみたらどうっすか?」 京太郎「どれだ?」 桃子「これっすよ。後ろからギューッて。俗にいうあすなろ抱きっすね!」キャーッ! 京太郎「こ、これはちょっと恥ずかしくないか」 桃子「女の子がやってもらいたい抱きしめ方第1位っすよ!」 京太郎「これやってゆみさんに拒否られたら俺立ち直れねえぞ……」 桃子(ゆみ先輩が嫌がるとか本気で言ってるんすかねこれ) 桃子「まあまあ、騙されたと思ってやってみるといいっす」 京太郎「いやでもなあ……」 桃子「……しょうがない、先にネタばらししてあげるっす」 京太郎「ネタばらし?」 桃子「ゆみ先輩がこれ見て『……いつか、私もやってもらいたいな』って言ってたんすよ」 京太郎「マジで?」 桃子「大マジっす。ゆみ先輩の望みを叶えるためにもやるっすよ!」 京太郎「そういうことなら……!」 桃子「その意気っす。私は先生のところに行ってくるから頑張るっすよー!」 京太郎「おう!」 ゆみ「京太郎、もう来ていたのか」ガラッ 京太郎「ゆ、ゆみさん!?」ガタッ ゆみ「な、なんだ?」ビクッ 京太郎「あ、す、すみません。特にどうというわけでは……」 ゆみ「おかしな奴だな」クスクス 京太郎「部長たちは説明会とかで遅れるみたいです」 ゆみ「ああ、もうそんな時期か。懐かしいな」 京太郎「ゆみさんはこの時期には進路決めてましたか?」 ゆみ「おおまかにはな。……まあ、プロを目指そうとは露ほども思っていなかったよ」 京太郎「試合とか出れてなかったですもんね」 ゆみ「ああ、私がプロになろうと思ったのは君のおかげだよ」 京太郎「お、俺ですか? 別に何もしてないですよ?」 ゆみ「そんなことはないさ。少なくとも全国へ行けたのは、長野の決勝で宮永に勝てたのは君がいたからだ」 京太郎「?」 ゆみ「分からなければそれでもいいよ」フフッ 京太郎「気になるじゃないですか」 ゆみ「……それじゃ、私が君に感謝しているということだけ分かってくれ」ボソッ 京太郎「……! は、はい」カアァァ ゆみ「……へ、変なことを言ってしまったな。ええと、この間の牌譜は……」クルッ 京太郎「……ゆみさん!」ダキッ ゆみ「ひゃっ!?」 京太郎「俺こそゆみさんには感謝してもしきれないですよ。麻雀を始めたのも、少しずつでも上手くなっているのも……」 ゆみ「わ、わかった。わかったから!」アワアワ 京太郎「……あれ? い、嫌でした?」ギクッ ゆみ「い、嫌なわけないだろう。ただ突然だったから……」カアァァ 京太郎「よかった……! 嫌がられたらどうしようって思ってました」ギュウ ゆみ「ひゃぅ……な、なんでこんなことしようと思ったんだ?」カアァァ 京太郎「モモからゆみさんがこういうの憧れてるって聞いたんですよ」ギュッ ゆみ「……ちょっと待て。私はそんなことを言った覚えはないぞ」 京太郎「……え?」 ゆみ「そもそも憧れてもいない」 京太郎「えっえっ?」 京太郎「えっと、じゃあこれは……」ダラダラ ゆみ「……」 京太郎「……あ、メールが」 桃子『先生にこってり絞られたんで今日は部活行かないで帰るっす(/_;)』 桃子『PS.騙されたと思ってやってくれたみたいっすね! ちゃんと写真も撮ったっすよ!(≧∇≦)/』 京太郎「……そういうのは騙されたと思ってって言わねえよ!!」 ゆみ「……写真も添付してあるな。というか部室に来てるじゃないか……モモお前その辺りにいるだろう!?」 シーン 京太郎「……くそっ、あいつ本当に帰ったみたいですね」 ゆみ「そのようだな……」ハァ 京太郎「……」 ゆみ「……」 京太郎「……」ギュッ ゆみ「あっ」 京太郎「ハッ、す、すみません! つい無意識に! い、今離します」ワタワタ ゆみ「ま、待った」ギュッ 京太郎「……? ゆみさん?」 ゆみ「もっと……」 京太郎「へ?」 ゆみ「も、もっとやってくれ。嫌じゃ、ないから」カアァァ ゆみ「その、君に包まれているようで安心するというか落ち着くというか」 ゆみ「いつも君の後ろから抱きついているけれど、こうして抱きしめられるのもいいなというか……」ハッ ゆみ「わ、私は何を言っているんだ……」カアァァ 京太郎「」ズキューン ゆみ「きょ、京太郎? すまない、今のは忘れて……」 京太郎「忘れられるわけないじゃないですか!」ギュッ ゆみ「きゃっ!?」 京太郎「ああもう、ゆみさん大好きです!!」ギュー ゆみ「きょ、京太郎!?」アワアワ 京太郎「ゆみさんすげー可愛いです。愛してます! もう一生離しません!」ギュゥ ゆみ「ば、バカなことを言うな。その、嬉しいがこんなところを見られたら……」 京太郎「大丈夫ですってモモも来ないって言ってま――」 ガラッ 睦月「こんにち――」 佳織「遅くなってごめ――」 京太郎「……」(抱きしめてる) ゆみ「……」(抱きしめられてる) 一同「………………」 睦月「す、すみませんでしたー!」ダダダッ 佳織「ご、ごゆっくりー!」タタタッ ゆみ「ま、待て! ち、違う、これは違うんだ!」バッ 京太郎「そ、そうです! モモに騙されて!」バッ 佳織「そんな力強く抱きしめといて何言ってるの!?」タタタッ 睦月「今日は自主練習にしておきますから!」ダダダッ 京太郎「ちょ、せめて走りながら抱きしめてとか言うのはやめてください!!」 ゆみ「……行ってしまったな」 京太郎「……まあ、冷静に考えたら誤解も何もないですよね」 ゆみ「まったくだ。何をしていたんだ私たちは……」ガクッ 京太郎「どうしましょう。もう今日はみんな来ないでしょうし帰ります?」 ゆみ「そうだな……。もう誰も来ないか……」ハッ ゆみ「じ、実はいい麻雀の教本を持ってきたんだ。よければ一緒に読まないか?」 京太郎「いいですよ。……って一緒に?」 ゆみ「あ、ああ。2冊あればよかったんだが1冊しか持っていないんだ。だから一緒に……」 京太郎「一緒に……も、もしかしてさっきので?」 ゆみ「……」コクッ 京太郎「……わかりました。じゃあそこのソファーで。俺の上に座ってください」 ゆみ「! あ、ああ」 京太郎「はい、どうぞ」 ゆみ「それじゃあ……ど、どうだ? お、重かったら言ってくれ」 京太郎「重くなんてないですよ。むしろ軽いです。……それよりあんまり深く腰掛けないでくださいね」 ゆみ「なぜだ?」 京太郎「えっと……まずいので」 ゆみ「? まあわかったよ」 京太郎「ありがとうございます。じゃ、じゃあ本借りますね」 ゆみ「あ、ああ。その、一緒に勉強しよう」 京太郎「は、はい」 京太郎「……」ペラ ゆみ「……」 京太郎「……」ペラ ゆみ「……落ち着くな。普段より頭に入ってくる気がする」 京太郎「俺も全然眠気とか感じないです。本読んでるとよく眠くなるんですけど」 ゆみ「……そういうことを言っているのではないんだが」ハァ 京太郎「え!?」 ゆみ「まったく、もっと知識も付けないとダメだぞ」フフッ 京太郎「はーい」 イチャイチャ 智美「……なんだこれは」 ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ ――新人戦―― 京太郎(これを通さないときっと勝てない……!) 下家「……それだ。ロン。8000」 京太郎「うげ……」ガクッ アナ『試合終了ーー! 須賀選手、最後の最後で振り込んでしまいました』 藤田『夏のような回避は出来なかったか。まあミスをして振り込んだというわけではないが』 アナ『これで須賀選手はこの卓で3位に転落。現在総合順位は4位ですから3位以内に入るのは難しくなりました』 藤田『上位のミス待ちだが、こういう流れではそれも期待薄だろうな』 京太郎「なんであんなの切ったかなあ……」 下家「よう、また会ったな」 京太郎「あ、下家(しもや)さん」 下家「3ヶ月で随分上手くなってるじゃねえか。夏大じゃ俺もヤバイかもな」 京太郎「1位の癖に何いってんですか」 下家「まあ負ける気はねえよ。リベンジは夏までしか受け付けてねえからな。楽しみにしてるぞ」スタスタ 京太郎「……俺が負けられなかったのは今回だったんですよ」ハァ 京太郎「はぁ……」ガチャ 桃子「お疲れさまっす。ため息なんてついてどうしたっすか?」 京太郎「最後の最後で振り込んだからだよ……ちなみに順位はどうだった?」 桃子「変わらずっすね。4位っす」 京太郎「あー、やっぱりそうか……」ガクッ 睦月「落ち込むな……って言ってもダメかな。後一歩だったね」 京太郎「はい……」ハァ 桃子「そんなに落ち込むことないすっよ。麻雀初めて1年も経たないのに県4位なんて凄いじゃないっすか」 京太郎「上出来だとは思うけど、どうしても、というか出来れば今回全国へ行きたかったんだよ……」 桃子「そりゃあ出来れば勝ちたいのは当然っすけど、そんなこと言ったらキリないっすよ」 京太郎「まあ確かに負けてから言ってもしょうがないんだけどな……」ズーン 佳織「そんな顔してたら加治木先輩に心配かけちゃうよ? いい成績だったんだから胸を張らないと」 京太郎「ゆみさん……」ハァ 佳織「あ、あれ? 余計元気なくなった?」アセアセ 桃子(あーもしかして) 睦月(加治木先輩がいる間に全国に行きたかったのかな……?) 睦月(加治木先輩は別に気にしないと思うけど……本人の問題だしなあ)ムムム 桃子「……ほら! クヨクヨするのはその辺にして、私たちの応援するっすよ!」 睦月「! そうだね。せっかく私たち3人決勝に行けたんだから、頑張って応援してもらわないと」 京太郎「……そうですね。すみません、自分が終わったからって……」 睦月「ううん。ただ、それは私たちじゃどうにも出来ないから、帰ってからゆっくり2人で話してね」フフッ 京太郎「えっ」ギクッ 桃子「あれだけわかりやすかったんすから、そんなバレたみたいな顔しないで欲しいっすね」 京太郎「ええ!?」 佳織「えっえっ?」 桃子「かおりん先輩はそれでいいんすよ」ポンッ 佳織「気になるなぁ……」 睦月「後で教えるから、今は決勝をがんばろう」 佳織「うん。わかった!」 桃子「それじゃ行ってくるっす。応援ちゃんとするっすよー」 京太郎「ああ、分かってるよ。先輩たちも頑張ってください!」 ――帰りの電車―― 桃子「~♪」 佳織「嬉しそうだねー」 京太郎「電車の中であんまりはしゃぐなよ?」 桃子「あれ、僻みっすか? 僻みっすね? 男の嫉妬は見苦しいっすよ~♪」プププ 京太郎「殴りてえ……!」 佳織「だ、ダメだよそんなことしちゃ」 京太郎「そりゃしませんけど気分として……!」 睦月「まあまあ、全国に行けたんだから今日のところは多目にね」 桃子「そうっすよ。心を広く持つっす!」 京太郎「本人に言われると腹立つな!」 睦月「あはは。……それにしても夏と秋、連続で全国出場するなんて想像もしてなかった」 桃子「来年はきっと新入部員たくさん来るっすよー!」 佳織「そうだね。新入生に負けないかちょっと怖いな」ブルブル 京太郎「佳織先輩は大丈夫ですよ。何があっても入れます」 佳織「京太郎くん、3年生だからってそれはよくないよ」 京太郎「いや、実力ですよ」 佳織「……? あ、それまでに上手くなれってことだね。頑張ります!」 京太郎「…………はい!」 佳織(少し間が空いたのが気になるなあ……?) 桃子「次は団体で全国に行きたいっすね」 睦月「うむ。私も部長として恥ずかしくないように頑張らないと」 京太郎「団体戦は俺も出たいなあ」 佳織「来年は出られるんじゃないかな? 夏の最後の試合はかっこよかったよ」 京太郎「ほんとですか! 俺に憧れる後輩が出来るのか……!」 桃子「今日の最終戦で振り込んだのがどう出るかっすね」 京太郎「忘れようとしてたのに言うなよそれを……」ガクッ 睦月「大丈夫だよ。別にミスってわけじゃないんだし」 京太郎「結果的に振り込んじゃいましたから……」 桃子「まったく、いつまでも引きずるんじゃないっすよ」 京太郎「誰のせいだよ!?」 佳織「まあまあ。そろそろ着くよ」 京太郎「あ、ほんとですね。モモなんかにかまってる場合じゃありませんでした」 桃子「なんかとは失礼っすね」 京太郎「お前が悪い」 桃子「んー! 疲れたっすー!」 佳織「だいぶ遅くなっちゃったね。もう暗くなってる」 睦月「もう秋だね。夜になると寒いや」ブルッ 京太郎「ですねえ。……これじゃ今日はゆみさんに報告出来ないなあ」 睦月「え? まだしてなかったの?」 京太郎「はい。直接言おうと思って。もうちょっと早く帰れるかなと思ってたんですが」 桃子「勝ってたらいいっすけど負けてるとあれっすね」 京太郎「わかってるよ! 言うなよ!」 睦月「でもそれなら悪いことしちゃったかな。蒲原先輩に結果送っちゃったから、もしかしたら加治木先輩にも伝わっちゃってるかも」 京太郎「まあそれはそれでしょうがないです」 京太郎「どっちにしろこれじゃ明日になりますから、ニュースか何かで知っちゃうかもしれないですし」 佳織「もう一本早い電車に乗れてればよかったね」 京太郎「そうですね。電車が少ないと辛……!?」 ゆみ「おかえり、京太郎」 京太郎「こ、こんな寒い中何やってんですか!?」 ゆみ「寒さは大丈夫だよ。ほら」ピトッ 京太郎「わっ!?」 ゆみ「カイロを持ってきてるんだ。さっきまで電車にいた君の頬より暖かいだろう。まあカイロを使うには時期が少し早いが」 京太郎(あわわわわ。やばい、顔が熱い。いや手が熱いから顔も熱くなってるんだけどそれだけじゃなくて……) 京太郎「って、そうじゃなくて! それはそれです! カイロがあるからってこんな寒い中ずっと外にいたら体に良くないです」 ゆみ「京太郎が頑張って来たんだからこれくらいなんてことはない。それにしょうがないだろう。君の結果を早く聞きたかったんだ」 京太郎「すげえ嬉しいですけど、もっと自分の体も大事にしてください。せめて喫茶店とかで待ってるとか」 ゆみ「しかし……」 京太郎「しかしじゃないです」 ゆみ「わかった……」シュン 京太郎「あ、い、いや。凄い嬉しいんですよ? 嬉しいんですけどゆみさんのほうがずっと大事なので……」 ゆみ「大丈夫、わかってるよ。ありがとう」 ゆみ「ところで結果はどうだったんだ?」 京太郎「ええと……」 桃子「私は全国出場出来たっすよー!!」 ゆみ「本当か!? 凄いじゃないかモモ!!」 桃子「先輩に続いて夏秋連続っす! 鶴賀も強豪の仲間入りっすよ!」 ゆみ「よくやった!」 桃子「嬉しいっす!」 京太郎(モモおおぉぉぉ!! お前が先に言うと俺が言いづらいじゃねえか!! せ、せめて最後にならないように……) 京太郎「俺h」 睦月「私は決勝リーグには行けました。順位はあまり良くありませんでしたけど……」 佳織「私も決勝リーグに出場出来ました! でも順位は良くなかったです……」 ゆみ「そうか、2人もよく頑張った。夏は予選で敗退してしまっていたんだから、よく成長しているよ」 ゆみ「順位なんて後から付いてくるものだ。そんなに気にする必要はないさ」 佳織「はい、ありがとうございます」 睦月「わかりました。でも部長として恥ずかしくないくらいの順位は取っておきたかったです……」 ゆみ「別に部長が強くなければならないというわけじゃない。要は部をまとめられるかどうかだよ。蒲原もそうだろう?」 睦月「……そうですね。蒲原先輩みたいになれるよう頑張ります」 京太郎(先輩ー! いい話なんですが、前とほとんど変わらない俺が余計言いづらい空気に!!) ゆみ「……それで京太郎は――」 桃子「あ、もう遅いし私たちは先に帰ってるっす」 睦月「2人でゆっくりしてください」 佳織「京太郎くん、加治木先輩を送って行ってね」 ゆみ「ん、そうか」 京太郎「ちょ、お、おいモモ」 桃子「なんすか?」 京太郎「お前こんな雰囲気で置いてくなよ! 前回と似たような感じでしたなんて言いづらいじゃねえか!」ヒソヒソ 桃子「……や、正直惚気けるの分かっててこの場に居るのはちょっと」 京太郎「はあ!?」 桃子「……そんな心外だみたいな顔されても」 ゆみ「……何をこそこそ話しているんだ?」 京太郎「い、いえ。なんでもないですよ」アハハ 桃子「それじゃ私たちはお先に」 睦月「さよならー」 佳織「また明日ね」 京太郎「うわ、ほんとに帰った……」 ゆみ「いいじゃないか。その、き、気を使ってくれたんだろう」 京太郎「まあそうなんでしょうけど……」 ゆみ「……それに、2人きりになったのにそんな顔をするのはどうなんだ」 京太郎「あ、いえ、決して嫌というわけではなくてですね……」アセアセ ゆみ「それはわかっているが……まあなんだ。し、嫉妬したくなるからやめてくれ」カアァァ 京太郎(あ、やばい。めちゃくちゃ嬉しい)ジーン ゆみ「そ、そんなことより! 大会の結果はどうだったんだ!?」 京太郎「うっ」ギクッ ゆみ「?」 京太郎「そ、その……4位でした」 ゆみ「……なんだ、さっきから言いづらそうにしていたから何かと思えば。いい成績じゃないか」 京太郎「いえ、モモが全国に行ったり、睦月部長たちは決勝リーグに進めるようになったり成果上げてるのに」 京太郎「俺だけほとんど変わりないですし……」 ゆみ「そうか? 4位になれたんだ。私は十分成長したと思うよ」 京太郎「でも得点的にも前回と比べて誤差くらいのもんですよ?」 ゆみ「そうかもしれないが、今回は前回までいた2人の魔物が混ざっていないだろう?」 ゆみ「あまり場が荒れない中でそれだけの点数を稼いだんだ。よく頑張った」 京太郎「それはそうかもしれませんけど」 ゆみ「ただまあ、それとは別に後一歩で全国へ行けなかったというのは単純に悔しいだろうと思う」 京太郎「……そうですね。夏に続いてですし」ガクッ ゆみ「お疲れ様ということで残念会……というと失礼かな。ともかく、よければこの辺りで食事でもしていこう。今日は私が奢るよ」 京太郎「家の方は大丈夫ですか?」 ゆみ「遅くなるかもと伝えてあるから問題ないよ。帰り道も君が送ってくれるだろう?」 京太郎「それはもちろん」 ゆみ「なら安心だ」フフッ 京太郎「じゃあ行きましょうか。……でも奢るのはいいですよ。というかむしろ俺が出しますって!」 ゆみ「君をねぎらうのに君が出しては本末転倒だろう」 京太郎「じゃあせめて割り勘で」 ゆみ「ダメだ。今日は先輩として私が出す」 京太郎「いやでも……」 ゆみ「それじゃあ次は彼氏として京太郎が出してくれ。それでいいだろう?」 