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574 :旅人:2007/11/16(金) 01 29 14 ID CZJ0BowE0 とあるところにある、とある市があった。 この市では音楽ゲーム(俗に言う音ゲー)が盛んである。 この市では何と市が主催する音ゲー大会があったりする。 市内の三つのゲーセンで予選が、市役所で決勝が行われるのである。 そんな市だから音ゲープレイヤー人口は結構いる。 だが、人が多いということはマナーを守らない輩も多くなる、ということでもある。 しかし、この市ではそんな輩はまず存在しない。 この市の条約でクラッシャーとか連コイン厨などは厳しく罰せられるからだ。 この音楽ゲームで有名な市の郊外にある清潔感漂う住宅街に凄くぼろっちい私立探偵事務所がある。 事務所の建物に小さな看板がある。 「小暮私立探偵事務所」とその看板には書いてある。 小暮という名前の探偵がここで探偵業を営んでいるわけだが、上手くいっていないようだった。 こういう、人が多く集まる場所ならまぁ配偶者の浮気調査とか、不謹慎ではあるがご近所のスリとか殺人などの事件の解決を依頼され、 解決し、金儲けなんて楽勝楽勝と踏んでいたのだが、これは全然外れていた。 今は私立探偵事務所は廃業、代わりにご近所の子供たちの勉強を有料で見てやっている、いわば個人の塾をやっている。 ゆとり教育の影響の断片を小暮は子供たちから感じ取り、嘆くのが日課となっていた。 なんとか食っていく道を歩いている小暮は、未だ小さい頃からの夢であった、 一度掴んで手放した、探偵業への希望を完全に捨てたわけではない。 推理物の小説の読書や子供たちとのクイズ合戦に励み、推理力を(自分なりに)付けていると思っていた。 そんな日常を送っていた小暮に、探偵としての依頼が舞い込んだ。 「あなた、田中って名前の刑事さんですか。一体何用ですか?」 ある日のことだった。 小暮私立探偵事務所に来客があった。 客は警察の者で、彼が見せた警察手帳は刑事の持つ物であり、それには田中とちゃんと印字されてあった。 田中刑事が小暮に言った。 「まずは中に通してくれないか?それともここは立ちっぱなしで話を聞いてくれるのか?」 すみません、と小暮は言ってぼろい自分の事務所へ田中を案内した。 田中は事務所のぼろさ、不潔感に文句を言っているが小暮はそんなことは一切気にしなかった。 勉強を教えてやっている子供たちにそう言われることが日常茶飯事なのだから。 小暮は田中にパイプイスを渡し、座るように促した。 田中はそれに座って、同じイスに座る小暮を見てこう言う。 「あんたに依頼したいことがある。極秘調査中の事件だが、人手が足りないんだ。今朝、署にこんな物が送られた」 田中は小暮に両面印刷されたA4用紙を手渡す。表面にはこう書いてある。 「Music Simulation Game Crossword Puzzle」 その下にはこれを警察署に送ったと思われる人物からの長々としたメッセージ。 要約するとこんな感じだ。 「私が作ったこのクロスワードパズルを今日中に解け。さもないとこの市のどこかを爆破してやる」 音楽ゲームクロスワードパズル、というふざけた物はその紙の裏にあった。 縦横の鍵の文章以外はいたって普通のクロスワードパズルがそこに印刷されている。 575 :旅人:2007/11/16(金) 01 58 28 ID CZJ0BowE0 「このミュージックシミュレーション…音楽ゲームクロスワードを僕に解けって依頼ですか? これ、署の中でも出来るんじゃないんですか? ネットを使えば大抵のものは調べられるでしょう?なのにどうして僕の所へ?」 「署からネットに繋げなくなった。何故かは分からない。 このパズルを考えた奴が何らかの妨害をしているという事はハッキリと言えるが。 それで、この市唯一の探偵であるあんたの…小暮私立探偵事務所に助力を願い出たってわけだ。 まぁ奴からはこのパズルの他に色々送ってきたよ。 黒いゲーム機が何台かと家庭用の音楽ゲームのソフトが何十本と、あとは専用コントローラーとか言う得体の知れない物とか、そんなもんだ」 小暮は田中の言うことを黙って聞いていた。そして質問してみる。 「今、僕に見せてくれたようなそのパズルのコピーは、署の全員が持っていますか? それと、どういった捜査方法を取っているのか、そこのところを教えていただけませんか?」 「最初の問いだが、全員というわけではないが持っている人間は多い。 どんな捜査方法と言われると、皆でゲーセンや署で家庭用の音楽ゲームをプレーしてパズルの手がかりを探し出している。 けど、警察の人間ってのはあまり遊ぶ時間とか無いからな。 未だにひとつも 解けていないと報告があった。 このままでは本当にマズイ。だからここに依頼をしに…」 「分かりました。けど、僕も音楽ゲームをやったことが無いんですよ。どうしようかな…」 田中は小暮のこの告白で天井を仰ぎ見た。その顔には絶望の色が見える。 どうしよう、どうしようと口の中から漏れているような錯覚を覚えそうだ。 突然、小暮が田中に言う。 「思いついた!知り合いに町田って名前の人がいるんです。 彼女、音楽ゲームが大の得意とか言っていました!彼女と協力すれば きっとパズルを解けると思いますよ!」 「しかし、これは極秘の…これをあんたに依頼することが出来たのも、何時間もかけた会議の賜物なんだぞ。 これ以上関係ない者を増やすわけにはいかないだろう…」 「大丈夫ですよ、こうすればいいんです。 まず、僕が町田さんにゲーセンで待ち合わせしようと誘うんです。 ここで断られたら終わりですが、ゲーセンと聞いたら彼女は大喜びでこっちの誘いに乗るでしょう。 そこで、僕が町田さんと一緒に音楽ゲームで遊ぶんです」 は?と言いたげな表情で田中は小暮の顔を見る。小暮が続ける。 「刑事さんには僕に離れたところから縦横の鍵の文を読み聞かせるんです。 そして、僕がその鍵を解読したら刑事さんはそれをパズル用紙に書いていけばいい。 気をつけるべきは町田さんにこのパズルのことを気取られないようにすることだけです。…どうですか?」 「…それだ、それでいこう。 もう今日が終わるまで後もう半日も無い。善は急げと言うからな。 さぁ早くその町田とか言う女に連絡を入れてクロスワードパズル解読に乗り出すぞ!小暮探偵!」 田中は先程までの暗い表情から一変、やる気に満ちた顔つきになった。 小暮は早速事務所の電話の受話器を手に取り、電話番号を打ち込んでいく。 小暮の町田と話している後ろ姿を見て、田中はこれでクロスワードパズルが解ける、と半ば確信に近い思いを抱いていた。 音楽ゲームクロスワードパズル事件 -中編-へ続く コメント 名前 コメント
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今日 - 合計 - SuperLite 2000パズル クロスワードの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月12日 (金) 12時56分39秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
