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脳開発研究所クルクルラボ
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なあ…すけべしようや・・・ 私のskrが・・・skrがおっきくなっちゃう・・・!そんなにぶんぶんしないでえええっ! ぽ、っぽやぽんもだめっ!私がぽやぽん弱いの知ってるくせにっ! だめっ!!!!!skrさわっちゃ・・・・skr大きくなっちゃ・・・・っあ///ハギハギしちゃらめぇええええええええ 四日市が・・・・・四日市がゆうたんしちゃううううううううう!!!!!はっ・・・はっひ! みっっみずたにいいいいいいいいいいいいイイイイイイイんんんんんん! 水谷がすらすらしちゃうよ・・・ぽっやぽん好きぃっ あっあっ私の梅干しが・・・・・・みっちぇるしちゃううううぅぅぅぅっ!れおおおおおおおおおおおっ・・・おぼおおおおおおおおおおおおんン! (チンコでゆくし 先生・・・そんなおっきぃろはん入んないよおおおっ! せんせえええ・・・でゆって・・・・でゆってしないでええええええええええ・・・・・ろはああああああああああああん でゆくしちゃうーーーーーーーっ!入んないよっ!だめ・・・っ!ろはんおっきぃ・・・! はぎはぎされたらでゆくししちゃうううううううううううううううん! 梅干しもさわって・・・ほしっもっと・・・ああッみっちぇるしちゃう・・・! おねがっ・・・おねがいっでゆでゆしながら私のpo優しく触ってっ はっあ・・・poいいっもっとでゆくしちゃ・・・っ poっpo・・・!po気持ちぃよおっ!ぁんっみっちぇるううううう! あっあっ・・・先生・・・。せーしふみきしちゃった・・・? ま、まだ・・・っ?えっ・・・そこ!? えっメイドは・・・そこはっらめえええええええええっらめええええええええっ! そんな激しくしたらうどんでちゃうよっ・・・っ 私のメイドそんなにすらすらしたら・・・・・・うどんでちゃううううううううんんんんんn 後悔はしている。 これは酷い・・・
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基本情報 テンプレ名: テンプレジャンル: 概要・使い方 流行った時期 元ネタ 上記以外の使用例 その他
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クリス 技性能解析 通常技 特殊技 必殺技 通常技 A 近遠 あまり使わない 屈 若干リーチが短いパンチ。屈Bから繋ぎ連続技の中継に。相手ガード時は2F有利 B 近 使わない。キャンセル可 遠 そこそこリーチがあり、発生もまあまあ。牽制に使える 屈 リーチの長い下段。連続技の始動に C 近 連続技の始動に 遠 二段技。一段目がキャンセル可能でノックバックが無いため、発動コンボでの中継に活躍する 屈 初段のみキャンセル可能な二段技。屈AorBから目押しで繋がる。コンボの始動や連係、更に初段の判定が強いので簡易対空としても使える。またその際は6Bまで入れ込んでおくと、地上ガードされても反撃を受けにくい。ただし大抵のキャラのしゃがみにスカるので、連係に用いる際は相手を選ぼう。 D 近 必殺技以上でキャンセル可能。高い位置まで判定があり、D投げも優秀なので通常投げはこれで狙う。認識間合いが狭いので注意 遠 近Dのつもりでこれが出ると危険。牽制に使えないこともないが、判定も特別強くはない 屈 脚払い。かなり姿勢が低くなる。相手の高めのジャンプ攻撃にたいして対空に使えたりもする J A あまり使わない。判定はそこそこ強い B リーチが長く、相手の上からかぶせて地上に貼り付けるように使う C 上に判定がある。空対空で D ジャンプ攻撃の主力。めくり性能が高く、相手にまとわりつくようにして使う 垂 B 横にリーチが長い。垂直ジャンプで様子見をしている時にとりあえず振る CD 足元が無敵。大抵のキャラのしゃがみにスカり、発生も遅いのであまり使わない JCD 下方向に強い判定がある。見た目と違って横方向にはほとんど判定が無い C投 相手を前方に投げる。ほとんど使わない D投 相手を後方に投げる。投げ失敗時に出る近Dが上に強く相手がジャンプしても安心。ダウン回避不可でその場から大ジャンプでちょうどめくれる。有利Fも長め 特殊技 むようのおの(6A) 連続技の繋ぎに。単発版でもキャンセル可能、発生も早いので反確に使える場面もある。ガードされると発生が早い技を持っているキャラに反撃される可能性があるため基本的に確定状況のみで使いたい じゅけいのおに(6B) 2段技。単発版は2段目が中段。牽制に使える。キャンセル版は中段ではなくなるが、2段目にキャンセルが掛かる せつだんのこと(3B) 下段のスライディング。先端を当てるようにして使おう 必殺技 かがみをほふるほのお 炎を出し相手に飛び掛る技。四肢を噛む炎が届かない場合に強を使う。ただし距離が離れすぎていたり、しゃがみ状態のキャラには空ぶる場合があるので注意 つきをつむほのお 対空技。弱は判定発生後まで無敵があるが、発生が若干遅いので早めの反応が必要。また、少し前進してから上昇する為、めくり気味の攻撃に対しては弱い。強は使わない たいようをいるほのお 持続の短い設置系飛び道具。発生が遅く全体動作も長いため、何も考えずに出すのは危険。起き上がりに重ねたり屈C対空からキャンセルして出すなど工夫して使おう ししをかむほのお 打撃投げ。最後の蹴り上げる攻撃は必殺技以上でキャンセルできる。しかし追撃判定が高い位置で消えてしまうため、追撃は通常技か弱月を摘む炎が基本。めくりからのコンボで相手の裏に回っていた場合は、通常技で追撃することで再び背面から攻めを継続できる だいちをはらうごうか 突進技。MAX版のみ発生直前まで無敵になっている。またMAX版は相打ちになると追撃可能な状態で相手を浮かせられるため期待値が高い、相打ち狙いの対空に使えないこともない。ノーマル版は無敵がなく使い道は特に無い 暗黒大蛇薙 ノーマル版の弱とMAX版を連続技として活用できる。ボタンを押しっぱなしでためることが出来、ためている間は弱は下半身無敵、強は上半身無敵となっている。すこしでも距離が離れていると繋がらないので、発動コンボで近C>6Aなどになった場合は強鏡を屠る炎に切り替えよう
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走り込みを終えたキリノは武道館へと足を踏み入れる。 一人きりの武道館は広すぎて、とても寂しく物悲しい。 (というか、部長一人の部活動ってどうよ) 剣道着に着替えながら、キリノはふあああーとだらけた溜息をついていた。 そんな時、武道館の中へ人の入ってきた気配がした。 (おお、ようやく来たよあのセンセー!) しかしどうも今日は様子がおかしい。 いつもなら大声で部員の確認をするコジローの声が聞こえてこない。 (外山君か岩佐君かな?でもあの二人がいまさら部活に顔出すなんてありえないし) 不思議に思ったキリノが扉の隙間から覗き込むと、 挙動不審な顧問がポケットに片手を突っ込んだまま人目を忍ぶようにして 荷物入れの棚の前へ移動していた。 とたんにキリノの目にいたずらっ子のような光がピカーンと灯る。 (じゃあ今日最初の練習は、 いかに相手に気付かれず背後から不意打ちをかませられるかにけってーい) にんまりと笑うと、物音を立てずに更衣室から出て ひっそりと気配を殺しながらコジローの背後へ近づいてゆくキリノ。 