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長門ふたり 第六章 ハルヒ、古泉に恋す。 とある日曜日。僕は長門さんのマンションに呼び出された。何の用事かは 知らされていない。今朝、起きるといきなり長門さんから携帯に電話が入り、 「来て」 とただ一言告げただけで切れた。かけてきたのが長門さんAなのかBなのかは 電話では知りようが無いが、とにかく、呼び出されたからには行くしかないだろう。 マンションの入口で長門さんの部屋のルームナンバーを押し、オートロックの 鍵を解除してもらってからマンションに入る。エレベーターで上り、 部屋のドアをノックして入れてもらう。部屋の唯一の調度であるこたつの右に 長門さんAが左にBが座り、真中に僕が座った。 長門さんAが切り出す。 「あなたの言う通り、わたしたちは彼を共有した」 「助かっています」 「しかし、この状態は問題がある」 「と言いますと?」 「彼の注意のほとんどが涼宮ハルヒに向いている」 はあ、それはそうだろうな。壁でおとなしく本を読んでいる地味目の 美少女と、放っておいたら世界を破壊しかねない派手目の美少女の どっちが気になるか、といえば後者だろうし。 「お気持は解りますが、こればっかりはなんとも」 「わたしたちもそう思っていたが間違いと気づいた」 「どう間違っているのですか?」 「彼の注意を涼宮ハルヒからそらす方法がみつかった」 「それはそれは。彼の脳を改変しますか」 「それはあまり好ましくない」 「では、どうされるのですか?」 「彼の注意が涼宮ハルヒに集中しているのは 涼宮ハルヒが彼に固執していることの裏返し」 確かに。ヒューマノイドインターフェイスも有機生命体の心理について 研究がかなり進んだんだな。 「涼宮ハルヒの注意を他に向ける」 「なるほど、それは考えませんでした。それならば...」 「涼宮ハルヒの注意があなたに向くように脳の改変を行った」 「今、なんと言われましたか?」 「通俗的な言語で言うと『古泉一樹が好きで好きでたまらない』状態に誘導した」 「ちょっと待ってください、そんなことを勝手に...」 僕はつい最近、長門さんがダブル改変した世界での僕と涼宮さんの 関係を思い出した。みんなが見ているところで弁当を食べさせあう仲。 放課後に毎日、あんなことやこんなことを繰り返す仲。 「あなたが心配しているようなことは何も起きない。大丈夫」 「しかし...」 「これは、朝比奈みくる流に言えば『既定事項』。拒否するなら 彼を共有すると言うあなたの提案も拒否する」 僕は彼の二重化を思い出した。それはそれでひどく困る。 「これで話は終わり。帰って」 僕はマンションを追い出されてしまった。 涼宮さんの様な美少女と「深い仲」になるのはほんとうは 満更でもないことなのかも知れないが、こと、相手が涼宮さんとなると ちょっと大変すぎる。毎日、弁当を食べさせあわないといけないのだろうか? みんなが見ている前で。頭がいたい。 次の日、うわべではいつもと同じ作り笑いを浮かべながら、その実、 緊張しながら文芸部室のドアを開けた僕の目に飛び込んで来たのは、 僕の姿が目に入った途端、にやりと笑うと僕の方にとんでやってくる 我等が団長さまの姿だった。 「古泉くん、次のみくるちゃんの衣装、何がいい?」 いまだかつて、僕は意見など求められたことなど一度もない。 いつも何か意見を求められているように見えないでもないかも知れないが、 実際には同意しか期待されてないのだから、あれは違う。 それにしても、顔近付けすぎですよ、涼宮さん。 「考えといて。あと、ホームページのメンテは今日から古泉くんに やってもらうことにしたから。そうそう、忘れるとこだったけど、 副団長は今日からキョンにやってもらうことにしたわ。 悪いけど古泉くんは格下げね」 何か話がおかしい。涼宮さんは『僕が好きで好きでたまらなく』なったんじゃ なかったのか?じゃあ、なぜ、僕に次々とつまらない用事をいいつけるのだろう? 僕に恋しているようには全く見えないが....。 「古泉くん、早速だけど、今日、有希の部屋で鍋パーティをすることに決まったから このリストにある食材を買って有希のマンションに持ってきてくれる? あ、代金は立て替えておいてね」 渡されたリストはA4サイズの紙一枚分あり、その全てを買い揃えて 長門さんのマンションに持っていくのは半端ではない大変な作業だった。 にも関わらず、長門さんのマンションに青息吐息でやっとたどりつた僕に 涼宮さんは一言 「古泉くん、遅い!」 と言い放っただけだった。 次の日から涼宮さんの挙動はすっかり様変りした。まず、朝比奈さんをいじめるのを わざわざ僕がいるときを選んでやるようになった。僕が止めにはいると本当に うれしそうに僕にくってかかった。彼はと言えば 「いいアイディアだと思うぞ、ハルヒ」 とか 「全くそのとおりだな、ハルヒ」 などとお気楽に、先週まで僕が口走っていたセリフそのままに口走っている。 そう言いながらにやりと僕の方をみて笑う彼をみるとむかっ腹がたった。 それでやっと、なぜ彼がしょっちゅう僕の方を見て苦虫を噛みつぶしたような 渋い顔をしていたのか解るようになった。本当、これって頭に来るな。 「古泉くん、あれやって」 「古泉くん、これやって」 と涼宮さんはなんでもかんでも僕に言いつけて僕をこき使うようになった。 僕はとうとうへとへとに疲れ果てて、どう頑張ってもいつもの作り笑いすら できなくなり、彼がよくしていたように文芸部室の机につっぷして 居眠りをするようになった。 おかしい。絶対に変だ。涼宮さんは『僕のことが好きで好きでたまらなくなった』 んじゃないのか?だったら、なんで僕にこんなにつらくあたるんだ。 彼はと言うとすっかり時間を持て余し、長門さんの目論見通り、 彼女の隣に座ったりするようになった。よく解らないが、 無駄話などとも交わすようになったようだ。 涼宮さんの脳の改変は何かが間違って失敗したようだけれど、 彼ともっと交流したいと言う長門さんの希望は見事に 適っていた。 長門さんが涼宮さんの脳を改変してから二度の目の金曜日が来る頃には 僕は歩けない程へとへとに疲れきっていた。 涼宮さんの僕に対する要求は留まるところを知らず、エスカレートする ばかりだった。もう限界だ。その日、涼宮さんが 「古泉くん、ちょっとあれと....」 と言いかけたとき、僕はとうとうこう言わなくてはいけなくなった。 「すみません、涼宮さん。僕はへとへとです。今日は勘弁してくれますか?」 その時の涼宮さんの顔ったらなかった。よもや、僕が断るとは 夢にも思っていなかったようで、 横っ面を思いっきりはたかれたようなポカンとした顔をした。 次の瞬間にはこれ以上の不快は無い、という不機嫌な顔になり 「あ、そう。じゃあ今日は帰っていいわ」 と言った。僕は早々に文芸部室を引き上げた。 今日こそはゆっくり休まねば。死んでしまう。 そのとき、僕の携帯がコールされた。携帯を取り出して読んだ僕の目に 飛び込んで来たのはこんなメイルだった。 「最近、まれにみる巨大な閉鎖空間が発生。急速に増大している。 至急、出動されたし」 .....もう、死にたい。 その日の閉鎖空間はいつになくやっかいで、倒しても倒しても 神人が出現し、僕等は全力で戦わなくてはならなかった。 やっと閉鎖空間が消滅し家に辿り着いたときには夜中の2時を回っていた。 あと一人神人が出現していたら、間違いなく、僕の心臓は悲鳴をあげて 停止していただろう。家にたどりついた僕は着替える元気すらなく そのままベッドに倒れこんだ。あとのことは全く覚えていない。 翌日の土曜日、僕は長門さんのマンションに向かって歩いていた。 僕は涼宮さんが誰かを「好きで好きでたまらなく」なったらその相手に どういう態度をとるか、という点で根本的なあやまちを犯していた。 ダブル改変世界で僕とバカップルを演じてみせた涼宮さんは本来の 彼女ではないのだ。あれは僕をつなぎ止めるために長門さんが つくり出したフィクションだ。 誰かが「好きで好きでたまらなく」なった場合に涼宮さんが することはあんなことじゃない。 考えても見ろ。涼宮さんは、あの5月の日、世界を消滅させかけたあの日に、 たった一人、彼だけを選んで連れていったのだ。 本人が自覚的にどう思おうと、彼女くらいの年格好の女性が 世界でたったひとりだけ男性を選んだら、それが何を意味するかは 聞くだけ野暮だろう。でも、涼宮さんは彼にどんな仕打を していただろうか?まさに、今、僕が涼宮さんにされているのと同じことをそっくり そのまま彼にしていたではないか。長門さんは目論見通りに涼宮さんの脳を 改変したのだ。僕がとんでない勘違いをしていただけのことだ。 長門さんのマンションに着くと僕は彼女達にお願いした。 「すみません、元に戻してください。もう体が持ちません」 長門さん達はお互いに顔を見合わせると言った。 「それは残念。涼宮ハルヒから開放された彼は、私達と 頻繁にコミュニケーションをするようになった。彼も 幸せ、私達も幸せ、涼宮ハルヒも幸せ。完全な解決策と 思っていた」 「あなたは、涼宮ハルヒの脳を改変すると告げたとき、 強く反対しなかった」 「いや、それは長門さん達が問題ないと言われたので...」 「私達は、『あなたが心配しているようなことは何も起きない』と言っただけ」 確かに。僕が心配したようなことは起きなかった。心配しなかったことが 起きてしまったわけだが。 「そのとおりです。ですが、予想外の事が起きて、対応に苦慮しています。 長門さん達はこうなると知っておられたのですが」 「知っていた」 「しかし、彼は問題なく耐えていたので、有機生命体の男性は常に 女性の理不尽な要求に耐える能力を備えていると判断した。 間違っていたのか?」 いや、間違ってませんよ。ただそれには重要な条件があります。 きっとあなたたちには理解できないような、ね。 「とにかく、限界です。あと一週間この状態が続いた場合、 僕は自分の精神を正常に維持する自信がありません。 お願いですからもとに戻してください」 「とても残念な結論」 「彼も涼宮ハルヒもそう思っていると思う」 「お願いします」 僕はそう頭を下げてマンションを後にした。 長門さん達は僕の願いを聞き入れてくれるだろうか? もし、聞き入れてくれなかった場合には..。自分でも自分が 何するかちょっと自信が持てない...。 週明けの月曜日、涼宮さんはまるで手の平を返したように、こう宣言した。 「やっぱり、副団長はキョンじゃ役不足よね。古泉くんに副団長を やってもらうことにするわ。キョンは格下げね。じゃあ、さっそくだけどキョン...」 こうして彼の平穏な日々は2週間足らずで終息し、彼はまた 希代の変人涼宮ハルヒによる無限地獄に叩き落とされ、僕はと言えば 傍観者の立場に戻った。この境遇に何ヶ月も耐えていたとは驚嘆に値する。 早晩、長門さんのストレスが限界に達して、またなんらかの行動を起こすのは 間違いないだろうけれど、とりあえず、しばらくは大丈夫だろう。 長門さん、有機生命体の男性が女性の理不尽な要求に耐える能力を 備えているための条件を教えてあげましょうか? それはね、男性が女性にこれ以上無いくらい惚れ込んでいる場合なのですよ。 勿論、彼は自分がこの条件を見たしていることを強く否定するでしょうけどね ....。 第七章
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※エンドレスエイトのネタバレ注意 八月の二週間を延々と繰り返し無限ループの次元に放り込まれたという衝撃の事実を知ってから後も、すぐ打開策が出るわけもなく、ハルヒの意志を尊重して今夜も天体観測という活動に参加するしかなかった。もっとも、長門だけはハルヒの監視役という任務を組織に忠義をつくす軍人のごとく遂行していた。 みくるは「望遠鏡」という古典的な言葉に魅了されつつ、しばしその鏡筒から月を眺める。 「個人が趣味で使うシンプルな構造の天体望遠鏡ですよ。現代の観測技術では、遠くの物体の電磁波を捕らえる方法が使われています」 アマチュア望遠鏡に興味津々であったみくるに古泉が付け加えた。 …私の時代ではどんなだったろう?昨夜、未来との交信を何度も試みたが無駄に終わったことが思い出され、また少し沈んだ気持ちになった。その表情を読んだ古泉が「すみません」と苦笑する。 「UFOと交信できる人っていたじゃない?手をつないで念じるの、あれってマネ出来ないかしら」 「やめろ、頼むから」 そんなハルヒとキョンのやり取りを聞きつつ、みくるは少し距離の置いたところで腰を下ろした。視線をどこか遠くに向けていた長門が、座り込んだ自分に目を向けたが気疲れを起こしている今はあまり気にならないことだった。 「朝比奈さん、起きてください」というキョンの声で目が覚める。 そこにあった望遠鏡は片付けられ変わりに重そうなケースと三脚をもった古泉がいた。少し眠ったおかげで頭はすっきりしていた。 「今夜はお開きにしましょう」 「じゃ明日は…。そうねぇ、信憑性の高い心霊スポットをネットで検索して夕方から探索に行くわ!」 明日の志向を高らかに宣言するハルヒを囲み、ぞろぞろと一階に降りるエレベータに乗り込んだ。そのあいだハルヒの会話が途切れることはない。玄関に出ようとするところ、一番後ろを歩いていた長門は不意にみくるを呼び止めるように右腕を静かにつかんだ。 「これ…」 小さく折りたたまれた紙だった。 「あとで読んで」 そろそろと手を出すとその上に紙が置かれた。 明るいランプ色の玄関から長門が無言でメンバーを見送る中で解散となった。しばらく四人で帰路に着き、みくるは他のメンバーと別れるとさっき長門から手渡された紙を広げる。 ____今夜、自室にて待つ。 みくるは他の三人に見つからないように長門のマンションへ引き返す道をたどった。正直一人で長門に会うのは心もとないことだったが、メモでこっそり渡すぐらいであるから内密にして欲しいのだろう。 玄関に備え付けられた共同のインターホンの前に立つ。部屋番号、そして呼出を押す。オートロックが解除される。エレベータで昇ると、目的の部屋へ足を進めた。長門と書かれた表札に目をやり、ドアをノックする。その場で待っていたかのようにすんなりドアが開かれた。 「あ、あの」 「入って」 長門はドアを閉めるとリビングへ進む。みくるは靴を脱ぐのに手間取り、長門の背中を見ながらおずおずと後に続いた。 「長門さん、私に何か…」 「涼宮ハルヒが作り出した長い時間のこと」 長門は相変わらず直立で、みくるに背を向けていたが構わず話を続けた。 「時間の流れは定日時から再び戻され、類似した別の時を刻む。ゆえに以降の未来が来ない状態に陥っている」 「あ、はい。そうです」 「私はあなたと接触する機会を涼宮ハルヒに関連した事項でなければ持つことができない」 「それは、……私もそうだと思います」 「でも今のあなたには元の未来が存在しない。私は朝比奈みくるという一個人に関心を持っている。未来を失った朝比奈みくるはこの世界で孤立している。あなたの元の時代の何者とも接点を持たないのならば、現在所持している目的から反れた行動を起こしても誰からも咎められることはない。私は今のこの状況下であなたと接触をすることが可能と考えている」 長門はそこまで言うと振り向いた。黒い瞳をみくるへと向ける。 「…わ、私の世界の情報が欲しいのですか?」 「違う、あなたは勘違いしている。前もこの部屋で私はあなたに同じ事を言った。しかし、あなたは私を拒絶した」 「前回もですか…?だって、今の話はそのように聞こえます」 「交渉を要請しているが情報が目的ではない……私の伝え方が悪い…」 みくるは長門の言葉を待った。