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竹中 由佳(たけなか ゆか) 公式サイト https //web.archive.org/web/20200814084244/http //www.yukatakenaka.com/(アーカイブ) ブログ ツイッター フェイスブック https //www.facebook.com/profile.php?id=100024758655890 フェイスブックページ インスタグラム ユーチューブ 選挙ドットコム https //go2senkyo.com/seijika/168492 日本維新の会プロフィール https //o-ishin.jp/member/detail/takenaka_yuka.html 兵庫維新の会プロフィール http //ishin.hyogo.jp/introduction/takenaka_yuka.html 公式サイトプロフィール http //www.yukatakenaka.com/profile.html(リンク切れ) 所属 党派…日本維新の会 会派…日本維新の会 出身 兵庫県姫路市 https //www.facebook.com/profile.php?id=100024758655890 sk=about ニュース検索結果 https //news.ritlweb.com/search/%22%E7%AB%B9%E4%B8%AD%E7%94%B1%E4%BD%B3%22 当選回数 2回
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【名前】結い鵜 【P名】--- 【マイリス】--- 【特徴】--- ゆかり関連楽曲Eden 【リンク】---
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草むらをゆっくりと、ゆっくりれいむが歩いていた。 「ゆっくり、ゆっくり」 かけ声のように呟きながら、柔らかいまんじゅう肌なその体を前へ前へと進めていく。 周りにはれいむ以外にはどのゆっくりも見あたらない。草むらで隠れているわけではなく、このれいむは一人っきりでゆっくりとしていた。群れを成して行動することの多いれいむにしては珍しいことだ。 ゆっくりとしている内に日は夕暮れ、そろそろ太陽が沈み辺りは暗くなってくる頃。暗くなればなるほど襲われる危険性も高くなる。 れいむは口調とは裏腹に急いで家族のいる巣へ戻ろうとしていた。 「ゆっくり、ゆっくり……ゆ?」 突如、れいむは進みを止めた。前の方から長い影が伸びてきている。何かいるようだ。 巣に帰るにはここを通るしかなく、ゆっくりはかけ声を「ゅ……ゅ」と小さくして慎重に前へ進んでいった。 少し進むと、草の拓けた場所に1匹のゆっくり種が鎮座していた。 「ゆ……っ!」 仲間だとゆっくりは思わず声を出しそうになるが、鎮座したゆっくりの帽子を見て、それがとても危険な種である事に気がついた。 鎮座していたのはゆっくりゆゆこだった。 ゆっくりの中でも特に食欲旺盛なこのゆっくりは普通の餌だけでは飽きたらず、他のゆっくり達を躊躇なく食べてしまう。 しかし普通なら、出会ったゆっくりは食べてしまうためにゆゆこが危険だと分かっているゆっくりは少ない。 このれいむは、今とは違う場所に別の家族達とそろって生活していた時に、別のゆゆこに襲われて辛くも逃げ延びたれいむだった。 あの時は他のれいむ家族達が食われている間に逃げ延びたが、もしここで見つかれば瞬く間に食べられてしまうだろう 恐怖のあまりに体を震わせながら逃げようと考えるれいむ、しかし巣に帰るにはここを通らないといけない。 相反する思考に、思わずそこから動けなくなった。 そのまま時間が流れるが、ゆゆこに変化はない。徐々にれいむが恐怖から解放されていく。 目の前のゆっくりが危険だと分かっていても、そもそもゆっくりは危機感が欠落している。目の前のゆゆこがなぜ動かないのか気になり始め、次第に近づき始めた。 「ゆ……ゆっくりー?」 「こぼね!」 帰ってきた返事に思わず固まるが、それでもゆゆこは動かない。 「……ゆっくりー?」 本格的に気になり始めたれいむは、ゆゆこの横を通り正面へとまわった。 「ハフ、ハフハフッ!」 「ゆっくりっ!」 ようやくれいむにもゆゆこの状況が理解できた。 ゆゆこは虎ばさみに挟まれ、まるで動けなくなっていたのだ。 「ハブ、ハブハブハブッ、こぼね!」 涙混じりに叫ぶゆゆこ、声も震えている。何とか外せないかと体を動かしているが、あまり動かしすぎると体がもげてしまいそうだ。下手に力は込められない。 ゆゆこが動けないと分かった瞬間、れいむはきゃっきゃきゃっきゃと飛び跳ねてはしゃぎ始めた。 「ゆっくりしていってね! そこでずっとゆっくりしていってね!」 以前、仲間を食べられた恨みもあって、声のトーンも上がっている。 「こぼね! こぼね!」 目の前の餌に腹を立てるが、体に刺さった虎ばさみのせいで飛びかかれない。 