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編集 初版と最新版 初版:2018/??/?? (曜日) ?? ?? ?? 最新版:2023/02/26 Sun 03 35 20 NEW! 最初に このページは次回作を『妄想』するページです それを踏まえた上で閲覧・編集の程よろしくお願いします。 キャラ名:サイラックス 登場作品:メトロイドプライムハンターズ 体重:重量級 隠密行動・追跡術のエキスパートで射撃の名手。 出身地が"CYLOSIS"であること以外は正体不明のバウンティハンター。 銀河連邦とそれを助けるサムス・アランを何故か激しく憎んでいる。 ネタバレ:『メトロイドプライム3 コラプション』や『フェデレーションフォース』の隠しエンディングでは、彼の続編での登場を匂わせるムービーを見ることが出来る。 ファイターコンセプト サムスの人型ライバル、次回作の宣伝要員として。 サムスとは異なる武器やトランスフォームを駆使して戦う。 『プライム』シリーズのプロデューサー田邊氏は次回作『メトロイドプライム4(仮称)』での登場予定を語っている。 彼の素性にはまだ謎が多く、スポットが当たるであろう『プライム4』の宣伝を兼ねた参戦に期待。 原作では ニンテンドーDSの対戦型FPSゲーム『メトロイドプライムハンターズ』にプレイアブルとして初登場。 サムス・サイラックスら7人のハンターが「究極の力」を巡って競い合う。 サイラックスのHUD。 能力 銀河連邦軍基地から奪った試作品の改造スーツと武器を装備している。 得意武器:ショックコイル 高密度のニュートリノ体を連続放射して近~中距離の相手を 自動追尾 。 長く捕らえ続けるほどダメージが増加する。 サイラックスが使う場合は更に敵のエネルギーを奪うことができる。 ログブックによれば「銀河連邦が極秘開発中の試作兵器」。 トランスフォーム:ロックジョー サムスのモーフボールにあたる形態。 浮遊しながら地面を滑るように高速移動する。 ロックジョーで使用できる"ワイヤーボム"はフィールドに3つまで設置可能で、各ボムの間には電磁ワイヤーが発生する(詳細は後述)。 サムスのモーフボールのようにボムジャンプも可能。 スターシップ:"デラノ7" サムス以外に唯一スターシップの描写があるハンター。 X字型のシップ"デラノ7"を所有しており、初戦時には追い詰められると援護射撃を行わせる。 長所と短所 長所 通常技のリーチが長い 設置技「ワイヤーボム」が優秀 短所 通常技の隙が大きい PV予想 PV名 追跡者のバウンティーハンター 「サイラックス参戦!!」 PV終了 特殊能力 通常ワザ 弱攻撃 横強攻撃 上強攻撃 下強攻撃 ダッシュ攻撃 通常空中攻撃 前空中攻撃 後空中攻撃 上空中攻撃 下空中攻撃 横スマッシュ攻撃 上スマッシュ攻撃 下スマッシュ攻撃 仰向け起き上がり攻撃 うつぶせ起き上がり攻撃 転倒起き上がり攻撃 崖つかまり攻撃 つかみ つかみ攻撃 前投げ 後投げ 上投げ 下投げ 必殺ワザ 通常必殺ワザ ショックコイル 射程内の敵に電流を流してエネルギーを奪う。 当て続けるとダメージが加速度的に上昇。 長押しすれば射出しながらの移動も可能。 横必殺ワザ ミサイル 上必殺ワザ 下必殺ワザ ワイヤーボム 設置型の爆弾。触れると爆発する。空中にも置ける。 2つ目を設置 →2つの間に 電磁ワイヤー が発生し、触れるとボム+ワイヤーが収縮してダメージ。 ただし距離には制限があり、間に障害物がある場合も失敗する(即爆発)。 3つ目を設置 →すべて同時に爆発する。 中に敵がいた場合は三角形が収束し爆発の大ダメージ。通称「Δ(デルタ)ボム」。 最後の切りふだ デラノ7 カラーバリエーション 番号 色 元ネタ 1P 青 デフォルト 2P 深緑 カンデン 3P 茶 スパイア 4P 緑 ウィーヴェル 5P 紫 ノクサス 6P 赤 トレース 7P オレンジ サムス 8P 画面内登場・アピール・勝利演出 画面内登場:デラノ7に乗り現れる。 上アピール: 横アピール: 下アピール: 勝利BGM:『メトロイド』シリーズのアイテムゲットBGM(ヴィランver.) 上勝利演出: 横勝利演出: 下勝利演出: カービィがコピーした姿 頭部にバイザー、肩はウイング。 スピリットに使われる画像 勝利ポーズ 勝利ポーズ1[X]: 勝利ポーズ2[Y]: 勝利ポーズ3[B]: 敗北ポーズ:拍手 資料 関連 新キャラ投票 新ファイター予想 ファイターリスト ファイターテンプレ サイラックスについて語るにはこの欄を利用すべし。 フェデフォやメトプラ3で次作への登場が示唆されたし、謎の多い人物だからワンチャンある ダムスの方が人気度は高いし、リドリー参戦でメトロイド枠はほぼ完成したから厳しいか… -- ぴーまん (2018-06-25 13 18 13) ダッシュファイターとして参戦してください。 -- 加藤騎士 (2018-06-26 18 30 45) 名前 コメント
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俺「そういえば・・・二人とも、コンセントって、ある?」 俺「穴が三つ・・・だと?」 エイラ「オマエのは棒が二つしかついてネエナ」 サーニャ「・・・使えないんですか?」 俺「まだだ、まだおわらんよ!」 坂本「何?コンセント?」 俺「坂本さんなら日本・・・扶桑のコンセントと同じ型を使ってるんじゃないかと思いまして」 坂本「私はここ数年は帰っていないな。それにその国の備品を使うからほかの国のものを持ってきたことはないぞ」 俺「そう・・・ですか・・・」 芳佳「え、コンセントですか?」 俺「このタイプのがつかえるコンセント知りません?」 芳佳「私もこっちに来たばかりのときは困りましたけど、そもそも電気製品を持ってきてなかったから・・・」 俺「・・・・・・」 俺「何とかなりませんかね?」 技術者A「扶桑のコンセントか・・・一回線を切って先をブリタニアようにすれば・・・」 俺「なるほど、その手があったか・・・」 A 「15分もあればできると思うが、どうする?」 俺(そういえば外国は電圧も変わっていた気が・・・) 俺「この国のコンセントって何ボルト何アンペアなんですか?」 A「たしか・・・250ボルト6アンペアじゃなかったか?」 俺「オワタ」 A「何だ足りねぇのか?家電製品用なら15アンペアまで出たはずだか・・・」 俺「扶桑では100ボルト15アンペアなんス」 A「そいつは・・・」 翌日昼食後 俺「一日基地を歩き回ったんだけどさ・・・」 サーニャ「だめでしたか・・・」 エイラ「マッタク、ダラシネェナァ」 俺「うるせぇ!・・・はぁ」 ガチャ シャーリー「ん?どうした三人とも」 サーニャ「シャーリーさん・・・」 俺「シャーリーさん、コンセント持ってないですか?100ボルトに変換できるヤツ」 シャーリー「あるぞ」 エイラ「ヤッパナー、ムリダナー」 俺&サーニャ&エイラ「ってあるの!?」 シャーリー「まぁ趣味で集めてるもんだけどな。あちこち旅をしてるといちいち家電を買ってらんないだろ?」 シャーリー「そもそもリベリオンと扶桑のコンセント規格が一緒だから変圧器とかソケットとか、結構あるんだよね」 俺「おねがいします!譲ってください!」 シャーリー「まぁいいけどさー・・・」ニヤリ シャーリー「それ・・・えっと、けーたい?ぱそこん?だっけ?あとでちょっと貸してくれよ」 俺「それぐらいならお安い御用です」 俺の部屋――― 俺「というわけで、パソコン起動!」ウィーン エイラ「オ、なんか出てきたゾ」 俺「起動といっても実際動くまで1~3分くらいかかりますが」 シャーリー「なんだ。ハンガーの整備員がぱそこん一台で飛行機飛ばせるとか言ってたけど、実際そんなもんか?」 俺「ヘリでも車でも、少しエンジンを温めてからが起動ですからね」 シャーリー「そういわれると確かにそうだな」 サーニャ「なんか5個くらいマークが出てきたけど・・・」 俺「とりあえずシャーリーさん、先にいろいろいじってみます?」 シャーリー「い、いいのか?」 俺「まぁ、いろいろいじってみてください。何か困ったことがあったら聴いてくださいね」 シャーリー「わかった」カチカチ エイラ「私にはボタンがいっぱい過ぎてワカンナイ」 シャーリー「なぁ、この矢印は?」 俺「これはマウスといってですね・・・」 エイラ「マウス?ねずみがどうかしたのカ?」 サーニャ「・・・」ジーッ シャーリー「うん?なんか出てきたぞ?」 俺「これは・・・おkを押してください」 サーニャ「・・・」ジーッ エイラ「サーニャ?」 サーニャ「えっ・・・な、なんでもないよ?」 エイラ「変なサーニャダナ・・・」 俺「そろそろ夕日がまぶしい時間なのですが」 シャーリー「もうちょっと待って!ええっと、ハートの3が出たから・・・」 エイラ「違うダロ、クラブかスペードの4の上に置くんダヨ」 シャーリー「なるほどな~。さすがはエイラ、トランプは任せた!」 エイラ「任されタ!」 俺「ソリティアであそこまで盛り上がれるのか・・・。そういえばサーニャちゃん?」 サーニャ「・・・」ジーッ 俺「サーニャちゃん?どうかした?」 サーニャ「・・・え?・・・い、いえ///」 俺「どうかしたのか?」 サーニャ「だ、大丈夫です///」 俺「顔赤いけど・・・熱でm」 エイラ「ヨッシャー!」 シャーリー「さっすがエイラ!」 バチン エイラ「まーこのくらいヨユーだけどナ」 シャーリー「いやー、まさかこんなゲームがあるとはねえ」 エイラ「今度大尉にこれで勝負してみるカナ」 シャーリー「あの堅物にはムリダナ!」 エイラ&シャーリー「あはっはっはっは!」 サーニャ「二人とも。そろそろ夕食の時間よ」 エイラ「オーソウカ。ワカッタ」 シャーリー「んじゃ、食いに行くか!」ガチャ 俺「サーニャちゃん、あの」 サーニャ「あの、先に行ってますからっ」ガチャ 俺「・・・・・・サーニャちゃん」 俺(サーニャちゃん、もしかして体調が悪いのを無理して付き合ってたんじゃ?) 俺(これは・・・なんとしても結果を出さないとな・・・) 食堂――― エーリカ「いただきまーす!」 芳佳「どうぞ召し上がれ」 ゲルト「ハルトマン、もう少しゆっくり食べろ!まったく・・・」 ルッキーニ「うじゅじゅ、芳佳のご飯おいしー!」 ペリーヌ「うるさいですわよルッキーニさん!あなたお昼も同じことを!」 リーネ「まぁまぁペリーヌさん。ルッキーニちゃんはまだ子供だし・・・」 シャーリー「あっはっは、たまにはにぎやかなのもいいじゃないか!なあ少佐?」 坂本「そうだな。いつもうるさいのは困り者だが、宮藤の飯が美味いのは事実だしな」 エイラ「宮藤から料理を抜いたら何も残んネエナ」 ミーナ「・・・サーニャさん、俺さんは?」 サーニャ「えっ・・・すぐに来ると思いますけど・・・」 ミーナ「そう?ならいいんだけど・・・」 ゲルト「・・・?」 食後――― サーニャ「・・・・・・」 サーニャ(結局食堂にこなかったな・・・) サーニャ(さっき私が変な態度を取っちゃったからかな?) サーニャ(私、どうしたんだろう・・・?) エイラ「サーニャ、そろそろ哨戒の時間だゾ」 サーニャ「エイラ・・・わかった」ガタッ 芳佳「サーニャちゃん」 サーニャ「え?・・・何、芳佳ちゃん」 芳佳「これ、俺さんの分のご飯なんだけど、届けてくれないかな?」 サーニャ「・・・・・・うん」 ミーナ「・・・・・・」 ゲルト「どうしたミーナ。思いつめたような顔をして」 ミーナ「トゥルーデ・・・私、そんな顔してた?」 ゲルト「ああ。今だから言えるが、私もそんな顔で飛んでいたんじゃないかと思う」 ミーナ「・・・俺さんのことなんだけど」 ゲルト「何かわかったのか?」 ミーナ「いえ、その・・・。もうすこし、整理してから話すわ」 ゲルト「・・・わかった。ミーナがそういうなら今日は引き上げよう」 ミーナ「ありがとう、トゥルーデ」 ゲルト「なに、気にするな。それに、ミーナの体調が悪いと部隊全体の士気にかかわる」 ミーナ「うふふっ、わかったわ。今日はもう寝ます」 ゲルト「それがいい。私は少しトレーニングをしてくる ミーナ「お休み、トゥルーデ」 ゲルト「ああ。おやすみ」 サーニャ(俺さん、なにしてるんだろう)スタスタ サーニャ(ただ疲れて寝ちゃっただけならいいんだけど・・・)スタスタ コンコン 俺「開いてるよ」 サーニャ「あ・・・あの、失礼します」 ガチャ サーニャ(真っ暗・・・電気もつけないで、なにしてるんだろう) 俺 ブツブツ サーニャ(ぱそこんが光ってるから顔だけ見えるんだけど、なんか怖い・・・) 俺 ブツブツ 俺「そう、サーニャちゃんがフリーガハマーを打つ」 サーニャ「えっ」 俺「そのあとに爆風にまぎれながら坂本さんが切りかかる。コアにあたらなかったけど・・・すぐに援護射撃。このタイミングだよ」 サーニャ「えっ・・・まさか・・・(俺さんが・・・スパイ?)」 ガチャンパリーン! サーニャ「っ・・・!」ダッ 俺「えっ・・・サーニャちゃん!?」 タッタッタッ エイラ「この足音は・・・宮藤かルッキーニダナ」 サーニャ「っ」ドン エイラ「うわっ・・・って、サーニャ!?」 サーニャ「ごめんなさいっ」タッタッタッ エイラ「サーニャ!まてっ!」ダッ タッタッタッ 整備兵「あ、リトヴャク中尉、ストライカーの用意は完ぺ」 サーニャ シュイッ ピョコッ ブロロロロ・・・ 整備兵「・・・あの、武器は・・・?」 エイラ「サーニャは!?」 整備兵「はっ、ユーティライネン少尉、リトヴャク中尉ならたった今ストライカーで発進しました」 エイラ「わかった!」 シュイッ ピョコッ ブロロロロ・・・ 整備兵「・・・だから、武器はどうすんですか・・・!?」 ブロロロロ・・・ サーニャ「ぐすっ・・・ひっく・・・」 エイラ「サーニャ・・・」 サーニャ「え、えいら・・・?」 エイラ「何があったんダ?」 サーニャ「・・・俺さんが・・・」 エイラ「・・・」 サーニャ「もしかしたら・・・敵かもしれない・・・」 エイラ「・・・それで、泣いてるノカ?」 サーニャ「・・・・・・ぐすっ」 エイラ「・・・・・・今日はゆっくり回ろう。話しながらサ。サーニャの好きなラジオの話をシヨウ?」 サーニャ「うん・・・ありがとう、エイラ・・・」 俺 カチャカチャ 俺 サッサッサ 俺「片付けはこんなもんでいいかな・・・」 俺「サーニャちゃん・・・」 俺「(結果を出すんだ、結果を・・・)・・・・・・」カタカタ 俺「坂本さんが切った直後、一瞬だけ音が途切れてる・・・それにおそらくネウロイから音は出てない。電波だ」 俺「これを採ったのは昨日の昼だっけ? インターネット観覧履歴に謎のURLが書いてあるのはたぶんこの時間だし」 俺「・・・このアドレスにいったらいきなり警報が鳴り出したりしないよな・・・?」 俺「明日サーニャちゃんに会ってからにしよう」 翌朝、食堂――― ゲルト「ハルトマン!寝ながら食べるな!」 エーリカ「じゃーあと60分・・・」 ゲルト「一時間も待てるか!」 ルッキーニ「うじゅー・・・ねむい」 ペリーヌ「いつも寝てるくせに」 シャーリー「寝る子は育つって言うだろ?ルッキーニもそのうち私みたいになるかもな」 ルッキーニ「そしたら・・・ペリーヌより大きくなるかも」 ペリーヌ「あ、ありえませんわ!」 坂本「ふむ、やはり朝は味噌汁に限る」 俺「坂本さん、浅漬けを忘れてはいけませんよ!」 リーネ「今日の少佐の訓練、つかれたねー」 芳佳「そーだねー、朝から汗かいちゃった」 ミーナ「・・・・・・」 ゲルト「・・・」チラッ ミーナ「俺さん、ちょっといいかしら」 俺「はい?なんですか?」 ミーナ「後で私の部屋に来てください。あとバルクホルン大尉、悪いけどサーニャさんを起こしてきてくれないかしら」 俺「わかりました」 ゲルト「うむ、わかった」 エーリカ「・・・空気が重いよう」 俺 コンコン ミーナ「どうぞ」 俺「失礼します」ガチャ 俺「それで、何のようですか?」 ミーナ「・・・・・・。リトヴャク中尉が来てから話します」 コンコン ゲルト「私だ。サーニャをつれてきた」ガチャ サーニャ「・・・あ・・・っ」 俺「・・・・・・っ」 バタン ミーナ「公的な話が主に2つ。個人的な話が1つあります。まず公的なほうから」 ミーナ「リトヴャク中尉、あなたは昨夜の哨戒任務において、武器を携帯せずに出撃したそうですね?」 