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【作品名】やまなし 【ジャンル】童話 【先鋒】弟の蟹 【次鋒】お兄さんの蟹 【中堅】お父さんの蟹 【副将】魚 【大将】かはせみ 【先鋒】【次鋒】 【名前】弟の蟹・お兄さんの蟹 【属性】蟹の子供 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】だいぶ大きくなった子供の蟹並み 【備考】お兄さんの方が大きい泡を吐けるらしい 【中堅】 【名前】お父さんの蟹 【属性】蟹 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】蟹並み。川に住んでるので多分サワガニか何か。 【副将】 【名前】魚 【属性】魚 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】魚並み 【長所】クラムボンを殺したらしい 【短所】食われた 【大将】 【名前】かはせみ 【属性】カワセミ 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】カワセミ並み。魚を一瞬で捕まえて飛んでいける。 vol.54 337 :格無しさん [sage] :2008/03/12(水) 17 53 45 やまなし考察 上の蟹達はたぶんカブトムシよりは弱い。その下から vs虫の声 【先鋒】【次鋒】【中堅】速さと硬さでお互い倒せない 【副将】【大将】大きさ勝ち 2勝3分け vsだんご三兄弟 【先鋒】【次鋒】【中堅】団子程度なら倒せるだろう 【副将】人間には勝てない 【大将】速さで分けぐらいは取れるか 3勝1敗1分け vsだんご大家族 【先鋒】【次鋒】【中堅】【副将】団子程度なら倒せるだろう 【大将】ぜったい無理 4勝1敗 上も一応 vs勝負の終わり(エンド・ゲーム) 【先鋒】【次鋒】【中堅】【副将】分け 【大将】分けぐらいはとれる 5分け vs法話 浦島太郎 【先鋒】【次鋒】【中堅】【副将】倒せない、寿命負け 【大将】突きまくれば勝てるかな 1勝4敗 ここから上はほとんどカニの力ではどうにもならない 甲虫王者ムシキング(アーケード)>やまなし>虫の声
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澄み切った青空を仰いで、普通の魔法使い、霧雨魔理沙はため息を吐いた。 ――楽園の素敵な巫女、博麗霊夢が、ぱんぱん、と、事もなさげに手をはたき合わせる。 それから、破れた赤いリボンをさりげなくほどいて、 傷のある両腕を破れた白色の袖に隠し、後ろで組んだ。 傷付いた箒を小脇に抱え、所々破れてしまった白黒エプロンドレスの土をはたき落して、 静かに立ち上がると、魔理沙は生気のない表情で苦笑して見せた。 3戦ほど行った弾幕ごっこは、いつもと同じく、霊夢が勝利した。 「完敗だぜ、霊夢」 「私は、博麗の巫女だもの……力を失っては、いけないのよ」 苦笑しながら、霊夢は額に滲んだ汗を拭う。 「そうか」 「お茶、出すわよ。――毎度のことながら、お茶が先の方がいいと思うんだけどね」 「いや、今日は遠慮しとくよ」 室内へ戻ろうとした霊夢を制して、魔理沙はくるりと踵を返す。 珍しいわね、と、霊夢が怪訝な表情を浮かべた。 もっと研究したいんだ、とだけ言って、魔理沙は振り返りもせずに、空の彼方へ消えて行った。 「……」 ぼんやりと、何事かを考えるようなそぶりを見せるが、それも僅か数秒程度のこと。 霊夢はひとり苦笑すると、一人分のお茶を入れ始めた。 先ほどまでは澄み渡っていた青空。 堂々と輝く眩しい太陽に、どこからかやって来た雲が迫っていた。 「……う……ちくしょう……」 魔法の森の奥深くに佇む自宅にて、魔理沙はひとり泣き濡れていた。 霊夢とは、何戦も重ねた。 戦闘中も、霊夢のスペルカード、通常弾幕、行動パターンなど、 ありとあらゆることを研究しながら、常に全力で戦った。 負けるそのたびに、戦闘を頭の中でリピート再生し、敗因および自身の弱点を突きとめ、 それを克服すべく、魔法の研究に勤しみ、スペルカードおよび通常弾幕の開発、改善をした。 飛行速度や反応速度を高めるために、魔導書を盗むようなそぶりを見せて、 時間を操るメイドやら、紅魔館の知識人やら、紅い悪魔に喧嘩を売り、戦闘したこともある。 時折地下室へ乗り込んで、命をかけて悪魔の妹に挑んだことさえある。 少々手荒ともいえる方法で修業を積み、霊夢に挑むそのたびに、負けた。 普通の人間である彼女には、過酷と言っても過言ではない“修行”をすることで、 力を付けて霊夢に挑んだどころで、霊夢はそれに合わせて、魔理沙以上の力を発揮する。 どれだけ努力しようとも、それは変わらない。 魔理沙は結局、霊夢の底なしの実力、底なしの強さを思い知らされただけに終わったのだ。 「……なんで、勝てないんだっ……!」 押し殺したような声で呟いた彼女の瞳に、バスケット一杯に盛られたキノコが映る。 新たな魔法を編み出すための実験用に集めた、魔法の森のキノコだ。 その中に一つ、奇妙なキノコを発見して、魔理沙は眉をひそめる。 (なんか、嫌な感じのキノコだなぁ……なんだっけ、これ) 手にとって観察することで、彼女は、過去に本で読んだ、そのキノコに関する説明を思いだす。 (……魔法の森にのみ生息する、それ特有の魔力を蓄えたキノコ…… たしか、幻覚を見せるんだっけ……外の世界の、ヘロイン、とか言うのとよく似てる、とか…… これ、なんて名前のキノコだったかな……まあ、いいか) 陶酔感および多幸感をもたらすキノコだが、 中毒患者となった者に与える影響は生半可なものではない。 キノコに関しては、紅魔館の知識人以上のプロと言える彼女は、無論、それを知っていた。 ――けれど、今日の霊夢との対戦から、過去のことを思い出してしまい、 どんよりと暗い気分になっていた彼女は、陶酔感、という甘い響きを思い出し、 “それ”に手を出してしまった。 「……!」 瞬間、魔理沙の身体を、これまでに味わったことの無いような快感が駆け巡る。 それから、強烈な安堵感と、幸福感。 かつてないほどの最高の快楽に酔いしれながら、魔理沙は夢を見た。 現実かと錯覚してしまうほどに良く出来た、幸せな夢を見た。 綺麗な紫色の空に、淡い翡翠色の半月が浮かんでいる。 博麗神社の境内にて、魔理沙と霊夢は弾幕ごっこをしていた。 軽く軽く、思い通りに空を翔けることのできる身体に気を良くして、魔理沙は箒を放り投げる。 ずっとずっと動きやすくなって、魔理沙はもっともっと強くなった。 彼女の星弾や丸型光弾、スパークと名付けた光線があたりを埋め尽くす。 霊夢の攻撃など、放つそばから相殺されてゆく。 あっという間に地面に倒れ伏した霊夢を嘲笑い、霊夢の持っていたお祓い棒で2・3発はたいてみる。 無様に呻いて、霊夢は悔しげに泣き濡れた。 ――まだまだ! 十分に手加減して、霊夢に光弾を当てると、霊夢は必死に身体を起こして立ち上がった。 どんなに本気を出しても、霊夢が魔理沙に勝つことはできなくて。 魔理沙は愉悦に酔いしれて、何度も何度も霊夢に攻撃を仕掛ける。 何度も何度も、霊夢を光弾で撃ちすえる。 かつての自身のように、情けなさのあまり泣き濡れる霊夢を満足げに見つめながら。 愉快愉快、と魔理沙は哂う。 「なんとか命は助かったわ。 私の薬で、禁断症状を抑え、精神の安定を図ることは可能よ。 あ、依存性は無いから安心して。 でも――錯乱状態は、死ぬまで、根深い精神障害として残るわよ」 ――永遠亭の医務室にて、魔理沙はぐったりと、死んだように眠っていた。 天才薬師の薬が効いているせいか、うなされている様子は無い。 薬師――八意永琳の言葉に、霊夢は、そう、と言ったきりだった。 あの日から1ヶ月、霧雨魔理沙は、キノコの虜となり、中毒患者となってしまった。 巫女の勘が働いた頃には、時すでに遅く、魔理沙はもう命も危うい状態で。 