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※かなり俺設定があります それでも大丈夫な方は、お暇なときにどうぞー。 万能お兄さん2(fuku2757)の続編です。 初めてのSS、初めての続編物です。よろしくお願いします。 村にドスが襲ってきたのは真昼だった。 突如鳴り響く地響き。最初は小さかったが次第に大きくなってくる。 直感で悟る4人の青年達。村では「ゆっくり四天王」と「勝手に」呼ばれているスペシャリストだ。 村以外でもその名は轟いている。 轟いているのは、むしろ4人がひとつの村に集中しているというのが珍しいという意味合いが強いが、 3人そろうだけでも珍しいのに、3人の特徴を中途半端に受け継いだような万能お兄さんの存在自体が非常に珍しいのである。 天然記念物並みといってもよい。 そして、同時に四天王はつぶやいた 「「「「来たか」」」」 4人はそれぞれ準備をする。 その中で、万能お兄さんは自分の部屋の箪笥の上に飾ってある、2つの写真立てを見る。 左は強面のおじさんだ、猟銃を持っているとこから猟師だとわかる。右の写真はかわいい少女の笑顔の写真だった。ほかでもない彼の妹だった。 お兄さんは、左の写真に手を合わせた。 「養父さん…」 強面の猟師だが、「あの村」から命からがら逃げ、山で行き倒れたところを助けてもらい、 自分と妹を養子として引き取ってくれた優しい養父。死んだ実の父も優しかったが、養父も負けないくらい優しかった。 手を合わせた後、右の写真立てを見る。かわいい少女で、彼の自慢の妹。だが、その妹は今は病院のベッドで寝ている。 顔の色も、何も問題なく、今起きても問題ないくらいのかわいい寝顔。ただ、彼女は目覚めることはない。それには理由があった…。 「…お前が望んだ、ゆっくりと一緒の楽しい生活は、僕がこの家で作り上げたよ。あとは…、お前が目覚めるだけだ」 彼女を目覚めさせるための鍵は、今日来るドスまりさが持っている。 このときのために何年も費やした。そして、自分達を陥れ、養父を殺し、妹を目覚めさせぬようにした「あの村」を滅ぼすこと。 温厚な彼が、一時たりとも忘れたことのない復讐だった。 全てはこのために作り上げた。村人には「協力」と言ってあるが、その実は利用である。虐待お兄さん達心友ですら利用する。 彼には底知れぬ深い闇があった。 そんな闇を一切表に出さず胸に秘め、「万能お兄さん」として、彼は家を出た。 万能お兄さんの畑の近くに現れた、ゆっくりの群れ。 お兄さんの畑がゆっくり被害を一挙に引き受けるのは、山に近いからだ。ドスまりさが村(というかお兄さんの家)にたどり着き 「この村の実力者をだしてね!!」 と大声で吼えた。 しばらくすると村人が集まってきた。ちなみに、村人達の手には鍬や鎌などの農具が握られている。 ゆっくりたちは村人の数にひるんだが、負けじと警戒するときのように体を膨らませる。 「この村の実力者をだしてね!!」 「実力者っていうと、村長でいいのかい?」 村人が尋ね 「ゆっ!!そうだよ!!いちばんえらくて、実力者な村長をだしてね!!」 と言う。 しばらくすると、村長がやってきた。後ろには四天王が待機している。 「わしが、この村の村長だが、こんな辺鄙(へんぴ)な村になんのようかね?」 「ゆっ!!私達、冬を越すための食料が集まらないの!!」 「ふむ、で?」 「協力しましょう!!」 「で?」 「だから食料を分けてください!!」 「…は?」 村人達は騒ぐどころか、黙った。万能お兄さんの言うとおりになってしまった。これでは協力ではなく脅迫である。 村長があきれたように口を開き 「…本気で言っているのかね?」 「ゆっ!!そうだよ!!」 「それは協力とは言わない、脅迫だ。ちゃんと考えていっているのかね?」 「もちろんだよ!!」 「ドスのいっていることがわからないなんてばかなの?しぬの?」 「やっぱりじじいはじじいだね!!」 取り巻きのゆっくりたちが、バカにしたようにゲラゲラとあざ笑う。なんともむかつく光景だ。 「なぁ、万能お兄さん。こいつら殺したいんだが」 「だめだよ、虐殺お兄さん。もう少し待たないと」 「後どれくらい待つんだよ、我慢できないぜ」 「大義名分っていうのは必要なものだから、もう少し我慢してね、虐待お兄さん」 「なんということだ…。少しはいいゆっくりだと思っていたけど、これはひどいな…。こんなやつらとはゆっくりできないよ」 「愛でお兄さんが失望するのも無理はないよ。彼女達は悪いゆっくりだからね。」 4人は会話をする。まさかこれほどまでとは思ってもいなかった。向こうの言い分がおかしすぎる時点であきれて、失望していた。 村長はあきらめずに尋ねる。 「きみたち、協力とはお互いが助け合うことを言うのだ。君達は私達に食料をよこせというが、君達は私達になにをくれるのかね?」 「ゆっ!!そこのお兄さんの家のゆっくりが、わたしたちの仲間を殺したんだよ!!だからそれでおあいこだよ!!」 と、ドスは万能お兄さんを指して言う。 つまりゆっくりたちは村に復讐をしに来たということだ。その復讐の代価として食料よこせということである。 仲間の死すら利用するとは、見下げ果てたやつらだ。 「…あれを見られていたのか、まぁいい。どちらにせよ、餡子脳ごときが人間の、僕の頭脳に勝てる道理などない」 誰にも聞こえないように呟く。彼の腹黒さが如実に現れているような台詞だった。 村長は答える 「彼が殺した?何かの間違いではないのかね?」 「そんなことはないよ!!だってまりさがみていたんだもん!!」 と、ドスのうしろからまりさがあらわれた 「おれはみたんだぜ!!そこのにんげんのいえのゆっくりが、れいむをころしているのを!!」 まりさが証言した。その言葉を聴き、 「おにいさんがれいむをころさなければこんなことにはならなかったんだよ!!」 「おにいさん!!さっさとあやまるんだぜ!!」 「おにいさんはとかいはじゃないわ!!ゆっくりどこかにいってね!!!」 野次馬たちが騒ぎ始める。なんという騒音、聞くに堪えがたい。虐殺お兄さんが一歩前に出ようとしたのを、万能お兄さんが制した。 万能お兄さんはゆっくりたちに話し始めた。 「君達は誤解をしている。僕の家にきたあのれいむは、うちのルールを破ったのだ。彼女は僕の家で働きたいといったが、 その実働きもせず、家の作物を勝手に食べるということをした。僕の家の作物を勝手に食べたらいけないというルールを、 あのれいむは破ったんだ。だから殺した」 「だからなんなんだぜ!!ころしたのにかわりないんだぜ!!なかまをころされて、わたしたちはおこっているんだぜ!!」 証言をするまりさが反論をする。それをお兄さんは冷ややかな目でみて答えた。 「殺したのに変わりはない、か。確かにそうだ。だが、ルールを破った者は誰しも罰するのは当然だろう?君はそんなこともわからないのか?」 「ゆぐっ!!…でも」 「でもなんだ?君達の群れにはルールは存在しないのか?ドスよ、まさか君は群れにルールを作っていないということはないよな?」 「ゆっ…。ルールは…あるよ」 「あるだろう?では、君はルールを破ったものはどうするのだ?」 「…罰を…与えるよ」 「では、私が殺したのもなんら問題はないだろう?私の家のルールを破ったのはあのれいむだ。だから私は処罰した。 ここで私のどこが悪いのか、教えてほしいものだなぁ?」 「ゆぐぐぅぅぅ!!」 ドスは反論できなかった。ルールを破れば処罰する。どこでもやっていることだ。 私達は仲間の復讐をできると思ったのに、それをネタにして有利になるはずだった。だが形勢が逆転した。 ほかのゆっくりたちも、押し黙る。 「復讐…か」 万能お兄さんはゆっくり達が言った復讐という単語に反応し、呟いた。 静かに目を閉じると蘇るあの光景。むかし住んでいた村で起きたこと。 幸せな生活だったが、ある日突然あらぬ嫌疑により村八分者にされたこと。自分達に降り注ぐ罵倒。耐え切れなくなった父の自殺。 村長宅で盗み聞いた話によりわかる、事の真相。 妹と一緒に逃げた日。山で過ごしたサバイバル。行き倒れたところをこの村の猟師に拾われ、養子として迎えられ生まれ変わった時の感動。 その後に起こった謀略による養父の死と、眠ったまま起きない妹。 一瞬の出来事だったが、お兄さんにとっては長く感じた。頭を振り気を取り直す。 「あと少しだ…。うまくいけば後少しなんだ…。」 誰にも聞こえないように呟いた。そして改めてドスを見た。 ドスは仲間に責められている 仲間の死をネタにして、食料をもらえると思ったらいつまでたってももらえないからだ。 「どすうぅぅぅ!!!しょくりょうがもらえるんじゃなかったのぉぉぉぉおおお!!??」 「なんでにんげんのいうことをきいているのおおおおおお!!!!」 「わるいのはあいつらでしょおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 「どずのばがああぁあぁぁぁぁぁ!!はやくしょくりょうをもらってよおおおおおおおお!!!!!」 口々に攻められるドス。彼女はくやしそうに、黙って仲間の批判を聞いているだけだった。 群れを統率するゆえの苦悩が、今ここに表れている。そうだ、もっと悩め、そうすれば君は僕の「計画」通りになる。そうすれば僕の妹ははれて…。 と思ったのも束の間。ドスが思い出したように喋った 「ゆっ!!そういえばまりさ!!あなたルールを破ったね!!」 と、証言をしたまりさにたずねた 「ゆっ!?まりさルールをやぶっていないぜ!!」 「私は村に近づくなっていったでしょ!!れいむのことを見たのなら村に近づいたって事なんでしょ!!」 「ゆっ!!でもそれはれいむがころされたから…」 「ルールをやぶった子はいらないよ!!ゆっくりしんでね!!」 すると、ドスは巨体を生かしてまりさをつぶし始めた。 「ゆ゛ぅぅぅうううううう!!!ごべんなざいいいいぃぃいいいいいいいい!!!」 「もうおそいよ!!ゆっくりしんでね!!」 はちきれんばかりに膨れるまりさ。もはや限界に近づいており 「もっどゆっぐり…じだが…」 パンッ!と乾いた音がして、まりさは破裂した。あたりに餡子が飛び散る。 ドスが皆を見渡して言う 「こいつがルールをやぶらなければこんなことにはならなかったんだよ!!」 ドスは自らの責任を、全てはこのまりさのせいということにした。 ゆっくりたちはしばらく黙ったが、餡子脳が理解していき。 「そうだね!!こいつのせいだね!!!」 「ドスはなにもわるくなかったね!!ごめんね!!!」 「さすがドスだね!!!」 とドスを褒め称えた。 「…ちっ」 なんとまぁ、見苦しいものだ。自分が起こした脅迫の責任転嫁とは。仲間も仲間で、簡単に信じるところはさすが餡子脳というしかない。 だが、このままこいつらを帰らせては「計画」に支障が出る。 「計画」を実行するためには、もう一押ししないといけないな。と思って、万能お兄さんはドスに語りかけた 「そういやドス、君達はこの村にいったい何をしにきたんだっけ?」 「ゆっ!!それは…」 「村を襲いにきたんじゃなかったの?」 「ゆぐっ!!」 そうなのだ。ドスは仲間の死をネタにして、お願いをするつもりだった。 だが、群れの仲間達には「村を襲う」と言っている。お願いするとは一言も言っていない。本音を隠していたのだ。 このままでは人間達にはかなう筈はない、交渉でも勝てそうにない、ここは引き下がろうとしたが。 「そうだ!!ドスはむらをおそいにきたんだよね!!」 「このにんげんどもをころしてしょくりょうをうばうんだよね!!!」 「ばかなにんげんはゆっくりしんでね!!!」 ゆっくりたちは思い出したように喋り始めた。 万能お兄さんが黒い笑みを浮かべ 「へぇ…。この村を襲いにきたんだねぇ。だったらそれなりの対処をするけど?」 「この腐れ饅頭が、やっと本性をあらわしおったか」 と虐殺お兄さんが竹に包丁を括り付けただけの、簡素な槍を構える。実にシンプルだが、この武器は虐殺お兄さんの 長年ともに戦ってきた武器であり、包丁は数々の餡子を吸ってきた業物である。なんとなく呪われてそうな気がしなくもない。 「ふう、ようやく運動ができるってわけだ。待ちくたびれたぜ、このときをよぉっ!」 虐待お兄さんは、虐殺お兄さんとは違い、得物を持たない。代わりに総合格闘技のように、自らの拳で戦う。 得物を使ってもいいが、たまに加減がわからなくなり殺してしまうことがあるからだ。だが拳だと殺さずに戦闘能力を奪える。 お兄さんは、オープンフィンガーグローブをゆっくりとはめ、その感触を楽しむように手を開閉する。 「ゆっ!!ちがうよ!!むらはおそわないよ!!わたしたちはゆっくりかえるよ!!!」 「ゆっ!!ドスむらをおそうっていったじゃない!!」 「なんでうそつくの!!れいむたちをだましたの!?」 「うそつくドスはドスじゃないよ!!ゆっくりしね!!!」 「ゆうぐぐぐぐぐぐぐぐ!!!」 おお、苦しんでる苦しんでる。本音と建前を両方喋っていれば、こんなことにはならなかったのに。 きちんと、「襲う」を「お願いする」とすればなんら問題はなかったのに。 「で、どっちなの?襲うの、襲わないの?襲うのならさっさとしてよ。それともできないの?ばかなの?」 お兄さんは挑発するようにして尋ねた。 「「「「ゆぐっ・・・!!!」」」」 「なんだ口だけのゴミクズだったなんてがっかりだよ。襲う気がないのならゆっくり山にかえってね」 挑発に激怒したれいむがとびかかってきた 「ゆぐぐぐがぁぁぁ!!!ゆっくりしねえぇぇぇ!!わたしたちをばかにするにんげんはしねぇぇぇぇ!!」 「だめえ゛え゛え゛え゛ええ゛ぇぇぇ゛ぇ゛ぇえ゛え゛!!!」 ドスまりさが必死で止めようとしたが、もう遅かった。 一匹のれいむが万能お兄さんに飛び掛り、ぶつかる寸前のところで虐殺お兄さんの鮮やかな槍さばきにより絶命する。 万能お兄さんは微動だにしていない。彼がとめてくれると信じていたから。 「ありがとう、虐殺お兄さん」 「気にするな、万能お兄さん。だがこいつらは俺たちを攻撃した」 「ああ、攻撃したね」 「じゃあ、もうやっちゃってもいいよな?」 「虐待お兄さん、遠慮はいらないよ」 「私はせめてみないようにしておくよ。悪いゆっくりとはいえ、死ぬ所や苦しむのは見たくないからね。 ただ、せめてできることを、村で飼われているゆっくりを万能お兄さんの家に集めて避難させて置くよ」 「うん、愛でお兄さん見ないほうがいいよ。あと、飼いゆっくりの避難は任せたよ。僕の家のゆっくりなら、愛でお兄さんも 他の飼いゆっくりも守ってくれるよ。」 「ついに始まるのか、久々に血が騒ぐのぉ」 「村長以下、村の皆さん。戦闘準備に入ってください。これより敵を殲滅します」 もはや止められない。 戦いの火蓋は切って落とされた。 「「「「「「「「「「にんげんたちはゆっくりしねええぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!!」」」」」」」 ゆっくりたちが怒声を上げながら襲い掛かる。その数100匹以上。 万能お兄さんも叫ぶ 「総員抜刀!!敵を撃滅せよ!!突撃いぃぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!!!!!!」 「よろしい!!ならば虐殺だ!!ゆっくりどもしにさらせぇぇぇぇぇえええええええ!!!!!」 「俺の虐待パンチを味あわせてやる!!!人間の恐ろしさをおもいしれぇぇぇぇぇぇええええええええ!!!!!」 「皆のもの!!わしらにつづけぇいい!!!勝利はわれらにありぃぃいい!!!」 「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」 ゆっくりたちと、村との戦争が始まった。 戦争といえば、いかにも互角の争いをしているように思える。 だが、所詮人間と戦って勝てるものなど存在しない。 戦争という名の、一方的な虐殺だった。数ではゆっくりたちが多いものの、武器を持った人間にかなうはずもなく、 一方的に数を減らされていく。 目の前の惨劇が始まってもドスはうごけなかった。自分の落ち度により、群れのゆっくりたちが死んでいく。 自分がちゃんとしていれば…。ちゃんとしていればこんなことには…。どこでなにをまちがったのだろうか…。 彼女は呆然としていた。 数は多いが、武器を使った人間に勝つなど到底無理だ。 最前衛を虐殺お兄さんが暴れまくり、虐待お兄さんは虐殺お兄さんの背中を守るようにして戦う。 万能お兄さんは、体力こそ愛でお兄さんよりあるものの、二人には劣る。戦闘はするが、2人ほど激しく動けないのが欠点だ。 だが持ち前の頭脳をいかして村人達を的確に指示し、虐待お兄さんと虐殺お兄さんが戦いやすいように戦術的に有利なポジションを獲得する。 村人達も、万能お兄さんの指示により連携をとっているのでかなり強い。中でも村長は張り切ってゆっくりを殺している。 愛でお兄さんは飼いゆっくりを集めて、万能お兄さんの家に向かっている。飼いゆっくりたちは、万能お兄さんの家のゆっくりたちに守られ、 尚且つ、家のゆっくりは村に被害が行かないように、捕食種を先頭に所々を見張って防衛線を張っている。 ゆっくりの群れは捕食種に立ち向かう勇気などないので、村には近づかない。 4人は的確に、自分達の役割をこなしている。村人や、万能お兄さんのゆっくり達もがんばる。 皆が一丸となって戦うとは、このことと言わずして何と言おうか。おかげで、戦闘開始で10分も経たないうちに半数近くの ゆっくりが命を落とした。 時間が経つにつれ、確実に減っていくゆっくりたち。 だが彼女は…、ドスはまだ頼られている。仲間が彼女を頼っている。 「どずううううぅぅぅ!!だずげでえええええええええええ!!!!!!」 「いだいよおおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!」 「なんでどずはだずげでぐれないのおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 ゆっくりたちの悲鳴が聞こえる。彼女達は自分を呼んでいる。 それを聞いて、ドスの心に火がつく。 助けないと…。みんなをたすけないと…。 なぜならわたしはドスだから。群れのリーダーだから。 人間を…倒す!! 「ゆっくりしねえええええええええええ!!!!!!」 ドスが意を決して襲い掛かってきた。村の皆が危惧していたことが起こった。 「うわぁぁぁあ!!!ドスだ!!ドスがきたぁぁああああ!!!」 腰を抜かして逃げ惑う村人達。無理もない。3mは優に超える巨体が襲い掛かってくるのだ。 誰だって怖い。 だが、立ち向かう3人の戦士が村人を守るようにして立ちふさがる。 「村の皆さんは雑魚をよろしくおねがいします!!ドスは僕らが倒します!!」 「ふん、やっと殺しがいのあるやつがでてきたか」 「ちょっと虐殺お兄さん、殺さないでくださいよ。俺はあいつを徹底的に虐待したいんすよ」 「ふん、私に手加減をしろなど無理な話だ」 「…いや、虐待お兄さんの言うとおり。殺さないでください」 「なんだと!!」 虐殺お兄さんが、万能お兄さんの答えに思わず振り向く 「それは本気で言っているのか…万能お兄さん」 「一生に一度のお願いです。あいつの命は僕にください」 「…正直、君にゆっくりの生死について頭を下げられたのははじめてだな。わかった。だが私は手加減ができないから雑魚を殺しにいく」 「ありがとう、虐殺お兄さん」 「へっ!じゃああいつは俺がいたぶるぜ!!」 「援護するよ、虐待お兄さん。では行って下さい!!」 「おっしゃあああああああああああああぁぁぁぁぁあああああああ!!!」 虐待お兄さんが突撃する。 「ゆ゛っぐりじ゛ね゛え゛え゛え゛ええええええええぇぇぇぇ!!!!!!みんなのがだぎぃぃぃぃいいいいい!!!!」 と、ドスは虐待お兄さんに向かって突進する。お兄さんは懐からナイフを取り出し、ドスの目にむかって投げた。 「いだいぃぃぃぃいいいいいいい!!!!!!!めがぁぁぁぁああ!!めがあああああぁぁぁぁ!!!!!!」 狙ったところにナイフを当てるというのはかなり難しい。それを難なくこなすところは、さすが熟練の技といったところか。 思わぬ攻撃と、激痛、そして片目が見えなくなったことによりもだえ苦しむ。スピードを落としたため突進が遅くなる。 そこを狙って虐待お兄さんは跳躍し 「しゃぁぁぁぁらああああぁぁぁぁぁぁああああああああっっっっっっ!!!!!!!!!!」 とび蹴りをドスの顔面のど真ん中へと叩き込んだ。 巨大な饅頭のおかげでやわらかい、おかげでメリメリとお兄さんの足が深く、深く、食い込んでいく。普通なら3分の1しか入らないが、 ドスが突進してきたところもあり、中枢餡子まで深く突き刺さった。見事なカウンターであった。 「ゆがぁぁぁぁあああああああああぁぁぁぁああ!!!!!!!」 今度は顔に激痛が走る。大声で泣き叫ぶドスまりさ。 お兄さんはすかさず目に刺さったナイフを抜き取り、ドスの頭に上った。 「がぁぁぁぁああああああ!!!!!は゛な゛れ゛ろ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!!!」 頭に取り付いた虐待お兄さんを振り払おうとするドスまりさ。彼女は今、虐待お兄さんを振り払うことしか考えていなかった。 虐待お兄さんに注意がいっている所を狙った万能お兄さんが 「ドス!!これでもくらえ!!!」 と、ピンポン玉サイズの赤いボールを投げた。名前を呼ばれたドスがふりむき、万能お兄さんが投げたボールは口の中に見事に入っていった。 ボールは軽い衝撃で割れるように作られている。中の真っ赤な液体が流れ出し、ドスの口の中に広がった。 「ゆぎょぇぇぇぇえええええええ!!!!!がらいいぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいい!!!!!!! ぐぎょあぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁ!!!!!!」 投げたのはこの世でもっとも辛いトウガラシを使ったもので、名前はジョロキアグレネード。 その名の通り、ブート・ジョロキアと呼ばれるトウガラシをふんだんに使ったものだ。トウガラシ以外にも「ある薬」が入っている。 ブート・ジョロキアの辛さはハバネロのほぼ2倍である。ギネス認定されたのは伊達ではない。 万能お兄さんと虐待お兄さんが、対ドススパーク兼捕獲対策のために共同開発したものだった。今では対ドス用装備として広く使われている。 中身はピンポン玉ほどの量だが、その威力は折り紙つきである。ドスサイズだろうと、場合によってはそのギネス認定された辛さにより 良くて気絶、悪くて一撃死できるほどの破壊力を持つ。 普通の成体ゆっくりでは辛さと強烈なにおいにより、一発のジョロキアグレネードで一気に10匹ものゆっくりを一瞬で、 においだけでも気絶、直撃なら死に至らしめる。飛沫を一滴飲んだだけでも死、もしくは後遺症が残るほどの破壊力がある。 (加工所での実験結果による報告) 片目を潰され、中枢餡子まで届くほどのとび蹴りをくらい、世界一の辛さを誇るジョロキアグレネードが口の中を焼き尽くし、 ドスは度重なる激痛に気絶した。 ドスと戦い、一気に気絶までもちこんだ、かなりの早業である。これも二人の見事なコンビネーションがものをいった。 「やっぱり、このグレネードは使えるね。作った甲斐があるよ。もっとも、河童の作ったものには遠く及ばないけどさ。」 「ああ、だが発想は万能お兄さんのおかげだけどな。それのおかげで、危険なドスに対する被害はへっているぜ」 「いやいや、僕は発想だけさ。僕だとさじ加減がわからないから、どれくらいでドスを気絶できるほどの量なのか、がわからない。 それを虐待お兄さんはすぐにわりだしたんだからすごいよ」 「へっへっへ。だが、世界一の辛さを誇るトウガラシを集めるっていうのは簡単なことじゃねぇ。 加工所を中心に、いまでも広く使われるようになったのは、ひとえに万能お兄さんの人脈のおかげだぜ」 「その人脈を作り上げるのに10年はかかったけどね」 そう…。この10年は長かった…。ひとえに愛する妹のためと、復讐のためだった。それだけのために作り上げたといってもいい。 人脈のみならず、あの家も、ゆっくりたちも、人付き合いも、頭脳も、肉体も、すべて。 これがなければ、彼は万能お兄さんとはよばれなかった。 続く このSSに感想を付ける
