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ある騎士のためのバラッド ◆PbH8Onsw.o それは肌から感じ取った異常。 非日常、その圧倒的な質量。 ――目を開けると、そこは殺し合いの中でした。 「『殺し合い』、『清龍』、『巫女』、『儀式』……まるで漫画の世界だ」 柔らかな金の髪をなびかせ、紫の瞳を物憂げに閉じる。 細く、しかし男性らしい堅牢さを漂わせた指先は、優雅に紙をひるがえす。 ここは終わりが始まった、殺戮の庭――彼、須王環の終わりの始まりは、地図上の区画でいうところのD-4 『塔』、その麓だった。 彼は『参加者名簿』と書かれた冊子をゆっくりと、支給されたバックの中へと戻す。 いかにも大量生産、『庶民』の持ち物といった感じのデイバック。 中途半端な高級志向の人間であれば、そのチープさに顔を歪めるであろうはずの布製のザック。 しかし、汲めども尽きぬ財力を誇る須王家、その子息として生きて来た環には興味深い、新しい物との出会いだった。 ここがこんな場所でなければとっくりとその構造、庶民の知恵を研究したいところだ。 しかし、状況はそれを許さない。 皮革製品とは比べ物にならない程にざらついた布地をひと撫でして、視線を上へ向ける。 眼前にそびえ立つ塔は、非常に高い。もう一度地面へと視線を移して嘆息する。 彼は不愉快だった。 自分がどうやってここへと連れ去られたのか、始めの場所で好き勝手に喋り散らし、人を見下した無礼な者たち何者なのか。 鳳鏡夜や常陸院兄弟、須王家の何かしらの陰謀ではないのかとも疑った。 しかし、それでは筋の通らないことが多すぎる。そもそも、人が死んだのだ、自分の目の前で。 さらに、人間一人を宙に浮かせるあのトリックは一体なんだったのか? 手品だ、などという明後日な想像はすでに捨て置いた。 彼は人を見て、その心情を嗅ぎ取ることを得意とするホストである。 あの広場で話をしていた人物たちの、常人ならざる気配を痛いほど感じ取っていた。 認めざるを得ない事実が頭をもたげる。おそらく自分達は、日常から逸脱した、どこかへ連れてこられた。 外からの救助も望めるかもしれない。しかし、ここでじっとしていたくはなった。 「……ひどい罵り言葉もあったものだ」 身に起こった事態を受け入れた彼、その白磁のような肌が怒りに青ざめている。 始まりの広場で着物を着た女性が言い放った、様々な罵詈雑言。 女性に怒りを覚えるのは、紳士たるホストとしては恥ずべきこと。しかし、どうにも聞き過ごすことはできなかった。 さらに、その女性はおかしなことを口走りながら、『殺し合え』などという一方的な要求を突き付けてきたのだ。 「我々が『汚らしい芋虫』? ふ、何処の誰か知らんが……庶民には美しいものが分からないと見えるな。ならば分からせてやろうじゃないか!」 怒りにゆがみかけた表情に気付き、慌てて普段の優雅な微笑を取り繕う。 「我ら桜蘭高校ホスト部が――全力で接客し、陥落させてやろう。男だろうが女だろうが、迷える子羊はみんなお客様だからな」 大仰な動作で両手を広げ、困ったように肩をすくめる。 そうかと思うと顔に手を当て、眉間にぴんと張った人差し指を添え、さらにその流れのまま前髪を軽やかに跳ね除け、眼を閉じて清廉にほほ笑む。 くるくると回りながら次々にポーズを変え、環は独り言を続ける。 「俺の魅力をもってすれば、あの着物のお嬢さんも……愛らしい、恋に頬を染める姫の一人になるさ!」 彼はただ格好をつけながら回転しているだけではない。 思考は現実へ常に向けられている。 あの広場の人物たち、『慊人』『心宿』と呼び合っていた。 何者かはわからない――しかし、彼らに近づく手掛かりがゼロなわけではない。 特に『心宿』と似た名の者たちが名簿の中に散見される。 鬼宿・角宿・亢宿――三人も。これは偶然ではないに違いない。 この人物たちならば、心宿の言った『青龍』の意味を知っているのかもしれない。 「鏡夜と合流し、あいつの考えを借りて事態を打破しなければ。双子どももさっさと見つけてやらないとな。 そして、ハルヒ! 全員待ってろよ、お父さんがすぐにいくぞ!」 目標は、殺し合いを主催した者たちの『説得』。 ホスト部は当然のこと、そのほかの参加者をすべて集め、主催者たちの居場所を突き止めて殺し合いをやめさせること。 「そうだ、じっとしていてはキングの名が廃る。……殺し合いだなんて、馬鹿げてる」 だが脳裏に絡みつくのは濃厚な赤い残像。 それなしにはどんな人間もこの世に存在することがかなわない物、首を――飛ばされたあの男性。 環は見た、吹き飛んだあの切り口、ぽっかりと空いた底なしの様な穴。その圧倒的な『喪失』を。 「人があんなに、簡単に。こんなの、突然すぎる……納得できるわけないだろう」 ハルヒたちが死ぬ、などと、考えただけでも足から力が抜けそうだった。 しかし、彼は恐怖に飲まれ、うずくまってしまうような人間ではないのだ。 キッと前方をにらんだ、その様子はいつもの芝居がかった彼の表情ではない。 陳腐な言い方が許されるならば――誇り高い騎士のような。 手元に地図を取り出し一瞥する。 人が集まるとすれば、おそらくは学校・デパート・病院あたりが妥当、と大まかの見当をつけた。 今いる位置からは、ちょうど三方向にバラバラな配置である。 続いて、自分に支給されたらしいものを手のひらに取った。 ご丁寧に添えられた説明書には、こう書いてある。 『スタングレネード――爆音と閃光を発する。人間の視覚、聴覚および平衡感覚を一時的に麻痺させることが可能な手榴弾。室内で最も有効。』 一見手榴弾にしか見えないが、殺傷能力はないらしい。 だからと言ってこんなもの、できれば使いたくはないと考えながらも、ポケットの中に一つ入れておく。 再び地図を見る。 そうして何処へ行くか、と考えながらも環は、部員たちの安否が気遣われて集中が続かない。 地図から目線を空へと移した。辺りには穏やかな風が吹いている。 本当に殺し合いなどが始まったのか、わからなくなるほどに静穏な朝。 しかし、場の空気がすでに非日常のものであることを心のどこかで感じていた。 それは確実に始まっているのだろう。自分の知らないところで、すでに犠牲者がいるのかもしれない。 「ハルヒ、鏡夜、光に馨――その他の人たちも絶対に、死なせない。桜蘭高校ホスト部部長、須王環の名に誓うぞ」 決然と言った彼の表情は、勇壮にして不敵。 だが、彼が陥落を誓った城はあまりに大きく――不可視の脅威に満ち満ちていた。 【D-4/塔の麓/朝】 【須王環@桜蘭高校ホスト部】 [状態]: 健康 [服装]:桜蘭高校制服 [装備]: ポケットにスタングレネード×1 [道具]:基本支給品、スタングレネード×3(一つはポケット、残りはデイバックの中)、不明支給品(1~3、未確認) [基本行動方針]: 主催屋の居場所を突き止め、説得(接客)して殺し合いを止める。 [思考] 0: 仲間を集める、ホスト部員を優先して探す。 1:学校・デパート・病院のどこから行くか決める。 2: 殺し合いに対する恐怖。特にホスト部員が死んでしまったりしたら、どうしたらいいかわからないほどの恐怖。 [備考] ※参戦時期はハルヒ入部より後です。その他の細かな時期は、のちの書き手さんにお任せします。 道中は危険がいっぱい 時系列順 一体この僕に、何が出来るって言うんだ 燃え上がれ、紅蓮の炎よ 投下順 あの背中を想い 本編開始 須王環 [[]] 上へ▲
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騎士 国内 大陸 名前 クラス LV 統魔範囲 統魔成長率 統魔力 期待値 再仕官 帝国仕官 備考 1 2 アルディス レクター 10 3 B 301 421 かくれんぼのイベント(1/288)発生後に【自拠点】3以下でクエストを起こした騎士がいて、モンスターが最大数でないと仕官 2 12 レイン メイジ 1 4 S 149 381 ミラ・ミレ仕官から2節以上経過、ミラ・ミレと君主が同じ拠点にいる。 3 13 ドーガル バーバリアン 2 3 C 268 380 216年1月下以降に1/6で発生 4 16 コルチナ エンチャントレス 1 4 B 199 373 寝返り 215年4月下以降に1/6で発生 5 21 シェルーナ クレリック 3 4 A 178 367 復讐 215年12月上以降に1/6で発生、ヒールを使えない騎士のクエスト 6 25 シェリダン レンジャー 6 3 A 191 359 復讐 216年3月上以降に1/6で発生 7 28 ヒュード レンジャー 4 4 B 202 358 215年9月上以降に1/6で発生。また、ヒュードをクエストに出すと1/6でイベント「ヒュードの恋」が発生する。 8 43 ロット モンク 10 4 B 200 320 寝返り 有 215年11月上以降に1/6で発生、イベント「ロット帰郷」で離脱、イベント「忘れ得ぬ笑顔のために…」で再仕官 9 44 クラウケス プリースト 4 3 B 163 319 216年6月上以降に1/6で発生、ヒールを使える騎士のクエスト、カトレーヌと同時仕官 10 46 バネッサ ランサー 11 3 B 203 317 寝返り 216年12月上以降に1/6で発生、女性騎士のクエスト 11 49 クラレンス ナイト 10 3 B 195 315 復讐 215年7月下以降に1/6で発生 12 52 ペリネール スカウト 1 5 C 196 312 216年11下~12下の間にヒュードとリムライトが同一拠点にいると「精霊祭へ」のイベントが発生、連動して「星降る夜の精霊祭」のイベントが続き仕官。 13 58 ヴァルター ソーサラー 10 3 B 185 305 復讐 217年3月上以降に1/6で発生 14 59 カーマイン ビショップ 10 4 B 184 304 有 「双子、帰郷する(後編)」から11節以上経過、ミラ・ミレが同じ拠点にいる。 