調子に乗って馬鹿にしていたれいむは、次第に別の事に興味を惹かれ始めていた。 ゆゆこって美味しいのかな? さっきまでの恐怖はどこで言ったのか、もはや恐れなど微塵もなくれいむはゆゆこに噛みついた。 「ゆ゛ゆ゛っ!」 「……う、うめぇ! メチャクチャうめぇ!!」 よっぽど美味しかったのか、そのまま勢いよくゆゆこの体を食べ尽くしていく。 「うめぇ! うめぇ!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛こ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛こ゛っ!」 やがて満腹になったのか、れいむはゆゆこから離れた。 他のゆっくりに比べると巨体なゆゆこの体が、かじりかけのリンゴのように無惨な形になっている。 「おいしかったよ! またゆっくり食べさせてね!」 そのまま立ち去っていくれいむ。 「……」 ゆゆこは叫び疲れたのか、何も言わないでれいむの後ろ姿を睨んでいた。 れいむはそのまま無事に巣へと戻ってこれた。 「ゆっくりしてきたよ!」 「おかえり!」 「ゆっくりしていってね!」 崖の下にできた大きめの洞穴。れいむが中に入っていくと家族の帰宅にそろって声が返ってきた。5匹家族らしく、大きな親れいむの他に普通の大きさのれいむが3匹いた。 「ゆっくり!」 「ぐるんぐるん!」 「ゆっくり回ってね!」 親れいむが見守る中、巣の中を転がりながら遊び始める4匹。帰ってきたばかりのれいむは途中であったゆゆこの事などすっかり忘れて、遊びに没頭した。 しばらく転がっていた4匹だが、ふと2匹が転がるのを止めた。 「ゆゆっ?」 「ゆっくり?」 不思議そうに転がっていた2匹に止まったれいむ達が答える。 「ゆっくりごはんにしようね!」 「ゆっくりたべようね!」 「ゆっ! ゆっくり~!」 2匹の言葉に賛同する1匹、ただ外でゆゆこを食べてきたれいむだけが、動かないでいた。 「早く食べにいこうね!」 「ゆっくりしないでね!」 こちらを心配そうに見る3匹。しかしれいむはもう食べられそうにない。 「はやくたべてきてね!」 元気よく返事をするれいむに納得したのか、3匹達は親れいむの用意してくれた餌を食べに駆けだしていった。 1人になってもゆっくりのすることは変わらず、ごろごろと転がりながら家族達の食事が終わるのを待ちわびている。 「ゆっ?」 しかし転がっていると、さっきあれだけゆゆこを食べたのに、れいむは微妙にお腹が空いてくるのを感じた。 転がるのを止めて、他のれいむと同じように親れいむのところへ駆け寄っていく。 「ゆっくり食べさせてね!」 「ゆっくり!」 「ゆっくり食べてね!」 後から来たれいむに安心する家族達。親れいむは、今日取ってきた虫や植物をれいむの前に用意してくれる。 「ゆっくりいただきます!」 声とともに食べ始めるれいむ。 しかし実際に食べ始めると、やっぱりお腹はいっぱいなのか、あまり食欲が沸いてこない。 「はやく食べていってね!」 「はやく遊ぼうね!」 急かすれいむ達。唯一親れいむだけがどこか心配そうにしている。 れいむはどうにか無理矢理に口へ詰めていく。ようやく半分ほど食べ終わり、ほっと一息ついたところで異変が起こった。 「ゆ゛ゆ゛っ!」 突然、痙攣し始めるれいむ。 早く早くと嗾けていたれいむ達も、その様子に慌てて心配し始めた。 「どうしたの! どうしたの!」 「だいじょうぶ? 元気になってね!」 そんなれいむ達の言葉に、しかしれいむはただ痙攣するだけで応えられない。 「あ゛がガあ゛ア゛があ゛ぁぎゃ゛ア゛あ゛あ゛っ!」 ただごとじゃない様子に、周りのれいむ達も涙目に心配し始める。 れいむ達の心配する気持ちが天に通じたのか、れいむの痙攣がぴたりと止んだ。 「とまったよ!」 「よかった、よかった!」 「ゆっくり治ってね!」 そして食い破られた。 「こぼね! こぼね!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 体を中から破られ、ぱさりと地面に落ちるれいむ。中身のあんこは見あたらない。全部中から出てきたものに食いつくされてしまった。 目の前で皮だけになってしまった家族の姿を悲しむ間もなく、れいむたちは中から出てきたモノに驚愕している。 中から出てきたのはゆっくりゆゆこだった。食べたのが普通のれいむだったからか、巨体なイメージのあるゆゆこに比べてかなり小さいが、その特徴的な帽子がれいむ達に昔の記憶を思い出させる。 「いそいで逃げてーーーっ!!」 「う゛あ゛ぁあ゛あ゛あ゛ぁあ゛っ!!」 親れいむが叫ぶのと同時に慌てて逃げ出していく。 「こぼね! こぼね!」 すぐにゆゆこも追いかけていくが、生まれたてだからなのかその動きは普通のゆゆこと比べてとても遅く、れいむ達との距離はどんどん離れてしまう。 「いそいで外に出てね!」 先行して駆けだしていったれいむ達はもう出口の手前。このまま急げばゆゆこに捕まる事なく外へ逃げられそうだ。 「ちゃんと出られたね!」 