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前回 鬼畜悟史~古手の巫女~ ひ ぐ ら し のなく 頃 に ~ 鬼 畜悟史 ~ 第八話~罪滅し~ 「そんな! あの悟史君が……? そんなの有り得ません……!」 「監督。私だって信じたくはありません。けど、事実なんです!」 村唯一の医療施設で、私たちは言い合っていた。 魅音たちの隙を突いての脱走。 私はその後、診療所めがけて夜の雛見沢を疾走した。 夜ということもあり、怪訝な表情で私を出迎えた監督だったが、私の必死な顔を見てすぐさま相談に乗ってくれた。 だが、私の突拍子のない話は、監督をすぐに納得させることはできなかった。 当たり前だろう。特に監督は悟史君を治療してきた経歴もあり、悟史君をよく知っている。 その悟史君が、人を陥れるようなことをするなんて、私が監督の立場なら信じられない。 普段は冷静な監督が髪をしきりに掻き分け、眼鏡を曇らせるのを私は初めて見る。 監督は一度大きく息を吐いた後、眼鏡を右の中指でクイッと押し上げて位置を修正する。 これは監督が落ち着くときにする動作。私の情報を裏打ちするように、彼の表情はいつもと変わらなくなった。 私よりも長く生きているだけあって、不備の自体にもある程度慣れているようだ。 「では、質問します。あなたが悟史君の様子がおかしいと感じたのはいつぐらいからですか?」 「悟史君が編入してから三日後ぐらいだったと思います」 沙都子に言われるまで悟史君に何の疑問も持っていなかった。私を撫でてくれた在りし日の彼と全く変わらなかったように感じた。 でも、編入してきた日から悟史君の計画は始まっていたのだ。 まずは私を。次に魅音を堕とす。 こうすることで雛見沢での不祥事を園崎家の権力でもみ消すことを考えていたのだ。なんて冷静で計画的な犯行。 私ですら思わず舌を巻いてしまう。 しかもその計画はたった二日で成し遂げられ、次からはその計画の幅を大きく広げることに成功している。 「次の質問ですが、彼が症候群を再発させているとどうして考えましたか?」 「最初は予感のようなものでした。もしかしたら、彼は何らかの病気を抱えているのかもしれないと。 確信したのは沙都子に教えられた後です。悟史君の放つ鋭い眼光に捉えられたとき、彼が悟史君の姿をしている 別人ではないかと思いました。そしてそのときに症候群を発症してるんだと気付いたんです」 監督には今まで起こった全てを話した。 恥ずかしくもあったが、今はそんな面子を気にしている場合ではない。 最初に騙されて抱き合ったことから魅音に辱められたことまで。 唯一の味方とも言える監督は、それら全ての話を聞いても黙っていてくれた。 静かに私の話に耳を傾け、全てを話した後でも軽蔑したりせず「そうですか……」と呟いてくれた。 それがどんなに嬉しかった事か。 信じてくれるなんて最初は期待していなかった。 一か八かの大勝負。私はその賭けに勝ったのだ。 だけど、流石に悟史君が症候群を再発させているかもしれないという可能性については、彼は疑った。 それは彼の医者としての仕事が完璧ではなかったという事にも繋がるのだから。 「監督。今は最悪のケースを前提として動かなければなりません」 「……ええ、そうですね。詩音さんがここまで話してくれたんです。その決意を無駄にはさせません」 監督はばつが悪そうに頭を掻いた後、椅子から立ち上がると近くの白い棚に近づき、何かを探す。 彼の目は真剣そのもので、彼が私の相談に真面目に乗っていることを覗わせた。 やがて監督は一つのケースを握り締め、私のところまで戻ってきて、椅子に腰掛ける。 見た目にも大きく頑丈そうなケースを監督が開くと、そこには大きな注射器が収められていた。 「最新版のH103という薬物です。雛見沢症候群のL5クラスの患者を、L3クラスまで症状を抑えることが出来ます」 「これを使えば、悟史君を治せるんですか……?」 それなら早くこれを悟史君に打てばいいんだ。それならこの悪夢は幕を下ろす。 だけど監督は私のそんな淡い希望を、ゆっくりと残念そうに顔を横に振って掻き消した。 「……いいえ。残念なことに、これは症状を抑える薬であって、症状を治療する薬ではないのです」 「それでも、悟史君は元通りに生活できるんですよね?」 「はい。一日二本の注射さえ忘れなければ普通の人となんら代わりの無い生活を送ることが出来ます」 「良かった…………」 あの昭和57年の関係を再び取り戻せるのなら、私は何だってしてみせる。 悟史君が好きだということもあるが、あと一つ、今の私にとって重要な大きな支えがあった。 それは沙都子との誓い。 悟史君の言いなりになっていた私を、目覚めさせてくれた沙都子。 でも、沙都子はあくまでか弱い女の子だった。 悟史君の策略にはまり、一人では決して抜け出せない沼の中に沈もうとしている。 私が沙都子に手を差し伸べるんだ。絶対に私が沙都子の目を覚まさせる。 あの時沙都子がしてくれたように、きっと。 だが、それは悟史君という核を取り除いた後だ。 環境を変えなければ、沙都子は決して元通りに戻れないだろう。 「一番の問題は、これを誰が注射するかです。詩音さんの話から推測すると、悟史君はL5クラスに近いようです。 今の彼に近づけば何をされるのか分かりません。それは詩音さん、あなたであっても例外ではないのは既にお分かりですね?」 監督はすでに私が悟史君に注射すると決意していることを汲み取っているようだ。 よく私という人間を理解してくれている。 それにこの出来事はあくまで私たちだけの問題だ。 富竹さんもいないし、元より番犬を呼べるような大事でもない。 そんな環境で監督はただの非力な医者だった。 警察への訴えも考えはしたが、証拠も無いこの状況下で果たして助けてくれるだろうか? ……無理に違いない。 それに、下手をすれば死んでしまうかもしれない今回の出来事に、監督をこれ以上踏み込ませるわけにもいかない。 結局は私たちの内の誰かが悟史君を止めなければならないのだ。そして今動けるのは私だけ。 もしかしたら警察は動いてくれるかもしれない。でもそれは『何か』が起こった後だ。それでは遅すぎる。 「分かっています。それでも私は彼を救いたいんです」 監督は真っ直ぐ私の目を捉えている。私の覚悟を理解した彼の最後の詰問。 彼の真剣な眼差しは言葉よりも確実に私の心に直接訴えかけてくる。 悟史君に注射を刺すことを失敗するのは、すなわち私という人間の生命の危機。 もし生かされても、その先にあるのは悟史君の手による私という精神の危険。 そこまで理解しながら彼は私に問う。 本当に、いいんですね? それでも私の意志が揺らぐことなどない。 私の存在は彼を救うためのもの。 すでに穢れたこの身体で彼を助けられるのならなんでもしよう。 心に灯された勇気という炎が激しく燃え盛る。 そして勇気を覆っていた恐れは、激しい業火に照らされて消え失せた。 監督は私の心を確かめたあと、私にあの薬物を渡す。 中に入っている透明な液体が小刻みに揺れていた。 「くれぐれも取り扱いには注意してください。間違えても自分に使ったりしないように」 監督の言葉に重々しい印象。万が一にでも、自分に注射でもしようものなら死に至るのではないかと想像する。 きっとこれは症候群を発症した者にだけ効果を発揮する薬物。 そして監督の血の滲む様な努力が完成に導いた貴重なもの。 絶対にこの一本を無駄にするわけにはいかない。 掌の注射器をしっかりと握り締める。 監督はしばらく私の様子を見ていたが、突然何かに気づいたようだ。 「でも、これからどこに泊まるつもりですか? 恐らく詩音さんの自宅はもちろん、雛見沢で安心できる場所なんてないでしょう」 「ぁ…………!」 そういえば寝る場所なんて考えてもいなかった。抜け出すことで精一杯で、そこまで頭が回らなかったのだ。 頭を両手で抱えながら寝れる場所を考えている私を見て、監督は微笑みかけてくれる。 「そんなことだろうと思いましたよ。診療所には空きスペースなどいくらでもあります。とりあえず、今日はここにお泊り下さい」 全く持って頭が上がらない。監督にはお世話になりすぎている。 でも今日ばかりは監督の言うことを素直に聞いたほうが言いようだ。 近くのベッドに寝転がると、それまで押さえていた眠気や疲れがどっと押し寄せてきた。 もう、今日はいいよね? 自然と目蓋が重くなっていき、目が閉じられる頃には、私は意識を手放していたのだった――。 翌日の昼間、監督の白い車の中に私と監督の姿はあった。 がたがたと舗装されていない道を抜け、興宮の町が見えてくる。 いつも通りの興宮の風景。仕事に向かう人や買い物をする人が多く行きかい、車が道路に並んでいる。 「詩音さん。見えてきましたよ」 「ありがとうございました。もうここら辺りで下ろしてくれて結構です」 信号機で止まった車から飛び出て、バタン、と扉を閉める。 監督は不安げに私を見て何か言いたげだったが、「頑張ってくださいね」と一言告げて車で走り去っていった。 ポツンと一人興宮に残された私。そこからしばらく自分の家の方向に歩き、家の前の公園で一休みする。 これは吉とでるか凶とでるか。 私が何をしに興宮へ来たかというと、簡単に言えば服を取りに来たのだ。 もちろん私服などではなく、魅音と全く一緒の服だ。 私が考えた作戦は魅音と入れ替わり、悟史君が隙を見せた瞬間に治療薬を注入するという、シンプルだが意外と難しい作戦だ。 まずレナさんと魅音の二人が邪魔である。 レナさんはたまに鋭いことがあるし、魅音は変装の邪魔になる上、沙都子や梨花ちゃまもいる。 そう簡単にいくとは思えないが、私はこの作戦に全てを賭けることにした。 これ以外に思いつかなかったし、私でも悟史君に近づける唯一の作戦だったからだ。 そして最初の問題点が『アレ』だ。 今、私は自分の家の玄関がよく見える公園から家を監視しているのだが、私の家の玄関の前に人がいるのだ。 白い服に、白い帽子、清楚に切り揃えられた髪。それは間違いなく私服姿のレナさんだった。 彼女はきょろきょろと辺りを伺い、何かを探している。探し物は恐らく私だろう。 私が脱走したので、自分の家に帰っているかもしれないと悟史君が見張りを付けた、といったところか。 でも、家に入らないと服を手に入れることができない。 虎穴に入らずんば虎児を得ず、か――。 私はポケットに忍ばせていたスタンガンを握り締め、レナさんに気づかれないように家に近づいていく。 そして私の部屋の階の壁に張り付き、見つからないようにそっと家の前を伺った。 レナさんの様子は先ほどまでと違わず、きょろきょろと辺りを伺っている。 恐らく私の接近には気づいていないはず。 だが――――。 「ねぇ……。そこに居るの誰なのかな、かな?」 「ッ!?」 「隠れてないで出てきなよ。聞いてる~?」 明らかに私に当てた言葉。声にも何か怒りのような感情が含まれていた。 どうする園崎詩音……? 今ここで逃げ出すのか? そんなことしても何の解決にもならないってわかってるじゃないか。 気づかれているのなら選択肢は一つ。 先手必勝! 私は壁から躍り出て、レナさんがいる場所まで一直線に走る。勝負は一瞬で決まるだろう。 まさか飛び出てくるとは予想していなかったのか、彼女は突然出てきた私に驚き、 私は体勢を整えるレナさん目掛けてスタンガンを構える。 電流が鮮やかに迸るのと同時に繰り出されるレナさんの右ストレート。 その一瞬だけスローモーションになる世界。 風を切り裂くレナさんのパンチは私の左頬をかすめ、私のスタンガンは彼女の腹部を完全に捕らえる。 スタンガンの音が鳴り響き、レナさんの悲鳴を遮断した。 がくりと力なく倒れこむレナさん。スタンガンを当てられたお腹を抑えながら私を見据えている。 「詩ぃ……ちゃん……」 「スタンガンのパワーは抑えてあるので、すぐに立てるようになると思いますよ。……縛らせてもらいますけどね」 家の中からビニールの紐を取り出し、いまだに身体の痺れが取れないレナさんの両手両足を縛りつける。 これで動くことはできない。誰かに見つからないように、レナさんを自分の家の中に放り入れる。 さて、魅音の服は…………。がさごそと私のたんすを漁り、発見。 これで用は済んだ。次の計画に入らなければ。 レナさんを家の中に放り入れ、そのまま立ち去ろうとすると彼女の低い声が耳に入った。 「罰なんだよ……」 「え…………?」 「これは悟史君を裏切った私たちのけじめ。私たちには悟史君の願望をかなえる義務がある」 「悟史君を……裏切った……?」 レナさんの言っている意味が分からない。 彼女が悟史君を裏切ったことなどあっただろうか? うつぶせに伏せたままのレナさんの言葉には何故か達観したような含みがあった。 彼女は誰に言っているのかも分からないほど小さな声で言葉を続けていく。 「あの時私たちにも何か出来た筈なのに結局何もしなかった。……引っ越してきてすぐだったから、なんて甘やかすつもりもないよ」 「………………」 「だからね? 悟史君がもし帰ってきたなら悟史君の望むことをなんでも叶えてあげようって思った」 それは昭和57年の悟史君の失踪を指して言っているのか――。 私は彼女の告白にただただ耳を傾ける事しか出来ない。 「この前教室で悟史君たちに襲われたとき、途中で悟ったんだよ。 『抵抗するのはやめよう。私たちは悟史君を見殺そうとした。結果的には死んでいなかったけど見殺しにしようとした。 ならこれは当然の報いなんだ。彼の憎しみは素直に受け止めて、彼の言うとおりに行動しよう』ってね」 「レナさん……」 「そしたら、なんだか全てがどうでも良くなっちゃった。頭を空っぽにしてたら、その中に快感が流れ込んできて、 私はその快感に無我夢中になった。後は悟史君の従うがままだったんだよ。あははははは……」 自嘲気味に笑い出すレナさん。 知らなかった。 レナさんはレナさんなりに悟史君を救えなかったことに悲しんでいたのだ。 そしてその罪に対するけじめまで自分で行っていた。 レナさんは敵ではない。それが明確に分かってしまった。 私は家の中にあったはさみを取ってきて、それをレナさんの紐に近づける。 レナさんの紐をはさみで切って開放しようとすると彼女は微笑みながらそれを拒んだ。 「そんなことをしたら駄目だよ。私は出来る限り悟史君の力になろうと思ってる。その紐を切ったなら私は詩ぃちゃんに立ちはだからなければならない。だから……ね?このままにしておいてくれないかな、かな?」 彼女の思いを知ってしまったからこそ、この縄を切ってしまうことができない。 レナさんは悟史君の罪滅しをしたい一方でもうこんなことに加担したくないのだ。 私は結局、縄を切らないことにした。 レナさんから離れ、玄関で靴を履く。玄関の扉に手をかけ、扉を開け放つ。 扉を閉めて出て行くときにちらりと垣間見えたレナさんの顔は安堵していて、レナさんの罪悪感を利用している 悟史君を早く元に戻そう、そう強く思いながら扉を閉めたのだった。 続く
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「ハ、ハックション!ハックションッ!」 私、園崎魅音は朝から盛大に女の子らしくないクシャミを連発していた。 うう…昨日お風呂上がりにタオルだけ巻いて髪も乾かさずTVに夢中になってそのまま寝ちゃったのが祟ったみたいだねぇ。 軽い頭痛に加え少しボーッとする…どうやら風邪をひいてしまったようだ。 体温を計ってみたら37.0°と表記された。微熱ではあるけどダルさも有るから今日は学校休もうかなと思っていたけどもうすぐ運動会が開催される関係で1時間目から昼まで体育というスケジュールで皆んな昨日から凄い楽しみにしていたんだっけ… それに私は委員長だから挨拶に号令、体育の前準備もしなければならないし私もこの日を楽しみにしていた1人でもあるのだ。 うん、少し大変だけどやっぱり学校に行こうと思ってふと時計を見たらいつもの出発時間を大幅に過ぎていた! いけないっ、委員長が遅刻なんてしたら体育の準備も遅れて迷惑かけちゃうし下級生に示しがつかないっ。急いで着替えて出発しようと思った時にふと閃いた! 1時間目から体育なら今ここで着替えてそのまま授業に向かえば時間短縮できるかもしれないと思いバスタオルを派手にベッド放り体操着に手を取った。 しかし私は風邪で判断力が鈍っていた事と時間的に焦っていた為にブラとパンツを着けずそのまま体操着とブルマを身につけてしまったのである! 急いでいたとはいえなんて失態を犯してしまったのであろうか、しかしもう着替え直す時間も惜しいのでこの格好の上に制服を着て家を飛び出した。 キーンコーンカーンコーン HRが始まる予鈴とほぼ同時に教室のドアを開けて皆んなに挨拶をした。どうやらギリギリセーフのようだ。 「どうした魅音?珍しく遅いじゃねーか」と圭ちゃんに揶揄われてしまい少し照れながら「いやぁおじさんとした事が寝坊しちゃってねぇ、マッハで飛んで来たんだよ。この勢いを体育でも見せてあげるから楽しみにしてな」と意気揚々に返した。 後ろで梨花ちゃんが「魅ぃは遅刻ギリギリになりそうな事を上手く流したのです。」とボソッと呟いていて少し図星をつかれたけどそのままスルーした。 そしてHRが終わり待ちに待った体育の授業が始まろうとした時皆んなが楽しく騒いでる中私は自分の体調が今朝より悪化していることを感じていた。 もともと風邪気味なのに遅刻を避ける為に全力疾走していたのがいけなかったんだろう。しかも汗を拭いていなかったのが追い討ちをかけたようだ。 だけど体育の授業が始まったばかりで自分の為に中断するのも皆んなに申し訳ないと思い不調を隠して授業に臨むべく委員長らしく号令をかけたのである。 玉転がしに、バトンリレー、障害物競走とそれぞれが元気にはしゃいで練習しており私も無理を通して楽しんでいたけどついに2時間目の途中でついに限界が来たようだった。 身体のダルさと頭痛が最大に達してその場で座り込んでしまったのである。ウゥ…もう最悪。 「はう!魅ぃちゃん大丈夫!?」「しっかりしろよ魅音!」「無理はいけませんわ」とレナ達が心配して駆け寄って来て私の身を案じてくれたけどほとんど頭に入ってこなかった。 知恵先生も授業を中断して私に駆け寄り「園崎さん大丈夫ですか!?まあ凄い熱っ、早く保健室に行きましょう!」と身体を支えてくれて2人で保健室に向かう事となった。 「皆さん園崎さんの事が心配と思いますがここは私に任せて授業を続けていて下さい!」 私は皆んなに弱々しく「ウゥ…ごめんねせっかくの体育なのにこんなになっちゃって…」と謝罪したけど、「気にするなよ」「そうですよ早く安静にして下さい。」「魅音さんがいないとつまらないですけどワタクシが盛り上げて見せますわッ」と励ましを受けてクスッと笑い知恵先生と保健室に向かう事になり、グラウンドに残った生徒達は直ぐに授業を再開せず心配そうに2人の後ろ姿を見守っていた。
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黒沙都子×白梨花(賽殺し編)からの続き そして、取り押さえている子達は古手さんの着ている体操着を脱がせた。 「ひゃぁぁ!! な、何なのですかー!!?」 そして、全部脱がせて裸にしてやった。 古手さんは、やっぱり泣きそうだった。あはは、いい気味ね。 やだ! やだやだやだ!! なんで、私は裸にされてるの!? 私は押さえる手を精一杯振りほどこうとするけど、そんなことできっこなかった。 そういえば、朝に女子たちが集まって、例のごとく私はその中に入れなくて。 なんだか、お話が盛り上がってたみたいだけど。 もしかして、このための……? そんなことを考えているうちに、北条さんが私の前に来た。 「古手さんってばちびで胸もぺったんこで、かっこ悪いわねー」 そう言って、私は古手さんの胸を撫でてやった。 「……んっ」 あれ……? 手が乳首に触れたら、古手さんは変な声を小さく出した。 なんだろ……もっと触ってみようかな。 「んっ……あっ……」 なんだろ……やっぱり、乳首を触られるのが嫌なの? もっと触ってみよう。 ちょっとだけ、つねってみようかな? 「んぁっ……あぁ……」 やっぱり……。 なんか、変な声をあげて面白い! もっとやってみよっと……。 身体を襲う変な感触のせいで、思わず声が出てしまう。 なんだろ……なんだか、電気が走ってるみたいにピリピリする。 そしてその変な感触は、容赦なく私の身体に連続して流れてくる。 「んぁっ……くっ……」 ダメ。 「あんっ……んくっ……」 声を抑えようとしても、無意識に出ちゃう。 それに、なんだか気持ちいい……。 私は、古手さんの乳首への手を緩めずに触り続ける。 ぷにぷにしたり、つねったり、なぞったり。 そんなことをしているうちに、乳首がなんだか、硬くなってきた。 いったいなんでこんなことになるんだろう。 ……家に帰ったら、自分でもやってみようかな? そんなことを考えているそばで、他の子が驚くようなことを言った。 「なんだかおしっこ出るところが光ってるよー?」 「ホントだー!」 「もしかして、おもらししちゃったのー?」 「かっこわるーい!」 北条さんに乳首を触られているうちに、身体がなんだか火照ってきた。 それに、おもらしっていうのも気になる。 おしっこを漏らしたような感覚はないのに、一体どうなってるんだろう。 「んああぁっ……あぁんっ!!」 身体にまた電流が走る。 北条さんじゃない誰かが、私のおしっこが出るところに触ったみたいだ。 そして、そこを触られて。 私の身体はさらに火照って、気持ちいい感覚も、より強まってきた。 「ひゃあぁんっ……あぅっ! あんっ!!」 古手さんが、高い声をあげる。 私は、それをただ見てるだけ。 でも、古手さんの様子を見て、だんだん私も古手さんのそこを触りたくなってきた。 今触っている子達にお願いして、触らせてもらった。 古手さんのおしっこが出るところには、なんだか変な突起もあったので、それを触ってみた。 「んあっ……ひゃあああっ!!!」 古手さんはより高く喘いで、そして古手さんの立っているところは水溜りが出来ていた。 はぁ……はぁ……。 身体が、熱いよ……。 なんだか、頭が真っ白になっちゃいそう。 さっきから気持ちいいのが止まらなくて、無意識に声が出ちゃう。 そして―――― 「あっ、あんっ、あっ、ひゃんっ!! ひゃぁぁーーーーーーーーー!!!」 今まで出したことも無い位の、自分でも驚くくらいの。 高い声を―――― 「……はぁ……はぁ」 私、どうなっちゃったんだろ……。 なんだか身体がガクガクするよ……。 疲れちゃった……。 古手さんの身体が大きく跳ねて、止まったと思ったら倒れこんじゃった。 本当に、どうなってるんだろ……? 後で自分で試してみようっと。 fin.
