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『野球部のゆっくり』 15KB いじめ 虐待 不運 共食い 現代 失礼します。 anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1 anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2 anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3 anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4 anko3456 れいむのゆん生 anko3458 まけいぬとゆっくり anko3461 ゆっくりに生まれて anko3484 ゆっくりブリーダー anko3489 休日とゆっくり anko3652 ドスについて anko3715 ゆっくりに餌を anko3729 はじめてのぎゃくたい anko3730 はじめてのしいく anko3741 ゆっくりショップのバイト anko3794 まりさとの勝負 「」ゆっくりの台詞 『』人間の台詞でお願いします 「ゆ、ゆぅぅ、もうあさ、なのぉ?」 「あさ、なのぜ……また あされんさん なのぜ」 「もういやよぉっ! だれか ここからだしてぇ!」 「み、みんな きぼうをすてちゃだめよ!」 「きょわいよぉお!! おかーしゃぁん!」「まいちゃ、まいちゃこんな せいかついやなのじぇぇ!!」 「こんにゃの、こんにゃの いなかものの せいかちゅよ!」「れいむ、おかーしゃんのいってた やまさんでくらしたよぉ!」 薄暗い、雑多に物が置かれた広い部屋。 そこの一角に設けられた犬猫を入れる様なサークル、そこに大量のゆっくりたちがいた。 成体のれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちゃん、そしてそれとは別のサークルには、子ゆっくり、赤ゆっくり。 それぞれの種類のゆっくりたちが合わせて300近くはいる。 動くスペースもないほどギュウギュウに詰め込まれていた。 小さな天窓しかない部屋で、れいむたちゆっくりはそこから入ってくる光で朝を感じ取り、憂鬱に顔を曇らせる。 朝になったということは、また苦しい時間が始まるということだから。 そしてその予想通り、いつもと同じ時間ガラっと音を立てて、部屋の入り口が開かれた。 「「「「ゅぴぃぃいいいい!!?!?」」」」 『よぉし、今日も練習はじめんぞぉ!』 入り口の逆光に隠れながら現れたのは、若干汚れたジャージに身を包んだ高校生ほどの少年たちだった。 その姿にゆっくりたちは怯えに怯えて、少しでも遠ざかろうとギチギチのサークルの中で身を寄せ合っていた。 『監督ー、今日は何するんすかー!』 『とりあえず、バット、ボール、今日は守備攻撃半々でいこかー』 『『『ぅいーっす!』』』 中年男性の声に呼応して、少年たちは大きな声で返事をする。 その全員がジャージ姿で坊主頭。 そして、バット、ボールなどを運び出していく。 そうここは野球部の道具置き場だった。 そして、坊主の少年は、ある高校に通う野球部員たちだった。 ……。 …………。 『おぉぉい、スピード上がってんぞ、もうちょい落とせ、オーバーオーバー!』 『『『『ぅぃっす!!』』』』 周囲が草で囲まれた広場のような場所、そこに野球の塁が置かれて何とかダイアモンド(本塁一塁二塁三塁で出来る四角いスペース)の様相をなしている。 ここは、学校から少し離れた場所にある、工事予定で確保されたまま放置されている空き地だった。 道具部屋になっているのは、事務所になるはずだったプレハブ小屋。 場所はそれなりに広いけれど、メインの場所以外には草が生い茂り、練習に向いているとは思えない。 そんな場所を野球部員たちは、汗を流しながらダイアモンドの周りを走っていく。 そして、その頃ゆっくりたちは……。 「ゆ、ゆひぃっ!」「ゆ、ゆゆぅぅぅ!!」 「し、しぬ、しんじゃう、よぉ!」「たえ、るのよ、ごほっ! ごほっ!」 成体ゆっくりは残らずお飾りを取り上げられて、チリトリを改造した道具をトンボ(地面を均す道具)代わりに部員が走るダイアモンド内を均していた。 人間にとっては軽い道具でも、ゆっくりにとってはかなりの重さを感じる。 その上、地面につけながら進むため負担も大きい。 脆い歯と、弱い咬合力ではその負担に耐え切れず、歯が折れて呻くゆっくりに、疲れてへたり込むゆっくりなどが多発するが。 『おら! ゆっくりども休んでんじゃねーぞ!』 『俺らが走る終わるまでに終わらせないと飯抜きにするぞ!』 『まだ半分も終わってねーぞ、ガキ潰すぞ!』 「「「「「は、はいぃい!! がんばりまずぅぅううう!!」」」」」 周りを走る部員たちにどやされ、ゆっくりたちは必死に均しを続けることになる。 しかも、部員たちの言う言葉が一つの脅しもなく事実なのだと、足りない餡子脳に刻み込まれているため、必死に均す。 そして、子ゆっくりは監督とマネージャーのたちの元に集められていた。 『ほら動かないの!』 「やめちぇぇええ!! へんなツルツルしゃんきりゃいだよぉおお!!」 「にゃんで、にゃんでこんなことしゅるのぉお!! くしゃいよぉおお!!」 『あー、うっとおしいなぉ!』 マネージャーの少女は部員に習ってジャージ姿。 日焼けした肌に若干汗を浮かべながら、子ゆっくりたちを汚れたラップで包んでいく。 『あー、このラップはもう駄目だな、新しいやつにしないと』 『監督、もうラップ少ないですよ?』 『大丈夫、葬式やったときのあまりが家にまだまだあるから』 そう言いながら、監督は近くに置いておいたラップの箱をとり、千切る。 それで、子れいむを手馴れた動きでつつむ。 包まれたゆっくりたちは、底の浅い木箱に入れられていく。 「くちゃぃいいいいい!! だしてぇぇえ!」「にゃにこれぇぇ! うごけないのじぇえぇえ!」 「ツルツルしゃんですべすべなのじぇ!」「くさいわぁぁ! こんなのとかいはじゃないわぁあ!!」 何やらボロボロで黒い染みのような跡がついたラップに包まれた子ゆっくりたいは涙を流し「くさい」を連呼している。 それに対して新しいピカピカのラップに包まれた子ゆっくりたちは、動けないことについて叫ぶ個体やラップの感触を楽しんでいるのすらいた。 そして監督とマネージャーが50ほどの子ゆっくりをラップで包んだ頃、若干息を切らしながら部員たちが走り終えて戻ってきた。 『よしゃ、んだば、始めよか、朝練』 『『『『『ぅいっす!!』』』』』 『んじゃ、1人バッターボックス、1人バット持って待機、残りは守備に、打ったら一塁いって、押し出しローテーションでな』 監督の指示に従い、部員たちはそれぞれ持ち場につく。 ダイアモンド内では、なんとかギリギリで均し終えたゆっくりたちが虫の息で転がっていた。 『邪魔だよ、邪魔』 『さっさと消えろよゴミ虫』 『はい失せろ失せろ!』 「ゆぎっぃ!?」「おそらをとんでるみ、ゆびゅぅ!?」 「やめじぇええええ!! し、しんじゃ、ゆが!」「む、きゅぅ、もっと、ゆっく、ゆぼっ!」 そのゆっくりたちを部員は蹴り飛ばすなり、放り投げるなどして退かしていく。 「どうじで、どうじでまりさたちがこんなめに、まりさは、まりさはおさだったのにぃ……」 成体ゆっくりたちは、それぞれ身体の痛みと、心の痛みに涙していた。 ――このゆっくりたちは、元は野良、野良というより野生に近く、この空き地に暮らしていたゆっくりたちだった。 広い空き地で、草や虫を採り暮らしていた。 開発に忘れ去られた土地であり、何代も何代もゆっくりと暮らしていた。 たまにゲスが生まれたり、人間の子供に殺されたり、夢見たゆっくりが旅立っていったりしたけれど、問題なく実にゆっくりしていた。 しかし、そんなある日、ゆっくり築いてきた平和は――ぽっくり死んだ。 近くの高校の野球部が、練習場所としてこの空き地を借りることになったからだ。 その野球部は涙するほど弱小の部活だった。 地区大会でも一回戦勝てれば良い方、三回戦なんて夢のまた夢、そんな部活だった。 それだけならまだ良かっただろうけど、その高校は他の部活が強かった。 サッカー部、バスケ部、テニス部、ラグビー部などなど、軒並み強い部活が集合していた。 その為、野球部にグラウンドの使用権はなかった。 まともな練習場所もなく、部費も少ないから市営グラウンドなんか借りれる訳もなく公園などで細々練習していた。 しかし、監督がある時、この空き地を見つけて持ち主と交渉して使わせてもらう事になった。 普段見ることのない人間にゆっくりたちは戸惑い、ゆっくりの戸惑いを気にせず部員たちは草を刈り出した。 練習する為の場所を最低限整えようと、皆で汗を流していた。 最初は不気味に思っていたが、部員たちが攻撃などをしてこないので捨て置いたのだけれど。 草を刈っていたとき、ゆっくりの巣を見つけた部員たちは、迷わず排除した。 ダンボールを横倒しにした巣を持ち上げ、潰しゴミ袋につめた。 それに激昂しゆっくりたちは部員に襲い掛かった、しかし当たり前に人間VSゆっくり勝てるハズもなく次々捕らえられ潰された。 最初は片っ端から潰していたけど、監督の提案でゆっくりを生かして使うことに決めた。 部費の少ない野球部だ、使えるものは使ってみようという発想だった。 その日からゆっくりたちの地獄は始まった――。 ……。 …………。 『ほらっ、次いくぞ!』 『うぃっす!』 バッターボックスに立って、バットを構える部員に横合いから監督が山なりに優しくボールを投げる。 そして直ぐに。 『んじゃ、センター!』 打つ方向を指定する。 『っ!』 部員は必死に打つ角度、力の入れ具合を調整しながら言われた場所にボールを運ぼうと打つ。 ボールはややずれたけど、大体センターに転がった。 『へへ、やりぃ!』 『笑ってないでお前はファーストいけいけ!』 『うーっす!』 打った部員はガッツポーズをして、一塁に向かう。 そして一塁を守っていた生徒は二塁へ、二塁の生徒は三塁へ、と言った感じで押し出されていく。 ゆっくりたちはと言うと……。 「ど、どこなの!?」「でてくるのぜぇ! ボールさんいますぐでいいのぜ!」 「はやくでてきなさい! かくれんぼなんていなかものだわ!」「さっさとでてきね! じゃないとおちびちゃんがぁああ!!」 守備陣が捕りきれずに、草むらに入ってしまったボールを必死に探していた。 全員が全員グラウンド整備という、普通のゆっくりなら一週間分の労働以上の疲れを身体に残したまま血眼でボールを捜していた。 40ほどの成体ゆっくりが必死に探してはいるけれど、草むらの部分はかなり広く、何より視界の狭いゆっくりは中々見つけられない。 同じ場所をグルグル回っている個体も多い。 そんなゆっくりたちの近くにまたボールが飛び込む。 「ゆひっ!?」「ま、またなの!?」 「まださっきのも、そのまえのも、そのまえの、そのまえのも、ずっとまえのも、もみつかってないのにぃ!」 『ほらさっさとしろよゆっくりども! 早くしないとお前らのガキの番になっちまうぞ!』 『ウチはボールめっちゃ少ないだからよぉ!』 「は、はいぃいい!!」「すぐにさがすのぜ!」 「はやく、はやく!」「むきゅ、あ、あったわ! いっこあったわ!」 「でかしたのぜぇぇえ!」「はやくそれを……ゆっ!?」 『お、もっぱついったぞー、次からお前らのガキだからな』 「「「「「ゆぅううううう!!!??!」」」」」 部員の言葉にゆっくりたちは慌てふためく。 「む、むっきゅぅ! は、はやくもっていかないと!」 「ぱちゅりーじゃだめなのぜ! まりさにまかせるのぜ!」 「まりさよりちぇんのがはやいんだよー!」 「そんなのいいから! れいむにかしてね! おちびちゃんが!!」 ゆっくりたちが何やら争っているころ……。 『ん、ボール終わり、次からゆっくりだから思いっきりなー』 『うぃーっす!』 「なにしゅるのぉ!? れいみゅにさわらないでね!」 ボールが尽きたので、監督は練習前にマネージャーと準備したラップに包んだ子ゆっくりを掴む。 また赤ちゃん言葉の抜け切らない、野球ボール大のゆっくりを掴み、ボールと同じようにバッターに軽く投げる。 それを追うようにゆっくりたちは何故かボールを持ったまりさを筆頭に10匹前後で必死に跳ねてやってきていた。 距離にして数メートル、見つけたボールを必死に運んで着て。 「にんげんさん! ボールさん をもって 『サード!』 ゆ?」 「おしょらをとんでるみ、ゆびょぶべっ!!!」 目の前でラップに包まれた子れいむが、バットにぶち当たり、ラップの内部を真っ黒にしながら飛んでいくのを目撃した。 ボールを咥えていたまりさは、呆然としながらポトっとそれを落とし、落としたボールはゆっくり転がり、見事に監督の近くに。 『ん、やっとか、早くどんどん探せよ、ほれ、レフト!』 『うぃっす! ぁぁあ、飛びすぎた!』 ゆっくりたちが必死になって探してきたボールは再び草むらに、これによりボール0で再び監督はラップ子ゆっくりを掴む。 「やめなしゃぃいい!! はなしちぇ! はなしなしゃいいなかものみょおぉおお!!!」 「あ、ありすのおちびちゃん!?!?」 「れいむのかわいいかわいいおちびちゃん!?」 どうやら、監督が掴んだ子ありすは、ボール運びの付き添いで何故かやってきたありすとれいむの子供らしかった。 しかし、当たり前にそれで止める訳もなく、監督は軽い調子でラップ子ゆっくりを投げる。 『ん~、ファースト!』 「ありしゅの おおぞらでびゅ、ゅにゅるぼ!?」 「「お、おちびちゃぁぁぁぁあん?!?!」」 内部をカスターどで染めたラップは、あまり飛ばずに、べちょっと落ちる。 「おちびちゃん!?」 「おちびちゃんおへんじして! ほら、ママがとかいはなぺーろぺーろしてあげるわ!」 れいむとありすは、泣きながら既に死んでいる子ありすに話しかけ、必死にラップの表面を舐める。 しかし、そんなものは意味なんてなく、部員からしたら邪魔でしかなく……。 『邪魔っ、ただでさえ邪魔なんだから消えろ、さっさとボール探してこないとてめぇらの飾り全部燃やすぞ!?』 「「「「ゆぴぃいいい!!!?!」」」」 部員の言葉に成体ゆっくりたちは怯え、疲れた身体に鞭打って草むらに戻ろうとするが。 「おちびちゃん! はやくめをさましなさい! おねぼうはとかいはじゃないわ!」 「ゆぅ、しかたないね! れいむが おはようのうたを うたうよ!」 れいむ、ありすの番は未だに我が子の死を受け入れられないのか、ラップの中のカスタードに向かって必死に声をかけていた。 それを見て、ゆっくりたちは焦る。 今は取り上げられているお飾り、あれがないとゆっくりは死も同然。 それを燃やされ壊されると言われたのだ、当たり前に焦る。 なのに、れいむとありすはその言葉すら聞こえないのか、必死に意味のない行為を繰り広げていた。 無論、その間も子ゆっくり製のラップボールは消費されていく。 「おちびちゃん! はやくおきてね!」 「まったく、おちびちゃんはどっちににたのかしら?」 「れいむ、ありす! はやくいくのぜ!」 二匹に、まりさが話しかける。 他のゆっくりは既に草むらに向かって跳ねて行っていた、賢明な判断と言えるだろう。 「ゆっ、おさ、ちょっとまってね、おちびちゃんがなかなかおきなくて」 「ふだんはとってもとかいはよ? でも、たまに いなかもの になっちゃっ 「いいからいくのぜ! もう そのおちびはしんでるのぜ!」 ゆぅ? なに、いってるの?」 長、群れがあった頃は長であったまりさの言葉を聞いても、れいむとありすは、訳が分からないといった表情を見せる。 「そのおちびはもう、しんでるのぜ!」 『ライト!』チェンハ ツイニ オソラモ ユビュっ! 「なにってるの? おちびちゃんはおねぼうなだけだよ?」 『せか、いや、レフト!』タシュケテェェエ!! ユボブ! 「ほら、おちびちゃん、おさもおこってるわよ? はやくおきなさい?」 『あー、セカンド!』ユフン! ジェンジェン コワクナ ブジュボ! 「いいから、いくのぜ! おかざりまでうしないたいのかぜ!?」 『ファースト!』レイム ノ ヒッサツ! ワサワサパーン ユゴキュ! 「う、うう、うううう、お、おさ、おさぁあ、おちびちゃんが、おちびちゃんがぁぁあ!!」 『もいっちょファースト!』レイミュ ニ ヒドイコト シュリュ ユボッ! 「わかってるのぜ……いつか、ここをでて、ゆっくりするのがいちばんの とむらいなのぜ」 「おさ、おさ、おさぁぁぁああ!!」「ゆわぁぁぁあああん!!」 三匹が三文芝居をしている直ぐそばでは、どんどん子ゆっくりが死んでいたが。 自分たちしか頭にない、ゆっくりは気付かなかった。 そうこうしている内に、練習は終了した。 部員たちは整備体操に入る。 『おら、ゆっくりどもゴミを早く拾ってこい!』 そして監督はゆっくりたちをどやす。 ここで言うゴミは、ラップに包まれた子ゆっくりたち。 ゆっくりたちは自分の子供の死に涙しながら、それを集めてくる。 疲れ悲しみながらの作業なので、実に緩慢としいている。 しかし、遅ければ部員たちの機嫌を損ねてしまい。 『おっせーんだよ! ゴミくらいさっさと集めろよ!』 と、怒鳴られるゆっくり。 『ほら、手伝ってやるよ! 口あけろ口!』 「やべべ!! ばいらない! ぞんなにばいらな、ゆご!」 『ほら、入るじゃん、よし、ごーっ!!』 「ゆびゅるべぇぇ!!!」 口に、ラップ子ゆっくりを詰め込み蹴り飛ばされるゆっくり。 「ていっせいしなさい! おちびちゃんはゴミなんかじゃないわ!」 『は? ゴミだろ、これ……』 「おちびちゃんは、おちびちゃんはありすのたいせつなっ、ゆびゅぅ!?」 『ゴミをありがたがんなよ、ゴミ』 食って掛かって適当に痛めつけられるゆっくり。 様々いる、勿論死ぬものもいる。 それでも、ボール代わりの子ゆっくりを量産する為に定期的に交尾を強制されて、大半がボールで死んで。 残りは労働と、ストレス解消のゆっくりとなり死ぬ。 『んじゃ、俺らはいくから放課後までに全部ボール集めておけよ』 『あと、ラップからゴミだしておけよ、そしたらそれ食って良いから』 『一人でも逃げ出したら全員飾り燃やして殺すからなー』 『いつも通りのこと全部やっとけよ』 「ゅ、ひぃ……」「やっど、おわっだぁ」 「おちびちゃん、ちぇんの、かわいい、おちびちゃん」 「いだぃい、どぼじで、れいむ、かわいいから?」「まりさの、まりさの、はがぁ……」 去って行く部員の後ろで、成体ゆっくりたちは息も絶え絶え、心も身体もボロボロで倒れていた。 しかし、倒れている時間はない、直ぐにでも動き始めないと数時間後に部員がやってきて酷い目に合わされるのも知っている。 その為にはまずは、子ゆっくりの死体を食べて栄養にしないといけない。 「なんで、なんで……」「でも、これしか、たべるものないし」 「おちびちゃんにも、ごはんさんあげないとだから」 元は虫や草を食べていたが、子ゆっくりの死体というある種の甘味を与えられ続けてここのゆっくりたちは、元の食生活に戻れなくなっていた。 その為、集められたラップから子ゆっくりを取り出し、死臭に気が遠くなりながら租借する。 皆が皆甘味を食べながら、死にそうな顔をする。 そして全員が祈る。 いつの日か、皆で再び幸せに暮らせる日が来ることを。 そして全員は知らない。 数週間後の大会で、ボロ負けした部員たちの八つ当たりで全員殺されることを。 知らないからこそ、今はただ祈る。
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『公園にて』 7KB 虐待 現代 失礼します。 anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1 anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2 anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3 anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4 anko3456 れいむのゆん生 anko3458 まけいぬとゆっくり anko3461 ゆっくりに生まれて anko3484 ゆっくりブリーダー anko3489 休日とゆっくり anko3652 ドスについて anko3715 ゆっくりに餌を anko3729 はじめてのぎゃくたい anko3730 はじめてのしいく anko3741 ゆっくりショップのバイト anko3794 まりさとの勝負 anko3843 野球部のゆっくり anko3855 ゆっくりと会話してみた anko3932 ゆっくり観察日記 anko3933 ゆっくりと子供 anko3953 しんぐるまざーの朝は早い anko4016 虐められるためのゆっくり anko4094 普通の人とゆっくり anko4153 愛された果てに anko4170 むっきゅーさん anko4290 肉体的暴力とゆっくり anko4291 教育番組とゆっくり anko4325 いちゆんまえのまりさ 「」ゆっくりの台詞 『』人間の台詞でお願いします 「ゆっぴぃゃぁぁっぁぁぁああああああ!! おちょーしゃ、たしゅけ、あっちゅいいいいいい!!」 「!?」 公園に住む生体サイズのまりさ、彼女は公園に響いた声にびくりと反応して一瞬天を仰ぎ見た。 声の位置が解らなくても、声を聞き間違えることはない、彼女の聞いた声は自分の愛する我が子の声、しかも叫び声、自分に助けを求める声。 まりさはゆっくりらしからぬ動きで周囲を見渡して、自分の近くに積んでおいた柔らかい草を急いで帽子に詰め込むと我が子がどこで助けを求めているかを探しだした。 「お、ちび、おちび! どこなのぜぇえ!!」 しかし、ゆっくりにとって公園は広い、闇雲に走り回っても目的は見つからないでいた。 それでもまりさは必死にあんよを跳ねさせて我が子を探す。 そして―――。 「お、おちびぃいいいいいいいいい!!?!?!?!?」 『ん?』 「ゅっ!? おちょーしゃあぁぁぁあああ!! たしゅけちぇえええ! れーみゅれーみゅあちゅいいちゃいじゃよぉおおお!!!」 駆け抜けて駆け抜けて数m。 まりさが狩りと称する草毟りをしていた場所から少し離れた場所にあるベンチには一人の青年と、その彼が片手にまだ赤ゆっくりサイズのれいむが握られている。 赤れいむは自分を助けに来てくれた英雄にして誰よりも頼りになる最高の父たるまりさに自分が如何に可哀想で、痛い思いをしたかをアピールして見せていた。 その赤れいむを握っている青年は、反対の手に持ったタバコを赤れいむの饅頭の肌に押し付けて遊んでいるようだった。 『…………』 まりさの出現に一瞬だけ動きを止めたけど、再び青年は明らかに熱い、火がついたタバコを押し付けた。 ”じゅぅうう!” 「ゅぁっちゅぃいいぃいいいいいぃいいい!??!?? おちょしゃ、たしゅけ ”じゅっ!” ゆっぴゃぁぁぁあああああ!!!!」 「おちびぃいいいぃいいいい!!!」 薄汚れてはいるけれど、まだ大事に育てられているのか野良にしては綺麗な赤れいむの肌に何度も何度もタバコが押し付けられていく。 饅頭の肌に黒い斑点がいくつも出来て、どこか模様のように、そしてカビのようにも見えてくる。 そして黒い斑点、焼け焦げた部分は冷えると硬くなり、ゆっくりの特性たる柔らかさ伸縮性を失っていく。 青年は赤れいむを回して、体の下のほう、あんよの周りにタバコを押し付けていった。 それを見ていたまりさは叫びはすれど行動は何も起こさず、起こせずにいる。 「おちょーしゃっぁぁあああん! れーみゅいちゃぃいいいぃいい!!! はやきゅったしゅけちぇえええぇええ!!」 「お、ちび、おちびぃいいい!!」 我が子の叫びに親たるまりさは震えて叫び返すしか出来ない。 それなりに長い間野良として生きてきた彼女は人間に対する恐怖が染み付いてしまっていた。 過去に危害を加えられたことは一度や二度じゃないし、目の前で友人が殺される姿も何度も見てきた。 其れにより餡子に恐怖を刻まれ、ある意味そのおかげで増長することなく生きてこれたのかも知れない。 つまりは、普通に人間が怖いのだ。愛する我が子がピンチであっても、人間に立ち向かうなんて考えも出来ない。 それでもそれなりに愛を持っている彼女は赤れいむを見捨てることは出来ずに、その場で砂糖水の涙、甘い汗を垂れ流して「ゆんゆん」唸っていた。 そんな彼女がとって行動は―――。 「にんげんさぁぁぁあああん!!! おちびがなにかしつれいなことしたならあやまりまずぅううう!! せいっさいならまりさがうけますからぁぁぁああ!!!! どうかどうかおちびをいじめないでくだざいいいいいいい!!!」 