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※かなり俺設定があります それでも大丈夫な方は、お暇なときにどうぞー。 万能お兄さん2(fuku2757)の続編です。 初めてのSS、初めての続編物です。よろしくお願いします。 村にドスが襲ってきたのは真昼だった。 突如鳴り響く地響き。最初は小さかったが次第に大きくなってくる。 直感で悟る4人の青年達。村では「ゆっくり四天王」と「勝手に」呼ばれているスペシャリストだ。 村以外でもその名は轟いている。 轟いているのは、むしろ4人がひとつの村に集中しているというのが珍しいという意味合いが強いが、 3人そろうだけでも珍しいのに、3人の特徴を中途半端に受け継いだような万能お兄さんの存在自体が非常に珍しいのである。 天然記念物並みといってもよい。 そして、同時に四天王はつぶやいた 「「「「来たか」」」」 4人はそれぞれ準備をする。 その中で、万能お兄さんは自分の部屋の箪笥の上に飾ってある、2つの写真立てを見る。 左は強面のおじさんだ、猟銃を持っているとこから猟師だとわかる。右の写真はかわいい少女の笑顔の写真だった。ほかでもない彼の妹だった。 お兄さんは、左の写真に手を合わせた。 「養父さん…」 強面の猟師だが、「あの村」から命からがら逃げ、山で行き倒れたところを助けてもらい、 自分と妹を養子として引き取ってくれた優しい養父。死んだ実の父も優しかったが、養父も負けないくらい優しかった。 手を合わせた後、右の写真立てを見る。かわいい少女で、彼の自慢の妹。だが、その妹は今は病院のベッドで寝ている。 顔の色も、何も問題なく、今起きても問題ないくらいのかわいい寝顔。ただ、彼女は目覚めることはない。それには理由があった…。 「…お前が望んだ、ゆっくりと一緒の楽しい生活は、僕がこの家で作り上げたよ。あとは…、お前が目覚めるだけだ」 彼女を目覚めさせるための鍵は、今日来るドスまりさが持っている。 このときのために何年も費やした。そして、自分達を陥れ、養父を殺し、妹を目覚めさせぬようにした「あの村」を滅ぼすこと。 温厚な彼が、一時たりとも忘れたことのない復讐だった。 全てはこのために作り上げた。村人には「協力」と言ってあるが、その実は利用である。虐待お兄さん達心友ですら利用する。 彼には底知れぬ深い闇があった。 そんな闇を一切表に出さず胸に秘め、「万能お兄さん」として、彼は家を出た。 万能お兄さんの畑の近くに現れた、ゆっくりの群れ。 お兄さんの畑がゆっくり被害を一挙に引き受けるのは、山に近いからだ。ドスまりさが村(というかお兄さんの家)にたどり着き 「この村の実力者をだしてね!!」 と大声で吼えた。 しばらくすると村人が集まってきた。ちなみに、村人達の手には鍬や鎌などの農具が握られている。 ゆっくりたちは村人の数にひるんだが、負けじと警戒するときのように体を膨らませる。 「この村の実力者をだしてね!!」 「実力者っていうと、村長でいいのかい?」 村人が尋ね 「ゆっ!!そうだよ!!いちばんえらくて、実力者な村長をだしてね!!」 と言う。 しばらくすると、村長がやってきた。後ろには四天王が待機している。 「わしが、この村の村長だが、こんな辺鄙(へんぴ)な村になんのようかね?」 「ゆっ!!私達、冬を越すための食料が集まらないの!!」 「ふむ、で?」 「協力しましょう!!」 「で?」 「だから食料を分けてください!!」 「…は?」 村人達は騒ぐどころか、黙った。万能お兄さんの言うとおりになってしまった。これでは協力ではなく脅迫である。 村長があきれたように口を開き 「…本気で言っているのかね?」 「ゆっ!!そうだよ!!」 「それは協力とは言わない、脅迫だ。ちゃんと考えていっているのかね?」 「もちろんだよ!!」 「ドスのいっていることがわからないなんてばかなの?しぬの?」 「やっぱりじじいはじじいだね!!」 取り巻きのゆっくりたちが、バカにしたようにゲラゲラとあざ笑う。なんともむかつく光景だ。 「なぁ、万能お兄さん。こいつら殺したいんだが」 「だめだよ、虐殺お兄さん。もう少し待たないと」 「後どれくらい待つんだよ、我慢できないぜ」 「大義名分っていうのは必要なものだから、もう少し我慢してね、虐待お兄さん」 「なんということだ…。少しはいいゆっくりだと思っていたけど、これはひどいな…。こんなやつらとはゆっくりできないよ」 「愛でお兄さんが失望するのも無理はないよ。彼女達は悪いゆっくりだからね。」 4人は会話をする。まさかこれほどまでとは思ってもいなかった。向こうの言い分がおかしすぎる時点であきれて、失望していた。 村長はあきらめずに尋ねる。 「きみたち、協力とはお互いが助け合うことを言うのだ。君達は私達に食料をよこせというが、君達は私達になにをくれるのかね?」 「ゆっ!!そこのお兄さんの家のゆっくりが、わたしたちの仲間を殺したんだよ!!だからそれでおあいこだよ!!」 と、ドスは万能お兄さんを指して言う。 つまりゆっくりたちは村に復讐をしに来たということだ。その復讐の代価として食料よこせということである。 仲間の死すら利用するとは、見下げ果てたやつらだ。 「…あれを見られていたのか、まぁいい。どちらにせよ、餡子脳ごときが人間の、僕の頭脳に勝てる道理などない」 誰にも聞こえないように呟く。彼の腹黒さが如実に現れているような台詞だった。 村長は答える 「彼が殺した?何かの間違いではないのかね?」 「そんなことはないよ!!だってまりさがみていたんだもん!!」 と、ドスのうしろからまりさがあらわれた 「おれはみたんだぜ!!そこのにんげんのいえのゆっくりが、れいむをころしているのを!!」 まりさが証言した。その言葉を聴き、 「おにいさんがれいむをころさなければこんなことにはならなかったんだよ!!」 「おにいさん!!さっさとあやまるんだぜ!!」 「おにいさんはとかいはじゃないわ!!ゆっくりどこかにいってね!!!」 野次馬たちが騒ぎ始める。なんという騒音、聞くに堪えがたい。虐殺お兄さんが一歩前に出ようとしたのを、万能お兄さんが制した。 万能お兄さんはゆっくりたちに話し始めた。 「君達は誤解をしている。僕の家にきたあのれいむは、うちのルールを破ったのだ。彼女は僕の家で働きたいといったが、 その実働きもせず、家の作物を勝手に食べるということをした。僕の家の作物を勝手に食べたらいけないというルールを、 あのれいむは破ったんだ。だから殺した」 「だからなんなんだぜ!!ころしたのにかわりないんだぜ!!なかまをころされて、わたしたちはおこっているんだぜ!!」 証言をするまりさが反論をする。それをお兄さんは冷ややかな目でみて答えた。 「殺したのに変わりはない、か。確かにそうだ。だが、ルールを破った者は誰しも罰するのは当然だろう?君はそんなこともわからないのか?」 「ゆぐっ!!…でも」 「でもなんだ?君達の群れにはルールは存在しないのか?ドスよ、まさか君は群れにルールを作っていないということはないよな?」 「ゆっ…。ルールは…あるよ」 「あるだろう?では、君はルールを破ったものはどうするのだ?」 「…罰を…与えるよ」 「では、私が殺したのもなんら問題はないだろう?私の家のルールを破ったのはあのれいむだ。だから私は処罰した。 ここで私のどこが悪いのか、教えてほしいものだなぁ?」 「ゆぐぐぅぅぅ!!」 ドスは反論できなかった。ルールを破れば処罰する。どこでもやっていることだ。 私達は仲間の復讐をできると思ったのに、それをネタにして有利になるはずだった。だが形勢が逆転した。 ほかのゆっくりたちも、押し黙る。 「復讐…か」 万能お兄さんはゆっくり達が言った復讐という単語に反応し、呟いた。 静かに目を閉じると蘇るあの光景。むかし住んでいた村で起きたこと。 幸せな生活だったが、ある日突然あらぬ嫌疑により村八分者にされたこと。自分達に降り注ぐ罵倒。耐え切れなくなった父の自殺。 村長宅で盗み聞いた話によりわかる、事の真相。 妹と一緒に逃げた日。山で過ごしたサバイバル。行き倒れたところをこの村の猟師に拾われ、養子として迎えられ生まれ変わった時の感動。 その後に起こった謀略による養父の死と、眠ったまま起きない妹。 一瞬の出来事だったが、お兄さんにとっては長く感じた。頭を振り気を取り直す。 「あと少しだ…。うまくいけば後少しなんだ…。」 誰にも聞こえないように呟いた。そして改めてドスを見た。 ドスは仲間に責められている 仲間の死をネタにして、食料をもらえると思ったらいつまでたってももらえないからだ。 「どすうぅぅぅ!!!しょくりょうがもらえるんじゃなかったのぉぉぉぉおおお!!??」 「なんでにんげんのいうことをきいているのおおおおおお!!!!」 「わるいのはあいつらでしょおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 「どずのばがああぁあぁぁぁぁぁ!!はやくしょくりょうをもらってよおおおおおおおお!!!!!」 口々に攻められるドス。彼女はくやしそうに、黙って仲間の批判を聞いているだけだった。 群れを統率するゆえの苦悩が、今ここに表れている。そうだ、もっと悩め、そうすれば君は僕の「計画」通りになる。そうすれば僕の妹ははれて…。 と思ったのも束の間。ドスが思い出したように喋った 「ゆっ!!そういえばまりさ!!あなたルールを破ったね!!」 と、証言をしたまりさにたずねた 「ゆっ!?まりさルールをやぶっていないぜ!!」 「私は村に近づくなっていったでしょ!!れいむのことを見たのなら村に近づいたって事なんでしょ!!」 「ゆっ!!でもそれはれいむがころされたから…」 「ルールをやぶった子はいらないよ!!ゆっくりしんでね!!」 すると、ドスは巨体を生かしてまりさをつぶし始めた。 「ゆ゛ぅぅぅうううううう!!!ごべんなざいいいいぃぃいいいいいいいい!!!」 「もうおそいよ!!ゆっくりしんでね!!」 はちきれんばかりに膨れるまりさ。もはや限界に近づいており 「もっどゆっぐり…じだが…」 パンッ!と乾いた音がして、まりさは破裂した。あたりに餡子が飛び散る。 ドスが皆を見渡して言う 「こいつがルールをやぶらなければこんなことにはならなかったんだよ!!」 ドスは自らの責任を、全てはこのまりさのせいということにした。 ゆっくりたちはしばらく黙ったが、餡子脳が理解していき。 「そうだね!!こいつのせいだね!!!」 「ドスはなにもわるくなかったね!!ごめんね!!!」 「さすがドスだね!!!」 とドスを褒め称えた。 「…ちっ」 なんとまぁ、見苦しいものだ。自分が起こした脅迫の責任転嫁とは。仲間も仲間で、簡単に信じるところはさすが餡子脳というしかない。 だが、このままこいつらを帰らせては「計画」に支障が出る。 「計画」を実行するためには、もう一押ししないといけないな。と思って、万能お兄さんはドスに語りかけた 「そういやドス、君達はこの村にいったい何をしにきたんだっけ?」 「ゆっ!!それは…」 「村を襲いにきたんじゃなかったの?」 「ゆぐっ!!」 そうなのだ。ドスは仲間の死をネタにして、お願いをするつもりだった。 だが、群れの仲間達には「村を襲う」と言っている。お願いするとは一言も言っていない。本音を隠していたのだ。 このままでは人間達にはかなう筈はない、交渉でも勝てそうにない、ここは引き下がろうとしたが。 「そうだ!!ドスはむらをおそいにきたんだよね!!」 「このにんげんどもをころしてしょくりょうをうばうんだよね!!!」 「ばかなにんげんはゆっくりしんでね!!!」 ゆっくりたちは思い出したように喋り始めた。 万能お兄さんが黒い笑みを浮かべ 「へぇ…。この村を襲いにきたんだねぇ。だったらそれなりの対処をするけど?」 「この腐れ饅頭が、やっと本性をあらわしおったか」 と虐殺お兄さんが竹に包丁を括り付けただけの、簡素な槍を構える。実にシンプルだが、この武器は虐殺お兄さんの 長年ともに戦ってきた武器であり、包丁は数々の餡子を吸ってきた業物である。なんとなく呪われてそうな気がしなくもない。 「ふう、ようやく運動ができるってわけだ。待ちくたびれたぜ、このときをよぉっ!」 虐待お兄さんは、虐殺お兄さんとは違い、得物を持たない。代わりに総合格闘技のように、自らの拳で戦う。 得物を使ってもいいが、たまに加減がわからなくなり殺してしまうことがあるからだ。だが拳だと殺さずに戦闘能力を奪える。 お兄さんは、オープンフィンガーグローブをゆっくりとはめ、その感触を楽しむように手を開閉する。 「ゆっ!!ちがうよ!!むらはおそわないよ!!わたしたちはゆっくりかえるよ!!!」 「ゆっ!!ドスむらをおそうっていったじゃない!!」 「なんでうそつくの!!れいむたちをだましたの!?」 「うそつくドスはドスじゃないよ!!ゆっくりしね!!!」 「ゆうぐぐぐぐぐぐぐぐ!!!」 おお、苦しんでる苦しんでる。本音と建前を両方喋っていれば、こんなことにはならなかったのに。 きちんと、「襲う」を「お願いする」とすればなんら問題はなかったのに。 「で、どっちなの?襲うの、襲わないの?襲うのならさっさとしてよ。それともできないの?ばかなの?」 お兄さんは挑発するようにして尋ねた。 「「「「ゆぐっ・・・!!!」」」」 「なんだ口だけのゴミクズだったなんてがっかりだよ。襲う気がないのならゆっくり山にかえってね」 挑発に激怒したれいむがとびかかってきた 「ゆぐぐぐがぁぁぁ!!!ゆっくりしねえぇぇぇ!!わたしたちをばかにするにんげんはしねぇぇぇぇ!!」 「だめえ゛え゛え゛え゛ええ゛ぇぇぇ゛ぇ゛ぇえ゛え゛!!!」 ドスまりさが必死で止めようとしたが、もう遅かった。 一匹のれいむが万能お兄さんに飛び掛り、ぶつかる寸前のところで虐殺お兄さんの鮮やかな槍さばきにより絶命する。 万能お兄さんは微動だにしていない。彼がとめてくれると信じていたから。 「ありがとう、虐殺お兄さん」 「気にするな、万能お兄さん。だがこいつらは俺たちを攻撃した」 「ああ、攻撃したね」 「じゃあ、もうやっちゃってもいいよな?」 「虐待お兄さん、遠慮はいらないよ」 「私はせめてみないようにしておくよ。悪いゆっくりとはいえ、死ぬ所や苦しむのは見たくないからね。 ただ、せめてできることを、村で飼われているゆっくりを万能お兄さんの家に集めて避難させて置くよ」 「うん、愛でお兄さん見ないほうがいいよ。あと、飼いゆっくりの避難は任せたよ。僕の家のゆっくりなら、愛でお兄さんも 他の飼いゆっくりも守ってくれるよ。」 「ついに始まるのか、久々に血が騒ぐのぉ」 「村長以下、村の皆さん。戦闘準備に入ってください。これより敵を殲滅します」 もはや止められない。 戦いの火蓋は切って落とされた。 「「「「「「「「「「にんげんたちはゆっくりしねええぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!!」」」」」」」 ゆっくりたちが怒声を上げながら襲い掛かる。その数100匹以上。 万能お兄さんも叫ぶ 「総員抜刀!!敵を撃滅せよ!!突撃いぃぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!!!!!!」 「よろしい!!ならば虐殺だ!!ゆっくりどもしにさらせぇぇぇぇぇえええええええ!!!!!」 「俺の虐待パンチを味あわせてやる!!!人間の恐ろしさをおもいしれぇぇぇぇぇぇええええええええ!!!!!」 「皆のもの!!わしらにつづけぇいい!!!勝利はわれらにありぃぃいい!!!」 「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」 ゆっくりたちと、村との戦争が始まった。 戦争といえば、いかにも互角の争いをしているように思える。 だが、所詮人間と戦って勝てるものなど存在しない。 戦争という名の、一方的な虐殺だった。数ではゆっくりたちが多いものの、武器を持った人間にかなうはずもなく、 一方的に数を減らされていく。 目の前の惨劇が始まってもドスはうごけなかった。自分の落ち度により、群れのゆっくりたちが死んでいく。 自分がちゃんとしていれば…。ちゃんとしていればこんなことには…。どこでなにをまちがったのだろうか…。 彼女は呆然としていた。 数は多いが、武器を使った人間に勝つなど到底無理だ。 最前衛を虐殺お兄さんが暴れまくり、虐待お兄さんは虐殺お兄さんの背中を守るようにして戦う。 万能お兄さんは、体力こそ愛でお兄さんよりあるものの、二人には劣る。戦闘はするが、2人ほど激しく動けないのが欠点だ。 だが持ち前の頭脳をいかして村人達を的確に指示し、虐待お兄さんと虐殺お兄さんが戦いやすいように戦術的に有利なポジションを獲得する。 村人達も、万能お兄さんの指示により連携をとっているのでかなり強い。中でも村長は張り切ってゆっくりを殺している。 愛でお兄さんは飼いゆっくりを集めて、万能お兄さんの家に向かっている。飼いゆっくりたちは、万能お兄さんの家のゆっくりたちに守られ、 尚且つ、家のゆっくりは村に被害が行かないように、捕食種を先頭に所々を見張って防衛線を張っている。 ゆっくりの群れは捕食種に立ち向かう勇気などないので、村には近づかない。 4人は的確に、自分達の役割をこなしている。村人や、万能お兄さんのゆっくり達もがんばる。 皆が一丸となって戦うとは、このことと言わずして何と言おうか。おかげで、戦闘開始で10分も経たないうちに半数近くの ゆっくりが命を落とした。 時間が経つにつれ、確実に減っていくゆっくりたち。 だが彼女は…、ドスはまだ頼られている。仲間が彼女を頼っている。 「どずううううぅぅぅ!!だずげでえええええええええええ!!!!!!」 「いだいよおおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!」 「なんでどずはだずげでぐれないのおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 ゆっくりたちの悲鳴が聞こえる。彼女達は自分を呼んでいる。 それを聞いて、ドスの心に火がつく。 助けないと…。みんなをたすけないと…。 なぜならわたしはドスだから。群れのリーダーだから。 人間を…倒す!! 「ゆっくりしねえええええええええええ!!!!!!」 ドスが意を決して襲い掛かってきた。村の皆が危惧していたことが起こった。 「うわぁぁぁあ!!!ドスだ!!ドスがきたぁぁああああ!!!」 腰を抜かして逃げ惑う村人達。無理もない。3mは優に超える巨体が襲い掛かってくるのだ。 誰だって怖い。 だが、立ち向かう3人の戦士が村人を守るようにして立ちふさがる。 「村の皆さんは雑魚をよろしくおねがいします!!ドスは僕らが倒します!!」 「ふん、やっと殺しがいのあるやつがでてきたか」 「ちょっと虐殺お兄さん、殺さないでくださいよ。俺はあいつを徹底的に虐待したいんすよ」 「ふん、私に手加減をしろなど無理な話だ」 「…いや、虐待お兄さんの言うとおり。殺さないでください」 「なんだと!!」 虐殺お兄さんが、万能お兄さんの答えに思わず振り向く 「それは本気で言っているのか…万能お兄さん」 「一生に一度のお願いです。あいつの命は僕にください」 「…正直、君にゆっくりの生死について頭を下げられたのははじめてだな。わかった。だが私は手加減ができないから雑魚を殺しにいく」 「ありがとう、虐殺お兄さん」 「へっ!じゃああいつは俺がいたぶるぜ!!」 「援護するよ、虐待お兄さん。では行って下さい!!」 「おっしゃあああああああああああああぁぁぁぁぁあああああああ!!!」 虐待お兄さんが突撃する。 「ゆ゛っぐりじ゛ね゛え゛え゛え゛ええええええええぇぇぇぇ!!!!!!みんなのがだぎぃぃぃぃいいいいい!!!!」 と、ドスは虐待お兄さんに向かって突進する。お兄さんは懐からナイフを取り出し、ドスの目にむかって投げた。 「いだいぃぃぃぃいいいいいいい!!!!!!!めがぁぁぁぁああ!!めがあああああぁぁぁぁ!!!!!!」 狙ったところにナイフを当てるというのはかなり難しい。それを難なくこなすところは、さすが熟練の技といったところか。 思わぬ攻撃と、激痛、そして片目が見えなくなったことによりもだえ苦しむ。スピードを落としたため突進が遅くなる。 そこを狙って虐待お兄さんは跳躍し 「しゃぁぁぁぁらああああぁぁぁぁぁぁああああああああっっっっっっ!!!!!!!!!!」 とび蹴りをドスの顔面のど真ん中へと叩き込んだ。 巨大な饅頭のおかげでやわらかい、おかげでメリメリとお兄さんの足が深く、深く、食い込んでいく。普通なら3分の1しか入らないが、 ドスが突進してきたところもあり、中枢餡子まで深く突き刺さった。見事なカウンターであった。 「ゆがぁぁぁぁあああああああああぁぁぁぁああ!!!!!!!」 今度は顔に激痛が走る。大声で泣き叫ぶドスまりさ。 お兄さんはすかさず目に刺さったナイフを抜き取り、ドスの頭に上った。 「がぁぁぁぁああああああ!!!!!は゛な゛れ゛ろ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!!!」 頭に取り付いた虐待お兄さんを振り払おうとするドスまりさ。彼女は今、虐待お兄さんを振り払うことしか考えていなかった。 虐待お兄さんに注意がいっている所を狙った万能お兄さんが 「ドス!!これでもくらえ!!!」 と、ピンポン玉サイズの赤いボールを投げた。名前を呼ばれたドスがふりむき、万能お兄さんが投げたボールは口の中に見事に入っていった。 ボールは軽い衝撃で割れるように作られている。中の真っ赤な液体が流れ出し、ドスの口の中に広がった。 「ゆぎょぇぇぇぇえええええええ!!!!!がらいいぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいい!!!!!!! ぐぎょあぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁ!!!!!!」 投げたのはこの世でもっとも辛いトウガラシを使ったもので、名前はジョロキアグレネード。 その名の通り、ブート・ジョロキアと呼ばれるトウガラシをふんだんに使ったものだ。トウガラシ以外にも「ある薬」が入っている。 ブート・ジョロキアの辛さはハバネロのほぼ2倍である。ギネス認定されたのは伊達ではない。 万能お兄さんと虐待お兄さんが、対ドススパーク兼捕獲対策のために共同開発したものだった。今では対ドス用装備として広く使われている。 中身はピンポン玉ほどの量だが、その威力は折り紙つきである。ドスサイズだろうと、場合によってはそのギネス認定された辛さにより 良くて気絶、悪くて一撃死できるほどの破壊力を持つ。 普通の成体ゆっくりでは辛さと強烈なにおいにより、一発のジョロキアグレネードで一気に10匹ものゆっくりを一瞬で、 においだけでも気絶、直撃なら死に至らしめる。飛沫を一滴飲んだだけでも死、もしくは後遺症が残るほどの破壊力がある。 (加工所での実験結果による報告) 片目を潰され、中枢餡子まで届くほどのとび蹴りをくらい、世界一の辛さを誇るジョロキアグレネードが口の中を焼き尽くし、 ドスは度重なる激痛に気絶した。 ドスと戦い、一気に気絶までもちこんだ、かなりの早業である。これも二人の見事なコンビネーションがものをいった。 「やっぱり、このグレネードは使えるね。作った甲斐があるよ。もっとも、河童の作ったものには遠く及ばないけどさ。」 「ああ、だが発想は万能お兄さんのおかげだけどな。それのおかげで、危険なドスに対する被害はへっているぜ」 「いやいや、僕は発想だけさ。僕だとさじ加減がわからないから、どれくらいでドスを気絶できるほどの量なのか、がわからない。 それを虐待お兄さんはすぐにわりだしたんだからすごいよ」 「へっへっへ。だが、世界一の辛さを誇るトウガラシを集めるっていうのは簡単なことじゃねぇ。 加工所を中心に、いまでも広く使われるようになったのは、ひとえに万能お兄さんの人脈のおかげだぜ」 「その人脈を作り上げるのに10年はかかったけどね」 そう…。この10年は長かった…。ひとえに愛する妹のためと、復讐のためだった。それだけのために作り上げたといってもいい。 人脈のみならず、あの家も、ゆっくりたちも、人付き合いも、頭脳も、肉体も、すべて。 これがなければ、彼は万能お兄さんとはよばれなかった。 続く このSSに感想を付ける
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「ただいまー。」 「「「「「ご主人様、おかえりなさい!!」」」」」 ゆっくりたちが玄関で迎えに来た。れいむ、まりさ、みょん、ちぇん、ありす、れてぃ、等など、いろんな種類のゆっくりたちが主人の帰宅をよろこんだ。 数は30ほどはいようか。 玄関で靴を脱ぐとれいむが器用に靴を下駄箱になおし、収穫した山菜をおろすとまりさやみょん、ちぇん、れてぃたちが食料庫へと協力してもっていく。 きちんと分類して整理することも忘れない。 台所では別のきめぇ丸とふらん、れみりゃなどが簡単な料理を作っている。おおまかな料理はお兄さんが作るが、味噌汁や揚げ物の下ごしらえ、 漬物など簡単なものくらいはできるようだ。さすがに揚げ物を揚げるのは危険なのでしないが。 そう、この万能お兄さんの家はゆっくりたちにとっては真の「ゆっくりプレイス」と言えよう。捕食種のれてぃやふらん達もれいむ達には 襲わないように躾けられていて、しっかりと協力して共存している。 服を脱ぐときめぇ丸がハンガーにかけてくれた。まぎらわしいので、このきめぇ丸をA、台所で料理しているきめぇ丸をBとする。 「さぁ、いろいろやることが終わったからご飯を作ろうか」 台所に下りていき、料理を作り始めた。 「ではみなさん、ご一緒に」 「「「「「「いただきます!!」」」」」」」 それぞれが仲良く料理を食べる。今日取ってきた山菜と、家のゆっくりたちが育て上げた野菜、デザートにはあけびと豪華だ。 各々は料理を食べるがこぼすなどの粗相はしない。捕食種のれみりゃやふらんも野菜や料理を食べるように躾けられている。 今までゆっくりのみを食べているが、躾ければ野菜も食べるようだ。だが、たまにゆっくりを食べさせないと発作が起きるようなので注意が必要だ。 みんなが食べ終わった後、報告会が始まった。 「では、各自報告を」 お兄さんが言うと、農場を管理するリーダーのれいむが報告を始めた。万能お兄さんの家の畑の野菜は、ゆっくり達によって管理、 生産されている珍しいものである。水道の整備などできないことはお兄さんがするが そのほかは躾と教えにより、ほとんど人間の手を使わずに生産することが可能となった。たまに新聞記者などが取材に来るほどのものだ。 「きょうはやさいのだいぶぶんがしゅうかくできました!!みんながきょうりょくしてくれたおかげです!!むしくいもほとんどありませんでした!!」 「そうか、がんばったね」 「でも、きょうもやせいのゆっくりがおそってきましたー!!」 農場や家の警備をするリーダーであるちぇんが報告する 「へぇ、で、殺したのかい?」 「30ひききて、はんぶんはころしました!!あとはつかまえて倉庫にいます!!ご主人様のいいつけはまもりましたよー!!」 「ご主人様のはたけをあらすやつはゆるさないよー!!したいはちゃんとそうじして、はたけのひりょうにしましたよー!!」 「よしよし、よくやった」 「しょくりょうこのしょくりょうをかぞえたら、ことしのふゆはじゅうぶんこせるほどのりょうがあつまりましたぜ!!」 倉庫番のまりさが報告する。 「ほぞんももんだいないですぜ!!いたんでいるのはべつのはこにぶんるいしているんですぜ!!」 「そうか、なら今年の冬は去年よりゆっくりできるね」 「「「「「ゆっくりできるね!!」」」」」 「よし、報告会はこれで終わり。僕はいまから捕まえたゆっくりを虐待しに行くよ。れみりゃ、ふらん、れてぃ、おいで。あときめぇ丸A,Bも」 「うー♪ゆっくりがたべれるどー♪」 「「ご主人様のモノに手を出すとは、愚か愚か」」 「「「「「ご主人様!!ふとどきものはゆっくりころしてね!!」」」」」 この家のゆっくり達は家の仲間がいじめられるのは許せないが、野生のゆっくりをお兄さんが虐待しても、同族がいても文句は言わないし、 お兄さんがある日突然家のゆっくり達をいじめても受け入れる(優秀な労働力に、そんなことはしないが)。 大切なご主人様のものや仲間を傷つける不届きものは許せないのだ。だからお兄さんが野生のゆっくりを虐待しても文句は言わないし、 悪が滅びることに喜びを感じ、もし自分が悪いことをしたら罰は甘んじて受け入れる。それに、外の連中などに興味はまったくないのである。 普通のゆっくりはこういった考えは浮かばない。それはひとえにお兄さんが彼女達をしつけ、餡子の中身を白餡にかえたりして 清く正しいゆっくりに改造したからだ。だから言葉が敬語で、お兄さんと呼ばずご主人様と呼んでいるのも白餡の効果である。 この家にすむゆっくりの3分の2は中身が白餡である。のこりは改造を施す必要なく、 躾けによって十分、清く正しいゆっくりと判断されてそのままになっている、きめぇ丸A,Bとゆちゅりーがそうだ。 清く正しく従順な奴隷がこの家にはいるのであった。すべては万能お兄さんの思うがままに動く。 倉庫の中にいき、ゆっくりたちを捕らえている柵をみた。15匹で、れいむ種が5、まりさ種が4、赤れいむが6という割合だ。 