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これってどうなのよ? 初期牝馬の血統が途絶えてしまったんだけど・・・ 予期せず血統が途絶えてしまった場合のみ、セリにて1000万(スタート)以下の牝馬を購入して続けることができます。 購入した1000万以下の牝馬に1000万を越える種牡馬の種が付いてたんだけど・・・ セリのスタートが1000万以下であれば種は不問とします。 例えば「サンデーサイレンスの種が付いてたタケノマジック」も「その産駒」もOKです。 枠数の計算はどこから? ランダム抽選枠から数えます。この企画に使った放送枠数を数えます(延長枠は30分で割り算・切り上げ) 攻略サイトを見るのはあり? ダビスタの知識がないと無理ゲーなので禁止はしません。 1000万以下の海外種牡馬はあり? 裏技、パスワードの使用は禁止ですので使えません。 資金のやり繰りの為に馬券を買うのはあり? ありです。 お任せ厩舎の使用はあり? ありです。 初期牝馬吟味は禁止って書いてあるけど、リセットではなく破産させて次に行くのはあり? 故意に破産させて回すのはもちろん禁止です。 可能な限り破産させないような牧場経営をお願いします。 裏技、バグと気付かず使用してしまった・・・ 該当する馬は即引退させてください。繁殖牝馬としても使えません。 裏技を使ってしまったレースでGⅠを制覇した場合はもちろん無効です。 ペナルティ?もちろんです。 万が一データが消えたら・・・ 破産扱いです。 GⅠ3つの内2つ取って破産してしまった・・・ クリア済みGⅠは最大1つまで引継ぎOKです。 残り2つを制覇してください。 破産してしまった場合はどうリスタートすればいいの? 枠数、ペナルティ、制覇GⅠ(1つまで)を全て引き継いでリスタートとなります。
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#weblog 明日は出勤。 ゴールデンウィーク中の納品日、どうなった かなぁ。 変更できたかなぁ。 変更できれば、お休みが1日増えるんだけどな~ ど~かな~ お休み欲しいなぁ~
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「ねぇ、唯せんぱい」 「ん〜?」 「こういう徹夜で切羽詰まった状況の時って、ヘンな気持ちになったりしません?」 「ヘンな気持ちって?」 「えと、その……ムラムラした感じ……ですかね」 「それってつまり、エッチな気持ちって事?」 「まぁ、平たく言ってしまえばそうなりますね」 「う〜ん……私はないかなぁ」 「意外ですね」 「……あずにゃんの中の私って一体どうなってるのかな?」 「まあそれはさておき」 「置いとくんだ」 「私はたまにあるんですよ、ほら定期試験とか受験勉強の時とか割とそんな感じになるので」 「そうゆう時はどうしてたの?」 「そりゃあまぁ、一人で……してましたよ」 「……とんでもないカミングアウトだよ! ……で、今がそんな感じでムラムラしてると」 「はい…………って事で」 「って事で?」 「エッチしません?」 「しません」 「なんで即答なんですか! いつもは先輩の方からしつこい位誘ってくるのに!」 「いつもならそうかもしんないけどさ……あずにゃん、私の今の状況分かってるよね?」 「えと……提出期限を明日に控えたのにまだレポートが終わってなくて徹夜でヒィヒィしてる……ってとこですかね」 「まさにその通りだよ! ついでにあずにゃんだって明後日が提出期限なんだからね!」 「もちろん分かってますよ でもムラムラしちゃうのは仕方ないんですよ 一回スッキリしないとレポートも手につかないんですよ! わかりますよね? だからしましょうよ!」 「私はムラムラしてないんだけど」 「私がしてるんです」 「知らないよ! じゃああずにゃん、一人でしてきていいよ」 「ちょ、恋人がすぐ目の前にいるのに一人でオナニーさせる気ですか? それどんなプレイですか!?」 「プレイじゃないよ! いやだからね、私はレポートでいっぱいいっぱいなんだってば! それともあずにゃんは私が提出出来なくて単位落して凹んでる様を見たいの?」 「そんな事あるわけないじゃないですか!」 「じゃあエッチは我慢してよ〜」 「う〜……ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから」 「無理だってば だいたい私があずにゃんとのエッチをちょっとだけで済ませられると思ってるの?」 「思ってません」 「きっぱり言った!? じゃあ我慢しようね?」 「う〜…………ダメ?」 「う……そんな可愛く上目遣いで見てもダメだよ」 「……わかりました……じゃあ一人でしてもいいですか?」 「まぁそれはしょうがないからねぇ」 「えと、じゃあちょっと恥ずかしいですけど失礼して……」スルッ 「ちょ、ちょ、ちょっとなんでここでパンツ脱ごうとしてるの? ってゆーかここでオナニーする気なの?」 「え、だって先輩が一人でしろって……」 「言ったよ! 言ったけどさ、自分のお部屋でするものかと思うよね普通?」 「唯先輩がいるのにどうして部屋に戻らなきゃいけないんですか?」 「いや、オナニーって普通一人でしない?」 「私のイヤラシイ姿を見て唯先輩が興奮してくれたらそのままエッチにもつれこめるじゃないですか」 「どんだけエッチしたいのさ!?」 「……先輩は私の恋人ですよね?」 「そうだよ?」 「恋人が欲求不満に陥ってるんですよ? それを解消させるのも恋人の務めだと思うんですよ」 「……その恋人が課題で窮地に追い込まれてるのに、さらに追い打ちをかけてくる恋人さんがどこにいるのさ」 「う〜…………」 「終わったらいっぱいしてあげるから、今は我慢しよ?」 「レポート終わるのっていつ頃ですか?」 「う〜ん……このペースだと明け方かなぁ」 「そんなに待てません!」 「いやいや、あずにゃんがしつこくエッチ誘うから全然進んでないんですけど?」 「う……わかりました……」 「うん、いい子いい子」 「じゃあ、キスだけしてください」 「ん、いいよ ちゅ」 「んちゅ……ちゅぷっ」 「ん……んんっ! ぷはっ! こ、こらぁ、舌入れちゃダメだってば」 「すいません、つい」 「確信犯だよね!?」 「えへへっ」 「もぅ! 可愛くしてもダメだからね!」 「私、可愛いですか?」 「あーもぅ、可愛いよ! すっごく可愛い! でもそれとこれとは別だよ!」 「わ、わかりましたよ」 「……」 「……ねぇ先輩?」 「しないよ?」 「違いますよ! いくら私でもそこまでしつこくないです」 「ごめんごめん、で、何かな?」 「気分転換にコンビニでも行きません?」 「ん〜、ちょっと煮詰まって来たからそれもいいかな ちょっとお腹も空いたしね」 「そうですね、晩御飯食べたきりですもんね」 「じゃあいこっか」 「はいっ!」 「おお、外は真っ暗だよ!」 「先輩、あまり声だすと迷惑ですよ」 「っと、そうだったそうだった」 「ったく……でも空気がひんやりしてて気持ちいいですね〜」 「ついこないだまで熱帯夜だったのに、いつのまにかすっかり秋になっちゃってたんだね」 「もう冬も近いですし」 「そうだね〜、寒いから手つないでいこっか」 「はいっ!」 「あずにゃんのお手手あったかい〜」 「さっきまでお部屋に居ましたからね、先輩だってあったかですよ?」 「あったかあったか〜」 「ふふっ、あったか〜」 「ね、先輩」 「なぁに?」 「月が綺麗ですね」 「……え?」 「もぅっ、知らないんですか? 結構有名な言い回しなのに」 「いや知ってるけどさ……でも、今夜は月、出てないんだけど?」 「……そ、そういえばど、どっちのコンビニ行きましょうか?」 「話題の転換に必死だね、あずにゃん……」 「あうう、いいじゃないですか!唯先輩をロマンチックな気分に浸らせたかっただけなのに」 「ありがとね……でも本心は?」 「トキメイテもらって、帰ってベッドインできないかなって」 「……月が綺麗っていう前の方がいい雰囲気だと思ったんだけど?」 「はっ!」 「ともかく、レポート終わらせる事が先決だからね!」 