「お、おちょーしゃ ”じゅぅうう!!” あっちゅゆべぇぇええ!?!?!」 「やべでぐだざいぃいいいいいい!!!」 ―――全力で頭を下げることだけだった。 自分の帽子のツバが歪むくらい地面に押し付けて、どうにか子供を助けようとしたけれど、青年は特に反応も示さず、淡々と赤れいむにタバコを押し当てる。 まりさは自分の謝罪が足りないのかと思い、もっともっと柔らかい身体を折り曲げて地面にめり込もうとして行った、が―――。 ”じゅっじゅぅううう!!” 「ゆっぴゅぇぇっぇぇえええ!?!? にゃんでぇぇえええ!?! れーみゅにゃんにもしてにゃ ”じゅう!” ゆっぴょりゅぉおおおお!!!!」 「あ、ああ…………」 ―――青年は手を止めず、手の中でぐねぐね動く赤れいむに黒い斑を作っていく。 砂糖水の汗やらしーしー、涙で体中をヌルヌルにしていく赤れいむだけど、段々動きが鈍くなっていった。 それは何も死にそうになっているのではなくて、タバコの火で皮が焼かれて硬くなってしまい、少しでも動くと饅頭の皮が引きつる激痛に苛まれてしまうから。 だから、赤れいむは歯を食い縛り目をギョロギョロさせて痛みに耐えるしか出来ない。 「ゆっぐべ、ゆびゅううぅうう?!?」 口の周りにも火傷を作られた赤れいむは叫ぶのも痛みに成り代わってしまうようになり、もはや痙攣する饅頭になっていた。 「ゆああああああ!??!? にんげんさんおでばいでず! おちびがなにかしたならあやまりまずがらぁぁああああ!!!!」 我が子の悲惨は姿にまりさは何回も何回も額から餡子が滲むくらい頭を下げる。 本当に軽い頭でしかないのだけれど、まりさにとっては本気の本気だ。 赤ゆっくりは我慢弱い、人間の食べ物に釣られて酷いことを言ったのかも知れない、生意気な発言をしたのかも知れない。 そんなことをしたゆっくりは殆ど潰されていたのをまりさは知っている。 だけど、自分の子供は助けたいと、命をかける覚悟を見せていた。 しかし―――。 『何もしてないよ、こいつ、だから謝っても無駄』 「ゆ?」 初めてまりさの言葉に青年は言葉を返した。 しかし、やっと来た言葉にまりさはポカンとしてしまう。 「…………なにも、ゆ?」 『うん、何もしてないよ』 「ゆ?」 言葉を理解できないでまりさはヨレヨレの帽子を載せた頭を傾けた。 何もしてない。 それと、自分の子供が痛いことされていることが結びつかないのだ。 「(なにも、してないんだよね? だったら なんでにんげんさんは おちびにいたいいたいしてるの?)」 「ゆびゅっ!? げびゅっ!?」 『そこらの茂みでこいつが寝てて起こしたら「にんげんしゃん こんにちは」とか丁寧に挨拶してくれたからさ、何となく遊んであげてるだけ、こいつ良い子だよ?』 青年は手を休めずタバコを押し付けていき、そんなことをしながら赤れいむを誉めていた。 彼の言葉のように赤れいむは元からの気質か、それとも親の教育か赤ゆっくりの癖にまったく増長してない善良なゆっくりだった。 だけど、そんなことは関係ない成年にとっては何もしない理由にはならなかったのだ。 「いいこ、なの? だったら、なんで…………おちびをいじめてるの、ぜ?」 まりさは震える声で、何か知ってはいけないことを、開けちゃいけない部分に顔を突っ込もうとしているのを感じつつも疑問を言葉にした。 まりさの常識では「わるいゆっくりは にんげんさんに きらわれる」だった。 それ以外の場合も見たことはあった、でも「いいこ」人間、青年自身がそう認める自分の子供が何で虐められているのかがまったく理解出来ないのだ。 その質問に青年は―――。 『ん? 何となく』 ―――たった一言でぽいっと、捨てるように返した。 「…………」 『っと、そろそ時間だから行くわ、じゃな』 「ゅびゅ!!」 青年は公園に取り付けられた時計を見て、時間が迫っているのに気付いて最後にタバコを赤れいむの口に押し込むと、それをまりさの前に置いて歩き出した。 残されたのは呆然とするまりさと、その前で全身に黒い火傷をつくり、口からタバコをはみ出させて、黒い餡子の混じった泡を吐き出して震える赤れいむだけだった。
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『ゆっくり観察日記』 15KB 観察 小ネタ 現代 失礼します。 anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1 anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2 anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3 anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4 anko3456 れいむのゆん生 anko3458 まけいぬとゆっくり anko3461 ゆっくりに生まれて anko3484 ゆっくりブリーダー anko3489 休日とゆっくり anko3652 ドスについて anko3715 ゆっくりに餌を anko3729 はじめてのぎゃくたい anko3730 はじめてのしいく anko3794 まりさとの勝負 anko3843 野球部のゆっくり anko3855 ゆっくりと会話してみた 誤字脱字失礼します 観察開始 『初日』 今日からゆっくりの観察に日記をつけようと思う その記念すべき最初の日だ まずは観察の場の説明から入ろう 観察の場、などと言っても何てことはない 大安売りで売っていた発育停止を施されて、成体になっても赤ゆっくりの半分程度の大きさにしかならないゆっくりを大量に購入した このミニサイズのゆっくり、一時期流行ったのだけれど、卵ポーロ程度のゆっくりは躾けるにしても体罰は難しく直ぐにゲス化してしまうので、最近ではめっきり見なくなっていた まぁ、それは置いといて買ってきたミニサイズのゆっくりは全部で20 子が出来れば小さな群れに匹敵するサイズだろう そのゆっくりたちが住むのは、縦横1m、高さは50cmほどの大きな水槽 その水槽の底面のおよそ5分の4には、柔らかい土がしかれている、この土はゆっくりのうんうんやしーしーを分解してくれる優れものだ そして残りの一部分、水槽の隅にはザラザラした砂と硬い土が敷かれた区画がある これは後々役に立つだろうと睨んでいる 水槽の内部にはマジックミラーのように、外からは見えるが中からは外が見えなくなるシートを念入りに張っておく そして、水槽の真ん中より左よりを横断するように、幅5センチもない小さな擬似的な川を作る 半分に切った配管と、モーターを組み合わせて緩やかに水が流れ続ける ミニゆの子供だと危ないが、成体ならまずおぼれることなく水を手に入れられるレベルだ 念の為に、数箇所に橋のように板を渡しておく 川を挟んで右に木のオブジェ群、川向こうには水槽の隅に砂の地帯となっている それが完成したら、柔らかい土の方には根元が太く、下に穴があいた木のオブジェを植え込む これがミニゆっくりの巣だ、この木のオブジェを適当にとりあえず12個柔らかい土に設置 川を挟んだ地域の柔らかい土にも3つほど植え込む 砂と硬い土の区域にはガチャガチャのカプセルの片割れにカッターで入り口をつけたものを配置 そして次に、ミニゆ達の食事となる「理論理屈は解らないけど1日1回霧吹きで水をあげればグングン育ってゆっくりが食するに適した謎の苔」を随所に植え込む ゆっくり観察テラリウムに必須の謎アイテムだ、キノコタイプもあったけど売り切れだったので苔にしてみた それらを柔らかい土の、そこらに適当に植えてから着床させる薬品を霧吹きでかけて そしてビービー弾や、半分に折った綿棒、小さな螺子、おはじきなどゆっくりが興味を惹きそうなものを適当にバラまき 大き目の石や、川に使うので余った配管の半分をトンネルのようにおいたり、指人形を置いたりして、これで一通りは完成だ 最後に蓋をする、この蓋には6時間サイクルで1日が過ぎるように3時間ごとにライトが昼モード夜モード切り替わるようにしてある 夕暮れなどは再現出来ないが、ゆっくりにはこれで十分だろう 狭い世界だ、昼は短いほうがストレスの感じは少ないだろう この水槽ではこれより人間の1日で、ゆっくりは4日経過する仕組みになった もちろん防音の箱なので、蓋からは指向性スピーカーが伸びていて、内部の音を拾ってくれる 手動だけど、操作すれば聞きたいゆっくりの会話なども拾うことは可能だ 指向性と非指向性の切り替えも出来る これにて完全に完成した では、ゆっくりの日々を観察してみよう 夜モードからライトが切り替わった それに反応するようにゆっくりたちは「ゆぴゆぴ」鳴いて起きだした 水槽の隅に適当に放置して置いたゆっくりたちは、1匹の声に反応して連鎖式に起きていく 気付けば20匹全員が起きていた 店員さんに包んで貰ったので買ったのでれいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありすはそれぞれ5匹づつなっていた スピーカーからは混乱する赤ゆ言葉がひっきりなしに聞こえてくる 赤ゆだけではなく、各自買おうか迷ったけど余計なことになりそうでやめた そうこうしている内に、1匹のまりさが1歩前に出た そして近くにあったおはじきの上に飛び乗り、みんな落ち着けと叫んでいた やはり、この様な場合ではまりさ種のリーダーシップは強いのだろう 落ち着けと叫びながらも言葉の端々に「直ぐに親が来てくれる」と根拠のない不安の言葉が出ていた まぁ、まだ赤ゆ、その程度だろう しかし、他のゆっくりたちも顔も見たことないハズの親を信じて安心しだした 皆一様にゆっくりと、その場で親を待つ体勢になっていく だが、そんな平和も一時のもの 30分もしない内に、1匹のれいむがお腹が空いたと駄々をこねて、その場でゴロゴロしだした 周りのゆっくりはそれを止める術もないので、おろおろしながら見ていた すると、また1匹また1匹とゆっくりたちは転がりだす それを見ていた他のゆっくりは、転がらない代わりに声をあげて泣き出す 随分とカオスな状況になっていた 転がっていたゆっくりも疲れ泣き出し、全員が「ゆぐゆぐ」と声をあげることも出来ないくらい疲労した頃に、1匹のぱちゅりーが声をあげた 泣いていても仕方ない、と 自分たちもゆっくりプレイスを作ろう、と 少ない体力を振り絞って、大きな声で宣言した その言葉に他のゆっくりは1匹、また1匹と泣き止み、ぱちゅりーを見つめた 全員の視線が集まったのを感じてか、ぱちゅりーは大きな声で「ゆっくりプレイスを探しにいく」と叫んだ それに呼応するように、ゆっくりたちも声をあげた まぁ、探すと言っても、今いる場所から少し進めば木のオブジェタイプの巣がいくつもあるし 近くには苔も生えている、探すなどと大それたことでは間違ってもない それでも、ゆっくりたちは世紀の大仕事のように、一丸となって這っていく 進むこと10分ほど、赤ミニゆの集団は、1個目の木のオブジェにたどり着いた あまりの遅さに、ちょっとイライラしてしまった まぁ、卵ポーロサイズでは仕方ないだろう オブジェのサイズから、1個のオブジェに今のサイズなら5~6くらいは入るだろう 周りのもいくつもオブジェがあるのだがら、どうやら取り合いが始まったらしい 最初にオブジェに潜り込んだまりさ種、それに続くように数匹が入ればもう満杯だ 入れないゆっくりは涙を流しながら騒いで、既に入っているゆっくりの髪を引っ張ったりしている 身体の弱いぱちゅりー種はそれを遠巻きにみていたが、やがて1匹が近くに同じものがあることに気付いた そして、それを独占することなく、ぱちゅりーは皆に声をかけた いわく「お家は周りに沢山ある」と その言葉を聞いて、争っていたゆっくりたちは木のオブジェをそれぞれ見つけてやっと1息をついていた ゆっくりたちは1つのオブジェに限界まで入って身体を寄せ集めて、眠りだした ゆっくりの習性なのかも知れない 12個設置したオブジェは、半分以上が使用されなかった 空腹もあったのだろうけど、今は涙を流して眠りだした まだライトが夜に変わるには時間があったけれど、まぁ、良いのかも知れない 『5日目(水槽内での)』 時間が出来たので、水槽を覗き込んで見る 切り替えライトのカウンターを計算してみて、どうやら水槽内では5日が経っていたようだった 水槽内では、ゆっくりたちは木のオブジェの設置されている辺りで跳ね回ったり 集まって何やら話したりしていた 見たところゆっくりの食事用に植えた苔はしっかり食べているらしかった ちょっと大目の植えすぎたので、まだゆっくりたちが気付いていない部分では苔はかなりの成長しているようだった サイズはまだ1円玉程度の、どうやっても死んでしまいそうな大きさだった それでも、どうやらそれなりに生きているようだった まだ良いとこ子ゆっくり程度なのに、中には遊ぶだけじゃなく、離れた場所まで苔を取りにいって、口に含んでオブジェに何度も運び込んでいるゆっくりもいた まぁ、そのオブジェの直ぐ近くにも苔が生えているのに気付かないのはゆっくりならではだろう 少し目が疲れたが、数を数えたところ3匹減っているようだった カメラなどを仕掛けていないので、いつどうやって死んだかは分からなかったが、直ぐに原因は解った ゆっくりたちの会話に「川は怖い」という言葉が多く出ていたので、擬似の川を確認したところ、まりさ種の帽子が2つと、れいむ種のりぼんが延々と流れ続けていた どうやら、川に落ちてとけて死んだらしい 一旦モーターをとめて、お飾りを取り除き、水も交換しておく 水分を補給できずに全滅なんてことになっては困る 怖いというのは、ゆっくり特有の死臭もその1因だろうから、これで少しは改善されただろう 見ていれば、特に秩序もないのか、そこらで排泄をして、好き勝手苔を食べている 一部の苔は、ほとんど食い尽くされている そして、無くなった苔を見てゆっくりたちは騒いでいる 他にもいくつも苔の生えている場所はあるのに 何より、どうして無くなったかを、しっかり把握出来ていないのだろう ぱちゅりー種も何となく理解できているけれど、それを言葉の出来ないのか、れいむ種の「どうして苔がなくなったの?」と詰め寄られて唸っていた 若干先行きが不安になってところで、ライトが夜に切り替わった 切り替わると直ぐにゆっくりたちは、それぞれオブジェに入って眠りだした オブジェは8割ほど使われているようだった まだギュウギュウで寝ているものもいるが、中には既に2匹で暮らしだしているゆっくりもいた 『7日目(水槽内での)』 相変わらず、木のオブジェの地域を出るゆっくりはいない しかし、川に近寄って水を得ているのを見ると、川への恐怖心は薄れているみたいだ それでも、橋を渡る者はいまだ出ない 皆木のオブジェの周りで手に入るガラクタを集めるの必死らしい どうやら、ガラクタを持っているのステータスらしく、1匹のまりさ種はBB弾、折った爪楊枝、おはじき、小さなネジなどを持っているのを他のゆっくり自慢していた それに対してゆっくりたちは羨望の眼差しと、嫉妬の視線を向けていた 自慢げなまりさに1匹のれいむが「自分にも渡せ」と、交渉とも言えない交渉を始めた そこらにまだまだ落ちているものなのだけれど、探すのは困難なのかも知れない それはさておき、いきなり自分の物を渡せと入れたまりさは、それを突っぱねた しかし、それでもれいむはとまらず、大きな声で喚く 周りはオロオロとそれを見守るだけだった 拒否を続けるまりさに、れいむは体当たりを仕掛けた まりさはそれを偶然か実力か、綺麗に避けて直ぐに反撃に乗り出した こちらも体当たりでれいむを攻める 自分から攻撃を仕掛けたくせに、れいむは泣きながら「何故こんなことをするのか?」と問うていたが、まりさは「ゲスは制裁だ」といきり立ち、れいむが動かなくなるまで体当たりを続けた 死んだかのように見えたが、れいむは小刻みに身体を揺らしていた 痛みで身体を動かせないのだろう まりさは、自慢げに息を吐くと見ていたゆっくりたちに 「同じ目に合いたくなければ、自分の物に手を出すな」と告げて、ガラクタを回収して寝床にしているらしい気のオブジェに戻っていた まりさがいなくなりしばらくしてから、数匹のゆっくりが、ぼろぼろのれいむに近づいて声をかけ、身体を舐めだした それのおかげか、それとも時間の経過か、れいむは涙に顔をグチャグチャにしながらも立ち上がった そして、周りに「何故自分を助けなかった?」と、怒声を浴びせ駄々をこねだした 慰めていたゆっくりは、その態度に愛想をつかしたの、1匹また1匹と離れていった それにまたれいむは叫ぶが、慰めるものはいなかった 『12日目(水槽内での)』 水槽内で若干の変化が見られだした 今までは、どのゆっくりも分け隔てなく交流していたのに、どうにもグループが出来ているようだった 集まって遊んで、集まって苔を採集に行き、集まってゆっくりする 17匹のゆっくりが、4のグループに分かれているようだった 巣の近隣関係から、グループを掛け持ちしているものもいるようだったが、巣の距離が遠いグループでは交流自体がほとんどなくなっているようだった 巣については、空きは2つだけで残りは何らかの形でゆっくりが住んでいた 3匹のペアが1番多く、1匹で住むものもいた 少し前にまりさ種に突っかかってやられたれいむ種がそうだった それと、ぱちゅりー種が1匹で住んでいたが、良く他のゆっくりが訪ねてくるようだった 相談役の様な立ち位置になっているようだった そろそろ、ゆっくりの内情にも変化が大きくなっているようだった 二匹で暮らしているゆっくり数ペア、これはしばらくしたら何らかのアクションを起こすことになるだろう 『19日目(水槽内での)』 ちょっと目を離していたら、中は結構様変わりしていた 木のオブジェは全て埋まり、そこかしこに、最初にこの水槽に放り込んだ時のようなサイズのゆっくりが転がっていた どうやら、ライトの切り替えによる思い込みでか急成長したゆっくりたちは、自分の子供を生んだららしかった 数匹を除いて、残りは番になってそれぞれ2匹ほどの子供を成していた 種の問題で、2匹程度しか子供が出来ないらしい 成体になっても良いとこピンポン玉の半分程度、しかし子供の大きさは1円玉より少し小さいくらい 明らかにサイズが釣り合わないのだ、2匹で限界 それ以上はどうしても作れないらしい まぁ、それでも結構な量が増えていた 数えるのは疲れるので止めたけれど、水槽内のゆっくりの総数30は超えているだろう 木のオブジェは全部15、もう少ししたら問題になるのは目に見えていた 『22日目(水槽内での)』 子供は生まれたことで、苔の消費が多くなってきたので増量をしておく ついでに、川を流れるゆっくりの死骸を取り除く 赤ゆっくりが流されたみたいだ これだけ増えても、まだ川を越えることはしないらしい 確認したら、例のれいむを除いて全てのゆくりが番になっているようだった 16匹が番になり、それぞれ2匹で巣を使う そして、れいむが1つの巣を使う これにより12の巣の内、9が埋まることになった 適当に住んでいたころよりも、空きが出来ていたが、赤ゆっくりが大きくなる頃には巣の限界を超えるだろう 相談役のぱちゅりーは、ありすと番になり、子供の熱心に何かを教えていたが 内容は、実にどうでも良いことだった まぁ、危険も何もないこの世界〔水槽〕では教えることもないのだろう チラシの切れ端を「古文書」と呼び、出鱈目な内容を教え込んでいた まりさ種は総じて子供の「狩りの仕方」を教えていた 狩りといっても、苔を取ってくるだけの行為なのだが、それが如何にも危険であるように言いながらレクチャしていた まぁ、ぱちゅりーの古文書解読よりかは将来役に立つことだろう れいむ種は何故か、特技とは言えないけれど特性とも言える「おうた」を教えることはなかった これについては、後日調べてみたところ ミニサイズゆっくりは歌う機能を持っていないらしい やはり少量の餡子では機能は取捨選択しなければいけないのだろう まぁ、ミニサイズゆっくりの言語能力が通常のゆっくりと大差ないところを見ると、ゆっくりが如何に無駄かが解るというものだな 子育て風景を見ながら、そう感じた 『23日目(水槽内での)』 木のオブジェが設置されている、居住区で騒ぎが起きていた オブジェの感覚がやや広い、いつの間にか広場扱いされていて、子ゆっくりが遊ぶに適したそこで、例のれいむが怒りを露にしながら子ゆっくり数匹を怒鳴っていた 一回り程度大きな成体のれいむに怒鳴られるのは怖いのは、子ゆっくり数匹は震えて身体を寄せ合っていた 話を聞いていくと、苔を採取して帰るれいむにこの子ゆっくりたちは遊んでいてぶつかったらしい それがれいむの怒りを買ったらしく、叱責を受けることになった この子ゆっくりの親は近くにおらず、他の親ゆっくりも例のれいむを嫌煙してるらしく、近づこうとしない しかし、声に気付いたのか、誰かからか知らされたのか親であるゆっくりが駆けつけてきた 全部4匹、番2組だ 内の1匹は、れいむをボコボコにしたまりさだった 4匹はれいむを宥めたが、れいむは怒りを納めない まりさは忘れていたのだろうけど、れいむはボコボコにされたの覚えていたらしく 「子供もまともに育てられない」「親に似て子供もゲス」と散々に罵り出した 子供が迷惑をかけたを感じていた親ゆっくりが下手に出ていたので得意げに暴言を吐くが、流石に頭に来たのか親ゆっくりのれいむが口を開いた 「誰ともゆっくりしてもらえない奴が大きなことを言うな」と、例のれいむが気にしているところを深く抉った それに追従するように、番であるぱちゅりーも反論し まりさと、その番のありすも反論を開始する 主に「番がいない」「嫌われている」といった部分を狙っての反論に、れいむは歯を食いしばって唸る そして、子供の頃の焼き回しのように、飛び掛ったれいむは4匹に死なない程度のボコボコにされた その際に、リボンが少し千切れてしまい、このれいむは以降「ゆっくり出来ない」と言われ続けることになった 『38日目(水槽の中での)』 元からいたゆっくりから生まれた子ゆっくりが独り立ちする時期になった これによって、住居問題が浮上した 川のこちらにあるオブジェ12が全て埋まってしまい、それでもまだ巣を持てないゆっくりが数匹いた ならば親の元にでも居れば良いと思うが、周囲が独り立ちした中で親元にいるのは恥ずかしいことらしかった これにより、勇士により開拓隊が結成されることになった 目指すは川の向こう、まだ見ぬ世界、ということらしかった 出発した開拓隊は、1回の野宿の末に川の向こうの地域にたどり着き 新しい木のオブジェ、向こうには無かったガラクタ、そして砂の地域を発見にいたった 『40日目(水槽の中での)』 新しい巣の発見により、住居問題一挙挙に解決、とまではいかなかった 発見された巣は3つ、これでもまだ僅かにだけれど足りなかったの 一応、砂地の巣も発見されたけれど、そこに住みたがるゆっくりはいなかった そして、例のれいむに白羽の矢が立った そんな良い物でもなかったけれど、れいむは「ゆっくり出来ない」という理由で住んでいたオブジェを追い出されて砂地に追放された 抵抗するれいむだったが、ボコボコにされて砂地に放り込まれてしまった 砂地には近くに苔の生える場所もないので、とても生きるのに苦労する場所だった れいむは悔しさに涙を浮かべ、歯を食いしばりながらもそこで生きていくことになった 巣の問題がぎりぎり解決したことにより、ゆっくりとした空気が流れ出していた しかし、追放されたれいむの目にはしっかりとした復讐の炎が灯っていた それに気付くゆっくりはいなかった これからこの水槽内は最盛期を迎えるけれど、所詮は有限の世界、崩壊は近い こちらからの手を加えることはない、ただ見て、ただ繁栄させれば、いつの日か、ただ滅びていく それを見るのが今から楽しみでしょうがない
