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Michael Jackson - Ebony/Jet Interview mit deutschem Untertitel (with german sub) Part 1 Bereuen Sie es manchmal so berühmt zu sein? Nein, manchmal nur manchmal manchmal möchte ich mich in Orte hineinschleichen ohne das ganze Chaos und es funktioniert nicht immer weil die Leute anfangen auf mich einzudrängen was süß ist, ich meine ich sollte mich nicht beschweren 文句を言うべきじゃない Nein, aber Sie haben das Recht sich zu beschweren. Weil jeder Recht hat raus zu gehen und einfach allein zu sein aber es scheint, als hätten Sie dieses Recht nicht Ich würde sagen das ist Teil der Arbeit
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いまさら、こめすきじゃないなんていえない。【登録タグ い オシャンティーP 曲 穂歌ソラ 鹿音ゾン】 作詞:オシャンティーP 作曲:オシャンティーP 編曲:オシャンティーP 唄:鹿音ゾン コーラス:穂歌ソラ 鹿音「わざわざ米キャラ助長するような投稿してんじゃねーよ!!!!」 穂歌「でも良かったじゃん、ゾンくん今回主役だよ…!」 オシャンティーP、9作目にしてまさかのネタ曲 「林檎肢体」をソラ君と歌って以降、お米キャラ扱いをされるゾン君が本音をぶちまけるようです 歌詞 お米は美味しいなァ!!!!? 何にでも合う!! 白米凄い…!!!!!(感動) たまたまカレーが隣に居ただけで 「お米ちゃん」って!「お米ちゃん」って!呼ばれる身にもなれよ!!!! 別によォ!白米嫌いじゃねェけどさ!! 俺が米って!どうしてそうなった!!!!? 俺だってメインで歌わせてもらっているのに どうして!米って!!どう考えてもオカシイだろ!!? そもそもカレーライスのライスとかよォ!? どんなに頑張ったって主役にゃなれねェしィ!! 今更、白米が好きじゃねェなんて言えないだろ… どうしてくれやがるんだよオイこれ!!!(絶望) いやさァ…?別にさァ…?ユニット考えてくれた奴に 文句が言いたいわけじゃねェぞ…???(勘違いするなよ?) でもなァ!?これじゃっ…このままじゃ俺が米好きという 有りもしない… 「印象が付いちまうだろうが!!不本意な!!!!!」 だけど、色々言わせてもらっておいてなんなんだけど 今更、米好きじゃねェなんて言えねェ…!!(二回目) 「ゾンくんどんまい…?」 「うるせェ…!!!!!!!!」 たまたまカレーが隣に居ただけで 「お米ちゃん」って!「お米ちゃん」って!呼ばれる身にもなれよ!!!! 別によォ!白米嫌いじゃねェけどさ!! 俺が米って!どうしてそうなった!!!!? 俺だってメインで歌わせてもらっているのに どうして!米って!!どう考えてもオカシイだろ!!? そもそもカレーライスのライスとかよォ!? どんなに頑張ったって主役にゃなれねェしィ!! 白米凄ェ…!!!!!(大事なことなので二回) 何にでも合う……!!!(大事なry) 食べなきゃ損だ!損だ!損だぞ!!ホラ!!!! コメント 名前 コメント
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tetsuji@名言>正気の沙汰じゃない 夏休み、荷物の積み込みのために練習が13時からになったときに 「こんな暑い時間から練習なんてマジ正気の沙汰じゃないって」と言う。
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Eちぇん No.111 タイプ:じめん 特性:はやおき(ねむり状態から通常の半分のターンで回復する) にげあし(野生人形から必ず逃げられる) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 80 100 70 50 60 120 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) みず/くさ いまひとつ(1/2) どく/いわ いまひとつ(1/4) --- こうかなし でんき 最速地震持ちアタッカー。攻撃種族値も地面タイプの中ではEゆうぎの次に高い(Eらん・Eてんしと同値)。 サブウェポンの火力はあまり高くないが、タイプの組み合わせが良く全てを受けるのはなかなか難しい。 EときことAミスティが地震を覚えなくなったので、現在地面+飛行の高威力技を持っているのはEちぇんくらいだけだったりする。 あとは両方不一致になるが、AモコウやEパチェ辺り。 耐久があまり高くないので出す時は死に出しや無効読みが基本になる。もちろん先発でも安定する。 特性は早起き一択。逃げ足は“逃走”はできても“交換”はできない。要するに対戦では全く無意味。 Eちぇん拘り型 覚える技レベルアップ 技マシン タマゴわざ 拘り型 性格:ようき 努力値:攻撃252 素早さ252 持ち物:こだわりハチマキ 確定技:じしん/トリック 選択技:ひしょう/がんせきふうじ/かわらわり/でんこうせっか/マッハパンチ/LUNATIC Eちぇんは8割方がこの型。型は読みやすいが、行動が非常に読みにくい。 地面+飛行、或いは地面+岩の選択肢だけでも受けづらい上に、受け型を出したところに拘りハチマキを押しつけられたりもする。 しかし攻撃技の読みに成功すれば相手は引くしか無いのである意味条件は同じ。要は読み勝てるかどうか。 速いアタッカーの潰し範囲はなかなか広いので先発としても優秀。 素早さ種族値95↑でタイマン状況で勝てないのはEあや・Aレイセン・Eチルノくらい。あとは十分勝ちの目がある。 覚える技 レベルアップ ちびちぇん ちぇん Eちぇん 技 1 1 1 ひっかく 1 1 1 しっぽをふる 7 7 7 でんこうせっか 11 11 11 どろかけ 15 15 15 マッドショット 19 19 20 みだれひっかき 23 24 24 メタルクロー 27 28 28 ポイズンクロー 31 32 32 ブレイククロー 35 38 40 きりさく 39 43 47 マッドボム 43 48 54 ひしょう 47 53 61 こうそくいどう 技マシン マシン 技 技02 ハートブレイク 技05 ほえる 技06 どくどく 技10 メロメロ 技12 ちょうはつ 技15 LUNATIC 技17 まもる 技26 じしん 技27 おんがえし 技28 あなをほる 技31 かわらわり 技32 かげぶんしん 技37 すなあらし 技39 がんせきふうじ 技40 つばめがえし 技42 からげんき 技43 ポイズンクロー 技44 ねむる 技46 どろぼう 技49 よこどり タマゴわざ だましうち ちょっかん かみつく かみくだく ほのおのパンチ なまける マッハパンチ トリック
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『ちぇんはがんばった(飼いゆ編)』 36KB 飼いゆ 現代 10作目 「ねぇおにーしゃん。しちゅもんがありゅんだねー」 「はいなんですか?」 「ちぇんのパパやママにはいちゅあえるようににゃるのー? わからにゃいよー……」 ゴルフボールサイズほどの赤ちぇんはゆっくりトレーナーの青年にそう質問し、少し寂しげに尻尾を垂らした。 赤ん坊のゆっくりが好みそうなおもちゃやベッド、それに《まよひがハウス》が揃った十畳ほどの部屋に、青年と赤ちぇんは一人と一匹だけで対面して座り込んでいた。チリ一つないカーペットに染み一つない真っ白な壁はペット用部屋でないとしても清潔なものであり、逆に言えば生物的な匂いが全くしない人工的な空間とも言える。 この部屋でちぇんは茎から産まれ落ち、この部屋で産まれてからの三日間をちぇんは過ごしてきた。 その間、他の個体のゆっくりは見てもいない。 (目は開けたまま……しかしぼくの目を見て言っていない。尻尾は元気が無い。ため息は……あったな。しかしぐずって喚き散らすほどではない。ぼくの言いつけをきちんと守ろうとする意思の方がまだ勝っているというわけか。生後三日目だから両親への想いを断ち切れないのは当然だな。その気持ち、どの程度のものか確かめてみるか) にこりと優しく笑った眼鏡の奥の瞳で青年はちぇんの様子からそれだけの情報を読み取ると、穏やかな声で話しかけた。 「ちぇんはお父さんやお母さんに会えたら、何をしたいんですか?」 「すーりすりしちぇ、ゆっくりしちゃいんだねー! わかりゅよー!」 「そうですね。きっとゆっくりできますよ。ところでちぇんのお父さんやお母さんは、どっちかはちぇんだというのは間違いないとは思うんですが、もう片方はどんなゆっくりだったらゆっくりできますか?」 「え? しょれは……やっぱりらんしゃまにゃんだねー! わきゃりゅよー!」 そう元気よく言ったちぇんに、青年はそうですねきっととってもゆっくりしたらんしゃまに違いないですよ、と適当に流しながら (自分の両親も受け継いだ餡子から読み取れもしないし、平凡だなぁ……。せっかく希少種の中の希少種のゆかり種と、プラチナバッジのらんの交配に成功したっていうのに、せいぜい平均的な金バッジクラス程度のちぇんしか産まれなかったなんてな。これだから希少種同士の交配はリターンが少ないんだ。これならぼくがどれだけがんばっても五十万くらいが限度かな……全く、こんな奴のせいで丸々一週間もこんな所に拘束されるなんてやってられないよ。違う職場探した方がいっかなー) などと考えていた。 「らんしゃまは、パパがいいんだねー! ちぇぇぇん! っていっちぇもらっちぇ、たきゃいたきゃいさんしちぇほしーんだねー! それから、それから……」 ちぇんの語る夢をうんうんと青年は相槌を打ち、きっと優しいご両親ですよ、きっとちぇんがいい子にしていたらいつか会えますよ、などと言って流していた。 ちぇんはがんばった ブランド物でフル装備したその女を出迎えて、青年は「あ、こいつドラクエ5やると息子に天空装備させたまんまエスタークに突っ込ませるタイプだな。吹雪の剣とかわかんねーんだろーなぁ」と直感的に判断した。 どこぞの社長夫人だとかいうその女はソファに脚を組んで座り込んだ。その靴がヒールだということに気づき、青年はげー、とげんなりする。ゆっくりを飼いに来た人間が、ヒールなんて赤ゆっくりを一撃で踏み殺しそうな凶悪なものを履いてくるなどありえない。 「お客様はちぇんをご所望でしたね」 「ええ、ええ。いいですよねー、かわいいですよねー。あの『わかるよー』っていうのが。あとあのネコっぽいお耳とか尻尾さんとか! あ、でも、あれ、なんていうですか。ほら、えーと……あの緑色の髪の……そうそう、ゆかりんにゃんでしたっけ。あれはなんか嫌ですわよね。『ゆかりんにゃんだにゃん』だなんて、まるでキャラ作っているみたいじゃありませんか。こういってはなんですが、まるで下品なメイド喫茶の風俗嬢のようではありませんか。やはり人間もゆっくりも自然が一番ですわ」 「ええ、まことそのとおりです。我が社で育てたゆっくりは皆一匹一匹のんびりとトレーナーと一対一で育てた、ゆっくりらしい自然さと行き届いたしつけを兼ね備えた個体ばかりです」 「ねぇあなた」 「はい?」 立て板に水と話していた最初の言葉と打って変わって冷たい口調で社長夫人は営業の青年に話しかける。 「その『個体』っていうの、やめていただけませんこと?」 「もうしわけございませんでした」 「わかればいいのよ。なんというんですか。その、まるで研究機関のようじゃありませんか。悪趣味な加工所じゃないのですから、もっと愛を持った言い方をしてくださらないと、気分が悪くなっちゃうじゃありませんの」 「以後、気をつけます」 「それで、いつになったら私のちぇんちゃんを見せてくれるのかしら」 「はい。