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読 み:たいようけ ニックネ-ム:太陽拳!! ア イ コン:ルシィ 特 徴:ほんわかする 活動時間:んー自分でもよくわからない(ぇ 主 食:Gペン 注意事項:高校生活を楽しむとかリア充爆発しろ!! http //embed.pixiv.net/blogparts.php?md=m id=taiyoukeita_febf85a68286f6dcf42abac7fea1bd8c logoColor=0x258FB8 bgColor=0xFFFFFF btnColor=0xFFFFFF allowColor=0x258FB8 nanameColor=0xEDEDED wakuColor=0x999999 tabColor=0xFF9900 fontColor=0x000000" /iframe
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依頼主 ブリギッド 出現条件 ブリギッド解放 クリア条件 3/30 12 00までに以下のアイテムを持ってくるレーズンクッキー:30 成功報酬 エリクサー 依頼時 魔神につかまっている間、外に出れたらどうしても食べたいと思ってました…。レーズンクッキーをお腹いっぱい!って。お、お願いできませんか…? クリア時 う~ん、むしゃむしゃ。お腹いーっぱい!私は最高の幸せものですね。どうもありがとうございます!私からのお礼、受け取ってください!
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「――これか」 レベッカ・ミューンと名乗った少女の言っていた辺りを探すと、そこには少女の死体があった。死体特有の臭いの所為か、割とすぐに見つけることが出来た。 体こそ冷たくなってはいるものの、表情は死体とは思えないほど穏やかなものだった。顔だけ見れば、「実は寝ているだけでした」と言われても驚かないかもしれない。 けれど、おびただしい量の血と青白くなった肌がその少女が“生きてはいない”ことを証明していた。 ―最……低……! こんな、死者を冒涜するような……!!― 去り際にレベッカの残した言葉をふと、思い出す。もう、痛みはない筈の頬に触れる。今思い出すと、彼女は泣いていたような気がする。――何故? ―あいつの首を切り落とすのは勝手だが、埋葬位ちゃんとしとけよ?― そして“自称レベッカの友人”の少女の言葉もまた、浮かんでくる。この少女の首を切り落としたければ好きにすればいいが、その代わり埋葬ぐらいはしろ、ということだろう。 彼女達の言葉が浮き上がり、泡のようにはじけて消えて、また浮かび上がって、混ざり合う。 クロの逆刃刀・真打を持つ手に、僅かに力がこもった。 【B3 森・昼過ぎ】 【名前・出展者】暗黒 黒王@リアクション学院の夏休み 【状態】健康 【装備】逆刃刀・真打@るろうに剣心―明治剣客浪漫譚― 【所持品】簡易首輪レーダー(パッチ当て済み)@暁、基本支給品一式 【思考】基本:主催者を倒しゲームを終わらせる 1:…………。 2:目の前の死体から首輪を回収する。(首輪の回収が終わったら埋葬する?) 3:主催者打倒のための仲間を集める 4:なんとか記憶を取り戻したい * * * 「僕達は殺し合いには乗っていません」 街の中で出会った少女(おそらく10歳前後)にナギとスバルは接触していた。ナギとスバルよりも年下であろう黒髪の少女は、剣を二本所持している。二刀流だろうか。 しかし少女の表情は年下とは思えないものだった。表情だけを見れば、少女の方が年上に見えてしまうかもしれない。 「……それを、私に信用しろって言うのか?」 「無理に、とは言わない。だが、俺達が殺し合いに乗っていないのは事実だ」 少女はナギとスバルをじぃっと、値踏みするように見つめる。そして、 「……お前達、名前は?」 「シン・カミナギです。ナギと呼んでください」 「スバル・カミナギだ。スバルでいい」 ナギとスバルはそれぞれ名乗る。――一応は“認めてもらえた”と考えていいのだろうか。表情がやや厳しさの抜けたものとなる。 「私の名はレイスだ。ところでお前達、剣術を扱える……いや、剣術が得意だろう? 違うか?」 レイスと名乗った少女の言葉に驚きつつも、ナギとスバルは揃って頷いた。誰よりも得意とは言わないが、どちらかと言えば2人とも剣術は得意な方だろう。 レイスはそれを見て、嬉しそうに笑う。先ほどの表情をしていたのは別の人物ではないかと思うくらい、その笑顔には確かな幼さがあった。 「しかし、お前達本当に殺し合いには乗っていないんだな? 強い奴がいるのは色々な手間が省けるから嬉しいし、信用するぞ?」 「僕が強いかどうかは分かりませんが、そう言ってもらえると嬉しいです」 ナギはそう言って、レイスに笑いかけた。――勿論、偽りの笑い。 さも本当に“殺し合いに乗っていない”ように見せかけ、隙を見て誰も見ていないところで少女を――レイスを殺害する。それが2人の目的だ。 周囲に参加者は……いない。少なくともこの辺りにいるのは、ナギにスバル、そしてレイスだけだ。 そしていかにレイスが“少女らしくない少女”だとしても、人間である以上“隙がない”のはまずありえない。仲間意識が出来れば尚更、隙は出来やすくなる。 「とりあえず、そこの民家で話でもしないか?」 レイスが2人に背を向け、民家を指差して言う。――今だ。 ナギは持っていた剣を抜き、隙のできたレイスに斬りかかろうとする。しかし、“誰も見ていない”と思ったことこそが“最大の誤算”だと2人は気づかない。 ナギは剣を持ち、レイスに向かって剣を―― * * * 「ようやく街についたと思ったら、これか……。ディー、あんまり見ない方がいいよ」 「それ、どっちかっていうと俺が言うべき台詞じゃね? う、グロ……」 街につき、ようやく休めると喜んでいた矢先にある青年の死体が目に飛び込んできた。 両親の実験で数多くの“モルモット”と称されたヒトの死体を見ていたフレイアは(多少苦痛だが)我慢できる。しかし、ユークリッドでヒトの死体とは無縁の生活をしてきたディーは別だ。 確かにルイスやフレイアと旅をすることで死体をみることはあったが、それはヒトではなく魔物だ。倒すのが当たり前となってしまっている魔物と、ヒトの死体では感じるものも違う。 思わず口元を押さえるディーの服の端を、フレイアは片手で一度軽く引っ張った。(そらこをおぶっているので両手は使えない) ディーはそれに気づき、フレイアと一緒に早足で死体の横を通って街の中へと入った。 フレイアは内心、「そらこが起きていなくてよかった」と少し安心していた。もし死体に慣れていないであろう彼女がこれを見たらどうなってしまうのやら……。 「とりあえず、何処か適当な民家でソラコを休ませなきゃ」 「フレイア。街についたし、おぶるの変わろうか?」 「やー、別にいいけど?」 「民家までなら俺だって大丈夫……っていうか、俺エルフとはいえ一応男なんですけど。あれおかしいなこの会話」 「別におかしいところなんて――」 ……フレイアの歩みが止まった。何事かとディーが声をかけようとすると、フレイアが小さな声で「しっ」と言った。 その視線の先には――2人の青年と1人の少女がいた。何かを喋っている様子だ。まだこちらには気づいていない。少し様子を見てから話しかけようということだろう。 