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/248.html
「………………はぁ」 空に綺麗な満月が見える真夜中。 時刻はこんなにも遅くなっているというのに、私は今たった一人で街頭もない暗い夜道を歩いていた。 いくらのどかで平和な雛見沢といっても、こんな真夜中に女の子一人で出歩くなどとても物騒だ。 こんなにも可愛い私を狙い、そこらの茂みからどこぞの変質者が襲いかかってくるかもしれない……。 だがそんなこともお構いなしに、私はどうしてもこの夜道を一人で歩かなければいけない理由に、おもわずため息をついていた。 すると隣でそれを聞いていた彼女が、スっと口を開く。 「どうしても行くのですか?……梨花」 「………………」 舌ったらずな感じに喋る彼女の問いに、夜道をトコトコと歩いている私は何も答えなかった。 今この道を歩いているのは一人だけなのに、あたかもそこには彼女との『対話』が成立しているようだった。 私は今この手に、小さなバックを持っている。 こんな幼い体でも持てるようにと控えめなそれには、ハブラシやパジャマといったいわゆる『お泊りセット』が入っていた。 それももちろん自分の分だけで、もう一人の彼女にはそもそもそんなもの必要ないのだ。 そしてもう一つ。 買い物用のビニール袋に包まれて、野菜などが入った『夕食セット』も一緒に抱えていた。 「そんな荷物まで持って……やめておいた方がいいのです。 行ったら、地獄なのですよ?」 「ふん。 神様であるあんたが地獄なんていうと、なんだかほんとにそんな気がしてくるわね。……嫌がらせ?」 「あ、あぅあぅあぅあぅ……」 そんなつもりはなかった、と責められた彼女はそのままあぅあぅと鳴きだした。 まるでふざけているような鳴き方だが、これは彼女の口癖のようなもので、普段からよく口にする言葉なのである。 初めの頃は少しうるさく感じたが、さすがに百年近い付き合いにもなるとそれも慣れてくる。 今ではこれを一日一回は聞かなければ、その日が物足りなく感じるほどだった。 「あぅあぅ、梨花はマゾなのです。 どうしてあんな男の家になんか……」 「……ま、あんたはいいわよね。 ただ私を眺めながら、いつもどおりあぅあぅ鳴いているだけでいいんだもの。……今夜も」 「だ、だから! さっきから『行かない方がいい』と止めているではないですかぁっ! あぅあぅあぅ~」 そうしてふたたび泣き出すと、彼女……羽入はなんとか私の腕を引っ張ろうと、チョイチョイとその手を伸ばしてくる。 だが実体のない彼女にそんなことができるはずもなく、それはスカスカと私の腕をかすめるだけだった。 なぜこのあぅあぅとなく羽入は、こんなにも私の行動を止めようとしているのか。 まがりなりにも雛見沢で神と崇められている彼女は、これから私が向かおうとしている『ある場所』に一抹の不安を抱えていたのである。 沙都子と住んでいる家を出てから、その場所までの道のりを歩いている間……羽入はずっと私を説得しているのである。 「絶対、行かない方がいいのです。 あの男は危険すぎるのですよ? 梨花の体が、た、食べられてしまうかもしれないのですよ?」 「しょうがないでしょう? だってこれは罰ゲームなんだから……行かなかったらそれこそ、ねぇ?」 私は羽入に自分もほんとは嫌なんだ、と言うようにチラっと目線を送った。 羽入も普段から私にくっ付いて生活しているため、『部活』というものがどれだけ厳しいものか……。 そしてそれにおける罰ゲームが、どんなに非情なものかよく知っている。 だが彼女はそれをも踏まえたうえで、なお私に彼の家へ行くのをやめろと警告しているのだ。 普段から魅音やレナにセクハラし放題の、あの男……前原圭一。 魅音のあのふくよかな胸に、あくまで偶然だと言っておもいきり鷲づかみしたり……。 レナの安産型の大きなお尻に、虫がついてるなどと言ってサワサワと撫でまわしたり……。 そんな最低でスケベな行為が日常茶飯事の彼の家に、これから私は部活の罰ゲームとして『お泊り』しに行くのだ。 「あぅあぅ、梨花が。 僕の大好きな梨花が圭一にぃ……うあぁぁぁぁ嫌なのですっ!」 「何もう、『汚されちゃった』みたいな感じに言ってんのよ。 まだ彼の家に着いてもいないでしょうが」 「そうですけど……。 着いたらもう、逃げられないのですよ?」 そうして羽入はふたたび泣き出し、すでに私が犯されてしまったかのように悲しんだ。 さきほどから夜道を進むたびにこうして羽入が泣き出すため、私はいつまでたっても心の決心をつけることができなかった。 もっとも逆にいえば、こうして泣き出す彼女のおかげでなんとか冷静でいられているともいえるが……。 どちらにしろ、圭一の家に一人で向かうということへの一抹の不安は消せなかった。 「ま、私はもう半分あきらめてるわ。 古手梨花は今夜彼の手によって穢され、それを境に『鬼隠し』にあっちゃう……かもね?」 「!?……あ、あぅあぅあぅあぅあぅ~っ!!!」 おもわず言った捨て鉢な言葉に、羽入は腕や足を子供のようにバタつかせて暴れた。 そんな悲しいことを言うな、とばかりに私の体にすがりつき、首をイヤイヤと必死に振ってわんわんと泣き出すのである。 それを見て、今のはちょっとイジワルが混じってたかな? と、自分のサドな部分におもわずニヤリとしてしまう。 「そ、そんなのいやなのですー! 梨花が『鬼隠し』なんて絶対ダメです! オヤシロ様として断固それは承諾しないのですーーっ!?!?」 「あーわかったわかった。 ていうかもういい加減泣き止んでよ、歩くだけで疲れちゃうわ……」 「あぅぅ、梨花が変なことばかり言うからなのですよぉ……」 さっきからわざと弱音ばかり吐く私に、羽入はもう知らないとプイッと首を背けた。 神様のくせにこんな性格をしている羽入は、普段からこうして魔女な私にからかわれる(イジメ?)ことが多い。 だがそれはもちろん仲が悪いというわけでなく、むしろ喧嘩するほど仲が良いの見本のような関係であった。 そしてそんな間柄を、私も羽入もとても心地よいと感じている……。 生まれた時から一緒にいる私達はお互いを可愛い妹のように思っていたり、または頼りない姉でもあるように慕っているのである。 「僕はこんなにも梨花を心配しているのに、もう知らないのです! 梨花なんて犯されてしまえなのですっ! ふん、なのですっ!」 「はいはい。 ほら、そんなこと言ってるあいだに……見えてきたわよ」 あいかわらずふてくされる羽入を鼻であしらうと、私は前方に見えてきた大きな屋敷に目をやった。 おそらく村で一、二を争うほどの立派な家。 俗にいう、前原屋敷である。 月明かりに照らされ、どこか仰々しくも見えるその建物に……おもわず羽入が口を開く。 「あぅあぅ、悪魔の根城なのです……」 「……なかなかうまいこと言うわね」 さすが何百年も生きただけのことはある、と私はおもわず感心してしまった。 今回のこの罰ゲームも圭一が決めたことであるし、その彼が住んでいる家となると……なるほど、たしかにその例えはそのとうりだなと思ったのである。 そうして私はしばらくテクテクと道を歩いていくと、その屋敷が一望できる前まで辿りついた。 「あいかわらず大きな家ね……」 近くで見ると本当にその大きさがよくわかる。 父親のアトリエがあるからだと彼は言っていたが、それを差し引いても家の規模は相当なものであった。 この家が建築されているときから、どこぞのお金持ちが来るのかと村中の噂になっていたほどだ。 やはり圭一の家がそれなりの資産を持っているのは間違いないのだろう。 家の周りの庭やその他を含めて、土地だけでもいくらほどになるのだろうとつい計算してしまった。 「う~ん。 あのスケベをたらしこめば、この大きな家も私のものになるのよね? 羽入」 「!? な、な、ななななな、何を言ってるのですか梨花っ! あんな男と結婚するなんて僕は絶対に認めないのですよっ!」 「……冗談よ、冗談。 そんな本気で怒らないでよ、っていうか結婚とか言わないでくれない? 恥ずかしいから」 「認めないのです! あ、あんな最低でドスケベな圭一と梨花が、ふ、夫婦になるなんて……僕は絶対認めないのですよぉぉぉぉっ!!!」 「………………」 この子、わざと言ってるの……? 私はもうこれで何度目かというほどのため息をつきながら、その家の玄関にまで歩いていった。 後ろで離婚だ慰謝料だととんでもないところまで話を進めている羽入を無視し、自分の身長の二倍ほどはあろうかという立派な扉に辿りついた。 「……ご両親、いないって言ってたわよね」 「梨花、こ、これが最後のチャンスなのですよ? 今ならまだ……」 チャンスとはもちろん、逃げるチャンスという意味である。 このチャイムを押してしまったらもう後戻りはできない。一度中に入ってしまったら、圭一は絶対に私を家に帰さないだろう。 おまけに彼の両親は仕事の都合で東京に行っているらしく、少なくとも今夜はもうこの家に帰ってこない。 つまりこの広いお屋敷に、私とあのスケベな圭一、二人だけになるのである。 「ま、いざとなったらあんたが何とかしてね? 一応神様なんだから」 「!? ま、まかせるのです! おもいっきりドタンバタンして、圭一の家の家具を壊しまくってやるのですよっ!」 「………………」 それもどうだろう、と思いながら、私は目の前にあるチャイムをピンポーンと押した。 するとすぐに、家の中から待ってましたとばかりのドタバタとした足音が近づいてきた。 「!?あぁ……い、いいですか梨花!すぐに逃げられる体勢をとっておくのです! い、いきなり押し倒されるかもしれないのですよぉっ!」 凄みのある足音にただならぬ気配を感じたらしく、羽入は私の体をかばうようにしながら叫んだ。 さすがの圭一でもそれはないだろう……と思ったが、こんな玄関先で犯すのも興奮するぜぇぇぇぇと叫ぶ彼が想像できたのも事実である。 中から飛び出てくるかもしれない獣に警戒しながら、私は昼間、部活で圭一に言われた『命令』を思い出していった。 「えーっと、たしか……」 ずいぶんと長い文章だったのを、ゆっくりと思い出していく。 普段使わない言葉が含まれていたため自信がないが、多少のオリジナルを加えても彼は許してくれるだろう。 うーんうーんと呻きながら、私は目の前でガチャリとカギが外されていく音を聞いていった。 「ん……こほん」 声色を変えるため、小さく咳をする。 そして目の前で勢いよくその扉が開かれると、グアっと大きな風が吹いて私の体を突き抜けていった。 『梨花ちゃん! 梨花ちゃん梨花ちゃん梨花ちゃん!!!俺の梨花ちゃんはっ!!!』 家の中から、私の名前を叫ぶスケベ男が現れた。 いきなり自分の名前を五回も叫ばれ、おもわず顔を赤くしてしまう。 「こ、こんばんはなのです。 圭一♪」 『ああっ、梨花ちゃん来てくれたんだなっ! くぅぅぅぅっ!』 羽入の言うようにいきなり押し倒したりはしてこなかったが、圭一は玄関に立っている私を見るとそれに感動したようにうめいた。 その様子は少しだけ不気味だったが、とりあえず私はさきほど思い出していたことを口に出そうと思った。 まずはキャミソールの下すそをクイっと指で持ち上げ、足を左右にクロスし……メイドさんが挨拶するように、ちょこんと首をかたむける。 「ほ、本日はお招き頂き、どうもありがとうございますなのです♪ だ、大好きな圭一のために、今夜はたくさんご奉仕させて頂きますので…… どうかこの巫女であるボクのお体を、た、たっぷりと可愛がってくださいませ……なのです♪」 とびっきりの笑顔を向けながら、私は圭一に完全服従の言葉をささやいた。 もちろんこの内容も、昼間罰ゲームを決めるときにこう言えと彼に命令されたものである。 私は自分がとても恥ずかしい格好、言葉を言っていることにとめどない羞恥を感じながら……それをグっとガマンした。 「あ、あの……。 圭一?」 『梨花ちゃん、か、かわいすぎるよぉっ! 俺の梨花ちゃぁんっ!』 「…………きゃっ!」 恥ずかしいから早く家の中に入れてくれと思っていた矢先、突然圭一が私の胸に顔を埋めてきた。 薄いキャミソールの上からガバっと抱きつかれ、まったく凹凸のないこの胸にグリグリと顔面を押し付けられたのである。 「みぃ。 け、圭一ダメなのですよ。 こんな玄関で……」 『あぁ、これだよこれ。 このツルペタのおっぱいにコリコリって……ハァハァ』 「や、やだ圭一、ちょっと……んぅ」 彼はそのままクンクンと私の胸のニオイを嗅ぎ、そのセクハラ行為に酔っているようだった。 わざと鼻先をグイグリと擦りつけてきて、小さな乳首の感触を薄い布ごしに堪能していったのだ。 押し倒されるよりは数倍ましだが……。 そのいきなりの行為に、私はただなすすべもなく声を出していった。 『梨花ちゃん梨花ちゃん! 梨花ちゃんのおっぱいだ~!』 「あ、あん。 そこグリグリしちゃダメなので……んっ!」 「あ、あわわわわわ!? り、梨花のおっぱいが! 梨花のツルツルできもちいい僕のおっぱいがぁぁぁぁっ!?」 「だ、だれがあんたのよ! って、あ、あんっ。 圭一ちょっとやめてなのですぅ……」 圭一にセクハラをされるは、羽入につっこみを入れるはで忙しくなった私は、おもわずそれにパニックになってしまった。 このままでは、こんな玄関先でレイプされる……。 私はなんとか彼の頭を掴み、それを引き剥がそうとした。 「け、圭一、ちょっといきなりすぎるのです。 こんないきなりなんて……あん!」 『だ、だって梨花ちゃんが可愛過ぎるから……お、俺もうガマンできないんだよぉっ!』 「そ、それはわかるのですけど。 雛見沢のアイドルであるボクが可愛いくてしかたないのは、とてもよくわかるのですけど……いきなりはダメなのですよ?」 「…………………梨花……」 何を調子に乗っているんだこの女は……。 といいたげな羽入の目を無視して、私はなんとか圭一の頭を胸から引き剥がした。 すると彼は鼻息を荒くしてもう一度飛びついてきそうな顔をしたが、私はお得意の猫撫でモードでその瞳を見つめ返す。 「お楽しみはまだ始まったばかりなのですよ? そんなに焦らなくても、今夜ボクの体は圭一のものなのです♪」 『!? り、梨花ちゃん……』 可愛くウインクをして、圭一のスケベ心に訴えかける。 単純な圭一なら、これでとりあえず大人しくなるだろう……。 その目論見はまんまと成功し、私はなんとか彼を落ち着かせると家の中に招き入れてもらった。 『いやーつい興奮しちゃってさぁ。 いきなりはまずいよなぁ?』 「みぃ、レディーに失礼なのですよ? ぷんぷんなのです」 そうして玄関先で靴を脱ぐと、圭一はそのまま私にピッタリと寄り添いながら家の中へと案内していった。 その時、やけに私の肩や背中をベタベタと触ってくるのが気になったが……それはこのさいよしとしよう。 「あぅあぅ、圭一単純すぎるのです。 そして梨花は悪女すぎるのです……」 「しょ、しょうがないでしょ? あのままじゃ、何されるかわかったもんじゃないんだから……」 羽入のお小言を聞きながら、そのまま私は家のリビングへと案内されていった。 そこにはいかにも高級そうなソファーや机が並び、お金持ちですという雰囲気がかもし出されていた。 ご両親がいないというのは本当のようで、ここから見えるキッチンの方にも人の気配は感じられなかった。 『さぁ梨花ちゃん、まずは何をする? 一緒にテレビでも見ようか? そ、それとも一緒にお風呂にでも入ろうか?』 「み、みぃ。 あのボク、今日は圭一にご飯を作ってあげようと思って……その……」 一難去ってまた一難。 早くも下心丸出しの発言をする圭一に、私は手に持っていた買い物袋を見せた。 オズオズとしながら、あくまで恥ずかしそうに……。 幼妻のような上目遣いで、彼の瞳を見つめていく。 「あんまり上手ではないのですけど、圭一に食べてもらいたくて……み~♪」 『!? り、梨花ちゃん……そんなに俺のことを? お、お、俺のためにぃぃっ!!!』 この幼女、俺にベタ惚れだ! とでも思ったのだろうか。 圭一はガッツポーズをしながらまるで子供のように喜んだ。 それを見て私は、ああ、やっぱり単純ね……とあらためて思い、彼にキッチンへと案内されていくのであった。 そうして案内されていくと、そこもまた驚くほど素敵なキッチンだった。 水周りやガスコンロはとても広く設計されていて、女の私から見てもこれなら使いやすいだろうなと人目でわかるものだった。 私が今日ここで料理することをお母様は知っていたのか、テーブルの上にはすでにいくつかの食器が並べられていて、すぐにでも夕食を広げられそうなほど綺麗に整頓されていた。 「あぅ、ウチとは大違いのお台所なのです……」 「ほんとね。 どこぞのスケベ男の家とは思えないほど、綺麗で素敵なキッチンだわ……」 これで圭一さえ変態じゃなければ完璧なのになぁ……と悪態をつきながら、私はバッグの中から持ってきたエプロンを取り出し体に身につけた。 さすがの圭一も料理を始めてしまえば大人しくなるだろうと考えていた私は、まずすでに置いてあったお鍋に水を入れていった。 蛇口から勢いよく流れる水があっというまに中を埋めると、次にその鍋をガスコンロの上に持って行く。 「よいしょっ……と。 羽入、圭一は何してる?」 「向こうでテレビを見ているのです。 とりあえずは平気そうなのですけど……」 そう言って羽入は、リビングでくつろいでいる圭一をチラチラと警戒していた。 さすがの彼もこんなときに手を出そうとは考えないのか、私がこの場にいないかのように見ているテレビに没頭していた。 料理のできない自分には手伝えることがないと思い、邪魔しないようにとああしているのだろうが……。 それはそれでちょっと寂しかった。 「なんか、ちょっと意外ね。 なにかちょっかい出してくると思ったのに……」 「いや、きっとあれは『溜めている』のです。 今夜梨花の体を思う存分いたぶろうと、やつはじっくりおのれの牙を研いでいるのですよ!」 「いや、テレビ見てるだけじゃない……」 あいかわらずずれたことを言う子だなぁと思いながら、私は立てかけてあったまな板を取り出し、その上に持ってきた材料を並べていく。 あらかじめ持ってきておいたお野菜。 じゃがいもやたまねぎ、にんじんなどをまな板の上に次々と乗せていく。 「あぅ……梨花、あのスケベにいったい何を作ってあげるつもりなのですか?」 「いいかげん、ちゃんと圭一って呼んであげたら?…………肉じゃが」 「あぅ? 肉じゃが?」 私の言葉に、羽入がおかしいなといった顔をする。 なぜならそれは、普段の私のレパートリーに入っていない料理だったからだ。 「あぅ、どうして肉じゃがなのですか? 梨花そんなもの作れましたっけ?」 「……とりあえず料理の仕方だけレナに教えてもらったの。 今日の帰りにね」 「……今日の帰り?」 今日の帰りとはつまり、この罰ゲームが決まった部活の後ということだ。 私は今夜圭一の家に泊まりに行くことが決まったあと、わざわざレナにこの肉じゃがの作り方を教わったのだ。 べつに自分が作れるものを作ればいいのに、わざわざ人に教わってまでこれを作ろうと思った『理由』に……羽入がハっと気づくような素振りをする。 「ま、まさか梨花……あのスケベのために? この『男がもっとも喜ぶといわれている料理』を、わ、わざわざ教わってまで?」 「!? ば、ばか!ちぁぐわよ! あ、噛んだ。 そ、そうじゃなくて! べ、べつにそんなつもりじゃ……!」 顔を赤くしながら、私はおもわず羽入の言葉に手に持っていた包丁をブンブンと振り回してしまった。 