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前ページ次ページゼロと疾風 黒い壁があった。それは、例外なく目の前に現れる。ストリートのガキにも、大統領でさえ。 ほとんどのモノは、それを砕くことは出来ず、乗り越えようとするモノは爪が剥がれ、赤い筋を残すことになる。 ほとんどのモノはその壁から目をそらす。しかし、その壁に真っ向から向かい合っているモノもいる。 その黒き壁にあがこうとする人間がいる。この物語はそんな人間の物語。 現在、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは医務室にて頭を抱えて一人の男を見ていた。男はベッドの上で気を失っている。 ルイズは二年生へ進学する際のサモン・サーヴァントによってこの男を召喚・契約したのだ。 「なんで、こんな奴召喚しちゃったのよ・・・・・・」 先日、「サモン・サーヴァントには自信がある」と言ってしまったばかりである。 その結果がこれ。 本来、動物や幻獣を召喚するサモン・サーヴァント。その、儀式で人間(そのうえ、気を失っており、かなり傷ついている)を召喚してしまったのでルイズは周りのギャラリーから笑いものにされた。 その場にいたコルベール先生が彼の身なりから判断し。 「彼は凄腕の傭兵であるにちがいない」と言っていたが、メイジに平民に敵うはずが無い。 いくら、凄腕といっても平民の傭兵を召喚しては意味が無い。 「どうしようかしら・・・とりあえず、雑用でもさせようかな?」 ルイズがそんなことを考えていると男の眼がゆっくりと開き、起き上がった。 白髪の男性はチップという。彼は自称ジャパニーズ、しかし、大統領を目指している忍者である。 チップが長い眠りから眼を覚ました。頭がまだぼやけている。 チップはよく頭をめぐらせた。 (そうだ、I=NOのやつと戦っていたら急に何かに巻き込まれたんだった・・・) チップはI=NOの時間移動に巻きこまれたのだ。そんでもって、気がついたここにいる。 「やっと気がつたのね」 声のした方向を向いてみると一人の少女がいる。ルイズである。 「まずは自己紹介でもする?私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。一応よろしく」 隠れた表情を読むのは忍びの基本だ。チップが彼女から読み取った表情。 見下し、怒りをとおり越した諦めetc 少なくともチップの嫌いな人間に当てはまっている。 しかし、相手が名乗ったのだ。自分も名乗るのが筋だろう。 それに、ここが何処だか分からない。 「チップ、チップ=ザナフだ。ここは何処だ?薬品の臭いがするってことは病院かなんかか?」 「ここは、トリステイン王国・トリステイン魔法学院の医務室よ」 チップの聞いたことが無い地名だ。それに、魔法学校というのは法術に関する機関だろうか。 「とりあえず、ここを出ましょう。私の部屋で貴方が今置かれている立場を教えてあげるわ」 チップがルイズとの状況確認によって分かったこと。 この世界(月が二つあるのでチップのいた世界ではない)では魔法使いがいて、彼女は魔法使いの貴族である。 そしてこの場所は貴族が通う魔法学校である。 学生は二年生になるとき使い魔を召喚する。 チップはその使い魔を召喚するサモン・サーヴァントによって召喚された。 召喚される使い魔は自分での選択は出来ない。 使い魔は本来幻獣や動物が召喚される。 一度召喚されたからには変更は出来ない。(召喚のやり直しを求めたが却下されたらしい) チップとはもうすでに契約を行っており、証拠は左手に刻まれているルーン。 元に戻る方法は少なくも彼女は知らない。 大体こんな感じだ。他にもなんか言っていたが正直チップは興味なかった。 ルイズがチップとの状況確認によって分かったこと。 チップは異世界から来た。 (幾つかその世界について質問したがすぐに答えが返ってきた。特に矛盾点は無く嘘をついている様子も無いので一応信じる) チップは異世界ではニンジャという種類の傭兵である。 現在、ローニン(雇い主無しのフリー状態という意味らしい) チップの世界には法術があり、それは魔法と少し似ているらしい。 I=NOという女と戦っている最中、その女の何かに巻き込まれ気がついたらここにいる。 他は特に興味なし。 部屋着いてからこれらの状況確認に1時間かかった。この時間が短いと感じるか長いと感じるかは皆さんの自由だ。 「とりあえず、私は貴方の生活の保障、それと元の場所に戻れる方法を探すわ。 その代わり、あんたはその間私の使い魔、つまりわたしに雇われる。それでいいわね?」 「しょうがねえな・・・わかったよ」 ちなみに、状況確認からこのやり取りまで、更に30分間。正直メンドイので省略。 こうして、チップとルイズの生活が始まった。 「とりあえず、もう疲れたわ。朝になったら起こしてね。それと、洗濯頼んだわよ」 「はあ?なんで俺がそんなことしなきゃならないんだ?エリカだってそんなこと言わなかったぞ」 「エリカって誰よ?」 「俺が前仕えていた奴だ。大統領をやっていたな」 「ダイトーリョーってなに?山賊や大工の凄いバージョンの親玉?」 「国の代表だ、王様みたいなもんだ。いや、王様は『成ることが出来る』もんだが大統領は『選ばれなきゃ成れない』つまり、王様より偉い奴だ」 「へー」 「でもって、俺はその大統領に雇われていたが、 そんなこと頼まれなかったぞ。王様より偉い奴がしなかったことをテメエはするの?」 「う・・・」一時間半以上の怒鳴りあいによって疲れているルイズには論破する気力はなかった。 「洗濯ぐらい自分でやれ、あと自分で起きろ」 ルイズとチップの生活は前途多難だ。 「じゃあ、あんたが寝るところだけど・・・」 「別に必要ねえよ」 「へ?」 「忍びは闇に潜み主を守る。用があるなら手を叩け」 そういうとチップは闇に消えていった 部屋に取り残されたルイズは考えていた。 雑用などは断っていたが、あの身のこなしは凄い。 「意外と使えるのかな?」 最初決めていた彼の扱いを少し変えなくては、と考えた。 しかし、今は眠い。 「明日考えよ」 ルイズはそういい終えると服を脱ぎ、ベッドにもぐり寝息を立て始めた チップはやるからにはやる男だ。 物には必ず『芯』がある。守るも攻めるも、まずはこの芯を押さえる。チップはまず魔法学校の芯を探した。 歴史の古い建物というだけあって、様々な隠し部屋・隠し通路などがあった。 チップはその中のある隠し部屋に陣取った。ここなら、どんなことが起きようとすぐに分かる。 チップも疲れていたのか、全神経を研ぎ澄ませて眠りについた。 前ページ次ページゼロと疾風
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前ページ次ページラスボスだった使い魔 (アドレナリンやドーパミンの量を調節して、強制的にガンダールヴの効力を底上げさせる……駄目だな、理性を保てる保証がない。因果律を操作すれば何とかならないでもないが、調整を誤れば廃人になりかねんし……) こういう時、生まれつき特殊能力を持っているタイプの種族は悩まなくて便利だな……などと思いつつユーゼスが自分の強化方法について思考を巡らせていると、 「ユぅぅぅぅぅぅゼスぅぅぅぅぅうううううううっっ!!」 「!」 木陰から全速力でルイズが走って来て、悩んでいる最中のユーゼスに飛びついた。 そして『自分がユーゼスの言いつけ通りにやった』ことを、まくし立てるようにアピールする。 「ね、ね、ユーゼス。わたし、ちゃんと出来てたよね? ユーゼスに言われた通り、ちゃんと爆発起こしたよね? そのほかのこと、何にもやってないよね?」 「……まあ、そうだな」 これはその通りなので、ユーゼスとしても認めるしかない。 ルイズはその言葉を聞いてパア、と顔を明るくすると、自分の身体を盛大にユーゼスにこすり付け始める。 「それじゃあ、わたし、ユーゼスとお話をしてもいいのよね。いっぱい、いーっぱい、お話をしましょう。ね?」 「露骨に身体を密着させるな、御主人様。変な気分になってくる」 そんなルイズに辟易しつつ引き剥がそうとするが、言って従ってくれるようならば最初から苦労はしなかった。 取りあえずやんわりとルイズを拒絶しつつ立ち尽くしていると、離れた地点で様子を窺っていたエレオノール、そしてシュウとミス・ロングビルがやって来る。 「ああもう、ルイズ! 『ユーゼスにベタベタ引っ付くんじゃない』って何度言えば分かるの、もう、はしたない!!」 「……フンだ、わたしの時代はエレオノール姉さまの時代と違うんだもん。女の方から積極的にいっても大丈夫な時代なんだもん。オバサンは後ろの方でじーっと手をこまねいてればいいんだもん」 「オ、オバ……っ!?」 ビキリ、とエレオノールの顔が引きつった。 それを意図しているのかいないのか、ユーゼスがポツリと呟く。 「その理屈で言うと、私はオジサンか……」 実際の年齢は『お爺さん』なのだが外見年齢で言うならばエレオノールとほぼ同い年なので、彼女を『オバサン』とするなら『オジサン』と呼んで差し支えはあるまい。 「やん、ユーゼスは『オジサン』じゃないわ。だって心が若いもの。そしてわたしは心も身体も若いわ。ついでに言うと、エレオノール姉さまは身体もそうだけど心がオバサンだわ」 恋は盲目、とはよく言ったものである。 まさか今のユーゼスの様子を見て『若い』という単語が浮かぶとは。 そしてその『若い』という範疇から除外されてしまった女性はと言うと……。 「ほ、ほぉう……。そんな風に思ってたの、ルイズ……。へぇえ……」 表情その他を小刻みに震わせながら、暴言を吐いた妹に詰め寄りつつあった。 『踏み込んではいけない領域』に踏み込んでしまったことに今更ながら気付いたルイズは、しかしこれ幸いとばかりにユーゼスに救いを求める。 「きゃっ! 怖いわユーゼス、オバサンが図星を突かれて逆上してくるの!」 「うるっさいわね、どこからどう見ても子供にしか見えない幼児体形のくせにっ!!」 「はあ? 姉さまの胸のサイズで、そういうこと言われたくないんですけどぉ~?」 「あなただって同じくらいでしょうが!!」 「でもぉ、よーく見比べてみたんですけどぉ、胸の大きさならぁ、わたしの方が勝ってませんかぁ~?」 「んなっ……、そりゃあカトレアに比べれば負けてる『かも知れない』けど、あなたに負けてるってのは心外だわ!!」 ユーゼスを挟んでキーキー言い合うヴァリエール姉妹。 (胸が大きいからと言って、何かメリットがあるのだろうか……?) そう思うユーゼスだったが、余計なことを言うと例によって例のごとく不可解な事態になりそうなので黙っていた。 と、そんなやり取りを続ける一同に向かって、シュウが問いかける。 「……どうでもいいのですが、『コレ』はどうするのですか?」 シュウが指差したのは、中に水の精霊の襲撃者の入った青銅のタルである。 「中を開けてみる、って言うのは……」 「……水死体なんて見たくないわよ、わたし……」 おっかなびっくりな様子のギーシュとモンモランシー。だが、それに対するシュウのセリフで二人の表情は一変した。 「いえ、おそらく中の人間はまだ生きているでしょうね」 「え!?」 「そ、そうなんですか!?」 驚く二人に、シュウはサラリと説明する。 「ええ。もちろん、このまま放っておけば確実に死にますが」 「なら、助けるべきでは……?」 そう提案するギーシュだったが、即座にユーゼスから反対意見が出された。 「甘いぞ、ミスタ・グラモン。その中にいるのは所詮『敵』だ」 「で、でも、殺さなきゃいけない理由はないだろう!?」 「生かしておかなければいけない理由もない」 「……うぅ……」 理屈ではユーゼスには勝てない……と半ば屈しかけるが、それでもギーシュはどうしても諦めきれないようだった。 ともあれ、議論している間にもタイムリミットは迫っているのだが。 と、そこに、 「きゅいきゅいきゅい~~!!」 「きゅるきゅるきゅる~~!!」 いきなり空の彼方から青い風竜と、その背に乗ったサラマンダーが飛来してくる。 「敵ですか?」 「おそらくこの中に入っているメイジの使い魔だろうな。殊勝にも主人を救いに来たらしい。……だが、風竜とサラマンダーだと……?」 「……何だか嫌な予感がしてきたんだが……」 「…………奇遇ねギーシュ、わたしもよ」 『倒してしまった二人組』について、おおよその察しが付き始めてきたユーゼスとギーシュとモンモランシー。 「おや、どうしましたみなさん? この二体を倒さないのですか?」 「……メイジを倒しておいて、どうして使い魔を倒さないのよ?」 シュウとエレオノールは『この使い魔たちの主人と思しきメイジ』と直接の面識がないため、何故ここで攻撃を止めるのか分からないようである。 「きゅい! きゅいきゅいきゅい!!」 「きゅるきゅるきゅるきゅる!!」 面識があるような気がする風竜とサラマンダーは何かを必死に訴えているが、人間にはその言葉が理解出来ないので判断のしようもない。何の面識もない赤の他人の使い魔である可能性も、ゼロではないのだ。 ……そして、タルの中のメイジを解放した途端に逆襲される可能性も。 「せめてこの二体の言葉が翻訳でも出来ればな……」 どうしたものか、と悩むユーゼス。 すると、意外なところから判断材料が舞い込んできた。 「あ、あたしなら使い魔の皆さんの言葉が分かりますよ」 「……何?」 「おやチカ、そうなのですか?」 シュウの肩に乗っている青い鳥の姿をしたファミリア、チカである。 「種別は違えど、同じ使い魔ですしね」 えっへん、と胸を張るチカ。そして不適かつ自信たっぷりに言葉を続ける。 「ククク……、このあたしの力を持ってすれば、ハルケギニアの幻獣と意思の疎通を行うことなど造作もないことですよ……。 いやー、一度言ってみたかったんだよなー、このセリフ」 「―――前置きはどうでもいいから、とにかく通訳を頼む」 「はいはい」 そして、チカを通訳とした風竜たちとの会話が始まった。 