そして少女が2人の青年に背を向けた瞬間、青年の1人が銀色に輝く“何か”を抜いた。鋭く尖り、光が反射するそれはまるで―― 「ディー、ソラコをお願いっ」 「え? ちょ、待てよフレイ……」 ディーがその言葉を全て言い終える前にフレイアは魔術の詠唱を始める。……当てることは考えなくていい。威嚇目的で足元に下級魔術を撃ち込めばいい。 ミスティシンボルの効果で、普段よりも早く魔術を発動させることが出来る。そしてそれが最も詠唱の早い下級魔術ならば――詠唱に一秒もかからない。 「ファイアボール!」 フレイアが魔術を唱え終えると、3つの火球が青年の方へ……正確には、青年の足元に飛んでいく。詠唱を終えた時点で気づいたのか、青年はその魔術を避けようと後ろに下がる。 ――もっとも、最初から威嚇目的で放った魔術だ。避けるまでもなく火球は地面に飛び、地面を黒く焦がした。青年2人と少女1人がフレイアとディー(とそらこ)に気づいた。 「その子から離れろっ!」 フレイアはそう青年達に言い放った。 ――青年の2人が小さく舌打ちしたことは、誰も知らない。 【D3 街内部・昼過ぎ】 【名前・出展者】シン・カミナギ@ラ ビ リ ン ス マ イ ン ド 【状態】健康、不安 【装備】剣 【所持品】基本支給品一式 魔術本 【思考】 基本、ゲームに乗り、優勝する 1、まさか人がいたなんて…… 2、目の前の人物をどうにかする(場合によっては殺害もする?) 【名前・出展者】スバル・カミナギ@ラ ビ リ ン ス マ イ ン ド 【状態】健康 【装備】セブンソード 【所持品】基本支給品一式 【思考】 基本、シン・カミナギと共にゲームに乗り、シン・カミナギを優勝させる 1、くそっ、どうする……!? 2、目の前の人物をなんとかする。場合によっては殺害も考える 3、リオンたちが心配 ※二人ともレイヴンを敵と確信 【名前・出展者】レイス@レイスの短編帳 【状態】健康 【装備】光墨@ハーフ 緋緋色金の光剣@世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯 【所持品】思い出の品@ハーフ 基本支給品一式 【思考】 基本、弱い奴を保護して、強い奴に引き渡す。中途半端、危険人物は必要無い 1、なんだなんだ? 2、やや混乱 ※レイスは基本大剣を軽々と振りまわすタイプですが、二刀流もOKのはずです 【名前・出展者】右京そらこ@リアクション学院の夏休み 【状態】烈閃槍による疲労、気絶 【装備】はどうのゆうしゃセット@ミュウと波導の勇者ルカリオ 【所持品】支給品一式、はどうのゆうしゃセット@ミュウと波導の勇者ルカリオ、不明支給品 【思考】基本:殺し合いには乗らない 1:…………(気絶中) 【名前・出展者】フレイア@テイルズオブコンチェルト 【状態】やや疲労、TP消費小(移動の間に回復) 【装備】ミスティシンボル@テイルズオブシリーズ 【所持品】支給品一式、ミニ八卦炉@東方Project 【思考】基本:殺し合いには出来る限り乗らない 1:あんな小さい子まで……! 2:2人の青年をぶっ倒す(殺害まではしない) 3:ソラコ、もうちょっと待っててね 4:ルイス達を探したい 【名前・出展者】ディー・ゼロディス@テイルズオブコンチェルト 【状態】健康 【装備】無し 【所持品】支給品一式、エリクシール(×3)@テイルズオブシリーズ、霊夢のスペルカード@東方Project 【思考】基本:ルイスを探してから帰りたい 1:あーもう、勘弁してください…… 2:ソラコを守る。状況によってはフレイアを援護する 3:さっきの男のことは忘れたい 前の話 062 カロリーメイトの夢の中 次の話 064 電波塔の決戦 ~大乱闘電波塔ブラザーズ64~
https://w.atwiki.jp/rakeplus/pages/97.html
ラ研の創作相談掲示板に佐宗氏によって投下された、爆弾発言。 2008年上半期流行語大賞の発言部門を見事受賞。 以下コピペ。 宮殿を爆発させたい。 - 佐宗 こんばんは。佐宗と申します。 ファンタジーものを書いていまして、王様の住む宮殿を冒頭でド派手に爆破させたいのですが、いまいち要領がわかりません。 中世で出てくるような石造りの建造物を、どうすれば爆発できるのでしょうか。 爆薬は黒色火薬にしようと思っていますが、いかんせんそちらの方面に無知な野郎でございまして、こんな火縄銃に使うような火薬を集めて本当に爆破できるのかとかなり不安です(汗) 爆破規模は、ウィキペディアの「ベルサイユ宮殿」の項目にあります地図↓ http //ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F Map_of_Versailles_in_1789_by_William_R_Shepherd_%28died_1934%29.jpg にピンク色で載っている旧城を、画像の右隅まで(あわよくばそれを越えるほどの)黒塵を撒き散らしながら全壊させたいなーなどと思っています。 一応ファンタジーなので、旧城は空、地下、庭園方面を含めて全方位に爆薬を仕掛けられます。 ただし、魔法はあるかないか程度の存在感なため、爆薬・発火方法は全部現実的にいきたいと思っています。(1600年代と仮定していますが多少の融通はききます) どんな爆薬、方法をつかえば宮殿を爆破させることができるでしょうか? 乱文失礼しました。 [No.30934] 2008/03/09(Sun) 17 17 42 "http //dosukoi.sub.jp/wiki/index.php/%E5%AE%AE%E6%AE%BF%E3%82%92%E7%88%86%E7%99%BA%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%9F%E3%81%84" より作成
https://w.atwiki.jp/karirakenpedia/pages/101.html
ラ研の創作相談掲示板に佐宗氏によって投下された、爆弾発言。 2008年上半期流行語大賞の発言部門を見事受賞。 以下コピペ。 宮殿を爆発させたい。 - 佐宗 こんばんは。佐宗と申します。 ファンタジーものを書いていまして、王様の住む宮殿を冒頭でド派手に爆破させたいのですが、いまいち要領がわかりません。 中世で出てくるような石造りの建造物を、どうすれば爆発できるのでしょうか。 爆薬は黒色火薬にしようと思っていますが、いかんせんそちらの方面に無知な野郎でございまして、こんな火縄銃に使うような火薬を集めて本当に爆破できるのかとかなり不安です(汗) 爆破規模は、ウィキペディアの「ベルサイユ宮殿」の項目にあります地図↓ http //ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F Map_of_Versailles_in_1789_by_William_R_Shepherd_%28died_1934%29.jpg にピンク色で載っている旧城を、画像の右隅まで(あわよくばそれを越えるほどの)黒塵を撒き散らしながら全壊させたいなーなどと思っています。 一応ファンタジーなので、旧城は空、地下、庭園方面を含めて全方位に爆薬を仕掛けられます。 ただし、魔法はあるかないか程度の存在感なため、爆薬・発火方法は全部現実的にいきたいと思っています。(1600年代と仮定していますが多少の融通はききます) どんな爆薬、方法をつかえば宮殿を爆破させることができるでしょうか? 乱文失礼しました。 [No.30934] 2008/03/09(Sun) 17 17 42 "http //dosukoi.sub.jp/wiki/index.php/%E5%AE%AE%E6%AE%BF%E3%82%92%E7%88%86%E7%99%BA%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%9F%E3%81%84" より作成
