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やまと・こう「どうもー、やまとなでしこでーす」 こう「最近暖かくなってきましたねー」 やまと「そうですね……」 こう「なんすかーエラい元気ないやないですかー」 やまと「実は寝不足で……」 こう「ねぶそくー?夜何やってたんすかー?」 やまと「一人タイタニック」 こう「え?」 やまと「一人タイタニック。これ」バッ こう「いややんなくていいですから。てかそれで一夜明かしたんすか!?」 やまと「意外と興奮するよ」 こう「せんでええから!」 こう「んやーそれにしても春ですわー。そういや春ってったらこんなんありますやん」 やまと「ん?」 こう「『ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ』」 やまと「ああカップヌードルのCMね」 こう「いやいや!CMこんなのないから!百人一首ですよ百人一首!」 やまと「あー百人一首か」 こう「そうそう百人でね、こう……」 やまと「一人の首をはねてく」 こう「恐ろしいな!ちゃいますって、一人ずつ歌を詠むんですって!」 やまと「ああそっか」 こう「そうですよー」 やまと「実は私詳しいんですよ」 こう「え、ホンマっすか?おーわかるやないですか」 やまと「百首全部言えますもん」 こう「えーそれ普通にすごいわー!何々、例えば一首言ってみてくださいよ」 やまと「『秋の田の かりほの庵の とまをあらみ 我が衣手は 露にぬれつつ』」 こう「おー最初のやつですなー。じゃ次のは?」 やまと「『春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山』」 こう「おーすごいやないですかー。他には?」 やまと「『あっふらぽんぽんちょん」 こう「ちょい待て。何それ?」 やまと「確か六十番目くらい」 こう「いやいやありまへんがなそんな歌!」 やまと「えーもしかしたら冥王星に置き去られたかなー」 こう「何言ってますねん。他に何か知っとんすか?」 やまと「うん。『生麦生米」 こう「ちゃうやろそれ!早口言葉ですやん」 やまと「えーでも確か七十番目くらいに」 こう「ありまへんて!」 やまと「もしかしたら天王星に置き去られ……」 こう「だから何言ってんすか!」 こう「あーそうそう、百人一首ゆーたら」 やまと「うん」 こう「枕詞ってありますやん」 やまと「あー、ありますね。『頭に気持ちよくフィット!』とか」 こう「それは枕のキャッチフレーズ!ちゃいます、ほら『あしびきの』とか」 やまと「あーそういうのか」 こう「しっかりしてくださいよー。これ他にもありますよね」 やまと「『あかねさす』」 こう「おお」 やまと「『からころも』」 こう「そうそう。知ってますなー」 やまと「実は私オリジナルの枕詞考えてきたんですよ」 こう「えーそうなんすか。どんなん?」 やまと「『ぶよぶよの』」 こう「……はあ。で、何が続くんすか?」 やまと「桜」 こう「ぶよぶよの桜!?どんなんすかそれ!」 やまと「まだあるよ」 こう「はあ。どんなんすか?」 やまと「『チョメチョメの』」 こう「……何かヤバそうやな。で、何が続く?」 やまと「桜」 こう「またかい!てかチョメチョメの桜て何やねん!」 やまと「まだある」 こう「……はあ。何?」 やまと「『激ヤバの』」 こう「もうその時点でおかしいやろ!んまあ一応聞いとくけど、何が続くん?」 やまと「桜の幹」 こう「幹かい!激ヤバの桜の幹てどんなや!」 やまと「こんな感じ」バッ こう「タイタニックかい!分かれへんわ!」 やまと「最後にもう一個ある」 こう「はあ。何すか?」 やまと「『ダメだこりゃ』」 こう「今のまんまやんけ!辞めさせてもらうわ」 やまと・こう「どうも、ありがとうございましたー」
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洗面所に入ると、バスタオル1枚の妹が鏡の前でヘンなポーズをしていた。 「あ、お姉ちゃん。お風呂先にいただいたよ」 「つかさぁ~……何よ、その奇怪なポーズは……新手の首の運動か/?」 もしこの場に、彼女……こと、柊かがみの友達がいたら、 『首に星型のアザでもついてるのかと思ったよ』と 言ってそうなくらい、腰に負担がかかる姿勢だった。 「あのね、ココ、首のところにキズみたいなのがあるの。 今まで全然気がつかなかったけど」 そう言って襟足の髪の毛をかき上げると、たしかに後頭部から うなじの部分にかけて縦に一筋の傷痕が見える。 数センチはあるだろうか……傷自体はかなり大きいが 盛り上がっているようには見えない。 ほとんど治りかけているあたり古いもののようだ。 「へぇ……コレは明るいところでよく見ないと、気がつかないんじゃない? 普段は髪の毛がかかって完全に隠れちゃってるし」 「うん。触っても、全然分からないし」 「それにしても、よく気がついたわね。こんなところにあるキズ」 「今日美容室に行ったら、美容師さんが『痛くなかったですか?』って聞いてきて 私もね、最初、何のこと言ってるのか全然分からなくって」 「うん……私も今までちっとも……」 先ほどから少し陰のある表情を見せていたかがみは、突然何かを 思い出したように口をつぐんだ。 やがて、しばらくの沈黙のあと、申し訳なさそうに小さく一言呟いた。 「あの時の痕、残ってたんだ……」 「ねえ、お姉ちゃん。ホントは知ってるんでしょ?」 「何のこと?」 ベッドで寝転がりながら、ラノベの新刊を読むかがみ。 つかさの問いにそっけなく答える。 「ココのキズのことだよ。何か知ってるよね?」 そう言って風呂上りの濡れた髪を撫でて、かがみを促す。 「さっさとドライヤー使いなさいよ」 かがみは読書中に話しかけられるのを極端に嫌がる。 普段のかがみなら、つかさのことを軽く一蹴しているだろう。 しかし、この時は読書に身が入らず、上の空といった感じで ベッドのそばに腰掛けたつかさの質問を、気にかけているようだった。 「ねえ……気になるよ……」 つかさを横目で見ながら、やがてかがみは諦めるように呟いた。 「しょうがないわね……あんた、そういうとこって昔から頑固よね…… 話せばいいんでしょ? まあ、もう『時効』だろうし……」 「『時効』って?」 「だってもう10年くらい前の話よ。私たちが小学校に行ってた時だと思うから、 8、9歳の頃。もっと前かもしれないわ」 「へぇ、そんなに前なんだ。どうりで私、全然覚えてないはずだよ」 「私はよく覚えてるわよ。すごく怖かったから…… それに、元はと言えば私が原因だしね」 「えっと……私がココ怪我したのって、お姉ちゃんのせい?」 「そうだとも言えるし、仕方が無かったとも言えるわね」 「なにそれ? 全然答えになってないよー?」 「話は最後まで聞きなさいよ……その頃のあんたってね、 今以上にすごーく甘えんぼでね。お父さんもお母さんも、お姉ちゃんも、 親戚の人もみんな、つかさのことばかり可愛がってたの」 「わ、わたし、そんなに甘えんぼじゃないよぅ……」 つかさが顔を赤らめて言う。 「でもね。あの頃は本当に、みんながつかさの方ばかりかまってたのよ。 少なくとも、その時の私にはそう思えた。 『かがみはしっかりしてて偉い』とは言ってくれたけど、 同じ双子なのに……って、子供心にとても寂しかった……」 トゲをふくんだ言葉尻には、少しばかりの嫉妬と羨ましさが見え隠れしていた。 以前、友達に言われた「かがみは寂しがりやのウサちゃん」という言葉は 実は、思った以上に当たっているのかもしれない、とかがみは思った。 「あ、あの……なんていうか。ごめんなさい、お姉ちゃん」 かがみは大げさにため息をついてみせる。 「だからぁ~……そ~ゆ~風にすぐ謝っちゃったりするところとか、 その性格だからなのよねぇ……みんなに可愛がられるのはさ ま、今は全然気にしてないからね……とにかく、話を戻すわよ」 「そうそう、私のキズのことと全然関係ないよー」 「あんたがいちいち話を腰を折るから悪いのよ。最後まで黙って聞いてなさい」 「むー……」 「あれは、夏のすごい暑い日の昼下がり。たぶん気温は35度を超えてたかしら 本当に気が滅入るほど暑かったのを覚えてる。 確か、お父さんは仕事で関西の方に行ってて、お母さんは町内会の何かの集まりに行ってた。 だからお姉ちゃん達に『私たち2人の面倒を見るように』って言ってたはず。 でもお姉ちゃん達は『かがみ、つかさのことよろしくね』とかなんとか、友達と一緒に 遊びに行ったりとかしてたの。まったく。いいかげんよね、ウチの姉妹って。 『なんでこのクソ暑いのに、手のかかるコイツの面倒を見なきゃ……』って、 私は内心毒づいてた……って。ちょっ、何その今の小動物が怯えるような目は!? 凶暴なのか? 今の私そんなに凶暴だった? ……とにかくね、その日の午後は、家に私たち2人だけだった。 それで境内でかくれんぼとか鬼ごっことかして、遊んでた。全く、子供ってホントにバカよね。 そんな日は、おとなしく家の中で遊んでればいいのに。 で、そんなことをしてるうちに、裏のお堂のところへ言ってみようって 私が言い出したの……ほら、裏庭を竹林のほうに抜けてたとこ、 そこに小っちゃいお堂があったの、覚えてる? 昔あそこで遊んだじゃない。 今はもう壊されちゃってて無いけど。 あそこの軒下のとこにミツバチの巣があるから、見に行こうって誘ったのよ。 まったく、救いようが無いくらいバカよね、子供の考えることって。 あんたはすごく嫌がってたのを、私が無理やりに連れてった。あんたのこと、 少し怖がらせてやりたかったんだと思う。 真夏の炎天下の下、草がぼうぼうの小道をしばらく歩いって、開けたところに古い祠があった。 なんの神様を祭ってたんだっけなぁ……昔お父さんに聞いたんだけど。 犬神だったっけ? 何か、あそこは今まで歩いてきた来た道と空気が違った。私はそう思った。 なんとなくひんやりしてるというか、じとっと湿った感じがするというか…… セミがうるさいのに、ひっそりとしてて静かで……全然そんなことは無いはずなのに。 お目当ての蜂の巣はちゃんとあったわよ。それもすごく大きな立派なの。 近くに行かなくても、あの蜂の羽音がぶんぶん聞こえて。周りを飛んでる蜂は数匹なんだけど。 すごい威圧感ってヤツよ。しばらく遠くから見てたんだけど、私はさ、よせばいいのに 石とか投げ始めた。 もうね、出てくるのよ、蜂が。ものすごい数の。 私のやってるシューティングの弾幕よりたくさんの。 黒い雲が音を立てて襲いかかってくるみたいだった。 私は逃げたわ、あんたを放っといて。ひどい話よね。 とても怖かったからよく覚えてないんだけど、転びそうになりながらも、必死で 家の中まで逃げ込んだ。気がついたら、足とか擦り傷や切り傷だらけだった。 落ち着いたら、つかさのことが気になりだした。 どうしよう、つかさに何かあったらすごく怒られるに違いない。 お母さんやお姉ちゃんたちが帰ってくる前に、つかさを連れてこないと、って…… しばらくして、暑さのピークを過ぎて陽が陰りはじめた、 夕暮れも近くなった頃、あのお堂へ恐る恐る行ってみた。 蜂はもう大人しくなってたけど、私は近寄らないようにした。 つかさの姿は何処にも無かった。 何処いったんだろう……あの子はドンくさいから、逃げ遅れたのかな…… 家の方に戻ったはずは無い、一本道だから出会ってるはずだし、 そもそもこんな時間だ。とっくに家にたどり着いているはずだ……。 子供の頭で、私は必死に考えた。そして1つの恐ろしい結論にたどり着いた。 あのお堂からは、もう一本の道が開けているの。 その道をしばらく進むと、急な崖に出るわ。 崖といっても、3、4メートルだから、たいした斜面じゃないのよ。 子供の足でも、気をつければ降りられるくらいだもの。 とはいえ、蜂の大群をかわしながら駆け足で降りられるかどうか、さすがに その保障はなかった。 それが運動神経ニブくてドンくさい子供だったら…… あまり想像したくなかった…… 私は最初、つかさが逃げるときにその崖から落ちて、足でもひねって 動けないんじゃないかと考えた。もし蜂に刺されてたりでもしたら大変だし。 なんにしろ、たいしたことは無いだろうって、 何のコンキョの無い希望的観測をしてたわ。 さっさと助けに行って、家に連れ帰って、私の分のお菓子でもあげて、 家族には黙っててもらおう。それで万事OK! そんなことを考えてた。 『背筋が凍る』って言うでしょ。そういう光景を見るとね、 背中に凍ったミミズを入れられたみたいに、体温がスゥーって下がるのよ、ホントにね。 つかさはそういう経験ある? 崖の下で、つかさは冷たくなってた。 すぐ思い直した。きっと足を滑らせて崖を転げ落ちて気絶してるだけだ、って。 でもね、死人ってのは、寝てるだけの生きた人間とは全然違うのよね。 呼吸とか、肌の色とかだけじゃなく、周りの空気がそこだけ違うのよ。 でも私は、そんなのはただの錯覚に違いないって、しつこく思い続けた。 つかさの顔のまわりをまとわりついて蠢いているハエは、黒い塊みたいになったし、 片足は、膝あたりから変な方向に曲がってたけど。 また、希望的観測というヤツ。 でも、そんな私のささやかな希望も すぐに音を立てて崩れたわ。 つかさの頭を起こそうとした瞬間、耳からドロッて赤い液体が流れて落ちた。 血って言うより、すごく赤黒かったから、ブルーベリーのジャムみたいだなって思ったけど、 『あ、これ血なんだ』って気づいてらびっくりして、つかさの頭を離してた。 ゴンッて地面に落ちて頭を打ったけど、あんたは全然反応が無かった。 かわりに何処からってくらい、ものすごい量の血ががドバーッて出たわ。 アレの日なんて目じゃないくらい。砂場にジュースを落としたみたいに、 あたりの乾いた土にすぐ吸い取られて、まわり一面赤黒くなった。 ……ヒトの血の量はね、体重の13分の1。その3分の1の出血が致死量なの。 それで小学校低学年の子の体重って30キロぐらいでしょ…… 致死量は……770ml……250ml缶3本ちょっと、ってとこでしょ? 2lペットボトルぐらい真っ赤な血がドロドロって噴き出してた。 どうしたの? つかさ? 顔色が悪いわよ? 冗談でしょ、だって? まあ待ってよ。 ここまで話したんだから、最後まで聞きなさいよ。 じゃあ続きを話すわよ。 それでね、もうだめなんだ、つかさは死んでるんだ、 血が止まらなくて、全く動かないつかさを見て、私はそう判断した。 でね、次に何を考えたと思う? 『つかさがいなくなったから、みんな私のことをかまってくれるようになる』 一瞬そう思った。それくらいあんたは大切にされてたから。 でもそんな大切なつかさを殺した私はどうなるのかしら? そう考えた。 みんなすごく怒るだろう。神社の神具を悪戯したときより怒るだろう。 きっと謝っても許してもらえない。私も殺されちゃうんだ。 私はつかさの死体を隠すことにした。 ところで、あの崖から離れたところに『墓地』があるのって知ってる? 『ヒト』のお墓じゃないわ、ペット専用の墓地よ。 鳥とか猫とか、でも犬が一番多かったみたい。 誰が始めたのか知らないけど、すごい数のお墓があって、 墓標があるのだけでも100以上かしら。ネットでもすごく有名なのよ。 私はそこにつかさを埋めることにした。 同じくらいの体格の人間を運ぶのは、すごく大変だったわ。 意識の無い人間はね、おんぶするときみたいに、バランスを取ってくれないから。 何度も転びそうになって、汗だくだくになりながら、 血生臭さで吐きそうになりながら、つかさを背負った私は墓地にたどり着いた。 最近切られたような切り株があったから、座って一息ついた。 ところでその墓場には、ちょっとした怪談ってか都市伝説みたいなものがあってね。 埋めたペットが生き返る、のよ。ふふ、笑っちゃう話でしょ。 