約 2,375,889 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/50220.html
【検索用 ゆめみ 登録タグ #kzn CeVIO ゆ 匿名ゲルマ 曲】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:匿名ゲルマ 作曲:匿名ゲルマ God Movie Aze Amazing Keyboad Solo maigoishi Fantastic Electric Bass Akihisa Otani Perfect Mastering Hajime Yamamoto 唄:#kzn (CeVIO AI) 曲紹介 曲名:『ユメみ』 「神様 愛を知っていいですか」 匿名ゲルマによる #kzn オリジナル曲#kzn ソングコンテスト応募曲 歌詞 (動画説明文)より転載) 夢を見る 目が覚めた時思い出す事 君がいる またた眠るまで おはようとおやすみの途中 消費してる生活 このままで変わらないままで ここに居れたらと思うよ さよならばかりだ また僕は眠り、夢を見る 神様 今夜泣いていいですか 頬に触れる 月が照らした雨二つ 「ありがとう」と「ごめんね」がずっと 言えなかっただけでしょ? 大丈夫きっと信じてもいいと 思える様な未来になるよ 夢を見る 神様 愛を知っていいですか 君がいる 僕はそれだけで生きている たった一つの願い事は ただ好きなひとが傷つかぬような 幸せ溢れた 世界になりますように 夢を見る 神様僕はもう怖くなんてないの 君がいる 月が照らした雨乾く空 優しい夢を見る コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/12755.html
Emスティルツ・シューター(OCG) 効果モンスター 星6/地属性/魔法使い族/攻2200/守 0 「Emスティルツ・シューター」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):フィールドにモンスターが存在しない場合、 このカードは手札から特殊召喚できる。 この方法で特殊召喚したターン、自分は通常召喚できない。 (2):自分の墓地にこのカード以外の「Em」モンスターが存在し、 相手にダメージを与える魔法・罠・モンスター効果が発動した時、 墓地のこのカードを除外して発動できる。 相手に2000ダメージを与える。 モンスター除外 上級モンスター 地属性 直接ダメージ 魔法使い族 Em(エンタメイジ) Em(エンタメイジ)補助 同名カード Emスティルツ・シューター(アニメ)
https://w.atwiki.jp/mochewiki/pages/1291.html
《Em(エンタメイジ)スティルツ・シューター》 効果モンスター 星6/地属性/魔法使い族/攻 2200/守 0 ①:お互いのモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、 このカードは手札から特殊召喚できる。 この方法で特殊召喚に成功したターン、自分は通常召喚できない。 ②:このカードが墓地に存在し、自分が効果ダメージを受けたターンに、 自分の魔法カードの効果で相手がダメージを受ける場合に発動できる。 このカードを墓地から除外する事で、 相手が受けるその効果ダメージは、自分が受けた一番高いダメージと同じになる。 使用キャラクター デニス・マックフィールド タグ一覧 効果モンスター Em(エンタメイジ)
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/12574.html
Emスティルツ・シューター(アニメ) 効果モンスター 星6/地属性/魔法使い族/攻2200/守 0 (1):お互いのモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、 このカードは手札から特殊召喚できる。 この方法で特殊召喚に成功したターン、自分は通常召喚できない。 (2):このカードが墓地に存在し、自分が効果ダメージを受けたターンに、 自分の魔法カードの効果で相手がダメージを受ける場合に発動できる。 このカードを墓地から除外する事で、相手が受けるその効果ダメージは、 自分が受けた一番高いダメージと同じになる。 モンスター除外 上級モンスター 地属性 直接ダメージ 魔法使い族 Em(エンタメイジ) 同名カード Emスティルツ・シューター(OCG)
https://w.atwiki.jp/tatutatutatu/pages/14.html
王都 住民募集中! \ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 A 図書館 銀行 城 裁 塔 省 省 B 空 空 空 空 空 空 C 空 空 空 空 空 家 D 空 空 店 空 空 店 E 空 空 空 駅 線路 F 空 店 空 板 空 空 G 空 空 H 空 温 空 空 空 空 I 空 空 空 空 空 空 J 省 空 空 空 空 国 ======================= A,3~5 セントラル中央図書館 A6~7 SN銀行 A,7 裁判所 A,8~9 塔魔法省 A,11 防衛省 C,11 はちやふの家 D,5 カフェ D,11 薬局ユイット E,7 王都駅 F,3 コンビニ F,7 掲示板 H,2 辰之湯 J,1 防衛省 J,11 SN国会議事堂 ======================= 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nrks/pages/37.html
今一度、依頼を承ろう。 項目 内容 名前 リア・ティルツ 能力 英雄の闘気 性別 女性 年齢 20歳 身長 165cm 体重 50kg B/W/H 極めてスレンダー 所持 煙管・包帯等 出身 不明 髪色/瞳色 紫色/黄金 ・SKILL・ 『英雄の闘気』 全身を纏うオーラを操り肉体強化から武具の具現化まで行う 全身へと纏わせている状態ならある程度の肉体強化だが 部分を絞る事で爆発的に肉体を強化する事が出来る(例えば腕だけとか、足だけとか) オーラは形を巨大な拳や爪へと変化させられる。勿論その状態で纏う事も可能 拳ならば威力増加、爪ならば切れ味の増加……等々、形によって性質は異なる オーラを衝撃波の様に放つ事も出来るが、一度放てば再装填に少し時間がかかる オーラが無い状態なら喧嘩なれした女性程度、つまり唯の人間である 尚、オーラは薄い青色であり、視認可能である ・CHARACTER・ 生真面目であり、情に厚い姉御肌。とはいえ力の抜き所は分かっている 放浪癖があり、毎晩気ままに歩く人。人付き合いは苦手な方だが、寂しがり屋の困ったさん 口調は堅いが、照れ屋で純情という典型的なアレ 仲良くなると途端に畏まったり、会話に行き詰まる。なんだこの女面倒くせぇ 人に甘えられたり、親密になったりする事に慣れていないっていう 過去に殺人を好んで犯していたが、現在は比較的善人である 背中には衣服で隠れて見えないが、黒い虎の刺青が彫られている ・TACTICS・ 基本的には全身にオーラを纏って殴り合いを挑む 場合によってオーラを一点集中、または衝撃化などの戦法をとり翻弄する 隙にどでかい一発を食らわせる逆転型の戦法が好みの様だ ・A NOTE・ 過去は掃除屋を営んでいた 殺人に悦びを覚えていた過去あり 櫻の国の出身 妹がいたが、自分の手で殺めたらしい 現在公開されている設定はここまでです。 気が向いたり、溜まって来たらきちんと書き起こします。 手記 12/20 爬虫類の様な人外の男と出会う。人間に混じり生活するのが修行と言っていたが、如何に。 はっきり言って無理……とは思うが、彼には頑張って貰いたいものだ。 12/26 刀匠の男に出会う。寒くないのかその格好、と言われるのも慣れたものだ。 どうやら寿命らしく、最期の作品を扱うに相応しい剣豪を探しているらしいが……はてさて、そう簡単に見つかるものか。 12/27 九尾の少女、イヴに出会う。尻尾はどうやら敏感らしい……すまない事をしたかな、いや、くしゃみを聞かれたのだし良いか。 色々と説教されてしまった。分かっているが、認めたくない事ばかりだ。赦されていいのか、私は……まだ、わからない。 ……笑った時、妹の面影が見えた。それが余計に辛かった。やはりまだ、受け入れられない。それにしても……いや、書くのはやめておこう。
https://w.atwiki.jp/moedra/pages/230.html
