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事の発端は橘みずきの一言だった 「一球勝負で私からホームランを打ったら何でもいう事を聞いてあげる!」 聖タチバナ学園のグラウンドにて橘みずきがこういった 「ほ、本当でやんすか!?」 矢部がみずきに興奮しながら聞く 「うん、本当よ」 みずきは笑顔で答える 「パワ堂のきんつば一年分っていうのはありなのか?みずき」 「あり」 「パンツ見せてくれっていうのは?」 「あり」 「じゃ、じゃあ橘財閥の財力で1/1ガンダーロボを作ってくれっていうのも…」 「あり、卒業目前記念で何でも言うこと聞いてあげる!」 みずきは再び笑顔で答えた 「わぁぁぁ!!」 部員達はいっせいに沸いた そして… 「はい、空振り」 最後の一人である矢部のバットも空を切ることとなった 「みずき、いつの間にこんな駆け引きを憶えたんだ?」 聖はみずきに聞く 「そりゃあ、もちろん甲子園の最中によ!憧れのあおい先輩に無様な真似見せられないわ!」 みずきは力説する そんなみずきを眺めつつ辺りを見回すと… 「あっ、先輩」 先輩であり主将の小波がグラウンドへやってきた 「あれ?皆、一体どうしたんだ?」 小波は矢部たちを見て不思議に思った 「ふっふーん、それはね…」 みずきは一球勝負の事を教えた 「どう?小波君もやる?」 みずきはニヤけながら小波に聞いた しかし、小波は 「遠慮しておく」 と否定の言葉を述べた 「えー!どうして?」 みずきが不満の声を出しながら小波に質問した 「だって、みずきちゃんだもん」 小波は疑いの目でみずきを見ながら言った 無理もないだろう、この中で一番みずきに振り回されたのは他ならぬ小波なのだから 「今度は本当!嘘偽りなど一切ありませーん!」 みずきは胸を張った言った 「小波君!挑戦を受けるでやんす!このままじゃ小波君はみずきちゃんの奴隷のままでやんす!」 矢部は小波に向かって叫んだ 「先輩、これからはプロの世界でみずきと戦うんだ、受けておいてそんは無いと思うぞ」 聖もみずきに挑戦することを勧めた 「…分かった、みずきちゃん、いいね?」 「OK!」 小波とみずきの勝負が始まった そして… 「うっそぉぉ!?」 見事小波はホームランを打った 「凄いでやんす!信じてたでやんす!」 「見事だ、先輩」 矢部と聖が小波を褒めちぎる 「……みずきちゃん」 小波はみずきに近付く 「うう…」 みずきは肩を落としてうなだれた 「みずき、勝負は先輩の勝ちだ」 聖はみずきを立たせる 「分かったわよ、で、小波君の要望は?」 みずきはぶっきらぼうに聞いた 「要望?うーん…」 小波は少し考えた後みずきの耳元で何かを囁いた 「!?そ、それは無し!」 みずきは顔を赤くして拒否の態度を示した 「な!何をいうでやんすか!みずきちゃん!勝ったらなんでもいう事を聞くという話しでやんす!」 「約束は守るべきだと思うぞ、みずき」 矢部と聖はみずきの態度を身と怒りを顕にした 「ううーでも…」 みずきはそれでもやりたくないらしい 「いいよ、矢部君。無理って言ってるんだから仕方ないよ」 小波は助け舟を出した 「しかし、先輩…」 聖は納得がいかないそうだ 「仕方ないよ、みずきちゃんが約束を守ったことなんてないもん」 小波のこの一言はみずきは怒りに火をつけた 「何ですって!誰が約束を守ったことがないですって!」 みずきの顔は烈火のごとく怒った顔になった 「いいじゃない!約束、守ってあげるわよ!明日からでいいわね!」 「は、はい!」 小波は思わず後退った こうして、みずきは小波の要望を叶えることとなった え?小波の要望?それは… 「卒業するまでみずきちゃんは俺のラブ奴隷になる」 ということらしいです その1
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自作 8月30日は、あるアニメに登場する小学5年生のキャラクター「野山あずさ」の誕生日です。 このキャラクターを主人公とする、 1995年からNHKで放送されたアニメのタイトルは何でしょう? タグ:アニメ・特撮 Quizwiki 索引 あ~こ 素敵な君
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『あずきちゃん』とは、「恋愛」「浮気」「被害妄想」などティーンエイジャーにありがちな悩みをテーマとした漫画作品及びテレビアニメ作品である。小学生らしい純粋な絵とは裏腹に、二股や妄想などを繰り広げることから、一部の男性及び女性から熱狂的な支持を受けている。 概要 主に「小笠原勇之助」に執着する小学生編と、二股から始まるシンデレラストーリー中学生編の2つに別れる。 このWikipediaでは、アニメ版を小学生編、漫画版を中学生編としてわけることとする。 小学生編 中学生編 登場人物 野山あずさ(のやま あずさ) 通称あずきちゃん。妄想癖と嫉妬心の非常に強い小学5年生。 自分の恋を叶える為なら、親友をも裏切る悪魔のような女の子である。 嘘をついたり、妄想を膨らませたりするのは日常茶飯事である。 自分につきまとう男子が嫌だからといって、ラブレターを親友の下駄箱に入れるなどの行動も目立つ。 また、他人に自分の彼氏が奪われるのではないかという被害妄想から、他人を信用できなくなったり、 或いは自分の彼氏をも信用できなくなるなど、非常に自分勝手な性格を持っている。 中学生編では二股交際も行う。 