それが目の前の実体の無い彼女の体をズバズバと切り刻んでいったが、そんなことではダメージを受けない羽入は更にいらぬ口を開いていく。 「あぅあぅあぅあぅ! 梨花、顔真っ赤なのです! め、目を覚ますのですよ! あんな変態になに本気で惚れてるのですかぁっ!」 「!?……ほ、惚れてなんてない! ば、ばか羽入! なに勘違いしてんのよ! そ、そんなわけないでしょ!」 「あぅあぅあぁぁぁぁぁっ!?ツンデレの常套句なのです! おもいっきり惚れ込んでやがるのです僕の梨花がー! 僕の清い巫女があんな男にー!」 「……だ、だからちがうって言ってんでしょうがぁぁぁぁっ!!!」 いつまでも口を閉じようとしない羽入に、ついに私は大声まで出して彼女の体をザクザクしていた。 はたから見ればその光景は、包丁を振り回しているあぶない女の子がいるだけだろう。 「あぅあぅっ! つ、つまり今夜は、肉じゃがで圭一をゲット大作戦だったのですか? だから僕がいくら止めても聞いてくれなかったのですか!」 「う……べ、別に圭一にこれを食べさせてあげたいとかじゃないわよ! た、ただ」 「あぅ、ただ?」 「ただ……は、初めて男の人に作ってあげる料理だから、それで何か特別なものがいいなぁとか思っただけよ! それだけ!」 「いや……それってようは、同じことだと思うのですけど?」 「!? う、うるさいうるさい! あんたは少し口を閉じてなさい!」 羽入の鋭い指摘に、私はさらに顔を真っ赤にしてまな板の上のじゃがいもを真っ二つにした。 そういえばレナにこれのレシピを聞いていたときにも、彼女は何か含みのある笑い方をしていたような気がする。 はぅ~梨花ちゃん、まるで恋する乙女モードだね♪と言わんばかりの……。 そんな自分でも有り得ないと思っている想像を押し殺そうと、私は目の前の野菜を切り刻んでいった。 「あぅあぅ、そんなにしたらお野菜がかわいそうなのですよぉ~梨花~?」 「あ~そうね。 どっかの誰かさんの体が切れなかったから、ストレスが溜まってしょうがないわ」 そうしてダンダンと音をさせながら、私はまな板の上のものを『調理』していった。 その間も羽入が後ろでちょろちょろとうるさかったけど、何も聞こえないふりをしてなんとか全ての野菜を切り終わったのだった。 「ふぅ……とりあえずこれで終わりっと。 次は……」 「り、梨花ぁ……」 「うるさいわね。 口を閉じてろって言ったで……しょ……?」 羽入の呼びかける声をとがめようとした、その時。 私の前のまな板にヌっと大きな影が現れた。 それはあきらかに人の形をしたもので、それだけで私は背後に誰か立ったということがわかってしまった。 「!?……は、羽入っ!」 「あぅ、だって梨花が黙ってろと言うから! あぅあぅあぅ~」 たしかに言ったが、これは例外だろう……。 そう思ったときにはすでに遅く、彼はもう私の背中にピッタリと近づいていた。 ハァハァというあの危険な吐息が、耳元に絡みつくように感じられる。 それに私は、意を決して口を開いていく。 「みぃ……。 圭一、まだお料理は終わってないのですよ?」 『ああ、そうなんだけどな。 でもなんか、梨花ちゃんがエプロンして可愛く料理しているとこを見てたら……俺』 そうして息を荒げながら、圭一は目の前に立っている私の髪にピタっと鼻を付けてきた。 一応……あくまでも一応、だが。 家でお風呂に入ってから来ていた私には、そこから漂うシャンプーの香りを彼に嗅がれているのだなとわかった。 『ん~いい匂い。 梨花ちゃんの髪すっげえいい香りだぜ……。 風呂に入ってから来たのか?』 「は、はいなのです。 圭一のお家にお邪魔するので、し、失礼のないようにと……」 いい訳がましい言葉が、逆になんか『誘っている』ようなふうに聞こえてしまう。 普通に考えれば、男の家に泊まる女があらかじめお風呂に入っているなど……それをある程度期待しての行動としか取られない。 たしかに私はまだとても女といえる年齢ではないが、このスケベな圭一にはそんな常識が通用しないのをよく知っている。 目の前の梨花ちゃんは。 俺の家に来る前に。 自分の体を綺麗にしてきている。 その都合のいい事実だけが彼の頭に入り、もはや圭一は私がオッケーサインを出しているものと思っているだろう。 『梨花ちゃん、俺、今日はそこまでなんて考えてなかったけど……。 こんなちっちゃな体で、お、俺のこと受け入れてくれるのか? い、いいのかよ、なぁ?』 「え、えーと……」 完全に勘違いしてしまっている圭一に、私はこの変態どうしたものかと考え込んでいた。 力ではまるでかなわないし、ましてやここで嫌がって逃げようとすれば……。 『梨花ちゃん……? そ、そうか、そういうのが好きなんだなっ!わかったぜぇぇぇっ!』 「い、いやー!いやなのですぅ圭一ーっ! あ、あっー!?」 ……なんて状況になりかねない。 もはや欲情全開の圭一には、それすら私が誘っているものとして考えてしまう恐れがあるだろう。 しかたなく私はこういう時に頼りになる。 かどうかわからない神様に助けを求めることにした。 「は、羽入! 助けて羽入! このままじゃ私、圭一に……」 「犯されてしまうのですね。 でも、いいのではないですか? そんなに惚れているなら~」 「だ、だからちがうって言ってるでしょ! ていうか、それでもこんなキッチンでむりやりなんてやだやだーっ!」 私の必死な訴えに、羽入はしょうがないですねぇと呟くと、何も言わずただ私の右手を指差した。 さっきまで野菜を切っていたため、そこに握られていた……黒光りした包丁を指差したのだ。 「……? こ、これがなんだっていうのよ?」 「簡単なことなのです。 それで圭一の体のどこでもいいから、ブスリとやってしまえばいいのです! さあ早く!」 「!? ば、ばばば、ばかなこと言ってんじゃないわよ! い、いくらなんでもそんなことできるわけ……」 たしかにこのままレイプされるのは嫌だが、いくらなんでもそれはやりすぎな気がする。 圭一はこんなにもスケベでどうしようもないけれど、一応私達部活メンバーの仲間なのだ。 ……別に好きだからとかそういうわけじゃない。 「あーそうなのでしたねー。 梨花は圭一にベタ惚れですからそんなことできませんでしたねー僕うっかりでしたー」 「だ、だからちがうって! しかもなんでそんなふうに言うのよ……って、きゃあっ!」 羽入の微妙にやる気のない言葉に戸惑っていると、ついに背後の圭一が私の体に手を伸ばしてきた。 その左手がキャミソールの上から胸を撫で、右手はスススっとスカートの中に差し入まれてくる。 「みぃ! け、圭一、やめてなのです……こんなこと、悪いネコさんのすることなのですよ?」 『わかってる。 梨花ちゃんはこんなにちっちゃい女の子だもんな? や、優しくするからな……』 「そ、そういうことじゃないのですぅ……ふあぁぁん!」 私の言うことをまるで聞かず、圭一はそのまま薄い胸をサワサワと撫でたり、スカートの中のショーツをゴソゴソとまさぐってくる。 一瞬、羽入の言うとおりこの包丁で刺してやろうかという殺意が沸いたが、そこはなんとかクールな頭でガマンする。 「うう……は、羽入、羽入ぅぅぅぅっ!」 「あーはいはい、わかりましたですよ! 僕だってこんなスケベに梨花が汚されるの見たくないですから……」 ようやく私の悲鳴を本気だと受け止めてくれた羽入は、今度は圭一の下半身。 私の体を触って興奮しているのか、こんもりと膨れ上がっているその股間をピっと指差した。 「……へ? ちょ、ちょっと羽入! 本気で助けてって言ってるでしょう!」 「だから本気なのですよ! だいたいこんなことになったのは梨花にも原因があるのです! 罰ゲームとはいえ、お料理を作ってあげたり! 髪からお風呂上りのいい香りを漂わせたり!」 「う……そ、それはそうだけど。 でもそれと、こ、この圭一の……」 場所が場所だけに、私は羽入の指差しているところをチラっと覗き見る。 そこはもう痛そうなほどパンパンに膨れ上がっていて、よく見るとかすかにビクビクとズボンの布を押し上げていた。 その卑猥な動きに、おもわず顔が真っ赤になっていく。 「この、す、すごいことになっちゃってる圭一の股間と……な、なんの関係があるのよ!」 「あるのですあるのですよ! いいですか梨花? 男という生き物は愛だなんだと口では言いますが結局! とどのつまりっ!」 そうして羽入はふたたびビシっと圭一の股間を指差す。 なんだかまだまだ大きくなっているような……そこをもう一度見る。 「ここのみで生きている生物なのです! この今まさに圭一のビクビクとしている……これ! これが梨花を苦しめている原因なのですぅ!あぅあぅあぅーっ!」 「…………………」 あんたどうしたの……というほどのテンションの高さに、私はドン引きだった。 たしかに何百年も生きてきた彼女が言うだけあり、背後の圭一のスケベったらしい顔を見るとそれなりに説得力もあるように思えるが……。 だからといって、これを私にどうしろというのか。 「わ、わかったから……で、圭一のこれをどうするのよ? け、蹴飛ばせとでもいうの?」 「ちがうのです、逆なのです! 圭一のこれを満足させてやればいいのですよ! そうしたら少なくとも、今の梨花は助かるのです!」 「な!? ちょっと、ま、満足っていったって……」 なんとなく言ってることはわかるが、見るだけでも恥ずかしい私にこれ以上何をしろというのか。 そうしてドギマギしていると、羽入は勇気を出して!ほらその手を!などと言って、私の行為を後押ししようとする。 一方、圭一はそれで真っ赤になる私にまたもや変な勘違いしたらしく、なんとスカートに入れた手で中のショーツをずりずりと降ろし始めたのである。 「ひゃ、ひゃあん! 圭一ダメなのです! ボクのおパンツ降ろしちゃイヤなのですよぉ……」 『大丈夫だよ梨花ちゃん。 そんなに恥ずかしがらなくても、俺はまだ生えてない方が興奮するから……な? 見せてくれるよな?』 「そ、そういうことじゃ……あ、ダメ、ダメなのですよぉ! あっー!」 そうして、私のショーツはついに下まで降ろされてしまった。 ご丁寧にも圭一は足の付け根まで綺麗にそれを脱がすと、私の可愛いプリントのされた布を顔にまで持っていった。 そしてそれの匂いを嗅ぐ様に……スースーと息を吸いだしたのである。 『あーいい匂い。 梨花ちゃんのパンティ、お日様の匂いがするぜぇ……はぁはぁはぁ』 「………………へ、変態」 だめだこの男……早くなんとかしないと! しかたなく私は、さっき羽入が言っていたとおりにしようと彼の股間に目をやった。 あいかわらずそこはすごい大きくなっていたけれど、もはや羞恥心など考えている余裕はない。 私は圭一の……その男性器にピタリと手を置いていった。 『……うっ!? り、梨花ちゃん?』 「う、動いてはいけないのですよ? 圭一」 突然のことに、圭一はビクンと体を震わせて驚いていた。 同時に私は体への愛撫も止めさせるため、彼に動くなと声をかけていく。 はからずも羽入の言ったとおり、圭一はそれだけでピタリと体を止めて抵抗しなくなったのである。 「ほ、ほんとに効き目あるのね。 それともスケベな圭一だから?」 「男はみんなこういうものなのです! ほら梨花、そのまま手をこう……撫でるように動かすのです!」 「わ、わかってるわよ……」 正直不本意だったが、私はしょうがなく圭一の股間に置いた手をスリスリと動かしていった。 動かし方はよくわからないが、とりあえず羽入の教えてくれたとおり。 上下に優しく撫でるようにすると、圭一の口からうぅっとうめき声のようなものが漏れていった。 ズボンごしにでもわかるその大きさと硬さが、私の手のひらいっぱいに感じられていく……。 「羽入……。 これなんか、す、すっごく大きいんだけど? おまけにすごくカチカチで……へ、平気なの? こんなになって?」 「それはむしろ圭一が喜んでいる証拠なのです。 梨花の手がきもちよくて、梨花にもっとして欲しくて、そんなになっているのですよ?」 「え……わ、私にして欲しくてって……」 羽入の言葉が、圭一は梨花のことが好きだからこうなっている……というふうに聞こえた。 たしかに圭一は私にセクハラばかりしてくるけど、もしかしたらそれは、私のことが好きだからしている? そう考えていくと、この苦しそうな股間もどうにかしてあげたいという気持ちになるから不思議だった。 「そ、そうよね。 圭一だって男の子なんだし……今日の罰ゲームだって、もしかしたら私と二人きりになりたかったから……」 「ということはないのです。 まあきっと、この手が魅音やレナや沙都子でもビンビンになったでしょうね。 男はそういうものなのです、あぅあぅあぅ」 「!?…………は、羽入ぅぅぅぅぅっ!」 乙女モードになった私を、羽入は待ってましたとばかりにぶち壊しにした。 しかもそれに合わせるように、圭一が私に対して信じられない言葉を言い出したのだ。 『う……梨花ちゃんってスケベな女の子だったんだな。 こんなにちっちゃいのに、男のペニスを自分から触るなんて……』 「!? ち、ちがうのです! ボクは羽入に……!」 言われてやらされたとは言えなかった。 圭一に羽入のことが知覚できるわけがないし、そんなことを言っても信じてもらえるわけがない。 しかたなく私は圭一の言うとおり、エッチな女の子のようにその股間を擦るしかないのだった。 『あぁ……き、きもちいいぜ梨花ちゃん。 ずいぶん慣れてるんだな?』 「そ、そんなことないのです。 圭一のために、よ、よくわからないけど……やってあげているのですよ?」 『嘘つけ、このやり方はあきらかに慣れている感じだぜ? 一、二本咥えたことありますって感じだぜぇ? くっくっく』 「み、みぃぃ~……」 私を辱めるためにわざと言っているのか、それとも本気でそう思っているのか……。 圭一はサドっ気たっぷりの目で、巧みに股間を撫でる私を罵倒する。 このやり方もそもそもは羽入に言われてやっているもので、彼のこうした言動も彼女の引き出した罠だったんではないかと思えてくる。 「羽入……な、なんかものすごいエッチな子だと思われちゃったじゃない! ど、どうするのよ!」 「あぅあぅ~大変なのです。 こうなったら、圭一のおちんちんを最後まで満足させてあげるしかないのですねぇ~」 「さ、最後までって……?」 そうすると羽入はまたもやツンツンと圭一の股間を差し、今度は直接これに触れと合図する。 ズボンの上からでも恥ずかしいのに、このまま直にそれを触れというのか……。 さすがにそこまでするのはちょっとためらわれた。 「む、無理よそんなの……。 は、恥ずかしいっ!」 「ここでやめたら、圭一はたぶん梨花にむりやり襲い掛かるのですよ? 『そんなに男のペニスが欲しいなら、今すぐブチ込んでやるぜぇ~~っ!』とか言われて終わりなのです。 あぅあぅ~、梨花の純潔もここまでなのです」 「う……ううぅぅぅ~っ!わ、わかったわよ! やればいいんでしょやればーっ!」 羽入のある種もっともな意見に、私は半ばやけになりながら圭一のズボンのチャックに手をかけた。 パンパンに張ったそれはとても降ろしにくかったけど、力いっぱい下げるとそれが中から飛び出るように露出した。 彼の下着を突き抜けて、あろうことか私の手のひらの中にそれが……出てきたのである。 「!? あ、あああ、け、圭一のが、手、手に! 私の手の中にぃぃっ! は、羽入ぅぅぅっ~!」 「落ち着くのです! さっきまで一応触っていたところではないですか! ちょっと硬いソーセージくらいに思っておくのです!」 「そ、そんなこと言ったって……ひっ!や、やだやだなにこれ! 私の手の中で、ピ、ピクピクしてる!」 直接手のひらで触れると、それはほんとに驚くほど硬く大きいものだというのが実感できた。 おまけに圭一のそれは私の手の上できもちよく……ドクッドクッと脈を打つように震えていたのである。 『くぅ……ま、まさか直接触ってくれるとは思わなかったぜ。 ほんとに梨花ちゃんはペニス大好きな女の子だったんだなぁ?』 「ち、ちがうのです! ボ、ボクはおちんちん大好きっ子なんかじゃないのです……」 『くっくっく、そうかなぁ? 今だってほら、俺のこれを手の中で嬉しそうに転がしてるじゃんか? ほんとはちんこシゴくの好きなんだろー、なー?』 「ち、ちがうちがう、圭一のイジワル……」 圭一はもはや自分が主導権を握っているとばかりに私を罵っていた。 実際私はこうして彼のおちんちんを手にしているし、羽入に言われたとおりやんわりとしごいていたりもする。 だがそれはあくまで、この状況を抜け出すためなのである。 けっして自分から触りたいとか……そんなことは……。 「は、羽入……なんだかこれ、ほ、ほんとにすごいわよ? 私の手の中でこんなビキビキになっちゃって……すごいの」 「それはきっと梨花の手が上手だからなのですよ。 オヤシロ様の巫女である梨花は、なんとおちんちんを扱う才能まであったということです。 まったく汚らわしいですねぇ、あぅあぅあぅ……」 「!? そ、そんなこと言わないでよ……あんたまで……」 圭一にペニス大好きな女の子と罵られ、羽入におちんちんを扱う天才だと罵られ……。 私はまるで、自分が本当にそんな女の子であるような気がしてきてしまった。 手をずっと動かしていたせいか、いつのまにか呼吸まで荒くなっていて……これじゃあまるで私も興奮しているみたいだ。 「ん……お、大きいのです。 圭一の……はぁ」 『……なぁ梨花ちゃん。 ほんとは今すぐ俺のこれが欲しいんだろう? そんなに息荒くしてよぉ』 「!? ち、ちがうのですっ! これはちょっと疲れただけで、そんなつもりじゃ……」 『嘘つけって。 俺のこのビンビンにでかくなったペニスを、この……』 すると圭一は突然、ガバっと大きく私のスカートをめくり上げた。 さっきショーツが脱がされていたため、そこには何も履いてない可愛いわれ目が露出してしまう。 「!? ひゃうんっ! け、圭一!」 『このちっちゃなお○んこに入れてもらいたいんだろっ! なあっ!』 「あ、あぅぅっ! そんなこと思ってないのですよぉ……」 『どうかなぁ? こりゃあ今夜一晩かけて、オヤシロ様の巫女がしっかり純潔を守っているか調べてやらないとだなぁ? くっくっく……』 急に声を荒げる圭一に、私はビクっと体を震わせて怯えた。 こんなの、いつもの私のペースじゃない……。 スケベで変態な圭一を、逆に私があしらうくらいが正しい形のはずだ。 なのになぜか頼っていた羽入にまで罵られ、手の中でビクビクと血管を浮き立たせるそれを見ていると……どこか自分の中の感情が抑えきれなくなっている。 「は、羽入? なんか圭一のこれ、ビクビクって……は、破裂しちゃいそうなんだけど、どうなるの?」 「あぅあぅ~、それはきっともうすぐ射精する合図なのですよ。 梨花のスケベな手つきにたまらず、圭一はドピュドピュしちゃいそうなのですねぇ?」 「ス、スケベって……なんであんたまでそんなこと言うのよ。 これはしかたなくやってるんだって知ってるでしょ?」 「ほーしかたなくだったのですか。 その割には、梨花はずいぶん興奮しているように僕には見えたのですけどぉ~?」 「う……あ、あんたいつからそんなに……」 ドSになったの……? 羽入はいつのまにか、圭一と同じような突き刺さる目つきで私を見ていた。 普段からイジメられていたことへの仕返しのように、こんな卑猥なことをする私を淫乱な巫女だと言わんばかりの目で見つめていたのである。 「ほらほら、そのままもっと激しく動かして圭一を射精させてあげるのですよ? 