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SSS ヴィクター・フリーマン アレックス・マクレガー SS 酒場の主人 S 市長 S- 女マンイーター 斥候 凄腕のガンマン A 罠 噛み付く女 B コービック三兄弟 ジャック・サラザール C ロイド・ヒギンズ ダグラス ニールセン D KKK トスカ アマチュア E 覚悟を決めた仲間 マシュー F 白人のオッサン セシル
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騎士と傭兵 騎士団が「ゼクセンの盾」ならば、その居城であるブラス城は名実ともに首都ビネ=デル=ゼクセを守る盾そのものと言えよう。グラスランド方面からゼクセ市に抜けるには、ブラス城の長い橋を渡り、城下に広がった街(城砦だけでなく、この市街地も「ブラス城」と呼ばれる)を過ぎ、頑丈な城砦の中を通り抜けるしかない(実は別のルートもあるという噂だが、「軍事機密だ」と言って教えてもらえなかった)。そして、再び長い橋を渡り、深い森を抜けてようやくゼクセ市に至る。ゼクセ市の中心に位置する時計塔がある建物が、市のシンボルでありゼクセン連邦の政治の中枢でもある「ギルドホール」だ。 ゼクセンは「商人の国」とは言われているものの、都市人口は南の都市同盟に及びもつかない。国土面積で言っても大部分が農村部と平原である。その間に小規模の商業都市が点在している。その中で飛びぬけて規模の大きいのが、ビネ=デル=ゼクセとブラス城だ。 「都会(まち)」なのである。 権力と腐敗、愛と憎悪、夢と野望、破壊と創造――農村にはなかったものが街にはは渦巻いている。足早にあるいはゆっくりと、行き来する人の数だけそれは存在し、危ういバランスを保ちながら街を、そしてゼクセンという国を形づくっている。そのバランスを最も象徴するものこそ、騎士団の根城であるブラス城の城砦であり、評議会の円卓が鎮座するゼクセ市のギルドホールと言っても過言ではあるまい。 ブラス城では、今日も朝から住民や商人や旅人が、ばだばたと行き来したり、おしゃべりに興じたりしている。田舎から出てきたばかりの傭兵もまた、城下町の平凡な風景の一コマでしかなかった。 「オレは今日、武器を鍛えに行くつもりだけど、お前はどうするんだ?」 朝食のサラダをフォークで突付きつつ、グレイはパーシィに尋ねた。 本格的な招集がかかるのは数日後の予定だった。当然ながら、到着してすぐに戦になるわけではない。必要な頭数が揃えば傭兵隊の編成と簡単な訓練が始まるが、それまでの間はすることがない。大抵の傭兵は、娯楽に興じるか、グレイのように武器防具の手入れをするか、あるいは気の利くものは早々と次の戦はいつどこで起こるだろうかと情報を集めたりする。 「お前の剣も鍛えてもらったらどうだ。田舎から出てきたばかりじゃ、どうせロクな剣を持って来てないんだろ。」 図星である。パーシィの剣はイクセの村から持ってきた、半ば気休めのような代物で、本格的な戦闘には役に立つのかどうか不安である。この先何があるか分からない。懐具合は生活費を差し引いてもまだ幾分余裕がある。剣を鍛えておくのは悪い選択ではないように思えた。 鍛冶屋は橋に程近い場所にあった。赤々と燃える炉の熱気の中、4,5人ほどの職人が汗だくになりながら、キンキンと甲高い鎚の音を響かせている。 「ほほう、これは鍛え甲斐のある剣だな。」 工房の親方は、地鳴りのような大声をあげた。一体ほめているんだか皮肉っているんだか分からないな、と思いながら、パーシィは剣を預けた。グレイの方は、背中に担いでいた長い棒状のものを親方に見せた。 「これも頼めるかい?」 差し出されたのはパーシィが今まで見たことのない武器だった。 「なんだ、これ。棒……?」 「棒って言うな、棒って。コイツは“棍”。グラスランドとか南のデュナンやトランでは結構よく使われてるんだぜ。場合によっちゃ剣よりも使い勝手がいいんだ。」 「トラン? デュナン?」 「ああ、都市同盟が…、都市同盟は知ってるだろ。」 トラン、デュナン、都市同盟、どれも名前だけは聞いたことがある程度で、どういう国なのかはっきりとは知らない。 「4年前の戦争で都市同盟とハイランドとくっついてデュナン国が誕生した。デュナン国の南のトランは7年前に南方の赤月帝国を滅ぼして共和国ができたのさ。」 「共和国」という言葉には聞き覚えがあった。昔、読み書きを教えてくれた司祭が言っていた。 『王国では血筋で王を選ぶでしょう。共和国では、血筋ではなくて、能力で支配者を選ぶのですよ。』 『じゃあ、ゼクセンは“きょうわこく”ですか?誰でも“ひょうぎいん”様になれるんですか?』 司祭は少し戸惑った顔で、 『神の御心のままに』 と言った。何も知らない子どもの質問とはいえ、司祭にとってはあまりにも答えに窮する質問だったろう。 (デュナンやトラン共和国にも騎士団はあるのかな……)グレイに聞いてみようとも思ったが、彼は親父に向かって事細かに注文をつけはじめたので聞くのをやめた。代わりにドア一枚隔てた隣の防具屋を覗いてみた。部屋じゅう所狭しと鎧や兜が並んでいる中で、カウンターの隣に銀色に輝く大きな鎧が一式飾ってあった。これは騎士の鎧だろうか。パーシィは、自然その鎧にそっと触れてみた。ひんやりとして硬い感触が指先に心地よかった。 「どうだい。かっこいいだろう。」 「これも売り物なのかい?」 「ははは。これは売り物じゃないんだ。うちは騎士団の鎧も作っているからね。これはその見本なんだ。本物は、一人一人の騎士様の好みに合わせて時間をかけてつくるんだ。1月くらいはかかるかね。」 「へぇ……かっこいいなぁ……こんな鎧が着けられたら最高だろうなぁ……。」 「そりゃあ、無理だぜ。いくら金があったって、騎士でもない奴に鎧を売ったらこっちの首がとぶさ。」 「じゃあ騎士になったら、鎧を作ってくれるかい?」 「はっはっは。面白いことを言うね。だが、カエルの子はカエル、騎士の子は騎士、武器屋の子は武器屋って決まってるさね。この皮鎧あたりどうだい。軽くて野戦向きだぜ。」 『共和国では、血筋ではなくて、能力で支配者を選ぶんですよ。』 能力で支配者を選ぶ国―― その国では農民の子も騎士になれるのだろうか。ゼクセンでは、なぜ農民は騎士や貴族になれないのだろうか。 ブラス城の城壁は高く高くそそり立っている。 パーシィはその壁を越えてみせると約束した友の姿を瞼の裏に思い浮かべた。その友とて、旅の途上に盗賊の襲撃に遭い、行方は杳として知れない。 パーシィは灰色の石壁を外から見上げながら、それを越える手懸りも足懸りも未だ見出せないでいた。 「悪い、待たせたな」 その声でパーシィは我に返った。武器を鍛冶屋に預けて店から出てきたグレイは、パーシィの顔と、彼がが見上げていたブラス城の方を、交互に見やりながら言った。 「ゼクセンの盾とは良く言ったもんだ。これじゃ俺たち傭兵どころか、ネズミ一匹入れてもらえそうにないや」 グレイは冗談っぽく肩を竦めてみせた。 「世界はこんなにも寛くて、人はこんなにも多いのに、自分の運命を自分で動かせる人間は、ほんの一握りときたもんだ。あそこの天辺(てっぺん)にいるやつにとっちゃ、俺たち傭兵の命なんてそこらのドブネズミと大差ないだろうな。」 「俺は、いつかあの上まで登ってやる――」 パーシィはそう言った後で少し恥ずかしくなり、「俺の友だちが言ってたことだけど」と照れ笑いした。グレイは笑わず、珍しく真顔でこう言った。 「そうだよ、パーシィ。世の中は変わる。赤月も都市同盟も、そしてハイランドも――。歴史を動かすのはいつでもちっぽけな人の情熱(おもい)なんだ……」 グレイはパーシィのほうを振り向いて微かに笑った。「何でもない。さあ、メシにするか」 グレイは羊皮紙を丁寧に折りたたんでポケットにしまうと、足早に宿の方へ歩いていった。パーシィはその後をゆっくり追いかけた。 心の中でさっきのグレイの言葉を反芻しながら。 (人の情熱(おもい)……か……) 「木葉亭」には広い中庭があった。かなり広い中庭だが、きれいに整備されている。樹木には「植物を大切に」という札の掛かっているものもあるが、なるほど幹に刻まれた傷跡は、傭兵たちがどんな扱いをしているか明らかに示していた。 3日目の明け方、少年は一人中庭に立った。早春の冷気が頬を刺す。周囲にはまだ誰もいなかった。 彼の剣術は農作業の合間に教わった田舎剣術に過ぎない。それを生業とする者たちの戦いの技術というのが、一体どういうものなのか、また自分の剣がどこまで通用するのか知りたかった。街には私営の道場もあったが、今の経済状況では手が出なかった。 しばらく素振りをしているうちに次第に体が温まってくる。パーシィは額ににじんだ汗をぬぐった。 「おや、珍しく先客がいますね」宿屋のドアを開けて庭に降りてきたエルフが、パーシィに目を留めた。その後ろからレオが顔を出しかけたが、顔面を刺す冷気に思わず首を引っ込める。 「レオさん、ロランさん! こんな朝早くから訓練ですか?」 「コイツがエルフの習慣だかなんだかで、めちゃくちゃ早起きなんでな、付き合いで起こされちまうんだ。」 レオは、大きな体を寒さに縮めながら、恨めしそうにロランを見やった。ロランは平然と答える。 「人間の習慣の方が不思議ですよ。深夜まで飲み明かして昼頃起き出すなどという習慣は百害あって一利なしですからね。」 「それも一理あるが、しかしこの寒い中で出てこんでもな」 「心身を鍛えるならば、悪条件でこそ意味があるのではないですか」 「そりゃ間違っちゃいないが。まあ、いい。さっさと身体を温めようぜ。」 レオはパーシィの方に向き直り、彼の顔をまじまじと見て、 「剣はあるか、坊主。」 と言った。いきなりのことに、パーシィは目を瞬く。 「え……ええ、一応。」 パーシィは昨日鍛えてもらった剣をおずおずと取り出したが、彼の大斧の前では、細身の片手剣はいかにも心許なげであった。 