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町の近くにゆっくり達がひっそりと住む森がある。 人間との間には争いなど殆どなく、多くのゆっくりが人間と仲良くゆったりしている森。 森のゆっくり達は独自のルールに乗っ取り協力しあっていた。 その独自のルールというのが、他の群れではあまり見ないルールであった。 「ゆゆーゆゆーん」 地面を這うように動いているのはれいむであった。バスケットボール大のまん丸として弾力性のある体で 地面をナメクジのように張っていた。その頭の上に1本の茎を生やしながら。 「れいむ! もっとゆっくりあるいたほうがいいよ! まりさがれいむにあわせるから!」 れいむの傍に寄り添いながら動いているのはまりさである。 二匹はつがいであった。 森を抜け、あぜ道をゆったりを歩く二匹。昼間とはいえ危険がないわけではない。 それでも二匹はひたすらゆっくりと歩き続けた。 二時間かけて二匹がやっと辿りついたところはとある一軒家だった。 その家には、ご丁寧にゆっくりでも鳴らせる小さな鈴が取り付けられていた。 「ゆゆ・・・これをならすんだね。」 「そうだね。ぱちゅりーがすずさんをならすっていってたからね。」 まりさは口で鈴を何回か鳴らした。 少しして、玄関から男が出てきた。特徴のない男である。 「やあ。ゆっくりしていってね。」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 二匹は男へ元気よく挨拶を返す。 「君たちは初めてきた子だね。」 男は中から持ってきたクッキーを砕いて二匹に食べさせた。 「そうだよ! ここにくればだいじょうぶってぱちゅりーにいわれたんだよ。」 「ゆゆ・・・ほんとうにだいじょうぶなの? おにーさん?」 れいむの心配そうな目を、正面から見据えて男は言った。 「大丈夫。しっかり母親を見つけてあげるから。ほら、こんな風に。」 男はポケットから差し出した写真を二匹に見せた。すると二匹の顔は先ほどの暗く湿った顔から 明るく太陽のような笑顔を見せた。 写真に写っていたのは、4匹の赤ありすとそれを抱きかかえて嬉しそうにしている身なりのよい婦人の姿だった。 4匹とも綺麗な身なりをしている。後ろには『ありすたちのあそびば』と書かれたスペースがあった。 「ゆゆ〜! とってもゆっくりしてるね!」 「すっごくゆっくりしてるありすたちだね! かわいいね!」 まるで我が子を褒めているかのようだった。その様子を見ていた男はさりげなく聞いてみた 「あのさ、どうして今回は里子に出すんだい?」 その質問に、お互いばつの悪そうな顔をしながら見つめる二匹。その後、まりさが口を開いた。 「ゆゆ・・・すっきりー♪してこどもをそだてようとしたんだよ。でもぱちゅりーにこどもをふやしちゃいけないって いわれたんだよ・・・」 「ことしはごはんがすくないんだよ・・・あめさんがずっとゆっくりしてたから・・・」 食糧がないから群れの数を抑制したのか。まあよくある話だ。 「でもにんっしんっしたあとにいわれたんだよ・・・だからおにーさんのところにきたんだよ。」 「ぺっとしょっぷならかならずおかーさんをみつけてくれるっていわたんだよ。」 哀しそうにそう言ったれいむ。れいむの頭の上に生えている茎は僅かに揺れて、その先に付いている6匹の赤ん坊達もまた揺れていた。 「ゆすぅ・・・ゆすぅ・・・」と寝ているのかそんな息使いが聞こえてきた。 「ああ、大丈夫だから。それじゃあさっそく赤ちゃんを産もうか。」 男はれいむの目の前にバスタオルを何重にも重ねて置いた。 「さあ、この上なら大丈夫だよ。」 「ゆゆ〜わかったよ。いまからげんきなあかちゃんをうむよ!」 そう言うとれいむの頭に居た赤ちゃん達が急にモゾモゾと動き出した。 そして茎の先に近い方から順に一匹づつ落ちて行った。 落ちた赤ん坊は静かに寝ていた。男はそれをいそいで、かつ優しくタオルで包むと家の中へ急いで入った。 そして用意していたタッパーに入れると、それを冷蔵庫へと入れた。 男は外に出ると、まりさがれいむの頭の茎を折っているところだった。 「挨拶はしなくてよかったのかい?まだ育ち切ってない状態で生んだけど。」 男の問いにれいむは、先ほどとは違ってハキハキと答えた。 植物型でも体力は使うのに、疲れた様子は微塵も見せない。 「あのこたちはれいむたちのこじゃないよ! もっとしあわせなおかーさんのところでそだつんだよ! だから・・・・ゆぐう! ゆぐぅううううううううわああああああああああああんんん!!!」 しかしそんな顔は十秒も持たなかった。たちまち泣きじゃくるれいむ。 「ゆゆー・・・れいむ! すーりすーりしてあげるからおちついてね! すーりすーり♪」 まりさが必死に慰めようとしていた。しかしれいむはそんな事はお構いなしに泣き続けた。 結局れいむが泣きやむのに10分ほどかかった。男は二匹に先ほどの余ったクッキーをオヤツ代わりに与えた。 そして二匹が帰る時。 「おにーさん!」 れいむはいままで見せたことのない真剣な目つきで言った。 「ほんとうに・・・あかちゃんにおかーさんをみつけてくれる? ゆっくりしたおかーさんだよ!」 男は真剣な目で答えた。 「ああ、任せてくれ。伊達にペットショップを名乗っちゃいないさ。」 その目を見て二匹は言った。 「ありがとうおにーさん! ゆっくりしていってね!!!」 この森のゆっくり達には一つのルールがある。 もしも自分の子供を育てられない事があった場合 例えば望まぬ妊娠や食糧事情で間引く必要がある場合、とある男の家に子供を託すのだ。 そうしてその男が子どもたちへ新たな親を見つける。 子どもも親も不幸にならないそのルールは、ゆっくり達からも絶賛された。 そのルールを提案した男は森のゆっくり達から「ドスぐらいゆっくりできるよ!」と褒め讃えられた。 ここは仕事部屋。窓を締め切り昼間から電灯がついてるその部屋には、大量の透明なケースが置かれていた。 その中にはゆっくり達が居た。赤から子供まで様々なゆっくりが。 ケースには一つ一つ紙が貼られていた。『ゲス個体』『○○さん用』『良個体』『欠陥持ち』『レイパー』『おりきゃら』 などと書かれた紙だ。 男はパソコンへ向かって何かを打ち込んでいた。すると 「おにーさん!」 誰かの呼ぶ声が聞こえた。 「なんだいありす?」 男は振り返った。 「ありすのおかーさんはほんとうにみつかるの? もうおかーさんがめのまえでしんじゃうのはいやだわ・・・」 このありすは孤児である。群れで育てる余裕もないので男が引き取ってきた。 「もうすぐ会えるよ。たぶん後3日ぐらいかな。」 ありすがなにやら嬉しそうな顔で喋っていたが、男はすぐにパソコンへ視線を戻した。 パソコンの画面は受信メールでいっぱいだった。男はそれを一つ一つチェックする 『件名:赤ゆっくりを20匹ほど』 『件名:ゲス個体から生まれたまりさとありす』 『件名:子供のれいむ』 『件名:レイパーの子』 『件名:良個体から生まれたちぇん』 『件名;れみりゃ(胴有り)』 全てが注文のメールである。詳しくチェックする。 「また赤ゆっくりが付きかけたので何時も通りにお願いします。今度出来のいい写真を何点か送りますね。」 「飼いゆっくり教育用にゲス個体が欲しいです。念のためそれぞれ2匹づつお願いします。」 「ここのゆっくりは良質のゆっくりで虐めるのが楽しいです><。こんな良個体を常に供給できるなんてすごいですね。」 「生まれたてのれみりゃを探しています。できるだけ生まれたてをお願いします。」 一部のメールにはファイルが添付してあった。それを見てみると、そこにはゆっくり達の無残な姿があった。 男は事務的にメールをチェックすると、ひとつのメールで指を止めた。 『件名:生まれる前の赤ゆっくり』 「善良な親から生まれた、生まれる前のゆっくり(日本語がおかしいですが)を探しています。 友人の勧めでこちらを知りました。値段が張るのはわかっていますがぜひお願いします。」 男はすぐに返事を返した。 とある森のとある小さな穴の周り。 れいむとまりさはせっせと冬支度の為に草を集めていた。 ここの森のゆっくりは何人かのグループで冬を越す。 なので皆で作業を分担して準備をする。 「まりさ?」 れいむの呼び声に口に草を大量に頬張ったまりさが答えた。 「ゆほほほ? ゆほ?(どうしたの? れいむ?)」 「れいむのかわいいあかちゃんたちはゆっくりしてるよね!」 泣きそうな目をしてれいむは言った。 まりさはそれを見て、力強く全身を縦に振った。 「ゆゆ! そうだよね! ゆ〜♪ れいむはりきってゆっくりくささんをあつめるよ!」 木枯らしが吹いた。もうすぐ冬の到来である。 【あとがき】 このSSのゆっくり達は生息地域が限られている上に、数もそこまで多くない そう考えてやってください。作者が喜ぶので。 by バスケの人
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※変態お兄さんが登場します。すなわちR-18です。 ※変態お兄さん兼虐待お兄さんなのでかなり不快な野郎です。 ※この作品はfuku2091.txtの続きです。 メイドキャップ付きの銀髪三つ編みのカツラを被った変態お兄さん改め鬼畜お兄さんが洞窟最奥がにんっしんゆっくりゃのいる部屋にたどり着くと、そこには生まれたてのゆっくりゃが数匹転がっていた。 また、さきほど先に奥の部屋に行って交尾するように命令しておいた子どもたちが黒ずんで動かなくなっている。 どうやら素直に言うことを聞いて、約束通り姉妹で交尾をして朽ち果てたのだろう。 その死体の頭にはまだ茎が残っていて、中指ほどの大きさしかない体つきのゆっくりゃがまだ数匹そこに成っている。 しかし、どのゆっくりゃも声を発することすらままならずに死んだ魚のような目であたりをきょろきょろ見回しているだけだ。 「ほ~・・・体つきは体つきのまま生まれるんだな・・・」 「なにしにきたんだどー!ここはれみりゃのおやしきだどー!!」 「・・・・・・で?」 鬼畜お兄さんはにんっしんゆっくりゃの文句を聞き流し、周囲にいる生まれたて、それも子ども同士から生まれたがゆえに未熟児同然の赤ん坊ゆっくりゃの様子を伺う。 声一つも上げられないのはやはり未熟だったことと衰弱していることが原因なのだろうか? 「はやくでていくんだどー!!」 「ぎゃおー!たべちゃうどー!!」 「おやしきにいたかったらたべものをもってくるんだど-!!」 勿論、その間もにんっしんゆっくりゃが抗議を続けているが、無視を決め込んで、未熟児ゆっくりゃを回収しているお兄さんには何の効果もない。 「れみりゃのあがしゃんにさわるなーー!!」 「ふむ・・・きちんと生まれたものでも手のひらサイズか・・・」 「しかし・・・流石は痛めつけられると従順なゆっくりゃだな。まさかどっちの頭にも茎が4本も生えるまで交尾し続けるとは・・・」 「未熟児サイズが14匹と茎に残っていた中指サイズが6匹か」 その生まれたての赤ん坊達を回収し終えたお兄さんは、すぐに死んでしまいかねない赤ん坊達の口に母体となった子ども達の中の具を含ませる。 それすらも出来そうにない個体に対しては少し傷をつけてそこから具を流し込む。 「でびりゃのあがぢゃんになにするんだどーーーー!!」 状況を飲み込めないなりにも、突然交尾を始め、死んでいった子どもの残したものを育てようという感傷でも持ち合わせているのか。 それともただそこにいる赤ちゃんは自分のものだと主張したいだけなのか。 どちらなのかは定かではないが、にんっしんゆっくりゃはお兄さんを必死に赤ちゃんから遠ざけようとする。 実はこの行為は救命・延命措置なのだが、ゆっくりゃにそんなことを理解しろというのは恐らく酷というものだろう。 「・・・う?」 「・・・・・・うぅ~?」 「うっう~♪」 「・・・あう~」 その措置が功を奏して赤ん坊達は次々に産声を上げていく。 手の平サイズの未熟児だけではなく、中指サイズの未熟児とさえ呼べないような個体までも意識を取り戻し、ゆっくりと動き始めた。 「あ、ああ・・・あがぢゃんがうごいだどおおおおおおお!!」 叫び声の主はくわっと目を見開いて部屋の中央に鎮座しているにんっしんゆっくりゃ。 流石にこのサイズなら今までに出産経験もあるだろう。 動けない赤ん坊がそこにいるのに何もせずじっとしていたのは経験則からすぐに死ぬことを理解していたからなのだろうか。 もしかしたら、あれだけのコミュニティを持ちながらにんっしん出産をしているのも赤ん坊の生存率を重視しているからかもしれない。 真意を知る術は無いが、赤ちゃんが動き出したことににんっしんゆっくりゃは感極まって涙を流していた。 全員焦点が合っておらず目は機能を果たしていないし、さっきの無反応を見た限り耳も殆ど使い物にならないだろう。 それに今後建って歩けるようになるものは皆無だろうが、母ゆっくりゃはその事実を知る由もなく、ただ赤ん坊達が生きていたことに感涙している。 そんなゆっくりゃの方へ振り返り、お兄さんは優しく微笑んだ。 「これで赤ちゃんたちは元気になったよ」 「うっう~♪おじさん、ありがとうだどー!おれいににれみりゃのめしつかいにしてあげるどー♪」 どうやらこのゆっくりゃはまだ他のゆっくりたちがこのお兄さんに全滅させられていることに気付いていないらしい。 確かにこの部屋からでは入り口付近で起きた惨劇なんてあまり見えないだろうが、あれだけの叫び声を聞いておいてなんとものんきなものである。 「そうか。じゃあ、れみりゃくんが俺の主人なんだね?」 「うー!そうだどー!」 「それじゃ、主人として召使の性処理をしないといけないなぁ・・・!」 一瞬にして今までしぼんだ状態にさせていたお兄さんのモノがむくむくと膨れ上がっていく。 そして鋼の如き硬さを帯びたそれをゆっくりとにんっしんゆっくりゃの前に差し出した。 「うっうー!れみりゃはこうまがんのおぜうさまだどー!めーれーなんてされないんだどー!」 「ごちゃごちゃやかましいぞ!」 「ぎゃ!?」 お兄さんはイチモツを力強く振りかぶると、ゆっくりゃのにんっしんによって普段の倍近くにも膨れ上がった頬を殴打した。 その一振りはビシッと軽快な音を立ててにんっしんゆっくりゃの顔を揺らす。 「なにするんだ、どっ!?」 「君に!」 いきなりの攻撃に対して怒りに任せて抗議しようとするゆっくりゃだが、お構いなしに次の攻撃を打ち込まれる。 バシッ!! 「いだいーー・・・いっ!?」 「与え!」 痛さと理不尽さのあまりに目に涙が浮かんでくる。しかし、お兄さんは止まらない。 ベシッ!! 「ぎゃっ!?」 「られた!」 良く見てみると口から肉汁が滴っている。叩かれているときに喋るから噛んでしまったのだろう。 ズビシッ!! 「やべ、でっ!?」 「選択!」 ついに我慢の限界に達したらしく、涙があふれ出す。もっとも、それは攻撃をいっそう激しくする結果を招くのだが。 ズバシュ!! 「ぎゃっ!?」 「肢は!」 涙に嗜虐心をそそられたお兄さんは加速させすぎてぺにぺにで斬撃を放ってしまったらしく、ゆっくりゃの頬が少し切れている。 ザシュ!! 「いだ、いっ!?」 「咥え!」 2回目の斬撃によってゆっくりゃは反対側の頬にも切り傷をつけられる。さっきの一撃より鋭いそれはゆっくりゃの皮をかなり深く抉っているようだ。 「ぎゃおおお、おっ!?」 「るか!」 自重したお兄さんは斬撃を止め、再びビンタに戻す。しかし、切り傷に触れられるためさっきまでのビンタよりもずっと痛い。 ビシッ!! 「ぎゃっ!?」 「咥え!」 今度はかなり深く切りつけられた頬への一撃。ついでにお兄さんは「赤ちゃんは大丈夫かな?」と尋ねてみる。 バシッ!! 「あがじゃん、がっ!?」 「ないで!」 またしても肉汁が滴っている。赤ちゃんのことに触れられ、喋ろうとしてしまったのが災いしたようだ。 ベシッ!! 「ぎゃっ!?」 「死ぬ!」 涙と肉汁を撒き散らすゆっくりゃ。今度はお兄さんのイチモツによる下からの突き上げが襲い掛かる。 ズビシッ!! 「うぎゃ!?」 「かっ!」 突き上げと同時に跳躍したお兄さんは落下の勢いに任せて白目を剥いているゆっくりゃの頭部へぺにぺにを叩き込む。 ガスッ!! 「でび、りゃっ!?」 「ふたつに!」 着地と同時にお兄さんはゆっくりゃの横を駆け抜けざまにラリアットの要領でゆっくりゃの下あごを強打する。 ガッシ!! 「うぎゃ!?」 「ひとつ!」 そして、座ったままであるにも関わらず勢い良く吹っ飛ばされたゆっくりゃに向かってとどめの突きをお見舞いする。 ボッカ!! 「いだい、ぎゃっーーーーー!?」 「だっ!」 その一撃によってゆっくりゃは洞窟の壁面に後頭部を叩きつけられ、そこからだらだらと具がこぼれる。 「いだいーーーーーーーーーーー!!いだいーーーーーーーーーーーーー!!」 「さあ、どうするんだい?咥えるかい?死ぬかい?」 極上のスマイルを浮かべたお兄さんは再びゆっくりゃにモノを突きつける。そこには平仮名で「ないふ」と書かれている。 「ざぐやあああああああ!!ざぐやああああああああああ!!」 「やれやれ、全く話を聞いていないな」 が、恐怖でお兄さんの話など耳に入ってこないゆっくりゃは必死にいるはずもない従者の名前を呼びながら後ずさる。 「なんでしょうか~、おぜ~うさま~!」 勿論、さくやでも咲夜でもない。声の主はメイドキャップ付きの銀髪三つ編みのカツラを被った全裸の鬼畜お兄さん。 「ぢがううううううううう!!おばえはざぐやじゃないどおおおおおおおおおおおおお!!」 「ひどいですわ~、おぜ~うさま~!」 「ごっぢにぐるなああああああああ!!」 「そんな事いうおぜう様にはお仕置きが必要ですわね~♪」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!?・・・う、うばれりゅ!!?」 散々殴られたせいかどうかは知らないが、いきなりゆっくりゃが産気づいた。 「よし、じゃあ、さっさと産んでお仕置き続行ですわ~♪」 言うが早いか、お兄さんは産道をこじ開け、手を突っ込むと中ですくすくと育っていた子ゆっくりゃを引きずり出した。 