約 4,510,207 件
https://w.atwiki.jp/sditem/pages/46.html
ミニグラス(パフェグラス型) URL http //www.settemare.net/shop_interior/interior_fbase_01.htm サイズ サイズ径3.5×高6cm 容量15ml ちょうどパフェグラスという感じです。 その他 神戸ハーバーランド モザイクの雑貨屋さんで売ってました -- ななし (2005-05-16 22 42 11) 名前 コメント
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キングラー No.099 タイプ:みず 入手可能ソフト:赤/緑/青/ピカ/金/銀/ク 比較 HP 攻撃 防御 特殊 素早 合計 キングラー 55 130 115 50 75 425 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) でんき/くさ いまひとつ(1/2) ほのお/みず/こおり いまひとつ(1/4) --- こうかなし --- xxx キングラー 技考察 型考察基本型 サポート型 対キングラー 覚える技レベルアップ 技マシン第二世代技マシン 教え技 遺伝第二世代遺伝経路 世代リンク 技考察 物理技 タイプ 威力 命中 追加効果 解説 xxx xx xx x - x 特殊技 タイプ 威力 命中 追加効果 解説 xxx xx xx x - x 補助技 タイプ 命中 解説 xxx xx x x 型考察 基本型 レベル: 確定技: 選択攻撃技: 選択補助技: サポート型 レベル: 確定技: 選択攻撃技: 選択補助技: 対キングラー 注意すべき点 対策方法 覚える技 レベルアップ 1st 2nd 技 威力 命中 タイプ 分類 PP 備考クラブ キングラー クラブ キングラー 1 1 1 1 あわ 20 100 みず 特殊 30 1 1 5 5 にらみつける - 100 ノーマル 変化 30 20 20 12 12 はさむ 55 100 ノーマル 物理 30 25 25 27 27 ハサミギロチン - 30 ノーマル 物理 5 30 34 23 23 ふみつけ 65 100 ノーマル 物理 20 35 42 41 49 クラブハンマー 90 85 みず 特殊 10 40 49 16 16 かたくなる - - ノーマル 変化 30 技マシン マシン 技 威力 命中 タイプ 分類 PP 備考 技03 つるぎのまい - - ノーマル 変化 30 技06 どくどく - 85 どく 変化 10 2nd 技06 技08 のしかかり 85 100 ノーマル 物理 15 技09 とっしん 90 85 ノーマル 物理 20 技10 すてみタックル 100 100 ノーマル 物理 15 技11 バブルこうせん 65 100 みず 特殊 20 技12 みずでっぽう 40 100 みず 特殊 25 技13 れいとうビーム 95 100 こおり 特殊 10 2nd 教え 技14 ふぶき 120 90 こおり 特殊 5 2nd 技14 技15 はかいこうせん 150 90 ノーマル 物理 5 2nd 技15 技20 いかり 20 100 ノーマル 物理 20 技31 ものまね - - ノーマル 変化 10 技32 かげぶんしん - - ノーマル 変化 15 2nd 技32 技34 がまん - 100 ノーマル 物理 10 技44 ねむる - - エスパー 変化 10 2nd 技44 技50 みがわり - - ノーマル 変化 10 秘01 いあいぎり 50 95 ノーマル 物理 30 秘03 なみのり 95 100 みず 特殊 15 秘04 かいりき 80 100 ノーマル 物理 15 第二世代技マシン 限定技なし 教え技 ク 技 威力 命中 タイプ 分類 PP 備考 ○ れいとうビーム 95 100 こおり 特殊 10 1st 技13 遺伝 タマゴグループ第二世代 水中3 性別第二世代 ♂:♀=1:1 進化条件 クラブ(Lv28)→キングラー 第二世代遺伝経路 技 習得方法 覚える系統 あなをほる*1 リレー ダグトリオ系統→コダック*2/ウパー*2→カブト*3 くろいきり リレー ヌオー系統→オムナイト たたきつける リレー カイリュー系統/ヌオー系統→オムナイト ドわすれ リレー ヤドラン系統/ヌオー系統→サニーゴ ※1 技マシン28であなをほるを覚えないので遺伝必須 ※2 マシン技遺伝。技マシンを使用しても良い ※3 カブトやカブトプスも同じく技マシンであなをほるを覚えないため遺伝必須 世代リンク
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"Bonjour! Bonjour! Je suis Glass Joe!Ha,Ha!" (やあやあ、ボクがグラス・ジョーさ!ハハッ!) 出身国:フランス・パリ出身 身長:178cm 体重:49kg 年齢:38歳 戦歴:1勝(1KO勝ち)99敗 任天堂のボクシングゲーム『パンチアウト!!』の登場人物。 最初に戦う対戦相手で、ゲーム中で最も弱い敵。 そもそもボクシング業界で「グラスジョー(Glass jaw:ガラスのアゴ)」と言ったら「アゴが脆いボクサー」という意味であり、 名前からして弱いという事をアピールしているかのような人物である (ただし、彼の名前は正確には「Glass Joe」であって「jaw」ではない。 まぁビーム無効なクリスタルボーイじゃあるまいし格闘家が「ガラス」を名乗っている時点でアレだが)。 ファミコン版では試合前のメッセージで "Don't hit my jaw!" (オレのアゴはこわれやすいんだから、打たないでくれよ。たのむから)などと言ってくる。 一応自分の弱点は把握しているようだ。 ゲームの最初に戦うのでプレイヤーは必ずこの選手の事を知っており、その弱さからマスコット的な人気が出たのか、 シリーズのほぼ全作品に登場している名物キャラクター。 スーパーファミコン版『スーパーパンチアウト』では、ほぼ同キャラのガビー・ジェイという選手が代役を務めている (2作目であるアーケード版『スーパーパンチアウト』には両方とも登場していない)。 フランス出身。38歳という、プロの格闘家としてはかなりの高齢になる選手で、戦歴は1勝(1KO勝ち)99敗という壮絶な敗戦歴を誇る。 医者からもボクシングを辞めろと勧められているそうだが、この戦歴でこの歳になるまでボクシングを辞めずに戦い続け、 一応プロのライセンスを持ち続けている根性は大したものと言える。 また、気弱そうな見た目に反して試合中は相手を挑発する事だけは欠かさないというポリシーを持つ。 が、実力の方はやはりゲーム中最弱で、リトル・マックの手で節目となる100敗目を迎える運命である。 戦歴を見る限り誰かがこいつにKO負けを喫しているはずだが、それが誰なのかは不明。 まぁ年齢を考えてもかなり昔の話(恐らくは20年ほど前)で、ゲームには登場していない選手だろう。ジョーに負ける様では引退確実だろうし グラス・ジョーvsガビー・ジェイの試合が2度行われ、彼らがそれぞれ1勝ずつ挙げたと考えれば全ての辻褄は合うが……?*1 ゲーム中では自分から積極的に攻撃を仕掛けてくる事はあまり無い上、威力もスピードも低いため脅威にはならない。 防御頻度も非常に低く、適当に攻撃するだけで全弾命中する程。顎が弱いくせに。 時間経過で上述した挑発を行い、その後に強いパンチを放ってくるのでカウンターを決めると勝てる。 こいつに勝てない様ではこのゲームの制覇は不可能……と言うか負ける方が難しいとまで言われている*2。 Wii版では必ず後ろ向きでダウンしたり、倒れる際のSEなど、FC版を意識した演出がある。 また、対戦相手が出身地の母国語を話す様になった影響か、フランス語で喋る。 そしてK.Oされるとフランスパンやクロワッサンをぶちまける ちなみに99度の敗戦の中で、Wii版では世界チャンピオンのMr.サンドマンに負ける場面が存在する。 こんな弱い奴と世界チャンピオンの対戦が組まれてしまったのは一体どういう事情があったのだろうか? 映画『ロッキー』のような展開があったのかも知れないが、生憎こちらは感動的なドラマは生まれなかった とりあえず殺されなくて良かった。なにせMr.サンドマンの得意技は3連アッパーカット(アゴ狙い)である。 問題のムービーでもやはりアッパーでやられているが、幸いにも被害箇所はアゴでは無く、側頭部への打撲で済んだようだ。 いや、サンドマンのパンチが側頭部って十分死にかねんような…… Wii版の二周目では通算100敗を記念してヘッドギアを装備し、防御面が強化される。 + 事の顛末 実に不安が漂うのだが、意外にもこのヘッドギアの防御力は本物*3で、二周目では一周目とは異なる攻略法を要求される。また、一周目と比べて攻撃面も強化されており、積極的に攻めてくる。これはAC版での二周目と同様。 なお、現在の研究ではヘッドギアは付けていた方が危険だという話があり、2016年リオデジャネイロ五輪では本当に廃止された。やっぱり騙されてないか!? また、リトル・マックも100敗するとヘッドギアを装着できる。 MUGENにおけるグラス・ジョー NESMario123氏が製作したものが存在。 ファミコン版のドットを使用しており、イントロでは原作で使われていた登場BGMを聴かせてくれる。 ただし、一部のスプライトや喰らいモーションの判定が欠けており、 投げ技で透明になってしまったり、連続技が当たらなくなってしまうバグがある。 性能はもちろん弱い。 元のゲームでは画面手前に向かって攻撃する形であるため、MUGENでは常にカメラ目線となり、 体は相手側に向いているように見えるが、実は相手から目線を逸らしていて凄く逃げ腰に見える。 攻撃も画面手前に向けて殴っているので、かなり無理がある様子になっている。 通常攻撃はAボタンでジャブ、Bボタンでフックの2つ。 Cボタンでゲージを消費して挑発後に強力なパンチを放つ(技名は無いが、原作で用いていた特徴的な攻撃パターン)。 無敵時間は無いので挑発してる間に潰されてしまうだろう。原作でもそこを狙ってカウンターを打ち込む攻略パターンだったし。 技はこれだけしか無く、ジャンプも非常に低い。歩行も極めて遅い。 AIは搭載されていない。 "Hé! Hé! Vive la France!" (はははっ!