霊夢が永遠亭に運び込まなければ、魔理沙はとうに死していただろう。 「……今は、入院患者も多いから…… その、錯乱状態に陥った患者というのは、なにをするかわからない。 入院となれば、24時間拘束は必至、それに今は、心のケアまでする余裕もない。 ……どうする?」 しばしの、間をおいて。 霊夢はうつむいたまま、答える。 「……私が、面倒をみる……」 罪悪感からの、決断だった。 雨が、降っていた。 青空を覆い隠す雲は厚く低く垂れていて、雨はまだまだ止みそうもない。 それは、境内で緑茶を淹れる霊夢にとって、救いだった。 青空を見ると、あの日を思い出してしまうから。 青空を見ると、親友とともに空を翔けたいという、叶わぬ願いが強まるから。 あの日、彼女が選択を間違えなければ、魔理沙は救われていたのだ。 「魔理沙っ……魔理沙、ごめんなさいっ……」 可愛らしい、大きな瞳を朱に染めて、霊夢は孤独に泣き濡れる。 あの、魔理沙が緑茶を「いらない」と言って、言葉少なに帰って行った日。 霊夢は、魔理沙が自身に抱いている、劣等感や嫉妬心と言った類の暗い感情が、 溢れそうになっていることを、魔理沙の様子から悟っていた。 また、魔理沙の実力が日に日に大きく上がっていることも痛感していた。 霊夢は、努力を重ね、自分に追い付こうとしている魔理沙に焦りを感じ、 ここのところ、誰にも悟られぬよう、こっそりと、いままでは無縁だった“修行”を始め、続けていた。 そうしてあの日、霊夢はぎりぎりの状態で勝利した。 絶望したような表情の魔理沙を見て、それを告げようかとも思った。 けれど、霊夢の中にある小さな歪みが、プライドが、それを止めてしまった。 『努力とは無縁の天才巫女』 そう評されて、霊夢は、小さな優越感を抱いていた。 そうなると、“努力”や“修行”が格好悪いことのように思えてきて。 天才巫女、と思わせておきたい、と、そう感じるようになっていた。 そんな小さなプライドと引き換えに、彼女はかけがえのない親友を失った。 “博麗の巫女”としてではなく、自身を一人の人間、“博麗霊夢”として慕い、追いかけて来てくれた親友。 “博麗霊夢”として語らうことが出来た、唯一の人間。 かつての霧雨魔理沙は絶望のあまり壊れ、もうどこにもいない。 「魔理沙、昼食は何が食べたい?」 布団に寝たきりの魔理沙に語りかける。 かすかに首を横に振った。『いらない』という意思表示だ。 ちゃんと食べなきゃ駄目よ、と嗜めて、霊夢は希望をとることを諦め、ひとり台所に立つ。 ――魔理沙、ついでだし、お昼をここで食べっていったらどう? ――いいのか? ――まあ、今から作るところだけど。中華料理とかはどう? ――私は和食派ですわ ――飽きないわねえ。まあ、私も好きだからそれで良しとするか ――どうせなら一緒に作ろうぜ ――そうね、その方が楽しいわ かつての会話を思い出して、霊夢は再び泣き崩れた。 コンコン、と、博麗神社の台所側にある裏口が、遠慮がちにノックされる。 鍵はかけていない。 開いているわ、とだけ答える。 かつての霊夢なら、自身でドアを開けて、訪問者を出迎えていただろう。 「入るわよ。……昼食、持ってきた」 姿を現したのは、紅魔館の知識人、知識と日陰の少女こと、パチュリー・ノーレッジ。 艶やかな髪と同じ色をした瞳を暗く淀ませて、霊夢を見据える。 あくまで自然な動作で目をそらし、礼を言うと、 霊夢は、パチュリーが差し出した風呂敷包みを受け取った。 「……魔理沙の様子は?」 「本当にたまに、錯乱状態に陥るけど、基本的には寝たきりのまま、ぼうっとしてる。 身体ももうまともに動かないし、言葉を発することも難しい。 でも、永琳の薬がだいぶ効いてるから、命の危険は今のところ無いし、禁断症状もない」 「……禁断症状の苦痛が無いのは、せめてもの救いなのでしょうけど……」 「そうね。……その、異変解決は、いま、誰が代行してくれているの?」 何か言いたげなパチュリーの言葉を遮って、霊夢は問う。 パチュリーの言わんとすることが、なんとなく予想できてしまったからだ。 霊夢は、その先の言葉を恐れていたのである。 「……早苗や妖夢、それから咲夜が」 「そう、良かった」 「魔理沙に会いたいのだけれど、大丈夫かしら?」 パチュリーも、先ほど飲み込んだ言葉を、再び吐き出そうとはしない。 魔理沙に会うという目的を果たすために来たのだから、自然と言えば自然だ。 「……ええ、上がって待っていて頂戴、あとからお茶を持っていくわ」 「わかったわ、ありがとう」 布団に寝たきりの魔理沙の前にしゃがみこんで、パチュリーは静かに語りかける。 また泣いているのだろうか、紅白巫女は未だに戻ってこない。 「……魔理沙、私のこと、わかる?」 こくり、と魔理沙は頷いた。 「……ねえ、いま……苦しい?」 今まで幾度ともなく、大図書館で言葉を交わしていたパチュリーは、 魔理沙が霊夢に抱いている劣等感を知っていた。 「……パチュ……リー……」 「何かしら?」 「……わた……し、結局……れい、む……に……勝て、なか……た」 「それでもあなたは、どんどん強くなっていたじゃない。 私にだって、レミィにだって、妹様にだって圧勝することが格段に増えていた」 「……あいて……して、くれて、感謝……してる…… でも、意味、ないんだ……れい、む……霊夢に……勝て、なかった…… ……霊夢の、……そばに、……い、て……辛い、だけだ……」 そう言って、魔理沙は涙を流す。 パチュリーも、気づけば泣いていた。 「……魔理沙、いま…… あなたは、生きたい? それとも、死にたい?」 たしかな決意を胸に宿して、彼女は問いかける。 「……しにたい」 瞬間、盆と湯呑みが落ち、割れる不愉快な音がして。 パチュリーの肩を、霊夢の針が貫いた。 霊夢も、やはり泣いていて。 先ほどよりもさらに紅く染まった瞳で、パチュリーを睨みつけている。 常人なら逃げ出してしまうであろうその気迫を目の前にして、 パチュリーは怯むどころか、憎悪に染めた眼差しで霊夢を射抜き、 痛む傷口と飛び散る鮮血にはかまうことなく、霊夢の胸倉をつかみ、叫ぶ。 「魔理沙を生かしているのは、あなたのエゴじゃないっ! 魔理沙の思いを知りながら、あなたは、自身がしていることを、語らなかった! ……隙間妖怪から、聞いたのよ……あなたのために、いままで、誰にも言わなかったと言っていた…… 私じゃ、あなたを追うあまり苦しむ魔理沙を救えなかった! 魔理沙を救えるのはあなたしかいなかったのに! あなたは、魔理沙をさらに追い詰めた! この期に及んで、あなたはまだ霧雨魔理沙を苦しめるのか! 壊れ、変わってしまった魔理沙を、まだ追い詰めるのかっ! 私はあなたを絶対に許さない! 絶対に、絶対に! 絶対に、許さないっ!」 泣き叫んで、彼女は霊夢を突き飛ばした。 霊夢は、背後の柱に頭をしたたかに打ちすえ、小さくうめき、意識を手放してしまう。 パチュリーは無言でそれを見つめていたが、やがて、くるりと魔理沙に向き直る。 雨はまだ、降りやまない。 「……ころして」 「……ええ」 壊れた人形のようになっていた魔理沙が、ここへきて始めて、笑った。 パチュリーも、とめどなく溢れる涙を拭い、優しく微笑んで見せる。 空の果てから、雷鳴が聞こえて。 偽りの光が、一瞬だけ、彼女たちを照らし出す。 「また会いましょう、魔理沙」 「……わたし……地獄、……堕ちる、か……な」 「だとしたら、人殺しの私も一緒に居るわよ」 「……パチュ……リー……は、堕ちて……ほしく、ない」 「それは無理よ、でもね、あなたを救えるのなら、どんな末路が待っていようと、構わない」 「……あり……がとう……ここより、地獄の方が……まだ……」 「私もそう思うわ」 言いながら、すっかり病的に細くなった魔理沙の首に手をかける。 力を込めて、圧迫してゆく。 魔理沙はこと切れるその瞬間まで、笑顔のままだった。 「……霊夢、あなたは生きなさい。 あなたをあなたとして見る者なんて、もうどこにもいないわ。 