「うぎゃあああああああああああ!!いだいーーーーーーーーーーーー!!」 その乱暴な行為が母ゆっくりゃの表情をまたしても歪ませる。 「いぢゃいーーーーー!!」 一方、産道の中の子ゆっくりゃも乱暴に頭を掴まれ、産道から力任せに引きずり出される痛みで泣き喚いている。 しかし、お兄さんは問答無用。空いている手でにんっしんしているゆっくりゃの頬を掴むと勢い良く子ゆっくりゃを引きずり出した。 「ぬぅん!!!」 その一声と同時に子ゆっくりゃは産道から引きずり出され、洞窟の地面に打ち付けられ、3,4メートルほど転がって背中から壁にぶつかり、再び悲鳴を上げた。 「うぎゃああああああああああああああああああああ!!」 「しゃらっぷ!!」 即座に跳躍したお兄さんは着地の際に子ゆっくりゃの両脚を踏み潰すと前のめりに倒れ、手を突いたついでに両腕を破壊した。 「―――――――ッあああああああああああああああ!!」 「でびりゃのあがぢゃんーーーーーーーーーー!!」 唐突に四肢を破壊された子どもと母親の絶叫が洞窟の中にこだまする中、お兄さんは先ほど蘇生させた20匹あまりの赤ん坊を子ゆっくりゃのお腹の上に置く。 「う~」 「おいちいど~♪」 「うっう~」 「むしゃむしゃだど~」 「いぎゃああああああああああああ!!でびりゃをだべるなだどおおおおおおおおおおお!!」 「うぎゃああああああああああああああああ!!」 母と子がいくら悲鳴を上げたところで目も耳も使い物にならない赤ん坊たちには何の意味も成さない。 四肢を失った子どもが体をゆすって抵抗するも、動けば傷が痛むし、思った以上に赤ん坊たちは力強く、なかなか落ちてくれない。 「ざぐやああああああ、だずでえええええええ!!」 「な~んでしょうか~、おぜうさま~♪」 くどいようだが返事をするのはお兄さん。「おばえなんがざぐやじゃないいいいい!!」と喚く母ゆっくりゃにつかつかと歩み寄ると、さっきの連続ビンタで少し腫れてしまった頬を強く握る。 そして、母子の阿鼻叫喚の二重奏をBGMにお兄さんは本命と言っても過言ではない、母ゆっくりゃの産道への挿入を開始した。 慎重に狙いを定め、徐々に閉じつつある産道に「ないふ」と書かれたモノをねじ込んで、再びこじ開ける。 「ぬふぅ・・・こ、これは・・・!」 「ざぐやあああああああああ!!だずげでえええええええ!!」 「用があるなら早く言ってくださいね、お~ぜうさま~!」 そう言いながら問答無用に腰を振るお兄さん。しkし、内心こう思った・・・がばがばじゃないか、と。 「ざぐやい゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ざぐやなんであっぢいげえええええええ!!」 「ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ! ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ! ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!」 思った以上に締まりが悪かったとこに失望した鬼畜お兄さんは始めてしまった以上最後までやらねばという意味の分からない義務感だけで腰を振りつづける。 もっとも、考えてみればアレだけのサイズの子どもが出てくる道が締まりの良い訳がないのだが。 さっさと済ませたい一心で腰を振るお兄さんにはもはやゆっくりゃへの興味など微塵もない。 「ぬんっ!!」 産道に精液を流し込むと、出し切る前に引っこ抜き、さっき四肢を潰した子ゆっくりゃのほうへ歩いていく。 射精してやることを済ましてしまえばこれ以上ここにいる理由はない。 しかし、自分をぬか喜びさせた母ゆっくりゃにはお仕置きをしないと気がすまないお兄さんはさっき生まれた子どもと赤ん坊20匹を産道にねじ込んでその場を後にした。 ついでに赤ん坊を産んだ親の屍骸もねじ込んでから、きっちり産道の入り口を封印しその場を後にした。 鬼畜お兄さんが洞窟を後にしてから数時間後。 「ゆ!ここはすごくゆっくりできそうなばしょだよ、まりさ!」 「ほんとうだね、まりさ!あかちゃんたちもゆっくりついてきてね!」 ゆっくりゃたちの巣の前にやってきたのは2匹のゆっくりまりさ。 1匹は鬼畜お兄さんに子どもを持って行かれた母まりさで、もう一匹はゆっくりゃと何度もすっきりさせられたゲスまりさだった。 2匹の連れている子どもは胴体なしのゆっくりゃが42匹とまりさが51匹のあわせて93匹。 「さっきのおにーさんがここにはたべものもいっぱいあるからすごくゆっくりできるっていってたよ」 「あやまったらまりさのこともゆるしてくれたし、いいおにーさんだったね」 わいわいがやがやとお喋りをしながら巣の中に入る一家。 そのお兄さんが言っていた通り、そこにはたくさんの食料があった。 両手両脚を縛られ、内側から子まりさに具を食べられ続けるしにぞこないのゆっくりゃ。 魔改造によって異常に長い胴体と4本の腕を得てしまった、立ち上がることもままならない赤ちゃんゆっくりゃ。 同じく魔改造によって異様に短いうえに足しかない胴体を与えられ、座ることも出来なくなった赤ちゃんゆっくりゃ。 そして6匹のゆっくりゃ種が連結され、ひとつになってしまったもの。 大量の子どもや赤ちゃんをねじ込まれ、頭部が重くなりすぎた結果、頭をゆかにこすりつけたまま身動きが取れ中なったもの。 動くことのままならない個体が10匹以上。 ここなら餌を取りに行かなくてもずっとゆっくり出来そうだと一家は思った。 ---あとがき?--- 鬼畜お兄さん。虐待お兄さんと違ってゆっくりと交尾します。 また、変態お兄さんと違ってゆっくりを虐待・虐殺します。 言動や思考はすさまじく身勝手で他のお兄さんからも煙たがられています。 俺だってこんな奴とは関わりたくありません。 今度はゆっくりをひたすら魔改造する作品とか書いてみたいな。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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「ゆっくりありがとう!」 「これはおれいだよ!ゆっくりもっていってね!」 「またゆっくりしようね!うーぱっく!」 「うー!うー!」 赤みが混じり始めた陽の光が照らす湖畔の草原、そこからダンボール状の物体が上昇していく。 よく目を凝らせばダンボールが飛び立った場所に妙な装飾を施された饅頭が転がっているのが分かる。 ゆっくりれいむやゆっくりまりさ、ゆっくりみょんがうーぱっくにここまで運んで貰ったのだ。 にこやかな顔でうーぱっくからおりてきたゆっくり達は、スリリングな空の旅のお礼として相場よりも多目の果物をうーぱっくの中に残していた。 「うー!?うー!!うー!!」 「たのしかったからいいんだみょん!」 「ゆっくりもっていってね!」 「うー!」 予想以上の報酬を得たうーぱっくは満面の笑顔で湖の彼方へと飛び去っていく。 ゆっくり達はしばしの間、湖のほうを向いてうーぱっくを見送り、ゆっくりの貧弱な視力で追えなくなってから仲間の方へ互いに向き合った。 「もうおそいからゆっくりかえろうね!」 「そうだね!」 「ゆっくりたのしかったね!」 「むこうのどすはりっぱだったみょん!」 「まりさたちもあんなりーだーがほしいね!」 「ねー!」 一月に一回、会うことができれば良いといえるほど離れた場所に住む群れへと行ってきたゆっくり達は、次はいつ会えるかどうか分からない同種と思い切りゆっくりしてきたことを思い出して興奮していた。 そんな状態のゆっくり達は移動するには過剰なほど飛び跳ねながら森の奥へと消えていった。 家族や友人、仲間の待つ巣で長旅の疲れを癒し、「どす」から貰ったお土産を披露するのだろう。 そんな幸せそうに去るゆっくり達を見つめる瞳が茂みの中にふたつ。 ゆっくり達の姿が消えて暫くすると、そこの茂みがガサリと揺れた。 お約束のパターンで出てきたのは──「ゆっくりしていってね!」──ゆっくりまりさだった。 誰に宛てたか分からない独り言のような挨拶を放つという奇怪な芸当を見せたまりさは、先ほどの同種たちが消えた先を暫く見つめ、続いて湖の彼方に顔を向ける。 うーぱっくが飛び去った方向、当然だが明るい茶色の箱はとっくの昔に視認できなくなっている。 それでもまりさは湖の向こうを見続けた。 突然、まりさ以外のゆっくりが存在しない草原に妙な音が響き渡る。 まりさはおなかを空かせていた。 今日の狩に失敗したまりさは朝から何も食べていないから当然だ。 なるべくエネルギー消費を減らすため、茂みの中でゆっくりと昼寝をしていたまりさは、がやがやと騒がしい同種の声を聞き、食べ物を分けてもらえないだろうかと起きた。 しかし、まりさ種にしては引っ込み思案気味な彼女は結局巣に帰る仲間を見送るだけで動けなかった。 「ゆっくりながめたけっかがこれだよ!」といったところだろうか。 空腹のためにぼんやりとした表情で暫く黄昏ていたまりさ。 そのまま永遠にゆっくりするのかという勢いであったが、太陽が西の山の頂と重なり始めたとき、急に伸び上がり、次いで大声を上げた。 「そうだ!まりさもゆっくりをはこべばたべものがもらえるよ!」 祖先に多くのぱちゅりー種を持つ彼女はまりさ種の平均よりも身体能力が低めの代償として、まりさ種ではあり得ないほどの(一部のぱちゅりー種すら凌駕する)知性を持っていた。 その知性がまりさに自身の能力を生かして食料を得る方法をもたらしたのだ。 まりさは「水上を移動できるというまりさ種の能力でゆっくりを運び、報酬を貰う」という事を思いついたのだった。 思わぬ思い付きにはしゃぎ回ったまりさはもうすぐ日が落ちることにハッと気づき、慌てて巣へと帰っていった。 それから、まりさの困難と挑戦の日々が始まった。 自身の帽子には当然ながら自身しか乗れない。 自身が乗らなければ他のゆっくりを運ぶことなど不可能。 ゆえに、他のゆっくりを乗せるためのイカダが必要だった。 まりさが所属する群れのリーダーである通常サイズのゆっくりはまりさに協力してくれたが、それでもイカダの開発は困難を伴う物だった。 最初に提案されたのは板切れを利用する方法だった。 ゆっくりですら木が水に浮くことは知っていたからだ。 幸いにもリーダーの巣に補強財として人里のゴミ捨て場から調達された板切れが置いてあった為、それを流用することとなった。 結果から言うと散々な物だった。 チビゆっくりや子ゆっくりが乗る分には何の問題も無かったが、親ゆっくりが飛び乗った瞬間、当然というべきか板切れは思い切りひっくり返り、ゆっくりれいむの一家は哀れ水底へとまっしぐらに沈んでいったのだった。 この「不幸な事故」に、群れのゆっくり達は1日中泣き通した。 次に提案されたのはもう少し上等な方法で、オオオニバスの葉に乗るというものだった。 その葉を小さい頃に飛び石として池を渡ったことがあるゆっくりが提案した方法だ。 成体でも乗れるかどうか確かめるため、ゆっくりの群れはガヤガヤと騒ぎながらオオオニバスの群生地へと移動した。 結果は前回よりはマシなだけだった。 目の前でゆっくりれいむが急速に沈むのを見ていたゆっくりみょんは、そろりそろりと慎重に葉の上へと体を移した。 ゆっくりみょんが完全に葉の上に乗った瞬間には歓声があがった。 暫くはそうやって騒いでいたのだが、皆あることに気がつき始めた。 ──どうやってみずうみまでもっていくんだろう…? 何とか移動させようと5匹のまりさが帽子に乗った状態で葉を引っ張ったり押したりしたが、ある程度は動くものの、ある程度以上には何かに引っ張られて動かないという事が分かっただけだった。 水面より上ではどこにも繋がってない様に見える以上、水中で繋がっているというのはゆっくりでも分かる。 問題は水中に潜れないゆっくりがどうやって切り離すかということだった。 結局、どうしようもないという事になってこの案は廃された。 3つ目に提案された「死んだゆっくりまりさの帽子を使う」というのはハナからダメだった。 まりさ種を殺して帽子を奪うなど論外であったし、寿命などで普通に死んだまりさの物にしても家族が許さないからだ。 「イカダ」の件が解決を見ないまま1週間が過ぎ、餡子脳の限界をゆっくりと感じ始めた頃に一つの光明がもたらされた。 何か使える物はないかと足しげく人里のゴミ捨て場に通ったまりさの努力は報われた。 ゆっくりがこんな所で何を探しているのだろうかという人間の視線を背に受けたまりさが発見した物体。 「これならのれそうだよ!」 「ゆっくりもっていこうね!」 それは薄汚れた白い箱、大きさの割にやたらと軽く、ゆっくりまりさでも運べそうな程だ。 3つ以上の数を数えられないゆっくりの感覚で、大量に捨てられていたそれを早速運び出す。 4匹で来ていたまりさ達は、その物体に都合よく取り付けられていた紐を加えて引きずる様に持ち去っていった。 その様子を偶然眺めていた人間は、妙なことをするゆっくりだ、と疑問を覚えたがしかし、いらない物を持っていくのに文句など無くすぐにその事を忘れた。 その白い箱は偶然に外界から入ってきた発泡スチロールの箱だった、まりさが知る由も無かったが。 通常サイズの成体ゆっくりがぎゅう詰めで8体も乗れる(2x4で長方形に乗る)その白い箱。 それを利用したゆっくりまりさによる水上輸送は直ちに開始された。 初期こそ速達性と利便性で勝るうーぱっくの輸送よりも不便だと見られていたが、一度に大量のゆっくりを運ぶことができると知られてからは、湖の対岸同士や湖の中に浮かぶ小島への輸送に大活躍し始めた。 何せまりさが箱を1つ引っ張ると、うーぱっく4匹と同じだけ運べるのだ。 家族毎や群れ毎といった移動手段として重宝された。 運ぶ量が多いために報酬の野菜や果物、木の実といった食べ物を大量に獲得でき、まりさたちの群れはこの世の春を謳歌していた。 まりさがこの水上輸送を思いついてから1月が経った頃には、箱を前から引っ張ってゆっくりと岸を離れるまりさや、逆に後ろから引っ張ってゆっくりと減速しつつ岸へ近づくまりさを、湖のあちこちで見ることができるようになっていた。 それだけ目立つ状況こそが不運を呼んだ、後にそう語られている。 湖の近くに住む妖精の間で一時期流行っていた遊びがある。 ゆっくりを湖へ放り投げて飛距離を競うという物である。 気まぐれな妖精の間にあって比較的長続きした方に入るのだが、それでも何時しか誰もやらなくなっていたその遊び。 まったく珍しい事に、それが最近また流行り始めたのである。 形こそ少々変わっていたが、紛れも無くゆっくりを投げるあの遊びであった。 飛距離は重要であるものの競う対象とはならなくなった点を、少々と表現するかは人それぞれだが。 「ようせいだああぁーーー!」 「みんな!ゆっくりすばやくのってね!すぐにしゅっぱつするよ!」 森のほうを見ていたゆっくりれいむが悲鳴のような声を上げた直後、船着場となっている岸に集まったゆっくり達の動きが慌しくなる。 乗船客のゆっくりは慌てて白い箱に乗り込みだす。 「おさないでね!ゆっくりしてね!」 「ここはもうのれないよ!べつのにのってね!」 「れいむものせてね!ゆっくりさせてね!」 「なんて゛のせ゛て゛く゛れないの゛おお゛ぉ゛ぉ゛!!??」 あちこちでゆっくりの叫び声があがり始めた。 混乱気味なほど慌てた1匹のれいむが箱に乗り込もうと思い切り飛び上がったときに悲劇は起きた。 れいむが着地点を見極めきれず、箱の縁に直撃した結果、箱がぶおんとひっくり返ったのだ、既に乗っていたぱちゅりー種ごと。 いつぞやもあった様な光景だが、半月以上前の出来事などゆっくりの餡子脳では教訓にはできる訳が無かった。 2匹のゆっくりが水中に叩き込まれ、衝撃でバラバラになりつつ溶け出したが、周りの慌しさはそんな不幸な出来事すら気にせず進行していく。 白い箱の後ろにゆっくりまりさが2匹付き、思い切り押していく。 加速を少しでも良くしようという涙ぐましい努力だ。 結局、幸いというべきか先ほどの2匹の被害だけで残り39匹となったゆっくり達は出発できた。 出発できたからといっても、これで不幸が終わったわけではなかったが。 先ほどまでゆっくりでごった返していた岸辺には白い山が出来ていた。 妖精たちがどこかで捕獲し、持ってきたゆっくりを氷精が凍結したのだ。 「ざっとこんなもんよ!」 「チルノちゃん、ありがとう!」 「お疲れ様、チルノちゃん。」 ゆっくり十数匹を高速で凍結したチルノに、緑髪の妖精や他の妖精たちが声を掛ける。 彼女の冷気を操る程度の能力は大活躍だ。 妖精たちや特に仲の良い大妖精から言葉を掛けてもらうチルノは満更でもない様子だ。 チルノは賞賛を浴び、気分が良くなったところでゆっくりの山から凍結したゆっくりを引っ張り出す。 「アタイから投げるよ!」 「チルノちゃん!頑張ってね!」 「いきなり当てないでね!」 ゆっくりを凍結させた対価として初めに投げる権利を得たチルノは、カチコチのゆっくりれいむを持って振りかぶる。 必死の様子で遠ざかっていく水上のゆっくりまりさに狙いを付け、全力で放つ! 「ゆう゛う゛ぅっ!き゛た゛よお゛ぉっ!!」 「はやくすすんでね!はやくすすんでね!」 「ゆっく゛りし゛ないて゛ええぇぇぇ!」 箱に乗っているゆっくりが高速で飛来する白い塊を見て悲鳴を上げた。 一方狙われている事をここ数日の経験から分かっているまりさ達は、何とか移動速度を上げようと四苦八苦する。 ゆっくりれいむは白く輝く氷の結晶を彗星の尾のように残しながら湖上を飛翔、ゆっくりが乗せられた箱を必死に押しているゆっくりまりさ、その後方に着水した。 人間の子供の背丈ほどの高さがある水柱が轟音を上げてそそり立つ。 「あーっ、外れたぁ!」 餡子が欠片も混じっていないきれいな水の柱を見たチルノは、自分の投てきが外れたことを知って悔しがる。 「次は絶対当ててやるんだから!」 「次は私だね!」 チルノは大妖精に慰められながら下がり、凍ったゆっくりちぇんを持った別の妖精が出てきた。 「また゛き゛た゛よ゛お゛お゛おぉぉっ!?」 