前の世界で長門さんは私への説得が失敗している…ならば今回はどうすればいいか悩んでいるように思えた。長く重い沈黙のあと、長門が口を開いた。 「私はあなたに関心をもっている………それは、私はあなたが好きだということ」 「……」 好きというのは好意?長門の思わぬ告白。みくるは「信じられない」という顔をした。 「そ、そんな…、私は」 戸惑うみくるの手に触れ、軽く握る。アンドロイドとは思えない人肌の感触と温もりが伝わった。 「あなたを愛している。……これら以外に該当する言葉がない」 長門の目が伏せられた。手は握られたままだ。みくるはそんな長門の仕草に、情報統合思念体というものではなく自分の発言した言葉に恥じらいを感じ、次にどうしたらいいか分からないという一人の少女のように感じた。 清楚な顔をした小柄な少女。今このときはタイムトラベラー、ヒューマノイドというSF的な肩書きは他所へ追いやり、自分はこの時代の女子生徒、長門さんは真面目で読書好きな下級生…、そんな設定でもいいと思う。 「これは私の一方的な願い。私はあなたに強要しない…あなたの意思に委ねるものである」 握られた手から、長門の指がわずかにピクリと動いたことが分かった。 (緊張しているのかな?)と考えたみくるは、ふふふっと笑い出す。長門はその声に顔を上げた。 「ごめんなさい。でも『何々である』…とか、ロボットみたいです」 みくるは握られた手を握り返した。 「では、あなた次第、好きにしていい…」 「好きにしていい、なんて言ったら私は長門さんに何をしてもいいことになりますよ?」 「……」 「あの、抱きしめてもいいですか?」 「…いい」 みくるは長門の肩口へ腕を伸ばすと、両手で自分の身体に引き寄せる。長門は顔にみくるの胸の感触と背中に回された両腕を感じた。長門はそろそろと両腕をみくるの背中に腕を回す。しばらくすると、どちらかともなく床に座り込み、お互いの身体が離れた。 みくるは長門に唇を塞がれる。みくるは少し乾いた唇の感触を感じつつ、彼女に押し倒されるようにして背中が床に付いた。互いの吐息が感じられるほどの近い距離。 「たぶん数日後にはまた二週間前に戻り、このことは私の記憶から無かったことになります」 「…」 「長門さんの中に私の記憶を残して」 「そう」 「それってズルイ気がします」 「あなたにとっては、その方がいい」 長門さんが私の鎖骨に口付けた。スカートのホックが手際よく外される。 (それじゃ、長門さんの告白は無駄に終わってしまう…) 衣擦れの音が響く部屋の中で、みくるは思う。それなら、長門さんの脳裏から私を忘れることができないように今この時を二人で過ごす。それがこのような行為であっても。それに…あと数日残っている。もしかしたら私の記憶にも残るかもしれない、長門有希という少女らしい一面を見せたヒューマノイドを。何より今回でこのループが終わるならば、私は彼女を忘れることはない。 その時、私の未来はどう変えられるだろう。 長門さんは私の首筋へ舌を這わせる。私は短い吐息とともに彼女の頭部を掻き抱いた。 end
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第五章 ハルヒは放心状態、長門は朝倉と交戦中、朝比奈さんはハルヒの横で気絶している、古泉は神人と交戦中、俺にいたってはハルヒのいる病院の中で立ち尽くしてい。 不運と言うものは続くもので、ボロボロに破壊されたドアから人影が見えた。 見覚えのあるおとなしそうな生徒会書記担当、黄緑江美里だ。しかもその手には血のついた日本刀…え?日本刀? 今度は黄緑さんがエラーか?しかも血がついてるってことは誰かを殺したてきたと言うことなのだろうか。 長門は朝倉と交戦中である、よって黄緑さんに抵抗できる人間はいない、ここにいるのは俺とハルヒと朝比奈さんだけなのだ。 ここまでかと思ったそのとき、またドアの奥から人影が見えたと思った瞬間である、人影がすごいスピードで黄緑さんに近づき持っていた薙刀で黄緑さんの体を真っ二つにした、そしてポケットからビンを取り出し中に入っていた液体を真っ二つになった黄緑さんにかけた、すると黄緑さんは塩をかけられたナメクジの様に縮み消滅した。 そして黄緑さんを切り殺した人物に俺はとてもびっくりした。 なんと久々の朝比奈さん(大)である。俺はハルヒや朝比奈さん(小)の前に現れていいのかという疑問の前に朝比奈さんの身体能力に驚いていた。 アホみたいに口をあけている俺に朝比奈さんは「久しぶり。」と、そしてハルヒに向かって「久しぶりです、でもこの姿では始めましてですね。」 そして朝比奈さんは説明してくれた。「黄緑さんは情報統制念体によってコピーされました、そしてそのコピーはオリジナルを抹殺しあなた達を抹殺しに来ました、それを止めるために来たんです、他にも目的はあったのですが。本当はこういうことをしてはいけないんですが私にとっても規定事項なので大丈夫です。」 朝比奈さん(大)が説明を終えた後、ハルヒが突っ込んだ「あんた、誰なの?みくるちゃんのお姉ちゃんか何か?この姿って…」 その質問には俺が答えた「この人はここにいる朝比奈さんの未来の姿だ、何度か会った事がある。」 そして朝比奈さん。「そうです、なんなら今までにしたコスプレ全部言いましょうか?」と笑顔で言った。 そして真剣な顔をして続けた。「私がここに来たのは黄緑さんからあなた達を守るためだけではありません、もう一つ重要な仕事があるんです、でもその前にキョン君、涼宮さんにあなたの正体を教えてあげて下さい。」 「キョンの正体?」とハルヒがいいこちらを見る。 俺は言った。「そういえば言おうとして朝倉が来たんだったな。いいかハルヒ、よく聞け?俺の正体はな…」ジョンスミスなんだ、と言うつもりだった。 「そいつの正体はジョンスミスさ。」とまたドアの奥から人影が現れる。またも見覚えがあるやつだった、しかもいけ好かない未来人、花壇で会った奴だ。 なんでこの事を知っている?そんなことを考えているとハルヒが「キョンがジョンスミス…?本当なの?キョン」 「そうだ、俺は確かに4年前の七夕の日にハルヒに会って落書きの手伝いをしたジョンスミスだ。だが何でお前が知っている。」恐らくこのときの俺はきっとものすごい顔で睨んでいたのだろう。 しかし煽るようにそのいけ好かない未来人は言った。 「何故知っているかって?それは俺がジョンスミスだからさ。」 朝比奈さん(大)以外の顔が凍りついた。 こいつがジョンスミス?そりゃ俺だろう、こいつがジョンスミスなわけがない。それともジョンスミスって結構多い名前なのか? 昔の船長にそんな名前の奴がいたっけ? などと脳内で思考を巡らせていると、 朝比奈さんがまじめな顔でこう言った。 「キョン君、この人は未来のあなたなんです。それは間違いありません。そしてこの人の目的は…」 いけ好かない未来人が割って入った、しかもまたとんでもないことを言い出した、俺はその言葉にこいつがジョンスミス…つまり俺なのだということ以上にショックを受けた。 「涼宮ハルヒと朝比奈みくるの暗殺だ。もちろん過去の自分であるお前は殺さない、俺が存在できなくなるからな。」 なんだって?未来の俺が朝比奈さんやハルヒを殺す?一体全体何があったら俺はそんなことをするような人間になるんだ? 大体、朝比奈さんやハルヒを狙っていることを知っているはずの朝比奈さん(大)は何故何もしないんだろうかという疑問を朝比奈さん(大)に向かって視線に込めて送ってみた。 すると朝比奈さんは「まだ大丈夫です。」とだけ言った、まだ? そしてその未来人は続けた。 「俺の来た未来では朝比奈みくる、長門有希、古泉一樹、涼宮ハルヒはとっくに死んだ人間になっている。 涼宮ハルヒ、朝比奈みくるは俺に殺され、古泉は神人に敗れ、長門有希は朝倉に殺された。 そういうことになっている。しかしこいつらを殺すのは長門有希、古泉一樹が敗れた後、俺も難しいことはわからないがその両名が敗れたショックでハルヒが完全に能力を失うらしい、恐らく自分の能力で友達が傷ついたことで自ら能力を消したんだろう。 そしてそんな能力を持った涼宮ハルヒを殺し、まあ口封じっって奴だ、そして朝比奈みくるからTPDDを奪い殺し、ほんのちょっと未来のお前に渡してやるんだ。それで万事解決だ。」 いやいやいやこれはないって、絶対ないよ。何で朝比奈さんまじめな顔してんの?こいつおもしろいこといってんだから笑ってあげなよ。 などと考えていたらやっぱり朝比奈さんが「全部本当です。」 …やれやれ。 そしてその未来人は喜んでいいのか泣いたらいいのかわからんことを言った。 「そこでだ。当然朝比奈みくるのふけたほうがここにいるってことは当然勝ち目もあるってことだ。なぜか2つの異なった未来が繋がってしまったらしいからな、それも涼宮ハルヒの影響か?それに全部規定事項って奴ですか?朝比奈みくる。まあどうなるかはお前しだいって奴だな。まあがんばれよ」 朝比奈さんによると全部事実で間違いなさそうだ。 奴の言うと通り、俺達が勝つ道もあるみたいだしな。 って言うことはやっぱり長門、古泉を何とかしないとだめみたいだ。 長門、古泉両名が死ぬまでこいつはハルヒや朝比奈さんみたいに手をだぜないみたいだし。 長門は何とかなるとして、まず古泉を何とかしてやろう。 第六章
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~部室にて~ 長門「……」ペラ ハルヒ「有希、明日遊びいきましょ」 長門「明日は土曜、団活がある」 ハルヒ「なんだかキョンが、ど~しても外せない用事があるらしいのよ」 長門「用事?」 ハルヒ「そうなのよ。団長であるあたしに理由も話さないのよ」 長門「その用事が理由だと思われる」 ハルヒ「わ、分かってるわよ!あたしが言いたいのは」 長門「言いたいことは分かる。でもそれはプライベート」 ハルヒ「それは分かるけど……」 長門「なら今回は仕方ない」 ハルヒ「とにかく!団員が揃わないから明日の団活は中止よ」 長門「そう」 ハルヒ「だから……遊び行かない?」 長門「二人で?」 ハルヒ「そう二人で。どっかいきましょ」 長門「どっかとは?」 ハルヒ「どっかよ」 長門「そう」 ハルヒ「行き当たりばったりでもいいじゃない」 長門「……」 ハルヒ「……それとも行きたくない?」 長門「……」フルフル ハルヒ「なら決まりね!時間とかは後でメールして決めましょう」 長門「……」コク ハルヒ「ところで、さっきからなに読んでるの?」 長門「これ」 ハルヒ「『僕らが死体を拾○わけ』?気味の悪いタイトルね。ホラーかサスペンス?」 長門「最初はそう思って借りた」 ハルヒ「最初は?」 長門「そう。実際は体験談中心の博物誌」 ハルヒ「面白いの?」 長門「ユニーク」 ハルヒ「ふーん」 長門「……」ペラ ハルヒ「そういえば、有希って休みの日はなにしてるの?」 長門「家にいる」 ハルヒ「出かけたりしないの?」 長門「たまに」 ハルヒ「どこ行くの?」 長門「図書館」 ハルヒ「……まぁ、予想どうりの答えね」 長門「そう。あなたは?」 ハルヒ「あたし?」 長門「……」コク ハルヒ「街を散策してるわ。団長たるもの、休みの日でも不思議探索を欠かさないのよ」 長門「実際は?」ペラ ハルヒ「……小物とか服とか探しまわってる」 長門「そう」ペラ ハルヒ「べ、別にいいじゃない!休みの日くらい」 長門「何も言っていない」 ハルヒ「うっ、とりあえずみんなにはいわないでね?」 長門「善処する」 ハルヒ「頼むわよ、こんなこと言えるの有希だけなんだから」 長門「……」コク ハルヒ「それにしてもみんな遅いわね」 長門「……」ペラ ハルヒ「なんか聞いてる?」 長門『何も』 ガチャ キョン「悪い遅れた」 ハルヒ「ちょっと遅いわよ、キョン」 キョン「だから、悪いって。それに同じクラスなんだし俺が掃除当番なの知ってるだろ?」 ハルヒ「知ってるわよそんなの、でも遅いのよ」 キョン「おまえは人と会話する気あるか?」 ハルヒ「後は、古泉君とみくるちゃんね」 キョン「はぁ、もういい」 ガチャ 古泉「遅くなりました」 ハルヒ「あ、古泉くん」 古泉「少し職員室に寄っていまして」 ハルヒ「構わないわ。後はみくるちゃんね」 キョン「なんだ、古泉には苦言しないのか?」 ハルヒ「は?ちゃんと理由があるじゃない」 キョン「……」 ハルヒ「しいて言うなら、副団長とヒラの人徳の差かしら」 キョン「ふん、言ってろ」 古泉「まあまあ、お二人とも。僕のためにケンカしないで下さい」 キョン「お前な」 古泉「んふ。冗談ですよ」 キョン「ったく」 カチャ みくる「遅れちゃいましたぁ~」 ハルヒ「遅いわよ!みくるちゃん」 キョン「みんな今来たばかりだから大丈夫ですよ」 ハルヒ「……」 キョン「……」 ハルヒ「みくるちゃんには優しいのね?」 キョン「さぁな、誰かさんと比べた人徳の差じゃないのか?」 ハルヒ「……」 キョン「ふん」 みくる「え~と、着替えるんでキョン君と古泉君、部屋出てもらっていいですかぁ?」 キョン・古泉「分かりました」 ガチャ ハルヒ「なによ!キョンのやつ」 長門「……」ペラ みくる(うぅ~、涼宮さん機嫌が悪いみたいですぅ) ハルヒ「ねぇ有希!どう思う!?」 長門「しいて言うならあなたに非がある」 ハルヒ「!?」 みくる(な、長門さん!?) 長門「彼といる時のあなたの態度は、あまり良くない」 みくる(そんなこと言ったら涼宮さんが……) ハルヒ「……そうかなぁ」 長門「そう」 みくる「?」 ハルヒ「……分かった、気をつけてみる」 長門「その方が賢明」 ハルヒ「一言多いのよ」 長門「……」ペラ みくる(あれ?) コンコン キョン『朝比奈さん。もういいですか?』 みくる「あっ、どうぞぉ」 ガチャ 古泉「さて涼宮さん。今日は何を?」 ハルヒ「まず、明日の団活は中止にするわ」 みくる「じゃあ、お休みですねぇ」 ハルヒ「そう、誰かさんが出れなくて欠員がでちゃうからね」 長門「……」ジー ハルヒ(あっ、やっちゃた) キョン「悪かったな」 古泉「おや、どちらかへ行かれるんですか?」 キョン「あぁ、ちょっと中学時代の友達とな」 ハルヒ「なんで古泉君には言うのよ!」 キョン「いちいち突っかかってくるなよ。友達に会うだけだし、言ったところで誰だか知らないだろ」 長門「……」ジー ハルヒ(そんなに見なくても分かってるわよ、有希) キョン「それより、古泉。今日はなにをやるか?」 古泉「……ふぅ、あなたと言う人は。まったく」 キョン「なんだ?」 古泉「いえ、何でも」 みくる「涼宮さんは土曜はどうされるんですかぁ?」 ハルヒ「有希と遊びに行くわ」 みくる「えぇぇ~!ほんとですかぁ?」 ハルヒ「ほんとよ。ねぇ、有希?」 長門「……」コク 古泉「……」 キョン「どうした、古泉?」 古泉「いや、珍しい組み合わせだなと」 キョン「たしかにそうだな」 古泉(まさか長門さんが直接彼女へのコンタクトを取りに?) 長門「それは考えすぎ」 古泉「おっと、ばれましたか」 長門「これは普通の交友関係」 古泉「それはそれは。余計な詮索をしてすいません」 ハルヒ「みくるちゃんはどうするの?」 みくる「溜まってるレポート(仕事)があるから、それをやりますぅ」 ハルヒ「そうなの?大変ね。古泉君は?」 古泉「僕ですか?う~ん、どうですかね。まだ分かりません」 ハルヒ「デートとかしないの?古泉くんって結構モテそうじゃない」 古泉「デートですか?……そうですね。たまにはいいかもしれません。後で誘ってみます」 キョン「待て古泉。お前彼女いるのか?」 古泉「えぇ」 ハルヒ(い、いたんだ) キョン「俺はそんな話聞いてないぞ!」 