京太郎「……わかりました。それじゃ今日はご馳走になります」 ゆみ「うん、素直なのが一番だ」 京太郎「それじゃどこに行きます?」 ゆみ「私の好きな店があるんだ。そこでいいか?」 京太郎「いいですよ」 ゆみ「わかった。それじゃ行こうか」 京太郎「はい」ギュッ ゆみ「!」 京太郎「どうかしました?」 ゆみ「……いや、なんでもない。案内するよ」 京太郎「わかりました」 ゆみ(寒いと言ったからかな。恋人繋ぎ) ゆみ(初めてではないけれど、自然にやってくれたのは多分初めてだ。恋人らしくなっているのかな)フフッ 京太郎「ゆみさん、なんか嬉しそうですね」 ゆみ「ああ、京太郎のおかげだよ」 京太郎「え?」 ゆみ「ふふっ」 京太郎(……よくわからないけど、ゆみさんが嬉しそうだしいいか) ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ 咲『こんばんはー』 ゆみ『こんばんは』 咲『この間京ちゃんと会っちゃいました。加治木さんのいないところで2人きりで』 ゆみ『ああ、私は大会に行かなかったからな』 咲『普通に返されてちょっと悲しいです』 ゆみ『何を期待しているんだ何を』 咲『ちょっと焦らせようと思ってもいいじゃないですか!』 ゆみ『はぁ……』 咲『まあそれは置いておいて、東横さんの全国出場おめでとうございます』 ゆみ『ああ、よくやってくれたよ』 咲『私も振り込んじゃいましたから、全国ではリベンジしたいです!』 ゆみ『リベンジも何も勝っているだろう。まさか一度も振り込まないことを目指しているのか……?』 咲『そ、そういうわけじゃ』 ゆみ『ふふ……君も断トツでの全国出場おめでとう。全国2連覇へ向けて好調だな』 咲『うーん、でも全国には大星さんとか荒川さんとか強い人がたくさんいますから……』 ゆみ『同じ長野の代表として、モモの次に応援してるよ』 咲『ありがとうございます!』 咲『……ところで、京ちゃんはどうでしたか?』 ゆみ『どうというと?』 咲『その、また後一歩ってところで負けちゃったから落ち込んでたりとかは……』 ゆみ『……そうだな。落ち込んでいたよ』 咲『そうですか……』 ゆみ『もう少しだったみたいだからな。多少はしょうがない』 咲『(ここで私が元気づければ……!)』 ゆみ『こら、何を考えている。それにその日のうちに私が元気づけたからもう遅いぞ』 咲『ちぇー』 ゆみ『本当に毎回油断も隙もないな……』 咲『本気なら書きませんって』 ゆみ『どうだか』 咲『信用してください!( _ )』 ゆみ『……悪いと思って今まで聞いていなかったんだが……夏大の後京太郎に告白したりしたのか?』 咲『……それを私に聞くんですか?』 ゆみ『冗談と分かっていてもさすがにこう何度も言われると気が気じゃないんだ』 咲『……断られると分かっててするわけないじゃないですか!!』 ゆみ『……そうか、それはすまなかった』 咲『そうですよ。するなら京ちゃんと加治木さんが別れてからです』 ゆみ『おいこら』 咲『傷心の京ちゃんを慰める私。そしてずっと好きだったのと囁く』 咲『いつも身近にいた幼なじみからの突然の告白』 咲『離ればなれになって何かが足りないと思っていた京ちゃんは本当に大切だったものに気がついて……』 ゆみ『それが狙いかお前は!!』 咲『別れるまでは何もしないので安心してください!』 ゆみ『出来るか!!』 咲『待つのは私の自由です!』 ゆみ『うっ……』 咲『……最初は私も諦めようと思って部活のみんなにそう言ったんですけど』 咲『優希ちゃんからそんなことで諦めるのかって言われて……』 咲『部長……竹井先輩からも確かに2人が別れる可能性は低いかもしれないけど』 咲『悪待ちって意外と来るものよって言われたんです!』 ゆみ(久か! あいつがこの元凶か!) 咲『でも本当に私から何かすることはないので安心してください。恨まれるからやめたほうがいいわよって言われましたし』 ゆみ『……そういう気遣いまで教えるのかあいつは。はぁ……』 ゆみ『ちなみにそういうことは私に言わないほうがいいとは言われなかったのか?』 咲『どっちでもいいけど、後腐れなくしたいなら言ったほうがいいかもとは言われました』 ゆみ『本当にあいつは……!』 ゆみ『……まあ何もしないなら私がどうこう言うことじゃない。ただ、無駄に時間を費やすだけだからやめたほうがいいとは言っておく』 咲『はい、わかってます。大会で久しぶりに会ったときも加治木さんのことばっかり話すんですよ。どう思います?』 ゆみ『嬉しいな』 咲『ですよね! うぅ……まあおもちには弱いみたいですけど』 ゆみ『おもち? どういうことだ?』 咲『あ、胸のことです。京ちゃん巨乳が好きじゃないですか』 ゆみ『初耳だ』 咲『そうなんですか? 全国大会のとき永水の巫女さんたち見て鼻の下伸ばしてましたよね』 咲『この間の大会で会ったときも私より先に和ちゃんのおもちのほうを見てましたし……』 ゆみ『ほう……』 咲『……! ち、違いますよこれは! 加治木さんも知ってると思ったからで……!』 ゆみ『ああ、うん。大丈夫だ。別にこれで別れるとかそういうことはないし、むしろ貴重な情報を伝えてくれて感謝している』 ゆみ『それではまた今度』 咲『ああぁぁ……。京ちゃん、ごめんね……』 ――部室―― ゆみ「……」 京太郎「……おい、どうしたんだ今日のゆみさんは」ヒソヒソ 桃子「知らないっすよ。私が来たときからずっとあそこに座って腕組んでるっす」ヒソヒソ 智美「京太郎、何したんだー?」ヒソヒソ 京太郎「お、俺ですか!?」ヒソヒソ 桃子「そりゃ他にいないっすよ」ヒソヒソ 京太郎「身に覚えがまったくねえよ……」ヒソヒソ ゆみ「おい、モモ」 桃子「は、はいっす!」ビクゥ ゆみ「ちょっとジャンプしてみてくれ」 桃子「はい?」 ゆみ「いいから」ゴッ 桃子「わ、わかったっす!」プルンッ 京太郎「?」チラッ ゆみ「……ありがとう」 桃子「ど、どういたしましてっす」 ゆみ「……」トコトコ 京太郎「……? あの、ゆみさん今日はどうし――」 ゆみ「」ツネリ 京太郎「いたっ、痛いですよ!?」 ゆみ「まあこれで許してやろう」 京太郎「何がですか!?」 ゆみ「後で教えてやる」 京太郎「えええ……今教えて下さいよ」 ゆみ「これは京太郎に対する私の慈悲なんだが……まあ、そこまで知りたいなら今教えてもいい」 京太郎「な、なんか怖いんでやっぱりやめてください」 ゆみ「うん、賢明だ」 桃子「ゆみ先輩は急にどうしたんすかね? まあ京太郎がなんかやったんだと思うっすけど」 智美(さすがに自分でやらせてあれってことはないだろうから、今までの分かなー?) 智美「それにしても今さらって気はするけどなー」ワハハ 桃子「あれ、智美先輩はなんのことかわかってるんすか?」 智美「わかってるぞ。まあ秘密だけどなー」 桃子「気になるっすー!」 智美「ワハハー」 ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ ゆみ「おじゃまします」 京太郎「どうぞ上がってください」 ゆみ「ここが京太郎の家か……」キョロキョロ 京太郎「そんな面白いもんじゃないですよ」 ゆみ「綺麗だな。家が出来てから半年くらいか?」 京太郎「もう少し経ってます。10ヶ月くらいですかね」 ゆみ「ふむ……」 京太郎「それがどうかしました?」 ゆみ「いや、小さい頃から暮らした家から引っ越すというのは寂しいのかなと。……私が思うのも失礼だな。なんでもない」 京太郎「まあ、寂しくなかったかって言ったら嘘になりますね。でも住めばここもいいもんですよ」 ゆみ「ん。そうか」 京太郎「それに向こうにいたままだったらゆみさんに会えませんでしたし! それだけでもこっち来てよかったですよ!」 ゆみ「そ、そうか」カアァァ 京太郎「じゃあここで待っててください。お茶でも出しますよ」 ゆみ「ああ、ありがとう」 ゆみ(日当たりが良くて気持ちいいな) 京太郎「粗茶ですが」 ゆみ「おかまいなく……何を言わせるんだ」 京太郎「一度言ってみたかったんです」 ゆみ「はぁ……ふむ、緑茶か」 京太郎「紅茶のがよかったですか? 煎れ慣れてないんでこっちにしたんですけど」 ゆみ「いや、和室にはこちらのほうが合っているさ」コクリ ゆみ「ん、おいしいな。煎れるのが上手いんだな」 京太郎「母親によくやらされたんですよ」 ゆみ「しっかり成果は出ているな」フフッ ゆみ「……そういえばご両親はどちらに」ソワソワ 京太郎「親父は仕事です。おふくろはなんか急に引っ越す前の友達と遊びに行くとか言って出てっちゃいました」 ゆみ「そうか。安心したような気が抜けたような……」ホッ ゆみ「……っ! と、ということは今この家には……!」 京太郎「え? ……! や、ち、違いますよ! ちょ、ちょっと待っててください!」バタバタ ゆみ(ど、どうしよう。気軽に遊びに行きたいなんて言ったがまさかこんなことになるなんて) ゆみ(ご両親と会うことは覚悟して来たけどこっちは覚悟してないぞっ。……か、覚悟って何の覚悟だ!?) 京太郎「ゆみさん」 ゆみ「ひゃっ!? お、落ち着け京太郎! まだ私たちには……!」 京太郎「まずゆみさんが落ち着いてください。ほら、連れてきましたよ」 ゆみ「……うん? それは?」 京太郎「ペットのカピです。ゆみさんこいつが見たくて来たんじゃないですか」 ゆみ「……そ、そうだったな」 京太郎「こいつがいるから2人きりじゃないですよ。だからその、決してそういうつもりだったわけでは……」 ゆみ「あ、ああ、うん。わかった。変なことを言って悪かった」 京太郎「俺もちゃんと言っとけばよかったですよね。すみません」 ゆみ「これがカピバラか……」キラキラ 京太郎「はい。ほらカピ、ゆみさんだぞー」 カピ「キュー」トコトコ ゆみ「おお……! な、撫でてもいいか?」 京太郎「もちろん、いいですよ」 ゆみ「で、では。カピー」ナデナデ カピ「キュ~」 ゆみ「意外と毛は固いんだな」ナデナデ 京太郎「ええ、ちっちゃい頃は柔らかかったんですけどね。手が痛くなりますから、あんまり撫ですぎないほうがいいですよ」 ゆみ「でも気持ちよさそうにしているしな……」ナデナデ カピ「キュ~」 京太郎「あんまり甘やかし過ぎるのもよくないんですよー」 ゆみ「まあたまにはいいじゃないか。しかし可愛いなあ」フフッ 京太郎「ですよね! こののんびりしたところがほんと可愛くて……!」 ゆみ「ふふっ。カピバラを飼っているなんて家は初めて見たが、どうしたカピバラを飼おうと思ったんだ?」 京太郎「大した理由じゃないですよ」 京太郎「俺が小さい頃にテレビを見て、可愛いとか飼いたいとか言ってたら無理して買って来てくれたんです」 ゆみ「そうなのか。いいご両親だな」 京太郎「あー……まあ、そうですね」 ゆみ「素直に感謝してもいいんだぞ?」クスッ 京太郎「やめてくださいよもう……なんか恥ずかしい」 ゆみ「ふふっ。おや、カピはどうしたんだ?」 カピ「キュゥ……」スースー 京太郎「ああ、寝ちゃったみたいですね。日当たりもいいですし、ゆみさんが撫でたのが気持ちよかったんですよ」 ゆみ「そうか。じゃあ起こさないように静かにしないとな」 京太郎「そうですね。すみません、こんな早く寝ちゃって。普段は日中寝たりしないんですけど」 ゆみ「それだけくつろいでくれたなら嬉しいよ。気持ちのいい日だしな」アフゥ 京太郎「ゆみさんもあくび出てますよ」アハハ ゆみ「うん、休日のこの時間はよく寝ているからな。恋人の家に来てこれは我ながらどうかと思うが……」ウトウト 京太郎「自分の家みたいに思ってもらっていいですよ。というかゆみさん昼寝とかするんですか? あんまりイメージじゃないですけど」 ゆみ「よくしているよ。私の好きなものは昼寝だからな」 京太郎「……え? 智美先輩じゃなくてですか?」 ゆみ「君は蒲原をなんだと……いや気持ちはわかるが。ともかく、私の趣味は昼寝だよ」 京太郎「てっきり読書とかそういうのが趣味なのかと思ってました」 ゆみ「それも好きだが、昼寝のほうが好きだよ」 京太郎「そうなんですか。意外な一面ですね」 ゆみ「意外も何も隠しているつもりはないんだが……」 京太郎「普段の姿から想像できないから一緒ですよ」 ゆみ「むぅ」 ゆみ「まずい、こんな話をしていたら本当に眠くなってきた……」ウトウト 京太郎「昨日あんまり寝れなかったんですか?」 ゆみ「京太郎のせいだぞ」 京太郎「え?」 ゆみ「君の家に行くと思うと楽しみでなかなか寝れなかったんだ」 ゆみ「ようやく眠れそうになったときにはご両親がいることに気付いて今度は緊張して眠れなく……」ウトウト 京太郎「俺のせいですかそれ!?」 ゆみ「ああ」 京太郎「理不尽だ……そんなに眠いなら寝ててもいいですよ。というか一緒に寝ましょう」 ゆみ「しかし初めての京太郎の家でそれは……い、一緒にねね寝る!?」 京太郎「ちょ、ち、違います! 昼寝するだけです!!」 ゆみ「紛らわしいことを言うな! ああもう、想像してしま――ってないからな!!」 京太郎「ほんとすみませんっ!」ペッコリン ゆみ「……しかしそうだな。お言葉に甘えようか。カピも気持ちよさそうに寝ているし」ウトウト 京太郎「はい。少し仮眠とりましょう。何か掛けるもの持ってきますよ」 ゆみ「いや、いいよ。十分暖かいし」 京太郎「そうですか? じゃあ枕代わりにクッションでも――」 ゆみ「いや、それもいい。その……」モジモジ 京太郎「?」 ゆみ「きょ、京太郎に腕枕してもらいたいんだ。ダメ、かな?」カアァァ 京太郎「」ズキューン ゆみ「昔から憧れてたんだ。い、嫌だというなら別にいいんだが、出来ればやってくれると、その、う、嬉しい」モジモジ 京太郎「もちろんやりますよ! いくらでもやりますとも!」 ゆみ「ほ、本当か?」パアァァ 京太郎「当然です! さあすぐにやりましょう!」 ゆみ「ああ!」 ゆみ「んっ」 京太郎「どうですか? 寝心地はあんまり良くないと思いますけど……」 ゆみ「これはどちらかというと精神的に落ち着くためのものだよ。京太郎に守られてるようで安心する」 京太郎「それにしてはちょっと遠いような気が」 ゆみ「これ以上近づくとドキドキしすぎて眠れそうにない。仰向けなのも同じ理由だ」カアァァ 京太郎「全然落ち着いてないじゃないですか」 京太郎(まあ俺もこれ以上近づかれたり、顔がこっち向いてたりしたら寝るどころじゃないだろうけど)ドキドキ ゆみ「それはそれ、これはこれだ。……それじゃあおやすみ、京太郎」 京太郎「はい、おやすみなさい」 …… … ゆみ「ん……」コロン ………… ……… …… … 京太郎「ふわぁ……うわやべ。3時間も寝ちゃって……っ!?」 ゆみ「」スースー 京太郎(ゆ、ゆみさんの顔が目の前に!? ち、近い近い! 動いたらぶつかりそうだよ!) ゆみ「んー」モゾモゾ ゆみ「ぅん、おはようきょうたろう」トロン 京太郎「お、おはようございます」 ゆみ「ふわぁ。ん~……うん!?」バッ ゆみ「ち、近っ!? な、何がどうした!?」アワアワ 京太郎「お、落ち着いてください! と、とりあえず起き上がりましょう」 ゆみ「そ、そうか。私が起きないと君も起き上がれないのか。よっ……っと」バサッ 京太郎「ふぅ。心臓が破裂するかと思うくらい驚きました」バサッ ゆみ「私もだ。一気に目が覚めたよ。……どうも私が寝返りを打ったせいのようだ。すまない」 京太郎「いえ、その、役得でした」 ゆみ「そ、そうか」カアァァ ゆみ「……ところでこのタオルケットは一体?」 京太郎「ほんとですね、いつの間に……まさか」サアァァ ゆみ「? あれ、テーブルの上に紙が」 京太郎「すげー嫌な予感がします」ペラッ 『京太郎へ こんな時期に何も掛けずに寝るなんて何考えてるの!? あなたはともかく、彼女さんが風邪でも引いたらどうするの。 恋人の体調を守るために最善を尽くすくらいの甲斐性は持ちなさい。ただ腕枕をしたのはいい選択だったと思います。 ゆみさんへ 初めまして。手紙での挨拶になってしまってごめんなさい。 まず息子がこんなに美人な子と付き合っているということに驚きました。 今日は自分の家のようにリラックスしてもらえたようでとても嬉しいです。 生憎これからまた出かけなければならないのでお話はできないのですが、今度は起きているときにお会いできるといいですね。 こんな情けない息子ではありますが、これからもよろしくしてやってください。 』 ゆみ「」サアァァ 京太郎「ほんとやめてくれマジで……」ガクッ ゆみ「私のバカ! なんでせめてお母様が来たときに起きなかったんだ!」 京太郎「いいですよ、気にしないでください。俺から言っときますから」 ゆみ「しないわけがないだろう!? 何を言うんだ!? うあああぁぁ……」 京太郎「大丈夫ですって。こんなの書き残したのは最悪ですけど、書いたことには悪気とか悪意とかはないですから」 ゆみ「そういう問題じゃ――」グスッ 京太郎「ゆみさん」ギュッ ゆみ「ひゃう!?」 京太郎「またウチに来てください。そのときにもう一回やり直しましょう」 ゆみ「……うん」コクッ ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ 京太郎「ゆみさ~ん」ダキッ ゆみ「ん、どうした?」 京太郎「うーん」 ゆみ「?」 京太郎「あすなろ抱き、やっぱり前より喜んでもらえてないのかなあと」 ゆみ「そんなことはないさ。嬉しいよ」 京太郎「だって最初の頃みたいに慌ててくれなくなったじゃないですか」 ゆみ「それはまああれだけやられればな。1日1回くらいのペースでやっていただろう。どうしたんだいきなり?」 京太郎「いや、モモからこんなこと言われたんですよ」 --------------------------------------- 桃子『またあすなろ抱きやってたっすね』ゲッソリ 京太郎『最初にやれって言ったのお前だろ。というか人がいるところではそんなにやってないはずだけど……』 桃子『あれで隠れてやってるってのも驚きっす。それに最初に言ったのは私でも限度があるっすよ。……!』ピコーン 桃子『それにゆみ先輩も実はそんなに嬉しくないんじゃないっすか?』 京太郎『そんなはずないだろ?』 