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78 :旅人:2007/12/30(日) 01 23 35 ID BLa/J3bQ0 小暮は町田の携帯電話の番号を打ち込んでいき、そしてコールした。 テュルルルル…テュルルルガチャ 「もしもし、小暮君?」 「はい。ちょっとした用があって電話を掛けさせて頂きました」 「何?何の用?」 「町田さん、音楽ゲームって一通り出来るんですよね。ちょっと教えて欲しくて…」 「?今すぐ事務所に来いって事?」 「いえ、どうせやるならゲーセンでやりたいです。それに、事務所にプレステ2無いですし」 「んじゃあ『白壁』で待ち合わせね!今は正午か…んじゃあ一時半はどう?」 「いいですね。一時半に『白壁』で待ち合わせですね、分かりました。それでは」 じゃあね、と言って町田は自分から電話を切った。小暮は受話器を置いてパズルを見つめ、 何か考えこむような顔をしていた。その顔のまま田中に言う。 「刑事さん、さっきの作戦をもう少しひねったのを考えてみたのですが、聞いてくれませんか?」 「聞かせてくれ」 「あのパズル、町田さんに見せて解いてもらおうと思ったんです」 「馬鹿、あれはトップシークレットだ。一般人の目に触れてはまずい物なんだぞ!」 「大丈夫です。『勉強を教えている子供が僕に挑戦してきた』 と言えば町田さんは多分きっとすっかり騙されてくれるはずです」 そう言って小暮はコピー機に「音楽ゲームクロスワードパズル」を入れてスイッチを押した。 後ろで田中がおいコラ!この馬鹿!等と罵声を浴びせかける。 小暮はそんな田中の罵倒をスルーしてパズルのコピーを手に取って言った。 「大丈夫って言っているじゃないですか。 キーワードを見てこのパズルは本当に警察って所の盲点をね、 よく突いたと思いますよ。 警察の人間は遊ぶ時間が無いんでしょう?それならほら、『幕』だとか、『聖歌トランス』とか、こんな造語で表された曲名なんて分かるわけ無いでしょう? なら音楽ゲームをやっている人に協力を仰げばいい。 町田さんみたいなちょっと変わった、いや、いい意味で変わっている人ならこのパズルが極秘物って分かってもばらさないと思うんです。 先に提案した回りくどい解き方より、こっちの方が単純ですぐ解けると思いますよ」 79 :旅人:2007/12/30(日) 01 27 53 ID BLa/J3bQ0 「警察という立場からするとこんなやり方は嫌なんだが…仕方ない、これで行こう。 それに、犯人は今日中に市のどこかを爆破すると言っていたが… 奴は今日の何時かは指定していなかったからな、早めに終わる方が良い」 田中は渋々、といった様子で小暮の案を発展させた案を認めて、自分の車に乗るように小暮に言った。 ちなみに、田中の車はあの頭文字がDの峠バトル漫画で有名なあの豆腐店の車である。 小暮は助手席、田中は運転席に座り、田中の平凡な走りで二人はゲーセン白壁に向かう。 白壁というゲームセンターについて少し説明しておこう。 白壁は市の駅前にあり、客も多く非常に繁盛している。 ここは音ゲーに限らず、 あらゆるゲームを極めた者が多く集まる店でもある。 この市ではゲームを極めた者は一種の英雄となれるが、他の所へ行けば気持ち悪いと言われるのが関の山。 そんな事情も白壁のプレイヤーの平均レベルが非常に高い理由でもある。 (尚、白壁と言う名前は正式の名前ではない。『ゲームセンターパレス』というのが正式名称。 建物の外壁が白い事から白壁と呼ばれるようになった。IIDXのあの曲とは一切関係無い) 町田という女性についても説明しておきたい。 町田は白壁で上級者の動きを観察、研究してIIDXのSP皆伝を所持、 ポップンではニエンテプロバロ共にEXをクリアー、ギタドラでは泥鳥の赤なんて余裕余裕といった腕前、 DDRではFAXXなんて朝飯前、太鼓では全曲制覇を達成するほど音楽ゲームの腕を磨きまくった、と初対面の小暮に語ったことがある。 その時から小暮と町田は時々話をするくらいの関係になった。 「この市の市街地と北方に位置する住宅街、これを分けている川をまたぐ橋が二つある…って知っているよな」 「ええ、知っていますよ。確か二つとも『大桟橋』って言うんでしたっけ」 「ああ、正確には東の方角の橋は『大桟幕橋』、西の橋は『大桟冥橋』と呼ぶはずなんだが」 「それじゃ、今走っている橋は『大桟幕橋』なんですね」 これは田中の車の中で二人が交わしている会話である。 田中の言うとおり、この市には市街地と住宅街を結ぶ、二つの橋がある。 この『大桟橋』というのは市長が面白半分にIIDXにある一つの曲名から名づけたものだ。 勿論、市長は大桟橋が実在するものだと知っている。まぁどうでもいい事だが。 今日この日、どちらかの『大桟橋』を通って某国の音ゲー大好きな上官がこの市に遊びに来るという事を田中は小暮にした。 当然、これも極秘事項。決して他言しないようにと田中は小暮に念を押していた。 小暮は田中に駅前で下ろされて、歩いて白壁に向かった。 駅前からさほど離れた所に白壁はあるわけではないので、その看板代わりの真っ白いゲーセンはすぐに見つかり、すぐに小暮は入店していった。 調査費用と称して車内で言葉巧みに田中から貰った警察の捜査資金の一部の福沢一枚を右手に握り締めながら。 小暮が田中に駅前で下ろされていた頃には白壁の中で1つのギャラリーが形成されていた。 そこにある1つのIIDX筐体を囲むようにして、そのギャラリーはあった。 プレイヤーは一人の女性だった。イーパスをリーダーに挿入、百円硬貨を投入して、スタートボタンを押し、シングルプレーでゲームスタートした。 その時画面上に出ていた彼女の段位は、SP皆伝、DP8段である。 スタンダードを選択、すぐにlv12フォルダを開けて早速プレーした曲は何とAAだった。 初中級者では絶対に見切ることの出来ないぶっ飛んだノーツ配置、いわゆる譜面と呼ばれるそれを、 その女性は鍵盤とスクラッチを巧みに操作、ミスを殆ど犯さず、危なげなくクリアーした。 リザルト画面が出た瞬間、その評価はAだったがギャラリーの人々は大いに盛り上がっていた。 「おぉー!」「この人凄いね!」「AAをバップア一桁でクリアするなんて、人間か?」等、賞賛の声は絶えなかった。 次に女性は嘆きの樹の、当然アナザー譜面を選曲、AA以上にぶっ飛んで見えるその譜面を先程のように楽勝楽勝、 といった様子ではなかったが、ギャラリーの大半を占める初、中級者から見れば楽にクリアーしたと思われていた。 80 :旅人:2007/12/30(日) 01 31 30 ID BLa/J3bQ0 その筐体はスタンダード三曲設定なので、女性はファイナルステージの選曲をしなければならない。 彼女を囲むギャラリーの期待に応えるように、女性は冥を(勿論アナザー譜面で)選曲した。 その瞬間、ギャラリーがどっと沸いた。