「きゅいきゅいきゅい!!」 「えーと、『お姉さまを早くそこから出すのね!!』だそうです」 「お姉さま? 名前は分かるか?」 もう大まかな目星はついているのだが、違う可能性も捨てきれないので確認を取ってみる。 「きゅいきゅい!!」 「きゅるきゅるるる!!」 「そっちの青いでっかいのの主人がタバサで、こっちの赤いのの主人がキュルケって名前だ、と言ってます」 「ああ~、やっぱり……」 「よ、よりによってクラスメートを……」 ギーシュとモンモランシーは二人揃って『うわあああ』と頭を抱えて後悔に苛まれる。 (……事が済んでから後悔するくらいならば、始めからやらなければ良いだろうに) まあ、後悔とは先に立たないからこその『後悔』なのだが。 「しかし、相手がミス・タバサとミス・ツェルプストーだったとはな」 確証を得たことで、この数奇なめぐり合わせを怪しむユーゼス。 ……ルイズとミス・ロングビルが惚れ薬を飲み、解除薬の材料が品切れで、水の精霊と直接交渉しにラグドリアン湖に向かい、その水の精霊から頼みごとをされた。 その『頼みごと』と、タバサとキュルケの二人の事情(どのような事情があるのかは知らないが)が合致する確率はどれほどだろうか。 「きゅいきゅい!! きゅいきゅ~いっ!!」 「きゅるきゅるきゅるっ!」 「『シルフィたちが出て来た時点で、そのくらい気付くのね、この馬鹿!!』、『いやそんなことはどうでもいいから、早く御主人様を出してくれよ!』だそうです」 通訳のチカの言葉を聞いて、一同はハッと事態の深刻さに気付く。 「……ユーゼス、まさか『二人を助ける理由は無いから、助けるな』とは言うまいね?」 「…………お前は私を何だと思っている、ミスタ・グラモン。あの二人には色々と借りもあるからな、『止めろ』などと言いはせんよ」 「言いそうで怖いんだよ……」 妙な汗を流しつつ、ギーシュはバラの造花を振る。 すると青銅のタルは光と共に消失し、中に閉じ込められていた大量の水と、ワルキューレの腕に拘束されたタバサとキュルケが現れた。二人とも黒いローブのフードはめくれ、素顔があらわになっている。 「む?」 「これは……」 出て来た二人を見て、ユーゼスとシュウの表情が少し動いた。 (……いかんな) ほんのわずかに焦った様子のユーゼスは、素早くギーシュとモンモランシーに指示を送る。 「ミスタ・グラモン、拘束を解け。ミス・モンモランシ、二人が飲み込んだ水を吐かせろ」 「あ、ああ」 「分かったわ」 『腕』が霧散し、タバサとキュルケの口からゴブリと水が吐き出された。 「……ミス・ヴァリエール、御主人様を抑えていろ」 ある程度の量の水が排出されたことを確認すると、次にエレオノールに指示を飛ばす。 「え? いいけど……何をするの?」 「あの二人を触診する。触る度に邪魔をされたのでは正確な診療と治療が出来ないのでな」 「『診療』と『治療』……って、あなた医術の知識なんてあったの!?」 「『医術の知識』と言うよりは『生物学の知識』と言うべきだが。簡単な医療行為ならば可能だよ」 これは本当である。 かつてユーゼスが多くの星の大気浄化を行った際には、環境汚染の度合を測るためにその星に生息する動植物などを詳しく調査する必要があった。 また、自分の複製人間であるイングラム・プリスケンを『作った』のは、他でもないユーゼス・ゴッツォである。 人体の構造やその正常なコンディション程度ならば、完璧に把握しているのだ。 「……あなた、そういうことはもっと早く言いなさい」 「今まで質問されなかったし、言う必要もなかったのでな。……ともあれ、御主人様を抑えておいてくれ」 そしてユーゼスが、倒れたまま動かないユーゼスが二人に駆け寄った。 ……その光景を見たルイズがギャーギャーと喚いているが、そこは無視する。 続いてペタペタと二人の身体を触り、念のためクロスゲート・パラダイム・システムも使って二人の因果律も調べてみると……。 (…………不味い) 死んではいないが、危険な……と言うか、既に手遅れな状態だった。 放っておけば死ぬのは間違いないし、適切な処置をしたところで脳か身体のどちらか……あるいは両方に深刻な後遺症が残るのは間違いあるまい。 (事前のやりとりに時間をかけすぎたか……) まさに後悔先に立たず、である。 「……どうします、ユーゼス・ゴッツォ? 『このままでは』そのお二人は危険ですよ?」 「分かっている」 わざとらしく声を上げるシュウに、少し不機嫌な素振りで返すユーゼス。 おそらくシュウは、一目見ただけで二人が危険な状態にあることを看破しているはずである。 そしてこの二人を救えるのは、少なくともこの場においては自分とユーゼスしかいないことも理解しているはずだ。 (…………やむを得んか…………) 出来ればシュウにやってもらいたかったが、あの男が頼みごとや命令に黙って頷くタイプの人間ではないことは承知している。 ならば、自分がやるしかない。 (半分程度は私の責任のようなものだからな……) 正直に言って、非常に気が進まない。 しかし恩人を見殺しにするのも、後味が悪い。 「……………」 ユーゼスは憮然とした表情で、まずはキュルケの状態……因果律を調べてみる。 (頭蓋骨にヒビ、脳内出血……これは青銅のタルにぶつけた時に出来たものか。あとは酸素欠乏性に、内臓を幾つかやられているな……) 症状の把握が出来れば、あとはそれを『健常な状態』に調整するだけだ。 (……そう言えば、このように因果律を操作するのは初めてか) ガイアセイバーズにやられた異次元人ヤプールを復活させたり、超神形態の自分の身体を再生させたことはあるが、他人の治療に使ったことは今までにない。 (ハルケギニアに召喚されてからというもの、初めて尽くしだな……) しかも、よりによって人命救助とは。 まさかクロスゲート・パラダイム・システムをこんなことに使うとは思ってもみなかった。 「……………」 ともあれキュルケの背中に手を当て、気付けを行う『振り』をする。 そしてその身体の因果律を操作し……。 「……ッ、ゲホッ、ゴホッ!! ッ、カハ、……ッッ! ……あ、あれ? 確かあたし、水の中に閉じ込められて……? って、ギーシュにモンモランシーにユーゼスに、ルイズとそのお姉さん? ミス・ロングビルまでいるし……見慣れない顔もいるけど。どうなってるの?」 『健常な状態』に調整する。 (これでミス・ツェルプストーに関しては問題ない……) 続いてはタバサである。 (…………脳死する一歩手前か。肺にもかなりダメージがある。かろうじて心停止はしていないが……) メイジが脳死にでもなったら、その使い魔はどうなるのだろうか……などと考えつつ、キュルケと同じようにタバサの因果律を操作して、『健常な状態』にする。 「カハッ! ……ゲホ、ゲホッ……! ……? ユーゼス・ゴッツォ?」 これでよし。 そう言えば前にハルケギニアで一度だけ超神形態になった時にも、このタバサという少女が絡んでいた。 因縁と言うか因果と言うか、そのような巡り合わせでもあるのだろうか。 (『例外』はこれのみにしたい所だが……) とにかく自分に原因がある場合か、余程のことがない限り、こういう因果律の操作は絶対に行わないようにしよう……と固く決心するユーゼス。 ―――その『固さ』がどの程度の物なのかは、決心した本人にも不明ではあったが。 「……まさか、クラスメートに殺されかけるとは思わなかったわ。しかもあんな……えげつない方法で」 「いや、それは謝ってるじゃないか、こうやって! ちゃんと! って言うか、方法を考えたのは僕じゃあない!!」 「実行したのは、あなたとモンモランシーじゃない」 「うう……。言わないでキュルケ、今でもけっこう罪の意識に襲われてるんだから……」 嫌味ったらしくネチネチとギーシュたちに文句を言うキュルケ。 どうやら戦いの結果とは言え、あのような扱いを受けたことが相当腹に据えかねているらしい。 「まあ、どうせユーゼスが考えた方法なんでしょうけど……」 キュルケはそう言ってチラリとユーゼスの方を見ると、その近くに立っている男にようやく意識が向いた。 「あら、いい男じゃない」 標的を見定めるや否や、キュルケの行動は早かった。 ギーシュとモンモランシーへの嫌味を即座に切り上げると、乱れた髪や衣服をサッと直して、紫の髪に白衣を着込んだ男に駆け寄っていく。 そして、その男へとにこやかに話しかけ始めた。 「うふふ、初めまして。あたしはキュ―――、ッ」 だが自己紹介の途中で、彼女の言葉は強引に中断される。 傍らに控えていたミス・ロングビルが『ブレイド』を使い、その魔力の刃をキュルケの首に突きつけたのだ。 「ミ、ミス・ロングビル……?」 「……それ以上軽々しくシュウ様に近付いたら殺すよ、売女」 「ば、ばいた……!?」 いきなり本気の『殺意』を向けられて、キュルケは困惑する。 (ミス・ロングビルって、こんな人だったかしら……) キュルケの知っているミス・ロングビルと言えば、『いつも物腰が柔らかくて知的』というイメージだったのだが、同一人物のはずの目の前の女性からはそんな空気は微塵も感じない。 まるで裏家業の人間である。 「落ち着きなさい、ミス・ロングビル。彼女は初対面の私に挨拶に来ただけです。杖を収めなさい」 「ですが、シュウ様……」 「……私は『杖を収めなさい』と言いましたよ?」 「は、はい……」 しずしずと下がるミス・ロングビル。 そんな光景を見て、キュルケは唖然としていた。 「申し訳ありません。……ミス・キュルケですね? 私の名はシュウ・シラカワと言います。貴女の話はユーゼス・ゴッツォやミスタ・ギーシュから伺っていますよ。何でも優秀な火のメイジであるとか」 「はあ……。……あの、失礼ですがミス・ロングビルとはどのようなご関係で……?」 何だかよく分からないが、ミス・ロングビルとただならぬ関係にあるのは明白である。 好奇心旺盛なキュルケとしては、ぜひそこを聞いておきたかった。 「彼女との関係、ですか……。そうですね、『惚れ薬を飲んだ人間』と『その効果を味わっている人間』、というところでしょうか?」 「惚れ薬ぃ?」 なるほど、そんなものを飲んでしまえば普段のミス・ロングビルとは違ってしまって当然かも知れない。 だが、惚れ薬とは……? 「詳しくは、そこにいるミス・モンモランシーに聞いてください」 ははぁん、とキュルケはおおよその事情を理解した。 どうせ浮気性のギーシュに怒ったモンモランシーが禁制の惚れ薬を作って、それを誤ってミス・ロングビルが飲んで、その場にはこのシュウと言う男がいて……とかいう所だろう。 それをモンモランシーに詰め寄りながら確認してみると、予想通りに肯定した。 しかもミス・ロングビルだけではなくルイズまでその惚れ薬を飲んでしまい、その惚れた対象はユーゼスだと言う。道理で自分からは動かなさそうなユーゼスや、ルイズの姉がここにいるわけだ。 「…………つまり、そもそもの発端はあなたたちじゃないの」 「いや、まあ、うん、その……そ、そう言えないコトもなくはない可能性があるかも……」 「……仕方ないじゃない。ギーシュったら、浮気ばっかりするんだから……」 バツが悪そうなギーシュと、ぶつくさ文句を言うモンモランシー。そんな二人……特にモンモランシーを見て、キュルケは呟く。 「まったく……自分の魅力に自信がない女って、最悪ね。おかげでこっちは死にかけるし」 はあ、と溜息をついて、ガックリとうなだれるモンモランシーを見るキュルケだった。 一方、こちらはユーゼスとエレオノールとルイズ、そしてタバサである。 「つまり、ミス・タバサの『実家』が領民から請け負った仕事をミス・タバサ自身が引き受け、ミス・ツェルプストーはそれに付き合っただけだ、と」 「そう。水の精霊の仕業で湖の水かさが増えて、被害が出ている」 「成程」 湖の水かさが増える、というのは確かに一大事だ。 そこに住んでいる領民はともかく、周辺の自然環境が著しく破壊されてしまう。 「……水の精霊にその辺りも尋ねてみるか。言葉は通じるのだから、やりようはあるかも知れん」 「………」 こくり、と頷くタバサ。 タバサとしても、戦わずに済むのならそれに越したことはない。 「では、早速ミス・モンモランシに……」 「ちょっと待って、ユーゼス」 もう一度水の精霊を呼んでもらおうとしたら、エレオノールに声をかけられた。 ユーゼスは何故このタイミングで声をかけられるのかが分からず、エレオノールの方を見る。 「何だ、ミス・ヴァリエール?」 「……一つだけ聞かせてちょうだい。あなたがさっきその二人にやった『診療』と『治療』って、どんな人間にも効果があるの? 例えば……『不治の病に冒された人間』とか」 ピクリ、とエレオノールの言葉を聞いたタバサの表情が、微妙に動いた。 しかしユーゼスとエレオノールはそんな些細な動きには気付かず、会話を続ける。 「……それは今、答えなくてはならないことか?」 「疑問は早い内に解決しておきたいのよ」 「……………」 内心で盛大な溜息を吐くユーゼス。 やはり因果律を操作したのは失敗だったかも知れない、とまた後悔の念がぶり返してくる。 一度でもこういう『奇跡』を見せてしまうと、人間というものは取り憑かれたように『再びの奇跡』を求め、渇望してくるのである。 他でもない自分がそうだった。 (ここは一度、釘を刺しておくか) そう考えた後で、ユーゼスは口を開く。 「……やってみなければ分からない、としか言えないな。私の手には負えない可能性も十分にある」 「じゃ、じゃあ、取りあえず……」 「だが」 一瞬だけ期待の色を顔に浮かべたエレオノールだったが、ユーゼスはすぐにその期待を手折りにかかった。 「仮にそれが出来るとして。私がそれを行う理由は無い」 「なっ……!?」 エレオノールは絶句する。 予想通りの反応を見せた金髪の女性に対して、ユーゼスは更に言葉を放つ。 「……お前は何か勘違いをしていないか? 私は『善意の奉仕者』でも『救世主』でも『救いの神』でもない。