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スキ~ 【スア~】【スカ~】【スサ~】【スタ~】【スナ~】【スハ~】【スマ~】【スヤ~】【スラ~】【スワ~】 【スカ~】【スキ~】【スク~】【スケ~】【スコ~】 スキアーポデス スキアポッド スキアポデス スキージ スキージ(2) スギィポムシ スキールニル スキーローン スキーローン(2) スキーロス スキーロス(2) スキーロン スキエクロン スギオトオエモンサダノリ スギオニ スギサカボウ スギスメノオオカミ スキタリス スキツミ スキノトコヘビ スギノボウ スギヒロノブ スギホコワケ スキマカゼ スキャサッハ スキャサハ スキャサフ スキヤポデス スギヤマノオオカミ スキャルフ スキャルフ(2) スキャンダルモンガー スキャントリーマッブ スキャントリーマブ スキューリオス スキュエル スキュテース スキュテス スキュバス スキュビ スキュピオス スキュブス スキュラ スキュラ(2) スキュラ(3) スキュラー スキュラー(2) スキュラケウス スキュリオス スキュルラ スキュルラ(2) スキュレ スキュレ(2) スキュレ(3) スキュレー スキュレー(2) スキュレー(3) スキョルド スギョルド スキョルドゥル スキョルドールヴル スキラ スキリーウィデン スキリウィッデン スキルヴィル スキルヴィング スキルヴィングル スキルガイラ スキルティ スキルニール スキルニル スキルフリル スキルマンタス スキルマンタス(2) スキルムント スキルモント スキロス スキロス(2) スキロニテス スキロン スキンファクシ スキンファクス
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基本情報 クラス セイバー 性別 女 身長 157cm 体重 44kg 属性 秩序・善 願い 主と同じ立場に立つ ステータス 筋力 A 耐久 B 敏捷 B 魔力 C 幸運 B 宝具 A+ 容姿 メイド服を着たアルトリア顔の少女。セイバーリリィっぽい感じ。 浮遊する大剣を持ってる。 クラススキル 対魔力:C セイバーのクラススキル。 Cランクでは、魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。 騎乗:C セイバーのクラススキル。乗り物を乗りこなす能力。 乗り物を乗りこなす能力。正しい調教、調整がなされたものであれば万全に乗りこなせ、野獣ランクの獣は乗りこなすことが出来ない。 本来はA+程あるが、セイバーの時は制限されている。 固有スキル 豊穣神の加護:B+ 主君である豊穣神フレイの加護を受けている事を示すスキル。 同時に低ランクの神性スキルも含んでいる。 従者:A 家事といった、主の世話・補助をする能力を示すスキル。 神に仕える者である為、ランクが高い。 輝ける者:A+ 自身の真名や逸話に由来するスキル。 魔力放出スキルに近い、強い光の魔力を放つスキル。 目立つうえに自分の目も焼きかねないのであまり使わない。 神の代行者:EX 自身が神霊の代わりに現界する契約を交わしている事を示すスキル。 彼女は豊穣神フレイとこの契約を結んでおり、彼女を使いとして様々な物を取りにいかせたりした。またの名をパシリ。 このスキルの関係で、「豊穣神フレイ」をサーヴァントとして召喚できず、召喚した場合は彼女が召喚される。 武器・宝具 勝利の剣(ジークシュベルト) 背後に浮遊している、刀身が身長ほどある白い大剣。 7つに分離することが可能で、基部である中央部を制御ユニットに、6本の剣を扱うことが出来る。 使用者の意思で自由に動かすことが可能で、一定位置に展開させたり、反射で特定の行動を行なわせることが出来る。 『光輝く勝利の剣(スキールニル・ジークシュベルト)』 ランク A+ 種別 対城宝具 レンジ 1~50 最大補足 100人 我は神の代行者。輝きと共に歩み、地より命を見守る者。受けるがいい、神の裁きを!『光輝く勝利の剣(スキールニル・ジークシュベルト)』!! セイバーの持つ武器「勝利の剣」の真名。 真名解放することで大剣状態となった勝利の剣から光の刃を生み出し、勢いよく振り下ろす。 溜めこそ長いが威力は絶大。 名称が似ているアルトリア・ペンドラゴンの『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』に類似した性能。 ただし、彼女本人は宝具の本当の持ち主ではない為、ランクがエクスカリバーよりも低い。 真名 真名 スキールニル 出典 北欧神話 その他データ・解説 イメージカラー 白、金 特技 家事、料理 一人称 私 好きなもの 動物の世話 嫌いなもの 特には思いつかない 二人称 あなた 天敵 巨人 イメージCV 土屋李央 三人称 〇〇さん + キャラシート 【クラス】セイバー 【真名】スキールニル 【容姿】メイド服を着た少女(アルトリア顔。セイバーリリィっぽい)と浮遊する大剣。 【英雄点】35点(ステ17点・スキル18点):令呪0画消費 【HP】20 / 20 【筋力】A:5 【耐久】B:4 【敏捷】B:4 【魔力】C:3 【幸運】B:4 【スキル1】豊穣神の加護 B+ 5点:キャラシート作成時、英雄点5を得る。物理攻撃時、補正値5を得る。 【スキル2】従者 A 5点:交戦フェイズごとに1回まで、味方陣営の任意の判定に補正値5を与える。 【スキル3】輝ける者 A+ 5点:魔術防御時、補正値3を得る。相手の攻撃時、攻撃対象を自分に変更できる。 【宝具】『光輝く勝利の剣(スキールニル・ジークシュベルト)』 1/1 【ランク・種別】A+・対城宝具 【効果】物理攻撃時に任意の陣営の前衛全てに攻撃でき、補正値5を得る。 対象が闇に関係する相手に対しては更に補正値3を得て、相手によるダイスのマイナス補正を受けない。 【その他】秩序・善 + FGO風台詞 召喚:「セイバー、スキールニル。我が主フレイの命により、貴方のサーヴァント代行を務めさせて頂きます。ご命令を、マスター」 レベルアップ:「フレイ様からの魔力供給を受信しました。これで少し強くなれたかと」 霊基再臨:「新しい仕事着、有難く頂戴させていただきます」 その2:「衣服の新調はありませんか…いえ、力の増幅につれて耐え切れなくなっているようなので…」 その3:「…これですか?フレイ様より今回の為に賜った鎧です。こちらの方がセイバーらしいでしょう?」 最終:「…我が友フレイ、マスターは我らをこの域にまで昇華させました。マスターになら、貴方の力を表しても良いと思います」 開始:「目標補足、戦闘を開始します」 その2:「勝利の剣よ、我らに勝利を!」 スキル:「フレイ様!」 その2:「掃除を始めましょうか」 選択:「お任せを。」 その2:「了解致しました。」 その3:「勝利を!」 攻撃:「行け!」 その2:「舞え!」 その3:「そこです!」 EX:「隙は逃さない!」 EX2:「もらったぁっ!」 宝具選択:「参ります」 その2:「フレイ様、使わせて頂きます!」 宝具:「我は神の代行者。輝きと共に歩み、地より命を見守る者。受けるがいい、神の裁きを!『光輝く勝利の剣(スキールニル・ジークシュベルト)』!!」 小ダメージ:「ぐっ…!」 大ダメージ:「しまった…!!」 戦闘不能:「申し訳、ありません…」 その2:「フレイ、…」 勝利:「戦闘終了。被害状況を確認します」 その2:「マスター、お怪我はないでしょうか?」 会話:「…そろそろ出立の時間です、マスター」 その2:「マスターは良い方です。フレイ様も私ときっと同じ事を言うでしょう」 その3:「マスターとサーヴァント…元々、私は神に仕える従者ですので、関係性は変わりないかと」 その4:「ワルキューレ達もいるのですね。…いえ、同じく神に仕える者同士、少し関わりがあったのです」(ワルキューレ) その5:「…あの剣、もしや…」(アルトリア、ジークフリート等聖剣・魔剣関係) その6:「あら、クルースニクではないですか。ここで再開できるなんて…お変わりないようで安心しました」(クルースニク) その7:「…ちょっと待ってください、なんで神霊がサーヴァントとして現界しているんですか!?」(ロムルス、イシュタル等神霊サーヴァント) その8:「疑似サーヴァント、ですか…神霊の力を人の身体に宿して英霊とする、という点では私も変わりないですね」(疑似サーヴァント) 好きなこと:「好きなことですか…フレイ様に仕えているというのもありますが、小動物と触れ合ったり、植物を育てるのが好きですよ」 嫌いなこと:「嫌いなこと…特には思いつきませんね」 聖杯について:「万物の願望器、聖杯…もし願えるのなら、叶うのなら…フレイと、同じ場所に立ちたいです」 絆:「私は神に仕える従者でございます。なんなりとお申し付けください」 その2:「この勝利の剣は我が主、フレイから賜った物です。…後に私が持っていたが故に、フレイ様はラグナロクで危機に陥ってしまったそうです」 その3:「…これは人の世には語られていない事ですが、フレイ様は本来一つの剣を二つに分けて、私にその片方を持たせてくれたのです。それがこの剣であり、もう一振りがレーヴァテインなのです」 その4:「勝利の剣とレーヴァテインが揃った時、私は我が主にして友、フレイとして現界するでしょう。…これは私がフレイと唯一無二の友として約束した事なのです。」 その5:「…私が消えるのが悲しい、ですか?…ふふ、私も悲しい事です。でも、一番悲しいのは…フレイなのです。マスターがフレイと同じ志を持っていらっしゃる事はとても嬉しいです。ですから、今はスキールニルとして全力でお仕えします、我がマスター」 イベント:「なにかの祭りでしょうか?もし赴くのでしたらお伴いたします」 誕生日:「マスターの生誕日…今日は少し豪華な催しでもしましょうか?」
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Chapter62「フリード遠征8:イケメンかよ。惚れちまうだろ」 地獄だ。 フレイヤ王女の姿に変えられて、王女の格好をして人前を歩かされているだけでも苦痛なのに、なぜ大臣の息子なんかに言い寄られなくちゃならんのだ。 何度も言うが俺は男だからな。男色の趣味なんて微塵もないんだぜ!? しかしそんな魂の叫びも届かず、大臣の息子オスマンは力ずくで俺の身体を押さえつけると、目を閉じて口を突き出しながら顔を近づけてくるではないか。 てめえ、冗談じゃねえぞ! まじで無理! やめて、死ぬ!! なんとか逃げ出そうと抵抗するも、こいつやけに力が強い。 いつもの俺ならこの程度の男に力で劣ることなど絶対にあり得ないのだが、今はフレイヤの姿になっているせいか、自分の力もそれ相応に弱体化しているのだ。 振り返ってヴァルキュリアの面々に助けを求めるも、彼女たちは怒りに身を震わせたり真っ青になって慌てたりするだけで、助けの手を差し伸べてはくれない。 いや、できないのだ。ただの従者にとって、大臣の権力というのは抗うことのできない絶対的な力。下手なことをすれば城から追放もあり得るらしい。 ちょっと待て。フレイヤ王女には権力はないのか? 大臣に頭上がんないわけ? ユミル国の権力事情なんて俺は知らない。そんなことはどうでもいい。 とにかく今はこの人生最大の窮地をどうにかしてくれ! 誰でもいいから!! だが無常にもオスマンの顔は着実に近づいてくる。 ああ、その光景がスローモーションで見えるぞ。そして脳裏には走馬灯が。 脳裏? そうだ、俺の脳内にはフレイヤの意識が憑依している。 精神だけの状態でも魔法は使えるとフレイヤは言っていた。 この危機的状況を打破するにはもう魔法に頼るしかない。 フレイヤ様、どうか! なにとぞ、お願いします! しかしいくら念じても唸っても、脳内にフレイヤからの返事は届かなかった。 ……はぁ!? もしもし、ちょっとお姫さん? 返事がない、お留守のようだ。まさか逃げやがったのか。 そういえば憑依はいざとなればいつでも解除できるとか言ってたような……。 万事休す。 そして脳内には最悪の想像が展開され始めた。 結局抵抗虚しく、このいけ好かない野郎に手篭めにされた俺はあんなことやこんなことをされて陵辱されるに違いない。 中身が男だということも知らずに、このオスマンはそのままフレイヤ王女(俺)を手中に納め、権力にものを言わせて結婚を迫ってくるってわけだ。 そして初夜は見たくもない男の裸体を……地獄だ。 さらに俺は男なのに、この男によって抱かれ……地獄だ。 やがて望んでもいないこの男の子を孕むという展開……地獄すぎるぜ。 (……はぁ。さすがにその想像は下品すぎるんじゃないの。ドン引きね) 脳内に響く鈴を転がすような声。 おお、神さま女神さま。じゃなかった、フレイヤ様! このやろう、おまえ一人で逃げたんじゃなかったのか。 (人聞きが悪いわね。ちょっと魔法を使うために集中してただけよ。念波で助けを呼んだから、もうすぐ助っ人がやって来るはずだわ) その言葉通り、すぐに城の奥のほうから一人の青年が走ってくる。 そしてがっしりとオスマンの腕をつかまえて言った。 「やめないか! フレイヤ様が困っておられるではないか。いくら大臣の息子とはいえ、このような無礼な振る舞いは許さんぞ」 「ん? なんだ、エインヘリアルの隊長か。君さぁ、バルハラの治安維持部隊が城で何をやってるんだい? こんなところで油を売ってないさっさと仕事に行けよ」 「もちろん仕事中だとも。