「まあ、俺も学生のころは興味はあったしそればっかり考えてた時があったけど、 普通こんなもんまで学校に持ってくるか?」 独り言をつぶやくコジローのすぐ後ろで、突然キリノが声をかける。 「こんなもんってどんなもんですか、先生?」 「うわああああああ」 まるで遺体を発見した探偵アニメのヒロインのような声を出すコジロー。 「あはははははは、女の子みたいな声出して凄いびっくりしてる」 コジローの期待以上の反応に、キリノの溜飲も下がる。 「馬鹿、キリノ…いきなり声かけるからだろーが! てかどっから湧いてきた!」 顔を真っ赤にしてうろたえるコジローの反応が面白くて、笑いの止まらないキリノ。 「いや、普通に更衣室に居たんですけど。つーか遅刻してきてなんで切れてるんですか。 小テストの採点、10分ぐらいで終わるんじゃなかったんですか?」 「あっ、しまった」 その言葉を聴いたとたん、キリノの胸に嫌な予感が走る。 「やべぇ、すっかり忘れてた」 そう言うが早いか、回れ右をして武道館から出て行こうとするコジロー。 「って先生、稽古は?」 武道館に入ってから1分とたってないのにもう出て行こうとするコジローはめんどくさそうに答える。 「一人でやっとけっつーの。俺には大事な仕事があるんだよ」 こちとら防具一式身につけてあんた待ってたのに放置ですかい。 軽く殺意を覚えたキリノが後方からコジローの頭へ突きを放とうとした瞬間、 彼女の視界の端に、学校には似つかわしくないピンク色の隠微な玩具が目に入った。 一瞬、彼女の思考は止まった。 「おい、キ…」 そんな彼女の異変に気付き、コジローが何かを言おうとした瞬間、 キリノははっと我に返った。 「あれえぇーどうしてまだいるのなかなー、大事な仕事があるんじゃないんですカー どうせ部活動なんて2の次ですもんねーだ」 と少なからず動揺しているキリノは早口でそうまくし立てると、 わざわざ面をはずしてベーと舌を出して、そのまま面をつけていつものように素振りを始めた。 なんというか、いつもの雰囲気を作りたかった。 なぜかはキリノ自身でもわからなかったが、動揺していることをコジローに悟られたくなかった。 キリノを見て苦笑いすると、コジローはそのまま職員室へと向かっていった。 (…もうそろそろ大丈夫かな…) コジローがいなくなってからたっぷり20回は素振りをして時間を稼いでから、 キリノは素振りを止め荷物入れの棚へ近づく。 いつもコジローが使っている棚の中にある鞄の下から、 さっきキリノが見かけたものがひょっこりと顔を出していた。 (これって…アレだよね…?) キリノに性体験は無い。しかし、それでも眼前にあるソレが 女性を慰める特殊な機械であることは知っていた。 少女漫画やら、電車のつり革広告やら、ネットの怪しげなリンク先やらで、 いくらでも『セックス』なんて言葉を目にするこの時代に、 処女の彼女がソレの存在を知っていてもなんら不思議は無い。 (ただでさえ、ろくに指導もしないくせにこんなものを武道館に持ちこむなんて……) ふつふつと、キリノの中にコジローに対するフラストレーションが溜まってゆく。 そしてそれは、10代の少女の青い好奇心と結びついてありえない行動を彼女に選択させる。 (だったらあたしも、まじめに部活なんかしない……) それは一種の反抗。普段とは逸脱する行為をすることで、 「どうせ一人でも勝手に練習するだろう」 と考えるコジローの思惑を裏切るためのもの。 もちろん、それは部活動に不真面目なコジローには直接ダメージを与えないだろう。 というか自己満足に近い。 だけど、このまま一人真面目に練習をするのは、なんだか間抜けで惨めだ。 そして何より、今キリノの注意と興味はもっぱら目の前の桃色の物体に注がれ、 正直練習に集中できそうに無い。 キリノは目の前のソレを手に取った。 (てか、結構小さいなあ。こんなのがほんとに気持ちいいのかな…?) しかし、彼女が手にとってもソレは微動だにしなかった。 (あれ、おかしいな。確か震えるんじゃなかったけ?) 四苦八苦してソレの色んな部位を押したり引いたり回したりしていたが、 いつまでも動かないソレにキリノはついに諦めて鞄の下へ戻そうとする。 すると鞄の下へソレを押し込もうとした瞬間、 彼女はソレと同色の楕円形の機械を鞄の下に発見する。 (もしかして…リモコン?) 棚の上に震動する方(と思われる物)を置き、鞄の下からその機械を取り出し、 右上の赤いボタンを押した瞬間、突然キリノの眼前にあるソレが ガガガガッとけたたましい音を立てて振動しはじめ、 その振動の力でスライドしてそのまま床へ落下した。 心臓が飛び出すぐらいビックリしているキリノの足元で、 ソレはガガガガガガガガガガガガガガッとまるで道路工事現場のような騒音を撒き散らす。 驚いたキリノはすぐに赤いボタンを押して電源を切り、 直後に呼吸を止めあたりの物音に耳を澄ます。 何も聞こえない。 足音を立てないよう武道館の出口まで移動し、そーっと武道館外の様子を伺う。 茜色に染まったあたりには誰もおらず、 遠くの運動場から野球部員の掛け声がおぼろげに響くのみだった。 武道館の周りに誰もいないことを確認し、胸を撫で下ろすキリノ。 そしてほとんど闇に溶けた館内へ真っ赤な顔で戻る。 (よかった、誰にも聞かれなかった…) ほっとした後棚の前に移動しキリノはあらためて拾ったソレを見つめる。 日が沈んでゆく中ほとんど光源が無く床や壁や扉など武道館内全ての物の輪郭がぼやける中、 目の前にあるピンク色の玩具だけはその派手な色合いで暗闇の中でも視認することが可能だった。 (て言うかあの振動……普通に身体に当ててたらやばかったかも……) よく見ると、リモコンの真ん中に目盛りつきのダイアルがあり、 その目盛りがMAXに合わさっていた。少し躊躇した後、 キリノはその目盛りをMINに合わせ、ソレを手の平へ置いた。 そして深呼吸してから、赤い電源を再度押す。 するとキリノの手の平で、微かな振動が始まる。 (あ、コレぐらいなら全然大丈夫かも……) キリノの手の平の上で震えるソレは振動が弱いせいか、 それとも振動のエネルギーが全て柔らかなキリノの皮膚と肉に吸収されるからか、 さっきのようなやかましい音を立てなかった。 時間が経つと、手の平がすこしづつ振動に慣れてくる。 純粋な好奇心から、より強い刺激を求めキリノはリモコンのダイアルを捻り強くする。 すると、とたんに手の平からブブブブブ…と僅かに低い振動音が漏れ始める。 3分の1ぐらい強くすると、くすぐったさとむず痒さで耐えられなくなってキリノは電源を切った。 まるで何十人もの人に無理矢理身体の一点をくすぐられるような感覚。 (他の場所だと、どうなるんだろう……) もっと敏感な場所なら、どんな風に感じるんだろう。 クラスメイトが持ってきたハイティーン向け少女漫画の主人公のように、 『頭の中が真っ白になる』様な感覚に陥るのだろうか…。 (おへそとか、どうなんだろう……) 少しためらってから、ゆっくりとキリノはソレを袴の中へ入れ、 電源を入れてソレをへそ上5センチの場所へ押し当てる。 (大丈夫…これぐらいなら……) 少しづつソレを皮膚にあてがったまま降下させてゆく。 それと同時に、キリノ腰が少しづつソレから逃れるように後ろに引いてゆく。 (もうちょっとで、おへそだ…) 目をつぶって振動の感触を貪るキリノの耳に、突然コジローの声が響く。 「おーい、キリノーいるのかー?」 (何で…こんなタイミングで?!) キリノはマッハの速さでリモコンの電源を切り、棚の鞄の下へと押し込む。 