でも私のクラスメイトの子が、ペットの犬が生き返ってったって言ってたのを思い出したの。 まあ私は、似たような犬を親が買ってきたんだ、って言い返してやったけど。 昔っからそーゆーオカルトなのは信じないのよ、私は。 あーでもぎょぴちゃんやタマが死んだら、私だって『ペットの墓地』で生き返らせたいかも。 大人だってそんな迷信に頼りたくなるくらい、哀しいのよね。ペットロスってのは。 ……都合がいいことに、墓にはちょうど、掘り返したような大きな穴が開いてた。 あ、もしかしたら、あの穴はすでに何かが『出てきた跡』だったのかもね…… つかさを穴に下ろして、その辺の板切れか何かで土をかぶせた。 何だか息苦しそうで可哀想だな、って思いながら。 それから……あまり覚えて無いけど、家に帰った頃にはもう夕方だったはず。 服は汗びっしょりで、つかさの血がすこし付いてたけど、 着替えもせずに、すぐにベッドの中にもぐって、ずっと震えてた。 つかさは一人で遊びに行った、だから何も知らない。そう答えれば大丈夫だ。 たとえ死体が見つかっても、自分が殺したなんてバレるはずは無い…… そんなことを考えながら……あとは、今日の出来事の夢を見ていたと思う。 夢の中で、崖から落ちるつかさを、私が映画みたいに助けたりして、 ああ、こっちが現実なんだって思ったらそこで目が覚めて、またすぐ眠って…… それを何度も繰り返してた、時間の感覚が無くなるくらい。 『ご飯だよー』ってお姉ちゃんの呼ぶ声がした。目が覚めたら夜だった。 私はいつもどおりにキッチンへ行ったけど、内心ブルブル震えていた。 心臓も鼓動が聞こえるんじゃないかってくらいドクドクしてた。 お母さんはまだ帰ってきてなかった。 そこには、いのり姉さんとまつり姉さん、そして……つかさがいた。 マジでビックリしたわ。だって、あんたヘーゼンとご飯を食べてるんだもの。 もしかして、昼間の出来事は本当に私の夢だったんじゃないかって疑うくらい。 寒いの? つかさ? さっきからずっと震えてるわよ? お風呂入ってそんな格好してるからよ。 でも夢なんかじゃなかったわ。私の服には血が付いてたままだし、洗濯機の中には 血だらけで赤黒くなったつかさの服が放り込んであった(これは私が始末した) 次の日見に行ったら、昨日死体を埋めた場所はぽっかり穴が空いてた。 昨日、つかさは確かに死んで、ソレが生き返った証拠ってわけよ。 それだけなら、土の中で、仮死状態とか何かで意識を失った状態から回復して ただ戻ってきただけかもしれないわね。 といっても、あれだけ大量の血を失っても平然としてるなんて絶対おかしいでしょ? それに何と言ってもね、その日からあんたの様子がちょっと変になったの。 犬っぽくなった。 べつにシッポふったり、舌出したりとかじゃなくて ちょっとしたしぐさで、子犬を連想するみたいな感じ。 たとえば人との接しかたとか、お母さんと一緒にいるところなんか 飼い主とペットみたいでね。 でも、もともとつかさってさ、そういうところがあったし 私も最初は気にしてなかったのよ、あんたがあんなことをするまではね。 ところで、昔、私たち文鳥を飼ってたの知ってる? 覚えてないの? あんたって忘れっぽいわね。 物置に鳥かごがあるじゃない。あれで飼ってたの。 真っ白で可愛くてね。よく懐いてたわ。 こうやって手を出すと、腕に乗ったりしてね。 あ、言うの忘れてた。さっき言った、私の友達の生き返った犬、 柴犬かなんかの雑種の子犬だったかな、見せてもらったんだけど、 普通の犬にしか見えなかった。 友達が言うには、ペットを生き返らせてもね、半分しか戻らないんだって。 『魂』が半分しかないのよ。 魂が半分だと、目つきがどこ見てるのか分からなくなったり、鳴き声が変になったり 歩き方がすごく変だったり、食べる量が異常に減ったりとか、 とにかく半分なの。元通りには戻らないの。 犬でさえそうなんだから、人間が元通りになるかなんて分からない。 『何が』半分入ってるのかだって知らないし。 文鳥の話はどうなったかって? 突然いなくなったのよ。私が学校から帰ると、かごが倒れて扉が開いてて あの子はいなくなってた。 縁側に置いておいたから、たぶん猫かなにかに襲われて扉が開いたんだろう、 お父さんはそう言ってた。 でも本当は違うの。 あの日、私はあきらめきれずにあの子を探しに出かけた。 逃げた鳥を追うなんて、見つかるはずも無いのにね。 でもね、あの文鳥はすぐ見つかったの。裏庭の草の茂みで、つかさがあの子を握り締めてた。 ちょっと正確じゃないわね。あんたが『文鳥だった』物体を持ってたのよ。 赤い何か、ひもだか布みたいなものが垂れ下っていた。 口の周りとブラウスが真っ赤で、周りの草もケチャップかけたみたいだった。 あたりにはぷんと鉄のにおいがした。そばに噛み千切られた鳥の頭が落ちてた。 濁ったガラス玉みたいな、焦点の合ってない目で、私を見てた。 あんたが持っていたのは、首の無い鳥の死体。真っ白だった体が血で赤くまだらになってた。 私はつかさを平手で殴った。手が痛かった。 それでも、あんたは悪びれもせずに『なんで?』って顔をしてた。 叱られた犬みたいだった。 この子には、半分しか魂が無いんだ。きっと心は獣同然なんだ。私はそう思ったわ。 器のせいで、今は人間みたいだけど、きっとそのうち本性を現すに違いない。 だから、私はその前になんとかすることにした。 ねえつかさ? 私の話、聞いてる? さっきから苦しそうだけど? 息ができないほど怖がらなくてもいいんじゃない? 私のクラスメイトの子の犬は、どう見ても普通の犬だった。 『半分なのに、どうして普通なの』って聞いたら、『もう一回埋めたから』って言ってた。 1/2+1/2。その時、まだ分数はやってなかったけど。 その子の犬はまだ子犬だったからね。生き埋めにするのも、それほど難しくなかったみたい。 中型犬とかでも、大人の男だって無理なんじゃないかしら、生きて埋めるなんて。 同じくらいの体格の妹なら、もっと難しいに違いない。 だから私は武器を持ってったの、あんたを例の墓地まで連れ出す時に。 一振りの鉈。古いけどつくりはしっかりしてるし、 重心が扱いやすいようになってて、子供でも振り回せるのよ。 ついでに冷蔵庫から豚肉のパックを持ってった。 真夏の昼さがり、やっぱり暑い日、墓場についたら、 せがむつかさに生肉を放り投げてやった。 がつがつとむさぼり食う姿は、私の妹ではなく、ただの一匹の獣に見えた。 それを見たから、罪悪感は沸かなかった。 峰で殴って気絶させるだけのつもりだったのよ。 肉にむしゃぶりつくつかさの後ろに回って、私は鉈を振り上げた。 つかさはすばやく振り向いた。太陽に背を向けてたのが失敗だったわ。 殺気立った影で気付かれた。つかさは私に飛び掛ってきた。 それからしばらくは取っ組み合いが続いた。服は土で汚れるし、 身体のあちこちを打って、上下左右もわからないくらい、 お互いに掴みかかりながら転がり続けた。 つかさは細い身体に、どこにこんな力があるんだってくらい、 私の首を締め上げてきた。 本当に殺されると思って私も必死だった。 殺し合いは突然、耳をつんざくようなつかさの悲鳴で、終わりを告げた。 気がつくと、私はつかさの頭をなにかに叩きつけたらしかった。 私の服に血がべったりとついてる。つかさの吐いた血だった。 つかさの動きは、生きている人間のそれと違う。 手を離しても、つかさは起き上がってこなかった。 切り株の、切られた鋭い枝が首を突き破って、つかさののどから生えていた。 不規則な痙攣、目を見開いて、血を吐いて、やがて動かなくなった…… 私はつかさを引きずって、元の穴に埋める作業を始めた。 心臓は動いてるから、どうやらまだ死んではいないようだったわ。 刺さった枝は抜かなかった。また出血するかもしれなかったし…… あんたの頭の傷は、その時の傷ってわけ」 「どう?」 かがみはつかさに問いかけたが、反応が無い。 涙とヨダレを流して目を空ろにしている。 「あんたって結構、抜けてるでしょ? きっとアタマが3/4しかないのよ だって私が『半殺し』にしたから! あははっ! なんちゃってねっ!」 反応無し。 「あの……つかさ……?」 「……んおねぇええちゃあああんんんんんあqwせdrf!!!!!1 やだああああ!!!わだじいぬやだああああ!!!!」 「ちょwwおまwwwフィクションですから! この物語は」 恐怖で幼児化していたつかさは泣き止まなかったし、納得もしてくれなかった。 例の傷は、小さいころに境内の石段でぶつけたと言っても信じてくれなかった。 (私は覚えていたが、つかさはサッパリ忘れていたようだ。 怪我の時も、頭から血を流しているつかさ本人はヘーゼンとしていて、 私のほうが怖くて泣いていたという始末だった) 両親にも説得してもらって、ようやく落ち着いた。 「しかし、作り話であれだけ怖がるとは…… 私もなかなか物語を作る才能があるんじゃないかな? (某映画と小説のパクリだけど) それにこれじゃあ、ラノベというか、角川ホラー文庫だ。 私はもっとファンタジーなのが書きたいんだが…… でも、ちょっと怖がらせてやろうと思っただけなのに、失敗だったな……。 作り話って言ったけど、「つかさのことが羨ましかった」のは本当だよ。 ずっと大切にしてもらって、幸せだね。 羨ましかったから、ちょっと悪戯したかったんだ」 「こわがらせて、ごめんね。おやすみなさい、つかさ」
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401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/07/06(日) 21 12 22.84 ID iteRdoSO 400ゲットでみなみん
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今日から夏休み、大体の学生さんは、この日を待っている人がいるかと思う。 しかし…始末部隊にはそんなものは関係ない。 夏休みまで待ってもらった依頼が一つあるのだ。 「…依頼内容を確認する、大泉、もう一度だけ…手紙を読んでくれ」 「はい…」 「全部英語ですね…みwikiさんを使わないと」 そう言って、大泉は、何かの機械を取り出した。 「ゆkariさんは使わないの?」 「…あれでかくて使えねえだろ」 「えっと…『こんにちは、始末部隊の皆様… 今回は私の国に始末していただきたい方がいるのです… 依頼金はかなり弾みます、絶対引き受けてください 詳しくは、こちらにきて話します』」 返信: 『引き受けてもかまいませんが、夏休みを待ってくれませんか? こちらも普段の生活がありますので』 その後に来たメール: 『構いませんよ、標的は恐らく、ここ一年はアメリカにいると思われます』 「というわけだ…今日から夏休み、皆の者、行くぞ」 「…うわあああああん!!あやのと柊との宿題を写す予定がああああ」 「知るか!!そんなもの!!」 というわけでこなた達は、次の日政府が用意した 豪華客船のチケットでアメリカに行くのだった。 出陣:骨砕きのこなた・烈風の糸使い・萌殺しのゆたか・瞬殺のひより・副隊長の大泉 「…どうしよう…陸上部…」 「困ったな…ちびっ子」 「…これどうやって食べればいいんだろう…」 こなた達の前には初めて見るような食べ物ばかりが置かれていく… こなた達は、食器は外側にあるものから 順に使っていくというマナーを知らないので… かなり行儀の悪い食べ方になってしまう。 「…」 周りから冷たい視線が流れる。 「どうやら…間違いだらけみたいだね」 「仕方ないっすよ…先輩、初めて食べるのに この食べ方がわかるという事自体が異常っすよ」 彼女たちは食器を適当な順番に置かれている料理を食べて行く。 そこに日本政府の関係者がやって来て…彼女たちにしか聞こえない声で 「…言っていなかった私が悪いけどそれは外側にある食器から食べて行くんだ」 こなた達は顔を真っ赤にする。 「ふ~む…今日は暇ね…」 その頃、柊かがみはなにも予定がなくただゴロゴロしていた。 「そうだ!!今日はこなたのところに行こう」 かがみは電話を取り、こなたの家の電話番号を押す 「…いないなあ…仕方がない…こなた代理の日下部の所に行くか」 かがみは、一度電話を置きみさおの家の電話番号を入力する。 「プルルルッルル…プルルルルルルル…プルルルルッルル」 「…何で二人仲良くして、いないのよ!!畜生!!こなたに文句を言ってやる!!」 かがみは投げるように受話器を戻し、今度はこなたの携帯に電話をかける。 「この電話番号は、電波の届かない所にあるか、電源が切られています」 「ちっきしょう!!」 かがみは受話器を思いっきり床に投げつける。 「かがみ…物をもう少し大切に扱いなさい…」 その数十秒後、かがみはただおに説教を受けていた。 豪華客船の中にて 「この船はジャックした!!命が欲しくば俺達の命令には逆らうな!!」 覆面をした三人衆がこの船で偉そうに立っている。 「大変な事に巻き込まれたね…お姉ちゃん」 「う~ん、こういう状況は想定していなかったな…」 こういう時は始末部隊の顔を知っている 人達のうちの誰かが声をかけてくる。 かつての同僚、今は殉職した人たちがこなたに言ったことである。 そこに…三人集に見つからないように這いつくばりながらこちらにやってくる人が この船には一般人やテレビ界の有名人などもいるが…あの人は間違いない。 国の人間である。 全員、始末部隊の人間の味方ならば、どうどうと人を殺しても大丈夫だけれども 始末部隊の正体を知らない方々までを乗せたこの豪華客船ではそうはいかない。 「始末部隊、関東部隊長泉こなたさんですね?」 「一応…依頼内容を言ってください」 大体はどんな内容かは想像つくが、一応聞くのがルール 「このハイジャック犯たちを何とか始末してください… このままでは日米会議に遅れてしまいます」 そう言ってその人は、小切手を取り出し三百万と書いた。 「久々に引き受ける前からわかる大仕事が来たぞ」 一人頭60万円 「えええええ!?この状況で何人か分からない敵達と戦うんッスか?」 「…少し声が大きいひよりん」 「すっスイマセンッス…」 「大泉…出来るね?」 「余裕だよ…これくらい…スケルトンの術」 大泉は透明になる。 大泉…彼は今を生きる忍者。 基本的に彼は、依頼引き受ける取次役であり、こなたから指示があれば どんな情報を得る事が出来るがこなたは、少し遅いと感じる時があるので ゆいか自室のパソコンを使うのがほとんどである。 滅多に戦闘に入る事はないがみさおレベルに強い。 しかし…証拠の残しやすさがみさお以上にある。参戦しない理由はそこにある。 「…今日はこの部屋以外の敵なら堂々と殺していいからね」 彼の武器は全メンバーの中で最も普通な武器、諸刃の刀 当然、普通に相手を斬っていくただそれだけの事である。 彼は通気口ダクトから外へと逃げ出した。 「…後は…ここで相手を殺していく人たちだけどひよりんと陸上部なら なんとかなりそうだね…ここは」 「了解っス!!」 「誰がやったか解りにくいからな」 みさおのゴールテープを振るスピードは常人なら誰の目にも止まらない。 「お姉ちゃん…私達は?」 「…船長室にいる奴らを何とかする、ゆーちゃんならなんとかなるでしょう?」 「じゃあ…頑張るよ、私」 こなたとゆたかは、自分の身長の低さを利用して、 誰にも見つからず部屋から出て行った。 「行くぜ…同人作家」 「任せてください!!将来の先輩!!」 ひよりとみさおは、床を這いつくばりながら動く 「おい…確かこの船の乗客は○○○人だったはずだろう?」 「…」 その一人は、その情報について書かれた紙を読む。 「その通りだ。何故だ?」 乗客は全員、ロープを縛られ、目隠しされている。 「五人足りない」 「どさくさにまぎれて逃げたか…逃げ場がないのに…無駄な事を」 「探しましょうか?」 「…無論だ、すぐに探し出せ!!」 その一人は、走りだした。 