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みずき http //www.nicovideo.jp/user/1916098 みずきっくす http //com.nicovideo.jp/community/co49654 【ニコニコ動画】みずきっくす
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静かな夜。 テレビから流れる音楽の向こうから、時折、随分小さく車の走る音が聞こえる。 窓のすぐ外の信号機の光が、窓に一枚引かれた薄いレースを透かして壁や天井に淡く色を映す。 青……、黄色、赤。 さっとカーテンが引かれる。 乱暴に引かれ、ゆったりとはためくカーテンの陰には、恨めしそうに信号機を睨み付けるみずきの顔があった。 春先だというのにじんわりと蒸し暑い。 みずきは寮の自室で一人テレビを見ていた。 パジャマの袖をまくり、背もたれを抱えるようにして椅子に座って、それからお菓子を食べながら。 スナック菓子は残り半分ほど。 夜中に間食なんて本当はよしたほうがいいのだけれど。 選手としても、女の子としても。 ついついコンビニに寄っちゃうのも、欲しくなって買っちゃうのも、まだまだメンタルが弱いからかもしれない。 袋の中身を眺めながら、ため息を一つ。 今日はここまで、と袋に輪ゴムを掛ける。 すぐに片付ければいいのに、袋をじっと眺めて、うーん、と考え込んでしまう。 なごりおしんでちゃいけない、もうしまっちゃったからだめよ、と自分に言い聞かす。 …… やっぱり中身を一つだけ出して、ようやく片付ける。 テレビはおもしろくない。 チャンネルを変えようとリモコンをいじるが、どうも反応が無い。 ぐっと左腕を前に出し、気持ち身を乗り出して……やっと変わった。 ふふん、と、何だか得意気。 その体勢のまま、ちょこちょことチャンネルを変えながら、テレビを見た。 際限無く番組が飛ばされていく。 どれもいまひとつ。 そのうちに、だらんと下がり気味に伸びた左腕で、テレビに向けていたリモコンを器用に回してみたり、不安定に端っこを持って変化球の握りの練習をしてみたりと一人遊びを始めた。 夜中にテレビを見るかお菓子を食べる以外にすることのない女の子なんて……。 さみしいことはさみしいけれど、野球が恋人、という都合のいい建前があったので、あまり気にならなかった。 うまくごまかしていた、とも言える。 ──チームのみんなの持ち球は何だったっけ……。 あいつの昔の決め球は……、そうそう、スライダー。 スライダーってどうやって投げるんだったかな。 ……そういえば最近よくあいつに見られてる気がする。 練習中ちらちらと視線を感じる。 未だに女性選手が物珍しいのだろうか。 私のピッチングが気になりでもするのだろうか。 それとも…… いや、あのすかした男が女の子をじろじろ見たりはしないだろう。 じゃあただの私の被害妄想? それとも、何か、期待してる? 腕を伸ばしたまま、うーん、と唸る。 スライダーの投げ方を思い出そうとする。 なんだか疲れたので、お菓子を食べながら練習。 あいつのマネをして、腕をまっすぐ伸ばして格好をつけてみる。 いや、そんな格好するか知らないけど。 持ってるのはリモコンなので格好ついてないけど。 とにかく満足げにポーズ。 その時、コンコン、とドアをノックする音がした。 突然の事にリモコンを落としそうになる。 夜中に客など来たことがない。 何より驚いたし、していた事を見られたようで何だか恥ずかしくなる。 一体誰だろうと様子を窺う。 ワンルームなのでドアは短い廊下のすぐ向うに見える。 「俺だ」 友沢の声。 ──え?何で? あいつが夜中に自分の部屋に何の用があるのか。 「起きてるか?」 「は、はい!」 何だか妙な応対になってしまった。 「入るぞ」 ──ど、どうしよう、どうしよう。 とりあえずパジャマの袖を急いで下ろす。 椅子の向きを変え、かしこまった感じで座る。 ……お菓子! とっさに背中に隠す。 ドアが開き、友沢が入ってくる。 って、なんでこんなにうろたえてるんだ、私。 「おう」 「こ、こんばんは」 友沢は入ってくると、みずきのパジャマ姿なのを見て、視線を逸らした。 「ほら、忘れ物だ」 と言って、タオルを差し出した。 友沢は忘れ物を届けに来たのだった。 柄物を好んで使うのは自分だけ、とはいえ、友沢も少々めざとい。 やはり意識して見ていたのか、目に付いたのを覚えていただけか……。 「あ、うん……」 みずきは、友沢の手の中のタオルを見ながら、どぎまぎしている。 二人の間に何とも言えない沈黙が流れる。 テレビから笑い声が聞こえる。 「……ここに置くからな」 と、友沢はタオルを靴箱の上に置く。 みずきは落ち着きなく、応対に困っている様子。 友沢は何かに気付いた様で、みずきを見た。 「何か食ってたな、もう夜だぞ」 そこまで悪いことではないけれど、怪しむ様に言った。 みずきはびくっと反応する。 いつもなら、何匂い嗅いでんのよ!とでも言うところだが、その時はそんな余裕は無かった。 何だか急に恥ずかしくなる。 それだけ言うと、友沢は帰ろうと振り返った。 「食べる?」 つい、友沢を引き止めるように、みずきはお菓子の袋を見せた。 妙に声が大きくなってしまった。 友沢が振り向く。 みずきは自分で言っておいて、とっさに作ったぎこちない笑顔のまま硬直している。 「俺はそういうの食わないよ」 「これ、面白いよ」 すぐに話題を変え、友沢からは見えない所にあるテレビを指差した。 「え?」 「これ……」 さっきからテレビからは笑い声がしている。 みずきが繰り返しに勧めるので、友沢もよく分からないまま部屋に上がった。 みずきは緊張しながら、友沢が靴を脱ぎ、部屋に上がるのを見守った。 自分でもわけがわからないまま、部屋に入れてしまった。 一体どんな意識が働いたのか、突発的にそうしてしまった。 自分は一体どんな顔で彼を引き止めたのか。 変な奴だと思われてはいないか。 実に気まずい。 加えて、「面白いよ」とか言ったテレビはそんなに面白くなかった。 このこともまた気まずくさせた。 二人並んで、みずきは椅子に座って、友沢は立って、黙りこくったまま、大して面白くもないテレビを見ている。 沈黙に耐えかねて、みずきが口を開く。 「……あんまり面白くなかったね」 友沢はちらりとみずきを見ると、彼女の大きく開いた襟元に目が行き、慌ててテレビに視線を戻す。 「……そうだな。まあ、さっきまでは面白かったんだろ」 友沢は律義だ。 気を遣ってフォローまでされてしまった。 みずきは、テレビの事はつい思い付きで言ってしまっただけだったので返事に困ったが、気を遣ってくれたことには、それは大したフォローではないけれど、少し安心した。 とはいえ、場の空気が大きく動いたわけではなかった。 結局それきり二人とも喋らないし、テレビはつまらないし。 ただ時間だけが……、いや、長く感じるが、本当は何分も経っていない。 みずきは少なくとも三十分は経ったと思っていた。 そうでなくてもこのままの状態でいることには耐えられなかった。 何とかできないか、と考える。 友沢はどうしているだろうか、と横目に見ると、友沢は自分の方を見ていた。 そしてこちらの視線に気付くと、目を背けられた。 みずきも弾かれたようにテレビに向き直る。 友沢はみずきの胸元が気になって仕方がないようだった。 みずきの胸はあまり自己主張が強くない方なので、ちょっと覗き込めば簡単に服の中身が見えてしまう。 みずきは自分でもあまり恥ずかしがりではないと思っていたが、今は本当に恥ずかしかった。 友沢が見れない。 顔が熱くなってきた。 友沢はどうなっているだろうか。 こんなことになって、はじめに嫌悪感がわかなかったのは、自分でもどうかしていたと思う。 しかし、これでいくらか空気が変わった気がする。 これなら何とかなりそうな、例えば自分が怒って見せて、あるいは友沢をからかって、今日のところは場を納められそうな気がした。 ただ、少し引っ掛かるところはあった。 何かよく分からないけど、自分をエサに使うところか、自分から友沢を入れておいて、からかって帰すのが悪い気がするのか。 とにかくこの場を何とかしたい焦りがあったので、悩むまでもなく実行に移すことにした。 体勢を変えずに友沢の様子を窺う。 はっきりとは分からないけど、どうも落ち着きがない。 部屋中を見回している。 それでもやはり自分の胸元が気になっているよう。 みずきはこころもち体を友沢の方に傾けた。 パジャマの襟元が僅かにたゆむ。 友沢はそれに露骨に反応した。 完全に目が釘付けになっている。 ──かかった! 作戦は成功したが、友沢は見過ぎだった。 あまりに思い切り見るものだから、見られた瞬間に、この後どうすればいいか分からなくなってしまった。 自分からはどこまで見えているのかは分からない。 それでも気付いてないふりをしながらその恥ずかしい体勢を保たなければならないのだから、仕掛けた自分が参ってしまいそうだった。 胸のあたりに、心臓の音が痛いくらいに響いていた。 それでも恥ずかしくてたまらなかったし、どうにかしないと、という意識がなんとか働こうとしていた。 