「それで十分だ。かかってこい」 レオは進み出て大斧を地面にどっかりと下ろした。パーシィは剣を中段に構えた。 かかってこいと言っておきながら、レオは斧を地面に下ろしたままだ。 パーシィは剣を無防備なレオに向かってまっすぐ振り下ろした。だが、その瞬間、レオは巨大な戦斧を木の棒か何かのように軽々と持ち上げ、パーシィの一撃を軽く受け流していた。 「通用せんぞ」 パーシィは再びレオに打ちかかっていったが、またもや片手で簡単に跳ね飛ばされた。何度も角度を変えて打ちかかっていくのだが、渾身の力を込めた一撃は、レオの戦斧の前にいとも簡単にはじき返されてしまう。パーシィは肩で息をした。レオは汗一つかいていない。 「これくらいでへたばってるのか。体力が足りないな。」 「…まだ……まだ!」 レオは笑って、大斧を肩に担ぎ上げた。 「はっはっは。まあ、そう焦るな。あと数日すれば正式に傭兵隊が組まれるはずだ。その時には、嫌というほど訓練させられるからな。」 「……は、はい。」 「いいか。お前は力で押すタイプじゃない。技術を磨いて、技とスピードで勝負しろ。」 後に疾風の騎士と呼ばれる少年の特長を、レオはすでに数合の打ち合いで見抜いていた。 「あの青年、なかなか有望ではないですか?」 二人の傭兵は街の大路をまっすぐ城塞に向かって歩いていた。 冷静沈着なエルフの言葉にレオは大きく頷いた 「ああ、今は下手くそだが、一太刀ごとに太刀筋が鋭くなっていきやがった。磨けば光る器だな。それに…」 「それに…?」 「あの坊主、いい目をしている」 「ふふ、何かを思い出しましたか?」 レオは相棒を横目で睨む。 「いや、別に。そりゃそうと、サロメ殿の用事ってのは何だろうな」 「さあ、行けばわかるでしょう」 「難しい話はしたくないんだがな。」 「でも、サロメ殿の用意されるランチは楽しみでしょう。」 「それが無ければ来んわい」 ロランの体内時計に従って彼らがブラス城の門をくぐったとき、城内の古い大時計がちょうど11の時を告げた。 若い騎士見習いによって、二人は会見室に案内された。ブラス城内では窓の大きな明るい雰囲気の部屋の中に三人分の座席が用意されていた。そして、窓辺に男が一人たたずみ、何か考え事をしている様子であった。 「お客様をお連れしました。」 若い男はゆっくりと振り向き、重そうな両目の瞼の下の小さな目で二人の方を見た。 「レオ殿、ロラン殿、お忙しいところおいでいただきまして。さあ、どうぞお掛けください。」 上流階級らしい上品な言葉と仕草で男は二人に着席を促す。その言葉、仕草と、見るからに厳めしい顔つきとのアンバランスがやけに印象的な人物だ。彼の名はサロメ・ハラス。若干二十歳で上級騎士となった騎士団のきっての秀才である。 さて、ロランが予想したとおり、サロメが用意した昼食にレオは大満足だった。上級騎士でありながら時には自ら腕を振るうというサロメのこと、料理の手配は抜かりがない。あれやこれやの世間話をしつつ、メインディッシュの肉料理からデザートのババロアまで、すっかり腹に収めたあと、レオはサロメに言った。 「で……今日はどんな用なんだ。」 「近々、傭兵隊が組まれますね。レオ殿は隊長に、ロラン殿が副隊長におなりとか」 「ああ。そのとおりだが。」 レオは、サロメに会うたび思う。この男はなぜこうも持って回った物言いをするのだろう。傭兵の率直な人付き合いに慣れたレオにとっては、やはり騎士や貴族連中の回りくどい話し方にはどうしても馴染めない。 「レオ殿はもう身体を動かしてうずうずしているようですから、単刀直入にお話しましょう」 隣でロランがクスリと笑いを漏らした。「お前まで笑うな」とレオはロランを小突く。 サロメは、真顔に戻って用件を切り出した。 「あなたがたが指揮する傭兵の中で、若くて素質のある者を数人推薦して欲しいのです」 「推薦? 別にかまわないが、どうするつもりだ。」 「学校(シューレ)を作るつもりです」 サロメはサラリ言った。 「何だ、そのシュー、なんとかってのは。」 レオもロランも話が飲み込めず、サロメの能面のような顔をまじまじ見つめた。ゼクセンではそれまで個人的な師弟関係によって技術が受け継がれていた。ギルドはその師弟関係をもっとも精緻な形で制度化したものと言える。そのような中で「学校」とはあまりに耳慣れない言葉だ。 「集団的、集中的な育成機関です。あなたがたにもその学校に入っていただきたいのです。指導者として」「は……?」 サロメの説明は残念ながらレオの頭をますます混乱させただけだった。 next 雨の日 名前 コメント すべてのコメントを見る -
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Venceslau Brás Pereira Gomes (1868/2/26 – 1966/5/15) 第9代ブラジル大統領 ※Wikipedia日本版に記載なし。英語版による 最初の切手/出身国最初の切手(1919年、ブラジル発行)
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雨の日 次の日から早速、レオの下での特訓が始まった。 経験豊富な傭兵隊の精鋭たちはパーシィから見れば皆が先輩だった。パーシィは貪欲だった。できるだけのものを吸収してやろうと思った。レオからは力の使い方を、ロランからは技とスピードを徹底的に盗んでいった。「期待値込み」でここに入れてもらったからには、努力して期待に沿うしかない。泣き言は言いたくなかった。 数日の間に彼の腕は目に見えて上達していった。 休憩時間でも、隠れてこっそりと振り下ろす腕の角度を確認しているパーシイを見て、レオが心配し、「休憩の時ぐらい休まんと、身体がもたないぞ」と注意した程だ。 一方、グレイの方は、練習に余念がないパーシィを横目に、頃合を見てはしっかり休憩を取るのに余念がなかった。彼が一人で草むらに寝転がっているところへ、傭兵隊副隊長および第二中隊長のロランがやってきた。 「グレイ殿」 「なんですかぁ、ロラン隊長」 グレイは、上司がやって来たのに起き上がりもせず、めんどうくさそうに答えた。ロランは気にもせず、傍らに腰を下ろす。 「あなたは、実力を出し切っていませんね。」 グレイは身を起こし、両手を広げて弁解のポーズを取る。 「べ、別にサボってなんかいませんって。みんなすごい達人揃いだからさぁ、オレなんかもういっぱいいっぱいなんですってば」 「サボっているとは言っていません。実力を出し切っていないと言っているのです。その棒は、もっと上手く使えるはずですよ。」 グレイは上目遣いに上司を見やる。 「……意味が分かりませんね、隊長」 「あなたの身体は、相手の動きにしっかり反応している。なのに、わざと打たれてみたり。何か理由があるとしか考えられない」 「あはは、買いかぶりすぎですよ。」 グレイは笑った。だが、ロランの長い耳は、その笑いの嘘をしっかり聞き分けていた。 「あの時レオ殿が格好つけようとしなければ、あなたは自分であの男たちにお仕置きをしていましたね? それに……。」 ロランはややためらいがちに言う。 「よほど実力がないとできないでしょう、女性が一人で傭兵稼業など」 「…………。」 「あなたのオーラがそう言っています。どんな事情か聞きはしませんが。」 「……別に隠しているつもりはないですよ。このほうが何かと楽ですからね。」 その返事にロランはあっさり納得した。 「それはそうでしょうね。こういう世界ですから。ところで、その棒は、南方の武器ですね。」 「ええ。それに棒じゃなくて棍。」 「その棍と同じものを背負っている男を見ました。」 「どこで?」 グレイは思わず身を乗り出した。 遠征を終えて根拠地のブラス城に帰還したライオネル=レッドラム卿は、自室で久しぶりに好物のカナカン産ワインを嗜んでいた。深く透き通った葡萄色と、芳醇かつ清涼な香りが、疲れた身心を幾分か癒してくれる。しかし、彼は完全にそれに酔いしれることはできなかった。このとき彼の元に一つの、不確かではあるが重大な情報が入っていたからである。 彼が葡萄酒を片手に、その重大事への対処についてあれこれ考えを巡らせていたとき、部屋の扉がノックされた。 「愚臣、ただいま参上いたしました」 現れたのはまだあどけなさの残る少年だった。 「ご苦労。ボルスは真面目にやっておるか」 ライオネル卿は、ビネ=デル=ゼクセの自宅に残してきた息子のことを尋ねた。 「はい、剣術にも勉学にも熱心に取り組まれております」 「館を抜け出したりはしておらぬだろうな」 「もちろんでございます」 「嘘を付く時に、声が震えなくなったな。だが、目線はまだ正直だ」 ライオネル卿は、微笑みつつため息をついた。厳格で知られるライオネル卿がこんな表情をすることができると知れば、住民はさぞや驚くであろう。あるいは多くの騎士も同様である。一部の、彼にとって最も身近なものたちだけが知っている表情である。 「仕様の無い息子だ。お前にも苦労をかけるな」 「めっそうもございません」 「だが、そろそろアレにも自立してもらわねばならん。正式に従士にさせる日も遠くあるまい」 「従士、でございますか」 少年は、祝福の言葉を述べようとして、とっさに言葉に詰まる。ライオネルはそれを単に解雇の心配をしているのではないかと捉えた。 「お前たち母子には、別の仕事を用意してある。特にランチェ、お前には特別な仕事を頼みたい。若く優秀で、かつ忠実な者にしか任せられない仕事だ。できるか?」 「ご主人様の仰せとあれば、不肖ランチェ、微力を尽くして取り組ませていただきます」 少年は畏まって頭を垂れた。その複雑な胸の内を知ってか知らずか、ライオネルは満足げに頷いた。 パーシィがブラス城を訪れてから瞬く間に1か月が経った。 カラヤクランとの本格的な戦争が、始まろうとしていた。今までの騎士団の出陣は単なる示威行動に過ぎなかったが、本格的な戦闘が始まれば、傭兵隊がまず前面に出て戦うことになる。