その身勝手さから、勇之助の父親の会社が破綻した際も、 ハッキリとした返事をせず、勇之助を追い詰める結果となったりする。 野山だいず(のやま だいず) 通称だいず。もはや、人間としての名前すら与えられていない。 ネット上の有名人「りぼんちゃん(通称:ぼっさん)」が、 「どのアニメキャラのおしっこでうがいしたい?」という問いに、だいずを指名した事で だいず=ぼっさん、だいず=おしっこというイメージがつきまとうようになった。 小笠原ゆうのすけ イケメンで女の子の注目の的である。 いつもブルーと白の縞々の服を着ている。 交換日記もブルーと白の縞々のノートを選ぶなど、独特の感性を持っている。 ゆうのすけの父親は社長で、伊豆に会社の寮を持っているなど、 そこそこ裕福な家庭だが、中学生編では会社が破綻したため、海外生活を余儀なくされる。 坂口まこと 通称ニャンちゅう。
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「おはようございます、みずきさん」 「おはようございます、橘先輩」 野球部や後輩達がみずきに朝の挨拶をする 「うん、おはよう」 みずきも普通に挨拶を返す 「あっ、おはよう、みずきちゃん!」 小波も声をかける 「おはよう、小波君」 みずきは嫌そうな顔を浮かべて挨拶を返した 「……みずきちゃん、嫌そうな顔しないでよ」 「それは”命令”なの?」 小波の不服そうな声に対してこれが"命令"である事を確認するみずき 「いや、そうじゃないよ」 「ならいいでしょ?」 みずきはツンとしたまま校舎の中に入って行った 「はぁ…」 みずきは大きなため息をついた 先日に小波とみずきが交わした約束、それは… 「卒業するまでみずきちゃんは俺のラブ奴隷」 これがみずきの頭の中をグルグルと回っていた (ラブ奴隷って何よ!奴隷ってことは何でも命令に従うってことでしょ?でもラブって…) そんな事を考えていた時、丁度 「では橘さん、この問題を解いてください」 「へ?あっ、はい!」 先生から指名されてしまった そしてお昼休み みずきは小波の教室へやってきた 「小波君いるー?」 みずきは教室内を見渡した 「小波君なら屋上へ行ったでやんす」 同じクラスである矢部はそう答えた 「うん、分かった」 みずきは教室を後にして屋上へ向かった 屋上に着くとそこには小波が購買部で買ったパンを食べていた 「あっ、小波君」 「あれ、みずきちゃん、どうしてここに?」 小波はみずきに声をかけた 「一応、約束の確認しにきただけよ」 「そうなの?」 「そうよ」 みずきはグラウンドの方を見る 「まあ、ここには誰もいないからいいか」 小波はパンを食べ終えるとみずきの隣に立った 「ええっと、確か私をラブ奴隷にするって言ったわね」 「ああ、卒業するまでね」 小波は屋上のフェンスに寄りかかる 「ラブ奴隷って何?」 みずきは小波のほうを見る 「そのままの意味だよ」 「そのままってどういうことよ!」 みずきは怒った口調で小波に聞く 「みずきちゃんは俺の命令を絶対に守らなきゃいけない、でもただ守るだけじゃ駄目」 「守るだけじゃ駄目ってどういうことよ?」 みずきは首をかしげる 「喜んで俺の命令に従うこと」 「はぁ?」 みずきは呆れた声を出した 「例えば…」 小波が突然みずきに抱きついた 「キャァ!」 みずきは思わず小波を突き飛ばした 「もし、これが命令として行使されたらみずきちゃんは守ったことにならないってこと」 「そうなの?」 「そうなの」 驚いてばかりいるみずきに対して小波のほうはニヤニヤと笑みを浮かべていた 「拒否するってことは出来ないの?」 「出来ません、だってみずきちゃんは奴隷だから」 「……」 言い返そうにも命令の一言で片付けられてしまいそうだ そして小波は水木のほうを向いて言った 「さて、早速最初の命令を言わせて貰おうか」 「な、何でも言いなさいよ」 みずきはそっぽを向いてぶっきらぼうに言った 「…みずきちゃん、約束を守れてないよ」 小波は怒る様子もなく静かに言った 「へ?」 「ラブ奴隷はご主人様の命令を喜んで聞くって言ったよね?」 「うっ…ご命令を、ご主人様」 みずきは硬い笑顔で答えた 「…まぁ、いいか。じゃあ放課後、付き合ってくれないか」 「え?はい、分かりました、ご主人様」 みずきがその言葉を口にすると同時に予鈴がなった 「そろそろ教室に戻らないといけないな」 「そうね」 「じゃあ俺は行くよ」 小波は屋上から出ようとする 「うん、じゃあ放課後ね」 みずきはやる気無く手を振った 「あっ、一つ言い忘れてたけど…俺は矢部君よりマニアックな部分があるから…」 「えっ?」 小波の一言にみずきはあっけに取られる 「そこのところ、よろしく頼むね」 そう言って小波は屋上から去っていた 「…」 みずきは扉を見ながら固まっていた 放課後、みずきは小波を待っていた 「ふう、遅いわね…」 みずきは携帯電話の時計を見る 授業が終わって早5分が経とうとしていた 待つのが苦手なみずきには5分という時間は十分長いものだった 「あっ、みずきちゃん!」 小波がやってきた 「おそーい!いつまで待ったと思ってんの!」 「まだ五分しか経ってないじゃん…」 小波は呆れながら答える 「それでも十分待ったの!」 みずきは拗ねた口調で文句を言った 「ハイハイ…」 小波はみずきの頭をポンポンとたたきながらなだめた 「で、どこへ行くの?」 