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『休日とゆっくり』 16KB いじめ 虐待 群れ 現代 独自設定 失礼します。 anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1 anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2 anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3 anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4 anko3456 れいむのゆん生 anko3458 まけいぬとゆっくり anko3461 ゆっくりに生まれて anko3484 ゆっくりブリーダー 「」ゆっくりの台詞 『』人間の台詞でお願いします 誤字脱字失礼します 秋の森の中、その中にゆっくりの群れがあった そう大きくはないけれど、皆実にゆっくりしていた その群れの近くを、一匹の成体まりさが走っていた 口に小さなビニール袋を加え、木の根元に落ちているドングリをどんどん拾い集めている 「ゆゆぅん♪ これだけあればありすもおちびちゃんもおなかいっぱいなのぜ!」 まりさは、ビニール袋に溜まったドングリを見てにやけていた 彼女には番のありすと二匹の子供がいた まりさは悲しそうな目つきで、とある方向 この群れでは【かみさまがつくったひろば】と呼ばれる場所がある方向を見つめた 「ゆぅぅ、きょうもおねーちゃんはかえってこなかったのぜ……」 このまりさには、姉であるゆっくりれいむがいた 現在の自分の番であるありすと婚約したばかりのれいむは、【かみさまがつくったひろば】で行方不明になっている 一緒にいたありすはそのときのことを覚えておらず 群れの皆は「れいむは、かみさまのおよめさんになったんだね」と言っていた あの広場ではゆっくりには作れない不思議な道具がたまに落ちていたりする まりさの使うビニール袋もその一つだ そして、広場に行ったゆっくりが行方不明になることも稀にある れいむもその一匹なんだろう、そう思っていた それで群れの皆は納得していた、ありすでさえも しかし、このまりさだけはいつかれいむが帰って来ると信じていた 記憶能力の乏しいゆっくりにしては実に驚異的なことだった それだけ姉を慕っていたのだろう しばらく動きを止めていたまりさは、名残惜しそうに巣に帰ることにした 「あしたにはかえってくるかな……ゆっくりかえ、ゆゆ?!」 『お、ゆっくりだ、いたいた』 帰ろうとしたまりさの前に、人間、まだ若い男性が現れた 初めて見た人間の姿にまりさは、動きを完全に止め 青年は笑顔で、まりさを見つめた 「に、にんげんさん?」 『あ、人間知ってる? ってか解るんだ、へぇ』 青年は面白そうに笑うと、まりさを抱えるように持ち上げた 「おそらをとんでるみたい! ゆゆ?」 『なぁ、お前の群れに案内してくれよ』 「なんで?」 『ん、ちょっと用があるのさ』 「そうなのかぜ、じゃああっちのぜ!」 このまりさ、というかこの群れは基本的に人間との交流がないので、まったく青年を恐れている風はない 青年に抱えられたまま、まりさは良い気分で群れに戻った 群れのゆっくりは今は狩も終えて、思い思いゆっくりしていたようだが まりさが見たこともない大きな生き物を連れて、正確にはまりさが連れられてやってきたの興味深そうに眺めている 「ゆゆ、すっごくおっきね!」「むきゅ、み、みたこともないいきものね」 「ぱちゅりーでもみたことないなんて、わからないよー!」「すごいわ! まりさがおそらをとんでるわ!」 皆それぞれの反応をしながら、誰一人恐れることなく青年を見ていた 「にんげんさん、ここがまりさのむれなのぜ! とってもゆっくりしてるのぜ!」 『へぇ、結構いるもんだな、あ、まりさ案内ありがとな』 「みんなゆっくりし、ゅじゅるべっ!!」 「「「「ゆ?」」」」 青年は抱きかかえていたまりさを、両手で掴み直すと雑巾を絞るようにその身体を引き裂いた 『うわ、結構中身あるんだなぁ、昔はもっと少なかった気がするんだけどな』 地面にぶちまけられた餡子の山に、青年は感心するように声をあげた 間近で引き裂かれるまりさを見た、群れのゆっくりは全員が全員、現状の把握が出来ずに固まっていた しかし、青年は一切気にすることなく、直ぐ近くにいたれいむを思い切り蹴り飛ばした 「ゆべっ!?」 『ずっしりしてる割には飛ぶなー』 青年は足に感じた重量感の割に、10メートル近くも吹き飛び木に当たり爆ぜたれいむを眺める 「「「「ゆ? ゆ?」」」」 またも理解不能状態に陥った彼女たちは、青年と、さっきまでれいむがいた場所をゆっくりと何度も見返していた あまりの速度にれいむが吹き飛んだのを理解出来ていないのだ 『にしても、子ゆっくり少ないのなこの群れ、あ、巣の中にいるの?』 青年は集まっているゆっくりの中に子ゆっくり赤ゆっくりがあまりいないのに気付き首を傾げた ゆっくりの成長サイクルの問題で、今がちょうど子ゆっくりたちが成体になり番になる時期であったというだけなのだが青年はそれを知らない 『子ゆっくりとか見たいなぁ、あれって沢山いるんだよな』 固まるゆっくりを適当に足でどかしながら、青年は木の下に作られた巣の一つの前にしゃがみこむ 『ん? くらいな……ライト、ライト、ケイタイでいっか』 ポケットに入れてあった携帯電話の撮影用ライトを点灯させ、くらい巣穴を照らす 『あれ~、いなくね? ……ん~、まぁいっかどうせあそこに水道あったし』 青年は一瞬考え込むと、右手を巣の奥に突っ込み中のものを掻きだす 出てくるのは、干草、干からびた木の実、綺麗な石、エノコログサなど 青年が求める子ゆっくり、もしくは赤ゆっくりはいなかった 『いないし……外れか』 青年は立ち上がり、出てきたものを踏みにじると 今度は穴の中に足を、そのつま先を差込上部を持ち上げるように足をひっかける 『よっと……よし、これで調べてないのと見分けがつくな』 穴の上部を引っ掛けるように力を入れると、所詮はゆっくりでも掘れる軟らかさの土、簡単に崩れて穴を塞いでしまった 青年はそこを踏み固めると、次の穴を目指す その辺りで、やっと、本当にやっとゆっくりは動き出した 最初に動いたのは、成体のちぇんだった 「にゃ、にゃ、にゃんでぇぇぇぇええ!! にゃんでちぇんのおうちをこわしちゃったのぉぉおお!! わがらにゃいよぉおおおお!!!」 どうやら巣の持ち主だったらしいちぇんは、ゆっくりにしては中々の速さで埋め立てられた巣に近づき、大声で泣き出した 『あ、そーだ、お前子ゆっくりいる巣知らない?』 「にゃんでぇぇぇえ!! ちぇんのおうちがぁぁあ!! こんどびゆっくりのらんしゃまみちけてすっきりー! するつもりだったのにぃぃいいい」 『おーい、聞いてる?』 「らんしゃまぁぁぁぁああ 『聞いてないのね』 ゆぎゅにゃっ!?」 青年の声を無視して、いつまでも泣き続けるちゃんを一瞬で踏み潰す 『さぁて、次の巣を探すか』 「「「「「ゆ、ゆっぐりできなぃぃぃいいぃいいいい!!!」」」」」 『ん?』 ここに来てやっと、ゆっくりたちは声を上げ、動き出した 「どぼじでこんなことするの!?」「ちぇんをどうじでころじだの!」 「もうゆるせないのぜえぇぇぇええ!!」「せいっさいするよ!!」 人間との力量の差など丸で解っていない というか、平和な森の中で育ったゆっくりたちは今の状況の対処法を理解していない 「「「「「ぷくぅぅぅぅううう!!!」」」」」 騒ぎ立てた饅頭たちは、一斉に空気を吸い込み身体全体を大きく膨らませた 『おー、すっげマジボールみたいだな』 「ゆびゅ!?」 『あ、でも軽いのね』 膨らんだ饅頭を面白そうに蹴り上げる 蹴られたぱちゅりーは、異様なほど吹き飛び木にぶつかり四散した 『成体は良いや、子ゆっくり子ゆっくりっと』 青年は膨らんでる饅頭に飽きたのか、近場にあった木の穴をみつける さっきと同じく中を覗き込み、ケイタイのライトで照らす 『ここも外れか 「ゆぅ? まぶちいよ?」 お、当たりだ!』 巣の奥、何やら少し掘られた窪みから声は聞こえてきた 青年はそこに手を入れ、中の物を掴み潰さないように外に出す 『おー、いたいた、子ゆっくり、いや赤ゆっくりか、くはー、ちっちぇー!』 「ゆゆ?」「にゃんにゃの?」「れいみゅ、まだしゅーやしゅーやだよ?」 青年の手には、窪みに敷き詰められていた枯れ草等と一緒に3匹の赤れいむがいた 『全部れい 「お、おちびちゃあっぁぁあああああん!!!」 ん?』 手の中の赤れいむは観察していた青年の下に成体のれいむが跳ねてきた おそらくこいつらの親なのだろう 青年はそれを見ながら、さっきと同じように巣の中につま先をいれ、穴の上部を崩し塞ぐ しかし、れいむはそれどころではないらしく、大きく口を開けて青年に食ってかかる 「にんげんさん! おちびちゃんをはなしてね! にんげんさんはゆっくりできてないよ!」 『これ、お前の?』 青年は少ししゃがみ、れいむに手のひらを見せる 「そうだよ! れいむにのかわいいおちびちゃんと、まりさにのかっこい……ゆゆ? まりさにのおちびちゃんは?」 『あれ? もしかしてまだ巣の中にいた?』 あちゃー、とでも言いたげに、空いている手で額を叩く 「おちびちゃ、どぼじでおうちがないのぉぉおおおお!!!」 振り返り、巣に飛び込もうとしてれいむはやっと自分の巣が破壊されたのに気付いた さっきと同じく叫び、巣を埋もれさせる土に舌を伸ばす 青年は土を退かすのかと思い興味深そうに眺めていたが 「おうちさん! ゆっくりななおってね! ぺーろぺーろ! ゆげぇ、まじゅい!」 れいむは、土を舐めながら家に直れと言うだけだった 「ぺーろぺーろ! ゆゆ!? なかからおちびちゃんのこえがするよ! ゆっくりなおって 『はい、ボッシュート!』 ゆべげっ!?」 『期待に応えてくれなかったれいむさんにはボッシュートでーす』 青年はれいむを踏み潰した、巣の中にいる赤まりさには興味がないのか、単純に掘り起こすのが面倒なのか 『久々にやってみるかー!』 「にゃにしゅるの?」「たのちぃ?」「すーやすーや」 親れいむが死んだのを理解してないのか、相変わらずのんきな赤れいむ三匹 周りのゆっくりの嘆きの声が聞こえないのだろうか 青年も特に気にした様子もなく、三匹から適当に一匹摘み上げる 「れいみゅはおおぞらにくんりんしゅるよ!」 『この辺で良いだろな』 れいむは摘んだまま、青年は少し歩き平らな地面を見つける そこを靴で慣らす様に何度か擦り 片手に持った赤れいむを振りかぶる 『いっくぜぇ! せーの、 「なにやってるのぉぉおおおお!!!?」 え? あ……』 「ゆび、ちゅ……」 投げる瞬間に大声を出され、青年は赤れいむを予定の場所ではない場所に叩きつけてしまった 「お、おちびぃぃぃいいぃいいいいい!?!!?」 「お、ちょ、しゃ、い、いちゃ……」 どうやらこの赤れいむの親らしいまりさが飛んできた、帽子からは草などが見えているから狩の帰りなのだろう 地面に微妙な力で落とされたれいむは、完全瀕死でありながらまだ苦しんでいた 落ちたのが、少し草のある場所だったのと、まりさが投げる瞬間に声を出した結果である 『次どっちでいくかなぁ』 「ゆ! おちょーしゃんのこえだよ!」「すーやすーや」 「れい、みゅ、しにちゃく、にゃ……」 「だいじょうぶだよ! ぜったい、ぜったいおとうさんがたすけるからね!」 『大きさに差は無いしなぁ、にしても上手くいかないもんだな、昔はもっと綺麗に』 「おちょーしゃん、れいみゅおにゃかすいちゃよ!」「すーやすーや」 「ゅ、ゅ、ゅ、ゅ」 「おちび? おちび? おち 『うっさいなぁ!』 ゆぐべっぇ!?」 青年は、さっきから騒ぐまりさが勘に触ったのか、軽く蹴り飛ばす 『どうせ死ぬんだから、騒ぐなって』 「お、おち、び?」 さっきまでギリギリ生きていた赤れいむを足で踏み、タバコを消すように踏みにじる 足が退かされた跡には、土と混ざった何かがそこにあった 親まりさは呆然とそれを見ていた 静かになったまりさに満足したのか、青年は赤れいむを摘み上げる 『今度は失敗しないぜぇ! よっせーの、せっ!!』「ゆぴゅん!!」 青年の手により、高速で地面に叩きつけられた赤れいむは妙な泣き声と共に餡子の染みになった 『よっしゃ! うぅまくいったー! おー、綺麗に爆発してるなぁ、すっげー』 青年は子供の頃にした遊びが成功したのを無邪気に喜ぶ 『昔これの円の大きさで競ったなぁ、どうしても勝ちたくて赤ゆっくりに注射器で水混ぜたりして投げたら、皆に餡子飛び散って怒られたなぁ』 懐かしそうに青年は昔を振り返る 「おち、び、おちび……」 『ん? あぁ、忘れてた』 少し離れた場所で、未だに餡子の染みに何やらブツブツ呟く親まりさ 青年は一匹残ったれいむを見る 「すーやすーや」 『んー、もうあれは成功しちゃったしなぁ、いいや、お前いらない』 青年は、軽い気持ちで下手投げでまりさの方に赤れいむを放る 『まりさー、それ返すー』 「おちび、おちび、ゆ? な 「ゆぴぇっ!」 おち、び?」 『あ、ミスった』 青年は軽く投げたつもりだったが、下手投げで少し高度があがってしまい、地面に落ちた赤れいむは下半身が吹き飛んでしまっていた 『あー、ごめん、普通に渡せば良かったな』 「おちび? おちび? どうしておちびのあんよが、ないの? ゆ?」 まりさはもう廃ゆ寸前であったが、青年は特に興味を持たずまた何かを探し出した 『あと何やったかなー、あー、そう言えばありすって中身カスタードクリームだっけ? 俺あれ好きだったんだよなぁ』 呟きと、共に青年は周囲を見回す 未だに膨れ騒ぐゆっくりたち、その中に何匹かゆっくりありすは見受けられる 『子供のうちが美味しいんだよなぁ、いないかな子持 「ま、まりさぁぁぁあ!!?」「おちょーしゃん!? ちょかいはぁぁあ!」 おーう、ナイスタイミング、はいどいてどいてー』 ゆっくりあいす、その子供の鳴き声を聞き、青年はそっちへ向かう 途中膨れた饅頭を潰し、蹴りながら向かう先には 最初に捻って殺したまりさの亡骸の前で、成体のありすと子ゆっくりサイズのありすがいた このまりさの家族なのだろう 『まりさありがてー、案内だけで終わらないとかかっこいー』 「ありしゅはてんくうのはなよめしゃん!」 青年は子ありすを掴みあげる その様子に親ありすは、なにやら目を見開き震え出した 「あ、あ、あ、あ、ゆ、あ、ゆぁぁぁぁぁぁぁあぁああぁああああああ!!! れいぶをがえぜえぇぇぇえええええ!!!」 『は、はぁ? れいむ? これありすだろ? ってか最低限まりさだろーが』 いきなり訳の解らないことを叫ばれ、青年は困惑する 手の中では子ありすがぐねぐねと動いていたが、青年はまったく気にならないらしい 「おぼいだじだのよぉおおおお!! くそにんげんが、ありすのれいむをつれていったって、おちびちゃんまでぇぇぇえぇええええ!!!」 『わっけわかんね』 青年にとって理解不能でも、ありすにとって引いては群れにとっては一大事らしく、ざわめき出した 「ありすのれいむって!?」「あのかみさまにつれてかれちゃったれいむ?!」 「まりさのおねーちゃんの?」「あのやさしいれいむ?」 「そのおちびちゃんまで?」「かみさまにつれていかれたんじゃなかったの?」 『何これ?』 展開についていけてない青年は、子ありすをブラブラさせながら困ったように首を捻る この青年が知る由はないが、この成体ありすは以前婚約していたれいむを人間に連れ去られたらしい そのときの記憶は、ショックで忘れてしまい、れいむの妹だったまりさと結婚し直した過去があるらしい 「れいぶだけじゃなくて、まりさまで、そしておちびちゃんまでつれてはいかせないわぁぁああああ!!!」 『あー、さいですか』 必死の形相で何やら叫ぶありすに青年は辟易する 別の子ありす探そうか考えていると、一匹のぱちゅりーがこっちに向かってくるのを見た 『あー、ぱちゅりーって生クリームだっけ……』 あのぱちゅりーに子供がいれば、このありすは捨てようとか考えていると、ぱちゅりーは群れのゆっくりを掻き分け青年の前に出る どうやらこのぱちゅりーはこの群れの長らしく、周りからは何やら期待の篭った目つきで見られていた この青年を長がせいっさいしてくれる、追い出してくれる等と思っているらしい 「にんげんさん、ゆ、ゆっくりしていってね……」 「「「「ゆ?」」」」 その為、いきなりの友好的な挨拶をした長に群れのゆっくりは驚き固まる そして爆発する 「なにいっでるぉぉおおお!!」「こんなくぞにんげんとゆっくりできるわけないでしょぉおおお!!」 「はやくせいっさいするのぜぇぇええ!!」「さっさとみんなでころそうよ!!」 長ぱちゅりーは周りの声を無視して、顔中に汗を浮かべ、身体を震わせながら青年を見つめる そして、震える声で告げる 「に、にんげんさん、もしぱちぇたちが、なにかわるいことしたなら、あ、あやまります、だ、だから、だからもうかえって、ほしいの……」 「「「「どぼじでそんなこどいうのぉぉおぉおおお!!!?」」」」 いきなりやってきて憎き人間に対する敗北宣言に、群れは声をあげる しかし、そこは長、騒ぐ群れを一括する 「だまりなさい! まりさを、ちぇんを、れいむを、あんなに かんたんに ころしちゃう にんげんさんにどうやってたたかうの!!?」 「ゆ、ゆぅ」「み、みんなで、そのいっしょに」 「そ、そうよ、ちからを、あわせて」「そ、そうだよ!」 長の言葉に、群れのゆっくりたちも殺されていった仲間を思い出す 段々と意気消沈していき、いつしか無音なる 「そ、そういうわけよ、これはむれのそういなの、だからおねがい、かえってください、あやまります、から」 長は屈辱にか、恐怖にか震えながら頭を下げる それに、子ありす片手の青年は困ったように頬をかく 『謝られてもなぁ……』 「そ、そんな、じゃあ、どうしたらゆるしてくれるの?」 青年の言葉に、長ぱちゅりーは絶望の表情を浮かべる 一体自分たちはどんなことをしてしまったのかと、深い後悔を刻む そんな考えも知らない青年は事も無げに告げる 『いや、だって別にお前ら悪いことしてなくない?』 「ゆ?」 『いや、ゆ、じゃなくてさ、何か悪いことしてたの? お前ら』 「え、で、でも、にんげんさんは、むれのだれかがわることしにきたから せいっさいしてたんじゃ……」 『あー、そーゆー考えね』 青年は得心いったいうように頷くと、少し恥ずかしそうに口を開いた 『違う違う、今日友達と遊ぶ約束してたけどドタキャンされてさ、何となく暇でゆっくりで遊ぼうと思ってきただけなんだ』 「「「「ゆ?」」」」 流石に、青年の言葉にゆっくりたちは完全にフリーズした 言ってる言葉、理解で出来ない言葉もあったが、大よそは理解できた 【なんとなく】【ひまだったから】 誰が何した訳でも、なくただそれだけの理由で群れの仲間が殺された 「ぞんなりゆうでありずのれいぶをぉぉお! ばりざをぉおおおお!!」 『いやいや、れいむは知らないから』 いち早く現状復帰したありすは天に向かって方向した それに伴い周りのゆっくりたちも何やらまた騒ぎ出した 『なんだかなぁ……子供の頃はもっとゆっくり遊びって楽しかった気がするんだけどなぁ』 感情むき出しで騒ぐゆっくりたちを見ながら、青年はため息をつく 飛び掛ってきたゆっくりたちを適当に足で潰し、蹴りながら青年はどうしたもんかと首を傾げる その場に餡子やクリームが海のように流れ、成体のゆっくりがほぼ絶滅した頃に青年は森の外に向かって歩き出した 『今度は誰か一緒に着てみるかなぁ、ん?』 「お、おきゃーしゃん、みんにゃ、どぼじで、どぼじでぇ」 そこで青年は握りっぱなしだった子ありすを思い出した 『ん~、こいつ飼ってみるかなぁ』 子供の頃ゆっくりを飼いたかったが親に反対されたのを思い出し、何となく青年はそう決めた 『ゆっくりって何食うんだろ、ペットショップ寄って帰るかぁ』 生き残った森の群れ 以前は【かみさまがつくったひろば】と呼ばれていた場所は いつしか【あくまのあそびば】と名前を変えた その群れがその後どうなったかは知られていない
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『肉体的暴力とゆっくり』 15KB 虐待 現代 失礼します。 anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1 anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2 anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3 anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4 anko3456 れいむのゆん生 anko3458 まけいぬとゆっくり anko3461 ゆっくりに生まれて anko3484 ゆっくりブリーダー anko3489 休日とゆっくり anko3652 ドスについて anko3715 ゆっくりに餌を anko3729 はじめてのぎゃくたい anko3730 はじめてのしいく anko3741 ゆっくりショップのバイト anko3794 まりさとの勝負 anko3843 野球部のゆっくり anko3855 ゆっくりと会話してみた anko3932 ゆっくり観察日記 anko3933 ゆっくりと子供 anko3953 しんぐるまざーの朝は早い anko4016 虐められるためのゆっくり anko4094 普通の人とゆっくり anko4153 愛された果てに anko4170 むっきゅーさん 「」ゆっくりの台詞 『』人間の台詞でお願いします 「ゅ、ゆぅ…………」 窓の無い、家具のない、何もない部屋の隅で数十匹のゆっくりたちが身を寄せ合いながら震えていた。 赤ゆっくりから成体まで、れいむ、まりさ等の通常種に希少種に当たるさなえ、らん、捕食種のれみりゃまでが皆一様に暗い表情で、互いを慰めるように身を寄せ合う。 部屋の中には甘い匂いが常に漂い、それはゆっくりたちが傷を負っていることの証であり、また死臭である。 現在、室内は照明がついていないので真っ暗で、前述の通り窓がなく、朝も夜もないので時間の感覚もないようだ。 誰かが起きたらそれに合わせて起きて、暗い部屋でゆっくりらしからぬ小さな声で話すだけ。 誰かが起きれば起き出して、消え入りそうな声で挨拶をして、傷ついた身体を文字通り舐めあって励ましあう。 そこに通常種も希少種も捕食種もなく、皆涙を流して「ぺーろぺーろ」と傷を癒しあっていた。 ……。 …………。 「みんな ゆっくりしていって、ね」 「ゆ、ゆっくりしていってね……」「えぇ、ゆっくりするわ」「むきゅ、げほっ、ゆっくり、するわ」 「ゆっくり、するんだねー、わかる、わかるよー」「うー」「みんなでゆっくりしましょう」 暗闇の中で目を覚ました成体のまりさは、小さな声で声をあげた。 その声に反応して、周囲のゆっくりたちは次々に起きて返事をして、そして世界が真っ暗なことにため息をついていく。 「ゆぅ、まだ、ここにいるんだね……」 一匹のれいむの呟き、空虚とも言える様な目で、真っ暗な世界を見つめて、今にも死にそうな気配を漂わせていた。 それはこの部屋では珍しいことでもなく、いつも自分は絶対幸福になると信じきっているゆっくりにはあり得ない、希望の持てない表情を浮かべる個体はいくつもいた。 流石に赤ゆっくりにはそんなのはいないが、子ゆっくりに中にもそれに近い絶望を顔に刻み込んだものは見受けられる。 「うー……うー…………」 「れみりゃ、だいじょうぶ? まだいたいの?」 片羽を失ったれみりゃが、痛みに涙を流し、自分の一部を失った失望感にも泣きながら、もぞもぞ床を這い回っていると、その捕食種たるれみりゃの身体を通常種のまりさが労わる様に舐めていた。 その逆もあった、れみりゃが捕食することなくちぇんの身体を舐めてあげたり。 赤れいむを頭に乗せてあげたりと、ここに種の壁はなく、ある意味ゆっくりの求める境地であるかも知れない。 部屋のゆっくりにはお飾りがないものや、髪が抜けてるものも多くいる。 通常ならば迫害の対象になるけれど、ここではそれもない。 皆仲間であり、大切な家族なのだ。 「ぱちゅりー、らんは いつかここをでて むれをつくりたい」 「そう、すてきね……ぱちぇもおてつだいしたいわ」 「もちろんてつだってくれ ここにいる みんなでしあわせにくらせる むれがつくりたいんだ」 夢を語り合い。 「もう、もういやなのぜぇぇえぇえええ!! ばりざは、まりざはじにたいのぜ!!」 「うー、うーーー!!」 「れ、れみりゃ? なんでおこってるのぜ?」 「わかるよー。ちぇんにはわかるよー、れみりゃはまりさにしんでほしくないんだねー……それくらい、わがれよぉおおお!!」 「れみりゃ、ちぇん…………ぁ、ありがどう、なのぜぇぇえ!!」 慰め、分かり合い、助け合い。 「さなえ……」 「なんでしょう、ありす?」 「ここからでたら……いえ、なんでもないわ」 「……………………えぇ、ここからでたら わたしからも、はなしがあります」 愛を確かめ合い。 暗い世界にも確かに光があった、心地よい暖かな光がそこにはあった。 『ふぅぅ、今日もつかれたなぁ、おい』 「「「「「「「ゆ?」」」」」」 カチリと小さな音が響いて、室内が明るく照らされた。 