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ゆっくり眠れない夜 最近の研究で、ある種のゆっくりさくやは他のゆっくりの体内時計を調節し、よりゆっくりさせることができるということが判明しました……- 「こいつは使えるな……」 俺は新聞を放り投げると、手早く外出の支度をし、今日の予定をすべてキャンセルしてゆっくりショップへと急いだ。 こうした情報が出回ったからには、もともと稀少であるさくやの市場価格は間違いなく高騰する。駆け出し虐待お兄さんに過ぎない自分にも簡単に予見できることだ。 実は、今まで俺は値段と扱いづらさの両面からさくやに手を出すことはなかったのだが、これはいい機会かもしれない。 知らず、駆け足になっていた。 「ヒャア!大人買いだぁ!」 《さくや種売り切れ》 《さくや売り切れました》 《さくやお一人様2匹まで(ループ買い不可)》 「やっぱりな……」 案の定、市場に出回っているさくやは驚くほど少なくなっていた。誰も考えることは一緒ということか。 しかし、比較的早い時期から三軒両隣の村を駈けずりまわったために、俺は10匹ものさくやを確保することができた。十分な成果といえよう。 「この中に、させや(”ゆっくりさせ”さくや)がいるといいんだが……」 俺はゆっくり箱を大事に抱えて、家路を急いだ。 「れみ☆りゃ☆うー☆」 引き戸を開けるなり、飼っているれみりゃの例のダンスを目の当たりにする。 「おっがえっりだどぅ~♪ぷっでぃんかってきたかどぅ~?」 俺はそいつの翼を毟り取り、正面から拳や蹴りを叩き込む。 「ぷぎゃっ!?」 腕が根本から吹き飛び、肉汁で床を汚しながら転がる。 「でびぢゃのうでがああああ!!!!????」 足がへし折れる。 「あ゛ん゛あ゛ぁ゛ぁ゛ーー!!!い゛だっい゛だい゛どぅ~~!?」 帽子を掴み取り、 「う゛っ゛う゛ー!!れ゛み゛り゛ゃ゛の゛だい゛じだい゛じか゛え゛せ゛どぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!??」 それを口の中に押し込んでやる。 「む゛ぐう゛ぐぐぐぐ!!!いやだどぅ!だべだぐないどぅぅぅぅ!!!!!!」 はっと妄想から覚める。また有頂天に飛んでいたらしい。悪い癖だ。俺は反省する。 情熱だけでなく冷静さも併せ持ってこその虐待道。慌てるな、まだ虐待するような時間じゃない。 「ぷっでぃんはないよ」 期待の眼差しでこちらを見上げるれみりゃに教えてやる。 俺の言葉を理解するなり(本当に理解してるのかは知らない)、じたばたと暴れだすれみりゃ。だんすといいぐずりといい、いつもながら見るに耐えない仕草だ。 「う゛う゛~!!ぷっでぃんたべたいどぅぅぅ!!!」 と、俺は本来の目的を思い出し、大事に抱えてきたゆっくり箱を開封した。 「あう♪しゃくやだどぅー!!しゃくや、しゃくやぁぁぁぁ!!!」 れみりゃの反応は包みを開けた途端だった。ぐずるのをやめて、さくやがひしめく箱に取り付く。 ”させや”でなくとも、れみりゃ種とさくや種の間には先天的な共生傾向があるとは聞くが……それにしても想像以上の食いつきだ。 こいつにさせやが判別できるのなら、話が早いのだが。 れみりゃは例によって、何もしていないくせに尊大な態度でこう宣言する。 「しゃくやぁは~、れみりゃのめいどにしてあげるどぅ~!」 「「「ありがとうございます」」」 一斉に答える箱の中のさくや10匹。こいつらの方はなかなか理知的だ。 初めて会うさくやに夢中のれみりゃからさくやを取り上げ、見せびらかして遊びたいよいう衝動を堪えて、れみりゃの住居『ゆっくりゃ育成キット”紅魔館”』――透明素材で出来た、お城の形を模したペット小屋だ――にさくやをぞろぞろと放してやる。 「ゆっくりですね」 「とてもゆっくりします」 「おゆはん、おゆはん」 「れみりゃさま、どうぞゆっくり」 腹が減っているのも混じっているようだが、軒並み理性的な様子でれみりゃと接している。 「う~☆う~☆れみりゃもゆっくりするどぅ~☆」 れみりゃの方も、さくやを食べたりする素振りはない……ってちょっと待て!! 「今なんつった……」 思い返してみるに、れみりゃは確かに”ゆっくりするどぅ~☆”と言った。 見ているうちに、れみりゃは常にない様子で身体を弛緩させ、ごろりと寝そべった。その周囲にさくやが寄り添う。 「ゆーっくり……ゆーっくり……」 「さくやといると、とぉってもゆっくりできるんだどぅ~……」 友好的なさくや種と一緒にいてリラックスしている、というわけではなさそうだ。れみりゃの挙動そのものがゆっくりとしている。 「こうえいですわ」 「ゆっくりなさってください」 「れみぃぃ☆りゃあー☆うー……にぱーー☆」 やがてゆっくり達はひとかたまりに眠ってしまう。 これは……どうやら、俺は当たりを引いたらしかった。 俺は考えた末、この中のどれがさせやなのか判別する必要はないと判断した。ゆっくりの見分けは付きにくいし、苦労して分別したところでさくやは一般種のように生命力が強いわけではない。それに転売するつもりもない。 今回の計画では、さくやの能力でれみりゃがゆっくりしてさえいればいいのだ。 「おい、起きろ」 俺はれみりゃを起こした。 「なんだどぅ~~!!れみりゃ、まだねてたいどぅ~~!!」 「甘い物があるんだけどな」 「たべるどっ!!」 俺は用意したものをれみりゃの前に出した。 それはコップに入った、薫り高く、湯気を立てている――珈琲だ。無論、れみりゃにも飲めるように砂糖、ミルクをたっぷりと、食品としての限界まで投入している。 「う~?」 はじめはちびちびとすすっていたれみりゃだったが、 「おいちいどぅ~♪」 じきにコップを深く傾けるようになり、あっという間に飲み干してしまう。 「まだあるからね」 俺は二杯目を差し出してやった。それもすぐになくなる。 「もっともっともってくるどぅ~~!!」 お腹もふくれ、意気揚々とペット小屋へ帰るれみりゃ。さくやに囲まれて、さらにご機嫌である。 「さて、まだだいぶ早いけど、おやすみの時間にしようかな」 時間も遅くなり、俺は就寝の用意を始める。ところであれは、どこへしまったっけな…… 「ねむくなってきました」 「ゆっくりおやすみですわ」 「れみりゃさま、おやすみなさい」 「あぅ♪おやすみだどぅ~♪」 俺はやっとのことでそれを見つけ出す。耳栓だ。 俺は耳栓を装着すると、ペット小屋の出入り口をロックし、部屋の電気を落とした。 * * * * れみりゃはふだんよりもゆっくりした気分で、紅魔館のベッド(ただのマットだ)に、ぼてんと転がった。 「ゆうっくりしてるどぅ~~♪おぜうさまはごきぜんだどぅ~~♪」 暗闇の中で目を閉じる。 何度寝返りを打っただろうか。れみりゃは、自分がまったく眠くないことに気がついた。 「れみりゃねむくないどぅ~~!さくや♪あそぶどぅ~♪」 寝床を起き出して、さくやの群れが眠っている場所へ踏み込む。一匹一匹つついてまわるが、いずれも起きる気配はない。それもそのはず、一日家に居ただけのれみりゃと違い、さくや達は方々のゆっくりショップから長い距離を運ばれてきたのだ。精神的にも饅頭的にも疲れている。さくやの”ゆっくりさせる能力”でよりゆっくりしたれみりゃの揺さぶりや突っつきなどでは、起きられるはずもなかった。 「めいどのくせに、なまいきだどぅ~~!!」 「ぎゃおー☆たぁべちゃううどおおぅぅ!!!」 泣いても騒いでも、一匹として起きる気配はない。れみりゃは、おぜうさまである自分が命令したのだからいずれ起き出すはずだと肉饅の頭で考え、先に自分ひとりでゆっくりすることにした。 「れみ☆りゃ☆うー☆にぱー☆」 どこどこと音を立てて、頭の悪い舞踏を繰り広げる。飼い主の虐待お兄さんが見たらまた有頂天へ旅立ってしまいそうな出来栄えだ。しかし、電気の消えた闇の中では見るものもなく、踊り甲斐もない。 「う゛う゛う゛ーーー!!あきたどぅーーー!!!」 しかし、依然として起きてくるものもない。 れみりゃは騒ぎ疲れて、 「うー…うー……れみりゃはおぜうさまだから、ちゃんとおねむするどぅ……」 とうとう寝床に戻る。しかし身体中に染み入ったカフェインは、まだれみりゃを眠らせはしない。 「ぜんぜんねむくないどぅーーー!!どうなってるどぅーーー!!??」 次に、お外に出ることを思いついたれみりゃ。お外に通じるドアへと向かうが、すでにお兄さんによって鍵はかけられている。 いくらじたばたしてみても、ドアノブは揺るぎもしない。 「やっだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!お゛そ゛と゛て゛る゛ぅ゛ぅ゛~~!!」 * * * * 俺は暗がりで目を覚ます。れみりゃの立てる振動によって起こされたようだった。 耳栓を外すと、ペット小屋へと向かう。 「おにいざん!れみりゃたいくつだどぅ~~!!れみりゃのために、ごほんよんでもいいどぅ~~!?」 「今そんな気分じゃないな」 「それじゃとくべつにれみりゃののうさつ☆だんすをみせてあげるどぅ~☆」 「暗いから見えないよ」 「それじゃ、ぷっでぃんもってくるどぅ~~!!」 「うちのおぜうさまは夜中にぷっでぃん食べたりしないぞ!お前さては偽者だな!?」 「ぞんなことないどおおおお!!!」 「いいかい、夜ゆっくり寝ない悪い子は、ふらんが食べにくるんだぞ。ほら、そこまで来ている」 俺は窓の外を指差す。まだ高い月明かりに照らされて、木々のシルエットが風に揺れている。 「あ゛う゛う゛う゛う゛!!!ふ゛ら゛ん゛こ゛わ゛い゛どぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 頭を抱え、うずくまってぶるぶると震えるれみりゃ。 「ふらんに食べられたくなかったら、ゆっくり眠ることだね。あんまりうるさくしてると、ふらんにきづかれちゃうからね。 それじゃ、おやすみ、れみりゃ」 「じゃ゛く゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!こ゛わ゛い゛の゛く゛る゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!じゃ゛く゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!」 「せいぜいゆっくりさせてやってくれよな、さくや」 俺はその辺にあった本を数冊抱え持つと、ペット小屋が揺れないように重しとして置く。これで、ちょっとやそっとのことでは揺れることはなくなった。 「じゃ゛く゛や゛ぁ゛お゛き゛て゛ぇ゛!!!じゃ゛く゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!ふ゛ら゛ん゛こ゛わ゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!!」 俺は耳栓を深く装着し直すと、自分の寝床に入った。 「さてと、寝るか……」 今はまだ23時。 れみりゃの長い夜はこれからだ。 □ ■ □ ■ あとがき 寝つきの悪かった子供時代のトラウマで虐待してみました。 読了ありがとうございました。 過去に書いたSS 豚小屋とぷっでぃーん 豚小屋とぷっでぃーん2 エターナル冷やし饅頭 れみりゃ拘束虐待 無尽庭園 このSSに感想を付ける
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れいぱー王ボロありす 前書き 筆者の東方の知識は、ニコニコ、pixiv、エロ同人、体験版レベルです。 ゆっくり関連の認識は、虐スレ、愛スレ、ガ板、ふたばをそこそこ見て……るはず。 物語への興味を損なうのが嫌なので、○○注意などの前置きはしません。 txtデータの改行とか考えずにワープロで書いたので、一太郎、word、 その他テキストエディタ等にコピペした方が読みやすいかも知れません。 色々と筆が滑って、ちょっと矛盾してる部分もあるけど、でもそんなのかんけえねえ! 第一章 ある日、ゆっくりペットショップを経営する私の元に、一通の手紙が届いた。 「急啓 貴殿におかれましては、ご事業も益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より大変お世話になっております。 さて、このたび当組合におきましては、下記の要領で緊急集会を開催させていただくことと相成りました。 つきましては、ご多忙の折、誠に恐縮ではございますが、是非ともご来場いただきたくお願い申し上げます。 当日は、飼いゆっくりの安全について会合を開くことを予定しております。 取り急ぎ用件のみで失礼いたします。 草々」 ゆっくりペットショップ協会からの連絡だった。 記されていた日時は明後日の木曜日午後一時。 うちも含むおおよそのゆっくりショップが木曜を定休日にしているとはいえ、ずいぶんと急な用事だ。 緊急集会とあった。そしてその内容は飼いゆっくりの安全について、とある。すぐに具体的な用件は推測できた。 このところ、街の飼いゆっくりが何匹も殺されているという。私のところにも、飼い主からの被害報告が寄せられていた。 その飼い主のことはおぼろげに覚えている。 確か、娘さんの小学校の入学祝いに何かペットを飼おうということで来店されたのだ。 およそ二年前のことだった。 「ゆっくりしていってね!」「れいむをかってね! おうたをうたえるよ!」「まりさおねえしゃんとゆっくちちたいな!」 「だれにきめたの? わからないよー」 と、それぞれの方法で自分たちを買ってくれとアピールするゆっくりたち。 もちろん、しつけ済みのゆっくりたちが人間に無礼な口を利くことはない。 「結構高いな、十万円だって?」と父親が、しつけ済みのらんを見て言う。 「それはなかなかのレア種なんですよ。この間、山の中で見つけたんです。ちぇんと一緒に飼うのがおすすめですよ。 ちぇんを一体、三割引でお付けできますが」 「……もっと安いのは? ネットだと、安いのはワンコインで買えるらしいんだが」 私はご両親を、中級品以下のコーナーへ連れて行く。上級よりも遙かに姦しい。 「ゆ? おじさん、ようやくれいむのほうにきたね。ゆっくりしすぎだよ! あまあまくれたらゆるしてあげるかられいむをかってね!」 「れいむなんかより、このまりささまのほうがはるかにゆっくりできるんだぜ! あまあまなおかしをたらふくくれるなら、おっさんのいえをまりさのゆっくりプレイスにしてやってもいいんだぜ!」 「ふん、いなかもののにんげんも、ようやくこのとかいはなありすのみりきに気づいたのね、 わたしをだんでぃなまりさといっしょにかってくれるなら、ありすとくせいのとかいはこーでぃねいとを、 にんげんのおばばさんにもひろうしてあげないでもないわよ!」 「ゆ!? うんうんでりゅよ!」 以下省略。 「……戻ろうか。安物買いの銭失いになる前に」 「はい」 「ゆっくり、ってのにも、ピンからキリまでいるんですね」 「そうですね、ピンだけをそろえた店もあるんですが、キリの方を安く求めるお客さんも多くいるんですよ」 「物好きなもんだな」 ご両親は、ある水槽の前に娘がじっとしているのを見つけた。 「これがいい!」と彼女が指さしたのは―― 二つの水槽がある。まりさとぱちゅりーがそれぞれ入っている。もちろん、勝手ににんっしんっしたり、 けんかしないように分けているのだが、その二匹は自分たちを隔てている壁越しに、体をすりあわせていたのだった。 「どっち?」と念のために両親が尋ねる。 「どっちも!」と娘が答えた。 子まりさと子ぱちゅりーのつがい、まりさ(三ヶ月、未去勢、銀)が一万八千円、 ぱちゅりー(四ヶ月、未去勢、銀)が三万六千円である。 水槽や飼育セットに飼育の手引きもつけて、計六万円のお買い上げ、ありがとうございました。 去勢しておきますか? と尋ねたら、それはあまりに可哀想だろう、というので去勢はしなかった。 子ゆっくりが増えすぎて手に負えなくなったときはこちらで引き取ることになった。 きょせいって何? と娘さんが不思議がっていた。君、何て言葉をうちの娘に教えてくれるんだね。 いや、まだ教えた訳じゃないんですけど。 配送の前にまりさとぱちゅりーには、口を酸っぱくして飼い主に無断ですっきりするな、と何度も何度も言い聞かせた。 もし、増えすぎてゆっくりショップに戻ってきたら、れみりゃの餌にするぞ。 子供を産みたいのなら、飼い主、特に両親にお伺いを立ててからにしろ。そしてすっきりしているところを娘さんには絶対見せるな。 「むきゅう、わかったのだわ」 「ぱちゅりーとふたりでずっとゆっくりするよ!」 そして二体は引き取られていった。 律儀な娘さんで、子ゆっくりが産まれたときは、絵を描いたはがきを送ってきてくれた。 親ゆっくりはそれぞれ金バッジに昇格したという。 