万能お兄さんは、畑をおそってきたゆっくりは半分は残すように言いつけている。 「ゆっ!!おにいさんだれ!?わたしたちをゆっくりだしてね!!」 「はやくまりさをださないといたいめにあうんだぜ!!」 野生のゆっくりは相変わらずだな、すこしはいいのがいないと人間にいじめられるのになぁ。と思いながらゆっくりに尋ねる。 「君達に聴きたいことがある、君らはあの山のドスの群れなのか?」 「まりさたちはそんなやつしらないんだぜ、はやくここからだすんだぜ!!」 「ついでにごはんももってきてね!!ここじゃゆっくりできないよ!!ここにあるやさいはぜんぶちょうだいね!!」 「あまり僕にたいして偉そうなことを言わないほうがいい、これでもまだ言うかね?」 と、きめぇ丸とれてぃ、ふらん、れみりゃをゆっくり達に見せた。捕食種達をみて、ゆっくりたちは震え上がる 「は、はやくにがしてね!!ゆゆゆゆ、ゆっくりできないよ!!!」 「じゃあ僕に対して敬語でいうこと、いわなかったら餌になってもらう」 「「「「ゆっくりわかったよ!!」」」」 「はやくどっかにいっちぇね!!おにいさんはゆっくりでていっちぇね!!」 1匹の赤れいむがそういったのでお兄さんはを拾い上げ、手で圧迫し始めた。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!!!!ちんじゃう!!!!くるちいよおおおおお!!!!!!」 「やめでえ゛え゛え゛え赤ちゃんをいじめないでええええええええ!!!!!!」 「そうかそうか、君はこの子を助けたいんだね?」 「ゆ゛っ!ぞうでずうううう!!!だずげでぐだざいおねがいじまずううううううううううう!!!!!!!!」 「じゃあ今回は特別に助けてあげよう、次敬語で話さなかったら2度目はないよ」 「あ゛りがどうございまずううううううう!!」 そういうと、万能お兄さんは赤れいむを離す。しかし赤ん坊はしょせん赤ん坊。すぐにいったことをわすれてしまうものであった。 「おにいさんとはゆっくちできないよ!!ゆっくちちね!!!」 そういった赤れいむをまた拾い上げ締め上げる 「やめでえ゛え゛え゛え赤ちゃんをはなしてえええええええ!!!!あ゛や゛ま゛り゛ま゛ず!!!ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛い゛い゛い゛いいいいいいい!!!!」 「2度目は」 にこやかに言いながら 「ない」 「ゆびゅっ!!!」 一瞬何が起こったのか理解できなかったが、次第に餡子脳が理解していき 「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!でい゛む゛の゛赤ち゛ゃん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!!!!」 悲鳴が倉庫に響いた。 お兄さんは手をれみりゃたちに差し出した。餡子がへばりついた手をれみりゃ、れてぃ、ふらんが競うようにして餡子を嘗め取る。くすぐったくてきもちがいい。 「どぼじでごんなごどをずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 「自分達が行ったこともわからないほど脳がゆっくりしているのか。お前達は僕の畑を荒らしただろう?」 そういわれるとゆっくりたちは黙った。やはり悪いことをしたとは感じるようだ、だがそれでもまりさがいってきた 「あれはまりさたちがみつけたんだぜ!!ほかのゆっくりたちがじゃましたけど、まりさたちのものなんだぜ!!!」 そう言ってきたまりさの目に指を突っ込み、抉り取る。 「ま゛り゛ざのめ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああ!!!!!!!」 目玉を舌に載せレロレロレロレロレロレロレロレロ。 ゆっくりの体は全て食べられるから驚きだ。この目も羊羹でできているのでおいしい。ゆっくりの種類によってはゼリーだったりするが 「すぐに自分のもの宣言するのはどのゆっくりも変わらないんだな」 そしてまりさの歯を抜き食べる。立て続けの激痛に気絶してしまった。 砂糖菓子なのでカリカリした食感がよい。おいしいのでついついもう一本抜いて食べる。うん、うまい。これなら中身も期待できるかな? と、お兄さんは気を失っているまりさの口の中に手を突っ込み、指で穴を開け、 一気に中枢の餡子まで指を通して嘗めてみる。指で穴を開けたときに、激痛により気絶から目を覚ましたが、中枢を嬲られたショックで、また気絶した。 「うーん、うまいといえばうまいがいまいちだな、Bってところか。」 万能お兄さんは、中枢餡子の味によるランク付けを行っていた。上からS,A,B,C,Dと分類分けしており、 高ければ高いほど優秀なゆっくりで、群れを率いるリーダーとして、母として、運動能力、頭脳が秀でているとしてなどなど あらゆる面での優秀さを約束されている。ペットに最適でもあり、お兄さんはほかの人でペットとしてゆっくりを買いたいと思う人に、 高いランクのゆっくりを薦めていた。おかげでブリーダーとしても評価は高いし、今まで不満を言ってきた人はいない。 逆に下のランクは、子殺しを平気でする、仲間を見捨てるのは当たり前など、そういったゲス傾向が強い。 万能お兄さんはそういった独自の方法により、ゆっくりをランク付けをしていき、 優秀なもの、Sランクのもののみを家に置き、白餡にいれかえたりそのままにしておいたりした。こうしてこの家のゆっくりたちが生まれた。 (れみりゃやふらんのような肉まんはわからないので、餃子の中身と入れ替えたら運良く成功した、れてぃのような希少種はそのまま白餡に入れ替えた) 「こいつBだし、さっき敬語いっていなかったからいらないや。餌決定ー♪」 というと、柵からまりさをとりだし、ふらんたちの方へ放り投げる。さっきの母れいむも、言ったことを守っていなかったが、子に見せ付けるためにまだ殺さないでおく。 「やっ!やめてっ!!まりさはおいしくな、ゆぎぃっ!!!いだいいいいいいいい!!!!だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ええええ!!!!」 まりさの悲鳴を気にせず、ふらんたちは仲良く綺麗に三等分しておいしく食べた。 ほかのゆっくりたちは恐怖のあまり隅によりそって震えている。何匹かは気絶してしまった。 「うーん、時間がかかるな。あともう少ししたら集会いかないといけないしな、こいつらは後回しにしようかな」 「ならご主人様、わたしたちも」 「お手伝いします」 ときめぇ丸A,Bが進みでた。 「じゃあ頼むよ僕は集会に行ってくる。見込みのないやつは遠慮なく餌にしてもいいし、お前達の遊び道具にしていいよ」 そういうと万能お兄さんは倉庫を後にした。 うしろから 「ゆっくりでぎないよお゛お゛お゛お゛お゛お゛おおおお!!!!ゆっぐりうごいでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ええええええ!!!!!」 「だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ええええ!!!!じにだぐない゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛いいいいい!!!!!!!!」 とゆっくりたちの叫び声が聞こえた。おそらく頭を高速シェイクして、耐えられるものを選別しているのであろう。こ の選別はお兄さんの中枢餡子格付けより正確であったので頼りになる。 もっとも、あの動きをみて、死なず、気絶しなかったものは今までで数えるほどしかいなかったが。 村長宅にいくと、すでに人が集まっていた。虐殺お兄さんは、ちゃんと人を集めてくれたようだ。 「おお、万能お兄さん、おそかったのぉ」 と村長が声を掛けてくれた ほかの男達から、遅かったな、真打登場だ、などのやっかみをうけながら皆の前に立つ 「さて、皆を集めた理由を聞こうか」 村長が厳かにいい、お兄さんの言葉に全員が耳を傾ける 「こんばんわ皆さん、夜分遅くにすみません。今日集まったのはほかでもない、山に現れた野生のゆっくりの群れについてです。」 そういうとどよめきがはしる。 「うちのきめぇ丸の偵察により、ある野生のゆっくりがこの村を襲うと宣言したそうです。理由は冬篭りの食糧確保のためだそうです。」 お兄さんはきめぇ丸が撮った写真を皆に見せた。ドスやクイーン、それに大量のゆっくりを見て男達に不安の声がでた。 「おい、このゆっくりの群れって山小屋のきこりさんが襲われていたやつじゃないのか?」 「ええ、そうです。ドスの言質も取れていますので間違いはないかと。」 「なら、きこりさんの怪我の仕返しができるってもんだな」 そういうと虐殺お兄さんは両手を握り、ポキポキと音を鳴らす。 「おい、万能お兄さん。こいつらはいつになったら襲うんだ?俺トラップしかけてーんだけど」 虐待お兄さんがわくわくしながら言う。 「あと、ほかのゆっくりたちの被害も確認して、被害があるようなら保護したいんだけれど…」 愛でお兄さんも、この大規模なゆっくりの群れに、ほかのゆっくりたちが略奪などの被害を受けていないか心配なようだ。 万能お兄さんはそれらを聞き、口を開く 「まずこいつらは、ドスのみならずクイーンもいるので、ほかのドスの群れとは違い統率が取れています。 群れの連中も不満をもったものはいないので、ほかのゆっくりの群れを襲うようなことはしていません。 あと、村を襲うのは僕の見立てでは2週間後と見ています」 「なぜ、そんな確信がもてるのかのう?」 村長が尋ねる 「ゆっくりを見ればわかるんですが、怪我や肌のはり、髪の毛などの状態もいいので少なくとも荒れた群れではないのです。 それに2週間後と見ているのは、食料庫の量を見る限り、ドスはできるかぎり食料を集め、それでも間に合わなかった場合に 僕達の村に食料をわけてもらうよう「お願い」をするんだとおもいます」 「お願い?さっき襲うといったじゃないか」 虐殺お兄さんが尋ねる 「ええ、彼女は僕達のところにきてこう言うでしょう「冬を越す食料がたりないからわけてください!!おねがいします!!」 ってね。しかし皆さん考えてください。なにかと交換ならともかく、一方的にくれといっているのをお願いと言えるでしょうか?」 万能お兄さんは見渡しながら言う、皆気づいたようだ。 「そうです、彼女は事を荒立てないよう「お願い」をしますが、なにも渡さずにくれといっているのは脅迫に近い。 それにゆっくりたちはこういった人間に要求するときはかならずほかのゆっくりを大量につれてきます。 僕らへの示威行動かどうかはわかりませんが、交渉が上手くいかなかったら回りのゆっくりは騒ぎ立てて、 「ゆっくりしね!」「どすのばか!」などといい、亀裂が走る。その後はどうなるか…ご想像できますか?」 「村の反発と、仲間の反発によりパニックに陥って、ほかの仲間が村を襲うのを抑えきれずに…ヤケになって暴れるんじゃないかな?」 ゆっくりと、愛でお兄さんが口を開いた。我が意を得たりと、万能お兄さんが頷く。 「僕がいった襲撃とはこういうことです。やつらが分けてくださいといっても、応じなくてよい。逆に殲滅できる口実を得ることができますよ」 皆がしんと静まる。 写真の見立てではドスは3mは超えているし、ほかのゆっくりの数も半端ない数だ。 この村の男たちはほとんどが初老を迎えていて、体力も十分ではない。村は生き残れるのだろうか?と皆に不安が走ったが。 「でも皆さんご安心を」 万能お兄さんが元気付けるように言い 「こういうときのために」 虐待お兄さんは不敵な笑みを浮かべ 「俺達ゆっくりスペシャリストが」 虐殺お兄さんが立ち上がり 「いるんですよ」 愛でお兄さんもにこやかに言う 「「「「村に手出しはさせません、皆は私達が守ります」」」」 4人の青年の声が重なる。村長宅に割れんばかりの歓声が沸き起こった。 愛で、虐待、虐殺お兄さんはそれぞれ用事があるので先に帰っていった。だが万能お兄さんは村長宅に留まり、皆を集めて 「では襲撃に備えてひとつの策を弄したいと思います。よって、皆さんに協力していただきますよ。うまくいけば村に大金が手に入ります。」 と万能お兄さんが皆をまとめ、策について話しはじめた。 ちなみに、ほかの3人のお兄さんには知らせないようにと厳重に言っておいた。 会議も終わり、解散となった。お兄さんは我が家へと帰る。 家につくとれいむときめぇ丸Aが迎えてくれた。 「おやおや、寝ていなかったのかい?」 「ゆっ!ご主人様がかえってくるのをまっていました!!」 「そうかいそうかい、ありがとう」 れいむの頭を撫で、居間に座る。れいむに寝るよういってさがらせ、きめぇ丸Aにビールを持ってこさせた。 「そういや、拷問は終わったかい?」 きめぇ丸にビールを少しやって尋ねる 「赤れいむ2匹だけが生き残りました。あとは死んだり気絶したので、れてぃたちのおやつにさせました」 「2匹か、しかも赤ちゃんとは…。結構思わぬ拾い物だな、明日会うのが楽しみだよ」 きめぇ丸はほろ酔いになりながら答える。そして酔っているせいか、いつもより激しく頭をシェイクしている。 「ご主人様、今日は抱いてくれるんですか?」 と服をいやらしく着崩して寄り添ってきた。胴付きの彼女は、サイズが子供くらいだが問題ない(時間が経てば、身長とBWHは結構それなりの大きさになるらしい) 今までも彼女が望めば抱いてやったし、なにより今日はいい赤れいむが手に入ったので気分がよい。 「この変態め、そんなに抱いてほしいのか」 と接吻をした後、お兄さんはきめぇ丸を自分の部屋につれていき、布団の上で彼女に覆いかぶさった。 部屋の中から甘い嬌声がときどきもれてきた。 つづく ____ あとがき ゆっくり虐待は好きですが、なにぶんSSを書くのは初めてです。 他のかたがたのすばらしい作品を参考にしつつ、がんばってかいてみましたがいかがでしょうか? お目汚し失礼します。
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ゆっくりいじめ系1004 万能お兄さん1_2 「ただいまー。」 「「「「「ご主人様、おかえりなさい!!」」」」」 ゆっくりたちが玄関で迎えに来た。れいむ、まりさ、みょん、ちぇん、ありす、れてぃ、等など、いろんな種類のゆっくりたちが主人の帰宅をよろこんだ。 数は30ほどはいようか。 玄関で靴を脱ぐとれいむが器用に靴を下駄箱になおし、収穫した山菜をおろすとまりさやみょん、ちぇん、れてぃたちが食料庫へと協力してもっていく。 きちんと分類して整理することも忘れない。 台所では別のきめぇ丸とふらん、れみりゃなどが簡単な料理を作っている。おおまかな料理はお兄さんが作るが、味噌汁や揚げ物の下ごしらえ、 漬物など簡単なものくらいはできるようだ。さすがに揚げ物を揚げるのは危険なのでしないが。 そう、この万能お兄さんの家はゆっくりたちにとっては真の「ゆっくりプレイス」と言えよう。捕食種のれてぃやふらん達もれいむ達には 襲わないように躾けられていて、しっかりと協力して共存している。 服を脱ぐときめぇ丸がハンガーにかけてくれた。まぎらわしいので、このきめぇ丸をA、台所で料理しているきめぇ丸をBとする。 「さぁ、いろいろやることが終わったからご飯を作ろうか」 台所に下りていき、料理を作り始めた。 「ではみなさん、ご一緒に」 「「「「「「いただきます!!」」」」」」」 それぞれが仲良く料理を食べる。今日取ってきた山菜と、家のゆっくりたちが育て上げた野菜、デザートにはあけびと豪華だ。 各々は料理を食べるがこぼすなどの粗相はしない。捕食種のれみりゃやふらんも野菜や料理を食べるように躾けられている。 今までゆっくりのみを食べているが、躾ければ野菜も食べるようだ。だが、たまにゆっくりを食べさせないと発作が起きるようなので注意が必要だ。 みんなが食べ終わった後、報告会が始まった。 「では、各自報告を」 お兄さんが言うと、農場を管理するリーダーのれいむが報告を始めた。万能お兄さんの家の畑の野菜は、ゆっくり達によって管理、 生産されている珍しいものである。水道の整備などできないことはお兄さんがするが そのほかは躾と教えにより、ほとんど人間の手を使わずに生産することが可能となった。たまに新聞記者などが取材に来るほどのものだ。 「きょうはやさいのだいぶぶんがしゅうかくできました!!みんながきょうりょくしてくれたおかげです!!むしくいもほとんどありませんでした!!」 「そうか、がんばったね」 「でも、きょうもやせいのゆっくりがおそってきましたー!!」 農場や家の警備をするリーダーであるちぇんが報告する 「へぇ、で、殺したのかい?」 「30ひききて、はんぶんはころしました!!あとはつかまえて倉庫にいます!!ご主人様のいいつけはまもりましたよー!!」 「ご主人様のはたけをあらすやつはゆるさないよー!!したいはちゃんとそうじして、はたけのひりょうにしましたよー!!」 「よしよし、よくやった」 「しょくりょうこのしょくりょうをかぞえたら、ことしのふゆはじゅうぶんこせるほどのりょうがあつまりましたぜ!!」 倉庫番のまりさが報告する。 「ほぞんももんだいないですぜ!!いたんでいるのはべつのはこにぶんるいしているんですぜ!!」 「そうか、なら今年の冬は去年よりゆっくりできるね」 「「「「「ゆっくりできるね!!」」」」」 「よし、報告会はこれで終わり。僕はいまから捕まえたゆっくりを虐待しに行くよ。れみりゃ、ふらん、れてぃ、おいで。あときめぇ丸A,Bも」 「うー♪ゆっくりがたべれるどー♪」 「「ご主人様のモノに手を出すとは、愚か愚か」」 「「「「「ご主人様!!ふとどきものはゆっくりころしてね!!」」」」」 この家のゆっくり達は家の仲間がいじめられるのは許せないが、野生のゆっくりをお兄さんが虐待しても、同族がいても文句は言わないし、 お兄さんがある日突然家のゆっくり達をいじめても受け入れる(優秀な労働力に、そんなことはしないが)。 大切なご主人様のものや仲間を傷つける不届きものは許せないのだ。だからお兄さんが野生のゆっくりを虐待しても文句は言わないし、 悪が滅びることに喜びを感じ、もし自分が悪いことをしたら罰は甘んじて受け入れる。それに、外の連中などに興味はまったくないのである。 普通のゆっくりはこういった考えは浮かばない。それはひとえにお兄さんが彼女達をしつけ、餡子の中身を白餡にかえたりして 清く正しいゆっくりに改造したからだ。だから言葉が敬語で、お兄さんと呼ばずご主人様と呼んでいるのも白餡の効果である。 この家にすむゆっくりの3分の2は中身が白餡である。のこりは改造を施す必要なく、 躾けによって十分、清く正しいゆっくりと判断されてそのままになっている、きめぇ丸A,Bとゆちゅりーがそうだ。 清く正しく従順な奴隷がこの家にはいるのであった。すべては万能お兄さんの思うがままに動く。 倉庫の中にいき、ゆっくりたちを捕らえている柵をみた。15匹で、れいむ種が5、まりさ種が4、赤れいむが6という割合だ。 万能お兄さんは、畑をおそってきたゆっくりは半分は残すように言いつけている。 「ゆっ!!おにいさんだれ!?わたしたちをゆっくりだしてね!!」 「はやくまりさをださないといたいめにあうんだぜ!!」 野生のゆっくりは相変わらずだな、すこしはいいのがいないと人間にいじめられるのになぁ。と思いながらゆっくりに尋ねる。 「君達に聴きたいことがある、君らはあの山のドスの群れなのか?」 「まりさたちはそんなやつしらないんだぜ、はやくここからだすんだぜ!!」 「ついでにごはんももってきてね!!ここじゃゆっくりできないよ!!ここにあるやさいはぜんぶちょうだいね!!」 「あまり僕にたいして偉そうなことを言わないほうがいい、これでもまだ言うかね?」 と、きめぇ丸とれてぃ、ふらん、れみりゃをゆっくり達に見せた。捕食種達をみて、ゆっくりたちは震え上がる 「は、はやくにがしてね!!ゆゆゆゆ、ゆっくりできないよ!!!」 「じゃあ僕に対して敬語でいうこと、いわなかったら餌になってもらう」 「「「「ゆっくりわかったよ!!」」」」 「はやくどっかにいっちぇね!!おにいさんはゆっくりでていっちぇね!!」 1匹の赤れいむがそういったのでお兄さんはを拾い上げ、手で圧迫し始めた。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!!!!ちんじゃう!!!!くるちいよおおおおお!!!!!!」 「やめでえ゛え゛え゛え赤ちゃんをいじめないでええええええええ!!!!!!」 「そうかそうか、君はこの子を助けたいんだね?」 「ゆ゛っ!ぞうでずうううう!!!だずげでぐだざいおねがいじまずううううううううううう!!!!!!!!」 「じゃあ今回は特別に助けてあげよう、次敬語で話さなかったら2度目はないよ」 「あ゛りがどうございまずううううううう!!」 そういうと、万能お兄さんは赤れいむを離す。しかし赤ん坊はしょせん赤ん坊。すぐにいったことをわすれてしまうものであった。 「おにいさんとはゆっくちできないよ!!ゆっくちちね!!!」 そういった赤れいむをまた拾い上げ締め上げる 「やめでえ゛え゛え゛え赤ちゃんをはなしてえええええええ!!!!あ゛や゛ま゛り゛ま゛ず!!!ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛い゛い゛い゛いいいいいいい!!!!」 「2度目は」 にこやかに言いながら 「ない」 「ゆびゅっ!!!」 一瞬何が起こったのか理解できなかったが、次第に餡子脳が理解していき 「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!でい゛む゛の゛赤ち゛ゃん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!!!!」 悲鳴が倉庫に響いた。 お兄さんは手をれみりゃたちに差し出した。餡子がへばりついた手をれみりゃ、れてぃ、ふらんが競うようにして餡子を嘗め取る。くすぐったくてきもちがいい。 「どぼじでごんなごどをずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 「自分達が行ったこともわからないほど脳がゆっくりしているのか。お前達は僕の畑を荒らしただろう?」 そういわれるとゆっくりたちは黙った。やはり悪いことをしたとは感じるようだ、だがそれでもまりさがいってきた 「あれはまりさたちがみつけたんだぜ!!ほかのゆっくりたちがじゃましたけど、まりさたちのものなんだぜ!!!」 そう言ってきたまりさの目に指を突っ込み、抉り取る。 「ま゛り゛ざのめ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああ!!!!!!!」 目玉を舌に載せレロレロレロレロレロレロレロレロ。 ゆっくりの体は全て食べられるから驚きだ。この目も羊羹でできているのでおいしい。ゆっくりの種類によってはゼリーだったりするが 「すぐに自分のもの宣言するのはどのゆっくりも変わらないんだな」 そしてまりさの歯を抜き食べる。立て続けの激痛に気絶してしまった。 砂糖菓子なのでカリカリした食感がよい。おいしいのでついついもう一本抜いて食べる。うん、うまい。これなら中身も期待できるかな? と、お兄さんは気を失っているまりさの口の中に手を突っ込み、指で穴を開け、 一気に中枢の餡子まで指を通して嘗めてみる。指で穴を開けたときに、激痛により気絶から目を覚ましたが、中枢を嬲られたショックで、また気絶した。 「うーん、うまいといえばうまいがいまいちだな、Bってところか。」 万能お兄さんは、中枢餡子の味によるランク付けを行っていた。上からS,A,B,C,Dと分類分けしており、 高ければ高いほど優秀なゆっくりで、群れを率いるリーダーとして、母として、運動能力、頭脳が秀でているとしてなどなど あらゆる面での優秀さを約束されている。ペットに最適でもあり、お兄さんはほかの人でペットとしてゆっくりを買いたいと思う人に、 高いランクのゆっくりを薦めていた。おかげでブリーダーとしても評価は高いし、今まで不満を言ってきた人はいない。 逆に下のランクは、子殺しを平気でする、仲間を見捨てるのは当たり前など、そういったゲス傾向が強い。 万能お兄さんはそういった独自の方法により、ゆっくりをランク付けをしていき、 優秀なもの、Sランクのもののみを家に置き、白餡にいれかえたりそのままにしておいたりした。こうしてこの家のゆっくりたちが生まれた。 (れみりゃやふらんのような肉まんはわからないので、餃子の中身と入れ替えたら運良く成功した、れてぃのような希少種はそのまま白餡に入れ替えた) 「こいつBだし、さっき敬語いっていなかったからいらないや。餌決定ー♪」 というと、柵からまりさをとりだし、ふらんたちの方へ放り投げる。さっきの母れいむも、言ったことを守っていなかったが、子に見せ付けるためにまだ殺さないでおく。 「やっ!やめてっ!!まりさはおいしくな、ゆぎぃっ!!!いだいいいいいいいい!!!!だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ええええ!!!!」 まりさの悲鳴を気にせず、ふらんたちは仲良く綺麗に三等分しておいしく食べた。 ほかのゆっくりたちは恐怖のあまり隅によりそって震えている。何匹かは気絶してしまった。 「うーん、時間がかかるな。あともう少ししたら集会いかないといけないしな、こいつらは後回しにしようかな」 「ならご主人様、わたしたちも」 「お手伝いします」 ときめぇ丸A,Bが進みでた。 「じゃあ頼むよ僕は集会に行ってくる。見込みのないやつは遠慮なく餌にしてもいいし、お前達の遊び道具にしていいよ」 そういうと万能お兄さんは倉庫を後にした。 うしろから 「ゆっくりでぎないよお゛お゛お゛お゛お゛お゛おおおお!!!!ゆっぐりうごいでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ええええええ!!!!!」 「だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ええええ!!!!じにだぐない゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛いいいいい!!!!!!!!」 とゆっくりたちの叫び声が聞こえた。おそらく頭を高速シェイクして、耐えられるものを選別しているのであろう。こ の選別はお兄さんの中枢餡子格付けより正確であったので頼りになる。 もっとも、あの動きをみて、死なず、気絶しなかったものは今までで数えるほどしかいなかったが。 村長宅にいくと、すでに人が集まっていた。虐殺お兄さんは、ちゃんと人を集めてくれたようだ。 