15 71 アーロン ソードマン 14 4 C 227 291 寝返り 216年4月下以降に1/6で発生、12拠点以上、男性騎士のクエスト 16 73 アルミナ ミスティック 12 4 B 182 290 216年9月上以降に1/6で発生、ディバインレイ、メテオ、カーズ、エクサブラスト、フォールバーグ、ジェノサンダーのいずれかを使える騎士のクエスト 17 77 ネヴィル ドルイド 11 3 C 212 288 寝返り 216年10月下以降に1/6で発生、最大国以外の騎士のクエスト 18 80 シュトレイス ナイト 12 4 B 171 279 寝返り 最初に帝国の拠点を落とした国に士官する 19 81 カトレーヌ レクター 12 3 B 170 278 216年6月上以降に1/6で発生、ヒールを使える騎士のクエスト、クラウケスと同時仕官 20 82 リムライト メイジ 5 4 C 176 276 イベント「ヒュードの恋」の次の節 21 103 カザン シャドウ 15 4 C 179 239 特殊 シラハが帝国以外に仕官と共に他国へ仕官。国が滅亡した場合、シラハがいない国へ仕官、再々仕官あり。 22 105 ヘルラート ブラックナイト 20 4 C 190 230 特殊 有 レイオニールが仕官と共に他国へ仕官。国が滅亡した場合、レイオニールがいない国へ仕官、再々仕官あり。 23 106 レイオニール ソードマン 16 3 C 172 228 特殊 216年7月下以降に1/6で発生、また国が滅亡時はヘルラートがいない場合は滅亡させた国に仕官、帝国に滅ぼされた場合のみ復讐 24 109 ベルガー バーサーカー 13 4 C 151 219 217年1月下以降に1/6で発生、STR88以上の騎士のクエスト 統魔力期待値平均 310.4 初期統魔力平均 193.5 初期LV平均 8.9 統魔成長力平均 5.42 統魔範囲平均 3.63 寝返りの騎士はロット以外は帝国に仕官しない。 また復讐の騎士は滅ぼした国の同盟国にも仕官しない(すでに破棄してれば可) (例.西アルメキアに滅ぼされた復讐タイプのノルガルドの騎士はカーレオンに仕官しない 時系列順まとめ 時期 騎士 備考 ゲーム開始以降 シュトレイス 最初に帝国の拠点を落とした国に士官する 215年4月下以降 コルチナ 215年7月下以降 クラレンス 215年9月上以降 ヒュード 215年11月上以降 ロット 215年12月上以降 シェルーナ ヒールを使えない騎士のクエスト 216年1月下以降 ドーガル 216年3月上以降 シェリダン 216年4月下以降 アーロン 12拠点以上、男性騎士のクエスト 216年6月上以降 カトレーヌとクラウケス ヒールを使える騎士のクエスト 216年7月下以降 レイオニール 216年9月上以降 アルミナ ディバインレイ、メテオ、カーズ、エクサブラスト、フォールバーグ、ジェノサンダーのいずれかを使える騎士のクエスト 216年10月下以降 ネヴィル 最大国以外の騎士のクエスト 216年11下~12下 ペリネール ヒュードとリムライトが同じ拠点にいる。 216年12月上以降 バネッサ 女性騎士のクエスト 217年1月下以降 ベルガー STR88以上の騎士のクエスト 217年3月上以降 ヴァルター 発見・仕官イベント イベント名 騎士 時期 備考 不思議なかくれんぼ アルディス クエストで1/288でイベント「不思議なかくれんぼ」発生発生後に【自拠点】3以下かつクエストを起こした騎士がいて、モンスターが最大数でないと仕官※アルディス入団についてはバグがあるので注意(2chの8スレ目 832に詳細報告有り) シラハ発見 シラハ 帝国滅亡から2節以上経過 元帝国騎士以外の騎士のクエスト、1/6で発生 ミラ・ミレ発見 ミラ・ミレ 帝国滅亡から3節以上経過 帝国を滅亡させた国の騎士のクエスト、1/6で発生 レイン仕官 レイン ミラ・ミレ仕官から2節以上経過 ミラ・ミレと君主が同じ拠点にいる カーマイン仕官 カーマイン 「双子、帰郷する(後編)」から11節以上経過 ミラ・ミレが同じ拠点にいる レイン、父を説得する ランギヌス 帝国滅亡から2節以上経過 レインのクエスト、1/6で発生 イベント イベント名 条件 ヒュードの恋 ヒュードのクエスト、1/6で発生 ロット帰郷 「ロット仕官」から8節以上経過、ロットとロットを発見した騎士が同じ国、マルチプレイでは発生しない。 忘れ得ぬ笑顔のために… 「ロット帰郷」後2節経過。ロットを発見した騎士のクエスト 双子、帰郷する(前編) ミラとミレを同時にクエストに出す、disc2で発生 双子、帰郷する(後編) 上記イベントの次の節 レイン、双子を間違える レイン仕官から2節以上経過、ミラ・ミレとレインが同じ拠点にいる 名前 コメント
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2匁 2-1 http //img8a.atura.jp/bbs/26476/img/0001638560.jpg ネプリパス:MUZQ63A3 ファイル名:VIPPERのあんたがたへ VIPPERのあんたがたへ。 こんな回りくどいやり方になって悪いと思ってる。 謝罪はするが賠償はしない。 実は今、誰かに追われてるっぽい。 とりあえずネカフェに避難してみたんだが、すぐ追いついてきやがんの。 で、家もやつらに押さえられてるみたいなんだ。 あんたがたに詳しい話をしたいんで、誰かスレを立てて欲しいんだが大丈夫かな? どんなスレタイでもいいんだが、スレタイに「SOS」を入れといてもらえるとすげー助かる。 ネカフェを転々としてるんで、次にスレにいけるのはいつになるかわからないけど 可能な限りVIP巡回してみる。 頼む、助けてくれ・・・。 ID NJVxq5J50 問題解説 スレタイに「SOS」を入れてスレ立てしろとの指示があり 【二周年煎】VIPPERのあんたがたにSOS http //wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1172246428/ が立てられ、2-2問パス投下される 39 失踪者 ◆5mKGyOKPz2 New! 2007/02/24(土) 01 08 45.42 ID tnkWe0ZU0 俺はあんたがたが好きなんだ。 いつかGMやりたかったから問題もストックしてある。 問題出すから、この画像を目指して俺と遊ぼうぜwww っ【UL3J9XTD】 2-2 http //img8a.atura.jp/bbs/26476/img/0001638586.jpg ネプリパス:UL3J9XTD ファイル名:す 10402070105010604070505050013010202010502090504010803090106030203080 40702030106050504020108030905070502020502020104010603020109010602030 50401010505040702080102050705040505050701060304010801030302030401050 10501020102010902030309030802070103030604050102020501050106050503010 40105020505020104030309020102070203020501001201010801030102030402030 10701080505020203040404040903040302030403020201040502070505050703020 20302090202020902020505010402030505050403060102010501080101110303070 30803040505010301020101110304020402030402020102010802090508030604020 10701080505010903010108030202020403010202020101010901020303050705080 20201050407010401030209050802050303050303030506010803040402020104070 20902040505020201060509020301070205020601020502010801070505020701050 20402070209010203050505020205040103050203040201010601070203010301020 07-17 04-09 02-17 03-14 09-10 05-07 10-01 12-11 06-04 11-07 08-06 11-07 01-13 現地ヒント 奉安倍晴明母納← 51 名前: 失踪者 ◆5mKGyOKPz2 投稿日: 2007/02/24(土) 01 10 52.32 ID tnkWe0ZU0 あ・・・・・・・。 現地ヒント間違ってた・・・・。 現地ヒント:門柱 に変更して下さい<>><<> 問題解説 4桁で区切る。下の07-17とかは、上からと左からの位置で、3070になる。 数字は右から読んで0703。これをマ行ウ段と解釈して「む」。以下同様。 むさしさかいきつきしんしや→武蔵境杵築神社
