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ヒロシ 【ゆーくりパニック 調教ダイアリー】【Rolling Star(同人)】(2008-04-18) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せPart12 450 名前:名無したちの午後 :2008/05/16(金) 21 18 45 ID 4xuK2R8/0 ※以下、簡易報告(全て同人) 【ゆーくりパニック 調教ダイアリー】 [Rolling Star] 主人公 浩史(ひろし) 島田京子(CV:日向野はな) 「浩史さん」 島田蝶子(CV:渡会ななせ) 「浩史」 全国の「コウサク」さん&「リョウヘイ」さん&「ヒロシ」さんオメデトンヽ(´ー`)ノ 【かんなび -神奈備-】【SUNLITE】(2007-10-19) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せPart11 466 名前:名無したちの午後 :2007/12/09(日) 23 25 04 ID Y+iEGGCj0 んじゃ、俺も複数主人公のゲームを報告。 【Sunlite】 【かんなび-神奈備-】 智也編主人公 八州 智也(やしま ともなり) メイ (CV:榊原 ゆい) 「智也」「ともたん」 初瀬小夜子(CV:かわしま りの) 「智くん」 八州千鶴 (CV:草柳 順子) 「お兄ちゃん」 角谷巌雄 (CV:滝沢アツヤ) 「智也君」 秋山博史 (CV:真田雪人) 「智兄」 八州守興 (CV:馬並 硬太) 「智也」 巌雄編主人公 角谷 巌雄(すみたに いわお) メイ (CV:榊原 ゆい) 「巌雄」「いわたん」 初瀬小夜子(CV:かわしま りの)「角谷さん」 八州千鶴 (CV:草柳 順子) 「角谷さん」 八州智也 (CV:竹田彬夫) 「角谷さん」 秋山博史 (CV:真田雪人) 「師匠」 八州守興 (CV:馬並 硬太) 「角谷」「巌雄」 柳田冴子 (CV:南見ちはる) 「角谷さん」 初瀬瑞穂 (CV:山内花梨) 「角谷くん」 初瀬彰 (CV:小次郎) 「角谷」 博史編主人公 秋山 博史(あきやま ひろし) メイ (CV:榊原 ゆい) 「ひろたん」 初瀬小夜子(CV:かわしま りの)「ひろくん」 八州智也 (CV:竹田彬夫) 「博史」 角谷巌雄 (CV:滝沢アツヤ) 「博史君」 智也編が実質本編。Hシーンは、智也編 メイ4つ・小夜子8つ。 巌雄編 メイ・小夜子・千鶴・冴子で各1つずつ。博史編 小夜子5つ(妄想)。 全国の「トモナリ」さん&「スミタニ」さん&「イワオ」さん&「ヒロシ」さんオメデトンヽ(´ー`)ノ 【でふこん☆わん】【あんでる】(2005-11-18) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せPart6 849 名前:名無したちの午後 :2006/02/09(木) 03 04 48 ID y/6VURXp0 【でふこん☆わん】【あんでる】 主人公 加藤 弘(カトウ ヒロシ) 変更不可 風鈴寺空 「大佐」 (他に「大佐どの」「加藤どの」「加藤弘どの」「弘どの(二回)」) 鋼島鉄子 「加藤君」 (後日談で「アナタ」「弘さん(一回)」、他に「加藤弘」「加藤弘君」) 火ノ上かがり 「加藤」 土屋 圭 「加藤様」→「弘さん」 (教師の時は「加藤君」、他に「加藤弘」「加藤弘様」) 水龍寺七海 「弘」 (稀に「加藤弘」「弘さん」「弘くん」) 全国の「カトウ」さん&「ヒロシ」さん、オメデトンヽ(´ー`)ノ 【人妻ネットオークション】【H+】(2005-06-24) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せPart5 666 名前:名無したちの午後 :2005/07/19(火) 02 34 04 ID ch98i8AJ 【人妻ネットオークション】 【H+】 主人公 井上浩史(イノウエ ヒロシ) … 変更不可 新宮まひろ (CV:西田こむぎ) 「浩史さん」 「あなた」 「旦那様」 「ご主人様」 清水沙織 (CV:吉川華生) 「あなた」 井上マコト (CV:榎津まお) 「お兄ちゃん」 若野有紀 (CV:榎津まお) 「あなた」 「亮(リョウ)」←主人公じゃないけど 井上紅葉 (CV:かわしまりの) 「浩史さん」 「あなた」 南紀美沙 (CV:歌織) 「あなた」 「井上くん」(1回?) 白浜葵 (CV:桜川未央) 「先輩」 マリア (CV:桜川未央) 「浩史サマ」 「ご主人サマ」 真神さや (CV:西田こむぎ) なし 真神あや (CV:吉川華生) なし 亮君は有紀さんの息子さんです。 全国の「ヒロシ」さん&ちょこっと「リョウ」さん おめで㌧ヽ(´ー`)ノ 670 名前:666 :2005/07/19(火) 23 42 32 ID ch98i8AJ すいません。一番大切な”義理の”いう言葉が抜けていました。 亮君は前の奥さんとの子供で有紀さんとは血は繋がっていません。 主人公との3Pで出てきます。 ↓ここに詳しいことがありますんで ttp //www.hplus.jp/product/auction/chara.html あと亮君の声は、かわしまりのさんです。 【いもほり~お兄ちゃんの奮闘記!~】【TAKE OUT】(2004-03-26) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せPart4 422 名前:名無したちの午後 :04/10/28 21 31 08 ID 3UbW86jd 【いもほり ~お兄ちゃんの奮闘記!~】 【TAKE OUT】 主人公 平良 浩志(タイラ ヒロシ) 名前変更不可 米倉奈美 (CV:彩世ゆう) 「浩志」「あなた」「お兄ちゃん」「浩志さん(一回)」 米倉静瑠 (CV:三咲里奈) 「お兄さま」「お兄ちゃん」「お兄さん」「あなた」 米倉恵瑠香 (CV:萌木唯) 「お兄さん」「お兄ちゃん」 米倉瑠璃 (CV:楠鈴音) 「お兄ちゃん」 米倉聡美 (CV:福元コヒロ) 「お兄ちゃん」「あなた」 ・下の名前で呼ばれる回数はあまり多くない、名字の方は皆無 ・ゲームメニューの「スキップ時に音声を読み込まない」はOFF推奨 音声つきの台詞が連続した時、2つめ以降の台詞を再生しなくなった 全国の「ヒロシ」さんオメデトンヽ(´ー`)ノ 【アネもネ】【PINE】(2003-05-02) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せPart2 529 名前:名無したちの午後 :03/05/17 21 47 ID Mfcua0sU 【アネもネ】(PINE) 主人公の名前:神宮寺 弘士(じんぐうじ ひろし) 登場人物/呼ばれ方 ひとみ (長女)cv.朝霞 紫 ・・・ひろちゃん ふたば (次女)cv.榊原 ゆい ・・・ひろし みつき (三女)cv.新出 千晶 ・・・ひろちゃん しの (四女)cv.大花 どん ・・・ひろし いおな (五女)cv.秋月 まい ・・・ひろちゃん Pちゃん(六女)cv.三咲 ゆうか・・・ひろちゃん (但し、場面によって違う呼び方をされる事有り) 全国の「ヒロシ」さんオメデトンヽ(´ー`)ノ ・・・実は自分の本名が「ひろし」(字は違う)で、時々「ひろちゃん」とか呼ばれてるから、 プレイ中なんとなく小っ恥ずかしかったりする(w 【世界ノ全テ】【たまソフト】(2002-04-26) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せ 29 名前:ヒロシ :02/08/04 23 11 ID dcNZ9Cs5 「真・瑠璃色の雪」と「世界ノ全テ」で名前呼ばれまくり (;´Д`)ハァハァしますた。 ヒロシとしてはこの2本は外せないね。 【Once More Again】【アイル】(2000-08-11) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せPart5 433 名前:名無したちの午後 :2005/06/01(水) 02 16 18 ID JY/3kwJr 【Once more Again】 【アイル】 主人公 水沢 正幸(ミズサワ マサユキ) 名前変更可 あすか 「お客さん」 「神村君(一回)」 るり 「博士様」 水沢 奈未 「お兄ちゃん」 悠木 柚 「アンタ」 「コイツ」 「正幸」 「ソチ(一回)」 「正幸クン(一回)」 「正幸ちゃあ~ん」 悠木 いよか 「正幸ちゃん」 肥山 晶 「正幸」 「アンタ」 「お父さん(一回)」 「あなた(一回)」 宮下 ひかる 「マウザー」 「正幸」 「あなた」 「あなた達」 「猿」 「彼(一回)」 澤之木 優羽 「先輩」 「先輩様(一回)」 「あなた(一回)」 優子 「お兄ちゃん」 大槻 純子 「貴方」 「あなた」 「正幸君」 斎藤 部長「貴方(一回)」 園長先生 「正幸ちゃん」 あすかやるりに神村君や博士様と呼ばれるわけは、主人公が冒頭で風俗にいくためです。 それからこのゲームはデフォルトで名前変更しないで始めたときのみ、正幸と呼ばれます。 全国の「マサユキ」さん、ちょっとだけ「カミムラ」さん、「ヒロシ」さんオメデトンヽ(´ー`)ノ 【真・瑠璃色の雪 ~ふりむけば隣に~】【アイル】(2000-04-14) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せ 29 名前:ヒロシ :02/08/04 23 11 ID dcNZ9Cs5 「真・瑠璃色の雪」と「世界ノ全テ」で名前呼ばれまくり (;´Д`)ハァハァしますた。 ヒロシとしてはこの2本は外せないね。 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せPart2 490 名前:名無したちの午後 :03/05/02 00 41 ID 5UBwEuPd ふつうの報告 真・瑠璃色の雪 園村双葉からマナベさんと呼ばれます。 【月光】【URAN】(1999-10-02) 自分の名前を呼んでくれるエロゲを探せ 656 名前:名無したちの午後 :02/10/29 21 43 ID qjzzS4ld ttp //www.uran.co.jp/gekkou.htm 月光 ウラン 主人公:宏(ヒロシ) 由希子→宏 泉実→宏 非攻略キャラから男キャラまだえ呼び捨て。 かなり前にやったので間違ってたらごめん。 ゲームの出来は… 980円ぐらいで売ってるんだし…
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外野/G/左/中/右 右投げ/左打ち/179cm/72kg 長野/E/COST:20 高い盗塁成功率 足の速さを最大の武器にする外野手。 特にスタートダッシュが速く、短い距離を走るスピードは特筆もの。 高い盗塁成功率と広い守備範囲を生かして一軍で活躍する好選手である。 ステータス 期数 打撃 防御 パワ 走力 肩力 更新 1 9 10 5 10 7 up120126 2 9 10 6 11 8 up120126 3 10 11 6 11 8 up120126 4 10 11 6 12 8 up120126 5 10 11 6 11 8 up120126 6 10 10 6 11 8 up120126 7 8 8 5 10 6 up120126 8 6 6 3 8 4 up120126 9 4 4 1 6 2 up120126 10 2 2 1 4 1 up120126 守備適性 4 4 4 1 1 1 1 1 打順適性 1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 8番 9番 3 3 1 1 1 1 3 3 3 特性/球種 盗塁 内野安打 クラッチヒッター 対左 ○ バント ○ 更新日:2012-01-26 名前 コメント
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虎の威 第9話 海を見た。 船に乗った。 砂浜で遊んだ。 魚を食べた。 沢山の町を巡り、いくつかの街を巡り、村や集落の小さな宿屋で夜を明かし、時には道端で 野宿した。 アカブに色んな話を聞いた。 喧嘩のような雰囲気になったりもした。 両親や友達が恋しくなった。アカブにしがみ付いてめそめそ泣いた。 この世界にも音楽がある事を知った。アカブは意外と歌が上手い。 酒場で踊りを教わった。テーブルの上に躍り上がって、珍妙な楽器に合わせて足を踏み鳴ら して踊るのだ。発情期なのに発情していない女は貴重なのだと、一晩中踊りに付き合わされて 筋肉痛で次の日は立ち上がれなかった。 月が二つある夜空が好きになった。獣人の表情が容易に読み取れるようになった。旅が好き になった。もっと沢山の街を見たいと思った。いろんな国を見たいと思った。 そして、発情期が終った。 両手で足りない量の土産と、一日で語りつくせない土産話をぎゅうぎゅうに詰め込んで、思 い出を語り合いながら馬車に揺られて帰路に付く。 アカブは大丈夫だと言い張ったが、二週間の間にもう一度だけ、アカブのものをしゃぶった。 気持ち良さそうなアカブを見るのは嫌いでは無いと思う。口の中に出される代わりに思い切 り顔にかけられたが、慌てて綺麗に拭ってくれたアカブを前に笑いを堪える事ができなかった。 口だけで――というのが少し申し訳ない気がしたが、どうしてもそこから先に踏み出す勇気 は湧かなかった。 「来年の発情期もさ」 帰りの馬車に揺られながら、ふと千宏がアカブを見る。 「色んなとこに連れてってくれる? 今度はもっとちゃんと準備して、野宿しても体が痛くな らないようにしてさ」 そうだなぁ、とアカブが勿体ぶって目を閉じた。 「俺に女が出来なかったらな」 にやりと笑うアカブにぱちぱちと目を瞬き、千宏はうーんとわざとらしく考え込んだ。 「それまでに適当な相手で処女喪失してアカブの恋人に収まれば解決か」 びしりとアカブが凍りつく。 怒涛のように押し寄せてくる小言の嵐を舌を出してやり過ごし、千宏は遠くに見慣れた川を 見つけて窓から身を乗り出した。 *** 馬車に山と積まれた通常ならば考えられない量の土産を見て、パルマとバラムは何があったのかと驚愕し、エクカフに行ったんじゃないのかと主にアカブに詰め寄った。 海に行ったんだ、と短く答え、アカブは飄々とした様子で土産を家に運び込む。 千宏もそれを手伝って箱を一つ抱えると、バラムにひょいと取り上げられた。 ここは俺がやるから先に中で休んでいろと促され、千宏はありがたく、パルマをまとわりつかせながら先を歩いているアカブを追いかけた。 