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唯「あずにゃんの様子がおかしい?」 憂「うん・・・昨日と今日とでまるで別人みたいになっちゃって・・・」 律「どんな感じなんだ?」 憂「はい・・・いきなり笑いだしたりいきなり教室とびだしたりって感じです」 紬「うーん・・・よくわからないわね・・・」 律「実際に見てみないことにはなんともなー」 憂「ギターもってきてたし部活には来ると思います」 唯「うー・・・よくわかんないけどとにかく早く会いたいよ~」 憂「とりあえず私は行くね?お姉ちゃん」 唯「うん。じゃーね憂」 憂「また家でね?皆さんも・・・失礼します」 律「おう。じゃーな憂ちゃん」 紬「またね~」 バタン 律「さっきから黙りこくってどうしたんだ澪?」 澪「・・・・・・(まさかな)・・」 ______________ _______ ___ ガチャ 唯「あ!あずにゃーん!」 梓「・・・・・・・・・・・・」 唯「・・・あずにゃん?」 梓「・・・・ククク」 梓「私は邪王真眼の使い手・・・」 梓「見つけたぞ、ダークフレイムマスター」 唯「ほえ?私?」 梓「私達は前世より繋がりし魂のソウルメイツ・・・」 梓「さあ・・・契約を始めよう・・・DFMよ・・・」 唯「あずにゃんが何言ってるかわかんないよ~」 唯「そんなことよりあずにゃん!」 梓「・・・どうした?DFMよ、奴らに気が付いたのか?」 唯「じゃなくて!目、どうしたの?眼帯してるじゃん!大丈夫!?」 梓「ククク・・・心配するなDFM。これは我が力を封印しているだけだ・・・」 梓「そう・・・邪王真眼の力を・・・」 唯「???よくわかんないけど怪我じゃないんだね?」 唯「あずにゃんが無事でよかったよ~」ホッ 梓「心配させてしまったようだなDFM」 梓「だが私はだいじょ・・・ッ!!!」 唯「あずにゃん!?」 梓「ッ!!グァァァ・・・!?これは・・・!?邪王真眼が暴走している・・・?」 梓「まさかッ!DFMとの共鳴反応だとでも・・・?」 梓「うぐっ!?ぐあああああっ」 唯「大丈夫!?どどどどうしよううう!?」アセアセ 唯「みんなもたすけてよ~!」 律澪紬「」ボーゼン 唯「本当に大丈夫なんだね・・・?」 梓「はっ早くしろDFM!これ以上はもう・・・!///」 唯「よかった~」パッ 唯「あずにゃんが病気だったらどうしようかと思ったよ~」 梓「そっその呼び方はやめろ!これからは邪王真眼と呼ぶがいい・・・」 唯「ええ~?やだよ~あずにゃんはじゃおーなんとかじゃなくてあずにゃんだもん!」 梓「それも我が真名ではなかろう!」 梓「まあいい・・・勝手にするがいい・・・」 唯「うん!あずにゃん!」 梓「・・・・・」 律「あ、あの~お取込み中すみませんが・・・」 梓「・・・・どうした?」 律「お前本当に梓、か?」 梓「あたりまえだろう・・・何を言っている?」 律「いや、昨日までと違いすぎるだろ・・・」 律「なあムギ?」 紬「えっ!?そ、そうね・・・」 紬「ひ、久しぶりね邪王真眼・・・」 律「のらんでいい」ビシッ 紬「いたっ!うふふ・・・ちょっと面白そうだったから・・・」 律「全く・・・ってどうした澪?お前さっきから」 澪(梓・・・やっぱりお前・・・) 梓「さあ・・・闇の音色を奏でよう・・・」 唯「?」 梓「DFMの兵器を使い闇の音色を奏でるのだ・・・!」 律「・・・何言ってんだ?梓」 紬「う~ん・・・あ!ギターの練習ってことかしら」 梓「その通りだ・・・」 律「一応練習お化けなのは変わらないのな」 梓「黙るがいい・・・凸森」 律「凸って・・・この頭のことか!」 練習後! 梓「貴様ら・・・たるんでいるぞ!」 梓「これでは闇の披露会で醜態を晒すことになる!」 紬(HTTの音楽と闇って・・・完全に真逆ね) 律(集中できないのはお前のせいだっつーの) 律「そうだなー梓はあんなんだし」 梓「グッ・・・腕の封印がッ・・・!」 唯「今度は腕!?」 _______________ ________ ____ 憂「梓ちゃんどうだった?」 唯「なんか変だったね~」 憂「明日にはなおってるといいけど・・・」 ___________ ______ ___ 澪(梓・・・やっぱりあの時の私みたいに・・・) 過去 澪「ふふふ・・・私はアキヤマー」 澪「風の声が聞こえる・・・」カタカタ _____________ 澪「うわあああああああああああああ」 澪「はずかしはずかしはずかしはずかし」 澪「しかも・・・私みたいにネット上だけでなくリアルでも中二病とは・・・」 翌日 澪「唯・・・話がある・・・」 唯「?なぁに澪ちゃん部室に呼び出して」 澪「梓なんだが・・・」 唯「あずにゃん?」 澪「梓はな・・・中二病だ」 唯「ちゅーに病?やっぱりあずにゃん病気なの!?」 澪「いや・・・病気とは違うんだ」 唯「じゃあなんなの?」 澪「説明しづらいんだが・・・特殊な反抗期とでも思ってくれ」 唯「あずにゃん・・・反抗期なんだ」 澪「まあちょっと違うんだが・・・」 澪「梓を元に戻したいか?」 唯「う~ん・・・そうだね」 唯「いまのあずにゃんもかわいいけどやっぱり元のあずにゃんのほうがいいもん!」 澪「よし。なら作戦を説明する」 _________________ __________ ______ 梓「待たせたなDFM」 律「私達は無視か」 唯「あ、やっと来たね梓ちゃん」 梓「!」 唯「さ、練習しよっか皆」 律「おっけー」 紬「準備できたわ~」 澪「ほら梓も、早く練習だ」 梓「りょ・・・了解した」 練習終了 唯「どうしたの梓ちゃん?キレがないよ?」 梓「す・・・すまない・・・それよりDFM、様子が・・・」 律「今日は終わりにするか」 紬「そうね~」 唯「じゃあかえろっか、梓ちゃん」 梓「・・・・・・」 帰り道 唯「どうしたの梓ちゃん元気ないよ」 梓「・・・・・・DFMこそどうした・・・・」 梓「何故いつもの呼び名で私を呼ばない?」 唯「だって梓ちゃんだって違うじゃない」 唯「私もイメチェンってとこかな~」 唯「それにさ、梓ちゃん、私に抱き着かれるの嫌だったのかな~って」 梓「そんなこと・・・」 唯「だっていつもよりツンツンしてるじゃん」 唯「口調もこわいしさ」 唯「だからこれからは抱き着かないし練習もまじめにやるよ!」 唯「だから安心してね?"あずさちゃん"?」 唯「じゃあ・・・また明日ね~」 梓「・・・・・・・・・・・・・」 梓「・・・・・」 梓「・・」 梓「」グス 唯「!」 梓「・・・・うぅ・・・・」 梓「・・・ん・・・さぃ」ポロポロ 唯「?」 唯「聞こえないよ?」 唯「あ・ず・さ・ちゃ・ん?」 梓「う・・・・ふぇえええええん」ビエエエエエ 梓「やだぁ・・・」 梓「梓ちゃんって呼ばないでぇぇ!」ポロポロ 梓「ごめんなさい!もう止めるからあずにゃんって・・・」 梓「・・・・・あずにゃんって呼んでください!」 梓「・・・・ギュッってしてよぉ・・・」ポロポロ 唯「・・・・・・」 唯「・・・やったぁ!」 唯「成功だよ!澪ちゃん!」 澪「よくやったぞ唯」 律「これで一安心だな」 梓「・・・・ふぇ・・・?みなさん・・・?」 紬「元の姿に戻ったようね・・・邪王真眼・・・」 律「お前はもういい」ビシッ 紬「うふふ・・・ごめんなさい」 梓「え・・・なんで・・・?」 澪「正直見てられなかったからな・・・」 律「あれじゃ練習に身が入らないしな・・・」 澪「お前が言うか」 澪「ま・・・梓を元に戻す為に唯に一芝居うってもらったって訳だ」 唯「えへへ・・・ごめんねあずにゃん」 律「もうちょい長引くと思ったんだがな」 紬「あら?私はすぐ折れると思ったわよ?」 紬「梓ちゃんには素質があるもの」 唯「素質?」 紬「天然の唯ちゃんには分からないわよ~」 唯「ええ~?よく分かんないけどひどいよムギちゃん!」 唯「っと、それは置いといて・・・」 唯「ごめんねあずにゃ~~~ん!」ダキッ 梓「わわっ・・・唯先輩!?///」 唯「あずにゃん分を補給したくてしょうがなかったよ~」ギュウ 梓「私も・・・寂しかったです・・・」ヒシッ 唯「なんと!あずにゃんから抱きつくとは!?」 紬(やはりね) 唯「あずにゃん・・・」 梓「唯先輩・・・」 律「そこイチャイチャすんな~」 律「にしてもなんであんなことしたんだ?」 梓「はい・・・」 回想 よる! 梓「うう・・・なんか目が覚めちゃった」 梓「にしても・・・今日も練習できなかったなぁ・・・」 梓「なーんか唯先輩をやる気にさせる方法ないかな・・・」テレビつけ テレビ<ユメナラータークサンミター 梓「アニメ・・・?」 梓「寝れないし見てみるかな」 テレビ<ジャオーシンガンハサイキョー テレビ<ヤミノホノオニダカレテキエロ! 梓「か・・・かっこいい!」 梓「これなら・・・!」 もうそう! 梓「さあ着いてくるがいい・・・」 唯「あずにゃん・・・いや、邪王真眼さま!」 _______________ _________ ___ 梓「ってなるかと・・・」 律「いやその理屈はおかしい」 紬「梓ちゃんって意外とバカなのね」 澪「ちなみにこれがさっきまでの梓だ」 ビデオ再生 梓『邪王真眼は最強』 梓『さあDFMよ!』 __________ _____ __ 梓「うわぁ・・・」 梓「なにやってんだろ・・・バカじゃないの私・・・////」 唯「あずにゃんは痛くてもかわいいよ~」 梓「うぅ・・・/////」 律「まあ一件落着だな」 唯「あっずにゃ~~~ん」 梓「もういじめないで下さいよ・・・?」 唯「当たり前だよ~もう離さないぜ子猫ちゃん?」 紬「告白!?告白なのね唯ちゃん!?」 梓「もう離しません・・・唯せんぱぁい・・・」 澪「・・・練習は?」 おしまい! 戻る
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LH/SE20-31 カード名:記録の地平線(ログ・ホライズン) にゃん太 カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:4000 ソウル:1 特徴:《武器》?・《コック》? 【自】[① このカードを控え室に置く]他のあなたのキャラがフロントアタックされた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、そのキャラを手札に戻す。 【起】[あなたの《魔法》?のキャラを2枚レストする]そのターン中、このカードはサイドアタックしてもソウルが減少しない。 これは腕の見せ所ですにゃん レアリティ:R
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このSSは『梓「ゆいにゃん」 唯「あずにゃん」』というスレに投下されたものです http //yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1253522521/ 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 42 01.18 ID ESiGxtBZ0 あれは悪夢か、白昼夢か。 見てはいけなかったムギ先輩と憂の暗黒面を垣間見てしまった上に、 私の心とお尻に多大なる傷跡を残して瞬く間に過ぎ去った、 斬新でいながら陳腐と言われたステキな『あの企画』から早くも一ヶ月が経ちました。 こんにちわ、中野梓です。 あれから今日まで、『あの日』のことが話題に上ることは一度としてありませんでした。 誰もが、『あの日』のことを無かったことにしたいと思っているのかもしれません。 もちろん、それで少しでも空気が悪くなるなんてことはなくて、 それこそが、誰もが知っている、いつもの軽音部の空気なのです。 これから先も、ずっとそんな平和な時が続いていく―― 少なくとも私は、そう思っていました。 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 42 57.35 ID ESiGxtBZ0 その日、いつものように部室に入ると、そこに唯先輩、律先輩、澪先輩の姿はなくて。 紬「あら。こんにちわ、梓ちゃん」 梓「こんにちわ、ムギ先輩。……お一人ですか?」 紬「ええ。唯ちゃんとりっちゃんは、職員室に行ってるわ」 職員室? ……期末の成績悪かったのかな? まぁ、勉強会がアレじゃあムリもないと思うけれど。 梓「澪先輩は?」 紬「まだHRが終わってないんじゃないかしら。私たちのクラスの方が早かったみたいだし」 梓「そうですか」 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 44 34.43 ID ESiGxtBZ0 紬「……梓ちゃん、ちょっと手伝ってもらっても良いかしら?」 ムギ先輩は、少しだけ言いにくそうに上目遣いで私にそう言った。 この人も大人しくしてたら普通に可愛いのになぁ。 梓「いいですけど……なにやるんですか?」 紬「これを貼ろうと思ってね」 そう言って、ムギ先輩は少し大きめの筒から、一枚の紙を取り出した。 丸まっているため中身は確認できないが、広げればかなりの大きさになるだろう。 梓「はぁ」 紬「私が押さえてるから、貼ってもらえるかしら?」 梓「わかりました」 音楽室の壁にその紙を運び、ムギ先輩が両手で固定する。 私は言われるがままにテープで両端を貼り付けた。 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 47 26.29 ID ESiGxtBZ0 そしてその全容が露になった。 ,r;;;;ミミミミミミヽ,,_ ,i r" + `ミ;;, __,、 ≡ 彡 ミ;;;i 〃ニ;; `lヽ,,_ ≡ 彡 ,,,,,、 ,,,,、、 ミ;;;! 〈 (lll!! テ-;;;;゙fn __,,--、_ .. ,ゞi" ̄ フ‐! ̄~~|-ゞ, ≡ /ヽ-〃;;;;;;;llllll7,,__/" \三=ー"."