「お母さんも早く来てね!」 3匹が3匹叫びながら、洞穴を飛び出していく。 しかし飛び出した瞬間、外からやってきていた別のゆゆこに飲み込まれてしまった。れいむが食べたあのゆゆこだ。 「ゆ゛っ!」 「ここどこっ! 暗いよ狭いよ!」 「急いで出してね!」 思い思いに叫ぶ3匹。しかしせっかく食べた食事をはき出すものはあまりいない。 躊躇することなく、ゆゆこは3匹を噛み砕いた。 「い゛だい゛い゛い゛い゛い゛い゛っ!!」 「ゆ゛っく゛り゛だじでぇええぇぇっ!!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛っ!!」 目の前で自分の子供達が食べられていく様に、思わず親れいむは絶叫した。しかしどうする事もできない。助け出そうと突進していけば、親れいむも一緒に食べられる運命だろう。 ゆゆこがゲップのように息を吐く。子供達を食い終わったらしい。 「こぼね! こぼね!」 後ろからはようやく追いついて来た小さなゆゆこの声がする。 「あ、あああああ……っ」 子供達を失ったショックからか、親れいむは震えるばかり。 そんな親れいむに、2匹のゆゆこ達はそろって大きく口を開けるのだった。 「こぼね! こぼね!」 「ハフ、ハフハフッ! こぼね!」 食事を終えて、2匹のゆゆこは楽しそうに話をしていた。大きなゆゆこはれいむに食べられた跡と、虎ばさみを強引に外して出来た大きな傷跡が痛々しいが、れいむを追って来たら思いかけずそこそこの食事ができたのでご満悦のようだ。 小さなゆゆこは突然現れた大きなゆゆこに喜び、はしゃいでいるようだ。 しかし大きなゆゆこは、どうしてこんな所に子供がいるのか疑問に思っていた。親のゆゆこはどうしたんだろうか? 「ハフハフッ」 「こぼね!」 とりあえず自分の群れに連れて帰ろうと子供ゆゆこをつれて歩いていく。その後を嬉しそうに追いかけていく子供ゆゆこ。 後に残されたのは、驚愕の表情で固まっているれいむの皮だけだった。 End スレ2の726のgifを見て「何だかむしろゆっくりゆゆこを虐待したい」と思い さらに748の「色々食ってるゆっくり食ったら腹こわさね?」に 「それじゃゆっくりゆゆことかもう毒物じゃね?」と思ったので書いてみた。 あれ? ゆっくりゆゆこ虐待してなくね? あと、虎ばさみで捕まっていたのは570で言っていたのを使わせてもらいました。ありがとうございます。 by 762 このSSに感想を付ける
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名称 対応キャラ 効果 リモート可否※ ゆかてんは美しく残酷 紫×天子 幻想郷名物・意地の張り合い 未確認 ※○:問題なく成立し効果発動 △:成立はするが一部効果は使えない ×:成立するが効果は使えない -:成立しない 紫?と天子?の絆。 戦闘開始時に掛け合いを行い、紫?と天子?の戦闘力が上がる。 上がる戦闘力は絆LVが上がると大きくなるようだが、法則性がよくわからない。 上昇値は相方の戦闘力の半分+絆Lv×1000だろうか。 以下サンプル だれか法則性を解き明かしてください。 Lv1 紫8000 天子7000→紫12400 天子12000 Lv1 紫8000 天子17000→紫17400 天子22000 Lv1 紫8000 天子8000→紫13000 天子13000 Lv2 紫8000 天子7000→紫13400 天子13000 Lv2 紫8000 天子17000→紫18400 天子23000 Lv3 紫8000 天子7000→紫14400 天子14000 Lv3 紫10000 天子9000→紫17400 天子17000
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絵師【名前】猫飴 【マイリス】http //www.nicovideo.jp/mylist/21967646 【特徴】--- ゆかり関連楽曲Tiny PaRadisE 【リンク】---
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絵師【名前】お名前 【マイリス】http //www.nicovideo.jp/mylist/ 【特徴】--- ゆかり関連楽曲タイトル 【リンク】---
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シナリオ名:ふゆかいな船旅 キーパー:いぬずか 募集人数:4人ちょい 開催日程:月日 予定日数:3より多くなるかも。今までの中ではがっつりとしてる 締め切り:揃い次第 開催部屋: 卓難易度:☆☆☆☆~☆☆☆☆☆ 相性次第だけど割とおっかない 推奨学科:まあ戦闘。ミドル技能がなくてもRPでカバーできるんじゃなかろうか程度。 その他:中位前提なのでえぐいやも シナリオ傾向:ほんわかとサツバツといあいあの狭間 シナリオ概要:船上クローズド。 あらすじ 式武⇔貿易都市間の大型客船『ゴールデン・レトリーバー号』に一通の予告状が… 『 颯 爽 登 場 ! ! 』 スケジュール 回数 日付 時間 備考 1日目 卓次第 2日目 卓(ry 3日目 (ry 参加希望者 <参加希望をする +PL名 PL名
