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… 苗木「僕をハメる気だったんだな!」 怒りのこもった僕の声が霧切さんの部屋中に響き渡る。 霧切「……。なにを言ってるかわからないわね」 相変わらずの無表情で霧切さんは、僕に刺すような目線を送る。 苗木「…ところで、今日は何日かな?」 この一言に霧切さんは、やはり気づいていたか、と言った様子で視線を下にやる。 霧切「3月31日ね」 僕はたたみかけるように、部屋の壁にかけてある雑貨、カレンダーを指差しながら言った。 苗木「…そこのカレンダー、もう4月になってるね。」 霧切「そうね。」 苗木「聞くまでもないと思うけど、4月1日は何の日かな?」 霧切「…知らないわ。」 苗木「…まだ嘘を付いていい日じゃないよ。」 霧切「…。」 4月1日はエイプリルフール。嘘を付いていい日だ。 霧切さんの沈黙を、エイプリルフールを知っているものとして続ける。 苗木「霧切さんはエイプリルフールを利用して、僕をおちょくって遊んでいたんだ。 頭をなでさせて、告白までさせて、最後は「嘘だった」って言って僕を笑うつもりだったんだ」 霧切「…。」 苗木「でも、途中で日付が違うことに気づいてしまった。面白みが無くなった霧切さんは、 軽く始めた遊びなんかさっさと放り投げてまたいつもの霧切さんに戻ったんだ。」 霧切「ふぅん…」 苗木「コンビニに行ったのも日付が半信半疑だったからじゃないの? レシートをもらって日付を見れば確実だからね。」 ここまで言い切ると、腕を組んでいた霧切さんがふう、と小さくため息をついて目をつぶる。 霧切「…ま、さすがにごまかし方が雑だったわね」 霧切「…で?どうするの?」 苗木「僕が言った事を認めるんだね?」 霧切「そうね。」 嘘を暴かれた、と言うのに依然無表情の霧切さんをキッと見据える。 苗木「僕は嘘じゃなかった。」 霧切「…。」 苗木「好きだって言ったのも本当だし、あんな恋人同士みたいになれたのは嬉しかった。」 霧切「ごめんなさい…悪かったわ。」 苗木「…僕はこの事務所を出ていく。まさかこんなに酷い嘘を付く人だって思わなかった。」 霧切「…!ご、ごめんなさい。本当に謝るわ。本当に…ごめんなさい。」 苗木「ダメだ。出ていく。僕は本当に怒ってる。嘘を付くにも限度がある。」 嘘を付かれるのはある程度構わないが、人の気持ちを馬鹿にするような嘘は許せなかった。 霧切「わ、悪ふざけが過ぎたわ…本当にごめんなさい…それに、全部嘘って訳じゃ…」 苗木「…全部嘘じゃない?どれが本当なの?」 霧切「その…その…苗木くんの事がっていう…その…」 霧切さんは耳まで赤くして何かを言おうとしている。 苗木「…はっきり言ってくれないとわからないよ。僕は霧切さんにすぐ騙されるような頭だからね。」 霧切「ちょ、ちょっと…もう、どっちが意地悪よ…」 苗木「僕は意地悪じゃないよ。ところでこれは何?」 霧切さんの机に無造作に置いていたネコミミバンドを掴み上げる。 霧切「あっ、ちょっ、それは…」 苗木「これはシャム猫の耳かな…高貴なシャム猫は霧切さんのイメージにぴったりだね。」 霧切「それは…その…」 苗木「もしかして、昨日付けようとしたけど恥ずかしすぎて付けられなかったとか?」 霧切「ち、ちがっ…」 苗木「じゃあなんなの?」 霧切「…」 30秒ほどの、お互いにはすごく長く感じる沈黙が流れる。 霧切さんは顔を真っ赤にしながらずっともじもじしながら考えこんでいる。 苗木「…またなにか嘘をついて切り抜けようとしてるんだね…!もういい。もう霧切さんとはやっていけないよ!」 きっ、と霧切さんを睨みつけ、部屋を出ていこうとする。しかし… 霧切「い、いや!そうよ!そのネコミミは昨日付けようとしたのよ! そのほうが可愛いと思ったけど、私には似合わなかったから…」 部屋の中に響く妙に高く焦った声。 