スティルカがこのあたりに越してきたのは、つい1ヶ月前のことだ。 ドラゴンのDNAが入った人間がやってくるとのことで、僕の町はものすごい騒ぎになった。 正確には、人間に無い特徴を関連付けようとする試みで、 最終的な目標となっている、すべての生物の遺伝子を持ち、端麗な姿を維持した生体の創造。 歴史の生き証人を作り出すこと、そのプロジェクトの名前が「ドラゴン」らしい。 スティルカはその元で、水棲生物のいくつかのDNAを調合された者である。 スティルカは、プロジェクトの進歩した証なのだ。 本来なら、進行途中に出来上がる生物は奇怪な容貌でもかまわないのだが、 それでもスティルカ達のような途中過程の生物が、 プロジェクトの名前等しい容貌を持っているのは、 研究員の純粋な遊び心と美的センスの産物だった。 美しい、たくましい、それぞれの特異な外観を持った生物。 そんな生物たちを、ただ出来上がったら実験生物は破棄するという過程に疑問の声が上がった。 きっと、見るに絶えない姿をしていたなら、「人道的に」破棄されていただろう。 スティルカは、そんな身勝手な条件下で、晴れて自由の身を手に入れたものの一人なのだ。 数少ない生き残りの進歩した証が元気に暮らすことは、研究員の士気を上げる結果にも繋がった。 しかし、一般の人々にそんな背景が伝わっているわけでもなく、 純粋にドラゴンとは何なのか、つまり、 人食いじゃないだろうかとか、夜行性じゃないのかとか、 この街の肉を食いきってしまうのではないかとか、 要らぬ心配をした大人たちが、おとぎのドラゴンの姿について、夜な夜な会議を開く有様だった。 いざスティルカが越してくると、村の者達は別な意味で驚かされた。 村人の中には、 鱗だらけで、大きくて、凶暴で、悪のイメージという西洋龍を思い浮かべていたものもいれば、 神々しくて細長い東洋龍を思い浮かべていたものもいるだろう。 しかし、スティルカはそのどちらとも違った。 鱗も無ければ、強暴しさも無い。 もともと、ドラゴンがどんな姿をしているか等、曖昧なのだ。 水色に近い艶やかな肌、丸みを帯びた口吻がほんのり飛び出た口元。 あご下のラインから、腹にかけては純白の肌が服の隙間から見える。 口先が小さく尖っているせいか、口元がいつでも微笑んで見える。 どんな生物よりも大きい瞳、宇宙が中に入っていると行っても過言ではないだろう。 水棲の哺乳類のように艶やかな頭は毛は生えていない。 後ろには、角の物体が、ピンと4本飛び出している、 しかし、角と違って柔らかそうに動きにあわせて揺れている。 人と会話するたびに、それが小刻みに動く。どうやら耳に近い感覚器らしい。 そんな村人のイメージのドラゴンとは程遠い青年が、 開襟シャツと尻尾用に穴を開けた迷彩のカーゴパンツを着込んで、村にやってきたのだ。 肩に担いでいたリュックを下ろして、一礼すると、 「こんにちは、皆さん。」 そう、透き通るような声で話した。 彼が、「彼」であると事前に言われてなければ、誰もが女性であると勘違いしただろう。 「ドラゴン反対」 そんな看板を掲げようと意気込んでいた村人たちは、あっけらかんとした顔をして、 看板を上げ損なってしまった。 結局、ドラゴン反対の村人たちは悪戯を失敗した子供たちのように、バツが悪そうに帰って行った。 一礼をして顔を上げた瞬間に、帰り始めた町人。 スティルカは、何か悪いことでもしてしまったのかと、眉をしかめた。 「まぁ、まぁ、かわいらしいこと!」 「よろしくね。」 「ええと、お名前は?」 村の好奇心の塊のおばさんたちが寄ってたかった。 「スティルカです。」 スティルカは、顔を赤らめてそう言った。 おばさんたちは、その無邪気な笑顔に好意を持ったらしく、引っ切り無しの質問攻めで出迎えた。 それから1ヶ月、スティルカの住み着いたハーバーは、 スティルカ見たさで立ち寄る町人でごった返していた。 スティルカは、研究員らしい。 海の水を試験管で汲んでいるところを見た。 スティルカは、漁をするらしい。 船に乗って、魚を獲っているところを見た。 スティルカは、やはり肉を食べるらしい。 肉屋のおばさんのところに来た。 スティルカは…。 彼のプライバシーは無いに等しかった。 いつでもどこかで、町の誰かが遠巻きにスティルカを見ている。 中には、町の外から来たものまでいる。 珍しくて仕方ないのだ。 スティルカは、そんな町人と目が合うたびに、ニコリと笑って返すのだ。 彼らは、その度にセキをしたり、空を見上げたり、よそよそしく振舞った。 ある日、スティルカは風邪を引いた。 辛そうに、コホコホをセキをしながら町を歩いていた。 そして数日後、スティルカの歩いた通りの8割の町人が風邪を引いた。 医者がただの流行性感冒だと言っても、誰も信用しなかった。 「スティルカに病気を移されたらひどくなる。」 うわさはあっという間に広がった。 その日から、スティルカのすむハーバーへ行く人はいなくなった。 長い年月が経ち、 スティルカの話題もすっかり下火になって、町が元通りの落ち着きを取り戻した頃。 この町に、1人の少年が越してきた。 町に奇妙な容姿をしたスティルカという存在がいることを聞いて、 少年は、その存在に期待を膨らませていた。 こちらに越してきてから3日間、ずっと雨が降っている。 何故か分からないけど、僕は水に触れるのが苦手だ。 親に聞いたことだが、幼い頃に溺れたことがあるらしい。 僕自身には、溺れたという記憶は全く残っていない。 水道から出る水、コップにある水、自分が主導権を持った小さな存在は何とか扱うことが出来る。 しかし、水が嫌いなことは変わらない事実。 だから、引っ越してきてからずっと雨が降っているというのは、僕にとっては最悪のことだった。 どうしても外に出れない。 それどころか、水で溢れている雨の町の中を見ることさえ出来ない。 僕は、カーテンの閉め切られた部屋の中で雨が立てる不気味なノイズを、 いつもより大きめに上げたテレビの音量でかき消す。 昼時の面白くも無いテレビを延々点けていたため、僕は無意識にテレビを消してしまった。 テレビで消されていたはずの不気味なノイズがどっと聞こえてきた。 僕は、思いっきり顔をしかめて、無意識で消されるほどつまらないテレビの番組を呪った。 そのせいで、僕はまたノイズを聞く羽目になったのだ。 再びテレビの電気をつけようとしたとき、ノイズにまぎれて不思議な音色が聞こえてくることに気付いた。 透き通るような女の子の声は、心の底から楽しそうな音色を奏でている。 いつの間にかノイズは聞こえなくなり、頭に響くような女の子の声を求めて、 僕は知らずに窓辺まで歩み寄っていた。 締め切られたカーテンを開け、僕は心底嫌な気分になってしまった。 水が空から降ってくる光景、それは僕にとっての地獄だ。 しかし、その地獄の中に蒼い皮膚の生物がたたずんでいた。 僕とおんなじくらいの背であるそれは、人間とは全く異なる容貌を持っている。 「あっ…。」 …スティルカだ、そうスティルカに違いない。 町に、ドラゴンのDNAを持った人間がいる話は聞いていたけど、本当にいたとは…。 ひどい雨とは言わないが、この鬱陶しい天気の中を、まるで楽しそうな笑みを浮かべて歩いている。 手に抱えた紙袋に布をかけているが、自分自身は傘さえ差していない。 濡れても構わないのだろう、黒いウエットスーツを切り取って作ったような、 ノースリーブの上着を羽織っている。 下半身は、それと対照的な白いウエットスーツを着込んでいた。 スティルカは、空を見上げて眼を閉じ、雨を仰いでいる。 まるで、夢を見ているような光景だった。 スティルカは、ふと思い出したように顔に受けた水を振り払って、眼を開けた。 首を振った拍子に視界の端に僕が映ったのだろう、スティルカは僕に気付いた。 首をかしげて、僕に微笑みかけた。 僕は、どうしていいか分からず、情けない造り笑みを浮かべながら手を振った。 それを見たスティルカは、笑みをいっそう強くしてこちらに手を振った。 こちらに歩み寄ってきそうなそぶりを見せたが、通りの向こうの何かに気付くと、 小走りで走り去ってしまった。 しばらく経って、エンジンの調子が悪そうな1台の車が通り過ぎていった。 窓の外は再び僕の嫌いな空間に変わってしまった。 僕は、通り過ぎた車を憎たらしく思った。 次の日、雨を降らすのに疲れた雲が、ようやく太陽に居場所を明け渡した。 しかし、雨に降られた町は雲が退いたと言うのに、どんよりとしたムードから抜けてない。 すべてが湿気渡った町は、どこと無く黒ずんで見えた。 スティルカがどこに住んでいるか交番で尋ねたが、 居場所を教えられる代わりに、 「行かないほうがいい」とだけ、ぶっきらぼうに釘を刺された。 僕が延々食い下がると、保安官はようやく場所を教えてくれた。 