ゲルト「なっ!?」 サーニャ「・・・はい」 ミーナ「ウィッチは貴重な戦力なの。今回は幸運にもネウロイが出現しなかったからよかったものの」 サーニャ「・・・ごめんなさい」 ミーナ「まぁ、リトヴャク中尉は普段の活躍から今回は厳重注意に収めます。反省し、二度とこのようなことがないように」 サーニャ「はい・・・」 ミーナ「二つ目、同じく昨夜、俺さんは一人の時間に例の機械を使っていたそうですね?」 サーニャ「・・・・・・っ」 俺「はい、事実です」 ミーナ「私はサーニャさんに全権を委任しました。しかし、サーニャさんの監視の元に使用するようにとも言いました」 ミーナ「そして、その機械使用時、前線どころか通信席にもいなかった俺さんがなぜか戦闘状況を分析していました」 俺「・・・はい」 サーニャ「っ!」 ミーナ「説明していただけますか?」 俺「わかりました。説明させていただきます」 俺「2日前、おそらくサーニャちゃん・・・リトヴャク中尉にパソコン等の機械の監視権限を委任した日ですが」 ミーナ「・・・」 俺「その日、リトヴャク中尉はケータイ、機械の小さいほうです。これを使用し、前線の状況を録音、蓄音していました」 ミーナ「蓄音機・・・そんなことまで?」 俺「ええ。その翌日、昨日の昼過ぎに大きいほうの機械、パソコンを使用し、録音した内容を解析していました」 ミーナ「何の目的で?」 俺「ネウロイの『声』を解析し、索敵行動に役立てるためです」 ミーナ「そのデータを他国やネウロイに渡していないという証拠は?」 俺「渡した証拠なら偽装できますが、渡してない証拠という矛盾を証明する手立てはありませんね」 ミーナ「・・・・・・」 サーニャ「あ、あの・・・」 ミーナ「・・・・・・」 サーニャ「けえたいで録音したのは私の独断です・・・俺さんはそれを調べただけで・・・」 俺「いや、俺が実際に取ったほうが早いなんていったから、それを真に受けちゃって・・・」 ミーナ「・・・・・・はぁ」 ミーナ「わかりました。この件については保留にします」 サーニャ「・・・保留?」 俺「ですか?」 ミーナ「ただし、けーたい?に限らず彼の持ち物の使用は私の許可を得、複数名の監視の元でのみ使用可能とします」 俺「・・・わかりました」 ゲルト「・・・甘くないか、ミーナ」 ゲルト「もし彼が本当にスパイだったとしたらすでに我々の行動は筒抜けということだぞ?」 ミーナ「だとしたら、彼をこの基地に入れたのは?」 ゲルト「・・・・・?」 ゲルト「・・・・・・私?」 ゲルト「うわぁぁぁぁぁ!私はなんてことをっ!?」 ゲルト「うわああああぁぁぁぁ」ガチャバタン! ミーナ「というわけで、なんとしても俺さんにはネウロイの声認識研究の結果を出してもらいます」 ミーナ「結果がでなければ、最悪の場合スパイ容疑で拘束させてもらいます」 俺「そういうことなら、昨夜にひとつ仮説・・・といいますか、実験したいことができたんですが・・・」 ミーナ「わかりました。ここに持ってきてください」 俺「了解です」 サーニャ(・・・・・・俺、さん・・・) サーニャ(あの人がスパイじゃないって・・・) サーニャ(・・・・・・何だろう、この気持ち) サーニャ(初めて人前で演奏したあとみたいな・・・) ミーナ「リトヴャク中尉・・・いえ、サーニャさん」 サーニャ「は、はいっ」 ミーナ「3つ目、個人的な話なんだけど、あまり男性と仲良くしないほうがいいと思うの」 サーニャ「・・・べ、別に、そういうんじゃ///」 ミーナ「サーニャさん、両親と離れ離れになったんでしょう?」 サーニャ「・・・・・・」 ミーナ「私もね、この戦争で大切な人をなくしたの」 ミーナ「だから・・・もうだれも悲しい思いをしてほしくない」 ミーナ「彼はもともとこの時代の人間じゃない。それに、もしかしたらスパイかもしれない」 ミーナ「そんな彼と仲良くして、裏切られたりしたら・・・」 サーニャ「・・・昨日、エイラと話しました。あの、哨戒のときに」 ミーナ「・・・・・・」 サーニャ「帰ってからもずっとそのことを考えてました・・・」 サーニャ「でも、彼のことを諦めきれないんです」 サーニャ「彼が言ってたそうです。『一食一飯の恩義を忘れない』、『お世話になった家族に怪我をさせたくない』」 サーニャ「私自身も、まだスパイである証拠を見ていない」 サーニャ「なら、私が彼をあきらめる理由はありません。一緒にすごした、友達ですから」 ミーナ「でも、裏切られるかもしれない。そうでなくても、ご両親みたいに離れ離れになるかもしれない」 サーニャ「それでも、私は、友達や、大切な人を作るんだって」 サーニャ「自分から歩み寄らなきゃ、友達はできないんだってわかったから・・・」 ミーナ「・・・サーニャさんは強いのね」 サーニャ「強くなんてないです。一人でいるのが、寂しいんです」 サーニャ「ミーナ中佐も、大切な人がいなくなって、一人になるのが寂しいんですよね」 サーニャ「それと一緒だと思います・・・。すみません。偉そうなことを言って・・・」 コンコン 俺「俺ですもって来ました」 ミーナ「サーニャさん、さっきの話は彼には言わないでね」 サーニャ「・・・恥ずかしくていえません///」 ミーナ「でも、言わなくても忘れないでちょうだい」 サーニャ「・・・・・・」コクッ ミーナ「どうぞ」 俺「失礼します」ガチャ ミーナ「実験って、どのようなことを?」 サーニャ「・・・何がわかったんですか?」 俺「もしかしたら、ネウロイの声がわかったかもしれません」 ミーナ「本当?」 俺「ええ。で、もし成功なら警報がなる可能性があるんですが」 ミーナ「それもそうね・・・もしなったら、訓練ということにしておきましょう」 俺「なるほど。抜き打ちテストですか」 ミーナ「ミーティングルームに全員が集合するまでの時間を計測します。サーニャさん。ストップウォッチをお願いできる?」 サーニャ「わ、私ですか・・・了解です」 俺「とりあえず3パターン。無線LAN、衛星通信、あとは個人のアマチュア無線の3経路でこのアドレスにリンクしてみます」 ミーナ「ごめんなさい、何を言っているのかわからないわ」 俺「全部まだ作られていない技術です。ですが、サーニャちゃんのアンテナなら受信できるかもしれない」 サーニャ「・・・わかりました」ピョコッ 俺「それじゃあ一つ目、無線LANの電波波長は約5ギガヘルツ」カチャカチャ・・・カタカタ、カチッ サーニャ「っ!?」 俺「どう?」 サーニャ「ほぼこれです!遠くからじゃわからないくらいそっくりです!」 俺「いきなりドンピシャか。ネウロイは5ギガヘルツの電波で会話してるってことか」 ミーナ「本当?警報はならなかったけど・・・」 俺「そういえば索敵ってどんな方法を使ってるんですか?」 ミーナ「近年開発されたレーダー索敵ね。電磁波を飛ばして反射してきた電磁波の位置に敵がいるという索敵方法だったかしら」 俺「それじゃ引っかかりませんね(レーダーが近年って)」 サーニャ「でも・・・これでネウロイと会話ができるんですよね?」 俺「まだ無理かな。同じ声が出せるってだけで、同じ言語を理解しないと」 ミーナ「国ごとに言葉が違うってことかしら?」 俺「ええ。こればかりはネウロイと接近してデータを取らないと・・・」 サーニャ「・・・私が」 俺「だめだ。サーニャちゃんだけを危険にさらすことはできない」 サーニャ「でも・・・」 俺「ひとつ考えがあるんだ。でも・・・歴史を変えてしまうかもしれない」 ミーナ「・・・それでは逆にあなた自身が危険にさらされてしまうかもしれないわ」 俺「俺一人の研究で今の時代のウィッチ全員が助かるなら俺一人ぐらい問題ありません」 サーニャ「だめ!」 俺「え?」 サーニャ「あっ・・・あの・・・一人でも、犠牲が出るやり方は・・・」 俺「・・・でも、これでもうサーニャちゃんが戦わなくてすむかもしれないんだ」 サーニャ「それでもっ・・・あの、俺さんが犠牲になるなんて・・・いやです・・・」 俺「・・・わかった。じゃあやっぱりほかの方法を探そうか」 サーニャ「は、はい!///」 ミーナ「・・・それで、どうするの?」 俺「とりあえず・・・俺はネウロイについて詳しく知らないんで、ネウロイの特性とナイトウィッチの特徴について資料をください」 ミーナ「わかりました。明日までに用意しましょう」 俺「ありがとうございます」 サーニャ「私も、できる限り手伝います」 俺「ありがとう、サーニャちゃん」
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1. 左翼思想の日本への紹介 (1) 中江兆民 (1847-1901)とルソー『民約論』 中江兆民(本名:篤介)は土佐藩の足軽出身で政府留学生として渡仏後ルソー『民約論』を翻訳し「東洋のルソー」と呼ばれたが、勝海舟を通じて西郷隆盛の話に心酔し、やがて西郷を直接知る頭山満と知り合って生涯の親交を結ぶなど、その思想は複雑である。 (2) 幸徳秋水 (1871-1911)と平民新聞(1903発刊-1907廃刊)、大逆事件(1910) 幸徳秋水(本名:伝次郎)は土佐の有力な商家の出身で、同郷の中江兆民の門弟となり、やがて師の紹介した社会主義思想に傾倒して、堺利彦らと平民社を起こし平民新聞を発行、非戦論を経て急進的な革命思想(天皇制打倒)を抱くに至り、大逆事件に連座して刑死した。 2. 無産政党の結成~社会民主党(1901)、日本社会党(1906)、労働農民党(1926)、社会民衆党(1926)、社会大衆党(1932) (1) 堺利彦 (1871-1933)と赤旗事件(1908) 堺は豊後の士族の出で『萬朝報』の記者となり、のちに社会主義者になって幸徳秋水とともに平民社を起こし平民新聞を発行。1906年に日本社会党(戦後の政党とは別)を結党し、1908年には赤旗事件(大杉栄・堺らが革命歌を歌いつつ赤旗を掲げてデモ行進し検挙された事件)を起こして入獄。1922年の日本共産党結成にも参加したが、活動方針を巡って講座派と対立し離党した。 (2) 安部磯雄 (1865-1949)と日本フェビアン協会(1923)・社会民衆党(1926)・社会大衆党(1931) 安部は福岡藩士の子で、ドイツ・アメリカ留学を契機にキリスト教社会主義者となり、片山潜・幸徳秋水・河上清らと共に社会民主党を結党(1901)したが2日後に禁止された。1920年前後の大正デモクラシー期には穏健社会主義(右派社会主義)路線を明確に打ち出し、日本フェビアン協会を設立(1923)、さらに反共産主義の立場で現実的な議会政治を通じて社会改良を目指す社会民衆党を結成(1926)、委員長として普通選挙法(1925年成立)に基づく初の選挙となった昭和3(1928)年の第16回衆議院議員選挙に立候補し当選。昭和7(1932)年には全国労農大衆党と合同して戦前における最大の無産政党であった社会大衆党を結成(安部磯雄委員長・麻生久書記長)するなど社会民主主義者として活躍した。 (3) 杉山元治郎 と労働農民党(労農党)(1926) 杉山は大阪泉佐野の小作農民の出で天王寺農学校在学中に受洗。 賀川豊彦(キリスト教社会主義者で農民運動家) の影響を受けて共に日本農民組合(日農)を設立(1922年)。更に普通選挙法成立を機に議会政治を通じて農民生活の改良を目指す労働農民党を結成した(1926年)。しかし労農党の地方支部を組織する過程で共産党系活動員の浸透を許し、共産主義を目指す下部組織と反共産主義の幹部層が対立。幹部層は脱党して社会民主主義者の安部磯雄と合同で社会民衆党を結成(1926)、麻生久ら中間派も脱党して日本労働党(1926年)を結成したため、杉山は辞任(1927年)を余儀なくされ、労農党は左派に乗っ取られた。 3. コミンテルン指導下に日本共産党結党(1922 第一次、1926 第二次) (1) 片山潜 (1859-1933)とコミンテルンの接近 片山は岡山県の庄屋の出身で、アメリカ留学中にキリスト教社会主義者となり、社会民主党結成に参加。ロシア革命(1917)が起こるとマルクス主義に傾倒し、1921年にソ連に渡航。コミンテルン常任執行委員会幹部となり国外にあって日本共産党結党の指導を行った。1933年の片山の死に際してソ連は国葬の礼を持って生前の活躍を賞した。 (2) コミンテルン22年テーゼ (方針書)と 日本共産党 結党(第一次結党 1922) 前年にソ連に渡航した片山潜の指導の下、コミンテルン日本支部として、1922年7月15日に堺利彦・渡辺政之輔・市川正一・徳田球一・山川均らによって結成。党の方針書(テーゼ)としてコミンテルンの理論家ブハーリンが起草した「日本共産党綱領草案」(22年テーゼ)が示されたが、その内容(①君主制の廃止、②軍隊の廃止、③労働者の武装権、④朝鮮・中国からの撤退、⑤土地公有化など)のうち、①君主制の廃止、は日本では弾圧を招くとの反対があり、同テーゼは採択されるに至らなかった。翌23年6月には早くも多数の幹部が検挙され、24年山川均の提議により解散し地下活動に入った。 (3) 日本共産党第二次結党(1926)と コミンテルン27年テーゼ (1927) 地下活動中の日本共産党の方針を巡って 山川均 (山川イズム:大衆運動を重視)と 福本和夫 (福本イズム:党の建設(再建)を重視)が対立し、福本が一時主導権を握って26年に共産党再建大会を開いたが、コミンテルン日本問題特別委員会が翌年に27年テーゼを発して福本・山川両氏を批判し渡辺政之輔の下で新体制を作らせた。同テーゼは、アジアにおける労働者・農民の階級闘争を呼びかけるとともに、日本の来るべき革命は「ブルジョワ民主主義革命」であるとした。 (4) 労農党浸透工作と 3.15事件 (1928)、 4.16事件 (1929) 議会政治を通じて農村改良を目指す合法政党として労農党が結成(1926年)されると共産党員は各地の労農党地方支部に浸透し、昭和3(1928)年2月の第16回衆議院議員選挙に徳田球一・山本懸蔵など何人かの党員を労農党候補として立候補させることに成功。選挙戦の中で公然と「日本共産党」を名乗る印刷物を発行したため、田中義一内閣は選挙直後の3月に治安維持法に基づき共産党員および労農党員の一斉検挙に踏み切り(3.15事件)、労農党は一時結社禁止となった(その後再建し全国労農大衆党に改名後、社会大衆党に合同)。なお、3.15事件の検挙者に東大・京大以下32校148名もの学生が含まれた事実は政府当局を震撼させ、①治安維持法強化と共に、②学生の思想を調査する機関として文部省内に「学生課」設置を招いた。(のち「思想局」に昇格)翌29年4月には更に大規模な共産党員の検挙が行われた(4.16事件)。 4. コミンテルン32年テーゼと日本資本主義論争 (1) コミンテルン32年テーゼ (1932)~絶対主義天皇制論・二段階革命論の提示 昭和7(1932)年5月コミンテルン執行委員会西ヨーロッパビューローにより『日本における情勢と日本共産党の任務に関するテーゼ(方針書)』が決定され、河上肇の翻訳で同年7月に『赤旗』に掲載され、戦前の日本共産党の綱領的文書となった。同テーゼは日本の支配体制を、①絶対主義的天皇制、②地主的土地所有、③独占資本主義の3ブロックの結合と規定し、地主階級と独占資本の代弁者かつ絶対主義的性格をもつ政体として 天皇制 をみた。(ソ連の「ツァーリズム」に擬して「天皇制」という言葉を造語)そこから、当面する革命は絶対主義的天皇制を打倒するための「ブルジョア民主主義革命」(反ファシズム解放闘争)であり、「プロレタリア革命」はその次の段階であると位置づけた(いわゆる二段階革命論)。この32年テーゼは、講座派の指針となり、また徳田球一(戦後に共産党を再建した)や 羽仁五郎 (マルクス主義歴史学者。戦後に参議院議員となり国会図書館法前文を起草・GHQ焚書実行。元日教組代表)の指針となって戦後日本にまで大きな影響を及ぼした。一例を挙げれば、羽仁五郎が委員長を勤めた 歴史学研究会 (歴研、歴史研究の学術団体)は戦後ずっと32年テーゼに示された絶対主義天皇制論を金科玉条とする戦後歴史学を展開し続け、それが否認されたのは漸く平成15(2003)年になってからである。⇒ 高森アイズ また戦後に政治学者としてマスコミに持て囃され、現在も信奉者の多い 丸山眞男 の根本的主張は「国民主権とは天皇制を打倒すること」であり、最近もそれに影響を受けた異様なNHKの世論誘導番組が放送されている。 (2) 講座派 (日本共産党の思想基盤)~岩波書店『日本資本主義発達史講座』発刊(1932) 講座派とは、日本資本主義の性格規定と来るべき日本の革命形態を巡ってマルクス主義思想家を二分した論争(日本資本主義論争)において、日本資本主義の本質は軍事的半封建的段階にあるとして、来るべき革命は「ブルジョワ民主主義革命」(第一革命)であると主張した論者達であり、戦前~戦後を通じて日本共産党の思想的基盤を為した。主な論者として山田盛太郎、平野義太郎、羽仁五郎、服部之総、山田勝次郎、大塚金之助らがいる。 (3) 労農派 (社会主義協会(のちの日本社会党左派)の思想基盤)~雑誌『労農』発刊(1927) 労農派とは、日本資本主義論争において、明治維新は不完全ながらブルジョワ革命であり、日本における封建制は消滅しており、現下で国家権力を握っているのはブルジョワジーであるとして、来るべき革命を「社会主義革命」(第二革命)であると主張した論者達であり、のちの社会主義協会(日本社会党の最左派にして主流勢力)の思想的基盤を為した。主な論者として山川均、猪俣津南男、荒畑寒村、櫛田民蔵、土屋喬雄、大内兵衛、向坂逸郎(マルクス主義経済学者。戦後に向坂派社会主義協会を擁して日本社会党の最大のイデオローグとなる)、宇野弘蔵らがいる。 5. 左翼思想の弾圧~国家社会主義への転向 (1) 赤松克麿 と日本国家社会党(1932) 赤松は山口県の浄土真宗大谷派の住職の子でロシア革命の影響を受け日本共産党第一次結党に参加し中央委員に就任するが検挙され獄中で転向。労農党・社会民衆党(書記長)を経て、1931年に日本国家社会党を結成。天皇を中心とした一君万民の平等社会建設を唱えた。 (2) 佐野学 ・鍋山貞親の転向声明(1933)と大量転向 佐野は大分の西欧医学者の子で、赤松と同じく日本共産党第一次結党に参加し中央委員に就任。第二次結党にも参加し1927年に委員長に就任し党を指導。翌28年にはソ連に渡航してコミンテルン常任執行委員に選ばれたが、29年に上海で逮捕された。1933年に鍋山貞親と共に「ソ連の指導を受けて共産主義運動を行うのは誤りであり、今後は天皇を尊重した社会主義運動(一国社会主義運動)を行う」とする転向声明を出し、これを受けて獄中の多くの共産党員が転向した。 (3) 講座派の一斉検挙(1936) 政府当局は3.15事件以来、共産党検挙者に多数の学生が含まれ、学生・知識人層にマルクス主義が蔓延している事実を憂慮していたが、思想汚染の根源として、1936年7月遂に講座派の理論的指導者であった東京大学助教授山田盛太郎・平野義太郎、明治大学助教授小林良正ら32名を治安維持法違反で一斉検挙に踏み切った(コム・アカデミー事件)。 (4) 労農派の一斉検挙(1937-8) 1936年にフランス・スペインで成立した 人民戦線(共産党を含む左翼勢力の連合政権) に衝撃を受けて、翌37年から38年にかけて、日本共産党以外のマルクス主義者(主に労農派)の一斉検挙が行われ、日本の言論界からマルクス主義は消滅した( 人民戦線事件 )。これらの事件は戦後、左派により「軍国主義者の思想弾圧」として糾弾され続けているが、当時は経済不況下でフランス・スペインのように現実に左派勢力によって国家が乗っ取られ、その背後にコミンテルンが暗躍している切迫した状況があった。言い換えれば、ソ連の思想侵略を防止するために日本は自ら思想統制を行わざるを得ない状況にあったのであり、それを戦前も戦後も思想侵略の手先であった日本の左派に糾弾される謂れはない。 6. 敗戦と左翼運動の隆盛~現在まで (1) GHQによる左翼活動家の一斉釈放・左翼運動の支援(1945) 昭和20(1945)年8月末に進駐した連合国軍総司令部(GHQ)は、10月以降、治安維持法や特別高等警察を撤廃し、共産党員その他の思想犯を釈放。更に新聞・ラジオ・出版物等に強力な検閲を行って占領軍に不都合な事実や戦前/戦中の日本を擁護する言論を封じると同時に、皇室否定/廃止論を含む左翼的・反国家的な言論を奨励した。 (2) 日本共産党の再建(1945) 終戦後、まず昭和20(1945)年10月に機関紙「赤旗」を復刊。占領軍により釈放された徳田球一、袴田里見、志賀義雄、宮本顕治らによって12月1日に再建大会を開催。「32年テーゼ」を再び党綱領として採択。翌46年1月には支那より野坂参三が帰国。4月の衆議院選挙で日本共産党は初の5議席を獲得した。これにより日本共産党は占領軍を「解放軍」と規定した。 (3) 日本社会党の結成(1945) 戦前の無産政党のうち、労働農民党(左派・マルクス主義労農派)・日本労農党(中間派)・社会大衆党(右派・社会民主主義)など非共産党系の3派が合同して昭和20(1945)年11月に発足。右派の 片山哲 が初代書記長(のち委員長)に就任。翌年4月の衆議院選挙で93議席を得て、日本自由党(鳩山一郎総裁)・日本進歩党(町田忠治総裁)に次ぐ第三党となり、更に新憲法下での初の衆議院選挙(1947年4月)で第一党を占めて、民主党(芦田均総裁)・国民共同党(三木武夫委員長)と共に片山連立内閣を組織した。しかし党内左派が公然と内閣の施政方針を批判するなど内紛が絶えず片山内閣は10ヶ月弱で瓦解した。日本社会党は、このあと民主党の芦田均を担いで芦田連立内閣に参画したが昭電疑獄が発覚し7ヶ月で内閣総辞職、第二次吉田茂内閣(民主自由党)が発足して、以降1993年に至るまで社会党が政権に参画することはなかった。 (4) 2.1スト中止(1947) 再建された共産党では革命実行(天皇制打倒)が公然と語られ、意に従わない学者や出版社に対して革命後にはギロチンに処する等と脅迫する党員も現れた。当時GHQは意図的に日本の左翼運動・労働運動の拡大を望んでおり、戦後の経済的困窮の中で、日本共産党は新設された労組に絶大な影響力を及ぼし始めた。日本共産党は、1947年に入ると官公庁労組を中心とするゼネ・ストにより吉田茂首相(日本自由党)を打倒・日本を共産化する方針を公言するに至り、2月1日を期して無期限ゼネ・ストに入ることを宣言したが、限度を超えた共産党・労組の暴発を恐れたGHQは方針転換して1月31日になってマッカーサーの名で中止命令を出したため、ストは中止された。 (5) GHQの方針転換(レッドパージ)(1950)と日本共産党 所感派 の武力闘争路線 1949年10月に中華人民共和国が成立すると米国の対日方針が大転換し、日本の保守勢力を再建し共産主義勢力を弱体化させる動きが出てきた。1950年に朝鮮戦争が勃発すると徳田球一など共産党幹部や言論界/官公庁/一般企業の共産主義者が一斉に公職追放され、徳田・野坂参三らは中国へ亡命した。徳田らはスターリン・毛沢東の指示を受けて米軍を解放軍とする規定を廃止し、武装闘争路線を取って各地で巡査襲撃事件を起こし、日本が主権回復(GHQの占領統治終了)した3日後の1952年5月1日には 血のメーデー事件 を起こしたので、国民の共産党への支持は地に落ちて、衆参両院で議席ゼロでとなる時期がしばらく続いた。徳田球一ら武装闘争路線をとった日本共産党の主流派を「所感派」といい、宮本顕治ら反対派を「 国際派 」という。なお1952年7月には武装闘争を取り締まるために 破壊活動防止法(破防法) が制定され日本共産党は同法の「調査対象団体」に指定された。1953年に徳田が北京で客死すると所感派は指導力を失い、1955年3月に 宮本顕治 が実権を握って日本共産党は合法活動路線に戻った。 (6) 安保闘争 と 新左翼 自社55年体制がスタートした昭和30(1955)年頃から、武力闘争を否定した社会党・共産党に代わって「暴力革命」を闘争方針に掲げる新左翼運動が起こり、1960年や70年の反安保闘争を主導した。新左翼活動家のマスコミ・政党・官公庁・学界への浸透は非常に深いとされ、また日本赤軍その他の多くの分派が発生、各派の活動は現在も続いている。
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皆さんこんにちわ!私の名前は平沢憂。中学2年生です! 今日は女子バスケ県大会の準決勝の応援に来ています 注目の選手はもちろん…… 監督「おい!平沢は何処行った!?」 三浦茜「じ、自販機のアイスを買いに……」 監督「またか!!まったくアイツは……」 部員A「あ、帰ってきました!」 純「あ、憂!ほら唯先輩!」 憂「え?あ、ホントだ。おねーちゃーん!!」 会場の入り口からアイスの棒をくわえて、ポニーテールに結った髪を揺らしながらベンチに向かって走っているのは 私の姉で、女子バスケ部のエース、平沢唯。自慢のお姉ちゃんです!! 憂「おねぇーちゃーん!!頑張ってー!!」 唯「あ、憂!ピーース!!」 そう言ってお姉ちゃんは私にピースサインを送ってくれました。 えへへ、学内でも結構ファンが多いお姉ちゃんだけど、独り占めしてるみたいでなんだか嬉しいです。 実は私も髪をポニーテールにしていますが、これはお姉ちゃんに憧れて……本人には恥ずかしいから言えませんけど……/// 純「い~な~憂は、あんなカッコイイお姉ちゃんがいて……」 憂「そ、そうかなぁ?///家ではゴロゴロしてるんだけどね……」 純「でもそのギャップがカッコイイの!!」 そう、お姉ちゃんは普段はのんびりしてて、寝坊はするし、忘れ物多いし、勉強はしないし……ちょっと困ったお姉ちゃんです。 中学に入ってそんな自分を変えたくて、バスケ部に入ったらしいです。 (まぁバスケットボールを運動会の玉入れみたいなものだと思ってたみたいですけど……) お姉ちゃん、好きになったコトに対する集中力は凄かったみたいで、どんどん上達していって今や県内ではちょっとした有名な選手になってしまいました。 この前、試合後に県外の女子バスケ名門校の人にスカウトされてました。お姉ちゃん、高校生になったら県外に行くのかな……そうなったら凄く寂しいです 監督「よし、いいか!この第3Qでとにかく点差を縮める。どんどん平沢にボールを集めていけ!」 部員達「ハイ!」 唯「茜ちゃん」 茜「ん?なぁに唯?」 唯「どんどん打ってくから、ゴール下ヨロシク!!」フンス! 茜「……誰に言ってんのよ、まかせなさい!」 唯「えへへ~。リバウンドを制するものはゲームを制す!だね!!」 茜「ぷっ、何それ?」クスクス 唯「なっ!バスケ部のくせに桜木様のありがたいお言葉を知らないとは~!!」ブーブー ~~~~~~~~~~ 律「おーい澪~こっちこっち~」 澪「ちょっと待ってよ律~」 律「ほら、ここからだとよく見えるだろ」 澪「あ、ホントだ……おお~」 律「まったく、私はバスケとかあんま興味ないのに、澪が行きたがるから仕方なく来てやったんだぞぉ」 澪「う……だってこんな人多いの怖いんだもん……」シュン 律「で、いい歌詞が出来そうか?」 澪「お、おう、今度のは青春をテーマにだな……」 ~~~~~~~~~~ 純「ひゃ~、やっぱ唯先輩凄いや、あんなにキツくディフェンスに当たられてるのにどんどんシュート決めちゃってるよ……」 憂「うん!……あ、でもこの前お姉ちゃんが言ってたけど、ゴール下に茜先輩が居るから安心してシュートが打てるんだって!」 純「へ~、いいなぁ……熱い友情って感じだね!」 憂「うん!あの二人、すっごく仲良しなんだよ!!」 紬「いいわぁ」ハァハァ 純「(う、なんか後ろからとても嫌なオーラが……)」 ~~~~~~~~~~ ブー!! -「タイムアウト!○○中学!」 唯「ゼェ、ゼェ」 茜「ハァ……ハァ」 監督「最終Q、残り5秒で1点差……」 監督「スクリーンプレイで平沢にシュートを打たせる。いつも練習でやってきたプレイだが、もう一度確認するぞ。まず平沢がスローインを~……」 ~~~~~~~~~~ 監督「よし、残り5秒、集中していくぞ!」 唯「ゼェ、ゼェ……オスっ!!」 茜「皆!絶対勝って決勝行くよ!!」 部員達「ハイ!!」 -1・2・3・集中!! ダンッ! 純「う~…緊張する~」 憂「……う、うん」ギュッ ブー!! -「タイムアウト終了です!」 キュッ キュ 唯「ハァ……ハァ……」 唯「(集中っ)」フスー キュ キュキュッ 茜「ッ!(唯!)」ダッ! ヒュッ パシッ 唯「茜ちゃん!」ダッ 茜「唯!」シュッ がしッ! 唯「ナイパーース!」 -ザワッ!! 純「あ!」 憂「お姉ちゃん!!」 唯「ふっ!」シュッ! 律「おおっ」 澪「……!」ドキドキ 紬「……いった」ボソ ~~~~~~~~~~ 憂「おめでとう!お姉ちゃん!!」 唯「憂~!!」だきっ! 茜「おいおい、そんな汗まみれで抱きついてやるなよ」 純「(茜先輩……近くで見るとやっぱデカっ!)」ドキドキ 憂「えへへ、お姉ちゃんは頑張ったんだから良いんです!」 茜「はは、相変わらずだな憂ちゃんは……」 唯「憂~!さすが我が妹よ~」チュッチュ 茜「ごめんね憂ちゃん、これからミーティングあるからちょっと待っててね。行くよ唯」 唯「あ~い、それじゃね憂」 憂「うん!」 ~~~~~~~~~~ 駅前 茜「それじゃ、しっかり身体のケアをするんだぞ」 唯「え~帰ったらさっさと寝たいよぉ~」 茜「駄~目~だっ!まったくもう……憂ちゃん頼んだよ」 憂「は~い」ニコニコ 純「憂は唯先輩の専属マネージャーみたいだね」 唯「そ~そ~、私がここまで上手くなれたのも憂のおかげでございますよ~」 憂「そ、そんなことないよ!お姉ちゃんスッゴイ努力してたの知ってるもん!!私なんか何もしてない……」 茜「いやいや、唯ってば憂ちゃんが応援に来てくれた時、いつもの何倍もはりきってるんだよ?」 憂「えっ?///」 唯「も、もう!茜ちゃん言わないでよぉぉ」プンプン 茜「何照れてんのよwあ、もう電車来るわね。それじゃね、バイバ~イ」 純「あ、私も一緒に帰りま~すっ♪(これはお近づきになるチャンス!)」 憂「あ、お疲れ様でーす。純ちゃんもまたね~」 唯「ばいば~い」 ~~~~~~~~~~ 帰り道 憂「お姉ちゃん……高校はやっぱり県外に行っちゃうの?」 唯「う~ん……まだ分かんないや」 唯「あ!そんなことより家に帰ってアイスが食べたいなぁ~」 憂「う、うん。………あ、お姉ちゃんゴメン!アイス切らしてたんだった……」 唯「え~!しょんなぁ~~!!」 憂「ご、ゴメン……」 唯「うぅ……は!そういえばさっきの道にコンビニがあったハズ!!」 唯「ちょっと買ってくるね!」ダッ! 憂「あ!お姉ちゃん!?」 憂「もう、疲れてるハズなのに……」クスクス ~~~~~~~~~~ 憂「…………」 憂「お姉ちゃん……遅いなぁ」 憂「あ、どれにするか迷ってるのかも!」 憂「帰るの遅くなっても駄目だし、私も行ってみようっと」タッタッタッ ザワザワ 憂「あれ?何だろうあの人だかり……」 -ヒソヒソ……女の子が…… -ヒソヒソ……信号無視の車が…… ~~~~~~~~~~ 病院 監督「もうバスケが出来ないってどういうことですか!?」 医者「ハイ、普段通りの生活が出来るまでには回復するでしょう……しかし、バスケ等の激しい運動をすることはもう……」 監督「そんな……」 茜「憂ちゃん!!」 憂「あ、茜先輩!!……ウッ…うっ!」 茜「ゆ、唯は……」 憂「お姉ちゃん……もうっ!………バスケ……出来ないってぇっ……うぇっ…」 茜「………嘘」ドサッ 茜「一緒に……全国行こうって…ふっ…うっ!……約束したじゃない!」ドン! 憂「(私のせいだ……アイス……私が………お姉ちゃんアイス好きなの……知ってたのに……!!)」 憂「ゔぅっ!……ゔゔううゔぅ゙ぅぅ~~っ!!……」ボロボロ ~~~~~~~~~~ 皆さんこんにちわ~!私の名前は平沢唯。桜が丘高校のぴっちぴちの1年生です! 和「それを言うならピカピカのでしょ。いやそれもおかしいけど」 唯「和ちゃん!勝手に人のモノローグにつっこまないでよー!!」 和「はいはい……で、もうどの部活に入るのか決めたの?」 唯「え?えへへ~まだ決めてないや……」 和「もう!そんなじゃニートになっちゃうわよ!!」 唯「ガーン!」 和「…………ま、無理して入らなくてもいいわよ……」 唯「うん……ありがと和ちゃん」 唯「でも憂に頑張ってる所見せないと!憂、あの日から元気ないからさ……」 和「唯……アンタ大人になったわね」クス 唯「の、和ちゃん酷い!