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?投?打 ポジション 外・一 試合数 打席 安打 打率 二 三 本 打点 犠打 塁打 得点 盗塁 犠飛 四死球 三振 出塁率 通産 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
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森の中で静かに暮らすゆっくりの群れの中に1匹の青リボンのれいむが治める10家族程度からなる小さな集落があった このれいむはれいむ種にしては珍しく、狩りも採集も得意な非常に優れたゆっくりだった また、かなり長生きしていることもあって、その体高は1mにも達する もちろん、れいむ種特有の育児やお歌・踊りの腕前もゆっくりの感性では超一流 「むきゅ~・・・れいむぅ、またありすとまりさがすっきりーしちゃったわ」 「ゆゆっ、またなの?・・・仕方ないね、二人と子どもたちを連れて来てね!」 「もうとっくにつれてきてるわ」 「さすがぱちゅりーだね!とってもゆっくりしててれいむはゆっくり出来るよ!」 補佐のぱちゅりーの話を聞いたれいむはふぅ、とため息をつくと大きな体を揺らして広場へと向かっていった 今回こそお仕置きをすべきだろうか? 半端なお仕置きでは対した効果は期待できない 過度なお仕置きや死罰は他のゆっくりに「この群れはゆっくり出来ない」という印象を与えてしまう恐れがある そうなってしまえば群れが確実に崩壊することをれいむは知っている たとえ禁止されていても、ゆっくりが目先のゆっくりを追うのは仕方ないこと だから、ゆっくり殺しや育児放棄でもない限り、仕方のないことに死をもって対処するわけには行かないのだ 「ゆぅ~・・・仕方ないね、いつも通りで行くよ!」 「ゆっくりりかいしたわ」 結局、れいむはこの群れの慣例(と言ってもれいむが一代で築いたものだが)に従うことにした その慣例はすっきりによって増えた子どもと同数の子どもをれいむが預かり、非常に厳しい教育を施す一見すると甘いもの しかし、この教育の厳しさは尋常ではなく、無事生きて成体になれるものは100匹に1匹もいない 事実上子ゆっくりに対する死罰も同然で、死罰はゆっくり出来ないという認識と矛盾して見える が、いくつものゆっくりの性質とれいむの巧妙な嘘によってその事実が隠蔽が認識できないようになっているので問題はなかった 彼女らは目先のゆっくりを求める性質のせいか、我が子との別離よりも死なずに済んだことへの安堵感が上回ること 増えた分を減らされただけであるが故に数を数えるのが不得手なゆっくりには思い出以外の要因による喪失感が少ないこと その喪失感も新しく生まれる子どもがいることによって未来への希望として好意的に解釈されること そして、非常用の食糧の備蓄はあれど基本的には自給自足のこの群れでは子どもの数が増えすぎると親としても都合が悪い そういう意味ではこの制度はある意味口減らしとしても機能していたのだ もちろん、子どもとの別れを渋る親もいるにはいるが、原因が自分にあることや文句を言うと群れを追放されかねないことから最終的には妥協する また、死亡率については7割程度と公表すると同時に「立派に育った子どもは集落を出てどこかでゆっくりしている」というれいむの嘘がこの妥協を助ける この嘘によって変に自信過剰なゆっくり達は自分の子どもがまさか死んでいるとは思わず、自分の子どもならきっと大活躍していると信じてゆっくり出来るのだ もちろん、れいむがしっかりと群れを纏め上げて、「れいむなら大丈夫」という認識を持たせていることの成果でもあるのだが ちなみにれいむの補佐のぱちゅりーは天涯孤独の赤ゆっくりをれいむがしっかりと育てた結果であり、彼女の存在がこの新式を更に強化していたりする れいむがどこまで意図してやっているのかは定かではないが、あらゆる面で細やかなフォローがなされているのだ 「れいむ、ごめんなんだぜ!」 「でもすっきりしちゃったものはしょうがないのよ!」 「「だから、まりさ(ありす)のおちびちゃんをそだててね!」」 「「みゃみゃー・・・ありしゅ、みゃみゃとはなれちゃくないよぉ・・・」」 「「まりしゃもおきゃーしゃんといっちょにゆっくちちたいよぉ・・・」」 もっとも、そのなまじ細やかなフォローが災いして一部のすっきりー好きや組織の置ける順法の重要性を理解しない新参者にはあまり効果がないのだが 「むきゅ~・・・これでよんかいめよ?ほんとうにすっきりーせいげんをまもるきがあるの?」 「ゆっくりごめんなんだぜ!はんせいしてるからおちびちゃんをゆっくりあずけるんだぜ!」 「ゆっくりとかいはーなこにそだててね!」 「「ゆえーん、みゃみゃー・・・」」 「「おきゃーしゃんのばきゃー!」」 それどころか、れいむを都合の良いベビーシッターか何かのように認識している 本来、このようなゆっくりは群れから追放されるものだが、この群れでは気質を理由に追放されることはない 今回のケースならば子ゆっくりの没収と1ヶ月のすっきりー禁止。これに従いさえすれば追放は免れる 「ゆっくり理解したよ!だけど、今度はちゃんと三ヶ月すっきりーしないようにゆっくりしてね!」 「「ゆっくりりかいしたよ(わ)!おちびうちゃんたちはれいむのおうちでゆっくりしてね!」」 「「「「ゆえーん、ゆえーん・・・」」」」 本来の規則では「すっきりーは冬と梅雨の全面禁止以外は一度すっきりーすると3ヶ月間はすっきりが禁止」である しかし、このまりさとありすの夫婦はそれを破ったところで1ヶ月我慢すれば追放されないのをいいことに毎月のように無断すっきりーをしていた それどころか子どもが活動的になって面倒な時期からの育児れいむに任せて、英才教育まで受けさせる自分達の賢さに酔いしれていることだろう が、それでもれいむは彼女らを追放しないし、群れの仲間も彼女らの愚考を見習おうとはしなかった 「さあ、おちびちゃんたち。ゆっくりついてきてね!」 「「ゆえーん、みゃみゃー・・・」」 「どほぢちぇまりしゃをおいてくのー!」 「まりしゃおきゃーしゃんとゆっくちちたいよー」 恐らくあの両親はまともに育児をしていなかったのだろう。生後1ヶ月にしては子ども達の口調は幼い 聞こえているはずのその声を無視して、彼女達の両親は振り返りもせずに楽しそうに巣へと帰ってゆく それでもしばらく子ども達は泣き続けていたが、やがて泣き疲れて眠り込んでしまった れいむとぱちゅりーはそれを見て苦笑いを浮かべてから、ゆうゆうと眠る彼女達をれいむの巣へと運んでいった 「さあ、おちびちゃんたち。この穴さんに入ってね!」 「「「「ゆっくちりかいちたよ・・・」」」」 目を覚ました子ども達はれいむの口から新しい生活についての説明を聞かされたあと、ゆっくりにとっては大きくて深い穴へといざなわれた れいむが言うにはそこで駄目なゆっくりにならないように教育を受けねばならないらしい ただし、穴の中では姉妹とは一緒だし、食事もちゃんと与えられるので生活に困ることはないとのこと 「だいじょうぶよ!ちゃんとゆっくりできるわ」 「「「「・・・ゆ、ゆっくちおりりゅよ!」」」」 そうして、れいむとぱちゅりーに促された4匹の子ゆっくり達はその穴の中へと飛び込んでいった その穴が深さ50cm近くもあり、れいむを除いては成体でも入ったら簡単には出られないとも知らずに 今までにもルールを守れなかったせいでれいむに預けられた子ども達がそこで何匹も死んだことを知らずに 「「「「ゆぴぃ!?」」」」 50cm下の地面に底部をしたたかに打ちつけた4匹は小さな悲鳴を上げる そして、小さな体を痛みのあまりにぷるぷると震わせ、ひっくひっくと嗚咽を漏らし、やがて泣き始めてしまった 助けに来るはずがないのに「おきゃーしゃーん」「みゃみゃー」と自分達を見捨てた母を呼ぶ しかし、聞こえてくるのは穴の中で反響する自分たちの鳴き声ばかり 「おちびちゃんたち!泣いても無駄だよ!」 「ゆっぐ・・・もうやだ、おうちにきゃえりちゃいよぉ・・・」 「まりしゅをここきゃらゆっきゅちだちちぇね!」 「出てどうするの?おちびちゃんたちは捨てられたんだよ?」 れいむはにやりと陰険な笑みを浮かべて子ども達を見下ろす が、子ども達はそんなれいむの態度の変化に気づかず、彼女の言葉に反応した 「しょんにゃこちょにゃいよ!おきゃーしゃんは・・・!」 「本当にそう思ってるの?馬鹿なの?死ぬの?・・・あ、ごめんね。おちびちゃんたちはそこで死ぬんだよね?」 「「「「ゆゆっ!?」」」」 驚愕する子まりさと子ありすを見てげらげらと笑うれいむ 実は彼女の後ろでぱちゅりーも必死に笑いを堪えているのだが、子ども達にその姿は見えない ただ驚きのあまりに大きく見開かれた目で4匹はれいむを凝視していた 「おちびちゃんたちは捨てられたんだよ!ゆっくり理解してね!」 「ち、ちぎゃうよ!おきゃーしゃんは・・・!」 「おきゃーしゃんはちょきゃいはあにゃあありしゅをしゅてりゅなんちぇ・・・!」 「しょーだよ!おきゃちなこちょいわにゃいでにぇ!?」 「れいみゅはいしょつきだよ!ゆっきゅちでていっちぇね!」 れいむの言葉に一生懸命抗議する子ども達 「わかったよ!ゆっくり出て行って二度とここには来ないよ!」 「ゆっきゅちでちぇいけー!」 「ゆっきゅちちにゃいででていっちぇね!」 「でも、二度と来ないからご飯さんも持って来れないね!」 「「「「ゆゆっ!?」」」」 またしても驚愕する子ども達 その様子を見たれいむはにたぁーと不気味に笑い更にまくし立てた 「ご飯さんがないとゆっくり出来ないね!死んじゃうかもね! でも出て行け、来るなって言ったのはおちびちゃんたちだよ! だからご飯なんていらないよね!れいむのご飯なんて嫌だよね! 前にそこに入れられた子もれいむにおんなじこと言ったんだよ! それで『おきゃーしゃんがたちゅけにきゅるよ!』なんて言ってたよ! でも、おかーさんは助けに来なくておなかを空かせて死んじゃったんだよ! その子はお前たちと同じおかーさんから生まれたまりさとありすだったよ! おかーさんが助けてくれなかったせいで共食いしちゃったんだよ! きっとおちびちゃんたちもおんなじ風になるんだよ! でも、二度と来るなっていったのはおちびちゃんたちだからゆっくり諦めてね!」 