登嶺くん、入ってきて」 「はい」 眼鏡の青年が隣の部屋から入ってきて、二人の間を挟むテーブルの上に胸の前に抱えていたバスケットを降ろした。 その中に入っているものを見て、社長夫人はいやーん、と黄色い声を上げる。 「まぁかわいらしい!」 「んにゃ……?」 バスケットの中で眠りこけていたちぇんは、社長夫人の声で目を覚まし、物音のする方へと体を向けた。 野球ボールほどのサイズまで育った生後二週間前後といったところの赤ゆっくりである。ちぇんはまだ短い尾を立ててにっこり笑い、社長夫人に挨拶した。 「おはよーなんだねー! ゆっくりしていってねー!!!」 「はぁい、ゆっくりしていってねー」 「わかるよー! おねーさんはとってもゆっくりしているんだねー!」 既に赤ゆ言葉が抜けた饒舌な口調でちぇんは会話していた。「おいおいこりゃどこからどう見てもおばさんだろうがよ。お姉さんっていうように躾けたの俺らだけどさ」と青年二人の内心のツッコミは当の本人たちに届くはずもなく、社長夫人はトレーナーに声もかけずちぇんをいきなり手の平に抱き上げた。 しかしちぇんは初対面の相手の手の平に乗せられても驚いたり慌てたりすることもなく、器用にバランスを保ち、にこにこした笑顔を維持し続けている。 「ちぇーんちゃん。今日から私があなたのママでちゅよー」 「うにゃあん、くすぐったいんだねー! でも、気持ちいいんだよー、わかるよー!」 「あ、お客様。他のちぇんもご用意できますが。一通り見てから決めていただいても――」 「もう! 黙りなさいよ! 私は今ちぇんちゃんとお話ししているの! そんなことも見てわからないのかしら!?」 結局、一通りの手続きを終えて一時間後にはちぇんは社長夫人のリムジンに載せられて行ってしまった。 後に残された営業の青年とトレーナーの青年はうんざりした様子で息を吐く。 「でいぶってさ……いるよな」 「うん、人間にもね」 「いや、俺はさ。あのババァに実の子どもいなくて、ゆっくりを代用品にしようってんなら、めっさ歓迎するわ。俺いくら金持ちでもあれおふくろってイヤ。絶対イヤ。死んでもイヤ」 「あのちぇん、ロクなゆん生送らないだろうけどね」 「あー、まぁそうだな。って、あのちぇん育てた登嶺くんにこういうこと言うの無神経だったか。ごめんな」 「いや、別にいいよ。いちいち情なんて持っていたらこの商売やってられんし。それにしても、隣の部屋で聞いていたけどあれは傑作だったね」 「んあ?」 「ほら、ゆっくりも人間も自然が一番って」 「ああ、あれな。俺もフォローするべきか吹くべきか迷ったわ」 「生まれてから一切他のゆっくりには触れさせず、人間に飼われやすい金バッジゆっくりだけを卸す……ウチってそういう所でしょ? そんなところに来ておいて、何が自然だよ。自然がいいなら野山のちぇんに会いに行って、わかれよーって言われて来いって話さ」 「わかんねーだろうさ、あの手の人間は。自分の気持ちを理解するのは求めるくせに、自分は誰の気持ちも汲み取ろうとはしない。そんな奴は人間でもゆっくりでもゲスに違いないが、なぜか人間の場合そういう奴はそのまんまでしあわせー、な一生送れたりするからわけわかんねーよ」 「わかるよー」 死んだ目で愚痴をこぼし合った二人はため息をつき、各々の仕事に戻って行った。 社長夫人に買われたちぇんは彼女の多大な愛情を注がれながらすくすくと育っていった。 生まれ育った部屋以上に広いお部屋がいくつもある邸宅がちぇんの新たなおうちとなった。毎日メニューが変わる美味しい食事にねだらなくても数え切れないほどに買い与えられるおもちゃ、ちぇん専用のふかふかクッションが与えられ、毎晩夫人と同じベッドで眠る。毎日のシャワーとブラッシングは欠かされたことがなく、いつもさらさらヘアーにふっかりとしながらピンとしたおぼうしを被る実にゆっくりとした姿をしていた。 そしてちぇん自身もそんな全てが過不足なく与えられる生活に驕ることも調子に乗ることもなく、夫人に対する感謝と愛情の気持ちを忘れることがなかった。十世代以上に渡って続けられた躾と性格の選別の餡子血統は、値段相応の価値をちぇんに付与していたのである。 ゆっくりでなくとも人間ですら羨む生活を送るちぇんだったが、しかし不満が一切無いと言えば嘘になった。 「ちぇんちゃーん。ママと一緒におでかけしまちょーね!」 「わかるよー! お出かけさんはゆっくりたのしみなんだねー!」 昼寝をしていたちぇんは夫人の手に載せられ額にキスをされた。その際、例えばゆっくりに対する観察眼が鋭いトレーナーやブリーダーならちぇんのわずかな表情の強張りに築いただろう。 人間にとっても香水の匂いは好き嫌いがあり、子どもならば大抵の銘柄は『嫌な臭い』とバッサリしてしまうことは珍しくない。ゆっくりも例外ではなく、至って普通のOLが捨てゆっくりをかわいそうにと思って近づいただけで「くしゃひぃぃぃ~~!!」と逃げられることすらもあるのだ。 夫人にキスをされたり頬ずりをされるたびちぇんは鼻がひん曲がるような思いをするハメになっている。それを飼われてからの一ヶ月間、一度も言葉にするどころかわずかに唇を引きつらせる程度に抑えている根性は、人間で例えるなら夏場常時サウナに入っているかのように汗気を立ち昇らせているメタボな上司に笑顔で対応し続けているリーマンを想像していただければわかっていただけるであろうか。 「それじゃちぇんちゃん、いつもの所にお座りしてね。じゃ、しゅっぱーつ♪」 「出発なんだねー、わかるよー!」 車のダッシュボードに乗せられたちぇんは、徐々に加速していく風景を窓ガラス越しいっぱいに見ながらやっぱり唇を引きつらせていた。もはやプロでなくとも、普通のゆっくり好きが観察していればわかるほどに笑顔が堅くなっているのだが運転に集中している夫人は全く気づいていない。 彼女はただ単に自分が運転している時もちぇんを愛でたいから視界の端に置いているだけなのだが、ゆっくりを車のダッシュボードに載せるなど虐待も同然の所業である。すぃーを用いたゆっくりレースが世の中にはあるが、そのすぃーですら最高速度は概ね水平な道路におけるママチャリの本気漕ぎ程度とそんなに差はない。にも関わらず、レーサーになれる素質を持つゆっくりは少ない。なぜならその速度で感じる吐き気を催すほどのストレスを抑えられる個体はごくごく限られるからだ。 ましてや時速60kmにも80kmにもなる車などにまだ生後三ヶ月かそこらのゆっくりを載せれば、死に至ってしまう個体すら珍しくない。 「ねぇちぇんちゃん、このバッグなんかどうかしら?」 「ママさんは何でも似合っちゃうんだねー。わかるよー!」 到着したデパートのブランドバッグ売り場で夫人は肩に載せたちぇんに話しかけ、人間のファッションセンスなどよくわからないちぇんは適当におだてて流していた。 するとその様子に気づいた店員が少し困ったように愛想笑いを浮かべながら、夫人に話しかけてくる。 「お客様。申し訳ございませんが、当デパートの中にペットの連れ込みは……」 「何? うちのちぇんちゃんの金バッジが見えないの!? そんじょそこらのゆっくりと一緒にしないでくれる? うちのちぇんちゃんは一個だって粗相なんかしたことがないんですからね!!」 「いえ、ですが……」 耳の奥がキーン、となるほどの大声に店員は肩を小さくした。そしてけたたましく喚いた夫人の肩で何事もないかのようにバランスを保ち、けろっとしているちぇんの様子に内心で舌を巻く。 もちろんちぇんが一切ストレスを感じていないわけではない。それ以前に、がやがやとやかましく自分より何十倍も大きい人間という怪物がひしめくように右往左往し、時には子どもが喚き散らしながら駆け回るようなデパートという空間自体がゆっくりにとってはストレスなのだ。 車での移動から始まり、ここまで来るともはやちぇんのストレスは飽和状態となり一時的に何も感じなくなっているのである。その反動は当然他の所に出ており、ちぇんが夫人の気配に気づいて素早く目を覚ますのも勘が良かったり感覚が鋭いだからというわけではなく、単に眠りが浅いからである。 また、生後三ヶ月にもなっていくら体格の小さいちぇんと言えど、中年女性の肩に余裕で乗れるというのは少々成長不全といえる。このままちぇんが成体となれば他の個体よりずっと体力が無く、病気にかかれば対抗する力もなく一発で逝ってしまう貧弱な体に育ってしまうだろう。 「ゆっくりだからってこの店は追い出すの!? 支配人呼びなさいよ! 直接話しつけてやりますわ!」 大声で喚き散らす夫人は周囲の人々から好奇の視線を浴びていた。その中にはちぇんに対する視線も含まれており、同情や感心といった感情が含まれていた。 と、その感心の目を向けていた若いスーツ姿の男が、にこやかな笑顔で店員と夫人の間に 「素晴らしい!」 と歓喜の声を上げながら近づいてきた。 男は夫人から険のある視線を向けられたが、次の瞬間彼女の態度は軟化した。理由は一つ。イケメンだったからである。 「なんてしつけの行き届いたちぇんちゃんでしょう。感激しました。あ、すみません、申し送れました。わたくしこういうものです」 出された名刺を夫人は読み上げた。 「ペット芸能プロダクション ゆっくりん事務所所属プロデューサー 風路(ふうろ)出由(いずよし)……?」 「はい。おたくのちぇんちゃん、芸能ゆにしてみませんか?」 爽やかな笑顔を浮かべる風路という男を、ちぇんはハイライトの消えた目で見上げた。 海面に直立する鳥居は夕焼けに照らされオレンジに輝き、潮風がそよいでいた。 テトラポッドに乗って二本の尻尾を垂れ流し鳥居を見つめていたちぇんは、やがてがっくりと下げていた表情をキッ、と上げた。 「落ち込んでちゃだめなんだねー。ここにもママはいなかったけど、きっと次の街にはいるはずだよー。次の街にもいなくたって、次の次の街にはきっと……」 そう自分に言い聞かせてテトラポッドを駆け下りたちぇんは夕陽に向かって叫んだ。 「ちぇんは絶対諦めないよー! 明日もきっと、がんばるんだねー! わかるよーーー!!」 そしてちぇんは駆け出した。いずこともなく―― エンディングの流れ出した液晶画面の傍で、ちぇんはくわえたハンコを朱肉に突き、続いてサイン色紙にぺったんと押し込んだ。 「ありがとうなんだねー! 来週も絶対見てほしいんだねー! わかるよー!」 「はい、絶対見ます! ありがとうございます!」 サインを貰った女性は握手のかわりにちぇんの尻尾を軽く握った。 そして列の次の相手がちぇんの前に現れ、再びサイン色紙が机に置かれる。 厳島神社の見える海岸に用意されたサイン会場には長蛇の列ができていた。中にはちぇんの画像がプリントされたTシャツを着込んだ人物も混じっており、熱狂的な人気があることが伺える。 ちぇんの姿が地上デジタルの電波に乗り、全国のお茶の間に現れるようになってから二ヶ月ほどが経過した。 芸能ゆっくりとは俗称で、タレントゆっくりともモデルゆっくりとも言われている。主にCMやポスターなどの仕事をこなすゆっくりであるが、時にテレビ番組に出演することもある。ちぇんはその中でも異例の速さで人気を獲得した天才俳ゆんと言えた。 ちぇんが最初にテレビ番組のオファーを獲得したのは「ありす探偵事務所」というゆっくり主演の連続ドラマ番組のゲスト役であった。たまたま子ちぇんの役が必要とされており、そのオーディションに受かったことでちぇんの人間の言うことを忠実に聞く能力の高さが評価されたのだ。 そしてその時、もう一つゆっくり主演のドラマ番組の企画が進んでいた。「らんを訪ねて三千ゆん」というその番組のストーリーは、不治の病気を治療するためと親元から離された飼いゆっくりの子ちぇんが、母親のらんを探して日本全国を放浪するという内容である。旅先でちぇんは様々なゆっくりと出会い、助け助けられることで成長してゆく冒険譚であるのだが、脚本は既に最終回まで完成していても主演の子ちぇん役が見つかっていないのが問題であった。 何せ脚本の出来は良い分ゆっくりに要求される演技力の高さも大きかったのだ。生後三ヶ月からせいぜい九ヶ月程度といった短い期間の間にそれだけの演技力を獲得できる子ちぇんなどそうそうおらず、企画側は設定の根本的な変更を考えていたところにちぇんが業界にデビューしたのだ。 ちぇんの熱演は日本全国を駆け巡り、放送一ヶ月でブームが起きていた。