一度簡単な治療を行った程度で、過度な期待を抱いて縋り付いて来られても迷惑だ」 「べ、別に縋り付いてなんか……!」 「ならば私を頼ろうとするな。……それにミス・タバサとミス・ツェルプストーに行った『治療』は、ごく初歩的なものだ。あれが通用しない『患者』など、掃いて捨てるほどいるぞ」 嘘は言っていない。 死にかけた人間を治療したり、死人を生き返らせることなどは、因果律操作の初歩である。やろうと思えば、本当に『一つの世界を完全に支配する』ことも可能なのだ。やる気は毛頭ないが。 それに『脳の治癒』や『臓器の治癒』が、このハルケギニアに存在する全ての『患者』に通用するわけがない。 (詭弁もいいところだな……) 軽い自己嫌悪に苛まれるが、この場合は仕方がない。 闇雲に大きな力を使えば、必ずどこかに歪みが生じてしまう。 その歪みは人を狂わせ、運命を狂わせ……やがては世界を滅ぼしかねない、大きなうねりとなる。 うねりを起こした張本人である自分が言えたことではないが、しかしここはどうしても譲れない一線であった。 光の巨人―――宇宙の調停者、そして守護神たる存在。 今更その存在意義を否定はしないが、あれが自分に与えた影響を考えると、ここはエレオノールを突き放しておくのが最善の方法に思えるのだ。 「……そう、期待した私が馬鹿だったわ」 落胆と苛立ちを交えながら、エレオノールが呟く。 タバサもまたガッカリした空気を出していたが、ユーゼスはそれに気付かなかった。 ……『諦めてくれたか』と安心する反面、ユーゼスはそんなエレオノールの様子を見て妙な心苦しさを覚えていた。 (良心が痛んでいるのか?) 自分が行った選択は、『ほぼ100%救えるのに、救わない』ということだ。 それが間違っているとは思わない。 しかし、目の前のエレオノールに悪印象を持たれるのは……どういうわけか、避けたいと感じている。 (?) 自分で自分の精神状態が、よく分からない。 ともあれ、このままエレオノールを放っておくのはいけない気がしたので、ユーゼスは付け足すように喋る。 「……その『患者』とやらの症状の見立て程度ならば、別に構わんがな。『治療するかしないか』と『病状の把握』は別問題だ。……案外、そこから治療方法が見つかるかも知れんぞ?」 「……………」 じぃっとユーゼスを見るエレオノール。 そのまましばらく沈黙が続いたが、やがてエレオノールは不機嫌そうなままでユーゼスに告げた。 「それじゃあ、近い内に『患者』の詳しい情報を送るわ。それを見て病状を判断してちょうだい」 「分かった」 エレオノールの声が少し冷たい。いや、元々声が冷たい感じの女性ではあったのだが、今はそれに輪をかけて冷たくなっている。ギーシュあたりなら平謝りしそうなほどに。 先ほどのユーゼスの『妥協案』で取りあえずある程度は機嫌を直してくれたようだが、それでも『普通』な状態には遠いようだった。 (むう) こういう時にどうすれば良いのか、人付き合いの経験が極端に少ないユーゼスには判断がつかない。 ただ、それでも言っておかなければならない言葉は、何となく浮かんで来ていた。 なので、その言葉を告げる。 「……済まないな、ミス・ヴァリエール」 一言、詫びた。 結果のみを言うと、それだけである。 だがそれを聞いたエレオノールはしばらく考え込むようにして立ち尽くし、再びユーゼスをじぃっと見つめて、 「…………はぁ」 大きく息を吐き、諦めたように言い始める。 「いいわよ、別に。残念と言えば残念だけど、元々そんなに大きな期待もしてなかったし。……ただ、『病状の把握』とやらはキッチリとやってもらいますからね」 「それは約束しよう」 そんなやり取りをするユーゼスとエレオノール。 傍から見れば、何ということのない会話でしかない。 だがユーゼスが僅かながらも『感情を込めて』語り、しかも『謝る』ということは非常に珍しいことであったし、エレオノールにしてもユーゼスからそのような(マイナスの方向ではない)感情を向けられるのは……まあ、悪い気はしなかった。 「では、水の精霊との再交渉をミス・モンモランシに頼むか」 「そうね。……これでようやくルイズが元に戻る目処が立ってきたわ」 いつもの調子に戻りつつあったエレオノールに、ユーゼスは本人も意識しないまま安堵する。 (……しかし、『機嫌を元に戻す』ということは難しいな……) たまたま自分の謝罪が上手く行ったから良かったものの、これが通用しなかったら完全にお手上げだった。 (ミス・ツェルプストーかミスタ・グラモンにでも、その辺りの秘結を聞いておこうか……) 自分の苦手分野の一つである『人付き合い』の巧者である二人の姿が頭をよぎったので、水の精霊との再交渉が終わったら早速質問してみよう、と思い立つ。 あの二人であれば、おそらく自分には思いも付かないアイディアを提供してくれることだろう。それを採用するかどうかは別として。 まあ、いずれにせよ、全ては水の精霊との再交渉を済ませてからだ。 エレオノールとばかり話していたので非常に不機嫌な様子のルイズをあしらいつつ、ユーゼスはモンモランシーの元へと歩くのだった。 前ページ次ページラスボスだった使い魔
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前ページ次ページ僕らは、恋をして生きていく 第0話 「君は、美少女使い魔」 この僕。ギーシュ・ド・グラモンが、彼女――ルイズの使い魔に最初に出会ったのは、春の使い魔召喚儀式でのことだった。 すぐ傍にいたモンモランシー(皆には内緒にしているけど、実は僕の彼女だ。おまけに幼馴染属性つき)には言えないけど、 第一印象は、中々、可愛い娘じゃないかだった。 「えっ、なんですか? ここ何所ですか? あ、あなた達は?」 多分年は僕達と同じか少し下くらい。やや長い黒髪で、おしとやかな感じ、胸は今後の成長に期待と言った所かな。 ルイズやタバサ嬢と違って、無いのではなく控えめな感じだ。どこがとは言わないけど。 「な、なななんなんなんですか!? も、もしかして私今ちょっとピンチですか!? 街を散歩していたら、眠らされて外国に売り飛ばさちゃったんですか!? あ、あの私なんか売り物にしたって意味ないですよぉ。 私なんて、私なんてほんと、存在価値『ゼロ』のクズなんです。 勉強できないし運動音痴だし手先不器用だし性格暗いし友達いないしお父さんは変な宗教に嵌っちゃうしお母さんは出て行っちゃたし、ほんと生きてる価値『ゼロ』って感じですよねそうですよね生まれてきてすみませんほんとすみません!」 いきなり召喚されて混乱しているのだろう、よくわからないことを口走っている。 「あんた、ちょっと黙っていなさいよ」 ルイズが、ドスの聞いた声で美少女にすごむ。 「あ、は、はいっ、す、すみませんすみません! 私のようなゴミ虫が人間様の言葉喋ること自体、不相応にもほどがありますよね、まったく、身のほどをわきまえろって感じですか? すみませんほんとにすみません、もう金輪際人間様の言葉なんて喋りません、ゴミ虫はゴミ虫らしく、ゴミ虫の言葉を喋ることにします。ごみーごみーごみごみごみー」 なんというか、変わった娘だね? あまり近くには居て欲しくないタイプのようだ。可愛いけど。 「ミスタ・コルベール!」 ルイズが、もう一回やらせてください、とか、お願いです、とか、聞きようによって危険なことを言いながら腕をぶんぶん振りまわして、コルベール先生にせまっている。ああ、うらやましいなあ。 「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール。例外は認められない。 彼女は……ただの平民かもしれないが、呼び出された以上、 君の『使い魔』にならなければならない。 古今東西、人を使い魔にした例はないが、 春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールに優先する。 彼女には君の使い魔になってもらわなくてはな」 「そんな……」 「さあ、早く儀式を続けなさい。次の授業が始ってしまうじゃないかね。 なに、女の子同士だ。気にすることもないだろう。さあ、早くブチュっと一発やっちゃいなさい」 そうだそうだ! 美少女同士の口付けを早く僕に見せたまえ! 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 おおっ! なんというかこう、絵にして額縁に飾っておきたい光景だね。思わず身を乗り出してしまうよ。 「終わりました」 ルイズが顔を真っ赤に染めている。いやあ、いいものを見させてもらったよ。 「相手がただの平民だから、『契約』できたんだよ」 「そいつが高位の幻獣だったら、『契約』なんかできないって」 むっ、美というものを理解できない輩が、野次を飛ばしている。 ここは格好良く薔薇として一言注意しなければ――い、いたっ、痛い。 「本当にたまたまよね。ゼロのルイズ」 何故か機嫌が悪そうなモンモランシーが、ルイズに絡む。 自分が召喚したカエルとキスをしなければならなかったのがそんなに嫌だったのだろうか、 でもさっきまでは機嫌良かったのに。 後、踏まれた足が痛いのだけど。えぐりこむように足を動かすのは、やめて、おねがい。 「あんた小さい頃、洪水みたいなおねしょしてたって話じゃない。『洪水』の方がお似合いよ」 「よくも言ってくれたわね! ゼロのルイズ! ゼロのくせになによ!」 モンモランシーとルイズが言い争っていると、突然、美少女(もちろんモンモランシーとルイズも美少女だけど、この場合は使い魔の少女のことだ)が、ささやかに膨らんだ胸を押さえて苦しみ出した。 ……モンモランシーが見ていなければ、すぐに駆け寄って胸をさすって介抱してあげるのにっ! いや、ここは人命第一。いまならモンモランシーも怒らないのでは、いや、でも、しかし、断じて絶対に下心がまったく無いとはいえ、モンモンは理屈が通じない所があるし。 オシオキ水コワイヨ、オシオキ水。 僕がモンモランシーのちょっとした誤解にもとずく理不尽な仕打ちを思い出して震えているうちに、ルイズが美少女に声をかける。 「すぐ終わるわよ。待ってなさいよ。『使い魔のルーン』が刻まれているだけよ」 ルイズが吐き捨てるように言うけど、それを聞いた美少女が痛みに顔をしかめながらたずねる。 「つ、使い魔って、なんなんですか」 ああ、その不安げな表情も可愛いよ。素晴らしきかな美少女。 「使い魔を知らないって、どこの田舎者よ。いい、使い魔ってのはね、メイジが『サモン・サーヴァント』の呪文で呼び出す僕(しもべ)のことよ。本当は動物や幻獣が出てくるのに、なんで人間が召喚されるのよ!」 いや、いいじゃないか。美少女使い魔なんてうらやましい、まあ僕のヴェルダンテには及ばないけどね。 「すみませんすみませんすみません、呼ばれもしないの来ちゃってすみません。 ほんとごめんなさいすみません、どうかもう一度そのじゅもんを使って、私みたいなドジでグズなノロマで薄汚いゴミ虫じゃない、ちゃんとした使い魔を呼んで下さい」 額を地面に擦りつけて謝る美少女。家のメイドが高価な壷を割っちゃた時もあんなふうに謝っていたっけ。 「それはできない。『サモン・サーヴァント』を再び使うには、一回呼び出した使い魔が死ななければならないのだ。君も運命だと思って……」 コルベール先生がしゃしゃりでて、なれなれしく美少女の肩を触ろうとしたら、使い魔の――使い魔になった――少女が跳ねあがるように飛び起きた。目がランランと輝いてて怖い。 「わかりました。死にます。私が死ねば全てうまくいくんですよね! 大丈夫です! ちょうどリストカット用のカッターを携帯してましたからっ!」 そういうと懐から小さな棒のような物を取り出して刃を露出させる。スライド式のナイフのようなものだったらしい。 「あああ、あんた、なにする気よ! ややや、やめなさい!」 「そうだ、君。い、命を粗末にするんじゃない!」 慣れた手つきで流れるように、刃を手首に押し当てようとするのを近くに居たルイズとコルベール先生が、必死に押し止める。ちなみにギャラリーは僕も含めてドン引きだ。 「なんで邪魔するんですか! 私なんかどうせ生きていたって無駄に酸素を消費するだけのゴミ虫なんです! さっさと死んじゃったほうが地球の為なんです!」 地球って何だ? あっ、ルイズが美少女にビンタした。 「あっ、あんたは、もう私の使い魔なんだから。勝手に死んじゃったりしたらダメなんだからね!」 興奮のためか、顔を先刻より真っ赤にして、目の端からちょっと涙が出ている。 「で、でも、私が死なないと、じゅもんをやり直すことが出来ないんですよね?」 「いいの! あんたが呼び出されたんだから、あんたが使い魔なの!」 「そうです。『サモン・サーヴァント』の呪文は、主と使い魔双方にとって、もっとも相性の良い、お互いに必要としあうものを呼び出す呪文。ミス・ヴァリエールも君も、いつかきっと良かったと思える日が来るはずです。ですから」 「本当に、私なんかでいいんですか? きっと後悔しますよ」 台詞を途中で遮られたコルベール先生、42歳独身がしょんぼりしてるけど、まあ、かなりどうでもいい事だけど。 「大丈夫よ。あんたは、このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの呪文によって、この広い世界から選ばれた使い魔なんだから。 もうあんたは、存在価値『ゼロ』でも生きてる価値『ゼロ』でも無い。かけがえの無い、私の使い魔よ。誇りに思いなさい!」 「そそそそそ、そんな私なんかが……、かかかかか、かけがえの無いなんて……」 美少女が、あぶない陶酔した表情で虚空を見上げている。 いや、ルイズは目の前で死のうとする人間を見て、気が動転して、反射的に言ったんだと思うけど。 「ふ、ふつつかものですか、精一杯頑張らせて頂きます! よろしくお願いします!」 それは色々と、違う挨拶のような気がするけど、可愛いからいいや。 「あ~、ではルーンの確認を――」 そういえば使い魔のルーンは胸に刻まれたらしい。 コルベール先生が美少女の服をはだけてルーンを確認するのは、犯罪では無いだろうか? ここは、女の子を守る薔薇として、コルベール先生が暴走しないように、じっくりたっぷりねっとりと見守らないと! さあ、ミスタ・コルベール。ルーンの確認を! ハリーハリーハリー! 「するのは問題がありますね。後でミセス・シュヴルーズ辺りに頼むとしよう。さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」 ……。 …………。 ……………………。 ……いや、別に僕はそんなに期待はしていなかったよ? 当てが外れた男子生徒が、口々にルイズにヤジを飛ばしながら去っていく。 まったく、なんてみっともない連中だよ。少しは、この紳士的な僕を見習いたまえ。 ちなみに、すぐに飛ばずにいたのは、女子のスカートの奥に秘められた色とりどりの花園を覗くためでは無いことは言うまでもない。 次回予告 春。 大勢の桜の花びらたちが風と共に舞う中―― 「僕は薔薇。女の子を守る薔薇なのさぁ!」 何事もポジティブにしか考えられない少年と 「私が悪いんですね! そうなんですね! 死にます! 死んでお詫びをします!」 何事もネガティブにしか考えられない少女。 出会ってはいけない二人が出会ってしまった。 「死んじゃったらどーするんです!」 僕らは生きて、恋をする 第1話「絶望使い魔」 近日公開! 以上。 なお、次回のタイトル及び内容は、予告無く変更になることもあるので予めご了承ください。 前ページ次ページ僕らは、恋をして生きていく