最初のノイズみたいな音、イケイケな感じで盛り上がる曲調から一変して、 難所と言える低速地帯へ突入、流石の彼女もここは苦戦していたようで、100%もあったゲージはあっという間に スクラッチに伴うBPMの加速と共にどんどん減って50%近くまでに減った。 しかしそれでもギャラリーの声は 「すげーよ、低速で50?」「50なら後はあの人にとったら回復だろうからクリア行けるんじゃない?」 と、この女性がこの難曲をクリアーする事を信じて疑わないでいる意思を表明していた。 実際、その後のピアノの大階段旋律と言えば良いのか、作者は音楽的知識は殆ど無いから上手く言えないが、 まぁそんな感じのピアノの所の譜面は彼女にとって回復地帯であったようだ。 ゲージをどんどん伸ばし、哀愁漂うラストは彼女を囲んでいたギャラリーの歓声で締められた。 (余談だが、その後のエキストラステージはTwelfth Styleを選曲してギャラリーの笑いを誘った) 女性がイーパスを抜いてIIDX筐体を離れた頃、小暮は鼻歌を歌いながら入口付近で突っ立っていた。 しばらくすると奥の方から小暮は見覚えのある女性がこちらに駆け寄ってくるのを見た。 彼女はあのギャラリーを沸かせた女性であり、町田その人であった。小暮は町田に声を掛けた。 「町田さん!久しぶりですね、元気そうで何よりです。 あの、今日は音楽ゲームを教えて欲しいと言いましたが、それとは別に」 そう言って小暮は町田にクロスワードのコピーを、子供からの挑戦状なんですよと言いながら手渡す。 町田はへーと感心しているのかどうかよく分からない声を出しながら感想を述べた。 「これ、音ゲークロスワードって事かい?面白いね!縦横のヒントで曲名を導くのかー、ちょっとやらせてよ」 「はい。どちらかと言えばこれを解いてもらうのがメインでしたからね」 小暮はそう言って近くの両替機で福沢一人を百円硬貨10枚と野口九人に替えて、歩き出した町田の後ろを追う。 二階の休憩スペースで小暮と町田の二人はテーブルをイス二つで挟んで座っていた。 町田は小暮から借りたペンを持って縦横のキーワードの文を読み進めていた。そして半分程度は彼女の知識で解いていった。 この位のキーワードなら、彼女を含む大抵の音ゲーマーは答えられるだろう。 「四葉」「愛社員」「コンチェ」「泥鳥」「百秒」「ズコー」「みそかつ」「タイピ」 これら造語や省略、空耳や置換で表された曲名は彼女の手にかかれば簡単に解けていった。 読者の皆様もお分かりになるだろう。 しかし、マニアックな所を突いていた問題も多々あった。 「幕」というキーワードの意味するところは一般的にはスクリーンというポップンで付けられたジャンルである。 しかしこのパズルは曲名を書かねばならない。 「GALAXY FOREST 11.6 12」というのが正式な、と言えば少々変かもしれないが、それが「幕」の曲名だ。 が、町田は実際にポップン筐体で調べるまでは全然覚えていなかったのだ。 読者の皆様も知っておられると思われるがポップンは曲に曲名の他にジャンル名を付けるという、他の音ゲーには見受けられないような独自性を持つ。 オリジナルのジャンル名から付けられた曲名を表す造語が出来たりする事が今までに結構ある。 この「幕」はスクリーンと言うジャンル名から直訳で造った造語であり、ギャラクシー何たらなどという覚えにくい曲名はそういう風に略されることが多い。 小暮がここに来る前に見た段階で確認していた「聖歌トランス」もアンセムトランスと言うジャンルから付けられていた。 (アンセム=聖歌というのが由来しているため、こう付けられた) 町田はそれは分かっていたが曲名が思い出せず、それもポップン筐体で調べなければならなかった。 案外簡単に解けるかもと思っていた小暮だったがこういった予想外の出来事を目の前にして、音ゲー世界も楽じゃないんだなぁ…と思っていた。 音ゲープレイヤーは全ての曲名を把握していると思っていたが、それは崩落した。 81 :旅人:2007/12/30(日) 01 38 01 ID BLa/J3bQ0 白壁で小暮と町田がパズル解きに精を出している頃、田中は一度署に戻っていた。 「音楽ゲームクロスワードパズル捜査本部」と張り紙がある部屋に田中は入っていった。 小暮を車から降ろしてからもう二時間が経った。 しかし、町田にパズルの事情を悟られまいとしてか、小暮の自分の携帯電話を通じての報告の数は少なかった。 だが、一つ一つの報告はしっかり重みを持っていた。 そのお陰で田中は、近くでビートマニアとか言ったような音楽ゲームをプレーしてる同僚を横目に、パズルの空欄を埋めていく事が出来た。 田中の作業中に遊んでいた同僚はこう言っていた。 「よっしゃ!ハッピースカイの四級取った! お、このキャラ結構可愛いな…案外楽しいぜ、このゲーム。田中ァ、お前もやろうぜ」 「あ?ちょっと待てよ、今作業しているんだ。…おら、パズルの鍵はいくらか解けたのか?」 「全然。意味がわからねぇからな。日本語で書いてあるのに言っている意味がわからねぇって、このパズル」 ここで「音楽ゲームクロスワードパズル」の仕様について説明しておきたい。 このパズルは縦横の鍵が音ゲーの曲名を導き出すもの、というものの他にも色んな独自性を持っている。 1つは「アナザーワード」(と、このパズルは表記している)というもの。 普通のクロスワードパズルといえば空いたマスを縦横の鍵から導いた単語で埋めてゆき、指定されたマスの一文字一文字を並び替えて そのパズルに隠された答えを導き出す、というパズルゲームである。 この音楽ゲームクロスワードパズルも「基本」はこれに乗っ取っている。 アナザーワードとは親切にもこのパズルの紙に書いてある。それにはこう書かれてある。 「第一段階での答えの条件を絞り込んでいくためのもう1つの答えである第二段階ともいえるこれは解く必要は無い」 アナザーワードのマスにはいる文字のマスは、隅に小さな三角形の印が印刷されてある。 このマスはパズルのあらゆる所にあり、そしてアナザーワードの答えは6つのマスで出来るようになっている。 つまり、かなりの数のフェイクが存在するということだ。 このフェイクを絞り込んでいくためには、アナザーワードヘルプという枠にある言葉を見るといい、 とパズルの紙は語る。その枠にある言葉とは「High Level」とだけある。直訳すると「高難度」ということだ。 このように一筋縄ではいかないであろうクロスワードパズルを、果たして小暮と協力者の町田は解けるのだろうか? いや、解いてもらわないと困る。 そう強く思っていた田中は先程CSHS四級をクリアーした同僚に、半ば無理矢理にビートマニア何とかと記憶していた音楽ゲームをやらされた。 渋々、といった面持ちで最初はプレーしていたが次第にその顔に笑みがこぼれるようになった。 この事件のお陰になるのだろうか、こうしてまた一人、音楽ゲームを支持する人間が増えたのである。 82 :旅人:2007/12/30(日) 01 41 39 ID BLa/J3bQ0 そうして田中がIIDXを署でプレーしていた時、小暮は若い男と知り合った。