フランス万歳!) 出場大会 「[大会] [グラス・ジョー]」をタグに含むページは1つもありません。 *1 このガビー・ジェイという選手だが、 海外の『パンチアウト!!』wiki によれば、 元はカフェのウェイターであったが突如ボクシングへの道に入り、何を血迷ったかグラス・ジョーボクシングスクールに入門。 唯一の勝利はそのグラス・ジョーから挙げたもので、他は師匠と同じく99敗を喫したというどう見ても人生を誤ったとしか思えない男。 年齢はすでに56歳。いったい彼に何があったのだろうか。 ちなみにボクシングの人気が日本とは大違いの海外では『パンチアウト!!』の人気もまた段違いで、 wikipediaには登場する全選手の個別ページが存在し、『パンチアウト!!』wikiも異様に詳しい。 特に、ほとんどの選手のページに書かれた「この選手が本当に存在したらどれほどの反則になるのか」のリストは必見。 主人公のリトル・マックからして大量の反則を犯しており (18歳以上でないとプロのリングには上がれないので17歳のマックは出場自体できない、スターパンチを打つ時にジャンプするのは反則、など)、 いかに『パンチアウト!!』世界のボクシング界はルール無用の四角いジャングルであるかが分かる。 *2 元プロボクサーのマイク・タイソン氏が本作をプレイした事があるのだが、何とグラス・ジョー相手に敗北している。 現実のボクシングとゲームとでは勝手が違った様だ。 *3 本人も相当気に入っているのか、試合中の挑発の一つに「Alors, ça te plait?(こいつをどう思う?)」とマックに聞くものが追加される。
https://w.atwiki.jp/fallout3/pages/1018.html
アングラー 危険度 Move 攻撃法 近接 遠距離 ★★★★~★★★★★ ☆☆☆☆☆ DLC第3弾Far Harborで新たに登場した敵。 アンコウのように頭から発光体をぶらさげた半漁人風のアボミネーション。 水辺に潜み、光で獲物をおびき寄せる。 ・・・が、プレイヤーからすればバレバレであり、V.A.T.Sで狙い撃ちされる定めにある。 FH島のアボミネーションの例に漏れず攻撃力はなかなかのものなので高難易度では油断禁物。 距離があると火炎弾を吐き出して攻撃してくるので注意。 耐久も高くタフな為、厳しければ逃げた方がいい場合もある。 Lv. HP P 物理耐性 エネルギー耐性 放射能耐性 毒耐性 攻撃力 XP 備考 アングラー 15 500 6 60 100 無効 無効 発光アングラー 25 800 7 75 135 白皮症アングラー 37 1200 8 100 175 有毒アングラー 51+ 1750+ 9 125 230
https://w.atwiki.jp/foresanc/pages/1253.html
ワインデイル 「んーっふっふっふ、どいつもこいつも情けないヤツラばかりですね〜。このボク様ちゃんが魔獣の手本を見せましょう」 概要 大種族は魔獣。 体長30m以上にもなる巨大な蛇の怪物。 アースガルド大陸、マルス砂漠南部エリアの主の一角。 ただし現在は住処を変えているため主の座を失っている。 貪欲かつ幼稚な性格で財宝の類が大好き。 財宝の眠る古代遺跡に好んで住み着き、探検に現れる冒険者や調査隊を襲って金品を奪う略奪行為の常習犯。 腹の中に財宝を蓄えており、所持している財宝によって使用できる技・魔法が変化する。 探検に現れるオリキャラ達とは幾度となく戦っており、敵キャラとしての登場は全キャラでも最多と思われる。通称は「ワイン」「デブ蛇」など。 トクガワザソリとは同郷の友人同士で彼からは「ワイン」と呼ばれている。 技・魔法 クラッシュヘッドバッド 大きく振りかぶって強烈な頭突きを繰り出す。 ウェポンブレス 体内の武器を口から勢いよく発射。 ポイズンブレス 毒ガスを吐いて攻撃する。 土蛇(もぐら) 穴を掘って地中に潜る。 奇襲や逃走に用いる。 絶望の拘束糸 這い寄る深淵の技をラーニングしたもの。 凄まじい強度と粘着力の糸を吐き出して相手を拘束する。 ワインデイル自身は糸に動きを制限されない。 シャドウスパイク 這い寄る深淵の技をラーニングしたもの。 影を巨大な刃に変化させ、足元から広範囲の敵を貫く。 ???? 所持アイテムにより様々な技や魔法が使用できる。 経歴 2003年6月1日無人島探索なりチャ 無人島の遺跡に住み着いた魔物として登場。 島に漂着した一行と交戦するが一時撤退。 その後遺跡に踏み入れた一行の前に出現、 再び交戦して敗走した。 2004年1月24日遺跡探検なりチャ 遺跡に住み着いた魔物として登場。 探検に現れた一行と交戦するが敗北。 ディプスに捕獲され、動物園に引き渡された。 2004年5月15日幽霊船探検なりチャ 幽霊船に住み着いた魔物としてアンデッド状態で登場。 探検に現れた一行と交戦するも敗れ、船諸共一行を道連れにしようとするも失敗。 海の底へと消えた。 2004年9月3日遺跡探検なりチャ 遺跡に住み着いた魔物として登場。 探検に現れた一行と交戦するも敗れる。 2005年8月1日ぶらり列車の旅してる最中に魔獣が襲ってきたから討伐なりチャ 魔獣使いオルトレイに率いられた魔物として登場。 ゼフィスに捕まったオルトレイがスーツケースに押し込められそうになったところ、そのスーツケースの中から出現してゼフィスと戦闘になるが敗れ、列車から蹴り出されてはるか崖下へと転落した。 2006年1月14日討伐なりチャ 敵側の一員として登場。 アイテムを強奪すべく、討伐隊に攻撃を仕掛けるが返り討ちに遭い、戦闘不能に。 2007年10月13日遺跡探検なりチャ 遺跡に住み着いた魔物として登場。 探検に現れた一行と交戦するも敗れ、先に遺跡に住み着いていた這い寄る深淵にも痛めつけられて逃走。 2008年5月10日の山賊討伐なりちゃ 山賊のアジトの宝を狙って登場。地下から進入し、山賊の宝を横取りしようとしていたがラウルバーフ、叉岐羅と鉢合わせになり交戦、敗北して逃走した。 2008年5月24日の中の人緊張で倒れそうななりちゃ 這い寄る深淵の配下の魔物に紛れて登場。 一行の所持する金目のものを目当てに交戦するがディプスの攻撃と這い寄る深淵の無差別攻撃で深手を負い、這い寄る深淵が敗れたのを見て逃走した。 2008年9月14日闇市場をぶっつぶせなりチャ トクガワザソリと共に珍獣として捕らえられ、競売にかけられそうになっていた。 が、競売が始まる前にゼフィスらと口論を起こして騒いだために檻に幕を下ろされ退場。 後ほど檻が破壊されたためトクガワザソリと共に脱出した模様。 由来 sidewinder(サイドワインダー(ヨコバイガラガラヘビ)) + crocodile(クロコダイル) → ワインダイル → ワインデイル アースガルド デカ蛇 バカ 蛇
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ワイナリー訪問その113 Santa Barbara Avant(アヴァント) Avant Tapas and Wine(2012年5月訪問) この日はまたぞろサンタバーバラのワイナリーを巡った。まずはピクニック用の昼食調達のためも兼ねて、ここAvantへ。 ここは、大きなワイン醸造施設に併設されたレストラン。おそらく複数のワイナリーがここの設備を利用してワインを醸造しているのだろう。2階がレストランになっているのだが、1階にはこじんまりしたワインショップもある。ワイナリー訪問とはいえないが、後述のとおりここでもワインのテイスティングが可能なので、これも「ワイナリー訪問」の1つとカウントしてしまうことにする。 ↑1階のワインショップ ↑2階のレストラン レストランでは、Santa Barbara産のものを中心に、実に30種類以上のワインがテイスティングできる。これらのワインは、なんと自動販売機に収まっている。レストランから渡されたカードを挿すと、好きなワインをグラスに注げるという仕組みだ。 そういえば、似たようなものをNapaのDel Dottoで見かけたなあ。 料理は、店の名前にもあるようにタパス(スペイン料理における小皿料理)がイチオシらしい。確かにここでタパスを食べながらワインをテイスティングというのは実に気分が良さそうだ。 レストランの奥はワインの醸造設備と繋がっていて、タンクの並んだ大きな空間を見渡せる大きな窓がある。こちらを眺めながら飲むためのカウンターがあって、中々洒落た趣向だ。 私はサンドイッチをテイクアウト(To Go)用に注文し、それが出来上がるのを待つ間にワインをテイスティングすることにした。 ここでしかテイスティングできないワインを飲みたかったが、どれがそうなのかよくわからなかった。おそらくこれはそうだろうというやつを1種類だけテイスティング。 Full, Half, Tastingという3種類の量が選べて、量によって値段が異なる。 2009 Thorne PINOT NOIR SRH ($46) "Tasting"の料金は$2.15だった。自販機からは結構な勢いでジャーッとワインが出てくるので、どうしても泡立ってしまうがまあ仕方ない。 ともあれ、味のほうは悪くないように思われた。香りはハーブっぽい刺激を伴う華やかさがあり、甘すぎず、重くない。酸味はあるがキツ過ぎず、甘さはほとんど感じず、旨味が中心という感じ。アフターが長くて綺麗な余韻。 今回長居はできなかったが、ここでゆっくり時間を過ごすのも楽しそうだ。ちなみにサンドイッチは実に美味しかった。 1つ前のワイナリー訪問へ 次のワイナリー訪問へ ワイナリー訪問その126 Avant Tapas and Wine(2012年5月再訪) Avant(2012年5月訪問) Ken Brownでの試飲を終えた後、Avantに移動してサンドウィッチを注文。出来上がるまでワインを試飲して時間を過ごした。飲んだのは以下。 Gulleyan Cabernet Sauvignon Paso Robles 2008 ($44)(テイスティング$1.5) 鮮やかな酸の効いた香り、コーヒーのような厚みも感じる。果実の甘酸っぱさがたっぷりしていてジューシー。ボディは中濃。アフターは酸の余韻がキレイ。 Longoria "Blues Cuvee" Santa Barbara County 2008 ($49)(テイスティング$2.4) 甘い熟成香と、果実の酸香とが同居。