https://w.atwiki.jp/zwei2/pages/26.html
「どうしてもクリアできないときは」 ボス相手でクリアできないようなら、爆弾を大量に買いボスが止まってる間にばら撒く。こうすれば大抵の場合は倒せる。 参考 http //www.nicovideo.jp/watch/sm4941677
https://w.atwiki.jp/kskani/pages/509.html
どうしてこうなった ◆h6KpN01cDg どのくらいの時間だっただろうか。 俺はひたすら、ライガーとやらの背中で揺られ続けていた。 速度は間違いなく人間より早いのだが―――少しずつ慣れてしまったのは、俺の感覚がおかしくなっているからか。 途中禁止エリアがあることは知っていたから、もしかしてそこに突っ込まれるのだろうかと思ったが、そんなことはなかった。奴はあの獣の命令を律儀に守り、禁止エリアを左に迂回し、進んで行った。 ……一瞬躊躇したように見えたのは、あれか、やっぱり内心俺を殺したかったのか。はははは。そりゃあそうだろうな。 しばらくどこかをうろうろしていたようだったが、正直どこだったのか分からない。 とりあえず参加者らしき奴とは一人も会わなかったから、あの獣の約束は果たすつもりなのだろう。俺のことが嫌いなのによくやるぜ。 ……あのデバイスに言われたことを思い出す。 ……ああそうだよ。もう言い返すつもりもない。はいはい俺はクズクズ。……だけどなあ、だからってあんなに言わなくたっていいだろう。 俺だってここに気さえしなけりゃ、まっとうな高校生だったんだ。そりゃ、神や未来人や宇宙人や超能力者はごろごろいたが、でも俺自身はまともだった、はずだ。 ……だめだ、考えるな、考えたくない。ハルヒのことも、朝比奈さんのことも、妹のことも、長門のことも――― 今は、生きることだけ考えるんだ。 他の余計なことを考えたら、おかしくなる。ただ、どこか安全なところに行くところだけ、考えよう。 俺がそうこう葛藤している間にも、ライガーは進み続ける。律儀だなあ、こいつ。 あの獣も信頼おいてたみたいだしな。……人間の俺よりこいつの方が信頼に値するってことか。はは、無理もないか。だって俺自身も俺を信用なんてできないんだからな。 俺は(ほぼ無意識に)視線を横に向ける。なかなか思ったように自分の体は動いてくれなかった。意識ははっきりしているんだが、体が付いていかないんだな。 ……何か見覚えのある場所だなあと思う。一瞬はデジャ・ビュかとも思ったがそんなことはなかった。それは当然のことだった。 そこは俺が来たことのある場所だったからだ。地図がないからはっきりしないが、おそらく間違いはないだろう。 ……何回目だよ、この辺に来るの。いや、確かに人はいないのかもしれないが。 つか今の今まで気がつかなかった俺もどうなんだ。人生まで投げてどうするんだよ。 また近くにあるであろうレストラン(だよな?)に行くのは複雑な気分だ。あまり嬉しくはない。しかし、一度来たことのある場所の方が、スバル達が再び来る可能性は低い。 あいつらはヴィヴィオちゃんを探していたわけで、それなら当然未開の地を進んで行くに決まっているからだ。 こいつだってスバルたちに俺を合わせたくないだろうし―――俺だって、あいつらにはもう会いたくない。 ハルヒの死体のある学校とは真逆だが、仕方ない。……俺に掘り返されても、ハルヒが喜ぶとも思えないしな、冷静に考えれば。 更に言うなら、こいつが今はちゃんと働いてくれているとはいえ、いつどこで放置されるかわかったもんじゃない。 こいつの気まぐれで適当な開けた道路に放り出されるよりは、どこか建物の中にでもいた方が安全ではないだろうか?ともまた、思う。 ……つうか、何無駄なこと考えてるんだ、俺。 今の俺には、もうどうでもいいことじゃないか。 あとは、こいつが向かう方にただ連れられて行くだけだ。死にたくはないが、今の俺には身を守る手段もない。どうにもならない。ああ、……もう、なるがままだ。運命に任せるんだ。 考えるのは、それからでいい。 そして、更にある程度の経過してからだろうか。俺はとある建物の前にたどりついた。 多分、レストラン。 ……雨蜘蛛のおっさんと出会い、拷問された場所である。 正直俺にとっては悪い思い出しかない。 しかし、何故だろうか。 「……ここでいい」 俺は、ふとそう口にしていた。 何故そう言ってしまったのか、分からない。 さっきまで、ここに行くのは嫌だと思っていたのにな。運命に任せるとかかっこいいこと言ったくせに、な。 いや、分かっているんだ、―――内心は。 俺はここで、雨蜘蛛のおっさんに出会った。もう少し離れたコテージでは、ナーガのおっさんにフルボッコにされもしたな。 そう、ここで俺は、人を殺す決意を固まらせられたんだ。 だから、ここにいればまた俺がどうすればいいのか導いてもらえるかもしれない―――そんな、甘い考えだった。 もちろん、もう人殺しなんてうんざりだ。もしここにおっさんがいて再び拷問を受けたら、そう考えたるだけでおぞましい。だがそれ以上に。 俺は、答えを求めていた。 俺に、この不幸な『殺し合い』で手を引いてくれる、『神』を、無意識に求めていたのだ。 もし、再び拷問されることで何か変わるのなら、俺は喜んで受けるかもしれない。 ……自分でも、ナーガやおっさんすら美化し始めたのは重症だと思う。それくらい、今の俺の心はまいっていた。第一、やっぱりそれでも傷つくのは嫌だ。 今さら神頼みとは皮肉だが、じゃあそれ以外にどうすればいい? 弱い俺は―――自分のすべきことすら分からなくなった俺はどうやって前に進めばいいんだ? どんな神様だろうと、それにすがりたい、そう思ってしまうのが間違っているのか? もう、誰でもよかった。誰か、俺に進むべき道を教えてくれさえすれば何でもよかった。ああ、そうさ。 それくらいに俺の頭は真っ白で空っぽだったんだ。 獣の野郎は相変わらず泣きながら、しかし周囲に全く人の姿がないことを確認して、素直に俺の言うことに従った。 ……こいつもさぞかし俺と離れたかったことだろう。 もう、こいつに嫌われようと心すら痛まない。何も考える気力がなかった。 ライガーは入口の前で俺を放り投げるように下ろす。腰を打ちつけた。痛い。心なしかライガーの野郎がざまあみろと言わんばかりに笑った気もしたが、よく分からなかった。 俺はふらふらと立ちあがり、ずきりと痛む腰を支える。おいおい、まだ腰痛には早いっつうの。高校一年生にして杖をついての生活か、さすがに勘弁だ。 きい、とドアを押しあける。ぼんやりとした視界の先には、見覚えのありすぎるフロアがあった。 なんとなく振りかえると、既にライガーの姿はなかった。……立つ鳥跡を濁さなすぎるだろう。まあ、あいつは俺と一刻も早く離れたかっただろうから、俺がここでいいと行った場所で降ろし立ち去るのは無理もない。十分すぎるほど頑張ったくらいだ。 ……ああ、そうだよな。 