重たい扉を軽々と開き、アカブが千宏を待って立ち止まる。 その扉の隙間をするりとすり抜けて、千宏は久々の我が家に両手を突き上げてのびのびと背 を反らし、帰ってきたーと半ば叫ぶように声を上げた。 「もう! 二人だけで旅行するなんてひどいよ! ずるい! ねぇ聞いてよアカブ。バラムっ たらひどいんだから! 折角の発情期だっていうのにさ、ずーっとチヒロの心配してるの! そりゃ私だってすごーく心配してたけど、だけどさ、礼儀を欠くと思うのよね」 「そうか?」 「そうだよ!」 「そうかもなぁ」 明らかに右から左へ受け流しているアカブの様子に、パルマはそれでも構わないのか不平不 満やバラムに対する文句を言い募る。 土産物を居間に運ぶ間にすっかり文句を言い終えると、今度は箱や袋の中身を漁ってきゃあ きゃあとはしゃぎながら、土産話を話して聞かせろと落ち着きなくせっついた。 どっかとソファに腰を下ろしたアカブの横に陣取って、ぱたぱたと尻尾の先を振っている。 アカブは家族の人気者だ。千宏は密かにお母さんだと思っている。 遅れて現われたバラムがアカブに酒瓶を投げつけて、千宏には甘い果物ジュースをよこして 長旅を労ってくれた。 今回の発情期で、千宏には一つ趣味が出来た。 ローブおよびフードつきケープの収集である。 今までワンセットしか持っていなかったので単なる必需品として見ていたが、旅の最中にそ の必需品を致命的に汚してしまい、新しい物を買わざるを得なくなったのが始まりだった。 外出できない千宏の代わりにアカブが買ってきてくれたのは、深まる秋に備えてやや厚手の 生地が使われている黒くて柔らかな一揃いのローブとケープだった。 ローブの裾とフードの側頭部に白糸で可愛らしい花の刺繍が施してあり、デザインとは無縁 の味気ないローブしか知らなかった千宏は感動して大はしゃぎした。 そしてアカブにねだって連れて行ってもらった衣料品店で、色や柄だけでなく機能や形も多 種多様にある事を知り、千宏の乙女心に火がついた。 パルマが千宏のために買ってくるアクセサリーなどよりも、恐らく今後外出時は永遠に着続 けるそれだからこそ、そんなにも興味と愛着をそそられたのだろう。 顔すら半分隠してしまうような装束に似合うも糞もないだろうが、アカブはそれでもはしゃ ぐ千宏を笑ったりはしなかった。 その衣料品店で、ふと目にとまった物がある。 黒地に白で細やかな刺繍の施してある、繊細な印象を与える細身のリボンだ。 それを手に取ってみて、千宏はバラムの長い銀髪を思い出した。 長い髪をいつも鬱陶しそうにしていて、切ればいいのに、と何度も思った。実際に切らない のかと尋ねた事もある。 結果は否。切るつもりは皆無らしい。 鬱陶しくないのか、ポリシーなのかと重ねて聞くと、バラムはいかにも複雑そうな表情を浮 かべ、鬱陶しいが、長い方が色々と都合がいいのだと苦笑いした。 その曖昧な返答に千宏は首を傾げたが、とにかく切りたいが切ってはいけないという事は理 解できた。それならば――と思うのは、極自然な事だろう。 縛ればいいのだ。しかし市場で見かけるのは女性向けの可愛らしいヘアゴムや、きらびやか なスパンコールがキラキラと輝く豪奢で派手なリボンばかりで、男のバラムが身に着けても差 し支えない地味なものを見つける事は出来なかった。 トラは基本的に派手好きなのだと知ったのは、割と最近になっての事である。 とにかくこのリボンとの出会いは、アカブの毛並みを整えるのに奮闘した時と同様に、千宏 に義務感めいた情熱を湧きあがらせた。 即断で二メートル程度購入し、それは今、千宏の手の中にある。 土産話を肴に三人が酒を酌み交わす中、千宏はちびちびとジュースを舐めながらバラムの長 い銀髪を観察した。 パルマもそうだが、なかなか手ごわそうなクセ毛である。なにせとにかく長いので、三つ編 み一つ編むのに一時間はかかりそうだ。 三つ編み――? 一瞬、長い銀髪をきちんと三つ編みにしたバラムを想像してしまい、千宏 は危うく思い切り吹き出しそうになった。 屈強な大男に三つ編みとは――長髪が似合っている時点で奇跡なのだ。そこに三つ編みを重 ねようなどと、無謀この上ない試みである。 第一、三つ編みを解いた時にどうなるか――ソバージュヘアのバラムなど悪夢以外の何物でもない。 あらぬ物を想像して一人ぞくぞくと肩を抱き、千宏は恐るべきイメージを振り払おうとする ようにぐいぐいと残りのジュースを飲み干した。 半ば引きずられるようにしてパルマと一緒に風呂に入り、二人きりの空間でパルマが興味を 示したのは、千宏がアカブと“やった”のかどうかだった。 肩まで湯船につかっていた千宏は危うく溺れそうになる程狼狽えて、やるわけが無いだろう と言い切った。 「大体そんな、か、家族の間でそんな事はだねぇ……しないでしょ普通。しないよ」 平静を装ってタオルで汗を拭いながら千宏が答えると、パルマは不満げな声を上げて唇を尖 らせた。 「家族かどうかなんて関係ないよ! 二週間も二人っきりだったのに、世の中発情期だったの に、アカブってばなーんにもしなかったの?」 「し……しなかったよ」 実際、何かしたのは千宏の方であるから嘘ではない。 パルマは納得できないと言うようにしつこく食い下がり、だってだってと繰り返した。 「だってチヒロはこんなに可愛いのに! なのになんにもしないなんて絶対おかしい! 男と して礼儀を欠く行為だよ! 私が男だったら絶対押し倒してるもの!」 パルマが男でなくて本当に良かったとしみじみ思う。 しかし千宏はもう、パルマの言葉が理解できる程度にはこの世界に馴染んでいた。 発情期に二週間も町々を渡り歩いたのだ。フリーで好みの女がいたら、相手が発情していよ うといなかろうととりあえず声を掛けるのが常識らしいということは知っている。 「チヒロだって、私の事好きでしょ?」 ふと、不安そうにパルマが聞く。 なんだか妖しい響きに聞こえるな、と自覚しながら、しかし千宏は頷いた。 「アカブのことも、バラムのことも好きでしょ? 私たちもチヒロが好きだよ。それにチヒロ はさ、なんて言ってもヒトなんだもん。オキテだとかシキタリだとかハンショクだとか、そう いう難しい事考えなくていいんだよ? 好きな人と好きなだけ気持ちいいことできるんだよ」 じりじりとにじり寄り、パルマがぎゅっと千宏の両手を掴む。 白くて柔らかそうな体に、沢山の赤い痕が散っているのを今更になって気が付いた。 目のやり場に困って、おろおろと視線を反らす。 「痛いのが怖いならさ、バラムに言ってみなよ! バラムはマダラだから、家族の中でも一番 魔法が得意なんだ。絶対に気持ちよくしてくれるよ。絶対!」 「あ、いや、でも……だ、だ、だけど……」 「今夜部屋で待ってて! 私がバラムに言っておいてあげる! だってね? いつかはきっと、 チヒロだって女の子だから、誰かとする事になるでしょ? でも、ヒトは初めてする時痛いん だよね? いざ好きな人と! って時に気持ちよくなれないなんて、興ざめじゃない。だから さ、ね? いい考えだよね」 いい考え――いい考えだ。千宏だってずっと考えていた事である。 どこか路地裏で、見知らぬ男に強姦されるよりも――とバラムは言った。 それを思えば、バラムかアカブに――パルマの言う事が本当なら、破瓜の痛みを伴わないよ うバラムに処女を奪ってもらうのが一番だ。 だけど――でも――だけど――。 「今日は……つ、疲れてるから……」 あ、そうか、とパルマがぴくん、と尻尾を震わせる。 「私ったら興奮しちゃった。そうだよね。今日帰ってきたばっかだもんね」 じゃあ、一週間後くらいが妥当かなぁ、とパルマが思考を巡らせるのを眺めながら、千宏は ぼんやりとアカブのことを考えていた。 しゃぶったものの大きさは、とても自分の体に収まるとは思えない。 初めての相手――という概念が、あまり存在しないトラ達である。処女を愛する誰かに捧げ たいだとか、そんな考えも随分前に無くなった。 「……慣れないとなぁ」 ぽつりと、自然に言葉を零す。 その言葉に、パルマは盛大に頷いた。 「そうだよ! それでさ、チヒロがアカブの恋人になってあげればいいんだよ!」 口元まで湯船に沈み込み、ぶくぶくと息を吐くと、パルマが勢いよく湯船から飛び出した。 「子供はさ、チヒロの分も私が産んであげる。アカブの子供がいいって言うなら、そりゃあ誰 か他の人に頼まなきゃいけないけど、私とバラムの子供でもいいでしょ?」 ふるふると尻尾を振って水気を飛ばし、パルマが笑う。 あまりの気の早さに唖然とした。 「でも、チヒロの寿命って凄く短いんだよね……うーん。先にチヒロの子供作ったほうがいい のかなぁ。でも、家長は長男ってシキタリだしなぁ……」 「ちょ、ちょちょ、ちょっとパルマ! まだ子供なんて、そんな、き、気が早いよ!」 一人湯船につかったまま、千宏は慌ててパルマの独り言を遮った。 「大体、アカブだって恋人が出来るかもしれないんだしさ。あたしはヒトで、世間的に見れば ただのペットで、奴隷だよ?」 「そんなの関係ないよ。チヒロは私達の家族で、私たちはチヒロが好き。アカブは女性不審で もう恋人なんてゴメンだって思ってるけど、チヒロの事は好きで好きでしょうがないんだもん」 ばさりと、パルマがかごの中のバスタオルを体にまきつける。 銀色の髪から滴り落ちる水滴は、それ自体も銀色に見えるのだな――と思った。こうして見 ると、パルマはとてつもない美人だ。 「それに、市場でもチヒロは頭のいい商人だって有名なんだ。だれもチヒロがヒトなんて知ら ないし、思いもしないよ。フードの下の美貌を知ってるかって噂になってる。アカブがチヒロ と結婚したって話を聞いたら、きっとみんな物凄く悔しがって祝福するよ」 そういえば――と、ふと思う。 カブラ達がほぼ軒並み排除しているようだが、商談の折にプレゼントらしき物を渡される事 が何度かあった。 千宏はそれを“そでのした”として認識していたので全て拒否してきたが、そうか、あれに はそういう意味があったのか。 それにしても美貌とは――神秘の美とはよく言ったものである。隠してあるとそれだけで、 それは尊い物になってしまうのだ。 「ま。ぜぇんぶチヒロしだいなんだけどね」 にんまりと、意味ありげにパルマが笑う。 あいつの言う事はよくわかんねぇ――と前にアカブが言っていたが、なる程確かによくわか らない。 先に上がるね、とのこしてパルマが浴室を去ったあとも、千宏は一人、のぼせそうになるまでぶくぶくと湯船で空気を吐き続けた。 *** 旅行から帰った翌日に市場に出向く――と言うハードスケジュールに果敢にも挑戦したのに は、それなりの理由がある。 疲れた体を引きずってバラムについて馬車に乗り込み、千宏はリボンをバラムに差し出すタ イミングを今か今かと見計らっていた。 千宏としては、極普通に何気なく差し出すつもりだったのだが、なぜか何気なくバラムと二 人きりになる機会が今まで一度もなかったのだ。 別に二人きりでなくてもいいのだが、何せバラムは忙しい男である。 家族が揃う時も食事をしていたり仕事をしていたりアカブと込み入った話をしたりしている ので、千宏が割ってはいる暇がない。 となれば、長時間二人きりで行動できるのは市場に向かう日くらいしかなく、千宏はやめて おいた方がいいんじゃないかというアカブの制止も無視してバラムについていくことを決めた のである。 それにしても――と、千宏はじっと窓の外を眺めてみるバラムを盗み見た。 初めて会ったときから、こんなに威圧感のある男だっただろうか。 初対面の時は何と言うか――もう少し馬鹿そうと言うか、とっつきやすい印象を覚えたのだ が、今のバラムは家長然としていて気安さがない。 もし初めて会った時にバラムがこうだったならば、千宏も耳を引っ張るなどという暴挙には でなかっただろう。 「――そのフード」 突然、バラムが会話の口火を切った。 ぱっと顔を上げると、ちらと投げられた視線に射竦められる。 「いいもんだな――おまえが選んだのか」 「あ、これはアカブが選んでくれたんだ。ほら、フード汚しちゃったって話したじゃん? あ の時、とりあえず――ってアカブが買ってきたのがこれ」 黒の無地に、銀に近い白糸で施された花の刺繍。 可愛いでしょ、と自慢げに笑う千宏に、しかしバラムは笑い返さなかった。 そうだな、とだけ頷いてまた黙ってしまう。 「でさ。あのね。それでアカブに頼んで衣料品店に連れてってもらったんだけど、そこでいい もの見つけたんだ」 しかしその沈黙を好機と見て、千宏はごそごそとフードの裏地に縫い付けられているポケッ トをまさぐった。 いいもの? と聞き返したバラムの前に、適度な長さに切って両端を三角に処理した黒のリ ボンをぴん、と張って見せる。 「ル・ガルの有名なブランドなんだってさ。イヌの国ってこういうシックなデザインが得意な んだって。見て。この刺繍、すごく細かいんだ。でも全然派手じゃなくて、上品だと思わない?」 「あぁ……そうだな。悪くねぇんじゃねぇかな。おまえ、黒が好きなのか?」 今着てるのも黒だし――と言うバラムの言葉にきょとんとする。 黒は――確かに好きだ。第一黒は汚れが目立たないし、何より着こなしにあまり頭を悩ませ る必要がない。 だけど、それでもこんなに白と黒に興味を示すようになったのは――。 「……あんた達のトラ柄。白と黒で綺麗だよね」 たぶんそうなんだろうと思うが、実際は元から好きだったのかもしれない。 だけど今は、たぶんそういうことにしておいた方が都合がいい。 「あたし、バラムやパルマの肌の色と銀髪、すごく綺麗で、うらやましいなって思う。アカブ の白と黒の毛並みも大好き。だからじゃないかな。たぶん」 想像もしていなかった――と言うような、アカブそっくりな間抜け顔。 そこに家長の威厳らしきものは無く、千宏は俄然勇気を出してリボンを持ったままバラムの 隣に移動した。 「これ、バラムに似合うだろうなって思って買ってきたんだ。後ろ向いて。縛ってあげる」 「お……れに?」 「あたりまえじゃん! あたしに縛る髪があるように見える? いつも髪、鬱陶しそうだった からさ、切るのはダメでも縛る事くらいは出来るでしょ?」 フードの奥でにまっと笑う。 バラムはどう反応したらいいのかわからないのか、ただぼんやりと千宏を見下ろし、そして 言われるままに馬車の中で窮屈そうに背を向けた。 硬い髪質の、実に手ごわいくせっけだ。ブラシを持って来ればよかったな、と思いつつ、何 度も丁寧に手グシですく。 顔にかかる横髪を後ろに流し、千宏はひとまとめにしたバラムの髪をくるくるとリボンで束ね、ぎゅっと固く結んでから飾りに大きく蝶々結びを作って満足げに微笑んだ。 「嫌われてると思ってた」 「――え?」 ぽつりとバラムが零した言葉に、千宏は思わず聞き返した。 振り返ったバラムは、鬱陶しい髪が綺麗に束ねられていて――真面目な顔をしていればそれ なりに知的に見える。 お、と思った。