味にはくっきりとした酸味に加え、じわりとした苦味と渋みもあって骨格がしっかりとした感じ。 1つ前のワイナリー訪問へ 次のワイナリー訪問へ ワイナリー訪問その170 Avant Tapas and Wine(2012年6月再々訪) 米国滞在中、この日がついに最後のワイナリー訪問となった。 まず皮切りに、Avantで昼食を調達。サンドウィッチを注文して、出来上がるのを待つ間に、以下を試飲した。 Kessler Haak 2008 Pinot Noir Estate Vineyard Sta. Rita Hills ($49)(テイスティング$2.05) Zotovich 2009 Pinot Noir Zotovich Vineyard, Santa Rita Hills ($49)(テイスティング$2.22) Badge 2006 Pinot Noir Santa Rita Hills ($34)(テイスティング$2.40) Inception 2009 Pinot Noir Santa Barbara County ($35)(テイスティング$1.50) Martian Ranch 2009 Syrah Santa Ynez Valley($36)(テイスティング$2.00) こうして見てみると、この日は全部サンタバーバラ界隈のものを選んでいた。 最初の3つが、割と自分好みだった。特にZotovichは、ハービィで甘い香りが好ましく、口当たりに透明感があり、酸味が穏やかでバランスが良く、一番自分の好みに合っていた。 1つ前のワイナリー訪問へ 次のワイナリー訪問へ Avant Tapas and WineのWebサイトはこちら:http //www.avantwines.com/
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レーシングラグーン 278 名前:水先案名無い人 :05/03/05 01 05 43 ID NR14Ajng0 レーシング・ラグーン 全選手入場!! 最速伝説は生きていた!! 更なる研鑚を積み箱根を降りた男が甦った!!! 演説王!! 藤沢一輝だァ――――!!! 中華街でのドラッグレースはすでに我々が完成している!! 元町Queen s 立河 唯だァ――――!!! 手当たりしだいぶつかりまくってやる!! WANGAN GALEの血塗られた三人衆 BLOOD REDSだァッ!!! 素手の殴り合いなら俺の鉄パイプがものを言う!! 言葉の格闘技 ポエマー 赤碕翔!!! 真の恐怖を知らしめたい!! リアシートを襲う悪魔 酔っ払いだァ!!! 横浜GPは予選落ちだがナンパシケインならチャンピオンはオレのものだ!! エセ外国人 フレディ・ロバーツだ!!! 税金対策は完璧だ!! 横須賀Black Knights 青山奈々子!!!! あらゆるコースのベスト・レコードは私の中にある!! 首都高の神様が来たッ 等々力鳥司!!! タイマンなら絶対に敗けん!! 暴走族のレース見せたる 元特攻隊長 川崎鉄史だ!!! パーツ・コンプリート(ポケステ無しでは無理です)目指すならこいつが怖い!! BLRの最遅野郎 山田健三だ!!! NR本牧から紫髪が上陸だ!! 純情 石川真介!!! 走り屋に復讐がしたいからチーフレジデントになったのだ!! プロのコールドスリープを見せてやる!! 川志摩 サトル!!! めい土の土産に男も連れて行くとはよく言ったもの!! ラスボスの鉄パイプが今 BL埠頭でサクレツする!! 28歳!! 川志摩葵だ―――!!! 赤いアザミこそが髪型の代名詞だ!! まさかこの男がきてくれるとはッッ フォルツァ・ラッシュ!!! 走りたいからここまできたッ キャリア一切不明!!!! 十年前の横浜最速 『彼』だ!!! オレたちはローカル最速ではない関東で最速なのだ!! 御存知C-1RoadStars 楠木 蒲生!!! レースの本場は今やテストコースにある!! オレを驚かせる奴はいないのか!! SPENCERのオーナーだ!!! 遅ォォォォォいッ説明不要!! サングラス!!! マスク!!! テストコースのプリンスだ!!! レーサーはメカニックがいてナンボのモン!!! シャーシを手渡す超怪力女!! 本ヒロインの鈴木由佳の登場だ!!! 箱根の道はオレのもの 邪魔するやつは思いきり煽り思いきり追い越すだけ!! 箱根の皇帝 虎口美春 やたら長い自己紹介をしに日本へきたッ!! 統合EUROチャンピオン ハイデル・シュナイダー!!! 渋さに更なる磨きをかけ ”兄貴”難馬稔司が帰ってきたァ!!! 今の自分に『硬派』はないッッ!! ショータイム 石川圭介!!! 彼女いない暦=年齢の男たちが今ベールを脱ぐ!! JHONNY Sから モテない二人組だ!!! 三原葉子の前でならオレはいつでも全盛期だ!! 燃えるK.T.H. 沢木誠 死んでも登場だ!!! ウェイトレスの仕事はどーしたッ 沢木の命の炎 未だ消えずッ!! デートするも振るも思いのまま!! 三原葉子だ!!! 特に理由はないッ Diabloが早いのは当たりまえ!! 赤崎にはないしょだ!!! 冥界からの使者! 難馬恭司がきてくれた―――!!! NorthYokohama埠頭で磨いた実戦チキンレース!! 高島VRのDANGER使い Jackだ!!! 箱根UORだったらこの人を外せない!! 超A級ナンパ師 山崎リョウだ!!! 超一流会社の超一流の社長だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ WON-TECの社長!! ウォン・リー!!! 横浜GP本選のトロい車はこの男が完成させた!! 対Diablo Tuneの切り札!! 高橋九弐輝だ!!! 風のように走る男が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ 高橋九弐輝の親友ッッ 俺達は君を待っていたッッッ 矢吹天成の登場だ――――――――ッ 加えてレース発生に備え超豪華なパーツを4つ御用意致しました! ツインターボ Venus Mars!! エンジン潤滑油 Friction-0!! 最強のエアロ! Aero-Diablo! ……ッッ どーやらもう一つは入手が遅れている様ですが、入手次第ッ皆様にご紹介致しますッッ 関連レス コメント 名前
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コーデ マイデコ例 コーデボーナス ジャンププログラム 【吹き出しコメント1】とってもおしゃれなベルローズフレーム! 【吹き出しコメント2】かれいにまいおどるベルローズコーデ☆ 【メモ】 ブランド スター コーデ トップス スター S02-07★ ベルローズ ワインレッドベアトップ ボトムス スター S02-18★ ベルローズ ワインレッドタイトミニ シューズ スター S02-28★ レッドリボンニーハイ パンプス アレンジ - - ▲ マイデコ例 チャーム1 チャーム2 フレーム - - ベルローズ ゆうがなこころ ローズ - ▲ コーデボーナス ステージ コーデボーナス プリズムストーンショップ ◆◆◆◇◇ ほしぞらロックフェス ◆◆◆◆◆ プリズムLIVEスタジアム ◆◆◆◆◆ パウダースノーパーク ◆◆◆◇◇ スイーツカフェ ◆◆◆◇◇ プラネタリウム ◆◆◆◇◇ プリズムアリーナ ◆◆◆◆◆ トロピカルビーチ ◆◆◆◆◆ プリズムフューチャーアリーナ ◆◆◆◆◆ ゆうぐれロックフェス ◆◆◆◇◇ ディアクラウンショップ ◆◆◆◇◇ プリズムマイ☆デコアリーナ ◆◆◆◇◇ はらじゅくストリート ◆◆◆◇◇ ギャラクシースターファイナル ◆◆◆◇◇ ▲ ジャンププログラム 順番 ジャンプ 得点 サプライズ 1 はちみつキッス 100 あり 2 FUNFUNハートダイブ! 150 あり 3 トワイライトバタフライ 220 4 夢幻カレイドスコープ 250 ▲
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前 11-588不幸せな友人たち ティファニア 667 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2007/09/17(月) 05 25 46 ID 71OJQiuu 長テーブルの向側、上座に座ったアンリエッタが、ナイフに刺した肉を口元に持っていく途中で、 不意に手を止めた。どことなく冷めた目つきで、ソースの滴る肉を眺めている。ベロー伯爵は、内心 どきりとしながらも笑顔を作って問いかける。 「おや、いかがなさいました、女王様。料理に何か落ち度でも」 「珍しいですね」 抑揚のない声が返ってきた。アンリエッタは肉を皿に戻しながら、感情の読めない視線で真っ直ぐ にこちらを見つめてくる。 「ベロー伯爵家では、毒入りの料理を客に出すのがしきたりなのですか」 その言葉で、ベロー伯爵は計画の失敗を悟った。予想外のことに慌てながらも、部屋の外に向かっ て声を張る。 「者ども」 そこまで叫んだところで、不意に扉が蹴破られた。部屋の外に向いたいくつもの窓が一斉に割られ、 幾人もの人間が中に踏み込んでくる。彼らが身を包む制服は、ベロー伯爵家のものではなかった。ア ンリエッタの側近、銃士隊の紋章である。 呆然とするベロー伯爵を、銃士隊の隊員たちが速やかに取り囲み、銃剣の先端を突きつけてきた。 眼前で鈍く光る鉄の刃に、ベロー伯爵は小さく息を呑む。 「妙な動きをなさいませぬよう」 警告してきたのは、晩餐が始まってからずっと、アンリエッタの隣に控えていた銃士隊長、アニエ ス・シュヴァリエ・ド・ミランであった。こちらの生殺与奪を完全に握ったこの状況でもなお、その 鋭い瞳は油断なく光っている。 「そうすれば、もう少しだけ長生きできましょう」 ベロー伯爵は、この後の己の運命を悟った。体から力が抜け、椅子からずり落ちそうになる。 「な、何が……」 「状況が理解できないご様子ですな」 こちらへの興味を失ったようにワイングラスを傾けているアンリエッタの隣で、アニエスが淡々と言う。 「万一毒に気付かれたときのことを考えて、子飼いの兵をこの部屋の周囲や屋敷中至るところに忍ば せていた。こちらを完全に信用しきった無邪気な女王は、護衛の銃士隊も最低限の人数しか連れて きていない。計画が察知された様子もないし、確実に成功するはずだ。そんな風に考えていたので はありませんか」 己の考えを見透かされ、ベロー伯爵には返す言葉も浮かばなかった。 