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SSやイラストなどからネタをパクっています ここのゆっくりは、すっきりするゆっくりです 俺設定をひたすら綴ってみました タイトル「ゆっくり2匹目」 ゆっくりに心惹かれ、いつかまりさを飼ってみたいと思っていた。 どうせ飼うなら、高級品種をと思っていた。 ゆっくりハウスも段ボール製の安物ではなく、木製の高級品を与えたい。 ゆっくりフードもカロリー控えめ栄養価の高い高級品を与えたい。 ゆっくり用おもちゃも、量産品ではなく職人による手作りのものを与えたい。 収入とにらめっこしながら、具体的な構想を練ってみる。 ハウスやおもちゃはともかく、ゆっくりフードのような消耗品には妥協が必要だろう。 高級品種は野良のように際限なく餌をねだるような下品なことをしないから、ちょっと安めのものでもきっと大丈夫。 初期投資分さえ用意できれば、まりさとの日々は妄想でなくなる。 青年は必死に貯金をした。 毎日特売のカップラーメンをすすり、必死に働いた。 もちろん定時でばっちり帰宅。 残業は一切しない。 そうしなければ、まりさが我が家に来たとき、寂しい思いをさせてしまうではないか。 残業なんかしたら、まりさがきっと心配する。 生活全てをゆっくり中心にする準備を着々と整えていった。 ついに資金が確保できた。 早速、ゆっくりショップに出かける。 入り口付近のケースに放り込まれている躾の行き届いていない下品なゴミ共に用はない。 目指すは店の奥、高級品種のコーナーだ。 一匹50円からの安もの共とは桁違いの高級品種達は、豪華な人工芝がしかれたケース内で実にゆっくりとしている。 青年は目的である高級まりさを確認した。 『子まりさ 250,000円』 値段表の金額を見ても、青年の決意は揺るがなかった。 高級ゆっくりハウス :80,000円 職人による手作りおもちゃセット :15,000円 青年は妥協しなかった。 高額お買い物してくれたので、高級ゆっくりハウスはその日のうちに配達してくれると店長さんが言ってくれた。 そのまりさは完璧だった。 朝は青年より早く目覚め、「ゆっくりしていってね!」 朝食も食べこぼしなどせず、「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪」 飼い主によっては、この「むーしゃ、むーしゃ」を嫌う人もいる。 そんな飼い主の場合は、静かにごはんを食べることも出来る。 まさに高級ゆっくりたる所以だ。 仕事に行くときには玄関まで見送りに来て「ゆっくりいってらっしゃい!」 帰宅したら「ゆっくりおかえりなさい!おしごとおつかれさま!」 うるさくご飯の催促をすることも、遊びを強要することもしない。 飼い主にほとんど面倒をかけない、できておるゆっくりであった。 青年は幸せだった。 まりさは、餌が安物だったせいもあり、すぐに成体サイズまで成長した。 可愛い子まりさ状態をキープするには、高級フードによるカロリー制限などが必要なのだ。 しかし、青年は成体まりさになっても愛を失わなかった。 まりさに癒され続けた青年は、だんだん仕事中にまりさを一人きりにしていることを申し訳なく思うようになっていった。 これは青年の間違いで、高級品種になると孤独をストレスに感じるようなことはない。 しかし、ゆっくりを飼えない時代にSSなどを読みまくったのがいけなかった。 青年が好きなジャンルが「家族愛もの」だったことも、まずかった。 さらにゆっくりペット業界が多頭飼いを誘発するような、ゆっくり家族の仲睦まじい姿の広告をバンバン打ったために、洗脳されていた。 ゆっくりは、家族で暮らすのが、一番のしあわせ~♪ 青年はゆっくり好きになった時からずっと業界に踊らされていたのかも知れない。 まりさはあまりにできておるゆっくりだった。 そのため、青年が当初予想したより維持費がかからなかった。 「もう一匹くらいなら…」 もちろん、高級品種を買うような予算はない。 だが、青年には安物でもちゃんと飼える自信があった。 子まりさから成体まりさまで育て上げたという自負があったからだ。 躾が行き届いたゆっくりだったからこそ、それが可能だったという真実を、青年は完璧に見落としていた。 青年はゆっくりショップで50円れいむを買った。 野良でもいいかとも考えたが、実際に野良ゆっくりを見てやめた。 病気を持ってそうなくらい汚く愛想が悪かったからだ。 家に帰るとまりさがお出迎えしてくれた。 50円れいむは高級品種であるまりさに一目惚れした 「ゆう~ん、とってもゆっくりした まりさだよ!すっきりしたいよ!」 れいむがこの発言をした時点で潰すべきだった。 だが不幸なことに、青年は食事の用意でその台詞が聞こえないところにいた。 まりさにおうちまで案内されて、れいむは吃驚した。 なんという、なんというゆっくりしたおうちッ!!! 「きょうからここを れいむのゆっくりプレイスにするよ!!!」 あろう事か、おうち宣言をした。 悪いことに高級まりさはおうち宣言などの、自己の権利を主張する本能をごっそり削られている。 飼い主に完全隷属するようにカスタマイズされているのだ。 だかられいむのおうち宣言を理解できなかった。 その行動をたしなめるという発想すら出来なかった。 青年は最初、れいむの傍若無人な態度に業を煮やしていた。 だが、自分はまりさをこんなに立派に育てたではないか。 いずれこのれいむも、まりさのような素敵なゆっくりに躾けてやろう。 じつはその自信には根拠が欠片もないことに、青年は気付けなかった。 いままでのゆっくりライフは、まりさのおかげだったというのに…。 高級ゆっくりは、それと気付かれないように、常に飼い主を観察している。 今飼い主は疲れているか、怒っているか、機嫌が悪いのか良いのか…などなど。 そして飼い主が喜ぶ行動を常に取るように、本能に刻まれている。 それが全て悪い方向へと向かっていった。 れいむと仲良くすると、青年が喜ぶ。 だかられいむと「仲良く」していた。 れいむは激しく勘違いをした。 「こんなにせっきょくてきにすりすりしてくるなんて、れいむと すっきりしたいのねぇええ!」 所詮50円の餡子脳。 悲劇は青年が仕事に行っている間に起こった。 家に帰り着いたのに、まりさのお出迎えがなかった。 不審に思い、真っ先にゆっくりハウスを見に行った。 ゆっくりハウスの前では、大量の蔓を生やして黒ずみかけているまりさがいた。 そして、ゆっくりハウスの中ではれいむが仰向けになって眠っていた。 まりさはれいむが体験したことがないほど高級だった。 肌のすべすべ感も、ちゅっちゅの感触も、まむまむの具合は筆舌に尽くしがたいほど最高ッ!!! 何度も何度もすっきりーしたら、急にまりさの具合が悪くなった。 れいむは疲れたため、まりさなど気にせずゆっくりハウスに戻って眠った。 まりさの死の責任は、全て青年にある。 まりさが高度に躾けられた個体であること、そのおかげで飼育が楽だったことに思い至らなかった。 自分の飼育スキルが高くないことに気付かなかった。 そして、ゆっくりを飼うことに無知でありすぎた。 青年には、住人のいなくなったゆっくりハウスとまりさのおぼうし、そして透明な箱に入れられた50円れいむだけが残った。 あとがき 読んでいただいた方、ありがとうございました。 SSを読んでると、ほとんどの作品で2匹目を飼って後悔して虐待に走っています。 最初に高級品を買って慣れてしまうと、次からグレード下げてもうまくやれるさ、と勘違いすることは良くあると思います。 だから、ゆっくりも初めて飼うときは気合いを入れて高級ゆっくりを飼うのではないかと。 そして次飼うときは、安い奴でもうまく飼えるさと、勘違いするのではないかと。 相変わらずうまくまとめきれませんでしたが、楽しんでいただければ幸いです。 これまで書いた作品 ゆっくり爆弾 ゆっくりの光 ゆっくり訪問 ゆっくりの名前
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商品紹介鬼威惨「Hey!ダニエル!」 相方鬼威惨「なんだいマイケル?」 商「最近ダニエル顔が疲れてるyo」 相「そうなんだyo、仕事も増えてゆ虐してる暇もなくて2キロ増えちゃったyo」 商「そんな時にはこれ!「全自動たまご割r」」 相「(殴)」 商「あ、改めて紹介するyo、「全自動ゆ虐器」、これに限るyo!」 相「どういうのか見してくれyo」 商「分かったyo!まずは実験に野良まりさを使うyo」 野良まりちゃ「じじいははやきゅあみゃあみゃをもっちぇくりゅのじ、ゆ!おしょりゃをとんでりゅのじぇ!まりちゃはおしょらのはs」 商「そしてこいつをスタンドにセットして」 野「ゆ?おしょらもまりちゃのかわいしゃにむこうにいっちゃったのじぇ、きゃわいくっちぇぎょみぇんにぇ!」 (このあと誰か考えて)
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注意点 ゆっくりエンザの人の『ゆっくりいじめ系2051 みんなの幸福まりさの不幸』からの設定を一部拝借しています 「4232132」 「…423、2132。次」 「3221121」 「…322、1121っと。次」 「3331212」 「…333、1212。次」 少し薄暗くて狭い空間に男二人が沢山のゆっくり達がつまった段ボールに座って作業をしている。 明るい照明と内装のゆっくりショップの店内から一枚壁を隔てた奧の部屋で男達は奇妙な数字を言い交わしていた。 厳密に言えば一方の男が数字を言い、それをもう一方の男が復唱しながら機械にその数字を打ち込んでいるようだった。 先に数字を言う側の男は次から次に段ボールからゆっくりを取り出しては数字をそらんじているようだ。 段ボールから出されたゆっくりは重なり合っていて狭苦しい場所から解放された喜びと独特の浮揚感に頬を綻ばしていたが男達は反応しない。 自分がとてもゆっくりできているのにどうしてゆっくりしないのかととすぐに機嫌を害していたようだが、 すぐさま隣の段ボールに移されまた狭苦しい環境に逆戻りしてあっという間に境遇を嘆いていた。 いちいち感情をころころ変えるゆっくり達に反応していてはこの仕事はやっていけないのだ。 もはや慣れた手つきの流れ作業で男はゆっくりを掴みだし、ある個別の数字を読み上げ、そして別の箱に移す。 客の少ない間にブリーダーから店側に卸されたゆっくり達の選別作業と情報登録を済まさなければならないこともあり、一連の作業は素早く行われていた。 「ふー、ようやく終わったか」 「お疲れ様。今回はちょっとハズレが多かったすね」 「もう今度からあのブリーダーへの発注は止めとこうな」 「当たりも[きれい好き]れいむと[物知り]まりさだけじゃなあ」 「野生でも野良でもそれくらいいるってーの。話にならん」 休憩がてら店の裏手で生まれたての赤ゆをつまみつつお茶を飲みながら愚痴りあう男達。 ゆっくりを見て数字をそらんじていた男は今回入荷したゆっくりのリストを渋い顔をしながら眺めていた。 飼いゆとしてはぎりぎりの水準のレベルであるゆっくり達ばかりでこれからどう販売していくかを考えると頭が痛かった。 男がそらんじた数字、それはゆっくり達のステータスをある基準で数値化したものだった。 数字はそれぞれ[人格Lv]、[身体能力Lv]、[しつけLv]、[耐水性Lv]、[歌唱技能Lv](まりさ種なら[渡水技能Lv]等)、[絶食耐性Lv]、[知能Lv]である この男はゆっくりを触ればそのゆっくりのステータスが分かる程度の能力を保有しているのだ。 ゆっくりがこの世に出てくるまではまったく意味をなさなかったその能力は今こうしてゆっくりの状況を把握するうえで大活躍している。 人語を話す癖にコミュニケーションはほとんどまともにとれない不思議生物に対して、 直感的にその様子を手に取るように分かるのは便利以外の何者でもない。 男達が行っていた選別作業は店に出すのもそうだが販売するゆっくりのデータベースを作る役割も兼ねていた。 それまでゆっくりを飼いたいと思う客に対して曖昧な販売基準と適当な価格設定だったものが、この男の手により確固たる販売形態へと生まれ変わったのだ。 客側からしてみてもそのゆっくりの性格やら特徴などはっきり分かるので安心して購入できるというものだ。 男は睨んでいたリストから顔を上げると隣の男に告げた。 「とりあえずステータス下位層のゆっくりは入り口正面のケージで投げ売りにしよう。 そうでもなきゃ加工所に持って行ったほうが早い」 男は今回は利益無視の特価での販売を決め込んだ。お得意様の一部には喜ばれるに違いない。 それが次回以降の利益に繋がればいいのだ。 「今回は実験は行わないんです?」隣の男は一応とばかりに尋ねる。 「特にしたいこともないし、今はうちのゆっくりで忙しいからな」 「そういやようやく生まれたんでしたっけ? ゆっくりてるよの子供が」 「ほんとようやくって感じだな。