「「「「ゆえーん、どほちぢぇしょんなこちょいうにょおおおおお!?」」」」 「だったられいむにゆっくり謝ってね!謝った子にはご飯さんをあげるよ!」 「「「「ゆゆっ!?」」」」 まくし立てるように「死ぬ」を連呼した後のその一言には魔力が宿っていた きっと謝ればゆっくり出来る、ゆっくりさせて貰える・・・そう思わせる何かがあった 「あ、ありしゅはあやみゃりゃにゃいよ!」 「しょーよ!みゃみゃのわりゅぐちをいうれいみゅがあやみゃるべきよ!」 「「こにょいなきゃもにょ!」」 が、子ありすたちはこの提案に屈することをしなかった 都会派ゆえの意地なのか、ただ頭を下げたくないだけの安いプライドゆえか・・・ 彼女達はれいむに屈する気配を見せなかった。しかし・・・ 「まりしゃはあやみゃるよ!」 「だきゃらおはんしゃんもっちぇきてね!」 「「ゆっくちごめんね!」」 まりさ種2匹はあっけなく謝罪した 30分後 「むーちゃむーちゃ・・・ふしあわちぇー・・・」 「まっぢゅ・・・これめっちゃまじゅ・・・」 脱出不可能な穴の中にはれいむの持ってきた葉っぱ(1匹1枚)を食む子まりさの2匹の姿があった その葉の味は酷いもので、比較的ゆっくりが好む甘味も酸味もなく、ただただ苦いばかり それでも、子まりさ達は空腹をしのぐためにその葉っぱを咀嚼した 「ゆう・・・おにぇーしゃん、ありしゅおなきゃしゅいたよぉ・・・」 「ゆぅ・・・ありしゅもだよ・・・ねえ、まりしゃ・・・」 空腹を必死に堪えるありす達は思わず物欲しげな目でその葉っぱを見てしまう そして、これまた思わず「お腹空いた」と口走って、よだれを垂らしてしまう きっとまりさなら分けてくれる。そんな都合のいい考え抱きながら 「ゆゆっ!謝らないで姉妹から横取りするつもりなんだね? さすがゲスの子どもだね!ぜんぜんゆっくりしてないよ! こういうのをなんて言うんだっけ?そうだ、田舎者だね!」 「「ゆゆっ!?」」 「あ、ありちゅはいにゃかもにょじゃにゃいよ!」 「だったらどうしてまりさのご飯さんを物欲しそうに見てるの? どうして涎なんてたらしてるの?凄く汚らしいよ? そんなの都会派のすることじゃないよね?」 「ゆえーん、どほぢてしょ・・・」 「泣けば済むと思ってるの?馬鹿なの?死ぬの? 泣いて許してもらうのが都会派だと思ってるの? 自分のことは自分でするのが都会派だよ?ゆっくり理解してね!」 「「ゆぅ・・・」」 しかし、穴の中の4匹をはるか高みから見下ろすれいむはその醜態を悪辣な笑みを浮かべて罵倒した それも普通のゆっくりの貧弱な語彙とは比較にならない言葉で、まくし立てるように が、それでもありす達はまだ謝ろうとしない ぎりぎりと歯を食いしばって、キッと穴の上にいるれいむを睨み付けていた 「ゆゆっ!田舎者がれいむをにらんでるよ! おお、こわいこわい。ゆっくり出来ないよ! おお、こわいこわい。全然ゆっくり出来ないよ! おお、こわいこわい。まったくゆっくり出来ないよ!」 もっとも、圧倒的に優位な立場にいるれいむがそんなことで怯むはずも無いのだが 「そうだ!ねえ、まりさ。ありすがごめんなさいしたらもっと美味しいご飯を持ってきてあげるよ」 「「ゆゆっ!?」」 「あ、ありしゅは・・・」 「ありしゅ、ゆっくちあやまっちぇね!」 「しょーだよ!まりしゃはゆっくちちたいよ!」 「「ゆぅぅう・・・」」 「自分の見栄のために家族に苦しい思いさせるなんてゆっくり出来ないね! すっごく田舎者だね!まりさ達もそう思うでしょ?」 「しょーだよ!あやまりゃにゃいありしゅななんていなきゃものだよ!」 「ありしゅとなんちぇゆっくちできにゃいよ!ぴゅんぴゅん!」 「「どほぢちぇしょんなこちょいうにょおおお!?」」 数分後、姉妹の子まりさとれいむに散々罵られたありすは目にいっぱい涙をためながられいむに謝った 「ゆっくりしていってね!」 「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」 「さあ、おちびちゃん達!楽しいご飯の時間だよ!」 「「やっちゃあ!これでゆっくちできりゅよ!」」 穴に入ってから2度目の、ありすにとっては初めての食事の時間 それを与えるためにれいむは穴の上から飛び降りて4匹の目の前へと降り立った いや、正確には3匹だった 普通のゆっくりの三倍にも達する圧倒的な巨体 その体躯を前にしては決して広くない穴の中にれいむが飛び込めばどうなるか・・・ 「もっちょ・・・ゆっきゅちちちゃかっちゃよ・・・」 「ゆふっ!これが美味しいご飯だよ!」 れいむは下敷きになって息絶えた子ありすのカスタードを体をゆすって振り払うと穴の上へと跳躍する 巨体に似つかわしくない跳躍力で簡単に目的の場所に着地した彼女は振り返って一言 「ゆっくりたべてね!」 とだけ言い残してその場を後にした 一方、そんな状況に置いてけぼりにされた3匹は悲嘆に暮れるばかり 「ゆええええええん、おにぇええしゃああああん!?」 「どほぢぢぇ!ごはんしゃんは!?」 「まりぢゃおにゃがしゅいだよおおおお!?」 しかし、そこにあるのは姉妹だったものの亡骸 甘いにおいを放つ、ありすの姿をした・・・甘い匂いの・・・ 「ゆぅぅぅ!まりしゃがみゃんできにゃいよ!」 「ゆゆっ!だみぇよ!おにぇーしゃんをたべりゅなんてときゃいはじゃないわ!」 「でみょ!まりしゃおにゃかしゅいたよ!がみゃんちたらちんぢゃうよ!?」 「しょーだよ!まりしゃがちんだらどうしゅるの?!」 「ゆぅ・・・でみょ、でみょ・・・」 ためらう子ありすに対して憤りをあらわにする2匹の子まりさ が、それでもありすは踏ん切りがつかずゆうゆう唸りながら右往左往するばかり やがて、そんな状況に耐え切れなくなったの泣き出してしまった 「ゆえーん、ゆえーん!みょうわきゃんにゃいよおおお!?」 「「おお、うじゃいうじゃい」」 が、慰めてくれるものは誰もおらず、結局疲れて眠るまで泣き続けた その後、目を覚ましたときには姉の子ありすだったものは影も形もなくなっていた 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくちちていっちぇね!」」 「もっぢょ・・・ゆっぐぢ・・・」 「おちびちゃんたち、ゆっくりしてる?」 「まりぢゃのおもうぢょがああああああ!?」 「まりぢゃおにぇええぢゃああああん?!」 翌朝、今日も今日とて穴の中へと降り立ったれいむは不可抗力で子まりさを1匹踏み潰してしまった が、そのことも泣き叫ぶ姉妹も気に留めず、満面の笑みを浮かべると・・・ 「今から美味しい朝ごはんだよ!」 そう言いながら、死んだ子まりさに駆け寄ろうとしていた子ありすを舌で捕まえて、口の中へといざなった 「むーしゃむーしゃ、幸せー!」 「ゆ、ゆゆっ・・・ど、どほぢぢぇまりしゃの・・・」 「妹食べちゃうの?美味しいからに決まってるでしょ? れいむはね、子ゆっくりを食べるのが大好きなんだよ! 特に1日2日苦しい思いをした子を食べるのが大好きなんだよ! そうしたらとっても甘くなるって人間さんが言ってたよ! だからね、まりさ達はここに来たときから食べられることになってたんだよ! ゆっくり理解して死んでね?」 「ゆ・・・いやぢゃああああ!まりぢゃぢにだぐないいいい?!」 子まりさは必死に穴の中を跳ね回るが道は上にしかない以上、彼女に逃げ場は無い ゆっくりと擦り寄ってくるれいむから必死に距離をとっては一息ついて、あっという間に距離をつめられて・・・ ただひたすらにそれを繰り返して、いたずらに疲弊してゆくばかり 「こっちごにゃいでにぇ!?」 「おちびちゃんとっても速いね!れいむはついて行くのに精一杯だよ! だからさっき潰しちゃったまりさを食べるよ!むーしゃむーしゃ、幸せ~!」 「ゆえーん!どほぢぢぇしょんなこぢょじゅるのおおおお!?」 あっという間に子まりさの死体を平らげたれいむは再び子まりさとの鬼ごっこを再開する 先ほどの逃げ回らせるためのそれとは打って変わって、本当に捕まえることを目的とした追跡 「ゆっふっふ・・・捕まえたよ!」 「やめぢぇええええ!まりぢゃおいちくにゃいよおおおお!?」 「ゆっくり理解したよ!じゃあ、食べないであげるよ!」 「ゆっ・・・ほ、ほんちょ?」 「本当だよ!・・・そのかわりすっきりーするけどね! んほおおおおおおおおおおおおおお!!」 「やめちぇええええええええええええ!?」 狭い巣の中に最後の1匹になった子まりさの悲鳴がこだました 4匹の赤ゆっくりが全滅してから2週間後 「ゆっぐ・・・まりざ、あんよがうごがないよぉ・・・!」 「れいむ、ありすたちにごはんさんちょうだいね!」 「え、何言ってるの?自分の分は自分達でがここの決まりだよ? だから自分で頑張って集めてね!それが嫌なら出て行ってね!」 子供達をれいむに預けたまりさとありすは、大黒柱のまりさが底部に酷い傷を負うという事故に見舞われていた しかし、この群れにおいて群れる理由は相互監視による秩序の維持、孤児の世話、対捕食種くらいであり負傷時の保障は無い そのため、このような状況になった場合、家族の力だけで切り抜けなければならないのだ 「おきゃーしゃん!おにゃかしゅいちゃよ!」 「まりしゃも!ごひゃんたべちゃいよ!」 「ときゃいは~」 「まりしゃ、ゆっくちちたいよ!」 が、この家族に今やありす以外にまともに食料を取って来ることの出来るものはいない 当然、成体まで成長して自立した子どもなどのあてもない 近所のゆっくりに頼ろうにもあまりルールを守らないこの一家は煙たがられているのでそれもかなわない 「しかたないわね!ありすがかりにいってくるわ!」 とは言うものの、彼女はレイパーではないのですっきりーをするときはもっぱらネコ つまり、月1回のにんっしんとその後の子どもの面倒を引き受けていたということである そのため、彼女の狩りの腕前は彼女が想像する以上に落ちていた 「ゆゆっ!むしさん、ゆっくりまってね!このいながものぉ!?」 「ゆぐぐぐ・・・くささんが、ぜんぜんぬけないわ・・・!」 「ゆふぅ・・・ゆふぅ・・・ぜんぜん、とかいはぢゃないわ・・・」 結局、ありすはまともに食料を集めることが出来ず、3日後にはまりさ共々育児放棄の罪で死刑になった 幸運にも餓死寸前で助けられた子ゆっくり達は食料面で群れの支援を受けながら、親同様にれいむに子どもを提供するすっきりー好きに育ったという ‐‐‐あとがき‐‐‐ じる・ど・れいむ・・・この一言が言いたかっただけですよ、ええ どうせならひたすら子ゆっくりをいたぶって回る話のほうが良かったか? byゆっくりボールマン このSSに感想をつける
