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キタイロン(2) ギリシャ神話に登場する人物。 プラタイアイの王。 別名: キタイローン(2)
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野球中継の解説者がゴルフの「タイガー・ウッズ」と間違えられて言ってしまったり、HRを打ったときに「ナイスショット!」と掛け声をかけられたりした。 横浜時代はスタジアムということもあり場外HRが多く、応援歌のコールにウッズ限定で「場外ホームラン」が入れられるなど、ここ最近のセ・リーグの助っ人外国人としてはトップクラスのパワーを誇った。 毎年30HR前後と安定した長打力をみせ、ゴルフのタイガー・ウッズのような飛ばし屋だった。 通算成績 打率.289 HR240 打点616 盗塁11
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タイチロン 分類 クレシェンド用語(人名) 説明 太一郎。T。 語源の由来 太一郎選手のイニシャルが「T」であることから、中日、タイロン・ウッズ選手の名にかけたもの。チャンスでの強さ、パワー、威圧感のあるタイロンのようになってほしいという願いを込めてこう呼びたい。 関連用語 T 名前 コメント
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タイガー・ヤン タイソン・バックフォード タイソン大屋 タイト・アイズ タイパオ タイミー・ハンナム タイモン・ドッグ タイラ・バンクス タイラー タイラー・ウォレン タイラー・ガルシア・ポジー タイラー・ジェームズ・ウィリアムズ タイラー・パトリックジョーンズ タイラー・ホークリン タイラー・ボアソノール タイラー・メイン タイラー・ラビーン タイリース・ギブソン タイリーン・バック タイロン・ジョルダーノ タイロン・パワー タイン・デリー タイ・ウッド タイ・オールソン タイ・シンプキンス タイ・ジョーンズ タイ・バーレル タイ・パニッツ タイ・ポー タイ・ルニャン タイーナ・トッツィ ページ先頭へ
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アペイロン普及のためにできることや、ボードやカード自体のデザインなど アペイロンを開発してゆくためのアイディアはこちら。 □マグネットペイントでボード作り 能力値グループ毎に特徴があるので作りたいユニットがどのタイプになるか考える要素に H4P1M2 遠距離系曲者 H4P1M3 強力・悪質サポート H5P2M1 固有アビリティによるパネル、マス干渉 H5P2M2 基準の能力。サブエース H5P3M2 対接近戦ユニット H6P1M2 壁ユニット H6P2M2 方向パ H5P4M3 地形エース、能力アップ系エース H5P1M2 サポーター □スターターセット再考 25案(IN→モスキット ミッキー お荷物ゾンビ レンコン タイガー ...) 20案(OUT→信号機 IN→タイガー) □紹介パンフレットの製作(ゲームシステム、ユニット紹介、遊び方、キャライラストをたくさん入れてポップに) □テストプレイ会のお願い ユニット使用率を知りたい(調整のため) □アペイロンの世界観(どんな世界で、なぜ戦うのか、キャラクター同士の関係性など)があればさらに作り込みやすいのではないか →2人の神(プレイヤー)が今後世界を創るにあたり、どちらが優れた神かを巡って対立。そこでお互いの生み出した生命を用いて戦うこととなる...。 アペイロンLINEスタンプ プレイ人数2〜? プレイ時間30分〜1時間 対象年齢 小3くらい □アペイロンプレイ動画をアップする □《デッキセット》ケースの中にデッキ、ユニットが入る。個人で内容が変わる可能性が高く、コレクション要素の強いセット。 □《プレイセット》折りたたみ式フィールド その中にカード置き場、各種パネル、障害物、設置物、ダメカン(ダイス)、マーカー等のコンポーネントが入る。大勢で一つあれば良いセット。 イベントユニット いずれは、能力同じで見た目だけ変えたイベントユニットがいてもいいかなと思った。カードやコマの好みで使い分けられると遊んでて楽しい 名前 ▲ページの先頭に戻る
