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※現代ものです ※かなり無理がある設定だけど気にしない ゆっくりが世にあらわれて数十年経ち、ゆっくりは人々の生活に浸透していた。 愛玩用として、加工食品として、時にはストレス解消用として。 彼らはこの世のものの一部として受け入れられていった。 しかしある日のこと、ゆっくりの加工から研究まで幅広く手がける大手企業に修正不能な問題が発生した。 始まりは社長の汚職事件が発覚したことだった。 この程度ならば、代表たちの記者会見での謝罪と社長辞任で済むはずであった。 しかしそのことがきっかけとなり、その他もろもろのスキャンダルが発覚した。 その中でも痛手だったのは『食品になるゆっくりたちが食べている餌は餓えた豚も食べないようなひどい臭いを放つ劣悪なものである』ということがメディアに知られたことだった。 ゆっくりは栄養や鮮度が悪くてもなんら問題はなく、その餡子も健康に害を及ぼすものにはならない。 このことは科学的にも証明されていることであった。 しかし、一時世間を騒がせていた有害物質を含む食品も餌として使用していたこともばれてしまい、信用を完全に失い、株は紙と化した。 このようなことになり、会社は倒産、研究所は閉鎖、加工場は永久凍結されるのは自然な流れであった。 ゆっくりの一部は他の研究施設に売却されていったがその多くは山へ放たれていった。 加工場や研究所は世界各地にあり、その数は膨大だった。 そして数年後、企業の倒産により、多くの失業者が出たことやゆっくりの不法投棄騒ぎなど世間に騒がれていたが他の話題が出れば、世間は興味をなくし、いつものように人々の記憶から薄れていった。 だが着実に問題は発生していた。 野へ放たれたゆっくりたちは加工場で何世代も過ごしており、野生で生きていくことは不可能だった。 水の危険性、捕食種の恐ろしさ、野生生物の存在、ゆっくりという種族の脆弱さ、全てを忘れていた。 その中で数を減らしながらも経験を経て、やがて野生へと還ることだろう、専門家もそう結論づけていた。 だが、よりゆっくりしたいという浅ましい執念と価値観の違う先住ゆっくりから追い出されることなどを彼らは失念していた。 あるゆっくりは山を降り、人の住む町へと入っていった。 あるゆっくりは恵み豊かではあるが、危険も多い平原へ移り住んだ。 あるゆっくりはもともと住んでいたゆっくりに打ち解け子を増やした。 しかしこれはゆっくりの生活圏が広がり、人と接触知ることが多くなったということでもある。 これにより、各地でゆっくりによる被害が発生した。 もともと自然界のバランスを保っていたゆっくりの数が激増したことにで人以外にも被害が出ることになった。 ゆっくりが家宅に侵入、家財道具が破損した。 ゆっくりに畑をあらされ、収穫できなかった。 ゆっくりが山の資源を食い荒らし、他の生物の個体数が減った。 ゆっくりが大量に溺れて川が汚染されて生物の種類が減り、河の流れ込む海にいたり、海洋汚染にもつながった。 これらは以前から騒がれていたことだがゆっくりが増殖したことにより、目に見えるほどの事態になった。 しかし被害はこれにとどまらなかった。 加工場では繁殖させるため、個体数を増やせるように特殊なゆっくりが使われていたことにより、自然ではありえない速度で増えていき、山は一面ゆっくりだらけになり、他の生物を追い出し、その山は禿山に変わってしまったところもあった。 数が増えていったことにより、ゆっくりは人の生活圏にも侵入し、町のゆっくりも増えていき、 ゆっくりがゴミや死骸を撒き散らすことにより、町にも汚物が溢れることになった。 道路を通行しようとして車に轢かれて、車やバイクがスリップし、交通事故の多発につながった。 研究用として使われたゆっくりには薬物実験にも使われたものもあり、ゆっくりには特に変化がなかったが、餡子の中で変化し、有毒になるものも数多くあった。 渡り鳥が大量死していたり、飼育していた動物が変死したりという事件が起こり、解剖してみるとゆっくりのものと思われる餡子が胃に入っており、その中から人をも死に至らしめる物質も検出された。 このような事件はメディアが放っておくわけもなく、連日報道され、人々は『ゆっくりは人に対して害になる』という考えを抱くようになった。 その流れに乗るようにゆっくりの悪い点ばかりを掲載したような書籍も出版された。 『ゆっくりは総じて人を下であると見ている』 『れいむは愚鈍であり、まりさは薄情、ありすはレイパー、ぱちゅりーは貧弱な愚者である』 『ゆっくりは人類の敵』 このようなことは冷静に見れば何の根拠もない嘘八百であるものばかりであったが、メディアもそれを煽り立てるように報道して、人々はゆっくりに対し悪いイメージを抱いていった。 飼いゆっくりは捨てられ、ゆっくりの加工食品も売上が落ち、月日は流れた。 各国は政府に対し、ゆっくりをどうにかするよう訴えたデモが起こり、加熱していった。 政府も何もしなかったわけではなかったが、駆除しようにも数が多すぎて瞬く間に増えていき、 経費もかさみ、どうにもできなくなっていた。 ゆっくりを捕獲した数に応じて賞金を出す国もあれば、ゆっくりの駆除を義務とした国もあったが思うような成果は得られなかった。 ゆっくりを効率よく駆除できる策や薬品の開発を待つばかりとなった。 ゆっくり対策費用などにより、経済不況が起こり人々は不安な毎日を過ごすようになり、ゆっくりへの憎悪を強めていった。 こうして地上にゆっくりの安住の地はなくなった。 ※※※※※ れいむは分からなかった、どうしてこんなことになってしまったのか。 狭い檻の中、自分のかわいい子供たち、赤れいむ2人赤まりさ1人と一緒に入れられ考えた。 れいむは春に両親ともれいむの間から長女として生まれた。お母さんはとても優しく、2人に 挟まれるととても安心でき、幸せな気分になれた。 みんなで一緒に食べるご飯もおいしく、すくすくと成長した。 長女としてみんなの先頭に立ち、まとめ役としてお母さんの役に立とうとした。 お母さんはそのことをとても褒めてくれて、「れいむが大きくなったらとても いいお母さんになれるね」と言われ、嬉しかった。 季節が過ぎみんな大きくなり、冬が来た。冬の間は狭いおうちの中、みんなで寒くないよう固まっていた。 妹たちはお外で遊びたいと駄々をこねたりしたが、れいむはみんなでくっつきあっているのが好きだった。 お母さんの綺麗なお歌もいつでも聴けたし、穏やかに過ごせた。 一人も欠けることなく春になり、れいむも十分に大きくなって、ついに巣立ちの日を決めた。 お家の前に立ち、みんなに別れの挨拶をした。秋に生まれた妹たちは行かないで大泣きした。 れいむも泣きそうになったがお別れは笑顔でしようとがんばって笑っていたが、今にも泣きそうだった。 お母さんが「辛かったらいつでも戻ってきていいよ」と言ってくれた。 その一言で涙が我慢できなくなった。 今まで育ててくれてありがとう、お母さんみたいにゆっくりしたあかちゃんをうむからね、と みんなにお別れした。 半日ほど跳ねて綺麗なお花さんが咲いている野原についた。 そこではいくつかのゆっくりの家族がお花を食べたり、みんなで歌ったり、 遊んでいたりとみんな楽しそうだった。 家族のことを思い出し、寂しくなったがれいむもお花さんを食べたりした。 日が傾きみんな自分たちのおうちへ帰ろうとしていた。れいむもお家を探そうと森を探索していたとき、1人のまりさと出会った。 ゆっくりしていってね!と挨拶した後、まりさに「何をしているの?」と尋ねられた。 家を探していることを伝えると、「まりさのお家に泊まってっていいよ!」と言ってくれたので 甘えさせてもらうことにした。 次の日も一緒に食べ物を集めたり、ゆっくりしたり、たくさんのことをしてまた泊めてもらった。 そんなゆっくりした日が続き、二人は恋をした。どちらともなく告白し、一緒になることを誓った。 暑い日が続くようになり、ご飯が豊富になってきたころにすっきりをして頭から茎が生えた。 そして3人とも無事に生まれた。茎を食べやすいように噛み砕いてあげた。 「おかぁしゃん、ありがちょぉ♪」赤ちゃんがお礼を言ってくれた。生まれてきてくれてありがとう。 れいむは最高に幸せだったし、これからももっとゆっくりできるだろう。そう信じて疑わなかった。 次の日、まりさは赤ちゃんたちのためにご飯を集めに出掛けた。その間れいむは赤ちゃんたちと す〜りす〜りしたり、お歌を歌ってあげたり、舐めて綺麗にしてあげた。 赤ちゃんたちがおなかがすいたと言い始めた。まりさはそろそろ帰ってくるだろうと待った。 すると、お家を隠している枝や葉っぱがどかされていった。まりさが帰ってきたと思い、ゆっくりしていってね!とお帰りの挨拶をした。だけど見えた顔はまりさじゃなかった。 そして長いものが伸びてきてれいむの頭を掴んだ。痛い、離して、いくらいっても離してくれなかった。 そして外まで引っ張り出された。そして外にいるのは何なのか見た。 れみりゃよりずっと大きく、長い手足がついていた。お母さんから聞いたことがある、 『にんげんさん』だ。 そして、れいむは袋に入れられた。出してと叫んでもだめだった。赤ちゃんたちが何か言っているがうまく聞き取れない。赤ちゃん逃げてと叫んだ。 そのうちくぐもった声になった。きっとれいむのように袋に入れられてしまったんだ。 袋に入れたまま、れいむはどこかへ連れて行かれた。 冷たい檻の中に赤ちゃんたちと一緒に放り出された。赤ちゃんたちは「いちゃぃぃぃぃ」と 泣いていたがぺ〜ろぺ〜ろすると泣き止んだ。 この檻から出られるんだろうか、きっと無理だろう。『にんげんさん』はれみりゃよりずっとずっと怖いとお母さんは言っていた。ここから出れたとしてもまた捕まってしまうだろう。 正直怖くてたまらなかった、今にも泣いてしまいそうだ。けど泣いたら赤ちゃんたちが不安になってしまう。 赤ちゃんにはゆっくりしてほしい。 まりさはどうしているだろう。一生懸命探してくれているかもしれない。助けてほしい、 ここはとてもゆっくりできない。でも助けに来てくれてもまりさも『にんげんさん』には敵わないだろう。 それでも助けに来てくれると思っていないと不安に潰されそうだ。 れいむはもうゆっくりできなくなるだろう。そう思うと楽しかった思い出がよみがえってきた。 お母さんと一緒にいたこと、まりさとのゆっくりした日々、でも二度と叶うことのない夢。 赤ちゃんたちにもゆっくりしてほしかった、楽しいことを何も教えてあげることができなかった。 そう思うと気分が沈んだ。 「おきゃぁしゃん、どぅしちゃにょ?」 暗い顔をしていたのを見られたんだろう、赤ちゃんが聞いてきた。 大丈夫だよと言おうとしたが、ちょっと涙声になってしまった。 「おきゃぁしゃん、どきょきゃぃちゃぃぃちゃぃにゃにょ!?ぺ〜りょぺ〜りょしちぇあげゆきゃりゃ ゆっくちよきゅにゃっちぇにぇ!ぺ〜りょぺ〜りょ♪」 「にゃりゃまりしゃみょ〜♪ぺ〜りょぺ〜りょ♪」 「りぇいみゅみょ〜♪」 ちょっとくすぐったいが、赤ちゃんたちがれいむを励まそうとしてくれているのが分かる。 涙を我慢できなくなった。そして今までにないほどの大声で泣き叫んだ。 それを見た男の感想は「でかい饅頭が泣き叫び、ちっこい饅頭がまわりで気持ち悪い声を出して でかい饅頭を舐めているのは最高にキモい。饅頭は共食いすると言うし、大方腹が減って食おうとしているのだろう。浅ましい奴らだ。」というものだった。 ゆっくり処理場で働く男はさっさと済ませてしまおうと思い、ゆっくりの入った底に キャスターのついた檻を押していった。 れいむが男が近くにいるのに気づき、 「ここからだしてね!」 と言っていたが無視された。 目的の場所に着いて、男は檻を押す手を離し小窓ほどの大きさの鉄の窓を開いた。 そこから目も開けられないほどの熱気が立ち上る。ここはゆっくり焼却炉、ゆっくりを焼却処分するために国が建設した施設であった。 男は檻の上部を開けて赤ゆっくりを捕まえだした。 れいむは赤ゆっくりたちに 「はやくおかあさんのおくちにはいってね!」 と言っていたが男が待つわけもなく、一匹もれいむの口の中に入ることはなかった。 「はなちちぇ〜!」 「おきゃぁしゃん、たしゅけちぇ〜!」 「きゅりゅしぃよ〜!」 赤ゆっくりは男の手の中で悲鳴を上げていたが男は 『ゆっくりは命乞いをするが浅ましい執念で他のゆっくりを身代わりにしてでも生き延びようとする醜い物体である』 とマニュアルに書いてあり、それに従い容赦はしなかった。 そして赤ゆっくり3匹を焼却炉に放り込んだ。 赤ゆっくりは断末魔もなく燃え尽きた。 「でいぶのあがぢゃんがああああぁぁぁぁ!!!」 霊夢は嘆き悲しんでいたが 『ゆっくりは他のゆっくりの死を嘆き悲しむそぶりを見せるが、餌を与えたり、 時間がたてばそのことを綺麗に忘れる』 男はマニュアルを信じ切っていた。れいむに様子を見ても、 これだからゆっくりは嫌いなんだ、と言うことしか思わなかった。 そしてれいむを両手で掴みあげて焼却炉に放り込んだ。 「ゆぎゃあああああぁぁぁぁあづいよおおおおおおぉぉぉぉ!!!」 れいむは思った。どうしてこんな目にあうの?れいむ何も悪いことしてないよ? このままじゃ死んじゃう!助けてまりさ!助けてお母さん! この焼却炉はゆっくりを文字通り“必殺”するために設計されている。 れいむは欠片も残さずに燃え尽き灰になった。 男は次に処分するゆっくりたちを運び込むために、鉄の窓を閉め檻を押しながら離れていった。 実はまりさも少し前に処分されていた。 まりさがご飯を探しているときに捕まり、巣はどこにあるか言わなければ殺すと脅されていた。 最初は抵抗した。しかし、殴られ続けて歯が全部折れ、どうにかしゃべれるような状態になって 白状した。 巣の前まで来るとまりさはまた殴られて、今度はしゃべることもできず、 右目が飛び出した状態にまでされた。そしてれいむや赤ゆっくりたちが入れられた袋とは別の袋に入れられた。 まりさは袋の中でれいむと赤ゆっくりたちが捕まるのを聞いて、心の中で何度も ごめんね、ごめんね、とわび続けた。 れいむと赤ゆっくりが入れられた檻の近くの檻に入れられていた。 しかし薄暗い部屋の中、周りは見えず声だけでしかれいむと赤ゆっくりたちを確認できなかった。 お母さんはここにいるよと言いたかった。でも声が出せなかった。 やがてまりさの檻が運ばれていった。 れいむや赤ちゃんと一緒にいたい、と心で思うことしかできなかった。 そしてまりさは焼却炉に放り込まれた。 痛い、熱い、助けて、どうして、いろんなことが思い浮かんだが声には出せなかった。 まりさは悲鳴を上げることもできず灰になった。 こうしてれいむとまりさ一家は他のゆっくりたちともだが、一緒になることができた。 ちなみにれいむの両親と妹たちも数日前に焼却処分されていたが、灰はすでに書き出されたあとであったため 一緒になることはなかった。 ゆっくりはゆっくりすることが果たしてできるのだろうか あとがき また懲りずにSSを書いてみました。前よりは上達したのかしら。 実は続きも考えてあるんですけど今回はここまでとしました。 続きはまた今度にします。需要あるか知らんけど。 やっぱりゲスよりもこういう無垢なゆっくりを虐めるほうがぞくぞくしますね。 ゆっくりは人間みたいに考えることができるがボキャ貧だから人間に誤解されて ゲスだと認識されたりしているんだと思う。 きっと7,8割は人間に関わることもせず、平和に過ごしているんだと思う。そう思いたい。 まあ何はともあれ、これからもゆっくりを虐めていこう! それでは、また。 こんな駄文を読んで頂きありがとうございました。 書いたSS ゆっくりいじめ系1932 バカは死んでも
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あるところに一人暮らしの男がいました。 男がお兄さんと言われていた頃、お兄さんは毎日のようにゆっくりを捕まえに行き、虐待の限りを尽くしていました。 そんなお兄さんも今では就職し、朝早くに家を出、夜遅くに帰ってくると言った有様でした。 「・・・・・・」 朝、無言で男が起きます。 そして顔を洗い、無言で栄養たっぷりと書かれたスティックタイプの食品を齧り家を出ました。 車に乗る前、腰に手を当てて栄養ドリンクを飲むのはもはや日課になっていました。 男は車に乗って会社に出かけていきます。 男はこんな生活をずっと続けていました。 そんな男を茂みで見守っていた影が5つ。 「ゆうううううう!ゆっくりしてないだぜ!」 「ほんとうだね!もっとゆっくりすればいいのにね!」 「むきゅ。れいむ、そうするとあのひとはむしょくになっちゃうのよ!」 「わかるよー。しゃかいのはぐるまだよー!」 「ちーんぽ!」 それはゆっくりまりさ、れいむ、ぱちゅりー、ちぇん、みょんでした。 5匹は以前男が虐待していた群れのゆっくりでした。 男が来なくなり、森はゆっくりにとってとても住みよい場所になっていました。 森に入る人間はもういません。 人里に出れば変わらず殺されるのを理解したゆっくりは森から出てくることはありません。 ここまで人に近づいた5匹はとても珍しいゆっくりでした。 男が見えなくなると5匹は森の奥に戻り先ほどの話しの続きを始めます。 「あのひとはとってもゆっくりしてないんだぜ!」 「れいむたちをみならうべきだね!」 「むきゅー、あのひともほんとうはゆっくりしたいのよ。」 「わからないよー。ゆっくりすればいいのにねー!」 「だれかのしたにつくとあーなるちーんぽ!」 ゆっくりしてないと怒るまりさとその男を見下すれいむをたしなめるぱちゅりー。 男がゆっくりできてないのをふしぎがるちぇんをそれを教えるみょんといった感じで話が進みます。 森の中では食べ物がいっぱいあり、男も働かなくても十分生きていけるとまりさは考えていました。 わざわざゆっくりしないなんてばかだよとれいむは思っていました。 ちぇんは人間は不思議な生き物だと思っていました。 ぱちゅりーとみょんだけが人間の苦労を理解していました。 「あのひとはゆっくりするためにはたらいてるのよ。」 「うえにだれかがいるからいつもじかんにおわれてるちーんぽ!」 「でも、ずっとゆっくりしてないんだぜ!」 「むきゅきゅ……」 まりさの言うとおりです。5匹は男をずっと見ていました。 といっても仕事に出るときと帰ってくるときだけでしたが。 そんななかで男がゆっくりできていたと感じたのは一度もありません。 「あんなやつゆっくりできなくてとおぜんだよ!」 「わかるよー。れいむはあいつにひどいめにあったもんねー!」 「たすかってよかったちーんぽ!」 5匹はあの男が群れを襲っていた奴だと分かっていました。 元はといえば男がまた来ないかと見張っていたのが始まりなのです。 れいむは男を特に毛嫌いしていました。 それも無理はありません。5匹の中で虐待されたことがあるのはれいむだけでした。 今ではだいぶ元通りになりましたが、あの今日は消えるものではありません。 だんだんとヒートアップしてきたれいむをちぇんとみょんが必死になだめます。 これが5匹のいつもの光景でした。こんなやり取りを続けていきます。 ただ、今日は少しだけ違いました。 「ゆっ!まりさきめたよ!あのおにーさんをゆっくりさせるんだぜ!」 「ゆゆっ!まりさどおおおおしてええええええ!」 「むきゅ!まりさがぎせいになるひつようはないわ!」 いきなりの発言にまりさを除く4匹は驚きます。 まりさの発言を理解できないれいむは怒り、理解したぱちゅりーはまりさを必死に止めようとします。 しかし、ちぇんとみょんはまりさにかんどうしてました。 「わかるよー。ぎゃくさいかくごだねー!」 「これぞぶしどうだよちーんぽ!」 まりさの意思は固く、れいむとぱちゅりーではどうしようもありませんでした。 それでもれいむは最後まで食い下がります。 「まりさ、どおしてもいくの……」 「きめたことなんだぜ!とめないでくれなんだぜ!」 「ゆぐぐぐぐぐぐぐ……」 とうとうれいむも折れてしまいました。 時間はちょうど夕方、男の帰ってくる時間帯です。 「じゃあまりさはいくんだぜ!」 「まりさ…げんきでね!」 「むきゅ~!」 「わかるよー。さいごのおわかれだねー!」 「かいしゃくはまかせるちーんぽ!」 まりさは4匹に別れを告げ、ぴょんぴょんと男の家に向かいました。 もちろん後ろには4匹が続きます。 まりさは男の家に着くとまず、中に入ろうとしました。 しかし、男は戸締りをちゃんとしているので入れそうな場所はありません。 ガラスを割るにはガムテープがありませんでした。 「ゆううう……こまったんだぜ!」 ぐるぐる、ぐるぐると家の周りを回ります。 そして、一箇所だけゆっくりぐらいの穴が開いているのを見つけました。 「ここからはいれるよ!」 まりさは入れる場所を見つけることができたことを飛び跳ねて喜びます。 そして穴の前にやってきました。 穴はそのままでは入れず、飛び跳ねないと無理そうな位置です。 「ゆっくりとびはねるよ!……ゆっ!?」 まりさが飛び跳ねようとしたとき、穴とまりさの頭で何かが光りました。 まりさは飛ぶのを止め穴をゆっくりと観察します。 するとまりさの後ろからがさがさと音がしました。 「ま、まりさああああああああ!」 「あ、ありすだあああああああああああ!」 まりさの後ろから現れたのはお兄さんに飼われている番ゆっくりありすです。 といっても虐待によってありすを逃げないように庭につなぎとめているだけですが。 それでもお兄さんの家にやってくる何も知らないゆっくりをいろんな意味で食べて、ありすは元気でした。 まりさは転げまわるようにして逃げますが壁を背にして逃げ場を失ってしまいます。 「まりさあああああああああ!もうにげないわよおおおおおお!」 「ありす、あいしてるんだぜ!」 「ゆっ!?い、いきなりなにいいだすのよ……」 「ありすはとってもかわいいんだぜ!」 「あ、あたりまいじゃない!……まったく、いきなりなにいいだしたのかとおもえば……」 「ここじゃはずかしいんだぜ……あのあなのなかでいっしょにすっきりしようだぜ!」 「しょうがないわね……はやくきなさいよ!」 まりさから求められることに慣れてないありすは最初の勢いもどこへやら、ただおろおろとしています。 まりさはそんなありすに家の中でゆっくりしようと誘導しました。 ありすは素直にしたがって穴に向かってジャンプしました。 ……けいかくどおり! ありすの後ろでまりさは口を吊り上げます。 そして、 「はやくまりさとすっきりしたいわ!……ゆげぶっ!」 「こ、これはわいやー!!」 まりさの言うとおり、穴にはワイヤーが張り巡らされていました。 まりさはワイヤーの怖さを知っていました。 