後悔と絶望に染まりながら、苦しんで生き続けなさい。 それが私の復讐よ」 稲光が、陰鬱な表情のパチュリーを照らし出す。 パチュリーは、用意していた毒薬を含むと、まるで眠りに堕ちるかのように倒れ込み、安らかに逝った。 降りしきる大雨の音と、時折響く雷鳴。 冷たく暗い葬送曲が、幻想郷中に響き渡っていた。 相変わらず、雨は降り止む気配を見せない。 ざあざあという陰鬱な鎮魂歌に支配されて、幻想郷は灰色に染まっている。 それから3日が過ぎて。 異変解決は、もうすっかり、早苗や妖夢、咲夜の役目として定着しており、そこに霊夢の居場所は無かった。 時折、異変解決にひとり出向いてみても、以前のように、人妖と陽気に会話することはかなわなかった。 『たとえお飾りでもね、博麗の巫女は必要なのよ』 妖怪の賢者が、霊夢を生に縛りつけた。 もう二度と帰らない、かけがえのない親友に想いを馳せながら。 力なく漂うようにして、霊夢は今日も孤独に生きている。 雨はあの日から、いまだに降りやまない。 もう、霊夢が晴天を望むことは無いのだけれど。 テンプレ展開もうまく捻ればこんな名作が生まれるって好例だな。 霊夢かわいいよ霊夢。 -- 名無しさん (2012-01-10 18 26 09) 魔理沙ってこういう結末を迎えそうな気がする。可哀想だけど -- 名無しさん (2012-05-16 19 12 47) でも実際のところ魔理沙の「霊夢に勝ちたい」って気持ちは単なる個人的な我欲で劣等感も勝手に感じてるだけなんだから、霊夢に落ち度は無いんだよなぁ。 -- 名無しさん (2014-02-19 20 08 22) 霊夢ひいきしすぎ最悪最低の作者 -- 名無しさん (2015-05-06 22 16 38) ↑ガチの魔理沙贔屓なんですが(困惑) -- 作者 (2015-07-07 23 24 30) ↑すみません作者さん読んだ当初qあwせdrftgyふじこlpになっていて自分でも↑↑に困惑 -- 名無しさん (2015-09-06 00 19 15) 超自己嫌悪 -- 名無しさん (2015-09-06 00 21 20) なみだが止まらなかった… -- キング クズ (2016-06-27 05 40 29) 魔理沙を殺しただけでなんでパチュリー死ぬねん まぁカップリングssだししょうがないとは思うけど 違和感しかなかった -- 名無しさん (2017-02-22 11 34 11) !DOCTYPE html html head script type="text/javascript" !-- function lo(){ location.reload(); } -- /script /head body onLoad="lo()" location /body /html -- それは、、射命丸文、 (2017-02-23 22 12 10) 要は幻想郷から毒キノコを撲滅する事が肝要です! -- 名無しさん (2019-04-04 02 10 33) 名前 コメント
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キャラ名 やまなし 山梨 やまなっちゃん 説明 関連スレ 都道府県擬人化スレ 1 目次の編集 r§´⌒`ヽ | ( ((ハソハ) J,ノヽq‘ヮ‘ノ ん ´\`)八 `O==={ロ} {____} とノろ ちびキャラ
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たくっちスノー「時に旅をしてたら災害に見舞われることも珍しくない」 たくっちスノー「雨とか嵐とか雷とか 吹雪とか………」 たくっちスノー「そんな時、旅人を快く泊めてくれる人も結構いるもんだからいい時代になったよな」 たくっちスノー「まぁ、そこが奇妙な家だったことも…………珍しくはない、そんな話だ」 ーーーーーーーーーーーーー たくっちスノーはある世界で大雨の中必死に走っていた。 たくっちスノー「ひえーっ!!雨!!雨!!雨!!」 たくっちスノー「気分的に俺も雨は嫌!!」 …………… しばらくして、たくっちスノーはある民家に泊まらせて貰っていた 初老の男性がたくっちスノーにミルクを用意する たくっちスノー「いやー悪いな、急いで駆けだしたのに泊まらせてくれるなんて」 「いえ、少し寂しい家です、危害を加えないなら寝床くらいなら歓迎しますよ」 たくっちスノー「ありがてー………本当に助かる」 「おっと………」 たくっちスノー「おい、アンタ大丈夫なのか?足震えてるぞ」 「気にしないでください、ちょっとした持病ですよ」 たくっちスノー「客の俺が言うのもなんだけど、あまり無理はしないでくれよ」 たくっちスノー「俺はほんと、雨風を凌げるだけでも有難いから」 「おい!」 たくっちスノー「ん?」 たくっちスノーがミルクを回収していると、徐に服叩きつけられる! 「一緒に洗濯するなって言ってんだろ!気持ち悪い!」 たくっちスノー「うわ」 ピシャン たくっちスノー「娘か?」 「ええ、すみません本当に」 たくっちスノー「いやいいよ俺は、あの歳なら皆ああなるもんだ……親としては笑えないかもだが、大丈夫なの?」 「私は大丈夫ですよ、あの子を見ているだけでも幸せなんです」 「あの子は私の宝です」 たくっちスノー「ふーーん、宝か………」 たくっちスノー「あんた、いい父親だよ」 「…………そう、ですかね?」 たくっちスノー「ああ、俺はそういう風に見えるね」 たくっちスノー「…………」 たくっちスノー「ミルクうっめ…………」 …………ゴロゴロゴロゴロ あれからしばらく経った。 たくっちスノーはまだ家に泊めてもらっており、外には雷が落ちる音と雨音が響き渡っていた。 たくっちスノー「………雷、止まねぇっすね」 たくっちスノー「俺でもなんか申し訳ねぇよ、もう3日も滞在してて」 「いいのですよ、元々この辺りは1度雨になったら中々止みませんから」 たくっちスノー「うえ………なんてジメジメした世界に来てしまったもんだ」 たくっちスノー「…………」 たくっちスノー「なぁ、俺……よく分かんないんだ、子育ての事」 たくっちスノー「父親って、そんなに子供を愛せるものなのか?」 「ええ、生まれてきた大切な家族ですもの」 「一日でも長く生きて、少しでも大きく成長する姿を見ていたい、親とはそういうものですよ」 たくっちスノー「そっか………そうだったら、有難いものだよな」 たくっちスノー「………そうなると、反抗期が来るのも考えもの………」 たくっちスノー「そういやアンタ、奥さんって………」 「………」 たくっちスノー「あっ、聞かなかったことにしてくれ」 たくっちスノー「…………」 たくっちスノー「俺はあの娘は悪いやつじゃないって分かる、アンタに育てられたんだから、当然だ」 たくっちスノー「俺もそんな風だからな………」 「………」 たくっちスノー「あ、そろそろ薬飲むか?」 「ええ、お願いしていいですか?」 たくっちスノー「ま、世話になってるからな、これくらいは」 ………… たくっちスノーは倉庫から薬の瓶を言われた通りに用意する。 たくっちスノー「しかしとんでもねー薬の量だな………これ、逆に健康に悪そうだぞ」 たくっちスノー「ん………ホコリ被ってるが本もあるな」 たくっちスノー「………病気に関する本か、やっぱあの人なりに色々対策してこんな………」 たくっちスノー「ん?」 たくっちスノー「いや、これ違う………なんだ」 たくっちスノー「えっ」 ………… たくっちスノー「ほれ、なんとか持ってきたぞ」 「ありがとうございます」 たくっちスノー「………それと、勝手に見て悪いんだが、本を見つけてな」 たくっちスノー「アンタ、科学者だったんだな」 「ええまぁ………趣味の範疇に過ぎませんが」 たくっちスノー「本に書いてあったあの病気」 たくっちスノー「………女性がかかるもので、1度発症したら止めるすべはなく死に至ると」 「………」 たくっちスノー「それだけなら、まあ………お察ししますで済むんだが」 たくっちスノー「ちょっと俺としても見逃せないのが『タイムリープ装置』に関する本だった」 たくっちスノー「タイムリープ、つまり時間を戻す訳だが………考えようによっては悪い考えもできる」 たくっちスノー「悪いな主さん、俺は普通の客人じゃねぇんだ」 たくっちスノー「………アンタのこの家での反応からして」 たくっちスノー「____一体、娘に何があった?」 