梨花もおちんちんがドピュってするところ、見たいのでしょう?」 「み、見たいわけないでしょ。 そんな恥ずかしいところ……ばか」 「あぅあぅ~そうなのですか? てっきり僕は、梨花は古手家歴代一位の淫乱だとくらい思っていたのですけど。 そうですか~、見たくないのですか~」 「くっ……あ、あんたこれが終わったら覚悟してなさいよ……」 とにかくこの手に握りしめているものを鎮めないことにはどうにもならない。 私は羽入の言うようにその手を激しく動かし、圭一のおちんちんを射精とやらに導いていった。 手首を前後に動かすたび彼のおちんちんの先から何か透明な液が噴き出し、それがピチャピチャとエプロンの前にかかっていく。 『くうぅ! す、すげえぜ梨花ちゃん! なんて上手な手コキだ! こりゃあやっぱり相当数をこなしてるなぁ?』 「いいから早く……しゃ、射精をするのです圭一。 ボクは早くお料理を続けたいのですよ……」 『くっくっく、それはペニスのお料理をって意味かぁ? なぁ淫乱梨花ちゃんよぉ?』 「!?……く、あ、あんたも後で覚えてなさい……」 圭一と羽入。 二人のドSに挟まれながら、私はその手にしたおちんちんを乱暴にしごいていった。 だんだんと先っぽの割れているところが開き始め、初めての私でもここから何か出てくるの?と感じ、その部分をジーっと観察した。 パックリと割れているそこはもうとめどないほど液を吐き出し、ビチャビチャと私の手や腕を容赦なく汚していった。 「なにか出てきそう……しゃ、射精っていうのが起こるの、羽入?」 「そうなのです。 白いのがい~っぱい出てくるのですよ? それを浴びた女の子は、その男の子供を身に宿すのです」 「へぇ、そうなの…………子供?」 羽入の言葉に、一瞬、私は今自分が置かれている状況を考えた。 圭一が仁王立ちし、その下半身の目の前にいる私。 いまその白いものがこのおちんちんから出たら、それは私の体にかかってしまうのでは? さっきから出ている透明なものでさえ顔や手にかかっているというのに、更にそんなものまで体にかけられたら……私は妊娠する? 彼の子供を? 『く……い、いくぜ梨花ちゃん! そんなに俺の精液が欲しいなら、そのスケベな体で受けとめやがれぇぇぇぇっ!!!』 「!? ま、待ってなのです圭一! 今出したらボクにかかっちゃ……!」 ビュル! ビュルルルルッッッ!!! ドビュルルルルッッッ!!!!! 私が言葉を言い終える前に、圭一のペニスからミルクのような液体が発射された。 先っぽの割れ目からドピュドピュと吐き出され、とても濃い液が次々と目の前の私に降り注ぐ。 反射的にそれは浴びちゃいけないと思ったが、彼は私の体をガシっと掴んで逃がそうとしなかった。 「!? い、いやぁっ! かけちゃダメなのですっ! 圭一ぃぃっ!」 『何言ってんだ! これが欲しかったんだろう! ほらほらその可愛い顔にぶっかけてやるよぉぉぉっ!!!』 ドビュル! ドピュピュピュピュッー!!! しっかりと抑えつけられた体に、ビチャビチャと生温かい液体がかけられていく。 毎日家で沙都子と交代で使っている可愛いエプロンに降り注ぎ、そのままそれが下に向かって剥きだしの足にドロリと……。 その勢いのすごさに腕や首すじまでもがまんべんなく白く染められ、おもわず顔を隠そうとした手も払いのけられ、彼の子供の元が容赦なく私の顔面をグチャグチャと汚していく……。 「み、みぃぃ~っ!ダメなのですダメなのです! 赤ちゃんできちゃうのですよぉぉあうぅぅぅっっ~!!!」 『はっはっは、そうだそうだ! 俺の子供を妊娠しちまうほどたくさんぶっかけてやるぜ~っっ!』 ビュルルッ! ビュルッビュルッ!!! ドビュウゥゥッッ!!! ビチャっとした固まり、そしてヌトリした液体が顔じゅうにパックするように塗りたくられていく。 圭一はそんなにも……私のことを妊娠させたいの? そんなことを考えながら、私はその生温かいドロリとしたものたちを浴びていった。 そしてそのまま体じゅうの全てを汚されたと感じたとき……ようやく彼のペニスはその動きを止めた。 『くっくっく、どうだ梨花ちゃん? 俺の精液の味はよぉ?』 「あうぅ……ひどいのです圭一……。 こんなにたくさん……ボク、絶対赤ちゃんできちゃったのですよぉ……」 自分の体からのぼるむせ返るような匂いに、ああ、私は汚されたんだな……と感じた。 圭一の家に来た時点である程度は覚悟していたけれど、それがこんなにも悲惨なものになるとは思わなかった。 好きな人の家に来たはいいけど、まさかこんなふうにされるなんて……。 まさか妊娠させられるところまでいかされるとは思ってもみなかった。 「あぅあぅ~梨花かわいそうなのです。 ドロドロにされちゃったのですよぉ……」 「ばか……あんたがこうしろっていうからしたのに……ひ、ひどいじゃない。 まさかこの年で赤ちゃんができちゃうなんて……う、う、う」 妊娠させられたという悲しい現実に、私はおもわず涙を流してしまった。 よく考えたらこれは、全て私の体に九代目を宿させるための羽入の作戦だったのかもしれない。 最初にここに来るのを止めていたのだって、やめろと言われるとやりたくなる、人間の心理を逆手にとったものであるにちがいない。 現にこうして彼女の言うとおりにしたら、私は圭一に妊娠させられた。 信じていた羽入に裏切られたという事実が、ただ私の胸を切なく苦しめていった。 「ばか、ばか……あんたなんて嫌い! だいっ嫌いっ!……う、う、うぅぅ」 「あぅ~そんなこといわないでなのです……梨花」 いまさらそんな申し訳なさそうな顔をしたって無駄だと思った。 全ては羽入が裏切ったことから始まったのに、これが冗談でしたということにもならないかぎり……。 「あ、ちなみに妊娠なんてしないのですよ? その白いのは梨花のお股に入らないと意味ないのです」 「う、う……ぐしゅ……え?」 「だ・か・ら、赤ちゃんなんてできないのです。 というかそもそも梨花は初潮すらまだなのですから、子供なんてできるわけないのですよ」 「え……で、できないって……?」 「つまりあれですよ……。 梨花ばっかでぇ~、騙されて泣いてやんの~ってことなのです。 あぅあぅあぅ~♪」 「…………………」 羽入のその言葉に、だんだんと頭の中がクールになっていく。 まだ体じゅうが精液まみれだったが、今はとりあえずもっとも効率よく、かつ適切に彼女を殺す方法を思い浮かべていく。 まず私はまな板の上にあった包丁を取り、二番目に殺したい人物にゆっくりとそれを向けていった。 『ふぅ~気持ちよかったぜぇ、梨花ちゃん。 いやーこんなに出たのは初めてだなぁ。 もうすっごく気持ちよく……て』 圭一が何やら感想を言っていたが、今はとりあえずその私を汚した肉の棒にスっと包丁をあてていく。 いや、これは肉じゃなくて海綿体だったか……。 それなら切り落とした時、さぞかし血がドバドバ噴き出るのだろうとむしろ好都合だった。 『!? お、おいおい梨花ちゃん、冗談きついぜ~? そんなとこに当てたら、あ、あぶないよ~?』 「うっさいわね、そんなことわかってんのよ。 そのよく喋る口閉じないと、今すぐ切り落とすわよ?」 『!?…………は、はい』 圭一は私の口調と行動に一気に怯えたのか、あきらかに萎縮してしまっていた。 急所であるところにピタリと刃物を当てられているのだから無理もないが、所詮、彼も強者には逆らえないただのオスだったというわけだ。 今夜、私の体が純潔かどうか確かめるとか言っていたが……。 むしろ私がこの汚れた体を祓ってやろうか?と考えながら、ゆっくりと口を開いていく。 「ねぇ、圭一。 あんたの家に、何かキムチ的なものはある? もしくわすごく苦いものとか……。 まあなんでもいいわ、そんな感じの」 『キ、キムチ……ですか?』 私の放った言葉に、包丁を突きつけられた彼よりも一層それを恐れた女がいた。 背後からなにやらあぅあぅと慌てる声が聞こえてくるが……今はそんなことはどうでもいい。 とにかく早くこの女を罰しなければ、殺さなければという考えだけが頭の中を占めていく。 『え、えーとたしか。 親父が通販で買った……激辛本場キムチとやらが、れ、冷蔵庫にありますけど……?』 「そう。 じゃあそれをここに持ってきなさい。 冷蔵庫って、そこのでしょ?」 『は、はぁ。 でも梨花ちゃんなんでそんなもの……』 「いいから早く持ってこいって言ってんのよ! それともこの***今すぐブチ切られたいのっ!!!」 『!? は、はいはいはいっ!!! 不詳前原圭一すぐに梨花様にキムチを持ってくるでありますぅーっ!!!』 最初からそうしていればいいものを、圭一はようやく私が本気だということがわかったように冷蔵庫に走っていった。 そんな情けない彼を見ながら、私はいままでこんな男のセクハラに怯えていたのかとほとほと馬鹿らしくなった。 男の弱点はペニスだ、と後ろの女がのたまっていたが……。 なるほど、そう考えるとたしかにあそこが弱点ねと納得していくのだった……。
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前回 ありがとう。~日常の中の幸せ~ ありがとう。 第五部 言葉よりも… 「圭ちゃんはスク水って好きですか?」 「は?…まあ好きか嫌いかで言うなら、好きだな」 と、唐突な質問をしてきた私に、圭ちゃんは不思議そうな顔で答えた。 「そうですか。じゃあ、もし私がスク水を着たら似合うと思いますか?」 「そりゃあ、似合うに違いないさ。詩音の白い肌に紺のスク水のコントラストの組み合わせるは凄い破壊力を秘めている筈だからな」 そうなんだろうか?よく分らないけど、食い付きは悪くないみたいだ。そこで聞いてみた 「…スク水姿見てみたいですか?」 「見たい!」 「正直でよろしい☆じゃあ着替えて来ますね。覗いたら駄目ですよ」 私はクローゼットの中から件のブツを取り出して、脱衣所に向かった。ちなみにこんな事を言い出したのには理由がある。 『嫉妬』である 昨日、部活で珍しくお姉がビリだった。 そして罰ゲームで『スク水を着て縄跳び50回』をしていたのだが、腹が立つ事に圭ちゃんが、それを鼻の下を伸ばして見ていたのである。 そりゃあ圭ちゃんも男の子なんだから仕方無いとは思うけど、私の目の前で他の女に目を奪われているのを見るのは嫌だ。 つまり圭ちゃんには私だけを見ていて欲しいのだ。今以上に。 圭ちゃんがお姉のスク水姿に鼻の下を伸ばしていたのなら、それを上回るスク水姿を私が見せれば良いのだ。 そして私がクローゼットから持って来たのは、ルーチアで水泳の時間で使っていた代物である。ちなみに普通のスク水とは違い左胸にルーチアの校章が入っている。 …入るかな? 最後に着たのは二年程前だったか、とりあえず試してみよう。 私は寝間着代わりのYシャツを脱いで、スク水に足を通し上に持ち上げた。意外にも胸の下まではすんなりと入ったので安心した。でも、やっぱりサイズが小さい。 問題はここからだ。胸が入るか…片側から試してみる事にする。 左腕に肩紐を通して無理矢理肩まで上げ、何とか胸を収める事に成功した。だが右側が入るかは分らない。いや、その前に股に水着が食い込んで少し変な気持ちになる。 続いて右側の肩紐に腕を通して肩まで上げようとするが入らない。ここまで来たら無理にでも着たくなるものだ。私は手に力を込めて肩紐を引っ張った。 「ひぅっ!!」 その瞬間、下半身に強い刺激が走り、私は堪らず床にへたりこんだ。 「はあはあ」 生地に伸縮性があるとは言っても限度がある。小さいサイズのものを着ようと無理をすればスク水の構造上、両肩と股に生地が食い込むのは当たり前だ。 ともかく着れたので結果オーライだ。股に食い込んだ水着を直して、立ち上がり体を軽く動かしてみる。 うん。多分大丈夫だ。難点があるとすれば、体を動かすと徐々に股間に水着が食い込んでくるのと、胸が少し苦しい事くらいだろう。 どうせすぐに脱がされる事になるだろうから問題無い。水着に収まらずはみ出た胸をスク水の中に押し込んだ後、鏡を見てみると我ながら扇情的な格好だと思う。 サイズの小さなスク水が身体のラインを綺麗に浮かび上がらせており、特に胸元は凄い。上手く言えないけど、寄せて上げてって感じである。 これなら圭ちゃんもメロメロな筈だ。うん違いない。 私はYシャツを持って脱衣所を出た。そしてドアをノックした。 コンコン ドアを少しだけ開けて、身体を壁に隠して顔だけを出して部屋の中を覗き見る。 「圭ちゃん。着替えてきましたよ」 「おう。てか何で中に入って来ないんだ?」 「そりゃあ焦らす為に決まってるじゃないですか♪」 「焦らすって…。そんな事言わずに見せてくれよ」 と、圭ちゃんが言って目をウルウルさせて私を見てくる。 普通に見せても面白くないし、昨日のお姉のスク水姿に勝つには今一つ押しに欠ける気がしないでもない。そうだ、良い事思いついた。 私は素直に部屋の中に入って、後ろ手でドアを閉めて言った。 「どうですか圭ちゃん。詩音ちゃんのスク水姿は?」 「こ、これは…!すげぇ!うん!堪りません!」 興奮気味な圭ちゃんの反応に少し満足した私は、圭ちゃんの目の前に座った。 「し、詩音っ!」 そう言って圭ちゃんが私の胸に手を伸ばしてくる。予想通りだ。 パシッ! 私は圭ちゃんの手を軽く叩いて払い除けた。 「え…?」 圭ちゃんが何が起こったのか分らないという顔で私を見る。ちなみに触られたくないから手を払い除けた訳では無い。 「圭ちゃん~。まだ触っちゃ駄目です。そんな節操の無い事をしたら怒っちゃいますよ?」 「おっと!ちなみに私が触って良いって言う前に手を出したら、当分Hさせてあげませんから。ねっ?」 またもや伸びて来た圭ちゃんの手を避けて私はニッコリ笑って、そう言った。 「生殺しかよ!触らせてくれたって良いじゃねぇかよ!」 圭ちゃんがムッとした顔で抗議してくる。 「ま だ 駄 目 で す。Hしたくないって言うんなら別ですけどね」 「はあ…。それは困るから大人しく従っておくよ」 「フフッ♪良い子にして頑張ったら御褒美あげますから、ちょっとの間だけ我慢してください」 私は立ち上がり、再度クローゼットに向かい、圭ちゃんに背を向けて語りかける。 「圭ちゃんは、ニーソックスとハイソックス。どっちが好みですか?」 「…ニーソックス」 ちょっと不貞腐れた声で圭ちゃんが言った。こういう子供っぽい所が可愛いかったりもする。ちょっとキュン☆キュン☆しながら黒いニーソックスを手に取ってベッドに腰掛け、ニーソックスを履きながら言った。 「実は、このスク水かなりサイズが小さいんですよねぇ~。オッパイが圧迫されて少し苦しいし、アソコに水着が食い込んで変な気持ちになっちゃうんですよ~」 「そ、そうか。大変だな」 冷静を装った感じで言っているが、私の胸や下半身にチラチラと視線を向けているのが分る。スケベめ、どうせ見るなら堂々とするべきだ。 ちなみに先程思い付いた『良い事』とは、ギリギリまで焦らして意地悪してやろう。という単純だけど地味に辛いものである。 「ほ~ら見てください。絶対領域ですよ~」 圭ちゃんが以前熱く語っていた『萌え』の美学なる物をうろ覚えだが、わざわざ口に出してアピールする。 「違うっ!絶対領域とはサイハイソックス+ミニスカートの神器が揃って初めて発動するんだ!そもそもサイハイソックスとはニー…もがっ!!」 私は慌てて圭ちゃんの口を塞ぐ。『口先の魔術師』を発動されたら困る。危なかった。 「細かい所は気にしちゃ負けです。スク水とニーソックスの組み合わせでも良いじゃないですか。そこらへんの詳しい所は同好の人と語ってください」 「ああ。だが、これは絶対領域では無い事だけは譲れねぇぞ」 「それで良いですから、落ち着いてください。それはさておき、どうですか。似合ってますか?」 「俺の予想通りだよ。やっぱり詩音は何を着たって可愛いぜ!」 悪い気はしない。いや、凄く嬉しい。よし、本題に移るか。 「じゃあ…お姉と私。どっちの方がスク水が似合ってますか?」 「ん?…ああ~!ようやく解ったぜ。詩音アレか?急にスク水を着るって言い出したのって、昨日の魅音の罰ゲームが原因か?」 ニヤリと笑いながら圭ちゃんが聞いてくる。デリカシーの無い奴め、こういう時は解ってても黙っておくべきだと思う。 「…だって昨日、圭ちゃんがお姉の事を鼻の下を伸ばして見てたし。ああいうのって酷くないですか?私、凄く傷ついちゃいました」 声のトーンを落として言って私は顔を伏せる。やり過ぎかも知れないが、ニブちんの圭ちゃんに私の想いを伝えるには、このくらいが丁度良い。 「あ~そのっ!…詩音の方が似合ってるぜ!うん!凄くスタイル良いし、いつもの詩音の格好とは違って胸がドキドキしちまうよ!」 私の姿を見て、ちょっと焦り気味に圭ちゃんが私のスク水を褒めてくれる。 そして沈黙が訪れる。私が何も反応しないのを見て、圭ちゃんは何か言おうと口を開いては閉じを二、三度繰り返した後、申し訳無さそうな顔でこちらを見ながら言った。 「…ごめん。詩音が傷つくのも当たり前だよな。その…ごめんなさい…」 シュンとした顔で圭ちゃんが消え入りそうな声で謝る。…やり過ぎたか? 今さら 『嘘ですよ~☆圭ちゃん引っ掛かりましたね~☆』 とかは言えない。そんな事を言ったら圭ちゃんは怒るかも知れない。私はお姉と違って空気位読める。 さて、どうしよう…。 こうなったら出た所勝負で行くか。 「他の人を見るなとは言いません。けど私の前では、あんな事しちゃ嫌です」 と言って立ち上がって圭ちゃんの所に行って腰を屈める。 そして両手を圭ちゃんの頬に添えて額同士を合せて言った。 「それだけ解ってくれたら良いです」 「…解った」 「じゃあ、これでこの話は終りです☆湿っぽい雰囲気は嫌いですから…ほら圭ちゃん!こっちに来てください!」 私は微笑みながら圭ちゃんの手を取ってベッドに引っ張って行く。 『ゴメンね圭ちゃん。このお詫びは近い内にするから』 心の中で謝りつつ、圭ちゃんをベッドの上に座らせ、その後ろに自分が座り後ろから抱き付き、耳元で甘い声で囁いた。 「頑張った圭ちゃんに御褒美あげちゃいます。おっぱいでおちん〇んを挟んでゴシゴシしちゃいましょうか?それとも、お手々の方が良いですか?」 「…それって俺が選んで良いのか?」 さっきよりは、ちょっと元気な声で圭ちゃんが聞いてきた。 「良いですよ…。何でもしてあげますから言ってみてください」 「じゃあ胸でしてもらおうかな」 「圭ちゃんも好きですね~。じゃあ、ちょっと失礼します」 私は圭ちゃんの前に移動して、寝間着の上からオットセイを擦り始めた。 「いつもより大きくなってる気がするんですけど、気のせいですかねぇ~」 「う…。詩音の格好があまりにもエロすぎるのが悪いんだよ。そんなん見たら興奮しちまうのは当然だろ」 赤面しつつ答える圭ちゃんを上目遣いで見つつ、私は寝間着を下着ごと膝まで下げオットセイを口に含む。 「あむ…んちゅっ…んん」 根元まで咥えて舌を這わせながら唾液をオットセイ全体に絡ませていく。 「う…あ…ああ」 ねっとりと焦らすかの様な動きに圭ちゃんが気持ち良さそうな声を漏らしているのを聞きながら、口を前後に動かす。数分の間これを続けた後、私はオットセイから口を離した。 「あ…」 名残惜しそうな声を漏らす圭ちゃんを見ながら私は肩紐を滑らせる様にして下げて胸を露出させる。 胸を両手で包み込んで谷間に唾液を垂らして、よく馴染ませた。 そして圭ちゃん寝かせ寝間着を下着ごと足から引き抜く。 膝の上に圭ちゃんのお尻の乗せて足を少し開かせた。 