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ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 戦刃むくろ 石丸清多夏 江ノ島盾子 霧切響子 苗木誠 不二咲千尋 モノクマ スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園 狛枝凪斗 左右田和一 田中眼蛇夢 ダンガンロンパシリーズ シリーズ(ダンガンロンパ) ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 スーパーダンガンロンパ2
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ダンガンロンパ #01 「PROLOGUE ようこそ絶望学園」 #02 「CHAPTER01 イキキル(非)日常編」 #03 「イキキル 非日常編」 #04 「CHAPTER02 週刊少年ゼツボウマガジン(非)日常編」 #05 「週刊少年ゼツボウマガジン 非日常編」 #06 「CHAPTER03 新世紀銀河伝説再び! 装甲勇者よ大地に立て! (非)日常編」 #07 「新世紀銀河伝説再び!装甲勇者よ大地に立て! 非日常編」 #08 「CHAPTER04 オール・オール・アポロジーズ I (非)日常編」 #09 「オール・オール・アポロジーズ 非日常編」 #10 「CHAPTER05 疾走する青春の絶望ジャンクフード(非)日常編」 #11 「疾走する青春の絶望ジャンクフード 非日常編」 #12 「超高校級の不運が超高校級の殺人と超高校級の処刑と超高校級の絶望を引き寄せた理由」 #13 「さよなら絶望学園」 #01 「PROLOGUE ようこそ絶望学園」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21277903 24 29 434 173 #02 「CHAPTER01 イキキル(非)日常編」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21332911 24 29 421 37 #03 「イキキル 非日常編」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21386943 24 29 416 33 #04 「CHAPTER02 週刊少年ゼツボウマガジン(非)日常編」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21440863 24 29 436 126 #05 「週刊少年ゼツボウマガジン 非日常編」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21494011 24 29 248 78 #06 「CHAPTER03 新世紀銀河伝説再び! 装甲勇者よ大地に立て! (非)日常編」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21547948 24 29 385 103 #07 「新世紀銀河伝説再び!装甲勇者よ大地に立て! 非日常編」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21602887 24 14 335 75 #08 「CHAPTER04 オール・オール・アポロジーズ I (非)日常編」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21656897 24 14 339 110 #09 「オール・オール・アポロジーズ 非日常編」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21709716 24 14 364 90 #10 「CHAPTER05 疾走する青春の絶望ジャンクフード(非)日常編」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21763097 24 14 396 86 #11 「疾走する青春の絶望ジャンクフード 非日常編」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21816115 24 14 313 63 #12 「超高校級の不運が超高校級の殺人と超高校級の処刑と超高校級の絶望を引き寄せた理由」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21867376 24 14 390 114 #13 「さよなら絶望学園」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm21916670 24 14 354 44
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登録日:2012/07/25 Wed 17 41 46 更新日:2024/04/29 Mon 13 58 15NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 どうあがいても絶望 サイコポップ ダンガンロンパ ダンガンロンパ/ゼロ パレード 前日譚 小松崎類 小説 小高和剛 希望ゼロ 希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件 星海社 最初からバッドエンド確定 鬱展開 サイコポップ、ここに始まる―! 『ダンガンロンパ/ゼロ』とは星海社出版の小説である。作者は『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』のシナリオを担当した小高和剛。 