その人があるテーブルの横を通り過ぎようとしたとき ドスッ!! 「あがっ!!」 その人は自分の足を押さえる。 その時にテーブルの下から引っ張られて テーブルカバーの中に入りその人の首を黒髪の眼鏡がGペンで刺す。 「ふう…この部屋はあと二人っスね…」 「おい!!明らかにそのテーブルに誰かがいるぞ!!」 残りの二人がそのテーブルに銃を構えながらゆっくりと近づく そこに茶髪の少女が降りてくる。 「なっ!?」 二人はそちらの方にマシンガンを放つ。 「ひぃぃぃぃぃ!!」 乗客たちは頭を抱える。 しかし、一発もその少女に当たらなかった。 全て、ゴールテープで止められてしまったのである。 みさおは、撃ち終わったと同時に飛び上がり一人の方へと近づく。 もう一人のひよりもテーブルから姿を出し、もう一人の方に駆けだした。 みさおは、ゴールテープを一人の方へと振る。 それを受けた時は、驚いた顔をしていたが、 対して傷が出来なかったのでにやっと笑う がその時、体が床につく。 「猛毒だ…じっくりと苦しみながら死にな」 ひよりも何とか敵の後ろを取り首に思いっきりGペンを刺した。 その時、ひよりが倒した方のハイジャック犯のトランシーバーが鳴る。 「こちら、Fそちらは大丈夫か?」 トランシーバーにBと付いてたのが救いだった。 「こちらB、こちらは問題無いッス」 「F了解」 トランシーバーが切れた。 「…返事するだけで、無事と確定するのだから呑気なもんだよなあ」 「…こういう非常時用の返事も用意するべきッスね」 「例えば、こちらB、ミートボールが食いたいという感じに 好きな食べ物の名前を言った後に食べたいと言えばいいと思うぜ」 「先輩…それはあなたが食べたいだけですよね?」 「やっぱ、ばれた?」 「当然ッス」 その頃、大泉はというと 「ふむ…外で見張っている人間の数は大体五人、もう少し置いてくれていたのなら もっと楽しめたのに…まあ…少なくとも、ここにいる奴らは…ここに配置されたのを 運のつきと見て諦めるんだな」 大泉は、刀を抜き、敵の前に堂々と姿を見せた。 「何者だ!!」 全員の銃口の先は、大泉へと向けられる。 そして、一気に銃が放たれる。 が全て刀で落とされる。 「ばっ化け物だ!!勝てるわけがない!!」 (ちっ…ここに集められたのは…全員ビビりかよ) 大泉は、呆れながらも一人ずつ、一人ずつ始末していく。 (全く…全員ビビりじゃあ…腕が鈍っちまうぜ、 隊長にもう少し出陣許可を増やすのを頼んでみるか) 明らかに余裕で攻略し、倒した敵をすべて海に投げ落としながら彼はそう思った。 「…ゆーちゃん…」 「…大丈夫だよ、お姉ちゃん、私はこういう所では失敗しないから」 「よし…じゃあ…行きなさい」 ゆたかは、コンコンとノックを叩く。 「何者だ!!」 「あの~すいません…おトイレの場所を尋ねたいのですけど」 ゆたかは子供っぽい声を出しながら、扉の向こうのジャック犯に声をかける。 「…おい…相手は明らかに子供だぞ…」 「忘れるな、俺達のリーダーの指示は子供には手を出すなという事だぞ」 「いつも思うんだが…俺達のリーダーってロリコン何だろうか?」 「聞くな…うすうすその可能性には気付いていたけどな」 「こなたお姉ちゃん…二人みたい」 「うん…私も会話の感じで二人と分かったよ」 「あの~すいません…」 「いけね~忘れるところだった…」 ハイジャック犯は、その扉を開ける。 その時にドスッと心臓に何かが刺さった。 「…そんなのありかよ…」 「ありなんです…御免なさい」 ゆたかは一気にナイフを引き抜いた。 「やっ野郎!!」 最後のハイジャックチームがゆたかに銃を向ける。 その時、壁が割れて割れたところから首に向かって手が伸びてきた。 「なっ!!」 そしてその手はしっかりと首を握りしめる、あががががが… その最後の一人は、そのまま息が尽きた。 「さてと任務達成…」 こなたはその壁を更に砕き入ってくる。 「お姉ちゃん…倒したんだから普通に入ってきたら?」 「どうせ壊しちゃったんだから…どのみちここを広げることになるでしょう?」 「…まあ…それはそうだけどね…」 「さてと…やつらが目的達成をしたから、逃げ出したというような感じにするよ?」 こなたは、敵が持っていたトランシーバーをつかって全員に伝える。 その順序 1.まずハイジャック犯を海に投げ捨てる。 2.そのハイジャック犯の人数にあわせて救命ボートを海に落とす。 3.後は依頼主を優先に縛りをとる そういうことにすることで誰がこの状況を助けたのかをわかりにくくする事が出来る。 「上手くいったようですね、ありがとうございます」 そんなこんなでこなた達は無事にアメリカに辿り着いた。 ※みwikiさん かなり情報が入っているパソコン、翻訳などはお任せあれ この作品にみゆきさんがでない理由ここにあり ちなみにその前にゆkariさんがいるが、本当に使えない このキャラのヒントは、知っている人はいると思うがへんた○かがみさん ちなみに作られてからもう16年が経過している。 「うぅぅ…つまんないよ~」 かがみは、床に『の』の字を書き続けている。 「私のこなたは、どこかに出掛けているし… こなた代理人の日下部もどこかに遊びに行っているらしいし」 かがみは宿題に目を付ける。 「仕方ない…宿題を早めに終わらせておこう」 かがみは近くの鉛筆を取り出し、宿題に取り掛かった。 そこに彼女の妹のつかさがやってくる。 「お姉ちゃん…宿題教えて~」 「仕方がないわね」 二人は、並んで宿題することになった。 [こっから先の『』内はすべて英語] 無事にアメリカに辿り着いた。こなた達は依頼主の大使館に辿り着いた。 『初めまして、私が依頼主のブ○シ○大○領です。』 「えっ?陸上部!!なんて言っているかわかる?」 「わかるわけないってヴぁ」 「こういう時は、みwikiさんを起動させよう!!」 こなたは機械を取り出した。 「…というか…もう一度言ってくださいがわからないんだけど…」 「先輩、Please say one moreでいいんじゃないんっすか?」 こなたは、○ッ○ュの方を向いて、 「プリーズセイワンモア」 みwiki起動 『初めまして、私が依頼主のブ○シ○○統領です』 「初めまして、私が依頼主の○ッ○ュ大○○です」 (今さらだけど伏字あんまり意味がないね、お姉ちゃん) 『では今回の依頼だが国営ギャンブル場に明らかに 大勝ちしている人間を何とかして欲しい 絶対に殺せとは言わないが、流石にこの国の経済が苦しくなるのでな』 「では今回の依頼ですが国営ギャンブル場の明らかに如何様を している人間をなんとかしてほしいとのことです ちなみに方法は暗殺じゃなくてもよろしいようです」 作者「めんどくさいのでこれ以降、一回一回訳さないようにしておきます」 「わかりました…その依頼引き受けましょう」 こなたは、席におかれた、ドル札を受け取る。 100万ドル位はある… 「一人頭25万ドルの任務か…久々の大仕事だね」 『いいえ、20万ドルです。彼女も任務に入ってもらいます』 「…そちらの始末部隊といった人ですかな?」 そこに一人の金髪ショートの少女がやってくる。 「初めまして、泉 こなたです」 『私の名前はパトリシア=マーティンです、よろしくお願いします』 「よろしくね。パトリシアさん」 『パティとお呼びください』 こなたとパティは握手をする。 「で国営のギャンブル場というのはどこの事?」 『ラスベガスの某ギャンブル場です』 「…現場に向かおう。」 こうしてこなた達は現場に向かう。 『大統領が言うには、その人は如何様をしているのではないかと疑っているのです』 「如何様ねえ…どこの国でも似たような事をするんだね」 『…そちらの国はギャンブルはやらないのでは?』 「偶にやるんっスよ、偉い人たちの付き合いで非合法の賭博場で」 『日本の国ももう駄目ですね』 「外人にだけは言われたくないってヴぁよ!!」 『失礼しました』 「でも私、入ってもいいのかな?身長が低いし…明らかに未成年だから」 ゆたかは自分の身長の低さを恨んでいるような顔をしている。 『大丈夫、大丈夫こういう場所は堂々としていればばれないね』 【外国の賭博法についてはあんまり詳しくないので、 そこら辺の突っ込みは勘弁してください。】 こなたは、いや…それにも流石に限度がないかと言いたげな顔をする。 とりあえず五人は、ギャンブル場に入った。 『それで標的はあの人です。』 パティは、標的の人を監視カメラ越しに、指を指す。 「…如何様は、使っているね」 「ええ、使っているっスね」 全員、頷く。 『やはり一人の人間に勝たせすぎると、客足が減っていくんですよ』 「…殺すことはできないね…せめて何日か連続で大負けさせて、 このギャンブル場に二度と来させないようにするという感じに」 「うまくやる方法はあるのか?私たち全員そういう知識ねえぞ」 【作者もない】 「簡単だよ、あっちは如何様を使っているんだけど こちらが如何様を暴くことをすればいい、ほとんどの確率でこちらが勝てるよ そして、その罰として金を奪っていく。」 「如何様、と言ってもそんな知識ないぜ?」 「作者も無いよ」 「「「「『作者ああああああああ!!』」」」」 そんなこんな事で数日後にこなた達は、ギャンブル場の代わりに ギャンブル場に姿を出した。 「チビッ子…今日はそちらの方に向かうらしいぜ」 こなたがやっているコーナー7ポーカーである。 「とちるなよ」 みさおは、無線越しでそう言った。 こなたは、何も知らない顔をしてカードシャッフルをしている。 「アーユーニューチャレンジャー?[必死に昨日覚える言葉を勉強した。 ちなみに、『あなたは、挑戦者ですか』と聞いている]」 『ハイ、そうです…私は挑戦者です。』 そう言って標的は、自分の席に座った。 こなたは、それぞれの客席に三枚表にしたカードと伏せた二枚のカードを渡す 勝負が始まる。 「フォルド」 一人の老人紳士は、カードを全て伏せた。 「bet!!」 一人の老紳士を除いてそこそこの手が出来ているらしい。 現在、合計90チップ集まっている。 7ポーカーとは簡単にいえば配られた7枚のカードのうち 5枚使って一番いい役を作るギャンブルである。 【ルールは基本的にアーケードにあるセガのゲームを参照にしている】 但し、勝負は最初の五枚そこでベットするかどうかで決まる。 ベットをすれば、勝負に出たことになり残りの二枚も受け取ることができる。 その7枚で再度ベットして勝負に出るかどうかを決めることが出来る。 勿論、これで脅しをかけてみたりすることも出来る。 (…) こなたは、それぞれに二枚ずつベットした人だけに渡す。 一人の人はにやりと笑う、大物手が完成したのだろう。 「2ペア」 「3カード」 「ちっ…」 最後の一人はカードを投げ捨てる。 (流石にいきなり如何様は使わないか) カードを投げ捨てた人は、今回の標的である。 こなたはカードをシャッフルする。 パティの情報によると、何回かは負けて勝ち始めると連荘するそうだ…。 その連荘こそが如何様とみていいだろう。 それから何回か勝負をした結果なかなか使ってこない。 (突然、ここの役が変わったから警戒しているのかな) こなたは何度もトランプをシャッフルしながら考えた。 そして、5枚のカードをそれぞれに配る。 その時である。 その後ろで見物人の振りをしていたパティは、手を伸ばす。 監視カメラ越しで見ていたひよりがゆたかの方を向いて、 「今っす!!小早川さん!!」 ゆたかは、ブレーカーを落とした。 当然ギャンブル場の明かりが消える。 「What?」 当然の反応である…しかし…こなたにはそんな事は関係なかった… 「お客さん…これはどういう事でしょうか?」 こなたは、標的の前に置かれたカードをつかむ… 他のカードは光っているのに…このカードは光っていないのだ。 実は、この時のためにこなたはトランプカードには、 電気が突然消えると光るタイプを特注していたのである… 当然、如何様をした、そのトランプカードには そんなものはついているはずもなく柄は全く同じだが光らない。 「お客さん…これはどういう事でしょうか?」 「………」 「とりあえず…奥の方へと…案内しますので従業員について行ってください」 私服のパティとみさおがゆっくりと近づく、 しかし…その標的は抵抗しなかった。 こなたは、変だなと思い、少し離れた場所に移動して、無線で 「同人作家、一応念のため…」 「了解っす、小早川さん!!」 しかし、この準備は不要だった。 こなたは、無線を切ったら元の場所に戻って… 再び止めていた7ポーカーを再開した。 その人から…今までの勝った金額の何倍かの金を請求したそうな… こなたは、あんまり考えたく無かったから、何倍かまでは聞かなかった。 今日働いた分の金を頂き、帰路を取っていた。 その時である。 そこに…如何様師の男が現れた。 「貴様等のせいで…貴様等のせいで…」 「やめておいた方がいいと思うよ…その程度のナイフ 一本で同行できる相手じゃないから」 「くっくっく…」 「チビッ子…敵はどうやら…一人じゃないみてえだぞ…」 「お姉ちゃん…」 『俺のパパのマフィアメンバーだよ…頼んでくれたらメンバーを 譲ってくれたよ…これなら絶対負けないぜ!!動いた瞬間…その頭をぶち抜かれるぞ』 そのマフィアのメンバーは家の中でこちらの方向へ スナイパーライフルを構えている。 「ふう…」 こなたは溜息をした。 死にたいようだから…殺してあげるよ。 こなたはそう言って、自分の両手を鳴らし始めた。 『クレイジーだな…人の話を聞いていたのか?』 「もちろん…簡単に私は殺せないよ!!」 その時、ライフルの弾がこなたの方へと飛ぶ、すぐにこなたは、 如何様師の体をつかみ盾にする。 『しっしまった!!』 『ボスの御子息を打ちやがったのか?』 『ボスになんて言い訳をしよう…』 その二人は必死に頭を抱えている… 「行け!!陸上部、同人作家、大泉」 「了解!!」 「任せてください先輩」 「チビッ子…その間に何をする気だ?」 「今すぐ帰る手続きをするよ、今日ぎりぎりの飛行機なら…騒ぎが大きくなる前に 逃げる事が出来るでしょう?」 「…大統領には会わないのか?」 「後日連絡を入れて、指定の口座に金を入れてもらうよ」 三人は、その館の中に入った。 そこに沢山のマフィアの人間が待機していた。 「ヘイ、イエローモンキー」 『よくも、ボスの息子さんを殺してくれましたね。』 「なっ!?なんて言っているんだ?」 「私に聞かないでほしいッス」 「とにかく状況的にいいわけがないということがわかるな」 大泉は、そう言って刀を取り出した。 ひよりは高く跳びあがり壁に張り付いた。 マフィアの人物は連続でマシンガンで放つ。 「うわあ!!」 ひよりを中心に狙われている。 その時にひよりを狙っているマフィアの後ろからとんでもない衝撃が走った。 「一人だけに集中していると、そういう奴からやられるぜ…じゃあ…さようなら」 みさおは、その人を三階から一階へと投げ捨てた。 「きっ貴様!!」 銃は次にみさおの方向に向けられる。 しかし、その隙に大泉は全員の銃を斬る。 「どうでしょう?降参するのならば今のうちですよ?」 マフィアメンバーは腰から拳銃を取り出した。 「無駄な抵抗は止めるっスよ」 ひよりは、天井から降りて、マフィアの頭を蹴り。 マフィアたちの体を倒した。 そしてすぐさまGペンを首裏に付ける。 「これで勝つ要素は完全になくなりましたよ?それでも抵抗します?」 「相変わらず信じられないような動きをしてんな。」 みさおは感心した様な顔をした。 館にいたマフィアメンバーを全員縛った。 「隊長が戻ってくるのを待つだけっすね」 その隊長はというと 『もうオワカレなのですか?アメリカの面白いところとか案内したかったデス』 「悪いね…こちらも仕事だったんだからね」 『…もう硬い人間はキラワレますヨ?』 「表では結構、軽い人間だよ、萌えについて追及したりとか」 『萌え?デスカ?』 