ここで、おっさんに会って、そして――― 考えるだけで、痛い。 心も身体も頭も、全てが、だ。 ……忘れよう。今は体を休めて生きることだけ考えるんだ。 殺し損ねたスバルのことも―――もう生き返るはずのないハルヒや朝比奈さんや妹のことも―――全部。 しかし、人間の脳はそんなに簡単にはできない。 一瞬でリセットができたらさぞ幸せだっただろう。しかし、そんなこと、不可能だ。 だいたい、もう現実逃避をするには、俺は疲れすぎていた。……現実に。 ……くそ、気を紛らわせよう。 「……何か、食うか……」 誰に言うでもなく呟いて、ふらふらとキッチンへ向かう。途中何もありやしないのにつまずきかけてしまった。もう駄目だ、こりゃ。自分で言うのも変な気分だが。 余計なことを考えないようにとそうしたのだが、言葉に反応してわずかに胃も悲鳴を上げた。 人間ってすごいな、精神的に気力がなくても肉体は生命を欲するらしい。律儀すぎて涙が出てくるぜ。 もう俺以外誰もいない―――何か口にしたっていいだろ。何もしたくないが、生きることだけはしたいんだから。 そんなことを考えながら俺はキッチンの巨大な冷蔵庫を開き―――そして、嘆息する。 「……はあ」 何もなかった。 見事に、すっからかんだった。 おいおい、ここはレストランだろ?何もないってありえないだろう。前来た時は―――確認してなかったな、そういや。確認しておくんだったか。 誰かが持って行ったのか?それとも元から入っていなかったのか? ……ああ、どうでもいい。面倒臭い。 なんだか、一気にやる気がうせてしまった。もう、不貞寝でもしてやろうか。 俺はそのままごろりとキッチンに寝転がった。汚れ?ああ、もうどうでもいいさ――― 何も見えない。 思考が定まらない。 俺の腕すら、まともに見えない。 ああ、もう知るかよ。もう―――死にさえしなければ何でもいい。 思い出したくもない。考えたくもない。このままただ、眠りについて、目覚めた時には全て終わっていたら―――どれほど幸せだろうか。 ああ、もう、誰か、俺を助けてくれ――― その時、かつんと何かが伸ばした右手に触れた。 金属のような冷たい感触。 「……」 無意識にそれを掴み、見える一まで持ち上げる。視線を向ける気力はなかった。 それは、アルミ缶。 なんてことはない、その辺のコンビニでも普通に売られている―――ビールだった。少しサイズは大きめだ。 てっきり何もないのかと思ったが―――1つだけ床に転がっていたらしい。 ということは、誰かがここに来て食料を持って行ったが、1つ落としたのか、それとも酒だったから必要ないと判断しわざと置いて行ったのか知らないが―――ビール缶が取り残されてしまった、と。 俺には関係のないことだし、知ったところでどうにもならない。俺に何を教えてくれるでもない。考えることすら億劫で、俺はそれ以上考えるのをやめた。 そして、俺の震える手に握られているのはビール缶1つ。 そう、『1つだけ』。 他は全部持っていかれてしまったのに―――たった1つだけ。 はっ、だからなんだってんだ。 じっと見つめる。正確に言うなら、ぼんやりとただビール缶の方向に視線を向けていただけで、ほとんど瞳には何も映ってやいなかったが。 やっぱり視界はかすんだままだ。これは俺の精神状態がやばいという証拠なのか。 追及する気もない。……そんなこと、知らない。 腹は減る。口に入れられそうなものなんか、これと水道水しかない。もちろんディパックは手元にない。しかし、何かしていないと静かに、静かに狂っていきそうで――― だから、なんだ。 俺の中で、何かが切れた。 ……知るかよ、もう。 どうして、俺が、『こんなことで迷わなきゃいけないんだよ!』 ああ、認めよう。俺はその時自棄になっていた。 俺はただ本能の赴くままに、そのビール缶のプルタブを開け―――一気に飲み干した。 ……苦い。これをうまいうまい言って飲む奴の気がしれない。ビールを呑んだのなんて生まれて初めてだ。当然だ、俺は未成年だぞ。 しばらくは、何と言うことはなかった。 吐き気がするということもない。体温が上がる感じもない。 しかし少し時間が立つと、妙な感覚に襲われた。 体温が上がり、頭がふらふらする。 しかし何だろう―――どこか、気持ちがいい。 「…………は、はは……」 口から笑いが漏れる。何だろう―――何か叫びたい気分だった。 そういえば、酒を飲むと記憶が飛ぶとはよく聞く話だ。 自分が何をしていたのかすら分からないくらい、幸せな気分になるとか。まあ、それもこれも全部アルコール成分が原因なんだが。 まるで、麻薬―――いや、実際に、酒なんてのは摂取量を間違えれば麻薬に匹敵する危険物だからな。 これ以上ないってくらい誰でも知っている話だ。 なんだ、俺にぴったりじゃないか。 今の、自分で考えることすらできやしない、この俺には。 「……はは、……ふふふ……はは……はっ……」 笑いが、零れた。 初めはほんの含み笑い、しかし俺は、それを徐々に制御できなくなる。 「…………は、ははははは、ふははははは!ひゃははははは!ひひほほっほはへ!」 おかしいな、うまく発音できないぞ。 ……そうか、酔い始めたか?ビール一本でここまでなるとは思わなかったが―――気にしない。 もう、どうなろうと関係ありゃしない。 「……はっ、ひっぽんしかなひのがほひいところだな……もっと酒持ってこひよ!」 ああ、たまらない。 気分が高揚して―――全てが楽しく見えてきやがった。 目の前にはSOS団の部室がある。そこにはいつも通りの光景が広がっている。 ハルヒ。長門。朝比奈さん。古泉。俺。 ハルヒが、また宇宙人を探しに行こうなどと言いだし、メイド服姿の朝比奈さんは泣きそうな顔で了承し、古泉はいつも同様にこやかに同意し、長門は無言でうなずく。 なんだ、―――酒って、最高だな! 「ひっく、長門お!見てるんだろお?お前気を利かせて酒の一本くらいほってほいよ!ほれが今まで何人ころひたとおもってる?はんにんだぞ、はんにん!ハルヒに、なまへもしらないこともに、なーがのへびやろーだ!な、なはとお、わかるだろ? ほのひょんさまにごほうひのひとつもくれねえのはよ?いばしょなんかろーれもいひんだよ!ころひあひをふふめてやったおれにはんしゃしていわうくらいひてくれよ…………うっ……うう……」 あれ、おかしいな、何で突然涙が止まらなくなったんだ? 俺自身が、自分の変化にさっぱりついていけない。 俺の理性と、俺の本能がせめぎ合い口論している。 俺最高に楽しいじゃないか。どうして泣いてるんだよ。 こんなとこで泣くとかかっこ悪いってレベルじゃ――― 「うう……うっ……もう、もう……もうひるかよ……おれはわるくない……おれはわるくねえんだよお…… ……おれはふふうのにんげんなのにい……ただながほにここにふれてこられたひがいひゃなのにい……ひっく、どうしてはんなきかいにせっきょうなんてされなきゃいけねえんだよこんちくしょう…… ……おれだって、ハルヒをころひたかったわけじゃないんだよお……いもうほをほろひたかったわけでもねえんだよお……なんで、なんでほれがこんなめにあわなひゃいけないんだよお……う、うう……なまいきなんだよきかいのくせによお!」 ビール缶を、床にたたきつける。 思ったよりあっさりと缶はぐちゃりと潰れた。脆いんだな。弱い弱い。 そう、弱い。俺と同じように。 「……は、ふふ、はは……」 ああ、もう考えるのはやめよう。 面倒臭い。知ったことじゃない。 