「ハーバーだよ、ハーバー! ほら、この通りをまっすぐ行ったらあるだろ?」 投げやりな道案内だったが、ハーバーは意外と簡単に見つかった。 ただ、確かに通りをまっすぐに行くとあるのは正解だったが、 まさか歩いて2時間もかかるとは思わなかった。 スティルカは、昨日も歩いて町まで来ていたのだろうか。 ハーバーは、シャッターの閉まった倉庫と、つやを失った古いボートがいくつかあるだけで、 誰の目に見ても、閑散とした状態だった。 その中に、ひとつだけ手入れの行き届いた大型の水色のボートが見えた。 中に乗り込む方式のようで、運転席は外から見えず、全体が流線型のボディに納まっている。 クレーンで持ち上げられているそれは、空に溶け込んでいるようにも見えた。 どのボートよりもスマートで、速そうな形をしている。 僕は、胸の高鳴りを押さえながらそのボートに歩み寄った。 ボートのすぐ隣で、僕は一目でこのボートがスティルカのものだろうと直感した。 そう、こんなボート、スティルカ以外にふさわしいものなどいない。 「ねぇ、君!」 ぼんやりとボートを見ていると、後ろから突然声をかけられた。 透き通ったような女の子の声だ。 「うわぁ!」 驚きの声を上げながら振り返ると、そこにはスティルカがいた。 昨日と同じ服装で、ぐるぐるに丸めた網を担いでいる。 「ス、スティルカ…?」 意味も無く名前を尋ねた。 間近で見ると、その大きな瞳にどうしても目が行ってしまう。 輝くように光る星達が、スティルカの瞳には住んでいる。 「あれ、僕の名前知っているの? 君は、昨日窓辺で手を振っていた子だよね。 この町には越してきたんでしょ?」 自分のことを、僕と呼ぶスティルカは、なんだか格好よく感じた。 「う、うん。」 スティルカは、網をその辺にどさっといた。 「はっは~、だと思った。 あそこ、僕が来たときから空き家だったのに、この間来たら電気がついているんだもの。 でも、良くここまで来る気になったね。」 「いや、まさかこんなに遠いとは思わなかったから、勢いで…。」 「ふふっ。勢いか。そりゃ、よっぽどの勢いだね。 町の人には止められなかったの?」 僕は、保安官に止められたことを話した。 「ああ、僕が言っても説得力無いけど、 みんな、僕から病気が移るって勘違いしちゃったみたいなんだ。 僕は、こんな姿だけど、中はれっきとした人間なんだよ。」 僕は、う~ん、とうなりながらスティルカの姿を見た。 「まぁ、こんな姿じゃ誰も信じないけどね。 僕だって、人間だって言われても信用できないくらいだよ。 でも、臓器の作りその他は、ほとんど同じなんだ。」 「ふーん…。」 そんなこと言われても、僕は、当たり障り無い返事しかできなかった。 突然、僕は人間ですといわれても、スティルカを見て誰が人間を連想するだろうか。 スティルカの体をまじまじと見ながら、視線を上に上げていく。 スティルカが、顔に優しい笑みを称えて僕を見ている。 なんだか恥ずかしくなってしまって、僕はその場から走り去ってしまった。 「あ、もう行っちゃうの!? じゃーねー!」 スティルカがこちらに振った手に向かって、僕には後ろ手で返事をする余裕しか無かった。 家に帰っても、スティルカの顔が浮かんでくる。 あの優しい笑み。 あの横顔。 考えただけで胸が高鳴ってくる。 僕は、どうしてしまったのだろうか。 …しばらくして、この感覚は俗に言う恋ではないかという考えに至ったとき、 僕は締め付けられるような焦りを覚えた。 僕は、スティルカを好きになってしまったのだろうか。 僕は、延々と自分に問いかけていた。 次の日、僕はやっぱりどうしてもスティルカに会いたくなって、 朝早いというのに、再びハーバーに向かった。 昨日と違って、今日は自転車だ。 変速機の付いた自転車は、30分もしないうちに僕をハーバーへと連れて行ってくれた。 僕の自転車のブレーキの音で気付いたのか、 倉庫の影からスティルカが顔を出した。 「あ、昨日の!」 スティルカが手を振っている。 僕は、恥ずかしげに手を振り返した。 「ねぇ、これからボート出すんだけど、乗らない?」 言われて見れば、昨日は吊り下げられていたはずのボートがその場に無い。 僕が視線を向けられない、絶えずノイズを発し続ける先に浮いているのだろう。 「どこ行くの?」 「ここから100kmくらい沖合いかな…。 この前浮かべたブイを取りに行くんだ。」 「ブイって?」 「ああ、海にぽっかり浮く“浮き”のことだよ。」 「そんなの浮かべてなんになるのさ?」 「とにかく乗りなよ。 話しながら行けばいいよ。」 スティルカは、ボートに向かって走っていった。 ボートに乗り込むには、細い桟橋を渡って、そこから飛び乗らなくてはいけない。 スティルカと一緒にいたい。 その一心で、僕は細い桟橋へ1歩だけ足を乗せた。 桟橋の両側でさざ波打ってきらめく海を見ていたら、僕はなんだかくらくらしてきた。 「ね、ねぇ、ちょっと大丈夫…?」 スティルカが心配する声が聞こえてきたが、もう遅かった。 僕は、冷や汗が垂れて、力の抜けた体は言うことが聞かない。 う、海に落ちる! 眼を開けると、部屋の中だった。 簡素な壁に所狭しと、海の絵が貼ってある。 きれいな浜辺、小さな島、大きな波。 写真なら、我慢できる、動かないから。 …そう、我慢できるはずだ。 スティルカの大きな瞳が僕を心配そうに見つめている。 「あ、良かった!気がついた?」 「え、ええと…、ここは?」 スティルカが、頭に乗っていたタオルを絞って、乗せ換えてくれた。 「倉庫中の僕の部屋だよ。 元は、倉庫の管理、兼警備室らしいんだけどね。 ほら、倉庫の中が一望できるでしょ?」 起き上がって部屋にある窓から外を見ると、薄暗い倉庫の中が確かに一望できた。 どうやら倉庫の隅にある、宙釣りの部屋の中らしい。 「びっくりしたよ、いきなり倒れて海の中に落っこちちゃうんだから…。 気絶していたから、水を飲まなかったんだね。」 言われて気付いたが、僕は服を着ていない。 慌てて辺りを見回すと、壁から壁に吊り下げられた紐に、洗濯バサミで僕の服が干してあった。 ただ幸いなことに、トランクスはきちんと僕の下半身に納まっていた。 「ごめん、迷惑かけちゃって…。 水を見ないようにはしたんだけど…。」 「水を見ないようにって…。」 「…、その、僕、水が駄目なんだ。 水を見ると気分が悪くなって…。」 スティルカは、驚いた顔をした。 「うわ、ごめんよ!君が水が嫌いだったなんて知らなかったんだ!」 両手を合わせてそういった。 僕は、首を横に振って、スティルカの手を下げさせた。 初めてスティルカに触れた。 それは、滑らかでヒヤッとした感触だった。 「ううん、僕が勝手に倒れたんだもの。 それより、迷惑かけた僕のほうこそ謝らなくちゃ…。ごめん。」 「そんなこと、全然ないよ。 …それより、気分は大丈夫? 何か飲む? あ、でも、水が嫌いだったら何も飲めないんじゃ?」 スティルカは、手にコップを持ちながら動きあぐねていた。 「水道とか、コップの水は大丈夫だよ。 空から降ってきたり、海とか川とか、たくさんの水が駄目なんだ。 そうじゃないと僕、スティルカのところに来る前にとっくに干からびているよ。」 「ははっ!そりゃ、そうだね!」 僕とスティルカは笑った。 スティルカが冷蔵庫から取り出したのは、レモネードだった。 甘くて、ほんの少しだけ酸味があって、まるでそれは、 スティルカと一緒にいるときの僕の心の中のような味だった。 一口飲んで、眼を閉じて味わっている僕を見て、 スティルカは僕がこの飲み物が好きであることを喜んでいたようだった。 スティルカは、時計を見るとこう言った。 「ごめん、ちょっとブイを見てくるね。 君はここで休んでいて。 僕が後で絶対送るから。 倉庫から外に出ないほうがいいかも…。 それとも、今帰らないといけない?」 「ううん、そんなこと無いけど…。けど…。」 「けど?」 スティルカと一緒にいたい。 「僕も、ボートまで連れて行ってくれないかな。」 「ええ、でも、水、駄目なんじゃ?」 「見なきゃ大丈夫、音は我慢できる…はず。」 そうして、僕はスティルカのボートに乗り込んだ。 どうやってかというと、布で目隠しをした状態で、スティルカに運んでもらったのだ。 スティルカは、無理をしなくていいと散々に心配してくれたが、 僕の根に負けて僕をボートまで手で誘導してくれた。 桟橋の感触が足に伝わる。 響き渡る海の音。 …怖くない。 スティルカの手の感触が伝わっているだけで、すべてがうまく行くような気がしていた。 「…ちょっと飛ぶよ?いい?」 スティルカがボートに飛び乗った。 僕はわけが分からないまま飛んで、ボートの中に転げ落ちた。 どうやら、僕はスティルカの上にのしかかってしまったらしい。 柔らかな感触で、目隠しをとるまでも無い。 慌てて飛び起きると、意外に低い天井に頭を強かと打ちつけた。 