いつもクールな霧切さんからは聞いた事もない声だ。 苗木「…本当に申し訳ないと思ってるなら、そのネコミミをつけてほしいな。」 霧切「…えっ!?」 苗木「僕だけ恥をかいたって不公平だよね?早くネコミミをつけて。」 霧切「…くっぅ…」 苗木「大丈夫。絶対に可愛いよ。」 霧切「…。」 恐る恐る、といった手つきでシャム猫の耳を装着する霧切さん。 耳や顔だけじゃなく、手まで赤くなっている気がする。 霧切「ほ、ほら…全然似合わないでしょ…やるだけ無駄よ…」 苗木「いや、可愛い。すごく似あってるよ」 顔を真っ赤にさせながら、限界まで顔を背ける霧切さん。 もはや顔と体が完全に違う方向を向いている。 苗木「霧切さん。可愛いからこっち向いて。 そして、僕にやってほしい事があるんだよね?」 そう言って、霧切さんの部屋にあるベッドにどかっと腰掛ける。 霧切「…はっ!?な、なにを言っているのかしら!?」 苗木「昨日のことは嘘だったの?僕に頭をなでなでしてほしいんだよね?」 霧切「そ、それは…」 苗木「嘘だったんだね?」 霧切「う、嘘じゃない!ほんとなところもある…」 苗木「そう。じゃあお願いしないとダメだよね?」 ほんとに?といった顔でこちらを見られたが、僕が真剣そのものだとわかるとすぐしおらしくなる。 弱々しく、僕のとなりに腰掛ける。 霧切「……頭を…」 苗木「頭を?」 霧切「頭を…撫でてほしい…」 苗木「…違 う よ ね ?」 霧切「えっ」 苗木「あたまなでなでして~ でしょ?」 霧切「……………くっ!」 霧切「あたま…なでなで…」 苗木「なでなで?」 霧切「し…し…」 苗木「…」 霧切「あたま…なでなで…して…」 最後の理性がまだ残っているのか、顔を赤らめながらも、まだ目付きは凛々しいままだ。 苗木「ふう、それが霧切さんの本心か。ようやく本音が聞けた気がするよ。」 すぐ隣にいる霧切さんの頭に手を伸ばし、優しく撫でる。 苗木「まだお願いすることがあるよね?」 霧切「へっ?」 苗木「…膝枕も嘘だったんだ…」 あれはっ、と霧切さんが一瞬漫画のようなリアクションを取りそうになるが、僕が真剣な顔をしているとやはりすぐ大人しくなる。 霧切「ひ、ひざまくら、して」 苗木「うん、いいよ!」 すっと霧切さんの頭を太ももに招き入れる。 まるで本当に借りてきた猫のようだ。 苗木「…じゃあ最後に、一番重要なことがあるよね?」 霧切「えっ、なに?」 苗木「…言わないとわからないかな…」 霧切「えっと、あのー…」 苗木「わからない?」 霧切「わ、わかる!」 もちろん、軽くこなされてしまったあの告白だ。 僕は素直に言ったのだから、霧切さんにもシラフの状態で素直に言ってもらう。 苗木「僕は、霧切さんのこと大好きだけど、霧切さんは?」 霧切「あ、あの、ふむぅ…えぇと…す、す、…」 (省
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セレス「私は以前剛運と呼ばれる老人と悪魔と呼ばれる少年との麻雀で 勝ちましてね…その二人をぐにょ~と歪ませてやりましたわ。」 不二咲「ぐにょ~って…スプーン曲げみたいに?」 セレス「…へっ?」 不二咲「すごい!セレスさんって超能力も使えるんだ!!」 セレス「いや、あの、ぐにょ~と歪ませるって言うのは心理描写の ようなものでして…」 不二咲「ねぇねぇ!!テレキネシスとかテレパシーとかは使えるの?」 セレス「ちょ、人の話は聞いて…」 不二咲「そうだ!!実際にぐにょ~と歪ませて見せてよ!!」 セレス「…ぐにょ~と歪ませるのは嘘です。すいません。」 不二咲「なーんだ…」 終わり