お兄さんが群れの食料庫の前に仕掛けたことがあったのです。 お兄さんの絶妙な位置取りによってジャンプしないと食料庫に入れなくなっていました。 食べ物を口に運んで移動するゆっくりには食べ物を口に入れたまま高く飛ぶのは難しく、食べ物を外に出してから自分が跳べばいいことに気づくまで何匹ものゆっくりが傷つきました。 今でもワイヤーは残っており、巣に入る外敵を防ぐ役に立っています。 「さすがおにいさんだったひとだよ……ありすがいなければしんでたんだぜ!」 まりさは何事もなかったかのように入れる場所を探します。 ありすが死んでからも必死に探しましたが入れる場所は見つかりませんでした。 まりさは玄関に戻って扉の前でゆっくり考えます。 「ゆうううう、どうしたもんだぜ……」 ゆっくり一匹の力ではこれが限界でした。 まりさは帽子が落ちそうなほど落ち込みます。 そのとき、先ほどと同じように後ろでがさごそと音がしました。 またありすかと思ったまりさは急いで振り向きます。 そこには、先ほど分かれた懐かしい顔がありました。 「およびとあらば!」 「そくさんじょう!むきゅ。」 「わかるよー。せいぎのみかただよー!」 「かいしゃくしにきたちーんぽ!」 「み、みんなああああああああ!」 「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」 まりさはなきながら4匹に向かって飛び跳ねます。 5匹は頬を摺り寄せてスキンシップをしました。 「ど、どおしてきたんだぜ!ここはあぶないんだぜ!」 「まだ、かえってくるまでじかんがあるわ!」 「わかるよー。まりさのかくごをむだにしたくないんだよー!」 「しにばしょをえらぶけんりはあるかもちーんぽ!」 「はいれるばしょはもうみつけたよ!」 れいむは扉の横にある新聞受けをさしました。 そこには男が放置している新聞が雑に刺さっていました。 「あそこからはいれるよ!」 「でも、たかいよ!」 「みんなできょうりょくするよ!」 れいむの掛け声の下、新聞受けの下にゆっくりが集まります。 「むきゅ!ちがたぎるわ!」 「ちーんぽ!はさまれるのもきもちいいーんぽ!」 「わかるよー。おれをふみだいにしたなー!」 「まりさ、いくよ!」 「ほっぷ、すてっぷ、じゃーんぷなんだぜ!」 下に重なった3匹目掛けてまりさを乗せたれいむが跳ねていきます。 勢いをつけ、ちぇんを踏みつけたれいむは新聞受けの高さまで飛び上がります。 「はいぱーぼっ!」 「ゆげぇ!」 れいむによる叩きつけによってまりさは新聞と一緒に叩き込まれました。 叩き込まれたまりさは新聞が衝撃受けとなって軽傷で住みました。 「ゆぐぐぐぐ……さすがげーじわざだぜ!」 あたまをふらふらとゆらしてまりさが起き上がります。 中に入ればこっちの物です。 外からは届かない位置も、中からだと飛び乗れる高さのものがいっぱいありました。 まりさはドアノブを咥えます。 「ゆぐぐぐぐぐぐ……」 まりさは舌で器用に鍵を開け、体を揺らしてドアを開けます。 4匹はできた隙間からするりと入り、まりさが扉を閉めるのを手伝いました。 「ゆっくりしていってね!」 「むきゅ、ここはたにんのおうちよ!」 「わかるよー。ふほうしんにゅうだよー!」 「じゃあ、じゅんびするんだぜ!」 「ちーんぽ!」 まりさたちは家をまず汚すことにしました。 臨場感を出した方が男をすっきりさせれると感じたのです。 しかし、 「ゆゆっ、ここはすでにきたないんだぜ!」 「ほんとだね!どうしようか!」 「むきゅ~、こまったわね。」 「しょうがないんだぜ!」 「わからないよー。どうするのー?」 「このにおいくせになるちーんぽ!」 「そうじだぜ!」 5匹による掃除が始まりました。 と言っても散らかった服を一箇所にまとめ、空のカップ麺をゴミ箱に捨てるぐらいですが。 5匹は雑談をしながら入れる部屋を綺麗にしていきました。 「うわ、ありすだ!」 「ばらばらだわ!」 「わかるよー、じゃっくのせいだよー!」 「きれいなきれあじだちーんぽ!」 「やっとおわったんだぜ!」 5匹によって玄関近くの部屋は綺麗になったように見えました。 「じゃあよごしていこうね!」 「どうしようか?」 「むきゅ!いいかんがえがあるわ!あそこにあるかみをつかうのよ!」 「わからないよー?」 「こうやるのだわ!」 ぱちゅりーは玄関近くに落ちている新聞を口に咥え、一枚だけ抜き出します。 それをぐちゃぐちゃにして投げ捨てました。 「おもしろそうだちーんぽ!」 「まりさも!まりさも!」 4匹もぱちゅりーにならってくしゃくしゃと新聞を丸めていきました。 程なくして玄関前の廊下は丸まった新聞でいっぱいになりまりさ。 「これでだいじょうぶだね!」 「あとはまりさがやるんだぜ!みんなはにげるんだぜ!」 まりさは入ってきたときと同じように扉を開けます。 「まりさ、さいごまでゆっくりしていってね!」 「わすれないわ。まりさ……」 「わかるよー。きっとまたあえるよー!」 「なむあみだぶつ……ぎゃああああああ!」 4匹に押されて扉が押されます。 まりさは扉が閉まるのを確認して鍵を閉めました。 そして玄関の中央に陣取ります。 「あとはおにいさんがもどってくるだけだよ……」 まりさは静かに、頭の中でお兄さんが帰ってきたときのことを思い描いていました。 深夜、どこからか車の音が聞こえます。 それは男が帰ってくる音でした。 車を降りた男はぐったりとした足取りで家の玄関を開けます。 「・・・・・・」 男は玄関の惨状を見て、何も言うことができませんでした。 思わず扉を閉めるのも忘れてしまいます。 玄関にはくしゃくしゃに丸まった新聞が一面に広がっています。 その中に黒い帽子を被ったゆっくりが一匹。ゆっくりまりさです。 「ゆぅ~ん。ゆぅ~ん。」 寝てました。とても健やかな笑顔です。 男は無表情でまりさをつま先で突きました。 「ゆぐほっ!?ゆ、ゆっくりしていってね!」 「なにしてる……」 まりさは、きょろきょろと辺りを見回します。 そして男を見て何かを思い出したのか、男に向き直りました。 「こ、ここはまりささまのおうちだぜ!ゆっくりでていってね!」 「・・・・・・」 男はまたも無言になりました。 まりさはそんな男を見ておろおろします。 まりさはこういう口調が人をムカつかせることを理解していました。 そして、その後の虐待で男がすっきりできることもです。 なので、虐待しようとせずに立ったままの男は完全に想定外でした。 「ゆ、ここはまりさのおうちだぜ!ゆっくりできないおにいさんはでていくんだぜ!」 「……フハハハハハハハハッハハッハッハハ!」 「ゆゆっ!?」 聞こえなかったのかと思い、もう一度言ったまりさを見て、男は声を上げて笑い出しました。 こんどもまりさには想定外です。 どうしたものかとおろおろしていると、まりさは何かにつかまれる感触を感じました。 「ゆゅ?」 「ハーッハッハッハ!」 それは男の手でした。 男はまりさを持ち上げます。 「おい饅頭、最後に言い残すことはないか?」 「ゆっくりしていってね!」 「ならばしねぃ!」 男はまりさを投げ上げます。 「ゆっ?ゆゆゆ!?」 「うおおおおおおおおお!」 男は浮かび上がったまりさに向かって飛び蹴りを放ちます。 「ゆぐげゅ!?」 「まだまだあああああああ!」 落ちてきたまりさを男は壁に叩きつけました。 「何本目に死ぬかなぁあああああああ!」 「ゆぐ・・・ゆげ・・・」 男が指を突き刺す音と、まりさのうめき声が重なります。 数十本の指の突き刺しによってまりさは穴だらけになってしまいました。 「ひゃっはー!」 扉の前で男の高笑いが続きます。 まりさを屠った余韻に浸っている男は家の外にいた4匹が逃げていくのを逃してしまいました。 森の中にある崖に男の家から逃げ切った4匹が集まりました。 「ここまでくればだいじょうぶだね!」 「むきゅ、あとをつけられてないかしら。」 「わかるよー、おにいさんはうごいてなかったよー!」 「うしろはだいじょうぶかもちーんぽ!」 4匹は息を整えながら周囲を確認します。 頭上に影がかかった気もしましたが、それは空を飛んでいた鳥でした。 人間じゃなかったことに安堵した4匹は死んでしまったまりさのことを思い出します。 「まりさ……おにいさんはとってもゆっくりできそうだったよ……」 「むきゅきゅ、まりさのおかげね……」 「わかるよー、まりさはぎせいになったのだー!」 「かいしゃくわすれてたちーんぽ!」 空には大きな丸い月が出ていました。周りには星も出ています。 その光が4匹を照らします。 4匹が見上げると流れ星が一つ、流れて消えていきました。 「あれはきっとまりさだねー。」 「むきゅ……」 「わかるよー。」 「まりさ……」 「ちーんぽっぽ!」 4匹は亡きまりさを偲び、いつまでもいつまでも空を見上げていました。 犠牲になるゆっくりを書こうとしたが、書いててよくわからなくなった。 今まで書いた作品 ゆっくり水攻め ゆっくりの川流れ 天井のゆっくり ゆっくりまりさの水上生活 ゆっくり訓練 ぶるぶる とりもち 子ゆっくり きめぇまる ゆっくりがんばるよ さらちくび 冬のゆっくり 親れいむのがんばり 子れいむのがんばり しろくろ ちぇんいじめ ほんのちから 「話は聞かせてもらった。」 「「「「げぇ!おにーさん!」」」」 突如男の声が聞こえました。4匹は驚きます。 気づかなかったこともありますが、後ろを振り向いたら茂みから男の顔だけが出ていたのです。 驚かずに入られません。 「にぎゃああああああああああ!」 「ちぇえええええええええええんぽ!」 驚き後ろに飛びのいたちぇんが崖から足を踏み外し、落下しそうになりました。 それをみょんが尻尾を加えることで防ぎます。 ちぇんは助かりましたが、それは男から逃げれないことを指しました。 れいむとぱちゅりーが男からちぇんとみょんを守るように身を乗り出します。 「みょーん!はやくたすけてねえええええええええ!」 「もうすこしちーんぽ!」 「はやくしてね!はやくしてね!」 「もうおそいわああああああああああ!」 ぱちゅりーは今にも中身を吐きそうです。 男は茂みから出した顔を引っ込め立ち上がりました。 茂みから出た男を月の光が照らします。男は紛れもなくさきほどの男でした。 腋にはまりさを持っています。 「ま、まりさ!?」 「むー。むー。」 男はまりさを転がしました。 「「ゆゆっ!!」」 れいむとぱちゅりーは驚いてまりさを受け止めます。 まりさの口にはガムテープが張られていました。 「いたいけどがまんしてね!」 「そぉい!」 「ひぎぃ!」 そうこうしているうちにみょんもちぇんを引き上げることに成功しました。 もう会えないと思っていたまりさとの再開に5匹は喜び合います。 「まりさ、どおしていきてるの!?」 「おにーさんにいじめられてたのに!」 「ゆゆ!あれはまりさじゃなかったんだよ!」 「じゃああれは……」 「人形だ。」 「にんぎょう?} 「そうだ。虐待し続けた俺にはゆっくりそっくりな人形を作ることなど些細なこと。」 「ぐぬぬ、れいむたちをだましたな!」 「だます?だましたのはおまえたちだろうが。」 「ゆぐっ!」 男の怒気に5匹は竦み上がりました。 男は5匹にゆっくりと近づいていきます。 その歩みをまりさが防ごうとします。 「おにいさん、ごめんなざい!まりざがわるがっだでず!」 「どうしてこんなことをしたんだ!」 「おにいさんにゆっぐりじでぼじがっだんでずうううううううううう!」 まりさは最後の勇気を振り絞って男の前で頭を下げました。 顔は涙と涎でぐしょぐしょです。 そんなまりさを男はずっとにらんでいました。 4匹もそんなまりさの後ろから事の成り行きを見守っています。 そのまま、暫く時間が経ちました。 「……」 「ごめんなざいごめんなざいごめんなざいいいいいいいいいい!」 「れいむもわるがっだでずうううううううううううううう!」 「むぎゅううううううううううううううう!」 「わかるよー。ちぇんがわるいんでしょー!」 「ちんぽっぽおおおおおおおおおお!」 今では無言で立ち尽くす男を見てれいむやぱちゅりーたちも地面に顔をつけて謝っていました。 しかしそれでも男は動きません。 「ゆぅ……」 不思議に思ったまりさは男を覗き込みます。 その時です。男はいきなり膝を付きました。 「ゆゆっ、おにいさああああああん!」 「ぐふぅ、おれとしたことが、仕事の疲れで寝てしまっていたようだ……」 「おにいさんしっかりしてね!ゆっくりしていってね!」 「ええい、さわるなぁ!」 男は心配して近づいてきたゆっくりたちを払い飛ばします。 そして気丈にも立ち上がりゆっくりに向かってこう叫びました。 「俺はゆっくりに心配されるぐらいなら死をえらぶ!」 「お、おにいさあああああああああん!」 「むきゅう!と、とめるのよ!」 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 「わからないよおおおおおおおお!やめてねええええええええ!」 「すとっぷちーんぽ!」 男は崖に向かって進んでいきます。 5匹は慌てて男を止めようと足にしがみつきました。 それによって男の速度は遅くなりましたがそれでも男は止まりませんでした。 「「「「「ゆっぐりいいいいいいいいいいいいい!」」」」」 ゆっくり達の抵抗もむなしく、男は崖端まで到着しました。 「やめてね!やめてね!」 「ゆっぐりできなぐなるよ!」 「むきゅ、かんがえなおしたほうがいいわ!」 「わかるよー、はやまってるよー!」 「せっぷくがいいちーんぽ!」 男は足にしがみつくゆっくりを見回します。 そして崖と反対方向に投げていきました。 「ゆ゙っ!」 「ぐっ!」 「に゙ゃ!」 「むぎゅん!」 「ぢんぼ!」 5匹は地面に叩きつけられます。 痛みをこらえて立ち上がったゆっくりが見たのは、月の光によって照らされた男でした。 「さらばだああああああああ!」 「「「「「お゙に゙い゙ざあああああああああああん!」」」」」 5匹のゆっくりに見守られ、男は崖を落ちていきました…… それからの男の詳細は分かりません。 死体はゆっくり総出で捜されましたが、見つかることはありませんでした。 群れは今もあり、ゆっくりはそこでゆっくりと生きています。 しかし、群れの親達は恐れていました。 いつか虐待お兄さんが戻ってくるのかと。 この群れはこれからも虐待お兄さんを恐れながら生きていくことになるのでした。 このSSに感想を付ける
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登録日:2009/09/04(金) 20 00 39 更新日:2024/04/15 Mon 17 54 52NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 AA Soft_Talk Take_it_easy!!! UMA くさってやがる!ゆっくりしすぎたんだ!!! ごらんの有様だよ!!! ゆっくり ゆっくりした結果がこれだよ!!! ゆっくりしていってね!!! よくわからないなにか インターネット老人会 デフォルメ ドM 一頭身 台詞 感嘆符は3つ 東方 東方project 生首 肉まん? 饅頭? ここではゆっくりについて、ごく一般的、基本的な事をかいていきますのでゆっくりみていってね!!! 謎の生首がゆっくりしていってね!!!と叫んでいるAAが元ネタ。「!」の数は基本的に3つ。まちがえないでね!!! デフォルメされてはいるが妙に憎たらしい。可愛く見えてきたら末期症状とも言われる。ゆっくり可愛がってね!!! 霊夢→れいむ、魔理沙→まりさのように元キャラの名前はひらがなで表記され区別する人もいるらしいが、基本的には後述のゆっくり霊夢の様に「ゆっくり○○(元キャラ名)」と表記するのが一般的。 どこかで見た顔のような気もするが、誰もが思い出せない。無理に思い出さなくてもイインダヨ!!! グリーンダヨ!!! 真実を知ったものはスキマババァにスキマ送りにされると言われている。別にそんな事ないからゆっくりしていってね!!! 【発祥】 PeerCast配信と同人作家でもある「アレミ」氏のファンが作成とも噂されている。 アレミ氏スレに書き込み、それを東方ファンが気に入って他の掲示板などにコピペ、信者・アンチ巻き込んでの流行となった、という説があるが、 アレミ氏本人は否定している。 しかし、アレミ氏発祥と言う説が正しいとは言い切れない。 実はゆっくりには複数の発祥の説があり、定かではない。 2ちゃんねるの某スレでは「ゆっくり発祥を解明するスレ」等も存在しているため、情報提供などを募集しているとのこと。 AAに関しては東方を始めジョジョやら何やら複数存在しているが、有名なのが「ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙」である。 `《 ̄>―――< ̄》 ヒ/=- -=\ソ丶 / /ノメイ人レ∠ル丶丶| レY|(ヒO ヒO)|| || 目 ゙゙丶フ ゙゙目)|| |人 || リ |ノル>ー―-<リルノ_人人人人人人人人_ >ゆっくりシテイッテネ!!<  ̄YYYYYYYY ̄ / ̄ ̄ ̄\  ̄| 厂\ \/ ̄フ |〈_二 = 二_〉 < ̄へヘニアニZニヘへ_>`/Y ̄/ ハ ハ丶丶丶 || /|/ V Lハ ||| レイ(ヒO ヒO)レリ|ノノバ゙ 丶ブ゙人( (( ( >ー―-<)) ) ゆっくりを知らないと? 残念なことに携帯AAの出来は悪いが、PC用AAのクオリティは高い。 _,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_-''" `''> ゆっくりしていってね!!! <ヽ  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ ウザイ外見とウザイボイス(後述)が原因なのだろうか、同人などではバトル物の雑魚敵と扱いは様々の様子。 しかし、ペットとして愛されたりもする。可愛いかどうかは個人的な感性ですから何ともいえないが…… 一説では饅頭や肉まんとも言われており、食べられるらしいが、正直食いたくない。 その昔、某掲示板では荒れかけた時に「帰れ」の意味を込めてこの饅頭を差し出す文化があったとか…… ゆっくりWikiでは 霊夢:饅頭 魔理沙:黒大福 パチュリー:シュークリーム レミリア:肉まん フラン:あんまん 橙:猫まんま アリス:人形焼き リリー:桜餅 神奈子:あんドーナツ はたて:帆立貝 となっているが、別に公式設定ではない。 人によって変わったり自由だったりする。 派生では、射命丸文の首だけのきめぇ丸や、のうかりんと呼ばれる風見幽香にアコギと麦わら帽子を装備させ、まるで農家のおばさ(うわなにをするやめr)などがある。 その辺はガ板のスレおよびゆっくりしていってねまとめWikiを参照の事。 少々プラックな区分だがゆっくりの虐待ネタも存在し、何気なく使われる設定が実は虐待ネタ発祥だったこともある。 詳細は省くがゆっくりぷれいすとかあまあまよこせとか言っていたらまず虐待ネタ確定。 ↑にあげたジョジョに限らず様々なジャンルのゆっくりが作られているが、基本的には東方がメインである。 M.U.G.E.Nでは、吹き出しの形の弾幕を使った戦闘スタイルを用い、上から来るぞ気をつけろなどと言いながら下から来たり、 瞬獄殺の様な大技をかましたりする凶悪性能を持っている。 ぶっちゃけジョインジョイントキィですら歯が立たない…… 尚、今日のyoutubeの解説動画などなどで幅広く認識されるゆっくりのあの独特の声は、softalk(ソフトーク)というテキスト読み上げフリーソフト。 何を隠そうSofTalkによるボイスをゆっくりに使ったのは上述の夫氏作MUGENキャラが発端。 本来は歌う目的で作られてはいないが、音程や再生速度をいじって歌わせることも可能。 所謂某動画共有サイトに於ける棒歌ロイドのこと。 よく実況動画のアフレコに使われたりしているが、ウザい動画から腹筋崩壊できるクオリティまで様々。 作者にもよるが基本的にウザく描かれる。 ゆっくりはかわいいよ!!! ゆっくり追記・修正していってね!!! 【動画サイトでのゆっくりについて】 「無料のソフト、フリーの画像のみで動画が作れる」という強みから、 動画投稿者が持っている知識を写真付きで述べる「ゆっくり解説」 ただただ饅頭たちが取り留めもない会話と続ける「ゆっくり茶番」 ゲームのプレイ画面を背景に、ゆっくりが解説するbiim兄貴リスペクト「ゆっくり実況」 というコンテンツが、今なお日本の動画サイトでは大きな人気を誇っている。 恐らく今となっては、ニコニコより古い文化である事どころか、東方project原作であることすら知らない人も多いと思われる。 …あるのだが、2010年代後半から動画投稿により広告収入、お金を稼げる制度が普及したことにより、もとより無料でかつ簡単に動画を作れるということでゆっくりを利用した動画投稿者が急増。 中には、「引用ルールも守らずにネットニュースを取り扱う」(*1)「他人の創作物を無断で実況・解説を行う」など心無い所業に手を出す投稿者も現れるようになった。 それだけならまだしも、「こんなことで楽して稼げる」とゆっくりムービーメーカー側に対して無許可で動画投稿の情報商材を作る人間も現れるようになった。一時期コラ画像が量産された「ガキが...舐めてると潰すぞ」の元ネタは、「こんなサムネイルのゆっくり解説動画が急増し、おすすめ動画がタモリの画像で埋め尽くされた」というブラックジョークが所以である。 youtube側もそれを把握し、そういった類のゆっくり動画を「繰り返しの多いコンテンツ」として取り扱うようになり、AIによる判断から広告掲載を剥奪するという仕組みを設けたのである。 今現在youtubeに投稿されているゆっくり動画で背景が動いていたり、ゆっくり達が必要以上に動作したり背景が目まぐるしく変わったりするのは、AIによる広告剥奪を避けるためである。(*2) 近年はボイスこそゆっくりを使用しているが、立ち絵は饅頭ではなく大元の東方キャラの二次イラストを採用した動画投稿者が(特に実況界隈に)増えてきている。 この傾向は立ち絵を常用するVOICEROID系実況の影響を受けたからなのか、上述の動画の影響で饅頭のイメージが低下したからなのかは不明だが、ある意味では原点回帰と言えるかもしれない。 ちなみにイラスト立ち絵に変わることを「受肉」とか「体を得る」と表現するあたり、饅頭の姿は人間扱いされないのが標準認識だった模様。 【饅頭の権利元について】 イラストレーターのまそ、Dプ竹崎、そして東方project原作者であるZUNの確認を経て、 東方の「ゆっくりしていってね!」