と同時に下駄箱で靴を脱ぐ音がする。だめだ、急がないと袴の中にあるソレが取り出せない。 焦ったキリノは無理矢理袴を引っ張ってソレを取り出そうとするが、 バランスを崩ししりもちをつくように後ろへ倒れてしまった。 すると、武道館の中の照明が灯る。 「あっ、コジロー先生、なんか早かったね」 急な運動とそれまでの行為の恥ずかしさや背徳感と、 何より振動がもたらした心地よさでキリノの呼吸が乱れている。 「別に早くねーよ。遅れたぐらいだ。それよか灯りもつけず何やってたんだ?」 訝しげな顔で見下ろすコジロー。キリノはあわててめちゃくちゃな言い訳をする。 「いやー、ちょっと運動したら眠くなっちゃって…」 徹夜明けの極限状態でもあるまいし、全身に防具をつけたまま眠る変人なんているわけがない。 嘘をついた後キリノは心の中で下手な嘘をついたことを後悔していた。 「で、防具つけたまま眠ったってわけか?器用なやつだな」 しかし、コジローは納得したように頷いた。 (お互い様だけど、この人あたしのことなんだと思ってるんだろう…) 「まあいいや、とりあえず出るぞ。ほら、部活は終わりだ」 (!このまま帰ろうとして鞄の下を確認されたら…) 「えっ、えーと、その、でも、ほら、サヤ待ってるから。 あとで鍵掛けるから、もう先生だけ帰っていいよ」 またまたとっさに嘘をつく。 「へーえ、サヤがくるのか。そりゃ久しぶりなあ、おい。 …でも、今日の昼あいつに会って部活来いって言ったら、 逃げるようにしてどっかいっちまったけど、何でいきなり部活に顔出す気になったんだ?」 不思議そうな顔をするコジローに、必死でキリノは嘘を取り繕おうとする。 「え?エーとその、あの、なんか忘れ物更衣室にしたから取りにいくって言ってたよ。 えと、大事そうなものみたいだから。でもやっぱ、今日来ないかもね、 私の聞き間違いだったかも」 そこでコジローは何かを思い出したかのようにぴくっと身体を動かす。 そして、そのまま身体を棚のほうへ向けてしまった。 キリノの顔が青ざめる。 「ああ、そうか、そうだなうん、じゃあ鍵は…」 そこまで言うと、鞄の下をまさぐっていたコジローの言葉がとまる。 そこにあるべきはずのものが無いことに気付いたのだ。 (どうしよう、どうしよう、どうしよう) パニックを起こすキリノ。 「おい、キリノ、俺がいないうちに男子来なかったか?茶髪でピアスのやつ」 キリノは気づいていないが、コジローも慌てた様子でキリノに問いかける。 「へ?ああ、ええと、その、誰も来てないよ」 慌てて答えたあと、キリノは後悔した。 (誰か来てたみたいって答えればよかった) 参ったなぁ、と呟くコジロー。 (誰も部屋に来ていないって事は、持ち出したのはあたししかいないって事じゃない…) とにかく、今はこの場所を離れよう。 更衣室までいって、この袴の中にある物を取り出そう。 そして、隙を見て鞄の下へ戻すんだ。 そう決心して立ち上がろうとした瞬間、キリノの下半身に衝撃が走る。 「あっ」 思わずキリノの口から小さな喘ぎ声が漏れる。 その声に反応しキリノのほうへ振り向くコジロー。 (そんな…なんで?) しかし、今のキリノはコジローどころではなかった。 (なんで…そんな所に?) キリノが自らの袴からソレを引っ張り出そうとして尻餅をついた瞬間、 偶然にもソレは下着と彼女のお腹の間に挟まってしまったのだ。 (何で…いきなり振動するの?) そしてその物体は、悪魔のような蠢動を開始した。 キリノの顔が、快楽にゆがむ。しかし幸いなことに面をしていたので、 コジローに表情を読み取られる事はない。 ブブブブブブブブブブブッという低い音が自らの下半身から立ち上がり 面の中で反響するのを聞き、キリノは理解した。 (先生は……音で探そうとしている) このままだと、振動の音を聞き取られてしまう。 そう思ったキリノは、音が漏れないようぎゅっと両手を握り締める。 しかしここでさらに状態を悪化する事が起きる。 音が出ないよう押さえつけられる力の加わった振動するソレは、 まるで生き物のようにキリノの肌をなぞりながらスライドしはじめたのだ。 キリノの下着の中へ向かって。 (そんな…そんな……ひああぁぁ) ソレはまるでそこで留まるのが当たり前のように、キリノの性器の上でスライドを止める。 必死に唇をかんで、割れ目への振動による刺激から耐えるキリノ。 しかしその刺激は、処女にはあまりにもきつすぎる。 もはや座る事さえままならず、キリノはごろんと横になる。 「どうしたんだ、キリノ?」 キリノの異状の原因に気づかず驚くコジロー。 そんなコジローを恨めしく思いながらも、必死にキリノは言い訳を考える。 「そ、…その、なんか、すごく今日は眠くて…」 「だったらお前、せめて着替えてこいよ。てかここで寝んな」 そういってキリノを立たせようと腕をつかむコジロー。 意識が流されないよう自らの股間へすべての注意力を注いでいたキリノは、 不意に腕に走った圧迫感と腕を引っ張られることによって起こった わずかな股間内の刺激から許容量以上の悦楽を感じてしまった。 「ひゃぁっ」 と甲高い声をあげ、キリノの身体が一瞬硬直する。 「どうしたんだ?体の具合でもわりいのか?」 驚いて手を引っ込めるコジロー。 「別に…そんあことは…ただ、もう動きたくないんっ、です… それに、先生、言ってたじゃないですか…よく食べて、よく運動して、 よく寝るのが体作りの基本だって…だから、少し眠らせて…」 そう何とか言葉をつむぐと、硬直していた身体中の力が抜け動けなくなるキリノ。 (いま、まるで……身体が……目の前が……) 初めての絶頂に震え、放心するキリノ。 しかし、イったばかりの彼女のひくつく性器を、止まることのない蠢動が襲い続ける。 その絶え間ない振動は、傷口に塩を塗りたくる行為にも似ていた。 (今…キタばかりなのに…びくびくしてるのにっ…) 「ぁあ……」 だめだ。もう堪えれない。嫌でも声が出る。 面を取り、片手で口を、片手で下半身を押さえつけるキリノ。 (これで…なんとか…声も……音も……でない…) しかし、そう安心したのも束の間、急に下半身を苛む振動が強まる。 見つからない探し物に業を煮やしたコジローがソレの振動をさらに激しくしたのだ。 「ふぅぅ…」 苦しげな、切なげな声がまたキリノの口から漏れた。 そしてその声はついにコジローの耳へと届いてしまった。 「おい、どうしたんだよキリノ?様子が変だぞ!」 面を取って表情が見えるようになったため、肉体の異常にも気づいてしまった。 「大丈夫だからっ、ほっとい…て…」 それだけ言うと、また口に手を当て、顔を背けるキリノ。 しかし汗まみれの真っ赤な顔ではぁはぁと荒い息を吐くキリノは、 どう見ても大丈夫には見えなかった。 (だめえ…もう……たえらえ……ない……) さっき振動をあげられてから、もう2回キリノはイっていた。 (お願い……とめて……とめて……とめて……) しかしそれは声に出せない。止めてと哀願すれば、 自分がソレをしまいこんだ事を白状してしまう事になるのだから。 (助けて……先生……助けて……) すがるような目で見上げたキリノは、コジローと視線が合った。 その瞬間、キリノの血が凍る。 そのとき教え子を見下ろすコジローの目は、獲物を前にした肉食獣の目だった。 「なあ、キリノ。お前さあ、俺の物勝手に取ってねーか」 「なっ、なんっの、ことですかっそんあ人の物なんか、かってにとるわけなっ」 もはやまともな文章にすらなっていないが、それでもキリノは答える。 自分の中にある矜持を守るために、平静を演じようとする。 もうほとんど意味がないと自覚しながら。 