結構似合う。これで眼鏡などかけた日には、きっとそっち系のお姉様がたが キャアキャア言うに違いない――と千宏は確信した。 「怯えられてるって思ってた」 千宏のどこかよこしまな思考をよそに、あくまで真面目にバラムが言う。 「なんだ」 に、と――それはもう幸せそうに。 「俺の思いすごしか」 笑う。 あぁ、あの日と同じだ、と思った。 ご主人様とはぐれたのか、と、安心させるように微笑んだ温和なバラムだ。 可愛い。耳が。尻尾が。たまらなく。 「――あのねバラム」 「うん?」 「ごめんね」 「――うん?」 先に謝って、千宏はぬっとバラムの両耳に手を伸ばした。 ぎゅっと、容赦なく掴んでぐいぐいと引っ張る。 「ば――馬鹿! よせ、耳を掴むな! よせってこら、やめ――!」 「だまらっしゃい! ええいけしからん耳め! こうしてくれる! こうしてくれる!」 狭い馬車の中でばたばたと暴れる。 くすぐったいのか痛いのかバラムは本気で抵抗したが、狭苦しい馬車の中である。 逃げ場などあるわけもなく、かといってまさかトラの力でヒトの千宏を殴るわけにもいかず、 思い切り振り払うわけにも行かず、じたばたともがきはすれどバラムはほぼ無抵抗である。 座席に倒れたバラムに圧し掛かってぐにぐにと耳を堪能し、ついでとばかりに尻尾に手を伸 ばすとがっとその腕を掴まれた。 「しまった! 迂闊!」 「てめぇはキツネかイノシシの剣士か! 大人しくしてろ!」 怒鳴られ、背後から抱きすくめる形で拘束される。 バラムの腕の中でぎゃあぎゃあと暴れるもその腕は一向に解ける様子も無く、千宏は観念し てぐったりとバラムの胸に背を預けた。 さすがに、アカブの膝より座り心地は落ちるが、まあそれほど悪くない。 うん。よし。これならば大丈夫――と、千宏は満足して頷いた。 バラムが好きだ。怒ってさえいなければ、この男は怖くない。 「ねぇ、どう? 髪。邪魔じゃない?」 首を反らせて見上げると、きょとん、としてバラムは後ろで束ねた髪に手をやった。 それから首を捻って不思議そうに、 「ああ。いいなこれ」 と呟いた。 その答えに満足し、フードの奥でにまにまと口元を緩める。 「またこんど、可愛いリボンやヘアゴム見つけてあげるね」 あ、バンダナって手もあるなぁ、と、一人うきうきと千宏がはしゃぐ。 「したら、俺もおまえに新しいローブ見繕ってやらねぇとな」 ぽんぽんと頭を撫でられ、千宏は「ほんとに? やった!」と手を叩いて喜んだ。 結局、市場に着くまでバラムは千宏を放してくれなかったが、馬車の座席よりも座り心地が 良かったので千宏は別に構わなかった。 市場に着くなり駆け寄ってきたブルックに久しぶり、と笑顔を向け、発情期は楽しめたかと 下品な冗談で困らせる。 その程度には、彼らとももう打ち解けていた。 どうやら三人組はそろって空振りだったらしく、それなりに楽しめはしたがパートナーは見 つからなかったらしい。 千宏から見れば三人とも、それなりに見られる容姿はしていると思うのだが――。 「カアシュは性格の問題だよね。押し弱そうだし」 バラムに店を預けて三人を共につけ、ふらふらと市場を巡りながら、千宏はチクチクとカア シュをからかった。 「ち、違う! 俺はただ、り、理想が高いんだ! 相手を選びさえしなきゃ、俺だって……!」 「そりゃ、お前みてぇなチビから見りゃまともな女はどれも高嶺の花だろうよ」 言い訳がましい言葉を並べるカアシュに対し、カブラがげらげらと茶々をいれる。 なんだと、珍しくカアシュが言い返した。 「カブラだって、イシュに相手にされないからって意地張ってるんじゃねぇか! 好きな女が いるのに告白できねぇでいるおまえより、相手がみつからねぇだけの俺のがずっとましだろ! なぁチヒロ?」 「だ、だ、誰があんな万年発情女! てめぇどこに目ぇつけてんだ!」 喧嘩になりそうな二人を、まぁまぁとブルックがなだめる。 自称、温和な博愛主義者である。 「ブルックはどうなの? 好きな人でもいるの?」 姿勢を低くして唸りあう二人の間に入って双方をなだめていたブルックが、その言葉に驚い たように目を瞬いた。 「俺は……色恋沙汰とか、よくわかんねぇや」 「よく言うぜ。いい女引っ掛けてはぽいぽい捨ててるくせによ」 とんだ博愛主義者様だよ、とカブラが舌を出して嫌味を言う。 その言葉にブルックが憤慨し、結局仲裁役まで喧嘩に混ざるのだから救いようの無い三人組である。 「仲いいねぇ」 と千宏が零すと、 「どこがだよ!」 と三人同時に言い返すところなど、完璧なコンビネーションである。 市場を一巡りして結局なんの収穫も無く、千宏は果物ジュースだけを二人分手に入れてバラ ムのところに戻った。 髪を結わえたバラムはやはりと言うかイシュに大好評で、それを見て不機嫌そうなカブラの 様子にブルックとカアシュがニヤニヤ笑う。 そこに千宏も混ざってニヤニヤとやる物だから、とうとうカブラは怒ってどこかに行ってし まった。 見た目によらず純真なんだ、とブルックが耳打ちする。 ふと気がつけば、三メートルの距離はいつの間にか無くなってしまっていたが、三人に対す る恐怖心がほぼ消えた今となっては別にどうでもよかった。 馴染んだなぁ――と、バラムと並んで甘ったるいジュースを飲みながらしみじみ思う。 馴染まなければならなかったのは事実だ。 馴染もうと努力もした。 だがそれでも、こんなにも急速に、こんなにも穏やかにこの世界に馴染めたのは、やはり周 囲が千宏を受け入れてくれたからだと思う。 そう思うとしみじみと、誰も彼もにとにかく感謝がしたくなった。 だからとりあえず、すぐ隣に座っている男に言ってみる。 「バラム」 「んー?」 「あたしをさ、拾ってくれてありがとね」 あの日、あの夜あの森で、もしバラムが助けてくれなかったら、拾ってくれなかったら千宏 は今ここにいない。 何を突然――とぎょっとするバラムににこにこと笑いかけると、バラムは訝るような顔をし て気味悪がった。 市場で変な物でも食ったのか? と聞くような始末である。 「幸せだなぁ」 何気なく呟いたその言葉が、すとん、と胸の奥の方に落ちてくる。 あんなにも恐ろしいと、理不尽だと、立ち向かわなければならないと思った世界に、今自分 はこんなにも馴染んでいる。 幸せだと、幸運だと千宏は感じていた。実感していた。 その言葉を、この世界に落ちてきたヒトの何割が一体言えるのだろう。 それを思うと、少し複雑ではあるのだが――。 結局、長旅の翌日に市に出るのはやはり千宏には無理があり、気がつけば壁に寄りかかって すうすうと眠り込んでいた。 好機とばかりに忍び寄るイシュの魔の手を、バラムが鋭く牽制する。 誰と比較する事も無く、なにと比較する必要もないその幸福の価値を――しかし千宏はまだ、 よく理解してはいなかった。
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「ふえるミチコさん --越前摂政危機一髪!?の巻」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 こんばんは。生活ゲームに参りました。 よろしくおねがいします。 芝村 さんの発言 記事どうぞ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 http //cwtg.jp/ogasawara/wforum.cgi?no=4138 reno=4107 oya=4107 mode=msgview 宰相府から護衛ACEをつけていただけるとの事なので、召喚ACEはこのように書いています。 芝村 さんの発言 OK 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 最初に、ゲーム内容についてご相談させてください。 4案あります。 1)越前藩国の慰霊公園(竜の攻撃の後に建てたA Sの霊園及び慰霊碑がある)にて献花。 2)宰相府にて宰相と会談。議題は文殊分散化についての相談。 3)越前藩国の藩立学校を視察 4)それどころじゃないので、越前藩部隊として戦闘対応。 どれがよさそうでしょうか? 芝村 さんの発言 どれでも? 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:敵の暗殺を迎え打つなら、1)か2)だと思います。芝村さんのお勧めはどちらでしょうか? 芝村 さんの発言 A1:1 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 わかりました。では、慰霊公園にて。 すみません、もう少し質問があります。 芝村 さんの発言 ええ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q1:あさぎさん(缶)は必要ですか? (壁30の護衛として。ただ、アリアンの都合もあります) Q2:越前藩王はいた方がいいですか? Q3:いた方が良い場合、アイドレスを着ておいた方が良いですか?現状編成に入って 芝村 さんの発言 A1:いらんだろう A2:いいんじゃね。 A3:とくには? 護衛はだすよ。 あさぎはねえ。アリアンの傍においとこか。 ねらわれるかも 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 わかりました。では、花を買って、護衛の方と一緒に慰霊公園に向かいます。 越前さんは同行無しで。 芝村 さんの発言 OK 2分待ってね 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 花束は、大きな束一つと、小さな束を二つ買っておきます。 芝村 さんの発言 OK /*/ ここは越前藩だ。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 宰相府からの護衛は、どなたが来ていますか? 芝村 さんの発言 アメルダがいるね。 剣をもってる 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「初めまして。越前摂政の黒埼です。いつも藩王がお世話に。」 芝村 さんの発言 アメルダ:「いえ」 アメルダ:「護衛をつとめさせていただきます」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「ありがとうございます。心強いですね。 では、いきましょうか。」 花束3つを持って、慰霊公園へ向かいます。 Q:公用車くらいは出せるでしょうか? 芝村 さんの発言 A:ええ 派手なキャデラック 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 慰霊公園へ行く道すがら、越前藩国の町並みを観察します。 芝村 さんの発言 静かそうだ。 上は、うるさいが 空襲警報がなっている アメルダ:「大変ですね」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「こんな中でわざわざ献花に出るというのも、ちと場違いだったでしょうかね。」 芝村 さんの発言 アメルダ:「いえ。真の事情はおききしています。もちろん、献花も目的でしょうけど」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「慰霊公園には、いずれ行かねばと気にしていました。 今回も迷いましたが、いくなら今しかないかな、と。」 芝村 さんの発言 アメルダ:「そうですね」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「この状況で、慰霊公園に来る国民はいないでしょう。 静かにお参りができそうです。」 後は、慰霊公園まで言葉少なに。 芝村 さんの発言 はい ついたよ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 花束は自分で持って、慰霊碑に向かいます。 着いたら、まずは花束を慰霊碑に捧げます。 芝村 さんの発言 はい。 アメルダは頭をさげた 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:スペーススペルキャスター、ないし宇宙の賢者が持つ知識として、お経を上げることはできますか? 芝村 さんの発言 知識で20だ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 r:お経を上げます。知識24です。 芝村 さんの発言 成功した アメルダが変な顔している 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 お経の後で、慰霊碑に彫った言葉を読み上げます。 【前触れもなく命を奪われた方を悼みます】 【我々はこの悲劇を忘れはしないでしょう】 【今はただ、安らかにお休み下さい。 】 【 我が、そして我らが越前藩国 一同 】 「まあ、見よう見まねでしたからね。変なところもあったかな。」>アメルダに向かって。 芝村 さんの発言 アメルダ:「あ、いえいえ」 アメルダはこまってる 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「・・・供養とは、死者と語り、歴史を語り継ぐ事だと、私は思います。」 慰霊碑に向かいながらしゃべります。 「今の越前藩が、ここに眠る犠牲者の目にどう映るか、あの悲劇をどうすれば防げるか、考える。考えて、実行する。」 「それが、越前摂政として私がやるべき供養です。それを為すには、もっと時間が要ります。まだ、彼らのところには逝けません。」 「お許しを。そして、安らかなれ。」 慰霊碑に向かって手を合わせ、頭を下げます。 芝村 さんの発言 拍手が聞こえる 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 振り返ります。 拍手はアメルダさんですか? 芝村 さんの発言 いや 黒服だ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「・・・この場で拍手というのは、無粋じゃないかね。」 芝村 さんの発言 ミチコ:「たいした茶番。そう思わない?」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 苦笑する。「ええ、正直。」 芝村 さんの発言 ミチコは銃を抜いた。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「私を取り除いたところで、文殊はもう止まりませんよ?」 「odさんもいる。分散化プロジェクトももうすぐ終わる。」 Q:アメルダさんはどう動いていますか? 