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部屋には静寂がおとずれている。 けだるい空気には情事の残した匂いがのこる。 アビゲイルはタイロンの肩を枕に、タイロンはアビゲイルの髪に口元をよせて、まどろんでいる。 これ以上は体力の限界、というところまでお互いに愛し合ってしまった。 この至福の時間をもう少し楽しんでいたいのだが、仕事の後始末が出来ていない。 ため息をひとつ残して、タイロンは愛おしい女を手放して寝台から起き上がった。・・・ろうとした。 肘に巻きついた白い指がするすると腕にまとわりつき、思ってもみない力強さで寝台に引き倒おされた。 「もう、ちょっとだけ」 アビゲイルの声はかすれているが、タイロンには甘くしみいった。 鍛え上げられた胸筋の上に耳を寄せて、アビゲイルは心臓の音に耳を傾けている。 「私に盛られた薬は何?」 タイロンがやり残した仕事お思い出し起き上がろうとは思うのだが、寝台から、アビゲイルから離れられない。 「芥子じゃないし・・・」 さらさらと流れるアビゲイルの栗色の髪が、タイロンの胸筋を刺激する。 「芥子を知ってるのか?」アビゲイルが手にしているとは信じがたい。 森の国からひそかに流入する芥子は、この国の課題のひとつである。 煙草のように吸うと、美しい夢を見せ楽しい気分になる。 が、常習者は活力を失い体を壊して死にいたるのだ。 「一度、北からの密輸品を砦で焼きすてた。みんな、一日中浮ついてて大変だったよ。」 アビゲイルの指が、タイロンの鎖骨の上をさまよい始めた。 「私はだめだ。煙は目にしみるし、ひどい頭痛で、あんなものがいいとは思えなかった」 タイロンの乳首を捕らえて弄びはじめた。 「芥子の効き目は人によるからなぁ」答える声が乱れて上ずってしまった。 「で、あれは何?」 好奇心か、欲情か、きらりと光る目が美しい。 タイロンは少々ためらったが、アビゲイルに真実を告げることにした。 「自白剤」そっとアビゲイルの耳に口を寄せてささやく。 アビゲイルは動きを止めて、じっとタイロンを見る。 額に天眼を抱く魔法使い一族が治めているこの国には自白剤など必要のない代物である。 天眼者が第3の目を開いて命じれば、真実など容易く手にはいるのだから。 そのことを、彼女は知っている。 「・・・簡単に言うと、嘘がつけなくなる薬。」 昨晩の酒席を思い返せば、なるほど納得がいく。 彼女の眉間に刻まれたしわに、タイロンは口付けた。 「どこから・・・」 指を、彼女の細い首に回し、栗色の髪に絡める。 ここちよさにアビゲイルの苦い表情も緩む。 「海から入り込んでるけど、出所は西の砂漠の向こう」 にっこり笑い、うなじを撫で上げながら、続ける。 「国内では、媚薬として裏取引されてる。」 「昨晩を思い出してごらん」 まろやかな線を描く背中からやわらかい尻までをゆっくりと撫で下ろすと、アビゲイルの肌が泡立つ。 「お前はこうされるのが好きだといったぞ」 つま先まで走る快感に、アビゲイルは目を細めた。 「ぁ・・・そうだ、な」 乳房の頂が硬くなるのが判る。同時に、タイロンの男根が自己主張を始めるのも。 タイロンは両手でアビゲイルの尻をゆっくり捏ねる。 「この奥に触れてくれ、と懇願した、な?」 見る間にアビゲイルの頬に朱が注し、恥らって目をふせる。 「ぁ・・・うん」 「気が狂いそうなほどいい、と言ったろ?」 そのとおり。昨日の熱狂が次々に脳裏に浮かんで、いたたまれない気分になった。 「・・・薬の効き目はいつまで」話を逸らそうと答えと違うことを口にすると、息がつまるほど心臓がはねた。 「効き目はまだ、続いてるみたいだなぁ」 意外そうな顔をしながらも、後ろから片手を差し入れた。そこは滴り落ちそうな蜜を湛え、タイロンを待ち構えていた。 タイロンは坩堝に直接触れず、周りの薄い茂みを撫でたりひっぱたりして弄ぶ。 じらされることに耐え切れずにアビゲイルの腰がうねる。 