城だってバルハラの中にあるのだからな。その治安を乱すような行為を見逃すわけにはいかん」 「なんだと? 僕はただフレイヤ王女と楽しくお話してただけじゃないかぁ」 「ほう。では本当にそうなのかフレイヤ様に聞いてみようじゃないか。そうだ、せっかくだから大臣にも立ち会ってもらおうか。もしおまえの言う話が事実なら、フレイヤ様とお近づきになれるいいチャンスかもしれないぞ?」 そう言って、エインヘリアルの隊長はこちらに視線を送った。 なるほど。つまりは、おまえの親父に言いつけてやる作戦か。気に入った。 俺は返すように頷いてみせると、覚悟しとけと言わんばかりにオスマンをきつくにらみつけてやった。 「そ、そうだ。父上から大事なお使いを頼まれていたんだった。いやー残念だ。フレイヤ王女を父上に紹介するのはまたこんどにしよう。はっはっは……失礼っ!」 するとオスマンは慌てた様子で一目散に逃げていくのだった。 父親の権力を借りて威張ってるくせに、肝っ玉はずいぶん小さいようだ。 「行ったみたいだな。大丈夫だったか、フレイヤ?」 オスマンが視界から消えたことを確認すると、エインヘリアルの隊長は笑顔を見せながらこちらに手を差し伸べてきた。……というか呼び捨てかよ。 助けてくれたのはありがたいが、王女に対してやけになれなれしいな、こいつ。 一体何者なんだと考えていると、フレイヤが彼について説明してくれた。 この男の名はスキルニル。 さっきも言われていたが、バルハラ治安維持部隊の隊長をやっている。 もともとは城下街のガキ大将で、どうやらフレイの幼なじみらしい。 子どもの頃から親しい相手で、フレイヤにとっても兄弟のような感覚らしい。 (少なくともあなたよりもずっと信頼できる人よ) はいはいそうですか。 どうせ俺はうさんくさい男ですよ。 「どうしたフレイヤ。ぼーっとして、おまえらしくないな」 おっと、返事もせずにこいつを放っておくわけにもいかない。 とりあえず適当に話を合わせておかなければ。 「な、なんでもありませんよ。お、私は大丈夫です。助けてくれてありがとう」 「…………? なんか変だぞ。本当に大丈夫かよ」 「いえいえ、本当に大丈夫ですんで。それじゃあ私は急ぎますからこれで」 スキルニルだかなんだか知らないが、こんなやつに構っている暇はない。 こんな過酷な任務はさっさと終わらせてしまうに限る。トロウの元へ急ごう。 もちろん助けてくれたことには感謝しているがな。 ありがとう。そしてさらばだ、青年よ。 彼を後にしてその場を去ろうとすると、しかしスキルニルはフレイヤ(つまりは俺のこと)を引き止めた。 「待て。おまえ、本当にフレイヤか?」 げっ。さすがに幼なじみの目は欺けないのか。 慌てて言い訳をしてもボロを出すだけだ。俺は素直にフレイヤに助言を求めた。 (さっき魔法で彼の精神を読んだのだけど、どうやら彼は大丈夫みたいよ。ここは事情を話して彼を味方につけるべきだと思うわ) なるほど、それなら安心だ……ってちょっと待て! 事情を話すっていうことは、つまり俺の正体が俺、じゃなくてこのフレイヤの中身が実は俺だってことを、わざわざ俺の口から教えるってことだろ。 つまり俺がフレイヤ王女の姿になっているってことを話すってことで……。 (あら。何か問題でも?) そりゃ問題あるだろ。だって王女様の中身が男なんだぜ? (ないでしょ。そういう作戦なんだから、話せばわかってもらえるわよ) なくないだろ! 色々とほら、例えば俺の気持ちの準備とか……。 (そういうことなら全く問題ないわね。いいから早く話しなさい。王女命令よ) ひでえ。 俺はしぶしぶこれまでの経緯をスキルニルに説明した。 ヒルデたちも一緒になって説明してくれたので、変な誤解をされることなく彼は作戦に理解を示してくれたようだ。 「ははぁ、なるほどな。それで合点がいったよ。前からフレイヤの様子がおかしいとは思ってたんだ。やっぱりトロウに洗脳されてたんだな」 「うすうす感じていたのか」 「オレは昔からフレイヤのことを見てきてるんだ。気付かないわけがない」 「なるほど。ところでずっと思ってたんだが、おまえは洗脳とかされてないのか」 「ああ、大丈夫だと思う。たぶん城のみんなはトロウにうまく騙されてるだけで、操られたりはしていないんじゃないかな」 スキルニルの話を聞いてずっと疑問に思っていたことが解決した。 外の世界ではムスペやニヴルが攻め落とされたり、バルハラ城がいかにも怪しい暗雲に包まれたりときな臭いことこの上ない。しかしどうやら城内に暮らす者たちはトロウにいいように言い包められて、一切の疑問を抱くこともなく普通に生活を送っているらしい。……いや、それまさに洗脳って言うんじゃないのか? ともかく、フレイヤのように操られていたわけではないらしい。 「ムスペの件は先にあちらが手を出したので正当防衛の結果ということになっているし、ニヴルまでトロウの支配下になっていたとは知らされていなかった」 「そうか……。それにしてもフレイヤが操られていると知っていたなら、なおさらさっきはよく助けに来てくれたな。罠とは思わなかったのか?」 「ああ、フレイヤの声が聞こえた気がしたんだ。操られていたときのフレイヤじゃない、オレのよく知るフレイヤの声がね。そのあとで変な態度を取られたんで、やっぱりおかしいと思って疑ってしまったんだが」 「すまんな。その声はたしかにフレイヤ本人だが、おまえの目の前にいるのは中身が俺のフレイヤ王女だ」 「まったく驚いたよ。身代わりが男だなんて。誰か他に代役はいなかったのか?」 「そりゃ俺が聞ききたいぜ……」 フレイヤとの脳内会話は俺以外には聞こえないが、だからといってフレイヤが他人と話せない状態にあるわけではないらしい。 助けに彼を呼んだときと同様に、テレパシーの魔法を介してフレイヤはスキルニルと会話することができるようだ。 もっともその場合は、フレイヤとスキルニルの会話は俺には聞こえないのだが。 スキルニルの返答と相槌だけが俺には聞こえるのだが、なにやら楽しそうな会話をしているようなので少し悔しい。 もしかしてフレイヤって俺にだけ厳しく接してないか? その後、フレイヤに説得されたスキルニルは、このまま俺たちに同行して力を貸してくれることになった。 もともと彼はトロウに支配されたこのユミルでエインヘリアルの隊長として動いていたので、フレイヤの隣に彼が立っていても怪しまれる原因にはならない。 「トロウはおそらく王の間にいるはずだ。所詮オレは治安維持部隊。そう気軽に陛下とはお会いできない。だけどフレイヤ王女なら話は別だ」 「ああ。さっさとトロウを騙してこんな陰気なところはトンズラしたいね」 「ところで協力してやる代わりにひとつだけ言わせて欲しいことがある」 「おう、なんだ?」 「あまりフレイヤの顔で品の無い言葉を口にしないでくれないか」 「……すまん。努力はする」 その後スキルニルに案内されて、俺たちはバルハラ城の王の間へと向かった。 城のホールを抜けて中庭を囲む回廊を通り奥へ。再び屋内へ入るとそこは謁見などに使われる玉座の間だ。 その部屋の左右にある階段を上ると兵士の訓練場。そこから複数の通路が伸びていて、そのうちのひとつを行くと螺旋階段があり、それを上り切ったさらに先の通路を行くとようやく王の間が見えてくるという。 ……ううむ、これは俺一人じゃ絶対に迷子になりそうだ。 天馬は階段を上れないのでヴァルキュリアたちは中庭で待機だ。王の間は塔の上にあり広いバルコニーが隣接しているので、いざというときにはそこから救援に駆けつけることができる。 その螺旋階段へと向かう通路を抜けた頃……いや、王の間への通路だったか。 やけにこの城は迷路のように入り組んでいるのでよくわからなくなってきたが、とにかくヴァルキュリアたちと別れたあとのどこかで俺たちは一人の男に声をかけられた。 「おっと……。ちょっと待ちな、お二人さん。この先は王の間だ。あんたらのようなのが一体何の用があるっていうんだい?」 これまでにすれ違った誰とも雰囲気がまるで違う男だった。黒ずくめの服装をしていて、一目で使用人や兵士のような城に仕える者ではないことがわかる。 「その言葉、そのまま返させてもらおうか。おまえはどう見てもこの城の者じゃないな。一体ここで何をしている。貴様、何者だ?」 スキルニルは腰に提げていた剣を抜き放つと、その切っ先を突きつけながら鋭く問いかけた。 そんな様子を見て黒ずくめの男はふっと鼻で笑ってみせる。 「ニンゲンというのは視覚に頼りすぎているんだよなぁ。だから見た目だけでしか物事を判断することができない。だったら、これなら俺がわかるかな?」 そう言うなり男の姿が瘴気のような黒い霧に包み込まれる。そして霧が晴れるとそこには見上げるような漆黒の竜の姿があった。 「お、おまえは……第一竜将のアリアス!!」 スキルニルは驚いたような声を出した。 俺はそのアリアスとやらは知らなかったが、竜将というキーワードには聞き覚えがあった。 第五竜将ヴァルト、第四竜将ファフニール、第三竜将イフリート……。 トロウの手下どもに与えられている称号だ。 (第一竜将アリアス……。私も操られていた間のことは記憶が少し曖昧だけど、あいつのことはわかるわ。アリアスはトロウの配下の中でも特別よ。あいつだけはトロウに意見することができる。トロウの右腕だとも言われていた気がするわね) くそっ、そいつはとんだ大物だ。 だが慌てるのは早いんじゃないか。まだこちらの正体がバレたとは限らないぞ。 うまいこと言ってやり過ごせるのでは。そう思って俺は第一声を発した。 「わ、私はフレイヤです。トロウ様に次の作戦のことで呼ばれたので城に戻ってきたところです。そういうあなたこそ、トロウ様の腹心なら私のことを知らないわけじゃありませんよね? それを知らないというのなら、それはおかしい。もしかしてアリアスを名乗る偽者なんじゃないですか?」 我ながらけっこう強気に出たものだ。偽者はこっちなのに。 もしかしたらフレイヤの精神を憑依させていることで、お姫さんの強気な本性が少し俺の精神に影響したのかもしれない。 それを受けて漆黒竜は再び笑ってみせた。 「へぇ……。フレイヤ王女だったのか。そいつは気がつかなかったなぁ。なにぶん俺はハナが利くもんでね。臭いが違うからてっきり別人なのかと思ったぜ」 「に、臭いが違う!?」 「ずいぶん男臭くなったようだが……香水でも変えたのかな、フレイヤ王女様?」 まじかよ。これ絶対にバレてるぞ。 アリアスのやつめ、絶対に確信した上でおちょくってるに違いない。 おい、フレイヤ。魔法で何とかならないのか。 (臭いを変える魔法!? たしかにものの性質を変えるのは変性魔法の領域ではあるけど、物質でも動物でもないなんて……そんなのやったことないわよ!) なんてこった。まさかトロウに会う前に作戦が失敗することになるなんて。 こうなったら仕方がない。振り返って猛ダッシュでヒルデたちと合流してマッハで逃げる! もうこれしかないな。 撤退することを告げようとスキルニルに一歩近寄ると、なんとスキルニルは俺の両手を取って正面からこちらに向かい合うように立った。 ……え? おまえ何やってんだ、こんなときに? 「いや、この方は間違いなくフレイヤ王女だ。その王女様を男臭いだと? 貴様、第一竜将だかなんだか知らないが、無礼が過ぎるのではないか?」 「ああ、そうかもしれない。もし本当にそれが本物の王女ならな」 「だったら今からそれを証明すれば、信じてそこを通してくれるんだな」 「証明だと。はんっ、そんなことできるわけがないだろう」 「ならばこれを見るがいい」 そう言ってスキルニルは勢いよく俺の身体を引き寄せた。 あまりに一瞬のことなので何が起こったのか、すぐには理解できなかった。 ただハッとしたときには、スキルニルの顔がものすごく近くにあった。 「んんんんん~っ!?」 そのとき俺の脳内にはある効果音が再生されていた。 なんというか、こう、ズキュゥゥゥン! という感じのあれが。 いやいやいやいやいや、ちょっと待て。 俺は一体どうなったんだ。こいつ何しやがった。 スキルニルはアリアスに向かってこう言った。 「おまえが言うように、もしこれが偽者のフレイヤ王女で、しかも男だったとしたら、こんなふうにキスなどできるわけがない。これでは証明にならないか?」 な、何を言っているんだこいつは!? というかそれってつまり俺は……。 嘘だろ……運命の人のために残していた大事なファーストキスだったのに……。 それがまさかこんな形で奪われてしまうなんて! そんなひどい! しかしなぜだろう。 オスマンのクソ野郎とは違って、絶望的な地獄のような嫌悪感はなかった。 そりゃたしかにスキルニルは男だけど、よく見ると顔も整っているし、中身が俺とはいえフレイヤ王女を全力で守ろうとしてくれているのが伝わってくるし、なんと言えばいいのだろう。 不思議と悪い気持ちはしなかった。 (は!? ちょっとやめて) もしやフレイヤの精神を憑依させている影響がここにも!? ああ、俺の中の何かが目覚めようとしているのか! しているのかッ!? そう思うとスキルニルってけっこうイケメンだし、アリな気がしてきた♂ (黙らないと消し炭に変えるわよ) ……俺は正気に戻った! ともあれこの衝撃的な行動は効果があったらしく、アリアスは唖然とした顔をしながらも黙って俺たちを見逃してくれた。 いや、せめて何か言ってくれ。なんか気まずいじゃねえか……。 後にスキルニルはこのときのことをこう語っている。 「中身がフリードだろうが、同じ身体にフレイヤが憑依してるんだろ? それにここで正体がバレたらいずれフレイヤの身に危険が迫ると思った。そう思ったからこそオレは迷わず行動に移れたんだ。それがフレイヤを守ることに繋がるんだから」 イケメンかよ。スキルニル、おまえ性格がイケメンかよ。 まあとにかく、こうしてアリアスの追及が逃れた俺たちは、なんとか王の間の前までたどり着くことができた。 目の前には金色に縁取りされた重厚そうな立派な扉がそびえ立っている。 この先にトロウがいる……。 隣に立つスキルニルと顔を見合わせ、互いに頷き合う。 そして武者震いを抑えながら、俺は王の間の扉に手をかけた。 Chapter62 END 魔法戦争63