古泉「聞かれてませんので」 キョン「全く。いいよな、お前は。俺なんか影も形もないぞ」 ハルヒ「……」 長門「……」 みくる(な、なんてことを) 古泉(これは、流石にあきれますね) キョン「?」 長門「……」バタン キョン「長門、もう帰るのか?」 長門「……」コク ハルヒ「……あたしも一緒に帰る」 長門「わかった」 みくる「わたしは着替えちゃったんで、少しお掃除してから帰りますぅ」 キョン「俺も少し残ってきます。女性を一人残すのは危険ですので」 古泉「なら僕もお供しますよ」 ハルヒ「あっそ、それじゃね……」 古泉(やれやれ、今日は久々にバイトですかね) ガチャ ~帰り道にて~ ハルヒ「……」トボトボ 長門「……」トテトテ ハルヒ「……はぁ」 長門「前にも言った。彼の鈍さは異常」 ハルヒ「べ、別にそれで溜息ついたんじゃないわよ」 長門「あなたにも反省点は多々あった」 ハルヒ「だ、だから」 長門「だから?」 ハルヒ「……キョンは関係ないって」 長門「本当に?」 ハルヒ「……うん」 長門「そう」 ハルヒ「……」 長門「……」 ハルヒ「……やっぱり……ほんとじゃない」 長門「わかってる」 ハルヒ「あいつがいるとなんか落ち着かないのよ。それで思ってることと逆の行動とっちゃうの」 長門「……」 ハルヒ「……どうすればいいんだろう」 長門「私には恋愛の知識はない。だから上手く説明出来ない」 ハルヒ「……」 長門「ただ」 ハルヒ「?」 長門「私といる時のあなたはとても優しい」 ハルヒ「……」 長門「だから感情のコントロールを身に付けるべき」 ハルヒ「コントロールかぁ.まさかそれを有希に言われるとはね」 長門「よくは分からない。ただ、私なりの推論」 ハルヒ「ん~ん。ありがと、有希」 長門「別にいい。友達なら当たり前」 ハルヒ「ふー、有希のおかげで少し楽になったわ」 長門「そう」 ハルヒ「うん。それで明日だけど、何時だったら大丈夫?」 長門「何時でも」 ハルヒ「それじゃあ十一時にいつもの駅前はどう?」 長門「構わない」 ハルヒ「決まりね」 長門「……」コク ハルヒ「もうお別れね。あたしこっちだから」 長門「……」コク ハルヒ「また、明日ね。ばいばい」 長門「また」 ~次の日~ 長門「遅い。今日はあなたの奢り」 ハルヒ「遅いって、まだ十一時前じゃない?」 長門「あなたはいつも彼に同じ台詞を言ってる」 ハルヒ「それはそうだけど……」 長門「だけど?」 ハルヒ「だけど……なんでもない」 長門「そう。奢りは嘘だから気にしなくていい」 ハルヒ「いや、おごるわよ」 長門「いい。代わりにそのうちまたカレーを作ってもらう」 ハルヒ「有希がそれでいいなら」 長門「それがいい」 ハルヒ「わかったわ。それじゃ行きましょ?」 長門「……」コク ハルヒ「どっか行きたいとこある?」 長門「よくわからない」 ハルヒ「実はあたしも特にないのよ」 長門「……」ジー ハルヒ「だ、だって昨日の今日よ?」 長門「……あなたには誘った責任がある」 ハルヒ「分かったわよ。……えっと~……そうだ!」 長門「決まった?」 ハルヒ「この辺りは団活で散々練り歩いたでしょ?」 長門「……」コク ハルヒ「そして今、あたしたちは駅前にいます」 長門「……」コク ハルヒ「なのでどっか行きます」 長門「……」 ハルヒ「な、なによ」 長門「振り出しに戻っただけ」 ハルヒ「だから!電車乗って知らない街に行って色々見て回るのよ」 長門「色々?」 ハルヒ「そうよ。なんか美味しいものあるかもしれないでしょ?」 長門「わかった」キラ ハルヒ「それじゃ切符買いに行くわよ」 ~駅にて~ ハルヒ「有希、頭のなかで数字思い浮かべて?」 長門「数字?」 ハルヒ「そう、なんでもいいわ」 長門「浮かんだ」 ハルヒ「いくつ?」 長門「百」 ハルヒ「却下」 長門「……」 ハルヒ「ニから十まで」 長門「なら、四」 ハルヒ「それじゃあここから四つ先の駅で降りましょ」 長門「わかった」 ~目的地にて~ ハルヒ「なんていうか。意外に街ね」 長門「そう」 ハルヒ「有希は初めて?」 長門「……」コク ハルヒ「そっか。あたしも初めて」 長門「……」グゥ~ ハルヒ「お腹減ったの?」 長門「……」コク ハルヒ「じゃあ先にお昼にしましょうか。なに食べたい?」 長門「……あれ」 ハルヒ「あれ?……バイキング」 長門「行く」トテトテ ハルヒ「わかったわよって、ちょっと置いてかないでよ!」パタパタ ~バイキングにて~ 長門「……」モグモグ ハルヒ「まだ入るの?」 長門「次を盛ってくる」 ハルヒ「あたしはアイス食べて終わりにする」 長門「そう」 ハルヒ「この後は、さっき可愛い服屋さん見つけたから有希の服選びましょ」 長門「服?」 ハルヒ「だって有希の部屋って、私服全く置いてないんだもの」 長門「ない」 ハルヒ「だから、古着屋とかでもいいから色々探して見ましょうよ」 長門「わかった」 ハルヒ「で、まだ食べるの?」 長門「後はデザート」 ハルヒ「もう好きにして」 ~商店街にて~ ハルヒ「結局1時間半きっかり食べてたわね」 長門「満腹」 ハルヒ「よかったわね」 長門「……」コク ハルヒ「それじゃ、服見に行きましょ」 長門「わかった」 ハルヒ「なんとなく有希に似合いそうなのがあったのよ」 長門「そう」 ハルヒ「そうなの♪有希ももうちょっと可愛くするべきよ」 長門「あなたは?」 ハルヒ「あたしはこれでも結構モテるのよ。ナンパもひっきりなしなんだから」 長門「……そう」 ハルヒ「なによ今の間は?」 長門「少し哀れんだ」 ハルヒ「有希じゃなかったらひっぱたいてたわね」 長門「そう」 ハルヒ「あたしの心の広さに感謝なさい」 長門「……」トテトテ ハルヒ「あっ、ちょっと待ちなさいよ」 ~古着屋~ 長門「ここ?」 ハルヒ「そうよ。電車の窓から見えたの」 長門「そう」 ハルヒ「あっ!これこれ。有希ちょっと来て」 長門「?」トテトテ ハルヒ「これよ、これ。結構生地薄いわね。でもいいわ」 長門「これは?」 ハルヒ「ちょっと着てみなさいよ」 長門「……」 ハルヒ「こうして胸元のチャック少し下ろして」 長門「……」 ハルヒ「フード被って」 長門「……」 ハルヒ「ほら鏡の前に立ってみて」 長門「耳」 ハルヒ「そうなのよ!このパーカーどう?この犬とも猫とれない微妙な耳!今日の有希がスカートで良かったわ」 長門「よくわからない」 ハルヒ「なに言ってんのよ。すごく似合ってるわよ。値段も手ごろだし」 長門「そう」 ハルヒ「店員さん!これ頂戴!」 長門「まだ買うとは言ってない」 ハルヒ「あたしが買ったげるわ。いつも有希には助けてもらってるし」 長門「?そんな覚えはない」 ハルヒ「こっちの話よ。おとなしくおごられなさい?」 長門「……わかった」 ハルヒ「任しといて!」 店員「そちらの商品ですか?」 ハルヒ「そうです。これもうちょっと安くなりませんか?」 店員「え~と、これでも安くしてる方なんですよ」 ハルヒ「そこをなんとか!」 店員「う~ん……わかりました」 ハルヒ「やった!」 店員「ただし、また今度友達でも連れてきてくださいね?」ニコ ハルヒ「わかりました!」 ハルヒ「有希。今度はみくるちゃんとかも連れて来ましょ?」 長門「構わない」 店員「よろしくね。それじゃあ二千五百円になります」 ハルヒ「はい」 店員「丁度頂きます。またのお越しを」 ハルヒ「今何時?」 長門「十五時半すぎ」 ハルヒ「そんなもんか。そういえばさっきのお店のBGMなんか良かったはね」 長門「あれはFriendly Fi○es」 ハルヒ「え!知ってるの?」 長門「たまたま」 ハルヒ「有希ってああいう洋楽っぽいの聴くんだ」 長門「私が聴くわけではない。以前、古泉一樹が聴いていた」 ハルヒ「へぇ~、古泉君が。でもなんか似合うわね。キョンが聴いてたらなんだか、背伸びしてるみたいで似合わないもの」 長門「そう」 ハルヒ「そうだ有希、CD見ていこ」 長門「……」コク ~二時間後~ ハルヒ「もう六時か」 長門「夕暮れ」 ハルヒ「もう地元に帰りましょうか」 長門「そうする」 ハルヒ「……」トテトテ 長門「……」トテトテ ハルヒ「今日は楽しかった?」 長門「悪くなかった」 ハルヒ「厳しいわね」 長門「つまらないとは言ってない」 ハルヒ「はいはい。次はちゃんと面白そうなこと探しとくわよ」 長門「期待している」 ハルヒ「わかったわよ」 ~帰り道にて~ 長門「疲れた」 ハルヒ「そうね、歩き疲れたわ。それに色々買ったし」 長門「……重い」トテトテ ハルヒ「後は帰るだけね」 長門「……」コク ???「もうこんな時間か。ついでだしどっかで飯でも食ってくか?」 ???「そうだね。家の人に夕飯はいらないと連絡しておくよ。しかしついでとは失礼じゃないかい?」 ???「ん?そうか?次は気をつけるよ」 ???「全く君ってやつは」 ハルヒ「あれ?今の声って?」 長門(間の悪さも異常) ???「くつくつ。ところで美味しい店をちゃんと知ってるんだろうね、キョン?僕の舌は以外にグルメだよ?」 キョン「そういわれてもなあ。自称グルメの佐々木と違って、俺の舌はあくまで一般のものなんだが」 佐々木「まあいいよ。きっとキョンと一緒ならどこでも美味しく感じる」 キョン「またそうやってプレッシャーを」 佐々木「くつくつ」 ハルヒ「……なによあれ」 長門「彼と彼の中学時代の友人のはず」 ハルヒ「手なんか繋いで、どう見てもデートじゃない」ジワ 長門「まだ分からない」 ハルヒ「どう分からないのよ!団活サボって!高校生の男女がこんな時間まで!二人でいて、手も繋い、で……どう見てもデートじゃない!」ポロ 長門「落ち着いて」 ハルヒ「ゴメン。……有希に当たっても仕方ないのに」ポロポロ 長門「別に平気」 長門(精神状態が非常に不安定。古泉一樹の健闘を祈る) ハルヒ「あいつ、彼女なんて影も形もないって言ってたくせに……」ポロポロ 長門「……」 ハルヒ「……今から有希の家行っていい?こんな顔して家帰れないわ」 長門「構わない」 ハルヒ「……ごめん、ね」ポロポロ ~長門宅にて~ ハルヒ「うん、もう遅いから泊まってく。ちゃんと明日中に帰るから。へ?違うわよ。長門有希って。前話したでしょ?あたし、彼氏なんて、いないし……うん、心配しないで。それじゃあおやすみ」 長門「おわった?」 ハルヒ「大丈夫よ。なんかお母さん、あたしが男のところに泊まると思ってたみたい」 長門「そう」 ハルヒ「笑っちゃうわよね。彼氏どころか失恋直後だっていうのに」 長門(以前のように閉鎖空間が発動しない。何故?) ハルヒ「あ~あ。月曜からどんな顔して会えばいいのよ」 長門(精神状態も安定しはじめてる) ハルヒ「ほんと、久しぶりにボロ泣きしたわ」 長門「……」 ハルヒ「ねぇ、有希」 長門「何?」 ハルヒ「あたし、どうしたらいいかな?」 長門「どうとは?」 ハルヒ「実際あたしの一方的な片思いだったわけじゃない?」 長門「それはまだ分からない」 ハルヒ「いいのよ。もう慰めてくれなくて」 長門「以前行った通り、彼の鈍さは異常。一緒にいた異性はほんとに友達かもしれない」 ハルヒ「もういいって」 長門「よくない」 ハルヒ「もういいのよ!」 長門「私はあなたに元気になってほしい」 ハルヒ「……大丈夫よ、あたし強いから」 長門「それは表向き」 ハルヒ「……」 長門「私の知ってるあなたは優しく、脆弱」 ハルヒ「有希……」ポロポロ 長門「あきらめるのは早い」 ハルヒ「有希、有希。う、うぅぅぅ~」ポロポロ 長門「私はあなたの友達」 ハルヒ「うぅっ、うっ、あ、ありが、とう」ポロポロ 長門「……大丈夫」ギュ 長門「落ち着いた?」 ハルヒ「……うん。ぐす。大丈夫」チーン 長門「そう」 ハルヒ「……今日、一緒に寝よ?」グス 長門「いい」 ハルヒ「どっちのいいなのよ?」グス 長門「肯定」 ハルヒ「分かったわ。……きっと一晩寝たら元気になる」 長門「そう」 ハルヒ「うん。あ、それと」 長門「?」 ハルヒ「さっきあたしのこと脆弱って言ったでしょ?言いすぎよ」コツッ 長門「言葉のあや」 ハルヒ「ふふ、今ので許してあげるわ」 長門「助かる」 ハルヒ「シャワー借りていい?」 長門「……」コク ~布団にて~ ハルヒ「はあぁ、有希って暖かーい」 長門「私は苦しい」 ハルヒ「我慢してよ」 長門「なるべくそうする」 ハルヒ「……有希?」 長門「何?」 ハルヒ「だーい好き」ギュ 長門「……悪い気はしない」 ハルヒ「あ~あ、有希になら素直に言えるのに」 長門「そう」 ハルヒ「そうなのよ。……オヤスミ」 長門「オヤスミ」 ~月曜~ ハルヒ(気にしちゃダメよ、涼宮ハルヒ。いつも通り、いつも通りよ) ガラ キョン「おぉ珍しく早いな。どうした?」 ハルヒ「べ、べ、別にどうしよもないわよ」 キョン「?そうか」 キョン「土曜は長門と一緒だったんだろ?どこ行ったんだ?」 ハルヒ(キョンはあのコと朝からいたのかなぁ) キョン「なに、お前と長門の組み合わせでなにをやってるのか、気になってな」 ハルヒ(なんでそんなに普通にしてられるの?) キョン「お~い。聞いてるのか?」 ハルヒ「キョ、キョン!?」 キョン「ん、なんだ?」 ハルヒ「一昨日、有希と一緒に歩いてたら……駅前で……」 キョン「駅前で?」 ハルヒ「あ、あんたが……その、女の子と歩いてるの見たんだけど……」 キョン「ん?あーその、見られたか」 ハルヒ「そりゃ、あんな地元ならね」 キョン「だよな」 ハルヒ「……彼女?」 キョン「いや、ただの腐れ縁の友達だったんだ」 ハルヒ「だった?」 キョン「あの時点まではな。あの後帰り道でな、まあ、恥ずかしい話だが告られたんだ」 ハルヒ「!!!」 ハルヒ「そ、それで?」 キョン「で、一週間後にまた会おうって。その時に答えがほしいって、言われた」 ハルヒ(いっ、一週間!?長すぎ!生きた心地しないじゃない) ハルヒ「それで、どうするの?」 キョン「さぁな、せっかく一週間も猶予もらったんだ。ゆっくり考えるさ」 ハルヒ「あんた、そのコのこと……好きなの?」 キョン「あぁ、大事な友達だからな。嫌いになれるはずがない」 ハルヒ「……そう」 キョン「?」 ~昼休み~ 長門「普段どおりどころか、根掘り葉掘り聞いたと?」 ハルヒ「ウン……聞いた」 長門「そう」 ハルヒ「……」 長門「あなたはどうする?」 ハルヒ「わかんない」 長門「そう」 ハルヒ「どうすればいいかな?」 長門「私には分からない」 ハルヒ「……」 長門「でも、悔いは残さないほうがいい」 ハルヒ「……」 長門「……」 ハルヒ「そうだよね。別にまだ付き合ってるわけじゃないし」 長門「……」 ハルヒ「あたしも答えを出す」 長門「そう」 ハルヒ「いますぐ言う勇気はないけど、きっと……明日言うわ」 長門「頑張って」 ハルヒ「うん。ありがと有希。また放課後ね」 長門「また」 ガチャ 長門「……」 ガチャ 古泉「やってくれましたね」 長門「古泉一樹」 古泉「長門さん、下手をしたら世界が一瞬で改変することになりますよ」 長門「……」 古泉「なぜあんな軽率なことを?」 長門「土曜の夜」 古泉「は?」 長門「閉鎖空間は発生した?」 古泉「大規模なのが一つ。でも一分もたたずに消えましたよ」 長門「そう」 古泉「なにがあったんです?」 長門「……」 古泉「なるほど。そんなことが」 長門「最近の涼宮ハルヒの精神は、非常に落ち着いていた」 古泉「あくまで個人的な推論ですが」 長門「何?」 古泉「原因はあなたかも知れませんね」 長門「?」 古泉「もしかすると結果がダメでも」 長門「まだ分からない」 古泉「あくまで過程ですよ。恐らく告白が失敗に終っても、改変は行われないでしょう」 長門「……」 古泉「彼女のここ最近のあなたへの依存度は高い」 長門「……」 古泉「長門さんとの触れ合いで、彼女の精神が成長したと考えると多少つじつまが合います」 長門「成長?」 