「うん、萌え」 『前々から興味を持っていたので、少し簡単に教えてくれないでしょうカ?』 これによって…最終便の締め切りに間に合わず、裏金を多めに払って、しまい こなたの報酬が零になってしまったのは内緒のことである。 「ニホンジンってオモシロいね、いつか日本に行ってミタイネ」 パティは、そう言って、こなたの乗った飛行機が見えなくなるまで、 ずっと、飛行機を見上げていた。 そうして無事にこなた達は日本へ帰った。 こなたは、自分の家に向かった。 そこには、沢山の人だかりがいた 「どうしたのですか?」 「いや、実はですねこの家の人が留守の間に、空き巣に入られたんですよ」 いや…空き巣程度でこんなに人が集まるわけないだろうに!! 「さっきまで、あっちで火事があったからな、その隙にここで空き巣されたという感じだな」 そこに何人かの人がやってくる。 「おぉ、どうだった?」 「済まない…取り逃してしまった」 「所で、どこの家がやられたんですか?」 この時期は、どこの家庭も旅行に出かけているので、 少し嫌な予感をしながらも尋ねてみる。 「あの家だよ」 (げっ…私の家じゃん!!) そのあと、何もなかったかのように、人々は、その場を立ち去った。 家の中を見る。 (金庫の中身をごっそりと取りやがった。) とりあえず…残った財布の中身の3万2000円が入っていた。 その頃、アメリカでは… 「何だと!殺されただと!!」 「はい、申し訳ありません、私達がしっかりしていなかった為に」 そのボスはとりあえず、落ち着く…そしてやっと開いた一言 「日本の暗黒街に何人いる?」 「えっと…五十人位はいるかと…」 「そいつら、全員でその始末部隊とやらを仕留めろ!!」 そして、じっくりと味わっていただこう…アメリカのマフィアをなめた罪を 「もう…せめて旅行に行く時くらい連絡頂戴よね。」 「ごめんごめん、お父さんの仕事の関係上、 どうしても急がなくちゃならなかったから」 「こなちゃんのお父さんって大変そうだね」 「うん、実際は小説家でネタを集める時はこの様に一回一回遠い所にいくんだよね」 こなたはそうじろうが生きていたらのことを考えながら話す。 確か彼女の父親は、かなり真面目な小説を書いていた。 これは確実な記憶である。 しかし…それ以外の記憶はかなりあいまいである。 何故ならば、五歳のころの記憶である。5歳の時に彼女は両親を失ってしまった。 こなたは、涙をこらえていた。 「どうしたの?こなた?」 「あっ…いや、何でもないよ」 私は、溢れそうな涙をかがみやつかさに見せないように拭いた。 (ははは…同人作家にはいつも情に、溺れるなとか言っているけど、 私もまだまだだねえ…) かがみとつかさとのお出かけから帰った後、 留守電ランプの点灯をこなたは確認する。 先生なら、メールを置くてくるはずだからこういうのは、日本政府かゆい姉さん。 日本政府の依頼はしばらく引き受けたくないと言ったから、ゆい姉さんだな… ここまでいそぎで何の用だろうと思いそのボタンを押す。 「やほ~こなた~」 私は、留守電のメッセージを聞きながら、冷蔵庫をのぞく… う~ん…これならそれなりの料理が作れるかな? 「警察で得た情報何だけどさ。最近、新宿歌舞伎町のアメリカのマフィアが大きく 動いているらしいのよ、それもこなたが帰った時とちょうど同じ日に だから、まさかと思って調べたんだけど…こなたが受けた標的の父親がボスを やっているマフィア何だよね…一応念のため、メッセージを残しておくね… 後しばらくは、依頼主の特徴などもきちんとチェックしておいた方がいいよ 多分、そう言う奴らは偽の依頼で始末部隊をおびき寄せるから。」 それはこわいなあ…そう思いつつ…私はテレビの電源をつける。 それから夏休み後半まで時は進む 「貧乳はステータスだ!!希少価値だ!!」 ちなみにこれは牛乳のCMである。 「ブッ、牛乳CMのキャッチコピーじゃない、よね少なくとも」 私は飲んだ牛乳を吐き出して言った。 とりあえず、気を取り直して夜御飯を食べ始めた。 そして、その夜御飯を食べ終わることを待っていたかのように 電話が鳴ったので私はその受話器をとった。 相手は、大泉である。彼が電話の相手なら間違いない依頼である。 「今日は誰をやるんだ?」 「新宿に向かってほしいようです」 明らかに来いと言いたげな状況だな。 「ゆい姉さんから情報来てる?」 「はい…恐らく私達をはめるための罠でしょうね」 「…引き受ける?」 「…その予定はありませんよ…この世の中で罠にかかる人間がどこにいますか?」 「でもルール上は一度集まらないとならないんだよね?」 「当然です…これまでの伝統は守り続けなければならないのです。 またあとでいつもの所で会いましょう。」 こなたは、戦う気はなかったが、少し嫌な予感がしたので、 グローブを装着していつもの場所に到着した。 「結局来たのは…珍しく、隊長と副隊長のみか」 「みさおさんはどうしたのです?」 「今度、県大会があるそうだから、それに向けての猛練習、 未だに逃げられないらしい」 「ひよりさんは?」 「同人作家は、今度のコミケの期限がギリギリらしいから追い込みをかけるために ここに来る暇なんてないみたい。」 ゆたかの方は聞かなかった。これない場合は100%体の調子が悪いからである。 「二人が…50人相手は流石に無謀というものがありますよね」 「…引き受けるわけがないでしょう…当然この依頼は破棄、 金は国に渡しておけ…」 「かしこまりました」 こなたは立ち上がり、その場を去った。 こなたは、夜中の繁華街を歩き続ける。 「…」 こなたは、早歩きを始めた。 「…」 そして、ある程度歩いたところで、 ある所に隠れた。そしてある人物が横を隠れたところにその人物を引っ張る。 「君は何で私の後をついて来ているの?さっきから明らかに子供が通る道を 選択しているのに、それでも君は私の後について来ているよね?」 「お姉ちゃん…始末部隊だよね?」 「何でそう思う?」 「…何となく雰囲気が周りと違うし、身長も低いから」 「お願いだから私の身長のことには触れないでね。 所で私に何か用?特に要もなく私を付けていたというわけじゃないよね?」 「頼みたいことがあるんですけど、引き受けてくれますか?」 「まずその前にお金を頂戴しよう。」 「…すいません、ありません」 「ならば引き受けることはできないね…」 「しかし…引き受けなければ警察に行くという手がありますよ、僕には」 「その行動をするまでに殺すまでだよ、その場合は」 「!?」 こなたは少年の頭に手を伸ばす。 少年は見事に頭をつかまれる。しかしその行動は妨害されてしまう。 「貴様か!!始末部隊とは!!」 そいつらは、こなたのほうに銃を構えている。 「撃て!!」 こなたはそれらをすべてかわした。 そしてこなたは一気に飛びかわす。 「少年逃げて、ここにボケーっとしていると死ぬよ?」 少年は逃げだした。 (しまった…さっきの少年のせいでバレテしまったのか…余計な事を言ったから たまたま通りがかった、マフィアの耳に届いたというわけか) こなたはもう少しだけ進んだ地点で声をかけるべきだったと思った。 人数は五人、一人はスナイパー三階のビル、少なくともスナイパーは倒さないとね 残りは、相手の強さ次第かな、しかしわからない以上逃げることを 選択することべきであるだろう。 こなたは、高く跳びビルの壁を連続で蹴って五階建てのビルの屋上へとつく。 そしてビルの屋上で、大きなコンクリートの破片を見つけた。 それを手に取り、私はスナイパーほうに向けて投げる。 「なっ!!」 スナイパーはすぐさま、その方向にむけて銃を向けるが 少しだけ遅く見事に顎に当たった。 彼はバランスが取れなくなり、ビルから落ちた。 後は、スナイパーはいないからこの場から脱出するのみである。 しかし、残りの四人でビルは囲まれている… その時、ヘリコプターがこなたのもとにやってくる。 あれは…ゆいである、こなたは予めヘリコプターを用意してくれと言っておいたのだ。 先ほど、銃声が響いたからそのままやってきたというわけである。 しかも、これが何よりも大きい点は、そのヘリコプターは日本警察と書かれているのだ。 いかにマフィアであろうと国家権力には勝てない、 マフィアはこなたのことを諦めてここに来るのに使った車に乗り逃げ出した。 「助かったよ、ゆい姉さん…」 「こなた…他にまだやることがあるよね…」 ゆい姉さんは、光を地上に当てる、その先にはさっきの少年がいた。 「何故か…あなたが始末部隊と分かってしまっているんだよね… あの子、いくら何でも勘という筈がないでしょう、何かあったから 解っているとしか理由はない、直接話を聞くしかないよね?こなた」 ヘリコプターの梯子を下す。 こなたは、そこから地上へと降りて行く。 「あっ」 さっきの少年はこなたを見て足をしっかりと止める。 そして引き返す、その後をこなたは追いかける。 無事に何とか、捕らえる事が出来た。 「さてと…詳しく話してもらおうか?」 こなたは梯子を伝って、そのまま少年を連れてヘリコプターに入った。 ヘリコプターで詳しく話を聞くことにした。 「何で私達が始末部隊という事を知ったの?」 「…あのマフィアの人たちがいるでしょう?あの方たちが…教えてくれたんです」 「何か条件があるでしょう?何を条件に力になったの?」 こなたは、この少年とマフィアが手を組んだと見て、少年に質問を続ける。 「実は…僕のお父さん…会社のミスで借金を背負ってしまって 借金帳消しを条件に協力することにしたんだ。」 「ふう…」 こなたは軽くため息をつく。 「どうやらマフィアとの戦いは避けられないようだね…」 「しばらく、始末部隊の人質という形で何とかしてもらうよ とりあえず君のお父さんが何とか解放されるまでね。」 「…」 こなたの家にて 「最近、泥棒に色々と盗まれてしまったから大したおもてなしはできないけど」 「…」 「君の布団は、あの中にあるからしばらくはこの部屋を自分の部屋だと思って使っていいよ」 こなたは、そう言って、自分の部屋のほうのベッドに向かった。 「ふう…厄介なことに巻き込まれてしまったなあ…」 こなたは本音を漏らしてしまった。 少年は、自分の部屋に布団を敷いた。 「そう言えば…」 マフィアの人からこういうものをもらっていた。 家に帰ったら見ろと言われていたのだ。 少年は、近くにあったビデオデッキにそのテープを入れて、 再生ボタンを押した。 「………」 次の日 こなたは、早速朝御飯を作りに向かう。 「ねえ…朝ごはんは…ってあれ?」 そこには誰もいなかった。 こなたはトイレのほうに向かったのかなと思い。とりあえずご飯を作るために 包丁棚から包丁を取り出そうとしたが、その時にあることに気づく。 包丁が一丁足りない。 そう言えば、さっき部屋を見たときビデオデッキが動いていたような? そう思い、その子の部屋のビデオデッキを見る。ビデオテープがまだ入っていたので、 巻き戻して再生ボタンを押す。 「…さてと…お前がこれを見ているということは例の作戦が成功していたということだろう」 そう言って、えらそうな人が席に座った。 その奥に一人の人間が縛られていた、彼があの少年の父親だろう。 「…さてと…約束通り借金は帳消しにしてやろう」 そう言って、少年の父親のロープを切る。 「えっ?まだ…成功したのかまだ分かっていませんよ?」 少年の父親はマフィアのほうを向く。 「当然さ…どの道、貴様は死ぬのだからな。」 そう言って、その偉そうな人はポケットに手を突っ込み拳銃を取り出して少年の父親の頭を撃った。 その少年の父親は地上に倒れた。 少年はこれを見て、包丁を取り出し…だとすれば 「お前の親父は解放するとは言っていないだろう?くっくっく…」 マフィアの元に向かったということ? なんという馬鹿な事を…流石にそれは無謀というものである… 「ちっ…」 こなたは舌打ちして、すぐさま腕をまわし、家を出て行った。 そして、無線に連絡を入れる。 「大泉!!」 「どうしました?隊長こんな朝早くから」 「敵のほうに私たちの顔がばれている」 「どういうことです?」 「…多分、アメリカのほうのボスがアメリカのコンピュータをハッキングしたんだろうね!! だから…こちらのほうに直接やってくるのも時間の問題かもしれない」 「わかりました…ならば本気のときの武器でいいですか?」 「当然だよ、あとちょっと急いでね…どうやら、一人の子が潜入したらしいから」 「なっ!!冗談でしょう?」 こなたは中の様子を覗くがよく状況が分からない。 「もうちょっと入らないと分からないかも…しかし…大泉…遅いな」 そろそろ潜入しないと機会を逃してしまうかもしれない。 「仕方ないね…戦いながら大泉の到着を待つか」 こなたは窓をけり破り、敵の基地へと潜入した。 「なっ!!何者だ!!」「おっおい!!あのチビで青い髪はもしかして…」 「そっ…その構えは…」 こなたは、色々と慌てる兵士達に一気に近付きまず一人の人間の首を折った。 「がはっ…」 「間違いない!!隊長が単独で仕掛けてきやがった!!上の奴らに報告しろ!!」 二人ほど、上への階段へ登る、出来る事なら仲間を連れてくる前に、 この部屋の連中は全滅させておきたい、確か大泉がその前に来る事は あんまり期待しない方がいいかもしれない。 こなたは一人のマフィアの方を向く。 「…くっくるなあ…」 こなたの眼は、信じられないものである。 …何かの神を見ている?いやそんなものでは形容できないかもしれない。 それ位恐ろしいものなのだ…それ位本気でこなたはキレている。 何に怒っているのか?子供の努力を踏みにじるような真似をしたからである。 人の命を簡単に扱っているから本当にキレているのだ。 その人は、こなたに向けて一発放つがらくらく交わされてしまった 「そのような銃弾が当たるわけないでしょう?」 そう言って一気に近付き、その人の骨も折った。 「奴は化け物か?」 こなたは、拳銃をこちらに向けた順にマフィアの首を折る。 「おい!!このままでは全滅だぞ!!」 その時、銃声がすごく久々に響く。 こなたの肩から、赤い液体が飛び散る。 「くっ…」 「全く、こちらにひどい被害を出しやがって」 もうすでに15人位の首の骨をこなたは折っていた。 「楽には殺さん」 そう言って銃を一発当てた人がゆっくりと近付いた。 「全く、苦労をかけますね…隊長!!」 「その声は、大泉?」 こなたは、ゆっくりと立ち上がり、肩を押さえる。 「分身の術!!」 大泉とみさおの兄がそこにいた。 みさおの兄は、こなたと肩を組んで、その場を去る。 「さてと…久々に本気でいくか…」 大泉は、自分の剣を抜き出して、 敵を斬っていく。 「大丈夫か隊長?」 こなたは、とある病院で目覚める、新宿歌舞伎町の闇系の病院。 いくらなんでも、銃弾が体に入った傷はいろいろと後がまずいので、 表の病院はさすがにまずいと判断したんだろう。 この病院も本当は国立だったりするが、ここにいるヤクザやマフィアは、 夢にもそんなことを思っていないようだ。 一応、始末部隊のメンバーは普通の病院と同じ価格で治療を受けることができる こなたは、本当にこういう時だけは助かるなあ、と思うのであった。 「そうだ!!結果はどうなった?」 「危ないですよ!!隊長!!確かに銃弾は抜きだすことは出来ましたが体はまだ」 「…つつつ…」 こなたは肩を押さえる。 「えっとですね…結果は大泉副隊長が頑張った結果マフィアの絶滅させることに 成功したそうです。」 「あと一人、包丁を持った少年がいたでしょう、そっちはどうなった?」 「…残念ながら…」 「…どうやら…私はアメリカに行く必要が出来たみたいだね」 「…わかりました…それでは、一席用意しておきますね。」 みさおの兄は、携帯電話を取り出し電話をつないだ。 「隊長、ビジネスクラスが取れました」 「お金ないのに!![後で返さないとならない]」 「しかし…それでどうするんですか?やられていますよね」 「移動中に治すよ」 こなたは立ち上がる。 