心地よい暖かな、絶望の光が灯された。 ゆっくりたちをこの部屋に連れてきた張本人である、まだ年若い男性の手によって。 『あー、ほんっとつかれたなぁ、いや、まじで、なぁ?』 誰に話すでもなく、ゆっくりに言ってる訳でもなく癖なのか疑問文の独り言を呟く青年は、手足をグネグネと準備体操の様に解しながら、入り口から最も遠い部屋の隅で固まるゆっくりたちに近づいていく。 青年の目的であろうゆっくりたちは、光にまだ慣れていないのと、何度か経験して来た絶望に身体を震わせながら動けずにいるようだった。 『あーあ、だっっっっっっりぃ!!!』 「ゆびゅるぼべっ!?!?」 気合一閃。 〔だるい〕の意の言葉と共に、青年は一番近くにいた成体サイズのまりさを思い切り蹴り飛ばした。 蹴られたまりさは、帽子をその場に置き去りにしながら、くぐもった叫びを残し、ゆっくりたちが集まっている方の壁に叩き付けられた。 ばちんっ! っと饅頭皮が壁に当たるこ気味良い音が部屋に響いて、まりさは一秒に満たない間壁に張り付いてから、他のゆっくりが見守る中ずるずると床に落ちた。 『ん~、ナイっシュー、悪くないな、おい』 足をプラプラ、蹴ったときインパクトの瞬間にかかる刺激に薄く笑顔を浮かべた青年は『やっぱり蹴るのが良いよなぁ』と、うんうん頷いていた。 「「「「「「…………」」」」」 ここに来てまだポカンとしていたゆっくりたちは、その名の通りゆっくりと自分たちの置かれている状況を思い出して、理解して、そして。 「ゆ………………」 『ん?』 「ゆっくりにげるよぉおおぉおおお!!!!! みんないそいでねぇぇぇぇえぇぇぇええええええ!!!!!」 「「「「「「「「ゅ、ゅわぁぁぁあぁあぁぁあぁぁぁあぁぁっぁぁぁぁぁああん!!!!!!」」」」」」」 一匹のどこぞのゆっくりの言葉に反応して、その場にいた数十のゆっくりたちは一気に逃げ出した。 と、言っても所詮ゆっくりだし、所詮は部屋の中。 押し合いながら、まともに逃げられてはいない。 前に進めないで、その場で跳ねているやつもいるし。 怪我をしていて、まともに動けないやつもいる。 無論その怪我は、この青年が前に行った暴行によるものである。 『ほーれ、さっさと逃げないと、痛い、ぞぉおっ!!』 「ゆべっ!? やべ、ぃじゃ!? れいぶの、かみさん、いじゃぃい!!?」 青年は適当にそこらで跳ねていたれいむを踏みつけてから、その髪を掴んで持ち上げた。 れいむの頭部で、何本もの砂糖細工の髪が抜けて彼女に嫌な痛みを与える。 それでも、このまま捕まっていたらもっと痛いことをされると学習しきっているれいむは、必死に底面をもるんもるんと揺らして、逃げ出そうとする。 ゆっくりにとって大事な、抜けたら二度と生えない髪を引きちぎってでも逃げようとするが。 『にーがすわけねーだろ? れーいむちゃーーーーーーんっっっっ!!!』 「れいむは じだいのりゅうのつばさをてにいぎゅるべっぽぉおおお!?!?!?」 彼は掴んだれいむを軽く放り投げると、若干不恰好な回し蹴りでその底面を綺麗に捉えた。 ぼびゅっ! っとうんうんをまるで飛行機雲みたいに残しながられいむは正に赤い彗星となり、ゆっくりたちが逃げようとする先の壁に叩きつけられ―――弾けた。 ぱぁぁんっ!! っと良い音がなり、投げつけられた泥団子みたいに綺麗な餡子の飛び散り円を描いたれいむ彗星。 まさに現代のアートの極地と言うか局地。 大勢のゆっくりたちもそのあまりの美しさに固まっているのか、逃げるのをやめて口を半開きにしていた。 「ゆ、ゆぁ……」 『綺麗に弾けたな、なぁ、おい?』 近くにいたちぇんの頭をグリグリと踏みながら、青年は自分とれいむ(故)の合作アートに何回も頷いていた。 ゆっくりたち、通常種も捕食種もさっきまで痛みを分かち合っていた仲間の死に愕然と声を失う。 どんなときでも騒がしいゆっくりたち、死に敬意も何も払わないことで有名だけれど、ここのゆっくりたちは違った。 集められ、痛めつけられ、時に仲間が死んでいく。 そんな生活の中で他のゆっくりとは画一した精神を有するようになっていた。 それはまったくの偶然でしかなかったけれど、青年にとってはこの妙な連帯感は楽しむ要素の一つであったりするらしい。 ニヤニヤ笑いながら、今日はどんな反応をしてくれるだろうかと待っていると。 「おきゃーしゃん!」「おきゃーしゃーん!!」 『お、プチ饅頭か、いつのまに作ったんだ』 二匹の赤れいむが、イライラするような遅さでれいむの、れいむだったモノの元に跳ねていった。 普通の赤ゆなら、親の死を受け入れられず、それ以前に死生をしっかり理解出来るものもいないのに、やはり良い影響を受けているようだった。 「おきゃーしゃぁぁぁん!」「おきゃー、しゃ、あぁぁああん!!」 「ゆ、くうう、れいむ……」「おちびをのこして しぬなんて……!」「れいむ、おそらでゆっくりしてね……」 『…………』 泣きながらびっくりするくらいの遅さで、れいむの爆散地に向かっていく赤れいむ二匹と、それを見守るゆっくりたち。 狭い部屋でも、赤ゆっくりの進む速度では壁へ到達するのも一苦労どころの話ではなくて、さっきから1mも進めずにプチ饅頭は疲れだしているようだった。 「おきゃ、しゃん」「ゆへぇー、ゆふぅー、おきゃーしゃ、ん」 『なんだこのコント……?』 死んだ親れいむの駆け寄ろうとするも、疲れて辿り着けなくなってへたっている姿を見ながら青年は呆れた表情で首をふる。 青年は痛めつけがいのない赤ゆっくり子ゆっくりはなるべく狙わないようにしているようだった。 『ま、次行くか、つーぎっ!!』 「ぎゅぶべっ!?」 「ちぇ、ちぇーーーーーーーーんん!?!?」 青年はさっきまで踏んでいたちぇんを、そのままに踏み潰した。 そして、彼は悪役のように手を広げて。 『ほれほれ逃げろ逃げろ! じゃないと痛いぞー!!』 「「「「「ゅ、ゅわああぁああああああ!!?!」」」」」 れいむのアートですっかり逃走を止めてしまっていたゆっくりたちが、大声をあげて再びの逃走。 子供を持つゆっくりは少ないが、それらは周りに急かされ守られ優先的に逃げていく。 口に入れたり、頭に乗せたり、自分の髪に掴まさせたりして、どうにか子供だけは守ろうと、そして他のゆっくりたちもその子供を守っていた。 自分たちが殺されても子供が残ればきっといつかは、という強い意志を目に宿しているけれど。 青年の趣味で用意されているこの部屋のゆっくりに〔いつか〕とは一生訪れないだろう。 『これかられいっむを、なぁぐりに行こうかぁぁぁぁぁああああ!!! YUー! YUー! YUー! YU-YU-YU-YU-!』 「こないで! こないでね! ごないでっていっでるでじょぉおおおおおぉお!?? なんでぐるのぉおおおぉお!?」 逃げるれいむに追う――正確には遊ぶ――青年。 のたのたと逃げることしか出来ないれいむを、わざと捕まえないで足音を大きく立てながら遊び追い立てて行る。 追われる側であるれいむは真剣な逃亡で、しーしー漏らして醜い顔面を涙と涎と汗でグチャグチャにしながら。 追いかける青年は、遅いれいむを爆笑しながら、彼女のわずか後ろで足音を立てまくる。 「でいぶはぁぁあ!! でいぶはぜっだいぃい! いぎで、いぎでみんなど、ゆっぐりずるんだぁぁあああぁあああ!!!」 どこかの怨霊生首みたいに、鬼気迫る表情で跳ね逃げる姿は実に気持ち悪くあり、それでいて笑いを誘うらしく、青年は実に楽しそうに追いかけていた。 『しかし、飽きたな……』 「ぼびゅっべ!!」 追いかけるのに飽きたらしい青年は、殴りにと言ってはいたけれど普通にれいみを蹴り飛ばした。 あにゃるからぶりゅんっとうんうんを漏らしながら吹き飛んだれいむは、ドアの周りでどうにか開けられないか無駄な奮闘をしている集団の中心に落ちて、ぴくぴく痙攣をした。 どうやら蹴られただけのため、大したダメージもないらしく落ち方が悪くて歯が折れているだけみたいだ。 しかし、痛いものは痛いらしくその場で動くこともしない痙攣饅頭となった。 「れ、れいむぅううぅうう!?!」「だいじょうぶ!? ぺーろぺーろ! れいむ! ありすがぺーろぺーろしてあげるからあんしんしてね!」 「ひどいみょぉおおぉおん!!」「わがらない! にんげんさんがなんでこんなことするか わがらないよぉおおぉおおおお!!」 『おー、うるせーうるせー』 痙攣饅頭ことれいむに気づいたらしいゆっくり達は、その痛ましい姿に涙して、同胞の傷を癒そうと躍起になり、またこの悲劇に声をあげて泣いたけれど。 青年がそれに心打たれるようなこはある訳なく、彼は指で耳の穴をほじほじしながら、ゆっくり近づいていく。 「っ!」 ゆっくりした、本当に散歩するようなその歩みにゆっくりたちは身体を硬直させた。 既に二匹散ってしまった仲間、今怪我をして動けないれいむ、最初に蹴られて数匹のゆっくりに支えられて何とか移動しているまりさ。 彼女らはこれ以上犠牲者は出せないとその目に決意の火を灯して行く。 「ありす……れいむを、おねがいするのぜ……」 「ま、まりさ? なにを……」 一匹のまりさがゆっくりにじる様に全身しながら、小さな声でれいむを看病するありすに声をかけた。 そして、まりさ以外にもちぇん、らん、れみりゃ、みょん、れいむ等がゆっくり、ゆっくりと前に出て行く。 比較的怪我や疲労がなく、逃走するときに主格を担っていたものたちだ。 今回怪我をしてれいむとまりさ以外にも、前回、前々回と青年から受けた暴行で片目を失ったり跳ねることが出来ないゆっくりたちは多い。 そこに更に赤ゆっくり子ゆっくりを抱える親ゆっくりを守らなければならないこともあり、戦えるゆっくりは非常に少ない状況だった。 それでも―――。 「みょんたちがじかんをかせぐみょん」「そのあいだに れいむとまりさをたのむ」 「うー! うぅー!!」「ドアさんがあいたら まよわずにげてね!」 「「「「「…………っ!!」」」」」 下等生物でありながら気高い志を見せる10にみたないゆっくりたち。 自分たちの背後に控える怪我をした仲間、守らなくてはいけない未来のために、ゆっくりたちは立ち上がる。 勝ち目がないことは全員がしっかり理解させられている、だからこそ、勝てなくても守ろうと。 その決意は彼女らを戦士に変えていた。 『ふーん…………』 青年も彼女らの決意を察したのか、相対するように足を止めて、一匹一匹の顔を見回した。 「ゆっ…………」 その挙動だけで、ゆっくりたちは生きた心地がしなかった。 弾けたれいむ、踏み潰されたちぇんの姿が戦士達の餡子を駆け巡る。 死に様を思い出して恐怖するが、それよりも理不尽にたいする怒りや、守るべき仲間への愛が上回っていった。 「ちぇんが すきをつくるんだねー……」 「ちぇん!?」 仲間にそっと囁いたちぇんは、自分の自慢のあんよに力を込めて行く。 一世一代の勝負の場と心に決めて、砕けるほど歯を強くかみ締め―――。 「いちばんあしがはやい ちぇんがすきをつくるよ、そのすきを おねがいするんだよ…………ぁゎ。わかれよぉおおおぉおおおおおおおおおお!!!!」 「ちぇん!」「うー!!」「むだに、けしてむだにしないみょん!!」 ちぇんの決死の覚悟を受け取って、戦士達は動き出す。 真っ直ぐ青年の足元を抜けようとするちぇんの動きを利用するように左右から挟み―――「ゆびゅじゅぼ!?!?」―――込む暇もなくちぇんは一発で潰された。 「ちぇ、ちぇえええ、ゆべぇええ!?」 『ぼっとしてなんよー、ぼーっとしてると死んじゃうぞー』 チョコを撒き散らしたちぇんに嘆きの叫びをあげたまりさは、青年の足で歯を砕かれどこぞに吹き飛び。 「ゆ、ゆるさないみょぉおおぉおおおおぉおんぐるべっぇ!?!」 『はい次ー』 仇に我を忘れて正面から突っ込んだみょんは、軽く足で受けとめてワントラップの後に蹴り飛ばされて部屋の隅の痙攣饅頭に。 「よぐも、よぐもぉおぉおお!! よぐもちぇんを!! ゆるざなぃぶっ!!?」 『またのお越しを』 これまた怒りを露に特攻して来たらんはトゥーキックで片目を潰されてそこらに転がった。 「まだ! まだだよぉおおおお!! まだおわりゅんべっ!?!」 『れいむは多いからなぁ、ちっと間引かないと』 考える餡子が少ないらしく、真正面から来たれいむは青年の気まぐれで潰された。 『っし、こんなもんかね』 「こ、こないでね! こないでね!」「れいむ、ぺーろぺーろ! だいじょぶ? れいむ?」 「おねがいしますドアさん! あいてください! あいてください!」「みんなのためにぃいい!! れいむ、がんばるよぉおおお!!」 「まりさ、だいじょうぶ? あるける?」「だ、だいじょうぶ、なのぜ、まりさも、ドアさんをあける、てつだいをするのぜ……」 青年を目の前に怯えるゆっくり、そしてドアを開けようと必死になるゆっくり、傷を押しても仲間の助けになろうとするゆっくり。 『…………今日はこんくらいにしとくか』 「ゆべ!?」「いちゃい!」「やべでね!」「ぐぇえ!!」 軽く見回して頭をポリポリかいた青年は、ドアの前に群がるゆっくりたちを足で退かしていく。 『ふー、良いかいたわ』 適当に蹴ってどかしたらドアを開けようとノブに手をかけたとき―――。 「うぅううぅうううううう!!!!」 『ん?』 「れ、れみりゃ!?」「や、やっちゃえ!!」「れみりゃ、おねがいだ、ちぇんのかたきを!!」 仲間が殺され痛めつけられても我慢して、我慢して青年の隙を狙っていた孤高の捕食種。 人間の頭上より首元を狙うように急下降していく。 溜め込んだ怒りを原動力にするように早く速く疾く。 涙を流しながらの決死の一撃にゆっくりたちは希望を見て。 『ほいさ』 「うぎゃっぁぉおおおお!?!?!」 「「「「「れ、れみりゃぁぁあああああ!?!?!」」」」」 当然のように青年の裏拳で撃墜された。 ぼてんっと重い音を立て、床に叩きつけられたれみりゃは生きてはいるようでびくびく痙攣していた。 捕食種と言っても所詮はゆっくり、人間に勝てる道理もなくただ無様な饅頭に変わりはない。 『もちっと工夫しろよなぁ、おい』 青年はつまらなそうに声をかけて、少しかいた汗と運動後の疲労感に小さな笑みを浮かべながら部屋を出て行った。 『今度はドスでも仕入れるかなぁ…………』 そんなことを呟きながらゆっくりと歩いていく。 再び真っ暗になった部屋の中でゆっくりが嘆いてるは一切意識にないらしい。 『にしても、案外良いよなぁゆっくりダイエット、最近体重がちょっとづつ落ちてるし、もうちょい続けるかなぁ、おい』 部屋に放り込まれているゆっくりたちは、青年は何となく始めたダイエット器具でしかなかった。 戯れで始まったこのダイエットがいつ終わるかは青年次第。 それまでゆっくりたちは涙を呑んで耐えていくことになる。
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『ゆっくりとしんねんさん』 14KB 差別・格差 現代 失礼します。 anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1 anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2 anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3 anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4 anko3456 れいむのゆん生 anko3458 まけいぬとゆっくり anko3461 ゆっくりに生まれて anko3484 ゆっくりブリーダー anko3489 休日とゆっくり anko3652 ドスについて anko3715 ゆっくりに餌を anko3729 はじめてのぎゃくたい anko3730 はじめてのしいく anko3741 ゆっくりショップのバイト anko3794 まりさとの勝負 anko3843 野球部のゆっくり anko3855 ゆっくりと会話してみた anko3932 ゆっくり観察日記 anko3933 ゆっくりと子供 anko3953 しんぐるまざーの朝は早い anko4016 虐められるためのゆっくり anko4094 普通の人とゆっくり anko4153 愛された果てに anko4170 むっきゅーさん anko4290 肉体的暴力とゆっくり anko4291 教育番組とゆっくり anko4325 いちゆんまえのまりさ anko4440 公園にて 「」ゆっくりの台詞 『』人間の台詞でお願いします 大晦日、12月31日、本当に本当の一年最後の日。 この日までも仕事をする人、楽しく家族と過ごす人、帰省しようとする人、特に何の感慨もなくいる人。 色々な人がいるけれど、それを意識しない人はいない。 一年を振り返り、良かったと笑う人もいれば、もう一年過ぎたのかと悔やむ人もいる。 そこに色々な感情あれど、人々は今日一日に一年間過ごして来た重みを感じていた。 迎える新年にどんなことであれ思いを託す最後に、そこに大事な何かを見ている。 だけれども、そんなこととは無縁の生き物が直ぐ近くに生きていることを人々は忘れていた。 いや、忘れていたと言うか意識すらしていないし、忘れていても何も問題はないだろう。 それはゆっくり、そう呼ばれる動く饅頭。 今もほら、そこに。 『ねぇ、二年参りいこーよ』 『えー、やだよ寒し、家でだらけてべーよ』 「ごはんさん、でてきて、ね…………でてこないと、せいっさい、するよ」 時刻は既にあと1時間足らずで新年になる時間帯、それでもまだまだ明るい街を仲良さそうに寄り添う若いカップルが歩く、その足元、明るいショーウィンドウの下を卑屈に下を向いて汚れた饅頭が這いずっていた。 成体サイズ、だけど栄養不足なのかどこかサイズは小さく見える。 あんよはアスファルトやゴミ捨て場を歩く内にガチガチで真っ黒になっていて、ところどころ罅割れているし。 目元には涙の跡が汚らしくついていて、砂糖水の涙にゴミが付着して汚い化粧にようになっていた。 髪はゴミの汁やらでベタベタになっているけれど、これはまだましな方だ、れいむの反対側の歩道を進むゆっくり、疎らに残った金の髪からおそらくまりさかありすはハゲ饅頭になっているのだから。 そして、ゆっくりにとって命と同レベルに大事なお飾り、れいむの真っ赤なリボンは半分が完全に破れていて、残ったもう半分も一年の大掃除に使った雑巾のように汚れていたし、生ごみの腐臭をまき散らしている。 そんな陰鬱で汚らしいゆっくりが街中を這いずっていても近くを歩く人間は何も気にしない。 これが大声で喚き散らし堂々道の真ん中を歩いていれば潰すなりする人は出てくるのだろうけれど、このれいむのように自分の立場をしっかり弁えて頬をビル壁が擦れるくらい端を歩いていればわざわざ人間は危害を加えたりはしない。 それもそうだ、だって汚いのだ。 前述したようにれいむは汚い、汚物、何を食っているか解らない真っ黄色の歯、ゴミそのものに臭い、にちゃにちゃのあにゃる、どれをとってもまともな人間なら触れたくないくらいに汚い。 目に付く場所にないのなら、わざわざそんな汚物に振れたくなんてない。 虐待趣味の人間でさえ距離を取りたがる、ある意味街で生きるに適しきったゆっくりなのだ、れいむは。 と、言うか適さないゆっくりは長生きできない、それだけでもあった。 しかし、それだけ、汚いからでも何でもれいむは生きていた、何が何でも生きていた。 『もう新年かー、早いもんっすねー』 『だなぁ、年明けたらなんか豪華なもん食うか?』 『先輩のおごりっすか!? 行きます行きます!』 「しんねん…………しんねんって、なに? おいしいの?」 横を通り過ぎるサラリーマン風の二人組、大晦日でもしっかり仕事をしている二人の会話をれいむは聞いていた。 最近になって彼女が良く聞く様になった言葉「しんねん」 れいむが聞く限りみんな幸せそうにその言葉を使っていた。 「しんねんさん、すっごくおいしいあまあまなのかな…………」 人間は自分より強い、頭が良い、凄い、れいむは街で生きる以上それをしっかり理解していた。 そんな人間がありがたがるもの、それはきっととても凄く美味しいものなのだろうと、そんなことを考えながらアスファルトの地面を這い進む。 ギョロギョロと目を左右に動かしてどこかに食べるものはないのかと、必死に必死に。 「はやぐ、ごはんさん…………もうたくさんなにもたべてないよ…………このままじゃしんじゃうよ」 食べるものも碌にない、最後に食べたものだって腐りかけて黄色くなった米を一口。 それでも十分だった、腐りかけでも何でも食べられるだけで幸せだ。 だって他に食べられるものがないのだから。 街中、少なくともれいむの行動範囲内に緑はない、木はあってもその落ち葉はれいむが食べる前に人間に片付けられているし、ゴキブリなどの虫を捕まえるような運動の能力を備えた覚えはない。 唯一食べられるものは人間の出した食べ残し、ゴミ、それだけ。 でも、それを見つけるのは難しい。 れいむは何となくだけど「にんげんは、きれいずきなんだね」とだけ感じていた。 ゴミはそうそう落ちていないし、あっても一か所に集められていてそれを散らかせば殺される。 「れいむ、ごはんさんたべたいだけなのに…………なんで、かなぁ」 ぽつりと呟く言葉。 食事をしたいだけ、そんな本当に些細な願い。 だけど、人間世界ではゆっくりがそれを自由にすることは許されない。 れいむは自分の食べてるものが人間にとってゴミだと理解していた。 何故なら『ゴミ荒らすんじゃねーよクソ饅頭!』『生きてるだけで迷惑なんだからゴミくらい散らかさず生きられないのか?』「ゆぷぷ! おにーさんあのゆっくりゴミたべてるよ!」『ゴミがゴミ捨て場くんなよ、捨てるぞ糞!』などなど、そんあ言葉を何回も聞いたから。 自然に自分がやってくることは人間の出したゴミを食べているのだと理解した。 「ゴミなられいむにちょーだいよ……にんげんは、もういらないんでしょ? ゴミなんだから」 いくらそう思っても誰もれいむにゴミですら与えてくれない、身なりが綺麗な飼いゆっくりに笑われながらもゴミを探して食べる日々、そんな日々に疲れ切っていた。 それでも、それでも死にたくはない、どんなに辛くても生きていたい、ゆっくりした生活を夢見ている訳じゃないけれど、死んだらずっとゆっくり出来ないから、だから生きたいと願っていた。 希望なんてない、でも死にたくない。 ゆっくりに自殺なんて概念はない「おたべなさい」なんて伝説でしかない。 「おにゃかすいちゃよぉおおおお!! おかーしゃ! おとーしゃ! どこいちゃの!! れいみゅきょきょだよぉおおおおおお!!」 「……………………」 食事を、ゴミを求めて這いずるれいむの前方に一匹の赤れいむがいた。 まだまだ生まれたばかりのようで小奇麗な見た目をしている。 「すてゆ、だね」 すてゆ、文字通り捨てゆだ。 事情は多岐に渡れど、子を捨てたのだ、この街では珍しくもない。 だって子供抱えては生きていけないのだから、自分一人でも食事をとれないのに、我儘な赤ん坊がいたりしたらそのまま自殺コースだ。 だから捨てる、一時の気の迷いで作るけれど、ゆっくりを求めて作るけど現実を知り捨てた番は二度と子供をつくらない。 だって、ゆっくりなんて出来ないのだから。 その為この街からは徐々にゆっくりが減っていた。 子供はまともに育たないし、食事がないので日々成体も死んでいく。 ゴミをしっかり片付ける、ただそれだけで街はゆっくりにとって牢獄と化す。 逃げられない世界で緩やかに死んでいくしかない。 誰が望んだか知らないけどれいむはここで生きていくしかない、ここで死ぬしかない。 『にしても、あと数分で新年かぁ、早いもんだ』 「まりさのあんよさんよりはやいね! しんねんさんはすごいのぜ!」 「…………」 朝から休まずただただゴミを探していたれいむの前からゆっくりまりさを抱っこした青年が歩いて来た。 まりさはあんよに暖かそうなパンツをはいていて、マフラーまで巻きながら美味しそうに大判焼きを頬張っていた。 同族の声に一瞬顔を上げたれいむだけど、それが飼いゆっくりだと解ると直ぐに目線を逸らした。 もちもちの白い肌にはシミもゴミすらついていないし、金髪はまるで太陽にみたいに輝いている。 帽子だってピンとしっかり立っていてリボンもまっしろ、どこに出しても恥ずかしくなり飼いゆっくりだ。 「…………ゆっ」 目を逸らし、再び地面に、卑屈に下を向く。 見たってしょうがないものだし、飼いゆっくりは嫌いだったから。 自分にないものを全て持っている幸せな存在、そのくせその幸せを誰にも分けない強欲な奴、そう認識していた。 「しんねんさんになったらまりさあたらしいほうきさんほしいよ! おとなりのれいむはおはらいぼうかってもらうっていってたんだぜ!」 『あー、はいはい、解ったから騒ぐなよ大判焼き落とすぞ?』 