男はゆうと名乗った。 彼の住む地域はここから遠く離れていると彼は語った。 何故、遠方のゲーセンに足を運んだのかと小暮が訊くと、 「それはですね、この市の全てのゲーセン、又はゲームコーナーが大変マナーが良いと聞いてですね。 どういう感じなのかなと思いまして、こちらの白壁の様子を一度見てみたいなと思いまして。 実は僕、何でも屋を営んでいて、それとは別に小規模ながらゲーセンも開業したいなと思っていたんです。 それで、マナーの良いゲーセンってどういう雰囲気かなと思って…見学ですね。そのために来ました」 と、彼は長ったらしく答えを返した。彼が言いながら手渡した名刺は、彼の発言の証拠となっていた。 ふと、小暮は思い、それを口にした。 「あなたの住んでいる所のゲーセンってとてもマナーの悪いところなんですか?」 「いいえ、並みのゲーセンですよ。ただ、少し前まではとても荒れていました。 けれど、流れの旅人さんが僕の住んでいる港町唯一のそのゲーセンの空気を良くしてくれました」 そうなんですか、と小暮は彼の質問に対し返ってきたその答えに納得する。それから数分後、ゆうは小暮に言った。 「あ、IIDXが空きましたよ、あなたこれからプレーするんですよね?少しながらアドバイスを差し上げられると思うのですが、 いかがでしょうか?ちょっと僕の話を聞いてみませんか?」 「いいんですか?それじゃ、ちょっと指導を受けてみようかな」 小暮はゆうの提案に賛同し、腰を下ろしていたベンチから立ち上がり、IIDX筐体のお立ち台に上がっていった。 右手に百円玉を握り締めて、周りの視線に少し怯えて、近くにいる知り合ったばかりのゆうと言う男の存在に安堵しながら。 時刻はもう午後四時を回っていた。冬もそろそろ近い時期では日が暮れるのも早くなっていく。 しかし『白壁』の常連たちには帰宅しようという気配は無い。それは小暮と町田にも言えることだった。 小暮は少し前に大変参考になった、と残して帰っていったゆうと名乗った男のアドバイスを思い出しながら IIDXのSPで、5.1.1.(N)をプレーしていた。 町田と共に進めているパズル解きの休憩がてらに遊んでいるのだが遊んでいる間はパズルの事を考えなくて済む。そこで余裕が生まれる。 それはパズルを解く原動力…思考力に繋がっていく。 音ゲーを楽しむということは小暮にとってとてもプラスの方向に働いていた。 時には休憩も大事、という言葉を彼は思い出した。最後のノーツを拾い、小暮は何度目かの同曲のクリアーを果たした。 これが2nd STAGEであったので次はFINAL STAGEであった。 小暮は今日始めてIIDXを始めた人間である以上、当然エクストラを出せる筈も無い。 最後の選曲はGOLD新曲から選ぶことにし、タイトルだけ見て選んで、four-leaf(N)を選曲した。 エレキギターのジャカジャカジャ-ジャカジャカジャーと、文字に直せばこんな感じの曲調を表す単純な譜面にオロオロしながら小暮は彼なりにその状況を楽しんでいた。 初心者にとってlv4表記の曲をプレーすることは特攻行為に近いものもあるだろう。 小暮はこの特攻行為をとても気に入っていた。 エクストラはどう頑張っても出せないのだから、初心者にとっての難曲をクリアーしてみようかと思うのも良いのではないか?と小暮は考えていた。 一方町田はポップンでニエンテEXをS-EXでプレーしていた。 悪い言葉で言うなら狂ったような、良い言葉で言うなら究極に難しい譜面を彼女は素早くしなやかに流れる手の動きでボタンを叩き、処理していく。 高速大階段地帯なども彼女にとっては少し難しい場所でしかないのであろうか。 殆どBAD評価を出さずにそんな難所も切り抜けていく。 そんな彼女を形容する時は多分、悪い言い方をすれば彼女はキ○ガイであり、良い言い方をすれば彼女は超人と形容すれば良いのだろう。 83 :旅人:2007/12/30(日) 01 44 46 ID BLa/J3bQ0 その頃の田中は数少ない小暮からの報告(パズルの答えの一部)を 署の「音楽ゲームクロスワードパズル捜査本部」の全体に共有させ、先の同僚と共にCSハピスカをプレーしていた。 犯人からは沢山のソフトやPS2、そして専コンが送られてきているので、物が足りないという事には全くならない。 犯人はよほど金銭に余裕があると見える。 田中の隣…2P側でプレーしている同僚が鍵盤やターンテーブルを操作しながら言った。 「このEDENって曲良いよな。とくに『そう!』の所とかさ」 「あ?俺はさっきのあの女、こっち見んじゃねぇよと思ったがな」 捜査本部は家庭用の音ゲー(所謂CS作品)をプレーしてパズル解きに挑戦していたのだが、捜査員の殆どが音ゲーをプレーしない人達ばかりだった。 それ故に田中の同僚のように完全に遊んでいる者もいれば5.1.1.(N)すらクリアーできず嘆く者もいて、 パズルの鍵の文にある音ゲー用語の意味が分からずただただ苦悩する者もいた。 結局、捜査本部はこのクロスワードパズルについて殆ど成果を挙げていなかった。 それは田中の言った「数時間に渡っての会議」で出た案「私立探偵にこのクロスワードパズルを解かせる」での私立探偵、 つまりは小暮に捜査員達が無責任な過多な信頼を寄せているから、という事が影響を与えているのかもしれない。 しかしこれでいいのだろうか、警察は。 午後五時。 この密かに爆破予告を受けた音楽ゲームの市から遠い所にある国際空港にて。 某国の上官がお忍びでその市へ遊びに行くためにそこへ自家用ジェット機を着陸させた。 男はその様子をじっくりと観察していた。彼には護衛がいなかった。近いところにも、離れているところにも。 完全に一人で遊びに来られたようだ。 これは、奴を殺りやすくなるという事だ、と彼は思った。 上官はレンタカーを利用し、あの市へ走り出した。彼もまた彼の車のエンジンを始動させ、車を発進させた。 空港の駐車場を出る前に彼は思った。 「あのクロスワードは、解かれたかな?」 駐車場を抜けてからしばらくして、自作のクロスワードパズルが解かれた可能性は極めて低いと判断した。 警察の人間が遊ぶ時間なんて殆どないだろうと踏んで、警察にあのパズルを送ったのは正解だろうと改めて思う。 そして捜査の過程、つまりは遊んでいるうちに捜査員たちの捜査のスピードはどんどん落ちていく。 遊びに久しく触れた人間がそれにずっと依存していたいから、という心理が働いてくれるだろうと考えて、俺はCSとかを送ったんだ。 そう改めて思い、緩やかな左カーブを走っていった。 彼の車は、上官のレンタカーをひたすら追跡していた。…事件が終わる時は、もう近い。 音楽ゲームクロスワードパズル事件 -後編-に続く コメント 名前 コメント
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今日 - 合計 - SuperLite 1500シリーズ クロスワード3の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 16時41分22秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