「は゛やく゛おし゛て゛え゛え゛ぇ゛ぇぇっ!」 「うし゛ろのまりさ゛はは゛らは゛らににけ゛て゛ねええぇっ!」 再び水上を飛んでくる氷塊にゆっくりは悲鳴を上げる。 「まりさはこっちにいくよ!」 「こっちがねらわれてないんだぜ!」 「おいて゛か゛ないて゛え゛え゛ぇぇ!!」 後ろで箱を押していたゆっくりまりさ達は、もう箱は十分早くなったという事で散開。 バラバラに分かれて対岸を目指し逃走を開始する。 その瞬間、不運なまりさが氷塊の餌食になった。 「け゛ひ゛ゅっ゛!?」 氷塊はまりさの体組織を粉砕するほどの威力は無かったが、表皮に穴を開ける程度の運動エネルギーは持っていた。 氷塊がまりさの後頭部に命中した瞬間、まりさの表皮が弾ける様に破れ、そこから餡子が撒き散らされる。 体中の餡子を氷の命中により凄まじくシェイクされたまりさは一瞬で意識を失った。 運動エネルギーを受けてまりさの体は勢いよく前方へ傾斜し、顔面が水面に叩きつけられた。 まりさに当たったことにより運動方向を変えられ、放物線を描いた氷塊が水面に落ちると同時に、ゆっくりまりさだった物体から茶色の液体が滲み出してきた。 岸のほうが騒がしくなる。 命中を確認した妖精達が歓声をあげているのだ。 さらに3個の氷塊が等間隔で投げられ、2個はむなしく水柱を立てるもののさらに1匹のゆっくりまりさを沈めた。 もっとも酷かったのは距離的に最後となるチルノが投げた氷塊がもたらした惨劇だった。 リヴェンジを誓う彼女が投げた剛速球は、箱の後部に命中。 発泡スチロールの脆い背面を粉砕して大穴を作った後、その背面のすぐ前方に居たゆっくりれいむの体を貫いた後に、箱の底面を叩き割って湖底へと消えていった。 雪のように小さくなった発泡スチロール片がれいむの餡子と共に他のゆっくりに降り注ぐ。 「て゛、て゛いふ゛う゛う゛ぅぅぅ!」 「みす゛か゛は゛いって゛く゛るよお゛おぉ゛ぉぉ!?」 「と゛け゛ち゛ゃう、と゛け゛ち゛ゃうよ!」 「い゛やた゛あああぁ!ゆっく゛りし゛た゛いいいぃ!!」 発泡スチロール製の箱は例え浸水しても、8匹のゆっくりを支える程度の浮力は持っていたが、浸水によりゆっくりが解けてしまっては浮いていても意味が無かった。 少しでも水の無い場所に行こうとゆっくりが醜いもみ合いを始める。 「ゆっ!そこはれいむのばしょだよ!ゆっくりどいてね!」 「れいむがどくんだみょん!」 底面のど真ん中に開いた穴からなるべく離れようとゆっくり達が動いた結果、箱の外周部分にのみ体重が掛かることになった。 穴が開いているために力を分散できず、箱のあちこちに無理な力が掛かってゆっくりとたわんでいく。 ミシミシと音がしたと思った次の瞬間に箱は真っ二つに折れた。 「ゆ゛ふ゛っ゛!!」 「み゛ょん!」 「け゛は゛っ!?」 そんな状態の箱にゆっくりが乗っていられるはずも無く、全て着水した。 「こ゛ほ゛ほ゛ほ゛ほ゛ほ゛ほ゛ほ゛っほ゛!!!!??」 「ひ゛やた゛ぁ゛ぁ!!と゛け゛た゛く゛な゛いぃ!」 「は゛か゛らは゛い゛よ゛ほ゛ほ゛ほ゛ほ゛!!」 水面に落ちたゆっくり達は暫くの間もがいていたが、すぐに1匹ずつ力尽きては周囲に中身を出しつつ沈んでいった。 ゆっくり達が妖精の射程から逃れるまでに箱3つのうち1つと12匹のゆっくりが犠牲になった。 出発した岸から目的の対岸までちょうど半分の行程に差し掛かろうというゆっくりは27匹に減っていた。 行程はまだ半分も残っていた。つまり、苦難も妖精によるものと同程度のがあと一回ある訳で… ゆっくりが仲間を失った悲しみから立ち直り、目的地をまっしぐらに目指すようになったとき、最後の苦難が始まった。 引いていた箱がバラバラになった為、手持ち無沙汰だったゆっくりまりさが急に悲鳴を上げ、「と゛け゛る゛う゛う゛ぅぅぅ…」、と言いながら沈んでいったのだ。 「は゛りさ゛っ!と゛ほ゛ち゛て゛え゛ぇ゛ぇっ゛!?」 「なに!?なんなの!?」 「わからないよー!」 「ゆっく゛りし゛た゛いよぉぉぉ!」 今までこの苦難を突破したゆっくりはいない為、何が起こったか誰も分からない。 「ゆ゛ひ゛ゅっ!いた゛いよ゛お゛ぉっ!」 箱の周囲から1匹だけ離れて進んでいたまりさが痛みを訴える。 次の瞬間、まりさの体が急速に下がっていき、帽子に水が流れ込む。 「た゛す゛け゛へ゛!ほ゛へ゛ち゛ゃうよお゛おぉぉっ゛!!」 先ほどのまりさと同じようにこのまりさも進路を湖底へと変更し、沈んでいった。 水中に意識が向いていないゆっくりには、何故まりさが沈んだか分からない。 「い゛やあ゛あ゛ぁぁぁぁ!」 「お゛う゛ち゛か゛え゛る゛うぅぅぅ!」 「れ゛い゛む゛う゛ううっ゛!」 箱を牽引していたまりさはとうとう職務を放り出し、他のまりさと一緒になって四方八方へと逃げ出し始めた。 オール代わりの枝を、漕ぐというよりメチャメチャに振り回すと言った方が妥当な動きで、操作しながら進んでいく。。 しかしその努力は実らず、まりさは1匹また1匹と悲鳴を上げながら沈んでいく。 「なんて゛まりさ゛か゛いな゛いのおお゛ぉ!」 「これし゛ゃうこ゛け゛ないよ゛おお゛ぉぉぉ!」 「た゛れか゛た゛す゛け゛て゛ね゛え゛えぇぇっ゛!」 放り出された箱はしばらくは慣性により前進していたが、水の抵抗によりすぐに速度が失われる。 あっという間に湖面を漂うだけの物体に成り下がった。 それに乗るゆっくりは流石にまりさがいなければ脱出不可能ということは分かっており、悲鳴を上げ助けを求めた。 全く無駄な行為だったが。 ゆっくり達の目的地の岸には先ほどの妖精と同じような体格の生き物が集まっていた。 先ほどと違う点を上げるとすれば、その生き物は人間の子供──少年であるという点だろうか。 少年たちの視線の先では、最後のゆっくりまりさの帽子が今まさに水面に隠れようとしていた。 帽子の先端はあっという間に水面下へ消え、僅かに出るアブクが生き物が沈んだことを示していた。 細長い銀の棒が生えた直方体を握る少年が歓声を上げる。 「やった!最後のヤツが沈んだ!」 「お、凄いな。ヨシちゃん、箱のほうも狙える?」 ヨシと呼ばれた少年に工具箱を持った少年が問いかける。 ヨシは直方体を握ったままブツブツと暗算をする。 「うーん、ちょっと分かんないなぁ。ノリ、何匹沈めたか覚えてる?」 「7匹だよ、全部ゆっくりまりさ。」 双眼鏡で湖面に浮かぶ箱のほうを見ていたノリは、ヨシが突然聞いてきた事にも慌てず答える。 それを聞いたヨシは再び暗算。 たしか10本積めて、1匹に1本使ったから…10ひく7で… 「ってことはあと三本か。正吉、かたっぽだけならやれるよ。」 「じゃー沈めちゃおうよ。」 「りょーかい。」 ヨシは直方体──何かを電波で操縦する機械のようだ──を再び操りだす。 双眼鏡を構えたノリは、その視界の中央にぼんやりとうつる水滴のような形をした物体をみては、ヨシちゃん右だ!、だとか、もうちょい左!、などと声を上げる。 草の上に座り込んだ正吉はいつの間にか取り出した単眼鏡を調節。 正吉は工具に用が無い今の状況では酷く暇だからだ。 「ヨシちゃん!真正面!今だ!」 「りょーかい!一番から三番、一斉発射!」 ノリが出した合図にあわせ、ヨシは操縦機械のボタンのうち1から3の数字が書かれたものを勢い良く押した。 湖面の上で騒ぐゆっくり達の手前で僅かに気泡が発生した。 ゆっくりれいむが“それ”に気が付いたのは全くの偶然だった。 さんざん声を上げて助けを求め、流石に疲れてきた為にうなだれるように下を向いたのが原因だ。 “それ”は水面の下を滑るように向かってきた。 「ゆっ!みんな!なにかくるよ!」 「なんなの?!たすけてくれるの?」 「ゆっくりしたいよ!」 れいむの方を向ける体勢のゆっくりが一斉にれいむの視線の先を注視する。 そこには細長い筒のような物体が3つ、横に並んでいる。 れいむ達に分かるはずも無かったが、“それ”はラジコン潜水艦から発射された魚雷だった。 “それ”はまっしぐらにれいむたちの乗る箱へと突き進んでいた。 れいむは、なんなんだろうね?、と疑問を発しようとした瞬間、轟音と共に自分の体が浮き上がった感覚をおぼえた。 ──わぁい、おそらをとん────。 水面が針山のようにささくれ立つ。 爆発により吹き飛ばされた水が無数の水滴となって落ちてきたからだ。 その針山の中に時々茶色の柱が現れる。 爆発により吹き飛ばされたゆっくりが水面と激突した衝撃で粉々になり、水と混ざりながらそれでも周りの水を押しのけ、逃げ場の無い餡子水が上空へと飛び出したからだ。 あっというまに針山は消え去り、元の静寂な水面が戻る。 最後の箱に乗っているゆっくりたちは騒ぐことすらしない。 木っ端微塵になった箱があった場所に浮いているのは、粉々の発泡スチロール片と、バラバラになったゆっくりの装飾だった。 ゆっくりが満載の箱が木っ端微塵になるのは少年の方でも確認できていた。 「うおお!バラバラになった!」 「三本も使うとすっげえな。」 あまりに派手な爆発だった為に歓声は意外にも小さな物だった。 ヨシが何かを思い出したようにノリへ聞く。 「あれって何匹乗ってた?」 「うーん、確か10匹。」 あっというまにスコアが二倍になった事を聞いたヨシは、今日は向こうの妖精に勝ったな!早く自慢してやろうぜ!、と言い操縦機械のレバーを操作する。 17匹のゆっくりを湖の藻屑と変えた物体──ラジコン潜水艦を回収するために岸へと変針させたのだ。 やがて岸にたどり着いた涙滴型潜水艦を模したそれを回収した少年達は、どこか壊れていないか工具で点検した後に岸を去っていった。 湖面には騒ぎ疲れたゆっくり10匹の乗る箱が未だに残っていた。 湖面に放置された箱が対岸に到着したのは次の日の朝だった。 朝一番に水上輸送を行う為、昨日少年達がいた岸にやってきたゆっくりまりさが漂流している箱を発見したときには、乗っているゆっくりの半数が餓死していた。 少年達が妖精にスコアを散々自慢して里に帰った。 そこまでは良かったが、火薬入りの魚雷で遊んだ事が親に発覚して大目玉を喰らった挙句、子供だけでラジコン遊びをするのは禁止された。 もっとも、暇な虐待お兄さんが休みの時には相変わらずゆっくりを沈めることができたのだが。 ゆっくりまりさの水上輸送は全盛期を迎えてから半月足らずで窮地に追い込まれた。 その後、うーぱっくの空中輸送も猟銃等であっさり撃墜されるようになってからは、里の周囲では見られなくなった。 ゆっくりが何かを思いついてもロクな事にならないのは世の摂理なのだろうか。 人様のSSの設定パクりすぎ\(^o^)/ by sdkfz251 このSSに感想を付ける
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雑草だらけの部屋で眠る七匹の小さな紅白饅頭。 気持ちよく寝ているところに一人の男が声をかけた。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ?」「ゆ!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 聞きなれない声に少し驚いたもののすぐに挨拶する赤ちゃんゆっくりたち。 その半分はまだ寝ているが。 しかしすぐにいくつかの疑問が生じる。 「おかあさんはどこ?」「ここどこ?」「おじさんだれ?」 このゆっくり達はここで生まれたゆっくりではない。 大木の洞に棲み、近くの虫や草花を食べて生活していたのだ。 まだ小さく、巣から一度も外に出たことない自分達が外に出られるわけもなく、母親が見捨てるわけもない。 「ここは育児場だよ。」 「いくじじょう?」「いいからおかさんはどこ?」 すると男はとても残念といった顔でうつむいてしまう。 それをゆっくりは不審に思い聞いてみる。 「おじさん、おかあさん…どこなの…?」 少しだけ声が震えてるのは気のせいではないだろう。 男ゆっくり、はっきりと答えた。 「お母さんはね、悪いれみりゃに食べられちゃったんだよ…。」 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!」 「どお゛じでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 「おじざんのばがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ででい゛っでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 まだ寝ていた赤ちゃんたちもその声に気づき叫ぶ。 「ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛びどぎら゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「ゆ゛っぐり゛じん゛じゃえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 やれやれといった表情で男はその場を後にした。 泣き声はしばらく止まらなかった。 数十分後、男は大きなを持って部屋に入る。すると泣き疲れたのかほとんどのゆっくりは眠っていた。 起きていた内の一匹が顔をぐちゃぐちゃにしながら言う。 「ゆ゛っぐり゛…ででげぇ…」 どうやら説明したにもかかわらず男が食べたと思っているらしい。 またかと思いつつ男は言った。 「僕はね、君達のお母さんに頼まれたんだよ。『赤ちゃんを助けてて』って。 さあおなかがすいただろう?食べ物をあげるよ。」 「ゆ!たべもの!」「みんなたべものだよ!」 甘い匂いに気づいたものが寝ているものを起こし、全てのゆっくりが目を覚ました。 「おじさんそれなに?」「いいにおいだよ!あまいにおいだよ!」 「これは饅頭って言うんだよ。」 「まんじゅー?ゆっくりできる?」 「ああ、ゆっくりできるとも。」 そういって男は包み紙を外し、赤ちゃんゆっくりたちに与えた。 「うっめ!これめっちゃうっめ!」「むーしゃ♪むーしゃ♪」 「あー!それれいむの!れいむのなのー!!」「あまあまー♪」 「めー!とったらめー!めなんだからー!」 「そんなに取り合わなくてもいっぱいあるよ。ほおら。」 「おじさんありがとう!れいむたちのいえでゆっくりしていってね!!!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 どうやら自分を信用してるようだ。そう思いつつ男はゆっくりを見ていた。 数ヶ月後。 「「「おじさん!おそとにでたいよお!」」」 立派なゆっくりになったゆっくりたちは口々に叫ぶ。 この部屋には滑り台や砂場、水場、ジャングルジムにトランポリンもあったが次第に飽きてきたのだ。 「もっといろんなところにいきたいよ!」 「あたらしいおうちがほしいよ!」 「あたらしいおもちゃがほしいよ!」 「あたらしいおともだちとあそびたいいよ!」 「でも外は危ないぞ?何があるかわからないからな」 「だいじょうぶだよ!れいむたちはつよいんだから!!」 「「「つよいんだから!!!」」」 そうだなあ。もう充分かなあ。 「よし。おじさんに任せてくれ。おじさんがゆっくりさせてやるからな!」 「「「ゆっくり待ってるね!!!」」」 親切で優しくていい笑顔のおじさん、ゆっくりたちはそう思っているのだろう。 だがゆっくりたちはその裏を見抜くことができなかった。 「まずは君と君、それに君もだ。」 外に出る許可を貰ったゆっくりはきゃっきゃと楽しそうにはしゃいでいた。 「おそとでゆっくりあそぼうね!」 「れいむがおうちさがすね!」 「れいむもさがす!れいむもさがすのー!」 残されたゆっくりたちも不満を言わずにわくわくしていた。 「れいむたちをゆっくりまっててね!」 「あたらしいおうちでゆっくりさせてね!」 「みんなでいっしょにくらそうね!」 「またゆっくりあそぼうね!」 どのゆっくりも知らなかった。これからもう会えなくなるとは… 最初の三匹は給水用のストローがついた、ゆっくりサイズの回し車の中に一匹づつ入れられていた。 「おじさんせまいよ!でられないよ!」 「おそとにいかせてよ!」 「それはね車っていうんだよ。その中を走ると車も前に進むよ。 外にいる普通のゆっくりはそれを動かせて当たり前なんだよ」 「なあんだ!おしえくれてありがとう!ゆっくりまわしてすすむね!」 そう言って勢いよく回し始めるゆっくりたち。 「まわった!まわったよ!おそとにいけるよ!」 「でもぜんぜんすすまないよ!ぜんぜんうごかないよ!」 「がんばってもっとはやくまわそうね!」 だがゆっくりたちはその回し車の横が固定され、進むことができないことに気がつかなっかた。 …… あれから数時間、ゆっくりたちは疲れながらも時折ストローから砂糖水を吸っては回し続けていた。 「おじさん…これすすまないよ…」 「おかしいよ…こわれてるよお…」 「ふつうにはねておそとにでたいよ…」 「そんなことはないよ。だってちゃんとエネルギーは溜まってるからね。」 意味不明の答えに不満が爆発する。 「なにそれ!きいてないよ!どういうことなの!」 「おじさんきらいになっちゃうからね!」 「あやまってね!はやくあやまってね!」 にやにや笑う男に問うゆっくりたち。すると男は答えた。 「その車を回すとエネルギーができるんだよ。君達は死ぬまでそれを回して働くんだよ。」 エネルギーが何かはわからなかったがゆっくりたちには死ぬという言葉だけで充分だった。 「い゛や゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!も゛う゛い゛や゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「れ゛い゛む゛がえ゛る゛!!!お゛う゛ぢがえ゛る゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「ゆ゛っぐり゛じだい゛の゛!!!ゆ゛っぐり゛じだい゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 涙と鼻水でぐちゃぐちゃになる三匹。