それはこのドラマのコラボ企画である、放送した週で舞台となった日本の観光地にちぇんが行きサイン会を催すというイベントも当たったと言える。 何度かの小休止と昼の休憩を挟み、とっぷり日も暮れる頃になってようやく解放されたちぇんは一仕事終わった後のオレンジジュースをストローから吸い上げていた。 飼い主の夫人は現在、次のちぇんの行く先でのサイン会の段取りの相談をスタッフとしている。一匹だけ置かれたちぇんは、へとへとに疲れた体を机の上に横たわらせてひたすらにぼーっとしていた。 「おつかれさま、ちぇん」 「んにゃ……?」 頭上からゆっくりした声をかけられ、ちぇんは視線を上げた。するとそこには美しい顔立ちをしたありすを連れた人間さんがいる。 見覚えのある顔にびくんと反応したちぇんは、垂直に起き上がってびしっと尻尾を立たせた。 「ありすさんお久しぶりですなんだねー!」 「楽にしてていいわ。ちょっと様子を見に来させてもらっただけだから……」 ちぇんの体を労わるようにありすは言い、机の上に降り立った。 このありすはただのありすではない。見る人が見ればわかる大女優のオーラを放つ、かの五年連続放送し続けている人気ドラマ「ありす探偵事務所」の主演役のありすなのである。 一度ゲスト役としてしか登場していないちぇんはロクに話すこともできない相手だったが、偉大な先輩として尊敬していることに変わりはない。頭を下げて挨拶するちぇんにありすは苦笑いを浮かべた。 「今売り出し中のアイドルがそんなに安く頭を下げちゃいけないわ。それよりちぇん……あまりオレンジジュースさんばかり飲んではいけないわよ」 「え? にゃんでー? オレンジジュースさんを飲むと、疲れもばっちり吹き飛ぶんだよー。これを飲んでないととてもじゃないけど明日もお仕事なんてできないよー。わからないよー?」 飼い主の夫人から与えられたオレンジジュースは、ちぇんにとって欠かせない栄養ドリンクだった。しかしありすは首を振り、飼い主に視線を向ける。 ありすの飼い主であるお兄さんは困ったように笑いながら言った。 「君はまだ生後半年くらいの子ゆっくりだからね。成長途上の体にムチ打つのはいい。けど、それで消費したエネルギーは正規の食事でまかなった方が健康的なんだよ。オレンジジュースは栄養満点だけど、これに頼りすぎるとそのうちオレンジジュースでしか栄養が吸収できない体になるんだ。それも成長途上の体だと、一生に響きかねない」 「ゆにゃー……じゃ、あんまり飲みすぎるのはやめるんだねー。わかったよー」 「それでいいのよ。ところでね。今日は挨拶に来ただけだけれど、このドラマに出るようになってから一度ちぇんにありすは聞いておきたいことがあったの」 「ちぇんにわかることなら、なんだって答えちゃうよー」 「あのねちぇん。ちぇんはなんで、こんなに演技は上手なの……? いえ、本当に演技なの?」 ありすの問いにちぇんは首を傾げた。 ブームの理由は巷で色々と話題にされているが、その一つとして揺るぎないものは「ちぇんの演技力」に尽きた。らんを探し回って時に泣き時に笑うちぇんの姿はとても演技では思えない迫真の出来であり、大女優といわれるありすですら気圧されるものだったのである。 ちぇんはうーん、と考えてからこう言った。 「ちぇんは、本当にパパかママのらんしゃまに会いたいだけだよー。それを忘れないでいれば、みんなが褒めてくれるだけなんだねー。わかるよー」 「そう……いつか本当のパパママに会えるといいわね」 微笑んでそう言い残したありすに、ちぇんは再び頭を下げてさよならと尻尾を振り続けた。 そのちぇんに手を振り返し続けていた飼い主のお兄さんは、ありすがふぅとため息をついたのに気づく。 「おや、どうかしたのかい、ありす?」 「いえ……お兄さん。あのちぇん、この業界にあと何年いられると思う?」 「そうだね……来年の今頃にはいないのは絶対だろうね」 「やっぱり……ああいう純真な子は、ここじゃやっていけないのよね。かわいそうだけれど……」 「飼い主がもう少しまともなら話もしようがあるんだけれどね。ま……ぼくらには、せいぜい引退が幸せな幕引きであることを祈ることくらいしかできないよ」 「りゅうせいに~またが~ってぇ~♪」 「違う、違うわよちぇんちゃん! もっとね、腰はこう! こうよ!」 「わかったよー! がんばるんだねー!」 広間の絨毯をぴょこぴょこ跳ね回りながらおうたを歌うちぇんに、夫人は身振り手振りでダンスの指導をしていた。 ちぇんのデビュー作である「らんを訪ねて三千ゆん」は無事最終回を終え、日本全国の視聴者たちに涙と勇気と感動を与えた。一方、ちぇんはあっちこっちから引っ張りだこのオファーの嵐を受けており、現在は特に歌って踊れるゆっくりを目指して猛特訓中なのである。 ゆっくりが人間に感動を与えるレベルの歌を習得することは至難の業とされている。歌詞をきちんと覚えきることが難しいこと。リズムやメロディに乗せて歌うという概念を理解すること。そもそもゆっくりと人間の音楽感覚は違っているため、人間にとって耳心地の良いメロディは決してゆっくりにとってはゆっくりできるものではないということ。これにさらにダンスが加わるのだから並大抵の努力では公共電波に乗せられるものにはならない。 「だめよ、だめよちぇんちゃん! そんなんじゃてんでダメ! いい!?」 指導に熱が入る夫人のバッグから携帯電話の着信メロディが流れ出した。ちぇんに対する仕事の依頼はまず飼い主である夫人を通してから始まるので、夫人も決して暇ではないのだ。 「ちぇんちゃん、ママはちょっとお電話があるけれど、練習をサボっちゃいけませんわよ?」 「わかったよー! もっともっとがんばるんだねー!!」 全身からだらだら砂糖水の汗を流しながら、ちぇんは夫人の声に応えた。 夫人はちぇんの練習のために流している楽曲の音が会話の邪魔になるので、その場から離れて電話を始める。ちぇんはそんなことにも気づかずひたすら練習に明け暮れており、サッカーボールにも満たない体で広場中を駆け回り跳ね回り歌いまくっていた。 「……やっているね。最近、家にいる間はずっと練習浸けだな、ちぇん君」 「あ、パパさんなんだねー! こんばんはなんだよー!」 夫人の旦那であるこの屋敷の主人に、ちぇんは元気良く挨拶した。 主人もまたちぇんの飼い主の一人ではあるのだが、彼は彼で仕事が忙しくちぇんと顔を合わせ話し合う機会は少なく、今回を含めても片手の指に数えられるほどである。そのためちぇんは少しばかり緊張していた。 ソファに座った主人はそんなちぇんの様子に気づいたのか、自分のネクタイを緩めてにやりと笑う。 「楽にしたまえ。君が私に粗相などすることはないと確信しているし、したとしても追い出しなどしやしないさ」 「は、はいなんだねー。わかったよー」 「まぁ……あれの面倒を見るのはしんどいだろうな。君には本当に感謝している……君が来てからあれに振り回されることが少なくなってね。君の収入もまた、あれの散財を埋めるには十分な額だ。本当に助かっているんだよ」 「きょ、恐縮なんだねー」 「ははっ、君はテレビで見るより思った以上に謙虚だな。いや、私も一応君の主人だからな。普段の君の姿を聞かれて、困ることがあるのさ。……ところでね、ちぇん君」 「んにゃ?」 「あれの指導は真面目に聞かない方がいい」 主人の言葉をいまいち理解できなかったちぇんは、体全体を傾けて「わからないよー?」と答えた。 「アレって……なんなのかわからないよー?」 しかしこの疑問に主人は答えることなく、話の続きを一方的に始める。 「あれの指導はめちゃくちゃだ……ただ君を叱咤激励しているだけで、それだけで自分が頑張っている満足感に浸りたいだけなのさ。君はただ、見本のビデオやきちんとしたダンスや歌の教官たちの言うことを素直に聞いていればいい。そうでないと出る成果も出ない」 「え、えーっと……」 「本来なら無理な練習もやめて、きちんとしたスケジュール通りに休養と練習を繰り返すべきなんだがね。君の場合、他の仕事も掛け持ちしているから自然本来なら休むべき時間を練習に割り当てなければいけない……あれにはそれとなく私から言っておくから、君はあまり無理をせず手を抜くということも覚えた方がいい」 「わ、わからないよー? 手抜きはダメなんだよー。どんな時でも一生懸命がんばらなきゃいけないんだよー?」 「それは違う……いいかいちぇん君。サッカー選手がなぜ90分もあんなに広大なフィールドを走り続けることができると思う? 一人一人の選手をよく観察すればわかる。彼らは自分が必要とされるタイミング、場所を読んで走る速度を緩めたり歩いたりしているものなんだ。そうでなければここぞという時に全力を発揮できない。スタミナ体力に限らず、リソース管理は重要だ。君に欠点があるとすれば、そのリソース管理が下手だということだよ」 「パパの言っていることは難しくてよくわからないよー……だって、がんばれば……がんばれば……」 「ちぇん君。がんばってもどうにもならないことも、世の中にはあるんだよ」 「それは違うよー!!!」 突然叫んだちぇんの様子に主人は目を見開いて驚いた。 ちぇんは自分の中の大切なものを守ろうというかのように、自分に言い聞かせるように呟き始める。 「だって、がんばれば、がんばればいつかきっとママやパパに会えるんだよー……お仕事で会ったらんしゃまは本当のパパでもママでもなかったけど、ちぇんががんばればいつかきっと会えるって言ってくれたんだよー……わかるよー! だから、だからちぇんはいつでもどんな時だって手なんか抜かないよー! がんばってがんばってがんばり続けるよー!!!」 「……そうか。すまない。失言だったよ」 「ゆにゃ……? い、いえちぇんこそパパさんに失礼だったんだねー。ごめんなさいなんだねー」 「いいさ。……ま、それより練習の邪魔をしてすまなかったね。引き続き、がんばってくれたまえ」 「はいなんだねー!」 威勢よく主人の励ましの言葉に答えたちぇんは、再び練習に没頭し始めた。 一方席を立った主人は携帯電話を取り出し、手持ちの手帳をめくりだした。 「……確かあれがあのちぇんを買ったところはどこだったかな……」 「お疲れ様でしたーっ」 「おつかれさまでしたーっ」 スタジオの収録が終わり、ゆっくりも人間もめいめいに楽屋裏へと戻り帰り支度や次の仕事の用意を始めていた。 そんな中、ちぇんは自分にあてがわれた部屋のクッションでぐったりと横たわりか細い呼吸を繰り返していた。 「何やってるのちぇんちゃん! ほらっ、立ちなさい! 今日のここの番組が終わったら、次は雑誌のインタビューがあったでしょ! それからその後はラジオに出て、新曲の練習もしなきゃいけないんだから! 休憩時間はまだ! サボろうったってダメよ!」 「わ、わかる……よー……で、でも。あと、あと10秒でいいから……」 「いいえ、今すぐ立ちなさい! 早く!!」 ばしっ、と夫人にビンタを入れられたちぇんはクッションから転がり落ち、べっちゃりと床に這いつくばった。 ちぇん自身は全身に力を入れ、立ち上がろうとしている。しかしなぜか全く力が入らず、まるで陸に揚げられたクラゲのようにちぇんは力なく倒れこんでいるのだ。 (なんで? どうしてなのー? 番組さんを録っている時はなんにもなかったはずなのに……わからないよー!!) 心の中でちぇんは叫ぶ。いや、本当は声に出したいくらいなのだが、それすらできないほどに体が言うことを聞かないのだ。 もしゆん医がちぇんの普段の生活を知り、この状態を見たのなら原因は一発で特定できただろう。 ちぇんは精神性脱力症状にかかっていた。日々度重なる苦労と疲労に心労、それを癒すことも許されない詰め詰めのスケジュール、飼い主にファンや仕事に関わる人々への期待に応えなければいけないとうプレッシャー、いつ限界が来てもおかしくないはずだったのだ。 その張り詰めていた限界の糸が今、一仕事が終わって楽屋裏に入りほんの少しだけ気を緩めたとたんに切れ、ちぇんの体の制御権を奪った。 現在ちぇんは、もうこれ以上の仕事をこなすと死んでしまうという本能的な直感から体を強制的にスリープ状態にしたのである。 だが残念なことに、その事実を理解している者はこの楽屋裏にちぇん自身を含め一人もいなかった。 「ママ、ちぇんちゃんには失望しました! こんなことしてママに迷惑かけるだなんて! 疲れているフリなんかしたってダメよ!」 (ママが怒っているんだねー! 早く起きなきゃだめなんだねー! ちぇんはもっともっとがんばるんだよー! がんばらなきゃいけないんだよー! なんで動けないんだよー! わかれよー!) 