これがまた親に似て可愛いのよ」 その姿を思い浮かべるだけで男の表情は緩んでしまう。 「店のゆっくり共に見せたいぐらいの馬鹿顔になってますよ……」 「あいつらは正直駄ゆっくりだ。商品じゃなきゃ無視してるレベルだよ」隣の男の台詞に再び渋い表情に戻った。 「まったくその落差はひどいもんっすね。もちろんてるよの子供は店には出さないんですよね?」 「当たり前だ。相場の十倍積まれても手放す気はないぞ」 「十倍っててるよってだけで何十万クラスじゃないっすか……。俺なら売っちゃうなー」 「そもそもお前じゃ飼えないだろうが」 「まあそれもそうっすけど」 そう言う苦笑いする隣の男はさっさとゆっくりとお茶を胃に流し込んで店内に戻っていった。 これ以上話を続けていたら飼いゆっくり自慢を長々とされることを経験上理解していたからだ。 話相手もいなくなったゆっくりのステータスを手に取るように分かる男は、 家で待つ飼いゆっくりの様子を思い浮かべながら一人不気味ににやけていた。 そして最後に残った赤ゆを一口に飲み込んでは店に戻っていった。 やはり最後のゆっくりは格段の美味しさを誇った。 その男の稀有な能力は店でゆっくりを売るときはもちろん、家でゆっくりを飼うときも存分に役立っていた。 特にゆっくりてるよ相手にはこれでもかというほど役立つ能力である。 通常ゆっくりてるよは人に懐かない。 それは人間側に問題があるからだ。 てるよは他種のゆっくりと比較すると驚くほど言葉数が少ないことがわかる。 あのとげとげしく耳に触るほどの大声で喋らないどころか必要なことまで「めどい」の一言で飼い主に伝えないのだ。 お腹が減った。遊んで欲しい。お風呂に入りたい。あれがほしいこれがほしい……。 そんなてるよの要求に飼い主は応えないため、てるよが愛想を尽かし出て行ってしまう。 どんな人間でもまずそれを止める事は出来ない。 なぜなら満月の夜に月の明かりに照らされ壁や扉をすり抜けて野生へと戻ってしまうからだ。 そんなてるよですら男は手なずける事に成功した。 それもこの男が持つ能力のおかげである。そしてついには繁殖まで成功してしまったのだ。 男は定時に仕事を済ますと挨拶もそこそこに寄り道もせずに家に向かった。 あまりの可愛さに一時も飼いゆ達と離れたくないのだが働かないと暮らしていけないのも事実なのでやむなく離ればなれになっている。 その為仕事が終われば一目散に帰宅するのがここ最近の日課となっていた。 幸い男が勤める店から家までは歩いても10分と近距離にあるため仕事以外の時間はゆっくり達といることができた。 それでも家を離れる間は飼いゆっくり達だけとなり不安である。 家屋への野生ゆっくりの侵入は後を絶たないし、自宅のガラス窓のすべてを強化ガラスにまだし終えていないからだ。 そしてこの日男の不安は見事的中する事になる。 「ただいまー」 男が自宅に戻ると帰宅の挨拶をする。 いつもならここで飼いゆっくりの一匹であるちぇんが出てくるはずだが一向にその姿を見せない。 静まりかえった室内からくるどこか騒がしい物音を聞き分けると男は異変を感じ取った。 やられた、男がそう思ったのはリビングの窓が破られてガラスが四散しているのを発見したときだ。 荒らされた家具とある方向に向かって伸びている泥の跡をみて胸が締め付けられる。 急に跳ね上がる心拍数は男が大事にしている飼いゆ達の安否が気になったからだ。 外からの侵入者のことはこれっぽっちも気にも留めてなかった。 ひとまずあいつらが無事でいてくれたらそれだけでいい、男の心はそれだけでいっぱいだった。 男は侵入者の足跡を辿りながら、リビングから離れた位置にあるゆっくり達が普段くつろいでいる部屋に静かにその足を進めた。 下部にゆっくり用の入り口が開けられているドアのノブをゆっくり回すとそこには見慣れぬゆっくりがぞろぞろといた。 その部屋に男が入ってきた事に気が付かないでいて、部屋に鎮座している和風ゆっくりハウスDX(家族用)に向かって何やら叫んだり体当たりを繰り返している。 「ゆっくりしてないでこのいえからでていってね!!」 「「「でていってね!!」」」 ゆっくりハウスの前で大声を張っていたのは成体サイズのれいむとその子供と思われる子ゆっくりサイズのれいむ二匹とまりさ一匹だ。 そして男の飼いゆっくり達はどうやらあのハウスの中に逃げ込んでいるようだった。 それでもまだ本人達の姿を見るまでは安心できない。 男はれいむ一家を無視してゆっくりハウスの元に向かった。 「ゆゆっ!! おじさんどこからきたの? れいむたちのゆっくりぷれいすからでていってね」 「「でていってね!!」」 「まりさにあまあまちょうだいね!!」 男がゆっくりハウスの側に立ったとき、ようやくれいむ達は男の存在に気が付いたようだった。 それほどこのハウスに意識を集中させていたようだ。どうもこのゆっくりハウスにはゆっくり達を熱中させて止まない何かがあるらしい。 そんなれいむ達を完全に無視して男はゆっくりハウスの屋根を大胆にも取り外した。 その様子を見てハウスを壊されたと誤解してか、れいむ達はゆがーんと固まってしまった。 「てるよ、ちぇん無事か!?」 「わかるよー、みんなぶじなんだねー」 「それは良かった。ちゃんと言いつけは守ったんだな」 「みんなでここににげたんだよー」 突如開いた天井を不安そうに見上げていたてるよとちぇんは男の顔を見てホッとした表情を見せた。 それでもてるよとその側にいる子供達二匹は震えが止まらない様子だ。 「みんなには心配をかけてすまなかった。でももう大丈夫だからな」 「あんしんなんだねーわかるよー」 てるよも声には出さないが「よかった」と言っているようだ。 念のための確認で飼いゆ一匹一匹を持ち上げて状況を確認する。 「[腹ぺこ][いらいら]か、お腹が空いてるんだな。あとでゆっくりごはんにしような」 まずはてるよの基本的なステータスを確認した。満腹度の低下とストレスの上昇が見られるがあとはいつも通りくらいだ。 男は一応てるよの他のステータスを確認する。 「[令嬢][跳ねない][賢者][美肌][不感症][喋らない][常時睡眠][親愛]」無事普段のステータスだった。 もしゆっくりショップの誰かがこのステータスの羅列を聞いていたら卒倒するだろう。 [てるよ種]という稀少さに加えてこれだけ多くのプラスステータスが加わればとんでもない値段になるからだ。 「ちぇんも確認しておこう。おいで」そういって男はちぇんを目の前まで持ち上げる。 「[一般常識持ち][狩りが得意][偏差値50][タチ][四六時中大声][飾りは飾り][親愛]。ちぇんも問題なしだな」 「わかる、わかるよー」 ちぇんもてるよには劣るがそこそこのステータス持ちである。 好感度ステータスの[親愛]からは男の飼いゆへの溺愛っぷりが見て取れる。 一方その頃男の足下で固まっていたれいむ親子がようやくショックから立ち直り動き始めた。 「どうじでおいえこわじだのおおお」 「「ゆっぐりやべでね!!」 「ゆっぐりでぎないじじいはじね!!」 まったく野生のゆっくり共は一旦動き始めたら騒々しくて堪らない。 男は優しそうな表情から一転、虫でも見るような眼差しでれいむ達を見下ろした。 「なんだまだいたのか。さっさと出て行ってよ。ここは俺とてるよ達の家だからさ」 「なにいっでるの゛!? ごごはれいむ゛だぢのゆっぐりぶれいずっていっだでしょ!!」 「はぁ、あっそう」 男はれいむのあまりの野生のゆっくりっぷりに溜め息をつく。 こういうゆっくりは相手をするだけ無駄というのは重々承知しているのでそうそうに家から出て行って貰う事にする。 「今なら許してやるから出てけ」 そう言って親れいむを持ち上げて部屋の窓を開ける。 するとこの瞬間男の表情が歪む。 男の能力の面倒なところは別にその気は無くても触るだけでそのゆっくりのステータスが分かってしまうところだ。 自分でコントロール出来ないためれいむに触れた時点でれいむの状況がわかってしまう。 「もうほんと絶望的なステータスだな。[わがまま][のんびり屋][餡子脳][四六時中大声][飾りに傷][かすり傷]か」 このステータスのゆっくりではゆっくりショップに来たら間違いなく即加工所送りである。 別に知りたくもないれいむのステータスを知ってしまい男はますます気が滅入る。 「まったく、こんな駄ゆっくりは投げてしまいたいなあ!!」 「おじざんやべでね!! れいむをなげないでね!!」 「おかーさんずるい!!」 「れいむもれいむも」 足下では子れいむ達が母親が人間に遊んで貰っていると勘違いしてこれまたうるさい。 そして子まりさに至っては何故か男に怒っていた。 「ばでぃざをむしずるじじいはごうじでやる!!」そういって効果のない体当たりをかましてきた。 まりさが男の足に体当たりをするとまりさと男は触れたと同義であり、男はこれまた知りたくもないまりさのステータスを知らされる事になる。 「もう勘弁してくれよ。[ゲス][暴れん坊][餡子脳][四六時中大声]……、[他ゆの飾り]?」 なんだこれと男は一旦親れいむを床に置き子まりさを持ち上げる。すると今度は親れいむが男に体当たりをし始めた。 男はそれを無視してまりさのステータスを確認するとやはりおかしなステータスが一つ存在した。 「おいれいむ、このまりさはお前の子供か?」 「ぞうだよ!! ばでぃざをゆっくりおろじでね!!」 親れいむはこのまりさを自分の子供だと言った。だが飾りステータスが[他ゆの飾り]なのだ。 「おいまりさ、この帽子どうした」 男はつまみ上げていたまりさのその帽子を指さしながら言った。 すると男の手の中で暴れていたまりさはあからさまにギクッと驚いてみせた。 「し、しらないんだぜ。まりさはなにもしてないぜ」 まりさは急に態度を変え大人しくなった。それは誰がどうみてもまりさは嘘をついている姿に他ならない。 野生種ならではの狡猾さが見て取れ、男は頭を抱えながらさらにまりさに問うた。 「なら質問を変えよう。お前の前の帽子はどうして無くなった?」 「おねーちゃんのありすとあそんでいるときえださんにひっかかってぼろぼろになったんだぜ。どうしてじじいはなくなったことしってるんだぜ?」 まりさは帽子を無くしてしまったのをなぜ男が知っているのか心底疑問に感じたようだが、それを男は無視して続けた。 「そしたらまりさ、どうしてその帽子が新品なんだ?」 「ゆゆっ、それは……」 子まりさが返答に困ったとき男が思いついた事実であろう推測をこのまりさにぶつけてみる。 「それは本当の持ち主から奪ったんだろ」 「ゆ゛ゆ゛っ、どういうことなのまりさ!!」 「ち、ちがうんだぜ。でたらめだぜ」 「お前はいつからそこのれいむの子まりさとすり替わったんだよ」 「おじざんっ、まりざはまりざじゃないの!?」 「ああ、お前達は気付いていなかったようだが中身が変わってるよ」 「ゆがーん」 「「まりざおねーちゃんはどこいっだの!!」」 れいむ達の衝撃は大きい。いつの間にか自分達の家族であったまりさが中身が変わっていたのだ。 それに気が付かず生活をしていた自分達もそうだが、のうのうと暮らしていた知らないまりさにもショックを受けた。 子れいむの一匹はあまりの出来事に餡子を嘔吐して痙攣しはじめた。 「大方元の持ち主のまりさを殺して奪ったんだろお前のステータスをみりゃ見当が付く。 それにありすおねーちゃんってお前の親はまりさとありすって言ってるのと同じだよな。 やっぱりこのれいむの子供じゃないんだろ」 「ゆがあああああ!! どぼじでぜんぶいっぢゃうのおおおおお!!」 「やっぱりしらないまりさっだったのおおお!! うちのまりさをがえじでええええ!!」 「れいむおねーちゃんしっかりしてええええ」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 もはや阿鼻叫喚地獄絵図である。 これ以上叫ばれたり部屋を汚されるのは勘弁してほしいので四匹には窓から退場してもらった。 当然言っても聞かないので男が家の外へと放り投げる形ではあったが。 男が窓を閉め切る寸前には親れいむの罵声と餡子の飛び散る音がした。 ようやく一騒動が片付き、男は飼いゆっくり達に目を向ける。 警戒しながらハウスの扉を開けて、ちぇんが先導しながらてるよと子供達が部屋に出てきていた。 「しずかになったんだねー、わかるよー」 ゆっくりショップで購入できるゆっくりハウスの扉は、当たり前だが内から外に開く形になっている。 これは外から押しても扉は開かないことを意味し、頑丈な作りにしておけば頭の悪いゆっくりには一生開けられない屈強な壁となる。 この安心設計のハウスはとてもゆっくりできると巣を持たない飼いゆっくり達には好評で、 その中で寝るとストレスや体力の回復が早まる効果もあることを男は確認している。 「……おなかへった」 「そうだったな、さっそくご飯にしようリビングにおいで」 野生のゆっくりの侵入を許してしまい、そのせいでみんなのご飯の時間が遅れてしまった。 男本人も空腹を覚えていたため、てるよとその子供達を両手に抱えてゆっくりの為の部屋をあとにした。 あとがき どうもゆっくりっち製作者です。 ゲーム内の人間はこんな能力を持っているのよって訳でSSを書いてみました。 べ、別にゲーム製作に行き詰まったとかじゃないんだからね!! 最後になりましたが勝手にSS内の設定を拝借してしまって、ゆっくりエンザの方すいません。