ここで怒るか、からかうかすれば、この場はお開きにもっていける。 やっとの思いで胸元を押さえ、友沢の方を見る。 顔を赤くしている友沢を見ると、目が回りそうだった。 しかし、言わなければ……。 「あ……」 ──あれ?あれ?何て言えば…… 「……あの……、胸、無いから、あんまり、見ないで……」 ──はい? せっかく頑張ったのに、出てきたのは全く計画と違う言葉だった。 「あ、ああ……ごめん」 「ああ……違うの、違くて……」 お互いにうろたえてしまう。 このままでは、また二人とも黙ってしまう、それはもうたまらない。 それだけは、何とかそれだけは避けたい。 何か…… 「服、欲しいかなー……、なんて……」 友沢の目の色が変わった。 みずきも一気に血の気が引いた。 心臓が止まったかと思った。 前から男を無理矢理買い物に誘ったり、服を買わせたりしたことはあった。 けれど彼の窮状は自分もよく知っている。 本当なら嘘でも言える言葉ではない。 それを、勢いとはいえ、言ってしまった。 しかもこのシチュエーションでは、無理に部屋に招き入れた上、いい思いをさせてやったんだから何か買って、なんて、あまりにも下品なたかり方じゃないか。 あんな言葉がとっさに出るような意地汚い自分を憎く思った。 さっきまでのものとは質の違う沈黙が、二人の間に流れた。 友沢はどう思っただろうか。 落胆する自分を見て、申し訳ない気持ちが伝わってはくれないだろうか。 とても今の友沢に、軽はずみな言い訳をすることはできなかった。 友沢は、しばらく黙っていたが、みずきを見、短い溜め息をついた。 「分かったよ、買ってやるよ」 みずきはその態度に、押し殺した怒りと開き直りを感じた。 だめだ、やってしまった。 怒らせた。 軽蔑された。 嫌われちゃった……。 そう思った途端、涙が出てきた。 それはあっという間にしずくを作り、流れ落ちた。 「……ごめん、なさい……」 弱々しく震える声で、友沢に謝った。 友沢は、泣き出したみずきに驚いていた。 「違うの、あれは、違うの。言いたくて、言ったんじゃないの。」 友沢の袖にしがみつくようにして、しゃくりあげながら続けた。 「友沢、くんに、意地悪しよう、とか、そんなこと、私、少しも、思ってないから……、だから、お願いだから、私のこと、嫌い……っ、嫌いに、ならないで……」 そこまで言うともう喋れずに、涙を一生懸命手の甲で拭きながら、しゃくりあげるばかりになってしまった。 友沢は、何もできずに聞いていたが、恐る恐るみずきの肩に手を掛けた。 「……いや……嫌いなんかじゃないから、大丈夫だよ。俺は、お前のこと、嫌いじゃないよ」 それを聞くとみずきは、友沢に抱き付き、繰り返し謝りながら、本格的に泣き出してしまった。 実のところ、友沢は怒ってはいなかったし、自由に使える金は僅かだけどあったし、単純に、買い物に行けばお互いの関係に進展があるかもしれないという期待さえあった。 そういうことを踏まえての「買ってやる」であって、決して頭に来て開き直ったわけではなかった。 結局みずきの空回りでしかなかったのだった。 友沢は、みずきが泣きやむまで背中をさすってやった。 なかなか泣きやまない彼女の背中を、いつまでもさすり続けた。 抱き付かれていたので、他にできることなど無かったかもしれないが、他のことなど思い付きもしなかった。 みずきが泣きやむと、友沢も安心して立ち上がった。 「とにかく今日はもう寝ろよ、明日一日休んでもいいしな」 友沢を見上げるみずきの肩を叩きながらそう言うと、「じゃあな」と帰ろうとした。 それをみずきは、腕を掴んで引き止めた。 「帰らないで……」 みずきの少し疲れたような声に友沢はどきっとした。 泣き疲れた目で、訴えるような表情で、そんなことを言われては、友沢もたまらない。 みずきは、嫌いじゃないと言われてもまだ不安で、行って欲しくなかったのでそういう行動を取ったのだったが、友沢は完全に別の解釈をした。 真剣な顔で向き直る。 「……わかった、今日はずっと一緒にいてやる」 みずきには始めからそのつもりは無かったが、友沢の言葉の意味はすぐに理解した。 その時の勢いもあったので、ためらいながらも心を決めた。 「……うん……」 結局、それは、まるでお互い誘われたような、何とも不思議な形で始まった。 みずきはベッドに寝かせられる。 友沢はその上に覆いかぶさるようにしている。 ボタンに手が伸び、一つ一つ外されていく。 みずきは服と素肌がこすれるのに緊張する。 顔を赤くしたまま大人しくしている。 黙っていれば色っぽいものだ。 やがて全てのボタンが外され、服が開かれる。 胸は……そんなにはない。 けれど肌が白いのは美しかった。 首もとがうっすらと日に焼けている。 それが少しもったいないような、そそるような。 みずきは、自分が服を脱がされるのをじっと眺めていた。 友沢の顔を見る、手許を見る。 不安と、緊張と、それと、嬉しさを感じていた。 どうして、今、嬉しいのか。 やはり、彼に対してそういう感情を持っていたのか。 そうなのだろう、気付いていなかったかもしれないが、確かに彼は特別だったと思う。 ただ、ずっと、彼のことを深く知ってから、その感情は同情であるふりをしていた。 その気持ちを、思わぬ形ではあったが、しっかりと認められた、そして伝えられた、そのことは本当によかったと思う。 友沢は、反応を確かめるように、ゆっくりと、丁寧に、みずきの胸に触れた。 「あ……」 みずきは小さく震える。 尚も愛撫を続けるが、みずきは目を細め、されるがままになっている。 こんなに大人しいのは、泣き疲れた後だからか。 やりたい放題できるとすれば今夜だけだろう。 とはいえ、さすがに弱ったみずきにそんなことをしようとは友沢も思わなかったが。 胸の先端に触れる。 「あぅっ……」 みずきはびくんと反応し、反射的に体を丸くした。 友沢もそれでつい手を引っ込めてしまう。 友沢もなかなか強気になれない。 結局、胸を触るのをやめてしまった。 今度は、口をみずきの首の辺りにもっていく。 それにみずきは少し上を向いて、許容体勢を取った。 首筋をそっと舐める。 みずきは少しだけ逃げるようにしたが、そのまま舌を押し当てるようにして首筋を這わせると、その動きに合わせて甘いため息を漏らした。 しばらくそうしていたが、友沢も舌が疲れてきた。 顔を上げ、みずきの下半身に手を伸ばす。 パジャマの上から秘部をこするように刺激する。 「んぁっ!」 突然のことにみずきは激しく反応し、足の間に手を入れて、また丸くなってしまった。 「あ……、ごめん、大丈夫か?」 「ん、大丈夫……、だけど……、服、汚れちゃうから……」 「ああ、そうか、そうだな」 そうして友沢はみずきのパジャマに手を伸ばした。 「あ!待って!ちょっと!」 みずきが友沢の手を止める。 「じ、自分でやるよ……」 恥ずかしそうに、そう言った。 するすると、パジャマと下着が下ろされていく。 やがて秘部があらわになる。 毛は薄く、その場所はよく見える。 が、あまり見るとみずきも嫌がるだろう。 パジャマと下着が膝まで下ろされると、みずきは足を投げ出した。 「……いいよ……、あんまり、見ないでね」 「……わかった」 それを聞いて友沢は、もう一度手を伸ばした。 指で入り口をほぐしてやる。 指を浅く差し込み、広げるようにする。 「ふ、ぁ、あっ……」 みずきは足をもじもじさせたが、頑張って嫌がるのを我慢した。 友沢は、いじらしいみずきを見て、はやる気持ちがあったが、その場所はなかなか濡れないので困っていた。 お互いに経験は無いし緊張していた。 友沢はみずきの足の方に回り、秘部がよく見えるよう足を起こした。 その体勢は、みずきも何をされるかすぐに分かった。 「や、やだ、待ってっ……んはぁっ!」 みずきは友沢を止めようと手を伸ばしたが、その前に秘部に舌が入ってきた。 あまりの刺激と恥ずかしさに、体を大きくのけぞらせた。 「あ!あっっ!」 友沢も舌がつりそうだったが、その中を丹念に探った。 やがて唾液が絡み、水音を立てる。 その音はみずきの羞恥心をさらに刺激した。 やっと蜜が、それでも少しずつだが、溢れ出した。 そうなる頃には、二人とも随分疲れていた。 「もう……いいかな」 「……うん」 友沢のそれは、その時をずっと待っていた。 ズボンを下ろし、それを取り出すと、みずきの足の間に押し当てる。 みずきは、目をつむっている。 腰を突き出し、それをゆっくりと深く差し込む。 その感覚に、友沢も腰の力が抜けるようだった。 「あ!いっ……」 みずきは、苦しそうにしている。 「だ、大丈夫か?」 その友沢の言葉に返事もできない。 友沢は抜くことも動くこともできず、みずきを見守っている。 しばらくして、やっとみずきが口を開いた。 目には、涙がたまっている。 「……はぁ、っ……、大丈夫、友沢くん……」 「大丈夫じゃなさそうだよ。痛いだろ?」 「ん……、動いて、いいよ……」 「だめだって。痛いだけだぞ」 「無理矢理、して、いいんだよ」 「できるわけないだろ、お前がそんななのに」 「いや……、ちゃんと、して……、してくれないと、やだ……」 「……」 みずきのその言葉に、友沢もその気になった。 