みずきはやる気なさそうにに聞いた 「デパートの下着売り場だよ」 小波はそう言い放った 二人はデパートの下着売り場へやってきた 「…それでここで何をしようっていうのよ」 みずきはあいかわらずやる気がなさそうだ 小波は色々な女性下着を見ながら何かを考えているようだ 男性が女性の下着を見る 一人で同じ事をすれば変態だろうが今はみずきと一緒だ 周りからはせいぜいマセた高校生のカップルにしか見えなかった そのうちみずきも色々と下着を眺め始めた 「あっ、これ可愛い!」 みずきはフリルが付いたピンクの下着を手に取る それに小波が気づいたようでみずきの近くにやってきた 「欲しい?」 「え?うーん…」 突然の質問にみずきは困ってしまった 欲しいかと聞かれればそんなにでもなく買わなくてもいいといえば後で後悔しそうであった 「別のにするわ」 みずきはそう答えると小波はまた別の下着を見始めた (一体何を考えてるんだろ?) みずきはふと疑問に感じた 小波が色々見ていると何かを見つけたようだ みずきはそれに気が付くと小波の近くにやってきた 「何かいいものあったの?」 みずきは小波に聞く 「ああ、あったよ」 「どれどれ?」 小波が見つけたもの、それは… 「そ、それって…」 「そう、エロ下着」 小波が手に取った下着はかなり薄手でTバック気味の赤い下着であった ブラジャーもブラジャーできちんとブラジャーの機能を果たしているのかどうか分からないものだった 「ま、まさか…これを着て来いって言うんじゃ…」 「そう、そのまさかだ」 小波はニヤニヤしながらみずきに言う 「こ、こんなの着て学校へ行ったら恥ずかしくて死にそうだわ!」 みずきは顔を真っ赤にして小波に言う しかし、小波は涼しい顔をして言い放った 「みずきちゃん、これは命令だよ」 「うっ!」 この一言を言うとみずきは固まってしまった 「別に俺は良いんだよ、みずきちゃんは約束を守らなかったって言うだけだから」 「うう~小波君の鬼畜ぅ!」 みずきは小波の襟首をつかみ思いっきり振った 「それにお金は俺が出すからいいでしょ?別にみずきちゃんが損をするわけじゃないんだから」 小波は甘い言葉を囁くようにみずきの耳元で言った 「う、うん…」 みずきは思わず頷いてしまった 「よし、決まりだ」 こうしてみずきは小波が買った下着をつけて登校する命令を受けた その日の夜 「………」 みずきの目の前には小波が贈った赤いエロ下着がある (着けるってやっぱり心の準備が…) 胸の鼓動が高鳴る (無心よ!何も考えず単なる下着としてつけるのよ、みずき!) まだ鼓動は止まらない、いや、むしろ早くなっている パンティーを手に取る (ええい!ピッチャーは度胸!) みずきはパンティーを穿いた! 下着がみずきの下腹部を締め付ける (次はブラ!) カップもあっているようでぴったりと合った 「はぁ…はぁ…」 みずきは肩で息をしていた (し、下着を着けるだけでこんなに疲れるとは思わなかったわ…) みずきは興奮しながら辺りを見回すと鏡に目が行った 鏡の自分を見る、そこにはいつもの自分ではなく明らかに男を誘惑する女がそこにいた その姿を見てさらにみずきは興奮してきた (も、もし、この姿がお姉ちゃんや聖に見られたら…) ごくりと唾を飲み込む 想像するだけで体が熱くなってきた 「そ、そろそろ寝ちゃおうっと!明日も早いし!」 恥ずかしさを隠すかのようにパジャマを着て布団の中に入る 「……寝れないわね…」 興奮が収まらず、むしろどんどん高ぶっていくようだ 胸に手を当てる 「!?」 いつもより気持ちがいい (しちゃおうかな?) またに手を伸ばそうとした時、なぜか小波の顔を思い出した 「!?やっぱやめ!」 みずきはそういって目をつぶりそのまま寝てしまった つづく プロローグ その2
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< 【back】 【next】 > 真冬にしてみれば暖かい日差しが射すある日、みずきは祖父が所有する山の小さな小屋にいた。 中央にはダルマストーブが置かれ、その上には部屋の湿度を保つためのヤカンと小さいサイズの餅が乗っていた。 みずきがのんびりとストーブの上で餅を転がしていると窓の外からの視線を感じ、そちらに振り向いてみた。 「みずきちぃ~。さ~む~い~」 「うわぁ!」 驚いてこけそうになるみずき。それは当然だろう。 何せ自分一人だと思っていたら伊万里が窓にべったり顔を押し当て恨めしそうな顔をしていたのだから… 一瞬ひるんでしまったがみずきはすぐに小屋の中に伊万里を招きいれてさらに驚いた。 長時間外にいたのだろうコートを着ていても伊万里の体は冷え切っており唇は紫色になっていたからだ。 「伊万里ちゃん何やってるの!?」 「いやぁ久しぶりにみずきちの家に行ってみたら、おじいちゃんにたぶんここだろうって教えてもらったの」 「だからってそんなことする必要ないでしょ?」 少し怒りながらみずきが問い詰める 「たまにはこういうことしないといろいろと製作サイドに不都合が…げふんげふん」 そういうとストーブの上にあった小さな餅をひょいとつまみ上げ口に運ぶ。 が、やはり熱かったようでホフホフいいながら熱さもだえていた。 「…? 訳のわからない事を言ってないで冷えた体を温めなさい!」 伊万里の目の前に暖かいココアが差し出された。どうやらココアの元をストーブのヤカンのお湯で溶いたようだった。 無言でココアを受け取りゆっくりと飲む伊万里。砂糖醤油の入った皿を片手に餅の焼き加減を確かめるみずき。 なんとなく無音のゆるい時間が流れていた。 