そんなキリノを襲う振動は、さらに激しさを増す。 「あぁ、ひぃあ、ああ、だめっ」 もはや、口を押さえる手が意味を成していない。 腰を押さえる手も同様で、そこからは低い重低音がうなりをあげている。 そしてそこから発せられるエネルギーのせいで、 キリノの全身がまるで若葉を食む青虫のように怪しくくねる。 「なんかなぁ。音がするなぁ。…どっから聞こえてくるんだろう」 快楽に狂うキリノにも聞こえるようはっきりとした声量で呟くと、 コジローはキリノのほうへ一歩近づく。 (いや…気づかれる……きづかれちゃうっ……) キリノは必死になって自らの股間を両手でおさえつける。 キリノの手と柔肉に挟まれて振動は空気を震わせる事ができなくなり音は小さくなる。 しかし抑えられた音になるべき振動エネルギーはその分だけ キリノの肉芽と肉穴を震わせ波立たせ、キリノの体と心を狂わせる。 「ああっいぃゃ、いやっいあぁぁっ」 何度目か分からなくなったイく感覚に、キリノは悲鳴のような嬌声を上げる。 とたんに自らの股間に押し付ける両腕の力が弱まる。 すると挟み込む力が弱まり、それだけ肉へと埋まっていた 玩具がまた空気に触れるようになり振動音が大きくなる。 「…また、音がし始めたな。そっちからか?」 また、わざと聞こえる声量で呟き、キリノの方へ近づくコジロー。 ゆっくりと近づくコジローと目が合ったとき、込みあがる恐怖におののきキリノは叫んだ。 「ひぃっあぁぁっ」 (いやぁ、食べられる、たべられちゃうっ) その目を見たとたん、キリノはまた自らの股間を強く押しつけて音を消す。 その瞬間を逃さず、コジローはリモコンの目盛りをMAXまであげた。 肉にもっとも深く埋まった瞬間に起こった最大の振動に、限界が訪れた。 「ああああぁぁぁぁっ、ひやぁああああぁぁぁぁぁっ」 キリノの中をつま先から頭まで痺れる様な感覚が貫き、背をそらして絶叫をあげる。 甲高い叫びが終わると、まるで何かが抜け出したようにキリノの体の力が抜ける。 そして、そのまま肩で息をしながらぐったりと動かなくなった。 そんなキリノを見下ろしながら、コジローはゆっくりとリモコンの電源を切った。 そして次の日になった。 「ほらー先生ー早く早く!ちゃッちゃと稽古つけて下さいよー」 次の日、いつもの様に武道館で練習をしていたキリノの前に、 昨日の獣のような目が嘘のようにいつもどおりのゆるーい目をしたコジローが現れた。 しかし、キリノは感じていた。 コジローの自分を見つめる視線に昨日までは無かった何かしらの恐怖と後悔と、 そして獣性のようなものが含まれていることに。 昨晩、快楽に震えるキリノが我に帰ったときすでにコジローはその場にいなかった。 鞄の下にリモコンを残したまま。 その残されたリモコンで結局5回ほどオナニーをしたキリノは家に帰るのが いつもより2時間も遅れ、家に帰った後しこたま両親に怒られた。 しかしそんな風に怒られている時も、キリノの頭の中には あのコジローの獣の様な視線が焼きつき、ほとんどお説教は頭の中に入らなかった。 「お前さ…警察行こうとかって、痛えぇぇぇーーー」 コジローの後頭部にキリノは竹刀を打ち込む。 「もーちゃんと指導してくださいよー」 「て、馬鹿。お前のせいでもう無理。頭痛い。本と痛い。今日は終了」 (頭が痛い?…ほんとに痛いのは、良心でしょ?) そう心の中で呟きながら、キリノはぶーぶーと文句を垂れる。 しかしコジローは逃げるように身支度を整えて帰ろうとする。 まるでキリノとの接触を怯えるように。 ふぅ、と小さく溜息をついてから突然キリノは派手な音を立てて床に倒れこんだ。 「おい、どうしたんだ?!」 慌てて近寄るコジローを大の字で見上げて、キリノはゆっくりと微笑みかける。 「運動したから一眠りしようかなーと。先生もどうですかー?」 一瞬、不思議な間が武道館を包む。 しかし、キリノは確信する。自分を見下ろすコジローの視線が、 自らの下腹部へと向けられていることを。 「…俺はもう帰らなくッちゃな。…じゃあ」 「探し物」 振り切るように呟いて逃げようとするコジローを引き止めるキリノ。 「あん?」 「…探し物あるんですよね。見つかったんですか?」 「いいや」 ソレはコジローに見つけられるはずがない。 なぜならソレは今もまだ、キリノの下着の中にあるのだから。 「じゃあ、探してください。今すぐに」 コジローも察しているだろう。探し物がどこにあるのか。 「何でそんなことする必要があるんだよ?」 「だって、泥棒扱いしたじゃないですか人のこと。 だから身の潔白を証明するためにも、先生には探す義務があります」 どこにあるか分からないソレを探し出すということは、 リモコンのスイッチを押すということ。昨晩コジローがやったように。 「…じゃあ、お前も探すの手伝えよ」 にっこりと微笑むキリノ。 なぜならコジローの中に葛藤を見たから。 理性と欲望が教師の中で揺れるのを見て取れたから。 罪の意識がコジローの理性を弱らせ、淫らな心が欲望に火を灯らせる。 10近く歳の離れた社会的にも肉体的にも自分より強い青年男性を翻弄しているのは、 自分の言葉、仕草、表情。 そんな風に相手を翻弄できることに、今まで感じたことのない優越感を感じるキリノ。 「言ったでしょ、一眠りするって。その間、探しておいてくださいねー」 言うや否や、キリノはそのまま目を閉じてしまった。 その言葉の言外にある意味はただ一つ。 -私が目をつぶったら、リモコンのスイッチを押してもいいんですよー コジローはしばらく逡巡してから、すごすごと棚の前に行きリモコンを取り出した。 気配だけでそのことを感じ取ったキリノが、満足げに笑いながら呟く。 「警察…?行くわけないじゃないですか」 彼女の手が、そっと下腹部へと添えられる。 コジローの突き刺さるような視線と、コジローを誘導し教師としての道を踏み外させてゆく悦びに、 彼女の膣口に何かがにじんでゆくのが感じられたから。 その感覚はコジローのいなくなった後の5回のオナニーでは、決して得られなかったもの。 「だって昨日…私は寝てただけ。そして、先生は探し物をしていただけ。 いけないことなんて、何一つしてないじゃないですか…」 -だから先生が罪悪感なんて感じる必要はないんですよ- 罪悪感を弱めることで、コジローの理性が揺らぐ。 この言葉が引き金になったのか。コジローはリモコンの電源ボタンに指を添える。 「そしてこれからも…、部活が終わったら私は眠って先生は探し続ける…。 探し物が見つかるまで、永遠に…」 -この学校にいる限り、私と先生の関係はいつまでも終わることなく続いてゆくんです- 淫猥なえさを与えることで、コジローの獣性が解き放たれる。 ふたきりの静かな武道館に、低い振動音と少女の喘ぎ声が響きはじめた。 終わり 作品保管庫へ戻る