必死の心の叫びも虚しく、ちぇんの体は一ミリ足りとて動かない。そんなちぇんの様子にヒステリックな声で渇を入れようとする夫人の声に気づいたのか、ドアが開き一匹のまりさを連れた若い女が入ってきた。 「どうしたんですかー……って、ちぇんちゃん!? わ、だ、大丈夫なんですか!?」 「何よあなた、勝手に入って来ないでちょうだい! ほらちぇんちゃんも、みっともない格好晒してないで早く立ちなさいってば!」 夫人が地団駄を踏むようにちぇんの目の前にヒール靴を叩きつける。それをまぁまぁと若い女はなだめ、その間に女の手から床に下りたまりさはちぇんを見下ろした。 「ゆー。ちぇん、無理しすぎたんだぜ。ありすが言っていた通りだったんだぜ」 (ゆにゃ……まりさ先輩?) そのまりさは、先ほどのバラエティ番組でも共演し、ちぇんにとってのデビュー作である「ありす探偵事務所」でもレギュラーとして出演しているまりさだった。 まりさは夫人と女のやり取りをちらりと後ろ目で見てから、こっそりと帽子から三角に折られた紙包みを取り出した。 「ちぇん、これをやるんだぜ」 (……なぁにこれぇ? わからないよー?) 「この白い粉さんを吸えば、疲れだって一発で吹き飛ぶんだぜ。……でも、誰にも内緒だぜ? また欲しくなったらまりさに声をかけるといいんだぜ……」 そう言いながらまりさは自分の体で紙包みとちぇんの口元を隠し、中身の粉をちぇんの鼻や口に吹きつけた。 ちぇんの半開きの舌が白い粉――小麦粉を受け止め、唾液で溶かし、喉の奥に滑り込んだ。すると見る見るうちにちぇんの体に精気が漲り、肌に艶が照り、帽子は張りを取り戻し、尻尾は力強く立ち上がった。 「わっかるよおおおおーーー!!!」 「ちぇんちゃん? もう、いつまでもふざけているんじゃありませんよ! ママ、本当に怒ってしまいますからね!」 「ごめんなさいなんだねー! でも、もう大丈夫なんだよー! 問題ないんだねー!!」 元気良く立ち上がったちぇんはそんな調子で夫人に抱きかかえられると、何事もなかったかのように楽屋裏から出て行った。 その時わずかにちぇんはまりさへと振り返ったが、まりさはいたずらっぽくウィンクするだけで飼い主の若い女も人差し指を唇に当てていた。 残されたまりさとその飼い主は、一人と一匹でくつくつと笑い出す。 「……うふふ、なんてバカな子。なーんて餡子脳なババァなのかしら。ねぇまーりさ♪」 「おねーさんの言うとおりなんだぜ。へっへっへ、このまりさ様を差し置いてあのちぇんはちょっと調子に乗りすぎたんだぜ」 「そうよねぇ~、わかるわー。さ、これから私たちであの子に芸能界の素晴らしさってものを教えてあげなくっちゃね」 それから三日後、再びちぇんは同じように倒れた。 今回ばかりはまりさの助けが入らず当日の仕事を全てキャンセルしゆん医に運び込まれたちぇんは、一週間の療養を言いつけられた。 だが大人しくちぇんが休むはずもなかった。 「ねえママ~。まりささんと連絡を取りたいんだよ~」 「何? ちぇんちゃん何か用なの?」 「まりささんは健康の秘訣を知っているんだねー。ちぇんはそれを教えてもらいたいんだよー。わかってねー」 「うーん……そういうことなら仕方ありませんね」 そうして、当日まりさとその飼い主の女はちぇんの見舞いにやってきた。 人間は人間同士、ゆっくりはゆっくり同士で話を、と女は夫人に話を持って行き、ちぇんとまりさは応接室で向かい合って話を始める。 「まりささん~。あの白い粉さんがまた欲しいんだよー。わかってねー」 「ゆへへ、いいぜちぇん。かわいい後輩が困ってるんならまりさも放っておけないんだぜ。それじゃ、今日はこれだけ置いていくんだぜ。一気に吸っちゃだめだぜ? 一日一回一つっきりだぜ? まりささんとの約束だぜ」 「約束なんだねー。わかったよー」 そう言って一週間分の包みを受け取ったちぇんだったが、結局粉は五日で切れた。 ただでさえちぇんの体は既に限界を迎えたのである。それを無理矢理動かしているのだから、規定の量だけで補えるものではない。ましてや常用すれば麻薬というものは耐性がつく。 ちぇんが渡された粉は、ただの小麦粉だ。だがゆっくりにとってはなぜか人間にとっての麻薬と似たような効能を示し、疲労や痛みを和らげ精神状態を良くする効果がある。適切適量をゆん医の指示の下に使用すれば健康に害を及ばさないが、常用し続ければやがて小麦粉無しでは精神状態が落ち着けず、常に倦怠感を伴うといった禁断症状に悩まされることになる。 一週間後、まりさと落ち合う約束をつけていたちぇんは二匹っきりになった楽屋裏の個室でまりさに縋りついた。 「まりささぁ~ん! たすけてほしいんだよ~! しろいこなさんがほしいんだねー! わかってねえぇ~~!」 「はぁ……あの白い粉さんも結構高いんだぜ? それをタダで何度も貰おうだなんて、ちぇんは都合が良すぎるんだぜ」 「それならママにいってくれればおかねははらってくれるんだねー! もう、しろこなさんをすわないとちぇんはあたまがぐーるぐるしてげーろげろなきぶんでいーらいらするんだよー! あしたもがんばれないんだねー! わかってよぉ~~!」 「ゆへへ……お金なんていらないんだぜ」 「ゆにゃ……? わからないよー。それじゃ、ちぇんはなにをはらえばいいのー?」 「それは……ちぇんの体で払ってもらうんだぜ!!」 「ゆにゃああ!?」 突然覆いかぶさってきたまりさを避けきれず、ちぇんは壁に押しつけられた。はぁはぁとまりさの荒い息が耳をくすぐるが、ちぇんは抵抗する体力など残っていない。 「まりささん! やめてほしいんだねー! かってなすっきりは、ゆ、ゆっくり、できな、できなぁっ」 「ゆへへ、そう言いながらちぇんのまむまむはまりさのぺにぺにを咥えて離さないんだぜ! す、す、すっ」 「「すっきり~~~~~!!」」 そして、結局ちぇんはまりさに強制的なすっきりを強要され、三回ほどその胎内に精餡を流し込まれた。 息も絶え絶えで動けず、実ゆをぶら下げた茎を三本生やしたちぇんにまりさは帽子の中から大量の粉が入った包みを落としてやる。 だがちぇんはそれを拾い集め吸う気力も体力も残っていなかった。 「ちぇん、中々良いまむまむだったんだぜ。お礼の粉さんはそこに置いておくから、いくらでも吸えばいいんだぜ。あ、でもぐったりしているみたいだから親切なまりささんは人を呼んできておいてあげるんだぜ~♪」 そして十分後、まりさの飼い主の誘導で部屋の中に入ってきた数人のゆっくりの飼い主とスタッフたちはまむまむから精餡を垂れ流し麻薬に溺れ妊娠中の体でぐったりするちぇんの姿を見つけたのであった。 ちぇんのスキャンダルなその姿はまりさの飼い主によってデジタルカメラで撮影され、ゴシップ雑誌に売られ、ネットに流出し、テレビで幾度も放送された。 「らんを訪ねて三千ゆん」で素直で純真でひたむきに夢を追いかけ続けるちぇんが、肉欲とドラッグに溺れ堕落しきったようにしか見えない姿につい昨日までちぇんのファンであった人々は好奇と嫌悪の視線を浴びせかけた。また、今までちぇんに対して一言も言及したことのなかった『事情通』はこの行いと体たらくをなじり、今まで全く顔も声も出なかった『関係者』は訳知り顔で過去ちぇんが犯した些細なミスを誇張表現で伝えた。 そんな世間の評判を知らず、堅牢なケージの中に閉じ込められたちぇんは傷だらけの体を這いつくばらせ、あふれ出る涙を流れるままにしていた。 既に生後一年近くになるちぇんは成体と言っても良いサイズなのだが、ただでさえ小柄なちぇん種の中でも半回りほど小さい体で成長が終わってしまった。その小さな体の皮膚にはあちこちに引っかき傷が刻まれ、打ち身のせいでへこんでおり、テレビの中で笑顔を振りまいていた美しい面影はなく、まるでそこらの野良が人間にボコボコにされた後のようだった。 そんな満身創痍のちぇんの傷の中でも、特に痛々しいのは額の皮膚ごとひっぺがされた直径十センチほどの傷痕である。 ちぇんはその傷痕をいつまでも見上げ、時折 「おちびちゃん……ちぇんのおちびちゃん……かえしてよぉ……」 と嘆くのだった。 ちぇんの惨状の第一発見者が事態を仕組んだまりさの飼い主だったことは、ある意味ちぇんにとって不幸中の幸いと言えた。 第一発見から即ゆん医に運び込まれ治療を受けてから、ようやくちぇんは夫人と面会できた。信頼していた先輩役者に裏切られ、処女を奪われ、望まぬ子を孕まされ、身も心もズタボロになったちぇんは世界中で誰よりも敬愛し絶対なる信頼を寄せる飼い主の夫人に会ったとたん、今まで張り詰めていた緊張の糸が切れ「ままぁ~~!!」と飛びつこうとした。 そのちぇんを、面会を許可したゆん医の前で夫人はしばき倒し踏みつけネイルアーティストにケアさせている爪で引っかき何度も床に投げ落とした。 『よくも私に恥をかかせてくれたわねェえ!!』 ぽかんとして呆気に取られるゆん医が夫人を取り押さえようとしたとたん、彼女はちぇんの額の茎を掴み取り、全て引っこ抜いてしまった。 再び治療を受け、ちぇんは一週間後退院させられた。ゆん医はちぇんの身柄を要求する夫人を拒否したが、法的に訴えるという脅しを跳ね除けることはできず、引き取られ家に帰ったちぇんはまるっきり虐待用に飼われたゆっくりと同じような生活を送らされている。 それでもちぇんは、自分の体の痛みならいくらでも耐えられた。どうしても耐えられなかったのは、失った我が子たちのことであった。 「おちびちゃん……おちびちゃあん……」 ちぇんには夢があった。それはいつか両親を探し出し一緒にゆっくりした幸せな暮らしを送るというものである。 だが、自分が大人になっていくにつれ、子どもを作れるようになったと自覚し始めてからやがてもう一つの夢が芽生えてきたのである。 それは、自分が受けられなかった親の愛情を我が子に思う存分与えてあげること。一緒に幸せな暮らしをすること。 もちろん、ちぇんの望むお婿さんは格好のいい素敵ならんしゃましか考えていなかった。それが予想外の悲劇で望まぬ子を抱えてしまったわけだが、それでも我が子であることに変わりはない。 ちぇんは夫人に何度も我が子を返してくれと頼んだ。そのたび夫人のちぇんに向ける暴力は苛烈さを増した。 『この淫売猫め! 育ててあげてあれほど人気者にしてあげた恩を仇で返して!」 皮肉にもひっきりなしに夫人あてにかかってくる電話がなければ、ちぇんはとっくの昔に死んでいただろう。もっとも、その電話がまた夫人を苛立たせることになっているのではあるが。 アイスピックでずたずたに突き刺しまくられた耳が、かつ、かつ、という靴音をとらえた。それに怯える気力も体力もちぇんはもう失っていた。ただ、おちびちゃんを守れず一緒にゆっくりさせてやれなかったという申し訳なさでいっぱいだった。 「ちぇん君。しっかりしたまえ」 そういう低い声と共に、ちぇんの頭にびちゃびちゃと何かがかけられ全身の傷が塞がり体に力がみなぎるのをちぇんは感じ取った。 頭から流れる雫を舐め取ると、それは濃縮されたオレンジジュースだとわかった。 額の傷痕から焦点を少しずらすと、そこには上等なスーツを着た主人が空になったオレンジジュースのパックを付き従っている秘書に渡している姿が見えた。 「……ぱぱさん?」 「いや、今日から私はもう君のパパではない。ただのおじさんだ。いいかい、ちぇん。今から君をここから出してやる。そのかわりバッジは貰う。君は今日からうちの飼いゆっくりではなくなる。ただの野良ゆっくりだ。……そうだ。私は君を捨てるんだ」 「……そんなこと……しなくていいんだねー……ちぇんはもう……おちびちゃんをなくしたちぇんは……なにもしたくないよー……」 それを聞いた主人は秘書に目配せした。すると秘書は抱えていた小さな箱を開け、中身のピンポン玉ほどのボールを主人に渡す。 そのボールを、主人はケージの隙間からちぇんの前に置いてやった。 「ゆや!? わきゃりゅよー! おきゃーしゃんにゃんだねー!!」 「ゆえ……おちび……ちゃん?」 「わきゃりゅよー! ゆっくちちぇいっちぇね!!!」 小さな小さな赤ちぇんが、これ以上ないほどゆっくりした笑顔を浮かべていた。 長い間離れており、誕生の瞬間にも立ち会えなかった。それでも親子は一瞬にして、お互いを親子だと認識した。 「おちびちゃん!! ちぇんのおちびちゃんなんだねー! わかるよーー!!!」 「おきゃーしゃん! おきゃーしゃーん! あいたきゃったんだにぇー! わきゃりゅよー!!」 「すまない。オレンジジュースに浸した茎から無事生まれたのは、その子だけだった。今日から野良ゆになる君には大きな負担となるだろう。だが、それでも君には何よりも力強い今を生きる希望となるはずだ」 「はい! はいいぃぃ! ありがとうなんだねー! とっても、とってもありがとうなんだねー!!」 「にゃんだねー!!」 「それじゃあちぇん。バッジを、貰うよ」 主人はちぇんのおぼうしに手を伸ばし、ピンで留められたバッジを外し胸ポケットに入れた。 ケージの鍵を開け、主人はちぇんを秘書に持たせていた箱の中に入れる。そうして秘書だけをこの場から送り出し、入れ替わって部屋の中に入ってきた部下が持ってきた傷だらけのちぇんにバッジを着け、ケージの中に閉じ込めた。 「社長、このようなことをして奥様にバレないのでしょうか」 「問題ない。あれがほしいのはただのサンドバッグだ」 「では、ないと思いますがあのちぇんが芸能ゆのちぇんだと言って、信じる人間が現われたならばいかが致しましょう。そうなれば我が社の信用にも響きかねないスキャンダルに発展しかねません。あのちぇんを助けて、一体社長になんのメリットがあるのか私には理解しかねます」 「何を言ってるんだ君は。私は本気であのちぇんを助けるつもりなら、信用できる部下……例えば君に飼ってもらうよう頼むよ」 「はい? ならば、なぜ」 「君に負担をかけたくなかったからな。迷惑だろう?」 「はぁ」 「端的に言って、どうでもいいんだよ私は。野良ゆっくりの言うことを真に受けて我が社に影響を与えるほど大きい声で叫べる人間がいるのならば、むしろぜひお目にかかりたいものだ」 そう言って社長は煙草をくわえた。 (野良ゆ編へ続く)