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画像 まゆゆ応援スレ☆専用うpろだ
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ニャァン 「ヒィィィ!!」 今ここで悲鳴をあげて逃げてる私はごく普通のゆっくり・名前はゆっくりゆかりん。 強いて他のゆっくりと違う所は猫が苦手ってところかしら? と言うわけで現在私は全速力で逃げているのだ。 ナァン 「なんでゆかりんに付いてくるのぉ!?」 「いや多分あたしが持ってる荷物に付いてきてるんだろ……ほら怖いならおぶってやるぞ?」 結局気絶してゆかりんは姫姉さんに背負われていったそうな。 名前 コメント
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『いつまでも続けばいいな』 20KB 愛で 愛情 日常模様 希少種 人間なし 独自設定 がんばれゆかり。拙文ですが、ゆっくりしていってね… とある場所に、恵み豊かな、人の立ち入らぬとても大きな森がある。 そこにはゆっくりの群れがいくつもあり、流れゆく日々を平和に暮らしていた。 季節も、春麗らか、という表現がぴったりな時期である。 「ふぁあ…ぁあ。」 この森には、樹齢は3桁ではきかないであろう、森の中でも一際大きな巨木がある。 その根元にはこれまた大きなうろがあり、うろの中は穴が掘られいくつかの部屋になっている。 その中でも一番奥の穴の中で、とある群れの長が目を覚ました。 「おはようございます。ゆかりさま。あさごはんです。」 「あぁ、らん…おはよう。」 長はゆっくりゆかり。希少種だ。ゆかりの目覚めを恭しく出迎え、 丁寧に朝食まで用意しているのはゆっくりらん。こちらも希少種だ。 「ちょっとはやおきしちゃったかしら…?」 『もぐもぐ』 「…ゆかりさまいがいはみんなおきてます。」 「あら、そうなの。わたしったらうっかりさんね。」 ゆかり種は、睡眠時間が他のゆっくりよりも長い。そのため、朝目覚めるのも他のゆっくりよりも遅い。 しかしそんなことはいつもの日常である。 今はいつものようにらんの用意した朝食をほおばり、いつものような会話を繰り広げる。 「ふぅ、ごちそうさま。いつもごくろうね。」 「ありがとうございます。」 ゆかりの朝食をらんが調達するのもまたいつものことである。 そのことに対してらんは嫌な顔一つしていない。むしろ褒められて少しうれしそうだ。 こんな生活は毎日のことなのだ。 それに、ゆかり種は睡眠時間が多い代わりにエネルギーの消費も少なく、一日一食なので負担も少ない。 ちなみに、ゆかりの中身は納豆である。 その匂いを嗅いだことのある人間の話によると、なぜか少女のイメージが頭に浮かぶらしい。 こんな生活が始まった経緯を話すと、昔はゆかりだけがこの巣に住み、長をやっていた。 しかしある日、ゆかりはみなし児となったらんを拾ったのだ。 初めは「ゆかりしゃま!」とゆかりのことを呼び、またゆかりに甘えっぱなしで世話を受けっぱなしだった。 しかし、ゆかりの教育を受けながら成長していくにつれ、こうしてもうすぐ成体になろうという今では、 睡眠時間の多いゆかりの身の回りの世話をらんが行い、群れの中の問題解決もゆかりの代わりにこなしていた。 もっとも、らんに手のおえない事態が起こった場合はゆかりの出番だ。 そんな事態ですらゆかりはあっという間に解決してしまうあたり、まだまだ経験の差は大きいといったところか。 「ちぇんはどこにいったのかしら?」 「おさんぽです。」 「ふぅん、わたしもいってこようかしら。」 「またれいむのところですか…」 「ふふ、さぁね。」 そして、今はいないがこの巣には、ゆっくりちぇんも住んでいる。 このちぇんも、かつてのらんのようにみなし児だったところをらんが拾ってきた。 そしてまた、かつてのらんのように教育を受けながら少しずつ成長している。 教育に関しては、ゆかりが行ったほど上手ではないようだが、それでも上出来なようで。 ゆかりはそんな2匹の様子を、いつも目を細め、微笑みながら見つめているのだ。 どこか気恥ずかしいのか、決して2匹に気づかれないように注意しながらではあるが。 「それじゃあ、ちょっとむれのようすでもみにいこうかしら。」 「ごいっしょします。」 そしてやはりいつものように巣から出、群れの視察に行く。 ゆかりの巣は群れから少し離れたところにあるため、移動に10~20分ほどかかる。 実際は視察する必要はないほど平和な群れなのだが、散歩のための口実だ。 「……」 「らん~。」 「…はっ!な、なんでしょうか!」 「なんでもないわ。」 「はぁ…」 あまり表情には出さないが、少しらんはそわそわしている。いや、うきうきと言った方が正しい。 ゆかりはそれを目ざとく見つけると、こうして唐突に声をかける。 