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セレス「苗木君。落ち着いて聞いて下さいね。 …わたくし…どうやら出来てしまったようですわ…」 苗木「え…出来たって…ままま、まさかっ…!?」 セレス「…ええ。連休の予定が出来てしまいました。 実家の家族と旅行に行きますので、寂しくても泣いてはいけませんわよ?」 苗木「な、なんだ…驚かさないでよ、もう…」 セレス「…うふふ、相変わらず苗木君はバカが付くほどの正直者ですわね。 わたくしの冗談をすぐに真に受けて、そんなに慌てふためいて…」 苗木(うう…いつもいつも…。…さすがに悔しくなってきたな…。 なんとかセレスさんに一泡吹かせられないかな…) セレス「でも、よく考えると旅行と聞いてホッとされるのも考え物ですわね。 わたくしと離れるのであれば、もっと寂しがっても良いのでは…?」 苗木「…いや、ボクがホッとしたのは、家族旅行って聞いたからだよ。 セレスさんみたいに小さくて可愛い女の子なら、悪い男がほっとかないだろうし…」 セレス「…まあ。苗木君…もしかしてヤキモチを…?」 苗木「最近は物騒だからね。ほら、身代金目当ての誘拐──」 セレス「──しかし、わたくしの魅力を表現するのには、『可愛い』だけでは足りませんわ」 苗木「え? いや、そうじゃなくて誘拐とか──」 セレス「──さあ、言ってみて下さい。『可愛い』以外にもわたくしを賛美する言葉を」 苗木(全然聞いてくれない…) 「えっと…じゃあ、綺麗」 セレス「それが限界なら、小学生並のボギャブラリーですわね。 せめて、もっと言葉を付け足して御覧なさい」 苗木「綺麗…。セレスさんは、すごく…世界一、綺麗…・・・(ゴニョゴニョ///」 セレス「聞こえませんわ。もっと大きな声で!」 苗木「!! …セ、セレスさんは、世界で一番、綺麗だよ!///」 セレス「ふん。陳腐な表現ですが、おかしくはありませんわね。 …それで、世界一綺麗なわたくしと一緒にいて、あなたはいつもどう思っていますの?」 苗木「ど、どうって言われても…ボクは…」 セレス「はっきり言いなさい!」 苗木「ボ、ボクは幸運…いや、セレスさんと一緒にいられて、世界一の幸せ者だよ!!///」 セレス「…まあ、いいでしょう。苗木君にしてはよく頑張りましたわ。(にっこり) …それでは、バスの時間があるので、わたくしはそろそろ失礼しますわね。…御機嫌よう、苗木君」 苗木「…ああ、うん。またね…」
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私は苗木君が好き――だと思う。断定できないのは、私にそう言った経験が過去に無かったから。 でも冷静に分析してみて、私が彼に持つ感情は恋愛感情に違いない。 たとえば、無意識のうちに私は彼を見ている。今朝もそれが原因であんな事態に陥ってしまった。 ◇ 毎朝みんなが集まる食堂で、セレスさんが山田君に入れてもらったばかりのロイヤルミルクティーの香りを楽しんでいた。そ こへ欠伸をしながら食堂へ入ってきた苗木君が、何を思ったのか真っ先にセレスさんの所へ歩み寄っていく姿を見て、 私はなんとなく苛立ちのようなものが湧き上がるのを感じていた。 苗木君はいつもの笑顔でセレスさんに挨拶をして話しかけていた。 「セレスさん、おはよう。昨日の夜はありがとう。すごく勉強になったよ」 「おはようございます、苗木君。わたくしが手取り足取り教えて差し上げたのですから、 次お相手していただけるときは、満足させてくれないと承知しませんわよ」 ――昨日の夜、ですって? 私は昨夜は夜時間の間、学園を捜索していた。だから、どこにも苗木君とセレスさんの姿が無かったことを知っている。 この事実から導き出される答えは――苗木君がセレスさんの部屋で二人きりで過ごしていたということ、そう考えられる。 それに気づいた途端、私の中の苛立ちが一層濃くなった。何をしていたかは分からないけれど、 多分男女が部屋に二人きりというのは良いことではないと思う。 私は、我慢できずに椅子から立ち上がって、二人のもとへ歩いた。けれど、用があるのは苗木君だけ。 