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NIGHT WIZARD The 2nd Edition Character Sheet TXT Ver1.2 キャラクター名:アイリスフィール・ビルスキルニル プレイヤー名:しのぎ ワークス:かみさま 年齢/性別:18(外見8~18)外見/女 髪の色:黄金(赤) 瞳の色:深蒼(赤) 肌の色:白 身長/体重:121㎝(162cm)/秘密 3サイズ:92(65G)/58/86 ウィザードクラス:同調者 6LV(竜使いCL4、転生者CL1、大いなる者CL6、勇者CL5)行動値+6 スタイルクラス:アタッカー 0LV 属性:〈天〉/〈風〉総合レベル:22LV CF値: 4 プラーナ 内包値:14 解放力: 6 基本能力値 ベース 成長値 現在値 基本能力値 ベース 成長値 現在値 【筋力】 6 -- 6 【知力】 8 -- 8 【器用】 9 -- 9 【信仰】 10 +2 12 【敏捷】 4 -- 4 【知覚】 8 -- 8 【精神】 8 -- 8 【幸運】 10 +2 12 戦闘値 ベース クラス修正 特殊 総合 未装備 装備 最終戦闘値 【命中】(器用+知覚)÷2 = 8 2/ 3 13 -1 【命中】 12 【回避】(敏捷+知覚)÷2 = 6 1/ 2 9 1 【回避】 10 【攻撃】(筋力+器用)÷2 = 7 2/ 4 12 25 22 【攻撃】 47 【防御】(筋力+信仰)÷2 = 9 1/ 2 12 10 【防御】 22 【魔導】(精神+幸運)÷2 = 10 2/ 0 12 2 【魔導】 14 【抵抗】(敏捷+幸運)÷2 = 8 1/ 0 9 -1 【抵抗】 8 【魔攻】(知力+精神)÷2 = 8 2/ 0 10 7 【魔攻】 17 【魔防】(知力+信仰)÷2 = 10 1/ 0 11 10 【魔防】 21 【耐久力】 = 60 3/ 5 68 3 【耐久力】71 【魔法力】 = 57 4/ 2 63 -13 【魔法力】50 【行動値】(筋力+敏捷+知力+信仰)÷3= 10 7/ 2 22 41 -4 【行動値】37 【移動力】 ベース 特殊能力 未装備 装備 最終値 (未装備状態【行動値】)÷10+1 = 4 -- 4 -- 4Sq ■ライフパス 出自:高貴な血筋 特徴:上流階級/所持金+10万v 生活:神の恩恵 特徴:美形/かわいい コネクション/関係 未定/未定 冥諦王セルベーク/お茶飲み友達? 深淵のリムル/変身仲間 エルシア=レイピーク/美少女仲間 ミーズ=ギィ/水着職人 オクト/人造天使 エルド/宿敵 シンセシア/脱がし脱がされ 教授ミア/愛すべき変人 カトレア/敵 ミネルヴァ/王女 ■特殊能力 名称 :SL: タイミング : 判定値 :難易度: 対象 : 射程 : 代償 :効果 汎用 : : : : : : : : 《月衣》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :所持品を隠せる。マイナーアクションで飛行できる。(代償:1D6MP) 《月匣》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :月匣を展開できる。 《超美形》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし : 《美しさは罪》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 1HP :リアクションジャッジ後に+4。 《伝家の宝刀》 :3: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :絶滅社製改式戦闘服。気になるアホ毛。 《伝家の術式》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :アサシンレリーフ。 《闘気の才》 :6: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :プラーナ内包+6。 《闘気の才II》 :3: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :闘気の才の上限+SL。 《変身体質》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :闘気を振り直せる。1シナリオ1回。 《訓練:信仰》 :2: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :【信仰】+2。 《訓練:幸運》 :2: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :【幸運】+2。 《呪いの武具》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :リベリオン指定。装備から外せなくなり、C時にさらに達成値+4、F時にさらに達成値-4。 アタッカー 《物理攻撃力UP》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :攻撃力+3 龍使い 《神竜》 :5: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :【攻撃】ジャッジC後ダメージ+15 《練気》 :1: イニシアチブ :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :4-SLのカウントを消費。ラウンド終了まで戦闘能力値ひとつ+2。 《竜牙》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :棍も素手として扱う。【命中】+SL。(+1) 《竜爪》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :素手攻撃力+CL+5。(+9) 《皇竜》 :2: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 4HP :【攻撃】【防御】【魔攻】【魔防】ジャッジをCに。《練気》中使用可能。1シナリオSL回。 《気功》 :1: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 3MP :プラーナの達成値を+1d6+2に変更する。1シナリオSL回。 勇者 《決戦存在》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 2P :【行動値】以外の戦闘能力ジャッジをCに。Fでも使用可能。 《ヒーロー》 :3: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :プラーナ内包値+SL+1(+4)。 《闘気瞬間操作》 :1: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 2MP :闘気を振り直せる。1シーンSL回。 《勇気ある奇跡》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 1P4HP :ジャッジの直後に使用。【命中】判定なら[絶対命中]、命中判定に対するリアクションなら[絶対回避]になる。クライマックスフェイズの間、1シナリオ1回。 《最後の力》 :-: マイナー :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :プラーナをCL点回復する。回復した分と同じだけHPを失う。1シナリオ1回。 《覚醒》 :3: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :プラーナ解放値+SL(+3)。(計算済み) 転生者 《遺産所持》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :ミョルニール 《ラック》 :1: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :C値指定 大いなる者 《カリスマ!》 :-: メジャー :自動成功: なし : 単体 : なし : 1MP :エキストラ命令出来る。 《混沌の運命》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :CF値が2つずつになる。 《小さな奇跡》 :-: メジャー :自動成功: なし : 自身 ; なし : なし :願い事をひとつ叶える。1シナリオ1回。 《荒御霊》 :-: マイナー :自動成功: なし : 自身 : なし : 3MP :メインプロセス中攻撃を範囲選択(2)に変更。1シーン1回。 《大いなる滅び》 :2: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 2C :【攻撃】【魔攻]ジャッジ後に使用。Cにする。1シナリオSL回。 《運命改変》 :3: オート :自動成功; なし : 単体 :3sq: 4C :対象がジャッジを行った直後に使用。ダイス目を+1または-1する。1シーンSL回。 《大いなる目覚め》 :2: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :大いなる者の特殊能力、第一属性の魔法の代償MPとカウントを-SL(最低1)する。 《陰の気》 :-: オート :自動成功: なし : 単体 :2sq: 7C :使用された特殊能力を打ち消す。1シナリオ1回。 EX 《因果歪曲》 :5: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :C時さらに+SL×3(+15)、F時さらに-SL×2(-10)。 《虚無の主》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :陰の気の代償を-SL。(計算済み) 同調者 《メディウム発現》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :リベリオン取得。 《同調器》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :《世界記憶》コストHPMPCT-1。 《世界記憶I:神罰代行者》 :2: セットアップ :自動成功: なし : 自身 : なし : 5HP :ラウンド中、命中判定、【攻撃】ジャッジ、【魔攻】ジャッジ+SL×2、リアクション-3。 《世界記憶V:幻想舞踏》 :3: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 1P :戦闘ジャッジをCに変更。1シナリオSL回。 《得意能力》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :幻想舞踏指定。SL上限+2。 《記憶深化》 :-: マイナー :自動成功: なし : 自身 : なし : 1P :世界記憶●のSL+2。 《世界記憶VI:Mガジェット》:1: オート :自動成功: なし : 単体 :1sq: 4C :【行動値】以外のジャッジ後に使用。Cに変更する。1シナリオSL回。 《世界支配者》 :-: イニシアチブ :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :行動カウントを+10する。1シナリオ1回。 《トリックオーダー》 :-: オート :自動成功: なし : 単体 :5sq: 1P :対象のジャッジをCかFに変更。1シナリオ1回。 EX 《ビザールエフェクト》 :3: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :自身が登場しているシーンで誰かがCした場合、達成値さらに+SL×2(+6)。 アイテム特殊能力 《ブーメラン》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 1P :メインプロセスの直後に使用。武器が戻ってくる。 《幸運の加護》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :F打ち消し。 《ウェポンアシストタイプ》 :-: メジャー :【命中】: 対抗 : 単体 : なし : なし :メディウム以外の武器で攻撃。