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■聖騎士の盾 Ⅰ 心清き者にしか手に出来ないという幻の盾。封じ耐性↑ パラディン専用 Ⅱ 恐怖に臆さぬ勇気ある騎士のみが持つ聖なる盾。パラディン専用 2では耐性が消え、ひとつ前のガーディアンが属性攻撃を軽減できるため影が薄くなってしまった 新世界樹では(殺戮除き)最強の盾。しかしグリモアのシステム上盾モアを持たせると誰でも装備出来る浪漫の無い子に成り下がった。 心清き者にしか手に出来ないというがグリモアさえあれば誰でも持てるビッチである。 そのせいで我がギルメンはほぼ盾グリモア持ちである ↑×2いや、逆に考えるんだ。盾グリモアを持つと誰であろうと心が清らかになると 盾グリモアを持てば呪い師だろうがSM女王だろうが心が清らかになるのか ↑呪い師は念仏を唱えるようになり、SMは「喝ッ!」と叫ぶながら叩いてくれます ↑それなんてカオス? この盾によってししょーは心が清くて麗しい存在だと証明されたのである ↑ ししょー自演コメお疲れ様っす! これはパラ専用でも良かったといいつつLUCが上がるのでカスメ、ダクハンやレンジャーのLUCブーストに使ったりするボウケンシャーは多いのではなかろうか 新2では鮮血の兵士の条件ドロップから作れるが、肝心のモンスターが30Fまで到達しないと出現しないので入手は最終盤までお預け。 グリモアのおかげで最終的には全員に装備させてる。後列でもコレ無しでディノ君とか考えられない。正直、「このクラスには似合わないなぁ……」とかあるけど、そんなこと言ってる余裕が無い……。 カヤノヒメ 新シリーズは防御力が飾りだから、別になくても問題ない。 新2のペットを突き詰めると、装備させる余裕がないのよ(グリモア枠的に) カスメに持たせて封じ絶対受け付けないマンにしてたな コメント
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神様なんかじゃないんだよ ◆z9JH9su20Q PREV 時差!! 「あいたかった……あいたかった……あいたかった……」 詳細名簿に載っていたのとは随分と差異のある容姿で、可笑しそうに肩を震わせ呟くカオスに対し。本来、それを他者に齎すプトティラと化した映司でさえ、底知れぬ不気味な恐怖を覚えていた。 直接戦闘の内容は目にしてはいないとはいえ、ジェイクの変身したタトバを制圧した三人が、傷一つ付けられないまま数分で蹴散らされているカオスの強大さは、容易に想像することができる。だから戦場に駆けつけた映司は暴走の危険があれど、タトバでは太刀打ちできないと見て最強のプトティラコンボを解禁したのだ。 クスクスと笑うカオスが何も仕掛けてこない隙に、オーズは大地からメダガブリューを召喚する。そうして得物を構えた時に、ちょうどカオスが口を開いた。 「私、決めてたの……火野のおじさんには、誰よりも目一杯、愛をあげるって……!」 (どういうことなんだ……!?) 何故この子は、俺のことを知っている……? 「もしかして……私が大きくなったから、私のことがわからないの?」 まるで映司の胸中を読んだかのように、カオスがそんな疑問を零す。 「だったら、思い出させてあげる……! 火野のおじさんが教えてくれた、愛をあげて!」 次の瞬間、カオスが消えた。 同時にオーズが本能的に盾として構えたメダガブリューに、超音速の刃が突き立つ。 「――っ!?」 「愛を! 愛を! 愛を愛を愛を愛を、愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を!」 ティラノサウルスの力を持つ、強靭な両足。 加え三本目の足ともなる、逞しい尻尾。 それが、超電磁砲弾の如きカオスの突進を止められず、押されるがままにオーズは運ばれて行く。 「愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛をぉっ!!」 メダガブリュー自体は、未だ離れないカオスの鋭い翼にそれだけの圧を加えられ続けても、罅の一つも入りはしない。しかし大型恐竜をも凌ぐ膂力のプトティラの両腕は、既に最初の衝突の時点で押し負け、胸部のオーラングサークルに斧の硬い側面を減り込ますことを許していた。 大地に三本の溝を刻みながら、オーズはカオスの飛翔する勢いのまま、音速超過でビル壁に着弾。一瞬、前後からその身に掛かった絶大な圧迫感に完全に息を詰まらせた後、壁を突き破って地面の掘削を再開させられる。 「こ……のぉっ!」 机や椅子を破砕し撒き上げながら、今度は内側から外壁を突き破ろうかというその寸前。頭部の翼を開帳したオーズは、プトティラの冷気の力を全開にする。 まず両翼の羽ばたきで逆向きの推進力を生み出し、カオスの勢いを相殺する。続いて己の足と尾を氷結させ、接触していた床に縫い付ける。加えてカオスの両翼をも凍らせ床と一体化させることで、それ以上の前進を完全に食い止めた。 「クスクスクス……」 それから渾身の力でメダガブリューを押し返し、凍らせ損ねた翼の一部を払い除けたオーズだったが、カオスはそれを意に返さず笑っていた。 「言ったでしょ? おじさんの教えてくれた、愛をあげるって……!」 次の瞬間、カオスの両翼を包んでいた氷塊が融解、さらにはそのまま蒸発する。 氷の戒めを脱するため、カオスが両翼に灯したのは無数の黒い火の玉。巻き添えを避けようとカオスが少し距離を取れば、それはそのまま、己の動きを止めてしまったオーズへと容赦なく降り注ぎ始める。 メダガブリューや、放出を続けた冷気による相殺で迎撃を試みたオーズだったが、到底防ぎきれない。数発の着弾を許してしまい、軽くはないダメージをその身に刻む。 「……くっ!」 だが、火炎弾はオーズ自身の拘束を弱めていた。強靭な尾で溶け残った氷を粉砕したオーズは皮翼を羽叩かせ、飛翔。驟雨の如き火の矢から逃れる。 「――逃がさない……!」 カオスもまた禍々しい両翼を広げ、飛び上がったオーズを追う。 「あはははははは!」 追随してくるカオスから、再度火の玉が射出されてくる。さらにはジェイクが使っていたのと同様の、紫色のビームまでもがその弾幕に加えられる。 横殴りの豪雨かと錯覚するような猛攻は、室内という制限された空間内でそう何度も凌げるほど生温くはない。 故にカオスの攻撃で開いた穴から、オーズは夜空へと身を躍らせた。 炎上し始めているビルから、すぐにカオスが追って来ることはわかっている。だからオーズは身を翻すその前から、メダガブリューを振り被っていた。 予想の通り。叩き落とした戦斧の先に、忽然とカオスの歪んだ美貌が現れる。メダガブリューはカオスを包んでいた無色透明な障壁を叩き割って、紫水晶のような刃を天使の白皙へと走らせた。 だが。バリアによって勢いを弱めていたその一撃は、容易く刃状の翼に受け止められ、カオスに傷を与えるには至らない。 その結果を苦々しく思った直後。不可視の衝撃に右脇の下から殴り掛かられて、オーズはその巨躯を木葉のように吹き飛ばしていた。 「――っ!?」 何の支えもない空中では、その不意を衝いた一撃に踏み止まることはできなかった。 隙を晒しては拙い、とオーズは再度翼を最大展開して体勢を立て直す。だがそこに容赦なく、天からの一撃が落とされる。 「ぐぁあああああああああああっ!?」 ビリビリと残る痺れは、その攻撃の正体が電気による物であることを示していた。明滅する視界の中、オーズは装甲された拳を振りかぶって迫るカオスの姿を認識する。 落雷の後遺症で、すぐには俊敏な動きを望めない。メダガブリューや尻尾で対応するのは困難だ。 だが。オーズ自身が動けずとも、カオスを迎え撃てる武器は残っている。 「ぃやぁあっ!」 プトティラコンボの両肩に備え付けられたトリケラトプスの角。伸縮自在のワインドスティンガーが、二振りの神速の槍と化してカオスに放たれる。 これにはカオスも瞠目し、おそらくは意識の埒外から襲いかかった攻撃はカオスを見事貫き――は、しなかった。 「――こっちだよ」 霞のように掻き消えていたカオスの声が、衝撃と共に降りて来た。 こちらを遥かに凌ぐ速度で攻撃を回避し、そのまま背後に回っていたカオスが再度繰り出した火の雨を諸に食らい、オーズはまたもや姿勢を崩す。 「……速すぎるっ!」 何とか持ち直し墜落を逃れたオーズは、彼我の圧倒的な差にそんな不平を漏らしていた。 最高速度はもちろん、瞬間的な加速力や小回りの良さでも、カオスの機動性はプトティラコンボの数段以上も上を行く。 それ以外の能力も、その豊富さも手数もオーズの最強コンボを軽く上回っている。辛うじて同等以上と見込めるのは、純粋な膂力ぐらいか。 それすらも、超音速の勢いを上乗せされた突進には押し負ける。カオスを相手取るには、オーズは余りにも速さが足りない。 このままではいいように翻弄され、嬲られ続けるばかりだ。 不意に、凄まじい轟音が鳴り響く。微かに振り返って見れば、先程カオスに叩き込まれたビルが炎上し、崩落し始めていた。 内部で超常の力を持った二人が争い、さらに外からはオーズを狙い外れたカオスの攻撃を連続して被弾していたのだ。そうなるのも当然の結末と言うべきか。 「クスクスクス……」 その光景に手を止めたのは、カオスも同じだった。予期せず訪れたインターバルに、オーズは必死に対抗策を考える。 だが、名案など浮かばない。プトティラの能力は、その尽くが通じなかった。未だ試していない二つの必殺技も、外してしまえばただのメダルの無駄遣いにしかならない上、速度差を突きつけられた現状、カオスに命中させられるビジョンが全く見出せない。この悪魔のような天使を、ここで確実に食い止める方法がわからない。 それでも自分が食い止めなければならない。これ以上、智樹のような犠牲者を出させないためにも。オーズの力を持つ自分が、皆のために。 オーズが無意味な思考を錯綜させ、得物を持ち直す間にも、忍び笑いを漏らし続けるカオスは何かを仕掛けて来る様子はない。だがそんな状態でもカオスの不気味な迫力に、オーズも攻め入ることができずにいた。 この恐るべき敵と空中で対峙し続けているだけで、否応なしに精神を摩耗する。気づけば息遣いが荒くなっていた頃に、変化が訪れた。 「ねぇ……」 カオスの怪しく輝く双眸が、改めてオーズの姿をはっきりと捉える。 「これがおじさんの、“愛”だよね」 直後。 立ち上って来た炎の柱に、オーズの全身が呑み込まれた。 「うあぁあああああああああああああああああっ!?」 熱い。熱い。仮面ライダーに変身していてなお、無視できないほどの灼熱の奔流がオーズを舐ぶる。 その膨大な熱量の正体は、ビルの炎上を利用し、ウェザーの能力を駆使したカオスの生んだ火災旋風。 鉄すら沸騰させる超高温の、愛の炎である。 (熱いのは、まだわかるのが……っ!) グリード化が進行し、五感を失って行く中で。あれだけ愛おしく感じた自らに残る人間の部分が、こんなにも恨めしく思えるとは。 オーズはメダル消費を厭わずに、プトティラの冷気を再度全開にすることで炎の勢いを弱める。さらに翼と尻尾で突風を起こし、少しでも熱波に抗おうとする。 一秒一秒が嫌というほど長く感じられる灼熱地獄の中、一瞬ごとに確実に消耗しながらも……オーズは何とか、異常気象の猛威を制した。 「……っ!!」 そして――灼熱の竜巻を突破したオーズは、見た。 カオスの掲げた掌の上の、黒い“太陽”を。 「――あったかく、してあげる」 カオスの投げつけたそれは、衰弱しきったオーズに逃亡を許さないまま、その姿を黒で塗り潰した。 ○○○ ○○○ ○○○ ○○○ ○○○ ○○○ 物々しい音を立てて、何かが地面に墜落する。 アスファルトに罅を走らせて倒れ臥したのは、装甲の半分以上を黒焦げさせた紫の怪物。 変身こそ解除されていないものの、完全に痛めつけられ、暴君としての威容を失った仮面ライダーオーズ・プトティラコンボの姿だった。 最早まともに抵抗する力が残っているかも疑わしい獲物へと、死の天使は悠然と舞い降りて来る。 「待って!」 カオスの鼻先を横切ったのは、桃色の光矢。 唯一戦線復帰が可能だった、まどかの放った威嚇射撃だった。 「もうやめて……火野さんが、死んじゃう……っ!」 まどかでは、カオスとプトティラの繰り広げる空中戦に介入するのも容易ではなかった。 まどかだけでは、また路傍の石のように蹴散らされ、何の助けにもなれなかった可能性だって高かった。 そしてまどかは、まだ心の中で映司を避けていた。 それでももっと早くに駆けつけるべきだったのだ。彼一人に押し付けるべきではなかったと、まどかはオーズの惨状を見て後悔する。 そんなまどかの痛切な訴えにも、カオスは涼しい表情で答えるだけだった。 「だって、それがおじさんの教えてくれた“愛”だから」 「こんなことが愛なんて……そんなの絶対おかしいよ!」 「じゃあ、後でおねぇちゃんの愛を教えて。私しりたいの、いろんな愛の形を!」 答えるや否や、急加速したカオスはそのままオーズを思い切り踏みつける。体重そのものは軽くとも、その力が常軌を逸していることは既に痛感している。 追い打ちに呻くオーズの角を掴み、カオスは無理やり彼を立ち上がらせる。 「でも、今は火野のおじさんのばん」 「まどか……ちゃん」 そこで意識を取り戻したらしいオーズは、カオスの怪力に軋みながらも、何とかその仮面をまどかに向けた。 「皆と一緒に……逃げて」 「――できませんっ!」 ああ、この人は、きっと。 本当に……本当に、優し過ぎるから。 「俺は……大丈夫だから。早く!」 その言葉が嘘じゃないとまどかに示すためか、オーズは強靭な尾の一振りでカオスを追い払う。 だが戦闘態勢に入る前に、後退しながらカオスの放ったビームを浴びて、オーズは再び無様に地を舐める。 仰向けに倒れ、いよいよ立ち上がることもできなくなった様子のオーズに対し。カオスは処刑人の刃のように、その翼を振り仰ぐ。 「――だめぇーっ!」 それ以上は見ていられず、まどかは駆け出していた。 カオスもまどかが飛び出してくることなどわかっていただろう。しかしまどかの力で、オーズを救い出すなど間に合わないとタカを括っていたに違いない。 だが実際は、まどかはオーズに重さなどないかのように軽々抱え、カオスの一撃を回避させることに成功していた。 自らの右足を、刻まれることを代償に。 「――っ、まどかちゃん!」 ほんの少し、浅く切っただけだと言うのに。 悲鳴に近い声で心配してくるずっとずっと重傷の映司に、まどかは思わず苛立ちを覚えた。 「どうして……」 限界に近いはずの身体で再びまどかを庇おうとするオーズに、まどかは詰問の声を投げる。 「どうして火野さんは、そんなに優しいのに……っ。どうして、自分の心配はしないんですか!?」 まどかの糾弾に虚を衝かれたように、一瞬オーズの身が固まる。 「殺し合いを止めるのも……あの子と戦うのも! どうして全部、自分だけで辛いことを抱え込もうとするんですかっ!?」 殺し合いを止めたい。カオスの脅威を防ぎたい。 確かにそれは、まどか達も等しく抱えた願望だ。だが、映司は…… 彼自身が己を守るために戦うことを欲したからではなく、それを望む誰かの為に、その身を捧げている。 そんな、人にあるまじき歪みを抱えているのだ。 「あなたは神様なんかじゃないんだよ!?」 誰かがそれを望んでいるから。誰かがそれを欲しているから。 そのために映司自身がどんな不利益を被ることになろうとも。彼は都合の良い願望器として、そんな勝手な人々のために事を成そうとする。 そんなもの、在るべき人の生き方ではない。 「……比奈ちゃん達みたいなこと、言うんだね」 まどかの言葉に、映司は力なく苦笑していた。 「ごめんねまどかちゃん。でも、ありがとう。 ガメルを砕いた俺なんかを、心配してくれて」 その言葉に、まどかは息を詰まらせた。 あるいは彼という仮面ライダーの、怪物性を見せつけられて。 「……おはなしはおしまい?」 オーズが向き直ったのを見て、カオスがそんな疑問の声を投げかけて来た。 「待っててくれたんだね」 「まどかおねぇちゃんの愛が、わかるとおもったから……」 オーズの冗談めかした問いかけに、カオスはそう素直に答えた。 「……でも、わからなかったの。だから、あとで教えて!」 「――っ、あなた……!」 カオスもまた、身勝手過ぎる。 「どうして火野さんにこんな酷いことをするの!? こんなに優しい火野さんが、あなたに何をしたって言うのっ!?」 「火野のおじさんは、私に“愛”を教えてくれたんだよ! 仁 美 お ね ぇ ち ゃ ん を 殺 し て ! ! 」 「!?」 予想だにしなかったカオスの告白に、まどかもオーズも一瞬、完全に硬直した。 「愛を! 愛を! 愛を愛を愛を愛を、愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を愛を……っ!?」 そんな隙を見逃さず、そのまま襲いかかって来ようとしたカオスもまた、突如として停止する。 「……嘘。仁美ちゃんを、火野さんが殺したなんて……」 弱々しく、まどかは否定の言葉を紡ぐ。 だが、完全にあり得ないとは言い切れない。むしろそれには、ピタリと符合する面もあるのだ 放送の後。マミから、仁美があの戦いの近くに居たということをまどかは聞いていた。 またプトティラとして暴走していた間の映司の記憶は、不確かな部分が多いという。 彼の暴走の一部始終を、まどか達は知らない。 いやそもそも、あのプトティラコンボの強大な暴力なら。例えば虫を踏み潰していたのと同じように、知らぬ間に仁美の命を奪っていても――おかしくは、ない。 もちろん。そんな馬鹿げた可能性は、“もしかすれば”というレベルのものだということは、まどかとてわかっている。 それでも。今、自分を庇おうとするこの存在は。ガメルだけでなく、親友さえも奪っていたのではないのかと。 そんな疑惑が生まれたことに、呆然としたまどかに対し。ギギギ……と、重い石像が動くかのように緩慢に、カオスの顔が向けられる。 「おねぇちゃん……仁美おねぇちゃんを、知ってるの……?」 知っているも、何も。 仁美ちゃんは、大事な、私のお友達―― 「っ!?」 「教えて! 仁美おねぇちゃんのことを!」 気づいた時には、まどかはカオスに捕らえられていた。 「まどかちゃ――!」 あれほど執着していたオーズに一瞥すら残さず。まどかの両肩をがっしりと掴んだカオスは、そのまま上空へと飛び立つ。 それを追おうとオーズが頭部の皮翼を展開するが、襤褸切れのようになったそれでは空を舞うに能わなかった。損傷の度合いから見ておそらく、先のカオスの最大火力を受けて一命を取り留めるために、あの大翼を盾として差し出していたのだろう。 その結果、オーズは攫われたまどかに手を届かせる術を失った。 それを知っていたのだろうカオスは、邪魔が届かないようにまどかを空へと連れ去ったのだ。 「そっかぁ……おねぇちゃんが、仁美おねぇちゃんの言っていたお友達なのね」 「あなた……仁美ちゃんと、どんな関係なの……?」 納得する様子のカオスに、肩の痛みに耐えながらまどかは恐る恐る問いかけていた。 それを合図にカオスは上昇を止めて、上を向いていた顔をまどかに向き直した。 「仁美おねぇちゃんは、私に愛をくれたんだよ!」 カオスは実に嬉しそうに、仁美との思い出をまどかに語ってくれた。 痛いのだけが愛だと思っていたカオスに、色々な愛の形があるのだと教えてくれたこと。 その中で、カオスの愛を探すのを手伝ってくれたこと。 裸足のカオスに、上靴を履かせてくれたこと。 大きくなるのも愛だと教えてくれたこと。 「それでね! そばにいるとあったかくて、はなればなれになって痛いのが愛だって! 火野のおじさんに殺されて、私に教えてくれたの!」 そこで――嬉々として語っていたカオスの笑顔に生じた変化に、まどかは気づいた。 「あなた……」 「仁美おねぇちゃんとはなればなれになって、私、とっても痛かった! でも、それで愛を見つけたの!」 「泣いてるの……?」 「だから……仁美おねぇちゃんが教えてくれた愛を、みんなにあげるの! そうすれば……おねぇちゃんが教えてくれた愛を、ずっと感じていられるから!」 笑顔のまま、止めどなく涙を流すカオスに。 まどかが覚えた感情は、映司に感じたそれとどこか似た――憐憫の情だった。 (そっか……この子も) きっと、メズールを慕うガメルと同じ。 あまりにただ純粋で。仁美のことを、愛していて。 だけどそこに、映司のように歪みを抱えてしまった……道を誤りそうになっている、迷子なのだ。 (……止めなきゃ) ううん、止めたい。 まどかの大事なお友達のことを、こんなに思ってくれているこの子を。 だってこのままじゃ、カオスはあんまりにも可哀想だ。 「……おねぇちゃんも、おにいちゃんと同じこと言うんだね」 他意はなく。ただ素直に「へー」と言った様子で、カオスが呟いたのに対し。 