「おお、万能お兄さん、おそかったのぉ」 と村長が声を掛けてくれた ほかの男達から、遅かったな、真打登場だ、などのやっかみをうけながら皆の前に立つ 「さて、皆を集めた理由を聞こうか」 村長が厳かにいい、お兄さんの言葉に全員が耳を傾ける 「こんばんわ皆さん、夜分遅くにすみません。今日集まったのはほかでもない、山に現れた野生のゆっくりの群れについてです。」 そういうとどよめきがはしる。 「うちのきめぇ丸の偵察により、ある野生のゆっくりがこの村を襲うと宣言したそうです。理由は冬篭りの食糧確保のためだそうです。」 お兄さんはきめぇ丸が撮った写真を皆に見せた。ドスやクイーン、それに大量のゆっくりを見て男達に不安の声がでた。 「おい、このゆっくりの群れって山小屋のきこりさんが襲われていたやつじゃないのか?」 「ええ、そうです。ドスの言質も取れていますので間違いはないかと。」 「なら、きこりさんの怪我の仕返しができるってもんだな」 そういうと虐殺お兄さんは両手を握り、ポキポキと音を鳴らす。 「おい、万能お兄さん。こいつらはいつになったら襲うんだ?俺トラップしかけてーんだけど」 虐待お兄さんがわくわくしながら言う。 「あと、ほかのゆっくりたちの被害も確認して、被害があるようなら保護したいんだけれど…」 愛でお兄さんも、この大規模なゆっくりの群れに、ほかのゆっくりたちが略奪などの被害を受けていないか心配なようだ。 万能お兄さんはそれらを聞き、口を開く 「まずこいつらは、ドスのみならずクイーンもいるので、ほかのドスの群れとは違い統率が取れています。 群れの連中も不満をもったものはいないので、ほかのゆっくりの群れを襲うようなことはしていません。 あと、村を襲うのは僕の見立てでは2週間後と見ています」 「なぜ、そんな確信がもてるのかのう?」 村長が尋ねる 「ゆっくりを見ればわかるんですが、怪我や肌のはり、髪の毛などの状態もいいので少なくとも荒れた群れではないのです。 それに2週間後と見ているのは、食料庫の量を見る限り、ドスはできるかぎり食料を集め、それでも間に合わなかった場合に 僕達の村に食料をわけてもらうよう「お願い」をするんだとおもいます」 「お願い?さっき襲うといったじゃないか」 虐殺お兄さんが尋ねる 「ええ、彼女は僕達のところにきてこう言うでしょう「冬を越す食料がたりないからわけてください!!おねがいします!!」 ってね。しかし皆さん考えてください。なにかと交換ならともかく、一方的にくれといっているのをお願いと言えるでしょうか?」 万能お兄さんは見渡しながら言う、皆気づいたようだ。 「そうです、彼女は事を荒立てないよう「お願い」をしますが、なにも渡さずにくれといっているのは脅迫に近い。 それにゆっくりたちはこういった人間に要求するときはかならずほかのゆっくりを大量につれてきます。 僕らへの示威行動かどうかはわかりませんが、交渉が上手くいかなかったら回りのゆっくりは騒ぎ立てて、 「ゆっくりしね!」「どすのばか!」などといい、亀裂が走る。その後はどうなるか…ご想像できますか?」 「村の反発と、仲間の反発によりパニックに陥って、ほかの仲間が村を襲うのを抑えきれずに…ヤケになって暴れるんじゃないかな?」 ゆっくりと、愛でお兄さんが口を開いた。我が意を得たりと、万能お兄さんが頷く。 「僕がいった襲撃とはこういうことです。やつらが分けてくださいといっても、応じなくてよい。逆に殲滅できる口実を得ることができますよ」 皆がしんと静まる。 写真の見立てではドスは3mは超えているし、ほかのゆっくりの数も半端ない数だ。 この村の男たちはほとんどが初老を迎えていて、体力も十分ではない。村は生き残れるのだろうか?と皆に不安が走ったが。 「でも皆さんご安心を」 万能お兄さんが元気付けるように言い 「こういうときのために」 虐待お兄さんは不敵な笑みを浮かべ 「俺達ゆっくりスペシャリストが」 虐殺お兄さんが立ち上がり 「いるんですよ」 愛でお兄さんもにこやかに言う 「「「「村に手出しはさせません、皆は私達が守ります」」」」 4人の青年の声が重なる。村長宅に割れんばかりの歓声が沸き起こった。 愛で、虐待、虐殺お兄さんはそれぞれ用事があるので先に帰っていった。だが万能お兄さんは村長宅に留まり、皆を集めて 「では襲撃に備えてひとつの策を弄したいと思います。よって、皆さんに協力していただきますよ。うまくいけば村に大金が手に入ります。」 と万能お兄さんが皆をまとめ、策について話しはじめた。 ちなみに、ほかの3人のお兄さんには知らせないようにと厳重に言っておいた。 会議も終わり、解散となった。お兄さんは我が家へと帰る。 家につくとれいむときめぇ丸Aが迎えてくれた。 「おやおや、寝ていなかったのかい?」 「ゆっ!ご主人様がかえってくるのをまっていました!!」 「そうかいそうかい、ありがとう」 れいむの頭を撫で、居間に座る。れいむに寝るよういってさがらせ、きめぇ丸Aにビールを持ってこさせた。 「そういや、拷問は終わったかい?」 きめぇ丸にビールを少しやって尋ねる 「赤れいむ2匹だけが生き残りました。あとは死んだり気絶したので、れてぃたちのおやつにさせました」 「2匹か、しかも赤ちゃんとは…。結構思わぬ拾い物だな、明日会うのが楽しみだよ」 きめぇ丸はほろ酔いになりながら答える。そして酔っているせいか、いつもより激しく頭をシェイクしている。 「ご主人様、今日は抱いてくれるんですか?」 と服をいやらしく着崩して寄り添ってきた。胴付きの彼女は、サイズが子供くらいだが問題ない(時間が経てば、身長とBWHは結構それなりの大きさになるらしい) 今までも彼女が望めば抱いてやったし、なにより今日はいい赤れいむが手に入ったので気分がよい。 「この変態め、そんなに抱いてほしいのか」 と接吻をした後、お兄さんはきめぇ丸を自分の部屋につれていき、布団の上で彼女に覆いかぶさった。 部屋の中から甘い嬌声がときどきもれてきた。 つづく ____ あとがき ゆっくり虐待は好きですが、なにぶんSSを書くのは初めてです。 他のかたがたのすばらしい作品を参考にしつつ、がんばってかいてみましたがいかがでしょうか? 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「ただいまー。」 「「「「「ご主人様、おかえりなさい!!」」」」」 ゆっくりたちが玄関で迎えに来た。れいむ、まりさ、みょん、ちぇん、ありす、れてぃ、等など、いろんな種類のゆっくりたちが主人の帰宅をよろこんだ。 数は30ほどはいようか。 玄関で靴を脱ぐとれいむが器用に靴を下駄箱になおし、収穫した山菜をおろすとまりさやみょん、ちぇん、れてぃたちが食料庫へと協力してもっていく。 きちんと分類して整理することも忘れない。 台所では別のきめぇ丸とふらん、れみりゃなどが簡単な料理を作っている。おおまかな料理はお兄さんが作るが、味噌汁や揚げ物の下ごしらえ、 漬物など簡単なものくらいはできるようだ。さすがに揚げ物を揚げるのは危険なのでしないが。 そう、この万能お兄さんの家はゆっくりたちにとっては真の「ゆっくりプレイス」と言えよう。捕食種のれてぃやふらん達もれいむ達には 襲わないように躾けられていて、しっかりと協力して共存している。 服を脱ぐときめぇ丸がハンガーにかけてくれた。まぎらわしいので、このきめぇ丸をA、台所で料理しているきめぇ丸をBとする。 「さぁ、いろいろやることが終わったからご飯を作ろうか」 台所に下りていき、料理を作り始めた。 「ではみなさん、ご一緒に」 「「「「「「いただきます!!」」」」」」」 それぞれが仲良く料理を食べる。今日取ってきた山菜と、家のゆっくりたちが育て上げた野菜、デザートにはあけびと豪華だ。 各々は料理を食べるがこぼすなどの粗相はしない。捕食種のれみりゃやふらんも野菜や料理を食べるように躾けられている。 今までゆっくりのみを食べているが、躾ければ野菜も食べるようだ。だが、たまにゆっくりを食べさせないと発作が起きるようなので注意が必要だ。 みんなが食べ終わった後、報告会が始まった。 「では、各自報告を」 お兄さんが言うと、農場を管理するリーダーのれいむが報告を始めた。万能お兄さんの家の畑の野菜は、ゆっくり達によって管理、 生産されている珍しいものである。水道の整備などできないことはお兄さんがするが そのほかは躾と教えにより、ほとんど人間の手を使わずに生産することが可能となった。たまに新聞記者などが取材に来るほどのものだ。 「きょうはやさいのだいぶぶんがしゅうかくできました!!みんながきょうりょくしてくれたおかげです!!むしくいもほとんどありませんでした!!」 「そうか、がんばったね」 「でも、きょうもやせいのゆっくりがおそってきましたー!!」 農場や家の警備をするリーダーであるちぇんが報告する 「へぇ、で、殺したのかい?」 「30ひききて、はんぶんはころしました!!あとはつかまえて倉庫にいます!!ご主人様のいいつけはまもりましたよー!!」 「ご主人様のはたけをあらすやつはゆるさないよー!!したいはちゃんとそうじして、はたけのひりょうにしましたよー!!」 「よしよし、よくやった」 「しょくりょうこのしょくりょうをかぞえたら、ことしのふゆはじゅうぶんこせるほどのりょうがあつまりましたぜ!!」 倉庫番のまりさが報告する。 「ほぞんももんだいないですぜ!!いたんでいるのはべつのはこにぶんるいしているんですぜ!!」 「そうか、なら今年の冬は去年よりゆっくりできるね」 「「「「「ゆっくりできるね!!」」」」」 「よし、報告会はこれで終わり。僕はいまから捕まえたゆっくりを虐待しに行くよ。れみりゃ、ふらん、れてぃ、おいで。あときめぇ丸A,Bも」 「うー♪ゆっくりがたべれるどー♪」 「「ご主人様のモノに手を出すとは、愚か愚か」」 「「「「「ご主人様!!ふとどきものはゆっくりころしてね!!」」」」」 この家のゆっくり達は家の仲間がいじめられるのは許せないが、野生のゆっくりをお兄さんが虐待しても、同族がいても文句は言わないし、 お兄さんがある日突然家のゆっくり達をいじめても受け入れる(優秀な労働力に、そんなことはしないが)。 大切なご主人様のものや仲間を傷つける不届きものは許せないのだ。だからお兄さんが野生のゆっくりを虐待しても文句は言わないし、 悪が滅びることに喜びを感じ、もし自分が悪いことをしたら罰は甘んじて受け入れる。それに、外の連中などに興味はまったくないのである。 普通のゆっくりはこういった考えは浮かばない。それはひとえにお兄さんが彼女達をしつけ、餡子の中身を白餡にかえたりして 清く正しいゆっくりに改造したからだ。だから言葉が敬語で、お兄さんと呼ばずご主人様と呼んでいるのも白餡の効果である。 この家にすむゆっくりの3分の2は中身が白餡である。のこりは改造を施す必要なく、 躾けによって十分、清く正しいゆっくりと判断されてそのままになっている、きめぇ丸A,Bとゆちゅりーがそうだ。 清く正しく従順な奴隷がこの家にはいるのであった。すべては万能お兄さんの思うがままに動く。 倉庫の中にいき、ゆっくりたちを捕らえている柵をみた。15匹で、れいむ種が5、まりさ種が4、赤れいむが6という割合だ。 万能お兄さんは、畑をおそってきたゆっくりは半分は残すように言いつけている。 「ゆっ!!おにいさんだれ!?わたしたちをゆっくりだしてね!!」 「はやくまりさをださないといたいめにあうんだぜ!!」 野生のゆっくりは相変わらずだな、すこしはいいのがいないと人間にいじめられるのになぁ。と思いながらゆっくりに尋ねる。 「君達に聴きたいことがある、君らはあの山のドスの群れなのか?」 「まりさたちはそんなやつしらないんだぜ、はやくここからだすんだぜ!!」 「ついでにごはんももってきてね!!ここじゃゆっくりできないよ!!ここにあるやさいはぜんぶちょうだいね!!」 「あまり僕にたいして偉そうなことを言わないほうがいい、これでもまだ言うかね?」 と、きめぇ丸とれてぃ、ふらん、れみりゃをゆっくり達に見せた。捕食種達をみて、ゆっくりたちは震え上がる 「は、はやくにがしてね!!ゆゆゆゆ、ゆっくりできないよ!!!」 「じゃあ僕に対して敬語でいうこと、いわなかったら餌になってもらう」 「「「「ゆっくりわかったよ!!」」」」 「はやくどっかにいっちぇね!!おにいさんはゆっくりでていっちぇね!!」 1匹の赤れいむがそういったのでお兄さんはを拾い上げ、手で圧迫し始めた。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!!!!ちんじゃう!!!!くるちいよおおおおお!!!!!!」 「やめでえ゛え゛え゛え赤ちゃんをいじめないでええええええええ!!!!!!」 「そうかそうか、君はこの子を助けたいんだね?」 「ゆ゛っ!ぞうでずうううう!!!だずげでぐだざいおねがいじまずううううううううううう!!!!!!!!」 「じゃあ今回は特別に助けてあげよう、次敬語で話さなかったら2度目はないよ」 「あ゛りがどうございまずううううううう!!」 そういうと、万能お兄さんは赤れいむを離す。しかし赤ん坊はしょせん赤ん坊。すぐにいったことをわすれてしまうものであった。 「おにいさんとはゆっくちできないよ!!ゆっくちちね!!!」 そういった赤れいむをまた拾い上げ締め上げる 「やめでえ゛え゛え゛え赤ちゃんをはなしてえええええええ!!!!あ゛や゛ま゛り゛ま゛ず!!!ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛い゛い゛い゛いいいいいいい!!!!」 「2度目は」 にこやかに言いながら 「ない」 「ゆびゅっ!!!」 一瞬何が起こったのか理解できなかったが、次第に餡子脳が理解していき 「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!でい゛む゛の゛赤ち゛ゃん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!!!!」 悲鳴が倉庫に響いた。 お兄さんは手をれみりゃたちに差し出した。餡子がへばりついた手をれみりゃ、れてぃ、ふらんが競うようにして餡子を嘗め取る。くすぐったくてきもちがいい。 「どぼじでごんなごどをずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 「自分達が行ったこともわからないほど脳がゆっくりしているのか。お前達は僕の畑を荒らしただろう?」 そういわれるとゆっくりたちは黙った。やはり悪いことをしたとは感じるようだ、だがそれでもまりさがいってきた 「あれはまりさたちがみつけたんだぜ!!ほかのゆっくりたちがじゃましたけど、まりさたちのものなんだぜ!!!」 そう言ってきたまりさの目に指を突っ込み、抉り取る。 「ま゛り゛ざのめ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああ!!!!!!!」 目玉を舌に載せレロレロレロレロレロレロレロレロ。 ゆっくりの体は全て食べられるから驚きだ。この目も羊羹でできているのでおいしい。ゆっくりの種類によってはゼリーだったりするが 「すぐに自分のもの宣言するのはどのゆっくりも変わらないんだな」 そしてまりさの歯を抜き食べる。立て続けの激痛に気絶してしまった。 砂糖菓子なのでカリカリした食感がよい。おいしいのでついついもう一本抜いて食べる。うん、うまい。これなら中身も期待できるかな? と、お兄さんは気を失っているまりさの口の中に手を突っ込み、指で穴を開け、 一気に中枢の餡子まで指を通して嘗めてみる。指で穴を開けたときに、激痛により気絶から目を覚ましたが、中枢を嬲られたショックで、また気絶した。 「うーん、うまいといえばうまいがいまいちだな、Bってところか。」 万能お兄さんは、中枢餡子の味によるランク付けを行っていた。上からS,A,B,C,Dと分類分けしており、 高ければ高いほど優秀なゆっくりで、群れを率いるリーダーとして、母として、運動能力、頭脳が秀でているとしてなどなど あらゆる面での優秀さを約束されている。ペットに最適でもあり、お兄さんはほかの人でペットとしてゆっくりを買いたいと思う人に、 高いランクのゆっくりを薦めていた。おかげでブリーダーとしても評価は高いし、今まで不満を言ってきた人はいない。 逆に下のランクは、子殺しを平気でする、仲間を見捨てるのは当たり前など、そういったゲス傾向が強い。 万能お兄さんはそういった独自の方法により、ゆっくりをランク付けをしていき、 優秀なもの、Sランクのもののみを家に置き、白餡にいれかえたりそのままにしておいたりした。こうしてこの家のゆっくりたちが生まれた。 (れみりゃやふらんのような肉まんはわからないので、餃子の中身と入れ替えたら運良く成功した、れてぃのような希少種はそのまま白餡に入れ替えた) 「こいつBだし、さっき敬語いっていなかったからいらないや。餌決定ー♪」 というと、柵からまりさをとりだし、ふらんたちの方へ放り投げる。さっきの母れいむも、言ったことを守っていなかったが、子に見せ付けるためにまだ殺さないでおく。 「やっ!やめてっ!!まりさはおいしくな、ゆぎぃっ!!!いだいいいいいいいい!!!!だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ええええ!!!!」 まりさの悲鳴を気にせず、ふらんたちは仲良く綺麗に三等分しておいしく食べた。 ほかのゆっくりたちは恐怖のあまり隅によりそって震えている。何匹かは気絶してしまった。 「うーん、時間がかかるな。あともう少ししたら集会いかないといけないしな、こいつらは後回しにしようかな」 「ならご主人様、わたしたちも」 「お手伝いします」 ときめぇ丸A,Bが進みでた。 「じゃあ頼むよ僕は集会に行ってくる。見込みのないやつは遠慮なく餌にしてもいいし、お前達の遊び道具にしていいよ」 そういうと万能お兄さんは倉庫を後にした。 うしろから 「ゆっくりでぎないよお゛お゛お゛お゛お゛お゛おおおお!!!!ゆっぐりうごいでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ええええええ!!!!!」 「だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ええええ!!!!じにだぐない゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛いいいいい!!!!!!!!」 とゆっくりたちの叫び声が聞こえた。おそらく頭を高速シェイクして、耐えられるものを選別しているのであろう。こ の選別はお兄さんの中枢餡子格付けより正確であったので頼りになる。 もっとも、あの動きをみて、死なず、気絶しなかったものは今までで数えるほどしかいなかったが。 村長宅にいくと、すでに人が集まっていた。虐殺お兄さんは、ちゃんと人を集めてくれたようだ。 「おお、万能お兄さん、おそかったのぉ」 と村長が声を掛けてくれた ほかの男達から、遅かったな、真打登場だ、などのやっかみをうけながら皆の前に立つ 「さて、皆を集めた理由を聞こうか」 村長が厳かにいい、お兄さんの言葉に全員が耳を傾ける 「こんばんわ皆さん、夜分遅くにすみません。今日集まったのはほかでもない、山に現れた野生のゆっくりの群れについてです。」 そういうとどよめきがはしる。 「うちのきめぇ丸の偵察により、ある野生のゆっくりがこの村を襲うと宣言したそうです。理由は冬篭りの食糧確保のためだそうです。」 お兄さんはきめぇ丸が撮った写真を皆に見せた。ドスやクイーン、それに大量のゆっくりを見て男達に不安の声がでた。 「おい、このゆっくりの群れって山小屋のきこりさんが襲われていたやつじゃないのか?」 「ええ、そうです。ドスの言質も取れていますので間違いはないかと。」 「なら、きこりさんの怪我の仕返しができるってもんだな」 そういうと虐殺お兄さんは両手を握り、ポキポキと音を鳴らす。 「おい、万能お兄さん。こいつらはいつになったら襲うんだ?俺トラップしかけてーんだけど」 虐待お兄さんがわくわくしながら言う。 「あと、ほかのゆっくりたちの被害も確認して、被害があるようなら保護したいんだけれど…」 愛でお兄さんも、この大規模なゆっくりの群れに、ほかのゆっくりたちが略奪などの被害を受けていないか心配なようだ。 万能お兄さんはそれらを聞き、口を開く 「まずこいつらは、ドスのみならずクイーンもいるので、ほかのドスの群れとは違い統率が取れています。 群れの連中も不満をもったものはいないので、ほかのゆっくりの群れを襲うようなことはしていません。 あと、村を襲うのは僕の見立てでは2週間後と見ています」 「なぜ、そんな確信がもてるのかのう?」 村長が尋ねる 「ゆっくりを見ればわかるんですが、怪我や肌のはり、髪の毛などの状態もいいので少なくとも荒れた群れではないのです。 それに2週間後と見ているのは、食料庫の量を見る限り、ドスはできるかぎり食料を集め、それでも間に合わなかった場合に 僕達の村に食料をわけてもらうよう「お願い」をするんだとおもいます」 「お願い?さっき襲うといったじゃないか」 虐殺お兄さんが尋ねる 「ええ、彼女は僕達のところにきてこう言うでしょう「冬を越す食料がたりないからわけてください!!おねがいします!!」 ってね。しかし皆さん考えてください。なにかと交換ならともかく、一方的にくれといっているのをお願いと言えるでしょうか?」 万能お兄さんは見渡しながら言う、皆気づいたようだ。 「そうです、彼女は事を荒立てないよう「お願い」をしますが、なにも渡さずにくれといっているのは脅迫に近い。 それにゆっくりたちはこういった人間に要求するときはかならずほかのゆっくりを大量につれてきます。 僕らへの示威行動かどうかはわかりませんが、交渉が上手くいかなかったら回りのゆっくりは騒ぎ立てて、 「ゆっくりしね!」「どすのばか!」などといい、亀裂が走る。その後はどうなるか…ご想像できますか?」 「村の反発と、仲間の反発によりパニックに陥って、ほかの仲間が村を襲うのを抑えきれずに…ヤケになって暴れるんじゃないかな?」 ゆっくりと、愛でお兄さんが口を開いた。我が意を得たりと、万能お兄さんが頷く。 「僕がいった襲撃とはこういうことです。やつらが分けてくださいといっても、応じなくてよい。逆に殲滅できる口実を得ることができますよ」 皆がしんと静まる。 写真の見立てではドスは3mは超えているし、ほかのゆっくりの数も半端ない数だ。 この村の男たちはほとんどが初老を迎えていて、体力も十分ではない。村は生き残れるのだろうか?と皆に不安が走ったが。 「でも皆さんご安心を」 万能お兄さんが元気付けるように言い 「こういうときのために」 虐待お兄さんは不敵な笑みを浮かべ 「俺達ゆっくりスペシャリストが」 虐殺お兄さんが立ち上がり 「いるんですよ」 愛でお兄さんもにこやかに言う 「「「「村に手出しはさせません、皆は私達が守ります」」」」 4人の青年の声が重なる。村長宅に割れんばかりの歓声が沸き起こった。 愛で、虐待、虐殺お兄さんはそれぞれ用事があるので先に帰っていった。だが万能お兄さんは村長宅に留まり、皆を集めて 「では襲撃に備えてひとつの策を弄したいと思います。よって、皆さんに協力していただきますよ。うまくいけば村に大金が手に入ります。」 と万能お兄さんが皆をまとめ、策について話しはじめた。 ちなみに、ほかの3人のお兄さんには知らせないようにと厳重に言っておいた。 会議も終わり、解散となった。お兄さんは我が家へと帰る。 家につくとれいむときめぇ丸Aが迎えてくれた。 「おやおや、寝ていなかったのかい?」 「ゆっ!ご主人様がかえってくるのをまっていました!!」 「そうかいそうかい、ありがとう」 れいむの頭を撫で、居間に座る。れいむに寝るよういってさがらせ、きめぇ丸Aにビールを持ってこさせた。 「そういや、拷問は終わったかい?」 きめぇ丸にビールを少しやって尋ねる 「赤れいむ2匹だけが生き残りました。あとは死んだり気絶したので、れてぃたちのおやつにさせました」 「2匹か、しかも赤ちゃんとは…。結構思わぬ拾い物だな、明日会うのが楽しみだよ」 きめぇ丸はほろ酔いになりながら答える。そして酔っているせいか、いつもより激しく頭をシェイクしている。 「ご主人様、今日は抱いてくれるんですか?」 と服をいやらしく着崩して寄り添ってきた。胴付きの彼女は、サイズが子供くらいだが問題ない(時間が経てば、身長とBWHは結構それなりの大きさになるらしい) 今までも彼女が望めば抱いてやったし、なにより今日はいい赤れいむが手に入ったので気分がよい。 「この変態め、そんなに抱いてほしいのか」 と接吻をした後、お兄さんはきめぇ丸を自分の部屋につれていき、布団の上で彼女に覆いかぶさった。 部屋の中から甘い嬌声がときどきもれてきた。 つづく ____ あとがき ゆっくり虐待は好きですが、なにぶんSSを書くのは初めてです。 他のかたがたのすばらしい作品を参考にしつつ、がんばってかいてみましたがいかがでしょうか? お目汚し失礼します。