「あら、霧切さん。おはようございます」 「霧切さん! おはよう!」 「ええ、おはよう……セレスさん、苗木君を少し借りてもいいかしら?」 「え? 僕?」 「結構ですわよ。別にわたくしのものというわけではありませんし」 「そう。じゃあ、苗木君行きましょう」 「え、行くってどこに? ちょ、ちょっと引っ張らないでよ、霧切さん!」 今朝の私はおかしかった。全然いつもの私じゃなかった。 相変わらず質問攻めをしてくる苗木君を無視して、私は彼の腕を引っ張ってある所へ向かっていた。それは――さっきまで私が居た場所。 「き、霧切さん。どうしたの急に部屋に連れてきて」 「別に……なんとなく、こうしなければならない気がして」 「えっ!? なんとなくって……」 おどおどしながら、私の部屋を見回しつつ私の様子を窺う苗木君は少し体温が上がって、頬に赤みを帯びていた。緊張しているみたい。 「……セレスさんと昨日何をしていたの?」 「え?」 「さっきセレスさんと話していたでしょう? 手取り足取り教えたとか、勉強になったとか……」 「ああ。それか……ポーカーのコツを教えてもらってたんだよ」 私は予想外の答えについ、呆けてしまった。でもすぐに緩んだ口元を締めて苗木君に重ねて質問をした。 「ポーカーって……夜時間にしかもセレスさんの部屋でわざわざ教えてもらわなければならないことなの?」 「僕もそう思ったんだけど、セレスさんが時間も部屋も指定してきたんだよ。だから仕方なく……ねぇ、霧切さんはどうしてそんなに怒ってるの?」 「え?」 怒っているだなんて全く自覚が無かった。確かに苛立ってはいたけど、いつも通り表には出していないつもりだった。 だから、苗木君に「怒ってる」と言われて私は柄にもなく動揺してしまった。だからあんなことを要求してしまったのかもしれない。 「……あなたが、セレスさんと楽しそうに話しているのが嫌だったのよ」 「なんで嫌なの?」 「と、とにかく……許してほしいなら行動で示してほしいわね」 「行動って!?」 「…………だ……」 「だ?」 「だ……抱きしめてくれるかしら?」 鏡なんて見なくても私の顔が真っ赤だろうということは分かった。 それほどに、今まで感じたことないくらいに顔が熱くて、動悸も激しくて……苗木君の目をまともに見ることが出来なかった。 「……よく分からないけど、だ、抱きしめればいいんだね?」 「え、ええ……お願い」 「わ、わかった」 苗木君が一歩私に近づく。それだけで心臓が跳ね上がるような感覚に襲われる。苗木君も顔を真っ赤にして躊躇していたけれど、 ようやく彼の腕が私の肩甲骨の辺りと腰に回された。私よりも小柄な彼だけど、男性なんだと意識せざるを得ないような力強さとか筋肉質な感触とかを感じて、 私の身体中を電流が走ったようだった。 少しの間だったけれど、お互いの心音と緊張で乱れた吐息だけが響く中、私は苗木君のぬくもりを感じて少し落ち着くことが出来た。 「あっ……」 そっと彼が腕を解いて離れたのが、すごく寂しい気がして私の口から声が漏れてしまった。 「えっと……これで、許してくれるかな?」 「……い、いいわ。この件はこれで忘れてあげる」 「今更なんだけどさ、そもそも僕は霧切さんに許してもらわないといけないようなことをした覚えがないんだけど……それに、どうして抱きしめることが謝ることになるのさ?」 「何よ、反論する気? 苗木君のクセに生意気ね」 「ええっ!? ちょっとそれは横暴だよ、霧切さん!」 私は苗木君が好き。これは揺るぎない真実だった。それが真実ならば、私は受け入れて進むしかない。だから、苗木君と一緒なら、どんなことでも楽しみだと心からそう思えた。 ― END ―
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/269.html