帯カバーには虚淵玄、奈須きのこ、三田誠、成田良悟からのメッセージが掲載されている。 ダンガンロンパ本編の前日譚であり、コロシアイ学園生活が始まる以前の希望ヶ峰学園が舞台となっている。つまり最初からバッドエンド確定。 また、本編の伏線が何本か回収されている一方、 『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』に繋がる伏線が新たに張られているためクリアした人にはオススメな作品である。 逆にクリアしてない人にとってはネタバレのオンパレードなので注意(開幕一ページ目にネタバレ有り)。 なお、本項目では他のダンガンロンパ項目に則り、本編ネタバレに抵触する部分は伏せている。 【あらすじ】 「才能こそ人類にとっての希望」との理念に則り、 《超高校級》の才能ばかりを集めた 私立希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件……。 記憶を失い続ける女子高生・音無涼子と、 《超高校級の神経学者》松田夜助に迫る “危機”と“絶望”の行方は―!? ―上巻裏より引用 【登場人物】 ■音無涼子 《超高校級の???》 主人公。制服を着用した、癖のある赤ロングの少女。絶対領域が素晴らしい。あと巨乳。 記憶を保持できない謎の病に罹っており、「音無涼子の記憶ノート」というノートを作成し記憶代わりにしている。年上の幼馴染である松田を愛している。 黒幕に指フェラさせられたり松田に縛られたり神代にセックスを求められたりと、何度かけしからん目に遭う。 ■松田夜助 《超高校級の神経学者》 もう一人の主人公。涼子の治療を担当している。毒舌かつドSで、涼子に会う度彼女を罵倒している。 コミックポンポンなる漫画雑誌を愛読しており、イラストでも読んでいるのがわかる。 ある意味本作最大の被害者。 ■カムクライズル 《超高校級の希望》 あらゆる才能を持ち、希望ヶ峰学園にとってはまさに象徴と言える存在だったが……。 現時点では「希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件」の犯人として希望ヶ峰学園に匿われている。 ■黒幕 本作、引いてはダンガンロンパ本編における黒幕。本作の話の関係上、ある意味では本作はこの人物の為の物語と言っても過言ではない。 ■学園長 希望ヶ峰学園の学園長。若さと渋さを併せ持つナイスミドルなイケメン。 希望ヶ峰学園存続のため「希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件」の隠蔽を決断し、 そのためにカムクライズルの情報収集を《超高校級の探偵》と呼ばれる高校生に依頼した。 巻末プロフィールでのモノクマの言葉はかなり強烈な皮肉である。 ■神代優兎 《超高校級の諜報員》 小学生と見紛うほどの童顔の少年で好物は菓子パン。極端に存在感が薄く、それ故にスパイ活動を得意としている。 そんなん育ててどうするつもりだと思われるかもしれないが希望ヶ峰学園ではよくあること。 可愛い顔に似合わず下ネタを連発し、挙句は涼子にセックスまで求めてきた。2で登場する花村輝々とキャラが若干被ってる。 ■斑井一式 《超高校級のボディーガード》《超高校級の多胎児》 希望ヶ峰学園生徒会の一員で、「希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件」の生き残り。 肩、舌、腕が異様に長く、細いのに肩幅は広い。本人曰わく「不死身」。 守れず、殺された仲間達の為に黒幕に復讐するべく黒幕を追っている。復讐心に染まり暴走している節がある。 ■村雨早春 《超高校級の生徒会長》 希望ヶ峰学園生徒会長で、「希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件」の生き残り。 鋭い目つきをした少年。 現在は意識を失っている。 ■戦刃むくろ 《超高校級の軍人》 黒い髪の少女。圧倒的な戦闘力を誇る。人と話すのは苦手なようでかなり無口、可愛い。斑井に襲われた涼子を助けるが……? 戦闘面以外はかなり残念な娘。 あと作中ではパンチラ……どころか思いっきりお尻が見えてる。 下巻巻末の設定資料では、ド貧乳と書かれてしまっている。 ■評議委員 希望ヶ峰学園の影の支配者たち。 ぶっちゃけ老害以外の何物でもないほど作中での行動がアレ。そして絵に描いたような噛ませ。合掌。 【キーワード】 ■希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件 希望ヶ峰学園の生徒会メンバー13人が殺害された事件。 村雨と斑井のみが生き残り(厳密には斑井はこの事件に立ち会うことすらできなかった)、その犯人はカムクライズルとされている。 希望ヶ峰学園存続のために事件そのものが上層部から闇に葬られようとしているが……? ■本科/予備学科 本科は「超高校級の才能」の持ち主たちが通っている学科で希望ヶ峰学園のメインとなっている。 それ以外に超高校級の才能を持たない者たちも実は希望ヶ峰学園に入学でき、彼らは予備学科に入れられている。 はっきり言って予備学科は本科の為の金ヅルに等しいのだが、「希望ヶ峰学園卒業」のブランドを求めた学生が結構な数在籍している。 ■パレード 予備学科の生徒たちによる抗議運動。本科内には実態が伏せられ、隠語としてパレードという言葉が使われている。 アニヲタは絶望していた。 何もかも自分の思い通りに追記・修正出来て― 全てが希望通りの良い項目が出来てしまって― 絶望していた。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] むくろさん貧乳って…何気に伏線ですな -- 名無しさん (2013-07-31 01 42 37) 黒幕登場時のオーラがすごい。いや、大体検討付いてたけどね。