大人になったら大人になるんだよ!!」ふんす! 和「何言ってんのまだ子供でしょうが……あ、この部とかは?」 唯「どれどれ~?」 唯「えーと、よゐこ部?う~ん、なんか万歩計を背負って歩きそうでヤダ」 和「なんか具体的ね。それじゃこれとか、あ、こんなのもあるわよ-………」 ~~~~~~~~~~ 軽音楽部 唯「えと、1年3組の平沢唯です……よ、よろしくお願いしまふ!!」 律「よろしく~私、ドラムの田井中律。んでこっちが」 澪「ベースの秋山澪です。よろしく平沢さん(どっかで見たことあるような……)」 紬「キーボードの琴吹紬です、よろしくね」ニコニコ 唯「(あ、皆いい人そうで良かった~)」ホッ 律「それで、平沢さんは何が演奏できるの?」 唯「えっ?カスタネットとか……」 澪「…………」 紬「あ!それじゃあ好きなバンドとかミュージシャンとかは?」 唯「え~と……(や、やばい何か答えないとぉぉぉ)」 唯「こ、こーびーぶらいあんと?」 律「え?そんな奴いたっけか?」 唯「しゅ、しゅいません、いません……うう……やっぱり入部はやm」グスッ 澪「ま、まぁこれから練習してけば大丈夫だよ!!(や、やばい!)」 紬「うん、私もそう思うわ~。あ、そうだ!私たちの演奏を聴いて貰うのはどうかしら??」 律「お、いいねぇ~」 唯「演奏聞かせてくれるの!!」ワクワク! ~~~~~~~~~~ 澪「……それじゃぁ始めるぞ」 律「へへ、なんか緊張するなw」 澪「えと、この曲、作曲はムギがやってくれたんだ」 唯「わっスゴ~イ!」 紬「うふふ、なんだか恥ずかしいわ~」ニコニコ 澪「それで作詞は私が作りました」 律「平沢さん、背中痒くなったらごめんな~」ニヤニヤ 澪「なんだとー!!」ゴチン! 律「いってー!!」 澪「おほんっ!……えっと、これは少女達の青春をテーマにした曲なんだ」 唯「お~!」 澪「それじゃ聞いてくれ、『青春ストロベリー』!」 律「1・2・3・4!!」 ダンッ! ジャジャジャーン! 澪「~///♪」 唯「(うわ、秋山さんの声綺麗!あ、でもちょっと照れ臭そう……それに田井中さんのドラムかっこいいし琴吹さんのキーボードは心地良い……)」 ジャカジャカダラララ~ン♪ 唯「(でも………でも……これ……)」 ボロロ~ン♪ 紬「……あら?」 紬「……ちょ!ちょっと律ちゃん澪ちゃん演奏ストーーっプ!!」 澪「ど、どうしたんだよムギ!?」 律「今からが良いところだったのにー!」 紬「ゆ、唯ちゃんが……」 唯「ひぐっ……うっ!うぅぅぅ……ぐすっ……ぐすっ…」 律「うわわわわわ!ど、どうしたの平沢さん!?」アセアセ 澪「ご、ごめん!そんなに酷い演奏だった!?」アワアワ 唯「ち……ちがうよぉぉ………だってぇ……ぇううっ……ゔわあああああああん!」ボロボロ 紬「あらあらあらあら落ち着いてぇ~」オロオロ 2
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初音ミク -Project DIVA- 追加楽曲集デラックスパック1 ミクうた、おかわり ゲーム内ゲーム「*ハロー、プラネット。」のストーリー:当サイト連絡用掲示板内「差し替え・追加スレッド」-344~347 344 :*ハロー、プラネット。:2011/09/30(金) 01 20 47 ID ??? 未解決一覧に PSP、初音ミク -Project DIVA- 追加楽曲集デラックスパック1 ミクうた、おかわり(「*ハロー、プラネット。」のストーリーを) とあったので書ける範囲で書いてみます。 いまさらリクエストした方が本スレにいるかもわからないので こちらに書かせて頂きます。 ストーリーと呼べる物はゲーム内に出てくる『メール』と『ED』しか無いような物なので (台詞はエンディング以外一切なし) 確認がとれるのでその内容も書くことにします。 もし要らない内容ならWikiに移動する際消去してください。 文章力は自信0です、 おかしな文になっている所も沢山あると思います… 345 :*ハロー、プラネット。:2011/09/30(金) 01 21 03 ID ??? まずは世界観と登場人物、あと用語 【世界観】 戦争の影響で荒廃し、生物やモノに有害な『ガレキのアメダマ』が降るようになってしまった世界。 【登場人物】 ・初音ミク 今作の主人公、おそらくロボット シェルター2で目を覚ますが、マスターの姿が無く マスターを探しに外の世界へ。 マスターに教えてもらった植木鉢を大切に持っている。 ・マスター ミクと一緒にシェルター2の中にいた男の子。ミクのマスター。 ミクが目を覚ました時に、シェルター2に彼の姿はなかった。 ・巡音ルカ シェルター1にあのコと一緒にいた、おそらくロボット OPムービーと、メールの内容のみに登場 ・あのコ ルカと一緒にシェルター1にいた、おそらく男の子 OPムービーと、メールの内容のみに登場 【用語説明】 ・音符 ステージのどこかに隠れている音符。 アイテム『植木鉢』を使うといままで集めた個数が分かる エンディング分岐に関わる重要アイテム 計50個 ・シェルター ミクが最初にいる場所、家のようなもの。 ・メール ステージからシェルターに帰った時に郵便受けにきていることがある。 どうやらマスターがミクへあてたものらしい。 計23通 346 :*ハロー、プラネット。:2011/09/30(金) 01 21 39 ID ??? 【大体の流れ】 シェルターのすぐ前『シャボン玉』を使って敵たちをかいくぐりミクは進んでいく。 敵というのは暴走したロボットたち。電撃や超音波を出して攻撃してくるやつもいる 壊れた機械が散乱している、ガレキのアメダマが降る場所へ 雨がふっているところで、『カサ』を装備しないとダメージをうけてしまう。 余談だが、この場所の背景に、鏡音リンの顔をした自由の女神らしき像がある。 火山の直ぐちかくまでやってきたミク こここは地面が一部マグマで溢れていて、進むには『気球』を使わなければならない。 また上から時々隕石のようなものが降ってきて、当たるとダメージをうけてしまう。 最後についたのは謎の遺跡風の場所、針など人工物らしきトラップもある。 敵たちをかいくぐり最深部へつくとスフィンクスがおり、我が問に答えよと言われるので そのなぞなぞをといて先に進むミク (スフィンクスがだす質問は、シェルターに届くメールを確認すれば答えが分かるものと、 スフィンクスが出したという質問のみ) そしてその最後、一番奥でまっていたのは…? (ここで音符を50個集めているかいないかでエンディングが分岐) 【通常END】 *ハロー、プラネット。の静かに眠るキミをみた…からのムービーが流れて 最後にTHE ENDと出て、スタッフロールが流れる ミクは原曲通り、力尽きてしまう。 【TRUE END】 音符を50個集めて、『植木鉢』にお水をあげると 『水晶』が手に入るのでそれをもって最深部へ すると真っ白なお墓の場所に飛ばされて… 最後まで進むとエンディング マスターのお墓の前に走るミク。しかし目の前で転んでしまい 植木鉢が割れてしまう…しかし中からハートが出てきて それが変化して天使が現れる。(ルカの外見をしているが、ルカかは不明) 天使「旅の終わりに夢見た者よ…自分を愛する人も、もう居ない…」 ミク「…」 天使「でも、キミは違った。せめて、キミとキミの愛する人には。」 ミク「?」 天使は輝きだして、ミクのマスターを復活させます。 でもマスターは眠ったまま… ミク「!」 天使「“静かに眠っている”のなら。あなたが起こしてあげればいい。」 そう言い残して天使は消えてしまいます。 ミクは水晶を手に持ち歌います、マスターのために歌った歌を。その声は世界中に響き渡ります。天高く空へ、宇宙まで。 すると、マスターが目覚めました。マスターに抱きつくミク。 マスター「オハヨーハヨー…」 ミク「オハヨーハヨー…!」 マスター「一人にして、ごめんね。会いたかった。」 ミク「でも、うえきばち…。」 マスター「大丈夫。また 水をあげればいい。きみと一緒なら 何年かかるか分からないけれど…きっと…。」 そしていろんなところにある植木鉢に水をあげるミクとマスター。 そしてシェルターの中にある植木鉢に水をかけていると、一通の手紙が届いていることに マスターが気づきます。その手紙には… 『きみときみのあいするひとをたいせつにね。』 347 :*ハロー、プラネット。:2011/09/30(金) 01 23 05 ID ??? 以上で一応ゲームとしてのストーリーは終わりです。 以下ストーリー内で出てくるメールの内容になります 一部掻い摘んで書いているので、原文ママではありません。 1日目 たぶん、ボクが最後の人間だろう。 誰からも通信がない。 ボクは寿命が終わるまで記録を続けていく 2日目 世界が終わった原因は 外交問題だとも、ある国の陰謀だとも言われたが 今となっては 本当の原因を知ることはできない… 3日目 最初にあのミサイルを打ち込んだのはどの国か分からない。 ほぼ同時にあらゆる方角の空がピカっと光った。 そして空が落ちてきた。青い空がおちてきたんだ。 4日目 戦争は5年も前に始まっていた。 空が落ちたとき、ボクとミクはシェルター2にいて助かった 他のシェルターとの通信は次々途絶えていき あのコとルカがいるシェルター1との通信も途絶えた ボクは二人が心配になり、シェルター1に向かった 5日目 シェルター1は外がみんな溶けて、壊れかけていた。 そこに生きてる人はいなかった。 あのコはいなかった 6日目 シェルター1は殆どの機能を停止していた。 ルカを見つけることができたが ボクはその場で意識を失った。 7日目 目が覚めるとボクの足は動かなくなっていた ルカがボクを生かそうと介護カプセルに入れてくれていた シェルター1は完全に機能停止したわけではなく 非常電源ユニットがあるみたいだ。 8日目 どうやら、あのコは死んだらしい。 ルカはそれをボクに告げた後、長い間戻ってこなかった 耳をすますと悲しげな歌が微かに聞こえていた。 9日目 ミクの元に帰るためにネットワークにアクセスしてみた。 人工衛星はかろうじて生きていたが 灰色の雲のせいで通信がすぐに切断されてしまう… 10日目 人工衛星にアクセスして生命反応が確認できた 世界の人口は 39人 約60億の人口が39人になったんだ。 11日目 『空が落ちたあの日』から29日後 ボク以外の人間はいなくなった そして人間以外の生命反応は0。 この星の生物はボクだけになった。 12日目 絶望ってこんな感じなのかな? 人間ってなんだったのだろう? 13日目 持っていたアルバムデータを見ていると ミクがボクを元気づけるために歌っている映像があった。 知らないうちに涙が頬をつたっていた… 14日目 ミクはもしかしたら…ボクがいなくなった後 誰もいない世界で目覚めるかもしれない 15日目 これは無意味なことかもしれない でも、ボクがちゃんと生きていたことを ミクに知ってもらうため この記録を残している。 16日目 ミクは眠らせてきた… ボクはミクの中にあるボクとの大切な思い出をそのまま 保存しておきたかったのかもしれない 17日目 たくさんの思い出。思い出って大切なのか? ミクが覚えていなければなんだっていうんだ。 思い出があるから辛いのかな あの鉢植えはちゃんと芽が出るのかな。 何色の花が咲くのだろう… 18日目 寝る時間が長くなった 薬も少なくなってきた ミクと一緒ならもう少し、長く生きれたのかな 19日目 ルカをスリープモードにした… 20日目 ただ、窓から外を眺めている。いつも灰色の雲が流れているだけ 雨は少しずつ、建物を侵食しているようだ。 もう雨は人間には耐えれない有害な液体になってしまった ミクも耐えれないかもしれない。 21日目 息が苦しい…調子が悪い時、ミクは歌ってくれた。 優しい歌、元気の出る歌。 明日、起きれたら眠ってるミクに歌ってあげよう 22日目 歌ってみた… ミクがいってた。 「歌に大切なのはココロ。」 もっとココロをこめて歌ってみたい 23日目 これが最後の日記になるだろう… もう1度、青い空が見たい 鳥が飛ぶ青い空が見たいよ。 やさしい青空にもどったなら 二度と落ちることがないよう ボクは何が出来るかな芽は出たのかな? ミク、あいたいよ。 次に目が覚めたらキミが側にいたらいいのに… 以上 ミクうたおかわりより*ハロー、プラネット。でした 文章力皆無で本当にごめんなさい…
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二人の囚人が鉄格子から外を眺めた。 一人は泥を見た。一人は星を見た。 (フレデリック・ラングブリッジ『不滅の詩』) ――――――――――――――――――― 「ワシはのぉ先生、マッサージこそが最強の健康術だと思っておるのだ。 腰は軽くなるし凝りもほぐれる、いいことづくめだ!」 人を攫っては解体し、臓器を販売することで財を築いたゴルガーンは、 馴染みの顔をしたマッサージ師へ得意げに語った。 うつ伏せになってベッドへ寝っ転がっているため、正面にある鏡を通しての会話だ。 マッサージ師は真剣な表情でオイルマッサージを行いながらも、 でっぷりと太った不摂生な身体で、よくもまぁ健康術などと言える、と感心する。 「………それは光栄ですね」 マッサージは西洋医学の理学療法だ。 血液とリンパ液の循環を改善させることが目的であり、 筋肉の硬直を緩めることはその手段に過ぎない。 そんな風に、つい最近知った知識(・・・・・・・・・)を教えて差し上げようかと思ったが、 気分を害されても都合が悪い。 なに、施術で気分よくなってもらうこともまた、マッサージ師の仕事と思えばスルーもできる。 「鋼鉄で出来たワシの身体をしっかりと保ってくれよ」 「………ええ、素晴らしい肉体です。日々の積み重ねが如実に見えるようです。 最善を尽くさせていただきます」 その積み重ねとは、つまるところ暴飲暴食であり酒池肉林なのだが。 しかしゴルガーンは完全にリラックスしきっていたため ――というよりも、自慢して気持ちよくなっているため――マッサージ師の皮肉に気づかない。 マッサージ師はゴルガーンの背中にオイルをまんべんなく広げて、心臓の方向へ揉みこんでいく。 血液循環血液循環。 ……ちなみに東洋医学に寄っている按摩は心臓から遠ざかる方へ揉んだり叩いたりするらしい。 なんか『気』とかを全身に巡るようにするのが目的だからだ。 もし依頼主(・・・)が按摩師だったら勉強時間が数倍は必要だっただろう。 しかし勉強してもオイルマッサージとは、きつい仕事だ。 全身を使い、苦痛を与えないようにしつつも体重をかけて押し込まなくてはならない。 楽な仕事などありはしないという思いを新たにする。 いくら大金を積まれても、ゴルガーンの屋敷にマッサージ室があろうとも、 週一でこの重労働はうんざりするだろうに。しかも悪党で嫌な感じの壮年男性。 そんなきたねぇ犯罪者であるところのゴルガーンはさらに続ける。 「このあいだも事業を拡大したのだ! 保管庫(・・・)を大きくしてだな、従業員を増やした。 もっと多くの商品を扱える」 「………ビジネスですね」 「ぐふぐふ、先生もどうだ? 臓器に困っていたら、初回だけだが格安で売ってやるぞ」 「………いえいえ、わたくし仕事へ誇りを持っておりますので臓器はもう困らないように施術しますし 人もまた――ああ、申し訳ありません、仕上げをしますね」 マッサージ師はベッドに登り、ゴルガーンの腰あたりで膝立ちになる。 そして、ゴルガーンの上半身に手を回して、ゆっくりと優しく持ち上げた。 ゴルガーンは海老反りの態勢になる。 そこで初めて、でっぷり太った悪党は違和感を覚えた。 マッサージは整体とは違い、身体を持ち上げたり強く捻ったりはしない。 「……ん? 先生なんだこれ―――は―――ッ!?」 鏡を通して見たマッサージ師の姿は変貌していた。 人の形をした闇――ブラックスワンが、マッサージ師の制服を着て、ゴルガーンを捕縛していた。 「な―――ッ!」 「………ああ、お静かに。廊下にいる護衛様方のご迷惑になりますから」 黒い人影は、一筋の光も通さない闇を塗り込んだような手でゴルガーンの口を覆った。 「――ッ?!」 「………どうしてここに? こうしてここに」 奇妙なことに、黒いのっぺらぼうな顔から色が抜けていく。 