傭兵たちの間にも、緊張した雰囲気が漂い始めた。 レオやロランは、騎士団との作戦の打ち合わせや傭兵隊の最終調整に忙しく、グレイも訓練が終わったあと毎日どこかへ出かけているようだった。誰もがなんだか少し疲れている様子だった。 パーシィはこの間に、酒場や暇があれば例の騎士の話を聞いて回った。そして、聞けば聞くほど謎が深まった。ある人によれば風貌はあまりゼクセン人には似ていなかったというし、彼の出身地に関しても一人ひとり言うことがまったく違っていた。剣の達人だったという人もいれば、紋章の使い手だったという人もいる。人の風聞などそんなものだと言ってしまえばそれまでだが、あまりにも謎が多すぎた。真偽は定かではないが、実はどこかで生きているという噂さえあった。なぜなら、その亡骸を見た者がいないからだ。確かなのは、ビネ=デル=ゼクセの貴族の娘と結婚し、その妻も最近亡くなって、後には一人娘が残されたということだけだった。 その日は雨が降って、久々に訓練が休みになった。グレイは例のように朝から出かけていたし、宿に残っても気が滅入るだけだったので、雨が小降りになったのを見計らってパーシィは城下町に出かけることにした。 さっきまで激しく振っていた雨は、小雨に変わり、さらさらとした霧雨に変わった。目的もなく足の向くままに歩いていくうちに、いつしか、ブラス城名物の長い橋にたどり着いていた。 いつもは大勢の人が往来する石橋の上も、今日は人気もなく、雨に濡れてさびしげだった。パーシィが長い橋の上を一人、歩いていった。この橋を通ってブラス城にやってきた日のことがずいぶん前のことのように感じられた。 一歩一歩、石畳を踏みしめて歩く。緻密な計算の下に隙間なく填め込まれている堅固な石の表面は、表面がすり減って凹凸している。今までに無数の人々の歩みを刻み続けてきた証拠である。そしてこれからも、歩く顔ぶれは変わっても、石畳は変わらず足跡を刻み続けていくだろう。 橋も終わりに近づいた頃、パーシィは前方に誰かが立ってじっとこちらを見ているのに気がついた。 それは、カラヤ服を着た背の高い男だった。男は傘も差さず、雨に濡れても微動だにしなかった。だが、違和感の理由はそれだけではなかった。身に纏う雰囲気そのものに、どこか不自然なところがあった。ブラス城には、毎日多くのカラヤ族やダック族の商人たちが行き来する。だが、その男は商人には見えなかった。それに、カラヤ独特の民族衣装も妙に不釣り合いな感じがした。赤や黄の鮮やかな民族衣装の色が、今日は雨に煙って冴えない色に見えたせいかもしれない。 パーシィは怪訝に思いつつ、その男の方に近づいていった。男は動かなかった。こちらを見ているのかと思っていたが、そうではなく、彼は、ブラス城をじっと見上げていたのだった。 男の肌は浅黒く、精悍な顔立ちで、鍛えられた肉体は美しく引き締まっていた。短い金髪が雨に濡れて、雫が滴り落ちた。 パーシィは横からそっと、傘を差しかけた。 「濡れますよ。」 「ああ、ありがとう。」 男はやっと気がついてこちらを見た。日に焼けた健康的な肌とは不釣合いな、物憂げなブルーの瞳が印象的だった。初めて会ったはずなのに、どこか懐かしいような気がした。 男はおもむろに言った。 「君は雨は嫌いかい?」 「雨……?」 「ああ、嫌いかい?」 普通は何かが好きか嫌いか聞くときは、「好きか」と聞くところだが、男はなぜか「嫌いか」と聞いた。パーシィは「どちらかといえば好きじゃないですね。」と答えた。 「俺は雨は好きだな。どちらにしてもきっと雨自身はいいとか悪いとか思ってないだろうね。」 パーシィは首をかしげた。この人はなぜこんな変な話をするのだろう。 「……カラヤの人ですね。」 「……ああ、そうだ。」 「もうすぐ戦争が始まるのに、こんなところにいて大丈夫ですか?」 「だからこそ、戦が始まる前に、ここを見ておきたくてね。」 男はそう言って城を見上げた。何の変哲もない灰色の城壁を見上げながら、彼はいとしげにに眼を細めた。 「俺の友人はゼクセンの騎士だったんだ。」 「友人?」 ゼクセンとグラスランドは敵対をしているのに、というパーシィの疑問を察して男は答えた。 「人間は国を越えて認め合うことができると俺は思う。」 「それで、彼は?」 「死んだよ。幼い娘を残してね。」 「戦場で?」 「ああ、そういうことになるな。」 「……ならば騎士にとっては名誉ではないのでしょうか?」 「人の死に名誉や不名誉があるかい?」 問い詰めるようにまっすぐに見つめる彼の瞳の藍は、さっきよりもますます深みを増して、まるで底なしの海の色のようだ、とパーシィは思った。あのジプシーの黒い瞳が、あの日のサムの瞳が重なった。雨……あの日も雨だった。 「……皆から称えられる死なら、病や飢えやそんな惨めな死よりもずっといい。死んで焼かれるよりは、綺麗な花に囲まれた死のほうがいい」 「……世の中には、ひとりひとりの生があり、ひとりひとりの死がある。自分の死に様を選べる人間が、いちばん幸せなんだろうな。」 男の言っている意味がパーシィには分からなかった。ただ、霧雨がじっとりと肌に纏わりついて不快だった。彼の言葉、声、瞳の色、滴り落ちる雫、すべてが今日の天気のように物憂げであった。 「あいつは自分の死に様を自分で決めた。だが俺はこうして生きちまった」 「……その騎士の名前を教えてくれますか?」 男は暫し躊躇った後、ゆっくりと、その名前を口にした。 「ライトフェロー。ワイアット=ライトフェローだ。」 ワイアットは確かに死んだ、と彼は言った。ほかでもないカラヤの村で、彼は命を落としたのだ、と。そしてその亡骸を見た、とも言った。ワイアットが生きているという噂は、民衆の淡い期待に過ぎなかったのだ。 宿屋に帰るなり、彼は妙に体が重く感じてベッドに倒れ伏した。雨の中を歩き回ったせいかもしれない。あるいは今までの疲れが出たのかもしれない。 夜になって雨は再び勢いを増し、宿屋の古い雨戸を激しく叩いた。パーシィはひどく疲れていた。だが、夜が更けても一向に眠れなかった。暗い部屋の中にいると昔のことがあれこれ思い出された。グレイが帰ってきてくれるのが待ち遠しかった。だが、いつまで待っても彼は戻らなかった。どれくらい時がすぎただろうか、パーシィは、ゆっくりと雨足が遠のいていくのを感じながら、やっと眠りについた。 チリン・・・・チリン・・・・。 風車が回る。黄金色に熟した麦の穂が一面に広がっている。 丘をゆっくり上っていくと、突然、鍬を担いだ青年が叫んだ。 「パーシィ!俺の麦畑を見てくれよ!約束どおり、村一番の農夫になったぜ!」と。 それが誰だか、俺は分からなかったが、ひどく懐かしい感じがした。 それから、また上っていくと、姉さんがいた。 姉さんは相変わらず赤い頬ぺたをしていた。子どもがわらわらと姉さんを囲んだ。 「見て!パーシィ!わたしの可愛い子どもたちよ!」と、幸せそうに笑った。 その先には、父さんがいた。 「パーシィ、おめでとう!父さんは鼻が高いぞ。」と、俺の両肩にあの大きな手を載せた。 俺は「父さん!」と言いかけたが、声が出なかった。 父さんの姿は、空気にかき消えた。 さらに上っていき、やっと風車にたどり着いた。 風車の丘では女性が一人、柵にもたれて黄金の波を眺めていた。 腰まである長い銀の髪が、風にさらさらと流れる。 サラサラ。サラサラ。 まるで絵の中にいるように静かな風景のなかで、なぜかサラサラという髪の音が異様に耳についた。 チリン・・・・チリン・・・遠くで鈴が鳴る音が聞こえる。 サラサラ。サラサラ。 チリン・・・・チリン・・・ 夕陽が夕飯時の子どもたちのように、急いで山際に駆け込んでいく。 真っ赤になった夕陽に照らされて、銀の髪が麦穂と同じ金色になった。 そよ風に押されてゆっくりと女性はこちらを振り返る。 『パーシィ……。』 女性は優しく彼の名前を呼んだ。 逆光が彼女の表情を隠していたので、パーシィはじっと目を懲らした。 『グレイ……?』 よく見ると、それはグレイではなく、にきび面の少年だった。 『……サム!』 『……』 『サム!会いたかったよ!サム!』 俺は幼馴染に駆け寄り彼の手を握った。サムは虚ろな目でパーシィを見た。 『……どうしたんだ、サム?』 晴れていた空はいつの間にか雲に覆われて、大粒の雨が振ってきた。 『……パーシィ。』 ニキビ面の少年の皮膚が、目の前で老人のように黒ずんでひび割れぼろぼろと剥がれ落ちはじめた。 チリン・・・・チリン・・・。 黒い突風が目の前を横ぎった。葬列だ。先頭に鈴をぶら下げて、駆け抜けていった瞬間、棺の蓋の隙間から、屍体がギロリとこちらをにらんだ。 『パーシィ、どうして俺を捨てたんだ。』 「うわぁぁぁぁぁ!!」 自分の叫び声でパーシィは目が覚めた。 「大丈夫か、パーシィ。」 傍らで青い瞳がじっとこちらをのぞきこんでいた。 頭ががんがんする。シーツが汗でぐっしょりと濡れていた。 グレイが用意してくれたのだろうか、頭の下にしっかりと氷枕が敷いてあり、頭には濡れタオルが置いてあった。 「悪い夢でも?」 「いや、なんでもない。今、何時?」 「……もう昼。」 「訓練は?」 「……バカ。病気の時ぐらいちゃんと休め。」 言ってグレイは起き上がりかけたパーシィの頭を小突いた。 「……ったく、雨の日に出かけて風邪ひいて帰ってくるなんて、ガキかお前は……。」 気分が悪かったせいかもしれない。グレイのいつもの毒舌になぜかカチンと来て、パーシィは思わず大声を上げてしまった。 「何も、そんなにバカだのガキだの言わなくたっていいだろ!」 「バカにバカと言ってなにが悪い。」 パーシィは頭に血が上って頭の上の手ぬぐいを地面に投げ捨てた。 「そういうお前は、昨日はどこに出かけてたんだよ!」 もう自分でも何を言っているんだかわからなかった。 「……オレがどこに行ってたか、いちいちお前に言う必要があるのか。」 パーシィはくらくらする頭を左手で抑えた。 「……出てってくれ。」 「……ああ。」 グレイはもう言い返さなかった。 そのままパーシィに背を向けて部屋を出て行った。 パーシィは静まり返った部屋にぽつんと取り残された。 next 戦場 名前 コメント すべてのコメントを見る -