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猫「くぁ……(あれ私いつのまに寝たんだろ……)」 猫「(ていうか何これ……真っ暗で柔らかい)」プニプニ 澪「んむぅ……」 猫「んにゃ!?(こ、これ澪先輩のお……おっぱ……!//)」 澪「あれ……起きたの?」 猫「にゃう……(澪先輩の……)」プシュー 澪「……大丈夫?」 澪「はい、朝ご飯だよ」コト 猫「にゃん!(いただきまーす!)」 ガツガツ 澪「ふふ、おいしいか?」 猫「にゃお!(おいしいです!)」 澪「今日は休みだし二人で遊ぼっか」 猫「にゃあ!にゃあ!(遊ぶだなんて子ども扱いしないでください!)」 澪「じゃーん!猫じゃらしだよ」ピョコ 猫「!(猫じゃらし……?)」ピク …… 憂「お姉ちゃん朝だよー」ガチャ 唯「すー……すー……」 憂「お姉ちゃん起きて」バサッ 梓「くー…くー…」 憂「梓ちゃん……布団の中で丸くなって寝てたんだ」 唯「ううん……」ノビー 梓「にゃあぁ……」ノビー 憂(伸びかたまで猫だ) … 憂「はい朝ご飯だよ」コト 唯「いっただきまーす!」 梓「にゃーん!」 唯「おいひぃー!」 憂「はい梓ちゃん、あーん」 梓「にゃーん……」モグモグ 憂「どうかな?」 梓「にゃん♪」 憂「そっか、おいしいかー」 唯「味覚はそのままなのかな?」 憂「うーんどうだろ……はい梓ちゃん紅茶だよ」 梓「にゃん」ズズッ 梓「にゃ!!ふぎゃ!ふにゃあぁぁ!!」ジタバタ 唯「猫舌……」 憂「ご、ごめん梓ちゃん!」 …… 澪「ほれほれ」フリフリ 猫「にゃあ!にゃあ!(この!この!)」ピョンピョン 澪「あはは、可愛い奴め」 猫「にゃあ!……にゃ!(この!……ってこんなことしてる場合じゃない!)」 猫「(どうすれば私が梓ってことをわかってもらえるんだろう……)」 澪「どうした?ほらほら」フリフリ 猫「ふ……ふにゃ(そ……そんなのに誘惑されるはずが)」 澪「ほーら!」ピョコ 猫「にゃあぁぁん!(にゃあぁぁん!)」ピョーン …… 唯「あずにゃんはどうしたら人間に戻るのかなぁ……」 憂「うーんとりあえず人間の言葉を思い出させれば?」 唯「そうだね!おーいあずにゃーん!」 梓「にゃあ?」テクテク 唯「もう二足歩行は完璧だね!えらいえらい!」ナデナデ 梓「にゃーん♪」ゴロゴロ 憂「梓ちゃん、あいうえおって言ってみて?」 梓「にゃ?」 唯「あ、い、う、え、お、だよあずにゃん!」 梓「……にゃ?」 唯「あ!」 梓「にゃ!」 唯「い!」 梓「に!」 唯「う!」 梓「にゅ!」 唯「え!」 梓「ね!」 唯「お!」 梓「にょ!」 唯「あいうえお!」 梓「にゃににゅねにょ!」 唯「……」 …… 澪「ほらーこっちだぞー」フリフリ 猫「にゃん!にゃあ!(ああん!澪先輩ずるいです!)」ピョンピョン 猫「……にゃ?(……なんか違和感が?)」 猫「(まさかこれって……便意!?)」 澪「あれ、反応しなくなっちゃった」 猫「にゃあ……(どうしよう……人間のトイレいくわけには行かないし……)」 澪「あ、もしかしてトイレ?」 猫「にゃ!(げ、ばれた!)」 澪「ちゃんと猫のトイレ買ったんだよ。おいでおいで」 猫「ふにゃ……(絶対やだ……)」 澪「歩けないのか?しょうがないな」ヒョイ 猫「にゃふ!(ちょ、む、胸が当たってます澪先輩!)」 澪「はい、ここだぞー」 猫「にゃあ……(うわ、猫のトイレだ……。当たり前だけど)」 澪「いつでもしていいぞー?」ジー 猫「にゃあにゃあ!(いやいやそんな見られながらできるわけありませんから!)」 猫「(って便意がさらに大きくなってきた……)」プルプル 澪「プルプル震えて……そろそろ出るのか?」 猫「にゃあぁ(人間として駄目でしょこれは……。いやでも今は猫だし……うぅ)」プルプル …… 唯「あずにゃん、唯先輩って言ってごらん?」 梓「にゅい!」 唯「にゅいじゃないよ、唯先輩だよ」 梓「にゅい♪にゅい♪」ペロペロ 唯「きゃはは、あずにゃんくすぐったい」 憂「なんてうらやま……じゃなくて梓ちゃん中々うまく喋れないね」 唯「うん……。でも焦らないで頑張ろう!」 憂「そうだね!」 梓「にゃん!」 唯「ほーらあずにゃん、こんなこともあろうかと猫じゃらしを買っておいたんだよ」フリフリ 梓「にゃ!」 唯「ほーれほれ!」 梓「にゃあぁぁ!」ピョン 唯「ほっ!ほっ!」 梓「にゃん!にゃあ!」ピョンピョン 憂(なんか猫化したっていうより中身が猫と入れ替わったみたい……) 憂「ふふ、そんなわけないか」 唯「きゃあぁぁ!」 憂「お姉ちゃん!?」バッ 唯「あずにゃんがおしっこ漏らしちゃった……」 憂「これはまた派手に……」 梓「にゃーん♪」 …… 澪「いっぱいだしたなー」 猫「にゃあぁぁ……(うぅ……澪先輩に見られながらウンチしちゃったよぉぉ)」 澪「お尻拭いてやるからな」サワ 猫「ふにゃ!?(ひゃあ!?)」ビク 澪「こら、じっとしてろ」フキフキ 猫「にゃう……(あぅ、もうやぁ……)」ビクビク 澪「はい、綺麗になったぞ」 猫「(早く人間にもどりたいにゃ……)」 猫「(……あれ?)」 猫(思考回路が猫に近くなっていってるにゃ……) 猫(早急になんとかしないといけないにゃ) 澪「さてと、宿題するかな」 猫(にゃ!) 猫(そうだ、紙とペンがあれば!)ダッ! 澪「あ、こら!」 猫「ごろにゃおーん(私は梓です……と)」 澪「ペン咥えたら危ないだろ。取り上げだ」パッ 猫「んにゃ……(そんにゃ……)」 澪「ほら、大人しくしてろ」ゴロゴロ 猫「ふに(あぁ……力が抜けるにゃ……」) ガチャ 律「おいーす!」 澪「ノックも無しに人の部屋に……」 律「今更だろー」 澪「何の用だよ。宿題なら自分でやれよ」 律「澪に用は無いって。こいつで遊びに来た」ヒョイ 猫「ふにゃー!(ぎやー!)」 澪「お、おい乱暴に扱うなよ!」 律「へへー」 平沢家 憂「ふう、やっと片付いた」 唯「ほらあずにゃん、憂にごめんなさいしないと」 梓「ふにゃん」コロコロ 唯「聞いてないよ……」 憂「まぁまぁ、そんな事よりお姉ちゃん」 唯「うん?」 憂「猫ちゃんは澪さんが預かってるんだよね?」 唯「そうだよー」 憂(まさかとは思うけど……) 憂「ちょっと澪さんに電話してもらって良い?」 唯「?」 梓「にゃふー」ノビー …… 律「ほれほれ~煮干が欲しいだろ~」ヒラヒラ 猫「にゃ……にゃあ(そんな餌で私が釣られ……)」 律「いらないなら私が食べちゃお」 猫「にゃー!!」モグモグ 律「くくく、梓2は既に私の掌の上だぜ」 澪「あんまりいじめるなよ」 prrrrr 澪「唯だ」 憂『もしもし澪さんですか? 憂です』 澪「憂ちゃん?」 猫「にゃ!(憂!?)」 憂『ちょっとお願いしたい事があるんですが……』 澪「猫を連れて来いって……」 猫「ふにゃー、んにー(それでも憂にゃら……憂にゃらにゃんとかしてくれる)」 ピンポーン 唯「あ、入って入って」 澪「お邪魔します」 律「おい何か臭くないか? その、えーとトイレの匂いと言うか」 唯「え? あははー、あずにゃんがちょっとね。おもら……」 猫「にゃ……(まにゃか……)」 律「あーはっはっは! あ、梓が漏らし……!」 澪「笑うなよ」 律「ぶくくく、悪い悪い」 猫(死にたい……) 梓「……zzz」 律「で、お漏らし一号は呑気にお昼寝か」 唯「猫さんだから仕方ないよ」 猫「にゃ……(唯先輩の優しさが逆に胸にきます……)」 憂「あ、来てくれたんですね」 澪「言われたとおり連れて来たよ」 憂「ありがとうございます」 猫「にゃー! にゃー!(にゅいー! にゅいー!)」 澪「何か訴えてるみたい」 律「腹減ってるんだろ」 唯「アイスならあるよ」 憂「猫ちゃん、落ち着いてよく聞いてね?」 猫「……」 憂「あなたは、梓ちゃん?」 猫「!」 律「おいおい、憂ちゃん何言ってんだ?」 唯「そうだよ、あずにゃんならそこで……」 憂「梓ちゃんなら、右前足を上げてみて」 猫「にゃ!(はい!)」パッ 唯「え!?」 4
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Recipe008 ◆tDG2jjf5F2 でぃ シリーズ:角ギコ タカラ ホーン 作品 門番二人組 実際に読む(リンク) シリーズ:角ギコ 派生元【鍛冶調合】後編 次話とれじゃーはんと(後 概要 いよいよこのスレもRPGっぽくなってきたな レシピ追加 1 No.196 布団 登場キャラ 登場 ホーン タカラ でぃ 門番二人組 元ネタ解説 277 新調の武器 ―― 特に長く重い武器ほど~ バスタードソードは両手でも片手でも扱える半面、そのトリッキーさから専用の訓練が必要だったらしい。流石だ!凄いぞ角ギコ!! 282 ──── 質量ではない重さ。。。か きっと借金の重さ 282 ( 0M0) 3! 特撮「 仮面ライダーブレイド 」において、ライダーとしての適応性を上げるために ギャレン装着者の橘朔也がレンゲル装着者の上城睦月に対し「ピッチングマシンの球に書かれている数字を見分ける」 という訓練を行った際に 自分自身で手本を見せた時のセリフ。 見事3だった 実戦じゃヘタレなのに 328 移動日数 本家アトリエではゲームの期限が定められている場合があるためこれが意外と問題になる。短縮するためには乗り物の開発や新しい道の開拓が必要だ 334 にはそれが解らんのですよ。 「機動戦士ガンダム」においてジオングの整備兵がジオングに足が無いことをシャアが指摘した際に反論した言葉の一部。「あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ」が正しい台詞。なおこの言葉は、二十数年後の「機動戦士ガンダム C.D.A. 若き赤い彗星の肖像」(2003年ガンダムエースにおいて連載開始)で見事足があったほうが良かったと訂正された。偉い人にはそれがわかっておいでなのですよ!