セ「苗木君、暇ですわ。ゲームで遊びましょう」 苗「うん。セレスさんに勝てる気はしないけど、『胸を借りるつもりで』頑張るよ」 セ「(ピキッ)」 セ「苗木君にしては善戦しましたわね。努力賞として、わたくしの手料理をご馳走して差し上げますわ」 苗「本当!? セレスさんが料理を作ってくれるなんて、『胸が熱くなるよ』!」 セ「(ピキピキッ)」 セ「さあ、遠慮なくお食べなさい。おかわりもありますわよ?」 苗「う、うん。でも感動で『胸がいっぱいで』、もう食べられないかな…」 セ「(ピキピキピキッ)」 苗「ご馳走様。この『まな板』は、ボクが洗っておくね」 セ「……ビチグソがあっ!!」 苗「急にどうしたの!?」 セ「……苗木君のばか!」 (ぷんぷん怒りながら立ち去るセレス) 苗(?? 女の子特有のあれかな……?) この後セレス様のご機嫌が治るのに三日かかりました
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苗木「ねえ霧切さん。捜査中に悪いんだけど…」 霧切「瞳孔は開いてる… トマトジュースを飲んで寝てるわけじゃないみたいね。なにかしら?」 苗木「そのペンライトはどうしたの? 所持品はみんな没収されたはずなのに…」 霧切「ああ、これね。これは所持品じゃないわ」 苗木「あっ、じゃあ倉庫にあったんだ」 霧切「違うわ。これは私の“体の一部”だから」 苗木「い…一部!?」 霧切「そうよ。普段は私のどこに収まってるのか見たい?」 苗木「え?・・・いやいやいやいやしヽやいやいや!遠慮しとくよ///」 霧切(思春期の男の子って楽しい…♪)
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559 投稿日:2011/02/15(火) 23 34 36 ID jSAc/ytg 「あ……苗木君。今日はバレンタインだね……チョコ、もう誰かから貰ったの?」 「うん、妹から一つだけ貰えたよ(もしかして僕にくれるのかな……?)」 「そうなんだ……いいなぁ」 「え?」 「え! あ、あのね、その……カッコイイ女の子は貰ったりしてるから……私もそうなれたらって思って……」 「そ、そうなんだ。でも、不二咲さんは誰かにあげたりしないの?」 「え、えっとぉ……私みたいなのから貰っても、誰も喜ばないよ…… はぁ……もっと強くなれたらなぁ……」 (不二咲さんはまだ、色気より食い気ってことなのかな……?) おい、恋愛方面に繋がらないぞどういうことだ。 560 投稿日:2011/02/16(水) 00 08 26 ID 0fy5rxMP 最後の行がまちがっとる。 「え、えっとぉ……私みたいなのから貰っても、誰も喜ばないよ…… はぁ……もっと強くなれたらなぁ……」 「そんなことないよ! 不二咲さんに貰ったら誰だって嬉しいに決まってるじゃないか! 少なくとも僕はものすごく嬉しいよ!!」 「え…ほ、ほんとにぃ? やさしいね!苗木君」 にっこり笑ってスタスタ去る不二咲。 え…結局、くれないのか…? しょぼん苗木。 おかしいな、やはり繋がらない。 562 投稿日:2011/02/16(水) 02 02 40 ID yVyBnSFJ (不二咲さん、チョコが食べたかったのかな。ならプレゼントしてみようか) 翌日 「実はあの後、安売りされてたチョコを買ったんだ。一緒に食べない?」 「え……私にもくれるの……?」 「うん。男が女の子にチョコをあげるのはおかしいかな、やっぱり」 「そ、そんな事はないよ……! でも……あっ。凄く美味しそうなチョコだね……本当にいいの、かな……?」 「勿論だよ!」 食後 「えへへ、とっても美味しかったね」 「うん、そうだね。喜んでもらえてよかったよ」 「本当にありがとうね、苗木君……ホワイトデーの時はきっとお返しするよ」 (ホワイトデーは男の子が贈り物をする日だし、おかしくないよね……) こんな感じで心の逃げ道を用意してあげれば!