は二次創作発表の条件を満たせば、誰でも使えるコンテンツという太鼓判を貰っている。 つまりゆっくりの利用については、利用者の良心にゆだねられていると言っても過言ではない状況である。 コンテンツの衰退を招くようなつまらない商売に手を出すのはやめておこう。 【セッションの有効期限切れです】 ゆっくりした結果がこれだよ!!! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ゆっくりしていってね!! -- 名無しさん (2013-07-28 16 17 06) ゆっくりシてイってね!!! -- 名無しさん (2013-07-28 20 43 51) 関係ないが冷静に見比べてみると本家東方のキャラの方がゆっくりより遥かにウザくて憎たらしい性格してることがほとんどだったりして -- 名無しさん (2013-07-28 21 37 14) 芋とかな。初めて芋やったときには口が悪すぎて、こいつ人気でるのか、とすら思った -- 名無しさん (2013-07-28 22 45 03) この項目で初めて饅頭だと知った!? -- 名無しさん (2013-12-06 17 38 19) ↑目や髪や髪飾りもちゃんと食べられるよ。 -- 名無しさん (2013-12-06 18 03 32) で、味は?味 -- 名無しさん (2013-12-06 19 09 30) パクッもぐもぐもぐ・・・・。なるほど! -- 名無しさん (2013-12-06 22 33 35) 丸呑みがオススメ -- 名無しさん (2013-12-06 23 00 31) 何で霊夢は普通顔なのに魔理沙は何かたくらんでいるような顔なんだろうか? -- 名無しさん (2013-12-15 10 10 23) 新作が出るたびに随時ゆっくりも新種が追加されるけど、やはり紅魔郷~妖々夢あたりの古参のキャラクター由来のゆっくりに比べると定着しない『希少種』に落ち着いてしまうんだよね。 -- 名無しさん (2014-02-14 17 50 28) さ技師のゆっくり霊夢を不覚にも可愛いと思った。 -- 名無しさん (2014-02-19 22 46 46) ホラー映画の『ホステル』の紹介ネタのひとつに「ゆっくりしていった結果がこれだよ!!!」があって爆笑した思い出が -- 名無しさん (2014-02-19 23 16 49) 地べたを這いずり廻ってるから飲食店のテーブルやカウンターの上には乗せないこと。 -- 名無しさん (2014-08-18 14 23 08) 魔理沙はゆっくりになっても可愛かった 別に魔理沙に限った話ではないが -- 名無しさん (2014-11-23 00 49 26) 霊夢と魔理沙だけでも原種、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、幼生型、ダーク型と色々ある。 -- 名無しさん (2014-11-23 00 58 30) ああ…俺は末期だったのか…ゆっくりかわいいよゆっくり -- 名無しさん (2015-03-01 21 58 58) お散歩のあとは、底面が -- 名無しさん (2015-03-01 22 16 30) 底面がきれいになるよう、足拭きマットの上を這うようにしつけるのも忘れてはならない。 -- 名無しさん (2015-03-01 22 17 52) 二次創作項目禁止のはずが何故か消されない項目。忘れられているのか、大人の事情なのか。 -- 名無しさん (2016-03-06 13 36 56) ニコ動でのゆっくり実況プレイでは、投稿者の代弁者だったり、劇中キャラとして掛け合いやったり、投稿者に騙されて無茶振りプレイやらされたり逆にさせたり…とにかく投稿者の良き相棒という立ち位置にいるかも(ゆっくりが、というよりはsoftalkが、と言うのは禁句だろうかw) -- 名無しさん (2016-03-06 13 52 54) 弓良家のゆっくりがプレさんもといスカーレット家のゆっくり並にカオスになる日は来るのだろうか -- 名無しさん (2016-11-23 15 41 11) どぼじでぞんなごというのおおおおお! -- 名無しさん (2017-03-28 14 24 46) ゆっくりチルノは雪見だいふくなんだろうか。 -- 名無しさん (2017-12-29 16 29 26) 違反コメントを削除しました -- 名無しさん (2018-05-06 22 02 47) 魔理沙の方の目つきと微妙に突き出てるような口の形がなんとも言えない味を出してる・・・と個人的思う -- 名無しさん (2018-06-06 18 21 08) これで作られると本当に見やすくて助かる。無論、作ってる人のセンスもあるけどさ。 -- 名無しさん (2018-06-06 21 13 17) ぬいぐるみが1500円程度で売ってたのも懐かしい思い出 ふわふわしてて枕にすると気が狂うほど気持ちええんじゃ 今となっては東方キャラのSD的立ち位置なのがポピュラーか -- 名無しさん (2018-09-16 02 44 52) 昔建てた糞スレで(当時は真剣だった) 2にこのスクリプトAAが貼られたままスレがdat落ちしてげんなりした思い出 -- 名無しさん (2018-09-16 18 14 33) ゆ虐SSは気軽に見るもんじゃないな………ハハ………ハア… -- 名無しさん (2019-09-26 13 24 21) 個人的には実況プレイ動画でうp主本人が喋ってる動画はどうにも受け付けられない(そちらが好きな方には申し訳ないが……)のでゆっくり実況動画にはとてもお世話になってます -- 名無しさん (2019-11-10 08 09 42) youtubeでも実況動画によく出て来るので最近はSTG界隈外にはゆっくりの方が幅広く認知されてるとかなんとか…… -- 名無しさん (2019-11-10 08 13 48) ↑東方とゆっくりの関係がガンダムとSDガンダムみたいになってるとか。 -- 名無しさん (2019-11-10 08 45 30) ここ最近、ゆ虐ネタは殆ど見なくなった気がする 今はゲーム実況が主流になってるような -- 名無しさん (2020-09-28 14 41 43) 東方とは別のキャラ扱いなの? -- 名無しさん (2020-12-14 11 42 11) 裸蛇「で 味は?」 -- 名無さん (2021-09-02 18 49 52) ゆんやー -- 名無しさん (2021-10-02 21 18 27) 「霊夢だよ」「魔理沙だぜ」「どうも、投稿者です」←!????????? -- 名無しさん (2021-10-12 15 05 32) ↑ -- 名無しさん (2021-11-10 13 32 24) 誤爆 ↑6 上にも書かれてるけどウザキャラ属性が抜けた(それ系の属性が廃れた)のと実況やRTAとかで人気を博したのもあるからな ゆ虐は傍から見ればリョナ系だしマイナー性癖は普及しないし -- 名無しさん (2021-11-10 13 41 52) ようつべで解説動画たくさんあったから見てみたらこんなに歴史があってびっくり。(公式でも何でも無い所含めて)ジャンルの流行り廃り激しいこの世界で十年現役選手はマジでレジェンドだな…。 -- 名無しさん (2021-11-11 19 14 16) 商標登録問題に関しては炎上騒動だし事件項目にも近いものがあるし、今は書かない方がいいのでは。 -- 名無しさん (2022-05-15 21 10 10) ↑分かりました、消します -- 名無しさん (2022-05-15 21 11 26) 4↑あれはリョナにくわえて生き物嫌いとかDQNに対する蔑みだとかもろもの要素をぶち込んでいて闇深すぎるが、傍からみるとネットでどういったものが嫌悪されている(がゆえに溜飲を下げるための)のかがわかるリトマス紙みたいにもおもえる -- 名無しさん (2022-05-15 21 19 55) 商標登録は取り消されるとのことだが某元社長みたいに逃走して放棄しませんとかは普通にありえるね -- 名無しさん (2022-05-22 16 26 56) この手解説内容は良し悪しはともかく何故か関係なさげなゲームのプレイ動画が背景で流れてることを多いと思ってたけど広告のためだったのか -- 名無しさん (2023-09-14 15 32 06) ゆっくり実況や解説のゆっくりとゆっくり虐待のゆっくりは同時期に別の場所で派生・分化してそれぞれ独自に発展していったんで名前と元ネタが同じだけの別物なんて言われることもある。 -- 名無しさん (2023-09-15 01 58 18) 名前 コメント
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緑に彩られた日光が木々の隙間に差し込み、人の足に汚されていない苔むした地面に恵みを与える。 鬱蒼とした森に風が吹き、隣り合う葉が擦れ合い、ざわざわと喧騒の音を立てる 暗い大気に柱の如く天上から貫く光が間隙を縫う。森が立てる声に釣られるように、 地から無数の影が姿を見せ、日光を浴びて木々と共に騒ぎ出した。 「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 ゆっくり姫 ここはもはや忘れ去られた地。幻想の彼方の、そのさらに奥に、余人を立ち入れずひっそりと暮らす小さな集落があった。 かつて人の世に起きた争いに敗れ、安寧を求めて旅立った人間の子孫が暮らしている。 村の男たちは狩猟により糧を得、女たちは男たちの居らぬ間に家と村を守る。 村を囲む森に住み着いたゆっくりと呼ばれる饅頭 -貿易のために諸国を旅する商人が立ち寄った際にその正体を聞かされた謎の生き物- は、町の近傍に棲むものと違い、無闇と村に近づかず、森で狩人に出会っても声一つ立てずに姿を藪の中に消す。 人とゆっくりの違いを知り、また人の力を知るがゆえに、森のゆっくりは野生に生きることを選んだのだ。 当然それまでに数年の月日と幾万の殺戮があったわけだが。 ゆっくりが現れてから村は少しだけ活気を増した。 獣を狩る術に長けた男達は容易くゆっくりを捕らえ,行商人に売りつけたり 乾燥させたゆっくりを得がたい甘味の補充に充て,または樹液に浸して固め女達の 身を飾る装飾品とするのだ(ゆっくりイヤリング・ゆっくり数珠etc)。 そんな村に起こる難事など、年に片手で数えうる小さな問題でしかなかった。 まして、ゆっくりが人に被害を成す話など、赤子の寝物語に等しいものだった。 そんな村に、この日、考えもしない大事件が起こった。 ゆっくり達の声が異常に騒いでいる。捕食種とされるれみりゃやふらんに襲われたときよりもずっと。それは群れへの警告ではなく,純然とした恐怖による叫びだ。餡子の詰まった中身でも本能は雄弁に,それがどれだけ恐ろしいものかを告げるのだろうか。 森の奥深くから,白靄を払い,押しのけ,それは強引に進んできた。 黒い何かうじゅるうじゅると身を這っている。地に落ち,草花を腐らせ黒い沁みを残してそれはゆっくりと村に近づいていた。 森に棲むゆっくりの殆どはそれに踏み潰されていた。それの速度はゆっくりのその名に等しい歩みなど比にもならず,逃げ惑い絶叫するゆっくりどもをぶちゅり,ぶちゅりと物言わぬ黒ずんだ餡子の屑へと変えた。 しかし,それだけでは済まなかった。潰され,黒い触手のようなものに触れたゆっくりは融けるように短い声を発し,『それ』の身体を覆う得体の知れぬ何かに混じっていく。 『それ』はゆっくりの餡子を身に纏っているのだ。 いつの間にか,絶叫は消えた。ただ這いずる『それ』だけが木々をなぎ倒し村へと走り去っていった。 その村の中を,トナカイのような獣に跨り森の方へと駆けゆく男の姿。 目鼻立ち良く、背もすらりと伸びた姿はなかなかの美丈夫であるが、 長老たち老人一同からは好ましくは思われていなかった。 彼こそは、都に生まれたならば必ずや後世に名を遺しただろう、 いわゆる虐待お兄さん,である。 都ならば珍しくもないが,自然に隔離された集落ではその存在は稀有である。 生まれながらにしてゆっくりの死骸を両手に握りつぶしたまま産声を上げたと云われる 虐待の権化とさえ呼ばれることもあった。 ゆっくりを獣とみなし、森と自然の一部として畏敬する村の習慣を破り、森に出ては人知れずゆっくり知れず、 ゆっくりを狩り殺している。大人たちは所詮ゆっくりのこと故,声を荒げるようなこともない。また,青年の弓の腕前は村随一であった。およそ三町(300m)の距離にあるゆっくりを一打ちで7匹,すべて眼球を撃ち抜いたほどのものである。 青年の名はアシタカ。いづれは村長(むらおさ)の嫡子として長の座に着かねばならぬ身だが、そんな自覚などどこ吹く風で 今日も物置のゆっくりを補充すべく、厩舎に繋ぐヤックルと呼ぶ赤獅子にまたがって森へと駆けていった。 その姿を乙女たちがやや頬を赤らめて見送る。 いつの世もどこにいっても,イケメンは得をする。 垣根を伝い,ヤックルを駆る内にアシタカの前方から籠を背負う乙女の一団に向き合った。 「あにさま!」 一人の乙女が声をかけた。アシタカの妹である。 「ちょうどよかった。ひぃ様が皆村にもどれと。」 アシタカは村を出る前に司祭を務める老婆からの伝言を伝えた。 「じぃじもそう言うの。」 「じぃじが?」 村の重鎮である老人がそういうのならば,何かしら異変が起きようとしているのではないか? ゆっくり狩りに懸想していたアシタカの楽しみは打ち切られたが,異変ならば仕方もあるまい。 「山がおかしいって。」 「鳥達が居ないの」 「獣達も」 「ゆっくりも!」 ゆっくりが居ない?例え姿を隠したとしてもあの騒々しい声が消えるとは…? 「そうか…じぃじの元へ行ってみよう。みなは村に帰りなさい。」 アシタカは乙女達を村に急がせ,自分はヤックルを森の方角へと急がせた。 村より離れ,森の入り口に立つ見張り台。その上にいるじぃじの元へアシタカは向かった。 じぃじは異様な気配を森から感じ,近づいている悪寒に注目していた。 アシタカが見張り台を駆け上がるとき,既に『それ』の気配は入り口にまで達していた。「じぃじ,あれはなんだろう?」 「わからん。人ではない。」 「村ではひぃ様が皆を呼び戻している…」 「きおった!!」 じぃじが鋭く叫んだ。同時にアシタカは背の弓を構え弓をつがえる。 森の入り口が暗く曇った。その光景はなんともおぞましいものであった。 樹が瞬く間に枯れ落ち,黒い触手がうねうねと這い回りながら飛び出てきた。 巨大な,まん丸なものが光る一対の瞳を村へと向け,森から這い出てきた。 それが通り過ぎた後は抉る様に草が枯れ果ててていた。 「タタリガミだ!!!!」 じぃじが絶叫した。 タタリガミと呼ばれたそれが森の影から這い出んとしたとき,黒い触手が日の光を嫌うようにそれの身体から剥がれた。 その姿にアシタカは息を呑む。 見たことのある.いや彼には日常に馴染みあるその形。帽子を無くしているも,泥と餡子に塗れようと,金色の髪を逆立て,憤怒の相で突き進む姿は,ゆっくりのものであった。都の辺りに住まうという,ゆっくりまりさの巨大種,ドスまりさの姿である。 一度は剥がれた黒い触手は,再びドスまりさの身体を包み込み,黒い塊となって村への直進を止めようとはしない。その方向には見張り台があり,下にはヤックルがいた。 ヤックルはあまりの恐怖に身が竦んでしまい,アシタカの声も聞こえない。 アシタカはつがえた矢をドスまりさではなくヤックルの足元へ放った。 風を切る感触に正気を取り戻したヤックルがすんでのところで触手から逃れた。 ドスまりさは全力で見張り台に体当たりし,崩れ落ちる台の上であやうくアシタカはじぃじを抱きかかえて飛び移った。 怯むことなくさらなる直進を続けるドスまりさは真紅に鈍く光る眼をただ村にのみ向けている。 このままでは村が危ない。アシタカはじぃじを置いて自分も駆け出した。 「アシタカー!タタリガミには手を出すな!呪いをもらうぞ!」 じぃじの呼びかけを無視し,ヤックルに飛び乗ってドスまりさを追う。 ドスまりさの進行を遮るように前に出たアシタカはドスまりさを鎮めようとした。 「鎮まりたまえ!鎮まりたまえ!名のあるゆっくりの主と見受けたが,何故そのように荒ぶるのか!」 まさか自分が虐待したゆっくりの仇討ちにでも来たのか?とアシタカは邪推したが,ドスはお構いなしに走り続ける。鬼気迫る,を通り越して凄まじい悪意を込めてドスは村を目指している。 そこに,先程アシタカが出会った乙女達が居た。ドスまりさは乙女達に気づき,進行を変えた。 これはいけない,と乙女達は逃げ出し,アシタカはさらに呼びかけを続けるもまったく通用しない。そのうち,乙女の一人が足がもつれて転んでしまった。覚悟を決め,短刀を抜き払うが,そこに,併走してヤックルの上から,アシタカは弓を引き絞った。 瞬間。放たれた矢は正確に眼と思しき部位に命中した。 跳ね回る触手。暫しドスまりさの動きが止まった。その隙に乙女達は体制を整えた。 触手は天を仰ぐように暴れ回り,いくつかの奔流と化してアシタカの方に伸びてきた。 一部が,アシタカの右腕に絡みつき,力いっぱいアシタカはそれをちぎり取った。 第二の弓をつがえ,触手が剥がれて剥き出したドスまりさの脳天に,矢が突き立たる。 もはやドスまりさに力は潰えた。奔流はべたりと落ち,大地に穢れた澱みを残した。 ドスまりさの身体がぐらりと傾ぎ,横転する。 アシタカは,掴まれた右腕に燃やされるような激痛を覚えていた。濃硫酸を浴びせられたように煙を立てて蒸発する触手の一部に腕をどうにかされたのあろうか。 と,そこに村の一団が迫ってきた。火を焚き襲撃に備えていた彼らはドスまりさが倒れたことを確認するとアシタカに元に駆け寄った。 ヤックルから降りたアシタカは激痛にうめきながら,皆が近づくのを拒んだ。 「触れるな…!これはただの傷ではない!」 一人の村人におぶさり,祭司たるひぃ様がやってきた。 「みんな,それ以上近づくでないよ!」 ひぃ様は瓢箪から水を注ぎ,アシタカに腕にかけた。さらに激痛が走り,必死に耐えるアシタカ。 ひぃ様は倒れたままぴくりともしないドスまりさに近づいた。深く一礼し,語りかける。「いづこよりいまし荒ぶるゆっくりとは存ぜぬも,かしこみかしこみ申す…。 この地に塚を築き,貴方の御霊を御祭りします。恨みを忘れ,鎮まり給え…。」 しかし,ドスまりさは光を無くした虚ろな瞳を向けて呪詛を吐いた。 「うぎぎぎぎぎぃぃ…ぎぎ…汚らわしい人間どもめ…!!我が苦しみと憎しみを知るがいい…!」 ドスまりさの身体は,途端に腐敗を始め,皮だけになり餡子をぶちまけて死んだ。 餡子の臭気が辺りに拡がる。凄まじい悪臭である。 その晩のこと。 貴重な灯油に明かりを燈し,村の重鎮たる者が合議の間に残らず集結した。 居並ぶ姿には沈黙のみ。老人達の視線は,中央に座すアシタカとひぃ様に向けられている。 ひぃ様は,占いを執り行っている。余人には知れぬ不思議な文様の布に,幾つかの石と,木切れ,獣の骨,凄まじい形相で凝り固まった琥珀ゆっくりの欠片を無造作に投げ, その吉兆を何やら伺っていた。 ぱちぱちと空気に弾ける火の粉の音に,やがてひぃ様の口が重く開いた。 「さて,困ったことになった。これは厄介なことだよ。かのゆっくりは,遥か西の国からやってきた。村より遠く,西の都からだよ。 深手の毒に気が触れ,身体は腐り,ゆっくりにあるまじき走りに走り,呪いを集め, タタリガミになってしまったんだ。 それほどの強い憎悪に支えられ,1頭のドスまりさが棲んでいた森を離れてここまでやってきたんだ。」 「アシタカヒコや。皆に,右腕を見せてやりなさい。」 頷いて,沈黙を保ったままアシタカは包帯を巻いた右腕を,ゆっくりと布を解き,居並ぶ老人の視線に差し出した。老人達はわずかに身を乗り出し,くぐもった苦鳴をもらした。 握りしめられた拳からやや上,黒ずんだドスまりさに咬まれた付近から,赤茶色の痣が 拡がっていた。 ゆっくりと吐き出された餡子がこびり付き,拭こうとも洗おうとも取れないのだ。 「ひい様…!これは…!」 「アシタカヒコや。お前には自分の運命を見定める覚悟があるかい。」 「はい。あのゆっくりに矢を射るとき,覚悟を決めました。」 「その餡子はそなたの肉に食い込み,骨まで腐らせる。やがてそなたを殺すだろう。」 ひぃ様のすべてをぶち壊すような宣言に,たまらず一人が叫んだ。 「どうにかならぬのですか!?このような,村をまとめる若者が」 「アシタカは村を守り,乙女達を守ったのですぞ!」 「ただ死を待つしかないのは…」 老人達の嘆きは次々と叫びとなった。かつて村にゆっくりが現れた当初,畑や森を荒らされ苦しめられた記憶を思い出していた。やがて静まるまでにどれだけ被害が出たか。 今,村長を継ぐべき青年がゆっくりの呪いに取り殺されようとは。 悔しさが怒涛のように渦巻いてゆく。 「誰にも定めを変えることはできない。 ただ,待つか自ら赴くかは決められる。見なさい。」 ひぃ様が何かを取り出し,ごろりと転がした。 鉄のようなそれは,丸い塊で,占いに用いる琥珀のゆっくりに劣らぬ苦痛の表情を浮かべていた。確かにそれはゆっくりである。しかし,その表皮のみならず中身までもが異常な硬度と重量を備えている。 「あのゆっくりの身体に食い込んでいたものだよ。骨を砕き,はらわた(餡子)を引き裂き,むごい苦しみを与えたのだ。」 アシタカの顔面に少しだけ興味の色が浮かんだ。虐待お兄さんとしては当然の反応かも知れぬが,明らかに場にそぐわなかった。誰も突っ込まないが。 「さもなくばゆっくりがタタリガミなぞになろうか。 西の国で何か不吉なことが起こっているんだよ。その地に赴き,曇りのない眼で物事を見定めるなら,あるいはその呪いを絶つ道が見つかるかもしれん。」 老人の一人が口を開いた。 「ゆっくりの戦に破れ,この地に潜んでから500猶予年。今やゆっくりにかつての勢いはない。(虐待の)将軍どものやる気も折れたと聞く…。だが我が一族の血も衰えた。 このようなときに,虐待の長となるべき若者が西へ旅立つのは定めかもしれん。」 アシタカは,短刀を取り出すと己の髪に当て,すぱりと髷を落とした。 老人が瞼を押さえる。色々と情けなくて泣き出したのだ。 「掟に従い見送らん。健やかにあれ。」 アシタカは一礼し,旅の準備を整えるべく祭殿を離れた。 ヤックルと共に,静まり返った村を横ぎるアシタカの元に,一人の少女が駆け寄った. 「あにさま!」 「カヤ!見送りは禁じられている!」 「お仕置きは受けます!どうか,これを私の代わりにお供させてください!」 少女が差し出したのは,光る石より作られた小さな小さな小刀であった。ゆっくりの形相が描かれている。否,ゆっくりが埋め込まれているのだ。 「大切な玉の小刀じゃないか!」 「お守りするようゆっくりを埋め込みました!いつもいつも,カヤはあにさまを想っています!きっと…!きっと!」 「私もだ。いつもカヤを想おう。」 アシタカはヤックルを駆り,真っ直ぐ村を離れた。 壮大な森の景色に,やがて朝日が光を撒く。 道なき道を駆け,餌を取りに降りてきたゆっくりを叫ぶ間もなく踏み潰し,餡子溜まりの中を西へと急ぐ。 ゆっくり姫 第一 続く こんにちは あるいはこんばんは もしくはおはようございます ごめんなさい。 VXの人です。 もののけ姫のパロともなんともいえないものを書いてみました。 虐待?でしょうか?なんでしょうか。 僕は疲れています。 このSSに感想を付ける