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「宇宙のどこかにいる私の下僕よ! 強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 ルイズがこれで十数回目の召喚の呪文を唱え終わった瞬間、爆発が巻き起こった。 それ自体はいつもの事だ。珍しくもない。だが、今回はそれだけでは終わらなかった。 爆煙のたちこめる中に浮かび上がる巨大な人影。 「まさか!」 「ゼロのルイズが召喚に成功したのか!」 「ありえない!」 そんな生徒たちの動揺の声を圧して響き渡るのは、 「うわぁっははははははははははははははははひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」 という力強い高笑い。 力強さと高すぎるテンションのせいか、貫禄や高貴さと言った要素は皆無である。 「何だこの下品な高笑いは!」 「い、いったい、何者だ!」 口々に発せられる誰何の声に、その人影は笑い声に劣らぬ大音声で応えた。 「ダーク・シュナイダー様の次に美しく! ダーク・シュナイダー様の次に強く! ダーク・シュナイダー様の次に偉大なる大魔導士! 忠誠の蒼き爪持つ元・鬼道三人衆筆頭! それが私!ダァァァァァァァァァイ・アモォォン!」 朗々たる名乗りの声と共に、アモンと名乗った人影がマント(どうやら、彼はマントを羽織っていたらしい)を翻す。 たちまち彼を中心として旋風が巻き起こり、たちこめる煙を一気に吹き飛ばしたその瞬間。 「て言うかダークシュナイダー様って誰よ?」と思う暇もなく。 「ってこれは日光ぉぉぉっぉ!昼間じゃねえかYO!ぶぉえぁ!」 蛙を潰した様な悲鳴とともに人影は消え去り、煙の晴れたあとに残っていたのは白い灰の山であった。 終わり -「バスタード」のダイ・アモン伯爵を召喚
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ドン、と体に衝撃が走り、次の瞬間には礼拝堂の壁に背中を激突させていた。 続いて響いてくる音、エア・ハンマーが床や壁をたたきつける音だろうか。 混濁した意識の中、ルイズは状況を把握しようと必死に視聴覚を働かせようとする。 しかし、強く背中を打ち付けたせいか、呼吸が極端に乱れ、体を動かすことが出来ない、その上ワルドの杖が左肩をえぐり、その痛みがなお呼吸を邪魔していた。 『…ズ ……ルイズ 起きろ』 頭の中に響く声は、夢の中で会った、空条承太郎の声。 その声にハッとしたルイズは、体を丸めて力を入れて、痙攣を押さえ込んだ。 「ワルド…なんで、なんでワルドが裏切るのよっ…」 と、一瞬だけ考えてから、ルイズはかろうじて顔を上げた。 礼拝堂を所狭しと飛び回るワルド達、遍在の魔法で合計七体に分身したワルドは、じわりじわりとウェールズを追いつめていった。 ウェールズもトライアングルとはいえ、かなり優秀なメイジなのか、スクエアであるワルドの攻撃をかろうじて防いでいる。 しかし服はボロボロ、頬や腕からは血を流している、このままでは時間の問題だと、素人でも理解できるだろう。 「ぐっ…杖、杖は…」 視線をワルドに向けたまま、手探りで腰に差した杖を引き抜き、ファイヤーボールの詠唱を始める。 「…ファイヤーボール!」 バァン!と破裂音が鳴り、ウェールズを背後から攻撃しようとしていたワルドの体が弾け、霧のように霧散する。 やった! と喜ぶ間もなく、別のワルドが唱えたエアハンマーで、ルイズの体は再度宙を舞った。 ルイズは勢いよく始祖ブリミルの像に衝突し、ゴォンと重たい金属音を響かせた。 「か は 」 ドサッ、と冷たい床の上に落ちたルイズは、ブリミルの像と床に衝突したショックで、横隔膜を痙攣させて、体をビクンビクンと震わせた。 「ルイズ!邪魔をしなければ、楽に死なせてやろうと思ったのに、いけない娘だ!」 「貴様ァーーッ!」 勝ち誇ったように台詞を吐くワルド、それに怒りを顕わにし、立ち向かおうとするウェールズ。 しかし、ワルドの分身が一人減った程度では、ウェールズが圧倒的不利な状況に立たされている事に変化はなかった。 再度ルイズの頭に声が響く。 『ルイズ、体を貸せ、時間がない』 「ハァ…ッ、と、とっとと、意識を奪えば、いい、でしょ」 砕かれた肩が酷く痛み、呼吸も苦しい、いまにも気絶しそうだが、なぜか気絶できなかった。 『やれやれ…どうやら無理なようだ』 「なんでよっ」 『おまえは、『諦めていない』、だから意識を乗っ取れない』 「肝心なときに、痛っ…じゃあ、どうしろって言うのよ!」 『スタンドをおまえに預ける、俺は…』 『”痛み”を引き受ける』 その声と同時に痛みが薄れ、ルイズの体が軽くなる、ルイズはさっきまでのショック状態が嘘のように立ち上がることが出来た。 それを見たワルドの表情が変わる、そんなバカなとでも言いたいのだろうか、そんな表情だ。 頭の中で声がする。 『思ったより肩からの出血が多い』 「分かってるわよ」 苦悶に満ちていたルイズの表情に、笑顔が戻る。 『スタープラチナはおまえが思ってるほど忠実じゃない』 「分かってるわよ」 痛みなどものともしない、余裕すら感じさせるルイズの表情を見て、ワルドは攻撃対象をルイズに変更した。 「ルイズ!君の傍らに立つ”それ”が、それが君の使い魔か!土くれのフーケが言っていたが、まさかそんな”使い魔”を持っていたとは!ルイズ、やはり君は思った通り、素晴らしいメイジだ!」 そう言いながらも他のワルドが呪文を詠唱する、ワルドの戦い方のもっとも厄介な部分だ。 フライの魔法を使いながら攻撃魔法を使うのは不可能だと言われている、しかしワルドは三人以上に分身することで、浮遊と攻撃の魔法を交互に唱え、自由自在に魔法を駆使するのだ。 ワルドの台詞が終わったと同時に、右から別のワルドがライトニング・クラウドを放つ。 「おらぁーっ!」『オオオオオオラァァ!』 ルイズと同時にスタープラチナが雄叫びを上げ、始祖ブリミル像を破壊する。 その破片の中に隠れるようにして、ルイズは宙に浮き、ライトニング・クラウドの電撃は破片に吸収された。 「何ッ!?」 おそらく本体であろうワルドが驚きの声を上げる。 ルイズは破片の合間を縫って、天井近まで勢いよく飛び上がった。 しかしそこには、別のワルドが接近し、呪文の詠唱を完成させようとしていた。 ワルドが杖を向け、魔法を放つより一瞬早く、ルイズは天井に意識『破壊』のイメージを向けた。 「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらァッ!」 『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!』 スタープラチナの放つ拳が、轟音と共に固定化のかけられた天井を破壊する。 その破片をワルドに向かって跳ね返す、するとワルドはその破片を避けた。 ルイズは考えた、緊急回避が可能ならば、フライでもレビテーションでもない、おそらく風の魔法で飛んでいる。 スタープラチナの目が素早く下を見ると、ワルドの攻撃を必死に避けるウェールズと、こちらぬ杖を向けているワルドが一人見えた。 「スタープラチナ!」 ルイズの叫びと同時に、スタープラチナはルイズの手からブリミルの像の破片を奪う。 そしてスターフィンガーと同じように力を集中させた指先が、目の前のワルドを宙に浮かせているであろう、もう一人のワルドに向けて、その破片をはじき飛ばした。 「ぐあっ!?」 宙に向けて杖を向けていたワルドが声を上げる、破片が左目から頭を貫通し、ワルドは煙のように消えた。 目の前のワルドもあわててフライの呪文を詠唱しようとするが、それよりも早く落下途中の破片をワルドに向けて殴り飛ばした。 「ぐおっ!?」 蛙のつぶれるような声と共に、そのワルドも顔面を削られ、煙となってかき消えた。 (あと四人!) スタープラチナを使って着地の衝撃を和らげると、ウエールズを取り囲んでいた四人のワルドのうち三人が、ルイズから離れるようにして跳躍する。 そしてウェールズと戦っていたワルドが、他の三人とは別方向に跳躍する。 ルイズはその隙にウェールズの側に駆け寄った、ウェールズは全身傷だらけに見えたが、それほど深い傷は受けてはいないようだ。 「殿下!」 「ミス・ヴァリエール、このような目に遭わせてしまって、申し訳がない」 「覚悟の上です!それより、何とかここを脱出しましょう」 「…私が活路を開く、君はその隙に逃げなさい!」 そう言うとウェールズは魔法を詠唱し、竜巻を作り出した。 竜巻はウェールズとルイズを囲み、礼拝堂の中を埋め尽くそうと勢いを増していく。 少しだけでもワルドの足止めが出来ればいい、そう考えての行動だった。 しかしルイズは、ワルドの一人が笑みを浮かべたのに気づいた。 …まずい! そう思った次の瞬間、二人を囲む竜巻から、光り輝く刃のようなものが飛び混む。 刃はウェールズを狙って飛び込んできたが、その直前スタープラチナが刃を弾いた。 「ッ…!」 ルイズの手に痛みが走る、痛みは一瞬だったが、手の甲がパックリと裂けていた。 承太郎が痛みを引き受けてくれてはいるが、ダメージを増やすのは得策ではない。 そんなことを考えている間にも、輝く刃がは竜巻の中で数を増していく、青白い光はルイズとウェールズの血を吸おうと、不気味に輝いていた。 「殿下!風で吹き飛ばしてください!」 「く…、む、無理だ…耐えるのが、精一杯…!」 ウェールズは杖を構えたまま脂汗を流しながら返事をした、すると、それを見たワルド達が高笑いをして、言った。 「「「「ハハハハハハハハハ!」」」」 「ウェールズ皇太子殿下、君はスクエアのメイジを甘く見たな」 「この青白いはエア・ニードル、真空の渦に触れれば肉は裂け骨は砕ける!」 「さきほど、そこを歩いていたメイドからナイフとフォークを借りてね、エアニードルの核にしたのだよ」 「分身を作り出した後でも、この程度の竜巻を飲み込むのはたやすい!」 そう言ってワルドの一人が杖を振る、すると、ウェールズの顔がより厳しいものに変わる。 一人は竜巻を作り出し、ウェールズの竜巻を取り囲み、押しつぶそうとしている。 一人はエア・ニードルの魔法を食器のナイフにかけている。 一人はエア・ニードルを風の魔法で操り、竜巻の中にいる私達に狙いを定めている。 一人は…何かの袋を取り出した。 「火の秘薬だ!」 ウェールズが叫ぶ、そして、同時にワルドの竜巻がウエールズの竜巻を押しつぶし、竜巻は大人二人入るのがやっとの大きさにまで縮められてしまった。 ルイズと、ウェールズの身体をエア・ニードルが切り裂いていく、スタープラチナでナイフを弾き、致命傷を裂けてはいるものの、ルイズの手は切り傷だらけで、何カ所かは骨にまで達している。 袋を開けたワルドが、竜巻に袋を向けて、言った。 「ルイズ、君には驚いたよ、スクエアのメイジを一時的にとはいえ手こずらせたのだからね、だが…ここでお別れだ。だめ押しに火の秘薬を受けたまえ」 そう言ってワルドが竜巻に火の秘薬を流す。 「スタープラチナ!」 「もう遅い!脱出不可能よ!」 そしてワルドは杖を振って、火の秘薬に着火した。 ドォォン…と、城が響く。 火の秘薬は竜巻により、爆発に近い強烈な燃焼を起こし、超高温の竜巻がルイズとウェールズを包んだ。 竜巻が消えた後には、焼けこげた地面しか残っておらず、二人が死んだのは誰の目にも明らかだ多。 ワルドは、自分を追いつめた婚約者に敬意を払うため、地面に転がっているルイズの杖を拾おうとした。 「うあああああああああああああああああああああア!」 『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーーーッ!!!!』 「ぐがっ!?」 上空から突如現れたルイズに驚いたワルドは、とっさにエア・ハンマーを自分に当てて逃げたが、スタープラチナの拳を胸と腕に食らい、バランスを崩して着地に失敗した。 ルイズは肩に乗せたウェールズを床に降ろしてから、ワルドに近づいた。 「な、なぜだっ!ど、どうやって逃げた!」 「…殴っても消えないって事は、貴方が本体のようね、ワルド」 ルイズの表情が、いつものものでははない、これからワルドを殺そうとしている、それだけの覚悟が感じられた。 ワルドはテレパシーのようなもので他の三人のワルドに意志を伝える、ルイズを殺せと。 