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タイトル(コピペ用) まじゃべんちゃー 麻雀戦記 ジャンル その他 このページを編集 海外タイトル 発売日 1990/10/19 動画を追加 シリーズ TASVideosForum 現行最速 -表示 国内版 ここを編集 記録 13 29.23 追記回数 2275 Player 甘泉uni TASVideosページ - TASVideosStatus - 転載元 - 分割リンク - マイリスト mylist/14991343 備考 Movieファイル リンク 解説 その他 -表示 過去最速 +表示
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--ガタガタ 和「澪?一緒に食べましょ。」 澪「うん。いただきます。」 和「いただきましゅっ」 澪「・・・。」 和「・・・。」 和(かんじゃったよ・・・恥ずかしい・・・///) 澪(今かんだよな?・・・あ、赤くなってる・・・可愛い・・・///) --ガヤガヤ 律(はぁ・・・こんなにうるさいのに・・・。) 律(・・・こんなに騒がしいのに・・・この寂しい気持ちはなんだろう・・・。) 律(・・・やっぱり私はいらない子なんだなぁ・・・こんなに沢山人がいるのに・・・。) 律(私は・・・一人だけだもんな・・・。) 律「ぐすっ・・・。」 --ガラガラ 律「失礼します・・・。」 さわ子「あらりっちゃん。どうしたの?暗い顔して。」 律「実は・・・その・・・。」 さわ子「あ、もしかしてあの日?具合悪いの?薬飲む?」 律「い、いや!違います!・・・その・・・これを・・・。」 さわ子「あ、違うのねwははwwこれは・・・?退部届け?」 律「はい。じゃあそういうことで。失礼しました。」 さわ子「ちょ、ちょっと!待ちなさい!ちょっと!」 --ガラガラ さわ子(・・・何かあったのね。) ―――― さわ子「唯ちゃん!ちょっといいかしら?」 唯「さわちゃん先生。なあに?」 さわ子「最近軽音部の活動はどう?」 唯「あのね、この間私曲作ったの!で、それを皆であわせて・・・楽しいです!」 さわ子「あらそう。分かったわ。頑張ってね♪」 唯「はーい!」 --パタパタッ さわ子(ふむ・・・。) ―――― さわ子「澪ちゃん!ちょっといいかしら?・・・あのね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど?」 澪「な、なんですか?」 さわ子「最近軽音部の活動はどう?」 澪「活動・・・ですか?えーっと・・・最近は唯が作ってきた曲をアレンジしたりして、とっても充実してます。」 さわ子「へぇ・・・唯ちゃんがねぇ。」 澪「えぇ。珍しく真面目なんです。軽音部らしくやってますよ。」 さわ子「そう・・・。特に変わったことはない?」 澪「・・・えぇ。なんかありました?」 さわ子「いえ、ほらたまには顧問らしくあなたたちの状況を知っとかないとね?w」 さわ子「じゃあ時間とってごめんなさいね。」 澪「はい。それじゃ。」 --パタパタ さわ子(・・・もしかして。) ―――― さわ子「ムギちゃん。」 紬「あ、先生。なんでしょう?」 さわ子「最近軽音部の活動はどう?新曲作ったらしいじゃない。」 紬「そうなんですよ。唯ちゃんが作ってきたんです。」 さわ子「唯ちゃんの曲はどう?」 紬「とっても素敵な曲ですよ。あっ!もちろん澪ちゃんの歌詞も素敵ですよ♪」 さわ子「あ、澪ちゃんの詞もね・・・、、、」 紬「えぇ♪梓ちゃんもアレンジ考えてくれてとっても楽しいです。」 さわ子「それはいいわね。りっちゃんはどう?」 紬「え?ん~そういえばりっちゃんは・・・ドラムを叩いてくれてます。」 さわ子「りっちゃん真面目に練習してる?そう。ふんふん。」 紬「・・・どうかしたんですか?」 さわ子「いえ。ほら、顧問らしく部の内情くらい把握しとかないとね♪」 紬「先生も大変なんですね。ご苦労さまです。」 さわ子「あなたたちも活動頑張ってね。じゃあ。」 紬「失礼します。」 --パタパタッ さわ子(なるほどねぇ・・・。) --キーンコーンカーンコーン♪ 律(授業も終わったし帰るか・・・。) --ガヤガヤ 女A「山中先生さようならー」 女B「あ、先生ばいばーい」 さわ子「はいさようなら。気をつけて帰るのよ。寄り道しちゃダメよ?w」 さわ子(・・・ん?あの門のところにいるのは・・・りっちゃん!?) 律(はぁ・・・こんなに早く帰るのはいつぶりだろう。・・・もう軽音部は私には関係ない・・・。) さわ子「ちょっと!りっちゃん!待ちなさい!!!」 律「え?」 さわ子「あなたどこ行くの?・・・音楽室はあっちよ?」 律「・・・さっき退部届け渡したじゃん。ほっといてよ。」 さわ子「あのねぇ・・・私は顧問なの。「辞めます。」「はいそうですか。」ってわけにはいかないのよ。」 律「うるさいな!さわちゃんには関係ないだろ!」 さわ子「あんたこの私を怒らせたいの?・・・ちょっとこっち来なさい!」 律「ちょ!放してっ!痛い!」 律(さわちゃん・・・力強すぎ・・・なんでこんなに怒ってるの?もう私のことはほっといてよ・・・。) 律「ちょっと!どこに連れて行く気だよ!?」 さわ子「行くとこなんか一箇所しかないでしょ!!!!」 --ジャガジャーン♪ 唯「うほほー!いいね!いいね!」 澪「いまのとこいい感じだな♪」 紬「素敵よ唯ちゃん♪」 梓「ところで、律さん遅くないですか?なんかあったんですか?」 唯「そういえば遅いね。なんかあったのかな・・・?」 --ガラガラ さわ子「お邪魔するわよ!」 律「ちょっと!放してよっ・・・。」 唯「あ、りっちゃ・・・ん?」 澪「律?どうしたんだ?」 唯「先生?なんかあったの?」 さわ子「あのね、今日りっちゃんから退部届け渡されたのよ。」 唯澪紬梓「えぇ!?退部届け!?」 さわ子「そ。なにがあったか知らないけど辞めたいらしいのよ。」 紬「それで・・・さっき?」 さわ子「あんたたちに話聞いて回ってたのはそれをあんたたちが知ってるのか確かめたかったの。」 さわ子「あんたたちは知らなかったでしょ?」 律「ちっ・・・もういいだろ!」 さわ子「よくないわ。今まで一緒にやってきた仲間でしょ?第三者の私に退部届けだしてそれで終りなんてずるいわ。」 さわ子「辞めるならちゃんと皆に辞める理由言って辞めなさい!」 澪「律・・・お前・・・。」 梓「律先輩・・・。」 唯「りっちゃん・・・?」 律「うるさい!!お前ら好き勝手に活動しやがって!そりゃあたしは下手糞だけどそれでも精一杯皆に追いつこうと頑張ったよ!」 律「だけど、お前らはどんどんどんどん前のほうに走っていって、私だけ置いてけぼり!!!」 紬「りっちゃん・・・。」 律「この間の休みだって、私抜きで皆で唯ん家に集まって曲のこととか会議してたんだろ!」 律「私が下手だから・・・ウザイから・・・だから誘わなかったんだろ!」 澪「ち、違う!あれはっ!」 律「うるさい!あとになってお情けの誘いなんかしてくれたって、嬉しくなんてない!だからもう私やめるから!」 律「どうせ私は下手糞だから代わりなんてすぐみつかるでしょ!!!」 律「いままで世話になったよ!じゃあね!!!!」 --ガラガラバタンッ 唯「りっちゃん・・・」 澪「律・・・。」 さわ子「ふぅ・・・。さて、ムギちゃん。ロイヤルミルクティーお願いね。」 澪「ちょっ!こんなときにお茶なんて!」 さわ子「あら?だってあたしは第三者だもん。放課後ティータイムはあんたたちのバンドでしょ?」 さわ子「りっちゃんを呼び止めるのも、勝手にさせるのもあんたたちの問題よ。あたしには関係ないわ。」 唯「あたし行ってくる!皆はここに居て!」 --ガラガラ バタンッ 澪「あ!?唯!!」 梓「唯先輩!!!」 --ダッ 律(なんだよ・・・どいつもこいつも・・・人の気もしらないで・・・) --ドタドタッ ドスンッ 律「うわっ!」 ?「きゃあっ!!」 律「痛ぁ・・・っ」 ?「ちょっとぉ・・・廊下走っちゃ危ないでしょ!」 律「悪い・・・ちょっと急いでて・・・って!」 律「和!?ごめん!急いでたから・・・怪我ないか?」 和「怪我はないわよ。あんたこそ大丈夫?っていうかなんで急いでたのよ?」 --パタパタ 唯「りっちゃーん!!!」 和「あ、唯・・・。」 律「ちっ!」 --ダッ 和「あ、待ちなさい!」 律「うるさい!放せ!」 和「・・・いいからっ!こっちに来なさい!」 律「うぇ?ちょっ・・・」 --ガラガラ バタン --パタパタパタッ 唯「りっちゃーん!」 --トタトタトタ・・・ 和「ふぅ・・・。唯は行ったわよ。」 律「・・・ありがとう。」 和「で、なにがあったの?」 律「・・・何も無い。」 和「何も無いわけないでしょ!いいから話してみてよ。」 律「和には関係ないよ!もう行くからな!」 和「・・・いたた あれ?」 --ドサッ 律「!?ちょっと!和!!」 3
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C#(しーしゃーぷ) Windowsアプリをちょっと作りたくて、昔やったC#を復讐しようと思った。 Windows8もリリースされているし、WindowsStoreも少々興味があるので 再度勉強をして行こうと思う。 ちなみに使用するのはVisual Studio Express 2012 for Windows Desktop メモ&感想 NuGetよさそう Visual Studio 2010から導入されたそうですが、JavaのMaven的なものかな? まだ実際に使用する機会はないんですけど使い勝手がよさそう。 そのうち使ってみる予定。 逐語的文字列 Javaで正規表現を使用する時とかは、円マークでエスケープするのでうんざり、、、見難い、ミスしやすい。 なんてことあると思うんですが、C#ではアットマークを最初に着けることによってこれを回避できるとか。 Scalaでもダブルクォーテを三重にするとこの意味になるそうで。 確かに便利! オーバライド可能なメソッドを定義できる。 Javaのabstract修飾子だけでなくvirtual修飾子と言うものがある。 継承元のオブジェクトをオーバーライドするにはvirtualを継承元のメソッドに定義しなくてはならない。 一見この定義は面倒に見えるかもしれないが、Javaではアクセス修飾子のprotectedで宣言して必要ならここをオーバライドするんだよ。と言う事を示したりするが、これはアクセス修飾子のお仕事の範囲をある意味超えている。 継承されるクラスを実装する際、ここはオーバライド可能だよ、ここは変更しないでね。 と言う事を明示的に使用者に宣言できることは、継承元のクラスを作ったりするものにとって想定外の使い方をされない保証が高まるので良いと思う。