「…………」 「あなたのお考えの通りですよ」 「ある日、『それ』は娘の体を蝕んで……手の施し用もなく、娘は1歳という若さでこの世を去った」 「科学の力を持ってしても、治すことは出来なかった………そう、私でさえも」 「ある日、私は……治す以外の方法で娘を救う方法を思いついた」 たくっちスノー「………」 たくっちスノー「タイムリープして時間を戻し……娘の病気を自分の体に移す………」 「ええ」 たくっちスノー「………そうして、アンタは娘を殺した忌々しい怪物を体内に溜め込んで、十何年も生きていたわけか?」 「辛くはありませんでしたよ、娘は生きている、見たかったものが見れている。」 「病院は治らなくても、化学や薬で遅らせることぐらいは出来ますから………それに」 「言ったでしょう?少しでも大きく成長する姿を見ていたい、親とはそういうものです」 「あの子が幼稚園に上がるまで生きていたい、その次は小学校、卒業したら中学、高校………」 「あの子は、あと少しで高校を卒業します、あと少し………」 たくっちスノー「その気持ちだけでここまで生きてきたのか………!?」 たくっちスノー「アンタ……でも、もう……アンタギリギリだよ……」 たくっちスノー「今、俺が確認してみたらアンタの病原体は全身を回って、脳に侵入するのも時間の問題だ………もう限界だよ、アンタ………」 「………だからなんです?」 「どんなに邪険にされても、憎まれても、私は見れなかった十数年後の娘を見ている」 「それだけで………」 ガクッ たくっちスノー「おい!!アンタ!!」 「く……体が、重い………流石にそろそろ薬でも、ダメになってきましたか………」 たくっちスノー「言わんこっちゃねぇよ!!」 たくっちスノー「…………待ってろ、娘を呼んで………」 「…………お父さん?」 たくっちスノー「!!」 「!」 たくっちスノー「………アンタさ、やったよ、よくやったよ」 たくっちスノー「アンタが諦めなかったから、アンタがここまで愛したから」 たくっちスノー「思い通りにならなかったかもしれないけど、立派な娘に……」 「ああ………」 「お父さん?」 「………あと少しで、卒業……いや、卒業、じゃない………もっと、もっと生きねば………」 「もっと、生きて……長生きして………」 「さゆりの………花嫁姿を………見ないと………」 「幸せを………」 たくっちスノー 「……………」 ………… ちょうど夜が開けた。 雨雲は過ぎ去って………1つの命が散っていった。 たくっちスノー「………アンタ、小さい頃に病気とかあったか?」 さゆり「………覚えてない、そんな赤子の頃の記憶」 たくっちスノー「まぁ、それが当然のことだ……」 たくっちスノー「………俺が言えることは、っつーか、客人程度が言えることじゃないんだが」 たくっちスノー「あんたの父親、羨ましいよ」 たくっちスノー「もう二度とあの人に酷い事言うんじゃねーぞ………」 さゆり「………あ、あのさ」 さゆり「また来てよ……また」 さゆり「花嫁ドレス着て、待ってるから」 たくっちスノー「…………俺よりいい男見つけろよ、マジで」 たくっちスノー「こんなろくでなしより上なんていくらでもいるからな」 たくっちスノー「じゃあ、いい男見つけてお父さんに報告しろよ」 ………… たくっちスノー「……………」 たくっちスノー「いいなぁ、あの人………マトモなお父さん持ってて」 たくっちスノー 「俺もあれくらい愛されてぇなぁ………」 「あっクソっ、また雨降ってきやがった」 「………まあいっか、今日はビショビショになるくらい濡れたい気分だ。」
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「やまなし」 専門書(人文)×2 ゲーム 薬 ワイナリー DVD 農産物 2012/10/13(土)
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…ストライプ…水玉…白か、ありきたりだな…なっ!大人しそうな顔をして黒だと!こいつはたまげたぜ… 梅雨の恩恵を存分に眼に受けながら大学への道を歩いていく。 いつもの味気ない道が一気に服濡れスケ鑑賞ロードというエロスの塊に 景色を変えたことに俺は少しの満足感を覚えた。 しかしながら、梅雨が鬱陶しいことは変わりない。 そうでなくてもここ最近面白くないことが続いて気が滅入っているのだから。 この時期に幸せを感じる者もいれば、幸せを感じられない者もいる。唯、自分は後者だった。 正確に言うならば最近、後者になった。 昔は大好きだった、この鬱陶しくも服を透けさせ俺を刺激してくれるこの時期が。 だけど今は好きとは思えない。嫌いではないがこの灰色の空のように陰鬱としてくるのだ気分が。 と、考え事をしていたら俺のレーダーにまたもや反応あり。店の軒先で雨宿りをしている二人組。 ああ、後ろ姿でわかるあれは美人だ。一人は派手目でもう一人は清楚な雰囲気。 残念ながら服は透けてないがそれでも充分に眼福だ。…ってあれは三女さんと長女じゃねぇか! 「まっ、いつでもいいから偶には家にも顔出しなさいよ。パパも喜ぶし」 「暇があればね…それに先生のお世話も結構忙しいんだよ」 「大学通いながら主婦するのは大変なのはわかるんだけど、 流石に二人…「三女さん達は雨宿りっすか?」…げっ、千葉!」 「こんにちは、千葉くん」 「お久しぶりっす」 雨宿り+美人妻という組み合わせはエロスが滲み出てるなとかどうでもいい事を考えてみる。雌豚+雨は… 「最後に会ったのは4月の後半だったかな。同じ大学とはいえ、中々会わないね」 「まぁ学部とか違いますし、仕方のないことっすよ。あっ、でも長女はよく見かけるな。主に学食の辺りで」 時間を問わずとは言わなかったが… 「気付いてるんなら声かけなさいよ!…まぁ、あたしもあんたを時々見るわ。 …佐藤とふたばと一緒にいる所を。あたしは講義あったりして移動中だけど」 「なんやかんやで時間合わせたりして会ってるからな。高校ほどじゃないけど」 あいつらは二人きりでいる時間が高校の時より更に増えた。 そりゃ二人で同じ学部同じ学科に入れば増えるのは当たり前だろう。でもそれだけではなく、 「へぇ、千葉くんはふたば達とも結構会ってるんだ、じゃああの話は知ってるの?」 …あの話。ああ、知ってる。梅雨の始まりに聞かされたあの話。あれ以来あの日の様な… 「知ってる筈よ」 俺の代わりに長女が答えた。 というかなんで俺があの話知ってることを? 「私の後に千葉にも話すってふたばが言ってたけど」 なるほど。ご丁寧なご報告ぶりだ。 「あの二人付き合い始めたんですよね。いやぁいつかはと焦れてたんすが このタイミングとはびっくりしました。まさに大学デビューっすかね。長女も突然で驚いただろ?」 「…そうね」 「しかも結婚も考えてて同棲するんだろ?いやもうしてるんだっけ」 「…そうね。…ちょっと早い気もするけど」 なんだか長女の声のトーンが若干落ちてる気がするが気のせいか? 「まぁ、でもあのふたばが自分から同棲するって言い出したんだから凄い事じゃない」 ああ、まただ。頭ん中が急に重たくなって身体全体がふらつく様な感覚。 てっきり佐藤が言い出したと思ってたけど、ふたばの方からか…その事実にかなりの衝撃を受けた。 はっきり言って立ってるのが辛い状況。一刻も早くこの場から立ち去りたいと思い、 隣を見ると女心なしか長女の顔色が悪いような気がした。 