古泉「えぇ。実は土曜日の閉鎖空間は、大小あわせて実に四十九日ぶりのものでした」 長門「……」 古泉「わずかですが、感情のコントロールが可能になってきてるとみていいでしょう」 長門「そう」 古泉「今回の件、機関のほうでどうされるか分かりませんが、僕は関与しないようにします。では」 ガチャ 古泉(しかしこの場合。鍵が彼ではなく長門さんに移るということになる。厄介ですね) ~帰り道~ ハルヒ「明日、あいつに言ってみる」 長門「そう」 ハルヒ「これでダメなら諦めるわ」 長門「本当に?」 ハルヒ「……頑張る。それ以上に迷惑かけてSOS団がおかしくなっちゃうのは、嫌だし」 長門「……」 ハルヒ「なんか言ってくれないの?頑張れ、とか、きっと大丈夫、とか」 長門「せいぜいフラれてくるといい」 ハルヒ「有希!怒るわよ!」 長門「冗談。でもそのくらいの元気があなたには必要」 ハルヒ「ちょっとはTPOを考えなさいよ」 長門「気をつけてみる」 ハルヒ「有希?」 長門「?」 ハルヒ「あたしたちって、親友、よね?」 長門「親友?」 ハルヒ「そうやって聞き返されると、なんか恥ずかしいんだけど」 長門「私は一向に構わない」 ハルヒ「ほんと?」 長門「本当」 ハルヒ「ほんとにほんと?」 長門「私の言葉を信じられないなら親友ではない」 ハルヒ「た、ただ確認しただけじゃない」 長門「そう」 ハルヒ「あらためて、これからもよろしくね?あたしの親友」 長門「こちらこそ」 ~Fin~ ~次の日の昼休み~ ハルヒ「キョン!!」 キョン「おう。どうした?」 ハルヒ「後で話しがあるのよ。だから放課後、部室行く前に屋上に来なさい!」 キョン「ここじゃ言えんのか」 ハルヒ「放課後ったら放課後なのよ!いい?必ず……必ず来るのよ」 キョン「あぁ?わかった」 ハルヒ「じゃあ、あたし行くとこあるから」ダッ キョン「行っちまった」 ~部室にて~ 長門「放課後?」 ハルヒ「呼び出した」 長門「そう」 ハルヒ「……」 長門「……」 ハルヒ「……もし」 長門「?」 ハルヒ「もしダメだったどうしよう」 長門「諦めるのでは?」 ハルヒ「……出来るかな」 長門「私はあなたではない」 ハルヒ「あたし、中学時代から告白されることはあった」 長門「……」 ハルヒ「今でもたまにあるわ」 長門「自慢?」 ハルヒ「そうじゃなくて、いざ自分もされる側から、する側になるとこんなにも違うんだなぁって」 長門「……」 ハルヒ「もうこのまま、ここからいなくなっちゃいたいわ」 長門「もう弱気?」 ハルヒ「……」 長門「いつものあなたではない」 ハルヒ「あたしだって……なんだかんだ普通の女の子なのよ」 長門「普通?」 ハルヒ「普通よ。お腹だってすくし、試験前は勉強するし、友達と一緒に遊びたい。……どうしよもなく好きなやつだっている」 長門「……」 ハルヒ「一番嫌ってた普通をあたしがしっかり体現してるの。おかしいわよね」 長門「そんなことはない」 ハルヒ「ありがと」 長門「……」フルフル ハルヒ「とにかく、そういうことだから今日の部活遅れるわ」 長門「わかった」 ハルヒ「昼休み終るからもう行くわね」 長門「涼宮ハルヒ」 ハルヒ「なに?」 長門「健闘を」 ハルヒ「ありがと、有希」 ガチャ 長門(……頑張って) ~放課後の屋上にて~ ハルヒ(キョン、あんたのことが好きなの) ハルヒ(なんかシンプルすぎるわね) ハルヒ(あんたをあたしの彼氏にしてあげるわ。感謝なさい!) ハルヒ(だ、ダメよ。これのどこが素直なのよ) ハルヒ(一人じゃ勇気出ない。今から有希を呼びに……それもダメよね) ハルヒ(どうしようどうしようどうしよう) ハルヒ(やっぱり止めればよかったかな?) ドクンドクン ハルヒ(あぁ~もう!心臓がうるさい!) ガチャ ハルヒ「!!!」 キョン「おう。待たせたな。なんか谷口のやつに絡まれてな」 ハルヒ「そ、そう」 キョン「それで、話ってなんだ?」 ハルヒ「……」 キョン「他の連中に聞かれたくない話なんだろ?」 ハルヒ(……キョン) キョン「まあ、これで案外口が堅い方なんだ」 ハルヒ(キョン) キョン「だから信用してくれていいぞ?」 ハルヒ(なんであんたは、そんなにあたしに優しくしてくれるのよ) キョン「……そんなに言いづらいことか」 ハルヒ(あんたがあたしに構ってくれたせいで) キョン「大丈夫か?」 ハルヒ(あんたのせいなんだから) キョン「おい、顔真っ赤じゃないか?熱でもあるのか」 ハルヒ(とっくに頭に血が上りきってるわよ) キョン「別に無理しなくていいぞ?」 ハルヒ「無理なんかじゃない!!!」 キョン「うぉ!いきなり大声出すなよ」 ハルヒ「キョン!聞いて!」 キョン「さっきから聞いてるって」 ハルヒ「最初はそんなことなかった」 キョン「?」 ハルヒ「あんたの提案でSOS団を作って、今のみんなが集まった」 キョン「……」 ハルヒ「あたしがわがまま言ったときも、あんたは口では文句言いながらも着いてきてくれた」 キョン「わがままな自覚はあったんだな」 ハルヒ「お願いだから、今は変な横槍いれないで」 キョン「すまん」 ハルヒ「みんなと、あんたと出会って一年。色んなことがあった」 キョン「……」 ハルヒ「昨日あんたが昔の友達に告白されたって言ったわよね?」 キョン「あぁ」 ハルヒ「それを聞いて、あたしは、生きた心地がしなかった」 キョン(そういうことかよ) ハルヒ「あたしは、あたしは……」 キョン「……」 ハルヒ「……」 キョン「……」 ハルヒ「あたしは、あんたのことが好きなの。好きになっちゃったのよ」 キョン「……そうか」 ~部室にて~ キョン「遅くなったな」 古泉「今日は随分遅かったですね」 キョン「あぁ。野暮用があってな」 長門「……」 古泉「そうでしたか。ご苦労様です」 キョン「男からの労いの言葉はないな」 古泉「それはすいません」 みくる「あのぉ~」 キョン「なんですか?」 みくる「涼宮さんは一緒じゃないんですかぁ?」 長門「……」 古泉「……」 キョン「……あいつは。……長門」 長門「何?」 キョン「ちょっと廊下にいいか?」 長門「……」コク 古泉(長門さん、後は頼みましたよ) ガチャ キョン「あのよ、あいつ今屋上にいるんだ」 長門「……」 キョン「あいつのそばに行ってやってくれないか?」 長門「何故」 キョン「ん?」 長門「何故、彼女ではダメだったの?」 キョン「なんだ、知ってたのか」 長門「何故?」 キョン「先に好きになっちまったやつがいるんだ。ほんとに、ただそれだけだ」 長門「そう。行ってくる」タタッ キョン(悪いな) ~屋上にて~ ガチャ!! 長門「……」 ハルヒ「あ、有希じゃない。どうしたの?」 長門「……彼から聞いた」 ハルヒ「そっか。隣座んない?」 長門「……」コク ハルヒ「うん、ダメだった」 長門「そう」 ハルヒ「正直ちょっと、いや違うわね。かなり落ち込んでるわ」 長門「……」 ハルヒ「そりゃね、少しはいけるんじゃないかな?って期待もあったのよ」 長門「……」 ハルヒ「でもね、ダメだった。ダメだったのよ」ジワ 長門「……」 ハルヒ「やっぱり人並みに普通なんか求めたからかなぁ」 長門「……」 ハルヒ「ねぇ、有希。なんか言ってよ」 長門「私には何を言っていいか分からない」 ハルヒ「なんでもいいわよ。有希の言葉は何でもあたしに届くわ」 長門「……なら、前言撤回する」 ハルヒ「え?」 長門「あなたは弱くない。とても強い」 ハルヒ「……強くないわよ」 長門「そんなことはない」 ハルヒ「……」ポロ 長門「もっと胸を張るべき」 ハルヒ「それはちょっと出来ないわ」 長門「……そう」 ハルヒ「失恋ってこんなに辛いのね」 長門「私には経験がない」 ハルヒ「自慢?」 長門「違う。恋愛経験そのもの」 ハルヒ「そうなんだ」 長門「そう」 ハルヒ「……あいつ、この間のコのことが好きなんだって」 長門「そう」 ハルヒ「それでね聞いたの」 長門「何を?」 ハルヒ「変に未練がましくしたくなかったけど、もし、もしよ?」 長門「……」 ハルヒ「あたしが先に告白してたらどうだった?って」 長門「……」 ハルヒ「それでもダメだって」 長門「そう」 ハルヒ「でも、そこで肯定されたら、あいつ女なら誰でもいいってなっちゃうじゃない?」 長門「それなら私にも可能性はあった」 ハルヒ「こら」コツ 長門「ジョーク」 ハルヒ「もう。……それでね」 長門「……」 ハルヒ「それであたし良かった、って思ったのよ」 長門「?」 ハルヒ「あたしの好きになったやつは、そういう真っ直ぐな人だったわけじゃない?」 長門「……」 ハルヒ「あたしは間違えてなかったんだなぁ、って。こいつを好きになって良かったんだ、って」 長門「そう」 ハルヒ「それでね……有希、あたしのこと褒めて?」 長門「褒める?」 ハルヒ「うん。あたしね……泣かなかったの。悔しいからあいつの前では泣かなかったの」ポロポロ 長門「涼宮ハルヒ」 ハルヒ「泣きた、かった、けど、な、泣かなかったの」ポロポロ 長門「やっぱりあなたは強い」 ハルヒ「もう、うっ、泣いて、ヒック、いいよね」ポロポロ 長門「構わない。私しかいない」ギュ ハルヒ「あたし、や、やっぱり、あいつのこ、と、うっ、好きなのよ」ポロポロ 長門「そう」 ハルヒ「うっ、ヒック、うぅぅ~」ポロポロ 長門「……」ギュ ハルヒ「なんだかあたし泣いてばっかりね」グス 長門「いい」 ハルヒ「こんな情けない顔して部活行けないわね」 長門「そう」 ハルヒ「古泉君に行けないってメールしとく」 長門「わかった。私は鞄を持ってくる」 ハルヒ「うん。校門でね」 長門「……」コク ~部室にて~ ガチャ 古泉「おかえりなさい、長門さん」 長門(古泉一樹がここにいるということは) 古泉「えぇ。あなたのおかげですよ」 長門「!」 古泉「いつぞやのお返しですよ」ニコ 長門「そう」 キョン「長門……」 長門「大丈夫。でも今日はもう帰る」 キョン「そうか。わかった。よろしくな」 長門「……」コク ガチャ みくる「え?あのぉ~、どういうことですかぁ?」 古泉「ふむ。朝比奈さんがご存知ないということは、今回のことは未来で想定の範囲内ということですか」 みくる「ふぇ?」 キョン「おい、古泉。お前もしかして」 古泉「いったいどうしました?」ニコ キョン「……なんでもねぇよ」 みくる「わ、わたしにも教えてくださいよぉ~」 ~帰り道にて~ 長門「待たせた」 ハルヒ「全然」 長門「そう」 ハルヒ「さっ、帰りましょ?」 長門「今日は私の家に?」 ハルヒ「ありがとう。でも大丈夫よ」 長門「そう」 ハルヒ「一人で頭冷やしてるわ」 長門「わかった」 ハルヒ「多分、泣いちゃうと思うけど」 長門「そう」 ハルヒ「もし辛くて、辛くてどうしようもなくなったら……電話してもいい?」 長門「構わない」 ハルヒ「真夜中かもしれないわよ?」 長門「大丈夫。眠かったら無視する」 ハルヒ「有希のブラックジョークにも慣れてきたわ」 長門「それは困る」 ハルヒ「なんでよ」 長門「あなたの反応はユニーク」 ハルヒ「勝手に言ってなさい」 長門「そうする」 ハルヒ「……もしあたしが明日学校に来なくっても、心配しないでね?」 長門「する。当然」 ハルヒ「大丈夫よ。もしかしたら一日くらい落ち込んでないと、やってらんないかもしれないし」 長門「……」 ハルヒ「それで、伝言をお願い」 長門「伝言?」 ハルヒ「もしかしたら、みくるちゃんは分かんないけど、古泉君って勘が鋭いから今回のこと分かっちゃうかもしれない」 長門「……」コク ハルヒ「気を使わないで、って。普段どおりにしててほしいの」 長門「わかった。伝える」 ハルヒ「もちろん、有希もね」 長門「わかった。……彼は?」 ハルヒ「あいつは自分でなんとかするわ?自分で蒔いた種だもの」 長門「そう」 ハルヒ「そうよ」 ハルヒ「それじゃあ、またね」 長門「……」コク ハルヒ「ちゃんと元通りになってくるから」 長門「涼宮ハルヒ」 ハルヒ「ん?なに?」 長門(感じていることを上手く言語化できない) ハルヒ「?」 長門「今日はお疲れ様」 ハルヒ「?変な有希」 長門「それはお互い様」 ハルヒ「あっそう」 長門「そう」 ハルヒ「ふふ♪こんどこそ、またね」 長門「また、明日」 ~次の日の朝~ キョン(昨日の今日だし顔合わすのは辛いな) ガラガラ ハルヒ「……おはよ」 キョン「お、おう」 ハルヒ「……」 キョン「……」 キョン(ダメだ、耐えられん) ハルヒ(……今言わないと) ハルヒ・キョン『き、昨日のことだけど』 キョン「あ」 ハルヒ「な」 キョン「あ、あぁっと。先いいぞ」 ハルヒ「う、うん」 ハルヒ「昨日のことだけどね、やっぱり忘れてなんて言えない。言いたくない。でもね、気にしないでほしいのよ」 キョン「……」 ハルヒ「あたしたちがギクシャクしたら、SOS団にも迷惑かかる」 キョン「そうだな」 ハルヒ「だから今まで通りでいてほしいの。あたしが馬鹿やったら、あんたがそれを止めて、有希や古泉君に助けてもらって、みくるちゃんは……よくわかんない」 キョン「それは朝比奈さんに失礼だろ?」 ハルヒ「冗談よ」 キョン「ったく、とはいえそれには賛成だ」 ハルヒ「……」 キョン「虫のいい話だが、俺も同じ事を言おうと思っていた」 ハルヒ「うん」 キョン「そういうわけだ。これからもよろしくな。団長さん?」 ハルヒ「よろしく。今まで以上に引っ張りまわしてやるわ」ニコ キョン「それは勘弁してくれ」 ~放課後・部室にて~ ハルヒ「昨日は来れなくって悪かったわね!」 古泉「いえいえ。団長にも休みは必要ですよ」 みくる「はい、涼宮さん。お茶です」 ハルヒ「ありがと。そうだ、みくるちゃん!」 みくる「ふぇ?なんですかぁ?」 ハルヒ「昨日、ネットで面白いもの見つけたのよ!」 みくる「面白いものですかぁ?」 ハルヒ「ふふ、そのうち届くから楽しみにしといてね」ニヤ みくる「なんだか、笑い顔が怖いですよぉ~」アセ ハルヒ「それと今週末も団活は中止」 古泉「おや?」 ハルヒ「キョンが用事あるんだって。でしょ?」 キョン「あぁ、悪いな」 ハルヒ「悪いと思ってるなら今すぐにみんなにジュース買って来なさい。あたしは百パーセントのオレンジね」 キョン「な!」 古泉「ぼくはコーヒーを。微糖がいいですね」 キョン「おい」 長門「カルピス」 キョン「長門まで」 みくる「わ、わたしは何でもいいですよぉ」 キョン「はぁ、分かったよ」 ガチャ ハルヒ「みくるちゃん、ちょっと用事があるから一緒に来て」 みくる「は、はい」 ガチャ 古泉「僕たちだけになりましたね」 長門「……」ペラ 古泉「どんな魔法を使ったんです?」 長門「情報操作しか出来ない」 古泉「比喩ですよ。今回は過去最大級の閉鎖空間が発動すると、機関のほうでも準備していました」 長門「……」 古泉「だけどあなたはそれをくい止めた」 長門「……」 古泉「とてもありがたいことですが、それは同時に脅威でもあります」 長門「何もしていない」 古泉「ご冗談を」 長門「本当。これは涼宮ハルヒの精神の強さ」 古泉「しかし」 長門「それがわからないのであれば、機関の観察力も程度がしれる」 古泉「言ってくれますね」 長門「事実」 古泉「そういうことにしておきましょう」 長門「……」 古泉「最後に一ついいですか?」 長門「何?」 古泉「あなた個人への質問です。あなたにとって涼宮ハルヒとはなんなんですか?」 長門「親友」 古泉「しかし、あなたは正確には人間ではない」 長門「それでも彼女にそう望まれた。なら拒む理由はない」 古泉「彼女には逆らわないと?」 長門「違う。これは私の意思でもある」 古泉「……分かりました。失礼なことを聞いて申し訳ありません」 長門「いい」 古泉「僕の見立てでは、彼女の新しい鍵はあなたです。どうか彼女を裏切らないでやってくださいね?」 長門「心配いらない。涼宮ハルヒは私の親友。彼女は私が守る」 ~Fin~