そのころには飼いゆっくりブームも沈静化しており、捨てられて野良と化したゆっくりが、 あちこちで迷惑行為を行っていたのだが、そのはがきの中には、悲劇とは縁遠いとてもゆっくりとした一家の姿があった。 「うちの、うちのゆっくりたちが、黒ずんで動かないんです! 頭から変な枝を何本もはやして……」 それが、一家全滅。水槽から出して、一階の小さな庭に面したリビングで放し飼いにしていたのだが、 ある日、飼い主一家が遊園地に遊びに行って帰ってくると、窓ガラスが割れ、部屋の中は荒らされ、 物言わぬゆっくり一家の黒ずんだ亡骸だけが残っていたという。どの個体にも、虚ろな顔に、砂糖水の涙が乾いた跡があった。 床は一面、水っぽいクリーム色の粘液で汚れ、ゆっくりの子供達は、黒ずんだまま食い散らかされていた。 一家全滅の損害はもちろん、部屋が荒らされた損害も大きい。 そして何よりも、ゆっくり一家との付き合いが一番深かった娘さんの心の損害は、計り知れない。 事件の後、娘さんはショックのあまり、一週間は食事も進まず、食べても戻す、と言った状態だったらしい。 「一体、どこの誰がこんなむごいことを……」 娘さんの母親もかなりの感情移入をしていたらしく、顔をゆがめていた。 私は娘さんのお宅で被害状況を聞かされて、ゆっくりを扱う者として至極当たり前の結論を導き出していた。 私は独り言のような小さな声でつぶやく。 「ありすですね」 「あ、あきす?」 「いや、空き巣じゃなくてありすです。ありすのなかには、このような被害をもたらすやつがいるんです。 我々はれいぱーと呼んでいます。しかもかなり大勢の群れのようですね」 木曜日、定休日のプレートを入り口に下げて家を出た。 なるべくなら今日は早く集会を終えて帰ってきたかった。 一体の上級れいむが、にんっしんしているのだ。時期で言えば、今日あたりに新しい子供が生まれそうなのだ。 相手はありすだ。もちろん野良やれいぱーではない。「とかいは」を自慢する程度の、普通のありすだ。 最近はさっぱり、ありすが売れなくなっている。飼いゆっくり暴行致死事件の裏にれいぱーありすあり、 と噂が広まってしまっているためだ。仕方なく、売り物のありすを他のゆっくりの交配用に使っているのだ。 赤ん坊のありすは供給過剰なので……れみりゃのご飯だ。 そういった風評被害を何とかしなければならない。 とはいえ、ゆっくりの出産というイベントが、常に頭の中でちらついて、どうにも気が散って仕方がなかった。 無駄にでかくて新しいビルの一室で、集会は行われる予定だった。このテナントにはゆっくりペットショップ組合の本部があった。 時間ぎりぎりで会議室にはいると、その部屋にいた数人が私を見て、怪訝な顔になった。 私は、十指にも満たない会議室の人口の少なさに面食らっていた。 いくら何でもゆっくりショップの組合員がこんなに少ないはずはない。 もっと広い会議室が必要なのではないか。 だが、そんな私の心配をよそに、組合の幹部がのほほんとした顔で部屋に入ってきた。 「みなさんおそろいのようですね。では、始めましょうか」 時計の針は、ゆっくりすることなく、会議の開始を告げた。 円卓を囲んでいる面子を、一通り見回す。気づいたことは、ここに集められた者は、 この地方にあるゆっくりショップの中でも売り上げ成績が良かった者や、 ゆっくりの生態について新発見をした者であるということだった。つ まらない街のつまらないゆっくりショップで、いつが店の閉め時だろうと考えている私とは縁遠い人たちだ。 「まずはお手元の資料をご覧ください」 私はレポートを見る。 題名は「昨今のれいぱーありすによる飼いゆっくりの一連の被害について」 そこには、最近の事件についての概要がつらつらと連ねられていた。 ある家では、胴付きのれみりゃ親子三体(金)が服をぼろぼろに破り取られ、体中の傷から肉汁を垂れ流していた。 またある家では、一メートル近くまで育っていたまりさ(金)が十センチ代までひしゃげていた。 親(金)の犠牲によってかろうじて難を逃れた子れいむ(銀)がいたが、完全に精神が壊れていた。 犯し尽くされたみょん(銀)から生まれ落ちた赤ん坊が、精子カスタードの海で溺死していた。 以下、一部の人間が垂涎しそうな飼いゆっくりの惨状が続く。 もちろん被害はゆっくりにとどまらず、住居を荒らされた人間にも及ぶ。 が、これらの被害はほとんど似たようなもので、私はとばし読みした。 「質問、いいですか?」 と出席者の一人が口を開く。 「はい、何でしょう」 「確かにこれはひどい事件だと思いますし、飼いゆっくりを扱う者として強い憤りを感じますが、 こんなところに呼び出してまで報告されるほどのものでもないと思います。 どちらかといえば、警察や、地域の野良ゆっくり対策課が対処すべきじゃないでしょうか?」 「ははは、まあ、そう言われてしまえば実も蓋もないんですが、ところがね、ちょっとそういう、 傍観者的な立場を決め込むわけにもいかない事情なんですよ」 幹部は苦笑する。が、いきなりぐっと表情を引き締めた。 「これから理由をお話しします。どうしてこの件に関して、数多くいる組合員の中から皆さんを選んでここに呼んだのかをね」 先ほどの柔らかい雰囲気がすっと消える。何の感情も浮かんでいない目で、笑顔のまま、出席者を一瞥した。 「飼いゆっくりの現状について皆さんはどれほどのことを知っていますか? また、都会のゆっくり全体の概況がどのようになっているのか、皆さんはどれほどのことを把握していますか? この業界に差し込んでいる影に、敏感な皆さんならお気づきになっているでしょう」 私以外の全員が、小さく相づちを打つなどの反応を見せる。 「先頃まで続いていた好景気に乗っかる形で、ゆっくりを飼うことがブームとなりました。 皆さんもブームの頃は、ゆっくりペットショップで好景気を感じられていたことと思います。 ですが、ご存じの通り、その好景気も終わりを告げました。 間の悪いことに、ゆっくりの生態で人間に嫌われる要素が、ちょうど目立って噴出した時期とも重なってしまいました。 街には捨てられたゆっくりが野良と化して跳梁跋扈し、今まで愛でられていたゆっくりは一転、害獣、 いや害饅頭としても見なされるようになったわけです。 それからゆっくりペットショップの側でもゆっくりへのしつけがより一層、重要視されるようになりました。 当然、皆さんの負担も増えることになったわけです」 これには私も頷いた。 「驚かないで欲しいんですが、それでもゆっくりペットショップの数は増えているんです」 私だけ驚いた。そーなのかー、と思わず口走りそうだった。 「日々、ゆっくりの研究は進み、飼い方についても深い理解がなされるようになっています。 同時に、ゆっくりの種類や性格も千差万別であることが明らかになり、 ライトユーザー向けからマニアックユーザー向けまで、 飼いゆっくり産業はこれから、ふくらむことはあってもしぼむことはないでしょう」 本当にそうならいいんだが。うちの店を見てるとどうもそうは思えないのだが。 「で、その前置きが今度のれいぱーありす事件とどう結びつくんですか?」 しびれを切らしたのだろう、出席者の中で一番の若年とおぼしき一人が口を挟んだ。 「まさか、そのれいぱーありすたちがマニアックユーザー向けのレアものだから捕まえてくれっていうんじゃないでしょうね?」 一同が嫌な予感を覚えると同時に、幹部が答える。 「ええ、その通りです。ここにいる皆さんで、そのれいぱーありすたちを捕まえて欲しいんですよ」 当然、不満の声が上がる。 「どうして我々がそんなことを?」「あなたが先ほどおっしゃったように、私たちは自前のショップのことで忙しいんですよ」 「それに、探すと言ったってこの少人数で何をどうしろと言うんです?」 幹部は「まあまあ」と手で空気を押さえつける。 「なぜ皆さんにそのようなことをして欲しいか、にも訳があるんです」 そして、彼はその理由として、ある一言を告げる。 「皆さんは、ゆっくり加工所が永遠亭ゆっくり研究部と手を組んで、新たなゆっくりペットショップ団体を立ち上げようとしている、 という噂を聞いたことはあるでしょう」 私は聞いたことがなかったので、皆さんと同様、黙りこむしかなかった。 「先ほども申し上げたとおり、ゆっくりに対する世間の目が厳しさを増しているのに伴って 、我々に対しても、批難の声が大きくなっています。 そこへ、新たな団体が、新たなゆっくり飼育技術を持って参入してきたらどうなります? 技術革新は喜ぶべきことだの、商売に競争はつきものだの、そんなきれい事では済まされません。 全国数千の、もちろん皆さんのゆっくりショップも、倒産の危機にさらされるんです」 そうなったら、私も野良ゆっくりみたいに公園で残飯漁って住まうのかな、と考えた。 「問題視されるのは、倒産の危機だけではありません」 「と言いますと?」 この幹部のおっさんはとんでもなく嫌らしい策士だ、と思う。他の出席者達がすっかり彼の話に聞き入っている。 「その新しい団体で売り出されるゆっくりは、ゆっくりでない可能性があるんです」 「は? ゆっくりを売るのにゆっくりでない? ……新種ということですか?」 「いえ、我々が小耳にした情報によりますと、姿形は従来のゆっくりと大差ないということです。 れいむやまりさ、ありすにぱちゅりー、その他、これまで確認されてショップで売られているものと同じものらしいのです」 「それなら、ただのゆっくりじゃないですか。恐るるにたりない」 「問題は、そのれいむやまりさの皮をかぶった連中に、何が入っているかなんですよ」 「何なんですか?」 「まだ分かりません。ですが、出てくるゆっくりにはある特徴があるようです」 「特徴?」 「そのゆっくり達は、完全に個性を潰されているようなんです」 ショップの店員達が、一様に困惑の表情を浮かべる。完全に個性を潰しているのはあんたの方だよ、とこの幹部につっこみたくなる。 「それは……どういうことですか? 個性がないという特徴がある?」 「ゆっくりにはそれぞれの種類に特徴があることはご存じでしょう? まりさなら、やや少年的な口調で生意気を言う。ありすは都会派を自称し、気位が高い。 ぱちゅりーは何でもいいから文字のついた「ほん」を読みたがる、病弱のゆっくりである。 そういった特徴を均一化されているらしいんですよ。 あのまりさはやけに小食で言葉遣いがお嬢様みたいだ、とか、ほんを読むのが嫌いな活字離れのぱちゅりー、 などといった一切の例外が現れないそうです。 先ほど姿形は従来のゆっくりと大差ない、と言いましたが、実はそれにも、例外が現れない――つまり、全く同じ生活条件であれば、 全く同じ大きさや形のゆっくりに育つということです」 「つまり、ゆっくりのクローンというわけですね」 私が初めて口を開いた。「然り」と幹部が頷く。 「クローン!?」 「信じられない、ゆっくりに遺伝子があるのかどうかすら怪しいのに!」 「いや、永遠亭ならまだ分かっていないゆっくりの生態をすでに発見しているのかも」 「なんでよりによって加工所なんかと手を結ぶんだ?」 「そんなのがうちの業界に流れ込んできたらどうなる?」 「少なくとも、苦労して捕まえたレアものは大暴落だ……」 「もしそれが従来のより形が良くて育てやすいとなったら、やばいじゃないですか!」 「ですから、我々は何とかして我々の立場を固めないといけないんですよ」 と、幹部が言う。 「我々が都市部に持ち込んで売った飼いゆっくりが、心ならずも捨てられて野良となり、 人間の生活圏を荒らしたのであれば、どう言いつくろおうと、我々への視線が冷たくなるのは仕方のないことです。 だが、今まで我々が飼いゆっくりの市場を艱難辛苦の末に広げてきたことも事実です。 新団体のやろうとしていることは、それを労せずして乗っ取ろうとする……ゲスのゆっくりと同じです。 これを傍観することなどできない」 「それで、今回の件で大騒ぎとなったれいぱーありす達を捕まえることで、衆目の歓心を得ることが目的なんですね」 「左様です。マスコミを集め、れいぱーありす達をさらしものにして、 犯罪を犯したゆっくりたちを我々のノウハウで捕まえたことをアピールします。 その上で、加工所に衆人環視の中、引き渡してやりましょう」 「ああ、それはいいですね!」 「もちろん皆さんのショップが忙しいことは承知しております。 ですが、皆さんほど、この問題に対処するにふさわしい方々もいないのです。 失礼ながら、皆さんの経歴もある程度調べております。皆さんがゆっくりに関して高い知識を持っていると、確信しています。 そのお力を、業界の未来のためにお貸し願いたいのです。それが引いては皆さんの未来にもつながると思います。いかがでしょうか?」 いかがも何も、もうこのおっさんの作り出した流れにみんな飲まれている。例え私一人が抗っても、どうしようもない。 全員がやろう、と声を上げる。最後に私が肩をそびやかして、いいですよと言った。 「ありがとうございます。それでは今後の予定ですが……」 ようやく終わりそうだ。私は小さく肩を回して深く息を吐く。 「いや、せっかく人数が集まっているんだし、今後、会合があったときに、参加できないと言う人もいるだろうから、 今この場で大切なことはあらかた決めておくべきじゃないですか?」 この若造、余計なことを――! その後、どうにも抜け出せない雰囲気の中、心底どうでもいいことをぐだぐだと話し合った。 解放された頃には、日がビル街の下に隠れようとしていた。 帰宅した私を待っていたのは、産まれた子供とともにのんきに眠りこけているゆっくり達だった。 第二章へれいぱー王ボロ ありす 前書き 筆者の東方の知識は、ニコニコ、pixiv、エロ同人、体験版レベルです。 ゆっくり関連の認識は、虐スレ、愛スレ、ガ板、ふたばをそこそこ見て……るはず。 物語への興味を損なうのが嫌なので、○○注意などの前置きはしません。 txtデータの改行とか考えずにワープロで書いたので、一太郎、word、 その他テキストエディタ等にコピペした方が読みやすいかも知れません。 色々と筆が滑って、ちょっと矛盾してる部分もあるけど、でもそんなのかんけえねえ! 第一章 ある日、ゆっくりペットショップを経営する私の元に、一通の手紙が届いた。 「急啓 貴殿におかれましては、ご事業も益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平 素より大変お世話になっております。 さて、このたび当組合におきましては、下記の要領で緊急集会を開催させていただく ことと相成りました。 つきましては、ご多忙の折、誠に恐縮ではございますが、是非ともご来場いただきた くお願い申し上げます。 当日は、飼いゆっくりの安全について会合を開くことを予定しております。 取り急ぎ用件のみで失礼いたします。 草々」 ゆっくりペットショップ協会からの連絡だった。 記されていた日時は明後日の木曜日午後一時。 うちも含むおおよそのゆっくりショップが木曜を定休日にしているとはいえ、ずいぶ んと急な用事だ。 緊急集会とあった。そしてその内容は飼いゆっくりの安全について、とある。すぐに 具体的な用件は推測できた。 このところ、街の飼いゆっくりが何匹も殺されているという。私のところにも、飼い 主からの被害報告が寄せられていた。 その飼い主のことはおぼろげに覚えている。 確か、娘さんの小学校の入学祝いに何かペットを飼おうということで来店されたのだ。 およそ二年前のことだった。 「ゆっくりしていってね!」「れいむをかってね! おうたをうたえるよ!」「まりさ おねえしゃんとゆっくちちたいな!」 「だれにきめたの? わからないよー」 と、それぞれの方法で自分たちを買ってくれとアピールするゆっくりたち。 もちろん、しつけ済みのゆっくりたちが人間に無礼な口を利くことはない。 「結構高いな、十万円だって?」と父親が、しつけ済みのらんを見て言う。 「それはなかなかのレア種なんですよ。この間、山の中で見つけたんです。ちぇんと一 緒に飼うのがおすすめですよ。 ちぇんを一体、三割引でお付けできますが」 「……もっと安いのは? ネットだと、安いのはワンコインで買えるらしいんだが」 私はご両親を、中級品以下のコーナーへ連れて行く。上級よりも遙かに姦しい。 「ゆ? おじさん、ようやくれいむのほうにきたね。ゆっくりしすぎだよ! あまあま くれたらゆるしてあげるかられいむをかってね!」 「れいむなんかより、このまりささまのほうがはるかにゆっくりできるんだぜ! あまあまなおかしをたらふくくれるなら、おっさんのいえをまりさのゆっくりプレイ スにしてやってもいいんだぜ!」 「ふん、いなかもののにんげんも、ようやくこのとかいはなありすのみりきに気づいた のね、 わたしをだんでぃなまりさといっしょにかってくれるなら、ありすとくせいのとかい はこーでぃねいとを、 にんげんのおばばさんにもひろうしてあげないでもないわよ!」 