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百合ものっ! 1 『図書委員の二人』 百合ものっ! 1 『図書委員の二人』 「……お前って、ほんとに本が好きだな。ゆかり」 高校の図書館、読んでいた本を閉じ燈は口を開いた。 ――しかし、 「………………」 声をかけた、同じ椅子に背中合わせに座る相手からの返事はなかなかない。気長に燈が待っていると、 「…………ほえ? ご、ごめんなさい、あかりさん。なんて言いましたか?」 燈の言葉にようやく反応した紫が、本から顔を上げて振り向き、申し訳なさそうに訊き返す。おじおじとする紫に、燈は特に腹を立てた様子もなくもう一度言う。 「ゆかりは本好きだなって」 「あ、はい。大好きですよ」 何がそんなに嬉しいのか燈には分からなかったが、また一枚ページを捲る紫は丸眼鏡の奥で目を細めていた。その予想通りの様子に、燈は紫に見えないようかすかに口元を綻ばす。 燈と紫。この二人は高校入学してから出会ったクラスメイトである。 薊紫(あざみ ゆかり)はくすんだ茶髪を三つ編みにしていて、目にかかるほど前髪が長く、地味な丸眼鏡をかけた地味な女の子である。自己主張が苦手おとなしい少女で、クラスでも読書していることが多い本の虫だ。この高校を選んだのも大きな図書館が附属していることが理由だったし、それが高じて図書委員にもなったほどだ。 犬蓼燈(いぬたで あかり)は表情の乏しく、あまり愛想がいいとは言えない女の子。明るめな茶髪をショートカットにしており、ブラウスの第一ボタンを外すなど制服を少々着崩している。燈もまた紫と同じく図書委員である。 今は放課後で、図書委員の仕事として二人はカウンターの中にいた。本の貸し出しや返却をする生徒が来たら、その手続きを行うのである。今はちょうど生徒の足が途絶えたため、休憩がてら読書をしていたのである。 ちなみに一緒の椅子に座っているのは、司書が個人的に持ち込んだそのちょっと大きめのアンティーク調の椅子がふかふかとして心地いいからである。ちょっと手狭であるが、二人で座っていても問題ない。 紫は真後ろの燈をちらりと見やる。 燈は無口で、クラスメイトと喋っている所をあまり見かけたことがなく、同じ図書委員ということなのか紫といることは比較的多いが基本的に一人で行動していることが多い。一匹狼気質のある彼女をクラスメイトの一部の女子がかっこいいと噂しているのを耳にしたことがあるが、燈が人付き合いが苦手なのだろうことを紫は薄々感じていた。 ――だからこそ紫には不思議だった。 「……あかりさんは。本、好きなんですか?」 「私にとっては睡眠薬と同義語だな」 本に栞代わりに挟んでいた指の位置が、十数分前に見た時から数ページも進んでいないのを見つけた紫は思わず苦笑した。そして、もう一つ質問する。いつものように。 「どうして、図書委員になったのですか?」 「……気まぐれ」 燈は端的に答える。それもまたいつものように。 紫が疑問に思っているのはそのことであった。燈はどうして図書委員になったのだろうか? この高校は誰もが必ず何かしらの委員にならないといけないわけではない。委員会の数に対して生徒数が圧倒的に多いため、なりたくない人は避けようと思えば避けられるのである。それなのに燈は図書委員になった。それも紫と同じく自分で立候補してだった。 ずっと不思議に思っているのだが、燈に適当にはぐらかされてばかりなので、紫も訊きはするもののそれほど気にしなくなった。もしかしたら本当に気まぐれなのかも知れない。 そんな事を頭の中で紫が考えていると、 「――きゃっ!」 突然に燈が紫の背中に体重を預けてきたので、驚いて小さく声を上げてしまった。燈は変わらぬ口調で呟く。 「驚きすぎだろ、ゆかり」 「うぅ、ちょっとびっくりしただけですっ……」 顔を紅くしながら紫は言い返す。しかし燈はそれを気にした様子もなく、さらに体重を預けてくる。 「眠いんだから背中ぐらい貸せって」 言いながら瞼を閉じる。紫はたじろいでいたが、やがて観念したのか、引き気味だった体を逆に燈の背中に預けた。 「ちょっとの間だけですからね」 「……さんきゅ」 燈は小さく呟き、口の端を少し曲げる。 (……もう) 素直にお礼を言われたものだから、それ以上紫は何も言えなくなってしまった。仕方ないので読書を再開するのだが、 「……スー、……スー」 (…………気になる) 後ろから聞こえる控えめな寝息、背中から伝わる燈の体温が気になって、紫は読書に集中することができなかった。 (あかりさん、あったかいなぁ。心地いい。……なんか私も眠たくなってきました) 自分も寝ようかと紫が考えていると、 「……ゆかり」 「わひゃあっ!」 寝たのだと思っていた燈から声をかけられて、紫は口から心臓が飛び出るほど驚いた。図書館であることを思い出し、慌てて口を手で押さえ赤面した。館内に生徒がほとんどいなかったことに紫はほっと胸を撫で下ろす。 「いくらなんでも驚きすぎじゃないか?」 むしろ燈の方が声に驚きの色があった。それに気づいたから、 「……ご、ごめんなさい」 紫は縮こまる。そのことにまた燈も気づいたからこそ、普段の調子で話題を変える。 「まあ、いいや。それで明後日なんだけどさ」 「明後日ですか?」 「ああ、明後日」 「……?」 「……」 それ以上燈は語らないから、紫は考える。何かあったのだろうか? 明後日といえば金曜日なのだが―― 「あっ、返却本」 「そゆこと」 端的な言葉だが、それだけで二人の意思の疎通ははかれた。 図書委員としての仕事は図書の貸し出し作業だけではなく、別にもう一つある。それが返却本の整理であり、早い話が返却された図書を元々あった位置に戻す作業である。これら二つの作業を、週替わりでどこか一つのクラスの図書委員が担当するのである。 燈はちらりと奥の机に積まれた本の山を見ながら、 「この調子だと明後日は大変そうだな」 と、溜め息を吐く。紫もまた、あははと苦笑い。本来この作業を金曜日にまとめてやる必要はなく、むしろ一週間かけてコツコツするべきことである。それなのに二人が今日まで放置していたのは、司書が出張でいないからである。カウンターに人がいない状態にはできないため、図書委員が返却本の整理をしている間は司書にカウンターについてもらう仕組みである。 とはいえ、基本的にそうするものだとは言っても、別に司書がいなくても二人のうちどちらか片方がカウンターで待機していればもう一人が整理を行うことは可能である。可能ではあるのだが、 「今からやりますか?」 「ん、ゆかりやってくれるの?」 「い、いえ。わ、私はほら、読書中ですし。あかりさん、お願いできませんか?」 「私は見ての通り絶賛睡眠中だ」 と、二人が二人ともやる気がないため叶わない。 「ふふっ」 「……ぷっ。あはは」 燈が鼻で笑うと、紫も吹き出して笑う。見た目や性格と色々と正反対な二人だが、こういう所が意外にもよく似た二人である。とはいえ、めんどくさがり屋なのが、その理由の全てではない。もう一つ作業しない理由がある。それは、―― 「ま、金曜日に頑張るとしようか」 「そうですね」 「なんとかなるだろ。二人なら」 「……はい」 紫は小さく微笑み、燈は心地よさ気に瞼を閉じる。 作業しないもう一つの理由、それは一人で作業するのが二人とも寂しいからである。 ――翌日、昼休憩前の授業が終わり、図書館に一緒に行こうと紫の机まで燈はやって来たのだが、 「ゆかり」 「…………」 「……ゆかり」 「………………」 全く反応がない。思案した燈は、紫の肩を優しく揺する。 「おい、ゆかり」 「…………え? あ、はい、何ですか、あかりさん?」 自分の名を呼ばれていることにようやく気がついた紫が、とろんとした眼で燈を見やる。ほっぺたも赤みがさしている。昨日のように読書に没頭していたわけではない。風邪である。ちらりと見ればノートもほとんど取れていない様子である。 (今度見せないと) 思えば、今日は朝から紫の様子がおかしかった。歩けばふらついているし、話しかけてもまともな返事が返って来ない始末である。さっきの授業中も燈は横目で様子を窺っていたが、大半は机に突っ伏している姿しか見ていない。原因を何とか訊き出した所、昨日の本の続きが気になって夜通し読んでいたそうだ。燈は呆れてものが言えなかった。 「大丈夫か?」 訊くが、無駄な質問だというのは燈には分かっていた。体調が悪いのは明らかだし、紫がなんと答えるかも予想出来ていた。 「大丈夫ですよぉ。さあ図書館行きましょう、あかりさん」 想像通りの言葉とともに紫は机に手をついて立ち上がる。けれど足元がおぼつかず体がゆらゆらしている。燈は溜め息を吐いた。 「ゆかり。お前今日はもう帰れ」 「えっ? でも……」 「でも、じゃない」 「あ、あかりさん!?」 燈は紫の腕を取って引き寄せると、紫の額に自分の額を当てる。やっぱり、と燈は嘆息する。 「熱、あるじゃないか」 「今、別の理由で上がった気がしますけど……」 「ん?」 「あ、いえ、何でもないです」 照れ隠しに頬を掻く紫。少しだけ意識がはっきりしちゃったな、と思った。 燈は紫の内心には気づかず、腕組みをして紫に言い聞かせる。 「とにかく。今日はもう帰るんだ、ゆかり」 「うぅ……でも」 こうまで言っても渋る紫に、燈は心底呆れる。責任感が強いのだろうけど、思っていた以上に頑固なようだ。そこで燈は説得の仕方を変えることにした。 「ゆかり。明日は返却本の片付けをする予定だったよな?」 「えっ? あ、はい、そうですね」 話がいきなり別のことに変わって、紫は不思議そうに眼を瞬かせた。 「今日は特に用事があるわけでもないし。明日全部片付けなきゃいけないんだから、今日は休んで、ちゃんと風邪を治してから明日来い」 「…………」 紫は逡巡し、少しだけ間を置いてから、 「……はい。じゃあ、あの、休ませてもらいます。すみません、あかりさん」 ようやく肯定の返事をした。 燈はほっとして胸を撫で下ろす。 「気にするな。保健室まで送るよ」 そう言って燈は紫に肩を貸す。 「ありがとうございます、あかりさん」 控え目に燈に体重を預ける紫は、弱々しくも嬉しげに微笑む。 紫を保健室に送り届けてから、燈は昼休憩と放課後、図書委員の仕事一人でこなした。 今日の図書委員の仕事はつまらなかった。 紫が早退した翌日、件の金曜日。紫は普段と変わらぬ表情で登校して来た。しかし燈の目からすれば体調が芳しくないことは一目瞭然であった。――それどころか、 (もしかして昨日より風邪が酷いんじゃないのか?) 燈には、そう思えて仕方なかった。 授業中、燈の視線は大半の間紫に向いていた。そのため、ノートを取り損ねては焦り、問いを指名されても反応出来ずに先生に怒られて。そのたびに慎ましく微笑む紫と目が合うのだが、風邪で苦しげな様子が見てとれてしまって、燈は口の端を上手く上げることが出来なかった。 合間の休憩時間に紫と話しても、不調を悟られないようにと普段よりよく笑う紫を見るのが燈には辛かった。 もどかしい気持ちのまま、昼休憩になった。昨日とは違い、燈が教材の片付けに手間取っていたら、紫の方からやって来た。 「あかりさん、図書館に行きましょう」 変わらぬ様子の紫。ただ抑えてはいるようだが、若干息が荒い。 「ゆかり。