そしてその相貌はゴルガ―ン馴染みのマッサージ師と同じになった。 「………簡単な特殊メイクですね。声も変声機で――……こんなふうに」 マッサージ師の声からブラックスワンの声に変化する(元に戻る、という表現の方が正しい)。 淡々と奏でられる皮肉さを感じさせるテノールでブラックスワンは言う。 「ご存知ですか? 変える方、変えられる方、双方の声を集積すれば、変声機は作れるんですよ。 手間はかかりますし、私の声が依頼主の声になるまで――結構な遅延(ディレイ)が発生するんですけどね」 いつバレるかドキドキしました――と顔を再び漆黒へ染めつつ淡々とブラックスワンは続ける。 抑揚も薄いのに、表情もまったく読み取れないのに、楽しくて楽しくてしようがないという、 彼の感情だけは理解できる。奇妙な語り口だった。 「――ッ!」 「ええ、そうです、裏切られたんです。貴方。しかし……不真面目だと思いませんか? 臓器売買を見て見ぬふりをして貴方に雇われていたのに ――ご自分の家族が、攫われたからといって手のひらを返すなど。 それならば依頼主は何を仕事にしていたというのでしょう? まぁ、そんな不真面目な方にお給金を貰っている私が言うのもなんなんですけどね」 「―――ッ!?」 「ええ、そうです。無節操な規模の拡大によって、一般人が……彼の娘が ――ええ、此処に来る前に保管庫を見てみましたが見事に臓器提供に相応しい形態に、 ジョブチェンジ(・・・・・・・)していました。 その場合はこのようにバックボーンを説明してから殺してくれ、と要望が」 伝えるべきことは伝えた。これで条件は達成だ。 ブラックスワンは左手でゴルガーンの口を押え、彼を海老反りにしつつ右腕を自由にする。 そして一丁の銃を取り出した。 ル・マット式リボルバー。 1855年に特許が取得された――つまりとっくのとうに特許は切れている――正真正銘の古銃である。 ただオリジナルのパーカッション方式とは違い、より使いやすいピンファイア方式。 なにせ”殺し”に使っているのだ、あまり浪漫に偏重してもいけない。 これで殺すことが、ブラックスワンの署名だ。 こういう目印をつけておかないと実績が奪われたり、 暗殺したのに事故死扱いされて法螺吹き呼ばわりされてしまうのである。 裏社会の厳しさよ。 ブラックスワンはル・マット式リボルバーの撃鉄を起こし、 背中からゴルガーンの心臓へぴたりと銃口を当てる。 「あなたの心臓の値段はいくらでしょうか? 多くの心臓を売り払い、巨万の富を築き、そしてふくよかな脂肪さえ増やした心臓の値段は――」 銃声。 「――いくらだろうと、これで無価値です。お粗末様でした」 ブラックスワンはベッドからスタッと飛び降りる。 マッサージを行い、血流をよくしたおかげか心臓からの出血が豪勢だ。勉強をした甲斐がある。 (これだけ健康になるのなら私もマッサージ、受けてみるのも悪くないですね。 できれば美人のマッサージ師さんにやってほしいところです。……別に他意はありませんが) リボルバーな上に古銃なのでサプレッサーはつけても意味がない。 銃声はしっかりとゴルガーンの屋敷に響いた。 マッサージ室の扉から、ゴルガーンの護衛たちがなだれ込んでくるのと、 ル・マット式リボルバーの弾丸が天井のライトを撃ち抜いたのは同時だった。 マッサージ室が暗闇に包まれ、ブラックスワンは自身の能力を発動する。 『黒染めの白鳥』。ブラックスワンの魔人能力。 半径五十メートル以内なら全てを自由自在に黒く染められる力。 ただそれだけの能力だが、故に夜や闇という環境では無類の便利さを誇る。 真っ暗なマッサージ室をさらに真っ黒にする。一寸先も見えないように。 例え暗闇の中だろうと、人が動けばわかるものだ。 故に、闇へ乗じて人が動く姿を、黒塗りの中に隠す。 二重の隠行。 黒く染める能力者だということも隠せて一石二鳥だ。 どうせ後でブラックスワンが下手人だとわかるが、帰るまでが暗殺なのである。 バレないに越したことはない。 ……なに? 中空には何もないのに黒く染められるのはおかしい? なにをおっしゃるうさぎさん、そこに空気は存在(ある)のだから、黒く染められて当然だ。 酸素も窒素も二酸化炭素もメタンも、浮遊する塵も全て黒く染めることができるのだ。 ただし、本当に黒く染めるしかできないゆえに、ブラックスワンもなにも見えなかったりする。 しかし今回は大丈夫だ。 マッサージ室どころか、屋敷の構造は完全に暗記したし、 飛び込んできた護衛達は足音や息遣いを隠そうとなんて、まったくしていない。 むしろ、何が起こった!! と怒号につぐ怒号を発している。 すいすいとブラックスワンは音を頼りに護衛達の間を抜けてマッサージ室の扉から廊下に出る、 ……そのちょっと前に、手持ちのリモコンのボタンを押す。 外から爆発音。送電線がぶっ飛び、屋敷が停電。 さらにそれに合わせて『黒染めの白鳥』で屋敷を、庭も含めて黒く染める。 もうここの住人は何も見えないだろう。 だが、あまり長居をしてもしようがない。 マッサージ師として屋敷を見回り、設備を確認した限り、 通常電源から非常用電源に切り替わるまで五秒程度しかないのだ。 ブラックスワンは廊下の窓から外に出て、庭を走り、塀を駆けあがって表通りへ出る。 きっかり五秒、『黒染めの白鳥』を解除する。 ゴルガーンの屋敷は非常用電源に切り替わり、光が灯る。 「命は戻りませんがね」 騒然とする屋敷を後目に、 ブラックスワンは道路に止めてあったレンタルカー(無音が特徴のエコカー)に乗って、 現場から去っていった。 「お仕事完了です」 ★・★・★ ところ変わって廃墟、現在のアジトに黒いソフト帽とスーツを着たブラックスワンが帰還する。 「ただいま戻りましたよっと、ヴィタさんいますー?」 「いるに決まっているだろう、ブラックスワン」 そこには彼のオペレーター兼マネージャー、ヴィタがいた。 効果的かつ素晴らしい仕事を行うためにブラックスワンが雇ったのだが、 今のところは実に良い仕事をしている。 今回の暗殺など、慇懃無礼なブラックスワンが依頼人と面会したのでは、 まず契約には結びつかなかっただろう。 やはり営業は必要……と裏社会の分担を思いつつ、ゆえに、と言葉を続ける。 「それで、これで足ります?」 「足りん。五百万ドルは雀の涙だ」 今頃は海外に高飛びしているだろうマッサージ師な依頼人の、渾身の報酬に酷い言い草である。 「マジですか、割と個人が一生遊んで暮らせる額だと思うのですが。 『足るを知る者は富む』ですよ?」 「老子か? 私に言われてもな、私の難病に言え」 「ですよねぇ、やっぱりもったいない……」 ブラックスワンは残念な気持ちになる。 教養があり、しかも仕事に真面目で有能。非常に得難い人材だ。 これから先の長い仕事人生、この相棒が欠けることを思うと非常にうんざりする。 「どれくらい持ちそうです?」 「そうだな……だいたい一年くらいか」 「キッツイですねぇ、流石にそんな大口の仕事がポンポンやってくるわけでもないですし……」 一番実入りが良く、そしてブラックスワンに適性があるのは暗殺である。 しかし、暗殺の仕事が一年に百個発生することはない。 それはどんな修羅の世界だ、となる。 けれど競合他社を全滅させて案件を独占すればあるいは……? と危険な考えにブラックスワンが取り憑かれかけた時、ヴィタがブラックスワンを見上げる。 「そうでもないぞ、これを見ろ」 「はて?」 ヴィタが手渡したのは一通の手紙である。 「お前が不在の時に、よくわからん奴がこれを渡しに来た」 「はぁ」 ブラックスワンはヴィタから受け取った手紙をポケットナイフで丁寧に開封する。 「主催者招集の選手(スター)と対決する『大会』、報酬は過去の改変……だそうだ。 招待状というよりかは、参加券のようなものらしい。これなら私の難病も治せるだろう」 「ふむ……五千兆円もあれば足りますか?」 「なんで日本のマイナーなネットミームを持ち出した? 足りるもクソもそんなもんが現実に現れたらハイパーインフレで日本円が紙屑になるだろ。 ジンバブエドルの再来だ」 「でももう一つの報酬にありますよ、ほら」 ブラックスワンは手紙をヴィタに見せた。 「……本当だ。MVP報酬。いや、大丈夫なのか、これ?」 「大丈夫では? ようは必要な分だけ切り崩して後は燃やせばいいんですよ」 ブラックスワンは軽く言ってから、ふと気づいたようにヴィタへ問いを投げかける。 「ところでですが、ヴィタ、好きな星はありますか?」 ブラックスワンはヴィタに視線を向けずに、地面を見ている。 廃墟の床はすっかり罅割れ、剥がれていて、泥のような地面が露出していた。 「……? そうだな……アンタレスだ。 さそり座の心臓。明るいし、色も火のように赤く、情緒がある」 ヴィタは廃墟の窓から月のない夜空を見上げて言った。 対してブラックスワンは下を見たままに応えた。 「そうですか、私は―――”地球”です。地球も星でしょう?」 「……そんなんありか?」 「 そんなんありだとわかってもらうことが(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)、ひいては勝利につながると(・・・・・・・・・・・・)、私は考えます(・・・・・・)」 ブラックスワンは顔を上げて、右手に持った手紙をひらひらと振る。 どうやら手紙の内容に” 星(MY STARS)”という表現が多々使われていたことが、 ブラックスワンの琴線に触れたらしい。 慇懃無礼に、皮肉が濃くなるほど、ブラックスワンは容赦がなくなり、悪辣になる。 比例して仕事の完成度が上昇する。 それを理解したヴィタは本当に扱い辛いと思いつつも笑みを浮かべた。 「またぞろ、ろくでもないことを考え付いたな、頼もしいよ」 ブラックスワンは黒いのっぺらぼうな相貌で、胸へ手をやって自信満々に宣言した。 「それはもう、裏とはいえ社会人でございますから――仕事には真面目に取り組みますとも」 参加者一覧に戻る
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第4章「G-Mehsys(グメーシス)」 地下3階へ向かってみる。 その言葉を最後にゲンダーとの通信は途絶えました。遠隔モニタの表示可能領域を超えたようです。 滅多なことはないはずですが、万が一という場合もあります。たとえどんなに可能性が低くても、ゼロでない限りは絶対にないとは断言できませんから。 この旅にゲンダーは必要不可欠である、と私は考えています。 仮に敵対する勢力が立ち塞がろうととも、戦力的には私の装備だけでも事足りる計算になります。 しかし、ゲンダーには私にはない『何か』がある。 データベースにはこうありました。 ◆ゲンダー[Gendar] 型式:Hv-110423 オーナーID:Heyve Prodizy 自走式サボテン型機。研究助手及び護衛を用途とする。 【搭載機能一覧】 永久波動形整流子原動機 総合処理機関 Gendar-Core 2.0GHz 64bit 拡散型波動衝撃波(通称:汁千本) 簡易波動衝撃砲 展開型電磁障壁 自己修復機能β 仮想領域及び補助記憶領域(ある程度の機能追加又は外部データ参照による一時使用が可能) 【備考】未知のバグあり。詳細不明。現時点では通常動作に影響なし ふむ。性能としてはまずまずですね。まぁ、私のほうが数倍は優れていますが。 それはさておき、この未知のバグというもの。これがその『何か』を引き起こしているのではないでしょうか。 赤と青の球体。ゲンダーの見つけた資料によるとレティスとブロウティスでしたか。それらとの戦いで、明らかに効果のない悪手であるはずの手段から、意外な突破口をゲンダーは見つけ出してしまったことに私は驚きを隠せません。 ゲンダーには性能以上の『何か』がある。機械を超越した『何か』がある。 私はその『何か』の正体が知りたい。 だからこそ、ゲンダーを失ってはいけない。そう判断しました。 可能性がゼロでないなら、私がそれを限りなくゼロに近づければいい…。 さて、何かゲンダーのためにできることはないものでしょうか。 滅多なことはないはずですが、なぜかいやな予感がするのです。データベースにある最も近い表現を借りるなら、「胸騒ぎがする」というやつでしょうか……。 連絡の途絶えたゲンダーの身をメイヴが案じていた頃、ゲンダーは自分の身を案じていた。 暗黒の地下四階の中、落としてしまったホログローブの薄明かりを目指して、ふらふらと吸い寄せられてしまった光球。それはどうやらゲンダーの目当てのものではなかった。 「グメェェェェーッ!!」 球は不気味な叫び声を上げた。 ホログローブかと思われた球はひとりでに宙に浮かび、ふよふよとその場を漂っている。 球には『罪』という文字が刻印されている。ゲンダーには意味はよくわからなかったが、何か不吉なもののように感じた。 (ば、馬鹿言え。球が宙に浮かぶなんてそんなもんあるわけ……いや、あったか。例の赤と青の球体。でも、こいつはそのどちらでもない白い球。しかも、鳴き声を発したぞ。生き物か!? しかしこんな球みたいな……しかも文字が刻印されてるような生き物なんてあるか?) 暗闇のせいで球の正体はよくわからない。 が、それでも目を凝らしてよく観察すると、球の左右に鰭のようなものが一対あるのが確認できた。 (手? 球を持っている……生き物か?) そこから視線を上に向ける。 何か理由があってのことじゃない、なんとなくだ。 いや、もしかしたら無意識のうちにその気配を感じてのことだったのかもしれない。 とにかく見上げた先には別の光がふたつあった。 ぎょろり、と。 それは瞬きもせず、じぃっとこちらを凝視していた。目玉だった。 (!!!!!) 思わず叫びたくなるのをなんとか堪えて、じりじりと後ずさった。 何かで聞いたことがある。獣というものは、相手の隙を突いて襲ってくるものだと。つまり視線を外すのはまずいってことだ。目をそらしたその瞬間、襲われる。 だから、敢えてこちらからも睨み返してやる。そしてそのまま十分に距離を取って、逆に相手が隙を見せたときに一目散に逃げる。助かる道はこれしかない。たぶん。 ゲンダーは後ずさった。そして謎の目玉が隙を見せることを祈った。 「うわっ!?」 しかし油断した。正面にばかり気を取られていたせいか、何かにつまづいた。先に隙を見せてしまった! 「や、やばい。万事休すか」 ごろり。と、そのとき足を取られたその何かが、尻餅をついたゲンダーの目の前に転がってきた。 思わず手を触れると、それは蒼くぼんやりとした光を発し始め、そこで初めてそれが失くしていたホログローブだとわかった。 「くそォ! スリープモードかよ! そんなの見つけられるわけねえダろ!!」 ホログローブには赤い点と重なるように黄色い点が映っている。疑う余地もなく目の前に居る何かだ。 自分の球の青い光が、白い球の持ち主の姿をぼんやりと闇の中に浮かび上がらせる。 その全体像は見えなかったが、球を抱えた蛇のような頭のおそらく生き物。体色は黒いような気がする。 得体の知れない存在は相変わらず不気味だったが、全くの正体不明ではなくなった。もちろん何者かはわからないままだが、それでも幽霊でないことはたしかだ。もう何も怖くない。 「く、来るなら来い! 襲ってくるなら、こっちダって汁千本で応戦してやるぜ!(でも、できれば襲ってこないでくれぇ)」 気休めに過ぎないがホログローブを盾にしながら、片腕を突き出して汁千本発射の体勢を構える。 すると黒い生き物は、 「グメぇー」 と一声鳴くと、こちらに興味を失ったのか、何事もなかったかのようにゲンダーの脇をすり抜けて去っていった。 ゲンダーはその姿を振り返ることもせず、しばらくそのまま硬直していたが、ようやく空気の抜けた風船のように萎んで力なくその場にへたりこんでしまった。 「ふへぇ……し、死んダかと思った…」 あれはなんだったのか。なぜあんなものがここにいるのか。 よくわからなかったが、ゲンダーは直感した。ここはやばい。何かある、と。 こんな気味の悪いところはさっさと脱出するに限る。そうだ、オレはここを脱出するためにこんな暗闇の中を彷徨っているのだ。と、目的をやっと思い出したところで改めて発電室の探索を再開することにした。 (それにしても、なんで急に見逃してくれたんダろう。オレも球を持ってるから仲間と判断されたのかな) たしかにあの白い球と同じぐらいの大きさではあるな、と手元のホログローブに目を落とすと、赤い点の周囲にはたくさんの黄色い点があり、四方八方から「グメぇー、グメぇー」という鳴き声が聞こえて来た。 