「絶対なんといっても止まりそうにないですね…とりあえず…松葉杖です」 「ありがとう…」 そう言ってこなたは、タクシーの元へ向かった。 「全く、厳しいのやら脆いのやら」 「成田空港まで」 「かしこまりました」 タクシー運転手はハンドルを握りしめて運転をし始めた。 あ~そうだ…かがみに何かメールを入れとかないとな… また何を言われるかわかったもんじゃない。 そう考えてこなたは、携帯を取り出した。 …午前二時、いくら何でもかがみがこんな時間帯に起きているはずがない… そう思い、携帯電話を閉じた。 ロビーにぎりぎりで到着した。 はあ…まだ時差ボケとか治りかけだったんだけどなあ そう思いこなたは溜息をつく。 「どうするんッスか?先輩?」 ひよりがいた。 「どうして?四日後にコミケだったはずじゃあ」 「締め切りに間に合いましたから、ちゃちゃとすませましょうか?」 いつも通りの笑みを見せて、そして…Gペンを見せる。 こっそり、持っていて通ったようだ。 「全く、先輩も情に溺れるなとかどうとか言っておいて… 人の事を言えないじゃないッスか、 そもそも…依頼金はまだ貰っていない筈でしょう?」 「依頼金は、もうすでに頂いているよ」 こなたは、そう言って、少年が家から抜け出した時、置いていた。 恐らく少年の持ち物ロボット物のフィギュアを見せた。 「はははっ…先輩らしいっスね」 「もらえるものは貰っとくよ」 こなたはあんまり興味のないロボットもののフィギュアをリュックに入れた。 「…パティさんと連絡をつけておきますか?」 「当然、今さっきいれたよ協力してくれるって、 大統領命令という事もあるらしいけど」 「まあ…あの人はノリで生きている感じがする人っすからね」 そうして、飛行機の発着準備が出来たのでこなた達は飛行機の方へと向かった。 「オマチシテオリマシタヨ」 「あれっ?日本語勉強した?」 「ハイ、イツカニホンニイクトイウコトヲカンガエタノデ」 「ところで…来る前に調べてほしいと頼んだ、マフィアの基地は何処か特定出来た?」 「…トーゼンデス、シラベマシタヨ、タイヘンデシタ」 そう言って、パティは、乗ってきたタクシーに案内した。 そして、タクシーで、場所の名前をいう。 その場所の名前を聞いた瞬間、タクシーの運転手の顔が変わったが パティがすぐに大量のお金を出したときに、走り出した。 「マッタク、ニホンジンハカワリモノデスヨ イッタイダレガトクヲスルトイウノデスカ」 「始末部隊というのはそんなものだよ。 ただただただただ…人の願いを叶えるのみ…それに私はこれで生活を 成り立たせているのだから、切っても切れない関係なのだよ」 「マア、ワタシモシマツブタイデスカラ、アーダコーダイエマセンネ」 あれから数日しか経っていないのに、滅茶苦茶片言だけど、言葉の意味は かなり理解している。これは日本に来るのは本気みたいだ。 しかし…ここまで覚えるのはすごいことだと思う。 そんなこんなことを考えていると目的地にたどり着いた。 「ココネ」 「ありがとうございました」 「こりゃまた…大きいッスネ」 「全く…マフィアがこんなに目立っていいのかな?」 こなたは、そう言い残して、真正面から堂々と潜入した。 『なっ…何者だ?』 マフィアメンバーの一人の新聞配達員に声をかける。 マフィアの人から顔はよく見えない 『こんにちは、新聞の集金に参りました』 新聞配達員はそう答えた。 『あ~確かにそろそろ一ヶ月か…ちょっと待ってろ…ボスを呼んでくる。』 そう言って、後ろを振り向いた瞬間、体は後ろを振り向いたはずなのに 向きは、まだ新聞配達員だった。 「…」 そのマフィアの人は倒れた。 ひよりは、こなたの横を通り、近くの壁のへこみなどを利用し、 二階のバルコニーで待機をする。 ひよりは、こなたの方を向いてコクリとうなずく。 「そろそろ…いい報告が来るころだろうと思うんだよな!!」 まだ…日本のマフィアから負けたというような情報は到着していない。 何故ならば… 新宿歌舞伎町にあるこのマフィアの組。 ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ みさおの兄は、受話器を取る。 「こちら…新宿歌舞伎町の方だが?」 「ルピ」 マフィアのボスの声である。 「ピル【大泉が調べた合言葉】」 そう言うわけで…しばらくは新宿歌舞伎町の全滅という状況は、 しばらくばれないというわけである。 「はははっ…残念だったなフルハウスだよ」 もう一人のマフィアは、そのカードを見せつけられても 余裕そうにワインを一口を入れる。 「こちらはフォーカードだ。せっかくのフルハウスだが…残念だったな」 「オーそちらも残念無念また来週という感じだな こちらはロイヤルストレートフラッシュだったよ」 あんぐりと二人のマフィアは口をあける。 「たった一回の勝負で、こんな状況になるとは (下手するとこの状況になるのは0.1%もない)今夜は何かありそうだな」 その時、横から窓が割れる音が聞こえた。 マフィアは、少し酒に酔っていてすぐには理解できなかったが、 入って来た黒髪の少女は見たことがないという理由で敵が攻めてきたと理解する。 がやはりその事実を理解できたのはかなり遅かったようで、その黒髪の少女の Gペンが見事に一人のマフィアの首筋を刺す。 「ぐっ…」 そのまま、黒髪の少女は、そのマフィアを投げ捨てる。 「ちっ…ちきしょう!!」 そう言って一人のメンバーがひよりに向けて撃とうとする。 その直前にひよりがサイレンサー付き拳銃をマフィアの心臓に向けて撃った。 「がはっ…」 そのまま、そのマフィアはそのまま倒れた。 ひよりは、そこから部屋を抜け出そうとする。 さっき倒したマフィアが無理矢理這いずっている。 (ば…か……め…私がサウスポーという事を知らずに 【左利きは、体内部の構成が左右正反対となっているケースがある。】) (くっくっく…後悔なら…あの世でじっくりとするんだな…) そうして…そのマフィアは、ゆっくりと銃口の先をひよりの頭に向ける。 ドキューン!! この音がマフィアのボスの館にいる人達の耳に入る。 そして…各マフィアの武器をとる。 拳銃かナイフが基本だけど、そして、配置についた。 それを曲がり角の地点で覗き見ていた、こなたが待機していた。 (同人作家…少ししくじったみたいだね。 同人作家なら必ずサイレンサーをつけて銃を撃つはずだから… さっきの銃はこのマフィアのメンバーの誰かが撃ったものだね 同人作家がその一撃をかわしたかどうかはともかく私達が来たという 事実は奴らに知れ渡った…今回の標的である。 マフィアのボスは、こういう非常時に何かと準備をしていると考えていいから 少し苦労しそうだね。でもまあ…その途中の道までは苦労はしないんだけどね!!) こなたは堂々とマフィア達の目の前に姿を出す。 『!!潜入者だ!!』 マフィアの人たちは、こなたに向けてマシンガンを撃ち始める。 すぐにこなたはさっきの曲がり角に隠れる。 (まあ…このままだと流石に無謀というものだよね) こなたはそう考えながら、変装服の内側ポケットに手を突っ込む。 それは、特殊な形をした手榴弾である。 メタルス○ッグというアクションゲームをした事があるなら簡単に説明できるが あのゲームに出てくる、初期状態の手榴弾と同じ形である。 こなたは、思いっきりそれを投げた。 「なっ…手榴弾だ!!各自爆発に巻き込まれないようにどこかに身を隠せ!!」 その言葉のすぐ後にマフィアの人たちは、身を隠す。 がいつまで経っても爆発しない。 「…なっ…何だ?不発弾か?」 マフィアの人たちは、ゆっくりとその手榴弾に近付く。 「ヒヨリ、ユダンシタラ、ダメダメネ」 パティは拳銃をその死んだ持ち主の元に投げて、ひよりに向かって歩き出した。 「ヒヨリ、タクサンコチラニキテイルネ」 「隊長の時間稼ぎという事なら問題ないッス!!」 ひよりは、その部屋にある。パティは、スケボーの先端にしっかりとナイフをつけた。 「イクデスヨ!!」 パティは、スケボーの横に足をつけて、廊下を駆け出し始める。 かなりの熟練者のようで、スケボーを使っているというより 踊っているといった方が正解という状況である。 跳びながらぐるぐると旋回したり、乗っているパティが銃をスリ取って、 残りのマフィアメンバーを撃ったりしている。 一言で言うと、間違いなく無茶苦茶強い。 「なかなかやるっスね!!」 「ヒヨリモネ」 ひよりもパティの攻撃範囲内に長い時間経っているのに 彼女は、パティの攻撃に巻き添えを食わず、それかつマフィアを確実に仕留めている。 「それじゃあ!!行くっスよ!!」 パティとひよりは、二手に分かれて大勢のマフィアの人々に攻撃を仕掛ける。 その頃、こなたはというと 「…不発弾だな…よし!!構わずに突っ込め!!」 その時、グネレードからガスが出てくる。 「!?」 次の瞬間、マフィアの人々は倒れて行った。 「リモコンタイプの毒ガス弾だよ…油断したねえ」 こなたはガスマスクをつけてさらに奥に進み、目的の部屋に辿り着いた。 「ほほぉ…最後の虫が…やってきたか」 間違いない、少し前に見た、このマフィアのボスだ。 こなたは、ゆっくりと彼の元に近付く。 「待て待て…何も対策なしに私がここに待機をしていると思うか?」 そのセリフと同時にこなたは跳び上がる。 その直後にこなたの足元に何かが通る。 手裏剣である。 「やっぱりね…流石に一人だけで待っているとは到底思えないからね、 一人で待っているとするのならば、余程の策があるか、 それともただの自信過剰なのか…それともただの馬鹿だけだからね」 「その二人の兵士は、私の自慢の部下だよ… これに勝てるとすれば余程の実力者ということになるな… 貴様には悪いが、ここでくたばってもらおう」 片方は忍者系の恰好をしている、恐らく手裏剣を投げたのはこっちだろう。 もう一人は、カウボーイ系の恰好をしていて、ナイフを持っている。 そして、両方先端に、ナイフがついている ローラーブレードを履いている。 「一人の人間を相手にするわににはかなり本気という感じの状態じゃん」 「聞くところによると、君は始末部隊のかなりの実力者、 半端な戦力で君と対決するのは君に対して失礼だと思うからね。 さてと、私は高みの見物と行くか」 そう言ってマフィアのボスは、自分のグラスに赤ワインを注ぐ。 その時に二人の部下がこなたの元に走ってくる。 こなたは、隠し持っていたナイフで、カウボーイ系の方の一撃を受け止める。 「ちっ!!」 すぐに反対の方向へ逃げ出す。こなたは後ろを振り向き、連続でナイフを振る。 それでこちらのほうに飛んできた手裏剣をすべて弾く。 その瞬間にカウボーイの方が近付いて、ナイフを数回交える。 なるほど…こちらの体力を無くす作戦できたか…正直…長期戦はつらい。 体力なら始末部隊の誰にも負けない自信はあるが。それでも二対一となると、 この状況はそう簡単には打破できないだろう。 さらに…かなりこの二人息が合っている。 まともに相手をしたら、恐らく勝てないだろう。 ならばどうするか? こなたは離れようとしたカウボーイの服をつかみ。 忍者の服の方の投げてきた手裏剣の盾にする。 「がはっ…」 ゆっくりと倒れる。 「これは…間違いないね…即効性の痺れ薬を塗っていたか。」 その人を全く関係ない方向へと投げ捨てる。 「くっ!!」 忍者の方は軽く汗を流す。 こなたは、忍者の方を振り向いた。 お互いに相手を睨みあう。 お互い睨み合ったあと、こなたが先に動き始めた。 しかし、こなたが向かった先は、忍者系の部下ではなかった。 さっき、気絶したカウボーイ系の部下である。 「?」 「やっぱりね…簡単にあそこまで息が合っているというのに 何であれを許したのかなと思ったら案の定、口の中に痺れなおしの薬があるよ…」 「ぐっ…!!」 「全く一度油断させておいて意外に隙がないね、 だけど少しだけ相手が悪かったかな?」 そして、こなたはそのカウボーイ系の方の部下の首を折った。 「…さてとこれで後は君だけだね…」 今度はこなたは忍者系の方に迷いがなく突き進む。 「ぐっ!!」 忍者系の方は、腰にかけている刀に手をかける。 (あれは…) こなたは、一気に近づく。 「はっ!!」 忍者系の方は、気合いをこめて剣を抜いた。 いわゆる居合抜きである。その一撃は、こなたの体を真っ二つにした。 忍者系の部下はそう思った。 が後ろから思いっきり蹴られ倒れる。 「残念だったね…」 こなたは、その時にはもう首をつかんでいた。 「わっ…私がさっき斬ったものは一体何だったんだ?」 「みればわかるよ、ほら」 こなたは、部下が斬ったものの方向に無理矢理、向かせた。 その時に、軽くゴキリという音が首から鳴った。 「なっ!!」 「大泉に習った実体分身の術だよ、触った感覚があるという分身を作ったんだ」 「ぐっ…そう言えば、日本には昔そう言う分身の術があったと聞いたことがあるな」 「…というわけで…君の対策不足という事でいいよね?」 そのままこなたは、その部下の骨を折った。 そして、マフィアのボスの方向を振り向く。 「今のうちに逃げればよかったものを」 『まっ…待て…わっ…私が悪かった…頼む…頼む!!助けてくれ!!』 こなたは、ナイフをしまう。 『あ…ありがとう…というわけで…これでも…喰らいな!!』 そう言って、こなたの方向に拳銃を向けて銃を放つ。 が…それはこなたの脳天を撃ち抜かなかった。 「…あなたの内心を読まれていないとでも思った? それは都合のいい勘違いだよ」 こなたは、ゆっくりと手を開いた。 そこにはボスが撃った銃弾が彼女の手のひらにあった。 「あなた達に関しては個人的な怒りがあったからね。私みたいな人たちを 誕生させようとした事に関してね、それも理不尽にね…まあ…その子は あなた達の手によって殺されたらしいけど、それでも私達見たいな子を作ろうと した事に関しては許したくないからね…でそういう人たちに関してはそれなりの 報復をすることに決めているんだ、それがあなた達が最初という事、 でもね、ただ殺すだけじゃあ、味気がない上に怒りが収まるかどうかわからないんだ だから、心に誓ったのそう言う人たちの殺し方をそう言う人たちはね、 自分の策に引っ掛かったと一端そう思わせておいてね。 絶対的勝利を確信した一撃を止めてね、それをそのまま返すという事にしているの」 こなたは無気味な笑い方をしている。 ボスの体は震えて、動けない。 こなたは、持っていた銃弾を指で弾いた。 その銃弾は、見事にボスの心臓を撃ち抜いた。 「あがっ…うぐっ…このままでは済まさない!!せめて、貴様だけでも!!」 ボスは、最後の力を振り絞りこなたの頭に銃を向ける。 「残念だったね…」 その時、こなたの横にナイフとGペンが通る。 ナイフとGペンはボスの脳天を貫いた。 ボスは、そのままテーブルに倒れる。 「終わったか…今回の依頼は完全に」 「はい…終わりましたっスね…」 「マサカ、ヒトツノイライガココマデハッテンスルトハオモワナカッタネ…」 「さてと…そろそろ…日本に帰らないとまずいかもしれないね」 こなたは日本時間を表示している時計を見る。 「ホントウニモウカエッチャウンデスカ、ゼンカイイジョウニアッケナイデスネ」 「今度の予定に間に合わなくなるんだ、それじゃあ」 「ソレデハ、ワタシガニホンニキタトキハ、ヨロシクオネガイデスネ」 こなたとひよりはボスの部屋の隣にある。 個人用のジェット機に乗った。 これでかなりのスピードで日本に変える事が出来る。 「それじゃあ、ありがとうパティ」 「ミサオサンヤユタカニヨロシクツタエテクダサイ」 こなたは、本当に日本語の勉強をしているなと考えた。 ここまで日本の礼儀作法も覚えているのだから そう思いつつ、こなたはジェット機を発進させた。 こなたは、とある寺の墓場に来ていた。 一つ一つ、墓を確認している。 そして、一つの墓の前の花瓶に仏花を入れる。 「全く…とんだ最期だったね。まあ…そちらの方がいいかもしれないけど」 こなたは、普通の子供から始末部隊になるまでの過程を思い出す。 「今じゃあ…私死にたくても死ねないのだから… だから…今死んだ方が良かったのかもね」 そう言って、こなたは沢山の同人誌を取り出す。 「とりあえず、完全に健全な一般の本だから君にあげるよ、 私のお気に入りのサークルだから結構面白いと思うよ」 墓の前に同人誌と何かを置いて、こなたは立ち上がり、その場を去った。 それは、ロボットのもののフィギュアであった。 (ふう…人間とは儚いものだね…) こなたはそう思いその寺を去って行った。 第四話に続く
