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ダブルドラゴンII ザ・リベンジ / Double Dragon II The Revenge メーカー テクノス 発売日 1989年 対応機種 AC.FC.MD.PCE(SUPER CD-ROM²).C64.ZX.Amstrad CPC, Atari ST ダブルドラゴン シリーズの2作目 ベルトフロアのアクションゲーム GB版 日本未発売の海外版で、 熱血硬派くにおくん 番外乱闘編??を元に、キャラ等を差し替えて作られている 続編 ダブルドラゴン 前 ダブルドラゴン3 次 PCエンジン た行 アーケード ゲームボーイ ダブルドラゴン ダブルドラゴン シリーズ ダブルドラゴン3 ファミコンゲーム メガドライブ PR ダブルドラゴン2 ザ リベンジ 【PCエンジン】
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長髪が目立つドラゴンの一人。 ガイの一族であり、策謀家たらんと陰謀を企てている。 しかしどこか抜けている所があり、彼の企ては何処か滑稽である。 口癖は「にゃふふ」。 略歴 ドラゴン=メビウスを傀儡とし、アキトを亡き者にしようと企んでいた伝説のドラゴン。 企てが露呈、失敗してからは自らの能力で隕石を放ち、地球諸共破壊しようと企てるが失敗に終わる。 その後は地球破壊を独断で敢行しようとした罰により、投獄されているというが……。 人物関係 ドラゴン=メビウス……傀儡に使用した大罪人。ちなみに、龍族である為に彼女の能力の影響を受けない。 アキト=スカイシー……抹殺しようとしていた相手。計画を打ち破られる。 余談 ガイの一族最強? 初登場時に自らを最強と名乗った事がドラウォリアンの中で話題になっている。 確かに隕石の招来は非常に強力な能力だが、ガイの中には見ただけで殺したり、概念すら封印できる者もいる。 やはり誇張という他なく、彼の傲慢な性格が垣間見えるワンシーンと言えよう。
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注意点が幾つか。 ・ほのぼのです。帝竜と仲良しこよしルート。 ・帝竜擬人化してます。 ・ルシェローグが果てしなく紳士です。キャライメージ崩壊注意。 ・けしからん場面はあんまりありません。あってもほんの少しだけ。 もし帝竜達が改心し友好的になったら、という前提でお話が進みます。 登場人物 メルケネンス…ルシェローグ。紳士。 センテラ…赤ヒーラー。殴りと毒のスペシャリスト。突っ込み役。 ポワワ…黄ヒーラー。殴りと毒に染まってきた元支援ヒーラー。100%ボケ成分。 スズリ…ルシェサムライ。無手大好き。「やんす」「ござんす」。 【1.罪状=セクハラ】 ミロスにて。 「来ない」 「そぉだねぇ~」 入り口付近に二人のヒーラーの姿があった。 一人は日向ぼっこを満喫し気持ちよさそうな笑みを浮かべているのに対し。 もう一人は不機嫌そうな表情で、気の強そうな印象を与えるつり目をあちらこちらへ忙しなく動かしている。 彼女達は、人を待っていた。 「ケネくんはともかくスズちゃんまで遅刻なんて珍しいね~」 「集合時間を決めた張本人が日常茶飯事に遅刻してるっていうのがおかしいのに気づいてよポワワ」 「えー? だってケネくんだからねぇ~。のんびり待とうよテラちゃん~」 呑気に笑って見せたヒーラー、ポワワ。 対してこれ見よがしに深くため息をつくヒーラー、センテラ。 「あはは~。ため息付くと幸せ逃げちゃうんだよ~」 「もう幸せなんてとうの昔に逃げ出してるわよ……。ったく、スズリさん探してくるからポワワ、あなたここでリーダー待ってて」 「その必要は無いぜセンテラッ!」 「っ!? リーダー!? どこよ!?」 「ケネくんどこ~?」 町の中へ向けて駆け出そうとしたセンテラに掛かる男の声。 辺りを見回すが、見当たらない。 しかし声だけはしっかりと、青空に響き渡る。 「俺は既に集合時刻10分前にはそこに居たっ!!!」 「居た……って嘘吐くんじゃないわよ!? 居ないじゃない!?」 「いやぁ話せば長くなるんですがねお嬢さん、お前達を待ってる間に、宿の中に入っていくそれはもーかーいらしーお姉さま方の一団を見つけたではあーりませんか。 これはもうギルド『レーハムナザドゥ』マスターのメルケネンスさんとしちゃ自分で自分にリプレイスファースト炸裂★ させなきゃ嘘でありましょうや? 願わくば彼女達には俺のスコルピオで淫らに乱れて頂きそして俺はヴァンパイアでキミ達のハートをゲッチュ! というわけで俺は早速猛烈なアピールをかけた末に――」 二人の騎士に両の腕をがっちり掴まれ、宿屋から連れ出されるルシェ族のローグが一人、二人の目の前に現れた。 「ミロスの風紀を乱す不届きな奴だ」 「つかまっちゃった☆ メンゴー☆」 「何してんのよアホォォォッー!!!???」 全く反省している様子も無く、可愛らしく謝っているルシェ族のローグ、メルケネンスを見てセンテラは思わず叫んでいたのだった。 【2.釈放されました】 「やれやれ、この国は相変らず過保護すぎるんだぜ」 「あんたねぇ……」 センテラが騎士達に頭を下げまくりルシェ族のローグ、メルケネンスは何とか無罪放免となり、無事に合流完了する。 先ほどの事などすっかり忘れたように服についた埃を払いマフラーを直しつつ、メルケネンスは宿屋を恨めしそうに見上げ、そしてポワワとセンテラのほうに視線を戻し言った。 「もっとこの国の美しい花々も温室から旅立ち世界の厳しくもときに優しく暖かい風に当たるべきだと思うんだがどーよ諸君」 「そぉだね~。ちょっとみんな、平等にこだわりすぎだとあたし思っちゃうな~」 「そう! 