「どうしてほしいか、言って」 いえない。一度口にしたら止め処なく、はしたない言葉が湧き出るとわかっていた。 タイロンはどうしようもなく魅力的な悪童の笑みを湛え、まっすぐアビゲイルを見ている。 小憎らしいのだが、惹かれてやまない。 恥ずかしいのだが、目をそらすことができない。 「ほら、どうされたいか言えよ」 観念して、アビゲイルは口を開く。「・・・もう、タイロンの好きにしろ」 全身をほんのりと朱にそめ、ちょっと拗ねたような口調も愛らしい。 タイロンは思わず彼女を強く抱きしめた。 後ろから、男の太やかで長い指が自分の中に入り込む。 「あぅ・・・ん」やっと与えられた刺激に思わず声が漏れた。 タイロンは確かめるようにアビゲイルの内壁を一周する。 敏感な場所はすでにタイロンの知るところである。丁寧に愛撫されると、アビゲイルの尻は切なげに震えた。 指を抜こうとすると、アビゲイルの粘膜は指を離すまいとするように蠕動し、内部へといざなう。 「指を食いちぎる気か」 ささやき声はくつくつという笑い声とともにアビゲイルの耳に注ぎ込まれ続ける。 彼女は恨めしげにタイロンをにらみつけるのだが、その目は欲情で潤んでしまっていて、かえってタイロンの加虐に火をつけた。 排泄に使用する孔へも温む坩堝から蜜をたっぷり擦り付け揉みほぐす。 「ううっ!」それは、彼女にとっても未知の刺激であった。 違和感が確実に自分を快楽へ追い詰めることに恐れをなして、アビゲイルは逃れようと身をよじる。孔も異物の進入を許すまいと窄まる。 連動して泉もこれまで以上に収縮し、アビゲイルに爆発的な快楽をもたらした。 「あ・・ぁぁあ」 「おまえ。ここも感じるのか」アビゲイルは考えるまもなく首を縦に振った。 タイロンは容赦しない。淫核へと指を伸ばして爪弾いた。「ん、ぅ」 ここにも溢れ出している愛液を潤滑に、露出した敏感な器官を撫でさする。 「昨晩はここが一番気持ちがいい、言った。」 10本の指を巧みに動かし、今度は後ろの孔への刺激を強めた。 「今はどっちが感じる?」 交互に与えられる快楽と、意地悪な質問。 羞恥と快楽とに挟まれたアビゲイルには、動悸が薬のせいなのか絶頂のせいなのか判らない。 「ぁど・・っ・・・ちもぉ・・っぅ・いぃ・ぁあ」応える声はすでに言葉をなしていないが、タイロンは満足げに目を細めた。 前後への刺激をやめないままに差し込む指を増やし、アビゲイルを高みへと追い立てる。 彼女は導かれるまま抱かれた胸に爪をたて、腰をくねらせながら訪れた絶頂を味わった。 絶頂の余韻にまどろむ女を残して寝台を降りる。 汗の引かないアビゲイルの為に窓を開けて風を呼び込んでやる。 日が昇りきる前にすでに日中の暑さが思いやられるような快晴であった。 不届き者を一人ひとり起しては、天眼で聞きたいことを聞き出し、今後のことを指示する。 アビゲイルが、寝台で半身をおこし、頬杖をついてこちらを見つめていた。 「泳がして、薬の流れを探るのか」 そっと出口からサガエラとマサトグを送り出し、後ろ出にドアを閉めた。 「うまいこと渡りをつけて、組織に入りこんでやろうと思ってさ」 にっこりと笑った顔に天眼はない。 アビゲイルのそばに腰を下ろして、手を伸ばし頬を撫でる。 「お前にしたように薬を使うとな・・・女はみんな自分が淫蕩だと思い込む」 深いため息をついた。 「攫われて、薬で娼婦に仕立て上げられて、外国へ売られていくんだ。・・・しょうがない、私は淫蕩なんだから、と思い込んで。」 アビゲイルが、タイロンの手に自分の手を重ねて、労わるように撫でた。手の甲に唇を当てる。 「おまけに見つけて連れ戻しても、色狂いは治せない。」 怪訝な顔で、アビゲイルは男を見上げた。 「心は忘れても、体が覚えてる。男出入りが絶えなくなって、結局娼館へ逆戻り」 もうひとつため息をつくと、寝台にひっくり返った。 如何ともしがたい問題に立ち向かうタイロンになんと声をかけたらいいのかわからない。 動物のように、寄り添ってじっとしていた。 ふいに、タイロンがくしゃくしゃ、とアビゲイルの髪をかき回す。 「まぁ、蓋を開けたらお前が引っかかってたのには驚かされたなぁ」 金色の目が、思い出し笑いで緩んでいる。 