「貴族の権限を狭め、逆に平民の発言権を高めようとする。そんな陛下の政策に、あなたが不満を漏 らしていたことは当の昔に察知していました。あえて気付かない振りをしていたのですよ、伯爵殿。 何も知らない娘のように無邪気に振舞う女王陛下を見て、『こんな娘、いつでも簡単に始末でき る』とあなたが思うようにね」 数日前謁見したときのアンリエッタの姿が、ベロー伯爵の頭に浮かんだ。政治に関するニ、三の相 談事に関して答えてやったとき、感極まったようにこちらの手を取って、「あなたほど頼りになるお 方は、他には一人もおりませんわ」と目に涙を浮かべていた。所詮箱入り娘と笑っていた少女が、今 は自分の向かい側に座り、冷めた表情でワイングラスを傾けている。 (この娘のことを、見誤ったというのか) 王位につく前の、何も知らぬ少女の姿と、数日前に謁見したときの無邪気な様子が、ベロー伯爵の 目を完全に曇らせていたらしい。完全に、手玉に取られたのだ。 (女狐めが) 心の中で毒づいたところで、もはや何もかも遅い。アンリエッタは自分のことを許しはしないだろ うし、銃士の侵入を容易く許しているところを見る限り、屋敷に潜まれていた私兵たちも全て取り押 さえられているか、殺されてしまっているだろう。自分に全く気取られずに、そこまでの仕事を成し 遂げたのだ。 ベロー伯爵はガクリと肩を落とした。完全な敗北である。 そのとき、床を見つめていた視界の隅に、見慣れぬ誰かの足が映った。銃士隊のブーツである。顔 を上げると、そこに盆を持った一人の銃士がいた。無言のまま、盆の上にあったワイングラスをベ ロー伯爵の眼前に置く。 グラスになみなみと注がれたワインの意味するところが分からず、ベロー伯爵は困惑する。前方に 視線を向けると、ワイングラスを片手に持ったアンリエッタが、こちらを見て言った。 668 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2007/09/17(月) 05 26 53 ID 71OJQiuu 「毒杯です。お飲みなさい」 絶句するベロー伯爵に対し、アンリエッタは静かだが強い口調で続ける。 「あなたは、常日頃から貴族の誇りや伝統のことを何度も何度も繰り返し口にしてきましたね。なら ば、主君である女王をその手にかけようとしたことの意味は、もう十分に理解しているはず。恥じ る心があるのならば、その毒杯を呷って自ら死を選びなさい。あなたとて、下賎な平民の下賎な刃 に刺し貫かれて死にたくはないでしょう」 ベロー伯爵は、全く揺れぬアンリエッタの表情と、自分に突きつけられた無数の剣先を交互に見た。 助かる道はない。ワイングラスを手に取ると、液面にかすかな波紋が生まれた。手が震えている。い や、手だけでなく、体全体が。突如として眼前に迫った死に対する恐怖のためなのか、それとも計画 を台無しにしたアンリエッタに対する恨みのためなのかは分からない。 (何故だ、何故こんなことになったのだ) 女王の勧める通りに毒入りのワインを呷ることもせず、ベロー伯爵はひたすら自問自答を繰り返した。 (何故計画が露見した。何故わたしはこの女狐の能力を見誤った。そもそも、何故わたしは主君たる 女王を暗殺しようなどと) 「決心がつきませんか」 不意に、アンリエッタが言った。長テーブルの向側を見ると、彼女が無表情にワイングラスを掲げている。 「最後の機会です。私自ら、あなたと盃を合わせて差し上げましょう。主君たる女王と杯を合わせて 死んでいけるのです。貴族の名誉を重んじるあなたには、最上の手向けでありましょう」 ベロー伯爵は目を見開く。急に頭がすっきりしてきた。ワイングラスをテーブルの上に置く。腹の 底から上ってくる震えを、哄笑にして吐き散らした。 「名誉。最上の名誉ですと? あなたと杯を合わせることが? ふざけるな、王家に尽くす貴族を蔑 ろにし、卑しい平民にすり寄る売国奴め! 貴様は、このわたしが」 ベロー伯爵は胸元に手を差し入れる。そこには杖と短銃が隠されていたが、状況から考えて詠唱な ど成功するはずがない。ならば銃を使った方が僅かなりとも女王を道連れに出来る可能性が高い。一 瞬でそう判断し、力いっぱい銃把を握って腕を引き抜き、銃口をアンリエッタに向ける。引き金にか かった指に力を込めた。 「意外ですね」 アンリエッタがそう言うのと、周囲の銃士たちがベロー伯爵の体を銃剣で一斉に刺し貫くのとは、 ほぼ同時だった。ベロー伯爵の口から大量の血が溢れ出す。なんとか引き金を引こうとするが、指か らはどんどん力が抜けて、ついに引き金から離れてしまった。 さらに大量の血が、口から溢れてくる。体の端から急激に体温が失われ、最後には全身から力が抜 けた。支えるものをなくした体が椅子から滑り落ち、意識が闇に溶ける直前、ベロー伯爵はアンリ エッタの冷たい声を聞いた。 「平民の知の結晶である銃を手に、平民の磨いた牙である剣を胸に受けて息絶えるとは。貴族の名誉 を重んじるあなたには、似合わぬ最後になりましたね」 ベロー伯爵は、最後の力を振り絞って銃を放り出そうとする。だが、力一杯握り締めていたために、 銃把は最後まで離れることなく、彼の右手に収まったままだった。 アンリエッタに対する怨嗟の声を胸の中に響かせながら、ベロー伯爵は事切れた。 669 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2007/09/17(月) 05 27 34 ID 71OJQiuu 数十分後、ベロー伯爵の邸宅の中を、銃士隊の隊員たちが忙しく行き来していた。捕えた私兵たち を連行したり、まだ暗殺者がどこかに潜んでいないか念入りに調べたり、また、王宮に帰還するルー トに危険がないか偵察したり、やることはいくらでもある。幸い、以前に比べれば銃士隊の規模もか なり大きくなっているため、人手不足ということにはならないが。 (と言っても、無謀な作戦だったことに変わりはないが) 先程までベロー伯爵の処刑劇が演じられていた広間の外、大扉を背に、アニエスは深々とため息を 吐く。上手くいったから良かったものの、相手がもう少し知恵の働く男だったら、今頃死んでいたの はベロー伯爵ではなくアンリエッタの方だったはずである。 (ひょっとしたら、それでも構わないなどとお考えなのかもしれないが) 近頃すっかり常態と化した感のある、アンリエッタの冷たい無表情が頭に浮かぶ。そのとき、アニ エスは不意に声をかけられた。 「隊長」 見ると、副官がそばに立っていた。アニエスと同じくうら若き乙女ではあるが、やはり彼女も相当 な銃と剣の使い手である。 「何か」 「はっ。反逆者たちを連行する準備が整いました。また、屋敷を改めてくまなく捜索させましたが、 暗殺者などの影は見当たりません。帰還ルートに関しても、危険はないとのことです」 「ご苦労。陛下への反逆に加担しようとした不逞の輩だ。連行には十分な注意を払うように」 「了解いたしました」 副官は一礼したが、どことなく迷っているような表情で、ほんの少しだけその場に留まった。 「どうした」 「いえ」 副官は一度そう答えてから、声を落として話し出した。 「ずいぶんと、お変わりになりましたね。女王陛下は」 アニエスはちらりと背後の扉に目をやる。アンリエッタはまだ広間の中にいるはずである。中にも 外にも多数銃士を配置しているので、危険はないはずだ。 「変わられた、か。そう思うのか」 「ええ。冷たくなられた、というか、隙を失くされた、というか。いえ、政治家としてはむしろ優秀 になられましたし、喜ぶべきことなのでしょうが」 この副官は、アニエス同様真面目な性格であり、いつもならばこんな風に少々不敬とも言える噂話 などしない。それでもなお無駄口を叩いているのは、それだけアンリエッタ女王の急激な変化に戸 惑っているということなのだろう。 「我々は何よりも優先して陛下をお守りする盾であり、敵を排除する剣でもある。陛下のなさること について、あれこれと疑問を差し挟むのは感心せんな」 「はっ、申し訳ございません。過ぎたことを申しました」 副官が慌てて居住まいを正す。「が、まあ」とアニエスは言った。 「気持ちは分からんでもない。確かに、女王陛下はお変わりになった。王族としての自覚がそうさせ るのだろうが」 「王族としての自覚、ですか」 「そうだ。陛下とて、アルビオンとの戦争を始めとする様々な難局を乗り越えてこられたのだ。政治 家として成長もされようし、国を守る覚悟も自然と身につこう」 アニエスは、副官の肩を軽く叩いて微笑んだ。 「頼もしいことではないか。即位した当初は何も知らぬか弱い少女に過ぎなかった陛下が、王として の自覚を持ち、我々を手足として治世を行う優れた為政者になられたのだ。我々としても、命を賭 けて戦う甲斐があるというものだろう」 副官は深々と頭を下げた。 「申し訳ございません、任務中だというのに、いらぬことを申し上げました」 「気にするな。我々の任務は責任重大だ。迷いを持ったまま行動される方が困る。今後のこと、任せたぞ」 「はっ」 副官は一礼して、今度こそ立ち去った。迷いのなくなったその瞳を思い出し、アニエスはため息を吐く。 670 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2007/09/17(月) 05 28 35 ID 71OJQiuu 「国を守る覚悟、王としての自覚、か」 苦笑が漏れた。 「我ながら、心にもないことを言ったものだな」 呟き、アニエスは広間の扉を開いた。途端に、血の臭いが鼻をつく。先程までの処刑劇の残り香だ。 扉のすぐそばに控えていた銃士隊員に外に出るよう指示し、人払いをする。 「陛下」 未だに長テーブルの椅子に座り、ワイングラスを傾けていたアンリエッタのそばに歩み寄る。 「なんですか、アニエス」 グラスの中に目を落としたまま、アンリエッタは興味なさげな声で答えた。まだ死体を片付けたば かりで、部屋の中には血の臭いが強く漂っている。だと言うのに、そのことを嫌悪する素振りなど全 く見せない。その様子は冷静と言うよりは投げやりと言ったほうが正しく、アニエスの胸にはっきり とした不快感をもたらした。 「撤収の準備が整いました。引き続き、我々が王宮までお守りいたします」 「そう急ぐこともないでしょう。もう少し、ここでゆっくりしていきます。この屋敷の中で最上のワ インを持ってこさせなさい、アニエス」 「陛下、恐れながら申し上げます」 我慢しきれず、アニエスは苦言を呈した。 