無音のゆるい時間に終止符を打ったのは伊万里のほうだった。 「ココアありがとう、みずきち。それとごめんね」 何がごめんなんだろうという感じで首をかしげるみずきであったが見る見るうちにその表情が変貌する。 伊万里がポケットから何かの部品を取り出したからだ。 「何で? 伊万里ちゃんが持っているの?」 伊万里が取り出したもの、それは本来なら稔の家に設置したはずの盗聴中継機器の部品であった。 「ごめんね… 本当にごめんね…」 ぽろぽろと涙を流す伊万里。少しずつ殺気を放つみずき。 目立たない位置にあった草刈鎌に手を伸ばして柄をつかむが感触が違っていた。 視界にそれを捕らえるがそれはプラスチックでできたおもちゃの鎌だった。 「伊万里! お前何を…」 伊万里の名を叫び、伊万里のほうを向くと伊万里はみずきの草刈鎌をちょうど振り上げているところだった。 「ごめんね。みずきち」 涙を流しながら伊万里は鎌を振り下ろした。みずきは腕で防御しようとしたが間に合わなかった。 部屋の中にみずきの服の一部が舞い散ったが、みずきに出血はない。 襟首からキュロットまで縦一文字に衣服だけが切り裂かれ、スリットからはちらちらとピンク色の胸の先端が見えていた。 伊万里は視線をこちらに移しこう言った。 「もうすこし時間があれば18禁展開になったのに残念だったね」 ~Time UP~ < 【back】 【next】 >
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< 【back】 【next】 > もしみのりんが伊万里と結婚したら ~みずきの場合~ ピンポーンピンポーン…ガチャ。 み「久しぶり、稔っ!」 稔「おお久しぶりだな。元気だったか?」 み「うん! 稔も元気そうだね!」 稔「ははは、ボチボチな。あ、傘立ては無いんだ。そこにかけといてくれ」 み「分かった」 稔「まあよ、まだこのマンションに引っ越したばかりで何も無いけどさ。今日はゆっくりしていけよ」 み「うん」 タッタッタ、ガチャ。 稔に連れられてリビングに入った。 そこで出迎えたのは…。 伊「あっ、みずきち久しぶり!」 み「あ、いま………り…」 ソファに座り、こちらを振り向く伊万里だった。 今日は明るくするつもりだったが、彼女のお腹を見てそれは一変した。 伊「うわぁ、元気だった? みずきち!」 み「う、うん」 稔「俺だけじゃなくて伊万里が会うのも久しぶりなんだな」 伊「そうだよ。えと、結婚式以来だっけみずきち?」 み「う、うん……。それより伊万里…そのお腹…」 伊「フフ、結構おっきくなってきたでしょ?」 稔「医者にはあと一ヶ月って言われてる」 み「そう……なの…それが稔から搾取した……種……」 伊万里は膨らんだお腹を大事そうにさする。 伊「結婚してからなかなか出来なかったんだけどね、やっとさ…」 稔「毎日二人で頑張ったもんな」 伊「な…も、もおバカみのりん! そおいうこと言わないでよ恥ずかしいから!」 稔「はは、悪い悪い」 み「……ブツブツ……」 伊「そうそう、まだ男の子か女の子かは聞いてないんだよね」 稔「楽しみはとっておきたいからな」 伊「そういえばみのりん、子供の名前考えてくれた?」 稔「あ、いけね」 伊「あーひどいなあ。ボクの考えた名前全部ダメって言うくせにそれだもんなー!」 稔「いやその、考えてたけど良いのが浮かばなくて」 伊「本当に?」 稔「ほんとほんと。これでもその手の本とか読んでるんだぜ?」 伊「ふうん…まあいっか。でも覚えといてね、ボクは産まれてくる子供にさ、お父さんとお母さんが二人で一生懸命考えた名前なんだよって言いたいんだから」 稔「俺だってそうさ」 伊「フフ、早く産まれないかなあ…」 稔「はは、気の早いやつだな。ああそう言えばみず…」 み「……イマリコロスイマリコロスイマリコロスイマリコロスイマリコロス…」 稔「み、みずき?」 み「……イマリリュウザンシロリュウザンシロリュウザンシロイマリリュウザンシロイマリリュウザンシロイマリリュウザンシロ……」 稔「おいみずき?」 み「え、な、なに稔?」 稔「あ、いや…今日は夕メシは食ってくだろ?」 み「う、うん、もちろん!」 伊「じゃあボク早速作るからちょっと待っててね、すぐに…」 み「いいよ伊万里! 身体辛いんだからゆっくりしてて」 伊「え、でも夕飯が…」 み「そんなのあたしが作ってあげるよ」 稔「おいおい、お前は客人なんだぞ」 み「いいのいいの。二人とも疲れてるだろうし。伊万里も辛いでしょ?」 伊「そんなことないけど…」 み「それにあたし料理上手くなったんだから、腕を見せたいの!」 伊「…そう?」 み「うん。任せて!」 伊「じゃあお願いしちゃおっかな」 稔「いやはや、なんだか悪いな」 み「いいってば。二人ともゆっくり休んでてね」 み「今だけ………ね」 【if ひめver.】 < 【back】 【next】 >