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戦場 それから出陣の日まで、グレイとはほとんど口をきかなかった。パーシィも、グレイに謝らないといけないと思ったが、なんだか気まずくて、目を合わせることさえできなかった。 いよいよ当日、陽に照り輝く銀の鎧に身を包んだ騎士団は、ブラス城の長い橋を市民に見送られて出陣していった。 一方レオの率いる徒歩の傭兵隊は、半日先行して出発し、20隊総勢600名がすでにアムル平原を東進しつつあった。 その日は天気も良くアムル平原の向こうの山々までくっきりと見渡すことが出来た。これならば奇襲を受ける心配も無かった。 「どうだ、初陣の気分は」 とレオが声を掛けた。 「とにかく初めてなので、頑張ります――」 実を言えば、これから戦争をするという実感は沸かなかった。ただ、訓練の成果が試される時がきたと思っていた。気持ちを奮い立たせようと、パーシィは剣の柄を握り締めた。初陣への気負いは誰の目にも明らかだった。レオは、それを少し心配して、こう言った。 「いいか、敵を倒そうとはするな。とにかく生き残ることだけ考えろ。」 「は、はい。」 「それからもう一つ、敵は前にだけいるとは考えるな」 怪訝な面持ちでこちらを見上げた少年に対し、レオは、 「今に分かる」 とだけ答えた。 その日の夕方、傭兵隊は騎士団と合流した。騎士団は30騎足らずで、傭兵隊に比べてやけに少ない印象だった。その夜はアムル平原にテントを張り、見張りを立てて休んだ。パーシィは一旦床に就いたが、なかなか寝付かれず、そろそろとベッドから起き出した。 天幕をめくって外に出ると冷たい夜風が頬に触れる。春とはいえ外はまだ肌寒い。 外にはすでに先客がいて、星空を見上げていた。パーシィが声を掛けるのを躊躇していると、その人物はこちらの気配に気がついて振り向いた。 「……なんだ、パーシィ、眠れないのか?」 「お前もだろ」 どちらともなく自然に笑いが漏れた。二人は柔らかな草の上にゴロリと寝転がった。 大草原の上に覆いかぶさるように、一面、星空が広がっていた。 空気は澄んでいた。 まるで黒いビロードの上に黄金の麦粒をこぼしたみたいだ、とパーシィは思った。この空の下で、これから戦争が起ころうとしているなんて、とても思えなかった。このアムル草原の空も、故郷の村の空と同じように静かで、同じように美しかった。 ここで戦争が起こるなんて。 「なぁ、パーシィ、お前はどうして兵士になろうなんて思ったんだ」 「……笑うなよ」 「笑わないよ」 とグレイは言った。 「小さいころから騎士になるのが夢だったんだ。俺と、死んだ二人の親友と、父さんの」 「……亡くなったのか」 「流行り病でさ。村の大人も子どももたくさん死んだ。父さんはその後盗賊に」 このことを話すのは村を出てから初めてだ。だが、彼の気持ちは驚くほど落ち着いていた。 「そうか……」 「お前は何で?」 「……孤児だったんだ。」 グレイは星空を見上げながら言った。 「生きるために何でもした。盗みに詐欺。それに、人を殺すようなこともね。何のためなんて、考えていなかった。明日生きてるかどうかっていうことだけが大事だった。でも、ある人がね、尖ったナイフの代わりに、オレにこの棍を持たせて、壊すために戦うのじゃなくて、守るために戦う事を教えてくれた。」 グレイは瞳を手元に落とし、愛おしむように棍を撫でた。 「だけど、遠くにいっちゃった。ずっと、ずっと遠くにね……」 静寂が二人を包んだ。言葉にならない想いを星空に託すように、二人は沈黙していた。 やがてグレイがポツリと言った。 「なぁ、パーシィ、明日何かがあって、もし二度と会えないようなことがあっても、オレのこと、覚えていてくれるか?」 「縁起でもないこと言うなよ。」 「……そうだな。オレらしくなかったな。」 グレイはピンと跳ね起きると、パーシィに向かって、いつものようににんまりと笑いかけた。 「新米!明日はトチるなよ!」 パーシィは大きく頷いた。 翌日の朝は薄曇りだった。兵団はカラヤ村に向かってアムル平原を北上しはじめた。しばらく進んだところで、斥候がカラヤの兵士たちを確認したという知らせが入った。しばらく前進すると、カラヤの軍勢が地平線の向こうに見えた。相手はそれほど多くは見えなかった。せいぜい自軍の半数といったところか。さらに前進して、両者はお互いに矢の届かないぎりぎりの距離に陣を構えた。 騎士の一人が大きなゼクセン騎士団旗を掲げ馬を駆って進み出た。パレードで見たあの騎士だった。 「ゼクセンの六騎士の一人ライオネル=レッドラム。」 騎士の名乗りを上げると、カラヤ側もそれに応答した。 「カラヤクラン、族長の娘、ルシアだ。」 白い衣裳に身を包んだ金髪の女性が進み出た。カラヤでは女性が指揮をしているのか、とちょっと好奇心をもった。 「いざ、正々堂々と戦わん」 その一声で戦端が開かれた。 最初は弓の応酬だ。正面の騎士団は横に散開し、弓兵が前面に出る。ロランを先頭に弓兵隊の強弓がカラヤの戦士を襲う。相手も負けじとこちらに向かって弓を放った。最前列の兵士は盾を地面に突き立て、身をかがめて矢を防ぐ。 「弓兵隊下がれ!傭兵部隊前進!」 ロランの凛々しい声が響く。普段物静かなロランだが、まるで人が変わったようだった。 いよいよ戦闘が始まる。パーシィは剣の柄を握り締め、心の中でレオの言葉を反芻した。 (とにかく生き残れ) 傭兵隊は一斉に駆け出した。最前列の部隊が敵と接触し、甲高い金属音が響く。 その時、ポツリポツリと雨が降り出した。 「カラヤの戦士ども!天地の精霊は我らに味方してくれているぞ!」 ルシアの声が響く。カラヤ軍勢の勢いは雨にも衰えることなく、ますます志気をあげた。 たちまちのうちに乱戦となった。 パーシィの目の前にカラヤの戦士が飛び出す。振り下ろされたカラヤ刀の一撃をパーシィは身体を横に反らして躱した。相手の体勢が崩れたところを、彼は無我夢中で突いた。その一撃は刀で受け流され、そのまま相手は返した刃でナナメ下からパーシィを襲った。予想外の一撃。「避けろ!」と思ったとき、パーシィの体の方は硬直して動かなかった。 「パーシィ!」 瞬間、男の身体が横に吹っ飛んだ。棍の鋭い突きの一撃が相手を襲ったのだ。 「グレイ!」 「ぼぉっとしてるんじゃねーぞ!!」 「恩に着る!」 雨が激しくなった。たたきつけるような雨に視界が遮られるなか、カラヤの兵の動きは一向に鈍る気配がない。パーシィはただ自分の身を守るため剣を振るった。無我夢中で振るった剣に、鈍い感触。金髪のカラヤ戦士が右腕を押さえてうずくまる。初めて人を傷つけたことへの驚きさえも、剣を濡らした血糊もろとも、豪雨が流し去っていく。気が付くとグレイの姿も見えなくなっていた。 「一旦退却だ!」 レオが叫ぶ声が聞こえた。 「退却だ!退却だ!」 傭兵隊は、ゆっくりと後退し始めた。だが、その時、後方で悲鳴が上がった。 なにもない平坦な草原の上で兵士たちが折り重なるように倒れていくのが見えた。草原は一面、湿原に変わっていた。もともと地盤の緩かった場所が、連日の雨で更に緩み、今日の雨でとうとう飽和点を超えてしまったのだ。 カラヤ兵がそれを見て気勢を上げる。草原はカラヤ側のテリトリーだ。計算済みだったのである。 「迂回しろ!東に迂回だ!」 総指揮官ライオネルは背後のやや小高い丘で戦況を観察していた。 「傭兵隊のなんと不甲斐ないことよ。」 「ライオネル様、全軍退却をご命令ください。」 しかし、ライオネルは退却を命じるかわりに、軽蔑したような目で伝令の男を見やった。 「勇敢なるゼクセンの兵士に退却という言葉はない。」 「しかし、傭兵たちはもうすでに壊走しはじめておりますし、傭兵隊長のレオ殿も退却を指示しておりますが……。」 「指揮官は私だ。かまわぬ。逃げる者は斬れ。勝利か、然らずんば死だ。」 「……はっ……。」 伝令は青ざめた顔を司令官に見せまいと、下を向いて畏まった。 前線ではカラヤの追走を防ぎながら、なんとか湿地帯から脱出できた、あるいは迂回して逃げおおせた兵たちが、背後に向かって逃走しはじめた。だが、彼らには仲間であるはずの騎士団が、その前に、立ちはだかろうとは、傭兵たちには思いもよらなかった。 「ライオネル卿、血迷ったか!」 大斧を振りかざしてレオは叫んだ。前方にはカラヤ軍、背後には騎士団。降りしきる雨の中アムル平原は阿鼻叫喚の地獄と化した。 右手の剣を振り回しながらパーシィは無我夢中で走った。だが、その前に、一人のカラヤ兵が立ちはだかる。カラヤ兵は右腕の曲刀を大きく振りかぶった。 (とにかく生き残れ) 「だめだ! 俺はまだ死ぬわけにはいかない」 パーシィは無意識に叫んでいた。カラヤ兵は、振り上げた右腕をゆっくり下ろした。 「死ぬわけには……か」 男は、穏やかな青い目でこちらを見ていた。 「懐かしいな。俺の相棒も、そんな目をしていたよ」 そのときパーシィは初めて彼があの雨の日の男だと気がついた。 「あなたは…………」 「盗賊さ」 そのとき戦場に角笛の音が響き渡った。逃げろ、と男は目で合図をした。カラヤ兵や傭兵が二人の間に押し寄せてきて、そのまま男の姿を消し去ってしまった。 その後、どこをどう走ったかは分からない。パーシィは、とにかく走りに走り、昨夜のキャンプの位置に戻ってきていた。幸いにもカラヤの軍は、逃げる兵を追撃しようとはしなかった。カラヤは勇敢とはいえ、単なる蛮勇ではない。手勢が少ない状態で深追いする危険を冒す必要もないと考えたのだろう。どちらにしても戦はゼクセン側の惨敗だった。 生き残った兵が、少しずつキャンプに集まってきていた。レオとロランも無事だった。キャンプ地は沈み込んでいた。多くの兵が逃げることで精一杯で、負傷した仲間を助ける余裕もなかった。 