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295 : ◆YPPZoWABRI :2008/03/18(火) 21 58 54.93 ID sOP5LUk30 入院生活っていうのはとにかく暇だ。 それはともかく俺が何故病院に居るかと言うと、会社の健康診断でちょっとした病気が見つかり、この病院で開腹手術を受けて20日程入院する羽目になったからだ。 術後23日は痛みで退屈どころじゃなかったけど、数日経って痛みが治まって来るとだんだん時間を持て余す様になってくる。 病院内のコンビニで漫画や雑誌を買って読んだりしたがすぐに読み終えてしまい、直ぐに退屈になってしまう。 そしてまたコンビニの雑誌コーナーにやってきた。 その中にいくつかクロスワードパズルの本があった。 「これなら退屈しのぎに良いかも知んないな、懸賞付きもあるし試しに買ってみるか」 俺は適当に選んでレジに持っていった。 会計の際、何故だかパズルの本だけバーコードが読み取れない様で店員は首を傾げながらキーで入力していた。 そんな事はどうでも良い、俺は病室に戻ると早速問題に取り掛かった。 おっと、これは難しそう。先ずは簡単なヤツからだよな……俺はページをパラパラとめくり簡単そうなヤツから解きにかかった。 296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 21 59 47.06 ID sOP5LUk30 「近沢さん、そろそろお食事ですよ」 声を掛けられるまで夕食に気付かなかった。俺は教えてくれた人に礼を言いベット回りを片付けた。 「しかし旨くないなぁ……」ついぼやきが出てしまう。 「確かにそうですが仕方ないですよ、もう少し健康に気を遣っていたら……まぁ今更言っても手遅れなんですがね」 隣の人が静かに話す。この人の食事はほとんどペースト状だ。消化器の病気で、胃を全摘したそうだ。それに比べたら俺の食事なんてはるかにマシだ。文句を言ったら罰が当たる。 さっさと食事を終わらせ俺は昼に買った雑誌を読んだ。パズルはまた明日だ。 しかし、俺はこんなんでいいんかな?20代後半でバツ1、見舞いに来てくれる人もほとんど居ない。 離婚後は家を追い出され、親とも会ってない。 まぁこれも仕方ない、別れた嫁は俺が言うのもなんだが、良く出来た嫁だった。そんな嫁を親も頼りにしていた。 それなのに俺の浮気が原因で離婚してしていれば呆れられるのも当然だよな。 離婚に関して後悔が無かったかと言えば嘘になる。言い訳とか嘘が上手く言えれば別れずに済んだんだろうが、俺にはそれが出来なかった。 俺は一切言い訳をせずに離婚を受け入れてしまった。 もう一方の相手は他人の物を欲しがるタイプで自分から言い寄ってきた癖に俺の離婚が決まるとさっさと俺の元を去って行った。 「もう結婚とか女はいいや……他人に振り回されるなら一人で居よう」 297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 22 00 56.78 ID sOP5LUk30 次の日、珍しく見舞いが来た。同僚で数少ない飲み仲間だ。 奴は俺が寂しがってるだろうから買ってきてやったとか言いながらエロ本を数冊持ってきて先に読んでいる。 おいおいズボンが膨らんでるぞ、奴のスケベさに呆れながら昨日から始めたクロスワードパズルに手を掛ける。 「近沢、お前パズルなんてやるんか?」 「昨日初めて買った。これ、なかなか良い暇つぶしになるのな」 「だろ?俺もよくやるけど、その本は見た事無いな……まあいい、俺にもちょっとやらせろよ」 「駄目だ、お前にやらせたら俺の暇つぶしが無くなる」 奴は仕方ないとか言いながら持ってきたエロ本を全て読んでから帰っていった。 クロスワードパズルも中級になってきた。 占いパズル?何だこれ?完成して文字を繋げると貴方の未来が占えますって、まあいいか… 占いとか言いながら占いに関するワードは出て来ない。代わりに貴方の名前は?とかなぜか俺に関する問題ばかりが出てくる。 自分の事だから答えは簡単だ、でもちょっと気味が悪い。それでも全て書き込み文字を繋げていく……答えは「にょたいか」 有り得ない、俺は30が近付いているかつては女房も居た身だ。そんなの有り得る筈がない。 たまたま偶然答えがそうなっただけだ、俺は直ぐにこのパズルの事を頭から追い出し別の問題を解き始めた。 他の問題を解いていても先程の答えが気になって集中出来なかった。 消灯には早いが今日はもう寝よう。 298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 22 02 20.59 ID sOP5LUk30 カーテンを引き明かりを消すと直ぐに意識は深い所へ沈んでいった。 夜中、何回か救急車の音に気が付くんだが、今夜は一度も目覚める事無く眠り続けた。 次に目覚めた時、何故か部屋が変わっていた。 今まで6人部屋だったのが個室になっていた。寝ている内に何かが起きた様だ。 とりあえず起き上がろうとして違和感を感じた。 「…痛くない」 お腹に力が入ると手術の傷が痛むんだが、今日はなんとも無い。 昨日の朝もまだドレーン跡などから出血していたんで痛みが無い事が凄く不思議だった。 俺はベットから降りようと蒲団から出て腰掛けると更に違和感が増した。 ベットってこんなに高かったっけ?それよりスリッパが無い。俺のスリッパはどこにやったんだ?これじゃトイレにも行けないじゃないか! 俺が途方に暮れていると病室の入口が開き看護士さんが入ってきた。 「近沢さん気が付きました?具合はどうです?」 具合は悪くないけどスリッパが無いのが困る。 「トイレ行きたいけどスリッパが無くて困って……あ゛っんっ、あれっ?声が変?」 看護士の女の子はちょっと笑いながら待って下さいって言いながら袋の中から俺のスリッパを取り出した。 299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 22 03 17.31 ID sOP5LUk30 「はいどうぞ!」 俺はベットから滑り降りる様に降りてスリッパの中に足を入れた。 やっぱり変だ。 スリッパの中で足が遊んでいる。 それにこの娘、俺よりだいぶ背が低かった筈なのに並んで立つと僅かに俺が高いだけになっている。 「じゃあ行きましょうか?」って俺は子供じゃ無いぞ! 俺はトイレへ急いだ。後ろから足音が追いかけてくる。 「そこ違う!」 何故だ?間違は無いじゃないか、トイレのマークを確認していると「近沢さんはこっちです」と腕を引っ張られた。 えっ?こっちこそ違う!しかも中には若い女性も居た。やばい悲鳴が……聞こえ…ない?なんで? 女性は悲鳴をあげるどころかこちらに向かってにっこり微笑んで会釈すらしてくる。 俺が狐に摘まれた表情でいると「鏡を見たら分かりますよ」って先の看護士さんに言われた。 