「ゆ!? うんうんでりゅよ!」 以下省略。 「……戻ろうか。安物買いの銭失いになる前に」 「はい」 「ゆっくり、ってのにも、ピンからキリまでいるんですね」 「そうですね、ピンだけをそろえた店もあるんですが、キリの方を安く求めるお客さん も多くいるんですよ」 「物好きなもんだな」 ご両親は、ある水槽の前に娘がじっとしているのを見つけた。 「これがいい!」と彼女が指さしたのは―― 二つの水槽がある。まりさとぱちゅりーがそれぞれ入っている。もちろん、勝手にに んっしんっしたり、 けんかしないように分けているのだが、その二匹は自分たちを隔てている壁越しに、 体をすりあわせていたのだった。 「どっち?」と念のために両親が尋ねる。 「どっちも!」と娘が答えた。 子まりさと子ぱちゅりーのつがい、まりさ(三ヶ月、未去勢、銀)が一万八千円、 ぱちゅりー(四ヶ月、未去勢、銀)が三万六千円である。 水槽や飼育セットに飼育の手引きもつけて、計六万円のお買い上げ、ありがとうござ いました。 去勢しておきますか? と尋ねたら、それはあまりに可哀想だろう、というので去勢 はしなかった。 子ゆっくりが増えすぎて手に負えなくなったときはこちらで引き取ることになった。 きょせいって何? と娘さんが不思議がっていた。君、何て言葉をうちの娘に教えて くれるんだね。 いや、まだ教えた訳じゃないんですけど。 配送の前にまりさとぱちゅりーには、口を酸っぱくして飼い主に無断ですっきりする な、と何度も何度も言い聞かせた。 もし、増えすぎてゆっくりショップに戻ってきたら、れみりゃの餌にするぞ。 子供を産みたいのなら、飼い主、特に両親にお伺いを立ててからにしろ。そしてすっ きりしているところを娘さんには絶対見せるな。 「むきゅう、わかったのだわ」 「ぱちゅりーとふたりでずっとゆっくりするよ!」 そして二体は引き取られていった。 律儀な娘さんで、子ゆっくりが産まれたときは、絵を描いたはがきを送ってきてくれ た。 親ゆっくりはそれぞれ金バッジに昇格したという。 そのころには飼いゆっくりブームも沈静化しており、捨てられて野良と化したゆっく りが、 あちこちで迷惑行為を行っていたのだが、そのはがきの中には、悲劇とは縁遠いとて もゆっくりとした一家の姿があった。 「うちの、うちのゆっくりたちが、黒ずんで動かないんです! 頭から変な枝を何本も はやして……」 それが、一家全滅。水槽から出して、一階の小さな庭に面したリビングで放し飼いに していたのだが、 ある日、飼い主一家が遊園地に遊びに行って帰ってくると、窓ガラスが割れ、部屋の 中は荒らされ、 物言わぬゆっくり一家の黒ずんだ亡骸だけが残っていたという。どの個体にも、虚ろ な顔に、砂糖水の涙が乾いた跡があった。 床は一面、水っぽいクリーム色の粘液で汚れ、ゆっくりの子供達は、黒ずんだまま食 い散らかされていた。 一家全滅の損害はもちろん、部屋が荒らされた損害も大きい。 そして何よりも、ゆっくり一家との付き合いが一番深かった娘さんの心の損害は、計 り知れない。 事件の後、娘さんはショックのあまり、一週間は食事も進まず、食べても戻す、と言 った状態だったらしい。 「一体、どこの誰がこんなむごいことを……」 娘さんの母親もかなりの感情移入をしていたらしく、顔をゆがめていた。 私は娘さんのお宅で被害状況を聞かされて、ゆっくりを扱う者として至極当たり前の 結論を導き出していた。 私は独り言のような小さな声でつぶやく。 「ありすですね」 「あ、あきす?」 「いや、空き巣じゃなくてありすです。ありすのなかには、このような被害をもたらす やつがいるんです。 我々はれいぱーと呼んでいます。しかもかなり大勢の群れのようですね」 木曜日、定休日のプレートを入り口に下げて家を出た。 なるべくなら今日は早く集会を終えて帰ってきたかった。 一体の上級れいむが、にんっしんしているのだ。時期で言えば、今日あたりに新しい 子供が生まれそうなのだ。 相手はありすだ。もちろん野良やれいぱーではない。「とかいは」を自慢する程度の、 普通のありすだ。 最近はさっぱり、ありすが売れなくなっている。飼いゆっくり暴行致死事件の裏にれ いぱーありすあり、 と噂が広まってしまっているためだ。仕方なく、売り物のありすを他のゆっくりの交 配用に使っているのだ。 赤ん坊のありすは供給過剰なので……れみりゃのご飯だ。 そういった風評被害を何とかしなければならない。 とはいえ、ゆっくりの出産というイベントが、常に頭の中でちらついて、どうにも気 が散って仕方がなかった。 無駄にでかくて新しいビルの一室で、集会は行われる予定だった。このテナントには ゆっくりペットショップ組合の本部があった。 時間ぎりぎりで会議室にはいると、その部屋にいた数人が私を見て、怪訝な顔になっ た。 私は、十指にも満たない会議室の人口の少なさに面食らっていた。 いくら何でもゆっくりショップの組合員がこんなに少ないはずはない。 もっと広い会議室が必要なのではないか。 だが、そんな私の心配をよそに、組合の幹部がのほほんとした顔で部屋に入ってきた。 「みなさんおそろいのようですね。では、始めましょうか」 時計の針は、ゆっくりすることなく、会議の開始を告げた。 円卓を囲んでいる面子を、一通り見回す。気づいたことは、ここに集められた者は、 この地方にあるゆっくりショップの中でも売り上げ成績が良かった者や、 ゆっくりの生態について新発見をした者であるということだった。つ まらない街のつまらないゆっくりショップで、いつが店の閉め時だろうと考えている 私とは縁遠い人たちだ。 「まずはお手元の資料をご覧ください」 私はレポートを見る。 題名は「昨今のれいぱーありすによる飼いゆっくりの一連の被害について」 そこには、最近の事件についての概要がつらつらと連ねられていた。 ある家では、胴付きのれみりゃ親子三体(金)が服をぼろぼろに破り取られ、体中の 傷から肉汁を垂れ流していた。 またある家では、一メートル近くまで育っていたまりさ(金)が十センチ代までひし ゃげていた。 親(金)の犠牲によってかろうじて難を逃れた子れいむ(銀)がいたが、完全に精神 が壊れていた。 犯し尽くされたみょん(銀)から生まれ落ちた赤ん坊が、精子カスタードの海で溺死 していた。 以下、一部の人間が垂涎しそうな飼いゆっくりの惨状が続く。 もちろん被害はゆっくりにとどまらず、住居を荒らされた人間にも及ぶ。 が、これらの被害はほとんど似たようなもので、私はとばし読みした。 「質問、いいですか?」 と出席者の一人が口を開く。 「はい、何でしょう」 「確かにこれはひどい事件だと思いますし、飼いゆっくりを扱う者として強い憤りを感 じますが、 こんなところに呼び出してまで報告されるほどのものでもないと思います。 どちらかといえば、警察や、地域の野良ゆっくり対策課が対処すべきじゃないでしょ うか?」 「ははは、まあ、そう言われてしまえば実も蓋もないんですが、ところがね、ちょっと そういう、 傍観者的な立場を決め込むわけにもいかない事情なんですよ」 幹部は苦笑する。が、いきなりぐっと表情を引き締めた。 「これから理由をお話しします。どうしてこの件に関して、数多くいる組合員の中から 皆さんを選んでここに呼んだのかをね」 先ほどの柔らかい雰囲気がすっと消える。何の感情も浮かんでいない目で、笑顔のま ま、出席者を一瞥した。 「飼いゆっくりの現状について皆さんはどれほどのことを知っていますか? また、都会のゆっくり全体の概況がどのようになっているのか、皆さんはどれほどの ことを把握していますか? この業界に差し込んでいる影に、敏感な皆さんならお気づきになっているでしょう」 私以外の全員が、小さく相づちを打つなどの反応を見せる。 「先頃まで続いていた好景気に乗っかる形で、ゆっくりを飼うことがブームとなりまし た。 皆さんもブームの頃は、ゆっくりペットショップで好景気を感じられていたことと思 います。 ですが、ご存じの通り、その好景気も終わりを告げました。 間の悪いことに、ゆっくりの生態で人間に嫌われる要素が、ちょうど目立って噴出し た時期とも重なってしまいました。 街には捨てられたゆっくりが野良と化して跳梁跋扈し、今まで愛でられていたゆっく りは一転、害獣、 いや害饅頭としても見なされるようになったわけです。 それからゆっくりペットショップの側でもゆっくりへのしつけがより一層、重要視さ れるようになりました。 当然、皆さんの負担も増えることになったわけです」 これには私も頷いた。 「驚かないで欲しいんですが、それでもゆっくりペットショップの数は増えているんで す」 私だけ驚いた。そーなのかー、と思わず口走りそうだった。 「日々、ゆっくりの研究は進み、飼い方についても深い理解がなされるようになってい ます。 同時に、ゆっくりの種類や性格も千差万別であることが明らかになり、 ライトユーザー向けからマニアックユーザー向けまで、 飼いゆっくり産業はこれから、ふくらむことはあってもしぼむことはないでしょう」 本当にそうならいいんだが。うちの店を見てるとどうもそうは思えないのだが。 「で、その前置きが今度のれいぱーありす事件とどう結びつくんですか?」 しびれを切らしたのだろう、出席者の中で一番の若年とおぼしき一人が口を挟んだ。 「まさか、そのれいぱーありすたちがマニアックユーザー向けのレアものだから捕まえ てくれっていうんじゃないでしょうね?」 一同が嫌な予感を覚えると同時に、幹部が答える。 「ええ、その通りです。ここにいる皆さんで、そのれいぱーありすたちを捕まえて欲し いんですよ」 当然、不満の声が上がる。 「どうして我々がそんなことを?」「あなたが先ほどおっしゃったように、私たちは自 前のショップのことで忙しいんですよ」 「それに、探すと言ったってこの少人数で何をどうしろと言うんです?」 幹部は「まあまあ」と手で空気を押さえつける。 「なぜ皆さんにそのようなことをして欲しいか、にも訳があるんです」 そして、彼はその理由として、ある一言を告げる。 「皆さんは、ゆっくり加工所が永遠亭ゆっくり研究部と手を組んで、新たなゆっくりペ ットショップ団体を立ち上げようとしている、 という噂を聞いたことはあるでしょう」 私は聞いたことがなかったので、皆さんと同様、黙りこむしかなかった。 「先ほども申し上げたとおり、ゆっくりに対する世間の目が厳しさを増しているのに伴 って 、我々に対しても、批難の声が大きくなっています。 そこへ、新たな団体が、新たなゆっくり飼育技術を持って参入してきたらどうなりま す? 技術革新は喜ぶべきことだの、商売に競争はつきものだの、そんなきれい事では済ま されません。 全国数千の、もちろん皆さんのゆっくりショップも、倒産の危機にさらされるんです」 そうなったら、私も野良ゆっくりみたいに公園で残飯漁って住まうのかな、と考えた。 「問題視されるのは、倒産の危機だけではありません」 「と言いますと?」 この幹部のおっさんはとんでもなく嫌らしい策士だ、と思う。他の出席者達がすっか り彼の話に聞き入っている。 「その新しい団体で売り出されるゆっくりは、ゆっくりでない可能性があるんです」 「は? ゆっくりを売るのにゆっくりでない? ……新種ということですか?」 「いえ、我々が小耳にした情報によりますと、姿形は従来のゆっくりと大差ないという ことです。 れいむやまりさ、ありすにぱちゅりー、その他、これまで確認されてショップで売ら れているものと同じものらしいのです」 「それなら、ただのゆっくりじゃないですか。恐るるにたりない」 「問題は、そのれいむやまりさの皮をかぶった連中に、何が入っているかなんですよ」 「何なんですか?」 「まだ分かりません。ですが、出てくるゆっくりにはある特徴があるようです」 「特徴?」 「そのゆっくり達は、完全に個性を潰されているようなんです」 ショップの店員達が、一様に困惑の表情を浮かべる。完全に個性を潰しているのはあ んたの方だよ、とこの幹部につっこみたくなる。 「それは……どういうことですか? 個性がないという特徴がある?」 「ゆっくりにはそれぞれの種類に特徴があることはご存じでしょう? まりさなら、やや少年的な口調で生意気を言う。ありすは都会派を自称し、気位が高 い。 ぱちゅりーは何でもいいから文字のついた「ほん」を読みたがる、病弱のゆっくりで ある。 そういった特徴を均一化されているらしいんですよ。 あのまりさはやけに小食で言葉遣いがお嬢様みたいだ、とか、ほんを読むのが嫌いな 活字離れのぱちゅりー、 などといった一切の例外が現れないそうです。 先ほど姿形は従来のゆっくりと大差ない、と言いましたが、実はそれにも、例外が現 れない――つまり、全く同じ生活条件であれば、 全く同じ大きさや形のゆっくりに育つということです」 「つまり、ゆっくりのクローンというわけですね」 私が初めて口を開いた。「然り」と幹部が頷く。 「クローン!?」 「信じられない、ゆっくりに遺伝子があるのかどうかすら怪しいのに!」 「いや、永遠亭ならまだ分かっていないゆっくりの生態をすでに発見しているのかも」 「なんでよりによって加工所なんかと手を結ぶんだ?」 「そんなのがうちの業界に流れ込んできたらどうなる?」 「少なくとも、苦労して捕まえたレアものは大暴落だ……」 「もしそれが従来のより形が良くて育てやすいとなったら、やばいじゃないですか!」 「ですから、我々は何とかして我々の立場を固めないといけないんですよ」 と、幹部が言う。 「我々が都市部に持ち込んで売った飼いゆっくりが、心ならずも捨てられて野良となり、 人間の生活圏を荒らしたのであれば、どう言いつくろおうと、我々への視線が冷たく なるのは仕方のないことです。 だが、今まで我々が飼いゆっくりの市場を艱難辛苦の末に広げてきたことも事実です。 新団体のやろうとしていることは、それを労せずして乗っ取ろうとする……ゲスのゆ っくりと同じです。 これを傍観することなどできない」 「それで、今回の件で大騒ぎとなったれいぱーありす達を捕まえることで、衆目の歓心 を得ることが目的なんですね」 「左様です。マスコミを集め、れいぱーありす達をさらしものにして、 犯罪を犯したゆっくりたちを我々のノウハウで捕まえたことをアピールします。 その上で、加工所に衆人環視の中、引き渡してやりましょう」 「ああ、それはいいですね!」 「もちろん皆さんのショップが忙しいことは承知しております。 ですが、皆さんほど、この問題に対処するにふさわしい方々もいないのです。 失礼ながら、皆さんの経歴もある程度調べております。皆さんがゆっくりに関して高 い知識を持っていると、確信しています。 そのお力を、業界の未来のためにお貸し願いたいのです。それが引いては皆さんの未 来にもつながると思います。いかがでしょうか?」 いかがも何も、もうこのおっさんの作り出した流れにみんな飲まれている。例え私一 人が抗っても、どうしようもない。 全員がやろう、と声を上げる。最後に私が肩をそびやかして、いいですよと言った。 「ありがとうございます。それでは今後の予定ですが……」 ようやく終わりそうだ。私は小さく肩を回して深く息を吐く。 「いや、せっかく人数が集まっているんだし、今後、会合があったときに、参加できな いと言う人もいるだろうから、 今この場で大切なことはあらかた決めておくべきじゃないですか?」 この若造、余計なことを――! その後、どうにも抜け出せない雰囲気の中、心底どうでもいいことをぐだぐだと話し 合った。 解放された頃には、日がビル街の下に隠れようとしていた。 帰宅した私を待っていたのは、産まれた子供とともにのんきに眠りこけているゆっく り達だった。 第二章へ