だが男はまたもにやにやして言う。 「そんなのんびりしてると…ほら、後ろ後ろ。」 振り返る三匹、壁が少しづつ上がりそこには… 「「「「う゛ー!う゛ー!う゛う゛う゛う゛う゛ーーーーー!!!!」」」 「「「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」」」 そこにいたのはこちらに近づこうとする大量のれみりゃ。 その恐ろしさを赤ちゃんのころから教えられていたためにゆっくりたちは急いで逃げようと車を回す。 「ゆ゛っぐり゛じだい゛!!ゆ゛っぐり゛ざぜでよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 恐怖のせいかゆっくりたちはれみりゃが透明な車を回していることが、こちらに来ることができないとはわからなかった…。 そのころ… 「「「ゆっくりしてくるね!!!」」」 「ゆっくりいってらっしゃい!!!」 別の男に運ばれていく三匹のゆっくりたち。これらは先ほどと違う方向に向かっていった。 「ゆゆ?おじさんそっちじゃないよ!」 「みんながいったのははんたいだよ!」 「はやくもどってね!はやくもどってね!」 「大丈夫だよ。君達は特別だからこっちに行くんだよ。」 笑顔で答えるおじさんの答えにゆっくりは嬉しかった。 「とくべつ!れいむとくべつ!」 「わくわく♪わくわく♪」 「はやくいこうね!どんどんいこうね!」 大きな扉を開けた先には甘い香りが広がっていた。 「おまんじゅー!おまんじゅーだあ!」 「そうだよ。さあ!いっておいで!お饅頭がたくさんあるからね!」 そういってゆっくりをベルトコンベアの上に置く。 「「「おじさんありがとう!ゆっくりしてくるね!!!」」」 ゆっくりを見送る男の笑顔はゆっくりたちの見せた無垢なそれとは違っていた。 道の途中でシャワーを浴びる三匹。 しゃあああああ! 「「「ひんやりー!!!」」」」 自分の体が消毒されたのにも、そして横の壁が高くなるのにも気づかない。 そして巨大な穴へ迫っていった。 「ね!なにかきこえるよ!」 「ゆ!きこえるね!『ゆ!ゆ!』っていってるね!」 「おまんじゅーのにおいもするね!みんなでたべてるんだね!」 「「「いっせーの!それ!」」」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 わくわくした三匹は一緒に飛び込んでご挨拶、だが… 「ゆひゅ…ゆひゅ…」 「う゛ー?あ゛ー?」」 「ゆぐり…じでい゛っで…」 異常な温度の中で、ゆっくりたちの海で所々見えるそれを見て三匹は理解した。 「おま゛ん゛じゅ!!お゛ま゛ん゛じゅう゛がれ゛い゛む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う!!!」 「どお゛じでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「お゛う゛ぢがえ゛る゛!!お゛う゛ぢがえ゛る゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 やがて悲痛な叫びは聞こえなくなった。 そして最後の一匹は… 「ゆゆう…さびしいよお…」 たった一匹では何もすることはない。ぽつんと扉の前で待っていた。 ガチャリ! 「ゆゆ!」 ついに自分の番、そう思ったれいむは目を輝かせた。 ぼすん!ガチャリ! 何かを投げ込み、無情にも扉は閉まる。 「ゆゆ!あけて!あけて!おそといきたいの!」 叫んでも扉は開かず自分の声しか聞こえない。 そういえばさっき何か投げ込まれた。そう思ったれいむはそれに近づいていった。 「ゆっくりしていってね!!!」 投げ込まれたものがゆっくりだとわかり、ありったけの声で叫ぶれいむ。 「ゆう…ゆうう…」 「ゆゆ?どしたの?ゆっくりしないの?」 帽子を被り、目をとろんとさせたそれはれいむを確認すると襲い掛かった。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 しばらくして数匹の子供が生まれることになる。 地球温暖化や食糧不足、エネルギー不足の中に突如発生の謎の生命体、ゆっくり。 初めはその異常な数と雑食性により人々は大いに苦しめられた。 しかし、現在はこのような有効利用法が見つかっているのだ。
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男は『休憩室』と書かれた文字が剥げかかったプレートの下がってる部屋に入る そして手近な緩衝材が飛び出しかかっているボロいソファに腰を静めると座煙草に火をともし大きくため息をつく 『久しぶり、どうしたんだ?今日は何時もより疲れた顔をしてるぜ』 声の主を男が振り返ると力のない笑顔を帰した 「やぁ、久しぶりちょっと色々あってね」 大きく息を吐くと煙草の煙が雲のように広がると霞のように消えてゆく しばらくの間男はそれを何度も繰り返す 『自分と会う前は何してんだ?』 男はこの加工場の開業時から勤続している 当初は工員で飼育所からつれて来られたゆっくりから餡子を抜き取る作業を行う工員だった 加工場の規模が拡大するにつれ販路開拓の為の要員が必要となり営業員の募集が告知された 彼は実家が元は小さい呉服屋のだった事もあり親について飛び入りの販売を手伝った事もあるのでそれなりに自信はある 何より機械化が進み製造ラインから他の工員が徐々に減っているのを目の当たりにしている、何時までもここに居られる保証はない 学歴も家柄も大して良くないが商売に関しては経験ならある 男は募集が告知されるや直に志願した.... 「あん頃は生活するのにも必死だった...仕送りなんて期待できやしないし、それ以前に俺は実家をの跡を継ぐのがいやで飛び出してだったけな」 煙草を燻らすと男はかつての思い出に浸る様に目を閉じる 『今やアンタは泣く子も黙る人事課長様だぜ』 「よせや…たいした物じゃねぇ」 軽く咳き込むと大きく溜息をつく 『何か嫌なことあったのか?話してみな、相談にのるぜ』 「…実は今日こんな事があってな…」 時を少しさかのぼる事数時間 空は快晴なれど春には未だ遠く街路の木にも疎らに枯葉が、冷たい風に呷られ舞う 加工場の正門には手書きの大きな字で『ゆっくりカンパニー採用試験会場』と書かれた紙が張られている その横を数十人ほどの真新しいスーツを着た男女が入ってゆく 男は机一つと椅子が2つだけ置かれた殺風景部屋の中からその様子を黙って見ていた コンコンと扉をノックする音がすると男は机が置かれた方の机にそそくさと座ると外の人物に中に入るように促した 「失礼いたします!」 やや緊張気味に紺のスーツを着た若い青年が部屋へ入ってきた 男は青年の方を見ると近くに置いてある書類ケースを探ると一枚の紙を取り出す 「○○君か…掛けてください」 「はいっ!失礼します!」 男は紙に張られている小さな写真と青年の顔を見比べると書類の全体に目を落としてゆく そしてある一点を見ると眉を一瞬わずかにしかめた (…またハズレ臭いな…一応使えるかどうか話だけでも聞くしかない) 「どうして君が我社に入社を希望したか答えてもらえますか?」 「はっ…はい!自分は以前にゆっくりブリーダーとしてゆっくりに関わる仕事をしていました その経験と知識にブリーダーと言う仕事を通して培ったを忍耐力を御社で活かせると思い応募しました」 青年の返事を聞くともう一度男は紙に目を落とす (ゆっくりブリーダー暦2年か……微妙だが、もしかしたら…) 「なるほど…それで君はもし入社できるとしたら先の質問で答えたくれた事から当社でどんな事が実現できるかと思いますか?」 「そ…それはゆっくりに関わる事でじ…自分が、いえ社会に…ぎゃ…こ…貢献できる物と思っています」 「なるほど…」 男は青年の様相を平成を装って見つめるとポケットから何かを取り出して机の上に置いた 「突然ですがこれを使って自己表現してください」 机の上に置かれたもの…それは一匹の赤ゆっくりだった 「ゆ?きょきょはどこ?おにーしゃんだぁれ?ゆっきゅりちていってね!」 青年は机の上に置かれた赤ゆっくりを目を見開いて凝視して固まった 室内は数十秒の間の間まるで無人のごとく静まり返る 「どうされましたか?時間はありませんよ」 「は…はいっ!その…こい…この赤ゆっくりを使うんですよね?」 我に帰った青年は席を立ち赤ゆっくりに近づくと荒い息を吐きながら僅かに痙攣させながら手を伸ばす その妙なオーラを出している青年の様子にに赤ゆっくりは気圧されずるずるとこちらの方へ下がる 「おにーしゃんきょわいよ…こっちこないでね!」 青年は震える手で赤ゆっくりに触れる 「ひゃあっ!たまんねぇ!虐待だあぁッ!!」 しわがれた声で叫ぶなり赤ゆっくりを乱暴に引っつかむと血走った目で口の端を大きく広げて笑いながら奇声を上げた 「いぢゃぁぁぁぁぁぁああああい!」 鷲づかみにされた赤ゆっくりが甲高い声を上げて痛みをうったえる 「おれのやりてぇことはこういうことなんだよぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!」 青年はそう叫ぶと赤ゆっくりを握る手に力を込めるとブチュッ!と言う音と共に赤褐色の物体が飛び散った 男はその狂態に眉一つ動かさず、近くにおいてある白い台座に据え付けられた赤いスイッチを押すと部屋の外から 制服を着た警備員が飛び出して髪を振り乱し、仕立てたばかりのスーツをくしゃくしゃにしながら手の中にある 瀕死の赤ゆっくりを甚振る青年を取り押さえた しばらくのもみ合い末、青年が正気に戻ると数刻前に自分のやった行動を思い返して動揺したのか 警備員に押さえ込まれながら男の方に仕切りに叫んだv 「ち、違うんです!自分は…そのこんな事するつもりではなく!い…今のはパフォーマンスです! これ位の覚悟があるぞという…」 「君ブリーダー暦2年って言ったね?通常は普遍種のゆっくりの育て方をマスターするだけでも4年位かかる ウチには元ゆっくり関係の仕事やってた人間が来る事も多い、だけどそういうのに限って大抵君みたいに途中で挫折した人間が多い訳だ 厳しいこと言うけど君の言う半端な経験や知識や根性が役立つとは思えないんだなぁ」 「お…お願いです、ライン工でもいいです!ここが第一志望なんです!!ここへ入社する以外なんて考えられないんです!!!」 「さて話が変わるがウチは製菓業な訳で…原材料の品質に非常に気を使っている。 以前は人の手を使って製造したわけだが今じゃ機械化が進んでるだ。それにさぁ…商品に手を付けちゃ駄目じゃない」 青年はそこまで聞くとがっくりと肩をうなだれて無言のまま警備員に引きずられて出て行った 男は散らばった書類を拾い集めると溜息を一つつき何もなかったかのように元の椅子に座りなおした 「後から来た奴も酷かったよ……」 先の騒動の後男の元にやってきた就職希望者もキワモノぞろいであった 一見清楚で可愛らしい女性は趣味について聞かれた際ににカバンからゆっくりの死体から剥いだ皮を撮影した物を取り出しそれについて延々と語りだすわ 何をしに着たのか、ゆっくりを加工する事を非人道的行為と言い滔々と会社の批判演説を語りだす者、 仕舞いには、きめぇ丸が受験にやってくると言うと言う有様だった 何でゆっくりがゆっくりを加工する場所を就職希望しに来たのか不明ではあるが、 他の受験者に比べて質問受け答えも完璧で履歴書の書き方も手本になる位であるが流石にゆっくりは雇えない 先の受験者と言い他の人事部員がトチ狂って選んだとしか思えない きめぇ丸を除けば会ってみないと書類選考の段階でハジけないのが居るからその為に男が居るんだろうが… 『ふーん、あんたも大変だねぇ』 「ここはお前らの虐待ルームじゃねぇっつの……」 『でも昔ゆっくりを潰してたんでだろ?』 「人聞きの悪い事聞くな……もうあんな仕事やりたいと思わねぇよ毎日毎日悲鳴と恨みがましい目を向けられるんだ 普通の奴じゃ耐えられねぇよ…昔の同僚何人かは当てられちまって未だ病院に居る奴も居る…だから俺は今の道を選んだんだ」 短くなった煙草を灰皿に押し付けると男は胸ポケットにある煙草のカートンに手を伸ばす 『もうやめろよ、4本目だよそろそろと年だし健康気をつけないと駄目だぜ』 「いっそ肺がんで死んだ方がマシだよ」 『家でもなんかあったの?』 「最近カミさんが冷たいんだよ。まぁそれだけならいいさ、ウチに息子居るの知ってるだろ? 受験失敗した後浪人になってさあいつナイーブだからショックで引きこもりになったんだよ 慰めるつもりでペット用のまりさ飼ったんだが、ある日息子が受験勉強のストレスの余り笑いながらズタズタにしちまった」 『……』 「ああ…すまん、気分悪くさせちまったな」 男の隣でバスケットボールほどの大きさの黒い帽子をかぶった生首のような物体が左右に頭を振るゆっくりまりさである 『ううん気にしてないぜ、もう自分はゆっくりって気もしないから』 「そうか……営業だった頃は楽しかったな」 まりさは営業で働いていた頃以来の仲である営業マンになったばかりの頃 不良品だったのまりさを男にプロモ用と称して押し付けられた物だった 『うん……』 「一緒に街中で一日中ビラ配りやったり、シクッた時に取引先に頭下げて回ったり、その帰りに一杯やったり… んで今じゃお前は一躍人気者の宣伝部長様ってか」 ある時に加工場のCMが作られる事になった際に広告代理店に男と一緒に来ていたまりさが見初められた 目を細めて口の端を吊り上げて半笑いを浮かべたまりさが「おお、こわいこわい」と言う意味不明の内容のTVCMが放映されると大ヒットし 加工場の製品CMにはその映像が必ずといっていいほど出てくるようになった 今現在はその功績により特別宣伝営業部長という名前の肩書きを貰い加工場で飼われている しかし、他の社員は面白くないのかまりさに構おうとはしない…話せる相手は苦楽を共にした男だけである 「偉くなったのに増えるのは溜息だけだな」 『だぜ』 2人は室内をたゆたう煙を眺めながらしばし沈黙する 『ねぇ?』 「ん?」 『ひさしぶりに一杯やらないか?』 「いいね…じゃあゆ民で」 『意地悪、それに甘党じゃないくせに』 「はは…じゃ久しぶりにあの店で行くか」 男は小脇にまりさを抱えると部屋の外に出ていった なにをかきたかったのやら このSSに感想を付ける
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「おにいさん!れいむたちのおしごとのおてつだいをさせてね!」 「・・・・・・は?」 ある初夏の晴れた日のこと。 俺はいつも通り田吾作さんの畑のわりと近くにある自分の畑で仕事をしていた。 すると、人里のゆっくり対策の進んだ最近では珍しい山から下りてきたゆっくりの一家がやって来て、そんな事を言いやがった。 他所の地域では虫取りや他の害獣を追い払うのに役立てることもあるらしいが、ここではそんな習慣はない。 そもそも、人間の役に立とうという殊勝なゆっくり自体が極めてまれな存在だ。 「・・・農作業の手伝いって、お前らに何が出来るんだ?」 「れいむたちはむしさんやはっぱさんをむーしゃむーしゃできるよ!」 「野菜と雑草の区別はつくのか?」 「あたりまえなんだぜ!」 そう言って、ゆっくり一家の両親はゆへんと偉そうに胸(下あご?)を張った。 両親はれいむ種とまりさ種で子どもは親と同じ種族の赤ん坊サイズのものが2匹ずつ。 いわゆるオーソドックスファミリーだ。 「子どもが勝手に食ったりしないだろうな?」 「「「「しょんなことちなにゃいよ、ぴゅんぴゅん!」」」」 俺の言葉に反応した子ども達は反論の後、一斉に頬を膨らませた。 さて、どうしたものか・・・。 さっきの応答や言動・態度を見る限りにおいて、ゲスっぽい気配は無い。 それどころか家族揃ってゆっくりにしてはかなり聡明なようだ。 「ん~・・・」 「おにーさぁん・・・おねがいだよ!」 「・・・で、何が目当てなんだ?」 「ゆゆっ!・・・すごいぜ、れいむ!まりさたちのもくてきはばればれだぜ!」 「ほんとうだね!さすがにんげんさんだね!」 「「「「ゆっきゅちしゅごいよ!」」」」 珍しく殊勝な奴らだと思えばやっぱり見返り目当てだったが、それでも勝手に畑の野菜を食い漁るよりはずっと賢明だろう。 物珍しさにも後押しされ、俺は大根4本と交換で一家の申し出を受け入れることにしてみた。 野菜と雑草の区別が出来ていることを確認してから、柵の中に招き入れ、一家のためにそこそこの大きさの小屋と水飲み場を設置してやる。 こうして、俺とゆっくり一家の共同作業が始まった。 結論から言えばこの一家はいつも俺の予想をいい方向に裏切ってくれた。 ちゃんと雑草と野菜を区別して雑草だけを抜き取ってくれるし、虫の駆除もほぼ完璧。 流石にそれ以上のことは殆ど出来なかったが、虫害をどうにかしてくれるだけでも本当に助かる。 一度だけ子まりさが野菜に口をつけようとした事もあったが、その時には自分の子どもをちゃんと叱りつけていた。 なるほど、これだけ出来のよい個体であればゆっくりであってもそれなりに役に立つ。 それに・・・・・・ 「「ゆゆっ!おにーさん、ゆっくりしていってね!」」 「「「「ゆっくちちていってね!」」」」 「仕事があるからゆっくり出来ないっつーの」 「「じゃあゆっくりおしごとがんばってね!」」 「「「「ゆっくちがんばってね!」」」」 何より、間違ってもおうち宣言のようなこっちの神経を逆なでするようなことは言わなかった。 それどころか、仕事の合間の休憩時間の話し相手としても活躍してくれた。 柵では対処しきれない鳥類が作物を荒らそうとしたときには大声で俺を呼んだ。 とにかく、ゆっくり一家は十分すぎるほどに役に立ってくれた。 「れいむぅ・・・とってもゆっくりしてるね~」 「そうだね、まりさ」 「つぎのおにさんはれいむだよ!」 「「「ゆっくちにげるよ!」」」 また、柵と小屋に守られた畑で安全に食料を確保できるこの状況は一家にとって、とてもゆっくりできる環境だったらしい。 