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※かなり俺設定があります ※人と共存しているゆっくりがかなりいます ※虐待分は少ないです このSSは僕が初めて書いて投稿したやつです。 いろいろと設定とかに矛盾とかあったり、駄文で目を汚すかもしれませんが、どうか長い目でよろしくお願いします。 ゆっくりに関して一般人よりも思い入れがあるお兄さん達がいる。多少の違いはあれど、大まかに分けるなら、彼らは俗に3種類に分けられる。 愛でお兄さん 虐待お兄さん 虐殺お兄さん 愛でお兄さんはその名の通り、ゆっくりを愛してやまない人のことである。 多くの愛でお兄さんはゆっくりを愛でる協会「ゆっくりんピース」に所属していることが多い。が、いいゆっくりと悪いゆっくりを両方とも区別せず愛するというわけでわない。 前者はしっかりと愛でるが、後者は愛でず無視したり罰を与えたりする。(無視すると家、もしくは畑の被害が増すため主に罰したり捕まえて山に返したりする。 さすがに、ゆっくりを愛でているため命まではとらないようだ) 虐待お兄さんは読んで字のごとく。ゆっくりを虐待するのに生きがいを見出す人である。その虐待方法は筆舌しがたく、ゆっくりに対する虐待を人間にしたら、 尋問か拷問のスペシャリストへとスカウトされるかもしれない。 が、基本ゆっくりしか虐待しないし、虐待方法はゆっくりにしか通用しないので、ゆっくり虐待から人間の尋問or拷問への転職をしたなど、そういった話は今のところ出ていない。 いいゆっくりより悪いゆっくりを主に虐待する。いいゆっくりはペットというよりも家畜として利用するようだ。無論、平等に虐待するお兄さんもいる。 虐殺お兄さんは説明するまでもないが、虐殺することにのみ喜びを感じる人である。いいゆっくりだろうと悪いゆっくりだろうと関係なく、平等に殺戮する。 3人の中では最も筋骨隆々。どうでもいいが、筋肉順位的には「愛で<虐待<<虐殺」である。ウホッ、いい筋肉。 主に農場を襲う野生ゆっくり虐殺のほかにも、山へ登った人達の用心棒や猟師として活躍したりするので、虐殺以外にも仕事をする。 (無論ほかの二人も仕事はするが、二人は労力の半分以上をゆっくりに注いでいるのに対し、虐殺お兄さんは半分である) 3人の中では最も人口が少ない。 とある村では、その3人を混ぜたような存在がいる。 よく言えば「万能」、悪く言えば「中途半端で腹黒」。 これはそんな「万能お兄さん」とよばれる人のお話である…。 山で山菜を取っている青年がいる。彼の傍らにはゆっくりぱちゅりーときめぇ丸(胴付き)がいる。 「さすがに知らないところまで探検すると、世界が違って見えるなぁ。」 彼は万能お兄さん。冬を越すための食料を集めるため、山菜を取っている。いつもとは違う、まだ足を踏み入れていない場所へと今回は足を伸ばした。 ここいらには妖怪はでないが、まれに熊が出るため油断は禁物である。だが新たな発見があるかもしれないし、なにより村の人たちの知らない高級山菜 (マイタケ、マツタケ)などが見つかるかもしれないので、胸を躍らせながら 探検している。 「むきゅ、ご主人様、あそこにワラビがあるよ」 見逃していた山菜をゆちゅりーが見つけてくれた。 「おお、ぱちゅりーありがとう」 「むきゅん!あと、あそこのきにあけびが、その下に薬草があるよ!」 「あ、本当だ。いつも助かるよ、ぱちゅりー。きめぇ丸、悪いがあけびをとってくれないか?」 「了解でーす」 きめぇ丸が空を飛べるのを利用して、お兄さんの手に届かない果物などを取ってくれる。 「この薬草は頭痛薬になるわ、本でみたもん」 「へぇ、そうなのか。そういや虐殺お兄さんの弟さんが、頭痛で寝込んでいたっけな。彼のところにもっていこう」 薬草を採取しながら話す。3分の1は後のことを考えて残しておくことは忘れない。ちなみに、このゆちゅりーは頭脳が普通のゆちゅりーより高いので漢字を使うことができる。 「ご主人様、取ってきました」 きめぇ丸が袋にあけびをたくさん入れて戻ってきた。 「たくさん取ってきたね、よしよし」 お兄さんに頭を撫でられ喜びの表現として頭をはげしくシェイクした。 「あとご主人様、さきほどゆっくりの群れをみつけました」 「本当か?規模はどれくらい?」 「少ししか見えませんでしたが、かなり大規模な模様です。ドス級の存在も確認しました」 「ドス級か、ううむそれはちょっと問題あるかもなぁ」 お兄さんが頭を抱えた。 野生のゆっくりのほとんどは群れを作る。だが中には群れが群れを吸収し、ひとつのコミュニティまで成長する群れもある。そういった大規模な群れには必ずといっていいほど、 リーダー格の「ドス」や「クイーン」とよばれるものが存在した。 縄文時代や弥生時代のような村と村が合体して、王ができるのと同じ原理だ。 ドスはとにかくでかい。普通のゆっくりの大きさがサッカーかバスケットボールなみだとすると、ドスは5倍かそれ以上ある。 2,3mは優に超えているほか、ドスならではのドススパークや動きを封じ、相手を意のままにあやるつゆっくりオーラなどは脅威だ。どちらもドスの体内にあるドスキノコが源となっている。 その化け物じみた巨体と必殺技は人を殺せるほどの威力があるのはすでに確認済みだ。人間にとっては十分脅威であった。 ここでお兄さんはひとつの考えをだした。 「きめぇ丸、偵察してきてくれないか?ドスの今後の思惑とゆっくりの数、食料の備蓄などもできるかぎりの範囲で調べてきてくれ」 「了解しました、ご主人様。」 「あと、これ」 そういうと、きめぇ丸が先ほど取ってきたあけびと、お兄さんが取った山菜をいくらか渡した 「お前はほかのゆっくりから嫌われているからな、食べ物を渡して敵意がないことを示せば大丈夫だろう」 「さすが私のご主人様、では行ってきます」 そういうと、きめぇ丸は群れへと飛んでいった。 「さて、ぱちゅりー。僕らはおやつのあけびでも食べてのんびりしようか」 「むきゅきゅーん!!でもご主人様は頭が切れるのかのんびりなのかわからないわ」 「はっはっは、よく言われるよ」 お兄さんは朗らかに笑いながら石の上に座り、ゆちゅりーをひざの上に乗せてあけびを食べ始めた。 群れにたどり着いたきめぇ丸は挨拶をした。 「まいど、おなじみきめぇ丸です」 「ゆっ!きめぇ丸がきたんだぜ!!みんなドスのもとににげるんだぜ!!」 きめぇ丸をみたゆっくりたちは逃げるようにしてドスまりさの元に集まる。きめぇ丸自身もゆっくりが大嫌いなので助かる。 そして群れを束ねるドスまりさがでてきた。大きさは優に3m以上はある。 「ゆっ!!なにしにきたの!!まりさたちをいじめにきたのならどっかにいってね!!みんなをいじめるならただじゃおかないよ!!!」 「とんでもない、私に敵意はありませんよ。それよりあなたたちと仲良くなりたいのです、その証拠にこれを差し上げましょう」 といって、万能お兄さんからもらったあけびや山菜などを友好の印としてあげる。 「わーい!おいしそうなごはんだー!!!」 「くだものもあるよ!!」 「ゆっ!!どうもありがとう!!あなたはいっしょにゆっくりできるね!!ゆっくりしていってね!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 ドスは山菜などをもらえたのもうれしかったが、木に登ることができないのであけびがたくさんもらえたのはもっとうれしかった。 「気に入っていただけたようで何よりです」 本来、きめぇ丸はうれしいと頭を高速で動かす。この動きはゆっくりたちにとってゆっくりできないので、きめぇ丸が嫌われる原因でもある。 しかし、このきめぇ丸はそう返事しただけで頭を動かさなかった。お兄さんから躾けられているおかげである。 ゆっくりたちはこのきめぇ丸が頭を高速シェイクしないのでさらに気に入った。 「ところでドス、これから冬篭りですか?」 「ゆっ!!そうだよ!わたしたちはかずがおおいからしょくりょうをあつめるのもたいへんだよ!!」 「数はどれくらいですか?」 「うまれたばかりのあかちゃんもかぞえると200はいるよ!!」 きめぇ丸はざっと見渡した。ここにいるのはせいぜい50くらいだ、後のほとんどは食料を取りに行っているか、巣の中にいるのだろう。 きめぇ丸は、お兄さんからもらったカメラを使い写真を撮った。 「ゆっ!!なにしゃしんをとっているの!!かってにとらないでね!!!」 「いやぁ、あなたほどの偉大な方がこの大勢のゆっくりたちを束ねていると知ると感動しちゃってつい記念に撮っているんですよ。いけませんでしたか?」 「ゆっ!!それほどでもないよ!!じゃあ、あなたはわたしたちのなかまだからとくべつにとっていいよ!!きれいにとってね!!!」 「ドスのよさをわかっているなんて、ほかのきめぇ丸とはちがうぜ!!」 「このおねーしゃんとはゆっくちできるね!!」 ドスは相当慕われているようだ、ドスをほめただけでまわりのゆっくりたちがきめぇ丸をさらに信頼し、ついには仲間と認めた。 ドスは新たに仲間に加わったきめぇ丸をゆっくりたちに紹介した。 「このきめぇ丸はほかのきめぇ丸とはちがういいゆっくりだよ!!みんないっしょにゆっくりしようね!!」 「どうもきめぇ丸です」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 ドスはきめぇ丸に仲間を紹介した。 親子でなかよくすごしているれいむ、行動役のまりさ、知能の高いありすなど。このゆっくりたちの顔は皆笑顔にあふれている。よそのゆっくりの群れを強制的に襲ったり 略奪などはしていないようだ。きわめて平和だ。 「ところでドス。巣を見てもよろしいですか?これほど大規模な群れを程となるととてもおおきい。あなたの偉大な巣が見てみたいのです」 「ゆっ!!いいよ、きめぇ丸はなかまだもん!!すのなかをみせるね!!」 巣の中は広かった。ドスが住むくらいだから当たり前といえば当たり前だが。主に親子グループが巣の中にいる 巣の中を見渡すと、れいむのこどもたちが毛玉であそんでいた。熊の毛だ。おそらく熊が冬眠していた穴を利用しているのだろう。 ドスが入れる理由も理解した。 巣の奥にはさらに穴があった、新しく掘られたようだ、奥には食料が詰まれて山のようになっている。 「ドス、あれは冬篭り用の食料ですか?」 「ゆっ!!そうだよ!まだかずがたりないからしんぱいなんだ!!」 「では、冬篭り前に食料がたまらなかったらどうするのですか?」 「だいじょうぶ!なんとかなるよ!!いつもまりさたちはそうやってのりこえてきたもん!!」 たいした自信だ、さすがはドスの貫禄、といったところだろうか。 「さすがはドス、とてもかっこいいです。あなたは偉大です」 「ゆっ!!てれるよ!!」 おだてながら、きめぇ丸はシャッターを切る。ついでに巣の中も撮らせてもらった。無論偉大なドス、さすがドス。さいこうのゆっくりぷれいすなどおだてることを忘れない。 「ではドス、わたしも冬篭りの準備を始めますので失礼します」 「ゆっ!!わたしたちといっしょにくらさない?あなたならかんげいするよ!!」 「しかし、ドスたちの食料は足りていません。私が加わればさらに圧迫してしまうので、遠慮しておきます。でも、あなたたちに出会えてよかった。ご好意に感謝します」 「ゆぅぅ、ならしかたないね!!またあそびにきてね!!かんげいするよ!!」 「わかりました、またくるときはおみやげをもってきますね」 「きっとだよー!!」 そういって、きめぇ丸とドスまりさ率いる群れは別れたのだった。 きめぇ丸がいなくなったのを確認したドスまりさは改めて食料を見た。まだ冬篭りするための必要な量の半分ほどしか達していない。このままでは半分ほどしか生き残れないだろう。 「ゆっ!ドス!!ふもとにむらをみつけたんだぜ!!」 どうやら食料調達にいってきたまりさたちが帰ってきたようだ。そして見つけたことを報告する。 群れを率いる者として、長年の経験からして人間達と争うことはなんとしてでも避けたい。もし争うことになったら全滅は免れないからだ、ドスまりさは村を襲った ゆっくりの群れが全滅にあうのを何回も見てきた。 だがこのペースではどうしても間に合わない。村を襲い、群れ全体がゆっくりできるようにするのと、群れに多大な犠牲を払い、わずかな数だけ生き残るのとどちらの道がいいか。 彼女はしばらく悩んだ挙句、群れ全体に命令を下した。 「やまのふもとにむらをみつけたからあそこをおそうよ!!」 この発言に全員が驚いた。が、ドスの命令なので皆は従った。それに人間のほうが食料はおいしいのでいいことづくめだ。 「でもドス、しょうさんはあるの?」 群れの副リーダーでもあるありすが尋ねてきた。ほかのありすよりも大きく、クイーンと呼ばれている。ドスとクイーンは二人で群れを作り上げたリーダーだ。先ほどの食料探索から帰ってきたばかりなので、ドスの発言に驚いている。 「まえもすごくちいさいいえをおそったらかてたもん!!だいじょうぶだよ!!」 「そうだね!!まえおそったいえのじじいはよわかったしね!あそこのむらもせいこうするよ!!」 なるほど、一回成功したから味をしめ、今度も成功すると踏んでいるのか。それにクイーンありすがいるのは気づかなかった。 と、覗いているのはきめぇ丸。飛んでいったと見せかけ近くの所に降り、気づかれないように様子を見ている。もしかして、と思い、食料についていろいろ尋ねてよかった。 新たな情報が聞き出せた。 「おお、愚か愚か。よりによってご主人様にたてつくとは」 クイーンの写真を取り、彼女は万能お兄さんの元へ帰っていった。 「ただいまー」 きめぇ丸が帰ってきた。だがなんと、お兄さんとゆちゅりーはあろうことか昼寝をしている! 「ご主人様、起きてくださいな」 きめぇ丸が万能お兄さんを起こす。その姿は子供が親に「おーきーてー」とせがんでいるようだ。 「あぁ…、よく寝た。おはよう、きめぇ丸。あとこれはご褒美だよ」 ゆっくりの群れに偵察を命じておきながら自分は昼寝をする。図太い神経である。目をこすりながら、あけびを一つきめぇ丸に渡した。 「枯葉を敷き詰めて寝てみたら、すごく暖かいね。サバイバルの本をぱちゅりーがよんでくれたおかげだよ」 「むきゅん!!」 主人にほめられ喜ぶゆちゅりー。 「で、首尾はどうだった?」 と、きめぇ丸はあけびを食べ終え、は先ほどのことをすべて話した。 「これが写真です」 「前山小屋に住んでいるきこりのおじさんが村に「数え切れないゆっくりに襲われた!」って言って泣きながら帰ってきたけど、そのゆっくり達はこいつらだったのか。」 撮った写真もすべて見せた。お兄さんはまじめな顔をして考えている。しばらくすると立ち上がり。 「とりあえず帰ろうか、もう夕方だし」 「対策はしないのですか?村を襲うとまで言っているんですよ」 「むきゅん!いつものご主人様らしくないわ!いつもならすぐに対策をねるのに!」 きめぇ丸もゆちゅりーも意外と思い質問する。 「もちろん、対策はするよ。この写真どおりの備蓄量ならあと2週間後には襲ってくるよ、村を目指してね。」 お兄さんが放った言葉に二人は固まる。あと2週間?どういうことだ? 「対策はそこそこでいいよ、このグループは見たところ、ドスとクイーンによって物凄く統率が取れている。ドスも人間に刃向かおうとしているけど、 彼女はあくまで非常手段として使うはずさ。伊達にドスはしていないだろうしね。 だからできる範囲で餌を集め、それでもたまらなかったら襲うだろう。」 「「なるほど」」 二匹は納得した。 「じゃあ帰ろうか、あときめぇ丸。群れに行った時頭を振れなくてきつかったでしょ、思う存分振っていいよ」 とお兄さんはきめぇ丸とゆちゅりーを抱きかかえるようにした。二匹はうれしそうに顔を摺り寄せている。きめぇ丸は頭をシェイクしながらほお擦りしている。 万能お兄さんと2匹のゆっくりは山を降りた、ちょうどその頃。 「ドス!むらはいつおそうんだぜ!!はやくにんげんどもをいじめたいんだぜ」 まりさたちが聞いてきた、ゲス根性むき出しである 「みんな!むらはおそうけど、それは2しゅうかんたってもしょくりょうがあつまらなかったらだよ!!それまでにむやみにてをだしたらいけないからね!!」 ドスの宣言により群れ全体が沸き立つ。不満を言うものもいるがドスは気にしない。 これでいい、村を襲うのは非常手段だ。もっとも襲うというよりも食料を分けてもらうように「お願い」をするのだが。 村に帰ってきた万能お兄さんは行きかう人々と挨拶を交わした。彼はこの村では知らない人はいないほどの実力者である。 「おっ!お兄さん、いい野菜ができたよ。いつも世話になっているからあとで持っていくよ!」 「ありがとうございます。でももらってばかりでは悪いので、先ほど取ってきた山菜と交換しましょう」 「あっ、あんちゃんおかえりー!あとでゆっくりたちと遊んでいい?」 「ああ、いいよ!怪我には気をつけてね」 「おっ、お兄さん、後でちょっと手伝ってほしいことがあるんだが頼めるかい?」 「わかりました、でも僕も用事があるので後でそちらに伺いますね。」 村は活気があり、ところどころに飼われているゆっくりも見かける。とてもとても平和な村だ。 お兄さんはある家にたどり着いた。 「おばさん、ごめんくださーい!」 しばらくするとおばさんがやってきた 「あら!万能お兄さん、いらっしゃい!!」 「お宅の次男君が頭痛で寝込んでいるので、薬草を持ってきました」 「あらやだ、助かるわぁ~。さぁさぁ、家にあがってくださいな、お茶も持ってきますからね」 お兄さんは上がらせてもらい、寝込んでいる次男のもとへやってきた 「やぁ、次男君。大丈夫かい?」 「あ、万能のあんちゃん。まだ頭が痛いけど大丈夫だよ」 「君が苦しんでいるから、頭痛薬を取ってきたよ」 「ほんと?ありがとう、あんちゃん!」 「いつもいつも助かるわね~」 おばさんがお茶菓子を持ってきた。お兄さんのだけでなく、きめぇ丸とゆちゅりーの分もある。 「礼を言うのはこいつに言ってください。こいつが頭痛薬となる薬草を見つけてくれたんですよ」 と、ゆちゅりーの頭を撫でながら言う 「本当、ぱちゅりーちゃんありがとね~」 「ぱちゅりー、ありがとう」 二人に頭を撫でられ、ぱちゅりーはとてもよろこんでいた。 「あとおばさん、虐殺お兄さんはいますか?用があるんですけども。あとこれ、山で取ってきたあけびです。食べてください。」 「あらあらいいあけび!本当にありがとうね。あと長男ね、もうすぐ帰ってくると思うわ」 「もう帰ってきたぞ」 と後ろで野太い声がしたので、振り向くと筋骨隆々な青年が立っていた。 「あ、あんちゃんお帰り」 「おう、ただいま。ところで弟よ、頭痛は大丈夫か?」 「さっき万能のあんちゃんが薬草持ってきたんだ、これで治るよ」 「そうか、万能お兄さん。いつもすまないな。」 「気にしないでくれ、心友の弟が困っているんだ。助けないわけには行かないさ、あと薬草はこいつが見つけてくれたから、礼はこいつに言ってくれよ」 とゆちゅりーを指差す。虐殺お兄さんは、ゆちゅりーにむかって大きな手を伸ばし 「すまんな」 といって軽く撫でる。ゆっくりを虐殺する虐殺お兄さんとはいえ、他人のペットを殺したりいじめたりするようなことはしない。心友のであるなら尚更だ。 「ところで用とはなんだ?」 「あとで村の者を集めてくれないか?皆に話があるんだ。虐待お兄さんと、愛でお兄さんには僕が言っておくから。」 「ああ、わかった。ところでどんな話なんだ」 「君の好きなゆっくりについてだよ、久しぶりに虐殺ができるよ」 ニヤリと笑いながら万能お兄さんは話した、虐殺お兄さんはそれを聞いて非常に喜んでいる。 「それは楽しみだな、最近やってないから腕がなまっていたところだ。後で村長も呼んでおくから、村長宅に集合だ」 「ああ、頼んだよ」 そういうと、万能お兄さんは家を離れ、虐待お兄さんの家についた 「おおーい、虐待お兄さん!」 大声で呼ぶと、虐待お兄さんが体を餡子まみれにしながらやってきた 「ごめん、「お楽しみ」の最中だったかい?」 「なんだ万能お兄さんか、せっかく楽しんでいたところだけど、心友をほっとくわけにはいかねぇしな。後でさらに楽しませてもらうぜ」 「ははっ、気の毒なことをしたね」 「後で虐待するゆっくりにな」 そういうと二人はひとしきり笑った。 「ところで何のようだ?」 「後で村長宅に集まってくれ、僕からみんなに話があるんだ。君にとっても悪くない話だよ?」 「へぇ、どんな話だよ。つまんなかったら帰らせてもらうぜ。もっとも、あんたがつまらない話をしたことなんてないがな」 「ゆっくりについてだよ、最近君もゆっくりを虐待したのはいいけど死んで数が減っているから困っているんじゃないか?」 「渡りに船ってやつはこのことだな。わかった、後でいくぜ。あときめぇ丸とぱちゅりー、虐待されたかったらいつでもこいよ」 「「おことわりします」」 「おいおい、僕の大切なパートナーを誘わないでくれよ」 「へっへっへ、冗談だよ、冗談」 次は愛でお兄さんの家にやってきた 「愛でお兄さんやっほー!」 「「やっほー!」」 元気よくお兄さんと2匹が声を掛ける。虐待と虐殺おにいさんは怖いので声を掛けないが、愛でお兄さんはいじめたりしないので、ゆっくりは安心できる。 「やぁ、いらっしゃい、よく来たね。」 村では洋風な家にすんでいる、紅茶の似合う青年が来た。足元にはゆっくりれいむとまりさがいる。 「「万能お兄さん、ぱちゅりー、きめぇ丸、こんにちは!!ゆっくりしていってね!!」」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 お互い挨拶を交わす。きめぇ丸は頭をシェイクしながられいむたちと遊んでいる。普通のゆっくりならきめぇ丸の高速シェイクに気絶するが、そこは愛でお兄さんの教育が しっかりしているのと長年付き合っているせいか、大丈夫なようだ。 4匹が仲良く遊んでいるのを二人は温かく見守りながら会話をする 「万能お兄さん、今日はどんなようだい?」 「じつはゆっくりについてみんなに話があるんだ、あとで村長宅に集合だよ」 「野生のゆっくりかい?困ったものだね…」 愛でお兄さんはゆっくりんピースというゆっくりを愛でる同志を募った協会に所属している。だが悪いゆっくりがいるのは許せないし、人に迷惑をかけるから殺されても 文句は言わないが ゆっくりを愛するものとして、死んでいくのを見るのは流石に辛い。それに悪いゆっくりを放置すれば、いいゆっくりにも影響が出るので、複雑な気持ちで渋い顔をして 彼は答えた。 「あぁ、野生のゆっくりが村を襲うかもしれないから、皆に話して対策をたてようと思うんだ」 「よくそんなのをつかんだね。さすがは万能お兄さんだ、この村の一番の実力者なのは伊達じゃないな」 「よしてくれ、僕は単に腹黒いだけさ」 「だが、そのおかげで村が発展したんだからさ、おまけにゆっくりを飼っているから私はみんなに変な目で見られないですむよ。 前住んでいた村ではゆっくりは敵だといわれてたからね。感謝しているよ」 「ははっ、ありがとう。じゃあ夕方村長宅に来てくれ。」 「ああ、わかったよ。」 「「またあそびにきてね!!」」 愛でお兄さんとゆっくりたちに別れの挨拶を告げ、万能お兄さんは我が家に着いた。 (続き)
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※かなり俺設定があります ※人と共存しているゆっくりがかなりいます ※虐待分は少ないです このSSは僕が初めて書いて投稿したやつです。 いろいろと設定とかに矛盾とかあったり、駄文で目を汚すかもしれませんが、どうか長い目でよろしくお願いします。 ゆっくりに関して一般人よりも思い入れがあるお兄さん達がいる。多少の違いはあれど、大まかに分けるなら、彼らは俗に3種類に分けられる。 愛でお兄さん 虐待お兄さん 虐殺お兄さん 愛でお兄さんはその名の通り、ゆっくりを愛してやまない人のことである。 多くの愛でお兄さんはゆっくりを愛でる協会「ゆっくりんピース」に所属していることが多い。が、いいゆっくりと悪いゆっくりを両方とも区別せず愛するというわけでわない。 前者はしっかりと愛でるが、後者は愛でず無視したり罰を与えたりする。(無視すると家、もしくは畑の被害が増すため主に罰したり捕まえて山に返したりする。 さすがに、ゆっくりを愛でているため命まではとらないようだ) 虐待お兄さんは読んで字のごとく。ゆっくりを虐待するのに生きがいを見出す人である。その虐待方法は筆舌しがたく、ゆっくりに対する虐待を人間にしたら、 尋問か拷問のスペシャリストへとスカウトされるかもしれない。 が、基本ゆっくりしか虐待しないし、虐待方法はゆっくりにしか通用しないので、ゆっくり虐待から人間の尋問or拷問への転職をしたなど、そういった話は今のところ出ていない。 いいゆっくりより悪いゆっくりを主に虐待する。いいゆっくりはペットというよりも家畜として利用するようだ。無論、平等に虐待するお兄さんもいる。 虐殺お兄さんは説明するまでもないが、虐殺することにのみ喜びを感じる人である。いいゆっくりだろうと悪いゆっくりだろうと関係なく、平等に殺戮する。 3人の中では最も筋骨隆々。どうでもいいが、筋肉順位的には「愛で<虐待<<虐殺」である。ウホッ、いい筋肉。 主に農場を襲う野生ゆっくり虐殺のほかにも、山へ登った人達の用心棒や猟師として活躍したりするので、虐殺以外にも仕事をする。 (無論ほかの二人も仕事はするが、二人は労力の半分以上をゆっくりに注いでいるのに対し、虐殺お兄さんは半分である) 3人の中では最も人口が少ない。 とある村では、その3人を混ぜたような存在がいる。 よく言えば「万能」、悪く言えば「中途半端で腹黒」。 これはそんな「万能お兄さん」とよばれる人のお話である…。 山で山菜を取っている青年がいる。彼の傍らにはゆっくりぱちゅりーときめぇ丸(胴付き)がいる。 「さすがに知らないところまで探検すると、世界が違って見えるなぁ。」 彼は万能お兄さん。冬を越すための食料を集めるため、山菜を取っている。いつもとは違う、まだ足を踏み入れていない場所へと今回は足を伸ばした。 ここいらには妖怪はでないが、まれに熊が出るため油断は禁物である。だが新たな発見があるかもしれないし、なにより村の人たちの知らない高級山菜 (マイタケ、マツタケ)などが見つかるかもしれないので、胸を躍らせながら 探検している。 「むきゅ、ご主人様、あそこにワラビがあるよ」 見逃していた山菜をゆちゅりーが見つけてくれた。 「おお、ぱちゅりーありがとう」 「むきゅん!あと、あそこのきにあけびが、その下に薬草があるよ!」 「あ、本当だ。いつも助かるよ、ぱちゅりー。きめぇ丸、悪いがあけびをとってくれないか?」 「了解でーす」 きめぇ丸が空を飛べるのを利用して、お兄さんの手に届かない果物などを取ってくれる。 「この薬草は頭痛薬になるわ、本でみたもん」 「へぇ、そうなのか。そういや虐殺お兄さんの弟さんが、頭痛で寝込んでいたっけな。彼のところにもっていこう」 薬草を採取しながら話す。3分の1は後のことを考えて残しておくことは忘れない。ちなみに、このゆちゅりーは頭脳が普通のゆちゅりーより高いので漢字を使うことができる。 「ご主人様、取ってきました」 きめぇ丸が袋にあけびをたくさん入れて戻ってきた。 「たくさん取ってきたね、よしよし」 お兄さんに頭を撫でられ喜びの表現として頭をはげしくシェイクした。 「あとご主人様、さきほどゆっくりの群れをみつけました」 「本当か?規模はどれくらい?」 「少ししか見えませんでしたが、かなり大規模な模様です。ドス級の存在も確認しました」 「ドス級か、ううむそれはちょっと問題あるかもなぁ」 お兄さんが頭を抱えた。 野生のゆっくりのほとんどは群れを作る。だが中には群れが群れを吸収し、ひとつのコミュニティまで成長する群れもある。そういった大規模な群れには必ずといっていいほど、 リーダー格の「ドス」や「クイーン」とよばれるものが存在した。 縄文時代や弥生時代のような村と村が合体して、王ができるのと同じ原理だ。 ドスはとにかくでかい。普通のゆっくりの大きさがサッカーかバスケットボールなみだとすると、ドスは5倍かそれ以上ある。 2,3mは優に超えているほか、ドスならではのドススパークや動きを封じ、相手を意のままにあやるつゆっくりオーラなどは脅威だ。どちらもドスの体内にあるドスキノコが源となっている。 その化け物じみた巨体と必殺技は人を殺せるほどの威力があるのはすでに確認済みだ。人間にとっては十分脅威であった。 ここでお兄さんはひとつの考えをだした。 「きめぇ丸、偵察してきてくれないか?ドスの今後の思惑とゆっくりの数、食料の備蓄などもできるかぎりの範囲で調べてきてくれ」 「了解しました、ご主人様。」 