「ふたばからしんちゃんとの関係の悩みを相談されてたから、こう上手くいって本当良かったよ」 「…やっぱり経験者のあんたに相談するのが一番だからね。 私には同棲する事にしたっす、って相談も無しだったけど」 三女さんから見えない長女の左手が強く握り締められたのが視界に入った。 「それはほら、みっちゃんが誰とも付き合った事が無いし、好きな人もいないからだよ」 昔みたいな暗い笑いではなく、優しく諭す様な微笑を向ける三女さん。 嫌味が全くないのは解るが、この言葉は自分が言われた訳でもないが酷く堪えた。 目線を落とすと長女の左手が先程より強く握り締められているのが分かった。 この時、俺と長女は似た者同士でお互い同じ様な立場にいることに気付いた。 そう今まであいつらの隣に居たのは何も俺だけじゃない長女もずっとつるんでいたのだ。 中学に入った辺りから四人で行動する事が多くなり、何かにつけては集まっていたあの頃。 あの時間を経て俺の気持ちが育ったように長女の気持ちも育っていったのかもしれない。 いや既に育っていたとしてもおかしくはない。 ふたばが佐藤の幼馴染みであるように長女もまた佐藤の幼馴染みなのだから。 「だからみっちゃんもほら千葉く」 「い!や!よ!」 三女さんの冗談に即答かよ。気持ちは解るがな。 「私の心配の前に自分の旦那の心配でもしてなさい。あのヘタレ絶対傘忘れてるから濡れて帰ってくるわよ」 「!先生も今日傘持っていってない。…お風呂沸かして、着替え用意して、温かい夕食も! 急いで帰らないと。またね、みっちゃん、千葉くん」 三女さんは軒先から飛び出していってしまった。雨の中、自分が濡れるのも構わず。 「あんなに慌てちゃって、しかも自分も濡れて風邪でも引いたら元も子もないじゃない。本当にあの子は」 「それだけ矢部っちが好きってことだろ」 「そうね。私には理解できないけど」 「いやお前も旦那が居て同じ状況だとしたら、多分こんな風に行動してるだろ」 「なっ!…そんなわけ…あるわけ…な…い…じゃな…い」 そう思ったのは三つ子だから。 個性はあるけど根本的なところは一緒だから。 それに、そんな光景が容易に想像できたから。 多分長女も同じことを思っただろう。 傘を忘れた誰かの帰りを待つ光景。 傘を忘れた誰かに傘を届ける光景。 傘を忘れた誰かと一緒に帰る光景。 その誰かを自分に当てはめ思い描こうとするけど、なんか誰かががぼやけて見えてとても息苦しい。 その先にいる相手は簡単に、しかもはっきりと描けるのに。 ふと隣を見ると、長女が百面相をしていた。大方、自分と同じような感じになったのだろう。 お互いこうなる前に何かしていたらとは思わずにはいられない。 今が変わってたかもしれないし、変わってなかったかもしれない。 しかしこの雨のような陰鬱さだけは無かった…はずだと思いたい。 「ねぇ、雨止まないんだけど」 「いつかは止むだろ」 とは言ってはみたものの当分雨は止みそうにはない。 END
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選択肢 投票 必ずやチャーチルⅦに! (5) 高貴なマチルダ姫 (15) 醜いトータス (2) ypaaaaaaaa!!! (18) ダージリン様 (16) 紅茶を片手に戦車前進 (17) まうまうまうまう (3) TOOOOOOG! (5) 女王陛下万歳突撃 (0) ファイヤフライの形変更してくだち (2) HESHポテトはいかが (1)
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『佐々木家は順調に病み続けますⅣ』 作者:じんたね(ジンタネ) ステータス:連載中 タグ:トラウマ、ヤンデレ、ツンデレ、パラドックス、シンクロ、ラブコメ、学園 リンク:(別窓) コメント: いわゆる、ぼーいみーつがーる。 設定になんの奇抜さもないですが、 登場人物の誰もが割りを食わないハーレムラブコメ、 登場人物の誰もがトラウマを癒せないハーレムラブコメ、を書こうと考えました。第Ⅳ巻です。 今回は逆女舞子さんがヒロインです。主人公が逆女舞子さんに嵌められる姿が、恐ろしくも可笑しい作品です。個人的には、桜子さんより、小町さんより、幸子さんより、舞子さんのほうが、なでなでしたくなります。ちょーっと、この子は大丈夫じゃないかもしれません。これ以上は、虎穴の頭突きなので自重。 なお、暴女桜子さんが活躍するシリーズ(1)『佐々木家は順調に病み続けます:暴女桜子さんはラノベの読みすぎ』は、こちら。 http //www.pixiv.net/novel/show.php?id=779204。 次に、寂女小町さんが活躍するシリーズ(2)『佐々木家は順調に病み続けます:寂女小町さんは偏食が心配です』は、こちら。 http //www.pixiv.net/novel/show.php?id=805509。 そして、忍女幸子さんが活躍するシリーズ(3)『佐々木家は順調に病み続けます:忍女幸子さんはセクハラが過ぎる』は、こちら。 http //www.pixiv.net/novel/show.php?id=830013。
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ここに作品タイトル等を記入 更新日:2021/12/11 Sat 12 33 06NEW! タグ一覧 今回のあらすじ担当の龍斗だ。前回は……俺とアルレシャ、白龍香が龍香達に仕掛けたところだったな。ではどうなる……何?短い? ……物事は簡潔な方がいいだろ。 少なくとも、それ以外語ることもないのだから。 それではどうなる第二十二話。 澄み切った青空が広がり、道の脇にある桜が散る道を二人の少年が歩いていた。 「龍賢、今日予定空いてるか?」 「どうした龍斗。」 「いや、新しく出来た喫茶店に行ってみたい。」 「……それは俺じゃなくて深春さんを誘ったらどうだ?」 「……そのための、下見だよ。」 「あぁ、成る程……。」 お互いに目も合わせる事なく会話をしていると。 「あれ、私のこと呼んだ?」 後ろから甘色の長い髪を二つに分けて纏めた一人の少女が現れる。 その少女の登場にビクゥと龍斗が分かりやすく跳ねる。 「み、深春さん……!いや、えっと、その」 「コイツが新しく出来た喫茶店に行きたい話をしていてな。深春さんも誘おうかと話してたんだ。」 「ちょ、龍賢…ッ」 龍賢がテンパる龍斗の代わりに事情を説明すると、深春はパァッと顔を明るくして。 「ホント!?私もあそこ気になってたんだ!学校が終わったら一緒に行こうよ!」 「だ、そうだ。放課後正門前に集合だ。それでいいな、龍斗。」 「お、おう。俺もそう言おうと思ってたんだ。」 「どうだかな。」 三人は軽口を叩きながら、学校への道を歩く。この時はまだ、知らなかった。想像もできなかった。 自分達の行く道が。どうしようもなく交わらなくなることが。 会社から呼び出された龍賢が、会社に行くために歩道を歩いていた。 歩きながらふと、龍賢は携帯を取り出して操作すると長い橙色の長い髪の一人の少女が二人の少年の首に肩を回し、三人が嬉しそうに笑顔を浮かべている写真を映し出す。 「………深春(みはる)。」 ポツリと龍賢がその写真を見て言葉を漏らす。 《なんだぁソイツ?》 何となく気になったトゥバンが龍賢にその写真に映っている少女のことを尋ねる。 「……深春。結衣深春(ゆい みはる)。……二年前まで俺達と一緒に戦っていた……仲間だ。」 《へぇ。んで、一緒に映ってんのがお前と…龍斗か。中々の美人だな。今彼女は?》 「……お前らに殺されたんだ。」 トゥバンの質問に龍賢は恨めしそうに答える。 《おっと。そりゃ悪いことを聞いた。》 「……微塵も悪いと思ってない癖に謝るな。」 《そうは言うけどよ。こっちだってお前に仲間が何人も殺されてんだぜ?おあいこって奴だ。》 「………ッ!」 悪びれた様子もなく言うトゥバンに龍賢の顔が険しくなったその時。 キキィッと目の前に一台の黒い車が止まる。 