「ねぇ、カオス」 決意を固めたまどかは、彼女に言い聞かせるように話しかけた。 「仁美ちゃんのこと、あなたに教えてあげる」 「ホント!?」 表情を輝かせたカオスに、まどかはしっかりと頷き返す。 「だから……」 「じゃあ――おねぇちゃん、食べていい?」 「――えっ?」 一瞬、思考が途絶した間に。 カオスの両掌が、まどかの両肩を握り潰した。 「――っ!」 悲鳴を押し殺したまどかに、カオスは小首を傾けながら優しく囁いてくる。 「だいじょうぶだよ……食べるまえにいっぱい、いっぱい愛してあげるから……だからおねぇちゃんの中の、仁美おねぇちゃんの思い出を、私にちょうだい――?」 「ぃ……や……」 「――鹿目さんっ!」 頼もしい呼び声と共に、黄色いリボンがまどかを包む。 カオスをも拘束したそれは、これまで同様一瞬しかその役割を果たせない。だがその一瞬の隙に、まどかはカオスの手から引き抜かれていた。 マミのリボンに引き寄せられた先で、まどかはマミを乗せて跳躍していたオーズに抱きとめられる。 「良かった、まどかちゃん……っ!」 マミと合流後、飛行能力を失くしたプトティラからタトバコンボに変身し直したオーズは、そのバッタの跳躍力でビルを昇り、そこからさらに高度を稼ぐことで、遥か上空のまどかの下に魔法のリボンを――救いの手を届かせることに成功したのだ。 だが。追撃するカオスの方が、まどか達を抱え落下するオーズよりもずっと速い。 カオスの接近に気づいたまどかとマミは魔導障壁を重ね掛けし、それを砕け散らせながらも拳の直撃を防ぎきる。 それでもカオスから手渡された慣性が、高空からの落下を加速させる。魔法少女や仮面ライダーといえど、無事では済まない勢いで。 ――ダメ。 ――このままじゃ、死ねない。まだあの子を救っていないのに。 (お願い――力を貸して、ガメル!) コアメダルの力を引き出していることは知らずとも。まどかは今度こそ救いたい者を救うべく、救いたかった、自分を救ってくれた者に祈る。 その時。 (わかった~!) 頭の中で、予想だにしなかった声が聞こえた気がした。 (えっ……?) 「ぃよおぉぉぉぉっしぃこっちだ、オーライオーライっ!」 落下地点で待ち受けていた、虎徹の呼び声が聞こえてきた。彼はその大柄な肉体で以て、自らをクッションにしようとしていたのだ。 本来なら、それでも四人揃って激突死するはずだった衝突は――落下していた三人の重さが不自然に軽減されたことで、自然落下以下にまでその威力を下げていた。 それでも軽くはない衝撃に、全員が目を回しながらも。まずは生き残ったという事実を噛み締める。 「いたたた……」 折り重なった四人の一番上にいたまどかは、未だ両腕を力なく垂れさせたままながら、真っ先に起き上がった。そんなまどかの下へ、不意に近づいて来た小さな影があった。 「あなたは……無事だったんだね」 現れたのは、ライブモードのファングメモリだった。 カオスが襲来してから、最初に繰り出した竜巻に巻き込まれた際。まどかは実は、ディパックの中身を幾つか零してしまっていたのだ。 先程カオスに捕まった際にファングメモリが助けてくれなかったのは、そういう理由のためだ。 もっとも、カオス相手ではファングメモリが居ても――と考えていたところ。 不意に夜空を仰いだファングメモリが、まどかの頭上目掛けて跳躍したのだ。 瞬間。夜は白光に切り裂かれる。 降り注いだのは四条の稲妻。何とか起き上がったばかりだったまどか達に、立ち直る暇すら与えず放たれたカオスの追撃だった。 「――皆!」 感電し倒れ伏せた三人を見渡し、唯一無事だったまどかは声を張って呼びかける。 その足元でショートするのは、駆けつけて早々、身を挺してまどかを守護したファングメモリだ。 ファングメモリが身代わりになってくれたことで、まどかのみ自由を得ていたが――未だ両肩の治癒も完了していない以上、できることなどほとんどない。 だというのに―― 「ごめんなさい……」 ちりちりと。まどかの肌を炙る熱波は、真上に出現した黒い“太陽”から届いて来るもの。 まどかのソウルジェムを絶望に染め上げようとするそれは、真上にまで降りてきていたカオスが再度顕現させた、特大のドス黒い火の玉だった。 「ひとりひとり……いっぱい愛してあげるつもりだったけど。もう、メダルがなくなっちゃいそうだから……」 言うなれば、今まではまだ遊んでいたということか。 だが、もう。それもやめて、一気に纏めて焼き払おうと。 ――ダメだ。あれはもう、防ぐ術がない。 あの邪悪な炎の洗礼を浴びれば、誰一人として助からない。 逃げないと――そこまで考えたところで、まどかはさらなる絶望に足首を掴まれる。 他の三人は、まだ……自力で逃げられないのだ。 (そんな……!) 彼らを置いて逃げる? そんなこと、できるはずがない。 連れて逃げるにしても、三人同時は困難だ。そもそも、今から肩が動くまで回復させているようでは、カオスの攻撃から逃げ切れない。 だけど、まどかにあれを防ぐ術はない。逃げないと確実に死んでしまう。 ああ、ダメだ。迷っている間にも、逃げ切るための猶予が消えて行く……! 嫌だ、死にたくない。だけど、マミや映司達にも死んで欲しくない――――! でも、死んでしまったら……もう、カオスを―― 「あ……っ」 そこでまどかは、思い至った。 思い至って、しまった。 ここから最も多くの者を、救済するその解答に――! ――鹿目まどかは、火野映司とは違う。 それを枯らした映司と違って、まどかには自分への欲がある。当たり前に自らの身を案じ、恐怖を感じることができる。物事を考える時に、自分の我侭を挟むことだって多々ある。 それは恥ずべきことではなく、人間として生きるために、当たり前に備わっているべき欲望なのだ。 だが、それでも。 自分への欲望も、我侭な恐怖心も持ち合わせていながら。 それでもまどかは、たとえそれがどんなに自分にとって辛い道であっても。 それが最善の答えであるなら、それしか手段がないのなら。自分の意志で、どんな不幸をも選択できる強さを持っている。 救済の魔女となる少女は――そんな強さを持ち合わせてしまって、いたのだ。 「――ガメル。もう一度、力を貸して」 最初はただ、力持ちになっただけだと思っていたのだが。どうやら少し違ったらしい。 ただこの場では、とにかく今までできたことができれば良い。 成すべきことを解し、それを実行する決意を固めたまどかは躊躇わず、身を沈める。 同時、カオスがその暗黒の太陽を投擲せんと構えた。 「――ごめんなさいっ」 だがそれが放たれるより――低い体勢でまどかの放った回し蹴りが、這い蹲っていた三人を蹴り飛ばす方が一瞬、早かった。 「!?」 まどかに蹴り飛ばされた三人は、各々が驚愕の色を表情に彩る。華奢な少女の足では動かしようもないほどのオーズや虎徹の巨体もまた、重さがないかの如く、軽やかに飛んでいた。 ――カオスの放った獄炎から、充分逃れられる速度で。 「――っ!」 密集していた標的が散らばってしまったが、カオスは既に射出を終えてしまっていた。望んだ効果を得られないことに、腹立たしさをカオスはその表情に刻む。 「――大丈夫だよ」 だが、一人だけ。 カオスの攻撃から、逃れるタイミングを最早、完全に逸してしまった者が残っていた。 「鹿目さんっ!」 「まどか!」 「まどかちゃんっ!」 マミが、虎徹が、映司が。彼女に救われた三人ともが、命の恩人に呼びかける。 手遅れかもしれなくとも、そこから逃げてくれと。生きることを、最後まで諦めるなと。 だが、眼前に迫る絶対の死と向き合っても。まどかは動じず、自らを飲み込もうとする黒炎に向き合っていた。 ――いや、動じていない、わけではない。 やはり怖い。死ぬのは怖い。死ぬのは嫌だ。嫌だ。嫌だ。 せっかくガメルが助けてくれた命を、こんなところで散らすなんて申し訳がなさ過ぎる。 だけど―― (ごめんね、ガメル) まどかはもう一度、胸中で彼に謝罪する。 (私はこの子を、見捨てられない――) そしてまどかは、自らを殺す者へと微笑みかけた。 「――私の記憶を、あなたにあげる」 「やめろっ……、やめてくれぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!」 その悲痛な声で。オーズが、映司が未だ満足に身動きできない中、必死の思いで手を伸ばしている姿が想像できた。 初めて出会った時は、正義を成そうとする彼から純粋なガメルを守ろうとして……逆に、ガメルに助けられてしまったけれど。 最後はガメルのように純粋な者から、そのオーズを守って……今度こそ死ぬなんて。何やら数奇な巡り合わせだと感じてしまう。 映司が正義の人であることは、もう嫌というほどわかっている。何度も彼には助けられた。 だけど自分を蔑ろにする彼は、その功績を無視して正義の重荷を全て背負い、どこまでも己を傷つけてしまう。 彼が助けを求める誰かの手を掴むとしても。自分のために手を伸ばさない彼の手は、誰にも掴むことができないのに。 それでも、願わくば――彼の命だけでなく、そんな歪な火野映司の魂にも、救済が訪れんことを。 「鹿目さん――っ!」 マミさんは、すっごく頼りになる素敵な先輩だけど。本当は、とっても寂しがり屋の女の子なのを知っている。 折角また、あの悲劇も乗り越えて、手を取り合えたのに。また一人にしてしまって、本当にごめんなさい。 「おいよせ、まどかぁっ!」 ワイルドタイガーさんは……真木への宣戦布告に、また泥を塗ってしまってごめんなさい。 だけどきっと、あなたみたいに本当に強い人なら――皆を救えるって、信じてる。 ――二人のことを、お願いします。 そして最期にまどかはもう一度、哀れな天使に意識を向けた。 お望み通り、記憶をあげる。 (仁美ちゃんの代わりに……) 亡くなってしまった、カオスの慕う親友の代わりに。 この子の、心の中で。 「私がめっ! って、してあげる……!!」 その言葉が、発せられたと同時に。 天使の放った地獄の業火は、鹿目まどかの全身をその魂(ソウルジェム)ごと喰らい尽くした。 【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ 死亡】 NEXT Out of the frying pan into the fire.(一難去ってまた一難)