「仕事を一生懸命すれば、ご褒美が用意されてるってわけだ」 体を変えて、彼女を押しつぶしてしまわぬ様にアビゲイルの上に覆いかぶさる。 アビゲイルの方から、タイロンの首に手をまわし口付けを交わす。 長い長い、深いキス。 「・・・もう一度、私を抱く?」 率直な問いに、タイロンは笑い出した。「やめとく。」 アビゲイルが不服そうに唇を突き出す。その唇にをついばむようにキスを落とす。 「今お前を抱いたら、明日使い物にならなくなるぞ。演習の責任者だろ?」 いつのまにやら背中に回った両手は、中心線をゆったりと行き来しはじめた。 「・・・20日は帰ってこない・・・」 アビゲイルは、タイロンの耳を甘く噛み、舌で捏ねて誘惑の声を注ぐ。 刺激を受けて正直に反応してもたげ始めた男根を、アビゲイルの体から遠ざけようと試みる。 体を浮かせたその隙間に、回り込んだ細い指が、中心へまとわりつく。 「・・・こら、ききわけろ」 「その間に、またお前はいなくなるんだ。」 怒ったように言い捨てると、アビゲイルのしなやかな足がタイロンの腰に巻きつく。 「あ、アビゲイル?」タイロンはすっかり狼狽してアビゲイルの顔を覗き込んだ。 その瞳には、なみなみと泪。 「・・・アビゲイル」 慈しむ視線をうけ、ついに瞳は決壊して行く筋もの涙の筋が、落ちていった。 アビゲイルは、盛大に泣いた。 寂寥、慕情、喪失感、安堵と裏返しの不安・・・さまざまな思いがいっせいに押し寄せて、うまく言葉に出来ない。 わんわんと、むずがる幼子のように声を上げ、涙が止まらない。 こんなふうに泣いた記憶は過去、ない。 「・・・ぅっいつも 突然現れて消える」 きれぎれに、嵐のように渦巻く言葉を全部言葉にしてタイロンに投げつける。 「こ、ころを乱すだけ乱して、放り出す・・・」 タイロンは、いちいち頷きつつ、アビゲイルの頭をなででやっていた。 「どこにいるのか、生きているのかも分からない」 アビゲイルの額に唇をあてて、包むように抱きしめてやる。 しばらく、室内にはしゃくりあげるアビゲイルの声だけが響いていた。 アビゲイルがようやく落ち着いておとなしくなった時、すでに太陽は高みへと押し上げられている。 目じりから、下へ流れた涙の後に唇をあて、なめ取ってやる。 「・・・悪かった」バツが悪そうな顔で、アビゲイルが視線をそらす。「取り乱したりして」 タイロンはアビゲイルの頬を挟んで、自分のほうを向かせ、視線を合わせる。 「いや・・・俺も至らなかった」乱れた額の髪をつまんでよける。 「お前に何一つ約束はしてやれないけど」 そっと口付けを落とす。「何より、アビゲイルのことを大切に思ってる。どこにいても。」 吐息が、お互いの唇から溶け出した。 「・・・・・そんなこと、知ってる」目を細めて満足した表情で、目を閉じる。 一人の男からもたらされる満ち足りた幸福。 泣き疲れたのか、そのまますうすうと寝息をたて始めたアビゲイルの横でタイロンも目を閉じた。 いろんなことが、一度にありすぎる。 心地よい疲労感と手の内のぬくもりに誘われて、タイロンも眠りに引き込まれた。 暑い。 どれくらい眠っていたのか。 傍らに感じていた温みがうせたような気がして、わずかに覚醒した。 女を抱き寄せようと、手伸ばして探るが、見つからない。 あわてて起き上がる。 午後の日差しが直接入り込み、暑さがこもる部屋にたった一人取り残されていた。 なんという喪失感 泣きながら彼女が訴えたことが、改めて現実感を持って胸にせまる。 自分は、はっきりとアビゲイルに対する思いを口にした。 今度は、アビゲイルの口からはっきり、自分に対する想いを聞こう。 無論薬抜きだ。 起き上がり、すっかり温くなった水差しの水を口に含む。 ふ、と水差しの下に紙きれがおかれているのが目に入る。 走り書きで”またお会いできますように”と書いてあった。 じわり、と暖かいものが胸に湧き上がって、思わず笑みがこぼれる。 「手早く仕事を片付けて、会いにいくしかないよなぁ」 短い偶然の逢瀬が、彼らの間に確かな糸を張った。
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キタイローン キタイロンの別名。