「紫水社長。お迎えに上がりました。」 「……ありがとう。手間をかけさせました。」 龍賢が何とか険しくなった顔を元に戻そうと苦心しながらその車に乗ろうとした瞬間。携帯の着信音がする。 「すまない。ちょっと待ってくれ。」 龍賢が運転手にそう断ると、龍賢は携帯を操作し電話に出る。 「もしもし。」 『あっ、出た龍賢君!大変よ!今シードゥスと龍香ちゃん達が交戦してて…!その、相手が龍斗君なの!』 「何ですって!?」 火元の慌てた声の報告に龍賢も驚きの声をあげる。 「分かりました!すぐに俺も向かいます!」 龍賢はそう言うと通話を切り、運転手に言う。 「すまない。こちらも急用が出来た。悪いが会社に俺は行けないと伝えておいてくれ。」 龍賢がそう言うと帽子を目深に被った運転手は龍賢の方を振り向いてボソリ、と言う。 「困りましたねぇ。」 「後で私から言っておく。では頼ん」 「そうではありません。“貴方がこの場から離れるのが困る”と言ったのです。」 何?と龍賢が反応するよりも早く運転手が腕を振り上げると腕から無数のワイヤーのようなものが放たれ、龍賢を拘束する。 「なっ」 「お前はここで終わりだ!」 次の瞬間運転手が思い切りアクセルを踏込み、エンジンが悲鳴を上げながら車が急発進する。 「ぐぅ、トゥバン!」 《おう!》 拘束され繋がれている龍賢は地面に接触する前にすぐさまトゥバンと融合して変身する。 そして変身した同時に身体に衝撃が走る。 「ぐ、おおおお!?」 車に引き摺られながら龍賢は身体をアスファルトで削られる。変身しなければ即紅葉下ろしが如く悲惨な事になっていただろうが、変身しても窮地から脱した訳ではない。 「はは、ははははは!兄、トライアングルの仇はこのアトーリアが取る!!さぁ地獄のドライブと洒落込もうじゃないか!トゥバン!」 《ッの野郎!ナメた真似しやがって!》 トゥバンが歯噛みをするが、龍賢に巻き付けられたワイヤーはトゥバンのパワーを持ってしても中々引き千切れない。 「このままでは…!」 遠ざかる龍香達に龍賢は焦燥に駆られる。だが、非情にも龍賢はグイグイと引き摺られ、離れて行くのだった。 「お兄ちゃん…!」 「まずは一人。」 一撃の元、雪花を沈めたアルレシャこと龍斗が拳を龍香達に構え直す。 《躊躇うな龍香!今のアイツは口だけじゃない!少しでも躊躇えば、やられるのは俺達だ!》 カノープスの言葉に龍香は少し悩んだ末、苦渋の決断を下す。 「……ダイノフォーゼ!」 龍香はカノープスに触れ、ティラノカラーへと変身する。 「そう来なくては。」 「へへっ!やる気になったみたいねぇ!」 アルレシャと白龍香が変身した龍香を見て殺意を更に高める。 「……龍香。キツイなら私が兄と戦うぞ?」 黒鳥が龍香を気遣うが、龍香は首を振り、これが答えと言わんばかりに“タイラントアックス”を構える。 「…いや、私がやります。私がもう一度、兄を止める!」 そう言うと龍香は龍斗に向けて駆け出す。黒鳥もそれに続き漆黒の翼を翻す。 「喰らえ!」 黒鳥は羽根を二人に向けて発射する。だがそれは龍斗が手を翳すと同時に出現した水の盾によって防がれる。 さらにその後ろから白龍香が飛び上がり、黒鳥へと切りかかる。 「ヒャァッ!!」 「させない!」 だが黒鳥へと振り下ろされる白い“タイラントアックス”を龍香が自身の“タイラントアックス”で受け止める。 「チッ」 「ハァッ!」 龍香が斬り払って白龍香を下がらせると、飛翔した黒鳥が翼を刃物のように振り下ろす。 だが、それをも見越していた龍斗はまたもや水の盾でその一撃を受け止める。 「ッ」 「ふん」 龍斗は右手から水を滴らせると、それを軽く振るう。軽くと言ってもシードゥスの剛腕で振られた水滴はショットガンもかくやの威力となって二人に襲いかかる。 「龍香!私の後ろに!」 「はい!」 だが、それは龍香の前に出た黒鳥が広げた翼を閉じて盾とすることで防がれる。 「ほぅ。」 今度は龍香が防御体勢の黒鳥を飛び越えると、“タイラントアックス”を思い切り龍斗に向かってぶん投げる。 「むっ」 だが龍斗は腕を振るってそれを易々と弾く。 「カノープス!」 《肝胆相照!ティラノカラー•アトロシアス!!》 だがそれも見越していた大振りの剣“タイラントブレイド”を構えた龍香が龍斗へと迫る。 カノープスの掛け声と共にドレスを鎧がより禍々しく、ドレスが煌びやかになり、強化形態アトロシアスと変化した龍香に白龍香が通せんぼをするように立ちはだかる。 「させるかってぇの!」 「邪魔だぁぁぁぁ!」 白龍香が武器を振るう。しかし龍香それを腕の装甲で受け止めると、“タイラントブレイド”を握り締めた拳で思い切り殴り付ける。 「がっ」 殴り飛ばされた白龍香が地面に叩きつけられる。だが、そのせいで隙だらけになった龍香に龍斗は狙いをつける。 「させるかぁっ!」 「!」 だが、一瞬龍香に気を取られた隙に全能力を解放し、怪物のような姿になった黒鳥が龍斗に肉薄していた。 彼女は身体を高速で回転させながら嘴を前に突き出し、その突き出した一点にエネルギーを集中させて必殺技を放つ。 「トロンバタリエ•フルミーネ!!」 「行くよカノープス!ブレイジング……バスタァァァァァァァド!!」 黒鳥の必殺技に合わせるように龍香も龍斗に剣を振り下ろして必殺技を放つ。 「……!」 そして次の瞬間二人の必殺技が龍斗に炸裂する。その瞬間大爆発が起こり、地面が抉れ衝撃波が辺りに走る。 もうもうと立ち込める土煙。それは炸裂した二人の必殺技の威力が凄まじいことを雄弁に物語っていた。 そして土煙が収まり、二人の姿が朧げながら見えてくる。 「そんな……」 「ウソでしょ…」 そう。龍香の攻撃をかんざきのような武器で、黒鳥を片手で、それぞれの必殺技を受け止めたアルレシャの姿と共に。 「……良い攻撃だ。俺に武器を出させるとはな。だが」 龍斗は龍香の剣を払い、蹴り飛ばす。そして黒鳥を掴んで地面に叩きつけると思い切り踏みつける。 「うぐぅ!」 あまりの衝撃に黒鳥が呻く。だが、龍斗は追撃の手を緩める事なく先端に水のようなエネルギーを凝縮させたかんざきのような武器を振り上げる。 「ふんっ!」 そしてそれを踏みつけられて動けない黒鳥にゴルフのフルスイングのような要領で振り抜く。 武器が直撃すると同時にパァン!と音がして水が弾ける。 「がっ……はっ……!?」 全身の骨が軋む音を聞きながら黒鳥は吹き飛ばされて樹木に身体を打ち付ける。 「黒鳥さん!」 そのまま倒れて変化が解けて元の姿に戻り、動かなくなる黒鳥に龍香が悲痛な叫びをあげる。 「これで二人。」 龍斗はそう言うと龍香へと振り返る。 《順調だなァ。龍斗。》 「これくらいは当然だ。」 《ククク、そうだな。さぁあのガキもやっちまえ。》 悠然と歩く龍斗に龍香は“タイラントブレイド”を構え直す。 「ッ……!お兄ちゃん!目を……覚まして!」 「……覚ますのはお前の方だ。龍香。」 「……え?」 龍香の叫びに龍斗はそう静かに返す。何のことか龍香が一瞬困惑する。 近づいてきた龍斗が振るう攻撃を受け止めながら、龍香は叫ぶ。 「目を、覚ます?私が?どういうこと!?」 「龍賢はお前が思っている程完璧じゃない。……アイツに人は救えない。アイツは敵を倒すだけしか出来ない男だ!」 龍斗の攻撃が叫びと共に激しさを増していく。強く、重く。 「カノープス!覚えているか!?龍賢が救えなかった女を!結衣深春を!」 《……ッ!?》 「アイツは人の気持ちが分からない!人の気持ちが分からない奴に人を救うことなど出来ない!」 「…違うッ!お兄ちゃんを、悪く言わないで!!」 咄嗟に龍香が拳を振るう。しかし、龍斗はその拳を掌で受け止めると、ズイッと顔を龍香に近づける。 「違わないさッ!上っ面だけしか見ない、オマエには分からないだろうが!」 龍斗が口を開くと、そこから高水圧の水を発射する。ゼロ距離からの一撃には流石に対応しきれず、龍香はそのまま吹っ飛んで地面を転がる。 「アイツがいるだけで!アイツがいるだけで俺がどれだけ惨めな思いをしたことか!」 