「圭ちゃんのだ~い好きな、オッパイマ〇コですよ~」 そう言って胸でオットセイを挟んで少しづつ上体を沈ませていく。 「あ…うあ!す、すげぇ!」 胸の中にオットセイが全て飲み込まれ、谷間からオットセイの頭が少しだけ覗く。 ぬちゅぬちゅ 胸を包み込む力を強くして上下に強弱を付けながら動かしていくと、その動きに合わせる様にオットセイがヒクヒクと震える。 「し、詩音っ!おあっ!もっと速く動かしてくれっ!!うあっ!」 言われた通りに動きを速くすると、よっぽど気持ち良いのだろうか自分からも腰を動かし始めた。 「そんなに気持ち良いんですかぁ?まだ始めたばかりなのにおちん〇んがヒクヒクしてますよ」 「はあはあ!き、気持ち良いっ!!すぐにイッちまいそうだ!」 「我慢しなくても良いですよ!ほらほらっ!!」 さらに動きを激しくして限界へと導こうとすると、圭ちゃんが快楽から逃れようと腰を引く。それを見て私は、両脇で足をガッチリと挟み込んで身体を深く圭ちゃんの下に割り込ませて動けない様にした。 「逃がしませんよ圭ちゃん♪さあ~早くスッキリしちゃいましょう♪」 段々楽しくなってきた私は、声を弾ませながら攻め続ける。 「ああっ!!ちょっ!や、やめ!!うあっ!!」 圭ちゃんが身を捩らせると胸の中でオットセイが暴れ、私も気持ち良くなってくる。 「あんっ!そんなに暴れたらっ!私も気持ち良くなってきちゃうじゃないですか!」 「も、もう無理っ!!あ、あぐっ!!あっああっ!!!」 「きゃっ!」 勢い良く射精され、顔にまで飛んで来たので驚いてしまった。 射精し終わるまで胸で優しく擦りつづけ、次第にオットセイがヒクヒクと微かに痙攣し始めるのを胸の中で確認した私は、圭ちゃんに行なっていた拘束を解除する。 「はあはあ…っはあ。詩音…やり過ぎだろ」 右手で顔を覆い、ちょっと弱々しい声で圭ちゃんが呟く。 そんな可愛い反応を見た私は思わずニヤリと笑ってしまうのを感じつつ、顔に付いた精液を指で掬いながら言った。 「だって~毎回胸でしてあげたら、すぐにイッちゃうから面白くて面白くて…けど逃げようとした圭ちゃんも悪いんですよ~」 精液を口に含んで唾液と混ぜ合わせて飲み込み、次に自分の胸に舌を這わせて精液を舐め取って、同じ様に口の中で咀嚼して飲み込む。 初めは苦手だった精液も馴れれば、何故か美味しく感じてしまうから不思議だ。 「言い返せない自分が悲しいぜ」 と言って圭ちゃんが起き上がり私を優しく押し倒す。 「けど詩音に気持ち良くして貰って嬉しいっていう気持ちの方が勝っているから気にならねぇ。次は俺が詩音を気持ち良くさせる番だな」 「まだ触って良いなんて言ってませんよ?けど…今言ってくれた言葉が嬉しいから良いです。…たくさん気持ち良くしてください」 「ああ!任せとけ!じゃあ、まずは…」 圭ちゃんの顔が近付いてく…あれ? あと数センチで唇が触れるという所で圭ちゃんが動きを止めた。 「と、思ったけど詩音からキスして貰いたいなぁ」 ちょっと呆れつつも、冗談が言える位には元気になった圭ちゃんにホッとした。 「もう…」 私は圭ちゃんの首に腕を回して顔を近付け唇を重ねる。 「ん…んふぅ…ちゅ」 舌を絡ませ合いながら圭ちゃんの手を秘部へと導く。スク水を着た時から刺激を受け続けたので疼いて仕方が無い。 「んんっ…」 圭ちゃんが水着の上から割れ目に沿って優しく愛撫してくれる。私は身体の力を抜いて甘い刺激に身を委ねた。 「凄い濡れ方してんな。スク水までグッショリと…詩音はいやらしいなぁ~おい」 と、私の唇から口を離して、圭ちゃんが耳元で囁く。 「んぅ…だって、はあ…水着が食い込んで…んんっ!あっ!」 言い訳は聞かないとばかりに、クリトリスを強めに摘まれる。私は堪らず首に回した腕に力を込めて抱き付き身を捩る。 「あっ!あっ!ら、らめぇ!そんなに強くしたらぁっ!あうっ!はひっ!!」 クリトリスばかり執拗に刺激され気が狂いそうになる。快楽から逃れようとしても身体を組伏されていては、なす術は無い。 「へっ!さっきのお返しだ!オマケを付けて返してやるよ!」 「あうっ!やぁ!!あっ!あっ!」 胸に圭ちゃんが荒々しく吸い付き、歯で甘噛みしてくる。頭の中がグチャグチャになって何も考えられない・・・。 「ひぃっ!!あぐっ!はあん!!あっ!!ああっ!らめぇっ!らめぇぇっ!!!!」 言葉とは裏腹に私は、腰を圭ちゃんの手の方に押しつけながら果てた。 「は…ああ…」 肩で息をしながら、圭ちゃんの頭を胸に抱き寄せて余韻を味わう。そして胸にまだ吸い付いている圭ちゃんの頭を撫でてあやしてやる。 「はあはあ…そんなにオッパイに吸い付いたら乳首が荒れて痛くなっちゃいます…」 そう言うと圭ちゃんがチラッと私を見て口を離した。 「いいじゃねぇか減るもんじゃ無いし。それより見てみろよ、手がビショビショになっちまったぜ」 と言って愛撫していた手を私に見せて羞恥心を煽ってくる。私は顔を背けて小さな声で言った。 「わ、わざわざ見せなくても良いです…本当、意地悪なんですから」 顔から火が出そうな程恥ずかしい。 「ところで少し聞きたいんだが、なんでニーソを履いたんだ?足で何かしてくれるのか?」 「『服は脱がしても靴下は脱がすな!』って言ってたじゃないですか…だから履いてみただけです。深い意味はありません」 私は圭ちゃんの身体の下から抜け出し、横に座って言った。そう深い意味は無いのだ、足でナニをするために履いた訳では無い。 「なんだ…俺はてっきり足で色々してくれるのかと思ったぜ。期待してたのに…」 大袈裟なくらい落胆した顔で圭ちゃんが言って私を困らせる。絶対反応を楽しもうとしている。頭では分かってはいても私は圭ちゃんの、この表情に弱い。 足でナニってのは今日の所は勘弁してもらおう。 「あ~…その、また今度で良ければ、足でしてあげますから落込まないでください。ねっ?」 「…今度って何時?」 「近い内ってことで」 ニヤリと笑って圭ちゃんが顔を上げて口を開く。 「そうかそうか!じゃあ期待して待っとくぜ!」 はあ…やっぱり私は圭ちゃんに甘いのだろうか。まあ良いや、それで圭ちゃんが喜んでくれるなら。 「ねぇ圭ちゃん、そろそろ続きしませんか、身体が冷えてきたんで暖めて欲しいです」 掛け布団を身体に掛け手招きして、おねだりすると圭ちゃんが起き上がって私を後ろから抱き締めて言った。 「その前にスク水の触り心地を堪能させてくれよ。それからでも遅く無いだろ」 「ん。可愛がってやってくださいね」 掛け布団を胸元まで上げて圭ちゃんの身体にもたれ掛かる。 「このスベスベな触り心地が良いよな、そして身体にピッタリ張り付いた感じとか、スク水最高!」 私の全身をやらしい手付きでまさぐって嬉しそうに感想を言う圭ちゃん。この顔を見れただけでもスク水を着て良かったと思える。 十分程経ち、圭ちゃんの手が下腹部の水抜きの切れ目の中に入ってくる。 「ん…ふぁ」 「こっちもツルツルで新鮮だな…っと、もう準備は出来てるみたいだし、そろそろ…」 陰毛を剃ったので、触られると少しくすぐったいけど、指の感触が直に感じられて良いかもしれない。 圭ちゃんに促され、私はその場に寝転がり足を開く。 スク水の股の部分を横にずらされ、オットセイが私の中に入ってきた。やっぱり、いつもより大きい気がする。「あ・・・はふ」 私はシーツを握り締めて、身体の疼きに耐える。 「は…今日の詩音はいつも以上に色っぽいぜ。俺、今凄くドキドキしてる」 「んん…私もです」 圭ちゃんの寝間着のボタンを外して脱がせてベッドの下に落とした。今日は色々な事をしてもらって、私もドキドキしているのだ。 圭ちゃんと一緒に居るだけで毎日が楽しいし、新しい発見の連続であると言った方が適切かもしれない。 皆には見せない、圭ちゃんの別の一面を私だけが独占できる。だから私も圭ちゃんにだけは、本当の私の姿を見て欲しいのだ。 「あっ!あっ!お、奥に当たってっ!あっ!気持ちっ!良いです!ひぁっ!」 圭ちゃんの指がクリトリスを押さえ付けてぐりぐりと圧迫する。これは反則だ、気持ち良過ぎる。 「う…!凄い締め付けられる!やべぇ!」 圭ちゃんも保たないと思ったのか指を離して、私の身体を動かして横向きにし片足を思い切り持ち上げられた。。 「いやぁ!あっ!け、圭ちゃん!こんな格好恥ずかしい!あっ!ああっ!あん!」 「ふぅっ!嘘付け!自分から腰振りまくってるじゃねぇかよ!はぁ!」 「ああっ~!だってぇ!ひぃっ!」 小刻みに、それでいて力強くオットセイを打ち込まれて、子宮を揺すぶられる。 恥ずかしい体位で愛されている。 その両方が合わさって、気持ちが高ぶっているのだろう。羞恥と快楽を私は自分の指を噛んで耐える。 「んぅ!んっ!んっ!」 そうでもしないと頭がどうにかなってしまいそうだから。 「もっと詩音の可愛い鳴き声を聞かせてくれよ」 私の足を持ち上げていた手を離して、圭ちゃんが後ろから私を抱き締めて耳元で囁く。 そして私の口から指を離させて、手を繋いでくれた。 「あっ!はぅ!あっ!あんっ!」 私は指を絡ませて強く握り返す。この手を離したく無いから…離したら不安になってしまいそうだから。 「圭ちゃんっ!圭ちゃんっ!ふあぁっ!!」 私は愛しい人の名前を呼びながら身悶えする。 「好きっ!!圭ちゃんっ!もっと!あっ!ああっ!」 深い挿入感は無いけど、私は正常位の次にこの体位が好き。 圭ちゃんの腕に抱かれて愛して貰える体位だからだ。 「わ、私もうっ!駄目です!はぁ!あっ!イッてもっ!イッても良いですかっ!!あんっ!!」 「はあはあ…!詩音がイク所見ていてやるからさっ!良いぜ!イッちまえよ!」 私の身体をゾクゾクとした震えが駆け巡る。好きな人に絶頂を迎えさせて貰える喜びの震えが…。 圭ちゃんが空いている片手で胸を優しく揉みしだき、私が絶頂を迎えるのを手伝ってくれる。 「あっ!ああっ!あっっっ!!!」 私は身を竦ませ登り詰める、それでも圭ちゃんは動くのを止めてくれない。 「詩音の中、堪らない位絡み付いてくるぜ!腰が抜けそう…!はあ…!あ!」 むしろ夢中になって腰を打ち付けてくる。 「あっ!ら、らめぇ!ああっ!!」 刺激に対して敏感になっている身体は、少しの刺激だけでも絶頂を迎えてしまう。 「はぁん!!あん!!」 二度、三度。立て続けに何度も絶頂を迎え身体に力が入らない。 そうこうする内に圭ちゃんが動くのを止めて、私の身体を起こして四つん這いにさせる。 「はっ!はあっはあっ!」 私は空気を求めて喘ぐ。しかしそんな暇は無いとばかりに圭ちゃんが再度腰を激しく動かし始めた。 「あうっ!!あっっ!!ま、まだっ!!んぐっ!動いたらぁっ!!ひぅっ!!」 私はカラカラに渇いた喉で叫ぶ。 だが圭ちゃんは聞こえて無いのか私の奥をオットセイで突き上げてくる。 力の入らない手でシーツを握り締めて私は鳴く事しか出来なかった。 「ああっ!!も、もう許しっ!てぇくださいっ!!あうっ!!アソコが壊れるちゃいま…すっ!!っ!?かはっ!!」 髪を振り乱して許しを乞う私に、追い討ちを掛けるかの様に圭ちゃんがお腹を手で押さえ付けて圧迫してきた。 「あぐっ!!!あはぁっ!!んうっ~!?」 「はあはあ…!んっ!!気持ち良いか詩音…!!」 手で圧迫されている事で、膣壁と膀胱をオットセイで擦り付けられる。この二点責めで私の意識が一瞬飛んでしまう。しかし次の瞬間には凄まじい快感で意識が戻る。 「あへぁっ!!あっ!!あっっ!!」 もう何度絶頂を迎えたのかすら解らない。 いや絶頂に達している状態が続いている。これでは気がおかしくなってしまいそうだ。 「し、詩音っ!イクぞっ!は…!」 ラストスパートに入った圭ちゃんが腰を打ち付ける様に動き、膣内でオットセイがヒクヒクと痙攣するのを感じた。 「あん!!!ああっ!!ああっ!!」 「くっ!!はあ…!!」 私の中からオットセイが素早く引き抜かれ、お尻の上に射精された所で私は目の前が真っ白になるのを感じて意識を失った…。 「圭ちゃん…私を悶え殺す気ですか?ずっとイキっぱなしで死ぬかと思いました」 「あはは!悪い悪い!気持ち良過ぎて我を忘れてたぜ!」 気が付くと、私はベッドの上で潰れたカエルの様に突っ伏していた。ふらつく身体で起き上がり、圭ちゃんの額にデコピンを三発かまして現在に至る。 「…蹴りますよ?」 悪びれた様子も無くヘラヘラ笑っている圭ちゃんを見ていると、蹴り倒したくなってしまう。 「ごめんごめん!そんなに怒るなって~!」 「はあ…。まあ良いです。怒る気も失せました」 やたらテンションが高くなっている圭ちゃんを見ていると、どうでも良くなる。 それにしても、さっきの圭ちゃんは凄かったな…うん。凄かった。 「本当っ~~っに!悪いおちん〇んですね!」 そう言って、小さくなって可愛いオットセイを鷲掴みにしてイジり倒す事にした。 「ちょっ…!急に何し始めてんだよ!」 「見ての通りです!悪さばかりするおちん〇んを懲らしめてるんですよ!」 皮を引っ張ってみたり、オットセイの頭を撫でたりと色々していると段々大きくなってくる。 「懲らしめるってか悦ばせているだけだと思うぞ」 と満面の笑みを浮かべて圭ちゃんが言う。 「はいお終い!」 圭ちゃんに抱き付いて、そのまま押し倒し胸に顔を埋める。そして頬を擦り寄せて呟く。 「早いですよね、私達が付き合い始めて三ヶ月も経っちゃいました。あっという間に時間が過ぎた気がします」 「そうだな。でも、あと何ヶ月かしたら詩音も高校生か…会える時間も少なくなるんだろうな」 と、寂しそうに圭ちゃんが言った。 「まあ、こればっかりは仕方無いです。出来るだけ時間は作る様にするんで、そんな顔しないでください」 「そう言ってくれると助かるよ。それよりも学校で詩音が他の男に言い寄られないか心配だぜ」 「大丈夫です☆そんな奴が居たらスタンガンでノックアウトしちゃいますから」 私は握り拳を作って圭ちゃんに見せながら答える。 「詩音なら本当にやりかねないな…。けど、そんな事はさせないぞ」 「と、言いますと?」 「詩音がピンチになったら俺が駆け付けて、そいつらをぶっ倒してやるぜ!俺の女に手を出すな!って感じで」 本音を言うなら、園崎の娘に手を出して来る奴なんて居ないと思う。 …けど、こういう事を言ってくれて嬉しかったりする。圭ちゃんはデリカシーが無くて、スケベだ。 でも凄く面白くて、優しくて、私の心に潤いを与えてくれる自慢の彼氏。 悟史君に振られて落込んでいたあの日、もし圭ちゃんが居なかったら、絶対まだショックから立ち直っていなかっただろう。 圭ちゃんの優しさに救われた。笑顔に癒された。そしてこれからも…。 大好きって言葉は言いすぎると安っぽくなってしまう。でも言ってくれないと不安になるし、言ってあげないと不安にさせてしまうだろう。 だから、私は口で言うより行動で示す。圭ちゃんに、それが伝わるかは解らないけど。 ずっと一緒に居たいから、あまり言わないだけ。 ともかく圭ちゃんの、その気持ちだけでも受け取っておこう。 私は、とびっきりの笑顔で圭ちゃんに言った。 「ありがとう。」 ってね。 <完>
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私は、はやる気持ちを抑えながら、いつもの病室のドアを開けた。 そのカーテンの先には……悟史くんが居る。 悟史くんは、ベッドの上に身だけを起こし、監督と話をしていた。 問診というやつだろう。 「あの、監督……入っていいでしょうか?」 「いいですよ、詩音さん」 その言葉だけで胸が跳ねた。 一歩一歩慎重に、悟史くんを驚かさないように…… 「さ、悟史くん……おはよう」 「……誰?」 少し、言葉に詰まる。 「詩音……園崎詩音、覚えてる?」 「……ああ、魅音の妹か」 なんとなく、記憶の中の悟史くんと違う。 でも、目の前のこの人は……間違いなく悟史くんだ。 「詩音さん、悟史くんは……少々記憶の混乱が見られますので、 今質問は控えてもらえますか? 記憶の程度を今分析していますので……」 監督が耳打ちした。 悟史くんはそれを不審に思うこともなく、 ただぼうっと空中を見つめていた。 「は、はい……また来ますね」 「ええ、ぜひ」 監督は笑顔で私を送り出してくれた。 本当は……私が今入ってきてはいけなかったのかもしれない。 そんな気持ちを胸の中に抑えつつ、 私は駆け出した。 次の日に診療所へ向かうと、 私がいつも同じ時間に来るのが分かっている監督が、 診療所の前で待ち構えていた。 「あ、詩音さん……あの、悪いんですが」 「まだ無理なんですね、いえいえ、悟史くんに会えるんですから……ちょっとの間ぐらい我慢しますとも」 「……はい、すみません」 今度は私が、監督を笑顔で診療所へと送った。 次の日も……その次の日も。 私は、一ヶ月待った。 その時間は、私が今まで待った時間よりもはるかに長く感じられた。 それでも悟史くんが居ると分かった後の期間は、 どこか寄りかかるところが無かった今までよりも充実していた。 だから…… 私は。 生まれて始めて、手首を切った。 「詩ぃちゃん……腕時計なんかしてたっけ?」 レナは、恐ろしいぐらい勘がいい子だ。 私を放課後の教室に呼びつけるなり、 そう言った。 「……ええ、確かに今日からしてますけど、 それが何か?」 「……ごめんね、ちょっと気になったの」 「何が……です?」 こちこちと、時計の針の音がうるさかった。 その音が、この長い静寂がそれほど長くないものだということを、 嫌というほど聞かせてくれる。 「あの、レナ……帰りますよ?」 「詩ぃちゃん、これ見て?」 いつも手首を曲げているレナが、 私にはっきりと、私の手についたのと同じものを見せてきた。 「……あのね、こんなことするのは、何かあったからだよね? レナ、相談に乗るよ?」 私は、恥ずかしさに頬を染めた。 一緒に戦い抜いた仲間じゃないか。 それなのに、私は自らを集団の少し外に置いていた。 悔しかった。 悟史くんに会えたのは……皆を信じたからなのに。 悔しくて悔しくて、手首を切った時には溢れなかったものが、 目からぽろぽろと零れ落ちる。 「し、詩ぃちゃん……」 レナは、おろおろとしつつも、ごく冷静にハンカチを差し出してくれた。 「悟史くんのこと?」 どきっとした。 この子の勘は……鋭すぎる。 「……って、言われたの」 「何?」 「近づくなって……うぇ、っ……うううう、うぁああああああ!!!」 レナはそんな取り乱した私を……包み込んでくれた。 「大丈夫だよ……悟史くん、居たんだよね? どこかに行ったんじゃないんだよね? じゃあ、大丈夫だよ?」 「うぇえ、うぅ、うぇえええ!!」 背中をぽんぽんと、レナは叩いてくれた。 「好きなだけ泣いて? でも、その後は笑お? だって、詩ぃちゃんは今幸せなんだもの。 意中の人が、ちょっと遠ざかっただけだから」 レナの言っている意味が……心の奥に染み渡った。 レナの好きな圭ちゃんは、お姉を選んだから。 「……男の子なんて、この世にいくらでも居るよ」 本当は、自分だって泣きたいはずなのに。 私は自分がまた恥ずかしくなって…… また泣いた。 「それに……女の子が好きな……女の子だって居るんだよ?」 突如として、私はより強く抱きしめられるのを感じた。 レナの鼓動がすぐ近くにあって、 この世に存在するあらゆる音より大きく聞こえた。 「詩ぃちゃん……私、一杯慰めたよね? だから……私も慰めてくれる?」 レナの手が、少しずつ下へと這っていく。 「れ、レナ……?」 私が信じられないものを見るかのような目でレナを見ると、 レナはびくっとして、すぐに手を引いた。 「ご、ごめ、わ、私……何してんだろ?」 