パーシィはグレイの姿を探した。キャンプのあちこちを探したがどこにも見当たらなかった。 (まさか……。) パーシィは悪い想像を追い払おうと首を振った。 (もしかしたら道に迷っているのかもしれない……。) 辺りはすでに薄暗くなっていた。星も出ていないから、方角が分からなくなってもおかしくない。パーシィはキャンプの入り口で彼を待った。三刻待ったが、それでもグレイは帰ってこなかった。しばらくするとロランがそこにやってきた。副隊長として、兵士の慰労をしているのだろう。 「パーシィ君、こんなところでどうしたのですか?」 「ロラン副隊長。グレイを見ませんでしたか?」 「いや、見ていませんが……帰っていないのですか?」 パーシィはこくんと頷いた。 「そうですか……。」 「……道に迷っているのかもしれない……怪我をしているかもしれないし……俺、探しに行ってきます」 ロランは慌てて彼を止めた。 「待ってください。こんな時間にですか? 外にはまだ敵がいるかもしれないのですよ。」 ロランが止めるのは当然だった。でも、グレイは一人で寂しい思いをしているかもしれない。そう思うと、気ばかりが焦って、何もできないことが悔しくて、辛かった。 「気持ちはわかります。しかし、気持ちだけでは解決できない問題もあるのですよ。広いアムル平原を当てもなく探し回ったところで、探しだせるとは思えません。ね、パーシィ君、おとなしくここで待ちましょう。あなたたちの神様がもし本当にいるなら、きっとよいように導いてくださるでしょう」 ロランの言うことは正しい。自分が探しに行ったとして何になる。それは子どものわがままだ。パーシィは力なく草の上に座り込んだ。 先ほどの豪雨が嘘のように雲は晴れて、星空が昨日と変わりなく広がっていた。 『もし二度と会えないようなことがあっても、オレのこと、覚えていてくれるか?』 こんなことになるなら……もっと親切にしておくんだった。 『……バカ。病気の時ぐらいちゃんと休め。』 口が悪くても、根はすごく優しいってこと知ってたはずなのに……。 『……おまえ、いい奴だな。』 優しい人たちは、いつも去っていってしまう。 『同じ人間さ。できないと思ってるからできねぇんだ』 『……パーシィ、きっと立派な騎士になれよ』 『セイディ、あたしの大事な息子にどうかご加護を…』 『行きなさい。騎士になるのよ、パーシィ。』 みんなこんなにも優しくて、俺だけが、こんなに意固地で身勝手で、どうしようもなくて。 騎士になりたいなんて言って、本当の戦争のことなんか分かってなくて。 戦争がこんなに惨めなものだなんて分かっていなくて。 どうしていつも俺みたいな人間が生き残って、優しい人たちが犠牲になる。 どうしていつも!! いつの間にか両目から涙がとめどなく溢れていた。 周りの兵士たちが見ているのも構わず、天を見上げたまま、ボロボロと涙を流した。 (セイディ、お願いです。あんたが本当に居るなら、もうこれ以上悲しい思いをさせないで下さい。) いつの間にやら不寝番の兵士たちが周りに座り込んで、彼を慰めはじめた。彼らもまた、長い戦の中で友を失った者たちなのだった。長い夜を彼らは車座になって語り明かした。パーシィは彼らにはどんなに救われたかわからなかった。 やがて、空が白みだす頃、門番の一人が騒ぎ出した。 「おい、誰か来るぞ。」 目を凝らすと、地平線の彼方に小さな影が、こっちに向かってとぼとぼと歩いてくる様子が見えた。 パーシィは剣を投げ捨て走り出した。 「グレイ!」 疲れは感じなかった。走りながら朝の冷たい風が頬に当たって爽快だった。 息を切らして駆け寄ると、彼はグレイの前で立ち止まった。 「なんだよ。お前、朝っぱらから走ったりして」 それはいつものグレイだった。他愛ない冗談を飛ばす、正真正銘のグレイだった。 「……無事で……」 冗談で返そうとしたのに、もうそれ以上言葉にならなかった。 「痛たたたた!ちょっとパーシィなにすんだよっ!」 「無事でよかった!」 パーシィはグレイを力いっぱい抱きしめていた。 結局その後、一度ブラス城に戻って体勢を立て直すことになり、被害の大きかった傭兵隊は一時解散となった。レオはライオネルに責任を被せられて傭兵隊長を解任となり、ロランは上司に嫌気が差したのか、自ら辞表を提出した。 パーシィははじめての給金をもらった。そして、グレイは……。 「短い間だったけど、結構楽しかったぜ」 「気をつけて帰れよ」 「しばらくしたらまたゼクセンに来ると思うから、それまでせいぜい生き残ってなよ」 「お前こそな」 「偉そうな口聞きやがって」 そう言ってグレイはパーシィを小突いた。 パーシィは、黙って少しの間、グレイの顔を眺めていたが、やがて 「あのな。グレイ、お前って……」 「何だ」 「ううん、お前がブラス城に帰ってきたら聞く。」 「なんだそりゃ」 そのとき空から、鳥が一羽舞い降りてきた。 「シュト!」 グレイが手を伸ばすと、大きなナセル鳥が小さな手に器用に止まった。 ナセル鳥を肩に、棍を背に、飄々と去っていった。 パーシィは静かにその背中を見送った。 寂しさのような、ほのかな希望のような、一つの想いを胸に。 ……友情? ……それとも淡い恋……? その答えは結局分からずじまいとなってしまった。 なぜなら、次に彼らが再会するのは、遥か先、パーシィが永遠の想い人に出会った後のことだからである。 (ブラス城編終) next 間奏曲~ふたりのモノローグ 番外編「月夜~グレイの捜し人」 名前 コメント すべてのコメントを見る -
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ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【カウンターサイド】リセマラ当たりランキング - カウサイ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ウィキペディアを作ったiMacが箱付きで競売に登場。予想落札価格は約96万円!(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 終末のアーカーシャ(終アカ)攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 (2021年12月6日) - エキサイトニュース マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【アイプラ】リセマラは必要?当たりキャラランキング【IDOLY PRIDE】 - Gamerch(ゲーマチ) 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 篠原悠希×田中芳樹が明かす「歴史ファンタジー小説ならではの悩み」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】チャンピオンズミーティングの攻略まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ” - 沖縄タイムス 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? 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ブラス・オブ・シェルオール 新世響奏の姫騎士I (ファミ通文庫) 「二人の音色が世界を変えるボーイ・ミーツ・ガール開演!」 あらすじ +... 「名門吹奏楽部員が異世界では未知の楽曲を奏でる天才音楽家!? 名門吹奏楽部でトランペットのパートリーダーを務めるハルトは、ある日謎の光に包まれ気づけば異世界に!? なんとそこは、数曲の賛美歌しか楽曲が存在しない音楽的発展が止まった世界シェルオールだった! そしてハルトは、新しい音楽を追い求める少女リゼットと出会うのだが、この世界にはない楽曲を知る彼の演奏を聴いた彼女は大興奮! 彼こそ新時代の天才音楽家だと勘違いしてしまい――!?」 この作品が好きな人はこの作品が好き 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 0 (0%) その他 投票総数 0 ファミ通文庫 吹奏楽 異世界召喚 音楽 タグ投票(この投票をもとにタグ登録、検索の充実を行っています) 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 ファミ通文庫 0 (0%) 2 吹奏楽 0 (0%) 3 異世界召喚 0 (0%) 4 音楽 0 (0%) その他 投票総数 0