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普通のありすが登場します。 害獣的な表現があります。 都心から遠くはなられた地方の村の山の向こうにある村に一匹のゆっくりアリスがいた。 そのアリスは一人の女性と暮らしている。 女性とは一緒に暮らしているのであって飼われている訳ではない。 ルームシェアと呼ばれる一つの家にお互いの部屋を分けて一緒に暮らしているのだ。 その女性との生活は特になに不自由なく平穏な生活だった。 料理の得意なその女性はありすが持ってきた食材を、どうやったのかありすには判らないほど美味しく料理してくれる。 ありすが食材を集め、お姉さんが調理し、一緒に食べる、そんな毎日を送っていた。 しかしありすには一つだけ不満があった。 ありは都会に行きたかった。ありすは都会で暮らしてみたかった。 都会派の自分にはこの田舎村は似合わないと思っていた。 しかし都会は遠い、一度歩いて行ってみようとした事があったが 朝から日が暮れるまで歩いても都会のとの字も見えなかった。 行き倒れそうになった所をお姉さんが迎えに来てくれてなんとか一命を取り留める事ができたが それ以降、自分の足で都会へ行こうなどという馬鹿な事をするのはやめよう。 第一、歩いていくなんて都会派らしくない、そんな事は田舎物がやることだ。 ありすは都会に行く方法を探すことにした。 手っ取りばやくお姉さんに連れて行って欲しいと頼んで見たが、 お姉さんは都会は危険、都会は危ない、都会は安全じゃない、都会にいっちゃダメ、絶対と言って聞く耳を持たなかった。 きっとお姉さんは田舎物だからそんな事を思うんだろう、 ありすはすこしお姉さんが可哀想になった。 しかし、ありすの都会への思いは積もる一方で、 帰省してきた人に話を聞いたりして気を紛らわしてはいても、 どうしても都会に行きたいという思いは積もっていった。。 そんなありすにある日転機が訪れた。 村で暮らしていた若者が引越しの準備をしていたのだ。 ありすが何処に行くのかと聞くと都会へ出稼ぎに行くと答えた。 「と!とかいはだわー!!!」 ありすは早速、その若者に自分も連れて行って欲しいと願い出た。 しかし、若者にはあっさりと断られてしまう。 若者は、ありすがある女性と一緒に暮らしているのをしっていたし、 都会でゆっくりを飼うつもりも余裕も無いのだ。 ありすは何度もお願いしたが結局その若者は受け入れてくれなかった。 ありすは考えた。別に連れて行ってもらわなくてもいい、様は都会まで行けるだけでいい。 そう思ってありすはコッソリと引越し用のトラックの荷台に乗り込んだ。 見つからないように奥のほうのダンボールの影に隠れトラックの出発を待った。 程なくしてトラックは出発、ゴトゴトと舗装されていない道を走る振動を感じながらありすは都会への思いに胸をはせた。 数時間後、トラックの荷台に乗っていたありすはいつの間にか眠っていて、 なにやらガタガタとうるさい物音がして目を覚ますした。 トラックは既に目的地に付いており荷台の荷物が運び出されていた。 ありすは荷物が運び出される隙を見て、誰にも見つからないようにトラックを降りた。 トラックを降りたありすの目に飛び込んだのは右と左に壁と壁、正面はしばらくまっすぐ行った所で壁、 空は見えていてもまるで家のなかにいる様な圧迫感を感じながらも、とりあえずその場を後にした。 周りをキョロキョロと見回しながら歩き回るありす。 見るもの全て珍しく、これが都会なのかと感心しきりだったが不思議と気分はあまりよくなかった。 しかし、それは天気がちょっと曇っているのと長旅で疲れているんだろうと思い、まず休めるところを探すことにした。 休めるところを探していると、電信柱の脇に雑草を見つけた。 そういえばお腹もすこし減っているし、今日はこれをご飯にしよう。 ありすはそう思ってその雑草を口へと運んだ。 「む~しゃ♪む~しゃ♪ま゛す゛い゛!!」 信じられない程のまずさにありす思わず雑草を吐き出してしまった。 なぜこんなにまずいのか、前に食べた時はあんなに美味しかったのに……。 良く判らないがとにかく食べれる物を探そう。 しかし、ありすはようやく気づく、都会に来てみて感じた違和感、 それは都会には緑が圧倒的に少ない、見渡す限り灰色のコンクリートジャングル。 それがなんだかゆっくり出来ない原因だった。 ありすは食べ物を探して彷徨った。 都会に付いてから更に数時間、道端で見かける雑草はどれもまずい、どこかに食べ物はないのか… あたりが暗くなっていく中で、ふらふらと彷徨ううちに人通りの多い大通りの前を通りかかった。 街頭に照らされたその通りは夜とは思えないほど明るかった。 なんとなく興味を引かれてその通りを進んでいくと、どこからともなくいい匂いが漂ってくる。 タイヤキ屋 その匂いはそこからもれてくるものだった。 店の前の台には作り置きのタイヤキが並んでいる。 ありすは、そのタイヤキ屋とその建物の影に隠れてコソコソしている一匹のまりさの姿を発見した。 まりさはなにやら辺りの様子を気にしており、その動きが止まったと思った瞬間、 目にも留まらぬ速さでタイヤキ屋の店の台に上りそこに置いてあった作り置きのタイヤキを一つ盗み取った。 あまりの速さにありすは自分の目を疑った。 動いたように見えて本当は動いてないんじゃないだろうかと、 しかし、まりさの口にはタイ焼きがしっかりと咥えられており見間違いではなかった。 初めての都会のゆっくりに、ありすはすこし緊張しながらも声を掛けた。 「ゆ……ゆっくりしていってね!」 「………………」 まりさは答えなかった。 ありすの声が小さすぎて聞こえなかったわけではない、 その証拠にゆっくり特有の声を不振に思った店主が様子を見に来ていた。 「この糞饅頭!!」 その声が聞こえるや否やまりさは、ありすの目の前から一瞬で消えうせた。 カサカサと風を切るように地を這い、塀をすべる様に登り、あっという間に見えなくなってしまった。 呆気に取られるありすと、鼻息を荒くしてまりさを探す店主、 まりさを諦めた店主の怒りはありすに向けられた。 「ゆ……ゆっくりしていって……ね?」 店主の顔は、ありすがそれまで見たことの無い様な顔だった。 歯を食いしばり、眉間にしわを寄せ、冷たい目をした店主にありすは声を詰まらせた。 「ちっ、どっかのペットか……、シッシッとっととうせろ」 そういって店主は店の奥へと戻っていった。 ありすは一人置いてけぼりを食らっていた。 残されたのはありすと食べ残しのタイヤキだけ、 お腹の空いていたありすは、ためらいながらもそのタイヤキに口を伸ばそうとしたその時、 ありすは背後から強烈な体当たりを受けた。 弾き飛ばされて引っくり返ったありすの目に移ったのは、先ほどのまりさの姿だった。 まりさは食べ残しのタイヤキを咥えると再び姿を消した。 ありすには何が何だかわからなかった。 とにかく疲れた、お腹は空いているけど今日はもう寝よう。 ありすはタイヤキ屋の隅で眠りについた。 ありすの都会での1日目はこうして終わった。 次の日からありすの本格的な都会での生活が始まる。 まず、都会で生きる術を学ぶ必要があった。 そしてゆっくり霊夢の家族と知り合い一緒にゴミ漁りを覚えた。 ありすはこの家族としばらく一緒に過ごしていたが、ある日れいむ一家はゴミと一緒に回収された。 何とか逃げ延びたありすは、次に物知りなゆっくりパチュリーと出会った。 元々は人間に飼われていたが、邪魔に鳴ったからとその人間んに捨てられぱちゅりーだ。 ありすはその知識が豊富なぱちゅりーから様々な事を聞き出した。 都会について、都会で暮らすゆっくりについて、以前出会ったまりさについて ぱちゅりーの話からありすは都会で暮らすゆっくりの真実をしった。 そして都会が全然ゆっくり出来ないところである事をしった。 ぱちゅりーはまりさについても知っていた。 『すーぱーゆっくり』 都会に適応し野生化したゆっくり 栄養価の高い残飯を糧に通常のゆっくりの何倍もの身体能力を手にしたゆっくり 単純に素早いだけでなく垂直の壁上る能力や、数センチの隙を体を変形させすり抜ける能力をもち、 わさびやからしといった毒薬にも高い耐性を持ったゆっくりのことである。 さらに野生化した事で人語を話すことも鳴き声を揚げる事も無くなり発見も難しい。 最近、都会ではこれらのゆっくりによる被害が後を絶たないという。 捕まえるにも知能が高く、ネズミ捕りの様な単純な罠には引っかからず、 粘着シートを引いても隙間を見つけて飛び越えてしまい専門の業者でも手を焼いている。 数日後、ぱちゅりーは死んだ。 飼われていたというプライドからだろうか。 ゴミ漁りやありすの差し出した残飯に手を付けず衰弱死した。 「くににかえるのね……あなたにもかぞくがいるでしょう……」 それがぱちゅりーの最後の言葉だった。 ありすも帰りたかった。今すぐにでもお姉さんの下に帰りたかった。 ありすの都会での生活は続く 1ヵ月後 「はー、とかいはひとがおおいとねー」 田舎で暮らしていたお姉さんは、出稼ぎにでた若者のいる都会を訪れていた。 ありすが居なくなった後、お姉さんはありすの事を村中探し回った。 しかし、ありすの姿を見たという人は誰も居なかった。 お姉さんはきっと森のゆっくりの群れにでも加わったのだろうと思い諦めることにした。 すこし寂しくはあるが、元々一人で暮らしていたのだし、元にもどっただけだと。 しかし、数日前、村から引っ越した若者の母親がこの事を息子への手紙に書いており、 その返事に引越しの当日にありすを見かけていたと返したのだ。 それを聞いたお姉さんは、まさかと思いながらも都会までありすを探しに来ていた。 こっちに来ていたにしても1ヶ月もたっていては見つかる分けない。 「いないとねー……」 そんな事を思いながらありすを探しているとおいしそうなタイヤキ屋の前に差し掛かった。 匂いに誘われる様にタイヤキを注文するおねえさん 都会は物価が高い……と思いながらタイヤキを口に運ぼうとしたその時、 目の前を丸い物体がスッと通り過ぎ、手に持っていたタイヤキがなくなっている。 丸い物体が通り過ぎた方を見ると、そこにはありすとまりさのつがいが居た。 ありすの口にはお姉さんから奪い取ったタイ焼きが加えられ、 それをまりさと二人で分け合って食べていた。 「「…………………………」」 黙々と食べるを二人を見てお姉さんは感心していた。 「とかいのゆっくりはおぎょうぎがよかとねー」 タイヤキを食べる二人をお姉さんは静かに見守った。 良く見るとまりさは左目のあたりが抉り取られた様に窪んでいた。 なにか事故にでもあったのだろうか。 ありすは良く見ると一緒に暮らしていたありすに似ていた。 まさかと思いながらありすに話しかける。 「ありす……、ありす……、あたいのことおぼえとると?」 ありすは答えない 「「…………………………」」 ありすとまりさは黙々とタイヤキを食べ続けていた。 「ちがうかー……」 「「…………………………」」 「あたいはもういくけん、……じゃーのー二人とも」 お姉さんはもうしばらくありすを探し諦めた田舎へと帰っていった。 作者:ありす大好きあき
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ゆっくり教 3KB 注意 ※地方によって著しく生態が違うゆっくり(場所によっては何も食わなくても平気で生きられるゆっくりが居る事もある)が居る世界の話です 19××年。 ゆっくりが何処からともなく世界に現れ、人々を困惑させた時期。 「これで金儲けできるんじゃね?」 一人の若者がそう考え、その考えを実行に移した。 『ゆっくりは神の御使いであり、ゆっくりが目で見た物、耳で聞いた事の全てが神に伝わっています』 ゆっくり教なる新興宗教が日本の何処かで出来上がった。 聖書をパク……若者なりの解釈をして、ゆっくりを混ぜ込んだ奇怪極まる宗教。 そのパク……引用して作り上げられた、ゆっくり教の有名な言葉を一つ挙げよう。 『ゆっくりに見せるために、ゆっくりに善行をするよう気をつけなさい。そうでないと、天に居られる我等が神から、報いが受けられません』 ゆっくりをゆっくりさせれば死後に天国に行ける、との因果関係が不可解な教え。 だがこれが流行した?何故か? まだ世間によく知られていない摩訶不思議なゆっくりの生態に加え、日本に終末論が流行っていた事もあったのか? 熱病に冒されたように、ゆっくり教は信徒を増やした。 …………………… 何処かの街にある一つの建物。 ゆっくり教団が構えている教会の一つである。 外から見える部分は簡素で、中から見える所も簡素、取り柄と言えば大きさだけな建物。 中では一人の男性信者が数匹のゆっくりに供物捧げていた。 「そろそろ時間ですね、ゆっくり様。お受け取りください」 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~」 男性信者のゆっくりに対する供物は、ゆっくり教が教える基本的な善行の一つだ。 供物を与えられ、笑顔で食べるゆっくりと、それを笑顔で見る信者。 そこに…… 「ゆはぁゆはぁ…ここがゆっくりきょうかいだね」 「ゆへぇゆへぇ…ここならゆっくりできそうだよ!」 れいむとまりさが現れた。 ゆっくりにしては辛い長旅だったのだろう。息を荒げて疲労困憊の様子である。 ゆっくり教を聞いてやって来たゆっくりなのだろう。 荒げていた息を落ち着けると、信者の目の前にぽよんぽよん跳ねて来た。 「これはこれは…ゆっくり様、遠くからお出で頂……!?」 にこやかに対応しようとした信者の顔が凍り付いた。 原因はまりさの帽子から現れた子ゆっくり達である。 「れいみゅおにゃかすいちゃよ」「おにいしゃんのおうちにもどらにゃいの?」 「いまからあまあまをもらうからなかないでね」 あまあまをもらうと聞いて、表情を更に険しくする信者。 それに気付かぬ母れいむは、愚図る子ゆっくりに優しく語り掛ける。 父まりさは安心させるように子ゆっくりの顔を舐めようとして――― 「なかないでねおぢ!!!???」 信者に踏まれた。 強烈なストンピングに内容物の半分が噴出。床に盛大に餡子を散らしながら絶命。 突然のあんまりにもあんまりな攻撃に、母れいむが絶叫しようとした所を。 「悪魔め!この世から去れ!」 激した信者の言葉と共に踏まれ、父まりさの後を追う事となった。 「ぴゃぴゅ!?」「れいみゅぴゃ!!?」 最後に何かいえた子ゆっくりも親と一緒に床の餡子になった。 「ゆっくり達を真似た悪魔め!地獄で永劫の苦しみを味わえ!」 床に転がる餡子の残骸に吐き捨てると、信者はモップとバケツを取りに行くためその場を去った。 …………………… 来るゆっくりは全て拒まず受け入れる。 それがゆっくり教会だが、例外もあり…… ゆっくり教では、子を産むゆっくりの存在を認めていない。 ゆっくり教の教えでは、神が遣わしたゆっくり達は単体で完結しており、増える事が無ければ減る事も無い。 それに、人間の行いを見て聞くだけのゆっくりは、人間に向かって何かを要求する事も無いのだ。 それから外れたゆっくり達は、ゆっくり教の中では悪魔として定められている。 「ゆっくりを騙り人間を堕落させる存在」 あのゆっくり親子は、その例外だったのだ。 ―――――――― 信者はゆっくりが売られているペットショップを、世界中に悪魔をばら撒いてる所だと認識。 ペットショップにペンキをぶちまける過激派もいるそうな。 前作 『ふたば系ゆっくりいじめ 84 暇人二人の旅行』 『ふたば系ゆっくりいじめ 79 暇人二人のゆっくりいじめ』 『ふたば系ゆっくりいじめ 64 酷い暇潰し』 【ふたば系ゆっくりいじめ 58 ドスまりさがぶっ殺される話】 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 原始ゆっくりが居るのか!? だったら崇拝者がいるのも分かるなww -- 2018-01-24 14 17 14 なかなかイイ新興宗教だww -- 2014-03-18 18 28 25 こいつら迷惑な集団だな -- 2012-12-12 21 44 55 ある意味すげぇwwwww -- 2011-12-23 10 13 46 すごい世界だな -- 2011-05-28 15 13 59
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シムゆっくり仕様書 ver.0.1.0 ■概説 └―─────────────────────────────────────────────── このゲームは、ゆっくりを育成するゲームです。 ゆっくりは限られたスペースを持つ『箱庭』で生活し、あなたはその『箱庭』の維持管理を行います。 ゆっくり達はあなたが見ていることを知りませんし、あなたがゆっくり達を見ていることを知られてはいけません。 あなたは、昼はただゆっくりの生活を見守り、夜の間に彼らの生活環境を整えることで、ゆっくりの生活を支配します。 このゲームに、特に終わりはありません。あなたがゆっくりを育成する限り、ゲームは続きます。 ただし、あなたが育成するゆっくりが全滅したら、ゲームオーバーです。 あなたなりのやりかたで、ゆっくりを育ててください。 なお、このゲームは18禁です。 ■初期状態 └―─────────────────────────────────────────────── ゲーム開始時、あなたには以下のものが与えられます。 箱庭×1 資金10000円 また箱庭の中には、以下のものが入れられています。 ゆっくり一家族 りんごの木Lv.1 岩(大) 以上の状態からゲームがスタートします。 ■箱庭について └―─────────────────────────────────────────────── ゆっくりが生活する、限られた空間です。およそ15m×15mの広さを持ちます。 あなたはこの空間内で、ゆっくりを育成していかなければなりません。 箱庭には現実世界と同じく、時間や天候の概念があります。ただし、四季はありません。 また1m四方の空間一つにつき、様々なものを設置することができます。 さらに時々、ゆっくりが土や茂みの中から、アイテムを発見することがあります。 発見されるアイテムには、高額売却可能なものや危険物などがあります。 箱庭内では、以下のようなイベントが発生します。 ○外敵襲来 夜になると、時々ゆっくりに害をもたらすゆっくりが襲来する場合があります。 あなたはこれを駆除しなくてはなりません。詳しくは後述します。 ○天変地異 『天気予報装置』を持っている場合、あなたは翌日の天気を予測できます。 しかしこのイベントが発生すると、天候が突然変化し、しかも大きな被害をもたらします。 具体的には、大雪、地震、大嵐などです。これらの突発的な事態への対処も大切です。 なお天変地異は、『インスタント早苗さんの奇跡』などのアイテムで回避可能です。 また同アイテムによって、人為的に引き起こすことも可能です。 ○門扉解放 箱庭の四方の壁の中央には、閉じられた門があります。 この門はときどき開き、隣接する箱庭にすむゆっくりとの交流を可能にします。 しかし、母体サイズのゆっくりには、この門は小さすぎるので通ることができません。 また隣に住むゆっくりが必ずしも善良とは限らないので、警戒が必要です。 門は朝から夕方まで開いています。 ○門扉卍解 全ての箱庭の全ての門扉が解放されます。 この状態になると、ゆっくりは他のゆっくりの箱庭を通って、さらに別のゆっくりの箱庭に行くことができます。 しかし好奇心旺盛なゆっくり達は、そのまま行って帰ってこなかったりすることがあります。 また門が閉じたとき、自分の箱庭の中に見慣れぬゆっくりがいるということも、よくあります。 ある意味、ハイリスクハイリターンのイベントと言えるでしょう。 上記の門扉解放と、このイベントを有効にしたくない場合は、扉の前に岩などの通行不可能なオブジェクトを置きましょう。 なお箱庭は、最大で九個まで持つことが可能です。 ■時間概念 └―─────────────────────────────────────────────── 一日は、大きく昼と夜に分けられます。 昼はさらに朝・昼・夕と分けられますが、あくまで時間的な区切りであり、何かあるというわけではありません。 ○昼パート 昼は、ゆっくりが活動する時間帯です。ゆっくりは朝目覚め、夕方になると就寝します。 また朝には、果物の木が果実を実らせます。 基本的に、日中は管理者であるあなたがゆっくりの環境に手出しをすることはできません。(例外はありますが) もしあなたが育てるゆっくりに何らかの危険が迫ったとしても、何もできないので、やるべきことは次の夜パートできっちりやっておきましょう。 ○夜パート 夜は、あなたが行動する時間帯です。 あなたは夜のうちに、オブジェクトの設置や外敵の駆除といった、様々なアクションを起こせます。 あなたが取れる行動は以下の通りです。 アイテム関連 ‐アイテムの購入 ‐アイテムの使用 ‐アイテムの拾得 オブジェクト関連 ‐オブジェクトの設置 ‐オブジェクトの移動 ‐オブジェクトの撤去 罠関連 ‐罠の設置 ‐罠の撤去 ‐捕獲アイテムの使用 ゆっくり関連 ‐ゆっくりの捕獲 ‐ゆっくりの加工 ‐ゆっくり&ゆっくり加工品の売却 『アイテム』とは、あなたが資金を消費して購入する様々な品物のことです。 多種多様な種類があり、役割や効果も多くあります。 『オブジェクト』や『罠』は、箱庭内に設置可能な『アイテム』の一種です。 以下に、それぞれについての説明を行います。 『アイテム』について オブジェクト、罠を含めた、資金で購入する品物全てをアイテムとも呼称しますが、ここでは管理者であるあなた自身が使うアイテムについての説明を行います。 このアイテムは、あなた自身が使用することで箱庭内に変化をもたらすものです。 アイテムを使用することによって、ゆっくりの生活環境を調整するのが主な目的となります。 また、一部のアイテムを購入することによって、行動の幅が広がります。 