「う〜〜〜」 「はいはい、早くいくよ じゃないと終わんないよ?」 「すぐ行きましょう! ローソンでいいですよね、近いし!」 「あずにゃん、いろんな意味で必死だね〜」 「深夜のコンビニってなんかワクワクするよね〜」 「そうですね、なんか昼とは別のお店って感じがします」 「まずはお菓子かな〜」 「もぅっ、子供っぽいんだから」 「いいも〜ん、お菓子とジュース見てくる〜」 「栄養ドリンクとか買っていきましょうか」 「そだね、ちょっと気合入れなきゃね〜」 「じゃあこの赤マムシドリンクとかいいんじゃないですかね」 「リポD二本……っと」 「ちょっと、スルーしないでくださいよ、地味に堪えるじゃないですか」 「はいはい、ふざけてると置いてくよ?」 「わ、わかりました じゃあこれとこれでいいですよ」 「あ、お財布持ってくるのわすれた!」 「仕方ないですね、ここは立て替えておきますよ」 「ご、ごめんねあずにゃん、戻ったらすぐ返すから」 「いいですよ、たまにはおごらせてくださいよ」 「そんな悪いよ〜」 「もぅ、私たち恋人なんですよ? お財布だって共通でいいじゃないですか」 「ありがとぉ、それってなんか嬉しいね」 「その代わりと言ってはなんですけど」 「へ?」 「戻ったら一回してくださいね」 「さっきの感動を返してよ!」 「冗談ですよ、先輩ったら真に受けちゃって」 「……目が本気だった気がしたけどね」 「あはは、さ、さあ帰りますよ、先輩!」 「もぅ……」 「ただいま〜」 「ただいまです」 「あ〜、お部屋の中あったかいね〜」 「ですねぇ……じゃあさっそく……」 「あずにゃん……なんで服を脱ごうとしてるのかなぁ?」 「え? さっき約束したじゃないですか、もう忘れちゃったんですか? もぅ先輩ったらぁ」 「……あずにゃん……」 「え、えと……」 「……」 「……」 「……」 「……ごめんなさい」 「ん、わかればいいんだよ じゃあお菓子食べらながら頑張ろうね」 「……先輩」 「ん?」 「ポッキー食べます?」 「……ポッキーゲーム以外でなら」 「もぉっ!」 「はいはい、はやくやっちゃおうね」 「わかりました……」 「(ちょっとかわいそうだったかなぁ)」 「そうだ!」 「な、なに!?」 「ポッキーゲーム以外ならいいんですよね? じゃあ下の」 「却下だよ!」 「まだ何も言ってないですよ!」 「”下の”って言ってる時点でアウトだよぉ!」 「……ぶ〜……」 「……ん〜〜〜〜〜!! 終わったぁ〜〜〜!!」 「……」Zzz 「あずにゃんの方はどう?」 「……」Zzz 「あれ? あず…… ふふっ、寝ちゃった」 「ん〜……ゆい、せんぱい……むにゃ」Zzz 「こうしてるといつものあずにゃんなのにね ハイテンションの時はちょっとわがままさんになっちゃうけど」 「……」Zzz 「でも、どっちのあずにゃんだって可愛くて、大好きだよ」 「ん……えへへ」Zzz 「……起きてるのかな? おーい、あずにゃ〜ん」 「……」Zzz 「……やっぱり寝てるねぇ…………ごめんね、えっち出来なくて、ちゅっ」 「ん……」Zzz 「好きだよ、あずにゃん、大好き、ちゅっちゅ」 「んん……くすぐったいれふ……」Zzz 「……どうしよう……私の方が我慢できなくなっちゃったかも……」 「……」Zzz 「お、起きないよね……大丈夫だよね?」スルッ 「……」Zzz 「んっ……あ、あん……あず、んんっ」 「……せんぱぁい、なぁにしてるんですかぁ」 「っ! え? あずにゃん起きてたの!?」 「今起きました……先輩の一人えっちの声で」 「えっと……あはははは、じゃ、じゃあそろそろ寝 んんん!」 「んちゅっ……ちゅぱっ、ちゅ」 「ぷはっ、い、いきなりはずるいよぉ」 「ふふっ、レポート終わったらって約束ですよ、せんぱい、まだ寝かせてあげませんから」 「んもぅ……いいよ、しよ? ほら……私だってもうこんなになってるんだもん」 「せ、せんぱい!!」 「あん、こら、がっついちゃダメだって、ああん」 「さんざんお預けされたんですから、私手加減できませんからね」 「じゃあ私も本気でお相手しなくちゃ、ちゅっ!」 「っはぁ……はぁ……」 「あ、あずにゃ……だ。だいじょうぶ?」 「だいじょぶ、じゃ、ないれす……ゆいせんぱい、すごすぎ……」 「あずにゃん、だって……すごかったよ」 「でも……」 「でも?」 「すっごく気持ちよかったです」 「わ、私もだよ、あずにゃん腕を上げたねぇ」 「そりゃあそうですよ、どれだけ先輩とエッチしてきたと思ってるんですか?」 「えと……ひぃ、ふぅ、みぃ……」 「か、数えなくていいですよ! ってか、一回や二回って話じゃないじゃないですか!」 「じゃあ、100、101……あれ?どれだけしたっけ?」 「しりません! いっぱいでいいじゃないですか」 「それもそうだね〜」 「うん……唯先輩大好きです ちゅっ」 「好きだよ、あずにゃん ちゅっ」 「……なんかこのままもう一回とか思ってません?」 「さすがに無理だよぉ、ぶっ通しだったもん」 「ですね……知ってます? 女の子同士のエッチって、攻めの人が止めてくれないとどれだけでも続いちゃうことあるんですよ?」 「よく体力つづくね……」 「ですよねぇ、体力もそうですけど、性欲も」 「あ、あははは……」 「……人の事言えませんからね!」 「私、そこまでじゃないよね?」 「さぁ、どうでしょうね〜 ふふふっ」 「ううう……私そんなにエッチじゃないもん……」 「……あの、それはそうとですね、ちょっと言いにくいんですけど……」 「なぁに? 言ってごらん?」 「えと、そのですね……もうお昼なんですけど……その……レポートを……」 「……え?……ああああああああああああ!!! わすれてたぁ!!! ど、どどど、どうしよう! 今からならまだ間に合うけど!?」 「じゃあ急ぎましょう! 私も一緒に行きます!」 「……あずにゃん、行きたいのはやまやまなんだけどね」 「え?」 「……腰が立たない」 「……へ?」 「……あずにゃん立てる?」 「えと……あ、あれ? 力が入らない……」 「あ、やっぱり」 「私も腰ぬけちゃってますね、あはは……」 「あははは……って笑い事じゃないよぉ」 「す、すいません」 「でもこうなっちゃったら仕方ないね、どのみち寝てないから夕方くらいまで寝ちゃおっか」 「そうですね〜、じゃあ目覚ましかけておきます」 「ありがと」 「それと」 「ん?」 「私明日、提出日なんですよね」 「ってことはまた徹夜〜?」 「あはは、そうなっちゃいますね」 「……今日はムラムラしてもしらないからね」 「もぅ、大丈夫です! あれだけいっぱいしてもらったらさすがに」 「そ、そうだよね…………じゃあ寝よっか」 「ちゃんと抱きしめてくださいよ?」 「わかってるよ、ちゅっ」 「ちゅっ、おやすみなさい」 −−−−−−−−−−−−− −−−−−−− −−− 「ねぇ、唯せんぱい」 「ん〜?」 「こういう徹夜で切羽詰まった状況の時って、ヘンな気持ちになったりしません?」 「……あ、あずにゃん!?」 おしまい。 終わりです。 あとがき 切羽詰って若干冷めてる唯先輩と、深夜のテンションでムラムラしてるあずにゃんとの微エロネタでした。 戻る
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0っちゃう 0っちゃうとは計算した後ある値が0になることである。 特にその値が0であってほしくない時に利用される。
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ちゃちゃちゃっと民。 機械マニア。 なっさんの影的存在。 GIFアイコンで入室してくるので少し迷惑っぽい。 大抵の機械系の事は知ってそうなので知識を教えてもらうのが得。 なっちゃんよりバヤリースの方が僕は好き。