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第2部 ブラス城編 あらすじ イクセ村のパーシィは騎士に憧れる少年だった。 あるとき彼はジプシーの占い師から、15歳の時に村を出ると予言される。 15歳の年、疫病と飢饉、盗賊が村を襲う。親友と最愛の父を失った。 絶望に打ち沈んでいたパーシィは、母と姉が励まされ、理想へと進む決意をした。 橋上の街 人が子どもから大人になる時に、辿る道は二つある。 一つの道は現実を知り、それに適応すること。 もう一つの道は、現実を知り、それを乗り越えていくこと。 後者の道は険しい。 だが、それを選んだ者のみが、歴史に名を刻むことができるのである。 このものがたりの主人公もまたそのような道を選んだ一人であった。 背丈の低い潅木の間を、冷たく澄んだ風が吹き抜けていく。隔てるものもなくどこまでも広がる深く蒼い天球。早春の草原は漸く植物が芽吹きはじめ、地平線の彼方まで淡い緑の絨毯で覆われている。その姿は「ゼクセン」よりも、「グラスランド」という言葉の響きに、より似つかわしい。 ヤザ平原にはキャラバンの往復によって自然にできた道があった。幼い頃、一度だけ友達だった商人の幌馬車に乗せてもらって通ったその道を、少年は歩いていた。幌馬車でさえ広大な平原では頼りなく思えたが、一人で徒歩で行く少年はいかにもちっぽけだ。 黄昏が近づいてきたので、野営の場所を探さなければならなかった。風を避けるため木々の密生した場所で、暖をとれる場所でなければならない。パーシィはぐるりと四方を見回した。前方には平原。逆の方角――今しがた彼が歩いてきた方角には黒い森が見える。 小さい頃には、一度入ったら二度と出てこられないと言い聞かされていたのに、外から見ると案外こぢんまりしている。多くの村人が、生まれてからほとんどをその中で過ごす、小さな世界――それは今、視界の隅にほんのりと煙っている。 故郷の森を頭から振り払い、少年はこれから向かおうとしているブラス城のことを思い浮かべた。 城門には美しい鎧をまとった騎士が、凛として立っている。 誇り高き青年は高らかに宣言する。 「世界で最も気高い王の騎士よ。私は、王国の盾となるために、はるばると参ったのです……」。 繰り返し読んだ騎士物語の一節を彼は十分に諳んじることができた。 パーシィは少し元気を取り戻し、小川のほとりの林の中に今日の寝場所を定めると、小枝を拾い集め、手早く火をおこした。荷物の中から取り出した小さな鍋をかけて湯を沸かし、その辺で摘んだ野草と干し肉少量を放り込む。 やがて、香ばしい匂いがあたりに漂ってくる。 その時である。 耳にかすかに金属の擦れ合う音が聞こえてきた。 剣戟――彼の耳にはそう聞こえた。 そう遠くはなさそうだ。パーシィは音のする方向に駆けた。が、あるところまで来ると音はぷっつり途絶えてしまった。警戒しながらそちらの方向に歩み寄ると、やがて前方の茂みががさりと動いた。パーシィは慌てて身構えた。 茂みをかき分けておもむろに現れたのは旅装束を身に纏った人物だった。背丈はやや小柄、フードを目深にかぶっていて顔は見えない。 「……子ども?」 その人物は少し高い声でつぶやいた。 「……山賊……には見えないな」 その人物は右手でフードを外した。まだあどけない相貌が顕わになる。 青い大きな瞳。白い肌。少しクセのある金髪は後ろで緩く束ねている。歳はパーシィと同じくらいか、或いは下かもしれない。 「山賊だなんて、とんでもない。騒がしかったから見に来ただけだ」 パーシィはゆっくり言葉を選びながら答えた。悪意がありそうには見えなかったが、得体は知れない人物には違いない。 一方、金髪の少年はにやっと笑うと、無言でパーシィの鼻先にぬっとなま暖かい物体を押しつけた。 「野ウサギ……?」 「どうせなら一緒にどうだい」 少年は屈託無く笑った。 そんなこんなで、パーシィの夕食には、話し相手と新鮮なウサギの肉が加わった。 少年はグレイと名乗った。奇遇にも彼も兵士募集に応じてブラス城に行く途中だという。 「一人旅は暇でね。いい連れが見つかって良かったよ。」 グレイは白い歯を見せて笑った。屈託のない笑顔に、パーシィは少し安心させられた。 「俺はイクセの村から来たんだ。君は?」 「俺は無名諸国で傭兵やってたんだけど、最近、仕事が減っちゃったんでね。今度はブラス城で兵を募集しているっていうからさ。ゼクセンは金持ちの国だしね、稼ぐには丁度いいと思って」 グレイは喋りながらチーズを一切れ口に放り込んだ。 「傭兵?その年で?」 「俺は18だよ。見えないってよく言われるけど。13からだからもう5年は傭兵をしてる」 パーシィはグレイをまじまじと眺めた。異国風のだぶだぶのズボンの下から覗く細い手足は、どう見ても18には見えない。怪訝な顔をするパーシィに向かって笑いながら、「ふふふ、嘘だと思ってるだろ」と言った。「そ、そんなことないさ。」と焦るパーシィに、グレイは「でも、本当に18だよ。」と笑いながら、野草の香りする温かいシチューを自分の碗とパーシィのとにそれぞれ盛った。 それからしばらく、ふたりは無言で温かいシチューを腹に詰め込んでいたが、また突然、グレイがこう言った。 「……お前、家出か?」 パーシィは思わず咳き込みそうになる。 「な、なんでそう思うんだい?」 「ヤザ平原は危ないモンスターも多いから、一人で動くなんて、よほど腕に自身があるか、何か事情があるかだろ。見たとこあんまり旅慣れてないみたいだし、一人旅だからさ、家出かなって」 戸惑うパーシィの表情を面白がるかのように、グレイはくすくすと笑った。 「違ってた? ごめん、怒ったかい。」 「いや、怒ってなんかいないけど……。」 困惑気味にそう答えた時には、すでにすっかり相手のペースにハマってることに、パーシィは全く気が付いていなかった。 「家出ってのはさ、実は自分のことなんだけどね。家出って言うより勘当だな。だから、お前の顔見てるとさ、なんだか、昔のオレに似てるような気がしてさ、妙におどおどしてるわりに、一生懸命強そうに見えるように頑張っててさ、急に元気になったりするかと思うと、急に不安げになったりする。でも、やっぱ顔が生き生きしててさ。」 なんだか大変そうな話を、いかにもあっけらかんとグレイは言い、また自分の話に自分で可笑しそうに笑うのだった。パーシィは彼の勘当の事情よりも、いったい彼はどうしてこんなに次から次へと言葉がでてくるのだろう、と不思議に思った。温かいシチューを頬張りながら、笑ったり喋ったり忙しげな彼にパーシィは好感を覚えた。 グレイは確かに世界のあちこちのことをいろいろと知っていた。傭兵歴5年というのも、話を聞く限り嘘ではなさそうに思えた。彼は傭兵の道をこう説いた。 「一番大事なのは、死なないこと。次は、無駄な汗はかかないこと。面倒は出来るだけ避ける。いかに効率よく稼ぐかを第一に考えるのが傭兵ってもんさ」 村を出てから3日目に、草原の先に、灰色の尖塔が浮かんでいるのが見えてきた。 7年ぶりのブラス城だった。 長い橋は、相変わらずまっすぐに巨大な石造りの城に向かって伸びていた。あのときはロブおじさんの幌馬車でここを渡った。ラルフと、サムと、それからマーティンが一緒だった。巨大な城塞を懐かしいような、複雑な思いで見上げるパーシィの横で、グレイがつぶやいた。 「ふーん、思ったよりも小さいな。」 長い橋を渡りながら、グレイはビネ・デル・ゼクセの話とハルモニアの都・クリスタルバレーの話ををしてくれた。 「ゼクセンの街並みはクリスタルバレーから学んだんだと思う。 クリスタルバレーもこんな石畳がずっと続いているんだが、辻ごとにハルモニアの聖人の名前がついてるんだ。クリスタルバレーだから町中がクリスタルで出来てんのか、って思ったらさ、さすがにそうじゃなかったけどね。円の宮殿は全部クリスタルだって話だけど、そんなんだったら眩しくて眠れないんじゃないのかな。 それから、あの国は身分差別がしっかりしてるからさ、町中だって気を遣うよ。外国人には入れる店と入れない店があってさ、間違って入ったりしたら、箒持ってたたき出されるんだぜ。かなわないよな。 ゼクセンなんて、一生懸命ハルモニアの真似してるみたいだけど、アホらしいよな。見かけ立派にしても、歴史の重みってものがまるで違うんだからさ。まあ、ハルモニアは、宗教的なものかもしれないけど、ちょっと辛気臭いとこがあって、オレはあんまり好みじゃないけどね。ハルモニアって言ってもカレリアはちょっと別だけどね。あそこはいろんな国の商人が集まっているから面白いよな。」 立て板に水のようなグレイの話を聞いているうちに、橋は終わり、ゼクセの商人風の男やグラスランドの民族服を着た男女が行き交う賑やかな城下町にたどり着く。二人はそこでそれぞれの馬を売り金に換えた後、城へと向かった。 間近で見上げると石の塊は更に威圧的に聳え立っている。大きな木製の扉は開いており、両脇に門番が立っていた。 「商人か? 通行証を見せろ。」 パーシィは自分が兵士募集に応じて来たことを告げた。門番は城の横の方にある小さな木の掘っ立て小屋を指差した。あれが、兵士の受付所だとのこと。 ついでにグレイはポケットから紙切れを一枚取り出して門番に聞いた。 「門番さん、最近こんな顔の三人組が通りませんでしたか。」 「ん?こんな変な格好の奴らには見覚えがないなぁ。オレの非番の時かもしれないし。なんだ、そいつは犯罪人か?」 「ううん。オレの知り合いなんだけど、旅に出たまま音信不通になっちゃって。知らなければいいんですけど」 グレイは、そそくさと紙切れをポケットに押し込んだ。 城外に設けられた登録所では、平服を着た愛想のない役人が、事務的に役割をこなしていた。兵士になっても憧れのブラス城内には入れてもらえないということを知って、パーシィはいささか落胆した。せめて城内を見物ぐらいできるかと期待したのだが。 「“兵士”と言ったって内実はただの傭兵さ。どこの国だってそうだけど、普段からこれだけの数の兵士を養っておく金はない。正規軍は実際には評議会の私兵状態だからね。まあ、実際に金を出しているのも彼らなんだから、仕方ないけど。ともかく戦が終わればオレたちは用済みさ。」 「騎士団は?」 グレイは少し声を潜めた。 「覚えときな。この国の軍隊は、外じゃなくて内に向いているんだよ。騎士団は、評議会に経済的に依存しているとはいえ、半独立勢力だから、評議会にとっては目の上のタンコブ。だから評議会が正規軍を増やすとなれば、騎士団が反発するだろうし、逆もまた然りってワケ。結局はオレたち傭兵を上手く利用するのが、今のところ騎士団にとっても評議会にとっても、一番平和的な手段なわけさ。」 登録を済ませると「兵士」の宿舎に案内された。宿舎と言っても専用のものがあるわけでなく、街の宿屋をその都度の必要によって転用するだけだ。パーシィがあてがわれたのは「木葉亭」という名の宿で、1階は酒場、2階には大部屋と小部屋がある。大部屋は粗末な木のベッドがぎゅうぎゅうに並べてある。グレイは大部屋を嫌がり個室を希望したが、ちょうど2人部屋が空いているというので、半ばグレイの「おごり」という形で、パーシィは彼と一緒に二人部屋に泊まることになった。