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/796.html
To―ta pul―chra es, Ma―ri―a, O Ma―ri―a―, tota pul―chra es―, Et―ma―cu―la― , O―ri―gi―na―lis non est in Te 「何の歌だろう? 霧切さん知ってる?」 紡がれた言葉に続いて、白い息が宙へ広がり気温の低さをそれは示していた。 苗木は隣に歩く霧切にどこからか耳に入り込んできた神秘的な歌について尋ねる。彼女に向けた彼の鼻の頭が少し赤い。 「――聖母賛美歌」 「え?」 独り事のようにボソリと答えた霧切は懐かしそうに目を細めていた。 「聖母賛美歌よ。クリスマスはそもそもイエス・キリストの誕生日でしょう? そのイエスを産んだ母親――聖母マリアを讃える歌よ」 そう言い終えると同時に、彼女は顔を上げて苗木が理解したか確かめるように彼の瞳を見据えた。 「そうなんだ。初めて聴いたけど、凄く綺麗というか……神秘的で素敵な歌だね。霧切さんはやっぱり探偵活動の一環で知ってたの?」 彼女は探偵だ。それも超高校級の探偵と呼ばれている。つまり、まだ少女とも言える年齢ではあるが確かな実力のある一流の探偵。 当然多岐にわたる知識を蓄えており、苗木はそれを知っていた。だから、賛美歌を知っていたのもそれが理由だと苗木は思った。 しかし―― 「私は、途中で転校したけれどカトリック系の中学校に在籍していたのよ。当然クリスマスにはミサがあったわ。 参加は自由だったから私は参加したことはないけれど、他の行事でもよく聖歌を歌う機会はあったし……懐かしい、わね」 ――そうか、だから…… 「だから、さっき懐かしそうにしてたんだね」 「そうだったかしら? 苗木君のくせによく見ていたわね」 微かに笑う彼女に苗木の目は釘付けになる。この寒い景色の中に、そこだけ温かい光が灯ったような、そんなふうに苗木は感じた。 凍ったように動かなくなった様子で居る苗木を霧切が不審に思うのは当たり前だった。 「苗木君? どうしたの?」 「あっ、いや……なんでもないよ! それより、あの歌なんていう曲なの?」 慌てて話題を変える。彼は恥ずかしくて「見惚れてた」とは言えないのだろう。霧切は「なんでもない」という言葉が嘘だとすぐに見破ったが、 特に気に留めることなくその曲名を静かに答えた。 「あれは確か――”Tota pulchra”……日本語で”なべて美しき”ってところかしら」 「”Tota pulchra”か……。英語、じゃないよね?」 「ラテン語よ」 そう言うと、急に霧切は苗木の袖を掴み小走りしだした。黒い革手袋を着けたその手は、力強く苗木を引っぱる。 「ちょっと、霧切さん!? 急にどうして走るの!?」 「黙って付いてきなさい、苗木君」 そう言われて一層戸惑うが、苗木は従うしか無かった。バランスを崩さないように、霧切のスピードに合わせて苗木も小走りする。 静かな夜に、二人の足音がザッザッと静寂を乱す。 説明もなく引っ張られる苗木は、戸惑いはしたものの少し嬉しかった。自分を引っぱる彼女の手が自分を必要としてくれているのだと思わせたのだ。 暫く走って、辿り着いたのはカトリック系の学校だった。先ほどの霧切の話から苗木はすぐに、彼女が在籍していた学校だと悟ることができた。 「ごめんなさい。さっきの場所から近いことを思い出したら何だか来てみたくなったの」 「ここが霧切さんが居た学校?」 「ええ。行きたいところがあるの。一緒に来てくれる?」 普段通りの口調だったが、苗木を見つめるその目は少し不安げだった。 苗木は困ったように笑ってみせるが、答えは決まってる。彼女の不安は要らぬ不安だった。 「うん、君の居るところならどこでも付いて行くよ」 霧切は「ありがとう」と呟いてホッとしたように笑った。 その時門内の正面にぼんやりと見える教会から先ほどの聖歌とは別の曲の歌声が聞こえてきた。 「こちらもミサが始まったみたいね。……行きましょう、苗木君」 霧切は躊躇なく、その門内へと歩を進めていく。 