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タイラー・ニアリー タイロン・マクレーン ページ先頭へ
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XII 腕の中のいとおしい、女。 稚い子供を寝かしつけるように、ゆっくりとリズムをとって、髪をなでる。 まだ少し震えているようだ。身に起こったことを受け入れるのは、簡単なことではないだろう。 女神の存在を民は知らない。 あの存在は、莫大な益を生む。 何百年もかけて、天眼者が自らの利益のため隠し守り通してきたのだ。 地母神も面倒をきらい、おおかた依代となった女の記憶を奪う。 女たちは儀式が終われば普通の生活に戻っていくのだ。 例外は、ある。 女神に深く愛されたものがたまさか、女神の意思で宮城に迎えられてきた。 迎えられた女は国王に供され、女神の気分によっては寝間で国策を囁く。 あるものは国王の子をなし国母として正妃に立てられ、あるものはひっそりと王宮の奥で生を終える。タイロンの母のように。 しかし今回の女神はアビゲイルを後宮に納めよとは言わず、彼女を労れ、と告げるのみであった。 タイロンには女神の真意がわからない。 想定外の事態に、タイロンの考えは定まらなかった。 アビゲイルを、前例に従い、愛されし者として後宮に納めるか。 ・・・この逞しく生きる女を、一生宮城から出られない籠の鳥に。 できるわけがない。 アビゲイルに現在まで続く女神と国主との間柄を理解してもらい、納得ずくで王家の共犯者になってもらうか・・・ 世界の秘密を垣間見た上で、これまで通り生活することは思った以上に枷になるだろう。 出自がわかった以上、この娘は儀礼の鎧に身を固め、二度と友として見せてきた笑顔を自分に向けてくれることはないに違いない。 全てなかったことにする。 手っ取り早いのはアビゲイルにすべて忘れてもらうことだ。 今夜のこの部屋での出来事を全て忘れてしまえば、気ごころの知れた友に戻れる・・・結局、自分の都合だ。なんという傲慢。 「苦しい・・・タイロン」 アビゲイルが身をよじって抗議の声を上げた。 無意識に手の中のぬくもりを強く抱きしめていたようだ。我に返って、込めていた力を緩めた。 そっとアビゲイルの手がタイロン・ツバイの額に伸びてきて、天眼を包み込む。 「善からぬことを、考えていただろう」 金の天眼が完全に隠れてから、やっとアビゲイルが視線を上にあげ、タイロンに絡ませてきた。 「捕らえて支配下におくか」 瞳にはいつものアビゲイルの理知的な輝きが戻っている。 「すべて忘れろと命ずるか」 その洞察力には頭が下がる。タイロンは黙って目を閉じた。 しばらくのあいだ、二人の間を沈黙が支配する。 「・・・そうするのがアビゲイルにとってもいいと思う」 アビゲイルがそっと天眼にあてていた手をタイロンの頭にまわし、唇を額に当てる。 「・・・大きなものを背負っているんだな」やさしく日向の匂いがタイロンを包み込んだ。 今までとは逆に、アビゲイルがタイロン・ツバイを抱きしめていた。 愛おしい人を手に入れた、充足感。 受け入れられている安心感。 一言忘れろと命じれば、アビゲイルは全て忘れる。 心地よいこの瞬間を、自分の胸の内に綴じ込んで慈しみ、この先を生きていかねばならない・・・ さまざまな感情が押し寄せ、綯交ぜになって正気を失いそうだ。 「これからも、一人で耐えるのか?」 アビゲイルの唇が眼尻に当てられてはじめて、自分が涙を流していることに気がついた。 ただ、滂沱する男を抱き寄せて、むずがる幼子をなだめるように背中をさすってやる。 飄々と立ち回るタイロン・ツバイの人懐こい笑顔の裏には世界の秘密が隠されていた。 この人は黙々と、神との約束を果たして、この国の民の生活を守ってきた。 そのことを、誰も知らない・・・自分だけが知っている・・・ 抱き寄せた男に湧く気持ちを何と呼ぶかは、アビゲイルはわからない。 先ほどまで自分の中にいた貴き者は、タイロンのことを愛おしい吾子、と呼んだ。それが近いような気もする。 タイロンの閉じられた瞳から流れ落ちるしずくをていねいに舐めとる。 