具体的には、例えば『ゆっくりの加工』というコマンドは、ゆっくりを加工するための道具がなければ行えません。 また、アイテムには、使いきりタイプのものや、恒久的に使用できるもの、持っているだけで効果を発揮するものなどがあります。 注意して欲しいのは、後述するオブジェクトや罠は撤去すると自動的に売却されますが、アイテムは売却できません。 そのため、持っているだけで効果を発揮するものを購入する場合は、充分考慮した上で購入してください。 なお、時折ゆっくりが箱庭内でアイテムを発見することがあります。 そういったアイテムは、あなたが拾得して使用もしくは売却することが可能です。 ただし、ゆっくりが家に持ち帰ってしまったアイテムを拾得すると、翌朝騒ぎになることがあるので注意しましょう。 また爆発物や可燃物といった危険なアイテムも存在しますので、注意してください。 『オブジェクト』について 箱庭内に設置する様々な物体のことを、オブジェクトと総称します。 オブジェクトを設置することによって、ゆっくりの生活環境を整えることが主な目的となります。 ゆっくりが住むための家や、果物のなる木、河川などもこのオブジェクトに分類されます。 箱庭には、初期状態から既に『りんごの木』と『岩(大)』のオブジェクトが設置されています。 一部のオブジェクトは、アップグレードやサイズアップを行うことが可能です。その際、差額分の資金が必要となります。 逆にダウングレードやサイズダウンも行えます。その際、差額の半分の資金が戻ってきます。 売却も可能です。売却した場合、購入金額の半分の資金が戻ってきます。 またオブジェクトによっては、ゆっくりの干渉を受けるものがあります。場合によっては破壊される可能性があるので注意してください。 また、資金を100円使うことによって、その夜の間は既に設置済みのオブジェクトを自由に移動させることができます。 ただしゆっくりがいる家や木を移動してしまうと、ゆっくりが無防備な場所に晒されてしまうことになるので、注意してください。 『罠』について ゆっくりを捕獲・殺害するために箱庭に設置する物体のことを、罠と総称します。 罠によって外敵ゆっくりを駆除することによって、箱庭内の安全を保つことが主な目的となります。 様々な罠があり、それぞれ違った効果を持ちます。一部はオブジェクトとしての機能を併せ持つものもあります。 罠には、大きく分けて捕獲型・移動型・殺傷型があり、またそれぞれに使い切りタイプと恒久タイプがあります。 また、相手となるゆっくりによっては効果がないものもあります。 アップグレードできるものはありませんが、売却時のルールはオブジェクトと同じです。 注意すべき点として、これらの罠にはあなたが育成するゆっくりもかかる可能性があるということです。 そのため、未使用のままの罠は、できるだけ撤去することが望ましいでしょう。 次に、『ゆっくり関連』コマンドについて説明を行います。 『ゆっくりの捕獲』 眠っているゆっくりを捕獲し、ストックします。 またこのとき、あなたが『虫取り網』などのアイテムを持っているなら、疲れて眠った外敵ゆっくりを捕獲することも可能です。 『ゆっくりの加工』 ストックしているゆっくりを加工します。このコマンドには、『クッキングセット』『日用大工セット』などのアイテムが必要です。 ゆっくりは基本的に、食料品へ加工されます。 食料品に加工されたゆっくりは、そのまま売却するよりも高値で売れることが多いです。 また加工対象には、捕獲した外敵ゆっくりなども含まれます。 なお加工の際には、ゆっくりの音声のオンオフが可能です。 『ゆっくり&ゆっくり加工品の売却』 捕獲したゆっくりや、ゆっくりの加工品を売却するコマンドです。 このコマンドによって、あなたは収入を得ます。無論、良いゆっくりほど高く売れます。 また加工の場合と同じく、ゆっくりの音声のオンオフが可能です。 以上が、あなたが夜に行える行動の概要です。 ■外敵襲来 └―─────────────────────────────────────────────── シムゆっくり夜パートのメインともいえるイベント、それがこの『外敵襲来』です。 昼パート終了時、マップの四隅に『?』マークが表示されることがあります。これが外敵襲来イベント発生のサインです。 夜になると、その『?』マークの位置から外敵ゆっくりが出現します。あなたはこれを駆除しなければなりません。 外敵ゆっくりが出現する夜、あなたには二回の行動権が与えられます。 通常の夜は一度しかオブジェクトの設置や撤去はできませんが、外敵が襲来する場合は、設置→外敵襲来→設置と、二回に分けて行動することが可能なのです。 あなたは一回目の行動ターンで罠を設置し、二回目の行動ターンで罠の撤去を行うことが望ましいでしょう。 以下に、襲来する可能性がある外敵ゆっくりについて説明を行います。 ゲス○○(小型~通常サイズ・地上タイプ) ○○には、各ゆっくりの名前が入ります。性格が極めて悪辣なゆっくり達であり、同じゆっくりであろうと容赦しません。 略奪、強姦、奴隷化、はては殺害や捕食まで、ありとあらゆる悪事を働きます。 3~10匹ほどの集団で襲来し、混成部隊だったり、家族で落ちてくる場合もあります。 特に注意すべきなのは、悪知恵が働くゲスまりさです。また動きの素早いゲスみょん・ゲスちぇんも要注意です。 ただし、ゲスぱちゅりーにだけは特に気を配る必要はありません。 どれだけゲスになろうと耐久力がないので、襲来時に天井から落ちてきたときにほぼ確実に絶命します。 とはいえ所詮ゆっくりな上に、空も飛べないので、あまり苦労することなく駆除できるでしょう。 発情ありす(通常サイズ・地上タイプ) 最初から発情状態にあるありすです。ゆっくりを見つけると見境なく襲い掛かり、すっきりー!しようとします。 厄介と言えば厄介ですが、発情状態で前後不覚になっているため、駆除はゲスゆっくりより簡単でしょう。 あえて見逃し、育成しているゆっくりを増やすということもできます。 また捕獲した場合、夜が明けると普通のありすになっています。 れみりゃ(通常サイズ・飛行タイプ) 首だけのれみりゃです。捕食種であるので、他のゆっくりを捕食します。 非常に活動的で、食欲も旺盛ですが、獲物を見つけられないと木陰などで眠り始めます。 ゆっくりが住む家の防衛が磐石なら、あえて放置し、あとで捕まえるのも良いでしょう。 結構高額で売れます。 ふらん(通常サイズ・飛行タイプ) 上記のれみりゃとほぼ同じですが、こちらのほうがより凶暴性・残虐性が高いです。 また、獲物が見つからないと癇癪を起こし、オブジェクトを破壊する場合もあります。 加えて、眠らずに獲物を探そうとする場合もあるのでより注意が必要です。 れみりゃより高額で売れます。 胴付きれみりゃ(通常サイズ・地上タイプ) ウザいです。兎に角ウザいです。 ゆっくりの敵というより、むしろあなたの敵といったほうがいいかもしれません。 背中に翼がありますが、飛びません。飛べることを忘れています。 ただし捕食種としての戦闘能力は折り紙つきで、狙われたゆっくりはほぼ明日の朝日を見ることはありません。 獲物を見つけられないでいると、踊り始めるか眠ります。 かなり高額で売れますがウザいです。 胴付きふらん(通常サイズ・地上/飛行タイプ) 相当厄介な捕食種です。胴付きれみりゃの良いところ全てを吸い取ったかのように強いです。 こちらは飛行できることを忘れておらず、また地上での活動も当然のように行えます。 警戒心が強いため、並の罠は突破されてしまう可能性もあります。 またゆっくりが家の入り口を塞いでいても、それを突破するだけの技術があり、極めて注意が必要です。 獲物を見つけるまで眠りません。確実に駆除しましょう。 かなり高額で売れます。 ゆっくりレティ(大型サイズ・地上タイプ) 大型の捕食種です。 動きは非常にゆっくりとしており、その大きさゆえ足元があまり見えません。駆除は容易と言えるでしょう。 ただし大型種であるため、通常サイズのゆっくりを対象とした罠は効果が薄いか、ありません。 大型ゆっくり用の罠を使用することをお勧めします。 ゆっくりを見つけると長い舌を伸ばして捕食してしまいます。 一度の食事につき一家族丸ごと平らげてしまいかねないので、油断は禁物です。 食事が終わると眠りにつき、中々起きることはありません。 大きさに反し、引き取り手がいないため、良い値段はつきません。 ゆっくりゆゆこ(大型サイズ・地上タイプ) 最悪の外敵ゆっくりです。 ゆっくりのみならず、オブジェクト、果ては罠まで、その脅威の『吸い込み』によって胃の中に収めてしまいます。 そこら中のものを片っ端から吸い込んでしまうので、即時の対処が求められます。 石の家に住むゆっくりなら大丈夫ですが、食料まで無事かというと…… 希少性ゆえ高額で売れますが、捕獲よりも殺害を推奨します。 ドスまりさ(超大型サイズ・地上タイプ) 特殊なゆっくりです。 非常に大型であり、人間に対して理解を示す、善良なゆっくりです。 外敵というよりは、箱庭に住むゆっくりがゆっくりできているか気にするだけなので、例外的に対話による退去も可能です。 ただし、『ここのゆっくりがゆっくりできているか確かめるよ!』と1~3日居座ろうとすることがあります。 許可するかどうかはあなたの自由ですが、中にはドスまりさを騙る偽ドスまりさなどもいるので、注意が必要です。 滅多に表れない分、非常に高額で売れます。が、かなり知能が高いので、強引な捕獲は困難です。 きめぇ丸(通常~大型サイズ・飛行タイプ) これも特殊なゆっくりです。 ゆっくりに対し特に何かすることはありませんが、兎に角ゆっくりにとってはウザい存在なので、ストレス値がマッハで有頂天です。 これも対話による退去が可能なので、できるだけ早くお帰り願いましょう。 人間に近い知恵があるだけあって、捕獲不可能です。 ■高額アイテム └―─────────────────────────────────────────────── アイテムやオブジェクト、罠には様々な種類が存在しますが、その全てを紹介するのは困難です。 そこでここでは、そのうちの高額で効果の高いアイテムを、いくつか紹介します。 ○箱庭 箱庭追加(15000円) 新たに箱庭を追加することができます。最大で九つまで持つことができます。 箱庭連結(5000円) 箱庭同士をくっつけて、一つの箱庭にすることができます。 箱庭を二つに戻す場合にも同額が必要になります。 ○アイテム インスタント早苗さんの奇跡(使い切りタイプ/10000円) どんな奇跡的な状況も再現できるアイテムです。使い切りとしてはかなり高額ですが、それに見合った働きはします。 例えば天候を変化させたり、地形を変えたり、ゆっくりゆゆこを爆殺したりとやりたい放題です。 ただし制限として、育成中のゆっくりそのものに変化をもたらすことは制限されています。 それ以外の範囲でなら、大抵のことは可能です。 咲夜さんの懐中時計(恒久タイプ/66666円) 咲夜さんの時間を操る能力を封じ込めた、恒久タイプのアイテムです。 日中でも使用でき、これを使用すると時間が停止します。停止中、あなたは夜パートと同じく、様々なアクションを起こすことができます。 これ一つあればもうトラップはいりません。外敵が襲来しても、時間を止めて、全部川に流してやれば済むのですから。 かなり高額ですが、それに見合った働きはしてくれることでしょう。 ミニミニ八卦炉(使用不可/‐) 魔理沙のミニ八卦炉のミニチュア版です。ミニチュアでも相当の威力を持ちます。 これは購入するものではなく、ゆっくりが箱庭内で発見するものです。売却額は10000円です。 ただし、これを見つけたゆっくりは、高確率で家に持ち帰ります。 そこでこのアイテムが暴発などしたら、甚大な被害が出るのは火を見るより明らかです。 確実に接収し、売却しましょう。 使い方さえ分かっていれば、ゆっくりにとって強力な武器になるのですが…… ○オブジェクト ドスまりさの像(4マス消費/30000円) ゆっくりをゆっくりさせる効果を持つオブジェクトです。 これが箱庭の中にあると、ゆっくりのストレスが激減します。また傷の治りは早くなり、飢えにくくなります。 以上のように効果は非常に高いのですが、2×2マスを占有するので、中々場所が取りにくいのが問題です。 虐待鬼意山の像(1マス消費/15000円) ゆっくりをゆっくりさせない効果を持つオブジェクトです。 これが箱庭の中にあると、ゆっくりのストレスが激増します。また傷の治りは遅くなり、飢えやすくなります。 使用するかどうかはあなた次第です。 全自動餡子供給機(1マス消費/40000円) ゆっくりの食料となる餡子を自動的に供給してくれるオブジェクトです。 場所もとらず、栄養価の高い食料を供給してくれるオブジェクトですが、一日使用するたびにゆっくり一体が必要となります。 使用するゆっくりによって、出てくる餡子が変わります。 ○罠 イクサンダー発生装置(恒久タイプ/15000円) サイズや種類に関係なく、大きな効果を上げてくれるトラップです。 この下にゆっくりが入ると、極めて強力な雷を落とし、ゆっくりを丸焦げにします。 丸焦げになったゆっくりは焼き饅頭として売却が可能です。 ただし、天井に設置するという特性上、外敵ゆっくりが出現する箱庭の四隅には設置できません。 箱庭で育成中のゆっくりにゆっくりいくさんがいる場合、設置費用が半額になります。 また、ゆっくりいくさんにのみ、この罠は効果を発揮しません。 ホント戦争は地獄だぜ機関銃(恒久タイプ/50000円) トラップですが、アイテムとしての側面も備えています。 箱庭内に設置するのではなく、あなたが直接使用し、外敵ゆっくりを射殺します。 非常に強力なトラップですが、流れ弾がオブジェクトに当たるとオブジェクトが破損する場合もあるので注意してください。 日中も使用可能です。 ○その他 愛でお兄さん召喚(10000円) ゆっくりを愛でるお兄さんを召喚します。 このお兄さんの手にかかれば、ゆっくりのストレスはなくなり、健康度はうなぎのぼりとなるでしょう。 瀕死のゆっくりの蘇生も可能なので、最後の手段として使いたいものです。 ただしあまり使いすぎると、ゆっくりが贅沢を覚え、傲慢な性格になりかねませんので注意してください。 虐待鬼意山召喚(20000円) ゆっくりを虐待するお兄さんを召喚します。 兎に角、ゆっくりが酷いことをされます。それはもう酷いことをされます。 使用後はゆっくりの数が半分以下にまで減っているでしょうが、代わりにゆっくりは身の程を知ることでしょう。 一種の教育的手段として使いたいものです。 AQN召喚(100円) 事実上の駆除コマンドです。 召喚されたAQNは、箱庭内の全てのゆっくりを虐殺します。虐殺しつくすまで止まりません。 その箱庭のゆっくりが不必要になった場合に利用しましょう。 ……なお、このAQNは、殺害したゆっくりの数が50を越えたあたりから自慰をし始め、100匹で絶頂に達します。 その後も50匹ごとにプレイ内容を過激にしていきます。 九つの箱庭のうち八つを連結し、2000匹前後のゆっくりを用意した場合などそれはもう…… ある意味、そこまでいけばエンディングです。頑張ってください。 あとがき 設定だけ垂れ流してみました。最後とか中学生ですが自分は…… でもこのスレのAQNは思春期真っ盛りのエロ中学生でいいと思うんです。 ……誰か本当に創ってくれないかなぁ。 今までに書いたもの ゆっくり実験室 ゆっくり実験室・十面鬼編 ゆっくり焼き土下座(前) ゆっくり焼き土下座(中) ゆっくり焼き土下座(後) シムゆっくりちゅーとりある このSSに感想を付ける
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数十キロはあった糞便を片付けるのに、丸一日かかった。 たった一日というと思ったより短いようだが、 まりさ共が口内の糞便を飲み込むたびに、 俺や使用人がひっきりなしに詰め替え、それがおよそ二十時間以上だ。 「かひゅうーーーーーーー………あひゅううーーーーーー……」 輪を取り外され、まりさ共は憔悴しきって、 吊り下げられた全身を波打たせている。 「うまかったか?」 俺が聞くと、しばらく開ききった口をもごもごさせてから、 上顎支点で吊り下げられたままで返答が帰ってきた。 「ゆっぐ……ゆっぐり……でぎだいぃぃぃ……」 「……ゆっぐじ……じだい……じだいぃぃぃ」 「おろじで……おろじでぇぇ……」 「口に合わなかったか?それは悪かった。 もっとゆっくりできるごはんを持ってきたよ」 そう言うと、俺はカートを新しく運んできた。 カートの上には、再び青いビニールで覆われた皿。 大きな皿をいくつか台の上に、まりさ共によく見える位置に置いてやる。 まりさ共の目は怯えていたが、いくぶんかの期待の色が見え隠れしていた。 もしかしたらこの人間は勘違いをしてあんなものを持ってきただけで、 今度はちゃんとゆっくりできるごはんを持ってきたのかもしれない。 そんなところだろうか。 「ゆっくり……ゆっくり……」 震える声で呟くまりさ共の前で、次の食事を公開してやる。 「ゆあああぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!」 悲鳴が上がった。 ひどい腐臭の中で、俺は解説してやった。 「かき集めるのが大変だったよ。いまは夏場だからごらんのとおりだが、 まあお前たちゆっくりなら大丈夫だろう」 犬や猫、鳥や狼、町や森の中で拾ってきたあらゆる獣の死体が皿の上に乗っている。 どれもこれもひどい腐臭を放ち、体中に蛆が蠢いていた。 猫の眼窩や犬の裂けた腹部、穴という穴は蛆だらけだ。 蛆のほかにムカデやミミズ、なんだかよくわからない虫たかっており、 その上では大量の蠅がぶんぶんと飛び回っている。。 手近な猫の死体を長い菜箸でつまみ上げてやると、 腐りきって緑色に変色した肉はぐずぐずになってたやすく崩れ、黄色い膿が長い糸を引いた。 緑に紫に黄色に赤、一度死んだ肉は本当にカラフルになるものだ。 「ぐざい!!ぐじゃいいいいいい!!!やべでえええええ!!」 「おでがいいいいいいいぢがづげだいでえええええええええ!!!」 「急いで噛みつぶさないと、ウジやムカデがお前らを食うかもな」 「いいいいいいいやああああだああああああああああーーーーーっ!!!」 脅してやったおかげで、白目を向いて痙攣しながらも、 口腔内に放り込まれたまりさ共は今度は必至に咀嚼していた。 柄杓の表面にこびりついた蛆がまりさ共の表皮を這いまわり、目の中に一匹二匹侵入する。 嫌悪に身をよじらせながら、それでもまりさ共は泣きながら食事を続けた。 虫に関しては、もともと毛虫やら蝶々を食うゆっくりだから問題ないだろう。 顎の動きから嚥下を確認する度に、輪の蓋を開けて次の腐肉を注ぎ込む。 そのたびごとに、まりさ共は泣きながらあらん限りの声をあげて慈悲を求めた。 「ゆおおおおおおごおおおおごごごごごおおおおおああああああーーーーーーーーー」 まりさ共の努力で、腐肉は一日かからずに片付いた。 次はまともな食品を食べさせてやることにする。 その日俺が運んできたカートの上には、大きなボールがいくつも載せられていた。 そのいずれも、粉やらどろりとした液体やら練りものでなみなみと満たされ、 緑や黄色もあったが、それら内容物はおおむね赤かった。 まりさ共はきょとんとそれを見ている。 どうも味が想像できないようだ。 俺は親まりさの口に再び輪をはめた。 「ゆごっ!!おごっ、わっかさんはゆっぐじでぎだいぃいいごっ!!」 ばたばたと抵抗しながら、なすすべなく輪をはめられて大口をあける親まりさ。 「味見してみるか?」 俺は手近なボールから赤い粉を指ですくうと、 親まりさの口内に刷り込んでやった。 「!!??」 びぐん、と親まりさが空中で跳ねた。 「ゆぼびょがぎょぼばごぎゃがばああぁぁあーーーーーーーー!!!」 すさまじい絶叫をあげ、すぐにも吐き戻そうとするが、 俺がすぐに蓋を閉めたので、あわやというところで餡子は口内で止まった。 それでも親まりさの痙攣は止まらない。 いつまでたっても止まない親の悶絶を見て、子まりさ共が恐怖に震えている。 「トウガラシだよ」 俺は教えてやった。 甘味そのものたる饅頭でできているゆっくりにとって、辛味は毒である。 正確には辛味そのものが毒性を持つわけではなく、 あまりの苦痛に餡子を吐き出してしまい、 それが致死量を超えることが少なくない、ということだ。 50cm級のボリュームを持つ親まりさが、 ただひとすくいのトウガラシでなお暴れ続けている。 白目を向いた眼窩から涙が吹き出し続け、 すでに枯れ果てていると思われたしーしーとうんうんが、 すごい勢いであにゃるとまむまむから放出されていた。 本来ならとっくに絶命しているだろう。 しかし、死なせることは俺がしない。 食わせたはしからすぐに蓋をしてやるので、 たっぷりと味わってもらうことができる。 念のため、あにゃるとまむまむもガムテープで塞いでやることにしよう。 こうして、ゆっくりがいまだかつて味わったことのない世界に、 このまりさ共が、ゆっくり史上初の一歩を踏み出すことになるわけだ。 さぞ誇らしいことだろう。 親まりさがトウガラシを消化して動きが収まるまでに、 たっぷり十分はかかった。 「かひゅうーーー……ほひゅうーーーー……」 白目を向いたまま、親まりさは放心した体で呻いている。 「ちょっと味見しただけでこんなにゆっくりしてくれるんだな。 たっぷりあるから、ゆっくり味わっていってくれ」 そう言ってやり、トウガラシの粉を柄杓でたっぷり掬った。 親まりさの口に近づけるが、親まりさはまだ白目を向いたまま揺れている。 俺の声も耳に入っていないようだ。 構わず、口いっぱいにトウガラシを頬張らせて蓋をした。 親まりさが爆発した。 もちろん比喩的表現だが、まさにそれは爆発だった。 吊り下げられた状態で、よくもこれほど動けるものだ。 そう感心してしまうほど、電流に打たれたように跳ね回っていた。 ビビビビビビビビビビビビビビビビビ。 下膨れの顎が、上下左右にぶんぶんとシェイクしている。 まるで釣りあげられた直後の魚、いやそれ以上だ。 「ゆぁああああああ……ゆわぁああああああ………」 子まりさ共が絶望のシンフォニーを奏でている。 次は自分たちだ、それは痛いほど理解できているようだ。 命乞いをする気力もなく、ただ泣くことしかできない。 それでも、輪をはめられる段になると本能的に騒ぎはじめた。 「やべで!!ゆっぐりやべで!!やべでぇええええ!!まりざだげはぁああ!!」 「ゆっぐりじだいいいいいいい!!ゆっぐりざぜでぇええええええええ!!!」 