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ローラーブレードは手抜きじゃないんだよ No.2167 星 最大HP 最大ATK 最大DEF コスト アニメ 3 158 77 225 5 AXZOP PS 巧属性の特殊DEFを10%上昇 +限界突破時のステータス 凸数 最大HP 最大ATK 最大DEF PS 0凸 70 40 92 巧属性の特殊DEFを3%上昇 1凸 77 44 102 巧属性の特殊DEFを3%上昇 2凸 85 49 112 巧属性の特殊DEFを3%上昇 3凸 110 59 134 巧属性の特殊DEFを5%上昇 4凸 121 64 161 巧属性の特殊DEFを5%上昇 5凸 158 77 225 巧属性の特殊DEFを10%上昇 星 特殊DEF上昇 最大HP 最大ATK 最大DEF PS 3 ローラーブレードは手抜きじゃないんだよ 158 77 225 巧属性の特殊DEFを10%上昇 4 マリアの意外な特技 504 140 151 特殊DEFを5%上昇 ♪沸き上がる感情に身を任せ EV86 嘆きのドールハウスのイベント報酬として実装された、星3メモリアカード。なお、カード名は用語集ネタである。 トレーニング 用語解説 - TVアニメ「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」公式サイト 初となる巧属性指定の特殊DEF上昇スキルを持ったメモリア。DEFステータスが200越えと配布星3にしては高い。 が、総合的な性能は流石に低く、ダメージ減少スキルを持ったメモリアに頼ったほうが被ダメを抑えられる。 ダメージ減少無視を持ったカードが相手の場合は一考の余地があるか。 相性のいいカード シンフォギアカード 星 属性 カード名 最大HP 最大ATK 最大DEF 最大SPD 最大CTR 最大CTD スキル [[]] [[]] メモリアカード 星 カード名 最大HP 最大ATK 最大DEF スキル [[]] [[]] AXZ メモリアカード 嘆きのドールハウス 星3 月読調 配布
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朽ちた古代騎士の剣 レア度 2 朽ち果て、錆びついた古の時代の騎士の剣。鍛え上げれば再び使えるようになるかもしれない。 合成ノート ランク4とランク10を確認してみよう。また、錆びてはいるが由緒正しいものらしく、騎士を目指すものにとっては貴重なものだというが… 入手先 合成 朽ちた古代騎士の剣を合成する 黒蝶の宝箱 第5章×1+黒蝶の残滓×1 朽ちた古代騎士の剣から合成する 朽ちた古代騎士の剣×1+黄金の鞭×1+スカイゴールド×1=騎士の証 ≪右手≫ 合成ランク4 守護のナイトソード 合成ランク10 破壊者のナイトソード 情報お願いします 名前 コメント すべてのコメントを見る
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第六十一話 邪魔をするんじゃない!! 投稿者:兄貴 投稿日:09/02/15-09 54 No.3845 『マ、マズイ! コレは非常にマズイ最悪の状況です!! ここ世界樹広場を除く5つの防衛ポイントが敵に占拠されたとの情報が入って来ました! 残るこの広場を占拠されてしまえば、全て終わり! 我々の負け! ジ・エンドです!! このまま我等が学園防衛魔法騎士団は火星ロボ軍団の軍門に終わってしまうのでしょうか!? やはり突如敵が装備した強制退場のルールは厳しすぎたかビックリ?』 当初はただの脱げビームだった火星軍団のロボットもいつしか特殊弾を装備して生徒達に襲い掛かっていた。 その威力は激しく、生徒達は次々と退場させられて、防衛ポイントで生き残っているのは一つしか残っていなかった。 だが、そこにはまだ諦めずに戦う者たちが居た。 「へっ、何言ってんの、朝倉・・・ココのロボはあらかた制圧したっての♪」 「おうよ!」 「まだまだ余裕だぜ!!」 新生大グレン団の男達、そして意外な活躍を見せる裕奈たちが中心となり、迫り来るロボ軍団を見事撃退していた。 『おっと皆さん! ここで重大なお知らせが入りました!』 突如告げられる司会の言葉に全員が耳を傾ける。 すると学園の様々な場所に設置されているオーロラビジョンに二人の男と女の顔写真が映し出された。 「おいアレ!」 「そうだよ・・・社長じゃねえか!」 「ねえねえ、美砂!」 「うん、シモンさんも!」 「リーダーじゃねえか・・・」 学園中に同時公開されるシモンと超の顔写真、その二人のことをほとんどのものが知っていた。 その映像に皆が首を傾げていると、朝倉がたった今、夕映から来た連絡をそのまま伝える。 『只今入った情報によりますと、黒幕の正体が発覚しました!! それはなんと誰もが知る超包子のオーナーにて、学園最強の頭脳を誇る超鈴音!! そしてもう一人は・・・え~、新生大グレン団リーダー、え~、天を突く男・・・穴掘りシモン! この二人の人物こそがこの戦いの黒幕だそうです!!』 カンペを読みながらシモンのことまで公表する朝倉。その情報に参加者だけでなく、他の生徒達にも衝撃が走った。 「エ~!? 超とシモンさんが!?」 「意外すぎ!」 「ていうことはアレか? その二人をとっ捕まえればいいのか?」 超だけでなくシモンも絡んでいることに彼を知る生徒達に動揺が走る。すると朝倉は混乱を無視して更に告げる。 『その通りです! 終わりのないマラソンレースかに思えましたが、この二人を捕まえさえすれば、我々の勝利なのです!! 残り一つの防衛ポイントが占領される前に、是非この二人を見つけ出すのです!! この二人の居所を見つけた場合、特別賞金が出されます!! これは戦闘に参加していない生徒も参加可能です!!』 シモンと超、敵同士ではあるが二人を同罪に仕立て上げることにより、学園総動員で二人の行方を探し出すことにした。 さらに二人が戦っているとすれば、派手な二人の事だ、生徒達全員で探せば直ぐに見つかるはずだとネギは確信していた。 そして案の定、特別賞金に目がくらんだ生徒達も動き出す。 「よっし、それじゃあ行くぞ!!」 「部の皆にも連絡しろ! 人海戦術で探すんだ!!」 「ぜってー、見つけてやるぜ」 携帯を手に持ち多くの者がついにシモンと超を探し始めた。 この状況にグレン団は持ち場を離れられないことに歯痒さを感じていた。 「やべえぞ、リーダーまで同罪にされちまってる!」 「落ち着け、薫ちん! 俺らはここを守るって決めただろ!!」 「でもよー、・・・くそっ・・・頼むぜリーダー! 捕まる前に勝ってくれ!!」 ここが占領されてしまえばそれでも負けになってしまう。 任された以上、自分達はここで命を張るしかない。豪徳寺は拳を握り締めながら、学園のどこかにいるであろうシモンに願った。 しかし人の心配ばかりしている暇はない。 「来た来た来たよー!」 「デカいの来たーー!」 「うお!?」 その時、広場の下から叫ぶ声がしたのでそちらを見ると、桜子、円、美砂の3人が走って来た。 その後ろには両腕が捥がれているものの一歩一歩近づいてくる巨大ロボット。 先ほどまでは味方だったはずだが、どういうわけか敵に戻っている。 「あんな大きいのまで来た・・・、裕奈どうする?」 「なんの! ここで退いたら退場した亜子たちに申し訳ないよ!」 近づく巨大ロボに怯んだ生徒達に裕奈が声を出す。すると巨大ロボは少し離れた場所から口を開き巨大なビームを放出してきた。 「やべっ、脱げビームだ!!」 「くっ、一次撤退だ!?」 「みんな怯んじゃダメだって! ここで私達が戦うんだよー!」 だがその声はあまり響かない。相手の巨大さ、そして服を脱がされた生徒達は次々とその場から逃げ出していく。 裕奈はそれでも勇んで攻撃を続けるがそれでも巨大ロボは近づいてくる。 もうダメか? 諦めかけたその時、同じマークを着けている男達が広場の前に立ちはだかった。 「お兄さん達・・・?」 「ゆーな☆キッド、ここは任せな!」 「そうだね、グレン団の後始末は我々がしなければ」 豪徳寺、山下、達也、ポチ、そして剣道部の辻を先頭に、グレン団の男達はゆっくりと近づいてくる巨人の前に立ちはだかる。 わずかな間だけ仲間だった魔道グレンを彼らは迎え撃とうとする。 「ちょ、お兄さん達! でもあんなんどうやって!?」 「そうそう、あんなの止められっこないよー!?」 次々と現れる男達。奇妙にも彼らは服の一部に同じマークを皆が付けていた。サングラスを掛けた炎のドクロマークだった。 すると裕奈や美砂達の不安の声を聞いて豪徳寺たちはニヤリと笑う。 「山ちゃん、いや・・・野郎共!! こんな時、リーダーなら何て言う?」 「ふっ、そんなもの決まっているじゃないか・・・無理を通して道理を蹴っ飛ばすだ」 彼らは知らない。 超の計画の内容も、魔法も、過去の改変も何も知らない。 シモンたちの正体も知らない。 彼らが分っているのはシモンが戦う超鈴音はグレン団を否定して、喧嘩を売ってきた者ということだけである。 だが、彼らにはそれだけの理由で十分だった。 「おうよ! そして俺達はな、リーダーの魂に! 美空ちゃんの足に! シスターシャークティの母性に! ココネちゃんの可愛さに! ブータの根性に! そしてヨーコさんのおっぱいにベタ惚れなんだよ!!」 「リーダーと美しきレディーのため、そして・・・我々の誇りのため!」 「おうよ! 命ぐらい、無限に賭けてやろうじゃねえか!!」 「そして・・・勝つのだ! 全員生き残って・・・」 「そうだ、ヨーコさんに言われたしな!」 次々と集結する男達、 その後姿に裕奈や美砂たちだけでなく、他の参加者たちも一斉になって注目していた。 すると巨大ロボはこちらを感知してレーザーを再び撃とうとする。 「どうやら俺らを認識したみたいだぜ!」 「へん、上等! だったらタップリ教えてやろうじゃねえか!」 