ゆっくりと、腰を動かす。 「っ!……うくっ……」 みずきはやはりまだ痛そうにしている。 それでもその中は友沢を迎え入れ、強く締めつけている。 その感覚は、嫌でも気持ちを高める。 友沢は、みずきの様子を見ながら、快感に耐えながら、ゆっくりと腰を動かしている。 そのゆっくりとした動きに合わせて、ベッドが音を立てながら、繰り返しきしんでいた。 「大丈夫か?」 友沢がもう一度聞く。 「……平気だよ……、思ってたほど、痛くなかったから、大丈夫だよ……」 「嘘だろ、あんなに痛そうにしてたのに」 「ん、でも、今はもう、少し……」 その時、どこからか物音がした。 壁を叩くような音。 二人は繋がったまま硬直した。 音は床からしていた。 下の部屋は矢部だ。 ベッドのきしむ音が、下の部屋まで聞こえていたのだった。 あまりに気に障るので、部屋の天井を叩いて文句を言うくらいに大きな音がしていたのだろう。 みずきは不安でたまらない、というような顔で友沢を見た。 その間も矢部は天井を叩き続けている。 しかしその時友沢は、この状態でみずきの中の締めつけが強まったために、それどころではなかった。 音に反応して、表向きはうろたえていながらも、劣情を刺激されていたのだろうか。 それなら、と思い、友沢は再び腰を動かした。 「あぁんっ!ま、待って、や、あぁっ!」 その声は、確かに色を含んだ声に変わっていた。 それが分かると、友沢は張り切って腰を動かした。 「もう、大丈夫か?」 「だめ、やだっ!音、聞こえちゃ……んぁっ!」 ベッドは友沢の腰の動きに合わせて、ギシギシと大きな音を立てている。 「気持ち良く、なっただろ?」 「やらぁ!あぁ!あぁっ!」 矢部の抗議の音が止んだ。 と思ったら、下の部屋のドアを乱暴に閉める音が聞こえた。 階段を登る足音が聞こえてくる。 「!こっち来ちゃう!」 「静かにしとこう、声出したらバレるぞ」 「!」 みずきはけなげに両手で口をふさいだ。 しかし友沢はみずきを大人しくさせておいて、わざと激しく突いた。 「はぅっ!?友沢く……やんっ!」 足音が部屋の前まで来る。 矢部が乱暴にドアをノックする。 「開けるでやんす!いい加減にするでやんす!さっきから何やってるでやんすか!」 ドアの鍵は開いている。 入ろうとすれば、すぐに入ってこれる。 みずきは嫌がってはいるが抵抗はせず、されるがままで、ただただ声を上げていた。 快感と羞恥心で、どうにかなりそうだった。 「ん!んぁっ!や、声、でちゃ……あぁっ!」 いくらみずきが首を振って訴えても、友沢は責め続けた。 友沢はみずきの腰を持ち上げ、さらに深く挿入した。 「あ!あ!だ……っ!あああ!」 それでも、みずきの中の締まりは強くなっていった。 みずきの声はほとんど裏返っている。 友沢の激しい動きに、みずきの体は跳ねるように揺さぶられている。 絶頂が近い。 「……っ、俺も、もう……!」 「あ!友……あっ!んんっ!」 みずきは、涙を浮かべながら、必死に口を押さえる。 「ーーーーーーっ!」 そして、小さな悲鳴を上げながら絶頂に達した。 体を大きく震わせ、意識が吹き飛びそうなくらいの快感に溺れた。 友沢も、その締めつけに耐え切れず果てた。 みずきの中に友沢の想いが流し込まれる。 それはゆっくりと抜かれ、行為が遂げられたことを告げた。 二人ともベッドにへたりこんだ。 部屋には、二人の荒い息遣いと、ドアを叩く音が響いている。 友沢には、みずきの胸が呼吸に合わせてゆっくりと上下しているのが見えた。 「友沢く……」 みずきは、か細い声で、友沢の胸に手を伸ばす。 「観念するでやんす!入るでやんすよ!」 余韻に浸る暇も無く、友沢は急いでベッドの脇に投げ出されていた布団を引っ張り上げた。 しかしさすがにこの薄い布団一枚では、隠れようが無い。 友沢は裸同然のみずきが見られないよう布団をかぶせ、抱き寄せた。 ドアノブを回す音がする。 「矢部君何やってんの?うるさくて眠れないよ」 「うるさいのはおいらじゃなくてみずきちゃんでやんす!」 「……うるさくないじゃん。もう遅いんだから寝たら?」 何やらドアの向こうで口論になっているようだ。 「だめでやんす!おいら怒ってるでやんす!ちゃんと言ってやらないと気がすまないでやんす!邪魔すると許さないでやんすよ!」 「お前だうるさいのは!」 何やらドアの向こうで激しい物音が聞こえたが、やがて静かになった。 これには友沢もほっと胸を撫で下ろした。 「何とか大丈夫だったな……」 みずきを見ると、みずきは友沢に抱き付くようにして眠っていた。 疲れていたのだろう。 「はぁ……、俺も、もう、寝るか」 友沢は胸に乗ったみずきの頭を撫でると、目をつむった。 その朝みずきは、いつもより少し早く目覚めた。 いつものように気持ちのいい目覚めではなく、少し頭がぼうっとしている。 「ん……」 目をのろのろとこすり、横になったまま体を反らし、伸びをする。 ふと横を見ると、誰かの手があった。 一体誰だろうとその先を見ると、友沢の寝顔があった。 どうして自分のベッドに友沢が寝ているのか寝ぼけた頭で考えたが、よく分からなかった。 それでもなんとなく、ぼうっとしたまま、その大きい手に指を絡め、彼に覆いかぶさるようにする。 「んー」 そのままキスをする。 しゅんしゅんと何とも言えない気持ちがわき起こる。 そのうちにいくらか頭も覚醒してきた。 しかし最初に気になったのは、どうも下半身が布団にこすれてむずむずする、ということだった。 そういえばパジャマのボタンが全部開いていて寒い。 布団を持ち上げてその中を見る。 「……」 もう一度友沢を見る。 少し今の状況について考える。 「んがっ!」 みずきは布団をひっつかむと、くるくると巻き取り、そのままベッドから落下した。 「いた」 ベッドの脇で、ゆうべのことを思い出していた。 あれはみんな本当だ。 体を起こし、ベッドを見ると、その上には確かにゆうべしたことの証拠があった。 友沢の寝顔をもう一度見る。 確かに、ゆうべのことは、事故みたいなところがあったと思う。 そんなことに、自分達がなるなんて想像もしなかった。 けど、今の、この、友沢を見ている時の熱っぽい気持ちだけは、認めてもいいと思う。 やがて、友沢が目を覚ます。 辺りを見回し、みずきを見つける。 「……おはよう」 「おう……お前、寝相はあんまりよくないんだな」 「ち、違うわよ!これは起きてからなったの」 「何でだよ」 もうじき、出掛ける支度をしなければならない時間だった。 友沢は立ち上がり、服を正す。 みずきも布団から出てくるがまだ眠たく、前を隠しながらベッドに腰掛ける。 「橘、今日は休んだ方がいいよ」 「え……、だ、大丈夫だよ……」 ゆうべしたことのせいか、それは体調は万全とはとても言えない状態だったが、そのために練習を休むのはどうか、という気持ちがあった。 「目が真っ赤だけど」 「え」 そういえば、ゆうべは散々泣きはらしたのだった。 それで練習は……ちょっぴり恥ずかしいかもしれない。 でも、それだったら…… 「……じゃあ、休む」 「そうだな、その方がいいよ」 「それならさ」 と、みずきは身を乗り出す。 「友沢くんも一緒に休も」 思えば、これが初めての意識的なアプローチだった。 妙に気恥ずかしい。 「……そうだな、今日くらいは、そうするか」 友沢は、さして悩みもせずに、快く答えた。 みずきは、何だかすごく嬉しかった。 「うん!」 「なら、後で買い物行くか」 「買い物?」 「約束しただろ、服」 「え……、だめだよ、あれは……」 少し困ってしまう。 やっぱりだめだ。 「少しは大丈夫だって。プレゼントくらいさせろよ」 「……いいの?」 「いいって。決まりな」 「……うん」 とても幸せな気分だった。 けれど、話すことがなくなってしまった。 何だか二人とも黙ってしまう。 「あ、そうだ、パンツ」 みずきは、場を繕うように、ゆうべどこかにやってしまった下着を探し始めた。 それはベッドの下にあった。 横から手を伸ばせば取れそうだ。 「んー……」 友沢は、あられもない格好のみずきを後ろから眺めていた。 つい、いたずらしたくなり、手を伸ばす。 「ふあ!?ちょ、ちょっと!友沢くん、やめ、あ……」 買い物に行くのは、いつになることやら。 おわり
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白川 みずき 白川 みずき白川 みずき アロエ・ヨーグルト 白鳥 つぐみ 白川 みずき ロードナイト(Lord Knight)STR>VIT? Lv72/JOB??5月に発光→転生。 趣味でバドミントンをやっているので9時~12時にはほとんど居ません。 アロエ・ヨーグルト アルケミストAGI STR Lv70/JOB??注意!食べられません。 白鳥 つぐみ VIT=INT DEX プリースト 93か94Lvだったはず・・・ 元1stキャラで、超レアキャラです。
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Youtubeちゃんねる@まきちゃんぐ 愛と星 鋼の心 愛の雫 さなぎ 煙 満海 誰が為に鐘は鳴る .