「い、いいですよ……レナを、慰めますよ…… でも、私……どうしたらいいか」 「本当にいいの? 詩ぃちゃん?」 真っ赤になったレナの顔が、急にいとおしく感じた。 「……ぅん」 私は、机を掴んでお尻を突き出す形になった。 レナが後ろから、私の胸に手を回していた。 右手は胸に……左手は、太ももに。 「はっ……くっ、れ、レナぁ」 それだけの行為なのに、 私の腰は抜けそうになって、がくがくと震えていた。 「詩ぃちゃん、かぁいいよ」 レナが囁くように言った。 そのまま、みみたぶを噛んで来る。 「あぅっ!」 「詩ぃちゃん、感じやすいんだね……もう、大変なことになってるよ? もしかして、毎日毎日してたのかな?」 「れ、レナ……おじさんみたいです……はくっ!」 レナが首筋を撫でてきた。 もうどこを撫でられたって、 私の全ての皮膚は鋭敏になって、 下着がずれただけで体が痙攣するようになってしまった。 「じ、焦らさないでッ!」 「詩ぃちゃんずるいよ……私はまだ気持ちよくなってないのに」 そういうレナの目は、とろんとしていた。 「嘘でしょ、レナ……」 私は机に座り、レナを抱きしめた。 そのままレナとキスをする。 唇へのキスだ。 本で見たとおり、舌を突き出してみる。 レナはそれに応えて、舌を付き返してくれた。 「あむぅ……にゅ、ちゅりゅ」 声にならない声を、口の間から出す。 レナの顔は再び真っ赤になった。 すごく分かりやすい子だ。 「レナ……胸をいじったことはあります?」 「……ぅん」 「包皮を剥いたことは?」 「詩ぃちゃんも……おじさんみたいだよ?」 「質問に答えない悪い子は、全部やっちゃいます」 私は、口でレナの乳房を責めた。 右手はレナの左胸に。 左手はレナの秘所に。 「あっ、あぅ……はぅぅぅ、だっ、詩ぃちゃん、いっぺんにはダメェ!」 レナは……一瞬にしてイってしまった。 また私はキスをする。 レナが窒息しそうだったので、今度はすぐに口を離した。 はっ、はっと苦しそうに、レナは肩を上げ下げしていた。 「し、詩ぃちゃんにも……しないとね?」 レナは恐ろしい回復速度で、 私を押し倒した。 「あ、レッ!」 私はレナに犯される様に、机に仰向けに寝そべる形になった。 目に見えるのは教室の天井じゃなく、一面のレナの顔。 私はまた、唇を奪われていた。 しかも今度は、私が一方的に責め立てられている。 レナの無秩序とも言える、 痙攣するような手が、私の大事なところで震えていた。 口をふさがれているから、息をすることもままならない。 レナがやっと口を離してくれた。 私は大きく息を吸う。 「詩ぃちゃん、悟史くんに沙都子ちゃんのこと頼まれてたんだよね? 沙都子ちゃん、近頃詩ぃちゃんが全然かまってくれないって、 私に泣きついてたよ?」 レナは責める手を止め、今度は言葉で責めてきた。 「ぇ……あ、だ、だって……沙都子はもう大丈夫……」 「嘘だ」 レナがそう囁きゆっくりゆっくり、手を動かす。 私の中に指を挿入しようかどうか、迷っているように。 「詩ぃちゃんは沙都子ちゃんのこと……頼まれてたんでしょ?」 「は、はぃ……沙都子のこと頼まれてましたぁぁあ……あぅっ!」 突如として、レナが私の中に指を入れた。 「れ、レナぁ……」 突然の衝撃に……私は失禁してしまった。 「ご、ごめ……ぐすっ、うう」 「わ、私こそ……ごめん、考えもなしに嫌なこと言っちゃって……」 「ううん、私が悪いんです、悟史くんのことばっかり考えて、 沙都子のことをないがしろにしてたから…… 私が悪いんですぅぅぅ……」 「詩ぃちゃんは悪くないよ……私のほうが悪いもん。 失恋したからって……詩ぃちゃんに当たって…… 魅ぃちゃんに似てるからってね……」 私たちは、雑巾で後片付けをした。 なんだが自分が情けなくなってくる。 こんな年になって、おもらししてしまうなんて…… 「あ、あの、レナッ……その、今度は」 「今度は無いよ、詩ぃちゃん。 今度は私も、いい男の子を見つけるんだ」 レナはそういって、笑ってみせた。 「じゃ、じゃあ、その時はダブルデートしましょ、 レナなら絶対見つかる! 圭ちゃんなんかより、 万倍いい男が見つかるよ! だって……」 「あっ」 私は、レナの傷ついた手を取った。 「こんなに綺麗な手をしてる」 レナは、また赤面した。 リハビリ室は、突き当りを曲がったところ。 あらかじめ位置は把握していた。 そのドアを叩かず、私は元気に開けた。 「おっはよー、悟史くん! 監督!」 「あはは、元気ですねぇ、詩音さん」 「むぅ、詩音、ここは病院だよ?」 私は、あの後苦労しつつも、なんとか悟史くんと普通に接せるようになっていた。 「悟史くんも、元気ですねぇ、さっすが朝」 「ふぇ?」 悟史くんは、私の言葉に騙されて、下を向いた。 「ひっかかったー!」 「む、むぅ……」 いま思えば、悟史くんの変化なんて、一瞬のことだった。 私は悟史くんの外見を見て恋をしてたの? 違う。そうだよね? レナ? 私は、レナの醜いけども……お料理やお裁縫や、 その他の努力で何年も頑張った手を思い出した。 綺麗な手 ―完―
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鬼婆の口汚い罵りに、私の頭が沸騰してくる。 悟史君が裏切り者だと? 悟史くんが汚い血を引いた厄介者だと? ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなっ!! 悟史君が何をした? 悟史君に一体何の非があると言うのか? 悟史君に一体何の罪があるというのか? ああ……怒りのあまりに自分の唇が震えているのがよく分かる。私の胸が憎悪に染まるのがよく分かる。理性が掻き消され暴力的な感情が塗り潰していく。 “ウルサイ。黙レ” だから気付かないうちに、そんな心の内を声に漏らしてしまった。 鬼婆の表情が憤怒に染まる。 ……そこで、ようやく私は自分が何を言ったのか自覚した。けれど、もう止まれない。止めることが出来ない。 「……鬼婆、あんた一体何言ってんの? 黙って聞いていれば言いたい放題」 その口調は自分でも信じられないくらいに静かで冷たかった。 「あぁん? なんばねすったら口の利きぃっ!!」 けれど、その静かさは最後の一線だったようだ。鬼婆の腐臭のする声を聞いた途端、私の感情が爆発する。 「やかましいいいいいぃぃっ!! 黙って終いまで聞けやこの鬼婆あああぁぁっ!!」 私は鬼婆の怒声を蹴散らすように怒鳴り返す。 地下祭具殿に私の声が反響して、私の感情がその場を支配する。 「だいたい、あんたは悟史君の何を知っているって言うの? 悟史君のことを何にも知らないくせに害虫みたいに言い捨てて。 悟史君がどんなにいい人か私はよく知っている。悟史君が北条家だからいけないの? 馬鹿みたい。時代錯誤も甚だしいっ!! くだらないくだらないくだらないっ!!」 たとえ、この後にどんな目に遭わされるか……それが分からない訳じゃない。けれどこの感情の吐露を止めることは出来ない。 鬼の形相で私を睨む鬼婆。それと同じく、私も凄絶な視線で睨み返す。 地下祭具殿を時間が凍ったような静寂が包み込む。 その静寂の中、やがて……私は鬼婆が私と悟史君の仲にこだわっている事に気付く。 「そっか。……魅音が告げ口した訳ね」 こいつはいつか殺す。 そんな呪いの視線を魅音に浴びせる。けれど魅音は能面のように無表情……くそ忌々しい。 「ふっ。くっくっくっ。くくくくくくくあははははははははははははははははははははっ!!」 ……あーもうどうでもいいや、馬鹿馬鹿しすぎて笑える。 私は首を上げ、鬼婆を睥睨する。 「はい、確かに私は園崎家の面子だとか世間体なんてどうでもいいです。全然興味ないですしっ!! ええ、認めますよ。好きですよ。私は悟史君が大好きです。 でもそれの何がいけないって言うのっ!? 人が人を好きになるのに何の理由が必要っ!? 答えろこの人でなしどもがあっ!!」 そして……私は私の命綱を自ら手放したことを自覚する。 壊した。徹底的に壊した。 周囲の私に向ける視線が……「救いようもない」とはっきり伝えてくる。けれどそれでも構わない。 「私の言っていることがおかしいなら反論してみろっ!! 出来ないんでしょ? 自分の後ろめたさを隠すことしか出来ないちっぽけな連中がっ!! そんなんだからお前らは――」 唐突に、魅音が私の目の前に手をかざした。……もう、しゃべるなと……。 「もう結構です詩音。あなたの言い分と覚悟はよく分かりました。ですが、ここは雛見沢で、そして園崎家です」 「だからそれがどうしたと――」 「聞きなさいっ!!」 再び声を荒げようとする私を魅音が遮る。 「詩音? ……あんた、興宮で生活するにあたって、どれだけの人に世話になってる?」 背筋をぞわりとしたものが駆け上がってくる。 「……葛西さん。奥の牢屋にいる」 「なっ!? そんなの……」 いや、本当は驚くような事じゃない。みんな共犯で、私に巻き込まれた犠牲者だ。 「覚悟のある詩音はいいとして、葛西や善郎おじさんがどうなるか? ……想像が付かない?」 頭が冷える。 全身から熱が失われていく。 「詩音。婆っちゃに謝って」 「で……でも、でも……でも……」 私はこの場に及んで、言い逃れを試みる。 それを見て、冷徹な表情を浮かべ、魅音は私に踵を返した。 無言で座敷へと戻っていく。 その背中を見ながら、私の頭の中がぐじゃぐじゃに溶けていく……。 私は威勢よく鬼婆に喧嘩を売った。 自分は悪いことはしていないと言い張った。そしてそれは間違っていないと信じている。 けど……でも私は今日までの生活でお世話になった人達を巻き込んでしまっている。これは、言うまでもなく私の責任。私一人が受けるべき咎だ。 「あ……あ…………ああ……」 意味もない声が私の口から漏れ出る。 恐くて、申し訳なくて……でもどうしてそうなのか理屈がまだ私の中で整理がついてなくて……。 それまで背中を向けているだけだった魅音が、不意に私を振り返り、小さく頷く。 その頷きの意味は……。 “葛西や叔父さんのように、悟史も巻き込まれるかも知れないよ?” 「……ひぅっ!?」 理解した。 理解した。 そうだ。私が恐れたのは……それだった。 「ま……待って……お姉……」 ぽろぽろと涙が零れる。 ダメだ。そんなのは絶対ダメだ。私一人ならまだいい。けれど、他のみんなは関係無い。私一人で済むことなら……。 「ごめん…………なさい。頭首……様」 私のプライドとかそんなもの、もはや関係無かった。 そんなものより……彼らの方が重い。 だからなるべく鬼婆の気に入るような言い方をして……。そして、鬼婆がにたりと笑みを浮かべる。 「では詩音。…………ケジメをつけて貰います」 無感情な魅音の声。 「………え? ケジメ……って? ど……どうすれば?」 壁いっぱいに立てかけられた拷問器具。 それを改めて見て、私は震える。 魅音は園崎組の若いのに視線で指示を送る。 「あ……………の?」 漆黒のスーツを着た彼は、無表情な顔で私に近付いてくる。 「失礼します」 「え? ……ちょっとっ!?」 手荒く彼に腕を掴まれ、その強い力に抗することも出来ず、私は無理矢理後ろ手にされた。 そして、ガチャリとした金属音と腕に冷たい感触……。 手錠を嵌められたのだと、理解する。 思わず、どういうことかと私の体が震える。 その直後、魅音が私の疑問に答えてきた。 “彼らによる辱めをもって、それぞれのケジメとします。……園崎詩音。あなたの体を使い、その彼を含めた三人に絶頂を与えなさい” 三人。……葛西に善郎おじさんに悟史君。妥当な……数字。しかし……。 「な…………何よそれっ!? 冗談にしても質悪すぎますよっ!! ふざけないでっ!! そんなの、出来るわけ無いじゃないっ!! ちょっと……やめ、あんたら。本気なの?」 けれど、理解してしまう。 客席にいる者共はみんな……本気だ。 私という生け贄を舌なめずりするような視線で嬲る。 その絡み付くような視線に、私は喩えようもない悪寒を覚える。汚物で満たしたプールに入れと言われてもこうはいかないかも知れない。 「うぐっ!?」 私は不意に、後ろの男から背後に倒される。前に突き倒さなかったのは彼なりの気遣いのつもりかも知れないが、そんなことされても何の救いにもならない。 ゆっくりと、むしろ優しく、彼は私を石畳の上に横たえた。 「や……やだ……やだ。こんなのやだ。許して……だって私まだ……だって、こんなのって――」 芋虫のように体をくねらせながら私は喚く。 そんな私を魅音が冷たい瞳で見下ろしてくる。 「詩音。……それがどういう意味か分かってて言ってるんだよね?」 それは、魅音からの最後通告。 私は、押し黙ることしか出来ない。 嗚咽が漏れる。 …………抵抗を止めた私の態度を観念したのだと判断したのだろう。魅音が私の脇に近付いてくる。 実際、私は観念した。 魅音が私の横に座り、私のスカートに手を掛ける。 スカートが下っていき、私の太股と下着が露出する。 それだけで私の顔は羞恥に赤くなる。 やがて……スカートが私の脚から完全に脱がされた。 「う……くっ」 歯を食いしばって、泣き叫びたいのを……これ以上泣き叫ぶのを抑える。 魅音は無言のまま、躊躇うことなく、次の作業――私の下着を脱がしにかかる。 思わず私は顔を背け、目を瞑る。けれど、柔らかな布地が私の秘部から離れ、その代わりに私の秘部が外気に触れる感覚は、誤魔化しようがない。 思わず脚に力を込め、腿と腿を密着させて抵抗するが、無駄な話だった。膝のところで、固く閉じているので、魅音はそこで脱がすのを諦めたけれど。 涙が止まらない。 「ひゃうっ!? くっ……んんっ?」 不意に、秘部に生温い感触が押し当てられる。 「何……してるの魅音?」 閉じていた目をそちらに向けると、魅音が私の股に手を差し込んでいた。 それだけじゃない。粘っこい……ローションを擦り付けるように、私の秘部を愛撫し、揉みほぐしてくる。 小声で魅音が答えてくる。 「いくら何でも、いきなりは詩音だって無理でしょ。…………だから……」 だから、準備をしているというのか……。 そんなの……嫌なのに……。 「んっ!! んんんんっ!! くぅっ……んっ」 けれど、双子故に魅音の弱いところが私の弱いところでもあるのか……まるで私を知り尽くしているかのように、私の性感を巧みに刺激してくる。 秘肉の縁を柔らかく撫でながら、秘芯を指でこね回す。丹念に……執拗に。 敏感な部分を刺激され続け、感情とは裏腹に、秘部に血流が……神経が集中し、高ぶってくる。 「はぁっ……あっ……あぁん」 感じるものか……感じるものか。 そう何度も頭の中で繰り返すのに、私の口から、誰にも聞かせたことのない牝の声が漏れる。 嘘だ。こんなのって……嘘だ。 感じてなんかいない。こんなので、感じるわけがない。こんなの、ただの刺激じゃないか……。 「あぅっ……くぅっ……ん」 けれど、痺れるような甘い感覚をどれだけ排除しようとしても……。 「……どうやら、準備はいいようですね」 魅音が静かに男に告げる。 私はそれを聞いて、首を横に振る。 けれど、彼らは止まらない。 魅音が私の股から手を抜く。そして、私の元から離れていった。 かちゃかちゃと男がベルトを外す音が頭の上から降り注ぐ。 私は目を瞑ったまま、それを聞くことしか出来ない。 「ひぅっ!?」 私の体の上に、男の気配が近付く。 そして……私の下腹部の上に、熱くて固い感触が触れる。 「やっ……あっ……ああ……」 とてもじゃないけれど、目を開けて直視する度胸は無い。けれど、彼が何をやっているのか、否応なしに理解してしまう。 私の股と股の間に、男のものが入り込んでくる。私の秘肉の下をなぞるように、固い感触が出入りする。 「……それでは、いきます。初めてでしたら、力を抜かれた方がよろしいかと思われます」 私はそんな忠告に耳を貸す余裕もなく、歯を食いしばる。 でもそんな私の行動も彼にとっては分かり切っていたことだったのだろう。 彼は一旦私の股から彼のものを抜き、そして無遠慮に私の脚を抱きかかえ……そして、私の秘部の中を犯してきた。 「あくっ!? うぐっ…………うぅぅうぅっっ!」 それまで、何ものも侵入したことのない部分に何かが入って来るという未知の感覚に、私は身悶えする。 異物感。熱くて固くて節くれ立った男のものが、一気に私の中の奥へと突き進んでいく。 (悟史君……悟史君……悟史君……悟史君……) 私は何度も悟史君の名前を呼ぶ。 意味が無いと分かっていても、それで悟史君がここに現れて、彼らから私を救ってくれるなんて……そんな都合のいいことがあるわけ無いって分かっていても……。 「ひぐっ……うぐっ……うあああぁっ」 もう、私は初めてを悟史君と……という機会は、永遠に失ってしまった。 それに……。 (痛い……。痛いよ。お願いだから、そんなに激しくしないで) けれど、その声が上手く口に出せない。 私の太股に、彼の腰が打ち据えられる乾いた音が聞こえる。 ぐちゅぐちゅと、自分の秘部からとは信じられないほどに淫猥な水音が聞こえてくる。 異物を吐き出そうとするのか、私の秘部が男のものを締め上げ、そしてその分、濃密にその質感や形状を脳裏に伝えてくる。 「はぁっ……はぁっ……あぁぁっ……あぅん……」 そんな気は全く無いのに、私の声から萌える喘ぎ声に、甘い……男が好きそうな色が混じってくる。 「はっ……あっ……くうっ」 私を犯す男の方も、限界なのか微かに呻き声を漏らす。 畜生……このド変態が……。あんたも殺す。絶対に殺す。いつか絶対に八つ裂きにしてやる。 「はぁ……はぁ、はぁ……はぁ……はぁっ……」 不意に、男は私の中から自分のものを抜いた。 「はっ……あああぁぁぁぁ~~っ」 そして、苦悶とも快楽とも付かない呻き声をあげる。 ……どうやら、達したらしい。 「これで、まずは一人目ですね」 いつの間にか、再び私の側に寄ってきた魅音の声が、すぐ隣から聞こえてくる。 私は、泣き疲れてそれに反応することも出来ない。 「では、次の相手をして貰いましょうか」 嘘……? まだやるの? もう、私……あのね? 魅音、痛かったんだよ? これ、本当に痛かったんだよ? それだけじゃなくて……あのね? とてもみじめで、悲しくて……嫌なんだよ? だから……魅音。 精一杯の媚びを含んで、魅音を見上げる。 けれど、私を見下ろす魅音の目は、とても冷たくて……。 「嫌あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! もう嫌ああああああぁぁぁぁぁぁっ!! お願いだからもう許してえええぇぇぇぇっ!! これ以上、私を汚さないでえええぇぇぇ~~っ!!」 それまで、どこかで我慢していたものが……私の心が何度目かの暴発を繰り返す。 そして、石畳に響くまた別の足音。私に近付く男のもの……。 「お願い。お願いだから近付かないでっ!! もう嫌っ!! 嫌あああぁぁぁぁ~~っ!!」 体をよじらせて、逃げだそうとするけれど、無駄な話だった。 それから私は目隠しをされ、猿ぐつわをされた。 二度目は後ろから犬のように犯され、三度目は下から突き上げるような格好で犯された。 それから私は、家に帰されてから……泣いた。それから数日間はずっとベッドの中に潜り込んでいた。 しかも、悪い事というのは続くものだ。 その数日後、悟史君が突然いなくなってしまった。 (どうして……どうして、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてっ!!) 私は荒れた。 ううん、荒れ狂ったのは心の中だけ。実際にはそんな……暴れ回る気力すら無かった。 大石、そして鷹野さんから悟史君や雛見沢についての話を聞いて……でも空っぽな私の心は、何一つとして晴れなかった。 部屋の中で虚空を見詰めていると、不意にドアから鍵をいじる音が聞こえてきた。 「葛西なの? ……大丈夫。鍵は開いてますよ」 最初は葛西にすら男の……そんなものに怯えてしまったけど、今はもう大丈夫だ。 「葛西さんじゃないよ。詩音」 え? この声? 「…………入るよ? いい?」 「……うん」 扉を開けて、姿を現したのは……お姉だった。おずおずとした作り笑いを浮かべながら、手にはどこかで買ったケーキの箱を持っている。 その姿を見て……魅音の媚びるような目を見て、私の心が凍る。必死に取り繕っていた平常心がひび割れて、砕けた。 ううん、違う。鬼が目覚める。 恐らく、ここに来たのはこの前のことを謝るためだろう。馬鹿な奴だ。世の中にはどれだけ謝罪の言葉を伝えても償えない相手……許さない相手がいるというのに、謝れば許して貰えると甘いことを考えている。 「いらっしゃい。魅音」 自分でも信じられないくらいに優しい口調で魅音を招き入れる。 「うん」 そして、疑うこともなく、微笑みながら魅音が部屋の中に入ってくる。 ……仕方ないよね? ここは鬼の住処で、私は鬼だもの。そんなところにのこのことやってくるあんたが悪い。 さて……どうやってケジメを付けさせてやろうか? 私は陰惨なイメージを次々と思い浮かべ、柔らかい微笑みを顔に貼り付けながら、心の底で舌なめずりする。 あはっ……はは、あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。 ―END―