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※あんまり虐待してません ※俺設定をひたすら書き綴ってみたくなったので、書いてみました ※ここのゆっくりは、すっきりするゆっくりです タイトル『ゆっくりの光』 ゆっくりゲージの中で、ゆっくりが全滅していた。 幅1メートル、奥行き2メートル、パイプフレームに全面透明プラスチック板を嵌め込んだゲージだ。 天井部分には20センチ四方の蓋が付いており、そこから餌を入れたりできる。 二階一戸建て、その一階の空き部屋にビニールシートを敷いて、その上に設置した。 ゆっくりハウスとして段ボール箱を隅に、その側に水場、対角線上にトイレを置いていた。 全滅したゆっくりはいずれも苦悶の表情を浮かべ口から泡を吹いて死んでいた。 やることのなかった青年は、死因特定のための解剖を行った。 それで何かが判るとも思っていなかったが、意外な発見があった。 未消化な昆虫の外骨格の断片が見つかったのである。 他のゆっくりも、昆虫の断片や木の実などが未消化のままであった。 これは、ゆっくりが餡子化できていなかった、ということである。 悪食なゆっくりは、なんであれ、食べたモノを餡子化できると一般的に考えられている。 しかし、このゲージで全滅していたゆっくりは、例外なく未消化な何かがあった。 ゲージに入っていたゆっくりは、ゆっくりショップを経営する青年の友人から押しつけられたモノだ。 その友人はゆっくりを増産する際、うっかり作り過ぎてしまった。 潰してゴミにする場合、ショップからだと産業廃棄物として処理しなければならないので、手間と費用がかかる。 そこで、両親が海外出張中に自宅警備員として待機している青年に白羽の矢を立てたのだ。 野生で拾ってきてショップで繁殖させてから良種を選別した、20世代目のゆっくりだった。 青年はゆっくりについてほとんど知識を持ち合わせていなかった。 ゆっくりを引き取ったときも、飼育方法など、調べることすらしなかった。 ただ、ネットで検索したとき、「ゆっくりコンポスト」のHPに興味を引かれた。 「ゴミ箱代わりに使えるのか、餡子に変換できるんなら、生ゴミの臭い消しもいらねーな」 自宅警備員だから、外にゴミ出しに行くのは保安上問題がある。 しかし、生ゴミはため込むと悪臭が発生してしまう。 せめて生ゴミだけは何とか処理しないと…。 そこで赤ゆっくりを引き取る条件として、中古のゆっくりゲージを貰いうけた。 ゲージは密閉度が高く、臭いも漏れない。 万が一、ゆっくりの処理能力を上回る生ゴミを投入してしまっても大丈夫だ。 もっとも、インスタント食品中心の食生活をしているので、そんなに生ゴミが出ることはないが。 ゆっくりを引き取ってから、早くも問題が発生した。 餌不足である。 生ゴミの臭い消し代わりに導入したゆっくりだが、餌となる生ゴミが出なければ意味がない。 かといって、愛着のないゆっくりごときのために、ゆっくりフードを購入する気もない。 しばらく放置していたら、ゲージ内に全く見たことのないゆっくりを発見した。 白、緑、黒の斑模様で、何か毛のようなものに覆われている。 「新種発見!まあ嬉しい!」 早速写メを友人に送信したら、返信ではなく電話が直接かかってきた。 「バカ野郎!そいつは死体にカビがはえてんだよ!」 青年は驚いた。 ネットの情報では、ゆっくりは仲間が死体になると、それがゆっくりと認識できなくなり、喰らうとあったからだ。 共食いもせず、餓死死体をカビが生えるまで放置していたとは、なんと冷たい連中だ。 とりあえず青年はビニール袋に手を突っ込み手袋のようにして死体を掴み、そのまま袋を裏返して口を縛り、ゴミ箱に捨てた。 「このままでは生ゴミ処分場が死体生産場になってしまうな…」 自宅警備員である青年は、食料は全てネット注文宅配店で調達している。 ゆっくりごときのために、わざわざ追加発注するのも勿体ない。 このままではゲージ内が腐海になってしまうので、裏山からゆっくりの食料になりそうなものを集めてくることにした。 ネットで調べた結果、野生のゆっくりは主に木の実やキノコ、昆虫を食すらしい。 大きめのゴミ袋を片手に、餌になりそうなものを片っ端から放り込んだ。 ゲージ中央に大きめの紙皿を置いて、そこに先ほど集めたゆっくりの餌をぶちまける。 餌はご丁寧に、ネットで調べた通りの、木の実、キノコ、昆虫の死骸だった。 「ソフトボールサイズだから、こいつらは子ゆっくり。よって、食べやすく潰してやる必要はないな」 しかし子ゆっくり達は食べようとしない。 ペットショップで世代交代を繰り返してきたゆっくりには、目の前の皿に盛られたそれがごはんと認識できないのだ。 青年が「ごはんだよー」と言うのに対し、こんなものは食料ではない、ゆっくりフードをよこせと抗議してくる。 そこで青年は証拠映像を見せてやると、ゲージの壁面に液晶モニタを設置して、ネットで公開されている野生ゆっくりの食事風景ビデオを流してやった。 画面上でまさに眼前に在る木の実、キノコ、昆虫を「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」する野生ゆっくり達。 それを見た子ゆっくり達は、おそるおそる餌を食べる。 あまりの不味さに吐き出してしまう個体もいたが、それ以外の餌を与えられない状況なので、必死に飲み込んだ。 「むーしゃ…むーしゃ…ふしあわせー…」 青年は、文句ばかり言うゆっくりを見て、こいつらがゆっくりできないのはナチュラルじゃないからだと悟った。 人間もジャンクフードばかり食べていたら、イライラする。 日本の若者が荒れているのも、ジャンクフードのせいらしい。 アメリカじゃ、それが原因で暴動まで発生したではないか。 この子ゆっくり達も、ゆっくりフードばかり食べていたから、イライラしているのだ。 今こそ自然食を食べて、ネイチャーゆっくりに回帰するときなのだ! 青年はなんだかよく判らない使命感に目覚め、突き動かされるように山に行っては餌を取ってきてはゆっくりに与えた。 そして冒頭の惨劇につながる。 ゆっくりフードはゆっくりがゆっくりするために研究開発されたもので、それが原因でゆっくりできないことはあり得ない。 しかし、青年のように天動説を信仰しているような人間には、そんなの関係ねぇ。 青年は何故子ゆっくりが全滅したのか考察していた。 同じ食事をしている野生のゆっくりと全滅した子ゆっくりの映像を見比べてみる。 その違いは明白で、「しあわせー♪」と「ふしあわせー…」にあった。 しかも、「しあわせー♪」の時には、『パアァァァ』と光り輝いているように見える。 そういえば、ゆっくり関係のHPにすっきりしている映像もあったが、「すっきりー♪」の時も同様の輝きが見られた気がする。 この光こそが、餡子成分の欠片もないような物質を、餡子変換させる秘密に違いない。 青年はこの光を「ゆっくり光」と名付け、ゆっくりの生命活動の根幹であるとの仮説を立てた。 早速、ゆっくりショップに行って1匹2円の、パチンコ玉より価値のある野良ゆっくりを買い込んでゲージに放り込んだ。 ゲージからランダムに選出したゆっくりれいむを取り出して、別室に連れて行く。 そこで同じくゆっくりショップで買ってきたゆっくりフードを与える。 空腹だったれいむはかぶりついた。 「むーしゃ、むーしゃ、」 しあわせ〜♪を発する前に、青年は手に持った刃渡り60センチのブッシュナイフでれいむを正中線に沿って両断した。 見事に真っ二つになったれいむの口内から後頭部近くにかけてまで、未消化のゆっくりフードが確認できた。 ゆっくりの内臓は発見されていない。 あにゃる付近まで未消化物あることから、この辺りがそうなのだろうと仮定した。 次に、先ほど両断したれいむと同齢と思われるれいむを、同じく別室で食事させる。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 青年主観で『パアァァ』とゆっくり光が出た後、同様に両断した。 れいむの断面からは、未消化物は確認できなかった。 青年はこの結果から仮説を更に発展させた。 ゆっくりが摂取した物質を餡子に変換する際、ゆっくり光を発する 「ゆっくり光」は物質の原子配列変換時に放出される、光子である 以上より、体内で餡子変換を行う「ゆっくり線」の存在が推測される。 ゆっくりが摂取した物質に「ゆっくり線」が照射されると、「ゆっくり光」が体外に透過されるのだ。 青年は更に実験を重ねた。 ゲス個体、とくにまりさ種に良く見られる採餌行動の時はどうだろう。 サンプリングしたゲスっぽいまりさに、大量の高級餌「ゆっくりの缶詰(通称:ゆ缶)」を与える。 「うっめ、これ、めっさうっめ!」 汚く食い散らかすまりさを、れいむ同様両断。 喉らしき部位からあにゃるにかけてバルーン状にたっぷりゆ缶が詰まっている。 予想通り、「しあわせー♪」とゆっくり光を発した後は、全て餡子変換されていた。 「このゆっくり線を自由に使用できるようになれば、すごいことになる」 青年は友人に大量のゆっくり断面写真を見せつけながら言った 「第二次産業革命の始まりだ!地球にやさしくなれるッ!」 「自由に使えりゃ、な」 ゆっくりの餡子変換能力を利用ようと、様々なプロジェクトが立ち上がった。 しかし、いずれも謎の塊であるゆっくりを制御できずに失敗した。 結局、ゆっくりはペットとしての存在価値しかない。 青年もそのことはよくわかっていた。 「うん、ゆっくり線の解明は現在の科学では不可能だろう」 「で?俺を呼んだ理由は?」 「これを見て貰いたい」 青年はテーブルの上にフィールドスコープを置いた。 対物レンズに手作りらしきフィルターのようなものがテープで貼り付けてあった。 「なんだこりゃ?」 「ゆっくり光スコープ、だ」 青年が野良ゆっくり相手に実験中、「しあわせー♪」しているゆっくりを見ている他のゆっくりの目が光った気がした。 そこでゆっくりの目玉を取り出し、板に挟んで引き延ばして円盤状に整形して、フィルターを作成。 フィルター素材の生体部品は乾燥に弱いので、薄いガラスにゆっくりの目玉を挟み込んでキャップに嵌め込み密封してある。 ゼラチン質のゆっくり目玉フィルターを通して見るゆっくりは、ぼやけて見えた。 そして「しあわせー♪」した瞬間、ゆっくりの輪郭が輝いたのが観察できた。 ゆっくり光を青年の感覚ではなく、視覚で捉えることに成功したのだ。 農業地域におけるゆっくり害は深刻化していた。 耕作地に侵入してきたゆっくりは、人間や簡単なトラップで退治できた。 犬を訓練してゆっくりハウンドとして、ゆっくりを狩らせたりもした。 しかし、そうやって高められた選択圧は、ゆっくりの性能を飛躍的に向上させた。 ゆっくりは餡子に記憶を刻み込むため、全体の記憶容量はかなり限定されている。 生息環境によって、生存に必須な記憶を本能として餡子に刻み、次世代に継承させることも必要になる。 強烈な繁殖力を持つゆっくりは、各個体それぞれが膨大な戦略パターンを展開し、人間をも出し抜く個体を出現させた。 巣の迷彩、野外活動時における擬態などが、かなり高度なレベルに進化したのだ。 以前は簡単にわかる巣も、ゆっくりハンターや訓練された犬でさえ発見困難なほどの迷彩を施す。 擬態も高レベルになった。 ある農家が鍬で耕作していたとき、雑草を掘り起こそうとしたら、おりぼんにそれを結び付けたれいむがでてきたのだ。 土に穴を掘って潜り込み、土から露出した部分を草で偽装していたのだ。 掘り起こすまでそれと分からないほどの偽装に、農家は舌を巻いた。 某グリーンベレーのように全身に泥を塗って土壁と同化したり、おぼうしに枝葉をさしてゆっくり畑に接近したりする個体も発見された。 ゆっくりは本来、忍耐力が致命的に欠如している。 おやさいさんがめのまえにあったら、もうがまんできない! だがこの新しい個体群は、苦手であったはずの待機行動を「ゆっくりできる」状態として本能を書き換えることに成功した。 土の中で待つ、泥を体に塗って壁に張り付いて待つ、おぼうしを偽装して待つ…。 それらを実に「ゆっくり」できる行動として、餡子に刻み込んだのだ。 友人はゆっくり害対策について、専門家として意見を求められていた。 だが、ここまで特化したゆっくりを見たことがなかった。 データを集めようにも、巣を見つけることが困難で、発見される個体も死体ばかりだ。 打つ手がないと思われたところに、この「ゆっくり光スコープ」だ。 これが実用に耐えうるものなら、決定的な武器になる。 青年は、このスコープは生体部品を使用しているので劣化が早く、2日しか持たないことと、野生のゆっくりほどゆっくり光感受性が高いことを説明した。 友人は早速この「ゆっくり光スコープ」を借り受け、ゆっくり害が酷い農村へ出向いた。 はたして、スコープを覗いて山を観察したところ、いくつかの光点を確認できた。 さっそく光点の場所へ行くと、迷彩が施され、普通だと絶対分からないゆっくりの巣が発見された。 農村は救われた。 あとがき 読んでいただいた方、ありがとうございます。 ドキュメンタリーっぽく書こうと思ったけど、上手くいきませんでした。 暇を持て余して、一つのことに集中できる環境があると、良いアイデアが出たり発見があったり。 そんな状況にならねーかなー、とか妄想してたら、こんなんができました。 あまり文章が上手くなくてすみません、精進します。 これまで書いた作品 ゆっくり爆弾