桃子『でも最近は最初の頃みたいに慌ててないじゃないっすか』 京太郎『それは確かに……』 桃子『慌ててないってことはドキドキしてないってことっす! つまり飽きられてるってことっすよ!』 京太郎『な、なんだってー!?』ガガーン 桃子『だから控えたほうがいいっす。わかったっすか?』 京太郎『そんなバカな……』 --------------------------------------- 京太郎「こんな感じで」 ゆみ(モモには後でお仕置きだな) ゆみ「飽き……というか慣れてきたのは確かだが、別に嬉しい事に変わりはないぞ? ギュッと君に包まれている感じがして落ち着く」 京太郎「でも最初の頃ほどの感動はないですよね?」 ゆみ「感動というと違和感があるが、まあそうだな。……だからと言ってやめるなんて言ったら嫌だぞ」キュッ 京太郎「もちろん、俺も嫌ですよ。ですがこのあたりで改めていく必要はあると思うんです!」グッ ゆみ「改める? どうするつもりなんだ?」 京太郎「俺たちが一番よくやるのは俺の上にゆみさんが座って、俺が後ろから抱きしめるって形じゃないですか」 ゆみ「うん、そうだな」 京太郎「ここで逆向きにしましょう」 ゆみ「逆か? ううん……」 京太郎「どうでしょう」 ゆみ「京太郎がしたいというのなら私も頑張るつもりだが、あまり長くやるのは難しいな」 京太郎「え? なんでですか?」 ゆみ「さすがに京太郎を私の上に乗せて長時間というのは……」 ゆみ「まあ、どうしてもというなら構わないが。強引なのも嫌じゃな……」ゴニョゴニョ 京太郎「ゆみさんにそんなことさせるわけないじゃないですか!? 逆にするのは位置じゃなくて向きだけですよ! 向きだけ!」 ゆみ「なんだ、向きだけか」シュン 京太郎(落ち込んでる……? まあいいか) 京太郎「そうですよ。お互い向き合ってギューッと」 ゆみ「ふむ、たまには違う形でやってみてもいいかもしれないな」 京太郎「じゃあさっそくやりましょう!」 京太郎「……あの、それとは別に後ろから抱きつくの今度やって貰えませんか? 俺がゆみさんに乗るとかはやりませんけど」 ゆみ「ああ、いいぞ」フフッ 京太郎「ど、どうぞ」 ゆみ「あ、ああ。……と」ギシッ 京太郎「大丈夫ですか?」 ゆみ「ちょっとバランスを崩しただけだよ。しかしこの体勢は少し恥ずかしいな」 京太郎「何がです?」 ゆみ「……君の両足を挟む形になるから足が開いてしまって、その、スカートが無防備にだな」カアァァ 京太郎「可愛い」ボソッ ゆみ「なぁっ!?」 京太郎「い、いや、すみませんつい!」 ゆみ「き、君はまったく」ウツムキ 京太郎「それでえっと、どうしましょう。止めますか? やっぱそれは良くないでしょうし」 ゆみ「いや、いいよ。どうせソファーじゃ向こうからは見えないし、私の気分的な問題だけだからな」 京太郎「そうですか。じゃあもうちょっと近くに」 ゆみ「ん……このくらいでいいかな」カオアゲル ゆみ「逆向きになってみたわけだがどうだきょうた……ろう……」 京太郎「はい、新鮮でいいです……ね……」 京太郎(やばいこれやばいやばいやばいって! すげー近い! ゆみさんの目に俺の顔が映ってるのが見えるし!?) ゆみ(まずい。これはまずい。こんな近くで見つめ合うなんて……瞳に吸い込まれそうだ)クラクラ 京太郎(……近くで見て改めて思うけどゆみさんって綺麗だな) 京太郎(まさにクールビューティーって感じだ。まあ顔は真っ赤だけど。……ドキドキしてくれてるんだな) ゆみ(……顔で好きになったわけではないが、やっぱりカッコいいな) ゆみ(思わず見入ってしまう。緊張して真っ赤な顔も様になるんだから卑怯だ) 京太郎(耐えられるかわからないけど、もう少しこのまま) ゆみ(……これはダメだ。見惚れてしまって動けそうにない)ポー …… … 京太郎(……もうダメだ!) 京太郎「ゆみさんっ」ギュッ ゆみ「ひゃぅ!? きょ、京太郎!?」アセアセ 京太郎「ごめんなさい、あのままだともう耐えられなくなりそうだったんです!」ギュー ゆみ「た、耐えるって今のこれはなんなんだ!?」 京太郎「耐えてるんです!」 ゆみ「そ、そうなのか? うぅ……」カアァァ 京太郎「……」ギュー ゆみ「あうぅ……」 京太郎(ゆみさんの耳、小さくて可愛いな) 京太郎「……」ウーン 京太郎「……愛してます」ボソッ ゆみ「~~~~~っ!!」カアァァ ゆみ(み、耳元でっ! 愛してるって! ば、バカじゃないのか!? バカじゃないのか!?) 京太郎「ゆみさん、大好きです」ボソッ ゆみ「ふあぁぁ……」ヘニャァ 京太郎「……」カプッ ゆみ「んぁっ……ってこのバカ! それは違うだろう!?」 京太郎「す、すみません。つい」 ゆみ「ついじゃない! それにさっきもついと言っていただろう。何度言うつもりなんだ」 京太郎「反省してます」 ゆみ「いまいち信用出来ないな」 京太郎「信用してください……俺、本気で反省してます」ボソッ ゆみ「~~~っ! だ、だからそういうところが信用出来ないんだ!」 京太郎「あれ、こっちも嫌でした?」 ゆみ「……嫌じゃない。続けてくれ」カアァァ 京太郎「はい」 智美「……モモー?」ワハハ 桃子「わ、私が悪いんすか!?」 智美「あの2人にそんなこと言ったらこうなるに決まってるだろー! 心配して見に来たらこれだー」 桃子「私が甘かったっす……」ガクッ 智美「反省するんだぞー」 智美「さて、後はどのタイミングで入ってやるかだなー」ワハハ 桃子「私がステルスして2人の目の前に突然現れるのはどうっすかね」 智美「それはちょっとやり過ぎ感があるなー」ワハハ 桃子「そうっすか?」 智美「こういうのは見られたか見られなかったかわからないくらいのほうが緊張感が出ていいんだ」 智美「見られたと知ったら開き直りそうだしなー」 桃子「勉強になるっす」 智美「中の様子は――」 チュッ フゥ……ンッ ユミサン…… キョウタロウ…… 智美「……これ以上ほっとくのはダメだ。今すぐ開けるぞー!!」 桃子「はいっす!」 ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ 智美(ワハハですが部室の空気が最悪です) ゆみ『むぅ、ここでこういうことをやるのはあまり気が進まないんだが』 京太郎『いいじゃないですか。2人しかいないんですから』 ゆみ『しかし』 京太郎『それにゆみさんも気持ちいいって言ってたじゃないですかー』 ゆみ『確かにそう言ったが……』 智美(……風紀的な意味で) 智美(気持ちいいって、あ、あの2人何してるんだ!?) 智美(……なんてなー。私は騙されないぞ。こういうのは早とちりだって相場が決まってるんだ)ワハハ 智美(まあそれはそれとして面白そうだからもう少し立ち聞きしてみるかー) 京太郎『俺が言い出したことですけど、ゆみさんがこんなにハマるとは思ってませんでした』 ゆみ『勘違いされたら困るが、決して私が進んでしたがってるわけではないぞ』 京太郎『そんなことないでしょう? この間俺がしたいって言わなかったときは先輩の方からしたいって言ってきたじゃないですか』 ゆみ『そ、それは……!』 京太郎『ほらほら、どうなんです?』 ゆみ『調子に乗るな』コツン 京太郎『痛っ』 ゆみ『……私が進んでしたがってはいないというのは嘘じゃない』 京太郎『え?』 ゆみ『私がしたがるのはそれ自体が好きというより君とだからだよ』 京太郎『ゆみさん……』 智美(……) 智美(いやいや、騙されないぞ。したいとかしたがってるとか言ってるだけだしなー)ワハハ 智美(……まずそうになったらドアを開けよう) 京太郎『でもなんで好きじゃないんですか? てっきりゆみさんも楽しんでたのかなって思ってたんですけど』 ゆみ『楽しんでないわけじゃないんだ。ただやるにしても適度じゃないと』 京太郎『そんなに激しくしましたっけ……?』 ゆみ『私にとってはな。……していると、なんというか変になってしまいそうで』 京太郎『そんなことないですって。ゆみさんはしっかりしてますから』 ゆみ『ううん、京太郎に弱いところを見せたくないんだ。だから……』 京太郎『確かにこれなら俺でもゆみさんに負けてませんからね』アハハ ゆみ『君の前ではいつでも頼れる先輩でいたいんだ』ムゥ 京太郎『何でもかんでも負けてたら俺の立つ瀬がありませんって』 ゆみ『それでもだ』 智美(変になる……いやいやいや。まさかさすがにそんな) 京太郎『んー、それじゃ止めます?』 ゆみ『っ!』ピクッ 京太郎『やっぱりやりたいんじゃないですか』アハハ ゆみ『う、うぅ』 京太郎『いいじゃないですか、そんな恥ずかしがらなくても』 ゆみ『仕方ないだろう。あまり見せたくないところを見せてしまうんだから』 京太郎『ゆみさんはあまり見せたくないかもしれませんが、俺にとっては見たいところです!』 ゆみ『まったく君は……』フフッ 京太郎『……それじゃしましょうか』 ゆみ『……うん』 智美(い、今からここで!? こ、これはさすがに止めないと) 智美(正直気まずいけど、いくらなんでも放ってはおけないしなー)ワハハ 智美「何してるんだ2人と……も?」 京太郎「あ、智美先輩」 ゆみ「蒲原か。どうしたんだ?」 智美「……ワハハー?」 智美「2人麻雀?」 京太郎「はい。最近ゆみさんとやってるんですよ」 ゆみ「あまりやったことはなかったがなかなか楽しいぞ」 智美「気持ちいいとか言ってたのは何だったんだー?」 京太郎「……? ああ、確かに言いましたけど、結構前に言ったことのような。いつからいたんですか?」 智美「ちょっと入るのを戸惑ったんだー」 京太郎「? まあそれは点数のことですよ。2人麻雀は萬子と字牌でやってるんで点数が高いんです」 ゆみ「そのままだとすぐ飛んでしまうからトビはなしにしているがな。結構気持ちいいぞ」 智美「激しくとか変になるとかはどういう意味なんだ?」 京太郎「激しくは頻度ですね。そんなにやってないと思うんですけど……」 ゆみ「十分多い。こんなルールで毎日やっていたら変な癖がついてしまうだろう」 京太郎「そんなことないですって」 ゆみ「それでもし弱くなったらと思うとな。そんなところ君に見せたくはない」 京太郎「あれ、そういう意味だったんですか? てっきりこれなら俺が勝ち越してるからだと思ってました」 ゆみ「……まあそれもある」プイッ 京太郎(可愛いなー) 智美「ってことは見せたくない姿っていうのはゆみちんが負けるところって意味だなー?」 ゆみ「ああ、勝負の結果とはいえ見せたいところではないさ」 京太郎「俺は見たいんですけどね。まだまだ滅多に見れませんし」 ゆみ「普通の麻雀で見れるようにしろ」コツン 智美「なるほどなー」ワハハー 京太郎「あはは」 智美「……紛らわしい!」 京太郎「うわっ」 ゆみ「い、いきなりなんだ」 智美「なんだじゃない! 最初は騙されないぞと身構えてて、聞いててまずそうだと思ったらこれかー!?」 京太郎「知りませんよ! 大体騙されるってどう騙されるんですか」 智美「気持ちいいだの変になるだの言ってたんだからわかるだろー?」 ゆみ「……! な、ば、バカかお前は!」カアァァ 智美「こっちの台詞だー!」ワハハー! …… … 京太郎「ふぅ。智美先輩、落ち着きましたか」ハァハァ 智美「あ、ああ。なんとかなー」ハァハァ ゆみ「勘違いされそうな言葉を使っていた私たちも悪かったよ」ハァハァ 智美「いや、勘違いした私が悪いんだ」 京太郎「ともかく誤解が解けてよかったです」 智美「そうだなー」ブルッ 智美「ところでちょっと寒くないかー? なんで窓が開いてるんだ」ピシャリ 京太郎「ああ、すみません。昼休みから開けててそのままにしてました」 智美「なんだ、昼休みもここにいたのかー」 ゆみ「いつもではないが、たまに来ているな」 智美「でも窓開けてたら寒くなかったか?」 京太郎「4限に体育があったんですけど、ちょっと汗臭くなったんで開けてたんですよ」 智美「なるほど。そのとき制汗剤も使ったなー」 京太郎「え? 使いましたけどわかります?」ギクッ 智美「私はモモを匂いで見つける女だぞー。柑橘系の匂いがするから何かと思ったんだ」クンクン ゆみ「そ、そんなにお前の鼻は効くのか」ギクッ 智美「ゆみちんからも同じ匂いがするなー。ゆみちんが貸したのかー?」クンクン ゆみ「あ、ああ。私も少し汗をかいたから使ったんだ」 智美「そうなのかー。冬に珍しいなと思ったんだ」 京太郎「……その、他には何か感じます?」 智美「いや、特にはわからないなー」クンクン 京太郎「そうですか」ホッ 智美「? それにしてもみんな遅いなー」 京太郎「ああ、今日は部活休みですから」 智美「えっ、私は知らないぞ」 京太郎「すみません伝えてなくて」 ゆみ「謝らなくていい。蒲原はもう部員じゃないんだから、あるかどうかは自分で先に確かめろ」 智美「ゆみちんは厳しいなー」ワハハ 京太郎「でも智美先輩鼻いいんですね。そこまでとは知りませんでした」 智美「犬にだって負けないぞー」ワハハ 京太郎「ほんと凄いですよ。ゆみさんのいうとおり窓開けたり制汗剤使ったりしなかったら危ないところでした」アハハ ゆみ「バ、バカ! 何言ってるんだ!!」 京太郎「えっ――あ、な、何でも、何でもないですから!!」ブンブン 智美(……) 智美(……) 智美(……) 智美(……………………え?) ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ ――加治木宅前―― ゆみ「ありがとう、京太郎」 京太郎「いえいえ。それじゃまた明日……あれ」 ポツポツ ゆみ「雨が降ってきたようだな」 京太郎「そうですね。でもこれくらいなら――」 ――ザァーザァー ゆみ「強くなってきたな」 京太郎「そ、そうですね。でもこれくらいなら――」 ゆみ「意味のない意地を張るな。夏じゃないんだから風邪引くぞ?」 京太郎「そうですけど傘がないので」 ゆみ「ここは私の家だぞ? 他人の家というわけじゃないんだ。傘くらい貸すさ」 京太郎「あ、そうですね。じゃあすみませんけど貸してください」 ゆみ「ああ、じゃあちょっと待って……」ピコーン ゆみ「そうだ。せっかくだしちょっと上がっていくか?」 京太郎「え、ゆみさんの家にですか?」 ゆみ「うん、私は京太郎の家に何度か行っているが、京太郎が来たことはなかっただろう?」 京太郎「いやそうですけど突然上がるわけには」 ゆみ「こんな雨なんだから上がる理由としては十分だろう」 京太郎「ええとその……」 ゆみ「もしかして私の両親と会うかもしれないと思って緊張しているのか?」 京太郎「はい、突然だったんで心の準備が」 ゆみ「私も君のお母さんと会うときは緊張するから気持ちはわかる」 京太郎「ですよね! だから今日は傘だけ借りて――」 ゆみ「だから覚悟を決めろ。いずれ会わなきゃいけないだろう?」 京太郎「べ、別に今じゃなくても」 ゆみ「……君が会うつもりがないというなら別に構わないんだが」 京太郎「」ホッ ゆみ「……つまり私と一緒になるつもりがないということだろうか」ウルッ 京太郎「ち、違いますよ! 気持ち的には高校卒業したらすぐにでも――って何言わせるんですか!?」 ゆみ「そうかっ。それならほら中に」パアァァ 京太郎「いやその……はい。わかりました」ガクッ ゆみ「うん、嬉しいよ」 京太郎(うぅ、ゆみさんのお母さんと対面か。緊張するなぁ)ドキドキ ゆみ「ただいまー」ガチャ 京太郎(最初が肝心だよな。会ったら丁寧に挨拶を……)ドキドキ ゆみ父「おかえり。遅かったな」 京太郎「」 ゆみ「部活が少し長引いたんだ。お父さんこそ早いじゃないか」 ゆみ父「ああ、今日は何か早く帰った方がいい予感がしてな。半休を取ったんだ。そちらの彼は?」 ゆみ「彼は私のこい――」 京太郎「後輩の須賀京太郎です! 初めまして!!」バッ 京太郎(ゆみさんいきなり何言おうとしてんの!? よく反応した俺! 自分で自分を褒めてやりたい!)ドッドッドッ 京太郎(というかいきなりラスボスかよ!? もっと段階踏ませてくれ!)ドッドッドッ ゆみ父「そうか。君が須賀君か。君のことはゆみからよく聞いているよ」 京太郎「そ、それはどうも」 ゆみ父「ゆみと付き合っているそうだな」 京太郎「」 ゆみ「うん……」モジモジ 京太郎(誤魔化した意味なかったー! ゆみさん喋ってたんだ!? でも可愛いなもう!) ゆみ父「それでなんで須賀君は来ているんだ?」 ゆみ「部活で遅くなったから送って貰ったんだ」 ゆみ父「そうか。それはすまなかった」 京太郎「い、いえ。とんでもないです」ブンブン 京太郎「それじゃあ俺はこれで……」 京太郎(よし、滅茶苦茶慌てたけど無難に対応できた! 少なくとも悪印象じゃないはずだ! よくやった俺!)グッ ゆみ「あれ、帰るのか? 上がっていくと言っていたじゃないか」 京太郎(ゆみさん勘弁して下さい!!) 京太郎「い、いやほら、家族水入らずなわけですし俺が上がるわけには……」 ゆみ「お父さんが単身赴任しているわけじゃあるまいし、水入らずなんて大袈裟なものじゃないさ。そんなこと気にするな」 ゆみ父「……そうだな。雨も降っているしせっかくだから上がっていくといい」 ゆみ父「色々と聞きたいこともあるしな」チラッ 京太郎(あ、これダメなやつだ) ゆみ「お父さんもこう言っているし、どうかな京太郎。もちろん無理にとは言わないが」シュン 京太郎「……その、じゃあ少しお邪魔させて貰います」 ゆみ「そうかっ」パアァァ 京太郎(ああ可愛いなあ)ポワー ゆみ父「……」ジッ 京太郎(ひっ!)ビクッ ゆみ「それじゃ京太郎。私の部屋はこっちだ」 京太郎「え? は、はい」 ゆみ父「……ゆみの部屋に行くのか?」 京太郎「い、いえその」 ゆみ「うん。この間京太郎の部屋に行ったから、今日は私の部屋を見てもらうと思って」 ゆみ父「須賀くんの部屋に行ったのか」ジロ 京太郎「あ、あはは……」 ゆみ父「ゆみの部屋に行ってしまうのではあまり話せないな。ついでだ。夕飯も食べていくといい。母さんに言っておく」 京太郎「い、いえ、そこまでご迷惑をかけるわけには!」 ゆみ「何か予定があるのか?」 京太郎「そういうわけじゃないですけど」 ゆみ「それなら遠慮するな。