芝村 さんの発言 アメルダは動いてない 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 打たせて取る、かな。まあ、それでも。 芝村 さんの発言 ミチコ:「od、ね。ありがとう」 ミチコ:「殺しておくわ」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「働き者だなあ。」 Q:逃走経路ってありそうなもんでしょうか。 芝村 さんの発言 A 同じ姿のが、八体でてきた 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:持っている銃はどれも同じですか? 芝村 さんの発言 ええ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:普通の銃でしょうか。それとも、私が見たことのなさそうな形ですか? 悪童屋・四季 さんが会話に参加しました。 芝村 さんの発言 A 聖銃だ 悪童屋・四季 さんの発言 聖銃をたたき落とします。 芝村 さんの発言 自爆した。 爆発の難易は40だ 装甲いくつ? 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:自爆を情報戦で止める事はできますか? 芝村 さんの発言 A 難易50 悪童屋・四季 さんの発言 装甲ですね。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 ぐふ。私一人だと48か。 悪童屋・四季 さんの発言 防御:39 35+4(スイトピー補正)=39 ますらおの鎧(+5)=44 とりあえず、耐えれそうです。 芝村 さんの発言 耐えきった。 ミチコ:「おどろいた」 悪童屋・四季 さんの発言 「ふう・・・。死ぬかとおもった」 芝村 さんの発言 ミチコ:「化け物ね」 ミチコ:「戦車でもいまのはふっとぶわよ」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「申し訳ない。今日は出ずっぱりらしいのに。」>悪童さん 悪童屋・四季 さんの発言 「まあ、いろいろ鍛えてもらったからね」 芝村 さんの発言 アメルダはうなずいたあとで黒埼に助言した。 評価+4された 悪童屋・四季 さんの発言 「いや、今はここを切り抜けよう」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:自爆したのは一体だけですか? 芝村 さんの発言 A ええ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:越前部隊はこのターン、摂政分隊(私のみ)とそれ以外(補佐分隊)という構成です。 補佐分隊が他所で待機しているものとして、彼らと同調して情報戦を行い、EAIシステムの効果を載せる事は可能ですか? 芝村 さんの発言 残り七体が動き出した 悪童屋・四季 さんの発言 「自爆装置を止めて下さい」 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「了解。」 悪童屋・四季 さんの発言 「さすがに体がもたない」 芝村 さんの発言 一斉に襲いかかった。 悪童屋・四季 さんの発言 先に一方方向に突っ込む事はできませんか? 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q2:今の「自爆装置を止めてください」をもって、元帥の効果を得ることはできますか? 芝村 さんの発言 A2 いいですよ 評価はいくつ? 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 私が48、助言をうけて+4、あと元帥効果。 +5でよかったでしたっけ?<元帥効果 悪童屋・四季 さんの発言 はい 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 では、48+4+5=57となります。 えーと、敵の自爆装置の効果を止めるのと、むしろ接触前に自爆させるのだったら、どっちがいいです? >悪童さん 芝村 さんの発言 成功した。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 もう止めるしかないか。 芝村 さんの発言 とめたよ。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 了解です。 芝村 さんの発言 敵七体の一斉攻撃評価は52になる。 アメルダは剣を振るった。 弾が地面に落ちた。 アメルダ:「急いで、片付けてください」 悪童屋・四季 さんの発言 こちらの攻撃でいいのでしょうか? 芝村 さんの発言 ええ ARは6だ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 私は詠唱25、宇宙の賢者の助言で+2することもできます。 悪童屋・四季 さんの発言 敵の評価は52でいいのでしょうか? こちらは白兵攻撃:44 35+2(藩王)+3(拳法家)+4(スイトピー補正)=44 強靭刀(+5)=49 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 ぬ。足らんか。助言入れます? アメルダさんの方が高そうだけれども。<助言 芝村 さんの発言 52だよ。 アメルダが助言入れて+4 悪童屋・四季 さんの発言 えっと、こちらは馬にのっているので有利な位置からの攻撃で修正つきませんか? こちらはAR12からスタートです。 芝村 さんの発言 なるほど。f:で+2修正 差分三 やってみるか 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 Q:私が詠唱を行い、援護射撃とする旨のf:を通すことで、修正を足せないでしょうか? 芝村 さんの発言 足せる。 修正2: これで成功かな 悪童屋・四季 さんの発言 はい #死ぬかと思った 芝村 さんの発言 成功した。 七人を倒した。 笑われたぞ 死体が拍手している。 そのまま動かなくなった。 悪童屋・四季 さんの発言 治療師で浄化しておきます。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 「お経でも唱えておきましょうかね。」 悪童屋・四季 さんの発言 死体、黒埼さん、アメルダさん、自分等 とりあえず、ミチコさんは全部偽物ですか? 芝村 さんの発言 浄化した。 偽物だね。別人だ 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 r:odさんの安全を確認します。 さっき会話で時間稼ぎしてるときに、odさんを引き合いに出してしまったので・・・。>悪童さん向け説明 芝村 さんの発言 /*/ はい。おつかれさまでした。 odは攻撃受けていない。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 おつかれさまでした。悪童さん、ありがとうございました。 悪童屋・四季 さんの発言 お疲れ様でした いえいえ 間に合ってよかったです。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 いやあ、怖かった。もうミチコさん出てきた時にはどうしたものかと。 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 では、こんなところでしょうかね。 ちなみに、アメルダさんからの感情って何か変化ありましたか? 芝村 さんの発言 はい。 +1+1でした 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 了解です。ありがとうございます。 芝村 さんの発言 秘宝館には1,1で依頼できます では解散しましょう。おつかれさまでしたー 黒埼紘@越前藩国 さんの発言 お疲れ様でした。
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「あのね、母さん。明日、映画見に行ってくるから」 「そうなの。じゃあ、シャンペン抜きましょう」 「な、なに言ってんの!?」 「あら、和風がよかった?お赤飯にする?」 「そんなんじゃないわよ!」 「そんなのじゃないって何が?」 「あう」 「ただ映画行くだけなら、わざわざ前日に言って行かないでしょ」 「それはその、5本立てオールナイトだから、帰るの次の日の朝になるし……」 「ゆっくりでいいわよ。朝帰りはかえって『お泊りしてきました』って言ってるようなものだし」 「……////」 「合宿のときは、平気で泊まってきたじゃない」 「あの時とは、ちょっと、事情が違うというか……」 「それだけ聞けば十分。あまり聞いても話したくなるだけだから聞かないわ」 「……うん。そ、それとね」 「お父さんでしょ? 明日、明後日と珍しく家にいるから」 「う、うん」 「心配いらないわ。母さんに一任してちょうだい」 「あの、母さん」 「ん?」 「あ、やっぱりなんでもない」 「……じゃあひとつだけ」 「は、はい」 「ハル、欲しいものは欲しいって言わないと手に入らないわ。言ったからって、手に入るとはかぎらないけど」 「……」 「なぞかけになっちゃったかしら? ごめんね。母さん、引出しが少なくて」 「ううん、そうじゃない」 「ありがと。やさしい娘でよかったわ」 * 「おや、ハルヒさん、おでかけで?」 「たまの休みにモンハンやってるような中年に話すことはないわ」 「ほら見ろ。パーティ全員女の子だぞ」 「どうせネカマでしょ」 「それは父さんだ。ちなみに中学生ということになってる」 「ほかに時間の使い方はないわけ?」 「じゃあ、駅前で中学生でもナンパしてくるか」 「イタ過ぎ。そんなこと、やってるの?」 「ケーキセットおごって、お話するだけだぞ。おまえもやるか?」 「誰がやるか!」 「今ので信じるとは、ハルヒ君もおちゃめだな」 「あんたとは二度と話しない」 「せめて披露宴で『花嫁の手紙』だけはやってくれ」 「ぴーぴー泣かせてやるから覚悟しなさい!」 「『花束贈呈』で返り打ちにしてくれる」 「ハル、お父さんと遊んでて時間はいいの?」 「あ、やばい。行ってくるね!」 「母さん、うちのドラ娘だが、今日はいまひとつ切れがなかった。どこへ行ったんだ?」 「帰りは明日になるみたい」 「えーと、聞いてする後悔と、聞かないでする後悔は、どっちがまし?」 「もう、後悔してるって顔ですよ」 「そのとおり」 「すぐ顔に出るところもそっくりね」 「隠そうとして、全然隠せてないのが、ツンデレの真髄なんだ」 「そのアヒル口も。ほんと親子ね」 「また合宿か何かか?」 「それとは事情が違うらしいわ」 「う。母さん、深刻なダメージだ」 「察しがいい親も考えものね」 「ハルヒに話すなって言われてないのか?」 「ええ。お父さんの動きを止めればそれでいいみたい」 「ふう。じゃあ投了だ。勝てる気がしない。勝てた試しもない」 「私たちも出掛けましょうか?」 「育つもんだな、子供ってのは」 「娘時代には、母親なんて何がおもしろいんだろうと思ってましたけど、どうしてどうして」 「楽しそうだな、母さん」 「悲しそうね、お父さん」 「ま、あんな凶暴な娘になるとは思ってもいなかったが」 「あんなやさしい娘になると思ってましたよ」 「俺たちも出掛けるか?」 「わたしたちも、お泊りにしませんか?」 * その日の待ち合わせは午後だった。 おそい朝食を食べた後、いつもの2倍の時間をかけてお風呂に入り、昨日から悩みぬいて選びぬいたコーディネートのうちから、天気予報と温度予報を考慮に入れつつ、ひとつを選んで着替えた。このあたしが、あらゆる意味において、勝負に手を抜くなんてことは有り得ない。あいつの趣味はいまいちわからないから、子供っぽくない程度に大人っぽい、普通におしゃれでかわいいという程度だけどね。それと髪型は言うまでもないわね。 着替えるとそれだけでアドレナリンが出て、臨戦モードになる。へんな言い方だけど、 「さあ、どっからでもかかってらっしゃい!」という状態。「矢でも鉄砲でも持ってこい」という感じね。 そう、今回は事情が違う。 あいつが、はじめてちゃんと誘ってきた。 「今週の土日空いてるか?」 「空いてるかって、このところ毎週あんたの顔見てるように思うんだけど、気のせいかしら。まあ、一回ぐらい土曜の市内探索はお休みにしても構わないわ。で、何?」 「たまには、デートってものをやるのも悪くないと思ってな」 「それはかまわないけど。デートって?誰と誰が?」 「おれとおまえが」 「あんたとあたしが?」 「駄目ならいい」 「あんたね、それはむしろ礼儀を欠くってもんだわ」 「おまえに言われると新鮮だな」 「ほんとに失礼なやつね。で、どこへ行くの?」 「安心しろ、プランはある。あと予約を入れなきゃならんところがあるんで、あらかじめ聞いたんだ。OKってことでいいか?」 「いいけど。……あんた、土日って言った?つまり土曜と日曜ってこと?」 「ああ」 「……」 「……黙るなよ」 「……あたしだってたまには黙るわよ」 「……そうか」 「……オールナイトの映画でも見ることにしとくわ」 「え?」 「アリバイよ、アリバイ。必要でしょ? そりゃ、あんたは要らないかもしれないけど……」 「ああ……すまん」 「あやまるな」 「すまん」 「んっとにもう」 言い方は、あいかわらず遠まわしでヘタレだったけど、それはどうだっていい。 いままでも「そういうこと」がなかった訳じゃない。どさくさというか、雰囲気に流されてというか、相手の過剰な反応にこれまた過剰に反応してしまってというか、「キス以上、○○未満」みたいなことは何度かあった。そりゃ同じクラスに同じ部活、登校時は家まで迎えに来る、部活後は街で一緒にすごして家まで送らせる、時々はお互いの家へ行って部屋にあがりこみ、帰ったらいつもの長電話。月火水木金土日、おはようからおやすみまで、起きてる時間の大部分をいっしょにいるのだから、そうならない方が不思議なくらいだ。 その度にあたしたちは踏みとどまった、正確にはどちらかが「ぶちこわし」にした。 (あたしが)相手をつきとばしたり、ぶんなぐったり、(主にあいつが)冗談にしたり謝ったりで、なかったことにした。 「ハル、あなた見た目はいいんだから、もっと自信持ちなさい」 自信は、あるにはあるけど。それと「見た目は」って親に言われると少しへこむわよ、母さん。 「ちょっと私の言いたいこととは違うけど。そうね、すごく具体的に言うと、たとえば、こう腕で自分を抱いて上目づかいで言ってごらんなさい。