言われた通り鏡を見た。 そこに居たのは30前のおっさんじゃなくてどう見ても10代後半の若い娘だった。 俺は呆気に取られてオシッコをちびった。 一度漏れ始めたものにもう止める術は無かった。止めようとしても勢いが弱くなるだけで完全には止まらない。 それでも個室に入り病院着の前を開けて下着を下げた。 完全に用を済ませた時、下着はもう履穿く事が出来ないほど濡れていた。 300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 22 03 43.97 ID sOP5LUk30 扉の外から「ごめんなさい」って謝る声が聞こえる。 幸い病院着は濡れて無かったが、下着とスリッパは洗わないと使えない。俺がその事を伝えると看護士さんは直ぐに戻りますからと言ってトイレから出ていった。 下着は脱いで濡れた内腿をトイレットペーパーで拭いた。スリッパはどうしようもない。 10分程で彼女が戻ってきた。 渡されたコンビニの袋には新しいショーツとスリッパが入っており、それとは別によく絞ったタオルが渡された。 女物の下着に抵抗はあったが意を決して穿いた。 汚した下着等はコンビニ袋に入れてトイレを出た。 含む言葉 「本当にごめんなさい、もっと早くに言わなくちゃいけなかったのに……驚きますよね」 もう済んだ事で彼女を責めても仕方ない。それより何故こうなってしまったかを知りたかった。 医師に説明を求めても分からないの一点張りで、逆に初めてのケースだから詳しく調べさせて欲しいと言われた。 どうしようもないな…… 分かっているのは俺は30前にして女体化したって事、それに伴い手術跡が綺麗さっぱり消えてしまった事だけだ。 最後に医者が「貴方はクロスワードパズルをやってましたか?」って聞いてきた。 「はい、それがどうか?」 「いえね、貴方のとは違うんですが前に2度ほど不思議な事が起きた事があるんです。その人が言うにはパズルの答え通りになったって、そんな事ある訳無いのにね」 「……あれ?どうしました?顔色悪いですよ」 「パズル……パズルの答えが女体化でした……」 女体化して若返ってしまった俺、一体この先どうなるんだろう?
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125 :旅人:2008/01/07(月) 01 39 49 ID ZSqGjG+T0 少し時間を遡って、小暮と町田のクロスワードパズルを解いていく姿を見てみよう。 四時半になって、大方のマスを埋める事に成功していた。 音ゲーファンである方々なら分かるようなキーワードは全て町田が解決、マス目にペンを走らせていった。 英語表記の音ゲー曲の、その意味するところを問うキーワードは小暮が担当、順調に解読を進めていった。 例えば「PLASMA」と書き入れるべき所にあたるキーワードはこんな感じになる。 「血漿。自由に運動する正・負の荷電粒子が共存して電気的に中性になっている状態」 こんなキーワードを書くなんて、犯人は結構な知識を持っているのかと小暮は思った。 町田はこのキーワードを見て、小暮君の教えている子って凄いんだねぇと呟いていた。 午後五時を回り、ようやく小暮と町田はクロスワードの全てのマスを埋める事に成功した。 結果「普通の」答えは大桟橋であった。 横浜の豪華客船ターミナルには爆弾は設置されていないだろうと小暮は考えた。 さて、爆弾が設置された大桟橋とは一体どこにあるのか? この市にある二つの橋…市長により大桟橋と命名された、その橋に爆弾はあるのだろう…と小暮は考えた。 一方、このクロスワードの本当の事情を知らない町田は 「うん、子供が考えたにしちゃ結構な出来だったと思うよ。正直全然分からないところもあった。 このアナザーワードの答えも全部絞り込めたし、後は小暮君一人で頑張ってね。それじゃ」 とだけ言って白壁を後にした。 小暮は心の底から町田に感謝し、そして自分の成すべき事を成した。 上着のポケットから自分の携帯電話を取り出し、田中の携帯電話にコールした。 ワンコールも終わらないうちに、田中はすぐに応対した。 「こちら田中。小暮、どうだ?パズルは解けたか?」 「ええ、全部解けました。彼女の、町田さんの助けが無ければ絶対に解けませんでした。 それだけ、このクロスワードパズルの難易度は高い。音ゲーをやらない人間であればあるほど高いんです。 答えですが、普通の答えは『大桟橋』です。刑事さん、確か車の中で某国の上官が…って話をしましたよね」 「あぁ、したな………ん?まさか!」 「えぇ、そうなんです。犯人はその上官を狙っていると思われます。犯行の計画はこんな感じでしょう。 某国の上官がどちらかの大桟橋を通って市の中心街に遊びに行く。その道中の大桟橋を通っている時に橋を爆破。 ・・・アナザーワードは、二つある大桟橋を特定するためのものみたいです。 アナザーワードヘルプというアナザーワードを絞り込むための枠には『High Level』とだけあり、直訳すると『高難度』という意味です。 町田さんが答えを絞り込んでくれました。結果、アナザーワードには三つの曲名が存在するということが分かりました」 「三つ!?それじゃ足りないぞ。アナザーワードの答えは6マス分じゃないか!」 「そうなんです。けど僕は、それこそが犯人が最後に仕組んだトラップじゃないかと思います。 アナザーワードについての懇切丁寧な説明、音ゲーをやらない僕たちには分からないけど、 町田さん曰く『一部を除けば簡単なヒントで構成されている』というマス埋め作業。 ここまで解読者に親切にしていたら、最後の最後に何かやらかしそうじゃないですか?」 「…詳しく、聞かせてくれ」 「刑事さん、爆弾解体処理班みたいなチームがありますよね?それを準備させながら聞いてください。 三つの曲名はですね…『冥』と『デイドリーム』と『イノセントウォールス』なんです。 刑事さんの言うとおり、この三つだけじゃアナザーワードは完成しない。 しかし、この市の大桟橋には正式名称がある。 『大桟幕橋』と『大桟冥橋』がこの市にはある。冥が被っているから、大桟冥橋に爆弾は設置されたのかも…とね、僕は考えました。 かなりの確率で大桟冥橋に爆弾が設置されていると思われます」 「分かった。すぐに処理班を編成して向かわせる。ありがとう。報酬は事件が解決したらたっぷりと払う」 そう田中が言った後、小暮は通話を切った。そして、急ぎ足で白壁を出て行った。 彼の顔には、事件が解決したという安堵の色は無い。これからが大仕事だと、彼の心は叫んでいた。 小暮の足が早足から徒競走並みの速さで回転した。人の多い通りを彼は無我夢中で走っていった。 126 :旅人:2008/01/07(月) 01 42 29 ID ZSqGjG+T0 某国上官は音ゲーの市まであと10kmもあるかないかという所を走行していた。 外はもう五時と少しばかりだというのに、ライトで照らされている所以外は真っ暗である。 上官の運転する車の後ろをついて行く車が一台。 その運転手は音楽ゲームクロスワードパズルを製作し、この事件の計画を企てた犯人である。 