ダメージロールの達成値+[魔法Lv+2](+7)、命中判定達成値+「この魔装の魔導修正」(+2) 《とっても気になる》 :-: オート :自動成功: なし : 単体 : なし : なし :判定の直後に使用。達成値を-2する。1シナリオ1回。 ■魔法 魔法記憶容量[【知力】+総合レベル]:22 名称 :LV:種別: タイミング : 判定値 :難易度: 対象 : 射程 : 代償 :効果 ■武装/魔装 重量上限[【筋力】+総合レベル]:20 魔法装備可能レベル合計[【知力】+総合レベル]:22 名称 :種別:部位:重量/LV:命中:回避:攻撃:防御:魔導:抵抗:魔攻:魔防:耐久力:魔法力:行動:移動: 射程 :備考 ミョルニール :武器:片手:10/ :-4: :+20: : : : : : : :-2: :0sq:投射3sq ゴスロリドレス :防具:衣服: 2/ :+2:+2: :+5: :+1: :+4: : :+1: : :絶滅社製改式戦闘服相当 刺繍入りケープ :防具: 肩 : 2/ : : : :+2: :-1: : : : : : : :肩当て相当 鉄の手袋 :魔装:攻撃: /5 :+1: :+2: :+2: :+7:+3: +3: -7:-3: :4sq:リベリオン相当 気になる谷間 : 他 : 他 : 0/ : : : : : : : : : : : : : :気になるアホ毛相当 ミラージュウォール :魔装:防御: /3 : :-1: :+3: :-1: :+3: : -6: : : : 合計 : : :20/8 :-1:+1:22:10: 2:-1: 7:10: 3:-13:-4: : : ■所持品 月衣収納上限[【筋力】×2+GL]:32 名称 :重量:効果 0-PHONE : 0: MUGEN-KUN : 0: 幸福の宝石 : 0: 所持金:85000v ■設定 お尻まである豪奢な金髪と漆黒のゴスロリドレスが目を引く精巧な人形のような8歳くらいの愛らしい幼女。 その正体は北欧某国の姫君であり、現代に生まれた雷神である。 本来の姿は燃えるような赤い髪の18歳相応の美少女であるが、信仰薄き時代の神故に魔力の消耗が激しく、 普段は魔力の消耗を抑える為に美幼女の姿でいることが多い。 黙っていれば深窓の令嬢風の絶世の美少女であるが、口を開くと少し残念。 母国での暇な生活に飽き飽きし、勝手に城を飛び出し異世界にまでやってきてしまった。 母国では現在も国を上げての捜索活動が行われているが、本人はまったく完全に100%気にしていない。 前世からの因縁により、近い将来毒蛇の毒で死ぬことが運命づけられているが、本人はその事実を受け入れている。 「儂のことはアイリと呼べ。それが嫌なら、愛しきアイリスフィール閣下と呼ぶがいい。2択だ」 「光栄に思っていいぞ。今、貴様の目の前にいるのが超絶美少女アイリスフィール・ビルスキルニルなのだから」 「恐れよ!怖れよ!畏れよ!これぞ神の雷!猛り狂う(ミョル)雷神の槌(ニール)!!」 使用経験点/取得経験点 230/230 クラスチェンジ:竜使い>転生者 (10点) クラスチェンジ:転生者>勇者 (10点) クラスチェンジ:勇者>大いなる者 (10点) クラスチェンジ:大いなる者>同調者(10点) 《変身体質》 ( 5点) 《訓練:信仰》Lv2 (10点) 《訓練:幸運》Lv2 (10点) 《超美形》Lv1 ( 5点) 《美しさは罪》 ( 5点) 《伝家の宝刀》Lv3 (15点) 《闘気の才》Lv6 (30点) 《闘気の才II》Lv3 ( 5点) 《呪いの武具》 ( 5点) EX《因果歪曲》Lv5 (50点) EX《ビザールエフェクト》Lv3 (30点) EX《虚無の主》Lv1 (20点) サンプラザさんより、美人さん
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アビリティ 固有能力 備考 アビリティ 名前 効果 備考 POW +5.4% 【魔神】スキルカードのPOW +37% 【精霊】スキルカードのPOW +37% 【ヴァルハラ】のPOW +9% グングニルミョルニル アタック威力 +20.8% 【ヴァルハラ】のアタック威力 +16% グングニルレーヴァテイン スキルの威力 +40% 【ヴァルハラ】のスキルの威力 +10% ミョルニル HP +28.8% 【魔神】スキルカードのHP +35% 【精霊】スキルカードのHP +35% 【ヴァルハラ】のHP +12% レーヴァテインガンバンテイン 【秘術】スキルの被ダメージ ×0.61 視野拡大 +30% 移動速度 +21.6% 【ダッシュ】速度 +12% 【ヴァルハラ】の移動速度 +6% ミョルニル 【ヴァルハラ】のスタミナ回復速度 +20% レーヴァテイン 【ヴァルハラ】視野拡大 +10% ガンバンテイン 【鎖槌】チャージ移動速度 +12% 【ヴァルハラ】のスキルリロード ×0.94 グングニル 【魔神】スキルの範囲 +18% 【精霊】スキルの範囲 +18% 【ヴァルハラ】のスキルの補助効果量 +12% ガンバンテイン HP25%以下の時、スタミナ消費 ×0.25 HP25%以下の時、スキル範囲 +30% スコア増加 +20% 固有能力 名前 効果 説明 アタック 雷槌トールインパクト 正拳突きで雷槌を飛ばすチャージすると周囲を薙ぐ使い分けて敵を追い込め! ダッシュ ー ボタンを押している間、移動速度が早まる 備考 スキル威力に優れている。 走り回って、スキルで相手にプレッシャーをかけていくことができる 名前 コメント
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前ページ次ページゼロのドリフターズ 「随分と派手にやったみたいだねえ」 キッドは見渡しながら軽く言った。姿は相当汚れてはいるものの、シャルロットに怪我はないように見受けられる。 とにかく大技をぶつけ合い、シャルロットが勝ったのだろうという程度の認識。 いつだったかのフーケ戦で披露した実力とあのインパクトたるや凄絶の一言。 よもやシャルロットが追い詰められたほどの死闘があったことは、露知るわけもなかった。 「はい・・・・・・まぁ」 シャルロットはなんとはないバツの悪さに返答を濁すも、キッドは特段気にした風を見せなかったのでそのまま続ける。 「ところでキッドさん、"スキルニル"の父様は?」 セレスタンと呼ばれた残党を捕えて、どこかに待たせてあるのだろうか。 一体どこで手に入れてきたのか、キッドだけが馬に乗って戻って来るのは少し不自然ではあった。 「ああ、それがちょっと面倒なことになってね――」 キッドがどこから説明しようかと迷っていると、シャルロットが長くなりそうな気配に話を止める。 「いえ・・・・・・とりあえず後にしましょう。街道沿いで今まさに誰かがやって来るとも限りません」 「ん、そうだな。それと、この馬借り物だから・・・・・・――」 ――『飛行』で飛んで行くことは無理だということ伝える。 「わかりました、急ぎましょう」 シャルロット一人で『飛行』することも考えるが、正直しんどかった。 長年溜めた精神力そのものに未だ余裕はあるものの、心労が別として蓄積されている。 残党の元へ案内される手前、空を飛びながら歩調を合わせるのはなおのこときつい。 無事に残っている馬を探す途中で、シャルロットは散乱する死体に目を向けた。 本来であれば敵だったとはいえ、死ねばそれで終わりだ。敵も味方もない。 無惨な亡骸を埋めて形だけでも整えてやろうかとも思うものの、後々のことを考えればそういうわけにもいかない。 時間的にも惜しい。放置していくしか選択肢はなかった。 シャルロットはあれほどの大激闘の中でも暴走せずに、かつ生き残った、優秀で屈強な軍馬を馬車の裏側に一頭見つける。 多少火傷を負っているようだったので、治癒魔法を掛けてやると馬の鞍に跨った。 その間にキッドは、散乱したガーゴイルは放置して"スキルニル"だけを回収していた。 "スキルニル"――血液を基に容姿に人格、その能力までも再現する魔道具。 古代の頃はそのスキルニルを使って、戦争ごっこに興じたという話もある。 今でこそ数は少ないが、スキルニルを使うことで今回の策は成り立ったと言って良かった。 旧ガリア王家の遺産。非常に希少で脅威のマジック・アイテム。 ウェールズと側近数名と、シャルルの血液を使って、スキルニルは魔法人形としてある種の"命"を保有した。 『ミョズニトニルン』――魔道具を自由自在に操る能力。 それは当然魔道具が強力であればあるほどに、ミョズニトニルンが保有する戦力も強大なものとなる。 ガンダールヴは自身が地を駆け、眼前の敵を打ち倒す、一騎当千の猛者ならば―― ミョズニトニルンは道具次第で、文字通り一個軍団を、自由に扱える将軍なのだ。 首都からのパレード。傭兵部隊の撃退。貴族派の情報入手。敵の捕縛。 これら全てが実質的に、シャルロットとキッドのたった二人によって挙げられた戦果である。 ミョズニトニルンとスキルニルが組み合わさったことで実現したこと。 (姉さんに感謝・・・・・・) 遠くトリステイン魔法学院にいるイザベラを思う。本来"スキルニル"は彼女の私物だ。 シャルロットの持つ"地下水"と"土のルビー"。ジョゼットの持つ元オルレアン家の由緒ある"長杖"と"始祖の香炉"。 それらと同様に、伯父ジョゼフへと分けられイザベラに継承されたのがスキルニル他魔道具類。 ミョズニトニルンの話を聞いたイザベラは「どうせ使わないから」と、全部よこしてくれた。 最初こそ悪いと断ったものの、今回のアルビオンへの極秘特使の折。 「一応・・・・・・」と借り受ける形で、改めて預かってきた物がこれ以上ないくらいに役に立った。 スキルニルとガーゴイルの混成部隊。実際の人間は僅かに二人のみ。 本物のウェールズは安全を確保しつつ、かつコピーの方がパレードで国を沸かせ貴族派を抑える。 それはある意味国民を騙す行為であった。本物だと思っているのが人形なのだから―― しかしスキルニルの精度は本物と遜色ないほどで、それもまた一つの命と言えるほどである。 ウェールズに扮したスキルニルの思考や態度は、本物のウェールズのそれとなんら変わらない。 さらには偽物のウェールズは、それ自体が餌の役割を果たす意義もあった。 護衛の数も最低限にして、未だ明瞭としない貴族派を燻し出す試み。 それらがピタリと嵌まってくれた。ウェールズ人形が焼かれたのは想定外だったが、目的地は既に近く。誤魔化しはどうとでもなる。 背に腹は代えられぬ――後顧の憂いを取り払う為にも、国と民の為にウェールズが決断したこと。 王党派はお世辞にも安定しているとは言えず、正直危うい状況であった。 言い方は悪いが、ウェールズはアンリエッタほど・・・・・・理想主義者でもなく甘くもない。 必要とあれば今回程度の措置は辞さないくらいの心持ちはあったのだった。 シャルロットとキッドは用を終えるとすぐにその場を離れる。 相当な修羅場だった。派手なドンパチ、街道沿いである以上すぐに誰かしらがやって来る。 以降は問題ないだろう、皇太子一行が襲われたことは一目瞭然だ。 ウェールズの死体は影も形もない。真実を知る者は自分達しかいない。 メンヌヴィルの炎の所為で相当燃えて灰になったが、逆にそれがガーゴイルの多さなどを包み隠してくれる。 後は襲われながらも無事ロサイスへと辿り着いたウェールズは、卑怯にも刺客を差し向けた貴族派を糾弾する旨のシナリオとなるだろう。 シャルロットが得た情報も役に立つし、残党の一人も尋問するか、スキルニルを使って記憶を引き出せばより明らかになる。 しかも『白炎』のメンヌヴィルは名の売れたメイジで、その部隊も精強で知られている。 そんな傭兵部隊を退け生き残ったウェールズは、強き英雄としてより一層の支持を得ることだろう。 上手く行き過ぎていることに、シャルロットはなんとなく一抹の不安を感じた。 自分が死に掛けたものの――大局的・戦略的に見るならばあまりにも出来過ぎている。 (もし私が死んでいたとしても・・・・・・) 特に問題はなかった。メンヌヴィルはどの道、死を待つ状態だった。 キッドが残党を捕えている以上は、自分一人の犠牲でアルビオンは安定し、トリステインの利になった。 (神経過敏になっている、か) 一度は己の浅慮によって"己の死"を垣間見た。何事も警戒するのも無理はない。 シャルロットは深呼吸をしつつ、馬上でようやくはっきりと気を抜いた。 新鮮な酸素が体の先々まで駆け巡り、頭の中がクリアになっていく。 ――戦場が遠く眺めるくらいまで馬を走らせ、その後はゆっくりと並走ならぬ平歩になる。 そんな頃にはようやくもって落ち着いてきていて、僅かばかりの心の安寧にシャルロットは浸った。 † 「人質?」 「あぁ、もちろん無事に済んだけどね。ただその時に――」 シャルルのスキルニルがやられたとキッドは説明する。 セレスタンと言う名の残党はシャルルとキッドから逃げ切れぬと見るや、直近の森に入って撒こうとした。 森の中には村があり、しかもタイミング悪く住民らしい少女が人質にとられた。 脅えてうずくまる少女に残党は魔法の刃を突きつけた。 キッドとしては別に見ず知らずの他人が死のうが構わなかった。 しかしシャルルとしてはそう割り切れるものでもなかった。ましてスキルニルであるから惜しむ命でもない。 性格まで反映されるスキルニルならではの人形の感情。 キッドはミョズニトニルンの力で無理やり"命令"を下すことも出来たが・・・・・・しなかった。 無関係な人間が死ぬのも仕方ないと思う反面、ウェールズへの心象は悪くなるだろうと。 