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海 森 ゆっくりショップ 1.5仮ステージの詳細は総括ページを参照お願い致します。なお、総括ページにある、1.5仮ステージの内容はv0.29e時点のものとなっております。 海 ゆっくりが自然に湧き、このステージでしか手に入らないおかざりのゆっくりが出没する。 (貝やヒレ、浮き輪のおかざり) 他のステージからこのステージにゆっくりを持って来れない。 砂浜や滝エリアの岩をはじめとした殆どのオブジェクトを破壊可能だが、壊し過ぎると移動が難しくなるので注意。 また、過去世界や公園と同様にステージがかなり大きく、迷いやすいため、自動車まで戻れないと思ったら素直にタイトルに戻った方が良い。 補充有(自動リスポーン・デスポーン) プレイヤーの周りで常にリスポーン・デスポーンを繰り返す。動物と同等の性質を持つ水棲生物も同様にリスポーン・デスポーンする。 動物の有無の設定に関わらず水棲生物が出現する。 他ステージからゆっくりは持ち込めないが、捕まえたゆっくりは他ステージに持ち出して飼う事ができる。 飛び降りる方法 ステージ端から飛び降りる。上述した通りステージが極めて広いため辿り着くのに時間がかかる。特に滝エリア側は極めて時間がかかる。単に飛び降りる事だけが目的ならば反対側の海から泳いだ方が早い模様。 開始地点 森 v0.4b1から追加されたステージ。 外観は過去ステージの外部エリアに酷似しており、同バージョンより過去世界が廃止された事から、過去世界を流用していると思われる。 ステージの性質も海ステージや過去世界ステージに準ずるが、左上に現在のゆっくりの数が可視化されており、常に増減を繰り返している。 公園ステージや海ステージと同様にステージがかなり大きく、迷いやすいが、左下に家のボタンがあるため、戻りたい時はこちらのボタンを使おう。 補充有(自動リスポーン・デスポーン) プレイヤーの周りで常にリスポーン・デスポーンを繰り返す。動物は設定に関わらず出現しない模様。 他ステージからゆっくりは持ち込めないが、捕まえたゆっくりは他ステージに持ち出して飼う事ができる。だが、なかなか低ランクが多い。レア種でもcやB。この前見かけたさくや種の価値が36だった。 飛び降りる方法 ステージ端から飛び降りれる。但し、森ステージは四隅に透明壁が設置されているため、ステージ端まで移動した後にミサイルで透明壁を破壊する必要がある。また、ステージ自体が極めて広く、端側の地形が急なため、もしこのステージから飛び降りる場合は飛行種を手動操作して移動した方が良い。v0.4b1時点では、自動車は地形に弱いためか直ぐにひっくり返ってしまうため、推奨しない。 山が有る方向に移動するとステージ端に辿り着ける?(要検証) ステージ端の高度が高い為か、山地から飛び降りた場合は、フラグが立つまでに時間がかかる。 自動車設置地点 開始地点から若干だが離れている。視界内には見えているため、自動車に乗りたい場合は最初に周囲を見渡すと良い。 森ステージ橋エリア(過去世界自宅方面) 画像は過去世界の物だが、森ステージもほぼ同じ地形となっており、同等のオブジェクトやテクスチャも設置されている。 但し、過去世界と異なり、自宅は完全に撤去されている。 森ステージ橋エリア(山岳方面) この画像も同様に過去世界の物である。 高空にいるため草木がロードされてないが、地上や低空に居ると草木がしっかり生い茂っている。 この方向へ直進し、川・山岳部を突破し、透明壁をミサイルで破壊する事で、ステージ端から飛び降り可能。 ゆっくりショップ V0.5より追加、「開発中」 本ステージ以外のステージで画面左に表示されているカートおよび「開発中」と表示されている部分をタップorクリックで移動できる。 外部からゆっくりを持ち込むことはできないが、本ステージからゆっくりを持ち帰って他ステージで飼うことはできる。 「売れ残り処分!!ご自由にお持ち帰りください」とのこと。上記にふさわしく(?)Cランクのゆっくりしかいない。(水ダメージ耐性をもつゆっくりもたまにでる、希少種の水耐性持ちを探すのはここがいい) 本作品に登場する10種類のゆっくり全てが展示されているため、自販機などから手に入れにくい「さくや」や「みょん」、「ちぇん」を手軽に手に入れたい場合は本ステージを利用するのが最も早い。だがゲスがほとんどなので、しつけをしてランク上げを行った方がよい。 また、おかざりも全種類1個ずつ展示されているので、季節外れのおかざりを手に入れたい場合にも利用できる。 おかざり「うんうん」は本ステージでしか入手できない。おかざりのみを持ち出すことは不可能なので、本ステージにいるゆっくりのおかざりを「うんうん」に付けかえ、そのゆっくりごと持ち出す必要がある。 本ステージ限定のおもちゃ「毬(仮称)」と限定の餌(ゆっくり観察日記のエサっぽいもの)が各ケージ内に設置されているがこれらは持ち出すことができない。 本ステージに入った時点で向いている方向の反対に出口となる扉がある。「車にのる」と表示されているが、これをクリックまたはタップした際は直前にいたステージのスタート地点に戻される。 補充なし 飛び降りる方法 ゆっくりを手動操作して出入り口の扉で壁抜けをすると死ねる
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SSやイラストなどからネタをパクっています ここのゆっくりは、すっきりするゆっくりです 俺設定をひたすら綴ってみました タイトル「ゆっくり2匹目」 ゆっくりに心惹かれ、いつかまりさを飼ってみたいと思っていた。 どうせ飼うなら、高級品種をと思っていた。 ゆっくりハウスも段ボール製の安物ではなく、木製の高級品を与えたい。 ゆっくりフードもカロリー控えめ栄養価の高い高級品を与えたい。 ゆっくり用おもちゃも、量産品ではなく職人による手作りのものを与えたい。 収入とにらめっこしながら、具体的な構想を練ってみる。 ハウスやおもちゃはともかく、ゆっくりフードのような消耗品には妥協が必要だろう。 高級品種は野良のように際限なく餌をねだるような下品なことをしないから、ちょっと安めのものでもきっと大丈夫。 初期投資分さえ用意できれば、まりさとの日々は妄想でなくなる。 青年は必死に貯金をした。 毎日特売のカップラーメンをすすり、必死に働いた。 もちろん定時でばっちり帰宅。 残業は一切しない。 そうしなければ、まりさが我が家に来たとき、寂しい思いをさせてしまうではないか。 残業なんかしたら、まりさがきっと心配する。 生活全てをゆっくり中心にする準備を着々と整えていった。 ついに資金が確保できた。 早速、ゆっくりショップに出かける。 入り口付近のケースに放り込まれている躾の行き届いていない下品なゴミ共に用はない。 目指すは店の奥、高級品種のコーナーだ。 一匹50円からの安もの共とは桁違いの高級品種達は、豪華な人工芝がしかれたケース内で実にゆっくりとしている。 青年は目的である高級まりさを確認した。 『子まりさ 250,000円』 値段表の金額を見ても、青年の決意は揺るがなかった。 高級ゆっくりハウス :80,000円 職人による手作りおもちゃセット :15,000円 青年は妥協しなかった。 高額お買い物してくれたので、高級ゆっくりハウスはその日のうちに配達してくれると店長さんが言ってくれた。 そのまりさは完璧だった。 朝は青年より早く目覚め、「ゆっくりしていってね!」 朝食も食べこぼしなどせず、「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~♪」 飼い主によっては、この「むーしゃ、むーしゃ」を嫌う人もいる。 そんな飼い主の場合は、静かにごはんを食べることも出来る。 まさに高級ゆっくりたる所以だ。 仕事に行くときには玄関まで見送りに来て「ゆっくりいってらっしゃい!」 帰宅したら「ゆっくりおかえりなさい!おしごとおつかれさま!」 うるさくご飯の催促をすることも、遊びを強要することもしない。 飼い主にほとんど面倒をかけない、できておるゆっくりであった。 青年は幸せだった。 まりさは、餌が安物だったせいもあり、すぐに成体サイズまで成長した。 可愛い子まりさ状態をキープするには、高級フードによるカロリー制限などが必要なのだ。 しかし、青年は成体まりさになっても愛を失わなかった。 まりさに癒され続けた青年は、だんだん仕事中にまりさを一人きりにしていることを申し訳なく思うようになっていった。 これは青年の間違いで、高級品種になると孤独をストレスに感じるようなことはない。 しかし、ゆっくりを飼えない時代にSSなどを読みまくったのがいけなかった。 青年が好きなジャンルが「家族愛もの」だったことも、まずかった。 さらにゆっくりペット業界が多頭飼いを誘発するような、ゆっくり家族の仲睦まじい姿の広告をバンバン打ったために、洗脳されていた。 ゆっくりは、家族で暮らすのが、一番のしあわせ~♪ 青年はゆっくり好きになった時からずっと業界に踊らされていたのかも知れない。 まりさはあまりにできておるゆっくりだった。 そのため、青年が当初予想したより維持費がかからなかった。 「もう一匹くらいなら…」 もちろん、高級品種を買うような予算はない。 だが、青年には安物でもちゃんと飼える自信があった。 子まりさから成体まりさまで育て上げたという自負があったからだ。 躾が行き届いたゆっくりだったからこそ、それが可能だったという真実を、青年は完璧に見落としていた。 青年はゆっくりショップで50円れいむを買った。 野良でもいいかとも考えたが、実際に野良ゆっくりを見てやめた。 病気を持ってそうなくらい汚く愛想が悪かったからだ。 家に帰るとまりさがお出迎えしてくれた。 50円れいむは高級品種であるまりさに一目惚れした 「ゆう~ん、とってもゆっくりした まりさだよ!すっきりしたいよ!」 れいむがこの発言をした時点で潰すべきだった。 だが不幸なことに、青年は食事の用意でその台詞が聞こえないところにいた。 まりさにおうちまで案内されて、れいむは吃驚した。 なんという、なんというゆっくりしたおうちッ!!! 「きょうからここを れいむのゆっくりプレイスにするよ!!!」 あろう事か、おうち宣言をした。 悪いことに高級まりさはおうち宣言などの、自己の権利を主張する本能をごっそり削られている。 飼い主に完全隷属するようにカスタマイズされているのだ。 だかられいむのおうち宣言を理解できなかった。 その行動をたしなめるという発想すら出来なかった。 青年は最初、れいむの傍若無人な態度に業を煮やしていた。 だが、自分はまりさをこんなに立派に育てたではないか。 いずれこのれいむも、まりさのような素敵なゆっくりに躾けてやろう。 じつはその自信には根拠が欠片もないことに、青年は気付けなかった。 いままでのゆっくりライフは、まりさのおかげだったというのに…。 高級ゆっくりは、それと気付かれないように、常に飼い主を観察している。 今飼い主は疲れているか、怒っているか、機嫌が悪いのか良いのか…などなど。 そして飼い主が喜ぶ行動を常に取るように、本能に刻まれている。 それが全て悪い方向へと向かっていった。 れいむと仲良くすると、青年が喜ぶ。 だかられいむと「仲良く」していた。 れいむは激しく勘違いをした。 「こんなにせっきょくてきにすりすりしてくるなんて、れいむと すっきりしたいのねぇええ!」 所詮50円の餡子脳。 悲劇は青年が仕事に行っている間に起こった。 家に帰り着いたのに、まりさのお出迎えがなかった。 不審に思い、真っ先にゆっくりハウスを見に行った。 ゆっくりハウスの前では、大量の蔓を生やして黒ずみかけているまりさがいた。 そして、ゆっくりハウスの中ではれいむが仰向けになって眠っていた。 まりさはれいむが体験したことがないほど高級だった。 肌のすべすべ感も、ちゅっちゅの感触も、まむまむの具合は筆舌に尽くしがたいほど最高ッ!!! 何度も何度もすっきりーしたら、急にまりさの具合が悪くなった。 れいむは疲れたため、まりさなど気にせずゆっくりハウスに戻って眠った。 まりさの死の責任は、全て青年にある。 まりさが高度に躾けられた個体であること、そのおかげで飼育が楽だったことに思い至らなかった。 自分の飼育スキルが高くないことに気付かなかった。 そして、ゆっくりを飼うことに無知でありすぎた。 青年には、住人のいなくなったゆっくりハウスとまりさのおぼうし、そして透明な箱に入れられた50円れいむだけが残った。 あとがき 読んでいただいた方、ありがとうございました。 SSを読んでると、ほとんどの作品で2匹目を飼って後悔して虐待に走っています。 最初に高級品を買って慣れてしまうと、次からグレード下げてもうまくやれるさ、と勘違いすることは良くあると思います。 だから、ゆっくりも初めて飼うときは気合いを入れて高級ゆっくりを飼うのではないかと。 そして次飼うときは、安い奴でもうまく飼えるさと、勘違いするのではないかと。 相変わらずうまくまとめきれませんでしたが、楽しんでいただければ幸いです。 これまで書いた作品 ゆっくり爆弾 ゆっくりの光 ゆっくり訪問 ゆっくりの名前