そしてらんのびっくりする様子を秘かに楽しむのだ。とんだいじわるばあさん…失礼、いじわる少女だ。 らんは自分の心中が気付かれているなど露とも思わず、きょとんとしている。 「そろそろね。」 「はい。」 と、ここに大きな岩がある。この岩をゆかりとらんとちぇんは、群れの近くであることを示す目印にしていた。 群れではれいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありすなど様々なゆっくりが思い思いにゆっくりしている様子がうかがえる。 「あら、あれは…」 ゆかりは何かを見つけたようだ。 「ふふふ、らんはそこにいなさい。」 「またですか…わかりました。」 ゆかりが見つけたのは、とあるれいむであった。 空を舞う蝶を捕まえようとしているのか、ひたすら目線を蝶に向けながらこちらに跳ねてくる。 しかし、蝶はれいむの届かない高さまでふわりと舞い上がると、森の奥へと消えていった。 「ゆぅ、にげられちゃった…ゆゆ?」 そんな感じで跳ねてきたれいむが、らんの存在に気づいたようだ。 顔がぱぁ、と笑顔になりらんに向かって跳ねていく。 「らん!ゆっくりしていってね!!!」 「あ、あぁ。ゆっくりしていってね。」 「ごはんをとりにきたの?」 「いや、えーと…」 「ゆぅ?」 らんがどこか気まずそうにれいむから目をそらす。 その様子を見たれいむは、不思議そうな顔でらんの顔を見つめる。 その時… 「ばぁっ。」 「ゆぅうううー!?」 「ゆかりさまはほんとうにもう…」 「やめられないわねぇ。」 『けらけら』 岩にある亀裂の中から、突然ゆかりが現れれいむを驚かす。 予想だにしない事態に、れいむは目を白黒させている。 その様子を見たゆかりは、非常に楽しそうだ。 「びっくりしたよ!いいかげんにしてねゆかり!」 「なんかいやってもしんせんだからたのしいわぁ~。」 ゆかり種の能力として、体をぺらぺらにして僅かな隙間に入り込むことができるというものがある。 この能力は、食料の確保、防御手段、身を隠す、奇襲、その他諸々と様々な用途で役に立つ能力だ。 体をぺらぺらにした時の中枢餡や、体を構成する納豆がどうなっているかは未だ解明されていない。 「だかららんはへんなかんじだったんだね!ぷくー!」 「す、すまないなれいむ。ゆかりさまがいつもいつも。」 「ぷんぷんだよ!」 このれいむはゆかりのお気に入りだ。 他の群れのゆっくり多くは、ゆかりのことを「おさ」と呼び、よそよそしいとまではいかないが、 立場の違いを理解しているためか、はたまたゆかりの長としての能力の高さを尊敬しているためか、 いずれにせよ〝友人〟として接してくれるものは少ない。 しかしこのれいむは、ゆかりが有能な長であると理解してもなお、ゆかりを〝ゆかり〟と呼び、 他の群れのゆっくりとは違い対等な〝友人〟といった感じで接してくる。 他にもそういう風に接してくれるゆっくりがいないでもないが、それらは総じて頭がよい個体ばかり。 ゆかりが驚かそうとしても彼女らの経験から気づかれたりしてしまうのだ。 そんなわけで他のゆっくりをからかうことが好きなゆかりにとって、このれいむは貴重な存在であった。 「つれないこというわねぇ~れいむぅ~。」 『ぐりぐり』 「やぁ~めてね~おかおがぶにゅってなるよ~。」 まだゆかりの遊びは終わらない。 れいむにやや過剰にす~りす~りし、れいむを宥める。 そんなことをされたれいむの顔は、右半分がぐいぐい押され、変な顔になっている。 その2匹の様子を見たらんは、少しだけ不満顔だ。 そんならんの様子を、やはりゆかりは見逃さない。 「あら、らん、どうかしたのかしら?」 「なんでもありません!」 『ぷい』 「らん~なんとかしてねぇ~。」 「はぁあ…ゆかりさま。」 『ぐいぐい』 そろそろ見かねたらんがゆかりを抑えに入る。ゆかりのお飾りを甘噛みし、後ろに引っ張る。 「あぁ~れぇ~はなしてぇ~」 「ゆかりさま…なんなんですかそれは。」 「ゆぅ。らん、ありがとうね!そろそろれいむはもどるよ!」 「あらあらあら?れいむもういっちゃうの?」 「おとなりのありすとおでかけのやくそくがあるんだよ!じゃあね!ゆかり!らん!」 そう言いながら、ようやくゆかりから解放されたれいむは群れの方角へと戻っていく。 「いっちゃったわねぇ。」 「ゆかりさま、もとのもくてきをわすれてませんか?」 「やぁねえ。おぼえてるわよ。」 「ならいいんですけど…」 『ちらり』 そういいながら、らんは空に浮かぶ太陽を見る。 その後、群れの方角を見た後、巣の方角を見たかと思えば、少し考え込む。 「ゆゆことのやくそくのじかんでしょう?」 「あ、おぼえていましたか。」 「このじかんならむれをゆっくりとみたあとに、のんびりいえにかえってもまにあうわよ。」 「さすがです、ゆかりさま。」 らん種は数字に強く、計算が得意と言うことで知られている。 すこし頭を働かせれば家にどのくらいの時間で帰れるかくらい割り出せる。 しかし、ゆかり種はそれよりもさらに数字に強い。 