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キョン「なあハルヒ、お前将来の事とかちゃんと考えてるのか?」 ハルヒ「なによいきなり、あんたらしくない」 キョン「少しは現実的に考えろよ、元気なのはよろしいがそれだけじゃ生きていけんぞ」 ハルヒ「あたしはね、現実的とか普 キョン「そんな事を言ってられるのは中学生までだ」 ハルヒ「そ…それは…そうだ、古泉くんはどうなのよ」 古泉「僕も涼宮さんにはちょっと付き合いきれませんね、非常に残念ですが…」 キョン「ということだ、朝比奈さんも長門もここに来る事はないだろう」 ハルヒ「えっ…ちょっとどういうことなの!?説明しなさい!」 キョン「じゃあな、後は1人で頑張ってくれ」 古泉「それでは失礼します」 ハルヒ「待ちなさい!これは団長命令 バタン! ハルヒ「………なによみんなして…うぐっ…悔しい…」 ハルヒ「キョン大好きっ!うりうり~♪」 キョン「ハルにゃんもかわいい~♪」 古泉・みくる・長門「…」 そして… 古泉「皆さん、同盟を組みましょう、このままでは危険です」 みくる「ああ、いいぜ、だが恨みっこはなしだぜ」 長門「わかった…」 翌日 ハルヒ「みくるちゃ…熱っ!!」 みくる「ひゃ!お茶こぼしちゃいました~☆てれりこてれりこ(爆)」 古泉「あっと!すみません、足が引っかかりました」 ハルヒ「もう…なんなの…」 長門「…」バンッ! ハルヒ「痛…もういい、帰る!」 古泉・みくる・長門(…成功) キョン「あれ?ハルヒはいないのか?」 古泉「さっき帰りましたよ…それよりたまには僕と遊びませんか?」 キョン「そうだな…たまにはオセロでもやるか」 キョン「実は俺も昨日夢見たんだ」 ハルヒ「??どんな夢よ」 キョン「俺が見た夢はな、学校の敷居内にお前と二人で閉じ込められてな・・・最後にキスする夢だよ」 ハルヒ「それ!私も見た!!さっき言ったけど・・・実は悪夢じゃないんだ」 キョン「いや悪夢だろお前とキスする夢なんて、お前もう俺の夢に出てくんなよ気持ち悪いから」 ハルヒ「・・・・・・」 キョン「おいハルヒ、窓から飛び降りてくれ」 ハルヒ「は?何言ってんの?」 みくる「と、飛び降りた方がいいとおもいまぁ~しゅ☆」 長門「涼宮ハルヒは窓から飛び降りる」 古泉「そうですね、僕も賛成します」 ハルヒ「ちょっと…みんなどうしたの?」 一同「涼宮ハルヒは窓から飛び降りる…涼宮ハルヒは窓から飛び降りる…涼宮…」 ハルヒ「ねえ、悪い冗談はやめてよ」 キョン「うるさい、飛べ!飛び降りろ!」 みくる「今すぐ飛び降りてくださ~い!!」 ハルヒ「ほ…本気なの?」 古泉「言っても無駄なようなので僕が突き落とします」 キョン「よし、俺も手伝うぞ」 ハルヒ「ちょ…やめて!本当に落ちちゃう!あ…危ない!ねえ!」 キョン「3、2、1…それっ!」 ハルヒ「あっ……… ドサッ 突然飛び降りた事になっていたハルヒが完治して学校に来ている あのことは忘れたのか久しぶりに部室にやってきた ハルヒ「やっほー!涼宮ハルヒ復活!!」 「…」 ハルヒ「団長が復活したのよ?もっと喜びなさい!」 キョン「ああ喜んでるよ…またおまえを痛めつけられるんだからな…」 キョン「なあみんな、嬉しいよな!?」 みくる「はい、また涼宮さんをいじめられるなんて…すごく嬉しいです!」 ハルヒ「え…?」 古泉「まだわからないんですか?」 古泉はハルヒの腹を殴った ハルヒ「ごはっ…げほ…」 古泉「おっと、声を出されては困りますね、口を塞がなくては」 ハルヒ「ん…んん!」 みくる「怖いんですか~♪それぇ!」 朝比奈さんはハルヒの首を絞めている ここでついにハルヒはあの時のことを思い出してしまったようだ そしてハルヒは失禁したのだ そこで俺達は手を止めた キョン「さてどうする?」 古泉「…そうですね、目を離していた時机に後頭部を強打…という事にしましょう」 キョン「それはいいな、じゃあ早速…」 そしてハルヒが気絶したと職員室に駆け込み、ハルヒは救急車で運ばれていった 翌日ハルヒは学校に来なかった またしばらく入院することになったか不登校なのか… しかし俺達は奴を引きづり出していじめるつもりだ ハルヒ「私ついていくよ~ど キョン「ついてくんな」 ハルヒ「目を見てこr キョン「見たくねーよ」 ハルヒ「私覚悟~しt キョン「キモイからさっさと消えろ」 ハルヒ「… …Gyao」 キョン「キメェwwwwwwww」 ハルヒ「私のプリン食べた?」 キョン「知らん」 ハルヒ「私のこんにゃくゼリー食べた?」 キョン「うざい」 ハルヒ「私のフルーチェ食べ」 キョン「死ね」 ハルヒ「・・・」 キョン「あ、朝比奈さ~んちょっとお茶行きませんか~?そうそう古泉と長門も誘って! ハルヒ?さぁあいつは今日は見てませんねそれはそうと行きましょうよさぁさぁ」 ハルヒ「あぁ・・・くやしい・・・・くやしいのに・・・(ビクンビクン」 岡部「時間がないから自己紹介は名前だけなー」 ハルヒ「涼宮ハルヒ ただの人間にはky」 岡部「はい次ー。」 キョン「なあハルヒ」 ハルヒ「何よ?」 キョン「おまえのポニーテール、やっぱ全然似合ってないな」 ハルヒ「!………ふぇえんっ、キョンなんて嫌い!大っキライ!!」 「おいハルヒ、目のした蚊に食われてるぞ」 「そうなのよ、痒くて痒くて堪んないのよ」 「ちょっと待ってろ、今薬塗ってやるから」 「ほら、目閉じろ・・・」 「へっ、変なことしないでよね/////」 「ほらっ、動くなよ」 「うん・・・・・」 「はい、塗りおわったぞ・・・・」 「ありがとう、キョ・・・・・・・目がっ!!目がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「涼宮さんどうしたんですかぁ?。めがっさめがっさなんていっちゃってwキョンくんに薬塗ってもらえるなんて、羨ましいですぅ」 「・・・・・・・何塗ったの?」 「タイガーバーム」 ハルヒ「な……なんなのよぉ……!? なんでみんなそんなこと……わわ私、違うわよぉ……!!」 キョン「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 長門「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 古泉「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 ガチャ みくる「あ、もうみんな来て……な、なにしてるんですか?」 バッ キョン「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 長門「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 古泉「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 ハルヒ「……や……ヤ~リマン、ヤ~リマン」 みくる「……!?」 みくる「なな、なんなんですか……? やややや、ヤリマンってなんですかぁ……?」 キョン「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 長門「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 古泉「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 ハルヒ「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 みくる「そ、それにさっきはみんな涼宮さんに言ってたじゃないですか……!!」 ハッ!! キョン「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 長門「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 古泉「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 ハルヒ「ちょちょっと!! なんで私のほうに……!? ちょっとみくるちゃん!!」 みくる「ヤ~リマン、ヤ~リマン」 ハルヒ「ハッ!?」 ハルヒ「キョン!」 キョン「ん?どうしたハルヒ?」 ハルヒ「一度しか言わないからよく聞いてなさいよ。……キョンあたしと付き合いなさい! (やったわ!とうとう言ってやったわ////)」 キョン「はあ?何言ってんだお前は?」 ハルヒ「だ、だからあんたのことが好きだって言ってんのよ! (もうバカキョン!察しなさいよ////)] キョン「そういう意味でなくてだな。どうして俺がお前なんかと付き合わねばいかんのだ」 ハルヒ「え?」 キョン「大体だな俺はもう長門と付き合ってるんだ。お前と付きあえるわけが無いだろ」 ハルヒ「う…嘘」 長門「本当」 ハルヒ「有希!」 長門「彼と私は随分昔から恋人関係気づかなかったのはあなただけ」 ハルヒ「そ、そんな…」 長門「鈍すぎる。憐れ」 ハルヒ「有希!あんた…」 古泉「実は僕たちも付き合ってるんですよ」 ハルヒ「!?」 みくる「あのー涼宮さん本当に気づいてなかったんですか?」 キョン「気づいてたら毎日毎日俺たちを部室に集めるだなんて無粋なこと出来やしませんよ」 みくる「それもそうですね。でも、よかったです」 ハルヒ「な、何がよかったの?」 みくる「だってこれからは涼宮さんに気兼ねなく遊びに行けるじゃないですか」 ハルヒ「え…?」 古泉「そうですね。いや~よかった。まさか涼宮さんそれでも僕たちの邪魔をするだなんて言いませんよね?」 ハルヒ「え?あの、その、もちろんよ…」 長門「よかった。これからはいつでもあなたに甘えられる」 キョン「おいおい、長門。俺はいつだってよかったんだぜ」 古泉「さあ、自由になったことだしダブルデートといきませんか?実は知り合いがオープンしたばかりのレストランのディナー券が4枚あるんですよ」 キョン「お、ナイスだ古泉!長門、いや有希もそれでいいか!」 長門「(コクリ)」 みくる「わぁ~楽しみですぅ~」 古泉「では行きましょうか。あ、涼宮さんはお気になさらずにSOS団の活動に励んでください」 キョン「じゃあなハルヒ。お前もいつまでも馬鹿やってないで恋人でも見つけるんだな」 ハルヒ「待ってキョ バタン! ハルヒ「一体何なんだってのよ、もう………。グスン、また一人になっちゃった…」 長門「あなたには羞恥心が足りない…」 ハルヒ「…」 長門「聞いてるの…」 ハルヒ「申し訳ありません…善処します…」 長門「早朝、この部室でしている自慰行為の声も大き過ぎる」 ハルヒ「…今後注意します…」 長門「何より彼に対する好意が露骨…過剰…目障り…」バキ! ハルヒ「…」 長門「…この状態が続くようなら薬の投与を増やさなければならない…」 ハルヒ「…」 みくる「でもでも長門さん、これ以上増やしちゃうと致死量越えちゃいますよぉ?」 長門「構わない」 ハルヒ「…」 みくる「え~?でもお~このブス死んだら私達とキョン君との接点、無くなっちゃいません?」 長門「問題ない…彼は私の虜…もうこの女は用済み…」 ハルヒ「…」 長門「…ふひっ!ころす…ころス…殺す…死ね!死ね!死ね!」 ハルヒ「なんか甘いもの食べたいわね・・・・・・・・・!!!キョン!!ゼリー買ってきなさい!」 キョン「わかった、行ってくる」 ハルヒ「何よ、妙に聞き分けがいいじゃない」 キョン「・・・・・・」 キョン「ほら、買ってきたぞ」 「朝比奈さんには杏仁豆腐。長門、おまえにはムース。あと古泉、バナナプリンで我慢してくれ」 「あと、ハルヒは一口ゼリーだ」 ハルヒ「なかなか気が利くじゃない、そっれじゃあいっただっきまーす!」 ハルヒ「いっただっきまーす!」 パクッ ムシャムシャムシャ ハルヒ「蜂蜜の味かしら?なかなか美味しいわ」 「これなんて名前なの?」 キョン「カブト虫の餌」 ハルヒ「ねえキョン・・・・・夢のなかでしてくれたこと覚えてる?」 キョン「記憶にございません」 ハルヒ「ほら、ポニーテール好きだって言ってキ、キスしてくれたじゃない///」 キョン「記憶にございません」 ハルヒ「あっ、映画撮ったときさ、みくるちゃんが【キョン】「記憶にございません」 ハルヒ「じゃ、じゃあs【キョン】「記憶にございません」 _ __ _ 〈 r==ミ、くノ i 《リノハ从)〉 从(l|^ ヮ^ノリ キョンキョ~ン ヾ ノ ハつ京ハつ くっヽ_っ キョン「なんだ…用なら後にしてくれないか」 _ __ _ 〈 r==ミ、くノ i 《リノハ从)〉 从(l|#゚Д゚ノリ キョンってば!聞きなさいよ!! ヾ ノ ハつ京ハつ くっヽ_っ キョン「………」 _ __ _ 〈 r==ミ、くノ i 《リノハ从)〉 从(l|゚ ー゚ノリ キョン……ねぇ… ヾ ノ ハつ京ハつ くっヽ_っ キョン「…もういい、出て行く」 _ __ _ 〈 r==ミ、くノ i 《リノハ从)〉 从(l| T-Tリ キョン…うぅ… ヾ ノ ハ京ハ くOUUつ 「この中に、宇宙人、未来人、超能力者がいたら私のところに来なさい。以上」 「…涼宮」 「何よ」 「鏡を見てみろ、宇宙人が映ってるぞ」 ハルヒ「みくるちゃん、お茶!」 みくる「はぁ~い、ただいま」 キョン「おいハルヒ…上級生に頼むならもう少し丁寧な物言いをしたらどうだ。すみません、朝比奈さん」 ハルヒ「あたしは団長だから一番偉いの。学年なんて関係ないわ」 みくる「お待たせしました、どうぞ…キョン君はこっち、涼宮さんはこっちです」 キョン「ありがとうございます。美味しいですよ」 ハルヒ「なにこれ、あたしのは水じゃないの?!」 キョン「えぇ?」 みくる「ふふ、生意気な下級生はカルキ臭い水道水でも飲んでろですぅ」