酒は飲んでも呑まれるな、とはよく言われる言葉だが―――もう、酒でも何でもいいから俺を呑みこんでくれ! 「……ふはははははは、ははははは!」 「もうしるかよっ!すきにひろよ!おれをころひてみるならころひてみやがれってんだ!あひゃひゃひゃひゃひゃはははははははあっ!ひひひひひひひははははははは!すはるもなはともほいずみもはさふらもほうにでもなっちまえよおおおおおおお!」 もう嫌だ。 どうして、こうなってしまったんだ。 誰か、俺を助けてくれ。 そして俺を、この世界から解放してくれ。 この時の俺は、本当に酔っていたのだろうか。 もはや俺には、それを判断することすらかなわない。 いくらビールとは言え、所詮缶一本だ。俺がよほど体質的に弱い、とかでもない限り、こんな状態にはなりえないだろう。 ……普通の状態なら。 俺が『酔って忘れてしまいたい』と思ったから、俺の体がその通り働いたのか。 それとも―――俺の体が、この程度のアルコールにすら抵抗できないほど弱り切っていたのか。 どちらか、両方か。答えなんて、どうでもいい。 「おれはまだいきてる!いきてるんだよ!そう、おれは―――」 確かなことは。 俺は、まだ『死んでいない』、その事実。 だが、それに何の意味があるってんだ。 俺は、どうして生きてるんだ? 死にたくない。死にたくないから―――生きてる。 ああ、そうさ、その通りだ。 俺は、『死にたくないから生きているんだよ』。 ああ、くだらない理由だ。反吐が出る。自分でも俺がクズってことくらい分かってるさ。……他の奴から指摘されるのが嫌になるくらい。 ハルヒや妹や朝比奈さんは、きっとそんな下らない理由で生きたわけじゃない。 俺なんかより、ずっとずっとずっと高尚だ。 だが、不思議なことに、俺は今生きている。 誰よりも堕落して、誰よりもクズで、誰よりもどうしようもない俺が生きているんだ。 俺は―――『生きている』、ただそれだけの理由で、あいつらに『勝って』いる。 そうだろ?だって、命は戻らないのだから。 ……ふざけた話だ。 何の仕事もしてないくせに国民から税金をむしり取る政治家を笑えやしない。 俺は何も、何もまともなことはしちゃいないのに、生きている。―――なんて。 それなのに、死ぬことなんて考えもつかない。 生きている価値がないと自覚しながら、俺は、死ぬこともできない最低の負け犬だ。 だから、もう、いい。 今は、ただ、全てに俺という存在を任せてしまおうか。 「おれは……おれは……」 何故なら――― 俺は、ただ。 手段なんてどうでもいい。人殺しはしたくない。誰にも会いたくない。でも、誰かに導いて欲しい。 矛盾していると分かっていても、それでも。 自分でも、何を言っているのかさっぱり分からないが、しかし。 「……しにたく……死にたく……ないだけなんだよお……」 ああ。 もう、どうにでもなーれ。 【G-8 レストラン/一日目・深夜】 【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱 【状態】ダメージ(中)、疲労(大) 無気力 泥酔で躁鬱が極端 【持ち物】デイパック(支給品一式入り) ライガー@モンスターファーム~円盤石の秘密~ 【思考】 0:もうどうにでもなーれ☆ (1:―――死にたくない。) 【備考】 ※「全てが元通りになる」という考えを捨てました。 ※ハルヒは死んでも消えておらず、だから殺し合いが続いていると思っています。 ※ガイバーは使用不能になりました。以後使えるようになるかは後の書き手さんにお任せします。 ※現在は泥酔(?)しているため、正常な判断ができていません。正気に戻ったあとどうするかは次の書き手にお任せします。 【ミサトのビール@新世紀エヴァンゲリオン】 葛城ミサトが常に冷蔵庫に大量に保管しているビール。ペンペンも飲むよ! ※ どうせ俺の命は少ししか持たない。 あのキョンのところから飛び出したのは、あいつに消える瞬間を見せたくなかったからだ。 あの地の周辺には誰もいなかった。しばらく危険にさらされることもないだろう。だいたいあの男があそこでいいと言ったんだ。事実、あそこは人の気配も全くなかったしな。……これで俺の仕事は終わりのはずだ。 更に遠くまで安全な場所を探して―――なんて義務はない。本当は殺したかったのを我慢してちゃんと運んでやったんだから感謝して欲しいくらいだ。ご主人様にはそんなこと言わないが。 だからせめて、仕事を果たしたんだから死に場所くらい選ばせてくれ。ライガーの誇りってやつだな。あんな男の隣で死ぬなんてごめんだ。 ……ほんとは俺のご主人様、違う、我が友人の隣で消えたかった。だが間に合いはしないだろう。もう、俺はもたない。 だから、せめて―――かっこよく帰依させてくれよ。 あんな屑野郎を助けて消えるより---俺は友のことを思って死にたい。 砕けるような音。つんざくような眩暈。激痛。―――俺は、もうすぐ壊れちまうな。 ……わが友よ。お前だけは、どうか。 最後まで生き残ってくれ。……頼むぜ? 俺はもう、これ以じょ、 その瞬間、どこかで獣の鳴き声が聞こえたのは、気のせいだったろうか。 まるで、大切な友人の死を嘆くかのように―――高らかな咆哮が。 それが現実だったのかどうかは分からない。しかし、確実にその声は届いたはずだ。 彼の、大切な大切な友人に。 【ライガー@モンスターファーム~円盤石の秘密~ 破壊確認】 ※エリアのどこかにライガーの円盤石が落ちています。どこかは他の書き手にお任せします。 時系列順で読む Back war war! stop it Next でこぼこカルテット(前編) 投下順で読む Back 寸善尺魔~憎魔れっ子が世に蔓延る(前編)~ Next でこぼこカルテット(前編) 鎧袖一触~鎧の端の心に触れろ~ キョン 魑魅魍魎~草の根分けるは鬼にあらず~
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どうしてほしいの?【登録タグ VOCALOID galaco かごめP と 曲 曲た 真己京子】 作詞:美音 作曲:美音 編曲:美音 唄:ギャラ子 曲紹介 雑誌「Sho-Comi」連載のマンガ『ボカロTRIANGLE』において、主人公の美音が作ったという設定の曲の2曲目。 イラストは原作者の真己京子。 ふたりの男の子の間でゆれるキモチを歌った歌となっている。 歌詞 (動画内歌詞より転載) どうしたらいいの そっと触れてくる 二つのぬくもりが なんか私をすごく 困らせてるんです 優しくクールな瞳で 私の心を離さない 「好き」だと言えないよ 臆病だから 「他の奴のこと考えるな」 なんてお願い言わないで 困らせたいワケじゃないけど 目が離せないよ ちょっと強引に 腕をつかまれたら キュンと締まり始めた 私の心臓が 二人の人に挟まれた 浮気な私が嫌いです 「好き」だと言わせてよ お願いだから 「他の奴のこと考えるな」 気安くあなたは言うけれど 大事なことも言わないで ズルくはないかな? どうかあなたの気持ちを 聞いていいですか? 今日はわたしもちょっと 言っていいですか? 「他の奴のこと考えるな」 気安くあなたは言うけれど 「好き」という言葉一つさえ 言わせてくれないよ どうかあなたの気持ちを 聞いていいですか? 今日はわたしもちょっと 言っていいですか? どうかあなたの名前を 聞いていいですか? 今日は少しだけ勇気 出していいですか? コメント 名前 コメント