らん種が、うんうんと考え込むような計算、いや、らん種でも解けないような計算の解を、 あっという間に割り出せてしまうのだ。 「それじゃあはやめにおわらせて、ゆゆこのおやつでもよういしようかしらね。」 「わかりました。」 そういいながら、2匹は群れの中へと入っていった。 「ゆー!おさ!ゆっくりしていってね!!!」 「まりさ、ゆっくりしていってね。きょうもげんきね。」 「あいかわらずとかいはね!おさ!」 「あら、うれしいこといってくれるじゃない。」 「むきゅ、またおさにいろんなことをおしえてほしいわ。」 「そうね。またこんどわたしがおきてるときにいらっしゃい。」 こんな感じで群れの様子を見て回る。 長を務めだした頃は、なにかおかしなことはないか、なども聞いていたが、 長としてすっかり認められている今では自分から聞くまでもなく、何かあれば向こうから相談される。 つまり、こんな風に全員がゆかりにゆっくりした挨拶をするということは何も異常はないということだ。 「らんさまー、ゆかりさまー。」 「ちぇんじゃないか。きょうはなにをしたんだ?」 「きょうはまりさとかけっこをしたんだよー。」 「どうなったのかしら?」 「きのうはまけちゃったけど、きょうはかてたんだよー!」 「へぇ、すごいじゃないか。」 「そろそろかえろうかしら。ちぇんもかえるわよ。」 「わかったよー!」 そして2匹に1匹が加わり、3匹となった。 先程の話を聞くに、ゆっくりゆゆことゆかりは会う約束があるようだ。 そろそろ帰る時間だと判断したゆかりの一声で、3匹は帰路に着いた。 「ゆかりさま、すこしよろしいですか。」 「なにかしら。」 「あのれいむにたいしてなんですが。」 「ふむふむ。」 「おさとしてのいげんというものがですね…」 「いいじゃないの、たいくつなんだもの。」 「らんさまー。いげんってなにー?わからないよー。」 「あぁ、ちぇんにはこんどおしえてやろうな。」 こんな会話をしながら帰路に着くのも、これまた日常風景であった。 やがて、巣へと到着したようだ。 「それじゃあらん、おやつをよういしてね。」 そういうと、ゆかりは奥へと入ってゆく。 「ふぅ、ゆゆこさまはおやつにしてはたべるりょうがおおいからなぁ…」 「わかるよー。おおぐいなんだねー。」 そう呟きながら、おやつを用意していると、 「こーぼねー。」 「みょん。」 後ろから唐突に声をかけられ、2匹は少しだけ飛び上がった。 「ゆ、ゆゆこさま。よくいらっしゃいました。」 「い、いらっしゃいませだよー。」 「こぼねっ!」 「わからないよー!」 「もうしわけない、ついくちが…」 「さすがにらんにはわかるみょんね。」 声をかけたのはゆゆことみょんであった。2匹の話を聞いていたのであろう、ゆゆこは少しすねたような顔をしている。 ゆゆこ種は「こぼね」としか話せず、また2匹のいうように極めて大食いだ。 しかし、実は一回の食事の量が多いだけで燃費がいいことはあまり知られていない。 一度の食事でたくさん食べた後は、2、3日は食事なしでも問題ないため結果として通常のゆっくりの食事量と大差ないのだ。 最も、食べるのは大好きではあるため出された食事は残さず食べ、散歩の最中などもつまみ食いが多い。 そして「こぼね」と言う言葉も、長く付き合った者ならばジェスチャーとイントネーションで何となく意志は理解できるらしい。 ちぇんはゆゆこが何を言わんとしているかはまだ分からないようだ。 しかし、らんはゆゆことそれなりに付き合いが長いため、何となく言わんとすることは分かるようである。 2匹に食べる量が多いだの、大食いだの言われて少しすねているのだ。 「おくでゆかりさまがおまちです。どうぞ。」 「どうぞー。」 「こぼーね。」 らんは用意したおやつをお飾りの中に入れると、ゆゆこを奥へと案内する。 ゆかりの待つ部屋にゆゆこを通すと、お飾りの中のおやつをテーブル代わりの平たい石の上に置き、 「それでは、しつれいします。」 とだけ言ってその場を後にした。 「よくきたわね、ゆゆこ。まぁおやつでもたべながら…」 「こぼねっ!」 『ズゴゴッ!』 「あ…」 「こ~ぼね~♪」 「…あいかわらずね。」 ゆゆこは用意されたおやつを遠慮することなく一気に平らげた。 2匹は長年の付き合いであり、こんな振る舞いも2匹の関係あってこそのものだ。 「あぁ…ゆゆこさまはまた…」 「わかるよー。はやぐいなんだねー。」 「ゆかりさまにもうしわけないみょん。」 そんな様子をゆかりとゆゆこに気づかれないようこっそり眺める3匹。 ゆかりもゆゆこも気づいてはいるのだが、そのことには触れずに談笑している。 「らんさまー。みょんー。ゆゆこさまのいうことがわからないよー。」 「わたしもなんとなくしかわからない…」 「でもゆかりさまはしゃべってるみたいだよー。」 「はじめはあいづちをうってるだけだとおもってたんだが…」 「ゆゆこさまのつたえたいことはわかっても、まだなにをいってるかまではわからないみょん。」 「わからないよー。」 そう、3匹のいうとおり、ゆかり種はゆゆこ種の言葉を理解することができる。 これもまた、ゆかり種の知られざる能力の一つだ。 