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注意 ゲスふらんが町をほぼ壊します ゲスふらんが凶器(初期 長い尖った石 それ以降 ナイフ)を持って狂k....人も襲います ゆっくりがせいっさいします 愛で系の町なので虐待お兄さんはいません 以上がオッケーな方はそれでは...ゆっくり読んでいってね! ある日、別の町の鬼威惨曰く別名ゆっくりの捨て場もとい「ゆっくりのらくえん」 と言われる場所に眠ったふらんが巣ですーy.... 寝言を呟いていた。 「やい!そこのちびふらん!おまえみたいなのはゆっくりしないでしんでね!すぐでいいよ!」 と雑音を立てたのはもちろんでいぶである。 ちなみにこのでいぶは、悲しい現実を知ったとある小学生のゆっくりである。また、買った場所は引っ越す前の ゆっくり虐待ショップで買ったゲスれいむ(10円)なので、少年はこのタイミングで未来は聖人から虐待お兄さんへ変身した。 ...このふらんはゆっくりの中でもかなり強いゆっくりだった。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!ばやぐでいぶをだずげろぉぉ!....あああああ....」 でいぶはそのまま餡の塊になった。 しかし、このふらんは現在ゆっくりで言うと「むっきー!怒ったよ!」に近い状態だった。そしてとある有名な地域ゆだらけの「カリスマこーまかん」のゆっくりでストレスを発散しに飛んでいった。 「じゃおー?じゃおぉぉぉ!じゃおぉん!じゃぉぉぉぉぉぉ....(だぁれ?いだいっ!どぼちでっ!もっぢょ.ゆっぐ....)」まず銀バッジのめーりんの死骸を投げ捨てた。 「むきゅ!?なにするのっ!?はやくしらせなきゃ....(ズッ)だずげでぇぇ! ゆ´´っ´´... えれえれえれえれえれ.......」今度は金バッジの胴付きぱちゅりーの腹を蹴り上げて嘔吐させた。 「!! あれは..いや、ふりゃんさまじゃない.....がいあくゲスね...(シュッ)」投げた枝はふらんの羽を貫通した。「ユッグリジネェェ!!!」その言葉が聞こえた瞬間、金バさくやは切り刻まれた。 ...........「グゾガァァァ......」ふらんの激昂は鎮まらない。 「...ゆっくりしていってね!」「ユッグリジネェェェェェェ!!!!!!」「...調教されてない..それに辛くてクリームの匂い....」「...こーまかんを壊してたのはあなた...ね....」 妙にカリスマな胴付きれみりゃだ。「ユッグリジネェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!」カリスマのkの字もないふらんはカリスマれみりゃ(以下カれみ)を不意打ちで襲った。 「...私を殺すとあんた町に消されるわよ。」そう。この町のゆっくり代表のカれみを殺ろうとした者はある方法でいたぶられるのだ。それは..... (グサッ)カれみはたったいましんだ。ぷらちなばっじさんのかりすまはえいえんにゆっくりした 「うわぁ♪おもちゃだどー★」れみりゃのような鳴き声の胴付きふらんが現れた。 「このいもっとさまがのうっさつだんすをおどるとおまえはしぬんだどー★」 「ふらんのれーぶぁいてぃんでおりょうりおりょうり♪」 「ユッグリジネェェェェェェェェェェ!!!!!!! 」 「きもいどぉ.....すごくこのへんなふらんののうっさつだんすきもいどぉ........」 「ユッグリジネェェェェェェ(`Δ´)」 「かおもじがでたどぉ......めたいどぉ....」 (スッ) ......「うああぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」「どぼぢでぶらんがまげだんだどぉ......」その瞬間、あのユッグリジネェェふらんに止めを刺され、「ゆぐぁぁpぉきじゅhygtf」 と奇声を上げ破裂した。 翌日 「ユックリシネ♪」元気そうにスキップするユッグリジネふらん。道中ナイフを拾った。そしてふらんはヨカラヌコトを考えた。 「ヨカラヌコト♪」意味のわからない言葉でスキップするユッグリジふらんだが.... まち 「おにいさん、いってらっしゃいなんだねー!」とあるお兄さんのプラチナバッジのゆっくりちぇんは今日はお留守番。お昼に、「そろそろかりかりさんをたべるよー!」 お昼ごはんを食べた。「.........ごちそうさまでした!」気品のすごいちぇんのため、近所で大人気のゆっくりなのだ。 「ちぇええええええええええん!!!!!」奴が来た。 「のらのらんしゃまはかえってねー わかってねー!」「( ;´・ω・`)ショボーン」らんしゃまはそのまま帰ったが、らんの悲鳴が聞こえた。「ちぇん!かくれr」酢飯が弾け飛ぶ音が鳴った。 「か.....かくれるよー」ちぇんは急いで寝室へ走った。「おにいさんはもうすぐかえるんだねー」と体内時計(?)で察したちぇんの後ろには.....「ユッグリジネェェ」 「わがらないよぉぉぉぉ.......」耳やしっぽをちぎるユッグリジネふらん。「...ゆっ.....ゆっくち!....ゆっ!」非ゆっくり症になってしまった。 「ただいまー.....ちぇん?」返ってくるのは聞き覚えのある声だけ。お兄さんは寝室へ入ると.....「ちぇん...??」「ゆっ..ゆっ....」後ろに気配を感じる。 「ユッグリジネェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!」 (音声にならない音) 「うっ.......ちぇ......ん........」「おにいさんはしんじゃだめだよー わかってねー」ついに幻聴が聞こえた。そしてお兄さんは意識を失った。 ゆっくりショップ 「ゆっくりしていってね!!!」 元気なゆっくりの声。ここはゆっくり関連のお店、ゆっくりショップ。飼いゆになりたいゆっくりの楽園である。 店員のお兄さんぼ対応が神と呼ばれているのだが、そのお兄さんは9 30~14 30までの勤務。現在14 38なので人が少ない。 今はお姉さんが勤務している。この町は、ゆっくり含め♂45%♀55%と女性率が高い。そのため、最強のお兄さんには負けてしまう。 お客さん一人目はカリスマのこーまかん目撫(めで)町支部のおじさんだった。 ゲス滅or矯正シリーズの家ゆ用のゆかりんエキス改を買って帰った。 また、カリスマな胴付きれみりゃが死亡したことが判明した。 そしてお姉さんの交代のタイミングで.... 「ニンゲン! シネェ」扉を割り、ゆっくりショップのやっすいよっ!なゆっくりケースを割った。 「繁殖用 コドモデキールver.れみりゃ 」を売れ残りゆっくりれいむに使用して、おちびを食べ尽くした。 そして危険ゆっくり通報していた最中のお姉さんはふらんに腕を切られた。そして身体中をふらんに切られたため、お姉さんも倒れた。 「ゆふぅ..たすかったのじぇ..かったじぇ...」まりちゃが呟いたとたんにふらんに補食された。そしてふらんはどこかに帰っていったがその後交代したおじさんに発見され、入院した 街道 ユッグリジネふらんは町を飛んでいた。そして人がいれば切りつけ、ゆっくりがいれば拷問して食べる。 そして森に着き、ドスまりさに出会った。 「ゆっ!ゆっくりできないちぬれのふらんがいるよ!ぷくー!」破裂しそうなふらんだが最期にとドスの額にナイフを刺した。「いだぁぁあぁいいい!!!やっぱりさつじんはんだよ!!」 だが、逆にドスが大暴れする原因となった。 「ユッグリジネェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!?!?」そのままふらんは気を失った。 翌日、餡饅だったものが発見された。 おまけ 俺は目を覚ました。どうやら意識を失っていたらしい。....そうだ、ちぇんだ。ちぇんはどうなったのだろう。 聞くと、ちぇんはオレンジ式手術では治らないレベルらしい。俺は裁縫もできる。ちぇんを持ってきてもらった。 「ゆっくち!ゆっ...」非ゆっくり症のようだ。ラムネを飲ませ、コーヒー豆を入れた小麦の耳としっぽを作った。 「わか...ゆっくち!」なぜか少し治っている。そして、一か八かで俺の後の担当のお姉さんがこーまかんの人からもらった非常時非ゆっくり症防止薬を飲ませる。 「わからないよーわからないよーわからないよー...ゆっ!?」ちぇんがしゃべった。しゃべった。しゃべった。しゃべった。しゃべった。しゃべった。しゃべった。んほおおおおおおおっ!(歓喜) 「お兄さん、どうしたの?」ちぇんにはなぜか胴が生えていた。 あとがき すごく謎。 ゆごろしはまだいいんだけどにぇ.... こんなゆっくりは嫌だ!で出そうでしたね..すみません。 過去作品 れみりゃは飼いゆを殺した 選択肢 投票 しあわせー! (1) それなりー (0) つぎにきたいするよっ! (7) 名前 コメント
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虐待分薄め。ぬるいじめ多め ぶっちゃけ前編 現代が舞台 チチチ……チュンチュン…… まどろむ意識の中で小鳥の声が聞こえる。僅かに射しこむ光が眩しい。 まどろんだ意識で感じる爽やかさと布団のぬくもりがたまらない。 うーん、もう少しだけ……あと5分…… ぺったん、ぺったん、ぺったん、ぼみゅん。 ぼいん!ぼいん!ぼいん!ぼいん! 「おにいさん、おなかすいたよ!!ゆっくりはやくおきてね!!」 粘着質な音を立てながら我が家のれいむ様のご登場だ。ああ、さよなら俺の爽やかな朝…… もはや我が家の風物詩になった光景、だがこのイラだちは何度体験しても慣れるもんじゃない。 ガシッ 俺は片手で腹の上で跳ねている饅頭を掴むと 「お前は何遍言ったらわかるんだ」 「ゆぐぅ!!」 うにょーん 両手でおもいっきり頬を引っ張ってから 「俺が起きるまでは絶対に」 「ぼにいざん、いだいよやべでええ!!」 ブンッ、ビタァン!!………ぼとり 前方の壁に全力投球した。 「この部屋に入るなっつったろーが!!」 「ゆびゅ!!……びえ゛え゛え゛え゛!!!」 寝起きの俺の前に広がる光景は、あまりに投げすぎて茶色い染みが付いた壁と 顔を真っ赤に腫らして泣き叫ぶゆっくりれいむだった。 俺がれいむと暮らし始めて早くも一ヶ月。れいむは毎日毎日、俺をぼいんぼいんと叩き起こしては思いっきり壁に投げられている。 最初の頃は力加減を誤って思いっきり餡子を吐いていた時もあったが(あの時は必死で近所のコンビニまで餡子を買いに行ったっけ) 今では限界ギリギリの力で投げれるようになった。まぁ、たまにはちょっと吐餡させる事もあるが。 元を返せば、こうなったのも全ては大家さんとの約束のせいだ。 「ここに入居するなら一つだけ条件を守ってもらいます」 「どんなゆっくりでもいいから、一匹以上と一緒に生活する事」 「つまりゆっくりを飼えって事だね。あとは定期的に話をしてくれれば問題ないよ」 実際、このアパートの家賃は格安でゆっくりの世話代を概算しても十分すぎるほどの値段だった。 それに俺も始めての一人暮らしで少し寂しくなるか不安だったし、最近話題になったゆっくりにも興味があったんだ。 だから俺はこの条件を受け入れ、ここに住むことにした。その結果待っている様々な苦労を知らないまま。 何はともあれ、そういう約束をしてしまったからにはゆっくりを手に入れなければならない。 近所のコンビニで立ち読みしたゆっくり解説書によると 野生のゆっくりは罠を仕掛ける事で簡単に捕まえられますが、気性に難がある場合があります。 また、飼育する場合は各種予防接種や避妊処理の必要もある為、初心者はゆっくりショップでの購入をオススメします。 最初に飼うなら素直で癖の無いれいむ種がよいでしょう。また、ちぇん種も人懐っこく扱いやすいです。 との事らしい。俺は読み賃代わりに缶コーヒーを一本買って、その足でゆっくりショップに行く事にした。 「ゆっくりしていってね!!かわいいれいむをペットにえらんでね!!」 「おにいさん!!はやくまりさをかうんだぜ!!まりさのぼうしはいちばんかわいいんだぜ!!」 「むきゅ!!いちばんかしこいのはぱちゅりーなのよ!!かうならぱちゅりーがおすすめだわ!!」 「と、とかいはのありすがあなたのかいゆっくりになってあげてもいいわよ!!」 「おにいさん、しっぽのきれいなちぇんをかいたいんだね?わかるよー!!ちぇんのことだよー!!」 ゆっくりショップの存在は知っていたが、実際に行ってみるとそこはなんというか……監獄の死刑囚。この一言に尽きる。 どこのペットショップでも、飼われなかった動物の末路は悲惨な物だ。こいつらはそれを知っているんだろう。 もちろん、それを直接アピールしたり泣き喚くような奴は最初からペットとして扱われるはずがない。 こいつらは全てを知り、助かる為に "自分が出来る唯一の方法で" こちらにアピールしているんだ。 これがもし、意味の通じない動物の鳴き声やしぐさならここまで心に感じる物はなかっただろう。 だが、これが言葉ならどうか。意図の通じる言葉なら、直接言われなくても人間は真意を理解する事が出来る。出来てしまう。 それは自己アピールという名の命乞いだった。 正直、俺は入って1分もしないうちに、かなり消耗していた。早く選んで帰りたい。 最初から買うのはれいむ種にしようと決めてある。他の連中を見ても辛くなるだけだ。 俺がまっすぐにれいむ種のコーナーに行くと色めき立つれいむ種たち。意気消沈する他のゆっくり達。 「おにいさん!!れいむがいちばんかわいいかたちのリボンだよ!!ゆっくりみてね!!」 「れいむのほっぺがいちばんぷにぷにだよ!!さわってもいいのよ!!」 「れいむがいちばんきれいないろのリボンなんだよ!!とてもゆっくりできるよ!!」 「れいむのおうたはとってもひょうばんだよ!!ゆぅ~ゆゆぅ♪ゆぅ~ゆゆぅ~♪」 誰も彼もが満面の笑みで柵に体を擦り付けながら全力のアピールを行っている。 きっと、彼らが主張する内容は全て事実なんだろう。意見が被るゆっくりは居ないし誰も他のゆっくりを否定しない。 だからこそ、俺はその一丸となった命乞いを直視する事が出来なかった。 逸らした俺の視線の先には、一匹のゆっくりが居た。 そいつだけは他の皆のようにアピールをしない。遠慮がちに柵の中から「ゆっくりしていってね」と言うだけだ。 俺の勘が正しければ……こいつは…… 「すいません、あいつと話させてもらっていいですか?」 「いいですよー、ちゃんと話をしてパートナーを決めてあげてくださいね」 そう、笑顔で話をする。これだけがここで許された命乞いのルール。 そして選ばれなかったゆっくりは助からない。なのに。 柵の中に入った店員がそいつを連れ出す時に他の連中はまったく動じていなかった。 こいつだけは絶対に選ばれない。という確信が、貼り付いた笑顔の上からでも透けて判るようだった。 「はい、戻す時はゆっくり入れてあげてくださいねー」 店員から渡されたそいつは、戸惑いながらも「ゆっくりしていってね!!」と言った。今度はしっかりと。 俺はそいつを片手で抱えながら柵の中のゆっくりに聞いた。 「なぁ、こいつはどうしてアピールしないんだ?」 その瞬間、腕の中でビクッと震えるゆっくり。柵の中のゆっくり達も笑ったまま何も言わない。 きっと禁じられているんだろう。他のゆっくりを馬鹿にする事は。 ただ、その笑みの中に嘲るような印象を感じた。そして、それは最高にいやらしい笑みだった。 「お前、もしかしてアピール出来る事が無いのか?」 疑問は確信に変わった。そいつは何も言えず、ただ俺の腕の中で震えるだけだ。 笑みこそ崩さないもののその瞳は震え、悲しみと絶望がありありと写し出されていた。 その笑みは俺がここで見た全てのゆっくりの中で一番魅力的で、そして俺の心に暗い炎を灯す笑みだった。 「すいません、こいつ貰えますか~」 また腕の中でそいつはビクッと震えた。最初との違いを挙げるとするなら、柵の中のれいむ種全ても同じ反応をした事だが。 「おにいさんみるめがないね!!そいつはここでいちばんののうなしだよ!!そんなクズをえらぶなんて…」 俺の選んだ選択があまりにも想定外だったのか、一匹のれいむが俺に対して文句を言ってきた。 同じような気配を発していた周りのゆっくり達もその言葉を聴いたとたんに表情が変わる。ああ、本当にタブーなんだな……これ。 失言から間もなく横に居た店員が飛びかかり、口を捻って口封じをした。 「ゆびゅあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「お客さん、ちょっと待ってくださいね~」 手馴れた物だ。即座に店の裏に連れて行く。失言一つで人生終了だなぁ……あのれいむ。 「うっかりくちがすべったんだよ!!ゆっくりゆるして……」と叫ぶ声が聞こえなくなってしばらくすると店員が戻ってきた。 「申し訳ありません、うちのゆっくりが粗相を……その分お値段をサービスさせて貰いますので……」 思いの他サービスしてくれた。ありがとう失言れいむ、君の事は忘れない。たぶん。しばらくは。 他にも飼うのに必要な道具を買って、俺は店を出た。 店から帰る途中、ケージの中のそいつは脱力しきっていた。本来ならはしゃいでもおかしくは無い状況だけど、 あそこでの絶望的な立場を考えればそんな余裕は無かった事くらいはわかる。 「ゆぅ……ゆぅ……zzz」 まぁ、俺が必死にこいつの荷物を抱えてるのに寝られるのはさすがにムカつくのでちょっと派手にケージを振ってやった。 「ゆぐ!!ゆぁ!!ゆう゛ぅ……いだいよぅ……」 おお、起きた起きた。こんだけ振ってもこっちには文句を言わない辺り、さぞ存分に教育されていたんだろう。あそこのゆっくりは。 そんなゆっくりの反応を見ながら、俺はときたまケージを振りつつアパートに帰る事にした。 