「そう・・・俺達を・・・」 「「「「「「「「「「俺達を、誰だと思っていやがるッ!!!!」」」」」」」」」 同時に叫ぶ数十人の男達の魂の叫び。 その熱き想いを乗せて、一斉に気合を放出させる。 「極・漢魂!!」 「W烈空掌!!」 「怯むな! 撃ちまくれーー!!」 「グレン団の意地、見せてやるぜぇ!!」 咆哮する男達、その姿は紛れもないグレン団らしさを滲み出していた。 しかし今回は全員がヨーコに言われたとおり、勝利と全員の生還のために、強大な敵に立ち向かっていく。 その後姿に一瞬呆けていた裕奈たちだが、直ぐに武器を握り直し、彼らとともに最終防衛ラインへ向かい、巨大ロボに共に立ち向かっていく。 超とシモン、二人の喧嘩だけでなく、今日起こった全ての戦いを上空から眺めているエヴァンジェリンは酒を飲みながら実に上機嫌だった。 「ふっ、一昔前なら、あんなやかましい雑魚どもなど不愉快なだけだったが、こうしてみると中々活きが良いではないか」 「ケケケ、御主人モ茶々丸ミテエニ変ワッタンジャネエカ?」 「ふん、少し見方が変わっただけだ。力なくともその魂を振り絞るんだ、少し見ていて気持ちがいいということだ」 世界樹広場で戦う男達の叫びはここまで聞こえていた。 そして誰もが自分の惚れた男が掲げるシンボルにふさわしい熱さを持っていることに、気分が良かった。 そして次にもう一つの戦いに視線を向ける。 そこには意地を張り続ける少女と、自分の惚れた男が夜空を舞台に戦っている。 「あっちも中々激しいな。それにぼーやは間に合うのかな? くっくっ、私が事態の帰結に興味を持つとはな・・・」 「ヤッパ変ワッタナ・・・御主人・・・」 力なき路傍の小石などは以前のエヴァなら関心を持たなかっただろう。 しかしその一つ一つが精一杯尖がって、大岩を打ち砕こうとする姿に、胸が熱くなっていた。 世界を左右させるかもしれぬ大喧嘩を酒の肴に、エヴァは一人盛り上がっていた。 するとこの酒の場に入りに来た一人の老人が現れた。 「うむ、しかし良いのか? 超君の計画が成功すれば可愛い弟子とは会えなくなるぞ?」 「むっ、・・・じじいか、キサマも高みの見物か?」 「ふおっ、ふぉっ、ふぉっ、流石にこの年で熱血に乱入するには血が既に枯れてるんでのう。ワシに出来ることは全ての責任を取るだけじゃ」 全てを次の世代に託し、学園長も静観を決めることにした。 エヴァの隣に座り、熱気に満ちた学園を見下ろす。 そして・・・ 「さて、あちらも随分と熱くなっておるのう。 荒ぶる生徒達だけでなく、孫が惚れた男の情熱を見ながら一杯というのも中々じゃ」 飛行船の上で飛び交う二人の戦いを学園長も見守ることにした。 この戦いの始まりの原因にして全てを決める二人、奇しくも二人共この時代の、そしてこの世界の人間ではない。 その二人がこの世界の行く末を決定させるとは実に奇妙なことだった。 しかしエヴァは酒を飲みながら地上にいる、ある少年に視線を変える。そして隣に座る学園長に向けて、自信満々に告げる。 「だが、このままでは終わらんさ。まだぼーやも残っている。 ぼーやの師匠を誰だと思っているんだ?」 今を駆け抜ける者達が必ず天空で戦う二人の下へ行くはずだと、エヴァは確信していた。学園長もその言葉に頷いて、事態の帰結を見届けることにした。 そして、二人の前に一隻のセスナが横切った。 そして超とシモンの二人の舞台を旋回して、マイクの音量を最大限にして学園全体に報告する。 「こちら麻帆良大航空部部長! 発見しました! ターゲットを目視で確認! シモン、超鈴音、両名世界樹直上、4000メートルの巨大飛行船上に発見!!」 学園全体での大捜査なのだ。いかに地上から4000メートル上空に居ようとも見つからないはずはない。 その報告は瞬く間に地上の戦士達の耳に入った。 「ネギ先生!」 「はいっ!!」 「シモンさんと、超が見つかったって!?」 「リーダー・・・」 「振り向くな山ちゃん! リーダーを信じろ! 俺達は俺達のやるべきことをするんだよ!!」 シモン、超、両名の発見に様々な反応を見せる生徒達。 すると遥か上空の戦いが巨大なスクリーン画面に映し出された。 『さあ、ついにラスボスを発見しました! ・・・えっ・・・こ・・・これは・・・、え~、只今入りました情報によると、事態が変わりました。なんとラスボスの両名が遥か上空で既に戦い合っているとの事です!!』 超とシモンの争いを知っている者はそれほど大した反応は見せないが、事情を詳しく聞かされていない裕奈やアキラたちはその報告に目を丸くした。 そして映し出された生の映像に目を向けると、星型のサングラスをつけ、ドリルを持ったた男と、全身に刺青のような模様を浮かべている少女が激しい争いをしていた。 そしてその映像に映る超の姿にネギたちは驚愕した。 「あ・・・あれは!!」 「ちょっ、何よ!? 超の身体になんか浮かび上がってるわよ!?」 「バ・・・バカな・・・超の全身に・・・呪文処理が施されている・・・」 画面に突如浮かび上がった映像。 それは超鈴音が妙な紋様を体に浮かべて、詠唱している姿だった。 それは、二人の姿が発見される数分前に起こった出来事だった。 「どうやらさっきのネギたちとの戦いが効いたみたいだな。もうそのタイムマシンも使えないみたいだな・・・・」 ドリルを肩に乗せながら、シモンは激しく呼吸する超を見下ろす。 「特殊弾も弾切れみたいだな・・・それでもまだめげないか?」 「くっ、・・・はあ、はあ、・・・まさか・・・これほどとはネ・・・、いや・・・これも予想の範囲内ネ・・・」 膝を突きながら睨み返す超、その周りには背中に装備していたはずのブースターが壊れて転がっている上に、空の薬莢が当たりに散らばっていた。 「だが・・・もうお前には何にも残されていないぜ? タイムマシンも、特殊弾も、科学兵器も、お前の偽りのグレンラガンと共に俺達は全てぶち破った! どうする気だ? 気合でも振り絞るか?」 シモンやネギと違い、道具に頼って戦う超に、戦いの中での進化は起こらなかった。超の手の内は奇しくも昨日の戦いで全てを把握していた。 だからこそ、進化し続けるシモンに、同じ手が通用することはなかった。 それがこの状況を作り出した。 「ふむ、・・・たしかに・・・このままでは・・・・。ふう、しょうがない・・・出し惜しみのつもりは無かったが・・・」 「ん?・・・なんだ?・・・」 空気が少し変わった。 超が何かを覚悟したような目をすると、何かを呟き出した。 「コード∥∥∥∥∥|呪文回路解放、封印解除。ラスト・テイル・マイ・マジックスキル・マギステル」 超を中心として紋章と光が浮かび上がる。 いくらシモンでもこれが一体何なのかは直ぐに分った。だが、予想外のことに驚きを止めることは出来なかった。 「契約に従い我に従え炎の覇王(ト・シュンボライオン・ディアーコネートー・モイ・ホ・テュラネ・フロゴス)、来れ浄化の炎(エピゲネーテートー・フロクス・カタルセオース)、燃え盛る大剣(フロギネー・ロンファイア)」 「まさか・・・おまえ!!」 「ふっふっふっ、私が魔法を使えるとオカシイカ? 私はネギ坊主とサウザンドマスターの子孫ヨ?」 顔に奇妙な模様を浮かべ、超は不敵に笑った。 「ほとばしれよ(レウサントーン)、ソドムを焼きし火と硫黄(ピュール・カイ・テイオン・ハ・エペフレゴン・ソドマ)、罪ありし者を死の塵に(ハマルトートゥス・エイス・クーン・タナトゥ)」 呪文を唱えるにつれ、激しい光の炎がし収束されていく。 (まずい! このままじゃ、・・・だったら!) 魔法にそれほど詳しくないシモンだが、超から発せられる空気に、尋常でない威力を察し、迷わずに胸元にあるコアドリルを握り締めた。 超の詠唱と同時に、シモンも叫びコアドリルから発せられる光に包まれていく。 「友の力が与えてくれる、天の光の星と共に、無限の闇をも光に変える!!」 コアドリルから発せられる爆発的な光にシモンも包まれ、その目に星型のサングラスが浮かび上がった。 そして超とシモンが同時に叫ぶ。 「燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)!!」 「天上天下一騎当神超銀河!! 俺を誰だと思ってやがる!!」 超の放った巨大な魔法、その威力はかつてシモンが、ネギとエヴァの戦いで見た呪文よりも遥かに上回る力だった。 だが・・・ 「超銀河螺旋フィールド!!」 しかしその炎の中、シモンは服を多少焦がしたものの、ほぼ無傷で強力な螺旋フィールドに包まれて姿を現した。 「ハア、ハア、・・・ふっ・・・そうか、アナタにはまだそれがあったカ」 「テメエ、こんなカードを持ってるとはな。やるじゃねえか!」 「お褒め預かり光栄ネ! さあ、こっちも止まらないヨ!!」 本来超が呪文を扱うことは異常事態なのだが、それをシモンが知るはずは無い。むしろ未だに切り札を持った超に感服した。 だからこそ、超の激しい疲労には気付かない。 超も必死にそれを隠そうとする。 「ラスト・テイル・マイ・マジックスキル・マギステル!!」 再び呪文を詠唱する超。その体に疲労が一気に蓄積されていく。 だが、超は弱みを決して見せない。自分の弱い姿などこの男には見せたくないという意地で全身を支えていた。 だからシモンも一歩も引く気はない。 超銀河モードとなったシモンは巨大なドリルを二つ具現化し、二つの螺旋槍を構える。 そして更に全身を包むオーラから無数のドリルが伸びていく、フルドリライズ形態だ。だが今回は少し違う。フルドリライズのドリルがそこから更に枝分かれし、その先端の一つ一つ全てが砲台のような形となった。 無数に光り輝く螺旋力 シモンは全てを放出させる。 「メールシュトローム砲、メガボルテックスキャノン、準備よし!! 過去も未来も魔法も、時空間ごと一気に捻じ切ってやる!!」 超もその光景に苦笑いを浮かべながら全身に駆け巡る痛みに耐えて、呪文を詠唱する。 そして大量の炎の矢を、一気にシモンに放つ。 そして同時にシモンも放つ。 「魔法の射手(サギタ・マギカ)、連弾(セリエス)、火の59矢(イグニス)!!」 