「いやぁあああああいやぁあああああごろじでええええーーーーーっ」 三匹の子まりさ共には、また違うものを味わってもらった。 カラシを詰め込まれた子まりさは、やはりおこりのように痙攣している。 トウガラシとあまり変わらない。 わさびを詰め込まれた子まりさは、これも痙攣しているのだが、 カラシとはやや違うようだ。 半分白目を剥いて、下顎というか腹を前方に限界まで折り曲げて、 ぐにゅりと折りたたまれた状態で硬直しながら痙攣している。 わさびの辛さは鼻にくる。 想像するに、この量では「ツーン」というような生易しいものではなく、 脳天を錐で突きとおされているような感覚ではなかろうか。 最後の子まりさは、コショウを詰め込んだ。 すさまじい勢いでせき込んでいるが、 鼻がないので、口をふさげば何も出てこない。 膨れてはしぼむのをすごい速さで繰り返し、まるで早鐘を打つ心臓のようだ。 四匹ならんだゆっくりが痙攣しつづける様は壮観だった。 どれもが人間でもできないようなすさまじい速さで痙攣し、 微塵もゆっくりしていない。 見やると、隣のゆっくり共が反対側の壁にぴったり身を寄せて震えていた。 ゆっくりできないものを極端に恐れるゆっくりにとって、 高速で動くものは恐怖の対象である。 まして、同族であるまりさがすさまじい速さで痙攣するこの光景は、 こいつらにとってあまりに恐ろしいのだろう。 こちらに背を向けて壁にしがみつき、恐怖に泣き叫んでいる。 俺はスイッチを操作し、向こう側のマジックミラーを鏡に戻して、 向こうからは見えないようにした。 さて、この辛味を片付けるにはどれだけかかるか。 結論から言うと、まりさ共の反応は、やること自体はそう変わらなかった。 どれもすさまじい勢いで痙攣してばたばた暴れるというものだが、 その痙攣の度合が、きれいに辛味に比例するようだ。 より辛いものを食わせるたびに、痙攣の間隔が速くなり、ぶれる大きさは増大していった。 辛味は、スコヴィル値と呼ばれる数値で計測することが可能である。 トウガラシの辛味は、およそ三万~四万といったところだ。 スコヴィル値三十五万のハバネロを食わせたときは、 バイブレーターのように震えていた。 ビビビビビビから、ビィィィィィィーーーーーー………という感じだ。 下腹部はもはやぶれてよく見えない。 最終的には、世界一辛いトウガラシと言われる、 スコヴィル値百万のジョロキアを食わせた。 この時は驚いた、その痙攣はもはや擬音に変換できるレベルを超えている。 体のぶれは早すぎて、ぱっと見ではまったく動いていないように見えるほどになり、 ぶれる下腹部の軌道がそのまま輪郭となって、 頭部分だけがにょきりと突きでた扁平な饅頭のように見えた。 はたから見ていても異常な光景だが、 こいつら自身の感じている苦痛たるやどれほどのものだろうか。 つくづく、ゆっくりの不可解さと頑丈さを思い知った。 他の生き物の筋肉では、どれだけの刺激を与えてもここまで動けるものではないだろう。 ゆっくりという名前に反して、この生き物はすさまじい潜在能力を秘めているようだ。 辛味を食わせはじめてから最後のジョロキアを片付けるまでにかかった時間は、二週間だった。 そもそも、この激痛では「食う」という思考さえ発する余裕がないだろう。 意思とは無関係に喉から勝手に吸収されるのを待つ、という緩慢な食事だった。 ともあれ少々不安はあったが、餡子さえ吐かなければ、 どれだけ辛いものを食べても死なないことは証明された。 人間だって死にそうなものだが、これも意外なゆっくりの耐久性といったところか。 辛味を食わせるのにだいぶ時間がかかったが、次はすぐに終わるだろう。 発狂のできない悲しさでいまだ意識を保っているまりさ共に、俺は聞いてやった。 「かき氷って好きだったよな、お前ら」 コンビニで買ってくるかき氷が、このまりさ共は好物だった。 夏場などは他のれいむやありすから奪い取って貪っていたものだ。 かき氷と聞いて、まりさ共の目が輝いた。 「すきぃ!!かきごおりだいすきなんだぜぇええ!!ゆっくりできるうううううううう!!!」 「さんざん辛いものを食わせたからな、次は冷たいものをと思って今日はそれを持ってきた。たっぷりな」 「やったのぜええええええええ!!!やっとゆっくりできるんだぜええええええええ!!!」 「おにいさんはやっとわかったのぜええええええ!!?えらいんだぜえええええええ!!!」 「ゆっくり!!ゆっくりできるううううううう!!!ゆっくりいいいいいーーーーー!!!」 言葉遣いが少しばかり戻ってきたようだ。元気でいいことだ。 狂喜する親まりさの口に、再び輪を嵌める。 「ゆっ!!?やめるんだぜ!!わっかさんなくてもまりさはたべるんだぜぇおごっ!!」 あれだけ辛味を食べていても、中の様子は一見変わっている様子はなかった。 あれでもすべて餡子に変換しているらしい。ゆっくりコンポストが人気なのもうなずける。 四匹並んで大口をあけるまりさ共の前で、俺は道具を取り出した。 まず、ペンチを持ち出して親まりさの歯を挟む。 強度はともかくとして、 直径50cmにもなるまりさの歯は相当でかく、直径2~3cmはあるようだった。 「ゆゆぅぅううぐぅぅぅう!!?」 自分がされることを察知したらしい親まりさがじたばたともがき始めた。 俺はペンチをゆっくりと傾け、歯をねじっていった。 「ゆごっ、ぼっごっごごごごごっごおおおおおおおおお!!!」 一回転したところで、歯はたやすく根本から抜けた。 親まりさは大粒の涙をぼろぼろ流して呻いている。 「ゆあああああいいいいいいいいいい………えううううううううぐううううううう」 手早く次の歯にペンチを伸ばした。 ここでの初日にさんざん蹴りつけたせいで、すでに多くの歯が折れていたが、 半分折れているようなのも含めるとまだ十本はあった。 それらを綺麗に、全部こじり取る。 健康な歯を、引っこ抜かれるならまだしもねじられて抜かれる痛みは相当なようだ。 ねじられていく歯が歯茎を押し潰し、破壊していく。 「ごごぉおおおおお!!どおおおおおおお!!!あうぐううううううううーーーーーーっ!!!」 すべてを抜いた後は、まりさの大口の中に白いものはなくなった。 餡子とはいっても、歯茎を構成する部分は比較的固く、骨格に近い働きをしているようだ。 歯があった跡は、すべてぐずぐずの穴の列になり、 ピンク色の歯茎に、露出した黒い餡子がU字型に並んでいる。 子まりさ共を見やると、全員がすでに大粒の涙を流していた。 「やべでえええええええゆるじでええええええーーーーーーーーーっ」 「いりまぜん!!がぎごおりいりばぜええええええん!!!ぢょうじのっでばじだああああああああ!!!」 「ばざんぬがないでええええええええごばんだべられだいいいいいいいいい」 「歯がなければまともに喋ることもできないからな。必要になったらまた挿してやるよ」 子まりさ共にも輪っかをはめて口を開けさせ、歯をすべてこじり抜く。 ひとまずこれで目的は達成できるが、さらに念を入れる。 工業用の電気ドリルを持ち出すと、再び親まりさから処置を施す。 直径1センチ程度の細いドリルを、歯の抜けたぐずぐずの跡に突き入れた。 「がびゃあっ!!!?」 びぐんと跳ねるまりさを押さえつけながらスイッチを入れ、 回転するドリルをゆっくりと歯茎の奥まで突き込む。 「ががががががががががががががががががががあああぁ!!!!!!」 どれぐらい入れるか少し悩んだが、5センチぐらい突っ込み、 突っ込んでは内部でねじり回して神経を引っ掻いた。 本気で引っ掻くとたやすく歯茎ごと崩れてしまうので慎重に行う。 「ばいいいいいいいぐうううううういいいいいいいおおおおおごごごごごばばばばばだあああだああああああああががががががあああああああーーーーーーーーーっ」 すさまじい声量の悲鳴が部屋に充満する。 「ゆううううううううう!!!あゆううううううううううう!!うううううううううーーーーーーーっ!!!!」 子まりさ共も自分がされる前からひっきりなしに悲鳴をあげている。 研究者によれば、外見と同じくゆっくりの体のはたらきは人間と酷似しており、 歯茎の中にも、神経と同じ作用をする餡子が詰まっているらしい。 一見崩れた餡子の塊にしか見えないが、 ぐしゃぐしゃの歯茎の中で、神経となる餡子がむき出しになって外気に晒されるわけだ。 俺も昔歯医者の世話になったことがあるが、その苦痛は俺の体験の万倍にもなるだろう。 「あがああああああああごおおおおおおおおおおーーーーーーー」 すべての歯の神経をかき回されむき出しにされたまりさ共は、 俺がドリルを抜いたあとも叫び続けていた。 神経が外気に触れるだけでもすさまじい苦痛を呼び込むようだ。 「じゃあ、食事にしようか」 俺の言葉にもまりさ共は反応せず、忙しく叫び続けている。 仕方がないので勝手にやらせてもらうことにした。 連絡して、スチロールの箱を大量に運び込んでもらう。 スチロールの箱の中に、ドライアイスで冷凍保存された袋詰めのかき氷が大量に詰められていた。 それらをかたっぱしから大きなボールに開けると、 ボールをそのまま親まりさの前に持っていく。 親まりさは歯茎の痛みに暴れまわっていたが、 視界の端で俺のやっていることを捉え、さらに涙の量を増やした。 もはやスプリンクラーのように涙が飛び散っている。 溢れるほど口いっぱいに氷をつめこみ、急いで蓋をする。 白目を向いていた親まりさの目がいっぱいに見開かれた。 氷の冷気が、歯茎の神経を通って餡子の髄まで貫いたようだ。 ぐるぐると瞳を回転させ、親まりさはすさまじい勢いで暴れまわった。 振り子のように前後に顎をぶんぶん振っている。 全員にかき氷を食わせて観察する。 しばらくの間まりさ共は暴れていたが、やがて意外な反応を見せはじめた。 目をぎゅっと閉じて体を縦にめいっぱい伸ばしている。 どうやら、せめて上顎の歯茎に氷を当てないようにしたいらしい。 限界まで大口を開けさせたうえで満杯に氷を詰め込んだのだから、 そんな事をしても顎はそれ以上開きも閉じもしないのだが、 縦長に体を伸ばしているまりさはそれなりに珍しい見ものだった。 もっとも、今後はもっともっと珍しい状態を見せてもらうのだが。 氷は数時間で片付いた。 食べるというより飲み込むだけなのでさすがに早い。 その日のうちに、俺は次の食事を出した。 「それじゃ、後は野菜をやろう」 まりさ共の目が開き、恐怖8、媚びが2程度の感情を湛えた。 「安心しろ。腐ってない、新鮮な野菜だ」 ここまでされても期待を捨てられないのが餡子脳たるゆえんだ。 それゆえにタフなゆっくりを、完全な絶望と後悔に染めるには骨が折れそうだ。 もっとも、絶望を味わわせる試みはまだ始まってもいない。 じっくり腰を据えてかかろう。 最後に俺が持ってきたのはサボテンだった。 口いっぱいにサボテンを詰め込まれ、 ぐじゅぐじゅに潰された歯茎を含めた口中を針で刺し貫かれながらまりさ共は苦痛に身をよじる。 これを食わせるにあたって、まりさ共をフックから取り外し床に置いてやった。 苦痛にのたうちまわるほどに、まりさ共の口内のサボテンは床に押されてますます針を深く突き立てる。 一応は有機物なのだからいつかは消化されるだろうが、 サボテンの固い表皮が餡子に変換されるにはまた相当かかるだろう。 しばらくは、これらのものをローテーションさせながら不眠不休で食べてもらうことになる。 回復力の強いゆっくりだから、歯茎はすぐに回復する。 そのたびに電気ドリルで神経をむき出しにすることで、 食事による苦痛は数倍になるだろう。 歯がなく咀嚼できないため、頼りは体液による消化のみだ。時間もかかる。 まりさ共については、ひとまず今のところはこんなものか。 まりさ共と並行して、れいむ共とありす共にも処置を行っていた。 初日、れいむ種の四匹は、 目覚める前にそれぞれ個室に入れた。 およそ1~2m程度の、ピンク色の不透明な箱だ。 親れいむが目覚めると、周囲は狭いピンク色の空間だった。 「ゆゆっ!?」 状況がつかめず、うろたえて周囲を見渡す親れいむ。 見慣れない場所。家族の姿も見えない。 「ゆっ!くそどれいはかわいいれいむをさっさとここからだしてね!!」 れいむは叫んだが、それに対する返答はなく、 代わりに挨拶が返ってきた。 「ゆっくりしていってね!!」 背中から聞こえてきた声に振り向くと、そこには知らないまりさがいた。 自分とほぼ同サイズのそのまりさの姿に、れいむは息をのんだ。 絹のようにさらさらで輝くばかりの光沢をもつ金髪、 ビロードのようなてかりを放つ黒い帽子、 ふっくらもちもちの、極上の血色もとい餡色を帯びた肌。 今まで見てきたゆっくりなど問題にならないほどの極上の美まりさだった。 「ゆっ!ゆっくりしていってねぇぇ!!」 息も荒く、れいむは言い放った。 「まりさのいえにいらっしゃい!ゆっくりおともだちになろうね!!」 美まりさが返してくる。 そのころころした美しい声に、親れいむはまためろめろになるのだった。 家族たちが不安ではあったが、 甘やかされきった彼女には、心配ごとはすべて奴隷が片付けるものであったから、 外に向かって命令すればすぐに会えると思い、 今は目の前のまりさとゆっくりすることに集中することにした。 やや緊張しながらも、他愛のない話を交わす。 美まりさは性格もよく、いろんなことを知っていて、話していて楽しかった。 すっきりしたい、という欲望が頭をもたげるのにそう時間はかからなかった。 夫のまりさに対する操が一瞬頭をよぎったが、 妾を堂々と連れてくるあのまりさに対し、あてつけでこちらも存分にすっきりしてやろうと思った。 どういうきっかけを作ってすっきりしようか逡巡しているうちに、 ピンク色の室内に、なにやら香が漂ってきた。 無味無臭のその香りに気づかぬまま、れいむとまりさはそれを嗅ぎ、 嗅いでいるうちに表皮がほんのりと湿り気を帯びてきた。 「ゆふぅ……ゆふぅ……まっ、まりさぁぁ……」 催淫剤の香だった。 発情に頬を紅潮させ、れいむは辛抱たまらずまりさにすり寄った。 まりさも抵抗せず、れいむのすりすりにリズムを合わせてうごめきだした。 しばらく摩擦で気分を盛り上げたあと、 美まりさはれいむに向かって、いきり立ったぺにぺにを見せつけた。 「ゆふぅぅ~……すっきりしたいよ……!」 「ま、まりさにならいいよ……!」 れいむはまむまむを突き出し、迎え入れる姿勢を取った。 美まりさ共には躾を施してあった。 すっきりは、ぺにぺにを相手のまむまむに刺すやり方でなければいけない。 全身を擦り合わせる方法ではすっきりできない。 そのように刷り込んであった。 擦り合わせる交尾では、植物型にんっしんっとなり、 ぺにまむ型では、胎生型にんっしんっとなる。 胎生型の出産をしたゆっくりは、 植物型による出産よりも、子供への愛情が強い傾向にある。 個体数が少ないことと、出産時の苦労からくるものとされている。 この特性を、今回は活用することにする。 たちまちのうちにすっきりを終え、れいむは胎生型にんっしんっを果たした。 早くもぷっくり膨らんだ顎を見下ろし、ゆふゆふ満足げな声を漏らしている。 そうしていると、今度は白いガスが吹き込まれてきた。 これには強力な睡眠剤、そして成長促進剤が含まれている。 親れいむの意識はすぐに落ちていった。 以上の手順は、三匹の子れいむ共にもそれぞれ全く同じように施されていた。 翌日、四匹のれいむ共はひとつの部屋に集められていた。 四匹とも、部屋の中心に供えられたおよそ2m四方の大きなガラス箱の中だ。 子を体内に宿したゆっくりれいむ共は 親子四匹とも、もとから下膨れの輪郭が下方向にたっぷりと膨らみ、 目と口が上方にめいっぱい偏った洋梨のような無様な姿になっている。 成長促進剤によって出産を早められたれいむ共は、 四匹とも今日が出産予定日だ。 ゆっくり達が出産に集中できるよう、この部屋に人間はいないが、 備え付けのカメラで出産の様子は別室から逐一確認できるようになっている。 俺は今、監視室でそれを見届けていた。 「ゆっ!!」 「ゆゆ!れいむどうしたの?」 「う……う……うばれるうう!!」 一匹が産気づいたようだ。 一匹の子れいむの顎の下に小さな穴が空き、外側に盛り上がりながらひくついている。 顔を真っ赤にしていきむ子れいむを、他のれいむ共が応援する。 「ゆううぅぅ!!ゆううぅぅ!!」 「ゆっくりうまれていってね!!ゆっくりがんばってね!!」 ゆっくりの出産は激痛を伴う。 生涯最大級の痛みは、痛みに弱いゆっくりにとってこの上ない苦しみだが、 ひとえに赤ゆっくりへの愛情のため、この時ばかりは文句ひとつ言わずに堪える。 「うばれるうう!!ゆっぐり!ゆっぐうううううう!!」 「がんばってね!!がんばってね!!おおきくいきをすってはいてね!!」 「おねえちゃんがんばって!!ゆっくりしたあかちゃんをみせてね!!」 「がんばづうう!!でいぶがんばづううう!!ゆっぐりいいいい!!」 「ゆっゆっゆー!!ゆっゆっゆー!!」 歯茎をむき出して全力でいきむれいむ。 腹の火山のような盛り上がりはますます大きくなり、 中心部の穴、産道が少しずつ広がっていった。 「ゆゆっ!!あかちゃんのおかおがみえてきたよ!!」 「いだいいいい!!あがぢゃん!あがぢゃあああああん!!」 「おちついていきんでね!!だいじょうぶだからね!!」 産み方を指示しているのは親れいむだ。 「かわいいあかちゃんだよ!!がんばってね!!」 「ゆぐっ、ゆぐっ、ゆぐぐぐぐぐぐぐぐうううう」 涙を流し、歯を食いしばりながらいきんだ末に、 れいむはついに赤ゆっくりを生みだした。 ぽん、と勢いよく飛び出して床に着地したれいむ種の赤ゆっくりは、 ぎこちない動きで母親に向きなおると、笑顔で叫んだ。 「ゆっきゅちちていっちぇね!!」 それを見届け、れいむ達の視線が産んだれいむに向けられる。 赤ゆっくりの生まれてはじめての挨拶。 出産の苦痛があとを引く中で、産んだれいむはそれでも満面の笑みを浮かべて叫んだ。 「ゆっくりしていってねええ!!」 「おきゃあしゃん!!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!! ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」 飛び跳ねながら母親のもとに駆け寄る赤ゆっくり。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「とってもゆっくりしたあかちゃんだよお!!」 「れいむがんばったね!!えらかったねええ!!」 周りのれいむ達も口々に祝福の言葉を贈る。 幸福感に満ちた表情ですりすりをするできたての親子を眺めながら、 一様にたるんだ笑みを浮かべていた。 「ゆぐっ!!」 程なくして、別の子れいむがうめき声をあげた。 こちらも産気づいたようだ。 「ゆゆっ!!こっちのれいむもうまれるよ!!」 「がんばってね!!がんばってね!!」 数時間後、四匹の子れいむは全員が出産を終え、 箱の中では合計九匹の赤ゆっくりが動きまわっていた。 一度に数匹生んだれいむもいたため、この数になった。 赤ゆっくりの内訳は、れいむ種が六匹、まりさ種が三匹だ。 胎生型にんっしんっのため、どれも赤ゆっくりとしては大きめのみかんサイズだ。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇね!!」 「とってもゆっくりしたおちびちゃんたちだね!!」 「れいむのあかちゃんたちとってもかわいいよおお!!」 れいむ共は飽きることなく「ゆっくりしていってね!!」を繰り返し、 それぞれ自分の産んだ赤ゆっくりを側に置いて頬ずりをしている。 「さあ、おちびちゃんたち!おかあさんとすーりすーりしようね!」 「ゆっ!おきゃあしゃんとしゅーりしゅーりしゅるよ!」 「しゅーり♪しゅーり♪」 「すーり♪すーり♪」 「あかちゃんたちかわいいねええ!」 「ゆっくりしてるよおお、ほっぺたもちもちねええ!」 「ゆっくりできるおうたをうたおうね! ゆ~、ゆ~ゆ~、ゆゆゆ~~♪」 幸福に満ちたゆっくりの群れ。 俺は立ち上がり、部屋に向かった。 「おにーしゃんはゆっきゅりできりゅひちょ?」 部屋の中に入ってきた俺に向かって、赤れいむの一匹が話しかけてきた。 俺は答えない。 「ゆゆっ!!ごみくずがやってきたよ!!」 「なにかってにみてるのおお!?」 「ごみくずにはれいむたちのゆっくりしたあかちゃんをみるけんりなんてないんだよお!! なにかんちがいしてるの?ばかなの!?あまあまをおいてさっさとでていってね!!」 不思議がる赤ゆっくり達に向かって、親れいむ共は教えた。 「あれはごみくずだよ!おにいさんなんてよばなくていいからね!!」 「やくにたたないくせにからだだけおおきいばかなんだよ!」 「みんな、あんなふうになっちゃだめだよ!!」 「わきゃっちゃよ、りぇいみゅはあんにゃふうににゃらにゃいよ!」 「ごみくじゅ!ごみくじゅ!」 「きゃわいいりぇいむをみにゃいでね!ごみくじゅ!!」 親に気に入られたいがために、赤ゆっくり共は俺に罵声を浴びせてきた。 「ゆゆっ、おちびちゃんたちはとってもものわかりがいいね!!」 「もっといってあげてね!!」 「くそどれいはなにしてるの?ばかなの? こんなかわいいあかちゃん、ごみくずにはもったいないよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「こえだけならきかせてあげてもいいよ!うしろをむいててね!!」 しばらくの間好きに言わせたあと、俺は始めることにした。 箱の中に手を突っ込み、赤ゆっくりを一匹手に取る。 「ゆゆっ?おしょりゃをちょんでりゅみちゃい~♪」 赤ゆっくりを箱の外に運び出し、床に置いたところで、 呆然として見ていた親れいむ共が弾かれたように喚き始めた。 「なにやってるのおおおおおお!?」 「ごみくずうううう!!おちびちゃんにさわるなああああああ!!」 「かえせえええええええ!!れいむのおちびちゃんかえせえええええ!!」 構わず、二匹目を運び出しにかかる。 箱の中に突っ込まれた俺の手に向かって、 殺意に満ちたれいむ共の体当たりや噛みつきが襲ってきた。 まるで痛くもない。 俺はわざとゆっくり、一匹ずつ大仰に運び出していった。 「ゆがああああああ!!かえせええええええ!!」 「きたないてでおちびちゃんにさわるなあああ!!」 「ばか!?ばか!?ばかなのおおおお!?ほんもののばかなのねええ!? ばかはばかなりにみのほどをわきまえてねええええ!!」 何匹か運び出したところで、箱の隅に固まっている二匹のれいむが見えた。 角のほうにぴったりと身を寄せ、顔をぱんぱんに膨らませて俺を睨んでいる。 ほとんど運び出し、赤ゆっくりが目につかなくなったところで、 俺はわざととぼけてみせた。 「赤ゆっくりはこれで全部かな?」 