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552 :天倉澪 ◆ER64J6XKva5u :2009/08/10(月) 20 01 09.22 ID SWZaMr8BO 澪「はぁはぁっ・・・だめだぁ絶対遅刻だぁ!」 疾走するようにいつもの景色を踏み進んでいく秋山澪。 澪「変身!」 シャキーーン 澪「トロピカルミオ 参上」 唯「ジー・・・」 澪「お 君は確か最近遅刻癖がある唯君だね」 唯「ジー」 澪「むむっどうしたのだ」 唯「ジー」 澪「・・・早く、いかなくていいのかい?」 唯「澪ちゃん!」 澪「っ!失礼なっ!私を誰と心得ている!?」 唯「秋山澪ちゃん!」 澪「ククク・・・まぁ待ちたまえ 本当に私が秋山澪だと?」 唯「うん!b」 561 :天倉澪 ◆ER64J6XKva5u :2009/08/10(月) 20 27 11.02 ID SWZaMr8BO 澪「まさか、さっきからずっと私を見てたのか?」 唯「・・・」 澪「(違うのだろうか)じゃあなぜ私が秋山澪だとひらめいたのだ?」 唯「髪」 澪「なにっはっ!確かに今気づいた 髪が外に出てるじゃないか しかも髪型一切変わらず」 唯「鞄」 澪「はっ!やばい・・・つい癖になってしまい鞄を持ったままになってしまっていた」 唯「胸」 澪「ハ、ハレンチな!どこをみている!?」 唯「声」 澪「・・・そこはDNAてきな問題が」 唯「名札」 澪「鞄に締まったと思ったら 慌てて着替えてたのかちょろっと出てやがる」 唯「だよね♪(ニコ」 満面の笑みを浮かばせる唯。なんか自分がどんどん情けなくなってくる。 568 :天倉澪 ◆ER64J6XKva5u :2009/08/10(月) 20 55 54.06 ID SWZaMr8BO 唯「ふふふ じゃあね澪ちゃん!早く来るんだよ!」 澪「かんっぜんにばればれじゃないか・・・」 澪「まだまだ精進が必要みたいだな」 澪「変身解除!」ポワン 澪「ふぅ じゃ私も向かうか」 ?「はぁっはぁっ遅刻確定だよ」 澪「ん?君は確か天倉さん?」 天澪「あ 秋山さんおはようございます はぁっはぁっ」 秋澪「天倉さんも遅刻?なんかうちの学校は大丈夫何だろうか」 天澪「そんなことより先を急ぎましょう秋山さん!」 秋澪「あぁそうだな ひとっ走りいくか!」 574 :天倉澪 ◆ER64J6XKva5u :2009/08/10(月) 21 34 40.97 ID SWZaMr8BO 当然遅刻はしたものの最後まで授業に出て遅刻した分を補うだけ勉強した あとは待ちわびたと言わんばかりの部活だ いつも唯達を怒ってはいるが実は楽しみにしてる紬のお菓子。 秋澪「さぁ~て今日はなにがでるかなぁ~」 浮かれ気分で部室へと向かう澪。 るんるん気分だ。 秋澪「ごめん 遅くなった」 唯「澪ちゃんきたー」 律「遅いぞ澪」 紬「澪ちゃんったら」 恥ずかしくなんてないぞ!むしろ胸を張っていた澪だ。 586 :天倉澪 ◆ER64J6XKva5u :2009/08/10(月) 22 46 32.93 ID SWZaMr8BO 澪「さぁ練習するぞ」 わざとらしく止めてもらうのを待つ澪 律「もい何回目だ澪 なぁ?唯」 唯「うん!澪ちゃんなんかわざとらしいよ?」 紬「ほぉら 澪ちゃんの好きなお菓子があるわよ」 澪「ぐぐぐ・・・し、しょうがないなぁーまぁみんながそんなにいうんならたべてあげてもいいかなー(棒」 これもわざとらしい もうつっこまないぞ ドタドタドタ バタン! 澪「な、なんだ!?」 ここは棒読みじゃない 触れちゃった 天澪「はぁはぁ、すいません遅れました~」 みなのものー!敵襲だー!
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前? それは、扉越しにまで響き渡る嬌声だった。 「すっきりー! ……ふふ、ありすがすっきりいちばんのりね!」 「すっきりー! にばんやりはありすよ!」 「すっきりー! ありすが真のなんばーすりーよ!」 「すっきりー! よばんのありすは、ばっくすたんどにぶちこんでやったわ!」 最初の一声に続く、十数回にもわたったすっきりの声。 壁越しに伝わってくるありすの晴れやかな声色。 青年はこの扉の向こうで、今年も肉林パーティが開幕したことを確認する。 「すっきり、じだくながっだあああああ……」 最後に、魂をへし折られたようなまりさの声。 それら全てを聞き終えた青年は、扉に背を預けたまま頭をかいてため息。 扉の向こうを確認しようと手をのばすが、ためらわれるのか再び手を頭に戻す。 もう一度手を伸ばそうとしたとき、その背中に低い男の声がかけられた。 「おつかれさん。どうだ、様子は」 振り向くと、そこにはまりさを連れてきた御者の男。 「あ、主任。今、一回目は終わったところです」 応える青年の背筋はまっすぐにのびている。まりさにとって温和な御者の男も、青年にとっては厳格な上司だった。まりさに向けて微笑みを向けた初老の顔も今は表情が乏しく、真剣な眼差しで青年を射抜いている。 「そうか。じゃあ、すぐに二回目が始まる思うが、お前さんは今回が初めてだろう。今のうちにこいつをもう一度頭に叩き込んでおけ」 「あ、はい」 押し付けるように渡された書類を受け取る青年。 その「ゆっくりありすすっきり計画 マニュアル」とタイトル書きのされた表紙をめくると、上司の名前で記された序文が目についた。 『序文。 加工所におけるゆっくりの安定的供給の要はゆっくりありすである。ありすの管理を担当するわが部署は、加工所全体の生産調整に 寄与する大変に重要な役目を負う。 だが、本来は知性的で強固な理性を持つありす種。ストレス要因とした一時の激情で性欲を爆発させることがあるものの、その後は 自己嫌悪に打ちのめされ、以後は生殖を厭うありす種すら珍しくはない。 統計的に見れば、その性欲をもてあまして周囲に害をもたらすありす種はごく稀であり、通常は理性で制御して家庭を持ち、群れでは 無謀なゆっくりたちの中で慎重な立ち回りを促す性質を持つ。 それらの交尾の強制に耐えられない繊細なありすの心理が長年安定生産のネックといえよう。 その解決のため、我々は多大な労力を費やし、ついに万年発情ありすの生産に成功する。過酷な環境で、何度も何度も生殖するだけの 存在であると教え込み、それを阻害するありすの自尊心を長期のストレスと強制発情を繰り返すことで粉砕。ついに生殖行為以外の 思考能力を奪うことに成功した。 それが加工所で管理しているアリス種である。 しかし、本質をかけ離れた生活とどれだけ交尾を重ねても満たしきれない性欲から、ありすたちのストレスは激増する。一瞬だけ理性を 取り戻して自殺するもの、同種ですら襲うもの、性欲が殺意に変わるもの……その果てには相手を食しながらでなければすっきりできない等、 異常な例が多発。それらの管理上の不安要素の解決策が、我々の近年の課題だった。求められたのは、発情状態のありすが獣欲を 爆発させることなく、生殖使用の日までおとなしく発情状態を保つための方法。 単純に性欲を全て生産に転化すればいいという話ではない。何しろ、ありすの性欲を完全に満たそうとすれば生産計画を大きく上回る 生産量となってしまう。そのため、ストレス解消用に生産ラインから性奴隷ゆっくりを供給したこともあった。が、繁殖ゆっくりでは いつもの仕事と代わり映えがしないためにありすの嗜好に合致せず、結局は会社の資産がただ消費されるだけとなった。 そこで、私たちは加工所の慈善事業(野生のゆっくりを保護して集落に住まわせ、ゆっくり資源を大切にするPR)を活用して、 ある計画の実施を起案。 事業権限を有する所長の決裁を受け、無事実施の運びとなった。 計画の概要は以下の箇条書きのとおり。 1.それぞれの集落から魅力的なゆっくりを集め、ありす種の慰めとする。 2・ゆっくりにとっての魅力の要件には、体型や目鼻立ちも含まれるが、何より「ゆっくりと暮らしている」その状態が必須である。 3.だが、あらかじめ自分がどうなるか知ってしまえば、ゆっくりできるはずもなく、その魅力が損なわれて凡庸なゆっくりと化してしまう。 4.よって、目的を秘匿したまま、同時にゆっくりを「よりゆっくりしよう(魅力的になろう)」と努力させる動機が必要である。 4の要件を満たすため、我々が群れに流した噂は二つ。資産家の間で話題の「ゆっくり歌劇団」が各集落へ新人募集をするという情報。 