「ねぇ、水が見えなきゃ、揺れや音は大丈夫なの?」 頭を押さえてうずくまっている僕を起こしながら、スティルカは言った。 「う、まぁ、大丈夫だったみたい。」 「みたいって…。」 「こんなことしたことなかったから。」 「君の得意な、“勢い”だね。」 「…そだね。」 「じゃあ、勢いで目隠しを取ってごらんよ。 君が頭を打ったわけも分かるからさ。」 「…、たくさんの水、見えない?」 「うん、保障する。」 僕は、目隠しをとってみた。 一瞬真っ暗な世界。 次に目が慣れると、たくさんの計器類が所狭しと並んだ、機械の中だった。 僕は、宇宙船の中にでも入り込んでしまったのだろうか。 壁からたくさんの色が浮かんで、スティルカと僕の姿をぼんやりと映し出している。 「うわぁ…。」 「ボートの中だよ。 揺れさえ気にしなければ、音も水も見えない。 ただ、僕が操舵するときは、僕のほうを見ないほうがいいかも。 海の光景がディスプレイに映るからね。」 スティルカがボートを操舵しているらしい。 エンジンの唸り声が小さく聞こえ、空間が揺れる。 横以外にも、かなり縦に揺れる電車みたいな揺れだ。 調子に乗って、僕はスティルカのほうを見た。 スティルカの目の前に、大きなスクリーンいっぱいに海が映っていた。 この海に僕はいるんだなと認識したとき、 僕の背中は一瞬で冷や汗で満たされた。 ああ、やはり見るんじゃなかった。 1滴の水も僕に降りかからないのは、このボートに護られているおかげだ。 それでも僕は、スティルカに気付かれないよう、落ち着きを取り戻すのに苦労した。 「さて、ブイのある場所まで付いたと…。」 光と、警告音の暗闇の世界。 しばらくそれが続いた後、スティルカがそう言った。 椅子の向きを変えて、別な計器をいじっている。 エンジンとは別なモーターの音がいくらか短い時間だけ聞こえていた。 「はい、取り込み完了。」 「え?もう?」 「マニピュレータさえあれば、荒れ狂う海の中でも1滴の水も被らずに仕事が出来るんだよ。 本当は、外に出て自分で取りこんでもいいんだけどね。 君、水が駄目だから、ハッチを開けるのもどうかと思って…。 というわけで、晴れてマニピュレータが役に立ったわけ。 便利でしょ、この船?」 「便利って言うか、何かすごいね。 外に出なくても何でも出来ちゃいそう。」 「水が嫌いな君には、この船はぴったりかもね。」 「うん、そうかも…。」 たくさんの水をディスプレイ越しにでも直視出来るようになったら、本当にぴったりかもしれない。 …でも、わざわざ僕が水に近い仕事に就くとは思わないが…。 再び目隠しをしてもらって、ボートから降りた。 桟橋からだいぶ歩いたところで、スティルカは言った。 「はい、君が自転車で来れたところ。」 目隠しをはずすと、スティルカと会うために自転車で乗りつけた場所だった。 「目隠しされていて分からなかった事があるんだけど…。」 「何が?」 「君の部屋って、どの倉庫にあるの?」 「ああ…。 君が怖がると思って言わなかったけれど。 …あそこ。」 スティルカが指差したのは、ハーバーの角に位置した、 波しぶきが当たりそうなほど海が近い倉庫だった。 「君を運び上げたのはいいけど、…まさか水嫌いだったなんて。 でも、良かった、こうして目隠してれば倉庫の外にも出られたんだね。」 それから、僕はちょくちょくスティルカに会いに行った。 スティルカが暇なときは、スティルカの部屋に、 忙しいときも、スティルカは快く僕をボートへと同乗させてくれた。 どちらの場所に行くときも、僕は目隠しをしてスティルカに手を引かれている。 海の音が耳から入ってきてもそんなに怖くない、 スティルカの手につかまっていれば、きっと大丈夫なのだ。 スティルカの部屋、スティルカのボート、どちらにいくにしても、 僕はこうしてスティルカと手をつないでいるこの瞬間が好きだった。 雨の日は、さすがにスティルカの元へはいけなかったけど、 代わりに、スティルカの方が町に現れるのだ。 何故か自分は雨が好きなのだという。 「水が嫌いな君にそういうのも嫌なことかもしれないけど、 雨に打たれていると気分がいいんだ。 特に、雨の日の夜なんか最高だよ。 町の街灯が水に濡れた路面や壁で反射して、町全体の明かりがいつもより何倍も多く見えるんだ。 それなのに、街はいつもより暗い。 雨に打たれて、ひんやりとした感覚の中でたたずんでいると、 宇宙の中に僕が浮かんでいるような気になるんだ。」 「そんなことをして風邪を引かないの?」 僕は風邪より何より、雨の日に外に出るなんてことが考えられないが、 スティルカが言うとおり、雨に濡れた町はきっときれいなのだろう。 あいにくなことに、僕は実物を見れそうにない。 「いや、雨に濡れたときは逆に調子がいいくらいなんだ。 シャワーでもいいけど、やっぱり自然に振って来た水は違うんだよね。」 僕は、お風呂には我慢して入っている。 独特の音を聞くと雨を思い出してしまうため、シャワーは苦手だ。 「何が違うって、…酸性雨とか?」 スティルカは肩をすくめた。 「うーん、このあたりはそんな雨は降らないみたい。 都会の雨は、べたべたするって聞くよね。 さすがに、べたべたしたら僕も雨を嫌いになっちゃうかな。」 濡れた体をひとしきり拭いた後、スティルカは僕の家に上がりこむ。 町に来たときは、僕の家によってねと、念を押しておいたのだ。 僕の部屋に入ったスティルカは、僕の部屋にあるものを興味津々で眺めていた。 「すごい。何これ?」 スティルカが、キラキラした目で僕の持ち物を尋ねてくれる。 僕がそれが何であるかを答えるたびに、 スティルカはまるで宝物を見つけたような感嘆の声を上げるので、 僕は得意な気分になった。 しばらくスティルカとゲームをして遊んだ後、僕たちは別れた。 そして別れた後思うのだ。 スティルカと海の上にいるときの方が、今までのどんなときよりも楽しかったと…。 長期休業の間にこの町に引っ越してきて以来、僕はずっとスティルカと時間を過ごしていた。 休みが明けて学校が始まっても、僕はスティルカのことで頭がいっぱいだった。 学校の同級生たちとあったことが無いのは、 この学校がある程度の管轄を持った大きな学校だからだろう。 転向してきて初めての自己紹介が終わると、 恒例の聞きたがりの質問攻めと、教えたがりの情報攻めが待っていた。 「知っているか? この町の向こうのハーバーに、スティルカって言う変な奴がいるらしいぜ?」 「ああ、知っているよ。いい奴だよね。」 何の気なしに受け答えたこの質問で、クラス全員が凍りついた。 「え?何…?」 状況の飲み込めない僕が誰とも無くに聞き返す。 「お前、あいつに会ったことあるのか?」 「あ、あるけど…。」 「触ったのか?」 「ま、まぁ、ね…。」 僕が触ったことを肯定すると、クラスのみんなはいっせいに散った。 「うわ、こいつ触ったって! 大変だ、病気が移るぞ?!」 「え、病気って何なのさ?!」 僕が聞こうとしても、誰も答えてくれない。 それどころか、近くにさえ寄ってくれなくなった。 放課後、得体の知れない雰囲気になってしまったことを先生のところへ報告しに行った。 「あの、先生?」 「うん?なんだね?」 この先生とは、あまり気が合いそうに無い、そう感じる。 「スティルカを知っていますか? 何でスティルカは嫌われているんですか?」 「ああ、あのハーバーにいる子の事か? 何でも、あの子が病気を持っていたことがあってね、 あの子が病気にかかった後、町全体でその病気が流行したんだ。 どこから出たうわさか知れないが、あの子に触ると病気になるって言う話だ。」 「先生もそのうわさ、信じているんですか?」 「君子危うきに近寄らずって言葉を聞いたことがあるだろう。 私は、転任してきた身でね、あいにく会った事はないし、会いたいとも思わなかったんでね。」 先生はそう返したが、僕の質問の答えにはなっていなかった。 「どうした、そのスティルカに触れたって言うんじゃないだろうな?」 この先生に真実を言っても、きっとろくなことは無いだろう。 「あ、いえ、ただ聞いただけです。では…。」 先生は、僕が職員室から出て行くまで、ずっと訝しげな顔で見ていた。 次の日、昨日までの友好的な雰囲気はどこへやら、 僕の机は明らかに他の子たちより離されていたし、誰も僕に話しかけるどころか、近寄ろうとしない。 挙句の果てに僕が近寄れば、一定距離以上近づかないように逃げる始末だった。 教室にマスクをした先生が入ってきた。 先生が僕の名を呼んだ。 廊下に呼び出されると、先生は昨日の質問をもう一度してきた。 「君は、スティルカに触れたのか?」 僕は黙ることしか出来なかった。 「どうなんだ!?」 語調が強くなる。 「…はい。」 先生はその返事を聞くと、何も言わずに教室へと戻った。 