大家さんに軽くゆっくりの顔をみせてから(「なるほど……君らしいね」と一目見ただけで言われた。あの人やっぱり只者じゃない。) アパートの一室に戻った俺は、ケージから出したこいつと向き合いながら悩んでいた。 ……何から話せばいいんだ?つい暗い衝動にまかせて買ったはいいが、どう接すればいいんだろうか。 戸惑っているのはこいつも同じらしく、きょろきょろとあたりを見回しては俺の視線に気付き 「ゆっくりしていってね!!」 「ああ、ゆっくりしていいぞ」 と一言交わしたらまたお見合いが開始する始末だ。こりゃだめだ。俺から話振らないと絶対先に進まないぞ。 「えーっと、だな。今日から君はここで飼われる事になりました」 「ゆ!ゆっくりりかいしたよ!!」 「でだ、まず君の事を知る為に自己紹介をして欲しいんだが」 「ゆっ……れいむはしょうかいできることがないよ……」 ああ、こいつに単に自己紹介をしろといってもあそこの二の舞になるだけか……。 これは一つ一つ誘導してく方法じゃないとダメだな。 「それじゃれいむ、まず名前を言ってごらん」 「れいむはれいむだよ!!」 「よくできました。じゃあ、次はどこで生まれたのかな?」 「れいむはきがついたらあそこにいたよ!!」 「ふーん、じゃああそこのゆっくり達には兄弟もいたのかな?」 「そうだよ!!まりさおねーちゃんたちとれいむおねーちゃんたち、かわいいいもうともいたよ!!」 「なるほど。じゃあその子達も一緒に飼った方がよかったかな?」 「ゆぐっ!!……れいむのきょうだいは……みんなさきにうれちゃったのぉ……」 「そっか、つまりれいむは売れ残りだったんだね!!なんでかな?」 「それは……れいむは……れいむには…………」 「あ!!わかったよ!!れいむには長所が無いんだもんね!!れいむは長所無しの役立たずだもんね!!」 「ゆぎゃっ!!!……………………………」 あー駄目だ。やっちまった。また顔引き攣らせてフリーズしてるよ、かわいいなぁ。 しかし、こいつと話してるとどうしてもこいつが嫌がる展開に話振りたくなるな…いかんいかん。 ぺちぺち、ぺちぺち 「おーい、だいじょうぶかー?」 駄目だな。起きない。もうちょい強めにいくか。 パン!パン!パン!パン!スパンキング!! 「おーい、だいじょうぶかー?」 「………………ゆっ!だ、だいじょうぶだよ!!」 頬を真っ赤に腫らして言う台詞じゃないだろそれ… とりあえず晩飯も作らないとな。解説書には確か野菜クズや余った食事でいいって書いてたな。 ただし辛い物は厳禁、凄い嫌がります、だっけか……。 ここはあえて、反応を見る為に俺と同じくカレー食わせてみるか。 「おーい、れいむー。ばんごはんだぞー」 「ゆっ!ゆっくりたべるよ!!」 テーブルの上には大盛りのカレーが二皿。一つは俺用、もう一つはこいつの。 流石に犬食いで火傷すると面倒なので、こいつはあぐらの上に置いてスプーンで食べさせてやる。 「ほーら、よくふーふーして食べろよー」 「ゆっくりふーふーするね!!ふうー、ふうー。」 「よーしいいぞー、ほら、あーん」 ぱくっ 「ゆぅーん、むーしゃ!むーしゃ……ゆっべええ!!」 「どうした~?おいしくなかったかな?」 「ゆぎゅ!!と、とってもおいしいよ!!しあわせー!!」 「そうか~、もっとあるから遠慮しないで食べていいぞ」 「ゆびゅぅ!!……………………………」 「あー…なるほどなぁ。」 負荷が一定超えるとトんじゃうみたいだ。多分、普通のゆっくりだと泣くか怒るかってところのラインなんだろう。 本当によく教育されてるよ、こいつは……。 確かに、あの店のゆっくりは良く躾けられている。能無し呼ばわりされてたこいつでも。 でもこれはゆっくりなんだろうか……。ゆっくりと言えるのだろうか。 俺の見た本の中に居たゆっくりはもっと感情豊かで傍若無人だった。 そして、俺が魅力に感じたのもそうした喜怒哀楽を過剰に表現するゆっくりだったんだ……。 まず、こいつのフリーズ癖を治そう。これはこれで可愛いのは事実だがこのままじゃラチがあかん。 こいつが思考停止するのは「自信の無さ」と「笑う以外の感情表現を許されていない」環境だったせいだ。 だから笑ったまま固まる。そうしなければ死ぬ事になるから。 この躾はある意味では完璧だろう。決して泣き喚かず怒りに暴れる事も無い完璧なゆっくり。 でもそれじゃ俺は息苦しい。あいつが苦しんでるのはわかっているからこそ、尚。 それにこれじゃまるで「ゆっくりロボット」じゃないか。 こいつを一人前の「ゆっくりれいむ」にしてやろう。そしてたっぷりと泣き、怒る様を見てやろう。 そう決意して俺はその日は眠りに付いた。慣れない寝床で震えるれいむにタオルをかけて。 つづく。 このSSに感想を付ける
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※現代にゆっくりがいたら、という話です。 ※某ゆっくりの飼い方のマンガに影響を受けてます。 ※虐め分はいつも通り軽いです。 『ゆっくりペットショップ』 ゆっくりペットショップの朝は早い。 部屋の明かりをつけ、窓のブラインドを上げる。 そして店内に並んでいるゆっくりの入ったケースに掛った暗幕を外していく。 「ゅ…ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 光に反応してケースの中のゆっくり達が目を覚まして鳴き声を上げた。 れいむ種とまりさ種がほとんどだが、他のゆっくり種も大抵取り揃えている。 レティ種やゆゆこ種、もこう種などのレア種はさすがに高価なので入荷できてない。 成体のゆっくりは基本二匹組でケースに入れ、子ゆっくりは最低でも5匹以上セットでケースに入れてある。 赤ちゃんゆっくりはある程度育つまで親ゆっくりと一緒に倉庫の飼育用ケースの中だ。 ゆっくりはさびしがり屋なので一匹だけではゆっくり出来ないし、 赤ちゃんゆっくりに至っては親がいないと食事もままならなず死んでしまうのだ。 「ゆっゆっゆっゆ」 「ゆっゆ~」 「ゅ~」 「ゆゆゆーっ」 ケースの中のゆっくり達は鳴きながらケースの中を自由に飛び跳ねている。 中に入れてあるボールで遊んでいるゆっくりもいる。 「ゆっくりしていってね!!」という定番の挨拶は感情が高ぶった時や挨拶時にしか言わない。 普段は「ゆっ、ゆっ」と鳴く。 インコみたいに簡単な言葉なら覚えるのだが記憶力の良い生物ではないので数日で忘れてしまう。 餌を持った皿をケースの中に入れてあげると中のゆっくり達は皿に殺到して餌を食べていく。 満腹になると幸せそうな表情を浮かべ、体を震わせて喜びを表現する。 この時に食べカスが散らかるが、放っておけばゆっくり達が舐めとるので掃除する必要がなくて楽だ。 後は給水器の水を取り換えて店内のゆっくり達の準備は完了だ。 次は倉庫の飼育ケースへ向かう。 倉庫の飼育ケースにはゆっくり家族のケースと子ゆっくりだけを集めたケースが複数あってこちらも皆ゆっくりとしている。 私がケースに近づくと親ゆっくりはこちらを向いて鳴いてくる。 「ゆっくりしていってね!!!」 それに続いて赤ちゃんゆっくり達も親を真似て鳴く。 「「「「「「ゆっくりちていっちぇね!!」」」」」」 まだ舌足らずな鳴き声だが、何度か繰り返すうちにちゃんと鳴けるようになる。 赤ちゃんのいる方のケースに餌を持ったお皿を入れると、お皿へは親ゆっくりだけが近づいてくる。 赤ちゃんゆっくり達はまだ親ゆっくりが咀嚼して柔らかくなった餌しか食べられないのだ。 「ゆむゆむゆむ…ゆぺっ」 親ゆっくりがお皿に柔らかくなった餌を吐き出すと今度は赤ちゃんゆっくりがお皿の周りに集まって食事しだした。 赤ちゃんゆっくりが食事する様子を親ゆっくりは優しい笑みを浮かべて見ていたのでこの時に親ゆっくりにも餌を手渡しで食べさせてあげる。 何せ親ゆっくりがいないことにはこの商売が成り立たなくなるので特に大事にしている。 まずゆっくりを大量生産出来ないし、赤ちゃんゆっくりを育てるのも親ゆっくりが一番上手い。 その調子で他のゆっくり家族にも餌を与え、水を取り換えてあげる。 次は親離れさせたばかりの子ゆっくりだけを集めたケースの世話する時間。 ゆっくりをペットとして売り出す以上、気性の荒いものや傷モノは店に出すわけにはいかない。 なので店に出す前に子ゆっくりだけのケースを作って生活させ、『選別』を行う。 この時間が何よりの楽しみである。 最初にれいむ種とまりさ種の入ったケースを見ると隅の方で震えているゆっくりれいむがいた。 特に外傷は見当たらない。親と離れたばかりで寂しいのだろう。もう数日待ってもこの調子なら処理が必要になる。 他を見ると複数のまりさが一人のれいむに飲み水を吹きかけて虐めていた。 ゆっくりは水に弱い。飲むのならば良いが体に長く吹きつけられると皮がふやけ、最終的に皮が破れて中身の餡子が漏れて死に至る。 水をかけられたれいむはというと起きてからずっと水を吹きかけられたのか皮がぶよぶよになって今にも千切れそうだ。 「ゅ…ゅ…」 体を小さく震わせて声にも元気がなくなっている。餡子が外に漏れ出してないが放っておけば死ぬだろう。 「ゆー!」 「ゆっゆ~」 対してまりさ達は弱い者いじめをして楽しんでいる。 ゆっくりは大抵親から離れたストレスからこうして他のゆっくりにストレスを発散することがある。 しかし周りのゆっくりもその様子を見て怯えているし、許せるレベル悪戯でもないのでまりさ達と死にかけのれいむをケースから取り出した。 小型のケースにまりさ達とれいむを分けて入れておいてまずはこのケースの餌と水を取り換えておく。 「ゆっゆっゆ」 「ゆむゆむゆむ…」 怯えていたゆっくり達もその原因のゆっくりがいなくなったので元気に食事を始めた。 小型のケースに入れたゆっくり達だが、残念ながらここまでだ。 悪戯するまりさ達はこのまま育っても気質は変わらないだろうし時間を割いてまで更生させるつもりもない。 れいむも同じでわざわざ治療する時間も勿体ないので『ミキサー』と書いてある箱の中に放り込んでおく。このれいむが死んでも代わりは居るもの。 まりさ達はミキサーする前にすることがある。 まりさ達を倉庫の水道近くへ運んでいく。 そこには子ゆっくりが入るぐらい直径のあるメスシリンダーを複数置いてある。 これは水を使って他のゆっくりを虐め、商品価値を無くさせた悪いゆっくりを処刑するための道具だ。 いくつかのメスシリンダーには水が満杯で、底には生気のない瞳をしたゆっくり達が沈んでいた。 棒でも差し込めばゆっくりの体は抵抗なく棒を通すことだろう。 試しにパチンコ玉を落としてみたらメスシリンダーの中が茶色に染まった。 このメスシリンダーの中に悪戯したまりさ達を一匹ずつ別々に入れる。 「ゆっ! ゆっ!!」 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆゆゆっ!!」 十分に動くことのできない場所に入れられてご立腹のようなので早速頭を冷やしてあげよう。 メスシリンダー上部にある蛇口の栓を少しだけ緩める。水滴が一滴ずつゆっくりと滴るように緩める。 ポツン 「ゅ?」 ポツン 「ゆー?」 水滴が帽子にかかって不思議そうにするまりさ達。 まりさ種にとって幸せなのはメスシリンダーの底に水が溜まり始めるまで自分の危機に気付かないことか。 しかし最後には例外なく同じ結末を辿る。 まりさの帽子に落ちた水滴は帽子の傾斜に従ってまりさの背中側へ流れていく。 「ゅ?」 背中に冷たい何かが当たってまりさはきょろきょろし始めた。 また水滴が落ちる。また背中側へ流れる。 まりさ達がその正体に気が付いたのはメスシリンダーの底に水が薄く張ってようやくだった。 「ゅゅ…? ゆゅーっ」 「ゆー! ゆー!」 ゆっくりにとっての足である体の底が濡れて危機感を覚えたらしく いつも餌をあげている私に向かって激しく鳴いてくる。 瞳には涙が浮かび、足元をひどく気にしている。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ」 一匹のまりさがジャンプし始めた。 ジャンプすることで少しでも水に浸り続けるのを避けようとしたのだろう。 だがそれは時間稼ぎにすらならない。そうしている間にも水滴が天から落ちてきて徐々に水かさは増していく。 時間さえあればずっと眺め続けていたいものだが、他の子ゆっくりの世話もあるのでこの場は放置しておく。 後でまた見にくることとする。 次はぱちゅりー種のケースを見る。 数匹中身を吐いて死んでた。 しかし体の弱いぱちゅりーにはよくあること。これ以上他のぱちゅりーにストレスを与えないためにも手際よく死体をミキサーの箱に放り込んだ。 ぱちゅりーはペットに申し分ない性格をしてるが体の弱さが玉に瑕(きず)だ。 ありす種のケースは安全だった。今日は、何事もないようだ。 というのもありす種は基本的に大人しい性格なのに荒れるときは激しく荒れる。 ひどいときはケース内のありす種が全滅していたこともあった。 なのでデリケートな飼育が必要だ。 れみりゃ種のケースには体無しのれみりゃが数匹いる。体ありのれみりゃは希少なので個人経営のこの店にはおいてない。 「うー、うー」 と上機嫌なれみりゃ達の中、一匹のれみりゃが他のれみりゃに噛みつかれていた。 牙は危ないので幼少のときに抜いているのだが、そうとう強く噛まれたようで中身が流れ出ている。 「う"ー、う"あー」 噛まれた方は顔をゆがませ、涙を流しながら逃げようと必死だ。 だが逃げるにはこのケースは狭すぎて逃げられずに何度も噛まれて体中至る所に噛み傷があった。 再生力の高いれみりゃ種なのでこの程度の傷は放っておいても治る。 噛まれた方は放っておいても良いとして、噛んだ方の悪いれみりゃをケースから取り出す。 「うー! うー!」 楽しんでいる所を邪魔されて不機嫌そうに唸り声を上げる。 そんなれみりゃを店の裏へと運んでいく。 店の裏にはすでにカラスが獲物を狙って待っていた。 他のゆっくりを噛む悪いゆっくりは啄まれて死んでもらう。 店の裏にある柵に囲まれた中にはリボンや帽子の残骸が散らばっている。ここがれみりゃの最後のおうちとなるのは言うまでもない。 「うー、うー♪」 柵の中に放たれたれみりゃは初めて味わう外の気持ちよさに機嫌が直っていた。 朝の暖かな日差しとケースの中では味わえない自然の風。そして見たことのない生き物。 「うー、うー、うあうあ♪」 これがれみりゃ式の挨拶だ。れみりゃは満面の笑みを浮かべて柵の中に降り立ったカラスへ飛び跳ねて近づいていく。羽は飾りなので飛べないのだ。 「うーう"っ!?」 再び楽しそうに鳴き声を上げたれみりゃの頭にカラスの鋭い嘴が刺さった。 二羽目のカラスが後頭部をつつく。三羽目は頬だ。 「う"っ、う"あ"っ!? ぅ"……ぁ"っ…」 瞬く間にれみりゃはカラスたちの波に飲み込まれた。苦しそうな鳴き声も徐々に聞こえなくなる。 たまに帽子の切れ端や髪の毛が辺りに散らばる。 5分もしないうちにれみりゃの生きていた証は帽子の切れ端と少しの髪の毛だけしか無くなっていた。 そんな調子で倉庫のゆっくり達の世話と処理を終えた。 後は店の出入り口の鍵を開けて扉にかかった看板を裏返し、『営業中』を表にして開店だ。 開店後しばらくするとお客さんがバラバラと来客してくる。 買いに来たもの3割。見に来ただけのもの5割。残りの1割は「うちのゆっくりが~なんですけど」と飼育方法を聞きにくる人だ。 誰もお客のいない時間はゆっくりを苛めていたいけどそんな所を見られたらイメージダウンもいいところ。 外ではゆっくり好きの店長さんで通っているのだ。 いや、内でもゆっくりは大好きだ。ただゆっくりのいろんな顔を見たいだけ。 愛なのだから仕方がない。 「ゆーっ! ゆーっ!」 「ゆっゆっゆ~」 「ゆゆゆ~」 昼時になると店内のゆっくり達が騒がしくなる。 飯はまだかと俺の方を向いて飛び跳ねるゆっくり達の元へ餌を持っていく。 後は朝と同じように餌を分け与えていくがここでもゆっくり達は悪さを行う。 「ゆー! ゆっくりしていってね!! ゆっくりしていってね!!」 「ゆゆゆゆ~♪ ゆっくりしていってね!!!!」 れいむ種がまりさ種の分まで餌を食べてしまったので涙ながらに抗議するまりさ。 そんなまりさに対してれいむは見せつけるように食べカスも舐めとっていた。 「ゆ"~! ゆ"~!」 悔しそうに泣くまりさとは対照的にれいむは勝ち誇って胸、いや顎を張っていた。 このケースのれいむとまりさのペアは、ここ数日いつもれいむがまりさを押しのけて餌を奪っていた。 ゆっくり種の食事の取り合いは珍しいことではないので一々処罰してもキリがない。しかし何度も餌を奪うようなら処罰せざるを得ない。 れいむをケースから取り出し、残ったまりさには餌を与える。 食事を奪ったれいむは倉庫へ連れていく。 ちょうど見ていたお客さんに「そのゆっくりをどうするの?」