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虎とあきちゃん 第1話 2007/06/06 虎とあきちゃん 第2話 2007/06/20 虎とあきちゃん 第3話 2007/06/26 虎とあきちゃん 第4話 2007/06/27 虎とあきちゃん 第5話 2007/06/29 虎とあきちゃん 第6話 2007/08/28 虎とあきちゃん 第7話 2007/09/23
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「ここで待ってろ……か」 夜の静けさが辺りを支配する聖タチバナ学園の生徒会室に物陰が一つ。 蛍光灯の電気をつけると部屋の中が明るくなる。 眩しさで少しだけ眼を細める。 何時もは生徒会長が座っている椅子にちょこんと座った。 「………」 その人物とは、聖タチバナ学園正捕手である六道聖であった。 聖は窓の外を眺めていた。 しかし外は夜の闇に包まれ見えなかった。 この三十分程前。 監督の挨拶と共に解散していく野球部員。 勿論その中に聖も居た。 先輩達や矢部と共に下校しないか、と言う声も掛けられたが丁重にお断りした。 自分も着替えようとロッカールームへ向かおうとしたその時、後ろから声を掛けられた。 「聖、今日ちょっと生徒会室に残ってて」 「どうしたみずき、何か用事があるのか?」 「ちょっと……ね。 とにかく後でねー」 急いで去っていくみずきに聖は首を傾げるばかりだった。 「聖ちゃん、帰らないの?」 「む、先輩か。 今さっきみずきに呼び止められた」 「みずきちゃん、今日はやけに機嫌が良かったからなぁ……、何かあると思うよ」 「………」 先輩が言っていたように機嫌が良いみたいだから、変な事にはならないだろう。 一体何様だろうか、どれほどまで待たないといけないのだろうか。 そんな事を考えているうちに、十分が経過していた。 ――その後、更に三十分ほど経過していた。 既に殆どの部員は帰宅している時間。 それをとっくの前に過ぎている。 遅い、あまりに遅すぎる。 不信と思ってきた聖だったがその時、ドアが開かれた。 「ごめーん。 ちょっと遅れちゃった」 「遅いぞ、みず……き?」 聖は思わず自分の視界に入って来たものに疑った。 何度か瞬きを繰り返すが、入ってくるものは変わらず、眼を擦ろうが結局同じだった。 聖は困惑しながら彼女に聞いてみることにした。 「……みずき」 「んー。 なーに?」 「しましまだぞ」 そう…彼女は上着こそ着用しているが、スカートを穿いていないのだ。 お陰で聖の視界に入ってるみずきは、水色の縞々の下着が丸見えなのだ。 だがそんな指摘にもみずきはあっけらかんと答える。 「聖、驚くかなと思って」 たったそれだけ。 聖は嘆息をもらした。 「……それより、手に持っているものは何だ?」 もう一つ、みずきが手にしている青い物体。 聖にとって始めて見るものだった。 細かく振動しているように見える。 「これ? これはバイブって言うんだけど」 「ばいぶ? それは何に使うんだ?」 そう聖が言った瞬間、みずきの瞳の色が変わったような気がした。 そして口元をニヤつかせながらこちらに向かって来る。 聖は思わず後ずさるが、やってくるみずきに肩を掴まれバイブを耳元に当てられた。 「何に使うのか分かる?」 「……教えてくれ、気になるぞ」 「それはねー」 みずきが急に聖を抱きしめた。 「えっ…?」 流石の聖も驚きを隠せず、その次の瞬間、そのバイブを口の中に入れられた。 「んんー! んー!」 「………」 みずきはしばしの間、無言でバイブを押し込んでいた。 ……数分後。 開放された聖は呼吸を整える聖を尻目にみずきはバイブの先端を舐めていた。 「けほっ…けほっ……。 酷いぞ、いきなり何をする…」 「一つ目。 バイブに唾液をたっぷりつける事~」 「……む、そういうものなのか?」 みずきは頷き再びバイブを聖の頬に当てる。 「さぁ聖、次は何だと思う?」 「し、知らん…、……何をするんだ?」 「次は…」 みずきが聖を押し倒し、聖のブレザーやYシャツをあっという間に脱がした。 現れたのは彼女の肌。 その肌は日々の練習でしっかりと日に焼けていた。 みずきは彼女の膨らんでいる中央の突起にバイブを押し当てる。 「…みずき……くすぐったいぞ…」 「ふふふ……」 「しかも、……な、何か変な感じだぞ…」 「これも段階、段階っ」 一度バイブの振動を切り、机にその玩具を置いた。 戻ってきたみずきは、彼女に口付けを交わし余っている片方の手でもう一つの突起を触り始める。 しかし、少し強かったのか聖は顔を歪ませた。 それを悟ったのか力を弱め、改めて指と舌で突起を刺激する。 すると徐々に彼女の突起は大きくなっていく。 「くあっ……!」 「聖のここすごーい、どんどん大きくなっていくー」 「そ、そこを……噛まないでくれ……」 勃起しつつある彼女の乳首を吸い上げたり摘んだり、聖の性的興奮を高めていく。 みずきの執拗な責めは断続的に行われると、聖の声はいよいよ艶めいた声を出し始める。 と同時に、下半身をもぞもぞさせる。 「みずき……な、何か下半身がおかしいぞ……」 「んー? あー、感じちゃってるんだー」 フフン、と得意げな笑み。 更に絶え間無く続く責めは続く。 だが、彼女の涙腺から涙が溜まってきた瞬間、それは終わりを告げた。 「じゃあもうそろそろ二つ目はおしまいかなー」 そう言うとみずきは聖のスカートを脱がし、指で彼女の下半身の大事なところを撫でた。 「……っ!」 「湿っているよー、聖ー」 楽しむかのように指先で優しく嬲り回していく。 何とか我慢しようと声を殺す聖だが、徐々に性感が身体を支配していく。 彼女の下半身が十分濡れている事を確認したみずきは、責めることを止めた。 「っ、……く…はぁ……っ」 「さて、ここまで来たら三つ目は答えられるよねー?」 「…もっ、もう許してくれ……」 「答えられないと無理やり突入しちゃうよ」 「………」 「はい時間切れー!」 みずきは聖の下着を脱がし、先程電源を止めたバイブのスイッチを再び起動する。 そして彼女の秘所にバイブの先端を挿入した。 「っ! っ!! くぁ……っ!」 「どう、どんな感じ?」 「ど…どうと言われても……!」 少しずつ、また少しずつ。 慣らしていくと共にバイブが侵食していく。 愛液で濡れているとは言え、彼女の膣はみずきが思っていたより狭い。 だが先程の宣言どおり、みずきはバイブを無理やりぐいぐい押し込んでいく。 彼女を止めようと、何とか抵抗心を取り戻し声を振り絞る。 「み、みずき…いい加減に……!」 バイブでのピストン運動が始まると途端に、聖は身を硬直させた。 ――思考が麻痺していく。 「どぉ聖ー、バイブ気持ちいい?」 そんな事、分からない。 と言いたかったが出るのは艶めいた喘ぎ声。 彼女の抵抗していた表情は消え去り、麻痺した思考は快楽を求める。 みずきは満足そうな笑みを浮かべ、彼女の膣への攻めを続けた。 「みずき…っ! も…もう……」 「あー、聖バイブでイッちゃうんだー。 どうしようかなー」 「勿体振るな……早くしてくれ…、切ないんだ……」 「んー、分かった」 バイブのピストン運動が加速する。 「っ! ぁあっ!!」 「もうグチョグチョだねー、初めてじゃないみたいー」 みずきはオモチャを弄ぶかのように手を動かしていく。 先程より滑らかになった彼女の膣は容易にピストン運動を受け入れていた。 最早彼女に逃げ道は無い。 ただ頂へ上り詰めるだけ。 頂へ上り詰めた瞬間、快感が下半身に凝縮した。 「……っ…うああああぁぁぁっ!!!」 ――― ――― 「み、みずき……」 「なーに?」 「何故あんなことをした」 「んー? いやー、慣らしておいたほうが良いかなーって」 「…?」 「だって聖が好きなの、小波君でしょ」 「なー! なっ、何を言っているんだ!」 「だって聖、小波君を見ている時の眼が何時もと違うもん」 「違う! 小波先輩は関係ない!」 「そんなこと言って実は……」 「みずきーっ!」 こんな感じで聖タチバナ学園の夜は更けて行った。
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一樹ちゃん☆スマイル ぷろろーぐ 一樹ちゃん☆スマイル すまいりーがーる
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あたしのことは ふぶきちゃんでいいわ とりあえずよろしくね
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;;背景『廊下』 @playse storage="DoorOpenF@11.ogg" @wait time=1000 @bg file="rouka1_mizu_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=700 つやめいた光沢を放つ廊下へ出ると、鐘は大きくなった。[lr] 何なのだろうか。[lr] 胸に手を添え、深呼吸。冬夜の冷気が胸の感覚を研ぎ澄ましてゆく。ますます警鐘めいたものが大きく響く。[lr] ;;SE『足音』。ぎしっと床板が軋む感じ。BGM『雨ノ/降ル/街』。 @playse storage="f11_5.ogg" @ws @bgm file="amemati.ogg" これか!?[lr] 警鐘はこれを告げていたのだろうか。そっと角から廊下を盗み見る。[pcm] @bg file="rouka2_mizu_y.jpg" rule="左下から右上へ" time=700 ;;みずき(私服 01,6B,09,00,00,00,M 片手胸に)← 目を 6B 7B 6B と変化 次の場面まで病み目で統一 [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=6a m=9 y=b] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=7a m=9 y=b] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=6a m=9 y=b] ほっと緊張がほどけた。なんのことはない、みずきが廊下を歩いていただけのことだった。[lr] 何故か電気は点けない。