僕を残したままドアを閉め、そのまま授業を始めた。 「学校、面白くない。」 僕は、休日で家にいる父親にポツリとそういった。 共働きで、家にほとんどいてくれない。 「早速、いじめられたのか?」 「うん…。先生にも…。」 父さんは、次の日会社を休んで、学校に抗議しに行ってくれた。 そして、僕と遊んでいるスティルカが「町の厄介者」であることを聞き、 その厄介者がどうやら病気をひどくして移すものらしいことを聞いてきた。 「そんなのうわさじゃないですか? 町の医者だって、あの子がなんでもない事を言っています。 あなたは医者より、うわさを信じると?」 父さんが抗議してから、先生の態度はずっと良くなったが、 同級生の態度は、ほとんど変わらなかった。 「分からず屋の大人がいるんだ。 お前の同級生なら、鵜呑みにするのも無理は無い。 なぁ、スティルカと縁を切って、同級生と仲良くする気は無いのか?」 ミイラ取りがミイラにでもなったのだろうか。 僕は、父さんにスティルカと遊ばないように止められた。 スティルカと縁を切る? スティルカ以外に、誰が僕と遊んでくれるのだろう、誰が僕と話をしてくれるというのか。 誰が、こんなにも僕を楽しませてくれるだろう、幸せな気持ちにしてくれるだろう。 唯一の友達と遊ぶことを止める父さんは、僕を裏切ったとしか思えない。 そう、スティルカのせいだったとしても、それは「うわさの中のスティルカ」のせいなのだ。 本当のスティルカは病気なんか持っていない。 つづく
https://w.atwiki.jp/moedra/pages/231.html
その日、学校が終わって、僕は行くのを止められたはずのハーバーに行く。 ミイラになってしまった父さんよりも、どこと無く居心地の悪い町よりも、 寂れたハーバーのほうがずっと心が安らぐのだった。 ボートはクレーンで持ち上げられている、 それなのにいつもいるはずのスティルカはいない。 「スティルカーっ!」 大きな声で呼んでみたが、帰ってきたのはさざ波の音だけだった。 スティルカのいないハーバーで一人たたずんでいると、 なんだか僕は急に、独りぼっちになってしまった気がした。 クラスのみんなも先生も、父さんすら分かってくれない。 急に胸が苦しくなって、涙が出てきた。 「スティルカ!スティルカってば!」 「お~い!」 泣きそうになったがバカみたいだった。 声のした方を振り向いたら、スティルカはそこで釣りをしているところだった。 「ごめんごめん、懐かしくて夢中になってた。 見てよ、倉庫の中にこんなのがあったんだ。」 スティルカはそういって、釣具を僕に渡した。 「もう、水にはだいぶ慣れたんじゃない? もっと海を楽しもうよ?」 言われて見ると、僕はスティルカに会った当初より、だいぶ海に近づけるようになっていた。 今だって、桟橋ぎりぎりのところに立っているが、足が震えたり、気分が悪くなったりしない。 きっと、スティルカがそばにいてくれるからに違いないが…。 「僕がこんなに水のそばに入れるのは、 スティルカがそばにいるからだよ。」 「ふふっ、そうかなぁ。 ほら、ちょっとやってみなよ。面白いから…。」 スティルカに釣竿を渡されて、僕は初めて桟橋に足を踏み入れた。 桟橋から足を出して、ふちに腰をかける。 スティルカがそばにいるから怖くない。 スティルカは、こんなにもかわいいのに、優しいのに…。 病気だって移らないって、スティルカ本人が言っている、町の医者も言っている。 信じていないのは、町のバカな人たちだけだ。 現に、ここ何週間も一緒だというのに、 僕はスティルカから病気をもらっていない。 ぼんやりと考え事をしていた私の腕に、鋭い振動が走る。 釣竿が、ぐんと強い力で海に向かって引っ張られた。 「大丈夫っ!」 スティルカが、僕の肩をがっしりと掴んでくれている。 耳のそばすぐにスティルカの顔がある。 「ほら、引いて。引きながら巻くんだ!」 「お、重い!」 「すごい!きっと大物だよ!」 強いしなりに腕が震える。 リールが一回りするたびに、ノッチが軽快な音を立てる。 水面に影が見えた。 吊り上げようと、ここ一番に引っ張った瞬間、釣り糸は切れてしまった。 僕とスティルカは、反動をもろに浴びて、思いっきりひっくり返ってしまった。 何が起きたか分からず、倒れたまましばらく空を見ていた。 隣でひっくり返ったスティルカの方を振り返る。 どちらともなく噴出して、僕たちは笑った。 「釣り糸が古かったかな。やっぱり。」 スティルカが、両手で残りの糸を張って眺めている。 「じゃあ、僕が新しいの買ってくるよ。」 「うん、じゃあ頼もうかな。僕じゃ新しいの手に入るまでに時間かかるし。」 「え、どうして?」 「だって、町の人に頼んで、暇なときに買ってきてもらって、雨の日に取りに行くからさ。」 「直接買いにいけないの?」 「まだ、僕が病気を悪くするって思っているらしくてね。 町の人が僕を店に入れないように、掲示板に僕が貼ったメモとお金で 頼んだものを掲示板の下に置いて行ってくれるんだよ。 雨の日に歩くのは、水に濡れるから飛散感染しにくいからだとか。 まぁ、雨に歩く方が好きなくらいだし、やっぱり僕も町の人に嫌な顔されると悲しくなっちゃうよ。」 「そうだったんだ。」 「でも、君が来てくれたときはうれしかったよ。 はじめて、僕と間近で話してくれたんだから。 あ、でも…。」 スティルカは、急に何かに気付いたような顔をした。 「僕と会っていると、やっぱり町の人が不気味がるでしょ?」 「うん、まぁ、…ね。」 「やっぱり…。学校とか行っているんでしょ? 君くらいの年だと、いじめとかない?」 僕は、クラスの状態を思い浮かべた上で、こう答えた。 「みんな自分のことで忙しいから…。」 嘘ではない、みんな自分の交友関係を護るのに忙しいのだ。 その絆の一部が、スティルカを迫害することで保たれているに過ぎない。 僕は、そのルールを知らなかっただけなのだ。 「そっか、何か困ったら…、無理して僕のところに来ることは無いからね…。」 僕は、思いっきり首を横に振った。 「無理どころか、ここに来ない方が無理なくらいだよ。」 「ははっ。それはうれしいな…。」 僕たちは、仕掛けのなくなってしまった釣竿を倉庫に戻すと、ボートへ乗り込んだ。 僕がスティルカに頼んだのだ。 「ねぇ、スティルカ。」 「何だい?」 スクリーンいっぱいの海を体に映してボートを操舵するスティルカ。 僕は、いつの間にか海を見るとスティルカを思い出すようになっていた。 僕にとって、大きな水は嫌なものには違いなかったが、 それ以上に僕にとって大切な存在と結びついている、そのことが、 僕の水嫌いを大変小さな問題へと直して行ってくれた。 「…もし、良かったら、このまま夜まで海にいない?」 沖合いで波間に揺れながら、データを取り続けているスティルカのボート。 「え、僕はかまわないけど…。 ずっと海の上でも、大丈夫なの?」 僕は頷いた。 「うん、スティルカのおかげで、水はそんなに怖くないって分かったよ。」 「そう、それは良かった。 じゃあ、今日はいいものが見れるね。」 「いいもの?」 「うん。夜になるまでのお楽しみ。」 時間がゆっくりと過ぎていく。 スクリーンに映し出された様々なグラフがだいぶ画面の左に流れて行ってしまった頃。 スティルカは、背伸びをすると立ち上がった。 「そろそろかな?」 スティルカは、ボートのハッチの前に立った。 「ね、今からハッチを開けるけど、準備はいい?」 僕は慌てた。 スクリーン越しには慣れたけれど、実物と対面して落ち着いていられる自信が無い。 「まって、やっぱり、実物は…。」 スティルカが、僕の手を握ってくれた。 少しだけ冷たい、だけどその手は僕にとって暖かな存在だ。 「大丈夫、僕がいるから。…きっと怖くない。」 スティルカが深く頷いた。 僕は、そのスティルカの眼を見て、決心した。 「分かった。きっと、大丈夫。」 「じゃ、開けるよ?」 「うん…。」 スティルカがハッチを開けた。 僕は、一瞬何が起こったか分からなかった。 空と、海がごちゃ混ぜになっている。 …、いや、そうではなかった。 空は空、海は海のままだった。 しかし、空の星達が越してきたかのように、波という波が光を放ち輝いている。 月だ! 満月の光が波に反射して、海にもうひとつの星空を映し出している。 海の星空は絶え間なく形を変え、空の星空は静かに僕たちを見下ろしている。 「うわぁ…。」 「海もいいもんでしょ…。」 「うん…。」 それ以上声が出せない、ただ沢山の光の欠片に包まれた中。 スティルカの瞳には、それらの光が取り込まれて、ここにもうひとつの星空が出来ていた。 「スティルカ…。僕、スティルカのこと、好きだよ。」 星空のマジック…、僕は今まで一度も行ったことの無い心のうちを漏らしてしまった。 