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「あけましておめでとー!」 SOS団団員には既にお馴染となったマンションの玄関前。 前日の夜…といっても数時間前だが、団員達に「初詣行くから有希んちに集合」と突然すぎるメールを送りつけてきた団長様が、満面の笑みで手を振っている。 「おめでとうございます」 「今年もよろしくな」 肌を刺すような早朝の空気は元旦だからといって手を緩める気はないらしく、肩をすくめるみくるは、手袋にくるまった指先をさすりながら、 「長門さんは?」 白い息とともにハルヒに疑問を投げ掛ける。 新年、SOS団の初顔合わせとなったその集合場所には、本来、一番早く到着できるはずの少女の姿が見えなかった。 聞かれたハルヒがふふんと笑う。 不思議そうなみくるに、なぜか胸を張ると、 「有希、いいわよ!」 自動ドアに向かって呼び掛けた。 その合図を待っていたかのように、透明なガラスの死角、壁の裏から小さな人影が現れて――、 「…」 眠そうだった団員達の目が、普段の倍ほどの大きさに見開かれる。 「じゃーん!」 ありきたりな効果音とともにハルヒの横まで歩いてきたのは、 着物姿の長門だった。 さかのぼること、一時間ほど。 「ごめんねー。早い時間に」 集合時間にはまだまだだというのに、長門の部屋には既に団長の姿があった。 新年早々ワクワク顔の彼女の右手には、かなり大きな紙袋が握られている。 長門は早朝にも関わらずいつも通りの制服姿で、ハルヒはそれを横目でちらと確認すると、 「やっぱり、制服だと思った」 小さな子どもに語りかけるみたいに呟く。 そして、持参の紙袋をごそごそと探り、 「これ、着てみてよ」 赤い着物を取り出してみせた。 「中学校か、小学校高学年くらいのときに買ってもらったやつなのよ」 意外と本格的なその着物の帯を締めつつハルヒが言う。 「入らなくなったし、片付けちゃうつもりだったんだけど、有希なら着れるかなと思って」 「…そう」 てきぱきと着付けをこなすハルヒに身を任せる長門だが、 「うん!やっぱり似合うわ!」 赤い着物を纏った姿を上から下まで見渡した団長様は、仕上がりにとても満足のようだ。 「前々から、有希は和服が似合うかなと思ってたのよ」 それは暗に体の凹凸が少ないと言っているようなものなのだが…。 誉められた長門は素直に嬉しいらしい。 「ありがとう」 小さく呟いて… ハルヒの方に歩み寄ろうとして、僅かに足をよろけさせた。 「…少し動きづらい」 「ふふ、大股で歩いちゃダメよ」 ふらふらとする小さな少女に、ハルヒは笑いかけて、 「それ、あげる」 飾りっ気のないショートカットをふわりと抱き寄せた。 「それは有希が一番似合うから」 「…私が?」 「うん…。最高に可愛いわ」 その言葉は、いつもみくるが着せかえ人形のごとく遊ばれているのを横目で見ていた長門の心に、なにかしら響いたようだった。 着物に包まれた小さな体が、寄り添うようにハルヒの肩に頭を預けた。 周りの空気にあてられて、長門の髪は冷たくなっていた。 ハルヒはその髪を撫でながら… 集合時間までに、和服らしくアップにしてあげようかな、とか考えていた。
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※グロ・BAD END注意 ここは部室。 今日もいつものようにハルヒのいいように扱われているみくる。 「みくるちゃん、お茶」 「…はい、ただいま」 そういうとみくるは、ハルヒにお茶をいれて、渡した。 しかし、みくるは心の中で嫌なものは嫌とはっきり言いたいと、強く思っていた。 次第に彼女をこき使うハルヒの態度に、憎しみを抱くようになった。 それがついに爆発するときが来る。 その数分後。 「みくるちゃん、これ着けてみようか」 そういってハルヒが袋から取り出したのは、スクール水着だった。 みくるは思い切って彼女に言った。 「着けたくありません」 その一言に彼女の動きはピタリとやみ、 態度と表情が変わった。 どす黒い声で、 「なんですって? もう一度言ってみなさいよ」 「だから、着けたくありま…」 「ふざけないで!!私は団長よ!!はっきり言うわ!! あんたに自由なんてない!! 認めないわ!!あたしに歯向かおうなんて 10年早いわ!!」 「私は涼宮さんのおもちゃじゃありません!!」 「いいえ、あんたはあたしのおもちゃよ!!文句ある!?」 この言葉に、みくるは切れた。 これまで湧いたことのない怒り。 抑えていた感情もコントロールできない 状態にまで落ち込んでいた。 彼女は、ハルヒの顔を2,3発殴り、 その衝撃でハルヒは壁に頭をぶつけ、倒れた。 ハルヒはみくるの方をギロッと見て、 「な、何するのよ!!」 「あなたは私のことを散々いいように利用して、 キョンくんも、古泉くんも、長門さんも。 あんたのわがままに振り回されて、 みんな疲れてるんだよ。 人の意見も聞かない。 人の迷惑も考えない。 そして私に対する態度も生意気。 許せない」 そういいながらみくるは、ハルヒを思いっきり 蹴ったり殴ったりした。 みくるの態度に恐れをなしたのか、ハルヒは 「…やめて、みくるちゃん …私が悪かったから……、 今までやったこと全て謝るから………、 許して…、 なんでもするから…」 その一言でみくるは殴ったり蹴ったりするのを ピタリとやめた。 「本当になんでもするの?」 「えぇ…」 「ふ~ん、何でも……ねぇ…」 ふと考えたみくる。その姿を見て ハルヒは、恐怖心を抱いていた。 それが現実になるとは ハルヒも思わなかっただろう。 考えがまとまったのか、みくるは、 あるものを彼女のカバンから取り出した。 それは、ナイフだった。 みくるは刃先をハルヒの方に向けて、言った。 「だったら、あなたの血を、見せてちょうだい」 みくるはどんどん彼女に近づく。 「い、……いや、お願い…、来ないで、やめて!!」 「さようなら。涼宮さん」 その瞬間、 肉を切り裂く音。同時にポタッ、ポタッと床に水滴が落ちるような音も 聞こえた。 銀の刃がハルヒの胸を貫き、 その刃先はなめらかに曲がっているところが下、 真っすぐになるところが上になっていた。 みくるはその刃をグッと上に上げた。 「あぁっ!!…」 ハルヒは口から赤いものを吐きだし、傷口からも 深紅の液体がにじみ出て、着ている制服も赤く染まっている。 みくるはそれを抜くと、ハルヒはすとん、と ひざをつけた後、ドサッと倒れた。 床は赤い血で溢れ、鉄のようなにおいが部室を覆っている。 「……ひどい、ひどい…よ………、 みく…る……ちゃん、……何で…………」 「痛いでしょう?これがあなたに受けた心の痛みよ。 あなたが悪いのよ」 次第にハルヒの体が衰弱しきっていき、 「い、……いたい、み…………く…………る…ちゃ …………ん」 やがてハルヒは、目を閉じ息を引き取った。 それをみたみくるは 「あらあら、かわいい寝顔。風邪引くわよ。 涼宮さん」 クスッと笑った。 ナイフに付いた血を見てこう呟いた。 「涼宮さんの血ってどうしてこんなに きれいなのかしら」と。 今度はその血をなめてまた呟いた。 「涼宮さんの血、おいしい…。 フフフフフフフ……」 みくるは笑いながら、ナイフをカバンにいれ、 指紋がついていそうなところをハンカチで拭いて、 部室から出た。 その後、みくるの行方は誰も知らない。 -BAD END-
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長門VSみくる ----------------------------------- 部室のドアをノックする。 返事はないが声が聞こえる、言い争っている。 あわてて部室に入る、 入った瞬間に硬直する、思いもよらない光景がそこにあった。 「…どういうつもり」 「こ、これが、最適解なんですぅ」 長門と朝比奈さんが言い争っていた、 いや、長門が朝比奈さんに詰め寄っていたという方が正確か。 俺が部室に入った事をまったく気付いていない、二人にとってそんな事はどうでもいいようだ。 朝比奈さんはいつに無く真剣な眼差しで長門を見据えている、 長門は冷たく無機質な瞳で朝比奈さんを射抜く。 長門の右腕が変形し剣のように伸び鋭くなる、そして朝比奈さんに切りつける。 あっと思った瞬間、朝比奈さんはいなくなった、消えた、いや、長門の後ろに立っていた。 朝比奈さんは、えい! と言いながら長門を突き飛ばし、 長門はバランスを崩しつつも、鋭利な刃物と化した右腕を朝比奈さんにふるう。 朝比奈さんは又消え、次に現れた場所は長門の頭上だった。 そのまま長門に体当たりしマウントポジションをとる。 長門の上に乗った朝比奈さんは、長門の頭を抱え唸り(うなり)はじめる。 力が抜けたようになる長門。 その時部室のドアが開き、 「そこまでよ、朝比奈みくる。」 突然の声、そこには喜緑江美里。 朝比奈さんはあきらめたような表情をし、長門を放し、 喜緑さんを見つめる。いつもの表情じゃない、厳しく睨み付けている、 「私をみくびらないでくださぁい! 長門さんでも喜緑さんでも、よ よ 容赦はしません! 心中します!かかって来て下さぁい!」 にらみ合い対峙する、朝比奈さんと長門&喜緑さん。 やばい、そう思った俺はなんとかしようと、声をかける なんでもいい、この場をなんとかしなければ。 「長門、女の子がお転婆しちゃだめだ、椅子に座れ。 喜緑さん、なにかご依頼でしょうか、、、まあ、お茶でもどうぞ。 朝比奈さん、お茶いただけませんか?」 やっと、俺の存在にづいた三人は、急に表情をやわらげ、 「…迂闊」と言いつつ席に座り本を読み、 「実は、今彼の会長が、元彼が部長をやっていたコンピ研を。。。」 「はい! 玉露のいいのをこの間買ってきたんで淹れますね!!」 やれやれ -----------------------------------
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「あちー、蝉がうるさいから暑さも倍増だ。」 「ねぇ、キョン、あたし思うんだけどバルタン星人って蝉に似てない?」 「……へ?」 「ほら、顔とか。手は違うけど。」 「涼宮さん、バルタン星人は蝉とザリガニがモデルです。」 「マジ?」 「マジです。」 「有希、知ってた?」 「バルタン星人って何?」 「そっか。みくるちゃんも分かるわけないわね。」 「?」 「まあいいわ。女の子なら知らなくても普通だし。 で、キョン、バルタン星人だのゼットンだのいるじゃない? 誰が名付けるの?」 「古泉、お前の専門分野だ。」 「ええ!? 専門ではないのですが、そうですね、そこの地球防衛軍司令官が命名するようです。 その怪獣の容姿や行動の特徴なんかから決める事も多いですね。たとえばガマクジラという……」 「思いっきり語ってんじゃねぇか。」 「バルタン星人ってなんですかぁ?」 「聞いて。涼宮ハルヒの神人がウルトラマンの姿になった。」 「銀色の?」 「銀色の。」 「…………で、敵はいるのか?」 「今現在、閉鎖空間にいるのは古泉一樹たち能力者の他は涼宮ハルヒが生み出した神人のみ。」 「……まさか古泉たちが怪獣扱い!?」 「今、能力者たちは怪獣の姿にしか変身できない。彼らの能力は今まで通り。 しかし涼宮ハルヒは怪獣を倒すヒーローに憧れている。能力者もそれを理解している。」 「言っていることがよくわからん。いや、わかるが受け入れたくない。」 「今、閉鎖空間内ではウルトラマンごっこが行われている。」 「いや、わかってるんだが……長門、もしかして古泉たちはわざと負けなきゃいけないのか?」 「そう。」 「っておい! 閉鎖空間が広がる一方じゃねえか! やばいんじゃないのか!?」 「大丈夫。ウルトラマンハルヒの活動限界は3分。幸い彼女はセブンの特徴をよく知らない。」 「お前、バルタン星人も知らなかったよな? 調べたのか?」 「情報検索も得意。何でも聞いて。ウィキペディアで調べる。」 「そ、そうか。毎度毎度大変だな。」 「今回大変なのは能力者。」 「なぁ、ハルヒ、この日焼け止めの『UV』ってなんだ?」 「はぁ? あんたそんなことも知らないで高校生やってんの? みくるちゃん教えてあげて。」 「えぇ? あのー、えーっと、」 「みくるちゃん、それでも受験生なの!?」 「おいハルヒ、ひょっとしてお前も知らないんじゃないだろうな?」 「有希ー、教えたげて。」 「UVとはウルトラヴァイオレットの頭文字をとったもの。」 「そう! 超紫! 日焼けしすぎで肌が紫色になるのを防ぐのよ! ……ごめん有希、結局何?」 「紫外線。」 「ウルトラマンハルヒの必殺技にウルトラヴァイオレット光線が加わった。」 「紫外線攻撃か?」 「そう、紫外線攻撃。」 「それって効果あるのか?」 「殺菌効果の他、日焼け効果がある。」 「お役立ち攻撃だな。」 「ちょっと古泉くん! 小麦色じゃない! どこの海に行って来たの?」 「どうした古泉? 海でも行ったのか? いい感じの焼け具合だ。」 「ちょっと閉鎖空間の方に。」 「よくわからんが閉鎖空間内で日光浴か。あそこに太陽なんてあったか?」 「いえ、どちらかと言うと日焼けサロンの方が近いです。」 「あれ? 古泉くんからいいにおいがしますね。香水ですか?」 「案外この状況を楽しんでないか?」 「機関では半分やけくそになってます。」 「やっほー!! あっちぃわね! んんっ、誰、香水付けてんの?」 「僕ですよ。『ウルトラマリン』っていうそこそこ有名なやつを。」 「やっぱ似合うわねぇ。キョンも見習いなさいよ。」 「俺が? 遠慮しとく。古泉の引き立て役にしかならん。」 「おこぼれあるかもしれないわよ? ……なんで真剣に考えてんのよ! このエロキョン!!」 「古泉一樹は思慮が浅い。いま、涼宮ハルヒとの会話は注意する必要があることに気付いていない。」 「そうは言うがな、長門、何が引き金になるか正直見当もつかんぞ。」 「確かに。」 「『ウルトラマリン水流』だぁ? 香水は1滴で十分だっつうの。」 「ウルトラマンハルヒも機関怪獣も気分を悪くしてうずくまって時間切れになった。」 「ハルヒは自業自得として機関はいい迷惑だな。」 「機関のメンバーが数人倒れました。長期離脱になりそうです。」 「話は長門に聞いた。すごくにおいがきついぞ。」 「香水風呂に入ったようなものです。何度洗ってもにおいが落ちません。」 「ちぃーっす。うぷっ、こ、古泉くん、悪いけど近寄らない、う、トイレ行ってくる……。」 「……あれ? もしかして僕泣いてませんか?」 「プールの塩素消毒槽ってすごいですね。香水のにおいが落ちました。」 「稲中のネタにあったな、そんなの。」 「フェルメールの絵っていいわね。緻密だし、引き込まれるわ。写真みたい。」 「ハルにゃん、フェルメールの特徴知ってるかい?」 「光と影のコントラストとか?」 「それも有名だねっ! でもあたしは『フェルメールブルー』を推薦したい!」 「『フェルメールブルー』?」 「ハルにゃんもストーンショップにいったことあるにょろ? そこでラピスラズリって見たことあるかい? フェルメールの絵には『ウルトラマリンブルー』っていうラピスラズリの粉末をふんだんに使ってるのさ!」 「ええ!? 結構高いんじゃないの?」 「高いどころじゃないっさ! 当時は金より高かったんだよ! 晩年は莫大な借金を抱えてたらしいよ。 いまだったら鶴屋家が全面的にバックアップするんだけどね! 残念! フェルメールも鶴にゃんも運がない!」 「ウルトラマンハルヒが青くなった。」 「色なのか? 血の気が引いたのか?」 「色。色合い的にラピスラズリと思われる。ラピスラズリを使った顔料の名前は『ウルトラマリンブルー』。」 「『超海の青色』か。あいつ、いつから『ウルトラ』好きになったんだ?」 「違う。」 「へ?」 「『超海の青色』ではない。『海を越えてやって来た青色』。ヨーロッパから見て海を越えて輸入された青色と言う意味。」 「さすがだな長門。」 「情報検索も得意。何でも聞いて。ウィキペディアで調べる。」 「今回は負けるのに必死でした。」 「?」 「青い石の腕でパンチするんですが、外れて建物に当たると腕が崩れるんですよ。 おかげで外さないように、かつ、こっちが怪我しないように当たるために苦労しました。 ウルトラヴァイオレット光線ですぐ片がつくのにカラータイマー点滅まで使わないんですよ。」 「……がんばれ。」 「……がんばってます。」 「ねぇ、キョン。『ウルトラ』と『スーパー』、どっちが上?」 「俺に聞くか? 『ウルトラ』が上のような気がするが。おーい、長門ー。」 「…例外はあるが一般的に『ウルトラ』が上。『スーパー』の日本語訳は『超』、ウルトラは『超々』。」 「『超々』なんて聞いた事ないわよ。どこかのアホの女子高生のバカ会話みたいね。」 「例として、通常のジュラルミンより強度の強い『超ジュラルミン』や『超々ジュラルミン』が存在する。 機動隊の盾や金属バットは『超々ジュラルミン』でできている。」 「へぇ~、さすがは物知り有希! キョンも見習いなさい。」 「なんか俺、見習うこと多いよな。」 「すまない、古泉一樹。今回はわたしの失言。」 「ええ、今回ばかりはちょっと来るものがあります。」 