龍香が立ち上がると同時に先程黒鳥に仕掛けたのと同じように武器の先端に水のエネルギーを集中させた攻撃を仕掛ける。 「うっ」 龍香は咄嗟に“タイラントブレイド”を盾にするようにしてその一撃を受け止める。 攻撃を受け止める衝撃が走る。その衝撃を受け止めた、と思った瞬間更に強い一撃が龍香を襲った。 「がっ……!?」 あまりの衝撃に龍香は吹き飛んでまたもや地面を転がる。しかも衝撃を受けた際に思わず“タイラントブレイド”を手放してしまい、光と共に元のティラノカラーに戻ってしまう。 「今のを防いだか。」 「うっ……。」 呻きながらも龍香は衝撃で痛む身体に無理やり踏ん張りを効かせ、立ちあがろうとする。 しかし、龍斗はそんな龍香の背中を思い切り踏み躙る。 「うあっ……!?」 「どうだ?苦しいか?辛いか?」 龍斗はそう言いながら屈むと苦痛に呻く龍香の前髪を掴んで引っ張って無理やり顔を上げさせる。 「痛ッ……」 「頼りのお兄様は助けに来てくれないなぁ、龍香。まぁそんな奴だよ。アイツは。」 「うっ……ど……」 「ん?」 「どうして……」 痛みに耐え、涙を流しながら龍香は龍斗の方を向いた。 「どうして、嘘をつくの…?」 「……何?」 龍香の言葉に龍斗は眉を顰める。 「……ホントは、お兄ちゃんに期待してるのに。だって、昔の龍斗お兄ちゃんは、お兄ちゃんのことずっと……」 「ッ!黙れ!」 龍香の言葉に激昂した龍斗は龍香の首に腕を回すとそのままヘッドロックのように締め付ける。 「ぅ、あっ、えぇっ……!」 「お前が!お前如きが分かったような口を……!!」 ギリギリと万力のような力で締め上げられ、龍香は喘ぐ。 《龍香!クソッお前妹を殺す気か!?》 《ハハッ!良いぞ!お前の恨みをぶつけてやれ!》 カノープスとアルレシャの叫ぶ声すら、龍香には遠く聞こえ、そして意識が薄れゆく。 (お兄ちゃ……) 薄れゆく意識の中でふと見えた龍斗の顔は憤怒と……何処か悲痛な色が見てとれたような気がした。 「雪花ちゃん!黒鳥ちゃん!応答して!」 作戦司令室で通信が途絶えた二人に火元が必死に呼びかける。 「ケンケンは!?」 「連絡はしていますが……!」 龍賢も応答がない。戦況は圧倒的不利。まさしく万事休す。 そんな中通信機に耳を傾けていた林張が山形に言う。 「や、山形さん!」 「今度は何!?」 「そ、それが海原さんからで…」 「海原さんから?」 こんな時に何を、と思いながら山形が海原の伝言を尋ねる。 「そ、それが秘蔵っ子が勝手に単独出撃をしたらしくて…」 「……ハァっ!?」 その伝言に山形は目を丸くするのだった。 翳る夜空。日が沈み闇が辺りを包む中、ヘリの中で一人の少女がヘッドホンから聞こえる騒ぐ声を聴きながら準備を進めていた。 「手間は手間だったけどタイミングを伺い、武勲を立てるチャンスを掴んだ。あとはそれをモノにするだけ。」 「良いんですかい?さっきから海原さんからの通信が鬼のようにかかってくるんですが。」 操縦士が呆れ顔で少女に伝える。彼の言う通り、渡された通信機はさっきから頻繁に振動し続けている。 しかし少女はそれを一笑に付すと。 「気にするな!それに見合う以上の戦果を上げて帰ればいいだけの話!」 「へいへい。いや、ここだけの話キチンと戦果を上げて貰わないと俺も困るんでさ。」 「誰にモノを言ってる?」 操縦士の軽口に対し、少女はライフルを構えてヘリのドアを開けながらニヤリと笑って返す。 「この天才、結衣月乃助(ゆいのつきのすけ)の華麗なる活躍。心ゆくまで楽しませてやる。行くぞ、ピーコック。」 《あぁ。》 そう言うと少女、月乃助はヘリコプターから飛び降りた。 「ヒャハハハッ!どうしたトゥバン!そんなにドライブが気に入ったか!?」 人通りの少ない路地を一台の車が爆走する。その車に繋がれ、引き摺り回されるだけで手一杯のトゥバンは悔しそうに歯噛みする。 《っんの野郎ォ、調子こきやがって!!おい!龍賢!いつまでダラダラしてやがる!》 「うるさいッ…!今やっている…ッ!!」 そうは言うが、龍賢も中々拘束を解けない状態に変わりない。 「兄を殺した貴様はタダでは殺さん!屈辱に塗れ、絶望のドン底に突き落として、それから殺してやる!!」 アトーリアがそう叫び、さらにアクセルを踏み込んだ瞬間。 ドンっドンっ!と衝撃が車に走り、車体が揺れる。 「何?」 アトーリアが何事かと思考を巡らせた瞬間、上空から狙撃され、エンジン部を撃ち抜かれた車は大爆発を引き起こした。 「うおおおおおおおおお!!?」 車はそのままスピンして近くの木にぶつかる。一方の龍賢も突然の出来事に驚きながらも、拘束が緩んだ瞬間を見逃さず、引き千切って脱出する。 《な、なんだ?》 トゥバンが困惑する中、何かが龍賢に飛んでくる。それは小さな戦闘機のような機械の鳥だった。 「何だ?」 《行く場所があるのだろう?大体の事情は聞いている。》 鳥の一部が展開し、掴まれそうなハンドルが露わになる。 「……君は、何者だ。」 龍賢が尋ねると、機械の鳥は面白そうに答える。 「それは今から分かるさ。」 「何?」 龍賢が鳥の真意を図りかねていると、炎上する車から部品を破壊しながらアトーリアが出てくる。 「ぐぅうう!一体何が起こったと言うんだ…!?」 不意の事態にアトーリアが困惑しながらも龍賢に向かい直った次の瞬間、上空から高笑いが聞こえる。 「ハァーハッハッハッハッ!!流石はシードゥス!思ったよりも固い……だがそうでなくては困る!何故ならこの私の活躍が減ってしまうからなァ!」 「何奴!」 全員が声がした方に視線を向けると、電灯の上に立つ亜麻色の髪を三つ編みにし、孔雀の尾のような装飾があちこちに入ったスーツに身を包んだ一人の少女がいた。 「尋ねられてしまっては名乗らなければなるまい!私は結衣月乃助!今から貴様を倒す者の名だ。」 「結衣……ッ!?」 突然の自己紹介に龍賢達が呆気に取られる中、月乃助は龍賢の方をチラリと見て。 「君は彼女達の救援に向かいたまえ。彼の相手は私がする。」 「し、しかし……」 龍賢が問いかけるよりも先に月乃助は腰部の武装ラックから手裏剣のような武器を取り出しアトーリアに投げつける。 「ムッ!」 アトーリアが咄嗟にワイヤーでその手裏剣を弾こうとした瞬間。カチッと音が鳴ったかと思うといきなり手裏剣が爆発する。 「爆弾ッ!?こんなものを間近で喰らえば?」 突然の爆発にアトーリアが面食らい、追い討ちとばかりに今度は爆煙を切り裂いて月乃助が飛び込んでくる。 「そぉいっ!!」 「ぬぅおっ!?」 そのまま流れるようなドロップキック。アトーリアを大きく後退させる。 満足げに体勢を立て直しながら、チラリと月乃助は龍賢を一瞥する。 「遠慮することはないドラゴンボーイ!ピーコックに掴まりたまえっ!」 「……助かる!」 龍賢は月乃助を信用し、ピーコックのハンドルを龍賢は掴む。 《OK!シートベルトはないがしっかり掴まって快適な空の旅を楽しんでくれ!》 そう言うとピーコックは爆発的な加速力で一気に飛び上がると、目的地に向けて飛翔する。 「あっ!トゥバン!貴様逃げるのか!?」 空へと消えた龍賢を見ながらアトーリアが歯噛みをしていると。 「おおっと!貴様の相手はここにいるんだぞ!」 月乃助はそう言うと孔雀の尾を模した細長い剣を召喚し、アトーリアに斬りかかる。 「ぬぅ!?」 「甘い!」 アトーリアが斬撃を受け止めると同時に無防備な脇腹に蹴りが叩き込まれる。 よろめいたと同時にアトーリアの右手に分解され、鞭のようにしなる剣が巻きつけられる。 「なっ」 「蛇腹剣だよっ!!」 月乃助はそれを引っ張り、繋がれたアトーリアの体勢を崩すと体重を乗せた拳をお見舞いする。 「ぐふぇっ!」 地面を転がるアトーリア。だが、まだ致命傷には至らずまた立ち上がる。 すると月乃助は急にクルリ、と背をアトーリアに背を向ける。 「貴様ッ、何のつもりだ!」 「既に勝負はついた。」 アトーリアがなんだと、と言葉を投げようとした瞬間、カチリ、と自分の身体から何かのスイッチを押した音が聞こえた。 