ヾi `ー‐ 、 ,ゝ--、 〉;r ≡ 、/ /<;;;lllメ \ヾ、 ヽTf=ヽ `,| / "ii" ヽ |ノ j,, ヾて)r=- | ヾ ヽ;; | l | l t ←―→ )/イ^ ≡ ,イ ヽ二)l(_,>" l| \; | | | ヽ,,-‐、i / V i、ヽ--イll"/ ,, ,//,, ;; l // l く / l" i lll1-=  ̄\ ヾ== " ^ ;; /;;;;;;;;; ゞ ノ/ L/〈 t_イ /ll|─-== ヾ \__ / _;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ ヘ (゙ )l l-┴ヾ、ヽ )  ̄~~ ̄ ̄/ |T==-- // / ト=-| |-─ ( l / / l l / / / (ヽ--─ / | / ヽ_=--"⌒ ゙゙̄ヾ / / / ` ==-- ノ / / アナ・タットワ・チガウンデス[Anna Tattwa Chigaundes] (1936~2008 日系ボリビア人) 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 48 09.85 ID ESiGxtBZ0 梓「……」 紬「……」 梓「あの、ムギ先輩」 紬「なにかしら?」 梓「いや、やっぱいいです」 突っ込みたいことは沢山浮かんだ。 まず、『何故貼る前に照れたのか』 次に、『ポーション高杉じゃなかったのかよこの人』 続いて、『堂々と音楽室に貼るな』 さらに、『いつ作ったこんなもん』 もうひとつおまけで、『サイズがでけえよ』 そして、私の脳内に一ヶ月前の悪夢が過ぎる。 ……うん、よし。 見なかったことにした。 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 49 42.02 ID ESiGxtBZ0 紬「聞いてくれないの?」 梓「あー、ええと、じゃあ聞くことにします」 紬「うふふ、どうぞ」 梓「剥がしてもいいですか?」 紬「梓ちゃん、目が怖いわ」 だって。 あれは、黒歴史として記憶の片隅に封印しようとしていたのに。 梓「あーもう!なんでまたファニーな名前の偉人引っ張りだしてきたんですか!?」 紬「うふふ、よく聞いてくれたわね!」 梓「聞きましたけど、もうあれはやりませんからね」 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 52 32.07 ID ESiGxtBZ0 紬「実はね……」 ムギ先輩は、低めのトーンで淡々と語りはじめた。 その表情は暗く、何か深刻な悩みがあるかのようにも感じられる。 この人のことだ、さっきの私の台詞に傷付いたなどということはありえまいが、 それでも、聞き手を強く引き込むだけの空気が、確かにそこには存在する。 背後で偉人がほくそ笑んでいるので、台無しだが。 紬「唯ちゃんと憂ちゃん、罰ゲームやってないみたいなの」 梓「そうですね」 紬「梓ちゃん、私に冷たくない?」 梓「いえ、そんなことはないですけど」 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 54 53.30 ID ESiGxtBZ0 ていうか、そんなことで深刻に悩んでたんですか。 やらなくていいでしょう、憂の意思なんだから。 そう、『あの日』勝利を収めた憂は、敗者である唯先輩を一日だけ好きにできるという権利を得た。 にも関わらず、「お姉ちゃんが嫌がることはしたくない」と、真摯な態度で、その権利を放棄したのだ。 姉のスカートの中に顔を突っ込んでいた人物の台詞とは思えなかったが、憂は真剣だった。 唯先輩は少し驚いた後、嬉しそうに憂を抱きしめた。 そんな光景に、私は少なからず嫉妬という感情を抱いたのだが……、それはともかく。 あんなにカオスだった勉強会を、信じられないくらい綺麗なカタチで終わらせたというのに、 何蒸し返そうとしてやがりますかこの沢庵様は。 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 56 33.01 ID ESiGxtBZ0 紬「……梓ちゃん」 梓「はい?」 紬「スウェーデンで今年の五月から同性同士の結婚ができるようになったらしいわ」 梓「そうですか」 へえ。 いや、今その話関係ないだr 梓「なんですと!?」 紬「落ち着いて、梓ちゃん。 反応が露骨よ」 梓「……すいません。で、それがなにか?」 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 57 36.52 ID ESiGxtBZ0 紬「梓ちゃん、唯ちゃんのこと好きよね?」 梓「な、なななな!!なにを言ってやがりますかこの……この、えーと、バカ!!」 紬「梓ちゃん、先輩にバカはないと思うわ」 梓「あ、すいません。動揺しました」 紬「動揺したってことは、やっぱり好きなのね?」 梓「……」 ちくしょう。 梓「で、それがなんなんですか?」 やけくそ気味にそう問うと、ムギ先輩はしたり顔で、 自分のカバンをごそごそと弄り、ビデオカメラを取り出した。 紬「唯ちゃんと憂ちゃんに、罰ゲームとご褒美をやってもらいましょう」 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 17 59 18.53 ID ESiGxtBZ0 梓「えーと、話が全く繋がってこないんですけど」 紬「梓ちゃんには、罰ゲーム執行日に平沢家に進入し、カメラで撮影してくる役を命じます」 梓「丁重にお断りします」 紬「……」 梓「……」 紬「梓ちゃん、唯ちゃんと結婚したいでしょ?」 梓「話が飛躍しすぎてると思います」 もっと、こう段階ってものがあるでしょうに。 発想力に乏しい私には凡そ理解の及ばぬ二文字に、しかしどういうわけか意外と冷静だった。 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 03 02.64 ID ESiGxtBZ0 紬「女性の卵子に女性の遺伝子を組み込んで、子供を作る方法を研究している機関があるの」 梓「……はぁ」 紬「琴吹グループに」 梓「すげえ!!」 琴吹グループすげえ!! 将来的に、私と唯先輩が結婚して、さらに子供まで作れるかもしれないってことですよ。 私と唯先輩が結婚して、さらに子供まで作れるかもしれないってことですよ? 紬「モノローグ使ってまで、大事なことなので二回言いましたを体現しなくてもいいと思うわ」 梓「人の思考トレースしないでください」 琴吹紬すげえ!! 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 08 36.18 ID ESiGxtBZ0 紬「梓ちゃん、私はいつでもあなたの味方。必ず力になれると思うから」 梓「いや、ありがたい話ではありますけど……、私まだそんなこと考えてないですし」 紬「今はそうでしょうね。だから、将来的な話よ」 なんとなく、ムギ先輩がどういう取引を持ちかけてきているのかが見えてきた。 紬「だ・か・ら♪」 梓「平沢家に行って、罰ゲームを取材してこい、と?」 紬「Yes!」 ムギ先輩は、最高の笑顔でそう答える。 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 12 35.97 ID ESiGxtBZ0 梓「……まぁ、いいですけど。二人が罰ゲームやろうとしなかったら、私は何もできないですよ?」 紬「そのためのポスターじゃない」 梓「……」 紬「……」 梓「……いや」 十中八九、効果ねえよ。 紬「なあに?」 梓「なんでもないです」 紬「等身大よ?」 梓「……」 でけえ。 バストアップしか映ってないけど、 推測するに、確実に二メートル弱あるじゃん、高杉さん。 あ、いや、高杉さんじゃないらしいけど。 でも効果ねえよ。 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 17 41.41 ID ESiGxtBZ0 まぁ、何もできなくても、唯先輩の家に行く理由にはなるし。 カメラは何も撮らずに翌日ムギ先輩に返せばいいだろう。 梓「そういえば、なんで私なんですか?」 審判やってたんだから、ムギ先輩が行けばいいのに。 紬「梓ちゃん以外だと、二人のお邪魔になっちゃうから」 梓「へ?」 律先輩や澪先輩でも、なんら問題はないように思う。 なんで私だけが平気だと思うんだろう? 紬「そういうことだから、お願いね」 梓「……わかりました」 一応、承諾することにした。 私はそう言って椅子から立ち上がり、壁に向けて歩き出す。 そして、あの日私たちを笑いの地獄へと追いやった一人の偉人に敬意を表し、 その角に手をかけ「梓ちゃん剥がしちゃだめええええっ!!!」 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 24 28.35 ID ESiGxtBZ0 唯「ムギちゃんただいま~。あずにゃんおいっすー」 律「おーっす梓ー。ムギ、お茶にしようぜー……って、澪はまだ来てないのか」 しばらくして、軽やかな挨拶と共に二人が入ってきた。 梓「こんにちわ、唯先輩、律先輩」 紬「おかえりなさい二人とも。今お茶いれるわね」 ムギ先輩はそう言って席を立つ。 律「しかし、よかったなー唯。追試受けなくて済んで」 唯「うん、全教化ぎりぎり合格ラインなんて、自分でもびっくりだよ」 会話から察するに、二人ともセーフだったらしい。 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 30 19.41 ID ESiGxtBZ0 梓「あれ、律先輩はどうして職員室に行ってたんですか?」 律「私は、さわちゃんに用があったからな。唯の付き添いも兼ねて立ち寄ったんだよ」 梓「なるほど。そして唯先輩は、試験結果が全部ぎりぎりで注意された、と」 唯「いやぁ、すいやせんねー、えへへへへ」 律「なぁ、梓」 梓「なんですか?」 律「おもっきりお茶しようとしてるけど、注意しないのか?」 梓「……」 あまりに自然な流れすぎて失念していた。 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 35 15.66 ID ESiGxtBZ0 梓「い、いや、あれですよ。澪先輩がまだ来てないから、ほら。練習は皆揃ってからじゃないと!」 律「そういうことにしといてあげよう」 ふふん、と胸を張る律先輩。 むぅ。私としたことが。 なんか、最近律先輩に優位に立たれることが増えてきた気がする。 むくれていると、唯先輩がそっと頭を撫でてくれた。 唯「よしよし、あずにゃんいい子いい子」 思わず顔が綻ぶ。 梓「にゃあ」 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 40 21.65 ID ESiGxtBZ0 律「なぁ、梓」 梓「にゃ?」 律「私も唯もムギも、どっちかっていうとボケ属性だから、お前がボケると突っ込むやついなくなると思うんだ」 梓「……」 ちがうもん。 ボケとかじゃないもん。 わからない人のために説明しよう! 私は唯先輩に撫でられると猫語になってしまうことがあるのだ。 苦しいとか言うな。言わないでください。 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 44 51.55 ID ESiGxtBZ0 ムギ先輩が人数分の紅茶を淹れて戻り、四人で会話に花を咲かせる。 しばらくすると、澪先輩が音楽室に顔を覘かせた。 澪「ごめん、遅れて。HRが長引いちゃtt」 台詞を最後まで言わずに硬直する澪先輩。 解説しておくと、件の等身大ポスターは、入り口から見て右側の壁に貼られている。 扉を開けてそのまま無警戒で席へと着いた唯先輩と律先輩は、まるで気付いていないのだが、 普段から警戒心の強い澪先輩は、すぐにその淀みの無い熱視線に気が付いたようだ。 唯「やっほー澪ちゃん」 紬「こんにちわ澪ちゃん。ごめんなさい、今澪ちゃんの分も淹れるわね」 律「どうした澪ー、早く座れよ?」 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 49 08.13 ID ESiGxtBZ0 梓「……」 澪「あ、ああ。そうだな……」 ちらちらと、様子を窺いながら、椅子に座る澪先輩。 その視線の先には、圧倒的な存在感を持って壁に鎮座する推定二メートルの偉人。 談笑を続ける三人を尻目に、澪先輩は隣から小声で私に囁きかける。 澪「(な、なぁ、梓。気付いてる?)」 梓「(まぁ、一応は……)」 貼ったの私です。とは口が裂けても言えない。 澪「(これってやっぱり、アレだよな?)」 梓「(あー、えーと……。非常に説明し難い所なんですが)」 一応、そこはフォローしておくべきだろう。 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 52 47.70 ID ESiGxtBZ0 梓「(笑っても大丈夫ですよ、今回はそういうんじゃないらしいので)」 澪「(そ、そうか。よかった……)」 澪先輩は、心底ホッとしたような素振りを見せた直後、 澪「いや、良くないだろ!!」 そう言って、机をバン!と叩いた。 律「うわー、澪が怒ったっ!」 唯「ご、ごめんね澪ちゃん! ムギちゃんのクッキー、一枚多く食べちゃってごめんね!」 ああ。 そんなことで澪先輩が怒るわけないのに。 本当に、かわゆいお方だ。 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 55 49.01 ID ESiGxtBZ0 澪「そうじゃなくて、アレのことだよっ!!」 言って澪先輩は、指先をポスターへと向ける。 その指の先を、まるでテニスの試合を食い入るように見つめる観客のように シンクロした首の動きで追う唯先輩と律先輩。 私はここがチャンスとばかりに唯先輩だけを見ていたが、 ムギ先輩もまた、じっと私を見ていた。しまった、謀られた。 律「!!」 唯「!!」 律「なん……」 唯「だと……」 澪「全く、なんでこんなものがここに貼ってあるんだよ」 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 57 26.42 ID ESiGxtBZ0 つかつかと歩き出し、偉人の前で立ち止まると、 澪先輩は私がしたのと同じように、ポスターを剥がしにかかる。 律「ま、待て澪! 安易に剥がすのは危険だ!!死体とか埋まってるかもしれない!!」 澪「ひぃぃっ!?」 サササ、と綺麗な早歩きで音楽室の反対側の壁へと移動し、 その場に蹲る澪先輩。 律「ありゃ、効果ありすぎたかな……」 唯「りっちゃん、さすがにそれは怖いと思うよ」 梓「澪先輩、大丈夫ですよ。