「かえせえええええ!!!」 「まだ残っていたような気がするがな?」 箱の中を見回してみせると、隅のれいむ共がますます膨らんだ。 そちらに視線を止める。 他のれいむ共が口々に叫んだ。 「あかちゃんたちはごみくずがぜんぶはこびだしたよ!!」 「そんなところみてももういないよ!!ごみくずはばかだね!!」 「ゆっくりあきらめておちびちゃんをかえしてね!!」 「いないのか?」 「いないよ!!ゆっくりあきらめてしんでね!!」 「ここをまだ見てないぞ?」 「そんなところみなくていいよおおお!!いないよおお!!」 「そうか、いないのか。残念だな」 「ゆ!わかったらさっさとかえしてね!!ばーか!!」 「でも念のためだしな。一応見てみようか」 隅のほうに手を伸ばす。 ゆっくり共が絶叫しはじめた。 「いないよ!いないよおおお!!みなくていいいい!!」 「ばかなのおおお?しぬのおおお!?」 「ぷっくうううううううう!!!!」 膨らむれいむを転がすと、ぶるぶる震えている赤ゆっくりが三匹見えた。 面倒なので全部一度に持ち出す。 「ゆああああああああ!!やめろごみくずううう!!!」 九匹の赤ゆっくりは、 今や全てが箱の外で、透明な壁ごしに親ゆっくり共を見つめている。 「おきゃあしゃん、きょきょあけちぇね?」 「しゅーりしゅーりしちゃいよ?」 「かべさんゆっくりどいてね!」 親の元に駆け寄ろうとするが、ガラスの壁に遮られて進めない。 体当たりをしても跳ね返され、ついには泣きだした。 「ゆわああぁぁん!!かべさんどうしていじわるするのおぉぉ!!」 「しゅーりしゅーりしちゃいいいぃぃぃ!!」 「おきゃあしゃあああん!!あけちぇよおぉぉ!!」 親れいむ達も同じように泣き喚いている。 「おちびちゃんん!おちびちゃあああんんん!!」 「かえせごみくずうううう!!なにしてるうううう!!」 「なにだまってるのおおおお!?ふざけるなああ!!」 しばらく観察したあとで、俺は爪楊枝を取りだした。 赤ゆっくり相手に、たいした道具もいらない。 壁にへばりついている赤ゆっくり達に、爪楊枝の先端をつきつける。 「ゆぎゃっ!?」 「いぢゃいぃ!?」 ちくちくと肌を突かれ、生まれて初めての痛みに声をあげる赤ゆっくり。 「やめちぇ!やめちぇぇ!!」 「いぢゃいい!!おきゃあしゃああんん!!」 「なにしてるのおおおおお!!?やめろおおおお!!」 親れいむ共が喚き、箱の外壁に体当たりをするが、 部屋の床にしっかりと固定された箱は揺らぎもしない。 「おきゃあしゃああああん!!」 「ゆえええぇぇん!!」 爪楊枝から逃れようとちりぢりに逃げようとする赤ゆっくり共。 しかし、その鼻先に爪楊枝を突きつけ、追い返す。 元から移動速度の遅いゆっくりの幼児のこと、悲しいほどに遅く、 九匹もいるとはいえ、座ったままで充分に全員を操作できた。 今や赤ゆっくりは互いに身をよせあって一か所に固まり、 四方から迫りくる爪楊枝に、ただ泣き喚き、母に助けを求めている。 「たしゅけちぇええ!!たしゅけちぇえええ!!!」 「ゆびゃっ!!」「いぢゃあっ!!」 「もういやぁぁぁぁ!!」 「おきゃあしゃああああんなんでえええええ!?」 「おちびちゃん!!おちびちゃああああん!!!」 固まってぶるぶる震える赤ゆっくり共。 俺はそこで道具を持ち変え、バーナーを手にした。 一匹の赤まりさを手にとり、底面を上に持つ。 「ゆっ?はなちてにぇ!はなちてにぇ!!」 もぞもぞと抗う赤まりさの底面を炎が焼き焦がす。 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいい!!!??」 笛吹きヤカンのような悲鳴が響き渡る。 「おちびちゃんんん!!」 「やめなさいいいい!!いたがってるでしょおおおおおお!?」 「くそじじいいいいいいますぐはなせええええええええ!!!」 低出力のバーナーで、ゆっくりと丹念に赤まりさの足は焼かれてゆく。 「びびびびびいいいいああああああぢゅいいいいいいいいいいぎぎぎぎぎぎぃいあぢゅああああおぢゃあしゃあああああああーーーーっああーーーーーーーっづづづづづづづうううううぐうううういやぢゃああああああぐぎいいいいいいいーーーーーー」 泡を吹き、悶え、痙攣する赤ゆっくりの底面は、 やがて真っ黒に焼け焦げた。 恐らくは中の餡子まで焦げ付いているだろうが、ともかく生きている。 それを床に置くと、泣く元気もなくぐったりとうなだれた。 「ゆわああぁぁ……あんよがあぁぁ……」 「おぢびぢゃんのがわいいあんよがあああ……」 俺に悪態をつくことさえ忘れ、 赤ゆっくり以上に涙を流し、壁面にへばりついて親れいむ共は嘆いている。 赤まりさの足がもはや用をなさないことは誰の目にも明らかだった。 固まっている残りの赤ゆっくり共は、あまりのことに硬直して、 ただ事のなりゆきを凝視していた。 次は赤れいむを手にとる。 「いやぢゃあああああああ!!!」 何をされるかを理解した赤れいむは、ここを先途と絶叫する。 「だじゅげぢぇええええおぎゃあじゃああああん!! でいぶあんよやぎゃれぢゃぎゅにゃいいいいいいいいいいい!!!」 「ごみぐずううううううううううう!!!」 「いばずぐばなぜええええええぐぞじじいいい!!」 「頭に来るな」 俺は答えてやった。 「ゴミクズだの糞奴隷だの、さんざんに言ってくれるな。 俺はすごく気分が悪い。頭に来てる」 「じるがああああ!!ごみぐずごみぐずごみぐずううう!!」 「だまれだまれだまれえええ!!じじいはざっざどがえじでじねえええ!!」 「頭に来るから、こいつも焼く」 そこで親れいむ共の様子が変わった。 罵倒を中止して黙り込み、赤れいむに近づけられるバーナーを見つめている 懇切丁寧に解説してやった甲斐があり、今の状況がようやく把握できたようだ。 「おにいさん!!やめてね!ゆっくりやめてね!!」 「ごめんなさい!!ごみくずっていってごめんなさい!!ね!!」 「もうやめてあげるからね!!おにいさんもやめてね!!」 「ゆばがぎゃああああああああああああ!!!」 「なんでえええええええええええ!!?」 赤れいむの底面が丹念に焼かれる間、親れいむ共は懇願し続けた。 「やめてくだざい!!やめでえええええええ」 「おでがいじばず!!おでがいじばず!!」 「おにいざあああああんもうばがにじまぜえええええええん!!」 「ゆっくりざぜであげてええええええええええ!!!」 「でいぶをやいでぐだざいいい!!おぢびぢゃんはだずげでえええ!!」 一人が身代わりを申し出たのを皮切りに、 親れいむ共全員が競うようにして自らを差し出した。 「でいぶをやいでえええ!!おでがいでずううううう!!」 「でいぶはどうなっでもいいでずううううううう!! おぢびぢゃんは!!おぢびぢゃんだげはああああああああ」 「どっでもゆっぐりじだあがぢゃんなんでずうううううう!! でいぶになら!!でいぶにならなにをじでもいいでずがら!!あがぢゃんだずげでええええ!!!」 ゆっくりの中でも、れいむ種は特別母性が強い。 自分の子供を溺愛することにかけては他の種とは比べものにならず、 今やっているように、拷問の身代りになることさえ厭わない。 やはり思ったとおりだ。 れいむ種にとって最大の苦痛は、子供を傷めつけられることなのだ。 方針は決まった。 続く
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ゆっくりとりひきしていってね!1 その日は大雨だった。 「・・・」 少年は傘も差さず大きなゴミ箱をじっと見つめていた。 ゆっくりを捨てる為のゴミ箱。 厳密には捨てるわけではなく、加工場の従業員の回収する手間を省く為の箱。 その中で何匹ものゆっくりが騒いでいる様子が見て伺える。 しかし、この箱の中は完全防音の為その声が外に届くのは箱を開けた時だけ。 少年は何を血迷ったのか、その箱を開けた。 「「「「「ゆゆゆゆゆっくりしていってね!!!」」」」」 一気に騒がしくなる。 しかし幸い周囲に人はいない。 少年はその中から二匹のゆっくり、れいむとまりさを持ち出した。 「ゆ!おにいさんだあれ?ゆっくりできるひと?」 「おにいさんはたべものをおいてまりさにおうちをわたしてでてってね!!」 少年は2匹を腕で抱え込み、静かにその場を後にした。 少年は、一人だった。 少年の両親はつい最近、事故でこの世を去ってしまった。 少年は留守番を頼まれていた。慣れていたことだった。 少年に、両親の遺産が託された。 どんなに遊びほうけたとしても、一生を生きることが可能な程。 ※細かい設定はスルー、少年は一人暮らしになったとさ※ そして、今現在。 少年は流石に一人だと嫌なのかまた別の目的か、二匹のゆっくりを家に連れてきた。 「ゆ!!ひろいおうちだね!ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!」 「ゆ!?ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!れいむはとっととでてってね!!」 「ゆ・・・?じゃあふたりでいっしょにくらそうよ!そうすればたのしいよ!」 「ゆゆっ!れいむがいいことをいったよ!なかよくくらそうね!」 「「じゃあおにいさん、さっさとでてってね!!!」」 勝手に二匹で会話を進行した挙句、ここまでつれてきた少年を追放しようとするゆっくり。 少年は無言のまま、2匹をケースに入れた。 「ゆ!?おにいさんなにするの?れいむにさっさとおやつをもってきてね!」 「ゆゆぅ?おにいさん!ここはせまいよ!まりさをさっさとここからだしてね!!!」 「そこが今日からお前達の部屋だ」 少年が初めて口を開く。 その声は暗く、大人びた声。とても少年の発する声とは思えない。 「ゆ!いやだよせまいよ!こんなせまいところだとゆっくりできないよ!」 「そうだよ!ゆっくりさせてくれないおにいさんはとっととしね!!」 少年は無言でケースにくず野菜を放り投げる。 「ゆゆゆゆ!!おやさいだ!!おにいさんありがとー!」 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー♪」 「ゆ!まりさずるいよ!ひとりでかってにたべないでね!!」 「ゆぅ!ごめんねれいむ!いっしょになかよくたべようね!!」 「「むーしゃ♪むーしゃ♪むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせしあわせー♪」」 2匹はケースのことを忘れていた。無理もない。所詮は餡子脳、いいことがあれば悪いことなどすぐ忘れる。 そうして2匹は満腹になり食事を終えた。 「ここならゆっくりできるね!おいしいおやさいくれたおにいさんはいいひとだね!」 「そうだね!おにいさんがきたらもっとおやさいもらおうね!!でもきょうはおなかいっぱいだね!あしたもらおうね!」 少年は舞い降りた。 ゆっくりケースの目の前のテーブルに豪華な食事を並べて。 「ゆ!!おにいさん!!そのたべものなあに!?」 「どおしてまりさたちにくれなかったの!?おやさいよりそっちがいい!!すごくおいしそうだよ!!」 「満腹・・・なんだろう?分けようとは思ったのに満腹じゃあ仕方ない。これは全部俺が貰うよ」 それだけ言うと少年はケーキにナイフを入れ始める。 少年はデザートが大好きらしい。 「ゆゆ~!!おにいさんだけずるいよ!!れいむたちにもちょうだいよ!!」 「おにいさんはいじきたないよ!!いじきたないなんていわれたくなかったらまりさたちにもちょうだいね!!」 デザートタイム、終了。 少年はゆっくりに近づき、提案する。 「お前達・・・食事が欲しいのか?」 「ゆ!もちろんだよ!はやくりかいしてね!!」 「お前達にただで食事をやるのはさっきまでだ。今からは取引だ。」 「おにいさんはまりさたちにおいしいものをもってくればいいんだよ!!はやくもってきてね!!」 少年の目は光を失くした。 「なら、そこでのたれ死ね。お前達に一切食事を出すことはない。」 少年は冷たく言い放つと、その場を後にしようとする。 流石にゆっくり達も食事が出来ない怖さを知ったのか、 「ごめんなざいおにい”ざん!!!!あや”まるがらゆるじでえぇえ!!!!」 「まりさ”がわるがった”でずう!!ゆるじでええええ!!!!!!!!」 少年は再び舞い降りた。 「ならば条件を出そう。取引できるものを書いた紙をここに貼っておく。 食事がしたい時はこの呼び鈴を押してこの紙に書いているものを俺に渡せばそれ相応の食事を用意してやる。」 そういうと少年はその紙を貼り付け、呼び鈴をセットし、その場を後にした。 ゆっくりたちはその紙を眺める。 「なにをわたせばいいんだろうね?」 「まりさたちなにももってないんだぜ・・・」 ------------------------------------------------- 生ゴミ・・・ゆっくりの頬一切れ くず野菜・・・ゆっくりの頬三切れ 果物・・・ゆっくりの「中身」15% 3日分の食料・・・ゆっくりの赤ん坊(生後すぐの物以外は認めず) 1週間外出許可証・・・ゆっくりのりぼんやぼうしなど --------------------------------------------------- 「・・・ゆ?」 2匹は固まっていた。 意味が分からない。 とりあえず、呼び鈴を鳴らす。 「早速か。どれがいいんだ」 「おにいさん!これ、よくわからないよ!!いみがわからない!!!・・・ゆ?」 それを聞いた少年の顔が…変わった。 楽しそう、しかし悪魔の様な顔。笑っているが、怖い。 「ゆっ・・・!?」 「おに・・・いさん?」 「じゃあ説明しよう・・・取引に関して」 「まず生ゴミ。生ゴミは不味いが食べれば死なない。ただ生き残りたいのならこれを選べば良い。 生ゴミを食べる代わりにお前達の頬を一つ、千切って俺が貰う。それで生ゴミの取引は終了」 「次にくず野菜。さっき食べたやつだ。これは栄養もそこそこあって食べればまあ満足だろうな。 その代わり、お前達の頬を3回、千切らせてもらう。それでくず野菜は終了」 「次は果物か。果物は美味しくてなおかつ栄養もくず野菜とは桁違いだ。かなりゆっくりできるだろうな。 しかし、果物の場合はお前達の中身を結構いただく。」 「ちょっとまっておにいさん!!」 「・・・ん?」 「なかみってなあに?」 少年の顔がさらに黒くなってゆく。 「お前達の中身。お前達の中にあるものをいただく。ただそれだけ。次に進む。」 「いみがわかr まりさの言葉はかき消された。 「次に3日分の食料・・・豪華だ。美味くて栄養もあってそれが3日分もある。食べ過ぎても2日はゆっくりできる。 その場合・・・お前達の子供、それも赤ん坊限定で俺に提供しなければいけない」 「でも・・・まりさたちはこどもがいないよ!それじゃむりだよ!!」 「作ればいいさ」 「ゆゆ!!そうだね!!!おにいさんさすがだねA!!!」 しかし、れいむの顔色は優れない。分かっているようだ。 「お・・・おにいさん、それは・・・れいむたちのつくったあかちゃんをおにいさんに・・・」 「そう。お前達の赤ん坊はその気になれば食料に代わる」 「いや”だああああああ!!!!!!あかぢゃんいあやああああああ!!!!!!」 れいむは泣いた。これは普通の反応である。自分の子供をお兄さんにあげるなどとなれば、当然。 しかしまりさは違う。その気になれば平気で仲間を裏切る性格。自分の為ならたとえ赤ん坊でも容赦しないだろう。 「さーて、最後の説明だ。心して聞け。 この1週間外出許可証・・・これは1週間だけ外に出してやる。 その間は自由だ。ただしその間ここには戻れない。 そしてこの外出のスタート地点は森の奥だ。 そのために必要なものは・・・おまえたちのリボン、帽子」 ここについては疑問を抱かないゆっくり。 まあ仕方ない、これについてはよく分かっていないのだろう。 「ゆっくり理解したか?じゃあな」 少年はじぶんの部屋へと戻っていった。 「れいむ!どおする?きょうはもうおなかいっぱいだからいいけど・・・・」 れいむは即答した。反射反応のように。 「さんにちぶんのたべものはだめだよ!!!ぜったいだよ!!!!!」 その顔はただ頬を膨らませているだけであるが、ゆっくりからしたら相当の迫力のようだ。 まりさは恐れをなした。 「ゆ・・・わ・・・わかったよ!ゆっくりりかいしたよ!」 「りかいしたならいいんだよ!いっしょにゆっくりしようね!!」 「ゆー!!」 こうして2匹のゆっくりの新たな生活が始まる。 本来ならば加工所送りにされていた二匹。 それが吉と出るか凶と出るか・・・それはまだしったこっちゃねえや ゆっくりとりひきしていってね!1 終 続く _____________________ 今回あとがきはそんなになしです。 代表作 ゆっくり大福作ってみた このSSに感想を付ける
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一応現代設定です。 激しい虐待描写はありません。 『ゆっくりだまし』 突然だが、僕には昔からとある悪癖がある。それは「猫だまし」。 相手の顔の前で両手をパーンと叩き合わせて怯ませるのが主旨のあれだ。 僕は人と話したりしていると、ついついその相手に猫だましをやってしまうのだ。 別に驚く顔が見たいとかそういう訳でもなく、ふと理由も無しに誰彼構わず標的にしてしまう。 勿論、見知らぬ人とか目上の人にはやらない。小さい頃は学校の先生にやって怒られたけど。 でも知り合って間もない友人なんかにはやってしまうので、みんな嫌がって僕から離れていく。当然だが。 そんなこんなで、友達は少ないし家族も冷たい。猫だまし一つで社会不適合者まっしぐらだ。 こんな癖は直さないといけないと常々思ってはいるが、人の顔を見るとどうもムズムズして仕方がない。 一度にまとめてやってしまえば、その後しばらくは我慢出来るのだが。 「つまりさ、せめて思うさま猫だましさせてくれる人が傍にいればなぁ」 「ゆっくりにでもやってろ!」 数少ない友人が僕に良いアドバイスをくれた。 多分嫌味で言ったんだろうけど、僕にとって優れた助言であることは確かだ。 ゆっくりなら人の顔に……まあ見えなくもない。若干デフォルメされてはいるが……。 ということで僕はゆっくりショップに赴き、一匹の安物ゆっくりれいむを購入したのだった。代金500円也。 購入時、れいむは箱に詰められながら「これでゆっくりできるよ!!」と大喜びだった。どんな暮らしをしてたんだろう。 「ゆっくりしていってね!!」 アパートの部屋に帰って箱から出してやるなり、舌足らずにそう叫ぶれいむ。 サイズはソフトボールより一回り大きい程度か。道に転がっていたら踏みつけてしまいそうだ。 近くで向き合ってみると相当不気味だが、慣れるとカワイイらしい。 「していってね、ってなあ。それは自分の家に来たお客さんに言うことだろ」 「ゆ・・・?ここはれいむのおうちだよ!!」 「違うよ、ここは僕の家……いや、これからはお前の家でもあるのか」 「そうだよ!ゆっくりしていってね!!」 「はいはい、れいむもゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!・・・ゆゆ゛! ごごはれいむのおうぢなの!!なんでおにいざんがゆっぐりじでいっでねっていうの゛!!」 想像以上にめんどくせー奴だな……。 まあ良いや。店員さんによると「結構、適当に飼ってても大丈夫ッスよ」とのこと。 でもペットショップの店員さんって、他のデリケートな小動物なんかの飼育にも詳しいんだよな。 そんな人が言う「適当」の基準がいまいち解らない。 まあゆっくりだったら死にそうになったら自分から言うだろう。適当に扱わせてもらおう。 「れいむおなかすいてきたよ!」 「じゃあ何か持ってこようか」 「ゆっ!ゆっくりごはんもってきてね!!」 自分の家だと言っておきながら、何だこの「精々もてなしてもらおう」って態度は…… ん? 「おなかすいてきたよ」は独り言か。そういえば僕も「腹減った~」って言うもんな。 しまった、じゃあ無視すべきだったんだ。僕を独り言に応じて動く奴隷だと認識してしまうぞ。 とは言え、今は期待の視線を送るれいむを放っておくわけにもいくまい。 パン!! 「ゆ゛ゆ゛!!??」 あ、つい猫だまししちゃった。人の顔っぽいものを見てるとねー。銅像とかにもやっちゃうし。 れいむは驚きに目を見開いて固まっている。その顔は意外とカワイイ。これなら愛せるかもしれない。 「おにいさんなにするの!!びっくりさせないでね!!ぷんぷん!!」 今度は頬を膨らませて怒っている。これはあんまりかわいくないな。 僕は生ゴミ入れから綺麗に剥いたリンゴの皮を二枚拾い上げると、お皿に盛ってれいむの前に出した。 ついでに量とバランスを考えて、トマトのヘタとかジャガイモの芽も出してあげたよ。 ジャガイモの芽は毒があるので大丈夫かなと思ったが、その辺は適当にしといた。 「ゆゆっ!ごちそうだね!ゆっくりたべるよ!」 この生ゴミがご馳走か……ペットショップでは何食わされてたんだろう? きっと好き嫌いしないゆっくりに育てる為のお店側の配慮に満ちた滋養食だったんだろうな。 れいむはお皿に顔を突っ込む。つまり全身を突っ込む。犬食いってレベルじゃねーぞ! 渦状のリンゴの皮をツルツルと蕎麦を啜るように口に入れていき、他のゴミも口に含むと、 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 と歌いながら食べ終え、目を潤ませつつ満面の笑みを浮かべた。実に簡単な食事だ。 リンゴの皮はもう一枚ある。それをツルツルと口に収めると、「むーしゃ、むーしゃ」と言い出す。 バーン!! 「しあゆ゛ぐっ!!!!」 歌の途中でびっくりさせられ、息が詰まったようになるれいむ。相当フラストレーション溜まったろうな。 相当気に障ったのか、ぷるぷると震えて目に涙を浮かべている。 うーん、良いリアクションするなあ。人間相手にはそこまで反応に期待してなかったけど、これはやる気出るわ。 ところでジャガイモの毒は大丈夫だったみたいだ。生野菜を食べるゆっくりもいるというし、効かない毒もあるのかも知れない。 さて、ごはんを食べたら次は何だろうか。まだまだ元気そうだし、遊びの時間かな。 遊びと言っても、一体何をして遊ぶのだろうか。どうすると楽しいのだろうか。つーかこいつらに人生の楽しみなんかあるのか? 疑問は尽きないが、とりあえず何かを与えてみよう。 人間の子供は、人の形をした人形で遊ぶ。そんな単純な思いつきから、ゆっくりのように丸いスーパーボールを与えてみた。 目の前にコロコロと転がしてみる。 「ゆ?ゆっくりまってね!」 れいむはぴょんぴょん跳ねて追いかける。顔がぐにゃりとしなる様子はなかなか怖い。 ま、何事も慣れだよ。