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別の人によるID lxiw2.AO氏 デュエル?の続き / かがみの怒りが静まった後、せっかく説明をしたのだからと、『ダウト』で遊ぶことになった。 「念のためにもう一度、基本ルールを確認しておこうか」 ・1、2、3、…と数字を言いながら、順番に手札を裏向きで場に出していく ・一度に出すカードは何枚でも良い ・相手の言っている数字と出したカードの数字が違うと思ったら「ダウト」を宣言 ・「ダウト」の宣言があった場合、出されたカードを表にする 出すべき数字とカードの内容がすべて一致していたら、ダウトと言ったプレイヤーは場の札を全て回収する 開いた中に正しくないカードが一枚でもあれば、その時カードを出した人は場にある全ての札を回収する ・手札を全て無くした人が一位で、他の順位はその時点での手札の残り枚数によって決まる 「ああ、そうだ。諦めてカードを集める人が出ないように、一つだけルールを追加するね」 ・コレクターの登場を防ぐ為に、二十枚以上のカードをもったプレイヤーはゲームから除外される なお、除外される際に所持手札はゲームから取り除き、全員に公開される 「順番は名前の順番でいいよね? 苗字じゃなくて、名前のほうで」 「別にいいわよ」 かがみがそう言うと、残りの四人も頷いた。 六人は円形に座り、配られたカードを真剣に見つめて作戦を立て始めた。 こうしてゲームは開始されたのだった。 「まずは私からね。1」 あやのはそう宣言して、二枚のカードを場に伏せた。 「ダウト」 次の瞬間、つかさが楽しげに言った。 開かれたカードに書かれているのは「7とK」だった。 「うーん残念。最初だから通してもらえると思ったんだけどね」 7とK……。 かがみは頭の中でカードの内容を繰り返したあと、妹について心配した。 おそらく、つかさの手には1が三枚あるのだろう。 『二枚を嘘だと見抜く』のは、三枚以上そのカードを持っている人でなければ難しい。 こんな最序盤で手札を三枚も見破られてしまうのは、かなり不利なことだ。 そんなリスクを犯すのは、出したカードを回収させるだけなのに重過ぎると、かがみは思ったのだ。 「まあ、いっか。次いくわよ。二」 一枚のカードが場に伏せられた。 かがみは誰かがダウトと言うことを期待したが、誰も反応しなかった。 「さーん、っと。ねえねえ、勝ったら一つだけ最下位の人に命令できるって事にしない?」 一枚のカードを伏せながら、こなたは言った。 突然の提案にかがみ達は考え込む。 たしかに賭けるものがある方が、ゲームは盛り上がるだろう。 「いいかもね。ただし、あんまり無理な命令――」 「ダウト」 「えっ?」 かがみの言葉を遮ったのはあやのだった。 こなたは空いているほうの手で頭を掻いた後、カードをめくった。 「さりげなくやった……つもりだったんだけどね」 カードの表面に印刷されていたのは、ハートのキングだった。 「だってタイミングが怪しすぎたから。逆に、ダウトと言わせるための罠かと思っちゃったくらい」 「うーん。意外に手ごわいなあ」 こなたは二枚のカードを回収して、手札が十枚になった。 「えっと、私の番だね。クラブの4」 「つかさ。マークは言わなくていいんだよ?」 「あっ、そうなんだ?」 こなたの説明につかさが驚く素振りを見せたときだった。 「ふっふっふっ。ミスったみたいだな。ダウト!」 みさおが勢いよく宣言して、つかさの代わりにカードをめくった。 「……ありゃ?」 みさおが見たのは、つかさの出すべき数字の『4』だった。 宣言と違っているのはマークだけで、ルール上はクラブもダイヤも同じ物として扱われる。 「あの、ごめんね?」 つかさは首を傾け、身体の前で両手を合わせた。 「だーっ。余計にむかつくから謝んな。次。次っ。5っ」 「ダウト」 こなたはノリでそう言ったのだが、調子が悪いときには全てが悪いほうへと行くのだろうか。 みさおが出したのは5ではなく、9だった。 「くっそー。減らねえ」 みさおの初期手札は八枚だったが、自分の番が終わった今、減るどころか一枚増えてしまっていた。 「では、私の番ですね。6を四枚出します」 「「ダウト」」 つかさとみさおが叫んだ。 「って、同時かよ。この場合は外れたらどうなるんだ?」 みさおの問いに、主催者であるこなたは少し考えてから答えた。 「二人以上がダウトと言ったけど正しい数だった場合は、自分の番に近いほうが手札を増やすって事で」 つまり、みゆきが正しい札を出していたら、つかさが四枚も拾うことになる。 二人は無根拠でも行動しそうな性格であり、何も言わなかった三人は「もしかしたら」と期待をした。 「えっと、ですね」 しかし、みゆきは頬を掻きながら残念そうにカードを公開した。 「残念ながら、見破られてしまいました。Qが三枚と、2が一枚です」 「あのさあ、みゆきさん。せめて三枚にしておかないと、一枚持ってるだけでも嘘だとわかっちゃうよ?」 「なるほど。確かにそうですね。参考にさせていただきます」 みゆきの番が終わったことで、また最初の一人目からになった。 「7を一枚で」 あやのが言った。 「ダウト」 どうせ四度目の自分の番には出すのだから、回収しても構わない。 そう考えて、かがみが言った。 開かれたカードは宣言どおりの7だった。 「何やってんだよ、柊。最初に7は見ただろ?」 「うるさいわね。はい、8を二枚」 「私は9を三枚」 こなたがカードを伏せた瞬間、みさおを除く四人は互いに顔を見合わせた。 残りの一枚はすでに見た。 だから誰かが一枚でも持っていれば、嘘だと判断する事が出来る。 しかし、沈黙が保たれたまま時間が過ぎていった。 「……誰もダウトと言わないみたいだね。じゃあ、つかさの番だよ」 「う、うん。十をペアで」 カードの束の中から、つかさは隣り合った二枚を出した。 「こっちもJを二枚っと」 みさおも同じように二枚を抜き取り、場に出した。 ごく自然な動作だったが、こなたはそれを見逃さなかった。 「嘘だっ!」 「な、なんだよ。ちびっこ。ダウトならダウトって言えって」 「じゃあダウト。みさきちってさ、右から順に数字の大きいカードを並べてるよね?」 その瞬間、部屋の空気が凍った。 「あんた、そんなところまで観察してたんだ……」 そう言いながら、かがみは慌ててカードを混ぜた。 つかさとあやのも同じように手札をシャッフルしていて、何もしていないのはみゆきだけだった。 「10とJか。いやーしかし、みんな素直だねえ」 こなたはカードを表にしながら笑った。 「あれ、8が一枚しかない。柊ちゃん、一枚は嘘だったんだ」 「ふむふむ。嘘というツンと、本物というデレの二面性か。まさしくツンデレの鑑だね」 「いや、意味不明だから。ツンデレは関係ないでしょ」 再び場がリセットされた。 次はみゆきの番だった。 「では、いきます。クイーンの四枚です」 「えっ。さすがに嘘だろ……?」 戸惑いを隠しきれずにみさおは言ったが、当然のことながら返事は無かった。 「それはダウトという発言と受け取ってよろしいですか?」 「ん……えっと。あー、ちょっとタイム」 一巡目にみゆきが見せたカードの中には、クイーンは三枚含まれていた。 それでも、残る一枚を持っている人間ならば迷わずダウトと叫ぶだろう。 よほど安全にカードを出し続けられるのでない限り、このタイミングで黙っているはずがなかった。 みゆきが嘘をついているのか、四人の内の誰かが偽っているのか。 みさおがそこまで考えることが出来たのかは定かでないが、リスクの大きさだけは理解していた。 彼女の手札は十六枚。 ここで四枚も拾ってしまえば、その時点でコレクター防止ルールによる敗北が決まってしまう。 「私は通すよ?」 最後の揺さぶりをかけるように、こなたが言った。 みさおは手札を床に置き、頭を抱えて唸った。 リスクは承知の上で、賭けに出るべきなのか。 それとも、安全確実にゲームを続けるべきなのか。 迷った末に、みさおは床を叩いて叫んだ。 「くそ。どうせ、このままなら負けるに決まってるんだ。ダウトだ! ダウト!」 みさおのダウト宣言が終わった後、部屋が静まり返った。 この結果によっては一人がゲームから外れる。 公開される二十枚もの手札は、戦略に大きく影響するだろう。 「では、開きますね」 これで最下位が決定するかもしれない。 何人もの真剣な眼差しがカードに集まった。 だが、みゆきの指がカードに触れるとほぼ同時に、かがみが言った。 「――ダウト」 / 「はい。クイーンの四枚であがり!」 かがみが明るい声で言った。 ダウトと叫ぶ者は誰もいなかった。 四枚出しされた物を『横から奪い去った』ことは、全員の印象に残っていたからだ。 「うーん。かがみが勝つとは……予想外だったな」 こなたは独り言を呟きながら、手札を床に落とした。 長い緊張から開放された全員は、互いに残った手札を見せ合って騒いだ。 今まで口にする事が出来なかった様々な感想を、すべて吐き出そうとして。 「みゆきさんの、わざと手札を増やす作戦には驚いたよ。まあ、一番びっくりしたのはかがみの行動だけど」 「え? ゆきちゃんのあれって、わざとだったんだ?」 何も理解していないといった様子のつかさに、こなたは苦笑いを浮かべた。 そんな中で、騒ぎに加わっていない人間が一人いた。 いつもの元気が無い親友を心配して、あやのが声をかけた。 「ねえ、みさちゃん。ゲーム中も何度かぼーっとしてたけど、どうかしたの?」 「っと、そうそう。そのせいで考えが読めなくて、やり辛かったんだよね」 こなたを加えた二人の視線が、みさおに向かった。 「あたし、そんな風になってたのか。たぶん……柊が助けてくれたことに感動してたんだろうな」 「へええ~?」 こなたはニヤけ顔でかがみに擦り寄った。 「感動されちゃってるみたいだよ。かがみ。この女殺し」 「なっ。違うわよ。日下部がいなくなったら、順調に出していけるはずの予定が狂うから助けただけで……」 「ゲームだけじゃなく、フラグを立てるのも計算尽くだったんじゃないの?」 「だから、勝手に私をレズ扱いするな!」 かがみは真っ赤になって否定の言葉を叫んだ。 「ところで、結局誰が最下位になったの?」 つかさが思い出したように言った。 「えーっと、混ぜちゃったから、ワカラナイヨ」 後ろ手にカードを混ぜながら、こなたが答えた。 最下位に命令をする権利があるかがみは、眉をひそめて詰め寄った。 「わからない?」 「うん」 「あんた、まさか……」 「か、かがみ。顔が怖いよ」 その後、こなたはアホ毛が萎れるまで、かがみの説教を受けたという。 ~完~
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唐突に始まったセミの声に顔を上げると、一滴の汗が涙のように頬を伝って地面に落ちた。 帽子が役に立たないほどに、焼かれたアスファルトの地面からの熱気は強烈だった。 こなたとの約束の時間まであと少し。 私は変わり映えのしない、雲ひとつない空を見て、太陽の眩しさに目を細める。 今日も暑い一日になるだろう。 約束の時間を過ぎてもこなたは現れなかった。 今日はどんな言い訳をするのだろう。 論破して焦るこなたを見てみようか、あるいは完全に信じきっているように振舞うのも面白そうだ。 私は無理に楽しい気分になろうとしたが、騒がしいセミの声は私の想像を浮かべた端から崩していった。 「……本当に、いつになったら来るんだろう」 あまりの暑さに眩暈を起こしかけて、こなたを待っているという事を忘れそうになる。 帽子で軽減されているとはいえ、真夏の太陽は凶悪だ。 日陰になっている場所に移動しようかとも考えたが、自分だけが楽をするような気がしてやめた。 連絡を取ろうとも考えたが、当たり前のように携帯電話は繋がらなかった。 家にかけても留守番電話になっている。 「遅いな……」 そうして私が諦めかけた頃、息を切らせたこなたが私のもとに駆け寄ってきた。 「遅いわよ、もう映画が始まってるじゃない」 「ごめん。なかなか、起きられなくて、目が覚めたら約束の時間を過ぎてた」 「夏休みとはいえ、昼まで寝ているなんて……人生を無駄に浪費してるわね」 私は大げさなため息をついてみせる。 だらしないと思う反面、私はそれが彼女らしいと感じて安心した。 多くの事は目まぐるしく変わってしまうけれど、彼女は何も変わっていない。 少なくとも今は、自分のよく知っている泉こなただ。 私が笑うと、それをどう取ったのか、こなたはむっとしたように言う。 「だから謝ってるじゃんか。というか、かがみの言う約束の時間って、映画の始まる30分も前なんだけど」 「こういうのは早めに来るものなの。まあ仕方ないから、とりあえずそこの喫茶店で休もうか」 人の疎らな店内は冷房がよく効いていて、少し肌寒い。 テーブルに着くと私の制止も聞かず、こなたはおしぼりで汗をぬぐった。 適当に注文を済ませ、たわいのない話をしている内に二つの飲み物とサンドイッチが一皿くる。 こなたは何も食べずに待ち合わせの場所に走って来たらしい。 私達はウェイターが立ち去るのを待って、中断していた会話を再開した。 「それにしても、家族と既に見ちゃったみゆきさんはともかく。つかさが来ないのは意外だったな」 「ああ、つかさね」 私は相槌を打ちながら、宿題が終わらないと泣いていた妹の顔を思い出す。 まだ、思い出せる。 私がつかさは今日も家に残って努力しているのだと説明すると、こなたは誤魔化すように視線を逸らした。 「宿題か……私は今年もかがみのお世話になってるね。ところで、頼んでいた物を……」 差し出される手に応じて、私はカバンに入れてきた夏休みの宿題の一部をその手に乗せた。 「貸す私もいけないのかも知れないけど、少しは自分でやる努力をしなさいよね」 「いやー、わざと間違った答えを混ぜたりする必要があるから、宿題を写すのもけっこう大変なんだよ?」 「そういうのは努力と言わん」 私が否定すると、こなたはサンドイッチを食べながらぶつぶつと文句を言った。 「せめて、あと一日あればいいのに」 「一日ねえ……。今日は8月32日だから~とか言って、学校あるのに休んだりしないでよ」 「そうなったら、かがみも宿題忘れ組の仲間入りか……面白いかも」 「面白くない! 手伝ってあげるから明日までには終わらせて、ちゃんと学校に来なさいよね」 私がそう言ってアイスコーヒーを一気に飲み干すと、こなたはそれきり黙ってしまった。 沈黙が気まずい。 私が何を言うべきか迷っていると、氷のぶつかる音がした。 こなたが同じように飲み干したグラスを振って見せる。 「そろそろ出ようか」 こなたの促すままに外に出ると、猛烈な熱気が私達の身体を包んだ。 「わ、日差しが強くなってる。店の中は冷房が効いていたから、なんだか余計に暑く感じるよ」 「ほら、私の帽子でも被りなさいよ。そのまま歩いてたら倒れるわよ」 「かがみは被らないのに倒れるとか言われても……」 「私は慣れてるから」 「もしかして私が帽子を忘れたことを、自分が早い時間を指定したせいだと思ってる?」 「…………」 誰が悪いのか。何がいけなかったのか。 そう訊かれて他人を攻撃できるほど、私は強気ではなかった。 「……私がこなたを慌てさせたのは事実でしょ。