さらにはその定員は毎年一名、もっとも群れで器量のいいゆっくりに限るという条件をつける。 実際に歌劇団は「品評会」上位のゆっくりに限って毎年加入させているため、話の信憑性を信じ込ませることは容易だろう。 それらのゆっくりの、ありすに対する有効性については、実験において確認ずみ。 似たり寄ったりの養殖ゆっくりに飽きていたありすたちは、必ず夢中となる。 後は数日間の交尾に耐えられるよう、ゆっくり用の避妊薬を食料に配合して投与を行う。 以上の計画の直接的な成果はありすのストレス発散だが、長期的な暴発の予防にこそ、この計画の真の意義がある。今後も魅力的な ゆっくりが提供されるかもと、期待感が日々のストレスを軽減させるのだ。 このように、計画の基本構想は「極上のゆっくり」というインパクトのあるゆっくりを使うことで、数匹の犠牲で大きな効果を 上げることである。加工所の資産を損ねず、同時に最小の犠牲での問題解決を意図している。 ありすの暴発のたびに逐次ゆっくりを多数投入することに比べ、集落ごとに年一匹の犠牲で済むことから人道的な手段といえよう。 最後に、計画実行中のゆっくりの取り扱いについては注意点が一つ。 前述の避妊処理を施した個体だが、ゆっくりの体は脆弱であるため、衰弱死、事故死は避けられない。だが、ありすたちが一通り 満足できるまでの期間、提供ゆっくりには生き長らえてもらう必要がある以上、担当職員にはきめ細かいケアが求められる。職員各位の 鋭意努力を期待したい。 なお、十日間生き延びた個体(※)は、ありすのマンネリを防ぐためにも計画から外すことが望ましい。 ※ これまでの提供ゆっくりの最長生存日数は五日間』 「んほおおおおおおおおおおおおお!!!」 青年がマニュアルを読んでいるうちに2回目が始まったらしい。 お菓子に偽装した避妊薬を飲まされたまりさは、簡単に死ぬこともできずに散々になぶりものにされ続けるだろう。 一時間ほど前まで、輝かしい未来に向かって一直線に進んでいたはずなのに。 「だめえええええ、しんじゃうのほおおおおおお!」 「うふふううううう! じぬほどいいのねえええええ!」 嬌声が響き渡る中、ようやくマニュアルを読み終えて、青年には嘆息がもれてしまう。 不注意だったのは、それが上司の目前だったこと。 「どうした? やはり、入りたてでこの仕事はつらいか?」 「いえ、何でもありません。すいません」 聞きとがめての言葉に、慌てて釈明する青年。 だが、その素振りで初老の男の眼差しにかすかな影が差した。 それでも、部下に任せて経験を積ませる重要性は理解しているだけに、上司も何気ない風を装う。 「じゃあ、三時間ぐらいしたらこの扉を開けてまりさを寝床まで運んでくれ」 「はい、わかりました」 「ああ、それと。もしまりさがこのことを何か訪ねてきたら、マニュアルの最後のページの対応例を参考にしなさい」 ついつい老婆心を働かせながら忠告する上司に、頷いてみせる青年。 だが、その目線はほとんどまりさの悲鳴すら聞こえてこなくなった部屋へと向けられている。 再び誘われるため息。 自分はこんなことをするためにここに勤めているのだろうか。 誰も答えの出せない疑問を心の中で繰り返しつつ、長い三時間の待ち時間を潰していた。 きっかり三時間後。 日は山々の向こうに沈んだばかりで、薄闇が色を濃くしつつある時刻。 青年がまりさの逃亡を警戒しながらそっと扉を開けると、青年は自分の警戒が無意味であることを悟った。 つやつやとした笑顔のありすたち。その中心で、まりさはひしゃげた体で横たわっていた。 黒かったまりさ帽子は、ありすのカスタードでほとんど真っ白。ぜいぜいいと息がもれるたびに、たらりとまりさの口の端から白いものが流れていく。 悶絶して目を見開いたまま気を失いかけているまりさ。 しかし、気を失おうとするたびに、愛撫のように体をこすりつけるありすたちに揺り起こされていた。 「寝ないでええ、まりさああああ! ねえ、ありすをあいじでる、ありすはさいこうだっていってえええ! ぴろーとーくもちゃんとするのが、とかいはよおおおおおお!」 意思を失った瞳で虚空を眺め続けるまりさ。 「今日はもう時間だ」 青年が嫌悪感をこらえてありすを引き離すと、名残惜しそうにねっとりとした粘液がまりさとありすの間に橋をかけた。 まりさは体力の消耗と、自らに降りかかったことのショックでただ丸まっているだけ。本当に饅頭のようだった。 もちろん、自分で寝床まで歩かせることなどできるはずもない。 青年は、まるで犬の死体を運ぶように猫車にのせ、別室のまりさの寝室まで運んでやる。 まりさがようやくたどりついた、自らにあてがわれたの空間。そこは、中央にマットを置いただけの狭い部屋だった。窓には鉄格子。 顔を覗かせたばかりのお月様も、格子模様に抜き取られてまりさの目にうつる。 群れで見たまん丸とは違う、いびつなお月様。だが、そんな月を見てもまりさの心には何も響かない。 「どうじで、どうじで、どうじで、どうじでえ……」 まりさはうわ言を繰り返すだけの置物だった。 体中についた白いものを青年がふき取る間も、その手の動きに任せたまま力なくへたっていた。 体の汚れがあらかたふき取られ、部屋のマットに置かれるまりさ。弾力を失って広がる体。 「いだいいい、ぎもぢわるいいい……」 青年がその片腹の桶で手ぬぐいを洗っていると、ようやく少しだけ我を取り戻したのか、まりさは意思のある言葉を呟きはじめる。 「体中が、死んじゃいそうなほど、いたかったよ……」 「大丈夫。寝ていれば明日までによくなるさ」 手ぬぐいを桶に放り込みながらの青年の答えもまりさには何の慰めにもならない。 まりさの心は、わずか三時間でくたくたに憔悴しきっていた。 すっきりさせられ続けた体と、蹂躙され尽くした体。 ぶるぶると恐怖の名残がまりさの芯を震わせている。 「まりさは、やめでって、なんどもなんどもいっだのにいいい! いだぐでっ! ごわがっだあああっ!」 記憶に刻み込まされた、体中をこねくりまわすありすの汁気が滴る体の感触。何度も悪寒となって蘇り、まりさは叫ばずにはいられなかった。叫びながら震えていた。 欲望のままに、押しつぶすように、叩きつけるように、粘液まみれの体がまりさの上を何度も這い回る。 息もつけない苦痛と恥辱。その間、ずっとまりさを見つめていた瞳孔の縮んだありすたちの見開いた瞳。 自分のいた群れの優しく親切なありすとはまったくかけ離れた姿だった。 「あんなの、ありすじゃないよ。ありずの中身が誰かに食べられちゃって、代わりにバケモノが中に入っちゃったんだよね? だっで、ありずは……あんなバケモノじゃないよおお! 本当のありずにもどじでえええええ!!!」 青年は何もいえなかった。 ありす種の本質は、本能を押さえ込める気位の高さ。本能は理性ある生き物にとっては本質ではない。旺盛な性欲を上回る理性こそがありすの本分。 そんなありすの心を徹底的に追い詰め、蹂躙し、打ち砕き、群れを維持するための生殖本能だけを肥大した存在にしたのは、彼ら自身だ。 「なんで、ありすも、おにーさんもゆっぐりじでないのおおおおおおっ!!!」 まりさの絶叫に応じるには、青年の持つ言葉と人生経験はあまりに貧相だった。 青年は上司から言われたとおり、マニュアル本から「ゆっくりのストレスを軽減させ、長持ちさせる用例」のページを思い出していた。 「でも、歌劇団に入るには必要な試練なんだよ。歌劇団のみんなも、一度は体験しているんだ」 「……みんな、しているの?」 「ああ、そうだ。舞台に立つ子は、必ずしている」 悲嘆にくれたまりさの目が、考え込むような遠くを眺めている。 