……お前まだ風邪治ってないだろ」 燈が言及するが、 「大丈夫ですよ、あかりさん」 紫は認めようとはしない。 「本当に?」 「ほんとにほんとうですって。あかりさんは疑り深いですね。そ、そんなことより、早く図書館に行きましょう」 半ば強引に話を切り替え、紫は燈を急かす。 「昨日手伝えなかった分、今日は頑張りますよ!」 (――っ!) 紫のその言葉で、燈は自分が犯したミスに気づく。昨日、紫を早く帰すために言ったこと。 『明日全部片付けなきゃいけないんだから、今日は休んで、ちゃんと風邪を治してから明日来い』 その時の燈は、紫を一刻も早く帰そうと、そればかりを考えていた。 (ゆかりは優しくて責任感の強い子だ。あとちょっと頑固だし。そんなゆかりにあんな言い方したら、一日で風邪が治らなかった時にゆかりがどうするかなんて、少し考えれば分かる筈なのに――) 紫なら無理を押してでも絶対に登校して来ると。つまり、まさにこの現状になると。 (私の阿呆っ!!) 燈は後悔する。昨日の燈の行動は、ああでも言わないと紫が帰ろうとしない性格であることを考えれば、客観的に正しかったと言えるだろう。しかし、燈にとってはそんなことはどうでもよかった。とにかく今はどうでも紫を帰宅させることが肝要なのである。 「ゆかり」 燈は紫の名前を呼ぶ。特に妙案があったわけではない。とにかく話し始めるきっかけが欲しかったのだ。声をかければきっと紫は応えてくれるから。 燈のその考えは正しかった。 「えっ? なんですかぁ――」 ――正しかったのだが、ふらつく紫の体が崩れ落ちそうになることまでを予想することは出来なかった。 「ゆかりっ!」 叫び、燈は慌てて手を伸ばす。体で支えるようにして抱き止めた。燈はほっと胸を撫で下ろしたが、同時にはっと気づく。 「……無理しすぎだよ、ゆかり」 最早紫の無茶を怒る気にもなれなかった。それほどまでに紫の体調が悪いことを実感したのだ。熱があるどころではない、抱き止めた紫の体は熱かった。三九度、下手すれば四〇度まであるかもしれない。 「え、えへへ。ごめんなさい、あかりさん。やっぱり、ちょっと無茶でした……」 そのまま、紫は気を失うように眠りについた。 日が沈み幾分か経った頃になって、紫はようやく目を覚ました。外は暗く、もう最終下校時刻も過ぎているだろう。 上半身を起こして辺りを見渡すが、ぼやけていまいちはっきりとしない。 目元を擦りながら片方の手で探って枕元に自分の眼鏡を見つけ、かけてから改めて室内を見ると予想した通り保健室だった。 「……あ」 ふと、紫は窓際の机に座る白衣の女性を見つけた。いや、座っているというよりは、机に突っ伏して寝ていると言った方が的確である。 彼女の名前は梍水希(さいかち みなき)。場所と服装から察せられる通り、水希はこの学校の養護教諭である。そんな彼女が、病気の生徒が寝ている傍らで自分も寝ていることに紫は呆れていた。 ――とはいえ、 「……熱、大分引いてる」 水希がとても心配性で優しい先生だってことは、紫のみならず校内中で知られていることである。たぶん紫の容態が落ち着いてついウトウトしたのだろう。 「ん……」 紫の呟きが届いていたのか、水希が目を覚ました。大きく伸びをして、勢いよく振り向いた所で、水希の動きが固まった。バツが悪そうな表情を微かに浮かべたが、特に気にしていない体を取り繕うと、「やっ、起きたのかい?」 言いながら立ち上がる。見事な自然体だ。水希は棚に置かれた体温計を手に取り、それを紫に向かって放る。危なっかしくキャッチした紫は、体温計を脇に挟む。 「気分はどうかな?」 「はい。わりと、もう大丈夫みたいです」 「そっか。ま、顔色も大分良くなったみたいだし心配ないかな。でも、まだあんまり無理しないように」 「は、はい。気をつけます……」 今回の風邪も無理のし過ぎで引き起こしたわけだから、水希の言葉に紫はバツが悪かった。そのことに気づいた様子もなく水希が言葉を続ける。 「そうそう、君を連れて来た子なんだけど」 「あか……犬蓼さん?」 そういえば、と紫はキョロキョロする。保健室の中に燈の姿はなかった。まだ少しだけボーっとする頭で考える。 「そうそう、犬蓼さん。君を運んで来たときに、その犬蓼さんから頼まれ事されててね」 「頼まれ事?」 「ひとつは薊さん、君の看病を――って、おいおい何だいその疑いの眼差しは」 ジト目を向けられ、不服そうに口を尖らせる水希。 「ええ、ええ、寝てましたよ寝てましたともさ。だって眠かったんだもん、もうこんな時間だしさ、でも寝息が落ち着くまではちゃんと看てたし」 紫は苦笑いし、 「拗ねないで下さいよ、先生――って、え?」 と、そこで紫はふと気づく。 「こんな時間って、今何時なんですか?」 その質問に、水希は壁に吊るされた丸時計に目をやって、 「八時四〇分ってとこだね」 返答に目を丸くする紫。 「もうそんな時間だったんですか!?」 遅い時間だとは思っていたが予想以上だった。 ――ピピピ、と小さな電子音が鳴る。発生したのは紫の胸元から。体温計である。紫から体温計を受け取り、画面の数字を確認する。 「三六・九度。ちょいと高めだけど、まあ大丈夫でしょ。ただし無理はしないこと」 再度念押しする水希はやはり優しい先生だと紫は思った。 「で、頼まれ事の二つ目なんだけど」 「二つ目?」 そういえば、『ひとつは』と水希は言っていたなぁ、と紫は考えた。 (他にも何か頼んだのでしょうか、あかりさん?) でも看病以外に何を? 紫は首を傾げた。 「そ。薊さんが目を覚ましたら、車で家まで送り届けて欲しいってさ。いや私に負けず劣らず心配性のいい子だね」 「そうですね」 紫は笑みとともに言葉を零す。燈の優しさに胸が暖かくなる。 そんな紫に、ふいに水希が言葉をかける。 「――で、どうする?」 「…………?」 またしても紫は首を傾げる。どうしてわざわざ選択を迫るのかを。 そこで紫は違和感に気づいた。 (あれ……? そういえば、何であかりさんいないんだろう) 身勝手な考えだということは、紫も重々承知しているが、こんな時間でも燈なら傍についていてくれていると自信を持って言えた。途中で水希に帰らされた可能性もあるのだが、それなら水希が言う頼み事も昼休憩ではなく帰る時にしそうなものである。 (あかりさんのことですから、きっと休み時間の度に来てくれると思いますし) ――何か用事でもあったのでしょうか? 次第に働きかけてきた頭で考えること、しばらく。心当たりをようやく思い出した紫は、その間微笑を浮かべて紫の様子を眺めていた水希に答えた。 日が落ち、空に星が輝く頃に図書館は使用されるように設計されておらず、中心の吹き抜けの天井に吊るされた大きな照明が一つとあとはお情け程度にしつらえられた細々とした灯り、それからガラス張りの部分から僅かに差し込む月明かりぐらいしか光源がなく、中心辺りはまだ明るいが、隅のほとんどは暗々として寂しい。 その一角、やや薄暗い中本棚の前で椅子に腰かけた燈は、横の台車に積まれた本を一つ一つ元あった場所に戻す作業を黙々と一人行っていた。 「――やっぱりここにいましたね、あかりさん」 「……ゆかり!?」 いきなり声をかけられて、更にその声の主が紫だと気づき燈は目を丸くした。 「どうしてここに? ……というか風邪は?」 「体はもう、あかりさんのお陰で大分楽になりましたよ。それと、ここにいるのは私も図書委員だからに決まっているじゃないですか」 紫はさも当然のように言う。燈は言葉の意図が伝わらなかったことに苛立ちながら、 「そうじゃなくて、なんでまだ学校にいるんだよ!?」 「――帰そうと思ったのに、ですか?」 「……!?」 「私、あかりさんのことなら大抵のことは分かるんですよ?」 (…………今日は、まあ、ボーっとしていたから先生にヒント貰わなかったら気づいたのが帰ったころになっていたかもしれませんけど) 内心の冷や汗を隠しつつ、紫は不敵に微笑む。その珍しい表情に燈は豆鉄砲を喰らった鳩のようになった。 「……ぷっ。あはははは。負けたよ。そうだよな、図書委員だもんな」 「はい」 燈は吹き出したように笑う。その様子に紫は楽しくなる。 (熱のせいなのかな。いつもなら言えないようなことが言えてる気がします) 不思議な高揚感もあり、紫は微熱を感じた。 「……ああ、そうだ」 ひとしきり笑ったところで、ふいに燈は立ち上がる。紫が不思議そうに目で追うと、燈はすぐ近くの机から椅子を持って戻って来た。 「ほら、座りな。まだ完全に治ったわけじゃないんでしょ」 紫は自然と笑みが零れ、その椅子に腰かける。 「あ、ありがとうございます。で、でももう体調はよくなってきましたし、私も作業を手伝いますよ」 「だめだ」 その提案は即座に却下される。 「そういう病み上がりこそ体を大事にしないと、また昼みたいにぶっ倒れるぞ」 「うぅ、……はい」 そのあまりにも正論に、紫は素直に引き下がるしかない。燈はうんと頷くと作業に戻る。紫はその様子をボーっと眺めていた。 特段喋ることもなく時間が流れていたが、どうにも手持ち無沙汰に耐え切れなくなった紫が口を開く。 「あの、あかりさん。やっぱり私も手伝います」 その言葉に、燈はゆっくりと紫に視線を動かし言う。 「却下」 「あぅ」 そうしてまた作業に戻る。しかしなかなか諦めのつかない紫は今度はあまり間を置かず食い下がる。 「いや、でも、少しくらいなら大丈夫ですから」 「駄目」 「ちょっとだけですから」 「断る」 「えっと、だけど……」 「拒否する」 「……あの」 「………………」 それでも燈の意思は曲がることはなく、紫の提案はバッサリと切り捨てられ、最終的に声をかけた瞬間に無言でそっぽを向かれてしまい、紫は完全に諦めた。 紫が沈黙し、手伝う気がなくなったのを認めた燈は改めて作業に戻った。 それからどれくらい経ったのだろうか。 静寂にいくらの気まずさもなく、燈は作業に没頭し、紫はずっとその様子を眺めていた。話すこともなくボーっとしていると頭だけはぐるぐる回るようで、燈と違い暇を持て余していた紫は考え事ばかりしていた。 そうして、台車に積まれた本の山が残り僅かになった所で、紫はふと思ったことを口にする。 「……あかりさんは」 「…………」 声をかけられた燈は、じろりと紫に目線を動かす。また懲りずに手伝うと言い出したのではないかと勘違いしたらしい。それに気づき紫は慌てて否定する。 「ち、違います。もう手伝うなんて言いませんから。ただの世間話をしたかっただけです」 「……なに?」 訝しげな目も一瞬のことで誤解はすぐに解けた。燈は変わらず作業を続けていたが、聞く態勢に入っていることは紫にはなんとなくわかった。 「あかりさんは、…………どうして図書委員になったのですか?」 燈は小さく息を吐く。 「またその話? それならいつも言ってるだろ。ただの、気ま――」 「――気まぐれ。は、なしですよ」 先手を取られ、燈は目を見開いて振り向いた。紫は楽しげに微笑んでいた。 (……熱のせいかな?) いつもならその場の空気で流してしまう内容なのだが、不思議な高揚感が紫を積極的にさせていた。そのことに紫自身も驚いていたのだが、この疑問は入学後三回目のホームルームの時、紫が図書委員に立候補してすぐその相方にと燈が手を挙げた時からずっと抱き続けてきたものだったから。 