とりあえず夜助ぇ… -- 名無しさん (2013-08-28 22 08 16) ダンガンロンパ史上不憫なキャラ一位をとれるんじゃないか夜助さん -- 名無しさん (2013-08-28 23 13 17) 意外なほどむくろが可愛い…っていうかこの子苗木が好きだったのね -- 名無し (2013-10-01 22 36 22) 当時までのファンのなかの残姉のイメージ→冷静沈着、口調は軍人口調、仲間はみんな呼び捨て。行動が残念なだけ 現実→超のつくシスコン、引っ込み思案で無口、妹に頭が上がらない、行動どころか何もかもが色々残念、可愛い -- 名無しさん (2013-10-12 20 18 35) 残姉ちゃんはゼロとIFでキャラが立ちまくった。 -- 名無しさん (2013-10-12 22 00 42) これを読んで黒幕は心底のゲスだと思ったな。生まれつきだのなんだのはなんの免罪符にもならない -- (2013-10-31 22 13 02) この項目、さりげなく1と2の最重要ネタバレ事項について全部触れてはいるんだよな。核心には触れていないけど、うまいと思う -- 名無しさん (2013-12-04 19 27 40) ↑まあ、ゼロ自体がそういう作品だしな -- 名無しさん (2013-12-04 19 35 24) アニメがおもしろいから、と手を出してネタバレするパターンだろな -- 名無しさん (2014-01-22 01 15 52) reloadで1やり終わったんだけど2やる前に読んでもいいのこれ? -- 名無しさん (2014-02-27 19 44 02) 発売は1→ゼロ→2だから問題ないと思う。2の要素はまだ伏線の程度だし -- 名無しさん (2014-02-27 19 48 28) ↑↑うん。 と言うか、2が面白くなるかも。実際1→ゼロ→2ときたがゼロの伏線も回収されたからよかったよ。 -- 名無しさん (2014-02-27 19 51 27) 最近読んでふと思った。なんか女子の足太くね? -- 名無しさん (2014-07-14 12 30 17) ↑イラストレーターが太ももフェチなのさ、きっと。ムチムチお尻の女の子が大好きなのさ。 -- ゾォーム (2014-07-24 17 55 36) ↑2むしろ今のアニメや現実の女の子の足があり得ないくらい細すぎなんだよおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! -- 名無しさん (2014-07-24 18 01 00) 救いはないんですか!? -- 名無しさん (2014-09-10 18 59 25) ↑4ムチムチの良さがわからないとはなさけない。↑だからこそ2のラストで黒幕相手に圧倒するのが爽快なんだよ -- 名無しさん (2014-09-10 19 22 13) 女子の太ももは素晴らしいがダンガンロンパって絵の割に男子の胸囲の設定が貧弱過ぎるんだよな。 -- 名無しさん (2015-01-20 16 33 44) ↑男子は皆、細マッチョ?ということなのだろうか・・・・・。 -- 優 (2015-05-07 13 30 55) ↑4無いよ。タグ一覧でも、「どうあがいても絶望」「希望ゼロ」「最初からバッドエンド確定」って書いてあるだろ。嘘だと思うなら、買って読んでみな。 -- 上巻 (2015-05-07 13 34 14) 希望ヶ峰学園の予備学科って、偏差値どのくらいだったんだろ。全国の高校平均では、高い方なのだろうか? -- 嘉麻 (2015-05-08 13 24 45) 日向が英語読めないんだよなあ -- 名無しさん (2015-08-19 10 28 07) 金で入る学校だからまともな学校には行けないような奴らが行くんだろ。日向みたいに超高校級に憧れて行く奴も特別偏差値高いわけでもないだろうし -- 名無しさん (2015-12-23 20 25 34) ダンロン特有の思わせぶりな設定だと思ってたカムクラがまさか2でガッツリ絡むとは思わなかった -- 名無しさん (2016-07-20 03 27 02) 「斑井さん」がアニメ化したらいろんな意味でやばいな -- 名無しさん (2016-08-05 14 04 48) 初めて読んだ時、カムクライズルって一種のコードネームでカム・クライズルなのかと思ってたけど、カムクラ・イズルだったんだな -- 名無しさん (2016-08-05 22 46 50) 人間らしさの欠片もない天才の何が素晴らしいんだろうかな -- (2016-08-05 23 29 48) 斑井と村雨って76期生なんだろうか -- 名無しさん (2016-08-08 22 27 35) 神代はアニメ絶望編にも少しだけ出てた -- 名無しさん (2016-08-16 22 16 07) 絶望編、松田も出たし、村雨らしき人も出たけど、斑井軍団は出ないのかな -- 名無しさん (2016-09-12 21 35 01) 相談所に報告のあった違反コメントを削除しました。 -- 名無しさん (2023-03-02 08 36 56) 名前 コメント