一発だから」 母さん、母娘でこの破壊力。やばいって。 それにね、なんて言うか、それじゃ意味がないの。それをしていい相手なら、あたしはきっと悩んでない。 私がしたいのは、あいつと取引したり、あいつを籠絡させたりすることじゃないの。あいつは、あたしが、そんなことしないと思ってる。それは、あたしの勘違いかもしれないけれど、勝手な願望かもしれないけど、あいつは確かにバカキョンのエロキョンだけど、それにあたし自身が報いたいと思ってる。……まるっきり空回りかもしれないけど。 「ふふ。誰に似たのか、頑固者ね。ハルのそういうところ、好きよ。母さんも本気でさっきのをお勧めしたい訳じゃないわ。ただ、自分のやり方に素直なことと、自分の気持ちに素直なことは、時々反比例するのよね」 何故だか、こんな会話をあたしは思い出していた。 * ハルヒは約束の30分前には来ていた。というのは、俺が着いたのが30分前だったからだ。本当のところ、こいつが何時からここにいたのかはわからん。1時間前ではないと思う。1時間前に俺が来たときは、こいつの姿はなかったからだ。ああ、言いたいことはわかる。そろそろふたりとも、待ち合わせには時間通りに着けば良いのだと学んでもいい頃だろう。 「はぁはぁ。 おそい、罰金!」 息切らせて何言ってるんだろうね、こいつは。 「で、どこ行くの?」 二人分の切符を買い、俺たちは、いつも街へ出掛ける時とは反対方向のホームへ向かった。 「そういや、おまえ、親のこと、『親父』『母さん』って呼んでたな」 「それが何?」 「いや、何でもないが」 そう、本当に何でもないことなんだが。 「そう。で、あんたは?」 「うちは、『父さん』『母さん』だが」 「まあ、あんたが『パパ』だ『ママ』だって言ってた日には、この手で地球を壊したくなるわね」 「やめてくれ」 頼むから。 「何言ってんの?」 「おまえこそ、パパ、ママって柄じゃないだろ?」 「うっさいわね。……小さい頃はそう言ってたみたいだけど、物心ついたら変わったわ」 「何故だ?」 「まあ母さんは『ママ』でもいいと思うけどね。……あんたも会ったでしょ、うちの親父」 「ああ」 「あんた、あれを『パパ』なんて呼べると思う?」 「……無理だ」 いろんな意味で。 「めずらしく意見が合ったわね。ま、そういうことよ」 そう言ってハルヒは「ふう」とため息をついた。 「どういう訳か、あんたのことは気に入ってるみたいだけど。まったく、どこがいいのかしらね」 全然分からんが、あの人を敵にまわすよりは数百倍ましな事態だってことは俺でもわかる。いろんな意味でな。 * あたしたちが降りたのは坂の多い街の駅だった。というより、街自体が坂にあると言った方が正しい。 果たして、それは普通のデートだった。 あたしたちは並んで歩き、時にはかわるがわる手を引いて、バカな言い合いをしながら、お店をひやかし、ハイスコアを塗り替えたり、小さなぬいぐるみをゲットしたり、ご飯を食べたりした。 「おじさん、大盛りちょうだい。ツン抜きで」 「ひょっとして、つゆ抜きか?」 「うっさい。わざとよ、わざと」 「わざとはいいが、いつも通りの『ツン』だぞ。正直、その方が何故だか安心するが」 「あんたを安心させるようじゃ、あたしもおしまいよ」 こいつは、ほとんどいつも通りに見える。いつも通りにやる気なさげで、それはそれでむかついたけど、ほっとしたのも事実だ。そして、いつもなら、さすがのこいつでもしないような失敗をいくつかしでかして、あと普段なら聞いてなさそうで聞いているあたしの話を、何を考え込んでるんだか、何度か聞き逃して、そういうなんでもない出来事があたしの気分を少しだけましにした。 * 「この店、まだあったのね」 「覚えてるか?」 「お父さんに会ってから、忘れた思い出はひとつもありませんよ」 「……君、あの月を彼女にプレゼントしたいんだが」 「グラスをお持ちます。ラ・グランド・ダムの1985年でよろしいでしょうか?」 「結構。……母さん、当たり年だ」 「ええ。今の方は?」 「ああ、あのオーナーの娘さんなんだ。オーナー、亡くなってな。この店も人手に渡ったんだが、なんやかんやで、彼女が継ぐことになった」 「『なんやかんや』の解決って、お父さん得意だものね。時々いつ仕事してるんだろうって思うけど。……ほめてるんですよ」 「わかってる」 「それで今日はお祝いなのね。3人で来ようと思ってたの?」 「ガキに飲ませる酒はないが、シャンパンぐらい付き合わせても構わんだろ」 「お月様、ほんとはハルにあげたかったのね?」 「そんな役は彼氏に譲るさ。アホ娘には『頭になんか湧いてんじゃないの?』と言われるのがオチだ」 「次は4人で来れますよ。シャンパン・グラス越しに月、ってルビッチの映画?」 「ああ、『極楽特急 Trouble in Paradise』(1932)だ」 「何に乾杯します?」 「バカ娘のあわれな彼氏に」 「じゃあ、お父さんのアヒル口に」 * そうしているうちに、あっという間に日が暮れて、街に夕闇が訪れた。あたしたちは肩を並べて、今日何度もそうしたように、ゆっくりと坂を上った。 夕食は、とても小さなレストランで、こいつが選んだとは思えないほど趣味がよく、料理もおいしかった。 あたしたちからすれば、祖父にあたるくらいの歳に見える人が、絵に描きたくなるような所作で給仕をしてくれた。料理が終わって挨拶に来た女性が料理長(シェフ)で、長年別のところで働いていたが、数年前ようやく二人だけでこの店を始めたのだと話してくれた。二人は夫婦だった。 「よくあんなお店、知ってたわね」 「探したんだ。ハルヒ、おまえの母さんの話をしてくれただろ?」 「え?ああ、母さんが若い頃、小さなレストランをやってたって話ね」 「そういうのがいいな、と思ってな」 「そうなんだ」 「ああ」 * 「お父さん、キョン君を気に入ってるのね」 「どっちかっていうとニガ手なタイプだけどな。ありゃ普通の奴だろ?」 「ふふ。そうね」 「右も左もわからなくて、いきがってた若い頃な、自分じゃ危ない橋も渡ったし、それなりに甘いも酸いもかみわけたと思ってたバカの鼻っ柱を折ったのは、ああいう奴だ」 「……」 「10回やれば奇策を弄するこっちが8,9回は勝てるだろうがね、ああいう奴に本気になられたら最後の1回は負ける。こっちは、それが致命傷になる。だから歳とって知恵がついてからは、6回勝てたら引き上げて、あとの勝ちは譲ることにしてる。譲られた勝ちでも、ちゃんと受け取ってくれるんだ。あいつらにとって大事なのは勝ち負けじゃないからな。勝ち負けでないものの価値をちゃんと知ってるというか」 「ハルに本気になってくれる人がいて、よかったわ」 「いなけりゃいないで、かまわんがな。母さん、ありゃ、ちょっと美人に育ちすぎたぞ。惜しくってたまらん」 「ふふ、親バカね」 「バカ親父だよ」 「めずらしく酔ってますね。こういうのも楽しいわ」 「これくらいの酒で酔うものか。ちょっと夜景が揺れてはいるが」 「はいはい」 「だが酔ってるのは俺じゃない」 「ん?」 「夜の方だ」 * 最後にあたしたちは、坂の上の洋館がある通りに出た。 「ここなんだが……」 「へえ、あんたが選んだにしちゃ、ずいぶんマシなところね。泊まれるの?」 「この洋館だけはホテルになってる。というか元々そのために建てたもんらしいが……」 「そう。なにしてるの? はやく行くわよ」 「おい、ハルヒ」 「入り口に突っ立ってちゃ、いい迷惑よ。話があるなら内で聞くわ」 部屋は予約してあった。週末の、こんないい場所なら当然だろう。 予約までして、女を連れてきて、それをまだ何を迷うのだろう。あんたがそんなだから、あたしはこんなに不安なのに。わかってんのかしらね、このバカ。 「おい、ハルヒ」 なによ。 「つれてきた俺がこんなこと言うのは、おまえのいう『失礼』ってやつだと思うが、……おまえ、わかってるのか?」 あたしは激高した。気づくとこのバカのえりもとを絞め上げ、ぶん投げようか絞め殺そうか、そのどちらでもできるよう、腕に力をこめた。そして、どちらかを決めてる途中で、やっと声が出た。 「あたしはあんたとちがってバカでも暇人でもないの! 女をホテルに連れ込んで『わかってるのか』ですって? ふざけんのもいいかげんにしろ!! あたしはね!!」 だけど、襟をつかんだのは失敗だった。両手がふさがってしまう。顔を、目から流れ落ちるものを、隠せやしない。 「……あ、あたしは、あんたと、そういうことになっても、いいと思ってる」 どれだけの時間、泣いていたのかわからない。 気づくと手を放して史上最低のバカの胸に額をつけていた。顔を隠そうとしたのだと思う。 バカはあたしの背中に手をまわして、ぽんぽんとあやすようにしていた。でも、今欲しいのは、こういうやさしさじゃない。どうして何も言わないの? あたしの一世一代の告白を何だとおもってるんの? 女に、ううん、あたしにここまで言わせておいて、何でこいつは黙っていられるの? こいつはバカだ。救いようがない阿呆だ。 誰かの声がしたような気がして、あたしは我に返った。次にしたことは、自分の体をこいつから引きはがすことだった。そうして、こいつの顔を覗きこんで、その目を見た。目の中に顔を真っ赤にして泣きはらした女が映っていた。 「ハルヒ?」 名前を呼ばれて理解できた。目の中に映っているのはあたしだ。それから、今こいつはあたしにやさしくしてるんじゃない、あたしがこいつに甘えてるだけなんだ。 こいつはあたしの意思を「尊重」しようとした。あたしはそれを「優柔不断」だと思って怒った。こいつがあたしに、この「大切なこと」を決めさせようとしてると感じたから。そのあたしは、こいつに決めさせようとして、そこから逃げたと、なじっているのだ。 一気に冷えた頭は猛スピードで考え始めた。あたしはこいつをどうしたいのか?こいつとどうなりたいのか?そのためになにをやったのか?やろうとしたのか?こいつはあたしにとって何で、あたしはこいつにとって何なのか?あたしに決められるのはどれで、決められないのはどれか?何故このどうしようもないバカのことを、わたしはこんなにも好きなのか? 「……まだ、あたしのターンよね?」 違ってても、あんたの沈黙を1パスとみなすわ。それと、こいつはあのアホキョンのニブキョンよ。へたに「手加減」して「期待」した、あたしが間違ってたのよ。話して通じる相手じゃないと知ってたわ。まさか、ここまでとは思わなかったけどね。だったら手加減抜きで、やるしかない。本気にさせたあんたが悪いんだからね!覚悟しなさい! 「耳かっぽじってよく聞きなさい! 『あんたとそうなってもいい』って? 冗談じゃないわ! あんたじゃなきゃ嫌! あんたじゃないと駄目! 今日のこと、あんたが誘ってくれたとき死ぬほどうれしかった。今日一日、おかしくなりそうなくらいドキドキしたけど、生まれてから一番ってくらいに幸せだった。自分が自分じゃなくなっちゃいそうで、一日中、ううん、あんたに会ってから、あたしはずっと不安だった。でもそんなことは、もうどうだっていいの。あたしはあんたが好き。もう、どうしようもないくらい。言えっていうなら、100万回だって言ってやるわ。あたしはあんたが好き! あたしはあんたが好き!!」 体中の酸素を使いきって、あたしは息が続く限りまくしたてた。もう駄目だ。酸欠と恥ずかしさとで死にそう。いや、死んでやる。キョン、あたしが死んだら、お墓はいらないわ。鶴屋山の、この町が見下ろせるあの場所に立って、一年に一度でいいからあたしを思いだして泣きなさい。それから・・・。というバカな心の声は、あの「やれやれ」と言ってるみたいなため息に中断した。 「おまえにはかなわん」 って、今何か言ったわ。よくわからない。怖くて顔が見られない。足に力が入らない。 ちょっと、部屋が傾く、床が近づいて来……。 「ハルヒ!」 呼び止められ、抱き止められた。一瞬、気が遠くになって、向こう側が見えた気もするんだけど。どうやら、あたしには、まだこの世ですることがあるらしい。そうだよね、キョン? 「おい大丈夫か?」 「ちょっと酸欠。今、少し天国と天使が見えたわね」 「告白して失神する奴があるか」 「だったら……少しは、普段から、やさしくしなさい。危機一発じゃないと助けに来ないヒーローなんてお呼びじゃないわ」 「呼ばれなくても、ずっとそばにいてやる。こんな危なっかしいやつ、放っておけるか」 「あんた、生意気よ。ちゃんとあたしに惚れてるって言いなさい」 「ああ、惚れてるさ。会った時からずっとだ。何度押し倒そうと思ったかわからん」 「へたれキョン。エロキョン」 「見た目も頭も、性格以外は最高で、道行く男どもは、みんなおまえを見る。俺がどんな気持ちだったか分かるか?」 「バカじゃないの? あたしはあんた以外、目に入らなかったわ。集中力を欠いてるのよ。あたしの気持ちに気づかなかった当然の報いね」 「おまえこそ、俺の気持ちを信じなかったくせに。それから、俺にも言わせろ」 「溜めこんで、それ以上バカになったら困るから、特別に聞いてあげる」 「ハルヒ、おまえが好きだ」 「おそい!! どれだけ待ったと思ってんの?」 「……人の告白に駄目出しするなよ」 「これはあたしの恋路よ。誰の文句も受け付けないわ」 「俺の恋路でもあるだろ。この唯我独尊女!」 「ま、惚れた弱みもあるし、聞くだけ聞いたげる。次!」 「おまえが世界で一番好きだ!」 「比較の問題じゃないでしょ。次!」 「俺にとっておまえみたいなめちゃくちゃな奴は宇宙でたった一人だ!」 「長い!それに今は『ツン』はいらないの!」 「そういうおまえの態度はどうなんだ?」 「うるさい!次!」 「ずっといっしょにいてくれ」「あんたがそばにいてくれるんじゃなかったの?次!」 「おまえがいない人生は考えられない」「いっしょにいるだけじゃ駄目よ!次!」 「おまえの笑顔がずっと見せてくれ」「あたしが泣いたらどうすんの?次!」 「俺を逃がしたら、これ以上の男は現れないぞ」「それはこっちのセリフよ!次!」 「俺にはおまえが必要だ」「あんただけじゃない!次!」 「愛してる」「気持ちだけじゃ駄目だって言ってるの!次!」 「おまえは俺が守る」「無理!」「そうだな」「そうだな、じゃないでしょ!次!」 「付き合ってくれ。断られても、この言葉は二度といわない」「それじゃ脅迫よ!次!」 「俺のファーストレディになってくれ」「オバマか?次!」 「結婚しよう」「ちゃんと手順を踏みなさい」「そんな普通のことでいいのか?」「じゃあ、かけ落ちしてあの親父から逃げきれるの?」「無理だ」「次!」 「駄目だったらクーリングオフしてくれ」「笑いもボケもいらない。次!」 「はぁはぁ。……なんでそんなセリフがポンポン出てくんのよ?ヘタレのくせにスケコマシね」 「はぁはぁ。……おまえが言わせてるんだろうが。日ごろの努力の賜物だ。ずっと考えてりゃこれくらい出てくる」 「へー、あんた、そんな努力してたんだ?ずっと考えてたの?」 