「どうか、ご自愛ください」 「何の話です?」 「今回の件についてもそうですが、わざわざ陛下の御身を危険に晒さずとも、他にやりようはいくら でもありました」 「あら、特に問題はないでしょう。ベロー伯爵は叛意を抱いていました。ですが、警戒心が強く、な かなか尻尾を出さなかった。だから私が愚かな少女の演技をして、彼の油断を誘ったのです。実際 彼は計画が露見していることになど全く気付かず、今日を好機と見て私を暗殺しようとした。結果 は見ての通りですが」 アンリエッタは口元に薄く微笑みを浮かべた。 「反乱分子の筆頭でもあったベロー伯爵が粛清されたとなれば、他の者たちも少しは大人しくなるで しょう。改革は滞りなく進み、私はますます王としての評価と、国民からの支持を高めることにな る。何か問題がありますか、アニエス」 改革というのは、近頃のアンリエッタが強硬に推し進めている、平民の権利を拡大させんとする政 策に関するものである。 魔法を操る貴族が支配権を握り、平民を抑圧している社会。始祖ブリミルが与えた魔法をただ伝え るだけで、新たなものを生み出そうとしない社会。数千年前からこの世界の文明がほとんど進歩して いない原因はそこにあると唱えた女王アンリエッタは、今後は正式に平民からも有用な人材を登用し ていくと発表。平民出の銃士からなる銃士隊の権限と規模が拡大し、銃の製造や化学など、魔法を必 要としない技術の研究に、以前とは比べ物にならないほどの資金や労力が注がれることとなった。 そういった平民の台頭を、多くの貴族が快く思わなかったのは当然である。中には堂々とアンリ エッタへの不満を唱える輩もおり、トリステイン中に不穏な気配が広がりつつある。 今回のベロー伯爵の暗殺計画も、そういった風潮の中で持ち上がってきた企てであった。 「それは結果論です、陛下。一歩間違えれば、死んでいたのは陛下の方だったかもしれませぬ」 「そうならないためにあなたたちがいて、実際そうはならなかったでしょう。何が気に入らないので すか、アニエス。私は女王として、常に最善の選択をしているつもりですよ」 女王として、という部分を、アンリエッタは殊更に強調する。最近、彼女はこういった物言いをす ることが多い。その理由を、アニエスはよく知っていた。 「……まだ、あの男のことを気に病まれているのですか」 「何のことかしら」 アンリエッタは素っ気なく言って、空になったワイングラスを手で弄ぶ。 「サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガは、陛下の苦悩になど全く頓着せずに逃げ出した、見下げ果て た男です。ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールに関してもそれは同様。陛下が気に病まれる必要など全 くございませぬ」 「だから、何のことですか、アニエス。私は彼らのことなど一度も口にしていませんよ」 あくまでも、アンリエッタは素っ気ない口調で答える。が、ワイングラスを持つその手が震えてい ることに、アニエスは気付いていた。気付いていながら、あえて気付かぬ振りをして、頭を下げる。 「出立の準備をなさってください。王宮までお送りいたします」 アンリエッタは返事をしなかった。 671 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2007/09/17(月) 05 29 53 ID 71OJQiuu 残った仕事を全て済ませて王宮内の兵舎に戻り、自室の寝台に入っても、アニエスはなかなか寝付 けずにいた。アンリエッタの冷めた表情が、いつまで経っても頭から離れない。 (これというのも、全てはサイトたちが逃げ出したのが原因だ) 今はもう遠く離れた地にいるのであろう少年たちに、胸の中で呪詛の言葉を吐きつける。 アンリエッタの変化は、明らかに彼らが東方に旅立ったのが原因である。彼女自身才人という少年 には心を惹かれていた様子である。本当ならば、何もかも放り出してついていきたかったに違いない。 だが、ガリアの王位継承問題やゲルマニアの内紛等、刻々と移り変わる状況がそれを許さなかった。 そして、そういった難しい問題に直面することとなったアンリエッタを見捨てるような形で、才人た ちは旅立った。 彼らが西方を去ったこと自体は、さほど間違った判断ではない。ガリアの問題にしろゲルマニア の問題にしろ、才人たちはそれらに深く関わっていたのだ。西方に留まり続ける方が、むしろ問題は 大きくなっただろう。 しかし、状況が慌しすぎたせいか、彼らはアンリエッタには何一つ言い残すことなく旅立ってし まった。彼女は根本的に情が豊かな人間である。これでは、自分が見捨てられたのだと解釈してしま うのも無理はない。 (陛下は、女王という立場に留まらざるを得ない自分に嫌気が差しているのかもしれない) 平民の権利拡大を歓迎するような政策も、そういった情の表れなのではないかとアニエスは考えている。 だが、それでも、アンリエッタはまだ決定的に変わってはいない。 見捨てられたのだという思い込みのせいで多少自暴自棄になっているものの、女王という立場を嫌 悪する向きがあったのは昔からだ。政策に反対する貴族への対策に関しても、時に今日のような無茶 をすることがあるが、判断自体は割と冷静である。これが、たとえば女王として振舞わなければなら ない自分に完全に嫌気が差して引きこもってしまうとか、あるいは自殺するだとか、そういった破滅 的な行動に向かっているのならば相当問題である。だが、今のアンリエッタは、恋人に捨てられた女 が、それを忘れるために我を忘れて仕事に打ち込んでいるようなもので、さほど病的な訳ではないのだ。 (どちらにしろ感情に振り回されている訳で、王としては致命的な欠点だがな) それでも、今はまだ上手くいっている。平民からの支持はむしろ向上しているし、貴族の中にも、 世の流れを読んでアンリエッタの政策に協力する者もいるほどなのだ。事実だけを見れば、アンリ エッタの施政は決して悪いものではない。 672 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2007/09/17(月) 05 31 08 ID 71OJQiuu だが、それは今だけに限った話である。想い人や友人に見捨てられたという思い込みを抱えたままでは、 いつか精神が限界を迎えて、抜け殻のようになってしまう可能性がある。貴族達の大部分の反感を 買っているこの状況でそんなことになってしまったらと考えると、ぞっとする。 (サイト、お前達は今どこにいる。私では、お前達の代わりにはなれないのだぞ) アニエスの情報網と言えども、さすがに人類未踏の東方に消えた才人たちの行方を知ることはできない。 アンリエッタの心を癒すことが出来る唯一の人間がどこに行ったか分からないのでは、手の打ちよ うがないのだった。 苛立ち紛れにアニエスが寝返りを打ったとき、部屋のドアがノックされた。深夜の訪問である。枕 元に置いてあった剣を取り、警戒しながら入り口の扉に向かう。 「誰か」 問うと、聞き慣れた銃士隊員の声で返事が返ってきた。扉を開ける。 「何だ。こんな時間に扉を叩いたのだ、火急の用なのだろうな」 「は、おそらく、そう思われますが」 銃士隊員は歯切れの悪い声で言いながら、用件を口にする。 「アニエス様の邸宅に客人がいらしたと、侍従の者が伝えに参りました」 「客人? こんな時間にか」 「はい。客人のお名前は」 銃士隊員が口にした名前を聞いて、アニエスは目を見開いた。 「ギーシュ・ド・グラモンだと。それは本当か」 念のため確認すると、銃士隊員は困惑した様子で頷いた。アニエスは数瞬押し黙った後、銃士隊員 に命令する。 「わたしの馬を用意させろ。今すぐ邸宅に戻る」 「了解しました」 銃士隊員が一礼して去った後、アニエスははやる気持ちを抑えて、夜着から制服に着替えにかかった。 東方に旅立った一団の中には、ギーシュ・ド・グラモンの名前も含まれていたはずである。その彼 がアニエスの邸宅を訪れたということは、才人たちもまた西方に帰還しているということだ。 何故才人ではなくギーシュが来たのか、またその用件は何かなど、分からないことはいくつもある。 が、今はともかく邸宅に向かってギーシュの姿を確認するのが第一だ。 (お喜びください陛下、あなたの想い人が、東方から帰ってきましたよ) 才人とルイズが頭を下げ、非礼を詫びるのならば、根が優しいアンリエッタは彼らの罪を許し、そ の関係はまた元に戻るはずである。そうすれば、彼女も今日のような無謀な行動は取らなくなるだろう。 この数ヶ月ほど、常に心を悩ませていた問題に解決の兆しが見えてきたことを喜びながら、アニエ スは部屋を出た。 166 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2007/09/20(木) 02 04 21 ID 0yA3EzQo 深夜にも関わらず明りを灯された執務室に立ち、アンリエッタはアニエスが来るのを今か今かと 待っていた。 東方探検隊が帰還したらしいという報告を受けたのは、ほんの数十分ほど前の話である。 既に就寝中だったアンリエッタだが、報告を受けるや否や跳ね起き、服を着替えつつ執務室の明り を灯させた。 もうすぐ、アニエスが、彼女の屋敷を訪れたという探検隊の人間を伴ってやってくるはずである。 深夜、急な話ということもあって、部屋の中はまだ少し寒い。だが、そんな寒気など気にならない ほどに、体が興奮で火照っていた。 (サイト殿が、帰ってきてくださった) そう思うだけで鼓動が激しくなり、アンリエッタはたまらず胸を強く抑える。 彼女にとって、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガというのは、他には誰一人としていないという ぐらい、特別な存在である。 過ちを犯しかけた自分を、体を張って何度も止めてくれた人。 自分のことを「アン」と呼んで、優しく肩を抱いてくれた人。 世界でただ一人だけ、自分のことを女王ではなく、アンリエッタという一人の少女として扱ってくれる人。 才人がいてくれれば、ほんの一時とはいえ、女王でもなんでもないただの少女に戻ることができるのだ。 今や一日のほとんどを政務に費やすことになったアンリエッタにとって、それは他の何よりも得難 く、幸福な時間だった。 そのほんのわずかな幸せすらも、アンリエッタは手にすることができなかった。