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『ダンガンロンパ CHAPTER-1 Another』 信じられない映像が記録されたDVDをモノクマから渡された日の夜、舞園さんが僕の部屋を訪ねてきて一晩だけ部屋を交換して欲しいと言ってきた。 最初は妙に思ったものの、不審者に対する恐怖で顔が青ざめ、体を震わせる舞園さんを見た僕は彼女の頼みを受け入れることにした。 彼女の頼みで一晩だけとはいえ、舞園さんの使っていたベッドで寝るのは何だかラッキーなような気まずいような複雑な気分だった。 「う~ん、目が覚めちゃったな…。舞園さん、大丈夫かなぁ?」 一度は眠りについた僕だったが、舞園さんのことが気になって目が覚めてしまった。 時間は分からないけど、恐らく午前0時は回っているだろう。 「どうしよう。一度様子を見に行った方がいいかな?でも、舞園さんに余計な不安を与えたくないしなぁ…。………やっぱり見に行こう!」 少し考えた後、僕は一度舞園さんの様子を見に行くことにした。 舞園さんに余計な不安を与えてしまうかもしれないが、何事も無ければ謝ればいいだけの事だ。 だが、先程から妙な胸騒ぎがしてならなかった。何か良くない事が起きる前触れのような…。 僕はベッドから起き上がり、ドアを開けて廊下に誰も居ないことを確認し、舞園さんの部屋のすぐ隣にある僕の部屋の呼び鈴を鳴らした。 「舞園さん、もう寝てるよね…。と言うか、起きてても絶対開けないって言ってたっけ。」 呼び鈴を鳴らした後、僕は何気なくドアノブに手を掛けてみると、ドアに鍵が掛かっていないことに気が付いた。 あれほど不審者に怯えていた舞園さんが鍵を掛けていないのはおかしいと思った僕は、ゆっくりドアを開けて部屋の中へと足を踏み入れた。 「舞園さん。ドアの鍵、掛かってないようだけど…。」 「うああああああっ!!!!!」 突然、奇声と共にシャワールームの陰から何かが飛び出してきた。それは、右手に包丁を持った舞園さんだった。 「うわあああああっ!!!」 僕は咄嗟に舞園さんが突き出した包丁を躱したが、その拍子にバランスを崩して床に尻餅をついてしまった。 それに気づいた舞園さんはすぐさま僕に覆い被さって左手で僕の右腕を押さえ、右手に持った包丁を逆手に構え直し、その切っ先を僕に向ける。 その時の舞園さんの表情は、普段からは想像も出来ないほど鬼気迫るものだった。 僕は押さえられていない左腕で咄嗟に身を守ろうとしたが、包丁が僕の体を貫くことは無く、舞園さんは包丁を振り上げたまま固まっていた。 「なえぎ、くん…?」 両目を大きく開いてそう呟いた後、舞園さんは跳ねるようにして僕の上から飛び退いた。 僕はすぐに立ち上がり、壁にもたれ掛っている舞園さんの方を向く。 舞園さんは右手に包丁を持ったまま、滝のような汗を浮かべた真っ青な顔で震えていた。 「舞園さん…。どうして…どうしてだよ!?」 僕が声を荒げると、舞園さんはビクッと体を震わせ、その拍子に包丁を手から落としてしまい、包丁が金属音を立てて床に転がった。 「だって…だって、こうしないと…こうしなきゃ…外、出られないか、ら…。」 舞園さんは震える声で言葉を絞り出し、両手で頭を押さえながらその場にへたり込んでしまった。 今、こうしなきゃ外に出られないって言ったな…。まさか、舞園さんはここで誰かを殺すつもりだったの!? じゃあ、あの不審者の話も嘘で、部屋の交換を申し出たのは、僕の部屋を犯行現場にすることで僕に罪を着せる為だったってこと!? 舞園さんが僕を騙して、利用して、陥れようとした…。全ては自分が【犯人(クロ)】になって、この学園から【卒業】するために…。 信じたくない事実が瞬く間に僕の頭の中に溢れ、精神を侵食していく。そんな悪い考えを振り払うように僕は頭をぶんぶんと左右に振る。 「舞園さん、立てる?」 僕は床にへたり込んでいる舞園さんに歩み寄って手を差しのべるが、舞園さんは僕の手を取ろうとしない。 「舞園さん?」 「…さい。」 「え?」 「ごめん…なさい…。ごめんなさい…。」 舞園さんは一向に僕の手を取ろうとしないばかりか、聞こえるかどうか微妙なほど小声で謝り始め、同時に両目からポロポロと涙が零れ落ちていく。 「…舞園さん。謝るよりも先に、理由を聞かせてくれないかな?何で、誰かを殺そうだなんて考えたのか…。」 「………。」 舞園さんは顔を下に向けたまま答えようとしない。 正直に言って、こんな状態の舞園さんから真意を聞き出そうなんていうのは酷だろう。 しかし、だからってこのまま放っておくわけにはいかない。それでは何も解決しないから。 「舞園さん。本当に君が僕に対して罪悪感を抱いているのなら、話してくれないかな?」 「それは…。」 「大丈夫。僕は絶対に君を殺したりなんかしないから…。僕を…僕を信じて。」 「………はい。分かりました…。」 ようやく舞園さんが僕の手を取り、僕は彼女を立ち上がらせてベッドに腰掛けさせる。 僕は床に落ちている包丁を拾ってテーブルの上に置いた後、椅子をベッドの隣に置いて彼女と向かい合う形で腰掛ける。 それから、舞園さんは消え入りそうな声で全部話してくれた。 モノクマから渡されたDVDの内容も、今夜決行するはずだった殺人計画も、僕に罪を被せるために部屋の交換を申し出たのだということも…。 話を聞いた僕は、頭の中がグチャグチャになった。舞園さんが僕を騙し、人を殺そうとしただなんて嘘であって欲しかった。夢なら今すぐ覚めて欲しかった。 しかし、僕のそんな淡く儚い願望は容易く砕かれてしまった。僕が今日この部屋で体験したことは全て現実だった…。 僕が右手で顔を押さえて苦悶の表情を浮かべていると、舞園さんが口を開いた。 「苗木君の考えていることは分かります…。 例えどんな理由があっても、殺人なんてしちゃいけないって…。でも、私にはこうするしかなかったんです! 出口は無い!助けも来ない!いつ自分が殺されるのかも分からない!そんな状況でいつまでもここに居続けるなんてこと出来ません! 私には…私にはこんな所でグズグズしている暇は無いんです!早く…早く皆の無事を確かめないと!」 「まだここから出られないと決まったわけじゃない!まだ調べてない場所だって沢山あるし、皆と協力し合えば、きっと何とかなる筈だよ! それに、あのDVDだってモノクマの捏造かもしれないじゃないか!」 「そんな保証なんてどこにも無いじゃないですか!ここから確実に出るには誰かを…誰かを殺すしかないじゃないですか!」 舞園さんの言う通り、例え学園内の全てを調べたとしても出口や外との連絡手段が見つかる保証は無いし、DVDの映像が捏造されたものだという証拠も無い。 それに、この先舞園さん以外の誰かが殺人に及ぶ可能性や自分が狙われる可能性だって大いにある。 そんな異常な状況下での生活なんて一刻も早く抜け出したいと思うのが普通だ。 