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< 【back】 【next】 > 追記、修正をかけた本編組み込みver.ではありません タイムカプセルep 原文 車輪は回る。くるくる回る。みずきの押すマウンテンバイクの車輪だ。 俺たちは商店街を抜け、住宅地に入っていた。ここを抜ければすぐにでもみずきの家だ。 だが、その先頭を行く少女はこちらを振り向かない。 みずきは、俺たちの数歩前を無言で行く。あの活発なみずきがさっきから黙ったままだった。 俺は隣を歩く伊万里にそっと聞いてみた。 「なぁ、伊万里……みずきのやつ、いったいどうしたんだ? お前、なんか心当たりないか?」 「あ、あるわけないよ! ……ボクだってあんなみずきちを見たのはじめてだよ……」 こそこそと小声で話す俺たち。伊万里もみずきのあまりの消沈っぷりにどう接していいのかわからないらしい。 「みのりんこそ、なんか言っちゃいけないこと言っちゃったんじゃないの? そもそも今日はどういう話だったのさ?」 「どうもこうもない。みずきが家にゲームしに来ないかって言ったからお前も呼んだだけだ」 「そっかぁ……、むーん……むーん……」 いきなり、伊万里は頭を抱えて何かを考えだした。 「なんだよ。やっぱり心あたりあるのか」 「うーん……なんか引っかかる気がするんだけど……みのりんもうちょっと待っててね」 そしてそのまま数瞬考える。考えた後、笑顔で顔を上げた。 「何か浮かんだか?」 「全然! ……っひゃん!」 俺はすぐさま伊万里の額に必殺のデコピンを見舞った。 「ひ、ひどいよ! みのりん! ボクのおでこはそんなに何度も弾いていい所じゃないよ!?」 「うるさい」 「あうっ! ま、また弾いたぁ!」 まったくこの馬鹿は……。 向こうが黙っているなら、こっちからアクションを起こすしかないだろう。 とりあえず、まずは当たり障りのない話題から始めることにしよう。 「あー、そういえばあれだ、伊万里。あれ、面白かったよな? ほらこないだ姉さんがさ――」 「……え!? あ、うん。そうだね!」 「だよなー! いくら弟に指摘されたからって、あの狼狽っぷりはないよなー!」 「そうだよね! あれはないない! でもかわいかったよねーって……」 いつの間にか、みずきがこちらを向いていた。 「もうすぐ、家だよっ!」 「お、おう」 振り向いたみずきはいつも通りのみずきで、少し拍子抜けしてしまう。 なんだ、機嫌が悪いと思ったのは、気のせいだったのか……。 「伊万里」 「え、どうしたのみのりん。――あうん! ま、またやったぁ! 今日だけでもう四回目だよ!?」 「うるさい。全部お前のせいだ」 「ひ、ひどいよぉ」 全ての責任を伊万里に転嫁して八つ当たりする。まったく、余計な気を揉ませやがって……。 「こらっ! みのる、伊万里をいじめちゃだめ」 「苛めてない。愛情ゆえのスキンシップだ」 「あ、愛情!?」 伊万里が大げさに驚く。頬染めんな、寿司のくせに。 「おおーい。みずきちゃん」 そこで、声をかけられた。気がつくと俺たちは、みずきの家のそばにある木工場の前まで来ていた。 「あ、玄さん! お疲れ様っ」 みずきが笑顔で手を振る。 声をかけたのは、良く日に焼けた壮年の職人さんだった。玄さんと呼ばれたその人は笑顔でこちらに近づいてくる。 みずきの実家は木工所も経営している。きっと、ここがそうなのだろう。大きな倉庫のような場所に、沢山の材木が並べられていた。 木を切る電気のこぎりの音が聞こえる。腕利きの職人がかけるかんなの滑る音が聞こえる。舞い散るかんな屑。木工所内は活気に満ち溢れていた。 「おや、お嬢。いま帰りですかい」 そして職人さんがもう一人。首にかけたタオルで汗を拭きながら現れた。 「こんにちわ、鈴木さん。作業はかどってる?」 「はぁ、もちろんでさぁ。お嬢の為なら、わしら何でもしますからな」 「あはは、もう、調子いいねっ。……何か問題とかない? あったら何でも言ってね」 「日々順風満帆ですよ。あったとしても、とてもみずき嬢ちゃんには言えませんよ」 「そうそう、お嬢に相談なんかしたら、わしらの仕事全部取られちまいますからな」 「そりゃそうだ。それに何より、嬢ちゃんに怪我させたとあっちゃ、わしら親方に申し訳がたちませんわ」 「そんな事、気にしなくてもいいのにー」 みずきが親しげに数人の職人さんと会話をしている。職人さんたちの表情はみんな穏やかで、みずきは愛されているのだと感じた。 「みずきち、楽しそうだね」 伊万里が言う。 「そうだな」 俺たちは少し離れたところからそれを眺めていた。 俺は安心した。みずきはお人よしのおせっかい焼きだ。頼まれるとなんでも引き受けてしまう。 それゆえに危うい所があるのだが、この木工所の人たちはそんなみずきの性質をしっかり理解しているようだった。 「お待たせっ! それじゃあ、行こっか」 みずきがツインテールをはためかせて戻ってくる。 いつの間にか職人さんたちはそれぞれの仕事に戻っていた。 「みずきは木工所の人たちと仲がいいんだな」 俺は何気なく聞いてみた。 「そうだよ。子供の頃からよく見に行ってたからね」 みずきは無邪気に笑う。その笑顔に一切含むところは無い。心からこちらを信じきっているからこそ出来る表情だ。 「じゃあ、みずきちもあんなふうにがーって豪快に木を切ったりできるんだ」 伊万里も乗ってくる。大仰な身振りで真似る。 視線の先には、先ほど玄さんと呼ばれた職人さんが一抱えもある電気のこぎりで材木を切断しているところだった。 「もちろん! 一通りの作業出来るよ。こんど伊万里にも見せてあげる」 「……えっ。あ、うん、今度ね」 伊万里がしまったという顔をする。険しくなる眉間。この馬鹿……。 「おい、伊万里」 「わかってるよぅ……失言したんだよぅ」 まったく、みずきの性格を考えてものを喋れってんだ。 みずきにそんなことを言ったら、たとえ不慣れでも無理して見せようとするに違いない。それで怪我でもさせたら大変だろう。 みずきは優しい。どんな時でも自分より他人を優先する。人の為になら、自分を省みない。故に、危うい。 