ジェスチャーや表情から察するのではなく、言語として理解できるのだ。 「で、なにかかわったことでもあったかしら?」 「こぼねー。(なーんにも、いたってへいわ。)」 「そっちもおんなじなのねぇ。」 「こぼーね。こぼね。(そういえば、らんちゃんとちぇんちゃんはどうなの?)」 「んー…まだまだね。みょんは?」 「こぼねぼねー。(うーん…たまにわたしのことばをまちがえるわね…まだまだだわ。)」 「大変ねえ。」 「こぼこぼねー。(おたがいきょういくにはくろうするわね。)」 2匹は、こうしてたまに会って互いの群れのことを話したり、他愛もない世間話に花を咲かせたりするのだ。 ゆゆこもまた、一つの群れの長であり、そちらも有能な長としてやっているようだ。 もっとも、ゆゆこの言葉を理解できないものばかりなので、赤ゆの頃に群れのとある夫婦からゆゆこが引き取り、 そのままゆゆことの生活を経てゆゆこの側近兼通訳となったゆっくりみょんに意思を代弁してもらっているようだ。 2匹の会話を見ているとわかるように、ゆゆこ種も非常に頭がよいのである。 「こぼねー。」などと言いながら、食事を満面の笑みでほおばる姿からは想像もつかないが。 「こぼ~ね。こぼぼね。(わたしたちがこんなことはなしてるってしったらあのこたち、 どんなかおをするかしらね。)」 「こんなにどうどうとはなしてもわからないって、たのしいわねえ。」 「こぼねっ。(まったくね。)」 ゆゆこの言葉はゆかりにしか理解できないため、こんな話も堂々とできる。 「な、なにをはなしているんだ…」 「きになるみょん。」 「わからないよー。きになるよー。」 話の内容がまったくわからない3匹にとっては、気になって仕方ないようだ。 3匹の様子に気が付いている2匹は、顔を見合わせて笑う。 「こぼね~。(それじゃあそろそろいこうかな。)」 「そうね。」 やがて話も終わり、2匹が動き出した。 3匹は慌ててその場から離れ、らんが何事もなかったかのように2匹に話しかける。 「ゆかりさま。もうよろしいのですか。」 「えぇ。」 3匹とも少しだけ息を切らしている。 「ふふふふ。」 「こぼねー。」 「どうかしましたみょん?」 「こぼね。」 「みょん…?」 その理由を知っている2匹は、またも顔を見合せて笑う。 「それじゃあね、ゆゆこ。」 「さようならなんだねー。」 「さようなら、ゆゆこさま。」 そしてゆゆことみょんが去っていく。 その姿が見えなくなるまで、ゆかりとらんとちぇんは見送った。 姿が消えた後は、また巣の中に戻る。 「ゆかりさま、どんなはなしをしたんですか?」 「しりたいよー。」 「さぁね~。」 「すこしだけでも…」 「てきとうにあいづちうってるだけよ。こぼねこぼね~ってね。」 「こぼねはゆゆこさまでしょう…」 「そうだったかしらねえ。」 ゆゆこが去ったあと、こんな会話をするのもまたいつものことである。 ゆかりにはぐらかされるのは分かっているので、らんもあまり深く追求はしない。 やがてすこしだけ日が暮れてきた。ゆかりはもうすぐ寝る時間だ。 ゆかりが寝た後、らんはちぇんに教育を施すのだ。 ゆかりには必要ないが、らんとちぇんは夕食を済ませ、今はらんとゆかりが会話している。 ちぇんはなにやら一人遊びに夢中のようだ。 「そうだ、ゆかりさま。さっきのはなしなんですが…」 「さっきの?あさごはんかしら?」 「ちがいます!れいむです!」 「はいはい。」 「おさとしてですね、みんなにいげんのあるすがたをみせてもらわないと。」 最近らんは、長としての体面を気にかけるようになってきた。 ゆかりはそんな教育は施した覚えはないのだが、らんなりに考えているということだろう。 しかし、ゆかりはらんのお小言が少し苦手だった。 「いいじゃないの。ほかのみんなにはあんまりしてないんだし。」 「それでもです!」 「えー…そうだ。らんのいうことをきいてあげてもいいわよ。」 「…ほんとうですか?」 ゆかりの言うことに半信半疑の様子のらん。 こうは言うものの、いつの間にかなんだかんだでしてやられることが何度もあるからだ。 「ただし、らんがわたしにかてたらね。」 「…?」 今回もそんな感じのようで。 「ゆゆゆゆかりさまとですか!?」 「やぁね。らんがしょうぶするのはちぇんよ。」 「ちぇん…ですか?」 「そう、ちぇんにかてたららんのいうことをきいてあげる。おーい、ちぇん~。」 「にゃあー。」 ゆかりが持ちかけたのはらんにちぇんと勝負しろということだ。 らんの答えを待たず、ゆかりはちぇんを呼ぶ。 「ゆかりさま。わたしがちぇんにまけるなんて…」 「わからないよー?なにをするのー?」 「かんたんよ。わたしがみっつもんだいをだすから、それにはやくこたえるだけ。」 「ふふふ、ますますとくいぶんやです!」 「らんさまとちえくらべなのー?かてないよー!」 ゆかりの持ちかけた勝負、それはらんとちぇんの知恵比べだ。 「ちぇんがいっかいでもらんよりはやくこたえればちぇんのかちよ。」 「えっ?」 「じしんがないのかしらぁ~?」 『にやにや』 「な、なにをいいます!そのしょうぶうけましょう!」 