愛おしい、と思うと胸に暖かい灯火がともったようだった。 「忘れる以外に・・・私にできることはないのか?」 アビゲイルの言葉に、ゆっくりとタイロン・ツバイが眼を開ける。 「アビゲイル」 微笑にさびしげな影がくっきりと浮かぶ。 「ありがとう、充分だ」 その顔が思った以上に穏やかで、かえってアビゲイルの頭の中に危険信号が鳴り響く。 どうすれば、忘れろと命ずることをやめさせることができるのか・・・ XIII それは本当に突然、タイロンの唇をやわらかく塞いだ。 押し当てられる唇は少し乾いてかさつき、タイロンのそれに引っかかる。 勢いにたじろぐタイロンの目の前には、アビゲイルの閉じた眼を縁取るまつ毛が白い頬に落す影があった。 あわてて身をよじって逃れようとしても、首がすでに彼女の腕に絡めとられて逃げ場がない。 すぐに唇をこじ開けられ、舌がするりと絡みつく。 蠢く唇と舌に何もいうな、という明確な意思が伝わってきて、圧倒された。 どうして、そのような行為にいたったのか。 唇さえふさいでしまえば・・・いささか子供じみているが、アビゲイルは夢中だった。 己の唇でタイロン・ツバイの唇を封じ込め、動こうとする舌を吸い上げ絡めとる。 抵抗を見せていたタイロンの舌が従順になり、彼女の動きに呼応する反応を見せ始めた。 唇をあわせることがこのように心地く、快楽さえ伴うことを、彼女は初めて知った。 やがて当初の言葉を封じるという目的を忘れて、アビゲイルは接吻に没頭しはじめる。 長い長いその口づけの儀式は終わらせるには余りにもせつなく、甘美な一時だった。 どれぐらいそうしていたのだろうか。開いた窓の外は暗いとはいえ、清清しい明け方の気配が漂う。 ゆっくりと、名残惜しげに唇が離れていく。 どちらとはなしに深いため息がもれ、そのため息にはそこはかとなく快楽の種火のようなものが混じっており、お互いに少々気不味い。 アビゲイルがおずおずと、離れたばかりの相手の唇に指をあてた。小さい子に、静かにしていましょうね、と示すしぐさだった。 彼に触れると、じんわりと疼くような暖かさが心に点る。 天眼と言霊による呪縛の影響が大きいが、いままでアビゲイルは異性に心を寄せたことがない。 初めて胸に点るタイロンに対する感情を今、消してしまうのは余りにも惜しいことに感じられる。 「私は」 少し掠れた、しかしはっきりとした口調でアビゲイルは語りかける。 「今夜のことを忘れたくは、ない。」 うれしさに不覚にも満ち足りたなにかがタイロンの内側から溢れ出そうで、目を閉じた。 そろり、と唇の上をアビゲイルの指が行き来する。 「決して口外はしない・・から」泣き出しそうなのは、アビゲイルも同じだった。 タイロンに持った感情は人が異性に持つ好意で、恋とか愛、情などと呼ぶことに彼女自身は気がついてはいない。 そっと、アビゲイルの手をタイロンが握って口付ける。 「・・・そういってくれるなら、奪ったりはしない」 大きく息をつき、もう片方の手で真円に開いた天眼をそっとなでる。 アビゲイルの見ている前で黄金の眼が次第に細くなり、やがてぴったりと閉じられた。 アビゲイルがまじまじと額を眺めている。 「閉じてしまうとここに眼があったようには見えないな」 ぎこちなく、タイロンと視線を合わせて微笑もうとしたが、失敗して頬がひきつった。 「この先、何が起こるか俺にはわからない」 タイロンの声音は真剣で、アビゲイルは秘密の大きさを改めて思い知る。 「・・・誰にだって、何をしていたって、先のことはわからないものじゃないか・・・」 「そりゃそうだ」タイロンの眉間のしわが緩む。 どちらからともなくお互いに腕をまわして、寄り添った。 東の空が白み始め、豪奢な部屋に朝が訪れようとしていた。 もう間もなく城砦都市に生活の喧騒が訪れるだろう。 タイロンがのろのろと寝台から起きだして、女神がむしり取って放り出した着物を集めて身につけ始めた。 そのまま倒れた城主の身支度を手早くととのえ、担ぎあげようとしている。 アビゲイルも作業を手伝おうと起き上がろうとして、下肢の違和感にうめく。 腰から下が重い。まるで水草の密集した小川を渡河しているようだ。 