と聞かれたので、 「悪い子は躾をやりなおすんですよ。明日にはケースに戻ります」とだけ言っておく。 だが明日ケースに入るのは別のれいむだったりする。 倉庫の隅、仕切りで囲まれた中に大きめの机がある。 机の上には釘を脳天から貫かれて机に固定された数匹のゆっくりがいた。 「ゆ"っ…」 「ゅっゅっ……」 「ゅ"、ゅ"、ゅ"」 体を貫かれた痛みに苦しんで涙を流すもの、体をなんとか動かそうともがき続けるもの、焦点の合わない瞳で空を見ているだけのもの。 この机にいるゆっくりはどれも餌を奪った悪いゆっくりだ。餌を与えず運動も出来ない状態にしてゆっくりと餓死させている。 釘で刺して机に張り付けなくても透明な箱に閉じ込めれば済む話だが、釘で貫いたのは単なる趣味だ。 「ゆ、ゆゆ…ゆっくりしていってね!!」 れいむは腕の中で恐怖で震えながら鳴き声を上げた。仲間の苦しそうな姿が怖いようだ。 そんなれいむを机に設置させて釘を頭に打ち込む。柔らかい体なので釘は簡単に貫通する。 「ゅゅーっ!? ゆっゅゅぃ!」 突然の痛みに暴れだすれいむを押さえつけ、金槌で釘を打ちつけてれいむを机に固定した。 「ゆぅぅ…ゆっぐりじでいっでね…!」 泣きながら脱出しようと体をよじる。 「ゆ"っ!?」 動こうとすると貫かれた部分を中心に激痛が走り、悲鳴をあげる。 ここでれいむは痛みをかき消そうとしたのか体をさらに激しく動かした。 「ゆ"ゆ"ゆ"ゆ"ゆ"!! ゆ"ゆ"っ、ゆ"ゆ"っ!!!?」 少し動いただけでも激痛が走るのに激しく動けばどうなるのかは想像に難くない。 ここでれいむはやっと大人しくなった。 それでも断続的な痛みに苦しそうな顔をしてプルプルと震えてはいたが。 後はこれを放っておけば周りのゆっくりのように体の痛みよりも空腹感の方が苦しくなっていくのだ。 店を長く開けるのも良くないのでそろそろ店に戻ろうとしたが、空腹のゆっくり達が物欲しそうな顔でこちらを見ていることに気が付いた。 そう言えば自分の昼飯を食べていなかった。 せっかくなのでこのゆっくり達の目の前でおにぎりを食べることにした。 「ゆ、ゅ…」 「ゅっぐりじで、いっでね…」 「………」 「ゆぎ、ゆぎぃっ! ゆゅ」 ゆっくり達の反応は様々だ。 痛みで目の前のおにぎりどころではないゆっくり。 羨ましそうにおにぎりを見つめて涎を垂らすゆっくり。 おにぎりを見ているものの声も出せないほど衰弱したゆっくり。 そんなゆっくり達を見ながらの食事はなかなか乙なものだった。 お礼に動けないゆっくり達の目の前にご飯粒を置いてからその場を離れた。 最後に振り返ると、舌を必死に伸ばしてご飯粒を食べようと無駄な努力をしていたのでつい微笑ましくて笑ってしまった。 店に戻る前に、朝にメスシリンダーへ入れておいたまりさ達の様子を見ることにした。 「ゅ"…ゅぶぷ…!」 「ゆっぷっ! ゆっ…ぶくぶく」 「ゆっ……ゆっ……ゅっ…」 メスシリンダーに溜まる水はまりさの下半身ほどの高さまでになっていた。 ゆっくりの体型上そのままでは口が水の中に沈んでしまうので、まりさ達は必死に跳ねていた。 しかしその跳ねる高さは低い。 足代わりでもあるゆっくりの底がふやけたのも一因だし、そもそも水の中で飛び跳ねるのは相当体力を使うので子まりさには飛び跳ね続けるのは辛いだろう。 まりさ達のうち一匹なんかは跳ねて息を吸い込もうとして水も一緒に飲み込んでしまったらしい。 跳ねることが出来なくなり暗い瞳で宙を見ていた。 水滴が帽子に当たるとピクリと反応するからまだ生きているみたいだが、こんな状態ならもう沈めてやってもいいだろう。 そのゆっくりの上にある蛇口を緩めて一気に沈めてやることにした。 数秒もしないうちにそのまりさの入ったメスシリンダーは満杯になり、底には完全に光を失った瞳でこちらを見続けるまりさの姿があった。 そんな仲間の様子を見て隣のまりさ二匹は泣きながらジャンプしつづけていた。 しかしそんなまりさ達の努力は報われる訳もなく、一分もしないうちにまりさ達は水の底の住人となった。 店に戻るとちょうどゆっくりが喧嘩していた。喧嘩と言っても一方的なものだ。 子ゆっくり達の入っているケースでちぇん種がありす種に体当たりしている。 「わかるよー。わかるよー!」 「ゆっ、ゆ"っ! ゆ"ゆ"っ」 ちぇん種は他のゆっくり種とは違って「わかるよ」「わからないよ」の二通りの鳴き声を発する。 快適なら「わかるよー」と鳴き、不快なら「わからないよー」と鳴くだけで実際には何も分かってない。 ありすは涙をこらえながらちぇんの体当たりを受け続けている。 見るとちぇんの尻尾が荒れていて、床には尻尾の毛がハラハラと散らばっていた。 どうもありすがちぇんの尻尾を噛んだのが原因らしい。しかしひどいことをする。 尻尾が汚いちぇんはそれだけでも価値が下がる。このちぇんは尻尾の一部が禿げているのでもはや価値は無いに等しい。 よって処分だ。 体当たりしているちぇんを取り出してまたも倉庫へ連れていく。 ありすも処分しようかと思ったが今はありすの在庫が少ないので我慢する。 ちょうど来客したがきっと冷やかしだろうと決めつけてイソイソと奥へ。 過剰な暴力をしていたちぇんには体罰こそふさわしいだろう。 「わからないよー! わからないよー!!」 ちぇんは私の手に捕まえられて不満そうな声をあげてジタバタする。 尻尾をパタパタさせながら私の手の中でもがくちぇんが可愛いのでデコピンで顔を打つ。 「わか……わからないよ! わからないよぉぉぉ!!!」 デコピンされて一瞬何をされたのか分からず固まったちぇんだが、すぐに顔に響く痛みに泣き出してしまった。 二本の尻尾をピーンと立たせて泣きわめくちぇんの姿にに苛めたい感情が刺激され、さらにデコピンを続ける。 「わからな、に"ゃ!? わがらないに"ゃ!? わ"がっ!? に"ゃっ」 ちぇんが泣く暇もないほどのデコピンの連続。泣く隙はなくとも猫のような悲鳴で鳴いてくれる。 なおもデコピンを続けるととうとう人間で言う鼻の辺りから餡子が漏れ始めた。 「わ"がら"っ、な"い"…っ!!」 デコピンにも飽きたので今度は尻尾を握る。 尻尾の感触をいくらか楽しんだあと、二本ある尻尾のうち一本を引きちぎった。 「わ"、わ"がら"な"い"よ"!?」 大事な尻尾を千切られて、デコピンで潰れかけた顔をさらにゆがませて苦しそうな鳴き声をあげた。 もう一本の尻尾も引きちぎる。再び悲鳴が響く。 ちぇんの尻尾の生えていた部分からは中身が少しずつ流れ出てしまっている。 「わがら、わがらない…よ……」 尻尾が無くなって途端に元気、というよりも生気を失っていくちぇん。 そろそろ終わりにしようか。 左右の手の平でちぇんを潰していく。 「わ"っ、がっ、ら"っ、な"い"ぃぃぃ!!」 おてての皺と皺を合わせて幸せとはまさにこのこと。 手の平で押し潰したちぇんはもうわかることもわからないことも無くなった。 ちぇんの処理の終わり、もう用はないのでミキサーの箱に放り込んだ。 夕方の六時にゆっくりペットショップは閉店する。 店の出入り口を施錠して窓のブラインドを下げてゆっくり達の餌を替える。 この時にも喧嘩したり他のゆっくりの分まで餌を食べるゆっくりは処分する。 例えば他のゆっくりを押しつぶそうとしたありすは万力で押しつぶし、 ゆっくり苛めに参加した冷たい性格のゆっくりは冷凍庫に入れたりと色々だ。 ケースの中のゆっくりがゆっくりし始めたらケースに暗幕をかける。 「ゅ…」 「ゆっくりしていってね…」 「ゆー…ゅー…」 ゆっくり達は暗くなればすぐに眠りだす。暗幕をはずせばすぐに目を覚ますだろうけどゆっくりのストレスになるのでやめておく。 倉庫のゆっくり達も同じように寝かしつける。 ゆっくり親子のケースでは、私を見て寝る時間だと気づいた親ゆっくりが赤ちゃんゆっくりを自分の傍へと呼びよせる。 赤ちゃんゆっくりが集まると私の方を向くと合図の鳴き声を発する。 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「「ゆっくりちていってね!!!」」」」」 暗幕をかけると中からは早速寝息が聞こえる。 そんな感じで他のゆっくり親子も寝かしつけると倉庫には幸せそうな寝息と、苦しそうなゆっくりのうめき声だけが響いた。 ゆっくり達を寝かしつけたが私の仕事はまだ残っている。 明日のゆっくり達の餌を寝る前に準備するのだ。 ミキサーと書かれた箱の中には数匹のゆっくり達が詰まっていた。 大半は死んでいるが何匹かは力の無い鳴き声を上げて何とか生きている。 言うまでもないが、この箱に入ったゆっくりの結末はミキサーで刻まれることだ。 タイ焼き屋や工場なんかで見られる巨大なミキサーに箱のゆっくり達を放り込んでいく。 中に放り込まれたゆっくり達は明日の朝までゆっくりとかき混ぜられて他のゆっくりの餌になる。 一説には遺伝子が取り込まれるとかなんとか。 少なくとも恐怖を味わわせただけあって美味しい餌になるのでゆっくり達は残さず食べてくれている。 とにかくこれで今日の業務は全ておしまい。 自分の時間を過ごしたらもう寝よう。 何せゆっくりペットショップの朝は早い。 明日も問題を起こすゆっくりが出ることを願いつつ、私は眠りについた。 終 by ゆっくりしたい人 キャラに個性を出さないように虐めようかと思ったけど難しいものですね。 個人的には机に刺したゆっくりを一日中ゆっくりと眺めたいなぁと自分で書いてて思ったり。 このSSに感想を付ける
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ゆっくり去勢 8KB 初投稿です。稚拙ですみません。 街中あき氏のぺにまむ去勢セットにQNQNしまくったのでSSを書いてみました。 お日様が西に傾くころ、帰り道を急ぐ人影がひとつ。 うら若き女性が箱を大事そうに両手で抱きかかえて足早に歩いていく。 うっすらとビニール袋から透けて読める文字は 「ゆっくりぺにまむ去勢セット まりさ&れいむ」 自宅の玄関に着いた彼女は、箱をぎゅっとひときわ強く抱きしめて深呼吸。 覚悟を決めたまなざしになりドアノブを握り、回す。 お姉さんは大学進学と共にあこがれの一人暮らしを始め、それと同時に跳ねて歌って人語を理解する不思議饅頭「ゆっくり」をペットとして飼い始めた。 黒いとんがり帽子が特徴のゆっくりまりさが、お姉さんの新生活のパートナーになったのだ。 一緒にお買い物に行ったり、服を色々作ってあげたり、ゆっくりカフェでまりさが他のゆっくりと遊んでいるのを見ながら飼い主の人達とおしゃべりしたり、一緒にお風呂に入って おうたを歌ったり。お姉さんの学生生活は、実に充実したものだった。 そんなある日の朝。 「んー…」 眠りから目覚めたお姉さんはいつもの如く、枕元で眠っているまりさを抱き寄せてほお擦りする。 寝起きで意識がぼんやりしている状態で、ゆっくり独特のしもぶくれのほっぺを存分に堪能するのが日課になっていた。 「んふふ~、ぷにぷに~~~~」 まりさに着せた、ゆっくり専用のパジャマの薄い布地越しの弾力を存分に自らの頬で味わうお姉さん。 だが、今日はいつもとは違う点が一つ。 なにか固いモノが頬に当たったのだ。 「ん~?」 また何か「たからもの」をこっそり拾って持ち込んだのだろうか?と未だに寝ぼけた感じでまりさを見直すと、まりさの顎の下、 パジャマにくっきりと浮き上がって自己主張するペニペニが一つ。 おそるおそる指でつつくと、「ゆふん」とまりさは切ない声を上げる。 「うぎゃあああああああああああああ!」 「ゆびゃっ!!」 お姉さんはご近所に大変迷惑な大声を出しながら、思わずまりさを放り投げる。 壁にキスをしてやっと目を覚ましたまりさだったが、何故こんな目に遭ったのか到底理解できなかった。 お姉さんに飼われる様になって二ヶ月、最初はまだ赤ちゃん言葉が抜けきらない子ゆっくりだったがもうお年頃、体はもう大人だ。 さっきだって最近仲良くなったありすとムフフな事になる夢を見て、うっかり朝おっきしてしまっていただけなのだ。 「ゆっぐりい?」 「あ、ごめんね!これはうっかり…そう、うっかり手がすべっちゃたの!」 慌てて涙目になっているまりさに駆け寄ると、優しく頭を撫でて謝るお姉さん。 恐る恐るまりさの下部を見てみると、先ほどの現象は収まっている。 とりあえず内心はほっとしたが、やはりアレはどうにかしないと、とお姉さんは決心するのだった。 お姉さんはその後はいつものように、まりさをパジャマから部屋着に着替えさせてあげて一緒に朝ごはんをむーしゃむーしゃすると まりさに見送られて大学へ。 講義中もランチタイムも、お姉さんの頭の中は今朝目撃したまりさのぺにぺにの事で一杯だった。 元々ゆっくりがどんな生態なのか良く知らずに飼っていたのだ、勿論どうやって増えるのかも。 あんな純粋でゆっくりした饅頭に、まさかあんな性器が付いているなんて。 お姉さんは許せなかった。 もっとファンタジーな存在だと信じていたのに。 と、もう限界だったので帰りにまりさを買ったゆっくりショップに寄って店員に思いの丈をぶちまけた。 「…というわけで我慢できないんです!どうにかなりませんかっ!?」 「なるほど、お買い上げいただいたのは確かに未去勢のゆっくりでしたね。 そんなお客様にうってつけの商品がございます」 店員はお姉さんの話を一通り営業スマイルを崩さずに聞くと、すぐさま店の棚から箱を持ってきた。 「こちらの全国ゆっくりにっく協会公認のゆっくりぺにまむ去勢セット、今ならナント!¥2980のご奉仕価格で提供いたしますよ」 「去勢、ってまさか…」 「はい、ゆっくりの場合、こう、チョキンと切ってしまうのです」 「うっ…」 「勿論、ウチで預かって専門のスタッフが処置することもできますが、そうなるとこれ位になってしまいます」 店員は素早く電卓を取り出し、消費税コミコミの値段を提示する。 「これは…ちょっと高いですね」 「そうなんですよ、しかし、このセットさえあれば誰でもお手軽簡単に出来てしまうという事で、実際に売れてるんですよねえ」 「売れてるんですか…」 「はい、売れてます。今日はなんとポイントカード3倍デーですし、是非オススメ致します!」 「ゆっ!おねーさんおかえりなさいなんだぜ!!」 玄関のドアが開く音を聞くとすぐ、まりさはボスンボスンと全速力でお出迎えに現れた。 「ただいまーまりさ、ちゃんといい子にしてた?」 「まりさはちゃんとおるすばんしてたんだぜ」 お姉さんがいつものように靴を脱いで奥の部屋に向かうと、まりさは子犬のようにその後を追いかけてゆく。 お姉さんは居間でさっそく箱を開けて、中身をつぎつぎに取り出す。 既にゆっくりショップでこのセットの大体の使い方は教えてもらっていた。 ぺにぺに切除器、ばいゆぐら、麻酔用ラムネ、濃縮オレンジ軟膏、補修用シート、へら、ちゃんと全部揃っているみたいだ。 「ゆっ?ゆゆっ?おねえさん、これはなんなんだぜ?」 まりさは興味ありげに覗き込んでくる。 「これはね、まりさの新しいおもちゃだよ。これから遊び方をよく調べるからこれを食べて待っててね」 まずは眠らせないといけない、お姉さんは適当なウソをつきながらまりさの前にラムネを置く。 「おおきなラムネさんだぜ!むーしゃ、むーしゃ!しあわせーーーー!」 ボリボリと豪快にラムネを一気食いするまりさ。 説明書にあるとおり数分後にはうつらうつらとし始めて、やがてすーやすーやと安らかな寝顔になってしまう。 お姉さんは古新聞を絨毯の上に広げると、その上にまりさを運んで仰向けに横たわらせてゆっくり用の部屋着を脱がせる。 店員からは餡子等がこぼれた時のために、何か下に敷いておくのがコツだと聞いていた。 無理矢理薬で眠らせて服を剥ぐ、というなんともいえない背徳感にお姉さんは思わずゴクリと生唾を飲み込む。 とうとうまりさの下半分があらわになる。 「準備は完了、っと」 次はいよいよ、興奮剤(ばいゆぐら)の出番だ。 「ええと、ここ、でいいのかしら」 あにゃる、なんてとても口に出して言えない。 まりさはトイレの躾も完璧だし、それにわざわざうんうんする所を見る事も無かったお姉さんは説明書に記載されたイラストの このあたり、と矢印が指し示すあたりにやっとそれらしき穴を見つけた。 ばいゆぐらのキャップを外し、プスっと先端を穴に挿し込んで一気に中身を注入する。 「ゆぅ~~~~~~ん」 眠ったままのまりさの顔が見る見る紅潮し、まむまむとして引っ込んでいた部分が徐々にだが雄雄しく立ち上がってくる。 まりさのぺにぺにが最高潮になるのを待つ間、お姉さんは風呂掃除用の厚手のゴム手袋を用意していた。 さすがにあれを素手で触りたくないからだ。 「また会ったわね。でもアナタもこれで終わりよ」 準備万端、ぺにぺに切除器を手に構えたお姉さんの目に怪しい輝きが満ちてゆく。 店員のアドバイスでは、眠っていても苦痛は当然感じるのでためらわずに一気にスパっとやってあげるのが愛情だという。 