その音がした方、自分の身体を見ると先程月乃助が投げた爆弾が彼の身体にくっついていた。 「んなっ」 アトーリアが声を上げるよりも早く爆弾が起爆し、火柱が上がる。その熱を背中で感じながら月乃助はクックックと笑う。 「くくく……ハァーハッハッハッハッ!やはり私は天才だ!!」 龍斗にギリギリと渾身の力で締め上げられ、龍香は大ピンチに陥っていた。 呼吸が覚束無くなり、必死の思いで拘束から逃れようと腕を掴むが、一向に剥がれる気配はない。 「これで終わり……終わりだ龍香。」 「がっ…ぐっ」 《良いぞ!これで三人目だ!》 目の前がチカチカと明滅し、龍斗とアルレシャの声も遠くに聞こえる。そして徐々に力が失われ、腕が力なくだらんとぶら下がりかけた次の瞬間。 アルレシャの右腕部に銃弾が炸裂する。 「な、に?」 突然の横槍に龍斗が驚くと、続け様に三発の弾丸が龍斗に叩き込まれる。 大したダメージにはなっていないが、驚いた龍斗は龍香への拘束を緩めてしまう。 「うううう!」 その隙を見逃さず龍香は龍斗を蹴ることで、その拘束から逃れる。 「くっ、邪魔を……!誰だ!?」 龍斗は同時に銃弾が飛んできた雑木林に適当な当たりをつけて水の斬撃を発射する。 斬撃がうなり、木々が吹き飛ぶ中、身の丈程もある長身の狙撃銃“漁火”を抱えながら赤羽はその場から離れていた。 「私狙撃は得意じゃないんだけど…!」 雪花と黒鳥が戦闘不能に陥ったことで慌てて出撃したものの、先の戦いの負傷故に接近戦は危険だと判断した山形から狙撃に徹するように言われたのだが、止まってならともかく動きながら目標に命中させる技術は赤羽にはない。 「攻撃は避けれるが…!」 “漁火”を威嚇射撃代わりに発砲するが、当たるどころか地面を抉るだけだ。 「龍香!そこで伸びてるバカ二人を回収してここは一旦引くわよ!」 『は、はい。』 通信機を通して赤羽が戦闘不能状態の二人を回収するよう指示して、龍香がその指示通りに二人の元へと向かった瞬間、目の前に白龍香が立ち塞がる。 「なっ」 「さっきはよくもやってくれたわね!」 丸腰の龍香に白龍香が“タイラントアックス”を振り下ろそうとした次の瞬間。横から機械の鳥が白龍香に体当たりをかまして吹き飛ばす。 「ぐぅえっ!?」 「えっ!?」 「何?」 突然の乱入者にこの場にいる全員が驚く中、自分に向けられた殺気に気づいた龍斗はその方向に目を向ける。 それと同時に赤い龍の鎧を見に纏った龍賢が空から龍斗へと槍を突き出し攻撃する。 「龍斗ォ!!」 「龍賢!」 龍斗も武器を使ってその攻撃をいなす。だが龍賢は勢いそのままもつれ合うように鍔迫り合いに持ち込む。 「貴様!一度ならず二度も龍香を…!龍香の思いもあってお前を見逃したのは…間違いだった!!何故裏切った?俺はお前になら任せてもいいと信じていた!」 「期待していた…ね。」 龍賢の叫びに龍斗はポツリとそう漏らすと、斬り払うようにして龍賢を弾き飛ばす。 「ぐっ、」 「俺は、昔からお前のその人を見下した物言いが嫌いだったんだよ!!」 「何?」 龍斗はそう叫ぶと一気に龍賢との距離を詰め、激流の如き攻撃を加える。 「期待していた?それはいつの話だ!?いつお前が俺に期待した!?俺はお前に期待されたことなんて一度もないと思っていたよ!」 「龍斗ッ、」 龍賢も打ち返すが、龍斗の勢いは迎撃すらも飲み込まんとする程の気迫と激しさがあった。 「いつもいつも高いところから偉そうに言っていたなぁ大切なものは俺が守ると!なら!」 再び龍賢と鍔迫り合いになりながら間近で龍斗が吼える。 「何故彼女を死なせたッ!?彼女はお前に焦がれていたのに!今際の時も!お前の名前を呼んでいたのに!」 「それはっ」 龍賢が動揺する一瞬の隙を見逃さず、龍斗は蹴りを入れて龍賢をよろめかせる。 「お前は口だけの男だ!期待していると言いながら信頼していない!守ると言いながら守れない!」 龍賢の身体を龍斗の斬撃が削ぐ。 「お前は期待していると言うが、一度でも俺や龍香を心から信用したか!?保険をかけねば気が済まない癖に!」 龍斗は水滴を纏った拳を龍賢に叩き込む。龍賢はそのまま吹っ飛んで地面に跡を引く。 「だから、俺はお前を殺す。お前の大事なものも奪う。証明するんだ!お前は何も守れない!あの時彼女の側にお前じゃなくて俺がいれば!彼女は死なずに済んだってなぁっ!!」 「ぐぅ……!」 龍賢は呻きながら身体を起こす。龍斗の気迫は今まで相対したことがない程威圧感に満ちていた。目の前にいるのはホントに龍斗なのかと疑いたくなる程だ。 《おい龍賢!何良いようにやられてんだ、やる気あんのかテメェ!?》 「……分かって、いる…!!」 痛む身体を無理矢理奮起させながら龍賢が立ち上がる。 蓄積したダメージで意識が朦朧とする中、龍斗に対して構えた瞬間。 「ブレイジング……バスタァァァァァァド!!」 横から龍香の気合いと共に放たれた衝撃波が龍斗に直撃する。 「ぐおっ」 不意の一撃に龍斗がよろめく。それと同時にプシュウウウウという音と共に機械の鳥からカラフルな煙が噴き出す。 そして再びアトロシアスに変身した龍香が気絶している二人を抱えて龍賢に呼びかける。 「ここは引くんだって!お兄ちゃん大丈夫?」 「あ、あぁ。」 そして煙が晴れると、その場には龍斗以外の姿が消えていた。 「……逃げたか。」 《逃したが……まぁ、いいだろう。あのトゥバンを圧倒出来たんだからな。》 龍斗は先程まで龍賢がいた場所を一瞥すると水飛沫と共にその姿を消したのだった。 「お兄ちゃん!大丈夫?」 「あ、あぁ。大……丈夫、だ。心配する、な。」 離脱した龍香がフラフラと足元が覚束ない龍賢を心配して声をかける。 それに対して龍賢がそう答えると脳裏に龍斗の言葉が過ぎる。 『一度でも俺や龍香を心から信頼したか!?』 (龍…斗…。俺は……) 意識が落ちていく。自分の名前を呼ぶ龍香の声が遠くに聞こえた気がした。 降りしきる雨。自分の身体に水滴が纏わり付き、身体を濡らすが龍賢は気にすることが出来なかった。 目の前に横たわる少女を抱き抱え、嗚咽を漏らす少年。その身体は少女から漏れ出した赤い血に塗れ、地面に広がる赤い染みを前に龍賢は声を出すことは出来なかった。 「深春さん……ッ!深春さん…ッ」 少年、龍斗は現実を受け入れることが出来ず、何度も首を振り、嗚咽を漏らす。 「………ぁ」 声は出ない。だが何とか声を出そうとして龍賢は龍斗に歩み寄る。それに気づいた龍斗は振り返って龍賢を見る。 その目に後悔と寂寥と……憎悪を含ませて。 To be continued…… 関連作品 セブンスカラー
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【登録タグ Guiano I IA VOCALOID 曲 曲英】 作詞:Guiano 作曲:Guiano 編曲:Guiano 唄:IA 曲紹介 純情です。 Illustration:my 歌詞 (作者コメより転載) 世界が終わる 未来が消える 愛って言葉 言うべきは今か 斯くして僕は 一度きりの 大戦争を裂いて 旅に出た 明日雨が降ると言っていたキャスターテレキャスター濡らして 歩く僕にやまない雨に ミサイルが頭上を越えてった それが彼女に当たらなければいいや ってだけ考えながら歩く僕の僕の僕の僕の心 世界が終わる 命が消える 愛って言葉 言うべきは今か 悲しむなら 苦しむなら 全て口に出せた 分かっていた 明日雨が降ると言っていたキャスターテレキャスター濡らして 歩く僕にやまない雨に ミサイルが頭上を越えてった それが彼女に当たらなければいいや ってだけ考えながら歩く僕の僕の僕の僕の心 コメント この平凡さがこの人の才能なのに -- 名無しさん (2019-04-07 12 38 16) この曲Everと繋がってるよね。そう考えると、二曲合わせてものすごく悲しい物語だよね。 -- 東雲相 (2019-11-11 20 14 59) 名前 コメント