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第517話:どうしてこんなに痛いの 作:◆eUaeu3dols その味は甘く、その香は芳しく、その欲は狂おしい。 吸血鬼の肉体。 犯される心。 魂の汚辱。 すがれるものはもう誰も居なくて。 「人は、襲わない。人喰いの怪物になんか、ならない」 残ったものは少女がフレイムヘイズに選ばれた理由、気高く強い自尊心。 それと、坂井悠二と過ごした過去の記憶だけだった。 他にはもう誰も居ない。 独りぼっちの少女は、ひどく寒い孤独の中で震える体を抱き締める。 一人で居る事が心細かった。 一人で居る事が悲しかった。 どうしてこんなにも心細くなるのだろう。 どうしてこんなにも弱くなったのだろう。 (……だって、いつも誰かが居た) 坂井悠二が居た。 その母である坂井千草や、悠二を賭けたライバルである吉田和美が居た。 悠二と出会う前も天道宮を出る前はシロが、出た後は長く離れたけれどヴィルヘルミナが、 そして天道宮を出る前から出た後もずっと、アラストールが居た。 フレイムヘイズとしての契約を行った、シャナの中に住まう紅世の王。 彼はきっと――間違いなく――シャナにとって家族だったのだ。 (アラストールはまだ、私の中に居る) 彼女の身に力が漲り、炎を自在に操れる事がその証拠。 だけど言葉が聞こえない。姿が見えない。 心の痛みを和らげてくれない。 だから居ないのと同じこと。ここには誰も居ないのだ。 胸を突き刺すような傷みは一向に消えてくれはしなかった。 痛みにもだえ、逃れる術を求めた。 (……悠二の手記を読もう) だから悠二の足跡に想いを馳せてみようと、そう思った。 そうすれば少しは悠二を、悠二の言葉や温かさを感じる事が出来るかも知れない。 シャナは坂井悠二の手記を取りだして読み始めた。 そしてシャナは、またもや打ちのめされた。 もう絶望し、痛みと渇きに苦しんで、これより底なんて無いと思っていた。 それでも悲劇とは往々にして予想を超えた角度から襲い来る。 『管理者の謎の警告の後、僕は長門さんと出夢さんと共に城を脱出した。 あの時、僕を呼ぶ声が聞こえた事は少しだけ気になった。 赤い髪の女が襲撃してきた、という言葉も。 だけどシャナはフレイムヘイズだ。無差別に人を襲ったりはしない、はずだ』 ゲームが始まった時、もっと落ち着いて行動していれば何かが違ったのか。 全て、自らを見失っていたせいなのか。 手記は更に続きを綴る。 『通りすがりの強そうな人に食料と水を交換に化け物を引き受けて貰った。 その後に走りながら時計を見たら、確か7時過ぎだったと思う』 (あの時に……!) 丁度7時、リナの提案に乗ってあの小屋に留まらなければどうだっただろう。 その時に悠二が居た場所は隣のエリアだ。 もしもあそこで留まらず、そして調べ終わった東や、狭い南と西を無視すれば…… (考えすぎだ、そんな事) そんな“もしも”を考えて何の意味が有るのだろう。 そうは思うのに。 『メフィスト医師により人より一つ多かった制限を外してもらった。 ようやくまた、存在の力を感じ取れるようになった。 これならきっと、シャナが近くを通れば感じ取れるだろう』 『あまりに僕自身の格好が不審だったのと異様な気配を感じて物陰に隠れた。 通り過ぎたのはサイドカー付のバイクに乗った首の無いライダー――』 もしもシャナがベルガーと共に行っていれば。 (そんな仮定に意味なんか無い! 有るわけが無い!) そう、思うのに。 『紅世の従ではないようだけれどあの気配は警戒すべきかもしれない。 港を目指していたルートを変更してここは北回りに――』 (どうしてこんなに“もしも”が続くの!) シャナは声のない悲鳴を上げた。 目の前に居たのに。 ひどい偶然がなければシャナと悠二は出会えていたのに。 『4時半。階下に居るのが何者かは判らない。見つからないように離れる事にする』 それなのに、悠二と生きて再会する事は遂に無かった。 シャナは悲劇の再上映に打ちのめされる。 どうしてこんなにひどい事ばかりなのか。 疑問も悲鳴も哀惜も、全ては闇に呑まれるだけ。 何処にも光など有りはしない。 「ひどいよ、悠二」 悠二が死を覚悟していたと聞いたおかげで、しっかりしようと思う事が出来た。 何処へ進めば良いかはまるで判らないけれど、辛うじて立っていられた。 なのに歩き出せば何処を踏んでも針の山。 足の踏み場は何処にも無い。 「どうしてこんなものばかり遺していくの」 無惨な死体。 覚悟の残滓。 血に濡れたメロンパン。 悲劇を再上映する手記。 抱き締めてくれる誰かも優しい言葉も失ったこの世界。 「――ひどいよ」 シャナの側には誰も居なくて。 ただ、冷たい夜風が吹きつけた。 シャナはハッと顔を上げた。 冷たい風は、シャナに覚えの有る気配を届けた。 「これは……あの女!」 すぐさまそちらに意識を向ける。 気配がする。 あの、彼女に牙を突き立てた吸血鬼の存在を感じ取れる。 「見つけた、見つけたんだ!」 瞳に戻るのは微かな灯火。 それは最後の希望だ。 多くを失ったシャナが自らの尊厳だけでも取り戻す最後の機会。 悠二と出会った、フレイムヘイズである少女に戻れる機会。 吸血鬼化が終わる前に佐藤聖を殺す事が出来れば、吸血鬼から回復できる。 「戻る! あいつを仕留めて……戻るんだ!」 シャナは駆け出した。 * * * 「ああ、『影』の人は死んじゃったんだねぇ」 放送を聞き、十叶詠子は呟いた。 「誰なの、その人。女の子? 男の子? 詠子ちゃんの気になる人?」 「男の子だよ、『カルンシュタイン』さん。気になる人ではあったかなぁ。 死んでしまったのは、とっても残念」 残念という言葉は心から、なのにくすくすと無邪気な笑みを浮かべている。 詠子は空目恭一やその仲間達の味方のつもりだったが、彼らにとって詠子は敵だった。 きっとこのゲームの中でも、彼女に敵対していただろう。 そうは思うが、空目恭一の味方であるつもりの詠子としては残念な事には違いなかった。 彼の魂のカタチはとても綺麗だったのだから。 それでも詠子が笑うのは、その事を残念で悲しく想いながらも心から笑っているだけの事だ。 「うーん、詠子ちゃんはよく判らないな」 それは見知らぬ者の死ならどうとも思わなくなった吸血鬼の佐藤聖でも理解できない。 もっとも佐藤聖は狂気などとはまた違う精神状態なのだから狂気を理解しえないのは当然なのだが。 「他に死んだ人は……うん……うん……」 詠子は放送の続きを聞いて知った名が有るかを確認する。 一つ、知った名が有った。 (『ジグソーパズル』さんも死んじゃったんだね) 夜会で出会った、詠子より少し年上の女性。 夜闇の魔王に挑み戦うと宣誓した力有る魔術師、楽園の魔女サラ・バーリン。 彼女の死はゲームに抗する力の損失を意味する。 更に詠子が仕掛けた刻印を破る物語は偶然と、時空の秘宝によって防がれてしまった。 神野陰之とその友アマワが支配するこの世界は未だ攻略の糸口すら掴めない。 (でも、『法典』君や『女帝』さんは生きてるみたい) そして佐山・御言とダナティア・アリール・アンクルージュの生存を知る。 参加者を解放する術は見つからなくて、だけども結束する術だけは残された。 それは確かに希望だけれど、光差し込まぬ闇を駆けるとても危険な脱出口。 「うん。他にはこれといって居ないみたい」 「そっか。私も知り合いは死んでないかな」 そんな理由も有るから、世界に挑む者達の名はあげなかった。 単に佐藤聖が獲物に狙ったら困るからでもある。 