分身が杖を振り、魔法を放とうとしたその時、突如分身達の目の前にナイフが現れた。 「「「!?」」」 どすっ、と、訳も分からぬうちに分身達は頭にナイフを生やして、霧散した。 「な…な…」 ワルドは、ただ呻くしかできなかった。 何が起こった? 今、何が起こったのだ? わからない、だが、一つだけ理解できることがある。 ルイズは自分を殺そうとしている。 思い沈黙が流れた。 ドォォォンと、外から爆音が響く。 反乱軍達の侵攻が、とうとう城内に及んだのだろう。 ワルドの頭に、「もう少し時間を稼げば助かるかもしれない」という考えが浮かんだ。 それが命取りだった。 目の前のことに集中していればいいものの、彼は雑念で気を散らせてしまったのだ。 助かるかも知れない、と考えるワルドの腹に、スタープラチナのつま先がめり込んでいた。 「……!」 声にならないワルドに、再度スタープラチナで殴りかかろうとしたその時、偶然、天井が崩れた。 それに気づいたルイズは慌ててウェールズの側に飛んだ。 「スタープラチナ!」 『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーッ!』 落ちてくる天井の破片をスタープラチナで破壊し、ウェールズの安全を確保した時、礼拝堂の入り口から転がるようにして逃げるワルドの後ろ姿を見た。 「ワルド…さよなら」 もう追いかける力も残っていない。 痛みこそないものの、出血が多く、足に力が入らない。 ワルドを追う余力も、攻め込んで来るであろう反乱軍に立ち向かう力も残っていなかった。 とにかく、ウェールズ殿下を逃がさなければいけないのだと、自分に言い聞かせたが、身体が動かない。 トリスティンの政治的には、ウェールズ殿下が生きていてはまずい、それぐらいは理解しているつもりだ。 しかし、アンリエッタはウェールズを愛しているし、ウェールズもアンリエッタを愛している。 ウェールズを助けたい! 例えその結果ゲルマニアとの同盟が反故になっても、アンリエッタを苦しめることになったとしても、この恋だけは成就させなくてはならない。 そんな使命感がルイズを突き動かした。 ウェールズを担ぎ上げようとしたが、うまくいかない。 力が入らない。 駄目なのか、私はここで死ぬのだろうか。 「アン、ごめんね…」 そう呟いて、ルイズは意識を失う。 意識を手放す瞬間、なぜか、身体が浮いたような気がした。 そして場面はキュルケ達に移る。 「もう始まってるわよ!」 シルフィードの上でキュルケが叫ぶ。 目の前に広がるアルビオンの浮遊大陸からは、大砲の音、すなわち戦乱の音が響いていた。 「これでは、ミス・ヴァリエール達を捜すどころじゃないぞ!」 「ギーシュ、あんた昨日は『例え戦地でも姫様のためなら喜んで!』とか言ってたじゃない!」 「そっ、そりゃそうだけど」 シルフィードの上で口論している二人はさておき、タバサはシルフィードの話を聞いていた。 『きゅいきゅい』『ふもー』 シルフィードが話しているのは、ギーシュの使い魔ヴェルダンデ、その得意の鼻がルイズのつけていた宝石のにおいを覚えているというのだ。 タバサキュルケとギーシュに「しっかり掴まってて」とだけ告げて、シルフィードを雲の中に突っ込ませた。 「…あれは何?」 暗雲の中をしばらく進むと、小舟が見えた。 空に浮かぶ船にしては小さすぎる船だ、大人四人が乗れる程度の大きさだろうか。 『きゅいきゅい!』 シルフィードが、ルイズのにおいがすると告げる。 タバサは迷わずその小舟にシルフィードを近づけた。 「ルイズ!」「ヴァリエール!」 突然近くから聞こえてきた声に、小舟に乗った女性…ニューカッスルの秘密港でルイズを迎えたメイドの女性は、驚いて声を上げた。 「あ、あなた方は!?」 「それはこっちの台詞よ、何よ…ルイズ、ひどい傷じゃない」 キュルケが血相を変える、ルイズの身体には包帯が巻かれていたが、出血を抑えきれてはいないと分かったのだ。 「そ、そちらに倒れてるのは…まさか」 ギーシュの疑問に、メイドが答える。 「アルビオンのウェールズ・テューダー殿下…いえ、先皇が討ち死にされた今、ウエールズ・テューダー陛下にございます」 「僕たちはトリスティン魔法学院で、そこに倒れているヴァリエールの友達だ」 「まあ!そうでございましたか、どうかお願いがございます、お二人を連れてすぐにここを離れてください」 キュルケは船に乗り移ると、ルイズを抱き上げた。 ギーシュもまたウェールズをシルフィードに乗せる。 「あなたは?」 タバサがメイドに聞くと、メイドはにっこりと笑って言った。 「私には最後の役目がございます、どうか、できるだけ遠くに離れてください」 タバサはメイドの言わんとしていることを察し、無言でうなずいた。 「あ、それと…、トリスティンのお方ならモット伯にお会いすることもありますでしょう、もしモット伯と、衛士の方にお会いすることがあれば、一人の生徒が勇敢に死んでいったとお伝えください!」 「わかった」 タバサが答えると、そのメイドは小舟の中央に設置された風石の箱を操作し、ニューカッスルの秘密港に向けてゆっくりと移動していった。 それを見送る間もなく、タバサはシルフィードに急いでここを離れろと伝える。 「おい!彼女も連れて行かないのかい!」 風を受けて喋りにくそうにしながらも、タバサに詰め寄ろうとするギーシュだったが、キュルケがそれを制止した。 「ツェルプストー、何をするんだ」 「あんたねえ、野暮って事を知らないの? …あのメイド、メイドのくせに、いっぱしの貴族みたいな目をしてるじゃない」 ギーシュはその言葉の意味が分からなかったが、次の瞬間、あの小舟が飛び去った方から輝く爆炎を見て、その意味を察した。 ごうごうと音が響き、雲が爆風に巻き込まれて散っていく、そして爆炎に巻き込まれた戦艦が看板を火の海にしていた。 ドオン!と、数秒遅れて到達した爆音。 それを見たギーシュは、メイドの言った「最後の役目」の意味が分かった。 アルビオンの下部に設置されていた火の秘薬を、あのメイドが点火したのだろう。 あの規模では、生存は絶望的だと、皆が感じていた。 ルイズは意識を失っていたが、スタープラチナの目が、爆炎を見ていた。 『あのメイドは昨日、ウェールズに詰め寄り、生きて欲しいと懇願していた奴だな』 「死ぬつもりだったのよ、あのメイド…死ぬのは怖いとか言っておきながら、笑顔で死にに行ったじゃない、ホント生意気なメイドね」 『本当に…生意気だと、思っているか?』 「生意気よ。だって………私より、貴族らしいじゃない」 シルフィードがアルビオンの下から抜け出し、太陽の下に出る。 ルイズと承太郎は、スタープラチナの目を通して、アルビオンを包み込む雲を見た。 目の錯覚かも知れないが、雲の一部が、まるで手を伸ばすように伸びた。 その雲はモット伯の別荘で戦ったメイジによく似ている。 手を差し出された雲は、先ほど笑顔で死地に向かったメイドによく似ていた。 二つの雲は、抱き合って、消えた。 前へ 目次 次へ
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前ページ次ページ魔法騎士ゼロアース 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 「サモン・サーヴァント」の呪文を唱えては爆発の繰り返し。 20回目くらいから「フフ、フフフフフ」と時折怪しい笑い声を発しだしたルイズがとうとうやった。 爆発の光とは違う輝きが生まれた。それまでルイズを馬鹿にしていた生徒も息を呑む。 (やった! ついに私の使い魔を召喚できたのね!) 間違いなく成功だとルイズの目は輝きを取り戻した。 しかも、なんだか凄い当たりを引き当てたに違いない。 グリフォン? ドラゴン? どこかの国の聖女? いや最後のはマズイか。 (ああ、早くその姿を私に――) 「ぷぅ」 「ぷぅ?」 光が収まり、ルイズの目の前に姿を現したそれは――― 「ぷっぷぅ!」 あまりにも、もこもこふわふわしていそうな謎の生き物だった。 「プッ……アハハハハ!! あ、あんまり笑わせてくれるなよ!」 「そうかそうか! 何の奇跡が起きたと思ったが『ゼロのルイズ』が召喚に成功したことか!」 「そうだよな、それだけで奇跡だよな! 良かったじゃないか、進級を奇跡で乗り切ったな!」 周りの生徒達は、その使い魔の姿を見て爆笑する。 「これこれ、みんな静かに! ともあれミス・ヴァリエール、召喚成功おめでとう」 「あ、ありがとうございます、ミスタ・コルベール」 「さあ、早くコントラクト・サーヴァントを」 自らの使い魔に近づくルイズを、もこもこした生き物はじっと見ている。 「ぷぷ~?」 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 両手でもこもこを抑える。 (わっ、見た目通りふわふわだ) そのまま契約の口付けを交わす。 「ぷ、ぷぷー!?」 契約完了の証が、もこもこの体の中心……人間でいう胸の部分に浮かぶ。 (あれ? 今頭の飾りが……) もこもこの頭についた赤い飾り……それが、一瞬黄色くなったように見えた。 (赤に戻ってる……気のせいだったのかしら?) 「ほう、珍しいルーンだな。それに見たことのない生き物だ」 ささっとルーンをスケッチするコルベール。 「さあ、みんな教室に戻りますぞ」 生徒はみんな空を飛んでいく。 「ルイズは歩いて来いよ!」 「ルイズの奴、フライどころかレビテ……あれ?」 ルイズへの悪口を言っていた一人……風上のマリコルヌが空を飛びながら辺りを見回す。 「どうしたんだい、マリコルヌ?」 「いないんだ、僕の使い魔が……クヴァーシル、どこだい!?」 クヴァーシルとはマリコルヌのフクロウの使い魔だ。空を飛んだ彼についてくるはずだが姿が無い。 「ロビン、ロビンー?」 香水のモンモランシーもまた、自分の使い魔であるカエルを探していた。 「どうしたっていうのかしら。ね、もこもこ……?」 ルイズがもこもこのいた場所に視線をやると、何もいなかった。 せっかく召喚した自分の使い魔まで何処かに行ってしまったのかとあわてて辺りを見回す。 「あ、いたいた」 後姿だが、白いふわふわしたアレは間違いない。 「ちょっと、勝手に……」 モコナが振り返り、ルイズは固まった。 「……ね、もこもこなの。あなた、そんな形が歪だったかしら?」 なんだか、もこもこは口の辺りが変形している。何かを口の中に入れているようだ。 「なんだが、口の中で暴れてるわね。その輪郭、すごく鳥みたいなんだけど」 もこもこは体を横に振る。口から鳥っぽい足が見えた。 「あらそう、なら鳴いてみなさい。さっきみたいにぷぅぷぅって」 一瞬の間。そして。 「ケロッケロッ」 「モンモランシーの使い魔もかああああ!!!」 頭を引っぱたくと、口から二匹とも元気に飛び出てきた。 「このもこもこな……ああもう、言いにくいわね。この際名づけてあげるわ。 あんたは、もこもこな生き物だから……モコナよ!」 ビシーッと指差して名づけるルイズ。 こくこくと頷くモコナ。 適当につけた割に素直ね、と思うルイズだったが本名なんだからしょうがない。 その夜。 モンモランシーとマリコルヌに散々怒られ、ルイズは自分の使い魔を椅子に縛り上げた。 「今日一日、椅子の上で反省してなさい!」 そう言って授業に出て、この時間まで戻らなかったのだ。 「ちょっと、悪いことしたかしら」 あの行為も、お腹が空いていたとかそういう理由だったのかもしれない。 だったら今、お腹を減らして泣いているかもしれない。 「ただいま。ごめんね、モコ……」 部屋の中、椅子の上にはロープのみ。 見事脱出されていた。ついでに部屋がメチャクチャに荒らされてた。 現在進行形で。 「ぷっぷぷー!」 「こ、こんの珍獣――!!」 ガーッと飛びかかるルイズをひょいとかわし、モコナは窓を開けて飛び降りた。 「ちょ、馬鹿! ここは塔の……」 耳をパタパタと羽ばたいて降りているモコナ。 「ど、どこまで不思議生物なのよあいつは……」 かなりすごい生き物なのではないか、と思いつつもコケにされている今は喜ぶ気にもならない。 「ご主人様と使い魔の差ってやつを理解させてやるわ! 主に肉体言語で!」 荒れた部屋を飛び出すルイズ。 「うるさいわねえ、何の騒ぎよ……って何これ、また魔法の失敗?」 騒ぎが気になったキュルケは、荒れたルイズの部屋を見て唖然とする。 「あれは……」 外に、小さな白いふわふわを追いかけるルイズの姿があった。 「あれって、ルイズの使い魔よね。遊ぶんだったら、違う時間にしなさいよね……」 遠目から見ると、追いかけっこしているようにしか見えない。 ルイズが騒ぎを起こすなんていつものことだと、キュルケは部屋に戻っていった。 「ぜえ、ぜえ、ぜえ……ど、どんだけ逃げ足速いのよ、あいつ……」 「捕まりませんでしたね、ミス・ヴァリエール」 「まったく、どこに逃げたのか……あれ?」 いつの間にか、モコナを捕まえるのに加わっていたメイドを見る。 「あんた、何でモコナのこと追いかけてるの?」 「ええ!? ミス・ヴァリエールが「その白いの捕まえてー!」って仰ったんじゃないですか!」 記憶を思い返すと、そんなことがあったような気がする。 「あー、そうだったかも。悪いわね、手伝ってもらって」 「いえ、お手伝いするのはメイドの仕事ですから」 そういうメイドもバテバテだ。ルイズも疲れが一気に出てきたので、モコナを捕まえるのは諦めることにした。 「もう帰るわ、どこ言ったのかもわからないし……手伝ってくれて本当にありがとう、ええと……」 「シエスタと申します。それでは、お休みなさいませ」 そのままお互い帰路に着いた。 「う、嘘でしょ……?」 ベッドの上で、モコナが眠っていた。 「ここここ、この使い魔。 クックベリーパイと一緒に食べてやろうかしら」 叩き起こしてやろうかとも思ったルイズだったが、走り回った疲れから睡魔が襲ってきた。 「好き勝手絶頂に暴れまわって、た、ただで済むと……思わないことね」 フラフラとベッドに歩み寄り、倒れこむ。 「ん……罰として……ご飯抜き、なんだから……」 そのまま、散らかった部屋もそのままにルイズは夢の中へと意識を沈めていった。 ちなみに、ルイズは知る由も無いことだが、モコナがロビン等を口に含んでいたのはふざけていただけ。 モコナは食事を必要としない生き物なのだった。 その頃、図書館ではコルベールがルイズの使い魔のルーンを調べていた。 「中々見つかりませんな……」 図書館の奥、教師のみが閲覧を許される「フェニアのライブラリー」から始祖ブリミルの使い魔たち、と書かれた本を手に取る。 「これは……ガンダールヴのルーン、ヴィンダールヴのルーン、ミョズニトニルンのルーン。 それぞれ記述に似た特徴があるが、しかしどれとも違う……いや、まさか」 ならばと、コルベールの脳裏に一つの詩のような唄が思い浮かぶ。 神の左手ガンダールヴ。 勇猛果敢な神の盾。左に握った大剣と、右につかんだ長槍で、導きし我を守りきる。 神の右手がヴィンダールヴ。 心優しき神の笛。あらゆる獣を操りて、導きし我を運ぶは地海空。 神の頭脳はミョズニトニルン。 知恵のかたまり神の本。あらゆる知識を詰め込みて、導きし我に助言を呈す。 そして最後にもう一人……。記すことさえはばかれる……。 四人の僕を従えて、我はこの地にやってきた……。 「まさか、最後の一人……それが?」 コルベールは伝説の使い魔に狙いを絞り調べることにした。 この図書館の全てを調べても、記されていない使い魔のことなど載っていない。 それでも、どこかにヒントがあるのではとコルベールは自身の探求欲が抑えられなかった。 だが、コルベールとて辿り着くことはないだろう。 その有名な唄に誤りがあることに。 最後の一人は、けして始祖ブリミルの「僕」などではないことを。 前ページ次ページ魔法騎士ゼロアース