「うわぁ……一匹じゃねえのかよ…」 ホログローブの明かりを頼りに不吉な地下四階を彷徨うこと幾時間。 ようやく階段を見つけたゲンダーは、一目散に地下五階へと駆け下りた。 ここに来るまでに何度かあの「グメぇー」と鳴く白い球の生き物が視界をよぎっていった。ホログローブには黄色い点がうじゃうじゃしていて、見ていると頭がどうにかなってしまいそうだった。 地下四階に発電室があるかを探すような余裕はまるでなかったが、早いところここを抜けてしまいたかったのだ。もちろん、あの「グメぇー」が下の階にいないという保証なんて何もないのはわかっているとしても。 『……ダー。聞こえま…か…ゲン…ー。応答してくだ…い、ゲンダー』 階段を下っていると再びメイヴの遠隔モニタが現れ、下るほどにノイズも取り除かれていった。 「メイヴ!! よかった。てっきり通信が途絶えたものかと…」 あとでからかわれそうなので口に出しては言わなかったが、メイヴの声が届いてゲンダーは内心すごくほっとしていた。それがたとえ音声のない文字列だけだったとしても、仲間の存在が身近に感じられるというだけで、こんなにも人というのは安心できるものなのだ。いや、ゲンダーは機械だったか。 『ええ、私もそう思っていました。上がってきたのですか?』 「いや、オレは下りたぞ。今は地下五階にいるはずダ」 『そうですか。通信限界かと思っていたのですが、それは間違いのようです。地下四階で何かあったのですか? 音声も届かなくなってしまって。地下四階全体に何か通信を阻害するような要素が存在している、ということでしょうか』 「それなんダが……メイヴ。おまえは幽霊っていると思うか」 ゲンダーは地下四階で見かけた白い球の生き物のことを話した。 『幽霊ですって? そんな非科学的なものが存在するわけないじゃないですか』 「やっぱり訊くんじゃなかった」 『黄色い点で表示されたんですよね。それならば、それは実体がある存在だということになります。つまり科学的に説明がつく存在ってわけですよ。少し興味深いですね。調べてみたい気もしますが、私は下に降りられないので…』 「わかってるよ。早く電気を復旧させるから」 『エレベータの前でずっと待ってるんですからね!』 「はいはい…」 これ以上地下へ続く階段はもうなかった。この地下五階がこの施設の最下層らしい。 ここまでの階はいくつかの部屋がある広いフロアだったが、地下五階は違って一本の細い通路が真っ直ぐ伸びているだけで、扉に区切られた部屋というようなものは全くなかった。 真っ暗なのは上の階と同じだが、幸いこの階には黄色い点はうろついていないようだ。 それでも恐る恐る慎重に通路の奥へと進んでいくと、突き当たりにようやく最初の扉が見えてきた。 扉を抜けるとそこには、重厚そうな黒い機械がずっしりと部屋いっぱいに広がって佇んでいる。 「ずいぶんとでかくで立派な機械ダな。もしかして、こいつが?」 『黒くてでかくてご立派ですって? ゲンダー、一体何がそそり立っているんですって♂』 「そそり…?? 何の話ダかわからんが、たしかにレバーみたいなものがあるな。どれ、ためしに引っ張ってみるか」 『アッー! っと、どうやらそれビンゴのようですよ』 レバーを引くと発電機は唸りを上げて、脈打つかのように動き出した。 ごうんごうん、と重い振動を響かせながら、それは建物全体に電気を供給し始め、さっきまでの暗闇が嘘のように明るくなった。 ようやく周囲が把握できるようになって、この発電室にはさっき入ってきた扉のほかにも二つの扉があるのが見えた。さらに、そのうちのひとつはエレベータであるとすぐにわかった。電力が復旧するや否やそこからメイヴが降りてきたからだ。 『あー、退屈で死ぬかと思いましたよ。まったく何時間待たせるつもりですか』 「ヘイヴの研究所の奥でずっと眠ってたやつが何いってんダ」 『あのときはゲンダーが扉を開けるまで電源が入ってませんでしたからね。さて、それでは上へ戻って適当な端末をハッキングしてみますか。……と、言いたいところなんですが』 「まダ何か問題が?」 『あなたの言っていた白い球の生き物、気になりますねぇ。私はあの赤い球や青い球の同類なんじゃないかと考えますが、もしそうだとしたら、次に対峙したときに備えてデータを仕入れておきたいところですね。ほら、あなたが見つけた資料にあったでしょ。三番目の兵器の情報が』 ゲンダーが地下一階の資料室でたまたま見つけた紙切れに書かれていた情報のことだ。青がG-ブロウティス、赤がG-レティス。そしてもうひとつ、黒い兵器の存在が示唆されていたはずだ。 メイヴは遠隔モニタにゲンダーが読み上げていた紙切れの内容を再現してみせた。 ◆G-メイシス 黒い外見をもつ天真爛漫な兵器 主な構成成分は現在調査中 物質世界に存在しないにも関わらずG-メイシス自体が通過した物質に影響を及ぼす効用を確認 自我が強すぎるためか指示を無視したり逃げ出そうとする傾向が見られるため要厳重管理 ※研究員が何人か犠牲になっている。管理には細心の注意を払うこと 「なるほど。そういえば、白い球を持ってた生き物の身体は黒かったような気もしたな」 『どうです。流れて消えてしまう音なんかより、こうやって文字で記録したほうがずっと便利でしょう?』 「まダ言ってんのか、それ。でもオレが見た紙切れには図も載ってたんダよなぁ。どんな姿ダったかな。持ってくればよかったな、あの紙切れ。それじゃ、地下一階に戻る?」 『いえ、地下四階へ向かいましょう。直接見たほうが早いかと』 メイヴの提案でエレベータに乗り込み、地下四階で降りた。 あれほど真っ暗で恐ろしかったのが、いざ明るくなってみると至って普通のフロアだった。 『それで、そのグメーちゃんはどこにいるんですか?』 「ちょっと待ってくれ」 ホログローブを確認すると、表示されているのは赤い点がひとつ、それから緑の点がひとつだけだった。 「いないぞ。……消えた? 明るくなったから、いなくなっちまったのか。でもどこに?」 『ゲンダー。こんなことは言いたくないんですが、本当に見たのですか。暗闇が怖くて幻を見たってことは…』 「そんなわけあるもんか! あんなハッキリした幻なんて聞いたことないぞ」 暗闇の中で存在しないはずの光球を錯覚するとは考えにくい。もちろん目の錯覚という可能性も否定できないことはないが、事ゲンダーに至っては機械であるのだから、目の錯覚などというものが起こるはずもないのだ。 それに球の上に浮かんでいたふたつの目玉。その目に見つめられたときの背筋が凍るような感覚。忘れたくても忘れられない。 それから球には『罪』という文字が刻印されていた。その文字の意味するところはわからなかったが、すごく不吉な感じがしたこともよく覚えている。 こんな細部まではっきりした幻なんてあるものか。 あまりにもゲンダーが必死に訴えるので、それならばとメイヴはホログローブの精度を強化してみることにした。 『動体センサーをより正確にしてみましょう。インストールに少々時間がかかりますが』 「かまわない。オレもグメーの正体がはっきりしないと、どうにも落ち着かないからな」 メイヴがホログローブの機能の更新に集中しているため、ここで一度会話が途切れた。 数分で終わるものかと思っていたが、意外と時間がかかるものらしく、痺れを切らしたゲンダーは明るくなった地下四階を歩き回ってみることにした。 あのグメーに遭遇したのはどのあたりだったろうか。暗かった上に滅茶苦茶に走り回ってしまったせいで具体的な位置はわからないが、とりあえず探せるだけ探してみよう。そう考えて、エレベータを降りた先の通路を曲がったところですぐにゲンダーは目を疑った。 「げッ!! なんなんダ、こりゃあ…」 一見するとここはごく普通のフロアだ。まっすぐ通路が延びていて、それぞれ左右の扉から部屋に分かれる構造になっている。 しかし、明るくなってみて初めて気がついたが、このフロアの壁には円形の穴が空いていた。それも無数に。 壁がまるで虫に食われた葉っぱのようになっている。 穴の断面は滑らかで、何かで切断したり穿孔したような形跡はない。突然、壁のその部分だけが消滅してしまったかのように、奇怪な円形があちこちに出来上がっているのだ。 「何をどうすればこんなことになるんダ……!? おい、メイヴ。これを見てくれ」 『こちらも見てほしいものがあります。ホログローブの更新が完了したのですが…』 ホログローブには、更新の合間に新たにスキャンしたのだろう、地下四階を中心とした周囲の立体地図が表示されており、二人の位置を表す点のほかに白い点がいくつも地図上を動き回っている。 「これは…?」 『この白い点は過去にここであった動きを表示しています』 「なんダって! そんなことができるのか」 『ものが動くということは、必ずその現象が周囲に何らかの影響を及ぼしているということです。つまり、何かが動けば必ずそこには痕跡が残るんですよ。たとえそれが機械だろうが幽霊だろうが、ね。そこで試しに、その痕跡をもとに以前そこであった動きの軌跡を描画する機能をつけてみました。まあ、30分前ぐらいまでが限度ですけどね』 「よくわからんが、すげぇ! ただセンサーを正確にしたってレベルの進歩じゃないダろ、それ」 予想の斜め上をいくメイヴの成果に驚きながらも、白い点の動きを目で追っていく。すると、それぞれの点はフロアの地形をまるで無視するかのように、壁を突き抜けて動き回っていることがわかった。 地図が間違っているのか。それともセンサーがうまく作動していないのか。いや、そうではない。 ゲンダーが見つけた壁の穴を立体地図に反映させてみると、白い点はすべてその壁の穴を通過していたのだ。 『ちなみにこの壁の穴がいつできたのかもわかりますよ。それも一種の「動き」ですからね』 痕跡によると、壁の穴は時間とともに徐々に増えていったようだ。穴の増加を地図上でシミュレートして白い点の動きと重ね合わせてみると、 「白い点が壁を通過すると同時に穴ができているぞ! どうなってるんダ」 『この軌跡をゲンダーの見たグメーの動きだと仮定するなら、どうやらグメーには何か壁に触れただけで穴を空けてしまうような能力が備わっているということになります。いや、穴の断面からすると、穴を空けるというよりは、触れたものを消滅させてしまう能力とでも言うべきでしょうか』 「まじかよ。そんなおっかないやつなのか。触れられなくてよかったぜ」 『あくまで仮定ですけどね』 しばらく白い点の軌跡を観察していると、ひとつだけ違う動きを見せる軌跡が現れた。 それは壁を通過することはなく通路に沿って、しかしかなり速いスピードで滅茶苦茶に動き回っている。 『やや、これは新手ですね。動きから別の個体であることがわかります。しかしすばしっこい…』 (あ、これ……たぶんオレ、ダよな…?) 言うまでもなく恐怖に駆られて走り回っていたときのゲンダーの軌跡だった。メイヴが言うように全ての動きに痕跡が残るというのなら、ゲンダーの動きが表示されるのもおかしなことではない。 『こいつは厄介かもしれませんね。動きにまるで法則性がありません。もしこいつに遭遇してしまったら、対処は相当難しいと思いますよ。一体何をしてくるか、わかったもんじゃない』 「お、おう。そうダな…」 しかし恥ずかしいので、ゲンダーはずっと黙っておこうと心に決めた。 『まあ、こんなところですね。グメーは触れたものを消滅させる能力を持つ可能性がある。これがわかっただけでも大きな収穫です。強いて言えば、あのすばしっこいやつの正体がつかめなかったのが気に入りませんが…』 あれからメイヴは、あれこれ手を尽くしてゲンダーの軌跡の正体を突き止めようとしていたが、残された痕跡からは幸いなことにゲンダーにまでたどり着くことはなかった。 「ま、まあ、いいじゃないか。オレたちの目的はここから脱出してマキナへ行くことなんダ。そうダろう?」 『仕方ないですね。全てが終わってから、また戻ってきて個人的に調査することにします』 「(勘弁してくれ…) それよりもほら、もっと大事な仕事があるじゃないか。このドームの正体を突き止めてくれ」 『そういえば、そうでしたね。さて、中枢は最上階か、それとも最下層か…』 どちらに向かうべきかと、ホログローブの地図に目を落とす。 軌跡のシミュレーションを終了して、現在の状況表示に戻す。と、動体センサーは新たな動きを察知したらしく、ゲンダーとメイヴを表す点のほかに、ひとつの黄色い点が動いているのが見えた。 黄色い点はこの地下四階のゲンダーたちの周囲を回るように移動している。 「こいつは! 壁をすり抜けてる。きっとグメーに違いない!」 『ふむ。どうやらあちらも私たちを観察していたみたいですね』 すると察知されたことを察知したのか、黄色い点は地下四階の床をすり抜けて地下五階へと逃げていった。床をすり抜けた地点へ急ぐと、たしかに床には今出来たばかりの穴が空いている。 「追うぞ!」 黄色い点を追って下の階へ。 どうやら相手は発電室の奥の扉を抜けていったらしい。わかりやすく、扉にもまるい穴が空いている。 「ええい、まどろっこしい!」 こちらもご丁寧に扉を開けてやる余裕はない。汁千本で扉を乱暴に吹き飛ばして、その奥へと駆ける。 電力は戻ったはずだが、通路はあえてそうしているのか薄暗かった。そして突き当たりの扉も破壊する。 たどり着いたのは狭くて小さな部屋だった。 「どこダ!?」 『見当たりません。確かにセンサーはこの部屋にいると示しているのですが…』 「そうか。……しかし、この部屋はなんダ?」 室内は円形で、中央にある円柱状の機械が部屋の大部分を占めている。 機械からは多数のパイプが伸びていて、その配線はどこへ繋がっているのかわからないが、室外へと続いていた。パイプの継ぎ目からは、ところどころ紫色の霧が漏れ出している。 「グメェェーーッッ!」 そのとき、聞き覚えのある声が響いた。 「あいつの声ダ!」 『ゲンダー、あれを』 メイヴの示す先を見ると一段と濃い霧の固まりがあった。そしてそれは、その中央からだんだんと白い霧に変わっていき、中からグメーの姿が現れる。 「グメぇ~っ」 間違いない。暗闇の中で見たあいつだ。『罪』と書かれた球もちゃんと持っている。 グメーはこちらを見て一声鳴くが、すぐに他の場所から出る霧に飛び込んでいった。 「何をやっているんダ、あいつは」 『あの霧、見覚えがあります。私たちを襲ってきた光の球、G-レティスとG-ブロウティスが発生したあの霧ですよ』 「あいつが触れると白くなって……無害化しているのか?」 白くなった霧は時間とともに霧散して消えていった。 『なるほど、霧がありませんね』 しかし、グメーが去った場所からは再び紫の霧が吹き出している。 グメーが右側の霧を浄化すると、左側に紫の霧が溜まる。左側の霧を浄化しに行くと、右側は再び霧に包まれる。こうしてグメーは何度もあちこち行ったり来たりを繰り返していた。 『キリがありませんね』 「冗談言ってる場合か。なんとかできないか?」 『中央の機械が発生源のようですね。ですが、アクセスしてみないことにはわかりません』 発生源に歩み寄ると、ゲンダーたちに反応したのか、紫の霧からは例の赤と青の光球が現れた。 「やはり出やがったな! メイヴ、武器をくれ。残らず灰にしてやる」 『中央の機械を吹き飛ばすと、爆発的に霧が発生して窮地に陥る可能性があります。それよりももっといい考えがありますよ』 そう言ってメイヴは細長い道具を取り出してゲンダーに渡した。 道具は本体のパーツから長く棒状のノズルが伸びており、先端にはラッパのように開いた筒が取り付けられている。 ゲンダーは左手に本体、右手にノズルを持ち、盾と槍を携えた中世の兵士さながらずっしりと構えて霧の前に立ちはだかる。 「よし、こいつで……っておい、メイヴ! これは掃除機じゃないか!!」 いかにも、メイヴが寄こしたのはごく平凡な掃除機だった。強いて言えば、軽くて丈夫でコードレス。持ち運びには不便しない。それでいて吸引力は変わらない、どこかで聞いたような素敵な掃除機だ。 『答えを教えてくれたのはあなたですよ、ゲンダー。霧さえなくせばいいのなら、ミサイルもレーザーも要りません。さあ、あなたが時間を稼いでくれる間に私に任せておいてください』 「で、でもよぉ。