俺と伊万里はあの事故からそれを学んだはずだ。 だから、俺たちはみずきの身を案ずる。ここの人たちはそれを知っている。 けれど、学校でみずきの危うさを知っているやつは少ないのだ。 みずきは、俺たちが守らないと……。 不意にどこからか携帯のバイブが聞こえた。反射的にポケットの携帯を探る。 ……違った。姉さんからでもかかってきたのかと思ったがどうやらそういう訳では無いらしい。 見ると、みずきでもないらしい。ふるふると首を振る。ツインテールがそれにあわせて揺れた。 「あれ……じゃ、ボクの携帯かな?」 伊万里が怪訝な顔をしてカバンを漁り始める。その間にも振動音は鳴り続ける。 カバンの底から発掘された携帯は、はたしてその音の発生源だった。 「うー……あーんー」 携帯の画面を確認し、唸り声をあげる伊万里。 「ううう~~~」 そして、急に涙を流しはじめた。なんだなんだ? どうしたんだ、いったい。 「どうした伊万里」 「うー……」 伊万里は言いよどむ。なんだ? 何かやましい事でもあるのだろうか? 「んー? どうしたの? 伊万里」 みずきも疑問に感じたのか、伊万里の顔を下から覗き込む。 「う~、みのり~ん! 遊びにいけなくなっちゃたかも~!」 ◇◆◇◆◇ 「伊万里、残念だったねっ!」 台詞とは裏腹に、みずきの声は弾んでいた。 俺たちは如月家の所有する山の中を進んでいた。目的地はわからない。みずきだけが知っている。 二月の山はとても冷えて寒かったけれど、首に巻かれたマフラーが風を阻んでくれた。 「でもちょうど良かったよね。結局ゲームはできなかったんだし」 そのマフラーは俺の首を包み込み、そのまま隣をいくみずきの首筋に巻きついている。 両手はそのマフラーの端を大切そうに握り締めている。顔には満面の笑みが浮かんでいた。 「みのる、寒い?」 俺が無言でいることを怪訝に思ったのか、みずきが聞いてくる。いや、そうじゃないんだが……。 「なぁ、なんで俺たちはこんな恋人同士みたいなことしてるんだ?」 みずきは数瞬考えていたようだが、少し困ったような笑顔で聞いてくる。 「みのるは……嫌?」 「いや……」 確かに恥ずかしい。だが、別に誰かが見ているわけではない。ここは人気の無い山の中で、みずきと俺の二人しかいないのだ。 ここに伊万里や、姉さん。それに毒男や長岡でもいようものなら全力で逃げ出すところだが、幸いにして本当に二人きりだ。 そう、二人きり――。 「嫌なわけじゃないんだが、ちょっとはずかし――」 「じゃあ気にしないっ!」 みずきはそう言って笑った。 本当に上機嫌らしく、ツインテールがぴょこぴょこ跳ねている。本当にウサギの耳のようだと思う。 伊万里にかかって来た電話は母親からだったらしく、どうしても手伝って欲しい用事が出来たから至急帰ってこいというものだった。 すぐに家にかけ直した伊万里だったが、抵抗の甲斐なく『ボクもみのりんと遊びたかったよ~~』という叫びを残しながら、後ろ髪を引かれまくりで帰っていった。 そしてその後、みずきの家へ向かおうとした俺たちを「おおーい、お嬢」と、先ほど鈴木さんと呼ばれていた人が呼び止めた。 そういえば、とこちらへやって来た彼が言うには、今日はどうやら地元の名士同士の会合がみずきの家であるらしい。 「あー、それじゃあ無理だねー」 みずきは困ったという顔をしながら言った。 「そんなに凄いものなのか?」 「家の前に黒塗りの車がたくさん止まってたり、私もよく知らない大人たちが大勢いてね、とてもじゃないけどお邪魔できる雰囲気じゃないと思うよ」 「黒塗りの車……もしかして田舎のお金持ちって、ヤクザのお偉いさんとあんまり変わんないじゃないか?」 「うーん、そうかもね。少なくとも車の趣味は似てるんじゃない?」 そう言って苦笑いした後、今度はにっこり笑って目の前の職人にお礼を言う。 「うん。ありがとうね、鈴木さん!」 「いやいや、礼を言われるほどのもんでもないでさぁ。にしても、お嬢。隣の兄ちゃんが例の――」 「うん、みのる」 「へぇ、君が稔君かぁ」 鈴木さんが品定めでもするかのように、上から下へ下から上へと俺を見る。 こういう風に見られることは正直気分のいいものではない。 「あの、何か……?」 「ああ、いや、すまんねぇ。噂の稔君がどんな色男かと思ってねぇ」 「い、色男なんてとんでもないです……」 「いやいや、お嬢が君の話をよくするもんでね。今日のみのるはこうだった、ああだったってね」 「はぁ」 「あんまり楽しそうに話すから一部では――」 「すーずーきーさーん!」 唐突に、大声を上げてみずきが会話をさえぎる。 「おっと、こりゃいけねぇ。ははは、それじゃあ邪魔なおっさんは戻りますかな」 豪快に笑って鈴木さんは木工所の方へと踵を返す。そうして去り際に、 「稔君、お嬢を頼んだよ」 と、俺にしか聞こえないような小声で言い残していった。 「もう。鈴木さんってね、ああやっていつもあたしのこと――」 そうやって文句をたれるみずきの顔は穏やかで、どこか楽しげで、本当に優しい人たちに囲まれているのだと実感した。 しかしそれもつかの間、みずきの家へ行くことができなくなったため、どうしたものかと思案しなければならない俺たち。 みずきも良いアイディアがすぐには思い浮かばないようで、しばらく二人で突っ立って考えをめぐらす。 やはり少し時間はかかるが、街にでも行ってゲームセンターにでも行くしかないのだろうか。 あまり良い案ではないが、そう提案しようと口を開こうとした瞬間、パッと顔を上げたみずきが言い放った言葉が――。 