「だいじょーぶなのぜ、っゆ!?」 れいむと違い希望に満ち溢れたまりさは、飼い主に新しい玩具をねだり夢中に喋っていたら、その口からほぼ食べきられた大判焼きがポロッれいむの前に落ちた。 「!!!」 いきなり目の前に現れた大判焼き、そうあまあまにれいむは目を見開いた。 最後にあまいものを食べたのなんて記憶に無いくらい昔だった為、そのショックは計り知れない。 にちゃにちゃのあにゃるからは”ぶぴゅっ”と嫌な記憶を押し流すようにうんうんがはみ出していた。 「しんねんさん…………」 あまあま、しかもまだ温かい、何より美味しそう、しーしーもついでに漏らしながられいむはゆっくり大判焼きに近づいていく。 人間がありがたがる新年、それはきっとこれなのだ、そうに違いない「れいむにもしんねんさんだよ!」と訳の解らない思考の果てに行きついた彼女は大きく口をあけて―――。 『何してるんだよっ!!』 「ゆぼっべぇぇっぇえええええ!!?!?!??!!?!!!!」 ―――青年の蹴りをその顔面にめり込ませた。 怒号と共に放たれた蹴りだったけれど、蹴られた角度の問題でれいむは少しの浮遊を経験して直ぐに後ろの壁に叩き付けられた。 今度は衝撃によりあにゃるからうんうんが漏れ、しーしーもどんどん垂れていく。 「ゆ!? ゆぐ!? なにが、おぎだ、の?!」 目の前にあまあまが生えてきたと思ったらいきなり顔に激痛が走った、それがれいむの感想だ。 いきなりの幸運に周囲の状況も、何も理解しないでいたが為の悲劇、なのかも知れない。 顔の中心をへこませ、餡子を「ゆげっ」と吐きながら身体を震わせる彼女に人間が迫る! 『あーあ、どうするよこれ、だから騒ぐなって言ったろ?』 「おにーさんごめんなさい…………」 こともなく、れいむを蹴った青年は既に彼女への興味を失せてているようだった。 むしろどうして蹴ったかということも既に頭の中にはいだろう、その程度の存在だから。 青年の興味は既に落ち込みまりさに移っていて、しょんぼりする彼女の頭を撫でてやっていた。 『ったく、今日はもう買ってやんないけど年明けたら、新年になったらまた買ってやるよ』 「ゆ! おにーさんありがとう! だいすきなのぜ!」 『まっ、とりあえずどっか入るか寒いし』 「はーい!」 そんな幸せなやり取りをしながら、最後まで蹴ったれいむを見ることもなく、落ちた大判焼きを拾う訳でもなく一人と一匹はその場を後にした。 「ゆぐ、ゆ…………いだ、い、ゆぅう…………」 その背中に目を向けることも困難なくらいの痛み、まともに食事も取れていない身体では回復も遅いのだろう。 れいむは涙を流しながら、どうして自分がこんな目の合うのかと考える必要もない自問を繰り返していた。 落ちてきたあまあまはそこにある、もう蹴られたことなんてどうでも良い、とりあえずはあまあま、あまあまを食べよう、そしたら「きっとれいむにもしんねんさんだよ」と、珍しく目先ではあるものの希望を持ちゆっくりゆっくり這いずっていく。 「しんねん、さんだよ…………もうすぐ、しんねんさん…………だよ」 さっきの蹴りで中枢餡にダメージでも行ったのか、既にうんうん垂れながしながら大判焼きに近づいていく。 「じんねん、ざ 『あん? 今? 今ー、あれだ、通りの服屋の前、気をつけろよ? おお、わかった…………ああ? なんだ、こいつ』 ゆ」 もう少しであまあまを食べられると、痛む身体を引きずって来たれいむの目の前、食いかけの大判焼きは既に見えない。 いきなり現れた大判焼きは、いきなり現れた人間の足で踏まれ見えなくなってしまっていた。 現れた人間、さきほどとは違う青年は携帯電話で通話を終えるとビル壁に背中を預けてれいむを見た。 待ち合わせでもしているのか、そこから動く気はないらしく、彼からしたら急に現れたれいむを怪訝そうに見ていた。 前述のとおり汚いれいむにわざわざ触れる気もないらしく、青年は白い息を吐き空を見上げる。 『もう新年かぁ…………あー、はえー』 「じん、ねん?」 急に降って湧いた希望を急に断たれたれいむは呆然としたまま、虚ろな目で青年を見上げた。 消えたあまあまをこれ以上求めるでもなく、普段なら絶対見上げない人間を彼女の眼は捉えた。 『あん? 新年がどーしたよ、ゆっくりにもあんのか? 新年』 声をかけられた、そう感じた青年は暇つぶしのつもりなのかその声につまらなそうに反応した。 「ゆっくりにも、しんねんさんは、きっとあるよ……………………でも、れいむには、ない、かも」 『新年がないって、何だよそれ、新年って何か解ってんのか?』 「ゆっ、しんねんさんは、すっごいんだよ、しんねんさんはいいんだよ、れいむにもしんねんさんがあれば…………」 『新年があれば幸せってか?』 「そうだよ、しんねんさん、ほしいよ…………」 『ふぅん』 れいむの死にそうな絞り出された声。 それをどう感じたのか、白い息を吐いた青年は再び携帯電話を取り出した。 『10、9、8、7』 「?」 急にれいむの、ゆっくりの頭では理解出来ない3以上の数字を数えだす青年。 彼が見ているのは新年のカウントダウンをするサイトだ。 もう時刻は23時59分、その終わり。 もう―――。 『6、5、4、3、2、1』 『0』 ―――新年だ。 ―――新年明けましておめでとうございます! 今年も良い一年にしましょうね!!――― 携帯電話から鳴り響く新年の挨拶の声、どこぞのアイドルの録音らしく随分可愛い声だった。 そして、それ以外にも街中で新年が叫ばれていく。 テレビでラジオで電話でそれぞれ人間の口で。 新年あけましておめでとう! 今年もよろしく! あけおめー! うわっ、新年の瞬間寝てた! お前今年も新年ジャンプやったわけ? おう! 今年も年明け地上にいなかったわ! 新年じゃぁぁああ!! 酒を持て! 何のキャラだよ、それ! そこかしこに新年を祝う声が溢れていた。 「……………………」 その歓声を呆然と聞く饅頭が一匹。 「しんねん、なの? しんねんさん、なの?」 『ああ、新年だ』 「れいむには、こないの?」 『いや、お前にも来た、誰にでも来るんだよ新年は』 「でもっ!!!」 青年も言葉に、れいむは生まれて初めて人間相手に声を荒らげた。 自分の元に「しんねんさん」が来ていない、来ているはずがない、だってだってだって「しんねんさん」があればれいむは―――!!! 『それで、お前は何か変わった? 幸せになれた? 間違いなくお前にも新年来てるよ、んで?』 「……………………………………………………ゅ」 自分の餡子内に詰まった感情がまるで一気に色を失ったような感覚を感じていた。 れいむの顔には表情と言う表情がなく、まるでそれは悟りの道に入った高僧のようですらあった。 『こんなもんだよ、新年なんて何が変わる訳じゃねーっつの』 「……………………」 もうれいむの餡子には何も届いていなかった。 このまま死んでしまうならそれでも良いかと、初めてれいむは死を受け入れようとしていた。 そこに―――。 「おにーさーん!」 『ん、やっときたか…………おせーよ』 「ゆ?」 ―――綺麗な、どこにも汚れも欠損もない飼いゆっくりであることが一目で解るれいむを抱えた女性が歩いてきていた。 『ごめんなさい、れいむのおめかしに時間かかっちゃって』 「ごめんね! おにーさん、さむいさむいだった?」 『ん、大丈夫大丈夫、れいむは悪くないからな? 悪いのはあのオバちゃんだからねー』 『誰がオバちゃんですか!!』 「……………………」 れいむはまたも見たくないものを見ていた。 さっき自分を絶望させるようなことを言った人間がゆっくりと、しかも自分と同じれいむを優しく撫でる姿。 見たくもないものを無理矢理見せられているのに、れいむはそこから目線も逸らせず涙を一筋零した。 既に青年は汚い饅頭に興味はなく、そのまま女性かられいむを受け取るとその場を離れて行った。 「………………………………あまあま」 残されたれいむは、青年の靴に踏まれ、泥と混ざり真っ平になった本当にゴミでしかない大判焼きに舌を伸ばして。 むーしゃむーしゃ、しあわせー 次の日、そこには大判焼きの跡はなく、れいむの姿もなかった。
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『ゆっくりに生まれて』 17KB いじめ 自業自得 嫉妬 日常模様 子ゆ 現代 失礼します。 anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1 anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2 anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3 anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4 anko3456 れいむのゆん生 anko3458 まけいぬとゆっくり 「」ゆっくりの台詞 『』人間の台詞でお願いします 誤字脱字失礼します れいむは、ゆっくりにうまれてしあわせー! だよ! 朝を迎えるたびに、れいむはそう思う 番であるまりさが、精魂込めて作ってくれたダンボールの巣の中でれいむは目を覚ます 小さな小さなダンボールだが、家族で暮らすには十分は広さのある巣の一角に、成体のれいむ、まりさ、そしてその二匹に挟まれるように蜜柑ほどの子ゆっくりのれいむが一匹 「ゆふふ、まりさも、かわいいかわいいおちびちゃんもゆっくりしてるね……」 まだ気持ち良さそうに「すーや、すーや」と寝息を立てている二匹に、れいむは優しく微笑む このれいむは食品加工されるゆっくりであった 冷凍処理されてコンベアーに運ばれて餡子ペーストにされるだけの存在であったが、運搬中に偶然に偶然が重なり街に放り出された その後に、紆余曲折ありまりさと出会い、今では子供も授かった 元々は食品になるだけの運命はこうも変わるものだと感心する れいむはその事実を知らないが、ゆっくり出来なかった、とだけ認識している 「れいむは、しあわせーだよ!」 「ゆぅぅ? ……れいむ、ゆっくりおはよう!」 「ゆ? ごめんね、まりさおこしちゃった?」 れいむの「しあわせー!」の声で、寝息を立てていたまりさは目を覚ましたようだ まりさはお下げで、わざとらしいくらいの寝ぼけまなこを擦ると、身体を上方にぐいっと伸ばす 俗に言う【のーびのーび】だ 寝ている間に固まってしまった餡子を捏ね解しているのだろう 「ゆふぅ……ゆん! れいむあさごはんにしようね!」 「わかったよ、すこしまっててね!」 まりさの言葉に、れいむはまだ眠っている子れいむを起こさないようにゆっくりと底部をうねらせ、巣の隅に置かれたビニール袋に顔を突っ込む その中から硬くなったウィンナー、虫の死骸、パンの切れ端、野菜の皮などを取り出す どれもこれも野良ゆっくりが街で手に入れる中では最高級の食材ばかりだ このまりさの狩の腕の良さが伝わってくる れいむはそれらを口の中に含むと、一つ一つ半分に噛み千切っていく 「ゆぺっ! ゆぅ、ぶれいくふぁすとさんのかんっせいだよ!」 砂糖水の唾液に塗れた、人間からしたら生ゴミ同然、それ以下の物体をどこかで拾ったのか紙の皿に吐き出した その紙皿を引きずって家の中央に向かう 向かうといっても狭いダンボール内、振り返って少し這えばもう到着だ そこにはまりさが笑顔で待っていてくれた 「ゆぅ、れいむのごはんさんは いつもおいしそうだね!」 「まりさが、いっぱいしょくっざいさんをとってきてくれるからだよ!」 お互いにお互いを褒めあい、そして微笑む 平和な団欒がそこにあった 「それじゃあ、ゆっくりたべようね! むーしゃむーしゃ! しあわせぇぇえぇえ!!」 「ゆん! まりさも、ゆっくりたべるよ! が~つが~つ! しあわせぇぇえぇえ!!」 れいむとまりさは、紙皿ごと食べるような勢いで生ゴミみたいなそれを租借していく 口の周りを汚し、身体に食べかすを付着させながら、どんどん食べていく 数分と掛からずに、紙皿の上には食べかすのみ残すこととなった 「ゆげっぷ! ゆふぅ……それじゃあ、いってくるねれいむ!」 「あ、まりさ! まってね!」 「ゆ?」 食べ散らかし、顔中を汚したまりさは狩に出かけようとしたが、それをれいむが呼び止めた れいむはまりさに近づくと、ゆっくり特有の長い舌を、まりさに伸ばしていく 「ぺ~ろぺ~ろ! ゆゆ、おとこまえさんになったね!」 れいむはまりさの顔というか、体中についた食べかすを綺麗に舐め取った 正直、ゴミみたいな饅頭に何がついていようと問題なく感じるが、ゆっくりにとって身嗜みの基準はあるようだった 「ありがとうれいむ! それじゃあいってくるよ!」 「ゆっくりいってらっしゃい! にんげんはゆっくりしてないから きをつけてね!」 「わかってるよ、それじゃ」 まりさはポヨンポヨンと跳ねて、巣を後にした 残されたれいむは小さく息を吐くとさっき自分で言った言葉を思い出す 【にんげんはゆっくりしてない】 「なんで、にんげんはゆっくりできないんだろうね……」 れいむは小さく呟き、本当に哀れむような表情をする そして気を取り直すように目を瞑ると、そろそろ起き出すだろう子れいむの為に、さっきと同じように、さっきより念入りにビニールから取り出した生ゴミを噛み砕き出した …… ………… 「おちびちゃん、あんまりはしゃいでころんじゃだめだよ!」 「ゆぅぅ~ん! わかっちぇるよ! れいむころばにゃいよ!」 昼を少し回ったころ、れいむと子れいむは巣の外に出ていた 巣があったのは公園の草むらの奥、そこから出て子れいむを遊ばせていた まだ赤ちゃん言葉の抜けきらない子れいむに、れいむは少し心配そうに、そしてそれ以上に幸せそうに笑っていた れいむはベンチの下、日差しから遮られたそこでゆったりとしながら、ただ広い公園の地面を駆け回るだけで楽しそうな子れいむを眺めていた 「ゆふぅ、もうすこししたら、ほかのみんなにおちびちゃんをしょうかいしないとね!」 この公園にはれいむの家族以外にも、数家族住んでいた 子れいむが生まれて以来、育児やらであまり出歩けなかったので、挨拶もかねて連れて行こうとれいむは考えていた 「そのまえにおべんきょうもさせなくちゃだね! いいきかいだから おちびちゃんにいろいろおしえてあげなくちゃね!」 れいむは自分の子育て計画の巧みさに頭の中で感動しながら、ゆっくりベンチの下から這い出る 少し離れた場所にいる子れいむに声をかけようと口をあけ 「おちび、ゆぼぶべっぁ?!」 『あぁん? んだ、ゆっくりか、猫かと思って損した』 偶然通りかかった、サラリーマン風の青年に強かに足をぶつけられた ぶつけた青年は軽く舌打すると、つまらなさそうにれいむの前を通り過ぎる 「お、おきゃぁぁぁしゃぁぁあぁああん!!?」 「ゆ、ゆぐ、おちびちゃん、おかあさんは、だいじょうぶ、だよ……」 子れいむの声に、れいむは笑顔を見せる 実質、ほとんど怪我はない、青年はただ歩いていて出てきたれいむが勝手にぶつかっただけなのだ 蹴ろうとした訳でもないので、命に関るようなダメージは負っていない それでも、ゆっくりと人間の力の差は計り知れないほどあるので、とてつもなく痛いことには変わりない れいむは息を整えると、これも良い機会だと子れいむに人間について教えることに決めた 「おかーしゃん、ほんちょにだいじょぶにゃの?」 「ゆふふ、おちびちゃんはやさしいね でも、おかあさんはだいじょうぶだよ、ゆっくりしてるから!」 れいむは、自身の揉み上げで子れいむの頭を撫でる 「おちびちゃん、よくきいてね さっきのゆっくりしてないのがにんげん、っていうんだよ!」 「にん、ぎぇん?」 「そう、にんげん ほらあっちをみてね」 「ゆ?」 れいむは揉み上げで、公園の出口、その外を行きかう人間たちを指し示す 「ゆぅ、ゆっくちしてにゃいね……」 忙しなく行きかう人間に、子れいむは泣きそうな顔で感想を言う 「ゆん、ゆっくりしてない、ううん、ゆっくりできないんだよ」 れいむは子れいむの言葉に頷くと、思い出すように目を閉じた 「ゆっくりできにゃい? なんで? ゆっくりしないとしあわせー! じゃないよ?」 「ふつうはそうだよね、でも、にんげんはゆっくりとちがって ゆっくりできない、かとうせいぶつ、なんだよ」 「かちょー、せいぶちゅ?」 「そう、かとうせいぶつ にんげんはね、まいにちまいにちあんなふうに かりもしないでゆっくりしないでウロウロしてるんだよ」 「にゃんで? にゃんでそんなゆっくりできないことしゅるにょ?」 「にんげんはゆっくりにうまれなかったからだよ、うまれてたら、れいむたちみたいにゆっくりできたのに……」 れいむは、行きかう人々に哀れみの視線を向ける 子れいむもそれに習うように、哀れみの視線を向ける 「かわいちょう、だにぇ」 「かわいそうだよ しかも にんげんはねおいしいたべものさんをひとりじめしてるんだよ!」 「ゆぅぅうう!? しょれほんちょにゃの!?」 れいむの言葉に、子れいむはまだ未熟な揉み上げを振り上げて驚く その驚きを理解できるというように、れいむは目を閉じ頷く 「ゆっくりかんがえてねおちびちゃん、まりさは、おとうさんはかりのたつじん、せかいいちのかりうどだよ」 「しっちぇるよ! おちょーしょんいじょうの かりうどはいないっちぇ!」 子れいむは誇らしそうに胸を張る、それにれいむは優しく微笑む 「それなのに、どうしてあまあまがとれないか、わかる?」 「ゆゆ? ゆぅ? おちょーしゃんはせきゃいいち、でも、あまあまとりゃにゃい……ゆぅ?」 「おとびちゃんにはまだむずかしかったね でも、かんたんなはなしだよ、さっきいったとおりにんげんがひとりじめしてるからだよ」 「ゆゆゆゆゆ!!!??!?」 子れいむは目を見開き、揉み上げを上下に激しく振る れいむの言葉を理解出来ないのだろう 「おとーさんがひっしにかりしてるのに、にんげんはかりもしないで、ゆっくりもしないで、あまあまやおいしいたべものを ふとうにどくっせんしてるんだよ」 まだ理解出来ていないのか、子れいむは目を回している れいむは遠い目をしながら、行きかう人々を見る 「かんがえてみてね、おとーさんくらいのかりうどなら、まいにち あまあまを たべきれないくらい とってこれるはずだよね?」 「ゆん! とうっぜんだよ!」 「でも、おとーさんはあまあまとってこれないよね、それはどうして?」 れいむは優しく、丁寧に論理を説く 子れいむも、そのミニマム餡子脳でやっと母の言いたいことを理解したのか、呆然とした顔で頷く 「にんげんが、ひちょりじめ、してるきゃら……」 れいむは、頷く 子れいむは自分の言葉を、れいむの言葉を何回も反芻する する度に身体を震えていく、そしてその震えが限界に達したのか、れいむに問い詰めるように振り向く 「にゃんで!? にゃんでにんげんはしょんなことするの!? じぇんじぇんゆっくちできにゃいよ!?」 「そうだね、あたりまえだね、おちびちゃんでもわかるよね」 「あちゃりまえだよ! ひとりじめにゃんてゆっくちでにゃいこちょ、にゃんでするの!?」 「おかーさんにもよくわからないけど、にんげんはゆっくりにしっとしてるんだよ」 「しっと?」 れいむの言葉に、子れいむはキョトンする そしてまたれいむは、行きかう人々を揉み上げで示す 「みて、おちびちゃん、にんげんはゆっくりしてる?」 「じぇんじぇんしてないよ」 「そうだね……じゃあ、れいむたちは?」 れいむは今度は自分、そして子れいむを揉み上げで指し示す 「ゆっくちしてるよ! ……ゆゆ! しょっか、しっと、しちぇる、んだにぇ」 「おちびちゃんはてんっさいだね! こんなにちいさいのに、もうりかいしちゃったんだ」 子れいむは今度は即座にれいむの言いたいことを理解したようだった その様子に、れいむは嬉しそうに笑う 「れいむたちが ゆっくりにうまれて、あまりにもゆっくりしてるから しっとしてるんだよ」 「ゆん……」 「にんげんは まりさみたいにかりもできないし、れいむみたいにこそだてもできない、ただゆっくりしないでウロウロするだけ、それしかできない、かわいそうないきもの、なんだよ」 「みててわきゃるよ……」 「だから、しっとして れいむたちのじゃまをしてるんだよ……ほんとうはれいむたちは、もっともっともぉっとゆっくりしたゆっくりプレイスにすめるんだよ!」 「ゆゆゆ!? ほんちょ!?」 れいむの言葉、ゆっくりプレイス ゆっくりが最高にゆっくり出来る場所、その言葉に子れいむは目を輝かせる 「もちろんだよ、でも、それもにんげんがじゃましてるんだよ」 「にゃんでぇぇぇえ!?」 「しっと、してるからだよ……」 れいむの思想、野良の中でもかなり偏った思想を子れいむは受け入れていく にんげんがゆっくりできない、かわいそうないきもの ゆっくりにしっとして、じゃまばかりする れいむは奥底のもう消えそうな記憶の中に残る、人間に対する怒り不信感をこのような考えにまとめていた まさにゆっくり至上主義の考え方だった れいむは、人間に対して憐憫の情さえ持っていた 「にんげんが、かわいそ 『おもしれーこと言ってんなぁ、おい』 ゆゆ?」 れいむは突然声をかけられ、慌てて振り向いた そこには、さっきぶつかった青年が立っていた 『聞いてりゃ随分笑える理論振りかざしてくれてんのな、お前』 「ゆ? なにが?」 『人間がゆっくり如きにしっとしてるとかほざいてたろ』 青年はしゃがんでれいむと子れいむを見下ろす 子れいむは初めて間近で見る人間に少し戸惑っているようだった 対照的にれいむは、挑むように凛々しい目つきで青年を見ていた 「そうだよ、れいむしってるよ、にんげんがゆっくにうまれることができなかったから ゆっくりにしっとしていじわるしてるって」 れいむは自身満々に告げる 青年は、笑いを堪えるように肩を揺らすと 『んなわけねぇだろバカ饅頭! ゆっくりに生まれる? そんなの世界一の負け組確定しちまうだろーが!』 心底バカにしたよう笑う、事実バカにしているのだろう 少々子供っぽい所作であるが、青年はれいむに舌を【べー】っと突き出してみせた 「なにってるの? バカなの? しねば? ゆっくりにうまれることもできくて くやしいのはわかるけど げんじつをみてね!」 青年の行動に戸惑い怒りながらも、自分の理論を突き通すれいむ 『だぁかぁらよぉ、なんでゆっくりに生まれないと悔しいんだよ、誰もお前らみたいな生ゴミ饅頭に生まれたくねーよ』 「なんでってきまってるでしょぉおお!? ゆっくりにうまれないと、ゆっくりできないんだよぉおお?!」 れいむは当然であると言う様に声を張り上げる 子れいむは母親のその仕草に、同調するように頬を膨らませていたが青年はまったく気にしていなかった 『アホか、ゆっくりに生まれたらゆっくりなんて出来る訳ねーだろ』 「ゆ? なにいってるの?」 青年の言葉にれいむは理解できないという顔をする それに青年は、少し考えるように頭を捻り、口を開く 『じゃあ、聞くがよ、お前らのゆっくりって、どんなだ? そこの膨れてる子饅頭答えてみろよ』 ぷくーしている子れいむは指差す 指されたれいむは、息を吐き出すと自身満々に答えた 「れいむはれいむだよ! ふかふかのベッドしゃんですーやすーやしゅるときだよ! れいみゅのおうちのベッドしゃんは、ふっかふかだよ!」 子れいむは自分が普段寝ている、ダンボールの床を思い出す れいむが枝を咥えて、それを突き刺したりして毛羽出させたそこは、確かに普通の段ボールよりはふかふかかも知れない 青年は頷くと、ポケットを漁り、タオルタイプのハンカチを取り出した 『おい、子饅頭、お前のベッドはこれよりふかふかか?』 「ゆゆ? ゆー……ゆゆゆゆ!??! にゃ、にゃにこりぇぇぇえええ!!? しゅっぎょくふかふかだよぉぉぉおおおおお!??」 差し出されたハンカチに頬ずりした子れいむは、涎を垂らしながら感動していた それもそうだろう、方や段ボール、方やハンカチ ふかふかのレベル違う 「おきゃーしゃん! れいみゅもあんなふかふかでねたいよ!」 「ゆ、ゆゆ?! お、おちついてね、おちびちゃん!」 「あんにゃふかふかでねたら、れいみゅずっとねちゃいそうだよ!」 『あー、おい勘違いするなよ』 「「ゆ?」」 子れいむに詰め寄られ、慌てるれいむ その二匹に、青年はニヤニヤ笑いながら声をかける 『これは俺にとってはあれだ、汚れを拭くだけの布、俺が寝てるのはこれの何倍もふかふかのベッドだからな』 「さっきにょ、なんびゃい、もふかふか?」 『おうそうだぞ、そこで眠れたらゆっくり出来るぞ、あ、でもお前にはふかふかのベッドあるんだっけ?』 青年は心底楽しそうに笑う 『で? 子饅頭ちゃんは俺のこの布以下のベッドで眠ってゆっくり出来るんだっけ? ん?』 「……ゆっくち、できにゃい、よ」 「お、おちびちゃん?!」 