あんな時間に約束しなければ、こなたは急がなかった」 「気にしすぎだって」 「そうかもしれないけど……あっ、ごめんなさい」 話に集中していた私は通行人にぶつかりそうになり、相手も見ずに謝った。 「ん、柊じゃん」 「柊ちゃん?」 「あれ……久しぶり?」 そう言ってみたものの、相手の名前が出てこない。 だが、名前を尋ねるのも失礼だろう。 私は今日の気温などのありふれた話題をいくつか交わして、すぐに二人と別れた。 「ねえ、かがみ。さっき挨拶をしたのは誰だったの?」 「うーん、知り合い……だったのかな。よく覚えていないや」 「そっか……」 彼女達が誰だったのかわからない事を、私は特別に悲しいとは思わない。 それでもこなたの沈んだ表情を見ていると、自分が何かとても酷いことをしているように思えてしまう。 私までもが暗い表情になりかけた時、不意にこなたが立ち止まり言った。 「ところでさ。昨日した約束、覚えてる?」 こなたが喋りながら指をさす方向にはコンビニがあった。 「約束……。映画の他に何かあったっけ?」 「花火だよ。夏の最後の思い出になるようにって」 「ふーん……」 本当は花火のことは覚えていた。 だけど、花火をするまでの時間を引き伸ばしたくて、私は必死に理由を捜す。 「さすがにまだ早すぎると思うけど」 「すぐに暗くなるよ。宿題を手伝ってもらっていれば、あっという間にね」 花火の入ったビニール袋を手にこなたの家に向かっていると、いつの間にか空はすっかり暗くなっていた。 ここ数日で、少しずつ夜の訪れるのが早まっている気がする。 バケツに水を汲み終えると、私はロウソクに火を点けて花火を一本手に取った。 「今日見るはずだった映画の中でも、CMに花火のシーンがあったよね」 「あっちは打ち上げ花火だったけどね。でも、私はこういう線香花火みたいな地味なのも好きだな」 「下手の横好き?」 「うるさいな。それでも消えないように頑張るのも、線香花火の楽しみ方の一つでしょ」 私はなるべく明るい声を出そうとしたが、こなたはそれに乗ってはくれなかった。 「うん……だけど、消えない花火なんて無いんだよね」 ああ、もうタイムリミットか。 そう思うと同時に、こなたは私に昨日と同じ言葉をかけた。 「ねえ、そろそろ終わりにしようよ」 「何言ってるのよ。買ってきた花火はまだ半分以上残ってるのに」 私の言葉に対して、そうじゃないと言うかのようにこなたは首を横に振った。 「8月が32日まであればいいのに、って話したこと、覚えてる?」 「決まってるじゃない」 覚えているに決まってる。今日の昼にも聞いたことだ。 9月1日は学校という現実に戻らなければいけない日。 曜日次第ではその日が休日となることはあっても、夏休みの終わりとしてイメージされる最悪の日。 どんなに夢の時間が続いて欲しいと願っても、必ず9月1日という現実が待っている。 だから、せめてあと一日だけの猶予が欲しい。 そんなふざけた内容の話を、こなたは真面目な顔をして語っていた。 忘れていない。 だって私はそれを馬鹿にしながらも、心の奥では願っていたのだから。 「じゃあ……ひとつ問題。昨日は8月31日、明日は9月1日。じゃあ今日は?」 「全然意味が分からないんだけど。なぞなぞ?」 私は最後まで抵抗をしようとするが、こなたは自分のペースで私に質問を続けるだけだった。 「……ねえ、人は誰も永遠ではいられない。それなのに、永遠を望んだのはどうして?」 私は答えなかった。 だって、それは都合が悪い。 「私の死を悲しんでくれたのは嬉しかった」 「だけど、私と一緒に居られた日に囚われて、夢の中で生きるなんて駄目だよ」 こなたの言っていることは理解できる。 どうするべきかなんて事は、誰かに言われなくてもわかっている。 それでも私は昨日と同じ言葉をくりかえした。 「……こなたが居ない現実なんてありえない」 「ううん違うよ。家族がいる。みゆきさんやクラスメイトの友達も。……だからお願い。選んで」 私は何も言わなかった。 「8月31日の次が9月1日か、8月32日なのかを。どうか選んで」 唐突に始まったセミの声に顔を上げると、一滴の汗が涙のように頬を伝って地面に落ちた。 帽子が役に立たないほどに、焼かれたアスファルトの地面からの熱気は強烈だった。 こなたとの約束の時間まであと少し。 私は変わり映えのしない、雲ひとつない空を見て、太陽の眩しさに目を細める。 今日も暑い一日になるだろう。
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「やった!やったぁー!そろった!そろったわ!私の勝ちね、こなた」 「むむぅ。まさか、この私が負けてしまうとは……」 「じゃあ、こなちゃんが1番負けだね。約束はちゃんと守ってよ~?」 「むー。わかってるヨ、つかさ。それで私は何をすればいいのかな?」 私が提案した、4人でのババ抜き勝負。 1番負けの人は1番勝ちの人の命令をきかなければならない、というルール。 意外な事に1番勝ちは、どうせ自分が負けるからと参加を渋っていたつかさだった。 雪でも降るんじゃなかろうか。 で、無難なポジションである2位にみゆきさん……コレは計画どおりな気がする。 そして最下位は、かがみとの10分に及ぶ一騎打ちにたった今敗れてしまったこの私だ。 「う~ん……お姉ちゃんが負けたら宿題やってもらおうかと思ってたんだけど……」 「しゅ、宿題はムリだよ?」 「だよね。こなちゃんじゃ、ちょっと無理だよね」 (つ、つかさのくせに……まあ、私が先にムリだって言ったんだけどさ) 明日から3連休ということもあってか、昨日今日で宿題はどっさりとだされていた。 おそらく、この後の5・6時間目の授業によってさらに宿題は増えることだろう。 私も自分が1位で、かがみやみゆきさんが最下位なら、おそらく宿題の応援を頼んでいただろう。 何を命令しようか必死で悩むつかさ。 かれこれ5分以上は悩んでる。 あと2分程で予鈴が鳴っちゃうよ。 早く決めてくれないと次の時間の宿題を写す暇が無くなっちゃうんだけどなぁ。 というかさ、そんなに悩まないと私にやってほしいことが思いつかないなんて…… 私ってそんなに役立たずかなぁ? “あはは。無能なこなちゃんが最下位になっちゃったから、命令できる権利の意味がなくなっちゃったよ~” いやいやいや、つかさに限ってそんなことは。 私のことを無能だなんてことは微塵も思ってはいないだろう。たぶん。おそらく。 きっと、前もって命令を用意していなかっただけだよね。 この私が、ポーカーフェイスの下手なかがみなんかに負けるなんて結果を予想してなくって、ね? 「あ、そうだ!」 「なっ、なんでしょうかっ!?」 黒つかさについて妄想していた私は、つかさが突然発した声にびくんと反応してしまう。 思わず敬語まで出てしまった。 いったいどんな黒いご命令が……いや、だからそれは私の妄想上の黒つかさだってば。 「えっとね。私、今日はお家のご飯当番なんだけど……こなちゃん、代わりにつくってくれないかな?」 「う。私をいれて7人分の食事をつくるのか。地味に大変だねぇ、それは」 「あっ、もちろんダメだったらいいんだよ?こなちゃん家の都合もあるし」 「いやいや。真剣勝負の結果だからね。約束はちゃんと守るヨ?」 「え、ホントにいいの?やったぁ。ありがとう、こなちゃん」 「お礼なんて言わなくていいのよ。こなたが負けたのが悪いんだから」 「ブービー賞のくせに言うねえ、かがみん」 「はん。最下位とは違うのよ、最下位とは」 「ラ○バ・ラル?」 「誰よソレ?」 「青い巨星。ところで、かがみん」 「何よ、まだ何かあるの?もうそろそろ教室に戻りたいんだけど」 「後でお父さんやゆーちゃんに連絡するの手伝ってもらえないかな。私、携帯持ってきてないから」 「……いつもの事だけど、あんたの携帯って本ッッ当に意味が無いわね」 ☆ 「こなたちゃん、ごちそうさま」 「ごちそうさま。あー、おいしかったー」 本日のメニューは泉家特製チキンカレーとこなた流シーザーサラダ。 いのりさんもまつりさんも満足してくれたようだ。 かがみも2回半程おかわりをしていたようだし、味の方は完璧だったと言っていいだろう。 大量に作ったはずのカレーもサラダも見事に空になり、達成感が私を満たす。 「こなちゃん、ホントにおいしかったよ~。ね、お父さん?」 「ああ。おいしかったよ」 「えへへ。ありがとうございます」 「いや、お礼を言うのは私達の方だよ。ありがとう」 「あ、洗い物は私がするから。こなちゃんはゆっくりしてていいからね」 そう言うと、つかさは手際よく皿を重ねて台所へと行ってしまった。 かがみは食べ過ぎが原因か、“あ~”とか“う~”とか呻きながら隅っこに寝転んでいる。 結果として、つかさとかがみ以外の柊家の中に私はひとり残されてしまう形となる。 慣れない空気に戸惑っていると、それに気付いたのか、みきおばさんが話しかけてきた。 「うふふ。こなたちゃん、そんなに緊張しなくていいのよ?」 「は、はあ……そう言われましても……」 「あはは。ガチガチになっちゃってる。カワイ~」 「からかっちゃだめよ、まつり。でも、言われてみれば確かにカワイイわねー」 「ちょ、いのりさんまで、そんな」 普段言われ慣れない言葉を連発され、顔が赤くなってしまう。 そして、顔が赤くなればなるほどさらに“カワイイ”を連発されてしまう。 なんという永久機関。 「ねえ、お母さん。こなたちゃんって、今日は泊まりだよね?」 「かがみはそう言ってたけど……それがどうかしたの、まつり?」 「いやさ、せっかくだから、こなたちゃんに今日だけ柊家の一員に、妹になってもらっちゃおうかなって」 「ええっ!?」 「あら、名案じゃない。私も素敵な家族が増えて嬉しいわ~」 「ちょ、あの、おばさん……!?」 「うふふ、こなたちゃん。そういう訳だから、今日は私のこと“お母さん”って呼んでもいいのよ?」 そう言って私のことをギュッと抱きしめるみきおばさん。 うあ。たぶん私の顔はこれ以上ないほど赤くなっているだろう。 でも、こういうのも悪くないな…… 少し平和な気分に浸っていると、まつりさん達が騒ぎだした。 「あー、お母さんズルい!提案したのは私よー!ほら、“まつりお姉さん”の方においでー」 「あっ、ダメよまつり。次は私の番なんだから。えいっ……こなたちゃん、私のことは“いのりお姉ちゃん”って呼んでね?」 「ちょっと、人の妹をとらないでよ!姉さん!」 「あら、私の妹でもあるのよ?うわー、かがみ達と違って小さいから抱き心地いいわー」 「あー、もう。姉さん、早く貸してよ。私もギュッてしたいんだからー」 そして完全に2人のおもちゃと化す私。 ああ、もう、どうにでもなれ―― ☆ つかさが洗い物を終えて戻ってくる頃になって、私は体の自由を許されるようになった。 2人の新しい姉は短時間でヒートアップし過ぎた為に、クールダウンの時間が必要になったとみえる。 ようやく手に入れたこのチャンスを逃す訳にはいかない。 私はこの隙につかさの部屋に避難することにした。 しかしここで、ただ単に『つかさの部屋で遊ぼう』などと言えば姉2人もオプションで付いてくる危険性がある。 そこで私は『一緒に宿題をしよう』と言ってつかさを誘うことにした。 泣いてすがって五体を投地して、宿題に気乗りしないつかさからなんとか了承を得る。 すぐにつかさを追い立てるようにして部屋へと入り込み、扉を閉めてホッと一息。 「やれやれ、散々な目にあったよ」 「ねえねえ、こなちゃん」 「ん?……どど、ど、どうかしたのかな、つかさ?」 つかさの目は輝いていた。 さっきのいのりさん達みたいに。 いや、それ以上に。 イヤな予感どころの話ではない。 「洗い物しながらお母さん達の話を聞いてたんだけど、こなちゃんはウチの子になったんだよね?」 「えっと、あれはまつりさんが勝手に……」 「私ね、妹がほしかったんだー。だからね、1日だけでもお姉ちゃんになれて嬉しいよー」 「い、いや、私の方が誕生日は早いし……」 「ね、こなちゃん。私のこと“つかさお姉ちゃん”って呼んでほしいなぁ。ね、ほら、はやく、ほら!」 「う、あ……つ、つかさ、お、お姉ちゃん?」 「えへへへへ~。なあに?こなちゃ、じゃなくて、こなた?」 お風呂の時間になるまで、コンマ1秒たりとも決してスキップのできない強制イベントは続いた。 この姉の監督の下で本当に宿題をやるハメになったばかりか、ことあるごとに“つかさお姉ちゃん”と呼ばされた。 うっかり“お姉ちゃん”と言い忘れると、もれなく姉としての説教がついてくるという有り難いオマケ付きだった。 正直、山のような宿題よりもこっちの方がきつかった。 「ふぃ~、このままじゃ身がもたないよ」 みっちり2時間程のつかさによる拉致監禁及び拷問から解放され、お風呂で自由を満喫する。 ちなみにお風呂に入る直前、油断していた私はいのりさんとまつさんに拉致されそうになった。 『つかさお姉ちゃん助けて~』という禁忌の呪文を唱え無敵状態のつかさを召喚し、なんとか逃げ出すことはできた。 もし捕まっていたらと思うと、ゾッとする。 自分の唱えた呪文にも十二分にゾッとするが、背に腹はかえられなかったので仕方がない。 野良犬に噛まれたとでも思って諦めよう。 「とりあえず、今日はかがみの部屋で寝させてもらおうかな」 いのりさん・まつりさん・つかさの魔手から逃れるには、その選択肢が最善だ。 おそらくかがみなら、この子供じみた冗談につきあうことはないだろう。 『はあ?こなたが私達の妹?何の冗談よ、ソレ。手の掛かる妹が増えるなんて笑えない冗談だわ』 などと一笑に付してくれることだろう。 そう考えると、安息の地はそこにしかない。 「こういう時は、やっぱりかがみが一番頼りになるよネ」 ☆ 「こなちゃ、こなた。今日はわた、お姉ちゃんの部屋で一緒に寝ない?」 「ごめんね、つ、つかさお姉ちゃん。かがみと先に約束しちゃったんだ」 つかさは心底がっかりした顔をしたが、“かがみ”という言葉の効果か、素直に諦めてくれた。 案の定いのりさんとまつりさんも誘いをかけてきたが、こちらも同じ台詞で簡単に逃げることができた。 深夜の通販番組の洗剤のように驚異的な効果だ。 どうだい?“かがみ”と一言付け加えるだけで脅威が去っていくんだよ、ジョージ! 心の中で、かがみという名の救世主に改めて感謝する。おお、神よ、かがみ様よ。 「それじゃ、おやすみなさ~い」 3人の新しい姉から逃げるように、毛布を抱えてかがみの部屋に転がり込む。 まあ、実際にかなり本気で逃げているんだけど。 かがみはベッドにもたれてラノベを読んでいた。 「ちょっと、人の部屋に入ってくるならノックぐらいしなさいよ」 「ごめん、ごめん。悪いんだけどさ、今日はこの部屋で寝かせてくれないかな?」 「あれ?つかさの部屋で寝るんじゃなかったの?」 「んー、そのつもりだったんだけどネ。なんていうか、いろいろと疲れちゃって」 「ふーん。ま、いいわ……って、何やってんのよ、あんた」 「ふぇ?寝ようとしてるだけだけど?」 「そんなとろで寝たら体が痛くなるわよ?遠慮せずに私のベッド、使いなさいよ」 「え。でも……」 「ほら、いいから」 疲れていると言った私のことを気遣ってか、かがみはベッドを空けわたしてくれる。 気合を入れて料理をした上にあのような事があってひどく疲れていた私は、素直に甘える事にした。 かがみに促されてベッドに体を横たえる。 こんなにも待遇が良いなんて。やはり、かがみの部屋で寝るという選択股は正解だったようだ。 「んー。極楽、極楽♪こりゃ、すぐに寝れちゃいそうだヨ」 「じゃあ、電気消すわね」 「あ。まだラノベ読みたいんだったら点けててもいいよ、かがみ。私って、電気付いてても大丈夫な人だから」 「……そうじゃないでしょ?」 「何が?……って、か、かがみ!?な、何してんのさ、ちょっとぉ!?」 かがみは電気を消すと当然のようにベッドに潜り込んできた。 さらに、私の体の上に覆いかぶさるような位置をとる。 いわゆるマウントポジション。 カーテンの隙間から漏れる月明かりの下、かがみはいたずらっぽい目をして笑った。 