しばらくは目線を合わせていたが、燈は諦めたように溜め息を吐く。止まっていた手を再び動かしながら観念して呟く。 「わかったよ。私の負けだよ。……話す」 「ほ、ほんとですか!?」 紫は身を乗り出す。いつもより攻めの姿勢ではあるものの、結局いつものように流されてしまうものだと紫は考えていたため語気が少し荒くなってしまった。 「うん。……ただ、――」 ちらりと紫を見やる。紫はきょとんとした。 「なんですか?」 「そうだな。その前に。ゆかりはどうして図書委員になったんだ?」 「私、ですか?」 「そう。ゆかりが言ったら私も言う」 紫はぽかんとする。 「……なんかずるくないですか?」 「訊くからにはまず自分から。礼儀でしょ?」 「屁理屈な気もしますけど……?」 苦笑いして答える。わざわざ同じ質問を返す意図がいまいち分からなかったが、しかし答えないことには話が進みそうになかった。紫は首をひねって考えを巡らし、思いついたままを口にする。 「やっぱり、本が好きだから、なのだと思います」 端的な答え。それに、燈は納得がいかなかったのか追及する。 「それだけなら委員にならなくても別にいいだろ。うちの高校、生徒数がバカみたいに多いから、誰もが必ずどれかの委員をしないといけない、ってわけではないのだから」 「そ、……それは確かに」 言われて、逆に納得してしまう紫。そう言われてしまうと、自分でもなんでだろうと考え込む。そして、自分の中で一番ストンと腑に落ちた思いに至った。 「たぶん本が好きだから。……読むだけじゃなくて、色んな思いの詰まった本そのものが好きだから、大事にしたいって思うんです。だから、本のお世話も自分でしたいと思っちゃったのではないかと、今は思います」 「なんか、ゆかりらしいな」 燈は口の端を少しだけ曲げた。 「あっ、でもそれだけじゃなくて、……」 「ん?」 「やっぱり、みんなにも本を好きになって欲しいって思うんです。私のわがままみたいなものですけど」 照れたように頬を掻きながら、紫は苦笑する。 「――もちろん、あかりさんにもですよ?」 「…………」 「あかりさんは、本好きですか?」 「睡眠薬」 即答だった。なぜか紫はいつもより少しだけ残念な気持ちになり、そしてまたそれを不思議に感じた。 「――でも。……最近はおかげで少しいい夢をみてるよ」 その言葉に、紫はにやけてしまいそうになるのを必死に我慢した。落ち着くまで少し間を置いて小さく咳払いを一つ。改めて燈に尋ねる。 「それで、あかりさんが図書委員になった理由はなんですか?」 燈は小さく息を吐いてから口を開いた。 「――ゆかり」 「……はい?」 訳が分からず、間の抜けた返事をする。 そこでちょうど台車の上の本は残り一冊となり、燈はそれを手に取ると話しながら続けていた作業を中断し、体の向きを変え、紫の正面を向いた。 「お前だよ、ゆかり。私が図書委員になった理由」 「……どういうことなのですか?」 ちんぷんかんぷんだった。先を促すようにじっと燈を見つめると、一瞬考えるように宙を仰ぎ、そしてまた視線を紫にしっかりと合わせた。 「お前ってさ――」 「は、はい」 「ドジじゃん」 「うっ! ……い、いきなりなんなのですか!?」 予想外に精神的ダメージを喰らってしまう紫。それを知ってか知らずか、気にせず淡々と思い出でも語るように燈は続ける。 「ボーっとしてるから何もないところでもこけそうになるし」 「うぅ」 「人にぶつかる、壁にはぶつかる、そしてこける。それもこれも本の事ばかり考えているから。……たまに歩きながら本読んでるし」 「はうっ」 「本の虫というか、本バカというか。休みの日に遊びに出ても、ゆかりの方から誘った上に、乗り気じゃない私をほとんど強引に連れ出したくせして、ふらーっと立ち寄った書店に二、三時間」 「あう……」 「あと五分。もうちょっとだけ。もう終わりますから。それから帰り際には、次は寄らないようにしますから。頑張って我慢しますから。とか、そんな台詞をいったい私は何回聞いたことか」 「…………」 (まあ、毎度毎度それに付き合う私も私だけど) 心の中で苦笑する。 「もう、いったいなんなのですか!?」 涙目で紫は訴える。その様子に燈は笑みを、優しい笑みを浮かべた。 「――でも、頑張り屋だ」 「え?」 キョトンとする紫に燈は構わず続ける。 「いつもオドオドしてるけど、本が大好きだからいつも一生懸命に図書委員の仕事をしてる。……教室にさ」 少しだけ遠い目をしながら、ゆっくりと語る。 「本に触れる機会を増やそうってことで、図書館の本が月替わりで十数冊か置かれているじゃないか。入学当初から。お前はまだ委員を決める前からその棚の整理をしてた。適当に置かれても文句一つも言わずにさ。そういった所、私よりも強いって、私は思う」 燈がそんな風に思っていたことに、紫は驚いていた。――でも、 (でも、あれは。あかりさんが、普段あまり口を開かないあかりさんが、急に皆の前に立って呼びかけてくれたから。だから皆が気をつけてくれるようになったんです。本当に強いのは、あかりさんです) 思い出し、胸の辺りがあったかくなったのを感じた。微笑む紫に気づいて、燈は少し口調を速めた。 「でも、ゆかりはそういう所自信持てないでしょ。だからお前が図書委員に立候補した時、つい私も手を挙げたんだ。ゆかりの力になりたいって」 「…………そうだったんですか」 嬉しくて仕方がない。本当に燈は優しいなと心底思う。 「――ん、いや」 これまでの事を改めて思い出しながら、燈は呟く。 「?」 「ちょっと違う、かな」 膝の上の最後の一冊を指で弄りながら、 「私は、……」 いつもの調子で、しかし声の中に確かな決心を感じさせながら、 「ゆかりのことが……」 ――はっきりとその言葉を口にする。 「ゆかりのことが好きなんだ」 「……え? ええ!?」 唐突な言葉に、予想外の言葉に紫は呆然とし、しばらくして言葉の意味を噛み砕くと、顔をボッと真っ赤に染めた。 (……え? えっと、どういうこと? あかりさんが私のことを好き? 友達として? で、でもこの雰囲気は違いますよね? そ、そっちの意味ですよね?) 両手で頬をおさえて、思考をぐるぐると巡らす。 そんな紫から視線を外し、燈は手に持っていた本を棚に収めると、気持ちいつもより大きな声で、 「ほら、終わったからもう帰るよ」 「……え? えと?」 「もう遅いから、早く帰ろう」 「え、あ、はい」 立ち上がり台車や椅子を手早く片付ける燈の勢いに押され、思考が追いつかないまま紫も立ち上がる。 それからは完全に流れまかせの紫だった。 図書館を出て、鍵を事務室に返し、学校を出て月明かりの夜道を歩く。中学校の学区は違うが、そこまで互いの家が遠くないため燈は紫を家まで送る。その時交わした「さよなら」の言葉以外、二人は口を開くことはなかった。二人とも何を話せばいいか分からなかった。 ――ただ。 ただ、燈の頬にも微かに赤みが差していることに紫は気づいていた。 「……ふぅ」 読みかけの本に栞を挟み、机の上に置く。 帰宅した紫は、夕ご飯を食べてお風呂に入った後、すっかり熱を引いたのをいいことに、昨日途中まで読んで止めてしまっていた小説の続きを読んでいたのだが、 「…………集中できない」 文字が、言葉が全くといって頭に入って来ず、十分経っても二、三ページと進んでいないことに気づいた紫はとうとう読むのを諦めた。閉じた本を机の端に追いやり、両腕を枕代わりに突っ伏した。 原因は分かり切っていた。燈だ。 (……あかりさん) 三つ編みを弄りながら、ぼーっと燈の顔を思い浮かべる。 一瞬で頭に血が上り、カァーと顔が真っ赤に染まる。 「――わっ、わっ!?」 慌ててぶんぶんと勢いよく頭を横に振り、少しの冷静さを取り戻す。 過剰に反応した自分に驚きながら、それも当然のことだと改めて納得した。 「だって、まさかあかりさんがあんな事を言うなんて……」 数時間前の出来事、未だ鮮明に残る燈の告白。その時の声、表情、言葉、そして思い。紫には忘れられそうもない。 思い出しながらまた顔を赤くし、冷まそうと頭を振る。それでも頬を紅潮させたまま、紫は考える。 「…………私は、あかりさんのことをどう思っているのかな?」 好きか嫌いかと問われれば、 (当然好きです。大切なお友達です) 即答できる自信が紫にはあった。 ――問題は、 「その、度合ですよね」 ふうっ、と紫は溜め息を吐く。 「……恋愛の好きって、どういう気持ちなんでしょう?」 紫は恋愛小説が好きだ。今まで沢山の本を読んできたが、その何割かはそれが占めているほどだ。読む度に紫は恋愛に対する憧れを強くし、いつか自分も素敵な恋愛をしたいと思っていた。そしてその都度、紫は好きという気持ちについて想像し思考するのだが、やはり具体的な答えには遠かった。 好きという気持ちを考えれば考えるほど分からなくなってしまう。 考えれば考えれば遠のいてしまう感覚に陥ってしまう。 ――今も、そんな状態だった。 「……ふう」 数分間の思考ののち、またも紫は溜め息を吐く。思考はそこで途切れた。どうしても分からないと、とりあえず考えるのを諦めてしまった。……と、そこに。 ――プルルルルルルルルル。 「わぁっ!?」 突然鳴り響く携帯電話の着信音。完全に気が抜けていた紫は大変驚いてしまった。 「……誰でしょうか?」 何となく予想しながら画面を覗くと、その通りの名前。燈だった。 「…………」 紫は思わず息を飲んだ。 (わっ、わっ、あかりさん? なんでしょう。なんか今すごく出づらい。なんか、すごく恥ずかしい。どうしたらいいのかな? というか、いったい何の用なのでしょうか? ……って、もしかして告白の返事の催促とか? うぅ、それはまだ心の準備が出来ていないというかなんというか。どうしましょ、本当にどうしたらいいんでしょう? あぁ、でも、もうだいぶ待たせてしまってますし、と、とにかく電話にで、出ましょう!) 意を決して通話ボタンを押す。実はこの間、三コールだったりする。 「……も、もしもし?」 動揺が伝わらないよう意識して、恐る恐るゆっくり話す。 『もしもし、ゆかり。……はぁ、やっぱりまだ起きてたか』 「……?」 紫の内心に気づいていないことは良しとしても、電話に出るなり溜め息を吐かれ、声音にも呆れの色が強く出ていて、紫は逆に混乱してしまう。 『なあ、ゆかり……』 「あ、はい」 『お前また本読んでただろ?』 「えっ、えっとぉ……」 読んでいた、と言えるのだろうか? 確かに読もうとして本は開いていたけども、結局は集中出来なくて読めなかったというか。でも読もうとしていたのも事実だから何とも否定しがたく、紫は曖昧に言葉を濁す。 それを燈は肯定ととったようだ。 『やっぱりか。あのな、ゆかり。まだまだ病み上がりなんだから遅くまで起きてたらいけないだろ。お風呂はもう入ったの?』 「あ、はい。入りました」 『そうか。だったら尚更、湯冷めしないうちに布団に入って暖かくして寝ること。それじゃあね』 「はい、……って、ちょっ、あかりさ……。あ、切れちゃいました」 言いたいことを言うだけ言って、燈はさっさと電話を切ってしまった。