「え、あ…うん、僕も君の事は好きだよ。」 なんとなく煮え切らない答えだったが、スティルカも僕が好きだといってくれた。 急にスティルカと近づきたくなって、僕はスティルカを抱き寄せた。 「ど、どうしたんだい?」 スティルカは嫌がりさえしなかったが、僕の行動に戸惑った。 「僕のこと、嫌い?」 「い、…いや、だから嫌いじゃないよ?好きだよ。」 僕は、そう話したスティルカの口元を奪った。 それは、長い間に感じた。もちろん、僕が勇気を出した時間なんて、たったの数秒でしかない。 しかし、ゆっくりと眼を開けると、スティルカはとても驚いたような顔をしていた。 「好き、…なのは分かったけど…さ。」 スティルカの頬がいくらか紅い。 僕は、スティルカが紅くなっているのを見て、急に自分のしたことが怖くなってしまった。 なんて事をしたんだろう!スティルカは、こんな僕をきっと嫌いになってしまう。 「ごめんよ!スティルカ!こ、こんなことするつもりじゃ…! でも、僕、ずっと好きだったんだ、君にあったときからずっと…。 僕にとっては、スティルカはスティルカなんだ! どんな女の子も比べ物にならない! 君は素敵な子なんだ!」 僕は、謝ると同時に、想いの内をすべて吐き出した。 スティルカは、きょとんとしていた。 「え、女の子…って?…僕が?」 スティルカが自分を指差しながら、ポツリポツリと聞いた。 何か嫌な感じがした。 「え、お、女の子じゃないの…?」 「い、いや、君と同じだよ、男、だよ?」 「う、嘘…?」 情けない声で僕は、そう聞いた。 スティルカは、今にも壊れそうなガラスを前にして、 どうしようも出来ないと引きつった顔をしながら、首を横に振った。 真っ白になった! いや、今は夜だから真っ黒かもしれない。 とにかく、僕の意識の中が全部、単色で塗りつぶされてしまった。 絵の具が入ったバケツをひっくり返してしまったように、 単色がものすごい勢いで、僕の意識を染めていく。 …もう、何にも考えられない。 怖がっているようにも見えるスティルカの顔を見ながら、 僕の頭の中は、「ええと、ええと…」という単語だけを繰り返した。 「…僕のこと、嫌いになっちゃった?」 スティルカがそう聞いた。 僕が悩んでいた時間は、きっと、長い長い時間だったと思う。 でも、考えるにはぜんぜん時間が足りなかった。 僕は、頭を乱暴にかきむしった。 スティルカは…、スティルカは…、何なんだ! そして、僕は、僕は…何なんだ!どうして! 一瞬だけクリアになった意識。 残っていたのは、やはりスティルカが大切な存在であるということ…。 「ううん、やっぱり…好きみたい。」 「ふふっ。それはうれしいな…。」 優しく微笑んだスティルカを見ていた僕は、またスティルカの口元を奪いたくなった。 どちらが先だっただろうか、いや、そんなこと関係ない。 僕とスティルカは再び口を合わせた。 今度は、さっきとは違う。 互いを確かめ合うように、口を開け、舌を絡ませあう。 やっぱり僕は、スティルカのことが好きなんだ。 息が続かなくなったら、喘ぎ、そしてまた絡む。 互いを抱きしめていたはずの腕は、まるで互いの輪郭をなぞり合うかのように、体を伝う。 「…いいのかい?」 僕はそう聞いた。 スティルカは頷いて、再び僕の口を奪う。 すべてを受け入れてくれるような、スティルカの暖かな感触を体全体で感じていたかった。 ほとんど同時に口を離す。 ひと時の休息。 互いの体に手を回したまま、ほんの少し顔を離して、互いの上気しきった顔を見つめあう。 スティルカの瞳は、いつにも増して輝きを増し、本当に僕を飲み込んでしまいそうだった。 今すぐにでも燃え上がってしまいそうな僕の頬に、スティルカが手を当てる。 僕も、ほんのりと紅いスティルカのひんやりとした、それでもいつもよりは温かい頬に手を触れた。 スティルカが称える笑顔は、僕の衝動を燃え上がらせる。 スティルカの近くにいたい、それだけじゃ足りない、僕は、もっともっと近い距離を望む。 はちきれそうなほどの力を溜め込んでいる僕の♂の部分。 スティルカも僕と同じように、♂に力を溜め込んでいるのだろうか。 そう、いつもなら絶対に出来ない行為。 スティルカから受けた暖かな感触だったはずなのに、 その存在は、僕の衝動の鎖をすべて焼き払う存在になっていた。 それは、ほんの小さなこと…。 いたずら心に、僕の腕がスティルカの脚の間へと滑る。 そこには、服の上からであるが、確かに♂である所以の輪郭を感じ取れた。 僕と同じく硬くなっている。 「んっ…。」 僕に♂を触られたので、スティルカは少々驚いたようだ。 しかし、思いはスティルカも同じだったのだろう。 スティルカがお返しとばかりに僕の♂を触る。 最初はそんな小さな出来心、悪戯…。 ここで終わるのも悪くない。 しかし、ここは誰もいない地上の星空の上。 満月と幾千の星達が僕たちを見下ろしているが、彼らは僕たちを止めることなど出来ない。 僕たちを阻む鎖は、すべて千切れていた。 僕達が互いの性を確認しあう行為…、互いが互いの♂に触りあう。 自分以外の誰かが、その特別な部分を触れるという行為それ自体が、 僕とスティルカを異常に興奮させていた。 形を認識する行為だけでは足りなくなっていく。 何が足りないかなんて分からない。でも、足りない。 止まっていた手は少しずつ動き出し、互いの存在を擦り合う。 それで認識する行為は終わるはずだった。 しかし、互いの♂を伝わってくる感触は、その行為をやめるには惜しい感覚。 なんでもないのだが、ただ惜しい。 やめたくない。 もう少しだけ…。 もう少し強く…。 僕たちが、互いの♂を握って手を上下させる行為へ行くのに、そう時間は掛からなかった。 二人とも荒い息を吐きながら、互いの♂に触れ合っている。 服の上から引っかかり引っかかり、もがく様に存在を確かめあう。 手が引っかかる、その一瞬すらもどかしい。 荒れていく二人の感情は、互いの服すら邪魔になる。 もっと、確かな存在を…。 僕の手が、その確かな存在を求めるように、 ベルトの無い、体全体をしっかりと覆うようなスティルカの服に伸びる。 ゆっくりとチャックを下げていくと、突然、跳ねるようにスティルカの♂が露呈する。 人間のそれとは少し違う、青みの帯びて尖った♂。 スティルカは、自分の♂が空気中にさらされてしまったことに驚いて、下を見た。 そしてスティルカもまた、僕の♂を空気中にさらそうと、ベルトとチャックに手を掛けた。 スティルカが恥じらいを持って、ゆっくりとそれらを解いていく。 しかし、僕にとっては、スティルカがまるで僕をじらしているようにさえ感じられたのだ。 …そして、僕の♂も露呈する。 決して交わりえない二人の性。 波の音が静かに聞こえるボートの上で、ハッチは開け放したまま。 熱の帯びたボート内に、海の香りが絶えず吹き込む。 暗闇のボート内に差し込む月明かりが、スティルカを照らす。 その艶やかでしっとりと汗をかいた肌が、月の明かりを受けてキラキラと光る。 僕たちはゆっくりと横になり、互いを抱きしめながら、そのままひとつになれないことを恨めしく思った。 互いの♂に触れながら、上へ下へと手を滑らせる。 スティルカの手が僕の♂を伝う、僕の心臓が驚くほどに大きな音を立てる。 僕の体中に、スティルカの手からもたらされた感覚が這い回る。 それはスティルカもきっと同じこと…。 僕が滑らせた手で、スティルカは息を荒げ、顔を高潮させている。 うっとりと静かに閉じたまぶた、荒げる息が漏れる口元からは、時折その透き通った声が共に漏れる。 ただ、愛しい。 僕の体に数え切れない渦が湧き上がり、それらが一つ一つ僕を熱している。 少しずつ、弾けてしまいそうな感覚、はじけてしまったら、戻ってこない感覚。 僕は、自分自身をじらすように、ゆっくりとスティルカと共にあり続ける。 僕は、…昇っていく。 その時! 船が一段と揺れた。 スティルカとの行為に夢中になっていた僕は、自分の体制を崩してしまった。 僕たちの好意を唯一止めた存在、それは風邪が起こした悪戯な波だった。 開いたハッチから、そのまま海の中へと僕は落とされた。 上も下も分からないなかで、僕は暗闇へ沈んでいく。 スティルカによってもたらされた、暖かな感覚が僕を麻痺させている。 意識まで進入した暖かな感覚で、僕はこのまま沈んで行ってしまってもかまわない気がしていた。 そう、眼を閉じたまま、僕は漂うような感覚に気持ちよささえ覚えていた。 あれだけ嫌っていた海の中で、僕は不思議と静かな気持ちになっている。 沈んでいく僕の体。 そんな体を誰かが掴んだ。 静かな世界を邪魔した存在を確かめようと眼を開けてみれば、 それはスティルカだった。 僕が足りないものをスティルカは知っている。 僕と口を合わせ、僕に空気を吹き込んだ。 