子れいむの悔しそうな言葉に、れいむは慌てる 『ぎゃはは! ふかふかのベッドで眠ること出来ないゆっくりがゆっくりしてるのかぁ、ゆっくりって随分レベル低いんだな!』 「ゆ、ゆぎぎ! ちょっとかったからってちょうしにのらないでね!」 『へぇ、じゃあ言ってみろよお前にとってのゆっくりってなんだ?』 青年は笑みを浮かべたままれいむに問う 「ゆっくりはね、ゆっくりってのはね……ゆゆ! かいてきなおうちにすめることだよ!」 れいむはこれはもう勝った、そう確信に満ちた笑みを浮かべた 悔しそうにしていた子れいむも、希望に満ちた笑みを浮かべた 「れいむのおうちはね! すっごくゆっくりしてるんだよ! あめさんがふってもへいきで、かぜさんもへいきで、すっごくひろいんだよ!」 「そうじゃよ! おうちしゃんはしゅごくゆっくちだよ!」 二匹は騒ぎ、自分たちのゆっくりっぷりをアピールする 『雨が降っても平気で、風が降っても平気ってそんなん家なら当たり前だろ』 「「ゆ?」」 『人間が住む家ってのはそんなもんじゃないんだよ、ほら、あれ見えるか? あの四角いの』 青年は、公園の外に立つビル型マンションを指差す 「あれがどうしたの?」 『あれが人間の家だよ』 「「ゆゆ?!」」 二匹は驚きの表情を浮かべた 本当は青年の示すビルは、とある会社のビルなのだがそこは気にしない 『広いとか言ってたけど、お前の家はあんなにでかいか? ん?』 「「…………」」 『雨が降っても平気とかいってたけどな、あの家の中に入れば雨が降ったなんて気付かないんだよ』 「「…………」」 『しかも、あの中はいつもあったかくて、さっきのフカフカが沢山あるんだけど……お前らの家ってどんな感じ?』 「「ゆぎぃ……」」 二匹は、言葉も見付けられず唸っていた どうしたら、どうしたらこの青年にゆっくりのゆっくりを認めさせられるか、れいむはそれを必死に考えていた 自分の少ない記憶、ゆっくりを思い出す、そして出てきたのが 「ゆっくりきいてね! れいむたちはね まいちにまいちにすっごくゆっくりしたごは 『これ食ってみろ』 ゆゆ?」 れいむの言葉を予想していたのか、青年はまたもやポケットから取り出した小さいドーナツのかけらを二匹の前に置いた 二匹は、その欠片から発せられる臭いに惹かれるように近づき、無言で口に入れた そして 「「じじ、じあばせぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇえぇっぇええええええ!!!?!!?!!?!」」 爆発するように叫んだ 子れいむは尿を撒き散らしながら、揉み上げを振り乱し れいむは涙を流して髪を逆立てていた 『どうだ? これが人間の食べ物だ、人間はなこれを毎日、好きなだけ食えるんだけど、お前ら何食ってるの?』 青年は悪意塗れの顔で質問する まだ幸せの余韻に浸っていた二匹は、お互いに顔を見合わせて 朝食べたものを思い出していた 干からびたウィンナー、虫、腐った野菜の皮 どれをとっても、さっき食べたドーナツには勝てない 二匹は項垂れて、悔しそうにしていたが、急に子れいむが顔をあげた 「しっちぇるよ! にんげんがじゃまをしてるからおちょーしゃんはさっきのあまあまとれにゃいって! じゃましなければれいみゅだって、まいにちたべられるよ!」 「ゆゆ! そうだよ!」 『あー、そういえばそんな超理論展開してたなぁ』 青年は急に活気を取り戻した二匹に呆れたように額を叩く 『じゃあよう、聞くけどさっきのお前ら食べたことある?』 「にゃいよ! もっとちょうだにぇ!」 『なんでないの?』 「にんげんがじゃまするからでしょぉおおお!」 『なんで?』 「しっとしてるからだってっちぇ、いっちぇるでしょ!」 『なんで?』 「なんかいもいってるでしょぉおおお!? ゆっくりにうまれることができなくて、しっとしてるんでしょぉおおお!?」 『いやいや、フカフカのベッドもなくて、快適な家もないお前らになんで人間が嫉妬するの?』 「「ゆ?」」 青年の言葉に、二匹は一気に動きを止める 『だって、さっき理解したろ? お前らのゆっくりは人間以下だって、なのに人間以下のお前らになんで俺らが嫉妬して邪魔するんだよ』 「しょれは、れ、れいみゅたちが、ゆっくち 『してないだろ?』 ゆぎっ」 子れいむは押し黙る 「に、にんげんは、ほんとはゆっくりにうまれ 『生まれたくねーよ、だって美味い飯もないんだろ?』 ゆぐっ」 青年の言葉に、二匹は必死に必死に考えていた 自分たちのゆっくりしているところを、必死に、必死に考えていた 人間よりゆっくりしてる、それの矜持を守る為に 「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりしてるんだよ……ゆっくり」 「ゆっきゅり、しちぇる、よ……」 『…………』 うわ言のように繰り返す二匹に青年は興味を失ったのか、立ち上がった そしてポケットからドーナツを取り出して二匹の前に置いた、ハンカチも一緒に 「「ゆ?」」 『それやるよ、ゆっくり出来ないお前らに人間さまが恵んでやるよ、じゃな、人間に嫉妬しながらゆっくり出来るよう頑張れよ』 青年は、それだけ言うと振り返らずに公園から出ていった れいむと子れいむは、死んだような目でドーナツを貪り 青年が置いていってハンカチに擦り擦りして、その柔らかさを感じていた 「れいみゅ、あんにゃおうちにすみたいよ……」 子れいむは、遠くに見えるビルを眩しそうに見つめて呟いた れいむは、何も言わずに、ハンカチを頭に乗せると、子れいむのリボンを咥えて草むらの奥にある、ゆっくり出来る快適なお家に入っていった このれいむがどうなったかは知らない
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『ゆっくりブリーダー』 18KB 愛で 観察 愛情 赤ゆ 愛護人間 独自設定 うんしー 失礼します。 anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1 anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2 anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3 anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4 anko3456 れいむのゆん生 anko3458 まけいぬとゆっくり anko3461 ゆっくりに生まれて 「」ゆっくりの台詞 『』人間の台詞でお願いします 誤字脱字失礼します 『よぅし、今日から俺もゆっくりブリーダーだ!』 一人で暮らすには少し広めのマンションの一室で、青年は両手を突き上げ宣言した この青年は以前はとあるゆっくり愛護組織【ゆーりんらぶ】に所属していたが 活動の一環で飼いゆっくり野生ゆっくりに触れ、自分でもゆっくりを育てようと心に決めた 組織内でも、彼はゆっくりの扱いに長けていると良く褒められていたのもブリーダーになろうと決めた要因の一つだろう 彼は一年に及ぶ試験勉強を経て、ついに先日第二種ゆっくりブリーダーの免許を得るいたった いきなり二種の取得には知人のブリーダーに止められたが、青年は自分の目標の為に二種を選んだ ここで、説明しておくと 今や社会に食い込むほどに膨らんだゆっくり産業には、多くの資格やルールが設けられている 元はバッジの区分程度で、ブリーダーには資格の必要はなかったけれど 偽バッジの横行、捨てゆっくりなどが問題になり今ではゆっくりを育てるのにも免許が必要な時代になっていた ゆっくりブリーダーには、基本的には一種二種三種の3つが存在している 三種 基本種(れいむ まりさ ありす ぱちゅりー)を店で販売されている、処理済み(ゆっくりとしての知識を流し、育てやすくしてある)子ゆっくりから育てられる 二種 基本種、準基本種(ちぇん みょん)を店で販売されている処理済み赤ゆっくり もしくは一種のブリーダーが販売している飼育用赤ゆっくりから育てられる 一種 基本種、準基本種、捕食種(れみりゃ ふらん)、準希少種(さなえ らん めーりん)を赤ゆっくりから育てられ 育てたゆっくりを高配させ、赤ゆっくりを作らせることも出来る 他のブリーダーに飼育用の赤ゆっくりを販売出来る そして試験を受ければ各種の希少種の飼育免許の取得も可能 と、こんな感じである 上に行けば行くほど飼育出来る種類も増えるし、何よりゆっくりショップに卸したときの値もバッジが一緒でも変わってくる 他にも様々なルール、様々なゆっくり職があるのだが、それは機会があったら説明して行くことになる この青年は二種のブリーダー、つまり基本種や準基本種を赤ゆっくりから育て上げることが出来るのだ 基本的には二種三種は、他から手に入れたゆっくりを育てるのが基本だ この青年も組織のツテで、某一流ゆっくりブリーダーから、金バッジを取るにいたったゆっくりの赤ちゃんを安値で買っていた 安値でも、店で買うよりやや割高だが餡統の正しいゆっくり、しかも銀バッジ以上を取得した場合はそのブリーダーの名前を出しても良いとまで言われてる 駆け出しのブリーダーにとっては、一流ブリーダーの餡統ゆっくりを育てるほうが率が良いのだ 試験はそれなりに難しいが、三種辺りならそこそこ簡単に取れてしまうので、世にはゆっくりブリーダーは溢れている 様々なブリーダーにより育てられたゆっくりを、客が選ぶ基準は希少種でもない限りやはり外情報だろう 同じバッジ同じ種類でも、無名のブリーダーより名のあるブリーダーの方を選びたいのは心情だろう そして一種のブリーダーから赤ゆっくりを飼い育てることの出来る二種のブリーダーは、高めの料金を払ってでもそちらを選ぶものが多い 何故なら、買い取るときの条件として【銀バッジ以上なら名前を出しても構わない】とつけられることが多いのだ 一種ブリーダーから買い取った赤ゆっくりを育て、試験を受けさせ、銀バッジを取得させたら 【一種ゆっくりブリーダーの○○さんのゆっくり】と情報を付けられるのだ それだけで値段も高くなるし、人気も上がる もちろん条件に金バッジ以上もいるし、無条件もいる 逆に名前を出すのを全面禁止している人もいる 名前を出したゆっくりがゲス化などしたら、被害を被る事もあるからだ 二種ブリーダーに名前を出して貰えば、一種のブリーダーも名前が売れるしとそれぞれ良い部分もあるので 一種ブリーダーの殆どは赤ゆっくりの販売を行っている もちろん、一種ブリーダーから買うことによるデメリットもあるのだが、後に回そう この青年もそんな一人から赤ゆっくりを買ったのだ 駆け出しのブリーダーは店販売の処理済みゆっくりが良いとされるが、青年は自分の目標の為に一種ブリーダーからの買取を選択した その赤ゆっくりは現在青年が用意したゆっくり飼育スペースで目覚めのときを待っている 青年が住むマンションの一部屋、倉庫代わりに使われていた部屋を片付け、そこを飼育スペースにしていた 部屋に入って正面にあるベランダに続く窓の真ん中を中心に、間仕切りで二つに区切られたそこ 向かって右にはゆっくり用のベッドや遊具、玩具が置かれ その反対側には、壁の低い位置にホワイトボードが取り付けられ、小さなテレビなどが置かれ、教材らしくものが置かれていた 青年はこの部屋で飼育を完結させるつもりなのだろう ゆっくりブリーダーの知識本も書かれている【ゆっくりにあまり広いスペースを与えない】を実践した結果なのだろう 片方をゆっくりの遊び場、片方を勉強場所と分けているのも、これまた知識本の【同じ場所で教育と遊びをさせない】を実践した結果なのだろう 青年は扉をあけて、部屋に入るとベッドなどの置かれた方に向かう そしてそのベッド、猫用のベッドのようなふかふかのそれを覗き込む そこには―― 『うわ、可愛いなぁ』 すぅすぅとわざとらしい寝息を立てる赤ゆっくりが4匹 れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりーの基本種四匹が眠っていた 青年が一種ブリーダーから買い取った、金バッジゆっくりの赤ちゃんだ そろそろ目覚めるのか、赤ゆっくりはまん丸の身体をころころ揺らしている 青年はそれをニヤニヤしながら眺めて、ふと思い出したように部屋を出る 向かった先は台所 その冷蔵庫から、タッパーを取り出し蓋を開ける 中には、ゆっくりの茎が入っていた 基本的には赤ゆっくりが最初に食べるご飯である 『飼育書には食べさせない方が良いってあったけど、違うよなぁ、これが最初の味覚を作り、そのゆっくりの人生を作ることになるんだよ』 青年はそう呟き、部屋に戻る 青年の呟き通り、知識本には【赤ゆっくりに茎を食べさせてはいけません】と書かれていた しかしこの青年は、独自の飼育計画を持っているらしく、それを拒否していた というか、青年は飼育環境の辺りだけを読み、後は適当に流し読みしていた 自身がゆっくりの扱いに長けているという自身がそうさせていた 青年が目指すのは、今現在の飼いゆっくりとは一線を画す 人間のパートナーとなり得るゆっくりであった その為には、真にゆっくりである必要があるというのが彼の考えだ 『飼いゆっくりだけ見てゆっくり好きとか言ってるやつらは、野生のゆっくりと触れ合ったことないんだろうなぁ』 自身の経験を思い出し、野生ゆっくりの、ゆっくりらしい生き方を思い出していた 『今の飼いゆっくりなんて、本当に人間の奴隷でしかないよな』 青年は意思を新たに、これから飼いゆっくりに革命を起こす気持ちでブリーダーとしての一歩を踏み出す 『よし、頑張るぞっ……っと、そろそろ起きちゃうよな』 タッパーから出した、茎を片手に飼育部屋に戻る そしてベッドを覗き込むと、丁度一匹、赤れいむが目覚めるところだったようだ 「ゆぅ、ゆ? ゆぅ、ゆゆ?」 『ぅおぉ、かっわいいなぁ……』 まん丸の赤れいむは、まだ未熟な揉み上げで自分の目を擦る 何度も擦る内に、どうやら目がさめてきたのか 下半身を震わせ不器用に転がっていた身体を直立させた そして周囲を不思議そうにキョロキョロ見回していた 「ここは、どこなの? ゆぅ?」 普通のゆっくりならばここで「ゆっくり~~」など、自分の行動を叫ぶのだが、この赤ゆっくりは一種ブリーダーの手で処理をされていた ここで説明をまた入れよう 処理済みゆっくりとは何か、ということである 前述には育てやすくした、書いたが それはどんなことをしたかと言うと、まだ赤ゆっくりが実ってる状態の茎を親から抜き取り とある液体に茎をつけるのだ これにより、親からの記憶の継承を少なくし、液体の効果でゆっくりの本能を消し去る 店で売られている飼育用ゆっくりにはその処理がされている 処理をしなければ売ってはいけないことになっているのだ しかし、一種ブリーダーからの買取飼育ゆっくりについては、この処理をしなくても良いとされている 青年が買ったブリーダーは処理をするタイプであったが、その処理も店のものに比べると大分雑である してあるだけ良いのであり、ほとんどのブリーダーは処理なんかしていない これが一種ブリーダーから買うデメリットである ゆっくりの本能が残っているということは、そのまま育て難いということになる それでも、それなりに良質な餡統であれば、教育はし易い あくまで易いであるが 処理されたゆっくりであっても、育てる内に消し去ったはずの本能は当たり前に目覚める 大体子ゆっくりくらいには、どんな処理ゆっくりも本能に目覚めてしまう それまでに如何にしてゆっくりをゆっくり以外のものに教育するのがブリーダーである その為の基礎知識として【ゆっくりしていってねを言わない】というものがある これを言うと、ゆっくりはまるでどこかにアクセスしたかのようにゆっくりの本能を取り戻してしまう しかし、外部からこれを言われない限り処理ゆっくりはそれを思い出すことはない だからブリーダーは決して【ゆっくりしていってね】を言わずに、子ゆっくりまで育て自発的に言うようにさせるのだ 雑ではあるが処理されたこの赤ゆっくりたち、そして起きたれいむは起きてから騒ぐことも泣くこともせず、キョロキョロ周囲を伺っていた 餡統の良さが伺える仕草である、未知たいして泣き喚くのではなく、ここがどこであるかを調べようとしているのだ 実に優秀である しかし、【人間のパートナー足りえる、ゆっくりらしいゆっくり】を目指す青年にとってはどうにも気に入らない 【ゆーりんらぶ】が運営する自然公園で出会った野性ゆっくりのように、可愛らしい仕草をもっと見せて欲しい そう願い、青年は言ってはいけないことばをかける 『ゆっくりしていってね!』 「ゆぅ?!」「「「ゆっ!?」」」 青年の言葉に、れいむはおろか、寝ていたまりさ、ありす、ぱちゅりーまで反応する 全員一斉に、自分たちを見下ろす青年を見つめ、プルプル震えながら、眉毛をキリッとさせ口をあけた 「「「「ゆっくちしちぇいっちぇね!!」」」」 『あー、可愛い、やっぱりゆっくりはこうじゃなくっちゃなぁ……』 赤ゆっくり舌足らずな声に、青年は身を震わせる さっきまでは成ゆっくりと変わらない喋り方をしていた赤れいむも、一気に赤ゆっくり特有の舌足らずになっていた これが本能を呼び覚まされた効果である 「りぇいみゅはりぇいみゅだよ! ゆっくちぃ!」「まりしゃはまりしゃなんだじぇ!」 「ありしゅはありしゅよ! みんにゃときゃいはにぇ!」「むっきゅぅ! ぱちぇはぺちぇよ!」 れいむはさっきまでのゆっくりらしからぬ知性的な仕草は消え去り、きゃっきゃ騒ぎながら皆と挨拶をしていた 『うんうん、これがゆっくりだよなぁ……今の飼いゆっくりにはこれがないよなぁ、まったくゆっくり好きなのるなら一回くらいは野生ゆっくりと触れ合うべきだよなぁ』 青年は自分の育成方法を成功すると判断して満足げに頷く ゆっくり愛護組織【ゆーりんらぶ】の運営する自然公園での、素直で明るいゆっくりたちを思い出し、彼女たちのようにのびのび育てようと心に誓う 「ゆぅ、りぇいみゅ、おにゃかすいちゃよ……」「しょういわりぇりぇば、しょうね」 「ぱちぇもよ、さっきからおにゃかが、むきゅ」「ごはんたべちぇいのじぇ……」 『おっと、危ない危ない』 青年が思考にふけっていると、赤ゆっくりたちは空腹を訴え泣きそうな顔をしていた 慌てて手にもったゆっくりの茎を4つに千切り、柔らかくなるまで指で潰す 『野生思考のブリーダーは失敗が多いって聞くけど、そいつらは茎の食べさせ方知らないんだろうなぁ』 かつて組織運営の自然公園にて、そこに住まうゆっくりに教えられた通りに茎を柔らかくしてやる 『赤ゆっくりはまだ噛む力弱いからな……よし、こんなもんかな? ほら、みんなご飯だぞー!』 「「「「ゆわぁぁい! ぎょはんぎょはん!」」」」 青年は潰した茎を未だにベッドにいる赤ゆっくりたち一匹一匹の前に置いて行く 「ゆっくちたべりゅよ! む~ちゃむ~ちゃ! ちあわせぇぇええ!!」 『あっ、こら駄目じゃないか!』 一番最初に茎を置かれたれいむは即座にそれにかぶりつき、汚らしく食べかすを零しながら租借していた 青年は次のありすに置こうとした茎を引っ込め、れいむを叱る 「ゆゆ!? いきにゃりおっきにゃこえだしゃにゃいでにぇ!」 『れいむ、まだ皆にご飯行き渡ってないのに食べちゃ駄目だろう?』 青年の中には、ゆっくりの食事風景は自然公園でみた、皆で一斉に「ゆっくりいただきます!」と言ってから食べ始めるのが当たり前であるとあったし 何より、その方が可愛いし、ゆっくりらしいと青年は考えていた 『れいむ、ご飯はね、皆で一斉にいただきますするものなんだよ』 「しょんにゃのしらにゃいよ! りぇいみゅはおにゃかしゅいてりゅんだよ! む~しゃむ~しゃ!」 『あ、こら!』 青年の制止も気にせず、れいむは再び茎を食べ始める それを見て、青年は手を伸ばそうとするが 「おにゃかへっちゃのじぇぇぇええ!!」 「ありしゅの ちょかいはにゃ ごはんはまだなのぉおお!!」 「にゃんでれいみゅだけ たべちぇるのぉおおお!!」 まだ茎を貰えてない3匹のゆっくりが騒ぎ出した 本能を呼び覚まされ、そこいらにいる一山いくらの知能の赤ゆっくりになりさがった彼女らは、人間の道理なんか知ったこっちゃない ゆっくりらしく、欲望に忠実に騒ぐ 『あ、あ、あ、ちょ、ちょっと待ってよ、今から 「む~ちゃむ~ちゃ! しゃーわせぇぇ!!」 あぁ! れいむ、だから食べちゃ駄 「ぽんぽんぺこぺこしゃんなのじぇぇぇええ!!」 も、あ、あ』 好き勝手に動く4匹のピンポン玉饅頭に青年は、目を回す どこから手をつけて良いものか解らず、おろおろとする この青年、実は赤ゆっくりとハッキリ触れ合ったことはあまりなかった 組織運営の自然公園では、外で遊べるくらい育った赤ゆっくり子ゆっくりしか見たことなかった 生まれたばかりの赤ゆっくりについては、動画でゆっくりの子育てを見たことあるくらいだった 一般的に赤ゆっくりは捕食種の生餌として以外は販売されておらず、赤ゆっくりと触れ合うには自分で飼っているゆっくりに子供を生ませる他ない 青年は今までにゆっくりを飼いたいとは思っていたが、資金面の不安から飼えずにいた つまり、真の意味で生まれたての赤ゆっくりと触れ合ったことがなかったのだ その為それぞれ好き勝手する赤ゆっくりに対処できない 『え、あー、み、みんな、落ち着いて、まずは落ちつい 「ゆげっぴゅ! ゆゆ? りぇいみゅ うんうんしちゃくなっちゃよ!」 え? あ、こ、こら』 とりあえず全員を落ち着けて、改めて食事にしようとすると 一人食事をしていたれいむが、茎を半分ほど食べたところで排泄をしようとしていた 当たり前にベッドの上で 「うんうんしゅりゅよ!!」 そう宣言すると、れいむはその小さな身体を達磨のようにころんと寝かせ、揉み上げをわさわささせながら、底部を突き出す そのまま何度か尻を左右に振ると、ピタッと動きを止める 「でりゅよ! たくしゃん!! ゆぅぅん!」 底部の、背中側の一部に小さな穴が生まれ、そこから黒い塊、老廃物と判断された餡子がミチミチと出てくる 人間の小指の先ほどもありそうなものを排泄すると、れいむは寝転んだまま口を開き叫んだ 「しゅっきりぃぃいいい!!!」 『…………』 青年は動きを止めて、もう思考停止状態に陥っていた その間も他の三匹は好き勝手に喚いて、食事を要求していた 一人食事と排泄を終えたれいむは、寝転んだ身体を揺すながら器用に起き上がり そして、自分が出したばかりの排泄餡をその身体で踏みつけた 「ゆ? ゆゆ? にゃに、こりゃ、ゆぅ?! うんうんだよぉおおおお!! くしゃいよぉおお! きちゃにゃぃいいいいい!!!」 自分が踏んだものが排泄餡だと知ると、れいむは涙を流しながらベッドを転がりまわった それにより、ふかふかのベッドにれいむの排泄餡が付着していく 「おにゃかすいちぇの、ゆ? ゆゆ!? ゆべっぇ!?」 更に、出鱈目に転がり近くにいたまりさを弾き飛ばし、それでもまだ転がる 「くしゃいぃいい!! きちゃにゃぃいいい!!」「ゆぎょ!?」 次はありす そして 「はやくぱちぇにぎょは、むっきゅぅ?!」 ぱちゅりーも弾き飛ばした それでも回転を続けるれいむは、転がり疲れてベッドの端で身体を震わせ泣き出した 「どうちて、どうちてりぇいみゅがこんにゃ、めにぃ……」 「いちゃい、のじぇ……」 「ありしゅの、とかいはな、おきゃおが……」 「む、むきゅ、ぅげぇ」 目覚めて僅か数分で、赤ゆっくりは皆瀕死の様相を晒していた 青年は深く呼吸をして、まずはれいむを叱りつけ それから食事を再開させよう、と決めた 心を鬼にするつもりで、彼はれいむに視線を向け声を出す 『れい 「にゃんでこんなこちょしゅりゅのおおぉおおおお!? りぇいみゅがなにしちゃっていうのぉおおおおお!!」 む、ぅ……え?』 叱ろうとした相手からの突然の糾弾に青年は動きを止める 「にゃにだまっちぇるのぉおお?! れいみゅはゆっくちしてただけにゃんだよぉお!? それなのにどうちてこんにゃことされにゃいといけにゃのぉおおおお!!!?」 鬼の形相で「ふしゅーふしゅー」と唸る小さな饅頭に、青年は気おされていた 赤ゆっくりはおろか、成体でもこんなに風に怒るゆっくりは初めて見たからだった 正確には以前、ゆっくりの愛で動画を観てるときに手違いで虐待動画を観てしまい、そのときに子を殺され叫ぶまりさを観たことがあった その状態に今のれいむは近かった 青年はどうしたら良い解らず、ベッドに茎を投げ入れ部屋を出た …… ………… 『よし、気を取り直して今日からしっかりしないとな』 一晩寝て、どうにか気持ちを切り替えた青年は飼育部屋に入る 『みんなゆっくりおはよう!』 