全てが平等に拘っているんだよ! まるで彼らは平等という名の氷で凍ってしまった可憐な花々……色々勿体無いと思わないかセンテラ!」 「え? ……ま、まぁ。ちょっと他から見ると変かもね」 「これは急務! フロワロ除去やドラゴン退治より大切な事……。外からの人間と彼らが触れ合いそしていずれは芽生えるであろう愛という炎で彼らの氷を溶かすのだよ! ……ってことでちょっと――」 「待て」 【3.遅れた理由】 「やーやー皆の衆、遅れてしまったでやんす~」 再び宿屋に向かおうとしたメルケネンスをセンテラがフレイルでどつきまわして暫くの後、三人のもとにルシェ族のサムライが手を振りながら駆け寄ってきた。 この女性こそ、先ほどセンテラが探しに向かおうとしていた人物、スズリであった。 心なしか顔が少し火照っているように見える。 「スズちゃんおかえり~」 「スズリさん! 何かあったの?」 「いやぁ話せば長くなるんでやんすよ。準備を終えてさぁ集合場所へ、とあたいが急いでいたときでござんす」 「うん」 話せば長くなるという言葉に、少し火照っているようにも見えるスズリの姿、急いでいたのに遅れてしまったという事実。 スズリは笑ってはいるものの、何か良くない事に巻き込まれたのではないかという思いがセンテラの脳裏を過ぎる。 次の言葉を、センテラは呼吸をするのも忘れて待っていた。 「古びた酒屋を見つけたんでやんす」 センテラは先ほどまで自分が抱いていた考えが杞憂だった事に気づく。 酒屋という単語が出た時点で大体何が起こったのか、センテラにも予想できたからだ。 万が一にもその予想が外れているかもしれないので、とりあえず深刻な表情は維持したまま聞いてみる。 「……それで?」 「試飲していいって言ってくれたもんだからちょっと呑んできたんでござんすよ~♪」 やはり万が一は在り得ず予想は外れていなかった。 センテラは大きくため息をつく。 「……スズリさん……」 「美味しかったぁ~?」 「えぇ~えぇ~そりゃーもう絶品でござんしたよ~♪」 一見まともに見えるものの、どこかずれている。 ポワワに味を聞かれ事細かに答えている――酒を飲めないポワワにわかるはずは無いのだが――スズリの声を聞きながら そういえば彼女はそんな人物だったとセンテラは思い出したのだった。 【4.出発】 さらにその後、ミロスからそう離れていない、フロワロが咲き乱れる平原にて。 「というわけでアイゼン目指して出発進行と相成りました、まる」 「ぱちぱちぱち~」 「まぁ諸事情重なり紆余曲折で出発時刻がちと遅れましたので、少々駆け足で進軍し山の麓あたりで本日は野宿! そう言うことで名残惜しいがミロスとはさっぱりとお別れを告げるわけで。……あぁさようなら俺のマイスイートハニー達……」 町の中に向けて投げキッスを行うメルケネンス。 それを呆れ顔で眺めるセンテラは言う。 「よくもまぁ飽きずにやるわね……」 「ふ、俺は愛の伝道士。異性は皆友達、その分別れも辛いものさ……」 「はぁ」 「しかし安心したまえよ諸君。俺が一番好きなのはお前達だ!」 「わぁい、ありがとケネくん~」 メルケネンスはポワワを抱き寄せ、その小さな薄桃色の唇に人差し指をあててにやりと笑う。 ポワワはきょとんとした様子で、彼のやっている事を眺めている。 「うむうむ。そうだな、今日はポワワに夜のマスクドペインを伝授して最後に魅惑のトリプルキスで華麗で淫らなエクス――」 鈍い音が響く。 「さ、馬鹿言ってないで行くわよー」 「出発でやんすねー」 しっかりとポワワの手を繋ぎ歩いていくセンテラ。 スズリも二人の後についていく。 後に残されたのは、一体どうやってそうなったのかわからないが首だけ地面に出した状態ですっかり埋まってしまったメルケネンス。 「はっはー、先に私じゃなきゃ嫌って意思表示と見た! ならお望みどおりセンテラ今日はお前に手取り足取りねっとりと教え込んで……あれ、ちょっと待って。抜けないんだぜ。おぉーい。抜いてー。抜いてー。やーだー、置いてっちゃやーだー」 5.トドワ山岳着きました】 日が暮れあたりも暗闇に包まれだした中、トドワ山岳の麓にて野宿する一行。 「よーやっとトドワ山岳到着ですよ諸君! いやぁ実に辛い道のりだった……!!!」 「フロワロ刈り、楽しかったねぇ~」 「誰かさんの所為で何度も全滅しかけたけどね。……だから今は山岳の到着を優先しようっていったのに」 「でもリーダーが身を盾にしてあたい達を守ってくれたおかげで、全滅自体は一回もなかったでござんすよ」 メルケネンスに鋭い視線を向けたセンテラだが、横からのスズリの言葉に少し戸惑ったような様子を見せて言葉を返した。 「そりゃ、そうだけど……」 「あったりまえだろ。死んでもお前たちは守る」 何時に無く真面目な顔で、メルケネンスは三人の顔をじっと見つめた。 「ふふ、頼もしいでやんす。やっぱり背中任せられるのはリーダーしかいないでやんすよ」 「ケネくんかっこい~」 ポワワとスズリは笑みを返し、センテラは暫く困惑した表情で彼を見ていたものの、やがて小さくため息をついて、薄く笑みを浮かべた。 「もう……。あんただって不死身じゃないんだから、あんまり無茶はしないでよ? ……リーダー」 「あぁ。心配かけて悪いな。……俺はお前達のリーダーだ。 なるべくお前達の経験になるような事もしてやりたい。だからたまには、無茶もする。でも安心して俺に任せてくれ。無茶はしても、危険なことはしないさ」 いつの間にかメルケネンスはスズリの傍に腰を降ろしていた。 そのままスズリの体を抱き寄せている。 「……そうさスズリ、背中といわずお前の身も心も全て俺に任せて……ふふふ今夜は熱い夜になりそ――」 鈍い音が響いた。 「さ、スズリさん、ポワワ。ご飯の準備しよっか」 「は~い」 「リーダーはどうするんでやんす?」 