愛しい彼のそばに、 一人の少女の姿があったからだ。 ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。アンリエッタにとっては幼馴染であり、今や殺しても足りないほ どに憎い恋敵ともなった少女である。 才人を束縛し、独占しているルイズ。 才人が与えてくれる幸せを、欠片も残さず奪っていくルイズ。 才人を無理矢理引っ張って、自分から引き離してしまったルイズ。 (今回の東方行きの件だってそう。きっと、ルイズが無理を言ってサイト殿を連れて行ってしまった んだわ) アンリエッタはほとんど確信に近い気持ちで、そう信じていた。 彼女は才人のことを覚えている。あの優しい眼差し、弱い自分を受け止め、支えてくれた彼の体の 温もりを、今でも忘れてはいない。 そんな彼が、今、苦境に立たされているアンリエッタを放っていくはずがない。 そう、彼は無理矢理ルイズに引っ張られていっただけであって、決してアンリエッタが苦しんでい ることを忘れてしまった訳ではないのだと、彼女はよく自分の心に言い聞かせていた。 (そうよ。サイト殿が悪いんじゃないの。ルイズよ。全部、あの子がいけないんだわ) もちろん、ルイズがいなければ、そもそも才人はアンリエッタの前に現れることすらなかっただろ う。そんなことぐらいは、彼女にもよく分かっている。分かっていてもなお、ルイズに嫉妬する気持 ちが止められないのだ。偽物だと知りつつ、蘇ったウェールズ王子についていってしまったときのよ うに。あのときは抑えがたい愛情が体を突き動かしていたが、今は身を焦がさんばかりに激しく燃え 上がる嫉妬の念が、胸の中で渦を巻いているようだ。 (でも、もういいの。サイト殿さえ戻ってきてくだされば、私は全てを許すことができる) もしも東方を旅している間に、サイトの心が完全にルイズに捕われてしまったのだとしても、それ はそれで構わない。 それでも、彼は自分のことを覚えていてくれるはずだ。女王としてのアンリエッタではなく、一人 の少女としてのアンリエッタを覚えていてくれるはずだ。 自分には、その現実だけがあればいい。女王という立場に振り回されて疲れきった自分を、一時だ けでもただの少女として扱ってくれる、彼さえいてくれれば。 ただのアンリエッタを知っている才人がいてさえくれれば、それだけでルイズのことも許せるし、 この後も女王としての責務に耐えていける気がするのだ。 そのとき、不意に執務室の扉がノックされた。 167 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2007/09/20(木) 02 05 30 ID 0yA3EzQo 「アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン、参りました」 また、心臓が早鐘を打ち始める。アンリエッタは声が震えないように注意しながら返事をした。 「お入りなさい」 扉がゆっくりと開けられ、制服姿のアニエスが部屋に入ってくる。その後ろに、見たことのある少 年が付き従っていた。 (サイト殿ではないのね) 少し気持ちが落ち込んだが、その少年も、記憶する限りでは東方探検隊の一員だったはずだ。つま り、彼らが帰還したのは間違いないということである。 「ギーシュ・ド・グラモン殿をお連れしました」 「ご苦労様です、アニエス。彼の報告は、今後の政情にも関わってくるかもしれません。あなたもこ こにいて、共に話を聞いてください」 「はっ」 アニエスが隣に立つ。アンリエッタは、跪いて頭を垂れているギーシュに声をかけた。 「お久しぶりですね、ギーシュ・ド・グラモン殿」 「はっ。このような夜分に申し訳ございません。女王陛下につきましては」 緊張して固くなっているギーシュの声を、アンリエッタはもどかしい気持ちで遮った。 「口上は不要です。顔を上げてください」 「はっ」 若干困惑したように、ギーシュが躊躇いがちに顔を上げた。 「まずは報告を聞きましょう。このような夜分に参ったのですから、急いで話さなければならないこ とがあるのでしょう」 「はい。仰る通りです。至急陛下のお耳に入れ、また、恐れながら陛下のご助力をお借りしたい儀が ございます」 硬い声で話すギーシュは眉間に皺を寄せており、何か非常に苦悶しているような様子だった。こん な風に緊張した表情を浮かべるような少年だっただろうか、と少し疑問に思いながら、アンリエッタ は話の先を促す。 「分かりました。私に出来ることであれば、力になりましょう」 それは偽らざる本心だった。東方探検隊のギーシュが力を借りたいというのは、才人が力を借りた いと言っているのと同じである。たとえ誰が何を言おうが、必ずや才人の窮地を救おうという気持ち だった。 (そうよ。私は今度こそ守ってみせる。私の愛しい人、私の小さな幸せを) 強く心に言い聞かせるアンリエッタの前で、ギーシュは何か決心がつきかねるように、しばらく目 を閉じて唇を真一文字に引き結んでいた。次に目蓋を上げたとき、その目には痛々しく感じられるほ ど力がこもっていた。 「では、お話いたします。ですが、その前に一つだけ、どうしてもお伝えせねばならないことがございます」 「なんでしょうか」 「陛下は、サイトのことを覚えておられますか」 心臓が大きく脈を打つ。それを悟られないよう、アンリエッタは平静を装って頷いた。 「ええ、もちろんです。サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ殿ですね」 「そうです。陛下、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガは」 ギーシュはそこで言葉を切って、大きく一度、呼吸をした。そして、絞り出すような声で続けた。 「東方の地にて、命を落としました」 168 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2007/09/20(木) 02 06 31 ID 0yA3EzQo 一瞬、ギーシュが何を言っているのか分からなかった。 (サイトが、死んだ?) 心の中で反芻してみても、やはり信じられない。 ほんの少しだけ、悪質な冗談なのではないかと思ってもみた。しかし、ギーシュの顔はこれ以上な いぐらいの苦痛に歪んでいるように見え、とても嘘をついているようには思えなかった。 (それは本当ですか) と、思わず質問しそうになって、寸でのところで踏みとどまった。主君であるアンリエッタを差し 置いて、自分が言葉を発する訳にはいかない。 (そうだ、陛下は) アニエスは慌ててアンリエッタの顔を窺う。彼女の顔には、何の表情も浮かんでいなかった。ただ 目を見開いて、瞬きもせずに硬直している。無反応ではなく、あまりに衝撃的な事実に反応すること ができないといった様子である。 (サイトが、死んだ) アンリエッタの様子を伺いながら、アニエスはもう一度心の中で繰り返してみる。 だが、やはりどうにも信じられなかった。 七万の大軍に突撃して満身創痍になりながら、それでも死ななかったような男である。見かけこそ 頼りない少年だったが、彼が死ぬなどとは想像もしていなかった。前人未到の東方に旅立ったとは 言っても、死にかけながらも生き延びて、いつかは平気な顔で帰ってくるだろうと、信じて疑わな かったのだ。 (だが、そうか。サイトは、死んだのか) 考えてみれば、別段おかしな話ではない。何せ、東方は人間を敵視する危険なエルフの支配地であ る。並の人間ならば、足を踏み入れただけでも殺されてもおかしくはないのだ。 (そうだ、おかしな話ではない。サイトは、死んだのだ) 心に無理矢理言い聞かせて、アニエスは何とか納得した。 彼女自身彼とは友好があったが、職業柄と過去の出来事から、他人の死には慣れている。悲しみに 胸が痛まないと言えば嘘になるが、正気を失ってしまうほど動揺することはなかった。 (しかし、陛下はどうか) 改めて、アニエスはアンリエッタの様子を窺った。年若き女王は、まだ呆然としたままだったが、 やがてぎこちない口調で呟くように言った。 「死んだ。サイト殿が」 「はい」 「間違いないのですか」 「間違いようがありません。わたしたちは、オストラント号に彼の亡骸を乗せて、この地に帰ってき たのですから」 「そう、ですか。サイト殿が、死んだ」 アンリエッタはもう一度呟いたあと、顔を伏せて押し黙ってしまった。 執務室内に、重い沈黙が満ちる。アンリエッタは何も言わないし、そうすると続きを話すことも憚 られるらしく、ギーシュもまた床に視線を落として押し黙っている。止むを得ず、アニエスは話の続 きを促した。 「ギーシュ殿。そのことについて、もう少し詳しくお聞かせ願えないだろうか」 「詳しく、ですか。そうですね」 ギーシュは困惑しながら、才人が命を落とすに至った経緯を話し始めた。 俯いていたアンリエッタが反応を示したのは、才人が命を落としたその瞬間について、ギーシュが 語ったときだった。 169 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2007/09/20(木) 02 07 20 ID 0yA3EzQo 「それで、わたしたちが止める間もなくルイズが飛び出して、それを追ったサイトが、彼女の盾になり」 「ルイズですって?」 不意に、アンリエッタが顔を上げた。呆然と見開かれていた瞳が、急に焦点を結び、強くギーシュを見据えた。 「では、サイト殿は、ルイズを庇って命を落とされたのですか」 その部分がとても重要だとでも言わんばかりに、アンリエッタは念を押すような強い口調で問う。 やや気圧されながら、ギーシュは躊躇いがちに頷いた。 「そういうことに、なると思います」 「そうですか」 そう言ったきり、アンリエッタはまた俯いてしまった。垂れた前髪に隠れて目元は窺えないが、閉 じられた口元からは何の感情もうかがい知ることが出来ない。 また沈黙が訪れるかと思いきや、アンリエッタが不意に静かな口調で呼びかけた。 「ギーシュ殿」 「はい」 「サイト殿は、最後に何と言い残されましたか」 その声はとても静かだったが、底冷えがするほどに深い響きを持っていた。まるで、その質問に自 分の全存在を賭けてでもいるかのような、背筋が震えるほどの凄みを感じさせる声音だった。 ギーシュもそれを感じ取ったらしく、答えるまでには若干間があった。 「ルイズを、幸せに……と。