子ども達は赤ゆっくりから子ゆっくりへと成長し、餌を食べ終えた後に畑の周辺でよく鬼ごっこをしていた。 好奇心旺盛で俺に人間のことをあれこれ聞いてきたりもした。 「おにーしゃん!どうちでにんげんさんはむしさんをたべないの?」 「いや、食べられることは食べられるし、食べることもあるぞ」 「でも、おにーしゃんはたべないね!」 「虫はなぁ・・・人間には小さすぎるんだよ。あと、見た目がグロい」 「どうちて?おいちいのに?」 「人間の好みじゃないんだよ。さて、仕事に戻るからもう話しかけんなよ?」 「「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」」 と、まあ、こんな具合に鬱陶しくも愛嬌のある奴らだった。 たまに引っ掴んで持ち上げてやるだけで「おしょらをとんでりゅみたーい!」と大喜びするので、散歩いらずな分犬よりも手間がかからない。 「おにーしゃん!いもうとたちにもおしょらちてあげてね!」 「「れーみゅもおしょらとびちゃいよ!」」 「「まりしゃもぶれいじんぐしゅたーちちゃいよ!」」 そうそう、そういえば相当ゆっくり出来たせいか、夏の間に家族が4匹ほど増えていたりする。 れいむ種とまりさ種が2匹ずつ。まだ生まれて間もない赤ん坊だが、にんっしんっで産まれたので結構大きい。 1回のにんっしんっで産まれたのは2匹で両種が1匹ずつ。 まずはれいむが産み、その次にまりさが産んだ。 そんなわけでいつの間にかこの一家は両親2匹に子ども8匹と言うかなりの大家族になっていた。 勿論、新しく出来た家族も親や俺の言うことをきちんと守って、虫や雑草を駆除してくれた。 おかげさまで、今年はいつもよりもずっと収穫が多かった。 そして収穫を終えた日の夜。 翌朝には一家に約束の大根を渡し、野に返してやらねばならない。 俺は前々から読者にも伏線すら提示せずに考えていたある計画を実行に移した。 そろーりそろーりと連中の小屋に忍び込むと、夏に生まれた子どもを各種族1匹ずつ捕まえ、いったん自分の部屋へ戻った。 それから、今までは常時開放されていた小屋の出入り口に扉を取り付け、しっかりと施錠も出来るようにした。 仕上げに、残った家族をこいつらの本能に刻み込まれた言葉で叩き起こした。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆゆっ!ゆっくりしていってね!」」 「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」 いとも容易く目を覚ました一家はしばらくのん気に「おにーさん、どうしたの?」などと言っていた。 が、やがて家族が減っていることに気づくと顔を真っ青にして右往左往し始めた。 「おにーさん!れいむのおちびちゃんがいないよおおおおお!?」 「そりゃそうだ。俺が預かったんだからな」 「どうしてそんなことするんだぜ!?」 「それはね!お前達との取引を無効にしたいからだよ!」 「「「「「「「「ゆゆっ!?」」」」」」」」 俺の突然の宣言に「びっくりー!」とでも言わんばかりに目を見開いて驚くゆっくり一家。 今までそれなりに仲良くしてきただけに、その信頼の全てを根底から覆す言葉が信じられないのだろう。 その証拠に、しばらく唖然していたれいむは我にかえるや否や、頬を膨らませてこう言った。 「おにーさん、じょうだんはやめてね!ゆっくりできないよ、ぷんぷん!」 初めて俺に出会った日から数えると、なんと100日以上もの付き合いがあるのだ。 流石に俺がそんなことをするとは思えない、或いは思いたくないらしい。 しかし、残念ながら全て事実であり、目をそらしても変わることの無い真実。 そのことをれいむ達に理解してもらうために、俺は近くにいた、親に連れられてここに来た1匹の子まりさを踏み潰してやった。 「「「「「・・・・・・ゆゆっ!?」」」」」 「これで分かっただろ?俺は本気だよ」 「ゆああああああああああああああああああああ!?」 「でいぶのおぢびぢゃんがあああああああああああああ!?」 「「「「「ばりぢゃあああああああああああああ!?」」」」」 家族が1匹踏み潰されたことでようやく事態の深刻さを認識した一家は恐怖と絶望に顔を歪め、彼女らの双眸からは涙が溢れ出している。 が、泣き止むまで待つのも億劫なので「ゆっくりしていってね!」を利用して半ば強引に泣き止ませると、即座に用件を伝えた。 「さっき言ったとおり大根はやらん。嫌なら全員殺す・・・理解したか?」 「「ゆぐっ・・・・・・ゆっくりりかいしたよ!」」 「「「ゆえーん!」」」 「おにーしゃんひどいよ!やくそくをやぶりゅなんてゆっくちしてないよ!」 「しょーだよ!ゆっくちできないよ!」 残り7匹のうち、5匹は自分の立場をしっかりと弁えてくれたようだが、2匹だけそうでないものがいた。 1匹は両親に連れられてきた子まりさで、もう一匹は夏に生まれた子まりさだった。 彼女らは「ゆっくりさせてね!」などとのたまいながら、成体一歩手前の体を思いっきり跳躍させて俺に体当たりを仕掛けてくる。 が、悲しいほどに痛くもかゆくもないのでしばらく黙ってその攻撃を喰らってやる。 最初はいい気になって「ゆっくりこうさんしてね!」などと言っていたが、やがて息が上がり、冷静になった頃には己の無力を理解した。 「「どほぢでじぇんじぇんぎがにゃいのおおおおおお!?」」 泣き叫ぶ2匹の呼吸は荒く、また体当たりを繰り返したせいでところどころ青あざが出来ていた。 ぼろぼろになりながら、己の無力をかみ締める姿は可哀想でどこか哀れみを誘うものがあるが、容赦することなくお仕置きを加えてやった。 「うりゃ!」 「―――――――――――――ッ!!?」 サミング、いわゆる目潰しを食らわして子まりさの目玉を両方とも抉り出すと、悲鳴にもならない金切り声が子多重に響き渡った。 両親はガタガタと震えながらも「やめてあげてね!いたがってるよ!」と俺に許しを請う。 その傍では素直に言う事を聞いた殊勝な子ども達が両親にへばりついて泣きながら、歯をガチガチと鳴らして震えている。 そして、当の子まりさは目のあった場所から餡子を漏らしながら床を転げまわっていた。 「ゆっくりにげりゅよ!そろーりそろーり・・・」 「ハイ残念、もう見つかった!」 「ゆゆっ!?やめてね!こっちこないでね!?」 子まりさの惨状を目の当たりにした子れいむもまた涙で頬をぬらしながら、必死に逃げ回っていた。 しかし、普段は開けっ放しの出入り口は閉まっており、この小屋には隠れられるような場所も無く、逃げ場所なんて何処にもなかった。 それでも子れいむは俺から逃げ続けた。俺がわざと泳がせていることにも気づかずに一心不乱に逃げ続けた。 そして、疲労が限界に達し、一歩も動くことが出来なくなった瞬間に彼女は俺によって光を奪われた。 俺は一家に食料の代わりに安全に越冬できる巣、以前から使用していたあの小屋を貸してやることにした。 ただし、扉はしっかりと施錠されているし、他の場所から外に出ることもできない。 勿論、食料をやるつもりは微塵も無いので、このままでは何も食べることは出来ず、飢え死にするのを待つだけである。 「そこで、赤ゆっくりのできる蔦やそれに成っている赤ゆっくりと大根を交換してやろうと思う。嫌なら飢えて死ね!」 「ゆゆっ!・・・お、おにーさんはあがぢゃんをあづめでどうずるの・・・?」 「いい質問だ。俺の家に連れて行ったお前らの子どもに食べさせる。ちなみにそれ以外の餌は与えない」 「「「そ、そんなひどいことちないでよ!?ゆっくちできないよ!」」」 自分たちの立場を理解しているとは言え、流石にこの提案ばかりは呑めないらしい。 必死の形相で抗議し、何とか俺から妥協を得ようと一生懸命媚びへつらったり、泣き落とそうとしたりしている。 が、やっぱり何の意味も無い。 「お仕置きされたいか?」 「「ゆゆっ!おしおきはやだよ!ゆっくりできないよ!?」」 「「「おしおきごわいよぉ~!」」」 「「ゆぎぃ!?お、おぢごぎいやあああああああああああああああああ!?」」 どんなに頑張ってもたった一言ですべてが消し飛んでしまう。 両親は子をかばい、子は両親にすがりつき、既にお仕置きを受けたものは気が狂ったかのように喚いていた。 そんなどうしようもなく無力な一家に向かって更に話を続ける。 「ちなみに家のほうの子どもの食事は君たちと交換した蔦や赤ちゃんだけだからね。ゆっくり理解しろよ?」 「「ゆぐっ・・・ゆ、ゆっくりりかいしたよ・・・」」 それから交換レートについても話し合い、蔦1本=大根の葉っぱ10g,赤ゆ1匹=大根の葉っぱ3gという相場に決定した。 ちなみに、うちで取れる大根1本の重さが1000gの可食部分が900g程度であるから蔦1本に赤ゆが5匹なると仮定して1本=25gである。 つまり、40本の蔦を手渡してようやく1kgの食料を得られるのだ。 一家はその分量を示されたときに少なすぎるとゴネたが、手近な成体間近の子れいむにお仕置きをしてやったら快く同意してくれた。 植物型であっても自分が生きたまま子どもを産めるだけの大きさに達しているのは両親と最初からいた4匹の計6匹。 ただし、子どものほうは蔦を3本も生やせば命に関わるだろうし、連続出産なんてとてもじゃないが出来ない。 勿論、いくら十分成熟している両親と言えど5本以上蔦を生やすと流石に危ないのは言うまでもない。 現在生き残っているゆっくりは7匹。 両親のれいむとまりさ、成体間近の子れいむが2匹と子まりさが1匹。 子ども達に関しては1匹のれいむを除いて全員お仕置きによって目を失ってしまっている。 そして、夏に生まれた子れいむと子まりさが1匹ずつ。 こちらは子まりさの方だけがお仕置きによって目を失ってしまっていた。 「ゆっぐ・・・ほどぢでごんなごどになっだのぉ・・・」 「ゆっぐぢでぎないよぉ~・・・」 「「ゆっぐちちだいよ~・・・」」 「くらいよ~・・・ゆっくちでいないよぉ・・・」 そんな絶望的な境遇の中で苦しみにあえぐ一家を眺めながら俺は小屋の出入り口へと向かっていく。 そして、たった一つだけ希望を与えて小屋を後にした。 「俺の部屋の子ども達は来年の農作業用だから餌以外は最高の環境でゆっくりしているぞ」 れいむとまりさは本当に賢い個体だった。 男の言葉を聞いて、意味するところを、男の意図をきわめて正確に把握していた。 また、ゆっくり特有の希望的観測をせずに自分たちの末路を理解した。 「れいむ・・・ごべんね。まりさがにんげんさんのおでつだいしようなんていったせいで・・・」 「ちがうよ、まりさ!れいむもさんせいしたんだよ!」 「「「ゆっくりできないよぉ~」」」 「もうやだ、おうちかえる!」 「おちびちゃんたち、ゆっくりがまんしてね!はるになったらおうちにかえれるよ!」 勿論、嘘だ。男は「部屋の子ども達は来年の農作業用」だと言っていた。 つまり、来年には子ども達がこの小屋で寝泊りをして虫や雑草の駆除に従事することになる。 その時、自分たちが生きていると余計なことを吹き込んでしまう恐れがある。 「きょうはゆっくりやすもうね!」 「あしたになったらきっとおにーさんもゆっくりできるようになってるよ!」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ・・・」」」」」 しかし、その事実を伝えるのはあまりに酷だと判断した両親は何も言わず、ゆっくりすることを提案した。 両親の言うことを聞いて痛みや恐怖を堪えながら、そしてそれらから逃げるように子ども達は眠りについた。 彼女達はそれがこの世界で最後のゆっくりになることを知るはずがなかった。 「そろーりそろーり・・・れいむ、ゆっせーので、でいくよ?」 「ゆっくりりかいしたよ。ゆっせのーで」 あっという間に眠りについた子ども達を起こさないように静かに傍まで這いずって行った両親は掛け声と同時に子れいむに噛み付いた。 その子れいむは夏に生まれたばかりの子どもで、まだ小さく成体2匹にいきなり噛みつかれてはひとたまりも無い。 一瞬にして大量の餡子を失った子れいむは断末魔を残して終らないゆっくりへと旅立って行った。 「・・・もっと、ゆっくちちたかったよ・・・」 「「む~しゃむ~しゃ・・・ごべんねぇ・・・」」 そうして子れいむの亡骸を食べ終えた両親は次に両目を失った子まりさを食い殺した。 言うまでも無いことだが、出来ればこんなことはしたくないのだろう。 悲しみの色に染まった双眸からは涙が溢れ出し、水に弱い頬をふやけさせてしまっている。 夏に生まれた子まりさも同じように殺すと、その亡骸を両目を失った成体間近の子まりさ2匹の口にねじ込んだ。 舌を使って器用に口の奥へと運び、何とかこぼれ落ちないようにする。 その後、両親は我が子に頬をこすりつけていわゆるゆっくりにとっての交尾“すっきりー”をした。 途中で子どもが目を覚まし、「ゆっくりできないよー!」と泣いていたが、それでも無理矢理最後までやり遂げた。 「ごべんねぇ・・・」 「「も、もっと、ゆっくちしたかったよぉ・・・」」 「おぢびぢゃんだち・・・ごべんねぇ」 翌朝、唯一生き残った成体間近の子れいむが目を覚ましたとき、部屋には3本の蔦を頭に生やした両親しかいなかった。 それ以外のものは見慣れた壁と床と、わずかばかりの黒いかたまり、そして、10本の蔦を生やしている黒ずんだ大きな塊だけ。 朝早くにやってきた男は、以前のようにゆっくりしていることは無く、その蔦を全部引っこ抜くと足早に小屋を後にした。 「ねぇ、おかーさん・・・いもうとたちは?」 「れいむ、ゆっくりきいてね!」 「ゆっ・・・ゆっくりきくよ!」 神妙な面持ちの親れいむのただならぬ気配を察知した子れいむも真剣な表情になる。 「れいむのいもうとたちはね・・・・・・おかーさんたちがころしたんだよ!」 「ゆゆっ!?う、うそいわないでね!おこるよ、ぷんぷん!」 「ほんとうなんだぜ。いっぱいいてもごはんがへるだけだからころしたんだぜ!」 「ど、どほぢでぞんなごどずるのおおおおおおおおおお!?」 その残酷な言葉を聞かされた子れいむは泣きじゃくり、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら両親に怒りをぶつける。 が、両親は「しかたなかったんだぜ!」とか「れいむのためだよ!」などと言うばかりで、何一つ納得のいく言葉を口にしてくれない。 やがて我慢の限界に達した子れいむは親れいむに飛び掛るがあっさりと弾き飛ばされ、まりさに取り押さえられてしまった。 「おがーざんのばがああああああああ!?」 「しかたないんだよ!こうしないとゆっくりできなくなっちゃうんだよ!」 「ぞんなのぢらないよ゛!ゆっぐぢでぎないおがあざんなんでゆっぐぢぢね!!」 厳しい自然の中で仲間を失った経験の無いこの子れいむにとって、生存のためでも仲間を切り捨てるなんてことは考えられない。 だから、親の気持ちも知らずに泣きつかれて眠るまでただひたすら呪詛を吐き続けた。 「ゆっくりしね・・・だって」 「おお、こわいこわい」 本来ならふてぶてしい表情で言うはずのこの言葉を、今ばかりは悲しみに満ちた表情で口走る。 ここにいてもいつか殺されるだけなら、いつか脱走を試みなければならない。 そして、そのためにはまず生き延びなくてはならないし、脱走の際に足手まといにしかならないものを生かしても仕方が無い。 そんな個体はよしんば逃げ延びても冬の野原や森で生き残ることなどまず不可能なのだから。 ならばさっさと間引いて一番逃げ延びる可能性のあるれいむだけでも救いたい。 また、きちんと蔦を提供することで、男の部屋の子ども達も何とか生き延びることができるかもしれない。 それが子どもが決して知ることの無い両親の想いだった。 頬を涙でぬらしながらも安らかな表情で眠る我が子の傍で2匹は再び6度に渡ってすっきりを繰り返した。 それが終わるとタイミング良く男がやって来て、さっきの分の餌(大根の葉っぱ650g)を床に置き、再び蔦を引き抜いていった。 結論から言えば両親は、餌には一切手をつけずに命を削って20本近い蔦を提供したが、子どもを逃がす機会を手にすることは出来なかった。 子れいむは両親の本心を理解しせず、度重なるすっきりで疲弊しているところを彼女に襲われたのが両親の死因となった。 小屋に残されたのは世間知らずで、両親ほど賢くもなかった1匹の成体間近の子れいむとおよそ1000g分の大根。 3ヶ月ばかり続く長い冬の間、最初の数日は両親の教えに反発するように適量以上を食べ続け、その後数日は妙な臭いを発する両親の死体で飢えをしのいだ。 が、やがてそれも尽き、2,3週間かけて子れいむはゆっくりゆっくりと飢えて、やせ衰えて、死んでいった。 「もっと・・・ゆっくり、したかったよ・・・」 おわり 善良なゆっくりは心理的な抵抗とは別の次元でも虐待しにくい気がする。 ちなみに、男の部屋の子ゆっくりは男が餌を管理してくれたおかげで無事生き延びました。 で、畑仕事を手伝いながら、10匹の子ゆっくりを授かり、冬には(以下略 このSSに感想を付ける