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前ページ次ページ使い魔はじめました 使い魔はじめました―第三話― どうにか部屋まで戻ってきた二人と一匹 もっとも、先程こけた際にルイズは後頭部をぶつけて気絶し、 二人を探しにきたコルベールに部屋へ運び込まれた、 という顛末があったため、すっかり夜中になってしまっていた 「ううー……」 まだ痛む頭を撫でつつ、メイドに持ってこさせた サンドイッチを食みながら、ルイズは改めて自分の召喚した 使い魔とその使い魔に目を向ける 二人はぽかんと口を開けたまま外を眺めていた 「ねえねえ、見てサララ!月が二つあるよ!」 窓から身をのりだした猫が驚愕の声をあげている 「何当たり前のこと言ってるのよ」 「だって、ボクらの居たとこには月は一つだけだったもの」 こくこくと頷き、それに同意するサララ 自分が育った村でも、店を開いていた町でも月は一つだった 「もしかしてここ、ボクたちが居たのとは違う世界なんじゃない?」 チョコのその言葉にサララは考え込む 月が二つ、箒が無くても飛べる魔法使い 部屋の中を見渡せば、見たこともない作りの調度品で溢れている その可能性は十分あるだろう 「はあ?違う世界って何よ?月が一つ?馬鹿にしてるの?」 イライラしているらしいルイズの言葉に慌てて首を左右に振る 「……もういいわ。とりあえず、あんたらが何処から来たのかは、 この際置いておきましょ。ここに座んなさい」 テーブルを挟んで椅子に座り、主と使い魔は向かい合う 「改めて確認するけれど、『サララ』と『チョコ』ね」 一人と一匹を順番に指差してルイズが名前を確認する 「で、あんたはマジックアイテムを売る商人をやっていた」 「そーだよ。ねえ、ぼくたち、元の場所に帰りたいんだけど」 「無理ね」 ルイズはチョコの言葉を一蹴する 「どうして?」 「だって、サララは私の使い魔になったんだもの。 額に、ルーンが刻まれたはずよ」 サララはそっと髪の毛の下の額に触れる 確かに何か文字のようなものが刻まれている手触りだ あんまり人に目から上を見せないとは言え、ちょっといやだなあ、と思った 「使い魔とメイジは一心同体!あんただってそれは分かるでしょ?」 「う」 人差し指で鼻を突かれて、チョコは言葉に詰まった 「確かに、それはわかるよ。 ぼくだって、サララのパートナーだもの」 「でしょ?」 勝ち誇ったようにルイズは告げる 「それで、よ。使い魔のものは主のもの、よね」 ずい、とルイズは身をのりだし、サララに詰め寄る 「あの鍋の中のマジックアイテムも、私のもの、よねえ? ねえ、そうよね、見てもいいわよね?」 たじろいだサララがうっかり頷いたのを確認すると、 ルイズは椅子から立ち上がり、鍋にかかった梯子に手をかける 「さあ、一体どんなものがあるのかしら! ご主人様が確認して……え?」 鍋を覗き込んだルイズは、そこが真っ白に輝いてるのを見た 「何これ?一体どうなって……きゃあ!」 身を乗り出したルイズが、 そのままバランスを崩して鍋の中に転げ落ちる 「わわっ!まずいよサララ!早くあの子を助けないと!」 チョコに急かされて、サララは慌てて 鍋の中から出ている梯子に手をかけた鍋の中へと入っていった 梯子を降りたサララは、きょろきょろと辺りを見回し、 目を回しているルイズを見つけ、慌てて抱き起こす 「うう……あ、あれ?私一体?」 自分の状況が掴めないルイズが目を白黒させた 「もう、うっかりしてるなあ。鍋の中に落ちるなんて」 「ううう、うるさいわね!」 チョコに怒鳴ってから、ルイズははた、と気がつき辺りを見渡した そして恐る恐る、チョコとサララに向き直る 「ここ、何処?」 「だから、鍋の中」 再び、視線を巡らせる そこには異様とかしか呼べない光景が広がっていた まるで、巨大なデコレーションケーキだった 自分達の存在は、さながらその上に置かれた砂糖菓子の人形である 「な、な、何なのよ、これはあああ!!説明しなさいよ、ねえ!!」 パニックになったルイズを見つつ、チョコはあっさり言い放つ 「魔女の大鍋の中は、こーいう風になってるもんなんだよ。 不思議だよねえ。入れたアイテムはどこにしまわれてるんだろ?」 可愛らしく首を傾げるチョコ こーいう風になってる、と言われてもルイズは動転したままだ 「な、鍋の中って!嘘!だってあんなに天井?が高いじゃない!」 見上げた上部は、どこまでも続いているような気がした このまま戻れないのではないかと、 ちょっと泣きたくなりかけた時だった 「……って、ちょっと待ちなさいよ。鍋の中を知ってるってことは、 あんた、この鍋の中入ったことあるの?」 サララは、つい、とすぐ側にある梯子を指差す 「……出られるの?」 首を縦に振り肯定の意を示したサララを見て、 ルイズは何となく気恥ずかしくなり、顔が真赤に染まってしまう 「だ、だったら先に言いなさいよ、もう……」 照れ隠しのようにぱっと起き上がると、梯子に手をかけ昇り始める 「(びっくりした……)」 部屋に戻ってからも、まだルイズの心臓はドキドキしていた あんなに高く見えたのに、梯子を何段か昇れば、 あっさり元の自分の部屋へ帰ることができたのだ 一体、どんな仕組みになっているのだろうか 「ねえ、あんたたち」 鍋から出てきた彼女達に声をかける 「あんたたちが、別の世界から来たかもしれないって、信じるわ。 だって、ハルケギニアにはそんな変な鍋、存在しないもの」 「やーっと信じてくれた?」 チョコがやれやれ、といった様子でため息をつく 「それよりさあ、使い魔やるにしても、 とりあえず一度、元の場所に帰してくれないかなあ」 サララもそれには同意だった 使い魔をやると決めたのは自分だが、 せめて、引越しとか休業のお知らせをしないと 常連客たちが心配するだろう 「……無理よ」 「どうして!」 ルイズは困った顔でサララ達に告げた 「だって、あなたたちの世界と、 こっちの世界をつなぐ魔法なんてないもの」 「じゃあ、どうしてぼくらは来られたのさ!」 「そんなの知らないわよ!……召喚魔法は、ハルケギニアのものを 呼ぶ魔法だし……サモン・サーヴァントは、 使い魔が死なない限り、二度と使えないんだもの……」 段々声が小さくなっていくルイズ じっと聞き入っている彼女らは、多分困っているのだろう 魔法が使えないことで苦労するのは自分も痛い程知っている その上、いきなり知らない場所に連れて来られたのだ せめて、自分が有能なメイジであれば、 彼女らを召喚せずにすんだのでは? などと考えて、落ち込んでしまう 「んー……じゃあ、しょうがないかな?」 あっさりと開き直ったチョコにがくっと、なるルイズ 「……あんたたち、それで、いいの?」 「サララがやるって決めたんだし、今の所、元の世界に 帰る方法もない。じゃあ、使い魔やるしかないじゃないか」 今までだって、行き当たりばったりで様々な目に遭ってきたが、 いつだって、何とかなっていた きっと、今度も何とかかなるだろうとサララとチョコは考えた 「そ、そう、ならいいのよ!ああ、それじゃあ、使い魔が 何をしなくちゃいけないか教えてあげるわ!」 無い胸を張って、ルイズが告げる 「魔法媒体じゃないの?」 首を傾げるチョコを否定する 「そんなことしないわよ。 まず、使い魔は主人の目となり耳となる能力を与えられるわ」 「できそう?」 「……さっきから試してるけど無理ね。人間だからかしら?」 もっとも、見えた所で視界は悪そうよね、という言葉は飲み込んだ 「それから、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ」 それを聞いた瞬間、サララは満面の笑みを浮かべた そういったことなら、自分の得意中の得意だ 仕入れるよりも、ダンジョンで拾ったアイテムの方が確実に多い 「……そーいうのなら得意だよ。 ぼくら、よく、ダンジョンに潜ってたもの」 「ダンジョン?」 訝しげな顔をしたルイズを見てサララは戸惑う 「あ……もしかして、ダンジョン、ない? 薄暗い洞窟でさ宝箱とかあって」 チョコが恐る恐る尋ねた 「……ない、わねえ。じゃあ、無理かしら」 その場に、三つのため息がこぼれる 特にサララのため息が一番大きかった 多少危険ではあるが、仕入先として重宝していたダンジョン それが無いのでは、迂闊に道具を使うことも売ることもできない これは商売人として大きな痛手である 「で、最後なんだけど……使い魔は主人を守る存在よ。 その能力を使って、主人を敵から守るのが 一番の役目……なんだけど」 「あ、そっちも大丈夫だよ」 さらりとチョコが告げる 「大丈夫、って……あのねえ、強い幻獣だったら、 並大抵の敵には負けないけど、 あんたらなんか、カラスやカエルにだって負けそうじゃない」 苛立たしげに言うルイズに、チョコは小さな胸を張る 「ぼくはともかく、サララなら大丈夫さ。カラスやカエルどころか、 ドラゴンにだって、サラマンダーにだって負けるもんか!」 「ふーん……」 疑いの眼差しをサララに向けるルイズだが、思いなおす 「そうね。あんたには、さっきのアレみたいな マジックアイテムがあるんだもの。 ひょっとしたら、ひょっとするかもしれないわね。 ……でも、そんな機会は、きっとあんまりないわ」 だから、とルイズは指を立てた 「掃除、洗濯なんかの雑用もやってもらうわよ!」 「あちゃー、やっぱりかあ。ぼく手伝わないからね、サララ」 チョコの言葉を聞いて苦笑しながらも、サララは頷いた どうせ、頼る相手は目の前の彼女しか居ないのだ だったら、精一杯のことをやるだけである 「ふわ……喋ったら、疲れちゃったわ」 ルイズはあくびをした 「ぼくたちだって疲れちゃったよ。 ねえ、ぼくたちは何処で寝たらいい?」 その言葉にルイズはしばし考え込む 普通の使い魔なら宿舎、あるいは床だが 相手は自分とそう年も変わらないであろう少女だ 「……しょうがないわね。一緒に寝てもいいわよ」 そう言いながらルイズは服を着替えていく 「もーちょっと恥じらいを持った方がいいんじゃない?」 「猫と同性の前で何を恥らえって言うのよ。 あ、これ。明日洗濯しておいて」 下着をサララの方に放るともぞもぞとベッドに潜り込んだ 「朝になったら起こしてね、おやすみ」 ぱちん、と指を鳴らしランプを消すと、 あっという間に小さな寝息を立てだした 「はあ……なんだか、大変なことになっちゃったね、サララ」 くぁ、と小さくあくびをするとチョコはルイズの枕元に飛び乗る 「サララも、早く寝た方がいいよ……。 明日からは、もっと大変になるだろうから……。 んー、ふかふかのベッドだな……」 組んだ前足に頭を乗せて、チョコも寝息を立てだした 着替えがあればよかったのに、と思いながら、 サララも帽子を脱ぎ、エプロンをはずしていく コトリ、と何かがポケットから床に落ちた 見れば、広場で拾っておいた、占いカードと日記帳である サララは手に取った日記帳を開き床に置くと、 挟んでおいた羽ペンでさらさらと今日の出来事を記していく 魔女の世界には、日記をつけておけば、例え天変地異があっても そこからやり直せるという言い伝えが残っているため、 大事なことの前後には、日記をつけておくクセがあった 月明かりが元の世界より明るく、ランプがなくとも十分だった 『『ハルケギニア』という場所に召喚されて、 ルイズという少女の使い魔:パートナーになった 元の場所に戻れるかはわからないけれど、ちょっとワクワクする まるで、ダンジョンで新しい階層に潜る時のよう』 それだけ書くと、日記帳を閉じる それから、思い立って、占いをしてみることにした 占いカードの内、『最後のカード』を除いた十三枚のカードを よくシャッフルし三つの束にする その三つの束のいずれかの一番上のカードを選ぶという ごくごく簡単な方法で明日はどんな日か占う占い方だ 手にとったカードは、『Ⅰ:水晶玉』 『水晶玉』の暗示する意味を、頭に思い浮かべる 『完成』、『完全』そして……『未来』 三つの意味の中で、これが一番しっくりくる気がした あの町で初めてやった占いでも同じカードを引いたことと、 初めてのお客様から始まったあの町での暮らしを思い出す 二つの月が輝くこの異世界で、自分と、チョコと そして彼女には、どんな『未来』が待っているのだろうか そう考えながら、ベッドに潜り込むと、サララは眠りに落ちていった 前ページ次ページ使い魔はじめました