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どうも、猫です。 注意 無駄に長くて駄文です。 自分設定ふんだんに使用しています。 ここはとある村・・・。この村では冬に都会では見ることの出来ない風景が見れる。 僕はそんな風景を見たいがため都会から旅行にきたただの旅行者である。今駅に降り立ち送迎バス待ちしているところ。 「わかるよーさむさんだねー」そして今僕の足元で僕へ話しかけているのが僕のペットのゆっくりちぇんだ。 基本僕は一人旅が好きなんだが今回の風景はゆっくりに関するものでちぇんが見たいと言っていたため連れて行くことに決まった。 しばらくすると予約していた宿の送迎バスがやってきた。 「お前が見たがってた風景がそろそろ見れるな~」僕はちぇんを膝に乗せ撫でながら語りかけた。 「わかるよーとてもゆっくりしているんだよー」ちぇんはかなりうきうきしている様子である。 20分ほど風景を見ているとバスは目的の旅館に到着。 荷物を持つ僕と僕の肩に2本の尻尾を絡ませ甘噛みし動いても落ちないようにしたちぇんはそのまま受付でチェックインを済ませ部屋に入った。 日本庭園がうっすらと雪で白くなって美しい風景である。 「綺麗だな~そうだろ?ちぇん」僕はちぇん用にお茶を淹れておいた。 「そろそろあれみにいくんだねー」ちぇんが着いて早々言い出す。 「今日は疲れただろ?それよりもっとゆっくりしようぜ」僕は旅が初めてのちぇんに色々と注意した。 「旅っていうのは急がずに風流とかそういうのを楽しむんだ、例えば温泉とか土産物とか色々とあるだろ?」 「わかるよーちぇんがわるかったよー」ちぇんは反省しているらしく尻尾が垂れ下がっている。 「まぁ今はゆっくりたのしんでいってねっ!!」とゆっくりたちが言い出しそうな台詞を言ってみた。 ぱぁとちぇんの顔に笑顔が戻ったところで僕は浴衣とタオルを持ってちぇんと共に露天風呂へ歩いていった。 ゆっくりは水に浸かると解けてしまうので髪を洗って桶に数cm程お湯を入れるのが正しいゆっくりに入浴方法である。 そうするとことで、皮が温水を吸い全身がぽっかぽっかになる。(ゆっくり大辞典120ページより) ちぇんは極楽極楽~みたいな顔をしている。ゆっくりでいうと「とてもゆっくりしている状態」なんだろうな・・・あれが。 温泉から上がり部屋に戻ると従業員の人が料理を並べていた。 「いただきまーす」ちぇんは行儀よく食べ始めたところで・・・ 「ゆっくりがすごいことをするって聞いてきたんですが何か知ってませんか?」僕は箸を止め女将さんに聞いてみる。 「あぁ~あれですか~あれはすごいですよ~」女将さんがもったいぶっていたがどうやらすごい光景らしい。 「どこでみれますか?」僕はさらに深く聞いてみる。 「朝ならここから見れますよ~」女将さんはにこっと笑いながらそう答えた。 入浴前に入れておいたお茶もすっかり冷えてちぇんでも飲みやすくなっていたためグビグビ飲んでいた。 ちぇんはいつの間にか食べ終わって女将さんの膝の上で甘えていた。 ご飯も食べ終わり僕は下駄を履きちぇんをまた肩に乗せて土産物巡りをしている。 実は僕の家にはゆっくりらんとゆっくりゆかりんが居たのだが今回はお留守番をしてもらっている。 なのでちぇんは親同然の2匹のために慎重にお土産を選んでいる。 僕は簡単に温泉まんじゅうを数箱買い、ちぇんはそこの名物である食べ物を数個買った。 お土産も買い終わり部屋に戻ると既に布団が敷かれている。 ちぇんはぐっすり眠りについていたので僕はブログを携帯から更新し、闇と月の光と雪で織り成す幻想風景を写真に収め布団で眠りについた。 朝・・・僕は女将さんに起こされた。 「そろそろアレが始まりますよ、準備しておいてください」 「う・・・うーん」僕は基本寝起きが悪いがちぇんはもっと悪い。寝始めたときは布団に居たのに今は板間にまで転がっていた。 「おい!ちぇん!起きろ!始まりそうだぞ!」 「んー・・!」ちぇん覚醒。 僕もデジカメを用意しちぇんは目を離さずに庭を見た。 しばらくすると「ゆっくりしていってねっ!!!」という声が聞こえた。 「きょうはゆきさんがゆっくりしてるからあれをするよ!!」 れいむ種が数匹庭に入ってきておもむろに転がり始めた。大きさからして子ゆっくりだろうか。 しばらく転がっているとれいむは雪球となっていた。そして・・・ 「ゆっきゅりしていっちぇねぇ!」と雪球から赤ちゃん言葉のゆっくりが飛び出してきた。しかし大きさはさっきの子ゆっくりと同じみたいだ。 それはそのれいむだけでなく庭に入った全てのゆっくりが同じようなことをしている。 「これが・・・アレか」僕はデジカメで撮影しながらつぶやく。 そう・・・ここのゆっくりがいつ頃か分からないがこの遊びをしているらしい。 ころころ転がって雪球になるのは親ゆっくりを表現しているらしくそこから勢いよく飛び出すのは赤ちゃんゆっくりを表現しているらしい。 そこで赤ちゃん言葉で話すのは赤ちゃんの気分を体感するためらしく母性の強いれいむ種のみがするらしい。 しかしこいつら雪に包まれて平気なんだろうか?そもそも冬眠するのが普通のゆっくりであるのだが…このゆっくりはそういう風なことはしないらしい・・・。 「いや~ゆっくりというのはとことん謎が多いな~」僕はデジカメでの撮影を終えたため片付けを始めた。 「でもあのれいむはとてもゆっくりしているんだねーわかるよー」ちぇんは不思議そうな目でれいむたちを見つめいた。 電車に乗り帰宅している最中に・・・ 「今回の旅行はどうだった?」僕はちぇんに尋ねる。 「とてもゆっくりできたよー、今度はらんしゃまやゆかりしゃまもつれてきたいよー」ちぇんはとても嬉しそうに尻尾を振っている。 こうして僕とちぇんの旅行が終わり、ちぇんの土産話を2匹は3日かけてゆっくり聞くことになるのは別のお話。 終わり あとがき どうも、ちぇんを使ったSS書いたこと無かったので書いてみました。 「ゆっくりを連れて旅行に行ってみたい」と思って後は勢いだけで書き上げました。 次回は何のゆっくりにしようか検討してます。 ゆっくりの生態観察旅行ですか~♪ 不思議な生態ですが、見ていて微笑ましいシーンですねv -- 名無しさん (2009-03-11 04 04 47) 妖精チックな不思議行動だな~と思ったけど、冷静に考えると擬似出産プレイ(しかも胎児側)なのか。 -- 名無しさん (2011-06-21 00 03 37) マニアックだなwでもメルト設定はゆっくりの行動に制約が厳しくなるから使いどころが難しいよね -- 名無しさん (2011-06-21 13 46 05) 荷物を持つ僕と僕の肩に2本の尻尾を絡ませ甘噛みし動いても落ちないようにしたちぇんはそのまま受付でチェックインを済ませ部屋に入った。 絵が浮かんだwかわいい。 -- 名無しさん (2011-06-26 16 50 20) 名前 コメント
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バンドじゃないもん!とは!?!?!?!?!? (参考:Wikipediaにあんなちゃんが書いたデータ) バンドじゃないもん!ってどんなグループ? 「みさこが、「女の子と一緒に努力と協力をして、切磋琢磨しながら『売れた』という実感をつかみたい」と切望して始めたグループ」です。 略称は「バンもん」。 キャッチコピーは「カサナルイズム!カナデルリズム!アイドル界のミクストメディア!」。 ファンは「もんスター」と呼ばれます。 バンドじゃないもん!のメンバーは誰? この自己紹介動画で一発だ! https //www.youtube.com/watch?v=F4MmjFRSJGs みさこ(鈴姫みさこ) カラー:ピンクなドラ娘 ファンの総称:みさっコ Twitter https //twitter.com/SKCmisako ごぞんじ神聖かまってちゃんのドラマー。バンドじゃないもん!ではリーダーです。最初期から唯一残るオリジナル・メンバー。ドラムを叩いたり、歌ったり、踊ったり、ステージで忙しい人です。神聖かまってちゃんとの掛け持ちでいろいろ言われがちだけど、強い意志でバンドじゃないもん!を牽引するマザーシップ。 しおりん(恋汐りんご) カラー:恋するりんご色(※赤です) ファンの総称:恋汐ファミリー Twitter https //twitter.com/sioringogo ディアステージからバンドじゃないもん!に加入。「はわー」ばかり言ってるから舐めると、剣道の達人なので痛い目を見ますよ! また、「はわー」に続く顔文字は、感情の揺れ、シーン、温暖差、湿度、デング熱の流行具合でいろいろ変化します。 ぐみ(七星ぐみ) カラー:サディスティックブルー ファンの総称:愚民 Twitter https //twitter.com/gumi_nanase ボーッとしているようで、ライヴ中にファンに向かって「やる気しかねぇよ!」と言い切った、実はやる気しかない頼もしいメンバー。「現状のメンバーで解散まで突っ走る」と明言しているのも彼女です。やる気しかねぇよ! みゆちぃ(望月みゆ) カラー:メルヘングリーン(※メンヘルグリーンではありません!) ファンの総称:みゆチィーズ Twitter https //twitter.com/myc416 熊本生まれ、ニコニコ動画「踊ってみた」育ち、ベースを背負ってバンドじゃないもん!に加入。「雪降る夜にキスして」のPVでベースを弾いているのが本当に自分だと勘違いされて気にしていたものの、「ツナガル!カナデル!MUSIC!」では遂に生演奏に挑戦です! ゆずポン(甘夏ゆず) カラー:コットンイエロー ファンの総称:ゆずポンズ Twitter https //twitter.com/yuzu_amanatsu 謎のマルチプレイヤーとしてバンドじゃないもん!に加入し、初ライヴでいきなり大森靖子やNegiccoとの共演でBouno!の「初恋サイダー」をショルダーキーボードで弾くなど大活躍。「ミスID 2015」ファイナリスト。こちらの審査動画ではアコースティック・ギターを弾いています。 ももちゃん(天照大桃子) カラー:ディープマリンブルー ファンの総称:天照軍団 Twitter https //twitter.com/chanmomochan10 テレビ番組「テラスハウス」ですでに有名だった竹内桃子/ちゃんもも◎が、11万フォロワーを引っ提げてバンドじゃないもん!に加入。メディアからの注目を集めることにもなりましたが、そうした話題性を乗り越えた本気のパフォーマンスをステージでは見せてくれます。 YouTubeを見たら、今いないメンバーがいるんですけど……? いろいろメンバー変遷があるのですが、BiSほどではないので、以下の図を見て覚えてください!