「じゃあさ、みのる、裏山にいってみようよ!」 であった。 「みのる、マフラー暖かい?」 「ああ、暖かいよ」 「よかった。長いの買った甲斐があったね」 「……しかし、みずき。いきなり山に行こうだなんてどうしたんだよ。ここに何かあるのか?」 俺は少しばかり呆れ気味に聞く。 ざく、ざく、ざく 山の景色は無味乾燥としていて、葉っぱ一枚残らない裸の木が目立つ。二人分の土を踏みしめる足音だけが聞こえる。 寒風吹き荒む景色に、曇天の空はどこか物悲しげだ。いったいこんな寂しい場所に何があるというのだろう。 俺にはわからない。 「あれ? みのるは覚えてない?」 「何のことだよ」 「みのるは何度かここに来たことあるよ?」 「そうだったかな。覚えてないけど」 「もうすぐすれば、みのるも思い出すっ」 俺たちは荒れ果てた山道を登る。みずきのマフラーで俺たちは繋がっていた。だから二人ぴったりと並んで歩いた。 すこし開けた場所に出る。そこは森の境目で、ずいぶん長く放置されたのだろうか、変色した材木が積んである切り出し場の入り口だった。 材木の隣には小さな小屋が立っている。昔、ここが使われていた時の作業小屋だ。 「ここは……」 「みのる、思い出した?」 「ああ、そうだ。ここは確か……」 そうだ、ここは確かに何度か来たことがある。 それは、まだ俺たちが子供の頃の記憶。 まだ内気で人見知りだったみずきが初めて俺を遊びに誘い、今のように二人だけで訪れた思い出の場所……。 いつの間にか姉さんと伊万里が加わり、4人の秘密基地みたいになってたっけ。 「そうか。タイムカプセルか」 「あったり!」 ぴょこん、とウサギの耳が跳ねる。 するするとマフラーを解くと、みずきはそれを俺に押し付け「ちょっと待ってて」という言葉を残して走っていく。 走っていく先は、うら寂れた小屋。 みずきは小屋の扉の前まで行くと、しばらくガチャガチャと物音をたて、そして扉を開き、中に入っていった。 おそらく、家に寄ったときにでも鍵を預かってきたのだろう。 俺はそれを見送ると周りの風景に目を移した。 まぶたを閉じれば思い出す。これもまた小学生のころ。 俺とみずきは、それぞれ自分の宝物を持ち寄って、大きめのクッキー缶に入れてタイムカプセルとしてこの場所に埋めたのだ。 どちらが言い出した事かは忘れてしまった。忘れてしまったけれど、いつか大人になった時にそれを二人で掘り出しに来ようと誓ったのだ。 そうだ、確か埋めた場所は……。 「みのるー、ほらスコップ!」 『小屋、大きい木、そこから五歩、珍しい石』頭の中でリフレインする言葉。その言葉どおりに歩く。場所はすぐに見つかった。 小屋から数歩も離れていない。ただ、目印の大きな木は大きな切り株になっていたし、当時珍しい石だと思っていた岩も、いま見ればどうということもない変哲もない形をしていた。 「……子供の頃の記憶って、変わっちゃうものだね」 帰ってきたみずきが言う。 まったくだ。あの頃と俺たちの関係は何も変わっちゃいないのに、周りばかりがどんどん変わっていく。 「じゃ、日が暮れて寒くならないうちに掘り出しちゃおうよ」 「ああ、そうだな」 「おっけー、おっけー! 穴掘りはあたしにまっかせなさい!」 おなじみの台詞を口にすると、みずきは勢いよく、スコップを地面に突き立てた。 ◇◆◇◆◇ 「ふう、結構簡単に出てきたね」 「そうだな、子供の力だからな。そんなに深くまでは埋めれなかったんだろうな」 掘り出したそれは、やはり記憶とは微妙に違う小さな金属の缶だった。縁が微妙に錆びている。こんな薄っぺらな入れ物でよく今まで無事に埋まっていられたものだ。素直にそう思った。 「これはこのまま持ってて、小屋の中で開けようぜ」 二月という冬場でも運動をすれば少しは汗もかく。自分はともかくとして、このままここに居ればみずきが風邪を引きかねない。 それに、俺が風邪を引いたって、どうせみずきは世話を焼きに家までくるだろう。そこでうつしてしまっては元も子もない。 「そうだね……あ、でも」 素直にうなずくかと思ったみずきは少し悪戯っぽく笑って、踵を返した。 「みのる。ちょ~っとだけ、そこで待ってて」 そしてそのまま小屋まで駆けていくと、一抱えもあるやたら物騒な代物を抱えて帰ってきた。 「はい、みのるこれ持つ! 危ないから落としちゃダメだよ」 「お、おまえこれって……」 どしり、と確かな重量が両手にのしかかる。それは作業用の機械のようだった。 ただの機械じゃない。仄かに香るガソリンと、オイルのにおい。錆びた鉄。エンジンがついていた。 そしてそこからにょっきりと生えた剣呑で、黒光りするブレード――。 こ、これは……。 「チェ、チェーンソーじゃないか! なにすんだよ、こんなもん持ってきて!」 「みのるにあたしの特技見せてあげるっ!」 「と、特技ってお前……」 みずきは手早く、やたら厚手で丈夫そうなエプロンをかけ、手袋とゴーグルを装着した。 そして、材木置き場の方へ行くと、少し大きめの丸太を転がしてくる。それを手ごろな切り株の上に乗せた。 「本当は音がすごいからイヤープロテクターもつけなきゃいけないんだけど、今日は持ってきてないから」 みずきは俺からチェーンソーを受け取る。 「なんか……すげー格好だな」 俺は困惑していた。急にそんなものを持ち出したみずきの考えがわからなかった。 「大丈夫、大丈夫。あたしに任せておきなさいっ!」 そんな俺を無視して、みずきは得意そうに笑う。 「危ないから、みのるは離れててね」 そういって、エンジンスタータを一気に引っ張る。 