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注意点 ゆっくりエンザの人の『ゆっくりいじめ系2051 みんなの幸福まりさの不幸?』からの設定を一部拝借しています 「4232132」 「…423、2132。次」 「3221121」 「…322、1121っと。次」 「3331212」 「…333、1212。次」 少し薄暗くて狭い空間に男二人が沢山のゆっくり達がつまった段ボールに座って作業をしている。 明るい照明と内装のゆっくりショップの店内から一枚壁を隔てた奧の部屋で男達は奇妙な数字を言い交わしていた。 厳密に言えば一方の男が数字を言い、それをもう一方の男が復唱しながら機械にその数字を打ち込んでいるようだった。 先に数字を言う側の男は次から次に段ボールからゆっくりを取り出しては数字をそらんじているようだ。 段ボールから出されたゆっくりは重なり合っていて狭苦しい場所から解放された喜びと独特の浮揚感に頬を綻ばしていたが男達は反応しない。 自分がとてもゆっくりできているのにどうしてゆっくりしないのかととすぐに機嫌を害していたようだが、 すぐさま隣の段ボールに移されまた狭苦しい環境に逆戻りしてあっという間に境遇を嘆いていた。 いちいち感情をころころ変えるゆっくり達に反応していてはこの仕事はやっていけないのだ。 もはや慣れた手つきの流れ作業で男はゆっくりを掴みだし、ある個別の数字を読み上げ、そして別の箱に移す。 客の少ない間にブリーダーから店側に卸されたゆっくり達の選別作業と情報登録を済まさなければならないこともあり、一連の作業は素早く行われていた。 「ふー、ようやく終わったか」 「お疲れ様。今回はちょっとハズレが多かったすね」 「もう今度からあのブリーダーへの発注は止めとこうな」 「当たりも[きれい好き]れいむと[物知り]まりさだけじゃなあ」 「野生でも野良でもそれくらいいるってーの。話にならん」 休憩がてら店の裏手で生まれたての赤ゆをつまみつつお茶を飲みながら愚痴りあう男達。 ゆっくりを見て数字をそらんじていた男は今回入荷したゆっくりのリストを渋い顔をしながら眺めていた。 飼いゆとしてはぎりぎりの水準のレベルであるゆっくり達ばかりでこれからどう販売していくかを考えると頭が痛かった。 男がそらんじた数字、それはゆっくり達のステータスをある基準で数値化したものだった。 数字はそれぞれ[人格Lv]、[身体能力Lv]、[しつけLv]、[耐水性Lv]、[歌唱技能Lv](まりさ種なら[渡水技能Lv]等)、[絶食耐性Lv]、[知能Lv]である この男はゆっくりを触ればそのゆっくりのステータスが分かる程度の能力を保有しているのだ。 ゆっくりがこの世に出てくるまではまったく意味をなさなかったその能力は今こうしてゆっくりの状況を把握するうえで大活躍している。 人語を話す癖にコミュニケーションはほとんどまともにとれない不思議生物に対して、 直感的にその様子を手に取るように分かるのは便利以外の何者でもない。 男達が行っていた選別作業は店に出すのもそうだが販売するゆっくりのデータベースを作る役割も兼ねていた。 それまでゆっくりを飼いたいと思う客に対して曖昧な販売基準と適当な価格設定だったものが、この男の手により確固たる販売形態へと生まれ変わったのだ。 客側からしてみてもそのゆっくりの性格やら特徴などはっきり分かるので安心して購入できるというものだ。 男は睨んでいたリストから顔を上げると隣の男に告げた。 「とりあえずステータス下位層のゆっくりは入り口正面のケージで投げ売りにしよう。 そうでもなきゃ加工所に持って行ったほうが早い」 男は今回は利益無視の特価での販売を決め込んだ。お得意様の一部には喜ばれるに違いない。 それが次回以降の利益に繋がればいいのだ。 「今回は実験は行わないんです?」隣の男は一応とばかりに尋ねる。 「特にしたいこともないし、今はうちのゆっくりで忙しいからな」 「そういやようやく生まれたんでしたっけ? ゆっくりてるよの子供が」 「ほんとようやくって感じだな。これがまた親に似て可愛いのよ」 その姿を思い浮かべるだけで男の表情は緩んでしまう。 「店のゆっくり共に見せたいぐらいの馬鹿顔になってますよ……」 「あいつらは正直駄ゆっくりだ。商品じゃなきゃ無視してるレベルだよ」隣の男の台詞に再び渋い表情に戻った。 「まったくその落差はひどいもんっすね。もちろんてるよの子供は店には出さないんですよね?」 「当たり前だ。相場の十倍積まれても手放す気はないぞ」 「十倍っててるよってだけで何十万クラスじゃないっすか……。俺なら売っちゃうなー」 「そもそもお前じゃ飼えないだろうが」 「まあそれもそうっすけど」 そう言う苦笑いする隣の男はさっさとゆっくりとお茶を胃に流し込んで店内に戻っていった。 これ以上話を続けていたら飼いゆっくり自慢を長々とされることを経験上理解していたからだ。 話相手もいなくなったゆっくりのステータスを手に取るように分かる男は、 家で待つ飼いゆっくりの様子を思い浮かべながら一人不気味ににやけていた。 そして最後に残った赤ゆを一口に飲み込んでは店に戻っていった。 やはり最後のゆっくりは格段の美味しさを誇った。 その男の稀有な能力は店でゆっくりを売るときはもちろん、家でゆっくりを飼うときも存分に役立っていた。 特にゆっくりてるよ相手にはこれでもかというほど役立つ能力である。 通常ゆっくりてるよは人に懐かない。 それは人間側に問題があるからだ。 てるよは他種のゆっくりと比較すると驚くほど言葉数が少ないことがわかる。 あのとげとげしく耳に触るほどの大声で喋らないどころか必要なことまで「めどい」の一言で飼い主に伝えないのだ。 お腹が減った。遊んで欲しい。お風呂に入りたい。あれがほしいこれがほしい……。 そんなてるよの要求に飼い主は応えないため、てるよが愛想を尽かし出て行ってしまう。 どんな人間でもまずそれを止める事は出来ない。 なぜなら満月の夜に月の明かりに照らされ壁や扉をすり抜けて野生へと戻ってしまうからだ。 そんなてるよですら男は手なずける事に成功した。 それもこの男が持つ能力のおかげである。そしてついには繁殖まで成功してしまったのだ。 男は定時に仕事を済ますと挨拶もそこそこに寄り道もせずに家に向かった。 あまりの可愛さに一時も飼いゆ達と離れたくないのだが働かないと暮らしていけないのも事実なのでやむなく離ればなれになっている。 その為仕事が終われば一目散に帰宅するのがここ最近の日課となっていた。 幸い男が勤める店から家までは歩いても10分と近距離にあるため仕事以外の時間はゆっくり達といることができた。 それでも家を離れる間は飼いゆっくり達だけとなり不安である。 家屋への野生ゆっくりの侵入は後を絶たないし、自宅のガラス窓のすべてを強化ガラスにまだし終えていないからだ。 そしてこの日男の不安は見事的中する事になる。 「ただいまー」 男が自宅に戻ると帰宅の挨拶をする。 いつもならここで飼いゆっくりの一匹であるちぇんが出てくるはずだが一向にその姿を見せない。 静まりかえった室内からくるどこか騒がしい物音を聞き分けると男は異変を感じ取った。 やられた、男がそう思ったのはリビングの窓が破られてガラスが四散しているのを発見したときだ。 荒らされた家具とある方向に向かって伸びている泥の跡をみて胸が締め付けられる。 急に跳ね上がる心拍数は男が大事にしている飼いゆ達の安否が気になったからだ。 外からの侵入者のことはこれっぽっちも気にも留めてなかった。 ひとまずあいつらが無事でいてくれたらそれだけでいい、男の心はそれだけでいっぱいだった。 男は侵入者の足跡を辿りながら、リビングから離れた位置にあるゆっくり達が普段くつろいでいる部屋に静かにその足を進めた。 下部にゆっくり用の入り口が開けられているドアのノブをゆっくり回すとそこには見慣れぬゆっくりがぞろぞろといた。 その部屋に男が入ってきた事に気が付かないでいて、部屋に鎮座している和風ゆっくりハウスDX(家族用)に向かって何やら叫んだり体当たりを繰り返している。 「ゆっくりしてないでこのいえからでていってね!!」 「「「でていってね!!」」」 ゆっくりハウスの前で大声を張っていたのは成体サイズのれいむとその子供と思われる子ゆっくりサイズのれいむ二匹とまりさ一匹だ。 そして男の飼いゆっくり達はどうやらあのハウスの中に逃げ込んでいるようだった。 それでもまだ本人達の姿を見るまでは安心できない。 男はれいむ一家を無視してゆっくりハウスの元に向かった。 「ゆゆっ!! おじさんどこからきたの? れいむたちのゆっくりぷれいすからでていってね」 「「でていってね!!」」 「まりさにあまあまちょうだいね!!」 男がゆっくりハウスの側に立ったとき、ようやくれいむ達は男の存在に気が付いたようだった。 それほどこのハウスに意識を集中させていたようだ。どうもこのゆっくりハウスにはゆっくり達を熱中させて止まない何かがあるらしい。 そんなれいむ達を完全に無視して男はゆっくりハウスの屋根を大胆にも取り外した。 その様子を見てハウスを壊されたと誤解してか、れいむ達はゆがーんと固まってしまった。 「てるよ、ちぇん無事か!?」 「わかるよー、みんなぶじなんだねー」 「それは良かった。ちゃんと言いつけは守ったんだな」 「みんなでここににげたんだよー」 突如開いた天井を不安そうに見上げていたてるよとちぇんは男の顔を見てホッとした表情を見せた。 それでもてるよとその側にいる子供達二匹は震えが止まらない様子だ。 「みんなには心配をかけてすまなかった。でももう大丈夫だからな」 「あんしんなんだねーわかるよー」 てるよも声には出さないが「よかった」と言っているようだ。 念のための確認で飼いゆ一匹一匹を持ち上げて状況を確認する。 「[腹ぺこ][いらいら]か、お腹が空いてるんだな。あとでゆっくりごはんにしような」 まずはてるよの基本的なステータスを確認した。満腹度の低下とストレスの上昇が見られるがあとはいつも通りくらいだ。 男は一応てるよの他のステータスを確認する。 「[令嬢][跳ねない][賢者][美肌][不感症][喋らない][常時睡眠][親愛]」無事普段のステータスだった。 もしゆっくりショップの誰かがこのステータスの羅列を聞いていたら卒倒するだろう。 [てるよ種]という稀少さに加えてこれだけ多くのプラスステータスが加わればとんでもない値段になるからだ。 「ちぇんも確認しておこう。おいで」そういって男はちぇんを目の前まで持ち上げる。 「[一般常識持ち][狩りが得意][偏差値50][タチ][四六時中大声][飾りは飾り][親愛]。ちぇんも問題なしだな」 「わかる、わかるよー」 ちぇんもてるよには劣るがそこそこのステータス持ちである。 好感度ステータスの[親愛]からは男の飼いゆへの溺愛っぷりが見て取れる。 一方その頃男の足下で固まっていたれいむ親子がようやくショックから立ち直り動き始めた。 「どうじでおいえこわじだのおおお」 「「ゆっぐりやべでね!!」 「ゆっぐりでぎないじじいはじね!!」 まったく野生のゆっくり共は一旦動き始めたら騒々しくて堪らない。 男は優しそうな表情から一転、虫でも見るような眼差しでれいむ達を見下ろした。 「なんだまだいたのか。さっさと出て行ってよ。ここは俺とてるよ達の家だからさ」 「なにいっでるの゛!? ごごはれいむ゛だぢのゆっぐりぶれいずっていっだでしょ!!」 「はぁ、あっそう」 男はれいむのあまりの野生のゆっくりっぷりに溜め息をつく。 こういうゆっくりは相手をするだけ無駄というのは重々承知しているのでそうそうに家から出て行って貰う事にする。 「今なら許してやるから出てけ」 そう言って親れいむを持ち上げて部屋の窓を開ける。 