声をかけながら、ベッドを覗き込み絶句した 排泄餡がそこらに溢れ、砂糖水の染みもそこいら中に 更にはぱちゅりーが生クリームを吐いて、真っ黒になり死んでいて ベッドの隅では、身体に痣をつけたまりさとありすが、瀕死のところで震えていた 中心部分では、食べかすをそこら中に撒き散らし、醜く肥えたれいむが寝ていた 『な、な、ん、なに、こ、れ……』 ある程度【ゆっくりという生き物】について知っている虐待家飼育家であれば一目で解っただろう 茎を独り占めしたれいむが糞尿撒き散らし、茎を食べようとしたまりさとありすに攻撃を咥え、空腹とストレスでぱちゅりーは死んだ それだけである しかし、青年は今目の前で起きてることを信じられなかった 青年はゆっくりを知らなさ過ぎた 彼が触れ合ってきたゆっくりは、所詮は人の手でそうなるように仕向けられたゆっくりたちばかり 本当の野山を駆け回るゆっくり、街中を這いずり回るゆっくりを彼は知らなかった 人間に従順な、青年の言う【人間の奴隷】としてのゆっくりしか知らなかったのだ 茎を渡せば、皆仲良く分けて食べると信じていたし 自分のいる場所の近くで排泄なんかしないと思っていたし 仲間に暴力なんて振るう訳ないと確信していた それらが全てぶち壊された 青年は知らなかった 【野生思考のブリーダー】のほとんどは彼のように、人間の管理する自然公園などに住む従順なゆっくりを見てその道を選ぶことを 青年は知らなかった、何故知人がいきなり二種を受けるのを止めたのか それは、試験の難易度より【ゆっくり】という生き物に慣れることが先決だと解っていたから ゆっくり、我がままで自分勝手で気分屋で直ぐに暴力に訴え出る それを教育して、巷に出回っている飼いゆっくりまでにする苦労は計り知れない まずは子ゆっくりから飼育して、徐々に慣らしていかないと、ゆっくりの実態を目にしたときに絶えられない 特に愛護組織所属の愛で派そうだ 彼らが目にするゆっくりの常識とまるで違う姿に、絶望し時には虐待家へ転向する人までいる それほどまでにゆっくりは醜い 『…………ああぁぁあぁぁああぁあぁぁあああああ!!!』 「ゆぅ? なんなのうるしゃい、よぉおあ?!」 青年は叫ぶと、ベッドを持ち上げ、そのままマンションを飛び出し、走り走り、ゴミ置き場まで来ると 感情に任せて、そのベッドをゴミ置き場に投げ捨てた 『はっぁ、はぁ、はあ、違う、あんなの、あんなのゆっくりじゃない、あんなの……』 ブツブツ呟きながら歩く青年の前に、ゆっくりの親子が現れた 小汚い野良ゆっくりの、れいむと小まりさだ 「ごめんね、おちびちゃん、おかーさんがかりがへたで……まりさが、いればもっとおいしいものたべられたのに」 「ゆゆ、いいのじぇ! まりしゃはおかーさんといっしょにいられれば それでいいのじぇ!」 まだ少し赤ゆっくり言葉が残るまりさの言葉に、親れいむは涙ぐむ 青年は、それを見て青年は自分がゆっくりに偏見を持って接していたことに気が付いた 野良でも野生でも飼いでも、ゆっくりはゆっくり 人間のように色々な性格があるのは当たり前だと、青年は思い至り 自分がしてしまった、感情に任せた行動を恥じた 今からでも遅くはない、ベッドを拾って帰ろうと想い その前に、それを気付かせてくれたれいむとまりさにと青年は、ポケットに入っていた飴を取り出した 『なぁ、二人とも、これ一個しかないけど、どうかな?』 「ゆゆ? にんげんしゃん、それはなんなのじぇ?」 『これは甘い、そうあまあまだよ』 「「あまあま!?」」 青年の言葉に、二匹は身体震わせる 野良では決して入手出来ないあまあまを目の前にしたのだから当たり前だろう 二匹とも目を輝かせ、涎を垂らす 『でも、一個しかないから、ごめんな、まりさにあげるよ、はいあ~ん』 「はやくたべたいのじぇ! あ~んなの 「れいむがたべるよ!!」 ゆびゅるべ!?」 『は……?』 まりさの口に、飴を入れようとした瞬間 さっきまで母性を示していたれいむが、まりさを踏み潰した 「はやくちょーだいね! まりさはいなくなったからそれはれいむのだよ! さっさとちょうだいね! すぐわたせこのどれぃいいい!!」 『…………』 青年は無言で立ち上がると、れいむの口に飴を放り投げ 涎を垂らし、醜い顔で飴に喰らい付こうとしたれいむの顔面を、これ以上ない威力で蹴りぬいた これ以降、青年がブリーダーをやったという記録はない
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『普通の人とゆっくり』 17KB 考証 日常模様 現代 独自設定 失礼します。 anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1 anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2 anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3 anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4 anko3456 れいむのゆん生 anko3458 まけいぬとゆっくり anko3461 ゆっくりに生まれて anko3484 ゆっくりブリーダー anko3489 休日とゆっくり anko3652 ドスについて anko3715 ゆっくりに餌を anko3729 はじめてのぎゃくたい anko3730 はじめてのしいく anko3794 まりさとの勝負 anko3843 野球部のゆっくり anko3855 ゆっくりと会話してみた anko3932 ゆっくり観察日記 anko3933 ゆっくりと子供 anko3953 しんぐるまざーの朝は早い anko4016 虐められるためのゆっくり 誤字脱字失礼します 「」ゆっくりの台詞 『』人間の台詞でお願いします 「ゆっくちしていっちぇね! ゆっくちしていっちぇね! ゆっくちしちぇぇえぇええ!!」 平日の朝、脳みそにまで響くような声で私は目を覚ました。 『…………朝か』 「ゆっくちぃいい! ゆっくちしちぇぇぇえええ!! ゆっくちゆっぐちぃい!!」 目を覚ました私は、薄っすら明けた目で天井を見上げる。 見慣れきった天井、カーテン越しの光で薄っすら明るいそこをしばらく見つめる。 その間も目覚ましは鳴き続けていたが、私は朝が弱いのでしばらくボーっとしていた。 10分ほどして、目覚ましの声が濁り出した頃になって私はやっと枕元に置かれたそれのアラームを止めた。 「ゆっぐぎぃいいぃい!! ゆっぎぢじでぐだぎゃぁぁぁああああ…………ゅっ」 目覚ましの上部についている大きなボタンを押すと、一際大きな声をあげてアラームはとまった。 これは加工所ヒット商品のひとつ〔ぐっもーにんゆ〕である。 10cm四方の透明な箱の上に、デジタルの時計がついているもので、設定した時間になると透明な箱の中に入っているゆっくりが可愛い声で起こしてくれるという触れ込みの時計だった。 可愛いかどうかは判断に困るけれど、音の大きさから目覚ましとしてはかなり優秀であることは間違いない。 この〔ぐっもーにんゆ〕で三代目だけど、また次もこれを買おうと決めている。 「ゅぅ、ゆっぐ、ゅ」 口から餡子を吐いて苦しんでいる赤れいむをしばし眺めて頷く。 この時計は電池の代わりに、加工所ショップで売っているオレンジ電池を使用している。 それをセットしておけば、アラームを止めるときにボタンを押すだけで濃縮オレンジジュースが内部のゆっくりに注入されてまた明日元気に私を起こしてくれる優れものだ。 『あ、確か電池そろそろ終わりだったかな……』 頭が起きて来たのか、ふとそんなことを思い出した。 一つ思い出すと、他にも様々な日用品が頭を巡って行く。 『はぁ……起きるか』 誰にともなく呟いて、私はゆっくり身体を起こす。 伸びをしながら立ち上がり、まずはカーテンを開けて、窓を開けしばらくそこから自宅であるマンション前の道を眺める。 時刻はまだ早朝と言っても過言ではないくらいで、そんなに都会でもないこの街では車通りもなく、散歩してる人がチラホラ見える位だ。 しばらく見ていると、遠くからゆっくり、名前は知らないけど緑の帽子に紅い髪をしたゆっくりを連れた青年が歩いて来るのが見えた。 私はその散歩風景を見るのがちょっとした日課になっていたりする。 ちなみに青年は結構なイケメンである。 『……ゆっくりかぁ、私も買おうかなぁ』 「ゃお」だか「じゃう」だか鳴いて元気に跳ねて、たまに転んでは青年と笑い合うそのゆっくりを見ながらため息をつく。 一人暮らしのお供にゆっくりを買おうか結構本気で考え、もしかしたらあの青年と少しはお近づきになれるきっかけになるかも知れないと、邪にも考える。 『いっちゃった……』 しばらく見ていると、青年は曲がり角に入ってしまいこれ以上目で追うことは出来なくなってしまった。 窓の外に手をだるっと伸ばして、干された布団のような体勢になりしばらく動きを止める。 窓枠のサッシが、そんなに厚くない胸の脂肪に食い込んで痛かったので身体を起こした。 『よっし、ご飯、しよ』 また伸びをして、部屋から出てまずは洗面所に向かい、洗顔と歯磨きを済ませる。 顔と、寝汗をかいてしまったので脇も軽く〔にとりタオル〕で拭いておく。 薄い緑色の綺麗なタオルで、詳しくは知らないけれど‘にとり‘とか言うゆっくりのお飾りから出来ているらしく、水をかなり吸収してくれる。 『うわっ、汗くさ』 拭いたタオルを軽く嗅いでみたら思ったより臭いがきつかったので、自分の臭いだというのに顔をしかめてしまった。 ちょっとブルーになりながら、キッチン兼リビングに向かい、まずはトースターにパンを突っ込む。 その間にコーヒーを作ることにして出しっぱなしのインスタントコーヒーの〔ビタちぇん〕を手に取る。 これはちぇんを品種改良して、中身をコーヒー風味のカカオにしているもので、その実ゆっくりだかを収穫して乾かして、ビー玉くらいのレーズンみたいになっているやつだ 一個で一杯のコーヒーが作れるので、一々分量考えなくて良いから楽で気に入っている。 その粒を一個取ると、お気に入りのマグカップ、名前は知らないけどさっきの青年が連れていたゆっくりのイラストが描かれているそれに入れる。 そして、食器棚から皿を二枚取り出す、一つは普通サイズの、一つは深めの小鉢を。 それから冷蔵庫に向かい、二つ並んだ卵のパックみたいな入れ物から一個づつ赤ゆっくりを取り出す。 取り出した赤ゆっくりは、れいむと、たしか‘ぱちゅりー‘とか言うゆっくりだ。 これをパンに塗って食べるのが私は大好きだったりする。 そして更に、違うパックからまたぱちゅりーを取り出す。 これはパン用ではなく、コーヒー用の〔くりーむきゅ〕と言う商品だ。 これ一個で砂糖とミルク両方の仕事をしてくれる便利商品で気に入っている、なのでマグカップに放り込む。 放り込んだときに「むきゅ!?」っと声がしたので、冬眠から目が覚めたのかも知れないけれど、カップから出られる訳もないので放って置く。 マグカップ、皿二枚を一杯一杯になりながら食卓に運んだ頃にちょうどパンが焼けたらしく軽快な音を立てて、トースターから飛び出してくる。 飛びしてきたパンは、真ん中部分だけがゆっくりのまりさの形に、白く焼け残っていた。 子供の頃に両親にねだって買って貰ったもので、一人暮らしをするに当たって持ってきたのだ。 まりさの形といっても、三角帽子に丸い身体の形が解る程度だ。 だけど、何故かその模様を見ると落ち着いてしまう自分はいつまで子供なんだろうかと肩を竦めたくなってしまう。 そして、食卓に座りざまに、机の上に電気ケトルを手に取り、びたちぇんと、くりーむきゅの入ったマグカップにお湯を注ぐ。 「む、むきゃぁぁああ…………ゅ」 『あー…………』 マグカップから立ち上るコーヒーもどきの香りにまったり和みながら、それを箸でかき混ぜる。 「ゅ? ゅ、きょきょは、どきょ?」「むきゅ、もうあしゃなの?」 小鉢の中で、パン用の赤れいむ赤ぱちゅりーが起き出したけれど気にせずコーヒーもどきを飲む。 苦味と甘みに、うっとりしながらしばらくまったりする。 それから徐にトーストを掴んで一口齧る。 ザクッと歯ごたえ良いそれに気分を良くして、さくさくトーストをコーヒーで流し込む。 『うん、うんうまし、うまし』 「ゆゆ!? えーみゅにもごはんしゃん ちょーらいね!」「けんじゃには ぶれいくふぁすとはつきものよ!」 私は二枚焼いたトーストの一枚目は、コーヒーで食べるのを日課にしている。 どうしてかしらないけれど、それが好きだったりするのだ。 一応見える位置にテレビもあるけれど、それもつけない。 トーストを齧る音がどうにも好きで好きで仕方ない、ざくざく、ざくざく、さくさく、ごくん。 自分の中に響く音を十分に楽しんだら、次は小鉢のゆっくりに手を伸ばす。 箸で赤れいむのリボンを摘んで持ち上げる。 「れいみゅの おそらをとぶこうげき! だよ!」 赤れいむを、ちょっとだけ冷めたトーストにポトンと落とす。 「ゅ!? ぁ、あちゅいぃい! ゆぶ!?」 そして、箸を突き刺し、赤れいむの皮を破ってパンに広げてる。 この作業がちょっと面倒だけど、この餡子が一番私の口に合うのだから仕方ない。 「ゅぎ!? ぃ、いじゃ、いじゃい、よ、ゃ、ゃべちぇ、ね……」 広げきったら、次は赤ぱちゅりーを箸で持ち上げる。 「むきゅぅうう!? くさい! くさいわぁぁあ!!」 この時に何故か箸を臭がるので、ちょっと面倒だったりするけど、慣れた作業でパンの上に。 ぱちゅりーは毎回、餡子の上に乗ると動きを止めて自分からクリームを出してくれるのでありがたい。 クリームを出し切ったのを見たら、その餡子クリームトーストを半分に折って一気に食べ、コーヒーで流し込む。 『ぷはぁああ…………うん、うまい!』 甘い甘い朝食を食べきると、至福の気分でまた寝たくなってしまうけれどそれも出来ないので、無理にでも立ち上がり、服を脱いでいく。 寝ている間につけると胸が成長するブラをつけて早4年になるけれど目だった変化もないそれを外して、寝汗をかいたので一回全裸になってから服を新しく着なおす。 朝の空気に身体がキュッと締まるような気持ちになったけれど、腰周りには変化は見られずため息をついて服を選ぶ。 『なーにーに、しましょーかー、な』 服を漁りながら、頭の中でイメージを浮かべながら選んでいき、ワイシャツとハーフパンツを手に取る。 『りぐるコーデにしてみっかね』 最近流行っている、胴付きゆっくりの服装を元にしたコーディネイト、その一つである〔りぐるコーディネイト〕を選択した。 半ズボンにワイシャツ、そしてリボン帯をつけるだけの簡素なものだけど、結構自分に似合うのではないかと密かに思っていた。 他には、セーラーな〔むらさコーデ〕やフリル多様な〔ひなコーデ〕が人気らしいけれど、私にはちょっと合わないかなぁっと手を出していない。 『しかし、一回くらい挑戦してみるべきか……』 悩みながら着替えを済ますと、まだ出かけるまで時間があるのでテレビでも見て時間を潰す事にした。 『…………虐待ねぇ、やる奴の気が知れないよねぇ』 朝のニュースではゆっくりの特集をやっていた、前半は可愛らしいゆっくりの紹介とかで、私の興味も惹かれたけれど。 次に流れたのは若者の虐待人口の増加とかいうヤツだった。 グラフの推移や、町の声、そして虐待する人へのインタビューなどをへて、今はスタジオでコメンテーターと評論家が何やら議論を交わしていた。 やれ『ゆっくり虐待は高度なストレスの発散娯楽であり』だとか。 やれ『ゆっくりを虐待する人の心には深い闇と、他者への攻撃性が』だとか。 正直どうでも良い議論ではあるが、ギリギリ後者を私は応援したい。 そりゃ私も子供の頃には、ゆっくりを潰したり、川に投げ込んだりして遊んだ経験はある。 でも、そんなの小学校くらいのもんだ、それも低学年。 大人になってまでわざわざそんなことをする必要なんて感じられないし、共感も出来ない。 ちょっと前に友達に〔ゆ虐カフェ〕に連れていかれたけれど、正直五月蝿いだけで楽しめなかった私だ。 それを楽しむ人は沢山いるんだろうから、否定はしないけれど、押し付けられても正直、困る。 『…………』 ニュースの内容は、ゆっくりからゴミと環境の問題へ移り変わっていた。 ゆっくりなんかよりずっと私の、世界に関係あるんだろうけれど、さっきより内容は頭に入ってこない、が。 『あ、ゴミ……あっ!?』 ニュースを見ている内に、今日がゴミを出す日だと思い出して慌てて立ち上がる。 『わっすれてた! あ、あー!』 急いで部屋の隅に用意しといたゴミ袋を抱えて、サンダルを履いてマンション前のゴミ捨て場にダッシュする。 途中であったご近所さんに、会釈をして一気に駆け抜けた結果。 『ふぅううセーフ!』 まだゴミの回収は始まっていなかったらしく、大量のゴミが積まれていたので、私もそこにゴミを置こうとして……。 「ゅゆ!? なんでくそにんげんがいるんだぜぇぇぇえ!?!」 『あ、ゴミ漁り……』 ゴミ捨て場の隅には、薄汚れたゆっくりまりさがいて、私を見ながら汚い口を開けて何やら叫んでいた。 どうやらゴミを漁りに来た野良ゆっくりに遭遇してしまったらしい。 こっちを見て何やら汚い汁を撒き散らしてるゆっくりから視線をはずして、ゴミ捨て場に備え付けられているゴミ袋を一枚取る。 そしてこれまた備え付けられている、ゴム手袋をはめるとゆっくりを掴んでゴミ袋に突っ込む。 「ゃ! ゃべるのぜ! このまちさいっきょうのまりさに、こんなことして、ただですむと おもってんのかぜっぇえええ!!?」 袋に入れたら、後は口を硬く結んで、ゴミ捨て場の床に放り投げる。 「ゅべ!? な、なにを、するのぜ、も、もう、ゆるさな、ゆぎゅるべ?!」 最後にしっかり上から踏んで、これでお仕舞い。 あとは手袋を元の位置に引っ掛けて、マンション住民としての私の使命は完結だ。 『あー、間に合って良かった……』 ゴミ捨てとマンション住民の使命を終えて私は、行きとは正反対のまったり速度で部屋に戻った。 戻ったときには時間はちょうど良いくらいだったので、靴を履き替えて私はバイトへ出かけることにした。 『ん?』 「やべでね!? れいぶのおちびちゃんに、ひどいごどじないでぇぇええ!!」 「ちゃすけちぇぇぇええ!!」 バイト先であるコンビニに向かう途中、近道の公園を抜けようとしたときに、ふとゆっくりの声が聞こえて来たのでそちらに視線を向けた。 向けた先には、ダンボールの箱、おそらくはゆっくりの家が潰されていて、その前には一匹ゆっくりまりさが潰されていて、隣では涙を流す成体のれいむ、そしてれいむの視線の先には私と同じくらいの年齢の男性がいて、手に持った赤れいむを握ったり、指で弾いたりしていた。 『あー、ゆ虐、ね……あっ』 『あ』 さっき観たニュースが頭に思い浮かんで、ちょっと声に出してしまったら、それに反応して男性がこちらを振り向いて一瞬視線があった。 『…………ん、んん、ごほん、ちっ』 「ゆびぇ!?」 「お、おちびちゃあぁぁああん、だいじょうぶ? いたいとこない? だいじょうぶ?!」 誤魔化すような咳払いに、舌打ち一つして男性は赤れいむを放り投げると、いそいそと私から逃げるように公園から出て行った。 ここは小さな公園で、利用する人もそんなにいないので、虐待に来たのだろうけれど、タイミングが悪かったみたいだ。 舌打ちされた私は、肩を軽く竦めてまた歩き出した。 恥ずかしいくらいならしなきゃいーのに、そう思って首を捻り、バイト先に急いだ。 ……。 …………。 『おつかれーっす』 『はい、お疲れ様です』 笑顔の無料配布を終えて、首をコキリとならしてバイト先であるコンビニから脱出する。 一緒にシフトに入った高校生に、りぐるコーデを誉められて若干テンションがあがっていたりする。 店長には『バイトの時は長ズボンが良いんだけど……』と注意されてしまった。 女子高生がスカートで来た時は注意しなかったくせに、カテゴリ分けするなんて失礼な、とちょっと憤慨。 しかし、まぁ、概ね楽しくバイトを終わらせた私は、コンビニで適当にパンを買って近道に使った公園に向かった。 お腹が空きすぎているので、軽く食べたい気分だったりしたのだ。 公園に一つしかないベンチに座り、買ってきたサンドイッチの包みをあけて頬張る。 『何でかくせになるんだよねぇ、コンビニのサンドイッチって』 何か悪いものでも入っているんじゃないかと不安になりながらも、食べる手は止まらない。 美味しい物は身体に悪いのかも知れない、とかも考えていても手は止まらず、あっと言う間に食べ切ってしまった。 『次は何にしようかな……』 「ゅゆ! そこのクソにんげん!」 『ん?』 袋の中を漁っていたら、いきなり声をかけられた。 甲高いその声に相手はゆっくりだろうと、チラッとそっちを見ると案の定ゆっくり、成体のゆっくりれいむだった。 それにしても妙に傷だらけなゆっくりで、頬には涙の痕が染み付いていた。 まぁ、ゆっくりなんて泣くのが仕事みたいなくらい泣いてるし仕方ないんだろう。 私はれいむから視線を外して、再びパン選びを再開する。 『甘いのは最後かなぁ』 「ゆぎぃい!! むしするなぁぁああ!! れいむはゲスでクズなクソにんげんにいじめられてかわいそうなんだよ! さっさとそのごはんさんよこしてね!」 何やら叫んでいるけど無視無視、ゆっくりは無視に限る。 黙々とパンを食べていく。 「きけぇぇぇぇええ!!! れいむにはかわいいおちびちゃんがいるんだよ! そのおちびちゃんもクソゴミにんげんにいじめられて いたいいたいなんだよ! かわいそうなんだよ! わかったかぁぁぁぁぁぁあぁあ!?!」 『この新作の美味しいなぁ……今度からこれ買お』 新発売とあったので買ってみたパンが予想外に美味しくて、びっくりしながらも簡単に食べきる。 袋の中を見るとまだパンがあったか、お腹は結構いっぱいになってしまった。 『さすがに買い過ぎたか……』 苦笑しながら立ち上がり、パンの袋を片手に歩き出す。 「ゆ?! どこいくの!? そのごはんさんおいていってね!」 『…………』 私の後ろをれいむはポヨンポヨン跳ねながら追ってきているようだった。 「とばれぇぇぇえええ!! それはれいぶのだぞぉおおおぉお!!」 『あー! うっさいなぁ! さっきから!』 「ゆびゅるべ!」 叫び声が癇に障ってついれいむを踏み潰してしまった、靴に汚い餡子がついてしまった。 『やっちゃった……うぇ』 かなりブルーになりながら、公園の水のみ場に向かい、なるべく内部に水を染み込ませない様に餡子を流していく。 ちょっとお気に入りの靴だったので、テンションの下がり方が半端じゃなかった。 『この公園人こないからゆっくり増えるんだよねぇ、あーあ、ん?』 ふと視線に気付いて視線を向けた先には、子ゆっくりサイズのまりさ一匹と、赤ゆっくりサイズのれいむが二匹いた。 かなりみすぼらしい格好で、こちらをじっと見てきていた。 向こうもこちらの視線に気付いたのか震えながら、ゆっくり口を開いた。 「お、おねーさん、おねがいが、あるのぜ、まりさたちにご、ごはんさんをください、なのぜ……」 子まりさはガクガク震えながらも、しっかり私に言葉を伝えてきた。 少しだけ考えて、袋の中にあったパンの一つを袋から出して、半分に割って放り投げてやる。 「ゅ、ゆわあああ!! ありがとうございますぅううぅうう!!」 涙を流しながら子まりさは何度も頭を下げてきたけど、私としては処分に近いのでどうでも良かったりする。 振り返りもせず公園を抜けて、そのままマンションを目指さないで、加工所ショップに向かう。 広めの明るい店内には、ゆっくりの飼育グッズから虐待グッズ、実際のゆっくり販売、それにちょっとエッチな道具やらまで何でも揃っている。 アイデア商品は面白い物が多いので私は良くここを利用させて貰っていた。 『オレンジ電池と、パン用のゆっくりと、くりーむきゅも買っとこ』 必要な商品を籠に放り込んでいく。かなり安いので、ついつい入れすぎてしまいガチになるが、どれも便利なので仕方ない。 それらを一通り購入して、ビニール袋を持ったまま店内を散策する。 ゆっくりコーデの服コーナーもあるので、そこもちょろっと見ようとしたが、若く可愛い女の子数人が試着したりして盛り上がっていたのでスルーして店の奥に進む。 『…………』 店の奥に進む。 『…………』 虐待コーナーの隣にある区画、入り口がカーテンで区切られたそこにゆっくり近づいていく。 興味もない虐待グッズを手に取ったりしてみながら、チラチラカーテンを見て、そして、すっと中に入る。 そう、ここはゆっくりアダルトグッズコーナー。 区画に誰もいないのを確認して急ぎ足で、愛用している〔舐めゆ〕を手に取り、内部カウンターに持っていく。 『…………』 『ありがとうございます……ポイントカードはお持ちですか?』 『え?』 普段なら何も言わずに買い終わるのに、何故か今日は急に声をかけられてしまった。 『ぁ、お、い、いえ、持ってないです、はい』 本当は持っているけれど、出すのが恥ずかしいので持っていないことにして話を終わらせようとしたが。 『でしたらお作りいたしますか? 使う度にポイントが貯まる便利なカードなんですけど』 『け、結構です』 早く切り上げてくれと本気で願いながら、顔が赤くなってしまうのが解る。 一応配慮でレジとカウンターは、お互いの顔が直接見えないようになってはいるが恥ずかし過ぎる。 そんな拷問のようなやり取りを終えて、そそくさと逃げ出すように店を出た。 内心で、例の店員さんを罵りながら、何となく持ってきた飼いゆっくりの購入カタログを見ながら歩く。 その中に、朝の青年が連れている紅髪のゆっくりが載っていた。 ‘めーりん‘そう言うらしい、他のゆっくり見たいにしゃべることは出来ないが、人間の言葉は理解出来ていて、知能も高いらしい。『へぇ、飼い易そうなんね……』 ちょっと本気で購入を考えながらマンションに帰還。 買ってきた荷物をそれぞれの場所に収納して、紙袋に入れて貰った舐めゆを取り出す。 これは加工所で作られたゆっくりで、基本的には寝ているがしばらく揺すると起き出して、その、まぁ、舐めだすものなのだ。 元は男性用に作られたらしいけれど、どうしてか女性人気のがあるらしい。 そんな私も結構な頻度で買ってしまっている、何故なら毎日のように使っているので直ぐに駄目になってしまうのだ。 ちょっと前に壊れてしまい、今日やっと買うことが出来てテンションが変なあがり方をしていた。 他人に見せられないニヤニヤ顔をしながら、舐めゆを握り締め……。 『お風呂前に、一回、良いよね、久しぶり、だしぃ……♪』 私は、そっとトイレに向かい、そっと戸を閉めた。 ……。 …………。 ………………。 終わり。