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律「・・・」 唯「聞こえなかった?」 律「聞こえ、てるよ・・・」 唯「そう、それはよかった」 律「・・・」スッ 唯「うーん、焦らすんだね。もうちょっとスカートあげてくれる?」 律「自分でやれよ・・・」 唯「えーと、ケータイはどこやったっけなー」 律「!?わかったよ!やればいいんだろ!?」 唯「えへへ、りっちゃん好きー」 律「全っ然嬉しくねぇよ・・・」 唯「あははは、うん、知ってる」ニコッ 律「・・・シールド、解いてくれよ」 唯「嫌だよー。ほら、早くりっちゃんの太もも見せてよ。縛られててもそれくらいできるでしょ?」 律「・・・」ソッ 唯「」 律「・・・」 唯「え、うっそぉ・・・」 律「だから嫌だったんだよ・・・!」 唯「ねぇ、りっちゃん」 律「・・・なんだよ」 唯「これ、私が傷つけても絶対澪ちゃんにバレないよ」 律「・・・だろうな」 唯「すっごいね・・・これ・・・ここはミミズ腫れ、ここは・・・爪で引っ掻いた跡かな」 律「絶対誰かに言うなよ・・・?」 唯「さぁ?それはどうだろうね」 律「・・・っ!?」 唯「りっちゃんが澪ちゃんにこんなことされてるなんて、みんなにバレたら・・・どうなっちゃうかな?」 律「やめろよ・・・唯・・・」 唯「みんなドン引きだよ」アハハ 律「・・・」 唯「そうしたらりっちゃん、一人ぼっちになっちゃうかな?」 律「ゆい・・・」 唯「あ、でも大丈夫か。澪ちゃんがいるもんね」 律「ゆいってば・・・」 唯「でも澪ちゃんも怒るんだろうね」 律「そう、だな・・・」 唯「そうしたら・・・また、いっぱいお仕置きされちゃうんだろうねー?」 律「・・・」 唯「ねぇ」 律「な、なんだよ・・・」 唯「今、どこ見てたの?」 律「別に、壁・・・とか?」 唯「今、エッチな想像してたんでしょ」 律「言いがかりだ」 唯「へぇ?」 律「私は、別に」 唯「よーし、確かめてみよう。うん、そうしよう!」 律「こ、今度はなんだよ・・・」 唯「りっちゃん、スティックで叩くのはおあずけだよ」 律「おあずけって言われても全く残念じゃないからな。むしろ叩かないでくれ」 唯「ちょっと足広げてくれる?」 律「・・・は?」 唯「え?何?聞こえないの?」 律「いや、聞こえたけど・・・足広げるって・・・」 唯「もー、わかるでしょ?Mなりっちゃんにぴったりな開脚だよー」アハハ 律「そこは素直にM字開脚って言えよ」 唯「そうだね。じゃ、M字開脚ね、りっちゃん」 律「・・・」 律「なんでそんなことしなきゃ・・・」 唯「えーと・・・」スチャッ,ピッピッピ 律「わかったよ!するよ!」バッ 唯「へへー、わかってくれればいいんだよー」アハハ 律「何するつもりだよ・・・」 唯「え?私さっき『確かめてみよう』って言ったよ」 律「やっぱ、そういうことか・・・」 唯「当たり前じゃん。・・・あ、そうそう」 律「なんだy」 ダァン!!! 律「!?」 唯「いちいち駄々こねたり抵抗するのやめてくれるかな、めんどくさいから」 律「・・・!?」 唯「わかった?」 律「・・・わ、わかったよ」 唯「そう、わかってくれたならよかった」ニコッ 律「・・・」 唯「なに?」 律「その笑顔が今は全く可愛く見えないんだ、どうしてだろうな?」 唯「さぁ?りっちゃん目悪くなったんじゃない?」 律「本気で言ってるなら神経疑うぜ・・・」 唯「さってと・・・」 律「・・・」 唯「時間稼ぎはこれまでだよ」 律「あぁ・・・」 唯「手、どけて」 律「なぁ、どうしても、見せないと駄目か?」 唯「今さっき私とした約束忘れたの?」 律「で、でも、やっぱり・・・」 唯「はぁ・・・いいよ。じゃあさ、りっちゃん」 律「なんだ?」 唯「りっちゃんのソコ、どうなってるか教えて?」 律「・・・っ!?」 唯「大丈夫だよ、見せなくていいからね」 律「・・・」 唯「ほら」 律「・・・れてる」 唯「え?」 律「濡れてる、よ・・・」 唯「へー」 律「え・・・?これが、聞きたかったんじゃないのか?」 唯「そうだけど、なんで濡れてるのかな」 律「は、はぁ・・・?なんでわざわざそんなこと言わなくちゃいけないんだy」 唯「嫌ならいいよ」 律「い、嫌とは、言ってないだろ・・・?」 唯「・・・」 律「・・・」 唯「で?」 律「え、えっと・・・」 唯「なんで濡れたの?って聞いてるの」 律「それは・・・さっき、唯が、澪を怒らせたらって・・・話を、して・・・それで・・・」 唯「澪ちゃんにお仕置きされちゃうって想像してそうなっちゃったんだ?」 律「・・・」 唯「りっちゃん、やっぱり変態さんだね」 律「うるせぇよ・・・」 唯「その前は?」 律「その前って?」 唯「わかってるくせに。太ももスティックで叩こうとしたときだよ」 律「・・・唯だって、わかってるくせに・・・」 唯「へ?りっちゃん、今なんて?」 律「・・・」キッ 唯「そんな涙目で睨まれても困るよ。どうしたの?」 律「ゆいの、ばかやろ・・・」 唯「え?・・・え?なんで泣くの?りっちゃん?」 律「・・・唯の言う通りだよ。私は、どうせドMで、変態で、恋人じゃないヤツにこんなことされて感じてる、どうしようもない女だよ・・・!!」 唯「りっちゃん・・・」 律「なんだよ・・・」イライラ 唯「認めるの遅すぎ」アハハ 律「」カチンッ 唯「何?慰めると思った?まさかね」 律「別に、そんなの期待してねぇよ・・・」イライラ 唯「だよねー。そんなの期待されたらどうしようかと思ったよ」アハハ 律「・・・」イライラ 唯「それじゃ、やぁっとりっちゃんも素直になれたことだし。はじめよっか」 律「・・・」 唯「りっちゃんも、ここまで来たら文句なんてないよね?」 律「・・・」 唯「私一人で喋るの疲れたなー」イライラ 律「いが、・・・い」 唯「え?」 律「唯が、悪いんだ・・・」 唯「ちょっと、俯きながらそんなこと言われたら怖いよ。どうしたの?」 律「唯がこんなことしなければ・・・」 唯「友達でいられたのにって?それは悪かったね。ごめんねー」アハハ 律「唯が、こんなこと・・・しなければ・・・」 唯「だからごめんって言ってるじゃん」ハァ 律「浮気なんて、しなくて済んだのに・・・」 唯「あー、そっちね」 律「ゆい」 唯「なに?」 律「恨むからな」 唯「どうぞ」 律「・・・」 唯「恨むって言ってもねー」ハハ 律「なんだよ」 唯「要するにりっちゃんも我慢できなくて抵抗する気失せちゃったって話でしょ?」 律「・・・うるせぇよ」 唯「それを恨むって言われてもねー。りっちゃんが本当に嫌なら私もしないって言ってるじゃん」 律「・・・」 唯「ねぇ、聞いてる?」グリッ 律「・・・!?」 唯「直に触るのは澪ちゃんに悪いからさ。スティックって便利だね」 律「そう、いう・・・道具じゃ、ねぇ、だろ・・・」 唯「あーあ」 律「なん、だよ・・・やぁ・・・」 唯「りっちゃん敏感なんだねー?」 律「は、はぁ・・・?」 唯「そんなに濡れてたら気持ち悪いでしょ。脱いじゃえば?」 律「・・・」 唯「ねぇ、脱ぎなよ」 律「・・・じゃあ、これ解けよ」 唯「何言ってるの?そんなにきつく縛ってないよ。甘えなーいの」 律「・・・」 唯「あっ、それとも私に脱がせて欲しかったのかな」 律「違う。別に、いいよ。自分で脱ぐ・・・」モゾモゾ 唯「そう?頑張ってね」 律「んっ・・・っと・・・」モゾモゾ 唯「そんな風に腰動かしたら駄目だよー、いやらしいよー」アハハ 律「ちきしょう、馬鹿にしやがって・・・」 唯「りっちゃんはこうして指さして笑われるのも気持ちいいの?」 律「それは流石にない」 唯「へぇ。流石に、か」アハハ 律「・・・」プイッ 唯「で?」 律「なんだよ」 唯「これ以上脱がないの?」 律「・・・なんでだよ、何か問題があるか?」 唯「片足にパンツ引っ掛けたままって、すごくいやらしいと思うんだ」 律「別にそういうつもりじゃない。ただ、上手く脱げなかったから・・・」 唯「誘ってくれてるんだね、うんうん」 律「人の話聞こうな」 3