「ご飯できたら勝手に起きるでしょうから、その辺に放っておいて」 【6.トドワ山岳越えましょう】 十分な休息もとり、いよいよトドワ山岳超えを目指す一行。 やがて山頂にたどり着くとそこには、翼を持つ巨大な竜が佇んでいた。 「こいつはっ……!?」 「うーむ、でかいな。この辺のボスだと俺は思うんだぜ」 「あたいも同感でやんす」 「おっきぃ~」 「……じゃ、後は降りるだけだな。あともう一息だ、頑張れよ~」 「はぁ~い」 「まだまだ、竜が来たって平気でやんすよ」 「……え、いいの!? 無視していいの!?」 一行は巨大なその竜を眺めながら横を素通りし、難なくトドワ山岳を再び降っていくのだった。 【7.あるのかないのか】 トドワ山岳を無事に突破し、一行はアイゼンの地、農村サイモンへと辿り着いていた。 「諸君お疲れ! ついに我々はアイゼンの地に足をつける事ができたわけですよ!」 「も~へとへと~」 「あれ無視してよかったのかな本当に……」 「長閑な場所でやんすね~」 宿へ向かって歩く一行。 家畜の囲われた柵、畑と幾つかの家しかないこの村の様子に、一行は先ほどまでの戦いの興奮を忘れる。 「あ、ワンちゃんだ~」 前から走ってくる一匹の犬。 「あはは、こんにちはぁ~」 しゃがみこんで両手を広げ犬を迎え入れたポワワは、純真そのものの笑みを浮かべてみせる。 犬もポワワにじゃれ付き、その様子はセンテラとスズリの疲れを僅かながら吹き飛ばし、温かな気持ちにさせてくれた。 しかしメルケネンスはその様子をじっと眺めて、呟く。 「なぁスズリ」 「なんでござんす?」 「……俺昔から抱いていた疑問があるんだが」 「ふむ?」 「……ルシェの女ってさ……あるのかあれ」 「あれ?」 「おいおいみなまで言わせるなよ、こう、動物が年に1、2回やけに騒ぎ出したりする時期があるじゃないか。……で、どうよ」 「あー、はいはいあれでやんすか! よくわかんないでござんす。あるって人も居るし無いって人も居るしで」 「ほほうそれは興味深いどうかねスズリ戦いの興奮がそのまま身体の疼きに変わったりして苦しいことはないか。 いやきっとあるだろう全て俺に任せてくれその疼きを俺のトリプルキスで解放して――」 数分後。 「おぉー!? 待てっ俺はお前達とちょっと違う! お盛んなのは一緒だNE!? まっまてっあーっ!!!」 家畜の飼われている柵の中に放り込まれ、先ほど言っていた「あれ」の羊に絡まれるメルケネンス。 それを暫く眺めた後、彼を除く三人は宿屋に向かって再び歩き出した。 「さ、行きましょっか」 「いいんでやんす?」 「夜には戻ってくるでしょ」 「ケネくん先に宿屋さんに行ってるからね~」 【8.ゴウガ竹林抜けましょう】 農村サイモンで一泊し、破竹の勢いでアイゼン目指し進む一行。 ゴウガ竹林をもう少しで抜けるという所で彼らの前に現れる巨大な竜。 「くっ……! もう少しで出口だっていうのに!」 「いかにもボスですって風格だな」 「同感でやんす。強そうでやんすね」 「へとへとだよぉ~……」 「……大丈夫だポワワ、さっき手前に泉があったろ? そこでちょっと休憩して……」 数十分後。 「さ~道はもう少し続く、アイゼンまで頑張ろうぜ~」 「お~」 「ポワワどの、疲れたら無理せず言ってほしいでやんす」 「はぁ~い」 「ねぇちょっと!? いいの!? これも無視!?」 巨大な竜の横を素通りし一行は無事にゴウガ竹林を突破したのだった。 【9.愛染服を着てみよう】 ついにアイゼンへとたどり着いた一行。 この国の道行く人々は、あまり他の国では見られない服装で居る。 「ミロスとはまた違った美しさがあるねぇアイゼンってとこは」 「服がなんだか変わってるねぇ~」 「愛染式ってらしいな。……うーむ、道行くお姉さま方も十分セクシーでプリティーだがやはりここはあれだ、お前達が着てるのを俺は見てみたいね」 「買っちゃうのー?」 「はっはー何が欲しいかパパに言ってごらん、お前達のためならなーんだって」 「わぁ~い」 「何かリーダーの趣味も兼ねてることになってアレだけど……興味はあるし」 愛染式の服の購入も兼ねて、一行は武具販売店へ向かい装備を整えた。 「わぁ~」 「へぇ……」 何時も身につけているヒーラーとしての、ハントマン活動をするに最適な服装から開放された二人は、暫し自分やお互いの服を見て笑みを浮かべる。 「テラちゃんかわい~」 「ポワワだって、すっごく似合ってるわよ」 「えへへ~」 「二人ともよく似合ってるでやんすよ」 「感無量。幸せ。泣いていい? ってか胸貸してスズリ」 「何言ってんだアンタは。……スズリさんはいいの?」 ぴくりと耳を動かし、きょとんとした表情を見せたスズリは笑って答える。 「あたいはいいでやんすよ。これぐらい身軽な格好じゃないとうまいこと戦えないでござんしょ?」 「そっか……」 メルケネンスのお眼鏡にかなう三人である、スズリもかなりの美人であった。 そんな彼女のお洒落した姿も見てみたいという思いをセンテラが抱くのも無理は無い。 少し表情を暗ませたセンテラに、メルケネンスは言う。 「安心しろセンテラ。既にスズリの分は購入済みだぜ。サイズバッチリ、その魅力的なナイスバディをしっとりと包み込む事を約束するんだぜ」 「何時の間に!?」 「え、あたいの分まで買ってるんでやんすか!?」 驚くセンテラにスズリ。 メルケネンスは親指を立ててにやりと笑い言葉を続ける。 「またカザン帰ったときにでも着てみてくれよ。そしてそのまま俺に乱暴に服を剥がされ淫らな一夜を過ごせ」 「剥がすな」 センテラに小突かれるメルケネンスを暫し眺めてから、スズリはにっこりと笑った。 「……うん、わかったでやんす。ありがとうござんす、リーダー」 【10.冷たい視線】 「しかしなんだ、どうしてこう俺に対してのお姉さま方の視線が刺すように鋭く冷たいんだぜ? 