「あと、これ」 そういうと、きめぇ丸が先ほど取ってきたあけびと、お兄さんが取った山菜をいくらか渡した 「お前はほかのゆっくりから嫌われているからな、食べ物を渡して敵意がないことを示せば大丈夫だろう」 「さすが私のご主人様、では行ってきます」 そういうと、きめぇ丸は群れへと飛んでいった。 「さて、ぱちゅりー。僕らはおやつのあけびでも食べてのんびりしようか」 「むきゅきゅーん!!でもご主人様は頭が切れるのかのんびりなのかわからないわ」 「はっはっは、よく言われるよ」 お兄さんは朗らかに笑いながら石の上に座り、ゆちゅりーをひざの上に乗せてあけびを食べ始めた。 群れにたどり着いたきめぇ丸は挨拶をした。 「まいど、おなじみきめぇ丸です」 「ゆっ!きめぇ丸がきたんだぜ!!みんなドスのもとににげるんだぜ!!」 きめぇ丸をみたゆっくりたちは逃げるようにしてドスまりさの元に集まる。きめぇ丸自身もゆっくりが大嫌いなので助かる。 そして群れを束ねるドスまりさがでてきた。大きさは優に3m以上はある。 「ゆっ!!なにしにきたの!!まりさたちをいじめにきたのならどっかにいってね!!みんなをいじめるならただじゃおかないよ!!!」 「とんでもない、私に敵意はありませんよ。それよりあなたたちと仲良くなりたいのです、その証拠にこれを差し上げましょう」 といって、万能お兄さんからもらったあけびや山菜などを友好の印としてあげる。 「わーい!おいしそうなごはんだー!!!」 「くだものもあるよ!!」 「ゆっ!!どうもありがとう!!あなたはいっしょにゆっくりできるね!!ゆっくりしていってね!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 ドスは山菜などをもらえたのもうれしかったが、木に登ることができないのであけびがたくさんもらえたのはもっとうれしかった。 「気に入っていただけたようで何よりです」 本来、きめぇ丸はうれしいと頭を高速で動かす。この動きはゆっくりたちにとってゆっくりできないので、きめぇ丸が嫌われる原因でもある。 しかし、このきめぇ丸はそう返事しただけで頭を動かさなかった。お兄さんから躾けられているおかげである。 ゆっくりたちはこのきめぇ丸が頭を高速シェイクしないのでさらに気に入った。 「ところでドス、これから冬篭りですか?」 「ゆっ!!そうだよ!わたしたちはかずがおおいからしょくりょうをあつめるのもたいへんだよ!!」 「数はどれくらいですか?」 「うまれたばかりのあかちゃんもかぞえると200はいるよ!!」 きめぇ丸はざっと見渡した。ここにいるのはせいぜい50くらいだ、後のほとんどは食料を取りに行っているか、巣の中にいるのだろう。 きめぇ丸は、お兄さんからもらったカメラを使い写真を撮った。 「ゆっ!!なにしゃしんをとっているの!!かってにとらないでね!!!」 「いやぁ、あなたほどの偉大な方がこの大勢のゆっくりたちを束ねていると知ると感動しちゃってつい記念に撮っているんですよ。いけませんでしたか?」 「ゆっ!!それほどでもないよ!!じゃあ、あなたはわたしたちのなかまだからとくべつにとっていいよ!!きれいにとってね!!!」 「ドスのよさをわかっているなんて、ほかのきめぇ丸とはちがうぜ!!」 「このおねーしゃんとはゆっくちできるね!!」 ドスは相当慕われているようだ、ドスをほめただけでまわりのゆっくりたちがきめぇ丸をさらに信頼し、ついには仲間と認めた。 ドスは新たに仲間に加わったきめぇ丸をゆっくりたちに紹介した。 「このきめぇ丸はほかのきめぇ丸とはちがういいゆっくりだよ!!みんないっしょにゆっくりしようね!!」 「どうもきめぇ丸です」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 ドスはきめぇ丸に仲間を紹介した。 親子でなかよくすごしているれいむ、行動役のまりさ、知能の高いありすなど。このゆっくりたちの顔は皆笑顔にあふれている。よそのゆっくりの群れを強制的に襲ったり 略奪などはしていないようだ。きわめて平和だ。 「ところでドス。巣を見てもよろしいですか?これほど大規模な群れを程となるととてもおおきい。あなたの偉大な巣が見てみたいのです」 「ゆっ!!いいよ、きめぇ丸はなかまだもん!!すのなかをみせるね!!」 巣の中は広かった。ドスが住むくらいだから当たり前といえば当たり前だが。主に親子グループが巣の中にいる 巣の中を見渡すと、れいむのこどもたちが毛玉であそんでいた。熊の毛だ。おそらく熊が冬眠していた穴を利用しているのだろう。 ドスが入れる理由も理解した。 巣の奥にはさらに穴があった、新しく掘られたようだ、奥には食料が詰まれて山のようになっている。 「ドス、あれは冬篭り用の食料ですか?」 「ゆっ!!そうだよ!まだかずがたりないからしんぱいなんだ!!」 「では、冬篭り前に食料がたまらなかったらどうするのですか?」 「だいじょうぶ!なんとかなるよ!!いつもまりさたちはそうやってのりこえてきたもん!!」 たいした自信だ、さすがはドスの貫禄、といったところだろうか。 「さすがはドス、とてもかっこいいです。あなたは偉大です」 「ゆっ!!てれるよ!!」 おだてながら、きめぇ丸はシャッターを切る。ついでに巣の中も撮らせてもらった。無論偉大なドス、さすがドス。さいこうのゆっくりぷれいすなどおだてることを忘れない。 「ではドス、わたしも冬篭りの準備を始めますので失礼します」 「ゆっ!!わたしたちといっしょにくらさない?あなたならかんげいするよ!!」 「しかし、ドスたちの食料は足りていません。私が加わればさらに圧迫してしまうので、遠慮しておきます。でも、あなたたちに出会えてよかった。ご好意に感謝します」 「ゆぅぅ、ならしかたないね!!またあそびにきてね!!かんげいするよ!!」 「わかりました、またくるときはおみやげをもってきますね」 「きっとだよー!!」 そういって、きめぇ丸とドスまりさ率いる群れは別れたのだった。 きめぇ丸がいなくなったのを確認したドスまりさは改めて食料を見た。まだ冬篭りするための必要な量の半分ほどしか達していない。このままでは半分ほどしか生き残れないだろう。 「ゆっ!ドス!!ふもとにむらをみつけたんだぜ!!」 どうやら食料調達にいってきたまりさたちが帰ってきたようだ。そして見つけたことを報告する。 群れを率いる者として、長年の経験からして人間達と争うことはなんとしてでも避けたい。もし争うことになったら全滅は免れないからだ、ドスまりさは村を襲った ゆっくりの群れが全滅にあうのを何回も見てきた。 だがこのペースではどうしても間に合わない。村を襲い、群れ全体がゆっくりできるようにするのと、群れに多大な犠牲を払い、わずかな数だけ生き残るのとどちらの道がいいか。 彼女はしばらく悩んだ挙句、群れ全体に命令を下した。 「やまのふもとにむらをみつけたからあそこをおそうよ!!」 この発言に全員が驚いた。が、ドスの命令なので皆は従った。それに人間のほうが食料はおいしいのでいいことづくめだ。 「でもドス、しょうさんはあるの?」 群れの副リーダーでもあるありすが尋ねてきた。ほかのありすよりも大きく、クイーンと呼ばれている。ドスとクイーンは二人で群れを作り上げたリーダーだ。先ほどの食料探索から帰ってきたばかりなので、ドスの発言に驚いている。 「まえもすごくちいさいいえをおそったらかてたもん!!だいじょうぶだよ!!」 「そうだね!!まえおそったいえのじじいはよわかったしね!あそこのむらもせいこうするよ!!」 なるほど、一回成功したから味をしめ、今度も成功すると踏んでいるのか。それにクイーンありすがいるのは気づかなかった。 と、覗いているのはきめぇ丸。飛んでいったと見せかけ近くの所に降り、気づかれないように様子を見ている。もしかして、と思い、食料についていろいろ尋ねてよかった。 新たな情報が聞き出せた。 「おお、愚か愚か。よりによってご主人様にたてつくとは」 クイーンの写真を取り、彼女は万能お兄さんの元へ帰っていった。 「ただいまー」 きめぇ丸が帰ってきた。だがなんと、お兄さんとゆちゅりーはあろうことか昼寝をしている! 「ご主人様、起きてくださいな」 きめぇ丸が万能お兄さんを起こす。その姿は子供が親に「おーきーてー」とせがんでいるようだ。 「あぁ…、よく寝た。おはよう、きめぇ丸。あとこれはご褒美だよ」 ゆっくりの群れに偵察を命じておきながら自分は昼寝をする。図太い神経である。目をこすりながら、あけびを一つきめぇ丸に渡した。 「枯葉を敷き詰めて寝てみたら、すごく暖かいね。サバイバルの本をぱちゅりーがよんでくれたおかげだよ」 「むきゅん!!」 主人にほめられ喜ぶゆちゅりー。 「で、首尾はどうだった?」 と、きめぇ丸はあけびを食べ終え、は先ほどのことをすべて話した。 「これが写真です」 「前山小屋に住んでいるきこりのおじさんが村に「数え切れないゆっくりに襲われた!」って言って泣きながら帰ってきたけど、そのゆっくり達はこいつらだったのか。」 撮った写真もすべて見せた。お兄さんはまじめな顔をして考えている。しばらくすると立ち上がり。 「とりあえず帰ろうか、もう夕方だし」 「対策はしないのですか?村を襲うとまで言っているんですよ」 「むきゅん!いつものご主人様らしくないわ!いつもならすぐに対策をねるのに!」 きめぇ丸もゆちゅりーも意外と思い質問する。 「もちろん、対策はするよ。この写真どおりの備蓄量ならあと2週間後には襲ってくるよ、村を目指してね。」 お兄さんが放った言葉に二人は固まる。あと2週間?どういうことだ? 「対策はそこそこでいいよ、このグループは見たところ、ドスとクイーンによって物凄く統率が取れている。ドスも人間に刃向かおうとしているけど、 彼女はあくまで非常手段として使うはずさ。伊達にドスはしていないだろうしね。 だからできる範囲で餌を集め、それでもたまらなかったら襲うだろう。」 「「なるほど」」 二匹は納得した。 「じゃあ帰ろうか、あときめぇ丸。群れに行った時頭を振れなくてきつかったでしょ、思う存分振っていいよ」 とお兄さんはきめぇ丸とゆちゅりーを抱きかかえるようにした。二匹はうれしそうに顔を摺り寄せている。きめぇ丸は頭をシェイクしながらほお擦りしている。 万能お兄さんと2匹のゆっくりは山を降りた、ちょうどその頃。 「ドス!むらはいつおそうんだぜ!!はやくにんげんどもをいじめたいんだぜ」 まりさたちが聞いてきた、ゲス根性むき出しである 「みんな!むらはおそうけど、それは2しゅうかんたってもしょくりょうがあつまらなかったらだよ!!それまでにむやみにてをだしたらいけないからね!!」 ドスの宣言により群れ全体が沸き立つ。不満を言うものもいるがドスは気にしない。 これでいい、村を襲うのは非常手段だ。もっとも襲うというよりも食料を分けてもらうように「お願い」をするのだが。 村に帰ってきた万能お兄さんは行きかう人々と挨拶を交わした。彼はこの村では知らない人はいないほどの実力者である。 「おっ!お兄さん、いい野菜ができたよ。いつも世話になっているからあとで持っていくよ!」 「ありがとうございます。でももらってばかりでは悪いので、先ほど取ってきた山菜と交換しましょう」 「あっ、あんちゃんおかえりー!あとでゆっくりたちと遊んでいい?」 「ああ、いいよ!怪我には気をつけてね」 「おっ、お兄さん、後でちょっと手伝ってほしいことがあるんだが頼めるかい?」 「わかりました、でも僕も用事があるので後でそちらに伺いますね。」 村は活気があり、ところどころに飼われているゆっくりも見かける。とてもとても平和な村だ。 お兄さんはある家にたどり着いた。 「おばさん、ごめんくださーい!」 しばらくするとおばさんがやってきた 「あら!万能お兄さん、いらっしゃい!!」 「お宅の次男君が頭痛で寝込んでいるので、薬草を持ってきました」 「あらやだ、助かるわぁ~。さぁさぁ、家にあがってくださいな、お茶も持ってきますからね」 お兄さんは上がらせてもらい、寝込んでいる次男のもとへやってきた 「やぁ、次男君。大丈夫かい?」 「あ、万能のあんちゃん。まだ頭が痛いけど大丈夫だよ」 「君が苦しんでいるから、頭痛薬を取ってきたよ」 「ほんと?ありがとう、あんちゃん!」 「いつもいつも助かるわね~」 おばさんがお茶菓子を持ってきた。お兄さんのだけでなく、きめぇ丸とゆちゅりーの分もある。 「礼を言うのはこいつに言ってください。こいつが頭痛薬となる薬草を見つけてくれたんですよ」 と、ゆちゅりーの頭を撫でながら言う 「本当、ぱちゅりーちゃんありがとね~」 「ぱちゅりー、ありがとう」 二人に頭を撫でられ、ぱちゅりーはとてもよろこんでいた。 「あとおばさん、虐殺お兄さんはいますか?用があるんですけども。あとこれ、山で取ってきたあけびです。食べてください。」 「あらあらいいあけび!本当にありがとうね。あと長男ね、もうすぐ帰ってくると思うわ」 「もう帰ってきたぞ」 と後ろで野太い声がしたので、振り向くと筋骨隆々な青年が立っていた。 「あ、あんちゃんお帰り」 「おう、ただいま。ところで弟よ、頭痛は大丈夫か?」 「さっき万能のあんちゃんが薬草持ってきたんだ、これで治るよ」 「そうか、万能お兄さん。いつもすまないな。」 「気にしないでくれ、心友の弟が困っているんだ。助けないわけには行かないさ、あと薬草はこいつが見つけてくれたから、礼はこいつに言ってくれよ」 とゆちゅりーを指差す。虐殺お兄さんは、ゆちゅりーにむかって大きな手を伸ばし 「すまんな」 といって軽く撫でる。ゆっくりを虐殺する虐殺お兄さんとはいえ、他人のペットを殺したりいじめたりするようなことはしない。心友のであるなら尚更だ。 「ところで用とはなんだ?」 「あとで村の者を集めてくれないか?皆に話があるんだ。虐待お兄さんと、愛でお兄さんには僕が言っておくから。」 「ああ、わかった。ところでどんな話なんだ」 「君の好きなゆっくりについてだよ、久しぶりに虐殺ができるよ」 ニヤリと笑いながら万能お兄さんは話した、虐殺お兄さんはそれを聞いて非常に喜んでいる。 「それは楽しみだな、最近やってないから腕がなまっていたところだ。後で村長も呼んでおくから、村長宅に集合だ」 「ああ、頼んだよ」 そういうと、万能お兄さんは家を離れ、虐待お兄さんの家についた 「おおーい、虐待お兄さん!」 大声で呼ぶと、虐待お兄さんが体を餡子まみれにしながらやってきた 「ごめん、「お楽しみ」の最中だったかい?」 「なんだ万能お兄さんか、せっかく楽しんでいたところだけど、心友をほっとくわけにはいかねぇしな。後でさらに楽しませてもらうぜ」 「ははっ、気の毒なことをしたね」 「後で虐待するゆっくりにな」 そういうと二人はひとしきり笑った。 「ところで何のようだ?」 「後で村長宅に集まってくれ、僕からみんなに話があるんだ。君にとっても悪くない話だよ?」 「へぇ、どんな話だよ。つまんなかったら帰らせてもらうぜ。もっとも、あんたがつまらない話をしたことなんてないがな」 「ゆっくりについてだよ、最近君もゆっくりを虐待したのはいいけど死んで数が減っているから困っているんじゃないか?」 「渡りに船ってやつはこのことだな。わかった、後でいくぜ。あときめぇ丸とぱちゅりー、虐待されたかったらいつでもこいよ」 「「おことわりします」」 「おいおい、僕の大切なパートナーを誘わないでくれよ」 「へっへっへ、冗談だよ、冗談」 次は愛でお兄さんの家にやってきた 「愛でお兄さんやっほー!」 「「やっほー!」」 元気よくお兄さんと2匹が声を掛ける。虐待と虐殺おにいさんは怖いので声を掛けないが、愛でお兄さんはいじめたりしないので、ゆっくりは安心できる。 「やぁ、いらっしゃい、よく来たね。」 村では洋風な家にすんでいる、紅茶の似合う青年が来た。足元にはゆっくりれいむとまりさがいる。 「「万能お兄さん、ぱちゅりー、きめぇ丸、こんにちは!!ゆっくりしていってね!!」」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 お互い挨拶を交わす。きめぇ丸は頭をシェイクしながられいむたちと遊んでいる。普通のゆっくりならきめぇ丸の高速シェイクに気絶するが、そこは愛でお兄さんの教育が しっかりしているのと長年付き合っているせいか、大丈夫なようだ。 4匹が仲良く遊んでいるのを二人は温かく見守りながら会話をする 「万能お兄さん、今日はどんなようだい?」 「じつはゆっくりについてみんなに話があるんだ、あとで村長宅に集合だよ」 「野生のゆっくりかい?困ったものだね…」 愛でお兄さんはゆっくりんピースというゆっくりを愛でる同志を募った協会に所属している。だが悪いゆっくりがいるのは許せないし、人に迷惑をかけるから殺されても 文句は言わないが ゆっくりを愛するものとして、死んでいくのを見るのは流石に辛い。それに悪いゆっくりを放置すれば、いいゆっくりにも影響が出るので、複雑な気持ちで渋い顔をして 彼は答えた。 「あぁ、野生のゆっくりが村を襲うかもしれないから、皆に話して対策をたてようと思うんだ」 「よくそんなのをつかんだね。さすがは万能お兄さんだ、この村の一番の実力者なのは伊達じゃないな」 「よしてくれ、僕は単に腹黒いだけさ」 「だが、そのおかげで村が発展したんだからさ、おまけにゆっくりを飼っているから私はみんなに変な目で見られないですむよ。 前住んでいた村ではゆっくりは敵だといわれてたからね。感謝しているよ」 「ははっ、ありがとう。じゃあ夕方村長宅に来てくれ。」 「ああ、わかったよ。」 「「またあそびにきてね!!」」 愛でお兄さんとゆっくりたちに別れの挨拶を告げ、万能お兄さんは我が家に着いた。 (続き) 選択肢 投票 しあわせー! (4) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (2) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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※かなり俺設定があります ※虐待分はかなり少ないです ※人が死んだり、襲われたりしますのでご注意 ※人様のネタをリスペクトさせて使わせてもらっています。 万能お兄さん3(fuku2844)の続編です。 ドスを山へ返した後、きめぇ丸Aは万能お兄さんから頼まれたことをやり遂げるために、ドスの群れへと飛んでいる。 手には警戒されないための、念のため用意しておいた手土産(賞味期限切れの食べ物や、傷んだ野菜等)を持たせておいた。 「ドス!?どうしたの!?」 群れの副リーダーである、クイーンありすが満身創痍のドスへと駆け寄った。あちこち怪我をしている上、片目がない。 他の仲間達も、ドスを心配して寄り添ってきた。 「ゆぅぅ、ごめんね…。皆死んじゃった…」 「「「「「「う゛ぞぉ゛お゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!」」」」」」 「ばり゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁああああああ!!!!!!!」 「でい゛ぶう゛う゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅううううううううううう!!!!!!!!」 無理もない、群れの総数200匹中半分の100匹が返らぬ饅頭となったのだ、その中には愛していたものも居ただろう。 ゆっくり達は、ゆんゆんと泣き始めた。 「でも、安心してね!私は人間に負けたけど、彼らは許してくれたよ!!」 「「「ゆっ!?ほんとう?」」」 「うん!だって、わたしはつかまったけど、彼らに謝ったらちゃんと許してくれて、山に帰っていいって言われたもん!!」 「ゆーっ!!すごいすごい!!」 「さすがはドスなんだぜ!!」 「そして、彼らが野菜もくれたんだよ!!」 「ゆーっ!!すごいよ!!さすがドスだね!!」 「わたしたちのリーダーは、やっぱりドスがふさわしいんだぜ!!」 先ほどまで、愛するものを、家族を亡くしたという事実に嘆いていたのと同じ連中とは思えないほどの切り替えの速さ。 さすが餡子脳、ここまでいくと感心する。 「でもドス、これからどうするの?まだ食料が足りないよ?」 「ゆぅぅぅ…まだまだ足りないね…」 群れが半分に減り、万能お兄さんからもらった食料を足しても、冬篭りする量にはまだ達していなかった。村を襲う前までは半分に達していて、 群れがギリギリ越せる量だったが、最近考えなしに繁殖したために、足りなくなってしまったのだ。 それほどまでに数が多い。 これからどうするか?活動できる日も、残りわずかしかない。 そこに、上空から頃合を見ていたきめぇ丸が降りてきた。 「まいどー、いつも通りのきめぇ丸です」 「ゆっ!きめぇ丸!!こんにちは、ゆっくりしていってね!!」 ドスが好意的な挨拶をする。まだ、きめぇ丸のことは覚えていてくれたようだ。彼女はそのことに安堵し、 「とりあえず、前言った通りのお土産ですよ。どうぞ受け取ってください」 「ゆっ!!ありがとう!!…ゆぅ、まだ足りない」 きめぇ丸からもらった手土産を見て、ため息をついた。ほんの少ししか足しにならない。まだまだ冬篭りできる量には達しない。 「ドス、食料を見てどうしたのですか?冬篭りする量が足りないのですか?」 「ゆぅ、そうなの。仲間が半分に減ってもまだまだ足りないの。このままだと、群れの皆がゆっくりできなくなっちゃう…」 お兄さんの目論見どおりだ。まだまだ足りていない、このままだと群れが全滅コースへと直進するのは目に見えている。 そこに助け舟を出すように、きめぇ丸は話し始めた。 「そうですか…。ひとつ、救う方法があります」 「ゆゅっ!!本当!!??」 「はい…、でも…」 「ゆっ!!おしえてね!!どんなことでもいいからおしえてね!!」 「しかし、これは非常に危険な行為ですよ?」 「どんなに危険なことでもかまわないよ!!ゆっくりしないではやくおしえてね!!」 「本当ですか?場合によっては、群れが全滅するかもしれないんですよ?」 「ゆぐっ!…」 そう聞かされて、ドスは足踏みした。群れを全滅させたくない、それは群れのリーダーとして当然の責務だ。 だが、彼女の危険な話は、もしかしたら群れの皆を救うかもしれない。どのみち、このままだと食料が足りなくて、 群れがほぼ全滅するのは目に見えている。藁をも掴むとはこのことだ、ドスは意を決して答えた。 「ゆっ!!このままだと食料が足りなくて、冬篭り中に群れが全滅するのはわかっているもん!!すこしでも皆を助けたいなら、 わたしはなんだってする!!」 「どずぅうぅ、ゆっゆっゆっ」 「がっごいいよ、どずうぅぅ」 ドスの覚悟を決めた台詞に、ゆっくりたちが感動し、むせび泣いている。なんとも涙を誘うような光景だ。 その台詞を待っていた、といわんばかりにきめぇ丸はほくそ笑む。 「わかりました、では話します。ゆっくり驚かないで、聞いてくださいね」 「ゆっくり聞くよ!!」 「では、話します。今居るこの山を北に進んで山を越え、その先の山をさらに越えたところに、寒村があります。四方を山に囲まれた寒村です」 「ゆっ?寒村?」 「ようは、人が少なくなった、寂れた村のことです。私が言った、皆を救う方法はこの村を乗っ取る事なんです」 「「「「ゆぅぅっ!!??」」」」 一同驚いた。無理もない、先ほどドスが村を襲ったものの、群れの半分を失うほどの痛手を被ったのだ。 皆が困ったような表情を見て、きめぇ丸は。 「でも、この村は10人足らず。しかも老人とおじさんくらいしか住んでいません。大丈夫です、皆さんなら、そしてドスなら この村を乗っ取ることができるでしょう」 そういって励ました後、きめぇ丸は村の写真を見せた。万能お兄さんの指示で、定期的に偵察をしていたものだ。 写真を見るうちに、ゆっくりたちの表情が晴れていく。 「ゆっ!このくらいしかにんげんがいないならよゆうだね!!」 「まりさたちのほうがかずがおおいから、こいつらなんかいちころなんだぜ!!」 「じじいとばばあとおじんしかいないなら、とかいはのわたしでもたおせるわ!!」 ゆっくりたちが元気を取り戻していく、やる気まんまんといった所だ。 だが、ドスはあまり浮かんだ顔をしていない。 「ゆぅ…」 ドスは悩んでいた。きめぇ丸の情報通りのこの村なら、群れ全体を冬でもゆっくりさせることができる。 だが、問題は先ほど交わしたお兄さんとの約束だ。 -もし君達がまた村を襲ったりしたら…。その時は、僕は君達を殺すからね?2度目はないと思ってね?- あの約束が、頭の中を駆け巡る。自分を見逃してくれた、優しいお兄さん。 彼の約束は破りたくない…、でも群れの皆を死なせたくはない…。 「ドス、なにを悩んでいるのですか?」 きめぇ丸が尋ねた。 「ゆっ、どうしようかなとおもって…」 「何をどうするんですか?群れの皆と仲良く死ぬことですか?あなたは約束を守るのと、群れを守るのと、どっちを選ぶんですか? あなたはその程度の覚悟で、わたしに群れを救う方法を聞いたのですか?」 矢継ぎ早に攻めるきめぇ丸。 そうだ、何を迷っているんだ。群れを守るのが大切だ、皆私を慕ってくれているんだ。だから私はそれに答えなければ…。 でも…。 「どうやら、まだ悩んでいるようですね。でも、その村を乗っ取って住めばいいことでしょう?こっちに戻ってこなければいいだけでしょう? それに、あの村と今から襲う村では遠く離れていますし、なによりこの村は閉鎖的なんです。村が滅んだことを知るものなどいませんよ」 きめぇ丸のこの言葉が、ドスの憂いを払った。そうだ、きめぇ丸の言うとおりにすれば、あのお兄さんに怒られることはない。 大丈夫だ、うまくいく、なぜならわたしはドスなんだから。 「みんなをゆっくりさせるために、この寒村を襲うよ!!みんな、いまから移動しよう!!」 ドスの号令の下、直ちに移動準備が始まった。倉庫の食料も全て持ち、目指すは北の寒村。 「ドス、ついに決心したのですね、私はとてもうれしいです」 ときめぇ丸が謝辞を送る。うれしいのはもちろん、主人の意向にそった行動を取ったからだ、これで私が褒められるのは間違いない。 「ドス、あなたにこれを送りましょう。これから歴史に名を残すかもしれないので」 きめぇ丸はそういうと、眼帯を渡した。片目がつぶれたドスまりさが幾分かかっこよくみえ、仲間も喜んだ。 「ゆっ!!きめぇ丸ありがとう!!あなたは私達の大切な仲間だよ!!」 きめぇ丸に礼を言うと、ドスは群れを率いて準備を始めた。 自分達がゆっくりするために、皆で冬を越すために、長い長い道のりを突き進む。 ゆっくり達の、山を二つも越える大移動が始まった。 お兄さん達が住んでいる村は町からあまり離れていない。 町は村から7kmほどの距離しかないので、気軽に(といっても自転車で30分以上だが)町へいけるために、一昔前では村の過疎化が進んでいた。 だが「ゆっくり」なる生物が登場してからというもの、村に人が帰ってきた。 