死体なんてありませんから」 澪「見えない聞こえない見えない聞こえない見えない聞こえない」 梓「あー……。しばらくダメですね、これは」 お決まりの念仏を唱えてしまっている。 こうなってしまえば、この人はしばらく動けないのだ。 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 18 59 44.26 ID ESiGxtBZ0 律「……ごめんな澪ー、悪ふざけが過ぎたよ」 私と律先輩がフォローに回ったため、 ポスターの前には、必然、唯先輩とムギ先輩が残る。 ……もしかしてこの流れ、ムギ先輩の計画通りなのか? だとすると少しだけ不安になる。 私は、澪先輩を律先輩に任せて、唯先輩の所へと戻った。 唯「ムギちゃんこれ、ふく―、ポーション高杉さんだよね?」 今、「ふく」って言いかけましたよね? 紬「日系ボリビア人よ」 もはや話聞いてねえなこの人。 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 04 24.56 ID ESiGxtBZ0 唯「やっぱり、先月のアレだよね……?」 紬「そうかもしれないわね」 唯「ほえ、ムギちゃんが貼ったんじゃないの、これ?」 紬「貼ったのは私じゃないわよ?」 唯「そっかぁ、そうなんだ。誰が貼ったんだろう……」 梓「……」 貼ったのは、と来たか。 確かにムギ先輩は貼ってはいないからなぁ。 律先輩や澪先輩なら、持ってきたのはムギ先輩だと気付いてくれるのだろうけど、 唯先輩はバ……、いや、純粋だから、簡単に信じてしまう。 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 10 02.46 ID ESiGxtBZ0 うむ、貼ったのは私だ。 と名乗ればいいのだろうか。 そして持ってきたのはムギ先輩だと訴えれば、解決できるのではなかろうか。 しかし、そんな考えとは裏腹に、私は傍観に徹した。 ムギ先輩のポスター計画がどこまでうまく運ぶのか、 それに唯先輩の罰ゲームも見てみたい気は確かにある。 憂があまり酷い要求をするようなら、現場にいける私が止めればいいのだ。 唯「罰ゲーム……」 紬「唯ちゃん?」 唯「私が、憂のご褒美の罰ゲームを受けてないから、こんなのが貼られたのかな」 紬「憂ちゃんが権利放棄して、無かったことになったのよね」 唯「うん。憂は本当にできた子だよぅ」 梓「……」 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 15 13.44 ID ESiGxtBZ0 紬「やったほうがいいんじゃないかしら? 罰ゲーム」 唯「ほえ?」 紬「だってこれは、そういうことだと思うわ」 唯「そうだよね。私が負けたんだし、罰受けないなんてずるいもんね……」 ああ、やはりそういう展開か。 神はそういう展開を御所望か。 唯「わかったよムギちゃん!今日帰ったら、憂にお願いしてみるねっ!」 紬「えらいわ、唯ちゃん」 わしゃわしゃと唯先輩の頭を撫でるムギ先輩。 私はその光景に、北の動物王国の主を重ねる。 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 21 51.23 ID ESiGxtBZ0 ちくしょう。せめてその役目は私に譲ってほしかtt――じゃなくて、 二メートルの等身大ポーション高杉おそるべし。 さしもの私も、このご都合主義的展開は読めなかった。 ムギ先輩は、「それじゃあ、剥がすわね」といって、 役目を終えたポーション高杉を元の筒へと戻した。 いや、筒。 筒持ってるのムギ先輩ですから! 気付いてくださいよ唯先輩!! 唯「りっちゃん、紅茶冷めちゃうよー!」 律「おう、分かってるー!」 梓「……」 紬「……ね?」 梓「脱帽です」 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 28 41.08 ID ESiGxtBZ0 翌日の放課後。 音楽室の扉を開けば、そこにはほら、昨日と同じくムギ先輩が一人だけ。 なんてことは無く。 先輩方は既に全員揃っていた。 梓「こんにちわー」 唯「やっほー、あずにゃん」 律「おーっす」 紬「ちょうど良かったわ。梓ちゃん、今週の土曜日空いてるかしら?」 なんか、デジャヴ。 また勉強会とか言い出すんじゃあるまいな。 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 34 02.15 ID ESiGxtBZ0 梓「えーと、はい。大丈夫だと思いますけど」 律「遊園地いこうぜ!」 梓「……はぁ、いいですけど。なんでまた唐突に?」 律「部員同士の親睦を深めるためだ!」 澪「遊びたいからに決まってるだろ」 律「なんだよー、澪だってノリノリだったじゃんか」 澪「それは……、皆行くって言うから……」 段々と、声のトーンが下がっていく澪先輩。 なんとも可愛らしい。 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 39 07.17 ID ESiGxtBZ0 ニヤニヤと頬を緩めていると、唯先輩が口を開く。 唯「実はね、憂が提案してくれたんだよ」 憂が? 遊園地? 結びつかない。 どうしてまた? 唯先輩は、あまりテキパキとは言えない口調でゆっくりと、 でも分かりやすく説明してくれた。 昨日家に帰ってから、唯先輩は、憂に罰ゲームの話をした。 すると憂は、『梓ちゃんがずっとカメラをまわすのは大変だから』、という理由で ”日中から夜まで”の間は、皆の前で罰をすればいい。 皆で一緒に遊びながら罰をすればいい、と提案してくれたそうだ。 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 45 46.15 ID ESiGxtBZ0 確かに、ムギ先輩の前であれば、カメラで撮影しなくとも満足してくれるだろう。 私も失念していたことだが、ムギ先輩が出したのご褒美&罰ゲームの内容は 『勝者が”一日の間”、敗者を好きにしてかまわない』 というものだった。 一日というのは、つまるところ二十四時間。大目に見ても、夜寝るまでの間だ。 確かに、私が一人で平沢家に行き、一日中カメラをまわし続けるというのは、なかなかに酷なもの。 ともすれば、この憂の申し出は非常にありがたい。 私としては、これを反対する理由は何一つ無い。 梓「なるほど。そういうことなら是非行かせてください」 ていうか、今更だけどどうしてカメラ係とか引き受けたんだろう……。 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 48 43.00 ID ESiGxtBZ0 律「やったな、唯!」 唯「やったね、りっちゃん!」 律先輩と唯先輩が、両手を出し合って勝利のポーズ。 最初は唯先輩の出した手のひらを、律先輩が上からパシン! 続いて律先輩が出した手のひらを、唯先輩が上からパシン! 最後に、二人とも右手でガシッ!と握り合う……かと思いきや、 律先輩が、反対の手の人差し指で、唯先輩の頬っぺたをぷに。 空を切る唯先輩の右手。 唯「あぁん、りっちゃんひどいっ!」 律「あはは、悪かった悪かった」 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 52 04.07 ID ESiGxtBZ0 紬「相変わらず、二人は息が合うわね」 澪「あれをもう少し演奏に生かしてくれればいいんだけどな……」 梓「全くです。……ところで澪先輩」 澪「なんだ?」 梓「お化け屋敷とか、絶叫マシンとかありますけど、大丈夫なんですか?」 澪「……」 梓「……」 澪「……うん、だ、大丈夫」 梓「絶対嘘だ」 紬「梓ちゃん、口に出てるわよ」 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 19 57 23.28 ID ESiGxtBZ0 唯「良い天気っ!」 律「見渡す限りの人、人、人っ!」 憂「そして今日もかわいいお姉ちゃんっ!」 梓「わー、遊園地だー……」 澪「梓、ムリに乗らなくてもいいんだぞ」 上空には、雲一つ無い青い空が広がり、 地上には、恐ろしい程の人が群がる。 上空に輝く太陽は、止め処なく紫外線を照射し、 地上に輝く太陽は、何処までも淀みの無い笑顔を振りまいている。 私たちは電車に一時間ほど揺られ、某巨大遊園地へやってきていた。 ちなみに、解散後は私のみ唯先輩の家に泊まりに行く予定となっている。 もちろん、ムギ先輩に頼まれた罰ゲーム撮影のためである。 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 00 33.48 ID ESiGxtBZ0 紬「……」 唯「あれ、ムギちゃんどうしたの?」 紬「いえ。ただ、友達同士で遊園地って初めてだったから……嬉しくて」 唯「そっかぁ。それじゃあ今日は一緒に楽しもうね!」 紬「そうねっ。ありがとう、唯ちゃん♪」 唯「えへへ」 ムギ先輩はそう言って唯先輩の手を握った後、私の方へと振り向いてニコりと笑った。 わざとやってやがんなこんちくしょう。 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 05 01.05 ID ESiGxtBZ0 憂「それじゃあお姉ちゃん、最初のお願い」 唯「ほいほい、なんでもごじゃれ!」 憂「今日一日、皆で楽しく過ごすこと!」 唯「いえっさー!」 ビシっと。 なぜか敬礼する唯先輩だった。 紬「良いわねぇ。心洗われるようだわ……」 澪「ムギ?」 紬「うふふ、素敵な一日になりそうね、澪ちゃん」 澪「え、うん……」 澪先輩は改めて、楽しそうに笑う律先輩や唯先輩を見つめて そうだな、と呟いた。 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 10 42.45 ID ESiGxtBZ0 唯「……というわけでりっちゃん、まずは何から乗る!?」 律「そうだなー、やっぱり遊園地と言えば、まずは……アレだぁっ!!」 律先輩の指差した先には、絶叫マシンの代名詞『ジェットコースター』 その乗り込み口からは、長蛇の列が続いている。 澪「でも、凄い並んでるぞ?」 律「こういうところにきたら、並ぶのも醍醐味ってな。待ち時間を有効に使えばいいのさ」 そう言って、律先輩が取り出したのは、黒いカラーリングの携帯ゲーム機と、付属のタッチペン。 それに呼応するように、ムギ先輩も白いカラーリングのそれをカバンから取り出していた。 紬「なるほど。それで持ってくるようにいってたのね」 唯先輩はピンク、憂と澪先輩はライトブルー。 私は律先輩と同じくブラック。 律先輩が親となり、他の五人がソフトをダウンロードする。 これで、六人でも同時に対戦できるのだ。 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 15 29.41 ID ESiGxtBZ0 ――。 梓「ちょ、誰ですかアイテムエリアに偽物置いた人!!」 律「ふはは、私だ!」 憂「梓ちゃんいた」 梓「あーっ、律先輩のせいで憂に抜かれたし!」 律「踏むのが悪い!」 澪「律、覚悟!」 唯「あ、なんか飛んでった」 紬「あら本当。りっちゃん気をつけてー」 律「いやいやいや、澪お前周回遅れなんだからそういうことを――うおおッ!?」 え、勝敗? 会話から想像してみてください。 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 19 59.42 ID ESiGxtBZ0 ――。 梓「せっかくなんだからパート変えましょうよ」 律「えー、じゃあ私ドラム~」 澪「変わってないだろ」 律「ぷえー。じゃあベースやるー」 紬「なら私がドラムやろうかしら」 唯「澪ちゃんは?」 澪「そうだな……、それじゃあギターにしよう」 憂「私もギターかな。お姉ちゃんの」 澪「憂ちゃんリードやってみる?」 憂「は、はい。頑張ります」 唯「それじゃ私たちはピアノだね、あずにゃん」 梓「はい、唯先輩」 曲目は『ふわふわ時間』 スコアはあらかじめ澪先輩が入力してきてくれたらしい。 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 24 28.95 ID ESiGxtBZ0 ――。 律「ふ、あははは、澪、なんて動きしてんだよ」 澪「し、仕方ないだろ。こういうの苦手なんだから!」 律「そんな動きしてると撃っちゃうぞー」 ピュン 律「おわっ!?誰だよデトネーター撃ったの、顔に張り付いてんじゃん!!」 憂「……」 律「く、こうなったら澪も道連れだっ!」 澪「ば、馬鹿!それ点灯させたままこっちくんなっ!」 カチリ。 澪・律「うおおおっ!?」 どかーん! 憂「……ふふ」 律「うわ、憂ちゃんだったか……。やられたよ」 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 29 17.58 ID ESiGxtBZ0 唯「一対一だね、あずにゃん!」 梓「負けませんよ!」 唯先輩の武器はショットガン。対する私はサブマシンガンの二丁。 至近距離で撃たれるとヘッドショットでなくても即死コースだが、一発撃つ毎に隙が生じる。 先輩のニブさなら、多分掻い潜れる。……多分。 バンッ! 梓「っ!!」 ズガガガガガ 唯「――!!」 バンッ! 梓「なっ!?」 唯「ふっ、甘くみたね、あずにゃ―」どかああああん!! 唯「……」 梓「……」 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 34 28.46 ID ESiGxtBZ0 唯「……なんか、爆発した」 梓「……爆発しましたね」 唯先輩と死闘を繰り広げていた矢先、 なんらかの爆発物が飛んできた。 憂は澪先輩と律先輩の方にいた筈だから、こんなことができるのは――。 紬「ふふっ」 唯「ムギちゃん後ろにいたのー!?」 紬「ダメよ、二人だけでイチャイチャしてちゃ!」 梓「し、してませんそんなこと!」 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 39 36.05 ID ESiGxtBZ0 ――。 