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「わ゛、わ゛がらに゛ゃいよ゛~」 弱々しい悲鳴が狭い部屋のタイルに響き渡る。 ちぇんは、先ほどから絶望にゆがんだ目で、うるうると俺の目を見上げていた。 だけれども俺はそんなことにかまわずに自分の作業を続ける。 ちぇんは閉じ込められた狭い部屋を脱出しようと、唯一ある扉に向かって懸命にとびはねた。 だがそんな行動もむなしく、俺の手によって背中を押さえつけられる。 いつもはふさふさの二本の尻尾も、今は濡鼠となり見るも無残に成り果てていた。 ちぇんはお風呂に入れられていたのだった。 「さて、次はシャワーだ」 俺は三十分かけてちぇんに念入りにシャンプーを施し、泡泡になったちぇんにシャワーを振りかけた。 ここは慎重にやらねばならない。手つきはさながら淑女を抱くように。 ちぇんはわずかに悲鳴を上げた。弱弱しく、いやいやとかぶりを振ろうとしたが、俺にしっかりと押さえつけられているために身動き一つできない。 マッサージをかねた洗い流しで、ちぇんの尻尾の先まで丁寧になで洗い流した。 ようやくおとなしくなったちぇんに向かって適度な温度のお湯を流し、頭の毛並みを梳いていく。 これでようやくひと段落着いた。 後は蚤よけのオイルを塗り、ドライヤーで乾かすだけだ。 真っ白なバスタオルでざっと水気を取り、ボーダー商事で取り寄せたオイルを塗ってゆく。 うつろな目つきで俺を見上げるちぇん。 「もうすぐ終わるよ~」 俺はそういいながら、ちぇんにドライヤーを当てていった。 頭から尻尾に向かって、毛をいためないように丁寧に温風を当てていく。 ちぇんはドライヤーは好きなようで、 「わ、わかるょ~」と、弱々しく鳴いた。だが、全体的にぐったりとしている。 よし、終わりだ。 風呂場のドアをわずかに開けると、ちぇんはその隙間に向かって、天から吊り下げられた蜘蛛の糸を見つけたカンダタのように、わらにもすがる表情で走りよる。 まだちぇんが通れるほどの隙間になっていないのに、ドアの隙間に体全体を押し当て、ドアを無理やりこじ開け、リビングへと出て行ってしまった。 俺が後片付けをすませた後にリビングへもどると。 ああ、やっぱりやっちまったか。 ちぇんはリビング中を駆けずり回っていたようで、そこらにちぇんの抜け毛が飛び散っていた。 肝心のちぇんはというと、……どこだ? ……いた。 部屋の隅っこで、こちらを背中に向けていた。 その背中にむけ、声をかけてみる。 「ちぇん」 返事がない。相当機嫌が悪いらしい。 「ちぇんさんや」 「……」 四つんばいになってちぇんに近づき、首を伸ばしてちぇんの真正面を見る。見事に頬を膨らませている。 「ちぇんちゃん?」 「わからないよ!」 あ、そっぽを向いた。 びし、びし、と俺の腕にちぇんの二本のしっぽがあたる。痛くはない。 「ほら、おぼうし忘れてるよ」 ちぇんの頭にトレードマークの帽子を載せてやるが、そんなことではご機嫌は回復しないらしい。 しょうがないな。俺はおもむろにちぇんをひっくり返した。「わ、わからないよ~」 そしてちぇんの腹を人差し指でゆっくりとなでてやった。 「……」 相変わらずしかめっ面だが。お、わずかに顔がゆるんでるな。 ちぇんは必死に、不機嫌そうな表情を崩さないように懸命の努力をしているようだった。 腹を、円を描くようになでてやる。 さわさわ。 ……パタパタ。 顔は相変わらずしかめっ面(この表情もたまらなくイイ!)だったが、尻尾は早くもうれしそうに揺らし始めていた。 顔はいつまでもつかな。 俺がそう思っているうちに、ちぇんはひとつ、大きなあくびをした。 そうか、眠くなったのか。 ひどい目にあって、つかれたもんな。 十分ほどなでてやると、ちぇんはすやすやと寝息を立て始めた。 起こさぬように、ちぇんをゆっくり専用のソファに抱いて運ぶ。 お気に入りの緑の毛布をかけてやるころには、ご機嫌にも寝言を始めてもいた。 「わ、わかるょ~」 ぴょこぴょこと左右に尻尾が揺れる。 おやすみ、ちぇん。 お昼寝が終わった後は、俺とおやつのバームクーヘンを食べような。 ゆっくりちぇんを飼ってみた その4 万年初心者 可愛い…ちぇん可愛すぎる。 -- 名無しさん (2009-05-24 17 03 14) ちぇん種が不機嫌なのって何か新鮮な感じがする……かわいいけど。 身体を乾かした後に生ぬるくなった牛乳を与えるのを期待したのは多分私だけじゃないはず…… -- 名無しさん (2009-05-26 06 03 44) ちぇぇぇぇぇぇぇぇんん!! 仲良くバームクーヘン食べてる所を想像すると、たまりませんね -- 名無しさん (2009-05-27 06 22 20) 名前 コメント
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『猫ちぇん』 15KB 愛で ギャグ 小ネタ 変態 飼いゆ 現代 独自設定 ちぇん・みょんにも出番を! このSSは基本愛でSSです 作者は猫を飼ったこと無いので猫描写が適当である為、ねーよと言う所があるかもしれませんがご容赦のほどを 作者に都合のよい独自設定があります これを書いたのはHENTAIあきです!HENTAIが苦手な人は注意してね! それでもいいというひとはゆっくりよんでいってね!!! 今俺は恐ろしい獣に襲われかけている。 そいつは俺の体に圧し掛かり首筋に鋭い歯を突き立てており、俺は必死にそいつを振り払おうとあがく。 暴れる俺が不快なのか、そいつは低い唸り声をあげて先ほどよりも強く俺にしがみついてきた。 「だ!か!ら!いい加減俺にHENTAIの気は無いってことを覚えろ!」 大声を出しつつ俺はようやくそいつを振りほどくことが出来た。 振りほどかれたそいつは器用に空中で体勢を整え床に四つん這いで着地する。 「にゃーにゃー。」 「そんな顔で見られても駄目なもんは駄目なんだよ!」 落ち込んだような声で一鳴きして俺を見つめてくるのは何も身に付けていない胴付きのちぇんだ。 怒鳴りつけたせいかちぇんの耳と尻尾は垂れているがここで甘やかすとまた襲ってこられる。 そもそも胴付きのゆっくりであれば服を着るはずなのだが、こいつはある理由で服を着ていない。 諦めたのか、ちぇんは四つん這いである場所へと這っていく。 「にゃあー。」 「ニャオー。」 悲しそうに鳴くちぇんの顔を、俺の飼い猫であるクロのやつが慰める様に舐めてやっている。 そもそもこいつがすべての元凶なのだが、当の本人は知らん顔でちぇんを慰め続けているが。 一通りちぇんを慰めたクロは俺の元にやってくると、批判するような目で俺を見てきた。 「何だよ、俺が悪いのかよ?」 その通りだと言わんばかりに俺をジッと見つめてくる 俺は悪くないはずなのだが、残念ながらこうなると俺が折れなければならない。 さもないと今夜俺の枕元には、クロが取ってくる戦利品が置かれることになるだろう。 これで機嫌を直せということなんだろうが、こっちとしては最悪な目覚めにしかならないから困る。 「分かったよ、もう怒ってない。だからそんなに落ち込むな。」 「にゃおー!!!」 途端に俺の元へと走ってくるちぇんに危うく押し倒されそうになる。 満足したのかクロのやつはいつもの日課である散歩に出かける為、専用の入口から出て行った。 俺の顔を舐めてくるちぇんを引き離しながら、こいつがやってきた時のことを思いだす。 元々俺はゆっくりにあまり良い印象を持っていない。 あいつらは汚いし口は悪いし、無視してもわざわざこっちにからんできて最悪だ。 ペットにする人間もいるようだが、俺にはまったくゆっくりの可愛さが理解できない。 飼い猫のクロもいる為その時の俺にゆっくりを飼う気持ちなど微塵もなかった。 そんなある日、日課となっている外の散歩から帰ってきたクロは口に何かをくわえて帰って来た。 「何だ?人形でも持ってきたのか?」 「シャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」 確認しようと近づいたら牙を向いて威嚇され、慌てて後ずさる。 口元から人形が床に落ちると、驚くことに人形がぴくりと動いたのだ。 「・・・きゃ・・・な・・・。」 消え入りそうな声を出す人形に驚く俺を尻目に、クロのやつは必死にその人形を舐め始める。 何処で拾ってきたのか、どうやら胴付きのゆっくりを拾って来たようだ。 まだ小さなことから子供っぽいが、とりあえず俺は冷蔵庫に何か甘い物でもないか探す始めた。 あんまりゆっくりには詳しくないが、確かこいつらは甘いもので元気になるんだよな。 「何かねーかな?胴付きってすげー高く売れるみたいだしどうにか元気になってもらわないと。」 以前ゆっくりショップで見た時の値段が思い出されてくる。 突然やってきた臨時収入を逃さないためにも冷蔵庫を漁るが、悲しいことに酒とつまみぐらいしか無い。 どうして俺は甘い物を買ってないんだよ畜生! 「しょうがねえ、これで良いか。」 ムカつく顔のゆっくりと『あっめ!こりぇめっちぇあめ!マックシュコーヒーゲスまりさ味』と書かれた缶を手に取る。 酔った勢いで買ったは良いが、とんでもない甘さに一口飲んでずっと冷蔵庫に置きっぱなしのコーヒーを持って居間に戻った。 居間では必死にクロのやつがゆっくりを舐めていたが、元々弱っていたせいか今はピクリとも動かない。 コーヒーを舐めない様に一旦クロのやつをゆっくりから引き剥がすか。 「ウゥー、ニャー!」 「いて!ちょっとの間大人しくしてろ!」 暴れるクロをケージに入れて、とりあえずコーヒーをゆっくりにかけてみた。 元気になったのか体がびくびくと反応している。 「にぎゃ・・・あま・・・。」 先ほどよりもしっかりと喋れるようになったようだし、とりあえず大丈夫だろう。 クロが舐めてもいいようにタオルで拭いて、クロをケージから出してやると一目散にゆっくりの元へ走っていく。 口にゆっくりを加えると、クロのやつは何故か部屋から出て行ってしまう。 少々傷ついたが、それよりも俺はさっきのゆっくりがどれ程になるのかが気になってさっそくパソコンで調べることにする。 「えーと、ゆっくりの値段はっと・・・。」 Yuhooで検索してみるとどんどんとゆっくりの値段が出てくる。 生き餌用赤ゆ10匹100円、虐待用成体ゆっくり500円、PSD胴付きゆうかにゃん○○万円って高! 普通のやつが安いのに胴付きになると本当に高くなるもんなんだな。 「お?これかなさっきのゆっくりは。なるほど、猫みたいなゆっくりでちぇんって言うのか。」 まあ名前なんて関係ないがそれよりもお値段はいくらだ? 「こんなに高いのか!?こりゃクロのやつにご馳走してやらないとな。」 画面に浮かぶ0の多さについ顔がにやけてしまい、褒めてやるためにもクロを呼ばないと。 しかしいくら読んでもクロはやってこず、慌てて家の中を探したが何所にも姿が見えない。 結局、この日クロのやつは家に帰ってこなかった。 ちぇんを拾ってきたあの日からクロを探したがまったく見つからなかった。 クロの行きそうな場所や近所の人にも聞き回ったがまったく行方は分からないでいた。 今日も歩きまわって探してみたが、見つからずに重い足取りで家へと帰る途中だ。 「そこのくそじじい!まりささまにあまあまをよこすんだぜ!」 薄汚れて見るからに野良だと思われるゆっくりがふざけたことを言って出てきた。 何でこいつらはわざわざそんなことを言うのか、自殺願望でもあるのか。 無視して通り過ぎようとするが、俺の足に何かがぶつかってきた。 「むしするんじゃないんだぜ!いまのはてかげんしてやったけど、つぎはほんきでいくんだぜ!」 むかつく顔でそんなこと言うのはやっぱり死にたいんだな。 お望みどうりにしてやろうと振り返り潰そうとするが、ゆっくりがいなくなっていた。 「ゆぎぎ!いたいんだぜ!まりささまのからだにふれるならもっとていねいにするんだぜ!」 塀のあたりからさっきのむかつくゆっくりの声が聞こえてそちらを向くと、自分の目を疑う光景があった。 