するとこの瞬間男の表情が歪む。 男の能力の面倒なところは別にその気は無くても触るだけでそのゆっくりのステータスが分かってしまうところだ。 自分でコントロール出来ないためれいむに触れた時点でれいむの状況がわかってしまう。 「もうほんと絶望的なステータスだな。[わがまま][のんびり屋][餡子脳][四六時中大声][飾りに傷][かすり傷]か」 このステータスのゆっくりではゆっくりショップに来たら間違いなく即加工所送りである。 別に知りたくもないれいむのステータスを知ってしまい男はますます気が滅入る。 「まったく、こんな駄ゆっくりは投げてしまいたいなあ!!」 「おじざんやべでね!! れいむをなげないでね!!」 「おかーさんずるい!!」 「れいむもれいむも」 足下では子れいむ達が母親が人間に遊んで貰っていると勘違いしてこれまたうるさい。 そして子まりさに至っては何故か男に怒っていた。 「ばでぃざをむしずるじじいはごうじでやる!!」そういって効果のない体当たりをかましてきた。 まりさが男の足に体当たりをするとまりさと男は触れたと同義であり、男はこれまた知りたくもないまりさのステータスを知らされる事になる。 「もう勘弁してくれよ。[ゲス][暴れん坊][餡子脳][四六時中大声]……、[他ゆの飾り]?」 なんだこれと男は一旦親れいむを床に置き子まりさを持ち上げる。すると今度は親れいむが男に体当たりをし始めた。 男はそれを無視してまりさのステータスを確認するとやはりおかしなステータスが一つ存在した。 「おいれいむ、このまりさはお前の子供か?」 「ぞうだよ!! ばでぃざをゆっくりおろじでね!!」 親れいむはこのまりさを自分の子供だと言った。だが飾りステータスが[他ゆの飾り]なのだ。 「おいまりさ、この帽子どうした」 男はつまみ上げていたまりさのその帽子を指さしながら言った。 すると男の手の中で暴れていたまりさはあからさまにギクッと驚いてみせた。 「し、しらないんだぜ。まりさはなにもしてないぜ」 まりさは急に態度を変え大人しくなった。それは誰がどうみてもまりさは嘘をついている姿に他ならない。 野生種ならではの狡猾さが見て取れ、男は頭を抱えながらさらにまりさに問うた。 「なら質問を変えよう。お前の前の帽子はどうして無くなった?」 「おねーちゃんのありすとあそんでいるときえださんにひっかかってぼろぼろになったんだぜ。どうしてじじいはなくなったことしってるんだぜ?」 まりさは帽子を無くしてしまったのをなぜ男が知っているのか心底疑問に感じたようだが、それを男は無視して続けた。 「そしたらまりさ、どうしてその帽子が新品なんだ?」 「ゆゆっ、それは……」 子まりさが返答に困ったとき男が思いついた事実であろう推測をこのまりさにぶつけてみる。 「それは本当の持ち主から奪ったんだろ」 「ゆ゛ゆ゛っ、どういうことなのまりさ!!」 「ち、ちがうんだぜ。でたらめだぜ」 「お前はいつからそこのれいむの子まりさとすり替わったんだよ」 「おじざんっ、まりざはまりざじゃないの!?」 「ああ、お前達は気付いていなかったようだが中身が変わってるよ」 「ゆがーん」 「「まりざおねーちゃんはどこいっだの!!」」 れいむ達の衝撃は大きい。いつの間にか自分達の家族であったまりさが中身が変わっていたのだ。 それに気が付かず生活をしていた自分達もそうだが、のうのうと暮らしていた知らないまりさにもショックを受けた。 子れいむの一匹はあまりの出来事に餡子を嘔吐して痙攣しはじめた。 「大方元の持ち主のまりさを殺して奪ったんだろお前のステータスをみりゃ見当が付く。 それにありすおねーちゃんってお前の親はまりさとありすって言ってるのと同じだよな。 やっぱりこのれいむの子供じゃないんだろ」 「ゆがあああああ!! どぼじでぜんぶいっぢゃうのおおおおお!!」 「やっぱりしらないまりさっだったのおおお!! うちのまりさをがえじでええええ!!」 「れいむおねーちゃんしっかりしてええええ」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 もはや阿鼻叫喚地獄絵図である。 これ以上叫ばれたり部屋を汚されるのは勘弁してほしいので四匹には窓から退場してもらった。 当然言っても聞かないので男が家の外へと放り投げる形ではあったが。 男が窓を閉め切る寸前には親れいむの罵声と餡子の飛び散る音がした。 ようやく一騒動が片付き、男は飼いゆっくり達に目を向ける。 警戒しながらハウスの扉を開けて、ちぇんが先導しながらてるよと子供達が部屋に出てきていた。 「しずかになったんだねー、わかるよー」 ゆっくりショップで購入できるゆっくりハウスの扉は、当たり前だが内から外に開く形になっている。 これは外から押しても扉は開かないことを意味し、頑丈な作りにしておけば頭の悪いゆっくりには一生開けられない屈強な壁となる。 この安心設計のハウスはとてもゆっくりできると巣を持たない飼いゆっくり達には好評で、 その中で寝るとストレスや体力の回復が早まる効果もあることを男は確認している。 「……おなかへった」 「そうだったな、さっそくご飯にしようリビングにおいで」 野生のゆっくりの侵入を許してしまい、そのせいでみんなのご飯の時間が遅れてしまった。 男本人も空腹を覚えていたため、てるよとその子供達を両手に抱えてゆっくりの為の部屋をあとにした。 あとがき どうもゆっくりっち製作者です。 ゲーム内の人間はこんな能力を持っているのよって訳でSSを書いてみました。 べ、別にゲーム製作に行き詰まったとかじゃないんだからね!! 最後になりましたが勝手にSS内の設定を拝借してしまって、ゆっくりエンザの方すいません。
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暇つぶしに書こうと思ったんだ。れいむやまりさ以外も出そうと思って。 ……そしたら、以外に難航してさ。数行なら楽勝だ。長編より短編、短編 よりショートショートが楽!!……そう思っていた時期が自分にもありました。 元ネタは「稲生物怪録」。 けど、発想以外原型留めてないよ! そもそも内容は参考にしてないよ!! 『稗田ゆっくり録』 (※阿Q三行正伝より、七月三十一日~八月三十一日分を抜粋。) 七月三十一日。 里の者たちと百物語を興じた。 とくにこれといった怪異は起きてはいない。 もっとも、このような茶番に付き合う妖怪など 幻想郷にはいないだろうが。 八月一日。 家で資料を読んでいると、いつの間にかゆっくりれいむがいた。 「これからいっかげつかん、おねえさんをきょうふのどんぞこに おとしいれるよ!!!」 そんなことをのたまいながら、夕方まで意味もなく跳ねていた。 八月二日。 「ますたーすぱーく!!!」 といいながらゆっくりまりさが現れた。 口で花火を咥えている。 花火の熱さに耐えていたが、可哀想なので私が持つことにした。 「おねえさん、ありがとう!!」 八月三日。 屋根をみると以津真天が鳴いている。嫌な気分になっていると、 なんの因果かゆっくりみょんが現れた。 「ちーんぽ!!!」 ……流石に下品すぎると思っているうちに、 卑猥な言葉に呆れたのか、以津真天が消えていた。 みょんはなんだかんだでゆゆこ用のおやつをねだっていた。 八月四日。 ゆっくりありすに部屋を「とかいはこーでぃねーと」されかけた。 つまり壮絶に散らかされそうになった。 「いなかものにはわからないのね、このせんす!!!」 こいつの言う都会で、こいつは生きていけるのだろうか。 八月五日。 縁側で休憩していると、後ろでゆっくりひなが回転していた。 「くーるくるー!!!」 なんか今日一日、悪いことが起きなかった気がする。 八月六日。 ゆっくりぱちゅりーが本を読みたいと言ってきた。 試しに幻想入りしてきたケータイ小説の本を貸してみた。 「おねえさん。しにたいの?」 なぜか怒られてしまった。 八月七日。 部屋の真ん中ででテルヨフが寝ていた。 しばらく放置しているとゆっくりえーりんがやってきた。 「そろそろはたらいてください、ひめ!!!」 「だがことわる。」 えーりんが泣き出したので仕方なく愚痴を聴いてあげた。 八月八日。 今日はゆっくりチルノが現れた。 冷たくて気持ちいいので近くに置いた。 「あたいってばのうりょうね!!!」 夕刻には溶けていた。 「あたいってばひるどらね!!!」 ドロドロということだろうか?そのあとずるずると帰っていった。 八月九日。 ゆっくりすわこが外で鳴いている。 「かーえるがっ♪ケーロケロ♪」 待てお前それどこで聞いた。 八月十日。 ゆっくりてゐがゆっくりれーせんをいじめていた。 「ゲラゲラわらうしか、のうがないの?ばかなの?」 可哀想なので、れーせんのほうを抱っこしてあげた。 「ゲラゲラゲラ……。」 笑っているけどどこか寂しそうだ。てゐのほうも泣 くのを我慢しているみたいだったので、また二人に してあげた。 八月十一日 部屋の隅にGの鼓動……!!! 香霖堂で買ってきた殺虫剤を喰らわせる。!かわした!? しかし、よく見るとゆっくりりぐるだった。 「くろくてはやくてごめんね!!!」 八月十二日。 「ゆっくりしていってくださいね!!!」 きょうの担当はゆっくりさなえらしい。 筆や墨を取ってきたり、紙を用意してくれたりと、 ゆっくりなのにかなりせわしく手伝ってくれた。 八月十三日。 「ちぇえええん!!」 ゆっくりらんしゃまがちぇんを探しにきた。 当然ここにちぇんはいないのですごすごと帰っていったが、 探している隙にしっぽのあぶらげをとったのは秘密だ。 八月十四日。 「れんこ!!ここはどこ?!」 「しらないよ!でもゆっくりしようね、めりー!!」 よくわからないゆっくりが入ってきた。 意味不明なことを喋っていたが、……聞き覚えが あるのは気のせいだろうか。 八月十五日。 「秋れた……。もうはんつきもたってるのにまだぴんぴん してるなんて。」 「ゆっくりしすぎてるねぇ。秋ないのかねぇ。」 ゆっくりしずはとゆっくりみのりこ……だっけ?いまいち 覚えていない。 「ひどいよ!」 「わたしたちのなまえをまちがえるのに秋てね!!」 八月十六日。 ゆっくりれてぃが食べ物を探している。 「ちきんらーめんどーんぶり!!!」 生憎だけど家にはありません。食べたこともないし。 餌を与えると食い尽くされそうなので結局放置する。 ……涎と異様な音量の腹の音は勘弁してほしい……。 八月十七日。 箪笥と箪笥のスキマにゆっくりゆかりんがいた。 「やくもゆかり17さいです!」 少女臭がするが、ほっとくことにした。……モデル がモデルだし、何されるかわからない。 「やくもゆかり16さいです!!!」 どっちだ。 八月十八日。 体付きのゆっくりゆうかりんかと思ったら、のうかりん だった。 「おらのぼうししらねぇっぺか?」 見かけてないと答えたら、麦わら帽子をかぶったすわこが 庭を跳ねていた。 「あそびおわったらかえしてけろ。」 「あーうー。」 八月十九日。 ゆっくりかなこがあらわれた! ゆっくりかなこのこうげき! 「おんばしらー!」ちとせあめをなげてきた! だがあたらない。 さんかくとびをして、ずじょうからとうてき! 「さかばしらー!」 だがあたらない。 泣き出しそうだったので、新しい千歳飴をあげた。 八月二十日。 今日はゆっくりがいない、と思ってたらゆっくり めーりんとゆっくりこまちが縁側で寝ていた。 シエスタとサボリの最中である。起こしてはいけない。 八月二十一日。 「おおこわいこわい。さんぶんのにをすぎてもへいき なにんげんがおられるなんて。」 きめぇまるがバイブレーションしながら現れた。 気持ち悪くて鬱陶しいが、見ているうちに慣れたので 抱きかかえて振動を楽しんでみる。 「いつもよりさんわりましでゆれております。 きよくただしいきめぇまるです!!」 八月二十二日。 ぱちゅりーがゆっくりけーねを連れてきた。 「むきゅ!こんどはちゃんとしたごほんをよませてね!!」 「わたしもたのしみにしているよ!!」 そんなわけで、二匹に本をかした。 「むきゅぅぅぅん!!まりさぁぁぁぁ!」 「carved!carved!」 やはり同人誌はだめか……。 八月二十三日。 「はじめまして!!!ゆっくりおri「わかっちゃだめだよー!!」 ちぇんとお ……いや、ちぇん以外見てないよ?今日。 二……いや、一匹とも……じゃなくてちぇんと、 ねこじゃらしで遊んであげた。 可愛いなぁ、二……もとい、一匹とも。 ※上記は貼り付けてあった紙に書かれていた内容であり、 その下には以下の文章があった。 八月二十三日(異聞)。 「はじめまして!!!ゆっくりおりんだよ!!!」 「まだはやいけど、わかるよー!!!」 ちぇんとおりんがやってきた。 ……いやまだ八月だし、早いって! 仕方ない、一応書き残してはおくけど、軽く隠蔽しておくか……。 その日は二匹と猫じゃらしで遊んであげた。 うん。なんにせよ、ぬこは可愛い。これはジャスティス。 八月二十四日。 「いつかふっかつしたいね!!!」 