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331 :名無したんはエロカワイイ:2008/07/31(木) 10 59 58 ID fukPI9hM0 あー、ゆっくりで塊魂プレイしたい . . . . . . . . . . (なーなな ななーなーなーな なーなーななーな ずんずくずずんず どぅんどぅくどぅんどぅん) ---ゆっくりで塊魂--- 「……なんだこりゃあ」 魔法の森の近くをの小道を急ぎ足で歩いていた俺は、目を剥いた。 路上にゆっくりれいむが、ひと群れ。それ自体は珍しくもない。 おかしいのは、そいつらがベタベタとくっつきあって固まっていることだった。 「おまえらナニやってんの?」 「ゆっ、ゆぐぅぅう~」 「わかんないよ、くっついちゃったよ!」 「おにいさん、ゆっくり助けてね!」 バレーボール台のゆっくりれいむに、ピンポン玉ぐらいのやつがうじゃうじゃと八つか九つもくっついている。 たぶん家族だろう。母れいむはしきりに体をもぞつかせて子供たちを振り落とそうとするが、下手に動くと下側 の子れいむを潰してしまいそうなためか、思うように動けないらしい。 「ゆっ! ゆっ! んゅっッ! よーっはッとッ! へっぷほ!」 「おがあざぁぁん、おもいおもい!」 「つぶれるよ、ゆっくりうごかないでね!」 「……ぷっ」 その場で一人相撲をしているようなアホくさい母れいむの姿に、俺はふきだした。 「ぷっははははははは、ばっかじゃねーのおめーら、饅頭のお前らがそんなんなっちゃったら生きていかれねー だろ。ちょっとは考えて生きろよ!」 「そんなこと言わないでねぇぇぇぇ!」 母れいむは涙目でぶくぶく膨れる。ほっぺたの下のやつが潰されて悲鳴を上げる。 あー……。 陽気がすごいからなア。 おおかた家族でゆうゆうもたれあっているうちに、この猛暑で溶けてくっちいちゃったんだろう。 これは俺のせいじゃないからな。ゆっくりが勝手に苦労してるだけだ。 そばで眺めていたって、なんら罪ではない。 俺は、困り果ててぶるんぶるん回っているゆっくりれいむを、しばらく見物した。 ……十分ほどで飽きた。 「しゃーねえなあ、恨まれても寝覚めが悪いから、助けてやるよ」 「ゆっ、ほんとう?」 「さっさと助けてね! ふんふん!」 ナマイキなことをぬかしやがる母れいむを無視して、俺はそいつの頬に触れてやった。 ころん 「あれっ?」 母は後ろへ一回転する。「ゆべっ!」「うぎっ!?」と悲鳴を上げて子供たちがぺちゃんとつぶれ、母の肌に 張り付いた。 「何してんのお前、娘つぶれちゃったじゃん!」 「ゆぐぅぅぅぅ!? れいむの子どもがぁぁぁ!」 「じっとしてろよ、残った娘、殺したくないだろ?」 そう言って俺は、また手を伸ばした。 額に触れる。 ころんころんころん 「ゆぐぐぐぅ!」 母れいむは三回転した。その途中で石やら草やらも貼り付けてなんだか汚くなった。 「あっれぇ……」 俺は不思議に思った。 こいつ、ちょっと触っただけで、ボーリングの玉みたいにスムーズに転がりやがる。 なんか変なことになってんじゃないか……? ゆっぐゆっぐともがいている母れいむに歩み寄って、さらに押した。 ころころ、ごろろんっ 「ゆっぐりやめでねぇぇぇ!?」 「あは」 俺は笑った。 こいつ、坂を上ったぞ? しかも小枝や葉っぱをくっつけてさらに汚くなった。 ……これは面白い。 俺は母れいむの苦情を無視して、道なりにそいつを転がし始めた。 ころころん ころころん ころころころころん 一回押すたびに、五メートルほど転がって路肩で止まる。そのたびにそこら辺のものを吸いつけて、雪だるま のように大きくなる。 子供のころ、石蹴りってやったじゃん。 学校から家まで、これって決めた石をずっと蹴って歩いた。 別に石自体が好きなわけではないが、最初に決めたから、そいつを蹴り飛ばさなければならなかった。 そんな感じで、俺は目的地までひたすらころころと母を転がし始めた。 「やめでぇぇ!」 「ゆっくちちたいよぉぉ!」 おお、まだ子れいむも生きてんのか? 石やなんかでゴマ団子みたいにデコボコになった、五十センチほどの ゆっくり塊の中を覗き込むと、ちょうど他のものの隙間にハマったらしく、小さな赤いリボンの頭がぴょこぴょ こ動いていた。 「おまえ、運が良かったなあ。そこならずっと潰れないよ」 「はやくやめちぇねえぇぇぇ!」 「悪い、まだ二、三キロあるんだ」 母娘一匹ずつの悲鳴をBGMに転がし続けた。 少しいくと、面白いことが起こった。 川沿いに日光浴をしていた白黒のゆっくりまりさ家族。俺たちが近づくと振り向いて挨拶する。 「ゆっくりしていってね!!!」 「していってね!」 「しちぇっちぇね!」 次の瞬間、そばを通ったゆっくり塊に、そいつらは吸い寄せられた。 ひゅうん ぽぽぽぽむっ 「ゆっ!?」 「ゆっくりくっついたよ?」 「ゆっくりはなちてね!! はなちてっ! はなちぇはなちぇー!」 「ほう……」 俺は感心してあごを撫でた。 なるほど。 これではっきりした。ただの自然現象じゃない。母れいむは辺りのものを吸い寄せる力を身につけてしまった らしい。よく見れば外側の石やら木やらは、別段刺さってもいないのにくっついている。 俺がくっつかないのは謎だが、まあそんな細かいことはどうでもいい。 ひとつ、これがどこまで続くか試してみようか。 「よし、みんないっくぞー☆」 「やめでえぇぇぇぇぇぇ!?」 進めば進むほど、塊は大きくなった。道端にいたれいむ家族、木のうろから顔を出したぱちゅりー家族、通り すがりのちぇんやらん、近くを飛んでいたゆっくりゃやフランまで引き寄せた。八十センチ、一メートル、一メ ートル半。ゆっくり塊はどんどん大きくなった。 ひゅうん ぽむっ ひゅうん ぽむっ 「ゆっくりはなしてぇぇ!」 「はっはっは、そりゃ☆無理だ」 意味もなくハイテンションに笑いながら俺は答える。 これ、大きくなっても全然重さが増えない。 ころころと軽いままなのだ。不思議きわまる。 そして楽しい! 鼻歌を歌いながら俺は押して行き、目的地のアリス邸にたどりついた。 「ちわーっす、郵便です」 ああうん、言い忘れていたけど、俺配達人。肩掛けの郵袋も、これこの通り。いまどき徒歩で運ぶなんてレト ロだろう。 「あら、どうもありがとう」 玄関に出てきたアリスさんが微笑んだ。うむ美人だ。美人だらけの幻想郷の中でもこの人は群を抜いている。 いろいろ怪しい噂もあるが、そんなところも俺は好きだ。 そんなアリスさんが、俺の背後の塊を見てギョッとした。 「って、それは何!?」 無理もない。ゆっくり塊の大きさは、今では四メートルを越えている。 「ゆっくりはなしてね!」 「つぶれて顔がいたいよぉぉ!」 「いやっいやああぁぁ、れみり゛ゃぎらいーー!」 「うっうー! れみりゃを早くはなすんだどぉー!?」 数百のゆっくりがてんで勝手に悲鳴を上げている。驚かないほうがどうかしている。 「いやまぁ、なんといいますか、ただの拾いもんです」 俺はあいまいに答えた。 アリスさんは顔を引きつり気味にして、後ずさろうとした。 「な、なんだかわからないけれど、あんまり係わり合いになりたくないわね……きゃあっ!?」 ひゅうん ぽむっ 「おおお?」 俺は驚愕した。アリスさんまで塊に吸い寄せられ、くっついてしまったのだ。 「ちょっと、何するの! 離して、離しなさいよ!」 叫んどる叫んどる。美少女が拘束されて悲鳴を上げとる。 実にいい景色だ。――とか言ってる場合ではないか。 「すみません、それ外れないんですよ」 「なんですって?」 「俺が作ったんじゃないもんですから」 答えながら、俺はあることに気づいていた。 アリスさんのような有名妖怪まで引き付ける力があるのか、この塊は。 ということは―― もしかして、やりたい放題じゃないか!? 「……なーなな ななーなーなーな なーなーななーな ずんずくずずんず どぅんどぅくどぅんどぅん」 「なっ、なにを鼻歌なんか歌ってるの? 早くなんとか――」 「すんません。俺、ハジけます!」 「えっ? ってきゃあああああああ」 すってんころころ すってんころころ すってんころころ すってんころころ 俺は両手を使って勢いよく塊を押し始めた。 霧雨魔理沙、ゲット。 博麗霊夢、ゲット。 紅美鈴、ゲット。 「おいおいなんなんだこれはー! 霊夢、これなんだよ!」 「知らないわよ私だって、アリス、アリスー?」 「私は被害者よー!」 「離して、離してってば! 仕事中なのよ私は、このぉっ……ふんッ!」 「きゃあああああ!」 「ちょっこらっやめっ!」 「気功を使うなぁぁぁ!」 おーおーお、なんかビリビリしてえらい騒ぎになっとる。 そして当然―― 「ゆぎいいぃぃぃぃぃ!」 「いだいよぉおぉぉぉぉ!」 「皮がびりびりするよぉぉ!」 「んおおぉぉっ、んほっ、ほおぉぉぉぉ!」 ゆっくりたちも涙目で大騒ぎしている。中にはキモチよさそうなのもいるが。 ゆっくり魂の直径は六メートルになった。それでも止まらず、俺は幻想郷を駆け巡る。 「むぎゅぅぅ、苦しい……」 「咲夜、咲夜! 早く何とかして!」 「はっはい、ただいまっ! ふッ! ……時間を止めても外れない!?」 「ぴーっ、アタイこんなの趣味じゃないいぃ!」 なんか館の一部ごと飲み込んで、三十メートル。 「らんしゃま助けてぇぇぇ!?」 「ちぇぇぇん! くそっ、紫さま、紫さまぁぁ!?」 なんかよくわからないお屋敷みたいなものを巻き込んで五十メートル。 「うわあぁっ!? ちょっ、ちょっと今実験中よ!?」 「なんだこの……ハッ!」 「あちゃちゃダメです火はやめてください火は!」 「あっれー、これもしかして私が仕掛けたやつか?」 竹やぶと京屋敷みたいなもんをまるごと飲み込んで、百メートルつまり二十五階建てのビルぐらいになった塊 をころんころんと転がしていると、俺の目の前に来た兎耳の女の子が、ほっぺたポリポリかきながら言った。 おお、この人は。 「てゐさんじゃないスか。これ、あんたが?」 「昨日、ゆっくりに、いろんなものがくっついちゃう悪戯をして放り出しといたんだけど……」 「魔法の森の入り口あたりだったら、多分それっす」 「やっぱりかー」 「これ、どうしたら外れるんですか」 「それはねぇ……」 言いかけたとき、ぴゅうと風が吹いて塊がころころと転がった。 あ、あー……てゐさん、上のほうへ行っちゃったよ。 次いつ来るかわからんな。 というか、これがバラバラになったら、なんかただ事ではすまん気がする。 「ゆっくりさせでぇぇぇ!!」 「私もっ、私もゆっくりしたいわよッ!」 「このっ、もう我慢できない――マスタースパーク!」 「ゆぎゅぁぁぁ!」 「あっつぅぅぅこらっ魔理沙魔理沙!」 「ゆっぐぅうぅ、ゆぐぅぅぅぅ!!」 もう人間もゆっくりも関係ない。ひとつに丸まった人と妖怪と饅頭とガラクタの混合物が、もざもざわさわさ と動いて、悲鳴を上げたり、ビームを出したり、弾幕を放ったりしている。 「俺です」なんつったら、殺されるな、これは。 となると――。 「行けるところまで行くか!」 俺はさらにころころころころとゆっくり塊を転がし、幻想郷の森も川も山も湖も突っ切って駆け回った。ゆっ くり塊はどんどんどんどん成長して妖怪とゆっくりと人間を飲み込み、ついには直径一キロを越えててっぺんは 妖怪の山の頂上を越えた。 そのころ、とうとうゆっくり塊は浮上した。上のほうについた天狗やら虫やら何やらが、逃げようとして飛ん だためだろう。 「あー……」 空を飛んでしまったら、もう俺には手が届かない。 俺は若干の寂しさとともに、数ヵ月をともに過ごした巨大なゆっくり塊を見送ったのだった。 「達者でなあ。元気でなあー……」 それ以来、夜空に星がひとつ増えた。 オリオン座のあたりにまぶしく輝く「ゆっくり星」を見るたびに、俺はかつて幻想郷をにぎやかしていた美少 女たちとゆっくりたちを思い起こし、懐かしむのだった。 ====================================================================== YT このSSに感想を付ける
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「ゆっくりしていってね!」 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっくりしていってっちゃう?」 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっくりしていくのかな…かな」 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっくりしていってねッ!!」 『ゆっくりしていってね!』 「ゆっくりしていくんで夜露死苦!」 『ゆっくりしていってね!』 「YOU!ゆっくりしていきなYOH!チェケラ!」 『ゆっくりしていってね!』 「うーんやはり間違いないようだな」 俺は5分間ほどゆっくりまりさとゆっくりれいむと様々な形でゆっくりしていってねという挨拶を交し合っていた。 おっとかわいそうな人を見る目はやめなさい、今はリリーホワイトが出る季節じゃない。 決して俺は頭の中まで春一番なゆっくりブレインなどではない、ちょっとした探究心から生態実験に挑んでいただけだ。 仮に紙一重だとするならどっちかというと八意医師側の人間なのだ。 断じて吸血鬼(妹)側ではない。 実験内容はゆっくりまりさはいついかなるときでもゆっくりしていってね!といわれたらゆっくりしていってね!と返事をするか否か。 ちょうどそこの道端に昼寝をしているゆっくり二匹がいたから以前から疑問に思っていたことを実行に移したのだ。 結果、ゆっくりまりさやゆっくりれいむはたとえ寝ていてもゆっくりしていってね!されるとゆっくりしていってね!してしまうことがわかった。 さあ納得行く実験結果も出たし家に帰るか。 あ、それと 『ゆ?』 俺はこの実験結果からさらにおもしろい実験計画を思いついたので実験用にゆっくりまりさとゆっくりれいむを掴むとゆっくりと家路についた。 「ゆっくりだしてね!ゆっくりだしてね!」 「こんなところにとじこめるおじさんとはゆっくりできないよ!おうちかえして」 家に着いた俺はゆっくり二匹を玄関先に置いてある自作の檻の中に入れた。 檻はスペースにかなり余裕を持っておりゆっくりが2、3匹入ってもそれなりに遊べるように作っているのだがご不満らしい。 「そこが今日からゆっくりまりさとゆっくりれいむのおうちだからゆっくりしていきなさい、今食べ物持ってくるから」 「ゆ!?まりさおなかすいた!たべものはやくちょうだい!」 「ゆっくりもってきてね!」 ゆっくりもってくるべきかはやくもってくるべきか、それが問題だ。 まあどっちでもいいんだけど。 俺は家の裏に紐で縛って吊るしておいた保存食のゆっくりれいむを引き裂く。 「ゆ゛っ…ゆ゛…」 半分干からび始めているゆっくりれいむが痙攣しているのに苦戦しながら餡子を取出すと、皿に盛っていってゆっくり二匹に差し出した。 二匹はおいしそうにその餡子を食べた。 数日後 「おはようおにいさん!きょうもゆっくりしていってね!あとゆっくりおなかすいたからとっととごはんもってきてね!」 餌をあげるとゆっくりまりさはすぐに人懐っこい性格に、というかずうずうしい奴になった。 ゆっくりとしてゆっくりまりさはごくごく普通にずうずうしいゆっくりだった。 「ゆっくりまってるよ!」 それに対してゆっくりれいむは多少まりさよりゆっくりとしていて人のいいゆっくりだった。 「まあまあそう急かさない急かさない、今週のびっくりどっきりメカ~」 懐から黒い折りたたみ式の薄っぺらい板を取り出し、パカリと開いた。 「ゆ~?おにいさんそのはこなーに?たべもの?」 「ゆっくりたべさせてね!」 「これはだな、えーっとこーしてこーして」 黒い板についているボタンをピッピッと押す。 これは一体何なのかというと魔法の森の近くに店を構えている外の世界の品物を扱う店で仕入れた品物だ。 店主の話によるとなんでも外の世界ではこれを使って遠くの人と話すらしいが、使い方が誰もわからずそういう風に使っているところは一度も見たことが無い。 恐らく店主が何か勘違いしているのだろう。 何百もの種類があるらしく似たようなものが次々と幻想入りしているとのことで、大した希少価値も無いし風情もないと店主には安く譲ってもらった。 大抵はすぐ元気が無くなって使えなくなってしまうのだがこいつは充電器というものを使って力を送り込むことが出来るので長いこと使えていた。 力を送り込むための機械が一緒に幻想入りして来たらしくそれを店主の知り合いが見つけて勝手に持っていき 河童達の所へ持っていって送り込むための力を出す機械を作ってもらって遊び倒して その後すぐに飽きて店主のところにゴミでも捨てるかのようにポイと返していったというのは店主の談。 遠くの人と話すのには使えないが天狗の道具のように景色を写したり、音をそのまま残したりとなかなか便利な道具だった。 と、やっと音を残す準備が出来た。 俺はゆっくりまりさの口を押さえた。 「ゆゅ!?」 「ゆっくりしていってね!」 ピコッ 「ゆっくりしていってね!」 ピッ これでゆっくりれいむのゆっくりしていってね!という声を残すことが出来た。 さらにこいつはとっておいた音を好きな時間に鳴らすことが出来て、鶏や鐘付き台の代わりになってとても便利なのだ。 この機械を手に入れてから鶏を飼っていない俺も朝にちゃんと起きて畑に出られるようになった。 さて、何故この外界の品物をこと細やかに解説したのかというとそれは予定している実験に必要になってくるからだがそれははまた先の話。 後は実験に必要なゆっくりに合う耳栓を探さなくては。 四日後 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「く、これも駄目だったか」 ゆっくりに合う耳栓を作る段になり、計画の変更を余儀なくされつつあった。 ここのところずっとゆっくりまりさを部屋の奥に新たに作った檻に入れておいて、玄関で先でゆっくりれいむにいろいろと作った耳栓を試しているのだが どれだけきつく耳栓を詰めてもゆっくりしていってね!にだけは必ず反応してしまうのだ。 計画のために音の聞こえないゆっくりを一匹作る手はずだったのにこんなところで行き詰ってしまうとはと頭を抱える。 ここのところ知恵熱が出そうなくらい悩んでいるのだが結局ゆっくりの耳を聞こえなくする耳栓は作れずにいた。 その時玄関の方からコンコンと戸を叩く音が響いてきた。 「ごめんくださーい、永遠亭からきましたー集金でーす」 「あ、今行きまーす!」 俺はゆっくりは玄関先に置いて永遠亭の方から渡されたくすり箱を台所の棚へと取りに行った。 「えーと畑で怪我した時に傷薬を使ったのとちょっと眠れなかったので睡眠薬を一つ…」 「はいわかりました、しめて40銭になります それと副作用とかは大丈夫だと思うけど病気でも無いのに睡眠薬は使わない方がいいですよ」 「すみません、ここ最近少し寝不足だったんでつい…」 ばつが悪そうに永遠亭から来た兎の妖怪に頭を下げた。 「あら、何かあったんですか」 「いやそのゆっくり…」 「ゆっくりが?」 