やがて、ぷるぷると首をふった。 「そう……なんだ。でも、まりさはもう一日だって耐えられないよぉ」 うわごとのような口調で呟く。 今、その心をどれだけの不安と苦痛が押しつぶそうとしているのだろう。 青年はいまさらながら、余計なことを気にしたと悔いが芽生え始める。 何か声をかけなければと、慰めの言葉を思いつくまま口にしていた。 「でも、今日乗り切ったじゃないか」 だから明日も大丈夫と言葉を続けようとした。 だが、弾けるように顔を上げたまりさによって妨げられる。 「ゆ! じゃあ今日でおしまいなんだね!」 それはあまりにも浅はかな早とちり。 これからも死ぬまで続くと訂正をしなければならない青年。伝えようと、口を開くことまではした。 それなのに、悪夢から覚めたようなまりさの表情を見て、何もいえなくなった。安堵に緩んだ表情は、片栗のしとやかな花弁のよう。 「明日からのお歌やお芝居の練習が楽しみだよ」 目の前に自分でぶらさげてしまった希望に、必死に食いつこうとしているまりさ。 力いっぱい飛び跳ねたところで、最初から餌などなかったと知るだけなのに。 「まりさ、たくさんお歌を知っているんだよ……」 音階らしきものがまりさの口からこぼれるのを、青年はいたたまれない気持ちで聞いていた。 無言で、しばらくまりさの歌声に耳を傾け続ける。 「今日は早く眠ったほうがいい」 散々に迷った挙句、歌声が途切れたところで表情を隠して声をかける青年。 しかし、青年の言葉が届くよりも早く、まりさはほっとした心地のまま静かに寝息を立て始めていた。とうに身も心も限界を迎えていたのだ。 寝息が熟睡の深さとなるまで、身動きもせずにまりさを見下ろしていた青年。 が、やがて逃げるように、その場を後にしていた。 起き掛けのまりさのまぶたに、まばゆい朝の光。 寝ぼけ眼で二日目を迎えたまりさ。 うっすら開いた視界は、いつもよりずいぶんと高い。 「ゆー、おそらとんでるみたいー」 眠たげに呟くまりさ。 だが、意識が鮮明になるにつれて、廊下に投げかけられる影の形で自分が人間に抱えられていることに気がついた。 見上げた先には、青年の考え込むような仏頂面。 「……おはよう、おにーさん」 控えめに声をかける。 「ああ、おはよう」 青年は足を止めると、まりさを見下ろして静かに朝の挨拶を交わす。 そのまま、じっとまりさを見下ろす青年。 なんだろうとまりさが疑問を口にするよりも早く、青年はため息だけを残して視線を外した。 無言で再び歩き出す青年と、その腕の中のまりさ。 元はおしゃべりなまりさだが、まりさも一言も話さない。音は廊下に反響する靴音だけだった。 まりさは緊張していた。 青年の連れて行く先が、あの昨日の悪夢の舞台ではないかと。 だから、その部屋へ通じる廊下を素通りして、階段をおりていく時、まりさは心底ほっとしていた。 よかった。おにーさんは約束を守ってくれたんだ。 「おにーさん、今日はどこにいくの?」 たずねるまりさの声も、少しだけ明るさを取り戻しつつある。 「中庭だよ」 足元をみながら階段を下りていく青年の言葉に、まりさの顔がほころぶ。 自分の体を、冷たくて硬い床じゃない柔らかな土の上に置ける喜び。目に浮かぶのは、お花さんや、ちょうちょさん、おひさまさん。ゆっくりできる空間で、お楽しみのお歌とお芝居のお稽古。 「おにーさん、まりさがんばるね!」 「え!? あ、そうか。そうだね、がんばって」 まりさの言葉に目を見開く青年。だが、苦しそうに目をつぶって、まりさを応援してくれた。 「うん、がんばるよ! ゆふふー。まりさのおうたの上手さに、おにーさんびっくりするよ! まりさのおうたは、れいむも褒めてくれたんだから!」 得意そう笑っていたまりさ。 だが、まりさの笑い顔は視界にあるものを映して凍りつく。 「ゆぎいいいっ!?」 短い悲鳴。 そこは、中庭に面した廊下。その等間隔にならぶ中庭の窓と、金属の枠に全面ガラスをはめた扉越しに、鈴なりにびっしりとはりつくありすたちの姿があった。 「まりさあああ、まりさあああああ、まりさああああああああ!」 「なにもじないがら、ゆっぐりあぞびましょおおおおおおおおお!!!」 すでに相当に息が荒い。 窓がありすたちの吐息で白くかすみがかり、べろりとありすの舌が窓をぬぐうと、その向こうに爛々と輝くありすたちの目がひしめきあっている。 一目見ただけで、昨日より数が若干多い。見える範囲で十四匹はいるだろう。 昨日の部屋に入りきらなくなったがゆえの、中庭への移動だった。 「お、おにーさん、ちがうよね? あそこは、なかにわじゃないよねええええ!?」 すがるようなまりさの言葉に、青年は反応しない。 扉の方角へ向けてただ歩いていくのみ。暴れ始めるまりさの体をぎゅっと押さえ込んだままに。 「も゛う゛っ、あんなごど、もうじなぐでもいいのに、なんでえええええ!?」 まりさの脳裏に、昨日のおぞましい感触が蘇ってわめき散らす。 が、青年の拘束は小揺るぎもしない。 「ありすのしろいのっ、もういやだああああ! もうみだぐないいいい! ざわりだぐないいいいい!!!」 「これも劇団に入るための試練だから、がんばれ」 焼け石に水とはこの言葉だな自嘲しながら、ぎこちない激励を送る青年。 だが、あのありすの群れに責め立てられれば、例えにんしんしなくても無茶をされて殺されかねない。 命と劇団。天秤にかけるまでもなかった。 「劇団はもういいよおおお! おうぢがえだいいい! いぎで、おうぢがえるのおおお! れいむにあわぜでえええ!!」 ついに言ってしまったと、まりさの心にわきあがる罪悪感。 群れのみんなの期待も、群れのみんなが得られるはずだった冬越しの食料も場所も、この言葉で失ってしまった。 でも、その代わり生きて帰れる。れいむたちにもう一度会える。 そうしたら、もう歌劇団のことは諦めさせて、二人で群れから外にでよう。 それだけで、十分しあわせなんだから。 「それは、だめだ」 「どぼじでえええええええええっ!?」 まりさの身もさけんばかりの絶叫。 あまりに素直なまりさの心は、これはあくまでも歌劇団の選考か何かだと思い込んでいた。だから、信じていた。降りればそれで終わりだと。 ありすの犠牲の羊とするためだけに呼ばれたことに、まるで気がついていなかった。 「今日は昨日より少し多いけど、まりさなら大丈夫だ。4時間がんばれば必ず助けにいく」 「いやだあああああああああああ! 4時間も、ゆっぐりしちゃ、だめええええええ!!!」 まりさの絶叫を無視して中庭への扉を開く青年。 未だ絶叫のほとばしるまりさの頭をわしづかみし、アリスのこもる中庭へと放り込んだ。 すぐさま殺到するありすたち。 ありすたちの頭の上に担ぎ上げられ、その上をころころと中庭中央へ転がされていく。 「みんな、ゆっぐりじでよおおおほおおおおおお!!!」 窓越しにビリビリと伝わるまりさの叫びをBGMに、一斉に前後左右、上から下から愛を押し付けてくるありすたち。 蟻の巣の手前に飴玉を放り投げたらああなるのだろうか。 まりさを核に一つの玉となった集団を見ながら、青年はどうでもいいことを考えて気持ちを落ち着かせている。 が、一人になってしまうとどうしても考えてしまうことがあった。どうして自分は昨日、あんな誤解を解こうとしなかったのだろう、と。 余計、打ちのめされるだけとわかっていたはずなのに。 座り込んで、自分の行き当たりばったりな言動を悔やんでいる。 その場限りの優しさがどれだけゆっくりまりさを弄んだか、人語と感情を有するゆっくりだけに、青年の心へも少なからぬ負担をかけていた。 誰かに話して、助けてほしい。 青年がふと、そんなことを思ったときだった。 