それが、サイトの最後の言葉です」 「それだけですか。他には、何か」 何かにひどく恋焦がれるように、アンリエッタが食い下がる。ギーシュはゆっくりと首を横に振った。 「他には、何も。船に連れ戻したときには、もう完全に手遅れの状態でしたから」 そのときのことを思い出したのか、ギーシュは少し、唇を噛んだ。 「本当に、最後の力を振り絞って、言い残したのだと思います」 「そうですか。ルイズを幸せに、と……そうですか」 小さく呟き、アンリエッタはまた顔を伏せてしまった。先程才人の遺言を問うたときの奇妙な迫力 が、見る見る内に消えていく。それと同時にアンリエッタ自身の体も小さくなっていくように思えて、 アニエスは居た堪れない気持ちになった。 そのとき、アンリエッタがゆっくりと顔を上げた。驚くべきことに、その表情はとても静かなもの だった。と言っても、ここ最近アニエスが見慣れていた、自暴自棄を窺わせるような冷めた表情では ない。特にその瞳は、奥深くに氷河の存在を感じさせるほどに、冷たく澄んだ光を放っている。 (お変わりになられた) アニエスは瞬時に確信した。今この瞬間、アンリエッタの中で何かが変わったのだと。怖気を覚え させるほどの何かが、この年若い女王の中で生まれ落ちたのだ。 「話してくださって、ありがとうございました」 労うような慈愛に満ちた口調にも関わらず、どこか相手をぞっとさせるような声音で、アンリエッ タが言った。 「大変な旅路だったようですね。ギーシュ殿、よく無事に帰還なさいました」 「はっ、いえ、わたしは」 喜びを表す気にはなれないらしく、ギーシュは曖昧に言いよどむ。 「ところで、私の助力が必要だという件に関してですが。それはもしかして」 アンリエッタの口元に微笑が浮かぶ。 「ルイズに関すること、ではありませんか」 その微笑の裏に言葉では言い表し難い何かが潜んでいるような気がして、アニエスは背筋を震わせた。 109 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2008/02/02(土) 01 35 22 ID 89cMK7mH アンリエッタとギーシュは、ルイズの処遇について話し合った。目的はルイズを死ぬまで幸せにし ておくことである。シエスタの提案どおり、才人の死に関する記憶を奪い、彼が元気に生きていると 思わせておく、というのが計画の根幹だった。 「そのためには、ルイズを徹底的に外界から引き離し、なおかつその状況を彼女が不審に思わないよ うにしなければなりません」 「そこで私の力が必要になるのですね?」 「はい。具体的には……」 計画自体は既にほとんど完成されていた。だからこそ、アニエスは余計に不安だった。 (陛下は、この計画を強引に変えさせて、ルイズを取り巻く嘘を壊してしまうつもりなのではないか?) 先ほどのアンリエッタの微笑から、そんな風に勘ぐってしまう。 だが、傍らでアニエスが聞いていた限り、アンリエッタは計画に対して非常に協力的だった。不安 が残る箇所を指摘し、その穴を的確に埋めてみせたのである。そうして数刻ほどの時間が過ぎ、空が 白み始めたころ、計画は持ち込まれた当初よりもかなり完成度の高い状態に仕上げられていた。 「女王陛下」 部屋を辞する直前、ギーシュはアンリエッタの眼前に膝を突き、頭を垂れた。その声は細かく震えていた。 「私たちの力だけでは、ルイズの幸福を保つのは困難だったでしょう。ですが、こうして陛下のご助 力を賜った今、それはもはや不可能な話ではなくなりました」 アンリエッタは労わるような微笑で応えた。 「お気になさらないでください、ギーシュ殿。私はただ、大切な親友の幸福に、少しでも寄与したい と思っただけなのですから。あれほど愛していたサイト殿を失ってしまうだなんて、可哀想なルイズ……ギーシュ殿、どうか、生ある限り、彼女の幸福の助けになってあげてくださいましね」 「はっ……」 ギーシュはさらに深く頭を下げた。その肩が小刻みに震えている。泣いているのかもしれなかった。 彼はやがてそっと目元を拭ったあと、立ち上がってきびきびと一礼した。 「それでは、失礼いたします。夜半突然の来訪の上、このような慌しい出立になるのは非常に無礼で あると承知しておりますが」 「構いません。すぐに準備を整え、ルイズを迎えに行ってあげてください。あまり遅れて、彼女が不 審がってはいけませんから」 ギーシュは再度礼を述べて、慌しく部屋を出て行った。彼はそのままトリステイン近郊に停泊して いるというオストラント号に戻り、ルイズを迎える準備に奔走することになっている。 アニエスと二人だけになった途端、アンリエッタは長く息を吐き出して、椅子に深く身を沈めた。 顔を伏せ、沈黙する。それから、不意に肩を震わせ、低い笑い声を漏らし始めた。その笑いはじょ じょに大きくなり、ついには全身を揺さぶるほどの狂笑と化した。 その笑い声から滲み出る強烈な悪意に背筋を強張らせながら、アニエスは慎重に問うた。 「いかがなさいましたか、陛下」 アンリエッタは狂おしく笑いながら応えた。 「だって、あんまりおかしいんですもの。アニエス、聞いたでしょう? あの子が今どんな様でいる のかを。ああ、なんて馬鹿なルイズ。愛しい愛しいサイト殿が目の前で死んだこともきれいさっぱり 忘れ去って、よりにもよって彼と幸福な結婚をしたと信じ込んでいるだなんて。でもそうね、あの子 にはそれがお似合いだわ。だって昔から道化だったんですものね、あの子は。ねえアニエス?」 110 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2008/02/02(土) 01 37 28 ID 89cMK7mH 「なんでしょうか、陛下」 「あなたは、私があの子を取り巻く偽りの幸せを、壊すつもりだと考えているのでしょう?」 実際その通りだったが肯定することも躊躇われ、アニエスはすぐに返事を返せなかった。アンリ エッタは構わずに、奇妙なほど優しい微笑を浮かべて言った。 「でも、そんなことをするつもりはありません。私は、あの子が一生、サイト殿が生きているという 幻想に抱かれながら生きていく手伝いをするつもりです」 「それは、陛下のルイズに対する友情故でございましょうか?」 違うと知りつつも、アニエスは問いかけた。案の定、アンリエッタはゆっくりと首を横に振った。 その瞳には、死にかけて痙攣している獲物を面白がって見下ろすような、冷酷な光が宿っていた。 「違うわ。私はねアニエス、表ではあの子の幸福を喜びながら、裏では思う存分あの子を笑ってあげ るつもりなのよ。私が手に入れられなかったサイト殿の愛情を一身に受けているつもりで、実際には お節介な友人方がお膳立てした、偽物の幸福の中で無邪気な夢を見ているあの子をね」 アンリエッタは小さく身震いした。 「ああ、なんて素敵なのかしら! 本来なら、私があの子から哀れまれ、見下される立場だと言うの に、今やそれは完全に逆転したのだわ。私は確かにサイト殿の愛情を勝ち得ることは出来なかったけ れど、ただ本当の記憶を持って生きている、あの子が気付かない本物の現実を知っているという点に おいて、あの子の全てを嘲笑い、見下すことが出来るのだから」 そうしてまたひとしきり哄笑を上げたあと、アンリエッタは不意に押し黙り、俯いた。 少しの沈黙の後、彼女の頬を一筋の涙が流れた。 「でも、私がサイト殿の愛情を受けることは、もう二度とない。いいえ、愛情どころか、言葉ですらも」 ぽつりとした呟きと共に、アンリエッタの頬を滂沱の涙が流れ落ちた。彼女は声を詰まらせながら言った。 「ねえアニエス、あの方の最後の願いを覚えているかしら? あの方は最後にこう言い残したそうね ――『ルイズを幸せに』と。その一瞬、あの方の心を占めていたのはルイズの行く末を案ずる感情だ けだったでしょうね。きっと、あの方の死を看取ることも出来ず、最後の眼差しの一片すら受けるこ とができなかった私のことなど、あの方の心には微塵も浮かばなかったことでしょう。私はこんなに も、この身が引きちぎれるほどに激しく、あの方の愛情だけを求めていたと言うのに」 震える声は、いつしか悲痛な叫びに変わっていた。 「どうしてあの子だったの? どうして私ではなかったの? 私だって、あの方と一緒にいることさ え出来れば、あの方の心の片隅にでも存在していることが出来たでしょうに。最後の瞬間まで、あの 方があの子だけに心を奪われたまま死んでゆくことなんて、絶対に許さなかったでしょうに。ああア ニエス、どうして? 何故なの? 何故私は、こんな遠く離れた場所で、あの方が死んだことも知ら ずに、帰ることもない彼の帰りを待ち続けていなければならなかったの? どうして、どうして……!」 その慟哭は、アニエスの胸に陰鬱な痛みをもたらした。 哀れな恋敵を嘲笑し、己の不幸だけを嘆くアンリエッタのことを、身勝手で無様な女だと軽蔑する ことは出来ない。 (この方は、ただ他の誰よりも情が深いだけなのだ) 愛情、優しさ、憎悪、嫉妬。全てが常人の何百倍も強く、また深くもある。アンリエッタはそうい う女だ。誰よりも女らしい女だ。だからこそ、これほどまでに強くルイズを憎み、愛しい才人の死を 嘆くことが出来る。 (サイト、何故貴様はこの方を残して死んでしまったのだ) 死人に問いかけても無駄なことだとは知りつつ、アニエスはそう思わずにはいられなかった。 (貴様さえ無事に帰ってきてくれれば、この方の心がこうも深い闇に捕らわれてしまうことはなかっ ただろうに。貴様がこの方に笑顔を向けてくれさえすればよかったのだ。そうすれば、かつての親友 をこれほどまでに憎悪することもなく、全てが平穏の内に治まったかも知れないというのに) だが、その幸福な未来はもはや永遠に幻となってしまった。才人の死は、間違いなくアンリエッタ の最後の希望を打ち砕いたのだ。 もう二度と、彼女が他人の愛に期待することはないかもしれない。 111 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2008/02/02(土) 01 38 20 ID 89cMK7mH その事実はアニエス自身の心にも暗い影を落としたが、打ちひしがれている暇はなかった。今もま だ、アンリエッタは押し殺された声で泣き続けているのだ。 どうするべきか、アニエスは少し考えた。まさか自分の慰めなどが彼女の心を癒せるはずもないが、 かと言って彼女をこの部屋でずっと泣かせたままにしておくわけにもいかない。 (せめて寝室までお送りしよう。