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『まけいぬとゆっくり』 18KB 虐待 自業自得 日常模様 現代 再・失礼します。 anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1 anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2 anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3 anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4 anko3456 れいむのゆん生 「」ゆっくりの台詞 『』人間の台詞でお願いします 誤字脱字失礼します 『はぁぁぁっぁぁぁああああぁぁああ』 公園のベンチに座る青年は大きくため息をついていた 日曜日の麗らかな午後、自然溢れる公園の輝くような景色の中 青年の座る一角だけ、雲が架かっているようでさえあった そして、その青年を、同じ公園にいる人々は気の毒そうに見ていた それもそのハズ この青年はほんの数分前に、一人の女性に一世一代の告白をしたのだが 見事に断られ、彼女がいなくなった今もその公園のベンチから動けずにいたのだった ジョギングに来た少年、子供と野球をしにきた父親、談笑する主婦 様々な人が気の毒そうに青年に目をむけ、一人、また一人と公園からいなくなっていった それもそうだ、折角の休日に目の前で葬儀でも行われているかのようなテンションを見せられては困る かと言って『うじうじして気分が滅入る、失せろ』というような勇者はいなかった 皆勇者になるよりは逃げることを優先した 幸いなことに青年は回り込むことをせず、ベンチから動かないでいた そのベンチの前に、ゲームキューブ大の饅頭、生体のゆっくりが二匹近づいていった 公園に住む、どこからどう見ても立派な野良です、といったようなゆっくり二匹 ほつれた赤いリボンのれいむと、折れた黒い帽子のまりさ どこでも良くみる、ゆっくりのスタンダードなセット饅頭だ そのゆっくりが笑いを堪えるように震えながら、青年の座るベンチに近づいていった 『あぁぁぁあ、なぁんで駄目だったかなぁ……ん?』 失恋に嘆く青年が、天を仰ぐように頭をふったとき、いつの間にか目の前にいたゆっくりを視界に捕らえた 人間の視界に入ったと感じれば、それなりに賢いゆっくりなら即座に逃げの一手だが このれいむとまりさは、それなりに賢くないゆっくりだったのか、青年の視界から逃げようとしない むしろ挑むようにニヤニヤ笑っている 『……なんだよ、甘いもんなんか持ってねーぞ』 青年はゆっくりは決して嫌いではなかったが、大して好きでもなかった その為、とりあえず目の前のゆっくりに二匹に【退去勧告】をした 問答無用で潰さない辺り優しいのか、単に面倒なのか 気だるそうに首回す姿からは、後者に見える そんな青年の態度をどう感じたのか、れいむとまりさは一層笑いを強めて、まるで内緒話をするように顔を寄せた 『あぁ? なにして――』 「ゆぷぷ! まりさまりさ! このへんに まけいぬさんがいるってしってたぁ?」 「まけいぬ? なんなのぜ、そのゆっくりしてないのはぁ?」 「ゆゆ! しらいのぉ? だったらおしえてあげるね! まけいぬってのはね、すきなひとにずっとゆっくりしてっていったのに、ことわれることだよ!」 「ゆぷぷぷ!! それはゆっくりしてないのぜ! そんなかわいそうなのがこんなゆっくりプレイスにいるのかぜ?」 『…………』 急にわざとらしく話し出したゆっくり二匹 どうやら青年が振られるのを見ていたらしく、明らかに目標を定めて話していた 当の青年は、何かに耐えるように身体を震わせている そんな姿、ゆっくり的に【ゆっくりしてない】姿を見て、れいむとまりさは更に笑みを深める 「すごかったよそのまけいぬは!」 れいむは、チラッと青年を見て、またまりさに向き直る 「ぼくとつきあってください! ってゆっくりしてないこえでさけんで、あたままでさげたのに、このみじゃないっていわれてたんだよ!」 「ゆぷ、ゆぷぷぷ! ほんとなのかぜぇ? あたままでさげても こいゆんをつくれないなんて、そんなのありえないんだぜ!」 「そうだよね、ふつうそうだよねぇ! れいむとまりさなんかあいさつした そのひからラブラブちゅっちゅなのにね!」 「そうなのぜ、まりさとれいむはラブラブなのぜ、そのまけいぬに このゆっくりっぷりを わけてあげたいくらいなのぜ!」 『………………』 れいむとまりさは、チラチラ青年を見る、そしてそのゆっくりしてない表情を見て笑う 青年は、肩を大きく震わせ鼻で荒い呼吸を繰り返す 「きっとそのまけいぬは、こいゆんがいないから、おうちにかえったら なさけなくひとりすっきりーをするのぜ!」 「ゆぷぷぷ! そ、そんなことはないんじゃないかなぁ、さすがにそこまでみじめにはなれないとおもうよ!」 「いーや、まちがいなくするのぜ! きっとみれんがましく あいてのことをおもってひとりすっきりーするのぜ!」 「ひとりすっきりーなんて はずかしすぎるよぉ……おちびちゃんならまだしも、おとなになってなんて」 「まりさなんて、ひとりすっきりーなんか、あかちゃんのころにしていらいなのぜ! できるものなら、してみたいのぜ!」 「だったらまりさがまけいぬになればいいんだよ!」 「ゆ? ゆぷ、ゆぷぷ、そ、そんなのむりなのぜ! まりさのプライドがゆるさないのぜぇ! ゆひゃひゃひゃひゃ!!」 ゆっくり二匹は、まさに笑い転げる 汚い身体を公園の土で汚しながら、大笑いしながら転がり回る 『……お前ら、なんのつもりだ?』 その姿に、青年は食いしばっていた口を開いた ここまで言われても、まだ潰さないでいる青年はもしかしたら愛で派なのかも知れない……ではなく、感情の発散方法を見つけられずにるのだろう 今にも暴れだしそうな身体は小刻みに震えているが、ゆっくりにバカにされてそれに腹を立てることにプライドが許さないのだろう その一寸のストッパーが、このゆっくりの二匹の命を長えらせていた それにれいむとまりさは気づかない 一通り笑い終えたのか、青年の前に揃って並ぶ たまに思い出したかのように「ゆぷ」っと声を漏らしていた 「なんのつもりって、まけいぬをわらってるだけだよ? りかいできる?」 「ゆひゃひゃ、まりさはまけいぬをみにきたのぜ、どこにいるのかぜぇ?」 れいむはしらばっくれるように、まりさはキョロキョロ周囲を見回してふざける 『そうか、負け犬を見たいのかぁ』 「そうなのぜ! みてみたいのぜ、まりさはかりもうまくて、あたまもてんっさいなさいっきょうだから、まりさとせいはんたいの、まけいぬをみてみたいのぜ!」 「まりさはかんっぜんにかちぐみだもんね! れいむみたいなかわいいハニーもいて、だれよりもつよくてかっこいいし!」 胸を張るまりさに、れいむがしなだれかかる様に頬摺りする 「たまにはしたをみるのも、ちょうてんのつとめなのぜ! しりょぶかくってごめんなのぜ!」 完全に青年を、延いては人間を見下している 実に一般的なゆっくり もう少し慎ましやかだったら、長生き出来たのは間違いないだろう そして何よりも、この青年に声をかけなければ長生きは出来ただろう 青年はベンチから立ち上がると、二匹の前でしゃがむ 「ゆぁぁぁぁん? なんかようなのぜぇ?」 「あんまりちかづかないでね! まけいぬくさいよ! ひとりすっきりーくさいのがうつるよ!」 「まりさはべつに、くそゴミまけいぬにんげ、じゃなくておにーさんがまけいぬとはいってないのぜぇ? それともまけいぬにこころあたりでもあるのかぜぇ? ゆぁぁぁあん?」 「ゆぷぷ、もしかしたら、このにんげんがまけいぬかもね、ゆぷっ!」 「ゆひゃひゃ! それはいいすぎなのぜ れいむ! もしまけいぬになったら、まりさならはずかしくて とっくにおたべなさいしてるのぜ! いつまでも のうのうといきてるなんて ありえないはじさらしなのぜ!」 「それもそうだね! ふつうならそうだよね! それでまけい、じゃなくてにんげんはなんのようなの?」 「もしかして、まりさとれいむにいんねんつけてるのかぜ? もしそうならだたじゃおかないのぜ!」 顔中を醜い笑みで染めたまりさが、一歩前にずいっと出る そして汚い金髪のお下げを振り回し 「いまなら おしりペンペンでゆるしてやるのぜ! わかったら、さっさときえるのぜ! ひとりすっきりーびょうがまりさにうつったらどうしてくれるのぜ!」 青年は腕をグッパと、慣らすように閉じて開いた 『負け犬が見たいんだっけ?』 「ゆ? そうなのぜ、みてみたいのぜ! ぶざまなよわよわのまけいぬを!」 その言葉に青年は小さく頷く 『じゃあ、見せてやるよぉおおおおおお!!!!』 「ゆぶぎぇろぉ!?!?!?」 青年は確かめるように握った拳を、しゃがんだまま地面ギリギリに水平に振るった その拳はまりさの頬を的確に捕らえて、そのまま5メートル以上ノーバウンドで飛ばした 転がるまりさは、少し行って動きを止め、痛みに精神が反応仕切れないのか痙攣していた 「ゆ、ゆゆ? まりさ? ゆゆ?」 被害を受けなかったれいむには何がなんだか解らない 負け犬が何やらゆっくりしてない動きをしたら、まりさがいなくなっていた その程度の認識だ そして、残念な餡子のれいむは青年の動きと、まりさ消失を関連付けられない というより「れいむのまりさを こんなまけいぬがどうこうできるわけないよ!」という思考である 「まりさ? まりさ? どこにいちゃ 「ぃじゃぁぁぁぁぁいあぁあああああああああ!!」 ゆゆ! まりさ!?」 れいむにしては【さいきょうのまりさ】のあり得ない悲鳴に、あわてて声がした方を見る その先には、まるで赤ゆっくりのように涙を流して砂糖水の尿を漏らして、あまつさえ、古い餡子、うんうんを垂れ流しながら、いっそコミカルに底部を上下左右に動かすまりさがいた 「ばりざぁぁぁぁあぁあ!! なにがあったのぉおおおおおおお!!!」 今まで見たこともないまりさの姿に、れいむは急いで跳ねる 青年もそれに続く、少しだけスッキリしたのかその顔には余裕が見える しかし、まだまだ許す気はないのか、まりさの身体を舐めて治療しようとするれいむの高等部を睨み付けていた 「ばりざぁ、しっかりしてぇ……どぼじだのぉ? ぺーろぺーろ」 れいむは、青年に殴られ頬を大きく腫らせたまりさのそこを何度も舐める それは功をなしたのか、まりさはまだ痛みは残るものの、何とか立ち上がって見せた 「ゆ、ゆぐぅ、なんと、か、もちなおしたのぜ、さすがはさいきょうのまりさなのぜ……」 「まりさぁぁぁあ!! よかった、よかったよぉおおお!!」 「ゆふふ、れいむはしんぱいしょうなのぜ、あれくらいさいきょうのまりさのまえじゃ、おちびのたいあたりなのぜ!」 さっきまで脱糞しながら転げまわっての忘れたのか それとも、このまりさは赤ゆっくりの体当たりで脱糞するのかは解らないが、自身に溢れたムカつく表情を取り戻したようだ しかし、流石に身体を少しでも動かすと頬の腫れに響くのか辛そうにする そして、不思議そうに自分の身体を見回す 「それにしても、いったいなにがあ 『俺が殴ったんだよ、そんなんも解らないの?』 ゆゆ?」 まりさの言葉に割るように入った青年の言葉 青年が言葉を発して、ようやく二匹はその存在を思い出したのか、ゆっくりれいむの背後に視線を、顔を向ける 「ゆぁぁぁぁああん? さっきなにかききずてならないことばをきいたのぜ」 「れいむもきこえたよ、まるで まけいぬクソにんげんが まりさにいたいいたい したみたいに、きこえたよ」 二匹は舐めきった、いっそ呆れた様な表情を作る それに青年は、何事もないように答える 『そう言ったんだが、理解できなかったか?』 「ゆひゃひゃひゃひゃ!! り、りかいできるわけないのぜ! まけいぬゴミくそが、ば、ばりささまにダメージをおわせるなんて、ふかのうどころのはなしじゃないのぜ! てるよがマラソンするのぜ!」 「ゆぷぷぷ! れいむのまりさがまけいぬにいたいいたいされたぁ? ありえないよ! おちびちゃんだって もうすこしましにうそつくよ!」 「ゆぷぷ! おちびちゃんみたいにひとりすっきりーばっかりしてるから、あたまのなかみもおちびちゃんなみなのぜ! ほんとうにまけいぬはかわいそうなのぜ!」 「ほんとだね! れいむ、どうっじょうしちゃうよ!」 二匹はまた心行くまで笑った もう完全に青年=負け犬と宣言しながら それを黙ってみていた青年はそっと手を伸ばし、まりさの頭に乗る汚い黒帽子を掴み、引き寄せた 「ゆ? なにするのぜ! まけいぬ! さっさとかえすのぜ! それはおまえみたいなゴミくずまけいぬにんがんがさわっていいもんじゃないのぜ! さっさとかえすのぜ!」 「そうだよ! おまえみたいのがさわったら、まりさのおぼうしにひとりすっきりーのにおいがうつるでしょぉおおおお!!!」 ゆっくりにとってお飾りは命、それを取られたのだ気が気ではない しかも、完全に見下している相手にだ、それの怒りは並ではない れいむ、そして本ゆんのまりさは歯をむき出しにして今にも飛び掛らん勢いだ 「さっさとかえすのぜ! いまならとくべつにはんごろしですませてやるのぜ!」 「まりさがやさしくてよかったね! クソまけいぬ! さっさとかえしてね!」 唾を飛ばしながら怒鳴る二匹に構わず、青年は声をかける 『なぁ、まりさ、お前俺みたいな負け犬よりつよいんだろ?』 「ゆひゃひゃ! あたりまえなのぜ!」 「れいむのまりさはゆっくりいち つよいよ!」 『じゃあ、この帽子なんか直ぐに取り返せるよな?』 「あたりまえなのぜ! ぴょんぴょんよりかんたんなのぜ!」 「しにたくないならはやめにかえさないと、さすがにゆるさないよ!」 『ふぅん、じゃあ取り返してみろよ』 「「ゆ?」」 青年は、言葉を切ると立ち上がる まりさの帽子を持ったまま立ち上がり、二匹を見下ろす形になる 『ゆ、じゃなくてさ大切なんだろ? これ取り返してみろよ、それとも無理か? 負けか? じゃあお前負け犬だな』 青年はゆっくり並の連想発言をする、得意げに、小バカにしたように笑い、帽子をプラプラ振ってみせる 「こいゆんもいない、おちびいかのまけいぬが、まりさになにふざけたこといってるんだぜぇぇぇぇぇぇええええええ!!!」 「やっちゃえまりさ! てかげんしないでころしちゃっていいよ!!」 自分以下にバカにされた、その感情がまりさを鬼に変えた 力強く跳ね、以前ゆっくり出来ない猫を追い払ったときのように、カラスに飛びかかったように それ以上の力を込めて、青年の足めがけて体当たりをする ボムン、そんな感じの音がして手ごたえを感じたまりさは、勝利の笑みを浮かべながら着地する そして、体当たりをくらい死んだ人間が落とすだろうまりさの帽子をキャッチしようと上を向き 「ゅんぎゅべ!?」 自信満々の笑顔を、青年の足で踏みつけられた 「ば、ばりざぁぁあぁぁぁぁぁあ!??!」 『なにこいつ、よわっ』 「ぃ、いじゃい、のぜっ、あしを、どける、ゆびゅべ!」 『よわ、こいつよわ、マジでよわ』 青年はまりさの顔を踏んだまま、摺るように足を動かし まりさを転がした 帽子はどうでも良いのか、そう辺に投げ捨て、痛みに震えるまりさの前にしゃがむ 『おい、どうだ負け犬? 負けた気分は? あぁ?』 「な、なにいっでるのぜ、まげいぬは、おば、ゆぐぅっ!?」 青年が、ゆっくりにもわかる様に、スローで拳をかかげ、スローで下ろした しかし、威力はゆっくりの体当たりなんか目じゃない威力、まりさの顔には拳の跡がついた 『なに負けてないの? どこが? 帽子取られてその上ボロボロじゃん』 「ば、ばりざは、まけいぬの、おばえなんかに、まげ、ゆぐるぶぅ!?」 青年は今度は反対の手をゆっくり振り下ろす 当たり所が良かったの悪かったのか、まりさは少量餡子を吐き出した 「ま、まりさぁっぁあああ!!? なにやってるの!? はやくそのクズまけいぬやっつけてね!」 『だとよ?』 あまりのあり得なさに声を失っていたれいむは、やっとのことで叫び一つ その声を聞いたまりさは、僅かに身体を揺らした 「わ、わがっでるのぜ、これは、まけいぬに、おんじょうをかけてるだけ、なのぜぇ」 目に怒りを溜めながらも、その影に恐怖が見え隠れしだしていた 青年はそれに気付いたのか気付かないのか、変わらず手を振り合えげる 「ゆひぃっ!?」 ただの餡子でも学習は出来るのか、まりさは案外優秀なことに二回の攻撃で【手が振り上げられる→痛い】ということを学習したのか まるで叱られる子供のように目を閉じ、ビクッと身体を強張らせた 砂糖水の尿もビュっと漏らしていた 『くく、くくく、くくくく、あはははははははは!!』 「ゆ? ゆゆゆ?」 目を閉じていたまりさは、青年の笑い声に気付き、恐る恐る目を開けた 開いた目に映ったのは―― 『おい、見たか? お前のまりさちゃん俺にビビッてしーしー漏らしてるぞ? 負け犬の俺にビビッてビクって目閉じたぞ? おい、見たか? おい!』 「まり、さ、どう、したの? どうして、まけいぬをころさない、の?」 心底楽しそうに笑う負け犬、青年と 呆然と、どこか傷ついたように佇むハニー、れいむだった 「ゆ?! ゆぁ、これ、これはちがうのぜ!」 まりさは咄嗟に自分の置かれた状況を理解したらしい 恥ずかしさでか顔を赤くしていた、顔を青くして慌ててれいむに弁解を始めた 『なぁにが違うのかなぁ? さいっきょうのまりさちゃぁぁん? ほら、まりさの真似、ひっ! きょわいよぉお!!』 青年は上機嫌で、まりさをバカにする 「ゆっがぁぁぁああ!! まりさはそんなことしてないのぜぇぇぇええ!! まけいぬがあんまりちょうしにのるんじゃないのぜっぇえぇえ!!」 まりさは声をあげる そして、言い訳よりも行動だと言わんばかりにれいむにキリっとした流し目を送る れいむは、それだけでさっきまでのまりさの醜態を全部チャラにしてしまったのか 「まりさ! がんばって! そんなまけいぬ しゅんっさつだよ!」 元気に声援を送っていた 「ゆっへっへ、まりさがてかげんしてあげたからってちょう、ゆぶげぶぅっ!?」 「ば、ばりざぁぁぁぁあぁああ!?」 『何か言ったか負け犬?』 今度はまりさが体当たりするのも待たず、青年はしゃがんで拳を落とした まりさの皮は大きく歪み、痛みに涙を流していた 「ばりざは、まけいぬ、なんかじゃ、ないの、ゆんぐべぇ!?」 『どこが? どっからどう見ても負け犬だろーが』 青年は怒りでミスりそうになりながら手加減してまりさに拳を落とす 「ばにを、いっでるのぜ、ばりざが、まげいぬなんかじゃ、おまえみたいなま、ゆげぶっ!?」 『なんだって? なんか言ったかな負け犬くん?』 「も、もうやめてぇぇぇええ!! どうじでごんなひどことずるのぉおおおお!!?」 まりさに振るわれる青年の力に、やっと実力差を理解できたのか れいむはまるで非がない被害者のように涙ながらに声をあげた 「でいぶだちは、ただゆっくりしていただけだよぉおおおお!? わがっだらぼうやめでねぇえぇぇぇえええ!!」 自分で青年をバカにしたことは既に忘却の彼方らしく、悲劇アピールは止まらない 「で、でいぶ、ぅ……」 青年に殴られ続けるまりさは、れいむの訴えをまるで感動したかのような雰囲気で受け取る 『……そっか、そうだったか』 「「ゆ?」」 青年は何かに気付いたように立ち上がる その動きに、ゆっくり二匹は勝手に改心したと判断したのか、自分たちは正しいという笑顔で満ちだした 「ゆっ! わがっでぐれたんだね! じゃあまずはまりさにどげざしてあやまってね! そしたらはんごろしでゆる、ゆびゅべっぁ!?」 「で、でいぶぅうううう!!?」 しかし、そんな訳もなく、青年はれいむに向き直り、まりさにしたように拳を落とした 「な、なにずるのぉおおおぉおお?! はんっせいしたんじゃないのぉぉぉおおお!!? あれはうぞだったのぉぉぉおおおお!!?」 えいむは大声で叫ぶ、身体に走る痛みを発散しようとするように 青年は、そんなれいむを気にも止めず、まりさに視線を投げる 『いやー、まりさを負け犬にしても駄目だよな、まりさは負け犬が見たかったんだもんな、自分が負け犬じゃ見れないよなぁ、いやぁまいったまいった』 「なな、なにいっでるのぜぇぇぇえぇぇぇええ!?」 笑顔で告げる青年に、まりさもれいむに負けない声で絶叫した 『言ってたろ? 負け犬が見たいってさ、直ぐに見せてやるからなっと』 「で、でいぶのおりぼんさんになにじでるんだぁぁぁぁぁぁあああ!!」 「でいぶぅぅぅぅううううううう??!」 青年はれいむのリボンを破いて無理矢理外した 『これじゃあまだ足りないよなぁ……んじゃ、こっちも』 「やべでぇぇぇぇえぇええ!! れいむの てんしのふたごさんのようなもみあげがえじでぇぇぇぇぇえええ」 「でいぶ?! でいぶぅぅううう!!」 れいむの左右のもみ上げは根元か引きちぎられた 『もう少しだな』 「ぃじゃぁぁあぁぁぁぁあああぁいぃぃぃいいいいいぃいぃいいい!!!? ゆゆゆy?! なんで、なんでばっくらになってるのぉぉぉぉぉおおお!!」 「もうやべでくだざぃぃぃぃいいいいぃいいい!!」 青年の指でれいむの目玉はくり貫かれた 『まだまだ!』 「ゆゆ? そこは! ぞごはだめだよぉぉぉおおおお!! まむまむのばしょなんだよ! まむまむのばしょだっていっでるしょでぉぉぉお!!!?」 「やべでくだざい! ゆるじでぐだざい! ばりさがまけいぬです! まけいぬですからぁぁああ!!!」 れいむのまむまむは破壊された その後も、公園にれいむの絶叫とまりさの懇願が響き続けた …… ………… 『よし完成! どうよまりさ、これが負け犬だぞー』 「ゆぎゅじゅじぇ……ゆぎゅじゅじぇぎゅじゃじゃい(ゆるしてください)」 「でいぶぅ、でいぶぅぅぅ、どぼじでぇ、なんでこんなことにぃぃい……」 完全にスッキリしきった笑顔の青年の前に、薄汚れた涙を流すまりさと 髪を毟られ、もみ上げを抜かれ、リボンを破壊され、生殖器を壊され、歯を砕かれ、喉を潰されかけた、れいむだった饅頭が痙攣していた その饅頭をまりさはペーロペーロと舐めていた、慰めるように悔いるように 『どうよまりさ負け犬をみた感想は?』 青年は笑顔で、まりさに尋ねる 「まけいぬじゃないのぜ、れいむなのぜ、これはれいむなのぜぇぇえ!!」 まりさは涙を流して嗚咽する 『そうか、そう、だったよな、忘れてた』 「ゆ?」 青年は立ち上がる そして足を振り上げる 『恋人いたら負け犬じゃないんだよな』 「ゆ? ゆゆ?」 まりさは理解出来ていないのか、青年と足を交互に眺める そしてそれを理解することなく、青年の足はまりさに振り下ろされた 中枢餡の何もかも踏み砕いて、帽子ごと待平らにして まりさを殺した 『よし、これでれいむは完全に負け犬だな……これが見たかったんだろまりさ?』 青年は思う存分リフレッシュしたのか、大きく伸びをする 『良かったなー、負け犬見れて、それじゃーな』 青年は少しだけ清清しい顔で、公園を後にする 後には痙攣する禿饅頭が一匹だけ残っていた