懐中電灯を両手で抱きながら、そろりそろりと歩を進めている。何者かに気づかれることを恐れているような慎重さだった。[pcm] @cl @bg file="rouka1_mizu_y.jpg" rule="右上から左下へ" time=500 部屋に引き返そうとして、それには襖を開けなければならないことに気づく。この無音だ。バレてしまう。[lr] トイレにでも出てきたとよそおった方がいいだろう。胸騒ぎで目を覚ましたなどとは言えない。みずきのことだ、夜通し付き添うとでも言い出しかねない。[lr] わざと眠たげに口元に手を当てて、欠伸を噛み殺しているフリをする。目を細めながら、みずきの前へと歩み出た。[pcm] @bg file="rouka2_mizu_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=700 ;;みずき(私服 06,9B,11,00,00,00,M 片手胸に) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=6 e=9a m=11 y=b] 「!?」[lr] ;;SE『懐中電灯を落とす音。大きな物音です。その後、転がってゆく様子も含まれているとなおベスト』 @playse storage="noise_05_monooto.ogg" @ws [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=6 e=9a m=10 s=1 y=b size=S] 懐中電灯が手から滑り落ちて、思ったよりも大きな物音を響かせた。その音に飛び上がりそうになりながら、みずきが弾かれたように後退った。[pcm] ;;みずき(私服 05,5B,03,00,00,00,M 両手胸元) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=5a m=3 y=b size=S] 「みずき?」[lr] 見てはならないものを見てしまったような反応。むしろこちらが驚愕してしまう。どこかの筋肉が突っ張ったような違和感がある。重心がどこかへなくなってしまっている。[lr] 「俺だよ、俺」[lr] 某詐欺みたいだなと思いつつ、懐中電灯を拾い上げて顔を照らしてみせた。[lr] ;;みずき(私服 05,5B,05,00,00,01,M 両手胸元) ←口変化&涙が付きます [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=5a m=5 t=1 y=b size=S] 「――!」[lr] だが、みずきの瞳はますます翳(かげ)ってゆく一方だった。怯えきった小動物のように小刻みに身を震わせ、ツインテールを乱れさせてゆく。[pcm] 「驚かせてごめんな。トイレはどこだ?」[lr] もちろん、トイレの場所くらい知っている。昨日、使わせてもらった。[lr] だが、訊かざるを得なかった。これ以上、みずきを驚かせたくなかった。[lr] ;;みずき(私服 07,7B,05,00,00,01,M 両手胸元) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=7a m=5 t=1 y=b size=S] 「あ、あっちの突き当たり」[lr] どこか素っ気ない返事。いつもなら手を引いてそのまま案内してくれるだろうところ、みずきは方向を示すだけだった。目を合わせようとさえしない。[lr] 「そうか。ありがとうな」[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=7a m=9 t=1 y=b] 傍らを抜ける際、一瞬だけ足を止めて、[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=6a m=5 t=1 y=b] 「――!」[lr] 声にならない悲鳴。伸ばしかけた手が止まった。[pcm] 「…………」[lr] 沈黙が夜をいっそう静まり返らせた。息づかいの音さえもが聞こえるようになる。[lr] 耐えかねたようにみずきが傍らをすり抜けた。思わず追いかけようとし、しかし背中が放つプレッシャーに阻まれた。[lr] @cl 我知らず、顔が歪んだ。戦慄が体を衝き動かした。[lr] ;;みずき消し 音もなく、しかし素早く角を折れる。その恐怖から身を隠すように。跳ね上がった鼓動を抑えるように、胸を押さえる。[lr] 立ち上がるのに手を貸そうとしただけだ。だが、手を伸ばそうとした瞬間、みずきの顔に走ったのは、恐怖だった。[lr] 見間違えようがない。あのまま触れていたら、泣き出していたのではないか。そう思えるほどの、紛れもない怯え。[pcm] 俺はどんな顔をしていたのだろう。みずきが目を合わせてくれなかったことが、皮肉にも幸いだった。そんな顔、自分でも見たくはない。[lr] 息を一つつく。ためらった。だが、結局は悟られないようにこっそりと振り返った。もしかしたら、みずきもまた、という思いがあったからだ。[lr] ;;みずき(私服 08,8B,01,00,00,00,M 片手胸に) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=8 e=8a m=1 y=b size=S] けれど、みずきは……心底から安堵したように、ほっと息をついていた。[pcm] [nowait][r][r][r][r][r][r][r][endnowait] [font color="0xFF0000"] ――ああああああああああああああああああああああっ![pcm] [resetfont] ;;SE『ショッキングな音』、背景をテレビを切ったみたいにしてブラックアウト(ぶん、っていう音もあったら面白いかも)。三秒くらい真っ暗? ;;みずき消し ;;背景『階段』。BGM『ある日のこと』 @fadeoutbgm time=1000 @cl @playse storage="others_07_putu.ogg" @bg file="black.jpg" rule="上下から中央へ" time=100 @wb @wait time=1500 @bg file="kaidan2.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500 @bgm file="gakkou1.ogg" 先輩にお礼くらい言っておくべきだろう。あとは姉さんが迷惑かけていなかったか確かめてこなければ。[lr] 足取りは軽やか。何なのだろう、この満たされたような充足感は。とても身近で馴染み深い感覚のような気がする。[lr] 踊り場まで上がり、角を曲がろうとして、[lr] ;;背景『廊下』。一瞬だけ、伊万里(制服 03,3A,09,00,00,00,M)とみずき(制服 04,8A,09,00,00,00,M 片手肩に)を表示。明滅みたいな。BGM『兆候』 @fadeoutbgm time=1000 @bg file="rouka1.jpg" rule="左下から右上へ" time=500 [ld pos=rc name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=9] 「ク、見ちゃ……だ!」[lr] [ld pos=lc name="mizu" wear=u pose=1 b=4 e=8a m=9] 「れは……の、違……」[lr] @cl @bg file="kaidan2.jpg" rule="右上から左下へ" time=500 角に引っこんだ。[lr] また、だった。伊万里は瞳を伏せ、みずきは身を縮めながら震わせている。[lr] だから、どうしてこんなに鉢合わせるんだ! 運命の振るダイスはイカサマとしか思えない。会う頻度が高すぎる……。[pcm] ;;SE『ショッキングな音』 @playse storage="tm2_power000.ogg" @ws 脳裏を冷ややかな閃光が掠めた。[lr] 愕然と眼を見張った。『今まで通り』だ。伊万里とはいつも一度や二度は何かしら顔を合わせてきた。[r] ただ、今まで気づきもしなければ、あらためて考えもしなかったというだけに過ぎない。[lr] まさか伊万里がこんなにも俺の日常の中で、いや俺の中で大きな存在だったなんて。驚愕が脳に浸透してゆくにつれて警鐘が鳴り響いた。[lr] 伊万里とみずきが会話。危険だ。とても危険だ。伊万里はみずきに『嫉妬』しているのかもしれないのだから。[pcm] 「……昨日……じ、どこに……の?」[lr] 「……して……」[lr] 「だっ……のバイ……きちのだっ……んだけど」[lr] 角度が悪いのか、上手く聞こえない。単語さえ断片しか聞き取れなかった。[lr] 「……っ!」[lr] 何か癇癪めいた叫びが響き渡った。あまりに押し殺されていて全く聞こえはしない。だが、それゆえに込められた激情のほどを悟らされた。[lr] 叩くような足音がこちらに向かってきた。[lr] @fadeoutbgm time=1000 一呼吸。ためらいの息だった。足はすくんでいる。だが、次の瞬間には角から躍り出て、駆け出してきた人影の前に立ちふさがっていた。[pcm] ;;SE『衝撃音』。みずき(制服 07,8B,09,00,00,00,M 片手胸に)。BGM『雪景色』 @playse storage="ClothE@16.ogg" @ws @bgm file="yuki.ogg" [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=8a m=9 y=b] 胸にぶつかったのは、ツインテールだった。[lr] 「危ないぞ、みずき」[lr] ハッとしたときには、何も知らないフリをしていた。[lr] 「…………」[lr] 鳶色の瞳が揺れ、足元をさまよう。やはり俺を恐れているのだろうか。[lr] 瞳を覗きこむ勇気はなかった。重苦しい空気に口は一向に開かなかった。[lr] ;原文 口はいっかな開かなかった 本当は訊きたかった。何を話していたんだ、と。[lr] ;;みずき(制服 07,8B,09,00,00,01,M 片手胸に)← +涙 [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=8a m=9 t=1 y=b] けれど、それはみずきを、もう充分に傷ついたみずきを、さらに傷つけることになる。