今日の執務はなんとか取りやめにして……) 考えながら、アニエスは声をかけた。 「陛下」 泣き声がぴたりと止んだ。 「陛下?」 アンリエッタが繰り返す。非常に小さかったが、それでも聞き逃すはずないと思わせる、不気味な 迫力の篭った声だった。アニエスの背筋が震えた。 (……なんだ?) 心臓が早鐘を打ち始める。椅子に座って俯いたまま、微動だにしないアンリエッタが、平坦な声で 問いかけてきた。 「アニエス。今、あなたは私のことを何と呼びましたか?」 わけの分からぬまま、アニエスは答えた。 「はっ。陛下、と」 「陛下。陛下……そう、そうだったわね」 アンリエッタの肩が震え出した。続く声音で、泣いているのではなく笑っているのだと知る。 「私は、このトリステイン王国を治める、アンリエッタ・ド・トリステイン女王陛下だったわね!」 笑い声はじょじょに高まり、部屋全体に反響するほどになった。そのただ中で、アニエスは不意に 眩暈を感じた。足がふらつき、よろめきそうになる。何か、悪夢の中に突然引きずり込まれたような 不快感があった。 笑い声が止んだ。 「ありがとう、アニエス」 アンリエッタがにっこりと微笑む。 「あなたのおかげで、私は自分の望みがはっきりと分かったような気がします」 「はっ。左様で、ございますか」 どう返事をしたものか、アニエスは迷った。 今、目の前のアンリエッタはとても透き通った美しい微笑を浮かべている。ここ数ヶ月ほど、彼女 の顔に常に付きまとっていた倦怠と悲嘆の色がすっかり消えうせていた。だが、直前までの嘆き様か ら一転してこの表情である。どう考えても尋常ではない。 「ねえアニエス。私はね、全て分かったような気がします」 表情を変えないまま、アンリエッタが穏やかな表情で語り始める。 「私の不幸の源が、一体どこにあるのか」 アンリエッタは己の胸に手を置いた。 「それは、私が女王陛下だから。想い人と共に在ることどころか、心のままに振舞うことすら許され ぬ、王という人種だから。かつて『王になどならなければよかった』と私が嘆いたとき、マザリーニ 枢機卿は私に言われました。『そう思わぬ王はおらぬものです』と」 アンリエッタが薄く目を開く。剣のような鋭さだった。 「『王になどならなければよかった』あの頃の思いは、今もなお変わっていません。それどころか、 今日という悲惨な日を経て、より一層強くなったような気がいたします。だからアニエス、私は」 アンリエッタは強い声音で宣言した。 112 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2008/02/02(土) 01 38 55 ID 89cMK7mH 「私は、王をやめます」 「陛下!?」 アニエスが目を見張ると、アンリエッタは口元を手で隠して笑った。 「アニエス。まるでこの世の終わりが来るのを知ったような驚きようね」 「同じようなものです。陛下、どうかお考え直しください。陛下なくして、このトリステインは」 早口に説得しようとするアニエスを、アンリエッタは手の平で遮った。その顔には、澄ました表情 が浮かんでいる。 「落ち着きなさい。何も、今すぐにやめると言っているわけではありません。私なくして、今のトリ ステインが保たないことは十分に理解しているつもりです」 「では……?」 「つまり、私などいなくてもいい状況を作り出せばいいのです。そのために……アニエス、協力して くださいますわね?」 問いかけるアンリエッタの瞳の奥底に、暗い悦びが宿っていた。 (この方は、己の激情をぶつけるべき相手を見つけたのだな) アニエスは踵を揃え、背筋を伸ばした。 「分かりました。このアニエス、及ばずながら、陛下のお力になりましょう」 「ええ、お願いしますね、私の隊長殿。まずはね」 アンリエッタは楽しげな様子で、己の策を語り始める。今この場で考え出したとは思えないほど、 綿密かつ具体的な計画が、歌のようにその唇から流れ出す。 (いや、今この場で考え出したのではない。この方は、今までも同じようなことを取りとめもなく考 えていたに違いない) 今までそれは、単なる妄想や思いつきの類に過ぎなかった。だが、今や一つの目標のために筋道立 てて並べ立てられ、より洗練され、現実的な計画に仕立て上げられていく。 その原動力となるものが何なのかがよく分かっているだけに、アニエスは余計悲しかった。 (陛下、憎悪以外の情を全て失くされましたか。ですが、それも致し方ないこと。私は止める術を知 りませぬし、止めようとも思いませぬ。せめてあなたの傍らで、この復讐劇が終わるまでのお供をさ せていただきましょう) アンリエッタの声に相槌を打ちながら、アニエスは心の中で強く決意を固めたのだった。 113 名前: 不幸せな友人たち [sage] 投稿日: 2008/02/02(土) 01 39 42 ID 89cMK7mH アンリエッタ・ド・トリステインは、トリステイン王朝最後の王となった。 とは言え、それは同時代のガリア王であるイザベラや『一代王朝』と呼ばれた帝政ゲルマニア・ ツェルプストー王朝の女帝キュルケにしても同様であるから、そのこと自体は特筆するには値しない。 違っていたのは、ほぼ全ての国において、革命が武器を手にした民衆の武力闘争によってなされた のに対し、唯一トリステインのみは無血の革命を成し遂げたことである。そのためにトリステインは 国力を損なうこともなく、この混沌とした時代にあっても、一度として国土を他国に蹂躙されること はなかった。 この穏やかな政権の譲渡は、アンリエッタ女王が事前にこういった事態を予測し、有力貴族の勢力 縮小や平民の登用などに心血を注いできた、努力の結果であるといえる。彼女は非常に冷静かつ慎重 に事を運び、誰にも気付かれぬまま、全ての準備を終えた。その政治家としての有能さは、同時代の 学者の一人が、彼女を評価した有名な言葉に表されている。 「トリステインの白百合は、剣でも切れぬ鉄の華」 鉄の華に例えられるほど、彼女は政治の場において無慈悲であり、なおかつ冷静な人物であったと いうことだ。 故に後世の人々は、彼女のことを人間的な情とは縁の薄い、冷徹で意志力の強い人物として思い浮 かべることが多い。 しかし、近年発見された一冊の手記は、そういったアンリエッタ女王像を覆すものとして注目を浴 びている。終生女王の剣としてその傍にあった、近衛隊長アニエス・シュヴァリエ・ド・ミランが残 したとされるものだ。 以下が、その内容を一部抜粋したものである。 「――アンリエッタ・ド・トリステインは、非常に感情の激しい女性である。多くの者たちは、それ を知りはすまい。彼らの中に、あの強烈な感情の発露を見た者は誰一人としていないだろうから。 彼女は実に冷静に政務を遂行している。そのたゆまぬ努力の向かう先が何であるのか、私は痛いほ どよく知っている。彼女は、女王である自らの手で、長く続いた王政に終止符を打とうとしているのだ。 だが、それは多くの者たちが評価しているように、時代の流れを見据えているからでもなければ、 彼女が国や民のことを一番に考える政治家の鑑だからでもない。 私は今、ここに彼女の真の姿を記しておくことにする。 アンリエッタ・ド・トリステインは、強い意志力を持った優秀な指導者などではなく、魂の奥底ま でが激しい情に満たされた、どこまでも女性らしい女性なのだ、と。 彼女の行動は、全てがそのあまりにも人間的な感情に基づいたものである。王政を終わらせ、平民 達に政権を譲渡しようとしているのは、単にそれが王政に対する一番激烈な復讐になると考えているからだ。 そう、彼女は王政という制度そのものを憎んでいる。王政が自分自身の運命を翻弄し、生の喜びを 全て奪い去ったと考えているからだ。――常に彼女の傍らにあった身としては、その認識はさほど間 違っていないようにも思う。 王政の象徴とも言える王自らの手で、王政を終わらせること。高々と翻る白百合の旗を地に引き摺 り下ろし、嘲笑いながら自らの手で泥を塗りたくること。それだけが、彼女の望みなのだ。だからこ そ、あれほど激しい情を持つ女性が、あれほど冷徹に行動できるのである。 今、私の耳には王政の終わりを告げる鐘の音が聞こえている。おそらく、女王の目論みは完璧に実 現するだろう。トリステインは、平穏のまま革命を終えることとなる。 それ自体は女王の功績ではない。たまたま、時代の流れが彼女の望みに合致しただけのことである。 彼女としては、無血だろうが多くの血が流されようが、自分を散々苦しめた王政を破壊することさえ 出来れば、あとはどうでも良いのだ。 一人の女性として運命に愛されなかった女王が、政治家として時代の流れに愛されたというのは、 実に皮肉なことだ。おそらく、これからもそれは変わらないだろう。彼女が狂おしいことに求め続け た、たった一つの愛を勝ち得ることは永遠にない。 我が哀れな主の魂が、死後天上でゼロの使い魔と共にあることを、私は願わずにはいられない」 ――アンリエッタ・ド・トリステインは、各国歴代の王の中でも、最も優秀な政治家として、歴史 にその名を留めている―― 続き 27-192不幸せな友人たち 罪人
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ダグラス ハウッド [解説] 42歳(聖華暦836年) 男性 傭兵部隊『グライフリッター』副隊長 繊細で緻密な情報収集のもとに作戦を立案する戦略家。いざ戦闘に突入すると部隊の先陣をきる剛胆な近接戦闘を得意とする。緻密に計算され組み立てられた先読みは、戦術立案だけでなく戦闘時も活かされ、詰将棋のように敵機を行動不能にする。 グライフリッターには20歳から所属しており、古参メンバーの一人。第2部隊長を前隊長時代から担当しているが、ワイラー・イアンホープが隊長就任時に副隊長に任命され第2部隊長兼副隊長として部隊を支えている。双剣技、斧技、格闘術に優れている。 乗機はマーセナルグライフのカスタム機体となるクリーガー・グライフ。クリーガー(戦士)の名前通り近接戦闘を得意とする。 セリフサンプル ○日常 「宣言しよう、この勝負(チェス)は46手で私の勝利だ。試してみるか?」 「観察と洞察、この二つは重要だ。戦場で有利に立ち回りたいなら特に、な。」 「いいか、よく見ていろ。私の読みが正しければ、隊長はこの後必ずアレをやる。」 ○戦闘時 「パターンを変えたか…だが、その動きは想定内だ!」 「ほらほら、逃げ場が無くなるぞ…」 「ふん、見えすいた手を。それで裏を掻いたつもりか!」