そのままスティルカは僕を胸に抱きしめ、水面へと向かって浮上した。 スティルカがいるかのようにしなやかに体を動かし水を蹴るたびに、 スティルカの体と僕の体が激しく擦れ合う。 上も下も分からない中で、僕の♂がスティルカの体で刺激されていく。 僕の意識の中で、踊り狂うような衝撃が♂の中で結晶化していく! 僕は、スティルカの胸の中で、初めてとも言える例えようの無い一瞬を味わったのだった。 何かが一枚剥がれ落ちたような、小さな衝撃、しかし、 あの時、僕は海に体が解けてしまったような感覚に襲われた。 下腹に強い反射を感じた瞬間、僕の♂から結晶がひとつこぼれていった。 いや、ひとつ、ふたつ、ばらばらになって何度も…。 結晶が僕からこぼれていく度に、僕の体は輪郭を失っていく。 僕がいなくなってしまう恐怖、僕は水の中で叫んでいる。 スティルカから離れたくない、それだけの理由で…。 こんなに怖いというのに、…それなのに、何故か満たされていく。 何も覚えていない。 気がつけば、船の中。 下半身裸の僕の上でスティルカが胸を押している。 そう思った瞬間、僕は急に喉にいがらっぽさを覚えた。 「げぼっ…げほげほ…。」 自分でも驚くほどの海水が口の中から出てきた。 「気がついた…っ!?」 あせりと言う鋭さを持った、心配の声。 「僕は…?」 「僕が注意していなかったばっかりに…。」 スティルカが今にも泣き出しそうに眼を細めた。 スティルカの一言で、僕は海に落ちた事を思い出した。 「ううん、僕が悪いんだよ。 …きっと、スティルカに変な事をしたバチなんだ。」 スティルカは首を大きく横に振って、言った。 「変なことだなんて…! 僕、…あんなに暖かな感覚を持ったのは初めてだったんだよ。 君が、教えてくれたんだ。 あれが、きっと好きになるってことなんだよね…?」 「…分からないんだ。」 僕は曖昧に答えた。 「分からないって?」 「僕は、あんなことするつもりなんか無かったんだ。 でも、スティルカとキスしたら、もっとスティルカに近づきたい!って、そう思ったんだ。 そしたら、僕の頭の中が変になって、気がついたら、スティルカにあんなこと…。 そうだよ!スティルカに変な事をしちゃったんだ。 …その、男しかもっていないものを…。」 言葉に出すのさえ恥ずかしくなってきた。 頬に熱を感じる、きっと僕の顔は真っ赤だろう。 「そんな事言われたら、ぼ、僕だって…。」 スティルカも顔を赤らめた。 僕たちは、しばらく何も言えずに互いの顔を見つめていた。 スティルカが再び、僕の♂に手を伸ばす。 あれほどまで露呈して、触れ合って、感じ合って…。 考えただけでも、もう一度衝動が襲ってきてしまう。 それなのに、僕の♂をスティルカに触れさせることが、見せていることすら、 ひどく恥ずかしく感じられる。 僕は、海の中で、スティルカの胸の中で、スティルカの暖かな結晶をばら撒いてしまったのだ。 それに比べて、スティルカは、僕の結晶を体の中で踊り狂わせたままなのだ。 「スティルカ…。じっとしていて…。横になって…。」 横になったスティルカの体をなでる。 僕の恥ずかしさを打ち消すように、もう一度スティルカの暖かな結晶を僕の中に取り込んでいく。 結晶を取りこんだ僕は、スティルカの♂に再び触れた。 優しく手のひらで包み、僕のせいで踊っている結晶が吐き出させるように促す。 静かになった僕の意識は、ただスティルカの近くにいたいという純粋なものだったはず。 それが悪かったのだろうか。 僕は、何も考えない透明な思考のままに、スティルカの♂を僕の口でくわえ込んだ。 スティルカの感触を舌で確かめながら、頭を上下させる。 「だ、だめだよ…っ!?そんな…そんなっ…。」 スティルカが、僕の頭を掴んだ。 しかし、その手には力がこもっていない。 そう、結晶が中で暴れまわるのは苦しい。 なんでもないのだが、ただ惜しい。 やめたくない。 もう少しだけ…。 もう少し強く…。 でも、苦しい。 僕は、スティルカの手を避けて、頭の動き、舌の動きを速めた。 「駄目だよ…駄目だよぅ…。」 スティルカは、そう小さく叫び続けた。 スティルカが、何回目の駄目だよ、を言ったときだろうか。 「駄目だ…ふぅっ…!」 スティルカは、大きく息をつくと黙り込んだ。 「ふ…うぅっ!ああっ!」 スティルカの下腹が波打ち、僕の喉に温かな液体の感触が伝わる。 僕は、その暖かな結晶を飲み込んだ。 スティルカは、力が抜けたような顔をしながら、肩で、浅く速い息をついている。 「僕…。」 荒い息の合間に、スティルカはそう言った。 「何…?」 僕はスティルカの口元に耳を近づけた。 「僕、僕は…。僕だよね?」 超えてしまった事への罪悪感なのだろうか。 僕は、スティルカを強く抱きしめた。 僕が家に戻ったのは朝早くだった。 どこに行っていたんだ、と父さんが強い調子で分かりきった質問をする。 「スティルカのところだよ。」 こんなことになったんだ、もう行くな、あいつにたぶらかされたんだ。 「スティルカは何も悪くない! 悪いのは、僕を分からない父さんと、 スティルカを分かろうとしない町の皆なんだ!」 父さんに向かって怒鳴ったのは初めてだった。 父さんはしばらく眼を丸くして、動けないでいた。 僕は、その場から走り去った。 僕は、もちろん学校を休んだ。 でも、今からスティルカの元に戻ったら、学校を休んだ事を聞かれるだろう。 スティルカのことだから、そんな野暮なことは聞かないかもしれない。 でも、その代わり、きっと心配するだろう。 あんなことがあったんだ。 僕は、スティルカとの間をしばらくそっとして置きたかった。 町の人に見つからないように、町から外れたところ、 スティルカのハーバーと町をつなぐ長い道路の、ちょうどハーバーと町の真ん中くらいで、 僕は足を止めた。 電柱に背を当てて座ると、とてつもなく疲れた体は、急に眠気に襲われた。 上も下も無い漂う空間。 そこは、暗い海の中だった。 でも、怖くない。 スティルカが僕のそばにいるから。 スティルカが手を引いているのか、僕が手を引いているのか分からない。 互いが強く手をつないだまま、僕らは光が届かないくらい深い海の中を進んでいる。 怖くない。 …冷たい。 夢が一気にはじけ、思い出せない欠片となって散っていった。 僕は、体中が水に濡れていることに気付いた。 土砂降りの雨の真っ只中に僕がいる。 今までかき消す方法があった、聞きなれないノイズ。 僕の周りには、雨を防ぐ方法も、そのノイズを防ぐ方法もない。 このまま、僕は雨に飲み込まれてしまうのだろう。 でも、怖くなかった。 しばらく雨に濡れていると、 寒くて、風邪を引いてしまいそうだな、と思った。 そして、僕は自分がなんておろかな事をしているのかを悟った。 もし、今ここで僕がどんなに軽い病気になっても、 町の人はおろか、父さんまでスティルカのせいにするだろう。 雨に濡れていてはいけない。 雨は弱まる気配を見せず、空間は水で満たされていく。 僕は、立ち上がった。 でも、その足はすぐには動かない。 スティルカの方へ? 町の方へ? …いや、どっちに行くかなんてもう決まっている。 僕は、迷っていたのがバカらしいくらいに、わき目も振らず走り出した。 END 感想 見ていてはまったとても続きが気になる!ぜひ続きを書いて欲しい!! -- rdsknms (2007-08-24 13 54 57) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/undeerl/pages/39.html