[pcm] 「…………」[lr] 泣きたければ、泣いてもいいぞ。[lr] 迷った挙句、唇を震わせながら囁くと、みずきはうさぎのように眼を赤くしてそっと見つめてきた。[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=2a m=9 size=L] そして胸に顔をうずめると、何も言わない。俺にできたのは、ツインテールを撫でてやることだけだった。慰めの言葉一つ囁けなかった。[lr] ――こんなことでいいのだろうか。漠然とそう思う。[lr] 伊万里を泣かせたのは、アイツの想いに気づいてやれなかったこの俺自身だ。そしてみずきを泣かせたのは、俺に狂わされた伊万里だ。[pcm] 解決を先延ばしにしているだけだ。こうやって慰めているフリをしているうのも、俺自身が癒されているだけの、自己保身でしかない。[lr] ただの罪滅ぼし。これ以上、みずきの泣き顔を見たくないというだけの。[lr] ;;SE『チャイム音』 @playse storage="se3.ogg" [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=7a m=9 t=1 y=b size=L] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=9a m=10 t=1 y=b size=L] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=2a m=9 size=L] 終焉の鐘が鳴る。みずきがハッとして身を離そうとした。しかし、それをぎゅっと力を込めて抱きとめる。[lr] 放したくなかった。独りは恐かった。[lr] ;;みずき(制服 07,1B,10,00,00,00,M 片手胸に) @fadeoutse time=1000 [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=1a m=10 y=b size=L] 「……みのる?」[lr] 戸惑ったようにみずきが上目遣いに俺を盗み見る。まだ涙の跡も消えていない赤い目。内面を覗かれているような気がした。[pcm] 反射的に体がこわばった。[lr] ;;みずき(制服 02,2B,08,01,00,00,M 両手胸元) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=2 e=2a m=8 c=1 size=L] けれど、みずきは微笑むと、抗うのをやめて身をゆだねた。抱きしめているのに、抱きしめられているような安らぎを感じた。[lr] 視界に映るみずきがぼやけてゆく。……泣いていたのは、俺の方だった。[pcm] ;;みずき消し ;;背景『帰路』。BGM『Lunatic Lovers~X-X』。みずき(制服 04,4A,12,00,00,00,M 片手肩に) @fadeoutbgm time=2000 @cl @bg2 file="mizuki_miti_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500 @bgm file="llxx.ogg" [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=6 e=1a m=8] 今日はみずきと一緒に帰っていた。[lr] ;;背景『携帯のズーム』。SE『携帯のバイブレーション』 @playse storage="Vibes08.ogg" @ws 携帯を開くと受信メールが一件。『今日も早紀のところに泊まるから』と素っ気ない一文が姉さんから送られてきていた。[lr] 目の奥が熱くなり、そっと眦に手を添える。[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=5 e=1a m=9] どうして泣いたのだろう。自分のことなのに信じられなかった。[lr] 伊万里とは対等なつもりだった。同じ高さを歩み、同じ目線で物事を見ていると思っていた。[lr] 昨日までそう信じてきた。全くのまやかしを盲信していた。[pcm] けれど、違った。バレンタインのときに思い知らされた。あの返事はいつまでに出さなければならないのだろう。[r] 今すぐではなくてもいい。けれど、先延ばしは永久にできたりはしない。[lr] もし、その期限が今だったとしたら。涙腺が緩みそうになり、口元を引き締める。[lr] 泣き出して伊万里を傷つける。それだけは絶対に避けなければ。[lr] ――泣く、か。[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=6 e=1a m=10] 乾いた自嘲の笑みがこぼれた。高校生になって、大人になったつもりだった。だというのに涙とは、なんとも子どもじみている。結局、俺は背伸びした子どもに過ぎなかった。[pcm] 伊万里はもう大人だった。俺と真正面から向かい合うだけの覚悟を積んでいた。だというのに、俺はどうだろう。いつ、置いて行かれてしまったのだろうか。[lr] 寂寥にさいなまれる。孤独の寒さが芯まで身を侵蝕してゆく。伊万里を追いかけなければ。なのに凍りついた足は動かない。[lr] ――独りにしないでくれ。[lr] ;;みずき(制服 05,7A,10,00,00,00,M 片手胸に) @fadeoutbgm time=1500 [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=6a m=10] 「だいじょうぶ?」[lr] みずきが身を乗り出して、俯いていた俺を覗きこんでくる。鼻の奥がつんと熱くなり、とっさに顔を逸らした。[pcm] ;;みずき(制服 07,1A,07,00,00,00,M 片手胸に)。BGM『13と1の誓い』 @bgm file="13_1.ogg" [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=3a m=9] ぎゅっ。握りあっている手に力が入った。温もりが伝わってくる。如月の冷気の中にいながら、むしろ体は熱い。傍らに別の体温があるだけで、こうも違うものかと驚きだった。[lr] 昨日、独りで幻の視線に怯えていたときとは大違いだ。もう独りにはなれない。静謐に告げられ、沈黙に語られたくはない。あの寒さを、孤独の冷たさを味わうくらいなら……。[lr] 手の熱が腕を伝って全身を火照らせてゆく。[lr] 「……っ!」[lr] 突如、激しい衝動に襲われた。瞬間、視界が何重にも増えてよろめく。[pcm] ;;みずき(制服 05,7A,10,00,00,00,M 片手胸に) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=1a m=10] 「どうしたのっ!?」[lr] 「…………」[lr] 口を開くものの、返事ができない。意識がはっきりしない。凍えきった心と体が、病的なまでに温もりを欲していた。[lr] 脂汗が滲む。空いた手が震え出す。せわしなく吐き出される白い息。[lr] みずきは何かを言っているようだ。だが、耳を打つ透明な清音としてしか聞こえなかった。[lr] 目に映るのは、薄く紅を引いたような桜色の唇、赤く濡れた舌先、ほんのりと色づいた頬。揺れるツインテールから漂う芳香が、このうえなく情欲を刺激した。[pcm] 「みの、る……?」[lr] ;;みずき(制服 07,4A,03,00,00,00,M 両手胸元) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=1a m=9] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=1a m=10] 異変を察したのか、みずきの手の力がふっと抜けた。が、結局は再び握りしめた。[lr] 悲鳴をあげそうになる。放してくれていれば。頭の芯が痺れてゆくのが分かる。けれどどうしようもない。理性は拒んでいるのに、本能は望んでいた。[lr] 「みずき――!」[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=6 e=9a m=11] 恐ろしいほどの力で、華奢な体を力任せに抱き寄せていた。[lr] ;;みずき(制服 05,5A,05,00,00,00,M 両手胸元) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=9a m=5 s=1 size=L] 「み、み、み、み、みのっ!?」[lr] 怯えた表情ですら劣情を煽るだけの意味しか持たない。[pcm] 蹂躙しかけたところで、冷水を浴びたように血が落ちた。[lr] 大きく見張られた鳶色の瞳。そこに映っていたのは、『獣』。[lr] 憑かれたような衝動が、潮が引くように鎮まってゆく。みずきの眼に射すくめられていた。[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=1a m=5 s=1 size=L] それは凍えていた。それは飢えていた。それは……怯えていた。[lr] この上なくか弱い。小さい小さい牙を精一杯に剥き、虚勢を張って唸っている。[r] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=1a m=9 s=1 size=L] 誰かに身をすり寄せたくてたまらないのにも関わらず、まっすぐに近づかれると吼えて追い払ってしまう。[lr] 愛されたいのに、愛されそうになると逃げてしまう。[pcm] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=1a m=10 s=1 size=L] 「みのる」[lr] 首を振るしかできない。[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=6 e=6a m=10 s=1 size=L] 「みのる?」[lr] 首を振る。[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=6a m=11 size=L] 「あたしを見て」[lr] 首を振る。[lr] ;;みずき(制服 07,8B,07,00,00,02,M 片手胸に) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=4 e=9a m=11 t=1 y=b size=L] 「どうして!?」[lr] 張り詰めた糸が切れたように、みずきが叫んだ。俺は……首を振った。[lr] みずきは優しい。優しすぎる。苦しむ俺を見ては放っておけない。手を差し伸べてしまう。今もぎゅっと手に力が入った。[pcm] けれど、俺は踏み出すわけにはいかない。誰にも身をすり寄せてはダメなのだ。――伊万里への返答が、まだだから。[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=5a m=10 t=2 y=b] もう一度だけ、首を振ると、そっと手をポケットに入れて歩みを再開する。今さらのように手を振り払われたたことに気づいたみずきが『あ……』と茫然と呟いた。[r] 絡みつくような視線を背に感じたが、俺は振り返らなかった。[lr] このままうやむやにしたかった。みずきとは今までの関係でいたかった。――伊万里とはそうあれなかったから。[pcm] ;;みずき消し