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ある日、時を止める能力に目覚めた圭一。 そして当然の事ながら、若い健康な男子として、至極有り体にこの能力の悪用方法を考え付いた。 詩音「あれ? 一体なんの用事ですか圭ちゃん」 魅音「しかもなにそのラジカセ?」 圭一「ん? いや、なんでもねえよ」 そこで圭一はラジカセのスイッチを押した。 すると、曲が流れ出すのと同時に時間が止まった。 フカーイーナゲーキーノーモーリー 圭一「フハハ! 動けるぞ! 止まった時の空間を俺だけが自由に動くことができる!」 魅音と詩音は目の前でまばたきもせずに硬直している。 圭一は恐る恐るながら魅音の胸の先を突っついた。 そして、全く反応が無いことを確認して、今度はがしっとわしづかみにした。 圭一「うおお! 柔らけー! 父ちゃん、俺は今猛烈に感動しているぜー!!!」 次第にだんだん調子に乗り出した。 なんと圭一は魅音と詩音の胸をサンドイッチ状にくっ付けて、そこに自分の大きくなったかぁいいブツを擦り付けていた。 圭一「ハア……ハア……最高だぜ……」 しかし圭一は痴漢行為に夢中になるあまり、大変なことに気づいていなかった。 時間停止からすでに数分が経過し、流していた曲がもうすぐ終わりそうになっていたのだった。 ヒグラシノーナークー 圭一「うっ、やべっ……出るっ!」 詩音「おや?」 魅音「あれ?」 ドピュッ! ドピュッ! 圭一「あ…………」 しばしの硬直と沈黙、そして。 詩音&魅音「…………し……死ねえええええ!!!!!!」 直後、スタンガンのスパーク音と金づちでクギを打ち込む音が響き渡った。 圭一は命に別状こそ無かったものの、体のある大切な部分に全治2ヶ月の重傷を負った。 完
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亀田×(ムース・タルト・シュー)×魅音。 亀田がエンジェルモート制服の魅音にケーキを乗せて食します。 エロ行為は少なめですが、作者の判断では要年齢制限。 終盤ラブラブ展開なので、他カップリング派の方は回避してください。 結局のところ、魅音は詩音に甘かった。 風邪を引いているというのに、少年野球チームのマネージャーをしに行くといって きかない詩音の代わりに、魅音はベンチで記録付けをやっている。 なぜか隣には亀田がいた。 「んー、6-7でうちの勝ちっすね。」 「いやー、6-6で引き分けでしょ?」 本当は6-5で雛見沢ファイターズの勝ちだと言いたかった魅音だが、現在の試合の 流れからは引き分けが濃厚だった。 「いくらなんでも、タイタンズの逆転勝利はないでしょ。」 大抵のことなら、魅音は人並み以上に器用にこなせる。 日頃たいして野球に興味のない彼女ではあったが、試合の流れはほぼ掴めているつもりだった。 亀田が、どこか優越感を含んだ笑みを浮かべる。 「魅音さん、今日は臨時でしょう? メンバーの実力が掴み切れてない。」 「はぁ? それを言うならあんただって、毎回タイタンズを見に来てる訳じゃないでしょ。」 「まあ、俺はシロートじゃありませんから。」 かちんときた。 「…へぇ、言ってくれるじゃない。」 不敵な笑みに、亀田は鼻先で笑って返す。 「言ってくれてるのは、魅音さんの方じゃ? 左腕の亀田を舐めてもらっちゃ困ります。」 「ふーん? …賭ける? 引き分けだったら、高校で一日、語尾に『だにゃー』を付けること。」 ぷちぷちとニキビの浮いた体格の良い男子高校生が、語尾に『だにゃー』。 えもいわれぬ破壊力のある絵面だった。 「いいっすよ?」 亀田はあっさりと了承する。 「じゃあ、俺の読みが当たってたら…モート服でケーキ皿になってください。」 「…はいっ!?」 魅音は声をひっくり返らせて、亀田の方を向いた。 「…くっ、ははは。」 亀田はおかしそうに笑い始めた。 「いやー、Kの言う通りっすね?」 にやにやと笑いながら魅音を見下ろす。 「強気に見えて、その実、メンバーで一番逆境に弱い。って。」 魅音の顔がどんどん赤くなる。 (か、からかわれた…?) 正に『こんな奴に…くやしいっ!』という心境だ。 「何の話? おじさん、別に、動揺とかしてないけど?」 頬から赤みが抜けていないことに気付かず、余裕のある口ぶりを装っている。 そんな魅音の態度に亀田の笑いが納まるはずはなく、彼は腹を抱えて肩を震わせた。 「…いーよ、お皿でしょ? ケーキでもプリンでも盛りつけてやろうじゃないの。」 意地になった小学生のような口調に、亀田が少々笑いを引っ込める。 「いや、いいっすよ? そうだなー、俺が勝ったら、魅音さんも語尾に…。」 「ケーキ皿で結構!」 代案を出そうとした亀田を、魅音がやけっぱちに拒絶した。 試合は魅音の読み通りに進んだ。 終盤にさしかかった段階で、スコアボードは6-5。 「あ、一応聞いとくけど、このまま終わったら、罰ゲームはお流れでいいよね?」 「っすね。まあ、こっちが勝ちますけど。」 「にゃーにゃー言わせるの、すっごく楽しみー。」 「皿になってもらうのは、流石に気が引けるんすけどねー。」 次が最後の一球。 打席に立ったタイタンズ選手は真剣な顔でピッチャーを睨んでいる。 (ホームランはない。ヒットがそれて、キャッチ、ランナーが一人滑り込み) カン! 魅音の眼前で、彼女が予想した通りの光景が展開された。 ファイターズ選手が、その身体能力を活かした早さで走り込み、球を捕らえ…。 (嘘!) 投げようとして取り落とした。 慌てて拾い上げ送球したが、タイタンズの選手がホームを踏むのには間に合わない。 「あの5番の投げ込み練習が足りてないのに…気付いてなかったんすね。」 落とすとまでは予想しなかったけど、と亀田が呟く。 「ファイターズは、技術より身体能力で乗り切ってますからね。選手の癖を掴んだら、あとは…。」 「日曜は?」 「…はい?」 「次の日曜、私の家でいい? ケーキはあんたが用意して。」 魅音はまっすぐに前を見つめたまま、亀田を見ようともしなかった。 耳まで真っ赤で、そんなに恥ずかしいのなら断ればいいのに、と彼は思った。 部活外の事とはいえ、一度決めた罰ゲームを覆すのは魅音の呻吟が許さない。 (た、たかがお皿じゃない。有田焼にできることが、私にできないっていうの!?) 女体盛り、という単語が頭をかすめた。 ぼふっと頭から煙が出た…ような気がした。 (だ、だ、だ、大丈夫。さいわい婆っちゃは出かけてるし、目撃される危険は…) 広い家に二人きり、という言葉が頭をかすめた。 (い、いや、いくらなんでも興宮の人間が園崎家で狼藉は…) …念のため、詩音を呼ぼうか? 考えたところでチャイムが鳴った。 タイムアップ。 (…確かに、私って逆境では頭の働かなくなるタイプなのかも) 抵抗感を振り払うように、魅音は勢いよく玄関に向かった。 「…。」 ケーキの箱を手に、亀田は呆然としていた。 「い、いらっしゃい…。」 エンジェルモートの制服に身を包み、頬を染めてうつむいている魅音に…。 「って、そんな格好で出てくるもんじゃないっす!」 挙動不審にあたりを見回し、逃げ込むように魅音の背を押した。 「な、なんでもう着替えてるんすか?」 「え? だ、だって、来てから待たせるのも悪いかなって。」 「そんなところに気を回さないで欲しいっす!」 この服装を指定したのは亀田なのに、と釈然としないものを感じながら、 魅音は彼を客間に案内した。 エンジェルモートの制服は、きわどいデザインの割には肌の露出は少ない。 胸元から肩、背中上部、スカートとニーソックスの隙間、あとは手首から先ぐらいだ。 うつぶせにして背中に乗せるか、いっそ両手で受けてもらってお茶を濁すか。 亀田が考えていると、魅音がウエットペーパーで胸元を拭き始めた。 プラスチックの容器には大きく『除菌』と書いてある。 思考が停止する、という感覚を亀田は生まれて初めて理解した気がした。 胸元を拭き終わった魅音は、卓に上体を横たえた。 「ど、どうぞ。」 …胸元を皿にしろ、という意思表示だろう。 (いやいやいやいやいやなんで普通にそこなんすか!?) 亀田は雛見沢分校の罰ゲームの熾烈さを甘くみていた。 スクール水着で下校。犬耳首輪付きで商店街までお買い物。そういったことが ごくごく標準的に行われている中で『皿になれ』と言われて、手を差し出して 終わらせよう、などと考えるはずがなかった。 「…あの、早くすませて欲しいんだけど。」 魅音が両目をぎゅっと閉じて、恥ずかしそうに訴える。 「え? あ、はい…。」 どうしてこんなことになってしまったのだろう? 亀田は、なんだか自分の方が羞恥系の罰ゲームを受けている気分だった。 「…あの、タルトとムースとシューがあるんですが、どれに?」 「そ、そんなの自分で決めてよ!」 緊張からか、魅音は叫ぶように言った。 そして、小さくうめいてから、ささやくように続ける。 「…でも、柔らかいのにしてくれると、嬉しい。」 亀田はケーキ箱の中を凝視し、チョコレートのムースケーキを選択した。 小さな丸形にふわふわのスポンジケーキを敷き、こっくりとした茶色のムースを 流しこんで固めたケーキだ。薄いハート型のチョコレートが飾ってある。 それは、言ってみれば、魔性のゴスロリ少女。 触れれば壊れてしまいそうな繊細さで、その実、男を虜にして放さない濃厚さを持っている。 亀田はケーキからフィルムとホイルをはがし、魅音の胸元に置いた。 「んっ!」 魅音は小さく震え、うっすらと目を開けて置かれた物を確認した。 呼吸に上下する胸の動きに合わせて、ムースケーキがふるふると揺れる。 亀田は眼前の光景に、電撃に打たれたような衝撃を受けていた。 「少女 on the 少女…。」 感嘆の声が口をつく。 理解した。 自分は野球のエースになるために生まれてきたのではなかった。 少女に少女を乗せるために生まれてきたのだ。 時間よ止まれ、お前は美しい。 亀田の恍惚の時間は、他ならぬ少女の声によって破られた。 「…あの、食べないの?」 「た、食べ、食べても?」 「…なんで疑問系? 早く、食べちゃってよぉ…。」 懇願するような声音に、亀田の脳髄を衝撃が駆け抜ける。 早く少女を食べてしまえと、少女が急かしている。 某フリーカメラマン並に清らかな体を保有している彼にとっては、もはや禁断の領域だった。 「…い、いただきます。」 スプーンを取り、魅音の肌を傷つけないように注意しながらゴスロリ少女に差し入れる。 すくい取った物を、そっと口に運んだ。 亀田の口中でゴスロリ少女が溶けた。深い苦みと、それを補ってあまりある、重みを 感じさせるまでの甘さ。息苦しいほどのカカオの芳香が亀田を蹂躙する。 『…ねえ、あたしって美味しいでしょ?』 否定の言葉が返る可能性を微塵も考えていない、傲慢なまでの自信。 彼女の味は、それを許すだけの力を持っていた。 彼女に誘われるまま、亀田は大胆にスプーンを進めた。 「ん…。」 バランスの崩れたケーキが、ぺちゃり、と胸の上に倒れ込む。 「ひゃん!」 冷たく濡れたムースの感触に、魅音が悲鳴を上げた。 魅音の上に倒れたゴスロリ少女は、体温にとろけて肌の上を流れ始めた。 「ふぁ…やぁ。」 流れる感触に、魅音はくすぐったそうに身をよじる。 倒錯的な光景に、亀田は感動すら覚えた。 魅音を汚していくゴスロリ少女、それを今から汚す自分。 (俺、生まれてきて良かったっす!!!) 欲望に身を任せて、亀田はチョコレートムースケーキを完食した。 ほう、と安堵のため息をついた魅音の胸元に、亀田が口を付けた。 「え? ええええええ!?」 ぴちゃぴちゃと無心に、彼の舌がチョコレートムースの流れた跡をたどっていく。 「…あ、あのさ、お皿を舐めるのは行儀悪いんじゃないかなって、んん、ん…。」 先ほどのムースとは違う、熱くぬめる感触。 男の顔が間近にあり肌を舐められる、という初めての状況に、魅音はパニック寸前だ。 「大丈夫、誰も見てないっす。…お代わりしても?」 「…い、いよ。」 部長として、ここは立派に皿を勤め上げようと思った。 (平常心、へーじょーしん!) 心の中で繰り返す。 (私は有田焼! 備前焼! 美濃焼!) 亀田はバナナクリームタルトを取り出した。 大きな丸いタルト型で焼いた台に生のスライスバナナとクリームを詰め、六等分に 切り分けた形状をしている。 それは、言ってみれば、カナダの片田舎の牧場で育った純朴な少女。 バナナの断面の点々はさながら少女が気にしているソバカスのようで、控えめな ホイップクリームの縁取りは、お下げに結んだ白リボンのようだ。 丸いタルトを放射状に六等分すると、その先端角度は60度である。 60度。 それは、計算し尽くされた角度といってもいい。 「ん…。」 タルトの先端角は、魅音の胸の谷間にぴったりと納まった。 (…It s、パーフェクト!) はじめからそこに存在していたかのように、魅音とタルトは見事に調和していた。 角度60度の奇跡。 亀田は震える手で、スプーンを掴んだ。 バターの香るクッキー生地。バナナの甘さはどこか気弱なところがあり、融和すべき クリームもまた、初雪のように儚い口溶けだった。 バナナの香りとクリームのミルク香が、少女のあどけなさを際立たせる。 『…あの、わたしで満足できますか?』 そうであればいい、と願うような、どこまでも自信のない態度。 自分の持つ魅力に気付いてすらいない、そんな彼女が愛おしい。 「ん、ぅう。」 しっとりと湿ったクッキー生地と、スプーンの冷たい感触に魅音は翻弄された。 (え? なんで、私、たかがケーキに…) タルトの乗せられている箇所に意識が集中する。 もう、タルトのことしか考えられない。 「あ…さくって、してる…。」 「この店のタルトは最高なんすよ。」 口元に付いたクリームを拭おうともせず、亀田が答えた。 彼はタルトの陵辱が終わると、クッキー生地の欠片が落ちたままの胸元に シュークリームを乗せた。 柔らかな感触に、魅音が切なげなため息をつく。 シュークリームは、言ってみれば…。 亀田は、そこに少女の姿を見いだすことができなかった。 シュークリームは少女ではない…これは、神の食べ物だ。 天恵のごとく、彼は理解した。 …あるいはどこからか、毒電波が飛んできたのかもしれない。 完成されたフォルム、内包するクリームの重さを感じさせない軽やかなシュー皮の質感。 振りかけられた粉砂糖の白は、神聖さの象徴だ。 店頭では何の変哲もなかったシュークリームが、雛見沢に来る事によって聖別された。 亀田の喉がごくりと鳴った。 これはもはや神域だった。 神域を、侵す。 恐怖と興奮に、亀田は震えた。 魅音が潤んだ目で彼を見上げる。 彼女は何も言わなかった。けれど亀田には、彼女の望んでいることが分かった。 その手にしたスプーンで、脆いシュー皮を突き破れと。 限界まで張り詰めているカスタードを、胸元にぶちまけろと。 ほとんど命令するような切実さで懇願していた。 応えるように、亀田のスプーンが閃く。 「ああっ!」 切り裂かれたシュー皮から、一呼吸遅れてカスタードがあふれ出た。 「ひゃ、あ、つめたぁ…。」 流れる速度はムースの比ではない。 とろとろと肌を覆われる感覚に魅音が喘ぐ。 スプーンでカスタードをすくっていては、到底間に合わない早さだ。 二口目で、亀田はスプーンを捨てた。 胸の上に覆いかぶさり、シュークリームに口をつける。 カスタードをすするじゅるじゅるという音に、魅音は顔を赤くした。 「は、あう…、やあ。」 シュークリーム越しの口の動きに、びくりと反応してしまう。 中身をすすり終えると、亀田はシュー皮をくわえた。 シュー皮が引っ張られて、カスタード越しに肌の上を擦る。 「あ! ふぅ、ん…。」 シュー皮を完食すると、亀田は魅音の肌の上のカスタードを舐め始めた。 魅音は手を口に押し当てて、声を殺そうとしている。 「ん…んん。」 亀田はカスタードの広がった範囲にくまなく舌を這わせた。 胸の上のから鎖骨のくぼみ、首のあたりまで…。 魅音の肌はどこもきめ細かく柔らかで、マシュマロに似た舌触りだった。 「…ふう、ごちそうさまっした。」 「ふえ? …あ、おそまつさまでした。」 カスタードを舐め終わった亀田は体を起こし、魅音の手を取って卓から下ろさせた。 しばしの沈黙の後、高揚から冷めた二人の顔が赤く染まった。 「お、おそまつさまってのも変だったね私が作ったわけでもないのに…。」 魅音は糖分の残る胸元をウエットペーパーで拭きながら、早口で言った。 「い、いや、結構なお手前で。」 亀田も訳の分からない感想を口走る。 「あ、ゴミは…。」 「捨てとくから、そのへんに置いといて。」 「はい。じゃ、じゃあケーキも食べたんで、これで…。」 「あ、あの!」 魅音の声が、帰ろうとした亀田を引き留めた。 「はい?」 彼女は向こうを向いたままだったが、耳の色から未だ赤面していることは疑いがない。 「…あの、亀田くん、この服…好きなの?」 質問の意図が掴めず、亀田は困惑する。 こんな気恥ずかしい状況下で、好きだと即答するのも気が引けた。 「…嫌いでは、ないっすね。」 「じゃ、じゃあ。…これ着ていったら、また、お皿にしてくれる?」 絞り出すような魅音の言葉に、亀田はノックアウトされた。 <終>