大部分はゆっくりを虐待することを目的としたり、加工所へ持っていって生計を立てたりする人が占めている。 それでも、村は村。人口が少ないのにはかわりがない。 だが、人々は幸せだった。 きめぇ丸Aがドスの群れを操っていた頃、きめぇ丸Bは「調べたいことがある」と万能お兄さんに頼まれて、加工所へとやってきた。 加工所の若い社員が 「お!きめぇ丸がきたぞ!!捕まえろ!!」 と直ちに捕獲しようとしたが、胸にあるバッチを見てあわててやめた。 「まいどー、清く正しいきめぇ丸です」 「あっ、万能お兄さんのきめぇ丸ですか。こんにちは」 きめぇ丸のみならず、お兄さんの家のゆっくりには「万」の字がはいったバッチがついている。 理由は飼いゆっくりであることを示すためだ。こうでもしないと、飼いゆっくりといえど虐待される恐れがある。 飼っているゆっくりはこうして飼われていることを示せば、どこの人里に行っても安全である。 すると、きめぇ丸を捕まえようとした社員に拳骨が降ってきた。 「バッカモン!!勇み足で捕まえようとするんじゃない!!それにきめぇ丸はゆっくりだが人間に友好的なんだ!! 間違っても捕まえるようなことはするなと何度もいっとろうが!!」 と、叱られた。その様子をみたきめぇ丸が 「おお、いたいいたい」 「す、すいません、おやっさん!ゆっくりを見ると、昔の虐待お兄さんとしての血が騒いでしまって…。し、静まれ俺の右腕っ!!」 「おお、ゆかいゆかい」 と笑うきめぇ丸。気を取り直して、おやっさんと呼ばれた人が 「すいませんね、うちの若いのが捕まえようとして、申し訳ないです。」 「誰でも間違いはあるというもの、気にしておりません。それよりも、私はご主人様の伝言と質問できたのです」 「ほう、伝言と質問ですか。またもやゆっくりですか?」 「ええ、その通りです。今度ゆっくりを大量に捕獲するから手伝ってほしいとのことです」 「いつもお世話になっている万能お兄さんの頼みとあらば、断る理由はありませんな。わかりました。」 「承諾していただき、誠に有難うございます。ご主人様に代わり、礼を申し上げます。」 「いえいえ、おきになさらず。ところでそれはいつですかな?」 「主人は今から約3,4ヶ月後の春に、村をドスを含んだ大規模な群れが襲うといっております」 「なんと、ドスですか!!最近みかけておりませんでしたので、楽しみですね」 「ええ、ですがドスはドス。最悪の場合人死にがでるかもしれません。主人はそれを一番危惧しておられます。」 「ええ、私達もドスのせいで骨折したり、大怪我を負ったものも少なからず居ますからね、よくわかります。」 そこできめぇ丸は質問した。 「ところで、主人がドスの餡子の味と価値について聞きたいことがあるといっていたんですが、教えてもらえないでしょうか?」 「もちろんですよ!ドスは我々にとっても宝と呼べる存在です。普通のゆっくりは成長すると餡子がパサパサしておいしくありません。 これはドスにも当てはまる…。と思いきや、最近では違うようなんです。ドスは年季が入っているおかげで、餡子が凄く熟成されていて 成体ゆっくりとは一味違う味になっているんです。その味は甘すぎず、しっとりとして、ややお酒が入ったような…。よく説明できませんが、 一流菓子店で作られているような餡子の味と同じか、それ以上の味がするんですよ。簡単に言えば、熟成ワインと同じですね。 年季が入ったワインと、そうでないワインでは、味も値段も違います。つまりはそういうことです。」 「なるほど、いいことづくめですね」 「といいたいところなのですが、世の中そんなに甘くないんですよ。餡子なだけに」 「プッ」 親父ギャグなのだろうか、思わずきめぇ丸は吹いてしまった。おやっさんは受けてくれたことがうれしく、上機嫌になって話し始めた。 「ただ、今言ったのは一部のドスにしか当てはまらないんですよ。ドスといえば、群れを守る存在です。 群れを守るといっても、人とかかわらないようにしている良いドスと、人に高圧的に接したり、他の群れを襲ったりするような ゲスなドスとでは、前者のほうが味がいいんですよ。これには理由があるんです。」 「理由、ですか?」 「ええ、ゲスなほうはそれはそれでコクはあるんです。が、ゲスというのはほとんどのゆっくりに当てはまるんですよね。 まぁ、ゆっくり自体傲慢な存在ですから、広い意味では全てのゆっくりはゲスと言えましょう。家に侵入してくるゆっくり と同じくらいポピュラーだと思ってくれれば助かります」 「なるほど、では前者の良いドスについては?」 「まず言える事ですが、ゆっくりの生態上、野生のゆっくりが求めるゆっくりぷれいすはどんどん求めていくと、必然的に 人里に近くなるんですよ。開けた場所であること、近くに川があること、森には豊かな食材があること、狩りに適した動物がいること。 危険な生物がいないこと。つまるところ、人間が住むところとゆっくりが住むところは同じといえますね。 で、ドスも群れをゆっくりさせるという義務感があります。極稀に、群れを率いらず単独でゆっくりできるほど悟りを開いた狼ドスも いますがね。群れを率いるドスも、ゆっくりぷれいすを探すと必然的に人里に近づき、それにより問題が発生するのはわかりますね?」 「ええ、人里に近づいたゆっくりは、畑を襲い、それにより人間と対立し、滅びる。ですね」 我が意を得たりといった感じで、おやっさんがうなずく。 「そうなんですよ、やつらはやはり餡子脳だからでしょうか?何度も同じことを繰り返すんですよね。中には不可侵条約を結んだりも しますが、はっきりいって群れより弱い村ぐらいにしか通用しないでしょうな。話を戻しますが、良いドスのほうが味がいいというのは ここから始まるんですよ。彼女は群れをゆっくりさせるためにがんばります。ですが、よほど統率が取れていない限り問題を起こします。 勝手に村に降りて、畑を襲い、人の不信感を買い、どうするか悩む。実はこの過程のドスの苦悩は虐待されているのとほぼ同じらしいんですよ。 どうすべきか悩むところで、精神的に来るからでしょうか?これにより餡子の熟成が始まるそうなんですよ。 あとは彼女を上手く捕まえたら、良質な餡子が手に入るでしょう。」 「なるほど、ではそれ以上に味をよくすることはできるんでしょうか?」 おやっさんは考えた。そして重々しく口を開いた 「ないことはないんですが…、非常に難しいと思いますよ?」 「お願いします、教えてください。」 「わかりました。これより美味しくするには、ゆっくり→虐待→ゆっくり→虐待を繰り返せばいいのです。 村の近くでゆっくりし、村と揉め事起こすところで1ループは完了し、それだけでも味はよくなります。しかし、人間の限界としては 2ループが限界と思います。さすがに3ループまでいけば、歴史を残すほどの味となるかもしれませんが、不可能ですね」 「なぜ不可能なんですか?」 「それはひとえに、ドスであることと、村の人たちの我慢の限界が関係しているからです。ドスはゆっくりたち以上の知能があるので、 3ループまで持っていこうとするときには、バカじゃないので被害が増える前に村のそばから離れていくと思いますし、襲われている 村も何回も襲われるのを我慢できるほど強くはないでしょう。村の存亡にかかわりますからね。ですからせいぜい2ループまで持っていけば 物凄い味になると思いますよ。もっとも大抵は1ループで終わるので、2ループまで持っていったことのあるドスはみたことありませんがね 2ループまでもっていったら大した物ですよ。こちらとしても破格、いや、それ以上の値段で買い取らせてもらいますよ」 「では大体いくらくらいで買い取ってくれるのでしょうか?主人はその相場を知りたがっていますので」 「わかりました、少々お待ちください。えーと、ドスであること、熟成餡子、市場での需要供給ラインはと…」 と、ポケットから電卓を取り出し、計算を始めた。 「これくらいですね。」 とおやっさんが電卓の数字を見せた。普通のゆっくりを売り飛ばすなんて比べ物にならないくらいの大金。 普通に働いている人でも、今すぐにゆっくり狩を始めたくなるような額が、電卓に表示されていた。 普通のドスを売り飛ばす値段の、約3倍、いや5倍はあった。 小さな村くらいなら運営できるほどの大金が、その電卓に表示されていた。 それをみたきめぇ丸が 「わかりました、どうもありがとうございます。これでなんとかなりそうです」 と答えた。これで、ご主人様の目標金額に達する。主人の喜ぶ顔が目に浮かび、きめぇ丸は喜んだ。思わず頭を高速シェイクする。 「そうですか、ありがとうございます。万能お兄さんに、よしなにと伝えてください」 「はい、わかりました。こちらこそ親切にさせていただき、誠に有難うございます」 聞きたかったことも聞けたし、書き留めておくこともしたので、きめぇ丸は家へと帰っていった。 きめぇ丸Bが加工所から家に帰ってきたと同時に、Aも帰ってきた。Bが話しかける 「お帰りなさい、姉さん。どうやらそちらの首尾は上手く言ったようですね」 姉であるAは頭を振りながら答える。 「何もかもが上手くいきますよ、ご主人様の目論見どおりです。なんとも愚かな生き物ですね、ゆっくりは。そちらはどうですか?」 Bも頭を振りながら 「ご主人様の聞きたいことは、すべて聞くことができました。あとは報告するだけです」 「私もです、とりあえず家に入りましょう」 「そうしましょう」 家にたどり着き、窓から2階の万能お兄さんの部屋へと入る。彼は机でうたた寝をしていた。 きめぇ丸Bは寝ている彼を優しく起こし、書いてあるメモを見せ、きめぇ丸Aは下の台所へいき、コップ一杯の水を持ってきた。 「ありがとう」 彼は礼を言って、水を飲みつつメモを読む。その途中、きめぇ丸Aが報告する。 「ご主人様の思惑通りに事が進んでいます。あの群れには私がいろいろと助言したので、村にたどり着くのも時間の問題でしょう」 「そうかい、どうもありがとう。じゃあ、村の観察と3人のマークもお願いね」 「その件について報告もあります…、どうやらあの村の村長は死んだようです」 メモを読むのをやめ、お兄さんはAを見る。 「…本当かい?」 「はい、ドスを村へと移動させた後偵察に言ったんですが、前回偵察した1ヶ月の間に亡くなったようです」 そういって、村にある墓所の写真を見せた。確かに村長の名前が書かれてある。 「そうか…、死んだのか…」 「驚かないのですね」 「いや、驚いているさ。ただ時間がかなり経ってしまったからね、その分感動も薄れてしまったのかもしれない…ただ」 と、メモを読み終え、水を一杯飲んで一息ついて答えた。 「死ぬのなら、僕が手を下したかったよ…」 そういって、天井を仰いだ。心底残念そうだ。 「ただ、ここまで来たらもう止まらないねぇ。後は計画通りに事を進めるだけだ、それだけだ…たったそれだけ…なんだ」 と、彼は呟いた。手は震えている。その震えは、滅多にないチャンスに喜ぶ感動なのか、村と友人を利用して、失敗したことを恐れる恐怖から 来るものなのかはわからない。 彼は震えを押さえるようにして、コップに残っていた水を飲み干した。 「あの村から出て行って、この村についてからもう10年も経ったのかぁ…早いもんだなぁ」 彼は箪笥の上の、2つの写真へと目を移した。過去の思い出がよみがえる…。 後編へ
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※かなり俺設定があります ※人と共存しているゆっくりがかなりいます ※虐待分は少ないです このSSは僕が初めて書いて投稿したやつです。 いろいろと設定とかに矛盾とかあったり、駄文で目を汚すかもしれませんが、どうか長い目でよろしくお願いします。 ゆっくりに関して一般人よりも思い入れがあるお兄さん達がいる。多少の違いはあれど、大まかに分けるなら、彼らは俗に3種類に分けられる。 愛でお兄さん 虐待お兄さん 虐殺お兄さん 愛でお兄さんはその名の通り、ゆっくりを愛してやまない人のことである。 多くの愛でお兄さんはゆっくりを愛でる協会「ゆっくりんピース」に所属していることが多い。が、いいゆっくりと悪いゆっくりを両方とも区別せず愛するというわけでわない。 前者はしっかりと愛でるが、後者は愛でず無視したり罰を与えたりする。(無視すると家、もしくは畑の被害が増すため主に罰したり捕まえて山に返したりする。 さすがに、ゆっくりを愛でているため命まではとらないようだ) 虐待お兄さんは読んで字のごとく。ゆっくりを虐待するのに生きがいを見出す人である。その虐待方法は筆舌しがたく、ゆっくりに対する虐待を人間にしたら、 尋問か拷問のスペシャリストへとスカウトされるかもしれない。 が、基本ゆっくりしか虐待しないし、虐待方法はゆっくりにしか通用しないので、ゆっくり虐待から人間の尋問or拷問への転職をしたなど、そういった話は今のところ出ていない。 いいゆっくりより悪いゆっくりを主に虐待する。いいゆっくりはペットというよりも家畜として利用するようだ。無論、平等に虐待するお兄さんもいる。 虐殺お兄さんは説明するまでもないが、虐殺することにのみ喜びを感じる人である。いいゆっくりだろうと悪いゆっくりだろうと関係なく、平等に殺戮する。 3人の中では最も筋骨隆々。どうでもいいが、筋肉順位的には「愛で<虐待<<虐殺」である。ウホッ、いい筋肉。 主に農場を襲う野生ゆっくり虐殺のほかにも、山へ登った人達の用心棒や猟師として活躍したりするので、虐殺以外にも仕事をする。 (無論ほかの二人も仕事はするが、二人は労力の半分以上をゆっくりに注いでいるのに対し、虐殺お兄さんは半分である) 3人の中では最も人口が少ない。 とある村では、その3人を混ぜたような存在がいる。 よく言えば「万能」、悪く言えば「中途半端で腹黒」。 これはそんな「万能お兄さん」とよばれる人のお話である…。 山で山菜を取っている青年がいる。彼の傍らにはゆっくりぱちゅりーときめぇ丸(胴付き)がいる。 「さすがに知らないところまで探検すると、世界が違って見えるなぁ。」 彼は万能お兄さん。冬を越すための食料を集めるため、山菜を取っている。いつもとは違う、まだ足を踏み入れていない場所へと今回は足を伸ばした。 ここいらには妖怪はでないが、まれに熊が出るため油断は禁物である。だが新たな発見があるかもしれないし、なにより村の人たちの知らない高級山菜 (マイタケ、マツタケ)などが見つかるかもしれないので、胸を躍らせながら 探検している。 「むきゅ、ご主人様、あそこにワラビがあるよ」 見逃していた山菜をゆちゅりーが見つけてくれた。 「おお、ぱちゅりーありがとう」 「むきゅん!あと、あそこのきにあけびが、その下に薬草があるよ!」 「あ、本当だ。いつも助かるよ、ぱちゅりー。きめぇ丸、悪いがあけびをとってくれないか?」 「了解でーす」 きめぇ丸が空を飛べるのを利用して、お兄さんの手に届かない果物などを取ってくれる。 「この薬草は頭痛薬になるわ、本でみたもん」 「へぇ、そうなのか。そういや虐殺お兄さんの弟さんが、頭痛で寝込んでいたっけな。彼のところにもっていこう」 薬草を採取しながら話す。3分の1は後のことを考えて残しておくことは忘れない。ちなみに、このゆちゅりーは頭脳が普通のゆちゅりーより高いので漢字を使うことができる。 「ご主人様、取ってきました」 きめぇ丸が袋にあけびをたくさん入れて戻ってきた。 「たくさん取ってきたね、よしよし」 お兄さんに頭を撫でられ喜びの表現として頭をはげしくシェイクした。 「あとご主人様、さきほどゆっくりの群れをみつけました」 「本当か?規模はどれくらい?」 「少ししか見えませんでしたが、かなり大規模な模様です。ドス級の存在も確認しました」 「ドス級か、ううむそれはちょっと問題あるかもなぁ」 お兄さんが頭を抱えた。 野生のゆっくりのほとんどは群れを作る。だが中には群れが群れを吸収し、ひとつのコミュニティまで成長する群れもある。そういった大規模な群れには必ずといっていいほど、 リーダー格の「ドス」や「クイーン」とよばれるものが存在した。 縄文時代や弥生時代のような村と村が合体して、王ができるのと同じ原理だ。 ドスはとにかくでかい。普通のゆっくりの大きさがサッカーかバスケットボールなみだとすると、ドスは5倍かそれ以上ある。 2,3mは優に超えているほか、ドスならではのドススパークや動きを封じ、相手を意のままにあやるつゆっくりオーラなどは脅威だ。どちらもドスの体内にあるドスキノコが源となっている。 その化け物じみた巨体と必殺技は人を殺せるほどの威力があるのはすでに確認済みだ。人間にとっては十分脅威であった。 ここでお兄さんはひとつの考えをだした。 「きめぇ丸、偵察してきてくれないか?ドスの今後の思惑とゆっくりの数、食料の備蓄などもできるかぎりの範囲で調べてきてくれ」 「了解しました、ご主人様。」 「あと、これ」 そういうと、きめぇ丸が先ほど取ってきたあけびと、お兄さんが取った山菜をいくらか渡した 「お前はほかのゆっくりから嫌われているからな、食べ物を渡して敵意がないことを示せば大丈夫だろう」 「さすが私のご主人様、では行ってきます」 そういうと、きめぇ丸は群れへと飛んでいった。 「さて、ぱちゅりー。僕らはおやつのあけびでも食べてのんびりしようか」 「むきゅきゅーん!!でもご主人様は頭が切れるのかのんびりなのかわからないわ」 「はっはっは、よく言われるよ」 お兄さんは朗らかに笑いながら石の上に座り、ゆちゅりーをひざの上に乗せてあけびを食べ始めた。 群れにたどり着いたきめぇ丸は挨拶をした。 「まいど、おなじみきめぇ丸です」 「ゆっ!きめぇ丸がきたんだぜ!!みんなドスのもとににげるんだぜ!!」 きめぇ丸をみたゆっくりたちは逃げるようにしてドスまりさの元に集まる。きめぇ丸自身もゆっくりが大嫌いなので助かる。 そして群れを束ねるドスまりさがでてきた。大きさは優に3m以上はある。 「ゆっ!!なにしにきたの!!まりさたちをいじめにきたのならどっかにいってね!!みんなをいじめるならただじゃおかないよ!!!」 「とんでもない、私に敵意はありませんよ。それよりあなたたちと仲良くなりたいのです、その証拠にこれを差し上げましょう」 といって、万能お兄さんからもらったあけびや山菜などを友好の印としてあげる。 「わーい!おいしそうなごはんだー!!!」 「くだものもあるよ!!」 「ゆっ!!どうもありがとう!!あなたはいっしょにゆっくりできるね!!ゆっくりしていってね!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 ドスは山菜などをもらえたのもうれしかったが、木に登ることができないのであけびがたくさんもらえたのはもっとうれしかった。 「気に入っていただけたようで何よりです」 本来、きめぇ丸はうれしいと頭を高速で動かす。この動きはゆっくりたちにとってゆっくりできないので、きめぇ丸が嫌われる原因でもある。 しかし、このきめぇ丸はそう返事しただけで頭を動かさなかった。お兄さんから躾けられているおかげである。 ゆっくりたちはこのきめぇ丸が頭を高速シェイクしないのでさらに気に入った。 「ところでドス、これから冬篭りですか?」 「ゆっ!!そうだよ!わたしたちはかずがおおいからしょくりょうをあつめるのもたいへんだよ!!」 「数はどれくらいですか?」 「うまれたばかりのあかちゃんもかぞえると200はいるよ!!」 きめぇ丸はざっと見渡した。ここにいるのはせいぜい50くらいだ、後のほとんどは食料を取りに行っているか、巣の中にいるのだろう。 きめぇ丸は、お兄さんからもらったカメラを使い写真を撮った。 「ゆっ!!なにしゃしんをとっているの!!かってにとらないでね!!!」 「いやぁ、あなたほどの偉大な方がこの大勢のゆっくりたちを束ねていると知ると感動しちゃってつい記念に撮っているんですよ。いけませんでしたか?」 「ゆっ!!それほどでもないよ!!じゃあ、あなたはわたしたちのなかまだからとくべつにとっていいよ!!きれいにとってね!!!」 「ドスのよさをわかっているなんて、ほかのきめぇ丸とはちがうぜ!!」 「このおねーしゃんとはゆっくちできるね!!」 ドスは相当慕われているようだ、ドスをほめただけでまわりのゆっくりたちがきめぇ丸をさらに信頼し、ついには仲間と認めた。 ドスは新たに仲間に加わったきめぇ丸をゆっくりたちに紹介した。 「このきめぇ丸はほかのきめぇ丸とはちがういいゆっくりだよ!!みんないっしょにゆっくりしようね!!」 「どうもきめぇ丸です」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 ドスはきめぇ丸に仲間を紹介した。 親子でなかよくすごしているれいむ、行動役のまりさ、知能の高いありすなど。このゆっくりたちの顔は皆笑顔にあふれている。よそのゆっくりの群れを強制的に襲ったり 略奪などはしていないようだ。きわめて平和だ。 「ところでドス。巣を見てもよろしいですか?これほど大規模な群れを程となるととてもおおきい。あなたの偉大な巣が見てみたいのです」 「ゆっ!!いいよ、きめぇ丸はなかまだもん!!すのなかをみせるね!!」 巣の中は広かった。ドスが住むくらいだから当たり前といえば当たり前だが。主に親子グループが巣の中にいる 巣の中を見渡すと、れいむのこどもたちが毛玉であそんでいた。熊の毛だ。おそらく熊が冬眠していた穴を利用しているのだろう。 ドスが入れる理由も理解した。 巣の奥にはさらに穴があった、新しく掘られたようだ、奥には食料が詰まれて山のようになっている。 「ドス、あれは冬篭り用の食料ですか?」 「ゆっ!!そうだよ!まだかずがたりないからしんぱいなんだ!!」 「では、冬篭り前に食料がたまらなかったらどうするのですか?」 「だいじょうぶ!なんとかなるよ!!いつもまりさたちはそうやってのりこえてきたもん!!」 たいした自信だ、さすがはドスの貫禄、といったところだろうか。 「さすがはドス、とてもかっこいいです。あなたは偉大です」 「ゆっ!!てれるよ!!」 おだてながら、きめぇ丸はシャッターを切る。ついでに巣の中も撮らせてもらった。無論偉大なドス、さすがドス。さいこうのゆっくりぷれいすなどおだてることを忘れない。 「ではドス、わたしも冬篭りの準備を始めますので失礼します」 「ゆっ!!わたしたちといっしょにくらさない?あなたならかんげいするよ!!」 「しかし、ドスたちの食料は足りていません。私が加わればさらに圧迫してしまうので、遠慮しておきます。でも、あなたたちに出会えてよかった。ご好意に感謝します」 「ゆぅぅ、ならしかたないね!!またあそびにきてね!!かんげいするよ!!」 「わかりました、またくるときはおみやげをもってきますね」 「きっとだよー!!」 そういって、きめぇ丸とドスまりさ率いる群れは別れたのだった。 きめぇ丸がいなくなったのを確認したドスまりさは改めて食料を見た。まだ冬篭りするための必要な量の半分ほどしか達していない。このままでは半分ほどしか生き残れないだろう。 「ゆっ!ドス!!ふもとにむらをみつけたんだぜ!!」 どうやら食料調達にいってきたまりさたちが帰ってきたようだ。そして見つけたことを報告する。 群れを率いる者として、長年の経験からして人間達と争うことはなんとしてでも避けたい。もし争うことになったら全滅は免れないからだ、ドスまりさは村を襲った ゆっくりの群れが全滅にあうのを何回も見てきた。 だがこのペースではどうしても間に合わない。村を襲い、群れ全体がゆっくりできるようにするのと、群れに多大な犠牲を払い、わずかな数だけ生き残るのとどちらの道がいいか。 彼女はしばらく悩んだ挙句、群れ全体に命令を下した。 「やまのふもとにむらをみつけたからあそこをおそうよ!!」 この発言に全員が驚いた。が、ドスの命令なので皆は従った。それに人間のほうが食料はおいしいのでいいことづくめだ。 「でもドス、しょうさんはあるの?」 群れの副リーダーでもあるありすが尋ねてきた。ほかのありすよりも大きく、クイーンと呼ばれている。ドスとクイーンは二人で群れを作り上げたリーダーだ。先ほどの食料探索から帰ってきたばかりなので、ドスの発言に驚いている。 「まえもすごくちいさいいえをおそったらかてたもん!!だいじょうぶだよ!!」 「そうだね!!まえおそったいえのじじいはよわかったしね!あそこのむらもせいこうするよ!!」 なるほど、一回成功したから味をしめ、今度も成功すると踏んでいるのか。それにクイーンありすがいるのは気づかなかった。 と、覗いているのはきめぇ丸。飛んでいったと見せかけ近くの所に降り、気づかれないように様子を見ている。もしかして、と思い、食料についていろいろ尋ねてよかった。 新たな情報が聞き出せた。 「おお、愚か愚か。よりによってご主人様にたてつくとは」 クイーンの写真を取り、彼女は万能お兄さんの元へ帰っていった。 「ただいまー」 きめぇ丸が帰ってきた。だがなんと、お兄さんとゆちゅりーはあろうことか昼寝をしている! 「ご主人様、起きてくださいな」 きめぇ丸が万能お兄さんを起こす。その姿は子供が親に「おーきーてー」とせがんでいるようだ。 「あぁ…、よく寝た。おはよう、きめぇ丸。あとこれはご褒美だよ」 ゆっくりの群れに偵察を命じておきながら自分は昼寝をする。図太い神経である。目をこすりながら、あけびを一つきめぇ丸に渡した。 「枯葉を敷き詰めて寝てみたら、すごく暖かいね。サバイバルの本をぱちゅりーがよんでくれたおかげだよ」 「むきゅん!!」 主人にほめられ喜ぶゆちゅりー。 「で、首尾はどうだった?」 と、きめぇ丸はあけびを食べ終え、は先ほどのことをすべて話した。 「これが写真です」 「前山小屋に住んでいるきこりのおじさんが村に「数え切れないゆっくりに襲われた!」って言って泣きながら帰ってきたけど、そのゆっくり達はこいつらだったのか。」 撮った写真もすべて見せた。お兄さんはまじめな顔をして考えている。しばらくすると立ち上がり。 「とりあえず帰ろうか、もう夕方だし」 「対策はしないのですか?村を襲うとまで言っているんですよ」 「むきゅん!いつものご主人様らしくないわ!いつもならすぐに対策をねるのに!」 きめぇ丸もゆちゅりーも意外と思い質問する。 「もちろん、対策はするよ。この写真どおりの備蓄量ならあと2週間後には襲ってくるよ、村を目指してね。」 お兄さんが放った言葉に二人は固まる。あと2週間?どういうことだ? 「対策はそこそこでいいよ、このグループは見たところ、ドスとクイーンによって物凄く統率が取れている。ドスも人間に刃向かおうとしているけど、 彼女はあくまで非常手段として使うはずさ。伊達にドスはしていないだろうしね。 だからできる範囲で餌を集め、それでもたまらなかったら襲うだろう。」 「「なるほど」」 二匹は納得した。 「じゃあ帰ろうか、あときめぇ丸。群れに行った時頭を振れなくてきつかったでしょ、思う存分振っていいよ」 とお兄さんはきめぇ丸とゆちゅりーを抱きかかえるようにした。