「だから、“かがみ”じゃなくて、“かがみお姉ちゃん”でしょ?」 「ひいっ!?」 体はがっちりとホールドされている。 体格差があるとはいえ、仮にも格闘経験者の私が冗談抜きで身動きひとつとれないとは…… ん? アレアレ? ナンダカ目ガオカシクナッテマスヨ、カガミサン? 「まったく、つかさも姉さん達も欲張りなんだから。やっと私の番がきたみたいね」 「こここ、これは、な、なななな、なんの冗談かな?」 「妹ならお姉ちゃんには従わなきゃ、ね?」 「い、いや、つかさにも言ったけど、私の方が誕生日は早いし……ちょ、かがみ!?」 「たっぷり可愛がってあげるわよ、こなた」 「は、話をきい、う、うわ、うわあああああ、あああああっ――」 この世は……地獄だ……!! ☆ 「あ、お姉ちゃん、おかえりなさい」 「あ、ゆーちゃん。ただいま……」 「お姉ちゃん、なんかいつもと雰囲気が違うけど、何かあったの?」 「ふ、ふふ……ゆーちゃんの知ってる泉こなたは死んだんだよ……」 ゆーちゃんから見た私は、きっとおそろしく荒んだ目をしていることだろう。 大人の階段って、自分で登るものだとばかり思ってたよ……昨日まではね。 玄関先で荒涼とした気分に浸る私。 「朝っぱらからなにバカなこと言ってんのよ、あんたは?」 「ふぇ?」 「あ、柊先輩。おはようございます」 「おはよう。ゆたかちゃん」 後ろを振り向くと、そこにはさっき別れてきたはずのかがみが立っていた。 そこにいるのが当然かのような表情をして。 何が入っているのだろうか、2泊3日の旅行に使うような大きめのバッグを抱えている。 「ええっと、かがみ様、何か用事でも?」 「昨日言ってたわよね、“私の方が誕生日は早い”って。言われてみれば、あんたの方が年上なのよね」 「そ、それが何か?」 「だからね、今日は私があんたの妹になってあげることにしたの。よろしくね、こなたお姉ちゃん♪」 「お、おね……!?」 「お姉ちゃんなら妹のワガママをきいてくれなきゃ、ね?」 「――――――!!」 この絶望感、もはや言葉にならない。言葉にできない。 いやもうこれは、絶望感っていうレベルじゃねーぞ! 結局この日の夜、私は大人の階段をもう一段登らされることになった。 泉こなた、連休中に二階級特進。 めでたし、めでたし。 ☆ 「めでたしめでたしって、何言ってんの?私はもう一泊する予定よ?物語はまだ終わってないんだから、ね?」 「だ、誰かっ、誰か本当に助け、あああああア――ッ!!!?」 めでたし、めでたし←かがみ様公認
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夏の頃の天気の曇ったある日の海水浴場の近く、私が日課で海沿いの道を歩いていると、一人の少女を見かけた。 彼女は通りと砂浜との境目の芝生に置かれた白い木製のテーブルの、椅子が二つあるうち木陰になる側に一人座っていた。 頭には灰色のキャスケットと呼ばれる種類の帽子、黒い縁のはっきりしたサングラスをかけ、カジュアルな服装の上に大きめのコートを羽織った恰好をしている。 そしてその手にはまだ満杯に注がれたままのオレンジジュースのグラスを持ち、寂しげにそれを眺めているようだった。 彼女は小さな声で何かの曲を口ずさみ始めた。 私はそれに耳覚えがあり、はて何だったかと考えてみると、一つの曲が思い当った。 それは「L amour Est Bleu」という題名で、記憶によればもう40年も前のものだったはずだ。 私はその少女の時代と知識の時代のずれがおかしかったからか、無意識に彼女の方を見とれていて、道路の様子を確認するのを怠っていた。 すると間もなく足にひやりとした感覚が走った。 ぎくっとして足元に目を移すと、左足を深めの水たまりの真ん中に突っ込んでいた。 やや憂鬱な気分になった。 (あーあ……この靴最近テレビショッピングでこれだ!って思って買ったばかりなのに) ちょうどその時、海風が彼女を覆っていた街路樹の枝葉を揺らし、樹雨を降らせた。 水がざあっと彼女の帽子に降り注いだ。 私は彼女が濡れるのを嫌がりその場を離れるかと思ったが、予想に反して彼女はじっとグラスを握ったまま、座っていた。 そして小さく呟いた。 「この氷がとけるまで」 私は彼女の持つグラスを注意深く見つめた。 オレンジの黄色は既に薄くなり、ほとんどただの水みたいになっている中に、一個だけ残っていた。 それも一粒の砂利ほどの大きさになっていて、いまにも溶けて無くなってしまいそうだった。 「もう溶けるってのに……」 彼女はテーブルのもう一つの椅子をじっと眺めた。 グラスを持っていないもう片方の手の指がせわしく遊びだしている。 私は気が付くと歩みを止めていた。 そして祈るような彼女の心を静かに見守った。 「あ、すんません!だいぶ遅れました」 不意に一人の男が叫びながら少女の元まで駆けよってきた。 少女はその男の顔を見やり鬱々とした顔で溜息をついた。 「申し訳ないです!どうしても収録が長引いて……十分前のことでしたよ。本当にすみません、あきら様」 「あっそ。まーいいけど」 つっけんどんに彼女は言い放った。 「あんた何てドラマだっけ?出てんのは」 「あ、今の収録のやつですか。タイトルはええ、『水滴の季節の向こう側』です」 「あーそうだったっけ」 「今回は自分のセリフも多かったです、正直トチりまくりました、すみませ……」 「もういいからペコペコすんのは、うざい」 少女は少し必死になって、顔を若干逸らしながら尖った口調で男の言葉を遮った。 (まあ、怒るのも無理はないか) 私は表面的に彼女の挙動を解釈して納得しようとした。 「暑いですね」 唐突に男が少女に話を切り出した。 「ああ」 「花が咲いてますね。あれウツギの花ですね」 「詳しーんだ」 「ドラマで得た知識ですけど」 「あっそ」 カップルの他愛無い会話が始まったのを見て、私は彼女らにじっと観察していたのを気づかれ邪険に扱われる前に歩き去った。 「それであきら様、知ってます?」 「何が?」 「ウツギの花言葉」 「さあ」 「ウツギは……」 「うん」 「あ、いや、やっぱりいいです、今は」 「何それ」 「今度の機会にでも言うことにします」 「……ふーん」 コメント・感想フォーム 名前 コメント
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テーマ:お酒 かがみ「いきなり何よ?」 こなた「や、だからテーマトーク。テーマにそって会話を続けてくっての」 つかさ「お酒かぁ……お姉ちゃんはお酒に強そうだね」 かがみ「つかさは逆に弱そうよね。泣き上戸だったり?」 こなた「みゆきさんは酔ったら気が強くなりそうだよネ」 みゆき「そ、そうですか?」 かがみ「あ~、かもね。なんかそんな感じする」 つかさ「普段がおっとりしてるからかな?」 みゆき「だ、だったらつかささんもそうかもしれませんね」 こなた「いや、つかさはなぜか泣き上戸なイメージが……」 みゆき「泉さんはどうでしょう? 意外とお酒に弱いのではないでしょうか?」 こなた「いやぁ、私は酔ったフリして」 かがみ「ストッーープ! 危ない発言禁止ぃ!!」 つかさ&みゆき「??」 テーマ:健康 こなた「健康、か……みんなは何か健康に気を遣ってることとかある?」 かがみ「私は結構走ったりしてるわよ」 つかさ「う~ん……私は何もしてないや……」 みゆき「私は……お恥ずかしながら、知識はあるんですが実行はしてないんです」 こなた「みゆきさん……宝の持ち腐れじゃない……」 かがみ「へえ、意外ね。こなたがそんな言葉を知ったなんて」 こなた「私だって知ってるよー。これでも国語の成績だけはいいんだよ」 みゆき「えと……国語だけなのですか?」 こなた「……みゆきさんにツッコまれるとは……」 つかさ「こなちゃんは何かやってるの?」 こなた「いろいろやってるよー」 かがみ「でも午前2時くらいまでゲームやってちゃ意味ないわよね」 こなた「はうっ!!」 テーマ:あるあるネタ かがみ「そう言われてもねぇ……」 こなた「ネトゲ中に寝落ちされて困ることとか」 かがみ「そんなんアンタだけだろ」 つかさ「あるあると言えば……タンスに足の小指をぶつけるとかは?」 みゆき「確かに、それはよく聞きますね」 こなた「ただ単に『ベタ』なだけじゃん」 つかさ「むむむ……じゃあ、行列の一つ手前で売り切りとか!」 かがみ「アンタにとってはあるあるだけど、それが万人共通だとは限らないわね」 みゆき「意外と難しいですねぇ……あら?」 こなた「どちら様で?」 (俺)「あ、作者です。『マスクをしているのにお茶を飲もうとした』経験ってありませんか?」 かがみ「いや、ないわね……」 つかさ「私も~」 こなた「いくらなんでもそれはないでしょ~。ね? みゆきさん」 みゆき「……」 こなた「みゆきさん?」 つかさ「もしかして……」 みゆき「……はい……何度もあります……」 かがみ「うわ……」 こなた「この二人に関してあるあるが成立したネ……」
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かがみ「あれ、あそこにいるのは…」 こなた「おーい、みゆきさーん」 みゆき「泉さん…あなたも私をいじめにきたのですね」 こなた「何?私そんなことしないよ」 みゆき「私の家が裕福なのはご存知なのでしょう」 みゆき「私をいじめて脅せば、いくらでも財産が手に入ると思っているのでしょう」 こなた「あの…」 みゆき「思えばつかささんには剃刀を送られ、黒井先生には靴を隠され」 みゆき「来る日も来る日もいじめられてばかり」 かがみ(つかさ…そんなことを…) こなた「もしもーし」 みゆき「ついに泉さんも私をいじめようとしているのですね」 こなた「みゆきさんこんなに被害妄想強かったっけ?」 みゆき「こ、来ないで下さい」 333 :ぷよぷよ こなたvsみゆき 2/7:2007/09/09(日) 23 00 14.33 ID X39jaERx0 □■◇◆:ぷよ、×:邪魔ぷよ と思ってください ┏━━━━━━┓ ┏━━━━━━┓ ┃ ■ ┃ ┃ ◆ ┃ ┃ ◆ ┃ ■ ◆ ┃ □ ┃ ┃ ┃ ■ ◆ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃■ ┃ ◆ ■ ┃◆□■◇◆□┃ ┃□ ┃ □ □ ┃◇◆□■◇◆┃ ┃■◆ ┃ ┃■◇◆□■◇┃ ┃■◆ ┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃■◇◆□■ ┃ ┃◆□■◇◆□┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃◇◆□■◇◆┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃■◇◆□■◇┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃□■◇◆□■┃ ┗━━━━━━┛ ┗━━━━━━┛ こなた「みゆきさん…いじめないから、もうやめようよ。このままじゃ8連鎖につぶされるだけだよ」 かがみ「いや、これも十分いじめだって」 みゆき「…」 みゆき『みなさん、仲良くして下さい』 ┏━━━━━━┓ ┏━━━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ■ ◆ SUPER ATTACK ┃ ■ ┃ ■ ◆ ┃ 48. .┃ ┃ ◆ ┃ ┃ ┃ ┃■ ┃ ◆ ■ ┃□□□□□□┃ ┃□ ┃ □ □ ┃□□□□□□┃ ┃■◆ ┃ ┃□□□□□□┃ ┃■◆ ┃ ┃□□□□□□┃ ┃■◇◆□■ ┃ ┃□□□□□□┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃□□□□□□┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃□□□□□□┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃□□□□□□┃ ┗━━━━━━┛ ┗━━━━━━┛ かがみ「ちょっ、みゆきなにやってんのよ」 こなた「さすがみゆきさん。これを狙ってたんだ」 みゆき「おとなしくお帰り下さい」 ┏━━━━━━┓ ┏━━━━━━┓ ┃××■ ┃ ┃ ◆ ┃ ┃××■ ┃ ◆ ■ ┃ ◆ ┃ ┃×× ┃ □ □ ┃ 全消し. ┃ ┃××××× ┃ ┃ ┃ ┃■■××××┃ □ ■ ┃ ┃ ┃□◆××××┃ □ ◆ ┃ ┃ ┃■◆××××┃ ┃ ┃ ┃■◆××××┃ ┃ ┃ ┃■◇◆□■×┃ ┃ ┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃ ┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃ ┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━┛ ┗━━━━━━┛ こなた「そうだかがみん。かがみんの似顔絵描いたんだ。ちょっと見てよ」 かがみ「こんなときに何言ってんのよ」 こなた「いいから早く見てよ」 かがみ「分かったわよ」 かがみ『ほー、私、火ぃ吹いてんだ』 ┏━━━━━━┓ ┏━━━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ◆ ┃ ..SUPER ATTACK .◆ ■ ┃ ◆ ┃ ┃ 30 ┃ □ □ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃■■ ┃ □ ■ ┃ ┃ ┃□◆ ┃ □ ◆ ┃ ┃ ┃■◆ ┃ ┃ ┃ ┃■◆ ┃ ┃ ┃ ┃■◇◆□■ ┃ ┃ ┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃ ┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃ ┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━┛ ┗━━━━━━┛ かがみ「ちょっと、こなた。どういうこと?あれだけあった邪魔ぷよは?」 こなた「今、かがみんが焼き消したんじゃん。それがかがみんの特技だよ」 ┏━━━━━━┓ ┏━━━━━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ □ ■ ┃ ┃ ┃ ┃ □ □ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃■■ ┃ □ ■ ┃ ┃ ┃□◆ ┃ □ ◆ ┃ ┃ ┃■◆◆ ┃ ┃ ┃ ┃■◆□ ┃ ┃ ┃ ┃■◇◆□■ ┃ ┃ ┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃ ◆ ┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃ ◆ ┃ ┃□■◇◆□■┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━┛ ┗━━━━━━┛ こなた「じゃ、みゆきさん覚悟!」 かがみ「結局いじめる気満々だな」 みゆき「…」 みゆき「こ、来ないで下さい」 こなた「だから、財産に興味は無いって」 みゆき「違うのですか?」 こなた「みゆきさんも辛い思いをしてきたんだね。」 かがみ「みゆき。あんたつかさと黒井先生にいじめられたんだってね」 こなた「なら、つかさとななこさんに仕返しに行こうよ」 みゆき「…はい。」 こうして、3人はつかさと黒井先生に仕返しをすることにしたそうな 続かない