天井を貫かんばかりに勃起したぺにぺにの根元に、恐る恐るといった手つきでぺにぺに切除器をあてがい 「一気に」 サクっ、と刃をめりこませる。 「切り取……きゃっ!」 自らの危機を感じ取ったのか、ただ単に痛みへの反応なのか、ぺにぺにの先端がぴくぴくと震え出したのだ。 お姉さんは驚いて、思わず後ろに尻餅をついてしまう。 「やっぱり…痛いんだよね…ごめんねまりさ…今やっつけちゃうから」 なるべく見ないように、目線だけ外しながらぺにぺにに刺さったままの切除器に再び手を伸ばす。 「一気に、えいっ!」 手に力を込めて、ぺにぺに切除器をくるりと回転させる。 ころり。 完全に切り離されたぺにぺにが、新聞紙の上に転げ落ちた。 「やった!うまくできたみたい」 思わずガッツポーズをとるお姉さん。 しかし、まりさは全身にじっとりと汗(砂糖水)をにじませ、段々と息も荒くなってゆく。 「いけないいけない、すぐに傷口を塞がないといけないんだっけ」 説明書にある様に、付属品のへらで傷口の餡子を平らに整え始める。 饅頭皮一枚の向こう側は、確かに黒い餡子だということをお姉さんは初めて見る。 まりさを食べ物では無くかわいいペットとしてしか見ていないお姉さんにとっては、この痛々しい姿を早く治してあげたかった。 「次はオレンジ軟膏ね」 惜しまずにたっぷり塗ってあげて下さいね、との店員のアドバイスを思い出したお姉さんはこれでもかと塗りたくる。 「最後は補修シートを貼り付けて、と」 ようやく中身が見えないようになった。 相変わらずまりさは苦しげだったが、麻酔用ラムネは翌朝まで効くらしいのであとは目覚めるまで放っておくしか無いらしい。 寝返りなどして傷口を圧迫しないように固定してください、と説明書の最後に大きく書いてあったのでまりさが小さいときに 遊び相手として買った、ゆっくりれいむとありすのぬいぐるみでまりさの両側をしっかりと固定する。 「これで完了かな」 切り落とされたぺにぺにを、親指と人差し指でつまみあげてゴミ箱にポイと捨てるとお姉さんは大きくため息をついた。 まりさは良く頑張った。 明日目が覚めたら、たくさんごちそうを用意してねぎらってあげよう。 そう、まりさは今夜、生まれ変わったんだ。 「おはよう、まりさ。良く眠ってたわね」 「ゆぅ、おねえさんおはよう…」 「お腹空いたでしょ?お顔を洗ってから一緒に食べましょうね!」 「ゆっ!まりさ、おなかぺこぺこだよ!」 まりさが目覚める少し前に、補修用シートをそっと剥がしてみると傷口は跡形も無くなっていた。 そして不思議な事に、目覚めたまりさはだぜ言葉を喋らなくなりなんとなくだが女の子っぽさが増したようだ。 とにもかくにも、ぺにぺにの無くなったまりさはお姉さんと末永く幸せに暮らしましたとさ。 おしまい。 元ネタ絵 by街中あき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る まむまむをほじくり返してほしい -- 2015-12-24 09 31 56 お姉さんうろたえすぎだろ -- 2013-01-17 03 26 47 子供のキンタマ潰すコピペ思い出しました -- 2012-10-03 01 42 29 去勢は飼い主としての義務だろ、まむまむも取れよww -- 2011-11-02 22 14 32 ↓初期には別という設定もあったみたいよ -- 2011-09-25 21 55 52 ↓↓それが普通なんだよww -- 2011-09-25 21 52 46 去勢されたら男になるのか女になるのか… まぁ女の子で良いんじゃない?w -- 2010-10-03 21 42 28 ペニペニとマムマムが一体という設定か でもこれだと女の子っぽさも一緒になくなるけどね -- 2010-07-26 04 05 47 ↓もうないよ・・・。 -- 2010-07-17 01 19 28 ちーんぽ!! -- 2010-06-30 14 40 15 いいなーこれ -- 2010-06-21 02 19 51 ちょっとまて まむの去勢はどうやるんだ -- 2010-06-09 20 49 20 ゆっ!ぺにぺにのないまりさなんていにゃかものよ -- 2010-05-25 23 26 47 珍珍!! -- 2010-05-01 17 28 01
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※選ばれしゆっくりの番外編です。 ※ゆっくりちるのの生態(後編)はもうしばらくお待ちください。。 ※駄文、稚拙な表現注意。 ※星蓮船ネタばれ注意。 ※俺設定注意 ※いろいろ矛盾があるけどきにしないでください。 約束のとき、聖地で行われる祭りに幻想の神主が現れる。神主は新しき円盤を信者に与えるであろう。 円盤は幻想の少女となりて東の方の信者は歓喜の涙を流す。 そしてそれと共に新たなゆっくりもまた生まれ出のだ。 (「湯九里創世記」より抜粋) 「な・・・なんだ。あれは・・・」 波に揺れる漁船の上で男は思わず声をあげた。 男は漁師でもう50年近く海に出ている。当然海については知らないものはない。 にもかかわらずあれはなんだ。 見たことが無い。 聞いたことが無い。 海の上にゆっくりがいるなんて・・・。 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ここは駅前にあるゆっくりショップ。さまざまなゆっくりがケース内で飼育されている。 やあ、二度目まして。僕は元研究お兄さんだ。 元とつくのはもう研究所はやめてこのゆっくりショップの店員に転職したからだ。これからは店員お兄さんと呼んでくれ。 給料は下がっちゃったけどもうゆとりにいても先が見えてるし、今の時代職があるだけましだよね。 「そろそろだとおもうんだがな・・・」 そう独り言を言いながらそわそわしているのはうちの店長。 お盆過ぎたあたり、特に昨日の晩からやたらそわそわしていてやたら携帯の着信をきにしている。 奥さんも恋人もいないはずなのになにかあったのかなあ。 「どうかしたんですか店長。落ち着かないみたいですけど。」 ついに気になった僕は聞くことにした。 「どうしたっておまえ。もうお盆は過ぎたんだぞ。あれがそろそろでるころじゃないか」 「あれってなんですか。くらげ?」 「ばか。海の家じゃないんだぞ。うちは。うちは何屋だ?」 「なにって・・・ゆっくりですけど?」 「だったらゆっくりに決まってるだろ。新種のゆっくりがでるんだよ」 「新種のゆっくり!?」 僕は思わず聞き返してしまった。 確かに新種のゆっくりが出ることはあるが、それってお盆とか季節に関係あるんだろうか? 「それがあるんだよ」 そうぼくの心を読んだように答える店長。あんたはゆっくりさとりか? 「その証拠にちれいでん種達もそうだっただろう。あいつらも去年の5月ごろから少しずつ目撃されるようになり、お盆過ぎあたりからさとりのようなその種のおさ的存在が確認され始めたはずだ。」 「たしかにそうですけど・・・。それって偶然じゃないですか?」 信じられず思わずそうつぶやく僕。 「それがそうじゃないんだ。実際にゆっくりについてかかれた古文書に書いてある。」 「古文書?なんですか、それ?」 「ゆっくりについてかかれたなぞの古文書「湯九里創世記」のことだ。作者も書いた目的も不明。その上内容は荒唐無稽だからゆっくり学者は眉唾ものだとされている」 そう言うときっと僕にむきなおり、 「しかし俺は信じる。荒唐無稽がなんだ。ゆっくりの存在自体荒唐無稽じゃないか。ならば俺は自分のただしいと信じた道を進む。」 ときっぱり言い切る店長。不覚にもそんな店長をちょっとかっこいいとおもってしまった。 「それで、その古文書にはなんて書いてあるんですか。」 「ああ、湯九里創世記によると、ゆっくりはゲンソウキョウという場所の少女たちをモデルに作られた生物らしい。 そしてその少女たちは夏に行われる聖なる祭りに神主よって生み出されると記されている。一部の少女はレイタイサイと呼ばれる春の祭りにうまれるようだがな。そしてその少女たちを思う東の方の神主の信者の思いがゆっくりをつくるらしい。」 「確かにつじつまは合いますね・・・。春になずーりん種たち新種もでてるし。」 「だろう!!だから俺は待ってるんだ。知り合いのゆっくりハンターにかたっぱしから声をかけて、新種を見たら携帯に連絡をくれと! 昨日の晩のニュースでも海に漂う新種のゆっくりの存在が目撃されている。この近くの山はゆっくりが多いし、きっと新種が生まれるはずなんだよ!!」 そうやたら興奮気味に話す店長。しかし無理もない。もし新種のゆっくりが捕まえられればそれこそ大ニュースであり、うちの店のいい宣伝になる。その上うちでその新種を売るとなればいくらぐらいになるだろうか。100万?200万?個人でなくゆっくり関係の大企業に売るとなればさらに高値が期待できる。一攫千金の大チャンスである。 その時携帯がなった。ばっと飛びつくように携帯をとる店長。 「も、もしもし。・・・・・・わかった。すぐ行く。」 そう言い電話を切るとあらかじめ用意していたらしいリユックを背負い 「そういうわけだから店番頼む」 とあわただしく出て行った。 そんな店長をお見送りしたあと、僕はゆっくりたちに餌をやろうと倉庫へと向かった。 新種のゆっくりが捕まればいいんだけど。 「ゆぎゃあああ!!だれかたずけてぇぇぇぇ」 ん?いまなにか悲鳴が聞こえたような。気のせいか? 「ゆ・・・ゆびぃぃっぃ」 ここは店員お兄さんの店の近くの路地裏。そこにまりさはいた。 とはいえもうまりさは長くないだろう。顔を食いちぎられ大量の餡子が流出している。 このまりさはのーぶるゆっくりがゲス化したもので、飼い主に捨てられて以後野良生活を送っていた。 のーぶるまりさは思った。 なぜ。なぜこうなったのだ。 自分はじじいに見切りをつけて(本当は捨てられたのだが)、このあたりの野良の王になったはずだ。 自分にけんかで勝てるゆっくりなどいなかったし、あたまも誰よりもよかった。 それを活かしてこのあたりのおろかな野良ゆっくりを統治してやったいたのだ。 (実際は野良ゆっくりから食料などを搾取、そしてなんくせつけて虐殺していただけである) しかし、あの見慣れない金髪のゆっくりがすべてを奪っていった。 見慣れない新入りを見かけ、自分が王だとわからせる為路地裏へ引きずり込んだまではよかった。 その後、何を言っても平然としており、生意気な面をしていたので踏み潰して食料にしてやろうと思い襲い掛かった。 しかし必殺のスタンピング攻撃はあっさりかわされ、かわりに頬に激痛がはしる。 頬を食いちぎられたのだ。 まりさは他の野良に助けを求めたが、当然今まですき放題していたのーぶるまりさを助けるものなどおらず、自分たちを開放してくれた 金髪のゆっくりとともにどこかへいってしまった。 もうだめだ・・・。死ぬしかない・・・。 のーぶるまりさは思った。 あのゆっくりはだれだったのだろうか・・・攻撃されたときすさまじい殺気を感じた。 そうまるで虎のように。 まりさは知らなかった。 その金髪のゆっくりこそが人間たちが血まなこで探している新種ゆっくりだと。 by長月
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皆さん、一度は疑問に思ったことはないでしょうか? 虫などからあんこへ変換されるメカニズムを………… 今回はそのメカニズムを人間が知り濫用してしまった世界線のお話です。 ※パロディ多めです それではどうぞ 俺の名は山田俊明、しがない加工場に勤める平社員だ、 ただそんな生活も今日でおさらばだ!なぜなら無限に餡子を作ることができる方法を発見してしまったからだ! しばらく移動して….. 俊明『聞いてください!工場長!』 工場長『なんだね?無駄話には付き合わんぞ』 俊明『いいえ、超がつくほどの儲け話です!』 工場長『なんだと?』 俊明『それは……餡子を無限に生産する方法です!』 工場長『ダニィ!?』 俊明『じゃあ実演しますね』 ざわ・・・ざわ・・・・・ざわ・・・・・・・・ まりちゃ「ゆぴゃ!?なんなのぜくちょにんgy….」 俊明はまりちゃの眉間からまむまむのすこし上あたりを奥行き五センチ幅二センチ程度で抉った。 まりちゃ「ゆっぴゃああああああ!?まりちゃにこんにゃこちょしちぇただじゃしゅまにゃi….」 俊明はまりちゃをゴム手袋越しに殴り潰した 俊明『ここさえあればあとは要りません、まあこれにも意識はあるのですが我々にはどうでも良いことです、ではここに毛虫を入れてみましょう。』 驚くべきことにまりちゃだったものは瞬く間に捩じ込まれた毛虫を吸い込み、物の三秒で あにゃるに続くであろう腑(はらわた)のようなものから餡子が出てきたのだ。 工場長『これは…俊明君、君を次の工場長に任命する…..そしてこれは本部にも連絡 する、君への褒賞は8桁を下らないだろう、では私は本部へ報告をしてくるあとは頼んだぞ。』 俊明心の声『ヒャッホオオオオオオ!最高にハイってやつダァ! WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!』 俊明『謹んでお受けします』 次の日(*1)..zzzZZ こうして俊明によって餡子の製造が無限に可能になったことにより、 大豆の価格も暴落した、何処かのずんだの精霊もショッキングだろう。 大豆農家『てめえらのせいで俺たちゃ食い扶持を失ったんだよ!』 れいむ「なんのこといってるの!れいむはなにもしらn….」 ズッキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン! れいむのファーストキスは冷たい弾丸に命と共に一瞬にして奪われた。 さらに次の日(つД`)ノ 農家たちの怒りの矛先は意外な方向へ向かった 大豆農家『皆!クソ饅頭どもを一匹残らず根絶やしにするぞ!』 一同『おーーーーーーー!』 このように大豆農家によってゆっくり狩りが始まった、 その対象は野良ゆだけではなく…… お姉さん『れいむちゃん、もうすぐ寝ましょうね!』 れいむ『ゆっくりりかいしたy…..』 パァァンッ 大きな音とともにガラスの割れるような音、さらにものが地面に落ちるような音がした お姉さん『れいむちゃん!しっかりして!…… もしもし?K察ですか?これこれこういうことがありまして……うぐっ』 このように飼いゆっくりに対する被害も目立ち始め、大豆農家の一部立派な反社会的勢力 となり、次々に飼いゆっくりおよびゆっくりショップへの襲撃が相次いだ。 これはまずいと思った工場長は、テレビスタジオに凸し、内容を改竄するよう命令したのだ。 工場長『歴史はスタジオで作られる〜』 その後、テレビでは大豆農家に対する批判ばかりで、大元の加工場には一切触れないのだ それによって….. 大豆農家はほとんど表舞台からすがたをけしたが、ゆっくりショップに放火するものが出てきたりで1ヶ月ほど世間を騒がせた。 秘書 「支部長!(元工場長)売り上げが272%も伸びています!」 支部長「ふふふ…….俊明君もよくやってくれたよ….」 そう、俊明の発見によって大豆農家の食い扶持代償として、加工場に莫大な利益をもたらしていた。 そして大豆農家や加工場によりのらゆっくりはほんの1月で街、森、山全てから姿を消した。 加工場…… まりちゃ心の声「いたいのじぇ!まりちゃをはやくたすけるのじぇ!」 この通りゆっくりたちは発声期間を奪われたことにより喚くことすら叶わない ただの穴の空いた四角柱になってしまった。 1ヶ月後 女新人『変ですねぇ、ここ最近この機械(ゆっくりの心の声を読み取る機械)に反応がないんですよ俊明工場長』 俊明『考えてみろお前が宇宙空間で死ねずに1ヶ月彷徨ってたらどうする』 女新人『考えるのを、辞めますかね?』 俊明『そうだ、ゆっくりにも自己防衛本能がないわけじゃあないよって考えるのをやめるんだ』 まりちゃの脳内記録 1日目 いたいのじぇ!はやくたすけちぇ! 7日目 ゆゆゆっゆうゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆうゆっゆうゆっゆゆゆ 15日目ぱぴぷぺぽぉっ!ぱぴぷぺぽぉ!ぱぴぷぺぽぉ! 23日目くぁwせdrftgyふじこlp 30日目まりちゃは、考えるのをやめた 以下読み取り不能 俊明『声になって出てくるの気持ち悪りぃよなこの機械』 女新人『全くもってその通りっす!工場長、今夜飲みに行きませんか?』 俊明『え….』 この世界線での話はこれで終わりだ、俊明にも春がきたようで何よりだ Another world line….. 大豆農家 『おーいのうかりん!そろそろご飯にしないか?』 のうかりん「わかっただぁ!」 この通りどこかの世界線とは違い平和である、 そして…… まりちゃ「ゆわーい!きょうみょごはんしゃんたいっりょうだね!」 このようにのどかの日常を過ごす街ゆっくりのさっきの世界線でのあのまりちゃだ ⁇?『いやー、今日は楽しかったね』 ⁇?『また来ましょうよ!』 ⁇?『ん?こんなところにゆっくりが…..』 その瞬間まりちゃは悟った、 この世で最も出会ってはいけないものに出会ってしまったことを…… 俊明『誰だい?君は?』 その目はこの世で最底辺に属する、よく見知ったものを見る目だった。 FIN……. 今日までの合計 - あのセリフって、、 -- たい焼き (2023-03-14 18 17 36) 大豆ではなく小豆では -- 名無しさん (2023-09-10 15 02 42) この話サイコやんk -- ゆっくりk (2023-10-03 19 24 58) 名前 コメント