全裸の少女がゆっくりを口を銜えて塀の上に座っていた、おまけに猫耳と尻尾をつけてだ。 混乱している俺のことなど目に入っていないのか、少女の方はそのままゆっくりを口に銜えたまま塀の上を走って行った。 「っておい!?あれまさかあのちぇんか!?」 ようやく混乱から立ち直った俺は慌ててちぇんだと思われる少女の後を追いかける。 もしかしたらクロのやつがいるかもしれないとちぇんを追うが、これ傍から見たらどうみても変態だな。 そんなことを考えながら追い続けると、クロのやつもよく来る猫の溜まり場の空地へと到着した。 「にゃお~ご~。」 何だか気の抜けるような泣き声でちぇんが一鳴きすると、途端にわらわらと猫たちが集まってきた。 中には飼い猫らしいのもいるが、猫達はみなちぇんが銜えているゆっくりに視線を向けている。 「ゆひぃ!ねこさんはこっちこないでね!まりさはおいしくないよ!」 先ほどとは違って随分と弱気になっているゆっくりは、ちぇんに銜えられながら尻(?)をぶんぶんと振っている。 「ンニャア!」 「ゆんやああああああああああああああああ!まりさのたくましいあんよがああああああああああああああ!」 目の前で揺れるゆっくりの尻に我慢できなくなったのか猫パンチをおみまいされている。 爪で引っ掻かれて痛いのか、ゆっくりのやつ涙と小便まみれだ。 「いだいいいいいい!どぼぢでこんなことするのおおおおおおおおおおおお!」 うん、お前がその汚い尻を振り回すからだと思うぞ。 それに猫にそんなこと言ったところで意味はないだろうけどな。 「うにゃん。」 「ゆげ!もうやぢゃ・・・、おちょうしょんたちゅけちぇ・・・。」 ようやくちぇんが口からゆっくりを放すと、ゆっくりのやつ這いつくばって逃げようとする。 引っ掻かれたせいで餡子が地面に漏れているが、それでも少しづつ移動している。 それにしてもきもい、子供じみた口調でずりずり動く姿が特にきもい。 「まりちゃはあいぢょるなんだよ、みんにゃからあいしゃれりゅあいゆぴぃ!」 あ・・・、猫達が群がってゆっくりを食ってる。 何というかゾンビ映画みたいにガツガツとゆっくりにかじりついてる。 「やめちぇぇぇぇぇぇぇぇ!まりちゃはごはんしゃんじゃにゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 食われながらゆっくりが叫んでるがお構いなしに猫達はゆっくりを食い続けている。 あっという間にゆっくりの姿は無くなり、被っていた帽子だけが残された。 食事を終えた猫達もいなくなり、空地には俺とちぇんだけになった。 「・・・なあ、お前クロのやつ知らないか?。」 「にゃおん?」 言葉が通じるか分からないがちぇんに質問するが、知らんと言わんばかりに手で顔を洗っている。 よく見たらこいつ手まで猫みたいに肉級までありやがる、猫好きとしてはすごく触りたい。 だが俺の愛猫はクロだけなんだ。 「お前あれだよな、クロに銜えられて家にきたちぇんなんじゃないか?頼むからクロの居所を教えてくれよ。」 頼み込むがやはりちぇんは俺のことなど無視して毛づくろいをしている。 根気強くちぇんに話しかけていたところ、後ろから聞きなれた鳴き声が聞こえてきた。 振り向くとそこにはクロが小さなゆっくりを銜えていた。 「クロ!?お前一体何してたんだよ!」 急いで駆け寄ろうとするが、クロのやつは俺の横を素通りした。 振り向くと、クロのやつはゆっくりを地面に置き、ちぇんのやつが小さなゆっくりを食っていた。 「にゃごー。」 「ニャオー。」 「やめちぇね!きゃわいいれいみゅをたべにゃいでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 ちぇんの口元に付いた餡子をクロのやつが綺麗に舐め取っている。 心配してたがとりあえず元気そうで何よりだ。 「ほら、早く家に帰るぞ。」 クロを抱えようとした瞬間、ちぇんのやつが俺に飛びかかってきた。 ゆっくりとは思えないスピードで、避けられずちぇんに馬乗りのような格好で押し倒されてしまう。 「いきなり何しやがる!この野郎!?」 力ずくで払いのけるが、ちぇんはまたしても俺に飛びかかってきた。 こんどは何とか避けることが出来たが、毛を逆立ててこちらを睨みつけて威嚇してくる。 負けじと睨み返し、緊迫した雰囲気の最中にクロのやつがのそのそと割って入ってきた。 途端にちぇんはまさに猫を被ったかのように威嚇を止めて大人しくなった。 「おいクロ、お前まさかいなくなってた間ちぇんを育てたのか・・・。」 肯定するようにクロは尻尾を振って俺を見つめてくる。 これじゃ売れに売れないだろうが畜生・・・。 「もういいや、疲れたからとりあえず帰ろう。」 肩を落として家へと向かう俺の後をクロとちぇんが着いてくる。 帰宅する途中、警察から職質を受ける羽目になった。 どうやら少女を全裸で連れまわしている変態がいると通報されたようだ、死にたい・・・。 新しく家族が出来たのだが、どうやらうちのちぇんは普通とは違うらしい。 ゆっくり自体にも詳しくないうえ、胴付きのことなどまったく知らない俺にとってこんなものかと思っていた。 一度健康診断も兼ねてゆっくりショップに連れて行った時、店員さんが首をかしげていた。 「すいません・・・、正直こんなちぇんは初めて見る物なので何と言えば良いか。 ぶっちゃけゆっくりなのにこんな猫みたいに毛が生えて肉級があるなんて、一体何したんですか?」 こっちは特に何かしたというわけじゃないんだけどな。 「弱ってたんで甘いコーヒーかけた後、家で飼ってる猫が連れて行ったんで俺は何もしてませんよ。」 「あー、じゃあ多分原因はそれですかね。」 なにそれ怖い。 「あくまでも例えですけど、コーヒーをかけられた時にこのちぇんの頭の中はリセットされたんですよ。 それでゆっくりの常識や記憶も無くなって猫に育てられて自分を猫だと思いこんだんじゃないかと。」 「さすがにそれは無いんじゃないですか?」 「いや、ゆっくりですから百パーセント無いって言いきれないんですよ。」 だからってこんなに変化するものなのかよ。 店員さんに普通の胴付きのちぇんの写真を見させてもらったが、家のちぇんとはまったく姿が違っていた。 服の代わりに体は体毛で覆われて、四足歩行しやすいようにか両手は肉級になってるし本当に猫そっくりだ。 例えるなら猫耳っ娘とけものっ娘ぐらいにちがうね。 「一応飼いゆっくりなのでバッジを着けとかないといけないのですが、少し問題がありまして。」 「何です?」 店員さんが言うには本来飼いゆっくりにはバッジをつけることで保護されるようになっているらしい。 バッジには複数あり、試験に合格することでその保護も手厚くなっていくのだがその試験に合格出来るかが問題らしい。 「胴付きなら結構簡単に銀バッジぐらいは合格出来るんですけど、あれじゃちょっと・・・。」 店員さんが視線を向けた先には、赤ゆを肉級で転がして遊んでいるちぇんの姿だ。 不安だったのか落ち着きが無かったので生き餌用のゆっくりを与えたら、食べずに遊んでいる。 「うにゃー。」 「めがまわりゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」 「もうやぢゃぁぁぁぁぁぁぁ!まりちゃもうこーりょこーりょしちゃくないいいいいいいいいいいいい!」 目をキラキラさせながら遊んでいるちぇんは楽しそうだが、遊ばれているゆっくりの方はまさに地獄だろうな。 猫なら偶にあんな風に遊ぶから別に問題ない気もするけど何がいけないんだろう。 「うにゃにゃにゃにゃにゃ!」 「ぷぎゅ!やめちぇ、ぶ!どぼぢで、ゆぎゃ!ぽんぽんしゅ、ぎゅ!」 転がすのに飽きたのか今度は赤ゆを叩きはじめた。 肉級だからそんなに痛くないかもしれないが、叩かれる方は堪ったものではないだろう。 よく見たら一匹は餡子を吐いて動かなくなってた。 「思考が猫だから、ゆっくりのバッジ試験に合格するかどうか怪しいところです。」 「そんなに難しい物なんですか?」 「銅バッジなら書類を書いてもらえればすぐお渡しできますが、やっぱり胴付きだともしもの場合に銅だと危ないですから。」 別に銅でも良いや、何かあったらその時はその時に考えよう。 書類に必要事項を書き込んで店員さんに渡すと、すぐに銅バッジとやらが手渡される。 「それで、これは何処に付けたら良いんです?」 「飼いゆだと分かるように目立つ所です、普通ならお飾りと呼ばれる帽子や髪飾りに付けますよ。」 そう言われてちぇんを見てみるが、それらしき物は無い。 こいつ服どころかパンツも履いてないから困る、何か着せようとすると暴れるしすぐに脱ごうとする。 唯一抵抗なく身に付けているのは、昔クロのやつに付けていた首輪だけだ。 「ちぇん、ちょっとこっちにきてくれ。」 「うにゃん!」 呼びかけると嬉しそうにちぇんがゆっくりを銜えて駆けてきた。 俺の足に首を擦りつけ、銜えていたゆっくりを俺の足元に置いて尻尾を振ってこっちを見つめている。 「あー、えらいなちぇん。」 「うにゃぁ・・・。」 多分この獲物をやると言っているのだろう。 喉元を撫でて褒めてやると、ちぇんを気持ち良さそうにごろごろと喉を鳴らす。 くつろいでいるちぇんの首輪にバッジを付けて、これで要件は済んだな。 「んじゃ帰るからまた服を着ような。」 「んにゃああああああああ!」 さすがにこのままで外に出すわけには行かないので、来た時のように服を着させようとするがちぇんは嫌がって暴れ出す。 暴れるちぇんに手こずりながらも、なんとかちぇんに服を着させることに成功出来た。 「よしよし、じゃあ帰るとするか。」 店員に礼を言って、ちぇんを抱えて店を出る。 いくら服を着させても四つん這いで外を歩かせるわけには行かないからな。 俺の顔を舐めてくるちぇんを見て視線が突き刺さってくるので足早に俺は家へと急ぐ。 困った同居人が増えたもんだよ。 おまけ 猫のあれはやばい 「やっぱりいつ見てもちぇんは可愛いな!!!」 「うにゃあああああああああああああああああああああああ!!!」 「おい止めろ馬鹿、どう見てもちぇんが嫌がってるじゃねーか。」 「そんな訳ないだろ?俺の愛でテクニックならどんな嫌がる猫でもビンに入れられるほどだぜ?」 「そう言いながらちぇんの体を弄るのは止めろ、そのせいかやけにちぇんのやつ発情して大変なんだぞ。」 「良いじゃねーか、こんな可愛いちぇんに襲われるなら俺なら喜んで受け入れるぞ。」 「ほう?じゃあちぇんが発情して俺を襲った時のこと話してやろうか。」 そう言って飼い主はやってきた友人に発情したちぇんが飼い主にやってきたことを話し出した。 本を読んでてつい眠っていた所、突然尻に痛みを感じて目を覚ますとちぇんが棘のついたぺにぺにを生やして襲ってきた時のことを。 仰向けに寝ていれば大丈夫だろうと思っていたら、ざらついた舌で敏感な息子を舐められ痛みで飛び起きたこと。 尻尾をあにゃるに入れて無理やりすっきりーしようとしてきたこと。 最後まで聞いた友人は飼い主を同情したように肩をたたいた。。 後書き たまにはケモナーもいいよね!!! 最近ちぇん・みょんの出番が減って希少種扱いされて可哀そうだったのでちぇんを書いてみました。 みょんには隠語+胴付きになれば性的になれるのに対して、ちぇんにはいまいちそういった要素が無い。 こうなったら持ち味を生かすしか無いと思い猫よりなちぇんをイメージして書いてみました。 しかしアイディアはあるけど時間が無いです、正直時間がもっとほしいです。 猫関連の情報を集めたとき、猫のすっきりは基本れいぽぉと言う事実を知り驚愕したHENTAIあきでした。 最近書いたもの anko4283 大きいことは良いことだ 感想等がありましたら下のスレにぜひお願いします http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274853561/l50 P・S ぷにあきさん復活ッ!ぷにあきさん復活ッ!今夜のおかずはれいむちゃんで!