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【作品名】ゼロの使い魔 【ジャンル】小説 【名前】ルイズ 【属性】魔法使い 【年齢】17歳と5ヶ月 【長所】虚無の魔法使い 【短所】色々と年齢相応とは見えない 【備考】平賀才人を召喚した直後の年齢が16歳で、それから20巻までで1年5ヶ月経過しているので17歳と5ヶ月 vol.1 修正 vol.3
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全ジョジョに勝つ荒木が認める最強 EXEXEX 空条 承太郎(くうじょう じょうたろう((星の白銀・世界・天国(スタープラチナ・オーバーヘブン(ザ・ワールド)))) 天国に到達したDIO(世界・天国(ザ・ワールド・オーバーヘブン) EXEX 空条 承太郎(くうじょう じょうたろう(星の白銀・世界(スタープラチナ・ザ・ワールド))) DIO(世界(ザ・ワールド)) EX 空条 承太郎*1 DIO(ザ・ワールド(素手、時止めなし)) SSS DIO(隠者の紫(ハーミットパープル)) SS 空条 承太郎(くうじょう じょうたろう(素手)) ヴァニラ・アイス(クリーム) 再起不能となったジャン=ピエール・ポルナレフ(銀の戦車・鎮魂歌(チャリオッツ・レイクイエム)) S モハメド・アヴドゥル(魔術師の赤(マジシャンズレッド)) 花京院 典明(かきょういん のりあき(法王の緑(ハイエロファントグリーン) ジャン=ピエール・ポルナレフ(銀の戦車(シルバーチャリオッツ)) ペット・ショップ(ホルス神) ダニエル・J・ダービー(ダービー兄(オシリス神)) アヌビス神(ジャン=ピエールポルナレフ) AAA 空条 承太郎*2 ジョセフ(波紋・隠者の紫(ハーミットパープル)) イギー(愚者(ザ・フール)) ラバーソウル(黄の節制(イエローテンパランス)) エンヤ婆(エンヤ・ガイル(正義(ジャスティス))) J・ガイル(吊られた男(ハングドマン)) ミドラー(女教皇(ハイプリエステス)) ンドゥール(ゲブ神) アヌビス神(カーン) ケニーG(ティナー・サックス) AA 呪いのデーボ(悪魔(エボニーデビル) グレーフライ(灰の塔(タワーオブグレー)) 偽キャプテン・テニール(暗黒の月(ダークブルームーン))フォーエバー(力(ストレングス)) ホル・ホース(皇帝(エンペラー)) ネーナ(女帝(エンプレス)) ズィー・ズィー(運命の車輪(ホウィール・オブ・フォーチュン)) 鋼入りのダン(スティーリー・ダン(恋人(ラバーズ))) アラビア・ファッツ(太陽(サン)) マニッシュ・ボーイ(死神13(デス・サーティーン(悪夢世界(ナイトメア・ワールド))) カメオ(審判(ジャッジメント)) オインゴ(クヌム神) ボインゴ(トト神) アヌビス神(チャカ) マライア(バテスト神) アレッシー(セト神) テレンス・T・ダービー(アトゥム神) A ヌケサク 大統領(ラブトレイン) プッチ(MIH) ジョナサン ジョルノ(GER) 究極カーズ BBB 空条 ホリィ(くうじょう ほりぃ(茨(癒しの能力))) ディアボロ ディエゴ・ブランドー(THE WORLD(ザ・ワールド(オレだけの時間だぜ))) ジョニィ(Act4) ジャイロ(BB) 吉良 大統領 BB ウィルソン・フィリップス上院議員(車)ウェザー ディエゴ・ブランドー(恐竜(スケアリー・モンスターズ)) B 空条 貞夫(くうじょう さだお) 仗助 カルネ 露伴 重ちー CCC ワムウ 音石 ローゼス ウィルソン・フィリップス上院議員(素手) カーズ 猫草 CC チョコラータ イルーゾォ アン(家出少女)シェリー・ポルナレフ ソフィー マレーナ エシディシ C リゾット サーレー セッコ スージーQ・ジョースター DDD ブチャラティ ギアッチョ ポルポ 定助 DD 定助 サンタナ ホルマジオ アナスイ D ウンガロ ズッケェロ EEE ミスタ トリッシュ 形兆 EE オエコモバ ホルマジオ ドナテロ 噴上 E ラングラー F・F サウンドマン 吉廣 ジャンケン小僧 FFF リキエル ジョンガリ・A ヴィヴァーノ ドナテロ 康一 FF フーゴ エルメェス マックイイーン ケンゾー グッチョ 億泰 F ヴェルサス GGG マイクO GG ナランチャ G ブンブーン HHH 虹村さん(京) HH リキエル ラングラー H メローネ アンジェロ III 11人の男 ホットパンツ II シュトロハイム ウェカピポ I アクセルRO マジェント JJJ ジョセフ JJ スポーツマックス J ジャイロ KKK プロシュート アバッキオ リンゴォ KK DアンG ペッシ K ミューミュー LLL マライア LL ミラション L スクアーロ MMM 未起隆 MM プッチ M エニグマの少年 NNN グェス 定助 ディスコ NN マウンテンティム N フェルディナンド博士 OOO ブラックモア OO ジョニィ O ポークパイハット小僧 由花子 PPP プッチ PP ジャイロ P ルーシー 間田 QQQ ティッツァーノ 玉美 QQ トニオ ネズミ RRR カーズ RR ジョルノ
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登録日:2011/03/14 Mon 23 14 20 更新日:2024/03/22 Fri 09 16 45NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 6部 アイリン オナニー オラオラ ジョジョ ジョジョ主人公 ジョースターの血統 スタンド使い ストーンオーシャン ストーンフリー チュー ヒロイン ファイルーズあい ファザコン マスターベーション メビウスの輪 主人公 受け継がれるオラオラ 受け継がれる意志 因縁の終焉 女主人公 数奇な運命を背負った女 本当は優しい人 歴代ジョジョ 沢城みゆき 涙腺崩壊 漢女 父との不和 石の海 空条徐倫 空条承太郎 糸 糸人間 自己犠牲 蝶 鋼メンタル 『ひとりの囚人は壁を見ていた』…… 『もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた』 あたしはどっちだ? 空条(くうじょう)徐倫(ジョリーン)は『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』の主人公。 CV:沢城みゆき(ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトル/ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブン/ウルトラジャンプCM) ファイルーズあい(TVアニメ) 【人物】 名字で分かる通り3部の主人公である空条承太郎とアメリカ人女性との間に生まれた承太郎の一人娘である。 スタンド能力は自分の体を糸にできる「ストーン・フリー」。 名前読みの元ネタはドリー・パートンの「Jolene」と思われる。 …承太郎は日本人的な女性が好みだということには触れてやるな。ひょっとしたら日系人だったのかもしれない。黒髪だったし。 娘の名前は明らかに非日本人的だが。 物語開始時には両親は既に離婚しており、母親と二人暮らしだったようだ。 冒頭で恋人のロメオとイチャイチャしながらドライブしている際にロメオが誤って人をひき殺してしまい、その罪を被せられて刑務所に入っている。(*1) ちなみにかなりの美人であり、スタイルも良い方である。 あまりにも漢気溢れる描かれ方をしているせいでそう見られないことが多いのは悲しいが…。 ちなみに初台詞は男の看守にマスターベーションを見られたから生きていけない というもの。 主人公の初台詞が下ネタとはさすが荒木先生ッ!俺達に出来ない事を平然とやってのける!そこにシビれる!あこがれるゥ! その後は通称「水族館」と呼ばれる刑務所へ送られることになる。 この際差し入れとして承太郎が送った「矢」の入ったペンダントで指を傷つけ、スタンド「ストーン・フリー」を発現する。 これもジョースターの血統がなせる業か。 とはいえ、『もし万が一徐倫にスタンドの資質が備わっていなかったら承太郎はどうするつもりだったのか』ということには触れてやるな。 親子仲は物語開始当初は最悪だった。 徐倫本人によれば、彼女が6歳のころ高熱を出して死にかかってたときに日本の田舎(恐らく杜王町のことだと思われる)に行って帰ってこなかったらしい。 そんなこともあって「承太郎を父親とは思っていない」と言い切る程だったが、後々承太郎の愛情に気付き関係は改善する。 【活躍】 「水族館」に入った後、頭を丸刈りにされかけたり身体検査に全力を出して居たが、前述の件でスタンド能力に目覚める。 この時は「伸ばし過ぎると身体がほどけ、切れると身体が傷付く糸が指から出る」能力でいやがらせぐらいにしか使えなかった。 しかし同じくスタンド能力に目覚めた同室のグェスから様々な嫌がらせを受け、 更にグェスの人間を小さく出来るスタンド「グーグー・ドールズ」の秘密を知ってしまい、能力で小さくされてしまう。 そして死んだネズミの皮を被せられてグェスの脱獄計画に協力することになったが、 「本体が対象から離れると能力が自動的に解除される」という「グーグー・ドールズ」の欠点をグェスが把握していなかったために計画は失敗、交戦することになる。 この際に「ストーン・フリー」の像を作りだすことに成功し、グェスを打ち破った。 その後エンポリオからの警告を受け、面会に来た承太郎から前述の交通事故はDIOの部下が承太郎に復讐するために仕組んだ物であり、 承太郎は徐倫を「水族館」から出すためにきたと聞かされる。 しかし承太郎を快く思っていない徐倫はこれを突っぱね、面会室から出ていこうとするが、 このとき既に「ジョンガリ・A」の「マンハッタン・トランスファー」と「プッチ神父」の「ホワイトスネイク」の攻撃を受けており、 承太郎は徐倫をかばって「DISC」を抜き取られ、仮死状態に陥ってしまう。 承太郎が自分を大切に思ってくれていたことに気付いた徐倫は、奪われた承太郎のDISCを取り戻すために仲間達と共に激闘を繰り広げていくことになる…… 敵との戦闘中にもよおして来たり初登場時と性別の替わった猟奇殺人鬼に結婚を迫られたりと基本ロクな目に遭わないが、 親譲りの冷静な判断力と敵に対してオラオララッシュをぶちかませるドSな気質と容赦の無さを武器に、 数々の強敵やもっともドス黒い悪と対峙する事になる。 【スタンド】 ストーン・フリー 『ストーン・フリー』 あたしは…この「石の海」から自由になる… 破壊力-A スピード-B 射程距離-1~2m 持続力-A 精密動作性-C 成長性-A 徐倫のスタンド。 人型の発現当時はガンダムっぽい顔つきで逞しい男性的な体つきをしていたが、徐倫の成長に伴ってどんどん女性らしいデザインになっていった。 恐らく当初は父親へのコンプレックスから「誰か(逞しい男性)に守ってほしい」という願望から男性的なデザインだったのが、コンプレックスからの脱却・自立に伴って女性的になっていったものと思われる。 アニメ版では最初から後半のデザインで統一している。 能力は己の体を糸に変化させてその糸を手足の如く操ること。 花京院の『緑の法皇』に似ているが、あっちはスタンドを紐にして操るので微妙に違う。 糸は背中の星型の痣から伸び、糸の伸ばせる距離は徐倫の体重に比例。54kgの時点だと24mほどまで伸ばせる。 そして糸の先は針のように鋭利であり、人体程度なら容易に皮膚を刺し貫いて体内に潜り込む。 当初は糸のみだったが、グエスとの戦闘から糸を撚り合わせて固めることで人型形態を会得。一般的な近距離パワー型スタンドとしても戦えるようになった。 近距離パワー型スタンドとしては十分すぎるパワーとスピードを兼ね備えているため正面からの肉弾戦にも強い。 そしてストーン・フリーの糸は非常に様々な応用が効き、 ロープのように巻きつけて人や物を手繰り寄せたり縛り上げる 自身の傷口を縫う 糸電話のように声を伝える 拳に糸を集めて威力を上げる 糸を編み込んで投網・手錠・衣服etc…様々な形や物を作り上げる 『法皇の結界』のように周囲に糸を張り巡らせ敵の行動や攻撃を察知する 体を糸に変えて人間の体内など通常では潜り込めないような狭所に潜り込んだり、身体を物理的に大きく変形させ攻撃を回避する などといったことが可能。 反面糸の状態は強度が低くダメージを受けやすいのが欠点。 また糸を出すということは自身の体をその分傷つけていることを意味しており、体の大部分を糸にしてしまうと自身の命にも関わるためかなりの胆力が必要。(*2) ちなみに糸からは石鹸の匂いがする(らしい)。 これらのシンプルながらも高い柔軟性と戦闘力を兼ね備えたスペックから、プッチは「剛と柔を併せ持つスタンド」と例えている。 名前の元ネタはジミヘンの「Stone Free」 【名台詞】 マスタ~~…ベ~~ション…をよ… 飛びたいよォーッ あたしをジョジョって呼ぶな そう呼ぶのはママだけだ… ロッチュ~お腹チュいたニャン! うるせェェェェェー 弁護士を呼べェェェーッ うおっ 人類の夜明けだわこりゃ やれやれだわ… (ストリップしながら)よつんばいでいいですか?仰向けになりますか?それともブリッジするとか… コントロール室はこの先どっチュへ行けばい…いいんでチュか? 線が集まって固まれば『立体』になるッ! この概念!! 