嬉しいけど」 「変態……。……さっき道行く人にちょっかい出したからでしょ」 「いやいやセンテラ、それは違うんだぜ。あれは単なるご挨拶。 言うなればおはようこんにちはこんばんはに当たる類の軽い奴だ。それに俺が挨拶する前から視線は同じなんだぜ」 「あ、そ……」 「スズちゃん、どぉしたの~?」 「うーん……」 見ればスズリも何故か複雑な表情で居る。 彼女もメルケネンスの言う冷たい視線を感じているようだった。 「なんていうか……居心地が悪いでやんす」 「そーかスズリお前もか。 ここは一つ視線に耐え切れない風を装いあの竹林に二人で身を隠しそのまま見えない事をいいことにちょっとイケナイことでもしでかしてみないか」 「やめい。……スズリさんまでそんな目で見られる理由が思い浮かばないんだけど……」 「ま、とりあえずこの国の王様とやらに謁見しますかね。仕事こなさないとメガネに嫌味言われるし」 周りの視線は相変らずだが、一行はアイゼンの王が住まう城へと向かっていった。 【11.ルシェはここでは肩身がセマイ】 「なんかあのおーさま怖かったよ~」 「なんていうかこっちを見下してる感じだったわよね……」 謁見が済み、一行は何気なしにアイゼンの貧民街へと訪れていた。 ここはみすぼらしく汚らしい風景しか目に入ってこない。 しかし貴族街と違って冷たい視線はまるで無かった。 「うーむ、冷たい視線を向けるのが友好の証だとかいうツンデレな国民性なのだろうか」 「なによそれ」 「しかしそれだとここだと全く冷たい視線が無いのが気になるぜ……おっと」 「むむ」 洗濯物を干す棒を固定するのに手間取っているルシェの女性を見て、メルケネンスとスズリはそれが当然だとでもいう風に作業を手伝ってやる。 「ありがとう、助かるわ」 「どこに行ってもルシェは仲間なんだぜ」 「お気になさらずでやんす」 「……ところでつかぬ事を伺うんだが、この国は余所者には冷たいのかい? 貴族街だと随分と白い目で見られたもんだが。嬉しいけど」 ルシェの女性はメルケネンスの問いに表情を暗ませ答えた。 嬉しいけど、のところで一瞬首を傾げたのはきっと気のせいだろう。 「……そうじゃないわ。ルシェだけに冷たいのよ、この国は」 「そりゃまたどうして?」 「この国は階級に酷く拘っていてね。貴族街とここを比べても判るでしょう? ……階級の最下層は亜人……つまりルシェと定められているの。それに、この国はルシェを奴隷として扱っていた過去もあるから」 「奴隷でやんすか!?」 「今は法で禁止されているけど……今でもやっている貴族も多いと聞くわ。だからこの国の人は今でもルシェを下に見て、馬鹿にするの」 「ふむ、なるほどなぁ……」 メルケネンスは辺りを見回した。 まるでこの貧民街の光景を目に焼き付けるように。 「冷たい視線はながーいながい歴史が関係してるってことか。……とてもよくわかったんだぜ」 「ありがとうござんす」 「いえいえ」 話を終え、礼を言うと二人はポワワとセンテラのもとへ戻ってくる。 話は彼女達の耳にも届いており、両者とも複雑な表情で居た。 「ルシェを奴隷として使ってた、か……最低ね」 「みんな同じなんだよぉ~。どれーなんてだめぇ~」 「まぁそういうな。ながーいながい時間を掛けて根付いちまった風習だ。……ま、いずれは無くなって欲しいとこだが」 自らの種族の事だからか、流石のメルケネンスも彼女達と似たような表情で居る。 スズリもやはり、悲しげな表情を浮かべていた。 ポワワがスズリの羽織る法被の裾を引っ張り、声をかけた。 「スズちゃん、元気だして~」 スズリははっとしたような表情を見せ、慌てて笑顔をポワワに向けて言う。 「大丈夫でやんすよ、ポワワどの。ちょっとショックだけどあたいはこれぐらいじゃびくともしない心の持ち主でござんす」 「しかし奴隷か……奴隷……」 【12.妄想です】 メイド服を着たスズリが、食事を終えたメルケネンスの前で不安げに佇んでいる。 「だ、だんなさま、お味は如何でござんしたか……?」 まるでメルケネンスを恐れているかのような態度で、スズリは彼に問うた。 メルケネンスはそんなスズリを見て、にやりと笑う。 「勿論美味かったとも。……さぁそれじゃあ、そろそろデザートといこうか」 「………………」 「さぁどうした、デザートを持ってくるんだ」 「は、はいでやんす……。きょ、今日もあたいを……たべてくだ、さい……」 スズリは顔を真っ赤にして、ゆっくりと自分の服の裾をたくし上げた。 素肌の上に着用している黒タイツに包まれた、無駄な肉のついていない美しい足が露になる。 更に彼女が裾を上に上げていくと、丁度秘所だけを露出させるような形で、タイツに穴が開けられているのが見えた。 メルケネンスはゆっくりと席を立ち、一歩、また一歩とスズリのもとへ歩みを進め――。 「――そしてそのまま俺が優しく抱きしめて甘く危険な、奴隷と主人という禁断の恋の幕が開くわけだねはははー素敵だロマンスだねというわけでスズリ一週間ほど俺の奴隷になって――」 数秒後、そこにはスズリから奪い取った抜き身の刀を今にもメルケネンスに振り下ろさんとするセンテラの姿があった。 「たまには真面目に〆るとかできないのかあんたはぁ……!?」 「ま、まて。調子に乗りすぎた。落ち着けセンテラ。俺は斬られるよりお前のその使い慣れた血染めのフレイルでぶん殴られるほうがす――」 無言でセンテラは刀を地面に投げ捨て、目にも留まらぬ速さで愛用のフレイルを取り出し。 鈍い音が、数え切れないほど響いた。 【13.強さ的にも微妙な奴】 二匹目の帝竜デッドブラックが潜むヒョロン神水洞に訪れた一行。 彼らを迎えてくれたのは見張りの戦士と、この国の重鎮でもあるリッケン公爵だった。 「そうか、君達がかの英雄、レーハムナザドゥか。カザン奪還の報、君達の勇ましき戦いの話はここアイゼンにもしっかりと届いている。