「……」 「そこで黙るから、あんたはヘタレなのよ」 「やれやれ。もう言葉は打ち止めだ」 「なにす……うぷ」 こいつの唇があたしの口をふさぐ。ようやく、やっとのことで。ほんと手が掛かる。本気であたしに魅力を感じてるのかしらね。 「ムードないわね、あたしたち」 「そんなものは、どうにでもなる」 「……ちょっとは言うじゃない」 「惚れなおしたか?」 「言っとくけど、恥ずかしいセリフは、あたし以外には禁止だからね」 今度はあたしがこいつの口をふさぐ。 * 事が終わって、あたしたちは眠り、目覚めた。 世界は相変わらず退屈でままならなくて、あたしたちは相変わらず不器用で素直じゃなくて、そして一緒だった。 「……ほんとよく寝るよな」 「……何よ、最初にダウンしたの、あんたの方じゃない。その間抜け面見てると、こっちまで眠くなったのよ」 「ふう、でも悪くないな」 「そうね、悪くないわ。おはよ、キョン」 「おはよう、ハルヒ」 それから、お互いに腕をまわして体温を確かめ合った。その心地よさにまどろみながら、あたしたちはもう少しだけ眠ることにした。 * その後の事で、語るべきことはあまりない。 遅い朝食を食べ、坂を降り、バカな言い合いをしながら駅へ向かって、電車に乗り帰途に着いた。途中、母さんの「朝帰りうんぬん」の発言を思い出したので、こいつに振ったら、予想以上の狼狽ぶりだったとか、それを見て大笑いしてやったとか、どうでもいい話だ。こんなことでは、今回のあたしの貸しはちっとも減らないしね。もう一生かけて回収してやるしかないわね。 そういう訳で、あたしは大いにしかめっ面をして家のドアを開けた。 「おかえりなさい、ハル。 ん、どうかしたの?」 「どうもこうもないわ。あいつに何か期待する方が間違ってんのよ」 「何かって、何が?」 「何もかもよ! まったく、あたしだったから、よかったようなものの……」 「あら、よかったの。よかったわね」 「よくないわよ! まあ、よくなくなくもなかったけど……って何言わせるのよ!」 「ふふ。お父さん、ドンペリ入りまあす!」 「な、何言って……げ、親父、どうしたの、その顔? 縦線入ってるけど」 「ああ、おかえり……」 「死にそうね。ちょっと大丈夫?」 「ああ、おかえり……」 「駄目だ、こりゃ。ねえ、母さん、何かあったの?」 「私たちは、何もなかったわよ」 「なんか母さん、今日、ちょっと親父入ってるわよ」 「だって、お父さん、あの調子だもの」 「その分、母さんがご機嫌なのが、少しこわい」 「ほら、ハル」 「ドン・ペリニョン! しかもロゼ?」 いくらするのよ? 「ホストクラブじゃあるまいし、何十万もしないわ。子供が生まれた年のお酒を買っておいて、っていうのが昔流行ったのよ。それにハルの生まれた年はシャンパーニュの気候も、1990年ほどじゃないけど、申し分なかったし。こういう年にできたワインは、置いておいて後で飲むのが良いの」 いや、それにしても、お酒じゃないような値段するんじゃないの? 「ほんとはね、夕べお父さんのお友達がやってらしたお店に行ったの。港が見下ろせる、とても景色のいい場所でね。そこは、そのお友達のおじいさまが日本に来られた時に建てられた建物で、お父さん、その家を買い取ってお店にする時にお手伝いしたみたい。ちょっと大変な交渉事って、お父さん、得意中の得意だから。それで、我が家に娘が生まれた時に、お祝いにって、そのお友達が下さったのがこのシャンパン。ね、ちょっといい話でしょ?」 「うん」 それでも、すごい額のお祝いだけど。 「お友達、亡くなられてね。その建物も手放すことになったんだけど、また買い戻して、今度はその娘さんが引き継がれることになったの。お父さん、今回も『お手伝い』したらしいわ。そのお祝いが夕べ、そのお店であって」 「そうだったの? ごめん」 「いいのよ。私にもお店に行くまで、お父さん、何にも言わないんだもの。それにお店はいつでも行けるけど、あなたのは一生に一度のことですもの。そのかわり、今度は4人で行きましょ。母さん、ピアノ弾くって約束しちゃたし」 「え、ほんと?」 「ええ。素人に毛が生えたようなものだけれど、一応練習しなきゃね。天国にいる先生に恥かかせられないわ。そ・れ・と、今日はお酒に合った豪華な夕食にするわよ。母さん、準備にかかるから、お父さんをよろしくね」 よろしく、って言われてもね。おーい、親父、生きてる? 「ああ。……あいつとは最近どうなんだ?」 最近と言っても、さっき別れたばっかりだしねえ。 「ぐふ!! ……娘、ど、どこでそんな荒技を?」 なに言ってんの? アタマ、大丈夫? 「以前なら『アイツって誰よ?』的なツンデレ返しで、いくらでもツッコむ隙があったのに」 かあさん、これ、もう駄目みたい。新しいの出そうよ。 「うう、せめてとどめを刺してくれ」 「ハルヒと親父2 ー おとまり」から削除されたラブシーン ハルヒと親父2その後 一周年一周年 その1 一周年 その2 一周年 その3一周年 その後ー腕の腫れ、氷の癒し
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身体中の脂肪が自然発火して人体蝋燭化現象が起きそうな太陽を受けつつ俺は緩やかに急勾配を登っている 俺とはもちろんキョン(本名不明)の事であり何故登っているかと言うとそれはもちろん学校へ行く為だ 多量の汗を吸収し最早不快感しか与えない制服を上だけでも思いっきり脱ぎ捨てたい所だが、生憎他にも生徒が居る中でそんな事をする度胸は無い 大体何故こんなにも暑い。地球温暖化の影響ですかコノヤロー 「よお、キョン………」 今の俺には肩に置かれた手にすら殺意を覚えるな 谷口、その手を離せ。触られるだけで俺の体温が上がる 俺はチャック魔神のお前とは違って股間から熱を放出する事ができないんだ 「大変そうだねぇ?キョン」 くそっ、国木田、何故お前は汗一つかかないんだ。笑顔キャラは殆どが完璧な設定か 「まぁ、聞いてくれたまえキョン。」 知るか。俺にはお前のナンパが失敗した話など外国で誰かが転んだという報告よりどうでもいい それよりはその身体中を汗に塗れた姿を俺の眼中から消せ 谷口による『海に出会いを求めに来る奴は大抵モテない』説を聞きたくも無いのに聞いている途中で校舎へ着く事が出来た BGMが有ると多少は疲れが軽減できるのかもな。今度調べて見よう それはそうと谷口、その節はピッタリお前に当てはまるんじゃないのか? 所変わって一年五組 人は目標物だけを視界に入れることは出来ず少なくとも周囲の景色は多少なりとも入る訳で つまり自分の席に行くためには前後の席も目に入る訳だ 俺の後ろの席の奴は頬杖をして窓の外を睨んでいる それで微笑み、少なくとも無表情でも浮かべていれば絵画と見紛うほどの美しさがあるが、いかんせんその顔は眉間に皺を寄せるほど不機嫌オーラを振りまいている そう、その後ろの席の奴こそ我等が『世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団』通称SOS団団長にして涼宮ハルヒ 不機嫌な理由は暑さゆえだろう。時折鬱陶しそうに顔につく髪をはらっている 俺としてはポニーテール萌えなんだがな 「あたしも扇いでよ」 俺が下敷きで扇ぎだした途端それか。もうちょっと人に物を頼む態度ってもんを考えて貰いたいもんだな 「断る。今は人に尽くしてやるほどのエネルギーも惜しいんでな」 「ふん」 また不機嫌そうに頬杖をつき、時折髪を払っている 担任の岡部が入ってきた所で下敷き団扇はしばし中断を余儀なくされる 大体この暑いのに何もするなってのは拷問だよな こうして見ているだけでも暑苦しい岡部による暑さに負けるなという意味の主張は5分の刻に渡った 眼を覚ませば夕方だった 服が汗を吸って濡れている まぁ、あれだ。暑さで体力を殺がれている所に世界史だぞ?眠くならない訳が無いよな? 「…………」 誰に対するか分からない言い訳を打ち切って下校の準備をする 「やっと起きたのね」 思わずゾっとしたね 感情を憎悪だけ含めたような声だ。しかも偉く不機嫌な 声だけで人を殺せそうな者はコイツの他有るまい 涼宮ハルヒ 我等が(以下略)は俺の目の前で腕組みをしながら俺を見下ろしてる 感情で人を殺せたら俺は既に死んでいるだろうな。そんな感じだ 「SOS団の活動にも来ないと思ったらのんきに寝てるとはね……」 静かに言いはなつ うん、怒られるよりはるかに怖いな、コレは 「………同じクラスなんだから起こせばよかったじゃないくぅあ!?」 無言で脛に蹴りを入れられた お前、それは反則だろう 「………!」 抗議の声を上げようとした所を、思わず飲み込んだ だってそうだろ?普通怒っているだろう状況で今にも泣き出しそうな表情をされていたら呆気にとられるよな? まぁ、そんな一瞬の躊躇が不味かったのかハルヒは既に走り去っていた 抗議の為上げようとしていた手が虚しく宙を掴んでいる 「ヤレヤレ……貴方にも困った物ですねぇ」 教壇からいつもの如くニヤケ面を携えた古泉が現れる ―――――――いつから其処に居たんだよ、お前は 「大規模な閉鎖空間が発生していましてね。それも今日はコレで4回目です。流石に疲れてきました」 そうかい、それはご苦労なこった。で、俺に何の様だ 「何の様だ、は無いでしょう?原因は貴方にあるんですよ?」 何でだ 「前にも言ったでしょう?涼宮ハルヒさんが不機嫌になると閉鎖空間が発生すると」 そういや言ってたな。あの灰色の空間には良い思い出が無い。思い出したくも無かったよ で、何で原因が俺にあるんだ 「心当たりは無いんですか?」 全くな 「……SOS団の活動に来なかったり、乙女心を理解しない発言をしたりと色々と思いつくんですけどねぇ」 乙女心って何の話だ 「物の例えです。とりあえず、今すぐ涼宮さんに謝って来て下さい」 何故俺が謝るんだ むしろ危害を加えられた俺が謝って貰いたいんだが 「………鈍感ですねぇ。いいから行って下さい。それが無理なら実力行使しかありませんが…………」 実力行使ね。お前が俺より力が有る様には見えないがな 「お忘れですか?僕には機関の仲間だって居ます。」 含みを聞かせたようだがどうにも演技に見えるな。なんつーか胡散臭い 「そうですね、例えば………」 どうやら実力行使の内容を考えているようだが絶対に謝らんぞ、俺は 「貴方の生爪を一枚一枚剥いで指に一本ずつ針を刺し、じわじわと痛みを強めていきながら精神を弱らせ 発狂寸前の所を僕の言う事を聞く奴隷同然に仕立てあげる事だって出k「キョンッ!いっきまーす!!」 いや、本能がそうしろって伝えていたもんでね 俺は今ならカール・ルイスを越える自信すらある 背後から聞こえてくる物騒な言葉は完全無視だ、無視 でもコレは逃亡じゃないぞ?小泉の意見に耳を貸してやっただけだ。うん、そうだ 誰だって高校生で廃人にはなりたくないんでな 教室から走り出して下駄箱に来るまでに既に汗が吹き出ている。かなり不快だ でもそんな事を言っている場合じゃないな、俺の人生が掛かっているんだ。 まぁ、焦りの所為かね。俺は一つ重大な事を見落としていた 校門まで走ってようやく気付いたよ 俺はハルヒの家を知らないってことにな こんな当たり前の事に今更気付くとは俺もどうかしているな。暑さの所為か ってそんな場合ではない!このままじゃ俺廃人フラグ一直線ktkr!!! ………焦っているな。かなり焦っている 冷静になれ俺。小泉に………じゃない、古泉に聞けばいい話じゃないか! 「涼宮さんの家ならあちらですよ」 「………いつから其処にいた」 「そんな事気にしてて良いんですか? 早くしないと組織の筋肉質の猛者たちが数人やって来て毎夜毎夜の肉欲の宴、 ムッキムキ黒人男性とうh「キョンッ!発進する!」 またこのパターンか と言うか古泉、実力行使がグレードアップして無いか……? 走る、走る、走る 廃人となるのを防ぐ為!平穏な老後を過ごすため!俺は走るぞ!古泉ィィィィ!!! ………うん、暑いね 思考が現実逃避を初めつつ、やっとハルヒに追いつく事が出来た 体に纏わりつく制服は不快指数上昇すること現在進行形なわけだが、そんな事も言ってられない 「おいっ!」 叫びにも近い声で腕を掴んだ所為か、ハルヒは驚愕の二文字を浮かべている。少々罪悪感にかられるな、これは 「!?………な、何よ」 何ってそりゃあ…………うん、何だろうね とりあえず謝れといわれたが………… プライドと貞操………まぁ、天秤にかけるまでも無いよな 「………スマン」 とりあえず深々と頭を下げた 黒人マッチョとうほっ、よりはこっちの方が遙かにマシだ 呆気にとられていたハルヒの顔にいつも通りの表情が戻ってくる あぁ、コレで良かったんだよな とまぁ、今後の心配が一つ無くなった 「はいっ!活動をサボった罰ね!」 途端にコレは無いだろう ハルヒが俺に渡した紙には町内の地図と、巡回経路と書かれていた。俺の目がおかしくなければな 「………なんだ、コレは」 「だぁーかぁーらぁー、サボった罰。其処に書かれている経路を今から三周して来なさい」 マジか 「大マジ」 …………今に至って、この選択肢も間違いだった気がするな そうそう、こーいうやつだったよ、涼宮ハルヒって奴は 「いやぁ、お疲れ様です」 ▼ニヤケ面が現れた!▼ →殴る 蹴る 暴行 うほっ ………とかやってる場合じゃないな。そんな事する気力もない。最後のはやるつもりもない 「どうやら閉鎖空間の拡大も止まったようです」 それは良かったな。所で俺も今非常に不機嫌なんだが、一度殴らせてもらって良いか? 「それは困りますね。今はMPも尽きかけな仲間の援護に行かなければ行けませんから」 そうかそうか、とっとと行け。お前の姿は見たくない 「そうですか。それでは………おっと、くれぐれも涼宮さんの機嫌を損ねないで下さいね?」 言われなくともさ 俺だってマッチョに貞操を捧げたり廃人にはなりたくない。将来やりたい事もあるんでな とりあえず今は、この巡回経路とやらを回るのがベストなんだろうな………… まぁ、思いっきり後悔する羽目になったけどな ただ座っているだけでも汗が吹き出る暑さの中、町内を回っていると少々自殺願望すら出てくる もし体型に困っている人にはお勧めだ。精神を削る代わりにやせる事が出来るぞ …………なんてな すっかり暗くなったが別段涼しくなる訳でもなく昼間と同じく暑い。嫌がらせか 目前にその姿を見せる我が家。中では妹がアイスを貪っている事が容易に想像できるな。殺意を覚える そんな事に気を取られていた所為か、街灯で照らされる我が家の戸の前に人影が有った事には暫く気付かんかったがな どうやら私服に着替えたらしいその人物……… 「………ハルヒ?」 そう、我等が(中略)団長涼宮ハルヒ そういえばハルヒってだけ聞くとホスト部も思い出すな。どうでもいいが それより、そのハルヒが何でうちの前にいるかっ、てのが問題なんだよな 「!?キョ、キョン!?なんでここに!?」 