「ストーン・フリー」あたしは…この「石の海」から自由になる 聞こえた?「ストーン・フリー」よ…これが名前 「大きい方」と「小さい方」があって「シ」で始まる下半身関係の言葉!ズボンにもらしちゃうわ!「大きい方」でなくて本当良かったって思ってる生理現象の事よ! 「中庭へ行ってDISCを取りに来るSPW財団の「誰か」にDISCを渡す」 それがあたしの今の人生の目的よ 「精神力」の消耗だ…くだらないストレス!それに伴う「体力」へのダメージ…!!・・・あたしはこの「厳正懲罰隔離房」で!!「やるべき目的」があるッ!必ずやりとげてやる…そのためには…くだらない消耗があってはならないッ!いや…逆にもっと強くなってやるッ! あそこに『骨』がある ホワイトスネイクに近づくためなら何だってやるぞ…ドブ水だってすすってやるし誰よりも強くなる…あたしは星を見るわ…父に会うまで…星の光を見ていたい やるっていうのなら 受けて立つわ…アメリカ方式 フランス方式 日本方式 イタリアナポリ方式 世界のフィンガー「くたばりやがれ」よ 「通じた」のよ…今…父さんを理解出来たと体で感じる… 手錠はなんのためにある?逃がさないためにあるんじゃあない 屈服させるためにあるッ! おまえがぜんぜん理解しない…という事を…理解したよ… プゥ~ッチッ! ウェザーもう一度…もう一度話がしたい あなたと そよ風の中で話がしたい ひとりで行くのよエンポリオ あんたを逃がすのはアナスイであり…エルメェスであり あたしの父さん空条承太郎…生きのびるのよ あんたは「希望」!! 来いッ!プッチ神父『ストーン・フリィィィーッ』 【余談】 歴代ジョジョの紅一点にして恐らく一番酷い目にあっている。 死んだネズミの皮を被せられたり男囚のウ○コを顔に掛けられたりゴキブリを踏んだブーツ入りの食事を食べることになったり…… その上プッチを押し上げる運命のためか自身の行動や存在が裏目に出てしまっており、ウェザーとアナスイの死の遠因となってしまい、承太郎は徐倫を二度も庇って反撃の機会を失い、自身はプッチに一矢報いたものの最終的にはエンポリオ以外の死を招くこととなってしまった。 前半こそ女の子らしく涙を流すこともあったが後半からは女の子とは思えない逞しさを身に付けており、歴代ジョジョで最も成長したと言っても過言ではないだろう。 ……と言っても、要所要所で可愛げのあるシーンも引き続き見せている。特にアニメでは、ファイルーズあい女史の演技と作画陣の細かい表情変化により、徐倫が柔(愛嬌や優しさ)と剛(力強さや闘争心)を併せ持っていることがより分かりやすくなっている。 ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』及び『アイズオブヘブン』で声を演じた沢城みゆき女史は『ASB』のインタビュー動画にて徐倫役が決まった時は『ジョジョ』の事をよく知らなかったため、いきなり6部から読み始めたと発言していた。この事について、空条承太郎役の小野大輔氏から「いきなり6部かよ」とツッコまれたらしい。 アニメで徐倫を演じるファイルーズあい女史も『ジョジョ』を6部から読み始めたとの事で、奇妙な運命を感じずにいられない点である。 「追記・修正」あたしは…この「項目」から自由になる 聞こえた?「追記・修正」よ…これが名前 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 必ずしも好みの女性と結ばれるとは限らない。うん、何も問題ない -- 名無しさん (2013-09-05 22 57 53) 沢城みゆきの演技がまた絶妙に合ってるんだこれが -- 名無しさん (2013-09-06 01 08 19) アメリカンなダメージ受けながらびくともしない強すぎる精神力すき -- 名無しさん (2013-10-17 19 30 30) 本体は棒立ちがデフォルトだった親父より躍動的なファイトスタイルが全力で闘ってる感じがしてGood -- 名無しさん (2013-10-17 21 36 14) ヴォラヴォラヴォラヴォラ -- 名無しさん (2013-11-05 12 15 16) 無実の罪で(裏があるのだが)つかまり脱獄のために苦労して父親どころか自分まで・・・・・JOJO中一番の悲劇キャラだな(二番目はジョナサン)。 -- 名無しさん (2013-11-05 13 20 15) 主役補正が薄い中でよくがんばったと思う。 -- 名無しさん (2013-11-05 13 58 12) そもそも日本的が外面か内面かはわからんだろ。 -- 名無しさん (2013-11-05 14 29 41) 懲罰房入って以来のタフな女丈夫のイメージが定着してるけど、序盤はミステリアスで艶っぽい雰囲気だったんだよね。普段は頭パープリンのシャバいねーちゃんなのに時々相手の意表を衝く受け答えをしたり鋭い観察力を見せたりドキッするほどクールになる感じ -- 名無しさん (2013-11-08 17 40 30) 最後の少年に言った言葉が・・・・・。 -- 名無しさん (2013-12-19 19 00 27) 髪おろすと印象変わるよなぁ。エロスを感じる。 -- 名無しさん (2014-01-29 12 58 40) 母親が3部の家出少女だという説が… -- 名無しさん (2014-03-07 19 45 08) ↑明らかに別人だったろwww -- 名無しさん (2014-03-07 20 33 58) 5部以降で破壊力Aスタンドが増えたとよく言われるが、ストーンフリーなんか描写見ても破壊力Aとは思えないんだよなぁ。ただ、最終的な成長具合を加味すれば納得いかないわけでもない。(スタンド評価は明らかに初期に書かれていたが・・・) -- 名無しさん (2014-05-22 23 21 10) 自動車大破させた黄金体験がCなのにAのストーン・フリーが鉄格子破壊できないのは萎えるよな。話の都合でそうするしか無いなら破壊力Cでもいいじゃんって思うし。 -- 名無しさん (2014-05-24 21 24 57) ↑黄金体験は成長したんだよ。きっと -- 名無しさん (2014-06-25 06 47 38) 徐倫のあのしっかりしながらどこか繊細でヒステリックな声が好き。沢城みゆきさんの演技の賜物だわ。 -- 名無しさん (2014-07-23 17 39 02) 彼女はジョセフに会ったことあるんだろうか? -- 名無しさん (2014-08-30 21 07 47) 一番主人公補正の恩恵に恵まれたのがジョセフなら、最も見放されたのが徐倫だな。 -- 名無しさん (2014-09-10 18 07 29) 「理解しないという事を…理解したよ」が名台詞に入ってないのは何故!? -- 名無しさん (2014-09-30 18 05 06) ↑建て主がオナニーネタしか頭にないにわかだから。 -- 名無しさん (2014-09-30 18 35 21) スタンド的には曾祖父(ジョセフ)の血統を強く受け継いだのかな? -- 名無しさん (2014-11-25 01 18 56) ストーン・フリーはせっけんの香りがするそうな。多分世界一フローラルなスタンド -- 名無しさん (2014-12-01 21 48 56) 漫画の糸を使うキャラって近距離戦弱いイメージだけど、近距離戦が強い珍しいキャラ -- 名無しさん (2015-01-24 18 28 22) シャッ!!!(o≧▽゜)o ウルジャンのCMええよ~ -- 名無しさん (2015-02-27 16 17 51) ↑(2013-11-05 14 29 41) 7時半から空手の稽古をするような日本文化に造詣の深いアメリカ女性だったんだよきっと -- 名無しさん (2015-11-02 10 35 46) 徐倫ってジョジョシリーズが新たなステージに進むための犠牲にされたキャラ感ハンパないよねー。なまじ女主人公だからって作者から割を喰らいまくりだよ。 -- 名無しさん (2015-12-01 03 08 35) タグ編集できないんですか? -- 名無しさん (2016-01-27 17 13 19) …まあダービーのこと知らなかったから引っかかるのも無理はないか。 -- 名無しさん (2016-03-11 21 14 36) アイスオブヘヴンの掛け合いを見ているとジョナサンみたいな【無罪だと信じてくれる人間】がいても良かったと感じ始めた -- 名無しさん (2016-06-21 12 42 48) ↑よく勘違いされてるけど「無罪」じゃないんだよな。死体遺棄の手伝い自体は自分の意思でがっつりやっちゃったから。ただ刑期は嵌められなきゃもうちょい短くて済んでたかもというのはある。 -- 名無しさん (2016-06-21 17 11 28) シリーズ初の女ジョジョということもあってめっちゃ好きだったわ -- 名無しさん (2016-07-02 07 08 14) EohでのジョルノDIO -- 名無しさん (2016-07-10 14 58 07) 承太郎との4人掛け合いでふてくされてたり、ジェネレーションギャップゥ↑とかかわいい -- 名無しさん (2016-07-10 14 59 13) 淫蕩はちがうだろ… -- 名無しさん (2016-07-22 01 16 36) EoHでの掛け合いはけっこー可愛いところを見せてくれてディ・モールトにいい。ジョナサン・2部ジョセフの前で女らしさに気を付けてみたり、ジョルノの窃盗を戒めたり。 -- 名無しさん (2016-11-15 10 45 45) 沢城さんが一番合うからいつか6部がアニメ化しても沢城さんがしてほしいな -- 名無しさん (2017-01-17 20 35 56) 蝶に例える場合、徐倫がアゲハなら承太郎は蝶に例えると何になると思う? -- 名無しさん (2017-02-03 17 25 20) 我らが承太郎の娘なんだからスタンド位発現させるのは、朝飯前だろ -- 名無しさん (2017-04-07 06 29 53) 女の子だから肉体的試練は少なめかも?そんな風に思っていた時期が俺にも(略)まさか一番ハード√とは思わんかった -- 名無しさん (2018-10-28 23 35 08) 沢城さんの「ストーン・フリィィィ!」って叫ぶのカッコよすぎるwww -- 名無しさん (2019-08-03 22 19 22) 6部アニメ出そうだけど、徐倫はゲームと同じく沢城みゆきがいいな -- 名無しさん (2019-08-03 22 27 42) 声優さん変わるなら、あいさんにやって欲しいなあ。ダンベル何キロ持てる?のひびきの人 -- 名無しさん (2019-10-01 12 17 58) ↑預言者やんけ! 投稿日時見てびびったわ -- 名無しさん (2021-04-04 19 49 16) さすがに四連続小野の奇跡は起こらなかった -- 名無しさん (2021-04-05 00 01 25) 終盤の覚悟のキマりかたを見るに序盤でやった。承太郎「こっちに顔向けろ、そうその位置」→スタプラパンチで室内から吹っ飛ばす→ジョリーン「何てことしやがる糞親父!」のシーンが。ジョリーンから「そのスタープラチナであたし殴ってここから脱出しましょう」ってやって承太郎を引かせそう -- 名無しさん (2021-04-22 22 45 27) アニメの『ストーン・フリー』は後期のデザインで統一するみたい -- 名無しさん (2021-08-09 01 00 27) すごい今さらなんだが、ストーン・フリーって「蜘蛛の糸」っていう連想なのかなぁ。糸を使って牢獄(地獄)から脱出って。 -- 名無しさん (2022-01-08 13 27 53) 沢城さんもファイルーズさんもジョジョを6部から読んだ人なんやね。 -- 名無しさん (2022-04-22 16 06 37) 公式パラレルだけど、eohで杜王町に来てくれて嬉しかった。 -- 名無しさん (2022-05-01 11 21 06) 享年 19歳。恐らく歴代最も短命なジョジョ。彼女の死で、ジョースター家本家は断絶した。 -- 名無しさん (2023-01-30 19 54 11) 「ひとりで行くのよエンポリオ」ほんと好き こういうかっこいいヒロイン増えねえかな -- 名無しさん (2023-04-03 02 57 17) ↑2 いや、仗助いるから断絶してないでしょ。 -- 名無しさん (2023-04-17 00 14 13) 原作・アニメ共に言及はなかったけど、徐倫は曾祖父さんであるジョセフの事をどう思ってたのかな?6部でも生きているそうだけど4部の様子を見るに自分から会いに行くなんて無理だろうしな -- 名無しさん (2023-05-09 13 00 47) ↑↑仗助とジョルノは分家筋になるよ。本家は徐倫。だから、ジョースターの血筋自体は滅んでないが、本家は断絶した。 -- 名無しさん (2023-07-02 11 41 40) ↑2徐倫が物心ついたときには四部の状態だったろうし、「元気のない爺ちゃん」とか思われてたかもな -- 名無しさん (2023-08-17 21 52 53) 賛否両論タグがつく理由が特に記事内から読み取れないけど -- 名無しさん (2023-08-27 21 15 01) ↑『鋼の錬金術師2003)』の記事のタグ投稿で色々言われている61.21.13.51が投稿していたみたいですね。 -- 名無しさん (2023-09-06 14 23 14) 承太郎のスタープラチナが最初は暴走状態だったが、徐倫のストーンフリーも同じだったと思う。徐倫の意思に関係なく看守の話が聴けたりお金を -- 名無しさん (2024-01-07 22 32 04) ↑続 お金を取ってきていたから。暴走といっても自分の利になるよう動いてくれるのがいいねー -- 名無しさん (2024-01-07 22 52 41) 名前 コメント