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第二回戦第一試合 白王みずき 名前 性 魔人能力 白王みずき 女 みずのはごろも 羽山莉子 女 メルティーボム 採用する幕間SS 【白王みずき幕間SS】 (ちょっと百合に目覚めさせられかけてます。ついでに鞘にメダルを貰いました) 【白王みずき 幕間SS こやしもん】 (ウンコに対する“覚悟”があります。あと第一回戦の互いの試合についての知識があります) 【山なしオチなしの幕間SS】 (莉子が灰堂のサングラスを貰いました) 試合内容 「よっこいしょ!」 年寄りくさい掛け声と共に、武骨な床に一つの人影が生まれた。 トーナメント参加者、希望崎学園一年の風紀委員・白王みずきである。 前回とは違い、今回は下着も忘れずきちんと制服を着こなした準備万端の様子でフィールドに降り立った彼女は、その場でキョロキョロと辺りを見回す。 「ここ……やっぱり……」 二回戦のフィールドたる地下闘技場は、三本の大きな柱で仕切られていた。 広い部屋の四隅に立てられた松明の灯りが、砂場や武器塚、そして忌まわしき肥溜めなどの存在を明るみにし、ここが夢の中で見たのと同じ場所であることを示していた。 少女の頬を嫌な汗が流れるが、すぐさま気を取り直す。 「相手の方――羽山せんぱいは、まだいらっしゃってないようですね」 一回戦もそうだったが、どうやら今回も自分の方が先に到着したらしい。 とは言え、一回戦の如くフィールドではしゃいでいて先制されてはたまらないし、それにしたって地下闘技場でいったい何を遊べばいいというものだろう。 壁に背を預け、二つに縛った髪を指先で弄りながら待っていると、ほどなくして、みずきの出現した位置とは対角線上の場所に新たな人影が生まれた。 「よっ――と!」 すたんっ、と快闊な音を響かせ、対戦相手の少女、希望崎学園二年のバスケ部員・羽山莉子が姿を現した。 みずきも女子としては決して身長が低いわけではなかったが、目の前の存在はそんなみずきよりもさらに長身であり、後頭部で揺れるポニーテールと併せ、見る者全てに健康なアスリートの印象を与えていた。 莉子は辺りを窺いながら数歩前に出で、やがてみずきの姿をみとめ口を開いた。 「ん、君が対戦相手の白王みずきちゃんね。……ふぅん、DVDよりも可愛いじゃん!」 「なっ――!」 太陽の如く明るい極上の笑顔で真正面から「可愛い」と言われ、みずきは赤面した。 「(お、思い出しました……。このひと、天然ジゴロというか、すごく“危うい”方でしたね……!)」 ファンクラブが存在する程の人気を誇る莉子にまつわる様々な噂は、そういった話が大好物なクラスメートたちによってみずきの耳にも入っていた。 そのうちの一つが、ファンの間でまことしやかに囁かれる羽山莉子の七つの天然ジゴロスキルの一つ、「羽山スマイル」であった。 曰く、彼女の穢れなき微笑みを向けられた者は、その魅力に抗うことはできない、と。 「(いけない、いけない……。このひとは対戦相手、すなわち敵です!)」 ふるふると頭を振り、不思議な熱に浮かされかけた思考を正常に戻す。 同時に一回戦終了直後の鞘とのやりとりがリフレインし、どうして最近の自分は女の子と、こんな……と、正体のわからない感情が薄い胸に去来した。 無意識に兄から貰ったミサンガに添えられていた右手をぎゅっと握ると、少女もまた前へと進み出た。 「……あなたは、羽山せんぱい、ですね。本日はよろしくおねが――」 「莉子でいいって! 私も、みずきちゃん、って呼んでいいよね?」 「あ、はい、えっと、莉子せんぱい……」 気安く懐に潜り込み、可愛らしい声で名前を呼ぶ天然ジゴロスキル「羽山コール」で、またもみずきは調子を狂わされていた。 ――いけないっ。どうにもこのひとのペースに乗せられちゃってる……。 そう釈然としないものを感じていると、莉子の方はぐっと伸びをし、その場でバスケプレイヤーめいた軽快なステップを刻み始めた。 「じゃあ、自己紹介も終わったし、そろそろ始めよっか」 「あっ……はい、おねがいします!」 前哨戦は莉子が優勢か――。果たして、実際の戦いの行方や如何に。 トーナメント二回戦第一試合、白王みずき 対 羽山莉子。 互いの“目指すもの”を賭けた決戦の幕が切って落とされた――! 序盤は、互いに距離を測りあいながらの銃撃戦の様相を呈していた。 二人とも一回戦の模様が映されたDVDでお互いの能力は把握していたからだろう、みずきの水弾はチョコの爆風で相殺され、逆に莉子の投げるチョコボールは水弾によって弾かれ、あらぬ位置へと転がっていく。 両者の能力の応酬はどちらも相手に決定的なダメージを与えることなく、それぞれの残弾数を緩やかに減らしてゆくのみだった。 だが、互いに決定打を浴びていなかったが、その消耗の差は誰の目にも明らかだった。 「はあっ……! はあっ……!」 「にししっ♪ みずきちゃんよ、そろそろ苦しくなってきたのでないかい?」 肩で荒い息をつくみずきとは対照的に、これっぽっちも疲れてないように見える莉子。 バスケ部が誇る優秀なアスリート・莉子は、持ち前の体力と卓越した空間把握能力によって、様々なギミックが施されたこの地下闘技場においても精確無比な銃撃戦を演じてみせ、未だ余裕綽々といった様子であった。 一方のみずきも運動神経は悪くなかったが、所詮は女子高生の平均よりややデキる程度であり、フィールドについての事前知識・戦闘経験を総動員し、やっとのことで莉子と渡り合っているような状態であった。 「それにしても――」 莉子の凛とした瞳が、みずきの身体を上から下へ、そしてまた上へと滑ってゆく。 「やっぱり、みずきちゃんの能力って、すごくえっちぃね……!」 「す、好きでこんな能力げっとしたわけじゃないですっ!」 またそのせりふですかっ!――何度目かも分からぬ程聞いたその言葉に、みずきは顔を赤くして反論する。だが、それも当然と言えるのかもしれない。 これまでにみずきが発砲した水弾の数は、大小合わせておよそ二十発前後。服装で言えば、長かった袖も消え去って両の腋が露わとなり、また膝丈だったスカートも切り詰められ、可愛らしい膝小僧が完全に衆目に晒されていた。 さらにいえば、莉子と違ってスパッツを穿いていないみずきは、スカートが短くなったことを忘れて激しい回避行動などをとっていたため、莉子や撮影担当の魔人・結昨日映の不可視のカメラに幾度となくその内部を見せつけてしまっていた。 「そんなこと言って、莉子せんぱいだって、いま相当恥ずかしいカッコですよ!」 「にゃにを! “これ”だって、やっぱりみずきちゃんの仕業じゃん! このえっち!」 「ぐぬぬ……」 言い返せぬ悔しさに歯軋りするみずきの前で、頬を朱に染めた莉子が身体を斜めに捩りつつばっと自分の身体を抱き締めた。 彼女をよく見ると、髪からは時折ぽたりぽたりと水滴が零れているのが分かる。 そう、莉子はみずきの水弾の直撃こそ喰らっていなかったが、壁や柱にぶつかったり、あるいはチョコの爆風に飛ばされたりした水滴が、雨垂れが石を穿つかの如く、徐々にだが確実に莉子の制服を透けさせていたのだった。 「もォ……。見えちゃってない、よね……?」 女子であれば当然のように抱くこの疑問の答えは、無情にもNOであった。 組み交わされた両腕の向こう側――透けたブラウス越しに、薄い緑のボーダーの下着が見え隠れしていた。 そして、考えてみて欲しい。下はスパッツを穿いて完全防備しているにも関わらず、上が透けてバレてしまった今、堅牢に築き上げられた防壁を突破せずとも、その花園の正体を、脳裏にありありと想像できやしまいか。 鉄壁をすり抜けるこのエロマンティックは、その洞察力により唯一この事実に気付いた司会担当の魔人・結昨日司の溜まった疲労を癒したという――。 さて、胸部の辺りで腕をクロスさせもじもじと恥じらっていた莉子だったが、決心を固めたのかその拘束を解除し、おもむろに胸ポケットから取り出したサングラスを掛けた。 次に自由になった右手で懐からチョコボールの箱を取りだし、数個を左手に落とした。 そして左手の脇にデコピンスタイルに構えた右手を添え、同時に口を開く。 「さぁて――これ以上辱められちゃ堪んないからね! そろそろ終わらせてもらうよ!」 「っ!」 言いながら、中指でぴしっ、ぴしっ、とチョコを弾き飛ばしてゆく。 一度に多くの粒をばら撒かないのは、既に少なくない量のチョコを消費してしまっているからというのもあったが、莉子の持つ高度な空間把握能力により、一発一発を最適な位置へと放つことが可能であったからだった。 そして消費量が深刻なのはむしろみずきの方であり、チョコの迎撃に水弾を用いることができず、爆風を避けることも含めてかなり大幅な回避行動をとらざるを得なかった。 「(んっ、そっちじゃなくてぇ……。そうそう、そこお! そのまま、奥にぃ……!)」 サングラスの奥に光る莉子の瞳は、着々と進行する作戦に満足気に細められていた。 