強靭な精神力の持ち主や外へ出ることを諦めた人でもなければ、次第に心理的に追い詰められ、いつ凶行に走ってもおかしくない。 「苗木君には分かりませんよ…。私が夢を叶えるために、どれだけ苦労してきたのかなんて…。努力して、苦労して、やっと掴んだ夢が、消えていく感覚なんて…。」 そう言われると、僕には返す言葉が無い。 確かに僕は夢らしい夢なんて抱いた事がないし、舞園さんが夢を実現するためにしてき事や、芸能界の実態なんて知らない。 以前、舞園さんは「夢を叶える為に嫌な事でも何でもしてきた」と言っていたけど、その「嫌な事」が何なのか僕には想像もつかない。 ただ、舞園さんは自分が苦労して掴んだ夢の結晶が壊れてしまうのが耐えられなくて、一刻も早く外へ出るために殺人を企てたのだという事は痛いほど伝わってきた。 けれど、だからと言って殺人が許されるわけじゃない。どんな理由があろうと、殺人を正当化しちゃいけないんだ!絶対に! 「舞園さん、これだけは正直に答えて。前に僕に話してくれた、舞園さんがアイドルを目指すようになった切掛け…。あれも、僕を抱き込むための作り話だったの?」 「そ、それは…。」 「もし嘘だったのなら、正直にそう言って欲しいんだ。それなら、騙された僕が極度のお人好しだったってことで済むから…。」 「………。」 僕は膝の上で拳を強く握り、舞園さんを睨みつけるように力を込めた視線を送る。 舞園さんは顔を逸らして僕の方を見ないようにしているが、僕は舞園さんから視線を動かさない。 舞園さんを本当に理解するためにも、僕は舞園さんと彼女が起こしたことから目を逸らしちゃいけないんだ。 しばらくそのままの状態が続いた後、舞園さんがようやく僕の方を向いた。 「あれは…あの話は…嘘じゃありません。 苗木君に話した通り、私がアイドルを目指す切掛けになったのは、子供の頃にアイドルに憧れたことなんです。 お父さんが仕事で居ない間、一人でお留守番をしていた私の寂しさを忘れさせてくれた、あのアイドルのようになりたくて…。 それで、ずっと必死で頑張って…やっと、やっと…。」 俯きながら服の裾をギュッと握り、舞園さんは言葉を紡ぐ。 舞園さんの両目に再び涙が溜まり、やがて頬を伝って落ちていく。 この言葉が本当なのか嘘なのかは分からない。けど、舞園さんは自分の夢に関しては嘘を吐かない筈だ。 だから、今の舞園さんの言葉は真実だと僕は思った。いや、思うことにした。 「なら、分かる筈だよね?舞園さんがしようとした事は、君の夢を最も穢す行為だって事くらい…。」 「…はい。」 「人を笑顔にするアイドルが誰かの笑顔を永遠に奪うなんてこと、絶対にしちゃダメだよ…。僕は舞園さんに…そんなことして欲しくない!」 舞園さんは辛そうな表情で僕の言葉を聞いている。 僕だって、こんな言葉を舞園さんに浴びせるのは辛い。だけど、僕は言わなくちゃいけない。舞園さんのために。 「………。そう、ですよね…。死んじゃったら笑うことも、悲しむことも、怒ることも、何も出来なくなっちゃうんですよね…。私…本当に、何てことを…。」 両手で顔を覆い、舞園さんは泣き崩れる。 僕は最初黙ってその様子を見ていたが、すぐに立ち上がって舞園さんに歩み寄り、彼女の肩に手を置く。 「舞園さん。もう少しだけ…もう少しだけ、頑張ってみようよ。保証は出来ないけど、皆と力を合わせれば、きっと何とかなる筈だから…。」 「…はい。私、もう少しここで頑張ってみます。苗木君と…皆と一緒に…。」 顔を上げて涙を拭い、舞園さんは僕の提案を受け入れてくれた。 その顔は涙と疲労のせいでお世辞にも綺麗とは言えなかったが、それでもさっきまでよりは遥かに良い表情になっていた。 「分かってくれてありがとう、舞園さん。」 「いえ、お礼を言うのは私の方です。私なんかのために…。あんな目に遭わせてしまったのに…。」 「だって、約束したじゃないか。何があっても、僕は舞園さんの味方でいる…って。だから、僕はこれからも舞園さんも味方だよ。」 「苗木君…ありがとう。本当に…ごめんなさい。」 舞園さんは腰掛けていたベッドから立ち上がり、僕に向かって深々と頭を下げる。 「それだけで十分だよ。もう人を殺そうなんて考えないって、約束してくれるね?」 「はい、勿論です。誰かを殺しても、裏切っても、私は自分の夢や大切な人達に顔向けできなくなってしまいますから。 それに、例え自分の大切な物の為にそんな事をしても、誰一人喜んでくれないって、痛いほど分かりましたから…。」 「舞園さん…。」 僕が安堵したような表情で舞園さんを見つめていると、舞園さんも黙って僕を見つめ返してきた。 目が合った瞬間、僕の心臓は今までにないくらい鼓動が早くなり、顔が熱くなる。舞園さんも頬がほんのり赤く染まっているように見える。 そのまま僕達は黙って見つめ合い、しばしの沈黙が訪れる。 ピンポーン! 部屋の呼び鈴が鳴り、沈黙は終わりを告げる。どうやら舞園さんが呼び出した人物が来てしまったようだ。 「どどど、どうしよう舞園さん!?」 呼び鈴の音を聞いた僕は我に返ると同時にパニックになる。 僕がここに居る理由はどうとでも説明出来るが、包丁はそうはいかない。絶対に見つけられてはいけないものだ。 「苗木君!包丁を持ってシャワールームに隠れて下さい!後は私が何とかします!」 「わ、分かった!」 舞園さんの素早い指示で、僕は急いでテーブルの上の包丁を掴んでシャワールームへ向かう。 建付けが悪いせいでドアを開けるのに少々手間取ったが、何とか部屋の入口が開く前にシャワールームへ隠れることに成功した。 先程とは違う意味で鼓動が早くなり、顔から汗が噴き出す。やがて、ドアの向こう側から話し声が聞こえてきた。 (いや~待たせちゃってゴメン!身嗜み整えてたら思ったより時間掛かっちゃってさ!それで、こんな夜中に俺と2人きりで話したいことって何?) あの軽い喋り方は間違いなく桑田君だ。まさか本当に来るなんて…。 そういえば桑田君、野球選手よりもロック歌手になりたいとか言ってたっけなぁ。 