それこそこれもキリがないんじゃあ…」 グメーとゲンダーが必死になって、慌てふためきながら右へ左へ霧の対処に追われる中、メイヴは憎たらしいスマイルで涼しい顔をしながら、中央の機械に触れる。 一見して何もないただの鉄の筒のようにも見えるが、メイヴは迷うことなく側面のある部分の留め具を外す。すると、側面のカバーが外れて機械の操作版が顔を覗かせた。 『ザルですね。では失礼して…』 メイヴはアームを引っ込めると、そこから代わりに伸びてきたコードを操作盤に接続した。 『セーフティロックを解除しました。さてと、どうやら上の端末とは別ネットワークが構成されているようですね。中枢まではアクセスできませんが、この機械内の情報に限れば抜き放題ですよ』 「わかったから、早くやってくれ」 忙しなく駆け回るゲンダーが急かした。 いつものように複数の遠隔モニタを開き、データを写し取っていく。データによると、ここは紫色の霧を発生させる施設の一部で、他の研究所の地下にも同じようなものがいくつかあるらしい。他には霧の特性、精神体の特性などの情報が見て取れる。 『ほうほう、なるほど。ゲンダー、その子はG-メイシス。例の資料にあった第三の兵器です。精神体を基にして精製されるもののようで、はっきりとした自我を…』 「解説はあとでいい! 早く霧をなんとかしてくれ」 『やれやれ、落ち着きのないやつですね、まったく……おっと、見つけましたよ。ここをちょっと書き換えてやれば…』 SYSTEM CALL CALL DEVICE M4043 Control Code Key System Mindarium Supply unavailable ALERT! CRITICAL ERROR >ダミー暗号を送信 CHECK... INITIALIZATION SYSTEM #0021 #0022 #1081 FORMAT ENGAGED PROGRESS ALL GREEN Wait...78% 遠隔モニターに文字が流れていき、やがて霧の放出は止まった。 『まあ、ざっとこんなもんですよ』 「つ、疲れた…」 『さて、データによるとですね。そのG-メイシスは――』 「なあ、それ聞くのあとじゃダメかな…」 メイヴの講義をうんざりした様子で聞くゲンダー。一仕事終えて満足した様子のグメーは静かにゲンダーに寄り添って、内容は半分も理解していないだろうが、一緒になって耳を傾けていた。 そんな様子のグメーを見てメイヴは言った。 『ずいぶんと懐いてますね』 「こいつヘンな球もってるダろ。もしかしたらホログローブを持ってるオレのこと、仲間ダと思ってるのかもしれない」 『それに共に霧に立ち向かった戦友ですからね。害もないようですし、どうでしょう。一緒に連れて行っては?』 「こいつを? 危険じゃないか」 『たしかに触れられないのは厄介ですが、扱いを間違えなければ強力な武器にもなりますからね。というわけで、さっそく名前をつけましょう。参考文献:はじめてのペットの飼い方 上巻より』 「なんダそりゃ。えーと……名前か、そうダなぁ。G-メイシスっていうんダっけ? こんな型番じゃ可哀相ダし、ぐめーと鳴くからグメーシスと呼ぶことにしよう。よろしくな、グメーシス」 「グメぇ~」 G-メイシス改め、グメーシスも名前をもらって喜んでいるように見えた。 『手に入ったデータは霧と精神兵器関連だけのようです。精神体というものがあるんですね。こちらも説明しましょうか?』 「も、もういい。中枢にはアクセスできなかったんダろ? それじゃあ、やっぱり最上階のほうが正解なんダよ。上に行こうぜ」 少なくとも怪しげな霧はこれで片付けた。もう何も心配する必要はないはずだ。 グメーシスを引き連れて、霧の装置の部屋をあとにするゲンダー。しかし、しばらく歩いてからメイヴが着いて来ていないことに気がついた。 「……メイヴ?」 何事かと踵を返す。 「どうかしたのか、メイヴ」 プロコトル確立 制御デバイスに侵入 システムに異常を確認 『こ、こいつはやられました…。ま、まさか私が逆にハッキングされる、な、ど…』 遠隔モニタには膨大な量の文字が現れては流れていく。それも先程とは比べ物にならない速度でだ。 何が起こっているのかゲンダーにはわからなかったが、ただ事ではないということだけはわかった。 「メイヴ!?」 『は、速すぎx1FFる。とても00x3E487間に合DECODEわ20%な#3412い000一体1010{ex7t-0v0023}何者Enabled221…』 文字の氾濫に呑まれて次第にメイヴからの返答は埋もれてしまった。 さらに機能を停止させたはずの霧の装置が再び動き出し、前にも増して紫の霧が溢れ出す。 反応するかのようにグメーシスが飛び出していくが、いくら飛び回っても精製される霧の速度に追いつかない。 霧からはG-レティスとG-ブロウティスが次々と出現して、瞬く間にゲンダーたちを包囲してしまった。 咄嗟に振り返り、とにかくまずは退路を確保しようとするも時すでに遅し。今通ってきたこの部屋でただひとつの入口にはいつの間にか防壁が降りており、いくら汁千本を撃ち込んでもびくともしない。閉じ込められた。 「ば、万事休す……一体何がどうなってんダぁぁあああ!?」 第4章 了 ブラックボックス5
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登録タグ Flash ビックリ ムンク 危険度3 幽霊 音量注意 誰もいない部屋がずっと映されている謎のFlash…と思いきやしばらくすると怖い顔+悲鳴が出る。 画像は「ムンクの人」などの通称で親しまれているもので、ほかのビックリ系Flashでも使われている。 心臓が弱い人は見ないように...。 ヒットしない場合は「誰もいない部屋 Flash」で検索すると出てくるだろう 分類:ビックリ 危険度:3 コメント ムンクさんは『Maniacts』という映画のポスターに使われているフリー素材写真を加工したもの -- チルノ⑨2世 (2021-05-23 03 57 27) 怖い😱😱😱😱😱😱😱😱 -- (ゼウス) 2021-05-26 19 39 02 脅かすなよおっさん! -- (金獅子) 2021-07-09 13 28 06 ムンクの人は「俺がいるぞ」って事をアピールしたかったんだな -- (ナイル) 2021-08-12 22 09 31 ウォーリーを探さないでと同じくらいびびった...それぐらい怖い。 -- (ゲーム太郎) 2021-12-01 17 23 54 ムンク(あぁ悪夢だぁ😱) -- (名無しさん) 2022-02-02 19 23 07 画像の元ネタのほうが怖くてワロタw -- (名有りさん) 2022-08-01 16 48 07 寿命10000000年」ちじまったw -- (スポンジボブ) 2022-08-03 19 28 23 ウワアアアアア(^o^👊) -- (名無しのAAA) 2022-11-06 11 39 04 「Gandee Vasan Scream」と検索すると、このオチ顔の元ネタとなった画像が出てくるよ。 -- (名無しさん) 2023-10-15 18 11 34 名前 コメント すべてのコメントを見る
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570 :天使のような悪魔たち 第9話 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/06/30(火) 20 52 07 ID pQ/f0jQf ―――まだ、間に合うと思うか…? その問いかけに、俺の最愛の女性(ひと)はこう答えた。 「大丈夫だよ。歩、君は僕の…いや、僕たちの運命を変えることができた。……運命は、ひとつきりじゃないよ。さあ、行くといい。―――きっと間に合うよ、お兄ちゃん」 「光、晶…有難う。―――行ってくる」 俺は、奴の…神坂 飛鳥の自宅付近で待ち構えていた。未来が見えたときには既に奴は学校を離れていたので、下手に探すよりこうして待っていた方が確実だと踏んだんだ。 そして案の定、奴は帰ってきた。時間は19時58分。俺は神坂に声をかけ…ようとした…のだが… 571 :天使のような悪魔たち 第9話 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/06/30(火) 20 53 18 ID pQ/f0jQf ***** 「やい神坂飛鳥!今日という今日は落とし前つけてやるぜ!」 声をかけてきたのは、今時珍しく特攻服を着た、見るからにヤンキーな男だった。 よくよく考えてみれば、大して聞き慣れたわけではないな。一応、確かに聞き覚えはある声だが。しかし… 「…誰だっけ?」 そう、思い出せない。 「キィー!忘れたとは言わせねえぞ神坂飛鳥!」 「だから、なんで俺の名前知ってんだよ。つうか名乗れよ」 「キ…サ…マァァ…フン、まあいい名乗ってやる」 男は目一杯息を吸い、大きな声で言った。 「俺こそは結意ちゃんファンクラブ会長、瀬野 遥! どうだ、思い出したか!」 「いや全然」 俺はしれっと言い返した。だって…知らないものは知らないし……名前聞き覚えないし? あ…顔真っ赤にして怒ってる。ちょ、木刀なんかどっから出したんだ!? やべぇ、なんかすごい殺気――― 『―――どこ行くの? 飛鳥くん』 ―――背筋がぞくりとした。 こいつか? いや、こいつは寒気がするほどの殺気じゃない。じゃあ一体…? い、いやそれよりもこいつをどうにかしないと!? 「…わかった。頑張って思い出す思い出すから落ち着けって!」 「…チッ」 瀬野は舌打ちして、構えを解いた。ふう、助かったぜ。さすがに丸腰ではきついものがあるしな… さて…どこで会ったっけな? 声には聞き覚えがあるんだけど…まてよ? 「お前、今何のファンクラブって言った?」 よく考えたらこれは重要なヒントだ。さっきはつい聞き流してしまったが…? 「決まってんだろ!? 俺たちのエンジェル、結意ちゃんのファンクラブだよ!」 「いやだから…その結意って…まさか!?」 まさか。まさかあの結意!? あのストーカー女のことか!? ああ―――だんだん思い出してきた。 あれはそう、今から4か月くらい前のこと―――― 572 :天使のような悪魔たち 第9話 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/06/30(火) 20 54 07 ID pQ/f0jQf ***** 俺は町を買い物か何かでうろついていた。そしたら――― 『ちょっ、た、助けてよぉ!』 『―――ちっ、めんどくせえなあ』 ストーカー女と出くわしたんだ。その時は互いに面識はなかった…はずだが、大声で助けを求められては見捨てるわけにもいかない。んで俺は路地裏に自ら踏み込み。 『オイイヤガッテルダロハナシテヤレヨ(棒読み)』 『あ゛ぁ!? 誰だお前! 外野は引っ込んでろ!』 『いやー俺もそうしたいんだけど…ねぇ?』 と、ちらと結意を見やる。結意は仔犬のような目で助けを求めてる…気がする。 『くそっ、バカにしやがってぇ!』と、男の一人が殴りかかろうとして… 【ガスッ】 『!?』 ついカウンター入れちまったんだ。男はそのままダウン。残る二人も襲いかかるが、俺の敵ではなかった。結果、三人とも地面とフレンチキスすることに……… ***** 「思い出したぜ。俺とお前は確かに以前会ってる」 「…気付くのおせえよ」 瀬野は悪態を突きつつ、俺を睨む。 「…んで、今さら何の用だ?」 「ああ、俺はな…」 ん? なぜまた木刀を構える? ちょ、冗談よくない! 落ち着けって! 話せばわか――― 瀬野は大きく木刀を振りかぶった。 「結意ちゃんを泣かせたお前が許せないんだよぉぉぉ!」 と叫びながら振り下ろしてきた。やべ、止まって見える。ああ―――俺、死ぬのかな? 【ばすっ】 ………ん? 生き…てる? 「ふぅ…避けるかガードくらいしろよな? 神坂」 「お前…佐橋?」 どこからともなく現れた佐橋が、瀬野の木刀を鞄でガードしていた。 「て、てめえ誰だよ!?」と瀬野は慌てふためく。対して佐橋は、 「…北中の玄武、と言えばわかるか?」とクールに返す。それを聞いた瀬野は顔を蒼くした。 「北中の玄武…かつて北中に乱入してきた30人もの不良をたった一人で返り討ちにした、伝説の中学生。 まさかお前が、お前があの…佐橋 歩!?」 「そうだ」 からん。瀬野は手にしていた木刀を落とした。さっきまでの覇気は感じられない。どうやら佐橋を恐れているようだ。 「ちなみに神坂は中学時代、"南中の朱雀"と呼ばれていた。そうだな?」急に佐橋が俺に会話を振ってきた。 俺は「ん? ああ、確か…な」と返した。 573 :天使のような悪魔たち 第9話 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/06/30(火) 20 55 10 ID pQ/f0jQf もう随分と昔のことだ。近所をバカみたいな轟音をたてて走り回る暴走族がいた。俺は「うるさくて眠れない」といつも俺の布団に逃げてくる明日香の為に、そいつらをフルボッコにしてやったんだ。 族のヘッドの鼻と腕を折ってやり、片っ端から群れる雑魚どもを鉄パイプでいなしてやった。 連中の大半は失禁する始末で、その夜以来この街からは爆音は消えた。ったく…最近の若者は根性が足りんよ根性が。 なぜか翌日にはその一件が知れ渡り、それから変なあだ名がついたんだ。 ちなみに明日香はその晩、 『お兄ちゃん! 何であんな危ないことしたのよぉ! 馬鹿…ばかぁ…! うあぁぁぁん…』と泣きながら抱きついてきた。いやー、かわいかったなあの時の明日香。 それにしても……あん時の連中は木刀どころの騒ぎじゃなかったのに、木刀ごときでびびるなんて俺もヤキが回ったか? と、瀬野はさらにガクブルしていた。 「お前が…南中の朱雀だと…か、勝てねえ…」 「ああ、やめておいた方がいいな」と佐橋。…そんなにびびられても困るなぁ。ああ、これだから俺はいつまで経ってもDTなのか? 「ところで瀬野。」 俺は瀬野に尋ねてみた。 「さっきの、『結意を泣かせた』っての…どういう意味だ?」 すると瀬野は再び顔を赤くし、 「ふざけんな! お前のせいで…お前のせいで結意ちゃんは泣いてるんだ! どうして結意ちゃんは…お前なんかのことを…!」 「……? 俺の、せい?」 「ってめえ…!」 怒りの形相で掴みかかってきた。おい、さっきのビビり様はどこ行った? しかし俺は冷静に、瀬野の手首を掴んでくるりとキメてやった。 「落ち着けって瀬野? さっきから何の話をしてるんだ?」俺はもう一回尋ねた。 「っ痛ぇ…とぼけんなよ! てめえ、結意ちゃんのこと捨てやがっただろうが!」 「結意を…捨てた? 俺が?」 …今朝のアレのことを言ってるのか? こいつどこまで見てるんだよ? 確かにあの言い方はキツすぎたかもしれない。ムシャクシャして結意に当たる形になっちまったし、そこは反省べきだろう。 けど、捨てたわけじゃない。俺はただ、振っただけだ。俺はそう瀬野に言った。瀬野は、 「神坂ァ…ふざけんのもたいがいにしやがれ!」と、怒っている。まったく意味不明だ。 「てめえ、結意ちゃんと付き合ったろうが!」 「はぁ?」 「俺たちは、ずっと結意ちゃんのこと見守ってたんだ! とぼけたって無駄だ! てめえが結意ちゃんの家で一晩過ごしたことだって知ってる! …複雑な気持ちだったが、結意ちゃんがあまりに幸せそうだから俺たちは喜んだよ!」 574 :天使のような悪魔たち 第9話 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/06/30(火) 20 56 01 ID pQ/f0jQf それってスト…と言いかけて、やめた。瀬野の表情は真剣だ。とても嘘を言ってるようには思えない。 俺の隣では佐橋が腕を組みながら話を聞いている。会話の分析でもしてるのだろうか? 瀬野はさらにまくしたてる。 「けどてめえは結意ちゃんを傷つけた! その気にさせといて…ヤっといて捨てるなんて…あんまりじゃねえのか!?」 「ヤっ…えぇ!?」 おい待て、俺はまだ童貞だぞ!? 何だ…ますます訳がわからねえぞ。 「…だいたいの話はわかった」 ふいに、佐橋が口を開く。何がわかったんだ? 「俺の見た映像…まあ、未来のなかに不思議なものがあったんだ」 「映像? 未来? 何の話だ?」