慣れ。 やがて勢いを失ったボールに追いついたれいむは、ボールを口に含んだ。 「むーしゃ、むー・・・な゛にごれ゛!!」 まだごはんの時間だと思ってたらしい。 新しい食べ物と勘違いしたようだ。ちゃんと言うべきだったな。 「ごはんの時間はもうおしまいだよ。それはれいむのために持ってきたおもちゃだよ」 「ぷんぷん!もっとはやくいってね!!」 シパーン!! 「ぷひゅっ!?」 怒った顔に少しムカついたので、猫だまししてみた。驚きで唇が緩み、頬に溜められていた空気がプシュっと抜ける。 そのマヌケな顔に、僕もぷっと吹き出してしまった。 そのまま手を合わせてゴメンネと言い、猫だましがさも謝る為の動作だったみたいな感じにしとく。 「じゃあ、しばらくそれで遊んでいてね」 もう一度怒る隙を与えず、僕はその場から離れる。れいむは目を白黒させていた。 何かスーパーボールが喉に詰まったみたいになっていたが、ゆっくりに喉なんか無いしその内吐き出すだろう。 「ゆっゆっ!たまさん、ゆっくりしてね!ころころー♪」 本を片手に、隣の部屋かられいむを見守る。言いつけ通りにスーパーボールで遊んでいる。 口から慌てて吐き出したボールが壁にポーンと跳ね返るのを見て、遊び方を思いついたみたいだ。 上に覆いかぶさってコロコロと転がしたり、体のしなりを利用してボールを弾き飛ばし、壁に跳ね返させたり。 なかなか楽しそうに笑っている。ゆっくりの生活ってイメージ湧かなかったけど、皆こんな感じなのかなあ。 壁に跳ね返ったボールが僕のいる部屋に転がってくる。それを追いかけて来たれいむが、ふとこちらを見上げた。 僕が読書しながらつまんでいた麦チョコに気付いたらしい。目ざとい奴め。 「ゆっ!おかし!!おにいさん、れいむにもゆっくりちょうだいね!!」 「しょうがないなあ」 お菓子が美味しいという知識はどこから仕入れたのだろうか。 まあこいつら自身がお菓子なんだから、同じお菓子には多少詳しくても不思議は無い……よね。 小皿に麦チョコを盛り分け、れいむの方に持っていってやる。 「ゆっゆっ♪はやくちょうだいね!!」 「ゆっくりなのか早くなのかどっちだよ……やれやれ」 そしてれいむの目の前に皿を降ろす。 と同時にシュパーン!! 「ゆひっ!!」 猫だましである。お菓子によだれを垂らしていた顔が、急激に緊張に引き攣る。面白っ! れいむは怒っているのか、申し訳程度に目が吊りあがっている。頬を膨らませるのも忘れて口汚く怒鳴り始めた。 「なにずるの!!びっぐりざぜないでっていっでるでしょ!!ばかなの!?じぬの!?」 「あれ? お菓子いらないの?」 「ゆ!?ゆっくりたべるよ!!」 目の前に置かれた麦チョコの山に気付くれいむ。 お菓子に釘付けで、もう僕の事なんか眼中に無いみたいだ。一口頬張り、「しあわしぇー!」と叫ぶ。 もう怒っていたことは忘れたらしい。さすがに適当な性格をしている。 夜になり、晩御飯の時間が訪れる。 小さい身体にお菓子を詰め込んだので、れいむはもうお腹いっぱいだろうと思ったが別にそんなことなかった。 あれからずっと遊んでいたから、全部エネルギーとして消費しきったのかも知れない。 れいむをテーブルの上に乗せてやり、米やおかずを平たい皿に盛る。ご飯は向き合って食べないとね。 れいむは「ごはん」と聞いた時から嬉しそうに跳ね回っており、今もご馳走を目の前にウズウズと体を揺すっている。 「それじゃ、いただきまーす」 「ゆっ?いただきまーすってなあに?」 「ご飯を食べる時には挨拶するんだよ。ご飯を作った人と、材料になった生き物に対してね」 「ゆゆっ!ゆっくりりかいしたよ!ごはんさん、れいむにゆっくりたべられてね!!」 「アホウが。命令ばっかりしてないで少しは恭しくしなさい」 「ゆ゛ぎゅうううううぅぅぅ」 しゃもじでれいむの頭を押さえつける。あ、ちょっと口から餡子漏れて来た。きったね。カエルの胃袋みたい。 再三に渡って言い聞かせた末、れいむは「いただきます」をちゃんと言うことが出来た。 躾はこうやってやればいいんだね。少しゆっくりの扱い方が解って来た気がする。 ちなみに会食中は猫だましはしない事にしている。何故って? 自分がやられた時の事を想像してごらんなさい。 今日はオムライスを作ってみた。れいむの分は僕のものの半分程度のボリュームで、大皿の中央にこじんまりと盛ってある。 昼の食事で、どうもゆっくりには食べ物を散らかす癖があるらしいことが解った。それを考慮しての対策である。 れいむは皿に飛び乗り、ぷるんと震える半熟焼き玉子の一部分を啜るように食べた。 「むーしゃ、むーしゃ・・・・し、ししししししあわしぇ~~~~!!!」 「お、おお……そんなに美味しいか?」 「しゅっごくおいちいよ!!すごくゆっくりしたごはんだよぉ~~~~!!!」 滂沱の感涙である。れいむが乗り上げたお皿の上に水溜りが出来ていく。ゆっくりの体液だから砂糖水か何かだろうか。 若干オーバーリアクションの気があるが、自分の作った料理でこれ程喜んで貰えるのは一人暮らし冥利に尽きるじゃないか。 生ゴミで喜ぶゆっくりの味覚がナンボのもんかは知らんけど、今は素直に図に乗っておこう。 「はふっはふ、むーしゃ、むーしゃ!!ししし、しあわむーしゃ!!」 「おいおい、ゆっくり食べなよ」 「む、むーしゃゆっぐり、じじしあわむーしゃ~~~~!!」 「つーかもう黙って食え!!」 「むちゃ、しあわ、ゆっ!?もうなくなっちゃったよ!!」 慌てて食った余り、皿に盛られていた分はすぐに無くなってしまった。 量の見積もりが甘かったか……とか思っていたら、当然のように僕の方のお皿に飛び込んで来た。 スプーンで咄嗟に叩き落す。 「ゆべっ!!ちょ、ちょうだいね!!ごはんゆっくりちょうだいね!!」 「やめなさい。人の分を取るのは」 「ゆっ、ゆぐ、ゆぐりごはんちょうだいね!!かわいいれいぶにだべざぜでね!!」 もう目がヤバイよこいつ……スプーンの腹でぐいぐいと押し返すが、ゆっくりらしからぬ力で抵抗して来る。 力を込めれば押し返せなくもないが、加減を間違えるとスプーンでれいむの身体を押し抜いてしまいそうだ。 それは危ないので、適当なところでスプーンを離して解放してやる。 バチューン!! 「ゆびっ!!!?」 そしてほとんど間を置かずに猫だましをお見舞いしてやった。食事のマナーを破った者にはやっても良い自分ルールなのだ。 全力でこちらに飛びかかろうとしていたれいむの足(?)の力は驚きに仰け反り、 れいむのお皿ごとテーブルから下に落下する。ちなみにれいむのお皿はプラスチックなんで落ちても割れない。 「ゆ゛ぎゃああああああぁぁぁぁぁ!!」 何かすごい悲鳴したな。それほど大きな音はしなかったんだけど。 テーブルの下を覗き込んでみると、れいむに覆いかぶさったらしい大皿がぐらぐらと揺れていた。 その下から涙目のれいむが這い出てくる。皿に溜まっていた自分の涙と、残留ケチャップを頭から被っている。 「ゆぐっ、ゆっぐ・・・れいむの・・・れいむのおりぼんがぁぁぁ・・・」 自分の頭は見えないはずだが、リボンが汚れてるのは何となく解るのだろうか。 髪飾りはゆっくりにとって大事らしいので、そういうことに敏感な奴がいてもおかしくはないのだろう。 僕はそんなれいむを一先ず無視して、ゆっくりとオムライスを食べ終えた。なかなか上出来だった。 さて、夕食を終えたら風呂に入る時間だ。汚れていたれいむも洗ってやるか。 「おーいれいむー、こっちおいでー。お風呂入るよー」 「ゆっ?おふろ?きれいきれいするよ!!」 リボンを汚してからしばらくゆっくり出来ていなかったれいむだが、お風呂と聞くとパッと笑顔になった。 ゆっくりの語彙力やら知識やらってどこから来てるのか良く解らないな。何が通じて何が通じないのか、見極めていかねば。 ともかくお風呂という概念は知っているようで、喜び勇んでこちらにピョコピョコ跳ねて来る。僕の目の前まで来たところで、 ヒュッ 「ゆっ」 寸止め猫だましである。れいむはびくりと体を強張らせ、来るべき衝撃に備えていたようだ。 そうして動きを止めたれいむをひょいと手に載せ、僕は風呂場へと向かった。 いきなり驚かせようとしたかと思えば優しくしてくる僕に、態度を決めかねたれいむは居心地悪そうに「ゆっ、ゆっ」と言っていた。 自分で言うのも何だけど、僕は猫だましに関しては完全に支離滅裂だからね。気が狂っとる。 服を脱ぎ、浴室へと入る。浴槽の蓋を開けると、室内は湯気に覆われた。 まずはれいむから洗ってやるか。 「ゆっくりあらってね!!きれいきれいしてね!!」 「はいはい、じゃあまずリボンを取ろうね」 「ゆ゛っ!!や、やべでね!!でいむのおりぼんどらないで!!」 リボンをつまんで解こうとしたら、全力でいやいやをされた。 髪飾りは大事だとは聞いていたが、これほど嫌がるとは……別に奪って燃やそうというわけじゃないのに。 「でもリボンを取らないと綺麗にできないよ」 「いやだよ!!おりぼんはとっちゃだめなんだよ!!」 「ね、ちょっとの間外すだけだから」 「ゆ゛ぅぅぅぅ!!い゛やあぁぁぁぁぁ!!おりぼんどらないでねええぇぇぇ!!」 「じゃあおリボン汚いままで良いのね!」 「やああぁぁぁだああぁぁぁぁぁぁ!!ゆっぐりでぎないの゛ぉぉぉぉぉ!!」 「れいむのバカ! もう知らない!!」 「ゆ゛びぇぇぇぇぇぇん!!おにーじゃんのばがあぁぁぁぁぁぁぁ!!」 一通りトトロごっこを満喫した後、リボンを黙ってひょいと取り上げる。ついでにもみ上げの筒も。 ずっとリボンの汚れからストレスを受け続けるよりは、今少しだけ我慢して貰った方がれいむの為だ。 れいむは遊びじゃなくて本気で嫌がっていたらしく、僕の裸の尻に何度も体当たりしてきてくすぐったかった。 鬱陶しいので、湯桶に入れて湯船に浮かべておいた。お湯に落ちるのを恐れてれいむは動けない。 「ここでゆっくりしててね。リボン洗っといてあげるから」 「や、やべで!!おみずさんこわいよ!!それになんだかここはあづいよ!! おりぼんきれいきれいしなくていいからかえしてね!!ここからだじでね!!」 無視である。 その間にリボンに石鹸をつけてゴシゴシ洗ってあげた。レースがちょっとほつれたけど問題無いだろう。 数分後、湯桶の中を見てみるとれいむが茹っていた。うわー、って感じ。 お湯の温度44度だからなあ。桶の中でも熱いか。 確か小さいゆっくりって、加熱し過ぎると身体が固まって死ぬんだっけ? 意外と今、生死の境目なのかも知れない。ちょっと適当にし過ぎたか。 「ゆ・・・ゆっぐぢ・・・・おりぼん・・・・」 なんとまだリボンに執着していた。本当に大事なんだなあ、無くても死にゃしないだろうに。 このままにしておくと死なないにしても辛そうなので、リボンを付けるのは後回し。 洗面器に冷水を溜め、熱くなったれいむの身体を浸してやる。 「ひんやりー!!ぷんぷん、れいむをあついあついにしないでよね!!」 完全復活である。適当な生き物で助かった、とほっと一息。 そのまま冷水の中で転がすようにして、れいむのモチモチした柔らかな身体を洗ってやる。 「ゆっゆっ♪ひんやりすっきりー!」 れいむはくすぐったそうに目を細めている。段々かわいく思えて来たかも知れない。 洗面器かられいむを上げて、湯船の縁に置く。そして後ろを向かせてリボンを結んでやった。 「えーと、ここをこうして……よし、これで良いな」 「ゆゆっ!!おりぼんもれいむもきれいになったよ!!とってもゆっくりできるよぉ~~~!!」 「うんうん。やっぱりリボン洗って良かっただろ?」 「ゆん!!おりぼんがないとゆっくりできないけど、きれいきれいしたらすごくゆっくりだよ!!」 正面を向かせて筒を填めながら、どんな感じか見てみる。 うん……少し曲がってるかな。まあ少しだし、問題無いよね。初めてリボン結んだにしては上出来だし。 れいむは涙を流してゆっくりしている。ちょっとした事でも感動の涙を流すな。感動表現の天井が尽きるぞ。 体も綺麗になり、リボンも戻って来た。抱えていた不安が全て解消され、れいむの顔は安心に緩みきっていた。 パヂーン!! 「ゆあ゛っ」 その素晴らしいゆっくりぶりに、僕は猫だましの拍手を送った。だってゆっくりのこんな顔見たらねえ。 で、つるん、ぼちゃんである。ぶくぶくとあぶくを立てて、れいむは湯船に沈んでいった。 「いやー、良い風呂だった」 「ゆぐ・・・ぜんぜんゆっぐぢでぎながっだよ・・・もうおふろい゛やだよ・・・」 「まあまあ、そう言わないで。きれいきれい出来たでしょ」 まあ色々あってれいむを無事救出し、僕は湯船でゆっくりしたのであった。 熱湯に沈んだのがよっぽど堪えたのか、れいむはずっと辛そうな顔をしている。 少し心配になったが、ゆっくりの回復力なら明日の朝にはまた元気になっているだろう。 「ゆぅ、ゆぅ・・・れいみゅもうねりゅよ・・・」 疲労と眠気で口がうまく回っていない。重たそうな瞼がうっすら開閉している。 布団代わりにと箪笥からハンドタオルを取り出し、畳んで床に敷いてやる。 そこにれいむを載せ、更にその上からハンカチを掛けてやる。これでゆっくり眠れるだろう。 「ゆふ・・・あっちゃかいよ・・・」 「おやすみ、れいむ……」 「おやしゅみなしゃぃ・・・ゆふぅ・・・」 屈み込んで覗き込む、とても安らかなれいむの顔。誰だって眠い時にふわふわの布団に入れば、こんな表情にもなるだろう。 見ているだけでこちらまでゆっくりしてしまう、とろけるような柔らかな笑顔だ。 うっすらと開いている小さな瞼が、段々と閉じられていく。僕も眠くなってきたよ、れいむ…… バッシィーーン!! 「かひっ!!!?」 おやすみの猫だまし。つきかけていた寝息はキャンセルされ、その呼吸音を聞いただけで心臓に悪そうなことが伝わって来る。 とろとろと閉じられていた瞼はバチンと見開かれ、まだ明かりのついた部屋いっぱいを映している。 布団に入っている時に地震が起きたのを感じると急激に目が覚めちゃうけど、今のれいむはあんな感じに近いのかな。 ゆっくりにしてみれば目の前で爆音が響いてるんだから、近くに爆弾落とされたようなものだろうか。 「おやおや? あんな重そうにしてた瞼を一気に開けちゃうなんて、れいむは重量挙げ世界一だね」 「ゆっ・・・ゆぐっ・・・ゆえっ・・・」 見る見る内にれいむの目の縁に涙が溜まっていく。口は意思とは無関係にへの字に引き攣っているようで、喋りづらそうだ。 「どっ、どぼじで・・・どぼじでれいみゅをびっくりさせるのぉ・・・ゆっぐちさしぇてよぉぉ・・・」 「ゆっくりさせてるでしょ? 美味しいご飯もオモチャもあげたし、お風呂で身体を綺麗にしてあげたよ」 「でも・・・でもばちんってやられりゅよ・・・ほ、ほかのこちょはゆっぐちできちぇるのに・・・ ばちんってやられたらゆぐ、ゆっくちでぎないよ・・・」 「もう、こんなにゆっくりさせてあげてるのにまだゆっくり出来ないなんて。れいむは贅沢過ぎるよ」 嗚咽交じりに話すれいむに向かって、ヒュッ、と猫だましを寸止め。 びくりとれいむの身体が震えた。数秒置きにやってみても、その都度律儀に身体を強張らせる。寸止め遊びも楽しいなあ。 「やめっ、やめでねぇ・・・れいみゅ、れいみゅはおねむなんだよ・・・ゆっぐりねたいのぉ・・・・」 「うん、そうだね。今日は色々あって疲れたろ、ゆっくりおやすみ」 そう言って僕は立ち上がり、自分の布団へと向かう……最中に、何度かチラッとれいむに振り返ってみる。 もうそれだけでびくっ、びくっとれいむは全身を強張らせている。瞼も重いのにおちおち閉じられない。 少し離れた所に敷いておいた布団に入った後も、僕は時々頭を起こしてれいむの方を見る。 そうして視線を送るだけで瞼が押し開けられ、身体が小さく伸び上がる。 「ゆひっ・・・お、おにーしゃんもはやくすやすやしてね・・・れいみゅをねかしぇてねぇぇ・・・」 れいむはぽろぽろと涙をこぼして敷き布団代わりのタオルを濡らし、その柔らかだった表情は不安によって歪められている。 僕がれいむの方を見ていない間も、僕のことが気になって全然ゆっくり出来ていないみたいだ。かわいいやつめ。 そのまま二時間ぐらい互いに眠れない時間を過ごしたが、いつの間にかれいむは泣き疲れて眠っていた。 僕も初めてペットの世話をした疲れからか、自然と瞼が下りていった。 これで思う存分猫だましが出来る、しかもリアクションも強くて意外にやりがいがある。良い買い物をした。 そんな風に思いながら、僕は眠りに落ちていった。 翌朝。僕が目覚まし無しで目覚めると、横ではれいむがまだすやすやと眠っていた。 今日は朝から大学に行かなきゃならない。これから家族で朝ご飯にするんだから、れいむには起きてもらわないと。 「おーい、れいむさーん。朝ですよー。起きてくださーい」 「ゆぅ・・・・ゆふ・・・・・すやすや・・・・ゆぅん・・・・・」 優しく起こしてみるも、気持ち良さそうに寝息を立てている。「すやすや」って言ってるもん。はっきり。 でも朝は起きなくっちゃあならない。それが我が家のルールである。うっかり昼夜逆転とかしてみろ、酷いことになるぞ! 「れいむー、起きてねー!」 「すーや、すーや・・・・ゆん・・・・・ゆぅ・・・・」 強めに呼びかけても、まだ起きる気配は無い。 パァーン! 「ゆがひっ!!!??」 飛び起きた! ハンカチの掛け布団を払って飛び起きた。目覚ましには猫だましが一番、と。 幸せだった夢の風景でも探しているのか、辺りをきょろきょろと見回しているれいむ。 しかしそこにいるのは僕だけだ。僕の姿を認めると、れいむの表情は一気に暗くなった。失敬な。 「おはよう、れいむ。これから朝ご飯を食べるよ」 「ゆっ、ごはん・・・」 おや? 食い意地が張っているれいむなら、ごはんと聞けば飛びついて来そうなものだけど。 低血圧なのかも知れない。低餡圧かな? 何にせよ、朝ご飯はしっかり食べた方が良い。 僕から逃れようと身をよじるれいむを捕まえて、テーブルの上に載せてやる。 今日の朝ご飯はフレンチトースト。砂糖もたっぷりかかっていて、甘いもの好きのゆっくりにはたまらない一品だろう。 しかしれいむには、昨日のような飛びかかるような勢いは無い。「いただきます・・・」と呟き、 ちびちびとトーストを食んでいく。次第に「むーしゃ、むーしゃ」と幸せそうな顔になるものの、「しあわせー♪」とはやらない。 朝食を終え、持ち物の確認をしている間にれいむにはおもちゃを与えた。 しかし横目に見る限り、昨日のように溌剌と遊ぶれいむの姿は見られない。 何か怖いものに近付くように、おもちゃに身体の端を触れさせては離れる、というような行動を繰り返している。 いざ出かける段となったが、まだ少し時間に余裕がある。 僕はれいむと少し話をしてみることにした。 「れいむ、朝から元気無いけどどうしたの?」 「ゆぐっ・・・」 僕がれいむに目線を近づけようとしゃがみ込んだだけで、れいむは親にぶたれる子供のように身を屈める。 昨夜の状態がまだ続いているみたいだな。ゆっくりは忘れっぽいと聞いていたのだが。 問い質してみると、れいむは涙ながらに語り始めた。よく泣く奴だ。 「だっで・・・だっで、ゆっくりしてるとばちん、ってやれれ、やられりゅんだもん・・・・ ごはんやおかしをたべると、ばちんってやられるもん・・・おもちゃをもりゃ、もりゃうとばちんされるもん・・・ ばちんってさりぇ、さりぇたら、すごくゆっぐち、でぎなくなるんだもん・・・ゆっぐ・・・ゆえええぇぇぇぇ・・・・」 うーん、何を言ってるのか解らないぞ。でもお饅頭の言うことだし、ちょっとこっちで考えてみよう。 もしかしたら、昨日の猫だましに関する記憶が全部まずい具合に繋がっちゃってるんだろうか? お菓子をあげる時に猫だましもしたし、ご飯の時に猫だましして全身ケチャップまみれになったしな。 「ゆっくりする→猫だまし」と「猫だまし→ゆっくりできなくなる」がなぜか結び付いて、 「ゆっくりする→猫だまし→ゆっくりできなくなる」、即ち「ゆっくりするとゆっくりできなくなる」になったのか。 実際、風呂や寝る前には時はその公式通りになったので、多分それで確信へと至ったのだろう。 また湯船に落ちたトラウマが蘇るため、単純に驚かされること自体も耐えられなくなっているようだ。 「でもなあ、お前はゆっくりだろう? ゆっくりがゆっくりしてないでどうするんだ」 「なにいっでるの・・・おにいざんがばちんするからでしょおぉぉ・・・・・」 「そうか……じゃあ解った。もう猫だましはやめるよ」 「ゆ・・・?ほんとう?」 「ああ、俺もペットのゆっくりにはゆっくりしてて欲しいしね」 「ゆゆ・・・ありがちょう・・・」 バチン!!! 「ゆっひっ!!ゆがああぁあぁぁぁぁあぁぁ!!おにいざんいった!!もうばちんしないっでいっだぁぁぁぁぁ!!」 「え~、だってれいむが凄く安心した顔してたからつい……でもびっくりしてるれいむはカワイイよ」 「れいむびっくりじだぐないよぉぉぉぉぉぉ!!!どぼじでごんなごどずるのおぉぉぉぉぉ!!」 「んなこと言われてもさあ、僕は猫だましをする為に君を買ったんだよ」 「ゆ゛・・・・な、なに・・・・・?」 「猫だましするなって言うなら、れいむを飼う意味が無いわけだよ。捨てるか潰すかしちゃうよ」 「ゆ゛ゆ゛!!やべでね!!やべでね!!れいむをごろざないでね!!でいぶじにだぐないぃぃぃぃ!!」 バチン!! 「ゆびゃびゅっ!!!??」 「そんなことしないよ。せっかく猫だましが楽しくなって来たのに……今まで何となくやって来たけど、楽しいのなんて初めてなんだよ。 多分もうれいむに猫だましをしないと満足出来ないんだよ。それにれいむにご飯や寝床を上げるのも多分僕だけ。 これって素敵な共生関係だと思わない?」 「ゆぎぃ・・・ぞんなのゆっぐりできないよ・・・れいむもうびっくりしたくないよ・・・」 「びっくりするのが君の生存意義なんだって。まあ『ゆっくり』と『びっくり』で一字しか違わないし、その内慣れるでしょ。 慣れたらまた新しいゆっくりに替えると思うけど」 「ゆ゛ぐ・・・おにいざん・・・・」 バチン!! 「がひゅっ!!??」 「あ、そろそろ出かける時間だ。急がないと」 「ゆゆっ!!れ、れいむおるすばんしてるよ!!ぜったいににげないからね!!まどはあけておいていいよ!!」 「いや、学校で不意に猫だまししたくなった時に困る。もう友達とか教授相手にやるわけにはいかないからね。 君は携帯猫だまし機として持ち歩くことにしよう。ずっと一緒にゆっくりしようね!」 「やべでね!!れいむおうぢにいるの!!おにいざんとあそびにいぎだぐない!!やだよおぉぉぉぉぉ・・・」 大事なパートナーであるれいむを、購入時に入れていた小さくて丈夫な箱に収め、通学用カバンに放り込む。 れいむさえいれば、長年の性癖ともおさらば。新たな猫だましライフ……いや、ゆっくりだましライフが今始まるんだ。 朝の陽光は、僕らを祝福するように明るかった。僕は新生活への一歩を今、踏み出した。 FIN このSSに感想を付ける