唐突な出来事に紫は呆然と携帯電話を見つめ、ふと微笑んだ。 「…………やっぱり。あかりさん、優しい」 深く。――深く息を吐く。 少しだけぼーっとしてから、紫は机の隣のベッドに移動する。横になり天井を見上げ、紫は呟いた。 「私……あかりさんのことが好きです」 ただ、それだけ。それだけのことに行き着くのに何故こんなに時間がかかってしまったのだろうかと、紫は自嘲気味に小さく笑う。 「小難しく、いったい何を考えていたのでしょう?」 恋愛の答えが本の中にあるわけないのに。仮にあったとしても、それは他人の答えであって私の答えではないのに。 難しいことなんかではない。――ただ、 「私はずっと、あかりさんと一緒にいたい」 ただ、この気持ちだけを大事にすれば良かったのだ。 もう一度深く。ゆっくりと息を吐く。 胸の辺りがあったかくなる。 「……あかりさんのことが、大好きです」 独りごち、一拍置いて照れたように笑う。誰かに聞かれたわけでもないのに、口に出したらものすごく恥ずかしかった。 「……さて」 しばらくして、落ち着いた所で、 「寝ましょうか」 燈の言いつけを守らないと。これでもしまた風邪がぶり返しでもしたら目も当てられない。燈に合わす顔もない。 ――せっかく両想いなのに。 ベッドから身を起こし、部屋の電気を消す。改めてベッドに入り、今度はしっかりと布団をかけて目を閉じる。 「……りょ、両想い」 それを思い出すたびににやついてしまう。何度も寝返りを打ってしまう。そして、ふと気づく。 「そ、そういえば明日は土曜日、明後日は日曜日」 つまり、学校は休み。 「も、もしかしたらデ、デートとか。デデ、デートとかに誘われちゃうのかも」 そしてまた、何度も何度も寝返りを打つ。心が昂って落ち着きそうもない。 「わー、わー。どうしましょう。どうしたらいいんでしょう!」 枕を抱きかかえ、足をバタバタ動かす。 「うー、これでは寝られませんよー」 だが、それもしばらく。風邪で失われた体力が、あっさりと紫を夢の世界へと誘った。 週明けの月曜日、その早朝。紫と燈は風邪のせいで取れなかった授業のノートを写すため、人気のない図書館に訪れていた。すっかり体調も元通りの様子でシャーペンを走らせている紫。手元の本と交互にその様子を眺める燈は何度目かの首を傾げ、痺れを切らせて声をかける。 「なあ。どうしてそんなに不機嫌なんだ?」 「……」 紫のノートを書く手がぴたりと止まった。顔を上げて、威圧感の全くない瞳で燈を睨みつける。全く恐くなかった。 「……分かんないですか?」 問われて一応は考えてみる燈だったが、まるっきり見当がつかなかった。金曜日の夜に電話したのが最後だったが、その時も別段様子に変わりはなかったはずである。 燈が不思議そうに首を傾げると、紫は睨むのを(まあ元々そんなに力強くもなかったのだが)止め、申し訳なさそうに言う。 「すみません。分かってはいるんです。私のわがままなのは」 「何のこと?」 「そ、その。金曜日にあかりさんに、あ、あんなこと言われた後だったので、な、なんていうか期待しちゃったんです。えっと、……デ、……」 「……デ?」 燈が促すと、顔を真っ赤に染めた紫が口をまごまごさせながら、 「……デデデデートのお誘いがあるかもって思っちゃったんです!」 「あー」 これには燈も頬を染めた。その様子に紫はますます恥ずかしくなりながら、その勢いに乗せて捲し立てる。 「わ、私。え、えと、なんていうか。……あかりさんは優しいんです。あかりさんはあったかいんです。あかりさんと一緒にいると、ちょ、ちょっと緊張するんですけど、とても落ち着くんですけど、とても落ち着くんです。だから、……だからえっとなんていうか、私、あかりさんと一緒に居たいんです。だから……」 そこで言葉を区切って、ひとつ小さく呼吸する。胸に手を当てて、か細い声で、でも確かな思いを口にする。 「――だから私、あかりさんのことが大好きなんです」 「…………」 頬を染めながら微笑む紫。 頬を人差し指で掻きながら照れる燈。 「……じゃあ、さ」 恥ずかしそうに燈は口を開く。 「デート、しようか」 「え?」 「次の土曜日にでもさ。……私も、したいし。デート」 最後の方は燈にしては珍しく小さな声だった。 「は、はい! しましょう、行きましょう、デート。ど、どこに行きましょう!?」 その素晴らしすぎる名案に、紫は思わず身を乗り出す。が、 「……ストップ」 燈はすぐさまいつもの調子を取り戻し、手で制し待ったをかける。 「え、えと?」 「その話は、ノート写し終わってから。ホームルームまでもうあんまり時間がないんだから」 ちらりと、燈は壁時計を見やる。予鈴までは後二〇分ほどだが、教室までの移動も考えると、そんなに時間がない。 「うぅ、残念です」 項垂れる紫に、燈は小さく呟く。 「まあ、土曜日までなら時間はあるわけだし、ゆっくり考えよう」 「……はい!」 微笑む紫。嬉しくてしょうがない、といった笑顔に再び照れた燈は視線を逸らそうと、手元の本を開いた。 「ほら、早くノートを写す」 「は~い」 ほんのちょっと速くなった口調に紫は気づいていた。だからこそ紫も素直に返事をする。 再び、 ノートを書き写す作業に戻った紫。 本のページをゆっくりと捲る燈。 二人とも口を閉じたまま、図書館は静寂に満ちている。 ただ、それが。 ――それが、心地よかった。 ふと、燈が口を開く。 「……あ、ゆかり」 「ほえ、なんですか?」 「私が眠っちゃう前に終わらしてね」 「あー。はい、頑張ります」 「……というか、もうだいぶ眠い」 「い、急ぎますっ」 「んー。……おやすみ」 「ちょっ。あかりさーん。頑張ってくださいー」 「ぐー」 「あかりさーん!」 本当に心地よい、時間。
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ゆる4コマ系漫画設定妄想。 概要 [#c0e7a943] 「ボンクラ妖精温泉ちゃん」とはいつも温泉に浸かり、その第一声には「死にてー」とボヤくようなダメな妖精さん達のお話である。 基本設定 [#p0e49c9b] 3~4頭身。 頭上に天使の輪よろしく温泉マークが付いている。温泉妖精なので温泉に入ると温泉マークの輝きがUP。 全ての日本温泉と繋がっている。(ロケ地どこでも可) キャラ [#sf112453] くさちゅ(さん) 草津温泉の妖精。 上下関係に厳しく実は最も年配(見た目少女)のため「さん」付けしないとキレて説教モードに。 しかしいいかげんなところはとことんいいかげん。 年配らしく「…だねえ」などおばあちゃん言葉も入っている。 みんなのまとめ役兼なだめ役。 エヴァの呑んだくれミサトさん+ちびまる子+おジャ魔女どれみのどれみ。 風呂上りの牛乳を毎回ダラリというレベルではなくザバーっと盛大にこぼす。 しまんと 四万十川温泉の妖精。 元気バカっ子。すぐに素っ裸になる。 脈絡関係なしに「しま」という言葉を聞くと反射的に「しまんと!」と叫ぶ。意味は無い。 「しまんと!」を妨害されると「(´ー`)しま…しま…」と約5分ほどバグる。 りまりま 有馬温泉の妖精。 ちょっと舌足らず+ロリ声 打たせ湯が大好きで時々「ひゃぁ うひゃらあ」と奇声と共に絶頂する。らめぇ要員とでも。 密かに破壊魔であり、トゲトゲ玉半径30m&鎖100mの巨大モーニングスターを軽々ブン回す。 そして自己嫌悪モードになりくさちゅさんになだめられている。 そんな感じでにこやかに破壊活動するので全員この子の事を恐れている。 べっぷちゃん 別府温泉の妖精。 グダグダな温泉妖精達を更生させようと奮起するが、背が小さいため逆に可愛がられる。 褒められると照れながらブレイクダンスのウィンドミルを繰り出す妙技の持ち主。 フルーツ牛乳が大好きで両手で瓶を持ちながらちびちびと飲む。 基本丁寧語を多用、「…しましょう」と最も「しま」を言いやすいキャラであり、 常にしまんとがあらゆる手を使ってマークしている。誰かと話す度にしまんとが出現するので軽くトラウマ。 のぼりべつおねいさん 登別温泉の妖精。 常に酒を飲んでおり意味なくエロい。巨乳。 複雑な家庭環境で育ったらしいが、誰もその事に触れてはならない。 「おねいさん実は温泉があまり好きじゃないんだ…お金が必要だった頃を思い出して」と時々ナーバス。 くさちゅ(さん)とよく呑みに行っては泥酔し「バブルの頃はねー…」とうるさい。 ゆふー 湯布院温泉の妖精。 友達がいない子。本人曰く「ネット上には友達がいる」らしいが、どうも微妙。 SNSでも友達がいない。twitterでもいない。botだけが友達。 つまりは一人ぼっちで孤独。そのせいか微妙にツンデレる。 途中登場の途中退場という乱入キャラ。 ネット声優なるものをやっており、ネットラジオ界ではそれなりに有名。 だがそのネットラジオで時々ネガティブな事を口走るので新規の客が付かない。 一度動画生放送やってみたがお客さん1~3人と微妙。 音痴&運動音痴なので歌ってみた系や踊ってみた系には手を出さない。 いとっち 伊東温泉の妖精。 ちょっとヤンキー入っている子。 いとっちは自称であり、皆からはいとうさんと呼ばれている。 なぜかいとう先輩と言われることもある。ちーっす。 ワル(悪)に憧れる傾向があり、のぼりべつおねいさんを姉御と慕っている。 いわゆる中期登場キャラで他のキャラに対して威張るが、りまりまのマジな破壊行動を見てしまってからりまりまには逆らえない。 なるちゃん 鳴子温泉の妖精。 見た目、ふんわり真面目な優等生キャラ。 だが、マイナー掲示板のスラングを使う事からかなりのネットオタクと思われる。 よってゆふーとは仲が良いというかお客さんの一人がなるちゃんである。 ゆふー(の微妙なキャラ)が好きすぎてゆふーマインド改造計画を実行する。 いわゆる「なるちゃんP」である。 あつみゃー 熱海温泉の妖精。 熱血、友情、努力、勝利と暑苦しいキャラ、よって皆遠巻きに見ている。 オレ口調 基本スポ根根性。だが恋バナには弱いというか食いつきがハンパない。 密かに好きな妖精がいるが、スポ根根性で告白しようとして毎回諦めるヘタレ。 あつみゃーと名前が猫っぽいので猫耳付けてやるとかなり恥ずかしがる。でも嫌では無さそう。 ついでに「にゃー」と言ってみたらと言われ本人的には頑張るが「に、にゃ」が精一杯。 それを皆で見て和むという流れ。 げろんこ 下呂温泉の妖精。 腐。そしてゲスい。開き直っているのでタチ悪い。 発明家でもあり色んな物を発明するが碌なものを作らない。 何故かこの世界では核兵器実験をやったのがこのげろんことなっている。 げふげふげふ、と笑う。笑いの沸点も低く、げふっと笑う。 何か騒動がある場合は解説役へと回る。 漫画である「キラーン」などの擬音を普通に使う。 中の人的には…なんですけどね、とメタ発言多用、メタ発言を感染させる能力持ち。 入浴中に絶妙な位置でレーザービームや湯気を発生させる装置も開発。 今日: - 昨日: -
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