などとやってるうち、あっという間に私たちの番がやってきた。 白熱しすぎて、危うく本来の目的を忘れるところだった。 私達は係員に案内され、コースターの前に通された。 二人席がずらっと一列に並んでいるので、必然、二人ずつのペアに別れる必要がある。 梓「席、どうするんですか?」 律「じゃあ私澪の隣ー!」 澪「……そういうことを平気で叫ぶなよ」 律「なに、嫌なの?」 澪「べ、別に嫌とは言ってないだろ!」 ニヤニヤと嬉しそうな律先輩。 律先輩は、唯先輩と気が合うくせに、こういう時は澪先輩を選ぶよなぁ。 そしていつもの流れだと、ここで唯先輩が 「あずにゃ~ん、一緒に乗ろう!」って言いながら私に抱きついて―― 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 46 44.02 ID ESiGxtBZ0 憂「あ、お姉ちゃん」 む。 唯「どうしたの、うい?」 憂「一緒に乗ってもいいかな?」 唯「……」 少し間を置く唯先輩。 ……もしかして、考えてますか? 唯「ダメだよ」 憂「……え?」 梓「!」 その発言に、思わずはっとする。 まさか、私のため――? 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 50 44.94 ID ESiGxtBZ0 唯「ふふ、そうじゃないでしょ、ういー。今日の私は憂の言いなりなんだから」 憂「……あ、そっか」 唯「ほら、ちゃんと言い直さなきゃ」 憂「命令します。お姉ちゃんは私の隣に座ること!」 唯「かしこまりましたっ!」 憂「えへへ~」 梓「……」 むぅ。 紬「梓ちゃん?」 ちょっと期待したのに。 唯先輩のばか。 ばかー。 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 54 22.08 ID ESiGxtBZ0 梓「……」 紬「あーずーさーちゃーん?」 梓「ふぇっ!? な、なんですか?」 紬「妬いてる?」 梓「なっ!! そ、そんな事、あるわけないです!!大体ムギ先輩はいつもいつも私達をそういう風に」 紬「妬いてたのね」 梓「妬いてません」 紬「……ふ」 梓「……」 鼻で笑われた。ちくしょう。 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 20 56 09.18 ID ESiGxtBZ0 紬「そう、それじゃあ一緒に座りましょ♪」 梓「……ムギ先輩」 紬「なあに?」 梓「私、右側でいいですか?」 紬「ふふふ、もちろんよ」 梓「……どうもです」 紬「そこの位置なら、コースターがスピードに乗れば、唯ちゃんの匂いが嗅げるものね」 梓「そういう変態っぽい言い方しないでもらえますかね」 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 21 59 42.41 ID ESiGxtBZ0 唯「澪ちゃん、大丈夫?」 澪「なにが?」 唯「うぇ、いや、こういうの苦手かなーって思ったんだけど」 澪「ああ、痛いのとかお化けとかはダメだけど、これは別に……」 唯「へぇー、そうなんだー。ちょっと意外かも」 澪「そうかな……。ていうかアニメ版の私はやりすぎだろ。あそこまで臆病だとマトモに生活できないじゃないか」 梓「……」 律「……」 唯「……」 紬「……」 憂「……」 澪「ん?」 律「いや、はっちゃけたなーと思って」 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22 00 52.86 ID ESiGxtBZ0 シートベルトが下り、私達を乗せたコースターはレールの上を上昇していく。 やがて、遊園地が一望できる高さまで……って、思ったより高いなコレ。 ……いや、高すぎるでしょ。 こっから一気に下りるの? まじで? 紬「まじです♪」 梓「わあ、声に出てましたっ!!」 ―――。 梓「い、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 律「いやっほおおおい!!」 唯「おほぉぉぉっ!!」 憂「お姉ちゃんかわいいよお姉ちゃん」 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22 04 54.85 ID ESiGxtBZ0 ―――。 澪「ひ、い、いいいいっ!!」 律「うおおおおおおっ!!」 憂「お姉ちゃん愛してる」 ―――。 唯「おわぁぁぁぁぁっ!」 紬「わぁ、いい眺めよ梓ちゃん♪」 梓「う、ぐ……」 憂「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」 ―――。 103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22 07 16.40 ID ESiGxtBZ0 梓「……」 紬「気持ちよかったわね、梓ちゃん」 梓「……ええ、まぁ。 余裕でした」 三回くらい意識飛びそうになった。 匂いがどうとか言ってる余裕ねーですよ。 律「なんだよ澪、結局怖がってたじゃん」 澪「いや、なんていうか……。あそこまで急だとは思ってなかった」 律「あはは、まぁ、私もちょっと怖かったしね。澪にしては頑張ったと思うぞ」 そう言って、澪先輩の頭を撫でる律先輩。 澪「な、撫でるな!」 身長的に、普通は逆だろうと思う。 ほら、私と唯先輩みたいに―― 107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22 13 47.00 ID ESiGxtBZ0 唯「楽しかったねー、ういー」 憂「うん! 次も一緒に乗ろうね、お姉ちゃん」 梓「……」 あー。 あー。 なんだろう、この気持ち。 どす黒い何かが、私の心の中に――。 そういえば今日って、まだ一回も唯先輩に抱きつかれてないよね。 紬「……」 109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22 19 29.77 ID ESiGxtBZ0 律「さて、お次は……アレとかどうだ?」 律先輩が指差したのは、回転する巨大なトレイの上でくるくる回るコーヒーカップ。 ハンドルを回すとその分、カップの回転速度が上昇するというファンキーな乗り物だ。 唯「おぉ、いいねー」 澪「そうだな、アレならあんまり人も並んでないし」 律「そんじゃ決定ー!いくぞぉ、みんなー」 唯・憂「おーう!」 よし、次こそは唯先輩と――、言いたいところではあるのだけれど。 唯先輩の腕は、憂ががっしりと掴んでいる。 これじゃあ、私の入る隙が無いじゃないか……。 ううん。 ……皆楽しんでいるんだから。 考えるな、考えなくていいんだ、私。 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22 24 23.38 ID ESiGxtBZ0 梓「……」 頭ではそう思っているつもりなのに、 言い聞かせても言い聞かせても、心のもやもやは消えてはくれなかった。 いつから、こうなったのかな、私――。 澪「これも二人ずつだけど、どう分かれるんだ?」 律「うーん、そうだなぁ」 紬「憂ちゃん」 憂「なんですか?」 紬「今回は、私と一緒に乗ってくれるかしら?」 ムギ先輩……? 112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22 31 06.89 ID ESiGxtBZ0 憂「え、でも」 紬「お願いっ」 憂「……まぁ、紬さんがそう仰るなら、私は構いませんよ」 紬「ありがとう!」 ムギ先輩は、憂の腕を掴んで歩き出す。 そして、私の方へと振り返り、ウインクをぱちり。 ――頑張ってね。 そんな声が聞こえた気がしたから、 ――ありがとうございます。 心の中で、そう呟いた。 114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22 38 14.73 ID ESiGxtBZ0 ムギ先輩の心意気を、無駄にするわけにはいかない。 だから、私も勇気を出して。 梓「あの、唯せんぱ――」 律「んじゃ、唯。私と組むかー」 唯「え、うん。いいよ、りっちゃん!」 うおぉぉぉぉい!! 律先輩うおぉぉぉぉい!! 澪「じゃあ、梓は私とだな……って」 梓「……」 115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22 42 38.38 ID ESiGxtBZ0 澪「ご、ごめん梓。私とじゃそんなに不満だったか……?」 ぷぅー、っと頬を膨らませる私と、それが自分のせいだと思い込んであたふたする澪先輩。 困った。 私は唯先輩のことが好きだが、澪先輩のことも好きなのだ。 なんというか、付き合うなら唯先輩、姉にするなら澪先輩、みたいな。 だから、あらぬ誤解を招いて好感度を落とすわけにはいかない。 二股とかじゃねーです。 そこのけそこのけです。 梓「あ、ち、違います。ごめんなさい澪先輩!誤解です!」 澪「そ、そう? それならいいんだけど……」 梓「……はぁ」 前途は多難らしかった。 116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/21(月) 22 51 01.06 ID ESiGxtBZ0 物凄い勢いで超速回転する律先輩と唯先輩のカップ。 律「ひゃっほおおおおっ!」 唯「り、りっちゃん、目が!目がまわる!!」 律「うおお、そういえば私も目がまわってきた気がする!」 唯「ほわあああああ!!」 律「だが、まだだ。まだ終わらんよ!」 唯「り、りっちゃん隊員、これ以上は……!」 律「大丈夫だ、唯! 私が守ってやるっ!」 唯「り、りっちゃんっ!!」 律「唯っ!」 律・唯「イエス」 律・唯「フォーリン・ラヴ」 梓「……」 澪「あいつら、何やってるんだ……」 梓「ゆいにゃん」 唯「あずにゃん」 ID ESiGxtBZ0 その2
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1 2 唯「ガチにゃん!」 2011/06/23 http //hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1308813552/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る ガチにゃんとエロにゃんの違いが解らん。 -- (デニムアンドルビー) 2013-11-27 03 31 28 梓は本当こういうのが似合うな -- (名無しさん) 2013-11-25 05 19 39 俺も少しは働かないとな。 -- (唯梓最強) 2013-05-29 17 54 30 唯梓だけで良かったのに -- (唯梓最強) 2012-11-08 02 49 01 タイトルをガチにゃん最強伝説に変えるべきだ -- (名無しさん) 2012-11-07 20 24 24 和のスルースキルなら或いは… -- (名無しさん) 2012-08-02 23 03 01 何だろう、この梓の禍々しさは… -- (名無しさん) 2012-08-02 21 34 40 憂選手がアップを… アップを… 敗退した…だと…? -- (名無し) 2012-08-02 10 50 55 とびっきりの最強の憂選手が負かされるなんて……嘘だぁーっ! -- (名無しさん) 2012-05-27 18 31 10 梓… 殺し屋だな -- (名無しさん) 2012-02-01 23 56 10
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YUI『男くーん、もう我慢できないよぉ』 男『まったくYUIはとんだ淫乱だな……。』 YUI『男くんのチ○コ、YUIのオマ○コにぶち込んでください///』 男『よくできましたっ……!』ズブリ YUI『ああああんっ!』 梓「」 梓(YUIはそんなこと言わない!)パタン 梓(他の本……。YUIとAZUがラブラブな本を……)キョロキョロ 梓(YUIとAZUが表紙だ。これかな)ヒョイッ 男教師『廃部になりたくなかったら……わかってるな?』 YUI『はい……』ヌギヌギ 梓「……」パタン 梓「……」ヒョイッ YUI『AZUNYAN……私、ずっとAZUNYANの事が……』ギュッ AZU『先輩……。私もです……!』 YUI『AZUNYAN……いいかな?』 AZU『YUI先輩……///』コクリ 梓(当たり!)グッ 梓(百合本を引き当てるコツがなんとなくわかってきたかも) 梓(まず、表紙に女の子が一人しか写ってる本。これは危険度大!これを避けるだけでかなり絞れる) 梓(問題は表紙に女の子が二人写ってる本かな。百合と見せかけて男の人とえっちしてる本が多い) 梓(これは女の子達がカメラ目線かどうかである程度判別できそう。カメラ目線は危険、女の子が見詰め合ってるのは結構いい) 梓(最初は手当たり次第に見てかなりショックを受けたけど、いい授業料になったと思うことにしよう) 梓「……?」 男7「……」ジロジロ 男8「……」ギロッ 男9「……」サッ 梓「?」 紬(梓ちゃん……)ヒソッ 梓(あ、ムギ先輩。あの、気のせいか……)ヒソッ 紬(う、うん。結構見られてるかも……) 紬(ここ男の人向けのフロアだから……女の子二人でいると目立っちゃうかも) 梓(あ……やっぱり。さっきちょっと睨まれたような気が) 紬(決まったら早めに出ましょう?) 梓(は、はい。これだけ買ってきます) ※18歳未満(高校在学中)の人は真似しないでください ~~~~~~~~~~~~~ 唯「……」 唯(私何やってるんだろう……) 唯(こそこそ後をつけて、見失って……こんなところを一人でウロウロして) 唯「帰ろう……」 唯(……あっ)ピタッ 唯(百合……同人誌コーナー?この前あずにゃん達が話してた百合って!)ダッ 唯(しかもこれも本だ。本で百合。このことなのかもしれない)ヒョイッ 唯(あれ?この表紙の女の子……) 唯「……」 ~~~~~~~~~~~~~~ 唯の部屋 唯(買っちゃった)ガサッ 唯(あはは。本当にあずにゃんにそっくり) 唯(……)ペラッ ……… …… … 唯「……」パタン 唯(これが百合ってやつなんだ) 唯(あずにゃんは、女の子同士の恋愛も、嫌いじゃないのかな?) 