「しんさくでむすめのゆうしをおがみたいわ!!!」 ゆっくりみまさまにゆっくりしんきさま……私はゲームに出たいです。 八月二十五日。 「きゅーかんばーちょうだいね!!!」 ゆっくりにとりがやってきた。折角なので、きゅうりを肴に 幻想入りした例のブツを飲ませてあげた。 「おぅいすぃけどなんらかへんらりょ?」 そのまま夜まで酩酊していた。今は反省している。 八月二十六日。 「さたでーないとふぃーばー!!」 ゆっくりいくが暴れ踊る。ひなまで回っている。 「カイテンエンブロクレン!!!」 でも、今は昼だし……そもそも土曜だっけ? 八月二十七日。 「そーなのかー」 今日はゆっくりがいない。 「そーなのかー」 なぜだかルーミアが居る。 「そーなのかー?」 あ。……体付きのゆっくりるーみあだった。 「ソーナンス!!」 八月二十八日。 「うー!うー!」 「おぜうさまかわいいよおぜうさま!!」 今日はゆっくりれみりゃとさくやか。通りで 昼には現れなかったはずだ。 「うー、さぐや!ぷでぃん、ぷでぃん♪」 「わかりました。おねえさん、ちゅうぼうをかしてね!!」 別にいいのだが……卵はないし、体付きとはいえ、この大きさ で台所に手が届くのだろうか? てか、そんなことを思っているうちにもう出来てるッ?! 「うー♪あいがと、さぐや!!!」 「しあわせー!!!」 鼻血をプリンの上にぼたぼた流してる……汚いなぁ。 まぁ、れみりゃは喜ぶかも知れないけど。 八月二十九日。 ゆっくりもこうがみすちーを追っかけまわしていた。 「やきとりー!!!」 「とらうまになるよー!!!」 みすちーが上空に逃げた。……最初からそうすればいいのに。 「ほうよくてんしょー!!!」 うわ、飛んだ!!って火の粉が!!!いやぁぁぁ!! 八月三十日。 夏もそろそろ終わりか。 「うめぇ!!!さけめっちゃうめぇ!」 「どろー!きゅーかんばーおかわり!!」 ゆっくりすいかとゆっくりゆうぎを見ながら、 そんなことを思っていた。 八月三十一日。 「まいったよ!」 締めは……かんぬしか。モデルのことはよく知らないけど、 なんか逆らえない雰囲気がある。 「みんなをけしかけてゆっくりしたけっかがこれだよ!! そんなおねえさんにはごほうびとしてこのこだね!!!」 傍らをみると……わたしのゆっくり? 「ゆっくりしていってね!!!」 「おねえさん。あきゅんをよろしくね!!!」 そういうと、かんぬしは跳ねていってしまった。 ……夏の間中ゆっくりしていった結果がこれかぁ。 「ゆ?おねえさん、これゆっくりのきろく?」 あきゅんはこの日記を見ると、とても嬉しそうにいった。 「すごいね!さしずめ、『ひえだのゆっくりろく』だね!!! あきゅんもなにかきろくしたいよ!」 体付きだから教えれば何か書けるか。 まぁ、暇なときにでも教えてあげようかな。 (以下略) 終わり。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 書き上げて思った。 まさかむの人とあきゅん的にかぶるなんてね!!! 書き散らしたにも程があるけど、ちょっとでも楽しんでもらえたら幸いです。 阿求の口調が段々と変わってるorz。 10月24日に修正&追記。へっぽこさが変わってないのは仕様です。 by.ゆっくり怪談の人 うん、これはおもしろいいろんなゆっくりが出てかわいい -- 名無しさん (2008-11-04 14 54 18) かなり良かった -- 名無しさん (2008-11-22 08 34 36) 乙! 面白かった! -- 名無しさん (2008-12-17 21 15 29) ゆっくりゆーぎの「どろー!」が何のことなのかようやく理解して大笑いしたw いいものをありがとう! -- 名無しさん (2009-01-02 23 52 04) ちょww神主w -- 名無しさん (2009-02-05 14 48 32) 神主「えっ」 かんぬし「えっなにこれこわい」 -- 名無しさん (2010-04-11 12 07 05) 名前 コメント
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新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 5KB ※選ばれしゆっくりの番外編です。 ※ゆっくりちるのの生態(後編)はもうしばらくお待ちください。。 ※駄文、稚拙な表現注意。 ※星蓮船ネタばれ注意。 ※俺設定注意 ※いろいろ矛盾があるけどきにしないでください。 約束のとき、聖地で行われる祭りに幻想の神主が現れる。神主は新しき円盤を信者に与えるであろう。 円盤は幻想の少女となりて東の方の信者は歓喜の涙を流す。 そしてそれと共に新たなゆっくりもまた生まれ出のだ。 (「湯九里創世記」より抜粋) 「な・・・なんだ。あれは・・・」 波に揺れる漁船の上で男は思わず声をあげた。 男は漁師でもう50年近く海に出ている。当然海については知らないものはない。 にもかかわらずあれはなんだ。 見たことが無い。 聞いたことが無い。 海の上にゆっくりがいるなんて・・・。 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ここは駅前にあるゆっくりショップ。さまざまなゆっくりがケース内で飼育されている。 やあ、二度目まして。僕は元研究お兄さんだ。 元とつくのはもう研究所はやめてこのゆっくりショップの店員に転職したからだ。これからは店員お兄さんと呼んでくれ。 給料は下がっちゃったけどもうゆとりにいても先が見えてるし、今の時代職があるだけましだよね。 「そろそろだとおもうんだがな・・・」 そう独り言を言いながらそわそわしているのはうちの店長。 お盆過ぎたあたり、特に昨日の晩からやたらそわそわしていてやたら携帯の着信をきにしている。 奥さんも恋人もいないはずなのになにかあったのかなあ。 「どうかしたんですか店長。落ち着かないみたいですけど。」 ついに気になった僕は聞くことにした。 「どうしたっておまえ。もうお盆は過ぎたんだぞ。あれがそろそろでるころじゃないか」 「あれってなんですか。くらげ?」 「ばか。海の家じゃないんだぞ。うちは。うちは何屋だ?」 「なにって・・・ゆっくりですけど?」 「だったらゆっくりに決まってるだろ。新種のゆっくりがでるんだよ」 「新種のゆっくり!?」 僕は思わず聞き返してしまった。 確かに新種のゆっくりが出ることはあるが、それってお盆とか季節に関係あるんだろうか? 「それがあるんだよ」 そうぼくの心を読んだように答える店長。あんたはゆっくりさとりか? 「その証拠にちれいでん種達もそうだっただろう。あいつらも去年の5月ごろから少しずつ目撃されるようになり、お盆過ぎあたりからさとりのようなその種のおさ的存在が確認され始めたはずだ。」 「たしかにそうですけど・・・。それって偶然じゃないですか?」 信じられず思わずそうつぶやく僕。 「それがそうじゃないんだ。実際にゆっくりについてかかれた古文書に書いてある。」 「古文書?なんですか、それ?」 「ゆっくりについてかかれたなぞの古文書「湯九里創世記」のことだ。作者も書いた目的も不明。その上内容は荒唐無稽だからゆっくり学者は眉唾ものだとされている」 そう言うときっと僕にむきなおり、 「しかし俺は信じる。荒唐無稽がなんだ。ゆっくりの存在自体荒唐無稽じゃないか。ならば俺は自分のただしいと信じた道を進む。」 ときっぱり言い切る店長。不覚にもそんな店長をちょっとかっこいいとおもってしまった。 「それで、その古文書にはなんて書いてあるんですか。」 「ああ、湯九里創世記によると、ゆっくりはゲンソウキョウという場所の少女たちをモデルに作られた生物らしい。 そしてその少女たちは夏に行われる聖なる祭りに神主よって生み出されると記されている。一部の少女はレイタイサイと呼ばれる春の祭りにうまれるようだがな。そしてその少女たちを思う東の方の神主の信者の思いがゆっくりをつくるらしい。」 「確かにつじつまは合いますね・・・。春になずーりん種たち新種もでてるし。」 「だろう!!だから俺は待ってるんだ。知り合いのゆっくりハンターにかたっぱしから声をかけて、新種を見たら携帯に連絡をくれと! 昨日の晩のニュースでも海に漂う新種のゆっくりの存在が目撃されている。この近くの山はゆっくりが多いし、きっと新種が生まれるはずなんだよ!!」 そうやたら興奮気味に話す店長。しかし無理もない。もし新種のゆっくりが捕まえられればそれこそ大ニュースであり、うちの店のいい宣伝になる。その上うちでその新種を売るとなればいくらぐらいになるだろうか。100万?200万?個人でなくゆっくり関係の大企業に売るとなればさらに高値が期待できる。一攫千金の大チャンスである。 その時携帯がなった。ばっと飛びつくように携帯をとる店長。 「も、もしもし。・・・・・・わかった。すぐ行く。」 そう言い電話を切るとあらかじめ用意していたらしいリユックを背負い 「そういうわけだから店番頼む」 とあわただしく出て行った。 そんな店長をお見送りしたあと、僕はゆっくりたちに餌をやろうと倉庫へと向かった。 新種のゆっくりが捕まればいいんだけど。 「ゆぎゃあああ!!だれかたずけてぇぇぇぇ」 ん?いまなにか悲鳴が聞こえたような。気のせいか? 「ゆ・・・ゆびぃぃっぃ」 ここは店員お兄さんの店の近くの路地裏。そこにまりさはいた。 とはいえもうまりさは長くないだろう。顔を食いちぎられ大量の餡子が流出している。 このまりさはのーぶるゆっくりがゲス化したもので、飼い主に捨てられて以後野良生活を送っていた。 のーぶるまりさは思った。 なぜ。なぜこうなったのだ。 自分はじじいに見切りをつけて(本当は捨てられたのだが)、このあたりの野良の王になったはずだ。 自分にけんかで勝てるゆっくりなどいなかったし、あたまも誰よりもよかった。 それを活かしてこのあたりのおろかな野良ゆっくりを統治してやったいたのだ。 (実際は野良ゆっくりから食料などを搾取、そしてなんくせつけて虐殺していただけである) しかし、あの見慣れない金髪のゆっくりがすべてを奪っていった。 見慣れない新入りを見かけ、自分が王だとわからせる為路地裏へ引きずり込んだまではよかった。 その後、何を言っても平然としており、生意気な面をしていたので踏み潰して食料にしてやろうと思い襲い掛かった。 しかし必殺のスタンピング攻撃はあっさりかわされ、かわりに頬に激痛がはしる。 頬を食いちぎられたのだ。 まりさは他の野良に助けを求めたが、当然今まですき放題していたのーぶるまりさを助けるものなどおらず、自分たちを開放してくれた 金髪のゆっくりとともにどこかへいってしまった。 もうだめだ・・・。死ぬしかない・・・。 のーぶるまりさは思った。 あのゆっくりはだれだったのだろうか・・・攻撃されたときすさまじい殺気を感じた。 そうまるで虎のように。 まりさは知らなかった。 その金髪のゆっくりこそが人間たちが血まなこで探している新種ゆっくりだと。 by長月 長月の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ひじりんとこのあの子だね。わかるよー。 -- 2015-10-12 02 54 47 一瞬るーみあかと思った。 -- 2014-11-09 21 47 55 れいむ:それはね、おにーさん。 おにーさん:うん? れいむ:寅丸s・・・ おにーさん:おーっとそこまでな。ネタばれするだろぅ? れいむ:ゆっくりりかいしたよっっ!ひんとさんはいいよね?下からひんと!だよ! ヒント3:財宝が集まる程度の能力 ヒント4:寅っぽい。 -- 2014-01-21 21 34 46 よく物を無くす奴ですね -- 2012-12-18 16 45 02 ヒント2:頭の上にみかんをのっけてる -- 2012-10-07 16 57 13 わきゃらにゃいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!? -- 2012-08-06 15 27 34 ↓ヒント:ナズーリン -- 2012-01-26 16 51 56 い・・・・・・・一体何なんだそのゆっくりは・・・・・www -- 2011-10-28 20 33 19