「いや、なんでも何も此処は俺の家なんだが」 「そ、それもそうよね…………」 何だ?夢遊病の症状でも出たのか?……いや、夢遊病ってのは子供とかに発祥するんだっけか 「あ、あたしはアンタがサボらずやってるかと思ってきただけよ」 いや、何もきいて無いですけど 「うるさい!それより、ちゃんと回ったんでしょうね!三回!」 それは俺の状態から察してくれ。後、声を小さくしてくれ。 「フ、フン………!まぁ、いいわ。ちゃんと回ってきたみたいだし」 ご理解いただけて光栄ですな 「とりあえず、あたしはこれで帰るk「あれ?キョンくん、お友達?」 妹よ、いつの間に出てきた ってかハルヒ、見る見るうちに顔色が悪くなっていくんだが……… 「キョン………」 何だ 「こんな小さい子を連れ込むなんて、アンタまさかロリコn「妹だ」 「……何でこうなってんの?」 「さぁな」 今俺はハルヒと向かい合って正座している状態にある。何故かって?ほら、元凶がやってきたぞ 「さ、どうぞ~粗茶ですが~」 あぁそうだ。俺の妹(本名やっぱ不明)が元凶だとも 帰ろうとしたハルヒを引きとめなし崩しに家に上げた妹は好奇の眼差しでハルヒを眺めている ハルヒの方というとこれまた不思議な事に妙にしおらしい いつもの如く城の明かりを一人で補えそうな輝きを放つ太陽の様な歓喜ではなく美しく咲いた花のように見るものを幸せにさせる微笑である う~ん、詩人だねぇ ハルヒのこんな様子を見たのは何時だっけな………そうだ、朝倉の転校の理由を探りに行った時だったな こいつもこんなにしてりゃ可愛いのにな。谷口曰くAランクプラスは伊達じゃない…………か 「………何見てんの?変な事考えてたらブッ飛ばすわよ」 感情が顔に出てたか?ソリャ行かんな、どうやら俺はポーカーフェイスが苦手らしい にしても何時にも増して怪訝な目つきだな。其処まで信用無いのか、俺 「まぁいいわ、あんたに何か出来る度胸があるとはおもわな」 い、と続けようとしたんだろうな。まぁ、どの道聴こえなかったが 唐突に、雷が鳴った 「……嘘」 ハルヒが小さく呟いている。ソリャそうだろう 先程まで快晴―――夜でも快晴って言うのか?―――だった空には台風でも来たかのように雨雲が敷かれ、雨に交えて雷まで降り注いでいる 多分この雨の中帰る事は不可能だろう。俺の目で見ても明らかだ 「ねー、ハルにゃん泊まっていきなよ」 「え、」 何か色んな感情をごちゃ混ぜにしたような声だったな。其処まで嫌か 所で妹よ、いつの間にそんな略称で呼べるほど仲が良くなったんだ? ハルヒが成すがままに引っ張られていくと、俺の携帯が鳴った 液晶画面に表示された文字には嫌な予感を覚えざるを得なかったがな 「………古泉」 『はい、何でしょう』 「また閉鎖空間がどうとか言うんじゃないだろうな」 『いえ、寧ろその逆……でしょうか』 逆? 『ええ、この転校は恐らく涼宮さんの望んだ事でしょう。恐らく彼女は何かこうまでしてしたい事が有るのではないでしょうか』 大雨を呼んでまでしたい事って何だ。結果といえば家に帰れなくなったぐらいだぞ しかもそのお陰で俺の家に泊まる事になってしまってるしな。悪い方にしか転がってないように思えるが 『………ホンット鈍感ですね。貴方は』 知るか。大体溜息混じりにそんな事を言われる筋合いは無いぞ 『まぁいいです。とりあえず涼宮さんの機嫌を損ねないように気をつけて下さい もしそんな事になったら貴方のこれからの人生を黒人6白人4の割合で密着されて過ごしてもらいブツッ!!』 最後に雑音が混ざったのは少々強くボタンを押しすぎた所為だな 風呂場のほうから、妹の楽しそうな声とハルヒの悲鳴が聞こえた 「天空×字拳!!!」 ボスッと言う音と共に俺の体は多少の熱気を帯びたベットへと沈む。なぁに、やってみただけさ それにしても今日は疲れたな、精神的にも肉体的にも。ぐっすりと眠ることができそうだ 「………」 背中に違和感を感じるな。別に霊感の類が俺に有るとは思っちゃいないんだが………… 「ねぇ、キョン………」 扉を少し開けてハルヒが目だけを覗かせている。目目連か、お前は しかし見ようによっちゃ体を隠してるようにも見えるな 「笑ったら死刑だからね」 そう言ってハルヒは扉を開けた。俺はお前の姿を見て笑う要素があるのかが疑問だがな とまぁ、そんな疑問は一瞬で解決された その姿は見慣れてはいるんだが見慣れていないというかソイツが着る事がありえないと言うか 解説が面倒だから今起こったことを有りのままに話すぜ ハルヒがメイド服を着ていた き、気の迷いとか夢オチとかじゃねぇ……もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ……… 「…………」 「…………」 両者、当然の如く絶句。何だこれは?なんか言った方がいいのか? その思案をどう取ったのか、先に口を開いたのはハルヒの方だった 「あんたの妹に服剥かれたから仕方なく来てるのよ。これしか持ってなかったし……」 剥くって。というか常時メイド服を携帯してるのか、お前は 「うるっさいわねー………クリーニングに出そうとしてただけよ」 ああそう。じゃあその格好にはつっこまないでやるよ。これ以上いじったらまたニヤケ面から脅しが入るかもしれんからな 「で、何か用か」 「…………!」 おや。何気ない発言のつもりだったが何かが癪に障ったんだろうか。ハルヒの顔がゆっくりと紅潮していく。謝った方がいいのか? 「わ、私はただあんたが眠れてるかどうか確かめに……団員の健康管理も団長の役目なのよ!」 そうかい、それは初耳だよ。生憎雷で眠れなくなるような精神はして無いし、あんたの無茶な罰ゲームのお陰でぐっすりと眠れそうだとも ピシャァンといった感じに、雷が鳴った 「!」 「うおっ!?」 いやぁ、心臓が止まるかと思いましたね ハルヒが、俺に抱きついていた 「げふぅ!?」 この奇声は俺の物だ。だって仕方ないだろう?運動部で普通にレギュラー取れる奴が腹に思いっきりタックルして来たんだ。 いや、抱きつきなんだけどな 握力×スピード=破壊力らしいしな。後一つ何か有ったっけか まぁとりあえず俺はハルヒから加えられた運動エネルギーで後方のベットへと倒れこんだ訳だ。頭が痛い 「………ハル、ヒ?」 自分の腹部辺りに顔を埋めているハルヒに目を向けてみた。少し肩が震えている こんな女の子らしい面を普段も出せば可愛いもんなのにな それはさておき………どうするかねこの状況 「………悪かったわ」 ハルヒが顔を上げた。いやぁ、俺としてはもうちょっとこうして居たかった………いや、変な意味じゃないぞ。か弱い女の子を慰める為だ、ウン 「………雷、怖いのか?」 どうやら逆鱗に触れてしまったらしい。俺の顔の横からボスッ、と拳をベットに叩き付ける音がした ハルヒが顔を近づける。このままキスで来てしまいそうなほどに………変態みたいだな、俺 「…………悪い?」 怖いんですが、ハルヒさん なるほど、ハルヒは雷が嫌いなのか。また一つ知識が増えたな。それはそうとやっぱりホスト部を(以下略) それじゃあどの道この天候じゃ帰る事が出来なかった訳ね。GJ、GJだ妹よ ………止めた、現実逃避しても何にもならん。とりあえず俺の目前で今すぐ俺を殺しそうなこの団長様を落ち着かせねばな もし殺気だけで人が殺せるのならば俺は既に死んで………あれ、コレ前にも言ったな 「まぁ、落ち着け、ハルヒ」 と言うわけで説得を試みる。コイツをこのままにしておくとあのニヤケ面から黒人マッチョを召還されかねない 「雷が怖い事なんか気にするな、うん、その方が女の子らしくて可愛いと思うぞ、俺は」 ふっ、こんな事もあろうかと………思っていたわけではないが、谷口の話す『女性のおだて方』を伊達に聞き流してた訳じゃないぜ いや、駄目だよな聞き流してちゃ しかしどうやらハルヒも段々落ち着いてくれてる様子。谷口、お前案外役立つな。チャックさえちゃんと閉めればもてるかもよ 「まぁ、いいわ………」 ミッションコンプリート!トラトラトラ!我奇襲に成功セリ!!!我奇襲に成功セリ!! ・・・・・・・よし、落ち着け俺。素数を数えて落ち着くんだ しかし世の中そんな訳にも行かないんだな 「その代わり………一緒に寝なさい!」 「はぁ?」 いつもの如く、ビシィっと指を刺す 「団長を守るのは団員の役目でしょ!」 いやぁ、それも初耳だわ てか一緒に寝るって添い寝か?健全な女子高生にしては危機感が足りないのではないかね? もしかして人が混乱する状況が続くのにはなんかの因果関係があるのか? 今度長門にでも聞いてみるか。俺が理解できるとも思えないがな などと一般論を組み立ててみた物の ………正直、たまりません まぁそんなこんながあって俺は今ハルヒと添い寝中なわけだ 添い寝といってもハルヒは布団を頭まで被って俺の胸の辺りに顔を埋めているがな 雷の音が何処かでする度に肩が震えるのは愛おしさを感じずには居られない ………………とは言ってみたものの、このままでは俺の理性が持つかどうかが疑わしい 落ち着け俺。素数を数えて落ちつ……ける訳がない 生憎俺は同級生が成り行き上宿泊する事になり挙句の果てに一緒のベットで寝るというそれなんて(ry な展開には免疫が無い 谷口なら何か対策を練れそうだな。まぁプラスに転がる事は十中八九とは言わず十ありえないだろうが 「…う……うぅ………」 ふとハルヒの声が聞こえた。声といっても出来るだけ声を抑えようとした泣き声だってのは俺でも分かる 其処まで怖いのか、雷が 「えーと、ハルヒ、大丈夫だ。俺が付いてるから」 言った後に思ったが何が大丈夫なんだろうな 年頃の少年少女が一緒に寝ているというのは雷よりはるかに危ないと言うのが一般論という物だろうに それはそうと今俺が言ったセリフは思い返してみるとかなり恥ずかしい事を言った気がする。まぁ、仕方が無いよな。状況が状況だ。不可抗力と言う奴だよ 「…………ずるい」 ハルヒが顔を上げると同時に俺の胸ぐらを引っ張った あ、そんな勢い良くすると頭ぶつかr ゴンッ ………ほらな 「ずるい!不公平よ!」 ハルヒの言う事が一回で理解する事ができないのは既に規定事項と言った所か。ハルヒの目に溜まってる涙が痛さの為か怖さの為かは区別できんな で、何が不公平なんだ 「私はっ……!いつも……!あんたの事……!かんがえ…!のに……!」 泣くのを我慢しながら無理矢理声を出している事は俺にだって解る。その前に今驚くべきは内容のはずだ 考えている?ハルヒが?俺の事を? 「…………いつの間にかっ……あたしは………あんたの事ばっか想ってるのに…………なのにっ!」 ハルヒの瞳から涙が一粒、流れる ―――ああ、そういうことか これがどういう事かは馬鹿でも解る。俺が解るくらいだからな 「なんで………あんたはっ、落ち着いていられるのよ……!今だって………私は………!」 声を無理矢理出そうとするハルヒの様子は―――不謹慎かもしれんが―――反則的なまでに可愛い。ポニーテールだったら襲ってたかもしれないな でも今は、この消えてしまいそうに儚げな………折れてしまいそうなほどにか弱い団長様を包んでやる 俺は、ハルヒを抱きしめた 「!?」 「…………平気な訳、無いだろ」 聴こえるかどうかも微妙だったが、精一杯絞り出した声だ。それでも伝わったと思える そう、平気な訳が無かった。コレでもさっきから煩悩を消す為に余計な事を考えるのに集中していたんだからな 「俺だって、ハルヒが好きだ」 我ながら芸の無い告白だとは思ったがな。シンプルイズベストって言葉もあることだ、問題は無いだろうよ 俺の腕の中でハルヒは微動だにもしなかった。 ……………妙に沈黙が怖い しかし、以心伝心と言う奴だろうか。ハルヒのやらんとする事が解り、抱いている腕の力を緩めた ハルヒは横になった状態で器用に上へと登ってくる 俺の唇に、ハルヒの唇が重なった 「……ん…………」 ハルヒの口から小さく声が漏れる 唇を重ねたまま、数秒か、数十秒か、数分か………時間の感覚が無かった 唇を離すと、いつもの様なハルヒの笑顔が其処にはあった その笑顔に惹かれる自分を自覚し、自分がやはりこのお方に惚れている事を自覚する それでも照れ隠しにと、俺は声を発する 「…………これで俺はお前の彼氏、って事か?」 ハルヒの笑顔に合わすように少し笑いを含んだ声で聞いてみた。今はコレでいいはずだ 案の定、ハルヒは笑顔を崩すことなく…… それも何処か嬉しそうな声で答えた 「そう、ね………そう名乗る事を………許可してあげ、る………」 そう言った後、ハルヒがベットへ崩れる 緊張が解けたのやら安心感やらが要因か、直ぐに寝息を立て始めていた。その寝顔が何処か嬉しそうに見えたのは気のせいじゃないだろう、多分 その寝顔を見ていると何か悪戯をしてやりたくなったが……どうやら俺も限界な様だ 精神的にも肉体的にも疲れたしな。寧ろ今まで良くもったものだ それでも襲ってきた睡魔に軽く抵抗した 「………オヤスミ」 俺は小さくそういって、ハルヒの頬に唇を当てた。何故唇にじゃないかって?俺もそれなりに恥ずかしいのさ その行為が活動限界点だったか、俺は睡魔に身を任せて瞼を閉じた 「ってきまーす」 そういって家を出る。昨日の天候が嘘だったかのように快晴だ しかし降り注ぐ太陽光線は熱気を届け熱気はいまだ残る湿気に熱を蓄えその熱をゆっくりと放出せいでじめじめとした暑さが続いている 回りくどく言ったが兎に角暑い 早くも玉のような汗をかきつつ、俺は太陽への呪いの言葉を呟き続けた。傍から見れば変な奴だな、こりゃ 「キョーンッ!」 制服を取りに帰っていた団長殿がやってくる その表情は湿気も吹き飛ばすように溌溂としたものだった。見る者を安心させる笑顔、と言った所か。性格さえ知らなけりゃな 因みに迎えに来てもらったのは俺の要望ではない。そこん所勘違いしないように そんな事を考えて居ると、ハルヒが俺の腕に抱き着く。オイ待て、何処のバカップルだ、これは 「いいじゃない、恋人になったんだし。問題は無いでしょ」 視線が痛いな。それだけで精神に大ダメージだ と、言おうとしたがハルヒの笑顔を見ているとその気力を削がれる いや、別に無気力になるわけじゃないぞ?何となく認めてしまうといった感じの方だぞ? とりあえず今は暑さに負けない様、胸を張って歩かせてもらうよ なんてたって、この団長様の彼氏な訳だしな――― end