お会いできて光栄だ。 この国は見ての通り、まだ経験も浅い戦士ですら体裁を気にする有様だ。 ……王はここに居つく帝竜を侮っておられる。この滝の流れが止まってしまうことは、国にとってよくないことを招くというのに……」 「別に倒さなくていい、って言われたけどね。そういうわけにも行かないわ」 「貧民街じゃここの水が来なくなって大弱りだったでやんす。あそこの人達のためにも帝竜は見逃せないでござんすよ」 「ありがとう。国民に代わってお礼を申し上げる。……帝竜は最深部に潜んでいる。 奴は闇を好む竜のようだ。外の光を奴の場所まで届けることができれば戦いも楽になると思うのだが……」 「つまり今度の帝竜は引きこもりか。……お、この台座なんか使えそうだ。……ほらどうだ」 メルケネンスはリッケン達の奥にあった台座に赤いガラス玉を置く。 それは天井から差し込む光を集め、最深部に向けて――弱弱しいものだが――光を届け始めた。 「きれ~」 「高いお金出して買っちゃったガラス玉がここで役立つなんて……。……引きこもり、ねぇ。なーんか一気にしょぼいイメージになるわね……」 「ひきこもり、ってな~に?」 「うむ。自らの殻の中に篭り、閉鎖的空間の中に閉じ篭ってしまう存在の事をそういうのだ。……王が奴を侮っているのももしかして……?」 「そりゃ侮りたくもなるよなぁ。引きこもりだし」 「あたいはそう言ううじうじしたやつは嫌いでやんす」 「うじうじ~。今度のてーりゅーはうじうじりゅーなんだね~」 「油断はしちゃいけないけどなんか気が楽だわ。カザン奪還の時よりかは」 「よーっし、じゃあちょっくら引きこもりをお日様の下に引っ張り出しに行くとしようか諸君!」 「お~」 「人間共メ……好キ勝手言イオッテ……!!!」 上で自分の事を散々馬鹿にしている言葉を聞き、黒帝竜デッドブラックはさらにその闇の濃さを深めたのだった。 【14.至福の時(メルケネンス曰く)】1/4 フロワロが咲き乱れ薄闇に包まれたヒョロン神水洞最深部。 本来ならば滝があるその場所には、水がどうどうと流れ落ちる音など響いては居なかった。 「奴、だな」 ガラス玉が届ける弱弱しい光が、何かを照らしていた。 「それ」は一行に対して殺気を放っていた。 一行の表情が引き締まる。 「引きこもりでも力はあるみたいでやんすね。……センテラどの、ポワワどの、あたい達の前には出ちゃだめでやんすよ」 「わかったわ。支援だけに専念する」 「ケネくん、スズちゃん、テラちゃん、気をつけてね……」 メルケネンスはスティレットを抜き放ち、スズリは拳を構え「それ」を睨みつける。 「それ」は照らし出す光を飲み込みながら言った。 「コノ程度ノ光デ闇ヲ払エルトデモ思ッタカ、愚カナ!!!」 光を飲み込む「それ」はまるで黒い炎のようで、決まった形を持っていないように見える。 しかし、徐々にそれが、確かな一匹の巨大な竜の姿を取るのを一行は目にした。 黒帝竜デッドブラック。 闇そのものである悪しき存在が、ゆっくりと牙を剥きにたりと笑う。 「凍リツケ!!!」 きらきらと輝く氷の欠片が吐き出され、周りのフロワロも巻き込みつつ一行に襲い掛かる。 「リーダー! あたいが先に仕掛けるでやんす!」 「おー行って来い!」 スズリは両足に力を込め、一気に最大速度まで加速し吹雪の中を突っ切っていく。 氷の欠片が衣服や自分の皮膚を浅く切り裂いていくが、痛みは興奮によって抑えられているためその速度は落ちない。 拳に真っ赤な火炎が纏わりつき、恐らく胴体部分であろう箇所に、スズリは全力で火炎の拳をぶつけた。 確かな手応えと共にデッドブラックの耳障りな叫び声が響く。 「氷を使うだけあってやっぱり火が弱点でやんすね!」 「小癪ナ!!!」 「おっと!」 すぐさまスズリは後ろに飛び退く。 先ほどまで自分が居た場所に、何か鋭いものが通り過ぎていった証拠の細長い傷跡が残された。 さらに追撃として放たれた氷の槍がスズリの身体を捉えようと迫るが、スズリはくるりとバック宙を披露し氷の槍を踏みつけて地面に落とすという曲芸までやってのけてから、にやりと笑って見せた。 吹雪を止めるという目的を達成した嬉しさから来る笑み。 「狐ェ……!!!」 その笑みが気に入らないのか、デッドブラックはすっかりスズリに注意を向けてしまっていた。 その時デッドブラックの前に突如一つの影が躍り出る。 【14.至福の時(メルケネンス曰く)】2/4 「よお」 メルケネンスだった。 短剣には何かが塗りつけられているのが、弱弱しい光に照らされ判る。 叩き落そうとデッドブラックが動く前に、短剣は深々とその身体を抉った。 すぐさまその場を退くメルケネンスに、彼の後を追うように響く叫び声。 「手応えいまいち。効いてないな」 「ベノム!」 「ベノム~!」 間髪いれずセンテラとポワワが毒の花を咲かせ、毒の花粉をデッドブラックに浴びせかける。 しかしそれでも毒を入れることは不可能だったらしい。 メルケネンスやスズリが入れた一撃もまだ致命傷ではないらしく、デッドブラックは怒りに瞳を輝かせている。 「貴様ラァ……!!!」 闇が更に深まっていく。 「光が!?」 「暗くなっちゃうよぉ~!?」 第一層からガラス玉を通して送られる光は、ついにデッドブラックに完全に吸収されてしまった。 「まずいな、引きこもりは真っ暗な場所だと強いんだぜ」 「急いで決着をつけないと危ないでやんす!」 「誰ガ引キコモリダ! 寧ロマダ言ウカ人間!!!」 「あれ、聞こえてたのか。でもこんな暗いじめじめした場所の最深部でじっとして地上に出てこないなんて引きこもり以外の何者でもないんだぜ?」 「グ……!!! ソノ減ラズ口今閉ザシテヤル……!!!」 一寸先も見えない漆黒の帳が一行を包み込む。 「何も見えない……!!! ポワワ!? どこ!?」 