「よくわからないけどがんばるよー。」 あっさりと挑発に乗るらん。普段ならそんなことはないのだろうが、 赤ゆの頃から自分が教育してきたちぇんに負けるはずないと高をくくっているのだろう。 「それではひとつめ。さんたすはちは?」 「じゅういちです!」 「えぇと、えぇと…にゃ!?」 「らんのかちー。ふたつめ。このはっぱは?」 『さっ』 「げんのしょうこです!」 「は、はやいよーらんさまー!」 「すまないなちぇん。まけられないんだ。」 やはり元からの知能の差があるのか、はたまた経験の差がそうさせるのか、 らんの方が優勢だ。 「つぎでさいごのもんだいね。」 「なんでもこいです!」 「わ、わからないよー!」 「…これはなんでしょう?」 『さっ』 「え、それは…?」 「またたびだぁあああああ!」 「ちぇん、せいかい。」 「なにぃいい!?」 「はい、らんのまけね。」 しかし、やはりゆかりを相手にただで済むわけもなく、知恵比べはらんの負けとなった。 ゆかりはらんの行動範囲内にマタタビがないことも、らんにマタタビを教えてないことも、 そしてちぇん種がおりん種と共に、生まれつき持つ知識にマタタビの存在が刻まれていることを知っていた。 「はいちぇん。ごほうびのまたたびよ。」 『ぽい』 「にゃあああん!」 『ごろん』 「なっ…ど、どうしたちぇん!?」 「にゃはああああ~」 そして、ゆかりそのままちぇんにマタタビを与えてしまった。 マタタビに飛びついたちぇんは、恍惚の表情でガシガシかじったり、そのまま転がったりで大忙しだ。 一方、マタタビの存在も、それがちぇん種にどんな影響を及ぼすか知らないらんは大慌ての様子。 「ゆかりさま!これはなんですか!」 「そのうちもどるわよ~。」 「ふにゃぁあ~ん。」 「こらちぇん!このあとはおべんきょうのじかんだというのに…!」 「らんしゃまがいっぱーい!」 「あぁあ、ちぇん!?ゆかりさま、なんとかして…」 「それじゃあねるわ、おやすみ~。」 「ゆかりさまあああ!?」 そして騒ぎの場を後にし、ゆかりは他のゆっくりよりも早めに眠りにつく。 これが、ゆかりの日常生活だ。 「くぅう…くやしい!またたび、またたび…おぼえたぞ!」 「ら~んしゃまああ。」 『はむ』 「こ、こら!わたしのしっぽをはむはむするのはもうやめろといったのに!」 らんもこうやって、ゆかりに色々としてやられながら、少しずつ経験を積んでゆくのだ。 いつか、らんがゆかりのように立派な長となれる日は来るのだろうか… 「こーぼねー(やっほー。)」 「あらゆゆこ、きたのね。」 今日も今日とて、ゆゆこがゆかりのところに訪れた。 しかし今日は、側近のみょんも、いつもゆゆこを出迎えるらんもちぇんもいない。 「みょんはどうしたの?」 「こぼーねー。(むれのこどもたちにけんをおしえるんですって。)」 「へえ。やるじゃないの。」 「こぼね?(らんちゃんとちぇんちゃんは?)」 「あぁ、まぁこっちにきて。」 ゆかりに促され、ゆゆこはゆかりの後を追ってゆく。 「こんなわけよ。」 「こぼー。(あらあら。)」 そこには、まるで姉妹のように寄り添ってお昼寝中のらんとちぇんがいた。 「こぼねー?(どうしてこうなったわけ?)」 「さぁ?まぁたまにはいいじゃない。」 その様子を見つめる2匹のまなざしは、まさしく子を持つ親と呼べるものであった。 「…こぼね、こぼねー。(いつかはあとをつがせないといけないのよね。)」 「そうよね。」 「こぼね、ぼねこぼね。(らんちゃんはよくやってるとおもうわ。みょんはまだまだだけど。)」 「せだいこうたいかぁ。いつからんにはわたしぬきでやっていけるようになってほしいんだけどね。」 「こぼねぇ?(まだちょっとふあんなの?)」 「うーん。でももうこのこは…」 ゆかりが何かを言いかけた時、 「「…ゆかりしゃまー…」」 らんとちぇんが口をそろえて寝言を言う。ゆかりとゆゆこは顔を見合わせ、 「ふふっ。」 「こぼねっ。」 また笑う。 「こぼねーこぼね。(まだまだあまえたいのかしらね。)」 「そうねえ。やっぱりまだまだねえ。ふふふ。」 ゆかりのこうした日常は、いつまで続いてゆくのだろうか。 いつの日からんが自立し、自分も老い、別れの日は訪れる。 そしてこの日常は時と共に流されてゆく。それは分かっている。 でも、それでもゆかりは、目尻にちょっとだけ、本当にちょっとだけ涙を浮かべながら、 こんな日常がいつまでも続けばいいな、と思わずにはいられないのであった。 完 紅玉あきの過去の拙作達 anko2610 禁句 anko2624 最強の人間 anko2667 ぐるぐるわーるど anko2668 ぐるぐるわーるど before anko2699 ゆんやモンドは永遠の輝き anko2707 紅玉は月下に舞う 誤字修正版 anko2810 ドスまりさが あらわれた! anko2856 おこた でっけぇ! anko2873 お山の大将 anko2874 お山の大将 dream anko2875 おうたのはこ anko2883 ひじりしんどろーむ anko2888 廃教室の怪