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参考:すぷれい http //supurei.untokosho.com/ 344 :名無しさん@秘密の花園:2008/04/09(水) 02 23 41 ID 4HBt5F7G このハルヒ、ペアルックしたくてわざわざ カーディガンも用意した上でことに及んだんだろうなと 幸せいっぱいに妄想してみる。 さりげなく、ハルヒの脚の間に膝を入れている長門に、 攻守逆転の布石を打つ熟達の技を感じた。 345 :名無しさん@秘密の花園:2008/04/09(水) 03 49 00 ID aLJmmRum あのまま足を動かすとハルヒがふじこるわけですね 346 :名無しさん@秘密の花園:2008/04/10(木) 00 02 18 ID g5K+wf03 ハルヒ総受け 347 :名無しさん@秘密の花園:2008/04/10(木) 02 21 50 ID wtOiEYSH 344-345 あ…ありのまま 今 起こった事を話すわ! 『あたしは有希を押し倒してポジション逆転に成功したと 思ったらいつのまにかイかされてた』 な… 何を言ってるのか わからないと思うけど あたしも何をされたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった… 騎乗位だとか電気アンマだとか そんなチャチなもんじゃあ 断じてない もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ… 348 :名無しさん@秘密の花園:2008/04/10(木) 13 58 00 ID G8TaxRNY 改変コピペですら萌えてしまう・・・ハルヒ恐るべし
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前 「ハ、ハルカさん!?」 「だけど、それはあの子達に対してとは違うって思っちゃうの。 私、藤岡君よりも年上だけど、それでも風邪を引いちゃった時みたいに 甘えさせて欲しいって思うときがあるというか…。」 それで藤岡にも少しわかった。ハルカはずっと妹達の面倒をみてきた。 家庭の事情はよくわからないが、長い間自分を省みず、妹達の世話をし続けてきたのだろう。 こういった弱音を普段抑えていたとしても、おかしくはないと思った。 「…続けてください。」 ハルカの頭を優しく撫でる。それが今藤岡にできる精一杯である。 「…ありがとう。」 ハルカも満更でもない様子で、一旦顔を見上げ、微笑んできた。 不覚にも、そのハルカの笑顔に思わず見とれてしまった。 「でも、どう言えばいいのかな? あの子達と同じようにして欲しいといえば、ちょっと違うし…。 ……うぅん、ちゃんと言うべきことはわかってるの…。」 ようやく決心がついたのか、ハルカは藤岡から離れ、真剣な顔で藤岡を見た。 「散々勿体つけてごめんなさい。用件を言うね。」 少し間をおく。しかし、今度は踏みとどまらない。しっかりと、その言葉を口にした。 「私は、藤岡君のことが好きなの。」 藤岡は驚きのあまり固まってしまった。自分の耳がおかしくなったのではと疑ったぐらいだ。 お互いベッドの上で正座したまま、ほとんど動かない。 「…えっと、藤岡君?」 固まったままの藤岡を不安そうに見る。藤岡も声をかけられたことで我に帰る。 「…すみません、ちょっと戸惑っちゃって。告白されるなんて思ってもいなかったから…。」 「そうなの? 藤岡君なら、そういうことあるんじゃないかと思ってたんだけど…。」 良くも悪くも、カナ一筋な藤岡は自分がどれだけモテているかなど考えたことすらない。 そう、藤岡にはカナへの想いがある。だから、ハルカの想いには応えられない。 (そうだ、ここでハッキリと断るべきだ! 変に期待をさせちゃハルカさんにも悪い。) しかし、何故かそれを言葉に出すことができなかった。 バレンタインの時だって、カナ以外からのチョコは受け取らなかったというのに。 藤岡が考え込んでいると、ハルカが口を挟んできた。 「…藤岡君は私のこと、どう思ってるの? 教えて?」 「…オレが、ハルカさんをどう思っているか…。」 ハルカが返事を催促してきたことで、藤岡は自分の思いを振り返ってみた。 考えてみれば、今まではカナに夢中で周りをよく見ていなかった。 ハルカの見舞いに行った日、少しだけ考えたことは考えたものの、あの時は明確な答えが出なかった。 自分がハルカをどう思っているか。 ハルカは妹思いの優しいお姉さん、そして家庭的で妹達の母親代わりも務めるしっかり者。 ハルカに対する印象はその程度のことだったはずだ。しかし… 『…お父さん。』 以前泊まった時の甘えたようなハルカの寝言、その時の寝顔が頭に浮かんだ。 自分よりは年上だが、ハルカだって人の子であり、まだ未成年だ。あんなふうに誰かに甘えても良いはずである。 思えば、あの時から自分の中でハルカの存在が大きくなったのかもしれない。 ハルカの見舞いに行った日の帰りにトウマに指摘されたことを思い出す。 ハルカが笑った時自分も笑っていた、ハルカだけに見せた笑顔だったと言っていた。 あの時点で既にハルカはカナよりも大きな存在になっていたのだ。 (そうか、オレはハルカさんのあの笑顔が見たかったんだ…。違う、これからも見続けていきたいんだ!) 自分の中で結論を見出すと、ジッとハルカの方を見つめ直し、ハルカの両肩に手を乗せた。 今まで見たことがない藤岡の表情にハルカの胸は高まった。 「ハルカさん、オレ、あなたのことが好きです!」 カナへの告白よりもずっと力強く、はっきりと口にした。 「…え?」 まさか、自分の告白が受け入れられるとは思わなかった。 藤岡の返事を聞いた途端、思わず口に両手を当て、涙が出てきた。 「それじゃあ…。」 「オレと、…付き合ってもらえますか?」 再び藤岡の胸へと飛び込む。藤岡も今度はそれをしっかりと受け止めた。 「うん…。」 ハルカもちゃんと答えようとしたが、嬉しさのあまり口が上手く動かなく、小さな涙声しか出なかった。 しかし、それとは反対に藤岡の背に回した腕の力はとても強いものだった。 しばらく時間が経つと、2人はお互いの顔を見つめ合うと、互いの唇を静かに重ね合った。 部屋が静寂に包まれて間もなく、ハルカは積極的に藤岡の口に舌を入れ始めた。 藤岡が奥手なハルカの思いがけない行動に戸惑っているのをよそに、 ハルカの舌は藤岡の口の中を隅々まで動き回る。 藤岡の舌を感知すると、お互いの舌と舌を積極的に絡め合わせようとする。 「…んっ。」 口を離しても、お互いの口はまだ粘液の糸で繋がっていた。 「藤岡君…。」 恍惚とした顔を浮かべ、ハルカは藤岡をじっと見る。 「ハルカさん…、いいんですね?」 鈍い藤岡でもハルカが今何を要求しているかはわかる。 ハルカが無言で頷くのを確認すると、優しくハルカを押し倒した。 上着をたくし上げ、胸を露出させる。ブラジャー越しにハルカの胸に手を添え、揉み始めた。 「ん…!」 その程度のことでも、この手の刺激には慣れていないのか、わずかばかりの反応を見せる。 藤岡も少しずつ力を入れ、刺激を強くする。 「藤岡君…、もっと……、直に触ってぇ…。」 背中を若干浮かせながら反らし、ブラジャーを取るように催促する。 藤岡は催促に従い、背中に手を回し、ブラジャーのホックを外し、ハルカの乳房を露にした。 自分からそうするように促したものの、やはり直に見られるのは恥ずかしいのか、ハルカは顔を両手で隠す。 「綺麗ですよ、ハルカさん。」 ハルカの両手をどかし、ハルカの表情を窺う。 顔を見られたからか、藤岡の言葉に反応したのかは定かではないが、ハルカの顔がより赤くなる。 その仕草を可愛く思い、藤岡は再びハルカの唇に口を付けた。 ハルカも藤岡の首に腕を回し、口付けに懸命に応える。 唇を貪りながらも、胸への愛撫を少しずつ激しいものにする。 胸と唇を同時に責められ、ハルカの快感は高まっていく。 「!! んん!」 今度は下半身の方へと藤岡の手が伸びる。しかも、今度は一気に下着の中に滑り込ませ、大胆に責めてくる。 責められる所が3ヶ所に増え、ハルカは絶頂に近づく。 「ん、……ぷはぁっ! ま、待って!」 唇を離し、下半身を責めている方の手を止め、一度中断させる。 「どうしたんですか?」 「ごめんなさい…、けど藤岡君が凄いから、その、驚いちゃって…。」 実際自分が一方的に責められていることに恥ずかしさを覚えていた。 「あ、あの、この前は自分だけ気持ちよくなってたから、 ハルカさんにも気持ちよくなってもらいたいなぁと思いまして、つい…。」 自分の行動の激しさを指摘されて、藤岡も顔を赤くしてしまった。 そんな藤岡の様子に思わず笑ってしまったが、藤岡なりの気遣いを嬉しく思った。 「ありがとう。でも、どうせならこれで気持ちよくなりたいな…。」 藤岡の股間にそっと触れる。そこにあるものは既に硬くなっている。 「…その、大丈夫ですか? 無理しなくてもいいんですよ?」 「大丈夫、私、したい…。だから、お願い…。」 そこまで言われてしまえば、引くわけにもいかない。 ハルカの寝巻きと下着を丁寧に脱がし、自分も下半身を曝け出した。 「きて…。」 ハルカは風呂場の時とは凄い違いだと、自分をおかしく思った。 ただ今考えると、あの時思い止まったのは恐怖ではなく、藤岡にちゃんと処女を捧げたかったからかもしれない。 「それじゃ、いきます…。」 少しずつ肉棒がハルカの中へと入っていく。藤岡は慎重に奥へ入れていったつもりなのだが、 処女膜はあっけなく破れ、ハルカに痛みをもたらす。 「痛!!」 「! ハルカさん! 大丈夫ですか!?」 見ると股間から血が出ていて痛々しい。藤岡が慌てて引き抜こうとすると、 ハルカの脚が藤岡の腰に回り、それを妨害してきた。 「…大丈夫、すぐに痛みはなくなると思うから。」 「けど…!」 「ありがとう、気にしてくれて。でも、続けて?」 痛いはずなのに笑顔を絶やそうとしないハルカに心打たれた。 ハルカにできるだけ負担をかけないようにと、ゆっくりと腰を動かした。 「…!!」 藤岡は気持ちいいが、ハルカの方はまだ痛みが残っているらしく、 時々快感ではなく、痛みに耐えるような声を上げる。痛みを紛らわせようと、ハルカの唇を自分の唇で愛撫する。 「んふっ!」 痛みよりも快感が上回ったのか、痛みに耐える仕草はなくなってきた。 藤岡も安心して、少しずつ腰の動きを早くしていく。 「あっ ……やぁ、アァッ…!」 ハルカも少しずつ気持ちよさを感じるようになり、快感に喘ぐ声を出し始めた。 このままいけば、やがてハルカも絶頂に達するだろう。 しかし、それまで藤岡の方が持ちそうになかった。 「ハ、ハルカさん! オレ、もう!」 「お願い! このまま出して!」 ハルカの了承を合図に、藤岡はハルカの中に思いっきり射精した。 手でされた時も気持ちよかったが、今回はそれ以上だ。以前よりも長く射精が続く。 まだ抜いていないが、射精した時の快感から、相当出しただろうと確信が持てた。 余韻に浸り、抜こうとすると、再びハルカが藤岡の腰に脚を回してきた。 「………え?」 「ごめんなさい。でも私、まだ満足してなくて…。」 藤岡の返事を待たずに、腰を動かし始めた。 「ごめんね、藤岡君。何度も何度も…。」 「…いえ、気にしないでください……。」 申し訳なさそうに謝るハルカの横で藤岡は力なく、横たわっていた。 あれからどのくらい時間は経ったかわからないが、ハルカが満足するまで付き合わされた。 それは1回の絶頂では済まされず、何度も行われたのだった。 (今まで誰かに甘えられなかった反動なのかな?) いくら妹達のことが好きとはいえ、それでも辛く思うことはあるのだろう。 そんな思いを少しでも和らげることができたのなら、良かったと思う。 「…ねぇ、藤岡君。」 思いに耽っているとハルカに声をかけられた。 声がした方へ振り向くと、心底幸せそうに微笑んでいるハルカを確認できた。 「これからも、ずっと私と一緒にいてね。」 愛する人の微笑みを絶やすまい、守り抜こうという決意を込め、藤岡はハッキリと返事をした。 「はい!」 次
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【名前】 邪面獣ジャグチヒルドン 【読み方】 じゃめんじゅうじゃぐちひるどん 【登場作品】 魔進戦隊キラメイジャー 【登場話】 エピソード1「魔進誕生!」 【所属】 ヨドンヘイム/ヨドン軍 【分類】 邪面獣 【闇獣】 ヒルドン 【担当邪面師】 無し 【邪面】 蛇口→ハンドルを回すと水道の水が出てくる地球の器具 【モチーフ】 蛇口、ヒル、タコ? 【詳細】 ヨドンヘイムに生息する巨獣ヒルドンに、地球の器具「蛇口」を模した邪面をかぶせた邪面獣。 ヒルドンの能力で触手を振動させることで空中を飛行し、蛇口の邪面から濁ったヘドロを排水しながらそれを媒介として生まれるベチャットを巻き散らし、周囲を汚染する事ができる。 この撒き散らしたヘドロでヨドン魔法陣を描き上げ、大軍勢で攻め込む為の侵略のゲートを開く事を目的に行動する。 上述の能力でヨドン魔法陣による侵略ゲートを開こうと目論み、地球に出現するとヘドロを撒き散らしながら破壊活動を行う。 当初は飛行形態だったが着地すると同時に人型となり、更にヘドロで汚染を進めていった。 そこへレッドキラメイストーンをキラメンタルによって魔進マッカへと形作った熱田充瑠が参戦。 逃げ遅れたクラスメイト達がジャグチヒルドンが近づくビルの屋上にいることに気がついた充瑠は、 スケッチブックへ瞬く間に「スペシャルスーパー消防車」をデザインし、 レッドキラメイストーンはそのキラメンタルに導かれて魔進ファイヤへと変形。 そして充瑠はキラメイチェンジしてキラメイレッドとなり、魔進ファイヤが伸ばしたはしごを登ってキラメイバスターでジャグチヒルドンを大きく吹き飛ばす。 が倒すまでには至らず体制を整え魔法陣を再び描き始めるが、レッドのキラメンタルによって他のキラメイストーンは、 充瑠が思い描いたイメージに沿ったキラメイ魔進へと変形。 その連続攻撃によって邪面を破壊され、触手を切り落とされた挙げ句、最期はキラメイストーンボンバーを受け爆散した。 以後、いきなり巨大で目立つ邪面獣を送り込むのはコストに見合わないため、事前に邪面師を送り込んで闇エナジーを稼がせた上でそれを元に邪面獣を地球へと移送することで、邪面師+邪面獣でトータルの被害数を増やす作戦にシフトすることになる。 なおクランチュラはジャグチヒルドンが失敗した魔法陣を用いた大規模侵攻用ゲートの作成を諦めていなかったらしく、EPISODE14にてSL邪面を使い再び「地獄環状線魔法陣大作戦」としてゲートを作ろうと試みていた。 失敗に終わってしまったが。 【余談】 前作に引き続き、第1話に巨大怪人が登場した。 「ヒルの巨獣『ヒルドン』に蛇口の仮面をかぶせた」という事で複数のヒルが寄り集まった身体に蛇口を模した頭部を持つ。 蛇口をモチーフにした怪人は『超力戦隊オーレンジャー』のジャグチャック/バラジャグチ(前作『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のカリブディスマイナソーはモチーフの一部として含まれている)以来、ヒルをモチーフにした怪人は『天装戦隊ゴセイジャー』のケサランパサランのペサラン挫以来となる。 もともとのヒルドンがどういう姿なのかは不明だが、公式サイトを見る限り邪面以外はベース元と大差無い模様。