「どうした古泉? 何かあったのか?」 「長門さんのおかげでウルトラマンハルヒがタワーシールドと金属バットで武装していたんですよ! おかげで滅多打ちですよ! 見てくださいこの青あざ!」 「……真っ黒に日焼けしていて目立たないな……。」 「……それは残念です。ともかく! 金属バットだけでなく盾でもボコボコにされました。 涼宮さんの辞書には『矛盾』という言葉は存在しません! ウルトラヴァイオレット光線まで持ちませんでしたよ。」 「そうですね、戦艦大和を長門といった他の超ド級戦艦と区別するために『超々ド級戦艦』と表す場合がありますね。 英語で長門は『スーパードレッドノートクラス』、大和は『ウルトラドレッドノートクラス』となります。」 「え、『ド級』って英語が元なの?」 「ええ、イギリスの戦艦『ドレッドノート』が元です。それまでの戦艦から革命的な進歩を遂げた戦艦でした。 弓の『弩』は当て字です。そのド級を超えたのが長門など『超ド級』、さらに『超々ド級』の大和になります。」 「へぇ~。」 「確かに長門は強力な武装で畏怖の対象でしたが、それを子供扱いする大和の存在は圧倒的で……」 「…………………」 「古泉一樹はアホ。自殺志願者。涼宮ハルヒにあのような知識を与えた場合、どのような結果が起こるか位わかるはず。 わたしへのちっぽけな当てつけのために自らの命を差し出すその浅はかさ。むしろ清々しさを感じる。 確かに長門は大和より大きさ、戦力ともにひとまわり劣る。しかし建造された時期に21年の差がある。 またビッグ7の筆頭として長きにわたり7つの海に君臨してきた戦略的地位を考えると長門こそ真の戦艦と言える。 アメリカの大統領ルーズベルトが『日本を占領できるのはいつか?』と軍関係者に問いかけた際、 『日本には長門がいるので無理である』という答えが帰って来た逸話は有名である。そして……」 「長門! 悔しかったのはよくわかった! で、どうなったんだ?」 「機関怪獣はウルトラマンハルヒが抱え持っている戦艦大和を突き付けられ、土下座して許しを乞いている。」 「そりゃ土下座したくなるわ。」 「ところでウルトラマンハルヒと機関怪獣ってどんな姿してんだ?」 「不定です。」 「へ? 怪獣は毎回違うのはわかるが。ウルトラマンハルヒの方も?」 「ええ。機関怪獣は子供が描いた落書きのような怪獣、ウルトラマンハルヒは一般的な『ウルトラマン』の イメージの姿をしていますが、細かい部分は適当です。戦闘中に色が変わってたこともあります。 つまり涼宮さんはウルトラマン自身に 大して興味がないといえるかもしれません。」 「じゃあなんでウルトラマンごっこやってんだ? 興味ないんだろ?」 「『ウルトラマン』ではなくウルトラマンの『戦闘シーン』や『ウルトラ』の単語のどこかに興味があるんでしょう。」 「じゃあバッタ怪人に興味があったらに藤岡弘になってたかもしれないのか?」 「『、』を忘れないでください。まあその考えで合ってるかと。五人戦隊でなくて助かりました。」 「ハルヒがアカレンジャーで決定として。お前がスマートなアオレンジャー、朝比奈さんは間違いなくモモレンジャー、 長門はカレーでキレンジャー、俺が地味なミドレンジャー。あれ? 完璧じゃないか。」 「ですね。意外です。ってこれを涼宮さんに聞かれると非常にまずいです!!」 「だな。巻き込まれたらシャレにならん。ひとりで出来るやつ限定でお願いしたい。時空刑事は?」 「どこかの調味料みたいな名前の刑事シリーズですね。異空間なんで都合が、ってやらなくていいんです!!」 「お、ノリツッコミ。で、機関怪獣はどうなってんだ? お前ら何人かで戦ってるだろ? 1対複数か?」 「いえ。あなたは運動会の組み体操の経験はおありですか?もしくは騎馬戦。」 「ああ、把握した。お前のポジションはどこなんだ?」 「大体右足です。これでも利き足なんで重要なんですよ?」 「いやぁ、まったくお前らしいポジションだ。」 「キョ~ン~、なんでこいつだけ異常に赤いの?」 「んぁ? ああセブンだな。」 「セブン?」 「ウルトラセブン。普通のウルトラマンとちょっと違ってちょっと大人向きな内容で、 子供の俺には分からない話が多かったな。」 「………あんた何歳?」 「ん゛んっ!! さ再放送組だ! ほら、CSでやってるだろ!」 「ふ~ん。」 「ウルトラマンハルヒが赤くなった。」 「色なのか? 激怒したのか?」 「色。色合いは臙脂色。」 「……顔は?」 「細長い眼鏡をかけている。ウルトラセブン自体にはあまり興味はないらしく、適当。」 「……。すまん、今日は帰っていいか?」 「……わたしという個体は出来れば最後まで一緒に見届けて欲しいと考えている。」 「…………。」 「…………3分たった。終わった。」 「本当にセブン自体には興味ないんだな。」 「よう古泉、相変わらず黒いな。」 「とうとう松崎しげるレベルになりましたよ。」 「そろそろやばいんじゃないか?」 「それが聞いてください! ウルトラマンハルヒがセブンに変わろうとしているんですよ! これでもう日焼けからおさらば出来るかと思うともう嬉しくて嬉しくて。 わかりますか!? 道行く人が僕へ送る視線を! 最初こそ好意が含まれるものでしたが、 だんだんチャラ男扱いになって今では変人扱いです! サーファーグッズを持っても興味ない人には意味ありませんし………」 「わ、わかった。お前が大変なのはよくわかった! だが長門に聞いたがハルヒはウルトラセブン自体には興味ないんだろ?」 「ふふっ、そこはぬかりありません。こうしてセブングッズを用意しています。」 「ハルヒがそんなので興味引くと思うか?」 「それは中を見てから言ってください。あと協力もお願いしますよ。」 「たまに飲むとおいしいわね。でも『7up』って最近見ないわ。」 「下の『7-11』で売ってましたよ? そう言えば最近『7i』って看板増えたと思いません?」 「増えた! あれ何!? この前コンビニができたかと思ったらファミレスのまんまだったわ!」 「あれはですね、……」 「ああ、くるまのめんきょがほしいなあ!」 「そのかっこいいくるまはなんというなまえ?」 「ああ、『あーるえっくすセブン』っていうんだ、ながと!」 「かっこいい。」 「ふふふ、『7にんのこびと』のにんぎょうをもらっちゃいました。かざりますね。」 「情報の伝達に齟齬が生じるかもしれない。でも聞いて。 ウルトラセブンハルヒが7人に増えた。」 「7upかー。」 「7人のこびとかもしれない。」 「涼宮さんにウルトラセブンのビデオを見せちゃえばいいんじゃないですか? ストレートに。」 「やはりそうきますよね。と、言うわけであなたの部屋をお借りしたいのですが。」 「そう言えばお前の家に行ったことないな。」 「禁則事項です。」 「キモイ、腹立たしい、顔が近い!」 「ちょっと傷つきましたよ。とりあえず協力お願いします。」 「だからな、ハルヒ、長門、約束の1時間前に来るな。」 「あんたんちCSあるの!? すごい! いいなあ!」 「おじゃまします。」 「あるとは一言も言ってないが。」 「あーハルにゃんと有希ちゃんだー。」 「この前CSで再放送のウルトラマン見たっていたじゃない?」 「ん゛んっ!! し親戚の家だ!」 「ねこ。」 「なんだ。つまんない。」 「ねこ、どこ?」 「おい、古泉、まずくないか?」 「ええ、非常にまずいです。申し訳ありません。」 「なにがですか?」 「朝比奈さん、この『カプセル怪獣』ってのは中に怪獣が入ってセブンの代わりに戦ってくれるんですよ。」 「代わりに我々が駆り出される確率が非常に高い。」 「しかもみんな弱いときている。」 「ふふん、3つのしもべか。面白そうな設定ね!」 「ひぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」 「でゅわ!(みくるちゃん! 攻撃よ!)」 「こここここ、ここどこですかぁ!?!? か、怪獣!! 」 「でゅわわ!?(みくるちゃん!?)」 『緊急事態。朝比奈みくるがカプセル怪獣として強制召喚された。』 「げ。あ、朝比奈さんは!?」 『気絶した。涼宮ハ 』 「長門? 長門!? ながとーーー!!!」 「……。」 「でゅわ! でゅわでゅわ!(有希! みくるちゃんは駄目だったの。あんたが頼りよ!)」 「……わかった。」 「ぎゃおー!?(な、長門さん!?)」 「あqwせdrftgyふじこlp」 「ぎゃおー!!(長門さーーーーん!!!)」 「でゅわ。でゅわっ!!(さすが有希。じゃねっ!)」 「……やっちまったなぁ。」 「あの世界は涼宮ハルヒの世界。多少の超常現象は問題ないはず。」 「仕方ない。で、朝比奈さんは?」 「…………………………………………………………………………!!!!!!!!!!」 「長門!? ま、まさか!?」 「大丈夫、機関が救出しているはず。」 「長門さん、参りましたね~」 「おい古泉!! 朝比奈さんは!」 「えっと、………………………………………………………………!!!!!!!!!!」 「キョンく~~ん、みんなひどいんです~~!!」 「すまない、朝比奈みくる。わたしも混乱していた。」 「そうですね、ためらいなく呪文を使うくらい混乱してましたね。」 「本来あなたたちが助けるべき。」 「長門さんの呪文でバラバラにされましたよ……。」 「! 朝比奈さん! 今度ハルヒに呼ばれたらミクルビーム撃ってください! あの世界なら遠慮要りません!」 「でゅわ!(古泉くん! 来て!)」 「ぎゃお!? ぎゃおーーーー!!(え!? どうなるんですか??? わーー!!)」 「ええと、これは……ははぁん、怪獣の右足が消失している。つまり、僕だけ分離した、というわけですか。」 「でゅわ!(古泉くん! やっつけて!)」 「僕が分離したことによって怪獣全体が崩壊するわけでなく形を保つ。よく出来てます。」 「でゅ・わ!(こ・い・ず・み・く・ん!)」 「と、いうことは機関の皆さんがフォーメーションを変えることによって怪獣の体系は維持される、違いますかっ!」 「でゅわー!!!!!(コラー!!!!)」 「なるほど。」 「……(……。)」 「有希、あたし思うんだけどさ、古泉くんって理屈っぽいわね。」 「っぽい。」 「でゅわ!(キョン! あの怪獣をやっつけなさい)」 「俺かよ……。どうすっかなぁ。」 「でゅわ!! でゅわわ!!(何やってんのキョン! 早くやっつけなさい!)」 「って、どうやって戦うんだよ!? ん? 俺はハルヒに呼ばれているからここにいるわけだが、 俺を呼び出したのは『涼宮ハルヒ』なのか? 『ウルトラセブンハルヒ』なのか? 俺はこの世界があることは古泉と長門によって事前に知っている。 しかしハルヒは俺がこの世界を知っていることを知っているのか? 今ここには長門流にいうと『涼宮ハルヒ』という個体は存在せず、『ウルトラセブンハルヒ』しかいない。 ウルトラマンの世界ではウルトラマンは正体を隠している。それをハルヒは知っているのか? それによってこの世界がどう動くかが変わるということになる。 例えばここで『おいハルヒ、何しやがる』と叫んだとしよう。ハルヒはどう動くか? 『でゅわでゅわ(バカキョン、早くしなさい)』とか 『でゅわわ(カッコいいでしょ)』とかいうならある意味安心だ。俺も遠慮なく文句が言える。 まてまてまて! なんで俺は『でゅわ』の内容がわかるんだ? 明らかに耳に入る音は『でゅわ』なのに、ハルヒが言っている内容が分かっている。どういうことだ? 確かに今さっきあいつは『でゅわ!! でゅわわ!!』しか言っていないのに 『(何やってんのキョン! 早くやっつけなさい!)』と言っていることがわかった。なんでだ? ちくしょう、疑問符だらけだな、クソッ。とりあえず保留だ。 もう一つの可能性、俺を呼び出したのが『涼宮ハルヒ』ではなく 『ウルトラセブンハルヒ』である場合も考える必要があるだろう。 『でゅわわ!!(なんであたしの正体知ってるのよ!?)』となると下手するとこの世界は崩壊するかもしれない。 いや、このけったくそ悪い閉鎖空間が潰れるのは問題ない。いつも暴れるだけ暴れて勝手に潰れるんだからな。 ……勝手じゃないな。古泉達が潰しているのか。まあいい、そうじゃなくて俺たちが住んでいる世界の方だ。 現に俺は2回崩壊しそうになった現場に居合わせている。1回は長門がやったことだが。………」 「……(……。)」 「彼は理屈っぽい。」 「有希もそう思う?」 「キョン、こっち来て説明しなさい。」 「な、なんだ? 俺、何かしたか???」 「え、キョンなんかしたの? この、白状しなさい!」 「何にもしてねーよ。 で、なんだ?」 「こいつなんで角生えてるの?」 「タロウだな。」 「タロウ?」 「『ウルトラマンタロウ』。『ウルトラの父』と『ウルトラの母』の子だ。」 「父と母がいるの!? そうか、そうよね。親くらいいるわよね。で、なんで角付きなの?」 「父譲りなんだろ。」 「父親も角生えてんの!?」 「お前の目の前にある箱はなんのためにあるんだ? 検索してみろ。」 「ウルトラマンハルヒにカチューシャが装備された。」 「黄色のリボン付きか?」 「黄色のリボン付き。髪型もらしく再現された。」 「……胸は?」 「胸? 普通のウルトラマンと同じ。」 「そうか、まだまだだな。……すまん長門、俺、何かしたか?」 「『ウルトラの母』っておっぱいあるじゃない!? なに、エロ!? 大きなお友達向け!?」 「この時代のアニメは巨大ロボでもおっぱい持ってるからな。」 「ロボットにおっぱい!? 完全にエロじゃない!」 「一応ミサイルという設定だが。まあ作者が作者だからな。それについてはエロで間違いないだろう。」 「やっぱりエロじゃない!」 「俺がエロみたいじゃないか。で、ウルトラの母のおっぱいがどうした?」 「えと、何のためにあるの? 視聴率対策?」 「つーか、お母さんならおっぱいがあって当然じゃないか?」 「そか。」 「ウルトラマンハルヒに胸ができた。」 「おっぱい?」 「おっぱい。」 「……あいつは恥ずかしいという意識がないのか? なかったよな……。」 「………。! また朝比奈みくるが召喚された。姿はバニーガール。」 「………そうだったな。基本的にあいつはエロ好きだったよな……。」 「キョンくんありがとう。ミクルビームで倒せちゃいました。」 「本当にビームが出たんですね……。」 「でもウルトラの母ってなんであんな格好してるの? みくるちゃんとおんなじ趣味?」 「朝比奈さんじゃなくてお前の趣味だろ。」 「実質はエロで視聴率稼ぎでしょ。設定は?」 「……。そうだな、ウルトラの一族はマッパだ。」 「全裸!? 露出狂!? 変態じゃない!!」 「怪獣も全裸だろ? 犬、猫、魚、みんな服を着ていないじゃないか。むしろ服を着ている人間が邪道だ。」 「! ……。」 「す、涼宮さん、ご依頼の『ウルトラマンタロウ』と『ウルトラマンA』のビデオが手に入りましたが。」 「あ、ありがと。でももういいわ。ごめんね、せっかく用意してもらったのに。」 「そうですか。わかりました。」 「どうしたハルヒ? あれだけハマってたのに?」 「んんー、なんか飽きちゃった。」 「長門、ハルヒはどうしたんだ?」 「……よくわからない。とにかく危機は去った。」 「? まあ解決したならいいが。」 「朝比奈みくる、あなたには教えておく。あの日、ウルトラマンハルヒは閉鎖空間に全裸で現れた。 サイズはウルトラマン、姿は涼宮ハルヒのままで。」 ウルトラハルヒ 完