唯(……) 唯(それにしても、この本の二人って。私とあずにゃんにそっくりだな) 唯(この子達は想いが通じ合って……結ばれた) 唯(……) 翌日 梓「それで……」 紬「うんうん♪」 唯「……」 唯(昔みたいに) 唯(自然に、明るく) 唯(前はできてたんだもん) 唯「……」 唯(でも……もし、また拒まれたら) 梓「……?唯先輩?」 唯「っ!?」ビクッ 梓「どうしたんですか?」 唯「あ、あず」 梓「?」 唯「あーずにゃん♪」ギュッ 梓「きゃ!?唯先輩っ、やめっ」 唯「えへへ、久しぶりのあずにゃんだ~♪」ギュー 梓「やめてくださいっ!」ドンッ 唯「っ……」ヨロッ 梓「……」ササッ 紬「え?え?」 唯「……あはは。やっぱり私じゃダメかあ」 梓「えっ?」 唯(本の通りにはいかないや) 唯(だってあの本の後輩は、先輩の事が好きだったんだもん) 唯(うまくいくわけないよ……) 唯「……っ」グスッ 紬「ね、ねえどうしたの?二人ともおかしいよ……」 唯「百合……」 紬「えっ?」 唯「百合、でしょ?二人が話してたの」 紬「!」 唯「女の子同士で恋愛すること」 唯「いつも二人で百合の話してたもんね」 唯「お互いに好きなんでしょ?」 梓「なっ、なんでそうなるんですか!」 唯「わかるよそれくらい!」 唯「百合の話をするようになってからずっとムギちゃんと一緒にいて……私の事を避けてればっ!」 梓「あーもうっ……!」 梓「わかりましたよ!言えばいいんでしょう、言えば!」バンッ 唯「聞きたくない……」 梓「私が唯先輩を避けていたのは!」 唯「やめてよ!」 梓「唯先輩のことを意識してしまったからですっ!」 唯「……えっ?」 梓「だから!百合って言葉を知ったせいです!」 梓「女の子同士が恋に落ちる本を見て、私と先輩を当てはめて考えてました」 梓「唯先輩とこうなれたらって」 梓「だから、現実で唯先輩に抱きつかれたとき、嬉しくて、でも恥ずかしくて、緊張して」 梓「……あーもうっ!なんでこんなこと言わなきゃいけないんですかっ!」 紬「あ、梓ちゃん……」 唯「えっ?そ、それって」 梓「……」 唯「あずにゃんは、私の事が……好き?」 梓「///」カアッ 唯「あっ」 唯「あずにゃ~ん!」ギューッ 梓「~っ!バカ!バカ!先輩のバカ!」ポカポカ ~~~~~~~~~~~ 唯「あ~ずにゃん♪」ギューッ 梓「んもう、いい加減にしてください!」ジタバタ 唯「いいじゃん、恋人なんだから!これくらい普通だよ~♪」チュッ 梓「きゃっ///ゆ、唯先輩!」 イチャイチャ ~~~~~~~~~~~~ 澪(いいなぁ……)ジーッ 律「あ、あいつら……。私達がいること忘れてないか?」 澪「ん、まぁ仲がよくていいんじゃない?その、ああいうスキンシップも必要じゃないか?」チラッ 律「!?ん、まあ……そうだな」 澪(……)チラッ 律(……)ソワソワ 澪(このっ……ヘタレ!) ~~~~~~~~~~~~~~ 憂(お姉ちゃんが梓ちゃんの影響で百合にはまっちゃったりしたら) 憂(きゃー///)バン!バン! 憂(姉妹モノを家中に無造作に散らかしておこう!) 憂(お姉ちゃ~ん///) END 戻る
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律「ムギ…あのな…」ボソッ 紬「」 律「唯と梓は両思いで…」ボソッ 紬「!」 律「だから私達がコンビニに…」ボソッ 紬「りっちゃん!」 律「うわっ!」 紬「行きましょ!」 律「お…おう!」 澪「(今律がムギに何か言ってるように見えたけど…)」 紬「私夜中に友達とコンビニに行くのが夢だったの!」 澪「ずいぶんと不良な夢だな…」 律「よし!じゃあ行ってくるぜ!」 紬「おー!」 澪「(律はいったいムギに何を言ったんだ…?)」 律「澪ー!」 律「早くこいよー!置いてくぞー!」 澪「い…今行く!」 澪「じゃあちょっと行ってくるよ」 唯「う…うん」 梓「は…はい」 律「はーやーくー!」 澪「わかったわかった!」 澪「じゃ…じゃあ!」 唯「う…うん」 唯「…」 梓「…」 唯「(行っちゃった…)」 梓「(行っちゃった…)」 唯「(気まずいよ…)」 梓「(気まずい…)」 唯「…」 梓「…」 唯「…」 梓「…」 唯梓「(どうしよう…何か言わなきゃ…)」 唯「(でも…言いにくいよぉ…)」 梓「(唯先輩…)」 梓「どうしよう…」 唯「え?」 梓「…」 唯「あずにゃん?」 梓「…」 唯「あずにゃん?」 梓「は…はい!」 唯「今何か言ってたけどどうしたの?」 梓「え?」 唯「?」 梓「っと…何て言ってました…?」 唯「え?」 梓「何て言ってました…?」 唯「…どうしようって」 梓「」 梓「(思ってた事を言ってしまうなんて)」 梓「き…気にしないでくださいっ!」 唯「心の声が出ちゃったんだね!」 梓「っ…/////」 唯「当たりかな…?」 梓「そ…そうです…/////」 唯「ふふっ」 梓「な…何で笑うんですか!」 唯「だって…ふふっ!ふふふっ!」 唯「アハハハハッ!」 梓「わ…笑わないでください!」 唯「だって可愛かったんだもんっ!」 梓「なっ…/////」 唯「あずにゃんかわいいー」 ギュー 梓「ふゎ…/////」 唯「(あれ…?嫌がらない)」 梓「もう!唯先輩!」 唯「えへへ…ごめんね」 梓「まったく…」 唯「…」 梓「…」 唯「(今が言うチャンス!)」 梓「(言うなら今かな?)」 唯梓「あ…あの!」 唯梓「あ…/////」 唯「なに?あずにゃん?」 梓「あ…唯先輩からどうぞ」 唯「あずにゃんから言って!」 梓「え…でも…」 唯「いいからいいから」 梓「わ…わかりました」 唯「うんっ」 梓「あ…あの…」 唯「なぁに?」 梓「私…」 梓「…唯先輩の事が好きです」 唯「え…?」 梓「…」 唯「それって…?」 梓「…」 梓「恋愛対象として…です…」 唯「」 梓「…」 唯「…」 梓「唯先輩は…いっつも笑顔で、優しくて、可愛くて、あったかくて…」 唯「あずにゃん…」 梓「女同士なのに、こんなこと言ってしまってごめんなさい…」 唯「…」 梓「この気持ちは胸にしまっておこうと思っていたんですけど…」グスッ 梓「どうしても我慢出来なくて…気持ち悪いですよね、迷惑ですよね…」グスッ 唯「…」 梓「いいんです、唯先輩……私が変なんです…気にしないで下さい」 梓「この気持ちを伝えられただけで私は満足ですから……」 唯「変じゃないよ、あずにゃん」 梓「え…?」 唯「私も…今同じ事言おうとしてた…」 梓「ふぇっ!?」 唯「私も…あずにゃんの事が好き」 梓「え…?え?」 唯「いつも抱きつくのは…私なりのアプローチのつもりだったんだけど…えへへ///伝わりにくかったかな?/////」 梓「っ…///」 唯「だから…」 唯「付き合ってほしいな…」 梓「で…でもさっき…」 梓「女同士は…」 唯「嫌だった…」ボソッ 梓「え?」 唯「あずにゃんがりっちゃんと抱きついてるのが嫌だった…」 梓「唯先輩…」 唯「ごめんねあずにゃん」 梓「謝らないでくださいっ」 梓「あれは私が悪いんですから…」 唯「あずにゃん…」 梓「唯先輩」 唯「ん?」 梓「これからよろしくお願いします。」 唯「え…?それって…?」 梓「さっきの返事です…/////」 唯「おーけーってこと…?」 梓「はいっ!」 唯「…」 梓「唯先輩?」 唯「あずにゃあぁああん!」 ギュー 梓「うわっ/////」 唯「よかった…よかったよぉ」グスッ 唯「断られなくてよがっだよぉぉぉ!」グスッ 唯「あずにゃん抱きつくといつも嫌がるし…」グスッ 唯「だから…不安だったんだよぉ…」グスッ 梓「…」 唯「あずに゛ゃん…」グスッ 梓「あ…あれは…」 唯「あれは…?」グスッ 梓「抱きつかれて恥ずかしかったんですっ!」 唯「そう…なの?」グスッ 梓「はい…/////」 梓「ていうか……断るわけないじゃないですか…/////」 唯「あず…グスッ…にゃん…」グスッ 梓「先に私が好きって言ってるんだからさ…」 唯「あ、そっか」 梓「(切り替えはやッ)」 唯「でも…あずにゃん今タメ語だったね」 梓「に゛ゃ…」 唯「でも大丈夫だよっ♪」 梓「何で…」 唯「?」 梓「何で今そういう事言うんですか!」 唯「ふぇえ!」 梓「雰囲気とかぶち壊しじゃないですかっ!」 唯「ふぇぇええ!」 梓「まったく…」 唯「ごめんねあずにゃん…」ウルウル 梓「(か…可愛い…)」 梓「し…仕方ないから…許してあげます!」 唯「本当?」 梓「はい」 唯「ありがとうあずにゃんっ!」ダキッ ギュー 梓「もう…/////」 唯「へへー」 唯「あっ」 梓「?」 唯「そういえばあずにゃん」 梓「はい」 唯「何でさっきスプーン舐めてたの?」 梓「」 唯「何で?」 梓「」 唯「あずにゃん」 梓「」 唯「ねぇ」 梓「(何で今聞いてくるの!/////)」 唯「あずにゃん!」 梓「は…はい!」 唯「聞いてた…?」 梓「はい…」 唯「なんで?」 梓「(か…顔が近いっ!)」 梓「えっと…その…」 唯「なぁに?」 梓「唯先輩の事を思いすぎて暴走っていうか…なんというか…」 唯「?」 梓「…」 唯「あずにゃん?」 梓「えっと…」 梓「唯先輩の事を…好き…っていう気持ちが…暴走しちゃったんです…/////」 唯「…」 梓「って…何言わせるんでs」 チュッ 梓「!」 梓「(ふぇっ…?)」 梓「(ゆ…ゆいせんぱい…?)」 スッ 梓「(あ…)」 唯「…」 梓「唯…先輩…?」 唯「スプーンより…こっちの方がいいよね?//////」 梓「…/////」 梓「…/////」 梓「唯先輩…/////」 唯「…」 梓「唯先輩…?」 唯「違うよ」 梓「え…?」 唯「また…呼び捨てで呼んでほしい…な」 梓「え…?」 唯「駄目かな…?」 梓「……唯/////」 唯「/////」 梓「どうしたんですか?唯」 唯「ふふっ…なにそれ」クスクス 梓「あ…/////」 唯「あずにゃん」 梓「はい」 唯「私ね…」 ━━━━━━━━━━━━━━ 律「いやー夜にコンビニ行くのって何か楽しいよなー」 澪「律」 律「ん?」 澪「さっきムギに何か言ってたけど…」 律「え?あれかー」 律「まぁ色々だよ」 律「な?ムギ?」 紬「えぇ」 澪「…」 澪「…」 律「まぁまぁそんな落ち込むなってー」 律「いずれわかる事だしさ」 澪「梓と同じで唯も梓の事が好きなんだろ?」 律「なっ…」 紬「あらあら」 律「なんだよ…わかってたのか」 澪「何となくそうじゃないかなーって」 澪「あと、律の態度的に」 律「」 澪「なんかニヤニヤしてたからさ」 律「」 紬「流石澪ちゃんね…」 律「まさかそんなことでバレるとは」 澪「当たり前だよ、何年友達やってると思ってるんだ…」 律「澪しゃん…」 紬「あらあらまぁまぁ」 律「澪には何でもお見通しかー」ケラケラ 紬「あ…コンビニ見えたわよ」 律「あ!」 澪紬「?」 律「ムギ…ちょっと…」 紬「え?」 9
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First contact 矯邑繍&にゃんにゃん玉九朗 ここは暗い。地下なのだから当たり前といえば当たり前なのだが、アンダーグランドを歩いていると本当にここがあらゆる意味で見捨てられた都市なのだと感じる。見捨てたのは、人か、企業か、それとも神か。だが、ここの住人はそんなことは気にしないようだ。もっと深くまで潜ればさらに地上の常識など通用しない修羅場が待ち受けているというから、それを考えるとこの程度の場所なんでもないのかもしれない。 アンダーヤード、ブラックバザール。アンダーヤードの中でも時折こういう経済活動の中心地となるような場所がある。周囲にはいくつもの明かりが灯り、薄闇の中、篭に入った謎の植物や檻に閉じ込められた異形の生き物が売買されている。いずれも地上で大っぴらに売ることはできないような類のものだ。 気配を殺しながら人ごみを歩いていた矯邑繍(ためむら しゅう)――のちに【スコーレ(暇人の学問)】のエイリアスで呼ばれることになる天才少女は、知人の姿を見つけてほっと溜息をついた。人込みを避けるようにして道のはじのほうに黒髪の少女が立っている。 「契ちゃん」 呼びかけると少女は深い色をたたえた瞳を繍に向けた。 【ラヴレス(愛を注ぐもの)】空多川契 本科二年目にしてまだエイリアスとして確定はしていないものの、それに近い二つ名を持ち、着実に力をつけている生徒の一人である。 「繍ちゃん」「怖かった。もう、こんな場所待ち合わせ場所にしないでよ」 アンダーヤードで安全な場所などまずない。あるとすれば、自分と友好的な住人の居住地くらいだろうか。いずれにしても戦闘能力がほとんどない人間が歩くには危険すぎる場所だ。 「平気だよ。バザールのメインストリートから離れなければ」 「そりゃあ、契ちゃんや篭森ちゃんはいいよ。強いんだから。でも、私には過酷なの」 ぴりぴりとした様子で周囲を警戒しながら、繍は言った。本科に入って二年目。アンダーヤードも地上も整備されてきてはいるが、まだまだ危険地帯のほうが多い。 「ごめんなさい。おねえちゃんが馬鹿でした。次は地上にします」 「いや、猛反省されても困るんだけどさ……まあいっか。それで何か用だった?」 「んー、就職おめでとうのお祝いなのですよ。ライザーインダストリー就職だって?」 ああ、と繍はうなづいた。先日、学者としての功績が認められ、正式にライザーインダストリーから非常勤講師として働くように依頼があった。予科生の一部と本科のスカラークラス向けの授業を行うことになる。黄道十二協会に末席も末席とはいえ関われることは名誉なことなのだろうが、正直な話、自分としては名誉がどうこうよりも収入が安定することのほうが喜ばしい。学者という職業は成功しれば一攫千金のチャンスがあるが、大部分は収入が不安定で大変なものなのだ。ついでに金がはいってもそれを研究にすべてつぎ込んでしまうという属性も持ち合わせている。 「就職というか非常勤講師だけどね。これで一応収入は安定するかなぁ」 「うんうん。おめでとう~、それでおねえちゃんは矯邑のおねえちゃんのために就職祝いを用意してきたのですよ。やっほぅ」 「お祝い?」 繍は契の足元に視線を落とした。暗がりのせいでよく見えなかったが、確かに随分と大きな包みが置かれている。あまりにも大きかったので契の荷物ではなく放棄された粗大ゴミか何かだと思っていた。高さは60センチ以上はあるだろうか。赤いリボンでぐるぐる巻きにされていて、しかも気のせいか振動している気がする。 「…………気を使わないでいいよ」 色々な思いを込めて、繍は言った。