ゆっくりと聞いて永遠亭の妖怪兎の赤い目が少し光ったように見えた、びゅーちほー。 いかん、彼女のかわいらしさについこれからの俺の趣味兼計画を暴露しそうになってしまった。 とか誤魔化さなくてはならない。 「その…飼っているゆっくりが外のどこかで鳴いてるゆっくりの声を聞きつけて夜中に例の鳴き声を出してうるさくて眠れなくて… 耳栓とか作ってみてるんですけどあの鳴き声だけはちゃんと聞こえるみたいなんですよ、ハハハ」 妖怪兎の目が今度は確かにギラリと鈍く光りを放つとポツリと彼女はつぶやいた、君の瞳は百万ボルトだ。 「ゆっくりの耳を聞こえなくする方法なら知ってるけど…」 「え、ほんとですか?」 「へ?あああるにはあるんですけどでもこれやると二度と耳が使えなくなりますし」 彼女は独り言を聞かれてびっくりした様子だった、驚いてぴょこんと耳が立ったつ仕草がまたかわいらしい。 「全然構わないんで是非、そういう薬も作ってるんですか?」 「いや薬じゃないけど、構わないんだったら今ここでやってみる?」 「それじゃ一つお願いできますか?そこのゆっくりれいむなんですけど」 「まかせて、ちょっとしたツボがあるんだけのよ」 今までの事務的な態度とは一転、妖怪兎は水を得た魚のようにハキハキとしだした。 さっきまで他人行儀な敬語だったのにゆっくりの話題になった途端いきなりタメ語だ。 これはこれでかわいいな、嫁に欲しいなどと思っていると妖怪兎はしゃがみこんでゆっくりの耳の辺りに両親指をブズリと突き刺した。 「ゆぎゅ゛!?い゛だい゛よ゛!やべでお゛ね゛え゛ざばうう゛う゛う゛うう゛!!!?」 「ここを少しえぐりとって、で皮を中にめり込ませつつ少しねじりながら接合しちゃって…」 悲鳴を上げるゆっくりを無視して、いやあの顔からして悲鳴を愉しんでいるといった方が正しいだろうか。 俺もあんな顔で下半身を中心に責め立てられたい。 「はい出来上がり!これでこのゆっくりの耳は二度と聞こえないわ」 満面の笑みでなかなかに酷いことをいいながら立ち上がった。 「おお、手早い しかし今ので本当に聞こえなくなったんですか?」 妖怪兎が心外だというようにむっとした顔をする、かわいい。 「ゆ!いきなりいたいことするなんてひどいよおねえさん!れいむにあやまってね! …ゆ?」 普通にしゃべれているようだが いや、よく見ると少し様子がおかしい。 「どおじでれ゛い゛む゛おごえがでない゛の゛おお゛お゛!?」 「ね、完璧でしょ?」 妖怪兎はベストサイズとしかいいようのない胸を張って得意げに言った。 「いやあ失礼しました、見事なものですね」 「どおじでえ゛え゛え゛!?お゛ねえざん゛もおにいざん゛も゛お゛く゛ち゛をぱく゛ぱく゛し゛て゛な゛い゛でな゛に゛がいっでよ゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「1、2週間もすれば喋り方も忘れて静かになるわよ」 「助かります あ、これ薬代、丁度で」 「はい毎度…あ、少し多いですよ」 「それは今の診療代ということで、にんじんでも帰りに買っていってください」 「そんなに大したことはしてないんだけど…それじゃあお言葉に甘えて、それではどうぞ今後とも永遠亭の薬をご贔屓に」 彼女はお釣りとして返そうとしていたお金をポケットに入れて軽く会釈すると再び事務的口調と、無邪気な笑みで手を振ってまた別の家へ薬代の回収に行った。 「はい、またおねがいしますね」 俺はにんじんに味をしめてまた家に来てくれないだろうかと淡い期待を込め、餌付けの成功を祈りつつ彼女の後姿を見送った。 「み゛んな゛な゛に゛がしゃ゛べっでよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 それから一週間ほど経ったある雨の日の夜。 準備も整いそろそろ実験を始めようと思い最近放置気味だったのでゆっくりまりさに話しかけていた。 「どおじでずっどれ゛い゛む゛とあぞべないの゛お゛おお゛お゛お!!」 「だから言ってるだろ、れいむは病気で元気が無くてふさぎ込んでしまっているんだ 近づいたらお前にも病気が移ってしまう危険がある以上近づけるわけにはいかないよ」 実際の所、ゆっくりれいむは始めの頃は聞こえないながらもいろいろと喋って異常を訴えていたのだがどんなに声を出しても 誰も反応してくれないので段々と喋らなくなり、今では時折「ゆー…」だの「ゆっ…ゆっ…」だのしかいえなくなっていた。 「いや゛あ゛あ゛あ゛!ざびじい゛の゛お゛おお゛お゛!ひ゛と゛りぼっぢは゛いや゛あ゛あ゛あ゛! ひどり゛じゃゆ゛っぐりでき゛な゛いよ゛お゛お゛お゛お!!!」 ゆっくりれいむが居ないからひとりぼっちとは、俺は全く数に入っていないようだ。 まあ餌をあげるとき以外は最近放置してたけど。 それはそれとしてもうすぐ準備していたあれが動き出す時間だ。 俺はわざとらしく嘆息してまりさの熱意に折れたかのようにこう言った。 「仕方ないな、そこまで言うなら連れてくるよ」 そういって家の奥へとれいむをとりに行った。 「…!ゆ!ゆ!」 まりさのところまでれいむを連れてくると 最近何も喋らずにただ餌を食べるだけだったゆっくりれいむがゆっくりまりさの姿を見て声を上げて腕の中から飛び出ようとする。 俺は怪我をさせないようにゆっくり檻の中に入れた。 「れ、れいむ!れいむうううううううううううううう!!!!」 「ゆ!ゆ!ゆ!」 二匹は再開を喜んで頬をこすりつけ合って喜びを表現しあった。 「れいむ!ずっとあいたかったよ!いっしょにふたりきりでゆっくりしようね!」 「ゆっゆゆ、ゆあーっゆ!」 おやおやまた俺は無視して二人きりとかいいましたよ。 お兄さん寂しいなあ、まあ最近餌あげて観察してただけだから仕方ないんだが。 ゆっくりれいむは口の動きを見てゆっくりしていこうね!といっていると判断して返事をしようとしたようだが やはり喋り方はほとんど思い出せないようだ。 「ゆ?れいむどうかしたの?ゆっくりしてね?」 ゆっくりれいむがゆっくりしていってね!といわないのでゆっくりまりさは全身で怪訝な顔をした。 「れいむは病気の後遺症で二度と言葉を喋れなくなっちゃったんだ」 「ゆ!?ひどいよ!ちゃんとれいむをなおしてね!」 「こればっかりはどうしようもないんだよ…ゆっくりなれてね!」 「い゛や゛あ゛ああ゛ああ゛!!れ゛い゛む゛どおじゃべりぢだい゛い゛い゛い゛!!!」 親友ともう二度と語らえないことを知って泣き叫ぶゆっくりまりさ。 「ゆ、ゆー…ゆゆ…」 「ゆ…」 親友が泣き出してとても不安そうな顔をするゆっくりれいむとその顔を見て泣くのをやめてゆっくりれいむと向き合うゆっくりまりさ。 「ゆっくりごめんね、おはなしできなくなったってれいむはまりさとおともだちだよ」 「ゆ、ゆゆー!」 「ずっといっしょにゆっくりしようね!」 声は聞こえないが気持ちは伝わったのだろう、二匹は再び頬をこすり合わせ始めた。 なんて感動的な光景だろう。 人を身体的特徴で差別しているような連中にこの二匹の姿を見せてやりたいものだ。 俺はこころが震え、感動の涙を流した。 それはそれとして実験開始のためにそろそろ発電機に燃料を入れに行かないといけない。 とりあえず感動の対面を続けている二匹はそのまま放置して河童製の発電機に燃料を入れるために棚を探した。 「ゆ…おなか…すいた…」 「お、あったあった」 餓死寸前のゆっくりれいむを箱から出して風呂敷に包んで発電機のところへ持っていくと充電機の蓋を開ける。 「あーやっぱり止まってる」 中身は回し車が設置されており、それをゆっくりが廻して力を生み出すらしい。 「ほーらこれに入りな、回すと餌が出てくるから頑張って回すんだよ」 「…!?ゆ…ゆっくりまわすよ…!」 息も絶え絶えでゆっくりが回し車を回し始めると、少しずつ餡子が出てくるのでゆっくりは夢中でそれを貪りながら回し続ける。 「ゆぅううう!うっめ!これめっちゃうっめ!!!」 もう大体わかっただろうと思うが今ゆっくりが食べてる餡子は前にこの回し車を回し続けていたゆっくりだ。 回し車が止まると壁が迫でてゆっくりを横に押し出し、そのままひねり潰して餡子にして次のゆっくりの餌にするシステムだ。 ゆっくりの補給と歯車の整備を怠らなければ長いこと動いてくれるらしい。 今はこれを例の外の機械の力ほ補充するのに使っている。 さて、発電機が動き出したところでそろそろあの二匹のところへ戻るか。 「ゆー♪ゆー♪」 「ゆ、ゆゆ♪」 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね! ゆ?いまれいむしゃべったよ! やったね!これでゆっくりおしゃべりできるね!」 「ゆ、ゆー?ゆっゆっ♪」 れいむが喋ったと思ってはしゃぎまわるまりさとよくわからないがまりさが喜んでいるので一緒に喜んで跳ね回るれいむ。 実のところ今の声は前に外の世界の機械を使って音を取って置いたものを再び鳴らしただけだ。 それも定期的にその音が鳴るように設定しておいた。 このまま放置すると普通すぐに力がなくなってしまって動かなくなるのだがこれは常に発電機に繋いであるので ゆっくりの補給さえ怠らなければ夜中中ずっと動かしっぱなしでも大丈夫だ。 しかしゆっくりまりさが勘違いするのも無理も無い、あの声はゆっくりれいむの声を取って置いたものなのだから。 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ、ゆー、ゆー♪」 さて、夜が明けたころにはどうなっているか楽しみだ。 「まあ遊ぶのは明日にして今日はゆっくり眠っていきなさい」 そうして俺は耳栓をして寝床に入った。 「ん…もう大分明るいな…」 布団から出るともう既に日が高く上っていた。 目覚ましを使えなかったのでついつい寝過ごしてしまったようだ。 「…っく…ぃってね」 「ゆ…っ…ぃってね」 何かぼそぼそとした音が聞こえたがうまく聞き取れない。 そういえば耳栓をしたまま寝たんだったと思い出してすぐに耳からそれを外すとゆっくりまりさの怒号が聞こえてきた。 「れいむがなんどもゆっくりしていってねっていうからぜんぜんゆっくりねむれなくてかったよ! もっとゆっくりしてね!ゆっくりできないれいむはまりさにはやくあやまってね!」 「ゆ、ゆー?ゆー!ゆー!?ゆゆー!?」 まりさだけが全く寝ていないらしいことを確認する。 予想道理夜中の間何度もゆっくりしていってね!の声に対して何度も目を覚まして返事をしていたようだ。 やはりゆっくりしていってね!と言われるとつい返してしまうゆっくりの本能はかなり強いものらしい。 そしてまりさは完全にれいむがなんどもゆっくりしていってね!と言っていると信じ込んでいるようだ。 濡れ衣を着せられ、といってもれいむには何を言っているのかわからないだろうがとにかく怒っていることだけはわかったらしく よくわからないが自分は何もしていないんだとれいむは必死に首を横に振っていた。 しかしまだ限界には程遠い、もっとギリギリの状態までやってみないとな。 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね! …いいかげんにしてね!ゆっくりおこるよ!」 「ゆー!ゆー!ゆあー!」 おやおやれいむが泣き出してしまった。 何とかしてやりたいが寝坊してしまっているので早く畑に出ないとな。 さて、そんなこんなでまたあっという間に日が過ぎて行き三日ほどたった。 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね! …うああああああああ!!!ゆっくりでぎな゛いよ!ゆっぐりでぎな゛いよおお!!! どおじでま゛り゛ざをねむらぜでくでないの゛お゛お゛お゛お゛お!!!」 「ゆ、ゆー?ゆゆーゆゆー」 「HA☆NA☆SE☆」 「ゆっ!?ゆ、ゆー」 ふむ、もう三日三晩寝ていないはずなのだが餌はしっかりあげているせいかまだまだ元気だな。 れいむは起きる度に壊れていくまりさを見て心配で心配で堪らないようで必死に頬を擦り付けてなだめようとしているが まりさに振り払われてしまったようだ。 もう少しこの状態を続けてみよう。 その日の夜、俺は床についていると、耳栓越しからでも家の中でドタンバタンする音が聞こえたので泥棒かと思い慌てて起きて 枕元に置いてある防犯用の金属バット(例の外の品を扱う店で買った)を片手に家中を哨戒した。 歩きながら落ち着いてよく聞くとどうやらゆっくり檻の方から物音がしているようだ。 早速見に行って見た。 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね! ゆ゛う゛う゛う゛う゛!いいかげんにしてねれいむ!」 「ゆすー…ゆっ!?…ゆゆ?」 物音の正体はゆっくりまりさが眠れず怒り来るって暴れる音だったようだ。 遂に怒りの矛先はゆっくりれいむに向かい、体当たりをされたれいむは眠気眼をこするようなしぐさをしながら起きた。 「ゆー?ゆーゆゆゆ、ゆぃゆぁ ゆぁいゆぉぅゆ、ぇいゅぁゆぉっゆゆゆぅゆ」 観察を続けた結果、最近はゆっくりれいむの口元の動きである程度何を言っているのかがわかるようになってきた。 そういうことが出来るのもれいむがまりさが話すのを見て自力で喋り方を習得しようと努力して口の動きを段々思い出してきているのも大きい。 今のは恐らく どーしたのまりさ、だいじょうぶ れいむがまもってあげるよ と言ったのだろう。 「おしゃべりできないふりはやめてね!まりさはれいむがいたずらしてるのちゃんとわかってるよ! いままりさにあやまらないとほんとうにゆるさないからね!はやくあやまってね!!!」 まりさはもう後一歩で完全にブチぎれるところまで追い詰められているようだ。 やはり睡眠不足から来るストレスは計り知れない。 さて、れいむも状況はある程度把握出来ているようだがジェスチャーだけで謝罪の意を伝えられるかどうか。 「ゆ、ゆんゆぁゆゆ」 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね! …ゆっくりしねええええええええええええ!!!!!!!」 あ、まりさがキレた、なんというタイミング、なんという運命の悪戯。 ゆっくりまりさが怒りに任せ、ゆっくりれいむに対して何度も何度も体当たりを食らわせた。 「ゆぐっ!?ゆ゛っ!ゆ゛ぁ!」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!ゆっくりしねええええええええええ!!!!」 まりさの体がれいむにぶつかるたびにれいむから餡子が飛び散った。 それは一方的な暴力だった、れいむは反撃しようとさえしていない。 「ぁ…っ!ぇゆぃぅ…ぃゆ゛ぉ…!」 「よくもまりさがおねむなのにいじめたな! そんなれいむだいきいらいだよ! はやくゆっくりしんでねえええええええええええ!!!!!」 おや、れいむが何かまりさに言おうとしているようだ。 体当たりで体が揺れてよく見えないが、口元に集中して見続けて、なんとか読み取れた。 「ぇゆ゛ぃぅ゛ぉ…ゆゅっ!ぃゆぇっ…!」 「ゆっくり…しねえええええええええええええええええええええええ!!!!!」 「れいむを信じて…か」 そう小さくつぶやくのと同時にれいむが餡子を撒き散らして弾けとび、その音で俺のつぶやきはかき消された。 「やった…これで…これでゆっくりできる…うふ、うふふふふふ、れいむがいったとおりゆっくりしていくね! うふふふふふふふふふふ…!やった…やった…」 面白いものが見れたので俺は満足して、ゆっくりれいむの亡骸を掴むと潰して畑の肥やしにでもしようと玄関から外へ出た。 「ゆっくりそのゴミクズをどこかにやってね!うふふふふふ…!」 「ゅ…ま…ぃ…」 おや、まだ息がある様だ。 しかしもう長くあるまい、実験動物とはいえ無為に苦痛を与えるのも気の毒だ。 トドメを刺してあげよう。 そう思い俺は持っていた金属バットを振り降ろした。 フォンっ…グシャッ 次の日の朝、俺が目を覚ましてゆっくりの檻の方を見に行くと、まりさは恐怖に髪を振り乱して白目をむいて震えていた。 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね! あああ…どうじで…どうじでれ゛いむ゛のごえがずるどお゛お゛お゛お゛!?」 「どうして?れいむとまりさは友達なんだからいつでも声が聞こえるくらい近くに居て当然だろ?」 「だっでぇえ゛え゛え!!だっでれ゛いむ゛ばも゛うい゛な゛いはずな゛の゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛い!!! ま゛り゛ざが…ま゛り゛ざがごろ゛じだどに゛い゛い゛い゛いい゛いい゛い゛!!!」 そういってまりさは頭をガンガンと壁にたたきつけた。 「じゃあきっと幽霊になってもまりさと一緒に居たいんだな」 「い゛や゛あ゛あ゛あ!ゆっくりきえてよおおおおおおおおおおおおお!!!!」 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね! い゛や゛い゛や゛い゛や゛い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああ゛あ!!!」 一週間後。 「ゆ…ゆ…」 [ゆっくりしていってね!] 「…ゆっくりしていってね! ゆゆ…ゆっくり…ゆっくり…した…い…もうゆるじでれいむ…ごべんなざい…ごべんなざい…ごべんなざい…ごべんなざい… ごべんなざい…ごべんなざい…ごべんなざい…ごべんなざい…ごべんなざい…ごべんなざい…ごべんなざい…ごべんなざい…」 [ゆっくりしていってね!] 「どおじで…どおじでゆるじでぐれな゛い゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛…!」 ふむ、そろそろ弱ってきたな。 餌だけは必ずあげているからまだ喋るのに問題は無いようだが。 朝から晩までずっとぶつぶつと独り言を言っているようだった。 「ほーら餌の時間だぞー!」 