ありがとう、お父さん」 京太郎(胃がキリキリしてきた……) 京太郎「ここがゆみさんの部屋ですか」キョロキョロ ゆみ「あまりジロジロと見るな」 京太郎「うーん」 ゆみ「どうかしたか?」 京太郎「いえ、机と椅子しかないほどさっぱりした部屋か、これでもかってくらい少女趣味な部屋かのどちらかだと思ってたんですが」 ゆみ「なんなんだそのイメージは」 京太郎「見た目通りかギャップ萌えかです!」 ゆみ「何を言ってるんだ……それで、実際に見てどう思ったんだ?」 京太郎「普通ですね」 ゆみ「もしかして喧嘩を売られているのかな私は」 京太郎「そんなことないです。ゆみさんの部屋ってだけで感動してますよ!」 ゆみ「そ、そうか。そういえば普通って他の女子の部屋を知っているのか?」 京太郎「知ってますよー」フフン ゆみ「ほう」ゴッ 京太郎「し、知ってるっていっても咲ですよ。中学まではお互い行き来してたんで」ダラダラ ゆみ「ああ、そうか。そうだったな。そういえば宮永から聞いたことがあったよ」 京太郎「咲からですか? あ、メールとかよくしてるんでしたっけ」 ゆみ「うん、散々自慢された」 京太郎「自慢って。まああいつからしたらそんなつもりじゃないと思いますよ」アハハ ゆみ「……そうだな」ハァ 京太郎「?」 ゆみ「ちなみに宮永の部屋と比べて私の部屋はどうだ?」 京太郎「咲の部屋より綺麗ですね。あいつ読みかけの本とかよくその辺に置いてるんですよ」 ゆみ「宮永は本が好きなんだったな」 京太郎「はい。中学のときは暇さえあれば読んでましたよ」 ゆみ「ふむ、私も読書は好きだがさすがにそこまでではないな」 京太郎「あーでも少女漫画はゆみさんのほうが多いですよ」 ゆみ「それはあまり喜べない情報だな……宮永はたくさん持っていそうなイメージだったんだがそれより多いか」ガクッ 京太郎「咲も少女漫画読みますけど、メインは小説ですからね」 ゆみ「くっ」 京太郎「でも部屋に入って初めてゆみさんが少女漫画好きなんだなって実感しましたよ」 ゆみ「あまり男子とまともに話すことがなかったからな。少女漫画を読んで憧れたりしていたんだ」 京太郎「そうなんですか」ヘー ゆみ「……」ピト 京太郎「ゆ、ゆみさん?」ドキッ ゆみ「蒲原に散々からかわれたが、憧れが現実になったときは嬉しかったよ」 京太郎「え、えっとそれは……」カアァァ ゆみ「もちろん京太郎のことだ。まあ後輩ものはほとんどないんだが」クスクス ゆみ「それでも、あれくらい劇的な告白はそうないんじゃないかと思うよ」 京太郎「そう言われるとプレッシャーですけど、告白の後も少女漫画のイケメンに負けないように頑張りますよ」 ゆみ「無理せずにな」クスッ 京太郎「はい」ハハ ゆみ「もうこんな時間か。……そうだ、私はお母さんの手伝いに行ってくるよ」 京太郎「え?」 ゆみ「初めて君が来たんだからそのくらいしないとな」 京太郎「そしたら俺は……」 ゆみ「ここにいてもいいぞ? 大したものはないが」 京太郎「い、いや、それはやめときます!」 ゆみ「そうか? それじゃリビングで待っていてくれ」 京太郎「は、はい……」 ゆみ父「……」 京太郎「……」 京太郎(やっぱこうなるよな! 気まずい……) ゆみ父「須賀くん」 京太郎「は、はい!」ビクッ ゆみ父「君は中学までは別のところにいたと聞いたが」 京太郎「あ、はい。父の仕事の都合で卒業と同時にこっちのほうへ引っ越してきました」 ゆみ父「鶴賀に入ることにしたのは何故だ?」 京太郎「偏差値的にちょうど良かったんです」 ゆみ父「去年まで女子校だが、入ってから大変そうだとは思わなかったか?」 京太郎「……その辺りはよく考えずに偏差値と進学実績だけ見て選んでました」アハハ ゆみ父「ふむ、そうか」 京太郎(元女子校って響きに憧れたなんて言えねえ……!) ゆみ父「それと、須賀くんには聞きたいことがあったんだ」 京太郎「は、はい!」 ゆみ父「君は――」 ゆみ母「お父さん、須賀くん。ご飯できたわよ」 ゆみ父「む、そうか。須賀くん、話は食卓で」 京太郎「は、はい……」 京太郎(生殺しだ……)ゲッソリ ゆみ母「須賀くん、改めて初めまして。挨拶が遅れてごめんなさい」 京太郎「い、いえ。おれ……僕のほうこそ、ゆみさんのお母さんに挨拶に行かずにすみません」 ゆみ母「無理しないで俺でいいわよ」クスクス 京太郎「は、はい」アセアセ ゆみ母「それと、ゆみさんのお母さんなんて言いづらいでしょう? お母さんでいいわよ。ねえお父さん」 京太郎(ゆみさんのお母さん、お願いですからそっちに振らないで!) ゆみ父「いや、ゆみさんのと付けたほうが礼儀正しくていいと思うが」 京太郎(何にもしてないのに地雷踏んだよちくしょー!) ゆみ母「そう? 私はどっちでもいいと思うけど」 ゆみ「お母さん、京太郎をあまり困らせるな。京太郎、遠慮せずに食べてくれ」 ゆみ母「あら、作ったのほとんど私じゃない」 ゆみ「結構手伝ったじゃないか。変なこと言わないでくれ」 京太郎「あはは……」パクッ ゆみ母「お口にあうかしら?」 京太郎「はい、おいしいです」 ゆみ「京太郎、こっちも食べてみてくれ」 京太郎「は、はい」パクッ 京太郎「……」モグモグ ゆみ「ど、どうかな」 京太郎「おいしいですよ」 ゆみ「そ、そうか」パアァァ ゆみ「と、ところで最初に食べたとの後に食べたのではどっちがおいしかった?」 京太郎「え? ええと……」 ゆみ「……」ドキドキ 京太郎「あ、後に食べたほうがおいしかったですよ」 ゆみ「そうかっ! 実は後に食べた方を私が作ったんだ」パアァァ 京太郎「そ、そうだったんですか」アハハ… ゆみ母「ゆみ。そんなにプレッシャーかけたら、後に食べた方をおいしいっていうに決まってるじゃない」 ゆみ「私がどっちを作ったかなんて言ってないじゃないか」ムゥ ゆみ母「あなたのそういうところ、少しは知っていたつもりだったけど……」ハァ ゆみ「?」 ゆみ父「須賀くん、さっきの話の続きなんだが」 京太郎「は、はい!」 ゆみ父「本題に入る前に1つ聞きたい。君は昔から金髪なのか?」 京太郎「はい、昔からです。でも染めてるわけじゃなくこれは地毛なので生まれたときから……」 ゆみ父「ああいや、それは構わない。……そうか。地毛か」 京太郎「ええと、はい」 ゆみ父「……すまない。本題に入ろう。私が聞きたいのは麻雀の大会のときの話だ」 京太郎「大会ですか」 ゆみ父「ゆみから聞いたんだが、君は大会会場の大勢がいるところでゆみに告白したらしいな」 京太郎「は、はい」ダラダラ ゆみ「恥ずかしくて仕方がなかったけど、でも嬉しかったよ」 ゆみ父「ああ、まあそこまではいいんだ。情熱があって悪いことではないと思う」 京太郎「あ、ありがとうございます」 ゆみ父「ゆみから聞いたのはここまでだが、インターネットで長野の大会会場でのある噂を見たんだ」 京太郎「どんな噂ですか」 ゆみ父「金髪の学生が先輩に大声で告白した後全力で逃げ出したという噂だ」 京太郎「」 ゆみ父「挙句よく分からない条件を付け、最終的にその次の週の個人戦で」 ゆみ父最初に告白された女子の先輩の方から自分に告白させたとか」 京太郎「」 ゆみ父「……まさかとは思うのだが、これは君のことか?」 京太郎「え、ええとそれはですね……」チラッ ゆみ(すまない、フォローできない)フイッ 京太郎(ですよねー) 京太郎「すみませんでしたぁ!! もう2度といたしませんっ!!」ドゲザ ゆみ父「そこまでしなくてもいい、というか2度あっても困るんだが……やはり君とゆみのことだったか」フゥ ゆみ母「まあまあいいじゃない。ちょっとヘタレなところがあったほうが可愛らしくて」クスクス 京太郎「」グフッ ゆみ「きょ、京太郎! 2人ともいいじゃないか別に! 確かにあのときは本気で腹立ったけどそんなダメなところも好きなんだ!」 京太郎「」ガクッ ゆみ母「あなたがとどめ刺してどうするの」 ゆみ「え?」 ゆみ父「……」ハァ …… … 京太郎「今日はどうもありがとうございました」 ゆみ母「こちらこそ、ゆみを送ってくれてありがとう」 ゆみ父「また来なさい。今度は落ち着いて話そう」 京太郎「は、はい」ダラダラ ゆみ「じゃあ私は家の前まで見送るから」 ゆみ母「はいはい」クスクス ゆみ「今日は楽しかったよ」 京太郎「こちらこそ。大会のこと言われたときは死のうかと思いましたけど」ハハ… ゆみ「告白されたということは話していたが、まさか2人が知っているほど噂になっているとは……すまなかったな」 京太郎「まあ自分のやったことですし。後になってバレるよりよっぽど良かったですよ」 京太郎「それより告白のときのこと知っても優しい対応してくれたのが嬉しかったです」 京太郎「一人娘の彼氏とかどんな対応されるかと思ってましたよ」 ゆみ「私は男子と普通に話したことがほとんどなかったからな。2人とも心配してたんだよ。君には感謝していると思う」 京太郎(感謝ってことはないと思うなあ、特にゆみさんのお父さんの方は)アハハ… ゆみ「……いつまでも話していたら遅くなってしまうな。京太郎、また明日」 京太郎「はい。また明日」 ゆみ「そうだ、ちょっと待った」クイッ 京太郎「はい?」 ゆみ「今度来るのは2人のいないときにな」ヒソッ 京太郎「えっ」ドキッ ゆみ「フフッ、それじゃ今度こそまた明日」ガチャッ 京太郎「はい……」 京太郎(急にあんなこと……あーもう、ずるいって)カアァァ ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ ――卒業式後 部室―― ゆみ「私たちも卒業か……」 智美「早かったなー」ワハハ ゆみ「そうだな、特にこの1年は時間がすぎるのがあっという間だった」 智美「3年間色々あったけど、一番印象的なのはやっぱりあれだなー」 ゆみ「ああ、部員が揃って団体戦に出られたのは本当に嬉しかったよ」 智美「いやそれじゃな……って個人戦で全国に行けたことじゃないのか。ゆみちんらしいなー」 ゆみ「まあ個人戦は私が意地を張って出なかっただけだからな。蒲原こそこれじゃないならなんなんだ?」 智美「私のもゆみちんがよく知ってることだと思うぞ」 ゆみ「気になるだろう。もったいぶらずに言ってくれ」 智美「ゆみちんが本気で転校しようか悩んでるって相談してきたときだなー」 ゆみ「なっ!?」 智美「理由を聞いたときは、初めてゆみちんのことをバカなのかと思ったなー」ワハハ ゆみ「し、仕方ないだろう!?」 智美「女子校に来たのに男子が来るから転校したい、とか言い出すのが仕方ない状況なんてないと思うぞ」 ゆみ「女子校なんだからそう思う女子がいてもいいだろう別に!」 智美「何かあったとかならわかるけど、何を話したらいいかわからないってだけで転校したいってのはなー」ワハハ ゆみ「本気で悩んでいたんだ! なのにお前は笑い転げて……!」 智美「そもそも3年生と1年生じゃ話す機会があるかどうかもわからないのに」ワハハ ゆみ「実際あったじゃないか!」 智美「まあそうだなー」 ゆみ「だから私はおかしくない」 智美「その後輩と会ってから数ヶ月で付き合ってなければおかしくなかったなー」ワハハ ゆみ「うっ」ギクッ 智美「しかも付き合ったかと思ったら人目も憚らずイチャイチャイチャイチャ。あのときの言葉は何だったのかと思ったぞ」ワハハ ゆみ「人のいるところでは控えていたはずだ!」 智美「あれで控えてたのか……まあ、人がいないところではしてたって自覚はあるんじゃないか」 ゆみ「ぐっ」ギクッ 智美「男子と話せないなんて言ってた親友がすぐバカップルになるとか人間不信になりそうだ」ワハハ ゆみ「べ、別にバカップルじゃない。それに京太郎じゃないと上手く話せな……」ゴニョゴニョ 智美「まだ言うかこいつは。お、京太郎たちが来たぞー」 京太郎「ゆみさん、智美先輩。卒業おめでとうございます!」 桃子「2人ともおめでとうっす!」 佳織「加治木先輩、智美ちゃん、おめでとうございます。寂しくなりますね」 睦月「そ、卒業おめで、とうございます」グスッ ゆみ「みんなありがとう。津山はそんなに泣くな」ポンポン 智美「もうすぐ新入生が入るんだから、頼れる先輩にならないとダメだぞー」ワハハ 睦月「わ、わかってますけど」グスッ 佳織「今日くらいは仕方ないですよ。わ、私だって」グスッ 京太郎「2人とも湿っぽくするのは止めようって言ったじゃないですか! もっと明るい話題にしましょう!」 桃子「そうっすよ! とりあえず智美先輩の進路が決まってよかったっす」 智美「私の実力なら心配なんていらなかったけどなー」ワハハ ゆみ「お前そう言ってギリギリだったじゃないか」 智美「勝てば官軍だー」ワハハ 佳織「もう、なにそれ」アハハ 睦月「ぐすっ……智美先輩も大学で麻雀を続けるんですか?」 智美「そのつもりだぞ。ゆみちんとは敵同士だなー」ワハハ ゆみ「ああ、負けないぞ」 智美「ゆみちんは長野一の強豪行くんだから負けたら赤っ恥だなー」ワハハ ゆみ「いちいち話の腰を折るな」ハァ 桃子「私も2年後はゆみ先輩の大学に行くっすよ! 全国制覇を目指すっす!」 睦月「わ、私も目指します!」 佳織「私は――」 智美「私のところには来ないんだな」ワハハ… 佳織「わ、私は智美ちゃんのところに行くよ!」 智美「無理しなくていいんだぞ」ワハハ… 佳織「別に無理なんて……」 智美「いやまあ麻雀やるにしても佳織の学力的にも、あえて私の大学目指す理由なんてないしなー」ワハハ 佳織「それ言っちゃうんだ……」 桃子「春からは2人とも女子大生っすかー」 睦月「大人の女って感じがするね」 京太郎「大人の女……」ウーン 桃子「京太郎、アウトっす」 京太郎「何でだよ!?」 智美「目つきがアウトだったなー」 佳織「京太郎くん……」 京太郎「響きだけでも惹かれるんですよ! しょうがないじゃないですか!」 ゆみ「……それは私があまり年上らしくないからかな」シュン 京太郎「ち、違いますよ。ゆみさんが女子大生になるところ想像してたんです」 ゆみ「ん、そうか」パアァァ 京太郎「はいっ」 桃子「唐突なイチャつきやめてくれないっすかね」 睦月「鮮やかだったね」 智美「最後までこんな感じだったなー」ワハハ 佳織「来年はもう見られないと思うと少し残念かな」 ゆみ「私たちをなんだと思ってるんだ!」 京太郎「まるでいつもいちゃついてるみたいに!」 一同「……そのものじゃない」 京太郎・ゆみ「そんなはずは」 一同「それ!」 桃子「バカップルは置いといて、先輩たちの送別会もちゃんとやりたいっすね」 睦月「そうだね、盛大にやろう」 智美「それはちょっと恥ずかしいな」ワハハ 京太郎「今日はクラスで集まりますよね」 ゆみ「そうだな。さすがに今日はそっちに出る予定だ」 京太郎「それじゃ土曜日にやりましょう。精一杯送り出しますよ!」 智美「寄せ書きとか憧れるなー」ワハハ ゆみ「この人数で寄せ書きというのも難しいだろう」 智美「ちょうど四分割すればいいから書きやすいんじゃないか?」 ゆみ「そういうものかな。私も書いたことがないからよくわからないが」 睦月「その、出来ればそういう話は控えていただけると……」 智美「おお、ネタ潰ししてたら悪かったなー」ワハハ ゆみ「すまない、あまり気にしないでくれ」 睦月「い、いえ……」アハハ 京太郎(ハードル上がったな)ヒソヒソ 桃子(わざとかって感じっすね)ヒソヒソ 佳織(土曜日までに何か考えないと……)ヒソヒソ 京太郎「そうだ、せっかくだし記念写真でも撮りましょうか」 桃子「いいっすね。でもカメラはあるんすか? まあ携帯でもいいっすけど」 京太郎「携帯にセルフタイマーとかあるのか?」 桃子「結構あるっすよ。というか大体あるんじゃないすか?」 京太郎「マジかよ。全然知らなかった」 桃子「機械に疎いっすねー。それでも男の子っすか!」 京太郎「携帯は大抵女子のが詳しいだろ」 智美「盛り上がってるとこ悪いけどちゃんとカメラはあるぞー」ワハハ 佳織「用意いいね。卒業式だから持ってきたの?」 智美「いや、部費で買ったカメラだ」ワハハ 睦月「部費で!?」 ゆみ「いつの間に、というかどう誤魔化して買ったんだ」 智美「全国大会出場をアピールして押し通したんだ。いい順位なのに写真も残せないなんて恥だとか何とか」 京太郎「さっぱりわからないですけどさすが智美先輩!」 智美「もっと褒めるといいぞー」ワハハ 佳織「智美ちゃん、部費で買ったなら私たちに言っておこうよ」 智美「……ワハハー」 ゆみ「私たちまで誤魔化すな」ハァ 京太郎「それじゃタイマーセットしますよ。10秒です」 ゆみ「ああ」 京太郎「行きまーす」 ピッピッピッピピピピピ……カシャッ 智美「どんな感じかなー」 睦月「うん、よく撮れてますね」 桃子「このカメラの最初の写真が卒業式の集合写真っすか。もっとたくさん撮りたかったっすよー!」 智美「買うだけ買って忘れちゃってなー。まあ今日でデータがいっぱいになるくらい撮ろうじゃないか」ワハハ 佳織「いっぱいって何枚くらい撮れるの?」 智美「確か千枚ちょっとかなー」ワハハ 佳織「ちょっと多いよ!?」 智美「私たちが打ち上げに行くまで撮ってればきっと撮れるだろー」 京太郎「1分間に1枚どころじゃないんですが」 智美「まあなんとかなるさ」ワハハ ゆみ「いい時間だし、そろそろ私と蒲原は昼ご飯を食べに行こうと思うがお前たちはどうする?」 桃子「行くに決まってるじゃないっすか!」 佳織「もちろん行きますよ」 睦月「なかなか言われないのでこっちから切り出そうかなと思ってました」 ゆみ「そうか。それじゃあちょっと先に行っていてくれ。ちょっと京太郎と蒲原に用があるんだ」 京太郎「?」 睦月「時間かかります?」 ゆみ「いや、すぐに終わるよ。少しだけ待っててくれ」 桃子「了解っす」 佳織「わかりました」 京太郎「用ってなんですか?」 蒲原「私も残ってていいのか?」 ゆみ「あー、いやその、だな」チラッ 蒲原「……あー。京太郎とツーショット撮りたいんだな」ワハハ 京太郎「えっ?」 ゆみ「……」コクッ 智美「そんな顔真っ赤にするくらいなら、わざわざかしこまらなくてもこの後流れで撮ればいいじゃないか」 ゆみ「……部室にはもう来ないだろうから、京太郎と思い出を残して置きたいんだ」カアァァ 京太郎「ゆみさん……」ジーン 智美(聞いた私が馬鹿だったなー)ワハハ… 智美「待たせると悪いから速く撮るぞー」 ゆみ「あ、ああ」 京太郎「は、はい」 ゆみ「……」ドキドキ 京太郎「……」ドキドキ 智美「ほらほら、さっさとくっつけー」イラッ 京太郎「は、はい!」