音楽という共通の話題があるから舞園さんも桑田君を標的にしたんだろうけど、桑田君の方は下心が見え隠れするのは気のせいだろうか? (はい。桑田君、芸能界に興味がおありのようだったので、お話を伺いたいなと…。) (はぁ?話ってそんな事?んだよ、期待して損したぜ…。でも、他ならぬ舞園ちゃんの頼みだし、せっかくだから俺の人生プランを聞いてもらっちゃおうかな~?) そう言って桑田君は自分が歌手になったらどうしたいとか、どんな歌を唄いたいとか、そんなことを上機嫌で話し始めた。 時々、舞園さんを口説いてるようにも取れる発言があったような気がしたけど、舞園さんはのらりくらりと受け流していた。 それから1,2時間ほどして舞園さんと桑田君の話が終わり、舞園さんがシャワールームのドアをノックして僕に合図を送ってきた。 その後、廊下に誰も居ない事を舞園さんが確認し、僕達は入れ替わったネームプレートと部屋の合鍵を交換し直して、それぞれ元の部屋へ戻ることにした。 「苗木君、今夜はその…ご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ありませんでした。」 そう言って舞園さんは、もう一度僕に向かって頭を下げる。 「もう謝らなくていいよ、舞園さん。君が誰も殺さずに済んだ。それだけで十分だから。お休み、舞園さん。」 「苗木君…。ええ、お休みなさい。」 舞園さんが部屋に入った後、僕も自分の部屋に入ってベッドに横になる。心身共に疲れきっていたけど、この学園に来てから初めて心地良く眠れた気がする。 翌朝、朝食会が終わった後、僕は後片付けを買って出た。 その理由は勿論、舞園さんから預かった包丁を元に戻すため、誰にも怪しまれることなく一人で厨房へ入る口実を得るためだ。 石丸君が手伝いを申し出てくれたのだが、包丁を取り出すところを目撃されるわけにはいかないので、僕は丁重にお断りした。 そうやって厨房へ一人で入った僕は、上着の内側に隠してあった包丁を取り出し、元あった場所へと戻す。 「これでよし…と。ふぅ…。」 包丁を戻し終え、僕は大きく息を吐く。思えば今朝の朝食会はこれのせいで冷や冷やしっ放しだったからなぁ…。 目的を果たし終えた僕が食器を洗おうとした時、背後に人の気配を感じたので後ろを振り向くと、入口の方に舞園さんが立っていた。 「あ、舞園さん。どうしたの?」 「えっと…何かお手伝いしようと思いまして。」 「ありがとう。でも、僕一人で大丈夫だよ。」 「いえ!お手伝いさせてください!」 そう言って舞園さんは胸の前で両手をグッと握り、熱のこもった視線を僕に送る。 ひょっとして罪滅ぼしがしたいのかな? 「そうですね。罪滅ぼし…かもしれません。」 「え?僕、口に出しちゃってたかな?」 「………。」 いつもならここでお決まりの「エスパーですから」が出る筈なのだが、舞園さんは無言で首を横に振っただけだった。 「苗木君が私のことを責めていないのは分かっています。 でも、私が私自身を許せないんです。ですから、この先苗木君のお手伝いをして、少しでも苗木君の力になろうと決めたんです。自分を許せる時が来るまで…。 勿論、桑田君には機会を見て謝罪するつもりです。実行しなかったとはいえ、無関係な彼に殺意を向けてしまったのは事実ですし…。」 「分かったよ、舞園さん。それじゃあ、後片付けを手伝ってもらおうかな?」 「は…はい!」 舞園さんの顔がパアッと明るくなり、嬉しそうに僕の方へ駆け寄ってくる。 やっと…。やっと舞園さんに笑顔が戻ってきた。僕に元気と勇気をくれる、あの笑顔が…。 それから僕達は2人で朝食会の後片付けをし、それを終えた僕達は一緒に体育館ホールへ足を運んだ。 「思えば、あの時ここで苗木君にお話ししたんですよね。私の夢のこと…。」 「そうだったね。」 「例え外に出られたとしても、私はアイドルに戻れるでしょうか?自分を信じてくれた人を裏切って、無関係な人に殺意を向けてしまった私が…。 それに、昨夜のことは黒幕も監視カメラで見ている筈ですから、皆にバラされてしまうかもしれません。そうなった場合、私はどうしたら…。」 この先のことを考え、舞園さんは不安そうな表情になる。 声を大にして「大丈夫だよ」と言ってあげたかったが、軽はずみな発言は却って彼女を傷つけるだけだ。 あの性質の悪いモノクマのことだ。昨夜の一件を利用して殺人が起こるよう仕向けてくるのは時間の問題だろう。 でも、それでも僕は舞園さんの味方で居ると決めた。でないと、舞園さんは本当に孤独になっちゃうから。 「それは…舞園さん次第だと思う。でも、安心して。この先何があっても、僕は舞園さんの味方だから。それに、もしアイドルじゃなくなっても、舞園さんは舞園さんだよ。」 「ありがとうございます、苗木君。でも、アイドルの仕事は私の全てでした。もしそれが無くなったら、私には何も残りません。そう思うと…。」 「う~ん…。その時は…その時は僕と一緒に探そうよ!新しい夢を!」 ………。ちょっと待て。僕一体何言ってんの?うわ!メチャクチャ恥ずかしい!穴があったら入りたい! 舞園さんもキョトンとしちゃってるよ…。 「探す…。ふふ…そうですよね。今の夢が無くなっても、また新しい目標を立てればいいんですよね。どうしてそんな簡単なことに気付かなかったんでしょう!」 そう言って舞園さんはクスクスと笑い、少し笑った後で真面目な顔になる。 「私、苗木君の心の強さが羨ましいです。私は状況に負けて、良くない事ばかり考えて、どんどん自分を追い込んでしまっていました。」 「そんなことないよ。僕は舞園さんや他の皆と違って特別な才能なんてないし、取り柄といっても他の人よりもほんの少し前向きなだけだよ。」 「今と言う時では、その前向きさが一番大事ですよ。どうか、その前向きさを失くさないで下さいね。」 「うん。舞園さん、絶対に黒幕に勝とう!そして15人全員で、この学園から出よう!」 「はい!苗木君、今はまだ言えませんが、もし生きてここから出られたら…伝えたいことがあるんです。」 「伝えたいこと?一体何かな?」 「それはその時になってからのお楽しみです。