どうせなら完璧に任務をこなした方が、何の負い目も気兼ねもなく報酬を要求出来る。 シャルルは杖を捨て、素手の身を晒した。 当然残党は人質を解放する気などなく、杖に絡みつく刃でシャルルを貫いた。 刃を刺したことで止まった手を、キッドはクイックドロウで撃ち抜く。 さらにミョズニトニルンの効果で、機能を失いつつあるスキルニルを強引に動かした。 手が撃たれたことで杖を落とした残党を、シャルルは体術によって組み伏せる。 魔法の刃も解かれ、穴が空いたスキルニルはそのまま機能を停止し、キッドはすぐさま追い打ちをかけて気絶させた。 人質だった少女は無事。セレスタンは縄で四肢を厳重に縛られた。 シャルルが既にいないのでキッドは迷った挙句、まずシャルロットと合流することにした。 残党はとりあえずそのまま捨て置き、村で馬を借りて戻って来た――というのが仔細であった。 「なるほど・・・・・・わかりました。最良の判断かと」 「連絡はどうする?」 キッドが懐から全く別の人形を取り出す。それもまたイザベラから預かった魔道具だった。 「ん・・・・・・そうですね、まずは残党を回収しましょう。伝達内容をまとめる必要もありますし」 † 森に着くと、少し前までその身を置いていた戦場とはうってかわって、別空間であった。 木漏れ日が差し込み、木々の香りが漂う自然の音しか存在しない柔らかな森林。 どこかで荒みつつ震えていた心が、そこにいるだけで静けさを取り戻していく。 さらに進んでいくと、木々の合間に同化するように素朴な家がいくつか、寄り添うように建っていた。 「あ!! さっきのヒゲ!!」 「ヒゲだー」 「おひげ~」 するとたちまち小さい広場にいた子供達がわらわらと集まってくる。 キッドは何人もの子供に囲まれて、馬の上からでもたじたじのようだ。 「ねーちゃんだれ~?」 一人の好奇心旺盛な子供が寄ってきて、ピョンピョンッと飛び跳ねる。 両手を上へ万歳しながら、馬上のシャルロットに掴まろうとでもするように。 シャルロットはスタッと馬から降りると、子供の頭を撫でた。 「私はシャルロット、あなた達は?」 すると子供達は皆、素直に自己紹介していってくれる。純真な子供達であった。 そしてもう一人、木の陰に隠れて様子を窺うように見ている人物に気付く。 「ティファニアお姉ちゃん」 「お姉ちゃん!!」 「テファお姉ちゃん何やってるの?」 シャルロットへと群がっていた子供達は、最後にそのティファニアと呼ばれた少女へと集まっていく。 お姉ちゃんと呼んで忙しなく動き回る姿を、シャルロットは微笑ましく眺めた。 昔の頃を思い出す――ちっちゃい頃の妹はよく「おねーちゃんおねーちゃん」と後ろをついてきたものだった。 「すまない。馬を返しに来たよ」 キッドがそう言って馬から降りる。つまり馬の持ち主が少女ティファニアなのか。 乱れ一つないストレートな金髪が陽光に美しく輝く少女。帽子を深めに被っていて顔はよく見えない。 少女は何故か帽子を手で抑えながら、ペコリと控えめにおじぎをした。どこかよそよそしさが残る。 「お騒がせしてすみません。村長さん・・・・・・? は、いらっしゃいますか?」 「あっ・・・・・・一応わたしが代表者です」 透き通るようでいて、芯に嵌まるかのような声が耳まで伝わる。 「そうでしたか、人質にとられたのも・・・・・・?」 「彼女だね」 キッドが先に答える。それを聞いたシャルロットは少女へと頭を下げた。 「この度はこちらの不手際で危険な目に遭わせてしまい、大変申し訳ありませんでした」 シャルロットに倣うようにキッドも頭を下げる。 実際に人質をとられた失敗は、自分とシャルルにあった。 問題なく助けられたものの、シャルロットだけに頭を下げさせるのは憚られた。 「つきましては、何らかの形で追って慰謝料が支払われると思いますので――」 アルビオン王室に言えばそれくらいは出してくれるだろう。 こっちの落ち度でもあるので個人的に出しても良かった。 「そ・・・・・・そんな、困ります――」 少女は"とある理由"から断ろうとした。森の外から来られると色々と面倒なことになりかねない。 "その理由"は・・・・・・、少女が焦って顔を上げた時に帽子の端からふと見えてしまっていた。 今までに実際に直接見たことはなかった。しかし知識としては、ハルケギニアの殆どが知っていることだろう。 取り巻く子供達とも違う――"特徴的な耳"が見えたのだった。 「エルフ・・・・・・!」 意識せず言葉を漏らし、左手でナイフに指を掛けていた。 ティファニアは目を鋭く睨むシャルロットの態度に気付いて、帽子をまたギュッとかぶって俯く。 ――エルフ。東の砂漠、サハラに住む亜人の一種。 始祖ブリミルが降誕してより6000年に及ぶ長い歴史の中。 互いが互いを理解せず、互いに仇敵。人類とエルフは種族同士で相争ってきた。 容姿は基本的に人間種族と同一だが、人の価値基準で見れば例外なく見目麗しい。 そして区別出来る身体的特徴というのが長く尖るような耳。ゆえに素のままであれば見分けるのはそう難しくない。 『先住魔法』という系統魔法とは違う魔法に長けていて、数は人間より少なくてもその力は強大。 「・・・・・・どうした?」 不穏な空気に対して、わけがわからないキッドがぶち壊すように聞いてくる。 召喚されて最初の頃にある程度説明はしていただが、詰め込み気味であったので覚えていなくとも無理はない。 「なになに?」 「どうしたの?」 子供達も不意な態度の変化にざわつきだす。 停滞した状況で、シャルロットの尖った感覚が徐々に丸みを帯びてくる。 先住魔法で既に罠に嵌められている・・・・・・――可能性はあっても、どうにも考えにくかった。 ティファニアという少女に毛ほどにも敵意が感じられなかったからだ。子供達も懐いている。 「ごっ、ごめんなさい! その・・・・・・わたし"混じりもの"で・・・・・・」 まるで小動物のような雰囲気にシャルロットも毒気を抜かれた。一人だけ糞真面目に対応している自分が馬鹿みたいに思うほどに。 それに待ち伏せをするのであれば、耳は隠して然るべきだ。 先住魔法であればそれも容易いことをシャルロットは知っていた。 人間社会に溶け込み潜む吸血鬼と同様、エルフも紛れようと思えば顔ごと変えて隠れることが可能だ。 そうしなかったということは、つまるところその気がないということだ。 「純粋なエルフではない・・・・・・と?」 「はい、母がエルフなんです」 聞かれたティファニアはおずおずと帽子を脱ぎ取りながら答えた。 見ればまるで名画の中から出てきたように完璧で、この世のものとは思えない妖精のような美しさ。 あどけなさを残しつつも、少女らしさと同時にどこか高貴な雰囲気まで備えている。 エルフはただでさえ綺麗所揃いと聞くが、その中でもさらに抜きん出ているような気がした。 「つまりハーフというこ・・・・・・と――」 シャルロットは言葉に詰まる。すらりと立った少女。"それ"が何なのか認識出来ずに目を疑った。 さっきまで俯いていてわかりづらかったものの、最初から"それ"はそこにあったのに気付けなかった。 エルフ特有の耳、妖精のような美しさ、そしてそんなものすら霞むほどの"巨大な胸"。 いや胸と言っていいのかも疑問に思うほどに主張する大双子山。 到底人が持ち得るものではないと思わせ、神が創りたもうたと言われれば納得し頷いてしまえるほどの奇跡。 シャルロットよりも三回りは大きいキュルケですら、彼方に霞みゆく"おっぱい"。 女性としての魅力云々――勝ち負けすらどうでもよくなるほどの産物。 「やっぱり驚くよな」 釘付けになっていたシャルロットの視線を察して、キッドから発せられた言葉。 「・・・・・・セクハラですよ、キッドさん。それに失礼です」 シャルロットはジトっと冷ややかな目を向ける。 「いっ、いやいやまだ何とは言ってないだろう!?」 されどキッドは責められない。老若男女問わず驚愕しない人間がいる筈はない。 既存の常識をぶち壊される。エルフであることすら些末に感じるほど。 「・・・・・・コホンッ、まぁその・・・・・・ごめんなさい」 種族同士としての確執こそあれ、個人はまた別である。 謝辞を示すべき相手に対して払った無礼に、シャルロットは改めて謝る。 「いえ、わたしが変わってるのは知ってますから」 「そう言って頂けるとありがたいです。私の名前はシャルロット。ティファニアさんでよろしいですか?」 「はい、その・・・・・・よろしくおねがいします」 「これはご丁寧に」 シャルロットは会釈し返す。一段落が着いたところでシャルロットはキッドへと頼む。 「キッドさん、捕えた残党を連れて来てもらえますか?」 「オーケー」 キッドはすぐに縛り上げてある傭兵を連れに、シャルロットが乗っていた軍馬と交換して置き場所へと行く。 「馬、ありがとうございました」 「はい」 シャルロットはややくたびれた馬を引いて手綱を渡す時に、ティファニアの指で光る物に気付く。 少女のたおやかな指にある、二つの指輪の内――無色の宝石が嵌められた片一方。 透明な宝石そのものに覚えはないが、指輪そのものの意匠にはとても見覚えがあった。幼き頃から見てきたから見紛う筈もない。 それはルイズが嵌めていたものとも同じ。シャルロットの持つものとも同じ。 石の色が違うだけ。――ルイズのそれは鮮やかで全てを包み込むような青色。――シャルロットのそれは深く雄大な茶色。 「・・・・・・?」 動きが止まったシャルロットに疑問符を浮かべるティファニア。 シャルロットは無言のままに、ガリア王国に伝わっていた"土のルビー"を取り出すと、指に着けて見せた。 一瞬呆気にとられたティファニアもすぐに察したようであった。 同時に思わずはっとして指輪をしている手を後ろに隠す。 「・・・・・・すみません。エルフのこと――込み入ったことかと思って聞かないようにと思っていました。 しかし少々事情が代わりました。貴方の指にあるそれは・・・・・・"風のルビー"で間違いありませんね?」 ルイズがアンリエッタ王女から賜ったのは、トリステイン王国に伝わる"水のルビー"。 ロマリア皇国に伝わる"火のルビー"は燃え盛る炎を閉じ込めたような紅色と聞く。 そしてアルビオン王国に伝わるのが、澄み切った透明色の"風のルビー"。 「あの・・・・・・わたしの家で、お話します」 ティファニアは観念したような――それとも逆に聞きたいことがあるのか――複雑な表情を浮かべていた。 前ページ次ページゼロのドリフターズ
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前ページ蒼い使い魔 サビエラ村での任務を終え、タバサとバージルは その報告のため、ガリアの首都、リュティスにあるヴェルサルテイル宮殿の一角にあるプチ・トロワへと降り立つ。 「ここで待ってて」 タバサはその言葉とともに着替えのために一度別室へと移動してゆく バージルはシルフィードとともに広場の一角でタバサの帰りを待つことにした。 やがて着替え終わったのかタバサが戻ってくる、なぜかコートに袖を通したままだ。 「報告に行ってくる、もう少しこの子と待ってて」 タバサがそれだけ言うと再び踵を返し歩きだそうとする、それをバージルが呼びとめた。 「待て、コートを返せ」 「…………」 タバサは渋々戻ってくると、名残惜しそうにコートを返却した。 「聞いたよ、人形娘」 プチ・トロワの幾重にも緞子が垂れ下った広大な部屋の中で イザベラがニヤニヤと笑いながらタバサを見ながら口を開いた。 「サビエラ村の任務に同行者がいたんだってねぇ? しかも男だって? お前みたいな人形娘が一体どうやって男なんてひっかけたんだか…」 イザベラはそう言いながら、なにやら考えごとをするように手を顎に当てる、 やがてなにかをおもいついた、といった表情になると再びタバサを見た。 「その男を呼びな、どんな奴なのか見てみたいわ」 「………」 タバサは小さく首を横に振る、 「なんだい、聞けないってのかい?」 「大変なことになる」 バージルをこの従姉姫に合わすなどとんでもない、 もしイザベラが彼の逆鱗を削るようなマネをした日にはプチ・トロワに血の雨が降りかねない。 「いいから呼びな! 命令だよ!?」 だがそんなことは知らないイザベラは頑としてタバサに呼ぶように命じる。 ついに折れたのかタバサが小さく呟く 「約束してほしい」 「あん? 何をだい?」 「どうなっても知らない、彼の行動に関して私は一切関知しない、自分の行動には責任を持つ事」 「…??? 何だってんだい?」 意味が分からない、といった感じにイザベラが首をかしげる、だがそれにかまわずタバサは続けた。 「約束して」 「ふん、わかったよ、いいからさっさと呼んできな」 イザベラはあまり深く考えずに手を振る、タバサは一度だけ振り返ると 「警告はした」 と小さく呟きバージルを呼ぶため部屋を後にした。 タバサが部屋を後にすると、イザベラは薄く笑い侍女を呼ぶと、 「アレを一個、急いで持ってきな」 そう短く命じ侍女を走らせた。 ―数分後、呼び出しの衛士が再びタバサの到着を告げる。 「人形七号様、お着きになられました」 扉が開かれるとタバサと共にスラリとした長身に、 細身の長剣を持ち、フォーマルな蒼いコートを着た銀髪の青年が姿を現した。 その出で立ちに青年を見た侍女たちは頬を赤く染めため息を漏らす、 だがイザベラはそれとは別に、新しいおもちゃを見つけた、といった凶悪な笑みを浮かべながらタバサをみた。 