グイッ ゆみ「きゃっ」 智美「」パシャ 京太郎「どうですか?」 智美「こんな感じだなー」 京太郎「いいんじゃないですか?」 智美「それじゃ行こうかー……ゆみちん?」 ゆみ「……その、もう一枚だけ」 智美「え?」 …… … ――10分経過―― 智美「も、もうそろそろいいだろー?」グッタリ 京太郎「睦月部長たちをこれ以上待たせちゃ悪いですし……」 ゆみ「そ、そうだな。じゃあこれが本当に最後で」アハハ 智美「本当に最後だぞー」 ゆみ「もちろんだ」 智美「それじゃ撮るぞ」 ゆみ「ああ」クイッ 京太郎「ゆみさん?」オットト ゆみ「」チュッ 智美「」パシャ 京太郎「――な、ゆ、ゆみさん!?」カアァァ ゆみ「最後だし、ほっぺくらいいいだろう」カアァァ 智美「どんどん大胆になってたけど、こっちの身にもなって欲しいなー」ワハハ… 京太郎「なんというか慣れてきてましたね」アハハ… ゆみ「そ、そんなことはない。ほら行こう――」ガラッ 桃子・睦月・佳織「あ」 ゆみ「え?」 一同「……」 ゆみ「お、お前たち見てたのか!?」 桃子「いやー遅かったから気になったんすよ」アハハ… 睦月「見たら写真撮っててマズイかなーと思ったんですけど」アハハ… 佳織「好奇心に負けてズルズルと」アハハ… ゆみ「……こ、後輩にあんなところを見られるなんて」ガクッ 智美「気にするなゆみちん。正直今さらだから」ワハハ ゆみ「そ、そんなはずは……」チラッ 桃子「いやー」フイッ 睦月「その」フイッ 佳織「あ、あはは」フイッ ゆみ「くっ……」ガクッ 京太郎「ゆみさん。大丈夫です、俺がいますから」 ゆみ「京太郎ぉ」ギュッ 一同(こんなことしてるのになんでそんなはずはなんて言えたんだろう……) ………… ……… …… … ――加治木宅前―― ゆみ「まさかあんな風に思われていたとは……」 京太郎「意外でしたね」 ゆみ「知られていたのならあまり隠さなくてもよかったのかな」 京太郎「そうかもしれませんね。まあどっちにしろこれからは隠さなくてもいいじゃないですか」 ゆみ「そうだな。……家についてしまったか」 京太郎「はい。家でよかったんですか?」 ゆみ「ああ、どちらにしろ一度着替えなきゃいけないからな」 京太郎「あ、そうですね」 ゆみ「……こうやって君に送られるのも最後か」 京太郎「……はい」 ゆみ「今まではなんとなくしていたのに、出来なくなると思うと寂しいな」 京太郎「会えなくなるわけじゃないですし、すぐ慣れますよ。まあそれも寂しいですけど」 ゆみ「……そうだ。京太郎、第2ボタンをくれないか?」 京太郎「俺は卒業生じゃないですけど……」 ゆみ「いいじゃないか。私は卒業してしまうんだし」 京太郎「それもそうですね。よっと……」 ゆみ「ああ、いいよ。私が取る」モゾモゾ ゆみ「……ん、取れた」 京太郎「な、なんか恥ずかしいですね」 ゆみ「そうだな」フフッ ゆみ「京太郎、私の第2ボタンも貰ってくれ」 京太郎「え? でも女子のは縫い付けてあるじゃないですか」 ゆみ「ハサミくらいあるよ。ほらこれで」スッ 京太郎「そ、それじゃあ失礼します」 ゆみ「ああ」 京太郎「っと……」チョキン ゆみ「大切にしてくれよ」 京太郎「当然です。ゆみさんこそ俺のボタン大切にしてくださいね」 ゆみ「もちろんだ」 京太郎「でも珍しいですね。ゆみさんは写真もボタンも好きそうですけど、自分からはあんまり言い出さないのに」 ゆみ「……卒業が近くなるともっとああしておけばよかった、こうしておけばよかったと思うんだ」 ゆみ「今から戻ることは出来ないから、せめて写真とかボタンとか、形になるものを思い出として残しておきたいと思って」 ゆみ「……自分から言うのは少し恥ずかしかったけどな」カアァァ 京太郎「ゆみさん……」 ゆみ「悔いはあるけれど、京太郎と写真も撮れたし、ボタンも貰えた。これで大学生活も頑張れそうだ」フフッ 京太郎「……俺、毎日電話しますよ!」 ゆみ「ああ、ありがとう。君も高校生活を頑張れよ。2年間は長いようで短いから」 京太郎「はい。……ゆみさん、1年間ありがとうございました」 ゆみ「私のほうこそありがとう。まあ、ここから離れるわけじゃないんだがな」フフッ 京太郎「一応高校生活のけじめです」 ゆみ「そうか。……そろそろ準備しないと。またな、京太郎」 京太郎「はい。また」 ――大会会場―― 桃子「あ、ゆみ先輩! 今週も来てくれたんすか!?」 ゆみ「ああ、当たり前だろう? まあ少し遅れてしまったが」 桃子「京太郎の個人戦開始には間に合わなかったっすねー」ニヤニヤ ゆみ「べ、別にそういうわけでは」 桃子「そんな無理しなくていいっすよ」ニヤニヤ ゆみ「まあなんだ。電話はしたしな。間に合わなくて残念じゃないといえば嘘になるが……」 桃子「そ、そうっすか」エー 智美「ゆみちんの惚気けっぷりをなめちゃダメだぞ―」ワハハ 佳織「智美ちゃんも来てくれたんだ」 智美「もちろんだ」ワハハ 睦月「お二人ともありがとうございます」 ゆみ「気にするな。後輩の晴れ舞台を見るために来たんだから」 智美「団体戦の雪辱を果たすんだー!」ワハハ ゆみ「雪辱といっても4位だし十分立派じゃないか」 智美「ダメだぞゆみちんそんなこと言っちゃ。自分がそう言われて納得できたかー?」 ゆみ「む」 桃子「そうっす! 私は来年も4位に甘んじるつもりなんか微塵もないっすよ!」 佳織「私がもうちょっと振り込まなければなあ……」 桃子「や、天江宮永を相手に役満2回も和了ったかおりん先輩を責める人なんていないっすからね?」 佳織「でも……」 睦月「あの2人で対抗しあってたとはいっても、十分凄いことだよ? ほんとに」 ゆみ「妹尾は相変わらずのようだな」 智美「これでこそ佳織ってかんじだなー。でも個人戦まで引きずっちゃダメだぞ」ワハハ 佳織「それは大丈夫。みんなに余計な心配かけたくないから」 睦月「うん。その意気」 ゆみ「それでその……」 桃子「なんすか?」ニヤニヤ ゆみ「きょ、京太郎の様子はどうだろうか」 桃子「ようやく本題に入ったっすね!」 ゆみ「ほ、本題とはなんだ。私は別にただ後輩の応援に来ただけで」 智美「来るときに途中経過出てたと思うけど見なかったのかー?」ワハハ ゆみ「……怖いじゃないか」ボソッ 智美「ゆみちんは可愛いなー」ワハハ 睦月「京太郎くんは……あ、ちょうど映るみたいですね。見てください」フフッ ゆみ「あ、ああ」ビクビク アナ『ついにオーラスを迎えたこの卓。現在総合1位の下家選手と総合3位の須賀選手がトップを争っています』 藤田『下家の総合1位はほぼ確定だが、須賀は4位との差が小さい。須賀はなんとしても勝ちたいだろうな』 アナ『その須賀選手はなかなかの好配牌。他家と比べても手が速そうです』 藤田『打点も悪くない。1位も十分狙えそうだな』 ゆみ「全国圏内じゃないか!」 睦月「はい。京太郎くん頑張ってますよ」 佳織「凄いですよね。後はここで勝つだけです」 桃子「私たちも負けていられないっすね!」 智美「ちょっと気が早いぞ。まずは応援だ」 ゆみ「頑張れ、京太郎くん……!」ギュッ ………… ……… …… … --------------------------------------- 京太郎「ツモ! 3000・6000!」 アナ『試合終了ーーー! オーラスで須賀選手が下家選手を逆転! トップで終了です!』 京太郎「~っしゃあ!!」 下家「あー負けちまったか。須賀、おめでとう」 京太郎「ついにリベンジが果たせました」アハハ 下家「総合順位じゃまだ俺が勝ってんだからな。借りは全国で返す」 京太郎「俺も今度は総合順位でも勝ってみせます!」 下家「言うようになったじゃねえか。それじゃ全国でな」 京太郎「はい!」 スタスタスタ… 京太郎(……試合前は来てなかったけど、ゆみさん来てくれてるかな) 京太郎(多分全国も決まっただろうし、ちゃんと言わないとな) --------------------------------------- 桃子「全国行きほぼ決まりっすね!」 佳織「京太郎くん凄い!」 睦月「誰よりも頑張ってたもんね。報われてよかった」 智美「卒業してからも頑張ったんだなー」 ゆみ「京太郎くん……!」ウルッ 智美「ん? ……ゆみちん、京太郎のところへ行って来たらどうだー?」ワハハ ゆみ「い、いやしかし卒業した私が今の部員より先に行くわけには……」ウルッ 睦月「気にしないでください。ほら、私たちは私たちの決勝の準備とかありますし」 佳織「それに私たちはおめでとうっていう機会はいくらでもありますから」 ゆみ「でも……」グスッ 桃子「というかあれっすよ。決勝を控えてる私たちの前で惚気けられるのもちょっと」 ゆみ「だ、誰がそんなこと」グスッ 智美「まあ既に泣いてる時点で説得力はないなー」ワハハ ゆみ「うっ」 桃子「ほら、行ってくるっす。京太郎も待ってるっすよ」 ゆみ「……わかった。ありがとうみんな」タッタッタッ 智美「まったく、付き合ってるんだからあんなに躊躇しなくていいのになー」ワハハ 佳織「大学生になってもやきもきさせられるところは変わらないね」フフッ 桃子「ゆみ先輩らしいっすよ」 睦月「真面目だよね。私たちのことなんて気にしなくていいのに」 智美「まあ本当に気にしないで目の前でやられてもそれはそれで困るけどなー」 睦月「それはそうですね」クスッ 睦月「……さあみんな、ここからは切り替えて、京太郎くんに負けないように私たちも決勝がんばろう!」 一同「おー!」 京太郎「よし! 全国決まってた! 結果見ると安心するなー」ホッ 京太郎「次は控室で応援を――」 ゆみ「京太郎!」タッタッタッ 京太郎「ゆみさん!? 来てくれてたんですか」 ゆみ「もちろんだ……まあ、少し遅れてしまったが」 京太郎「それでもすげー嬉しいです!」 ゆみ「ん、そうか。京太郎、全国出場おめでとう」 京太郎「ありがとうございます! ……その、ゆみさん、先に謝っときます。ごめんなさい」 ゆみ「うん? どうした?」 京太郎「……ゆみ」 ゆみ「!? な、なんだどうしたいきなり!?」ドキッ 京太郎「俺、全国に出られたら言おうと決めてたことがあるんだ」 ゆみ「う、は、はい」ドキドキ 京太郎「俺もプロを目指すよ。ゆみの隣にずっといられるように。ゆみと同じ大学に行って」 ゆみ「!」 京太郎「今まではその、自分に自信がなくてそんなこと言えなかったけど、やっとゆみと同じだけの結果を残せたから」 京太郎「ずっとゆみと同じ道を歩いて行きたいんだ。……今の俺はまだ後ろにいるけど、いつか追いつきたいし、追い越したい」 京太郎「だから、これからもずっと一緒に頑張りたい! ダメだって言っても追いかけるけど、出来れば認めてほしい」 ゆみ「……敬語を使わなくなったのも、これでようやく私と同じところに立てたとか思ったからか?」フフッ 京太郎「うっ。は、はい。その、嫌でしたらもちろんやめますので……」 ゆみ「もっと自信を持って欲しいな。呼び捨てでいいなんて前にも言ったろう?」 京太郎「そ、そうで……だったっけか」 ゆみ「まあその、驚いたし多分顔も真っ赤になっていると思うが、直に慣れるから気にしないでくれ」カアァァ 京太郎「わかった」 ゆみ「それでプロを目指すんだな。そんなこと、私が認めるも認めないもないだろう」 京太郎「いやでも……」 ゆみ「うん、まあ言いたいことはわかるよ。……実を言うと、私も想像していたんだ」 京太郎「え?」 ゆみ「京太郎もプロを目指してくれたらいいなって私も思っていたんだ」 ゆみ「学生の間だけじゃなくて、大人になってからもずっと同じ道を歩いていけたらって」 京太郎「ほ、本当に!?」 ゆみ「ああ、だから君がそう言ってくれて、おんなじことを考えていたんだなって思うと嬉しかったよ」フフッ 京太郎「……ゆみ!」ガバッ ゆみ「ひゃぅ!? な、何を!?」ワタワタ 京太郎「俺頑張るから! とりあえず全国で入賞できるように応援しててくれ!」ギューッ ゆみ「……うん、応援も出来るだけ行くようにするよ」ギュッ 京太郎「いや、それはお金がかかるでしょうから無理しなくても」 ゆみ「なんでそこだけ現実的になるんだ」ハァ 京太郎「抱きしめたらちょっと冷静になって来たんですけど、そしたら恥ずかしくなってきたので少し現実逃避を」 ゆみ「今さら遅い。だからもう少しこのままでいてくれ」 京太郎「……いや、でもいつものパターンだとこの辺りで」 ゆみ「蒲原たちか? 決勝を控えてるんだからいくらなんでも――」チラッ 智美・桃子・睦月・佳織「あ」 京太郎・ゆみ「え」 一同「…………」 ゆみ「お、お前たちもうすぐ決勝だろう!? なんでここにいるんだ!」 桃子「いやーこんなの放置して行ったら麻雀に身が入らないっすよ」 睦月「むしろ見たほうが落ち着くかなと……」 佳織「まあその、そういうわけで……」 智美「面白そうだったからなー」ワハハ ゆみ「くっ、何故私はもっと我慢できなかったんだ!」 京太郎「お互いもっと忍耐力付けないとダメだな」アハハ… 桃子「いやいいんすよ。そろそろ見るのが楽しくなってきたっす」 ゆみ「うるさい!」 睦月「藪蛇みたいだし、そろそろ会場に行こうか」アハハ 佳織「そうだね。遅れたら大変」 桃子「京太郎、先輩たち、応援頼んだっすよー!」 京太郎「知るかー!」 智美「ダメだぞーちゃんと応援しないと」ワハハ ゆみ「おまえが言うな!」 智美「それじゃ控室に戻ろうか。先に行ってるぞー」ワハハ ゆみ「はぁ、まったく何度目だこのパターンは」 京太郎「ごめんな。ゆみを見ると我慢が出来なくて」 ゆみ「それは私も一緒だ。もっと耐えられればいいんだが」 京太郎「それじゃ2人とも反省しないと」アハハ ゆみ「ああ、そうだな」フフッ 京太郎「そうだ。麻雀部のほうはどう?」 ゆみ「夏大のレギュラーになりたかったんだが、さすがに甘くはなかったよ。美穂子に先を越されてしまった」 京太郎「福路さん1年でレギュラーになったのか……」 ゆみ「ああ、風越のキャプテンは伊達じゃないな。まあ個人戦でいい成績が残せるように頑張るよ」 京太郎「大学はやっぱり厳しいのか?」 ゆみ「そうだな。挫けそうなこともあるよ。でも……」 京太郎「でも?」 ゆみ「京太郎もプロを目指すと言ってくれたから、もうそんなことは言ってられないな。情けない姿は見せられない」 京太郎「そんな気にしなくていいのに。そういうときは俺が支えるよ」 ゆみ「ありがとう。でもこれは私の意地の問題だから」 京太郎「そっか、なら頑張れ。俺もすぐ追いつけるように頑張るし、つらかったらいつでも頼ってくれ」 ゆみ「ああ、ありがとう。……じゃあ頑張れるおまじないでもしてもらおうかな」 京太郎「え?」 ゆみ「ん」メヲツブル 京太郎「……もう」チュッ ゆみ「うん、これで次に君に会うまで頑張れそうだ」フフッ 京太郎「そんな何ヶ月も会わないわけじゃないのに」 ゆみ「会うごとにしてもらったほうがおまじないも強力になるだろう」 京太郎「そんなもんなのか」 ゆみ「そういうものだよ。プロになれるように頑張るんだからいくらあっても足りないさ」 京太郎「そっか。俺も頑張らないとな」 ゆみ「ああ、一緒に頑張ろう」ニコッ ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ えり『グランドマスター杯いよいよ開幕です!』 咏『小鍛治プロはいつこのタイトル失冠するんだろうねー。知らんけど』 えり『それは本当にわかりませんねー』 えり『小鍛治プロを記念して作られたタイトルですから別の人がならないとってのもあると思うんですけど』 咏『小鍛治プロが無理矢理出場させられて当然のように初代王者になったけど、正直何考えてんだろうって思ったよ』 えり『3年ほど前からどちらか一方が小鍛治プロの点を上回れば勝利という変則的なタッグ戦になりましたけど』 えり『小鍛治プロは依然として圧勝してますね』 咏『タッグがアナウンサーだからって、小鍛治プロにとっちゃその程度ハンデにもならないさ』 えり『タッグ戦だと勝手も違いますしねー』 えり『しかぁし! 今回の相手は麻雀界きってのおしどり夫婦! タッグ戦はお手の物!』 えり『小鍛治プロはこの2人も今まで同様退けるのか!?』 咏『……麻雀はともかく、盤外戦術的には敗北するかもねぃ。知らんけど』 京太郎「」タン ゆみ「」タン 恒子「」タン 健夜「」タン 京太郎「」チラッ ゆみ「」チラッ 京太郎「」タン ゆみ「ロン。3900」 健夜「ちょっと審判! またあの2人目を合わせてたよ!? イカサマじゃないの!?」ガタッ 審判「そ、そう言われましても本当に目を合わせただけですので……」 恒子「諦めなすこやん。そういう夫婦ってのはいるもんだよ」 健夜「卓上の麻雀牌がわかるならともかく、目を合わせると相手の欲しい牌だけがわかるなんてありえないよ!」 恒子(すこやん、そっちのほうがありえないからね) 京太郎「すみません、小鍛治プロ。でも本当に合図出したりとかはしてないんです」 ゆみ「そうなんです。目を合わせたるとなんとなくわかるってだけで確信を持ってるわけでは……」 健夜「合図なんて出してないのはわかってるけど認めたくないの!」 京太郎・ゆみ「?」 恒子(あー若さって怖いなー) 健夜「……再開しようか。中断させちゃってごめんね。でも絶対負けないから!」 京太郎・ゆみ「はい、私たちも負けません!」 ……… …… … 京太郎「あーやっぱ強いな小鍛治プロ」 ゆみ「そうだな。2人がかりでも全然届かなかった」 京太郎「うん、でも何も出来ないわけじゃなかった」 ゆみ「私たちも少しは成長してるのかな」 京太郎「きっとそうだよ。もっと強くなって2人で一番を目指そう」 ゆみ「ああ、これからも一緒にな」 イチャイチャ 健夜「……なんだろう。勝ったのに全然喜べない」 恒子「すこやん! 勝者は勝者らしくしてないとダメだよ!」 健夜「わかってるんだけど……」 イチャイチャ 健夜「……つらい」ウゥ… 恒子(開始前にやってたらすこやん負けてたかも……)アハハ 健夜「宮永さん、ちょっと聞いてよ!」