犯人は運転中に前の車、即ち上官の車に発信機をつけていた。 これにより、この車を追い越して先回りし、あの大桟橋の上を上官の車が走行したと確認して、 助手席においてある遠隔操作の爆破装置を作動させることが出来る。 これを犯人はもう一度視認して笑った。 そして自分の命が狙われているとも知らない上官はCDプレーヤーを一曲リピートに設定して、ずっとB4Uを聴いていた。 ノリノリで歌いながら上官はハンドルを切った。 爆発物処理班は大桟冥橋の調査をしていた。どこに爆弾があるのかを調べるためである。 橋の上を走って細々としたところを確認し、ボートで橋の裏側を調べたりしていた。 その様子を小暮は田中と共に見ていた。 少し前の時間の話になる。 小暮は通話を切った後、全速力で走りながらもう一度田中に電話を掛けたのだった。 「刑事さん、今すぐ迎えに来て下さい。お願いします、早く!」 「どうした?事件は解決し…」 「しません。このままじゃ事件は絶対に解決しないんです」 「どういう事だ、小暮?」 「すみません、嘘の事を言いました。爆弾は多分、大桟冥橋にはありません」 「あ?それじゃ…」 「大桟幕橋にあると思います。橋の名前とパズルの答えが被っていた所でですね、 それが導き出した解答だとは到底思えないんです。今僕は、駅に向かって走っています。 駅前のベンチで待っていますから、早く迎えに来て下さい!お願いしますよ!」 分かった、と田中はそれだけを言って電話を切った。小暮はゼィゼィハァハァしながら全速力で走った。 走って走って走り続けて、小暮は駅前のベンチの集まるところに辿り着いた。 それから三分後、小暮は田中の屋根に赤く光るランプを付けた車に乗り込んで大桟幕橋へと向かった。 サイレンを鳴らしながらその車は全速力で道路を疾走する。 その車がBGMとしてかけ流しているのは、犯人から送られた物の中にあったIIDXREDのサントラから、RED ZONEである。 RED ZONEを大音量でかけ流しつつ、前方を走る車を追い越しながら田中が言った。 「小暮、本当に大桟幕橋に爆弾があると思うか?」 「多分きっと絶対あります。…狙撃用ライフルってこの車の中にありますか?あれば貸してほしいのですが…」 あ?と、前方を走っていた車を追い越し終わってから田中が言った。そして、あると答えた。 「ありがとうございます。決して悪いようにはしません。絶対です」 「分かった…だが、どうして嘘の情報を言ったんだ?処理班は全員で払ってしまったんだぞ」 「処理班がいなくとも、僕達だけで爆弾の脅威を取り除けるかもしれません。 それに、犯人に署内の連絡記録などを傍受されていたとしたら、たまったもんじゃありません。 敵を欺くにはまず味方から…でしたっけ?まぁ、一種の保険みたいなものです」 「保険、か…ところで小暮、どうして爆弾が大桟幕橋にあると思ったんだ?」 「それは…冥を除いたアナザーワードの二曲のアルファベットの一部を選んで並び替えていくと 『SCREEN』となるからなんですよ。…これが絶対的な証拠だ、と言うつもりはありませんが。 最後のどんでん返しでね、こういう事ってありそうじゃないですか。ねぇ、刑事さん?」 「そうだな…どんでん返しか、十分ありそうな話だな。小暮探偵、お前は本当に凄いよ」 127 :旅人:2008/01/07(月) 01 44 40 ID ZSqGjG+T0 その頃某国上官は「B!B!B!B4U!」と歌いながら下り坂を走行していた。 もう何十回B4Uを流しているか分からないが、上官にとってそんな事はどうでもよかった。 カーナビが、次の交差点を左へ曲るようにと指示を出していた。 上官はそれに従ってハンドルを左へ切った。後ろから続いた犯人は右にハンドルを切った。 上官は一つの大桟橋へ、犯人はもう一つの大桟橋から近い高い山の近くにあるコンビニへと車を走らせた。 大音量でRED ZONEをかけ流しながら走った豆腐屋の車の中で田中に教わったとおりに、小暮はライフルの構え方などを確認する。 消音機もバッチリ。安全装置も外した。 後は狙うだけ。 小暮が覗くスコープの視界は大桟幕橋の裏側にあった。 アナザーワードは、大桟橋の特定の他に爆弾がどのようなところにあるかも教えてくれていたのだった。 白壁と呼ばれるイノセントウォールス。大桟幕橋の裏側の壁は白かった。大桟冥橋の裏側は黒かった。 つまり、それが何を意味するのかというと…もう言わなくても分かるだろう。 爆弾は大桟幕橋の裏側にあるのだという事を意味していた。 犯人は下り坂の先の十字路を右に曲がった後、コンビニで車を降りて高い山の階段を駆け上がっていった。 右手に持つレーダーに上官の車の位置と大桟幕橋の裏側に設置した爆弾が、点として光っている。 左手には遠隔操作の爆破装置が握られている。犯人は爆破ショーを高みの見物をと決め込んでいた。 山を登り、開けた崖で犯人は立ち止まる。結構な高さを上ったものだ、と犯人は思った。 そして、右手にあるレーダーを見る。上官と爆弾の距離はもう、2kmも無かった。 小暮はスコープの十字の照準に爆弾を捉えていた。正確にはそこから少しずれた所だ。 クロスワードを作り、爆弾も自作し、わざわざ橋の裏側に設置するような大仕掛けの犯罪だ。 犯人には無いと思っているミスがあるかもしれない。 甘い考えかもしれないが、そのミスが照準の脇にある爆弾にあるなら、小暮が狙っている場所を撃つ事は無駄ではないかもしれない。 決して爆弾がその機能を果たさない事を期待していたわけではない。 爆弾の設置状態が悪化している事に小暮は期待していた。 …こんな大仕掛けの犯罪なら準備には相当な時間を要するだろう。 …爆弾の設置だって並の苦労ではないはずだ。 …爆弾を橋に張り付けているものが寿命を迎える事だってあり得る。 …橋の裏側に爆弾を設置するのは高度な技術を要するはずだ。 そう小暮はそう考えていた。橋にある爆弾をそのまま解体することは難しいだろう。 なら、橋の下にある川に爆弾を落とせば、それならば爆発しても被害はそれほど大きくならないはずだ。 橋の裏側に爆弾をつけるなんて手段が限られてくるはず。その手段次第では、爆弾を川に落とすことが出来るかもしれない。 こんな考えを田中に話した時、彼はこう返した。 「やってみる価値はある。…それで、事件は解決するかもしれない」 128 :旅人:2008/01/07(月) 01 49 25 ID ZSqGjG+T0 小暮は爆弾が何で大桟幕橋に張り付いていたのかを理解した。細いワイヤーだった。 アレなら寿命が来て爆弾が落ちる事は無いだろうと思われた。 あのワイヤーを撃って切る事が出来れば、爆弾は川へ落ちてゆく。絶対に。 小暮はそう確信して、照準をワイヤーに合わせてトリガーを何回も何回も引いた。 音も無く弾丸を飛ばすライフル。その銃口から大口径の弾丸がワイヤー目がけて何発も飛んでいく。 全弾がワイヤーに命中、小暮の読みどおりに事は進んだ。爆弾が重力に逆らうことなく川へ落ちてゆく。 犯人はスコープで大桟冥橋を見ていた。警察のが意味も無い行動を続けているのが手に取るように分かった。 