だが、伝わらなかった。 「いいから受け取って。おねえちゃん色々考えたんだけど、繍ちゃんはしっかりしてるように見えてぼんやりしてるから、身を守る手段が足りないと思うんだ」 「身を守る……」 真っ先に警備ロボや武器というのが頭に浮かぶ。だが、機械が箱詰め状態で激しく振動したりするものだろうか。 「というわけで、はい。贈り物」「これ何?」 受け取るよりも前に、反射的に繍は尋ねた。契はきょとんとした顔をする。なぜそんなことを聞くのかという顔だ。 「プレゼントは開けてからのお楽しみ」 ご丁寧にハサミまで渡してくれる。繍はおそるおそるリボンをハサミで断ち切った。気のせいか箱の動きが激しくなったような気がする。包み紙をはがすと空気穴のような穴が開いた白い箱が登場する。このあたりで繍の嫌な予感はマックスに達した。 「…………生きてる?」「生き物だもん」 「…………この生き物自体に危険性は!?」 ペットを飼っている生徒は珍しくない。自分の役に立つように訓練を積ませたり、遺伝子改造や身体の一部の機械化を行った動物を飼っている生徒も珍しくはない。友人である冷泉神無もそのようなペットを飼っている。だが、それらの中には扱いが難しいものもいるのだ。下手をすると自分が大けがを負ってしまう。 「平気だよ。猫だもん」 「ああ、猫なんだ」 繍はほっとして蓋をあけた。そして、閉めた。今、あり得ないモノがいた気がした。 「…………猫?」 「猫でしょ?」 もう一度蓋をあける。そして閉める。ぎこちなく、繍は契を振りかえった。 「……猫は二足歩行しない。服も着ない」 「たまには二足歩行で着衣の猫がいたっていいじゃん。まあ、多分どっかいじくってあるとは思うけど、北王とかが飼ってる謎の生命体どもに比べればまだまだ全然許容範囲っていうか、この学校の生徒さんの中にも実験体って混ざってるしこういうのがいても問題ないとおねえちゃんは思うわけですよ」 「私が問題あるんだけど」 見間違いでなければ、箱の中には二足歩行の身長40センチ程度の猫がいた。着物のような服を着ている。どこかふてくされたような顔をしているようにもみえるが、猫の表情を読み取る技術は繍にはないため、本当のところは分からない。 「これ、人形? それともトランスジェニック? 改造動物?」 「いや、実はおねえちゃんにもよく分からないのですよ。何か権利関係のごたごたというか、財産処分というかそういうものの関係で流れてきたものだからねぇ。多分、どこぞの研究施設からの流出品だと思うんだけど、下手に調べるために研究機関とかに持ちこむとほら、また面倒なことになりそうじゃない?」 「そういうものをよく贈り物にしようと思うね」 「だって、予言で回ってきたんだもん」 契の能力【デスストーカー(忍び寄る運命)】は一定条件下で契が口に出した「予言」を強制的に実現化する能力である。おそらくはそれを利用して最適なプレゼントを探し出そうとしたのだろう。繍は箱に視線を落とす。 「だから、平気。きっと最適なプレゼントになるよ」 契は自信満々で繍の肩を叩いた。 三日後。イーストヤードの矯邑繍の住む借家にて。 「……うーん」 繍は困っていた。その原因は縁側でぼんやりと空中を見つめている。 謎の猫らしき生き物がやってきてから三日。一人と一匹は常に二メートル以上の距離を取って生活していた。ちなみに食事に何を与えればいいのかよく分からなかったので、とりあえずご飯に鰹節を乗せてねこまんまにして与えたところ、食べた。お茶も飲んでいる。どうやら人語も喋れるようだが、いまだに最低限のこと以外は喋ってくれない。 「……猫ってどうすればなつくんだろ?」 猫の一匹や二匹を飼うこと自体には問題はない。家は借家とはいえ広いし、大家の許可もとった。猫を養う程度の収入もある。だが、それ以前の問題で繍は動物の飼い方を知らない。 「ここは知ってそうな奴に聞くのが定石か。流石にネットでもなんだかよく分からない生き物の飼い方までは分からないだろうし」 決意すると繍はかばんを持って立ちあがった。一応、護身用の武器の状態を確かめて上着の裏側のフォルダーにひっかける。 「猫、私出掛けてくるからおとなしくしててね」 返事はない。それは無視することにして、繍は外へと出た。 メインヤード・学園自習室 ライザー学院の生徒は予科生の間は生活も学問もすべて学校によって保護される。寮や食事は学校が容易してくれるし、最高水準の学問環境が整えられている。よって予科生の仕事は死ぬ気で勉強することのみとなる。もっともそれが一番つらいことなのだが。 そんな予科生が授業の合間や放課後に集まる自習室は学園内に数か所ある。大部分は区切られた机の上で一心不乱に勉強するようなスペースだが、中には飲食可能だったり、大勢で話し合いや討論をするためにオープンにしているところもある。そんな場所の一つに、目的の人物である篭森珠月はいた。 「……篭森ちゃん」 【イノセントカルバニア(白骨髑髏)】篭森珠月。著名人の子息が多い学園内でも特に目立つ出自の持ち主で、父親は人類最狂といわれる篭森壬無月だ。その影響で予科時代からトラブルには巻き込まれる、親の知名度のせいでエイリアスっぽいものが発生する、変な輩はよってくるとトラブルメーカーを絵にかいたような人物であった。現在のところは本人の力が強くなってきたので大分落ち着いたが、よくもあれで人間性が歪まなかったと思う。 「おや、繍ちゃん。何してるの?」 「こっちが聞きたいよ。何してるの?」 「餌付」 「もう、先輩ったら冗談がすぎますよ」「あはは、でも餌付されてるかも~」 自習室に足を踏み入れた繍の視線の先には、大量のお菓子類を机に広げている珠月と彼女からお菓子を受け取りながらおしゃべりにふけっている予科生たちの姿があった。 「篭森先輩わぁ、たま~にこうして私たちに差し入れ持ってきてくれるんですぅ」 「手作りお菓子。すごくおいしいのよ」 「へ、へえ…………」 繍は視線を泳がした。親しい人間だからこそ、分かる。珠月は特に可愛がっている相手でない限り、見知らぬ相手にお菓子を差し入れするような可愛らしい人格はしていない。そして、今現在彼女らが食べているお菓子に繍はなんとなく見覚えがあった。珠月が親しい人間、あるいは親しくなりたい人間を招いて行うお茶会でよく見るお菓子だ。 つまり、あきらかに正規のお茶会で余ったお菓子をここに持ちこんで、文字通り後輩を餌付していた。予科に上がれるのは全体のおよそ1%とはいえ、この学校にいる時点で将来のエリート候補であることに変わりはない。残りもので伝手と情報をゲットしようとしている思考回路が合理的すぎて、繍はかるくめまいを覚えた。極めつけは、楽しげに後輩にお菓子を差し出す時の表情が、家の近所の野良猫やからすに餌付しているときと酷似していることに気づいてしまい、繍の憂鬱はさらに深くなる。この後輩たちはあまりもの処理に付き合わされている上に人間扱いされていないことに気づいて――――いるわけがない。 前言撤回。ちっともまともな人格には成長していない。やはりどこか歪んでいる。むしろ歪みすぎて一回転して正常になっている。 「どうしたの? 何か用?」 「えーと、二人きりで話したいことが」 珠月は困ったように机の上を見た。まだかなりのケーキ類や食器が乗ったままだ。 「あ、先輩。なんならこれは私たちが片付けておきますよ。食べ終わった食器はあとで自宅のほうに届ければいいですよね?」 「でも、悪いよ」 「いいですよ。いっつも美味しいもの食べさせてもらってるんだから、これくらいなんでもありません。ねっ」「そうですよ、先輩」 「ならお言葉に甘えさせてもらおうかな。ありがとね」 餌付されてる!! 繍は後輩たちに危機感を覚えた。同時にこいつら絶対本科には来れない、と確信する。和やかとまではいかないが、珠月にしては愛想よく後輩に挨拶すると二人は外へ出た。なんとなく無言で歩いて、人気のない場所へ移動する。 「…………いつもああいうことしてるの?」 「焼き菓子とかサンドイッチはスラムで配ることもあるけど」 「無差別な餌付は良くないよ。頼ってくる奴が増えるでしょ?」「私の不利益になるような連中は、適当に処分するから平気だよ」 笑顔のまま珠月は空恐ろしいことをつぶやいた。繍は自分が不利益を与えているのかどうかを思わず考え込む。 「繍ちゃんのことは好きだよ。安心して」 「……そうなんだ」 そういう繍と珠月の出会いは、南区で開かれたのみの市で一冊の古書をめぐってどっちが買うかで争いになったことだった。その時珠月の顔を知らなかった繍は、後に友人知人から「人類最狂の娘と真っ向から言い争いをした女」として尊敬を集めることになったのだが、それはまた別の話。 「で、何の用だったの? 誰かとトラブルでも起こした?」 その一言で繍は用事を思い出した。かいつまんで事態を説明する。それを聞いた珠月は小首を傾げた。 「うーん、美味しいものでも食べさせてみたらどうかな? でも身体構造が分からないんじゃ、何を食べさせていいのかも分からないよね。猫だったら、ネギとかカフェインはダメなはずだけど。あとは甲殻類とか魚でもあおぜの魚は食べさせすぎるとよくないはず」 「今朝がたお茶を飲んでいたんだけど」 珠月は渋い顔をした。 「具合悪くなってない?」「ない……と思うけど、話してくれないから」 今朝からほとんど会話らしい会話をしていない。というか、当初から話しかけてもろくな返事が返ってこないのだ。 「どこかの研究施設で一回調べて貰ったほうがいいんじゃないの?」 「でも、入手経路を考えると結構危険なんだよ。下手に調べると騒ぎになっちゃう」 「じゃあ、四十物谷宗谷を呼ぼうか」 唐突に出てきた名前に繍は首を傾げた。 「あいものや? って何?」 「四十物谷調査事務所ってリンクあるでしょ? そこの所長さん。お友達」 「篭森ちゃんって予想外の方向に伝手があるよね」 「そのためのお茶会と夜会だからね。あいつなら、変だけど口の堅さは保障するよ。レントゲンとかスキャナーとか……移動診察用の獣医が使う小型のやつ借りて簡単に調べてもらえば? 内蔵の構造が分かれば人間と猫どっちよりなのかだけでも分かるだろうし」 色々と気になる単語が聞こえたが、ひとまず無視して繍は検討する。猫は――間違いなく嫌がるだろう。だからといってここで放置して死なせるわけにはいかない。 「……痛くない?」 「血液採取とかは行わない予定だけど。動物の負担にもなるし」 「改造されてるから強いと思うんだけど」 「捕まえるのは宗谷がやるよ」 言外に「面倒くさいから宗谷に押し付けちゃえ」という意図が見え隠れする。 「……そう?」 「そうそう。ついでに食べられそうなものを買い込んで行って御機嫌とりすれば問題ないって。猫だから、魚の頭とか鳥のささみ肉とか」 そう言いながら珠月は電話をかけ始める。繍はなんでも知っているこの友人を心強く思うと同時に、なんとなく嫌な予感を覚えて空を見上げた。 再びイーストヤードの繍の家。繍と珠月が帰宅してすぐ、大きな機械を担いだ少年がにこにこしながらやってきた。 「はじめまして、四十物谷宗谷です。以後よろしくお願いします」 「どうも。矯邑繍です」 宗谷と名乗った少年は名刺を取り出して丁寧に挨拶した。背中に背負った武器が気になるが、人のよさそうな好青年に見える。 「篭森ちゃんの友達だって?」 「事務所を作る時に世話になったんだよ。資金とか人脈面で。それ抜きでも珠月のことは結構好きだけどね。面白いから」 「そいつの好きは、猟奇的で格好いいってことだからあまりいい意味じゃないからね」 買ってきた鮭のアラを早速解体しながら珠月は叫んだ。宗谷は心外そうな顔をする。 「何を言ってるんだい。珠月、死と幽霊と血しぶきは人間にとって最大の娯楽だよ」 「私は別に死も幽霊も血しぶきも纏ってないから。そういうのが好みなら、骸手とか不死コンビとかのところに行け」 「君は他人から自分がどのように見られているのか、もうちょっと考えたほうがいいよ。古い人気のない洋館に住んでいて、常に黒いドレス姿で、骸骨の従者を引き連れ、瞳は綺麗な血色。敵対者の血の海に立つ姿なんて、どきどきするほど猟奇的じゃないか!」 「それ、条件さえ満たしてれば私じゃなくてもいいよね? じゃあ、私と骸手さんならどっちが好き?」 「うーん、まだ骸手さんとは知り合いになれてないけど、慣れたらむこうに行っちゃうかも」 「ほら、こういう奴なの」 「…………」 変な知人が増えてしまった。繍は心の中でため息をついた。ついでに、思う。 「すげえ仲いいじゃん」 「そうでもないよ」 「仲良くなるより観察してたいかな」 丁度会話に一区切りついたので、宗谷は手際よく機械を並べ始め、珠月はさっさと料理の下準備をする。念のために生のままの食品を少しだけ取っておくことも忘れない。あの猫のような生き物が本当に人間と同じ食事でいいかは分からないからだ。 「とりあえずレントゲンとって骨格調べてから、内蔵の構造を調べようか。というわけで、おいで」 猫はタンスの上に逃げ込んでしまった。宗谷はため息をついて――――畳を蹴ると跳躍した。戦闘者系統のクラスの人間は、こういうところが並みじゃない。軽く天井近くまで跳び上がると猫をひっ捕まえて着地する。引っかかれないように首根っこを掴んでぶら下げることも忘れない。 「ちょ、乱暴は」「子どもと動物は多少手荒にしないと治療も検査もできないよ」 そう言って機械に放り込もうとするが猫は激しく抵抗する。その爪が触れた瞬間、機械のコードがやすやすと切断された。 「…………レントゲン壊れた」「きゃあ! それ支払いしないといけない!?」 繍は違うところで悲鳴を上げた。宗谷は首をふる。 「コードだけですから付け替えればすみますけど……レントゲン取れなくなった」 「内蔵の様子だけスキャンすれば?」 台所にひっこんでいた珠月がお玉をもって現れる。猫の爪が丈夫なコードを切断したというのに顔色一つ変えない。 「そうだねぇ。構わないかい?」 「私はいいけど……猫が」「は~な~せ~!!」「喋った!?」 宗谷はびっくりしたような顔をした。そして考え込む。 「人間の言葉が喋れるということは、人とほぼおなじ構造の声帯と脳があるということになるから、内蔵機能なども人間のものに酷似している可能性が高いね。興味深い。調べてもいいですか?」 「何で何度も聞くの?」 「内蔵の様子を見るためには、腹の毛を刈り取らないといけないからだけど?」 猫は今度こそ死ぬ物狂いで抵抗を始めた。しかし、宗谷も珠月も繍より前から学園にいる比較的古株。遺伝子改造された猫程度に遅れはとらない。 「珠月、ちょっと抑えるの手伝って。