『次に禁止エリアを発表する。 19 00にC-8、21 00にA-3、23 00にD-6が禁止エリアとなる』 「……ここはどこだったかな?」 「D-8の北端辺りだよ、『カルンシュタイン』さん」 「そう、それじゃなんとか平気だね」 そこまでを聞き終えて、吸血鬼と魔女はようやくの一息を吐いた。 「じゃあさっき言った通り、何か滋養の有る物を作ってあげる。 詠子ちゃんは何が良いかな? 鉄分を多目に取る事を推奨するよ」 「血の材料だね。太らせて食べちゃうつもりなんだ、吸血鬼さんは」 「冗談だって。何か温かい物が良いね。おかゆで良いかな?」 「うん、それで良いよ」 本音は本気だった事は言うまでもない。 * * * 微かに感じ取ったその場までは思ったよりも距離があった。 (悠二が死んだあの場所の近く……) 同じ島の東端の港町。 もうじき禁止エリアとなるC-8よりは若干南のD-8エリアだ。 たまたま近くを彷徨っていたとはいえ、それでも丸1エリアは離れていた。 これまでこの島で、これほど遠くの気配を感じ取れた事は無い。 (……まだ吸血鬼にはなりきってない。だからそれで判ったんじゃない) 風に乗って飛び火したようなほんの僅かな気配を偶然感知した。 きっとそういう事なのだろうと自分を納得させる。 そして物陰から覗き見たその場所は一件の民宿だった。 (ここがあの女の根城?) 明かりの灯った部屋も暗い部屋も有ったが、どうやら個室には居ないようだ。 回り込み、他の部屋を捜す。明かりのついている部屋を重点的に。 浴場にも居ない。厨房にも居ない。 ――食堂で、その姿を見つけた。 * * * 「はい、詠子ちゃんあーん♪」 「…………うーん」 にこにこ顔で差し出されたスプーンを前に困り笑顔を浮かべる。 「『カルンシュタイン』さん、いちおう言っておくけれど。 私は、普通に食事ができる位には大丈夫だよ?」 「判ってるって。だからこれは、お姉さんのちょっとした好意」 (好意、というより遊び心だよねぇ) まあ考えてみれば、少なくとも悪意や敵意は無いし、危険が有るわけでもない。 となれば詠子にとって断るほどの理由もなかった。 「仕方ないなあ。あーん」 詠子が開けた口に聖がそっとスプーンを差し入れる。 口を閉じてお粥を咀嚼。 「うん、温かくて美味しいよ、『カルンシュタイン』さん」 「そりゃ良かった。それじゃどんどん食べてね。はい、あーん」 「あーん」 奇妙な関係の奇妙な夕食が続いていた。 * * * ………………どうしてだろう。 どうしてこんなにも悲しいのだろう。 どうしてこんなにも悔しいのだろう。 どうしてこんなにも……理不尽なのか。 (おまえは人喰いの怪物じゃないか。 それなのにどうして……どうしてそんなに暖かい場所にいるの!!) 人の血を啜る吸血鬼と、見たところおそらく人間である少女。 2人の団欒は暖かく心癒されるもので、だからこそシャナの心を凍え傷つけた。 人のために、人を護るために戦って、何もかもを失った孤独に凍えた。 それなのにあの女は、人を傷つける化け物なのにあんなに暖かい場所にいる。 この違いは何だというのか。 どうして。 どうして。どうして。 どうして。どうして。どうして。 ……答えは、とても簡単な物だった。 これまでもずっとそうだったのだ。 フレイムヘイズはみんなそんな場所にいて、人喰いの紅世の従共はみんなそうしていた。 紅世の王達にとって愛とは喪失の悲しみに狂う事もある危険な物だった。 アラストールはかつて、道は外れなかったが最愛の契約者を失った。 愛や絆など戦いには不要なものだった。 そして紅世の従どもは、愛に生きて愛に死んでいた。 狩人フリアグネは最愛の従者に確たる肉体を与える為に戦った。 愛染の兄妹、あのティリエルという紅世の従は、最初から最後まで最愛の兄と共に在った。 アラストールは言った。 「フレイムヘイズとて人を愛していい」のだと。 けれどアラストールは最愛の前契約者と死に別れた。 シャナもまた最愛の少年と死に別れた。 (望む事は許されるのかもしれない。だけどきっと……) きっと、フレイムヘイズが得られる幸福など全て儚い夢なのだ。 そう思うと悲痛な感情が怒濤の如く押し寄せて……逃れようと前に走った。 「死ねえぇっ!!」 絶叫と共に振り下ろした刃は食堂のテーブルを叩き割った。 「シャナちゃん!?」 直前で自らの血の気配を感じた聖は詠子を抱えて距離を取っていた。 目の前に居るのは4時間くらい前に血を吸った少女。 間には真っ二つに砕けたテーブルの残骸と転けた椅子が転がっていた。 シャナは無言で聖に向けて刃を構える。 その瞳に滾るのは怒りと焦り、そしてようやく彼女を見つけたという僅かな希望。 吸血痕は確認していないが、全力で耐え続ければあと10時間後まで保ったはずだった。 心が折れて一気に進行したからといって、まだ完了はしていないはず。 (ここで仕留めれば吸血鬼にはならない!) その目に明らかな殺意を感じ取り、聖はくるりときびすを返すと詠子を抱えて走り出す! 「逃さない!」 跳躍。 僅かな距離を咄嗟に生やした炎の翼で滑空し散らばる残骸を飛び越える。 聖は食堂を出てエントランスに飛び込み四足飛ばしで階段を駆け上がる。 追撃するシャナは手すりを蹴り翼で羽ばたき二階に上る。 客室の並ぶ長い通路。 聖は全速で駆ける。 シャナは全速で翔る。 一度は聖が勝った競争は、しかし荷物のせいか見る間に距離が詰まっていく。 「ヤバイ……!!」 聖はそのまま加速し詠子をしっかりと抱え込んで窓に突っ込んだ! 硝子の割れる音と共に夜空を舞う聖を、シャナは遂に射程に捉える。 加速。跳躍。飛翔。 「もらったっ」 斬撃。 ――墜落。 * * * 「いたた……」 足を押さえて蹲る聖。 足には大きく刀傷が開いていた。 尋常ではない肉体能力と再生速度を持つ美姫の直の眷属である聖だ、再生はすぐに済む。 「ここまでよ」 「ひ……っ」 だが顔を上げた聖の目の前には贄殿遮那の刃が有った。 今はその短い再生時間すら与えられない事は明白だった。 這いずって逃げようとするが、その腕さえも落下の打撲で今しばらくは動かない。 (ここまでって事なの……?) 横目で見ると、幸い詠子に大した怪我は無いようだ。 だが聖は死ぬ。 殺される。 どうしようもなく殺される。 その恐怖にギュッと瞼を閉じて…… 「ねえ、どうして『カルンシュタイン』さんを殺すの? 元『誇り高き炎』さん」 ――“魔女”十叶詠子の言葉が聞こえた。 (なんだ、こいつは) 聖と共に居る少女の言葉に、振り上げていた刃を止めた。 「……人喰いの怪物に、吸血鬼にならない為よ。決まってるじゃない」 なぜそんな当然の事を聞くのか。 そして、元『誇り高き炎』。 どうして私がフレイムヘイズである事を知っているのか。 「それと訂正して。私はまだ……ううん。私はフレイムヘイズよ。今も昔も、これからも」 その事に迷ってはならないと、そう思う。 だけど。 「でもあなたは吸血鬼だよ。もう人には戻れない」 魔女の一言はそんな薄っぺらい思いを微塵に粉砕した。 「……………………………………………………そんなはず、ない」 長い沈黙の後に必死の言葉を絞り出す。 「まだ噛まれて5時間も経ってない! 耐え続ければ明日の朝日だって見れたかもしれない! もう終わってるはずがない! そんな事あるわけがない!」 「本当だよ」 「うそだ!」 「本当。吸血鬼の噛み痕だってもう残ってないってカタカタさんが言ってるよ」 「うそ!!」 「じゃあ確かめてみたらどうかなあ。