二匹はうれしそうに顔を摺り寄せている。きめぇ丸は頭をシェイクしながらほお擦りしている。 万能お兄さんと2匹のゆっくりは山を降りた、ちょうどその頃。 「ドス!むらはいつおそうんだぜ!!はやくにんげんどもをいじめたいんだぜ」 まりさたちが聞いてきた、ゲス根性むき出しである 「みんな!むらはおそうけど、それは2しゅうかんたってもしょくりょうがあつまらなかったらだよ!!それまでにむやみにてをだしたらいけないからね!!」 ドスの宣言により群れ全体が沸き立つ。不満を言うものもいるがドスは気にしない。 これでいい、村を襲うのは非常手段だ。もっとも襲うというよりも食料を分けてもらうように「お願い」をするのだが。 村に帰ってきた万能お兄さんは行きかう人々と挨拶を交わした。彼はこの村では知らない人はいないほどの実力者である。 「おっ!お兄さん、いい野菜ができたよ。いつも世話になっているからあとで持っていくよ!」 「ありがとうございます。でももらってばかりでは悪いので、先ほど取ってきた山菜と交換しましょう」 「あっ、あんちゃんおかえりー!あとでゆっくりたちと遊んでいい?」 「ああ、いいよ!怪我には気をつけてね」 「おっ、お兄さん、後でちょっと手伝ってほしいことがあるんだが頼めるかい?」 「わかりました、でも僕も用事があるので後でそちらに伺いますね。」 村は活気があり、ところどころに飼われているゆっくりも見かける。とてもとても平和な村だ。 お兄さんはある家にたどり着いた。 「おばさん、ごめんくださーい!」 しばらくするとおばさんがやってきた 「あら!万能お兄さん、いらっしゃい!!」 「お宅の次男君が頭痛で寝込んでいるので、薬草を持ってきました」 「あらやだ、助かるわぁ~。さぁさぁ、家にあがってくださいな、お茶も持ってきますからね」 お兄さんは上がらせてもらい、寝込んでいる次男のもとへやってきた 「やぁ、次男君。大丈夫かい?」 「あ、万能のあんちゃん。まだ頭が痛いけど大丈夫だよ」 「君が苦しんでいるから、頭痛薬を取ってきたよ」 「ほんと?ありがとう、あんちゃん!」 「いつもいつも助かるわね~」 おばさんがお茶菓子を持ってきた。お兄さんのだけでなく、きめぇ丸とゆちゅりーの分もある。 「礼を言うのはこいつに言ってください。こいつが頭痛薬となる薬草を見つけてくれたんですよ」 と、ゆちゅりーの頭を撫でながら言う 「本当、ぱちゅりーちゃんありがとね~」 「ぱちゅりー、ありがとう」 二人に頭を撫でられ、ぱちゅりーはとてもよろこんでいた。 「あとおばさん、虐殺お兄さんはいますか?用があるんですけども。あとこれ、山で取ってきたあけびです。食べてください。」 「あらあらいいあけび!本当にありがとうね。あと長男ね、もうすぐ帰ってくると思うわ」 「もう帰ってきたぞ」 と後ろで野太い声がしたので、振り向くと筋骨隆々な青年が立っていた。 「あ、あんちゃんお帰り」 「おう、ただいま。ところで弟よ、頭痛は大丈夫か?」 「さっき万能のあんちゃんが薬草持ってきたんだ、これで治るよ」 「そうか、万能お兄さん。いつもすまないな。」 「気にしないでくれ、心友の弟が困っているんだ。助けないわけには行かないさ、あと薬草はこいつが見つけてくれたから、礼はこいつに言ってくれよ」 とゆちゅりーを指差す。虐殺お兄さんは、ゆちゅりーにむかって大きな手を伸ばし 「すまんな」 といって軽く撫でる。ゆっくりを虐殺する虐殺お兄さんとはいえ、他人のペットを殺したりいじめたりするようなことはしない。心友のであるなら尚更だ。 「ところで用とはなんだ?」 「あとで村の者を集めてくれないか?皆に話があるんだ。虐待お兄さんと、愛でお兄さんには僕が言っておくから。」 「ああ、わかった。ところでどんな話なんだ」 「君の好きなゆっくりについてだよ、久しぶりに虐殺ができるよ」 ニヤリと笑いながら万能お兄さんは話した、虐殺お兄さんはそれを聞いて非常に喜んでいる。 「それは楽しみだな、最近やってないから腕がなまっていたところだ。後で村長も呼んでおくから、村長宅に集合だ」 「ああ、頼んだよ」 そういうと、万能お兄さんは家を離れ、虐待お兄さんの家についた 「おおーい、虐待お兄さん!」 大声で呼ぶと、虐待お兄さんが体を餡子まみれにしながらやってきた 「ごめん、「お楽しみ」の最中だったかい?」 「なんだ万能お兄さんか、せっかく楽しんでいたところだけど、心友をほっとくわけにはいかねぇしな。後でさらに楽しませてもらうぜ」 「ははっ、気の毒なことをしたね」 「後で虐待するゆっくりにな」 そういうと二人はひとしきり笑った。 「ところで何のようだ?」 「後で村長宅に集まってくれ、僕からみんなに話があるんだ。君にとっても悪くない話だよ?」 「へぇ、どんな話だよ。つまんなかったら帰らせてもらうぜ。もっとも、あんたがつまらない話をしたことなんてないがな」 「ゆっくりについてだよ、最近君もゆっくりを虐待したのはいいけど死んで数が減っているから困っているんじゃないか?」 「渡りに船ってやつはこのことだな。わかった、後でいくぜ。あときめぇ丸とぱちゅりー、虐待されたかったらいつでもこいよ」 「「おことわりします」」 「おいおい、僕の大切なパートナーを誘わないでくれよ」 「へっへっへ、冗談だよ、冗談」 次は愛でお兄さんの家にやってきた 「愛でお兄さんやっほー!」 「「やっほー!」」 元気よくお兄さんと2匹が声を掛ける。虐待と虐殺おにいさんは怖いので声を掛けないが、愛でお兄さんはいじめたりしないので、ゆっくりは安心できる。 「やぁ、いらっしゃい、よく来たね。」 村では洋風な家にすんでいる、紅茶の似合う青年が来た。足元にはゆっくりれいむとまりさがいる。 「「万能お兄さん、ぱちゅりー、きめぇ丸、こんにちは!!ゆっくりしていってね!!」」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 お互い挨拶を交わす。きめぇ丸は頭をシェイクしながられいむたちと遊んでいる。普通のゆっくりならきめぇ丸の高速シェイクに気絶するが、そこは愛でお兄さんの教育が しっかりしているのと長年付き合っているせいか、大丈夫なようだ。 4匹が仲良く遊んでいるのを二人は温かく見守りながら会話をする 「万能お兄さん、今日はどんなようだい?」 「じつはゆっくりについてみんなに話があるんだ、あとで村長宅に集合だよ」 「野生のゆっくりかい?困ったものだね…」 愛でお兄さんはゆっくりんピースというゆっくりを愛でる同志を募った協会に所属している。だが悪いゆっくりがいるのは許せないし、人に迷惑をかけるから殺されても 文句は言わないが ゆっくりを愛するものとして、死んでいくのを見るのは流石に辛い。それに悪いゆっくりを放置すれば、いいゆっくりにも影響が出るので、複雑な気持ちで渋い顔をして 彼は答えた。 「あぁ、野生のゆっくりが村を襲うかもしれないから、皆に話して対策をたてようと思うんだ」 「よくそんなのをつかんだね。さすがは万能お兄さんだ、この村の一番の実力者なのは伊達じゃないな」 「よしてくれ、僕は単に腹黒いだけさ」 「だが、そのおかげで村が発展したんだからさ、おまけにゆっくりを飼っているから私はみんなに変な目で見られないですむよ。 前住んでいた村ではゆっくりは敵だといわれてたからね。感謝しているよ」 「ははっ、ありがとう。じゃあ夕方村長宅に来てくれ。」 「ああ、わかったよ。」 「「またあそびにきてね!!」」 愛でお兄さんとゆっくりたちに別れの挨拶を告げ、万能お兄さんは我が家に着いた。 (続き)
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月日はすぎて、季節は春。 村では野菜を作るためにそれぞれの家が畑を耕している。 虐殺お兄さんとその弟も、次の収穫のために汗水流して働いていた。 万能お兄さんの家は畑仕事はゆっくりが全てやってくれるので、彼はそれを手助けするだけでいい。非常にラクだ。 その彼の家に一人の男がやってきた。望遠鏡や折りたたまれた簡易テントなどを背負っている。 「ただいま」 と言うと、彼は万能お兄さんの家へと入った。 「おかえり、観察お兄さん。ご飯が出来てるけど食べるかい?」 「ああ、ありがとう」 迎えたのは万能お兄さんだ。 観察お兄さんは、北の村を占拠したドスの群れを観察するためにこの村へとやってきた。 しばらくは、山から望遠鏡を使ってドスの群れを観察するが、一定期間で食料はなくなるので、村に帰ってくる。 その間、万能お兄さんは自分の家を宿代わりにして、彼を泊まらせている。彼も宿探しをしないですむし、食料も無料で補給できるので助かった。 「で、首尾はどうだった?」 食事を済ませ、お茶をだしながら、万能お兄さんは彼に尋ねた。 「ああ、日に日に増えている。春でゆっくりが外を出歩けるようになったからな。あそこの群れの数は今は500は下らない。2週間で200匹増えたぞ。」 「やっぱりか」 「全ては、君の目論見どおりというわけだな」 お茶を飲み干して、彼は万能お兄さんを見た。 「うん」 笑顔を崩さず、彼は答える。 「君が事を話してくれたときは驚いたよ。まさか君が村一つ滅ぼした黒幕だったなんてな」 「……ひとえに復讐だからね。責めてもいいよ。真摯に受け止めるから」 「責めたりなんかしないさ、君の生い立ちを知ったら責めることなんて出来ない……だがどうする。これから1000匹も殺すんだろ?一筋縄じゃいかんぞ」 「すでにゆデスファミリーには協力を申し出てるから問題ないよ。会長が喜んで協力してくれるって言ったからね」 「その点は確かにすごい。愛でと虐待両方に属しているのは君くらいだ。それらもひとえに君が長年作り上げた『信頼』のおかげだろう。 だが、私が気になるのはそこではない」 「と、言うと?」 「いづれ誰かが気づくんじゃないのか?君の所業に」 万能お兄さんは目を細めた。確かにその可能性はある。世の中、隠し事などをしても隠しきれないことなんてザラなのだ。 ましてや、彼は間接的にとはいえ村一つを滅ぼしたのは紛れもない事実。今のところこの事を知るものは観察お兄さんと村長くらいしかいない。 だが、村の連中にもいつかばれるだろう。 その時はどうするか……。開き直るか? それとも自分がやったと素直に話すか? 自分が作り上げた『信頼』に全てを賭けて……。 やるなら後者だ。何も自分の全てをさらけ出す必要はない。村人達には悪いが、綺麗な自分を見ていてほしい。 「大丈夫だよ」 「ずいぶん自信があるな……その根拠はなんだ?」 「無論、君がさっき言った『信頼』さ」 「ずいぶんな自信だが、全てに対応できる君が言うと納得できるな」 「もうすでに手は打ってある。こちらの入れ知恵により、ドスの群れも武装していただろう?」 「ああ……君が入れ知恵したおかげで、少なからずの対抗手段を得たようだぞ。大丈夫なのか?」 「大丈夫大丈夫、さっきも言ったように手は打ってある。うちのゆっくり達を使って、野生の良いゆっくり達にも協力を申し込んであるしね」 「じゃあ、ここも必要になるだろう」 観察お兄さんは、地図を開くと赤いマーカーを示した。万能お兄さんは地図で示された場所をみてすぐさまなんなのかを理解した。 「ああ、うーぱっくの巣かい?ありがとう。もしかして先手を打ってここを懐柔しておけっていいたいんでしょ?」 「相変わらず鋭いな、その多方面に対応できる能力はさすがとしか言いようがないな」 「だけどさ、君みたいな専門職には敵わないんだよ」 「なぜだ?」 「そりゃ、僕は多方面に対応できるけど器用貧乏な「万能お兄さん」だからさ」 お茶をすすりながら彼は答えた。 春になって、冬篭りをしていた生物が活発に動き回る。冬で腹をすかせた分、今この時期にたくさん食べるのだ。 それはゆっくりにとっても例外ではなかった。 今、家子ゆっくり達の子育てが楽しかった。31匹のさまざまな種が1匹ずつ生んだので、数が単純に2倍となり家はにぎやかとなった。 なにより、親がとても優秀なお陰なのと、胎生出産のお陰で、親の知識などを大部分受け継いでいるみたいなので、子育てが非常にラクである。 それに、だいぶ前に侵入した一家を反面教師として利用したおかげで、さらにラクになった。 主人である万能お兄さんが優秀なお陰で、家ゆっくり達も優秀となり、さらにその子ゆっくり達も優秀であった。これには彼は大満足だった。 プラチナバッジから生まれた子はゴールドバッジを無条件で入手できるので、いづれゆっくりんピースへ申請してバッジをもらおう。 そして、人間をゆっくりにとって親と認識させる方法も少しばかりわかった。これにより、更なる信頼を獲得できそうだ。 といっても、その方法は今のところ男性限定になるが。 と、居間で31匹の子ゆっくり達と戯れながら考えていた。 親ゆっくり達は外で働いているので、彼が子育てを代わりにするのである。立場がまるで逆ではあるが、なんら問題はなかった。 「と、いうわけで。今の季節は春。君達ゆっくりにとって活動しやすい時期の一つだ。それ故に、人里にきて悪さするものがいるんだよ」 「ゆー、ゆっくりりかいしました」 「ほらごらん。あそこに一家がいて、僕の畑に近づいているよ?」 と彼が指差した方向には、ゆっくり一家がいた。畑に近づき、のっとろうとしているのがミエミエである。 『ここはとてもゆっくりできるところなんだぜ!!きょうからここをまりさたちのゆっくりぷれいすにするんだぜ!!』 畑の外側の土中に埋めた集音マイクと箱に入れた監視カメラによって、まりさの声と姿がはっきりとわかる。 定番の台詞を、畑でまだ働いているゆっくりがいるというのに堂々と言い放つ。 言い放つことが出来るのは、畑で働いているゆっくりが、野菜を食べていると勘違いしているからだろう。 「むきゅう、やせいのゆっくりはとてもやばんなのね」 「なんでこいつらはこんなことをいうんだぜ?」 「全くもって理解できないだろう?じゃあ、ここで問題。彼ははなぜおうち宣言などをするのでしょうか?」 しばらくしたあと、ありすが元気良く返事をした 「ゆーっと。じぶんたちがみつけたからじぶんたちのもの。というおろかでいなかものな考えによってせんげんするんです!」 「正解っ!!では、後一つはなにかなー?」 つぎはきめぇ丸が手を上げた。親に似て胴付きである。 「後は、愚かにもあいての力量を知らずに、自分は強いと勘違いしているからです(ヒュンヒュン)」 「GOOD!!よくわかっているね。その通りだよ。ごらん、今からそれがよくわかるから」 お兄さんが監視カメラを指差すと、一家が家ゆっくり達に囲まれていた。 『おまえたちなんなんだぜ!!ここはまりさたちのゆっくりぷれいすなんだぜ!!』 『うるさいんだどぅー!はたしごとのじゃまするわるいやつはたべるんだどぅー!ぎゃおーー!!』 『ゆぎゃああああああああああああああああ!!!だじげでえええええええええええ!!!!』 『おがああああああああああああじゃあああああああああああああん!!!!』 『ゆぎいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!いだいよおおおおおおおおおおおおおお!!!!』 たちまち、家ゆっくり達に袋叩きにされていまい、後に残ったのは飛び散った餡子と皮だけであった 「ゆー!!おかーさんつよいー!!」 「まんまとってもつよいんだどぅー☆」 「おお、おろかおろか」 「よくわかっただろう?自分の力量を知らずにあんなことを言うとどうなるかを。ちゃんと自分の力量を見極めていればあんなことにはならないんだよ」 「「「ゆっくりりかいしました!!」」」 「むきゅう、じゃあおとーさんはおかーさんたちよりつよいのね」 子ぱちゅりーが感心したように言う。他の子ゆっくり達も彼を見る。 「はっはっは、鋭いところをつくね。確かに僕は人間だからね、彼女達を僕が育て、野生のゆっくりより強いとはいえ、人間である僕にはかなわないねぇ」 「だでぃはまんまよりもつよいなんて、すごいんだどぅー☆」 「おとーさんはとってもとかいはでいだいね!!」 「でも、わたしたちとおとーさんは、なんでちがうのー?わからないよー?」 子ちぇんが疑問を出した。もっともな疑問だ。最初こそは父と認識していた子ゆっくり達だったが、大きくなるにつれて、一向に父のような人間になることができない。 胴付きの子も、なぜ父とおなじような人間の形でも、中身が違うのかが理解できない。 親からの遺伝と教育もあり、人間はすばらしくて恐ろしいというのを教えてもらっていた。だから父である万能お兄さんが人間だから、自分達も人間になるのでは? と期待をしていたが、一向に人間とならないので理解できなかった。もしかしたら、自分達はゆっくりできなくなるのでは? 「もしかして、ありすたちはのぞまれない子なの?わたしたちゆっくりできないの?」 子ゆっくり達が最も恐れていたことを、子ありすが口走った。皆子ありすを見るが、誰も非難はしない。 今までの教育のおかげで、この子ゆっくり達がとても美しく、賢く育った。だが賢い故に、そういったことについての疑問もすぐさま浮かび上がった。 教育のなかで、れいぱーありすに犯され、望まれない子をにんっしんしたゆっくりは大半がその赤ゆっくりを殺すのも見てきた。 だから、私達も望まれない子なのでは……………………。 ゆっくり達が疑問と恐怖を感じながら彼を見る。だが、彼は子ゆっくり達を見渡して優しく語りかけた。 「確かに、僕は人間で君達はゆっくりだ。胴付きの子もいるけど、中身が違うのは理解していると思う。でも、僕は君達の母親達が僕と結ばれたいと願ったから それを叶えたんだ。君達は僕と彼女が望んで生んだ子なんだよ。姿と形と中身が違っても、君達はまぎれもない僕と彼女達の子供だよ」 「「「「「「ゆ……ゆ…………ゆ…………ゆわあああああああああん!!おとおおおおおおさあああああああああん!!!」」」」」 その言葉を聞いて、子ゆっくり達は彼の元へ集まりむせび泣いた。自分達を子として認識してくれる彼の優しさに。 「よしよし」 なだめながら、子ゆっくり達を優しくなでる。 有能な物は最大限に使わせてもらう。家ゆっくりだってそうだ。それについては彼女達も理解しているし、反対もしない。 だから君達も、妹のためにがんばって育ってね。 彼はそう考えながら、子ゆっくり達と楽しくすごしていた。 そして、村のそばの山から彼の畑の様子をみていたゆっくり達が 「あれがドスのいっていたむらなんだぜ!!」 「とってもおおきいむらだね!!とくにてまえのいえとはたけがすごいよ!!」 「あのむらをてにいれればしょくりょうもんだいもかいけつされるんだぜ!!」 「そしてにんげんどもをどれいにするのね!!」 「あのゆっくりたちもどれいにして、すっきりのどうぐにするんだぜ!!」 とゆっくり達は話していた。 ドスが放った偵察隊である。先ほど畑を襲ったゆっくりは口八丁でだましたゆっくりで、敵情偵察のためにだましたのだ。 お陰で家ゆっくり達の様子もよくわかった。山二つ越えてまで偵察しに来た甲斐があった。 「あのしんだゆっくりたちにはもうしわけないけど、わたしたちのたいぎのためなんだぜ!!」 「ひつようなぎせいなんだねーわかるよー。」 「なるほど、ドスも頭脳がよくなっているわけですね」 「そうなんだぜ!!ドスは偉大なんだぜ!!ぶそうもできるし、あたまもいいし、にんげんなんかいちころなんだぜ!!」 「おお、こわいこわい。これはご主人様に報告しなければ」 「ゆっ!?だれなんだぜ!!」 ついつい質問に答えてしまったまりさ。いまこの偵察隊の中にはきめぇ丸なんていないはずだ。 ゆっくりせずに周りを見渡すと 「あ、あそこに!!」 れいむが見上げた方向にはきめぇ丸が飛んでいた。それも大量に。そのうちの1匹が万の字が入ったプラチナバッジをつけている。きめぇ丸Bだ。 「ききき、きめえ丸がたいりょうなんだぜえええええええええええええ!!!!!!!!!」 「これがあの北の村のドスの群れのゆっくりですか」 「おお、外道外道」 「全くもって度し難い存在ですね」 「私達の住みかを奪った仇なのですね」 「永遠にゆっくりさせましょうか」 きめぇ丸達はその偵察隊をまりさだけ残すと、後はなぶり殺しにした。 残されたまりさは死なない程度に痛めつけられた。そして気づかれないように、きめぇ丸Bは髪に赤いリボンをつける。 「これにこりたら人里に来ないことです」 きめぇ丸Bが釘を刺して逃がしたが、意味はないことは彼女自身が良く知っている。だがこれも計画通り。 「どうやら、あそこはあなたが言ったようにとてもゆっくりできる場所ですね」 きめぇ丸Bに誘われたきめぇ丸の群れの代表が、万能お兄さんの家の感想を述べた きめぇ丸Bが代表に尋ねる 「先ほどの件についての答えは出ましたか?」 「はい、あそこならば生活が苦しい私達も暮らせそうです」 「あそこできちんと働けば、衣食住には困りませんよ。それに主人は有能なものは対等に扱いますので、奴隷として働くことはまずありません」 「わかりました、ですがその前にあなたの主とお話したいのですがよろしいですか?」 「了解しました、ではついてきてください」 やりとりをした後、きめぇ丸Bはきめぇ丸の群れを万能お兄さんへと紹介した。 彼は居間で茶を代表に出して対談を始めた。群れは主にきめぇ丸で集まったもので、胴付き胴なし、きめら丸と多種多様なきめぇ丸がいた。数は30匹ほどといったところだ。 お互いが正座をして、話し始める。 「では、君達は僕の家に住みたいと?」 「はい、食べる物と住む場所に困った私達はそれしか術がありません」 代表は事情を話した。この群れは北の村近くの山ですんでいたのだが、ドスが村を占拠し、春になったとたんに数が増え、山の食べ物を根こそぎ持っていったために 食糧難に陥ったのだ。 当初は捕食種であるゆえに、この群れを討伐しようとも考えたのだが、春になってから1月も経たないうちに爆発的に増えた数に対抗できなくなり、その山から離れるしか なかったのだ。 そして、南下してこの村の近くの山に来てみたものの、先ほどの偵察隊のように、ドスはまだ勢力を伸ばそうとしていたのに気づいて絶望した。 これ以上の住みかはほとんど残っていなかったため、自滅の道をたどるしかなかったところを、きめぇ丸Bの提案により光明を見出した。 内容は「万能お兄さんの物になるか」という提案だ。 当初は、物になるという提案に不安を感じたが、提案をしにきた彼女と家のゆっくり達を見る限り、ゆっくり達は皆生き生きとして働いている。 決して、農家が農奴としてゆっくりをこき使っているようなところは微塵も見当たらない。捕食種という種族の垣根を越えてゆっくりしているのを見て、 代表とその群れは希望を見出した。 ほかにも、生活に困った良いゆっくり達を、家ゆっくりを使ってこちら側に引き込む手はずを整えている。 提案するにあたり、彼は自分がいつも使っている方法を使って選別している。にとりを試したときのように、ゆっくりの群れに強引な提案内容を聞かせて、 それでも受け入れることが出来るもののみ迎え入れている。きめぇ丸Bが群れに使ったのも、彼から教わったことをしただけだ。 後はこの方法を使って、使える手駒を集めるだけだ。良いゆっくりを選別すれば、ゆっくりを駆除するにあたり、間違って駆除しなくもなるし、 ゆっくりんピースにも顔をたてることが出来るし、一石二鳥である。 必要な数がそろったら、後はあの群れを消すだけだ。 そして、今。きめぇ丸の群れは、その提案を呑み、彼に頼み込んでいるのだった。 それらの群れの行動は、観察お兄さんの観察により全てわかっていたことだったが、彼は表情に出さず代表の話を聞いた。 「どうかお願いいたします。私達はドスの群れに住みかをあらされてしまいました。私達はここに住ませて貰うしか道がありません」 「でもいいのかい?君達はうちのきめぇ丸の提案を聞いたんだろう?『僕の物になるのか?』って。自由じゃなくなるけどそれでいいのかい?」 「構いません。どのみちあのままでは自滅するしか道はありませんでしたし。それに……あなたはゆっくりを物にしているとはいえ、大切にしているのに気づきました。 だから、私たちもあなたのご期待に添えるべく粉骨砕身働く所存です。なにとぞ、よろしくお願いします」 群れ一同が頭を下げる。彼はそれを見て非常に満足した。乱暴な提案をしつつも、その裏の真意を理解しているかを知りたかったのだ。 やはりきめぇ丸は頭が良い。しっかりと理解していた。 「わかった。じゃあよろしくお願いします」 「「「「よろしくお願いします」」」」 お互いが頭を下げた。これにて、きめぇ丸の群れを手に入れることに成功した パズルのピースが一つ埋まったのを、彼は確信した。 「じゃあ君達は今日から家族だ、僕のことは好きに呼んで良いよ」 「では、ご主人様と呼ばせてもらってよろしいですか?」 「君達も僕の事をそう呼ぶのかい?まぁいいけどさ……」 呼ぶこと自体は強制はしていないのだが、どうもうちに来たゆっくり達は僕のことをご主人様と呼ぶようだ。なんでだろうなぁ? とゆっくりのように答えのでない考えを彼はし始めた。 一方そのころ 「ゆぎぃ、はやく…………はやくドスのところにもどらないといけないんだぜ」 きめぇ丸Bに痛めつけられたまりさが体を這いずりながら、北の村へと戻っていた。 途中で、虫や草を食べて体力を回復はしたが、まだ痛みが残っている。 それに日はもう落ちている。れみりゃに襲われてしまう。 不安を感じつつも、懸命に這いずりながら向かっていたところに、きめぇ丸Aがやってきた。バッジはつけていない。 「どうも、清く美しいきめぇ丸です」 「ゆっ!!ぎめぇ丸!!ゆっぐりじねぇぇぇ!!…………ゆ?もしかしてドスと親しいきめぇ丸?」 「はい、そうですよ。覚えていたようで光栄です」 「きめぇ丸!!おねがいだよ!!まりさを群れにつれていっでね!!つたえないといけないことがあるんだよ!!!」 「そうですか、わかりました。では失礼します」 きめぇ丸Aはまりさを掴んで空を飛び始めた。今のまりさには「おそらをとんでるみたい〜」なんて事をいう気力はないようだ。 まりさはゲスだが頭は良かった。痛めつけられ、命からがら逃げたが、そのあと隠れてあのきめぇ丸の群れが話していたことをしっかりと聞いていた。 あのきめぇ丸の群れはあの村の人間に懐柔されている。あの村は、私達が奪いに来ることを知っている! 対抗策を練っているはずなので、それを知った私はあの村に行くのをやめるよう伝えなければ成らない。あのままいけば、群れは全滅してしまう!! ゆっくりにしては珍しい頭のよさをもっていたまりさ。 だが、痛みと疲れと夜風が気持ちよくなったのか、寝息を立て始めた。 きめぇ丸Aは寝たのを確認すると 「おお、計画通り計画通り」 と呟いた 後書き 言い訳ですが、諸事情とかで書くのが非常に遅くなりました。前のを読んでくれた人には申し訳ありません。 ものすごい俺設定ですみません。 なんとか終わらすことが出来そうです。すみません。 書いたもの 万能お兄さん1〜4 虐殺お兄さんの弱点 わがままは遺伝する