それか毛刈りやって」 「バリカンで飼っていいんだよね? どこを」 「このあたりの消化器官見たいから、ここからここまで全面刈る方針で」「了解」 「やめろ!! 無礼者共!!」 無駄に出際よく、二人は作業を進めていく。猫の声は全面無視だ。 「……あ、でもここで刈ると毛が飛び散るな。繍ちゃん、新聞紙とかない?」 「えーと、本当にやるの? 猫が滅茶苦茶怯えてるんだけど」 心なしか涙ぐんでいるようにも見える。 「うん、そうだね」「速く済ませて上げないと可哀想だ」 「あんたら…………」 やめるという選択肢はないらしい。ダメだ。根本的な思考回路にずれがある。繍は頭を抱えた。その間にも着々と作業は進んでいく。 「は~な~せ~!!」「宗谷、しっかり押さえてくれないと毛が刈れないよ」「そんなこと言っても相手は生き物だしねぇ」「うぎゃあ!?」 「…………」 こちらを見ている猫と目が合った瞬間、何かが繍の中で臨界点に達した。 「いい加減にしろ!!」 きょとんとした顔で珠月と宗谷は作業の手を止める。その手から繍は猫を取り上げた。 「ああ!」「危ないよ」 「危ないのはあんたたちだよ! 嫌がってるでしょう!?」 「……だって」「調べないと何食べられるのか分からないし」「病気になると困るし」「あらかじめ身体構造は調べておいたほうが……食中毒起こすと困るし」 「吾輩は普通に人間と同じような構造だ!!」 抱えられたままの猫が叫んだ。珠月と宗谷は顔を見合わせる。 「ダウト」「嘘はいけないよ」 「何故決めつける!?」 「人間に毛皮や肉球はないし、あきらかにキメラ構造だと思う」 宗谷の言葉に珠月はうんうんと頷く。 「調べないと……」「触るな!!」「っていうか自己申告できるならさっさとしろよ。紛らわしいね」 珠月はじろりと猫をにらんだ。慌てて猫は繍の背後に隠れる。繍はため息をついた。 「もういい。もういいから、帰れ」「え、まだ調べてないのに」「夕飯食べてないのに」 「篭森ちゃん、うちで食べてく気だったんだね」 「せっかく作ったのに」 繍はため息をつくと、二人の荷物を玄関から押し出した。 「ああ!」「何をするんだ」「はいはい、今日はお疲れ様でした。これあげるから、夕食でもどこかで食べて帰りなさい」 二万WCを押し付けながら玄関から追い出す。二人は不平を言うが、案外とあっさり追い出されてくれた。正直な話、戦闘能力の高い本科生に駄々をこねられたらどうしようもないので、出てくれてよかった。 振り返ると猫がぽつんと立っている。 「…………ご飯にしようか。人間と同じでいいんだよね」 こっくりと猫は頷く。嵐のような二人組が去って緊張が解けたのか、そのままへたりと床に崩れ落ちた。 「そういえば、名前も聞いてなかったね。私は繍。姓は矯邑。学生で学者」 「ななじゅうはちごう」 「それ、名前じゃないじゃん」 台所からは珠月が作っていった魚の煮つけや揚げ物の香りが漂ってくる。繍は家事が苦手なので、正直助かった。 「名前もつけなきゃね。それから、徐々に仲良くなればいいよね。喋れるんだからそうするべきだった。すまん」 猫はこっくりと頷いた。 おまけ 翌日、メインヤードのカフェテリアにて。 「そんなことがあったんだ」 繍と珠月共通の知人である古物商の冷泉神無は、紅茶を片手にため息をついた。向かいには繍と昨日家から追い出されてふてくされている珠月がいる。 「で、篭森ちゃんは二人が仲良くなることを見越して騒いだの? それとも騒ぎ立てたかったの?」 「どっちでもいいかな、と。可能性としては考えてたけど、何も追い出さなくてもいいじゃん。あの後、宗谷と二人きりで晩御飯が嫌だったからエドワードたちの夕食に乱入してたんだよ?」 「楽しそうじゃねえか。っていうか、友達なんでしょ?」 「あいつと二人でご飯食べると、血みどろの話しかしないんだもん。肉がまずくなる」 真っ赤なイチゴのジャムを詰めたタルトをフォークで崩しながら、珠月は言った。何かが納得できない。 「で、結局猫の名前、繍ちゃんはどうするの?」 「……うーん、タマとかスズとか?」 実はまだ決めていない。二人を呼んだのはそのことを相談するためでもあるのだ。 「いっそのこと、日本風にしちゃえば? 姓もつけてさ。山田太郎みたいな」 「それ格好いいね」 「なんとか左衛門とか、なんとか助とかそういう武家っぽいのは?」 神無は楽しそうだ。次々と名前案を出す。 「篭森ちゃんは何がいいと思う?」「……昔」 謎の呟きに、繍と神無は首を傾げた。 「はい?」 「西暦時代に実在した人物でね、すごく変な名前の人間がいたの。すごく猫っぽい名前の」 「????」 意味が分からない。珠月はすっと手帳を開くとペンを走らせた。 「ニャンニャンタマクロウっていうんだけど、それを和名にして」 『にゃんにゃん玉九朗』 手帳にはそう書かれていた。ぶっちゃけ、センスがいいとか悪いとかいうレベルを通り越した次元の名づけセンスだった。 「にゃんにゃんまでは名字」 「…………一言言う。篭森ちゃんに子どもが出来たら、名づけは他の人にやらせたほうがいい」 だがその後、なぜかその名前が正式決定してしまう当たり、三人は友達だった。類はともを呼ぶ。 おわり
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作戦 【装備】 発煙弾、閃光弾を発射。敵の視界を奪う 【体術】 移動経路と手段を予め把握もしくは戦闘中に入手しておく。 倒した敵から、敵に関する情報を出来る限り入手解析。予め頭に入れておく。 情報端末やケーブルからデータの吸出しを行い、見取り図を手に入れる。 案内板を見る。こういう重要な物は目立つマークになっているはず。 どこも構造は似ているのである程度分かる 現地のエースにルートに関して助言をしてもらう 使わない乗り物もあるだけ動かして囮にする 隠密行動しつつ速度重視で移動をはかる。 背後を狙われる危険性もある為、必ず背後を警戒する。 乗り物や設備に自動攻撃させて移動の援護をさせる 付近の隔壁などを閉鎖し、時間を稼ぐ。 移動通路の一部を破壊して敵の足止めをはかる。 敵のセンサー類を騙す為に偽装を施す 車や壊れた船の残骸を利用して追撃を逃れる 姿勢を低くして移動することで敵の弾に当たりにくくする 事前参戦者RP ゆうみ@悪童同盟:「生粋の猫妖精の素早さっちゅーもんをみせたる!」 青にして紺碧@海法よけ藩国:「デスクワークだけが護民官じゃない。現場で見せた足腰を見せてやる!おおおおおっ!(全力疾走)」 嘉納@海法よけ藩国:「まあ、あるくわけでなし、いけ、アメショー! 名機は伊達じゃない!」 りゅうへんげ@海法よけ藩国:「アメショー、四足歩行モード。何時もの通りだ。音を立てず、風よりも速く!」 応援 ちゃき@るしにゃん王国 : 「できるだけ速やかに、速度はそこそこで転ばないように足元注意、頭上もね!」 はっぷん@るしにゃん王国 : 「慌てないで! より確実な動きをするのです」 鍋谷いわずみ子@鍋の国 : 「はいです。慌てないで足下ちゃんとみてくださいね」 曲直瀬りま@FVB : 「周囲の警戒を怠らないように……でも急いでね!」 サーペント@FEG : 「急ぐあまりに辺りに気を配るのを忘れるな、大丈夫だ、落ち着いて行こう」 小鳥遊@芥辺境藩国 : 「急いでいても、やるべきことは忘れないで。周りに注意してくださいね」 ツグ@海法よけ藩国 : 「仲間に気を配って、警戒を怠らず、道をしっかり確認にして、素早く移動して行きましょう」 からす@海法よけ藩国 : 「足場が悪いかもしれません、注意深くいきましょう。」 鍋@ふぁん@鍋の国 : 「慌てず、されど迅速に移動しましょう。警戒を怠らないでー」 豊国 ミルメーク@詩歌藩国 : 「ダンジョンは地下水がにじみ出て濡れている場所があるかもしれません。足元に気をつけて!」 摩目@奇眼藩国 : 「周囲に気を配って迅速に移動だ。がんばれ!」 高原鋼一郎@キノウツン : 「迅速に、かつ確実に移動していくんだ!敵の動きにも注意して!」 サク@レンジャー連邦 : 「陣形乱さないように、テキパキ移動ですよー!」 でかあさ@フィーブル藩国 : 「指揮官の言う通りに動けば大丈夫です!」 でかあさ@フィーブル藩国 : 「オペレーターからも情報があれば、それも利用して移動です!」 S×H@ビギナーズ王国 : 「隊列を乱さないで移動ですよ。足元に気をつけて!」
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放課後、教室 律「……駄目だ。すげー眠い」 ぐたー 紬「今日の体育、水泳だったものね」 澪「ムギは元気そうだな」 紬「水泳、楽しかったもの♪」 きらきら 澪「対して唯は、もう駄目か」 唯「・・・そんな事無いよ。だって澪ちゃん、さっきはプールの上で盆踊りだったじゃない」 ぐー 律「全然意味が分からんし、何気に怖い」 紬「みんな眠そうだし、今日はもう帰る?」 律「でも新曲の練習もしたいし、梓に示しが付かないだろ。私達、水泳の授業があったから眠いんですって言えるか?」 澪「確かに、先輩としての威厳には欠けるよな」 唯「威厳って、一番大事だよね」 ぐー 律「まさに寝言だな、おい」 和「本当、よく寝てるわね」 紬「昔から、って感じ?」 和「え、何が?」 紬「今そんな顔で、唯ちゃんの事見てたから」 和「そうかしら」 紬「うふふ♪」 律「ムギが言ったように、唯って昔からこんな感じなのか?」 和「まあね。でも軽音部に入ってからは、色々変わったかも知れない」 澪「変わった?」 和「良い方向へね。だからみんなには感謝してるわ」 紬「まるでお姉さんみたい」 和「そうかしら」 唯「・・・なんの事?」 むくり 和「良いから、唯は寝てなさい」 唯「はーい」 ぐー 律「なんだよ、それ」 くすっ 軽音部部室 カチャ 梓「済みません、遅れました」 律「ふぁーっ」 梓「眠いんですか?」 律「馬鹿だな。私達はいつでも気合い充実。やる気に満ちあふれてるぜ」 梓「澪先輩、目閉じてません?」 澪「心眼だ、梓。私は心の目で、梓を見てるんだ」 梓「はぁ」 澪「・・・見えたっ。梓は、今部室にいないっ」 梓(だったら澪先輩は、誰と話してるんですか) 唯「・・・」 ぐー 梓「唯先輩はいつもの事として。ムギ先輩は、平気そうですね」 紬「水泳って、学校における一大イベントだと思うのよ。そのためには予選、本戦。クラス対抗水泳合戦。水泳ばんざーい、ばんざーい。ばんざーい♪」 梓(明らかにムギ先輩もおかしいな) 唯「・・・おはよう、あずにゃん」 むくり 梓「おはようございます。目、醒めました?」 唯「そこはかとなしには」 梓「なんですか、それ」 唯「たはは」 梓「今日は、もう帰りましょうか?」 律「いや。新曲の練習があるだろ。練習しようぜ、練習」 梓(そっち、トンちゃんしかいないし) 律「はは。澪の奴、まだ泳いでるぞ」 澪「何言ってるんだ、お前。言って良い事と悪い事があるぞ」 唯「まあまあ。ケンカは犬も歩けば爪楊枝だよ」 紬「唯ちゃんはやっぱり、ばんざーい。ばんざーい、ばんざーい♪」 梓(誰か、なんとかして) 10分後 律「・・・あれ。どうして私、水槽の前に」 唯「あずにゃん、来てたんだ」 澪「ムギ、何してる?」 紬「・・・え?・・・じゅ、準備運動?」 梓(みんな、目が覚めたみたいだな) 律「よーし。梓も来た事だし練習するぞー」 唯、澪、紬「おー」 梓(嫌な予感しかしないよ) 律「ワンツー、ワンツー。ワンツー。ワンツー」 タンタン、タンタン、タンタン、タンタン 澪「律、早い。走りすぎだ」 唯「だったら、ゆっくりまったり歩いて行こうよ」 紬「私、お茶淹れるわね♪」 律「ワン、ツー。ワン、ツー・・・」 澪「律、早し。早ければ、早くて、早し、早きこと、早けれども」 唯「まあ、何となく意味は分かるけどね」 紬「私、お茶淹れるわね♪」 梓(言わんこっちゃない) 10分後 律「・・・駄目だ。全然集中出来ん」 梓「今日はもう止めましょうよ」 唯「でも、先輩としての威厳がね」 梓「そんなの、元々ありませんよ」 唯「たはは、そかそか」 梓「はいです」 律、澪、紬(それって、私達も?) 律「いやー、面目ない。明日からは頑張るからさ」 梓「それよりも、今日の帰りは大丈夫ですか?」 律「平気平気。澪は私が送っていくからさ」 紬「私は電車だし、その後は迎えに来てもらうから」 唯「じー」 梓「口に出さないで下さい。唯先輩は、私が送りますから」 律「じゃ、唯の事頼むな。澪、眠いなら肩貸すぞ」 澪(覚醒モードッ♪) 夕方、帰り道 梓「澪先輩達、大丈夫でしょうか」 唯「みんなしっかりしてるからね。・・・りっちゃんじゃないけど、本当に面目ない」 梓「良いですよ。変に無理して、皆さんが体調を崩す方が困りますし」 唯「あずにゃんはしっかりしてるね。私のお姉さんになって欲しいくらいだよ」 梓「憂がいるだけで十分過ぎます」 唯「でも憂は妹だからね。私は姉として、憂の面倒をみないと駄目なんだ」 梓「そういうの、唯先輩っぽいですね」 唯「たはは」 平沢家、玄関 憂「リビングに布団敷いたから、少し仮眠してね。その後でご飯を食べて、今日は早く寝ようか」 唯「憂-。お姉ちゃんは頑張るよ」 憂「うん。私も一所懸命応援するね」 唯「憂ー♪」 梓(何を頑張るの?何を応援するの?姉の威厳って、何?) 憂「梓ちゃん、今お茶の用意するから」 梓「いや。私はもう帰るよ。それより、唯先輩の事よろしくね」 唯「本当、面目ない」 憂「ふふ。それじゃ梓ちゃん、お休みなさい」 梓「憂もね。唯先輩、お休みなさい」 唯「明日こそ。明日こそは、先輩の威厳をお見せします」 パタン 梓(明日、学校休みだし) 翌月曜。放課後、教室 律「今日は体育もなかったし、元気溌剌だぜー」 澪「先週は、梓にふがいないところを見せてしまったからな」 紬「やっぱり、先輩の威厳よね」 唯「よーし。今日はあずにゃんを、びしばし指導するぞー」 律「お前、まだ眠いのか」 和「でも唯が先輩なんて、ちょっと戸惑うわね」 唯「それは自分でも思う時があるよ。あずにゃんから先輩って呼ばれると、にやけちゃうし」 澪「でも梓にとっては、良い先輩じゃないのかな」 唯「本当に?」 紬「うん、うん。優しくて温かくて思いやりがあって、良い先輩だと思うわよ」 律「ギターとしては、圧倒的に中野先輩って感じだけどな」 唯「もう、りっちゃーんはー」 澪、紬「あはは」 和「ふふ」 軽音部部室 カチャ 唯「あれ。あずにゃん、もう来てたんだ」 梓「・・・」 すかー 律「全力で寝てるな」 澪「・・・どうする?」 