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とある飲み屋の一角。 完全に出来上がっているらしく顔を真っ赤に染めた男が、ひたすらゆっくりちぇんに話しかけていた。 「……だから、おれはいってやったんだよ……このバカヤロー! ってな……すしたら、あんのヤロー上にちくりやがって……っんっとにじょうだんじゃねえよなぁ」 ちぇんは、ろれつが回っていない男の言葉をただ黙って聞いている。 時々にこくこくとうなずいている所を見るに、真剣に話を聞いているらしい。 「……なんだよ、お前に分かるか!?」 割れそうなまでに大きく音を立ててグラスを置く。 だがちぇんは、大きな音にも怯えず、ただゆっくりと呟いた。 「わかるよ……わかるよ」 手に頬をこすりつける。その動きは、男を慰めているかの様だった。 「そうか、分かってくれるか……分かってくれるか……」 涙を流しながら、ゆっくりちぇんを抱きしめる男。 強く抱きしめすぎているのか、ちぇんの目にも涙が浮かんでいる。 「ゆぎゅっ! わがるけどぐるじいよー!」 「すまんすまん、それでな……」 「うん。……わかる。わかるよ」 男は、苦しそうにしているちぇんに軽く謝り、話を続けた。 「……で、おれはいってやったんだよ……このバカヤロー!!! ってな……」 「うんうん……わかるよ、わかる」 酔った男のグチはまだまだ続く。ちぇんは、それをただ分かって、慰める様に頬をすりよせる。 幻想郷の夜がゆっくりと更けていった。 『わからないちぇん』 暇をもてあましてぶらぶらと散歩していたら、面白いものを見つけた。露店だ。 珍しいので近くまで行ってみると、そこには『なんでもわかるよ! ゆっくりちぇん』と書かれた看板があった。 ゆっくりちぇんは、何にでも『わかる』と答える極めてウザいゆっくりだ。 だが、そんなウザいちぇんも、飲み屋でクダをまいてる人の相手をさせる場合には役に立つと聞いた事がある。 何でも『わかる』と言い、決して相手の事を否定しないちぇんは、酔っ払いの相手をさせるにはもってこいなんだそうだ。 ただ、少し不思議に思う事がある。 そこで、僕はパンチパーマにTシャツ、ハラマキに妙なガラのズボンと、変わった格好のおっちゃんに質問する事にした。 「なー、おっちゃん」 「なんだ? ボウズ、ちぇんが欲しいのか?」 「いや、まだ買わないけど……こいつら、本当に『わかる』ってしか言わないの? 『わからない』って言う時もあるでしょ」 そうなのだ。ちぇんは『わからない』と言う時もある。 危機が迫った時、不機嫌な時など「わかる」と答えた場合自分にとって不都合がある時は「わからない」と発言する。 そこについて聞いてみると、おっちゃんは豪快に笑いながら答えた。 「ボウズ、こいつらは全部おっちゃんがきっちり調教しとるからな。死にそうな時とかはわからんとも言うだろうが、普通に可愛がってたらわかるしか言わんから安心しろ」 試しにと、おっちゃんは箱の中のちぇんを一匹取り出して、ぶん殴った。 「いだい! わがるよ! いだいよー!!!」 かなり力を入れて殴ったらしく、一部が凹んだちぇんが泣き喚く。 なるほど、確かにここまでやられても「わかる」と答えるならば、相当手荒に扱っても「わかる」だろう。 「買うよ、おっちゃん。いくら?」 「おぅおぅ、買ってくれるかい……10銭だ」 「おっちゃん、ありがと。じゃあねー」 「可愛がってやんなよー」 信じられない位安いちぇんを買った僕は、おっちゃんの声を背中に受けて家に帰る事にした。 それから数日、ゆっくりちぇんを殴ったり蹴ったりして遊んでいたが、段々と物足りなくなってきた。 かなり強く殴っても、泣きながら『わかる』としか言わない上に、近づいて頬をすりよせてくるというお決まりのパターンにうんざりしてきていたのだ。 一度そう思ってしまうと、もう『わかる』と言われる事すらウザく感じてしまう。手に頬をすりよせられる事が嫌になってしまう。 ――もう、分かるって言われるのはうんざりだ。大体、何を分かってるんだよ。お前みたいな饅頭に僕の何が分かるってんだ。 理解出来ていないのに『わかる』と言われる苛立ちが募っていく。 その発散のため、段々と殴る手、蹴る足に力が入る。 でも、ゆっくりちぇんは『わかる』と答えてすりよってくる。 それが更に苛立ちを増幅させて、より力が入っていく。 負の連鎖とでも言えるこの状態を改善したのは、寺子屋の休み時間中の、友人の一言だった。 「あそこの露店で売ってるゆっくりちぇんに『わからない』って言わせたら1円やるぜ」 にやにやと笑う友人は、恐らく同じ露店でゆっくりちぇんを買ったのだろう。 絶対に出来っこないというその目が、僕のやる気を引き出した。 どちらにせよ、今の虐待を2~3日も続けていたら死ぬんだ。 なら、より面白いやり方を選んだ方が楽しいじゃないか。 「良いよ、でも1円の約束は忘れるなよ」 「上等だ。ルールは死んだ時以外って事にしようぜ、それと期限を決めたいんだけど……」 「期限付き? じゃあ、一週間な」 「忘れるなよ。一週間でゆっくりちぇんに『わからない』って言わせたら1円払うからな」 「良いよ、やってやろうじゃない」 寺子屋が終わると同時に席を立つ。 友人が呆れた目で僕を眺めていたが、そんな事は気にもならなかった。 ――一分一秒も惜しい。早くゆっくりちぇんに『わからない』と言わせたい。 お金より、むしろ『わからない』と言うゆっくりちぇんが見たいという思いから、足は自然と早くなり、全力で走って帰った。 「わかるよ! おかえりなぶふぇ!?」 家に帰った僕は、その勢いのままゆっくりちぇんに蹴りを入れた。 「わがるよー! いだい! わがるよー!」 泣きながら『わかる』というちぇん。 この期に及んで、まだ『わかる』ちぇんに怒りがこみ上げてくる。 僕はちぇんを踏みつけながら、どこまで『わかる』のか試してみようと決心した。 「どうだ? わかるのか?」 「わがるぅぅぅぅぅ!!! わがるがらやべでぇぇぇぇぇ!!!」 約束の一週間目。 ゆっくりちぇんの顔には無数の細かい傷跡があり、片目は焼け焦げ、もう一方は刃物で切り刻まれ、二又の尻尾は片方が根元から切られ、もう片方はぐちゃぐちゃに潰れていた。 だが、そこまでしても『わかる』と言うちぇんに対し、流石に僕は諦めた。 殺す時には『わからない』と言うかもしれないが、それは負けている事になる。 この時点で、僕の中ではゆっくりちぇんに『わからない』と言わせる事は、既に勝負になっていたのだ。 ちぇん自身はただ鳴き声をあげているだけかもしれないけど、ここまでしても言わないんだから、ちぇん自身も悪いと思う。 しかも、気持ち悪い事にどれだけ痛めつけても僕の手にすりよってくる。 ――それで許してくれるとでも思っているのだろうか。だとしたら、大きな間違いだ。 フラフラしながらも人形に頬をすりよせるちぇんをしばらく眺めてから、僕は友人の家に遊びに行く事にした。 人形を飼い主の子供だと思ってほほをすりよせていたゆっくりちぇんは、蹴り飛ばしてくる足も殴りかかってくる手もない事から、ようやく暴力が終った事を認識した。 ――わかるよ、やっとわかってくれたんだね……わかるよ。 体のあちこちが痛い。目が見えない。自慢の尻尾は、もう何日も前に感覚を失った。それでも、這いずる様に寝床に行き、眠りに付く。 そして、昔の夢を見た。 「わかるよ」と言ってあげれば、誰もが喜んでいた頃の夢だ。 真っ赤な顔のニンゲンが、色々な事を言う。ちぇんは、それを聞いてただ「わかるよ」と言い、頬をすりよせてあげれば良かった。 たまにアンコが漏れそうなほどに強く抱きしめられたりもするけど、それでもちぇんは、皆が喜ぶ顔を見るのが好きだった。 ニンゲンが酸っぱい物を吐き出した時は、そのまま死んでしまうんじゃないかと心配になって、急いでニンゲンを呼びにいった。 その時「てんちょー」と呼ばれる偉いニンゲンが寝かせてあげると、すぐに落ち着いたからほっとしたと同時に、ニンゲンは中身を吐き出しても死なないと知った。 その時は、吐き出したニンゲンにずっと頬をすりよせていた事を「てんちょー」にもニンゲンにも感謝され、得意になって跳ねていた。 穏やかで楽しい毎日。ゆっくりちぇんは、幸せだった。 ゆっくりちぇんは、幸せだった頃の夢を見続ける。 「てんちょー」が悪いニンゲンに叩かれた時にかばったら、悪いニンゲンは、笑いながら許してくれた。 その後、自分が悪いニンゲンに連れて行かれたけど、辛くはなかった。 「わかるよ」と言ってあげれば、悪いニンゲンも笑顔になって、悪くないニンゲンになったからだ。 悪いニンゲンにお金を払って、子供が自分を連れて行った時も、辛くはなかった。 自分を連れて行く時、子供は笑顔だったし、ちょっと叩かれたり蹴られたりしたけど、そんなに痛くなかったし、頬をすりよせてあげると、くすぐったそうに喜んでくれたからだ。 でも、最近は違う。 「わかるよ」と何度言ってあげても、殴り飛ばされる。 頬をすりよせようとしたら、ボールの様に蹴り飛ばされる。 常に険しい表情でちぇんを見て「オマエニナニガワカル」と言いながら、何度も何度も痛い事をされる。 それでも、ちぇんは諦めなかった。 悪いニンゲンだって「わかるよ」と言ってあげて、頬をすりよせてあげれば悪くないニンゲンになったのだ。 「わかるよ」と言ってあげて、頬をすりよせればきっと元通りの悪くないニンゲンに戻ってくれる。 そう信じて、ちぇんは何度も「わかるよ」と言い、頬をすりよせた。 ――わかるよ、つぎはわかってくれるよ。つぎがだめでも、そのつぎはわかってくれるよ。 そして今日、ついに分かってくれた。 頬をすりよせても痛い事はしないし、怒った声も聞こえない。 ちぇんは、悪くないニンゲンに戻ってくれた少年と、明日はどうやって遊ぼうか考えながら、数日ぶりにゆっくりと眠りについた。 かくれんぼで遊んでいる最中に何かを思い出したらしく、友人が声をかけてきた。 「なぁ、アレどうなった?」 「アレ? ……なんの事だよ、それより見つかっちゃうから離れろよ」 「1円賭けてただろ、ゆっくりちぇんの事だよ。アイツ、どうなった?」 「あぁ、アイツか……結局、言わなかったよ」 それを聞くと、友人はほっとした顔と笑顔が混ざった奇妙な顔になった。 多分、1円なんて大金は持っていなかったんだろう。 「ふーん……なぁ、後で見に行っても良いか?」 「良いよ……ついでに、あげても良いよ、そんな事より、離れろって」 ぐいぐいと友人を押しのけていると、後ろから「○○ちゃんみーっけ」と声が聞こえてきた。 「ほら、見つかっちゃったじゃないか! だから離れろって言ったんだよ!」 「良いだろ、別に。そんな事より、早く見に行こうぜ」 僕の手を引っ張って、早く早くとせがむ友人。 あんなものをそんなに見たいのかと少し呆れながらも、見つけた子に謝りつつ、大人しく引っ張られていく。 家に帰ると、ゆっくりちぇんは死んでいた。 僕が家を出た時のボロボロのままで、頬をすりよせていた人形を抱きしめる様な体勢で、眠っている様な死に方だった。 友人は「うわぁ、気持ちわりー!」などと嬉しそうに言っていたが、僕はこの死体の片付けを思うと、面倒でたまらなかった。 とりあえず、人形を引き剥がして、ゆっくりちぇんの死体を持って外に出る。 ――その辺のゆっくりにでも食わせたら良いや。 ちょうど、近くをゆっくり親子が通りかかったので、そいつらの方に投げ渡した。 ゆっくり親子は、何も考えずに貪り食っていった。 「よし、じゃあ戻るか」 「次の鬼はお前だからな」 「えー、お前が先に見つかってたじゃないか」 「お前が隠れるのをジャマしなかったら見つからなかったんだよ」 もうゆっくりちぇんの事など忘れた少年達が離れていく。 その様子を、ゆっくり親子に食べられて半分になったちぇんが眺めていた。 ゆっくりちぇんより、むしろガキがウザったくなっちゃったかも……。 10スレ 38のリクエストを聞いて、ちぇんを虐待してみました。 36の参考になるかな? by319