「へぇ、それがお前の騎士サマってやつかい…」 「…………」 バージルが無言で顔をあげイザベラを見る、目があった、 「(シャルロットよりもはるかに冷たい目…気に入らないね…)」 イザベラはバージルを見てそう思いながら口を開いた。 「あんた、名前は?」 「…………」 バージルはイザベラの問いには答えず、先ほど目を合わせたのを最後に 興味を失ったといわんばかりに腕を組み目をつむると静かに口を開く。 「そんなことはどうでもいい、…何の用だ」 一国の王女を前にしてもこの不遜な態度を崩さないあたり流石である。 バージルの隣にいたタバサも素知らぬ顔をしている、バージルの言動に一切の責任を取らないという意思が見て取れた。 思わずイザベラも言葉を失う、がすぐに我にかえると、顔を怒りで歪ませた。 「なっ!? なんて口の―」 「聞こえなかったのか? 何の用だ? と俺は聞いたんだ、用もなしにここに呼びつけたのではあるまい」 イザベラの文句をさえぎりバージルは続ける、睨みつけてくるその眼に怖気づいたのかイザベラはもごもごと口を開いた。 「ふ、ふん…シャルロットが男を連れてきたと聞いてね、一体どんなやつか見たくなったのよ」 ―シャルロット? 聞いたことがない名前にバージルはタバサへと視線を向ける、 その視線に気が付いているのかいないのか、タバサは無表情に前だけを見ていた。 「それだけか? …くだらん時間を過ごした」 再びイザベラへ視線を戻したバージルはそう言い残すと、くるりと背を向ける、がそれをイザベラが後ろから呼び止めた 「待ちな、もちろんあんたに用があって呼んだのよ、あのシャルロットが信頼を置く男がどれだけ強いのか興味があるのさ」 そういうとイザベラが何やら取り出すと、ポイとバージルの前に放り投げる。 「………?」 バージルが振り返りそれへ視線を落とす、それは大きさが二十サント程の小さな人形だった。 そんなバージルにニヤニヤとうす笑いを浮かべながらイザベラはそれを指差した。 「ちょっとその人形にあんたの血をかけな、言っとくけど、拒否権はないよ」 そう言うといつの間に潜んでいたのか緞子の影から数人の騎士が現れた。 どうやらバージルが逃げ出さぬように監視するため潜んでいたようだった。 「だめ」 その様子に嫌な予感がしたのかタバサがバージルを止める、 だがバージルはタバサを振り払い部屋の中心へと歩みを進め… 言われるがまま閻魔刀を抜き放ち自身の掌を切り裂く、 おびただしい程の血が人形へと吸い込まれてゆく、 「あぁ、言い忘れていたわ」 その様子を見ていたイザベラはわざとらしく声を上げる。 「それね、古代のマジックアイテム、"スキルニル"っていう人形よ、 それに血をかけるとその血をかけたものに化けることができるの、能力も全部複写するわ… それでね、私思ったの、同じ強さのものが殺しあったらどっちが勝つのかしら? ってね……」 ニヤニヤと笑いながら言うイザベラを短く睨みつけると、すぐにバージルはスキルニルへと視線を戻す。 その人形はスルスルと膨れ上がり、やがてバージルと寸分たがわぬ姿になった。 そしてバージルと目があった瞬間。 ―ギィン!! という刀と刀が斬り合う凄まじい音、侍女たちが驚き恐る恐る目をあけると… 部屋の中央で蒼いコートを羽織った二人の男が鍔迫り合っていた。 「ははっ! どっちがどっちだかわからないね!」 その様子を見てイザベラが笑う、それとは逆にタバサは恐怖した。 双方のバージルから恐ろしい怒気があふれている。 それはまっすぐ自分自身と同じ姿をしている人形を睨みつけていた。 おそらく彼が自分と同じ存在と戦うのは、これが初めてではないのだろう。 自分と同じ存在に対する嫌悪感、そしてそれと戦わなければならない哀しみ。 熾烈を極める鍔迫り合いにぎりぎりと悲鳴をあげ、煙さえ上げる二本の剣を間に、二人は暫し睨みあっていたが、 突然弾けるように距離を取るとバージルは居合いの構えを取る、 ―――次元斬、超高速の抜刀術により空間ごと叩き斬る絶技。 空間が歪み、固定化が掛っているはずの大理石の壁がいとも簡単に削り取られてゆく イザベラが座っていたすぐ横の空間が削り取られる。 床にはまるでそこだけがごっそり無くなってしまったかのようなきれいな穴が開いていた。 「ハァッ!!」 次元斬を回避し、上空に飛んだスキルニルを迎撃すべく、バージルが剣撃を飛ばす、 スキルニルはトリックダウンで瞬時にバージルの目の前へ降り立つと閻魔刀を抜き放ちバージルを斬る、 だがバージルもそれを予見していたのか閻魔刀を勢いよく斬り下げその斬撃を撃ち落とした。 斬撃は天井をたやすくブチ抜き、空が露わになる、空は重たく雲がのしかかり稲光が走る、嵐の予兆だった。 バージルの閻魔刀がスキルニルの刀を弾き落とす、だがスキルニルはすかさずそれを取り直し、逆に柄でバージルを吹っ飛ばす。 「ぐぅっ!?」 吹っ飛ばされ、恐ろしい勢いで壁に叩きつけられる、大理石の壁が衝撃に耐えきれず崩れ落ちた。 崩れ落ちた壁に向かいスキルニルがニヤリと笑い挑発する。 「...Too easy(弱すぎる…)」 「Don t get so cocky!(舐めるな!)」 その声とともに瓦礫を突き破り、手に幻影剣を握ったバージルが勢いよくスティンガーを放つ。 攻城鎚のような凄まじい威力で迫るそれをスキルニルはトリックアップでバージルの上空へ躍り上がると 自らも幻影剣を生成し、ヘルムブレイカーを叩き込むべくバージルに向け急降下する、 だがバージルもすぐさま反転、ベオウルフを装着し日輪脚で迎撃する、 二つが激突した瞬間、日輪脚によりスキルニルの幻影剣が砕けその衝撃でスキルニルの体が大きく宙を舞う、 がすぐさま体勢を立て直すと、トリックダウンで地上へ降りバージルへと視線を戻した。 その瞬間、日輪脚で空中に跳んだバージルが地上へ降りたスキルニル目がけ流星脚を放つ、 隕石が落下したのではないかと疑いたくなるような惨たらしいクレーターがプチ・トロワの石畳に穿かれる。 「…外したか」 クレーターの中心に立っていたバージルはゆらりと立ち上がると、閻魔刀を構え、数メイル先のスキルニルを睨みつける。 スキルニルも薄ら笑いを浮かべながら閻魔刀を抜き放つ、刹那、二つの蒼い影は再び激突した。 「ォオオォオオオッ!!」 「ァアアアアアアッ!!」 裂帛の気合とともに二人の斬撃が凄まじい速度で打ちあわされる、 その度に恐ろしい程の力の奔流が部屋の中で渦を巻く、 刀を叩きつけ、受け流し、見切り、鋭い突きを放つ。それを避け、斬り払い、そして再び二つの閻魔刀が激突する。 残像が現れる程の素早い斬撃が次々繰り出される、まさに剣の暴風である。 その時、天井の一部が崩れ落ち切り結ぶ二人に降り注ぐ、だがその大理石の塊は二人の頭上に降り注ぐことを許されず 二人の繰り出す斬撃の応酬に巻き込まれ一瞬で砂と化した。 お互い一歩も引かぬ攻防、鉄と鉄がぶつかり合う轟音が響き、火花が飛び散る。 「ね…ねぇ、と…止めなさいよアイツを! シャルロット! あんたの連れでしょ!? 早く止めな!」 自分が蒔いた種にも関わらず、イザベラが半狂乱になって叫ぶ、このまま戦いを続けさせればプチ・トロワは全壊、 ヘタすると崩落の前に戦いに巻き込まれて死にかねない。 すでに宮殿の天井の一部は崩壊し、雨が部屋の中へ降り注いでいる。 だがタバサはもちろん、騒ぎを聞きつけ駆け付けた騎士達ですらその場を動けないでいた。 眼の前で行われている戦いは人間の入る領分など一切ない、魔人同士の戦い…… そんな中に飛び込んでいけるものなど存在しなかった。 その戦いを見ている騎士たちはそれを美しいとまで感じてしまう、 魔法を至上のものとし、剣技など野蛮で下賤なものとしている彼らにも関わらず、だ かつて偉大なる始祖、ブリミルをも薙ぎ払ったスパーダの剣技、 それが目の前で繰り広げられているなどと、彼らには想像もできまい。 切り結ぶうちに双方の髪は垂れていた。 「「Dante!!!!」」 互いの姿にダンテとの戦いを垣間見たのだろうか、 二人のバージルが同時に己が弟の名を叫ぶ。 幾筋もの剣閃が火花を散らしながら空を疾ったのちにがっきりと二人の剣が噛み合う、するとそれまで彼らに弾かれ続け、 地面に落ちる事を許されず宙を遊び続けていた雨粒が、豪雨と化して辺りに一斉に降り注いだ。 この戦いに決着をつけることができるのはただ一つ、どちらかの死のみである。 ―ボロッ…ボロボロッ… 信じられないことに、一方のバージルの身体が崩れ始めている、 度重なるダメージ、そして基の身体能力と内包する魔力の凄まじさにスキルニル本体が付いていけなくなったのである。 ぐらりとスキルニルがよろめいた瞬間バージルが疾走居合いを放つ、 自らの突き進む道を空間ごと斬り刻みながらバージルが駆け抜ける。無数の太刀筋は、すれ違う瞬間スキルニルに襲い掛かる。 エア・カッターとは比べ物にならない凄まじい刃の風。人間には到底たどり着けぬ、昇華せし魔の一撃。 一陣の暴風となり駆け抜けたバージルは閻魔刀を振り、ゆっくりと納刀する、 「Leave me...(失せろ)」 ―キンッ! と完全に納刀する音とともにスキルニルが真っ二つになり崩れ去った。 バージルは垂れた髪の毛をかきあげるとまっすぐイザベラを睨みつける。 その眼は恐ろしい程の怒りに満ちていた。 「ひっ………」 イザベラが短い悲鳴を上げた瞬間、バージルは即座に閻魔刀を抜刀、 彼女の足もとに深い縦溝が穿かれる。 そして彼女の頭にあったミスリル銀製の豪奢な王冠が真っ二つに断ち切られカラン…と乾いた音を立てながら床を転がる。 斬撃はそれだけに留まらずすぐ後ろの壁が空間ごと断ち切られ崩れ落ちた。 「あ…あ…」 「クズめ…」 完全に腰を抜かし床に座り込み失禁しているイザベラを見るや 流れるように閻魔刀を納刀する。 フンと鼻を鳴らすとバージルは出口へ向け歩きだした。 タバサもしばしの間呆然としていたが、ふと我に返ると、小走りでバージルの後ろを追いかけた。 「あ、あ、あ、あいつを捕えな! し、し、し死刑だ! 死刑にしてやる!」 だが誰もバージルを取り押さえようとしない、出来るわけがないのだ、 あれだけ目の前で始祖も真っ青な戦いを繰り広げた男をどうやって捕えろと? 一個師団を投入しても止められる気がしない。 その場にいた騎士達はただ黙って目の前の魔剣士を見送ることしかできなかった。 「きゅいきゅい! おにいさまはすごいのね! あの従姉姫の顔は傑作だったの!」 逃げるようにガリアを立ち、言葉数少ない二人とは裏腹にシルフィードが興奮した口調で話しかける。 それを咎めるようにタバサが杖でこつんとシルフィードの頭を叩いた。 「きゅい! 痛いのね! おにいさまはおねえさまの代わりに一発かましてくれたのね!」 興奮気味に話すシルフィードを無視しつつタバサはバージルを見た。 腕を組み、むすっとした表情で目をつむっている。 「ごめんなさい」 タバサがそんなバージルに謝罪する。 「何故謝る」 「私の責任」 「…………」 あの時、無理にでもイザベラのわがままを断っていれば、自分が折れなければこんなことにはならなかった。 結果バージルに不快な思いをさせてしまった、そう考えタバサは謝罪を口にした。 「気にしてはいない」 バージルは短くそう言うと続けて一つの名前を口にする。 「シャルロット」 不意にそう呼ばれたタバサがピクと反応する、 「それがお前の名か」 「…………」 バージルに言われ無言でタバサが頷く。 「偽名ではないかとは思っていた。貴族、というからには名の他に姓もあるのだろう。 だがお前は今まで名乗らなかった、社交場でフルネームで名乗らないのは非礼に当たる。偽名の可能性が高い。」 バージルはそう言いながらタバサを見る、タバサももう隠すことはできないと判断したのか静かに口を開いた。 「私の本当の名前は…シャルロット・エレーヌ・オルレアン」 「…王族の血筋か」 「でも、まだ私は…その名前を名乗ることはできない」 そう言うと淡々とタバサは自身の過去について語り始めた。 ガリアの王、ジョセフに父を殺され、その上エルフの毒により母の心を壊されてしまった。 母は、昔買い与えてくれた名付けた人形をシャルロットだと思い込んでしまっている、 それ故、自身は人形、タバサとして復讐を果たすためにガリア北花壇騎士団として危険な任務につき 力を蓄えているのだという。 「私は、復讐を果たすまで、かあ様を元に戻すまで、その名前を名乗ることはできない」 俯きながら悲痛な声でタバサが呟く、するとバージルが静かに口を開いた。 「ギルバ」 「……?」 不意に聞こえてきた言葉にタバサがバージルを見る、 「…俺が昔使っていた偽名だ」 バージルが目をつむりながら続ける。 「悪魔どもから身を隠すための名、今はもう使わん」 タバサが意外と言った表情でバージルを見る、彼はただ淡々と言葉を続けた。 「バージル…この名を名乗る時、魂に、そして父の名に誓った、 力を、父の持つ純粋な力を手に入れると、力無き己との決別のためにな」 そこで一旦言葉を切ると自分の右手を見つめ強く握りしめる 「そして俺は今も力を求めている。何よりも強い力を。全てを打ち倒す力を」 「………」 「お前も、何れはその名から決別する時が来るだろう。その時に改めて名乗ればいい」 バージルはそう言うとシルフィードの背の上で横になった。 「…少し寝る、着いたら起こせ」 そう言うと、先の戦闘の影響かバージルは静かな寝息を立て始めた。 「…速度を落として、出来る限り」 それを見たタバサはシルフィードにそう命じると、 バージルの横にころんと横になると彼女も静かに寝息を立て始めた。 前ページ蒼い使い魔