うふふ…。」 舞園さんは悪戯っぽく微笑み、答えをはぐらかした。 彼女の「僕に伝えたいこと」が何なのか気になるが、今はここから出ることの方が先だ。だから、僕はその時が来るまで心の奥にしまっておくことにした。 絶対に生きてここから出てみせる!舞園さんと、皆と一緒に!僕は改めて心にそう誓う。 だが次の瞬間、そんな僕らを嘲笑うかのようなモノクマの校内放送が流れた。 『死体が発見されました!生徒は至急、体育館にお集まり下さい!繰り返します…。』 「苗木君、今の放送…。」 「死体って…。まさか、誰かが殺されたってこと!?そんな…どうして!?」 この閉ざされた学園から全員で脱出するという僕らの青写真は呆気なく消え失せてしまった。 そして、殺された人物を除いた僕達14人は、モノクマから【学級裁判】についての説明を受けることになる…。 『ダンガンロンパ CHAPTER-1 Another』 END
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ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 メーカー スパイク 発売日 2010年11月25日 対応機種 PSP メーカーより 『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』は殺人事件の真相を暴くため、議論の場である学級裁判でアクションを駆使して相手を論破する、新感覚のゲームです。 本作でスパイクは、推理アドベンチャーとアクションを掛けあわせた新ジャンル「ハイスピード推理アクション」を開拓します。 ハイスピードで展開する学級裁判の議論中、飛び交う生徒たちの主張から矛盾点を見出し、捜査で集めてきた証言や証拠を弾丸に見立て撃ち込み、論破する。推理アドベンチャーとアクションが融合した、全く新しいエキサイティングなゲーム体験を提供します た行 プレイステーションポータプル PR ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 ビジュアルファンブック (ゲーマガBOOKS) ダンガンロンパ オリジナルサウンドトラック
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ダンガンロンパシリーズ このページはネタバレを含んでおります ○メッセ メッセ
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関係を迫らないと、「苗木君は鈍感です」と言われた。 関係を迫ると、「私の方から言いたかったのに…」と言われた。 たびたび部屋を訪れると、「もう、何度も来すぎです…///」と言われた。 あまり部屋を訪れないと、「もう来てくれないんですか…?」と言われた。 流行りのカッコいい服を着ると、「カッコよくて、素敵です」と言われた。 流行りのカッコいい服を着ないと、「いつも通りの方が、落ち着きます」と言われた。 話を聞きながら発言すると、「相槌打ってくれるから、話しやすいんです」と言われた。 話を黙って聞いていると、「黙って聞いてくれるんですね」と言われた。 それは。 失われたはずの記憶、なんだろうか。 ――――― 「お、お墓を作る、ですって…?」 「…ふん、いいんじゃないか」 「遺影は…あの写真で、いいべ。みんな笑ってんだし」 この学園を後にする前に、と提案した僕に、みんなは賛同してくれた。 「…いいでしょ、霧切さん」 「…反対はしないわ。やり残したことがないように、という点には共感するから」 墓と言っても、立派なものじゃない。 例の、遺体が保管されている生物室。 そこに、植物園で摘んだ花と、遺影を飾るだけだ。 いずれこの学園も、終わる。 電力供給が無くなれば、少しずつ、彼らの体は時間に溶けて腐っていく。 建物が倒壊すれば、こんな寂しいちっぽけな墓なんて、跡形もなく崩れ去ってしまうだろう。 それでも。 「僕達は、クラスメイトだったんだ。記憶が無くたって、それは変わらない」 お別れを済ませなければ、後ろ髪を引かれてしまう。 前に進めなくなってしまう。 「ちゃんと、弔ってあげたいんだ」 そんな僕の言葉を、思う所あってか、みんな聞き入ってくれた。 ――――― 待ち合わせに遅れる度に、「大丈夫です、私も今来たところだし」と言われた。 けれども自分が遅れると、「私から誘ったのに、ごめんなさい…」と言われた。 やきもちを焼くと、「ふふっ…苗木君、かわいいです」と言われた。 やきもちを焼かないと、「ちょっとくらい、妬いてくれたって…」と言われた。 そうだねと賛成すると、「やっぱり、苗木君もそう思いますよね?」と言われた。 それは違うよと反対すると、「苗木君がそう言うなら…」と言われた。 愛しているよと言うと、「私の方が愛してます」と言われた。 大好きだよと言うと、「私だって…大好きです」と言われた。 その幻は果たして、真実だったのか。 学園を出ると決めた数日前に、うなされるようにして見た、酷く現実味のある夢。 夢の中の僕達はとても楽しそうなのに、それを見ている間の僕は、酷く苦しかった。 まるでいつか、記憶を思い出しかけた、あの夜のように。 ――――― その翌日。 一つの決心とともに、僕達はそれを行動に移した。 パソコンで引き延ばした一人一人の顔写真を、遺体の保存されているその扉に貼り付けていく。 いつものお調子者がウソみたいに、葉隠君は辛そうな顔をしていた。 大神さんの遺影を貼る時、朝日奈さんの肩は震えていた。 霧切さんは顔色を変えなかったけれど、お父さんの遺骨を大事そうに抱えていた。 そして、僕も。 「…苗木君」 後ろから、声をかけられる。 「…辛いなら、私がやるわよ」 そっけない台詞と裏腹に、彼女の声は慈愛に満ちていた。 けれど、これだけは。 「…ううん、大丈夫。ありがと、霧切さん」 他の人には譲れない。 僕達は、たぶん恋人だった。 記憶が無くなっても、それは変わらない。 