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ねぇ、教えて、どうしたらいいの? ◆xmy4xBA4UI H-04、地図上に小病院と記された場所の二階にその男はいた。 何を考えているのか分からない男だ。 丸い黒メガネの奥にある碧い瞳は、ゆらゆらと揺れるだけで何も語らない。 V.V.が渡した荷物に、一通り目を通したかと思えば、その中の参加者名簿を無表情な顔で取り出す。 そして、呆けているとも集中しているともとれない表情で、暫く名簿を見つめたのち、ポツりと呟く。 「そう言うことなら、殺し合いも悪くない」 言うが早いか、彼は病院の下にいる一人に標的めがけて窓の外へと跳躍した。 ~・~・~・~ 「な、何よアレ……」 舞散る肉片は、明らかに人のものだった。 「う……そでしょ……」 およそ人道に外れた行いではあるが、アイゼルにはそれがどうやって行われたものなのか薄々気づいていた。 そしてだからこそ、彼女の体の奥から何とも言えない妙な震えが襲ってきたのだ。 「…………」 つつと、自らの首に手をやる。 そこには冷たい感触の無機物が、確かに存在していた。 やはり、自分は殺し合いに巻き込まれたのだ。しかも突然に、何の前触れもなく。 そのことが全く理解不可能ならまだいい。どうせ夢だと思って、どこぞで布団でも引っ被っていれば済まされたことだろう。 そして、自分は眠ったまま苦しみを感じることなく死んでしまうだけだ。その方が、今の感情より大分マシといえた。 そう、アイゼルは今回自分が巻き込まれた事件と同様の話を聞いたことがあるのだから。 理解できるのだからなおさら、恐怖心が倍増していた。 かつて、師のヘルミーナから聞かされた時空間移動錬金術。一人の少女が200年前の世界から突如として現代世界に放り込まれた異聞伝。 その少女は、結局自力で元の時代に帰ったらしいが、それはともかく今回の事態はそれによく似ている。 一瞬のうちに、訳も分からないうちに、突然見知らぬ世界に放り込まれる。 首輪付きというおまけや、殺し合えなどという不穏極まりないイベントを除けば、時空間転移そのものと言えた。 ヘルミーナに聞かされた時は、所詮ただのおとぎ話だろうぐらいにしか思っていなかったが、自分がこうして巻き込まれると真実味が増す。 地面にしゃがみ込むと、そこにはレンガではない何か別のものが敷き詰められている。 月明かりの下では、色も碌に分からないが、その質感から石を一度溶かして固めなおしたものだと推測される。 ハイレベルな溶鉱炉がなければ、作れそうもない地面。それがアイゼルの眼前にずっと続いている。 いくら地面をなぞってみても、そこに継ぎ目などない。 もしもこれが、アイゼルの知る工房などで作られたものなら、当然そのサイズに限りがあり、見渡す限りの地面を覆い尽くすことなど不可能だ。 そう考えると、この煉瓦モドキは、この場所で作られたと考えられる。そのまま地面に作ってしまうような方法で、埋め込まれたものだ。 「未来の技術ね……」 師から話を聞かされていたからこそ、アイゼルはそうすぐに結論付けた。 非科学的な、錬金術師としてあるまじき考察であることは重々承知している。 けれど、突然巻き込まれた事態も含めて考えれば間違いなくそうだと思えて仕方がない。 「……ははっ、本当に巻き込まれちゃったんだ。殺し合い…………」 一介の錬金術師にどうしろというのだ。 剣と魔法の世界に住んでいるとはいえ、アイゼルはただの女であり、錬金術師だ。 杖を持って怪物退治に行くこともあるが、それはあくまで調合に必要なアイテムを探すためであったり、同じ目的の錬金術師たちを護衛するためである。 殺し合いは専門じゃない。 いや、仮に専門だったとしてどうだというのだ。罪もない人々を、殺せとか、殺されろとか。 自分出来るわけないじゃないか。 「で、でも……殺さなきゃ…………」 再びアイゼルは首にある金属を触ってみる。 そこには確かに、一環の輪があり、彼女の首をぐるりと覆っていた。 冷たいその感触は、温かいはずの首の体温を奪い取り、嫌でもそこに自分以外の何かが付いていることを強調する。 逆らえばどうなるか。この冷たい物体が一瞬にして熱を帯び、自分を灰塵と変化せしめるのだ。 いくらアイゼルが耐火性能に自信を持っていても、首そのものを爆破されては生きていられる筈がない。 「……やるしかないの?」 無茶なことだと思う。自分に殺し合いなんか出来るわけがない。相手は人間なんだもの……人間? ここまで考えてアイゼルは盲点に気づく。 相手が人間だから殺せない、本当にそうか? 本当に、人間だからと言って殺せないのか? 錬金術師として、冒険者として今までの遍歴を思い返してみるに、必ずしもそうではなかった。 自分はエアフォルクの塔最上階で友人と同じ姿をした生物と戦ったし、襲いかかるテュルキス洞窟の盗賊たちとも闘ってきた。 「闘ってきたじゃない、今まで何度も……、私は闘ってきた」 生きるために、錬金術の道を極めるのに。 理由は様々なれど、対人戦闘経験はゼロじゃない。 「それに……今は…………」 さらに加えるなら、アイゼルが巻き込まれたこの非常事態は、普段の常識や倫理を当てはめるのが無謀なほど、現実とかい離している。 いや、しすぎている。 この状態で、人と戦えません、私はまっとうな人間なので人を殺すことなんて出来やしません。 などという当たり前の論理が通じるわけない。 たとえ何人殺そうと、アルテナの女神だって見逃してくれる。巻き込まれた時点でアイゼルも被害者なんだから。 「そうよ、やれる……きっとやれる…………」 ふるふると体が震えてくるのを感じる。 殺すのか? 自分が人を? 悪党でもない、盗賊でもないただの人間を、自分とおなじ罪なき被害者たちを殺す? 「で、出来るわけないじゃない……無理よそんなの……」 しかし、理屈では分かっている。たとえ、どれだけ拒絶しようとアイゼルに選択肢はない。 相手はおそらく、未来の技術を持つ高度な錬金術師。 ならばこの首輪は生半なことでは外れない。というより、アイゼルでさえ、絶対に外れない首輪を作ろうと思えばいくつかアイデアが出てくるほどだ。 自分より上の技術を持つものが、どうして自分以下のものを作ろうか。 この首輪には、おそらくアイゼルの知らない技術が使われていて、アイゼルの知る錬金術だけでは外せない。 眼下に広がる溶解石の廊下が、技術者アイゼルにはとてつもなく恐ろしいものに思えてくる。 そうだ。相手は、こんなにも高い技術力の持ち主なのだ。 「やるしかないの? やるしかないの? わ、私だって死にたくなんか……」 刹那。アイゼルの目の前にある中程度の建物から、一筋の光が舞い降りた。 光はアイゼルのすぐ横をかすめ、溶解石の地面を爆音とともにまき散らす。 「な、……」 一体何だと思っていると、光は一人の青年だった。 土煙りの中、青年はゆらりと立ち上がる。一瞬何か戸惑う表情を見せるが、アイゼルが身構えるとすぐさま動いた。 左手一本で木刀を上段に構え、一足飛びに振り下ろす。 (は、速い!!) 頭上を狙うその一撃を、アイゼルは手に持っていたデイパックで防ぐ。 たまたま背負っていなくて良かった。そう思うと同時に、そう言えばまだ中身を確認していなかったとも悔やむ。 ズシリと重いその一撃は、一瞬アイゼルの肩が外れるかと思うほどの衝撃を与え、その後もじりじりと重圧をかけてくる。 見れば、男は相変わらず左手一本で木刀を持っている。 (な、何のつもりなの?) 疑問に思った直後、不意に重圧が軽くなり、反動でアイゼルの体が前のめりに倒れこむ。 男はその様を見るとすぐさま、左足を振り上げ回し蹴りを放つ。 咄嗟に、倒れこむ姿勢のままアイゼルは寝ころんでその回し蹴りをよけた。 しかしその直後、上を見上げると木刀を振り上げる男がいる。 危険を感じ、ゴロリと転がりながら、アイゼルは男の一撃をよけた。 振り下ろされた斬撃は、アイゼルがいた場所のすぐ隣を穿っていた。 (な、何なの……何なのよ、突然どうして??) 恐怖を感じつつ、身を起こすアイゼル。 端正なその顔には溶解石の欠片が付き、見る影もない。 上品な貴族の服も、汚れが目立ち所々ほつれている。 しかし、彼女はそんな事を気にする余裕すらなかった。 立ち上がってきたところに、男の追い打ちが来たからだ。 デイパックを使い、かろうじて防ぐも、二撃、三撃と追い打ちが来る。 男の動きは一定のリズムを持ち、ゆっくり力をためてから一気に解放するといった形。 ゆらり脇に構える、炎のように振り上げる。 ゆらり上段に構える、稲妻のように振り下ろす。 事前の構えと視線から、狙いが分かるため、何とか防げるもののアイゼルにはギリギリの攻防だ。 (やるしかないの? やっぱり、これは殺し合いなの?) 闇の中、表情すらも読めない男が無慈悲に攻め立ててくる。 いやでも、ここが殺し合いの舞台だと気づかされる。 (わ、私も闘わなきゃ駄目なの?) 盗賊たちと戦うように、モンスターたちと戦うように。 自身の錬金スキルをフル活用して、戦うほかないのか? (で、でも……) 頭の中に浮かぶ疑問符の大洪水。通常の倫理に照らし合わせて正しいのはどちらだ。 そんなこと、考える余裕もないほど男の攻撃は続いていく。 (や、やるしか……やるしかないの?) アイゼルの戸惑いを感じてか、男の動きが止まる。 木刀を肩に乗せ、サングラスをクイと持ち上げる。 今しか、チャンスはなかった。 男の攻撃が始まれば、自分は嬲り殺し。たとえ見ず知らずの他人でも、自分の命が優先される。 アイゼルは祈るような気持ちで、デイパックをまさぐった。その間、男は不思議と動きを見せなかった。 デイパックから出てきたのは、一本の鋸のような刀。 見た目はただの金属なのに、むせ返るような匂いがアイゼルを包み込む。 知っている。これは血の匂いだ。 よりにもよって、何という武器を引いてしまったのだろう。 これで斬れば、相手は治療もままならず、傷口から壊死していくだけ。 これで斬ればタダでは済まない。けれど、自分は自分の命が大事だ。 闘う。 そう決意して、アイゼルが構えた時、青年もまた構えていた。 「覇亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜ッッッッ!!!」 それまでとは比べ物にならない速度で、突っ込んでくる男。 迎え撃つべく、アイゼルは慣れない剣を突き出し、迎え突きの体勢。 特攻してくる相手の勢いを、そのまま自身の剣で吸収し、敵を付き殺す剣術の初歩「迎い突き」。 その切先が、敵を捕らえると思った瞬間。 青年は横にブレ、突如アイゼルの視界から消えた。 「う、嘘…………ぶぉほっ…………」 そして、横から掴み上げられ、細い腕のどこにあるのかと言う怪力で放り投げられる。 「な……なに……」 目まぐるしくまわる景色の中、アイゼルは青年が力をためて、自身を斬り倒そうとする姿を目撃した。 ~・~・~・~ 青年の咆哮。 襲い掛かる斬撃。 そして、直後に来た激痛。 何かに叩きつけられる感触を受け、アイゼルが目にしたものは信じられない姿だった。 「おぉ…………げ、げぇ……」 自分を攻めていた青年が、突然訳も分からず苦しみだしているのだ。 「な、何なのよ一体……」 理解不能の文字が頭の中を駆け巡る。 自分の体を見れば、地面に打ち付けられた衝撃や、土汚れこそあるものの五体は全くの無事。 対する男も、全く攻撃を受けていないので無事は無事なのだが、苦しみ、顔をかきむしり、嘔吐している。 「なんなのよ……」 「ど、どうして……どうして駄目なんダ!!!」 叫びながら男は、地面に拳を打ち付けていく。 そのスピード、重さたるや、先ほどの比ではない。 男はずっと実力を隠したまま、アイゼルと戦っていたのだ。 しかしなぜだ。男が最後に見せたあのスピードをそのまま使っていれば、アイゼルは一瞬で殺されていたはず。 助かったという思いと、疑問符が同時に頭を掠めていく。 喚き散らす男の目に、アイゼルの姿は入っていない。 今ならやれる。この鋸刀で、男を斬れば確実に殺せる。 「なんでそんな顔をする、何故いつもの様に微笑ってくれないんだ!?」 瞳孔が開き、何やら叫んでいる男。 今しかない、今しかコイツを殺すチャンスはない。 「ぅぁあああ亜亜亜亜亜亜亜亜亜ァ!!」 しかし、錯乱した男は神速をもってアイゼルをつかみ取り、その首を締めあげる。 「どうして、……どうして、俺は女が殺せない!! 姉さん、頼む微笑ってくれ!!!」 叫びとともに、男の力は抜け。アイゼルの目の前でばたりと倒れてしまった。 「ね、姉さん……」 夢遊病のように呟くその声に、アイゼルは全てを察した。 (こ、この人……女が殺せないんだ…………) そう考えれば、全てに説明がつく。 異常なほどのスピードを誇る攻撃を、なぜアイゼルがデイパックで防げたのか。 あれは単に、男がデイパックの上から叩いていたに過ぎなかったのだ。 そも男の腕力とスピードをもってすれば、デイパックごとアイゼルを吹き飛ばしていても不思議はない。 それに最初から彼が本気で動いていれば、アイゼルは動きを捉えることすら叶わず死んでいただろう。 しかし、そんなことは心配する必要なかったのだ。この男は、女が殺せないのだから。 自分の体をもう一度触ると、どこにも大きな傷はない。 彼ははじめから、女の自分から見て、無力な存在だったのだ。 (わ、悪いけど、殺さしてもらうわ。私だって死にたくないんだもん。こんな殺し合いで死ぬのなんて嫌なんだもん) 千載一遇のチャンス。 自分より圧倒的強者を殺すタイミングなど、この後どれほどあるというのだ。 (殺す、殺さなきゃダメ。生きるために必要なのよ!!) アイゼルは鋸刀をふりかぶり、のた打ち回る男へと振り下ろそうとした。 ~・~・~・~ 殺し合い開始直後。 雪代縁は病院にいた。 むせ返るような薬品のにおいが、妙にうっとうしい。 神谷道場襲撃前日に、どうしてこんな目に合わなければならない。 姉さんは、自分の人誅を待っているのに。少しでも遅れてはいけない。 しかし、そんな縁の前に飛び込んできたのは有り得ないほど白く染め上げられた病室のベッドだった。 (なんだここは?) 先ほどまで自分がいたアジトとは明らかに別種の空間。見たこともない部屋。 (姉さん、どうして俺をこんな所に?) 突然巻き込まれた事態も、殺し合いも縁にとってはどうでもいいこと。 自分が突如として、意味の分からない場所に瞬間移動したのなら、それは天国に住む姉のなせる技に他ならない。 縁の頭の中には、ぶいつーだとか、殺された少女だとかは微塵もなく、ただただ姉と抜刀斎の事ばかり。 そして、現世に住む抜刀斎に自分をこんな空間に移動せしめる能力がないのは明らかなので、自分がここに来たのは即ち姉の仕業なのだ。 他人から見れば、寸毫も筋が通らない屁理屈なれど、雪代縁にとっては完全な正解だった。 (俺に何をさせる気だ姉さん) 姉がここに自分を放り込んだとなれば、それには必ず意味があるはず。 しかし考えても、とんと浮かばない。 大体、雪代縁にとって殺し合いなぞ至極どうでもいいことだった。 殺しの標的はあくまで抜刀斎とその一味。抜刀斎本人は直接殺さず、神谷薫を殺して生き地獄に叩きこむ。しかる後に野垂れ死ぬのを楽しむ。 それが縁の生き甲斐であって目標だ。他には何も考えていない。 姉さんが殺せと言うなら、全員即刻殺してやるが、心の中の姉は黙して語らず。縁の混乱は増すばかり。 (まったく……こんな事をしている暇は無いと言うのに) デイパックを弄りながら、縁は何の気なしに名簿を読む。 見知った名前がいくつかあるが、姉とどう関係するのかはサッパリ分からない。無論、抜刀斎以外。 斎藤一、元新撰組で今は警官をやっている男。で? だからどうした? コレをどうしろと? 志々雄真実、以前煉獄を納品した顧客。で? コイツがどうしたって言うんだ? 瀬田宗次郎、志々雄の部下。こいつに至っては全くもって興味の範囲外。生きようと死のうと勝手にしてろ。 いったい何をしろと、殺せって言うのか、姉さんらしくもない。 大体、肝心要の神谷薫がいなければ人誅が出来ないじゃないか。 殺すにしても、抜刀斎だけ殺したって仕方がない。 (姉さんは、俺に何をさせたいんだ) 姉が自分を巻き込んだ、その考えを微塵も疑わない縁はサッパリ行動方針をつかみかねていた。 それに彼は、ここをある種天国のような場所だと思っている。 自分が気づかぬうちに、どこかに飛ばされることなど有り得るわけがないからだ。 そんな天国のような場所で、知人が四人だけ。ほとほと悩んでいるところに、一つの赤い姿が視界に入ってきた。 (あ、あれは……?) 異国人間が着るの赤い外套。 赤味がかった茶色の髪を肩まで下げて、一人の女が何やら思案している。 それを見て、咄嗟にひらめいた。 (そ、そうか。そう言うことなのかい姉さん!!) 縁の頭に、自分がなぜ殺し合いに巻き込まれたのかの答えが浮かんでくる。 (そうだ、姉さんは女を殺せと言ってるんだ!!) 自分が持つ唯一の弱点。それは女が殺せないこと。それが故に、外印を雇って神谷薫の死人形を作らせている。 しかし、考えてもみろ。そんなこと姉さんが望むか? 愛する者を奪われ、自分自身も無残に切り殺された姉さんが、偽の死体で満足するというのか? 馬鹿な、あり得ない。 姉さんだって、本音では神谷薫を殺せと願っているはずだ。 それなのに、自分が女を殺せないから、そんな理由だけで人形でごまかそうなどと…… 「そうか、そうなんだね。俺に弱点を克服しろと。女を殺せるようになれと、姉さんはそう言うんだネ」 そうだ。それでこそ人誅が完成する。 自分の甘えた考えは、天国にいる姉の元にまで届いていたのだ。 そして、彼女は少しだけ怒り、自分を殺し合いへと誘った。 「ごめんヨ姉さん、でも、そう言うことなら、殺し合いも悪くない」 完全に誤解したまま、縁は木刀を持ち異国女の元へと降り立った。 そして戦闘。 木刀をふるう体が妙に重い。 中々、攻めこめないでいる。 実力では一枚も二枚もこちらが上手なのに、攻め入れない。 理由は分かっていた。 全く姉さんの面影を感じさせない姿でも、年のころは同じぐらいの女性。 くるりとした大きな瞳は、細く冴える姉の瞳と正反対だけれども、それでも相手はやはり女だったのだ。 数分後、縁は残念ながら敗れた。 女にではない、自分の中に眠る姉の幻想に。 どういう訳かとどめを刺さずに去って行った女はどうでもいいとして、思った以上に重症だ。 (姉さん。これは、弱点を治すための試練なんだネ?) 倒れこみ、口から胃液を吐きながら縁は決意する。 (心配させてゴメンヨ。でも、絶対殺せるようになってみせる、だから待ってテ……) 冷たいアスファルトの上で縁は、女性殺しを目指していた。 【一日目深夜/H-4 小病院前道路】 【雪代縁@るろうに剣心】 [装備]:木刀@現実 [所持品]:支給品一式、確認済み支給品0~2個 [状態]:健康 [思考・行動] 1、誰でもいいから女を殺す。 [備考] ※殺し合いを姉が仕掛けた夢だと思っています。故に女殺しの弱点を克服できれば、それで終了すると思っています。 ※ぶっちゃけ、姉と抜刀斎以外のことはあまり考えていません。抜刀斎も人誅まで殺すつもりはありません。 アイゼルは結局、男を殺すことができなかった。 刀を振り下ろせば、確実に相手を仕留めることができたはずなのに殺せなかった。 自分の中に、どうしようもない人間の心が宿っていることを再確認する。 (どうしたらいいのよ……) 殺し合いに巻き込まれ、実質的な選択肢は二つ。殺すか、殺されるか。 しかし、自分にはそのどちらも選択することができなかった。 はたして自分はどうなるのか。 (決まってる、殺すしかないじゃない……殺すしか……) 理性と心が渦巻く葛藤の中、アイゼルは一人夜道を歩いていた。 【一日目深夜/H-5 道路】 【アイゼル・ワイマール@ヴィオラートのアトリエ】 [装備]:無限刃@るろうに剣心 [所持品]:支給品一式、未確認支給品0~2個 [状態]:軽傷 [思考・行動] 1.どうしたらいいの? [備考] ※自分たちが連れてこられた技術にヘルミーナから聞かされた竜の砂時計と同種のものが使われていると考えています。 時系列順で読む Back 一晩の悲劇 Next 乱(みだれ)後… 投下順で読む Back 一晩の悲劇 Next ルイズに届けこの想い! 才人ザオリクを唱える。の巻 GAME START 雪代縁 051 LOST COLORS アイゼル・ワイマール 039 うには美味いな、美味しいな
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ねぇ、教えて、どうしたらいいの? ◆xmy4xBA4UI H-04、地図上に小病院と記された場所の二階にその男はいた。 何を考えているのか分からない男だ。 丸い黒メガネの奥にある碧い瞳は、ゆらゆらと揺れるだけで何も語らない。 V.V.が渡した荷物に、一通り目を通したかと思えば、その中の参加者名簿を無表情な顔で取り出す。 そして、呆けているとも集中しているともとれない表情で、暫く名簿を見つめたのち、ポツりと呟く。 「そう言うことなら、殺し合いも悪くない」 言うが早いか、彼は病院の下にいる一人に標的めがけて窓の外へと跳躍した。 ~・~・~・~ 「な、何よアレ……」 舞散る肉片は、明らかに人のものだった。 「う……そでしょ……」 およそ人道に外れた行いではあるが、アイゼルにはそれがどうやって行われたものなのか薄々気づいていた。 そしてだからこそ、彼女の体の奥から何とも言えない妙な震えが襲ってきたのだ。 「…………」 つつと、自らの首に手をやる。 そこには冷たい感触の無機物が、確かに存在していた。 やはり、自分は殺し合いに巻き込まれたのだ。しかも突然に、何の前触れもなく。 そのことが全く理解不可能ならまだいい。どうせ夢だと思って、どこぞで布団でも引っ被っていれば済まされたことだろう。 そして、自分は眠ったまま苦しみを感じることなく死んでしまうだけだ。その方が、今の感情より大分マシといえた。 そう、アイゼルは今回自分が巻き込まれた事件と同様の話を聞いたことがあるのだから。 理解できるのだからなおさら、恐怖心が倍増していた。 かつて、師のヘルミーナから聞かされた時空間移動錬金術。一人の少女が200年前の世界から突如として現代世界に放り込まれた異聞伝。 その少女は、結局自力で元の時代に帰ったらしいが、それはともかく今回の事態はそれによく似ている。 一瞬のうちに、訳も分からないうちに、突然見知らぬ世界に放り込まれる。 首輪付きというおまけや、殺し合えなどという不穏極まりないイベントを除けば、時空間転移そのものと言えた。 ヘルミーナに聞かされた時は、所詮ただのおとぎ話だろうぐらいにしか思っていなかったが、自分がこうして巻き込まれると真実味が増す。 地面にしゃがみ込むと、そこにはレンガではない何か別のものが敷き詰められている。 月明かりの下では、色も碌に分からないが、その質感から石を一度溶かして固めなおしたものだと推測される。 ハイレベルな溶鉱炉がなければ、作れそうもない地面。それがアイゼルの眼前にずっと続いている。 いくら地面をなぞってみても、そこに継ぎ目などない。 もしもこれが、アイゼルの知る工房などで作られたものなら、当然そのサイズに限りがあり、見渡す限りの地面を覆い尽くすことなど不可能だ。 そう考えると、この煉瓦モドキは、この場所で作られたと考えられる。そのまま地面に作ってしまうような方法で、埋め込まれたものだ。 「未来の技術ね……」 師から話を聞かされていたからこそ、アイゼルはそうすぐに結論付けた。 非科学的な、錬金術師としてあるまじき考察であることは重々承知している。 けれど、突然巻き込まれた事態も含めて考えれば間違いなくそうだと思えて仕方がない。 「……ははっ、本当に巻き込まれちゃったんだ。殺し合い…………」 一介の錬金術師にどうしろというのだ。 剣と魔法の世界に住んでいるとはいえ、アイゼルはただの女であり、錬金術師だ。 杖を持って怪物退治に行くこともあるが、それはあくまで調合に必要なアイテムを探すためであったり、同じ目的の錬金術師たちを護衛するためである。 殺し合いは専門じゃない。 いや、仮に専門だったとしてどうだというのだ。罪もない人々を、殺せとか、殺されろとか。 自分出来るわけないじゃないか。 「で、でも……殺さなきゃ…………」 再びアイゼルは首にある金属を触ってみる。 そこには確かに、一環の輪があり、彼女の首をぐるりと覆っていた。 冷たいその感触は、温かいはずの首の体温を奪い取り、嫌でもそこに自分以外の何かが付いていることを強調する。 逆らえばどうなるか。この冷たい物体が一瞬にして熱を帯び、自分を灰塵と変化せしめるのだ。 いくらアイゼルが耐火性能に自信を持っていても、首そのものを爆破されては生きていられる筈がない。 「……やるしかないの?」 無茶なことだと思う。自分に殺し合いなんか出来るわけがない。相手は人間なんだもの……人間? ここまで考えてアイゼルは盲点に気づく。 相手が人間だから殺せない、本当にそうか? 