「おにいさ…ん…れいむがゆるじでくれないよ゛…まりさは…まりさはわるくないのに… れいむに…ちゃんとあやまってねっていっただけなのに…」 もはやまりさは髪は乱れて抜け落ち、白目を常に剥き、トレードマークの帽子はくしゃくしゃになって地面に落ちていた。 「ん、そうか じゃあれいむが悪いんじゃないか?」 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね! そっか…れいむがわるかったんだ…そうだ…まりさはちゃんとあやまってねっていったのにれいむが… うぅぅぅうう…!まりさは…ゆっくりしたいだけなのに…れいむ…うふふふふ…れいむがちゃんとあやまるまで…ぜったいに…ゆるざないよ…! ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない… ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…」 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね! ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…」 ちなみに音の出る間隔をさらに短くしてあります。 さらに三日後 もうまりさは限界に達し、ろくに食事も喉を通らず後は死を待つのみという状態になった。 なので俺は実験の締めくくりとして少し面白い余興を行うことにした。 「まりさ、今日は別のお友達を連れてきたからゆっくりしていってね!」 そういってまりさに頭からオレンジジュースをぶっかける。 これで多少回復するだろう。 「…もう…おともだちなんて…いらない…れいむ… ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…ゆるざない…」 「そう言うなよ、今までずっとまりさとお話してたお友達がやっと顔を見せてくれにきたんだから」 そういって俺は懐から例の外の世界の品を取り出した。 「ゆ…なに…それ…たべもの…?」 ピッ 俺はボタンを押しあの声を再生した。 [ゆっくりしていってね!] 「ゆっくりしていってね! …れい…む…のこえ…いま、そのくろいのかられいむのこえが…」 「ははは、ずっと、朝も昼も夜もこいつがれいむの声で言ってたのさ ゆっくりしていってね!ってさ」 「ゆっくりしていってね! おにいさん…まさか…まさか…」 多少元気が出てきたようだ、オレンジジュースが十分に浸透してきたか。 「病気が治ったれいむと最初に会わせたとき言ったよな れいむはもう二度と言葉を喋れないって」 「ぱぴぷぺぽおおおおおおおおおお!!!ぱぴぷぺぽおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」 おお、完全に元気になったようだ。 よかったよかった。 それにしても事態がゆっくりブレインでも理解してくれたようでよかった。 この意味をわかってもらえないと興ざめなことこの上ない。 「れ゛い゛む゛は…れ゛い゛む゛はな゛に゛もわ゛る゛いごどじでながっだの゛に゛ぃ゛ぃ゛いい゛ぃい゛!!! ま゛り゛ざが…ま゛り゛ざがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」 「ついでだかられいむが最後に言った言葉、お前は聞き取れなかったみたいだから教えてやろう れいむの最後の言葉は『れいむを信じて』だ」 「ぱぴぷぺぽおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」 まりさが白目を剥いた瞬間ブチブチという奇怪な音が鳴り響いた。 何の音かと見ていると目から餡子がだくだくと流れ出している。 まさか視神経が千切れるほど白目を剥いているのだろうか。 そんな奴初めて見た。 「まあまりさよ、いろいろ辛いだろうが俺から言えることは唯一つだ」 ピッ [ゆっくりしていってね!] 「ゆぐあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」 まりさは遂にゆっくりしていってね!と言っても返事をしなかった。 代わりに恐ろしいほど大きな悲鳴を上げて檻に自分の体を押し付けるとそのままめり込んで行き ぶちゃっぐちゃっという音をさせながら餡子を撒き散らし、半分ほど体をめりこませるとそのまま絶命した。
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いじめ要素のない小ネタです ここはとあるゆっくりの群れ、その中にある長のおうちだ。 この群れは多少変わった群れだった。群れという形を取ってはいるが、よくあるゆっくりの群れのように一匹の長やドスが全てを取り仕切っているわけではない。 元々小さな群れが他の群れを吸収してきた事もあって、「群れ」の中に5つの「むれ」があり、それぞれのむれの長が自分のむれを治める。 そして群れ全体に関わる重要な事は格むれの長や幹部が中央のむれに集まって行われる「ゆっくりかいぎ」によって決定されていた。 このような仕組みになった理由としては、この地域が山や崖や川などでゆっくりにとって交通が困難だったことが挙げられる。 群れとしての力を外にアピールするために複数のむれが合体したが、むれ同志の交流はむれの長の命による交流以外は特にもたれていなかった。 便箋上は最初に群れと群れを合体させようと発言したぱちゅりーがこの群れのリーダーだとされているが、そこは頭のいいぱちゅりー。 「むれどうしがあるていどどくりつしているいじょう、ちがうむれのたちばもそんちょうするべきよ」とかいって会議の際の発言力は他のむれの長と同じだった。 そして今日も会議が始まった。季節は秋、冬篭りに向けて、重要議題の最終調整をするのが目的だった。 ちなみに群れには群れのリーダーであるぱちゅりーを長とする「ぱちぇむれ」 れいむを長とする「れいむれ」 まりさを長とする「まりむれ」 みょんを長とする「みょんむれ」 ちぇんを長とする「ちぇんむれ」 の5つがある 「それではこれからゆっくりかいぎをはじめるわ!!まずはぱちぇむれからぎあんをていしゅつしてほしいわ!!」 便箋上群れのリーダーであるぱちゅりーの側近で、会議の進行役であるありすがぱちゅりーに発言を促した。 「むきゅう、それじゃあ、ぱちぇむれとしてはつぎのあんをていしゅつするわ」 群れの外のまりさの群れのこの群れへの併合 ぱちぇむれの出した提案とは、この群れと境界が接触しており、群れへの合流を希望していた若いまりさの群れを群れに入れるかどうかだ。 「みんらのたちばといけんをそんちょうする」この群れでは、おかしなヤツを仲間にするとおかしな意見が群れを動かす羽目になりかねない。 そのため、群れ同士で交流を結んでから何度か格むれから「ちょうさだん」を派遣し、群れの実態の調査も行っていた。 ぱちゅりーとしては、若い固体が多く居て、発展途上のこの群れを仲間に加えれば将来的にこの群れにも大きなプラスになると考え、合流を許可する事を提案した。 「まって!!ちぇんむれのいけんとしてはそのあんにはんたいだよー!!わかるよねー!!」 信用できる群れではない それがちぇんむれの見解であった。 ちぇんむれの調査団が若いまりさの群れを調査したときに、この群れのありす種が他のゆっくりに比べて一回り小さい事がちぇんのなかでは疑問に残っていた。 若いまりさは「うちのむれのありすはすこしごはんをあつめるのがへたなんだぜ!!ゆへへ!!」と、笑ってごまかしてはいたが、おうちの入り口から顔を覗かせていた子ありすの顔を見たちぇんは解かっていた。 この群れではありすへの差別が平然と行われている。 そんなやつが長をやっている群れをこの群れに加えるのは群れにとってマイナスが大きい。ちぇんはそう判断した。 「むきゅう・・・じゃあみょんむれに、つぎのぎあんをていしゅつしてもらうわ・・・」 「みょんむれとしてはつぎのあんをていしゅつするちんぽ!!」 ぱちぇむれからみょんむれへの援軍の追加派遣 みょんむれは他の群れと境界が接している。友好的な群れなら、ある程度の交流を持つが、運の悪い事にその群れは敵対的な群れだった。 めーりんを主力としたそれは毎日何の前触れも無く、群れ境のゆっくり家族を襲撃し、おうちに押し入り、なかの家族を皆殺しにし、ごはんや宝物を奪っていく。 みょんむれの長が群れ境からの音信が途絶える異変に気づき、自警団を組織したときにはみょんむれの5分の1が制圧され、その地区のゆっくりは殺されるか、奴隷としてこき使われているらしい。 組織的な全面戦争に発展したが、友ゆっくりを奴隷にされているゆっくりも居てみょんむれの士気は高くない。 もう秋だというのに敵の勢いは納まらず、群れとしては冬篭りの準備にもゆっくりを割かれる。今は何とか食い止めているが、このままではいずれ押し切られてしまう・・・ そう判断したみょんはぱちぇむれに増援を要求したのだ。 「ぱちぇむれとしては、みょんむれのあんにさんせいよ」 みょんむれの興亡は群れ全体の存亡に関わる もしここでみょんむれが敗れれば、次はぱちぇむれか、ちぇんむれが敵の目標になるだろう。 みょんむが何度か試して失敗している以上、話し合いは望めない。 みょんむれが敗れるのが秋でも、次の春でも。十分な抵抗準備をする時間はないだろう・・・ そのため、ぱちぇむれはみょんむれへの増援の派遣を決定した。 「じゃあ、つぎはれいむれにつぎのあんをていしゅつしてもらうちんぽ!!」 「れいむれとしては、つぎのあんをていしゅつするよ!!」 まりむれから、れいむれへの食糧支援 今年、れいむれの領土は不作だった。 元々れいむれの領土は岩肌や洞窟が多く、他の群れとの戦いには有利だが、食料があまり取れない場所だった。 今まで何とかやりくりしていたが、このままでは多くのゆっくりが冬を越せない。そう判断したれいむは比較的肥沃な土地を持つまりむれに、食糧支援を要請したのだ。 「まりむれとしては、れいむれのあんにはんたいなんだぜ!!」 そのような余裕は無い まりむれとしては、冬篭りを前に不安要素が一杯だった。 確かに備蓄食料は多い、だが万が一の事を考えると・・・正直、れいむれまで運んでいくわけには行かなかった。 「ゆゆ・・・じゃあちぇんにつぎのあんをていしゅつしてもらうよ・・・」 会議が始まってから3時間が経過した。 賛成され、決定した案もあったが、どうしても通らない案も出てくる。各むれの長たちはその場で思いついた提案をしたり、少し修正した案を出したり、さっきとまったく同じ案を出したりしていた。 もともと、ゆっくりというのはのんびりとした生き物だ、長時間頭を使い、考え込む事は人間だって得意じゃない。 会議に参加しているゆっくりたちもぱちゅりー以外は知恵熱を出し始め、顔が赤くなっているものもいた。 「ありす」 ぱちぇむれの長が進行役のアリスに声をかける。 「ええ・・・みんな、きょうのかいぎはこれまでとするわ、みんなしゅくしゃにかえってあしたのかいぎのじゅんびをするのよ」 ありすが会議の中断を決定し、今日の会議は少数の議案が解決しただけでお流れとなった。 殆ど進展の無い会議は毎日続き、会議の最中に冬が来た。 冬に長が居ないことによる混乱、援軍が派遣されなかったことによるみょんむれの壊滅、食糧不足によるれいむれの全員餓死などが重なり、この群れは翌年の春、崩壊した。 あとがき 元ネタはSFCソフト「提督の決断」の会議シーンです。 海軍側(プレイヤー)の出席者の「作戦」の数値が低いと 海軍が作戦目標提案→「陸軍としては海軍の意見に反対である」→「陸軍としては次の案を提案する」→陸軍が到底無理な目標提案→反対を選ぶ→最初に戻る のループが延々と続くゲームです。音楽は神曲といってもいいと思います。 音楽1、システム3ベースのリメイクとかでないかなぁ・・・ 10月6日 2225 セイン このSSに感想を付ける
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初SSです いろいろお見苦しい点があるかと思いますが 読んでいただけたら嬉しいです ************************* ここはゆっくり王国 ゆっくりしか存在せず、右を向いても左を向いてもゆっくりだらけの街 そこが無法地帯かと思えばそう言うこともなく しっかりした「国ゆー」がまとめている、まさに「ゆっくりによるゆっくりのためのゆっくりの国」なのである しっかりとした宮殿を中心に東西南北に関所があり、警備隊が常駐している それは外敵から国、ひいては民を守るためだ ところが北の関所は一月前に警備隊長とゆっくり王国高官との賄賂が発覚して牢屋に入れられた 隊長不在では指揮系統に問題が出てくるため、国務大ゆんは新隊長として名門出身ゆっくりである、まりさを呼んだ 「お前に北門警備隊長を命ずるよ!!ありがたく任に就いてね!!」 「ゆゆっ!ありがたき幸せなのぜ!粉餡砕皮の思いでがんばるのぜ!!」 ……こうしてまりさは北門警備隊長として国に尽す身となった そしてまりさが警備隊長として北門に入った日… まりさはまず北門警備隊を集めてあいさつをした 「ゆっくりしていってね!!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 「今日から警備隊長として北門に来たまりさだぜ!ゆっくりよろしくたのむのぜ!!! さっそくだけど北門のルールを大幅に変更するからゆっくりしないでさっさと理解するのぜ!!」 まりさの提示した新しい警備体制はこうだ 1.くらくなってからのきたもんへのしんにゅうはどんなゆっくりであろうときんし!! 2.きたもんをつうこうするときにはすぃーからおりること!! これをやぶったゆっくりにはきびしいばつをあたえるよ!!! 周りのゆっくりがどよめく 「ゆ!静かにするのぜ!まりさのいうことは絶対なのぜ!!」 静まるゆっくりたち 「まったくまりさの話を聞かないなんて無能にも程があるのぜ! とにかく今日からこのルールで北門の警備体制をとるのぜ!わからないバカはゆっくり死んでね!!」 ―― その日の夜 この日は周りのゆっくりに自分の立場をわからせるためにまりさも警備に出ていた 「ゆゆ!?そこの無能なありす!まりさに会ったらきちんと挨拶するのぜ!」 「そこのれいむ!!まりさは歩き疲れたから早くあまあまを持ってくるのぜ!ゆっくりしたら罰を与えるのぜ!?」 警備隊のゆっくりからすればたまったものではない いくら隊長とはいえ今日来たばかりのよそ者にここまで偉そうにされてはストレスがマッハである しかし下手に上官に逆らうわけにはいかない どのゆっくりもゆっくり出来ないくらいイライラしていたその時だった 「こんな暗くなっても見回りとはご苦労だねーわかるよー」 ちぇん外務大ゆんがスィーの乗って現れたのである 主な仕事は国の外にいるゆっくりの群れを見つけて、国に来るように勧めること ゆっくりの理想郷を目指す国ゆーのために全力を尽くすちぇんは、国ゆーからはもちろん、国ゆんからの信頼も厚かった この日も危険を顧みずゆっくりの群れを見つけては交渉してきた帰りである 警備隊のゆっくりがちぇんに対し全員「ゆゆー!!」と頭を下げるのに対し、まりさは「しめた!」とでも言わんばかりの勢いで 「暗くなったら北門は通行禁止なのぜ!あとスィーからもゆっくりしないで降りるのぜ!!」 と言い放った 警備隊の顔が一気に青ざめる 「た、たいちょう!なにいってるの!!?ちぇんだいゆんだよ!?ゆっくりしないであやまってね!!!!」 「ゆ!?いくら大ゆんでも北門のルールには従ってもらうのぜ!」 「こまったねーちぇんは国ゆーにゆっくりしないでお話しすることがあるんだねーわかってねー」 「ゆゆ!?警備隊長であるまりさに口答えは許さないのぜ!罰を一つ追加するのぜ!!」 まりさはそういうと帽子の中から木の棒を取り出しちぇんを叩き始めた 「ゆげぇ!?ちぇんがなんで叩かれるのー!わからないよー!!」 「偉いゆっくりのくせにまりさの決めたルールを守れないゆっくりなんてゆっくり死ね!!」 まりさは勢いに任せてちぇんを殴り殺すほどの雰囲気だった 「死ね!!ルールは絶対なのぜ!!まりさが決めたルールはぜったいあびぇえ!!!?」 しかしただでさえ配属された初日 そして早速周りから疎まれているまりさである 「そこまでだよ!ちぇんだいゆんをいじめるゆっくりはゆっくりしね!!」 警備隊のれいむがまりさに体当たりしたのだ 「な゛に゛ずる゛んだぜえ゛え゛え゛え゛え゛!!!!ばでぃざばぎだも゛ん゛の゛だい゛ぢょう゛な゛の゛ぜえ゛え゛え゛え゛!!!!???」 「ゆ!ここのけいびたいはひとりもまりさをたいちょうだなんておもってないよ!!!」 「そうだよ!なにもしないくせにただえらそうなだけのぐずなたいちょうなんていらないよ!」 「ちぇんだいゆんはこのくににひつようなゆっくりだよ!しぬならまりさがしんでね!!」 「まりさはこのくにどころかきたもんにもいらないよ!!ゆっくりしないでどこかへきえてね!!」 「ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!う゛る゛ざい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 まりさは叫びながら警備隊に突っ込んでいった しかし、さすがに多勢に無勢 武器を持っているとはいえ勝てるわけもなくあっけなく瀕死になった 「ゆ゛っグ…ゆ゛っ…ゆ゛…」 「ここまで痛めつければもう動けないね!」 「ちぇんだいゆん…ゆっくりごめんなさい…」 「いいんだよーあのまりさがわるいんだねーわかるよー」 「ちゅうおうのけいびたいにれんらくしてきたよ!」 「ゆ!あとはまりさをれんこうしてもらったらゆっくりらくちゃくだね!!」 その後まりさは中央で裁判にかけられた 『死ぬまでゆっくり出来ない刑』に処され、捕食種に生かさず殺さずを死ぬまで繰り返させたわけだがそれはまた別のお話 *************************