だって、体が、心が、覚えている。 そうじゃないと、これほどまで悲しいのはおかしい。 そうじゃないと、勝手に涙が出てくるのはおかしいんだから。 「苗木っち…」 「…みんな、行くわよ」 「で、でも、霧切ちゃん…」 「…一人に、させてあげて。こんな時くらいは、せめて」 霧切さんがみんなを部屋から出して、辛そうな顔で僕に歩み寄る。 「お別れを、言ってあげなさい。特別に大切な人だったんでしょう」 「…ありがと、霧切さん」 「…別に。あなたがしてくれたことを、返すだけよ」 ロビーで待っている、三十分経っても来なければ呼びに来る。 そう告げて、自身も部屋から出て行った。 その後ろ姿に、心の中でお礼を言って、 僕は舞園さんがいるであろう、一つのその安置箱の扉に、肩を持たせかけた。 目を、つぶれば。 僕の知らない、舞園さんとの記憶がよみがえる。 同じ高校に入学して、同じクラスになって。 勉強会と称して集まったり、二人で買い物に出かけたり。 大事な時期にマネージャーさんが急病で、代役を買って出た、なんて一大イベントだってあった気がする。 風邪を引いたら看病してくれたし、その逆もあった…んだと思う。 好きだ、と告げたのはどっちからだっけ。 最初のキスは…上手くいかなかったような。 おぼろげで不鮮明な記憶ばかりだけど。 まだ、ちゃんと思い出せていないけれど。 その直感に良く似た記憶は、 『エスパーですから』 きっと本物なんだろうな、と、僕は信じた。 「…このまま、ここに残っちゃおうかな」 舞園さんのいるその扉に、頭をつけてひとりごちる。 「そうすれば、ずっと一緒だよね」 「ダメですよ、苗木君」 「どうして?」 「苗木君は、私の分も生きてください」 「…無理だよ。誰かの分も生きるなんて、現実には出来っこない」 「…そんなこと言うの、苗木君らしくないですよ」 「一緒に生きるのが無理なら。一緒に…」 「無理じゃないですよ」 「一緒に、」 「――苗木君なら、出来ます。だって、私が好きになった人なんですから」 ぼたぼたぼた、と、水音が地面を叩く。 涙を拭うことはしなかった。 その行為すら、余計なものに思えた。 「…ふっ、ひぐっ……!」 肺の奥が痙攣するように震えて、 僕は、 「うっ…うぁ、あぁああ」 子供みたいに、みっともなく泣きだした。 僕は泣いているのに、 記憶の中の君は笑っている。 「…行かなきゃ」 泣きやんで時計を見れば、三十分なんてとっくに過ぎていた。 誰も呼びに来なかったのは、単にめんどくさかったから…なんてことは、ないだろう。 押しつけていた頭を離して、僕は立ち上がる。 「――もう行くね、舞園さん」 「――行ってください、苗木君」 振り返らないで、悔やまないで。 怖がらないで、どうか元気で。 たしか、きっと、彼女の好きだった唄。 それを口ずさみ、僕はゆっくりと歩き出す。 僕は歌う、歩きながら。 いつまで君に、届くかなぁ。 涙と引き換えに。 記憶と引き換えに。 「「――ありがとう」」 「…、苗木君」 「もういいのか?」 みんなは、ホールに集まっていた。 各々が、最小限の荷物だけ持っている。 「大丈夫、苗木君…?」 「…大丈夫、じゃないけど。でも」 一緒に生きていくことが出来ないなら。 一緒に死ぬことも出来ないなら。 僕は前だけ見て、思い出をまるごと引きずっていく。 それが彼女の言う、『誰かの分も生きる』ということになるんだろう。 「もう、振り向かないって…決めたから」 「…そう」 人よりちょっとだけ前向きな、それだけが取り柄の僕を。 そんな僕を好きと言ってくれたのも、紛れもない彼女の声だったから。 「――さあ、行こう」
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人類史上最大の絶望事件を生き延び、未来機関の支部で苗木たちと新世界プログラム開発をウサギのぬいぐるみ片手に手伝う超高校級のゲーマー七海千秋と、元希望ヶ峰学園教師にして研究者の羽佐美。 七海はかつての同じ学園の生徒たちを救いたいという思いから誘導役としてプログラム被験者に立候補、 羽佐美先生は学園の生徒を実験台、金蔓にしたやり方がこの事件を引き起こし、それに加担した上、生徒を誰も守れなかったという罪悪感から償いのため働いていた。 しかし保護したカムクラがプログラムに何かしているのを目撃、阻止しようとした2人はカムクラに致命傷を負わされてしまう。 カムクラの殺処分を促す十神と霧切、迷う苗木だったが、2人は死に際にカムクラを予定通りプログラムで救ってくれるよう頼み、苗木は2人の遺志を尊重する。 そして七海の人格をコピーしたアルター七海、羽佐美の人格に姿を七海のぬいぐるみに変えたウサミがプログラムに参加した。 七海は気づいていなかったが、かつて超高校級のゲーマーとして名をはせたものの、ゲーマー達からは圧倒的強さ故に敬遠され、時にはたかがゲームと妬まれ馬鹿にされ、 孤独だった七海にゲームセンターで偶然話しかけ一緒に遊び、他人と過ごす楽しさを思い出させ、その才能を誇るよう半ば自虐的に言ってくれたのが、予備学科に入りカムクラになる前の日向だった。 七海がいつも大事そうに持っていたウサギのぬいぐるみはその時日向が所持金全額をつぎ込んでクレーンゲームで取りプレゼントしてくれたものだったのだ。
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スーパーダンガンロンパ2 作品情報 公式HP http //www.danganronpa.com/2/ 2枚 日向創 狛枝凪斗
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検索エンジン用 田中眼蛇夢の暗黒四天王(ダンガンロンパ2) 日向創の衣装(ダンガンロンパ2) 日向創の髪型(ダンガンロンパ2) 終里赤音の衣装(ダンガンロンパ2) 小泉真昼の衣装(ダンガンロンパ2) 辺古山ペコの衣装(ダンガンロンパ2) 左右田和一の衣装(ダンガンロンパ2)