苗木もその後に続くが、部外者が女子校に入っても良いのかと一瞬足を踏み入れるのを躊躇うが、どんどん先へ行く霧切を見て彼は行くしかなかった。 霧切はどうやら校舎内へと向かうようだった。 「ここに入るの?」 目の前に広がるのは電気が消えて真っ暗闇となった校舎内。再び苗木はためらい、足を止める。 「ええ。大丈夫だから付いて来て」 「わかったよ」 暗闇しか見えない廊下を進み、霧切と苗木は階段を上る。その間苗木は、少々緊張しており「怖いの?」と霧切にからかわれた。 そしてすぐに、彼女の目的地にたとどり就くことが出来た。 「屋上? でも鍵が――」 「以前のままみたいね、大丈夫。開けられるわ」 そう言うと霧切はドアノブを上下にゆすりだした。するとカチャンと何か金具が外れたような音が響き、同時に彼女は掴んでいたドアノブをひねった。 すると―― 「ほら、開いたでしょ?」 冷たい外気が開いたドアの間から流れ込んでくる。 苗木の方を振り返り自慢気に笑う霧切は、苗木が今まで見たことのないような楽しそうな、どこにでも居そうな少女のように可憐だった。 「在学生ならではのコツってやつだね?」 「少し違うわね。これはある人が私に教えてくれたの。その人と私しか知らないことよ。あ……今日からあなたも仲間入りね」 フフッと霧切はやはり、いつもより楽しそうに肩を揺らす。そして、二人が外に出ると、先程まで気配も見せていなかったのに空からチラリチラリと雪が降りだした。 「……積もってはいないけど、あの時みたいね」 独りごちる霧切に、何を言ったのか聞こえなかった苗木は尋ねようとするが、先に霧切から声が掛かる。 「苗木君、こっちに来て」 言われたとおりにフェンスの方へ近づく。そして苗木は息を呑んだ。 「ね? 綺麗でしょう?」 フェンス越しに見下ろすと、教会の優しい明かりが周囲を包み込んで神秘的な景色へと変えていた。 「うん、すごく綺麗だ」 苗木は美しさに興奮を隠しきれず勢い良く霧切の方に振り向くと、先程まで楽しそうだったはずの彼女の表情に陰りが見えた。 「霧切さん?」 「……」 返事をせず景色を見下ろしたままの彼女の様子に苗木は心配する。そして予定ではもっと後にしようと考えていたことを苗木は思い出す。 「霧切さん!」 「あ、ごめんなさい。少しぼーっとしてたわ。何?」 「メリークリスマス!」 クリスマスらしい赤色の包装紙に包まれた小さな包を苗木は霧切へ差し出した。クリスマスなのだからある程度は予想できていたが、 このシチュエーションに少々彼女は驚いた。そして、大事そうにそれを受け取ると苗木に目配せる。 「ありがとう。開けてもいい?」 「もちろん! あ、手袋で開けづらいでしょ? ボクが開けるよ」 苗木は再び霧切の手からプレゼントを取り上げて丁寧に包み紙を広げる。広げられた包の中からは小さな箱が出て来た。 その大きさから、霧切は箱の中身を推理する。そしてすべてが、あの時と重なる。 「はい。あとは、君が開けてみて?」 「ええ」 ゆっくりと開けた箱の中には、小さい薔薇の入った試験管――イン・ビトロ・ローズ。 「――っ! ありがとう苗木君」 謝辞と同時に霧切の身体が倒れこむ――いや、苗木に彼女が身を寄せてきたのだ。 「き、霧切さん!?」 「もう少し、このままで……」 苗木の耳元に聞こえてきた彼女の声は――震えていた。苗木は彼女を宥めるように霧切の背中に手を回して背中をさすった。 暫くして霧切が苗木の首に絡めていた腕を静かに解いて、恥ずかしそうに俯きながら身体を離した。 「霧切さん? 大丈夫?」 「……苗木君」 「ん?」 「あなたは……苗木君はずっとそばに居てくれる?」 その顔は悲痛な面持ちで、願うような、縋るような様子にさえ見えた。そんな彼女に対して苗木は大きく肯いてしっかりと答えた。 「その薔薇の花言葉知ってるでしょ? 君のそばにずっと居るから、だからそんな顔しないで?」 ポタリと地面に雫が落ちた。霧切の大きな瞳から涙が溢れて流れていた。 「――ありがとう」 彼女の手にある試験官に入った薔薇は――枯れた白い薔薇。 その花言葉は―― 『生涯を誓います』 ―END― Merry Christmas !! 2013.12.24 Merry Christmas !!