「あたしはここだよぉ~!」 センテラは手探りでポワワを探し出し、しっかりと手を握り締めた。 「センテラどの、ポワワどの! 大丈夫でやんすか!?」 「私たちは平気!」 「こう真っ暗だとどこに攻撃していいかわかんねーな。どうすっか」 「何とかしないと! このままじゃあの引きこもりにいいようにやられるだけよ!?」 「だよなぁ」 「マダ言ウカァ!!! 愚カナ人間ヨ……我ノ闇デ身モ……心モ……凍リツカセルガイイ!!!」 「っ!?」 デッドブラックの声が闇の中に響いた。 【14.至福の時(メルケネンス曰く)】3/4 ――何も聞こえない……!? そして唐突に訪れた、無音。 ――……やだ……怖い……!!! 自らの心音すら聞こえない。 今自分が立っているのか、座っているのか。 目を開いているのか、閉じているのか。 生きているのか、死んでいるのか。 何も判らないただ只管に続く暗闇と無音にセンテラは恐怖する。 まるで何十分も、何時間も、何日もその状態が続いているかのような錯覚を覚えた。 ――だめ……耐え、なきゃ……。 意識が朦朧とし、体の力が徐々に抜けていく。 その時。 ――っ!? 誰かが抱きついてくる感触が、センテラの意識と体の力を呼び戻した。 黄色いお下げ髪の頭が、胸元に埋められているのが闇の中に見える。 ――ポワワ……! 彼女も自分と同じような目に遭っているなら、自分が今ここで耐えなくてどうするのか。 そんな思いがセンテラの力を取り戻させる。力を込めて、センテラはポワワを抱きしめた。 その時、センテラの両耳にのしかかっていた重圧は一瞬にして取り払われた。 「……フン、耐エオッタカ」 自分でも信じられないほどの汗を掻いている事にセンテラは気づく。それはポワワも例外ではないようだった。 「テラちゃん……!」 「センテラどの! ポワワどの! リーダー! 平気でやんすか!?」 「へっ……平気!!!」 「大丈夫だよぉ~!」 「リーダー!? ……リーダー! 返事するでやんす!!!」 「ケネくん……!?」 「まさかっ……!!!」 センテラの背筋に寒気が走る。 「ちょっと……返事しなさいよ!? ねぇ!? リーダー!?」 メルケネンスの返事は無かった。 「ケネくんってばぁ!!!」 「リーダー!!!」 ポワワやスズリも必死に大声を出して彼のことを呼ぶ。 しかし、返事は返ってこない。 「ッ……!!! リーダァァァーッ!!!」 センテラは叫んだ。 音程や音量など気にしない絶叫が洞窟に響き渡る。 【14.至福の時(メルケネンス曰く)】4/4 「……ひゃあっ!?」 すると何故かスズリの素っ頓狂な声が返ってきた。 予想もしなかった反応にセンテラは我に返る。 「へ……?」 「ス、スズちゃ~ん……?」 スズリの身に何が起こったのか、闇に遮られわからないセンテラとポワワは、ただ待つしかない。 「両手に収まりきらない大きさ、タイツとさらし越しからでも判るキメ細やかな肌に凄まじい弾力……!!! こ、これはスズリのナイスバディなんだぜ!?」 そして数秒後闇の中から発せられた声は、他でもないメルケネンスのものだった。 「ちょっリーダーッ!?」 「いやぁ悪い悪い、手探りで敵を探していたらうっかり」 「うっかりってレベルじゃないでござんしょ!? そんなにしっかり揉ん……あっ……」 「これはちょっとしたアクシデント? 否! 好機と言うべきだろう! さぁスズリ今こそ俺達の行住坐臥を見せ付けるときだ!!!」 「何言ってるでやん……っす……かぁ!!!」 ぷち、とセンテラは、自分の頭の中で何かが切れた音を、確かに聞いた。 「……ポワワ、悪いけどここで待ってて」 「え?」 「大丈夫、すぐ戻るから」 センテラはにっこりとポワワに笑いかけ、そして――。 「リ・イ・ダ・ア♪」 「っ!!!」 一瞬にしてメルケネンスの居場所を探り当て、その肩にぽんと手を置いたのだった。 びくりと過剰なまでにメルケネンスの体が跳ね、そして彼は錆び付いた機械のようなぎこちない動作でセンテラに顔を向ける。 「よ、よぅセンテラ、こんな暗いのによくわかったな。それだけ夜目が利くならローグにだってなれるぜ、うん」 「……ベノムッ!!!」 「うおぁっ!? おまっ毒は反則だろ!? 死ぬ死ぬ!!! お前の毒はやばい!!!」 「やかましいっ!!!」 「毒はやめて好きなだけ殴ってほしいなぁぁぁぁーっ!!!???」 「ベノムベノムベノムベノムベノムーッ!!!」 精神力が続く限りありったけのベノムを唱えるセンテラ。 辺りには毒の花が、フロワロに負けないぐらいの数咲き乱れていく。 「オ、オイ貴様ラ!!! 黙ッテ見テイレバ好キ勝手……グハッ!? ド、毒ガッ……!!!」 「謝るから! 土下座でも靴舐めでも何でもするぜ!? 寧ろそれご褒美だけど!!!」 「ふっざけんじゃないわよ女の敵めぇぇぇっ!!!」 「グオォッ!?」 闇の中に響く悲鳴と殴打音。 暫しそれは止む事がなかった。 【15.あだ名はラックちゃんに決定(ポワワ命名)】1/2 「ハァッ……ハァッ……!!!」 いつの間にか闇は晴れていた。 すっかりバテて肩で息をするセンテラの目の前には、嬉々とした表情で血まみれになって横たわるメルケネンス。 「セ、センテラどの?」 「スズリ……さんっ……ハァッ……! ごめん、ね……このバカ、が……っ!!!」 「いや、いいでやんすよ。減るもんでもないし」 「あーもうっ……できることならあの滝の中に沈めて……しずめ……て?」 センテラは気づく。 闇が晴れ、滝がどうどうと流れ落ちているのに。 「……帝竜は?」 「センテラどのがやっつけたんじゃないでやんすか? リーダー追い掛け回すついでに」 「へ……? 私が……?」 「そ~だよ~。テラちゃんがやっつけたんだよ~」 「………………」 見れば地面にはデッドブラックの残したと思われる、決まった形を持たない、最初にデッドブラックが見せたような真っ黒な炎のように蠢く物質が落ちている。 