グレイはシーツを使って二つのベッドの間に仕切りをし、簡単な「個室」を作った。荷物を片付け終わるころには、2人ともちょうどいい具合に空腹を感じ、また新しい街に着いたらまずは情報収集だな、というグレイの提案もあり、1階の酒場で食事を取ることにした。 小さな酒場はすでに客で一杯だった。2人は運良く席を見つけ、スープと肉料理、それにエールを注文した。 「イクセの取れたてのエールの方が格段にうまいな。それにワインだって。」 「ワインといえばカナカン産のワインだが、あれはカレリアに行かないと手に入らないんだよな。それよりさ、チシャのワインの方が通好みだぜ。」 野宿続きで久々に酒にありついたというグレイは、先ほどにもまして上機嫌で饒舌だった。 「なあ、見ろよ。エルフだぜ。珍しいなぁ。」 グレイの指した方向を見ると、皮鎧を着たエルフが、窓際で一人、静かにワインを傾けていた。珍しい紫色の髪にエルフ長い耳は遠目にもとても目立った。グレイが長い耳のほかに青や紫や緑などの変わった髪の色は、エルフ族の特徴なんだと説明してくれた。鎧を着けているからには、彼も傭兵なのだろう。エルフは弓を使うから、重い鉄の鎧は身に着けられない。オレたちが皮鎧なのは、単に貧乏なだけなんだけどねぇ、とグレイは笑った。 目を転じると、真ん中の一番大きいテーブルでは、大柄の男らがテーブルを囲んで大声で騒いでいた。その中の数人が、右手は大きなジョッキを持ち、左手はウェイトレスの女性にちょっかいを出しているのを見て、パーシィは思わず眉をひそめる。 「傭兵隊には、ああいう輩は事欠かないさ。」 そういうグレイも半ば軽蔑したような目つきで彼らを見ていた。 「格好つけて手を出すんじゃないぞ。話をややこしくするだけだからな。ああいう輩のあしらい方なら、彼女らは俺たちよりずっと心得ているんだから。」 グレイはパーシィの気持ちを察してしっかり釘を刺した。 パーシィは、「ああ……。」とあいまいに頷いた。 ブラス城での初日に出会ったものは、現実の姿だった。とはいえ、これはまだ入り口に過ぎない。少年はこれから世間の現実を嫌というほど知ることになるのだから。 酒場の雰囲気はあまり好きになれなかったが、料理の味には満足だった。それぞれ二杯目のエールを飲み干し、メインデッシュ仔牛のバルサミコ仕立てに舌鼓を打ち、すっかり満腹したところで2人は席を立った。中央の階段から二階の部屋へ上がろうとした拍子にパーシィは何かに足をとられて躓いた。 横のテーブルに座っていた4人の男がいっせいに笑い声を上げる。一人の男がわざと脚を突き出していた。パーシィは怒るより前に驚いて相手の顔を見つめた。男は少年の世間擦れしていない様子がまた可笑しいらしく、くくっと笑った。 「新入りよぉ、兄貴に挨拶がまだなんじゃねぇかい?」 「挨拶?」 パーシィはようやく相手の悪意に気がついた。 「兄貴、こいつ、相当な田舎者だぜ。」 今度は左の痩せた男がゲラゲラと笑った。 むっとして言い返そうとしたとき、横からグレイがおどけた調子で割り込む。 「そうさ、田舎者なんだから、そんなに苛めないでやってくれよ。」 グレイにすればバーシィに助け舟を出したつもりだったのだが、これが逆効果だったか、右の男は、今度はグレイに標的を定めたらしかった。 「なんだ、彼女付きかい、色男だねぇ。」 その言葉を聞いて、グレイは一瞬、顔を真っ赤にした。男は彼の長い金髪と小柄な体格を見てからかったのだ。 「……オレは!」 「なら、男らしさを見せるかい?嬢ちゃん。」 兄貴と呼ばれた背の高い男は振り上げかけたグレイの手首を右手で掴み、下卑た笑いを浮かべた。だが、グレイは一呼吸して、努めて落ち着いた声で言った。 「男らしさは戦場で見せれば十分だろう。手を放してくれないかな。」 グレイは男を見上げてにっこりと笑った。もちろん内心は怒り心頭に発している。 「兄貴はどっちもOKだぜ。」 卑猥な冗談に反応して周囲がどっと笑い声をあげた。 それを見ていたパーシィは耐え切れず、いきなり男に殴って掛かった。 「手を放せ!」 「馬鹿!!パーシィ!やめろってば!」 グレイが叫んだ瞬間、パーシィは相手の片腕の一撃で後ろへ吹っ飛んでいた。彼の身体はテーブルの脚に激突し、皿が音を立てて床に落ち、割れて散らばった。彼は背中を押さえて、のろのろと立ち上がった。口の端が切れて塩辛い味がした。 「くそっ……。」 なおも食ってかかろうとするパーシィにグレイが叫んだ。 「やめろよ、パーシィ!お前の敵う相手じゃないって!」 言いながらグレイは捕まれた腕を内側にひねるようにしてかすかに身を沈めた。そのとき、 「その通りだ。やめとけ坊主。」 突如降って来た野太い声。その主は半スキンヘッドに三つ編みという奇抜な髪型をした大男だった。大男は斧を肩に担ぎ、上から「兄貴」をギロリとにらんだ。 「そいつを放すか、俺が相手をするか、好きな方を選びな。」 「……レオだ。大斧のレオだぜ……。」 大斧のレオににらまれて、「兄貴」は一気に酔いが醒めたような顔をした。 「もっともオレがやる前に、あいつの弓がお前を射抜いているかもしれんがな。」 その言葉に振り返ると、さっきのエルフが男に向かって弓を弾き絞っていた。こちらの騒ぎに気を取られていて、誰も彼の動きに気が付かなかったのだ。 「……はは…レオの旦那にロランの旦那。あんたらとやり合うほど馬鹿じゃないぜ。」 そう言って男はグレイを放した。一目散に宿屋を飛び出ていった。レオは、突然の出来事に呆けているパーシィに向かって言った。 「坊主、名前は何だ。」 「……オレはパーシィ。イクセのパーシィです。」 「パーシィか。いい名前だな。」 「あの、レオさん……ありがとうございました。」 「レオでいい。俺たちは傭兵だ。実力は戦場で証明すりゃいい。こんなところで新入りだ古株だなんてぬかしてる尻の穴の小さい奴らに負けるんじゃねぇぞ。」 レオは太い腕でパーシィの肩をばんばんと叩くと、宿の二階に上っていった。エルフの青年もいつの間にか消えていた。 パーシィは二階の部屋で怪我の手当てを受けた。 幸い怪我はひどくなかった。打撲と擦り傷、それから倒れた拍子に軽く足を捻ったらしかった。パーシィは強がって、寝てれば直る、と言ったが、グレイはそれを聞かず、テキパキと傷口を湯で洗い、足には包帯を巻いてくれた。 「…ったくお前も馬鹿野郎だな。自分と相手の力の差もわからないようじゃあ、この先、生きていけないぜ。」 包帯を巻きながらもグレイの毒舌は止まらない。 「じゃあ、お前はあんな奴らに侮辱されて悔しくないのか!?」 「格好つけてんじゃねぇ!馬鹿野郎!」 パーシィにつられて、グレイも声を荒げた。パーシィは驚いて、思わず目を見開いた。 グレイは、大声を上げたことをしまった、と思い、少しだけ声を落として言い直した。 「言っただろ、面倒は出来るだけ避けろって。ちょっと馬鹿にされたぐらいで殴り合ってたら、命がいくつあっても足りないぜ。」 「でも。」 パーシィはまだ不満だった。 騎士道物語の中で、騎士は必ず守るものがある。 名誉と忠誠、王、そして美しいお姫様。 いつだって騎士はお姫様を魔の手から救い出す。もちろん助けられたお姫様が騎士に言うのは感謝の言葉のはずで、こんな悪態ではなく……。 おい、ちょっと待て。 誰がお姫様で、誰が騎士だって? 「……デモもヘチマもあるか。ったく。」 話している間も、グレイは丁寧にパーシィの足に包帯を巻いていく。近くでよく見ると、これで武器を握れるのかと思うほど細い指をしていた。巻き終わった包帯の端っこをきゅっと結ぶときに、彼の金髪がさらりと落ちて肌に触れたので、パーシィは一瞬どきっとした。 「これでよし、と。オレ、ちょっと下に行って湯を取り替えてくるから。お前はしばらく休んでろ。」 ブリキの洗面器を抱えて出て行こうとしたグレイを、パーシィは呼び止めた。 「グレイ」 「どうした?パーシィ」 パーシィは、呼んではみたものの何が言いたいのか自分でも分からなくて、口を開きかけたまま黙り込んでしまう。後で思えば、きっとずいぶん間抜けな表情をしていたに違いない。グレイはそんな彼の様子を見て微笑んだ。 「おまえ、いい奴だな。」 それだけ言うと、グレイはそそくさと階段を降りていった。 長い一日だった。最初の一日にしては波乱万丈だったともいえるかもしれない。 「ランプ消していいか?」 パーシィは緞帳の向こうに声をかけた。ベッドの上に胡坐をかいてなにやら書き物をしているのが透けて見えた。 「ちょっと待って。日記を書いているから。」 「日記?」 「日記つけてるんだ、オレ。マメだろ。」 「俺のことも書くのか」 「まあな、田舎者のガキに会ったって書くさ。」 「じゃあ、俺もちびっこい男に会ったって書くぞ。」 「いいからさっさと寝ろ。」 「ああ、おやすみ。」 パーシィは横になり、まもなく健やかな寝息を立てはじめた。 「……眠っちまったか?」 規則正しい少年の寝息は、まるで平和そのものだ。 返事がないのを確認して、グレイはおもむろにベッドから起きあがり、窓を開いた。冷たい夜風が舞い込み、寝間着の裾をひらりとなびかせる。その夜風とともに黒い影が舞い降りてくる。鳥だ。グレイはその脚に、そそくさと「日記」の一頁をくくりつけた。 ナセル鳥は静かに滑空して夜空に消えた。 凱旋パレード 3日目の朝、パーシィは階下のけたたましい叫び声で目が覚めた。 「きゃぁぁぁぁぁぁ!」 女性の叫び声だ。パーシィは飛び起きて窓を開け放った。眼下には黒山の人だかりができていた。 「いったい何が……」 パーシィは上着をさっと羽織ると、階段を駆け下り、表に出た。入り口近くまで人であふれかえっていた。パーシィは近くにいた中年の女性を一人捕まえて尋ねた。 「いったい何があったんですか」 「何って、騎士さまがいらっしゃるんだよ。」 「騎士様が!?」 「グラスランドからの凱旋パレードだって!」 そうか、さっきの声は、女性たちが黄色い喚声を上げていたわけか。騎士団ってやっぱりすごい人気なんだ。 