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ホテル・ロビー 日向「久しぶりだなカキ氷なんて。やっぱり氷は宇治金時だよな。ん?」 七海「・・・・・・・・・・。」 日向「七海は相変わらずゲームか・・・。」 日向(邪魔しちゃ悪いし黙って座るか・・・。) 日向(よっと・・・。) 七海「・・・・・・・・・日向くん?」 日向「え?コッチ見てないのに何で分かったんだ?」 七海「・・・・・・・・・・・。」 七海「・・・うーん、日向くんの足音ならなんとなく分かる・・・・はずだよ。」 日向「それってかなりすごいと思うぞ。って?なんで俺のは分かるんだ?」 七海「・・・・そういえばなんでなのかな?」 日向「俺に聞くなって・・・。」 七海「・・・・・・・・。」 七海「・・・・少し待っててこのCPで終わるから。」 日向「ん~。」モグモグ… 七海「・・・・・・ふう。」 日向「終わったか?」 七海「うん、って日向くん。それって何食べてるの?」 日向「?何ってカキ氷だよ。」 七海「カキゴオリ?」 日向(まさか・・・カキ氷まで知らないのか?) 日向「まぁ・・・簡単に言うなら、カキ氷機で氷を細かくしてその上にシロップをかけて作った ものだ。スーパーで澪田と西園寺がカキ氷機見つけてきたから一緒に食べないか? って誘われたんだ。」 七海「へ~・・・、ねぇそれってそんなにおいしいの?」 日向「そりゃな、何なら一口食べるか?」 七海「うん。あ~ん。」 日向(た、食べさせるのか・・・まぁいいか) 日向「ほら。」 七海「・・・・・。」パクッシャリシャリ゙… 日向「どうだ?」 七海「・・ッ~~~~~~~~!つめたい・・・。」キーーーーンッ! 日向「ハハハ、そりゃ氷だからな。」 七海「でも・・・おいしい。」 日向「そっか、それならよかった。」 七海「ねぇねぇ、レストランに行ったらカキゴオリまだもらえるの?」 日向「ああ、まだ作ってると思うぞ。他の奴等も集まってきてたし、七海も 行ってもらって来いよ。」 七海「うん。じゃあもらってくる・・・。」タッタッタッ・・・・ 日向「さてと俺は溶けないうちに食べてしm」 七海「もらってきたよ。」タッタッタッ・・・・ 日向「早いな!?」 七海「作って置いてあったのもらってきたの。」 日向「ああ、なるほど・・・。」 日向(アレはレモン味かな?) 七海「日向くん。」 日向「ん?どうした、食べないのか?」 七海「はい、あ~ん。」 日向「・・・・・へ?」 七海「さっきもらったからそのお返し。」 日向「あ、ああ、そういうことか・・・。」 七海「あ~ん。」 日向「あ、あ~ん。」パクッ 七海「どうかな?」 日向「あ、うん。おいしいぞ・・・・。」シャリシャリ・・・ 日向(あれ?レモン味ってこんなにおいしかったっけ?) 七海「じゃあ私も食べようかな?」 日向「あ、もう少しいるか?俺の?」 七海「いいの?」 日向「ああ、もちろんだ。」 七海「ありがとう。でも少し自分の分食べてからもらうね。」 日向「そうか。」 七海「・・・・・・・。」シャリシャリ・・・ 日向「・・・・・・・。」シャリシャリ・・・ 七海「・・・日向くん。」 日向「ん?」 七海「カキゴオリっておいしいね。」 日向「・・・・・・・ああ、そうだな。」 今日食べた氷はいつもより甘く感じた・・・・・・。 おまけ ホテル・レストラン 左右田「あ、あっれ~?どこ行った俺のレモン味・・・?」 小泉「どうしたの左右田?」 左右田「それがさぁ、ここに置いてた俺の氷がないんだ・・・。」 小泉「どっかに置き忘れただけじゃないの?」 左右田「いや!間違いなくここにおいて置いたんだよ!!誰かが盗りやがったんだ絶対!!」 西園寺「ぷーっ、たかがかき氷ごときでそんなになるなんてみっともな~い。」 左右田「だー!!うっせ!!レモンは俺の好物なんだよ!!」 小泉「うるさいわね!そんなに言うならまた作ればいいじゃない。」 左右田「ああ、それもそうか。」 花村「いやそれがね、もうレモンはないんだよ。」 左右田「え?」 花村「それがさ、終里さんと弐大くんが食べ比べ始めちゃって、次から次にシロップ使ってたら もう切れちゃったんだよ。」 左右田「・・・・・・・・。」 ホテル・ロビー 左右田「うおおおおおおおおおおおおお!!!俺のレモンーーーーーーー!!!」 日向「・・・・・・・・。」 七海「・・・・?どうしたの?」 日向「・・・なぁ、七海。お前のことだから悪気はなかったと思うけどさ、 あとでちゃんと左右田に謝っとけよ?」 七海「・・・?日向くんがそういうならあとでそうしとく。」