そして、その傍にぺたりと座り込んでいる一人の少女の姿。 光を吸い込みそうなほど黒く、赤い瞳を覆い隠し、腰まで届く長い髪の毛、黒いボロボロのローブを着込んだ少女は、明るくなった洞窟内ですっかり怯えてしまっている。 「……あんた」 「くくくくるなっ!!! か、噛むぞ! わ、われは黒帝竜デッドブラック! 強いんだぞ! 人間なんて一ひねりだ!」 「わーこわいでやんすー」 「きゃ~」 「……こわーい」 「あっ!? 馬鹿にしてるな人間共!?」 センテラはとりあえずスズリやポワワに続いて怖がって見せるものの、丁度ポワワぐらいの年恰好の少女に対して何を怖がれるのだろうと思った。 帝竜が人へと変化する、一行にとってこれを見るのは二度目だった。 ギルドハウスで今も読書とお子様ランチを堪能している女性の姿がセンテラの脳裏を過ぎる。 「……で、どうするの」 「連れ帰るに決まってるぜ」 「あ、リーダー。起きたでやんすか」 いつの間にかメルケネンスは復活していた。 あの暗闇の中で起こった騒ぎの最中、デッドブラックにヴァンパイアでも決めて多少なりとも生命力を回復していたのだろうとセンテラは予想する。 メルケネンスは早足でデッドブラックに向けて歩き出した。 「くっくるなっていってるだろー!!! 噛むぞー!!!」 「なんと。それは是非。幼い少女が施す甘噛みとかこれどんな神様のご褒美? ……今日は色々頑張ったし、いいよね……」 「っ……!?」 「さぁさぁ噛んでもらおうかいや噛んで頂戴、是非、是非とも私めにできればこのお耳に一つ! さぁさぁさぁ……!!!」 「ひっ……!?」 鈍い音が響き渡る。 続いて大きなものが水の中に落ちたような音が響いた。 【15.あだ名はラックちゃんに決定(ポワワ命名)】2/2 「……別にもう、あんたを攻撃するつもりなんてないわよ」 「嘘だぁっ!? あっあの男を一度ならず二度までもその凶器で撲殺っ……!!! それでわれも!!!」 「撲殺だなんて人聞きの悪い事言わないでよ!? アレで死ぬんなら苦労しないわよ!」 「その通り! あれは愛の鞭です」 「浮かんでくるなっ!!!」 再び水面に浮かび上がってきたメルケネンスにセンテラが構っている隙に、ポワワとスズリがデッドブラックのもとへ近づいた。 そして、笑みを浮かべて話しかける。 「センテラどのはあぁ見えて凄く優しいでござんすよ。それに、先ほどセンテラどのが言ったように、もうあたいたちは戦うつもりはないでやんす」 「一緒にカザンにいこ~? 一人ぼっちは寂しいでしょ~?」 「ばっバカを言うなっ! 帝竜たるこのわれが人間どもと行動を共にするなんてっ……!!!」 「こんなじめじめした場所で一人ぼっちより、絶対にカザンのほうがいいでやんすよ?」 「そうだよ~」 「ふんっ! われはここを気に入っているのだ! それに一人で居るほうが――」 「ほほう一人でこの人が寄り付かない場所に滞在すると言ったか! それ俺に対しての誘惑、そうに違いないんだぜ。よーし俺さっそく明日からここに通いまくっちゃうぞ~」 「行くなっ!!!」 「くるなっ!!!」 ずぶ濡れの格好のままではしゃいでいるメルケネンスを横目に、センテラは疲れきった表情でデッドブラックに詰め寄る。 「一応敵とはいえあれに襲われるのは可哀想だから言っておくわよ……。頼むから一緒に来て」 「………………!」 デッドブラックはセンテラとメルケネンスの両者に視線を何度も持っていく。 ここに残るか、彼らに付いて行くか、そのどちらを選ぶか悩んでいる様子だった。 しかし結局彼女は――。 「……えぇーいわかった! じゃあわれを連れて行け! どこへでも行ってやる!」 彼らと行動を共にすることを選んだのだった。 【16.お弁当屋さんでバイトもしてます】 デッドブラックの討伐も済み、カザンのギルドハウスへと帰りついた一行。 扉を開けた先には、エプロンをつけてなにやら料理をして居る女性の姿があった。 軽く後ろを振り向いた女性は、入ってきたのが良く知った人物達であることを確認して、僅かに微笑む。 「よお。今日もエプロン姿が決まってるんだぜ」 「お前達か。無事に戻って来れたようで何よりだな」 燃える様に赤いショートヘア、同じ色の瞳を持った細身の女性。 この女性がかつてカザンを征服し、レーハムナザドゥ一行に討伐された赤帝竜キングだと誰が思うだろうか。 センテラはこの家庭的な女性を見て、そんなことを思った。 信じがたいが、事実なのだ。 「グーちゃんただいまぁ~。いい匂い~」 「この匂いはカレーでござんすね?」 「その通りだ。レシピを教わってな、材料もあったし作ってみた。『でぼかれー』というらしい。食べてみるか?」 「うん!」 「グーどのが作る料理はどれも絶品でござんすからねぇ。勿論頂くでござんす」 ポータルを使ってあっという間にカザンに帰り着いたものの、皆空腹を覚えている。 彼女の申し出を一行は喜んで受け入れる事にした。 「そしてその後はデザートとしてお前さんの裸エプロン姿を拝んで」 「はだかえぷろん? 何だそれは?」 「しなくていいし詳細を聞かなくてもいいから。……ほら、何してるの? 早く入って」 「わわ、わかっている……!」 女性相手だとたとえ竜であろうとちょっかいを出し始めるメルケネンスにセンテラはしっかり釘を刺して、先ほどから入り口でもじもじとしているデッドブラックの手を引き、家の中に招き入れる。 「デッドブラック!」 「あ、あねうえ!?」 デッドブラックの姿を見て、キングは嬉しそうな声を上げた。 逆にデッドブラックは、そんなキングの姿を見て目を丸くする。 「ど、どうしてこんな所に……! い、いや、そもそもこの国の制圧にあねうえは当たられていたはず! この現状は一体!?」 