紬「まずは、静かにバッグを置きましょうか」 澪「ああ」 そろそろ 唯「寝てるあずにゃんも可愛いね」 律「先輩の威厳は示せないけどな」 唯「威厳よりも、あずにゃんの寝顔の方がずっと大切だよ♪」 律「なんだ、それ」 くすっ 梓「・・・やってやれない事もないです」 くー 唯「あずにゃん、どういう事?」 紬「唯ちゃん。寝言に質問するのは良くないって言わない?」 律「じゃ、落書きするか」 唯「可哀想だよ、猫ヒゲなんて」 澪「描かないんだ。それにあまり騒ぐと、梓が起きるぞ」 唯「だったら、子守歌歌おうか。・・・あずにゃん、夜泣きで困ったなー♪」 律「平沢さん、それ根本的に違うから」 10分後 梓「・・・済みません、今起きました」 むくり 唯「おはよう。ねむにゃんだったね、今」 梓「私も水泳の授業があったので。すぐ、練習の準備をします」 紬「まあまあ。まずはお茶を飲んで、お菓子を食べて。少しゆっくりしましょうか」 梓「済みませんです」 ずずー 澪「梓、髪の毛乱れてるぞ」 さすさす 律「ほら、口にクリーム付いた」 拭き拭き 紬「素直に世話を焼かれる梓ちゃんも可愛いわね♪」 唯「世話を焼く澪ちゃんとりっちゃんも可愛いよ」 紬「なんだか、良いわよねー」 唯「ねー」 梓(うし、とら、たつ、み) くー 30分後 梓「・・・済みません、また寝てました」 律「気にすんなよ。無理してもなんだし、今日は早めに解散しようぜ」 梓「いや。それは」 澪「良いから。唯、戸締まり頼む」 唯「はーい」 ぱたぱた 紬「私、梓ちゃんのバッグ持つわね」 律「それなら私は、むったんを持つか」 梓「いや。それは」 唯「戸締まり完了。それじゃ、あずにゃんの家までレッツゴー」 律、澪、紬「おー」 夕方、商店街 唯「あずにゃん、まだ眠そうだね」 梓「水泳が、結構ハードだったので」 うつら、うつら 唯「私が、おんぶしてあげようか?」 梓「小柄に見えますけど、私もそれなりに体重はありますよ」 唯「無理かな」 梓「気持だけ頂いておきます」 律「和ませる奴らめ。・・・唯ー、おんぶおばけだぞー」 どかっ 唯「あーん、りっちゃん重いー♪」 澪(なんだろう。背中がすーすーするな。一人っきりって、こんな物なのかな) 平沢家、リビング 唯「・・・って事があったんだけど。憂は平気そうだね」 憂「私はペース配分して泳いでたから」 唯「そっか。・・・憂、マッサージしてあげようか?」 憂「大丈夫、本当に大丈夫だから」 唯「そっか。それなら、膝枕してあげるよ」 憂「まだ眠くないよー」 唯「良いから、良いから。お姉ちゃんの言う事を聞きなさい」 憂「はーい♪」 ごろん 唯「憂、いつもありがとね」 憂「どうしたの、急に」 唯「あずにゃん、今日すごい眠そうだったんだよね。それなのに憂は普段通りにご飯を作ったり、色々頑張ってくれたから。ありがとうって思ったんだ」 憂「私は全然疲れてないし、お姉ちゃんはいつも軽音部で頑張ってるじゃない」 唯「私はお茶飲んでるだけだよ。・・・私もこれからは姉として。先輩として頑張らないとね」 憂「お姉ちゃん♪」 唯「憂ー♪」 翌朝、教室 唯「という訳で昨日は、憂に添い寝してあげました」 和「たまにはお姉さんぽい事もするのね」 唯「てへへ」 律「うぃーっす」 澪「おはよう。今日も暑いな」 唯「夏も、暑くなかったら良いんだけどね」 和「それじゃ、夏とは言わないでしょ」 唯「そかそか」 紬「みんなおはよー。あつはなついわねー」 律「この、ベタな事言いやがって」 唯、澪、和「あはは」 2年、教室 純「あー、暑い。溶けちゃいそうだよ」 ぐったり 梓「夏だからね」 ぐったり 憂「二人とも大丈夫?」 純「そういう憂は、平気そうだね」 憂「昨日は早く寝たから。それに、お姉ちゃんが添い寝してくれたんだよ♪」 純「夏場に一緒に寝るって、暑くない?」 憂「あまり気にした事無いな。でも純ちゃんも、猫ちゃんと一緒に寝たりするでしょ」 純「あまり気にした事無いな」 梓(唯先輩と猫って、同じなの?) 6時限目、屋内プール 律「今日も水泳かー」 澪「夏だからな」 唯「プールサイドで、足をちゃぷちゃぷさせるのって楽しいよね」 ちゃぷちゃぷ 紬「私もやってみるわね♪」 ちゃぷちゃぷ 律「澪、私達もやるぞ」 ちゃぷちゃぷ 澪「全く」 ちゃぷちゃぷ 同時刻、屋内プール対面側 梓「・・・なんか、波立ってない?」 純「海じゃないんだからさ。」 憂「でも、なんだか楽しいよね」 純「まあね。・・・うぷっ」 梓「純、大丈夫?・・・うぷっ」 憂「二人とも大丈夫?でも、どうして波が起きてるのかな・・・。おっと」 ひらっ 梓、純(出来る奴っ) ――― 律「まだまだっ。お前達の本気は、そんな物かっ」 じゃぶじゃぶ 紬「琴吹、力の限り頑張りますっ」 じゃぶじゃぶ 唯「私、もう駄目みたい・・・」 ちゃぷちゃぷ 澪「唯、頑張れっ。諦めるには、まだ早いぞっ」 ちゃぷちゃぷ 唯「みんな、ごめん。私、ここでお別れみたい。みんなに会えて、私・・・」 ちゃぷ 律「馬鹿野郎っ。お前一人だけ行かせるかっ」 紬「唯ちゃん、私の手に捕まってっ」 がしっ 澪「唯、私の手にもだっ」 がしっ 唯「ありがとー。みんな、ありがとー」 律「・・・海岸だ。海岸が見えたぞー」 唯、澪、紬「わーっ♪」 わーっ♪ 純「なんか、叫び声が聞こえない?」 梓「聞こえるね」 純「波もすごくなってきたね」 梓「なってきたね」 純「梓、どうしたの?」 梓「なんだか、嫌な予感がするんだよね。・・・うぷっ」 純「え、何が?・・・うぷっ」 憂「二人とも、波を読めば良いんだよ。・・・よっと」 さっ 純「波を」 梓「読む?」 憂「あ、また来たよ」 純「・・・見切った」 梓「えいっ」 ごごごごごーっ 純、梓「・・・だ、駄目だっ」 憂「二人とも、私に捕まってっ。・・・えいっ」 さっ 純、梓(うーいー♪) 2
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 15 45 31.34 ID MvGQ6Afg0 唯「がお!」 梓「はい……?」 唯「あずにゃんが吼えるよ!がおがおー!」 梓「……」 唯「がおがお!」 梓「バカにしてるんですか?」 唯「がおがおー!」 梓「……ぶちますよ?」 唯「フフフ……がおがおー!がおーん!」 梓「……」サッ 唯「あぅ……ごめん……」 完 2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 15 47 51.74 ID MvGQ6Afg0 唯『りっちゃん、号泣』 唯「りっちゃんの真似!」 唯「うわああああん!澪!みおぉ~!」 律「おいおい、それはどっちかっていうと私じゃなくて澪だろ」 唯「え?そうかな?」 律「うわぁぁぁぁん……りつぅ~……」 唯「あっ、ぽいかも」 律「だろ?」 律「うわぁぁぁぁん……りつぅ~助けてよりつぅ~」 唯「りぃ~つぅ~……うわぁぁぁぁん!」 唯律「あっはっはっは」 澪「……」 完 4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 15 50 30.74 ID MvGQ6Afg0 紬『どんとこいです!』 唯「どーん!」ドン 紬「いたっ」 紬「……えっ?」 唯「どーん!」ドン 紬「いたっ」 紬「唯ちゃん、痛い……」 唯「どーん!どーん!あっはっはー」ドンドン 紬「いたっ……」 紬「……」ぐすん 完 5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 15 54 05.57 ID MvGQ6Afg0 唯『憂、ちゃん付け』 唯「憂ちゃーん」 憂「なあにお姉ちゃん?ていうかなんでちゃん付け?」 唯「よく考えたら、私って憂にだけ呼び捨てなんだよね。だからたまにはね」 憂「そうなの?」 唯「和ちゃんに、りっちゃんでしょ」 憂「うん」 唯「澪ちゃん、ムギちゃん」 憂「うんうん」 唯「さわちゃん、あずにゃ」 唯「あずちゃん!」 完 9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 15 57 35.02 ID MvGQ6Afg0 唯『鏡の世界!』 梓「このケーキおいしいです」モグモグ 唯「はいあずにゃん!かがみ!」サッ 梓「は……?」 唯「ほらほらあずにゃん、鏡の中にケーキ食べてる子がいるよ!早く取らなきゃ全部食べられちゃうよ!」 梓「いや、骨くわえた犬じゃないんですから……」 唯澪律紬「ジー」 梓(う……) 梓「そ、そのケーキは私のですー!この鏡猫!」がむっがむっ 唯澪律紬「ニヤニヤニヤニヤ」 梓「……///」 完 11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 16 02 12.13 ID MvGQ6Afg0 律『こころ』 唯「えーと心は……ミンド!」 律「ぶー!ハズレ~!」 唯「えーっ?」 澪「マインドだろ」 律「ぶっぶー!ハズレ」 澪「は?いや合ってるから」 律「ムァインドだよムァインド」 紬「りっちゃん違うよ。mindよmind」 唯「ねいてぃぶ!」 完 12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 16 08 08.50 ID MvGQ6Afg0 唯『たいぎご!』 律「ふわふわ時間」 澪「うーん、カチカチ空間……?」 律「さわちゃんはモテモテ」 澪「さわ子先生は嫌われ者?」 律「もうドラムやだ」 澪「まだドラム良い」 律「律の事がちょっと嫌い」 澪「律が大好き」 澪「あっ?!ふ、ふざけるな///」 律「真面目」 完 13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 16 12 51.21 ID MvGQ6Afg0 唯『yoursong』 唯「my song」 唯「his song」 唯「her song」 律「何言ってんだ唯」 唯「ショユウカクの勉強だよ!」 澪「それ中一の範囲だぞ……」 唯「my mistakes were made for you」 梓「意味わかって言ってますか?」 唯「のののん!」 完 14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 16 17 28.54 ID MvGQ6Afg0 澪『澪ビン』 唯「澪ちゃん、そのビンなに~?」 澪「これか?これは澪瓶だよ」 唯「みおびん?」 澪「瓶の中に私の手紙……というか詩を入れてだな、こうやって海に流して宇宙人に拾ってもらうんだ」 唯「拾ってもらってどうするの?」 澪「詩を読んでもらうんだ。素敵だと思わない?」 唯「うん!でも海に流してるのになんで宇宙人なの?」 澪「ほら、雲って海から出来るから、それに乗って宇宙まで運んでもらえるんだよ。自然ってすごいよな」 梓「今日も流れてくるボケに突っ込む仕事頑張るぞ」 完 16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 16 22 04.69 ID MvGQ6Afg0 憂『夏の記憶』 唯「じゃあ春の記憶は?」 憂「お姉ちゃんが桜拾っててかわいかった!」 唯「秋の記憶は?」 憂「やきいも食べてるお姉ちゃんがかわいかった!」 唯「冬の記憶は?」 憂「くっついてくるお姉ちゃんがかわいかった!」 唯「去年の記憶は?」 憂「ライブしてるお姉ちゃんがかわいかった!」 唯「20年前の記憶は?」 憂「披露宴のお姉ちゃんがかわいかった!」 唯「私達も年取ったよねえ」 憂「でもお姉ちゃんはかわいいよ!」 完 18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 16 26 46.32 ID MvGQ6Afg0 澪『乗り越えないと……自分を!』 唯「よく言った!澪ちゃん、私が勇気の出る歌を教えてあげるよ!一緒に歌おう?」 澪「う、うん」 唯「おばけなんてなーいさ♪おばけなんてうーそさ♪」 澪「ね……ねーぼけーたひーとが♪」 唯「みまちがーえたーのさ♪」 澪「だけどちょっとだけどちょっと♪」 唯「だけどちょっとだけどちょっと♪」 澪「だけどちょっとだけどちょっと♪」 唯「だけどちょっとだけどちょっと♪」 律「無限ループって怖くね?」 澪「ひいいいいいい!」 完 19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 16 32 23.24 ID MvGQ6Afg0 唯『憂の泣きそうな顔って可愛すぎるよね!』 唯『でも笑ってる顔も可愛すぎるよね!』 唯『怒ってる顔も可愛いよ!』 唯『真剣な顔も可愛い!』 憂「ってお姉ちゃんが言ってくれたら私もう死んでもいい」 唯「死んで欲しくないから絶対言わないよ!」 完 21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 16 37 47.17 ID MvGQ6Afg0 唯『澪ちゃん質問に答えて、でないと殺すよ?』 澪「……唯、お前……」 梓「なんて言い方するんですか唯先輩」 律「さすがに殺すとかそういうのは……」 紬「唯ちゃん、澪ちゃんに謝って?」 唯「あうぅ……ごめんなさ~い……」グスグス 澪「まぁいいけどさ。で、質問ってなんだ?」 唯「澪ちゃん、今週水泳の授業ずっと休んでるけどなんで?」 澪「殺すぞ」 完 23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 16 48 44.12 ID MvGQ6Afg0 唯紬『春、夏、秋、そして冬』 唯「そして春!」 紬「それから夏!」 唯「さらに秋!」 紬「また冬!」 唯「一周まわって春!」 紬「その上さらに夏!」 唯「忘れた頃に秋!」 紬「この期に及んで冬!」 律「無限ループって怖くね?」 澪「ひいいいいいいいいい!」 完 24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 2010/06/12(土) 16 54 24.24 ID MvGQ6Afg0 唯『パラレルワールド』 唯「あ、雨だ」 梓「雨ですね」 唯「傘忘れちゃった」 梓「そうですか」 唯「あずにゃん入れてよ~」 梓「……仕方ないですね」 唯「わーい!相合傘だ!パラレルワールドだ!」 梓「パラソルの間違いなんじゃ……」 唯「違うよあずにゃん、傘はアンブレラだよ」ニヤリ 梓「あっ……///」 完 2