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デンリュウ♀ ルニル・キュニアル 6月19日生まれ 性格: 明るく、天真爛漫な性格をしている。 以前は人見知りが激しかったが克服した。 意外にも小物作りをするのが得意で、時々ぬいぐるみなどを作っている。 また、服を作ったりもできるようです。 過去: 人工的に誕生させられ、能力付加のために色々と試された子。 ちなみに「ルニル」は神話の雷神トールの持つ鎚「ミョルニル」からつけました。 能力: レベルは約40 進化後ということも相まって、それなりの戦闘能力を誇る。 個体としての能力は『電気タイプの技の威力の上昇』が可能 最大で約5倍までの威力の上昇が可能で、同じ技を5発同時に繰り出したりすることも可能である。 しかしこの力を使ったときは体力消耗が著しいために、短期決戦型である。 また、この能力をする度に内臓等へ負荷がかかりどんどん痛んでしまう。 既にかなりダメージを負っており、本人はそれに気づいているためあまり使おうとはしない。 擬人化 少し金色っぽい薄い黄色の髪。長さは肩くらいまで。耳はデンリュウの耳そのまま。 上着はフード付の半袖。下は半ズボンや長ズボン。女の子らしい格好はあまりしないです。
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【元ネタ】北欧神話 【CLASS】セイバー 【マスター】 【真名】スキールニル 【性別】男性 【身長・体重】182cm・78kg 【属性】中立・善 【ステータス】筋力:A 耐久:A 敏捷:C 魔力:B 幸運:D 宝具:A++ 【クラス別スキル】 対魔力 A A以下の魔術は全てキャンセル。事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。 騎乗 B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 【保有スキル】 扇動 A 数多くの大衆・市民を導く言葉と身振りを習得できるスキル。個人に対して使用した場合はある種の精神攻撃として働く。Aランクともなると強い復讐心を持った相手すら丸め込み、望んだ思考へ導くことが可能となる。 黄金律 B 人生においてどれほどお金が付いて回るかという宿命を指す。永遠に尽きぬと思われる財産を所有している。 豊穣神の使い EX セイバーのみが保有する特殊スキル。かつて親友にして主である豊穣神フレイの代理人として巨人の国ヨツンヘイムのギュミルへ求婚しにゆき、様々な試練を乗り越えたことに由来する。あらゆるステータスを1-2ランクアップさせ、宝具『終焔至る勝利の剣《レーヴァテイン》』『豊穣神七つ道具《フレイズ・ガジェッツ》』を使用可能とし、またAランクの神性を与える。常時発動型スキルであり、発動中は豊穣神フレイと同一視される。何らかの原因でこのスキルが失われた場合、セイバーはまともな戦闘力も戦闘手段も失うこととなる。 豊穣神の加護が受けられない場所、即ち周囲に植物が存在しない場所ではこのスキルは発動しない。 この場合、ステータスは 筋力:C 耐久:C 敏捷:D 魔力:B 幸運:E 宝具:- となる。一応魔術の素養はあるので、それと素手での攻撃は可能であるが、ステータスは大幅に減少し宝具も使用不可能となる。 【宝具】 『終焔至る勝利の剣《レーヴァテイン》』 ランク:A++ 種別:対城宝具 レンジ:1-99 最大捕捉:1000人 『炎獄もたらす破滅の杖』『燦然たる魔法の枝』とも。宝石を散りばめた豪奢な柄に、煮えたぎる溶岩を固定したような耀く紅の刃を持つ大剣。黒小人(ドヴェルグ)が鍛えた神造兵装であり、かの星の聖剣と同じく"勝利の剣"の銘を持つ。世界に僅か二振りしか存在せず、その一つを炎の魔人スルトが、もう一つを豊穣神フレイが保有している。この剣はセイバーがフレイから褒美として授かったものであるが、彼はフレイ本人ではないためスキル『豊穣神の使い』発動中でないと真名解放はおろか使用すら不可能。 近接戦闘武器としても非常に優秀であるが、やはりその真価は真名解放にある。神霊と同格の魔術的現象を引き起こすことが可能であり、空間を切り裂くことによりその断層から地獄の業火を溢れさせ、神々の黄昏(ラグナロック)の火災を狭い範囲ながら再現する。具体的に言えば指向性を持った凄まじい火山噴火。その破壊力は星の聖剣と同格にすら至るが、セイバー本人の格や技量は騎士王より遥かに劣るため、連発は出来ず、自らを巻き込む危険もある。 『豊穣神七つ道具《フレイズ・ガジェッツ》』 ランク EX 種別 対人宝具 レンジ - 最大捕捉 - セイバーが豊穣神フレイのためにヨツンヘイムへ赴く際に授かった様々な武具・道具など。この宝具もまた、スキル「豊穣神の使い」が失われると使用不可。 黄金の林檎 ギリシャ神話に登場するものと同一視される。魔力の塊であり、外的な魔力バックアップと言える。 黄金の腕輪 地獄から持ち帰られた魔除けの腕輪。大幅にランクダウンしているが、それでも所持者に対魔力C相当の魔力耐性を与える。貸与も可能。 炎の馬 深紅の毛を持つ名馬。敏捷のランクを上昇させる他、炎の上を走って渡ることが可能。 魔法の紐 伸縮自在の紐。自在に動いて相手を捉える。耐久力はあまり高くない。 魔法の杖 その名の通りの魔法の杖。防御魔術に優れるが、対魔力が高いセイバーはあまり用いることはない。 ルーン スキル「ルーン」を得る。Cランク相当。 無銘・剣 自ら振るわずとも自動で相手と戦う剣。性能はあまりよくないが、頑丈。 【解説】 非常に整った美貌を持つ長身の美青年。だがその表情は常に憂いを帯びており、またどこか自信なさげ。赤く美しい長髪を靡かせた姿は男女を問わず魅了する。ルビー色の軽装鎧を纏った姿は如何にも大英雄に見える。だが、その実は根っからの従者……否、社畜基質。常に誰かのために動いていなければ落ち着かず、忙しさと貢ぐことに喜びを感じる。間違いなくダメ女に引っ掛かるタイプの男である。 聖杯にかける望みは「レーヴァテインの返却」。神々の黄昏(ラグナロック)の際、彼の幼馴染みであり親友の豊穣神フレイは魔人スルトの襲撃を受ける。フレイは世界を守るためにスルトを迎撃するが、彼は剣を幼馴染みに与えてしまったため武器を持っていなかった。だが、その幼馴染みはスルトを恐れるあまり自衛として剣を手放すことが出来ず、結局フレイは鹿の角を用いてスルトと対峙することとなる。そして彼はスルトの持つレーヴァテインに破れ去り滅びてしまう。もし彼がレーヴァテインを受け取らなかったら、もし彼がレーヴァテインをフレイに返却していたら、フレイはスルトに破れることはなかったかもしれない――後悔の念に駆られた幼馴染み、即ちセイバーは聖杯の力でスルトが現れる前にレーヴァテインをフレイに返却することを願ったのである。 前述の通り非常に臆病な性格であるが、願いのために勇気を振り絞って聖杯戦争へ臨んでいる。その姿は事情を知らない者にはむしろ蛮勇に満ちた猪武者に見えるかもしれない。 また、本来は戦士ではないため剣術等の技術的もスキルによりフレイが持っていたものを再現しているに過ぎない。全てがフレイの借り物の、まさに「偽物(レプリカ)」たるサーヴァントである。 イメージカラー 鮮紅色 特技 おつかい 好きなもの 給仕、家事、使いはしり 嫌いなもの 暇な時間 天敵 長期休暇 ミスリード要員。まさかの神霊フレイの召喚と見せかけて実は…というパターン。じゃないさん系列に入るかも。でも本気だと強いよ? 士郎とかベディとか俺が型月で好きな要素をとにかく詰め込んでみた「偽物」鯖。 +FGO風セリフ集 召喚:「初めまして、マスター。私はセイバー、スキールニルと申します。これより貴方のサーヴァントとして、誠心誠意勤めさせていただきます。戦闘から給仕まで、何なりと申しつけくださいませ」 レベルアップ:「どうやら、フレイ様の加護が増したようですを」 霊基再臨:「身体に、力が……これなら、少しはマスターのお役に立てますでしょうか」 その2:「これならば、貴方のためにできることも増えることでしょう。心より感謝します、マスター」 その3:「ありがとうございます、マスター。この肉体ならば、フレイ様の力を用いても耐えきれることでしょう。より一層、貴方のために尽くすことができる」 最終:「ああ、まさか私などのためにここまでしてくださるとは……感謝の言葉もありません。もし願うことが許されるのであれば、これからもどうか、ずっと貴方のお側に」 開始:「我が主がため……その命、頂戴する!」 その2:「下がっていてください、マスター。必ずや貴方をお守りいたします」 スキル:「フレイ様……ッ」 その2:「恐れるな、恐れるな僕……っ」 選択:「お任せください」 その2:「了解いたしました」 その3:「何なりと」 攻撃:「…っ!」 その2:「はあっ!」 その3:「えいっ!」 EX:「豊穣神の力を見よ!」 宝具選択:「この力、お借りします……っ!」 その2:「マスター、貴方は安全な場所へ」 宝具:「この剣は永久に尽きぬ煉獄。顕現せし神々の黄昏に震え怖じよ!友を焼け!終焔至る勝利の剣(レーヴァテイン)よ!」 小ダメージ:「……っ」 大ダメージ:「持ってくれ、僕の身体……っ」 戦闘不能:「マスター……どうか貴方だけでも……」 その2:「やはり僕じゃ、誰も守れないのか……っ」 勝利:「当然のこと!この力が誰にも負けるはずがないっ!」 その2:「戦闘終了です、マスター。お怪我はありませんか?……よかった、安心しました」 会話:「ええ、私は貴方のサーヴァント、即ち従者です。ですから、役立たずの執事が一人増えたとでも思っていただければそれで結構です」 その2:「私のかつての主、豊穣神フレイ様は偉大なる神であると同時に、私と共に育った幼馴染みでもありました。……だからでしょうね、彼にはいつも、私の考えは簡単に見透かされてしまった」 その3:「お疲れでしょう、マスター。ハーブティーをお持ちしました。疲労回復効果と安眠効果に優れるハーブを調合しています。無理をせず、今日はどうかお休みくださいませ」 その4:「朝になりましたよ、起きてください、マスター。朝食の用意はできていますので、無理をせず自分のペースで起きてきてくださいね」 その5:「昼食は何がよろしいでしょうか?聖杯より得た知識で、一通りの料理はマスターしているつもりです。材料を揃える関係上もあるので、できれば今言っていただけるとありがたいかと」 その6:「お帰りなさいませ、マスター。工房の清掃をしておきました。他にも片付けて欲しい箇所があれば、遠慮なく仰ってください」 好きなこと:「誰かにお仕えし、喜んでいただくことこそ私の至上の喜びです。何かしてほしいことがあったら、すぐに言ってくださいね」 嫌いなこと:「なにもすることがない時間というものは、どうにも落ち着かなくて参ります。私は常に、貴方のために働いていたい」 聖杯について:「フレイ様より頂いたこの聖剣……私はこれを恐れるあまり、遂に彼が死を迎えてもこれを手放すことができなかった。それが私の拭うべき不忠です。私が自信の破滅を恐れることなく、彼に聖剣を返却していれば……そう思わざるを得ないのです」 絆:「私は従者です、マスター。貴方に仕えることが私の使命。どうかお気になさらず使ってやってくださいませ」 その2:「欲しい物……?いえ、私のような者にはとんでもない。そのお金は、マスター自身のために使ってください」 その3:「駄目です、受け取れません!主様が私のためにプレゼントなど!……買ってしまったものは仕方がない?それは分かりますが……いえ、ありがとうございます」 その4:「こうして、貴方の隣でくつろぐというのも、案外悪くないものなのですね。『なにもしていない時間』というものをこれほどまでに幸せに思ったのは初めてです、マスター」 その5:「僕……そう、全てが借り物でで体裁を取り繕わないとまともに人の顔も見られない、そんな臆病者が僕なんだ、マスター。でも、貴方だけには僕の全てを知ってほしい。全てを見てほしい。従者としてだけでなく、一人の人としての僕を。この無礼を、どうか許してくれ……」 イベント:「催し物が開かれているようですよ、マスター。少し様子を見てきましょうか?」 誕生日:「お誕生日おめでとうございます、マスター。貴方のために、今日は腕によりをかけてご馳走を用意させていただきました。どうぞこちらへお越しください」 +TRPGキャラシート 【真名】スキールニル 【クラス】セイバー 【HP】 /最大HP=5d6+7 【宝具1】終焔至る勝利の剣《レーヴァテイン》1 / 1 ランク:A++ 種別:対城宝具 レンジ: 最大捕捉: 【効果】 物理攻撃か魔術攻撃時、相手前衛全てに攻撃ができ、dice+15を得る。エリアの天候と陣地を破壊し、エリアを[焦土]に変える。 自身の現在HPを25減らす。 現在HPが25以下の場合、[令呪回復]を使用しない限り自身は消滅する。 (使用した場合最低でもHP1で復帰できる) 【宝具2】豊穣神七つ道具《フレイズ・ガジェッツ》 1/1 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:- 【効果】この宝具は他の宝具と併用できる。 相手が先手判定、逃走判定、物理攻撃、魔術攻撃、奇襲攻撃でダイスを振ったときに発動できる。 自分も同じ設定のダイス(補正もそのまま)を振り、その出目が相手の出目より少ない場合は相手の判定への返しの自分の判定(先手判定、逃走判定、物理防御、魔術防御、奇襲防御)の出目に加算する。 そうでない場合この宝具の効果はない。 【筋力】A:5 【耐久】A:5 【敏捷】C:3 【魔力】B:4 【幸運】D:2 【スキル1】豊穣神の使い:EX 1.戦闘フェイズ中の全ての判定にdice+2を得る。 2.このサーヴァントが植物の存在しないエリアに居る場合、このスキルと宝具を封印する。 3.このスキルが封印された時、先手判定と逃走判定を除く全ての判定にdice-1を得る (※植物の有無についてはGMが判断する) 【スキル2】扇動:A 1、遭遇フェイズ時、このスキルの持ち主以外の行動を[同盟]と[令呪逃走]以外の任意の行動に変えることができる。 ただし、1度使用した陣営には使用できない。 2、同盟相手以外、誰も自陣営(自PC)の発言を真名看破の判断要素として使用できない。 【スキル3】騎乗:B 先手判定と逃走判定時、dice+4を得る 【容姿】赤く美しい長髪でルビー色の軽装鎧をした長身の美青年。表情は常に憂いを帯び、どこか自信なさげ 【その他】聖杯にかける望みは「レーヴァテインの返却」。 使用スキル 豊穣神の使い EX 扇動 A 騎乗 B 没スキル 黄金律 B 対魔力 A