ピスティル(fistir、理 fhistirl、ぴすてぃる)とはあらゆる人をドン引きさせるまほうのことばだよっ 概要 練習問題Q1 Q2 Q3 Q4 愛好家たちピスティル京都 ハフリスンターリブ xelken.valtoalの一部 この記事の執筆者 リパライン語の人とツァプサーニャの人 謙徳公(藤原伊尹) ぴすてぃるを混ぜるとなんでも面白くなる現象 魔法の言葉とは 関連項目 概要 ピスティルとはようするにこういうことである。 A「あれは誰だ・・・」 A「よし、行ってやるぜ」 A「やー」 B「いやあああ」 B「特別警察呼びますよ」 A「・・・」 A「うわあああああああああああああああああ」 このとき一般的にA=♂,B=♀という解が出てくる。 練習問題 以下のピスティル方程式を解きなさい Q1 A「あら、あなたは?」 B「あなたもわたしも?」 A「え?」 B「あなたも私も?」 A「・・・?」 解説 A=♀, B=♂である。 これの証明はこうなる Aは話しかけているが騙されるな。その次にあの魔法の言葉(後述)が来ている。これは明らかにBは♂だ。 この問題は簡単である。 Q2 A「あなたもわたしも?」 B「ぴすてぃる教徒」 解説 A=♂, B=♂である。 ここではAの発している魔法の呪文が相手に通じているのでBは♂である。よってピスティルは成り立たない。 Q3 ここから二元一次ピスティル方程式となる A「あなたもわたしも?」 C「ピスティル教徒」 B「あなたもわたしも?」 A,C「・・・」 解説 A=♀,B=♂,C=♀である。 まずAがCに話を振っている。この時点でAが♂なのかは確定ではない。なぜならBの存在である。Bの魔法の言葉にACは応じていない。すなわち彼らは分かり会えないのである。これは性が違うということを表している。また、男から女への呪文は無効のことが多いため、ここはAとCが♀でBが♂であると推測できる。 Q4 ここからはそれ以上の方程式である。 A「あなたもわたしも」 B,C,D,E,F「ピスティル教徒!!!」 解説 A=♀,B=♂,C=♂,D=♂,E=♂,F=♂である。 ここではAの魔法の呪文にそれ以外が応じている。ピスティルは一方通行のため、ここではAが♀で、それ以外が♂である。 また、B,C,D,E,Fについては王国による再教育がなされた。 愛好家たち ピスティルの愛好家たちは常に魔法の言葉を用いた洗脳やピスティルと叫ぶということをやって生きている。ここではその一部を紹介しよう。 ピスティル京都 怪しいことで定評のあるこのお方。すべてのピスティル教徒の預言者と崇められる人物。この方をなくしてピスティルは語れない ハフリスンターリブ まさにピスティルンターリブ。ここの男子はみな飢えているから近寄らないように。 xelken.valtoalの一部 ウェールフープでどこへいこうと君のところについてくる。君はxelkenの手♂からは逃れられない! この記事の執筆者 ほらほら、そこのあなたも同類なんでしょう? リパライン語の人とツァプサーニャの人 同類。常日頃ピスティルについて心の中で考えている。 夜には実際にしている。 この記事を書いた人は粛清されました 謙徳公(藤原伊尹) 平安時代中期の公卿であるが、彼の詠んだ詩にこんなものがある。 あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな 口語訳すると、「哀れであると言ってくれる人も浮かばない、冷たいあの人を恋して私は死んでいくのだろう」っていう感じだが、ぴすてぃる教の信者たちは「身のいたづら=ぴすてぃる?」とし、口語訳を「哀れであると言ってくれる人も浮かばない、ならば冷たいあの人へぴすてぃるしよう」と考えており、それを根拠に謙徳公は、平安時代中期の日本最古のぴすてぃる愛好家であったのではないかと結論付けてしまっている。 ぴすてぃるを混ぜるとなんでも面白くなる現象 これは2014年10月22日にundeerlで発見された世界の真理である。 undeerlの記事はほとんどにぴすてぃるが織り交ぜられている。よってこの仮説が成立したとされる。その証拠として「ぴすてぃるが主に会話のネタ」「ピスティルンターリブ」また、ぴすてぃるを加えた記事は秀逸な記事になりやすいとされている。このことをぴすてぃる方程式で立式するとこうなる。 記事「あなたもわたしも?」 読者「ぴすてぃる教徒!」 記事「ラネーメ!ラネーメ!」 読者「うるせえラネーメ至上主義者」 謎のナレーター「神は言っている、ぴすてぃるは罪ではないと・・・!」 読者「うわああああああああ」 FF「おつかれさまです。」 この式を立てた人はラネーメ人を風刺したとしてラネーメ民族党に抹消された。 魔法の言葉とは 魔法の言葉とはこれである。 あまりにも神聖すぎてもうこの場でちゃんと書けないくらいに壮大なのでほかの汚物からは離れたところに表記する。 下記を見てほしい。 あなたも私もピスティル教徒 関連項目 ぴすてぃるたん 啓典ぴれはむぬ 言行録ぴすける 救世録ぴあでくほ ぴすてぃる教の預言者一覧 ウンデール京都 ぴすてぃる宣言 ぴすてぃる(真)
https://w.atwiki.jp/silverphilosopher/pages/265.html
モクスティルナ 登録日:2011/01/14 Fri 01 00 投稿先:GDW新設定草稿(ケンタウルス座銀河群編)No.18 更新日:2013/09/25 Wed 01 51 47 ▽タグ一覧 ザイオノイド ハドケウリ銀河系 ハドローヤ系統晶繊族 メイフェロン大系統晶属 監視者 種族 非生物モチーフ 種族名 モクスティルナ 所属銀河 ハドケウリ銀河系 所属星間連合 スティル同盟(盟主格) 主活動惑星 惑星スティルモーク 所属大系統種 メイフェロン大系統晶属 所属中系統種 ハドローヤ系統晶繊族 知性水準 監視者 平均体格 身長1.9メートル 平均寿命 7500年 平均出力 Gex6.2 その他特殊 性別なし、ザイオノイド メインページリンク こちら 種族の特色 ハドケウリ銀河系プテット腕付け根部分、惑星スティルモーク出身である。 ハドケウリ銀河系で売り出し中の組織であるスティル同盟の3初期加盟惑星の一つであり、事実上のトップとなっている。 体躯はヒューマノイドベースながら異様で、頭部が人間の倍ほどあり、さらに目にあたる部分がアニメキャラ並に異様に大きく口も口裂け女並。 リセスティルル・メジスティルスらがバリクラット条約機構から独立してスティル同盟を立ち上げた際にトップとして推薦され、さらに監視者の認定を受けている。 一度は辞退したのだが、軍事強硬派の多いハドケウリ系の現状、軍事系の実力者をトップに掲げる方がよいという判断から彼らが祭り上げられているらしい。 「常に体から放射線を放っている」ことで有名。さらにバーストを起こすことで麟族系生命体に深刻な悪影響を与えることも可能(無機晶族系はまず無問題)であり、彼らが着ている衣服は自分と言うより他人を自身の放射線から守ると言う側面が強い。 少なくとも耐性のない種族がこのバーストにさらされることは危険。かなりうまく使えば逆に癒しの力に用いることも可能なのだが、「うまく使う」ことが不可欠なので麟族系の種族からは敬遠されがちである。 軍事に優れた見識を発揮しており、バリクラット条約機構所属時代はグニパリルらナグロスファ友邦軍の侵攻を押し返した実績を持つ。むろん戦士個体も多いのだが、単体戦闘では基本グニパリルの方が上でありこちらは参謀的な実力に勝っていたようだ。 この点でスティル同盟は実力に優れ運営も魅力的な星間連合として注目を集めているのだが、モクスティルナがハドケウリで優勢な麟族と相性が良くない(性格的な相性というより体質的な相性なのだが)のがネックになり、今一つ決め手を欠いているのが実情である。 また、個体レベルであるが神魔双極にあたる強大なヴァーツ魔神、ボワジルの存在が確認されている。ただし、あまり表に出ることがないボワジルで種族自体ほとんど分かっていないためか、さほど追及されることはないようだ。 そんな中、スティル同盟所属ではないながら注目すべきはテブラミス麟族のブリッカルヒと親しいことだ。 軍事主義同士は気が合わないと言うのが相場だが、ブリッカルヒにとってはモクスティルナはじめスティル同盟の種族はリギロクスのように見下せるような相手ではなく、また麟族に対して敬遠されがちなモクスティルナにとっては数少ない麟族系の頼れる友人ということになっており(ブリッカルヒは高い放射線耐性があるのだ)、スティル同盟の勢力拡大についてブリッカルヒをとっかかりにできないものかと考えているようだ。 個体設定 個体名 プロフィール アミニル・バズトラッカ 未来史における惑星ブリンカムビの軍事学校の教官。ビオライネル・シュリビアの師匠にあたる。 カポリナリ・テスパトラズリ ディガスの大使で、基準時に正大使、後高位大使まで昇進。学識に優れ問答もできる。後に片足を戦いで失っている。(元ネタ:アステカ神話のテスカトリポカ) シェザーレ・ミューギリア 物質操作、更にはその攻撃転換に優れた個体。ビオライネルの同期だったが反りが合わなかったらしい。(飛石武氏提案キャラ、ネタ元:「とある魔術」麦野沈利) ボワジル (魔神洗礼体)ヴァーツ奥院所属。無常なる秩序更新に価値観を持つ。戦闘能力も高いが自身戦闘に出ることはほとんどない。 デザイン・プロフィール:水晶に関連する種族を考案した際、煙水晶に関連する種族と考えたのがモクスティルナである。当初は水晶を監視者に、煙水晶は開発者にする予定であったが、アステカの魔神テスカトリポカが「煙を吐く鏡」の意があるので、水晶を開発者にして煙水晶を監視者にしたと言う経緯がある。 放射線を扱うのは、実際煙水晶が放射線を放つ性質を持つことによる。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -GDW世界 白銀の賢者分室 GDW メインページ