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「おうおうおうっ! やってくれんじゃないのっ! ブチ撒けられてぇかぁぁぁぁっ!!」 だんっ! と床に叩きつけられて、梨花は、こほ、と咳き込んだ。思いつく限りの罵声を口の中で吐きながらも、涙で滲んだ視界の向こうで狂った笑いを浮かべている、園崎魅音――いや、この場合は園崎詩音と言うべきか――を睨みつける。 右手の注射器の頼りない感触に身震いしながらも、梨花は詩音からじりじりと間合いをとった。 手詰まりだった。奇襲が通用しない今となっては、古手梨花と園崎詩音とではスピードもパワーも差がありすぎる。催涙スプレーは突き飛ばされた時にどこかに飛んでいってしまった。 (くそ、こうなったら……) 誰があんたなんかに殺されてやるもんか。 そう胸中で吐き捨てて、梨花は背中に隠した包丁を手に取り、自分の喉元に突きつける。 そうしている間に、すでに詩音は梨花の目の前まで来ていた。 そして詩音は哄笑しながらバチバチと放電するスタンガンを振りかぶり――。 「……あれ?」 そのまま床に転がっていた催涙スプレー缶を踏みつけて、ごっちーん、とひっくり返った。 「……………………」 包丁の切っ先を自らの喉に当てて硬直したまま、梨花は目の前で目を回している詩音を眺めていた。 やがてそろそろと包丁を下ろすと、包丁の背でつんつんと詩音の頬をつついてみる。 ……反応なし。どうやら完全に気絶しているらしい。 とりあえず、梨花は注射器の針を詩音の腕に刺すと、ちゅう、と中の薬剤を注入する。これで、とりあえず詩音の発症の危険は去った。 ほっと肩を脱力しかけて、梨花は慌てて首を振った。自分は園崎家の地下に監禁されている魅音と沙都子を助けなければならないのだ。 園崎魅音として雛見沢をあちこち駆け巡っていたことから、祭具殿の鍵はおそらく常に身に着けているはずだ。そう考えて、梨花は詩音の身を確認しようとした。 だがまだだ、と首を振る。雛見沢症候群の危険はないとはいえ、さっきの状況から考えると目を覚ました詩音が襲い掛かってくる可能性は十分に高い。 梨花は周囲をきょろきょろと見回すと、物干し用のロープで目を止めた。そのままいそいそとロープを持ち出すと、詩音の両手と両足をしっかりと縛る。ロープを結び終えると、梨花はうつ伏せに倒れた詩音の腹に跨ると、ぺたぺたと詩音の上半身を調べ始める。 上着のポケットを裏返し、ジーンズの尻ポケットにごそごそと手を突っ込んでみるが、 (……ないわね) 芳しくない結果に、ふむと梨花は腕組みした。後ろにないとなると、 (やっぱり、前にあるのね) 頷いて、梨花は詩音の身体を仰向けにひっくり返し、再び馬乗りになる。 ふと、梨花はきょろきょろと辺りを見回した。周囲には誰もいない。 無論、そんなことなどわかりきっているが、そこはそれ、儀礼的なものに理由などないのだ。 そのまま、モデルガンのホルスター、ジーンズなども確認してみるが、やはりそれらしきものは見当たらない。 (……おかしいわね) 苛立ちに、梨花は眉根を寄せる。何処だ、何処にある? まだ魅音と沙都子をいたぶる必要があった以上、飲み込んでいるなどということはないはずだ。ならば何処に――。 苛立ちは焦燥へと変わり、せわしなく視線が動き回った。 と。 そこで、梨花は二つの場所で視線を止めた。 即ち――詩音の、胸と、股間に。 たしか、尻の中に針金を隠して脱獄した脱獄犯というのを以前にTVでやっていた。ならば、詩音がそんな場所に隠しているということは十二分にあり得る。 なにせ穴は二つあるから可能性は単純計算で二倍だ。 梨花は詩音の奇抜な発想に驚愕し、そしてそれを見破った自分の閃きに感謝する。 (待っていて、沙都子、魅音。すぐにこの拷問狂の手から救い出してあげるから) 新たに決心しながら魅音の服に手をかける。上か下かどちらからやるか迷ったが、ライブ感を出すために上から剥いていくことにした。 ふと、梨花は自分の状況を確認してみる。両手両足を縛られて気絶した女に跨って、それにぺたぺた触れながらひん剥こうとしている幼女。 (どう見ても、身体に隠したものを探っているようにしか見えないわね) 力強く頷いて、梨花は、ぱん、と自分の頬を張って気合を入れた。 続いて、自分の目前で静かにいただきますと合掌すると――。 がばちょ、と詩音のTシャツをまくり上げた。 「おおっ」 始めに見えたのは黒い花。 鎖骨の辺りまでまくり上げると、黒いブラに半分包まれた詩音の豊かな乳房が顔を出した。 さて、と梨花は再び腕を組んで考えた。 やあスカリー。詩音ちゃんの胸に隠すとなると、どこら辺が一番怪しいと思うかな? やっぱり胸に隠すとなると基本は胸の谷間だと思うわ、モルダー。 脳内会議で出した結論に、完璧ね、と梨花は会心の笑みを浮かべる。なくても下を探せばいいだけだし。 そうと決まれば、と詩音の胸にシフトするために跨りながら体を前にずらす梨花。 しかし、そこではて、と首を傾げる。 (……これ、どうやって外すのかしら) ぼんやりと母がつけ外ししているのを見た記憶はあっても、具体的にどうやっていたのかまでは思い出せない。 がくり、と梨花は膝をついた。またもや自分は間に合わず、沙都子も魅音も救えず、そして再び六月は回り続けるというのか。 (ごめんなさい、沙都子。ごめんなさい、魅音。……そしてごめんなさい、お母さん) こんなことなら穴の開くほどじっくりきっちりむっちり確認しとくんだったよ畜生くそう、と続けて、梨花は意気消沈した視線を下に落とし――。 その目が、驚愕に見開かれた。 そこにあったのは、さっきの包丁。 梨花は包丁を掲げながら、この素晴らしき偶然を神に感謝した。 しかし、あぅあぅと威張るナマモノを連想したらなんだか腹が立ってきたので、懐にしまっているおしおき用銀紙をがむがむと噛んでおく。 ぎゃああ、という悲鳴が何処かから聞こえてきたが気にしない。 閑話休題。 包丁を構えると、梨花は詩音の胸の間にその切っ先を当てた。傷をつけてしまうといろいろと商品価値とか落ちるので、ブラを切るのには慎重の上に慎重を期することにする。 キコキコと包丁を前後にスライドさせるのに呼応して、ぷちぷちと繊維が切れる小気味よい音に、ふふふ、と梨花は思わず含み笑いを漏らした。 いやあくまで音にだってば。 そんなこんなの内に最後の一本までナイロンがぷつりと切れ、梨花はわきわきとした手つきで双丘のてっぺんの黒帽子をつまみ取る。 「おおー!」 ぽよぽよと重たげに揺れる乳房に梨花は思わず歓声をあげた。 ブラを外すという、たったそれだけのことでこんなにも揺れるものなのか、おっぱいは。 感心しながらも、梨花は当初の目的のである胸の谷間を確認しようと、がっちりと乳房を両手で握った。 掌からは、弾力と柔らかさがブレンドされた心地よい感覚を返ってくる。指の間からは、乳肉が窮屈そうにはみ出ていた。 そのまま指で先端をつまむと、ぐい、と左右に開く。 「……え?」 梨花は呆然と声を上げる。ない。鍵どころか、はさんだ痕さえ残っていなかった。 (くっ、ならばやはり下の方だというの?) まさかそんなところに隠すなんて。 戦々恐々としながらも、梨花はズボンの方に手をかけようとした。 だが、と思い留まる。そして一つの考えが浮かんだ。 (……この胸が、偽者である可能性) いえ、まさか。とその考えを切り捨てたくなる。つーかそろそろ詩音ファンに刺されそうだし。 しかし、可能性のある以上はそれを一笑に付して却下するわけにはいかない。コマンド総当りはAVGの基本なのだ。 梨花は上半身の方に重心を移し、再び乳房をぎゅむ、と握る。やわらかい感触。対して自分の胸を見下ろしてみる。 すとーん。 まさに断崖絶壁。マロリーも「そこに崖があったから」とか言って登頂をあきらめそうなくらいの絶壁ぶりだ。さすがに大石のような三段オリーブ園ほどではないにしても。 なんだか、無性に腹が立ってきた。 もみゅもみゅもみゅ。 一心不乱に詩音の胸を揉み倒す梨花。親の敵でも見るかのように目尻を吊り上げて、こやつめっ、こやつめっ、と強く握っては緩める。 くそう、こやつのおっぱいは何が入っているというのだ。やはり夢か? 夢が詰まってるのか? と、何かに気づいたように梨花はぴたりと手を止めた。 ぱ、と手を離すと、乳房の先端部がぴんと自己主張しているのが見える。それに梨花はニヤリと邪悪な笑みを漏らすと、ちゅうう、と乳首に吸い付いた。 「……くぅ、ふぁぁ……」 瞳を閉じたままの詩音が、梨花の愛撫に反応して悩ましげな吐息を漏らす。だが、梨花がちゅぽんと乳首を口内から引き抜くとまたすぐに鳴きやんでしまう。その反応が面白く、詩音の乳首がピンク色に上気するまで、くすくすと笑いながら梨花は詩音の胸をいじり回していた。 「よし、次ね! 下よ下、とにかく下!」 さすがに自ら隠語をべらべらと垂れる度胸はない。兎にも角にも、詩音が股の穴に以下略という無視できない可能性を検証するためだ。 梨花はずるずると詩音のジーンズをパンツごと膝まで下げると、うっすらと若葉色の茂みが生えている泉に指を這わせる。 「んぅっ!」 「ふふふ、やっぱり啼いたわね。となるとやはりここに隠していたわけね」 くっくっく、と悪の女幹部のような口調でつぶやくと、梨花はぴっちりと閉じている詩音の秘部を観察する。穴としては尿道、ヴァギナ、アナルの三つだが、さすがに尿道に鍵を隠すのは無理だろうということで外すことにした。 とまれ、穴の中に隠してあるなら直接手で確かめるべきだろう。何のかんのと回りくどく調べるより、そうした方が遥かに手っ取り早い。そういうことだ、じゃあ入れようか。 決断は早かった。 梨花は、右手の人差し指と中指をぴんと立たせると、ぺろり、と丹念に舐めあげて唾液で湿らせてから、 「……私は鬼を食う者だから(性的な意味で」 勢いよく、詩音の下の穴に二本の指を突っ込んだ。 「うぐぅぅ! んふ、はぅ……」 下半身への衝撃はやはり凄まじいものがあったのか、詩音は大きく声をあげる。 しかし、そんなことはお構いなしに梨花の指は詩音の秘所をぐにぐにと犯す。 指をグラインドさせるたびにぬちゃぬちゃと奏でられる卑猥な音が、詩音の声を余計に妖艶にしていた。 「んぅ、は、ふ、あっ、ああっ、あっ」 「むう、おかしいわね。ここかー? それともあそこなのかー?」 指を挿入し、さらに詩音の恥丘を揉みしだきながら、梨花はノリノリで詩音に言葉責めをする。聞いていないであろうことはわかってはいるが、これもまた気分の問題だ。 しかし、ここにもないとなると後はひとつしかない。 ぬちゃぬちゃと挿入した指を止めることはせず、梨花は詩音の足を前に倒す。すると、自然と詩音の股が全開で見えた。 ビバ消去法。 うふふふふふ、とアヤしい笑みを漏らしながら、もう一方の指をアナルに、そして口をぷっくりとした陰核に近づける。 「シンメトリカルドッキングー!」 下ネタ解禁。 じゅぷ、かりっ。 「くぅ――あぁぁッ……! いぃ、くぁ……!」 新たな方向から突如爆発した快感に、詩音は意識を真っ白にし、びくびくと身を仰け反らして絶頂に震えた。 つーか起きてんじゃねーのかこいつ、という指摘をする者は、幸か不幸か梨花を含めてこの場には存在しない。 そんな事は露知らず、梨花はしばらく詩音の膣にくちゅくちゅと指を出し入れして思う存分楽しんだ後、ふう、と身を起こした。 ごちそうさまでした、と詩音に向かって手を合わせると、ふむう、と腕を組む。 (しかし詩音が身に着けているわけじゃないとなると、どこなのかしら) 絞りこむにしても、精々園崎家の中ということくらいしかわからない。 これはちょっと探すのに時間がかかりそうね、と梨花はため息をつくと、とりあえず手近な居間から取り掛かろうと立ち上がった。 そしてずるべたーん!とすっ転ぶ。 受身すらとれずに顔面を強打し、痛そうに鼻を押さえながら、何なのよもう、と梨花は険のある目で足元を見やり…… そしてそのまま、さあっ、と顔色を蒼白にする―― 自分の足が、ぴんと伸ばしたまま投げ出されている。そこまではいいのだが、足先に、なにか、白い、ものが。 それは、こちらの足をがっちりとホールドしていた。 また、それは詩音の肩先から伸びていた。 とどのつまりは。 梨花の足を、詩音が握っていた。 「お、おおおおお起きていたのですか、詩ぃ」 「ええ。きっちりくっきりきっかりはっきり起きてましたよ、梨花ちゃま」 冷や汗を滝のように流しながらも、詩音に口を開く梨花。とりあえず敵意はなさそうなのでほっと息をつく。 が、それもすぐに打ち破られた。 「ねえ梨花ちゃま」 「みぃ?」 「さっき、いろいろと私の身体を弄繰り回してくれたみたいですねぇ」 ぎくり、と身を震わせる。加えて情欲に濡れた詩音の瞳が、梨花の不安を現在進行形で膨らませていた。 「え、えーと」 「ですから」 一息。 「私もお返しに弄繰り回しちゃっても、構いませんよね……?」 思わず呼吸が停止しそうな台詞に、梨花は硬直した。しかし、同時にずるずると引っ張られていく己の足に身も凍るほどの戦慄が走る。 「み、みぃぃぃぃーー!」 叫びながら、慌てて手近な柱につかまる。梨花と詩音の膂力差を考えると捕まることすらできなくてもおかしくはなかったが、未だ足のロープが解けていないのと絶頂の直後で身体に満足に力が入らないのとで、梨花と詩音の間に拮抗が生まれつつあった。 ぐいぐいと足から胴、胴から腕へと伝わる力に身震いしながらも、柱に絡めた両腕に力を込める。詩音の根が尽きるまで自分の力が持つともあまり思えなかったが、それでも抵抗はしなければならない。 しかし、それも長くは続かなかった。 「みぃっ!」 業を煮やしたのか、梨花の足の裏をちろりと舐めあげる詩音。 思わず手を離してしまい、あっと気づいたときにはすでに柱はこちらの腕の射程外にあった。 「みぃぃぃーー!!」 かりかりと床に爪を立てるが、その程度で何とかなるはずもなく。 程なくして、梨花はうつぶせのまま詩音にすっぽり抱きかかえられる格好となった。 「んん~、やっぱり可愛いですね梨花ちゃまは。髪はつやつやですし肌はすべすべですし、ああ素晴らしき哉幼女補正!」 きゃー、と黄色い声を上げながら、すりすりとこちらの髪やら顔やらを撫で回す詩音を、梨花はどこか諦めたように眺めていた。 とは言え、抵抗らしい抵抗もできないし、詩音の手つきはそれなりに優しくて心地よいのでとりあえず何もしないでおく。やはりなでなでされなれている者は違うということか。 恐るべしにーにー。 (さすがね、悟史) 頬に一筋の汗を垂らしながらも、不敵に笑って、梨花。 (んっ、やっぱり、沙都子ゲットの道程での最大の障害は、くンっ、あなただけか……って) 「……って、どこ触ってるのですか、詩ぃ!」 いつの間にかワンピースの隙間から腕を突っ込んでぴこぴことこちらの乳房を弾いていた(揉むとは言えないのが悲しい)詩音に、慌てて叫ぶ。 「んー? だって言ったじゃないですか、梨花ちゃま」 くすり、と笑みを吐息に変えて零すと、詩音は覆いかぶさったまま、こちらの首筋をぺろりと舐めあげた。 「ひゃう!?」 「――弄り回してあげる、って」 言葉と同時に、乳首をきゅうっ、とつねられ、梨花は仰け反って嬌声を上げる。 「ふふっ……可愛い」 仰け反った拍子にこちらに近づいてきた梨花の頭に首を巡らせ、はむ、と梨花の耳を甘噛みした。 梨花は首を振って逃れようとするが、その動きもどこか弱々しい。 「はむ……ん……ちゅ。ほら、こんなに濡れてます。私が押し倒さなかったら、どうせ後で自分でヤッていたんでしょう?」 ちっちゃくても思春期ですもんねぇ、と淫蕩な笑みを漏らす詩音に、 「あっ……ふ……んんっ。ち、ちが――」 「ふーん。じゃ、確かめてみます?」 「……へ?」 何を、と聞き返す間もなく、詩音はするりと体位を変えると、梨花の下着をするすると剥ぎ取った。足首を縛られているというのに、驚異的な動作のなめらかさである。FPSに直すと85は優に出ていそうなぐらいの快適さだ。 「さてさて、ご開帳~☆」 そのまま、かぱちょと梨花の膝を掴んで股をM字に開く。梨花はと言えば、抵抗を諦めたのかぐったりと脱力していた。 ふんふんと当たる詩音の吐息をもどかしげに感じつつ、スカート越しに詩音の頭をぎろりと睨む。 ええい、もうどうにでもなれだっ。 詩音はといえば、うわー、と感嘆の言葉を漏らすと、 「ふむふむ、梨花ちゃま"も"生えてないんですねー。沙都子とおんなじ」 さわさわとこちらの恥丘を撫でる詩音に、恥ずかしさのあまり梨花はぷい、とうつむき―― 「……って待ちなさい! あんた沙都子に何やったのよ!」 思わず猫かぶりも忘れて、がばと身を起こす。 「何したって言われましても……ナニに決まってるでしょ?」 「きぃぃぃぃっ、この泥棒猫っ! やっぱりでか乳にはロクなのがいないわねっ! もう怒ったわ、あんたみたいなサカッた雌猫なんかこの私にオとされてしまえー!」 「ふっふっふ、上等ですよ梨花ちゃま! 梨花ちゃまのブラックリストにお姉は入ってるのかとかいうツッコミは華麗にスルーしつつ、私は悟史くんと沙都子とお姉さえ手に入れば他は何も要らないんですがそれはそれとして梨花ちゃまも頂いておきましょう!」 ふーっ! と毛を逆立てて威嚇する梨花に、するり、とこれまたあっさりと足首のロープを外して笑みを浮かべる詩音。 ツッコミ禁止。 「百年かけて仕入れたエロ知識なめんなー! かかって来なさいグギャ女!」 「言ってくれるじゃないのっ! イき倒されてぇかぁぁぁぁっ! ぐげげげげげげげ!」 「ん……む。はぁ……ちゅ」 「く……んんっ。ぺろ……ちゅぷ」 ぴちゃぴちゃと淫猥な音を響かせて、二人の少女が絡み合う。お互いの髪が動く度に舞い踊り、まるでのたくる蛇の群れの様だ。 詩音の上半身に被さった梨花が、詩音の乳首を吸い上げる。むにむにと手の中で暴れる乳房をしっかりと握り締めて、すりすりと乳輪を擦りあげた。 梨花の胸の突起を、詩音がついばむ。そのまま唇と歯でコリコリと転がし、もう一方の乳頭をかりかりと爪で引っかいた。 (……んっ。さすがに、はんっ、ヤバいわね。手馴れてそうだとは思ったけど、まさか、んんっ。これほど、とは) (……くっ。こ、子供だと思って、甘く、はんっ、見ちゃいました、ね。ていうか、くンッ、お姉より数段巧いじゃないですか、この子っ) 内心で焦りを覚えながらも、互いを責める手は止まらない。 頭に靄がかかったままさらに肉欲に溺れていき、理性が磨り減っていく。回れば回るほどに堕ちていく、正に快楽地獄だ。 やがてお互いの胸だけでは満足できなくなったのか、二人は体位を変えると、お互いの股間に顔を埋めた。 詩音が、梨花の秘所を舌で撫でる。秘裂をちろちろとねぶり回し、奥まで舌を突き入れる。 梨花が、詩音の淫核を口に含む。赤子のように、一心にちゅうちゅうと吸いたてる。 (ええと……なんだっけ。私、何をしにここへ来たんだっけ) なんだろう。なにか大切なことを忘れてるような。 ぼーっと半ば放心したまま、梨花は詩音が自分のヴァギナを股間にあてがうのを、他人事のように見ていた。 ――くちゅっ。 「「は、あああああああああっ!!」」 お互いの接合部から爆発した快感に、一瞬ならず意識が飛んだ。 はあはあと肩で息をつきながらも、にちゅにちゅとお互いの動きに合わせて形を変える秘裂に、確信を込めて直感する。 (*1) お互いに、それが自らにどれだけの影響を及ぼすか、今の絶頂だけで容易に想像がつく。これ以上は、踏み込んではならない。 だが、しかし。 「はっ、あっあっあっあっ、ああっ!!」 「んんっ、んっんふ、んううううううっ!!」 腰が、身体が、止まらない。お互いに次なる快楽を求めて腰をくねらせ、新たに爆発する甘い感覚に身悶えする。 蜜に惹かれる虫のようだ。皮膚の下でぞわぞわと蠢き、ぞくりと寒気を伴った戦慄と、とろけるほど熱い恍惚とをもたらしてくる。 と、その時、二人の淫核がこりっ、とお互いを弾きあった。 「「あ、ああああああああああああっ!!!」」 落下感にも、浮遊感にも似た絶頂の余韻を味わいながら、梨花の意識はゆっくりと黒く塗りつぶされていった。 ……結局、梨花が当初の目的を思い出したのは、翌朝になってからだった。