シクシク 咲「どうしたんですか急に」 健夜「それがさあ……あ、生一つ」 咲「私はウーロンハイで。それでなんですか?」 健夜「今日グランドマスター杯ってあったの知ってる?」 咲「はい、もちろん。相変わらず圧勝でしたね」 健夜「まあ結果的にはそうなんだけど……」 咲「あ、もしかして途中でサマとか言ってたやつですか? あれは違いますよ」 健夜「うん、それはわかってるの。わかってるんだけど認めるのが辛くて……」 咲「確かに牌が見えてるならともかく、目を合わせたらお互いの欲しい牌がわかるなんて信じられないですよね」 健夜「そう、そうなんだよ! 独り身にはそんな通じあってるところ見せられるのはキツイんだよ!」ゴクゴク 咲「……そうですね」ピキッ 健夜「それで対局の後、あの2人何してたと思う?」 咲「どうかしたんですか?」 健夜「負けたのにすっごく爽やかなんだよ! 少しは成長したかなとかもっと頑張って2人で1番目指そうとか!」 健夜「ちょっと私には厳しいものがあって」 咲「……へぇ」ピキッ 健夜「麻雀界きってのおしどり夫婦とは聞いてたけどあんなに仲良かったんだね……見てたら眩しくてもう……」 咲「……」ブチッ 健夜「?」 咲「」ゴッゴッゴッゴッ 咲「」ダンッ 健夜「み、宮永さん……? い、一気飲みはよくないよ……?」 咲「小鍛治プロ」 健夜「は、はい」ビクッ 咲「私が京ちゃ……須賀プロと幼なじみだったのって知ってます?」 健夜「う、うん。だからこそ今日呼んで……」 咲「私は京ちゃんのこと好きだったんですよ。いや正確に言うと今も好きなんです」 健夜「えっ」タラー 咲「それに気づいたのは京ちゃんと加治木さんが付き合い始めたときからだったので、もう手遅れだったんですけど」 健夜「そ、そうなんだ」ダラダラ 咲「それで京ちゃんとは幼なじみの関係のままで、まあ仲はいいので良くメールしてるんです」 咲「昔みたいに毎日とは行きませんけど、2日に1回くらい」 健夜「な、仲いいんだね」ダラダラ 咲「メールの中身は大抵なんてことない日常のやりとりなんです」 咲「でもだからこそ、加治木さんとの惚気話が送られてくるんですよ。何度も何度も何度も何度も」 健夜「へ、へぇ……」ダラダラ 咲「小鍛治プロ」 健夜「は、はい!」ビクッ 咲「私が何年間この生活をしていると思います?」 健夜「い、いえそこまでは……」ダラダラ 咲「わからないですよね?」 咲「その私に向かってたった1日、それも対局と前後含めた数時間一緒にいただけで……小鍛治プロはなんて言いましたっけ?」 健夜「い、いえその……す、少し辛かったかなあと」ア、アハハ… 咲「……はい、別にそれでいいんですよ。気持ちはわかりますから。もっと素直な気持ちを言ってください」 健夜「み、宮永さん……! ありが――」 咲「代わりに、私の話も聞いてくださいね」ニコッ 健夜「」 ………… ……… …… … ――翌日―― 恒子「すこやん、昨日はあの後宮永プロ呼び出したんだって? ダメだよ愚痴言いたいからって若い子連れ回しちゃ……すこやん?」 健夜「ゴメンナサイ。 アノクライデ クルシイ ナンテイッテ ゴメンナサイ。ジブンガ ワルイノニ モテキガコナイ ナンテイッテ ゴメンナサイ」ブツブツ 恒子「す、すこやん? どうしたの?」 健夜「あ、こーこちゃん。もう私結婚できなくて辛いなんていわないよ」 恒子「ど、どうしたの!? 昨日何があったの!?」 健夜「私なんてまだまだだったんだね。私ごときが幸せなカップルを見て辛くなるなんて甘かったよ……」 恒子「よくわからないけどすこやんが結婚諦める理由にはなってないと思うよ!? すこやん正気に戻って!!」 健夜「あははははー……」 カン
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初美「ほら、さっさと行くのですよー!」 俺の背中に乗ってぺしぺしと叩いてくる初美。 春「ほら、京太郎困ってるから……食べる?」 初美をなだめつつ黒糖を差し出してくる春さん。 巴「あ、それ虫歯になっちゃうからだめ!」 慌てて止めに入る巴さん。 霞「あらあら、人気ものは辛いわねぇ?」 そんなみんなの様子を見て微笑みながら頭を撫でてくる霞さん。 一人を除き、立派な胸をお持ちの巫女さんたちに囲まれる俺。 ハーレムである。紛う事なき男の夢である。 小蒔「むぅ、私もなでなでしたいです」 ……これで俺にかけられた首輪と、そこから伸びるリールを小蒔さんが握っていなければもっと喜べたのだが。 ーーー 4足歩行の大きい体。ふっさふさな体毛。三角形の耳。立派な尻尾。 犬である。紛う事なき犬である。 「……わんっ」 全国大会で初めて東京に来た俺たち清澄高校麻雀部。 慣れない土地で案の定迷子になった咲を探していたら、タコスの匂いに惹かれた優希まで迷子になった。 そうして二人を探しているうちに、俺まで迷子になった。 優希「あ、やっと見つけたじぇ。主人を見失うなんてまったくダメな犬だなー」 京太郎「なんだとテメー」 やっと探し出したと思ったら叩かれる減らず口。 せっかく東京まで来たというのにコイツはと、いつものように絡もうとしたら―― 「あぶないっ!!」 京太郎「へ?」 誰かの切羽詰まった叫び声。 気が付いたら目の前に迫る大型トラック。どうやら居眠り運転らしく、止まりそうにない。 京太郎「――っ!」 優希「えっ?」 その瞬間、何もかもがスローモーションに見えて、咄嗟の判断で優希を突き飛ばした。 優希「い……」 優希「いぬううううううううううううううううううううっ!!!」 耳をつんざく悲鳴と、その直後に感じた衝撃。 視界が真っ白になり、俺は意識を手放した……のだが。 「……わん?」 小蒔「あ、お目覚めですかー?」 目が覚めたら、犬になっていた。 どうやら倒れていた俺を見つけて動物病院まで連絡してくれたのが、この巫女さんたちらしかった。 小蒔「決めました……この子、飼います!」 そして小蒔さんが俺をいたく気に入ったらしく、そのまま神代の元でお世話になることに。 インターハイはどうなったのか、優希は無事なのか、非常に気になる。 何度か抜け出して、どうにか清澄へと行く方法を探そうとしたが 初美「ほーれ、とってこいですよー!」フリスビーッ 「ばうっ!!」 本能には、勝てなかった。 ーーーー 春「よしよし。ご褒美あげる」 巴「だから駄目だって」 小蒔「とっても賢くて、いい子です!」 みんな優しいし、構ってくれるし、このまま永水の犬として一生を終えるのも悪くはないかもしれない……。 霞「あ」 ……? 霞「そういえば、やっぱり去勢ってした方がいいのかしら?」 ――!? カンッ
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1354801516/ 京太郎「……ハギヨシさん」 ハギヨシ「……何ですか?京太郎君」 京太郎「俺達の評判知ってますか?」 ハギヨシ「……少々」 京太郎「インターハイが終わって少しは落ち着くと思ったんですが……ダメでしたよ」 ハギヨシ「女性の皆様には申し訳ありませんが私共はそんな関係ではないのですがね。純粋な師弟関係なのですが」 京太郎「風評被害もいいところですよ。どうして一緒に行動するだけで恋人とおもわれるんだ!それで、何か対策はありませんかね」 ハギヨシ「異性の恋人でも作れば何とかなりそうなのですが……アテはありますか?」 京太郎「アテ……まぁ、同じ部活の女の子で2人ほどは脈ありかもしれませんね」 京太郎「でも、片方は俺を犬呼ばわり、片方とは幼馴染なのに最近、レズに目覚めかけてます」 ハギヨシ「……それは難儀な。それから選ぶと言うのも酷な話ですね」 京太郎「ですよねぇ。あっ、ハギヨシさんの方はどうなんですか?屋敷に務めているならお嬢様との禁断の恋とかは……」 ハギヨシ「京太郎君。現実とフィクションは違うのですよ。お嬢様はあくまでも雇用主、決して恋愛になど発展しません」 京太郎「そうですか。じゃあ、メイドさんとの職場恋愛なんかは」 ハギヨシ「もちろん有りません。そもそもメイドの平均年齢が低過ぎます。正直、私1人で屋敷を回すのは大変辛いです」 京太郎「それはお気の毒に……同年代のメイドさんはいないということですか?」 ハギヨシ「その通りです。まったく!高校生をメイドとして雇うなんてお嬢様もワガママが過ぎる!」 京太郎「龍門渕さんの家族は何も言わないんですね」 ハギヨシ「はい。衣様の一件から屋敷の事については一切の口出しをしなくなりました」 ハギヨシ「これがもう……いけない。少々愚痴っぽくなりました」 京太郎「お疲れ様です。それじゃあ風評被害対策について改めて考えますか」 ハギヨシ「そうしましょう。やはり、恋人を作るのが1番なのですが……」 ハギヨシ「自分好みの女性が周りにいない以上はどうしようもありませんね」 京太郎「うーん……。あ!周りにいないのなら遠出すればいいじゃないですか!」 ハギヨシ「遠出ですか?私共は執事の技能を使えば簡単に全国を回れますが……」 ハギヨシ「流石に見ず知らずの女性をナンパするというのには抵抗がありますね」 京太郎「そうですか?俺はそこまで抵抗無いんですけど」 ハギヨシ「いけませんね。自分を想う女性を置いてナンパに走るなど男の風上に置ません」 京太郎「……犬呼ばわりのタコス財布役と好きだった同級生からの殺意を受け続けるの何方が好みですか?」 ハギヨシ「…………私の配慮が足りませんでした。すいません」 京太郎「ハギヨシさんだってホモ疑惑は嫌でしょう?」 京太郎「それに、噂が本格的に広まれば龍門渕さんも風評を考えて貴方を解雇するかもしれない」 ハギヨシ「やはり、恋人を見つけるしかないようですね」 京太郎「その通りです!では先ず何処に行きましょうか」 ハギヨシ「そうですね。なるべくなら顔を知っている方がいる場所イイでしょう」 ハギヨシ「ただでさえ人なりを知らないのに顔まで知らないとなったら……」 京太郎「成る程。まぁ、何方にしろハギヨシさんの顔と執事スキルがあればどんな女性でもころっと落ちますよ」 ハギヨシ「有難うございます。京太郎君も私の教えられる全てを修得したのですから心配はいりません」 ハギヨシ「顔だって同級生が惚れるほどなのですから」 京太郎「そこまで言われると照れますね。顔を知っている女性というと全国大会に出ていた人、でいいですか?」 ハギヨシ「まぁ、噂の広まりからして全国大会に出ていた女性で私達を知らないという方はいないでしょう。それでいいです」 京太郎「では岩手に行きましょう!宮守は全体的なレベルが他とはダンチです!」 ハギヨシ「ほう、姉帯選手はあの身長ながら小動物のような仕草に心惹かれますね」 京太郎「臼沢さんはエロい。エロい」 ハギヨシ「…………はい。鹿倉選手は小さい愛くるしさの中に生真面目さのスパイスがイイ」 京太郎「ウィッシュアートさんは外人ならではの美しさに溢れています。大天使ですね」 ハギヨシ「小瀬川選手はダルいと言いながらも均整の取れた身体と養いと思わせるオーラが素晴らしい」 京太郎「異議なしですね。それでは宮守に行きましょう!」 ハギヨシ「素敵滅法!」 宮守にて 京太郎「宮守に着いたぞ!」 ハギヨシ「あまり言いたくはありませんが …………何もないですね」 京太郎「はい。女子校が有るとは思えない立地ですよ。合併した方がイイと想うんですが……話題が逸れました」 ハギヨシ「それでは宮守女子に行きましょうか。……あ、彼女達は既に麻雀部を辞めているかもしれませんね」 京太郎「あぁ!それを忘れてた……どうしましょうか」 ハギヨシ「こういう時は……」 豊音「あの~……道に迷われたっちゃったの?」 豊音「近くなら案内するよ?」 京太郎(来ましたよハギヨシさん。メインターゲットが!) ハギヨシ(はい。素晴らしい運命力です。落としにかかるのもイイかもしれません) 京太郎(どっちが行きますか?) ハギヨシ(ここは京太郎君に任せます。同年代と喋る方が親しみやすいでしょう) 京太郎(了解)「え、えっと!宮守女子に用があるのですか!」 豊音「アハハ!私に聞いてどうするのー?宮守女子に行きたいんだね?任せてー」 京太郎「有難うございます!いやぁ、こんな美人さんに助けてもらえるなんてついてるなぁ」 豊音「う、嬉しいよー!こんな身長だからみんな怖がって……そんな事言ってもらえたの初めてだよー!」グスン ハギヨシ(ナイスです京太郎君。慣れてますね) 京太郎(こ、こんな簡単に喜んでもらえる文句じゃあないんですが……普通何回も重ねがけしてやっとですよ!?) ハギヨシ(それだけ異性に飢えていたのか、単純に感情が表に出やすいのか判断に困りますねぇ) 京太郎「泣かないでください。可愛い顔が勿体ないですよ?これ、どうぞ」ハンカチ 豊音「ありがとうー!褒められて嬉しいよ!」ズビーズビー 京太郎(……) ハギヨシ(……後者ですね) 豊音「そういえば自己紹介がまだだったね!私は姉帯豊音です!宮守女子の3年生です!」ハンカチカエシ 京太郎「俺は須賀京太郎です。長野から旅行で来ました。こちらは友人の萩原さんです」 ハギヨシ「どうもよろしくお願いします」 豊音「よろしくお願いします!私のことは豊音でいいよー。姉帯じゃ呼びにくいからね」 京太郎「分かりました豊音さん。あのぉ……実は宮守女子まで案内してもらわなくても大丈夫そうです」 豊音「え……なんで……やっぱり私といるの嫌だった……?」ウルウル 京太郎「いえ!違いますよ!実は俺、豊音さんのファンなんです!インターハイでの打ち筋を見て好きになったんです!」 ハギヨシ(呼吸のように嘘をつきますね) 豊音「え……えぇ!?わ、私のファン?そ、それに好きって……///」 京太郎「勿論ファンとしての好き、ですが。さすがに初対面の人に告白するほど軟派じゃあないですよ」 ハギヨシ(やはり、落とすのですか?ここで決めてしまっていいのですか?) 京太郎(いいです。あの仕草を見て恋に落ちない人なんていませんよ) 京太郎(守ってあげたくなります。正直、既に彼氏がいると思っていたのですが……ここが田舎で良かった) ハギヨシ(一目惚れですか?遠距離恋愛は苦労しますよ?) 京太郎(その為の素敵滅法です) ハギヨシ(成る程。では私は背景になっていますので後はお若い2人で……)スゥ… 豊音「そ、そうだよね!告白なんてされたことないから勘違いしちゃった…」シュン 京太郎「いえいえ、豊音さんほど素敵な女性だったら即プロポーズしてもイイぐらいですよ」 京太郎「むしろ今まで告白されたことないのが驚きです!」 豊音「…………私、山奥の村から来たから……友達が出来たのも最近なんだー……」 京太郎「それなら!もっと攻めて行きましょう!豊音さんならきっと出来ますって!」 豊音「そ、そんなこと分かってるよー!でも、こんな身長じゃ誰も近づいてくれないし……」 豊音「京太郎君達にだって話しかけるのに凄い緊張したんだよ?逃げられるんじゃないかーって」 京太郎「でも俺達は逃げませんでしたよ 京太郎「豊音さんは身長に似合わず可愛いんですからもっとアピールすればきっと皆から近づいてくれるようになりますよ!」 豊音「ほんとー?」 京太郎「はい!」 豊音「友達になってくださいって言ったら必ず友達できる?」 京太郎「はい!絶対できます」 豊音「身長怖がられない?」 京太郎「は、はい!」 豊音「サイン下さいって言ったら貰える?」 京太郎「はい!断る人はいないと思います!」 豊音「麻雀で勝てるようになる?」 京太郎「はい!少なくとも俺よりは強いです!」 豊音「好きって言ったらオッケーしてもらえる?」 京太郎「はい!絶対断る人はいないと思います!」 豊音「そこまで自信を持って言われると何だか勇気が湧いてくるよー!」 京太郎「それは何よりです。可愛いんですから自信を持って!誰も怖がりませんから!……多分」 豊音「今更それはないよー……」グスン 京太郎「じ、冗談ですから!泣かないで!ハンカチ!」 豊音「ありがとー。やっぱり怖がられるのは嫌だよー」ズビーズビーチーン 京太郎「俺だって地毛なのに金髪に染めてるって怖がられますよ?堂々としていればいいんです!」 豊音「私が堂々としてたら誰も近づかないよー…」グスンズビーチーン 京太郎「だ、大丈夫ですよ。少なくとも宮守の友達の皆さんは近づいてくれますよ。あと、俺も」 豊音「そう言ってくれると嬉しいよー!宮守の人以外だと皆余所余所しくて仲間外れにされてるみたいで…」 京太郎「自分で予防線張ってたら相手が仲良くしようとしても仲良くなれませんよ?」 豊音「そ、そうなの?だから永水の人達と海水浴行った時に……」ブツブツ 京太郎「だから安心して俺と仲良くしてくれてもいいんですよ!」 豊音「そ、そうだね!折角知り合ったんだから末長くお付き合いしたいな!」 京太郎(言葉が思わせぶり過ぎる……やっぱ脈有りか?) 京太郎(いやしかし、ただの友達感覚……かもしれない。プロポーズ成功するか?いやまて、初対面だぞ。普通無理だ) 豊音「じっとしてどうしたのー?もしかして具合悪いの!?」ガシッ 京太郎「いえ!違いますよ!だから離してください!」 豊音「あっ……ごめんね…私みたいなのに触られるの嫌だよね……」 京太郎「だから!そう!卑屈に!ならないで!ください!」 豊音「ひっ!……ご、ごめんなさい……うぅ…ぅ…………グスッ………うえーん!!!」オンナノコスワリ 京太郎「あぁ!ごめんなさい!ごめんなさい!泣かせるつもりはなかったんです!」 京太郎「土下座でも何でもしますから!!泣き止んでください!!」 豊音「ぅ………グス…え、えっとね。これからも……こうやって…話したりしてくれたら……うぅ………嬉しいかなー……って」 京太郎「勿論です!呼ばれればいつでも何処でもこの須賀京太郎駆けつけますよ!」 京太郎「実は長野から岩手まで1秒かかってないんです!」 豊音「あはは、嘘はいけないよー?でも嬉しいな。今日は嬉しいって何回も言ってるね。こんな日は初めてかもー!」 京太郎「豊音さんと会えて俺も嬉しいですよ。あ、メルアド交換しませんか?これならいつでも話せますし」 豊音「ほんとー?やったー!これで6人目だよー!初めての男の子だよー!」 京太郎「…………お、おめでとうございます」 豊音「話してる間に夕方になっちゃったねー」 京太郎「楽しい時間はあっという間ですね。今日は本当に楽しかったです」 豊音「うんうん!私はいっぱい勇気を貰ったよ!有難うね京太郎君。これは……お礼だよっ」ダキッ 京太郎「!?!?な、ナニシテルンデスカ」 豊音「テレビでね、男の子にお礼をする時はこうすると喜ぶってやってんだよー?ね?嬉しい?」 京太郎(胸がちょうど顔に……イイッ) 京太郎「えっと……嬉しいのは確かなんですが……俺以外の男にはこれやらないでください。気があるって思われますよ」 豊音「……知ってるよ。テレビでも好きな男の人にやると喜ばれるって話だったんだから」 京太郎「え?それって……」 豊音「私が告白したら絶対断る人いないって言ったよねー?」 京太郎「は、はい!」 豊音「好きです!付き合ってください!!」 京太郎「はい!!末長くよろしくお願いします!!」 豊音「う……うぅ……嬉しいよー!でも……私重いよ?身長大きいよ?怖いよ?病んじゃうよ?それでもいいの?」 京太郎「もちろんばっちこいですよ!」 京太郎「豊音さんみたいな可愛いくて美人な人と付き合えるなら手錠でも監禁でもなんでもオッケーです!」 豊音「そこまではしないよー……でも、ありがとね」 京太郎「どういたしまして」 豊音「じゃあ私の家行こっか!歓迎してあげるっ!」 京太郎「喜んで!」 完