はい、手鏡」 詠子はポケットから小さな手鏡を差し出すと、シャナを鏡に映した。 明かりのない森の中だったけれど、紅い瞳は鏡の向こうに鮮明に、自らの姿を見て取った。 その肌は僅かに青白く、そして聖に噛みつかれた首筋は…… 「貸して!」 「きゃっ」 詠子から手鏡を奪い取り食い入るように覗き込む。 毛穴一つ見逃すまいと必死に傷跡を探す。 だけど何度見ても、その肌には痕一つ残ってはいなかった。 吸血痕は消えていた。 「どうして!? なんで、どうして!!」 悲鳴のような声を上げる。 有り得ない。そんな事、あるはずがない。 そんな事…… 「それはきっと、あなたが望んでしまったからだよ」 魔女は親切にもその理由を教えた。 「あなたは自らの力と精神で吸血鬼になるのを遅らせる事ができた。 でもそれは諸刃の刃なんだよ。 もしもあなたがそうある事を望んでしまえば、変わる事に時間は要らない」 優しさで少女の心にナイフを刺した。 ――シャナはその意味を理解した。 『きっと、フレイムヘイズが得られる幸福など全て儚い夢なのだ』 『…………それなら、いっそ』 一瞬の、しかし完全な過ちが、少女の道筋を定めてしまったのだ。 シャナは呆然と立ちつくす。 そしてそんなシャナに魔女は繰り返し問い掛けた。 「それで、『カルンシュタイン』さんは殺さなくて良いのかな?」 「それは……」 シャナは言葉に詰まる。 (もう、そんな事に意味は無い) 思った。そう思ってしまった。 すると詠子はにっこりと笑ってこう言った。 「だからあなたは『誇り高き炎』じゃなくなったんだよ。 炎は悪い罪人を裁くものだけど、あなたはもうその役目に縛られないものね」 「え…………あ……!!!」 更なる慈愛がシャナの心を打ち砕いた。 人喰いの怪物を滅ぼし世界のバランスを守るのがフレイムヘイズの役目。 その役目すらも忘れ去り、自らの為だけに生かし殺そうとした。 誰かにすがる事なくただ共に在るという誓いを忘れ、すがるものを求めて泣いた。 「さしずめ、今のあなたは『痛み』の人かな。 あなたはとても傷付いてしまった。 誰かの牙で、絆で傷付いて。 そして自らの真っ直ぐな想いと情熱で焼き焦がしてしまった。 あなたに残る傷はもう無いけれど、熱い痛みが消える事は無い。 あなたの魂のカタチは『痛み』で埋め尽くされた。 それはとても悲しい事だけど、でもそれが、あなたの新しい魂のカタチ」 その言葉はどこまでも優しくて、新たなカタチをも祝福する想いに満ちていた。 優しいのにこれほど残酷なものはなかった。 全てが絶望よりも鋭い痛みに染まる。 「……あ…………ぁ………………」 そう、全ては魔女の言葉の通り。 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!!!」 シャナの心は『痛んで』いた。 * * * 「ふう…………恐かった、死ぬかと思った。詠子ちゃん、ありがとね」 「どういたしまして、『カルンシュタイン』さん。 でも私は、あの『痛み』の子が自分のカタチに気づけるように教えてあげただけだよ?」 もっともそれが聖が殺される前だったのは、シャナがあのまま聖を殺していれば、 それでも吸血鬼から治らないシャナが暴走して殺されるかもしれないという考えと。 「それに『カルンシュタイン』さんも庇ってくれてありがとう」 「あはは、どういたしまして」 墜落時に聖に庇われた恩返しという意味合いも有った。 シャナに襲われたのは聖のせいだが、巻き込んでも怪我をさせないように誠意を見せもしたのだ。 それに報いるのは別に変な事ではない。 「あー、でもお腹が減ってきちゃった。どうしようかな」 「……できるだけ、他の人を捜して欲しいかなあ」 「うん、出来るだけね。…………出来るだけ」 聖の視線は見るからに『おいしそうだなあ』という気配に満ちていた。 詠子は早くも、ほんの少しだけ後悔した。 【E-7/森/1日目/19 30】 【吸血鬼と魔女】 【十叶詠子】 [状態]:やや体調不良、感染症の疑いあり。 [装備]:『物語』を記した幾枚かの紙片 [道具]:新デイパック(パン5食分、水1000ml、魔女の短剣(アセイミ)) [思考]:どうしたものか。 [備考]:右手と聖の左手を数mの革紐で繋がれています。 【佐藤聖】 [状態]:吸血鬼(身体能力大幅向上) [装備]:剃刀 [道具]:デイパック(支給品一式、シズの血1000ml) [思考]:身体能力が大幅に向上した事に気づき、多少強気になっている。 詠子は連れ歩いて保存食兼色々、他に美味しそうな血にありつければそちら優先 詠子には様々な欲望を抱いているが、だからこそ壊さないように慎重に。 祐巳(カーラ)の事が気になるが、状況によってはしばらくそのままでも良いと考えている。 [備考]:詠子に暗示をかけられた為、詠子の血を吸うと従えられる危険有り(一応、吸血鬼感染は起きる)。 詠子の右手と自身の左手を数mの革紐で繋いでいます。半ば雰囲気 【D-8/住宅地/1日目/19 30】 【シャナ】 [状態]:吸血鬼(身体能力向上) [装備]:贄殿遮那 [道具]:デイパック(支給品一式(パン6食分・水2000ml)) 悠二の血に濡れたメロンパン4個&保存食3食分、濡れていない保存食2食分、眠気覚ましガム 悠二のレポートその2(大雑把な日記形式) [思考]:――――痛い [備考]:内出血は回復魔法などで止められるが、体内に散弾片が残っている。 手術で摘出するまで激しい運動や衝撃で内臓を傷つける危険有り。 吸血鬼の再生能力と相まって高速で再生する。 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第516話 第517話 第518話 第511話 時系列順 第518話 第487話 十叶詠子 第540話 第487話 佐藤聖 第540話 第498話 シャナ 第518話
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2008 after 9 hours (2008年10月26日発行)28P after 10 hours (2009年03月08日発行)28P 色のある世界 (2009年05月03日発行)30P 色のある世界2 (2009年08月16日発行) 【主な登場人物】 出口 晴海(でぐち はるみ): 31歳、血液型B型、身長172cm。小野田の部下である嶋が前にいた会社「TAG」の社員。年の割に童顔。明るくさっぱりした性格。営業マン。 小野田 良(おのだ りょう): 28歳、血液型AB型、身長178cm。ひとがよく愛想もよく朗らかな性格だがたまに毒も吐く。嶋にひっそりと恋してひっそりと失恋する。現システム課、課長。 嶋 俊亜紀(しま としあき): 26歳、血液型A型、身長167cm。小野田の部下。システム課勤務。 外川 陽介(とがわ ようすけ): 29歳、血液型O型、身長177cm。小野田の元上司で嶋の恋人。現京都の本社勤務。元システム課、課長。 【CP】 小野田×出口 【コメント】 「どうしても触れたくない」のスピンオフ作品。嶋の同僚でのちに課長となった小野田と嶋の前の会社の同僚だった出口の物語。 【その他】 タイトルについては、英語翻訳版は「No Touching at All」だが、ヨネダ先生自身は「I don t touch you anyway」と題している。 ←「 クローズZERO 」 「 GIANT KILLNG 」→ .