しばしの一方的な銃撃戦の末に莉子は攻撃の手を緩め、みずきは白虎廉貞――折れた歯や爪が埋まっているという砂場の位置で立ち止った。 みずきをそこに誘うことこそが莉子の狙いであることにも気付かず――! 「はあっ、はあっ……! どうしました? もう、これで終わり、ですか?」 肩で息をつきながら、精一杯の余裕の笑みで挑発的に尋ねるみずきに、正真正銘の勝ち誇った笑みを返しながら、莉子は言った。 「うん、もう終わりだよ。――この試合が、ねっ!」 「――――!」 みずきが“それ”に気付いたのは、己の全身を爆風が包まんとした、その瞬間だった。 逃げ惑った末に辿り着いた場所――少女がそう思っていた場所には、魔物の顎門が万全の状態で待ち構えていた。 足元の砂の下に広がっていたのは、チョコの曼荼羅。銃撃戦の折、みずきの水弾に阻まれ墜落した幾粒のチョコは不発弾として各地に眠り、完全なる距離計算を可能にする空間把握能力が爆風を操り弾を望んだ位置へ導き、絶好の機会に牙を剥いたのだった――! 「にししっ、“オッケー!”、ってね♪」 爆風の多重奏に煽られ吹き荒れる砂塵も、サングラスをした莉子の目には届かない。 やがて場が収まると、彼女はサングラスを外し、それを託してくれた者に一礼した。 砂嵐を恐れず罠を仕掛けることができたのも、ひいてはその罠を作る際に視線でばれてしまうことを防いだのも、全てこのサングラスのおかげと言っても過言ではなかった。 「あの子には痛いことしちゃったかな……。まあ、これも勝負ってことで許してねっ?」 もうもうと立ち込めていた煙が晴れた向こうには、対戦相手の少女が倒れていた。 その衣服は全身ボロボロに破れ、ところどころに穴があいたスカートは膝上20cm以上にまで裾を上げられ、またブラウスは完全に消し飛び、肩紐をずり下げたチェック柄の下着が松明の灯りに照らされていた。剥き出しの柔肌も、砂や煤で汚れてしまっている。 待てど暮らせどアナウンスされぬ“勝利”の二文字が、みずきがまだ意識を保っていることを如実に表してはいたが、莉子はそこにトドメを刺そうとは思っていなかった。 ボロ雑巾の如く倒れ伏す少女に追撃を加えることを良心が咎めたこともあったし、何をせずとも、じきに少女自らギブアップを選択するだろうとの見通しがあったからだ。 「(くうっ……! からだじゅうが、いたい……。もう、これいじょうは……)」 ブラウスやスカートの丈、さらにはぱんつなど、最低限の衣服を残した全てを使って足元に形成した水の壁で、みずきは連鎖的大爆発の威力を限りなく弱めていた。 それでも全身を襲う痛みは筆舌に尽くし難く、少女の心も折れる寸前であった。 朦朧とする意識の中で少女は目の前――床の上に落ちた一枚の黄金を目にした。 「(あっ……これ……)」 痛む左腕を僅かに伸ばし、ブラウスが消えた際に零れ落ちていたのだろう、ヒーローから授かりしメダルを摘まみ上げる。 と、その手首に巻かれた、些か焼けながらもその威光を絶やさぬミサンガが少女の目に映った。 「(みかど兄さん、鞘せんぱい……。私に、力を……!)」 ミサンガに、メダル――。遥かなる存在に励まされるかのように少女の目には生気が戻り、よろよろとだが、しかして確りと地を踏みしめ、白王みずきは立ちあがった――! 驚愕に見開かれた莉子の両の目を見つめながら、みずきは力強く言葉を放つ。 「ぜったいに、負けられません……! 私を待ってくれている人と、私に託してくれた人がいるから……!!」 それを受け、莉子も首から下げたネックレスの指輪を握りしめ、叫び返す。 「君にも譲れないものがあるってわけね……。だけど、私にも守りたい人がいる! 負けるわけにはいかないよ!!」 二人の視線、そこに込められたそれぞれの想いが激突し、火花を散らす。 みずきは自分の前方――廉貞黄麟の位置に立つ莉子の方へと右腕を突き出した。 莉子がその先端を目を凝らして見てみると、組まれた親指と人差し指の部分に件のヒーローメダルがセットされているのが分かった。 「(あれは――コイントス? 確か、二回戦進出者の中にそんな人がいたような……)」 莉子のその直感は惜しいところを突いていた。 次の瞬間、確かにみずきは親指でメダルを弾いた――垂直方向ではなく、水平方向へ! 「――っ!」 猛進するメダルは拳大の水弾に包まれており、彼女が自由な左腕で右の乳房を押さえていることから、メダルを弾くと同時に右胸のカップを犠牲にして生成した水弾によりメダルをコーティングし、威力や速度、射程などを大幅に補正していることが窺えた。 対する莉子も一瞬のうちにこの結論に至り、また脳が善後策を講じるよりも早く、優れた反射神経は右手の指を左手首につけたリストバンドの中へと滑り込ませていた。 指を抜きざまに宙を舞ったのは、銀紙に包まれた数センチ四方のチョコ。羽山莉子が予め身体中に隠し持っていた、幾つかの“奥の手”の一つである。 「(このタイミングじゃ私も被爆を免れられない――でもっ!)たああっ!」 チョコを起爆した刹那、交差した腕で熱から身を守りつつ、爆風を利用して莉子は大きく後ろへ跳んだ。 魔人バスケで培われた莉子の反射神経を用いれば、爆発の衝撃による被ダメージをより軽度で済ませるタイミングで後退することも可能ではあった。 だが敢えて爆風をその身に受けたのは、ただ後ろへ跳んだだけでは越えられぬ“魔物”がいたからに他ならなかった――。 「(気付いてたよ。あの位置で私が跳んでたら、まず間違いなく――この肥溜めに、足を掬われていたね!)」 バスケットシューズが床を掴み、危なげなく着地した莉子の目の前には異臭漂う地獄の穴・肥溜めが設置されていた。 彼女の想像通り、みずきの狙いは多段構え――弾いたメダルで攻撃し、左右に避ければ追撃の水弾を、そして後ろに下がれば肥溜めに嵌ったところを狙い撃つ算段であった。 莉子には知る由もなかったが、みずきのこの悪魔的策略は、自らが下した沢木が夢の中でみずきに使った戦術を意図的に再現したものであった……。 「さあっ! 次はなにを見せてくれるのかな!? それとも、これでお終いかなっ?」 メダルの迎撃に放ったチョコが生みだした爆煙も残り僅かとなり、塞がれていた視界も晴れてゆく中、莉子は挑発めいたせりふを吐きつつも未だ警戒を解いてはいなかった。 「(さっきのメダルも躱されたんだ……正攻法じゃ最早勝機はないってことはみずきちゃんも悟ったハズ。……だったら、最後の奇襲のチャンスは“今”しかないよね!)」 そんな莉子の推測は的を得ており、煙の向こう、徐々に姿を見せてゆくみずきはお馴染みの射撃スタイルの右腕を構えていた――ただし、その銃口は、下斜め四十五度! 「(!? いったいどこを狙って――)」 思わず視線を下げた莉子の目に映ったのは、そう、災厄の湧き出る窯――肥溜め! 寒気が全身を駆け巡り、莉子が反射的に両腕で顔をガードするが早いか、みずきの残った下着を全て喰い尽くした水弾が、唸りを上げて地獄の門へと飛び込んでゆく! 刹那、間欠泉の如く噴き上がる禍々しき柱! 「ぐっ……また視界を塞ぐってわけ? でも、“一手”足りないんじゃないかな――!」 両腕によるガードを崩さぬまま、勝ち誇った笑みを浮かべる莉子。 「負けません! 勝ちます! 例え、どんなに汚れようと――!」 それは夢の中で固めた“覚悟”! 例え己がどんな目に遭おうと、兄と再びまみえるその日まで、絶対にあきらめない! 想いの強さを示すかの如く、彼女の肉体が纏う最後の一枚――ミニスカート、その全てを水弾へと変換される。 産まれたままの姿でみずきが放った最大級の威力の水弾は、茶色き水柱を蹴散らし、その向こう側へと突き進む――! 「――残念だったね!」 ――だが、届かない! 悪臭を放つ飛沫を浴びせ茶柱に大穴を開けながらも、肝心の水弾は貫通せず消えた。 鼻が曲がりそうな液を身体中に浴びながらも莉子は勝利を確信し、最後の足掻きで開けた大穴も閉じんとしたまさにその時、身体を小さく丸めたみずきが穴に跳び込んだ――! 「やあああああああっ!」 「なっ――! (そんなっ、もう体力も、服も残ってないんじゃっ!?)」 気力のみに突き動かされるようにみずきは咆哮し、跳躍の勢いそのままに、驚きのあまり硬直していた莉子と衝突、共に倒れ込んだ。 息遣いも荒く、鼻と鼻が触れ合いそうなほどの至近距離で重なり合う二人の少女。 透き通るように滑らかな肌を糞便が流れ落ちる煽情的な姿のみずきが、同じく排泄物に塗れた背徳的容貌の莉子に馬乗りになり、両手で相手の両手首を掴み、拘束していた。 「……ここまで追い詰めたのはお見事だけど、もう脱ぐものはないよね?」 数分前からの莉子の余裕の正体が、この“弾切れ”であった。 脱げば脱ぐほど威力を増すみずきの水弾は確かに厄介極まりなかったが、その全てを撃ちつくしてしまえば、水場など存在しないこの地下闘技場において、彼女に勝機はない。 自分もこの状態では能力は使えないが、単純な身体能力なら目の前の少女に劣らぬというアスリートとしての自信がある。勝敗は明らかだった。 「ぜえっ、はあっ……! ……莉子せんぱい、降参して下さい」 そんな状態で持ちかけられた、棄権の勧め。到底承服できるものではない。 「……あのね。確かに体勢はこうだけど、実際に詰んでるのはみずきちゃ―― !!」 呆れ声混じりに諭そうとした莉子の言葉は、レーザーが照射されるような耳障りな音によって掻き消された。 恐る恐る自分の顔を傾けてみると、チョコの爆撃にもビクともしなかった地下闘技場の対魔人戦闘用に特化した強固な床に、一条の深い切れ込みが走っていた。 そして、左右二箇所でそれぞれ結ばれていたみずきの後ろ髪のうち、莉子から見て右側の束がはらりとばらけた。 「――これが、正真正銘、最後の切り札です。……もう一度言います。降参して下さい」 髪を結んでいたヘアゴム――! 首元から放たれる必殺のレーザーは、あと一発。 莉子はしばしの間、全力で頭を回転させ勝ち筋を探った――だが、そこには一筋の光明も存在しなかった。 “敗北”。その二文字が過ぎり、莉子の目には知らぬ間に涙が浮かんでいた。 「――ぅううううっ……! ごめん、茉奈っ……! 私、負けちゃったよお……!!」 大粒の涙を零す莉子の胸元へと、みずきは静かに崩れ落ちた。 アナウンス役の報道部・斎藤窒素の美声が告げる勝者の名をBGMに、戦い抜いた少女の寝息が幽かなデュオを奏でる。 水のような爽やかさもチョコのような甘さもなかった死闘の幕が閉じた。 <終>