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虐待分薄め。ぬるいじめ多め ぶっちゃけ前編 現代が舞台 チチチ……チュンチュン…… まどろむ意識の中で小鳥の声が聞こえる。僅かに射しこむ光が眩しい。 まどろんだ意識で感じる爽やかさと布団のぬくもりがたまらない。 うーん、もう少しだけ……あと5分…… ぺったん、ぺったん、ぺったん、ぼみゅん。 ぼいん!ぼいん!ぼいん!ぼいん! 「おにいさん、おなかすいたよ!!ゆっくりはやくおきてね!!」 粘着質な音を立てながら我が家のれいむ様のご登場だ。ああ、さよなら俺の爽やかな朝…… もはや我が家の風物詩になった光景、だがこのイラだちは何度体験しても慣れるもんじゃない。 ガシッ 俺は片手で腹の上で跳ねている饅頭を掴むと 「お前は何遍言ったらわかるんだ」 「ゆぐぅ!!」 うにょーん 両手でおもいっきり頬を引っ張ってから 「俺が起きるまでは絶対に」 「ぼにいざん、いだいよやべでええ!!」 ブンッ、ビタァン!!………ぼとり 前方の壁に全力投球した。 「この部屋に入るなっつったろーが!!」 「ゆびゅ!!……びえ゛え゛え゛え゛!!!」 寝起きの俺の前に広がる光景は、あまりに投げすぎて茶色い染みが付いた壁と 顔を真っ赤に腫らして泣き叫ぶゆっくりれいむだった。 俺がれいむと暮らし始めて早くも一ヶ月。れいむは毎日毎日、俺をぼいんぼいんと叩き起こしては思いっきり壁に投げられている。 最初の頃は力加減を誤って思いっきり餡子を吐いていた時もあったが(あの時は必死で近所のコンビニまで餡子を買いに行ったっけ) 今では限界ギリギリの力で投げれるようになった。まぁ、たまにはちょっと吐餡させる事もあるが。 元を返せば、こうなったのも全ては大家さんとの約束のせいだ。 「ここに入居するなら一つだけ条件を守ってもらいます」 「どんなゆっくりでもいいから、一匹以上と一緒に生活する事」 「つまりゆっくりを飼えって事だね。あとは定期的に話をしてくれれば問題ないよ」 実際、このアパートの家賃は格安でゆっくりの世話代を概算しても十分すぎるほどの値段だった。 それに俺も始めての一人暮らしで少し寂しくなるか不安だったし、最近話題になったゆっくりにも興味があったんだ。 だから俺はこの条件を受け入れ、ここに住むことにした。その結果待っている様々な苦労を知らないまま。 何はともあれ、そういう約束をしてしまったからにはゆっくりを手に入れなければならない。 近所のコンビニで立ち読みしたゆっくり解説書によると 野生のゆっくりは罠を仕掛ける事で簡単に捕まえられますが、気性に難がある場合があります。 また、飼育する場合は各種予防接種や避妊処理の必要もある為、初心者はゆっくりショップでの購入をオススメします。 最初に飼うなら素直で癖の無いれいむ種がよいでしょう。また、ちぇん種も人懐っこく扱いやすいです。 との事らしい。俺は読み賃代わりに缶コーヒーを一本買って、その足でゆっくりショップに行く事にした。 「ゆっくりしていってね!!かわいいれいむをペットにえらんでね!!」 「おにいさん!!はやくまりさをかうんだぜ!!まりさのぼうしはいちばんかわいいんだぜ!!」 「むきゅ!!いちばんかしこいのはぱちゅりーなのよ!!かうならぱちゅりーがおすすめだわ!!」 「と、とかいはのありすがあなたのかいゆっくりになってあげてもいいわよ!!」 「おにいさん、しっぽのきれいなちぇんをかいたいんだね?わかるよー!!ちぇんのことだよー!!」 ゆっくりショップの存在は知っていたが、実際に行ってみるとそこはなんというか……監獄の死刑囚。この一言に尽きる。 どこのペットショップでも、飼われなかった動物の末路は悲惨な物だ。こいつらはそれを知っているんだろう。 もちろん、それを直接アピールしたり泣き喚くような奴は最初からペットとして扱われるはずがない。 こいつらは全てを知り、助かる為に "自分が出来る唯一の方法で" こちらにアピールしているんだ。 これがもし、意味の通じない動物の鳴き声やしぐさならここまで心に感じる物はなかっただろう。 だが、これが言葉ならどうか。意図の通じる言葉なら、直接言われなくても人間は真意を理解する事が出来る。出来てしまう。 それは自己アピールという名の命乞いだった。 正直、俺は入って1分もしないうちに、かなり消耗していた。早く選んで帰りたい。 最初から買うのはれいむ種にしようと決めてある。他の連中を見ても辛くなるだけだ。 俺がまっすぐにれいむ種のコーナーに行くと色めき立つれいむ種たち。意気消沈する他のゆっくり達。 「おにいさん!!れいむがいちばんかわいいかたちのリボンだよ!!ゆっくりみてね!!」 「れいむのほっぺがいちばんぷにぷにだよ!!さわってもいいのよ!!」 「れいむがいちばんきれいないろのリボンなんだよ!!とてもゆっくりできるよ!!」 「れいむのおうたはとってもひょうばんだよ!!ゆぅ~ゆゆぅ♪ゆぅ~ゆゆぅ~♪」 誰も彼もが満面の笑みで柵に体を擦り付けながら全力のアピールを行っている。 きっと、彼らが主張する内容は全て事実なんだろう。意見が被るゆっくりは居ないし誰も他のゆっくりを否定しない。 だからこそ、俺はその一丸となった命乞いを直視する事が出来なかった。 逸らした俺の視線の先には、一匹のゆっくりが居た。 そいつだけは他の皆のようにアピールをしない。遠慮がちに柵の中から「ゆっくりしていってね」と言うだけだ。 俺の勘が正しければ……こいつは…… 「すいません、あいつと話させてもらっていいですか?」 「いいですよー、ちゃんと話をしてパートナーを決めてあげてくださいね」 そう、笑顔で話をする。これだけがここで許された命乞いのルール。 そして選ばれなかったゆっくりは助からない。なのに。 柵の中に入った店員がそいつを連れ出す時に他の連中はまったく動じていなかった。 こいつだけは絶対に選ばれない。という確信が、貼り付いた笑顔の上からでも透けて判るようだった。 「はい、戻す時はゆっくり入れてあげてくださいねー」 店員から渡されたそいつは、戸惑いながらも「ゆっくりしていってね!!」と言った。今度はしっかりと。 俺はそいつを片手で抱えながら柵の中のゆっくりに聞いた。 「なぁ、こいつはどうしてアピールしないんだ?」 その瞬間、腕の中でビクッと震えるゆっくり。柵の中のゆっくり達も笑ったまま何も言わない。 きっと禁じられているんだろう。他のゆっくりを馬鹿にする事は。 ただ、その笑みの中に嘲るような印象を感じた。そして、それは最高にいやらしい笑みだった。 「お前、もしかしてアピール出来る事が無いのか?」 疑問は確信に変わった。そいつは何も言えず、ただ俺の腕の中で震えるだけだ。 笑みこそ崩さないもののその瞳は震え、悲しみと絶望がありありと写し出されていた。 その笑みは俺がここで見た全てのゆっくりの中で一番魅力的で、そして俺の心に暗い炎を灯す笑みだった。 「すいません、こいつ貰えますか~」 また腕の中でそいつはビクッと震えた。最初との違いを挙げるとするなら、柵の中のれいむ種全ても同じ反応をした事だが。 「おにいさんみるめがないね!!そいつはここでいちばんののうなしだよ!!そんなクズをえらぶなんて…」 俺の選んだ選択があまりにも想定外だったのか、一匹のれいむが俺に対して文句を言ってきた。 同じような気配を発していた周りのゆっくり達もその言葉を聴いたとたんに表情が変わる。ああ、本当にタブーなんだな……これ。 失言から間もなく横に居た店員が飛びかかり、口を捻って口封じをした。 「ゆびゅあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「お客さん、ちょっと待ってくださいね~」 手馴れた物だ。即座に店の裏に連れて行く。失言一つで人生終了だなぁ……あのれいむ。 「うっかりくちがすべったんだよ!!ゆっくりゆるして……」と叫ぶ声が聞こえなくなってしばらくすると店員が戻ってきた。 「申し訳ありません、うちのゆっくりが粗相を……その分お値段をサービスさせて貰いますので……」 思いの他サービスしてくれた。ありがとう失言れいむ、君の事は忘れない。たぶん。しばらくは。 他にも飼うのに必要な道具を買って、俺は店を出た。 店から帰る途中、ケージの中のそいつは脱力しきっていた。本来ならはしゃいでもおかしくは無い状況だけど、 あそこでの絶望的な立場を考えればそんな余裕は無かった事くらいはわかる。 「ゆぅ……ゆぅ……zzz」 まぁ、俺が必死にこいつの荷物を抱えてるのに寝られるのはさすがにムカつくのでちょっと派手にケージを振ってやった。 「ゆぐ!!ゆぁ!!ゆう゛ぅ……いだいよぅ……」 おお、起きた起きた。こんだけ振ってもこっちには文句を言わない辺り、さぞ存分に教育されていたんだろう。あそこのゆっくりは。 そんなゆっくりの反応を見ながら、俺はときたまケージを振りつつアパートに帰る事にした。 大家さんに軽くゆっくりの顔をみせてから(「なるほど……君らしいね」と一目見ただけで言われた。あの人やっぱり只者じゃない。) アパートの一室に戻った俺は、ケージから出したこいつと向き合いながら悩んでいた。 ……何から話せばいいんだ?つい暗い衝動にまかせて買ったはいいが、どう接すればいいんだろうか。 戸惑っているのはこいつも同じらしく、きょろきょろとあたりを見回しては俺の視線に気付き 「ゆっくりしていってね!!」 「ああ、ゆっくりしていいぞ」 と一言交わしたらまたお見合いが開始する始末だ。こりゃだめだ。俺から話振らないと絶対先に進まないぞ。 「えーっと、だな。今日から君はここで飼われる事になりました」 「ゆ!ゆっくりりかいしたよ!!」 「でだ、まず君の事を知る為に自己紹介をして欲しいんだが」 「ゆっ……れいむはしょうかいできることがないよ……」 ああ、こいつに単に自己紹介をしろといってもあそこの二の舞になるだけか……。 これは一つ一つ誘導してく方法じゃないとダメだな。 「それじゃれいむ、まず名前を言ってごらん」 「れいむはれいむだよ!!」 「よくできました。じゃあ、次はどこで生まれたのかな?」 「れいむはきがついたらあそこにいたよ!!」 「ふーん、じゃああそこのゆっくり達には兄弟もいたのかな?」 「そうだよ!!まりさおねーちゃんたちとれいむおねーちゃんたち、かわいいいもうともいたよ!!」 「なるほど。じゃあその子達も一緒に飼った方がよかったかな?」 「ゆぐっ!!……れいむのきょうだいは……みんなさきにうれちゃったのぉ……」 「そっか、つまりれいむは売れ残りだったんだね!!なんでかな?」 「それは……れいむは……れいむには…………」 「あ!!わかったよ!!れいむには長所が無いんだもんね!!れいむは長所無しの役立たずだもんね!!」 「ゆぎゃっ!!!……………………………」 あー駄目だ。やっちまった。また顔引き攣らせてフリーズしてるよ、かわいいなぁ。 しかし、こいつと話してるとどうしてもこいつが嫌がる展開に話振りたくなるな…いかんいかん。 ぺちぺち、ぺちぺち 「おーい、だいじょうぶかー?」 駄目だな。起きない。もうちょい強めにいくか。 パン!パン!パン!パン!スパンキング!! 「おーい、だいじょうぶかー?」 「………………ゆっ!だ、だいじょうぶだよ!!」 頬を真っ赤に腫らして言う台詞じゃないだろそれ… とりあえず晩飯も作らないとな。解説書には確か野菜クズや余った食事でいいって書いてたな。 ただし辛い物は厳禁、凄い嫌がります、だっけか……。 ここはあえて、反応を見る為に俺と同じくカレー食わせてみるか。 「おーい、れいむー。ばんごはんだぞー」 「ゆっ!ゆっくりたべるよ!!」 テーブルの上には大盛りのカレーが二皿。一つは俺用、もう一つはこいつの。 流石に犬食いで火傷すると面倒なので、こいつはあぐらの上に置いてスプーンで食べさせてやる。 「ほーら、よくふーふーして食べろよー」 「ゆっくりふーふーするね!!ふうー、ふうー。」 「よーしいいぞー、ほら、あーん」 ぱくっ 「ゆぅーん、むーしゃ!むーしゃ……ゆっべええ!!」 「どうした~?おいしくなかったかな?」 「ゆぎゅ!!と、とってもおいしいよ!!しあわせー!!」 「そうか~、もっとあるから遠慮しないで食べていいぞ」 「ゆびゅぅ!!……………………………」 「あー…なるほどなぁ。」 負荷が一定超えるとトんじゃうみたいだ。多分、普通のゆっくりだと泣くか怒るかってところのラインなんだろう。 本当によく教育されてるよ、こいつは……。 確かに、あの店のゆっくりは良く躾けられている。能無し呼ばわりされてたこいつでも。 でもこれはゆっくりなんだろうか……。ゆっくりと言えるのだろうか。 俺の見た本の中に居たゆっくりはもっと感情豊かで傍若無人だった。 そして、俺が魅力に感じたのもそうした喜怒哀楽を過剰に表現するゆっくりだったんだ……。 まず、こいつのフリーズ癖を治そう。これはこれで可愛いのは事実だがこのままじゃラチがあかん。 こいつが思考停止するのは「自信の無さ」と「笑う以外の感情表現を許されていない」環境だったせいだ。 だから笑ったまま固まる。そうしなければ死ぬ事になるから。 この躾はある意味では完璧だろう。決して泣き喚かず怒りに暴れる事も無い完璧なゆっくり。 でもそれじゃ俺は息苦しい。あいつが苦しんでるのはわかっているからこそ、尚。 それにこれじゃまるで「ゆっくりロボット」じゃないか。 こいつを一人前の「ゆっくりれいむ」にしてやろう。そしてたっぷりと泣き、怒る様を見てやろう。 そう決意して俺はその日は眠りに付いた。慣れない寝床で震えるれいむにタオルをかけて。 つづく。 このSSに感想を付ける