「それにしても、ワイアット様の姿が見られないのは残念だわね。」 「ワイアット様?」 その名前には聞き覚えがあった。だが、何処で聞いたのか思い出せない。 「おやおや、今の若い子は、騎士の中の騎士ワイアット=ライトフェロー様のことも知らないのかね。あたしらが若いころは皆、ワイアット様にあこがれたものだよ。器量良し、性格良し、剣の腕は一流で、しかも……。」 おばさんがうっとりとした表情で語りだしたその時、規則正しい蹄の音が聞こえてきた。 「ちょっと、ちょっと、こんなところじゃ見えないわよ。」 「え? ちょっと。」 おばさんはパーシィの腕をわしづかみにし、強引に人ごみをかき分けて、最前列に押し出ていった。まったく、兵士が阻止していなかったらそのままどこまでも突き進んで行きそうな勢いである。パーシィはおばさんパワーに感心するやら、とにかくおかげで騎士のパレードを間近で見る幸運に与ることができた。 騎士たちは、そろいの銀の鎧に身を包み、剣を右手に掲げて晴れやかにかつ威厳をもって行進していく……。いつかここで見た、そしてずっと胸に焼き付けてきた風景だ。おばさんが、これはまだ先発隊だけで、騎士団の全部じゃないのよ、と説明した。 騎馬の列の半分ほどが過ぎ、ひときわ派手な装いの騎馬があらわれた。乗り手は光り輝く金の髪と、空のような青い目、堂々たる髭を蓄えた一人の騎士。その騎士の姿が見えたとき、周囲が一瞬静まり返った。先ほどまで小うるさい程に歓声を上げたり、パーシィにむかって蘊蓄をたれたりしていたおばさんも、急に黙って頭を垂れた。そのことだけで、その騎士が何者であるのか察しがついた。パーシィも黙っておばさんに倣った。 将軍の騎馬は、しずしずとパーシィの前を通り過ぎようとした。 そのとき異変が起きた。 整然と進んでいた騎馬の列が突然乱れる。 何事かと顔を起こすと、小さな子どもが人だかりを飛び出て、将軍に向かって花束を差し出していた。 「ライオネル様!」 小さな不ぞろいの花束は、きっとあの子が自分で摘んだものに違いない。傍らの従士が進み出て注意する。 「パレードの邪魔をしてはいかん。」 「お花を……。」 子どもはなおも花束を両手に持って、騎士のほうにまっすぐ差し出している。 「このような薄汚い花を六騎士のライオネル=レッドラム様が受け取るはずがなかろう。恥を知れ。」 従士は差し出した手を乱暴に払いのけたので、小さなブーケは地面に落ちてばらばらになった。子どもは、ブーケの残骸を見やったが、また騎士の方悲しそうに見上げた。騎士はまったく表情を変えず、またフイと前を向き、何もなかったように騎馬を進めていった。呆然とそれを見送るパーシィの耳元でおばさんがささやいた。 「……ここだけの話だけどね、騎士団は変わったよ。昔はこんなじゃなかった。ワイアット様は、誰とでも気さくにお話されたものだよ」 「さっきの騎士様は、平民とは話をしたくないってこと?」 「思えば、ワイアット様が特別だったのかもしれないね」 「特別?」 「そうさ。ワイアット様は、ゼクセンで唯一の、平民出身の騎士なんだから」 「平民出身の騎士……?」 「ワイアット様は実力が認められて特別に騎士になられてね、それから名門のライトフェロー家のお嬢様と結婚したんだよ。そんときゃあ、あたしらは皆泣いたもんだけどねぇ。」 「ワイアット様は今どうしてるんですか?」 「ワイアット様かい……ワイアット様はね……」 おばさんは懐からハンカチを取り出して目頭に当てた。 「…………戦死されたよ。」 3日後、傭兵隊が正式に組織され、傭兵たちは野外の訓練場に集合させられた。総勢300人は下らないだろう。彼らは思い思いの武器を抱えてやってきた。その中でも剣は最も多かったが、斧に弓、短剣、異国風の棍やヌンチャク、ムチや手投げ武器、あるいはどうやって使うのか分からないような武器もあった。その中にはいついぞやの「兄貴」も顔を見せていて、パーシィに気づくなり、ぎろっとにらみつけて去っていった。 前の方から、レオの地響きのような声が響いてきた。 「傭兵ども!俺が隊長のレオだ!」 「おおぅ~!」 まだ戦が始まったわけでもないのに、一部の傭兵はもうすでに興奮状態で、レオの声に合わせて雄たけびを上げた。パーシィはレオの姿を見ようと懸命に背伸びをしたが、レオのユニークな髪型が少し覗いているだけだった。パーシィよりもさらに背の低いグレイなど、とうに諦めている。 「今から、手前らの腕前を見せてもらうが、準備はいいか!野郎ども!」 「おおおおおおおぉ~!!!!」 試験のシステムは簡単だ。10組が3分間ずつ打ち合いをする。それを見て隊長のレオと副隊長のロランが、5つの中隊に組分けをしていく。 「次」 パーシィの出番がやってきた。パーシィは相手の顔を見て沈黙した。偶然というのはあるものだ。 「ふん、レオの奴に邪魔されたが、今回はオレの腕前を見せてやるぜ。」 「こっちだって、負けないぞ。」 パーシィは剣を構え、相手をまっすぐに見据えた。 「はじめ!」 開始の合図と同時に、男どもは喚声を上げて敵に突進していった。 若い傭兵たちの試合を眺めながら、レオは先日サロメの言った事を考えていた。 騎士団は変わらなくてはなりません。 血筋で騎士になる時代はもう古いのです。 騎士団は、より質を高め、より団結しなければなりません。 今の騎士団は名ばかりで、すでに多くの騎士が経済的には商人たちに依存している状態です。 このままではやがて完全に評議会に隷属するようになるでしょう。そうすれば、評議会の権力には歯止めがなくなります。なのに、騎士は自らの権益を守るために、汲々としている状態です。 私たちは、自らの富と名誉のために戦うのではなく、また、評議会のために戦うのでもなく、ゼクセンの民を守る騎士団をつくるのです。 レオはブラス城を後にしたあと、ロランに尋ねた。 「ゼクセンの民を守るか。エルフのお前にはぴんと来ないんじゃないか。」 「……そうですね。しかし、サロメ殿の理想は良く分かります。この国は無駄な戦いが多すぎますから。」 ロランは淡々と答えた。確かに、お偉方の都合で起こす戦の被害をいちばん受けるのは民だ。それは現場に長く身を置いている傭兵だからこそよく分かる。戦があれば税も上がる。軍隊の通り道になった村には、食物の供出やらなにやらの負担が押し付けられる。村々の平安を乱すことでは、他所の盗賊もこちらの軍隊もさして変わらない。いや、こちら側のほうが、良いことをしていると思っている分だけ性質が悪い。民を守りたいなら、もとから戦争など起こさないのが一番だ。 「そのお陰で俺たちは食い扶持に困らないわけだ。」 レオはやや皮肉を込めて言った。 「そうとも言いますね。」 騎士だの何だの言ったって所詮は食欲も愛欲もある人間に過ぎない。「学校」とやらで、それが何かが変わるのだろうか。まあ、そんなことは俺の考えることじゃあない、とレオは思い直した。まずは、傭兵隊を上手くやることだ。サロメの話はゆっくり考えていけばいい。 今、レオの目の前で、あの少年が剣を振るっていた。一太刀、二太刀、跳ね返され、退いてはまた打ちかかっていく。何度目だったろうか、隙を突いて、繰り出した剣が、相手の喉下で止まった。 「……民を守るか。」 レオはパーシィの名前に大きくマルをつけた。 その日の夜に結果が発表された。レオから一人ひとり、所属の隊が言い渡された。パーシィは第一中隊、グレイは第二中隊に選ばれた。すべて発表が終わった後、レオは、パーシィの肩をたたいた。 「おい、今日は頑張ったな坊主。」 「レオさん。とんでもない。」 「第一中隊はオレの直属部隊だ。精鋭を集めてある。」 「えっ…俺が、そこに?」 「お前は、期待値込みだ。これからビシバシ鍛えてやるから覚悟しろ。それから、そっちのちびっこいのはロランにしっかり鍛えてもらえよ。」 「……オレはちびっ子扱いかよ。」 「レオ殿から見れば誰でもちびっ子ですから。」 レオは傭兵たちに向かって宣言した。 「では、これから今日の反省会をする!」 「反省会って?」 「なにを言ってるんだ。これに決まっているじゃないか!」 レオは、ジョッキをあおる真似をした。 「今日はおごりだ。じゃんじゃん飲めよ!」 「やりぃ!」 パーシィとグレイは手を叩いた。 閑話休題。 レオたちが浮かれ騒いでいるそのころ、パーシィに負けて格下の第3中隊に飛ばされた「兄貴」は、むしゃくしゃしながら、橋の上を歩いていた。 「くそっ。」 石を蹴っ飛ばそうとするが、綺麗に掃除された石畳には蹴飛ばす石も見あたらず、むしゃくしゃは発散される場所も無く溜まっていくばかりだ。その時ちょうど、橋の向こうからブラス城の方角に向かって、パタパタと駆けてきた女性がいた。避けられるところを「兄貴」はわざと身体をずらして、肩をぶつけた。 「痛いなぁ、もう。」 「それはこっちの台詞だぜ、お嬢ちゃん。俺、気が短いんだよね。」 「何よ、そっちが悪いんでしょ?」 女性は腰に手を当てて、男をにらみ返した。 「ずいぶん元気な女だな。痛い目みたいのかい?」 「それはこっちの台詞だよ。お兄さん。」 女性は「兄貴」の脅しに怖気づきもせずに、すっと腰をかがめて身構えた。 数分後―― 男はボロボロにのされて、地面にはいつくばっていた。 「ふぅ、いい運動になったな。」 「な、何者だ……。」 ボロ雑巾のようになった男に向かって、女はにっこりと笑った。 「あたし?あたしはエリザベスだよ!」 「おい、遊んでないで早く行くぞ!」 橋の上から、二人の青年が手を振っている。 「分かったよー!」 「エリザベス」は、もはや男に目もくれず風のように駆けていった。 兄貴は呆然と、3人の後ろ姿を見送ったのだった。 next 騎士と傭兵 名前 コメント すべてのコメントを見る -
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更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。