「いや……話せば長くなるんだが……」 キングは困ったように頬を掻き、視線を逸らす。 そして少し慌てたような素振りで、言葉を続けた。 「とりあえずお前もどうだ? お腹が空いているだろう? 話はそれからでもできる」 キングはカレーがたっぷり作られた鍋を示す。 匂いだけで美味だと判るそれに、デッドブラックの腹の虫は小さく鳴いたのだった。 【17.竜だって生き物だ】1/2 「……そもそもこの侵略にしても我々帝竜、そして真竜の食糧確保、ただそれだけだ。 だが、この星を見てみろ。結晶化させた人間より遥かに美味な食料が山のようにあるではないか? わざわざフロワロを繁殖させ人間達を根絶やしにし、この星を喰らいつくし滅することなどせずとも我等は飢えずに生きていける。……この侵略に意味があるのだろうか?」 「でも! あの方がその考えに対してなんとおっしゃるか!」 「勿論その通りだ。あの方が私の考えをどう思うかは判らん。……だが私は、人との共存を夢見たくなった。それに、私はもうあの方に進言する権利などないのだよ」 「何故です!?」 食事も終え、空腹も収まった一行。 帝竜同士の討論は既に始まっており、それに対して口出しする理由もなく、センテラ達四人は静かに見守っている。 「最初は私も人間達の敵として……彼らの敵として――」 キングは一度言葉を切り、四人をゆっくりと眺めた。 「――戦った。……だが、負けた。この国を制圧しようとしたときに『あの男』によって付けられた傷が癒えていなかった……いや、それは言い訳だな。 とにかく、私は負けたのだ。その時に私は『死んだ』のだよ。もう赤帝竜キングはこの星に存在しない」 「………………」 「彼らは私を殺さなかった。どころか、友好を結ぼうとまでしてきた。 復讐の対象となっていておかしくない筈なのだが、どうも彼らは、私達に理解できない感情を持っているようだ。 ……敗者は勝者に従うもの。彼らの言う通りに私は人の姿を偽り、人と同じようにここで生活するようになった。 そのおかげで私は飢えずに済むことに気づいたし、人間達が持つ、私の理解できなかった感情、『優しさ』を知ることができた。……だから私は、彼らとの共存を望むようになったんだ」 「ねえさま……」 「気の遠くなるような年月貫いてきた我々竜の思考を、いきなり覆せというのが土台無理な話だというのはわかっている。……だが、すまない。他の姉妹になんと言われようが、私はこの考えを貫き、信じるつもりだ」 きっぱりと言い切るキングに、デッドブラックは暫く悲しげな表情を見せていた。 【17.竜だって生き物だ】2/2 だがやがて、何かを決意したかのように頷き、力強い視線を向ける。 「……敗者は勝者に従うもの。そうねえさまはおっしゃいました。ならばわれも、一匹の敗者です。勝者である彼らの言う事を、享受しようと思います」 「デッドブラック……!」 「ねえさま……!」 キングとデッドブラックの二人は瞳を輝かせ見つめあっている。 感動的な雰囲気を醸し出しているが、デッドブラックの口元にカレーが付着しているため思い切りぶち壊しになっていることは気にしないことにして、センテラは口を開いた。 「話は纏まった?」 「あぁ」 「さぁ、えーっと……レーハムナザドゥとかいったな! われに命じろ!」 相変らずカレーが口元に付着したままなのに気づかず、デッドブラックは偉そうに言い始める。 暫くセンテラたち四人は顔を見合わせ、言った。 「命じろっていわれてもなぁ。俺にご奉仕しろとしか」 「そんなの命じたら外の鉢植えと首を並べて一夜を過ごすことになるわよ」 「いやん、今日のセンテラは激しいんだぜ」 「ん~。それじゃあ~。ラックちゃんはグーちゃんのお手伝いをしっかりすること!」 「ぐ、ぐーちゃん?」 「私のことだ。……そうだな、いい機会だ、末っ子のお前を相手する事も少なかったし」 「あとはそうでやんすね。口の周りにカレーついてるから綺麗にしておくといいでやんすよ」 「っ!? はははやくいわんかそういうことはっ!!!」 「待て、私が拭いてやるから……」 慌てて口元を拭い始めるデッドブラックに、どこからかちり紙を取り出してくるキング。 ギルドハウスがまた一段と、賑やかになった。 → レハナザ珍道中 2
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B01-015 ホーリードラゴン イラストレーター : NINNIN コスト 0 防御 500 攻撃力[追加ダメージ] 1100 2200 3300 4500 5600 6700 レアリティ 属性光 タイプドラゴン カード種類モンスターカード進化段階2進化 進化元ホワイトドラゴン 究極進化素材- 効果タイプ- カード効果- ドロップ 火 水 光 収録・配布ブースターパック第1弾『旅立ちの刻』収録
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ちびキャラトーク(アイテル) ちびキャラトークの最終日まで行ったときに登場するアイテルのトーク詳細。 約束を守り、パスワードを貰えた場合 「あら? 誰か探してるの? ひょっとして、○○? あの子ならもう既に出発したわ。 この街を守るための 戦いに出かけたの。 あなたが今の気持ちを 忘れなければ きっとまたあの子にあえるはず。 あなた、もしも あの子になにかもらったのなら 大切にしておくといいわ。 きっと、それが あなたとあの子を繋ぐ絆になるはずだから。 」 約束を守らず、パスワードを貰えなかった場合 「あら? 誰か探してるの? ひょっとして、○○? もう出発したはず。 この街を守るための 戦いに出かけたの。 あなた、もしかして あの子との約束破ったの? …だったら祈ることね。 あの子たちが竜を倒して 無事に帰ってくることをね… 」