違和感に首を傾げながらひろい寝台の端まで這うようにたどり着くと、鏡の扉に城主を放り込むタイロンから声がかかる。 「横になっとけよ」 城主が流した血を一度着こんだ上着を脱いで拭う背中が、くつくつと笑っている。 「やりすぎなの」普段と変わらない人を喰ったような笑顔を浮かべるタイロンがいる。 アビゲイルはその場でぽかんと男を眺めるしかない。 「激しく抱き合っただろ?」抜けぬけと、片目をつぶってみせた。 頭の中に、長い夜の記憶が次々と浮かび、アビゲイルの顔が見る間に赤く染まった。 タイロンの顔を直視できず、思わず寝台に顔を伏せた。 男が近寄ってくる気配を感じて、身を固くする。 「アビゲイルはそのまま、寝台にいればいい。侍女が身支度をしてくれる」 タイロンが昨晩はアビゲイルの衣裳であった水色の薄布を掻きよせて、掛けてやる。 「お前が城主に無体な真似をされた、と涙してくれるかもしれない」 軽口を叩く口調とは裏腹にそっと触れた手が、優しく髪をすき流していく。 なるほど寝台の上は乱れ、ところどころ湿って色が変わっている。 部屋全体に情交の匂いが立ち込めているような気がしてきた。 気恥ずかしく感じられ、タイロンのほうに目を向けることができなかった。 XIV ・・・くる。 二人の兵士の部分が、近寄ってくる気配を感じ取った。 見回りの兵か、侍女か。 白々と夜が明け、城全体が起き上がり、活動が始まる時間になったのだ。 「アビゲイル」 顔をそむけたままの女に語りかけた。ほんのりと赤くなった耳やうなじがかわいらしい。 「やらなくてはならないことが、たくさんある。」 人の気配は刻々と迫ってくる。アビゲイルにあてがわれた侍女が、朝の支度のために部屋を訪れるのだろう。 「次にいつ、お前に会えるかわからない。」 アビゲイルが顔をあげて、タイロンを見た。 紅潮した頬、こちらを見上げる瞳を脳裏に焼き付ける。 「どうか壮健で」 タイロンが触れるだけの接吻を残して本当にあっけなく扉の向こうに姿を消したのと、侍女が扉をたたくのが、同時だった。 城に仕える侍女にとって、中庭付きの豪奢な客間を訪れるのが一番いやな仕事であった。 もちろん、人の情事の後片付けなど、誰にとってもいやなものではある。 なにより前夜、気高くあった貴婦人や、無垢な少女や、不安そうな人妻が、皆一様に表情を失い放心して横たわる様を見るのは、同じ女として居たたまれなかった。 みな、望んでこの部屋に招かれるわけではないことも知っている。 今回の客人は、騎士だと聞いている。 以前もこの部屋に泊まったことあるらしいが、侍女は担当していなかった。 さわやかな笑顔や、一見細身で少年のように見えるりりしさを好ましく思ったがゆえに、朝の身支度の役目は気が重かった。 香木のドアをノックしたが、案の定、返事はない。 できるだけそっと扉をあけた。 部屋には香木の香りと、情事特有の籠った臭いと、微かに血の匂いが混じってる。 ・・・ひどく殴られたのかしら。侍女はため息をついた。 ドアが閉じてしまわないように、楔をはさんで固定して部屋に入る。 驚いたことに、客人は外に開いた窓辺にたち、昇る朝日に照らされる山なみに目を細めていた。 その首すじには強く吸った跡が見えているし、乳房には指のあとがくっきりと浮いている。 下半身には体液が乾いてこびりついている。明らかに、凌辱のあとがみえていたいたしい。 普段なら、放心状態の客人の体を拭き、着替えをおいてそっと退室する。 皆、心を手折られて打ちひしがれている。前夜のことを思いだして錯乱してしまい、心を病んだ女性もいたのだ。 迷った末に、勇気をだして声をかけた。 「お支度をお手伝いします。」 「ありがとう」昨日より、穏やかな答えが返ってきた。落ち着いている。 ・・・この人は、大丈夫。 城主に犯されはしたのだろうけれど、心の大事な部分は保つことができたのだろう。 その強さを、うらやましく思った。 暁の光のなかなら、火照った頬がごまかせるだろうか。 平静を装いながら素裸のまま窓際に移動する。 相変わらず体はなにかを引きずっているように重い。 ・・・あの男には、振り回されてばかりだ。 別れを惜しむまもなかった。 いろいろな感情や思いが次々と浮かんでは消える。