分かって、大笑いした。 なんて無能なんだ、警察という組織は。本当に無能だ。無能すぎる! ヒントも殆ど簡単なものにしてやったクロスワード一つさえ、奴らには解けなかった。 無様な警察。己が無能を思い知れ!と本当にそう口にした犯人はレーダーをもう一度見た。 上官と爆弾の距離はあと600m程であった。その数字はどんどん減少していく。500、400、300…数字は確かに減っていく。 とうとう、数字は100mを切った。二桁の数字を表すレーダーを見て、犯人はまた大笑いした。 そして左手を掲げて、 目を瞑って「ヒャッホウ!」と叫び、赤い起爆ボタンを押した。 少し遅れてドーンと音が聞こえた。 目を開けたとき、そこには崩れ落ちてゆく大桟幕橋が自分の目に映るのだろう。そう確信して犯人は目を開けた。 爆弾は、水面に触れた時に爆発した。 小暮と、その近くに立っていた田中は、強烈な爆風で吹っ飛ばされた。二人は思いっきり背中から着地した。 小暮は立ち上がろうとしたが、駄目だった。気を失ってしまったのだった。田中が小暮をゆするが、返事は無い。 田中はすぐに自分の職場に連絡を入れて、その後に救急車を呼んだ。 周りは野次馬達で騒がしいというのに、小暮が目を覚ますことは無かった。死んだ、という訳ではなさそうだが。 129 :旅人:2008/01/07(月) 01 52 19 ID ZSqGjG+T0 「どうして…俺の完璧な計画が…無能な警察に…?あいつらは違う橋を探していたのに…どうして、どうして…」 大桟橋に近い山の開けた場所で、この事件の首謀者が呆然として突っ立っていた。 「俺が所属する暗殺組織が目をつけたあの上官を殺せば、俺は巨万の富を得ていたに違いないのに… 俺の計画は完璧だったのに…どうして爆弾がちゃんと働かなかったのだろう?どうして…」 彼の顔には諦めに近い表情が浮かんでいた。 お終いだ、お終いだと彼は心の中でずっと呟いていた。 「これで俺は殺される…奴を殺れなかったから…どこかで組織のスナイパーが俺の頭を狙っているんだ…ハハ・・・ 畜生…奴を殺って俺は儲けるはずだったのに…畜生!死んでたまるかぁ!組織が何だ!俺は死なないぞ、俺は死」 彼はバーン!という大きな音を聞いて前へ吹っ飛んだ。自らの意思ではなく、何かの沢山の物に吹き飛ばされていた。 何だろう、と思う間もなくいきなり視界が真っ暗になった。と同時に沢山の何かが体中を貫いて猛烈な痛みを残していった。 また、それと同時に体が浮かんで落ちてゆく感覚があった。あ、俺の目の前は崖なんだっけ。 そう彼が思い出してから少し間をおいて、彼の五感や内臓や脳は彼の意思に反して機能を完全に停止した。 犯人の後ろで散弾銃を構えていた男が一発、犯人の背中を狙って発砲した。犯人の体は簡単に吹っ飛んで崖から落ちていった。 何秒か経ってドサッという音がした後、散弾銃の男は崖から下を見下ろした。そこには役立たずの暗殺者の死体があった。 近隣の住民らしき人物が死体を見つけ、震えているのが目に見えた。その人はすぐにそこから逃げ去った。 恐らくは警察に電話するのだろう。自分や組織にはなんら不都合は無いと思われるが、立ち去った方が良いだろう。 そう思い、犯人を殺した男はその山を立ち去った。 音楽ゲームクロスワードパズル事件。 後にそう呼ばれるようになった事件のその後はどうなったのか。犯人は捕まったのか、その動機はなんだったのか。 上官は無事だったのか、そして、小暮はどうなってしまったのか。 結局、犯人は捕まらなかった。動機も分からなかった。 推測される動機のひとつとしては、某国上官に恨みを持っていたのではないか、というものがある。 上官に恨みを買うような行為をしたことは?と取り調べるが、上官は身に覚えがないと述べた。 上官は傷一つ負う事は無かった。むしろあの爆発が何かの演出と思っていたらしい。 これを聞いた田中刑事はただ、溜め息を一つつくばかりであった。 爆発から数分後、大桟冥橋に近い高い山の近くに住む住人から死体を発見したとの報告があった。 警察はこの死体を検死、その死体が背中から複数の銃弾を撃ち込まれていた事を確認した。 警察側の見解では、この死体こそが犯人であったに違いないと見ている。 130 :旅人:2008/01/07(月) 01 55 19 ID ZSqGjG+T0 小暮のその後はどうなったのだろうか。 実際、ただ気絶していただけだった。救急車が来た頃には彼はピンピンしていた。 その後田中と共に救急隊員らに土下座をする羽目にはなったのだが。 小暮は警察から報酬百万円を手に入れて、その後の警察の活動には手を出さなかった。 あと、大桟幕橋は少しぐらついただけで、後に市による修繕が行われると予告されただけだった。 音楽ゲームクロスワードパズル事件から三日後の日曜日。 朝方、小暮は自分の事務所の電話から町田に連絡していた。 昼頃から白壁で遊ぼうよ、と彼は町田に誘い、彼女は賛同した。 昼の一時、白壁の出入口辺りで小暮と町田は合流した。 小暮がドラム、町田がギターで一回セッションした後、三日前にパズルを解いていた休憩スペースに向かった。 小暮が近くの自販機で350mlの缶コーラ二本を買って戻っていく。かんぱーいと町田が言って乾杯した。 小暮は町田に合わせてアルミ缶を打ち合わせた。ゴクリと一口飲んでから町田が話した。 「ねぇ、三日前の大桟橋爆発事件、私生で見たんだよ! 誰も信じてくれないんだけどさ、小暮君ねぇ、信じてよ!結構五月蝿いんだね、爆弾の爆発音って。 これ、どこかの有名なバンドのライブ見るより貴重な体験だと思わない?」 「そう思いますよ。僕も、爆弾が生で爆発するところと有名バンドのライブ、 どっちを見ると言われたら爆弾を見るって言いそうです。あ、そのことで一つ」 言って、小暮は金一封とかかれてある封筒を町田に渡した。 「何も言わずに受け取って下さい。今日はこれを渡すために誘ったようなものですから」 「うわぁ、一万円の束じゃない!百万円くらいありそうじゃないの!何々、どんな仕事をしたの? 誘拐?浮気調査?…あ、それじゃあ大桟橋の件は関係ないか。一体何の事件を解決したのさ?」 音楽ゲームクロスワードパズル事件。それだけを言って小暮は席を立ち、出入口へと歩き出した。 町田は何のこと?と言いたげな顔をしていたが、しばらくして「嘘!?」と叫んでいた。 小暮は白壁越しからかすかに聞こえた、町田が真相に気づいた叫びを聞いてくすりと笑った。そして思う。 あなたが居なければこの事件は解決出来なかった。だからあの百万円はあなたが貰うべき物なんだ。 誰もが僕の立場なら、多分きっと絶対、そう思うでしょう?そう、これは当然の事なんだ。 コメント 名前 コメント
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カーン部隊!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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