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前ページ次ページるろうに使い魔 春風が吹く季節も佳境に入り、段々と新緑の夏の匂いが色めき始めるこの頃。 ここトリステイン魔法学院も、遂に一週間後には待ちに待った『夏休み』が来ようとしていた。 殆どの学生たちは、皆久しぶりの実家帰りや企画を持ち込んでの大冒険を模索し賑わせる中、一人の少女は変わらない無表情で廊下を歩いていた。 少女の名はタバサ。その昔、大国ガリアの正統なる王女の血筋を引く者だったのだが、『不慮の事故』で父を亡くし、その上謀殺されたように母親も心を奪われ、自身は過酷な環境に身をおかされて日々生き死にをかける人生を送っていた。 幼い頃は明るかったその顔も、今はすっかり人形のようなものへと変貌してしまい、常に突き放すかな様な雰囲気をその身に纏わせていた。 これは、そんな彼女に起こった、ある一つの物語である。 外伝第一幕 『タバサと人形』 タバサは廊下を抜け、外庭へと出ると、いつもの場所へと向かっていった。 そこはヴァストリ広場。かつてギーシュとルイズの使い魔である彼…緋村剣心が決闘をした場所でもあった。 思えば、これが全ての始まりだった。彼の実力を目の当たりにしたのは…。 タバサは目を閉じ、静かに一人瞑想する。ギーシュの作り出した銅像を、余すことなく回避していた彼を、頭に浮かべて思い出していた。 次に出てくるのは、フーケの時の戦い。彼女とは二度に渡って戦ったことがあったが、その両方において、彼はフーケを圧倒していた。その時の動き、飛天御剣流の動きを正確に思い起こす。 そして、最後のアルビオンでの戦い…スクウェアクラスのワルドが呼び出す『偏在』を、彼は全然ものともしなかった。 そして、ワルドに止めを刺した、あの技…抜刀術の構え。それを鮮明に思い描きながら、タバサは杖を構え…。 「こんな薄暗いところで一人で、一体何やってんのね」 その言葉に、タバサは瞑想を中断する。ふと顔をあげればそこには、彼女の唯一の使い魔、風竜のシルフィードが呆れた様子でタバサを見つめていた。 「お姉さま最近ヘンなのね。前は本ばっかり読んでいたのに、近頃は外に出てそんな寂しいところで一人馬鹿なことして…正直言って見てらんないのね!」 子供のように怒りながら、シルフィードはきゅいきゅい喚いた。当たり前のように人語を話していることから分かるとおり、この使い魔も只の風竜ではなかった。 タバサの使い魔、シルフィードは竜達の中でも高度な能力を持った珍しい『韻竜』の幼生である。 高い知能を持ち、人語を解し先住魔法をも操れる韻竜は、この世界では滅多に見ない幻の存在でもあった。 故に、その正体を知るのは今のところはタバサ一人。もしこの事が明るみに出たら、色んな機関の連中に狙われるかもしれない。だからこそタバサはシルフィードとの会話も徹底していた。 今は誰も周りにいる気配がないので、特に問題はなさそうなのではあるが。 「ねえ聞いてるの? おいこらちびすけ、お前のことなのね。そんな独り遊びをこれ以上続ける気なら、もう思い切って使い魔をやめることも辞さないのね」 そう言ってシルフィードはタバサの頭をカプカプ噛んだ。噛むといっても甘噛み程度なのだが、端から見れば本当に食われているようにも見えた。 「今日はちょっと違う」 シルフィードの甘噛みから逃れたタバサが、そう言いながら懐から何かを取り出す。 それを見たシルフィードは、疑問符を浮かべてタバサに尋ねた。 「それって、『スキルニル』?」 タバサが手に持っているのは、小さな人形を象ったマジックアイテム『スキルニル』だった。 この人形に血を吸わせると、吸わせた人間と瓜二つの姿に変化することができる。その者の能力や特技も正確に、である。 「この前の任務の時に、そのまま持ってきた」 「ああ、あれね。あの時も大変だったのね」 シルフィードはそう言いながら、遠い目で空を見た。 とある引きこもりの坊やを引きずり出して欲しい。そう依頼された時のことを思い出したのだ。 結果的に、この『スキルニル』を使って見事任務達成と相成ったのではあるが、どうやらタバサはそのまま拝借して使っているようだった。 「アネットさんとわがまま坊や、今頃元気してるのかなぁ…ってお姉さま!! 何してるのね!!?」 ふとタバサの方を見たシルフィードが、慌てて叫んだ。 何とタバサは、小さなナイフで自分の指を傷つけ、溢れた血をスキルニルに一滴垂らしたのだ。 「お馬鹿!! それ使ったらどうなるか、お姉さまだって知ってるはずじゃ…―――」 そう言うシルフィードを他所に、スキルニルは徐々に形を変えていく。 やがて変化が止まると、タバサの前にはもう一人の『人形のタバサ』が向き合うように並んだ。 スキルニルのタバサは、ゆっくりと杖を構える。シルフィードも見慣れた、魔法詠唱に特化したいつものタバサの構えだった。 対する本物のタバサも、杖をスキルニルに向ける。だがこうして見ると本物の方は随分と型が違っていた。 まるで居合を放つかのように、腰をため、一気に襲いかかるような姿勢で構えているのだった。 「お姉さま、一体何を…?」 訳が分からない、そういう目でシルフィードは訴えるが、タバサの視線は既に、目の前の人形以外見えていないようだった。 一瞬の拮抗、動いたのは同時だった。 何度も瞑想して、思い起こした抜刀術を、タバサは人形目掛けて放つ。対する人形のタバサは、それを後ろに飛ぶことで回避し、素早く呪文を唱える。 『ウインディ・アイシクル』。あまねく氷の矢が、タバサに向かって殺到していく。タバサは、素早く杖を返すように振りながら呪文を唱える。 『エア・ハンマー』の呪文が、視界に映る氷の軍勢を全て叩き落とした。 その強力な風は、思わずシルフィードも目をつむってしまう程強かった。 (お姉さま、本当に何がしたいのね…?) シルフィードも召喚されてから日が短いとはいえ、それでもタバサがどういった人間なのかは大体分かっていた。 無口で無愛想で根暗で本の虫で時々食事を忘れたりもする薄情者だけど、本当の心は優しくって強くって、それでいて格好いい。シルフィードもタバサの事を本物の姉妹のように親しく、とても気に入っていた。 ただ、時々だけど…それでも彼女の事が一瞬分からなくなる時がある。 その時の彼女の目は、本当に…本当に怖くって、二つ名の『雪風』が可愛くおもえるような、鋭く、深く、恐ろしいものになるのだ。 思わずシルフィードもゾクリと背筋が凍るような、あの視線。 今戦っているタバサは、徐々に、だが確実に、あの目へと変貌していった。 タバサは素早く自身の風の魔法を回避する。だが完全に避けきれなかったのか頬に軽く傷がついた。 それでも構わず、タバサは自身に風の魔法をかける事で疾走し、そこから杖を刀のように振り回しながら、風の魔法を撃っていた。 人形の取っている行動は、あくまでもタバサのそれまでの戦い方だった。隙を見つけて風や氷で牽制しながら、大きく距離を保ち魔法で攻める。 それと比べると、本物のタバサの動きはまるで違っていた。攻め方までは一緒だ。隙を見つけて相手の出方を伺う、暗殺者のような動き。 ただ、距離を保って魔法のみで戦う人形と違い、タバサはひたすら接近戦を挑んでいるのだった。 人形が飛び退いて距離をとったかと思えば、それを機と見てタバサもすかさず距離を詰める。そして追撃するように魔法を放つ。 それは、タバサがずっと頭の中で思い描いた、彼の動きそのものだった。 (なあお嬢さん、『北花壇騎士』って知ってるか? お前達花壇騎士とは違って陽の当たらねえ場所を歩く、騎士とは言えねえ騎士さ…。その中で『化物』が現れたそうだぜ) タバサは冷静に、人形の唱える氷の矢を絶妙な体捌きで回避する。そして冷淡な瞳で、人形の隙を伺った。 (俺も元、その北花壇騎士の一人だったさ。けどよ、俺なんか弱い方だぜ。噂じゃ最近入ったその化物は、俺みたいな炎の使い手でな、阻むもの全て跡形もなく焼き尽くしてきたみたいだったぜ) 吹き荒れる風や舞い散っていく氷の破片をもろともせず、タバサは突っ込んでいく。虚をつかれたことに反応が鈍ったのか、一瞬人形の動きが止まる。 (しかも笑っちまうことによ。噂じゃそいつ…メイジじゃねえらしいんだ。可笑しいだろ? 只の平民が『シュヴァリエ』で化物と来たもんだ。北花壇騎士ってのは、そういう奴らばっかりさ、それに比べればお前なんて…―――) (――――…知ってる) その先をかき消すかのように、タバサは『ウィンド・ブレイク』を唱える。 防御の間に合わなかった人形は、そのまま吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。その隙を逃さず、タバサは畳み掛ける。 腰を落とし、杖を後ろにして座す『抜刀術』の構え。準備が整うと、タバサは素早く地面を蹴って駆けた。 (『所詮この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ…―――) タバサは杖に『ブレイド』を唱え、そこから一閃を放つ。剣心との決闘からさらに研ぎ澄まされ、洗練された一撃だった。 人形は、後退する場所がないため、やむなく杖で攻撃を受ける。杖で防がれた攻撃は、暫く鍔迫り合いとなって激しく拮抗した。 だが、それを狙うかのようにタバサは第二撃を放つ。 振り抜いた杖に隠れた氷の刃―――『ジャベリン』で創り研ぎ澄ませた鋭い刀の氷像は、杖での防御をすり抜け人形を横から真っ二つにした。 「――――…死ぬ』」 「お姉さま……」 魔力が尽き、元の人形の姿に戻ったスキルニルを拾い上げるタバサを見て、シルフィードはぽつりとそう呟いた。 本当に…時々お姉さまが分からなくなる。何をそんなに生き急いでいるのか。理由は知っているつもりだけど、最近特にそう思うようになった。 スキルニルを懐にしまいこみながら、タバサはゆっくりとこちらにやって来る。その目は、やっぱりシルフィードにとって少し怖い目をしていた。 「お姉さま、あのね…」 何か言おうとして、シルフィードは口を開いた……その時。 突然、場違いな腹の音がシルフィードの耳に届いた。タバサは自分のお腹をさすりながら呟いた。 「お腹すいた」 どうやら過度な練習ですっかり空腹になってしまったようだった。 その様子を見たシルフィードは、ぷっと吹き出す。余りにも可笑しくて無意識に体を震わせていた。 「…これから大事なことを言おうとした矢先に…空気読めなのね」 「何か言った?」 「何でもないのね!! シルフィもお腹すいたのね! だから一緒に食べに行こうなのね!!」 怒りとも笑いともつかないような声を上げながら、シルフィードは叫んだ。タバサは杖でそんなシルフィードを軽く小突く。 「痛い、痛いのね」 「うるさい。静かに」 いつもの表情、いつもの無愛想な声で、タバサはそう言った。それだけでシルフィードは少し安心するのだ。やっぱりお姉さまはまだこっちの方がいい。 シルフィードはそのままタバサを乗せると、大空へ向けて飛び出した。心地よい風をその身に受けながら、シルフィードは本を読むタバサに向かって声をかける。 「ねえ、お姉さま」 返事はなく、ただ本をめくる音だけをタバサは返す。別にこれ自体いつものことなのでシルフィードは構わず続けた。 「お姉さまは、これ以上変わったりしないよね?」 「…どう言う意味?」 本に視線をうつしながらも、今度はタバサも口にしてシルフィードに聞き返した。 シルフィードは、しどろもどろな口調ながらもタバサに言った。 「何ていうか…お姉さま、時々怖い目をするのね。自分で気づいてるのか分からないけど、それがシルフィすっごい嫌なのね。本当に、わたしの知ってるお姉さまが、どっか遠くへいなくなっちゃう様で…だから改善して欲しいのね」 ここでタバサは、本から視線を外してシルフィードの方を向いた。怖い…? いつそんな目をしたのだろう…? タバサは全然覚えがなかった。 でもシルフィードがそう言うのなら、恐らくそんな感じの目をしていたのだろう。タバサはそう思った。 「善処する」 取り敢えず、シルフィードにはそのように返しておいた。それですっかり安心して上機嫌になったのか、シルフィードは鼻歌交じりで街へと飛んでいった。 しかしそれは、これから始まる戦いの序章に過ぎなかった。 前ページ次ページるろうに使い魔