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咲「きょ、京ちゃん…」モジモジ 京太郎「んー… どうした?」 咲「あ、あのね? 実は… その…」 優希(咲ちゃん 頑張れだじぇ!) 和(宮永さん…) 久(いけ、咲!押し倒せ!) 染谷(押し倒したら マズイじゃろ…) 京太郎「どうしたんだよ? 随分と歯切れが悪いけど?」 咲「へ? そ、そんな事 ないよ!」 染谷(あの馬鹿は 相変わらず 空気が読めんの…) 優希(アホ犬 空気読め!) 和(須賀君に それを期待しても…) 久(まぁ 無理ね…) 咲「きょ、京ちゃん! あ、あの…」 久(無限ループだけは 勘弁して欲しいわね…) 京太郎「聞いてるから 少し 深呼吸してみろって」 咲「う、うん 」スーハー 京太郎「落ち着いたか?」 咲「す、少し…」 京太郎「そか… んで 俺に なんか用事なんだろ? 落ち着いたようだし 言ってみろよ?」 咲「うん… じ、実はね… その… ぶ、部長が…」 久「私ぃ!?」 京・咲「「!?」」 優・和・染「「「!?」」」バッ 久「ムグッ」モゴモゴ 染谷(アホか! お前は~!) 優希(何やってんだじぇ 部長!) 和(危ないところででしたね…) 久「むぅ~(絞まってる! 絞まってるから!)」バンバン 咲(今 部長の声が聞こえたような… 気のせい… だよね?) 京太郎(今の絶対 部長の声だったよな… 何企んでんだ あの人…) 京・咲「「………」」 京・咲「「あの!」」 京太郎「おぉ… 咲からで良いぞ」 咲「京ちゃんの方こそ…」 京・咲「「………」」 京太郎「………んじゃ ラチが明かないから 俺の方から 言うな?」 咲「う、うん…」 京太郎「実はだな… この間 商店街のくじ引きで 二組様 遊園地招待券が当たったんだけど… 一緒に行かないか?」 咲「えぇ! きょ、京ちゃんも!?」 京太郎「京ちゃんもって事は…」 咲「わ、私も 当たったの…」 京太郎「マジかよ!?」 咲「うん… でも私のは 遊園地じゃなくて 植物園 なんだけど… その…」 京太郎「? 咲?」 咲「京ちゃん… 植物の事なんて 興味… ないよね…」 京太郎「植物園? って言うと バラとかチューリップとか がある あれ?」 咲「多分 そうだと思う…」 京太郎「へぇ~ なるほどね」 咲「京ちゃん お花とか興味ないもんね…」 京太郎「ん? 興味あるぞ?」 咲「えっ! ほ、本当!?」 京太郎「おう! 最近 庭でガーデニングに凝っててな 近々 行ってみようと 思ってたところなんだ」 咲「じゃ じゃあ!」 京太郎「一緒に行こうぜ!」 咲「う、うん!♪」 優希(どうやら 咲ちゃんは 成功したようだじぇ) 和(まさか 須賀君が空気を読むなんて… 当日は 雷雨ですね…) 久(雪が降るかもしれないわよ?) 染谷(お前らは 京太郎を なんじゃと思うとるんじゃ…) 優希(タコス配達員!) 和(コーヒー牛乳 買い出し係) 久(雑用… もとい、清澄の可愛い部員… かしらね?) 染谷(鬼じゃ こいつら…) ―――― ――― ―― 京太郎「お~っす お待たせ~」 咲「京ちゃん 遅い! 5分の遅刻だよ!」 京太郎「すまん すまん 服 選んでたら 遅れちまって」 咲「も~う」プンプン 京太郎「どうだ? カッコイイだろ?」ニヤッ 咲「中学生が着てる服 みたい」 京太郎「なぬっ!? そこは 冗談でも 京ちゃんカッコイイ~ とか 言ってくれよ」 咲「キョウチャンカッコイイー」 京太郎「すっげー 棒読み」 咲「そ・れ・で! 私を見て どうも思わないのかな?」 京太郎「咲の服 可愛いな」 咲「………」ギロッ 京太郎「えぇ~っ!? 何故!? なんで睨まれてんの!?」 咲「フフッ 冗談だよ 京ちゃん♪ ありがと♪」ギュッ 京太郎「えっ? あ、あぁ うん… (腕に抱きつかれてるけど… 言ったら 言ったで 睨まれるしな… 黙っとくか…)」 咲「♪」 ―――― ――― ―― 京太郎「んじゃ このチケットな?」 咲「はーい(何か恋人同士みたい♪ 京ちゃんも 嫌がってないし♪)」ギュッ 京太郎(あー 抱きつかれてるのに 感触が全くない…) 係員「チケットはこちらに なりま~す」 京太郎「あ、はい これ」ペラ 咲「はい」ペラ 係員「はい 中に入っている間は これを 首につけて おいて下さいね? 入場者の印しですから」 京太郎「わかりました」 咲「ね、ね? 京ちゃん! あれ 乗ろうよ!」 京太郎「うげっ!? いきなり あんな スリリングな乗り物になるのかよ!」 京太郎「日本最速! 僅か2秒で 瞬間最高速度 190キロ! に到達!…って 軽く お花畑が見えるわ! しかも 全長 3kmって…」 京太郎(何分乗り続けるんだよ…) 咲「そう…」シュン 京太郎「(あぁ~ もう!)わかった わかりましたよ! 乗ればいいんでしょ! 乗れば!」 咲「一緒に乗ってくれるの?」 京太郎「男 京太郎! 一度 言った 事は やり遂げる主義ですたい!」 咲「フフッ 何それ ………でも ありがとね? 京ちゃん…」ボソッ 京太郎「ん? なんか言ったか?」 咲「何でもないよ~ さっ! 行こ! 京ちゃん!」 京太郎「おう!」 ―――― ――― ―― ブゥオン 京太郎「ぎぃぃぃぃぃぃやあああああ!!!!!」 咲「きゃーーーーー!!!!!」 ガタン 京太郎「もーーーーーう!!!!! やーーーーーめとぅえーーーーー!!!!!」 咲「きゃーーーーー!!!!!」 スーッ ガタン 京太郎「」ハァハァ 京太郎「や、やっと 終わりk ズドンッ 京太郎「ぎぃぃぃぃぃぃやあああああ!!!!!」 咲「あはははは 京ちゃん 凄い顔~」 京太郎(お前の方が 凄い顔だよ!) ―――― ――― ―― 京太郎「」ゼーハー 咲「う~ん 楽しかったねー 京ちゃん!」 京太郎「そ、そりゃ よ、よがっだな」ゼーハー 咲「それじゃあ 今度はあれ!」 京太郎「こ、今度は なん………だと………!?」 <照スペシャル! 垂直ループやコークスクリューなどといった回転エレメントが合計44箇所用意されている!> <最初は優しいが 段々と回転数も増えていき 最終的に 違う世界へ ご案内~ 注意! オムツ必須!(強者はなくてもOK)> 京太郎「」 咲「照スペシャルだって! ワクワクするね! 京ちゃん!」 京太郎(俺の第六感が言ってるぜ…) 京太郎(あれは無理だと…) 咲「しかも お姉ちゃんと同じ名前だね!」キラキラ 京太郎(無理だよ 咲… 俺死んじゃうよ~…)グスッ 咲「! 泣くほど 乗りたかったの 京ちゃん!?」 京太郎(違います 乗りたくないんです) 咲「大丈夫だよ! 休日だけど あれは スカスカだから すぐに乗れるよ!」 京太郎(ただ単に 皆が避けてるだけだと 何故 気が付かない!?) 咲「あっ… 看板にオムツが必要だって 書いてあるけど この程度 大丈夫だよね ね? 京ちゃん?」 京太郎「(この程度って…)」チラ ぎぃぃぃぃぃぃやあああああ!!!!! 一般人A「おい! こいつら 失神してるぞ!」 一般人B「ほ、本当だ の、乗らなくてよかった…」 一般人C「うわっ しかもこいつ オムツつけて ねぇのかよ! 臭せ~」 京太郎「」ガクブル 京太郎「さ、咲さん?」 咲「ん? どしたの 京ちゃん? 早く乗ろうよ」 京太郎「お、オムツ… 買ってきても いいんでしょうか?」 咲「………」 京太郎「………」 咲「♪」ニコッ 京太郎「あ、ありg「無理♪」 京太郎「」 ―――― ――― ―― 京太郎「………」 咲「だ、大丈夫? 京ちゃん?」 京太郎「(玄さん… 宥さん… それに… 怜さん… やってしまいましたよ…)ハハッ…」 咲「(京ちゃんの目が 死んでる!?)わ、私は気にしてないよ?」 京太郎「(あぁ… もう… 死にたい…)」 係員「はい パンツの方は洗って ビニールの中に入れて おきましたんで」 咲「あ、はい すみません」 係員「いえいえ 気にしないで下さい よくある事なんで」 係員「それより 不慮の事故って言ったら 変ですが(看板に書いてたし)あんまり 彼氏の事 責めないで あげて下さいね?」 咲「えぇ~っ か、彼氏だなんて きょ、京ちゃんとは まだそんな」モジモジ 係員「(青春ねぇ~)ちなみに あのジェットコースターにはね? 二つ名があるんだけど… 知ってる?」 咲「いえ 初めて聞きました」 係員「私達 係員の中では こう言われてるの」 咲「…」ゴクッ 係員「カップル殺しの照………って」 咲「そんな!? それじゃあ…」 係員「今まで 何百人と乗って 別れなかった カップルはいないわ」 咲「ど、どうしよう…」 係員「大丈夫よ! 貴女なら出来るわ!」 咲「私に… ですか?」 係員「えぇ 今まで いろんな人を見てきたけど 彼氏が漏らしたときの対応や彼氏をあんなにも気遣う彼女さんなんていなかったわ」 係員「大抵は その場で はい さよなら なんだけどね」 咲「そ、そうなんですか…」 係員「だから 貴女なら 大丈夫! 頑張って!」 咲「は、はい! ありがとうございます!」 係員「フフッ」 ガチャ 咲(………(私が頑張らないと!) 京太郎「(そういや 最後に しょんべん 漏らしたのって 小5 だったな… 今回で新記録達成したわ…)はぁ…」 咲「京ちゃん!」 京太郎「? 何だ 咲か… 幻滅したろ? 高校生にもなって お漏らしとか… 」 咲「そんな事ない! 私は京ちゃんを 幻滅したりなんか 絶対にしないよ」 京太郎「咲は優しいから… 頼むから同情なんて しないでくれ… 自分が虚しくなる…」 咲「同情なんかじゃないよ!」 咲「私は 京ちゃんが お漏らし しようが ゲロ吐こうが 麻雀で11回連続で飛ばされようが 幻滅したり しないよ!」 京太郎(じ、地味に傷付くな…) 咲「高校生になって 一回ぐらい漏らしたからって 京ちゃんは そこで 諦めるの!?」 京太郎(いや… 諦めると 申されましても…) 咲「わ、私なんか! 小学生の頃 教室で お漏らし した事があんだからね!」ドヤッ 京太郎「(ドヤッ顔で言う事じゃねぇだろ…)どうでも いいけど 俺なんて 何百人って 人がいる中で 漏らしたんだぜ?」 咲「し、知らない人ばかりだから いいの!」 京太郎(今後とも 知らない人に会わないとは 限らないんだが…) 咲「とにかく! 私は 京ちゃんの事を 幻滅したりなんか しないから 心配しないで! 麻雀部の皆にも 言わないから 大丈夫!」 京太郎「咲…」 咲「泣きたいときは 泣いた方が スッキリするよ?」ギュッ 京太郎(相変わらず 咲は優しいな… グスッ…) 咲「…」ナデナデ 京太郎「うっ… 俺… 皆の前で… グスッ うぅ… グスッ」 咲「大丈夫だよ 皆 京ちゃんの事なんて 次に会ったときは 忘れてると思うよ? それに そこまで野次馬は いなかったから…」 京太郎「うぅ… グスッ 咲ィ… グスッ」 咲「なーに? 京ちゃん…」ナデナデ 京太郎「ありがとう…」 咲「どう致しまして」 京太郎(………感触ねぇ…) 咲「えい!」ポコッ 京太郎「あ痛ッ! な、何すんだよ!」 咲「ん? なんか 悪口 言われた気がしたから」 京太郎(コイツ 一辺 NANAに 見てもらえよ…) 咲「てい!」ポコッ 京太郎「グヘッ!」 ―――― ――― ―― 咲「それじゃあ 気を取り直して 次行こっか!」 京太郎「絶叫系は勘弁してくれ…」 咲「次はね… あれ!」 京太郎「コーヒーカップか…」 咲「あれなら 京ちゃんでも 大丈夫だよね?」 京太郎「フッ コーヒーカップの京ちゃんと まで呼ばれた 俺の実力を見せてやるよ!」ゴゴゴッ 咲「回し過ぎて 吐かないようにね?♪」 京太郎「そんなヘマはしない!」 ―――― ――― ―― 京太郎「」ウゲェ 咲「あぁ も~ だから 回し過ぎには気をつけてって言ったのに!」ナデナデ 京太郎「ずみまぜん」オェー 咲「あぁ ほら 吐きながら 喋らないでよ 飛び散るから!」 京太郎「ずみまぜん」オェー 咲「はぁ…」 ―――― ――― ―― 咲「元気でた?」 京太郎「おうよ! 元気モリモリだぜ!」 咲「そろそろ お昼にしようか?」 [13時38分] 京太郎「もうそんな時間か… 吐いたり 漏らしたりで 時間の感覚がわからん 今なら店 空いてるだろうか?」 咲「フフッ そんな事があろうかと… じゃじゃーん 」ドンッ 京太郎「こ、これは!」 咲「特製お弁当でーす♪」 京太郎「でかした! 咲!」 咲「へへっ」テレテレ 京太郎「それじゃ 早速…」パシッ 京太郎「………」ヒリヒリ 咲「『いただきます』を忘れてるよ?」 京太郎「いただきます!」 咲「どうぞ 召し上がれ」 ―――― ――― ―― 京太郎「カーッ 食った 食った~ ごちそうさま!」 咲「お粗末でした♪」 京太郎「意外にも 咲って料理出来るんだな 驚いた」 咲「意外にもは余計だよ」 京太郎「ハハハッ 冗談だよ」 咲「もーう」プクゥ 京太郎「おっ でたな! ハリセンボン咲!」 咲「なによそれー!」 京太郎「拗ねると 頬っぺたを膨らます 事だよ 気づいてないのか?」 咲「自分でやってるんだから 知らないわけないよ… 馬鹿京ちゃん…」 京太郎「ハハハッ そりゃ悪い」 咲「もーう」プクゥ 京太郎「あっはははは」 ―――― ――― ―― 京太郎「すんません… ほんと もう からかわないんで許して下さい…」 係員「おーい 兄ちゃん 準備はいいかー?」 京太郎「いやいや 無理ですって!」 係員「とか言ってるけどいいんか?」 咲「はい♪ 大丈夫です♪」 係員「んじゃ いってら~」 バッ 京太郎「ぎぃぃぃぃぃぃやあああああ!!!!!」 係員「バンジージャンプは最初が肝心なんだよ 係員「中々飛び込む奴がいないから お嬢ちゃんみたく可愛い彼女さんの 許可が取れれば こっちも楽なんだけどね」 咲「彼女さんだなんて」テレテレ 京太郎「ぎぃぃぃぃぃぃやあああああ!!!!!」 ―――― ――― ―― 京太郎「」 咲「生きてる?」 京太郎「な、なんとか…(コイツをからかうのは もう止めよう… 死ぬ… 絶対いつか 死ぬ…)」 咲「京ちゃんが悪いんだからね!」 京太郎「はい…」 咲「ちゃんと聞いてるの!」 京太郎(そういや この遊園地… 確か… 最強に怖い お化け屋敷があったよな…) 咲「京ちゃん?」 京太郎(咲は 怖いの苦手だったと思うし…) 咲「おーい 京ちゃ~ん」 京太郎(ここいらで一回 思いっきり 泣かしてやる!) 咲「京ちゃん! てば!」 京太郎「咲!」 咲「うわっ! きゅ、急 な、何?」 京太郎「お化け屋敷に行こう!」 咲「お化け屋敷? あるの? お化け屋敷?」 京太郎「あるぞ~ とっても怖い お化け屋敷が」 咲「そ、そうなんだ…(どうしよう… 私 怖いのとか苦手なんだけど… )」 京太郎「じゃ 行くぞ~? お化け屋敷!」 ~~~お化け屋敷~~~ 咲「」ガクブル 京太郎「おいおい 大丈夫か?」 咲「い、一応…」 おばけA「うわっ~!」 咲「きゃーーーーー!!!!!」 京太郎「うおっ!(咲の叫び声にビックリするわ!)」 咲「きょ、京ちゃ~ん」ギュッ 京太郎(何だか罪悪感が…) おばけB「ぐわ~~~」 咲「!? きゃーーーーー!!!!!」ダッ 京太郎「ちょ どこ行くんだよ! 咲ー!」 咲(もうやだ~ 外に出る~)タッタタタ ―――― ――― ―― 京太郎「(ったく咲の奴どこ行ったんだよ…)あっ すいませーん 連れが迷子になったみたい なんですけど…」 おばけC「えっ? 迷子ですか? わかりました~ 他のおばけ達にも連絡いれときますね?」 京太郎「よろしくお願いします(何が悲しくて、おばけに頼まにゃならんのだ…)」 ピッ おばけD「こちらおばけD 迷子の子猫ちゃんがいるようだ 見つけしだい 保護しとくように」 京太郎(随分 現代的なおばけだな おい…) おばけD「これで大丈夫だと思います」 京太郎「ありがとうございます」 京太郎「(咲…)」 ~その頃の 咲~ おばけE「いたぞー! あの子だ!」 おばけF「しゃー!」 おばけG「お嬢ちゃ~ん? 恐くないからね? こっちにおいで?」 咲「ひぃ!」ガクブル 咲(さっきから 何か変だよ… おばけの人達が 私を見るなり 襲ってくるし…) 咲(京ちゃんは迷子になるし… ) おばけH「つーかまえた!」 咲「きゃーーーーー!!!!!」ブンッ おばけH「ヘブッ!」 おばけE「おばけHが やられたぞ!」 おばけF「しゃー!」 おばけG「うわっ~ こりゃー 長期戦になるかもね」 咲「きゃーーーーー!!!!!」タッタタタ ―――― ――― ―― 負傷23名を出した 戦いは 約2時間半にも及び おばけサイドの勝利となった… 後にこの戦いを 第一次 おばけ戦争と 呼び 遊園地の名スポットとして 注目を浴びる事になるのは また後の お話… 京・咲「「すみませんでした!」」 