瀬野は佐橋に尋ねる。代わりに俺が答えてやった。 「佐橋は未来予知ができるらしいんだ」 「はぁ!? それなんて厨二だよ?」 「まあ、とりあえず佐橋の話を聞こうぜ瀬野。…俺だって、未だに信じらんないんだから」 ちっ、わかったよ。瀬野はそう言い、佐橋に向き直った。 「んで佐橋、不思議なものって?」と俺は尋ねる。 「俺が見たのは神坂、お前が殺される映像だが…」 「ちょっと待て。俺死ぬのかよ!?」さらっと爆弾発言しやがって!だが佐橋は、 「まあ落ち着け。それを回避するためにこうして話してるんだ。」と、あくまでCOOL。 「それで、見えた映像の中に、小学生くらいの女の子の遺体が見えた。もちろん、お前を手にかけた奴もな」 「…誰なんだ?」 「誰なのかはわからない。会ったこともない奴だからな。ただそいつは、遺体の少女と瓜二つだった。遺体の方は髪を二つ結びにして、犯人はストレートだったが」」 ―――ツインテールとストレートヘアの少女。心当たりがあった。だけどそれは一番、そうであって欲しくない二人…俺の姉妹だ。 そういえば昨日明日香は、結意の家に殴り込みに行った。そのとき姉ちゃんと再会したんだ。 姉ちゃんと二人で結意の家に駆けつけ、鍵を壊し……あれ? あの時なぜ俺は結意の家に迷わずに行けたんだ? しかも、どうやって鍵を壊した? まったく思い出せない! そういや、あのとき姉ちゃんは何か大切な話をしていたはず…それも思い出せない。 しかも瀬野はさっき、俺と結意は付き合っていたと言った。…ヤったとも。そこで俺は、ひとつの結論に達した。 575 :天使のような悪魔たち 第9話 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/06/30(火) 20 56 29 ID pQ/f0jQf ―――記憶が、抜けている? だとするならば、やっぱ…… 「…瀬野、結意は今どこに居る?」 「多分、自宅だと思うが…神坂、どうする気だ?」 「今から、結意のところに行く。お前らも、来てくれるか?」俺は二人に同意を求めた。 「構わない。お前を救うためだ」と佐橋。 「ったりめーだ! 嫌だっつってもついてくぜ!」と瀬野。 「…サンキュー。それじゃ、行くぞ!」 こうなったら結意本人に直接訊くしかあるまい。…俺一人で行く度胸はないが、幸いにも今はこいつらがいる。なんとかなるだろう。 もし結意が嘘をついたとしても、瀬野をシメあげ…もとい瀬野に確認をとればわかるはずだ。 そして俺たちは結意の家に向けて走り出した。 576 :天使のような悪魔たち 第9話 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/06/30(火) 20 57 02 ID pQ/f0jQf ***** 「―――すごいよお姉ちゃん! この力があれば、あの雌猫を殺すことだって簡単よ!…いえ、もっと惨めな目にあわせてあげることだって…くふふっ…」 明日香は、"力"に目覚めた。目の前にあった卑猥な雑誌はもう一冊残らず消されている。…やはりこの子も力を受け継いでいたのね。 「ふふっ…早くお兄ちゃん帰ってこないかなあ? そしたら頭の中きれいにお掃除して、私以外の女に目が行かないようにしてあげるのに♪」 ……明日香のとろうとしてる方法は人として間違っている。けど、それは口にはださない。時間がない。明日香の幸せのために、もはや手段なんて選んでられないの。早くしなければ明日香は……。 「…ええ、そうね。早く帰ってくるといいわね?」 「うん、すごく楽しみだよ!お兄ちゃんとあんなことやこんなこと…きゃははっ」 さて、私は夕食でも作っておこうかしら。なにしろ、腹が減っては戦はできぬと言うし。 私は飛鳥の部屋を出て、台所に向かった。時刻は20時32分。…少し、帰りが遅いわね。なにか嫌な予感がするわ… 577 :天使のような悪魔たち 第9話 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/06/30(火) 20 57 54 ID pQ/f0jQf ***** 「さて、ここが結意の家なんだが…そうだな瀬野?」 「ああ、間違いねえ」 俺達は白塗りのアパートの前に来ていた。距離にして、俺ん家からダッシュで約10分程度か。昨日もそうだが、やはり迷わず来れた。 俺は結意の部屋の呼び鈴を押した。が…返事はない。もう一度押してみる。しかし反応は同じだ。 「おかしいな…この時間は家にいるはずなのに」とつぶやく瀬野。 ―――やはり瀬野はストーカーだな。あえて口には出さないが…今度警察にチクってやろうか。それにしても…結意は今どこに? 「ちょっと待ってろ」瀬野は携帯を取りだし、どこかにかけた。 トゥルルルルル……ピッ 「もしもし…。………。…………、………そうか、わかった」ピッ 「どうしたんだ瀬野?」と聞いてみる。 「仲間に聞いてみたんだが…20時半過ぎに白曜の制服を来た男子と歩いてたらしいが、見失ったと」 白曜の制服。それは今俺が身に纏っているものと同じだ。 「…その男子の、特徴は?」 「特徴は聞かなかったが…結意ちゃんはそいつのことを"サイキ"と呼んでいたらしい」 心当たりはあった。…斎木 隼、俺の親友だ。俺達はマックで穂坂のノートを写していた。解散したのは20時半。 あのあとすぐに結意と合流した、という仮説は成り立つ。だが…どうして隼が? 一体どういうつもりなんだ? 「―――っ!」 不意に、佐橋が頭を抱えた。なにやら、苦虫を噛んだような表情だ。 「どうしたんだ佐橋?」瀬野が心配そうに声をかける。だが佐橋は 「…おい神坂、今すぐお前の家に行くぞ!」と言った。そのひとことで俺は全てを察した。 「――まさか、何か見えたのか?」 「…ああ。結意とかいう女、このままだと殺される! 急げ!」 瞬間、俺はダッシュしていた。二人も俺についてくる。走りながら俺は佐橋に尋ねた。 「殺されるって、誰にだよ!?」 「…落ち着けよ? お前を殺すであろう奴がだ」 「姉ちゃんが!? まさか、そんな!」 「とにかく、急ぐぞ神坂、瀬野!」 「ああ!」 姉ちゃんが俺を殺すってことすら信じられないのに、この上結意まで手にかけるというのか!?もう、訳が分からない。 とにかく、急ぐしかあるまい。そうすれば、すべてが明らかになる……自信はないけれどな。 俺は全力疾走しながら、ふと空を見上げてみた。そこに広がるのは、星ひとつ見えない濁った夜空と…不気味なくらい赤い月だった。 その赤い月は、これからの俺の運命を暗示しているかのようで………。 とりあえず、斎木に電話をしておこう。俺はブレザーの内ポケットを探った。だが手ごたえがない。 ……そうだった、俺の携帯今壊れて……あれ? そういや、どうして俺の携帯は壊れたんだっけ?
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初音ミク -Project DIVA- 追加楽曲集デラックスパック1 ミクうた、おかわり ゲーム内ゲーム「*ハロー、プラネット。」のストーリー:当サイト連絡用掲示板内「差し替え・追加スレッド」-344~347 344:*ハロー、プラネット。:2011/09/30(金) 01 20 47 ID ??? 未解決一覧に PSP、初音ミク -Project DIVA- 追加楽曲集デラックスパック1 ミクうた、おかわり(「*ハロー、プラネット。」のストーリーを) とあったので書ける範囲で書いてみます。 いまさらリクエストした方が本スレにいるかもわからないので こちらに書かせて頂きます。 ストーリーと呼べる物はゲーム内に出てくる『メール』と『ED』しか無いような物なので (台詞はエンディング以外一切なし) 確認がとれるのでその内容も書くことにします。 もし要らない内容ならWikiに移動する際消去してください。 文章力は自信0です、 おかしな文になっている所も沢山あると思います… 345:*ハロー、プラネット。:2011/09/30(金) 01 21 03 ID ??? まずは世界観と登場人物、あと用語 【世界観】 戦争の影響で荒廃し、生物やモノに有害な『ガレキのアメダマ』が降るようになってしまった世界。 【登場人物】 ・初音ミク 今作の主人公、おそらくロボット シェルター2で目を覚ますが、マスターの姿が無く マスターを探しに外の世界へ。 マスターに教えてもらった植木鉢を大切に持っている。 ・マスター ミクと一緒にシェルター2の中にいた男の子。ミクのマスター。 ミクが目を覚ました時に、シェルター2に彼の姿はなかった。 ・巡音ルカ シェルター1にあのコと一緒にいた、おそらくロボット OPムービーと、メールの内容のみに登場 ・あのコ ルカと一緒にシェルター1にいた、おそらく男の子 OPムービーと、メールの内容のみに登場 【用語説明】 ・音符 ステージのどこかに隠れている音符。 アイテム『植木鉢』を使うといままで集めた個数が分かる エンディング分岐に関わる重要アイテム 計50個 ・シェルター ミクが最初にいる場所、家のようなもの。 ・メール ステージからシェルターに帰った時に郵便受けにきていることがある。 どうやらマスターがミクへあてたものらしい。 計23通 346:*ハロー、プラネット。:2011/09/30(金) 01 21 39 ID ??? 【大体の流れ】 シェルターのすぐ前『シャボン玉』を使って敵たちをかいくぐりミクは進んでいく。 敵というのは暴走したロボットたち。電撃や超音波を出して攻撃してくるやつもいる 壊れた機械が散乱している、ガレキのアメダマが降る場所へ 雨がふっているところで、『カサ』を装備しないとダメージをうけてしまう。 余談だが、この場所の背景に、鏡音リンの顔をした自由の女神らしき像がある。 火山の直ぐちかくまでやってきたミク こここは地面が一部マグマで溢れていて、進むには『気球』を使わなければならない。 また上から時々隕石のようなものが降ってきて、当たるとダメージをうけてしまう。 最後についたのは謎の遺跡風の場所、針など人工物らしきトラップもある。 敵たちをかいくぐり最深部へつくとスフィンクスがおり、我が問に答えよと言われるので そのなぞなぞをといて先に進むミク (スフィンクスがだす質問は、シェルターに届くメールを確認すれば答えが分かるものと、 スフィンクスが出したという質問のみ) そしてその最後、一番奥でまっていたのは…? (ここで音符を50個集めているかいないかでエンディングが分岐) 【通常END】 *ハロー、プラネット。の静かに眠るキミをみた…からのムービーが流れて 最後にTHE ENDと出て、スタッフロールが流れる ミクは原曲通り、力尽きてしまう。 【TRUE END】 音符を50個集めて、『植木鉢』にお水をあげると 『水晶』が手に入るのでそれをもって最深部へ すると真っ白なお墓の場所に飛ばされて… 最後まで進むとエンディング マスターのお墓の前に走るミク。しかし目の前で転んでしまい 植木鉢が割れてしまう…しかし中からハートが出てきて それが変化して天使が現れる。(ルカの外見をしているが、ルカかは不明) 天使「旅の終わりに夢見た者よ…自分を愛する人も、もう居ない…」 ミク「…」 天使「でも、キミは違った。せめて、キミとキミの愛する人には。」 ミク「?」 天使は輝きだして、ミクのマスターを復活させます。 でもマスターは眠ったまま… ミク「!」 天使「“静かに眠っている”のなら。あなたが起こしてあげればいい。」 そう言い残して天使は消えてしまいます。 ミクは水晶を手に持ち歌います、マスターのために歌った歌を。その声は世界中に響き渡ります。天高く空へ、宇宙まで。 すると、マスターが目覚めました。マスターに抱きつくミク。 マスター「オハヨーハヨー…」 ミク「オハヨーハヨー…!」 マスター「一人にして、ごめんね。会いたかった。」 ミク「でも、うえきばち…。」 マスター「大丈夫。また 水をあげればいい。きみと一緒なら 何年かかるか分からないけれど…きっと…。」 そしていろんなところにある植木鉢に水をあげるミクとマスター。 そしてシェルターの中にある植木鉢に水をかけていると、一通の手紙が届いていることに マスターが気づきます。その手紙には… 『きみときみのあいするひとをたいせつにね。』 347:*ハロー、プラネット。:2011/09/30(金) 01 23 05 ID ??? 以上で一応ゲームとしてのストーリーは終わりです。 以下ストーリー内で出てくるメールの内容になります 一部掻い摘んで書いているので、原文ママではありません。 1日目 たぶん、ボクが最後の人間だろう。 誰からも通信がない。 ボクは寿命が終わるまで記録を続けていく 2日目 世界が終わった原因は 外交問題だとも、ある国の陰謀だとも言われたが 今となっては 本当の原因を知ることはできない… 3日目 最初にあのミサイルを打ち込んだのはどの国か分からない。 ほぼ同時にあらゆる方角の空がピカっと光った。 そして空が落ちてきた。青い空がおちてきたんだ。 4日目 戦争は5年も前に始まっていた。 空が落ちたとき、ボクとミクはシェルター2にいて助かった 他のシェルターとの通信は次々途絶えていき あのコとルカがいるシェルター1との通信も途絶えた ボクは二人が心配になり、シェルター1に向かった 5日目 シェルター1は外がみんな溶けて、壊れかけていた。 そこに生きてる人はいなかった。 あのコはいなかった 6日目 シェルター1は殆どの機能を停止していた。 ルカを見つけることができたが ボクはその場で意識を失った。 7日目 目が覚めるとボクの足は動かなくなっていた ルカがボクを生かそうと介護カプセルに入れてくれていた シェルター1は完全に機能停止したわけではなく 非常電源ユニットがあるみたいだ。 8日目 どうやら、あのコは死んだらしい。 ルカはそれをボクに告げた後、長い間戻ってこなかった 耳をすますと悲しげな歌が微かに聞こえていた。 9日目 ミクの元に帰るためにネットワークにアクセスしてみた。 人工衛星はかろうじて生きていたが 灰色の雲のせいで通信がすぐに切断されてしまう… 10日目 人工衛星にアクセスして生命反応が確認できた 世界の人口は 39人 約60億の人口が39人になったんだ。 11日目 『空が落ちたあの日』から29日後 ボク以外の人間はいなくなった そして人間以外の生命反応は0。 この星の生物はボクだけになった。 12日目 絶望ってこんな感じなのかな? 人間ってなんだったのだろう? 13日目 持っていたアルバムデータを見ていると ミクがボクを元気づけるために歌っている映像があった。 知らないうちに涙が頬をつたっていた… 14日目 ミクはもしかしたら…ボクがいなくなった後 誰もいない世界で目覚めるかもしれない 15日目 これは無意味なことかもしれない でも、ボクがちゃんと生きていたことを ミクに知ってもらうため この記録を残している。 16日目 ミクは眠らせてきた… ボクはミクの中にあるボクとの大切な思い出をそのまま 保存しておきたかったのかもしれない 17日目 たくさんの思い出。思い出って大切なのか? ミクが覚えていなければなんだっていうんだ。 思い出があるから辛いのかな あの鉢植えはちゃんと芽が出るのかな。 何色の花が咲くのだろう… 18日目 寝る時間が長くなった 薬も少なくなってきた ミクと一緒ならもう少し、長く生きれたのかな 19日目 ルカをスリープモードにした… 20日目 ただ、窓から外を眺めている。いつも灰色の雲が流れているだけ 雨は少しずつ、建物を侵食しているようだ。 もう雨は人間には耐えれない有害な液体になってしまった ミクも耐えれないかもしれない。 21日目 息が苦しい…調子が悪い時、ミクは歌ってくれた。 優しい歌、元気の出る歌。 明日、起きれたら眠ってるミクに歌ってあげよう 22日目 歌ってみた… ミクがいってた。 「歌に大切なのはココロ。」 もっとココロをこめて歌ってみたい 23日目 これが最後の日記になるだろう… もう1度、青い空が見たい 鳥が飛ぶ青い空が見たいよ。 やさしい青空にもどったなら 二度と落ちることがないよう ボクは何が出来るかな芽は出たのかな? ミク、あいたいよ。 次に目が覚めたらキミが側にいたらいいのに… 以上 ミクうたおかわりより*ハロー、プラネット。でした 文章力皆無で本当にごめんなさい…