本当に、人間だからと言って殺せないのか? 錬金術師として、冒険者として今までの遍歴を思い返してみるに、必ずしもそうではなかった。 自分はエアフォルクの塔最上階で友人と同じ姿をした生物と戦ったし、襲いかかるテュルキス洞窟の盗賊たちとも闘ってきた。 「闘ってきたじゃない、今まで何度も……、私は闘ってきた」 生きるために、錬金術の道を極めるのに。 理由は様々なれど、対人戦闘経験はゼロじゃない。 「それに……今は…………」 さらに加えるなら、アイゼルが巻き込まれたこの非常事態は、普段の常識や倫理を当てはめるのが無謀なほど、現実とかい離している。 いや、しすぎている。 この状態で、人と戦えません、私はまっとうな人間なので人を殺すことなんて出来やしません。 などという当たり前の論理が通じるわけない。 たとえ何人殺そうと、アルテナの女神だって見逃してくれる。巻き込まれた時点でアイゼルも被害者なんだから。 「そうよ、やれる……きっとやれる…………」 ふるふると体が震えてくるのを感じる。 殺すのか? 自分が人を? 悪党でもない、盗賊でもないただの人間を、自分とおなじ罪なき被害者たちを殺す? 「で、出来るわけないじゃない……無理よそんなの……」 しかし、理屈では分かっている。たとえ、どれだけ拒絶しようとアイゼルに選択肢はない。 相手はおそらく、未来の技術を持つ高度な錬金術師。 ならばこの首輪は生半なことでは外れない。というより、アイゼルでさえ、絶対に外れない首輪を作ろうと思えばいくつかアイデアが出てくるほどだ。 自分より上の技術を持つものが、どうして自分以下のものを作ろうか。 この首輪には、おそらくアイゼルの知らない技術が使われていて、アイゼルの知る錬金術だけでは外せない。 眼下に広がる溶解石の廊下が、技術者アイゼルにはとてつもなく恐ろしいものに思えてくる。 そうだ。相手は、こんなにも高い技術力の持ち主なのだ。 「やるしかないの? やるしかないの? わ、私だって死にたくなんか……」 刹那。アイゼルの目の前にある中程度の建物から、一筋の光が舞い降りた。 光はアイゼルのすぐ横をかすめ、溶解石の地面を爆音とともにまき散らす。 「な、……」 一体何だと思っていると、光は一人の青年だった。 土煙りの中、青年はゆらりと立ち上がる。一瞬何か戸惑う表情を見せるが、アイゼルが身構えるとすぐさま動いた。 左手一本で木刀を上段に構え、一足飛びに振り下ろす。 (は、速い!!) 頭上を狙うその一撃を、アイゼルは手に持っていたデイパックで防ぐ。 たまたま背負っていなくて良かった。そう思うと同時に、そう言えばまだ中身を確認していなかったとも悔やむ。 ズシリと重いその一撃は、一瞬アイゼルの肩が外れるかと思うほどの衝撃を与え、その後もじりじりと重圧をかけてくる。 見れば、男は相変わらず左手一本で木刀を持っている。 (な、何のつもりなの?) 疑問に思った直後、不意に重圧が軽くなり、反動でアイゼルの体が前のめりに倒れこむ。 男はその様を見るとすぐさま、左足を振り上げ回し蹴りを放つ。 咄嗟に、倒れこむ姿勢のままアイゼルは寝ころんでその回し蹴りをよけた。 しかしその直後、上を見上げると木刀を振り上げる男がいる。 危険を感じ、ゴロリと転がりながら、アイゼルは男の一撃をよけた。 振り下ろされた斬撃は、アイゼルがいた場所のすぐ隣を穿っていた。 (な、何なの……何なのよ、突然どうして??) 恐怖を感じつつ、身を起こすアイゼル。 端正なその顔には溶解石の欠片が付き、見る影もない。 上品な貴族の服も、汚れが目立ち所々ほつれている。 しかし、彼女はそんな事を気にする余裕すらなかった。 立ち上がってきたところに、男の追い打ちが来たからだ。 デイパックを使い、かろうじて防ぐも、二撃、三撃と追い打ちが来る。 男の動きは一定のリズムを持ち、ゆっくり力をためてから一気に解放するといった形。 ゆらり脇に構える、炎のように振り上げる。 ゆらり上段に構える、稲妻のように振り下ろす。 事前の構えと視線から、狙いが分かるため、何とか防げるもののアイゼルにはギリギリの攻防だ。 (やるしかないの? やっぱり、これは殺し合いなの?) 闇の中、表情すらも読めない男が無慈悲に攻め立ててくる。 いやでも、ここが殺し合いの舞台だと気づかされる。 (わ、私も闘わなきゃ駄目なの?) 盗賊たちと戦うように、モンスターたちと戦うように。 自身の錬金スキルをフル活用して、戦うほかないのか? (で、でも……) 頭の中に浮かぶ疑問符の大洪水。通常の倫理に照らし合わせて正しいのはどちらだ。 そんなこと、考える余裕もないほど男の攻撃は続いていく。 (や、やるしか……やるしかないの?) アイゼルの戸惑いを感じてか、男の動きが止まる。 木刀を肩に乗せ、サングラスをクイと持ち上げる。 今しか、チャンスはなかった。 男の攻撃が始まれば、自分は嬲り殺し。たとえ見ず知らずの他人でも、自分の命が優先される。 アイゼルは祈るような気持ちで、デイパックをまさぐった。その間、男は不思議と動きを見せなかった。 デイパックから出てきたのは、一本の鋸のような刀。 見た目はただの金属なのに、むせ返るような匂いがアイゼルを包み込む。 知っている。これは血の匂いだ。 よりにもよって、何という武器を引いてしまったのだろう。 これで斬れば、相手は治療もままならず、傷口から壊死していくだけ。 これで斬ればタダでは済まない。けれど、自分は自分の命が大事だ。 闘う。 そう決意して、アイゼルが構えた時、青年もまた構えていた。 「覇亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜ッッッッ!!!」 それまでとは比べ物にならない速度で、突っ込んでくる男。 迎え撃つべく、アイゼルは慣れない剣を突き出し、迎え突きの体勢。 特攻してくる相手の勢いを、そのまま自身の剣で吸収し、敵を付き殺す剣術の初歩「迎い突き」。 その切先が、敵を捕らえると思った瞬間。 青年は横にブレ、突如アイゼルの視界から消えた。 「う、嘘…………ぶぉほっ…………」 そして、横から掴み上げられ、細い腕のどこにあるのかと言う怪力で放り投げられる。 「な……なに……」 目まぐるしくまわる景色の中、アイゼルは青年が力をためて、自身を斬り倒そうとする姿を目撃した。 ~・~・~・~ 青年の咆哮。 襲い掛かる斬撃。 そして、直後に来た激痛。 何かに叩きつけられる感触を受け、アイゼルが目にしたものは信じられない姿だった。 「おぉ…………げ、げぇ……」 自分を攻めていた青年が、突然訳も分からず苦しみだしているのだ。 「な、何なのよ一体……」 理解不能の文字が頭の中を駆け巡る。 自分の体を見れば、地面に打ち付けられた衝撃や、土汚れこそあるものの五体は全くの無事。 対する男も、全く攻撃を受けていないので無事は無事なのだが、苦しみ、顔をかきむしり、嘔吐している。 「なんなのよ……」 「ど、どうして……どうして駄目なんダ!!!」 叫びながら男は、地面に拳を打ち付けていく。 そのスピード、重さたるや、先ほどの比ではない。 男はずっと実力を隠したまま、アイゼルと戦っていたのだ。 しかしなぜだ。男が最後に見せたあのスピードをそのまま使っていれば、アイゼルは一瞬で殺されていたはず。 助かったという思いと、疑問符が同時に頭を掠めていく。 喚き散らす男の目に、アイゼルの姿は入っていない。 今ならやれる。この鋸刀で、男を斬れば確実に殺せる。 「なんでそんな顔をする、何故いつもの様に微笑ってくれないんだ!?」 瞳孔が開き、何やら叫んでいる男。 今しかない、今しかコイツを殺すチャンスはない。 「ぅぁあああ亜亜亜亜亜亜亜亜亜ァ!!」 しかし、錯乱した男は神速をもってアイゼルをつかみ取り、その首を締めあげる。 「どうして、……どうして、俺は女が殺せない!! 姉さん、頼む微笑ってくれ!!!」 叫びとともに、男の力は抜け。アイゼルの目の前でばたりと倒れてしまった。 「ね、姉さん……」 夢遊病のように呟くその声に、アイゼルは全てを察した。 (こ、この人……女が殺せないんだ…………) そう考えれば、全てに説明がつく。 異常なほどのスピードを誇る攻撃を、なぜアイゼルがデイパックで防げたのか。 