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(番組OP) ♪北の里から南の里まで素敵な夢を届けます~ 心安らぐゆっくり生活電話一本かなえます~ シャ~ボネット~ シャボネット~ 夢のシャボネットナカタ (番組MC登場) おにいさん(以下お)「さあ、始まりました新番組。TVゆっくりショッピング。 司会のおにいさんです。この番組では皆様の快適ゆっくり生活 をサポートする素敵な商品を毎週紹介していきます。 それではお呼びしましょう。シャボネットのナカタ社長です。」 ナカタ社長(以下ナ)「みなさんこんにちわ。シャボネットのナカタです。 今日は記念すべき第一回ということで、特別価格で 皆様にご奉仕させていただきたいと思います。」 お「それでは早速商品の説明をしていただきましょう。」 ナ「みなさん、外出中にゆっくりに家を荒されたという経験は無いでしょうか。 この商品をお使いいただくともう二度とゆっくりに家を荒される事はありません。 商品名は『ゆっくりカーペット』です。」 お「ほう、これは・・・一見普通のカーペットの様ですが、 先が丸くなった鉛筆の頭の様な突起が一面についていますね。」 ナ「はい。実はこれ、ゆっくりをゆっくりさせないために考案された特別な突起なのです。 ゆっくりはこの突起を踏むとあまりの痛さに飛び上がってしまいます。 そして着地した際にまた突起を踏み、痛みからのがれようとジャンプする。 これを死ぬまで続けます。無限ループって怖くね?」 お「なるほど。しかし物がカーペットなだけに餡子が付くと掃除が大変なんじゃないですか?」 ナ「ご安心下さい。これは加工所の研究員によって特別に設計されたものです。 ゆっくりの皮傷つけることは一切ございませんので安心です。 そのまま加工所に持って行って引き取ってもらうことができます。」 お「ではここで実際にカーペットの上にゆっくりを置いてみなさんにご覧いただきましょう。」 (おにいさんがスタッフからゆっくり霊夢を受け取る) ゆっくり霊夢(以下ゆ)「ゆ?ここじゃゆっくりできないよ。ゆっくりおろしてね。」 お「ぽーい。(ゆっくりをカーペットの上に落とす)」 ゆ「ゆ!いたい!いたいよ!ゆっくりやめてね!ゆっくりできないよ!」 お「おお!確かにゆっくりできていませんね。皮にも傷がついていない。」 ナ「はい。ゆっくりはこのまま跳ね続け、疲労とゆっくりできないストレスによって死にます。」 ゆ「なにじでるのぉぉぉおぉお!はやぐゆっぐりだすげでえぇぇえぇ!」 お「どのくらいで死に至るのでしょうか?」 ナ「このゆっくりの様な一般的な成体の場合およそ6時間で死に至ります。」 ゆ「あ゛あ゛あ゛あ゛!い゛た゛い゛よ゛お゛お゛!た゛れ゛か゛た゛す゛け゛て゛え゛ぇえ゛ぇぇ!」 ナ「このカーペットを部屋中に敷き詰めればもうゆっくりに部屋を荒されることはありません。 しかも今回は特別価格!2m×2mのカーペットを一枚\980で提供致します。 さらにこの商品は屋外での使用も可能です。畑の周りを囲って柵の代わりにすることもできます。」 お「しかしこの突起、人間が踏んでも結構痛いですね。健康にはいいかもしれませんが・・・」 ゆ「む゛し゛し゛な゛い゛て゛え゛え゛ぇぇ!ゆ゛っく゛り゛し゛ん゛し゛ゃう゛よ゛お゛お゛ぉぉ!」 ナ「その様な方におすすめなのがこの商品『特製厚底スリッパ』です。 このスリッパは特殊な素材でできているため五寸釘を踏んでも平気です。 ぜひご一緒にお求めください。一足\98,000で提供しております。」 お「なるほど。この二つを買えばもうゆっくりの不法侵入に悩まされずにすみますね。 ナカタ社長今日はありがとうございました。」 ゆ「ゆ゛っく゛り゛て゛き゛な゛い゛よ゛お゛お゛ぉぉぉぉ。」 ナ「はい。ありがとうございました。それでは最後にご注文の方法について説明いたします。 今回の商品は『ゆっくりカーペット』一枚\980、『特製厚底スリッパ』一足\98,000です。 \10,000以上お買い上げの方は送料\6,000が無料になります。 さらに当社と契約しております120件の090金融で12回以上のローンを組んでいただきますと スリッパをもう一足お付けいたします。電話番号は0120-△△△△ー××××です。」 ゆ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 (番組ED) ♪北の里から南の里まで素敵な夢を届けます~ 心安らぐゆっくり生活電話一本かなえます~ シャ~ボネット~ シャボネット~ 夢のシャボネットナカタ (番組終了) ゆ「と゛う゛し゛て゛み゛ん゛な゛い゛っち゛ゃう゛の゛お゛お゛お゛!」 ゆ「ひ゛と゛り゛に゛し゛な゛い゛て゛え゛え゛ぇぇ!」 ゆ「ゆ゛っく゛り゛し゛た゛か゛った゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ」 end このSSに感想を付ける
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俺とゆっくりの話 1の続きです 善良なゆっくりがいます 注意 「お…さん……きて!!…っく…し…との……んだよ!!」 「うぅ…頭いてぇ…」 失敗した、昨日は次の日仕事だって言うのに飲みすぎたみたいだ 「くっそ、あの天狗め…どういう肝臓してるんだ…」 愚痴を言うのはやめよう、そもそも天狗と飲み比べなんかしたこっちが悪いんだ 「まあ、人間にしてはよく頑張った方ですよ」 とかいって肩を叩いてくれたがその結果が新聞の強制購読と二日酔いじゃ割に合わない 「おにーさん、だいじょうぶ?きょうはいえでゆっくりしていく?」 「冗談じゃない、二日酔いで欠勤なんざできるか!お前は今日はどうする?」 「今日は用事はないけどゆっくり遊びに行くよ!!」 「そうか、じゃあ…」 「おにーさんがいなかったら小屋の中でゆっくり待ってるよ!!」 「…わかった、行ってくる…頭いてぇ…」 「ゆゆっ!今日もゆっくりさとをみまわるよ!!」 れいむの日課は集会の参加か里の見回りである 里を見回って人間のルールに違反しているゆっくりがいたら注意するのだ 何度か野生のゆっくりに殺されそうになったこともあるがそのたびに知恵を使って切り抜けてきた それに畑を荒らしたゆっくりを追い返すと里の人やお兄さんがほめてくれる、集会でもみんなに褒めてもらえるそれが大好きだった れいむは見回りをしながら里の外周部にある原っぱにやってきた ここは見回りに疲れた時のゆっくりポイントの一つだ、日当たりもいいし餌もある 「ゆ?」 その時目の前に一匹の野生ゆっくりまりさが現れた 「ゆゆっ、れーむ!このちょうさんを一緒に食べようね!!」 「ゆゆ…」 れいむの餡子脳裏に数日前見た夢の内容がよぎった、このれいむはまりさ種の親の裏切りで家族が全滅したのだ 「ゆっ!!いいよ!れいむもむしさんつかまえるからいっしょにゆっくりたべようね!」 このれいむはあの親とは違う、それに野生だけど畑を荒らしたわけでもない 飼いゆっくりまりさとも仲良くしているれいむは一瞬警戒したが問題はないと判断した 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」 「しあわせー!!」 気がつくと夕方になっていた、そろそろ帰らないといけない。そうれいむが思っていたころまりさが突然口を開いた 「れ、れいむ!!」 「ゆ?どうしたのまりさ?」 「も、もしよかったらまりさとゆっくりしてほしいんだぜ!!」 「ゆ、ゆっくり!?」 その「ゆっくり」はご飯を食べて「しあわせー」とかではない 人間でいえば「結婚しよう」に近いものだった 「ゆっ、それはいくらなんでもはやすぎるよ!!」 さすがにれいむは拒んだ、ありすでもないのに出会った当日に夫婦になるなんてできるわけがない 「ゆ?れいむはまりさのこときらい?」 「ゆぅ、きらいじゃないけど…」 「まりさはれいむのことゆっくりすきだよ!!りぼんもかみもきれいでとてもゆっくりしてるよ!!」 「ゆ、ゆぅ…わかったよ、でも、これはじゅうだいなことだからおにいさんにもきかなきゃいけないよ?」 れいむははじめて自分の容姿がほめられたことに少し浮かれ、警戒心を無くしていたのかもしれない それに少し下手だったがお兄さんの手入れしてくれたリボンと髪の毛がほめられたことをうれしく思っていた 「おにいさん?」 「ゆっ、れいむのかいぬしのにんげんさんだよ!みためはすこしこわいけど!とてもゆっくりしていてやさいいよ!」 「人間」その言葉を聞いた瞬間まりさの口調は急に荒々しくなった 「だめだよ!!にんげんといるとゆっくりできないよ!!れいむはすぐれいむのいえからにんげんをおいだしてね!!」 「ちがうよ!!おにーさんはゆっくりできるにんげんだよ!!まりさはやせーだからしらないだけだよ!!あとあそこはれいむのじゃなくておにーさんのおうちだよ!!」 「ちがうよ!にんげんはゆっくりをころすわるいいきものなんだよ!」 「それはごかいだよ!!」 「まえだってまりさのともだちのありすがおうちですっきりしていたらにんげんにころされちゃったんだよ!!」 「それはきっとまりさがにんげんのうちですっきりしてたからだよ!!」 「ちがうよ!!あそこはありすがみつけたからありすのおうちだよ!!」 「ゆゆゆ…だめだよ!!おにーさんのわるくちをいうまりさとはゆっくりできないよ!!」 「ゆゆゆゆ…わかったよ!!まりさがれいむといっしょににんげんのいえにいってにんげんがわるいってことをしょうめいしてあげるよ!!そしたらにんげんをおいだしてくれるよね!!」 「おにーさんがわるくなかったらまりさにはかえってもらうよ!!それといえをでるのはれいむだよ!!」 ハッキリ言ってまりさがれいむに惚れて結婚を申し出る理由は十分にあった れいむは自分の餌は自分でとろうとしていたがお兄さんのご飯を分けてもらうこともある そのため栄養状態がよく、肌や髪もきれいだ だがれいむにはまりさを好きになる理由はない はっきり言ってこのまりさは平凡なまりさなのだ たぶんれいむはお兄さんに飼われてから初めて自分に優しくしてくれた野生のゆっくりに必要以上の親近感を覚えたのかもしれない もしくはこの優しいゆっくりが人間のルールを破り、殺される未来を想像してしまったのかもしれない 俺が家に帰ると何だかややこしいことになっていた れいむが野生のまりさを連れて帰ってきたのだ とりあえず二匹とも家に入れた 「ゆっ!おじさん!はやくごはんをもってきてね!!」 「だめだよまりさ!!ここはおにーさんのおうちだからおにーさんのいうことをきかなきゃだめだよ!!」 「それで?お前はこのれいむと結婚したいっていうのか?」 「そうだよ!!まりさとれいむはここでゆっくりするからおじさんはでていってね!!」 「ごめんねおにいさん!まりさはやせいのゆっくりだからにんげんのるーるをしらないの!!」 だったらなんでこんなまりさと結婚したいというのかと思った だがれいむにとって俺に飼われてから初めてあった野生の友達を失いたくないという感情があったのかもしれない それとまだ人間に危害を加えていないがこのままでは人に危害を加えてしまう それだけは避けたいという保護意識みたいなものもあるのかもしれない じっさい彼の考えは概ね当たっていた それに彼はれいむをパートナーとして信用している、彼女が結婚したいというのならそれを応援するつもりだ だが誤算があった れいむはてっきり里の飼いゆっくりのだれかとすっきりしたがると思った だがれいむの連れてきたまりさはバリバリの野生だ 「れいむが結婚したいというのならおれはそれを認めるよ」 「ありがとう!おにいさん!!」 「じゃあじゃまなおにいs「だがまりさ、何個か条件がある」」 「なぁに!!まりさとれいむにごはんもってきてくれるならすこしくらいきいてあげなくもないよ!!」 「まず一つ、れいむは俺の大事な相棒だ、だから結婚したからと言って手放すつもりはない」 「なにいってるの!れいむはまりさのおよめさんになるんだからおじさんがいえをでるのはあたりまえでしょ!」 俺はまだ十代だ、それに俺が家を出るんじゃなくてれいむが家を出るんじゃないか? 「そうかもしれんが家から出した結果お前の身勝手で人間に喧嘩売って殺されたりしたら困るからな」 「おじさんはばかだからまりさのつよさをしらないんだね!!そんなおじさんは…ゆっ!?」 まりさの頭を軽く押さえつける、こういう調子の乗ったやつは一度力の差を思い知らせた方がいい ちなみに幻想郷に来る前従弟にそれをやって親戚一同に怒られたのは内緒だ 「ゆっくり死ねってか?とりあえずこの手を払いのけてから言うんだな」 「まりさ!おねがいだからおにいさんにさからうのはやめてね!!」 「そうだ、お前も俺が飼ってやる、ゆっくりさせてやるからせめて人間の常識だけは覚えてくれ」 「ゆっ、ゆっくりできないぃぃぃ…」 ゆっくりが一匹増えるくらいなら自分にとって大した負担にはならない むしろ会合がない日のれいむの話し相手が一匹増えるので喜ばしいぐらいだ だが何個か懸念材料がある たとえば子供が生まれた場合 まだれいむもまりさも交尾した後生きていられる保証はないため交尾は禁止させた そのためすぐ生まれてくることはないがいつか交尾して子供を生むだろう その時は赤ゆっくりから子ゆっくりになる直前に二匹を除きゆっくりショップかブリーダーに引き取ってもらう まりさにはまだ話していない、いつかれいむが機を見て話すことになる そしてそのまりさ、こいつを躾けるのは苦労しそうだと思った ゆっくりの飼い方という本にはゆっくりは元気なほどいいと書いてあるがそれはショップで買う場合である 野生のゆっくりは元気であれば元気なほど傲慢なのでしつけるのは難しいのだ 自分もこのれいむと違う出会いをしていたらきっとここまで仲良くなれなかったと思う とりあえずれいむにまりさを教育させ、2カ月以内にゆっくりシルバーバッチを手に入れることを条件にまりさが家に入るのを許した まりさは理解できなかったなぜれいむはこうも人間を信用するのか 最初れいむがまりさに「ゆっくりおそとでごはんをとろうね!!」といったときは耳を疑った ご飯はあの人間が用意してくれる、なのになぜ自らご飯を取りに行かねばならないのか? れいむは 「おにいさんにすこしでもらくさせてあげるためだよ!」 「れいむはいつもおにいさんのおせわになってるからこれぐらいはしないと!!」 といった おかしい、なぜこのれいむはここまであの人間の心配をするのか? れいむと人間の関係はこうだ 人間が仕事をする 仕事という意味は分らないがこれをするかられいむはゆっくりできるのだという、そして大変疲れるらしい 人間がれいむのご飯を作る それなりにうまい れいむがゆっくりする この関係を見て人間はどう思うだろうか? まりさは一瞬でこんな答えを導き出した れいむは人間を奴隷として従えている なぜなら人間がれいむにゆっくりプレイスを提供し、ご飯を提供する この家はれいむの家でれいむ>にんげんなのだ 今はれいむ≧まりさ>人間だ なのになぜれいむは人間をあそこまで心配するのか? なぜ人間が気に入らないことをした時自分が人間を叱ろうとしたとき自分を止めるのか? まりさはれいむが好きだった、それは今も変わらない だがまりさは飼いゆっくりとしてのルールを学ぶことを拒否してしまった 理解の範疇を超えた事を理解させられるのは苦痛だったのだ そして夜、人間もまりさも寝静まった頃、まりさはれいむの枕もとに立つとにやりと笑った いまれいむとすっきりすれば間違いなく母体となった方は死ぬ だがれいむが死ねばこの家はまりさ>人間となり自分の自由にできる まりさの考えに考え抜いた作戦が開始されようとしていた 人間を支配しながら人間を支配するそふりを見せないれいむ そんな野生ゆっくりの常識を超えたこのれいむへの愛情はもうほとんど無くなっていた 続く 8月18日 2253 セイン このSSに感想を付ける