「超銀河螺旋砲!!」 天空の戦いの光が、夜の学園に光を照らしていく。 両者の螺旋力と魔法のぶつかり合いが世界を揺るがした。 だが、その競り合いに負けたのは超。 超銀河の圧倒的な力の前には流石に分が悪い。だが、彼女の目に「退く」という単語はまったく浮かび上がらない。 激痛に耐えながら直ぐに体勢を立て直して、再び呪文を唱えていく。 その光景をモニター越しで眺めている者たちは、皆唖然としていた。 「す・・・すげ~~」 「こ・・・これCGだよね?」 「派手すぎだって! シモンさんも超も、スゲー!」 なぜ黒幕同士の二人が争っているのかは分らない。しかし二人の振るう余りにもリアルに見える、リアルな大激戦に、ほとんどの者が当初の目的を忘れて映像に食い入るように見ていた。 「ちょっ、どうゆうことよ!? なんで超の奴も魔法使えんのよ?」 同じく映像に見入っていたアスナもこの事態に動揺する。 それは他の者も同じだった。 だが、ネギは違った。 ネギはとても冷たい声で俯きながら口を開く。 「超さんの全身に呪文処理が施されています。見たこともない魔法様式・・・いや、・・・科学・・・。どちらにせよ・・・無理やり魔法を使っているんです・・・」 「ネギ?」 この事態に淡々と説明するネギの様子にアスナたちは異変を感じ、ネギに視線を送る。 するとネギは拳から血が出るほど強い力で握り締めている。 「ネギ先生!?」 「ネギ君!?」 ネギの異常に刹那たちも慌てて声を掛ける。すると今度はネギが強く噛み締めた口から血が滲み出していた。 「ですが・・・呪文と引き換えに・・・激しい激痛が超さんを襲っているはずです・・・」 血が出てもお構いなしにネギは歯を食いしばり、拳を握る。 それは・・・怒りだった。 「どうして・・・どうしてこんなことをッ!!!」 「「「「!?」」」」 ネギが見せる怒りの表情、それはアスナたちが震えるほどの想いが込められていた。 するとネギは無言で杖を取り出して、上空に視線を送る。 「ネギ君、どうするん?」 「決まってます・・・もう、こんな悲しい戦いは・・・終わらせます!!」
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フューリア騎士団所属のトウヤ=セルダ・シューンこと紫雲統夜は困惑で顔を歪めていた。 目の前で胸元を大きく開けた赤髪の少女【フェステニア嬢ではない】が立っていたのも、近くにツルツルした頭の中年親父や歳の近い者達がいたのも構わない。 全員が中世ヨーロッパ的な服装をしているのも大丈夫だ。 スラスター故障時の機体制御訓練を監修していた筈なのに、まばゆい閃光を食らった瞬間になぜか地上に居るのだってボソンジャンプだと思えば……… 次元連結だと思えば………フォールド反応ですキラッ☆と思えば…………一万と二千歩譲ってあなたと合体してもまだ許せた。我慢できた。 だが………… 「なんでキスしたぁ!?」 騎士服の袖で急いで唇を拭いつつ、ブレンと心を通わせる「yesだね!」の彼女が言ったであろう言葉を放った統夜は、じっくりと加害者を見やった。 そんな様子に加害者の少女は小首を傾げて愉快そうに笑う。 「あら、私の唇は不味かったかしら」 「いやまぁまぁの味では有ったけどさ………ち、違う!なんでもキスした!?」 本音がほんの少し漏れた統夜に、周りの生徒達はヒソヒソとオクサマキキマシテー、だとかウラヤマシイワモゲロ、だとか言い合う。 「良い男がいたら迫るのは良い女の責務だと思うけど?」 「それはもっともだと思うけどさ…良い女なんて何処にいるんだ?」 「「「……………」」」 あまりにもあまりな事を真顔で言った統夜と固まる女子一同。 「キュルケが良い女じゃないならなんなのかしら………」 本来彼女と敵対しているはずのピンクが胸に手をやりながら呟くと、周りの女子も皆下を向く。 「あなた面白いわね………どう?私の男にならない?」 「却下、それより此処はどこだ?」 キュルケの誘いを一蹴して統夜は辺りを観察する。 クーデレハッケン、ン?ツキガフタツアル……などと呟く彼をみていたキュルケは、タバサ位しか見たことの満面の笑みを浮かべた。 彼女をここまで袖にする男など一人も居なかったから、今の統夜の反応は彼女の【微熱】を痛いほど刺激したのだ。 ――絶対欲しい―― そう考えるキュルケは、自然と艶やかな表情になっていた。 恋こそ彼女の家名に相応しい。 「此処が何処だか教えてあげるから、少し話を聞いてくれないかしら?」 マイペースな統夜へ笑いかけ、キュルケは彼の腕に抱きついて動揺を誘う。 彼女の胸は男を誘うに十分な大きさだったのだから、普通なら良いアプローチなのだろう。 「なら離してくれ、そして話してくれ」 「……………分かったわ」 自慢の体を押し付けたのにこの反応。 「カティアとどっこいかなー」などと彼が考えているとは分からず、一瞬自信を失いかけたキュルケだったが、どうせ長い付き合いになるのだからと笑みを深めるのだった…………
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梓「それで真鍋先輩、今買うならどれがおススメなんでしょうか?」 和「そうねぇ…。現行機種なら東芝REGZAが一番かしら。他は、パナソニックVIERA、三菱REAL、日立WOOOが同列といった所かしら」 憂「ヘー、そうなんだ。詳しいんですね和さん」 和「殆どネットの受け売りだけどね。でもジョーシンなら、きめ細かい対応で設置も安心よ。やっぱり家電はジョーシンよね」 唯「別に近くのビッグカメラで良かったよぅ……」ブツブツ 梓「ん?何ブツブツ言ってるんですか先輩」 和「といっても、店頭でTV画面の表示映像を実際に比べて、好みの画質を選ぶのが一番なんだけどね」 憂「そっかー、だから沢山テレビが表示してあるんだね」 梓「うーん、どの液晶も画面が綺麗で迷っちゃうなぁ…。お財布と相談もしなきゃだし」 和「ほら、唯も…、ってあれ?あの子どこに行ったのかしら」 憂「そういえばどこに……」 「ですからお客様…、当店だけではなく、他店にもブラウン管テレビは取扱っていないかと…」 唯「えー!酷いよぉ、どうしてブー太を仲間外れにするの!?」 「そう申されましても……」 唯「ブラウン管の暖かみが無いなんて、生活に潤いがないよぅ!」 梓「……………」 ピポパポ… 唯「ねぇ律っちゃんもそう思うよね!ジョーシンって酷いよね!?……え、知らんがな?…レポートで忙しい?…待ってよ律っちゃん!律っちゃぁぁぁ」 グイッ 梓「やかましいですよ!いい加減ブラウン管は諦めて下さい!」ズルズル 唯「ま、待って梓ちゃん、まだ澪ちゃんにも相談をぉ…」ズルズル 梓「いいです!早く選んで下さいよ」ズルズル 憂「うーん、このAQASとか良くCMしてますよね」 和「そうねぇ、AQASは他社と比べると映像エンジンが弱くて、こうやって店頭で比べたときに画質が若干落ちるような気がするのよね」 憂「そうなんですか?うーん、液晶選びって難しいですね」 =1時間半後= 梓「よし!決めました、私はこのVIERAにしますよ!」 唯「あすにゃんや、本当にそれで、いいのかな?後でREALの方が良かったとか思わないかな」 梓「べ…別に思わないですよ。VIERAに決めたんだから…」 唯「でもさぁ、でもさぁ、あすにゃん。こっちのAQASもこうやって少し暗くするとクッキリ見えるんだよ」 梓「う…、そう言われるとそんな気が…」 唯「そうだよー、本当にVIERAで良かったのかな、あすにゃんや」 梓「もー!そんな事言われたらまた迷っちゃうじゃないですか!こういう時だけ高校の時の呼び方しないでください!」 唯「ふーふん、さっきの仕返しなんだよ」 憂「あすにゃん…?梓ちゃんだからあずにゃんって呼んで無かったっけ」 梓「そ、そういえば?ちょっと、何一年で私のあだ名忘れてるんです!」 唯「あはは、めんごめんご。でもあずにゃんも同じじゃない」 憂「うーん、中々決まらないね、和さん」 和「それで良いのよ憂。高い買い物なんだから、迷うだけ迷わないと」 憂「そういうものなんですかね」 =2時間後= 梓「AQAS…VIERA…。あーぁ、なんだか目がチカチカしてきた…」ウロウロ 憂「和さん、退屈じゃないですか?なんなら私と向かい側のジャスコに…」 和「別に大丈夫よ。ジョーシンなら一日中居たって飽きないからね」 憂「はぁ…、そうなんですか……」 唯「ほらほら、あずにゃんや。このダイソンの掃除機凄いよー!」ガラガラガラ 梓「ちょっと、ダメじゃないですか勝手にお店のモノ使ったら!?いいから早く選んで下さいよ!」 梓「ホントに…。高校の時から一つも変ってないんだから」 唯「だって私はもうジョーシンに来る前から、決めてあるんだもん」 憂「え?そうなのお姉ちゃん。だったらなんで…」 唯「だって、久し振りにあずにゃんに会ったんだもん。すぐに帰ったら勿体ないじゃん!」 梓「ゆ、唯センパイ……」 憂「お姉ちゃん!流石お姉ちゃんだよ、一人暮らしして、ますます磨きがかかってるね!」 唯「いあー、照れるよぅ、ういー」 梓「って、だからって選ぶの邪魔しないで下さいよ!…というか、そう思ってるんなら遊びに誘って下さい!」 唯「いやぁ、新生活で色々忙しくてさぁ。今度ウチのアパート来なよ、あずにゃんや」 梓「はいはい、分かりましたよ。全く…」 和「あ、すいません。このAQASって、どれくらい人気あるんですか?」 「AQAS…ですか?……あぁ、AQUOSならば当店でも大変人気がありまして」 憂「ヘー、正確にはAQASじゃなくてAQUOSって言うんですね」 和「どうやらそうみたいね。流石ジョーシンの店員さんだわ…。知識も豊富で頼りがいがあるわね」 憂「は、はぁ…。そうなんですか」 唯「あ、あずにゃん!あっちには、パズルとかゲームが一杯置いてあるよ!ジョーシンって色々置いてあるんだね」 梓「そっちはジョーシンじゃなくて、キッズランドです。会計は別々だから注意ですよ」 唯「そうなんだ?じゃあ何か欲しいものあるかな、あずにゃん!」 梓「私はテレビが欲しいんです!キッズランドはまた今度にして下さい!」 3