あれは単に、男がデイパックの上から叩いていたに過ぎなかったのだ。 そも男の腕力とスピードをもってすれば、デイパックごとアイゼルを吹き飛ばしていても不思議はない。 それに最初から彼が本気で動いていれば、アイゼルは動きを捉えることすら叶わず死んでいただろう。 しかし、そんなことは心配する必要なかったのだ。この男は、女が殺せないのだから。 自分の体をもう一度触ると、どこにも大きな傷はない。 彼ははじめから、女の自分から見て、無力な存在だったのだ。 (わ、悪いけど、殺さしてもらうわ。私だって死にたくないんだもん。こんな殺し合いで死ぬのなんて嫌なんだもん) 千載一遇のチャンス。 自分より圧倒的強者を殺すタイミングなど、この後どれほどあるというのだ。 (殺す、殺さなきゃダメ。生きるために必要なのよ!!) アイゼルは鋸刀をふりかぶり、のた打ち回る男へと振り下ろそうとした。 ~・~・~・~ 殺し合い開始直後。 雪代縁は病院にいた。 むせ返るような薬品のにおいが、妙にうっとうしい。 神谷道場襲撃前日に、どうしてこんな目に合わなければならない。 姉さんは、自分の人誅を待っているのに。少しでも遅れてはいけない。 しかし、そんな縁の前に飛び込んできたのは有り得ないほど白く染め上げられた病室のベッドだった。 (なんだここは?) 先ほどまで自分がいたアジトとは明らかに別種の空間。見たこともない部屋。 (姉さん、どうして俺をこんな所に?) 突然巻き込まれた事態も、殺し合いも縁にとってはどうでもいいこと。 自分が突如として、意味の分からない場所に瞬間移動したのなら、それは天国に住む姉のなせる技に他ならない。 縁の頭の中には、ぶいつーだとか、殺された少女だとかは微塵もなく、ただただ姉と抜刀斎の事ばかり。 そして、現世に住む抜刀斎に自分をこんな空間に移動せしめる能力がないのは明らかなので、自分がここに来たのは即ち姉の仕業なのだ。 他人から見れば、寸毫も筋が通らない屁理屈なれど、雪代縁にとっては完全な正解だった。 (俺に何をさせる気だ姉さん) 姉がここに自分を放り込んだとなれば、それには必ず意味があるはず。 しかし考えても、とんと浮かばない。 大体、雪代縁にとって殺し合いなぞ至極どうでもいいことだった。 殺しの標的はあくまで抜刀斎とその一味。抜刀斎本人は直接殺さず、神谷薫を殺して生き地獄に叩きこむ。しかる後に野垂れ死ぬのを楽しむ。 それが縁の生き甲斐であって目標だ。他には何も考えていない。 姉さんが殺せと言うなら、全員即刻殺してやるが、心の中の姉は黙して語らず。縁の混乱は増すばかり。 (まったく……こんな事をしている暇は無いと言うのに) デイパックを弄りながら、縁は何の気なしに名簿を読む。 見知った名前がいくつかあるが、姉とどう関係するのかはサッパリ分からない。無論、抜刀斎以外。 斎藤一、元新撰組で今は警官をやっている男。で? だからどうした? コレをどうしろと? 志々雄真実、以前煉獄を納品した顧客。で? コイツがどうしたって言うんだ? 瀬田宗次郎、志々雄の部下。こいつに至っては全くもって興味の範囲外。生きようと死のうと勝手にしてろ。 いったい何をしろと、殺せって言うのか、姉さんらしくもない。 大体、肝心要の神谷薫がいなければ人誅が出来ないじゃないか。 殺すにしても、抜刀斎だけ殺したって仕方がない。 (姉さんは、俺に何をさせたいんだ) 姉が自分を巻き込んだ、その考えを微塵も疑わない縁はサッパリ行動方針をつかみかねていた。 それに彼は、ここをある種天国のような場所だと思っている。 自分が気づかぬうちに、どこかに飛ばされることなど有り得るわけがないからだ。 そんな天国のような場所で、知人が四人だけ。ほとほと悩んでいるところに、一つの赤い姿が視界に入ってきた。 (あ、あれは……?) 異国人間が着るの赤い外套。 赤味がかった茶色の髪を肩まで下げて、一人の女が何やら思案している。 それを見て、咄嗟にひらめいた。 (そ、そうか。そう言うことなのかい姉さん!!) 縁の頭に、自分がなぜ殺し合いに巻き込まれたのかの答えが浮かんでくる。 (そうだ、姉さんは女を殺せと言ってるんだ!!) 自分が持つ唯一の弱点。それは女が殺せないこと。それが故に、外印を雇って神谷薫の死人形を作らせている。 しかし、考えてもみろ。そんなこと姉さんが望むか? 愛する者を奪われ、自分自身も無残に切り殺された姉さんが、偽の死体で満足するというのか? 馬鹿な、あり得ない。 姉さんだって、本音では神谷薫を殺せと願っているはずだ。 それなのに、自分が女を殺せないから、そんな理由だけで人形でごまかそうなどと…… 「そうか、そうなんだね。俺に弱点を克服しろと。女を殺せるようになれと、姉さんはそう言うんだネ」 そうだ。それでこそ人誅が完成する。 自分の甘えた考えは、天国にいる姉の元にまで届いていたのだ。 そして、彼女は少しだけ怒り、自分を殺し合いへと誘った。 「ごめんヨ姉さん、でも、そう言うことなら、殺し合いも悪くない」 完全に誤解したまま、縁は木刀を持ち異国女の元へと降り立った。 そして戦闘。 木刀をふるう体が妙に重い。 中々、攻めこめないでいる。 実力では一枚も二枚もこちらが上手なのに、攻め入れない。 理由は分かっていた。 全く姉さんの面影を感じさせない姿でも、年のころは同じぐらいの女性。 くるりとした大きな瞳は、細く冴える姉の瞳と正反対だけれども、それでも相手はやはり女だったのだ。 数分後、縁は残念ながら敗れた。 女にではない、自分の中に眠る姉の幻想に。 どういう訳かとどめを刺さずに去って行った女はどうでもいいとして、思った以上に重症だ。 (姉さん。これは、弱点を治すための試練なんだネ?) 倒れこみ、口から胃液を吐きながら縁は決意する。 (心配させてゴメンヨ。でも、絶対殺せるようになってみせる、だから待ってテ……) 冷たいアスファルトの上で縁は、女性殺しを目指していた。 【一日目深夜/H-4 小病院前道路】 【雪代縁@るろうに剣心】 [装備]:木刀@現実 [所持品]:支給品一式、確認済み支給品0~2個 [状態]:健康 [思考・行動] 1、誰でもいいから女を殺す。 [備考] ※殺し合いを姉が仕掛けた夢だと思っています。故に女殺しの弱点を克服できれば、それで終了すると思っています。 ※ぶっちゃけ、姉と抜刀斎以外のことはあまり考えていません。抜刀斎も人誅まで殺すつもりはありません。 アイゼルは結局、男を殺すことができなかった。 刀を振り下ろせば、確実に相手を仕留めることができたはずなのに殺せなかった。 自分の中に、どうしようもない人間の心が宿っていることを再確認する。 (どうしたらいいのよ……) 殺し合いに巻き込まれ、実質的な選択肢は二つ。殺すか、殺されるか。 しかし、自分にはそのどちらも選択することができなかった。 はたして自分はどうなるのか。 (決まってる、殺すしかないじゃない……殺すしか……) 理性と心が渦巻く葛藤の中、アイゼルは一人夜道を歩いていた。 【一日目深夜/H-5 道路】 【アイゼル・ワイマール@ヴィオラートのアトリエ】 [装備]:無限刃@るろうに剣心 [所持品]:支給品一式、未確認支給品0~2個 [状態]:軽傷 [思考・行動] 1.どうしたらいいの? [備考] ※自分たちが連れてこられた技術にヘルミーナから聞かされた竜の砂時計と同種のものが使われていると考えています。 時系列順で読む Back 一晩の悲劇 Next 乱(みだれ)後… 投下順で読む Back 一晩の悲劇 Next ルイズに届けこの想い! 才人ザオリクを唱える。の巻 雪代縁 051 LOST COLORS アイゼル・ワイマール 039 うには美味いな、美味しいな
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日向坂46の「ひ」 #14 佐々木久美、高瀬愛奈 高瀬は踊っちゃう。 ラジオネーム永遠の虹からのトークテーマ「ノリノリになったことは?」。 テレビで日向坂の曲が不意に流れたとき、つい踊ってしまうと高瀬が回答した。 キュンなど自分たちの楽曲が予告なしにBGMなどで使われていると驚いて、踊ってしまうという。