おばけH「いやいや 気にしなくて いいから いいから」 咲「でも…」 おばけH「僕の方も悪かったし… それに あんなにも怖がってくれた お陰で 新人からベテランまでが 凄い満足しててね」 おばけH「より一層 やる気が出てくれた みたいで 君達には 感謝感激だよ」 京太郎「そ、それなら言いんですが…(咲の奴 どんだけ 怖がりなんだよ…)」 咲「もう 懲り懲りだよ~」 京太郎「俺もだよ…」 ~~~休憩所~~~ 京太郎「足が痛い…」 咲「私も…」 京太郎「今日はたくさん遊んだな…」 咲「そうだね 久しぶりにたくさん遊んだよ」 京太郎「…」チラ [17時04分] 京太郎「んじゃ そろそろ帰るとしますか」 咲「うん あっ! そ、そうだ もう一つだけ 乗ってから帰ろうよ!」 京太郎「? 別に構わないけど? 何に 乗るんだ?」 咲「着いてからのお楽しみ♪」 京太郎(?ジェットコースターは勘弁して欲しいな…) ―――― ――― ―― 京太郎「なるほど… 観覧車か」 咲「うん♪ 遊園地の最後の締めと言ったら 観覧車だよ♪」 京太郎「ロマンチストだね~」 咲「そんな事ないよ~」テレテレ 係員「次のお客様ー」 京・咲「「あっ はーい 」」 ガチャ 京太郎「なんかドキドキするな」 咲「そ、そうだね」 京太郎「………」 咲「………」 京・咲(き、 気まずい…) 咲(なんか喋ってよ 京ちゃん) 京太郎(なにか喋ってくれよ 咲… ) 京・咲「「あ あの!」」 京・咲「「……… 」」 咲「プッ あはははは なんか 遊園地に来る前もこんな事 言ってたよね? あはははは 」 京太郎「俺と咲の ハモり具合が 毎回 バッチリだな」 咲「そう言えばそうだね」 京太郎「ふむ 俺は 意外と 咲と相性がいいのか?」 咲「そ、そうかも 知れないね!」 京太郎「うーん 俺は 巨乳好きと 相性が言いとおm 「死にたいの? 京ちゃん?」もってはいませんよ?」 咲「も~う」プクゥ 京太郎「はははっ…」 咲「………」 京太郎「………」 咲「………ねぇ 京ちゃん?」 京太郎「どした?」 咲「私ね? 京ちゃんから 麻雀部に誘われたとき… 本当は 少し 嬉しかったんだ」 京太郎「そうなのか?」 咲「うん… 麻雀は嫌いだったけど 京ちゃんが 誘ってくれたのが嬉しくて 着いて行っちゃたんだ」 京太郎「初耳ですな…」 咲「初めて 話すからね」 咲「嫌いだった麻雀も… 今じゃ 凄く 好きになった…」 京太郎「………」 咲「原村さんや 優希ちゃん 染谷先輩に 部長 にも出会えた… 京ちゃんとも 話をする 機会がたくさん増えた」 京太郎「咲は読書ばっかりだもんな」 咲「まぁね …だから 京ちゃんに お礼を言います」 京太郎「お礼?」 咲「うん… お礼…」 咲「私を麻雀に誘ってくれて 私に麻雀を好きになる きっかけを作ってくれて ありがとう 京ちゃん」 チュッ 京太郎「えっ!?」 咲「京ちゃんは空気読めないから 知らないと思うけど 私は 京ちゃんの事が好きなんだよ?」ギュ-ッ 京太郎「さ、咲」 咲「今は まだ このままの 関係で 十分幸せ… ねぇ? 京ちゃん?」 京太郎「は、はい!」 咲「私が… ううん… 私達が全国大会に出て 優勝したらね? また 私と一緒に来てくれるかな?」 京太郎「アフリカの遊園地だろうと ロシアの極寒地だろうと どこにでも 連れてってやるよ!」 咲「フフッ 京ちゃんの そうゆう所 だーい好き!」ギュッ グラグラ 京太郎「うぉっと 急に抱き着くなって」 咲「えへへっ♪」ギューッ ―――― ――― ―― 京太郎(まさか 咲が俺の事を好きだったなんて… 予想外だな)チラ 咲「…」スゥ 京太郎(ったく 人の背中で 眠りやがって…) 京太郎(恋人… ねぇ… ) 咲「…」スゥ 京太郎「全く…」 ~~~電車内~~~ 咲「あぁー!」 京太郎「今度はなんだ…」 咲「植物園のチケット… 今日までだった…」 京太郎「何!? しまったな… 植物園を先に行っておいた方がよかったのか… やっちまったな…」 咲「残念だね…」シュン 京太郎「なーに 落ち込んでんだよ お姫様」 咲「?」 京太郎「来る前も言ったろ? 植物園に近々 行こうと思ってたって? 」 咲「そ、それじゃあ!」 京太郎「今度の休みに また行こうぜ!」 咲「うん♪」 その他一般人方々「(リア充死ね!)」 ~次の日 清澄 部室~ 和「いったい な、なにが…」 久「夢でも見てるのかしら…」ゴシゴシ 優希「咲ちゃん 大胆だじぇ」 染谷「これは また 凄い事が 起きそうな予感がするの」 咲「きょーちゃん♪」ゴロゴロ 京太郎「俺の膝に座って 暴れるのは勘弁して もらえないだろうか…」 咲「暴れてなんかいないよ~♪」スリスリ 京太郎「ほお擦りするのも 止めて もらえないか? 牌が全然見えない…」 咲「京ちゃんのかわりに 私が打つから大丈夫だよ! ツモ! 4000オール!」 久「うぐっ」 優希「ありゃりゃ」 和「はぁ…(部長のマナーの悪さが 可愛く見えてきますね…)」 京太郎「うぉーい! なに勝手にツモってんだよ!」 咲「京ちゃんは 私の座ってるだけでいいの♪ ね? 部長?」 久「えっ? えっ ええ… 須賀君は 咲の椅子として 頑張って頂戴」 京太郎「ちょ 部長!」 久(ごめんなさい 須賀君… 私には無理… ) 染谷「こりゃ 大変そうじゃの」 和(私も 宮永さんに…) 優希「京太郎ー タコス食うか?」 京太郎「あぁー もう! 好きにしてくれーーー!!!」 咲「カン! ツモ!」 咲「嶺上開花!!」 ~宮永咲編・完~
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1340171053/ 京太郎「全く、部長も急に買い出しに行けだなんて人使い粗いよなぁ」 蒲原「ワハハ、清澄のマネージャーは苦労してるんだなー」 京太郎「俺は別にマネージャーではないんですけどね」 京太郎「あーあ、部長には鶴賀の部長みたいな気配りが足りませんよ」 蒲原「……ワハハ、ゆみちんが聞いたら喜ぶだろうなー」 京太郎「? 鶴賀の部長って蒲原さんでしたよね」 蒲原「へ?」 京太郎「買い出しの為に車を出してくれる蒲原さんみたいな優しい人は清澄にはいないですから」 京太郎「蒲原さんみたいな気づかいができる人がいると本当に助かりますよ」 蒲原「ワハハ、お世辞でも照れるな―」 四校合宿の時買い出しに行くならこの二人なんじゃないかな まぁ事前に用意してあったり、ハギヨシがどうにかしてくれるかもしれんけど 京「あ、せっかくだし携帯の番号交換しませんか?」 蒲原「おいおいーナンパするならモモとかにしとけよー」ワハハ 京「俺は鶴賀麻雀部の部長さんと交換したいんです」 蒲原「ワハハ、麻雀の特訓相手が欲しいってことかー」 京「はい、咲や和じゃレベルが違いすぎて…」 蒲原「ワハハ…」 京「あ!いや、別に鶴賀が弱いとかそういうことではなく!」 蒲原「いやー実際清澄には勝てなかったんだし、そこの男子ならこっちもいい練習相手になるなー」ワハハ 京「ちょ、マジで勘弁してください…」ビクビク 蒲原「ワハハ、まぁそういうことなら大歓迎だーいつでも連絡していいぞー」ピピッ 京「は、はい!ありがとうございます!」 蒲原(ワハハ…家族以外の男の連絡先なんて初めて携帯に入れたなー)ドキドキ 京「ところでこの車って部活の遠征のために免許取ったんですか?」 蒲原「まあねーウチ顧問いないし駅からも遠いからなー」ガタンガタン 京「ウチも顧問いないんですけどねー」 蒲原「ワハハ、なら君が免許取ればいいよー将来役立つかもしれないし」キキィー 京「…更に雑用係扱いされますね、それ」 蒲原「ワハハー言うこと聞いてくれる男はモテるよー」ドーン 京「蒲原さんもそういう人が好きなんですか?」 蒲原「ワハハー、………は?」ブーン 京「あ、今の所左でしたね」 蒲原「わ、ご、ごめん」プップー 京「いえいえ、俺も話に夢中で気付かなかったですし気にしないでください」 蒲原「わ、ワハハー」ドキドキ 京「それにしても合宿所からスーパーまで遠くないですか?これ歩かされてたらと思うと…」 蒲原「流石に清澄の部長もそこまでさせないだろー」ワハハ 京「いや、ウチの部長ならやりかねませんよ…」 京「はぁ…部長が風越の福路さんみたいな優しい人だったら…」ペラペラ 蒲原(おー女の前で他の女の話しちゃうかー)ワハハ 京「龍門渕の部長みたいにちょっとキツめな感じもいいんですけど…」ペラペラ 蒲原(いや、私が女だと見られてないだけだよなー…)ワハハ 蒲原「なるほどー男子はそういうのがいいのかー」 京「あ、すみませんこんな話つまらないですよね」 蒲原「ワハハ」 蒲原「そうだ、ラジオつけようラジオ」カチリ ーカン!カン!もいっこカン!~♪ 京「あ、これ最近流行りのラブソングですね」 蒲原「…」カチリ ー続いてのお便りは長野県のタコスウマさん、私には今好きな人が… 京「うんうん青春って感じですねー」 蒲原「…」カチリ ーさぁ遂に始まりましたカップル脱衣麻雀大会優勝決定戦!!一体どのカップルが頂点に立つのかーっ! 京「脱衣…」ゴクリ 蒲原「ワハハ、ラジオ局春っ盛りだなー」カチリ 京「あれ、ラジオ消しちゃうんですか?」 蒲原「少年、時代は節電だよー」ワハハ 京「そこ左ですね」 蒲原「ほいほい」ブーン 蒲原「助手席にカーナビがあると便利だなー」 蒲原「清澄が重宝してるわけだー」ワハハ 京「素直に喜べませんよ…あ、そこ左でスーパー着きますね」 蒲原「ほいほいっとー」キキキィー! 京「のわー!」ダキッ 蒲原「!?」 京「あ、うわ!すみません!あんなドリフトするとは思わなくて!」バッ 蒲原「わ、ワハハーよくあるよくあるー」ドキドキ 蒲原(やばいなーあとは直進だけなのに運転できる気がしない)ドキドキ 蒲原「わ、ワハハ…」ヨロヨロ プップー!トロトロしてんじゃねーよks! 蒲原「っ!」ビクッ 京「な、あんにゃろ」 蒲原「だ、大丈夫大丈夫ーほらもう着くから準備してー」ブルブル 京「…すみません、俺が抱きついてしまったりしたから」 蒲原「なーに男に抱きつかれて動揺するほど女の子じゃないさー」ワハハ 蒲原「ちょっと疲れてたのかなー合宿だからって無理したかなー」ワハハ 京「…すみません」 蒲原「…」ワハハ ……… …… … 蒲原「到着だー」ワハハ 京「蒲原さんは車で休んでてください、買い物は全部俺がしてきますんで」バタン 蒲原「いやーそれは流石に悪いよー」バタン 京「いえ、疲れてる女性を連れてくわけにはいきません」 蒲原「買い物に付き合うって言ったのは私だぞー?」 京「でも…」 蒲原「ワハハ、どうしても譲りたくないのかー」 蒲原「じゃあ私を連れて行ってくれたらみっぽとお話させてあげよう」 京「え!ま、マジですか!?」 蒲原「おーすごい食いつきいいなー」ワハハ 蒲原(ワハハ、自爆したとか思ってないぞー) 京「い、いやでも、いやしかし、でもでも…」 蒲原「それじゃあ先行くぞー」ワハハ 京「あ!ちょ、ちょっと!まだ結論出てないのにー!」 ースーパー内 京「結局連れてきてしまった…」 蒲原「ワハハ、それで何買ってけばいいんだー?」 京「ええと、タオル、バーベキュー用の食材と紙食器、トイレットペーパー、 携帯の充電器、タコス...、...、...、単純に考えていつもの四倍ですね…」 蒲原「本当に一人で行けると思ってたのかー?清澄の部長は」ワハハ 京「蒲原さんがいてくれて本当助かりましたよ…ははは」 蒲原「それじゃあ私は日用品集めてくるから、君は食材頼んだよー」ワハハ 京「はい、お金半分渡しておきますね」チャリン 蒲原「まかせろー」ワハハ ー日用品売り場 蒲原「おーあいつら好き勝手注文してるなー」ワハハ 蒲原「こういうもの男に買ってこさせるなんて、度胸あるなー」ワハハ 蒲原「一部は男なんて眼中にないッスって感じだしなー」ワハハ 蒲原「…本当に気付いてないのかもなー」ワハハ 蒲原「ワハハ」 ー食材売り場 京「バーベキューかー、俺も食べられるのかなー」 京「いや!今回は部長やタコスだけじゃない!福路さんがいるんだ!」 ポワポワ~ 美穂子『はい、京太郎さんあーん』 美穂子『ふふふ、たくさん食べてくださいねー?』 美穂子『あら、ほっぺにご飯粒が付いてますよ』ペロリ 京「ぐへへへへー」 京「蒲原さんが福路さんと話す機会くれるって言ってたし!チャンスあるぞー俺ー!」 特製タコスが焼き上がったじぇー!欲しい奴はとっととパンコーナーに来るがいいじょ! 京「おっと、タコスも忘れず買ってかないとな」タタタ 蒲原「やーやーお疲れー」ワハハ 京「あ、蒲原さん…って、かなり量ありますねそれ」 蒲原「私もこんなん考慮してなかったなー帰ったらキツく言っておかないと」 京「半分持ちますよ、食材はそんなに多くなかったですし」 蒲原「じゃあこっちのよろしく」バサバサ 京「うぐぐ、思ってた以上に重い!」 蒲原「ワハハ、じゃあその袋も半分こして持つかー」 京「え?どうやってですか?」 蒲原「ほら、君が右の持ち手持って、私が左の持ち手持てば半分こだー」ワハハ 京「…なんかこれ、すごく恥ずかしいですね」 蒲原「ワハハ」 京「積み込み完了!後は帰るだけだー!」 蒲原「ワハハ、それじゃしゅっぱー」 京「あ、待ってください、えーと、」ガサゴソ 蒲原「?」 京「どうぞ、オレンジジュースです」 蒲原「ワハハ、気が利くねー」プシュ 京「手伝ってもらったんだから当然ですよ」 京「それに車出してくれた蒲原さんだって、気が利くというか気が回るというか」プシュ 蒲原「それじゃあ私たちは似た物同士だなー」ワハハ 京「ははは、確かに蒲原さんとは仲良くなれそうですよ」 蒲原「わ、ワハハ…///」 京「帰りは荷物見るんで後ろに座りますね」 蒲原「いや、助手席…あー、うん、荷物まかせたー」ワハハ 蒲原(助手席に座ってくれなんて言えねー)ワハハ 京「?」 京「あ、帰りは安全運転でお願いしますよ?卵もありますんで」 蒲原「あいよー」ブーン 蒲原「…そういえば私の運転で絶叫しなかった人初めてだなー」ワハハ 京「確かにジェットコースターみたいですごいですよね」 京「でも所々スピード緩めてくれたりして、こっちへの気遣いしてくれますし、俺は安心して乗れてますよ」 蒲原「…ワハハ」キキキキィー! 蒲原「なーんで清澄で埋れてるかなー」ボソッ 京「あ、卵潰れた」 蒲原「ご、ごめんなー…」 京「いえいえ、どこか寄って新しいの買いましょうか」 蒲原「この近くに店あったかなー」ブーン 蒲原「あ…」 京「ありましたか?」 蒲原「いや、その…ここ私の家の近くだなーって、」ワハハ 京「へー、偶然ですねー」 蒲原「じゃあちょこっと寄って卵持ってくるかー」ワハハ 京「え、いいんですか?貰ってしまっても」 蒲原「運転ミスったのは私だしなーそれにすぐだから」プップー 京「で、でかい…!」 蒲原「さすがに龍門渕ほどではないけどねー」ワハハ 京「そ、それでもこんなデカい家そうポンポンあるものじゃないですよ!」 蒲原「ワハハ、せっかくだから入ってくー?さっきのオレンジジュースのお礼もしたいしなー」 京「オレンジジュースは手伝ってもらったお礼なんだから、それのお礼は貰えませんよ」 蒲原「小さいこと気にしなさんなーほら入っておいでー」ワハハ 京「う、そ、それではしし、失礼いたします…!」ビクビク 蒲原「じゃあ卵取ってくるからここでくつろいでてー」テテテ 京「あ!ちょっと!一人にしないでくださいよー!」 京「う、うわぁ…ここなんだよ…リビングか?ダイニングか…?」 京「龍門渕みたいに派手じゃないけど、隅々まで手入れが行き届いている…埃ひとつない…」 京「お、俺こんな所にいていいんだろうか…」 蒲原「お、おー?なんでそんな隅っこで縮こまってるんだー?」ワハハ 京「い、いやその、狭い所が落ち着くというかなんというか…」 京「っていうか俺、蒲原さんに結構失礼なこと言ってたんじゃないかなーって思って…」 蒲原「…」ワハハ 蒲原「うーん、私の家をどう見ようとその人の勝手だと思うけど」ワハハ 蒲原「私のことくらいはちゃんと私として見ていて欲しいと思うなー」ワハハ 京「…」 京「…そう、ですよね」 蒲原「私は親の金で偉ぶる人間に見えてたのかー?」ワハハ 京「えっと…」 蒲原「そこはハッキリ言い切って欲しかったなー」ワハハ 京「…はい、俺、蒲原さんのこと、ちゃんと蒲原さんとして見ます」 蒲原「ワハハ、ここは蒲原家だからそれじゃあ紛らわしいなー」 京「ええ、な、何を言って…」 蒲原「私の名前は智美っていうの、言ってなかったっけかなー」ワハハ 京「さ、智美…さん」 智美「わ、ワハハ」ドキドキ 京「…俺、智美…さんのこと、ちゃんと智美さんとして見ます」 京「だから俺と…」 智美「…」ドキドキ 京「俺と、麻雀仲間になってください!」 智美「…」 智美「うん、合宿所に帰るかー」ワハハ 京太郎「え、あれ?お返事、お返事は貰えないんですか?」 智美「京太郎ー早く乗らないと置いてくぞー」ワハハ 京太郎「な!ちょっと、マジで勘弁してくださいよー!」 智美「ワハハ」ブーン 智美(麻雀仲間かー、まぁお友達が増えるのは悪くないこと…)ワハハ 智美(でもよく考えたら京太郎とまともに話したの今日が初めてだったなー)ワハハ 智美(それなのに今日で一気に恋人とか、それは夢見過ぎだよなー)ワハハ 智美「うん、これからこれから」ワハハ 京太郎「なにがこれからなんですか?」 智美「ワハハ」 カン! ~おまけ~ 京太郎「帰って来たぞー!合宿所ー!」ドサ 智美「ちょっと時間かかっちゃったかなー」ワハハ タコス「京太郎遅すぎるじぇー!3時間前からタコス力が足りなすぎてヘトヘトだじぇー! タコスをよこせー!」ダダダダダダダ 咲「ちょ、ちょっと優希ちゃん!京ちゃんのお手伝いに来たんじゃなかったの!?」 京太郎「わー!待て待て!タコスはくれてやるから荷物を漁るんじゃなーい!」 タコス「おお!トンバスーパー特製タコス発見だじぇー!!でかしたぞ犬!」パンパカパーン 咲「あ、美味しそう…」 京太郎「ほら、皆の分あるから咲も食べろよ」ガサガサ 咲「わ!ありがとう!京ちゃん!」 京太郎「あ、もちろん智美さんの分もありますよ、今食べますか?」ガサガサ 智美「ワハハ、京太郎は本当に気が利くなー」ワハハ 咲タコス「…え?」タコスグシャ もいっこカン!