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ハルヒ「いやっほー!!!みくるちゃん、行くわよー!」 みくる「あ、はーい」 古泉「この暑さだと言うのに元気ですね、涼宮さんは」 キョン「お前は泳がないのか?」 古泉「自分はちょっと準備しなければいけないので失礼」 古泉は微笑みながら海の家に向かって歩き出した 俺はビーチパラソルの下で本を読んでいる長門を見た つーか、わざわざ海まで来て読書なんだ? まぁ、海に来たからって泳がないと妖怪・わかめ野郎に襲われるって訳じゃないんだし・・・ 長門「・・・・・」 キョン「泳がないのか?」 長門「・・・・・あとで」 キョン「そうか・・・俺もそろそろ行くか」 俺は海に向かって歩き出した と、急な話だが我がSOS団は海に来たのである 話は3日前になる …………… ………… ……… …… … ハルヒ「急だけど3日後に海に行くわよ!」 いつもの喫茶店でハルヒは言った 今日はパトロールと緊急ミーティングの為、全員喫茶店にいるのだ ハルヒは本当に急なことを言い出すから困る 俺は自然に溜息をついた 古泉はアメリカ人みたいなお手上げのポーズをしている 朝比奈さんは目が点になっている 長門は・・・いつもどうりだな 誰もハルヒに質問しないから俺は仕方がなく聞いた キョン「何故だ?」 ハルヒ「特に理由なんて無いわよ」 キョン「海なら行っただろ?あの孤島で泳いだりしたじゃないか」 ハルヒ「あら、海に2回行ったらいけないって法律でもあるわけ?」 確かに、そんな法律なんてない もし、あったとしたら日本の偉い人はなにやってんだと思う ハルヒは本当に理由など無く、SOS団で海に行きたいだけなのだ キョン「まて、皆の予定とかあるだろ?」 古泉「その日なら僕は空いていますよ」 みくる「あ、あの~、私も大丈夫ですよ」 長門「・・・・・コクリ」 ハルヒ「決定!3日後に行くわよ!」 ちょっと待て、俺の事情とかは無視か? ハルヒ「どうせ暇でしょ?」 まぁ、その日は何もすることが無いので暇だ ハルヒ「車は従兄弟のおじさんが出してくれるからそこらへんは大丈夫よ!」 みくる「も、もし良かったら、お弁当でも作ってきましょうか?」 ハルヒ「さっすがみくるちゃん!気が利くね!」 朝比奈さんがお弁当を作ってくれるなんてこんなレアなイベントは無いぞ 古泉「僕はビーチパラソルとか色々持ってきましょう」 長門「・・・・・ビニールシート」 ハルヒ「うんうん、流石SOS団ね!」 海に行くことが決定し、緊急ミーティングは終った そして、いつものくじ引きをしてパトロール 赤い印が付いている爪楊枝を引いたのは 俺、古泉、長門 そして無印の爪楊枝を引いたのは ハルヒ、朝比奈さんだ キョン「お前の仕業じゃないのか?」 古泉「今回は僕の仕業じゃないですよ ただ単に皆で海に行きたいだけじゃないですか?」 なんだ、てっきり機関のヤツが協力しているのかと思った 古泉「最近では閉鎖空間の数も減りましたし、そんな事をする必要が無いのですよ」 古泉は微笑みながら言った 結局、何も不思議なことが無いままパトロールは終わった ハルヒ「今日は解散!集合時間とかはメールでするからね」 古泉「じゃ、これで」 みくる「さようなら~」 長門「・・・・・フリフリ」(手を振っている) 俺は自転車置き場に行き、家に帰った 帰り道に妹にバレないようするにはどうすればいいのかと考えていた ―――そして3日後――― ハルヒ「遅いじゃない!もう9時15分よ!」 集合時間の9時30分には間に合ってるからいいじゃないか てか、なんで皆こんなに早いのか? もしかして、メールで早めに来るように連絡しあっているのか?・・・まさかな ハルヒ「キョン!海の家で皆にジュース奢りなさいよ」 キョン「わかったよ」 いつもの事だからなれた・・・ってなれていいのか? 自問自答しならがハルヒの従兄弟のおじさんの車に乗った …………… ………… ……… …… … そして今に至るのだ ハルヒ「ちょっとキョン!遅いじゃない!」 ハルヒと朝比奈さんはビーチボールで遊んでいた みくる「はぁい、キョン君」 ポーンッと朝比奈さんからのパス・・・ハルヒが居なければ周りから見るとカップルに見えてるだろうに とボールを取ろうとした瞬間 ハルヒ「隙あり!」 キョン「うぉあっ」 ザッバーン あれだ、海に行ったらお約束と言ってもいいのか? キョン「な、何しやがるっ!」 ハルヒ「隙を見せたあんたが悪いのよ!」 技名は知らんがハルヒは急に俺を投げたのだ おかげで海水飲んじまったじゃねぇか 俺とハルヒが言い争っている間に朝比奈さんが みくる「あ、あれって・・・」 キョン「・・・・・ん?」 俺は目を細め、朝比奈さんが見ている方向に目をやった まぁ、アレだ、まさか本当にこんな状況があるなんて考えもしなかった ハルヒ「さ、サメよ!!!」 ジョーズだか何だけ知らないがサメ注意報など聞いていないぞ 俺と朝比奈さんとハルヒは猛ダッシュで逃げようとしたその時 みくる「あうぅ~」(ピシッ) どうやら足を攣ったらしい キョン「あ、朝比奈さん!!!」 みくる「ふ、ふぇえ~ん」 誰もがダメだと思ったその時 ザッバーン 古泉「あれ?驚きました?」 サメの正体は古泉だったのだ 古泉「まさか、こんなに驚くとは思いませんでしたよ」 サメに変装・・・とは言っても背びれとか着けてるだけなんだけどな ハルヒ「ちょ・・・古泉君!?び、ビックリしたじゃない!」 みくる「もう・・・ヒック・・・ダメかと思いました・・・ヒック」 キョン「大丈夫ですか?」 と、俺はすぐに朝比奈さんに駆け寄った 古泉め、朝比奈さんを泣かした代償は大きいぞ ハルヒ「古泉君!バツとして皆に焼きトウモロコシ奢りなさいよ!」 古泉「そこらへんは覚悟していましたよ」 そこらへんも計算していたんだな ハルヒ「ん・・・そろそろお昼の時間ね」 なんで分かるのかは置いといて・・・いいのか? 俺達は長門が居るビーチパラソルに戻り、朝比奈さんが作った弁当を食べる事にした みくる「あんまり自信ないですけど・・・」 いやいや、何言ってるんですか 例え、塩と片栗粉を間違えたオニギリでも美味しいに決まっていますよ ハルヒ「いっただっきまーす」 キョン「いただきます!」 長門「・・・・・いただきます」 みくる(ドキドキ) 俺は可愛らしいタコさんウィンナーを食べた 見た目は普通だが味は格別 フランス人が食べたらきっと腰を抜かすだろうと思うぐらいに美味い、美味すぎる キョン「とても美味しいですよ」 みくる「キョン君、ありがとう」 朝比奈さんは見るものすべてを悩殺する位の笑顔で俺に言った 死ぬ前に食べたい物は? と聞かれたら即答で答えるね 朝比奈さんが作った弁当だと しばらくして、古泉が焼きトウモロコシを持って来た 古泉「あ、ズルイですよ 先に食べるなんて」 みくる「ご苦労様です、お茶飲みますか?」 古泉「ありがとうございます」 憎い、憎いぜ古泉・・・ ハルヒ「本当に美味しいわよ、みくるちゃん」 みくる「ふふ・・・ありがとう」 長門「・・・・・」 こいつは無表情でパクパクと食べている・・・こいつには味覚とかあるのかと考えてみたがやっぱりやめる 楽しい会話もしながら俺達は昼飯を食べた ハルヒ「さ、ジャンケンよ!負けた人がアイス買ってきてね」 みくる「ま、負けませんよ~」 古泉「じゃ、僕はグーを出しますね」 長門「・・・・・コクリ」 キョン(嫌な予感がするぜ・・・) ハルヒ「じゃーんっけーん」 全員「ホイッ!」 ……… …… … 結果は俺の負け・・・まぁ、予測していたがな 俺は海の家に向かって歩いていると後ろから ハルヒ「ちょっと待ちなさいよ」 ハルヒが小走りで来た 何故だ? ハルヒ「あんたが何味を選んでくるのかが心配だったのよ」 おいおい、俺のセンスが悪いみたいな言い方だな 少しばかり歩いて、海の家に到着 ハルヒ「おじさーん、オレンジ3つとミルク2つね」 おじさん「まいど! おや、お二人お似合いだね」(ニヤニヤ) 冗談でもやめてくれ・・・と思いたいのだが、何故か満更でもなかった ハルヒ「何ニヤニヤしてんのよ」 キョン「そう言うお前も顔真っ赤だぞ?」 ハルヒ「ち、違うわよ! ひ、日焼けよ、そう、日焼けよ!」 変に強調すると逆に怪しいぞ ハルヒ「さ、戻るわよ」 ハルヒはアイスを受け取り先に歩いた なんだ、コレがツンデレってヤツなのか? キョン「お、おい ちょっと待てよ」 俺が行こうとした瞬間 おじさん「ま、頑張るんだよ」(ニヤニヤ) 俺は無視してハルヒを追った ハルヒ「はい、みくるちゃん、ユキ」 ハルヒはオレンジ味のアイスを渡した キョン「ほれ、古泉」 古泉「どうもすみませんね・・・ところで涼宮さんと何かありました?」 キョン「・・・なぜわかる?」 古泉「おや? 冗談で言ったつもりなんですが・・・」 しまった、墓穴掘ってしまった キョン「おい、アイス返せ」 古泉「食べかけですがいいのですか?」 俺は溜息をついた 古泉「ふふ・・・涼宮さんを見ていれば分かりますよ」 お前はハルヒの何なんだ? 古泉「ま、とりあえず頑張ってください」 何をだ ドイツもコイツもまったく・・・ ハルヒ「さて、休憩もしたところだし皆で泳ぐわよ!」 長門も泳ぐ気になったのか、本を閉じて皆とビーチボールで遊んでいる 古泉「いきますよ、朝比奈さん」 みくる「あ、はい」 古泉「そーっれ!」 古泉の投げたボールそこそこ早い やらせるか! キョン「とぁーっ!」 俺が飛び込み、朝比奈さんをかばおうとしたその時 古泉「マッガーレ」 ハルヒ・キョン「すごっ!」 なんと古泉が投げたボールが曲がったのだ その曲がったボールは長門に向かって行った が、長門は何も変わりなくキャッチ 流石だぜ長門 ハルヒ「古泉君!どうやったの?ぜひ教えてほしいわ」 何故か古泉は俺に向かってウィンクした 気色悪いぜ キョン「長門大丈夫か?」 長門「平気」 キョン「だろうな・・・」 長門「彼の行動は予測できた」 キョン「何故だ?」 長門「・・・・・・・・秘密」 古泉とはいったいどんな関係なんだ? と考えていたその時、ボールが俺の顔面に飛んできた ハルヒ「今のが戦場だったらあんた死んでいたわよ!」 ありえん、絶対にありえん もしあったとしても曲がり角を曲がったらパンを銜えた少女が・・・(以下略 とりあえず、それぐらいここが戦場だと言う確立は極めて低いのだ キョン「やれやれ・・・」 時間はあっという間にすぎ、もう夕方だ 楽しい時間は早く感じ、嫌な時間は遅く感じることをしみじみ思った ハルヒ「キョン、そっち持って」 ハルヒはビニールシートを片付けていた 古泉「結構焼けましたが・・・どうです、似合ってますか?」 俺は華麗に無視し、ハルヒを手伝った ハルヒ「さて、荷物も片付いたことだし・・・みくるちゃん、夏と言ったら何?」 みくる「え、あ、う、うーん・・・スイカですか?」 ハルヒ「スイカもいいけど、やっぱり花火でしょ!」 ハルヒはバックから花火セットを出した あらかじめ準備していたみたいだな 古泉「お、花火ですか いいですね」 キョン「おい、長門 花火やったことあるか?」 長門「・・・ない」 キョン「そうか、結構楽しいぞ」 長門「・・・そう」 なんだか長門の目が輝いて見えたのは気のせいか、気のせいではないのか ビーチパラソルやら色んな物を片付けているうちに日が落ちてもう夜だ ハルヒ「じゃ、花火するわよ!」 長門「・・・」 長門は花火をじぃっと見てる キョン「これに火を点けるんだよ」 長門「わかった」 長門は線香花火に火を点けてじぃっと見ている 古泉「花火に興味があるようですね、長門さん」 キョン「長門だってそれぐらいあるだろ」 古泉「そうですね」 当たり前だ 長門だって好奇心とかあるだろ ハルヒ「ちょっとキョン、古泉君!これ持って!」 ハルヒは両手に花火を持ってはしゃぎながら言った キョン「やけにハイテンションだな」 古泉「純粋に楽しいからじゃないですか?」 みくる「本当に嬉しそうですね」 未来には花火なんてあるんですか? みくる「ふふ、言うと思いますか?」 朝比奈さんは指を唇に当てて言った ぶっちゃけ可愛いです ハルヒ「コラーッ!キョン、デレデレしないでさっさと来なさーい!」 俺は仕方がなく歩いていった 正直足が痛い ちょっと遊びすぎたか しばらく皆で花火で遊んだ ハルヒはねずみ花火を俺に向かって投げてくるし 長門は線香花火を見ているだけだし 古泉は俺を見てみぬフリ 朝比奈さんはオロオロしている シュルルル... パン! キョン「うぉあ!」 ハルヒはケラケラ笑っている キョン「ちょ、ちょっとノドが渇いたからジュース買ってくる」 ねずみ花火から逃げていたからノドがカラカラだ ハルヒ「あ、私も行く 皆何か飲む?」 古泉「お任せします」 みくる「あ、私もお任せします」 長門「・・・・・」 何だ、ハルヒが奢ってやるのか? ハルヒ「あんたが奢るのよ」 俺は財布と相談したが・・・大丈夫だ 俺達が花火しているところから自動販売機まで少し距離がある 100mぐらい歩いた時だった ハルヒ「ねぇ、楽しかった?」 キョン「あぁ、普通に楽しかったぜ 水着とか見れたしな」 ハルヒ「へ、変態」 俺だって健全な男だ ハルヒ「で・・・どうだったのよ?」 キョン「ん、何がだ?」 ハルヒ「・・・ずぎ・・・」 キョン「はっきり言わんと聞こえんぞ?」 ハルヒ「・・・・・水着似合ってた?」 キョン「あぁ、最高に似合っていたぞ ナンパされないのが不思議だ」 我ながら何言ってんだ 事実だけどな ハルヒ「ば、バカ・・・」 しばらく沈黙が流れ、自動販売機に到着し、適当にジュースを買った キョン「おい、持ってやるからジュース渡せ」 ハルヒ「べ、別に大丈夫よ!」 ハルヒは何故かムキになって全部持っている キョン「無理すんなって」 ハルヒ「大丈夫だって言ってるでしょ!」 キョン「お、おい!」 俺はハルヒの方に手を置き、振り向かせた カランカラン... ハルヒが持っているジュースが落ち、目が合う ハルヒ「・・・・・」 キョン「・・・・・」 鼓動が徐々に早くなっていく・・・ 心臓の音と波の音しか聞こえない ドクン...ドクン...ドクン... ハルヒの顔が真っ赤になっている 多分、俺も真っ赤だな ハルヒ「きょ、キョン・・・」 キョン「・・・・・な、何だ」 変な汗が出ているのが分かる ハルヒ「じ、実は・・・」 こ、この状況は何なんだ? もしかして・・・ ハルヒ「私・・・キョンの事が・・・・」 その時だった 大砲を撃った様な音が聞こえた ヒュ~・・・ドーン! 打ち上げ花火だ 近くの公園でやっているらしい ハルヒ「わぁ~ キレイ・・・」 俺とハルヒはしばらく打ち上げ花火を見ていた ハルヒはまるで、カレーに肉を入れ忘れていていたかのように ハルヒ「あ、ジュース忘れていたわ! い、急ぐわよ、キョン!」 ハルヒは慌ててジュースを拾い 走って行った 結局ハルヒは何が言いたかったんだろう・・・ まさか・・・な 俺はハルヒを追いかけるように走った 古泉「また何かありましたか?」 キョン「・・・何もねーよ」 古泉「ふふ、そうですか」 コイツ分かっているな ムカツク野郎だ キョン「長門、花火はどうだった?」 長門「・・・ユニーク」 どうやら長門は花火に興味をもったらしいな 長門「・・・・・またやりたい」 そうか、やりたかったらいつでも言え 協力してやるぜ ハルヒ「車が来たから帰るわよー!」 ハルヒの従兄弟のおじさんの車が来たようだ ハルヒ「早く来ないと置いて行っちゃうわよー!」 はいはい、今すぐ行きますよ 俺は急いで車に向かった そうだ、ハルヒ 今度来るときはカメラでも持っていこうぜ あと、鶴屋さん、谷口、国木田とか誘って行こうぜ 大勢で行った方が楽しいだろ? おまけで妹とシャミセンも連れて行ってもいいぜ それと、あの時、何を言おうとしたか ちゃんと言ってくれよ 俺は車から見える夜景を見ながらそう思った ~ Fin ~