首をふって、窓の外に目をやった。 濃密な森の向こうに、赤く輝く尾根。 抜けるような東雲の朝。 世界は変わらず美しい。 思わず見惚れているところに、侍女がおずおずと入室してきた。 素裸で立つアビゲイルにたじろいでいたようだ。 身支度は自分でする、と侍女から湯と綿布を受取り、固く絞って全身を拭う。 背中は侍女が拭いてくれた。何も聞かないでいてくれるのがありがたい。 清潔な衣服に着替えて、やっと人心地つくことができた。 窓辺にすわり、侍女が手早く室内を片付け整えてゆくのを眺めていた。 別の侍女が朝食を運び入れ、二人で退室していく。 礼を述べるアビゲイルに、二人はていねいにお辞儀を返した。 城主が突然の病に倒れ、北城内は多少混乱しているようだ、と教えてくれたのは件の侍女だった。 「お客様が滞在中だということが忘れられているようで」と申し訳なさそうに詫びる。 近日中に退室できるように、上司に働きかけてくれる、と約束してくれた。 結局、アビゲイルが解放されるまでに3日かかった。 侍女たちの配慮で、不自由なく過ごすことができた。 城主の身に起こったことをアビゲイルは承知していたので、大人しくしていた。 城主の在・不在にかかわらず、日常の生活は営まれている。 多少の混乱はあるようだが、巡察正使の采配でクンツは療養のために主都へ送還され、次の城主を迎え入れる準備を終えて、到着を待つばかりとなったようだ。 アビゲイルが開放されて本来の宿舎に戻った日、城内に滞在していた巡察師団は次の目的地、北西城にむけて出立した。 配置された城門の上からタイロン・ツバイの姿を探してみたが、見つけることはできなかった。 やらねばならないこと、のために既に城を去ったのだろう。 隊の帰砦も決まった。小隊長として当面の物資を受け取る作業などで毎日が忙しい。 日々、やるべきことをやる。 世界のどこかで、黙々とそれをする男がいることを知っている。 私も、そうするだけ。 終章 山の砦に初夏のさわやかな風が吹き抜けていく。 雪渓から流れ出る水も水量が増し、いよいよ夏の到来を感じさせる。 父と慕うロク砦主の片腕として、相変わらず、忙しい日々だ。 麦の収穫期に入り、侵入を試みる山岳民族を追い払うのに苦労している。 弟は訓練所で才を認められ、参謀課程に進み兵法を勉強していると知らせてきた。 今しばらく、軍での生活が続くだろう。それも悪くない、と思い始めていた。 アビゲイルは巣立ったばかりのイワツバメのつたない飛行を目を細めて眺めていた。 大地のたくましさ、美しさ、はかなさを実感するたび、アビゲイルはかつて自分の中に入り込んできた女神と男を思い出す。 そうすると、心の底に暖かい火がともったように感じる。何度も心に火をともし、慈しむのが日課のようなものだ。 それは愛情という名でしっかりと彼女に根差し、陽光を得た花のように彼女自身を開花させたのだが、自覚はない。 「我が国土は本当に美しいよなぁ」 思わずそばにいる部下に同意を求めた。 ほんとうに、と答える部下が胸の内で「あなたは美しい」と続けていることを、彼女は知らない。
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アペイロン創造委員会 2015.3~ 連絡先 apeiron0603@gmail.com 《盤上の異端児》 ゲームデザイン/キャラクターデザイン/ボードデザイン/ドットデザイン FAVORITE! どこでもカレン エクストラ脱兎 ポイズンランプパーティ ダメージ調整とエクストラからの勝利が理想のゲーム展開。 カッコいいチェストの引き方を模索中。 《新次元の創造主》 ゲームデザイン/キャラクターデザイン/カードイラスト FAVORITE! 地形コントロール 飛行パーティ ホシサーの姫 コメント『favoriteは製作時から思い入れのあるユニットやビジュアルが好きなユニットを選びました。アペイロン最高!』 《輪廻の輪を繋ぐ者》 ゲームデザイン/広報 FAVORITE! 磁力重力 停止パーティ 袋小路パーティ ジゴクヨーヨー 基本戦術:引き寄せ or 吹き飛ばしで敵の軸ユニットを潰す。 スタイル:ガンガンいこうぜ