「そっちは始まったか?」 青年を我に返したのは、上司の初老の男。 御者の頃のしゃれた服装は今日はもうしていない。着古された作業服で、胸には加工所主任の札が揺れている。 「はい、今はじまっています」 立ち上がって応答しようと腰を浮かした青年を、「いいから」と手で制してその隣に座り込んだ。 そうして、ちらりと青年の顔を除きこむ。 「悪いな。急に場所が変わって」 「いえ、一日目で死んだゆっくりがいたから、仕方ないですよ」 「ああ、まったく。自殺を許すなんて信じられん管理だ」 主任の声色が苦々しいそれに変わる。 昨日、一人の職員の担当する別のまりさが、夜に壁に何度も体をぶちあてて死亡した。目を離していた隙の出来事。 自殺前、担当する職員が正直にこの苦しみは死ぬまで続くこと、歌劇団が嘘であることを告げていたという。 「おかげで、あぶれたありすは他で分担することになった。今回は、早く終わりそうだね」 この加工所に連れてこれれたゆっくりは、一匹につき十数匹のありすが割り振られている。それが、一匹死ぬごとにありすがが分配されていく。 同時に、ゆっくりを犯すだけでは飽き足らず死亡させた性質の悪いありすが他の場所に入り込み、後半になるほど致死率が高い。 どうせ、後で苦しんで死ぬぐらいなら…… 「早く終わったほうが、いいかもしれませんね」 ありすの囲いから這い出して、よたよたと逃げ始めるまりさ。その白濁した足取りの痕跡を眺めながら、青年は呟いていた。 その汚れた足取りをかき消すのは、後を追いかけていく体力気力充実のありすたちの群れ。 弾む体の地鳴りの中から、「まりさはありすとふたりっきりになりたいのねええええ! いま、いぐわああああああん!!」という嬉しげな声がもれてくる。 「そうかね? 早く終わってしまうと、ありすのストレスが解消しきれないから私はごめんだな」 憮然とした主任の表情を見て、青年に思わず薄笑いがこぼれる。 ぎこちなく頷く青年。 「加工所のため、ですね」 「ん? お前、どうした?」 その表情にさした影に、主任の男が疑問を感じたそのときだった。 窓を振るわせる鈍い振動。 「おじさん!? ゆ、ゆっくりしないでたすけてねええええ!!!」 まりさが、ありすに追われながら必死にガラス張りの扉にはりついていた。 主任の男は、まりさの記憶の中ではまだ優しい御者の男。甘いお菓子をくれた親切な人のままだ。 「きっとおじさんがまりさをちがうところに連れてきちゃったんだよ! はやく本当の歌劇団につれていってね!」 「なるほど。実にゆっくりらしい、ポジティブな善意の解釈だね」 感心しきりの主任に比べ、青年の表情はこわばっていた。 なぜなら、土煙をまきあげるありすの一群が、まさにまりさへと飛びかかろうとする、その間際だったからだ。 「ま、まりさああああああ!! 人に見られながらするのがこのみなのねええええええ!?」 「まりさがそんなへんたいなんて、しらなかったわああああああ、すてきいいいいいいいい!!!」 「やめ……っ、げびっ!」 後ろから扉に押し当てられ、まりさの嘆願は押しつぶされた。 ゆっくりたちの体重の乗せられたガラス戸。しかし、ゆっくりの脱走に備えて格子状に細い針金を組んだガラスは割れる気配もなく、ただまっ平らにひしゃげたまりさたちの顔を写すだけ。 まりさの唇がぱくぱくと鯉のように開いて閉じる。 その苦悶の表情は、苦しい、気持ち悪い、たすけてくださいと声なき声が聞こえてくるようだ。 ありすたちの表情は対照的に悦楽の笑顔。 「おじさん! ありすのあいを受けて、しあわせなまりさをきちんと見てあげてね!」 ガラス腰にくぐもったありすの声が響くが、そんなまりさなどどこにもいなかった。 それでも、主任は楽しげなありすの様子に満足そうに頷く。 ガラスを何度も打ち鳴らす激しい交尾を始めても、表情一つ変えない。 「ふー、ちょっとだけすっきりしたわ! 次は向こうでお仕事している人たちに見せ付けてあげようね」 やがては、向かい側に引きづられていくまりさ。 「たずげでよおぉぉぉ……」 弱弱しい声もすぐに聞こえなくなり、姿も草むらの影へ消えた。 もう、こちらからはどうしようもない。ありすが何をしようと、4時間はありすの好きなようにさせるしかない。 ここで4時間後を待てるほど、新入りの青年はゆっくりしていない。この間に書類仕事を片付けなければと、腰を浮かしかける。 「ちょっと、いいかな?」 が、その背中に低い声がかけられた。上司の落ち着いた声。 言外にこめられた有無を言わせない響きに、青年は上げかけた腰を再び下ろしていた。 「君はさっき、『早く終わったほうがいい』といったね。どうしてだい?」 咽が鳴る。まりさの乱入で忘れてしまったと思っていた言葉を聞きとがめられて、青年は我知らず唾を飲み込んでいた。 青年は上司の興味深げな眼差しをいなす言葉を捜し始める。 「ええと、深く考えていませんでした。計画の目的からいえば、確かに早く終わってしまうと加工所のためになりませんね」 「深く考えていなかった、か。君は思慮深いタイプだと思っていたのだがね。勝手な想像で悪いが、早く終わればまりさたちが苦しまないでいいとか、思っていたんじゃないかい?」 「そ、そうですか?」 はははと、誤魔化そうとした愛想笑いは上司の眼光の前にあえなく凍りついていた。 上司が口の端だけをゆがめて笑う。 「わかるさ。誰もが通った道だ」 言いながら、ふと遠く見る上司に、青年は下手ないいわけを謹んで、その言葉を待つ。 「この仕事はな、ゆっくりが可愛いとか、憎いとか、そういう思いで続けるとつらくなる」 「え、憎んでいてもですか?」 「ああ、ゆっくりという生き物に特別な感情……餡子の材料以外の意味をつけると、この仕事は苦しくなるんだ。だから、新人は一年間、加工所の敷地から出さずにみっちりと慣れさせる。厳しいとは思うが、仕方が無いんだ」 青年は自分を振り返る。 養殖もののゆっくりなら何度か加工に参加した。みんな同じ環境、同じ反応、同じ最後。機械的に工程に従事することができた。 ただ、外部で様々な個体と触れ合った個性的なゆっくりともなると話は違う。あまりにも人間的すぎて、それでいて愚かで素直。機嫌がよければ愛らしくもある。青年は、すでにものとして見られなくなっていた。 「主任は、あらゆるゆっくりを材料として見ているのですね」 聞きながら、青年は無駄な問いかけをしていると自覚していた。 この、現在携わっている計画を立案実行しているのはこの男なのだから。 「ああ。それ以上でも以下でもない。扱いがデリケートなだけの材料」 予想通りに言い切った主任の言葉だったが、突然にその表情を和らげる。 「……という考えを持つようになったのは、私も最近のことでね。要するに、そのうち慣れるから今はまだ悩んでいなさい」 さりげない寛容さだった。 ふうと、ため息とともに青年の緊張が解けていく。 「さて、と」 そんな青年の様子をおかしそうに見届けて、ようやく立ち上がる主任。青年も慌てて後に続く。 「それじゃあ、私は他のところの様子を見に行くからね」 「あ、はい。おつかれさまです」 軽く会釈しようとする青年。 が、上司の話はそれで終わりではなかった。 もっとも重要なことを、まだ上司は話していなかった。 「最後に、一つだけいいかな」 静かだが毅然としたその口調に青年は息を飲む。 「私たちが責任を持ったり、正面から付き合わないといけないのはゆっくりではないよ。それを材料につくりあげる商品の質と安定。そして、それにお金を払うお客さんたちだ。忘れるなよ」 若い心に大きな釘を刺されて、ぎこちなく頷く青年を残し、主任の男は次の現場へと立ち去っていった。 続き?