どるんっ 低い音が鳴る。それに続き、ドッドッドッドという断続的なエンジン音が山間に響く。 「何するつもりなんだ?」 「えへへー、ひみつ~。みのる、しっかり見ててねっ」 みずきはそう宣誓するや否や、エンジンの回転をブレードに伝えるスイッチを入れた。 ギュアアアアアアァン 瞬間、悲鳴のような轟音が場を満たす。みずきの操る高速で回転するブレードが丸太の端に触れた時、その音はひと際高まった。 接地点が木屑で霞む。みずきはぐっと踏み込むと、押し返されないように力を込めた。 そしてそのまま、振りぬく。ぽーんと、切断された木片が飛んでいった。 みずきはブレードを器用に操り、丸太を寸断していく。さらに破片が飛び、粉が舞う。 その中でみずきは楽しそうにブレードを振り続けた。俺はそれを見て、まるで踊っているようだと感じる。 みずきが右にブレードを振れば、頂上部の出っ張りがあっさりと落ちる。みずきが左にブレードを捻れば、中ほどに大きな裂け目が生じた。 そして、見ているうちに、丸太が何がしかの形を取りはじめる。 最初に大まかに粗が落とされ、饅頭のような概観が見えてきた。次に、ブレードの先端を薄くあて、線が入れられる。 それに沿って、薄く表面を撫で削っていく。 いつの間にか、丸太は台座の上に座った立派なウサギの彫刻にかわっていた。 「よし、出来上がり!」 ぐいっと、ゴーグルをあげたみずきの頬には汗がにじんでいた。 「こ、これは……」 「すごいでしょ! チェーンソーカービングっていうの。チェーンソーを使って彫り物をするスポーツなんだけど、あたし最年少で大会だって出たことあるんだよ」 「た、確かに……これはすごいな」 本当にあっという間のことだった。時間にしても二十分もかかっていないだろう。その間にみずきはこのウサギの像を作り上げてしまった。 「でしょ? 家にある椅子だってあたしが作ったんだから」 そう胸を突き出すみずきは誇らしげだ。 「お前、昔からこんな事を?」 「そうだよ。木工所のみんなにだって、チェーンソーの取り扱いなら負けないの。新しく入ってきた人に教えてあげる事だってあるんだから」 俺はあっけに取られる。こいつ、こんな危ない事までしてたのか……。 「みずき、お前どうでもいいけど、怪我だけはすんなよ」 「んー? なになになにぃ? みのる、あたしのこと心配してくれるの? うれしい!」 チェーンソーを下ろし、プロテクター類を外したみずきが腕にしがみついてくる。ツインテールがまたぴょこんと跳ねた。 「ば、ちがっ……俺は前みたいな事故はごめんなだけだっ」 「んー、いいのいいの。あたしはちゃーんとわかってるから! ありがとう、みのる」 もう、みずきは俺の言葉なんか聞いちゃいない。 ひたすら笑顔で俺の腕に、その少しふくらんだ胸を押し付けてくる。 「う、あ……」 顔面が熱をもっていくのが自分でもわかった。俺は少し乱暴な態度でみずきを振り払う。 「と、とにかく! 危ない事はするな! 以上!」 急に引き離されたみずきはしばらく呆然としていたが、俺の顔に浮かんだ照れを理解したのか、にんまりと微笑んだ。 「うん……わかったよ、みのる。これから気をつけるね」 「お、おう……わかったのならいいんだよ。わかったのなら……」 「それじゃ、わかったところで、そろそろ帰ろうか! ほら、お日様も沈んじゃうよ?」 言われてみれば、周りはもう一面オレンジ色の光につつまれていた。 冬の日の入りは早い。ぼやぼやしていれば、あっという間に闇夜に包まれることだろう。 「それじゃあ帰るぞ。ほら、そのチェーンソー片付けてこいよ」 「おっけー、おっけー! 行ってくるからすこーし待っててね」 そう言い残して、みずきは駆けていく。俺はその後ろ姿を眺めながら、少し笑った。 < 【back】 【next】 >
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みずき / 雨風雪 呼び名:みずき、みずきち どんな時でも外さないハチマキがトレードマーク
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さ-ちゃん☆ http //www.nicovideo.jp/user/15827309 さ-ちゃんのお部屋ヽ(○´3`)ノ http //com.nicovideo.jp/community/co312854 【ニコニコ動画】さ-ちゃんのお部屋ヽ(○´3`)ノ
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http //sexi-sns.net/?m=pc a=page_f_home target_c_member_id=99109 プロフィールニックネーム ☆天ちゃん☆ 誕生日 2月15日 セクシィ度(エロレベル) ★★★★★ エロ人間 性別 男性 血液型 B 現住所 福岡県 職業 なんちゃって肉体労働者 S or M or SM or N(neautral) S 好きな体位 騎乗位(女性上位) 自己紹介 2008.08.13本日登録 はいはいは~い 福岡の田舎者、天ちゃんです身長170㎝ 体重70㎏ の中肉中背 たぶんSです ちょい?変態です 目隠しが好きです 言葉責めします プチ露出もしちゃいます SEXが大好きです こんなんですがよろしくお願いします ・・・・・説明 穴があればなんでもいい出会い厨。現在夏桜乃,゜. 。+゜という肉便器愛用中。